大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/08/11
会議録
○藤枝小委員長 これより会議を開きます。 一言ごあいさつ申し上げます。 今般、皆さまの御推挙によりまして小委員長に就任いたしました。税務行政につきましては、種々問題も指摘されておりますおりから、本小委員会の使命もまた重大なものがございます。つきましては、皆さまの御協力を心からお願いいたしまして、就任のごあいさつといたします。(拍手) 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。横山利秋君。
○横山小委員 いろいろとお伺いしたいことがあるのですが、最初に、青色申告は帳簿を調べて間違いを正しく指摘し、しかるのち更正決定をするということについて、もう本委員会でこの問題を取り上げたことは、私の経験をもっていたしますとずいぶん多いのであります。そのたびごとに御返事をいただき、まあまあ納得をするわけでありますが、全国においてこの種の紛争事件は実にとどまるところを知らない。それで裁判の判例も幾つか出ておる。ほんとうに帳簿をきちんと調べて後やったか、また理由付記についても争いのないようにきちんと理由付記をしたか、そういうことについては、もういいかげんに国税庁の親切な指導というものが徹底していなければうそだと思うのです。それがいつまでたってもこの種の紛争が訴訟事件になったり、あるいは納税者の不満になったりする。ということは、税務官吏並びに機構というものが、そういう税法上にしるされた行政当局及び職員の義務、また逆に言えば納税者の知る権利、これを正確にすることをおそれておるのではあるまいか、そういう感じがしてなりません。 ここに例としてあげますのは、具体的事件であって恐縮でありますが、中野区本町通り有限会社糸平代表岡田儀平という人であります。この事案を簡単に言いますと、申告が、二十五年が欠損、次の年度も欠損、次の年度が利益九万二千円、それに対して更正決定が三年にわたって増差税額が出た。そうして本人は二十九年の十一月に異議申請をしたところが、協議団で却下になった。それで本人は三十年九月に訴訟をした。三十四年に審査がまた行なわれた。四十年、つまり本年の五月二十七日に判決があった。その判決は全部原告の主張を認めた。その過程で、本人は三十五、六年ころであったか、百三十万円の増差額に対する税金を納め、地方税も含めると二百万円本税並びにその他を納めて、なおかつ争っておる。約十年間争っておるわけであります。その原因を判決理由から調べてみますと、要するに、青色法人は帳簿書類その他の関係において、帳簿書類の記載以上に信憑力があると思推する資料を示して、そうして処分の具体的根拠を明らかにする必要があるにかかわらず、税務当局がこれをしなかった。理由付記についても、この判決のみならず四十年の四月、山口判決でまたニュアンスの違いが出ていますが、しかし税法上この理由付記については、納税者がたとえ理由が推知できるかいなかにかかわらず、帳簿の正確記載の義務づけの半面、納税者の権利であるから、審査決定の段階で理由を補完すればいいという考えはとるわけにはいかない。つまり、更正決定のときには理由はいいかげんにしておいて、そうして審査決定のときで理由がはっきりすれば、それで税務当局の義務は尽くしたんだという考えもいかぬ、こういうような判決によって、私の聞くところによれば、当局はさらにこれを高裁に控訴をするという話であります。しかし、この判決書を見ますと、私は当局側にどういう争いの主張があるか知りませんけれども、この税法に基づく帳簿をまずきちんとし、青色申告自体を調べること、理由付記は明確に書くことということを過小に解釈をして、あくまで争おうということはとらざるところではないか。この税務当局の義務と規定してあるところは厳格にこれを理解してやるべきがほんとうなのではないか。これはこの理由付記なり、帳簿を調べるということについては、自分の立場、つまり、なるべく簡単に書けばいいんだというふうに過小に解釈し、納税者が過大に解釈したところで、あなた方が今日までここで言っておるところから言うならば、むしろ納税者側の立場に立ってこの税法の運用ははかるべきではないか、こう私は思うわけであります。同僚諸君にやや主張を説明したつもりではありますが、国税庁においては、事前に下調べをしていただくようにしてありますから、事情は御存じだと思いますが、私の主張についての御返事をいただきたい。
○中嶋説明員 お答え申し上げます。 この事案につきまして、事実問題につきましては、ただいまお尋ねのとおりであろうかと思います。理由付記の問題でございますが、これは更正処分をいたしましたときの理由付記、これにつきましては判例もいろいろございます。それらは、結局はっきりした理由をしるしておけ、相手方がその他の事情で理由をわかっておるといなとにかかわらず、はっきり書いておけということであります。 この事件につきましても、問題が二つあろうかと思いますが、第一は、更正通知書に理由を詳細に書くべきである、しかしながらそうなっていないというのが第一点、第二点は、その後の審査の決定に当たりまして、その理由を補完しておる、その補完は実は許されないことであるという、この二つの点がこの判決の要旨であろうと思うのでございます。これらにつきましては、実は最高裁の判決もあるわけでございますけれども、補完してはいけないという点につきましては、実は下級審におきましては判例も分かれておるところでございます。ただいま横山さんがちょっと触れられましたが、山口地裁における判例もございます。若干ニュアンスが違っておるということでございます。そこで、国税当局といたしましては、審査の段階で理由を補完してはいけないという点につきましてはやや違った考えを持っております。したがいまして、判例もある程度いろいろニュアンスの違うものもございますので、この点はっきりさせたいという趣旨から控訴した次第でございます。
○横山小委員 これは同僚諸君にひとつ一緒に考えてほしいのでありますが、下級審で理由付記を十分にしなかったのは明らかにいかぬ。これは国税当局も認めるわけであります。上級審で理由付記をはっきりした、だから下級審でやったことは、これは治癒された。これが山口地裁の判決であります。本人が争っておるのはこの時点、つまり下級審における国税当局のやり方が間違っておるから私は争ったんだ、こういうわけですね。あとで措置をしたからいいといったところで、これは理由にならぬ。けんかをしたときに、お前がおれをなぐった、こういうのです。それが済んでから、もう一ぺんけんかをして、あとでなぐったから、お前がおれをなぐったのはこれでさよならだ、こういうばかげた話はない。その時限において、一番最初の税法によって納税当局の義務としてしるされたことを履行しなかった、理由付記をしなかった、それで争いを起こした。そうしたら上級審、つまり再審査なりの過程で理由を付記したから、もうお前の争ったことは、これで話は終わったんだ、こういうばかげたことは私は許されぬと思う。常識上でもこれは許されぬ。だから、前にやったことが理由付記がしてなかった、あるいは帳簿の誤りを正しく指摘していなかった、そういうことはあなたのほうとしてもいけないんだと認めるのでしょう。認めておきながら、この審査の段階で理由を付記したから、あのときのことは、これで争っていることはもう意味がないということは、私はけしからぬ主張だと思う。それから、こういう判決の中にはこういう意味がある。決定内容の理由に誤りがなければ更正処分自体の違法性が左右されることはないとあなたのほうは主張したわけであります。つまり、五十万円なら五十万円の税金をかけたことについては間違いがないと信ずるから帳簿の信憑性を指摘しなかった、あるいは理由をはっきり書かなかった、そんなことは手続の問題ではないかとあなた方は主張していらっしゃる。五十万円に間違いがなければ、そういう税法上のおれたちの義務になっておることは、いいかげんなことをやっておっても五十万円は生きる、こういう主張はいかぬと指摘をされた。これは私は同感であります。しかしながら、結論から私が言いたいことは、この税法の解釈、青色申告の特権に関する税法の規定を過小にあなたのほうは解釈していらっしゃる、納税者は逆に過大に解釈したいという気持ちがある。けれども、これはあなたのほうの義務であり、青色申告の特権であるならば、かつまた長官がよく言うように、親切な税務署としての意識に徹底するならば、明らかに帳簿の信憑性について具体的に指摘すること、理由付記を明確にすること、これは当然なことではないか、なぜそれを争うんだ、おれの書いたことはこのくらいであっても納得できるはずだとか、手続にかりに違法性があっても、内容に間違いがなければいいだろう、なぜそういうことを主張するのか。長官が言っていることと、あなた方の現場でやっていることとは違いがあるではないか、私はそう思う。
○中嶋説明員 ただいま理由付記の問題でいろいろ御議論があったわけでございますが、実はこの事案は二十五、六、七年ごろの事業年度の事案でございます。非常に裁判が長引いておるわけでございますが、実は青色の取り消しあるいは更正処分の理由付記につきましては、初めは仰せのようにわりあい軽く考えておった事実があったと思います。しかしながらその後いろいろ裁判等で争われまして、これではいけないということになりまして、次第に、理由付記につきましても、国税当局の内部におきまして、こういうふうにしなければいけない、はっきり書かなければいけないということで指導をいたしてきたわけでございます。したがいまして、当時の事案でございますから、いまの目で見ますと、内容につきまして、現在やっておることと当時の処分との間には若干ニュアンスの違いがあることは私ども認めざるを得ないと思うのでございます。ただ、理由を追加して補充してはいけないかどうかという点につきましては、私どもまだ若干疑問を持っておるわけでございまして、例の最高裁の判例につきましても、この点はいけないということは言っておらない。したがいまして、下級審でいろいろな判例が出るわけでございますけれども、これらにつきましてはっきりした判例をつくりたいという点もございまして控訴したわけでございます。理由付記ははっきりしなければいけないとおっしゃる点につきましては、私どももそういう方向で指導をいたしておるつもりでございます。
○横山小委員 理由付記の追加を再審査の段階でしてはいけないと言っておるわけじゃない。しかし、理由付記を再審査の段階でしたから、更正決定で理由付記をしなかった罪、違法性が阻却されるものではない、これが私の言い分なんです。相手が私をなぐった、なぐられたからというて裁判に訴える、その過程で私が相手をなぐった、だから最初相手が私をなぐったということの罪、それが阻却されるものではない。私は、あなたのほうが次から次へとそれが悪かったと思って、その理由付記を再審査の段階なり裁判の段階で出されるならば、それは何も悪いことじゃないと思う。けれども、一番最初の違法性――税法はその時限で審査するのですから、その時限で決定をしたその決定の絶対条件である手続に違法性があったことがそれで阻却されるという主張は成り立たないと私は言うのです。その点はどうなんですか。
○中嶋説明員 この判例そのものが、いま先生が仰せのような論点から、行政処分の違法性の判断は処分時の基準でやらなければいけないという点から見て、あとでそれを補完することは誤りであるということをこの判例は言っておるわけでございます。先生もそういう立場から御質問になっておると思うのでありますが、私どもは全面的にすぐこれに乗り移って税務行政全体を指導していっていいかどうか、若干疑問がございますので判例の上で争ってみたい、かように考えております。
○横山小委員 あなたのようなことが許されるならば、最初の更正決定の理由付記は空文になりますよ。最初の更正決定の理由をいいかげんに書いておいても、相手が再審請求をしたときにまた十分調べてやって、そうか、やってくるか、おまえらあくまで争うというのならあくまでやってやるぞというようなつもりで、その段階において時間をかせいで理由付記の追加をやればいい、こういうことになってしまうじゃありませんか。そういうような指導を税務官吏がなさったらえらい迷惑千万な話です。あなたはそういう指導をやるつもりはないとかりに言ったところで、こういう判決と違う、最初の理由付記はあいまいであってもいいよ、あとで再審査の段階できちんと書けばいい、裁判で勝てるのだ、そんな指導をあなた方がなさったら、何のために一体この青色申告の特権がその絶対条件として生きてくるのですか。そんなことはけしからぬじゃありませんか。
○中嶋説明員 あるいはお答えのことばが足りなくてそういうふうに誤解をなされたかもしれませんが、原処分に十分な理由付記がない場合、これは実はいけないことでありまして、私どもはそれがないように指導しておるつもりでございます。しかしながら、審査決定の段階でそれを取り消すわけじゃなくて若干補充することは、補充すれば治癒されるという判例も一方にあるわけでございます。これは御存じのとおりでございます。それらにつきまして、もう一つはっきりした判例をいただきたいと思いましてあえて控訴したわけでありまして、行政上の指導は、仰せのように、更正決定の処分通知書にははっきりした理由を書かなければいけない。これはこの事件が起こりました当時とはかなり違ってまいりまして、現在は詳しくなっております。その辺を御了承願いたいと思います。
○横山小委員 納得できませんね。あなたのお話だと、両方の判決があるから、はっきりした判決をいただきたいと言っているのだが、それじゃあなた自身はどうなんですか。判決を一応たな上げにしておいて、あなた自身はどちらの判決を支持しているのですか。あなたは山口地裁の判決を支持するのか、東京地裁の判決を支持するのか。つまり、あなたの判断によれば、山口地裁の判決を支持して、最初の理由付記はあいまいであっても、再審査の段階でそれを追加して、つまり適法性のある理由付記をすれば、最初はいいかげんな理由付記であっても合法性があるという主張をあなたは主張するのですか。そういう主張をすれば、私の言うように、最初の理由付記はあいまいであってもいいのだという行政指導をなさるという結果になりますぞ。あなた自身はどちらの判決を支持するのですか。
○中嶋説明員 国税当局といたしましては、現在までのところ、山口地裁の判決のように、あとで更正の段階で理由付記を補完しても、それは決してそれによって全体がだめになると申しますか、違反性が阻却されないということにはならない、治癒されるというふうに私どもは考えております。だからといって、先生の仰せのように、初めの理由はどうでもいい、適当な形の理由付記をしておいてあとでそれを補完すればいいということには直ちにならないわけでありますけれども、基本的な点につきましては、これはもちろん訴訟でございますから、個別の具体的な問題がございます。ございますが、この点につきましては、その点は私ども争っていきたいというふうに考えておるのでございます。
