石炭対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/08/12
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人の出頭要求に関する件についておはかりいたします。 本日、無煙炭の需給に関する問題について参考人として意見をお述べいただくために、全国無煙炭鉱協議会専務理事梶井朋来君及び埴生炭礦株式会社副社長大沢徹君に出席を求めることとするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、石炭対策に関する件について調査を進めます。 石炭対策の基本施策について質疑を行ないます。 まず私よりお尋ねいたします。 通産大臣に対しまして数点にわたりましてお尋ねしたいと思います。再質問はいたしませんので、お答えだけでけっこうでございますから……。大体、質問の趣旨につきましては、昨日の本会議におきます決議案の趣旨説明の中に盛られておることでありまして、繰り返しのような形でありますが、具体的に五項目にわたりましての大臣の御答弁をお願いしたいと思います。 まず一点は、経営安定のための負担の軽減措置の件であります。昨日も私申し上げましたが、いわゆるスクラップ・アンド・ビルド政策によるところの合理化によりまして、簡単に申し上げますと、退職金のために石炭鉱業界全体にわたりまして約一千億円の負債を生じておるわけであります。また、それに伴いますところの累積赤字も八百億円という膨大な数字になりまして、こうした金利負担その他の問題のために、大手炭鉱におきましても、トン当たり、優良炭鉱におきまして約四百円あるいはまた六百円というような赤字を出しておる現状でありまして、このままでいきますと、炭鉱自体がこの合理化のための負担増のために経営が行き詰まる状況になるという判断もございます。これに対しまして、政府といたしまして、この一千億円の合理化によるところの負債の棒引きあるいはたな上げ、また、累積赤字に対するところの利子補給等々のことをお考え願えないか。昨日例をイギリスにとりましたけれども、イギリスの石炭庁におきましては、政府の借入金に対しまして、四億ポンド、邦貨換算四千億円の合理化資金の棒引きをしたという例もありますので、これは総合エネルギーにおきますところの石炭の位置づけの問題もからんでおりますけれども、そうした抜本的な措置をおとりになるお考えなどがあるかどうかというのが一点であります。 次には、現行の炭価の再検討ということをお考えになっていただけないかという問題であります。これは、御承知のように、第一次調査団のときに千二百円炭価の引き下げをいたしました。それがまず今日石炭が斜陽産業になります第一歩でございましたが、先ほど申し上げましたように、大手の炭鉱においても四百円ないし六百円の赤字を出している現在でありますので、これに対して、先ほど申し上げましたのと多少の関連はあるのでございますが、補給金制度をお考えになる御意思があるかどうかということをお聞きしたいのであります。ドイツの例を昨日とりまして、具体的には申し上げませんですが、西ドイツにおきましては、重油消費税を取り、また、近年はさらに重油、原油、ガソリン等々の輸入の許可制をとりまして、いわゆる国内の安全保障というような見地から、石炭産業というものに対して非常な優遇措置を講じておるというような例もございますので、この点について通産省のお考えをお聞きしたいと思うのであります。 もう一点は、鉱害処理の問題でございます。相次ぐ閉山に伴いまして、鉱害の発生率が、ことに筑豊地区を中心といたしまして年々大きくなっておりまして、いわゆる無資力炭鉱といたしましては、閉山によってなかなかその鉱害の復旧に手が届かないというのが現状でございまして、ただ単に私企業の炭鉱だけに持たせるという段階では、増大する鉱害の復旧ができ得ない現状でありますので、この点について、近い将来におきまして国の責任においてこの鉱害を復旧するという体制を確立していただきたい、かように考えておりますが、これに対しましての御所見を承りたいと思うのであります。 次は、将来の長期間の展望に立ちまして今後の石炭産業の振興をはかるためには、いわゆる新鉱の開発の促進というものがその基本的のものとなると思うのであります。しかしながら、新鉱開発には膨大なる資金が必要でございます。