産業公害対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/10/04
会議録
○保科委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 先般、委員を三重県等に派遣いたしましたのでありますが、この際派遣委員からその報告を聴取いたします。小笠公韶君。
○小笠委員 去る九月六日から議長の承認を得て、三重県、大阪府及び兵庫県下における産業公害対策状況等の調査をいたしてまいりました。以下順を追ってその概要を私が代表して御報告申し上げます。 まず、三重県について申し上げます。知事、四日市市長、尾鷲市長からそれぞれ説明を聴取いたしましたが、特に四日市市当局の説明によりますと、四日市市は北伊勢臨海工業地帯の中核都市として、また近年重油専焼火力発電所を含む石油コンビナートを中心とする屈指の石油化学工業都市としてその発展が注目されております。特に大気汚染につきましては、塩浜地区を基盤とした石油コンビナートが本格的な稼働を始めたのは昭和三十五年ごろからでありますが、昭和三十七年ごろからいわゆる四日市ぜんそくと呼ばれるぜんそく様疾患が住民の間から訴えられるようになり、三十八年は新たに午起コンビナートが飛躍的な発展を見せた年でありましたが、当市の公害問題は、これら新工場建設及び既設工場の拡充による地域への公害の集積作用の増大を背景としておりますとともに、都市計画と工場配置計画の総合的推進にも問題があり、地域住民の健康阻害という新しいパターンの産業公害として一躍全国的に注目を受けるようになりました。 本市における大気汚染の特徴としましては、その汚染範囲がいまだ必ずしも全市的な広域汚染にまで発展しておりませんが、その反面、巨大な工場群が四日市港を中心とする臨海部及びその周辺約二百万坪の地域に集中的に立地し、住居地区がそれに接近または混在しておるため、工場地と住宅地との配置関係が良好でないこととも相まって、局地的にはかなり激しい形で公害問題が発生いたしております。北及び北西の卓越風により、冬季においては、磯津地区を除いて、大気汚染の被害は少なく、南及び南東の卓越風により夏季には逆に内陸部に向かって風が吹くため、塩浜地区等のかなり広範囲に影響を受ける形になっております。 主役としてあげられる亜硫酸ガスによる汚染の特徴としましては、平均的な濃度は他の工業都市に比して必ずしも高いとはいえませんが、主要発生源が特定地区に集中しているため、その風下に当たる比較的近距離の地区、たとえば冬季の磯津地区においては、〇・二PPM以上の濃度がかなり多く出現し、最高が一PPMをこえたこともあり、きわめて注目すべき状況にあります。降下ばいじんは年々減少傾向を示しており、他都市に比較して特に多いことはありませんが、発じん源がおおむね市南部の塩浜地区に集中するため、夏季には一カ月一平方キロ当たり十トン以上の汚染が市街地を含む相当広範囲に及んでおるのであります。大気汚染に関連して悪臭問題がありますが、気象の悪条件が重なって市の中心にまでかなり広範囲に悪臭が漂うこともあります。以上のほか、化学工場から排出される微粉じんによる煙霧の醸成が汚染物質の大気中における集積、重合作用を助長せしめていることも認められております。 水質汚濁につきましては、昭和三十四年末ころから地先海域における海水汚濁が顕著となり、いわゆる異臭魚の出現による沿岸漁業の荒廃が目立つようになり、また工場廃油等の海上投棄による海水汚濁の事例も生じ、県と国の段階でこれら異臭魚の原因究明に関する調査が行なわれてきましたが、前者の原因物質が石油系炭化水素であることが確認され、石油系の工場排水等の影響が問題視されております。 これらに対する市当局の対策といたしましては、昭和三十五年宇部市の例にならい、市長の諮問機関として四日市市公害防止対策委員会を設置し、大気汚染状況等の基礎調査を特定機関に委託し、公害問題の実態把握と対策について審議を重ねており、また三十八年から公害現象のひんぱん化に伴い、民心の安定をはかるため県、市協調で公害パトロールを開始し、公害関係地区の常時監視と住民の苦情処理に当たっております。昭和三十九年、四日市地域は、ばい煙規制法に基づく指定地区となりましたが、県と協調して主要発生源に対し積極的な公害防止対策の実施、高濃度大気汚染時における応急的な機動処置等について協力要請を行なっております。公害から市民の健康を守るための防衛策として、特に四十年度からは本市の自主的決断による特別臨時措置として大気汚染関係疾患者の市費負担による医療処置を特定医療機関に委託して行なっており、また教育環境の浄化対策として、大気汚染地区内の四つの小学校に空気清浄化器を導入するとともに、これら小学校児童に公害予防マスクの配付等も三十九年度の措置として行なっており、根本対策としては、当市の公害問題を顕在化している要因である都市計画上の不備について、これを是正するため現在公害対策を織り込んだ土地利用計画策定のための基礎調査を行なっております。 以上のほか、県当局としましては、工場の新立地についてはあらかじめ工場の製造計画を検討し、公害防止設備を完備するよう会社に条件をつけるとともに、地元市町村との間の協定書にも公害防止措置の条項を入れるよう指導しており、現行法規により処理できない公害に対しては、騒音、振動を含めた県公害防止条例を制定すべく目下検討中である等の説明がありました。 さらに関係当局から次のような要望がありました。 まず、三重県及び四日市市から、一、重油中の硫黄成分あるいは燃焼後の硫黄化合物の除去及び各工場廃液中の油分の回収方法等の公害防除技術の早期開発について。二、ばい煙規制法に基づく排出ガスは、個々の工場の排出濃度のみ規制し、排出量の規制措置がなされていないため集合被害が発生し、また悪臭ガスに対しては何らの規制手段も講ぜられていないゆえ、地域の実態に即応した環境基準、悪臭、騒音、振動対策等、当面の諸問題を解決すべく総合的見地に立脚した公害基本法の制定及びこれに伴う現行関係諸法規の統改合について。三、四日市市としては、現に百十五名の患者を公害患者として認定し、緊急公害治療を実施しているが、大気汚染による疾病患者の医療対策に対する国の援助措置について。四、四日市地区公災害の抜本的な解決要素として、公災害対策を織り込んだ総合的土地利用計画策定のための基礎調査等を始めているが、都市改造事業に対する特別立法措置等、必要事項についての強力な国の行財政措置について。 尾鷲市からは、昭和三十七年低開発地域工業開発地区の指定を受け、三十九年より大火力発電所並びに関連石油工場の操業開始に伴い大気汚染、超大型タンカーの出入りによる揚油時の海水汚染等の公害が生じて、これが対策に苦慮している。特に重油タンク群と民家が至近距離にあり、付近住民は、悪臭、騒音、火災による危険感に日夜悩まされている現状なので、市は、これら住民の不安を取り除くべく、根本策として、タンク群と民家との間に公園緑地の計画をしているが、この財政負担は多額にのぼり、市単独では成就できないので、国の援助のもとにこれが計画をいたしたく、公害激甚都市と同様の措置を要望する旨がありました。 さらに、県漁業協同組合連合会からは、異臭魚の分布海域は年々拡大している。水質基準設定後は、水質の監視機構を整備すべきである。工場廃棄物を一元的に収集して所定の海域に投棄する方法を県当局に要望中であるが、国においても積極的に対策を講ぜられたい。水質二法の抜本的改正及び水産資源保護法の積極的活用化をはかるとともに、沿岸漁場の汚染防止をはかるため、強力な水質行政機構を整備されたい旨のお話がありました。 以上の要望のほか、地方公共団体にも公害防止事業団のごときものを設置し得るようにはかられたいとの旨がありました。 説明聴取後、昭和四日市石油四日市製油所、三菱油化四日市工場、中部電力四日市火力発電所、日本合成ゴム四日市工場、鐘淵紡績四日市工場等を訪れ、それぞれの公害防止対策状況等を視察いたしました。その際、企業の設備改善状況としましては、集じん機の設置、自家燃料の改質として燃料ガス洗浄装置、硫黄回収装置の設置、煙突の改良、改築、消音装置の設置、排水処理としてオイルキャッチャーの設置、緊急時の低硫燃料への切りかえ等が見られましたが、特に中部四日市火力発電所における排ガス中からSO2を除去するための二百分の一の乾式法によるモデルプラントによる実験が注目されました。 その他、公害防止事業団による塩浜地区に立地する石油化学、羊毛工場等計十一工場を対象とした汚水共同処理場予定地を視察いたしました。 次に、大阪府について申し上げます。 府側の説明によりますと、大阪は、明治になってから、わが国三大工業地帯の一つの中心として急速に栄え、別名煙の都ともいわれてまいりました。東京とともに既成大都市がかかえる過密弊害の典型として、公害が過年来重要な問題となっております。 大気汚染につきましては、昭和三十九年における降下ばいじん量において、月平均一平方キロ当たり十六トン、特に汚染のはなはだしい大正区では四十三トンを記録し、経年的には降下ばいじん量は漸減、亜硫酸ガス濃度は漸増傾向を示しており、また地理的気象条件からも、これらの汚染物質が滞留し、冬季には顕著なスモッグを形成し、その発生頻度は昭和三十二年以来毎年ほとんど百日をこえている現状であります。昭和三十七年度から、全国に先がけ大気汚染の常時監視体制の確立化を基調としたスモッグ対策実施要綱を定め、緊急時の措置として、スモッグ警報等を発令し、主要汚染源工場には、操短、良質燃料への転換等の要請をとり得る体制を整えております。 水質汚染につきましては、淀川をはじめとする府下の各河川及び大阪港海域等の公共用水域は、工場排水、都市下水、し尿の不衛生処理あるいはじんかいの不法投棄、船舶の廃油等により、年々汚濁の度を強めてきております。ことに上水道源としての淀川の汚濁は、左岸に比べ右岸がはなはだしく、大阪市浄水場の取水点における原水の汚染はゆるがせにできない状態であります。これは、京都市の都市下水及び桂川、宇治川等の影響もあるところから、目下宇治川を主体として、淀川の汚濁状況調査を実施いたしております。 