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49回国会衆議院1965/09/16

建設委員会 第5号

発言数
57
登壇者
9
会派数
3
開催日
1965/09/16

会議録

森山欽司自由民主党

○森山委員長 これより会議を開きます。  道路に関する件について調査を進めます。  本日は九州縦貫自動車道建設問題について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。  なお、質疑者に申し上げますが、理事会の申し合わせにより、質疑時間はお一人二十分以内にいたしたいと存じますので、さよう御了承を願います。池田清志君。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 私はプロパーの委員でないのに発言を最初にお許しをいただきまして深く感謝をいたします。  ただいま委員長お話しのように、九州縦貫自動車道路につきましてお尋ねをしようと、こういうことであり、なお国土開発縦貫自動車道路全体についてもお尋ねをいたしたいわけです。  問題の九州縦貫自動車道路につきましては、大臣が一つの名案を御了承に相なりまして、私はむしろ感謝をいたしておるものであります。政府は東北、中央、北陸、中国及び九州縦貫自動車道に対しまする着工費といたしまして、四十年度に二十億円を盛っておるのでありますが、これが配分はいかようになっておりますか。道路局長でけっこうです。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○尾之内説明員 四十年度新規縦貫道の事業費予算は二十億であります。そのほかに二億の調査費がございます。これらにつきましてはまだ配分を行なっておりません。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 四十一年度における右五線の工事費の予算要求は幾らなさいました、道路局長。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○尾之内説明員 ただいまのところ三百億という数字を出しております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 来年度におきまして三百億円ぐらいのいわゆる予算でもちましてこの五線の工事がそう著しく進捗するとは思いません。建設省におきましてはこの五線の完工を十年後という予定を持っておられるやに伺うのでありますが、これだけの予算では不足であるというふうに私は考えるのでありますけれども、道路局長いかがでございますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 御承知のとおりでありまして、来年度は三百億という概算要求をいたしております。青森から鹿児島までの縦貫自動車道を少なくとも十年以内で完成させたい、それが日本の現状における、また将来を考えてやります上においては、早いほうがいいのでありますけれども、これは財政あるいは技術の問題等いろいろ考え合わせなければなりませんから、おそくとも十年以内に完成さすのが適当である、こういう考え方で計画を進めておりますが、その考え方でいたしますと、来年度三百億ではたいしたことはないではないかというお話は全くごもっともであります。けれども、御承知のとおりに、いまの道路計画の進め方は、現行いわゆる五カ年計画四兆一千億の中で私ども操作をいたしておるわけです。その中の一兆一千億のいわゆる有料道路の概算ワクは、その中で七百億というのがいわゆる縦貫自動車道関係のワクということになっておりますから、これは五カ年計画で一応そういう方針がきめられております。その中のことでありますから、これは四十三年度までのいまの五カ年計画でありますので、その中で四十一年度三百億くらいは消化をしよう、用地買収にかかろうという考え方であります。そこで十年以内との関係をいまお話しがありましたが、十年以内という構想では、こういうことではとても追っつかないわけでありますから、これは今後の御検討をもちろん願わなければなりません。私どもも検討を進めておりますが、全国縦貫道路を十年以内でやりたいというのは、四車線で全部完成させるには、まあ技術的に不可能とは、ちょっと極言かもしれませんけれども、日本の財政その他から考えまして、技術の面あるいは資材の面等考えまして、そう簡単なものじゃありません。そこでいま十年以内と考えておりますのは、おおよそは実行は二車線とする、そうしてすみやかに貫通させるのがわが国の道路政策上適当である。一兆二、三千億大体概算ではかかりますから、そういう考え方で十年以内ということを考えておる。したがって、いまの道路五カ年計画というものをそういう構想のもとに改定をする、こういうのを前提にして考えておるということを御理解願いたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 縦貫自動車道は有料道路である、こういうわけであります。政府におきましては、公債を発行してもよろしい、こういうかまえを見せてこられました。したがいまして、来年度の予算におきましては、公債発行ということが現実に頭を出す、こう思うのです。財政法の関係からいたしましても建設公債というものであるべきであるというのでありますから、道路につきましては、ことにこの有料道路につきましては建設公債が発行されてしかるべきものである、こう一つの意見を持っております。そういたしますと、ただいま大臣が述べられましたように、現在の道路計画五カ年計画ではなかなか進捗がにぶいのでありまするから、私の意見といたしましては、公債の発行等を加味して道路計画五カ年計画を早く改定すべきである、こういう意見を持っておるのですが、これは大臣いかがでございます。