商工委員会 第2号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/08/02
会議録
○内田委員長 これより会議を開きます。 この際、新たに通商産業政務次官に就任されました堀本宜実君を御紹介いたします。
○堀本政府委員 ただいま御紹介をいただきました参議院の堀本宜実でございます。 このたび通産省に政務次官として就任することになりました。不肖のものでございますが、どうぞよろしく。(拍手) —————————————
○内田委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件につきまして調査を進めます。 国務大臣に対する質疑の申し出がありますので、これを許可いたします。板川正吾君。
○板川委員 通産大臣の通商産業政策の重点についての所信と経済企画庁長官のあいさつとに関連しまして、二、三質問申し上げたいと思います。時間の関係もございますから、私は当面特に問題になっておる点について、通産大臣に新任の大臣としての所信をひとつ伺いたいと思っておるわけであります。 まずその前に、大臣の通商産業政策の重点についての所見の発表がございましたが、この中で通産大臣はこう言っております。「経済運営の基本的姿勢」の中で「わが国経済を縮小均衡的に持っていくのではなく、積極的に拡大均衡を目ざす方向をとってまいる所存であります。」こういう所信を発表されておりますが、一面また、これは経済企画庁長官にも伺いたいと思っているのですが、経済企画庁官は、同じ所信の中で「長期的視点に立って、経済を安定成長路線に乗せるようつとめることといたしております。」こう言っております。佐藤内閣の経済閣僚の二人の有力者が基本的な方向において、片や安定成長を強調する、片や拡大均衡を強調するというのでは、閣内の意見、経済政策の基本的方向というのが食い違いがあるんじゃないでしょうか。この点について大臣の御見解いかがですか。
○三木国務大臣 いささかも食い違ってはいないと思っております。これは経済安定成長と、こう云うと、いかにも経済政策というものが縮小均衡を意味するものではないか、これは当然に成長は安定でなくてはならぬし、常に成長の上に安定をつけていくのが成長政策の基本でなくてはならない。ことに日本の経済成長率が、どんなに安定成長という中でも七、八%の成長率、これを目標に考えて、これはもう七、八%の成長率を考える形態というものは、かなりやはり積極的な経済政策である。また大ていの国が成長率を五%にするというために非常な努力を払っておるのが現状であって、二、三%の成長というのが普通である。その中で七、八%の成長率を考える日本の経済は縮小均衡ではない、そういう考え方自体がかなり積極的な意図を含んでいるものであると考えます。それを安定成長というと、いかにも縮小経済に持っていくような経済政策であるということは、私はそういう成長率の考え方からしてもそういう受け取り方は間違っている、健全な成長経済、その内容としては、かなりやはり積極的な意図が含まれておる経済政策である。藤山長官との考えにもいささかの食い違いはないと考えております。
○板川委員 まあニユアンスの問題ですね。藤山さんは、安定的な成長を強調しております。それは池田内閣の拡大政策というものを批判した立場から当然の帰結だと思うのです。それは池田さんだって拡大成長を論じたときには、これは決して拡大そのものが不安定じゃない、こう言っておったのです。しかし実質的には、それが拡大均衡といい、拡大成長というのが実は非常な不安定な経済現象をもたらしてしまったから、そこで前々から批判しておった福田さんなりあるいは藤山さんなり安定成長論を持っておったそういう論者が今度の内閣に入ったので、その内閣の中で経済を担当する通産大臣が逆に池田内閣の経済政策のニユアンスを持つ拡大均衡論をぶつというのは、どうもその辺が——それは言い回しとしては、安定成長も決して不安定ではないのだ、そうして成長をはかるのだ、積極的に拡大均衡、これは拡大して均衡をはかるのだ、まあ差はないと言いのがれはするが、従来の論争のニユアンスからいうと、どうも大臣の基本的方向に若干反省がないようにうかがわれる。で、問題は、われわれも経済を拡大すること自体をこれは悪いと言うわけじゃないのですよ。ただ経済拡大に伴って必ず物価高をもたらすということは、今日の経済の原則でしょう。だから拡大均衡をすることはけっこうなんです、それ自体は悪いのじゃないのです。しかし拡大均衡には当然物価高をもたらして大衆に大きな負担をかける、しわ寄せをかけるということがある。だから経済拡大よりも——拡大を叫ぶ者は、一体物価高をどうして防止するか、こういう点に考えがなければ、拡大均衡論をぶつということは、私はある意味では、今日においてはやや不見識だと思うのですが、どうですか。
○三木国務大臣 御指摘のとおりやはり拡大が過ぎると国際収支、物価の問題について赤信号が出てきて、幾ら拡大均衡を望んでも経済の論理は一つの限界を持っておることは御承知のとおりであります。したがって、私も物価高とか、国際収支のそういう赤信号が出て、それを越えてでも拡大均衡ということではない。物価問題、国際収支のことを頭に入れながら、やはりできるだけ経済は拡大をはかるべきだというのは、御承知のように毎年五兆円にも近い設備投資が行なわれて、そして生産の設備というものが拡大してきておる。しかも人口一億、その間新規な労働力というものが、各国にも類のないほど非常に質のいい労働力を持っている。この国の運命は、この国の経済の方向としては、できるだけ経済を拡大していこうというところに社会的な安定がある。しかし、それも、いま言ったように、それが行き過ぎるといろいろな問題が起こりますから、その限度において考えるということにおいては安定論者であることに私も変わりはないのであります。しかしあまり縮小、縮小というようなことで経済のつじつまを合わそうということは、また社会的な緊張を呼ぶ問題が起こってくるのではないか。だから破綻を起こさないように経済は拡大していく努力をみながはかることが、通産行政をあずかっておる通産大臣としての心がまえでなくてはならぬ。何でもみな縮小、縮小といってつじつまを合わそうということよりも、経済のいろいろな問題に対して破綻のない程度に日本の経済を拡大していこう、この意欲が通産行政の基本になくてはならぬというのが私の考えです。それもいま御指摘のような安定を乱すような拡大を考えておるものではない。だからおそらく御指摘のように藤山長官と私の差は少しことばのニュアンスの差であって、基本的なものの考え方に差はない。現に閣僚、大蔵大臣も企画庁長官も寄って、相当思い切った需要の喚起策を最近において講じたのも、そういうことの考え方の基本が違ってないということの証拠の一つだと思うのでございます。
○板川委員 拡大すること自体は悪いんじゃない。しかし同時にそれが物価高、国際収支の悪化をもたらす、そういう壁にぶつかる、そうしてまた引き締めが行なわれる、こういうかっこうになるわけです。特にいま非常に不景気の中で、本来ならば、不景気になれば、経済の自然調整が行なわれて、物価が下がるのがあたりまえでしょう。しかしこの政府の統計によっても非常に消費者物価が値上がりしています。昨年の四月からことしの四月の間で消費者物価が九・六%値上がりしています。これが経済月報にありますが、対前年同月比で九・六%上がったというのは、池田内閣のときに、昭和三十七年ですか、このときに九%ぐらい上がったのがありますが、九・六%というのは非常な値上がりです。そういう意味で、この不景気の中で、物価が下がらない、こういう中で、さらに拡大をとっていくということは、よほど物価政策に自信がなくてはならぬ、こう思う。国際収支は、たいへん輸出が伸びて何とかなりそうだ、こういう。場合によってはイギリスの例じゃないが、IMFなりから借りるという方法もあるから危機を救う方法もあるかもしれない。この物価高、これに対する何らかの対策がなくては困る。 経済企画庁長官が来ましたから一つ伺いますが、問題は、経済企画庁長官は、この所信表明の中で安定成長路線に乗せるように努力する、こう言っている。片や通産大臣は、経済の積極的拡大均衡をはかっていく、こういう議論で、お二人の大臣の間で基本的な経済の路線というものに食い違いがあるのじゃないか、こういう点でいま質問したのですが、藤山長官どうお考えです。