○横山小委員 これはやや水かけ論になってきた。あなたの答弁は言語道断だと思う。そんなばかな話がありますか。それは判決も、場合によっては違う判決が出る場合もある。けれども、親切な、親しみやすい税務署だとか、納税者の利益になることはなるべく教えてやれとか、税務官吏が職権乱用してはいかぬとか、一体何のために訓辞しているのですか。一方で、理論的には最初の更正決定の際の理由付記があいまいであってもあとでやれば適法だという主張を持っておられて、一体何が親切な税務署ですか。これは判断をひとつお三人の人にこもごもいただきたいと私は思う。そんなばかなことはないですよ。問題はきわめて明確な問題です。少なくとも私はこの二つの判決を見比べてみて、国税当局が平素言っていらっしゃることばでいくならば、東京地裁の判決を行政指導としてはなさるべきが当然ではないかと思うのであります。長官からまず責任ある御解釈を承りたいと思います。これは常識の問題だと思います。
○吉岡政府委員 お答えを申し上げます。 横山先生おっしゃいますように、青色申告につきまして、更正をいたしますときに理由を十分はっきりしなければならないという点はお話のとおりだと思いますが、国税庁としてもその辺ははっきりするようにという指導をいたしておるわけであります。できるだけはっきりしたつもりでおりましてもなおそれが不完全だったという場合に、次の審査の段階でそれを補完するということができないという判決と、それは補完をしても前の更正の処分は有効であると申しますか、原処分が治癒されるという趣旨の両方の判決があるわけでございます。おっしゃるように、そういうことを認められれば、最初の理由のところが非常にあいまいな、どうでもいいようなことの指導になるかというお話でありますが、そういうつもりはないのでございまして、できるだけ親切にはっきり理由を付記するような指導をいたしますが、それがなおかつ不完全であった場合に、次の審査の段階で補完をすることが許されないということは行政上困るという感じで、その辺のいろいろ違った判決のある点の統一した判決をいただきたいという趣旨で控訴をいたしておるわけであります。
○横山小委員 長官は問題をそらしてもらっては困る。あなたはよくわかっておってそらされるんだけれども、追加して理由づけをするということがいかぬと私は言っているのじゃないのです。問題は、最初の理由付記が不完全で、違法性があるとすれば、その時限において判断をすべきことである。あとから再診査の場合に理由付記を追加すれば前のやった罪は取り消される、こういう考えはいかぬと言っているのです。これは常識豊かな藤井政務次官にお聞きすれば、私は問題は解決できると思います。
○藤井政府委員 たいへん法律解釈論の、裁判所でも二つの意見に分かれているような微妙な問題であろうと思うのでありまして、私は実はいま初めてお話を聞いたわけでございますが、最初の更正決定のときの理由付記のその次の段階における補完の程度といいますか、こういったところでケース・バイ・ケースといいますか、そこに事案の判断の分かれ目があると思うのでありまして、私はもう少し内容的に事件の真相を私自身が勉強しなければ、何とも判断ができません。横山先生言われることも、私は一応わかります。親切な納得のできる観点からいうと、更正決定のときできるだけ詳細にその更正される理由を納税者に教えるということは当然なことだと思うのです。ただ、お互い人間の社会でありますから、お役人も神さまではないし、あとから多少手直しといいますか、ある程度補完をしていく、それがどの程度のものであるか、そこら辺で私は解釈が二つに分かれてくるのではないか、こういうふうに思いますので、まことに明快に、こっちだということは、これはひとつそれこそ裁判所に判断を仰ぐといういまの運び方の結果を待たなければならぬというふうに思うので、ひとつこの程度にお願いしたいと思います。
○横山小委員 こんなことがケース・バイ・ケースとは言われたくないですね。これは明らかに二つの観点から考えなければいかぬ。しかし一番最初の段階は平素言っていることと違うじゃないかと私は言いたいのです。納税者の権利を守るというけれども、実際理論的には、もう自分たちの一番最初にやった悪いことは、その次に間違いなくやれば取り消される。かってな類推解釈じゃないか、かってきわまる話じゃないか、私はそう思うのです。泉さんは御発言ありますか。――なければいいです。 これはひとつ委員長にもお願いしたいのでありますが、私これだけでも幾らも書類を持ってきたので、まだまだやりたいのですが、時間がございませんので、これはひとつ裁判の判決を待つまでもなく、当小委員会において一ぺん結論を下したい、こう思いますが、委員長、後刻おとりなしを願えますか。
○藤枝小委員長 後刻十分御相談を申し上げます。
○横山小委員 これに関連をしまして、私は事実問題についてあまり中に入るのを避けたいのでありますが、一言だけ言っておきますと、この事案の一番最初は借入金から始まっている。いまの架空預金だとか無記名だとかいう、借入金があったというのを借入金ではないという紛争から始まっているように私は承知しております。ところが事案を調べてみますと、税務署はほんとうに借入金であるかないかということを正しく確かめなかった、調査しなかった。そして審査になり、裁判になると、あわててあちらこちら走り回った、こういう実際の問題であります。本人はあくまで自分の潔白を主張するために、本税並びに地方税、三十五、六年でありますからもうだいぶ前でありますが、二百万円くらい出してあくまで争っておる、こういう問題であります。二百万円納めて――私はあなた方が控訴されたことを不愉快に思うのですけれども、納税者側、中小企業側としては二百万円出して、なおかつあくまで争うという気持ちは、よほど本人に確信と自信がなくてはならぬはずです。この不況の時代に、銀行から金を借りて払っておるらしいのでありますけれども、それは本人に言わせれば、あとで利子をつけて返してもらうということになるのだけれども、非常に不況の時代である。ひとつ一ぺん返してやるわけにいかぬですか。
○中嶋説明員 これは実は私の所管外でございますけれども、行政事件の訴訟法のたてまえによりますと、取り消し訴訟が提起されており、その裁判所に係属しておる、したがって、それが長くかかる場合においては、つまり、いわば税金の場合でございますと、原告の場合非常にお困りになるようなことがあるかと思うのでございますが、当然に税金の差し押えなり競売の手続がストップするということにはならならわけでございます。しかしながら、処分執行あるいは手続が進んでまいりますと非常にお困りの場合もあるわけでございます。そういう場合につきましては、緊急の必要のある場合には裁判所に申し立てをいたしまして、そういう処分の執行を停止することもできることになっております。本件の場合、私事実問題をよく承知いたしておりませんけれども、どうも聞いてみましたところでは、その申し立てがなかったようでございます。したがいまして、税金は仰せのように納めたままになって争いが続けられておる、かような事件になっております。
○横山小委員 あなたのほうが負けて、この本税並びに地方税その他を返すときには、金利はどのくらいつけるのですか。
○中嶋説明員 日歩二銭です。
○横山小委員 延滞金の金利はどのくらいですか。
○結城説明員 通常は二銭でございます。督促状が出ますと日歩四銭になります。
○横山小委員 自分のほうが取るときは四銭くらい取って、返すときには二銭、かわいそうに思いませんか。ひどいと思うのですよ。しかも、裁判で負けた、明らかに国の間違いであったという場合に二銭で、取り上げるときには四銭だ。これは藤井さんおかしいと思いませんかね。どうですか。
○泉政府委員 おことばでございますが、先ほど徴収部長から申し上げましたように、履行遅滞の状況にあります場合には、普通は二銭なのでございます。したがってもその二銭と還付金のほうの二銭と、この日歩が対応しておるわけでございます。ただ履行遅滞の状態によりまして督促状を発付いたしますと、その督促状を発付されました後、十日経過後におきましては日歩四銭に課徴されることになっております。そこで、還付金の場合に、それでは履行遅滞のときの督促状発付と同じような制度をもう一つ導入するかどうか、普通の場合には二銭であるけれども、還付金について四銭の制度を取り入れるかどうか、この点につきましては、いろいろ検討いたしたのでございますけれども、履行遅滞にある状況と還付金の債権が発生して返すべき場合とは同じ状態でいいのではないか、こういうことで、二銭対二銭ということで規定をいたしておるのであります。しかしながらお話のように、片一方が日歩四銭になる場合があるときに、当局のほうの還付する状況について特別異例の事情があって還付がおくれておる、それについて責むべき事実がある納税者の場合の、督促状が出てもなお滞納しておると同じような状況があるかどうか、そういった点を考えてみますと、四銭にする必要はないのではないかという感じがいたしておるのでございます。なお、おことばでございますので、今後制度の問題として十分検討いたしたいと存じます。
○横山小委員 それは本人が払わぬなら督促を出すのはあたりまえだ。払わぬには払えぬだけの資金事情があるからで、通常四銭になるのは当然常識だと思うのです。一方、あなた方もよくおっしゃるのだけれども、争うなら税金だけ納めてから争ってくれと言う。私ども政治家として、なるべくそのほうがいいだろう。納めたからといって、自分がその主張を納得したわけではないのだから、納めるものは納めてから後に争ったらどうか、こう指導しておるのです。ところがあなたのほうとしては、自分の銭を出すわけではないのだし、国の銭だから――納税者から督促状を出すことはありやしない、そうだとしたら、納税者のほうにだけは四銭で取っておいて、自分のほうからは二銭でしか返さない。本人が本税や地方税を納めて争うという、これは私はほむべき立場だと思うのですよ。払わずに争うよりも、初めから納めたほうが、あなたのほうとしてはほむべき立場ですよ。そういう律義で争っておる人間に、お前に返すのは二銭だ、そんなひどい話はないんですよ。それはひとつ十分にお考えを願わなくちゃならぬ。本件につきましては、委員長のお取り計らいをぜひお願いをします。 その次は、泉さんに非常に苦情を申し上げたいのですが、あなたは私との約束を履行しませんね、企業組合の法人税については、ここではっきりと議事録に残って、あなたも承知しておるはずだ。あのときに、参議院選挙前には何とかしよう、とは言わぬけれども、あの雰囲気としては明らかにそういうことだった。だって私は課長にも聞いたが、いや、いま局長も頭を悩ましていますから、必ずそのうちにと言う。そうしてあなたは、その方法論としても、税率を安くすることについては、こういう条件とこういう条件とを明らかにして、そうしてその方向に沿うたならばそういうようにする。つまりこれは横山さん、一歩前進だと自分で考えておると言うておるのだが、ちっとも一歩前進じゃない。あれから何ら私のところにも連絡にこない。個人的な問題じゃない。これは委員会で決めた問題ですよ。それを口では一歩前進だと言いながら、いささかも仕事をしていない。われらに承知をすべき何らの実績がないというのは言語道断ですよ。委員会を軽視しておると思うのです。困ります。
○泉政府委員 お話のように、先般三月の大蔵委員会の席上におきまして、横山委員から企業組合に対する課税の問題につきまして五つ問題が出されたわけでございます。その五つの問題のうち一つだけは先般の税制改正で実現いたしたのでございますが、それ以外の問題点につきまして、あの当時私が申し上げましたように、従来の私どもの考え方からいたしますと、企業組合はなるほど中小企業等協同組合法に規定されて、協同組合の一つということになっておるのでございますが、他の協同組合と性格が違っておりまして、普通の協同組合でございますと、個人事業者というものがおりまして、農業を営むなりあるいはそのほかの事業を営んでおって、そうしてその個々の事業者が個々には達成し得ないことを組合におきまして施設を設けたりなどして共同の利便をはかって、それによって個人の事業者の発展をはかる、こういう性質のものでございます。ところが、企業組合でございますと、個人の事業というものはなくなりまして、企業組合オンリーになるわけでございます。そうなりますと、そういった企業組合は普通の合名合資会社と性格が違わないじゃないか、こういうことが私どもの基本的な問題点になっておるわけでございます。そこで、そういう事情はあるかもしれぬけれども、しかし協同組合法に規定されておる協同組合としての性格は持っているのだから、何らかその点の検討はできないか、こういうことでございましたので、あのとき申し上げましたのは、もちろん私どもとしては、企業協同組合が昭和二十七、八年できました当時と今日とではいろいろ違ってきておりまして、あの当時税負担の軽減のみを目的としておったようなものはだんだんつぶれて、現在残っておる企業組合にはそういう性格の組合はだんだんなくなっておるような事情はある程度知っております。しかし、その実態を十分調べまして、その結果どういう条件の場合にどういうことが考えられるかということの条件をひとつ考えましょう、こういうお約束をいたしまして、現在その企業組合の実態調査を国税庁のほうにお願いいたしまして、いたしておるような次第でございます。いずれにしても、税法改正を要します問題でございますので、そういった十分な実態調査を行ないました上で、どういうことが考えられるかお答え申し上げたい、かような気持ちで目下鋭意調査をいたしておる段階でございます。
○横山小委員 あなたは話をあと戻ししてはいけませんよ。とにかくあのときの立場では、あなたは一歩前進だと自分で言明をなさった。一歩前進ということは、少なくとも企業組合の税率を下げるということに終局点があるはずの発言だったと思うのです。いまあなたの話を聞くと、まあとにかく調査すると言う。あのときの約束とは違うのですよ。あのときの約束は、少なくともこういうような条件、こういうような企業組合のあり方、それを裏を返せばつまり企業組合の欠陥、そういう点を指摘するから、指摘したところに企業組合が入ってきてくれ、こういう雰囲気の話だった。これはそういうことを言った言わぬという水かけ論をなさるならそれでもいいですよ。けれども、あなたが少なくともあのときの雰囲気で、一歩前進だとおっしゃった以上は、誠実にそれを履行してもらいたい。これから企業組合の実態を調査する、調査していかなんだらいかぬぜ、そんなかってなことを泉さんともあろう方がおっしゃるはずはないと思う。一歩前進なら前進のように、少しおくれるけれども時間をかしてくれ、あなたの希望に沿う、こういうふうに言わなければ話がおかしいですよ。