大規模な埋め立て地であり、関西電力堺火力発電所をはじめ、進出企業六十七社のうち三十二社が操業にかかっている堺・泉北臨海工業地帯の公害対策としましては、特に未然防止の見地から、まず造成地の譲渡にあたっては、進出企業との間の売買契約条項に、必要公害防除措置を講ずべきことを解除条件とするほか、公害発生時の解決責任を企業に義務づける一方、基本的対策については、公害審査会に対し、同地における公害にかかわる排出物の規制に関する指導基準の設定と発生源施設についての具体的な公害防除の内容について諮問いたしております。 日常生活に身近な生活妨害となっている騒音、振動等の問題につきましては、大阪市では、昭和三十三年以降、関係行政機関、民間諸団体と協力して、町を静かにする運動を実施しております。 地盤沈下につきましては、大阪市内の地盤構成は、ほとんど全域が淀川、旧大和川の流積土砂ないし沈でん物によって形成されているので、地下水くみ上げによる地盤沈下への影響が強く、昭和三十四年、地盤沈下防止条例を制定し、三十七年、工業用水法の一部を改正する法律等の制定を見、建築用水及び工業用水のくみ上げ規制が強化されており、さらに工業用水道の建設を鋭意進めております。この結果、市内の地盤沈下はある程度鈍化の傾向が見られます。 本府におきましては、産業公害のみならず、自動車の排気ガス、交通騒音など、都市公害を含め、広範かつ複雑多岐な様相を呈しておりますので、総合的な基本対策を早急に確立すべく、昭和三十九年、知事の諮問機関として、大阪府公害対策審議会を設置し、その対策方途を諮問いたしましたが、先般その第一次答申が出され、その意見により、規制基準の強化等、目下現行条例の改正案を検討している等の説明がありました。 大阪府、大阪市及び堺市の三者から、一、現行公害関係諸法律では十分とはいえないので、騒音、振動等並びに都市公害についても早急に法制化し、公害の全般的な防止に関する基本法を整備されたい。二、公害防止技術の開発、調査研究の促進並びに専門技術者の養成等をはかるため、公害に関する総合研究機関を設置されたい。三、地方条例により規制を受ける騒音、振動等の公害防止設備に関しても、法律の対象設備と同様、税制上の優遇措置、中小企業近代化資金助成法による特別融資を講ぜられたい。四、淀川は、水域指定、水質基準の設定を受け、水質二法が適用されているが、適用事業場の業種により所管が異なり、統一的な監視が行なわれがたいので、知事に実施機関としての権限を委譲されたい。なお、大和川等未指定河川についても、早急に水域指定と水質基準の設定をはかられたい。五、大阪府下は特に中小企業工場が多く、騒音、振動、臭気等の公害紛争があとを断たないので、過密化した住居との混在から脱皮して、業種ごとに工場団地化の動きがあるので、公害防止事業団の事業として助成援助の方途を講ぜられたい。また、捕集した粉じん、廃液等の処理用地、施設についても配慮されるよう事業費の大幅な増額をはかられたい。六、下水道終末処理施設、清掃施設の整備は緊急かつ計画的な推進を必要とするので、これらの施設、用地収得について起債ワクの拡大、起債条件の緩和をはかるとともに、現在大阪府で計画中の広域下水道計画を推進するため国庫補助、起債ワクを大幅に拡大されたい。七、大阪空港の拡張整備に伴う騒音対策については、米軍及び自衛隊機の騒音による補償措置に準じた特別立法、補償措置などの対策を講ぜられたい。八、東大阪地域における地盤沈下について早急な防止対策が望まれるので、これらの地域についても工業用水法に基づく規制を行ない得るようはかられたい。等の要望がありました。 説明を聴取した後、堺・泉北臨海工業地帯、関西電力堺火力発電所、大阪ガス北港工場、大阪府立公衆衛生研究所、大阪市柴島浄水場、西淀川清掃工場を視察し、その際、西淀川清掃工場におけるゴミの無臭完全燃焼処理、堺火力発電所の百五十メートルの煙突等が注目されました。 兵庫県下におきましては、伊丹市にある大阪国際空港において、伊丹、川西、豊中など周辺八市で結成した大阪国際空港騒音対策協議会の代表から要望を聞きました後、同空港北側に当たる川西市高芝地区の高芝公民館において、地元民から、昼夜の別なく真上を飛ぶ激しいジェット機の爆音のため、子供は勉強できず、病人は養生もできない。その振動で屋根がわらがくずれ、テレビは乱れるので至急対策を立てられたいとの陳情があり、その後尼崎工場地帯を車上より視察いたしました。 兵庫県及び大阪国際空港騒音対策協議会から、一、大阪国際空港の騒音対策についても、米軍用機及び自衛隊機の騒音による補償措置に準じた特別立法及び補償措置の確立。二、夜間飛行と空港内での夜間エンジン調整の即時禁止。三、テレビ、ラジオの視聴料の減免措置等。また、産業公害等一般公害対策について県当局から、一、公害基本法制定による公害諸法の強化整備。二、環境衛生諸法の整備による公害防止対策の強化。三、公害防止事業団の事業量の拡大。等の要望がありました。 以上、本特別委員会としましては、初めての委員派遣による現地調査でありましたが、急性型の四日市石油コンビナートと慢性型の大阪など、産業公害対策の状況等についてつぶさに調査できましたことは、まことに意義深いものと存じております。特に近年、燃料革命により石油が産業の基幹となっておりますが、使用される石油のうち、中近東の石油については、安価な脱硫装置の早期開発が望まれ、また公害基本法の制定並びに関係諸法律の整備、公害防止事業団の事業費の増額、人体に及ぼす公害についての早急なる対策等が痛感されました。 要望事項につきましては、政府におきましても十分これを取り入れられて、国民生活の向上と産業生産の安定を期せられんことを強く要望をいたしまして、私の報告を終わります。(拍手)
○保科委員長 派遣委員よりの報告聴取は終わりました。 —————————————
○保科委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。和爾俊二郎君。
○和爾委員 ただいま、過般本委員会が三重県、大阪府、兵庫県にわたりまして、詳細な御調査があって、その報告を承りましたが、その中にあらわれておりますように、産業公害特に大気汚染あるいは河川の汚染、騒音、振動、各方面にわたりまして、いろいろな重工業を営む大都市におきまして、この公害は極点に達した観がある。それに対しまして各都市ともそれぞれ特別な調査機関であるとか、研究機関を設けまして、精進をされておることも調査報告の中に出ておりますとおりでありますが、ただ単に、われわれは、その個々の間における調査研究は重要でありまするけれども、国全体として考えてみまするときに、これに対する国の総合的な調査研究が必要ではないかということを痛切に感じるものであります。したがいまして、政府におかれましては、公害対策についての総合的な調査研究機関をこの際設置される御意思があるかどうか、それをまず承りたいと存じます。
○舘林説明員 公害に対しまする調査研究は、わが国において非常におくれておる状況でございまして、これの充実強化に対しましては、各方面からも指摘せられ、政府においても鋭意努力をいたしておるところでございます。 その分野といたしますところは、公害の影響、公害の測定あるいは公害防止の施設の開発というような多方面にわたっておるわけでありまして、現在におきましては、政府各種機関並びに大学学術研究機関等がややばらばらに実施をいたしておる段階であることは御指摘のとおりでございまして、これが総合的な研究機関をつくってはどうかという御意見は、前々からあるわけでございます。先般各種研究機関等に関しまする総合委員会が科学技術庁に設けられまして、その問題についても審議せられたわけでございますが、現段階におきましては、各省庁に所属いたしまする各種研究機関が十分な連携をとりながら、それぞれの特徴を生かして、発展せしめることが適当であろうというような御意見が強かったように聞いておるわけであります。また、そのような報告書も提出せられておるところでございますが、だんだん各種公害が発生いたし、それらの対策、研究等が相錯綜いたしてまいりますと、それらが個々ばらばらではたしていいものであるかどうかということに関しまして、私どもとしても十分考えてまいらなければならないところでございますので、今後とも当委員会等の御意見等も十分拝聴いたしまして、私どもの将来の研究体制を考えてまいりたい、かように思う次第でございます。
○和爾委員 大体各ばらばらの研究機関がある上に、その連絡を密にして総合的な研究機関を設ける御意思があるように承りましたので、私は満足でありますが、なお、その時期の一刻も早からんことをこの際切にお願いを申し上げます。 それからもう一つお伺いしておきたいのは、いま報告の中にもあらわれておりましたように、この産業公害対策としての特別な基本法と申しますか、産業公害対策基本法の制定という要望が、各調査いたしました地域において、それぞれみな異口同音に出ておるようでございます。したがいまして、これに対する政府のお考えはいかがであるか、一応承っておきたいと存じます。
○佐々木説明員 お答えいたします。 御承知のように、公害に対する審議会をつくっておりまして、この審議会で一番おもな審議の内容といたしまして、ただいまお話のございました基本法をつくりまして、各省に分散しております諸問題を整理統合いたしまして、統一的な総合的な施策を進めたいということでせっかく準備中でございます。
○保科委員長 角屋堅次郎君。
