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49回国会衆議院1965/09/22

災害対策特別委員会 第6号

発言数
223
登壇者
20
会派数
3
開催日
1965/09/22

会議録

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、台風第二十四号等による災害対策に関する件につきまして調査を進めてまいりたいと存じます。  まず、台風第二十四号及び第二十五号による被害状況につきまして、非常災害対策本部及び関係当局から説明を聴取いたしたいと存じます。昭和四十年台風第二十四号等非常災害対策本部長瀬戸山国務大臣。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 今次の二十四号あるいは二十五号、その間における豪雨等によりまして、ほとんど全国にまたがる災害を受けました。二十三号から引き続きまして連続的な台風あるいは豪雨でありましたので、相当ばく大な損害をこうむるようになった。その詳細は事務局のほうから御報告を申し上げますが、人的被害、特に農作物の被害がばく大なものにのぼっておるわけであります。  そういうことから、政府におきましては、二十四号台風の襲来がやや確実になりました十七日、災害対策基本法に基づきまして非常災害対策本部を設置いたしまして、この災害対策に対する体制を整えて、万般の調査並びにその対策を推進しておるわけであります。  例年のことでありますけれども、特に今年はちょうど秋の収穫期等を控えておりまして農作物その他に大被害をこうむりましたことは、国金体といたしましても大きな損害であります。  なお、被災された多くの方々に対しては全くお気の毒に感じているわけであります。私どもといたしましても、この災害のすみやかなる復旧並びに農作物の、農業の、先ほど来いろいろ御陳情がありましたような問題について、全力をあげて適切な措置をとりたい、こういうことでありますので、どうか本委員会においても積極的な御協力をお願い申し上げたいと思っております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 総理府総務副長官細田吉藏君。

細田吉藏自由民主党総理府総務副長官

○細田説明員 ただいま瀬戸山非常災害対策本部長から一般的な御報告がございましたので、私やや具体的に御説明を申し上げたいと存じます。  お手元に「昭和四十年台風二十四号等による被害状況と政府のとった措置の概要」という資料を差し上げてございます。これを全部申し上げると時間がかかりますので、ざっと申し上げたいと思いますが、一般被害、死者八十九名、行くえ不明二十九名を出しておりまして、非常に大きな人的被害をもたらしました。また、建物被害といたしましては、全壊四百七棟、半壊が六百六十一、さらに床上浸水が三万九千、床下浸水に至りましては二十一万八千というばく大な数字になっておるわけでございます。  特に耕地の被害が著しいものがございまして、お手元にございますように、冠水面積は七万二千五百六十九ヘクタールに及んでおります。また、流埋没は千五百三十六ヘクタールでございます。  道路、橋梁等につきましては、お手元にございますように、道路損壊が二千五百五十一カ所、橋梁の流失六百十八、その他、山、がけくずれが二千四百三十八、こういったような大きなものがございますが、これらにつきましては、お手元の資料は二十日現在でまとめたものでございまして、詳細な調査をいたしますればこれらはさらに増加するものと考えられておるわけでございます。  罹災者数は、二十日現在で、世帯にいたしまして四万一千世帯以上、また、罹災者数は十七万一千人に及んでいるのでございます。  金額といたしましては、三ページにございますが、公共土木、公立学校施設等、この資料のとおりでございます。  今回の台風並びに秋雨前線のもたらしました雨によりまして、二十三号とあわせまして非常に特徴的に申し上げられますことは、全国ほとんどの都道府県にわたっておることでございます。ほんの四、五県、ほとんど被害がなかったというところがございますけれども、非常に広範な範囲にまたがって災害が起こっておるということは、在来の台風に見られないような、一つの大きな今回の二十三ないし二十五号台風の特徴であろうかと考えておるわけでございます。  さらに、今回の災害のいま一つの大きな特徴と申しましょうか、もちろん、公共土木施設をはじめといたしまして、いわゆる公共被害も非常に出ておりまするけれども、台風の大きさ、全体の被害の中で占めております割合から考えまして、いわゆる個人災害と申しましょうか、農作物の災害が圧倒的に大きい。さらに、中小企業の方々のこうむられた被害、また住宅の被害、こういった被害が非常に大きいというところが、今回の災害の非常に大きな特徴ではないかと思っております。もちろん、こう申しましても、公共土木災害も相当大きな数字であることについては間違いございませんが、どちらかというと、比較的にはそういう形を呈しておると考えておるわけでございます。  災害対策本部としましては、取り急ぎ兵庫県と福井、岐阜県に調査団を出すことになりまして、私、団長といたしまして、昨日、一昨日と兵庫県一円を調査、またお見舞いに参らせていただきました。また、昨日から本日にかけまして、後藤農林政務次官を団長といたします調査団も現地に派遣をいたしておりまして、本日は福井県のほうに参っておるはずでございます。  なお、各般の対策につきましては、逐次各省からいろいろ御説明があろうかと存ずるのでございますが、瀬戸山本部長から本部に対しまして特に御指示をいただいておりまして、大体この線でいま本部といたしましてのいろいろな仕事を進めております。  これは十三項目ございますが、第一は、災害の実態の早急把握。第二番目が交通、通信、電灯の復旧、確保につとめること。第三番目が食糧、衣料の補給。四番目は医薬等、衛生措置の問題。第五番目が、災害の原因について徹底的に究明すること。六番目といたしまして、災害復旧には、災害の根本原因の排除を眼目とすること。七番目に、応急措置を急ぐとともに、緊急を要する部分の復旧をすみやかにすること。八番目が、緊急融資を実施すること。九番目に、地方交付税の繰り上げ実施。十番目に、国税、地方税の減免をすみやかに決定する。十一番目が、中小企業、農業の資金融通をすみやかにするとともに、旧債の償還延期等の措置をとること。先ほど来陳情にもございましたが、特に個人災害といったような形を非常に強く呈しておりますので、この問題は非常に大きな問題であろうかと思います。十二番目が、激甚地指定、天災融資の措置をすみやかに決定すること。この点につきましては、先ほど来の陳情にもございましたし、後刻あるいは御質問もあろうかと思いますが、私どものほうといたしましては、本部といたしまして、二十三号から二十五号並びに二十四号、これに伴う秋雨前線のもたらしました豪雨、これらを一括いたしまして激甚法の適用を考慮いたしておるところでございます。各項目別につきましては、先ほども申し上げましたように、いまだ被害を集計中でございまして、こういった点で若干おくれておるようなわけでございますが、できるだけ早く本部長の御指示のような激甚法の問題、天災融資法の特例の問題、こういうものを決定いたしたいと考えておる次第でございます。さらに最後に、予約米代金の措置について、こういう御指示をいただきまして、この本部長の指示を中心といたしまして私ども各般の対策を進めてまいっておるような次第でございます。  なお詳細いろいろ申し上げればたくさんございますけれども、これらにつきましては、関係各省からの御説明なり、あるいは御質問にお答えをする形で申させていただきたい、かように考えておる次第でございます。  いずれにいたしましても、政府といたしましては、法律に基づく本部を設置いたしまして、今回の災害に最大限度の努力をいたす覚悟でいろいろやっておるわけでございます。この上とも委員会の諸先生方の御指導をお願い申し上げる次第でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 次に、農林省官房長。

大口駿一農林事務官(大臣官房長)

○大口説明員 農林省の官房長でございます。  農林関係の被害の概要、これは全体の被害の概要ということでお手元に刷りものがすでに配られておるわけでございますが、特に農林関係をかいつまんで私から御報告いたしますとともに、今日現在までにとりあえず応急的にとりました措置の概要について御報告をいたしたいと思います。  今回の台風の被害は、ほぼ全国各県にわたっておるわけでありますが、農林水産関係の被害の状況といたしましては、昨日まで各都道府県に電話連絡等によって応急の報告を取り寄せましたのをかりに取りまとめた数字でございますが、施設関係といたしまして約二百五十五億、農作物等農林水産物そのものに対する被害額といたしまして八百二十億、合計約一千七十五億円というものが一応取りまとめの数字になっておるのでございます。  被害のおもなものといたしましては、施設関係では、農地、農業用施設等が約百十億円、漁港、治山施設等の公共土木関係では約二十五億円、農業倉庫、有線放送施設等共同利用施設関係で約四億円、開拓者の住宅等が約二億円、ビニールハウス、農畜舎等非共同利用施設が約三十一億という内訳になっておるのでございます。  また、農林水産物関係といたしましては、水陸稲の被害が約四百七十九億円でございまして、主として倒伏、冠水、浸水あるいは受精障害、登熟障害等によるものでございます。また、果樹につきましては約百五十億円の被害が報告されておりまして、これは主として収穫期にありますリンゴ、ナシ等の落果による被害であると思われるのでございます。また、野菜関係につきましては、冠水、浸水等によりまして約九十一億円の被害ということが報告をされておるのでございます。  これらの災害の罹災地につきましては、いち早く応急対策といたしまして、最初に、最も被害を甚大に受けたと思われる福井県及び岐阜県には、直ちに災害のその日に農林省の担当官を派遣いたしまして現地調査に当たらせておりますほか、おおむね次のような応急的な対策を講じておるのでございます。農林省といたしましては、これらの対策は、農林省内に設けております災害対策本部を通じてやっておるわけでございます。  まず、被災地における応急食糧の手当てといたしましては、今日まで精米、乾パン等政府手持ちの食糧を応急的に配給をいたしましたほか、各都道府県庁の御手配によりまして、生パンの配給等も被害地には講ぜられておるわけでございます。  それから、災害の根本的な対策が講ぜられるまでの間のつなぎ融資といたしましては、農林省から各系統金融機関に対して、そのめんどうを見るような指示が発せられておるのでございます。  また、被害を受けました農業者に対する農業共済の早期支払い並びに政府の再保険金の概算払い等の措置につきましては、すでに各災害ごとにこれらの措置を講じておるわけでございますが、今回の災害につきましても、特に迅速にそのような措置がとられるように、すでに指示をいたしております。  また、天災融資法の発動その他につきましては、被害の詳細の調査を待った上で発動することになるわけでございますが、目下鋭意その被害の調査につとめておる段階でございます。  それから、すでに貸し付けられておりますもろもろの金融措置の返済期限が来ております農業者に対して、この際、被害があった場合においての返済期限を延期する問題につきましては、それぞれ実情に応じまして措置を講ずるように、これも金融機関に指導をいたしております。  また、農地、農業用施設の災害復旧に関する査定につきましては、すみやかにこの査定をするように、関係官並びに現地の出先機関等を督励いたしておるわけでございます。  次に、被害地におきます等外上の玄米並びに規格外玄米の買い入れの問題でございますが、等外上の玄米を事前売り渡し申し込みの中に入れて買い入れる措置につきましては、すでに告示を出しまして措置をいたしておるわけでございますが、規格外玄米につきましても、ごく近日中に告示をいたしまして、場合によってはそのようなものも買い入れ対象に包含できるような措置を講ずる予定でございます。  以上が、大体今回の災害における被害のごく速報的な取りまとめと、緊急的にとりました措置の概要でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 次に、建設省古賀河川局長。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 台風第二十四号及び第二十五号による被害状況について御説明いたします。お手元にこういう長手の刷りものがあると思いますが、これをごらんくださるようにお願いいたします。  第一ページでは気象概況を書いてありますが、これは省略させていただきます。  特に、二十三号台風で被害を受けた個所が、十三日から十六日の集中豪雨並びに二十四号台風の豪雨によりまして再び災害を受けたというような状況でありまして、被害としては一連の関係を有しているというような状況であります。  その次に、降雨量の表が書いてあります。これは二ページでありますが、特に、ごらんになっていただけるように、岐阜県の東杉原というところで千百二十一ミリという雨量を示しております。それから福井県の西谷村が千三十七ミリ、かような有史以来の雨量を発生いたしております。  その次は、直轄河川の出水状況を書いてありますが、特に三ページの下から三分の一くらいのところにあります雲出川、それから豊川、その次のページの淀川、淀川のうちの宇治川、それから九頭竜川、紀の川、そういったところにつきましては、計画を上回った出水を見ております。全体で、直轄河川につきましては約五十六河川が災害を受けております。  六ページの表に被害状況が書いてあります。これは二十一日で集計いたしましたので、若干その後訂正がありますが、ごらんになりますとおり、直轄災害といたしまして五十一億二千九百万、補助災害といたしまして二百七十三億八千八百万、合計三百二十五億というような公共土木施設災害を生じております。なお、その後追加の災害の報告がありまして、ただいままで手元に入りました報告によりますと、直轄関係の被害といたしまして五十四億九千六百七十万、それから補助災害といたしまして三百六十億七千七百万、合計四百十五億七千三百万というような被害を生じております。  これは参考のためにその表の下のところに書いてありますが、現在まで建設省の関係の公共土木施設災害の累計といたしまして一千六十億というような災害を生じておりまして、先ほどの追加の分を加えますと、一千百五十一億という大きな数字になっております。  その次、七ページから十ページまで、直轄河川の被害額を書いてありますが、特に大きいのは、木曽川の揖斐川とか、あるいは安倍川、大井川、それから鬼怒川、そういった河川について被害を生じております。それから、淀川、紀の川、吉野川という河川が被害額が多うございます。いずれもこの災害は、堤防の破堤ということじゃございませんで、堤防ののりくずれ、あるいは護岸の決壊という種類の災害であります。  十一ページに海岸の被害状況、それから直轄ダムの被害状況が書いてあります。直轄ダムの被害状況は、主として湛水池の上端における流入のところの河川の被害、あるいは下流部における護岸の被害、そういったものであります。  十二ページに直轄砂防の被害状況が書いてあります。これはただいままだ未調査のものも相当ありまして、相当ふえる見込みでございます。  その次の十三ページには、直轄道路の被害状況が書いてあります。合計六十カ所、二億五千一百万という被害を生じております。  それからその次の十四ページから十五、十六、十七ベージにわたりまして、各県別の被害額をしるしてあります。これは大きな個所だけ申し上げますと、新潟県が二十四億三千五百万となっておりますが、これは千三百八十二カ所の四十九億五千三百万程度に追加報告がなっております。それから岐阜県が、お手元の資料では十八億となっておりますが、七百三十五カ所の二十億二千七百万の災害が生じております。それから三重県におきまして、お手元の資料では二十億となっておりますが、二十七億四千七百万程度の被害を生じております。特に福井県におきましては、御承知のとおりの災害でございまして、お手元の資料の五十四億五千二百万円が、二千四百四十四カ所、七十一億三千九百万という数字を報告してきております。その他大きいところで申し上げますと、兵庫県が、お手元の資料の二十三億一千二百万が、二十七億一千百万という数字の報告を受けております。  大体以上のようなところが、おもな県別の被害額でございます。  それから都市施設の被害をその次の表に書いてあります。  それから十九ページに住宅の被害状況がございます。これは警察庁で調べたものでございますが、特に、ごらんになりますとおり、福井県、兵庫県、滋賀県、そういった個所につきまして相当大きな被害を生じております。  それからその次の表は、道路の交通状況と復旧見込みをしるした表でございます。二十ページでございます。ただいままで直轄道路の指定区間内におきましては交通を確保してあります。ここに掲げてありますのは、主として国道の指定区間外の被害と、それから復旧見込みを書いてあります。中には、橋の流失によりまして相当長期にわたるものもございます。交通不能個所は合計で二十四カ所になっております。  ただいま御報告申し上げたような被害状況でございますが、それに対しまして、建設省としましてただいままでとりました措置と対策を御報告いたします。  被害状況の情報収集並びに公共土木施設、都市施設、住宅に関する復旧対策の促進及びその指導を行うために、建設大臣を本部長とする台風第二十三号、第二十四号及び第二十五号災害復旧対策本部を建設省に十七日に設置いたしました。  それから直轄災害につきましては、ただいままで、緊急を要する個所につきまして約七千二百万の緊急復旧費を過年度災害復旧費をもって充当しまして復旧に従事中でございます。  それから道路につきましては、とりあえず応急工事を行ない、一車線以上の交通を確保するように指導いたしております。本復旧につきましては、現地の準備の完了を待ってすみやかに調査を行ないまして、予備費の支出をはかるようにしたいと思っております。  それから補助災害につきましては、特に被害の激甚な福井県、岐阜県、兵庫県、奈良県、滋賀県、三重県、新潟県、長野県、山梨県及び京都府については、状況調査並びに応急復旧工法の指導に当たらせるために、直ちに災害査定官を現地に派遣しました。なお、現地の準備の完了を待ちまして早急に査定を実施するようにいたしたいと思っております。  住宅災害につきましては、住宅金融公庫の融資並びに災害公営住宅の建設につきましてすみやかに措置をするようにしたいと思っております。  以上、簡単でございますが御報告申し上げます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 説明は終わりました。     —————————————