○泉政府委員 あのとき一歩前進と申しましたのは、企業組合につきまして五つの問題点があるが、そのうち一つは今度の税制改正で解決することになりました、これはまさに一歩前進でございます、こういうことを申し上げたと思うのでございます。それ以外に四つの問題点がございます。その四つの問題点のうち、比較的検討に値しますのは、農協等の留保の場合と同じように留保金に対する課税の軽減の問題である、しかしあとの税率軽減の問題と、それから専務理事の役員賞与の問題、これはなかなかむずかしい問題である、私はこういうことを申し上げたはずでございます。別段そのことを争うつもりはございませんけれども、そういうことを申し上げましたので、やはりそういう残された四つの問題点につきましては、それぞれに従来の考え方があるわけでございます。それと、今度その実態を調べた上で単純に、協同組合法に規定されている組合であるから企業組合も協同組合と同じに扱えというわけにはなかなかまいりかねる点があるわけでございます。したがって、そういう点から、どういう条件の場合にどういう程度まで認めることができるか、これはなかなか慎重に検討しなければならぬ問題である、このように考えまして、目下そういう実態を調査した上で条件を検討するということにいたしておるのでございます。
○横山小委員 どうも腹が立ってくることばかりなんですが、あなたそんなふうにあのときのことを回避するなら、私は議事録を持ってきて一言一句あなたと争いますよ。あなたはあのとき確かに私の言った五項目について一々御答弁をされた。それは認めるのです。認めるけれども、最後の焦点になったのは税率じゃありませんか。税率の問題であなたは、それじゃひとつこういう条件、こういう条件ということで近日うちに出しましょうと言った。その近日うちが一向履行されないので、私のほうからどういうことだといって、もう一カ月か二カ月たってからあなたのほうへ請求をした。そうしたら、いや頭を悩ましておるけれども、その方向に進んでおるからしばらく待ってくれというわけだ。それからもう何カ月たったのですか。いまになって、問題は五項目全般の問題だとか、それから私はそういうふうに前向きに税率軽減のことについて言った覚えはないとか、あるいは調査の結果どうなるかわからぬとか、こういう無責任なことを言われたのでは、本委員会の議事録を一々、一言一句問題ないように、あなたにてにをはまで確かめなければこれから質問ができぬじゃありませんか。こうなると人間的な問題だ。もう少し委員会で約束したことは、綸言汗のごとしで、多少四の五の言おうが、とにかくやるのだというふうに守ってもらわなければ、何の気持ちがあって私どもここでやりますか。ここで言ったことはまあまあということだ、あとになって何とでも、議事録を調べててにをはをうまく解説すればごまかせる、こんな考えを持たれては、もう私どもはあなたの言うことを信用しませんよ。さっきの話でもそうじゃありませんか。親切な税務署だ、納税者の利益になることは指導しろ――何百ぺんここで聞きましたか。それでもって最初の更正決定の理由はいいかげんでいい、あとで追加して付記すればそれで罪は消されるのだという。そんなことを言うのはおかしい。税務運営方針というのは何ですか。これは何を書いているのですかこれは抽象的なことをどんなに書いたって、みんながそういうような考えを持って、実は間違えたってあとで直せばいい、ここで言ったことはこういうふうに解釈できるのだ――そんなことでは言語道断だと私は思う。私はもうこうなりましたら、意地になっても、この企業組合については目ごと夜ごと、泉さんの顔を見れば企業組合、こう言いますから、これはひとつかたく今後を期してもらいたい。これもあなたの御答弁はもう全く不満であることを申し添えておきます。 それから飯塚事件の現況は一体どうなっているのですか。あなた方は飯塚けしからぬと言った。飯塚を告訴しておる。飯塚はいま裁判になっていますか。脱税事件があったというが、だれが脱税したのか。脱税者は起訴されましたか。起訴されていないじゃないですか。まん中の事務員が四人裁判を受けているだけだ。頭のない犯罪、足のない犯罪、あれほど千数百名の大調査をして、飯塚けしからぬと言っておった人間が全部ところを変えちゃって、転勤しちゃって、わしは知らぬよ、あとの人が適当にやってくれるだろう、国税庁は国税庁で検察庁へ移したからわしらの仕事は済んだ、検察庁は、われわれは二階へ上げられてはしごをとられちゃったのだから、われわれで処理しなければならぬ、ばかな仕事をしょい込んだものだ、こう言っている。私は法務委員だからその心理はよくわかる。責任を少しは感じたらどうですか。関係者はいまどういう立場だ。もし飯塚事件がけしからぬといってあれだけの大動員をしたのなら、責任者はちゃんと職にとどまってこの結末を見たらどうだ。飯塚けしからぬとあれだけやっておいて、責任者は全部転勤してしまう、させてしまう。その追われ追われた飯塚はいまどうなんですか。起訴されていないじゃないですか。あなた方が告訴した人間が起訴されていないじゃないか。脱税をさせたというけれども、脱税をした納税者はどこにいるか。増差額が出たか、それらが起訴されたか、告訴をしたか、何もしていないじゃないか。まん中の事務員がわずかに裁判になっておる。その事務員とても、私は予断をするのは避けたいと思うけれども、あなた方のねらいというものは全くはずれたじゃないですか。私はあの飯塚事件の一件で同僚諸君とともにここでいろいろ言ったけれども、私どもがあのときに言ったのは、内容的な問題よりも、むしろ税務行政のあり方として糾弾した。あれだけの大がかりな飯塚事件についての訴追をやって、国税庁があげての訴追くらいのことをやって、そうして長官は、社会党の一、二の人の円満に話をおさめたらどうかという調停までけって、あくまでわが道を行くと言ってやったその人間がどうなったか。あなた方が告訴したけれども、検事は起訴できないじゃないですか。それによって脱税があったというけれども、納税者で起訴された者は何人いるか。これは一飯塚事件ではあるけれども、あなた方の徴税行政の態度に恥ずべき点が結果としてあらわれている。長官はこの現状についてどういう心境をお持ちですか。
○吉岡政府委員 いわゆる飯塚事件の現状について私が承知いたしておりますのは、飯塚税理士の使用人と申しますかの方が起訴されており、国税庁としては脱税の事実についての調査を続行しておるという段階だと聞いております。 脱税の関係については、査察系統で調査をいたしたわけでありますが、相当数も多いわけでありますし、非常に複雑なことであるということで、なお調査を続けている段階だと承知をいたしております。
○横山小委員 調査を続けていると言ったって、私の知る限りでは普通調査だ、もしも調査を続けているのならこんな結果にはなっておらぬ。私があなたの所信をただしたいのは、国税庁が局をあげて、省をあげて天下の大騒動、飯塚事件とまで言われたような千数百名の延べ大動員をした大調査の結果が、本人が起訴されていない、納税者が起訴されていない、まん中の事務員が四人起訴されて、その結果というものがどうなるか、もう予断がついている、そのことについて責任を感じないのかと私は言っておる。あなた方はこの委員会で飯塚問題について言ったことはあれは何だ。飯塚が使嗾し、飯塚が計画し、飯塚が全面的な主犯者で、全くなっておらぬ税理士だと言わんばかりの態度であった。新聞記者を集めてそれを大宣伝したではないか。それを告訴して、それが起訴できないというのはどういうわけか。検察陣があなた方の言うことを承知しないで起訴できなかったことについて、あなた方は責任を感じないのか、こういうことを言っておる。
○吉岡政府委員 飯塚税理士自体が起訴になっておらないことは先生おっしゃるとおりであります。ただ、飯塚氏の使用人と申しますか、たしか四人だったと思いますが、脱税教唆ということで起訴されているわけであります。この結果も予断がつくというお話でありますが、これは起訴になりました刑事事件でありますので、その結果を待たなければわからないと存じます。片一方脱税のほうの問題につきましては、査察系統で調査に着手をいたしまして、その後ただいま申し上げましたようになお調査を続けているという段階でございます。
○横山小委員 何とも私の質問にあなたは答えませんね。飯塚事件について、飯塚がこういう人間だと大宣伝をして、千数百名を大動員して飯塚が起訴できないということについての心境を聞いているのに、あなたは何もお答えできませんね。要するに、お答えができないということがお答えだと私は思うのです。言えない、言うすべを知らない。本来ならば見通しの誤りだったと言わざるを得ないところですよ。見通しの誤りだった。意地になって飯塚を追及した。手数百人だと言われる。数九月もかかって、ほかの仕事をほうっておいても飯塚関係の納税者はシラミつぶしにやれと大号令を下した結果が、こういうような大山鳴動してネズミ一匹という状況について責任を感じない、答弁ができないということがあなたのいまの実態じゃありませんか。あなた一人を責めるわけじゃありませんよ。ありませんけれども、これは大いに反省してもらわなければいかぬ。徴税行政のあり方について反省してもらわなければいかぬ。私がかくも飯塚事件におこるのは、これは私ばかりではない。国民の声です。千数百人の大動員ができるなら、なぜ森脇の追及がもっとできないのか。飯塚ばかりならともかく、森脇に対するあなた方の態度はどうだ。それはいまから御説明を聞けば、いろいろおっしゃるかもしれぬ。おっしゃるかもしれぬけれども、森脇はかつて一億円の延滞があった。延滞があった森脇が天下一の金貸しにどんどん発展していくということについて、なぜ千数百名を動員しないのです。なぜやらないのです。やりやすいところからどんどんやって、やりにくいところはほうっておくからこういう結果になる。森脇については、法務委員会で査察部長の話を聞きました。私の質問を聞いて、与党の人がたまりかねて、最後に私が終わってから、そんなこと言われて国会の議事録に残ったのでは困るじゃないか、もう少ししっかりやってもらわなければ困るじゃないかという追及があった。だれが言ったと思いますか。前の大蔵政務次官の鍛冶さんがそういうことを言ったのです。みんなは、鍛冶さん、あなた政務次官だったじゃないか、そんなこと言えた義理じゃないよ、こう言ったのですけれども、そういう専門家ですら森脇について一体どうなるのだと言う。おそらく私は地方税を含めて百億という金は取れないと思っておる。取れないのじゃない。取ろうとしない。そこに全力投球ができない。人が足りないとか、予算が足りないというなら、飯塚に千数百名の動員ができるわけがない。やろうと思えばできるじゃないか。そうしてあれだけやって大山鳴動ネズミ一匹の状態で放置しながら、森脇に全力投球ができないというのは何たることであるか。どうです。
○吉岡政府委員 飯塚事件について答弁ができないというお話でございましたけれども、ただいま申し上げましたように、飯塚事件に関しまして、脱税の事実がない、あるいは脱税教唆の事実がないというようなことになりますと、これは国税庁として見込み違いであり、たいへん申しわけなかったということであると思うのでありますが、ただいま申し上げましたように、飯塚税理士事務所と申しますか、その中の四人の人が脱税教唆でいま起訴されておる段階であり、片一方脱税の事実についてはなお調査中だという御答弁を申し上げたわけであります。御了承願いたいと思います。 なお、森脇事件については、私どもも国税庁自身の手で処理できなかったことはまことに遺憾なことだったと考えております。いろいろこの機会に申し上げさしていただけるのならば、従来の課税の経緯等を申し上げたいと存じますが、よろしゅうございますか。 〔「あとでゆっくり聞くよ。」と呼ぶ者あり〕
○平林小委員 関連して。私はそんなに大ごとじゃないのですけれども、主税局のほうでこの小委員会で要求した資料をまだ提出していないのです。それに私は文句をつけるのです。そんなむずかしいことを注文したわけじゃないのですがね。吉国二郎さんという人は今度どこかに飛んだのですか。
○泉政府委員 財務調査官でおります。
○平林小委員 私はこの資料は昭和四十年三月二十四日、大蔵委員会で要求をしまして、そしてその実行がされないものですから、さらに昭和四十年の六月八日のこの税の執行に関する小委員会で再び要求をしましたつ要求をいたしましたのは、第一は、租税特別措置の年間における免税額、年度当初には資産の額が出されるけれども、一年たったら実績はどういうふうになっているか見直してみたいから、その当初の資産額と実績額がどうなっているかの表を出してもらいたいということを要求したわけです。これに対しまして、たとえば社会保険診療の特例だとか、あるいはまた米穀所得の特別措置とか、無数にあるものは実績がなかなか捕捉しにくいということであったから、それならば三十八年計算なり三十九年計算ということでどうか、また捕捉しやすいものはどうかということを尋ねました。ところが、このときの記録では「三十八年計算なり三十九年計算なりで出すという点でございましたら、これは直ちにと申しますか、次の機会に提出するようにいたしたいと思います。」と書いてある。しかるにまだ提出がない。それから第二は、「主要な産業または企業が、現行特別措置でどの程度の恩恵になっているか見当をつけたいと思うから、その資料を提出してもらいたい」こういう二回目の要求に対し、吉国さんはこういう答弁をしておるわけです。「私どもも、非常に申しわけないのでございますが、いままで出ておりませんのは手落ちでございますし、おくれるときには必ず御要求者のところに上がって事情を申し上げているのが普通なんでございますが、たまたま、おそらく三月末であって混乱いたしておりまして、失礼を申し上げたのじゃないかと思います。私どものほうも、現在ある資料をもとにして、部分的なものでもよければできるだけ早くお出しするようにいたします。」こう言っているのです。これも出てないのですよ。どういうわけですか。だから私は、さっきの横山さんの質問に対して、これはいろいろ検討しなければならぬ問題もあっておくれているという点は、ある程度事情は認めても、明々白々なこういう資料の要求に対しても出さないということは、あなた方の姿勢はどっか違っているのじゃないかと思うのです。いかがですか。
○泉政府委員 提出がおくれておりますことはまことに申しわけないと思います。お話ございましたように、租税特別措置による減税の額につきましては、当初予算を編成いたしますときに見積もりまして、それが年度経過の際に経済の情勢がいろいろ動いてまいりますので、その当初見込みました姿と実際の軽減額とが違う場合があるわけでございます。ただ、そのときにも吉国調査官から申し上げたと思いますが、件数の非常に多いものでございますと、なかなか調べにくい場合がございます。調べておる分につきましてはさっそく提出いたします。
