商工委員会 第5号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/09/10
会議録
○内田委員長 これより会議を開きます。 議事に入る前に一言申し上げますが、実は本日帰京の予定で中部、北陸地方に委員派遣を行ないましたところ、御承知の台風二十三号の影響によりまして東海道線の急行が目下不通となり、本日出席を予定しておられました委員の方々で欠席のやむなき方々もございます。委員並びに参考人の方々におかれましても、右御了承のほどお願いをいたします。 それでは、中小企業に関する件、ことに企業倒産に関する問題について調査を進めます。 本日は、先般のお打ち合わせによりまして、参考人の諸君に御出席いただいておりますので、まず委員長から参考人の方々を御紹介申し上げます。 山陽特殊製鋼株式会社更生管財人原田鹿太郎君、同じく山陽特殊製鋼株式会社更生管財人代理田中四郎君、山陽特殊製鋼債権者連合会副幹事福永常男君、山陽特殊製鋼債権者連合会副幹事高嶋健八君、同じく山陽特殊製鋼債権者連合会事務局長久保田弥一郎君、それに兵庫県知事の代理として商工労働部長の横山俊郎君が出席されております。なお山陽特殊製鋼関係以外に東京発動機関係の中小企業無担保債権者同盟の委員長であります原次雄君を加えまして、以上七名の方々が参考人として御出席でございます。 参考人の皆さまにおかれましては、御多用中かつまた台風のあります際に御出席をいただきましてまことにありがとうございました。 会議を進める順序といたしまして、最初に各参考人にそれぞれのお立場から、大体十分程度の御意見をお述べいただき、次に委員の各位から質疑がありますので、それに対しまして、忌憚なくお答えをお願いいたしたいと存じます。 それではまず原田参考人から、山陽特殊製鋼株式会社の更生計画等につきまして、御発言をお願いをいたします。原田参考人。
○原田参考人 私が山陽特殊製鋼株式会社更生管財人原田鹿太郎でございます。 山陽特殊製鋼は、本年三月二十三日、更生法適用で更生決定が開始されまして、同月の二十九日から閉鎖しておりました工場を再開して、今日まで継続して事業をやっております。しこうして、その事業の内容、すなわち生産の内容は、従前の約六割を生産しております。それで会社のほうは、従業員もそのまま大差なく、多少の移動はありましても、就業しておる落ちついた状況であります。 それから債権整理のほうでありますが、これは第一回関係人集会を開き、そうして第二回の集会では、十八億くらいまでの債権を確認しまして、あとは十月の七日に第二回の債権の調査をするということになっております。 大体においてそれだけでありまして、あとは生産のことでありますが、生産のことは田中管財人代理が引き受けておられ、そうして整理のことについては山本管財人代理が担当しておりますので、もし詳細が必要であれば、そのほうから御説明を申し上げることにして、私は概要そういうような順序で運んでおりまして、計画は進めておりますが、最近不景気の関係で、更生計画がいま直ちに立つという段階に進んでおらないという点だけ御説明申し上げまして、私、失礼いたします。
○内田委員長 次には、山陽特殊製鋼債権者連合会事務局長でありまする参考人の久保田弥一郎君にお願いをいたします。
○久保田参考人 久保田でございます。 私は山特鋼債権者連合会、これは更生債権者であります担保のない債権者の連合会でございます。これの事務局長をやっております関係上、更生債権者の皆さんのお声を一番よく知っております。したがって、きょうそういったなまの声を中心にいたしまして、われわれがいままでたびたび要望しておりました点、これをあらためてここでもう一度申し上げまして、皆さんの力をぜひお借りしたい、こう思っておる次第です。会社更生法そのものが現在の時点におきましては非常に債務者擁護であって、債権者擁護でないというところがわれわれに一番こたえております。簡単な例で申しますと、債務者のほうは更生法の適用を受けることによって債務の支払いをたな上げする。同時に利息もたな上げになっております。しかるに、債権者のほうは、債権がたな上げになって、それの利息も債務者の側が払わないためにわれわれは焦げついた債権をそのままほかから借り入れて資金繰りに回していかなければならない、そのためには新たな借り入れ利息が要るわけです。その利息の過重というものが非常に大きく影響しておる段階であるということをまず申し上げまして、いままでの簡単な経過を御説明します。 皆さんのお手元に行き渡っていると思いますが、六月の十二日に佐藤首相が姫路に見えましたときに、われわれの連合会といたしまして陳情をいたしました。その陳情資料をお手元にお届けしております。これに詳しく書いておりますけれども、まず債権者連合会の簡単な分類を申し上げます。これは従来あった四つのグループが連合会をつくっておるわけです。一つは山特鋼債権者同盟、これはいわゆる納入業者を中心とする姫路地区以外の、西は九州から北海道までの間の債権者の集まりでございます。これが加盟者が百二十五社、債権額において約九十億、それから従業員は約八万人になります。次に、山特鋼下請企業協同組合、これは姫路地区に主としていらっしゃいます下請企業のほうの企業協同組合ができておったわけであります。これが二十四社、債権額において五億五千万、従業員は約三百人でございます。それから山特鋼資材納入業者債権対策協議会、これは主として姫路地区にいらっしゃる納入業者のグループでございます。約百社、債権額は約二十億でございます。それからさらにもう一つ、山特鋼建設業者対策協議会、これが十六社、約十二億、従業員は約一千名、合計いたしますと、約二百六十社の更告債権者のグループが、いまの四つの形でありましたものを連合会という形でまとめたものであります。これは更生債権者の過半数以上を占める大部分のものの連合でございます。 そこで、山特鋼更生債権者は現在どういう実情にあるかというところを簡単に御説明します。会社更生法の適用を受けまして現在まですでに数ヵ月たっております。従来更生債権者といたしましては、たびたび政府あるいは衆議院、あるいは自民党、通産局、その他県のほうも市のほうもあらゆるところに陳情申し上げました。 その内容は、まず第一に、われわれ更生債権者は山特鋼自身の更生がなければ更生債権者の生きる道がないということです。山特鋼がつぶれてしまえば、われわれの被害というものはたちまちばく大な形で出てくるわけです。したがって、山特鋼の更生がぜひうまくいってほしいというところが根本であります。これが大前提です。したがって、債権者としましては、どうしても更生会社のために協力をしなければならないという立場に追い込まれております。これは一つは自衛のためでもあるわけです。ところが更生会社たる山特鋼自体は、ここ、先月もそうでした、今月においても、やや更生がむずかしいのではないかという黒いうわさが出ております。これはわれわれ債権者にとって非常に不安であり、つらいことなんです。だから、なおさら山特鋼が更生するために政府におかれましても、ひとつお力をかしていただきたいということなんです。 いま申しました大前提のもとに、更生債権者といたしましては大きな目的があるわけです。その目的は、更生債権者は債権の切り捨てに絶対反対しております。これは切り捨てがありますと、それだけわれわれの回収に減額を生じるわけです。そうでなくても苦しいところに、減額があっては困るということをまず第一に申し上げております。 二番目にこれほど大きな山特鋼という日本の一流企業が会社更生法の適用を受けまして、現在更生中なのでありますが、やはり更生債権者のグループから管財人代理なりというものをぜひ参加させていただきたい。これは会社更生法そのものが公平の立場に立って管財人の方も非常に努力をしておられますけれども、会社の規模その他から申し上げますと、現在の御陣容ではたしていいかどうか、われわれが一名加わってもよりよくなるのではないかという気がしております。これもかねてから申し上げております。 三番目に、先ほどの債権の切り捨てと関係がございますが、いわゆるかけ込み担保、これについてはぜひ管財人において否認権の行使をしていただきたい。こういう希望を持っております。 以上が大体の希望、要望の骨子なんです。 そこで、こういった問題は、会社の更生計画案が出てこないとわれわれ検討することもなりませんし、予測もできないわけです。したがって、それまでの間はいまの状態でわれわれ更生債権者は待っていかなければならない。待っていくためには金が要る。現に当初から日銀はじめこれは政府も特に力を入れていただきましたが、山特鋼のために連鎖倒産を出さないように、金繰りの点については各金融業者並びに金融機関においてぜひ力を入れて貸してやれという御指令がございましたので、われわれ短期的には、応急的には、一応金繰りがついております。したがって、今日まで連鎖倒産はほとんど出なかったという実情になっておりますが、実際のところわれわれ更生債権者は、金を借り入れるためにはコマーシャルベースを出ておりません。したがって、どうしても担保を持っていかなければ借りられない、あるいは保証を新たにつけなければ金は借りられないわけです。現在までそういう状態で待ってきているわけです。したがって、今日までの何とか待ってきた借り入れ金は、すべて金利がついております。しかも新たに担保を出しております。そういった状況から、片方では山特鋼が倒産しましたあと再開したとはいうものの約五〇%ないし六〇%くらいの稼働率でしかないわけです。そういたしますと、たとえば下請の方については極端に仕事の量が減ってくる。金のほうは、焦げついた債権が、新たに借り入れ利息というものがついて回って、大きくふくれ上がっていく。金繰りはより大きく必要になってくるわけです。片方前向きの仕事というものはどんどん減っておるというのがいまの実情です。そういたしますと、当然金利のために更生債権者は手をあげざるを得なくなるということが日に日に迫っているわけです。現に、すでに数ヵ月をたちました。これまでの企業倒産を防止する努力は、われわれ自身がやってきたのですけれども、もうこれ以上たえられないという方がたくさんいらっしゃいます。これらの方々のおことばを率直に申し上げますと、皆さんで一生懸命やっておるのだから、いまここで手をあげるわけにはいかない。しかしながらどなたか手をあげられたら、私も早く一緒に手をあげたいのだという方がたくさんいらっしゃるのです。これがなまの声なんです。それほど皆さん金に困っております。だから先ほど申しました更生債権者としての大きな目的、債権の切り捨て反対とか担保の是正、こういった問題の実現を見るまでの——来年の何月になりますか知りませんが、これまでの間のつなぎ、これはぜひわれわれ自身の金繰りを何とかつけていただくような方法を御考慮願うということで、それまでの期間をがんばらなければならないということになっております。したがって、たびたび声を大にして、ぜひわれわれに融資をしていただくなり利子の補給をしていただくなり、そういった形で特に御配慮願って、現在の法制にかかわらず何とかしていただきたいということをお願いしておるわけです。 ついででございますので、私、連合会といたしまして一部の納入業者にアンケートを出しまして、回答をとっております。これは下請の企業の方は皆さんもよく御調査になりまして、現実に状態をよく御把握願っておりますが、納入業者についてはあまり状況をお詳しくないと思いますので、こういうアンケートをとったわけです。 一つ、三月六日に山特鋼に焦げつきが発生いたしまして、各社は資金ショートを来たしておるわけです。そのショートした資金の調達はどのようにしてやったかということなんです。これは一番多いのが納入業者の場合はやはり市中銀行です。次に政府金融機関、次に市中金融業者、これはいわゆる町の高利貸しです。それから個人資産の投入、これも非常に多いです。それから縁故借り入れ、その他。数字を申し上げますと、市中銀行が約六〇%です。 それからその次に、こういった資金調達の場合に、借り入れ金利は従来に比較して高くなったか、それとも同等であるか、あるいは低くなったかという問題ですが、同じであるというのが非常に多いです。これはやはり政府のお力によるものだと感謝しております。それから高くなったというのがその次です。 三番目に、この借り入れにあたって長期的な借り入れ契約ができたか、あるいは短期的な借り入れの繰り返しをやるのだという意味なのか、一回限りかという問題については、やはり短期的な借り入れの繰り返しが一番多いです。 それから四番目に、この借り入れにあたって新たに担保を提供したかどうかという質問に対しては、会社資産を新たに出したというものが約三分の一ございます。それから個人資産を出したものが四分の一くらいございます。連帯保証をつけたものが約四分の一、その他の保証をつけたものが五分の一くらいです。新たに担保を行なわなかった人も多数ございます。 そこで、山特鋼の問題によって各社危機に見舞われたわけですが、これを切り抜ける自信があるのかないのかという点につきましては、自信があるというのが約半分、自信がないというのがやはり五分の一ございます。わからないというのが五分の一ございます。何とかなりそうだというのが約三分の一ございます。したがって、約半数の方はわからない、もしくは何とかなりそうだ、あるいはないという方なんです。 次に、どういう影響を体験されましたかという点で、一番大きな反響を来たしておりますのは、やはり資金繰りが悪化した、極度に資金難を繰り返しておるという問題が一番多く回答されております。その次が金利の負担が増大した、それから今後の資金借り入れ能力は極度に低下したというところも非常に多い回答になっております。それから外部からの信用が低下し、取引量が減少したという点に非常に大きな答えが出ております。中には人員整理をされ、経費節減のために合理化をはかったという会社も約四分の一ございます。 それから更生会社と従来どおりの取引をしているかどうか、これは更生会社になってからの取引ですが、継続しているところが約半分、しておらないところが半分よりちょっと多いです。約半分以上しておりません。しておるところは、従来取引をやっておった時点に比較して、約三九・五%の取引しかやっておりません。これでもっても、先ほど申した取引量が減っておるということがわかっていただけると思います。 それから、先ほど申しました陳情書に述べてあることからあとに相当事態の変化がきておるわけです。まず第一に、われわれ更生債権者は、政府からわれわれの運動によって何らかの特別的な御配慮があるのじゃないか、たとえば融資、そういったものがあるのじゃなかろうかという期待が強く出される時点もあったわけですが、現実には何ら進展を見ておりません。 二番目に連鎖倒産がほとんどないということ、これは皆さんもよく知っておられると思うのですが、この点については八月の末に納入業者の一社で相当大きなところ、名前を申し上げるのは差し控えますが、相当大きな商社が百六十億の負債をかかえて倒産いたしました。これは現実に連鎖倒産の第一号であるとわれわれは判断しております。これは山特鋼に約一億数千万の債権を持っております。山特鋼に債権をかかえた以降ここの会社は信用が極度に低下した。金融機関の援助も円滑に得られなかった。信用低下は商量の低下に結びついております。したがって、八月の末にはどうにもならなくて手を上げたのだということになるわけです。第一号が出たということをひとつ御認識願いたいと思います。 三番目に更生会社との取引をわれわれ現在継続しておりますが、いま申しましたように、約半数が継続しておるわけです。この取引の条件というものが最近悪化しかかっております。更生会社は再開なさいまして、八月一ぱいまでは、通常十五日並びに月末締めの十五日以後現金払いということでお取引を願っておったわけです。これが九月以降、月末締めの翌月末払いに切りかえてほしいという強い要望がございます。これは更生会社自体、現在更生計画案も出ないで、われわれ自身黒いうわさを非常に聞くわけです。そのために不安を持っているやさきにこうおっしゃられては非常につらいわけです。といって入れないわけにいかない。入れなくなれば会社の更生がうまくいかない、金繰りのほうはどんなんだろう、さらにここでまた焦げつきをつくったのではわれわれ一体何をしておるのかわからないというところがございます。こういった点もその後の変化の大きなところとして申し上げておきます。 以上でもって私の概説を終わりますが、要は更生債権者の声は、金利の負担に困っておるということが一つ、仕事がなくて困っておるということが一つ、これに尽きると思います。したがって、ぜひこういった御対策を願いまして、これ以上の連鎖倒産が出ないように早急に御処置願いたい、このように思っております。 以上で終わります。
