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49回国会衆議院1965/08/10

商工委員会 第4号

発言数
69
登壇者
8
会派数
2
開催日
1965/08/10

会議録

内田常雄自由民主党

○内田委員長 これより会議を開きます。  閉会中審査に関する件についておはかりいたします。   内閣提出、鉱業法の一部を改正する法律案   海部俊樹君外六名提出の電気工事業を営む者の営業所の登録等に関する法律案   田中武夫君外十四名提出、中小企業者の事業分野の確保に関する法律案   松平忠久君外二十八名提出、官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律案   松平忠久君外二十八名提出、中小企業組織法案   麻生良方君外一名提出、電気工事業及び電気工事士法案   春日一幸君外一名提出、消費者基本法案 並びに   通商産業の基本施策に関する件   経済総合計画に開する件   公益事業に関する件   鉱工業に関する件   商業に関する件   通商に関する件   中小企業に関する件   特許に関する件   私的独占の禁止及び公正取引に関する件   鉱業と一般公益との調整等に関する件  以上の各案件について議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長 御異議なしと認め、さよう決します。     —————————————

内田常雄自由民主党

○内田委員長 次に、委員会が閉会中審査を行なうにあたりまして、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合の人選、日時、手続等に関しましては、あらかじめすべて委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  この件につきましては、先ほどの理事会におきまして、閉会中九月十日を審査日といたしまして、一応この九月十日の審査日にただいまおはかりいたしました参考人招致、それにつきましては山陽特殊鋼を含む倒産企業等による中小企業者のこうむる困難等のその後の打開状況等について審査をしよう、こういうことに打ち合わせをいたしておりますので、あらかじめお含み置きをお願いいたします。  また、その際の参考人の候補者等につきましては、各党から御希望を委員長までお申し出があることになりましたので、これまたお含みをお願いいたします。     —————————————

内田常雄自由民主党

○内田委員長 次に、閉会中委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になり、審査のため委員派遣を行なう必要が生じました場合には、委員派遣承認の申請に関しましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  この件につきましては、先刻の理事会で、おおむね二班ぐらいに分けて、そして閉会中現地調査に出かけるということを想定いたしまして、その案につきましては、明後日、先ほど申しました閉会中審査の第一日、八月十二日午前十時からの委員打ち合わせ会までに、当委員会の調査室で案をつくりまして皆様方にごらんに入れて、それぞれ参加の御希望を承りたい、かようにいたしたいと思いますので、あわせてお含みをお願いをいたします。      ————◇—————

内田常雄自由民主党

○内田委員長 次に、本日の請願日程全部を議題として審査を進めます。  議題になります請願は、全部で三件だけしかございません。各請願につきましては、委員各位におかれましても、すでに文書表等により内容は御承知のことと存じます。また、さきの理事会におきましてこれが内容を検討いたしましたので、ここにこの請願の紹介議員においでを願って説明を聴取することは省略して採決いたしたいと思います。  本日の請願日程中、第二及び第三の各請願は、いずれもこれを採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

内田常雄自由民主党

○内田委員長 本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり、十九件でありますので、御検討をお願いをいたします。      ————◇—————

内田常雄自由民主党

○内田委員長 次に、通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。麻生良方君。  先ほどの理事会で、本会議開会までに終了いたしたい、それで終らない場合はそれからあとの相談ということでありますが、なるべくそういうことでお進めをお願いいたします。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 時間が制約されておりますから、かいつまんで質問の要旨を申し上げますと、最近の中小企業の倒産状況は、われわれが聞き及んでおるところでも、いろいろな諸手当てを政府でお講じでございますけれども、なおかつ倒産は減らないというように聞き及んでおりますけれども、主として四十年の一月から六月までの倒産をした件数と、その倒産のおもな理由、その原因、そういう点について、ちょっとかいつまんで初めに御説明願いたいのです。

影山衛司中小企業庁次長

○影山説明員 倒産状況につきましては、東京興信所の調べによりますと、四十年の一月、四百二件ということで、三十九年十二月の五百九十六件というのが一番最高レコードを出したわけでございます。その後、一月四百二件ということでございますけれども、だんだんとこの件数も五百件台になってまいりまして、ずっと五百件台の水準を維持しております。四月が五百八十四件、五月が四百五十件、六月が五百二十六件、なお、七月は四百九十一件と、五百件台を割っております。そういうふうな状況でございまして、一応高水準で横ばいというような状況でございますが、今後の状況は常に注意して、監視しておかなければいかぬという状況でございます。それからこの倒産の状況でございますけれども、やはり不況の影響を受けたというものが相当程度ございまして、従来は、放漫経営というような原因が非常に多かったわけでございますが、最近におきましては、不況というものの影響を受けた倒産が多い。また、それと関連いたしまして、大企業、中堅企業の倒産によるところの関連倒産というものが増加しておるというような状況でございます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 いま御答弁にありましたように、中小企業の倒産状況はいよいよ深刻さを増しておるわけなんですけれども、当初の倒産原因の中には、設備投資過剰というようなことが論議をされておりまして、それにいろいろ政府の施策もありましたが、それにもかかわらず倒産状況は減ってないということは、倒産内容が質的に変化をしてきているのじゃないかという点を指摘しなきゃならぬのじゃないか。いま御答弁にありました点、私のほうの調査では、従来の設備投資過剰というのが退いて、第一の原因は販売不振で、これが、四十年一月から六月までに六百八十八件。第二が売り掛け金の回収困難、つまり物は売っていても回収できないという件数が四百六十件、それから関連倒産が四百三十三件、放漫経営が四百十六件、私の調査では、そういうのが権威筋から出ております。こういうような倒産原因の内容が、当初の原因から著しく変化してきているということは、私の見るところでは、どうもかなり信用不安、つまりお互いに企業間が信用できなくなった。つまり経済的な秩序が維持できなくなった。物を売っても金がとれないのじゃないかというようなことが、非常に大きく原因をなしているように見受けられるのです。私は、きょうは時間がありませんから、それらの企業間の信用問題に関する二つの事例をあげまして、それについて御質問を申し上げたいと思うのです。これはおそらく中小企業庁のほうではおわかりと思いますが、私が、一つの事例としてここにあげたいのは、全日本流通機構株式会社という資本金二千五百万円で設立をされておる会社がございますが、次長はこの企業についての内容を御存じでございますか。