○平林小委員 これは小委員長もひとつ覚えておいていただきたいのです。それで、大体きょう国会が閉会になってしまうと、次の国会というわけにいきませんで、私はやはりここに書いてあるように、至急に私のところへ連絡をとっていただきたい。おかしいのですよ。このとき武藤小委員が要求したものはちゃんと届いていますね。私のものだけなぜ届かないのですか。私は無理なことを言っているのじゃないですよ。具体的なことを言って、できなければできない事情を説明するなり、あるいはできたものはこれだと言って説明に来るのがほんとうじゃないのですか。これは必ず実行してくれるということを、あなたもう一度約束してください。そのくらい約束しておけば、まず間違いないだろうから。
○泉政府委員 武藤委員のお話の資料が出ておって、平林委員の御要求の資料が出ておらないということは、まことに遺憾に存じます。おそらく事柄は、先ほど申し上げましたように、租税特別措置による軽減額の実績ということの調べがなかなかむずかしいものでございますから、租税特別措置による軽減の措置がたくさんあるわけでございますが、そのうち一部しかできておらないので、まだ完全な資料となっておらないという意味で先生に御連絡がおくれておったのだと思います。さっそく現在できております資料につきまして御連絡申し上げまして、できておらないのは、どういうわけでできておらないかということを御説明申し上げるようにいたしたいと思います。
○横山小委員 この森脇事件については、ほんとうに言いたいことは山ほどあるのですけれども、もうきょうは基本的なことを言っておいたほうがよろしいと思うので、御説明はあとでまた時間がありましたら同僚委員からも請求があると思いますから、次に移ります。 時間の節約上、次のことを読みます。「兄とともに父の店で働いて将来は支店を開くことを楽しみにしています。しかし私の給料は専従者給与額一万円で、いつまでも昇給がありません。私自身の貯金はできず、結婚資金も開業資金も私の力では得られません。勿論、結婚費用も開店費用も父が面倒みてくれるでしょう。しかし、それは父から私への贈与とみられ、贈与税が課されます。本来ならば私自身の蓄積分であるべきはずの資金に贈与税が払わされるこんな不合理な税金があるでしょうか。」また、青色申告者のC君は「自分は大学を出ましたが、父が若いので、しばらく某社に勤めました。初任給は一万五〇〇〇円ほどでしたが、何年か勤め、超過勤務手当や賞与を計算に入れると月収三万円ほどになりました。父も年老いてきましたので、店に帰って家業につきました。ところが税務署から認められる給料は、専従者給与として月一万円です。会社は一日八時間勤務ですが、自分の店では十二時間労働です。それでも超過勤務手当もなく、賞与もありません。こんな不合理な、矛盾した税法があるでしょうか。」専従者給与の問題ですね。 これで私の聞きたいことは、つまり専従者給与を一万円なり一万五千円なりきめておる。けれども、おやじが八十で子供は四十くらいになっておるとしましょうか。それでは専従者の給与はそうではあっても、明らかに実態に合わない。そこでおやじは四十のむすこに、まあ月に五万円なり八万円なり払う、これが実際の状況であるとします。これは、青色申告会連合会長の質問に答えて東京国税局直税部長が返事をしておりますが、私ちょっとわからないので聞くのですけれども、現状は同一世帯の家族従事者給与の専従者控除を超過した分は事業主の所得に加算され、課税されるわけですね。実際は専従者に超過分をやっても、それは贈与税は課税されないと思います。これもそうですね。返事はあとで聞きますが、私はこの直税部長の文書を見て、一律には課税しないという意味だと思いますが、原則的には実際に本人が専従者給与を超過した分をもらっておっても、その分はおとうさんの所得としておとうさんの源泉で課税される。そうすると、おとうさんが源泉で課税されたけれども、その分を実際は子供がもらっている。女房子供を持って一万円でやっていけるはずがない。だから、その場合は贈与税を一律に課税しないと考える。その場合に帳面づらでは事実をそのまま記入して差しつかえないと私は思うがどうか。つまり、専従者控除としては一万円なら一万円だけれども、四十のむすこに給与として五万円やったって何ら違法ではない。しかしその四万円分はおやじの所得として課税される。これは非常に矛盾するのですけれども、三十七年の東京国税局の直税部長の返事を見るとそういう感じがするが、これは誤りであるか。現状はどうなっておるのか。実際はどういうふうにしたらよろしいのか。その点を伺いたい。
○泉政府委員 専従者控除の問題は、お話のようにいろいろむずかしい問題がございまして、ことに専従者と事業主との関係が千差万別といっていいわけでございます。そこで、税法といたしましては、本来ならばその個々の実態に応じたような制度をとることができればはなはだぐあいがいいわけでございますが、税務執行上家族従業者の給与という場合に、その給与が適正な労働の対価としての評価がされているかどうか、これは税務行政の執行にあたりましてなかなか判定が容易でございません。そこで、いま御承知のとおり専従者控除の限度額という制度を設けてやっておるわけでございます。そこで、いまお話の専従者に対して控除限度額をこえるものを払ってやった場合どうなるかという問題でございます。これにつきましては控除限度額をこえる部分につきましては、これは先ほどお話のとおり事業主のほうの所得になって、源泉というおことばでございましたが、事業主の所得として申告納税の対象になるわけでございます。そうしたあと、超過分を家族専従者に渡したものが、家族専従者としてはいかなる性格のものになるか、贈与税の対象である贈与であるのか、それとも、給与所得というわけにはまいりませんけれども、雑所得になるのか、これはいろいろ議論のあるところでございますが、現在の取り扱いにおきましては、御承知のとおり贈与税の非課税限度が年四十万ということにもなっておりますので、その超過分を専従者に渡しましても、それは贈与税としてしいて課税しない、こういう取り扱いにいたしておるのでございます。
○横山小委員 それは贈与税の範囲内であるならばという件条がつくのですか。――それじゃ議論を早くするために読んでみます。「東局直所第三六七号三十七年十二月四日東京国税局直税部長」「青色専従表の所得計算について」、「右記のように限度額超過分は、事業主の所得に加算され、事業主の所得として課税されますから、この部分が専従者の所得として所租税を課されることなく、従ってその所得の種類を問題とする必要は生じません。次に限度額超過分が、事業主の所得に加算される反面として、その部分の金額を専従者が実際に受領した場合には、その金額は事業主の所得の処分、つまり、専従者に対する贈与とみなされるかどうかという点については、従来から法律解釈上疑問のある点ですが、それが実質的に、個々の専従者の働きに応じて相当なものである限り贈与とみることは適当でないと考えます。」
○泉政府委員 いまお話のとおり相続税法の二十 一条の三に「贈与税の非課税財産」というのがございまして、そこの一項二号に「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与に因り取得した財産のうち通常必要と認められるもの」ということになっておりまして、したがって、先ほど申し上げました四十万円の相続税の納税限度額をこえておりましても、いまお話のように専従者の給与として妥当なものについてはこれに課税しない、こういう取り扱いになっておるのでございます。
○横山小委員 その趣旨は、ここでぼくも最近これを見たのですけれども、この部面だけ見ますと何か非常に回り回った議論のように考えられる。実際は一万円で同居の三十、四十の人がやっていけるはずがない。自分はおやじと一緒に店の仕事を一生懸命にやって、経営にも参加してやっているのですから、それが一万円だというようなばかげたことは実態に反している。そこでわあわあ言ったら、いや、それならおやじの分としておいてくれ、おやじから税金はもらう、実際は本人にやっても贈与税として課税しない。本人がもらっていることを承知の上でおやじから税金をとるということは、税法の根本原則からいっていかがなものでありますか。こういうやり方はきわめてごまかしのやり方で、実質課税の原則に反しておる。青色申告の制度が、一万円が悪ければ、制限をつけても実態に合わせるべきである。どうですか。
○泉政府委員 先ほど申し上げましたように、事業主と青色専従者との関係は千差万別でございまして、それぞれの実態に応じて支払っている給与が適正と見られる場合もございましょうし、あるいは事業主の恣意によってその金額を適当に変更されるという場合もあるでございましょう。なかなかむずかしい問題でございまして、先ほども申し上げましたように、個人事業の場合の家族労働者に対する給与の支給ということが、通常の他人労働に対する給与のように、その労働に対する正当な評価というものに基づいて行なわれておるということになりますれば、いまお話のように限度額を設けずに、それぞれの実態に応じて、あの人は月給二万円でいい、あの人は月給三万円でいい、こういうふうにし得るはずなんでございますが、その実態が、いま申し上げましたように、なかなか千差万別で、税務行政の執行にあたって一々労働の対価として適当な金額であるかどうかという評価をすることが非常にむずかしい。これはやはり世間の制度として、だんだんと親子間においても給与を払っていくんだというような慣習ができてまいりまして、その慣習に対して税法は従っていくという姿にならないといけないんではないかというふうに考えておるのでございます。したがいまして、私どもとしては年々専従者控除限度額を引き上げてまいっております。まだまだ十分でないことはお話のとおりでございます。そこで、今後におきましても、専従者控除の問題につきましては、だんだんとお話のような実態が出てくることを期待しつつ、制度の改正も検討いたしたい、かような気持ちでおるわけでございます。
○横山小委員 そんなことを言ったってだめですよ。直税部長の回答を見れば、個々の専従者の働きに応じて相当なものである限り贈与と見ることは適当でない、こう言っておるのですよ。現実にこれを運用されておるとするならば、個々の専従者の働きに応じて相当なものももうきまっておるはずだ。いまものさしがないと言ったって、これが生きているんですから、動いているとするならば、税務署は個々の専従者の働きに応じて、おまえさんは五万円、おまえさんは三万円ということを認めておるはずじゃないですか。それを贈与とみなさないということを認めておるはずじゃないですか。実態はもう動いておるじゃないですか。そういうことで現実にやっておるのに、一方専従者給与は一万円だけは金科玉条のように守っておって、そこで裏が抜けておるじゃないですか。しかもその裏は、実際は法制上は贈与であるけれども贈与とみなさないかっこうになっておる。法制上はおやじの所得と見て、おやじから税金を取る。おやじがむすこにやっても贈与税は取れない。それこそ脱法的、抜け道的な行為じゃないですか。表は何とか守りたいために、裏で現実がどんどん動いているじゃないですか、あなたがここで一万円の専従者控除を金科玉条のようにむずかしいからできないと言っているけれども、現実にもう動いておるということは、あなたはどう見ますか。
○泉政府委員 お話は、形式的にその取り扱いを解すればそういう御意見も出てくるかと思いますが、先ほど申し上げましたように、贈与税の場合は非課税限度が四十万円というかなり大きな金額になっておりますし、給与の支給の実態から見ましても、本来控除限度額を認められる上に限度超過額なものでございますから、そういう点から見ると、概して贈与税の非課税限度の四十万円以内におさまる場合が多いわけでございますが、したがって、その実態を一々調査して、じゃ、それはその人の労働の対価としての正当なものであるからというまでの判断を一々してやっておるまでには私至ってないと思うのでございます。東京国税局の直税部長がどういう通達を出して、その実態をどういうふうに判断しておるかわかりませんけれども、私どもとしてはまだそこまでの用意ができておらない、こう思っております。
○横山小委員 できておらないといっても、いまのあなたの答えはこれを裏打ちしたものです。これは青色申告会の出したと思われる文書でありますが、公式な文書として出ているのですから、相当問題があってこういうことを出した。出した以上、これが動いておる。動いておるのは、この本を見ると東京周辺だけだと思うけれども、あるいは日本全国に行っておるかしれない。それじゃ知っておる人と知っていない人とでは非常な違いがある。だから私はお願いしたいのですが、少なくともこれは東京国税局の直税部長の意見とあなた方の意見が相違がないならば全国にこの趣旨を徹底してください。
○吉岡政府委員 私どもも実はよくわからないのですが、よく検討さしていただきたいと思います。
○横山小委員 検討さしていただきたいといっても、問題はわかっておるでしょう。
○吉岡政府委員 問題はわかりました。
○泉政府委員 お話の専従者の控除限度額をこえる分でございますが、これは、先ほども申し上げましたように、所得税の課税関係といたしましては、事業主のところですでに課税が終っておりますので、専従者がもらったからといって専従者の所得税をさらにかける必要はない、問題は贈与税の関係で、その贈与の対象と見るかどうかでございますが、これが正当な労働の対価でございますれば、贈与の意思があってなされたわけじゃございませんから贈与税の対象にすべきものではない、かように申し上げておるわけでございます。ただ、現在のところそういうふうに全国的に取り扱い通達を出して国税庁としてはまだ指導されておらないようでございます。国税庁のほうもその点を検討していただいて、その上で御処置いただくのが適当と考えます。
○横山小委員 局長は遠慮されておっしゃっておるから長官に聞きますが、これは三年前の三十七年に東京の直税部長が出しておるのです。私は正直ほうっと思ったのです。東京では三年執行されておると思われる。この本は青色申告会の事務局長が書いたのでありますからおそらく全国に行っておると思うけれども、ひとり東京の直税部長だけの判断にまかされてやられたわけじゃないと思うわけです。全国で実態として動いておると思う。しかし、こういう実態は、役所のことですから、これを持って行って一々説明せんならぬことでは困る。これは生きているのですから、長官が通牒を出してください。