○藤山国務大臣 経済というものはやはり非常に消極的であってはならぬので、消極的であれば縮小されていく。ですから拡大されることは当然のことなんですね。ただ今日の経済というものは、国際経済の中にあって国際貿易の関係もございますし、いろいろその影響もこうなるわけで、同時に国内経済においても、同じ拡大をはかるのでも、一部の産業だけが非常に伸びていくというようなことでなしに、均衡した発展をしなければならない。そういう意味では安定成長という意味であって、決して拡大を否定していくというわけでは毛頭ないので、あくまでも均衡ある拡大であればよろしいし、それから経済がよく何%でなければいかぬとか言うのですが、しかしこれは国際情勢の中で、あるいは一〇%程度でも低い場合があるでしょうし、六%でも高い場合があるかもしれない。ですから経済というものは、通産大臣も言われるように、できるだけ拡大をしていくという点については、われわれも少しも変わらないので、そういう意味で御理解をいただけば、おそらく通産大臣とそう食い違いはないと思います。
○板川委員 これは理屈の上からそれぞれ理由が立つのです。しかし池田内閣の経済政策を批判した立場からいうと、拡大に重点を置いたから不均衡になったんだ、だから安定に重点を置いた成長をはかるんだ、こういう思想で佐藤内閣、佐藤総理の方針もあったんじゃないかと思うんだが、ところが通産大臣が逆に拡大に重点を置くようなものの言い方をしているものですから、その辺が食い違いがあるんじゃないかという質問をした。しかしこれは論争しても水かけ論になりますから、時間がありません。きょう二時までに終わる関係もありますから、今度は問題点だけあげて質問いたします。 通産大臣に伺いますが、大臣はこのあいさつの中で中共貿易についてこう言っていますね。「対共産圏貿易については、世界の大きな流れに沿って、イデオロギーにとらわれることなく、積極的に拡大の方向で取り組んでいきたいと考えております。」、こう言っいるのです。イデオロギーに関係なく商売は商売でひとつ拡大していこうという思想です。これはいいと思います。私も是認いたしますが、そうしますと、例の問題の中国向けビニロン・プラントあるいは船舶輸出、この延べ払い問題が吉田書簡によって延べ払いの拒否の問題が起こり、そしてこの契約が破棄されて今日に至っております。これは政経分離を言っている大臣の思想からいうと、逆に日本側が政治的にからまして商売をしなかったということになるんじゃないでしょうか。この大臣の思想からいえば、ああいうやり方はまずい、商売は商売、政治に関係なくということで、中国へのプラント類の輸出については延べ払いを輸銀の融資の対象にするかどうか、こういう問題を、ひとつ従来の方針を変えるという考え方の上に立っているのでしょうか。ある新聞等で見ますと、通産大臣は大臣就任のときに、中国向けプラント輸出の輸銀取り扱いの問題についてどうなるのだといったら、なかなか微妙なことを言っておる。しかし就任早々ですからまだ慎重に考えられておったと思うのですが、今日においてこの中国へのプラント輸出の輸銀取り扱いの問題について大臣はどういうお考えですか。従来の方法で今後も行こうというわけですか。それともこの機会にひとつ考えを直そうというわけですか、どうでしょう。
○三木国務大臣 共産圏貿易、これは世界の趨勢から見てみますと、イデオロギーにとらわれないで、拡大の方向にあることは御指摘のとおりであります。中国向けの輸出、これもやはり貿易自体として伸ばしていくべきだというのは日本の方針でありますが、輸銀の問題については中国向けだから輸銀を絶対に使わないという方針も誤っておる。しかし中国側も輸銀を使わなければ貿易はできぬというのも行き過ぎだと思います。この問題はそういうふうな問題の取り扱いではなくて、やはり輸銀にも一つの資金のワクがあるわけですから、やはりその具体的問題ごとに輸銀を使うか使わぬかということは自主的に判断をすべきで、初めから、もうこれは使ってはいけないんだ、使わなければ貿易はもうできないんだ、こういうふうに考えないで、もう少し貿易自体を冷静に考えるような環境が望ましいし、また問題ごとに、個々に具体的に、自主的に検討を加える、これ以上のことは答弁は申し上げられない。
○板川委員 大臣も御承知と思うんですが、輸銀の資金的なワクのために、ニチボーのビニロンプラントと日立造船の船舶輸出がとりやめになったんじゃないんですよ、その輸銀の融資の対象とできなかったのじゃないんです。また倉敷レイヨンのプラントはすでに輸銀の融資の対象になって輸出しておるのですよ。前例があるのです。前例があるのを、その後引き続いてニチボーのビニロンプラントが問題になった。そこで台湾からいろいろ文句が出て、吉田書簡という形になって、それが輸銀の取り扱いを認めない、こういうことになったんじゃないですか。だから大臣が言うように資金的なワクのために延べ払い扱いをしないということじゃない。それから前に、すでに倉敷レイヨンのビニロンプラントは輸出しておるのです。輸銀の融資の対象になっているのです。なぜこのニチボーと日立造船が輸銀の対象にならないかというと、それは吉田書簡が問題になっている。だから、私はこの吉田書簡を大臣、知っているかどうか知りませんが、吉田書簡には、三十九年中は少なくとも延べ払い扱いはしないということを言っておるそうですから、三十九年が過ぎたんだから、この辺で考えを変えたらどうかと思うです。特に最近南漢宸氏が日中貿易促進会の総会の席上にこういうあいさつをしておりますね。日中貿易を拡大する客観条件が整ってきておる。本年は往復四億ドルに達しよう、それが一つ。二として、ベトナム戦争は日中貿易に影響を与えないなど、かなり思い切った発言をしておる。それから、松原日立造船会長に、日本政府が吉田書簡による拘束を除きさえすれば、あらためて貨物船の輸入契約を結ぶのをはじめ、今後日本から大量の船舶を買い付ける用意がある、総会でこういうあいさつをされたり、質問に答弁したりしたそうであります。これは中国における一つの貿易拡大の意思表示だと思うのです。この問題に対して、通産大臣としてはどういうお考えを持っておられるのか、どういう気持ちをもってこれに対応しようとされるのですか。やはり、吉田書簡はしかたがないからそのまま認めて、当分輸銀の融資の対象にしない、こういう方針であくまでもいくつもりですか、どうでしょう。
○三木国務大臣 吉田書簡、吉田書簡と、こう言い、中国側も言いますけれども、しかし、個人の書簡がずっと政府の政策を拘束するということは考えられないことで、吉田書簡をいまごろ持ち出して、これをどうのこうのとあまり言わないほうがいい。われわれもそれに拘束を受けないで考える。しかし、中共貿易、共産圏貿易には国際的な制約もありますし、輸銀のワクばかりでもない。そういういろんなことを勘案して、政府がそのつど自主的に判断したらいいのだ、それを、これがあるからこうだ、吉田書簡があるからこうだ、あれがあるからどうだというふうに考えないほうがいい。やはり政府は自由な立場で、問題が具体的に起こるたびに自主的に判断をする、よその干渉は受けない、こういう態度がなければ——貿易を拡大する上においてもいろいろ各国から干渉を受けて、それに日本の貿易政策が影響されるということはおかしい。やはり、日本の政府は自由な立場で自主的に判断する、これが原則である、こういうふうに考えます。