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ただいま報告のありました台風二十三号及び二十四号、五号等の被害に対しまして、総括的に政府の基本方針についてお伺いをいたしたいと思います。  このたびの災害は、襲いました台風の名称といいますか、それはなるほど二十号あるいは十七号、二十三号、二十四号、五号というように区切りはついておりますけれども、しかし本年度のこの災害は一連の同一災害と見て差しつかえない、区別をすることは困難だ、したがって、本年発生いたしましたこれらの風水害等に対しましては、政府として私はこれが復旧に際しては同一災害の性格をもって対処すべきであると思いますが、政府の基本方針はいかがでありますか、お尋ねいたします。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 前に本年災害で一括して激甚地その他の取り扱いをいたしておりますが、いまのところ、先ほども御報告申し上げましたように、二十三号ないし二十五号——二十四号、五号前後しておりますが、その災害を一連の災害として考えたい、こういうことでいま検討いたしておるわけであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私ども災害対策特別委員会といたしましては、この災害において被害を受けられました多くの被災者並びに犠牲者に対しましては、心から弔意を申し上げ、かつ、一日も早く復旧されて正常な生活ができまするように祈っておるわけでありますけれども、しかし、いままでの様子を見ておりますと、この二十三号ないし二十五号の台風が参りますまでにも、埼玉、群馬等におきましても、あるいはその他の地域におきましても、降ひょうあるいは水害等、多大の損害を受けておるのであります。その中には、公共災害は別といたしまして、本年の特徴として、さきにも御報告がありましたように、主として農民、農村関係等における災害がきわめて大きいのであります。政府も従来認められておりますように、農村の収入が都市に比べて非常に格差がある。したがいまして、農村の子弟がだんだんと農村を離れていくといったような実態である。何としてもそのような事態を克服して農村の振興をはかるということは、これまた政府にとりましても重要な国策の一つとして進められてきたはずであります。したがいまして、これらの災害に対しましては、法に不備があるといたしまするならば、基本的に法を改正いたしまして、これらの人々に対し救済の措置が講ぜられて、万全の復旧工事が進むようにすべきであると思うのでありますけれども、政府はこれに対してどういうお考えをお持ちでありますか。基本的にそのお考えをただしておきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 激甚地災害等の取り扱いにつきましては、先ほどから現在のところの考え方を申し上げたわけでありますが、農業災害は、これはいまお話しのとおりでありまして、群馬、埼玉等の先般の降ひょうによる災害、きわめて局地的でありますけれども、激甚な様相を呈しております。これについては農林大臣のほうからその措置についてお答えをいたしたいと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 もう一回やってもらいましょう。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それでは、農林大臣がお見えになりましたから、もう一度繰り返し、あわせ追加して御質問を申し上げます。  さきに申し上げましたのは、本年度の災害は、公共災害はもちろんのことでありますけれども、特徴として、農村、農作物に至大の影響を与えておる。いままでは埼玉、栃木、群馬に起きました降ひょうその他の災害がありました。これはいまの災害対策基本法あるいはそれらの一連の救済を目的とした法律をもっていたしましては、救済の手が実質的には差し伸べられないような事態にある。いわば陰の、恩恵に浴さない、日の当たらないところの人々が大きな災害を受けておる。したがって、これに対してどういう処置をされるか、法の不備であるならば、その法の改正を行なってでも救済措置を講ずる意思があるのか、こういう質問をいたしました。それに追加をいたしまして農林大臣にお伺いをいたします。  今度の二十四号ないし二十五号の災害は、これまた農民にとりましてはほとんど再起不能に近い災害を受けたところがあり、また、一村すでにその地においての生活を放棄して移転を余儀なくされるような重大な災害をこうむっておるところもある。いわんや、政府が選択的拡大方式をとって、果樹あるいは酪農その他の養豚、畜産、養鶏等の奨励をいたして今日にまいりましたが、これらに対しても壊滅的な打撃を受けておるのであります。しかるに、これらに対して、ただ融資とか、税を減免するとか、そういうようななまやさしいことでこれらの農村の復旧はできないのではないか。したがって、これらの救済に対しては根本的に考え直し、来たるべき臨時国会においてでも早急にこれらの救済措置を講ずる方法を整備すべきであると考える。これらについての基本方針はいかがか、私はこうお尋ねをいたしました。ひとつ農林大臣から御答弁を願いたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 いまお話しのとおりに、ことしはいろいろな災害が非常に多い年でございます。特に、ひょう害があり、最近また二十三号、二十四号等、災害が非常に多いのであります。二十日までの報告によりましても、農業だけの災害において、施設関係が二百五十五億、農林水産物の被害関係だけでも、報告によりますと、これはまだ正確な調査を必要としますけれども、八百二十億というような関係であります。相当大きな被害をこうむっておるわけでございます。しかして、これらの問題に対しましては、農林省といたしましては、御存じのとおりに、冷害問題が非常に問題でありましたので、災害対策本部を、ずっと以前から、四月以来置きまして、それと呼応して各府県においても災害対策をやっております。そういうのでありまするので、応急対策については、それぞれ相当早くいろいろの応急対策は講じておるつもりであります。しかし、根本的にいろいろな問題はもちろんございます。しかも、天災融資法の発動等についても、しばしばこれは発動しておりまするが、ひょう害の問題、あるいは今度の二十三、二十四号の台風の問題、その後の集中豪雨の問題、それからまた、そういう点についての法律の発動の問題については、至急に関係各省と協議をいたしておるのであります。なお、激甚法の問題も同様、関係各省と協議をいたしまして、早急にこれらの結論を出す、こういう方向で進んでおります。もちろん、今度の災害は非常に大きいのでありますから、大体そういう方向に進むという見通しはありまするけれども、現実にいろいろの数字をよく検討いたしまして、早急にこの結論を出したい、かように考えておるわけであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 本部長にお伺いをいたしますが、質問が別後いたしたわけでありますけれども、この災害につきましては、御案内のとおり、全国的に災害をこうむったわけであります。この災害の復旧につきましては、それぞれ各省において復旧の措置を講ぜられるのでありましょうが、しかし、そういうばらばらのことではなくて、本部を設けられました以上は、その本部に集約をされてそうして適切な復興措置を講ぜられるのが妥当ではないかと思うのでありますが、ただ本部としては、災害を集約して、それを各省に振り向けていくという、そういう従来の方針だけでありますか。  それからもう一つは、今度の災害は、いわゆる一市町村といったような範囲のものではありません。たとえば私の住んでいる兵庫県におきましても、あるいは福井、岐阜等におきましても、きわめて大きい災害をこうむっておるわけです。したがいまして、これらの地域については、被害甚大な府県についてはその都道府県を指定する措置が私は必要であると思うのですが、これらの激甚地指定の方式についてその基本をひとつお示し願いたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 ただいまお話しのとおりに、先ほど御報告いたしましたように、今度の災害はきわめて大きい災害である、広範囲にわたっておる、そういう意味で、台風襲来の前日に、それを予想いたしまして非常災害対策本部を設けておるわけであります。したがって、各省別にもちろん活動をいたしますが、災害対策本部といたしましては、各省から本部員を任命しておりますから、統一的に災害対策を検討し、統一的に進めたい、こういうことでやっておるわけであります。  それから激甚地指定の問題でありますが、これも先ほど申し上げましたが、結果的には、現在せっかく災害の実態の把握に全力をあげておるというのが実情であります。おおよその様子は、先ほど農林省あるいは建設省から数字的に現在の模様を御報告いたしましたが、これはまだ現在進行中であります。この数字は、まだ変更される見通しであります。しかし、大きな変化はないと思いますが、現状においては、全国的な模様を見ますると、激甚地の指定が当然に行なわれるべきである、そういう意味で私は、先ほど事務局から御報告申し上げましたように、直ちに全項目についての考え方を指示しておりまして、その作業をすみやかにする、問題は、御承知のとおりに、緊急果断な措置をとることが災害対策の要諦であろうと思って、さような指示をいたしておるわけであります。ただ、御承知のとおりに、激甚地指定の方式が法律によってきまっておりますので、その集計を見なければ、各県ごとの問題は、現在まだここに明言をいたす段階になっておりません。もとより現状におきましても、たとえば福井県等は、その県の財政、被害の状況から見まして全県としての指定をしなければならないであろう、かように考えております。しかし、今度の問題は、現状におきましても全国的に激甚地の指定ということになると思いますが、県を単位とするか、あるいは市町村を単位とするかは、その発生状況に従って違ってまいりますので、その点は今後の検討にゆだねたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 次にお伺いをいたしますが、査定も非常に急がれておるようでありますし、従来よりは被害地の査定は非常に迅速に行なわれるようになっておるのでありますけれども、新潟の地震以来、現地におきましては、緊急を要する場合査定前復旧の工事に着工するということをぜひ認めてもらいたいというので、新潟等におきましてはそれが実行されてまいったと思うのであります。今度の災害にあたっても、査定等を迅速にやるといたしましても、その復旧計画等につきましては中央に集約をしてやるということになれば、非常に時日を要することになる。現地においては、次の災害がいつ発生するか予期しがたい、したがって、その地方の住民の民生を安定させるためには、一日も早い復旧が必要である、そのためには査定を待っておるわけにはまいらないという事態が各所に起きるのであります。これらについて、私はみだりにそれを乱用しろというのではありませんけれども、少なくともそういう緊急措置を必要とすると認められた河川につきましては、査定前においてもその着工する工事をお認めになるかどうか、これらの点についてはっきりした意思をお示し願いたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 もとよりさような考えを持っております。実は私は、御承知の金沢における一日内閣の予定で、ちょうど十六日から金沢に入っておりました。たまたま十七日ごろから二十四号襲来の模様がありまして、直ちに岐阜県の現場等にも福井県のあの激甚地の現場等にも行っておりますが、その際に、周密な査定をし、周密な計画をやるというようなことでは間に合わない個所がたくさんありますから、現地協議によって応急の措置を講ずる、こういう指令をいたしておりますが、そういう、現状に従って緊急な方法をとりたい。いまお説のとおり、まだまだ現状においては台風期も完全に過ぎたという状態ではありません。二十六号が発生しておるという状況下におけることでありますから、いまお説のとおりに臨機応変の措置をとりたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 その点はひとつ下部に徹底をさせていただきますようにお願いをいたします。  その次に、これも過去の災害から経験を得て実行されておることでございますが、住宅問題に関してであります。ただ単純住宅と、農民のように作業場をあわせ持っておる住宅、こういうようなものの復旧に関しては、秋の取り入れを前にいたしまして急を要する問題であると私は考えます。したがって、これらの農作業場をあわせ持つところの併用住宅の復旧というものは非常に急がなくてはならぬと思いますが、これについての措置をどうお考えになるか、ひとつお聞かせを願いたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 災害住宅あるいは金融公庫——現在の諸制度におきまして、現地においてすみやかに協議をして実行するという手配をいたしておりますから、実情に応じてやらせたい、かように考えておるわけであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それで農林大臣にひとつお伺いをいたしますが、このたびの水害あるいは台風禍は、林産はもとより、畜産関係に非常に大きな影響を与えました。すなわち、養鶏舎の倒壊あるいは酪農をしております牛舎の倒壊、それによりまする家畜の被害、これまた甚大であります。これらの被害を受けた農民の方々は、養鶏あるいは酪農についても再起不能とまでいわれるほどの被害をこうむっております。これらにつきましては、私は、単に短期の融資をしてやるというだけではとうてい立ち上がりはできないと思います。そこで、これらの救済措置についてどういう考えを持っておいでになりますか。  それからもう一つ重大なことは、これは小沢委員もともに農林大臣からその所信を聞こうというお話でありましたが、小沢委員はいまお見えになりませんので、私が小沢委員とともに話しました点について御質問をいたします。  それは、いわゆる供出米の点であります。御承知のとおり、今度の台風によりまして収穫が非常におくれておるのであります。したがって、早期供出の期日をぜひ延長してもらいたい。それでなければ供出米の調製その他ができない、こういうことで悲痛な叫びを上げておるわけであります。私は、やはりこれは十日ないし半月くらいはどうしても延長してやらなければ供出できないと思うのでありますが、農林大臣、どういうこれに対する処置をおとりになりますか、あわせひとつ御答弁を願いたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 災害の激甚な地帯についての納米の問題と思いますが、これは時期別格差の問題も関連しておることだと思うのです。そういう点につきましては、その御要望に対して慎重にいま検討中でございます。ケース・バイ・ケースによってこれはやはり行なうことでありましょうけれども、でき得る限りその実態に即応するように考えていきたいということでいま検討中でありまするから、御了承願いたいと思います。  それから、災害を受けました畜産施設等につきましては、これは現在のところ、公庫資金等の長期融資の貸し付けによって何らかの対策を講じていきたい、こう考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは非常に農村にとりましては重要な問題であります。少なくとも私は米価が決定をされましたその経過から見ましても、早場米に対しまする奨励金といいますか、加算金は、私ども農民にとりましては重要な収入のもとになっておる、そういう考えを持っております。ところが、この災害によって政府の指定する期日内にそれが供出ができない、これは明らかであります。そういたしますと、災害をこうむっている上に、さらに農民は大きな減収を余儀なくされることになるのであります。したがって、この際農林省は思い切ってこれに対しましては延期の措置を講ぜられるべきでありますし、いまの農林大臣の御答弁をもっていたしましては、農民は安心をすることはできません。したがいまして、この被災地の農民を思い、懸命に努力をしておる今日の姿を見まして、ぜひともこれははっきりとした態度を御表明願いたい、私はかように考えるわけでありますが、いかがでありますか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 お答えしますが、災害のひどいところに対しては、御要望に沿うように、ただいま速急に検討を加えておりますから、御心配はなかろうと思いますから、御了承願います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは私ども机上の推論によるものではありませんで、実に気の毒な状態にある農民の立ち上がりのためにも、適切な処置をお願いいたしたいと思うのであります。  同時に、もう一点お伺いをいたしますが、過去の災害の経験から見ましても、いわゆる規格外の玄米、これに対しましては、やはり買い上げの適切な措置を講じていただかなければなりませんが、いま農林省の報告によりますと、そういう規格外玄米の買い入れについても考慮が払われておるようでございますが、それは過去の実績によって行なわれるものでありますか、それとも、新たに何らかの価格を設定して、被災米に対しまする買い上げ措置を講じようとなされまするか、いかがですか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 たとえば等級外の問題についても、等外上は買い入れをするということ、これはもう十一日の日にすでに告示をしておることは、お答えいたしただろうと思う。そのほか規格外のいろいろなものにつきまして六項目ぐらいについて検討を加えております。これもごく近く告示する運びになっております。検討を加えた上、すぐこれは告示をすることになっておりますから、御了承を願いたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 農林大臣ばかりを責めてはたいへん失礼なんですが、しかし、このたびの災害は、どうしても農村関係が非常に災害が多いのでありますから、ひとつ適切に御指示を願いたいのでありますが、先ほどの御答弁によりますと、畜舎あるいは鶏舎の損害に対しての融資等を考えておるということであります。この畜舎並びに鶏舎の復旧に融資を仰ぐことはたいへんけっこうでありますけれども、しかし問題は、返済の期日等の措置並びにその金利等の措置であります。これについて的確な御指示を願わないと復旧はできません。どういう措置をお考えになっておりますか、お漏らしを願いたいと思います。

大口駿一農林事務官(大臣官房長)

○大口説明員 私からお答えいたします。  災害を受けましたただいまお尋ねの畜舎等につきましては、農林漁業金融公庫の貸し出しに、被災施設の復旧のための貸し出し制度がすでにきまっておりまして、この制度によれば、借り入れ限度額は二十万円、金利は年六分五厘、償還期間は十五年以内の償還、据え置きは三年という制度がございますのをさして先ほど大臣がお答えになったのでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 その措置は私は知っておるのです。ところが、そんなおざなりの措置ではこれはできません。したがって、この際あまりにも大きな——地名で言いますならば、兵庫県においても淡路などは、もう畜舎は全滅なんです。鶏舎もほとんど全滅であります。したがって、そういうような二十万や三十万の金では、御承知のとおり、牛一頭買えぬではありませんか。しかもそれが三年たてば完納、そういうことでは、普通の融資にしかすぎないのであります。いわゆる災害に対する措置とは言い得ないものであります。したがって、この辺で長期、低金利の融資ができるような措置をしなければならない。私は、さきに申したのは、現在行なわれておる現行法がそういう要望を満たすことができないとするならば、臨時国会を前にいたしまして、これらの法を新しく設けるなりあるいは既存の法を改正するなりいたしましても、この際これら気の毒な農民に対処するべきだ、かように考えるわけでありますけれども、これについての御所信はいかがですか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 先ほどお答えいたしましたとおり、長期融資の貸し付けでいくのだということを申したのでありますが、なお、私近く、災害のひどい府県、たとえば兵庫あるいは岐阜、福井ですか、数県、これはごく最近少し回って実情を見てきたいと思うのです。いろいろな実態も見てまいりたいと思いますので、その上でまたいろいろ現在のこの公庫資金においてどういうふうにしていくかという点についてもよく検討を加えたい、かように思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは私は事こまかしく申そうというのじゃありませんで、基本的な態度についてのみお伺いしようとして質問をしておるわけであります。いまの御答弁では、ほんとうに政府が被災農民のためにどれだけの熱意を持っておられるかを農民は疑います。したがって、私はこの際、この立ち上がり資金の融資等についてはまずそのワクを拡大すること、そして低金利、長期融資の実現のために、これは災害本部も設けられたことでありますから、したがって、農林省も協力をいたしまして、ぜひともこれが実現のために努力をしてもらいたいということをお願いいたします。  その次に、今度は復旧に関して急を要する場合のつなぎ融資についてであります。地方公共団体等に対しまして、交付金等の繰り上げ交付等は当然行なわれるべきでありますけれども、それのみならず、つなぎ融資その他によってとりあえず緊急復旧の経費の充実をはからなくてはならぬと思いますが、これについてどういうお考えでありますか、お聞かせ願いたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 先ほど十三項目ぐらいにわたる指示を与えておりますことを御報告いたしましたが、もちろん、これも御承知のとおりに、予備費あるいは予算等間に合わない場合があるわけでありますから、そういうものは緊急融資をするという方針でおりますことを申し上げておきます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 そこで、さらに本部長にこれは要望申し上げておきますが、つなぎ融資をする、それのいわゆる返済についてでありますが、これについては、新潟地震のときに田中大蔵大臣が言明をいたしまして、そのとおりに実行されていると思うのでありますが、災害の補助を行なう場合に、そのつなぎ融資をしてもらってそしてその決定をした、それで交付金または補助金を出す。ところが、従来からつなぎ融資に対する利息というものは非常に高い。それは別ワクになっておるものでありますから、激甚地指定をしてもらって高度の補助金をもらいましても、実質的にはその金利によりましてその補助が非常な低下をする。それを防ぐために、その期間中の金利も含めた総額を災害被害額にする、そうして支弁していくのだ、こういうことで対処をするという措置が新潟地震のときにはとられた。今回もそういう措置をとられなければ、実質的には、過去の災害から見て私どもは苦い経験を持っております。したがって、従来どおりの措置をとられるのかどうか、ひとつその大網をお示し願いたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 予算等の措置が間に合わないので緊急融資でやるわけでありますから、予算等の措置がとられますればそれによって満足に復旧ができるという状態をつくるために緊急融資をやるわけでありますから、御承知のとおりにいたす方針であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それで安心をいたしました。  そこで、文部省にひとつお尋ねいたしますが、今度の台風は、文教関係に対しましても非常に大きな損害を与えております。各所で校舎の倒壊等が見られるわけであります。これに対しまして、文部省としてどういうふうに復旧措置を講じようとしておられますか。ただ通り一ぺんの、激甚地指定に入らなかったからというためにこういった被害に対する復旧措置をなおざりにするということはできないと思うのでありますけれども、いかがでありますか。その基本方針をひとつ承りたいと思います。

中尾龍彦文部技官(管理局教育施設部長)

○中尾説明員 今回の台風におきまして全壊、倒壊あるいはその他のばく大な損害を出しております。そのために学校の授業を中断するわけにはまいりませんので、その際には応急の臨時の校舎をつくってもらう、あるいは恒久的な措置としましては、今後再度災害の発生しないよう、でき得る限り鉄筋化して恒久的な建物にしたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それから、厚生省に一点お尋ねいたしますが、厚生省の厚生施設、そのうち母子寮でありますとか、あるいは養老施設でありますとか、そういったものが災害を受けておるわけでありますけれども、これについては、厚生省が直接この事務をやっていない。したがって、地方自治体の市または県等の施設でありまして、間接的のものでありますけれども、これは非常に大きな災害を受けた府県といたしましては、自力での復旧はもちろん困難であります。そこで、政府としてもこれに対しての適切な措置をとられる必要があると思うのでありますけれども、どういう措置をお考えになっておりますか、ひとつ御説明を願いたいと思います。

宮田千秋厚生事務官(社会局施設課長)

○宮田説明員 お答え申し上げます。  社会事業施設につきましては、ただいま被害を調査中でございますが、これにつきましては、災害復旧事業費として国庫補助をいたす。その場合に、激甚災の適用がございまして、公共土木関係が適用になります場合には、社会事業施設の復旧費につきましても国庫補助率をかさ上げして補助をする、かようにいたすことにしております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 もう一、二でやめますが、先ほどの陳情にもありましたけれども、従来のいわゆる一級河川あるいは二級河川といいますか、指定された直轄河川、こういったものの災害復旧はもとよりでありますけれども、主としてその指定を受けない小河川のはんらんによる被害がきわめて甚大であります。したがいまして、これらの河川に対する復旧は一日もゆるがせにすることができないのでありますが、建設省といたしましては、これら指定外の小河川についてその復旧をどういうふうにお考えになりますか、ひとつお聞かせを願いたい。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 ただいまお詰があったように、中小河川あるいは山合いの小河川等の災害が非常に多いわけでございます。非常に甚大な被害をこうむっておるのでございますが、これら中小河川に対しましては、従来からも力を入れてきたところでございますが、五カ年計画等におきましても十分に力を入れていきたいというふうに考えております。特に災害復旧対策につきましては、災害復旧だけでは十分河川の目的を達しないという場合におきましては、災害関連事業あるいは災害助成事業等をできるだけ適用いたしまして、一定計画に基づく改修計画を実施していきたいというふうに考えております。それからなお、災害復旧単独でも、つとめて現地の事情に合うような要因を加味しまして復旧していきたいというふうに考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは委員会のたびに言うことでありますが、その際、災害を繰り返さないというためには、いわゆる改良復旧もあわせひとつ実行するということに御指導を願いたいということを御要望申し上げます。  最後に、私は政府の方針についてお伺いをいたしますが、臨時国会を目前に控えまして、このたびの災害は、いままで質問をしてまいりましたように、その被害をきわめて甚大でありますし、被災者の数もまた全国に及んでおるわけであります。したがいまして、従来のような特別交付税交付金でありますとか、あるいは交付金の繰り上げ支給等によりましてその場を糊塗することは、きわめて困難であります。したがって、この際私は、この臨時国会に政府として、この復旧対策として補正予算を至急に組みまして本院に提出をし、民生の安定をして、復旧にいそしめるようにいたすべきではないかと思うのでありますが、そういう方針をお持ちであるかどうか、ひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 災害の額がきわめて大きいのでありまして、累計いたしました額も先ほど御報告いたしましたが、現在予算の予備費というものは三百七十億くらいあるわけであります。そこで、せっかくいま現地の実態調査に入っておりますから、どの程度のものを緊急にやるべきかという数字をできるだけ早く集計いたしまして、その際予備費によってまかなえるかどうか、こういうものを検討してみなければ最終の結論は出ないわけでありますけれども、この災害の総額の状況から見ますると、場合によっては補正予算等をお願いしなければならない、こういう考えでおりますことを申し上げておきたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 一県におきましても、いま大臣が御答弁になりました予備費総額を上回るような被害であります。したがって、その予備費等の費用をもってこの復旧に充てることは困難である。したがって、民生安定上からいいましても、早急に補正予算を組んでいただいて、復旧のために政府が努力をしておるという事実を被災者の前にお示し願いたいということをお願いいたしまして質問を終わりたいと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 次に、塚田徹君。

塚田徹自由民主党

○塚田委員 建設省関係でございますが、このたびの台風によりまして、新潟県も非常な被害をこうむったわけでございます。御存じのとおり、現行の災害復旧事業においては、緊急事業が大体三年、一般事業が四年という、非常におそい復旧のテンポであるわけでございますけれども、これをもう少し早く復旧ができるような処置を今後考えておられますかどうか、お答えをお願いしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 お説のとおりでありまして、災害が起こりましてこれを復旧させるには、できるだけすみやかなことが適当であるわけでございます。御承知だと思いますが、従来国家財政がなかなか意にまかせない時代においては、五年の目標をもって災害を復旧する、こういう事態が相当続きましたけれども、ここ数年間は四年のうちに全部を復旧する、こういう目標で現在進んでおるわけであります。大部分、緊急と申しますか、重要な災害個所は三年で復旧する、これがほとんど八割前後になるわけであります。こういう計画でおるのでございますけれども、年々災害の起こるわが国の状況においては、これをもっと短縮して、少なくとも全体復旧を三年にいたしたい。毎年国会等においても議論がなされて検討されておるわけでありますけれども、残念ながら今日までは国家財政等の事情によってその問題は解決されておりません。私ども建設省の立場といたしましては、どうしてもそれを実現いたしたい。二年というわけには技術上の問題でなかなかまいりませんので、少なくとも三年間にはこの傷あとをなおしておきたい、これが熱願であります。したがって、四十一年度の予算要求にもその基本方針に基づいて予算を要求いたしておりますが、率直に申して、これはそう簡単に解決する問題ではないと思いますが、この線に従って努力をいたしたい、どうかひとつ皆さんの御協力をお願いいたしたいと思います。

塚田徹自由民主党

○塚田委員 次に、今回の台風によります雨量が非常に多かったわけでございますが、新潟県の高田地方の場合でございますと、今日までの最大雨量というのは大体百六十ミリ、これを基準にして河川の堤防が築かれておるわけでございますけれども、今回の場合は二百六十ミリという、大体一・六倍近くの降雨量があったわけでございます。そこで、このような非常に大きな降雨量による水害というものがこのたび発生したわけでございますので、今後この復旧については、原形復旧ではなく改良復旧にしてもらいたいというようなところが多かろうと思うわけでございますが、その辺のところはどのようにお考えでございますか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 今回高田地方におきまして二百六十ミリという大幅な降雨量を見たわけでございます。従来の計画は百六十ミリとお聞きいたしましたけれども、かような雨量に対しましては、河川の計画というものは、二百六十ミリということでは、全然計画を再検討しなければいかぬ。早急にそういう雨量の実態等を調べまして、そして計画を再検討いたしまして、その線で復旧に進むように研究いたしたいというふうに考えております。

塚田徹自由民主党

○塚田委員 次に、河川の上流での砂防工事が多く実施されておるわけでございますが、今回の水害によりまして、この砂防工事ができてない地域が非常に多かった、それらの地域の非常に小さな川が今回はんらんしたというのが新潟県においては非常に多いわけでございます。今日までの法律によりますと、砂防工事をやっておらないというような地域にはその災害復旧の事業をすることができないというふうになっておると聞いておるわけでございますが、そのようなことにでもなれば非常にこれらの地域が困るわけでございますので、その辺のところはどういうふうになっておるかということ、また、もしもそのようなことになっておるというのであれば、いち早く今後とも砂防の事業を大幅に推進をしていただきたいというふうに考えるわけでございますが、どうですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 砂防事業は砂防指定地についてただいま行なっておるわけでございます。しかしながら、特に砂防指定地と関連しまして下流の問題あるいは上流の問題も含めて行なうことができるようになっております。上流の砂防が非常に大事なことは言うまでもないことでございまして、われわれとしましても、五カ年計画におきましても相当額砂防実施をいたしたい。なお、今回の災害におきまして被害を生じたところにつきましては、実情を調査いたしまして、砂防災害あるいは緊急砂防、そういったものを逐次採用していくように努力いたしたいと存じております。

塚田徹自由民主党

○塚田委員 次に、農林関係でございますが、今日米価の時期別格差という問題があるわけでございますが、新潟県におきましてはこの災害によりまして非常に収穫時期がおくれておるというのが現状でございます。そこで、今日まで申し入れをしてございますのは、十日間という延長の申し込れをしておるわけでございますが、これについて、少なくとも今日までございました春季豪雪によるおくれと、それからまた、この九月十八日に起こりました水害によってその取り入れがはなはだおくれておるというのが現状でございますので、この点につきましては、農林省当局にこの十日間の延期というのをぜひとも認めてもらいたいというのが当方のお願いでございますが、その辺はどのようになっておりますか。

大口駿一農林事務官(大臣官房長)

○大口説明員 米の時期別格差の問題につきましては、先ほど農林大臣からお答えをいたしたとおりでございまして、現在農林省といたしましては、この問題を慎重に検討しようということで、目下検討を進めておる段階でございます。本年の米の作柄につきましては、当初の作況遅延がその後の好天候によりまして幾分は回復した地域もございまするが、今回の台風によりまして乾燥、調製作業の遅延というものも予想されるわけでございます。この問題につきましては、事務的には財政当局との折衝も必要とする問題でございまするので、農林省といたしましては、目下実情に沿うような形で十分慎重に検討いたしたいというふうに考えておるのが現状でございます。

塚田徹自由民主党

○塚田委員 ただいまの御答弁で、慎重に検討をしておるということでございますが、これは前向きにその問題を解決していく意思がおありだというふうに解釈していいわけでございますか。

大口駿一農林事務官(大臣官房長)

○大口説明員 先ほど申し上げましたとおり、この問題は、政府部内の事務的な問題といたしましては財政当局との折衝を必要とする問題でございまするので、農林省といたしましては、当然この問題は農林省側の立場としては前向きな態度で検討いたしておるということでございます。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 災害の本部長としてお答えをいたしておきます。  私は、先ほども申し上げましたように、ちょうど台風のさなかに北陸地域におりました。新潟県には入る汽車の便がなかったわけでありますから、実情を見ておりません。おおよそは収穫が済んでおる地帯も相当にあります。けれども、現在刈り取って干しておるというところがこれまただいぶあり、まだ刈り取りも済ませないでおるところもたくさんあります。そういうところは非常な難渋をいたしておる実情をよく知っておりますから、これは自然の状況によってそういう事態になっておりますので、当然その自然の状況による時間差というものは見るのが当然でございますから、政府としてそういう措置をとるように農林大臣と協議をいたしたい、かように考えております。

塚田徹自由民主党

○塚田委員 どうもありがとうございました。  次に、農業構造改善事業によってつくられた施設については、今日のところ、災害のために救うべき適当な措置が行なわれてないというふうに解釈をしておるわけでございますが、特別に補助金などを出すような考えを持っておられるかどうか、お聞きしておきたいと思います。

大口駿一農林事務官(大臣官房長)

○大口説明員 災害によりまする農業用施設の復旧につきましては、それぞれ天災融資法その他の諸制度の運用によってやっておるわけでありまして、構造改善事業に基づいて設置をされました施設につきましても、これらの既存の諸制度の運用、適用によりまして災害に対する措置を講じてまいっておるわけでありまして、今回の災害につきましても、その災害の程度その他でいろいろ従来の災害とは規模が違うという問題はあろうと思いますけれども、一応現在のところでは、災害の程度をできるだけ早く把握した上で適切なる措置を講じたいというふうに考えておるわけであります。