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 公債問題は率直に言って私のほうの専門ではございませんけれども、国家財政が御承知のような事情でありますから、そういうことが現に検討されておるわけであります。けれども、そうかといって直ちに大幅な公債を発行して大規模な道路計画を推進するという段階には必ずしも入りにくい。これは将来長期にわたっての日本の経済全体を考えてせっかく大蔵大臣を中心にして検討されておりますから、そういうことが行なわれることは事実でありますが、もう少し検討の余地がある。もちろんこれほどの大規模な仕事をいたします場合には、これはもう公債といいますか、そういう政策を加味してやるということは当然であろうと思っております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 国土開発縦貫自動車道の性格というものについてお尋ねをするわけです。法律の第一条の目的の中に、国土の普遍的開発をはかり、国民生活の領域の拡大を期する、こういうことがあるのでありますが、この国土の普遍的開発をはかるというのは、局部的な国土の開発というよりもむしろ日本全体の開発を意味するものであり、国民生活の領域の拡大を期するというのは、一部分の領域だけではなくして国土全域にわたり国民生活の領域を拡大する、こういうふうに私は解釈するのでありますが、この解釈につきまして、道路局長いかがでございますか。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○尾之内説明員 この法律の目的にいっております国土の普遍的開発という意味でございます。これにつきましては、特にこれの定説というものはございません。従来各道につきまして、選定されております路線から申しまして、必ずしも局部的とか、あるいは必ずしも国土全般というようなことをいっておるのではないと思っております。おおむね各沿道の方々に一般的に開発的な利益を与える、こういう線として選ばれておる、かように解釈いたしております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 私の解釈によりまして、先ほど局地的なものでないと考えるとこう申したのでありますが、さすれば、この国土開発縦貫自動車道は現在五本あがっております。それをつなぎまして青森から鹿児島まで背骨の道路といたしまして、この間にありまするところの住民がこの恩恵に浴するようにしたいということが趣旨であると私は考えます。このことからいたしまして、この道路は輸送道路である。観光道路でもない、一部の地点の開発道路でもない、こう私はきめつけるわけです。輸送道路であるということを前提といたしますならば、この道路はおのずから最短距離でなければなりません。最小の建設費をもって建設されることでなければなりません。できた道路を自動車が利用いたしますが、それは最短時間に所要の目的を達するという意味合いの道路でなければなりません。こういうようなことがこの道路の性格である、使命である、こう私は考えておるのですが、これについて道路局長いかがでございますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 いわゆる国土開発縦貫自動車道の性格論でございますが、これは法律の第一条に書いてありますけれども、お説のとおりに、できるだけ短距離に、そしてできるだけ短時間に輸送ができるというのも一つの大きな要件になると思っております。ただそれだけで問題は解決しない、私はそういう解釈をしておりますのは、いまお読み上げになりましたこの縦貫自動車道の法律の目的にも書いてありますけれども、「国土の普遍的開発をはかり、画期的な産業の立地振興及び国民生活領域の拡大を期する」こういうことが大きなねらいでありますので、そういう面もこれは含まれておる、したがって、たとえば東京、大阪、名古屋、こういうところは非常に充実いたしておりますから、できるだけ短時間で物の輸送、人の輸送、能率の向上ということが相当のウエートになる。しかし東北であるとかあるいは中国筋であるとか、あるいは九州、四国、北海道もさようでありますが、こういうところは今後産業立地の拡大、いわゆる産業活動の立地の利用度というものを高めることが前提要件になりませんと物の輸送ということは起こらないわけでありますから、産業の開発に寄与するような部面、むしろこのほうに重点を置かれて、先ほどお話しのような早く輸送できる——これは両々相まつべきものである、かように考えております。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 過ぐる国会におきまして、通常国会でありましたが、九州縦貫自動車道の関係におきまして、日田市付近という経過地を、法律の上ではっきり除きました。これは結局この道路の性格と申しますか、それを実際にあらわしたものだ、こう私は解釈いたします。そのことを九州縦貫自動車道の南のほうであります小林市付近、終点鹿児島市、ここに適用をいたします際に、まん中に霧島山というものがありますが、その答えは当然に近道、つまり西のほうを通るのがよろしい、こういうふうに私は考えておるのであります。これについて大臣も非常に御検討をいただきまして、冒頭に申し上げましたいい案を案出していただいたのでありますから、これについては詳しく申し上げません。  ここでちょっと申し上げさせていただきますのは、つまり西近道路線と東を遠回りする路線とを比較をさしていただきます。距離におきまして二十五・五キロ東回りがよけいである。自動車の時間にいたしまして、車によって違いますが、大体二十八分よけいかかる。建設におきまして二百二十六億円よけいかかります。工事の難易でありますが、工事は不可能ではないが困難である、こういうようなことになっておるわけです。