○吉岡政府委員 三十七年のその東京国税局の直税部長の通牒をきょう初めて伺いましたので、私もよくわからないと申し上げたのでありますが、お話のように、問題はかなり普偏的な問題でもありますし、一地域にだけ違った扱いをするという性質のものではないと思いますから、よく検討いたしまして、善処したいと考えます。こういう扱いが最も適当だという判断がつきましたら、全国的に通牒を出すつもりであります。
○横山小委員 きょうは少し腹が立っておるから、普通ならそれで引き下がるところですが、きょうは引き下がれません。こういう扱いが適当だと思ったら――適当だと言っているじゃありませんか。しかも、これはいま出たものじゃない。三年も生きていると言っているじゃないですか。いまさらこういう扱いが適当もくそもないですよ。すぐ出してください。
○吉岡政府委員 主税局長の御意見は承りましたが、国税庁の内部でも検討する必要があるだろうと思います。各局で、同じことをやっているのか、違ったことをやっているのか一応検討いたしまして、その判断が適当であるという判断に達しましたら、全国的に同じ取り扱いができるような処置をとりたいと思います。
○横山小委員 いやらしいことを言うようですが、それなら各局の判断が間違っておる、東京の直税部長の出したものは長官としてあずかり知らぬことだからだめだ、こういうこともあり得るわけですね。
○吉岡政府委員 私申し上げましたように、実はいまそれを承知いたしましたので、少し検討の時間をかしていただきたいという趣旨でございます。
○横山小委員 何かリミツトをつけたいようなお話ですね。
○吉岡政府委員 そんなことはありません。
○横山小委員 それではすなおに――これはいま議事録に残ったんですよ。その趣旨はうしろのほうと前のほうと話し合って了解したという答弁なんですね。それを長官だけ、何かおれは長官だぞというようなかっこうをしてそんなことを言われるのはおかしいと思う。これがよかったら、もう生きて三年もきているのだし、この趣旨に沿って全国に通達を出してもらいたいというのです。あなたは何かにこだわっていらっしゃるように見えるものだから、こだわられるのは、何かこだわられるそれなりの理由があるならともかくとして、これだけ長時間かかって議論をして、しかも裏打ちをして、御答弁もうしろと前と合ったのに、各局と区々になっているといかぬので、場合によっては取り消すかのごとき口吻をされることは一体どういうことか。そうなると、議事録をあとで修正することになる。先ほどの答弁も長官としては異存があるかのごとき答弁になる。あなたの真意はどういうことかよくわからない。
○吉岡政府委員 私申し上げましたのは、私もただいま承知をいたした問題でありましたので、おっしゃるように三十七年にそういう通牒が出ておるというお話でございますが、よく私が納得いくように検討さしていただいて、いま直税部長も、その他の問題も含めてというようなことを申しておりますが、普遍的な問題でもありますので、完全な形にして、全国的な、統一的な取り扱いをいたすように処置をいたしたいと思う次第でございます。
○横山小委員 まことにきょうは不満だらけのお話でございまして、しかも、最後の締めくくりもまた不満な御答弁になりました。だが、他の委員諸君の質問がいろいろありますから、私はまだ二、三の問題がございますけれども、また機会をあらためてお願いしたいと思います。 委員長にお願いいたしますが、以上私が提起をいたしました問題について、後刻しかるべくお取りはからいをお願いいたしたいと思います。
○藤枝小委員長 藤田高敏君。
○藤田(高)小委員 私は、所得税の問題と、ことしの通常国会の委員会の中で質問した退職金の課税の問題についてお尋ねしたいと思うのです。 順序が不同になりますが、その一つは、今日の退職金に対する課税基準というものができた根拠、これを伺いたい。
○泉政府委員 退職所得につきましては、現在勤務一年につきまして五万円の控除を行なって、その残りの所得を二分の一して税率を適用する、こういう制度になっているわけでありますが、このようになりますまでにはいろいろの経過があるわけでございます。本来退職所得の性格が、給与の後払いなのかあるいは老後の生活保障であるのか、経済的にもいろいろ論議のあるところでございますが、まあ税法といたしましては、長年の勤務に対しまして一時に支払われるいわば臨時の所得であるという性格が強いものでございますから、一般の年々生ずる所得とは別な課税の扱いにするのがよいということでございまして、昔から退職所得につきましては、そういう意味での臨時所得として課税の扱いをいたしております。しかし、わが国の税制におきましても、一時は他の所得と総合された場合もございますが、現在は、他の所得とは分離いたしまして、臨時の所得として課税を行なうということにいたしております。それからまた、この五万円の控除につきましても、かつては一事業、一会社なんかにつとめまして三十年たって退職するというような場合に、最初の年齢の若い時代の勤務一年については三万円であるとかいうような評価をいたしまして控除したこともあるわけでございます。しかし、それではどうも繁雑になりますので、もう勤務一年について幾らということで一定するのが望ましい、こういうことで現在のような扱いになっておるわけでございます。
○藤田(高)小委員 私、前の委員会においても指摘をしたところなんですが、ことしの独身者に対する所得税の課税の最低限というものは二十一万二千五百円程度でしたか、たしかその程度であったと思うのですが、これとの関連からいっても、いま局長のほうから御答弁のありましたように、なるほど幾たびかこの所得税の軽減の問題についても経過があったように承知はいたしておりますけれども、臨時の所得に対する課税としてはやはり条件が非常に酷なのではなかろうか。独身者の最低課税がまあ二十万といたしますと、計算のしかたにはいろいろありましょうけれども、一年十二ヵカ、このほかに賞与が三カ月もしくは四カ月入っておるということで、十六カ月計算ですれば、月約一万三千円の所得までは税金がかからない、こういう計算になっておりますね。そういう計算からいけば、退職金の性格については、これは学者の間でも、あるいは実務担当者の間においても異論のあるところでありますが、基本的には、やはり老後の生活保障というのが一番大きなファクターを占めているのではないか、さすれば社会保障制度というものが完全にできるまでの、社会保障制度を補完する一つの重要な役割として今日退職金制度というものがあるというふうに私どもは理解するわけです。そういたしますと、基本的な性格論として、社会保障的なものに税金を課するということはおかしいではないかという議論が一つ生まれる。しかし、すべてが社会保障的なものだとは考えないのだという、そういう立場に立つ人もおるでありましょう。しかし私は、かりに全部がそういう社会保障的なものではないのだという要素を入れたとしても、独身者の最低課税二十万円に対して月一万三千円までは税金はかからないという、この基準を一つのよりどころにした場合に今日の退職金の課税額というものは非常にきついと思うのです。これはこの前の委員会でも指摘したところですが、たとえば勤続十五年で計算をいたしますと、百八十ヵカ、一カ月一万三千円までは税金がかからないということであれば、勤続十五年の者であれば二百四十万円まで、勤続二十年の者であれば、同じ計算からいけば約三百二十万円まで、二十五年で同じ計算でいけば四百万円まで、三十年勤続でいけば四百七十万円までは税金をかけるべきではない。これは退職金の性格問題を越えて、一つのよりどころを独身者の最低課税二十万二千五百二十四円というところに一つの基準を置いて考えれば、少なくとも退職金については、いま私が一応年限別に指摘をした程度まではこれは税金をかけるべきじゃないと思うのですが、どんなものでしょうか。
○泉政府委員 先ほど申し上げましたように、退職金の性格につきましてはいろいろ論議のあるところでございまして、社会保障的というおことばがございましたが、普通の従業員が学校を出まして長年勤務をいたしまして退職する場合も退職所得でございますが、会社の重役として勤務した場合におきましては、その重役としての勤務期間は短いのでありますけれども、やはり退職所得としての扱いになるわけでございます。そういう意味で、単純に社会保障的なものばかりとも言いかねる性格を持っております。そうかといって、それでは、そういった重役の場合と一般の従業員の場合と違えるということにはなかなかまいりません。そういった性格がございます。 それから、お話のように、一年間について五万円の控除が少ないかどうかということにつきましてはいろいろ御意見があることだと思いますが、私どももそういう意味で、この点につきましては今後検討をさらにしてまいりたいと思っております。いまお話の年間の給与所得の場合には、年間二十万円まで課税にならぬとすれば、その勤務の年数で二十万を乗じた程度までは非課税にすればどうか、これは一つのお考えだとは思いますけれども、しかし年々の所得が生ずる場合と、退職で一時にもらう場合、なるほどいまを基準にすれば非課税限度二十万ということかもしれませんけれども、現在退職する人がかりに十五年勤務していま退職するといたしますと、その十五年前の控除額はそんなになかったというような事情もあるわけでございますので、現在だけを基準にいまお話のような金額にするということがはたして適当かどうか、結局現在退職する場合は勤務の年数が相当長くたってから退職するわけでございますので、そういう事情も考えなければならない。したがって、いまお話のような基準だけで考えるわけにはいかないと思いますけれども、いずれにいたしましても、五万円の限度額につきましてはいろいろ問題があるようでございますので、検討いたしたいと思っております。
○藤田(高)小委員 私はこの特別控除の一年について五万円が多い少ないの問題はあとで触れたいと思うのですが、いま答弁のありました会社の軍役等は短期間であっても退職金云々と、これは私はある意味においてはそのファクターは非常に少ないと思う。私どもがいま基本的に問題にしておるのは、中学なりあるいは高等学校を出てからずっと長年勤続をした退職者という概念が前提になっておるわけなんですが、しかし技術的には、会社の重役であろうとそういうものであろうと区別はできないということはよくわかるわけです。しかし、私が非常に矛盾を感じるのは、いま言った独身者の最低課税二十万何がしまでは税金がかからない、一年間の所得がそれまでだったら税金はかからないということは、二十年なり二十五年なり三十年間営々として老後の生活保障なりあるいは社会保障的なものとして積み立ててきておるものですから、それを税法上分離課税にしたということは、分離課税の性格をやはり私は生かさなければいかぬと思う。そういう点からいけば、この一万三千円という機械的な私の計算も、むしろ退職金的な要素を入れるのであれば、勤続十年の場合が一万円であれば、勤続十五年の場合は一万三千円、二十年の場合には二万円というふうに、その計算の基礎をむしろ上げるべきだという考え方を持っているわけです。ですからこれは、一つの便宜的な、非常に機械的な計算方法ないしは考え方として私がいま指摘をした額を出しているのですが、私は、やはり課税最低限度の見合いにおいても退職金のこの課税基準というものはもっと大幅に下げるべきではなかろうか、むしろ局長が答弁された会社の重役の退職金というようなものは、おそらく私がいま一つの試案として提示をしているそういうワクの中に入らないと思うのです。もっと高額なものになると思うのです。ですから、来年の税制改正にはもうすでにあれこれの意見も出ておりますけれども、こういう勤労者のほんとうに零細な資金、考え方によれば、国にかわって、労使の努力において積み立ててきた、なかんずく労働者の汗の結晶において積み立ててきた社会保障費的なものに対しては、退職金に対する課税は大幅にその基準を下げるべきである、私はこういうふうに思うのですが、なお重ねて意見を聞かせてもらいたいと思います。
○泉政府委員 いまのお話でございますと、何か退職所得に対する課税の場合、勤務一年について五万円の控除と、それから課税最低限度と別のようなお話でございますが、いまの勤務一年について五万円という控除の結果、たとえば勤続十五年で退職いたしました場合におきましては、七十五万円を控除して、その控除額の二分の一を他の所得と分離して税率を適用する、こういうことになっているわけでございまして、したがって、どうしても、この勤務一年について五万円の控除ということをどうするかということが基本になるわけでございます。いまお話のようなお考え方で、社会保障的な性格ということも退職所得の一つの性格であることは確かでございますが、同時に、最近の傾向といたしましては、むしろ年金を支給していって、退職のときの一時の給与という形の一時金は、姿としてはむしろその要素を少なくするというのがいまの一つの経済界の行き方にもなっているわけでございます。そういうことともあわせながら、退職金に対する課税についていろいろ検討いたしていかなければならない、このように思っているわけでございます。現在でございますと、普通の場合では二十五年あるいは三十年勤続してやめるという場合が多いわけでございますが、その場合に、どこまでの退職金は課税しないのが望ましいか、これはなかなか大きな問題として今後検討しなければならぬと思っております。
○藤田(高)小委員 答弁がこの特別控除額の五万円のほうに力点を置かれてなされているようでありますので、私もむしろ答弁に焦点を合わせて意見を出してみたいと思うのですが、これは一つの例ですけれども、現行の制度でいきますと、二十五年勤続として三百万円の退職金、三十年勤続で四百万円の退職金、これは退職金そのものは私は非常に少ないと思うのですね。しかし、その額の多い少ないは別にして、民間産業の場合は大体私はこんなもんじゃないかと思うのです。二十五年でかりに三百万円の退職金をもらったとすれば、一年につき五万円ですから、二十五年かけて百二十五万円が引かれるわけで、あとの百七十五万円の二分の一の八十八万円に対して二五%税金がかかるわけですね。そうしますと、これは概算ですけれども、三百万円の退職金をもらえば二十二、三万円の税金を払わなければならぬ、こういうことになる。いま三十年勤続の四百万円という例をとりますと、この場合は百五十万円控除されて、二百五十万円の二分の一に課税をされるわけです。そうしますと、私の計算でいくと三十七万五千円ほど税金がかかるわけです。二十五年から三十年のそういった基準でいきますと、ざっとかれこれ一割近くの税金がかかるということは、非常に大きな負担になると私は思うのです。そこで、少なくとも現行のシステムというものを存置するというたてまえに立って、税制の改正、なかんずく退職金の大幅減税をやる、こういうことであれば、私は過去の詳しい事情は知りませんが、過去は勤続年数が少ない者には控除額を三万円とか四万円、勤続年数が多い者には六万円か七万円、こういうような一つの傾斜をとった控除額を持っておったというお話でありましたが、私はそのほうがベターだと思うのです。やはり退職金制度というものは年金的なものないしは社会保障的なものに転化をしていく方向をとっておるとしても、今日ただいまの段階では、そういう退算金制度というものは民間産業の場合にはあるわけですから、そういう現在の制度を是認して、そうして税法上の対策を講ずるという場合には、退職金というものは勤続年数の長い者に対してその労に報いる、またそういう要素を多く考えていくというのが退職金制度の基本的な性格だと私は思う。そういう点からいけば、たとえば勤続年数五年までは現行の五万円というものを適用する、十年から十五年までは七万円にする、あるいは十五年から二十年までは十万円にする、二十年から二十五年まではたとえば十三万円にするというふうに、二万円刻みにするか二万五千円刻みにするかは別にいたしまして、そういう傾斜をつけた控除額というものを考えることのほうが、退職金制度というものに見合った控除額の実態に沿うものではないかと私は思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