○内田委員長 山陽特殊鋼の債権者代表として、他に参考人の高嶋さんと福永さんがお見えでございますが、いま山特鋼債権者連合会事務局長の久保田さんから相当詳しい御説明もございましたので、高嶋、福永両参考人からこれを補足して、重複を避けながら御発言をお願いをいたします。高嶋健八君。
○高嶋参考人 私は、ただいま久保田さんからお話のございました三月二十日に、一番初めに姫路地区を中心にいたしました資材納入業者が一丸となりまして、大体百社、負債額、更生債権額二十億の代表幹事としまして、山特鋼資材納入業者対策協議会というものを結成したものでございます。その後ただいま御説明のありましたように、先日全部が一丸となりまして連合会をつくりましたので、副幹事ということになっております。 もうほとんど重複いたしますし、補足ということを委員長が漏らされましたので、大体決議案とほとんど一緒ですので、簡単に読み上げますと、債権の完全確保、優先支払い、切り捨て絶対反対、更生会社の資材納入先は更生債権者に限る、更生資金借り入れ手続の簡素化、長期、無利息、無担保、メーカー及び商社の協力の要請、それから更生債権に対する税の優遇措置、経営者の責任追及、商社の直前担保設定は絶対に否認する、更生債権に対する政府の利子補給、こういう決議案をやっているわけなんですが、いまほとんど御説明がございましたので、若干つけ加えさしていただくことは、非常に希望的観測で、直後に新聞記事で通産大臣が、中小企業債権者を保護するため、さきに決定した保全処分を弾力的に運用し、ことに小口債権の弁済を優先的に確保する必要があるということを発表されております。非常にこの記事に対しましてわれわれ期待もしておったのですが、ただいまの説明もありますように、非常に前途遼遠と申しますか、悲観的観測でございます。 それから、資材の納入先の優先は、管財委員の御配慮によりまして非常に順調にいっているのではないかと思っております。しかし、第一番目の債権の完全確保は、久保田さんが申されましたように、絶対にこれはわれわれいただかないと倒産に直結するということでございますので、第一項にあげております。 更生資金の借り入れのほうでございますが、これもあくまでも商業ベースで、利子補給も一文もない。山特鋼に納めた現在の商品代金を集金して、その代金をそのまま銀行に持っていっても利子だけでまだ足りないということで、非常にわれわれ利子負担に対しまして、コマーシャルベースのために再建ができない。全然前向きでなしにあと向きでだんだん下がっていく一方だということでございます。私どもはいろいろ存じておりますが、農村関係に対する近代化資金とか、構造改善資金とか、非常に優遇された産業がございます。利子補給に対しましては、漁村、造船関係、あらゆる面に相当な資金が出ているわけです。一方、どういう政策面か知りませんが、米の自由化ということをいつも言われていながら、年間相当大きな食管赤字を出しております。そういう相当出ております補助金から、われらのほうに利子補給として何とか政府のほうがやっていただきたいということを長期間にわたりましてずっと申し上げておるのですが、ただいま山特鋼に持っていった商品の代金というものが利子にも足りないというような現状でございます。この点をこのままほっておかれますと、ほとんど次々と倒産が出てくるというような現状じゃないかと思います。ぜひその点をよろしくお願いしたいと思います。 それから久保田さんはあまり申されませんでしたが、経営者の責任追及でございますが、ただいまもう皆さん御存じのように、過去の重役はいま全部県警に入っているそうですけれども、これはわれわれとしましては泣いても泣き切れない貴重な商品代金、そういうものを、全部申し上げませんが、いろいろ不正事件で、株券の不当の売買の益とか、社内預金の問題とか、重役賞与並びに配当の不当利得とか、こういうもので持っていかれているようなかっこうです。われわれの商品代金、労務費が全部こういう更生債権にかかっているということは、全役員が全私財を投げ出してわれわれに返済すべきが妥当じゃないかと思います。こういう面、いまだに言われていながら一文もそういう更生債権の返済に充てるというような具体的な案を聞いておりません。ぜひ管財人並びにそういう警察当局のほうの善処をお願いしたいと思っております。ただいま直前担保の否認は申されましたが、これをわれわれそのままやられますと、ほとんど残りはゼロでございます。無担保者が全然更生債権に対しては権利を放棄しなければいけないという現状に近いのだと思います。しかしこの担保たるや、絶対に認めるべき理由のものじゃないということも政府当局の一部の方にも聞きましたが、ほんとうのかけ損でございまして、三月五日ですか、更生法が申請されるという直前にやられているものでございます。その点よろしく御処理を願いたいと思います。 大体ほとんど重複しますので、最後に税の優遇措置でございますけれども、もちろん法人税とか事業所得税とか、こういうものは、会社が大きな赤字を持っておりますから、当然消却といいますか、消えますが、帳面上、会社の経理としまして、当然大きな赤字をやりながら税金がかかっているという分がございます。それは固定資産税でございます。償却資産税、下請さんなんかですと、相当土地も持ち、工場、機械、そういうものを持っておられます。われわれ商社としましても、机一つ、自動車一つから税金がかかっております。会社が赤字でありながら、なぜ税金を納めなければいけないか。ほかのものは全部免除されておりますが、地方税、自治省の問題じゃないかと思いますが、固定資産税はあくまでも普通どおりの徴収をしております。非常にわれわれに対しまして、そういう税の優遇措置という面で、かってな考えでございますけれども、何か手落ちがあるのじゃないか、優遇していただくものじゃないかと思っております。ぜひ固定資産税に対しまして全面的な免除をお願いしたいと思っております。 大体ほとんど重複しますので、以上で終わらせていただきます。
○内田委員長 次に、同じく山陽特殊製鋼債権者代表の福永常男君にお願いいたします。福永さんは下請関係の債権者代表と承っております。福永さん。
○福永参考人 私は、山特鋼下請企業協同組合の理事で山特鋼債権者連合会の幹事をしております福永常男でございます。 われわれの協同組合は、債権者連合会のたくさんなグループの中でただ一つの公認組合でございます。組合員総数は二十四社、山特鋼に対する債権額は約五億五千万円でございます。協同組合の結成は、関係諸官庁の御指導によりまして、本年の四月三日に第一回創立総会を開催いたしました。去る三月六日の突如なる山特鋼会社更生法申請は、青天のへきれきのごとくわれわれの頭上に降りかかってまいりました。一時はただぼう然自失、なすすべを知らざる状態でございました。国会の超党派的なる御鞭撻、政府諸機関の御指導並びに諸金融機関の御援助により力を得まして、ただ死にもの狂いに自社の再建に努力をいたしております。この間極度の営業経費の節減、人員の大幅整理並びに新規受注先の開拓に非常なる努力を重ねてまいりました。遺憾ながら情勢はわれに利あらず、いまや受注量は大幅に激減をいたしました。そして組合員の中では、山特鋼の取引が皆無のものもたくさんにございます。今日まで経営を続けてまいりますには借り入れ金の増大によりまして膨大なる金利負担により、まさにわれわれの状態は倒産寸前といえるのではないかと考えます。全自己資産は言うに及ばず、親類縁者よりの金融並びに担保物件を借用いたしまして、かろうじて気息えんえんとして現在の状態を保っております。この間、組合員は非常に乏しい資金を出し合いながら上京陳情数回に及び、また地元の集会は数を知らざるくらいに重ねてまいりました。いまだわれわれの歩むべき前途には何らの光明すら見出せない状態で、ほんとうに塗炭の苦しみにあえいでおります。何とぞすみやかに特別のお計らいにより救済の方途を講じていただきたく、次の項目のとおり陳情を申し上げまして、実態及び今日までの概況説明にかえさせていただきます。 陳情項目といたしまして四項目ございます。読み上げます。一、われわれ下請企業協同組合員の債権は、その七〇%が労務費でありますので、山特鋼への政府融資により共益債権に振りかえ得るごとく政府の御指導を願いたい。これが一項目でございます。次、政府あっせんによる地方自治体よりの利子補給を特に御配慮を願いたい。三番、迅速なる会社更生法の改正により、われわれ弱小下請企業体への権益擁護に何とか一臂の力をお貸し願いたい。四項目、政府の行政指導による山特鋼の生産増大によりまして、われわれ下請企業協同組合員が何とか発注量をふやしていただいて、ともどもに更生会社と喜びを分かち、また自社の再建に努力ができ得るような方途を講じていただきたい、かように考えます。 以上、四項目をもって陳情を申し上げる次第でございます。
○内田委員長 次に兵庫県知事代理として御出席の同県商工労働部長の横山俊郎君にお願いいたします。
○横山参考人 本日、山陽特殊製鋼株式会社の倒産に関連いたしまして、この委員会に兵庫県知事が参考人として意見を述べるよう御通知をいただいたのでございますが、災害対策その他の要務のために出席できませんので、はなはだ僣越でございますが、私、商工労働部長の横山俊郎でございますが、知事代理として出席さしていただきましたので、あらかじめ御了承賜わりますようお願い申し上げます。 本年三月六日、兵庫県姫路市飾磨区所在の山陽特殊製鋼株式会社が神戸地方裁判所姫路支部に会社更生法の適用を申請いたしまして以来、今日まで兵庫県のとってまいりました措置、経過をただいまから御説明申し上げます。 まず最初に、本件発生以来当衆議院商工委員会をはじめ関係機関の皆様方より格別の御配慮とお力添えによりまして、本県より関係方面に要請いたしましたいろいろのことにつきましても御措置を賜わりましたことは、地元の県といたしましてまことに感謝にたえない次第でございます。本日この席をお借りいたしまして、重ねて厚くお礼を申し上げます。 さて県といたしましては、最近の経済情勢が悪化の傾向にありますとき、本問題が同社の関連下請企業に与えました深刻な打撃とその他経済的、社会的影響の甚大なことを憂慮いたしまして、委員の皆様のお手元に提出いたしております資料1山陽特殊製鋼(株)の会社更生法適用申請にともなう概要報告書の第二〇ページから述べておりますように、緊急に基本的対策方針を定め、今日まで関係諸機関と連絡協議をはかり、関連下請企業の連鎖倒産防止と経済安定に極力努力を傾けてまいりました。その実施対策とは資料1の第二十六ページに記載いたしております山陽特殊製鋼株式会社関連企業安定対策要綱の制定でございまして、まず金融の円滑化をはかりますために各関係官公庁、関係金融機関をもちまして特別金融対策連絡協議会を設置し連絡協議に当たるとともに、金融相談の強化のため姫路市に特別金融相談所を設けるほか県中小企業金融相談所等において積極的な金融あっせん並びに経営相談を実施、本県制度融資と本県信用保証協会による信用補完制度の利用を活発化させるようにいたしました。 また関連企業の経営の維持安定をはかりますためには生産稼働を続けていかなければなりませんので、このため下請の受注あっせんと協同組合結成についての指導を行ない、一方人的基盤の安定をはかりますために労働関係機関をもって地元に労働相談所を設置いたしました。 さらに信用保証の円滑をはかるため資料1の第三十ページと資料2の第二十ページとに記載いたしております「兵庫県中小下請企業等経営安定融資緊急保証損失補償制度」を設け、債務負担行為によりまして保証協会に対する県からの損失補償限度額を二千万円とした特別措置をとりました。また姫路市におかれましても三千万円を限度とした同様の措置をいたしたのでございます。 以上申し述べました対策の結果、金融関係におきましては資料2の第十八ページに記載いたしておりますとおり「山特鋼(株)下請関連企業等に対する金融機関等の月別貸出状況調」に記載いたしておりますように三月から七月末までの金融機関の貸し付け合計は十七億四千五百一万円でありまして、そのうち先ほど申し上げました特別措置によるものといたしまして、兵庫県損失補償対象分は四十三件一億四千四百六十九万円、姫路市損失補償対象分は二十三件四千二百四十八万円、合計六十六件一億八千七百十七万円でございます。 以上のようになっておりますことは、大蔵省、通産省並びに日本銀行の各金融機関に対する御指導のたまものと重ねて御礼を申し上げます。 次に労務関係でございますが、資料第2の十七ページにございますように六月末現在におきまして離職者八百十名、求職申し込み者四百四十一名、失業保険受給者三百三十名、紹介者百六十名、就職者百十九名でございます。 次に、下請あっせんにつきましては山陽特殊製鋼株式会社が会社更生法の適用申請をいたしました日に直ちに同社下請企業の債権と依存率とを調査いたしますとともに、下請企業の保有設備と加工能力とを勘案いたしまして該当いたします他の親企業に直ちに連絡をとり、本問題に伴います関連下請企業の下請利用方を、またすでに取引のあるものにつきましてはその発注量の増加策を強く要望いたしました。その概要は資料の1の二十ページから二十二ページ、資料2の一ページから四ページに記載をいたしております。受注確保につきましては各下請企業も必死の奔走を続けておられるのでございますが、時あたかも製鋼業界は減産のさなか、その受注先を他に求めましても、各業界とも不振のときでありますので、中には特殊設備とすぐれた技術を有していることで県のあっせんを受け入れた企業がございますが、他はたとえ受注がございましてもその数は少なく、下請あっせんのむずかしさを痛感いたしているのでございます。 次に下請企業の現況でございますが、ただいま関係者から御説明もございましたが、資料2の十ページから十二ページ、「下請け企業の動向」に記載をいたしておりますように山特鋼との取引は会社更生法申請前の平均約三〇%で各企業別に見ますとき四〇%から〇%となっております。 なお、第一次下請企業は通商産業御当局の示唆を受け、関係企業二十四社をもちまして本年五月一日山陽鋼下請企業協同組合を結成し、下請企業者の今後に対処する自主的体制を整えました。なお、この活動状況につきましては、ただいま協同組合理事長より御報告がございましたので省略をさしていただきます。 なお、各企業は経営規模の縮小を行なっており、山特鋼の支払い手形が下請企業等自体の負債となっておりますため、その金利の支払いに最小限の生産と販売を確保しなければなりません。この生死のせとぎわに立っております企業にとりましては、各関係方面からの特別の配慮により今後とも融資、特に低利の融資が一番大きな救い手であろうかと存じますので、特にこのことについて御配慮をお願い申し上げますとともに、同時に更生計画立案中の山特鋼自体の生産の復調が早期になるようはかられ、関連企業の受注量の回復がこの危機の脱却に資すること大でございますので、、事情御賢察を賜わり特別の御措置をお願いいたしまして、以上、県のとってまいりました処置等の概要説明を終わります。