かくのごとくいたしまして自動車道ができ上がりました後、鹿児島から発着いたします車を、現在政府は四十八年に四千台ということを考えておるようでありますが、それによりますところの車のロスを計算いたしますと年間二十億ということになります。この二十億は結局地元の鹿児島県が未来永久に負担しなければならない、こういう計算になってくるわけです。そういうようなことであればあるほど、私どもといたしましては西近道路線ということを強硬にお願いをしてまいったことを経過的に申し上げておきます。  九州縦貫自動車道の予定路線は、御承知のように起点が北九州市、終点が鹿児島、おもなる経過地といたしまして福岡市付近、鳥栖市付近、熊本市付近、小林市付近、こういうことになっております。これを今回取り上げていただきまして着工を見るのでありますが、東のほうに関するところの、つまり霧島山の東に関するところの問題といたしまして大臣がお考えになっております御構想がありますならば——あると伺っておるのでありますが、ひとつこの席で御発表をいただきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 いわゆる霧島の東、西の論争が行なわれておりますが、これは見方によっていろいろであると思います。そこでいまお話がありました第一の点は、そういう考え方も成り立つであろう、かように思います。ただ、ここでひとつぜひ御留意を願いたいことは、この縦貫自動車道のたてまえ、これは昨年路線指定の法律をつくりましたが、御承知のとおりに縦貫自動車道法は改正前におきましてはいわゆる予定路線というものを図上においてそれぞれ地点をきめまして、こういう地点を通って道路をつくりたいからという一つの構想であります。その構想に基づいて、私どもいわゆる建設省では、そういう地点を通過する路線としてはいかなるものが適当であろうかということをそれぞれ二線あるいは三線の比較路線を検討いたしました。その検討の結果に基づいて、そしていわゆる路線指定の法律というものをつくったことは御承知のとおりであります。その際、九州だけについて申し上げますと、九州においては日田回り、法律上日田付近ということになっておりましたので、その線と、それから九州縦貫でありますから、もう一つ西側に寄ったいわゆる久留米付近を通る線との比較線を検討して出してあります。それからもう一つは、いわゆる人吉から小林市付近ということになっておりますが、小林市を通らないで、宮崎県の京町を通って鹿児島に至る一つの線、これを建設省では、あるいは御承知かと思いますけれども、西案という一つの案として出しております。そしてこの名称は京町線という名前で出しておるわけであります。それから小林から、霧島山という一つの大きな山岳がありますから、これを東に回って、小林市付近を通って鹿児島に至る線もいわゆる比較線として検討されております。これが東案ということになって、いわゆる小林線という名称で報告が出されておるわけであります。昭和三十八年まで調査いたしまして、昭和三十九年二月に報告書を出して、この調査の結果に基づいて路線指定の法律をいかにすべきかということを検討いたしました。その際に、いまお話しのように日田線にすべきか、あるいは久留米線にすべきかということで論議がありまして、これは久留米線にすべきである、日田線については日田−大分−久留米を通る二級国道を整備するほうが、全体の開発上適当であるという結論になって、いまの線になっておるわけであります。  そこで、南のほうの霧島山を中心にいたします線は、小林市付近というのが法律上定められておりますので、これを避けるということはできない、これも論争がありましたが、そこで西案、東案、もう一つ言いかえますと、京町線、小林線のうちで京町線をとらないで、いわゆる小林線というものをとって路線指定の法律がきまったといういきさつがあります。そういうことで、一応いわゆる京町線というものは排除されておるということをぜひ御理解を願いたいと思います。  そこで、いま二十五キロ云々と言われましたが、小林を通過しないで人吉から加久藤越えをいたしまして、そしていわゆる京町を通って鹿児島に至る京町線、これが百十六キロ、それからもう一つの小林を通って東回りをして鹿児島に至るのが百四十二キロ、その差が大体二十五キロということになっておるのであります。その比較というものは、すでに前に路線指定の法律をきめましたときに、これは比較にならないということになっておるのでありますから、二十五キロ云々と言われることは、その排除された線と東回り、いわゆる小林線との比較をされておりますので、これはぜひひとつ比較の材料になさらないでいただかなければ、非常な誤解を生ずるということであります。  そこでもう一つの問題点は、小林市を通るということは法律上きめてありますから、小林市とそれから鹿児島市とをつなぐ線をどうするかということで今度は別の意味における西回り、東回りという線が出てきている。この線の比較になりますと、十三キロの差があるということになっておるわけであります。これをどちらにするかということ、いわゆる先ほどお話しになりました縦貫自動車道の趣旨にどちらが適するかということの論争であるということにひとつ御理解を願いたいと思うのであります。

池田清志自由民主党