○板川委員 吉田書簡関係なし、われわれは自主的に判断する、それはそれでけっこうですよ、従来は必ずしもそういう答弁がなかった。しかし自由な判断をした結果では、中国の貿易は、南漢宸氏の言明等から見て向こうでは大いに貿易をしようという機運がある。この機運を通産大臣はどういうふうな感じをもってこれをとらえていくか、これは、自主的にきめるのだ、きめるのだというワクの中で、何もしなければ、それは吉田書簡によってやらないのだというほかに解釈のしようがなくなってくる、自主的に考えて、今後どういうふうな気持ちをもって日中貿易と取り組んでいくのですか。特に大臣は、ソ連の日本見本市なんかにも行き、西欧各国の首脳部と会ってきました。会ってきて、ベトナムを中心とする平和問題で議論したようです。まあこれに敬意を表しますが、その各国の首脳と会った結果、ベトナムの戦争が全面戦争に入る可能性を、強いと見ているのですか、どうでしょう。それは実は中国貿易とも関連があるので伺いたいのですが、全面戦争必至と見ているのでしょうかどうでしょう。
○三木国務大臣 全面戦争必至とは私も見ていないのです。これは絶対に阻止しなければいかぬ。あの北ベトナムの戦争が拡大して、これが世界的な全面戦争に入るという危険に対しては、日本のみならず、世界各国がその事態は阻止することが当然の責任であると考えております。
○板川委員 全面戦争に発展さしてはならないし、すべきではない、こう思います。そうしますると、全面戦争にならないとすれば、お隣の中国といつまでも貿易のある面を閉ざしておるというのは、これはココムの制約があるかもしれません、が、それは理由によっては、ココムの制約も解釈によっては拡大もできます。池田さんでしたか、通産大臣のときに、ココムなんか問題じゃない、こういう言明さえこの商工委員会でしております。それほど問題じゃないのだ、こう言っております。問題は他にあるという意味でしょう。全面戦争にならぬという前提なら、日中の問題をこの機会に前進させ、思想は思想としても、商売は大いにやるという形をとるべきじゃないでしょうか。全面戦争にならないという見通しの上に立てば、当然お隣の中国ともっと貿易を拡大すべきじゃないか。最近「エコノミスト」に前の経済企画庁長官の宮澤氏が、ある方面から言われてプラント類の輸出をやめるようなことはばかな話だなんというような——もっともこれはいまの政府の多数意見じゃないかもしらぬ、こういっておりますが、肩書きをおろすと、だれでもそう思っているのじゃないですか。それは思想的にいまは別としても、歴史的に経済的に近い中国と輸銀の取り扱いはさせない、こういうやり方は適当じゃない。 それから佐藤総理は、例の池田批判のときに、「繁栄への道」というのですか、あの中で日中問題こそこの佐藤が解決をするのだというようなことを、えらい大きなことを言っています。ところがいざ自分が総理になると、言ったことをやることが違うのです。私は言ったことを——今度の参議院選挙の際に、言ったことは必ず実行しますなんてうまいことを言っていますが、言ったことはやってもらいたい、国民もそう思っているのですから。だから中国問題はこの佐藤が解決するのだというなら、私はいまが解決する一つの機運ではないだろうか、せっかく南漢宸氏が日中の貿易の拡大を希望しているのです。ですからこの際ひとつ約束に基づいて佐藤総理のしりをはたいて通産大臣としてひとつ取り組んでもらいたい、こう思います。それをいま時間がありませんから一点要望いたします。大臣の所見をお伺いいたします。
○三木国務大臣 南漢宸氏の演説は新聞で読んだわけですが、日中貿易を拡大したいという発言を歓迎すべきものだと考えております。具体的な問題については、その問題が出てくるたびに検討したいということは申し上げたとおりであります。しかしプラント輸出の輸銀を使う使わぬの問題が多少こじれておりますが、にもかかわらず中国問題はこの輸銀の問題がすべてでありませんから、拡大する方向にいっておることは事実でございます。これは今後拡大していきたいということは、先ほど申し上げたとおりでございます。
○板川委員 とにかく目下障害になっておるのは輸銀融資の問題ですから、この問題の解決のためにさらにひとつ善処を要望いたしたいと思います。 次に電力問題で通産大臣、経済企画庁長官にも伺いますが、北陸電力が赤字を出してきたから十月ごろ料金改定の申請をする、こういう動きがあると新聞は伝えております。関係者もそれぞれ通産当局にいろいろ話をしておるようであります。北陸電力の値上げ問題といわゆる公共料金の抑制の問題、経済企画庁長官は公共料金については値上げを認めてますね。「公共料金問題につきましては、特に国民生活に影響するところが大きく、また、その上昇は他の諸物価の上昇の誘因ともなりますので、これを極力低位にとどめるよう、一そう経営合理化につとめて、コスト増加要因を吸収するよう措置いたします、こう言っておりますが、これは値上げがあったならば、極力低く押えていく、まあしかし実情やむを得なければ値上げを認めるという方針ですね。これは値上げを容認し 態度ですね。池田内閣の物価政策が昭和三十九年一月二十四日でしたか、ありまして、その中では公共料金は当面値上げせず、こういう言明をしました。その当時の消費者物価の値上がりというものは七%台だと思います。いまは、この間の経済企画庁の新聞発表にもありましたように、昨年の一−六に比較いたしまして、ことしの一−六の半年間の平均は八%も上がっておる。経済月報におよる前年同月からいえば、九・六%も上がってる。非常に消費者物価が高騰しておるときに、このように、ある程度公共料金の値上げを認めるという言い方は、さらに物価値上げに拍車をかけるような結果になるんじゃないだろうか、こう思うのです。そういう観点から北陸電力の値上げ問題をどういうふうにお考えでしょうか。特に前の経済企画庁長官のときには中部電力を値上げしたのです。中部電力と北陸電力では、いろいろ経営の計算する指数も異なりますが、われわれが検討するところによれば、北陸電力のほうが経営内容は若干悪いのです。中部電力をすでに値上げをしておるから、北陸電力を、値上げ申請があったら値上げしないという理屈はたたないかっこうになる。しかし、いま消費者物価は非常な高騰の時期にある。この問題をどういうふうに取り扱うつもりですか。両大臣の見解を伺っておきたい。