○内田委員長 最後に、東京発動機株式会社関係の中小企業無担保債権者同盟委員長であられます原次雄君にお願いいたします。
○原参考人 御報告申し上げます。 東京発動機株式会社は昨年二月二十四日会社更生法適用による申請により事実上の倒産となり、その後今日に至るまでの経過を報告いたします。 昨年七月十五日に裁判所において債権者の届け出を締め切りました。その後に三十九年九月九日東京地方裁判所において確定した総債権者数は千五百四十六件になっておりまして、そのうち私どもは中小企業無担保債権者、これらの二百五十九社に対しましての債権の内訳について御報告申し上げます。債権譲渡したものが百五十件、八億三千五百六十三万八千円でありまして、さらに更生債権になられている方が百九件、四億三千九百六十一万八千円となっております。そのほかの大企業あるいは三十万未満の債権者に対しましては、会社の更生計画案の内容に詳しく記載されておりますので、これは文書によって提出いたしたいと思います。文書でよろしゅうございますか。
○内田委員長 けっこうです。
○原参考人 それで終わります。
○内田委員長 以上で各参考人からの一応陳述を終わりまして、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 参考人の皆さんに二、三の点を簡単に御質問したいと思います。 まず第一に原田参考人にお伺いいたしたいのですが、原田参考人のかわりに田中参考人がお答え願ってもけっこうでございます。 この山陽特殊鋼の問題が起きまして以来、われわれが一番心配しておりますのは、その後の山陽特殊鋼はどうなるのか、そこの労働者はどうなるのか、そこの下請を含む無担保債権者の処理はどうか、いろいろありますが、そういう点についていろいろ関心を持ち、心配をしておったわけであります。いま原田参考人から、会社更生についてのいわゆる更生法による第一次集会、第二次集会を行なったが、いまのところは困難であって、見込みが立たないといったような意味のことを伺ったわけなんです。そこで、よくわれわれも耳にするのですが、山特鋼ははたして更生ができるのか、あるいは最悪の事態、すなわち破産申請に至るのではなかろうか、こういうことをよく耳にするのですが、いま原田参考人からも、まだ確固たる更生計画についての御意見を伺うことができなかったわけなんです。そこで、それが言えないから見込みがないと、こう言われたのだろうと思いますが、一番おそれておる破産申請というようなことは、おそれがあるのかないのか、そういうような点について、いま公式に言えない点もあろうと思いますが、大体の見通し等について原田参考人または田中参考人からお答えをいただきたいと思います。
○原田参考人 結論だけ申し上げて、もし詳しいことがあったら田中管財人代理から申し上げます。 いまの事態は、再建の見込みがないということは言えない段階で、事業そのものは更生前よりも内容はよくなっておると考えておりますが、何分不景気の影響で、すぐに更生計画を立てても、ある期間生産を継続して利益が出た状況を見ないで更生計画を立てることは不健全であるという見解から、いま更生計画が立たない、こういう状況にある。その内容の詳しいことについては、田中管財人代理が生産部面を担当されておりますから、それが申し上げます。
○田中参考人 いまの御質問に関しまして、多少具体的にお答えしたいと思います。 過去の当社の実績その他を見ますと、月額でもって六億近い赤が出ております。更生申請によりまして、その中から三億弱といいますか、こうした金利がたな上げされておる。われわれ入りまして、納入品の原価買い受け、あるいは内部の合理化、それに、先ほどちょっと人員もとのままと申しましたが、実は当初において月々相当の退職者がありました。こうしたこと、それから組合、会社一致いたしまして何とかしてこの更生をはかっていきたい、こういう努力を続けておるわけでございます。その結果といたしまして、月額によりまして一億五千万近い合理化は行なわれている、こう考えております。しかし、まだいわゆる採算ベースといいますか、この観点には乗っていないような状態です。 これに対する見通しでございますが、合理化の余地はまださらにある。それから、いま一つ最も大きな問題は、不況からくるところの売り上げの減でございます。もっともこの中には、山陽製鋼が更生会社になったということでもってダブル発注等の不利もございました。しかし、これもよい製品を確実な納期にということによりまして、漸次回復を見ている。ただ、いかんせん、全般の不況から来るところの売り上げの減ということは、なかなか回復がむずかしいのではないか。が、しかし、そういう中にも、当社の持っておりますところの特色ある品種、こういうことの入れかえによりまして努力を続けたい。申し添えますと、九月のこれは見通しでございますが、この中では十億以上のものが上がるのではないか、こうした関係からしてかなりの好転を見るのですが、あとうべくんばそれをさらに続けたい。この点におきまして、どうか関係方面におきましてよろしく御協力を願いたいと思っております。大体そういうことでありまして、かすに若干の日を持っていただきたいという考えでございます。
○田中(武)委員 かすに若干の期間をと、こういうことで、いろいろ困難な問題もあろう。しかし、最悪の事態には立ち至らないという見通しといいますか確信はお持ちなんでしょうね。
○田中参考人 そういうつもりでやっております。
○田中(武)委員 それについては大いにひとつ努力をしていただきたい、こう御希望を申し上げておきます。
○田中参考人 決してやさしいものでありませんので、ひとつよろしく御協力を願います。
○田中(武)委員 それから、これも田中さんあるいは原田参考人にお伺いしますが、これは新聞等による情報でございますが、旧役員の商法違反の報酬あるいは配当金、その他中には私法上の手続をとらずに使用しておった、こういろいろな問題があります。だからこそ司直の手が入っておるわけなんですが、そういうものに対して、原田管財人の名において返還請求をせられたとか伺っておりますが、その返還の請求をせられた結果といいますか、その後はどういうことになっておりますか。
○原田参考人 自発的にみな賠償を申し出ております。その額は約一億以上になっていると思いますが、いまここに確実な数字は持っておりませんけれども、しかし、これ以上また追及するつもりでありますけれども、いま司直の手が入っておるので、どの程度のやり方が不正であったかということの判断を、その司直の調べと相まって進行したい、こういう考えでございます。
○田中(武)委員 たしか五月の十四日だったと思うのですが、当委員会で、前の荻野社長——きょう見えておる方も来てもらって、委員会でやる予定だったのですが、国会の都合で委員会が開けないで、懇談会をいたしました。その席上で、荻野社長は、私財を投じても無担保債権者のためには何とかしたい、こういうことを約束せられた。そこで、いまのお話では一億——これは私財を投じてということばにマッチするかどうかは別として、一億以上のものがまあ返還せられている。これは申請後の金でもあるので、これを無担保債権者、ことに下請企業のほうへ優先して返還せられた、回すというようなことは考えておられますか。 それから、更生法との関係は私はないと思うのですが、もし関係があるようでしたら、法務省ひとつ御意見を伺いたい。さらに、福永さんでも久保田さんでもよろしいですが、そういうことについて、私財を投じてと、こういうように約束せられたのが、その後どうなっておるのか、そういうことをひとつお伺いいたしたいと思います。
○原田参考人 いまおっしゃったのは小口債権の優先支払いですか。
○田中(武)委員 無担保債権者に……。
○原田参考人 それは、更生法との関係でそれができるという解釈が管財人にはまだできてないのです。ただ、更生計画の決議で、債権者の同意を得てそういうことを実行するという方法は、いま直ちに申し上げてもいいのですが、それは、債権者の同意なくしては進行できない問題であります。ここで私自身約束する力はないのであります。その方面に、そういうあなたのお考えに努力したいという意見を持っておるということは申し上げて差しつかえない、こう考えております。
○福永参考人 五月十四日の懇談会の席上、ちょうど荻野社長もお見えになっておりまして、この問題につきまして、私から特に発言をお願いいたしまして、所信をお伺いしたのでございます。その席上で荻野社長は、私の持っておる個人の私有財産というものは、一応あるものは全部出しましょう、そしてあなた方いわゆる零細企業に対して心からおわびをする意味で、あなた方の債権に回していただくように管財人にもよく話をして、そして私財を提供しましょうというように私は承っております。
○内田委員長 委員並びに参考人の方に申し上げますが、本日は通産省並びに大蔵省の関係政府委員、法務省から関係官が列席しております。法務省味村民事局第四課長。
○味村説明員 会社更生法の解釈といたしまして、先ほど原田参考人がおっしゃいましたように、一たん会社に対じまして取締役が私財の提供をいたしました場合に、その会社が提供を受けました私財を管財人が小口債権者の弁済に充てるということにつきましては、会社更生法の規定上、更生手続によらなければできないわけでございまして、したがいまして、更生計画で小口債権者に優先弁済をするというような計画を立てるということが必要かと存じます。
○田中(武)委員 それじゃ法務省の課長さん、一応会社更生法の手続開始決定後のものだけれども、それは前に発生した債権というか、この場合は不当利得か何かだと思います、それはやはり更生債権となる、更生財産となる、こういう解釈の法律の条文を示してもらいたいのと、それからその場合に、更生計画で、いま原田参考人が言われたように、更生計画の中でいわゆる債権者の同意を得るならば優先弁済ができる、こういうことについてひとつ法律的な見解をお聞きしたい。
○味村説明員 ただいま仰せになりましたのは、まず会社更生法に基づきまして、更生手続が開始になったあとの債務は、これはもちろん共益債権になるわけでございます。更生手続開始前の債務は、原則といたしまして更生債権ということになりまして、これにつきましては更生計画によらなければ弁済ができないのが原則でございます。 それで、もう一つの問題は、会社のほうの財産でございますが、債務ではなしに、財産が、更生手続開始前に取得原因の発生していた財産は一体どうなるのかということでございますが、これは更生手続開始前に取得原因の発生しておった財産は、会社の財産であることには間違いがないわけでございますから、したがいまして、これは更生手続開始後に取得原因の発生いたしました会社の財産と同じように管財人が管理処分することになるわけでございます。
○田中(武)委員 それはわかっておるのです。そこで、いわゆる不当なる商法違反の報酬、配当、その他不当利得、この行為は会社更生手続開始以前に発生しておる。しかし会社更生手続開始決定がなされて保全処分がなされた段階においては、それはわからなかった。そして、その後調べておるうちにそういうのがあったから返還請求した。そうして入ってきた。現実に入ってきたのは会社更生手続決定後なんだ。しかし理由はその前にあった。しかし具体的債権としては保全処分のときには債権として出ていない。そこであなたの言うような開始前の債権ということになるのか、現実に金が入ってきたのは会社更生手続開始決定後なんだから管財人において専決できる問題である、この解釈するかということについての疑問を持っています。しかしここではあなたといま法律論争はやりません。そのことについては裁判所がどう考えるか、あるいはあらためて民事局長と論争しますが、私がいま言おうとしておるのはそういうことなんです。わかりますか。それは直ちにいわゆる更生財産とは考えられないのではないかという意見なんです。それでどんぴしゃり条文があるなら示してもらいたい。 ただ問題は、そういうのはいわゆる会社更生手続開始決定以前に発生したものだと見るのか、もちろん行為はその以前ですからそうなるだろうと思う。しかし請求権はその後に起こっておるわけですね。現実にその後に入ってきておるのであります。それに対する解釈の問題なんです。だからここでやってもしかたがないけれども、私の言わんとするのはそういうことなんです。法務省のほうもあるいは中小企業庁あたりも研究してみてください。法律論争はあらためてやります。何か意見がありましたら……。
○味村説明員 この点については別に先ほど私申し上げたことを変更するつもりはありません。ただ、先ほどの御質問で第二点でございますが、その点申し落としましたので……。 小口債権者に対して優先的に弁済するような計画につきまして、更生債権者等の同意があればそれが立てられるのだということの法律的な根拠は何かということでございましたが、これにつきましては、この更生債権の弁済は更生手続によらなければならないという条文、それから特に小口債権について優先的に弁済をするという計画を立てることができると申しますのは、会社更生法の二百二十九条によるわけでございます。ただこの二百二十九条では「債権の少額なものにつき別段の定をし、その他これらの者の間に差等を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。」この規定によろうかと思います。
○田中(武)委員 これは質問ではないのですが、ただここでこういうことを言ったのは、この種のもの、すなわち管財人の名において要求した違法なる報酬あるいは違法なる配当、これに対するものが直ちに更生債権と言えるのかどうか、更生手続開始後発生した、要求したから発生したのだ。その辺のあなたの解釈の問題と、必ずしもそうは言えないということだけを提起しておきたいと思います。法務省なりに異議があれば続けて論争に応じましよう。
○内田委員長 法務省、きょうは時間の関係もあり、その問題は懸案として相互でさらに次の機会に研究することにいたしましょう。 田中君、どうぞ次の問題を続けてください。
○田中(武)委員 先ほど久保田参考人あるいは福永参考人等から、これはむしろ原田さんなり田中さんに対する希望と言えば希望のような意見が出たと思います。その一、二を申し上げますと、たとえば、管財人代理といいますか、こういうのに、大手の商社だとか銀行等からも入っておられる。したがって、われわれのいわゆる無担保債権者といいますか、も入れてもらいたい、こういう意見があったわけです。しかし、これは裁判所との関係があって直ちにきめられないと思います。しかしそのことについて申請というか、こういうようにしたいということは管財人に言えると思うのですが、そういうことについてどう考えておられるかということ。それから無担保債権者の債権の切り捨てについては絶対に反対だ、こういうことを言っておられるのですが、これは法改正をまたなければ、これはもちろん債権、債務が一〇〇%であるならなくてもいいわけですが、そういうことなら会社更生手続開始申請をやらないと思うのです。しかしこのことは法改正との関連があるわけなんですけれども、そういうことについてどのように考えておられるか、これは法律のことだからしようがないと思いますが……。それからかけ込み担保といいますか、われわれが一番問題にしておるのはこれなんで、どうも事が起こって聞いてみると、大手商社、銀行等々はあらかじめ様子がわかる、中には相談を受けるということで、何も山特鋼だけではありません、もう大体大きなところは増し担保だとかあるいは担保を新たに取るとかというような手を打たれておる。ところが下請企業あるいは小さな納入業者、こういうところはふたをあけてみないとわからぬということでたいへんだ、こういうことになるわけなんで、そのことは結局はかけ込み担保についてどう考えるかということですが、これはやはり債権者集会等での同意とかなんとかいうことももちろん必要ではあろうと思いますが、この点については管財人として一体どのように考えておられるか、この二点ですか、三点についてお伺いいたします。