ついては、これらの新鉱開発という点について、資金の助成、また、その助成の大幅の拡充というようなことをお考えいただきたいと思うのでありますが、これに対しましての通産省のお考えを承りたいと思うのであります。 また、合理化と申しましても、いままで ただ単なるスクラップ・アンド・ビルドというだけでなく、あるいは鉱区の調整、会社間の合同等々によるところの合理化という点も十分将来の石炭産業振興のためには考えていかなくてはならない点であろうと考えますが、この点についてもあわせてお答えをお願いしたいと思うのであります。 申し上げたいことも多々あるのでありますが、以上四、五点にわたります点をどうぞぜひともお願いしたいと思うのであります。これは申すまでもなく非常に予算に関係するものでございますので、明年度予算におきまして、ひとつ通産大臣の積極的なお力によって予算の獲得をお願いしたいと思います。 以上、質問と希望を申し述べまして、私の質問を終わります。
○三木国務大臣 第一の点は、退職金だけでも千億円くらいの負担増になっている、累積赤字が八百億円くらいあるのではないか、この累積赤字に対して、あるいはたな上げとか棒引きとか利子補給などをどう考えるか。これはいずれも重大な問題でありますが、何かわれわれとしても検討をしなければならぬ問題ではあると思います。これは将来の研究の課題にさせてもらいたい。なかなか影響するところ多い問題でございますので、研究の課題にさせていただきたい。 それから、第二番目は、炭価の問題でございます。これもまた需要者等への影響も非常に大きいわけでありますので、企業自体として大いに合理化もやって炭価を下げる努力をしてもらわなければならぬ。これに対して、政府のほうとしても炭価を下げるための利子補給その他いろいろな努力は強化していくべきでしょう。企業自体、政府相まって炭価を下げていく努力もしなければならぬ。直ちに炭価を引き上げるということの前にいろいろやらなければならぬ問題があるので、政府に関する限りは、その施策を強化していきたい。 それから、鉱害については、資力のある者については、これは鉱業権者の負担を軽減する措置を今年からとったわけです。今後それでいいかどうかは検討するが、いずれにしても、本年から負担軽減をしたので、この一つの成績なども見てみたい。無資力の鉱害の復旧については、国がやるわけでありますから、早期に復旧に努力をしたいと思っております。 また、新鉱の開発については、いま委員長のお話のように、いまの石炭鉱業界の現状で新鉱開発を自分の責任においてやれということはなかなか無理がある。原料炭については何かやはり新鉱開発の新しいくふうを考えてみたいと思っております。 いま委員長が御指摘になったことは、相当みな予算にも関連をいたしますので、答えが慎重にならざるを得ないわけでございますが、現状についてのいろいろ委員長が述べられたことは、全くそのとおりで、石炭問題というものは、ただその日暮らしでなしに、真剣に取り組むべきであるという認識は、全く同感でございます。できるだけの努力をいたしますということを申し上げて、お答えいたす次第でございます。
○加藤委員長 私どもも非常に新大臣の抱負と経綸とに期待いたしておるわけでございますから、ひとつ勇断事に当たって、この石炭業界の不振を一掃され、底固めをしていただくように、ぜひともお願い申し上げます。 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 委員長の質問に関連いたしまして、二、三当面する問題をお尋ねいたしたいと思います。 まず、明治鉱業と杵島炭礦は政府として一体これを存続させるつもりであるかどうか、その決意をお伺いいたしたい。
○三木国務大臣 佐賀県における杵島、明治両炭鉱とも、埋蔵量も相当にありますし、存続さしたいという意図のもとに、いま石炭鉱業審議会の経理審査会にかかっており、今週末か来週にその結果が出るものと期待をしております。