○泉政府委員 お話の点はまことにごもっともでございますが、ただ同じ勤務一年と申しましても、いまお話のように老後の生活の安定ということを考えますと、まあ人間の労働能力の限界等から考えまして、二十歳のときの勤務一年と、五十歳をこえてだんだんと仕事をすることができなくなるに近づく年齢の場合の一年と、これは評価を同じというわけにいかないということになりますので、そこで前は四十歳までとそれから四十歳から五十歳まで、それから五十歳以上、こういうふうに分けて控除額をつくっておったわけでございますが、そういたしますと、いつの段階でつとめたかということでいろいろ控除が違ってまいりまして、そのために控除の計算が非常にめんどうになるというようなこと、年齢の計算はもちろん満年齢で計算いたしますにしても、非常にやっかいになるというようなことからいたしまして、勤務一年について一定額という控除に直したのでありまして、理屈からいえば、退職所得を老後の生活の安定という意味での給与、こう考えますとお話のような数字も出てくるわけでございますが、しかし他方において、それがいま申し上げましたように勤務年数だけではいけないので、やはりその年齢ということを考えてやっていくということになりますとなかなか複雑になる、こういうことから、いまのように勤務年数を一年について一定額ということにいたしておるのでございます。しかし、それがいいかどうかという点についてはいろいろ御意見もあろうかと思いますので、今後また検討いたしてみたいと思います。
○藤田(高)小委員 私は、年齢と勤続年数をどういうふうにからますかということについては、なるほどこういった画一的な五万円方式より技術的に煩瑣になると思いますけれども、どちらかで区切ればいいと思うのです。勤続年数十年以上あるいは十五年以上、二十年以上というふうに区切っていって、年齢については考慮しない。たとえば年齢の面でいけば、これは高等学校から就職した場合と、大学を出た場合によって違いがありましょう。そういうギャップが出てきますね。だから、勤続年数でいくか年齢でいくか、どちらでもいいと思うのですけれども、やはり退職金の性質からいけば、勤続年数にウエートを置いて刻みをつけていくことのほうがよりベターな退職金に対する課税方式ではないか。ですから、この意見は、単に検討ということではなくて、十分尊重するという前提に立ってひとつ善処願いたいと思うのですが、どうでしょうか。
○泉政府委員 おことばではございますが、単純に勤続年数だけではいけないので、やはりそういうふうに直すのであれば、年齢と勤続年数というものをかみ合わせないとなかなか実態に沿わないのだと私は思うのでございます。藤田委員は、学校を卒業してずっと一つの企業に定年までつとめて円満に退職されるということを前提にされておるわけでございますが、なかなかそうばかりいきませんので、企業をかわる場合がいろいろあるわけでありますので、そういうことを考えますと、退職所得が老後の生活の安定をはかるためのものであるとすれば、やはり年齢五十歳ぐらいの場合に他に転業いたしまして、そのときにつとめた場合の勤務一年を、学校を出てすぐ二十歳代でつとめた場合の勤務一年と同じ評価にすることは、勤続年数だけからいけばそういうことになるわけでありますが、それはなかなか適切ではない、やはり年齢とかみ合わせなければならない、そこにどうしても複雑な問題が出てくるということでございますので、お話の御趣旨はごもっともではございますけれども、そういう点にいろいろ難点がありまして現在のような制度になっておるわけでございまして、それだけにまた元の制度のように復すべきかどうかということになりますとなかなかむずかしい問題がございます。したがいまして、いま直ちにお話のとおりに直すというわけにちょっといきかねるわけでございます。いずれにいたしましても、よくその点を検討いたしまして、実態に即するような姿にいたしたい、かように考えます。
○藤田(高)小委員 私は一歩後退、二歩後退じゃないのですけれども、いわゆる実態に即したような改善の方法がとられるということを前提に意見を出しておるわけですが、年齢と勤続年数を両方考慮して一つの基準をきめるということが、いろいろ検討してみたけれども、技術的に困難だという場合は、今日の民間産業の場合定年は五十五歳ですね。中には五十七歳になり、あるいはどこかの会社のように六十歳ぐらいまで定年を延期しよるところもございますけれども、五十五歳というものが大体八割以上を占めておると思うのです。そういう実態の中で家族構成を見た場合に、これは基準の取り方にもよりましょうけれども、まあ二十七歳で結婚をして、一年後に第一子ができて三年おきに第二子、第三子ができた、そういう一つの刻みからいきますと、退職の五十五、六歳というのは、家庭経済の面からいえば、社会的な出費の一番多い年齢でありますから、そういう実態からいいましても、私は退職金については大幅な減税を行なうべきである、それが技術的にどうしてもむずかしいということであれば、現行制度でいう画一的に五万円という基準を私はかなり引き上げるべきじゃないかと思う。七万円になるか八万円になるか、そういうふうに引き上げて退職金の課税額を引き下げるべきである、いわゆる退職金に対する大幅減税をやるべきである、この主張については、ひとつそういう線に沿って、いわゆるそういう意味の前向きの姿勢によって検討をされることが必要だと思いますが、それについての御意思のほどを聞かしてほしいと思います。
○泉政府委員 その点につきましては、繰り返し申し上げましたように、現在の控除額五万円という点につきましてはいろいろ御意見がございまして、退職所得に対する課税がまだきついというお話もございます。税制調査会にもそういう意見が出ております。そういった意見を十分尊重いたしまして、今後検討いたしたいと思います。ただ、来年は御承知のとおり減税財源がかなり苦しいので、はたしてすぐにできるかどうかはまだ受け合いかねますけれども、できるだけ御趣旨に沿うような方向で検討いたしてまいりたいと存じます。
○藤田(高)小委員 私は最後に、退職金とは別に、これはひとつ教えてもらいたいことになるかもわかりませんが、成人に達するまで所得税をかけるべきでないという一つの考え方を私は持っておるのです。これは社会党の政策審議会できまった意見でもありませんので、半ば私見的な考え方になるかもわかりませんが、いろいろな事情があって中学を卒業し、高等学校を卒業した者が社会のためにまだ未成年にもかかわらず働いておる。そういう者に対して税金が一人前かかるというのは、私は全体的な法律体系の中で半ば不合理ではなかろうか。これも所得税という公平の原則に沿って所得のある者に対しては税金をかけるんだ、それには所得の多寡に応じてかけるんだという公平の原則からいえば、なるほど私の主張は通らないかもわからないけれども、成人に達するまでは所得税をかけないという方式はとれないものかどうか。これは決定的に取るなというところまで私も意見を出すことについては若干ちゃぅちょするものですけれども、そういう主張に対しては主税局はどういうお考えか、これはひとつ参考までに聞かしてもらいたい。
○泉政府委員 お話のように、現在の給与所得に対する課税の状況からいたしますと、先ほどもお話がございましたが、まだ基礎控除、給与所得控除などが低うございますので、中学校を卒業して非常にいい会社へ就職いたしました場合、あるいは高等学校を出ました場合におきましては、まだ成年に達しないうちから所得税の課税を受けるという場合が出てまいります。このことにつきましては、私どもといたしましても、まだそのような中学校を出たて、高等学校を出たての人に所得税がかかるということは好ましくない、成年ということには限らないと思いますけれども、しかし、他の者がまだ大学へいっている、つまり同じ年ごろに育っておる人がまだ大学にいっている段階で、たまたま高等学校を出、あるいは中学校を出たままで就職した者にすぐ税金がかかる、これは現在の社会の実情から見て好ましいことではない、したがって、できるだけ控除限度を上げましてそういうことにならないような姿に持っていきたいもの、こういうふうに念願いたしておるのでございますが、近年初任給の上がり方が非常に大きいものでございますから、基礎控除の引き上げあるいは給与所得控除の引き上げを行ないましてもなかなかそれに追いつかないという状況であることをはなはだ遺憾に思っております。ただ、お話のように成人に達するまで所得税をかけないということになりますと、父親が非常に金持ちであるために株式の贈与を受けてその配当所得がある場合、あるいは預貯金がある場合、それまで一々所得税をかけないかというと、藤田委員もそれには御賛成にならぬだろうと思います。したがいまして、あくまでもそういう勤労して得ておる所得の場合、学校を出たての者に課税することのないような方向で事柄を検討すべきである、かように思うのでございます。私どもといたしましてもそういう方向で今後十分検討いたしてまいりたい、このように思っておるのであります。
○藤枝小委員長 只松祐治君。
○只松小委員 私も横山さんと同じようにゆっくりいろいろとお聞きしようと思ったのですが、あと二、三十分しか時間がないようでございまして、二、三点、この次の臨時国会で論議を進めていく上に必要な問題点だけお尋ねいたしますので、ひとつ要領よくお答えをいただきたいと思います。 まず最初に、本年度の税収見込みがたいへんに違って、二千五百億であるとかあるいは三千億であるとか四千億であるとかいわれておりますけれども、税収が少ない、こういうふうにいわれております。しかし、去年の予算あるいは補正予算の状況等を見ますと、確かに法人税、特に大法人税は少ないけれども、事業所得あるいは一般の勤労所得というものは伸びないどころか、非常に伸びておるわけです。したがって、一がいに税収が伸びない伸びないといって宣伝しておるけれども、税収の実態というものは、その種目によっては非常に伸びておる、あるいは国民の側から見れば徴税が強化されておる、こういうことが言えるわけなんです。そこで、税収がどうしてこんなに見込み違いになったのかということがまず第一点。それからさらに、今後の見込み違いのいわゆる低下、低いやつはどういうものがあるか、あるいは伸びるのはどうか、こういうことを含めて、法人税――大法人と中小となかなか分けにくいでしょうが、ひとつそういう点。それから事業所得、個人所得、そういうものをひとつ。これはいまですから、大体推計になりますのでなかなかきちっとは出ないでしょうけれども、しかし大体二千億足りないとか四千億足りない足りないとか、いろいろいわれておるし、言っておいでになりますから、おおよその推計は出るだろう、こういうふうに思いますので、ひとつお知らせいただきたいと思います。
○泉政府委員 本年度の税収といたしましていまわかっておる数字は、御承知のとおり、六月末現在の数字だけでございまして、これによりますと、昨年の同期には決算額に対しまして二一佃六%の税収がありましたのに本年は一九・四%しか税収がない。もっとも本年につきましては、御承知のとおり政令改正などによりまして出納整理期間でありまする四月中に収入になりました法人税及び所得税の延納分と、それから酒税、揮発油税などの納期延長分につきまして三十九年度の歳入に繰り入れたものが五百七十九億円ございますので、その分は来年の四月に入ってくる、それに相当する金額は四十年度の収入によるわけでございますので、その金額がどの程度になるかわかりませんけれども、それをかりに本年度と同様の五百七十九億円といたしまして、それを加えてみますと、六月末で二一・二%でございまして、前年同期に比べまして〇・四%収入歩合いが落ちておる、こういうことになるのでございます。したがいまして、今後それではどういうふうになるかということはなかなかまだ十分予測しかねておるのでございますが、どうしてこのように予算に対して不足するようなことになってきたかと申しますと、何と申しましても一番大きいのは法人税でございます。法人税につきましては、昨年この四十年度予算を見積もるときにおきましては生産が一〇・五%伸びる、卸売り物価は〇・五%しかふえない、消費者物価は四・五%アップ、こういう前提で計算をいたしておったのでございますが、御承知のとおり昨年の十一月から本年の六月までは生産はほとんど横ばいでございます。四月、五月はむしろ下がっておる、こういった状況にございまして、今後生産がふえていくかと思いますけれども、しかし法人税としましては大体本年の九月末くらいの経済指標によって四十年度の歳入はきまってしまうのでありまして、その後かりに生産がふえたといたしましても、それは四十一年度の収入にはなりましても四十年度の収入としてはなかなか残らないというふうに見受けられるわけでございます。本年三月決算の法人税の申告税額は前年に比べまして九八・一%という姿になっております。私どもといたしましてはそれが前年よりは五%程度ふえるという見込みでおりましたのに、逆に減っております。その間非常に差が出ておるわけでございます。それから当初の経済見通しにおきましては、三月決算に比べて九月決算はさらによくなる、こういう見通しでおったわけでございますが、最近の情勢によりますと、三月決算に対して九月決算はむしろよくならない、さらに悪くなるのではないかというような予想が立つのでございます。そういたしますと、法人税につきましては、六月末におきまして前年が二七・一%であるのに対しまして、先ほどの政令改正などによる延納分の調整をいたしましたところで二六・六%、〇・五%ここで違っております。