影山衛司中小企業庁次長

○影山説明員 特別に詳しく私どものところにキャッチいたしておりませんので、詳しい内容は存じておりませんが、これが大量仕入れ機構であるという程度のところは存じておるわけでございます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 それではこれは一つの事例にすぎませんので、私は、事例として申し上げるのであります。私の調査したところによりますと、この全日本流通株式会社というのは、日本の流通機構を中心とした構想としていえば、かなり高度の構想を持っている会社でございますが、この会社が、私のここに持っております資料に基づきますと、会長が大蔵大臣の福田赳夫さんということになっておるのですね。それから代表取締役が福田弘さん。この方は、前通産大臣の福田一先生の御子息だという調査の結果が出ております。それに顧問は、日興証券KKの湊さん。それから東京ヒルトンホテルの星野直樹さん、国学院大学教授の飯塚重威さん、相談役が神谷正太郎さんというそうそうたるメンバーを並べまして、そしてパンフレットを数種にわたって作成をして事業を開始をしております。しかもこれが設立をされましたのは、昭和四十年の一月十二日でございまして、資本金が二千五百万円で設立をされておる。ただし設立の登記面に出ている代表者は二人ございまして、これも私の調査の結果でございますと、その代表取締役は、福田弘さんと金沢政男さんという二名の方が登記面では代表に出ております。私は、こういうような小さな会社——小さいと言ってはたいへん失礼でありますが、しかしこれが不渡りを出しておるという事実に実は注目をしなければならない。この不渡りは、この事業の印刷を請け負いましたさる業者が約五十万ほどの売りかけをいたしたわけでありますが、その支払いを手形で受けておるのであります。その手形の発行人は間違いなく取締役代表の福田弘さんの名義の手形になっておる。これが私の手元に四通届いておりますが、いずれも不渡りでございます。しかもこの業者に聞けばこのパンフレットを見れば少なくとも会長が政治家であり、しかも有力な政治家である。しかもその社長さんが前通産大臣の御子息さんであるという点に信用を置いて取引をいたしたと思うのです。ところが事実この手形が不渡りになって返ってきた。そこでこの業者は内容証明を本社あてに突きつけておりますが、この内容証明が返送されてきておりまして、この会社はいま雲隠れ、こういう状態なんですね。天下の大蔵大臣が会長の名前を出している会社が、少なくともかようないいかげんな、ずさんな会社経営に関係しているということは、やはりこれは日本の経済秩序が、経済道義が、企業間の信用がいま失われて、多くのこういう被害を受けておる。この会社ばかりではない、こういう被害を受けておる業者が多い中にあって、特に政治家としてこれは相当考慮しなければならない問題がひそんでおると思うのでありますが、きょう私は大蔵大臣に御出席をいただいてこの会長に御就任された事実ありやいなやという点についてお伺いをしたいと存じましたけれども、大蔵大臣は御出席がかなわぬということでございましたので、私はこの点についての御回答は——いずれ御理由があると思うのです。理由があると思いますけれども、いずれにしてもこの業者の立場から言えばこれを信用して取引をした結果がそうなっておる、こういうことがやはり天下に出てまいりますと、もう中小企業の多くは何を信用をして取引をしていいかということに多くの疑惑を持たざるを得ないと思うのです。過般の吹原事件にしても、私はその当事者である政治家が責任者であるとは思いませんけれども、多くの詐欺事件を出した間の背後に政治家があったという事実だけは否定できない。今度の問題もおそらく詐欺会社であろうと思います。このような詐欺会社に対して少なくとも政治家がその責任者である会長という名前を連ねるということは容易ならざることだ、こういう点について、私は、大蔵大臣がお見えになりませんし、通産大臣もお見えになりませんので、ひとつ政務次官から、政治家がこの種の事業に関係するときの道義的な責任並びに社会的な責任についてあなたはどうお考えになるか、ひとつ御見解をお伺いしたい、こういうふうに思います。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 ただいまのお話でございますが、内容をよく調べなければわからないと思いますが、かってに政治家の名前を使ってやっておるような会社もたくさんあるのでありまして、そういう点を十分に調べまして、もし大蔵大臣が実際に関係しているということになれば、その点についてまた十分に意向をただしてみたいと思います。道義的に特に今日こういう際に信用問題は重大なる問題でございます。私かように考えます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 これは個人的な問題としては、大臣はおそらく初めにこういうインチキ会社であるということを御存じなくして会長をお引き受けされ、その後においてあるいは御辞退をされておるかもしれない。しかし私がいま政務次官にお伺いしたいことは、この種の事件が最近多いのです。特に吹原事件のごときはなるほど政治家が被害者でございます。しかし被害者であったけれども何事か政治家が事業界の者と関係をして詐欺事件の背景におったのではないかという疑惑をひとしく国民に与えておる。こういう現実の問題がこの間あったわけですね。また再びこういう問題が——これは小さいですよ、不渡りは五十万前後の金です。しかし小さければ小さいだけに政治家の道義的責任というものは追及されなければならないと思うのですが、もしあなたがこの被害者の立場に立ったとき、あなたはどういう御処置をされようと希望されますか。この不渡りをつかまされた場合にあなたはどういうお立場で処置されようとしますか、それをお聞かせ願いたいと思います。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 実際問題、私がその立場に立ったときという御質問ですが、それはまた仮定の問題ですから、そういう信用問題、特にただいまおっしゃいましたように吹原事件、いろいろな問題が政治家と関係して政治家の信用に関する問題でありますので、よく調べましてそういうことのないように、また政治家自身も社会的に道義的にそういうことに関係があったならばその点ははっきりしていく必要があろうと思います。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 質問の内容を取り違っておると思うのです。つまりあなたがこの業者の立場に立ったときにあなたはどういう措置をとられますか。今日この不渡りを持ったときにそれを業者の立場に立ってやはり考えていただきたい、これを質問しておるのです。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 相手の責任者に対しましてはっきりその問題のいきさつ、あるいはまた今後の処置について納得のいくように相談をしたい。私自身だったらそう思います。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 私はいまの御答弁に満足するわけではございませんが、私が業者であるとしたら憤りは怒髪天をつくと思うのです。そうでしょう。一体政治というものは何をしておるのだ、政治家というものは何だ。そうして内容証明を突きつけてみれば所在不明である。そうして大蔵大臣のところにこれについてどうかといえば、自分はかつては関係したが、いまはあずかり知らぬ、こう言われる。そうなったとき被害を受けた業者の立場に立ったときにこれは政治不信——政治不信ばかりではない。すなわち企業不信、どんな企業であろうと安心して取引はできないという企業不信が充満すると思うのです。私がきょうこの問題を取り上げておるのは、いまのように最近の倒産事業の中にこの種の事件に引っかかって泣く泣く不渡り手形をつかまされておる業者が非常に多いのです。そういう事実がもし中小企業庁なりであるいはおありになったらもう少し詳しく御報告を聞きたいと思いましたけれども、きょうは時間がありませんから私はこの程度にとどめさせていただきたいと思いますけれども、いまのような問題について私はきょう一つだけ——この会社に大蔵大臣が承諾を与えて就任をしていたのか、あるいは大蔵大臣がむしろ被害者であったかということは大事なことだと思うのです。その点についてはきょうは大蔵大臣の御回答がいただけませんので、これについてのお取り計らいを委員長からひとつお願い申し上げたい。