○多賀谷委員 明治並びに杵島炭鉱がもし崩壊をするということになりますと、日本の大手の炭鉱にもさらに波及するだけでなくて、労働者の離山ムードというものは非常に高まる。ですから、これをまず救うことによって歯どめをして、次の政策をさらに抜本的なものを樹立していただきたい、これを要望しておきます。 次に、それに関連しまして、いわば、問題になっております首切り退職資金ですね。これは整備資金といいますが、この資金がもうすでに枯渇を見るような状態になっておるかと思います。といいますのは、日炭高松炭鉱が経理審査会の審査を経て企業の縮小に乗り出しておるわけですから、その整備資金、さらに、明治鉱業の再建についても赤池炭鉱等の閉山がございます。ですから、当然整備資金が枯渇するという問題がある。この財投の問題はどう考えておられるか。これは通産大臣並びに大蔵省からお聞きいたしたい。 さらに、買い上げ交付金ですが、すでにこれも財源を高松炭鉱等の問題で食っておると思う。また、明治赤池におきましても交付金を必要とするわけですから、これらの問題についても財源処置をどうされるか。これは大蔵省主計局からお伺いいたしたいと思います。 まず、当面の問題について、以上お答えを願いたいと思います。
○井上説明員 最初の整備資金の問題についてでございますが、これは、従来私どもといたしましては、整備資金は運転資金でございますから、できることなら市中銀行から融資を仰ぎたいというふうに考えておったわけでございますが、御承知のように、最近の石炭鉱業の現状におきまして、特に退職金の金融につきましては、これは二、三年前からですが、なかなか市中銀行からは借りがたい。そこで、ただいま、政府といたしましては、閉山並びに合理化解雇による退職者に対する退職金につきましては国が相当大幅に財政資金からの融資をやっておるわけでございます。今後とも、私どもといたしましては、閉山とか合理化に伴う社会的な影響もございますので、できるだけこの整備資金の確保に努力してまいりたいというふうに考えております。
○広瀬説明員 お尋ねにございました本年度の整備資金は、石炭合理化事業団に計上されておりました十五億円でございます。これは、御指摘のように、先般の日炭高松の整備資金の支出に伴いまして、さらにこれに追加をいたすことを決定しております。それは日炭の分でございますので、いまおっしゃいました杵島、明治の問題につきましては、先ほど通産大臣がおっしゃいましたように、石炭鉱業審議会の経理審査会において問題が取り上げられておる段階でございますので、その審査会が再建の方向を打ち出し、あるいは財政資金等についても何らかの措置を要するというような結論になってまいりますれば、その段階におきましていろいろとまた通産当局と相談をしていきたいというふうに考えております。
○鳩山説明員 ただいまのお尋ねの交付金の予算につきましては、本年度は当初三百七十万トンという想定で予算を四十二億組みましたのは御承知のとおりでございますが、この当初のときに、あるいはどの炭鉱がどうなるだろうというようなことは個々には積算はしてないのでございますが、日本炭礦のほうがこういう状態になるのではないかということも一応当時としても考えられたわけでございます。そういう要素も織り込んで三百七十万トン計上いたしましたが、あるいは結果においてこれが不足することも十分考えられますので、これは今年度あるいは来年度を通じまして極力その財源手当てをいたすというふうに考えております。
○多賀谷委員 財政当局から、財投についても経理審査会の結論が出ればその段階で不足分を補いたいということでありますから、整備資金だけでなくて、それは再建資金を含めての問題だろう、こう理解をして、了承したいと思います。 買い上げ交付金につきましても、いま、不足があったならば考えるということですから、この手続のおくれたために混乱が起きないように努力を願いたいと思います。 それから、実は、この前から話がありましたことで、大臣にお願いしたいのですが、昭和四十年度は鉱害復旧事業の補助率を五割くらい上げたわけです。しかし、その際、十二月の段階でございましたから、予算の総額はそのままにした。ですから、事業量は三十九年度に比べてぐっと減っておる。そこで実際の事業量は補助率がふえましたから減ったわけですが、しかし、御承知のように、終閉山は集中的に起こっておる。いままで山が操業しておったときには、おくれても被害者のほうも何とかがまんしておりましたけれども、山がなくなりますと、どうしても不安感が伴う。ですから、復旧の声が殺到しておる。これは民生安定から放置できない問題であると同時に、また、復旧がおくれるということは、年々米価の賠償をしておりますが、年々補償の額が非常に高くなる。これがまた炭鉱全体の経理を圧迫する。こういうことでありますので、民生安定の面から言っても、鉱害復旧の問題はひとつ格段の予算措置を明年度においてはお願いしたい。これをお願いしておきます。