○角屋委員 過般の三重、大阪府、兵庫関係の公害の現地調査につきましては、先ほど小笠先生のほうから調査団の報告がなされたわけでございまして、私どもも参加をいたしまして、本公害対策特別委員会が設立されてから初めて大がかりな調査検討をやったということに相なるわけでありますが、現地を回ってまいりまして、新しい課題である公害問題についてずいぶんこれからやらなければならぬ課題が多いことをいまさらのように痛感をさせられたわけでございます。きょうは閉会中の審査でもあり、また明日以降臨時国会も新たに召集される段階で、いずれ関係大臣の出席を得て、今後の基本的な公害対策の問題については、さらに真剣に検討を進めなければならぬ、こういうふうに思うわけでございますが、特に過般の視察を通じて若干の具体的な問題も含めてお考えをあらためて承っておきたいというふうに思います。 その前に、来年度の予算要求との関連の問題でございますが、これは公害防止事業団法の審議の過程でも、計画の腹案あるいは予算的裏づけ、いろんな問題について関係委員から真剣な議論がなされたわけでありますけれども、公害防止事業団の明年度の予算要求といたしましては、大体どういうふうにしておられるか。 さらにまた、この公害関係施設について、たとえば大企業のほうであれば開発銀行の関係、あるいはまた中小企業関係であれば中小企業近代化資金なり、あるいは中小企業金融公庫の融資の問題なり、そういう従来からそれなりの手当ての問題がありまして、期間あるいはまた利率、こういう問題についてはさらに前進を要請されておるわけでありますし、また、税法上の優遇措置等についても、いろいろ関係方面からの要望も出されておるわけでありますが、最終的に予算決定としてどうなるかは別として、現段階において、公害防止事業団の予算の明年度の構想なり、あるいはまた公害施設等に対し従来手当てをしてまいりましたものをさらに一歩前進させたいという腹案なりの問題について、ひとつ具体的にお答えを願いたいと思います。
○舘林説明員 明年度予算要求を計画いたしております公害防止事業団に関する部分は、財政投融資額といたしまして本年度二十億でありますものを百億、それから公害防止事業団に対しまする交付金が、本年度は三千三百八十九万七千円でありますものを一億五千五百二十万円、かように要求をいたす所存でございます。その内訳といたしましては、造成建設事業、事業団みずから施設をつくり、これを企業側に譲渡をするという造成建設事業におきましては、本年度共同公害防止施設が四億五千万円でありますものを、明年度は三十二億九千五百万円、それから共同利用施設の建設、これが本年度は四億五千万円でありますものが十四億二千百五十万円、工場移転用地の造成が本年度は二億五千万円でありますものが四億六千二百五十万円、共同保健福祉施設が本年度五億円でありますものが二十八億二千百万円、貸し付け事業が本年度が三億五千万円でありますものが二十億円、かようになっておりまして、新規事業といたしましては共同公害防止施設が六件、共同利用建設事業が一件、それから共同保健福祉施設が二件、それから貸し付け事業が六件、かように計画いたしております。 さらに内容的に申しますと……。
○角屋委員 こまかいところまでは要らぬです。
○舘林説明員 利率を一律に六分五厘にいたしたい、かように計画をいたしております。
○中川説明員 通産省関係の金融機関からの融資について、ただいまの厚生省のほうからの説明に補足させていただきます。 従来公害防止施設を民間企業がいたします場合の資金の融通につきまして、開銀、中小企業金融公庫を主体にいたしまして、財源的な財投のワクとこれに対する金利についてつとめてまいったわけでございますが、四十一年度に対しましては、開発銀行の四十年度の公害ワク二十億円に対しまして、いまのところ八十億円ということで考えております。これも公害防止事業団の利率に並べるという意味合いにおきまして、現行の七・五%のものを六・五%のもので考えております。 中小企業金融公庫につきましても、四十一年度は十五億円ということで考える、かように考えております。 なお融資の問題につきましては、これらの金融機関からの融資比率が従来の実績で半分以下ということになっておりまして、本来生産的でない施設でございますし、必ずしも自己資金等を持っておるとも申せない現状でございます。他の金融機関からの協調分も求めがたいという点もございますので、融資比率を大企業七〇%、中小企業八〇%ぐらいのところまで高めたい、かように考えて努力をしてみるつもりでおります。 それから先ほどお話のございました防止技術の開発につきましては、通産省全体といたしまして四十一年度にはひとつ画期的な努力をしてみたいとただいま考えておるわけでございます。 工業技術院傘下の各種試験研究機関、これは水、大気、騒音、自動車の排気ガス等を含めまして、あらゆる試験所が関係していると言ってよろしい状況でございますので、これを四十年度の一億六千六百万円から二億六千七百万円に上げるとともに、先ほどの報告にございました大気汚染関係の脱硫技術につきまして、思い切った研究開発を進めたいと考えておりまして、四億五千万円を新規に要求することにいたしまして、民間研究機関と一緒になりまして、大型プロジェクトといういま工業技術院が考えております構想のうちの非常に重要な部分と考えまして、火力発電所の排ガスの硫黄除去の研究開発を進めたいと考えております。 あとこまかいところはずいぶんございますけれども、いままでのお話に出ましたうちで気づきました重要な点を補足させていただきました。
○角屋委員 いまそれぞれ明年度の予算要求の若干の点についてお伺いをしたわけですけれども、これは今後さらに臨時国会の過程を通じて具体的に議論がなされていくだろうと思うので、きょうはこの程度にいたしたいと思いますが、ただ公害関係の問題は、行政機構全般の問題の中で、例の臨時行政調査会の答申以来、政府といたしましても行政改革本部で具体的にこの答申を受けてどうするかという検討のいわば最終の段階に近づいておるわけでありますが、やはり公害の問題については、政府部内の機構といたしましても、あるいは総合研究所等の要請ともからんで、いわゆる試験研究機関の総合性という問題をどういうふうにするのか、こういうことで、先ほど和爾先生のお尋ねの、基本的に各地で要望されておる公害基本法の早期制定という問題を大前提にいたしまして、政府の行政機構の問題をどう前進させたらいいのか、あるいは特に開発を強く要請されておる試験研究部門の問題についても、これからの総合的な試験研究機関の創設という前提に立って、既設の試験研究機関の脈絡一貫の連携をどうするか、あるいはさらに一歩前進をして総合研究機関まで明年度以降前進をさせるのかどうか、こういうことについては、そうゆっくりした検討でなしに、早期に進められなければならぬ。ことに本格的に公害問題に取り組む、これは既設の土地に対する公害対策ばかりでなしに、これからの新産都市その他の問題についての事前の十分な体制整備をするという意味からも非常に重要なことだと思いますので、この際両政務次官がおいでになっておりますし、また具体的な問題については事務当局からでもけっこうでありますけれども、先ほど和爾先生にお答えになりましたが、公害基本法の問題については明年の通常国会を目途に鋭意成案を急ぐという方針であるのかどうか、並びに国の行政機関あるいは試験研究機関という問題についても、総理府が中心になって公害問題のいろいろな総合調整をやられる、あるいはまた、いま試験研究の問題については科学技術庁を中心にいろいろ検討される、こういうお話もございましたけれども、それらの問題については行政機構改革本部の検討と並行して現時点においてどういうふうになっておるのか。こういう点について、詳細でなくてけっこうでありますけれども、お答えを願いたいと思います。
○佐々木説明員 基本法の制定問題に関しましては、先ほど御説明したとおりでございますが、その一環といたしまして、お話のございました行政機構をどう整備あるいは統合するかという問題と、それからもう一つ重要な、これに関する試験研究機関の配置あるいは統合の問題をどうするかという二つの問題の御質問でございますが、厚生省といたしましては、とりあえずは公害部のようなものをつくりまして、この問題の責任の所在を明確にし、同時に、行政の範囲も広めまして事態に対処したいという計画でただいま進めております。国全般の問題といたしましては、お話のございましたように各省に分散しておりますので、行政管理庁との検討等の結果と相まちまして、お話のございましたような、最もむだなく、しかも高度にこの問題を早期に進め得るような行政体制に進みたいということでただいま検討中でございます。また、試験研究機関の問題は、お話のございましたとおり、ただいまの段階では科学技術庁が中心で進めておるのでございますが、それぞれ各通産省、厚生省等にもこれに関連いたしました研究機関がございますので、そこら辺の持ち前、分野というものをそれぞれ配置いたしまして、問題によっては重点的に、あるいは問題によっては未知の分野もございますので、将来の問題も考えまして、いまから準備を進めるという態勢でやっていきたい、こういうふうに考えております。
○進藤説明員 公害対策につきましては、非常に重要な問題であるだけに、通産省といたしましても非常に関心を持っておりまして、一日も早くそうした基本法の制定というようなことも考えておりますが、何しろ各方面との意見もまだきまっておりませず、また内閣にも公害対策推進連絡会議というものもありますので、そういうところとも連絡いたしまして、なるべく早くそういう方向に前向きに進みたいと考えておる次第でございます。
○角屋委員 公害対策の前進のためには、従来からそういう試みをされたことがあるかどうかわかりませんけれども、関係の県、あるいは市町村、あるいはそれぞれの地方自治体の直接担当の責任者、こういうようなところに参集を願って、既設の公害の問題についても、これは各地域における態様がありますし、また新しい新産都市を計画するような地域についても、やはりそういう従来のところの経験を生かして今後の公害対策に万全を期するということも必要なことでありまして、そういう点では各政府機関の機構あるいは試験研究機関必ずしも統一的に動いているとは言えませんが、現段階では、やはりそういう担当を通じて総合的に公害対策の前進をはかる、こういう配慮も必要ではないか。よく一日内閣ということで政府自身がやられたり、あるいは特定の官庁がやられることもございますけれども、公害の問題は、関係地域としては非常に深刻かつ真剣な問題でありますし、これは将来ともに新しい課題として問題を持っておるわけでありますから、そういうことをいつやるかは別として、そういう配慮もしながら国、地方自治体あるいは関係者というものが一体になって早期に公害対策の打開をしていくという熱意が必要なのだろうと私は思う。そういう点についても十分配慮をして今後推進をされるように望んでおきたいと思います。 それから来年度にかけての法の問題としては、単に重要である公害対策基本法の早期制定の問題ばかりでなしに、当面の問題としては、ばい煙規制法の問題にしろ、あるいは水質二法の問題にしろ、あるいはまたその他公害に関係する関係法律案の問題にしろ、明年度にかけてこれらの問題の根本的な検討あるいは所要の法改正というものもやはり真剣に関係省としては検討されておるのではないか、こういうふうに判断をいたすわけでありますが、これらばい煙規制法の問題にしろ、あるいは水質二法の問題にしろ、あるいは公害に関連して新たな法制定というふうな腹案があるならば、それぞれ関係の省の事務当局から御説明を願いたい、こう思います。