内田常雄自由民主党

○内田委員長 麻生君、ちょっと御相談いたしますが、その点につきましてはだれがこの答弁をできるかということについて委員会で大蔵省に要望しましたところが、大蔵大臣秘書官である越智通雄君がその間のこの会社についての事情は一番よく知っておるので——これはもちろん政府委員ではありませんけれども、御説明申し上げてもいいということで当委員会に見えておりますがいかがですか。(「資格は何だ」と呼ぶ者あり)

麻生良方民主社会党

○麻生委員 実は本会議の時刻が迫っておるのですが、私が初めお願いしましたようにもう時間がありませんし、この間の御説明をお聞きしておりましても、本会議はもうすぐベルが鳴りますので、本会議の後にあと三十分なり四十分なりの時間をちょうだいすることを御了承願います。その間にこれについてのお取り計らいを御協議願いたい、こう思います。

内田常雄自由民主党

○内田委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長 速記を始めて。  おはかりいたします。二時から本会議が開かれますが、本会議は五分ないし十分で終了の見込みでありますので、本会議の終了まで暫時休憩をいたしたいと思います。    午後二時休憩      ————◇—————    午後三時十七分開議

内田常雄自由民主党

○内田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。麻生良方君。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 先ほどの件についてはあとで官房長が見えましてからさらに質問を続行したいと思いますが、一つは、先ほどの質問に関連をいたしまして、最近の企業倒産の中にいろいろなケースがあるのですが、特に私はここで一つの倒産の事実のケースを提出いたしまして、それについての対策その他お伺いしたいと思うのですが、山本輸送機という従業員が約四百人ぐらいの企業がございますが、これの倒産の件について通産省のほうで その経過を簡単に初めに御報告を願いたいと思うのです。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 山本輸送機は天井クレーン等を製造いたしておりますいわば中堅企業でございまして、資本金は一億二千五百万円でございます。大株主は三菱商事等三菱系統でございますが、六月五日に九千六百万円の手形が不渡りになりまして倒産した事実がございます。倒産の原因は、これは三十八年ごろてこ入れで三菱系統がバックいたしまして、その後、企業は順調に成長いたしてきたのでございますけれども、最近の不況の影響を受けて受注が激減をいたしましたことと、金繰りに支障を来たしましたこと、それから競争が非常に激しくなりまして、大体この製品については大手企業が多いものですから赤字受注も起きてきたというようなことが重なり合って倒産をしたと聞いておる次第でございます。負債が約十一億ぐらいの額であったと思います。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 その倒産の経過につきましては、原 因はいろいろあると思いますけれども、その倒産をする前後を通じて、もう少しお伺いしたい点は、三菱が五二%の株を持っておったということは、実質的にこの企業は三菱傘下にあった、こう見て差しつかえないと思うのですが、この場合、倒産三ヵ月前に三菱から送つておった重役陣営が社長も含めて交代をしておるという事実がありますが、そういうことはございますか。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 そのような事実があると聞いております。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 三菱陣営が五二%の株を持ちながら、そして重役に社長を送り、なお常任重役を三名も送っておりながら、結果的には十一億の赤字を出して、その責任をとって重役陣を引退させたのだろうと思うのです。そのあとまた再び山本社長が復帰をされて再建をせんとしておりますけれども、それが結局成功をせずして、不渡りを出して倒産という形になっておるのです。その場合の、十一億円余の債権の内訳をちょっと御説明願いたい。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 十一億の債務のうち、約五億が大口債権者である三菱商事の債権になっております。それからあとの六億は、その他多数の小口債 権になっております。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 この三菱商事の五億余の債権については、三菱商事は担保をとっておったと聞いておりますけれども、どの程度の担保物件をとっておったのですか。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 私の聞いておりますところでは約十億の根抵当を設定しておったやに聞いております。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 それはそれで当然なことだと思いますが、あとの問題は六億に近い一般の債権者、これはおそらく下請企業関係だろうと思いますが、約何社ぐらいございましたか。