この違いが、九月決算の収入が入ってきます十一月ころになるとさらに大きくなるのではないかというふうに見込まれるわけでありまして、現在のところまだ正確に幾らくらい不足するかということはなかなか見積もることは困難でございますけれども、しかし、何といたしましても法人税の税収が一番大きく減るということでございます。 それからその次は酒税でございます。これは昨年は清酒の値上げが二月、三月にかけて行なわれるということで、その値上げ前に相当出荷が行なわれました。それが三十九年度の収入になったわけでございますが、その後清酒の伸びがあまりよくございませんし、さらにビールのほうは、御承知のような異常低温が続きましたためになかなか消費が行なわれない。予算におきましては一一六・五%前年に対して伸びる、こういう見込みで収入を見積もっておったのでありますが、本年二月から六月末までの数字でございますと、前年同期に対して九五%しか出荷がされておらない、一六%ふえるという見込みが逆に五%減っておるというふうな状況でございますので、いまはわりあい天候が回復しまして暑くなっておりますけれども、それにしてもすでにこの二月-六月の間でもう百数十億減っておるということでございますので、あれこれ合わせますとビールと酒の両方でやはりかなりの減収になるということが予測されます。 それから、その次は物品税でございますが、物品税につきましても一般に消費、購買力が落ちておりまして、当初におきましては国民消費の伸びが一二%増加するという見込みでございましたが、現在では八九%程度に落ちるという見込みでございます。特に先ほど申し上げました異常低温の関係がありまして、夏場商品であります扇風機であるとかルームクーラーであるとかあるいは冷蔵庫であるとか、こういったものが非常に売れ行きが不振でございます。その上に一般的な不況の影響を受けまして、自動車の購入が予算を下回っておる、前年に対してふえておることはふえておるのですが、そのふえ方が少ない、カメラの売れ行きも落ちておる、こういった事情が重なりまして、物品税におきましても相当の減収になる見込みです。それから、その次は有価証券取引税でありますか、有価証券取引税につきましては、御承知のとおり本年配当につきましての特別措置を講じましたので、有価証券取引が相当盛んになるものという前提で収入を見込んだのでございますが、御承知のとおり山陽特殊鋼、山一といったような問題かつながりまして株の取引が非常に減ったわけです。最近政府の景気刺激策の結果取引高が若干ふえてまいっておりますが、しかし何ぶんにも三月以降六月までの間に非常に落ちました分がかなりありますので、これまた減収になるだろうという見込みでございます。 そのほか揮発油税につきましても、前年もそうでございましたが、一般的な景気がよくないということと、それからあわせてLPGのほうが使用されるということとが重なりまして、やはり相当の減収になります。 こういったものをあわせ考えますと、まだ正確に幾ら予算に対して不足するかということは申し上げかねるのでございますが、かなり大きな金額が予算に対して不足するのではないかというふうに考えておるのでございます。まだ正確な数字は申し上げておりません。新聞紙上ではいろいろ取りざたされておるようでございますが、まだ私どもとしては正確な数字としては申し上げかねるような状況でございます。
○只松小委員 いまパーセンテージでお話しになりましたが、これを換算すれば、ある意味では最悪の場合、大体どのくらいの減収見込みになりますか。
○泉政府委員 これは結局九月決算が三月決算に対してどういうふうになるかということが一番大きな要素でございます。それと年末の賞与がどうなるか、企業の収益状況が悪くなりますれば賞与のほうもなかなか出ない、ふえない、こういうようなことになりますので、それが一番大きな要素でございます。それがなかなか見通し得ませんので、いまにわかに推測することはなかなか困難だと思うのでございます。非常に大ざっぱに申し上げますと、最悪ということを非常に大きく考えればあれでございますが、私どもとしては大体二千億から二千五百億くらい税収が不足するのではなかろうか、このような感じを持っております。しかし、そういった点についてはまだ正確な計算が出ませんので、今後の事態の推移を見ながら正確な計算をいたすようにいたしたいと考えております。
○只松小委員 これは全体の減収分ですか。たとえば所得税や何か差し引いておよそそのくらいですか、それとも、いまおっしゃったような形のものだけですか。
○泉政府委員 いま申し上げましたのは全部の姿についてでございまして、税目別にこまかく幾ら幾らということはなかなかいま申し上げかねる段階でございます。
○只松小委員 個人所得は特別月給が下がった、官公庁で引き下げられたとか、そういうことはありませんね。多少倒産会社とか、そういうものはありますけれども、これはいわば唯一最大の順調な伸びを示しておる、こういうことが言えると思うのですが、これはどういう状況にあるか、どの程度見ているか。特に事業所得のほうは給与所得のように的確に把握できないかもしれぬけれども、さっき横山さんが青色申告のことをお聞きになりましたが、時間があれば徴税のことでこの問題を私もお聞きしようと思っておったのですが、これも昨年の補正予算を見ても伸びているのですね。これは徴税の強化ということが一般にいわれておるわけなんですが、事業所得のほうはどういうふうになっておるか、この二つをお聞きしておきたいと思います。
○泉政府委員 源泉の分につきましては、給与所得のほかに配当利子なんかの源泉徴収分がございますが、これらは大体予算に見込んだ数字程度で推移すると思われますので、源泉分の所得税におきまして予算に達しないことはないのではないかと思っております。ただ、源泉分のうち法人が株などを持っておる場合に源泉徴収を受けます。ところが、法人の全体の所得が、課税所得がないあるいは課税所縁が少ないという場合には、その源泉徴収税額の還付を受けるようになっております。これが相当ございますので、場合によると、ごくわずかでございますが、その分が予算どおりにいかない、これはほんの数億の問題でございますが、そういうことになるかもしれません。それから申告分の所得税につきましては、これは何ぶん来年の三月の確定申告によらなければ結果がはっきりいたさないわけでございますが、しかし、法人と同じように個人の事業もなかなか予算に見込みましたようには生産、取引がふえておらないようでございますし、申告所得税におきましてはやはりそのほかに設備投資があまり行なわれませんために、土地の譲渡ということが比較的少なくなっております。その両面をあわせまして、やはり申告納税分におきましては若干の赤字が生ずるのではなかろうか、このように見ております。しかし、その金額はそれほどたいした金額にはならぬだろう、こう思っております。
○只松小委員 一々全部お聞きする時間がなくて残念なんですが、こういうふうに申告のほうまでも赤字だというならば、個人所得税以外にあまり伸びといいますか、そのほかに期待されるものはないので、そこで結局公債というような問題が出てくる。これは本小委員会の問題でございませんので別といたしましても、これだけの見込み違いが出てくると、公債や何かは別として、どこかに穴埋めしていかなければならぬ、こういうふうな責任というものはあると思うのです。皆さん方は、公債や何かほかのものにたよればいいということは別問題として、この穴埋めは一体どういうふうにしようとお考えになっておりますか。
○泉政府委員 これは私からお答えするのが適当かどうか知りませんけれども、大蔵省といたしましては、本年の経済状況からいたしまして、租税及び印紙収入が当初予算どおり入りそうもないということが五月ごろからわかっておりましたので、その点からいたしまして予算の一割留保というようなことでつじつまを合わそうじゃないかという考えを起こしたわけでございますが、これにつきましては、御承知のとおり景気刺激策をとらなければならないような状態のときに留保をすることは適当でないということからいたしまして、旅費、庁費など百五十億円を除きましては留保の解除がなされたわけでございます。したがいまして、現在のところはこの収支のつじつまを合わすためにいずれ補正予算を編成しなければならないわけでございますが、他方歳出増加要因もいろいろございまして、それらのことを考え合わせますと、かなり大きな金額が収支の間で合わないということになってまいります。したがいまして、歳出面におきまして、たとえば本年度予備費が五百億ございますが、これについて残りが幾らか出てくるだろう、あるいはいまの旅費、庁費の留保の百五十億を使う、いろいろな手を講ずるにいたしましても、何といたしましても相当大きな金額を借り入れ金または公債で処理しなければならない、このように考えられるわけでございますが、そうかといって歳入のほうで増税をしてこの事態を切り抜けるべきかということになりますと、御承知のような不況の状態でございますので、増税を行なうということも適当でない、こういうことでございますので、まことに恐縮でございますけれども、何とか歳出のほうとそれから歳入、税及び印紙収入以外の歳入で若干の増収も期待できると思いますが、そういったもので処理して、残りは借り入れ金とかまたは公債で処理するほかはなかろう、このように考えるわけでございます。
○只松小委員 いま増税はしないという、私は税務行政の面からだけお尋ねしておるわけです、しないというお話だったのですが、しかし直接増税ということはないかもしれませんけれども、私は、時間があれば、法人税法六十五条の解釈から始まって――政令その他で相当国税庁のほうで自由裁量的に徴税行政が強化されてきておるというようなことも聞いておりますので、この政令との関係その他を私は多少論議をしたいと思っておったのです。しかし、時間がございませんからそれはいたしませんが、たとえば、さっき横山さんがこれも指摘しましたように、森脇という一個人で、これは追徴金を含めて六十五億というような金が取れる。私は前々から大法人の調査の徹底あるいは高額所得者の調査の徹底、こういうことを繰り返し御意見を申し上げてきて、極端な例として――極端というか、電子計算機はいま極端な例ではなくなってきているのですが、電子計算機等による調査をもっと徹底すべきだ、粉飾決算というものは電子計算機が完全にできなければそれを見破ることはできない、こういうこともたびたび言ってきたわけです。具体的に大法人や何かにどういうふうに的確な調査をされたか。この前から私の質問に対してする、するというような答弁をなされておった。特に高額所得者についてすべきであると、木村前長官のときから御意見を申し上げますと、いたします、特別班をつくってやっております、こういうお話だったのですが、一向その後大蔵委員会なり税小でも特別調査班をつくって成果が上がったという御報告を聞いたためしがないのです。たまたまこうやって、森脇なんかの話が出てくる。森脇なんか、今度特別班をつくったという新聞報道だけを見ますけれども、委員会で報告を受けたためしもない、こういうことですが、こういうものをすれば、私は、金貸しは森脇だけじゃなくて、私が例を引っぱる埼玉においてもいろいろな会社が倒産のときに高利貸しがたくさんひっかかっておる、かかわり合っておるということを御説明申し上げたこともあるのですけれども、ちまたの高利貸しが匿名預金等を利用して非常な金を動かしてやっておることは御承知のとおりです。なかなかこれは皆さん方としてはつかまえにくいことですけれども、飯塚事件一つを見ますと、飯塚事件にはこういう捕捉のしかたをすることができる。警察庁は確かに警察権を持ってやったと思うのですけれども、しかしこれは税務行政の経験者でない者がやはりこういうものを簡単に摘発をしてきておるわけです。ジャの道はヘビで、税務行政にたんのうな者がある部分を押えていけばこれは必ずわかってくるわけですが、まあこういうことも一々問答し、皆さん方がどういうふうにやっておるか、きょうは私は時間があれば聞きたいと思ったのですが、あらためて私はこういう問題はお聞きしたいと思うのです。特に特別査察班、調査班等をつくった、こういう報道がありましたが、具体的内容は一向私たちは聞いておりません。大法人、高額所得者、そういうものをしぼればこういうところからたくさん取れると思うのです。この不足の額の穴埋めには、何よりも公正な方法で、国民の望む方法で何百億くらいすぐ出てくると思うのですが、ひとつそういう具体的な方法をお聞きいたしたいと思います。
○吉岡政府委員 御指摘がございましたように、大法人あるいは高額所得者の税務調査を充実して、課税の公平をはからなければならぬという点は御指摘のとおりだと思います。前の機会にもあるいは御報告したことがあるのではないかと思いますが、御承知のように、大きな法人、五千万円以上のような非常に大きなものについては、税務署でなしに国税局で調査をいたす特別の体制をしておるわけでありますが、税務署におきましては法人の大小によりまして階級を分けて取り扱っております。その大きなものにつきましては当然のことでありますが、中階級あるいは一番下の小さな階級の法人に比べまして実際に調査をいたします日数が約倍以上の平均日数が出ております。また実際に調査をいたします実調割合と称しておりますが、実調割合は小法人に対しまして大法人は約倍以上の割合で調査をいたしております。それから三十八年から法人につきまして、また三十九年度から個人につきまして、税務署におきまして国税調査官制度を設けまして、特別に事務に熟達をいたしました有能な調査官を配置をいたしまして、大きなものについてこの調査官をして調査をしていく体制をとっておるわけであります。お話のございました特別調査班等もすでに各税務署につくっておるわけであります。ただいまのところ大体税務署で約千二百人程度がこういう特別調査班ということで従事をいたしております。国税局で全国で約三百人の者が特別調査班の仕事をいたしております。この特別調査班には、御承知のとおり大きなものと申しますか、複雑なものと申しますか、一般の調査では十分な効果をあげ得ないものを拾いあげまして、特別の調査体制をしいているものであります。また、大口の資産家と申しますか、高額所得者と申しますか、そういうものにつきましては、各国税局別に多少の基準の違いはございますが、非常に高額な所得のある者、あるいは大きな固定資産を持っておる、あるいは非常に高級なアパートに住んでおられる、あるいは高級な特別な乗用車を持っておられるというようないろいろな基準をつくりまして、それで拾いあげて、部内の俗称でありますが、大口資産家と称しまして特別の管理をいたす体制をとっております。ただいまのところ全国でこういう大口資産家ということで約三万余りの件数の特別管理をいたしておるわけであります。そういう意味で、大口のものにつきましては一般の調査よりも充実をした調査体制というものは一応しいておったわけでありますが、前回の森脇事件等が国税庁の手で調査が途中のところに地検の逮捕が起こり、ああいった事件が起こったわけであります。あの事件をわれわれも分析し、反省をいたした結果、御指摘のありました特別管理班というようなものを設けることにいたしたわけでありますが、ただいま御説明申し上げましたように、一応大口異例のものについての特別調査班という制度は、税務署及び国税局においてすでに体制はあったわけであります。なお、対象の拾い方、選び方等について問題がある、そういったものを常に特別の目で見て常時管理し、把握し、特調班に調査をさせるような対象を選定する特別の機能を持った班をつくることが適当であろうという結論になりましたので、東京国税局と大阪国税局の直税部の資料調査課に、御指摘のありました特別管理班という班を設けたわけであります。ここで複雑な取引のあるもの、あるいは非常に広範な取引のあるもの、あるいはいろいろな風聞その他で常時管理する必要があるというようなものを拾い出しまして、ここである程度の対象の選定調査をいたしまして、具体的に調査の必要があります場合には、これは局なりあるいは署なりの特調に移す、あるいは査察部に移すというようなことをいたしまして、同時に、ただいま一応体制のとれております特別調査班ももう少し充実したほうがよろしかろうということで、東京国税局あるいは大阪国税局の局の特調班を充実をするということにいたしたわけであります。