○舘林説明員 端的に申しますと、わが国の公害対策はややおくればせに、最近になりましてようやく政府といたしましても力を入れはじめた観があるわけであります。したがいまして、法体系も必ずしも今日完備せられておるという段階ではございません。今日ある法律そのものが必ずしも完璧でございませんばかりでなく、なお今後ともに法規制を必要とする、新しい法対象となるべき部分が相当あるわけでありまして、これらをどのように整理し、それらの中心となる法律としてしばしば問題となっております公害基本法というようなものをつくるということが、当面私どもに課せられた課題であるということをよく考え、それに対する準備といいますか、努力をいま続けておるところでございまして、一番の基本的なことは、公害に対しまして、この段階においては国の基本的な姿勢を明らかにするということが最も必要かと考えておるわけでありまして、その意味合いでも、先ほど来問題となっております公害基本法の制定が急がれるわけでございます。それに基づきましてさらに関連する諸法が生まれることもありましょうし、また、既存の法律の改正、改善ということも必要になってくるかと思うわけでございますが、法的な規制をさらに明確にし、それを急ぐということに対しましては、私ども従来ともやっておりますが、今後とも大いに努力して、早急な解決をいたしてまいりたい、かように努力をいたしております。
○角屋委員 事務当局の説明がそういう抽象的なものでは実は非常に困るのです。たとえば、ばい煙規制法についてはすでに指定をしたところ、あるいはこれから指定をしようとするところ、こういう実施過程においていろいろな問題が提起をされておる、現実にそれらの問題も要請に即応してこういう点は特に是正をしていきたいというふうなことでいま鋭意検討中である、あるいは水質二法の問題につきましても、現実に現地の視察を通じていろいろ問題が提起をされてきておるわけでありますが、それらの問題についても、やはり実際の実施過程に生じてきておる問題、それをすなおに受けとめなければならぬ問題については、やはり法改正を通じてさらに前進させるということをやらなければならぬのであって、これは大臣、政務次官であれば、そういう抽象的、一般的なことでもこちらは了承するのですけれども、しかし、事務当局としては、それらの問題について、もっと具体的な問題として真剣に取っ組んでいくという姿勢が必要だろうと思う。先ほどの公害に関係する地方自治体とか担当の責任者等の会合を通じてという気持を私が持ちましたのも、そういうことを通じて、公害問題は、いわゆる政府あるいは地方自治体あるいは地域、こういうものが一体になってこの打開をやるのだという姿勢が必要だ。その場合に、所要の改正を要するものについては的確にそれらのものを拒否せずにやっていく、こういう心がまえが必要だと思うのです。こまかい問題についてさらに触れようとは思いませんけれども、そういうことでさらに前進をさしてもらわなければならぬ。具体的に三県をずっと視察しても、提起される問題がいろいろございます。水質二法の問題でも、ばい煙規制法の問題でもございますし、さらにまた、地方自治体の県あるいは関係市町村ということになりますと、地方自治体ですでに制定をしておる公害防止条例というものが、県と関係省との間でいろいろ意見の相違があったり、あるいは国が政令その他で規定をしておる問題と関連があったりというふうなことで、具体的には地域でいろいろ問題が出ておるわけであります。それらの問題については、第一線の諸君が困った、困ったという状態で放置しておくことはできないのであって、しかもそれは、国できめておるところのものと、これは過般の公害防止事業国法案の審議の過程で、わが党の細谷君が公害防止条例等の問題については相当きめこまかく議論したことは御承知のとおりであります。これは一例でありますが、そういう問題等を通じて、公害の問題については、もっとやはり具体的にきめこまかい前進をさしていくということでなければならぬと思います。私の出身の三重県の四日市等の公害の問題を考えても、公害の問題は非常に深刻であると同時に、何回か視察に来るけれども、結局視察だけに終わって、具体的な一歩前進の姿というものはなかなか出てこないじゃないかというのが第一線の気持ちであって、すぐ目のさめるようにすべてのものが前進をしていけば一番けっこうでありますけれども、そういうことがなかなか至難の場合でも、一つ一つ問題を前進さしていくという心がまえがやはり責任者として必要ではないかと思うのです。時間の関係もありますし、後ほど堀委員のほうから具体的な問題を含めて御質問がございますので、私は、以下数点についてお伺いして質問を終わりたいと思います。 過般三重、大阪、兵庫を視察した中で、いろいろ具体的にも問題が出てきている。たとえば大阪に参りまして、堺の例の大規模な埋立地における工場の新設というようなところを見てみるというと、産業立地計画として、あの埋立地をほとんどフルに工場に使うということがはたして今後の公害対策として妥当であるのかどうか。相当な緑地帯の設定であるとか、いろいろなことも配慮しながら、背後に控えておる住宅地、一般の市民の生活している地域との関連において、やはり生産第一主義の立場でなくて、非常に大きな比重をもって公害対策を配慮した産業立地のプランというものがなければならぬじゃないか。もちろん、国土計画その他を通じて検討しているということを言うけれども、現地に行ってみると、生産第一主義の弊害というものが今後はたして公害問題として出ないのだろうかという不安を払拭することはできない。それらの問題。あるいは後ほど堀委員からも出ると思いますけれども、非常に真剣な議論の問題として淀川の汚水の問題。結局下流で取る飲料水が年々汚濁の度を深め、今後このような状態で推移するならば、大阪や兵庫の人たちの飲む水は一体どうなるか。場合によっては琵琶湖から直結で水を取らなければとても飲料水を確保できないではないかというような事態に追い込まれているような感がいたします。また、四日市の場合でいえば、もういまの既設工業地帯だけで工場地域と住宅地との混在、あるいは住宅地がその中にはさまるという状態の中で、なおかつ山の手のほうにはさらにコンビナートの工場の要請というものが強く経営のほうから出てくる。そういう問題を一体野放しにしていっていいのか、あるいはもっと公害を重要な比重において配慮しながら、それらの問題についてこれ以上はもう認めないというところまでの規制が具体的にできるのかどうかというようなことが提示されているわけです。そういうふうになってくると、法の問題その他具体的な現地に対するいろいろ適切な指導の問題についても、何となくまだそこにギャップが存在するのではないか。内閣全体としても、あるいは関係省全体としても、公害というものは新たな社会的課題として大きくクローズアップし、これを中心にこれからの問題を考えなければならぬという熱意の点についても、まだまだ不十分なのではないかという感じが率直に言ってするわけです。これらの問題についての今後の考え方についても、この機会にお伺いをしておきたいと思います。
○佐々木説明員 第一点の都市計画と申しますか、工業立地に対する法的規制の問題でございますが、これはお話のようにまことに重要な問題でございまして、既成の、できたところをどうするかという問題、これからまた立ったりするところに対してどういう配慮を払うかという問題に分かれると思いますが、後者の問題に対しましては、先ほど来お話ございましたように、各県ともそれぞれ新しく新産都市等でこれから築き上げようとするところは、いち早く公害に対する責任を持ってただいま進めておるわけでございますので、そういう点、公共事業体とも十分連絡をとりまして、問題の解決をはかりたいというふうにするのが一番よかろうと思います。 それから、いままでありました、事態の発生しました都市に対して、それではどういう処置をとるかと申しますと、これはなかなかむずかしい問題で、むしろいま発生している公害の原因、脱硫装置をどうするとか、あるいは騒音でありますと、騒音防止に対してどういう科学的な技術的な措置をとれば、これを防止できるかといったような点を進めてまいりますと、少なくとも被害というものは相当程度緩和できるのではなかろうかと考えられますので、そういう点をかね合わしながら、すぐ疎開とか、あるいは緑地地帯をどうするかというふうに、既存の、できた都市に対して強制的にこれを配置がえをするということは、実は権利義務等の問題がありまして、なかなかむずかしいのじゃなかろうかと思います。しかし、放置しておける問題ではございませんので、そういう点もあわせまして、今後の基本法あるいは一般法、個別法でそういう問題の解決をはかっていきたいというふうに考えております。 それからいままでありましたばい煙、あるいは大気汚染、水質等の問題は、御承知のように、法律もできまして、この法律の不備な点がありますれば、現にあるわけでございますが、極力これを是正するにはもちろんやぶさかでございません。同時にまた、まだ未着手である騒音防止の点とか、あるいは自動車の排気ガスの問題とか、いろいろ次から次へと問題が発生しているものですから、こういう問題に対して技術的にあるいは科学的に、どういうふうな体制が一番よろしいか、そういう問題がある程度はっきりしてまいりますと、それに対する、使用者に対する強制措置と申しますか、義務と申しますか、そういう点も付加できるわけでございますが、まだまだ科学的にも未開拓の問題でございまして、いろいろ研究を進める最中でございますから、そういう点の進捗状況ともにらみ合わせて、新しい問題にとっ組んでいくというふうな考えが順序としてよろしいのじゃなかろうかというふうに考えております。