○三木国務大臣 まあ結局はいろいろ予算と関連をしますから、いまの現状からして予算のワクをふやさなければならぬと考えております。来年度の予算編成とにらみ合わせて、これはできるだけ努力をしたいと思っております。
○多賀谷委員 エネルギー調査会、それから石炭鉱業審議会の政策委員会等で、エネルギー基本問題並びに石炭プロパーの問題等を審議されるわけであります。これと四十年度予算との関係がやはりなかなか明確にできないでしょうけれども、これはやはり、ある結論を中間でも答申をして、そして四十一年度の予算は一応その将来の展望に立った予算をぜひ出してもらいたい、こういうように私は考えるわけですが、これはひとつ大蔵当局と通産大臣から御答弁願います。
○三木国務大臣 調査会の任期は二ヵ年ですか、総合エネルギーの問題、日本でもやはり長期計画というものは欠けておる政策の一つだと思います。年限はかかるのですけれども、石炭問題というものに対してはできるだけ予算と関連を持たせるように、中間報告でも求めたいという——きのうは初めての会合があったわけですが、予算委員会にくぎづけになって私は出席できなかった。次の会議には出席をして委員各位と御相談をしたい。何か予算的にも大きな方向を描きながら今年度の予算編成というものができないかということで、委員の方々とも次の機会には私は懇談してみたいという意図でございます。
○加藤委員長 他に御質問がございませんければ、次に移ります。 —————————————
○加藤委員長 次に、無煙炭の需給に関する問題について御意見をお述べいただくために、参考人として、全国無煙炭鉱協議会専務理事、梶井朋来君及び埴生炭礦株式会社副社長大沢徹君に御出席をいただいております。 両参考人には御多忙中にもかかわらずわざわざ御出席くださいまして、まことにありがとうございました。両参考人には本問題について忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 それでは、まず全国無煙炭鉱協議会専務理事梶井朋来君からお願いいたします。梶井君。
○梶井参考人 梶井でございます。無煙炭の需給に関しまして概略申し上げます。 二十四年六月に石炭統制が撤廃になりまして、無煙炭は有煙炭より六カ月早く統制撤廃になりました。 それから、その当時の無煙炭の状況は、二十四年度が大体、出炭が九十万トンで、輸入炭が十二万トン、合計大体百万トン。それから、現在、三十九年度は、大体二百二十万トン、もちろんこれは無煙と煽石でございます。そして、現在輸入炭は約二十七品目ありますが、その全輸入炭の合計が百四十万トン、結局合計で、国内が二百二十万トン、外国輸入無煙炭が百四十万トン、計三百六十万トン。だから、二十四年から四十年の需給まで、百万トン台が四百六十万トンというふうに発達してきております。輸入炭と国内炭の割合いは、現在国内炭が六〇%、輸入炭が四〇%というふうになっております。 その間の需給の概略を申し上げますと、二十四年六月に統制が撤廃になりまして、元来無煙炭は、特に山口炭は九〇%以上が家庭練豆炭用でございまして、これと現在まで消長をともにしてきたといってもいいくらいだと思います。その撤廃になりました直後の十二月に、無煙炭をどういうふうにして立ち行かせるかということで、無煙炭は練豆炭原料が大体八〇%でございますから、練豆炭は国鉄運賃も特別等級と安い運賃にいたしましたから、それの原料たる無煙炭が高いのはおかしいんじゃないか、そして練豆炭は一般の庶民の燃料であるから、これの原料炭、すなわち練炭には九五%の原料を使いますから、練豆炭即無煙炭ではないかというふうに国鉄に申しまして、その時分は船がありませんですからほとんど貨車載りでございましたし、無煙炭は大体平均して六百キロ以上の遠距離輸送だということで、国鉄にお願いしまして、距離によって特別割引をしてもらいました。そして、たとえば山口から東京までは千百キロありますが、大体トン当たり六百円くらいの割引をしてもらって、それで無煙炭炭鉱も少し立ち直りを見せまして、それからなお練豆炭も大体一〇%以上の伸びを示しました。そして、その特別割引は、半年ごとの期限でありますから、しょっちゅう運動しなければいかぬものですから、三十五年には、特別等級の二十三級に入れてもらって固定さしてもらいました。そして、これはもちろん練豆炭にいく粉炭だけでございます。だから、無煙炭と煽石の粉炭に限って割引をしてもらって、そして三十五年から特別等級になったのです。