○池田(清)委員 私は先ほど来るる申し上げておりまするように、九州縦貫自動車道の南のほうであります小林市付近から終点鹿児島、この線におきましては、至近距離に建設をしていただきたいということを強く要望しておるものです。このことは、よけいなことかも存じませんが、鹿児島県といたしましては県一致と申しまして、県民大会などを開きまして、その代表団が大臣のところにも陳情に伺っておるわけであります。それはぜひ実現をお願いしたいわけです。  一方、東のほう、宮崎県のほうにどういう道路をおつくりになりましょうが、それは私どもは絶対反対するものじゃございません。むしろその建設に御協力を申し上げまして、南九州の開発全体が促進されるということを念願しておるものでありますることを申し上げて、終わります。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 実は私のほうでは、これは法律にきめられました範囲で、いかにそれを国民のために有効に法律を活用するかという立場で作業をいたしておるわけであります。先ほど申し上げましたように、一応地点というものが法律上きまっております。小林市付近と鹿児島ということになっておりますから、それをつなぐ路線としてはどうあるべきかということを検討しておるのでありまして、それ以外の普通の一般道路行政でありますると、道路政策を国全体として考えまして、こうあるべきであるといろ路線を行政上きめていくわけであります。ところが、この縦貫自動車道に限っては、通過地点というものが国会においてきめられておりますから、その制限の、きめられた範囲の中で路線というものを検討しなければならないという制約があるわけであります。この東であるとか西であるとかいうことは、私はそれほど重きに置いておりません。問題は、この縦貫自動車道の目的とするところ、それがこの二点をつなぐ場合にいかなるところを通過したほうがいわゆるこの目的にかなうかという判断でいろいろ検討をいたしておるのであります。もちろん局部的に申し上げますと、この九州縦貫道路の南部においては、比較的と申しますか、極端に今日未開発になっております。しかも広大な地域であります。人口が約三百万ありますところにこの一本の線を通す場合には、どういうところを通ったほうが全体にまんべんなく効果をあらわす線であるかということを検討するのが私どもの職責であろう、こう考えております。したがって、もし別に法律でいろいろなことがきめられまして、それがこの目的に沿う路線でありますれば、これは一番縦貫自動車道としては適当でありますが、法律を変更するということを私のほうでやるわけにはまいらないのであります。これは国会でそういう方針がきまりますれば、もともとこれは議員立法でありますから、それに従って全体の開発と同時に縦貫自動車道の趣旨に適する高速道路をつくりたい、こういう考えであるわけであります。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 次に、井谷正吉君。

井谷正吉日本社会党

○井谷委員 どうも二番せんじになって、大臣の言われることもわかったし、私の言おうとすることは池田さんが大かた言われたわけで、私は簡単に自分の考えを申し述べたいと思います。  この九州自動車道路につきましては、新聞等によりましても、東回り線、西回り線が問題になっております。ことに東回り線は、瀬戸山さんの政治路線である、こういうようなうわさが飛んでおりましたので、私は、たまたま十五号台風の調査に鹿児島へ出ておりましたから、一日余分に滞在をいたしまして、問題になっておる西回り、東回り、これをできるだけ調べて帰ったわけであります。率直に申し上げまして、この九州自動車道は、やはり私は世にいわれておる西回り線が正しい、こういう感じを持って帰ったのであります。そこでそれを基本にいたしまして、いろいろ資料等も集めて検討をいたしたのでございますが、いま大臣の御説明によると、池田さんの出された数的な基礎に若干大臣のお考えと違っておる点があるように思っております。結論から申し上げますならば、私はやはりこの青森から鹿児島へ行きます日本の大背骨になる大動脈線は最短距離を早く輸送のできるということに基本を置きたいと考えております。宮崎・大隅地方の開発のおくれておる地域、地域開発をこれに結びつけるということは、これは法律にはそうなっておっても実際の上において非常に無理があると思いますので、地域開発を主眼とするならば、さらに別途の方法においてこれがなし遂げられるものだと思うのです。大臣のお立場上法律の範囲においてお考えになるのは当然でありますが、これは議員立法でございますから、私どもはさらにこれを検討してそういう意味においての進め方をいたしたい、かように考えておることを申し上げまして、大臣の御答弁は要りません。  以上をもって終わります。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 次に、兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 いままで池田さんからも意見がありましたが、問題の焦点は霧島を中心にしまして東か西かということでございますけれども、私は多少基本的な問題について大臣の御所見を承りたいと存じます。  昭和三十二年でございましたか、北は青森から南は鹿児島まで国土開発縦貫自動車道建設法ができましたが、今日九州関係については大体どの程度の見通しにおいてこれが完成し、九州関係で大体総額どの程度の予算規模でこれを完成しようと考えているのか、この点についてまずお伺いをいたします。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○尾之内説明員 数字を申し上げますが、九州道につきましてはおおむね延長が三百四十キロでございまして、それらを今後十年間くらいでやりたいということを考えておりますけれども、その際の建設のしかたはとりあえず二車線で済まされるところは二車線で済ます。もちろん用地につきましては四車線の分を買収いたしますが、交通量のふえるに従いまして、四車線に仕上げていく、こういう考え方で一応数字を出しましたのを申し上げますと、二千五百億という数字になっております。