塚田徹自由民主党

○塚田委員 土地改良については災害復旧で救う方法があるわけでございますが、共同施設については融資以外の方法が全然ないということであろうかと思います。そこで、その事業の実施につきましても今日まで借り入れをしておる金額が相当多額にのぼっておるわけでございますので、それらの金を返すということになりますと、またその農家の負担というものが非常に大きくなるわけでございますから、そのようなことを考えましても、利用年度数もほとんど終わらないうちの今回の被害であるということを十分に考慮に入れてくださいまして、今後ともこの措置についても考えてもらいたいというふうに思うわけでございますが、その辺のところはどうでございますか。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 いまの御質問の中で、共同利用施設の問題につきましては、これは暫定法その他によりまして、農協等が持っております共同利用施設につきましては、補助の措置があるわけでございます。激甚地の指定がありました場合には九割の高率補助をやるというような制度にもなっておりますので、共同利用施設については助成の道が現在あるわけでございます。ただ、一般の個人施設等につきましては、先ほど来申し上げておりますように、助成の対象とはしていないわけでございまして、公庫による主務大臣の指定施設の一環といたしまして、十五年程度の長期融資でもって復旧してもらうというようなことであります。また、自作農創設資金等の場合には、災害は融資ワクを広げておりまして、五十万の範囲内で融資できるということになっておりますから、そういったものも利用できる一つの方法ではないかというふうに考えております。今回の災害の実態等もなおよく調査いたしまして、従来の制度を十分活用すると同時に、今後の改善の余地があるならば、そういった問題についても十分検討してまいりたいというふうに考えております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 それでは、この際暫時休憩いたします。一時三十分に再開いたします。    午後零時五十分休憩      ————◇—————    午後一時四十九分開議

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を継続いたします。泊谷裕夫君。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 本部長にお尋ねをしたいのでありますけれども、今度の二十三号から二十五号の台風で刺激をされまして秋雨前線が各地に相当の降雨量を出した。建設省の統計を見ましても、岐阜の東杉原が千百二十一ミリという数字を記録するという、驚異的な降雨量を見せたのでありますけれども、全国的な被害等をながめてみますと、私自身たいへん疑問に思う点が一つあるわけであります。これは昨年の六月十七日と記憶しておりますが、当災害対策委員会でも指摘したのでありますけれども、一晩で降った雨が四九・二ミリ、これは札幌の場合ですが、たったこの程度の降雨量だけで手稲の町では床下浸水七十四戸を出しているわけです。今度札幌市の場合、九月十八日、十九日、この降雨量を道庁で調べてくれたので見ますと、十八日は五十三ミリで、十九日は三十六ミリ、二日間で八十九ミリ程度であります。でありますのに、六千八百四十四戸の、床下上含めて浸水家屋を出しているわけです。こうなってまいりますと、百ミリに達しない雨で大都市といわれる札幌市が七千戸近く冠水するということについては、何か割り切れない気持ちがあるわけですね。この岐阜のようにもうどうもこうもならぬような大雨であれば、これはもう万策尽きたということが言えるでありましょうけれども、こういう現象について、昨年の六月の上旬に札幌で出ましたわずか七十ミリ程度の雨でも五十三キロ近い道路が冠水しまして、これは一体どういうところに原因があるのだろうということを私は指摘してまいったところであります。それと、北海道の場合特徴的に変わった様相を示しておるのは、従来この種災害といいますのは、日高とか十勝とか空知などという、河川地域が大きな被害を見てきたものであります。だが、建設省のお調べでも明らかでありましょうけれども、最近は札幌、函館というような大きな都市が集中的に被害をこうむっておるのです。この被害を受けております実態の様相が変わってきたことについて、何が原因してこういうふうになっているとお考えであるか、この点について本部長としてまずお聞かせをいただきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 お話のとおり、最近の数年間の災害の状況は、その様相をだんだん変えてきておると私も見ております。これほどの連続台風、豪雨でありますと、実はもっと驚異的な大災害が起こるというのが、六、七年前あるいは十年前後前までの状況でありました。最近は、あれほどの全国的な雨でも、非常なおそるべき大災害というのはあまり起こらなくなった、これは私は非常にけっこうなことであると思います。これは、やや不十分ではありますけれども、国力に応じて大河川等の災害予防対策、護岸、堤防あるいはダムの建設等の効果が今日あらわれておることである、これはきわめてけっこうなことであると思います。それに逆比例しまして、最近の災害の状況は、いまお説のとおりに、平地における都市災害、それから問題になります中小河川あるいは山間僻地における土砂崩壊を伴う非常に悲惨な局地的な災害、これがここ数年来の現象であります。これはまあいろいろ事情はあると思いますが、私は率直に言って、これはどこが悪いとかいいということでなしに、災害対策についてあるいは防災について再検討をする段階になってきておるという判断をいたしております。  そこで、先ほど御報告の中に申し上げておりますように、災害の根本原因を究明することである。ただ、従来の考え方で、災害が起こってからこれを急遽復旧する、これだけではなくて、なぜにこういう災害が起こるかという根本原因を究明することが非常に大切であるということを、あたりまえでありますけれども、今回は注意を促したのはそこにあるわけです。  そこで私が考えておりますのは、中小河川あるいは山間僻地における土砂崩壊、これは非常に特殊な豪雨ということが一つの原因ではありますけれども、やはりだんだん河川の改修が進みますと中小河川だけが残る。下流のほうの川の整準が残りますと、どうしてもそこに集中して流れるようになる。排水の関係がうまくいかない。と同時に、最近、産業経済、農地等の状況がだんだん整備されてまいりますと、河水というものが一般にはんらんしなくて特別なところに集中する。自然に人為的に圧迫を加えておる。これが大きな原因であろうと思っております。したがって、そういう原因に対して、やはりそれに応ずる体制をとらなければならぬ、これが一つであろうと思う。  それから、ふしぎなところに起こるという現象、いまお話しのように、都市災害、ふだんそういうことを想像もしないところに最近各地にいわゆる水害が起こっておる。安住の地というのが、数日間でありましても非常におかされるという状況がひんぱんに起こっております。これはお互い、政府といわず、国民自身が大いに反省をしなければならない。これは別に政府が責任を回避するわけじゃありませんが……。その反省をしなければならないということは、町づくりには一生懸命であります、都市集中の現象が起こっておる、住宅地の造成が起こっておる、そうして家屋が連檐される、それから市街地が舗装化される、コンクリートで固める、こういう状況の中で、従来自然に浸透しておった水が表流水として一カ所に集まるという現象が起こるのは当然であります。そういう場合にどうなるかということについての事前の対策というものを講ずることに非常に怠りがある。概観いたしますと、これが今日の都市災害の起こる原因であると私は考えるのであります。札幌の場合も全くそのとおりでありまして、私は札幌自体は泊谷さんより詳しくありませんけれども、あの平地に、しかもだんだん膨張している都市に、だんだん町を広げていくけれども、あの平地で傾斜面のないところに、ほとんど排水というものを考えないで町づくりをしている。まだ札幌の街路というものはそれほど十分に舗装はされておりませんけれども、それにしても、やはり町づくりが進むに連れて雨は表流水として流れる。これに対して都市排水のことがほとんど計画されておらない、これが根本の原因であろうと思います。この間札幌の市長も見えて御相談がありましたから、大いに政府も協力をいたします、どうかひとつせっかくの町がわずかな水で浸水する、そうして安住の地がおかされるということはおかしなことであるから、都市排水というものを将来もっと拡張する、それから札幌の市街ももっと舗装道路をつくることは当然であるから、そういうことを頭に入れて排水計画を十分に専門家とともに検討してもらいたいという私の考え方を述べておきましたが、およそ最近の数年の災害の大きな変化というものはそういうところにあるんじゃないか。したがって、そういう根本原因を突きとめてこれに対する方策というものを講ずるのが非常に重要である、かように考えておるわけであります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、先ほど細田副長官から示されました六番目に、原因の究明というものが指摘されている。多角的な検討を加えなければならぬと思います。しかし、現状あるものを改善することは困難でしょうけれども、いまから手を染めるものでやはり風水害の危険にさらされておるものは即刻とめていただかなければいかないのではないかと私は思うのです。下水さえ満足にない急造住宅、これが矢つぎばやにふえまして、全く雨に対する抵抗力がありません。丘を削ったり湿地を埋め立てて整地をして、そして簡単に道路をつけて、何々分譲地ということで売り出しておるわけであります。一般市民の協力も必要だとは思いますけれども、住宅公団の建て売りなり分譲の土地というものは、すべての諸設備が整っておるというふうに考えたいわけですね。しかし、札幌の場合は、これも今回の水害を見ますと、全く水に対してまる腰であっただけに、相当批判が強いわけです。従来、悪質な土地造成者の無責任な行為をとめるために、宅地造成等規制法をつくりました。しかし、これは先ほども指摘しましたように、がけくずれなどを特に防止しよう、土砂崩壊などを阻止しようということでありましたけれども、平地における防護策というものについては十分ではないと思うのです。今度の事故にかんがみまして、この宅地造成等規制法を抜本的な検討を加えて改正し、規制を強くする必要が生じてきたのではないかと私は思うのですけれども、大臣としていかがですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 根本原因を突きとめてこれに対する方策を講ずることは、これは当然であります。ただ、理論はそうでありますけれども、御承知のとおりに、ここ約十年間というものは非常に人口の移動がありました。急激な人口の都市集中、産業の発展等ということから、宅地あるいは住宅の供給に追われるという対策が数年間続いております。したがって、そういう場合に事前に環環の整備をするということが間に合わないで、いまお説のとおりのようなことが各地に起こっておる。これは決して正しい道ではありませんけれども、そういう事情も今日まであったということはやむを得ない——というと逃げ口上を言うようになりますけれども、そういう事態があった。ただいま住宅公団のお話がありましたが、住宅公団等によって大規模な宅地造成あるいは住宅団地をつくります場合には、おおよそそういう問題を頭に入れて計画が進められております。それで、個人等の民間企業における宅地造成等については非常にそういう弊害があったものですから、いまお説のような宅地造成事業についての規制法がようやく一昨年あたりできたという事情であります。これも北海道においては、私はつまびらかにしておりませんが、最近実施をはかろうという状況になっておる。これは知事の要請によってやる法律になっておりますから、現在、この法律を励行いたしますれば、いま直ちに改正するという必要を、率直に申して、感じておらない。たとえば、これは話は別になりますけれども、川崎地区におけるあの災害等についても、法律をちゃんと励行さえしておいてもらえばあの事態は起こらなかったのであります。法律はつくってあるけれども、その励行が必ずしも十分でなかったというところにああいう事態が起こっておるわけでありますから、いま直ちに法律を改正しなければならないということまでは考えておりません。しかし、実情に合わない場合は、当然に改正を検討しなければならないと考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 この話はこれでおしまいにしますけれども、特に住宅公団の場合は、市民の見る目は、公的な造成者側ですから、暗渠も下水も道路もないというような形になりますと——札幌の場合は団地の被害が大きかったわけでありますけれども、現行法規の中では平地に対する規制がないと考えてこの規制が必要だと思ったのですが、大臣のお話のように、現行法規で少なくとも団地造成には、暗渠あるいは道路などというものについて規制条件として誤っているものならば、行政指導で的確にやっていただくことが——いまのように、事故が起きてからあとを追ってあわてふためいて塗りつぶしていくというようなこういう形よりも、抜本的に災害を防止するという姿勢をとってもらいたいと思うわけであります。

井上義光建設事務官(計画局宅地部長)

○井上説明員 いまの泊谷先生の、事実に関する問題でございますが、札幌で日本住宅公団が現在宅地造成というのはやっていないように記憶しておりますが、あるいは私の聞き違いかもしれません。真駒内におきまして、公社等が銀行融資によりまして、もちろんこれは公的資金だと思いますけれども、そのほうの宅地造成だと思います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いいです。全部が公団というのではありませんが、お調べいただきたいと思います。元町、桑園、これは公団の手にかかるのですが、本質的な問題は、宅地の造成について暗渠も道路も無造作にやられたことが札幌の水害の被害を大きくしたと思われるので、この点について、いまの法規制ではめんどうだとすれば、改正を願いたいし、現行法規でできるとするならば、行政指導をきびしくやってもらいたいということをお願いしているのでありますから、実情を十分御調査いただいてお願いしたいと思います。  あわせて、特徴的な問題で考えていただきたいのですが、国鉄の技術陣が異口同音に今度の災害で私にこぼしておる話に、信じられない事態が起きた。弱点というのは、百年の歴史を持っている国鉄ですから、あらかじめ警備もやっておるのでありますけれども、三十年来一度も災害の起きたことのないところが今度やられたわけであります。それは幌別−登別間で、沢もなければ大した山もないわけですが、傾斜地に突然川ができてきたというので鉄道が不通になってしまった。これは鉄道の技術陣に言わせると、やはり側近の山はだが全部坊主にされたためにこの事態が出たのではないだろうか、こう語っておるのです。これも今度の災害の一つの大きな見落としてはならない点だろうと思いますが、本部長としてもこの点について先ほどちょっと触れられましたけれども、今後の改善策について、簡単でよいですから、方策があれば明らかにしてほしいと思うのです。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 先ほど公団の開拓であるかどうかということを事実的に申し上げたのでありますが、公団の開拓であろうがなかろうが、いまお説のとおりに、そういう問題が起こっているわけでありますから、十分調査をいたしまして対策を講じたい。いまの鉄道の問題でも、お説のとおりに、無軌道に丘陵地帯に宅地造成をするということは、その場だけならよろしいでございましょうが、周囲の環境がどうなっておるか、ほかにどういう施設があるかというところまでをよく見通して、それに対する対策を立てた開発をしないと、いまお話しのように全然予想外の事態が起こるということから、十分実情を調査いたしまして検討したいと思っております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 これは本部長の今後の考え方として明らかにしてほしいのですが、いま指摘しました幌別−登別間というのは火山灰地帯で、たいへん弱いところです。常時国鉄は監視しておるところでありますが、海辺から国道までは町の管理です。それから国道は開発局、線路が国鉄そしてその上の牧場は民有地である。その頂上は胆振支庁、こういう管理下にあるわけです。抜本的に水の流れを規制するとか、治山治水の総合的な対策をいかに役所の皆さんが集まって検討を試みても、抜本的な水から逃げ切ろうという方策についてたいへん大きな苦悩があるわけでありますが、こういう点の調整をいかにお考えになっておるか、これを明らかにしていただきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 従来、率直に申して、建設省所管であるとか、あるいは農林省所管であるとか、それからまた、都道府県に至りましても、農林部あるいは土木部というふうに所管が分かれておりまして、必ずしも国民の側から見ますると、そういう役所の機構によって云々されるということについては、きわめて割り切れないものがあったわけであります。そこで、建設省、農林省は数年前からよく両方連絡をとり、協議をして、計画もすべて合わせるという体制でまいっておりますが、制度的にはやはりそういう不足の点があると思いますので、今後十分そういう点についても留意いたしてまいりたい、かように考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 先ほどから二、三点指摘をいたしましたが、私は本部長に一番意欲を燃やしてもらいたいのはこの問題だと思うのです。きょうの時間の詰まった委員会では無理でありますから、とくと御検討いただきまして、各役所間のそごを来たすことのないように、総合的な治山治水対質の確立ができるようにお願いをしておきたいと思います。  開発庁は見えておりますか。もしいなければ建設省河川局でもいいです。  石狩川の治水計画をやっていただいておるのですが、従来、中流、上流、下流という順位で補修を試みられておりましたけれども、今度の広島村の災害にかんがみ、このゼロメートル地帯について何らかの方法を考えてみる事態が発生したのではないかと思っておりますが、これについていかが考えておられるか、考えを明らかにしていただきたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 お答えいたします。  石狩川水系の治水計画につきましては、ただいま地区的に、旭川、それから雨龍川地区、それから空知川地区、それから砂川付近の地区、それから北村から江別にかけた中流地区、それからその下の下流地区となります。それのほかに、千歳川地区というような流れがありますが、特に低地で洪水の被害をいつも受けているところは、千歳川水系下流の札幌周辺の低地だと思います。これらの河川の改修並びに治水対策につきましては、従来からも逐次促進してまいっておりまして、ただいま特に千歳川地区につきましては、緊急二カ年を終わりまして、ようやく堤防だけが完成したという状態であります。ただし、千歳川自体、非常に石狩川の影響を受けて、なかなか水がはけないという問題がありまして、これにつきましては、内水対策を農林省と計画を合わせまして実施する予定にしております。  それから、下流の札幌地区につきましては、ただいまの浸水いたしました手稲町のところは、たぶん新川のはんらんだと私存じますが、新川につきましても、相当額を中小河川としてつけて促進いたしております。しかし、いずれにしても、新川につきましては、新河川をつくるわけでありまして、ただいま右岸側の堤防だけができているという状態でございまして、一部その堤防のできていないところからあふれたというような状況でありまして、われわれもこれが対策には十分考えていきたいというふうに考えます。  それから、札幌周辺につきましては、厚別川流域、そういったところに被害が生じたと私存じますが、厚別川流域は非常に低いところでございまして、上流地区には非常に住宅団地ができてきているということで、厚別川並びにその一連の河川につきまして改修をただいま実施中でございます。残念ながら、上流地区において一部改修ができていないところがございまして、これも急速に進めたいと思います。  なお、札幌の地区につきましては、特に被害の大きい豊平川につきましてはほぼ堤防が完成いたしておりますが、最近の洪水の実態を見ましても、どうしても上流にダムをつくる必要があるのではないかということで、豊平川ダムを現在実施計画中でございます。したがって、札幌の周辺の問題につきまして今後とも力を入れていきたいと思いますし、なお、先ほど大臣から御発言がありましたように、今後の地域開発の進展に応じまして、即応できるような形の改修を実施できるように指導いたしたいと考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 次は運輸省の航空局です。先日、二十四号台風のときにちようど私は四国に行ったわけですが、鉄道も自動車路線も寸断されてしまいますと、たった一つの交通機関は航空機だけでありました。航空機は御承知のとおり航空路線がありまして、空港が四つあるからといって、かってに相互に離発着することが許されないわけであります。地元民の感情としては、こういう場合に、当該航空事業家が航空局に申請した場合には、災害時に限り相互発着を許容するというような措置をとってくれてもよいのではないかという話がありまして、私も臨機応変の措置としてそのくらいのことは許容されていいのではないかというふうに考えるのですが、この問題についていかにお考えであるか、考え方を明らかにしてほしいと思います。

山上孝召運輸事務官(航空局監理部監督課長)