○原田参考人 第一点は管財人代理ですか、これは管財人の選任は御承知のとおり裁判所のやることで、それで管財人、私自身といえども債権者会議で選任のときに問題があったことは新聞によく出ている、そのくらいの問題でありますから、一たん管財人を裁判所が選任し、またそれについての管財人代理をきめてあとから追加するということはなかなか困難なんです、相談しましても。それからまたその必要があるかないかということは、これは意見の相違になる。それでこちらの管財人グループとしてはこれ以上管財人とか管財人代理をふやすことは必要はないのじゃないかという意見が強いものですから、それでやめておるというわけで、決していま債権者団体から御推薦をくだすっておる人が適任であるとか不適任であるとか、そこまでいっていないのであります。これは更生手続における管財人というものとか管財人の選任というのは非常に複雑な関係があって、それから裁判所がよく検討されて選任されるということになっておりますので、いま変更は困難であることを申し上げたいのであります。それで私からも特に管財人代理の増加とかなんとかはまだいま裁判所に願っておらないのです。そのことを申し上げておきます。 それから第二点は債権の切り捨てでございますね。これは財産がなければどうにもならぬことで、切り捨てするかせぬかは更生計画できめることでいま直ちに切り捨てるとか切り捨てないということは申し上げられません。しかしこれが戦争その他異常な景気によって十割も二十割ももうかれば切り捨てなどしません。直ちに全部弁済いたします。 それから第三点であります。かけ込みの担保であります。これもおっしゃるとおりでありますが、これも債権の整理とにらみ合わして検討しないと、いま担保が——これを否認したって、担保がないものを、いま担保の値打ちが下がっておるものであるから、百億をそのままほうっておいてもそれは担保に食い込んでこないのですね。そういう場合にはあえて否認する必要はないのじゃないか、そこでこの整理と続行して更生計画を立てる段階までじっと見ておいて、そうしてこれが無担保債権者を害するということになれば決然否認せざるを得ないと私は考える、そういうわけであります。いまここでそういう段階でないということを申し上げて、それにしても手続とかその時期というものについてさらに考慮しなければならぬ、こういうことを考えております。どうぞあしからず御了承ください。
○田中(武)委員 いまの第二点の問題につきましては、これはまさにおっしゃるとおりで、私としても伺ったときからお答えを願える性質のものではないと思った。それはけっこうです。 しかし第一の点ですね。これは裁判所でなるほど最初管財人あるいは管財人代理をきめた。それを増員する場合にはむろんめんどうだと思います。思いますが、しかし管財人のあなたからぜひ必要だ。こういうことであるなら法律は禁じていないので追加はできると思うのです。ただ、私がここでこういうことを申し上げておるのは、無担保債権者がおれたちだけつんぼさじきに置かれて——もちろん債権者集会がありますが、そういう気持ちを持つのではなかろうか。そこでそういうことを強く要望しておられるということで、必要であるかないかということをもう一度これら無担保債権者あるいは下請企業者の立場に立ってひとつ御考慮を願いたい。そうして必要であるならばひとつ裁判所に申請しても禁じられていないのだからかまわないのじゃないか、私はこのように考えております。 第三の点につきましては強い決意を伺いましたが、われわれの心配するのは、こういう不幸な事故があった場合に、すべてが同じような傷を負うのなら、いわゆる損失の平等の問題ならこれはやむを得ないが、大手商社とかあるいは銀行関係の方もおられますけれども、そういう銀行とかはあまり損をしないのだ。しかし損をするのは下請、無担保債権者に押しつけられる。こういうことがないような公平の原則の上に立って御処置を願いたい。こういう意味で申し上げておるわけなんで、いまのお話を伺いまして決意のほどはわかりましたから、けっこうですから、そういうつもりで公平の原則ということで、しかも同じことなら下のほうを、小さいほうを救ってやるのだ、こういう気持ちでやっていただきたいと思うわけなんです。これはけっこうです。 それから、先ほど原田さんですが、生産は大体六〇%、こういうことでありましたが、現在の労務者、従業員、これは当時からやはり六〇%程度になっておりますか、それより低く少なくなっておりますか、多くなっておりますか。いわゆる会社更生手続のころの生産を一〇〇として従業員一〇〇とした場合、現在は六〇になっておるか五〇か七〇かということを伺います。
○田中参考人 御質問の点でありますが、パーセントをちょっとあれしますが、二月の末が三千七百人でございました。それで当初において非常に減りまして現在が三千二百八十、こういう数字になっております。三月、四月、五月、六月、これまでは相当自然減耗といいますか任意退職が非常に多かったわけです。七月から鈍化しまして九月の様子は大体四、五十人というところです。この問題に関して御質問は比率のようですが、もしも現在の生産ベースでは多いか少ないかということの御質問であったのだったら、私自身としては一割方多いのではないか、このように感じております。この問題に関しましてはいまの減耗等の問題、それから会社の今後の見通しというような問題とあわせて十分善処していきたい、こう思っております。
○田中(武)委員 もちろんいまの会社更生手続開始のときの生産と人員の配分が絶対だったとは思っていない。しかし六〇%、これではいかぬからもっと生産を伸ばされる予定もあるだろうと思うのですが、かりに六〇%として人員がどうかということをお伺いしたのは、労働不安はないかということなんです。たとえば整理とかいうようなことはないでしょうぬ。
○田中参考人 私はいま申し上げたようなところで善処していきたい。そうした見通しとか何かきめこまかに検討していきたいと思っております。
○田中(武)委員 田中さんと私とは、かつては労使問題をやったことがあるので、私の言うことはよくわかってもらえると思うのですが、現在の従業員、労働者に不安を与えるようなことはないと理解してよろしいですね。
○田中参考人 いまの御質問ですが、これは時間と数との問題をかけて割っていただきまして、そういうことでもってひとつ御勘案願いたい。
○田中(武)委員 それではそういう労働不安というようなことが起こらないようにひとつ努力をしていただく、こういうことを要望するということにいたしておきましょう。 そこで、川出さんに伺いたいが、これはあとでまだ参考人に対する質問者もおられますし、少しピッチを上げて短答式にいきたい、こう思いますので、そういうような質問をしますからそのような答弁をしていただきたい。 お聞きのとおり、管財人あるいはその代理の方方等も努力しておられるわけです。ところがなかなか困難だ。これは一般的な不況の問題、ことに特殊鋼業界の問題なんです。そこでひとつ現局の局長さんとして、この山陽特殊鋼の再建について、どのようなアドバイスなり指導なり、あるいはどうせなければならないか、こういうことで考えておられること、あるいは今後こうすべきじゃなかろうかということについて御意見を聞きたい。それが一点。 もう一つは、これはあなたに聞くのはどうかと思うが、先ほど福永参考人か高嶋参考人かが言われたのですが、通産大臣が更生債権について弾力的運営を云々、こういうことを言われた。これはあまり会社更生法等を御存じなく言われたと思うのですが、そういうことについて、通産省として——三木さんが言ったからといってあなたにどうかと聞いてもそれは筋違いかもしれませんが、そういう問題も含めて現局の局長としてこの問題を、将来更生さしていくのにはどうすべきであるか、あるいはどのような決意を通産省としてお持ちなのか、ひとつお伺いしたい。
○川出説明員 特殊鋼を所管しております立場の局長といたしまして、山陽特殊鋼が一刻も早く再建することを切望しておるわけでございます。しかしながら、山陽特殊鋼を一刻も早く再建するためには、山陽特殊鋼を切り離して、その会社を再建するということは非常に困難でございまして、やはり特殊鋼業界全般が市況の立て直しなりあるいは復興をしていくという過程において、山陽特殊鋼も再建されるというように認識をしておる次第でございます。切り離すわけにはいかない。ところが御承知のように、最近の特殊鋼の市況は極端に悪化しておりまして、生産のほうも昨年に比べますと約一割低下をしております。横ばいではなくてむしろ需要が減退をしておるわけでございます。したがって価格のほうも低落をしておるわけでございまして、それに対する方策といたしまして、現在構造用合金鋼につきましては不況カルテル、しかもそれは異例の価格カルテルを実施しておりまして、今月末でその期限がくるわけでございますが、現在公取のほうにさらに期限の延長方を交渉をしておるわけでございます。そのほか特殊鋼の品種によりまして、行政指導等によりまして価格の維持あるいは若干ずつでも上げようということを考慮しておるわけでございます。これは需要業界のいろいろな意見もございまして、所期のようには進んでおりません。たとえば山陽特殊鋼の主要製品あるベアリング鋼でございます。このベアリング鋼が現在きわめて低落しておりまして、これの不況カルテルの要望が特殊鋼業界あげての要望として出ておるわけでございますけれども、需要業界はまた需要業界でこれに対して反対の意見を持っております。現在ベアリング業界と特殊鋼業界、それに私ども入りまして相談をしておる段階でございます。これは市況対策でございます。しかしながら特殊鋼の構造的な問題は、よってくるところは深いわけでございまして、これは根本的な体質改善、あるいは体制整備の問題でございますので、これは現在通産省に設けられた構造審議会の特別の、特殊鋼対策小委員会で数回議論をしておりまして、近く結論を出す予定になっております。 なおただいま御質問がございました小口債権者に対する優先弁債についての弾力的な運用の問題でございますが、これは重工業局長として専門ではございませんので、私から答弁することは不適当でございますけれども、私はそういう精神でやらなければいけないというように考えておる次第でございます。
○田中(武)委員 中小企業庁長官、一々言わなくたって、参考人の皆さんの要望なり意見は聞かれたと思うのです。そこで一々何しませんが、たとえば金利の問題がたいへん負担である。そこで災害のときとかあるいは造船の場合、利子補給がありましたが、そういうようなこともやってもらいたい。これは中小企業庁として考えてもらうのがまず出発点ではなかろうか。事は山陽特殊鋼だけではなく、たくさんの倒産に関連があるわけですから、そう簡単には答弁できないと思うが、気持ちなり努力の目標これをひとつ——固定資産税の問題等も出ておりました。私はいつかも申したと思うのですが、この種のことは下請あるいは小口納入者については自己の責に帰せざる——おそらくきょうもこの台風で災害が起きておると思うのですが、いわば災害ではないか、したがってそれと同じような扱いをしろというのが私の持論なんですが、それはそれとして、いま下請の人たちあるいは小口債権者の人たちが言われたような利子補給の問題、あるいは税金の問題、地方税ですね。実はきょうは自治省からも来てもらおうと思ったのですが、頭のかたいのが来て、法律ではできませんなんて言うとかえっていかぬので呼ばなかったのです。むしろ中小企業の専管の役所として、その長官として御所見を承りたい。
○山本説明員 今回の山特鋼の関連下請業界の問題につきましては、基本的には中小企業庁といたしましては、何としてでもこの難局を乗り越えて、倒産を防いで次の新しい再建への道につなぎたい、こういう気持ちでおります。いままでいろいろ努力をいたしておりますが、一番努力いたしておりますのは、その点ではつなぎ金融の問題でございまして、現地の通産局にもその趣旨をよく伝えまして、通産局が地元の金融機関と連絡をとって今日まで努力いたしてきておる次第であります。何と申しましてもまず金融の量的な問題が当面重要でございますので、必要な資金の確保ということに一番力を注いでおります。 それから同時にお話の金利負担の問題がだんだん出てまいっております。こういう性質の金融でございますから、放置いたしますとだんだんに高い金利になっていく、少なくともそれは防がなければならない。さらにもう一歩進みまして利子負担を何とかして軽減をしたい、こういう気持ちでおるのでございますけれども、それは比較的金利の抵い政府系の金融機関をできるだけ動員する、こういうようなことを考えるのが現在のところでは一応限界であろうかと思います。さらにもう一歩進みまして災害並みの待遇をする、あるいは免税を考える、こういう気持ちは私たち持っておるのでございますけれども、いよいよそれを実施しようという段階になりますと、普通の散発的に起きます倒産との限界をどういうふうに定義づけるかとか、いろいろ問題がございまして、今後もこれはゆるがせにできない問題でございますから、引き続いてよく検討をいたしてまいりたい、このように考えております。
○田中(武)委員 法律的にとか制度的にはむずかしい問題なんです。そこでぼくは自治省の財政局長に来てもらうつもりだったのですが、まあそれよりか中小企業庁長官にその話をして、中小企業庁長官等から、われわれも自治省に話しておるのだから、中小企業の立場からひとつ大いに発言をし交渉してもらいたいと思うのです。 それから横山参考人に一言お伺いするのですが、県としてもいろいろと、ことに県の保証協会等でとっていただいた態度については敬意を表しておるのですが、われわれが当時現地に参りましたときに、県及び市にこの利子補給等の問題もお願いしたわけなんです。しかし県としても限られた財政、ことに裏づけのないものについては踏み切れないだろうし、税の問題についても法律的な制約もある。しかし条例等である程度考えられる余地はあるはずなんです、地方税でありますから。そういうことについてひとつ県の考え方というか、今後ひとつ努力をしてもらいたいと思うのであります。それに対する御所見をひとつ聞かしていただきたい、こう思います。
○横山参考人 ただいまの税の問題でございますが、先ほど特に固定資産税というお話がございました。固定資産税は御承知のとおり市税でございまして、県としてはそれに対しまして直ちにお答えできませんが、県税に関する分に関しましては税条例の定めるところによりまして減免はいたしておりませんけれども、納期の延期というような措置を法の許す範囲内でとっておりまして、極力御質問のように、また業者の方々の御希望に幾らかでもこたえるように努力をいたしております。なお、今後とも市町村の税等につきましても市町村当局と話しまして、何とか措置をいたしたい、かように考えます。 利子補給の問題は、むしろ御質問の際に先生からお話のございましたとおりでございまして、なかなか現在の財政状況からいたしますと御期待にこたえることができないのではなかろうかと思いますが、中小企業庁とも御相談をいたしまして、今後ともひとつ検討いたしたいと思います。