煽石は二十九年からやって、そういうふうに運賃負担が非常に軽くなりましたものですから、これで大体立ち行くことができました。そして、二十八年になりまして、いままで自由承認制でございました無煙炭を外貨割り当て制にしてもらいました。戦前は、無煙炭は二百万トン以上、昭和十五年は二百七十万トンも輸入炭が入っておったのでございますが、終戦後は二十四年までは一トンも入らなかった。それが二十七年になりまして練豆炭用としても九万二千トンというように非常に入ってきましたものですから、二十八年の六月に、無煙炭に対する外貨割り当てを策定してもらって、それ以後三十二年までは練豆炭が一五%以上毎年ずっと伸びてきておりましたものですから、無煙炭もそれにつれまして出炭もだんだん伸びてきました。ただし、三十二年になりまして、いわゆる電気関係の競合燃料によりまして練豆炭が百六十万くらいに三年間低迷しまして、それにほかの産業の外貨割り当てからもやはり流入分がありまして、無煙炭界は苦況におちいりまして、三十年に六十一鉱もありました炭鉱が、三十五年には四十七まで下がって、閉山が相次いで起こりました。これはついでに申し上げますが、去年が大体三十九残っておりまして、そして、四十年は、現在はもう二十五炭鉱しかありません。去年でも大体十炭鉱ぐらいやめました。そういうふうに、練豆炭が二十六年から三十年までは一五%以上ずっとふえてきておりましたから、無煙炭も非常に順調に推移してまいりましたが、三十二年から三十四年まで三カ年間は先ほど申しましたように練豆炭が百六十万台で停滞し、また、輸入無煙炭のほかの産業から練豆炭に横流れがありまして、それで圧迫されまして無煙炭が非常に苦況におちいって、先ほどの閉山が相次いだというような状況でございます。ただし、三十五年度に至りまして練豆炭が百九十六万トンまでいきました。やはり電気は高い、練炭は経済性があるというようなことでまた伸びたのでございますが、それから三十七年になりましたら練豆炭が二百十八万トンで、そして、もう三十九年になりますと二百二万トンまで減りまして、今度はまた国内炭が非常に余ってきたようなかっこうです。そして、その間、練豆炭の生産計画は非常に多目に立てますが、一方、どうしても輸入無煙炭の外貨が非常に多い目になるおそれがある。それがみんな練豆炭に流れていくというようなかっこうで、三十九年は二百十八万の計画が二百二万トンまで落ちましたものですから、国内無煙炭が計画よりか十五万トン消費減になりまして、三月末は二十七万トンぐらいの貯炭、そして現在この六月でもまだ減りませんで二十六万五千トンぐらい。こういうふうに、練豆炭が二百十八万を境にしまして三十九年度が二百二万まで落ちた。 そういうふうに落ちることが見込まれましたものですから、昨年の十二月に主管官庁である林野庁に陳情しまして、練炭の現在の消費構造から、われわれは練炭の形態とか燃料器具によって伸びる点について意見を出しましてお願いして、何とか行政指導していただきたいということでやっております。そして、三十八年と三十九年は、練炭業界とともに、三千万円ですが、炭鉱と半分半分出しまして宣伝をやったのですが、遺憾ながらそういうふうに計画から十六万トンぐらい落ちましたものですから、この四十年度は、その落ちた原因は何にあるかということで市場調査をただいまやっております。これは今月できてまいりますから、また両業界でこれの対策を慎重にはかりたいと思っております。
○加藤委員長 参考人の方に申し上げますが、大体要点だけお述べ願いまして、十分程度におとどめいただいて、あとは、質疑をいたしますから、それによってお答えいただきたいと思います。
○梶井参考人 それではちょっと……。 そういうふうに、国内無煙炭は二百二十万から二百三十万トンの非常に狭い分野でございますから、外国無煙炭が多くなるならぬによって非常に不況の浸透度が早いものですから、そして、その練豆炭以外の産業になかなか無煙炭・煽石は向かない面がありまして、非常に需要分野が狭いものですから、練豆炭が生産減になりますとすぐ不況に襲われるおそれがある。そういうような面がありますから、四十年度は百四十六万トンの輸入無煙炭の外貨が確定しておりまして、これは去年に比べて一〇%以上の伸びでございますが、はたしてそれだけ伸びるかどうか。無煙炭を使う関連産業の実態を把握して、もう少しその無煙炭の外貨割り当てを慎重にやってもらいたい。