○山上説明員 お答えいたします。  現行の航空法におきましては、いわゆる運送命令というような制度はございません。また、災害救助法では、従事命令の対象には航空運送事業者は入っておりませんけれども、先生御指摘のように、事業者の協力を受けまして、このような災害時におきましては、二地点間の不定期航空運送事業として、適時適切に実情に即するような処理をしたい、かように存じております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 それでは次に、恐縮ですが、もう一度本部長、実はこれは本部長直接の関係ではありませんけれども、先ほど細田副長官のお話によると、今度の二十三号から二十五号は一括して激甚指定をしたい、その準備作業を進めているという方針はお伺いしたのでありますけれども、そのあとの質問で、いろいろ県別その他の考えもあるやに聞かされたわけでありますが、先日も永山自治大臣が北海道に見えられましてたいへん威勢のいい演説をぶたれたのです。このことをなぜ申し上げるかというと、七月九日のこの委員会でも、先輩の大久保、坂本両議員から、自治大臣の広島談話というものがずいぶん議論になった。そこで、現地の者としては、この災害の復旧は全部政府で責任を持ってくれるというから、たいへんいい話なんです。しかし、実態が違いますと、町村知事は何をやっておるか、北海道選出の国会議員は何をやっておるということになるわけです。この新聞を読みたいところですが、これはあとでごらんいただくこととして、これは本部長として当然永山自治大臣からお聞きになって、大体大臣のお話しになった数字で作業をお進めになっていると思うのですが、いかがですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 永山自治大臣がどういう発言をされているか、全然承知いたしておりませんが、災害対策等諸般の措置は、災害対策本部できめまして政府の方針としていきますので、各省別々の特別の方針はないものと了解いたしております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 先ほど先輩の山口先生が坂田農林大臣にお尋ねしましたら、それは近く現地を見てというお話で、私はふっとまた思い出したのですが、閣僚の皆さんが現地に行って言われることは、とにかく改良復旧いたしたい、やってやる、こういうことになるのですね。実際それがこの国会を通して国民に、そのとおりですと約束してくれるなら、ほんとうにありがたい措置だと思って手を合わすのですけれども、実態は必ずしもそうでないということになると、たいへんなことです。いまの場合でも、自治大臣の談話からちょっと避けまして、一括して今度やられるという場合には、激甚法の適用の見通しは濃いのですか。強いというふうにお答えいただけますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 その点については先ほど私から申し上げておりますが、最終結論は、もう少し数字の整理をいたしませんと、御承知のとおり、これは計数から出てくる判断が非常に多い作業でありますから、もう少しその調査を進めませんと最終結論は出せませんけれども、いま集まっております災害の実態等からいいますと、激甚指定は当然にあり得る、こういう考えです。ただ問題は、これがだんだん末端におりますと、市町村等の財政あるいは災害の発生状況等によって、全国一律にこの激甚法が適用になるというものではございませんから、その点は各県取り扱いが変わってくる、あるいは市町村によって、災害の発生状況、財政の事情、税収の事情等によって必ずしも同じ取り扱いを受けるという法律でございませんから、その点はひとつ誤解のないように御理解を願いたいと思います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 建設省の調べによりますと、数字だけで見ますと、必ずしも北海道は災害だ災害だと声を大きくして騒ぐほどの数字では私はないと思います。しかし、現地に派遣されました閣僚が、この程度で激甚法の適用は間違いなし、こういうことになったとしますと、私は国会議員として、全国的にこれは細田副長官が言われたように一括して激甚法の指定ができるのだろうか、こういうふうに理解をしたわけでありますが、ともあれ、本部を設置したと言われましても、一般選挙民の、あるいは国民の受ける印象は、何々大臣と、政府を代表する方が見えて、よしと胸をたたかれたことについては、大きな激励を与えられて、くずれ落ちた壁を拾い上げ、そしてまた新しい建設に努力するわけですから、その点特に、前回も指摘がありましたけれども、当該地方の人々を欺瞞することのないように、特段に本部長の配慮をいただきたいという程度にこれはとどめておきたい。  別な角度からそれではこの問題についてお尋ねをしたいのですけれども、昭和三十八年の梅雨前線の豪雨災害対策の場合には、地元の負担額は、初年度で一〇〇%、次年度以降七〇%、並びに連年災及び新規災害地域でも激甚地については、当該地方団体の財政収支全般の状況を考慮して、次年度以降も起債ワクを与えるとなっておるわけですね。小災害の復旧促進についても、地元負担軽減のために事業費全額について起債を認められておるのであります。今回は同じ取り扱いが受けられると理解しておるのですが、よろしゅうございますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 これはもう少し調査を進めませんと、同じ取り扱いができると言明はできませんけれども、できるだけそういう方向で進めたい、こういうことを申し上げておきます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いまの新聞をごらん願って、約束をほごにしないようにお願いしたいと思います。  次に、普通交付税の繰り上げ交付、特別交付税の増額及び起債ワクの増加についてはどういうふうにお考えになるか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 これも先ほど来申し上げておりますが、もちろん、普通交付税の繰り上げ支給は、実態に応じて自治省で現在検討中であります。それから特別交付税を増ワクするかどうか、これは御承知のように、特別交付税は法律のパーセンテージによってきまっておりますので、これを増ワクするかどうかということは、自治省でよく検討してもらわなければならない。起債ワクはできるだけ充足するというのが従来からの例でありますから、そのように進めたい、かように考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 災害復旧が、県の財政、それから市町村の財政に及ぼす影響が非常に大きいことは、いまさら申し上げるまでもないと思うのですが、特別交付税の配分について、これはこう大きくやられたのではたいへんだと思うのですけれども、何とかこれは特別の配分を、これは従前では当然のことだと言いたいのでありますが、そう言っていいのか。いま格別の配慮がなければならぬと思うのでありますが、この点はいかがですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 特別交付税は、先ほども申し上げましたように、そう増ワクできる余裕のあるものじゃありません。ただ、激甚の度合いに従ってその配分を考慮するということは、これは自治省の勘案されるところではありますが、所得税その他の税収がきまっておりますので、御承知のように、二九・五%かけて、そのうちに特別交付税ワクをつくっておりますから、特にまたこれをふやすということはそう簡単にいかないと思います。ですから、もし今年度の特別交付税でまかなえなければ起債等においてまかなっていく、また来年度において考慮する、こういうふうな考え方が検討せられるのではないか、かように考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 災害後の復旧工事のための財源措置として、補助災害、単独災害については、先ほどもちょっと触れたのでありますけれども、起債ワクの確保についてはほぼ要請を満たしていただけるでしょうね。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 災害のときにはできるだけ充足をするというのが従来の例でありますから、そのように取り計らいたいと思います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 自治省の関係は以上でおしまいにします。大臣に特にここで発言は控えますけれども、後ほど新聞をごらんいただきたい。とにかく、こういうふうに出ておるのです。これらは全部何の心配もないようになっておりますといって、これが全部まき散らされておりまして、特にお願いしたいことは、関係国民を欺瞞しないように本部長の責任において措置をするというふうに努力をいただけると思うのですが、ここだけひとつ一札入れていただきたいのですが、いかがですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 新聞のとおりであるかどうかわかりませんけれども、その発言が適当であるかどうかという判断はいまできませんが、災害等のときには、人心を安定させるというのが一つの政治でありますから、あるいはそういう意味で激励をされたのかもわかりませんが、よくその点はあとで自治大臣に事情を承ってみたいと思います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 人心の安定、賛成です。天災融資法だって利子補給だけでたいした金はかからないと、大臣だけで言われては困る。知事もおります。現地に市長もおりますし、私ども国会議員もおるわけですから、調子のいい演説をぶたれて、そのあと始末を事務局の皆さんや私どもがやったのではたまったものじゃありません。この点だけはきちっと本部長に——きょう初めて出たのならば私はこうまで強く申し上げようと思いません。七月九日の委員会で、自民党の大久保先生、私どもの坂本先生が、広島談話なるものについて鋭くおしかりを与えたはずです。また今回そういうことで、そのとおり今度は間違いないだろうと思っておったのですが、一つ一つ本部長にだめ押しをしてみると、必ずしも安易にいかないということになると、これは大きな問題でありますから、特に注意をして、ともあれ、国民に約束したことについては責任をとってもらわなければいけない、こういうふうに私は申し上げておきたいと思うのです。  今度は農林関係に移りますけれども、細田副長官の話も聞きまして、天災融資法の適用についてはほぼ見通しとしては間違いないというふうに私は理解いたしましたが、だとすれば、つなぎ融資などについてすでに措置されておるものかどうか、この点を明らかにしてほしいと思います。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 このたびの一連の災害につきましては、農作物に非常な災害があったことは、けさほど来のお話のとおりでございます。現在農林省といたしましては、統計調査部を通じまして被害額の確定を急いでおるわけでございます。全体といたしましては、天災法の発動は大体間違いないのじゃないかというふうに現在思っておりますけれども、ただ問題は、御承知のように、特別被害地域の指定県になるかならないかという点につきましては、今後の数字を十分固めましてその上で措置してまいりたいというふうに考えております。つなぎ融資の問題につきましては、被害が特に激甚であった県につきましては、いま申しましたように、大体天災融資法の発動の方向になるのじゃないかということもあるものでございますから、農協等を通じましてつなぎ資金を出すようにすでに指示をしておるような状況でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いまの話でちょっとひっかかるのですが、細田副長官の言われた話だと、一括して今度の問題をながめたい。いまの話で、被害県ということになれば、同じ台風下で影響を受けて、単独府県だけで分断するということになると、あとでいろいろと問題を残すと思うのです。天災融資法では必ずしも県ときまっておりませんし、二県以上のところもありますけれども、本来これは法律できまっておるのではなくて、過去の実績によって、被害額一県三十億なら三十億以上、二県またがりの五十億なら五十億と規制しておるわけで、災害本部を設置された現在における考え方としては、従前よりも歩前に踏み込んでいいのじゃないかという気がするのですが、その考え方は間違いですか。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 原則といたしまして、一災害につきましてやはり天災法を発動するかどうかということは、従来の基準を見まして発動するのが当然原則でございます。ただ、今回農作物につきましては、実は一週間くらいで次々に起こっておりまして、前の地帯と次の地帯と災害の地帯が重複しているところが相当あるわけでございます。そこにつきましては、例を申しますと、二十三号で受けました被害の額が確定しない前に、また集中豪雨なり、あるいは二十四号によって災害を受けておる、そういう地帯が相当あるわけでございます。そこらの農作物の被害額の確定につきましては、なかなか分離ができない実情もあるわけでございまして、そこらを一本で取り扱うか、あるいはそういうことにならざるを得ないんじゃないだろうかという県もあるわけでございまして、今後事務的にそういう数字に基づく検討を十分やりまして、天災法の発動については十分考慮をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 時間の関係で、三つばかり束にしてお尋ねしますから……。  自作農維持資金の災害融資ワクの拡大はどうかというのが一つと、それから農業近代化資金などの制度金融、旧債の償還の延期についての措置はどうか、それからもう一つは、先ほど本部長からお答えになりました時期別格差の問題は、昨年も措置されたのでありますけれども、大体前向きの姿勢が明らかになりましたが、最悪の場合でも取り扱いとしては昨年より下回らないだろうというふうに考えておるのですが、それでよいかどうか、この三点についてまずお答えをいただきたいと思います。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 自創資金の災害融資ワクにつきましては、たしか昨年でございましたが、限度額の引き上げをやりまして、現在五十万ということで、そういうことになっておりますので、この線で措置してまいりたい。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 手持ちは……。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 現在の残高でございますか、これは本年度当初約百億ございまして、現在までに約五十億くらいすでに年度当初並びにその後の災害に伴いまして配付をしております。現在約五十億くらい手持ちのワクがございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 五十億はふえないのですか。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 その点につきましては、今後の実情に応じまして、これは公庫の資金繰りの関係で、必要に応じて増ワクはできるのではないかというふうに考えております。  それから旧債につきまして、たまたま今回の災害によって、返済時期が来ているにもかかわらず償還ができないという気の毒な農家も相当あるのではなかろうかというふうに考えております。これにつきましては、従来もやっておりますが、今回につきましても、旧債の償還期限の延期について関係融資機関を十分に指導したい、そういう方向に実態に応じまして措置してまいりたいというふうに考えております。  それから、時期別の期限延長につきましては、午前中から大臣、官房長が答えたとおりでございまして、現在現地の実情を十分調査中でございますし、慎重にその取り扱いにつきまして検討中でございますので、御了承願いたいと思うのです。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 昨年より下回らないかと聞いている。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 現在検討中でございますので、十分実情に応じまして結論を出してまいりたいというふうに考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 三番目は、これはやはり本部長ですよ。農林省は大蔵省に向かって一生懸命くどいているわけです。それに対して本部長は先ほど胸をたたかれたのですが、昨年よりこれだけ大きな災害だから、私は、下回らないだろうと、先ほどの本部長のあいさつを受け取ったのですが、それで誤りあるなら修正してください。なければそれでいいです。  農林省にもう二点だけ伺います。  水稲共済の支払いはいつごろに見込みを立てているか。  それから、これはいつも別な言い方で問題になっておりますが、北海道の場合、タマネギとイモが相当やられたわけですが、現状においてこれらの農民に対する救済の手があるものだろうか。  この二つについて農林省に伺いたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 昨年を下回らないか上回るかという問題は、これは必ずしも災害地、災害状況というのが昨年と同一とは考えられません。先ほど来農林大臣も、いまもそうでありますが、実情を調査してということは、それぞれ地域によっていろいろ事情があるので、そういう意味で実情を調査してその実態に応ずるような措置をとりたいという趣旨で答弁をされておると思います。ただ問題は、原則論といたしまして、当然にそういう災害が先ほど申しましたように起こっておりますから、その自然条件に従った期日の延長というのは、これは常識的な問題でありますから、それは当然に行なうべきである、こういうふうなことを私のほうから申し上げたわけであります。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 共済金の支払いにつきましては、従来から、災害等がございました場合には、査定をできるだけ早く現地でも終了していただきまして、仮払いなりあるいは概算払いというような措置をできるだけすみやかに講ずるようにしているわけでございます。今回の災害につきましても、現地の査定も急いでやると同時に、その支払いにつきましても、できるだけ早く、おそくとも年内支払いは十分やっていけるように努力してまいりたいというふうに考えております。  それから第二点の、ジャガイモ等畑作物の災害対策でございますが、これは共済問題に関連いたしまして、実は畑作共済をどうするかという従来からの懸案事項があるわけでございます。いろいろ現在検討を重ねている最中でございまして、今後これをどうするかということにつきましては、実施できるかどうか、あるいは実施した場合にどういう問題点があるかというような点を全体ひっくるめまして、来年あたりを目標にいたしまして、果樹共済の問題もございますし、十分検討を早く進めてまいりたいというふうに思っております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 果樹共済の話は日を改めて伺うこととし、畑作農産物の問題もあとでやりたいと思いますが、そうしますと、結論的に、昨年の暮れは豊作でタマネギが二束三文にたたかれて、ことしはまた水害でやられた、この人には現行としては何ら政治的な恩恵はないということですね。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 それは被害の実態に応じまして、先ほど来申しましたように、農作物に被害が非常にたくさんございました場合には、自創資金、あるいは天災法が発動されました場合、そういった低利資金を活用いたしまして次期の営農資金に事欠かないように十分措置してまいる必要があろうかと思っております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 それしか出なければいたし方がありません。  これもちょっとむずかしい問題だと思うのですが、厚生省にお尋ねしたいのです。水害というと、畳、建具がやられてしまうことになりますが、これらについて、現行法規の中で、また運用上の問題で、何らか具体的に救済される道があるならば、この際お示しをいただきたいと思います。

宮田千秋厚生事務官(社会局施設課長)

○宮田説明員 ただいまの点は住宅の応急修理という問題かと思いますが、災害救助法によりますと、住宅が半壊した場合にその応急修理というものを認める。その場合に、普通は、台所とか玄関とか、居間を直すということでありますけれども、場合によっては畳を入れかえるということも認められないことはない、かように考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 災害救助法と区切られると、これはあまりおかげがないわけでありますが、現行法ではやむを得ぬかもしれませんけれども、経費の援助その他について何らかの方策が考えられていいのではないかと思うのですが、本部長、今後のあり方としてこの問題はいかがなものでしょう。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 畳がぬれたとか障子が破れたということを一々国家で見るということは、そう簡単なものじゃありませんから、検討はいたしますけれども、直ちにこれを実施するというわけには簡単にまいらないと思っております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 それでは、もう二点ですから、一緒にして伺います。  一つは国税庁のほうですが、罹災者に対する税の減免、徴収猶予、当然措置されておると思うのでありますが、この具体的な内容。  それから最後に、建設省にもう一つ戻るのですが、先ほど二人の方から質問がありましたけれども、この緊急査定官の派遣については、けさの資料にも出ておりますが、残された県についてこの扱いをどうするのか。それから緊急査定官を派遣した場合のかまえ方としては、けさほどから議論のありました原形復旧、これを改良復旧の立場でこなせる権限を持って出ておると思うのでありますが、この点についてお聞かせをいただいて、私の質問をおしまいにしたいと思います。

林大造大蔵事務官(国税庁直税部所得税課長)

○林説明員 お答え申し上げます。  税の関係でございますが、租税法律主義のたてまえによりまして、全部法律で与えられましたところで処置いたしておりますけれども、いろいろございまして、一つは、災害被害者に対する租税減免、徴収猶予等に関する法律というのがございまして、これで税の減免をいたしております。これは被害者からの申し立てによりまして個別に税務署長で処置することになっております。  それから第二の方法は、国税通則法によるものでございまして、これは税の額の減免ではございませんけれども、期限の延期でございます。これは個別の申請を待っても処置することができることになっておりますが、今回のように非常に範囲が広い災害につきましては、国税庁長官が告示をいたしまして、二カ月以内で、与えられた範囲内で延期をいたすことになっております。これは災害救助法の発動状況あるいは激甚法の発動状況その他を勘案いたしまして指定するわけでございます。また納税者の状況も勘案いたしまして指定するわけでございますが、この関係は一両日中に告示として出るはずでございます。  それからそのほかに、十一月に、ことに単作地帯の農家では所得税予定納税の時期がまいります。この時期に、予定納税の額の減免につきましても——これはまだだいぶひまがございますが、申請を待ちまして処理することになっております。  大体以上のような措置をすることになっております。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 いまの査定の件についてお答えいたします。  ただいま現地に派遣いたしましたのは、緊急に復旧を要する個所につきまして工法協議をやるために行ったわけでございます。したがって、今後現地の準備が完了次第査定を行なうわけでございますが、特に北海道、青森等につきましては、冬も早うございますし、工事期間も非常に短くなりますので、九月二十四日から本査定に行きたいというふうに考えて、できるだけ査定を早く済ませたいという考えでございます。  それからなお、査定にあたりましては、つとめて現地の事情あるいは災害の状況等に合うような査定を、なおそれでも十分でなければ、災害関連事業を導入いたしまして、一定計画に基づく改良計画もあわせて考えていきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 最後になって追加して恐縮ですが、先ほどの報告の中で、農産物の検査規定を昨年の北海道の冷害規定のように近く告示されると言いましたね。聞き違いでないと思いますが、もし告示を近くやられるとすれば、その告示の内容をここで明らかにすることができるかどうか。もしできればお聞かせいただきたい。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 米の等外上の買い付けにつきましてはすでに告示済みでございますが、規格外の問題だと思います。これはごく近い将来に出す予定にしておりますが、内容といたしましては、水分過多の問題であるとか、あるいは胴割れ米の混入、規格外の問題、それからウルチ米の混入の問題、発芽粒及びやけ米混入の問題、穂発芽混入の問題、大体こういうことを織り込んだ規格外を買い上げ対象にするという趣旨のものを現在準備しているような次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大体昨年と同じですか。昨年と特徴的に違いを見せておりますか。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 ちょっと昨年のものをいま承知していないのでございますけれども、風水害がございました際には、大体いま申し上げましたような規格外の措置をやっているので、あまり違わないのではないかというふうに思っておりますが、ちょっと確かでございません。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 以上で終わります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 建設大臣兼災害対策本部長の瀬戸山さんにお尋ねいたします。  非常に広範な今回の台風並びに豪雨被害の状況が報告せられましたが、これらに対する財政措置も、あるいは対策の具体化も、結局現状調査が完了するということが先行するというふうに思いますが、そこで事実調査の係官を派遣され、並びにその調査が一応完了し、具体的対策の確実な資料が整うのは、大体いつの日程になるのでしょうか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 これは第一次本査定を九月二十四日から実施するわけでありますが、先ほど申し上げましたように、十月の初旬あるいは中旬くらいに大体査定を終わりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 十月の中旬にもし査定が終わりまして、それで予算措置にまで対策が具体化するのはいつごろの見通しになりますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 査定は十月の中旬くらいまでにできるだけ急いでやりたい。これは農林関係も大体同じでありますが、予算措置は、緊急に応急対策をするというようなものは、直轄などは現にやれる体制もあります。補助等についても、御承知のように、先ほど申し上げました予備費等の支出が、その計画のでき次第順次予備費を支出するという体制がありますから、そう別に支障があるとは思っておりません。予備費がなければ、あるいは緊急融資で一時まかなう、こういう措置を従来もとっているわけでございますから、それに応じてどうしても予算措置が必要だという場合は、補正予算を考える段階があるであろうということを先ほど来申し上げておるわけであります。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 大体におきまして、いまの段階において建設省あるいは農林省その他においても、災害の状況、それから被害の数字などが説明せられました。相当以上見込んでおられまするが、国並びに地方団体の負担すべき支出というのは大体どのくらいという見当はいま御説明はできないのでございましょうか。その点はいかがでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 非常にむずかしい問題でありまして、先ほど来申し上げておりますように、これは災害の実情をつかむことが先決であります。と同時に、激甚地指定がどの程度になるかならぬかということによって非常に地方負担が左右されますので、もう少したちませんともとがきまりませんのと、もとがきまりましても、激甚地取り扱いがどの程度になるかということによってずっと違ってまいりますので、いまの段階では、地方負担がどのくらいということはちょっと御説明ができかねる事情であります。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 どうもわかったようでわからぬのが実はその点でございまして、たとえば激甚災害の指定を受ける地域の問題にしましても、これはやはりそれがきまってこないと、各般の対策並びにそれに伴う各般の財政負担等がきまってこないということになるわけでありますが、しかし、どっちにしましても、激甚災害の指定は急がねばなりますまいし、調査も急がねばならないだろうし、さりとて復旧対策の実施も急がねばならぬがろうし、いずれにしても、昭和四十年度に幾らおそいものでも相当対策は進捗する、あるいは簡単なものは完了する、こういう見通しを持つことが、地方の被害団体におきましても、あるいは担当機関におきましても、非常に大事な点でないかと思うのです。でありますので、これはあらゆる力を動員いたしまして、政府の全能力を発揮いたしまして調査の完了を急ぎ、あるいは実態の掌握、数字を立てることを急ぐということをなさって、でき得べくんば臨時国会中に必要であるならば補正予算も組むというところまでいかないと、これは災害対策になるのやら、あと始末ということで一そう国民は被害がさらに悪循環していくということになるかもしれませんし、いろんな方面への影響は、おくれるのと早く敏速にやるというのとはきわめて重大な関係があると思います。あなたの対策本部の重要なお仕事はまずその一点にあるのではないだろうか。非常に精密な、完ぺきを期する調査もさることながら、やはり流動しておるのでありますから、一刻も早く調査の結末をつけるということが、国民が行政を信頼するゆえんであると思います。この点についていろいろ事務当局も御説明ありましたけれども、臨時国会はいつまで続くか知りませんが、少なくとも臨時国会中に必要ならば予算も国会に出すというところまでひとつ決意を持って臨まれることになさってはどうかと思うのですが、どうでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 必要が生ずれば臨時国会中に補正予算の問題が起こり得る可能性がありますということを先ほど来申し上げておるわけであります。それから激甚地の指定と災害復旧とは必ずしも軌を一にしなくてもよろしいのでありまして、激甚地指定の問題は結局地方負担の軽減でありますから、これは精算勘定になりますので、そういうことは別にして、必要な部面は復旧工事をしていく、こういう体制であることを御理解願いたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それから一般に中小企業につきまして、とかく今回等の災害においても幾らか軽視されておるきらいがないことはないと思うのですが、中小企業対策といたしまして、政府は、融資などについて指示事項にもあったようでございますけれども、相当具体的な数字、財源を用意いたしましてこれに臨むということが特に必要でないかと思うのですが——これはどちらでございますか。

影山衛司中小企業庁次長

○影山説明員 お答え申し上げます。  このたびの台風二十四、二十五号によります被害状況を現在調査中でございますけれども、大体二十府県につきまして、総額で中小企業関係の被害は九十三億六千八百万円であります。こういう状況に対しまして、中小企業庁といたしましては、政府関係の金融機関に対しまして直ちに次のような指示を行なった次第でございます。第一番目に、被災の中小企業者の必要資金の確保につきましては十分配慮をするということで、御承知のように、政府関係の三機関の貸し付けにつきましては、十分な資金を上期に従来よりも繰り上げて用意をいたしております。その中から必要資金は幾らでも貸し応じますという態度をとっておるわけでございます。  第二番目に、貸し付け条件でございますが、これにつきましては、既往の貸し付け金につきましては、実情に応じ元利金の支払い猶予、貸し付け期間の延長等の措置を講ずると同時に、新規の貸し付けにつきましては、据え置き期間の設定、担保条件の緩和というようなことで適切な措置を講ずるというふうな、貸し付け条件につきましての指示も与えておるわけであります。御承知のように、金利の点につきましては、激甚災害の指定がございましたならば、六分五厘という特別の適用があるわけであります。それ以外の点につきましては、ただいま申し上げましたように、激甚災害並みの条件緩和ということを行なうように指示をしておるわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 信用保証協会の特に活用ということはこの際最も有効な手段かと思うのでありますが、積極的にその方面につきましてもしかるべく指示があってよかろうと思うのですが、その点はいかがですか。

影山衛司中小企業庁次長

○影山説明員 信用保証協会の保証につきましては、激甚災害の指定を受けましたならば、てん補率を、通常七〇%でございますが、八〇%にするとか、あるいは保険料を引き下げるとかいう措置がとれるわけでございますが、それに至らない間におきましても、被害額あるいは必要融資額等が確定いたしましたならば、県のほうとも相談をいたしまして、保険公庫から融資資金を必要額流すというような措置もとってまいるというふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それから地方の市あるいは町などが管理します例の準用河川の河口等にまつわる問題であります。これはあちらこちらで私ども現地を見て存じておりまするが、県管理の河川、あるいは海岸法の運輸省の管理、あるいは隣の漁港の農林省の管理といったような、その辺のてんめんしたところの災害地というものは、これはやはり横の行政がうまくいきまして災害予防の措置がとられ、あるいは堤防の工事にいたしましても、海の防潮堤の工事にいたしましても、あるいは土砂のしゅんせつの問題等にしましても、小さな川でありまするので、とかく放置されておりましたことが、今回の大きな被害のそういう場所における原因になっておるように思うのであります。この点は、やはり建設省が主になりましてか適当に各省に連絡をおとりになりまして、平素から行政よろしきを得まして、このような災害をあらかじめ予防するということが、災害を防ぐ一つの根本原因になるのではないかこういうふうに思うのでございますが、これはいかがでございましょうか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 お答えいたします。  河川の河口には、先ほどお話がありましたように、農林省所管の海岸あるいは運輸省所管の海岸、あるいはその河川は県知事が管理されていたり、いろいろ主体が重なっております。しかし、国土補助事業につきましては、それぞれ区域を明確に区分いたしまして実施をいたしております。なお、そういう管理の区分が違うために災害が起こるということは、非常に注意をすべきことでありますし、われわれとしても関係各省と十分打ち合わして災害対策の万全を期するようにいたしたいと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 これはやはり各方面から具体的な被害調査の結果、あるいはまた、陳情等が出ておると思いますので、実際に各省とも横の連絡をおとりになって行政の完ぺきを期していかなければならぬと思うのであります。この点は、やはり対策本部といたしましても、大臣からしかるべく指示なさる必要があろうかと思うのですが、いかがですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 そういう事態が非常に論議されましたのが、御承知のとおりに、伊勢湾台風の災害発生の原因がそういうところに大きにあったという事態がありまして、その後の行政運営について十分注意をいたしてやっておるわけでありまして、いまお話しのとおり、十分留意いたしまして措置をいたしたい、かように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それから公共の教育施設につきまして、学校の構造などの問題でございますが、まず一点は、特に小中学校などにつきまして木造の建物がなお相当存置するようでありますが、私どもは、やはりこういう災害の国でございますし、年々災害は繰り返しておるのでありまするから、構造につきまして根本的に木造を次第に廃するという方向へすみやかに切りかえることが根本的に必要ではないであろうか、こういうふうに思うのでありますが、これはやはり建築費等の関係もあるかと思いますけれども、防災の見地からは非常に重要でございますし、また一面、利用も効率的であろうかと考えまするが、こういうふうな建物の構造につきまして根本的に検討していく、こういうふうにしてはどうかと思うのですが、この点はいかがでございましょう。これはしかるべきところから御答弁願います。

中尾龍彦文部技官(管理局教育施設部長)