影山衛司中小企業庁次長

○影山説明員 約五百六十五社でございます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 この債権者が債権者会議を開いた事実がございますが、その際に債権者側としては、当事者は五二%の株を持っておる三菱にあるということで、三菱商事に善処方を要望いたした事実があるようであります。そのときに三菱側からの回答は、私の聞いておるところでは、債務額の二割で手形を買い取ろうという話が過程の中にあったと聞いておりますが、そういうことを聞き及びでございますか。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 そのことは聞いておりません。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 私が聞いておる範囲では、債権者代表が再三再四にわたって三菱の重役陣に会見を求めた、ところが三菱の重役はこの会見に応じないで、二割程度で買い取るという話ならば応じようという態度を示しておりました。それで債権者は非常に憤激をいたしまして、再び債権者会議を開いて、さらに三菱に対して折衝をするということになったのですけれども、その折衝の過程において政府は何らかの支援体制をおとりになったかどうか、その点をちょっとお伺いしたい。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 この事実、実は私よく存じていなかったものですから、そのような措置はとっておりません。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 私の聞いておる範囲では、この債権者の代表が民社党の春日一幸代議士のところに参りまして、そうして春日一幸代議士に頼んで、三菱商事と折衝をした事実がございます。その結果春日代議士のあっせんによって初めて三菱の重役は債権者の代表に会った、こういう経過なんですね。そこでまず私がお伺いしたいのは、春日代議士といえども一人の人間でございます。そういう特定の代議士が中に入ることによって初めて三菱が債権者側の代表との会見に応じたということは、一面から見るならば、それは政治家の大きな功績として認められることでしょう、しかし一面から見るならば、事業と政治の関係においてあまり好ましいことではないと私は考える。かような場合においては当然政府が中に入ってしかるべきごあっせんをすることが私は順当であろうと思うのですが、その点についての御見解をお伺いしたい。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 私も全く同感でございます。遺憾ながら本件についてはそういう実情を知らなかったものでございますから、手が打てなかったわけでございます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 ただ、いまその場合を考えたときに、法的根拠に基づいて政府が中に入るということは、なかなかむずかしいと思いますが、しかし特に山本輸送機は、中小企業のうちでも相当名の知れた企業でございまして、この企業がそういう状況にあることはすでに読売新聞を通じましても「ある倒産」という記事の中で大きく債権者会議の模様が報道されておりますね。そういうことに対してあなた御自身がいままでその事情を実は知らなかったということは、多少やはり無責任のそしりを免れないと思います。そういう点については今後とも十分に、特に中小企業の倒産に対しては重大な関心をお払いをいただきたいということが一つです。それからもう一つ三菱側の態度についてなんですが、債権者の代表には会わなかったけれども、しかし春日代議士が中に入ったことによって、初めて会見をして、しかもその結果、当初二割で買い取ろうと言うた額が、五割にはね上がっているという事実を私は聞いておる。この問題についても春日代議士から直接お聞きもいたしましたし、債権者の代表にもお会いをしたんですけれども、私は今後、この種の倒産に関して、そういう、つまり非公式な政治折衝によってある場合には二割、ある場合には五割というような解決の差が出ることは好ましいことではないといま申し上げましたが、その点に関連して、結局これをせんじ詰めていくと、三菱側は何一つ損失をしていないということにならざるを得ないと思う。五二%の株を三菱は買い入れておいて、そうして自分たちの代表の重役陣営を送り、そうしてその経営の結果十一億の赤字が出て、しかもまた再び前社長を迎えて倒産せしめておいて、そうして自分は十億に近い根担保を取りながら五億の債権を持っておる。そうして結局この担保は全部三菱側に取られてしまっておるわけです。そうしてさらにこの六億に近い一般の中小企業の下請に関しては、結果的には五割で買い取っておるということになります。結局三菱側は何一つ損失を出していない。しかも一番犠牲を受けておるのは五割で買い取ってもらったとはいいながら、下請の中小企業であるという事実は否定できないと思うのでありますが、この事実に対して、あなたはいかにお考えになりますか。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 担保の額と残存する企業の帳簿価額と申しますか、転売価格とどのような関係になっておるか、私は事実を知らないわけでございますが、いまの先生の御指摘のとおりだといたしますと、三菱側についてはさして損失はなかったように考えられます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 私はこういう一つの会社がある底意を持って、言うならば計画倒産の疑いがある、しかもその結果、第二会社を三菱はこれから作ろうとしておる事実がありますが、第二会社設立についてあなたのほうで、何か情報なりあるいは相談を受けておられますか。

川出千速通商産業事務官(重工業局長)

○川出政府委員 相談は受けておりませんが、新会社を近く発足する予定のように聞いております。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 そうすると、結果的にその新会社はまるまる三菱系統に属する新会社ということになる。しかも、会社の諸設備は大多数が担保としてそれに吸収をされる。そうすると結果的には第二会社がここにあり、しかも事業経営上においても三菱側は何ら損害を受けることがないという結果になり、しかもその債権についても損害を受けない。そうして中小企業の下請業者だけが泣く泣く五割で引き取ってもらったという結果になっておるわけであります。こういうような現実の姿を——私はこの事例ばかりではないのです。このほかの企業倒産の実例の中にたくさん見られると思うのです。  そこで、私はひとつ政務次官にお伺いをしたいのですけれども、日本では不渡り手形を出した場合、社会的な罰則はどういう形で今日あるのですか、その点をひとつお伺いしたい。不渡り手形を出したということに対する責任は、日本では法的にどういう形で追及をされるのか伺いたい。

内田常雄自由民主党

○内田委員長 法務省の民事局長が出席されておりますが、よろしゅうございますか。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 けっこうです。

新谷正夫検事(民事局長)