○角屋委員 四日市で提起された問題の一つに、海岸における塩浜を中心にした第一コンビナート、あるいは午越地区の第二コンビナート、あるいは背後地にも若干工場が伸びておりまするけれども、そういう関係で、地域によっては気象の関係で夏季と冬季では、先ほど小笠先生の御報告にもありましたように、風の向きが違い、被害の度合いが違いますけれども、しかし、いずれにしても、地域によっては非常にやはり公害問題が深刻になっておる。公害患者も、すでに市として特別に市費をもって、百十数名の者を厳格な審査によってきめて、そして公費でもってめんどうを見る、こういうふうなこともやらざるを得ない。あるいは関係の学校の生徒に対しては、先ほどの御報告のように、公害の防止のためのマスクも配付しなければならぬ。あるいは教室、講堂等に対する空気浄化装置も設置しなければならぬというふうな深刻な問題もあって、それらと関連をして、今日県や四日市市のほうでは、地域によっては、都市改造計画というものをやらざるを得ないというところまで追い込まれてきておる。また、現地視察の際、尾鷲市長からも遮断緑地設定による若干の住宅移転の要望もありました。しかし、考えてまいりますというと、工場側は昭和三十四、五年ごろから、特に三十八年ごろから公害問題が非常に深刻になってまいりましたが、これはあとのお客さんであって、前々からおった先客である地域住民のほうが公害の影響を受けて他に移転をしなければならぬというのは、ある意味では本末転倒の問題であります。しかし、そういう事態にまできておるこの問題はそのままに放置できない。しかも、かりに都市改造計画ということで、第一線で計画しておるようなものを受け入れていくというふうにする場合には、数百億からの経費を必要とすることになるだろう。そうなると、今日の地方自治体、県や市の財政ということでは、もちろん十分な処理ができないのであって、当然公害の発生源である企業者責任というものも十分やはり考えに入れた中で、必要な場所では都市改造計画を考えなければならぬということに相なろうと思うのであります。その場合に、いまの四日市で提起されておる都市改造計画というのは、もちろん関係者の理解と協力なくしては強行すべき性格のものではございません。かりにそういう協力が得られたとして、推進する場合に、問題になるのは費用のアロヶーションをどうするのか、一体国あるいは地方自治体あるいは企業者というふうなもののアロヶーションをどうするのか。これはいわゆる移転をしていく被害者のほうに費用を負担させるというようなことは、これは絶対に避けなければならぬという大前提に立つわけでありますが、そうなりますと、現行の法規の関係の中では、いわゆる建設省の区画整理あるいは公園の新設というふうな場合には、補助率の関係で、区画整理では三分の二ということが考えられるけれども、公園でいくならばこれが三分の一に低下する。やはり相当な緑地地帯も配慮をしていかなければならぬという場合に、現行の実施しておるような、従来の公害を念頭に置かない形のものでは、この種問題に対しては適用が適切にいかない、こういう問題にもぶつかってまいるわけでありまして、したがって、やはり公害は何も通産と厚生だけの問題ではなしに、特にこの種の問題を考えてまいりますと、建設省というのが非常に大きなウェートを占めてくる。さらにまた被害者という立場に立てば、農林省の水産関係というものも重要な比重を占めますが、いまの都市改造問題ということになると、実施の推進過程においては、従来の法律よってそのまま適用したのでは現実に計画の推進ができない。したがって、特別立法の制定ということまで含めて検討しなければならぬ。これはゆうちょうな問題でなしに、明年度以降の実施の問題にからんで具体的にどうするかということに相なるわけでありまして、これらの問題の第一線との折衝なり、あるいは本省としてどういうふうにこれを受けとめてやるかというふうなことについて、この機会にお考えのほどを承りたい。もちろんまだ検討過程であって、はっきりこういうような形でやるというところまでぴしゃりいっておるかどうかということには問題があろうと思いますけれども、今日の時点でこれらの問題についての腹案というものについてお伺いをいたしたい。これは直接は建設省の関係になりますから、そこからお話を願えればけっこうだと思います。
○竹内説明員 直接の御質問にお答えする前に、建設省のほうにおきます都市計画の問題について若干申し上げたいと思います。 四日市の都市計画は、御承知のように昭和十年前後に基本的に立てられまして、その後、戦争前でございますが、あそこに海軍燃料廠が参りましたときに、あそこで二百万坪の土地区画整理をやる、そういうことで若干変更がございました。その後、昭和三十五、六年ごろになりまして、石油化学産業の立地ということが出てまいりましたので、その段階におきまして、その都市計画をどういうふうにすればいいかということにつきまして、地元とも相談いたしまして基本計画を練っていたわけであります。ただ当時といたしましては、たとえば塩浜地区について申し上げますと、現在のように化学工業の密度が高まるということが、予想がある程度むずかしかったこと、それから、その背後地の山手のほうは、一応われわれのほうといたしましては、内陸部は軽工業の地域——従来から軽工業がございます。そういうふうに考えておりましたが、そういうような軽工業地区というものと、それから化学工業地区というものを控えました中間の住宅地につきましても、先ほど申し上げましたように、化学工業の密度が予測できなかった関係もございまして、工業をある程度押えるという基本方針のもとに工業地域の設定はいたしておりましたけれども、予想以上に化学工業の密度が高まってきたということがありまして、現在内陸部の工業地帯と塩浜地区の工業地帯にはさまれた住宅地区が非常に公害に悩むという現象が出てきたわけであります。これにつきましては、現在四日市市並びに三重県と相談をいたしまして、都市計画の用途地域の変更につきまして検討中でございます。一応事務的な結論は今年一ぱいくらいに出ると思いますが、さらにそれを検討いたしまして、用途地域の再編成ということをやらなければいけないと思っております。 それからただいま御質問のございました住宅をどうするか、既存の工業地域にはさまれた住宅をどうするかという問題でございますが、基本的には、住宅地域を、特別工業地域と申しますか、要するにその間に人間が夜住むということが一番危険でございますので、住宅を建てさせない地域というようなものを設定いたしまして、たとえば公害の発生しない工場でございますとか、あるいは倉庫でございますとか、そういうものが建つ分には——もちろん全部か緑地になれば一番望ましいわけでございますが、緑地にするには、先ほどお話がございましたように、非常に多額の経費もかかりますので、一応は特別工業地域というような地域を設定いたしまして、住宅は建てさせない。それから工場とか倉庫とかいうもので、特に公害を発生するような工場は建てさせないというような地域を設定するのがいいではないかというふうに私考えております。しかしながら、そういう地域を設定いたしましても、既存の建物については手を触れることはできませんので、既存の住宅をどうするかという問題がございます。これにつきましては、基本的には、やはりただいま御意見ございましたように、何か特別の事業を考えまして、どうしても公共団体のほうで負担できなければ、ある程度国のほうから助成なり融資なりをするという制度が必要かと思われますけれども、現在のところ、そういう制度がございませんので、ただいま予算要求といたしましては、都市改造事業という事業がございます。区画整理をやる事業でございますが、道路とか広場という公共施設を生み出すために区画整理をやります場合には、道路、広場の分につきましては、全部公共で持つという事業がございます。それが先ほどお話がありました三分の二の国庫補助になっております。そういう都市改造事業によりまして広場をとるということによって空地をあける。それから一部都市改造事業に入らないところもございますので、その分につきましては、防災緑地ということで公園緑地化していくということで空地をとっていく。その中間に企業が持っております土地がございます。それにつきましては企業の負担であけていただく。大体塩浜地区の遮断緑地と申しますか、遮断空地と申しますか、遮断空地を要すべき地区につきましては、そういう考え方でただいま予算要求をいたしております。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、基本的には全部緑地にするということは、なかなか財政負担も要しますので、何らかの意味で住宅などは建てないという地域制限を受けながら既存の住宅を撤去するための事業というものを新しくつくる必要があるのではないかと思いますので、用途地区の再検討と同時に、そういうような事業につきまして、現在四日市を中心に検討いたしておりますが、それが出てまいりました暁におきましては、われわれとしても検討する、こういうふうに考えております。