○藤山国務大臣 公共料金の取り扱いにつきましては、われわれも極力慎重にやってまいらなければならぬのは当然のことでございまして、これが他の物価値上げを誘発するということが現実に起こり得るのでございまして、特に電力その他等影響するところは大きいと思います。ただ御承知のとおり、今日の物価問題というものは、過去に累積しました構造上からきた問題が非常に多いのでございまして、それをそのまま放置して、かりにストップを一年間かけたといって、それではそのストップだけで問題が解決するかというと、私は解決しない。ただ、当面の物価が上がるんじゃないかという攻撃あるいは国民感情をごまかすとまでいっては相すまぬかもしれませんが、政府が言いのがれをするということになるのであって、むしろそういう構造上の問題を十分検討して、将来にわたって合理化ができ、あるいは電力のそれぞれの会社の状況によっては編成がえをするというような問題にまで取り組んでまいりませんと、ただ単に押えただけでは、一年ストップして、一年間の赤字がさらに累積してくれば、その次の年になってよけいな値上げをしなければならぬというような状態も起こり得るし、そういうことも考えられる。しかし当面、むろん物価が上がってくることは非常に困る、ことに私ども物価を主管しておる役所としては非常に困りますから、極力それは押えていかなければなりませんけれども、そういう意味で物価問題はここ一年なり二年なりのうちにほんとうに安定の線に乗せるということに持っていきませんと、かえって将来まで不安定な線に乗っていくのじゃないかということを考えるものですから、やむを得ない場合にはそうせざるを得ないのじゃないかということを私基本的には考えておるわけであります。しかしいまお話のございましたように、物価が、経済が成長してまいります場合に外国の例でいえば二%なり二%半なり、これは今日の各国の経済発展の段階としてやむを得ないが、それ以上は必ずしも正常な状態じゃないことは、われわれも一般的に考えるところでございますから、どうしてもそれを一年なり二年なりのうちに押えていって、その原因をいろいろ突き詰めていって直してまいりませんと、なかなかいかないのじゃないか、そういうことを考えますから、値上げそのものを全面的にただむやみに認めるというつもりはございませんけれども、しかし、今日の事態をただ糊塗することによって将来に禍根を残して相変わらず物価上昇の要因をつくっておくということは適当ではない、こういうふうに考えておるのが私の基本的な考え方でございます。そういう点から申しまして、いま御指摘の北陸電力の料金の問題につきましては、私どももまだその点について直接の話を伺っておりませんので、通産大臣からお答えを願うことが適当だと思いますが、私どもとしましては、そういう状況を見て、そしてその上に立ってこれらの問題を判断していきたい、こういうふうに考えておるのでございます。
○三木国務大臣 いま御指摘のように、北陸電力が一番電力も低位にあるし、また、会社の経営が苦しいことは御指摘のとおりでございます。しかし、こういう経済界の不況時に需要者に対しても非常な影響力を与えますので、経営を苦しい中にもできるだけ合理化して、今年度中は料金の値上げをしないことが好ましい、そういう点で会社側においても努力してもらいたいというのが、われわれの考えでございます。
○板川委員 経済企画庁長官に伺いますが、これは両大臣に聞いてもらいたいのですが、北限電力は確かに電力料金も安い、経営内容も悪い、値上げしろというのも理屈がある。だから、中部電力を同じ政府が認めた以上は認めないという理屈も成り立たぬということは、私は中部電力の値上げ問題のときにすでにそういう発言をしておる。それは一連の公共料金値上げを誘発する結果になるのじゃないかな、こう思った。ただ、池田内閣の末期に若干物価の値上がりがとどまったのは、値上がりが少なくなったのは、公共料金を中心に値上げストップをかけて、いわゆる値上げムードというのにブレーキをかけたからです。だから、この公共料金の値上げというのは、いわば値上げムードの——政府だってやっているじゃないか、だからわれわれが苦しいから値上げするのはあたりまえじゃないか、こういう議論になるのであって、これは公共料金値上げというものは慎重な態度をとってもらわなければ困る、こう思う。北陸電力の経営の悪さというのは、——関西電力が一方においていいのですね。関西電力と北陸電力というのは全く隣近所でお互いに融通し合う関係もあるし、関西電力の水力発電は北陸の地内にあるのですから、この二社を合併すれば北陸電力は値上げしなくても済むじゃないか、こういう感じを持っておるのです。いま、藤山さんは、再編成というのも考えなくちゃいかぬと言っておりますが、ひとつ再編成も考えてもらいたいと思うのですね。それはわれわれとしては全国を一本化したほうがいいという主張を持っておりますけれども、いま、それをわれわれが言ったところで実現しそうもないですから、それはそれとして、当面、政府は料金値上げ等の場合には、経済の実態をよく把握して、北陸と、たとえば関西、これが合併すれば値上げしなくても済むというなら、そういう方向で経営の危機というものは避けられるのではないか。通産大臣は、いま自動車産業ほかたくさんの産業に合併しろというようなことを盛んに勧告をしておりながら、なぜ関西電力と北陸電力の合併で値上げをしないという方法でやれという考えを持たないか、ふしぎだと思うのですが……。
○三木国務大臣 電力会社の合併というのは非常に影響するところが多いし、また、北陸の需要家にすれば、合併したことによっていろいろ工場を——採算の点においても重大な影響を与えるでしょうし、そういうことで、われわれとしては電力会社の再編成は行なわないで、広域的な運営によってそのいろいろな地域間の矛盾をできるだけ調整していこうというのが基本方針でございますので、いま関西電力と北陸電力との合併は考えておらぬということであります。
○板川委員 広域運営では限界があるのですよ。じゃ、北陸電力の値上げをやらずに済むように、ひとつ広域運営の調整をしていただきたい、こう思うのです。ともかく公共料金の値上げは一般物価値上げのムードをつくることになる。特に、いま非常な不景気の中で消費者物価が上がっておるというのは、これは好景気の場合の一割二、三分にも当たるのじゃないか、いま九・六%も上がっておるということは。不景気のときに、本来なら物価が下がるあるいは下がり目になるでしょう、それがいま消費者物価がかつてないほど上がるのですから、こういうときに、それを小さい立場から見て、ただ経営が苦しいから値上げしろ、こういうことでは能がないと思う。ひとつ広域運営でやるのならやってもらいたい、値上げしないようにやってもらいたい。しかし、それは限界があるからできぬでしょう。それには合併による値上げの弊害を避けるという方法もあるでしょう。影響するところ大きいといったって、消費者、国民大衆から言えば、合併したって、そう影響はありません。まあそういう議論がありますから、値上げについてはひとつ慎重にやってもらいたいということを要望します。時間がありませんから次をやります。 次は、石油問題で当面する二、三を伺います。 原油公団というものをつくって、海外開発石油の関税分を原油公団に政府から資金的に回してもらって、それを海外開発の資金にしようというような原油公団の構想がありまするが、この原油公団の構想は今後どういうような見込みを持っておられるのですか。大臣御承知と思いまするが、佐藤総理が通産大臣のときに石油業法をつくった。石油業法の附帯決議の際に、輸入原油の一手買い取り機関をつくれという附帯決議が行なわれておる。その附帯決議の線からいえば、いま伝えられる原油公団の構想というのは、不足ではあるがその方向に沿っておることには違いない、こう思う。原油公団は、われわれとしては石油業法のたてまえからいっても大いに強力に推進すべきである、こう考える。最近の新聞を見ると、クウェートの国策石油会社、クウェート・ナショナル何とかカンパニーという会社が、アラビア石油の原油を日本に輸出してもらいたい、こういうのですね。なるほどクウェートの沖合いで利権をもらってアラビア石油がやっておるのですが、クウェートの国に出すのを日本から輸出の取り扱いを受けるのですね。ところがアラビアの石油なり海外開発油を、一般の外国の石油と同じように関税をかけるというのは、ある意味ではどうも理屈に合わぬ。日本の詳しい例は私はわからぬから適切な例かどうか知りませんが、たとえばカニ工船があるソ連の領海へ行ってカニをとってきて、加工して帰ってきたらこれは輸入品だというわけにはいくまいと思うのです。クェートの利権を持っておって、沖合いから持ってきて、そして日本に持ってくる、日本では輸入品に扱って関税をとる、どうもこの理屈も私はおかしいと思うのです。しかしいろいろの制度の上で関税をかけるなら、その関税分を戻して開発の資金に回せというのはある意味では私は理屈に合うと思うのです。この原油公団の構想は実現する見込みはどうでしょう。