○中尾説明員 御指摘のとおり、現在わが国では大体七割三割というような割合で木造の校舎がはるかに多い現状でございます。したがいまして、こういう台風あるいは火災というような災害をこうむることが多いのは、まことに遺憾でございます。そこで、こういう災害復旧に際しまして、復旧する場合にはでき得る限りこれを鉄筋校舎に改築をして恒久的な構造にする、なお、一般の整備の場合におきましても、でき得る限りこれまた鉄筋鉄骨等の校舎へ改善していって、そしてこういう災害を未然に防止したい、こう考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そこでやはり問題があるわけでございますが、この点は大臣いかがでございましょうか。やはり一つは建築費の問題になってまいると思います。木造が安上がりだし、全額国家の負担ではございませんので、地方負担になります。そのようなことをどう解決すればいいのであるか。もう一つは、基準の単価が実施単価とは違いますから、実際におきまして地方はずっとはるかに多い負担をしておるということは、万人知るところでございます。この二つの問題をどうしても解決していかなければいくまいと思いますが、こういうふうなときに、思い切って建築単価を再検討するということに踏み切ってはどうであろうか。国の予算の関係もあると思いますけれども、予算は予算とし、財源は財源といたしまして、根本的に単価問題に本格的に取り組んでいく、こういうことが必要ではないかと思います。でないと、弊害が悪循環しておるということは、御承知のとおりでございます。その前の建築費の問題にいたしましても、われわれしろうとでございますけれども、やはり鉄筋とかあるいはコンクリートというような建物の場合に、建築費の増額ということも考えられますけれども、建築費というものをもっと科学的に研究いたしまして、どうすればよいものが安くできるだろうか、どうすればよい構造のものが、利用度の高いものができるであろうかということを、十分に科学的に研究をするというようなことがこの際必要ではないだろうか。建設屋の見積もりによってきめられていくというようなことではないと思いますけれども、しかし、いずれにいたしましても、こんな日進月歩の技術革新の時代でありますので、私はその点につきましてもさらに研究すれば相当な成果があるものと思うのですが、どうでございましょう。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 第一点の、災害後の学校施設、あるいはその他でも同じでありますけれども、できるだけ災害に耐える、あるいは火災に耐える、そういう耐久構造のものにしようという努力は年々続けておるわけであります。これは学校に限らず、国の施策に基づく住宅等についても、あるいは官庁営繕等についても、その方向へ努力をいたしておるわけであります。住宅の問題については一〇〇%そういう耐久構造にしよう、こういう構想でいま進めておるわけであります。学校施設の問題についてはいま文部省からお答えがあったとおりでありますが、これもなかなか膨大な経費を要するのでありますから、一挙にというわけにはなかなかまいらないわけでありますけれども、漸次鉄筋その他の永久構造に切りかえていくという方策をいま進めていることは御理解願いたいと思います。  それから建築費の問題でありますが、学校等のごとく用地がすでにあるものの問題のときにはそれほどでありませんけれども、住宅等のように用地を新たにとるというときには、用地費の問題で建築全体のコストが非常に上がる、これが一つの弊害であります。これは別途に考慮いたすことを検討いたしておりますが、さような事態がある。建築単価が実情に合わない、こういう点も、これはいまに始まったことでありませんで、特に地方公共団体等が過重な負担をして、地方財政に大きな圧迫を加えておる、こういう事態も、御承知のとおり非常に大きな問題でありまして、年々これは議論になり、検討されております。四十年度の予算においても、まだ建築単価の実勢には届かないと思いますけれども、できるだけ実勢に合うようにということで改善を加えておりますが、四十一年度の予算編成にあたってもこの点は十分努力をいたしたい。ただ問題は、反面において物価問題が御承知のとおりあるものですから、政府みずから物価上昇を刺激するような行為はできないという点もあることは、どうかひとつ御理解を願っておきたいと思います。  それから、建築構造あるいは建築費用をできるだけセーブするような研究はどうか。これはもう御説のとおりでありまして、わが国の建築については、御承知のとおりに、台風、地震あるいは火災、いろいろ悪条件が伴っておりますから、どうしても技術的に建築費が比較的高い、これは非常に問題であります。したがって、私は技術のことはわかりませんけれども、技術専門家は、その中においていかにして建築構造のよいものをつくり、そして単価を安くできるか、こういうことは日夜研究を進めておるわけであります。建設省においても、御承知の建築研究所あたりはそれに専念しておるという実情で、だんだん改善されつつあることは相当にあるわけであります。今後ともやはりそういう面について十分の努力を進めていきたい、かように考えておるわけであります。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 今回の災害にあたりまして、地方団体の悩みはおそらく財政支出の困難にかかってしまっておるだろうと思います。ことに、自治省が最近発表いたしました三十九年の実質収支の決算におきましても、府県の場合赤字団体がふえておりますし、あるいは歳入は相当伸びが悪くなっております。歳入は減少しております。こういうような次第でありまするから、地方団体の負担というものがこの際あらゆる角度から検討せられまして、この災害対策がその面において大きな行き詰まりを内包していくことのないようにできるだけ努力をしてもらいたいということを、いまの建築単価の面と関連いたしまして強くひとつ大臣に御要望申し上げておきます。これはまたいずれあらためまして別の機会にいろいろと論議をしていかねばならぬ問題と思います。  それから農林関係に伺いたいのでありますが、これは同時に融資関係になりますので、その方面からもひとつしかるべく。たとえば兵庫県におきまして、こちらにも配付いたしました写真にも出ておりますとおりに、構造改善事業でやっていた二十一頭の乳牛が斃死しておるという悲惨な写真が出ております。ああいうような状態を見ますと、融資は償還期がもう到来いたしておりまするし、それからまた、この際の被害についてまた融資を受ける、あるいは延納の措置が講ぜられるというようなことがありましても、そういったことでは、再び新しい意欲を持って立ち直っていくということがちょっともう困難じゃないかというふうに実は心配いたしております。そういう面がずいぶんございます。こういう酪農にいたしましても、あるいはまた果樹、園芸にいたしましても、そういう面がずいぶんあるのでありまするが、これは農業近代化資金にいたしましても、その他、この場合における天災融資法の適用にいたしましても、無利息の金、もしくは過去の負債の打ち切りの措置というような非常措置というものはできないものでございましょうか。あるいはまた、無利息の金を相当用意するというようなことは、この際はできぬものでしょうか。私は、やはりそういう面から農業意欲というものが——熱心家であるほど大きな被害を受けておるということを現実に見ておりますので、農業を放棄するという思想が生じるんじゃないかということをひそかに実は憂慮いたしておるのでございます。その一例といたしましては、兵庫県におきましても礫耕栽培などを相当やっておるのでありますが、これは細田副長官もごらんになった次第でありますが、ここ数年来五、六百万入れましたビニール並びにガラスのハウスの礫耕栽培が全滅の被害を受けているというようなものもございます。だから、新しい企画あるいは創意くふうをしておる熱心家、努力家、専業として一生やろうという者ほどえらい被害を受けておるという現状なんです。適当に兼業で奥さん農業をやっておればさほどなかったものをというようなことになっております。これにつきましては、ほんとうの救済措置をとって融資並びに切り捨て等の方法を講ずるべきではないかと思うのでありますが、切り捨ては一つの大きな政策の問題になりましょうから、大臣どうですか、その辺について新たなる構想をもってこの際災害対策の一つのあり方として考え得られないものでしょうか、どんなものでございましょう。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 天災融資法に基づきます金利の引き下げ問題につきましては、かねてからいろいろ御要望が非常に強かったわけでございます。したがいまして、ことしの春の国会でございましたか、従来特別地域につきましては三分五厘ということで融資しておったわけでございますが、それをさらに三分にまで引き下げるということで、この春の国会で通過いたしまして、現在その線で実施をしておる最中でございます。農家の中には、災害によりまして従来の旧債がまだあるにもかかわらず重ねて災害を受けるというような気の毒な農家が非常に多いわけでありますが、旧債につきましては、すでに償還期限が到来しておるというようなものにつきましては、実情に応じましてその延長の措置も考えてまいりたいということで、すでに融資方には指導をしておるような次第であります。また、災害を受けました者の復旧資金につきましては、公庫の長期資金であるとか、あるいは近代化資金であるとか、また、ごく簡易な施設等につきましては、天災融資法の対象にもなっておりますし、また、自創資金等につきましても相当長期な融資の道もあるわけでございます。したがいまして、今後実情に応じまして、そういった気の毒な農家が再起できますように十分行政的にも指導もし、ぜひ立ち直っていただくように努力をいたしてまいりたいというふうに考えます。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 現在の実情、制度については、いま事務当局から説明をいたしたとおりであります。問題は、そういう打撃を受けた農業者がどうすれば再起をされるか、ここにかかってくると思います。旧債の償還延期あるいは緩和等、いろいろ総合的にこれは考えなければならないと思います。新しい再起資金の融資条件等についても現行の制度において最大の努力をして、再起できるかどうかというめどでこれは対処すべき問題だと思います。そこまで研究いたしまして、やはりそれで再起できるかどうかという問題がありますれば、いまお話しのような無利子の金でも、利子補給をして出す制度を別に考究しなければならない、かようなこともあるわけでありますが、お話しのことを考慮いたしましてこれは十分研究をいたしてみたい、かように考えます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 その点はひとつ大臣といたしまして農林大臣等とも御相談になりまして、これはできることならば、やはり農業近代化資金にしましても、財投の金も使いまして——いま農協の金を主として使っておるようですが、かなり高いコストの金でございます。そういうことでなしに、他に財源を求めるということに一歩進めまして、百姓を守っていくと同時に、災害対策の基本的なあり方が大事であります。やはり災害対策の非常に重要な根本を握っておられる本部長のお立場でございますので、この農業被害というものがどういうふうな深刻さで百姓を苦しめていくかということをほんとうにきめこまかくお考えくださるということが、災害対策などには一番大事な点ではないだろうか。全く物のないときには、空腹で困りますときには、一握りの食事でもほんとうにありがたいというようなものですから、めちゃくちゃにやられておるような、そういう百姓の立場を基本的に考えていくということが、災害なんかのときにおける善政のあり方である、こういうふうに思いますので、ぜひその点は融資の根本について十分に閣議の場におきましても御検討をいただきたい、こういうことを強く御要望申し上げておきます。  それからもう一つ、あまり多く例はないかと思いますけれども、兵庫県におきまして県立の農事試験場かございます。これは七十年の歴史を持っておりまして、私はよく存じております。これは稲の研究では日本一であると思いますが、いまはあらゆる調査、研究をやっております。そういった実験場がこわされてしまった。蔬菜あるいは草花の実験場なんか、現に私も見ましたが、いろいろな実験場かこわされております。講習生なんかが鋭意復旧に努力しておることは事実なんでありますが、兵庫県も激甚県の一つでありますので、財政上の困難のためにこれらの試験場に対する復旧作業もおそらくは相当難航するのではないかと思っておりますが、これはやはり国の重要農業施策の根本につながってきますので、高い見地から、このような実験場は十分に保護あるいは復旧、充実するというような角度でこれが災害対策を講ずるようにすべきではないだろうか。ひとり兵庫県のそれだけではなしに、ほかにも相当あるかと存じますけれども、私は現に見ておりますので、特にこういう点は御要望の意味でひとつ御相談してみたいと思うのですが、特別の御配慮をお願いしたいと思います。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 兵庫県の県立農試の被災につきましてはまだ詳細承知していないのでございますけれども、県の施設の復旧につきましては県の責任においてやっていただくというのがどこまでも原則ではなかろうかというように思っております。他の同じような県の施設につきましても今度の災害によっていろいろ被害が出ておるのではなかろうかというふうに思うわけであります。現在農林省といたしまして直ちに県立の試験場等に対して何らかの措置をとるというようなことは考えていないわけであります。県として適当な方法ですみやかに復旧されるよう十分側面的な努力はしてまいりたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 事務の御当局にそれを申し上げることは無理かもしれません。しかし、いずれにいたしましても、たとえば県単の事業だから県でかってにやってしかるべきだというようなことで、木で鼻をくくってしまえは、災害対策にはならぬのであります。たとえば個人災害にいたしましても、公共災害の場合にはいろいろな対策が立てられるが、個人災害は自分で受けた被害を泣いて結末をつけなければならぬというのが実は多いのでございます。免税と申しましても、これは消極的です。仕事を休んで、病人を抱いて、そして屋根がくずれて、その災害に対処していくという個人被害は、ほんとうの被害なんでございますが、積極的に国の責任でこういった生活力を復旧さしていくということが、災害対策の根本のあり方でなければならぬ。でありますから、ある地方団体がその責任でやるべきことだから、それは考えておらぬというのは、事務的なそれにすぎない。やはりそういうことは、大臣、これこそほんとうの政治でありますから、平素ならさっき事務の方がおっしゃったとおりだが、しかし、非常事態なんだから、災害非常事態における行政のあり方というのは、ほんとうの生きた政治なんです。そのときに、やはり政治というものはありがたいと思う、あるいは政治というものはけしからぬと思うというような、大きな影響がいろいろと人心面にあるわけでございますので、やはりこの際はそれぞれワクをはずすぐらいな意気込みで対処するようにしてもらいたい。また同時に、災害対策の総元締めをやっておられる瀬戸山建設大臣のお立場からも、そのような配慮は、ぜひお考えを願いたい、こう思いますので、この点も強く御要望申し上げたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 個人災害を全部国で見るということは、なかなか簡単ではありません。いまの兵庫県の農事試験場の問題は、県がおやりになっておるのですから県でひとつよろしくということも一つの方法でありますが、これは兵庫県とよく相談いたしまして、自治省や農林省と協議して兵庫県の実情とあわせてひとつ検討してみたい、かように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 厚生省はおられますか。——環境衛生あるいは福祉対策の問題でありますが、社会の弱い面の、特にあとのほうの福祉対策につきまして、福祉の対象になります人の問題、たとえば母子家庭等あるいはまた福祉施設等、老人施設などでありますが、こういった被害につきましても、特に個人の母子家庭等につきましては若干の融資などの道が講じられておりますけれども、われわれ歩いてみた経験からいたしますと、この方面における被害地域は意外に大きいのでございますので、融資その他の手も、できるだけワクを広げるとか、あるいはまた、調査をすみやかにするとか、何らかなし得る限りの手段を講じて、その福祉対象の対人関係における災害対策の趣旨を徹底するようにしてもらいたいと思います。  もう一点の施設につきましても相当お考えになっておると思いますけれども、公共の施設もございますが、同時にまた私の施設もございますし、福祉法人の施設もございます。これなんかも痛んだものの復旧ということにはかなり困難を来たしておりますが、どういうふうな手をもって救済の手を伸ばすべきなんだろうか、この二点いかがでありましょう。

宮田千秋厚生事務官(社会局施設課長)