これがずっと練豆炭に毎年流れて、多いときは十三万トンが流れてきて、やはり無煙炭の市場としても不況になる原因をつくるものでございますから、ひとつ慎重にお願いしたいと思います。 そして、この間の日韓会談でも、韓国の無煙炭をこちらに輸入するようにという希望が韓国ではだいぶ強いようでございますが、現在三十九年度でも二十二万トンの実績があります。そのうちの半分の十万トンが練豆炭、そして、そのあとの十万トンは、鉄鋼、回転炉銑ですが、それとか、非鉄金属関係にいく。実情から申せば韓国無煙炭はそう強く要求はしないと思いますが、なるべくいままでの実績程度のものでお願いしたいと思います。 なお、最後に、国鉄の運賃でございますが、来年の一月から二六%か三〇%ぐらい上げるという意向のようでございます。無煙炭は二百二十万トンの生産のうち百八十万トン輸送しております。近ごろ各港まで出して船で持ってくるのが多いものですから、距離は大体平均百キロぐらいでございます。そして運賃がトン当たり三百六十四円ですから、二六%でしたら九十六円ぐらい上がって四百六十円になります。そうすると、百八十万トンですから、大体一億七千万円ぐらいの負担増になりますから、この点もひとつ御考慮願いたいと思います。 簡単でございますが、あとは質問にお答えいたします。
○加藤委員長 次に、埴生炭礦株式会社副社長大沢徹君にお願いいたします。
○大沢参考人 大沢でございます。 ただいま全国無煙炭鉱協議会専務理事の梶井さんからいろいろと無煙炭の概況について申し上げましたので、私は、生産業者の立場から、一、二非常に重要な問題についてお話を申し上げたい、かように考えます。 わが国の無煙炭業界の死命を制するものは外国無煙炭の輸入の多寡によると申しても決して過言ではないのでございまして、昭和二十四年に統制撤廃後、二十八年から外国無煙炭の輸入制限をしていただいたために、無煙炭業界は順調に伸びてまいりましたが、いま専務理事が申しましたように、三十二年から三十四年にかけまして他産業から練豆炭向けに外国炭が多量に流入いたしまして、これによってわれわれの仲間の中小炭鉱が十数鉱閉山をいたしたわけであります。したがって、過去の外国無煙炭の横流れの実績から見まして、今後の練豆炭以外の産業に対する外貨割り当てにあたっては、慎重の上にもさらに慎重に実態を検討して決定していただきたい、かように考えます。 次に、四十年度の練豆炭向けの外国無煙炭の輸入量は、両業界で昨年の八月に策定いたしましたルールによりまして、両業界で話し合いの上本年度はきめたのでございます。幸いにして練炭の生産が順調にまいりまして、計画どおりにまいりまして、かつ他産業からの外国無煙炭の流入がない限り、何とか需給のバランスがとれていく方向にいくのではないかと期待いたしております。ただ一つ、われわれが現在最も心配いたしておりますのは、ただいまも専務理事から申しましたが、韓国無煙炭の輸入の問題でございます。今春の日韓貿易会談で、国内無煙炭の需給に悪影響を及ぼさない範囲で輸入するという原則が確立されたと聞いております。今後日韓貿易会談が進行いたしますにつれて、万一、この原則が無視されて、昨年の実績二十一万二千五百トンを上回るようなことになりますと、ただでさえ多くの貯炭をかかえて苦しんでおりますわれわれ中小炭鉱は最大の危機に追い込まれるのであります。 〔委員長退席、藏内委員長代理着席〕 国内の無煙炭が不足している、これならば外国の無煙炭を入れるのもやむを得ないと思いますが、国内の無煙炭があり余っておるという現状の中で外国無煙炭を増量するということは、外貨の節約の面から申しましても、また、国内のエネルギー資源を保護育成する上から見ましても、私は納得できないのでございます。私たち生き残りました二十数鉱の無煙炭鉱は、現在当面しているあらゆる困難な問題に耐えながら、日夜その打開策に苦心をいたしております。どうぞこの現状を十分御理解いただきまして、外国無煙炭の増量は絶対に阻止していただきたい、かようにお願いする次第であります。
○藏内委員長代理 それでは、無煙炭の需給に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 石炭局長にお尋ねしますが、この無煙炭の指導というものはどういうふうにするか、まずお伺いしておきます。