○平林小委員 結局歳入の見通しから見ると、大きくいえば二千五百億円、小幅に、少し控え目に見ても歳入不足、これに対して当然支出を予想されるのが大体千五百億と見ると、さしあたり合計しても三千五百億円、大きくなれば四千億円不足をするということになるわけですね。この場合に私は、主税当局が大蔵大臣の言うように借り入れ金か公債によらなければならないと思いますなんということに対しては、大蔵主税当局の良心というか、良識から見て、少しは抵抗してもらいたいと感じておるのですよ。それはわれわれとしては、できれば公債や借り入れ金によらざる方法をとるべきだと考えておるし、大体三千億円も四千億円も不足なんというのは、これは自民党政府は、本来いえば、政権を投げ出して国民に謝罪しなければならぬ大きな見通しの誤りですね。こういうときに私は主税当局としても大蔵事務当局としても無為無策ではいかぬと思う。われわれは今日税の問題についてはいろいろ批判を加えてきたのです。その中でも、たとえて言うと、こういうときこそ利子や配当の優遇措置についてもう一回廃止するということがほんとうにできないものかどうかということを検討をすべきだと思うし、それからまた、きょうも私資料の要求をしたのですけれども、主要産業の免税だとかあるいは特別償却だとかいうような大企業に対する租税の特別措置について洗い直すことができないか、それをやってどれだけ影響があるか、そんなにないじゃないかというような点について、私はもう少しこの際こそ今日の税制においてのゆがみを直して、そうしてできるだけ歳入がそういう面から入るようなことをくふうすべきだ。本来なら私は、もう幾ら福田さんや佐藤総理大臣が言うても、主税当局はまずこの税のゆがみを直すべきであるという声を上げるという態度をとるべきだと思うのです。私はそういうのがあって、やはり大蔵官僚というのはりっぱなものだ、国の財政においての良心の府である、こういうことが言えるのじゃですか、いまの泉さんが言うのを聞いていて、もうこれは公債か借り入れ金によるなんて、まるで福田蔵相や佐藤総理大臣あたりの言うことと同じようなことを言うてもらっちゃ困る。こういうときに主税当局は良識のかたまりとして直言することがあってしかるべきだと思うのですがね。あなたはそういう勇気を出すべきだ。そうでなかったら大蔵官僚は値打ちないですよ。いかがでしょうか。
○泉政府委員 御激励をいただきましてまことにありがたく存ずる次第でございます。 お話のように、私どもこのような事態になったことにつきまして非常に責任を感じておるのでございまして、もちろんいたずらに手をこまねいておるわけではございません。いまお話のようないろいろの点につきまして検討いたし、これを是正すべきではないかという意見も持っておるのでありますが、何ぶんにもこれは税法を改正しないと行政的にできる問題じゃございません。しかしながら、直ちに税法改正を行なうということにつきましては、御承知のようにいろいろの事情がございまして、なかなか容易にできないのを非常に残念に思っております。私どもといたしましては、こういうときにこそ財政の姿というものを正していく必要があるということは痛感をいたしております。
○平林小委員 私は決して政府にむほんを起こせということをすすめるわけじゃないけれども、ぼくはそのくらいの良心があって初めてあなた方大蔵省主税局に対して敬意を払うのですよ。そういうものをなくしてしまったらおしまいですよ。政治家というものはそのときの都合においてやることが多いですよ。こういうときこそ私はあなた方の存在価値が認められると思うので、そういうことは成功するしないは別にして、ひとつ大いに直言をしてもらいたいということを希望しておきます。 それから国税当局もそうだ。いま只松さんが言ったように、森脇事件に見られるような高額所得者の資産や所得の捕捉については、この際こそ大いにやるべきだと思う。私は、そういうことをやることは決して徴税強化とはならないと思うのですよ。こういうときこそ正しい意味の税の捕捉をするという態勢、姿勢を正してやるということを大いに心がけてやってもらいたい。政府に対しては、私ら歳出面においての経費節約その他要求しますけれども、国税当局も正しい意味の徴税の適正化ということは大いにはかってもらいたい。総理大臣みたいなことを言いましたけれども、ぜひひとつあなた方そういう点ではしっかりやってもらいたいということを希望しておきます。
○只松小委員 平林委員から私が結論的に言おうとしたことを先に出されまして、だんだん言うことがなくなったのですが、その前に一、二点聞こうと思っておりましたから……。 一億円以上の資本金の会社で赤字になっておる会社がたくさんあるのですが、いままでの古い数字はもらっておりますが、ひとつこの際できるだけ新しい数字がありましたら、赤字会社の数を資料としてお知らせをいただきたいと思います。私はこれも前から税法と商法の関係も言っているのですが、大会社で配当はしながら税務署には赤字だ、こう言っているところがまだたくさんあると思うのです。こういうのは何らかの形で――その会社をつぶせとは私は言いませんけれども、株主というのは資本家ですから、株価の維持のために、証券界の云々ということはわからぬわけじゃないけれども、とにかくいま武藤君とも雑談したのですが、そういうことだったら、所得税と同じように資本金に課税するようにしたらどうだというようなことをちょっと冗談に言ったわけです。われわれ勤労者が今月子供が学校に行った、あるいは病気したとかなんとかで赤字が出たから今月分の給与所得から所得税はひとつやめておいてもらいたい――赤字になることがたびたびあるわけですから――こういうことができるかと言えば、これは天引きですからできる相談じゃない。会社は赤字であるというだけじゃなくて、表面上は黒字であるといって配当をしておきながら税金を一銭も納めない。これを個人に引き直してみた場合、よく泉さんはシャウプ勧告以来の法人擬制説を引っぱり出して何とかかんとか説明されますけれども、法人格の問題を別にして、個人と比較した場合、個人は赤字だからといってその月所得税を負けてくれるわけじゃないですね。だから所得税はどんどん伸びている。ところが、大法人の場合、中小法人にもありますけれども、特に大法人は、とにかく配当をしながら税金を一銭も納めない。これは私は非常にけしからぬことだと思う。これはこういう機会に、税法上、商法上との関係とかいろいろありますけれども、ひとつこういう問題も御検討いただいて、法律的な検討の前に私はこういう会社こそ徹底的に調べたらいいだろうと思うのです。その実態を調べれば相当の税金を取れるものが出てきはしないか、私はこういう気もするわけです。少なくとも、一年だけならまだしも、二年も三年も五年も、山陽特殊鋼なんか典型的な例ですが、配当しながら赤字を申告している。こんなふらちな、なまいきな会社はないわけですよ。こういうところは徹底的に査察官なんか入れて調べていくということになれば、それこそ税金を取れない場合でも一般株主や国民に大きな迷惑をかけないで済む、こういう事態も出てくるわけですから、私は、資料の要求とともに、ふらちと申しますか、こういう会社に対する調査、徴税の方法tいうものもぜひひとつ徹底してやっていただきたいと思います。 こういういろいろな問題をやろうと思ったのですが、二時から本会議が始まるかどうかわかりませんけれども、代議士会もあるようですので、次に問題を進めますが、委員長にお願いしておきますけれども、税小をもう一ぺん開いていただいて、こういう大事な問題をちょこちょこっとやらなければならぬわけですから、ゆっくりとやれるようにしていただきたいと思います。 それからいま一つの問題として、いままで事業所得税を払っていた人で法人に切りかえている人が非常に多くて、日本ではもう七十何万をこえて八十万近くになるのじゃないかと思いますけれども、あれは私はふしぎでならない。諸外国にもこんなに会社数があるのかどうか。それから、大体ネコもしゃくしもこういう会社にしなければならないのか。なぜするかというたら税金対策だけでするのですよ。ほかにほとんど目的はないのです。別にそば屋のおやじや八百屋のおやじが社長になりたいから、かあちゃんが専務になりたいから、重役さんと言われたいから会社にしているのじゃなくて、いかにして税金をのがれるか、安くするか、法人にしたならばいかに合法的な脱税をすることができるか、こういうことでみなどんどん法人にしていくわけですね。日本の徴税のあり方、課税のあり方の根本問題が、これ一つえぐっていっても私はあると思うのです。さっき横山さんが言われた事業所得税の中のいろいろな問題も、この一つを掘り下げていけばやはり問題は出てくると思うのです。いわゆる法人成りということばで言われておりますけれども、これも私はきょう論議したいと思ったのですが、時間がないから論議いたしませんけれども、これもひとつ皆さん方よくお考えいただきたい。なぜこんなに日本では事業所得者が法人に転化していくか。近ごろはお医者さんも法人にしたほうがいいということを盛んにすすめている人もあります。これはある一定限度以上の収入になった場合には法人にしたほうがずっと課税額が安くなってくる、こういうことにもなるわけなのですが、根本的な日本の税制の問題はここにもありはしないか。私は、いい悪いまできょう論議する時間がありませんからその論議まで入りませんけれども、ここに根本的な日本の税務行政の問題があると思いますから、ひとつぜひ御検討をしておいていただきたい。その問題はこの次に論議をいたしたいと思います。 次にビールの課税について、これもことしは税金が伸びないというお話がありましたが、私はやり方によってはまだ伸びるものの一つだ、こういうふうに考えていままでお尋ねをしておったのですが、徴税方法その他を研究いたしますとか、善処いたしますとか、御説明がたびたびあったのですが、これもその後具体的にそういう話を聞いておりません。趣旨だけではなくて、ひとつ具体的にどういうふうになったか、時間がありませんからあれですけれども、三万件調査したならば、やはりその中で違反件数なり摘発件数が幾らある、あるいは具体的にこういうふうに処理した、こういうことを私たちは調査件数だけでなくて御説明をいただきたいし、あるいは資料としてもいただきたいわけなんです。趣旨とか、行なったというだけでなくて、やはり事を行なった場合には、具体的にこういうふうに処理した、こういうお答えを私たちはいただきたいと思います。これが、私たちが意見を出し、皆さん方が行政官として処理をしていく、こういうことで国民がいい生活ができていくようになるわけでございます。皆さん方としては、政治家としての答弁でなくて、特に小委員会ですから、具体的な、こういうふうにしたということをお答えいただきたい。特にビールについてひとつお答えいただきたい。
○吉岡政府委員 お尋ねになりました先ほどの特別調査班、局及び署の調査班の実績等の数字は一応まとまったものがございます。あるいは後ほど御説明してもけっこうだと思います。 それからビールの関係につきましては、只松先生から前にお話がございまして、私どもも検討いたしました。要するに、ビールのような大企業、大工場に対する間接税の徴収についての検査その他が手ぬるいのではないかという御趣旨であったと思いますが、私ども検討いたしまして、非常に脱漏があるというようなふうには思いませんが、なお改善すべき点があるということで検討いたしました結果、ただいまのところ、三十九年度にビール工場に検査のために行っておりました人員その他を充実いたしまして、他の間接税部門の簡素化、合理化によって浮き出しました人員をそちらに振り向けるつもりでおります。大体三十九年度の事業実績に対しまして、四十年度の事業計画では約二割余りの人日と申しますか、ビール工場の検査のための人員の充実をはかりたいと考えております。 なお、あらためて特に御報告を申しませんでしたのは、それだけでなしに、私、多少個人的な感じになりますが、私もビール工場に行ってみまして、ある程度大きな工場のあるところの税務署、それを所管しております税務署の酒税関係の人員がわずかに三人だというような状況であるわけであります。間接税全体の人員の中でありますので、これを増加するということは全体から見ますと非常に無理だという感じがいたすわけでありますが、ただ、もう少し何か機動的に充実する方法はないだろうかということを検討いたしております。たとえば、一つの方法として、東京に約六つの工場があるわけでありますが、そのおのおのの所轄の税務署に三人か四人の者しか配置できない状況でありますが、これを何か局でまとめて、専門にビール工場を回って歩く、そういうような体制をとれないものかということを実は部内で検討いたしております。ただ、税務の関係全体が、税務署長がいろいろなものを決定するというたてまえになっております点等がありますのでまだ結論を出すに至っておりません。なお続けて検討さしていただきたいと考えます。
○藤枝小委員長 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○藤枝小委員長 速記を始めて。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十五分散会