○宮田説明員 お答えいたします。  母子世帯、身体障害者の世帯、老人の世帯等で、低所得であります者が被災をいたしました場合につきましては、災害救助法の適用地域につきましては災害救助法の救助がございますが、それ以外の場合でありましても、そういう低所得者に対しましては、世帯更生資金の制度と母子福祉資金の制度がございますので、これによりまして応急的な援護措置を講じておる、かようなたてまえになっております。それで県によりましては、その世帯更生資金または母子福祉資金が、年度当初に交付してあります補助金が足らないという県もございますので、それは御要望に応じまして必要な範囲で適宜追加交付する、かように考えたいと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 最後に、私これは今後の問題になるかと思いますけれども、大臣に伺いたいのでありますが、この種の災害に対する保険制度、これは農業につきましては保険があり、死亡につきましてもあると思いますが、しかし、たとえば工場か半分倒壊した、あるいはまた機械がすっかり水づかりになってしまったというような中小企業者の工場だとか、こういうものには火災保険そのものがずばっと当てはまるわけでもなし、といって、それを保険する補完制度はないように思いますが、もしそうだとするならば、私は、やはりこういう一種の災害保険制度というものが広く検討されるべきではないだろうか、こういうふうに思います。非常に大きな資本を持ち、有力なものは別ですけれども、いわゆる中小企業の範疇に属するような工場等が今回のような災害を受けますと、ちょっとどうにもならぬ。どこへ持っていってこれが救済を依頼するという手がないように思います。何かこの種の災害につきまして保険制度を創設するというようなことは考えるべきでないかと思うのです。これはひとつ御検討願ったらどうかと思うのですが、どうなんでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 いまお話しのとおり、台風と水害等の一般的な災害保険は現在ないわけであります。地震等も非常に問題でございましたが、地震保険というものは一応行なわれるようになったという段階でございます。ただ、これが成り立つものであるかどうか、これは保険制度でありますから、相当に深く検討しなければならない問題でありますので、検討をしてみたい、こういう程度でひとつきょうは御了承を願っておきたいと思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 終わりますが、激甚地の指定につきましては、どうかできるだけあらゆる力を動員いたしましてすみやかに御指定あらんことを希望いたしまして、私の質問を終わります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 ことしは四年ぶりに京都府は大災害を受けました。由良川と淀川と両方の河川が広範にはんらんしました。災害常襲地帯といわれているところが全部水をかぶったわけであります。ところで、そういうふうな二十三、二十四号の台風の場合、ことに二十三号が非常に足が早かったものでありますから、いろいろな救助対策とかその他の対策を立てていきますのに、台風の状況が非常にわかりにくかった。ことに台風が内陸に入りますと、大阪の気象台に問い合わせましても、なかなか台風の情勢がキャッチできなかった。だから、京都府のほうで台風の観測をやっておるレーダーの画像を遠隔操作して受信できるような装置がほしい、こう言ってきておりますのですが、一台四百万から五百万程度のものなんですね。それを京都の地方気象台と舞鶴の海洋気象台に装置できれば、情勢をキャッチしていくのに非常に便利である、対策を立てるのに便利だ、こういうことなんでございますが、しかし、これはひとり京都だけの問題でないと思うのです。各地に気象台がございますから、そういう気象台に、台風に備えるための、そういうリモートコントロールで受像できるような装置が——これはそう高くないものですから、設備されたらどうかと思うのでございますが、いかがでしょう。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 気象庁長官の柴田でございます。ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。  先日の台風が内陸に入りましたときに、これが非常にレーダーでとらえにくかったというお話でございますが、これは御承知とは思いますけれども、海上におるときの台風の姿と、内陸に入りました台風の姿とは、台風そのものの姿が相当変わってくるのでありまして、この間のようなのが特にその一例でございますが、内陸に入りますと、内陸の谷だとか山だとかという地形に台風の姿が変形されまして、非常に台風の中心が明瞭でなくなってしまうのでございます。したがいまして、この間の場合は特にそうでございましたけれども、内陸に入りますと台風の中心がぼやけてしまって、どこが中心だかということをはっきりときめにくくなるのでございます。先日の場合のように、台風の中心の目の半径が非常に大きかったものでございますので、百キロ近くございました。こういうような台風につきましては特にそういう現象が考えられる。そういう意味で、内陸に入りました場合にレーダーでとらえにくかったということが言えるのじゃないかと考えております。  それからその次の、遠隔操縦あるいはレーダーの映像の電送の問題でございますが、ごのレーダーの電送につきましては、お話しのようにわれわれもたいへん有効だと考えておりまして、レーダが備えつけてある場所だけで観測したのでは予報には不十分である、予報を出すところでそのレーダーの映像を見なければならないということは、かねがね考えておるのでございますが、まず第一の問題としまして、レーダーのある場所から遠く離れた予報を出す気象官署に対して電送をいたします場合に、実は写真電送がいいのか、あるいは模写電送がいいのか、あるいはそのほかの映像の送り方、いろいろな送り方がございます。それにどういう方法が一番いいのかということをいま実は検討中なんでございます。それによりまして、電送する距離とか何とかにも関係することでございますので、最も有効な送り方は何々かということを検討中でございます。  それから、いわゆる遠隔操縦でございますが、京都、舞鶴というところだけを考えておるのではございませんので、全国重要なところに対してはこういうことはぜひ考えなければならないとは思っておりますけれども、いま現段階において特にその京都、舞鶴というものを取り上げては考えておりません。全国をおしなべましてこういうものをやる場合には、順位的に逐次できるだけ早く実施に移したいというように考えておる次第でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 とにかく京都では、今度の場合、何回か気象台へ問い合わせたが、気象台からの返事そのものも、いま台風がどこにあるのか、どういう進路をとっているのかということについての正確な回答が得られなかったために、万般の処置をするのに非常に困ったということを申してまいっておりますので、いま幸い、どういうふうな方法で状況を電送すればいいのか検討中だということでございますが、早急にその検討を終わっていただいて結実させていただきまして、各地方に——これは京都だけの問題ではないと思うのです。各地でやはりそういう問題があると思います。各地に至急にそういうものを備えるように方針を立てていただきたい。これは本部長にもその点特にお願いいたしておきたいと思います。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 たいへんけっこうな御激励をいただいてありがとうございました。私たちも大いに前向きの姿勢で努力したいと思います。今後ともひとつよろしくお願いいたします。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 ことしは私の地元宇治川がひどくやられまして、これは水害常襲地帯になっております。ことし治山治水緊急措置法の改正をやりました。それから一昨年河川法の改正をやりました。いずれの場合にも、水害常襲地帯については優先的な措置をやれということを強く主張したのでございますが、与党さんのほうで、いやそれはかんべんしてくれ、しかしながら、特に今後計画を立てる場合にはそういう地域については優先的な配慮を行なう。また同時に、附帯決議にもそれをつけようということで、いずれの場合にも、法改正に際して、水害常襲地帯については洪水防止のための措置を優先的に配慮するというふうな附帯決議がつけられておるのでございますが、それでは具体的に宇治川、それからことに桂川ですね、常襲地帯として非常に今度の場合もひどくやられましたところでございますが、その地域についてどういうふうな配慮が行なわれておりますか、承りたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 災害常襲地帯の問題につきましては、先ごろ閣議決定をいただきました治水五カ年計画の末尾にも、その実施にあたっては水害常襲地帯に特に考慮を払うものとするということで実施を行ないたいというぐあいに考えております。  ただいま宇治川につきましては、われわれとしましても、天ケ瀬ダムとの関連もございますし、無堤地帯でございましたので、急速に工事を始めまして、ただいま四十一年度を目標に工事を完了したいというふうに考えております。四十一年度の出水期にはほぼ概成したいというふうに考えております。  その具体的内容といたしましては、宇治川の右岸につきましては、これは山科川の合流点から上になりますが、それにつきましては、戦川以下の用地を完了しまして、築堤を戦川の線までことし実施したい。それから宇治市の塔之島の用地も実施するようにしております。それから宇治川の右岸の山科川合流点より下につきましては、用地を完了しまして築堤も完了したい。それから山科川につきましては、直轄部分につきまして京阪橋並びに築堤等につきまして四十一年度を完成目標にただいま進行中でございまして、現在宇治川につきましては、三十九年度は二億五千万円でありましたが、四十年度には八億五千万円という投資をいたしまして進めております。なお、今回災害を受けられました宇治市の堂川周辺につきましては、築堤の完了と相待ちまして、内水対策につきまして具体的に対策を検討いたしたいと存じております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 そうすると、ことしは大体築堤と、それから樋門がどうせ要ると思いますが、樋門の設備ですね。来年は内水排除の問題に取り組んでいかれる、こういうふうに承ってよろしゅうございますか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 築堤は来年の出水期までにはほぼ概成したいというふうに考えております。それは水門も含めましてですね。内水対策につきましては、ことしから調査をいたしておりますが、この調査の結論が出次第早急に着工するように努力いたしたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 この場合いままで無堤地帯である、そこへ樋門をつけて築堤をやります。そうすると、これは水がはければ、樋門が切れれば自然排水できる。ところが、この宇治川は、洪水がきますと、まず琵琶湖の洗いぜきを締めます、そして洪水が引きますと、今度は滋賀県にたまっているところの水をどんどん一週間も二週間も流すわけです。だから、普通の川でありますと、大雨が降る、それがずっと流れて、一たん水位が下がれば、それで洪水はなくなる。ところが、この宇治川につきましては、滋賀県の広範な集水面積を持つ琵琶湖、それから長期にわたるところの水を排出するという性格を持っておりますので、水位がなかなか下がらない。そういうふうな特別な河川でありますから、樋門をあけて自然排出を考えるということは不可能なんです。だから、勢いこれは人工排水にたよらなければならぬ、こういうことになってまいります。そうすると、そういうような特別な性格を持ったところの人工排水というものは、これは河川事業としてやってもらえるのか、あるいは都市計画事業としてやれとおっしゃるのか、その辺のことを承りたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 河川事業として実施したいというふうに考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 それでは建設大臣、確認させていただきますが、河川事業でやりますと、これは直轄でございますから、地元負担はございません。都市計画でございますと、これは約半分か三分の一地域の自治体が負担しなければなりません。ところが、宇治市はそう大きな都市ではございません。しかも淀川という、そういうふうな特殊な河川を持っておるこの地域は洪水に非常に悩んでおります。だから、そういうふうな地域については当然河川事業としてやってもらわなければならないが、しかしながら、従来ややともすれば、内水排除は都市計画事業としてやれということになりますので、非常に心配をしておりますのですが、これは建設大臣からはっきりいまの河川局長の答弁を確認していただきたいのです。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 いま古賀局長からお答えいたしましたとおり、これは直轄工事で治水事業をやっておるわけでありますから、治水事業のために堤防をつくりあるいは排水樋門をつくる、こういうことでありますので、その排水に関するところまで治水事業としてやるわけであります。これはどこでもそうであります。そこで負担の問題は、やはり河川改修、治水事業と同じ制度でやりますので、市の負担はないのじゃないかと思います。県が四分の一は負担する。これはどこでも同じでありますが、こういう制度でやるということであります。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 この地域に木幡池という池がございます。これはいつも水がたまるのですが、元来昔の淀川の河道だったのです。淀川の河道がぐるっと大回りしたのが少しショートカットの形になって残ったところが沼になって残っているわけです。そこへ堂川という川が入りまして、それがまた山科川に入っておるわけでございますが、この旧河道は非常に下のほうが底が砂利層でございますので、築堤をしていただきましても、相当下から通って湧水してくるのではないかということを地元で心配いたしております。このことは、かつて前の局長時分にそういう問題を持って陳情にも参ったことがございますのですが、その辺ボーリングをやっていただいて調査していただけたのか、そうしてもしその下をくぐって水が入るようなら、せっかく築堤をやっても吹き出して無理でありますから、矢板を打つとか特定の工法を講じていただかなければならないと思いますが、その辺いかがでしょう。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 ただいま私ボーリングをやったかどうかはっきり承知いたしておりませんが、内水を排除するにあたりましてさような不都合が生じますれば、従来からもさような漏水対策等によりまして処置いたしております。具体的に調査の結果を待って対策を考えたいというふうに考えます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 その辺については特に地元でも心配をいたしておりますので、せっかく築堤していただき、またいろいろ内水排除の設備をしていただきましても、どんどん下からふいてくるようでは治水効果があがりませんので、築堤に先立って地質の調査をしていただいて、完全な工事をしていただくようにお願いしておきたいと思います。  そこでもう一つお伺いしたいのは、天ケ瀬ダムの操作の問題でございます。天ケ瀬ダムは、これは性格的にほかのダムとかなり違ったところがあると思うのです。それは、いま申しましたように、洪水がまいりまして予備放流をいたしまして底をつくまでかりに放流いたしましても、あとから琵琶湖にうんと増水しておるのを長期にわたって放流するのでありますから、穴埋めが何ぼでもきくダムでございます。だからこれは一〇〇%洪水予防効果を発揮することができるような性格のダムであると思います。そういうふうな性格のダムでございますから、今度の場合も実はそういうふうな形でもって運営していただけたかどうかということを現地でダムの所長に会って聞いてまいったのでございますが、一応は予備放流を相当思い切ってやっております。しかしながら、きょうダムの管理状況をもらって拝見いたしますと、やはり少し問題があるように思うのです。この関西の新聞の報道によりますと、「淀川救った天ケ瀬ダム」というふうなものすごく大きな見出しが出ておりまして、天ケ瀬ダムが一〇〇%の治水効果を発揮したというふうに報道されておりました。しかしながら、しさいにこのダムの放流の状況を点検いたしてみますと、なるほど淀川そのものは破堤その他を救ったかもしれませんが、しかし現実においては、やはり水害常襲地帯であるところの桃山あるいは木幡というようなところでは、二十八災のときの最高水位と同じだけどっぷり天井に届くほど水がついておりますのです。そこでお伺いしたいのは、このダムの操作の命令はどうせ淀川の事務所でやっておられると思うのでございますが、どういうところへ基準を置いておられるか。つまり、計画高水位というものを考えて、そして淀川全体としての破堤を免れたらいいというような考え方でダム操作を命令しておられたのか、あるいは、とにもかくにも天ケ瀬ダムができたのだから、下流には水害を起こさないようにしたい、こういうような考え方でダム操作の命令を出しておられたのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 天ケ瀬ダムは、御承知のとおり琵琶湖の下流にありまして、琵琶湖は七百平方キロもある一大貯水池でございます。そういうところから水が出てくるところの下にあるダムでございまして、補給はいつでもできるという状態だろうと思います。ただいま天ケ瀬ダムの操作につきましては操作規則というものをつくりまして、主として枚方の水位と関連しまして操作するということにいたしましております。その間宇治川周辺におきまして堤防をつくっていないために浸水を生じたことはまことに遺憾でございまして、われわれとしても、先ほど申し上げましたとおり、宇治川等につきまして緊急に処置をするようにただいま促進をしているわけでございます。天ケ瀬ダムの操作につきましては、詳細な資料をまだチェックいたしておりませんので、具体的に御説明することができないのでございますが、早急に資料を取り寄せまして検討したいと思っております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 私はその晩テレビを見ておりまして、これは洪水必至だと思ったものでありますから、現地に参りました。十一時ごろだったと思います。十一時に現地に参りましてそうして十二時ごろ帰ってまいりましたが、この間に、最初行きがけには全然水のついていなかった道路が、帰りにはすっかり水がつきまして、そうしてそこで自動車がもうエンジンがとまっちゃって、水の中へ入ってみんなして自動車を押しながら脱出したというふうなことなんでございますけれども、十一時ごろに浸水開始しております。そうして大体一番高くなったのが、三時、四時ごろまでの間に最高の水位まで浸水したのであります。ところが、この放流の状況を見ておりますと、九時から十二時までのピーク放流で七百十五トン放流しております。そうして大体三時前くらいまでやはり六百トン放流しております。三時半ごろに完全に締めております。そうしますと、浸水が始まったときにはまだまだどんどんピークの放流をしておったということになるのですが、こういうふうなダムの放流の状況でありますと、これは下流の浸水の状況を全然配慮に入れないで、とにかくいま流入量が大きいのだから、出せるだけ出しておけということで、下流の洪水ということを考えずに放流しているように考えられるのですが、あなたのほうにまだ資料が参っておりませんでしたら、資料を検討される場合に、そういう点について一ぺんよく検討していただきたいと思います。  それからもう一つ問題としなければならないのは、天ケ瀬ダムの操作規則です。きょういただきました操作規則を見ますと、これは第十条に、OPで五十八メートルから七十八・五メートルの間の二千万トンを洪水調節用に使うということが書いてございます。ところが、天ケ瀬ダムの今回の操作の状況を見ますと、最低の水位は六十・五メートルなんです。だから、操作規則にはっきりと明記されている五十八メートルから二メートルも高いところが最低の水位になっておる。そういうことになりますと、これはもっと防災機能を発揮できるはずであったものであるし、この操作規則によれば、もっと水位を下げなければいかぬのです。その水位を下げずに、しかもどんどん放流しておる、ピーク時に放流しておるというふうなことになると、これは明らかに十分な操作が行なわれておらない、ダム管理が完全に洪水防止ということに重点を置いて行なわれておらないということになると思うのでございますが、こういう点、あなたのほうで資料がないからわからぬと言われれば、次の機会にもう一ぺん議論するよりしかたがないと思うのですが、事実そうだとすれば、これは一〇〇%天ケ瀬ダムが淀川治水に効果を発揮したような宣伝はされたが、しかしながら、実質的には水害常襲地帯に対して非常な迷惑をかけておる、また、ダム操作は決して完全でなかったということになりますが、いかがでしょう。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 具体的な資料は、先ほど御説明したとおり、手持ちがございませんので、至急資料をとりまして、さような事実があったかどうか、よく検討させていただきたい。いま事務所から資料をとられたのでありましょうから、正確な資料だと思いますが、さらに再検討させていただきまして、御質問にお答えしたいと思っております。  それから、下流の災害を無視しても放流するのかというお話でございますが、この点につきましては、十分今後注意する必要があると思います。なお、各地の水位とかいろいろな問題を正確に把握する水位計を十分設備しまして、そういう資料を確実にとれる、たとえば宇治市のところの水位が何ぼであったかというのが具体的に放流段階でわかるような、テレメーターロボット式のそういったものを逐次増強していきたい。いま各河川について増強をはかっておりますけれども、今後もそういった方向で進みたいと思っております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 せっかく多目的ダムとして二千万トンの洪水容量を持っておるところの天ケ瀬ダムを持ちながら、しかも操作規則にあるところの最低水位五十八メートルを二メートルも上回ったところまで予備放流をしておらないで、そのために、洪水に耐えることが可能かどうかを心配して、流入量に応じてどんどん下流の洪水を無視して放流したということになってくれば、私は、この管理状況というものは決して完全なものとは言えませんし、なるほど淀川の破堤は防げたかもしれませんが、しかしながら水害を防げてないというようなことでございますから、その点、今後この操作の状況を十分検討していただきまして、今後やはりその機能を完全に発揮できるように御指導をひとつお願いいたしたいと思います。  それから、この水害については、天ケ瀬ダムがあるというので少し地建のほうにも油断があったのではないか。現地の人から聞きますと、全く今度は避難命令が出なかった、だから、寝ている間にどんどんついてきて、近所が何か騒がしくなったので起きてみたら、もう畳の辺まできておったというふうなことを聞くのでございます。そういう点もいまあなたのほうでは十分な調査がないと思いますが、一体どういうふうな指導を地建側は京都市に対してしておったかというふうなことも一度御調査願っておきたいと思います。  次に、河川敷や河川付近地の問題ですが、近ごろ河川敷であるとか河川付近地を盛んに埋め立てて、宅地造成であるとか、そういうふうなことをやっておりますし、現実に私の地元では、桂川と鴨川との合流地点、これは桂川と鴨川と、京都市のもう一つなにから流れておる天神川というのですか、そういう三川合流地点の少し上にございます。その合流地点の、従来堤防と堤防の間の遊水地帯と思えるようなところへ、どんどんいま埋め立てをやって宅地造成をやっております。あれは河川付近地であると思いますが、ああいうことが許されるのかどうか。それについては少しパトロールが足りないのではないか。そうして河川付近地がだんだんかってに食われていっても、建設省は台帳がはっきりしておらぬのかどうか知りませんが、知らぬ顔をしておる。たとえば、いま申しておりました山科川と宇治川の合流地点なんかでも、どんどん宅地開発で埋め立てられまして、そうしていまではそこへ住宅公団まで進出しておるということでありますが、昔はその辺一帯全部遊水地帯だった。その遊水地帯をどんどん取りこわすということは、これはやはりそれだけ河川の洪水の予防効果を失っていきますから、そういう点についてはよく調査をして、やはり河川地域というものはきちんと確保するような努力をしていただきたい。これも現地を御承知でないでしょうから、一度現地をよく調べていただきたいと思います。  それから天竜でいま問題になっておりますが、建設省のほうでも、新聞の報道によりますと、佐久間、秋葉両ダムについては、放流について何か少し欠陥があるのではないか、だから調査する必要があるというので、調査をしておられる模様でございますが、それについてどういう結果が出ておりますか、御説明願いたい。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 天竜川は、今回の二十四号台風によりまして、相当出水を見まして、下流の付近にも護岸災害等いろいろな災害が発生しております。その間におきまして、佐久間、秋葉ダムの操作について誤りがあったのではないかということで、そのため、天竜市の横山というところがございますが、新聞では約四百戸と称される浸水家屋を生じたというふうに報道されております。実態的に調べてみますと、天竜川の佐久間ダムは、総貯水量は約三億二千七百万トンでございますが、有効貯水量としては二億トンのダムでございます。それから秋葉ダムは、総貯水量は三千四百万トンでございますが、有効貯水量は七百七十万トンという、これは電気の専用のダムでございます。この放水については、中部地方建設局と電源開発の間で事前に十分に打ち合わせを行なっておったのでございますが、台風二十三号による増水後非常に水位が上がってまいりました。したがって、そんなに上げては、台風二十四号がきておりますので、これは貯留制限をすべきではないかということで、十七日の十四時に貯留制限を実施しております。そうして、その間水位を上げないように、レベルを保つように指示しております。その結果約二千万トン程度の洪水調節容量ができたわけでございます。そしてその待機容量をつくりまして今回の台風を迎えたわけでございます。その結果、佐久間ダムにおきましては、最大流入量が四千万トンでございますが、これを三千三百万トンまで低下できたということでございます。佐久間ダムの放流は三千三百万トンでございますが、その下流におきまして水窪川あるいは大千瀬川という大きな川がございます。それが秋葉ダムの間にあるわけでございますが、その両川の流域におきまして約二百八十ミリないし二百ミリ程度の雨がいずれも降っております。したがって、そういうかなり流域の大きい支川の流量を入れまして、秋葉ダムにおきましては五千六百トンを放流いたしております。これは秋葉ダムにおきまして放流の状況を調べてみますと、流入量と同じ放流量をいたしております。先ほど申し上げましたとおり、非常に貯水量の小ないダムでございまして、調節効果が期待できないダムでございます。したがって、自然のままに入ってきたままを出しておる状況でございます。そういう状況でございますが、新聞等でダムの誤操作があったということをいわれておりますが、ただいままで調査した結果によりますと、ダムの誤操作があったとはちょっと考えられません。しかしながら、実態的にはさらに詳細に調査する必要があると思いますので、いま支川の合流とかいろいろな問題を綿密に調べております。そういう結果がわからないと、誤操作であったか誤操作でないか、その点も明確にできないと思います。調査中でございますので、後日またお答えしたいと思っております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 これからダムをどんどんまだ日本はつくっていかなければなりません。ところが、ダムをつくる際には、ずいぶん至るところで反対運動ができます。そしてまた、ダムをつくることは災害をつくることだというふうな説をなして反対する人たちもあります。したがって、そのダムの運営については、やはり下流住民に不安を抱かせたりあるいは誤解を抱かせるような運営をしてはならないと思います。そういう意味では、私は、この佐久間ダム及び秋葉ダムが発電オンリーのダムであるというところに非常に大きな問題があると思います。この天竜川というのは、もとから有名な急流であり、そしてあばれ川であって、洪水が始終出ておったところですね。しかもその上流には泰阜ダムがあって、泰阜ダムはもうすでに飯田付近に大きな水害を発生させて、ずいぶん長い間紛争を起こしたダムであります。そういうふうな問題になった泰阜ダムの下流に、またしても二つの発電オンリーのダムをつくったということ、これ自体、日本の治水計画というものの中に大きな誤りがあったと私は思うのです。  そこで、ひとつその運営についてお尋ねしたいのですが、秋葉ダムが佐久間の逆調整池であるという、逆調整池というのはどういう機能を果たすものなのですか、御説明願いたい。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 逆調整池と申しますのは、佐久間ダムが非常に大きい貯水量を持っていまして、電気の必要なピーク時に大きな流量を流してくるわけです。そのときに、それを下流にそのまま流すと非常にいけませんので、それを調整してある程度流量を平均化して下流に流すという操作を持つものでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 その逆調整池に、洪水時のやはり予防的な——どうしてせめてこの秋葉ダムだけでも洪水時にいまの治水効果を発揮させるような構造にさせなかったか。たとえていえば、洪水が出てきた、佐久間ダムについては発電オンリーだから、これはもう入ってくるだけ流す。貯水量がふえれば、入ってきただけ流す必要があります。しかしながら、そういうような段階になったときに、今度はせめて秋葉ダムだけでも、全部底をついた、からにしておいて、それでもってその間にカットしていくというふうな機能を持たせなかったか、それからまた、いまからそういうふうな機能を持たせるような方向へ持っていくことが可能ではないかどうかということ、その辺を伺いたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 いまの天竜川の佐久間ダム、それから秋葉ダム、この問題について、実は私はちょうど台風中、先ほど申し上げましたように北陸におりまして、その帰途中部地建に立ち寄りましたから、この問題を、技術のことはわかりませんけれども、検討いたしました。ところが、いま河川局長が御説明を申し上げましたように、従来の取りきめられたダム操作等についてはまず遺漏はないというようなことであります。そこで私は考えましたのは、いまも御議論をお聞きしておって、そこで私は一応私の考えを申し上げておこうということでありますが、いずれにしても、従来打ち合わせられた操作規程等に従って、あの晩ほとんど寝ずにダムの管理者及び地建の技術者は非常な苦心をしてやっておったことは事実であります。そういうことで、まず操作そのものについては、きめられた範囲では遺漏はなかった、こういう説明でありました。私は実はそれで満足しておらない。というのは、事実天竜市の一部に相当な水害を起こしておる。これはそういうことを想定して治水をし利水をすべきだというのが私どもの考え方であります。その際に、先ほども説明がありましたように、佐久間ダムと秋葉ダムというのは、御承知かもしれませんが、これは非常に容量の小さいダムであります。その間に小さな支流が二河川入っております。これに、あの異常な雨でありましたから、予想外の水が入った、それが一つのダム操作以外の要素として下流の天竜市の一部に水害が起こったのではないか、こういう検討がされておるわけであります。それにしても私は、治水上、ダム操作上、きめられた規程には遺漏はなかったかもしれないけれども、しかしその前提に遺漏があったような気がしてたまらない、率直に言って。そして現に災害が起こっておるのであるから、それは一体どうしなければならないか、こういう問題について検討を命じたのが、先ほど調査をしておるということであります。私は技術のことはよくわかりませんが、秋葉ダムの調整容量は、これは微々たるものでありますから、これは全部放流しておけばいいということもつの考え方であろうと思います。けれども、あの地帯は非常に集水面積のあるところでありますから、秋葉ダムを放流するということは必ずしも下流の調節にはならないかもしれない。私の考えましたのは、ダム操作規程等について、台風時の容量について再検討する必要がある。上流の佐久間ダムは、これは膨大な容積があるわけでありますから、この数センチを適当な時期に現在の規程よりも低下させておく、そうしておけばあの問題は起こらなかったのではないかという、これは私のしろうと考えでありますが、そういうことを検討して、電源開発とよく協議をして、そしてこういう異常といいましても、たまにこういうことが起こるのでありますから、こういう異常な場合を想定して、先ほど気象庁との質疑応答もありましたけれども、自然の状況を相手にしての操作でありますから、非常にむずかしいと思いますけれども、しかし、ああいう夜間のあまり電気の要らない場合には、ある程度電源を損といいますか、電源にロスが出てもやむを得ないのではないか、むしろ災害を防ぐということが重点である、こういう観点に立ってそういう問題を検討して、その場になって台風がきました際にどうすべきかということは非常に専門家は苦慮いたしますけれども、そういうことでなしに、事前にこういうことが想定される場合には、ここまで水位を下げるということをあらかじめ協議しておいてもらいたい、その点を検討してくれということをいま指示いたしております。結果において災害が起こっておりますから、操作に誤りがあったかなかったかということは非常に技葉末節のことで、私もそういう観点に立って、たまたま天竜に起こりましたけれども、他のそういうことが想定されるようなダムについては再検討しておきたい、さように考えておりますから、御了承願いたい。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 大臣のお考え、われわれの考え方に近いのでけっこうなんでございますが、ただこの場合、天竜のような川——これは球磨川についても言えると思うのです。球磨川の本流に、八代市のま上に瀬戸石、それから荒瀬ダムという二つのダムがございます。先日私も見てまいりました。大臣も、近くでございますから、よく御存じであると思います。ああいう河口に近いところに発電ダムをつくるというようなことは、これは非常に大きな治水上の誤りです。しかもあれができたのが昭和三十年ごろです。この佐久間ダムについても、完成したのが昭和三十三、四年のころだ。そういうふうな時代に、天竜のような大河川の本川に非常に膨大な発電オンリーのダムをつくって、それに防災効果を少しも持たせなかったということ、このこと自体、その時代の建設省の治水対策の大きな誤りであると思うのです。その誤謬をおかされたことそれ自体は、済んだことでありますからやむを得ないのですが、それを何か是正するような、カバーするような方針をこれから考えていただかなければならないと思うのです。いま大臣は、だから水位を下げて洪水容量をそれに持たしたらどうだろうというふうな御意見でありました。しかしながら、はたしてダムの構造がそうなっておるのかどうか。たいがいの発電ダムは予備放流ができないようになっておる。佐久間ダムについては、私も見には参りましたが、もう記憶が薄らいでおりますので、はっきりいたしませんが、そういう洪水容量をいまからでも持たすことができるように、予備放流ができるような構造になっているのかどうか、その辺承りたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 予備放流のために特別のサイフォンとか、そういったものは設置されておりませんが、ゲートの高さが十四メートルございますので、相当予備放流ができると思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 そのゲートにたよられると非常な危険があります。いろいろなダム災害といわれるのは、みなゲートにたよったことをやるからです。たとえていえば、予備放流、ゲートを全部あけておいてそして一ぱい流していますね、そうすれば自然流量がそのまま流れ出ます。ところが、ゲートを締めて一たんカットするでしょう、今度そのゲートをあげたときには、非常な勢いで流れ出て、自然流量よりも多くのものが流れ出る。またそのことによって——ゲートより一メートルか二メートル高かった。これは高さが一メートル四十四ありますね。一メートル四十四の佐久間ダムのゲートの高さがあるとすれば、その一メートル四十四全開すれば、だんだん下がって、そのゲートの一番下のところまで水位がおりてくる間は、自然流量よりもより多く流れた、こういうことになるわけです。だから、ゲートにたよるということは私は非常に危険だと思うのです。なるほど何かいいヒントを出されましたが、サイフォンで吐き出せるものなら、サイフォンをいまからでもつくってその予備放流をやらせるということは可能なんですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 ゲートの問題でございますが、ゲートの操作は、何門あるかちょっと承知いたしておりませんけれども、ゲートの開度を調節することによりまして、初めから徐々に流してだんだん大きくしていく、それから次々にあけていくということで、下流の状態も承知しながら放流ができるということになると思います。したがって、ゲートで放流するのはあぶないというのは、操作の問題でございまして、そういうのは具体的に操作規を設けまして、予備放流の段階では開度をどういうぐあいにすべきか、ゲートの開度、それから全門一斉開度は困る、そういった具体的な予備放流の操作規定をつくりまして、その操作規定に基づいてやるように指導する必要があると思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 私、専門家でありませんが、こういうことのようであります。これからサイフォンをつくるということは、ああいう大ダムでありますから、たいへん危険を伴う事業であろうと思いますが、問題は、あのダムの操作をする際に、ああいう洪水時の場合には、あらかじめ相当の容積をあけておくようになっているようです。そこで、そのあけ方をもう少し——水位をある程度他よりも下げておく必要がありはしないか、こういうことであります。洪水が起こりましてからああいう大ゲートを操作するということは非常な危険を伴うと私も思います。今度の場合も事前に相当減水する作業ができるようになっております。その際に、事前にもう少し減水するということを検討したらどうか、こういうことを検討することが必要じゃないか。先ほど申し上げましたように、非常に面積が広くて、数センチ下げるということはたいへんな容量があくわけですから、そういたしますと今度の天竜の水害というのは起こらなかったという計算が成り立つようでありますから、そういう点を検討しなさい、それは事前に電発とよく協議をして、やはり人命、財産をどう守るかという観点に立って検討すべきだ、こういうことを指示しているということを御理解願いたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 河川法が改正されますときに、私どもは、一切のダムについて防災効果が発揮できるようにさせなれけばいかぬ、そのためには、ダムの管理者に対する命令権を持たせなければならぬということをずいぶん主張したのです。結局、命令が指示に変わりました。指示のところまで譲らざるを得なかった。また、最初原案が勧告であったのを、指示にまで強めたわけですね。しかしながら、発電ダムに予備放流をさせた場合に、補償が——水は電力に換算できますから、それに対する補償が要るか要らないかという問題もずいぶん議論になりました。しかしながら、いま大臣の御意向によりますと、やはり発電ダムといえども、これはいまのような災害の発生の状況を見たら、ある程度洪水予防効果を発揮せしめるべきだという御意見ですが、非常にけっこうでございす。だから、そういうふうな方向に持っていきたいと思うのでございますが、ただ、いままで発電オンリーのダムとしてつくらしておったものに、ある程度予備放流をやらして、それでもって治水効果を発揮せしめるということが、構造上技術的に可能かどうか、その辺局長から御説明願いたいのです。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 これは各ダムについて検討しなくては、予備放流については申し上げられませんけれども、先ほど申し上げましたのは、ゲートだけでも予備放流ができますということを申し上げました。予備放流と申しますのは、下流に災害が起こらないように時間を長くかければ、相当前からやらなくてはならぬ。多目的ダムにつきましては、水がたまりますとすぐ予備放流を始めまして、一定の水位まで必ず下げる。たくさんの容量をとる場合は、一週間とかあるいは二週間とか、相当長期にわたるわけです。したがって、予備放流するとすれば、かなり前から、予備待機容量を幾らとるべきか、あらかじめ協議していかなければならぬ。緊急な場合の措置としてどのくらいとればいいか、過去の雨量の実態、災害実態、洪水の実態を調べまして、ある程度待機容量としてどれだけとるべきか、これはあとの補給の問題ですが、これがまた、先ほど申されたように、台風の来ぐあいによって、補給ができるかできないかという問題もこの検討事項になるわけでございますけれども、実際災害が起こるということは各所に起きておりますので、そういう点は、大臣の御指示もありましたので、われわれとしては、河川法の第五十二条で指示もできるわけでございますし、そういう場合に若干補償の問題等が残っているかと思いますが、いま各地方建設局長、都道府県知事、あるいは電源開発株式会社、電力会社につきまして、緊急時の防災対策として利水ダムをどういうぐあいにやっていったほうがいいかということの検討を命じております。そこで相当問題が上がってくるだろうと思います。その問題が上がってきたところで、具体的に対策を大臣の指示を受けながら検討してまいりたいというふうに考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 この利水ダムの運営については、しばしば各地で問題が起こっております。いま大臣が非常にいい意見を出していただきましたので、今後利水ダムについてはやはり防災効果を発揮せしめるような運営を行なわせるように操作規定をこれからもう一ぺん再検討していただきたい。いままできまっておった操作規定、それをそのとおり運営していたのだから、災害が起こってもおれは知らぬ、こういうふうな、ダム管理者のほうに言いのがれができないように、やれば防災できる運営が可能な——ことにいま局長から、サイフォンという非常におもしろい意見を聞きました。いまからでもサイフォンをつけてやれば、ダム本体が予備放流ができないような構造でありましても、そのサイフォンを利用すれば予備放流もできるはずです。だから、いまからでもサイフォンをつけて予備放流ができるようにして、一切の発電ダムにこれから後防災効果を持たすようなことをこれは当然考えていただくべきだと思うのです。そういう点、今後建設省でもそういう方針をひとつ立てて、そういう方向へ進んでいただくようにお願いをいたしておきまして、私の質問を終わります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 森田重次郎君。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 時間が非常に切迫いたしておるようでございますが、若干の質問をいたしてみたいと思います。  実は台風が雨を生んで引きつける、これが毎年起こっていることなんです。これをどうするかということは、日本の国にとって非常に大事な問題だと思う。そこで、これに対する政府の根本対策というものは一体どういう方向に向いているのか、この点を私は大臣からお伺いいたしたい。と申しますのは、たとえば、きょうも十一県から陳情がありまして、つぶさにこれを聞きました。毎年こうして起こる個々の現象のあと始末をするために、災害対策本部などというものを設けなければならないというようなことで、一体日本の台風に対する対策というものが立てられていると言えるのかどうか、この根本方針にちょっと私は疑問を持っておりますので、大臣からお伺いいたしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 きわめて重要な御質問でありますが、これは結論から申し上げますと、いわゆる台風あるいは豪雨等の自然災害、自然の脅威に対する対策は立てておるのかとお話しになれば、これは立てておりますということであります。ただ問題は、きわめて困難な事業である。これは申し上げるまでもなく、自然と人間の戦いであります。自然の条件というのは、過去あるいは永遠に変わらないと私は思っております。したがって、この戦いが、非常に大げさな言い方でありますけれども、やはりこれは永遠の戦いであるというふうに考えるわけであります。ただ、その戦いの戦果をできるだけあげるというのがわれわれの仕事であろう。これは日本ばかりじゃなくて、天然自然の災害というのは、全世界、地球全般にあるわけであります。それとの戦いをしておるというふうに私は考えております。