○角屋委員 いま都市局長からお話がございましたが、過般発表された建設白書の中でも——これは一般的な白書として出されたのでありますが、われわれが諸外国を見てもそう思うのでありますけれども、日本の東京とか大阪とかいうふうな、いわゆる都市の緑の比率と、それから諸外国の大きな都市における緑の比率というものは格段の相違がある。日本の場合は数%程度であるし、諸外国の場合には二割をこえるというところが多い。現に行ってみると、やはり緑と美しい空気、そういう環境の中で市民が生活する、こういう条件を最大限に確保する努力というものが現実になされておる。いま都市改造計画というものは、もちろん関係者の理解と協力なくして強行することはできませんが、かりにこういうものを進める場合は、その住宅地等にかわって工場の倉庫その他が一ぱい詰まっちゃったということではいけないし、やはりそういう点では、経費の問題ももちろん念頭に一つありましょうけれども、できるだけ遮断緑地帯、緑というものを最大限に確保する。そういうことを通じて公害の発生源によるところの被害というものを最小限度に防止をしていくという配慮が今後の実施過程において真剣に考えられなければならぬではないかということを強く思うわけですし、また、これらの問題の推進にあたっては、やはり企業側の責任分担ということも十分念頭におきながら、第一線に対して過重な負担がいかない、特に場合によっては立ちのかざるを得ない人々に対しては、やはりそれらに対する補償措置というものを十分に明確にして実施することが必要ではないか、こういうふうに思うのでありまして、今後さらに第一線と十分御検討を願いたいと思います。 それから、これも四日市で出た問題でありますが、先ほどもちょっと質問の過程で触れましたけれども、いわゆる四日市における四日市ぜんそくといわれるものが、塩浜を中心にした磯津を含めた地域において相当深刻に発生してきておる。そうして市といたしましては、医師の協力を得て審議会をつくりながら、一つの基準に基づいて百十数名の者に対して、公費によってめんどうを見るというところまで今日やらざるを得ないところへきておるわけでありますが、これらの問題については、すでに四日市公害ということについて、しばしば厚生、通産あたりでも現地調査等もやっておるわけでありますが、その中で、厚生省関係では、特にこれらの問題については、国で直接この問題にタッチをして、地方財政で負担をしておる分について国が積極的に援助をする、こういう方途について強い要請が出てまいっておるわけでございます。公害はそれぞれの地域によっていろいろ態様を異にしますけれども、四日市の場合には、具体的な厚生省に対する要望の中で、こういう公害患者というものに対する国の積極的な援助ということを強く要請をしておるわけでありますが、これらの問題について、今後厚生省としても第一線の調査等も勘案をして、どういうように対処されようとしておるのか、現在の腹案についてお伺いをしたいと思います。
○舘林説明員 公害患者の特に治療部門に対しまする国の分担を、前々から地元四日市市から要望がありまして、現段階におきましては、お話のように公害患者の治療費は四日市市が負担をして処置いたしております。これに対して国も援助をするように強い要望があるわけであります。国として公害患者の治療費を持つか持たないかという問題は、この患者の治療費にとどまらず、患者の発見その他の調査費、あるいは公害に対するその他の空気の状況、河川の状況等の調査費、その他全般的に国がどの分野をどの程度負担をし、また地方自治体あるいは発生源たる企業側がどの程度持つかという基本問題にもからむ問題でございまして、私どもといたしましては、国も当然応分の負担をしてしかるべきと思っておりますが、従来の基本方針としましては、まず公害の第一の責任者は企業であります。企業ができるだけ持ち、またそれに対しまして地方公共団体もできるだけの努力をいたし、足らざるところを国が補うという方針で進めたいと思っておるわけでございまして、現在のところ、治療費に対して国がどの程度負担するかということが明確になっておりませんが、なお今後十分地元の意見も考えて検討してまいりたい、かように思っております。
○角屋委員 公害の非常にひどい地区の一つに磯津というところがありますが、ここでいわゆる年寄りあるいは子供、こういう人たちの公害が非常に極端なときに、公民館のような施設に空気浄化装置をやって、そこへ避難をさせようというふうな構想等もあるわけでありますが、そういう場合に、やはりこの施設に対する助成等の問題は、従来の既成の法律からいくと、なかなか公害なるがゆえにというふうなひっかかりが少ない。それらを考えてくると、やはりそういう問題に対する新しい——これは厚生といわず、通産といわず、建設といわず、公害を配慮した助成なり何なりという問題についての新しい分野というものがひとつ明確にされなければならない。これは台風等の自然災害とは若干趣を異にいたしますけれども、御承知の台風等の被害による場合には、公共施設等に対して、あるいは場合によっては農林水産業等に対しての共同利用施設その他に対して、立法措置をもって、特別に被害の激甚の度合いに応じて助成をする。こういうことをやるわけですけれども、やはり、若干それらに似た配慮でもって、公害に伴ういろいろな諸施設、社会施設というふうなものについては、これは学校の講堂、教室等の空気浄化装置を含めてでございましょうけれども、場合によるというと、騒音防止のための防音装置までやらなければならぬ。そういうことまで含めてでございましょうが、これは受け身の問題でありますけれども、そういうこと等について、今後十分前向きにやろうという方針であるのかどうか。これらの点についてもあわせお答え願いたいと思います。
○舘林説明員 ただいまお答え申し上げました患者の治療費にとどまらず、公害防止に対して地元がしなければならない分野は非常に多いわけでございまして、これらに対しまして、国としても応分の努力をしてまいることは当然でございまして、私どもとしても前向きに国として援助し、公害問題の解決をはかってまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○角屋委員 気象庁にちょっとお伺いいたしますが、四日市に気象の測候所をつくるということで、現地の要請に即応して建設をされる段取りで進んでおるわけでありますが、これは四日市という公害の関係地域だけに、従来のような気象の観測のあり方というだけでは、これは現地の要請に十分こたえられないのであって、上空の気象あるいは特にひどいところにおけるところの地域を中心にした公害対策としての気象調査というものも含めてやっていかなければならぬということになりますと、従来気象庁が実施をしてまいりましたような気象業務法というものでは律しられない新しい分野というものが生まれてくる。今度運営をされようという気象の測候所については、そういうことも十分念頭に置いてすべり出すということであるのか、やはり従来と同じような気象業務法に基づいて運営をしようというのであるか。第一線の強い要請としては、これは四日市ばかりではありません。その他の地域においても、特に公害の相当問題のある地域においては、気象の問題というのは一つの重要なファクターでありまするから、公害に十分関連をして現地に即応した運営というのが十分配慮されなければならぬと思う。四日市の測候所について、そういう点については十分配慮して運営されるという予定であるのかどうか、そこをお伺いしておきたいと思います。
○小田部説明員 ただいまの御質問でございますが、明年度気象庁といたしまして目下大気汚染気象業務に必要な経費として要求しております。四日市の問題は、現在気象庁に対しましては、ばい煙の排出の規制等に関する法律第二十一条によりまして、大気汚染の防止に関して協力が要請されておるわけでございます。大気汚染の発生、消長は下層大気、特に逆転層の状態、風などの気象条件に左右されるものでございますので、同法の施行規則に定められております情報提供のために大気下層の気象状態の局地特性を詳細に調べまして所要の観測業務を実施していきたい、かように考えておるわけでございます。大体そういう方向で考えております。したがいまして、場所といたしましては、目下考えておりますのは四日市の三重火力発電所の煙突、これは百二十メートルでございますが、そこに大気観測をいたします測器を設置いたしまして、そういう測器を使いまして四日市の測候所のほうに遠隔記録していく、かように考えております。
○角屋委員 いまの御説明だけでは必ずしも十分理解できませんが、四日市のようなこういう公害地域、これは他の地域でも同様でありましょうけれども、気象の問題というのは非常に密接不離の関係にありますので、現地の要請と十分結びつけてそれぞれの関係地域の運営をやるようにさらに努力を願いたいと思います。 それから、時間の関係もありますので最後に一点だけにとどめておきたいと思いますが、水質汚濁の問題で、先ほど小笠先生の御報告で読まれた問題の一つに地先における海水汚濁の問題もありますが、同時に、四日市のコンビナートの廃油の海上投棄の問題にからんでの地先以外のところの海水汚濁の問題が従来からございます。地域の名前を申し上げても皆さまにぴんと参りませんけれども、伊勢湾あるいは志摩にかけまして雇い船で廃油を海上投棄する。これはもう一定の境界線から外に棄てなければならぬわけでありますけれども、従来から、しけがあったり霧が深かったりすると内海へそれを捨てるということで、私の郷里あたりでも、去年二十日ばかりくさい魚で操業停止をしたり、あるいはまたもう少し沖合いに行ったところでは、海底がコールタールみたいになって、魚族がその後生息といいますか、発生が悪くなるというふうないろいろな地先以外の海水の汚濁問題が出ておりまして、そういう関係から、明年公害防止事業団の事業計画に、海上投棄船というものを一億円以上の予算でもって建設をしたいというふうな要請等も出て、公の責任においてこれらの問題を処理をして、伊勢湾やあるいは外湾あたりで従来から紛争まで巻き起こっておるそれらの問題を解消していきたいということ等も出ておるわけでありますが、これらの問題も含めて、明年度以降の公害防止事業団では十分推進をされるというお気持ちであるかどうかということについてお伺いをしておきたい。