○新谷政府委員 不渡り手形を発行した場合の法律的な罰則という御質問でございますけれども、刑事罰としての制裁はないと思います。ただ、不渡り手形を出しました場合にも、もちろん手形の振り出し人といたしましては、これは約束手形の場合でございますけれども、振り出し人の責任が消滅するわけではございません。またその基本関係になっております法律関係の実質上の債権債務、これも全く変動がございません。したがいまして、法律的には手形の振り出し人あるいはその実質上の債務の負担者——債務者でございますが、これに対して手形法上の権利あるいは実質上の権利に基づいて責任を追及することはできるということに相なろうと思います。なお、不渡り手形を出しますときの状況いかんによりますけれども、もしもその手形を交付いたします際に、それに対応する対価的な給付を受けておるというふうなことがございますと、場合によりますとそれが詐欺になる場合もあり得るのではあるまいか、これは一律には申し上げられません。手形の資金関係の変動がございますので、そういった犯意があったかどうかということを一般的に認定することはできませんけれども、具体的ケースによりましてはそういうことも考え得るのではあるまいかということはいえると思います。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 いまの不渡り手形の問題ですけれども、結局いまの日本の現行の状況でいけば、不渡り手形を出してその会社が法人であつた場合、その法人が処置をする能力がなければ泣き寝入りをするということにならざるを得ないことになりますか。その点についてどうでしょうか。

新谷正夫検事(民事局長)

○新谷政府委員 株式会社の場合でございますと、株式会社の代表者が手形を振り出しまして、それが不渡りになったということになりますと、株式会社の財産の範囲内でその弁済の責任を負うわけでございます。ただ、ただいま申し上げましたように、手形を振り出します際のいろいろの事情がございましょう。そういった事情によりましてはあるいは取締役が責任を負う、あるいは監査役が責任を負う場合はございます。これも先ほど詐欺罪の成否の問題で申し上げましたように、個個の具体的な案件ごとに調査いたしてみませんと何とも申し上げられないと思いますが、そういう法律上の責任追及の道は開かれております。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 いまの御答弁のようなことで、結局日本では泣き寝入りをするケースのほうが非常に多いのですね。そこでちょっと私の調査で申し上げますと、アメリカでは倒産件数一件について被害総額が三千五百万程度の被害総額にしかならないのですね、調査の統計によりますと。ところが日本の場合は、一件当たりの倒産について、つまり不渡りについての被害総額が実に一億九百万円という数字になるのですよ。これはアメリカの、特にニューヨーク州等において、不渡り手形を出した場合に、しかるべき——かりに法人が支払い能力のない場合でも、その会社の代表者が個人として社会的な責任を持って弁済しなければならない法律があることに基づいておるという説明を私は非公式に聞いておるのです。そういう点についてあなた自身そういう御認識が——アメリカの州法のことについておわかりになりますか。

新谷正夫検事(民事局長)

○新谷政府委員 私、まことに申しわけございませんが、アメリカの州法のことを十分つまびらかにいたしておりません。ただいまのお話では、会社が責任を負うべき債務につきまして取締役の個人責任を追及する道が開かれておる、こういう御趣旨のように伺いましたが、これはわが商法にもその趣旨の規定はございまして、取締役が故意あるいは重大な過失によりまして第三者に損害を与えました場合には、それに関係いたしました取締役、監査役が連帯して個人責任を負うというふうな規定が商法に設けられております。おそらくそれと同じような趣旨の規定ではあるまいかというふうに考えられるわけです。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 これはひとつお調べを願っておきたいことなんですが、アメリカでは私の聞いておる範囲では、一つの会社を倒産をさしたら、その理由のいかんにあれ、軽犯罪法に触れる。したがって、いかなる場合でも裁判にかけられる。その裁判の過程の中で、それがつまり経営上やむを得ざる倒産である場合にはしかるべき処置がとられ、それが故意である場合には詐欺罪になる、こういう法律があるように聞いておるのです。私も事実その条文を全部調べておるわけではございませんので、本日はぜひ政府においてこのことを御調査を願いたいということが一つなんです。というのは、私が先ほど来御質問をしているように、日本の企業間に信用ができないということは、至るところで会社をかってに設立をして、そしてつまり合法的な立場で会社を倒産さして——不渡りを出しても、もうそれは法律上その会社は債務ができないということで、結局は泣き寝入りになる。泣き寝入りができないものは暴力団に頼んで、おどしをかけてそれを現金にかえるということがちまたに横行しておるわけですね。こういう観点から考えて、私はやはり企業を経営する者は単に道義的な責任ばかりではない、特にこの山本輸送機の場合には、社長は債権者会議のときに、重役陣は十分道義的責任は感じております——しかし、社会的、法的責任を感じておるとは言ってないのですよ。そこに問題があるのですね。ですから、そういう点を政府としても何らかの形で、やはり会社の企業を経営する責任者は道義的のみならず社会的、法的責任も負わなければならぬというきびしい経済秩序をつくらなければ、日本の企業はまるで野放しで、そしてじょうずにやってだました者が勝つ。だまされた者がいつでもだまされ損。しかもそのだまされ損はほとんどが中小企業者だ。こういう結果になるから、企業間の信用がおけない。だから銀行はまた、金があっても担保をとっても信用がおけないから、金はめったに貸せない。結局大企業だけに貸さざるを得ない、こういう結果になると私は思うのです。  本日はあまり長い間質問時間をとりたくございませんので、いまの山本輸送機の問題について私は特にひとつ企業局長にお願いを申し上げたいのは、こういうような段階について特定の政治家なり個人が中に入ったことによってこういう結果になるということは好ましくない。これに対してやはり何らかの法的な措置に基づいてこういう結果になるような、そういう考え方をひとつ強く打ち出していただいて御研究を願いたいと私は思うのです。そのことを申し上げたいので山本輸送機の問題を御質問申し上げたのですが、私は特にこれが計画倒産であるとは考えておりません。しかし、事実において、結果において見るならば、三菱は何にも損失なしに山本輸送機を自己の企業の中におさめて、しかも三億円の金を中小企業の下請にしわ寄せをさして泣かしておるという事実だけは否定できない。こういう事実に対して政府当局はもっと真剣な立場に立って考える必要がある。それを考えるだけではならない。やはり考える以上は法的な根拠を持たなければならぬ。その点について特にきょうは政務次官及び関係者の方に御善処を促したい、こういうふうに思いまして御質問申し上げました。  この問題はこの程度にいたしまして、先ほどの質問に戻ろうと思いますが、実は質問を繰り返すことは愚でございますので、かいつまんで私のほうからお話を申し上げますと、実は全日本流通機構株式会社という会社がございます。これは本年一月何日かに設立登記をいたしまして、資本金二千五百万円で設立をいたしておるのですね。そしてこれのパンフレットが私の手元にかように参っておりますが、いずれの会社宣伝パンフレットを見ましても、その会長に明確に大蔵大臣の福田赳夫さんが名前を連ねておるのですよ。それから社長さんは福田弘さん、この方は前通産大臣の福田一さんの御子息さんなんです。これは私は別に悪いと言うておるわけではございませんが、たまたまこの全日本流通機構株式会社と信用をして取引をした業者が品物を納品をした。納品をした根拠は、こういう人が会長をやり、社長をやっている会社なら、それこそ安心して奨来の取引ができるであろうと考えて、相手方の調査をせずしてここに取引をしたわけですね。ところが、その支払いを四枚の手形で受けたんです。この手形はいずれも正規の手形でございますが、代表者、代表取締役福田弘の名前の手形でございまして、本人も安心をして手形の支払いを承諾をしたわけです。ところがいずれもこれが不渡りなんですね。そこでこの業者はびっくりいたしまして、直ちに内容証明でこの会社あてに問い合わせを出したところが、この会社はすでに行くえ不明、所在不明で内容証明は返送をされておるのです。つまり福田赳夫さんの会長の会社はどこかに消えてなくなっちゃったわけです。そこで、私は先ほど御質問を申し上げたのは、私は刑事事件としてこれをここで追及するつもりは一つもございません。それは当然被害者が告発をすれば、刑事問題として司直の手によって明らかにされることであろうと思います。私がここで問題にしたかったのは、従来間間政治家がこの種の事業の会長なりあるいは顧問なり、つまり代表的な立場に名前を連ねておる。したがって、一般の業者はそういうえらい、信用のある政治家が名前を連ねておるからということで、信用をして取引をする。ところがそれが詐欺であった。たとえば吹原事件のごとき、私はその実例だと思うんですよ。黒金さんも被害者であることには間違いないが、しかし、詐欺をされた相手のほうの立場からいうならば、ああいうえらい人が名前を連ねておる会社である、あるいはそういう人と親交のある人であるということで信用をしている。結果的にいうならば詐欺をいよいよ大きくせしめているという結果にならざるを得ない。私は、この場合でもやはりそういう結果になっておると思うのですよ。そういう点について、私は特に事実を明らかにいたしたかったものですから、大蔵大臣に対してこの種の事業、この会社に対して御本人が御承諾をされて、これの会長に御就任をされたかいなかということは、実にきわめて重要な問題になりますので、先ほどの質問の中では大臣の御答弁を実はお願いを申し上げた次第です。大臣がおいでになれないということでございますので、ひとつあなたのほうからその経過を御説明願いたい、こういうふうに思います。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房長)