○井上説明員 無煙炭につきましては、先ほど来参考人の方からるる実情についてお述べになったわけでございますが、私どもといたしましても、先ほどの参考人の方の御意見と大体同じでございまして、やはり、国内無煙炭を保護していくという見地から一番大事なのは、外国からの輸入炭との関係であるというふうに考えておるわけであります。そのために、無煙炭につきましては、毎年外貨割り当て制度によりまして国内の需給と見合って輸入をきめていくというような政策を現にとっておるわけでございます。 ただ、おそらく、無煙炭業界で危惧を感じておられますのは、これは私の推測でございますが、韓国の無煙炭の今後の見通しと推移、これについて特に最近の情勢にかんがみて危惧の念を持っておられるのじゃないかというふうに考えておるわけです。この点につきましても、私どもは、これは特に韓国だけという問題じゃありませんが、全体的な考え方としまして、一般的な考え方としまして、やはり国内需給と見合って考えていくという基本ラインはくずしておりません。したがいまして、そういった考え方で今後とも輸入炭についての政策を進めてまいりたいというふうに考えております。
○多賀谷委員 通商局の輸入企画課長にお尋ねしたいのですが、この三十九年度の実績を見ましても、あるいは三十八年度の実績を見ましても、たとえば三十八年度においては、輸入無煙炭の外貨割り当てのうち、練豆炭用ということで予定されておるのが二十八万八千トン、実際の練豆炭用の無煙炭の輸入の荷渡しが三十八万五千トン、さらに輸入無煙炭の練豆炭用実績が四十一万トン、三十九年度で言いますと、練豆炭用の外貨が二十四万八千トン、ところが、実際の荷渡しは三十六万六千トンという統計が出ておる。統計は出ておりますけれども、実績の消費というのが輸入無煙炭の練豆炭用は四十万トン、こういうように示されておるわけですが、このチェックはできないものか。要するに、無煙炭の輸入外貨を練豆炭何々というように区別をして入れるわけですね。ところが、実際は他の工業が不振である場合には練豆炭に全部この外貨割り当てを回してくるわけです。そこで、国内の練豆炭用の無煙炭を生産している業者というのは非常に困る。ですから、このチェックができないかどうか、あなたのほうはどういう指導をされておるのか、これをお聞かせ願いたい。
○牟田口説明員 いまの御質問の点は、実は、いま資料を取り寄せ中でございますので、その資料によってでないと正確にお答え申し上げかねますが、一応それはおそらくそこまでこまかい割り当てをしておらないのではないかと思いますので、その実態がどうなっておりまするかは、いま資料を取り寄せて御返答申し上げます。いま資料を持ってまいっておるところでございます。暫時御猶予を願います。
○多賀谷委員 それが積算の基礎であるのか、その点が重要なんですが、練豆炭用の無煙炭として割り当てるのか、ただ輸入無煙炭の積算の基礎として練豆炭用として割り当てさせる、ただそれは計算の基礎である、こういうようになっておるのか、これはわかりましたら参考人からお知らせ願いたい。
○梶井参考人 先ほどちょっと大沢さんが申しましたとおり、三十九年からは練炭工業会と無煙炭側が外貨の量をきめまして、そしてお役所に持っていきまして発券してもらうということでございます。三十九年は両業界で二十四万八千トンときめましたが、これはもちろんルールをつくりまして練炭が減産すれば輸入炭を幾ら、こういうお互いのルールがあるのでございますが、実際は、先ほど多賀谷さんが言われましたように、指定統計には三十六万六千と出ておる。そして、実際、われわれがまた練炭工業会とのルールに基づいてはじきますと、四十万一千トン使っておるということは、両業界が認めておるわけでございます。そういうふうに、何しろ多く使用されるものですから、どうも国内の練炭用の需給が狂ってきて、いささか参っておるようなかっこうでございます。
○多賀谷委員 実績と外貨割り当てが三十九年度でもう十六万トン違っておる。十六万トンというと約一割。百六十万トンの生産ですからね。外貨の関係で一割も輸入が多く来るということになると、それは小さい業界であるだけにたいへんなことですよ。個々の企業としては、一割近く予定よりも外国からよけい輸入されると、生産はそれだけ一割の操短をしなきゃならぬ。あるいは貯炭になる。いずれかですね。ですから、こういった指導は、外貨割り当て制になっておるわけですから、こまかく指導をして、それに合うようにしないと、何のためにそういう制度を設けられたか、意味がないわけでしょう。これはひとつ通商局から答弁願いたい。