全線三百四十キロに対しまして二千五百億、こういう数字であります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 得にわれわれ地域住民が考えていることは、やはり早期にこの道路が建設されまして、佐藤総理も言っているような社会開発の意義というものが十分に全うされなければならない、こういう立場に立つと同時に、この国土開発縦貫自動車道法の第一条にも明らかに書いてあるわけでございますが、特に南九州は第一次産業である農業がほとんどでありまして、しかも特に東九州、大分から宮崎、さらに鹿児島の東南部という地域が経済的にも、いろいろな面において一番おくれているわけでございますけれども、大臣としてこの縦貫自動車道法の趣旨というものから考えた場合に、基本的な考えとして大体どういうふうな御所見をお持ちであるのか、この点をひとつお聞かせいただきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 基本的な考えといいますと、不満足であったかもしれませんけれども、先ほど来申し上げておるところと思います。ただ、繰り返すようで恐縮でありますが、この縦貫自動車道法のたてまえといいますか、これについていろいろ議論がされておりますけれども、私はこう考えております。これに大体昭和二十七年ころからこの問題を検討いたしまして、私のことを申し上げて恐縮でありますが、この時分から私はこの問題に取り組んできて、昭和三十二年にようやくこの法律ができたということであります。この問題が取り上げられたのはどういうことかといえば、敗戦後御承知のとおり日本の領土が非常に狭くなりました。人口が非常に多い。そして日本の領土の約三分の二というものはほとんど山林原野として三分の一のところにこの膨大な人口が集中して各般の活動をしておる。将来の日本は、こういう状態では資源の活用からいってもあるいは土地の利用からいっても、人口の分布、産業経済の分布からいっても根本的な考え方に立ってやらなければならない。そしてこの第一条にも書いてありますように、産業の立地その他を全然違った形でつくり上げなければ日本の将来というものはきわめて妙なかっこうになるのであろう、現在さような事態が御承知のとおり起こっておるわけであります。そういう意味で、国土の山岳地帯であろうが何であろうが、とにかくそういうふだん今日まで利用しないところに利用度が高まるようにこの縦貫自動車道をつくろうというのが事の始まりでありまして、ようやく諸般の情勢がこれに着手するという段階になってきたわけであります。そういう事の起こり、またねらいがそうでありますから、いろいろ議論がありますけれども、必ずしも直通であるとか短時間であるということだけがこの道路の趣旨ではない。これが議論になりますけれども、私はこれは確信を持って皆さんに申し上げ、御理解を願いたいと思っております。そうでありませんと、直通であるとかあるいは便利なところであるとかという観点に重きを置きますと日本の現状を打開することができない、この問題にはこういう基本的な考えを持っておるということだけを申し上げておきたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 特に現在建設省が構想として持っておりますこの縦貫自動車道法の規定された地域を見てまいりますと、具体的に申し上げますと全体的にやはり西に片寄り過ぎて、九州全体のいわゆる開発道路としての意義というものは多少薄らいできておるのじゃないかと私は思う。具体的に申し上げますならば、特に現在の路線に並行しまして一級国道の三号線が走り、ほとんどこれは一〇〇%完成、加えまして、国鉄の鹿児島本線、この電化、複線化が大体昭和四十五年に完成する、こういう状況から判断いたしますならば、どうしても東九州、いわゆる大分から宮崎、大隅を貫くこの道路のあり方というものについてやはり重大な検討を加える必要があるのじゃなかろうかと私は考えておるわけでありますが、これらの点について、現在の縦貫自動車道だけで十二分の効果を期待できないのじゃないか。ただいま大臣が申されました意見の中で、若干そういう解決はできたとしましても、特に宮崎から大分をつなぐこの路線というものは非常に隘路じゃないか。現に延岡・日向地区に新産業都市が決定されまして、県としては五十数億の巨大な投資をしておりますけれども、いまだに工場らしい工場が来ない。このことはとりもなおさず、海上を問わず陸上交通の不便がもたらした後進地域の悲劇じゃないかというふうに私は考えるわけですが、こういう九州全体の視野に立った道路のあり方というものについて、再度ひとつ御所見を承りたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 九州だけというわけにもまいりませんが、いまお話しのように、縦貫自動車道というのは、北海道、四国は地形の関係でいろいろになると思います。現在、北海道の場合は、御承知のような地形でありますから、二本の線を大きく入れるということになっております。もともと縦貫自動車道は、先ほど申し上げましたような趣旨で国土を一ぺん貫いてみよう、こういうことでありますから、これだけで問題が解決するとは、これは全然思っておりません。先ほど来申し上げますように、全国少なくとも青森から鹿児島まで十年以内、そのほか四国、北海道というものもその間にまた問題になってまいりますが、ここ十年以内に私どもが考え、希望いたしておりますようにできますまでには、その他の現在の一級国道、あるいは二級国道、いわゆる一般国道それから重要府県道等、ほとんど整備される段階になるという、またそうでなければ、せっかくつくりました縦貫自動車道もその効用を発揮することができない、こういうことであります。したがって、私どもといたしましては、この一本だけですべてが問題解決するとは全然思っておりません。ただ問題は国家財政——国家財政というのは国民の経済力でありますから、経済力に応じてその他の場合も考えて、国全体の姿をつくっていかなければならない。国全体の姿をつくるということは、基本的には先ほど来お話しになっておりますように、輸送道路網の整備であります。