○三木国務大臣 いま板川さんの御指摘のように、石油の開発、これはやはり経済的にやる必要、あるいは原油の引き取りというような問題から公団をつくってはどうかという構想があることは事実ですが、まだこの国会に——通常国会になるわけですが、提出するというような、そこまでの段取りにはなっていないので、事務当局において検討をさしておるというのが、この公団に対しての現在の実情でございます。
○板川委員 まだいま事務当局の検討の段階だというのですが、これはひとつ要望いたしますが、エネルギーというのは日本の産業で非常な重要性を持っておるものです。いま国内エネルギーというのは水力電気、石炭、まあ、まき、炭もありますけれども、水力電気と石炭だけでしょう。食糧も、イギリスでは半分近くは自分のかつての植民地から輸入するという方法をとられていますが、しかしどこの国でも、食糧の大半を輸入して暮らすという政策をとっておる国はないと思うのです。エネルギーというのは産業の食糧だと思うのです。この産業の食糧が一いま国産エネルギーというのは三割五分かそこらでしょう。六割五分、七割、やがて八割近くまで輸入しなければ日本の産業の食糧がまかなえないという状態に、ここ近年のうちになってくるのじゃないですか。これを政府が野放しにして、成り行きにまかしておるという態度はどうも——いまは幸いにして平穏で問題がないかもしれない。しかし日本は戦争をしないたてまえですから、平和憲法をもって戦争をしないにしろ、スエズ運河のような事件があったような場合に、いまの野放しのエネルギー行政というのでは万が一ということがある。そういう場合に、食糧の輸入の途絶と同じように社会的な不安を大きくするのであって、政府は、この問題をもっと真剣に取り上げて、日本人の力による海外開発に力を入れるべきだし、海外で開発した石油を引き取ってやるという、これはフランスあたりでは当然にしておるのですから、これは国民の国家的利益に合うことなんですから、しかもアラビア石油の場合に、半分近くは外貨の節約になる。しかもその外貨もさらに日本の物を買ってくれれば、なお一挙両得になっているのですね。そういうたてまえから言うと、私はこの海外原油の引き取り体制というものは強化すべきだし、そのためには原油公団というものを、積極的に取り組んで設けて、そうして開発した石油は、日本の全体の一割五分かそこらですよ。まだ三割も五割もあるんじゃないんですから、この原油引き取りが円滑に行なわれるように、ひとつ積極的に原油公団の設立に取り組んでもらいたいと思いますがいかがでしょう。
○三木国務大臣 これは真剣に検討してみたいと思っております。
○板川委員 さらに石油問題で一、二伺います。 石油は、現在石油業法によって標準額を設けております。標準額は業法にありまするように、石油の価格が著しく高騰しまたは著しく下落する場合に標準額を設けて告示する、こういうことになっておる。これは公定値段ではないのです。ところが最近、昭和三十七年以来標準額を設けて、石油の市況もこの不況の中に、一般的に言えば安定しつつある、安定してまいったと思うのです。一時から見ればたいへんよくなってきておる。新聞報道等によると、業積好調の石油会社、こういう報道もされておる。大体安定してきましたら、これは公定料金じゃないのですから、ある時期がきたら取りはずしていくべきではないか。特に最近の報道によりますと、いま原油は一バーレル一ドル三十セントから一ドル五十セントなんですが、ここ十年内におそらく原油一バーレル当たり一ドルということになるだろうということをアメリカの石油経済学者が日本にきて言明しております。原油価格は国際的になだらかな下降傾向をたどっておる、十年以内にバーレル当たり一ドルという原油が出現する可能性があるという意味のことを言明しておるのですが、まあ石油業法の目的は、安定した供給と同時に安いエネルギーを供給するという二つの目的のうちの一つなんです。そういう意味で、この辺で私は従来の標準額は再検討すべきではないか。再検討する上に、一回ひとつこの際はずして様子を見た上で、また必要とあらば将来標準額というものを設けてもいいんです。著しく高騰し著しく下落するおそれがあった場合にまたやればいいのでありますから、この辺で、市況が大体回復したおりに、この際原油、石油の標準額は再検討して取りはずすようにすべきではないかと思うのです。一応取りはずしたほうがいいと思う。特にこの九月、十月の需要期になりますと、強目になってまいりますから、はずしてもそれほど弊害がないと思います。再検討すべきではないかと思うのですが、大臣の見解はいかがですか。
○三木国務大臣 御承知のように石油は乱売で——そういう点で標準額一万一千三百円ですか、石油、ガソリンのほうは大体標準額に近い。重油が六千八百円、これがまだ重油の点はちょっと問題があるので、こういう点もにらみ合わせて、いずれにしても石油業の経営の基盤というものが健全なものでなくてはいけませんから、こういう点で重油の市況などとにらみ合わせて、でき得ればこういう標準額というようなものは撤廃できるような環境があることが好ましいが、いまは撤廃する意思はございません。将来そういう環境ができることが好ましい。いまは重油等の問題もあって、いま撤廃しようとは思っておりませんが、その点はお話のような環境ができることが好ましいと考えております。
○板川委員 原油の価格は一方においてだんだん下がってきて、十年内に一ドル原油ができようというような趨勢なんですね。ですから、私はこの際——大臣もあいさつの中で何か言っていませんかな。生産力が上がってもうかったら消費者に均てんするように物価を下げるように努力すると言っているんじゃないですか。C重油に若干問題はありますが、そのほかは大体安定してきたんです。この際、これは公定価格ではないのですから、そういう標準額を再検討して、はずして、さらに経営内容が悪くなるようならまた大臣が一方的に告示でできるのですから、原油も下がるという機運もあるし、この際ひとつ再検討すべきである。いますぐということを言いません。この冬、需要期を控えれば私はそういう、はずしてもいいという時期が来るんじゃないか、こう思うので、検討を要望しておきます。 次に自動車の自由化問題で伺いますが、乗用車の自由化を九月一日からやることを再考してほしいという意味が、自動車業界労使関係からそういう意見を伺っております。社会党内で自動車対策特別委員会をつくりまして、私事務局長をやっておったのですが、前大臣あてに社会党の政府申し入れ事項を伝達してあるはずでありますが、この九月、乗用車の自由化ということを大臣、やる気でしょうかどうなんでしょうか。
○三木国務大臣 今年の上期にやはり乗用車の自由化をやりたいというこの方針は変えようとは思っていないのです。最近の経済情勢、業界などでもいろいろ意見があるようですから、私は、会って話も聞きたいと思っております。そして何日にやるかという具体的なことはそこできめたい、こういうふうに考えております。