○田中(武)委員 銀行局長、お聞きのとおりで、結局資金の量と金利の問題なんです。法律的には災害のときにはどうだとかなんとかということはありますが、特別金利というようなことが——低金利、そういうような何か措置がとれませんか。それから量についてはいろいろとそれぞれ関係方面では努力はしてもらっておると思うのですが、まず絶対量において足りない。話に聞くといろいろ努力をしておられるということ、これは聞いております。ここでそれを言うべきかどうかは疑問があるので言いませんが、努力をしておられる、あるいは話を持ってこられておるということも聞いております。でも絶対的な量の問題と金利の問題、このことについてひとつ銀行局としての見解、私はできるならばこの種のことについての特別な低金利、これを考えてもらいたい、こう思っておるわけです。 それから、われわれが当時現地へ行った場合には、出先のというか地元の金融機関あるいは政府系の出先機関、これは要るだけ金は出しましょう、なかなかいい話だったのです。実際窓口へ行くと、どうもそれが経済ベースという線に乗って話にならない、こういうことも多いので、災害並みなような考え方で善処してもらいたいと思うのだが、そういうことについて銀行局段階においてあるいは大蔵省段階においてとり得る最大のところはどういうようになっておるのですか、あるいは今後どう考えておるか、こういうことをひとつ……。
○佐竹説明員 お答え申し上げます。 この金利負担の問題、それから資金量の二つの点であろうかと思います。私どもといたしましても下請関連その他中小企業の方々の金利負担がなかなかの重荷になっておられるということにつきまして、非常に事態がむずかしいことを認識いたしております。そういう意味におきまして、先生もただいま御指摘にございましたような地元金融機関あるいはその他関連金融機関に対しまして、極力金利の引き下げなりあるいは償還期限の延長でございますとか、あるいは場合によっては金利のたな上げといったような面で、それぞれの取引先の企業の実態に応じて、できるだけあたたかい気持ちで極力協力をするようにということを実はかねがね申しておるわけでございます。それを受けまして、金融機関の側におきましてもできるだけそういう方向に沿って努力をいたしておるようでございます。ただこれは先生十分御承知のように、金融機関の融資というものは、やはりそれぞれの企業の信用の度合い、その他将来の償還その他十分に見きわめなければならぬ面もございます。一面において預金者のお金を預かっておるわけでございますから、そういった意味ではおのずから一定の限界というものはやはり守らざるを得ないという面はございますけれども、その中で極力実情に即して協力体制をとるということで非常に努力をしておりますし、私どもとしましても今後ともそういう努力はさらに一段と続けていってもらうようにいたしたい、かように考えております。 それから、この資金の量の問題でございますが、これについては関係機関、政府機関はじめ市中金融機関も相当積極的に貸し出しを進めてまいっておりますし、先ほどもお話が出ておりましたけれども、大体今日までのところ十七、八億円の融資が行なわれておる実情でございますし、おおむね山特鋼に対する中小企業の方々の債権額にほぼ見合う金額に相なっておろうかと思います。なお、さらに最近におきましても商工中金等におきましても、山特融資の拡大をはかるべく現地といろいろいま実態調査等を進めまして、できるだけ融資の進捗をはかるという努力も行なわれておるようでございます。この点につきましても今後とも企業の実態に即しまして極力、先ほど中小企業庁の長官もお答え申しておりましたが、いわゆる関連倒産ということが起こりませんように十分配慮をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。 ただ先ほど先生御指摘の、いわゆる災害並みの特別金利というものが考えられないかというお話でございますけれども、これは先ほども山本長官も申されましたごとく、実はいろいろむずかしい問題がございます。したがいまして、なかなか今日直ちに特利ということは私は非常にむずかしい実情、正直に申し上げましてむずかしいところにございます。まあしかし今後とも十分検討をいたしてまいらねばなるまい、さように考えておる次第でございます。
○田中(武)委員 その程度しか答弁できぬと思うのだが、われわれに言わすならば、造船のときには利子補給の法律をつくったじゃないか。山一証券をはじめとする証券業界の問題については日銀法の二十五条ですか何条かを発動して特別の低金利で無担保、無保証で融資をしたじゃないか。そこでこれらの人たちに直接日銀からということは、これは望めないと思う。しかし取引銀行に対して日銀から特別な金利でもって金を出してやって、そうして銀行なり金融機関を通じて、関係者というか下請等に渡す方法も考えればできぬことはないじゃないか、こういう気持ちを持っておる。そこで、そうしますと、投下できるならいいが多分できないだろうが、ひとつ要望として申し上げると同時に、その決意を聞きたい。 それから法務省には、これはいろいろとたくさん要望は出ておるのだが、結局会社更正法というものがじゃまになるといいますか、そこで会社更正法の改正ということが政府でも通算省あたりでは考えておられるようでもある。しかし管轄というか、所管は法務省。死んだ高橋法務大臣には私予算委員会等で話をし、いろいろと検討するという話もあったのです。また通常国会におきまして、われわれから会社更正法の改正法案を提出いたしております。一体法務省ではそういうことについて受けて立つ、あるいは法務省内でそういう気分が出ているのかどうか、これは課長さんのあなたが答弁しにくいかもわかりませんが、会社更生法の改正についてどう考えておるか、これを一つお伺いいたします。
○佐竹説明員 お答え申し上げます。 山一証券に対する特別融資のお話がございました。先生御指摘のようにまさに日銀法第二十五条に基づく特別法でございますが、ただこれは決して世上伝えられるような無利子もしくは超低金利というようなものでは実はございませんで、通常の日銀の公定歩合に基づく市中銀行に対する貸し出しでございまして、山一振り出し手形は並み手扱いということで、並み手に対する金利、市中銀行が担保に差し出しておりますところの全社債、担保はございますが、これはその債券に対する担保貸し出しということでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。そういうわけでございまして、いずれにいたしましても市中銀行に対し——銀行のみならず一般金融機関に対しまして、できるだけ金利の引き下げあるいはたな上げ等の措置につき協力をさらに求めてまいる所存でございますので、その点どうか御了承いただきたいと思います。
○味村説明員 会社更生法の改正の問題につきましては、さきの通常国会におきまして、高橋法務大臣も改正について検討すると申されたとおりでございます。法務省といたしましても法務大臣の意を受けまして、目下鋭意検討中でございます。通商産業省あるいは裁判所とも相当関係がございますので、それらの各官庁と連絡して目下協議中でございます。それで会社更生法の改正の問題は、一般債権との公平なつり合いと申しますか、公平をどういうふうにして確保するかという問題もございまして、なかなかむずかしい問題でございますので、まだ結論は出ておりませんけれども、ただいま検討中であるということを申し上げまして、決してその改正をしないというようなことは考えていないということは申し上げられると存じます。
○内田委員長 久保田参考人、御発言があればどうぞ。
○久保田参考人 ちょっと発言させてもらいます。 いまの問題になっておりますいろいろな問題が、現実には法制上の問題で非常にむずかしいということは、われわれいろいろ運動してまいりましてあちこちで頭を打っているわけです。そこで法制上の問題から見まして、ここで皆さんに御検討願ってわりあい簡単にできるものがあるのじゃないかというところがあるわけです。たとえば一つ、われわれ金を借り入れます場合に、山特鋼に対する債権を担保にしていただきたい。債権の担保化ということは法的には可能だと思うのです。ただ実務的になかなかやっていただけないということだと思います。これは先ほど来管財人の方も、会社がこれ以上悪くならないように努力もするし、その心配もないという御発言がございましたから、明らかに担保化し得るものである。ただ担保価値が幾らかということは別に問題がございます。その点は別といたしまして、ぜひ担保化できるようなことを考えていただきたい。そうしますと、われわれ現在差し入れております他の担保が浮いてくるわけです。これを前向きの資金の担保に使えるわけです。この辺をひとつ御配慮願いたい。 それから二番目に、金利の支払いについては、現実には元金よりも金利を先に取られるという点が非常につらいわけです。したがって金利の支払いは元金弁済後の支払いにしていただきたいということが二つ目のお願いです。これもわりあい簡単に御了承願えるのじゃないかと思っております。 以上です。
○田中(武)委員 久保田参考人のいまの御意見、これはもうわれわれが聞くだけでなく、関係の各役所の方も聞いておられるので、これはひとつ検討してもらうと同時に、ちょっと私にも意見はありますが、それはここでは差し控えましょう。 最後に一つ原参考人にお伺いしたいのです。お伺いというか言ってもらいたいのだが、こういう状態になって親企業が倒産をして、無担保債権者としての苦労はあなたのほうが先輩なんです。いろいろ苦労せられたこともわれわれも知っております。 そこでこの際あなた方の体験を通じてここに見えている無担保債権者の皆さん方に何か参考になる、あるいは管財人の方も見えておりますが、参考になるような体験びありましたら、簡単に述べていただきたいと思います。
○原参考人 お答えします。私どもはすでに昨年解決いたしまして、当時先生方の積極的な御配慮をいただきましたので、したがって関連倒産は若干出たのですが、中小企業庁長官あるいは当時の通産局長の特別な御配慮によりまして、現在は一応関連倒産は一件もありません。いまお聞きしまして、私どもが会社更生法というのは当時初めて知りまして、非常にあわてたわけですが、ここでいま先生方がおっしゃっておられると、一応役所がそうして上げるというような御答弁があるのですが、実際に私どもが役所に回ってみますと全く逆なんですね。いわゆる融資の問題にしても、仕事のあっせんをお願いに行っても、窓口へ行ってはむだ足を運ぶということがなかなか多い。したがって委員会ではそういうふうなことを御答弁いただいて非常にうれしいのですが、実際にはそれがなかなか行なわれてこなかったということを私いまお話を伺っていながら痛切に感じているわけですが、私どもの場合には当時はやっていただいた、しかし現在はやっていただかないでいま非常に困っているところです。
○田中(武)委員 のどもと過ぎれば熱さを忘れるというか、どうもそういう傾向が東発のときにもあったようなことを原さんは言われたし、山陽特殊鋼でももう近く半年が過ぎようとしている。初めの熱意が各役所ともやはり薄らいできているのではないか、こういう感じを受けておりますので、いま原参考人は役所に対してはきわめて苦言であったと思いますが、それを聞いていただいたので、ここで言われたこと、あるいはわれわれが現地に行って希望したようなこと、そういうようなことについては、ひとつ出先等を督励していただいて、これは通産省だけではなく、中小企業庁だけでなく、大蔵省すべてがやっていただきたい、このようなことを最後に希望いたしまして、質問を終わります。どうも失礼いたしました。
○内田委員長 次は大村邦夫君。
○大村委員 私は以下東発関係について参考人に御質問いたしますが、なお時間も相当経過いたしておりますので、その御回答によってさらに政府なりあるいは関係機関にいろいろと御質問なり御意見を申し上げることについては後刻に譲りたい、こういう考え方で質問しますから、委員長、ひとつよろしくお願いいたします。
○内田委員長 了承いたしました。
○大村委員 御承知のように東京発動機が倒産いたしましたのは昨年の二月の二十四日でした。それから子を殺して親が生きるというこの悪法会社更生法に東発が逃げ込んだ、これが五月二十七日、それから早いものでもう一年半が経過いたしました。先ほど言われましたように、当時あれほど社会的に波紋を投じたこの問題が、時が移り変わるに従いまして、逐次人の記憶から薄れ去られようとしておりますが、私が思うのに、これは参考人のごきげんをとる意味で申し上げるのではもちろんございませんが、その当時東発に依存し、信頼し、その親企業の要請にこたえてひたすら励んできた中小企業、下請企業、それから債権者、これが突然親企業の倒産、予想もしなかったのですから、ずいぶんあわてたことは言うまでもありません。そうしてその後一年半というのは、私どもは相当債権者にとっては血みどろな苦闘の連続であったと予想せざるを得ないのです。そうしていま参考人から御回答がありましたように、どうにか関連倒産は出さないで今日までやってきたということですが、これは政府あるいは関係機関なり富士電機なり、もちろん債権者の努力、こういうものが相まってここまできたと思います。思いますが、しかし、ここまで到達するには、先ほども申しましたように、いろいろ紆余曲折があったと思うのです。これは単に東発だけでなしに、これからまたいろいろ倒産が出る場合に非常に貴重な資料になると私は思うのです。したがって、その間の経緯というものについて詳細に経過報告をいただきたい。その経過報告については、先ほど原さんは何か一、二分ちょっとものを言われまして、あとは文書報告、こういうことになったと思うのですが、私がいま申しましたような趣旨から、その経過報告についてはひとつ詳細にいただきたい。このことをあなたに御要望するのですが、ひとつ御回答をいただきたいと思います。
○原参考人 先ほどあまりにも突然でしたのでちょっとうろたえたわけですが、会社更生法を申請して、解決までの経過事情といいますか、それらの事情に対しまして、いまこの公の席において私が御説明することは、明日の裁判所における東発の集会もありまして、私どもは更生計画案をすみやかに認可されることを非常に力強くお願いしておるわけであります。したがいまして、いまここで当時の事情を詳しく説明をいたしますことは当を得ない。私ども下請業者が、私が代表いたしまして発言する場合には、必ずしも利益でないという考えのもとに立って、その事情についての説明は差し控えさしていただきたいと思います。
○大村委員 では、詳細な経過報告を当委員会に提出をしていただくということを確認をしておきます。 それから原さんも御承知のように、去年倒産をしましてから、四月一日と四月の八日、五月の二十一日、六月の五日と、過去四回にわたって東発の倒産の問題にからんで関連下請企業の救済対策が論じられました。政府といたしましては、具体的に何と何とやるということは、明確には示されませんでしたが、対大蔵省の関係、あるいはいろいろな思惑もあったのでしょう、当時の、たしか福田通産大臣は、おれにすべてを言わさぬでも、ひとつまかしてくれ、こういうことまで言われたことを私は記憶しております。いま原さんの説明によりますと、その後相当政府についても積極的に協力をされたと、こう言われたと思います。しかし、ほんとうに積極的に協力されれば問題ないのですけれども、私はかなりいろいろあなたのほうでも要望もあるし、今後もこうしてもらいたいという問題もあると思うのです。倒産は出なかったが、むしろ問題はこれからだ。たとえば、先ほど山陽特殊鋼の問題で言われましたように、利息の支払いとか、あるいは元金の返済期日がきたとか、あるいは仕事がないからもっとくれとか、いろんな要望というものがあると思います。この国会で審議をされた関連から、ひとつここで、経過報告は後に出していただくにしても、あなたのほうの希望というものを一応承っておきたいのです。それによって私どもは次の委員会なりでまた考えて、政府にいろいろと要望し、また善処をしてもらわなければならないと思うのです。そういう点をひとつ明確にしていただきたいと思います。 さらに具体的に言いますと、政府の三金融機関のいわゆる協力態勢ですね、私の知っておるのでは、商工中金あたりはかなり協力をしたと思うのです。他の国民金融公庫その他について、どれだけ協力をしたのか。この前、たしか国民金融公庫の総裁でしたか、国会にお呼びしていろいろ聞いたと思うのですが、そこら辺もひとつ具体的な問題として、いまのことに関連をして御答弁をいただきたいと思うのです。