これについてはせっかくいま全国網について検討いたしておりますから、来たる通常国会等においては皆さまにおはかりして御検討願う準備をいたしておりますが、問題は道路政策をいたします場合に、単に道路だけに着目しておるということは、私は建設行政を必ずしも全うするものではない。国全体の姿をどうするかという一つの目標を持って道路政策をやるべきものであって、また他の産業その他の経済政策というものをやはり頭に置いて、その産業経済政策というものを道路の政策によっていかに生かすか、それをどうバックアップするか、そういう観点に立って道路網あるいは道路政策をやるべきであるという基本的な考えを持っております。  そこで、これは図面がちょっと小さくて、あるいは皆さんのお目に入りにくいと思いますが、いま日本の国で産業経済政策というのはどういうふうに予定して進められているか、これをごらんなさるとよくわかります。この茶色のところがいわゆる新産業都市を設定してやろうというところです。少しグリーンの、緑色のところが新産業都市に準ずる工業開発特別地区ということで、これは御承知のように進められております。それから薄い青色のところ、空色のところが、いわゆる低開発地帯における工業開発地区として、これは国策として指定して、逐次諸般の政策を進めておる、これに応ずるような道路網をつくるということが、将来の道路政策の基本である、行政がばらばらにならないように、すべての他の行政と合わせて道路政策をやるべきものである、かような考えを持っておりますことを申し上げておきたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 大体大臣の御構想はわかりましたが、現在完成されております——これは道路局長に聞きたいのですが、名神高速道路を走っている車の内容というものを聞いておりますと、トラック等の単数が非常に少なくて、ほとんど観光道路的な要素が非情に高い、こういうことが言われているわけですが、現在の輸送の実態というものはどうなっているのか、せっかくいま大臣が言われましたように、高速道路のもたらす意義というものが、単なる高速道路ということではなくて、地域の経済、産業の開発というところに重大なウエートを置かなければ、巨大な社会資本の投資の意味がない、こういうことでありましたが、現在の名神高速道路の輸送の状況というのは大体どういうふうになっているのか、この点九州縦貫道との関連がございますので、おわかりでしたらひとつお聞きしたい。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○尾之内説明員 名神高速道路の利用状況でございますが、当初計画いたしましたものに比べますと、交通の車両の種類の内容ではかなり変わっております。それから全体の台数あるいはそれに伴います収入につきましても、要するに三割ほど下回っておるような状況でございます。特に輸送の交通形態のほうのことでございますが、われわれが考えておりました貨物の運送、具体的にはトラックの台数というものが非常に減っております。そのかわり小型車、小型乗用車の台数が非常にふえておる、こういうようなことになっておりまして、それらは当初の——いまの段階ではまだ貨物の輸送が高速道路に乗らないということがはっきりいわれるわけでありますが、これについてはいろいろ検討いたしておりますが、二、三の理由もあろうかと思います。一つは、まだ名古屋と大阪、西宮の間、特に彦根地域と名古屋の間におきましては、国道状況が、できまして間もなく、まだ十分混雑しておるという状態ではない。したがいまして貨物のほうは若干輸送時間が長くなりましてもただの国道を通る、こういうような傾向が強いのであります。これは私どもの研究によりますと、アメリカの道路におきましても当初高速道路に貨物が乗らないという状況があるようでございまして、なお今後の状況、推移を見たいと思っております。またそのほか一般的に高速道路の利用というものに対する認識あるいは輸送業者のそういうものに対する認識というものについても、十分理解がないのではないかというように考えておりますが、最近輸送業者からこれらについてもう少しトラック類の通行を安くしてくれ、こういうような議論がございます。安くすればよけい乗るのだ、したがって収入がよけい入るということならば、それも十分検討の余地があるわけでございますが、なかなかむずかしい問題でございまして、ただいま建設省並びに公団等におきましていろいろ検討いたしておる、かような状況でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 これは大臣にお伺いしたいのですが、いま道路局長の説明にもありますように、やはり道路行政の本来の使命というものを考えました場合に、特に問題となっている九州縦貫自動車道においては、宮崎県の南部並びに鹿児島の東南部等大隅地域、この地域は国土総合開発法によりまして現在南九州特定地域としてほとんど全地域が指定されております。同時にまた、この地帯は霧島集約酪農地域であり、さらにほとんど八〇%近くが低開発地域の工業開発地区として指定されております。こういうような地域産業開発の諸計画というものをどういうふうにマッチさせていくかということによって、ほんとうの意味の高速道の使命が達成できるのではないかと思うのです。そういうように考えますと、先ほど局長の説明にありましたとおり、これが完成するのは大体十年くらいあとだろう、こういう御説明でございますが、このような国土総合開発法に指定されましたこの特定地域の開発計画、こういうもの等を含めて推進していかないと、せっかくの高速道の意義というものが十分に生かされない、同時にこのような低開発地域の産業諸開発計画とマッチしたところの高速道路網でなければ、私はその本来の使命が達成できないと考えるわけでございますが、こういうふうな関連について大臣はどういうふうにお考えか、お聞きしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 基本的な考えはお説のとおりに思っております。