○板川委員 私どもは、実は電話で業界の意向を聞いてみたんですが、またわれわれの委員会に出席してもらって意見を聞いたんですが、業界では九月一日に乗用車を自由化するという意見は正式には通産省から伺ってない、こういうのですね。前通産大臣があちこち行ってしゃべったり、前通産大臣の新聞記者会見等の発言はありますが、業界として、自由化を九月からするんだということを正式に聞いてない、こういっております。そのうわさなり、一方的な新聞記者会見なり、こういうことでは聞いて知っております。しかし正式には伺っていない。だから自由化する前にはひとつ大臣、慎重に、会って政府の意見も言うべきだろうと思うのです。特に乗用車の自由化をすれば、そのあとへノックダウンの自由化、あるいは資本の自由化というのが当然くっついてくるわけですから、そういうものに対する危惧というものもある。これを何ら説明もしないで一方的にやるというのはやはりおかしい、こう思うので——われわれはこの意見の中で申し上げましたように、この不況の中で当面自由化はやらなくてもいいじゃないか、こういうことを社会党としては正式に決定しておる。聞くところによりますと、自民党の中にも南委員会とかありまして、自由化すべきじゃないという意見もあって、これは社会党と全く一致しちゃったのですが、両党が意見一致しておるならばそういう方向でやってもいいじやないかと思うのです。これに対する見解を伺いたい。
○三木国務大臣 むろん日本の自動車工業、これは将来最も有望な輸出産業として成長すべき産業であると思います。しかし、まだこの自動車工業の日本の歴史は浅いし、そういう意味からノックダウンとか資本の自由化が当然に伴ってくるとは考えていない。それはやはり抑制しなければならぬ。この場合に考えておるのは、完成された乗用車だけであり、外国資本がどしどし入っきたり、ノックダウン、これがやはり引き続いて行なわれるというようなことは考えていません。これは育てなければならぬ産業でございます。そういう意味において、業界の方々——自由化といってもこういう将来のことを考えながら日本の自動車工業を育てていくという基本的な姿勢はなくてはならぬわけでありますから、よく話は聞きたいと思っていますが、そういうふうな完成車の自由化に伴っていろいろなものがついてくるのでないかという不安があるのではないでしょうか。完成車の自由化だけならば、今日そんなに大きな影響があるとは私は考えていない。そういうことでよく話をしてみたいと思っています。
○板川委員 自動車問題については、私ども社会党の見解を出してあります。たとえば販売関係について従来政策はない。販売関係の問題もひとつ問題があるじゃないかというようなこと。あるいは通産省の自動車課というのは生産だけをやっておって、販売関係についての部門がごく少ない。自動車産業が一国の工業力のバロメーターとして非常な重要な役割を果たしておるんで、ひとつそういう点も充実して、産業全体の発展のために努力してほしいという意味の要望事項が出ておりますから、ぜひひとつ検討の上に善処方を願いたいと思うのです。 時間がありませんから次に移ります。 不況カルテル問題で、これは通産省、公取の両方に伺いたいのですが、鉄鋼の勧告操短はどういうことになったのですか。あれは公取として認めたのか、通産省としてどういう責任でやられたのか、その関係を明らかにしてほしいと思うのです。
○佐久間(虎)政府委員 粗鋼の減産指導につきまして、私ども公正取引委員会といたしましてはできる限り独禁法上の不況カルテルとして措置していただきたいということを通産当局のほうに希望しておりましたのでありますが、御承知のように業界の方が非常に多数でございます。内部が複雑でございまして、急速にカルテルを結成するような事情にございませんので、一方また政府の不況の総合対策といたしまして、鉄鋼を足場にしまして速急に不況の解決に減産を指導される必要もございまして、そういう事情で勧告の操短をされたというふうに承知をいたしております。御承知のように勧告操短の場合には、往々にして業界の共同行為を伴います場合が多うございますので、私どもとしましては、さようなことにつきましては十分事態の推移を監視いたしまして、将来そういう希望があります場合には取り上げていきたい、こういうふうに考えております。
○三木国務大臣 粗鋼については勧告操短を七月一日やったわけです。これはいま公取からのお話もあったように九十社くらいやった。不況カルテルがそういう場合の措置としては一番好ましいのですけれども、なかなか話をまとめることが容易でない。それとまた今日の不況対策としても粗鋼の問題は非常に急を要するということで、勧告操短といいますか、行政指導したほうが好ましいという判断でいたしたのでございます。しかし、これは非常に特殊なケースであって、こういう考え方をいろいろな産業に拡大しようという考えはないのであります。やむを得ない、しかも急を要する、こういうことで非常に例外として行政指導を行なったものでございます。
○板川委員 これはどういうことになっているのだかわかりませんが、三十九年一月二十四日に、池田内閣時代だと思うのですが、鉄鋼の公開販売制度や行政庁の勧告操短というようなやり方は、物価対策の上からいって好ましくはないのだ、だからこれはやめる方向で検討するべきだ、こういう方針が閣議決定になっておったと思うのです。この勧告操短は好ましくはない、やめる方向で再検討すべきだということの閣議決定は、その後どういうことになっておるのか。
○佐久間(虎)政府委員 公正取引委員会といたしましては、依然としまして勧告操短は望ましくないという方針でおります。御指摘のように物価対策の上からも当然でございますが、ただ今度の場合は、景気対策としまして緊急の処置として取り上げられたものでありまして、勧告操短を将来あらためて認めるというような気持ちは毛頭ございません。
○板川委員 じゃ七月一日から通産省でやった勧告操短というのは、公取としては認めてない、問題があれば将来これは独禁法違反ということになるかもしらぬ、了承したわけじゃない、こういう方針でおるのですね。
○佐久間(虎)政府委員 さようでございます。
○板川委員 いま勧告操短、不況カルテルの花盛りというときで、業界は何でもかんでも不況カルテルあるいは勧告操短なりにすがって、通産大臣が最もいやがる縮小均衡の方向で調整をとろうとしている空気が多いですね。そこで私は伺いたいのですが、繊維の不況カルテルを九月一日実施を目途に、目下不況カルテルを申請中だとか、協議中だとかいうことが再々報道されておりまするが、この繊維の不況カルテルの内容を通産省か公取か——まあ新聞報道でわれわれも多少承知しておりますが、内容はある程度わかっておりますか。
○乙竹政府委員 いま先生の御指摘は、綿糸等に関する不況カルテルの業界の動きであると思います。現在綿糸を中心にいたしまして、スフ糸、それに引きずられて合成繊維の糸が非常な崩落をしておる状態でございます。一例を綿糸の四〇にとりますと、コスト、これは各社によって相当違うと思いますけれども、相当かた目に見ましても一ポンド百七十五円前後といわれております。一コリ当り七万円前後かと思いますが、そういうことで非常に崩落しておりますので、業界の中から、企業がこれでは立ち行かぬということで、本年の五月ごろから紡績業界のほうにおきまして不況カルテル結成の動きが出ております。これは特に力の弱いいわゆる新々紡、新紡、この辺から動きが出たわけでございますが、いわゆる十大紡におきましてもほとんどのものが採算割れという状態であるようでございますので、目下紡績協会を中心に不況カルテルの相談をしておる次第でございます。