○村上(孝)政府委員 お答え申し上げます。  結論的に申し上げますと、私の知っております限りにおきましては、福田大蔵大臣は、この全日本流通機構株式会社なるものに承諾を与えて会長に就任した事実は全くございません。なぜこういう無断の名義借用なり誤解を生むに至りましたかという発端は、昨年の春ごろに福田大臣の知人が一人の青年を連れてまいりまして、最近やかましい流通機構の近代化の問題について意見を聞きたいという話で、門をたたいたということに始まるようでございます。そこで福田大臣は、こうした流通機構の近代化という問題は、非常に緊急な問題ではあるけれども、そのためにはそれ相応の準備なり資本力なりというものを備えてからでないと必ず失敗をするからやめてはどうかということを、その青年に説示をしたそうでございますが、本年の一月になりましてその会社ができておる。しかも、その会長に自分の名前を使っておるということを知りまして、先ほど先生の申されましたように、取引の相手方に非常な誤解なり不必要な、何と申しますか錯覚を与えてはいかぬということで、その知人を呼びまして、厳重に自分の名前を削除するよう、かつまた自分の名前を載せておりますあらゆるパンフレットを回収するようにきつく命じたそうでございます。大臣としましては、おっしゃるように、確かに自分の名前がそうした取引の相手方に信用をさせるような結果になって多額の損失を与えてはいかぬということで、非常にやかましく言い、かつまた知人をも信用しておったものでございますから、そうした措置がとられておるものというふうに解しておったのでございますが、もともとそうした幽霊会社を設立する意図のある相手方であったのでありましょう、そういうふうな結果になって、まことに申しわけないと思うのでございますが、なお大蔵大臣に就任されましてから、現在正式に就任されておりましたところの会社の役員なども全部やめておられますので、その点は大臣の御態度としましては間違いなかったと私は思っております。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 私も実はそれを信用したいと思いますが、しかしあなたは大臣ではありませんので、これはお伝えを願いたいのでありますが、少くともさようないきさつでお断わりをしたのになおかつかようなパンフレットをつくられたという事実があれば、これはそのときにすでに完全に詐欺でございます。なぜそのときにえりを正してこの相手方を告発をされなかったかということについて、私はそのことをここで強く大臣に御指摘をしたい。つまり、言いかえるならば、問題が起こらなければそのまま過ぎてしまう。もしここで業者がこれだけ公に持ち込まなければ、これは泣き寝入りということになってしまう。そうでしょう。その泣き寝入りになっているときは、そういう釈明は聞かれないということになる。問題が出たときに初めて自分はそれに関係しなかったんだ、あるいは文書でそれを取り消したんだと言っても、すでに事件は起こっておるのですよ。ですから、私はひとつ大臣にこれをお伝えをいただいて、大臣の所見をあらためて次期委員会においてお伺いをしたいのです。特に政治家がこの種の営利事業に、しかも代表的な立場において名前を連ねる場合には、当然しかるべき政治家としての限度がある、けじめがある。そのけじめを何らかの形で法的な根拠をつくっておかないと、率直に申し上げると、これからわれわれも含めまして、しょっちゅういろいろな会社から顧問になってくれ、やれ名前を貸してくれ、そのときには政治家というものはなかなか断わりにくいのです。それがあぶないなと思っても、選挙に関係があると思うからついあいまいな返事をする。しかもいまの大蔵大臣のように、まん中に知人が立って、その知人が大臣とまた親交があれば断わりきれない。そういうことをつけねらってこの種の詐欺が横行する。その代表的な事件が吹原事件です。ですから、吹原事件というものは、結論的には吹原の詐欺で解決していますが、しかしあのように詐欺を大きくならしめた責任について、私はもつと政府が姿勢を正すということを実際において行なうべきだと思う。ですから、大蔵大臣の所見において、大臣がこういう被害を現に受けて——これはたいへんな問題になるのです。これは刑事事件として起これば、釈明だけでは済まない。おそらく参考人として呼ばれて、ほんとうにそのときに合意で名前を出したかどうかということは事件のかぎになるでしょう。もし他の証人がいて、そのときに大臣は承諾をしたと言ったらどうなりますか。大臣は詐欺会社の会長として告発されれば刑事事件にかかるのですよ。現に私が第一銀行を通じて調べたところ、第一銀行のしかるべき責任者は、そのときも明確に、福田赳夫さんが会長であるということは聞き及んでおります。したがって銀行取引をいたしましたと、私に非公式に答弁をしておる。いいですか。ですから、これが刑事事件になって告発されれば、告発をする者は、その会長に大蔵大臣がなっていようとなっていまいと、当然この書面にあらわれた代表として福田赳夫大蔵大臣を告発することになるのです。そうでしょう。そうなったときに、いまのような御答弁で済みますか。済まないことになるのですよ。もっと司直の手にかかれば、それこそそのときの大蔵大臣の答弁の内容まで証人を立てなければこれはたいへんなことになる。そうでしょう。私はそのことを大臣に特に強くひとつあなたからお伝えを願いたい。私はここで刑事問題としてこれを取り上げておるのではありません。しかしこれが刑事問題となったときに、いまの御答弁では相済まぬことになる。告発される。つまり被告になる。しかもそういうことが現にあったことは否定できないということになるのですね。  そこで私、これはひとつ委員長にもお取り計らいを願いたいことですけれども、この種の事業の代表的な立場に政治家が名前を貸すことについて、何らかの規制を設ける必要があるのではないか。特に政治家は公職です。公職である政治家が特にこの種の営利会社の代表者と名前を同一にしているということは、あらゆる政界の疑惑を生む根拠になる。私はいま調べておりますが、国会議員の中で営利会社の代表的な立場に立っておる者が何人かありますよ。しかもそれらの方々については、国会の関係において絶えず疑惑が伴っておりますよ。したがって、政治家が公職であるということであれば、少なくともバッジをつけておる間はあらゆる営利事業の第一線の代表者の立場からはみずから退いて、その立場は他にゆだねるべきである。そうしなければ、公職と営利とのけじめがつかない。代議士の立場を利用して金もうけをするために国民は代議士を選んでおるのではないのでしょう。そういうけじめをつける必要があると私は考えるのですが、こういう私の意見をあなたが大臣にお伝えをいただいて、あとで大臣の御意向をこの委員会において御報告願いたいというふうに思うのですが、よろしゅうございますか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房長)