ただ問題は、先ほど申し上げましたように、これはそれこそ画期的な大事業でありますから、そう短時日にできないのは御了承願えると思います。それまでの間、他の一般道路、国道その他の一般道路を整備するということが、そういういわゆる地域の産業経済の振興に大いに寄与するであろう、そういうことを考えておおよその完成時期とこの高速度縦貫自動車道の完成時期とを合わせるということが道路政策の一番大事なところである、かように考えておるわけであります。  それからもう一つ、これは先ほど道路局長からお答えいたしましたが、現在の名神高速自動車道が必ずしも貨物等のトラック輸送が予想どおりに利用されておらない、そのとおりでありまして、こういう新しい事業と申しますか、ケースが出ました場合に、先ほどアメリカの例も申し上げて御説明をいたしましたが、必ずしも予想どおりにいかないのが普通であるようであります。と同時に、また神戸あるいは大阪、名古屋間だけがようやく完成いたしまして、距離にいたしますと、これは百九十二キロでありますから、たいした距離ではありません。いわゆる高速自動車道の機能を発揮するような道路になっておらないというのが一つであります。これが東京までつながるということになりますと、相当に京阪神あるいは中京圏をつなぐ経済の流動というものはばく大なものでありますから、これが利用されるであろうということを私どもは見ておるのが一つであります。と同時に、わが国においては御承知のとおりに高速自動車道なんていうのは、今日いわゆる緒についたという段階でありまして、これに応ずるトラック輸送機能というものがまだできておらないのであります。御承知のとおり、アメリカその他のように高速輸送道路網というのが整備されてそれを土台にして自動車輸送というものが非常に発達したところにおいては、いわゆる高速輸送用の自動車というのが発達いたしております。今日ではまだ従来のトラックを使用しておるわけでありますから、大体道路と輸送用具というのがマッチしておらない、これが現状でございます。したがってこれが全国的にだんだん高速自動車道路網が整備されるに応じて輸送機関の大改革というものが当然にこれに伴ってくる。現在その機運があるわけであります。自動車の機能というものが、これに応ずる機能になっていかなければならない。これは現在の乗用車でも同じでありますが、高速自動車道にマッチするわが国の自動車というものはほとんどありませんから、あれを利用すると、かえって自動車のエンジンがヒートしてだめになるというような、実際、道路と諸産業とがまだマッチしておらないというのが一つの大きな理由であろうと思っております。  それからもう一つ、これは将来のことでありますが、全国に自動車高速道路をつくりました場合に、いまの概念において、現段階における有料道路の概念で十年先のことを判断するということは大きな間違いであろうと私は思っております。全国に高速自動車道をつくります場合に、現在短期間において非常に利用されることを目標とした有料道路制を全国にしくということは政策の間違いであろうと思いますから、その段階に応じて現在の有料道路制というのは根本的に改められる時期が必ずくる。そうでありませんと、いわゆる高速自動車道路網の機能を発揮しないであろう。これは将来の検討事項でありますが、必ずそういう検討を加える段階が近くくるということをこの際つけ加えておきたいと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 時間が経過しましたので、最後に一問だけ申し上げて終わりたいと思います。  いままで限られた時間で十分意を尽くしませんけれども、いずれにいたしましても、この高速自動車道路が果たす役割りはきわめて大きいわけでありまして、総理の言っているいわゆる社会開発といいますか、こういうふうな地域開発についても非常に寄与するところ大でありますが、特に先ほど来私が申し上げましたように、大分の南部、宮崎からさらに大隅半島、この地域は九州においても最も開発のおくれている地域でありまして、しかも県民所得、住民所得についても、最下位のまたその底辺にある宮崎百十万の住民、あるいは大隅地区の二十数万の住民は、この道路の建設に対してきわめて重大な関心と期待を持っておるわけであります。しかもこの道路の持つ意義がやはり地域経済開発という重大な使命に立つ以上、大臣としてもやはりそういう広範な立場からおくれている住民のこの生活権を守るためにも、またこの百十数万の住民の意思というものが十二分に生かされるために、ひとつ自信と確信を持ってこの制定には努力していただきたい。このことを最後に要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと存じます。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 これは九州南部だけの問題ではないと思います。九州南部はいまお話しのとおりでありますが、私は、政治というものはやはり日の当たらないところに日を当てることだ、風通しの悪いところに風を通すことが政治の要諦であろうという考えを持っております。その前提をなすものは多くは道路政策でありますから、そういう考え方で道路政策は進めるべきであるというのが基本的な考えでありますことを申し上げておきたいと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 次に、川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 私は、最初にこの九州縦貫道の問題をめぐって数カ月間混乱があったわけでありますけれども、この混乱については大臣の責任がきわめて大きい面がある、こう思うわけであります。