○板川委員 これは繊研新聞の七月三十日号ですが、通産省が不況カルテルを結べばインドネシアに綿糸延べ払い輸出を認めるということで、不況カルテルを結ぶことを前提に綿糸のインドネシアへの延べ払いを実現する、こう言っているのですね。これは新聞の書き方が悪いのかもしれませんが、カルテルを結べばおまえは綿糸のインドネシア向け輸出を許可するのだ、こういう言い方は、これは通産省としては行き過ぎじゃないか。通産大臣、どうでしょう。
○三木国務大臣 それは別個の問題で、カルテルはカルテル、インドネシアの輸出はまた輸出振興の一環として考えるわけです。
○板川委員 大臣の言うとおりです。インドネシアへの輸出希望があり、向こうがそういう延べ払いなら買うということであれば、政府は大いにそれを奨励し、あっせんの労もとってやるべきだし、いいと思うのです。しかし、カルテルを結ばないとそれはやらぬというような言い方、これは佐橋通産次官言明といいますか、最近どうも通産次官の言明がはなばなしく出ますから言うのですが、これは私は新聞の報道が適切じゃないと思うのですが、こういう印象を与えるような行政指導をやってはいけないと思うのです。 そこで、それはそれとして、不況対策としては勧告操短の方式があり、不況カルテルがある。不況カルテルは最小限ということで、独禁法でいろいろな条件をつけられておるのですね。それから勧告操短というのは、それは行政官庁だけで自由にやる。だから、それが一部の生産者を中心としたものの考え方におちいりやすい。不況カルテルならば、これは条件を明示して、この条件の中で許されるということになる。しかも生産者ばかりでなくて、関連事業者や消費者の立場も考えた上で容認される。だから私は勧告操短というのはやはり好ましくないのであって、どうしても必要であれば不況カルテルによるべきじやないか、こう思うのです。しかし不況カルテルを私は奨励しているわけじやないのです。ないのですが、紡績を中心とする繊維カルテルというのですか、紡績カルテル、これにはいろいろ問題があるようですね。大臣も御承知かと思うのですが、日清紡の桜田武氏が政府のあるいは業界で考えておる不況カルテル問題について一つの意見を発表していますね。これは非常に傾聴すべき内容を持っております。私は安易に繊維関係の場合には不況カルテルを認むべきじゃないという立場です。時間がありませんから、問題点だけちょっと申し上げてみたいと思います。あとで検討してもらいたい。 それは新法施行にあたって、繊維局長が局長談話を発表しています。その局長談話にはどういうことを言っておるかというと、「ここにおいて新法への移行に踏み切った以上、もはや従来のような短期の需要調整的操短にあと戻りすることは許されません。業界におかれましては、この新法の趣旨を十分に理解され、この過渡的準備期間を活用され、構造改善を進めるとともに、企業の努力と業界の協調とを来たるべき四年後の事態に十分対処し得るよう用意を怠らぬように望んでやみません。」その前文、後文がありますが、いわゆる繊維新法が昨年十月一日から施行されるにあたって、もう操短というような調整は今後ないのだ、こういうような言明をしておるのです。しかもこの繊維局長の談話は紡績協会を通じて会員全員に周知徹底されたい、こう言っております。その繊維新法の方向からいうと、いま伝えられる繊維の不況カルテルは一律操短を柱としておる。これは業界としては今後一律操短的なやり方はしないのだとついこの間きめたばかりです。繊維新法施行にあたって業界に周知徹底しろと言ったのだから、それが今度綿紡を中心として不況カルテルで一律操短に持っていこうという考え方は、その繊維新法の約束からいって逆行することになる。これがまず第一点です。 それで操短問題ですべてが解決するようなことは、第二の問題として私が言いたいのは、操短問題ではこの問題は解決しない。これは新聞報道によりますと、業界でもほとんど承知しているというのですね。こんな操短したところでこの問題は解決するものじゃないといっておる。なるほど昭和三十三年のときに三〇%の操短をやっております。三十七年では三六%、三分の一以上の操短をしておってもやはり繊維は不況だったのです。だから操短によって不況が解決し得ないだろうということは業界自身が知っておる。それを繊維関係者が、特に綿紡関係者は繊維新法に反対だった、だからこういう機会を理由にして繊維新法の骨抜きをはかろうという考え方があると私は思う。だからそういう意味でこの操短によっては問題は解決しないのじゃないか。 それから一律操短をしますと、これは日清紡で私聞いたのですが、一割操短しただけで労働者が約五百人余るそうです。もう操短をしないということだから、ことしは二千百人ほど新しい従業員を雇ったそうです。その二千百人の者は一人五万円の費用がかかるそうです。中小紡だとすると十万円かかるそうです。もうしないのだということで人を雇った、今度は操短をした、人が要らぬ、一割でも約五百人余る、こういうことになりますと、繊維の産業界で相当な労働者がいわば失業状態になる可能性がある。それから一律操短をするために、なるほど紡績業者はいいかもしれませんが、加工業者は原料高、不景気で、製品は安いということになって、非常な逆境に陥るおそれがある。それから結局一律操短すれば品物は少なくなりますから、消費者自身が高いものを買わざるを得ないというかっこうになる。これは関連事業者、消費者の立場を考えなければ、独禁法二十四条による不況カルテルは認めないたてまえになっていますから、そういう点で問題があるだろう。 第三としては、倒産件数なんかから見ると、実は紡績業者よりも加工関係、関連業種のほうが多いのですね。多いほうをそのままにしておいて、どっちかというと加工業界が犠牲を受けるようなほうをとるということは、やはり問題だろうと思います。したがって、関連業界が、計数的にも出ておるようですが、かえって不利になるということです。 それから不況カルテルの要件に、特定商品の需給の著しい不均衡がなければ不況カルテルを認めないといっている。ところが需給関係の不均衡というのは必ずしもそうではない。資料を出されておるのですが、それはたとえば綿糸にしましても、昭和三十八・九年の年間の比較では、昭和三十九年は三十八年に比較してわずか四%しか増産されていない。それから在庫の推移を見ましても、三十九年七月が六十三万コリの在庫で四十年五月が六十四万コリですから、この五月にとってみましても、約七千コリくらいしか在庫としてはふえていない。それから大阪三品、先物相場、六カ月後の相場ですが、この値段も、若干変動がありますが、それほど変動していない。それからスフにしても、生産は三十九年は前年より三%しかふえていない。在庫もそれほどふえていない。合成繊維は生産は非常に上がったが、在庫自体はそれほどふえていないというようなことから見ますと、不況カルテルの要件である需給の著しい変化というものはそれほどないのじゃないか。問題は他にある。それをこの機会に不況カテテルを結んで、一律操短、昔の旧繊維法のような方向にいこうとする動きがあるというので、そういう点が問題だろうと思うのです。 それからいままで麻は不況カルテルを申請して許可になっている。今度の場合は、繊維新法と全く関係のない独禁法の不況カルテルなんですから。ところが繊維新法のいう第一区分というのを全部ひっくるめて、綿紡も合繊も全部やるというのはどうもおかしいじゃないか。綿紡がどうしても不況カルテルを結ぶのなら、綿紡だけやったらいいじゃないか。そして合繊というのは、これは全体的にじょぶで、国民の要望にも沿うているのだし、こういうものが輸入の綿や毛にかわって合繊というものが伸びるるは日本の経済としちゃこれは好ましい方向だ、その合繊まで入れて規制をするというのはおかしいじゃないかとわれわれは思うわけです。 