○村上(孝)政府委員 私は政治家でございませんので、おしかりを受けながらどういうふうに大臣にお伝えしようかと思いましたが、先生のおっしゃるとおりにひとつ大臣にお伝えしょうと思います。ただ私の伺っておりますところでは、パンフレットに無断で名前を使っているのを知りまして、その知人を呼びまして、非常に語気荒く大臣が叱責をされて、ぜひこれを回収しろということを断固要求されたということは、その場に列席しておりました秘書官から私は伺っておりますので、おそらく大臣としては、そうした知人に対する警告がはたしてその後約束が実際履行されておるかどうか確かめるおつもりであったのでございましょうけれども、何しろ相手の会社がきわめて電光石火に物を買って姿をくらましたというような形で、そこまでいくひまがなかったのかとも思うのでございますが、私がひとつ大臣に先生のおっしゃいました御意見をお伝えしまして、また何ぶんの大臣からの御指示をいただいて、先生に私から個人で御返事申し上げる、こういうことにいたします。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 これ以上申し上げることはございませんけれども、特にそういうつまり名前をかってに使用されたときに決然としてやはり相手を告発しておくべきですね。そういうことをなされなかったということは、やはり事実上なしくずしに、客観的に見れば承諾をされていたと一般の人が判断せざるを得ない。これは当然だと思うのですよ。ですから内部においていかような御処置をとっても、それは公のことにはならないですね。特にその点について大臣に御通達を願いたい。  この事件についてさらに不審なことは、社長さんが——これは事実上登記をしておる。登録もしている。印鑑も出ておる。この代表取締役が実は前通産大臣の御子息であったということ、これはあなたには御関係ありませんが、これもあわせて私はこの事件の非常に重要なかなめになっておると思うのです。そういうことについてやはり政治家がその身内、特に御長男が、私の調べたところでは、登録までして、しかも印鑑証明までつけて代表取締役になっておる。私はこのことをもって前通産大臣の責任を追及しようとは思いませんよ。思わないけれども、そういうことを行なっておったことはやはり事実です。だからそういうこともひっくるめて、いま申し上げた政事家がこの種の事業に特に関係をする場合の何らかの規制措置が必要ではないか。これはわれわれみずからが道義的に身を守るというても、感情の問題、因縁の問題でなかなか断わり切れない場合がある。その場合に何らかの立法措置によってこれは就任ができないということになっておれば、さような被害も起こることは少ないと思うのです。私はそういう点について特に法務省の方にひとつ御研究をお願い申し上げたいと思うのです。(「議運、議運」と呼ぶ者あり)これは議運で論ずるかあるいはまた立法措置でやるかは別として、ぜひひとつ御考慮をお願い申し上げたい。  次にあと五分ほど最後に御質問したいことがございます。実はこれは別個の問題でございますが、この間ある鉱山が爆発をして監督官が調査に行ったときに、会社の寮みたいなところに泊まったという非難の記事が新聞に出ておりましたが、私が御質問申し上げたいのは、一体いま鉱山の監督官の身分及び保障、諸手当、それがどうなっておるか、ちょっとお聞かせを願いたい。