○舘林説明員 四日市の廃油があの付近の海面をよごし、伊勢湾をよごし、漁業に著しい影響を与えておることは御指摘のとおりでございまして、これに対しまして、廃油を集めて処理をいたし、処理をしてもなおかつ分解できないものは海へ投棄をする。それは非常に遠い湾外へ投棄をする。このようなことのために船をつくるというようなことに関しましては、私どもも承知をいたしております。これらの油を集め、処理し、それを遠海へ投棄をする船をつくるというようなことに関しまして、事業団の事業対象にしてほしいという希望もあるわけでございまして、私どもとしても十分対象として考え得るものと目下考えておりまして、将来検討してまいりたい、かように思っております。
○角屋委員 たいへん時間をとりまして恐縮でございましたが、とりあえず本日はこの程度にとどめます。
○保科委員長 堀君。
○堀委員 この間委員長と御一緒に調査をいたしました中で、私非常に基本的な問題があると思います。それは四日市の視察に際して、三重県知事及び四日市の市長等からいろいろと国に対する要請がありまして、私どもも現在公害が発生しておる問題については、国としても十分な配慮を行なわなければならぬというふうに考えますけれども、片面でそういう要請がありながら、依然として海岸地の埋め立てがさらに行なわれているというような事実があるわけでございます。これでは、海岸を埋め立てたら、そのあとには必ず公害をもたらす産業が来るというのが現在の実情でございます。埋め立て地に主として参ります工業は、大体火力発電所、鉄鋼業、石油精製、こういうものが主として海岸地帯に来るわけでありまして、さっきも話がちょっと出ておりましたが、軽工業のようなものは海岸線には不向きでありますから、やはり少し奥地に入らなければならぬ。そうすると、今後の問題というのは、まず公害と海岸埋め立てという問題が実は不可分な問題として出てくるわけであります。ところが、現在の公有水面の埋め立ての問題というものは、所管が建設省と運輸省に分かれておると思いますけれども、大体の部分は県知事に権限が委譲されておるようでありますから、知事の認可に基づいてそこにどんどん埋め立てをする。埋め立てをする目的は何かといえば、地方財源を獲得するための一つの手段だ、こうなっておりますから、根本的には地方財政に対するあり方の問題という、国の政策の問題、税制その他の問題、行政配分の問題等にさかのぼらなければなりませんけれども、しかし、当面起きておる問題としては、やはりもうちょっと政府のほうで総合的にその地域の分析をして、そこの公有水面の埋め立てなどをするときに実は判断をしておかなければ、公有水面が埋め立てられて土地ができれば、当然そういうものが出てきて、それは必ず公害をもたらす。こういうふうなことになるわけですから、埋め立てて工場が来てから公害対策を考えるなどということは、私は国の費用の使用の方法からしてもきわめて拙劣な方法だ、こう考えるわけです。 そこで、私どもはそういう公害に対する総合的な問題というのは非常に重要だと思うのですが、この点、先ほど内閣に公害対策推進連絡会議ですか、そういうようなものも設けられておるというようなことでありますけれども、この公有水面埋め立てと公害との関係というものについての政府としての何か統一的な見解、これは気象条件も十分に判断し、その背後地における住宅の状態、いろいろな問題を十分配慮してでなければ、みだりに公有水面の埋め立ては認めないということにならないと、実は問題はなかなか解決しないのではないか、私はこういう感じがするわけでありますけれども、ちょっといまの問題は、単に厚生省、通産省の問題ではないし、建設省、運輸省を含めて非常に総合的な対策が必要だと思うのですが、当面おいでになる方のどなたからか、ひとつそういう連絡会議等において、この問題を少し真剣に取り上げていただかないと、できたあとから公害対策では、これは金をつぎ込んでもなかなか解決しないと思うのですが、その点をひとつ最初にお答えを願いたいと思うのです。
○福井説明員 堀先生御指摘のとおり、運輸省の私一人買って出てのお答えは出過ぎのような気がいたしますので、御注意のように各省ともこのことは重要な問題でございますから、他の政務次官の諸公も出ておられますことであり、よく御趣旨にかなうような方向に持っていくような相談をしたいと思いますから、御了承を願いたいと思います。
○堀委員 ぜひいまの連絡会議ですか、そういうところの一つの議題にしていただいて、そうして高い段階からこの問題を総合的に、厚生省は厚生省の立場として、通産は通産の立場として、建設省は将来的にはいまの四日市のような都市改良までしなければならぬようなことにならぬような措置を考慮すべきでありますし、運輸省についても、当然港湾等の関係もあることでありますから、ひとつ各省寄って総合的に今後の公有水面埋め立てに対する対策、公害防止を前提とした対策という問題をひとつ早急に協議をして、政府としての統一見解を適当な機会に明らかにしていただきたいということを前段として要望いたします。 次に、実はこの間調査に参りました大阪国際空港に関する問題の中で、ちょっと一つ新たな問題が出ておりますので、少し論議をさしていただきたいと思います。 実は、いまあの阪神間におきましては、大阪国際空港というのは、あの周辺の都市を含めて誘致あるいは国際空港への昇格といいますか、いろいろと努力をした結果でありますけれども、今日ではメリットもありますけれども、デメリットが非常にいろいろな形で出てきておる。その一つの面として、第二期の飛行場の拡張工事に関連をして、この間は実は燃料タンクの問題を当委員会で論議をいたしました。その次に問題がいま一つ出てまいっておりますのは、この第二期拡張工事のためのたんぼを埋め立てる土砂の運搬の問題が出てまいったわけです。実は宝塚市というのがちょうどあの北西のほうにございますけれども、この宝塚市は、うしろ側はずっと山地を控えておりますものですから、この山地を取りくずして土砂を運搬するということが、いま阪神間の土地造成に非常に便利なものですから、非常にあの地域で大々的に行なわれておりまして、現在あの宝塚という新しい住宅地帯の中を、一日に平均二千五百台以上のダンプカーが通過をしておるわけであります。一日に二千五百台といいますと、大体一分間に四、五台は通るという状態になるわけであります。そこで、この町が大体第一としては住宅地帯である、第二としては必ずしも道路が十分にそういう大型ダンプが通るようにつくられておらないというところへ、ずいぶんダンプが通るわけであります。第一期の大阪空港の拡張工事の際は、九万立方メートルの土砂の運搬をこの宝塚から行ないまして、都合延べ二万二千台の自動車が市内を通過をしたということになったわけであります。そこで、宝塚市としては、第二期の拡張工事に際しては、また宝塚市でやられては、現状でもきつい、いま二千五百台もの車が通っておるのに、これ以上あの地域を通られるのはたまらぬというので、市長が八月の十四日に航空局の監理部長のところに参りまして、ともかくも非常にこれは問題が多いので、何とか第二期の拡張工事については宝塚からの土砂の搬出については考慮をしてもらいたいという要望をいたしておるようであります。そのときに監理部長は、何とか第二期工事の土砂運搬は宝塚でないような措置をしたい、もし宝塚からの土砂運搬をするような場合には、地方自治体と十分協議をさしていただきましよう、こういう話であったというふうに聞いておるわけです。ところが、その後何ら運輸省のほうから御連絡のないままに、伝えられるところによると、二期工事についても宝塚からの土砂運搬があるようだということで、そこで、さらに第三港湾建設局のほうに伺って調べて見ましたところが、第二期工事についても約二万立方メートルの土砂を宝塚の月見山から搬出をする、こういうことがすでに入札その他できまっておる。十月の中旬からはこれが開始をされるだろう、こういうことになっておるという話でございます。大体今度の第二期工事でも、九万立方メートルほどの土砂が運搬をされる予定で、周辺の川西、池田、豊中等からも搬出をされる予定だそうでありますが、その中の二万立米についてはいまの宝塚の月見山から搬出をするという予定だそうであります。そこで、この間の燃料タンクの問題にしてもそうでありますけれども、最近どうもいまの航空局のやっておられるいろいろ一連の作業が、地元の自治体との間に十分の意思の疎通をした上で行なわれていないうらみがあるような気がしてなりません。やはり周辺地帯とすれば、そういうものについては日ごろから非常な危険感を持っている。御承知のように、ダンプカーがたくさん通りますことによる公害としては、まず振動、騒音、排気ガス、これだけでも相当なものでありますが、その上に交通事故によるところの危険というものが非常に重なっておるわけであります。そこで、監理部長が、一応事前にはそういう協議をして、それからやりましょう、もしそういう場合でも協議をしようということであったにもかかわらず、何らの協議がされないで一方的にそういう措置がとられておるということは、これは運輸省内部としての連絡が不十分なのか、初めからもうそういう既定方針であったのを適当に答弁をしたのか。きょうは監理部長は何か所用があっておいでになっておられないようでありますからなにでありますが、そこらを含めて一体どういうことなのであろうか、今後いまの問題については検討の余地があるのかどうか、その点をちょっと最初に伺っておきたいと思います。