日本の場合、過去のことは別でありますけれども、現在、日本の気象の、台風その他の報告等は明治十九年くらいからあると私は見ておりますが、私は詳細に調べた時期がありますけれども、大体平均二・四あるいは二・六、二回か三回平均毎年台風が日本を襲っておるということであります。地球の一角であるわが国は、アジア大陸の東にある、そして太平洋の西にある、そしてちょうど南北のやや中間にある、こういう地球の全体の構成上、自然、特に台風あるいは雨、こういうものの災害が非常に起こりやすい地域にある。同時に、地形が、御承知のとおり、島でありますから、山岳地帯が多い、しかも狭い、それに加えて、世界でも有数な雨の降る地帯である、こういう条件が備わっておりますから、非常に河川が多い、この河川がしかも非常に急流河川で、どんな洪水でも一日半過ぎますとほとんど元に返るという、日本のこの現状というものが、われわれの戦いが非常に困難だということであろうと思います。たとえば治水の問題にいたしましても、御承知のとおりに、大河川等については、率直に言って、徳川時代から非常な戦いをしてきているわけです。利根川にいたしましても、木曽三川はもとより、淀川にいたしましても、やはり戦国時代から治水対策はいろいろ苦心をして今日に至っている。明治になりましても、淀川あたりは、大体明治九年ごろからいまの淀川の治水工事に着手している。豊臣秀吉のときは別でありまして、こういうことから、いま非常に国を憂える御発言がありましたが、これはたいへんな事業である。こういうことで、現在はそれではどういうことをやっておるか。御承知のとおりに、災害対策というのは、理論的には全く下の下の策でありますけれども、しかしそれをやらざるを得ないというのが実情であるわけであります。防災工事を先にやっておくというのは、政治の常道であろうと思います。そういう意味で治水計画というものを立てて進めておるわけでありまして、御承知のとおり、今度の第何次かの治水計画も、一兆一千億の治水計画を立ててやろう、こういうことがいま進められているわけであります。  いまの目標はどういうことかというと、大体一兆一千億の治水計画は、まず、現在の直轄河川等といわれておる、場合によっては非常に大災害を起こしそうな河川を中心に主としてやっておりますが、これを今度の治水五カ年計画では、十二年ぐらいでまず大きな損害は起こらないような措置をとろう、それからその他中小のこれに準ずる河川がたくさんございますが、そういうものについては、今後十五年ぐらいでまず相当に災害を防ぎ得る状態につくろう、こういう一つの目標をもっていわゆる一兆一千億の治水五カ年計画を構成いたしております。建設省で従来からずっと苦心惨たんをして数千本の川の処理をするためにいろいろ検討いたしておりまして、まずそう心配せぬでもいいという状態になるためにはどのくらい費用が要るかという積算をいたしておりますが、一兆一千億を加えまして大体九兆円の経費を要する、こういう積算はいたしておるわけであります。その九兆円の目標の中から、さしあたり五カ年一兆一千億という計画をやっておる。これは国力の問題であります。率直に言って、こういう大計画の中で五カ年一兆一千億というのは、私自身としてはきわめて不満足な治水計画である、かように率直に申し上げておきますが、これはまあ戦後の日本の経営上、治水についてはこの程度でやろうというのが現状でありますから、これは必ずしも五ヵ年に膠着する必要はないと私は思っているわけであります。  そのほかに考えるべきことは、申し上げておきますけれども、日本の人口が非常に多い、地形が御承知のとおり、その入口の多いものがこの島国の三分の一程度の狭い場所に集中している、しかも産業経済が発展をする、農業、土地改良等が進んでいく、そういうことで、従来計画されておりました各河川における治水計画も、先ほど来いろいろ御意見等が出ておりますように、水を一カ所に集めるという必要が、治水計画ばかりでなく、都市計画、道路の舗装、いろいろなことで、従来人の目に触れなかった面か全部集中して人の目に触れるような状態に、日本の、何と申しますか、体質が変わってきつつある、ここに大きな治水問題の重点があるわけであります。そういう意味で、従来、たとえば利根川も、これも長い間苦労をしておりますけれども、この治水計画は、周辺が開発されればされるほど水が集中してまいりますから、この大利根川の計画も何べんでも改定をしていかなければならない。同じ河川の中に流量をずっと多くしていくということに自然になりつつありますから、改定していかなければならない。いつまでたてば一つの河川が済むのかという議論がよくありますけれども、問題はそういうところにある。日本の産業経済が発展して、人間の生活の様式が高度化され、建築が高層化される、これは全部水に関係のあることでありまして、それが集中して一カ所に集まる、ここに治水の非常にむずかしい問題がある。いま九兆円の計画を持っておりますけれども、そういうことを考えますと、必ずしもこれは九兆円では間に合わないということは、政治家としては想定しておかなければなりません。  こういうまことに深刻なお話を申し上げましたが、治水計画あるいは災害対策というものを、いわゆる防災対策というものはないのじゃないかと国民から誤解されることは、私としては、何と申しますか、非常に残念でありますが、これは国民の全体の決意でこの問題を解決しなければなりませんけれども、この日本の自然との戦いというものはそう簡単なものではない、かように私は申し上げておきたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 十年後には洪水が絶無になる、大体その辺でやってくださればたいへんけっこうなことだと思います。ただ、よくいままでの洪水対策などといたしまして治山治水論が相当強く出ております。むろん、これは藩制時代からの日本の特殊性に基づくあれで、今日ほど科学も進歩しておらぬのですから、山を治めることがやはり水を治めるゆえんだと考えること、あとは若干の堤防を築くくらいでこれを防止していこうという態度をとっておった、これがいままでの方法であったろうと思うのです。  そこで、十年後に洪水をなくするという大体の方針が立っているとすれば、それは一体どういう方法によって可能であるか、その五カ年計画の内容の骨子を御説明願いたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 治水事業五カ年計画の内容について簡単に御説明いたします。  ただいま大臣からお話がありましたとおりに、いわゆる重要な幹線となるものにつきましてはほぼ十二カ年、それからその他の河川につきましてはほぼ十五カ年で完成するような目標で進んでおります。その第一期の五カ年として一兆一千億を閣議決定をいただいたわけであります。  その閣議決定をいただきました具体的の内容といたしましては、河川法の趣旨に基づきまして水系を一貫しまして、上流は砂防、それから山地部について、適当な個所があればダムをつくりまして洪水を貯留する、しかもその貯留した水は、平常におきましては利水問題に充当する、それから中流、下流におきましては、必要な堤防工事をやる、それからなお最下流部におきましては、高潮対策あるいは河口処理等の工事をやりまして、水系を一貫してバランスのとれた形でやっていきたい。同時に、農林省で所管されております治山事業につきましても、建設省所管の砂防事業と調和のとれるような形で山も治め、川も治めるという形の計画のもとに実施していきたいというふうに考えております。  この治水計画の具体的な内容でございますが、まあ具体的に申し上げますと、先ほど申し上げました長期構想の第一期計画としてのものでございますが、これにつきましては、災害の発生、流域社会経済の発展及び水需要の増大等に即応するため、特に緊急を要する次の事業を積極的に進めるようにしております。  重要水系における河川の改修、多目的ダムの建設及び砂防、それから農業構造改善事業、あるいは最近指定されました新産業都市、あるいはその他の地域総合開発事業等に関連して必要となった各種の治水事業、それから用水事業は、逼迫しておる重要地域における水資源の開発、多目的ダムとかあるいは河口ぜきの建設あるいは湖沼の開発を行なうようにいたしております。それから、近年特に局地的な集中豪雨に対応するための中小河川の改修、あるいは砂防の施設の実施、あるいは、急速に発展する市街地及びその周辺地域における河川の整備等、それから重要臨海地域における高潮対策、流域の発展に伴う内水の被害の増大に対処いたしまして内水排除対策を講ずるというようなことで五ヵ年計画を積み上げております。  なお、先ほど大臣から申されました約九兆円というお話の中身でございますが、これは正確に申しますれば九兆六千億であります。この九兆六千億は、先ほど大臣のお話しになりましたように、流域の開発の進展によりまして当然洪水量の増大の傾向がございます。あるいは、たとえばアスファルト舗装とか、いろいろなことが盛んになれば、降った雨がそのまま出てくるというようなことによりまして流量が増大する、そういったことに伴う必要な経費は含まれておりません。現在の段階で一応想定したものでございます。その具体的な算出の根拠といたしましては、大河川につきましては、大体五十年ないし百年に一回程度起こる洪水を対象とする、それから中小の河川につきましては、従来からの最大あるいは場合によっては第二位というような程度の豪雨を対象にしまして計画を盛ったものでございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 一つだけその中で確認しておきたいと思うのですが、国道舗装の問題、あるいは中央自動車道を通す計画等、これは膨大なる計画だと思うのです。そこで、最近、鉄筋コンクリートの技術といいますか、これが非常に進歩しておる。その点等を考えれば、この大きい川のはんらんなんというものは、その防壁をいまの方法で、つまり鉄筋コンクリートでとめることが可能だと考えられる。これはしろうと観でありますが、そういうようなことが一体いまの計画、予算の中に含まれておるのですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀説明員 非常に大河川におきましては、堤防の高さも高くなりますし、たとえば利根川の堤防におきましては約十メートル以上になるだろうと思います。そういう堤防を鉄筋コンクリートでつくるとすれば、相当底幅の広い、しかも安定した形のものでなくちゃいけません。その間にそれの沈下を防ぐとか、あるいはいろいろな対策を講ずるため相当の経費を要するわけであります。したがって、ただいまの段階では、一応堤防は土堤方式ということにしまして、土堤も相当幅を——利根川の堤防におきましては百メートルくらいの底幅がございます。したがって、その間におきまして水防もある程度できるというようなことも考慮いたしまして、私らとしては土堤方式をとっておるわけでございます。ただ、用地買収の非常に困難な東京市内の河川の対策あるいは市街地の河川対策につきましては、十分安全度を考慮しました擁壁式の、要するにこういうコンクリート法の壁をつくることをいたしておりますが、しかしながら、そういったコンクリート擁壁というものは、非常に薄くつくると危険性がありますし、倒れたらそれっきりでございまして、なかなか水防とかいろいろな作業ができないということも考慮されますので、十分安全性を持ち、しかも付近の住民の人が水防もできるという形のものが、現在の段階では望ましいのじゃないかというふうに考えます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 そこで気象庁の長官にいまの問題に関連してお伺いいたしたいことは、台風の日本に進行してくるのに、大体の傾向として同じ方向を通るもののようにわれわれは考えておるのですが、これはやはり一つのコースとして、法則的なものがそこに出ているのかどうかというようなことはどうですか。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 ただいまの、台風のコースに何か規則があるのかというようなお話でございますが、明治から今日までずいぶん台風が参りました。そのたくさん参りました台風を、月別だとか何とか別で分類してみまして、そのコースを統計的に調査してみますと、たとえば七月はこういうようなコースが一番多い、九月はこういうようなコースというような、統計的の調査結果はございます。しかし、それはあくまでも統計的の調査結果でございまして、特定の台風、ある一つの台風につきましては、必ずしもその統計的調査のコースをとってくるものとは限っておりません。したがって、そういうものは異常コースの台風というようにわれわれ呼んでおります。そういうような異常コースをとってくる台風につきましても、また統計的に調べてみますと、たとえば七、八月ごろが異常コースを通る台風が多いとかいうような結果は出ております。したがいまして、台風が通ってくるコースにつきましては、純理論的に、純学問的のコースというものは、現在のところ考えられておりません。そういうことであります。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 しかし、われわれの新聞などを通して見るところだと、大体どの方向からどの方向にということで、いまは大体統計によって、あらわれ方にほぼ一つの傾向があるということはお認めになるのではないですか。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 それは統計的調査結果でございますので、その統計的調査結果のコースを通ってくる場合が非常に多いので、そういうように感じられるのではないかと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 それでは、最も多く通るコースというものを、統計の上からでいいのですが、五つくらい、日本に入るものの結論だけでけっこうですが、あげてください。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 日本に入るものの結論としまして最も多いのは、九月であります。九月のコースは、やはり熱帯に発生したのが、初めに北西に進みまして、北緯三十度あるいは二十九度あたりまで参りますとその向きが変わりまして、北ないし北東に変わって、そして日本へ接近しあるいは上陸するというのが、日本へ来る台風の統計的調査による典型的のコースでございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 もう少し具体的に日本ではどの地方を通るのだということは言われませんか。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 具体的に申しますと、一番多いのは西日本、九州地方が、台風常襲地帯といわれるほどでありまして、過去の統計においても一番多うございます。それから、中国、近畿のほうに入る台風と、東京湾付近を通る台風も、それについで多いということが言えるようでございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 そこで、大体台風の通るコースというものが、今度の台風はどこを通るのだという想定は困難でも、もう何千年来の経験に照らしておおよそ見当かつく。そうすると、私、大臣にお尋ねしたいことは、住宅政策の問題なんです。大体この辺が危険だというような見当がつくなら、その通るコースに対する住宅政策というものは、やはり一つの大きい台風に対する対策として考えていいじゃないか。年じゅう同じような、木でつくった、すぐ飛ぶようなものを、運命だとあきらめて、飛ばされたらしようがないのだという考え方でやっているように考えられる。そこで、これは台風対策として考えて相当の予算をおとりになるというならば、これはやはり鉄筋コンクリートで、そう高くないものは助成金を出してやれば、住宅としてはもう飛ばされるようなことのないようなことになって、一つの災害を除くゆえんになるのではないかと考える。この点に対して何か建設省のほうでお考えでありましょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 お説のことは、私は日本の国民ばかりではないと思いますが、よその国は別にいたしまして、日本の国民が、先ほど私が概括的に申し上げましたような地理的、気象的条件下に自然と戦う姿勢を持っておるということ、したがって、住宅の問題、鉄筋コンクリートあるいは鉄骨などというものは、これは最近のことでありますけれども、日本の住宅建築の様相を見ておりますと、私は専門家でありませんけれども、すべてこの自然に備えるという態勢で家をつくっておる。これは御承知だと思いますけれども、先ほど気象庁長官も言われましたように、九州南端は全くこれは台風とともに住んでおるというような地帯でありますから、家の構造が全部台風に備える構造になっております。これは東京あたりの家と全然違って、柱は四寸角、小さいので三寸五分角以上、東京あたりから見ると全くむだな材木を使っているような、いわば堅牢な建築をしております。東京あたりでは三寸角あるいは三寸五分角でゆうゆうとしておる。比較的台風が来ない、よけいなことでありますけれども、青森県や東北に行きますと、北風が入らぬように、日は当たらないけれども妙な家を建てて自然と戦っている。すべてそういうことではないかと思います。そこで最近は、木造というものは、火災にも、比較的雨にも弱い、東北のほうでは寒冷に木造が非常に弱い、こういうことで、現在の政治としては、やはり自然の状況と戦うという建築傾向になっている。南九州あたりの台風地帯は、学校あたりは、まだ全部ではありませんけれども、ほとんど鉄筋コンクリートづくり、これは文部省の政策としてそういうことをやっておるわけであります。たとえば、これは私が直接タッチしたわけでありますけれども、公営住宅は来年度から全部そういう構造にいたしますが、十年ぐらい前から北海道は、少なくとも国の財政の関与しておる限りにおいては木造建築は許さない。これは寒冷に対する耐久力を持たせるためであります。もちろんそういうことを全然等閑に付しておるわけではございません。ただ問題は、日本の別な意味の気象条件、高温多湿というような問題もありますから、やはり人間の生活上必ずしもそれだけでこの問題が解決するというわけにいきませんので、全部の家を台風よけの家にしてしまうということも、これは資金面からもさようでありますけれども、また人間の生活面から、あるいは健康の面から、必ずしもそればかりが適当であるとは私どもは考えない。それはいろんな専門家に検討してもらって、できるだけ——しかし、公共的なものは、むだなことを繰り返さないようにいたすべきだという方針でやっておりますことは事実でございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 もう一つお伺いいたしたい。  この台風が雨を持ってくる。先ほど大臣がお話のとおり、日本は山岳が非常に多い、谷が多い、ダム建設の可能性というものは随所にある、こういうことは議論の余地がない。そこで問題は、先ほどダムが盛んに議論になりましたが、私は、もっと多くのダムを至るところにつくり上げる、そしてこの水力を畑作かんがいにも利用する、あるいは電気のほうに、あるいは工業用水にというふうな、多目的ダムといいますか、そういうものを、あまり大きい規模のものでなくとも、たくさんつくって、その総量において日本の産業に寄与するような方法をとることが必要ではないかと実は考える。これは二回洪水を防ぐという面もあります。それから、金が非常に多くかかるだろうということもありますけれども、日本の特殊性に応じて台風を利用するという面から考えると、やはり永遠の国策としてはぜひそうなければならないような感がする。  なぜ私がこういうことを思いついたかというと、非常に素朴的な質問のようではありますけれども、実は私は多年和辻哲郎博士の「風土」を愛読しまして、そうして一ぺん世界を回ってみたいと、思ってみたのです。アラスカからソ連を回り、ソ連圏を回り、アフリカを回り、近東地方、アラビア、あの辺ずっと回ってインドを通ってきた。そうして世界の各国の河川の動いている姿を見ると、ほとんど蛇行型です。これはどうも洪水というものがあまりない証拠だろうと実は見てきたのでありますが、もう一つ考えたいことは、アフリカなりあるいは近東地方なりの文明は、雨の降らない文明、乾燥文明だ、こういうこと。それから蒙古あるいは天山南路あたりのあれも、乾燥的な土地で雨が降らない。乾燥的なものだから遊牧の民が出てきた。遊牧の民で、草地を争うことが戦争を誘発する、そのために戦争が非常にうまくなった。戦争がうまくなったので、世界を制覇しようというので、サラセンの文明であるとかあるいは蒙古の文明であるとかいうのが世界の中心地を征服したというようなことと関連性があるのだ、こういうことをつぶさに見てまいって、日本が台風圏の中にあるというところに日本の存在というものの価値があるのだということを非常に強く見てまいった。台風がなければ日本はありません、私はこう結論してもいいような感じがするのであります。したがいまして、いままで日本の方方は、新聞を見ると、すぐ水魔といって水を魔物に扱う、水害といって災害の面からだけ台風を見るという見方、これは一変させなければならぬものだというのが、私の世界を回ってきた一つの結論なんです。したがいまして、この台風が雨を持ってくるということ、狭い日本にこれだけの人口を収容して、食糧問題等も難なく解決ができるというようなこと、これを日本の方々が非常に誤解しておったという点を強く私は考えましたので、これは日本人の台風に対する観念を一変しなければならぬのじゃないかというので、いまのようなことを申し上げた。つまり、台風が必ず来る、これはもう宿命だ、そうして山岳がある、そうしてダムがつくれる——いま水力電気が火力発電に劣るとかいわれておりますけれども、これは永遠の目から見ますと、やはり水力というものをもっと活用することを日本は考えなければならぬのじゃないかと思う。こんなふうに実は私は考えますので、あえて大臣にこういう質問を申し上げているわけなのであります。だから、いま申し上げましたように、もっと小規模なダムを幾らでもつくっていいのじゃないか、畑作かんがいを徹底的にやるならば、収穫量は四割くらいはふえるだろう、こう言い得る。私らの地方は畑作地帯で、かんがいがほとんどできないような形なのでありますが、ダムさえつくれば幾らでもかんがいができる、こういうふうに私は考えますので、いわゆる多目的ダムというようなものをもっと日本の随所につくり上げるという計画があっていいのではないか。それは同時に洪水をも防ぐことが可能だという線につながるので、これらに対する建設省の永遠の計画としての考え方に対して大臣からその所見を伺ってみたい、こういうのが実は私がいま質問申し上げている理由なんです。これらに対して御所見を伺いたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 基本的な日本に対する考え方は全く同じであると私は思います。結論から申し上げますと、私は、日本は自然との戦いだということを先ほど申し上げましたが、この自然との戦いがなければ、日本の民族はこれほど進歩した、しっかりした民族になっておらなかった。地震、台風というのは日本の自然の大きな脅威でありますけれども、この自然の脅威があるからこそ、日本民族は、この小さなところで、これほどアジアにおいていわゆる西欧白子に劣らない知恵と才覚と勤勉さと努力を持っておる、私はそういうふうな一つの考え方を持っております。同時に、先ほどは私は、この台風、自然との戦いというのは永遠であろうということを申し上げましたが、先ほど世界のお話をなされましたけれども、アメリカ大陸がいいとか、あるいは中国大陸がいいとか、ヨーロッパ、東南アジア、アフリカ、どこと比較いたしましても、日本の国ぐらいものになる国、地帯はないと私は確信しておるわけなんです。大陸の川は蛇行しておる、全くそうでありますけれども、これは人間の力で細工ができない地帯でありますから、人口が少なくて広漠たるところでありますので、川が右に流れようが左に流れようが、そういうことにはかかわりをする必要もないし、また、かかわったところで、そういうものは人間の力で及ぶものではありません。中国では百年河清を待つといわれておりますが、いま永定河とかあるいは黄河の改修、珠江の改修等に、取り組んでおりますけれども、これは百年たっても千年たっても、あの大自然の脅威に対する細工は私はできないと思います。ところが、日本の場合は、少なくとも三十年いたしますと、日本全体が、道路は完全に舗装道路になる可能性がある。川といえども——それは自然との戦いでありますから、もう水が何ともなくなりますという、そういうばかげたことは考えませんけれども、今日の脅威はそれほどない。先ほど災害対策はあるのかと言われましたけれども、ここ十年来の戦後の日本の努力というもの、たとえばこの前の二十四号台風あるいは二十三号から連続した豪雨を中心としたあの自然の脅威に対して、十年前でありましたら、今日起こっている災害の五倍は起こっておる。しかし、幸いにして、やや大きいとはいいながら、私はあの二十四号台風の動きを見ておって、伊勢湾台風よりはやや東に寄りましたけれども、もし伊勢湾台風の時期であの台風が来ましたら、日本はもっと大損害を受けた。しかし今日では、日本全国、不完全でありますけれども、相当な人工の手当てができている。これが災害をまずまずこの程度に食いとめ得た。これは大きな努力の結果であると私は思っております。こういうことがあと十年、少なくとも二十年続きますと、この数分の一になることは明らかであります。こういうことを考えますと、日本の御承知の四季の状況、日本の地形、これは日本の国民の手によって全部がつくり直せる、つくり上げられる、こういう地帯にわれわれは大人口を擁しておるのだということを考えますと、私は、率直に言って、このくらい楽しい国はないんだと思っております。  それからダムのお話がありましたが、今後の治水は多くはダムにたよらなければならない。先ほど私は、日本の河川改修は、都市集中あるいは生活の高度化等によって、だんだん河川改修計画を変えていかなければならないということを申し上げましたけれども、そういうことを永遠にいたしますと、人間の住む場所はなくなって河川堤防だけになるおそれがある。それは全く本末転倒になるわけであります。たとえば利根川にいたしましても、あの河積を広げるということはできません。あれ以上河川堤防を高くするということは、危険を増大するだけであります。したがって、上流においてとめるということが、この狭い国土をよく使うことになり、それ以外にない。ほかの各河川においても同様でありまして、やはり上流において砂をとめ、そして水を貯留し、そうして洪水を防ぎ、一方においては、いまお話しのようにその水を利用する、これが今後の日本の治水の面から見た大きな政治の目標である。ただ問題は、私は地質学者ではありませんけれども、日本の地質というものは必ずしも一定しておらない、こういう複雑な地形でありますから、複雑な地形だということは地質が一定しておらないという現象であると私は見ております。したがって、いかなる河川でも直ちにダムができるかというと、なかなかそうはいかない。今日ダム築造の技術は相当に進みましたけれども、これはまだ今後進むと思いますが、必ずしもどこでもダムがつくれるというような地質ではないという点が相当あります。しかし可能な地点はたくさんあるわけでありますから、今後の治水の重点はやはり上流におけるダムであります。そういたしませんと、先ほど申し上げましたように、下流地帯の人間が利用する分をずっと狭めていくという現象が将来は非常におそろしくなっていく、こういうことを考えておりますので、私が最初申し上げた、あなたと大体同じ考えだというのは、そういう相当突っ込んだ考えを持っての話でありますから、御了解を願いたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 たいへん心強い大臣の御意見を拝聴しまして、ありがとうございました。  そこで、もう一つ気象庁のほうにお伺いいたします。  私、先ほど地方の方々からの陳情を聞いておりました。そうしますと、徳島県では六十七メートルの風速までは測定できる、しかし、それをこえると、そこの設備では観測ができない、今度は七十メートル以上であったから観測ができなかったという陳情の内容の説明がありました。それから京都の方々の意見を聞いておりますと、これも気象庁の観測が的確性がなくて、そこへ来るのかどうかわからないというので、準備に相当の手違いがあったというようなことを聞いております。そこで、一体気象庁で観測したからといって台風が来ないものじゃないのですから、これは何ともしょうがないのですが、しかし、すみやかにこれを把握して、今度の台風は大体どの方向へ行くのだということを前もって予告いたしますれば、それに対する準備というものがそれぞれ整いますから、災害をできるだけ少なくすることができることは明らかなのです。ところが、いまのような非常に貧弱な設備といいますか、日本で吹く風速などが観測できないような設備などがあったり、おそらくは数なども非常に不足じゃないか、こう思う。何だか、新聞などで伝えられるところによると、富士山のあの一つをたよりにしているようなかっこうで、ひどくたよりないようなことを新聞などで拝見いたしたのですが、一体こういう台風国におって、そしてその台風の方向がどんなふうに変わるかということがわからないような気象庁だということになると、はなはだ心細いことだと考えますので、まず、大体どんな程度の設備なのか。たとえばどの辺にどれだけのそういうものを観測する設備があるのか。そして今度のあの方向などをテレビで放送しているのを見ていても、何だかたよりなくて、どっちへ行くのかわからないような放送をさかんにやりますね。こっちへ来そうだといっても、それはどうもはたしてそうなるのかどうかわからないというような、あいまいな態度で放送している。気象庁も案外これじゃたよりないなという感を私ども抱いたのですが、私はそういうようなことでは困ると思います。そこで、まず現実的ないまの設備状況がどうなのか、それであなたは気象庁の長官として一体国民に対して責任を持てるとお考えになっているのか、持てないというならば、どの程度にこれを拡張してほしいという要求があるか、この点についてひとつ御意見をお聞きしたいと思います。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 お答えいたします。  まず、ただいまの一番初めのお話の施設の問題でございます。徳島のお話が出ましたけれども、徳島のみならず、全国には大体百五十カ所の気象観測所がございまして、そこには、風のみならず、気温、雨、気圧その他の観測装置は全部完備しております。たまたま徳島が六十七メートル以上はかれなかったということにつきましては、機械そのものが根本的に六十七メートル以上はかれない機械を備えておるのではございません。何かそのときの事故であったのかもしれません。これにつきましては、その事情はあとで調べてみたいと考えております。要するに、台風の予報がいまの状態ではたよりないというお話につきましては、実は現状としまして台風の予想に対して最も有効な施設としましては、御承知のようにレーダーでございます。気象レーダーの有効であるということは、先日の台風二十号でございましたか、富士山のレーダーが如実に示してくれたところでございまして、よく御了承願っていることだと思いますが、富士山のレーダーというのは、これは非常に大きな特殊のレーダーでございまして、この富士山のレーダーほど大きくないレーダーがほかに十何カ所かございます。ただし、現状といたしまして、その十何カ所のレーダー観測地というのは、大体太平洋岸に沿って設置されているわけであります。台風がさっき申しましたように南から参りますと、それらの台風の日本本土へ接近するまでの状況は、そのレーダーによって把握できるわけであります。しかし、その台風が本州を横断しまして日本海へ入りますと、ちょっと現在のレーダーでは不十分な点もございます。ぜひ日本海にもレーダーを備えつけなければならないというような考え方で、実は今年度中に山陰の松江に新しくレーダーを備えつける。それから昨年度に福井にレーダーを一つ備えつけております。したがいまして、現在日本海側のレーダーとしましては福井と松江ということでございます。ところで、福井と松江と申しますと、本州の西のほうにございます。したがって、台風が日本海に入りまして北のほうへ行きますと、これをつかまえるレーダーがなくなってしまう。——失礼しました。新潟にもう一つございます。しかし、そのレーダーの半径というのは、御承知のように三百キロの半径しか持っておりませんので、その三つのレーダーでは、たとえば台風が秋田付近に参りますと、ちょっと観測しにくくなる。今度は秋田にもう一つレーダーがあってほしいという計画で、これを実行に移すように計画を立てております。もう一つは、これはちょっと変なところと思われるかもしれませんが、瀬戸内海というところは、周囲山に囲まれておりまして、レーダーの電波が非常に届きにくいのであります。瀬戸内海に台風が入りますと、これまた盲点になります。したがいまして、現在のところ広島を考えておりまして、ぜひ広島に早急にレーダーをつけるように努力したいというように思っております。  そういうようにしまして、現在のところは、レーダーでその台風の現在位置を想定するのが最も有効な方法であるということで、気象庁のほうではレーダーの整備をはかっておるのでございます。ただ、レーダーの整備と申しましても、レーダーをそこへ備えつければいい、そういうようなことではなくて、そこでレーダーの像を見まして、その像を台風予報が必要な気象官署まで電送しなければならないわけでございます。だから、その電送装置を含めたレーダーの設置というものを考えているのでございます。まだそのほかにも、人工衛星を使ってその台風の位置、その台風の姿を求めるというような方法もございます。それも考えております。またそのほかにも考えております。  しかし、そういうようないずれの方法にいたしましても、結局は台風の現在の位置だけがわかるのでありまして、レーダーの像というものも台風の現在の位置が出るのでありまして、その台風がどっちの方向に進むかということは、レーダー像ではわからないのであります。そのためには、台風の動きというものに対しての研究をやらなければならない。つまり、観測ではなくて、理論的に台風の動きについての研究をやらなければならないというようなことは、これは明らかなことでございますので、気象庁には気象研究所がありますので、その気象研究所でそういった方面の研究は目下行ないつつあります。それで、現在台風の進路予想としまして気象庁が出ておりますのは、御承知のように、扇形になったところを気象庁は発表しております。その扇形の中ではどちらの方向へ行くか見当がつかないということなんでございます。しかし、その扇形の方向はまずだいじょうぶだというところで出しているわけですが、これは現在の台風の研究、あるいは大きく申しまして気象学と申しますか、気象学がその程度しか行っていないのでありまして、それよりももっと詳しく線を引いてこういうふうに台風が進むんだというような台風の今後の予想位置は、現在の気象学ではまだそこまで的確に申し上げ得るような段階にはなってない。そのことにつきまして、実はたいへん僭越な言い方でございますけれども、台風のそういう研究あるいは台風予想につきましては、日本は世界のトップレベルにあるということは申し上げることができます。したがいまして、現在世界じゅうの研究を集めてみても、台風の進路に対してはやはりその程度しか現在の段階としては予報ができないんだというような状態でございます。ただ、その研究も大事ですけれども、台風の予報をやるためには、どうしても台風の現在の位置を的確に把握し、その台風の現在の状態を的確に把握しなければ、そういう予報が的確にならないというようなことがございますので、観測施設としましては、その台風の現在の位置をできるだけ迅速に正確に把握できるように、レーダーその他の観測施設を考えておりまして、できるだけ早くそれを実現したいというように考えておる次第でございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 世界で一番台国の多い日本でありますから、いまあなたのおっしゃるとおり、この気象学というものは日本が世界のトップにならなければならないはずだと思います。ところが、いまのような心細い程度にしかまだ学問が発達していないんだということになれば、これはあなたの責任になるわけではないでございましょうが、しかし国民としてはそう簡単なものではありません。これは何千年来の災害なんであります。それを単なる現象的に起こったものの統計をとって、それを分類して結論を出してみて方向を知るということでは、学問にはならぬだろう、こう思う。  これはどうなんですか、日本の気象学の問題を一体どこの大学で研究しているのですか、それとも何かほかに研究機関というものは設けられてあるのですか、その点をちょっとついでに関連して伺いたい。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 台風の研究につきましては、気象庁としては、さっき申しましたように、気象研究所に台風研究部というものがありまして、専門にそこで台風についての研究をやっております。それから、各大学、たとえば東大におきましては、東大の地球物理学教室で気象の教室がございます。そこで先生方が台風についてもおやりになっております。そういったような大学がほかにも数カ所ございまして、大学でも台風については研究がされております。したがいまして、現在日本において台風についての研究をやっているのは、そういった大学の研究室と気象庁の気象研究所ということになろうかと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 大臣、ただいま長官の御説明のとおり、実に心細い話だと思う。これほどの大問題でしょう。一ぺん台風が来れば千五百億円ふっ飛んでしまう。それを、大学の気象研究所などにも幾らの金を出しているか、これはまことに心細いことだろうと思う。どういうものか、日本の政治というものは、不必要なところにやたらに金を使って、大事なところに金を出さないという点に私は非常に欠陥があるようにうかがわれるのです。しかし、これは大臣の責任でもないのですから、いずれ別なほうで追及してみたいと思いますが、しかし、長官、今度の地方の陳情の中に、北海道——私は青森県ですが、青森県、秋田県という、いまあなたのお話にもありました、裏日本へ抜けると、さっぱりわからない、こういうことで、何か裏日本のほうに適切な観測の設備をしてほしいという陳情が各所からございました。そこで、これは間違いないでしょうね。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 台風に対しての日本海のほうの施設としましては、先ほど申しましたように、今後の計画といたしましては、秋田に気象レーダーを早急に備えつけたいという計画を持っております。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 これはもう予算をとってあるのですか、それとも来年の予算に計上するという意味なのですか、それをはっきり……。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 現在とってあるのでございません。来年の予算については秋田はのっておりません。秋田に設置する前にまだ他のレーダーについて早急に設置しなければならない面がございますので、来年以降早急にそれを実現に移したいという計画をいま立てております。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 そういうところに私らにわからないところがある。それはあなたのほうの都合であちこち予算を取らなければならないのでしょうけれども、こんな問題が起こって、もう私の県だけで六十何億の損害が起こっているという実情です。そういうような損害が目の前に起こっている。そういうときに、もっと予算をとってきてもらわなければ政治にならないですよ。あなたの事務だけ考えられては困る。これは政治なんですから……。だから、勇気を持って追加予算を出してもらいたいと、こう思うのですが、ひとつ御意見をお伺いしたい。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 おっしゃるとおりでございまして、実は私のほうとしては、レーダーのみならず、そのほかの業務につきましては年次計画を持っておりまして、大体原則的にはそれで進んでいくつもりでございますけれども、その情勢によりましてはその年次計画というものはもちろん変更して差しつかえないものでございます。しかし、秋田のレーダーにつきましては、ただいま申しましたように、追加予算を出すというようなお話につきましてはまたあらためて検討しなければならないかもしれませんけれども、現段階においてはただいま申しましたとおりの方針でわれわれは進んでいくつもりでございます。お話はよくわかりましたので、努力をしてみたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 あなたは事務のほうの長官でございますから、それでいいかもしれませんけれども、そこで私は実は、たぶんそういうことになりはしないかということを心配したものですから、政務次官か大臣にぜひ出席してほしい、これは大きい政治問題でございますから、それで出席をお願いしましたら、都合があって出られない、こういうのです。これは大臣にひとつよくお伝えください。のみならず、本部長、これだけの損害がある問題なのに、こういう観測所くらいたいした予算でもないと思いますから、ぜひこれに関連して予算を出すように私はお願いしたい、こう思うのですが、ひとつ御所見をお伺いいたしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 先ほど来いろいろ気象観測施設と台風観測施設等について御意見がありましたが、気象庁の専門家が非常な努力をされておるわけでありますが、どうでしょう、政治家がこういうことに認識を持つようになったのは、率直に言って、ここ五、六年のことでしょう。ここにおられる学者の先生方は、全くわからない政治家ばかりという感想を持っておられると思います。これほどの大事件を、気象観測のレーダー一つつくるについてもたいへんな騒ぎをしなければならないというのが日本の現状であります。技術的な計画はいろいろ学問的に持っておられる。ところが、そういう予算については全く関心を持たないというのが、いまの日本の政治の情勢です。これはひとつ森田さんもいまの御見識を大いに出していただいて、私も、気象庁の計画がございますれば努力をいたしたい。いまはそういう情勢だから、遠慮をしながら何とかこの問題を解決したいと思って気象庁はやっておるわけです。そこで、年次計画というのは何十億かかるか、一カ所一億か二億しかかからぬのです。富士山でも二億くらいしかかからぬでしょう。それを世界一につくるのは容易なことでない。地方の観測所にレーダーができたのは、率直に言って、まだ二、三年前からです。これはひとつ私どものほうも検討をいたしたいと思います。よけいなことですけれども、いままでの台風観測なんというのは、部分のところ——宇宙の運行からくる条件だと私は思うのですが、そういうところを見るような研究は予算も全然なかったのですから、たいへんな仕事を、針の穴からそれこそ天井をのぞくような研究をしいられておったというのが現状でありますから、努力をいたしたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 関連。いま建設大臣の御答弁を聞いておったのですけれども、一体観測機械の整備、これをいみじくも建設大臣がいまお答えになったような考えで政府なり諸機関がやっておったとすれば、私は昭和二十七年以来国会に籍を置いて、しかもその所管である運輸委員を専門に今日までやってまいりましたが、運輸省の所管でありますので、したがって、観測機械の整備近代化、観測の充実につきましては、毎国会主張をしておるのです。したがって、ここ二年や三年のことではないわけです。私の知っておる範囲内においてももう十年以上たっておるのです。私は思いますのに、これは日本の通弊として、ともかくも痛い目にあわなければそれに対応する措置をしない、こういうことがくせになっておるのです。たとえば、これを専門的にいうならば、踏切でも、大きな事故が起きた、それでなければ踏切はつけない。台風で大きな痛手をこうむらなければ、室戸岬に観測所をつくらない。これではいかぬのですよ。そういうあと追いのことをやっておるから、ますますもって、この衝に当たっておる行政機関は一生懸命になっておっても、一向に施設がはかどらない、こういう結果になるわけです。私はいまの大臣の御答弁はいかぬとは言いませんけれども、そういうことではなしに、一そうその認識を改めてもらって、いま申したように、盗人をつかまえてなわないをするようなやり方ではなしに、一度災害が起きれば何千億というような災害を毎年繰り返しておるのでありますから、したがって、その衝に当たる政府としては、もっと積極的に、森田先生がおっしゃるように、ひとつ観測所の整備をやってもらいたいと思うのです。  それから、一つ苦言を呈しておきたいのは、片方では近代的な機械化が進んでおる、片方においてはまだそれが充実しておらないので、したがって観測所などが混乱しておるのじゃないかと思うのです。だから一向に当たりませんよ。私は今度飛行機でハワイから帰ってきたのが十日で、ちょうど台風のまっ最中です。ところが、気象観測について的確な機長の判断に供するような、いわゆる地上からの気象通報というものがなされているのかいないのか、全くもってでたらめです。こういうことでは私はいかぬと思う。それらもいま言いますように混乱をしておる。いまのこの重大な観測業務に携わっておる機関が混乱しておるのではないかと思うのです。したがって、もっと積極的に本部長あたりも一生懸命にやってもらって、大蔵省にさらに大きな認識の変更を要求しないといかぬと私は思う。いかがですか。私の言っておることが当たっているかいないかは知りません。混乱をしておるとは気象庁の長官も申されまいと思うけれども、しかし、われわれから見ておると、そういうことで、だんだん航空気象などもきわめて重要なことになっておるのに、飛行機の中で大混乱を起こしておる、その乗務員の判断に供するような的確なものがないのじゃないかと思うのですが、事はきわめて重大でありますので、もっと思い切って、あなた方がしてほしいということは率直に、すなおに、遠慮せずに言って、認識を改めさせるということが必要ではないかと思うのですけれども、いかがですか。