○原参考人 お答えいたします。 倒産当時、御承知のとおり四月一日、八日、さらに五月と、四回にわたって当委員会において非常に積極的な御支援をいただきました。当時、中小企業庁長官並びに当時の影山東京通産局長に非常に積極的な御支援をいただきまして、金融機関におきましては、二百九十九社の中でほとんど八五%程度は商工中金によって救われた。中小企業金融公庫においては、二百九十九社の中で一件です。一件も、これはもう何回も私も足を運んでやっと借りられたということで、国民金融公庫は若干ありますが、私ども債権者、当時関連倒産の寸前にあったという方々が救われたのは、一に商工中金の当時の島田理事の積極的な配慮によって、私ども本店に行きましても、出せばいいのだ、どうしても救済しなければいかぬというようなことで、見ている前で御指示をしていただく。したがって、私ども長野県あるいは静岡県に行きましても、県庁に行くときでも安心をして行かれるというようなことが行なわれまして、おかげさまで商工中金によって東発の債権者は関連倒産を免れたと言って過言でないと思います。私ども商工中金に対しましては非常に感謝をしておるわけです。それから当時の通産局長、影山さんですが、影山さんが通産局長当時は、私どもいろいろお願いに上がりますと、局長室に部長、課長あるいは係長とか、全員呼んでいただきまして、私どもの見ている前で、これも同じく長野県なりあるいは静岡県の商工部長に電話をしていただく。さらに添書をつけて、そして私が行ってその土地の債権者の方々の問題に対しては商工部長にお願いをする。それらの御配慮はその局長室においてわれわれの面前において行なってくれたということで、全く商工中金と同じような御配慮をいただいた。それがために、長野県においては銀行取引の停止処分を受けた、しかるに商工部長さんの非常に御懇篤なるごあっせんによってそれが停止処分が解けて、さらに三百万円融資を受けたというような異例の処置をとっていただいたこともある。それらのことをいま回顧いたしまして、全く当時は中野中小企業庁長官あるいは影山通産局長というような方々によって東発は救われた。現在は違います。現在は、私どもが昨年救済資金をお借りして、ちょうどいま返済期にきている。すでにもうだいぶ返済しておりますけれども、いま資金繰りに非常に困っておるのです。一番下請が困っておるのは仕事なんですが、それは当然通産局に行くわけです。ところが、現在は通産局に行きましても、東発は一応解決をしたのだ。したがって熱意がないわけですね。ですから、いま局長さんのところへお願いに上がっても、部長に話しておこうという程度です。したがって、窓口に行っても当時のような積極的な御配慮がお願いできない。ですから、私どもどうも足が遠のいて、みすみす仕事がなくて困っている、あるいは資金繰りに困って倒産するんじゃないかというような方々も見捨てざるを得ないというような状態にあるのです。
○大村委員 一括参考人から御説明を受けたいのですが、途中で忘れるといけませんから、いまのことに関連して政府のほうにお尋ねしたいのです。 いまの御説明によりますと、倒産当初には、いろいろと慎重な、かつ手厚い御配慮を政府機関から、あるいは政府からいただいたが、だんだん年がたつに従って取り扱いが冷淡になってきた、こういうことが言われたわけです。そこで、通産省どなたがおられますか。
○内田委員長 中小企業庁長官、影山次長です。
○大村委員 長官にお尋ねします。本件東発の倒産に関連しての下請企業、あるいは債権者の問題については大体終わったとお考えなんですか。それとも問題はこれからあるんだ、したがって、そのめんどうは国会審議の経緯等もあり、見てやらなければならないとお考えなのか、その辺を少し明確に御所見を承りたい。
○山本説明員 最近の経済情勢一般が非常に中小企業にはきびしい状況になっておりまして、私たち、この東発に限らず一切油断ができないという気持ちで実は対処いたしております。つい最近にも、各通産局に特別に不況対策相談室というものを設けましたのもその趣旨でございます。昨日も政府系の金融機関三機関の幹部に特においでいただきまして、通産省としましては、通産局にそういう相談室を特にこの際設けまして、また各府県にもその趣旨をよくお話しして協力していただくように依頼を出しましたので、金融機関は、個々の案件について相談室が中心になってあっせんをいたしますときは、できるだけ協力をするように各金融機関の本部から第一線のほうに趣旨を徹底してもらいたい、こういうことも話しておるような次第でございます。また、仕事の面につきましても、特に政府として比較的やりやすいのは、官公需の問題でございますので、それにつきましても同様の趣旨のことをいま運びつつある途中でございます。東発につきましても、もうあれは済んだんだからいいとか、こういうような気持ちでは決しておりませんことだけ申し上げておきます。
○大村委員 大体わかりましたが、中小企業の置かれておる経済環境が非常にきびしい。したがって、十分監視をし、指導もし、援助もする、こういうことのようですが、それから一方では、東発関係は終わったと決して考えていません、こういうおことばがありましたね。そこで、終わっていないという認識は、一般の中小企業の取り扱いとはむしろ認識を異にして、今日までの経緯があるのですから、その経緯を踏んまえて、十分措置なり対策を講じてもらいたい、このことをひとつあなたに要望しておきますが、よろしゅうございますか。
○山本説明員 はい。
○大村委員 それから大蔵省にお尋ねいたします。 今日の事情とこの前の事情とは、経済事情を若干異にしておると思うのです。というのは、最近の不況はかなり傷も深いし、深刻化しております。昨年のいまごろと比べますとかなり様相が違っておると思うのですが、当時、この東発が倒産をしたときに、いま参考人から説明がありましたように、商工中金あたりについては、下請企業にかなり手厚い融資をしてくれた。親切であった。ところが、同じ政府金融機関であるところの国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫については、さほど親切ではなかった、こういうことが言われておるのですが、一体大蔵省ではどういう指導をしておるのですか。この倒産した企業に対する対策、それに対するところの大蔵省の指導、そういう点をひとつ銀行局長から報告してください。
○佐竹説明員 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、政府三機関、中小公庫、国民金融公庫、商工中金、いずれも中小企業金融のための政府の施策として、同じ性格を持った必要な機関という認識を持っておりまして、それぞれやはり中小企業金融が円滑に疎通をするということのために、積極的にその機能を果たすべきであるという基本的な考え方を持っておる次第であります。ただいま御指摘の昨年の東発の当時のことは、実はごく最近私ただいまのところへ参ったので、昨年の事情はよくつまびらかにいたしませんが、今回の山特鋼のケースについて見ますと、政府三関係機関の融資は相当積極的に進められておる状況なのでございます。ことに先ほど御指摘の中小企業公庫は、今回更生手続開始申し立て以来、八月一ぱいころまでに大体四億七千万円近い融資が行なわれた。件数から申しましても、七十五件という、相当積極的に出ておる状況でございますので、これは今後とも円滑な金融について十分な配慮をしていかなければならぬ、かように思っております。
○大村委員 数字をあげて具体的に御説明がありましたから、その数字を信用いたしますが、しかし、先ほど参考人が言われたように、国会ではいろいろ審議をされる、そうして手厚い方法を加えよう、金融機関についてもできるだけ大蔵省が指導をいたしましょう、こういうことになるが、さて実際にその窓口に行くと、貸さないとは言わないが、いろいろ煩瑣な手続を経、あるいは担保の問題を持ち出し、事実上は借りにくい、貸さないのとひとしい、こういうことを私たちはよく耳にするわけであります。参考人もそうおっしゃるわけであります。その辺はあなたのほうも十分傾聴していただきたいと思います。数字がこうなっているからこれは積極的だ、なるほど数字はそのとおりでありましょうが、この点についてはやはりとくと御注意をいただきたい、このことを要望しておきます。
○中村(重)委員 関連。山本長官に尋ねますけれども、いまの大村委員の質問に対して、東発の問題に対しても、山陽特殊鋼の問題に対しても、同じような答弁をされるのだろうと思いますけれども、東発に対しては、特にそれが終わったということではないのでありまして、そういうことで特別の留意というものを目下やっておるという意味合いの答弁があったのですね。ところが、先ほど原参考人からお答えがあったように、こうした席上においては特別の配慮を行なうというような、きわめて前向きの答弁があるのだけれども、窓口に行ってみると、必ずしもそうではない、そうして非常に失望するのだというような御答弁があった。これはあなたもお聞きのとおりです。それで終わったのではないのだ、特別の配慮を加えてきているのだというならば、こうした質問に対して、どんぴしゃり、それでは東発に対し、あるいは山陽に対し、どういう中小企業対策をやっているのか、具体的に状況はどう動いてきているのか、こういう質問に対してあなたはどのような御答弁ができるのか。私はいまこの答弁を伺いながら関心を持って実は聞いておったのですが、ところが、ほんとうに特別の配慮を加えておるというならば、東発に対し、あるいは山陽特殊鋼のそうした被害者である中小企業に対して、やはり何か特別の担当の者でも配置して、絶えずそういう状況を見守りながら、政府関係金融機関に対し、あるいは大臣省その他出先に対して特別の指示というものを行ない、さらにそれをあなたのほうへ吸い上げ、遺憾なくその対策を講じていくという態度でなければならぬと私は思うのです。そういうことをほんとうにやっておられるのですか。特別の配慮を加えておるというならば、実績としてどのような形が実際あがってきておるのか、それらの点に対してひとつ適切なお答えを願い、それから具体的にこれから先取り組んでいこうとする考え方に対しても明らかにしてもらいたい。
○山本説明員 実際には、通産局の商工部に中小企業課というのがございまして、具体的な案件についてはそこが親身になってお世話をする、こういう体制をとっておる次第でございます。特に、たとえば山陽特殊鋼の問題につきましては、現地では大阪の通産局長が陣頭指揮をいたしまして、総力をあげて今日までその解決に努力をしてきておるのでございます。同時に、現地からは、かなりひんぱんにそのつど状況の報告がございまして、中には、それぞれの金融機関の本部に対して本庁のほうから申し入れをしたほうがいいような案件につきましては、現地からそういう要望が参ります。それにつきまして、私のほうからそれぞれ本部のほうに申し入れをして協力をお願いする、こういうようなかっこうで処理をいたしております。実は通産局の中でもいろいろ忙しい部局はございますけれども、現在のところ中小企業課、特に課長を中心とする担当官が非常に忙しいのでございまして、個々の案件についてできるだけ全力をあげていろいろなあっせんをする、お世話をする、こういう体制をとっておりまして、若干人手も足りませんので、今回特に不況対策相談室という名前で室をつくりまして、ほかの関係の原課の者もそれに協力をするような体制を特にくふうしたような実情でございます。
○中村(重)委員 あらためて適当な機会にさらにお尋ねすることにいたしますが、いまあなたは特別な配慮をしておるのだと言うけれども、一般の中小企業対策を一歩も出ていない。私どもも強い関心を持っているのだから、通産局等に対しても、どういう取り組みをしておるのか、また通産局から地方自治体に対しても特別の配慮をしておるかどうかということに対しては、いろいろとそれなりに調査はやっているのだけれども、あなたがいま御答弁をされるような、そういうことではない。だから少なくとももっと責任ある指導をされ、そうしてその結果を十分吸い上げてみて、これではいけないと思うならば、またそれなりのアドバイスというものをやっていくという態度でなければならぬと思う。だからあらためてお尋ねしますが、十分ひとつ配慮していただきたい、答弁に対しては十分責任を持って対処していただきたいということを要望して、きょうの質問は終わります。
○大村委員 次に移ります。 東発が二月の二十四日に倒産をして、それから債権者の債権の届け出が七月十五日、これが締め切り期間でありますが、この間、御承知のように、五月には東発は会社更生法によって再建される道が開かれました。そうして七月には富士電機と債権者との間で、いわゆる二一%の債権譲渡の問題が話がついたようであります。私は、この二一%の問題については、それは債権者にとって決して満足すべき金額でもなかったと思います。しかし、この二一%で妥結をしなければならなかったもろもろの事情が私はあると思うのです。御承知のように、一方は富士電機等で巨大な資本といいますか、企業であります。一方は零細ないわゆる中小企業である。それが四つに組んでいくときには、いろいろとまた圧力もあろうし、雑音もあろう。そういう点については何ら明らかにされておりません。まあまあ妥結をしたんだということになっておる。そこで原さんにお尋ねしたい。経過報告を詳細にということでしたが、私はむしろこの妥結をするに至ったその当時のもろもろの経緯というものをひとう明らかにしてもらいたい、こういうことです。それによりまして私どもの意見がありますから。
○原参考人 先ほど東発の二一%の解決に至るまでの経過報告ということで、突然であったものですから、一応債権を文書によって提出をするということは、更生計画案は、私どもの債権者数を申し上げましたけれども、その中で、当時中野中小企業庁長官が四月の九日に債権者の数が非常に多い、多いが名簿を見て——当時は千九十九名でした。しかし、その名簿の中を検討してみたところが、大体これが下請とみなされる債権者は二百五十名程度だった。したがって二百五十名程度の名簿をあらためて早急に提出をしろ、こういうお童話をいただきました。さっそく私どもは東発の社長と相談をいたしまして、徹夜をいたしまして二百五十九社というものを名簿をつくりまして四月の十四日に中小企業庁長官に届けたわけであります。したがいまして、当委員会においてはたびたび御審議をいただいたのですが、二百五十九社を対象として重点的に御審議をいただいた。私からいま申し上げていることは、二百五十九社を代表して申し上げておるのですが、その二百五十九社の経過報告は、いま先生の御意見ですと、二百五十九社が解決するまでに富士電機との交渉過程を詳細に説明しろという御意見なんですが、実は大企業と、三十未満を切り捨てまして、そういうのは私ども関知しておりません。したがいまして、三月の十日以来、二百五十九社に対して一応富士電機との交渉は確かにありました。ありましたが、いまここの公の席で、この詳細の説明は明日の債権者集会、いわゆる裁判所の集会で、私どもはどうしても更生計画案というものを認可してほしいということを非常に願っておるところなんです。したがいまして、いま、ここの席でそれを申し上げることは明日の裁判所の決定にも影響があるかと思いますし、また、その下請の二百五十九社が、それを申し上げることによって必ずしも利益ではない、むしろ不利益になるのではないかという懸念もありますので、いまその詳しい当時の事情というものは一応説明を差し控えさせていただきたいと思います。