川原英之通商産業事務官(大臣官房長)

○川原政府委員 身分のことでございますので、私から御答弁申し上げたいと思います。  現在全国におきまして鉱務監督官という身分のもとに、監督官として二百八十二人の職員が在籍をいたしております。これは一般のわれわれ公務員と同様の身分でございます。したがって、ただいまお尋ねのございましたのは、俸給その他がどういうふうになっておるかというお尋ねであろうかと思いますが、この点につきましては一般の公務員、俗に行政職(一)という俸給表に属します俸給体系になっております。ただ監督官の職務の特殊性からいきまして、たとえば検査に参りました場合、あるいは特に坑内に入ります場合でありますとか、あるいは災害が起こったときに災害の検査に参るというような場合には、監督官に特殊の手当は別途組んでございますけれども、それ以外には特に監督官と一般の公務員とを区別して扱っておるものではございません。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 私はあまり山のことは存じないのですが、承れば、この監督官というものは非常に危険を伴う仕事であるということは想像できるのです。いまこれら公務員でありながら、身の危険を伴う者に対して特別な手当措置が講じられておるものがあると思うのですが、それはどういうようなものか、例がございましたらお聞かせ願いたいのです。

川原英之通商産業事務官(大臣官房長)

○川原政府委員 非常に御同情のある御発言で恐縮でございますが、現在いろいろな特別な職種につきまして、俸給についての調整額というシステムをとっておる職種がございます。これは職種が非常に多うございますが、私が記憶いたしております限りで数例を申し上げますと、たとえば麻薬の取り締まり監督官、それから飛行機に乗ります搭乗者、あるいは海上保安庁の海上勤務者、それから特許庁の審判官、こういうふうな特に一般の公務員と比べまして重い責任と、また場合によりましては非常に肉体的な危険を伴うというような職種につきましては、ただいま御指摘のございましたような調整額という制度でもって、一般の俸給にさらに加えて厚く待遇をいたしておるというのが実情でございます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 ちょっと政務次官にお伺いしたいのですが、いまの御答弁にも出ておりましたが、私の調べでは、一般の監督官の三等から五等で日当が三百五十円、宿泊料が千九百円、しかもこれは行った距離によってまた半分に減らされるというような待遇なんですね。あなたがもし監督官で山の監督をせいと言われたときに、この御待遇で喜んであなた御監督されますか、あなたが監督官だと考えたとき。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 ただいまの手当では、なかなか困難な面があるように私感じます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 あなた政務次官ですからね。あなたがその立場に立って困難でできないことをなぜ監督官にやらしておくのですか。政治家というものは、自分がその任に立ったときにできもしないことを下僚に押しつけておいて、しかも新聞でこういう非難が出る、監督官はけしからぬという非難が出る。それに対してあなたは通産政務次官として何一つ抗弁をされない。私はけしからぬことだと思うんですよ。ぜひひとつ……。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 十分じゃありませんが、そういう御意向もありますし、私どもも見まして、これは何とかしなければならぬということで手当の増額その他のことを多少考えてはおりますが、明年度の予算につきましても一挙にまいりませんけれども、だんだんそういう御意向をくんでいきたいと考えております。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 御意向をくむだけでは困るのです。私は実は中小企業庁にもお伺いをしたいのですが、前国会で中小企業の指導員の身分待遇について、ここで御質問をしたことがあるのですよ。そのときに、この現行の中小企業指導員の身分待遇、それからその身分保障であなたは十分に中小企業の指導ができますかと御質問をしたら、ときの中小企業庁長官は、残念ながらできませんと答弁をしておるのです。残念ながらできませんと答弁をしておる長官が、その後長官の在任中にこれができるような改善をしておらない。努力はされたと思いますが、しておらない。いまの監督官の問題でもそうだと思うのです。少なくともある行政の責任者あるいは所管庁の責任者は、その最も重要な職にある下僚の方々がその待遇において十分に働き得る、自分がその立場に立ってでき得るという確信を持たなければ、一般の下僚が動く道理がないじゃありませんか。私は、いま日本の政治の欠陥というのはそこにあると思うんですよ。何も労働者の月給が低いとか安いとかの問題ではないでしょう。責任あるわれわれ政治家はしかるべき歳費をちょうだいしておる、これが値上げ問題がいいとか悪いとか言われておる。しかしわれわれ政治家がつくっておる政府の、その最も重要な職務にある監督官の身分待遇がこれだ。こういうような現状のもとで責任ある政治がとれますか、現実において。中小企業でもそうですよ。何べん言うても待遇改善ができない、予算がない。問題は予算があるかないかではないのです。その任にある一人一人の監督官が、十分に生活の保障を得て、自分の責任を全うできるかどうかということが、事故を防ぐ重要な根拠でしょう。このような監督官の待遇を与えておいて、そうして事故を防げということは、これはまさに自動車をして海を走らしめよというのと同じことですよ。できる道理ではない。そのことが、私はほんとうの政治の姿勢を正すことになると思うんですね。ですから政務次官、あなたがきょうこういうことで、この監督官の立場では十分に保安ができないとお考えになるなら、できるような待遇処置をいまの答弁にあるように早急にひとつ考えていただいて、それだけでもあなたの功績としてひとつお残しをいただくように、私は強くお願いを申し上げておきたいと思うのです。答弁は要りませんから、ぜひひとつあなたの在任中に、また通産大臣にも伝えていただいて、そして身分、待遇改善をしていただきたい、これをお願い申し上げまして、本日の私の質問は終了いたします。

内田常雄自由民主党

○内田委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後四時四分散会

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