それから、最近の統計を見ますと、韓国から韓国綿布の輸入が非常にふえておるのですね。日本の綿布の値下がりの原因があるとすれば、韓国綿布の輸入が日本の市況を非常に圧迫しておるのですね。カルテルを結んで値段をつり上げていけば、当然韓国からの輸入品が日本市場を荒らすということになる。こういう意味からいっても好ましいことじゃない。日本の繊維の体質というものを落として、繊維新法でわれわれがきめた方向とまるきり逆の方向に行こうとするから問題だろう、こう思うのです。 それから、旧繊維法の場合には全部凍結したのですね、封印したのです。今度カルテルの場合にはそんなきつい規制はないと思いますが、旧繊維法でも実はやみ紡機というものが横行した。今度も私は押えていけば結局やみ紡機が横行をして、実質的には何ら効果がないという形になるんではないか、こう思うのです。 まあそのほかたくさんの問題が櫻田氏外から出されておりますから、公取もひとつこの繊維の不況カルテルの問題については慎重に取り扱ってもらいたいと思う。ただ不況だからカルテル結べばいいから、それで押えていけばいいからということでは、私は問題だと思う。特にいま不況カルテル花盛りの時代で、不況カルテルをどんどんとあらゆる産業にやっていけば、大臣、結局縮小再生産と同じ方向ですよ。この点をひとつ通産大臣も公取も慎重に考えてもらいたいと思うのですが、いかがでしょう。
○三木国務大臣 日本紡績協会を中心として不況カルテル結成の動きがあるということで、われわれも、まあ綿糸は不況カルテルの要件をやはり備えておる、こういうことで、この結成には側面的に協力したい考えであります。しかし新繊維法によって、そういうことはやらないで、自由競争で大いに国際競争力をつけろということが立法の精神でありますが、しかしそれもやはり企業の経営の基盤というものを健全なものにするということが大前提であるわけでしょうから、現在のように生産費を割るような状態、こういうことで産業の健全な基盤というものを確保するわけにはいかない、不況カルテルの結成も無理からぬことだとは思っていますが、こういうことが短期間に終わらないか、不況カルテルを結成されたとしても長期に及んではいかぬ。またこういうことがほかの産業に、まあいろいろきびしい要件がありますから、そんなに拡大していくとは考えていないのでございます。板川さんの御質問の中にいろいろ具体的な詳細な問題がありますので、繊維局長からその残りは答弁をいたすことにいたします。
○乙竹政府委員 板川先生の御質問に対しまして、数字を若干まず御説明させていただきたいと思います。 いま大臣の話の中に、紡績業界が非常に採算割れをしておるということでございますが、この数字は先ほどもちょっと申し上げましたけれども、大体各社によってコストは違うかと思いますけれども、綿糸四〇番手単糸につきまして一コリあたりコストは七万円ちょっとというふうに、大体各社いわれております。それが紡績業界で不況カルテルの動きが起きましたときの綿糸相場は六万二千円、大体一コリ当たり八千円の赤字ということでございます。現在日本の綿糸の生産額は、一月に二十四、五万コリといわれておるわけでございますが、四〇ほど他の糸は赤字は多くないようでありますけれでも、かりに四〇程度といたしますと、二十五万コリに八千円をかけて二十億の赤字が、現在、ここ数カ月紡績業界で続いておるわけでございます。こういうふうなことでございますので、紡績業界からぜひ不況カルテルをつくりたいという動きが出て、ほとんど大部分の企業はこれに賛意を表し、その結成の準備が行なわれているのではないかと推察いたします。なお現在その手続は、紡績協会を中心にいたしまして応急対策委員会というものを結成し、ここで検討を進めておるわけでございます。応急対策委員会という名をつけておりますのは、これと並行いたしまして恒久対策委員会が、同じく紡績協会の中に置かれておりました。ただいま先生の御指摘の、いわゆる不況カルテルだけでこの綿紡の業界の危機が突破できないではないか、根本的には直らぬではないかという御指摘、また桜田武さんの意見書、私もよく拝見させていただきましたが、全くこのとおりでございまして、要は根本的な綿紡績業界の体質改善を行なう必要があるということで、恒久的な対策委員会を紡績協会の中に設けて業界も勉強しておられます。なお通産省におきましても、その対策について勉強しておる次第でございます。したがいまして不況カルテルは毎月二十億近い赤字が出ておる、この綿糸の相場を何とかある程度戻さぬことには、日本の綿紡績業全部が一、二社を除きまして破滅する、こういうような状態に追い詰められておる、この危機を乗り切るためにやむを得ずとられておるというふうにわれわれは考えます。したがいまして、もし綿糸の相場にして相当程度回復いたすならば、もし不況カルテルが実施されたとしても、この不況カルテルは直ちにやめるべきであるというふうに私たちとしては考える次第でございます。 次に、需給関係においてあまり動いてはいないではないかというお話でございますが、これは確かに先生の御指摘のとおり、数字にあまり大きな変動はございません。これは事実でございます。ただし綿糸の相場は昨年の繊維新法施行以来日に月に下がっておりまして、とうとう百五十二円、先ほどの七万円という一コリの値段をポンドに直しますと百七十五円程度かと存じますが、それが百五十二円程度まで暴落した、こういう状態でございます。不況カルテルを大体紡績協会で決定をいたしましたら、それが数日にして現在十円近く戻しておる、こういう状態でございます。したがいまして、表にあらわれました糸の需給関係には大きな差はございませんけれども、不況カルテルによってもし結成されるならば、価格が相当程度戻るということは事実でございますし、これによりまして大部分の紡績は理性的にものを考え、理性的に体質改善に処するということが可能になるのではないかというふうに考える次第でございます。
○板川委員 本会議の時間となりましたから私はこれ以上時間をとりませんが、鉄鋼、紡績関係、繊維関係、これは国民生活に非常な広範な影響を持つものですね。特に繊維なんか、これは国民全部に影響する。鉄鋼もあらゆる産業の基礎です。こういうものにカルテルが結ばれていくということは消費者の立場からも影響するところが大きい。しかも不況カルテルというのはいろいろ問題がある。われわれしろうとばかりじゃなくて業界の、綿紡関係——この桜田さんというのは、聞くところによると綿紡関係者だそうですね。四十年来の専門家ですね。専門家ですら問題があると、こう言っておるのです。だからその辺はひとつ考えてもらいたい。しかし不況になって全部つぶれていいという議論ではわれわれはない。もしやるにしてもそれは最小限の幅でやるべきであって、綿紡なら綿紡だけやるというなら場合によってはそれはやむを得ない。しかし第一区分にあるからといって全部を道連れにしなくてはいやだなんというのはちょっと筋が通らない、こう思うので、われわれ時間があればその関係者に国会に来てもらって意見を聞きたいと思っておるのですが、この繊維不況カルテルの問題については、国民の生活に非常な影響も持つのですから、公取も通産省もひとつ慎重にやる、万が一やる場合でも最小限にやるような考え方を持つべきではないか。どうも最近は通産省はあげて不況カルテル奨励省ですか、何でも不況カルテルさえ業者の間に持って歩けばいいという調子でおることは私は問題だろうと思うので、そういう点をひとつ厳重に注意してもらいたいということを要望して質問をきょうは終わります。
○内田委員長 次会は来たる八月五日木曜日午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十三分散会