○大村委員 明日の更生計画案が認可をされるというその段階で、いまここで、当時の交渉の模様なり経緯を明らかにすると不利になるとか、それからあるいはこれからまたいろいろと富士電機等のお世話にもなるから云々とか言われると、私は寝ている子供を起こそうとは思いませんが、そう言われるとひどく聞きたくなる。何かあるのですね。あなたはもうちょっとよくわかるように説明してくれませんか。公の席上で説明すると云々とか、不利になるとか、何かあるのですか。そこら辺についてちょっとお聞きしておきたい。
○原参考人 あらためて問題があるかという御意見には別に問題はありません。ありませんが、若干先生方もすでに御承知だと思いますが、私が富士電機の社長さんあるいは重役に直接交渉したその段階には、いまここで申し上げられないこともあるわけです。われわれがいま申し上げられないという理由は、私どもが不法な行為を行なったとか、あるいは債権者の立場として当然なことを言ったまでなんですが、いまここで内容を明らかにということはどうも申し上げにくいのです。と申しますことは、明日、裁判所において集会がありますが、認可がおくれますと、私ども下請としては、いわゆる三百近い下請が非常にこの認可を期待しているのだ。要するに認可されることによって金融の面もありますし、仕事のこともある。そういう観点からも一応考慮いたしまして、この席においてはその説明は差し控えさせていただきたいと切にお願いするわけです。
○大村委員 何だかもやもやとしてようわからぬ。あまり寝た子を起こしてもしょうがないし、紛糾させることが私の趣旨ではありません。要は、これから非常に迷惑をこうむった当時の下請け企業諸君が生成発展をして再建をしてくれればいいんです。ですが、それにはやはり二一%というのはかなり影響をしているところですから、その辺で聞きたかったのです。経過報告をお出しになりますね。その中でさしつかえのない程度、形式的にぼやかしていてもあまり意味がないのですが、あなたがこの程度ならということがございましたら含んで御報告願いたい。このことをひとつ御報告してください。
○原参考人 ちょっとわからないのですが……。
○大村委員 経過報告をお出しになるでしょう。その中にいま私が言ったことを踏んまえて書いていただきたい。それはあなたの判断にまかせます。詳しく書くか、簡単に書くか、ただ簡単に書いて形式的でお義理ならやめていただいてもいいのです。ちょっと問題があるような気がしてならないから言うのです。
○原参考人 先生の御意見ですと、経過報告と申し上げましたけれども、先生のおっしゃる経過報告は富士電機と私との交渉の過程を詳細に文書によって提出しろ、こういう意味なんですね。
○大村委員 経過報告の中にその問題も含めてひとつお出し願いたい、こういうことです。
○原参考人 わかりました。私ども二一%という数字にお説のとおり必ずしも満足しておりません。むしろ当時は四〇、五〇という要求をしておりましたから、しかしそこに二一%で妥結をせざるを得なかったというのは、七月十五日の締め切りでありますし、更生債権にはなりたくない、いわゆる十年先の金よりも、一割でもいいからいまの生きた金を使いたいという悲惨な状態にあった当時ですから、結局その二一%で妥結をしたというようなことなんですが、それに対する経過報告はあらためて文書によって提出をいたします。先ほど文書によって出したのは、総債権者数の解決案の詳細を出したわけです。
○大村委員 ちょっと整理をいたしますが、私が第一に経過報告と要望したのは、ずばり言いますと、単なる倒産ではない、計画倒産だという疑いがまだ晴れないままにこの問題が解決されようとしておるから、そこでその参考になりはせぬかと思うのです。それが一つ。 それから皆さんが血みどろないろいろな御奮闘、御活躍をなさいまして、それにはやはり政府なり富士電機もあるでしょう。金融機関の協力もあるでしょうが、そういうことで切り抜けが今日まで来たとすれば、それも貴重な再建資料である。そういうことを考えてひとつ経過報告を求めて、それからさらにその二一%で妥結されているようですが、私はあるところから手に入れると、あなたのほうはこの前いつですか二月二十四日に今後の問題についていろいろと協議をされたようですね、同盟会議を集めて……。そのときにふんまんやるかたないようなことがいろいろ書いてあるから、具体的に書いてありませんが、何かあったのじゃなかろうか、こういうことを勘ぐったわけです。そこでそういう問題が少しでもあるならここはひとつ明快にしておく必要があろう。そういう意味で、この問題も含めてひとつ経過報告の中に出していただけないか、時あたかも九月十一日、明日がいまの認可の決定でしょうから、あなたがお出しになるのはおそらくそれから後でしょう。裁判にも影響ないじゃないか、こういうことで申し上げたのです。よろしゅうございますか、委員長いいですね。
○原参考人 さっそく経過報告と詳細な文書を提出いたします。
○大村委員 したがって、その報告によってはあなたにまた意見なり問題提起をしなければならないかもしれませんので、そのときにはよろしくお願いします。
○内田委員長 その問題は理事会で相談いたします。 次は、田中榮一君。
○田中(榮)委員 私は山特鋼の更生問題につきまして、いろいろ詳しく御質問申し上げて、いろいろな事情を了解いたしたいと思っておりますが、時間がございませんから、要点だけ二、三簡単に御質問申し上げますので、どうかひとつ参考人の方におかれましても、要点だけ簡単にお答えを願えればけっこうでございますから、その点を御了解を願いたいと思います。 私は、今度の山特鋼の問題は、まことに日本の経済界にとりまして悲しむべき不幸な問題である、大企業にとってもまた日本の中小企業の問題にとりましてもきわめて不幸な問題であると考えるのであります。ただいま問題になっていろいろ御質問がございました東発の問題もそうでございますが、こうした大企業が倒産をいたしますと、必ずそれに関連いたしまして中小企業がともに倒れる、あるいは同じような運命にあって悲惨な境遇に陥る、これが今日のまことに悲しむべき現象でございまして、私どもはこの山特鋼が倒産をしたということ以外に、これにぶら下がる五百二十四の会員並びにこれが持っておるところの現在の、更生債権額百二十四億五千万円が焦げついておる、また従業員八万三千五百人の今後の運命並びにこれらの家族三十万人の今後の生活ということを考えますと、これは日本の経済界にとりましてゆゆしい社会問題であり、政治問題であると考えるのであります。そういう意味におきまして、本件はすでに新聞あるいは雑誌あるいは中には週刊誌にまで取り上げられましていろいろと論議されたのであります。私は、感情的に前社長が行なわれました事柄についてとかくいまここで論議をいたしましてもせんないことでありますので、この問題はさておきまして、やはり山特鋼というものは、現在の日本の製鋼業界における非常に大きなメーカーでありまして、これが生きる生きないは日本の産業の基盤をゆるがす大きな問題である。一つの機構の一環をなす経済機構である。こういう考え方からして、やはりこれは絶対に更生をして、元々どおりの姿にしなければ日本の経済復興のためにもよくない、かように考えて私は御質問申し上げるのでございます。その意味においてひとつお聞き取りを願いたいと思うのであります。 そこでまず第一に、今後の山特鋼が更生をするためには、更生債権者の方々の熱烈なる会社更生のための御協力の精神がないとこれはできないと私は思うのであります。そのために実は前回この席上に、公聴会がありまして前社長も御出席になってるるその心境を述べられて、自分としては私財をなげうってもひとつ債権者のために会社更生に尽力をするということを言われたそうであります。私は不幸にしてその公聴会には他の会合のために出席できなかったのでございまするが、新聞紙上によりますると、そういうことが報道されております。そこで、先ほどお話を聞きますると、前社長が誠心誠意私財をなげうってひとつ幾分でも債権者のためにお報いいたしたい、こういう気持ちで私財をなげうたれたのが一億数千万ということをおっしゃっておったのでありまするが、原田管財人にお伺いいたしたいと思うのでございますが、前荻野社長が私財を提供されました額は、数字にいたしまして大体どの程度でございましょうか、それをお伺いいたしたいと思います。
○原田参考人 お答えします。 正確なる数字はまだあげておりませんが、約一億と思っております。それはなぜ正確な数字ができないかといえば、不動産などの評価をしていません。評価してもただいまは山陽特殊製鋼の倒産によって、いま提供された付近の土地が非常に下がっておりますから、正確なる数字はいま申し上げることはできません。現実に売ってみないとわからないという問題があります。
○田中(榮)委員 そのとおりだと思います。不動産物件を提供されましても、ただいまのところ時価に換算するといろいろな見方がございますから、正確なる数字が証言されないことは私はよくわかります。そのとおりだと思います。 そこで、私は今後の更生債権者の方々が耐えがたきを忍んで、そうして会社のために協力しようという精神を持たれるには、どうしてもやはり前の社長以下の方々が誠意を持って私財を投げ出す、それによって更生債権者の方々が、よし会社のためにひとつ一緒になって苦労して更生に協力しよう、こういう気持ちを持つんじゃないか、こういうように私思うのであります。したがいまして、現在荻野前社長は囹圄の人になっておられまするが、荻野社長はじめ前会社の幹部の方々が、できれば全財産をこの際になげうって、そうして更生債権者のために今後の協力を誠意をもって示す、私はこれがこの山特鋼の更生の第一のスタートじゃないか、かように考えるのでございまするが、原田管財人はいかようにお考えでございましょうか。
○原田参考人 ただいまの御質問はごもっともと考えますが、前社長の御意思というものはどういう方面からあらわれておるかといえば、前社長のむすこなり関係者がいま会社においでになって御協力くださっておることからして、前社長がいかにこの会社に対して熱意があるかということはくみ取れるであろうと思います。またいままでお取引願っておる債権者、いま更生債権者になっておられる方が引き続きお取引を願っておる、のみならず、自分らもほかの者を入れないで優先して取引に参加したいというような御希望もあるようなことから考えまして、いかに前の債権者の方々も山特鋼の更生ということに御熱意があるかということが私はうかがわれますので、たいへん感謝しておる。ただ管財人というのは御承知のとおり、更生法の適用範囲において処理するということが第一任務でありますから、御要望の債権の切り捨てをしてはいかぬとかなんとかいうことが直ちに実行できるやいなやは危ぶみまするけれども、なるべくその方面に努力するということは、あなたの御質問に対してお答えします。
○田中(榮)委員 次に製鉄、製鋼業界の今後の見通しでございます。現在の日本の製鉄業界、製鋼業界というものは、前途きわめて暗たんたるものがございまして、本日御列席の参考人の方々は皆さん御承知のように、すでに通産省の勧告によりまして自主的な生産制限を——不況カルテルのやり方を避けまして、通産省の勧告に基づく自主生産制限というものをやりまして、みずからの利益を確保しておるわけであります。したがいまして、その自主的な生産制限を維持することによりまして利潤率をある程度確保している。そして各社が互いに不当な競争を避けたい、不当競争に基づくロスをなるべく避けていきたい、こういうことでさような生産制限をやっておるわけでありますが、私は山特鋼におかれましてもやはりこの影響というものは免れまいと思うのであります。そういたしますと、いわゆる山特鋼の今後の生産性の向上といいますか、生産数量の増加、いわゆる売り上げ高の増加ということがどの程度にこれから伸びていくかということが非常に心配になるわけであります。それと同時に、やはりある程度経営の合理化もはかっていかなくてはならない。また冗費の節約もはかっていかなくてはならない、いろいろな点から、同時に百二十四億五千万円の更生債権をかかえておりまするので、これらの債権者に対しましても、何とか一日も早く債務を弁済をしていかねばならぬという両面からの攻撃を受けるわけでございますが、管財人としてこういう世帯をお預かりされることは私は責任がきわめて重大であると考えておりますが、この点につきまして田中管財人代理はいかにお考えでございますか。今後のお見通し、そうしたものにつきましてひとつ率直にお聞かせ願いたいと思うのであります。
○田中参考人 御質問の中の今後の生産の見通しあるいは現在われわれが受けておりますところの自主調整なりあるいは合理化カルテルの問題ですが、この問題につきましては、山特というのもやはり特殊鋼業界の一翼をになうものであって、しかもその発展においてはかなり過去において急速に伸びた、こういう性格の会社でございます。将来の伸びその他につきましては、やはり業界での協調あるいはカルテルの尊重ということが同時に利潤ある立て直しという基礎の一端になる、こういう考え方でもって協調は大いに尊重していく、こういう形でございます。さて、そうなってくると、将来の伸びがあるかないかということですが、これは山特自身の中にも、一がいに特殊鋼と言いますけれども、いろいろの鋼種がございますし、特にわれわれとしてはそうした鋼種の転換というようなことに重点を置いてこれを伸ばしていきたい。この点に関しましては、多分に、何といいますか、経済界全体の立ち直りという部分に依存するものが相当ある、このようには考えていますが、まだまだ開拓の余地あり、こういう観点に立って、先ほどもこの更生には合理化とあわせてそうした販路の拡大ということでもって、自信がありますということを申し上げたような次第であります。 なお、その点につきまして、これは一つはずれたあれになりますが、せっかく自力でも輸出問題の解決を——解決といいますかあるいは増量というようなことをはかっておるようなわけですが、世間的に更生会社になったというような点がありますので、この点についてはもちろん私自身としても努力いたしますけれども、国会の皆さんにもそうした面から御支援いただきたい、かく考えております。
○田中(榮)委員 次に、山特鋼の債権者連合会の事務局長の久保田さんに一言お伺いしたいと思いますが、会社が会社更生法によりまして更生決定を受けましてから、いわゆる債権というものがフリーズされてしまったのでありますが、百二十四億五千万円という債権というものがここにフリーズされてしまったのです。そこでこの五百二十四のいわゆる更生債権者の方々は、その後一部生産開始をされまして、一応受註をされて、細々ながら生産を開始されたのでありますが、そのいわゆる操業率ですね、会社更生法の適用を受ける前と比較しますと、操業率はどの程度であり、売り上げ率はどの程度であり、しかも収入はどの程度であるか、それについてちょっとお伺いしたいと思います。