○梶原説明員 昨年度から大阪国際空港の整備計画が本格的な段階に入りまして土木工事を始めておるわけでございます。昨年度も同様の問題が起こりまして、地元からの強い要望もございましたし、国会でも御質疑をいただいたわけでございます。私どもは工事施行者に対しまして、できるだけ地元に御迷惑のかからないように指導をいたしたわけでございますが、あるいは御迷惑が完全になくなるというようなことはできなかったかと存じます。 本年度でございますが、御存じのように運輸省設置法の一部が改正されまして、今年の五月から各港湾建設局において空港土木を施行するように相なったわけでございます。大阪国際空港につきましては、御指摘のありましたように第三港湾建設局において工事を施行することに相なっております。そこで私どもといたしましては、地元の御要望もございますし、国会での御質疑をいただいております点を十分に考慮いたしまして、第三港湾建設局に対しまして、土砂の運搬に当たりましては十分に配慮をするように注意を与えておるわけでございます。先ほども監理部長の言としてお聞かせいただきましたわけでございますが、そのように現地の第三港湾建設局に対しましては注意を与えておりますけれども、なお不十分な点があったかと思います。この点につきましてはおわびをしなければならないと存じます。 ただ、私どもといたしましては、第三港湾建設局におきまして入札をいたします場合に、工事施行業者に若干の点につきまして厳重な注意を与えております。それを申し上げますと、まず第一点といたしまして、積載量あるいはスピードの点におきまして交通法規を厳重に守ること。それから第二点といたしまして、もし土砂がこぼれます場合にはできるだけ早く回収ないしは清掃するようにということ。第三点といたしまして、ほこりとか砂じんを防ぐようにできるだけ水をまく。それから第四点といたしまして、要所要所に監視指導員を配置する。第五点といたしまして、付近住民に支障を特に及ぼすような路線を走ることを避けまして、あまり迷惑のかからないような道路を通行するようにということを指示しておるわけでございます。もしこれを守らない業者がありました場合には、下請業者の変更を命ずるという措置をとっておるわけでございます。私ども事務的にはそういう手段を講じまして遺憾のないように、できるだけ地元のほうに御迷惑のかからないように措置をいたしておるわけでございますが、ただ遺憾なことは、地元とよく協議の上やらなかった、その点、念が足らなかったという点は御指摘のところだと思います。警察等とは緊密に連絡をとりまして、その点遺憾のないようにしておるつもりでございましたが、肝心の宝塚市の当事者に対しましては、そういう連絡をしなかった点は事実でございまして、今後、御注意のありましたのにかんがみまして、十分に御連絡をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○堀委員 実はいまの問題、現状としてどこどこの土を運んではならぬというわけには私はいかないと思います。問題は、やはり地域の住民がそういうことで非常に迷惑をこうむるわけですから、いかにしてそういう迷惑を最低限度にするか。ですから、さっきのお話の中の交通法規を守るなんということはあたりまえのことで、守らなければおかしいわけですが、やはり一番重要なのは、そういう第三港湾建設局が、入札するときには、やはり市の当局とよく話をして、山によってはどうしてもその狭い道路を通らなければならないような山があるわけですから、その場合には地域とよく話をしていれば、同じ搬出するについても、比較的迷惑をかけないで通れる道の周辺でとる方法もあろうと思う。単に警察とだけ話をしたくらいでやられておるところに、地域との間に問題が出てくるのではないか、私はこういうふうに思うわけでありまして、いまからでもおそくないわけでありますから、運輸政務次官のほうから第三港湾建設局に、地元の市と具体的な交渉に入って、市の側の要望を最大限に取り入れるような方向でひとつ善処をさしてもらいたい。路線の問題一つについても、やはりおそらく市の側としてはいろいろの希望もあることでありましょうしいたしますから、その点については、いまの契約事項の中に路線についての問題も入っておりますから、具体的にそういう地域の立場を最大限配慮したかっこうで——入札がすでに行なわれておるわけですから、それをいまさら取り消すこともできないかもしれませんが、そういう配慮をして、できるだけそういう地域住民に迷惑のかからないような処置をひとつ考えていただきたい、こう思いますが、政務次官いかがでございましょうか。
○福井説明員 非常に御親切な御注意を賜わりまして感謝にたえません。いま担当者からおわび申し上げましたとおり、やはり現地に対する、御指摘のような手落ちがあったようでございますから、直ちに御注意の面々について責任を持って連絡、御要望に沿うように処置いたしたいと思います。
○堀委員 そこで警察庁にお伺いいたします。 いまのは、ただ単なる宝塚市と国際空港の関係についての論議をしたわけですが、実はいま私どもの阪神間、おそらく全国でもさようだと思いますが、都市ではいろいろな土地造成その他が非常に活発に行なわれておりますから、ダンプカーの問題というのは日本全国で、かなりそれが密集して通るところは頭の痛い問題だと思います。私どもも自分で車を運転しておりますから常に感じることでありますが、ダンプカーというやつはまるでタンクに乗っているような感覚で、向こうはともかくぶつけたって何ともないんだ、ですからあれが来れば、何しろわれわれは昔の大名行列が来たような気持ちで、片すみにしばらくとまってその通過を待つ。ところが、一台や二台来ればいいのですが、たいていダンプが走り出すと陸続として走ってきて、全くその道路はダンプの専有にまかせられたような感じになる。道幅が広ければ私どももそう意に介しないわけでありますが、かなり狭い道で、ともかく二台の通行が精一ばいくらいの道路というのは、日本にはまだ非常に多いわけです。その道路をあのダンプがもう傍若無人に相当なスピードでどんどん走ってくるということは、私はこれは交通の問題からしても非常に問題があるのではないかと思う。そこで、現行法でもある程度の措置ができるのかもわかりませんが、ひとつダンプの通行については、道幅がある程度の広さがあるということを制限条項にしてもらいたいと思います。そうすれば、いまの宝塚の問題なども、幅員がダンプが精一ぱいにしか通れないところをいまどんどん通っておるわけですから、そういうところは通れないんだということになるし、その裏山をさわることはなくなってしまうわけです。搬出方法がなければだれもその裏山を取りくずさないわけですから。私は、いま、一つの具体的な例として宝塚市の例をあげたわけですけれども、おそらく各都市でこのダンプカーについての問題というのは非常に頭を悩ましておるのではないか、こう思うのですが、現行法ではどの程度の措置ができるのか、その点からちょっとお伺いしておきます。
○広山説明員 このダンプの問題でございますが、かねがねいろいろな方々からそういう御注意をよく受けておるわけであります。たしかにおっしゃるとおり、非常に大きな、またがんじょうな車でございますので、走り方を安全にやっていただかないと、非常にまわりに迷惑を与える。そこで、現在私どものやっておりますのは、御存じのとおり規制ということでやっておるわけでございます。これの基本的な考え方は、やはり交通を安全にやるということと、それから円滑にやろう、こういうことの調和でやろうというわけでございまして、ダンプ等につきましては、そういう御意見もいろいろございますので、第一は、やはりそういった個々の道路につきまして、そこを通るダンプその他につきまして協力を求めるといいますか、もっと紳士的な運転をやってもらいたい、こういうことで協力、自主規制といいますか、こういう点をお願いしているわけであります。 第二の考え方でございますが、やはりそういう実情によりまして、先生のおっしゃいましたような道路も確かにあるわけでございます。そういう場合に、ほかに迂回して行けないものであろうか、先ほどお答えもあったようでございますけれども、ほかに別の広い道路があれば、そのほうを通ってもらいたい。このようなことから——また、どうしてもそういった細い、狭い道を通らざるを得ない場合には、あくまでスピードを守っていただく、場合によれば制限速度が、たとえば一般の車は四十になっている、あるいは五十になっておっても、そういった車はもっとスピードをダウンしていただく、これらは規制でございます。それから四つ角等においては、子供その他の飛び出しがございますから、一時停止を守ってもらいたい。それを一つ規制として実施しまして、これは守らなければ当然罰則が適用になる。このような措置を現在考えているわけでございます。
○堀委員 それは、いまその程度では実はあまり有効になっていないのです。ダンプというのは、大体普通の車よりはよく走るんですね。それはいろいろ問題があるのでしょう。何回か行くということで、ノルマのようなものがあったりいろいろするために、あれは普通のトラックよりはみな常に非常に早く走ります。運転はおおむね粗暴な運転が多くて、私どももどうも身の危険を非常に感ずる場合がしばしばあるわけですが、警察庁のほうでこれは何とかもう少し厳格に今後の——ダンプだけを限るわけではありませんけれども、しかし大型トラックといいますか、重量何トン以上のトラックでもいいでしょうが、何らかの規制によって——大阪でも、東京でも、昼間はトラックの通れないところがかなりありますね、都会のまん中のところに。広い道路で、車が錯綜しているから通れないという通りもあるのに、いまのような地方都市では、まことに狭くて、危険この上もない道路をどんどん通っているわけですが、ひとつそういう点も含めて、私も一ぺん宝塚の現地を調査してみたいと思いますが、警察庁のほうから現行法規精一ばいでいまの宝塚市における問題を規制するとどうなるのか、ひとつ兵庫県のほうにも連絡していただいて、そうして現行法ではどれだけ、現行法としてなおかつ私どもとして非常に危険だという感じがあるならば、これはやはり新たな法制的な処置を考えていただかないと、広い道を通るのはいいのですが、狭い道を、いまのお話のようになかなかいっていないというのが実情のようですから、その点について特に、具体的にはいま宝塚市の問題、しかし一般論としてダンプの狭い道路の通行に関する制限の問題というものを真剣に取り上げていただきたい。このように思いますので、その点をひとつ要望いたしておきます。 本日はだいぶ時間もたちましたので、まだ論議したい問題もありますが、自余はひとつ臨時国会における当委員会でやらしていただくことにしまして、本日の質問はこれで終わります。
○保科委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会