○牟田口説明員 ただいま申し上げましたように、現状は資料を寄せて御答弁を申し上げますが、もしそういう御心配のような点が実際にあったとすれば、数量割り当てをいたしておりまする以上は、御指摘のようなことがないように、十分に割り当て及び割り当て条件等を利用して配慮いたすのが当然だ、そういうように考えさしていただきたいと思います。
○多賀谷委員 いずれ別の機会に詳しくお聞きいたしたいと思います。資料がないそうですから次の委員会で御答弁願いたいと思いますが、問題は、国内産業が一割も影響を受けるようなルーズな外貨の割り当てでは困るわけですよ。そして、ほかの産業に回すために輸入したものを練豆炭に回す。そうすると、商社のほうは無煙炭を一括して輸入してくるのですからどうでもやるでしょうけれども、それは、生産業者のほうは非常な打撃を受けると思うのです。一割といいますとたいへんですからね。石炭でいえば、五百五十万トンが操短しなければならぬとかあるいは貯炭になるといえば、これはもうたいへんですよ。正常貯炭というのは普通大体五%といわれておる。ですから、炭鉱については二百数十万トンが正常貯炭だと従来言ってきた。ところが、無煙炭のほうは約一割が外貨割り当てによって圧迫を受けるということになれば、たいへんなことですよ。これはひとつ十分配慮を願いたい。これはひとつ石炭局長のほうからも非常に注意をしてこの問題に対処してもらいたい。 そこで、いまの点、政務次官から総括して御答弁願いたい。
○進藤説明員 無煙炭の輸入問題につきまして、非常に重要なる問題でございますので、いまの御趣旨に沿うように、慎重に私ども検討する覚悟でございます。
○多賀谷委員 最近における日韓会談の進展と、その条約の調印によりまして、実は韓国のほうが三十万トンぐらい日本に輸出したい、こういうことになる。ところが、その韓国から入れる品種というのは、日本の無煙炭の中でも一番脆弱な、練豆炭用の無煙炭を生産しているところに競合が来るわけです。ですから、これは非常に打撃が大きいと思うのですよ。これは一体どういうふうに処置をされるつもりであるか、これをお聞かせ願いたい。
○井上説明員 韓国無煙炭の輸入につきましては、従来、先生のおっしゃいましたような意見が韓国側からあったことは事実でございます。しかし、私どもとしましては、日韓関係の特殊事情もございますが、できるだけ好意的に考えるということ、私どもとしてしなければならないというふうに考えておりますが、三十六万トンがいいかどうかというようなことにつきましては、わが国におきましては、御承知のように、非常に弱い無煙炭業界というものがあるわけですから、したがって、それとの関連もありまして、この輸入数量については国内需給とも見合って慎重に考えてまいりたいというふうに考えております。
○多賀谷委員 政務次官、どうですか。局長はちょっと大臣のような答弁をしましたけれども、好意的に考える必要がある、これは石炭局長が言うことばではなくて、外務大臣か通産大臣が言うことばです。しかし、石炭局長としては国内の石炭を守らなければならぬ義務があるわけです。ですから、何も石炭だけを買う必要もないのですね。全体的な中で考えればいいわけです。ですから、特に弱い部分についてはやはり保護をするという立場で石炭局長はやらなければならない。 そこで、政務次官のほうから御答え願いたいのですが、この点については、現実にすでに困っておるわけでしょう。さらに韓国から無煙炭が入れば、なお困るわけです。しかも、その打撃を受ける業者というのは非常に零細な業者なんですよ。非常な高品位のベトナム産等のような無煙炭が来るならば、これはまた別なんですけれども、ところが、そうでなくて、きわめて低品位じゃないのですけれども、日本のいま困っている業界のものよりも少しぐらいカロリーが高いのですけれども、それにしても、練豆炭の部分に来る。ここで練豆炭の需要が御存じのように大体頭打ちですね。プロパンガス等が進出してきますから、大体横ばいあるいは若干低下する、こういう状態でしょう。ですから、その点についてはひとつ十分配慮を願いたい。答弁をお願いいたします。
○進藤説明員 国内の需給あるいはまた業者の実態を十分に検討いたしまして、保護の立場から考えてみたいと思っております。
○藏内委員長代理 両参考人には御多忙中にもかかわらず貴重なる御意見をお述べをいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十分散会