○久保田参考人 いま御質問のありました事項につきましては、下請企業につきましては、福永さんからあとで説明していただきます。 納入業者につきましては、先ほど私御説明したのですが、アンケートによります数字によりまして見ました場合、従前の、山特鋼が倒産に至る前、この前の時点の約三九・五%の取引をやっておるという平均数字が出ているわけです。これは 一番多いところは七〇%ぐらい、一番少ないところはゼロであるということなんです。そこで、金額はいかほどかという御賃問もございましたが、こういった点は非常に個々に多数の債権者でございますし、まして取り扱い品目は、各社各社いろいろまちまちである。数百種にのぼると思います。そうなりますと、はなはだ把握がむずかしいわけで、私ここでよう答えることができません。これは御了承願いたいと思います。それから、債権者の中でも、特に納入業者の中でも、山特鋼に対して納入比率というか自分の会社の取り扱い品目の中で、山特鋼にどの程度入れておったかという比率も、これは各社まちまちなんです。たとえばAの会社は、Aの会社の月の売り上げが百万円であった。そのうち山特鋼には二十万円納めておったという数字が、各社まちまちなものですから、これも具体的には申し上げかねるわけです。そういう実情でもって、実際には債権額が多いところほど困っているということが実情であるということを申し上げます。お答えにならないかもしれませんが………。
○内田委員長 福永参考人。なお、先ほど御発言の要求がありましたので、あわせて御発言ください。
○福永参考人 では、いまの御質問に対しましてお答えいたします。 下請二十四社のうち、現在のところ、全然仕事の皆無なのが十社ございます。残りましたあとの十四社の中で、一工場を例にとりまして申し上げますと、三月以前の操業率、いわゆる受注量ですね、これを一〇〇といたしました場合に、四月が六〇%、それから五月が五一%、六月が三三%、七月は二三%、八月は一一%に落ちております。現在山陽と取引をいたしております残りの十四社にいたしましても、平均いたしますと、大体一〇プロから三〇プロぐらいの見当だと考えております。これが現状でございます。 それでは、引き続いて申し上げます。 実は、概況説明によりまして、われわれ下請業者が非常に困難な立場にあるということを申し上げたのでございますが、これにつきまして、少しく実例をあげまして御説明申し上げたい、かように考えます。 困っておる要素は、大体三つの要素から成り立つものと考えます。これは、山陽に対する依存度がいままで一〇〇%に近いような状態でございました。設備そのものも山特の生産に見合うような設備をわれわれはしておったわけなんでございます。今日では、こういう苦境に立ちましたときには、他の企業より受注をして生産を続けていくということが非常に困難なわけなんでございます。これが一つでございます。 それと、受け取り手形のサイトが非常に長いものでございますから、力以上の膨大な受け取り手形を持っておりまして、それを金融機関で割っております。それが今日非常に重荷になりまして、負担になっておる、こういうわけなんでございます。 それと、はなはだ申しにくいことでございますが、ここに管財人グループの方もお見えになっておりますが、山特の生産は六〇%に落ちたのでございますが、いまわれわれの受注の状態は、さらにそれより下回っておるというようなことでございます。これは、あくまでも会社の更生計画上、やむなくそういう御処置をおとりになったことは、私どももよく認めるのでございます。六〇%に生産が落ちまして、われわれが六〇%の受注量がないということになれば、ある程度の納得は行くのでございます。何ぶんともに生産が急に落ちましたところへ、従業員の自然減のみで、大幅な従業員の整理ということがございませんので、われわれにとりましては、いわゆる受注が大幅に減る、つまり六〇%に減った仕事を、外注に回すよりもむしろ社内の工員さんでおやりになっておるというのが現状だと思います。 こういうような三つの要素によりまして、今日までわれわれが事業を継続してまいりますには、金融機関からのつなぎ資金をお借りしております。そのつなぎ資金につきましては、政府はじめ国会の非常なお力添えによりまして、わりあいとスムーズに、市中金融機関なり政府金融機関からは借り入れを達成しておりまして、これは非常に喜んでおるわけなんでございます。しかしながら、何ぶんともに受注量が減りました場合に、金利負担が非常に大きくなってくる。実はその一点にわれわれは頭を痛めておるわけであります。 この機会に、陳情の第一項目にも申し上げましたように、山陽製鋼におきましては、労務費の支払いというものは、もちろん三月以降には未払いもあったでございましょうが、これは共益債権としてお支払いになっているわけでございます。われわれ下請が山特にかわりまして自己の工員に払いました労務費というものは、これは共益債権には認められない、こういうわけなんです。 再々申し上げておりますように、債権の七〇%が労務費であるということを、一再ならず申し上げております。これにつきまして、実例を一つ申し上げたい、かように考えます。 これも、われわれ二十四社のうちの一社でございます。三十九年度の売り上げ総額は、八千八百八十五万七千円という数字が出ておりました。ところが、このうち、工賃及び従業員に対する厚生費を含めました直接製造原価と判断できますものが、六千百二十八万五千円に相当しております。これはそのままの状態でもって国税局に対しても決算の申告をしておりますから、非常に正しい数字と思います。八千八百八十五万七千円に対して労務費は六千百二十八万五千円というのは、売り上げの七〇%が労務費に相当しているという根拠が成り立つわけでございます。われわれ会社更生法というものはどんなものであるか、詳しいことは知りません。知りませんが、更生会社の従業員に対する労務費の支払いというものは共益債権としてお支払いになっておる。何とかこれに準じまして、われわれの七〇%の債権というものを共益債権に振りかえていただいて、これは労務費であるというお考え方から何とか七〇%をお支払い願えましたら、消極的にお世話になっております借り入れ金であるとか金利の負担の問題だとかいうものは片づくのじゃなかろうか。当初、企業協同組合をつくりまして、まず第一番に政府に陳情いたしましたのも、債権の七〇%が労務費である、何とかこれを共益債権に振りかえてほしいということを申し上げてきたわけなんです。この辺のことをひとつよろしく御勘案の上、御善処をお願いしたいと思います。
○田中(榮)委員 時間がありませんから、私は最後に要望いたしますが、県の横山商工労働部長に一言御質問したいと思いますが、いまの依存度一〇〇%の会社が相当多いということ、そこで現在親企業が会社更生法の適用を受けることになって、非常に経営が困難になっておる、他より受注もできぬような状況である、こういうお話もあるのですが、こういう際に、県の商工労働部として、あまりにも企業が大き過ぎるから、たとえば大阪とか神戸とかあるいはそのほか名古屋とか、そういう方面からのいわゆる発注をあっせんするとか、そういうような、いわゆるあっせん業務ということですかね、そういうものはおやりになったことはないのでしょうか、どうなんでしょうか。その点も努力はされていないのですか、どうですか。その点ちょっとお伺いしたいと思います。
○横山参考人 ただいまの受注先のあっせんでございますが、先ほど申し上げましたように、県といたしましても、さっそくそのことを考えまして、知事名をもちまして関係会社等に依頼をいたしたのでございます。その結果一部の企業におきましては、これも少量でございましたが、新しい親企業を見つけまして、現在その企業の下請をやっておるという実態がございますけれども、全般的に鉄鋼業界の不況のためになかなか思うにまかせない。それから転換をする場合に、現在の施設設備等ではなかなかうまくいかないという点がございまして、われわれといたしましても努力はいたしておりますけれども、なかなかその実効があがらない、かような状況であります。しかし今後とも引き続き、国の御指導をいただきまして、そういった面の努力を重ねたい、かように思います。
○田中(榮)委員 いろいろ同僚議員の質問なり、私が短時間に簡単なことを御質問申し上げたのですが、そのお答えから推察いたしましても、今後の更生ということは尋常一様の手段ではなかなか困難であろうと私は考えておりますので、こういう点につきましては、ひとつ管財人の方々も英断と勇気を持って会社の更生に当たっていただきたい。これはわが国の産業経済の機構の一環として、単に山特鋼だけの問題ではないと私は考えております。日本の鉄鋼業界、製鋼業界のため、ひいては日本の産業経済のためにというような考え方で、また八万三千五百人の従業員のため、五百二十四加盟工場のため、特にこういう点を考えて、まあ管財人がそういう考えを持ってやるということはおれたちの責任じゃないのだというお考えがあるかもしれませんが、少なくともそういうお考えを持って、ひとつこの山特鋼の更生をぜひとも成功させていただきますことをわれわれは念願して、質問を終わりたいと思います。
○内田委員長 他に御発言がなければ参考人に対する質疑はこれにて終了することにいたします。よろしゅうございますか。 参考人各位には、御多用中のところ遠路かつ長時間にわたり御出席をいただき、ありがとうございました。(拍手)どうぞ御退席をお願いいたします。
○内田委員長 次に、私的独占の禁止及び公正取引に関する件につきまして調査を進めます。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 総務長官に御質問をしたいと思っていましたら、長官は何か御都合が悪くて副長官が見えておりますので、簡単に希望を含めて、あるいは苦言になるかもわかりませんが一言だけ御質問したいと思います。 と申しますのは、不幸にして前渡邊公取委員長が逝去せられました。そのあとの委員長の問題でありますが、大体今度は大蔵畑あるいは司法畑ということについて、われわれは大きな疑問といいますか意見を持っております。が、それはそれといたしまして、新聞等の伝えるところによると、どうも今度は大蔵畑であるということで大蔵大臣が——北島さんという名前が出ていますからもう名前を出してもいいと思いますが、北島武雄氏を公正取引委員長に就任することを説得した、こういうことでありますが、このことについてわれわれは若干の意見と希望を持っておるのです。と申しますのは、福田大蔵大臣は就任のときに——これは独禁法ということがよくおわかりにならなかったのかとも思いますが、就任の弁に、独禁法を改正するのだ、こういうことをおっしゃったと思うのです。その大蔵大臣が、まあ系統も大蔵省の人だということでやられたのだろうと思うのですが、委員長就任を説得した、こういうところに若干の疑問があります。何となれば公正取引委員会は独立した機関であります。内閣の官制からいえば、まあ総務長官といいますか——今度は総務長官も国務大臣、閣僚でございますので、当然それらの手続、あるいはそういう説得工作というようなことは総務長官がなさるべきじゃないかと思う。悪くいえば独禁法を改正するのだといった大蔵大臣の説得ということならば、独禁法改正の方向に対して便宜のいい人を連れてきた、こういうような感じも受けます。そこでひとつ竹下副長官に希望をかねてお伺いしたいのですが、これはむしろ総務長官がやられるべきであったと思います。と同時に、大蔵大臣が説得したということによって、直ちにそれが独禁法の改正というようなことにつながるとは考えておりません。これは総務長官の管轄といえばおかしいですが、独禁法の問題、あるいは公正取引委員会の関係は、総務長官の所管といいますか、関係でありますので、そういう点について今後総務長官、あるいは副長官としてちゃんとした姿勢で指導なりあるいは将来の方向なりについてやってもらわなくては困る。こういう関係を考えておりますので、その点について苦言を呈すると同時に、そのいきさつ等について何か一言でけっこうですから、発言をしていただいて、いま竹下副長官から意見を聞いたからといって納得できる問題ではありませんが、ひとつ筋道だけは立てておきたいと思います。
○竹下説明員 お答えいたします。 ただいま田中先生のおっしゃいますとおり、これは事務的には総理府にございますので、総理府総務長官が、その意味においては担当者であるという理解が正しいと私も思います。従来ただ国会同意人事案件につきましては内閣官房のほうで、人選手続等、総理のもとでやってまいっておりますので、私も従来のいささか惰性に過ぎて総務長官にまつ先に人選等において相談しなかったかの観がございますので、これは私が政治家として反省をいたしております。しかしながら御承知のとおり、総理大臣が両院の御同意をいただきまして、任命する性格のものでございますので、渡邊喜久造前委員長がおなくなりになりました翌日、総理のところへ呼ばれまして、今度のことについてのおよそ人選の準備を進めたらどうだ、こういうことがありました。そこでそれから後アクションを起こしまして、総務長官に私が相談をいたしました。それではひとつ、官房長官ちょっと休んでおりましたので、関係のある大臣、すなわち大蔵大臣、通産大臣等の意見も聞いてみたらどうだという御指示をいただきましたので、私が大蔵大臣、通産大臣の御意見を聴取いたしました。総理のところへその意見をまとめて申し上げましたところ、今度はそれでは委員長人事とのからみ合いも当然あることでもあろうし、大蔵出身者の中から適任者を選ぶべきであるという御指示をいただきましたので、さっそく大蔵大臣と協議をいたしまして、あまたの候補者の中から、田中先生のことばをお借りいたしますならば、説得とおっしゃいましたが、御要請を申し上げまして、大体候補者を一人にまとめてきたような次第でございます。ただ大蔵大臣が説得なり要請をしたと申しますよりも、総理大臣の家来であります私の要請に対して、大蔵大臣がこの説得に協力をしていただいた、こういう点で御了解をいただければ幸いと思います。
○田中(武)委員 経過はそういうことなんでしょうが、ここで一つ希望を兼ねて申し上げておきたいことは、まず公正取引委員会というのは、あくまでも独立をした行政委員会であるということ、その上に立ってものごとを考えてもらいたいということ。なるがゆえに総理府に所属といったらおかしいが、総理府の関係になっておると思うのです。 それからもう一つは、これは副長官、今後努力していただいても、すぐには直るとは思いませんが、この種人事に今度は大蔵のワクだとか通産のワクだとかというような悪習とあえて申しますが、そういうことはできるだけ前向きに打ち破っていただきたい。そういうようにしてもらいたい。 それから今度たまたまそれぞれの公社、公団等の役員あるいは総裁等をしておる人が候補にあがった。ところが実際は公正取引委員長のほうが月給が安い、そういうようなことでなり手も少なかったというか、希望者もなかったということで苦労せられた。そういう中から一番身近な大蔵大臣に頼んだ、こういうことだろうと思うが、これは公正取引委員長の身分なり待遇の問題を、最初は国務大臣と同じように扱うということであったと思うのです。そういう点を解決していただかないと、この種のことが出てくるだろうと思うのです。 いろいろ申し上げたいことがあるのですが、そういうことと、なおいま私が申しましたように、大蔵大臣が独禁法を改正するあるいは改正したい、こういうことを言った。その人が説得したから改正に持っていくのに都合のいい人だというようなうがった考え方は、こちらもしていきたくないと思いますが、そういう杞憂が現実としてあらわれないように、ひとつ総務長官にも強く言っていただいて、法律はあくまで守るという、ちゃんとした姿勢でやっていただくことを希望して終わります。
○内田委員長 次会は公報をもってお知らせいたしますが、おおむね十月初旬、臨時国会開会直前を予定いたしております。よろしくどうぞ。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十七分散会