柴田淑次気象庁長官

○柴田説明員 どうもありがとうございました。そのとおりでございまして、率直に申し上げているつもりには変わりはございません。  それで、先ほどのお話で、観測施設が古いのと新しいのとが一緒になって混乱をしているというようなお話がございましたが、その点につきましては、ちょっと誤解もあろうかと思うのでございますが、気象庁といたしましては、新しい機械を備えつける場合には、古い機械をどうするかということについては、もちろん整理をしております。したがいまして、古い機械と新しい機械が混乱をしているという現状であるとは私は考えておりません。また、そういう混乱があるがために、たとえば航空機に対する予報があまりうまくいかないというようなお話のように承りましたけれども、航空機に対する予報というのは、これは気象庁としても従来非常に努力してやっているのでありまして、御承知かと思いますけれども、各空港には、第三種空港まで気象庁の出先の職員がおりまして、各所の情報を集めて、そこを出発する機長に対しては、いわゆるブリーフィングをやって、気象情報を説明しているわけであります。また、着陸した場合には、その機長においで願いまして、その航路の気象状況を話してもらうというようにして、航空関係者とも密接に関係をとりまして、航空気象業務については気象庁としては最大の努力を払っているつもりでございます。  先ほどのお話の海外航路につきましては、ちょっとその事情がいまよくわかりませんので、どういうような原因でどこでどういうように混乱をしたかということにつきましては、いまこの席上でお答えしかねると思いますが、それはそれとして、ただいま申しましたように、飛行機に対しては特別の注意を払って努力をしているということをお話し申し上げておきたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 たいへん時間を長くとりましたが、きょうは、大臣の遠大なる抱負と、それによって、日本の台風から受ける災害をゼロにするという御計画等の内容等も承りまして、非常に心強く感じました。一日も早くその日の実現されんことを希望いたします。  同時に、気象庁の長官に対しましては、きょうお伺いした範囲内でも、日本の気象学がこの程度だ、これが世界で最高だ、こういうのでありますから、これはやはり一つの限界でございましょう。したがいまして、現実的な問題については、なかなかそう簡単に予測のできない点等もよく理解することができました。しかし、その科学的な設備がどうしても必要だ、それによるのでなければとうてい予測等できるものでないこともきわめて明瞭であります。これは今後私ら十分あなたの立場を御支持申し上げて、予算をとにかくとって、そうして設備が充実するような方向へ持っていきたいと思いますから、ひとつあなたも勇気を出してください。あきらめないようにひとつお願いいたします。大臣には特にその点ひとつ御推進くださるようお願いいたしまして、私の質問を終わります。      ————◇—————

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 おはかりいたします。  委員派遣承認申請に関する件についてでありますが、前回の委員会において協議決定いたしました台風第二十三号及び昭和四十年九月の降ひょうによる被害状況の調査に加えて、今回の台風第二十四号等による被害状況の調査もあわせ行ないたいと存じますが、これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる十月四日午前十時半から開会することとし、これにて散会いたします。    午後五時五十一分散会

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