五月に九州地建のほうから一つの報告が出ているように聞いておるのでありますけれども、それ以後、大臣が就任されまして以後、鹿児島、宮崎という両県にわたって知事あるいは議長をはじめ、各市町村長、議長、こうした諸君が数カ月間にわたって地方自治体の業務を放棄してまで狂奔せざるを得なかった、このことについては、私はやはりきわめて遺憾な点があったと思うわけであります。この混乱の根本的な原因というものは、これは先ほど来大臣のほうからいろいろ御説明もありました。確かに地域開発という大きな問題にあるわけでありますけれども、ただ私は、この高速道路網の全国的な道路網が確立をしていこう、こういう事態の中において、この政府与党の中における地域開発政策というものと、それから道路投資との関係、この点についてはやはり混乱があるのではないか、つまりその点が確立をされていないから今日のような混乱が起きたのではないか、こう思うわけであります。この点はあるいは委員長はこの委員会を運営するにあたって、私がこういうことを言うのはたいへん遺憾だと、こういうふうに思われるかもわかりませんが、しかし大臣が先ほど言われました、これからの地域開発という大きな問題を進めてまいるにあたっては、この根本的な点に触れずに通るわけにはいかないと思うわけであります。そのことは国民の所得倍増計画が出され、道路政策についても一つの問題点が指摘をされ、それが中期計画の中においても改定をされておりますが、しかしこの根本的な問題については十分に触れられておらないわけであります。  そこで和三十六年十一月十七日にたまたま内閣総理大臣の臨時代理でありました佐藤榮作氏が諮問をいたしました地域経済問題調査会の答申というのが三十八年九月二十六日に出され、そうしてそれに基づいた建設省の国土開発というものについての構想が出され、そうしたものが一応調査を進めていく基本としてあったわけであります。でありますから、九州地建なりあるいはこの地域経済問題調査会の中でも触れられておりますが、東京から鹿児島間のその縦貫高速道というものの位置づけというものについては、社会資本の拡充というものの中で明確な位置づけがあるわけであります。あるいはこの建設省の計画、さらには民間団体であります総合政策研究会が出しております計画、こういうもの等を見ましても、私は先ほど井谷委員が触れられた基本原則というのがやはり大前提にはなければならぬと思うわけでございます。  そこでまずお尋ねしたいことは、国土全体を対象としております地域開発政策と道路投資との関連、それはこの地域経済問題調査会が出しております基本原則というものが貫かれてこなければならぬと思うわけであります。その点で社会資本のA、つまり高速縦貫道の役割り、こういうものはここに明確に出されておりますし、社会資本のBが、いまいわれております広域経済圏の開発、こういうことで一級国道なり二級国道なりの整備ということで、明確にその点の社会資本の位置づけというものは地域開発の中で理論づけられておるわけであります。その点について、まず、そうした大臣の、地域開発と道路投資との関係、こういうものにおきますもう少し突っ込んだ御見解を伺いたいのであります。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 まことに恐縮でありますが、お尋ねになる問題点がちょっと私理解しかねるのであります。どういうことを言えとおっしゃるのか、恐縮でございますが、もう少し具体的にお話しを願いたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それじゃ、まず道路局長にお尋ねいたします。九州地建が五月に出された報告というのはどういう報告でございますか。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○尾之内説明員 この五月に特にあらたまった地建の報告というものは私ども受けておりません。この調査につきましてはすでに数年来継続してやっておりますから、そのつど本省のいろいろ指示を得たりあるいは地建からいろいろ意見が出ておりますので、あらたまって五月の報告書というものは出ておりません。  いまお話しの点は、おそらく昨年度やりました調査の概要をこの五月にこっちへ持ってきたものだと思います。その当時の要点は、南九州のルートに関する調査でございまして、主として八代から人吉を通り、人吉から小林、鹿児島に至る区間についての検討であろうと思います。もう一点は北九州市から福岡に至る間の路線の経過地についての検討であろうと思います。  そこで北九州のほうは、犬鳴峠を通るか、いまの三号線に近いやや北寄りのところを通るかという点についての地建の成果報告であると思います。それから南の点につきましては、主として人吉に至る区間の球磨川沿いであるかあるいは肥後峠沿いであるかという点の検討であろうと思います。なおもう一点は、人吉から小林に至ります区間のトンネル、すなわち加久藤トンネルを通るかあるいは鉄山のほうを通るか、これについての詳細なる地質関係の調査、そういう内容であったと考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 三十八年の十一月、国土建設の基本構想というものが出され、それに説明資料があるわけです。これは結局構想案で、コンクリートなものにならなかったわけですか。

尾之内由紀夫建設技官(道路局長)

○尾之内説明員 これは建設省でも国土開発のビジョンというものでございまして、将来図を一応描いたもの、こういう程度のものでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 ちょうど地域経済問題調査会の答申が出たあとこの構想が出されておるわけで、その構想の中の説明資料によれば、北九州と鹿児島を直線で結び、そして大隅半島方面の開発については、これを幹線自動車道路網の一環として四車線または二車線として改良する国道だ、こういうようなつまり一つの全国的な構想を練っていく基本として基本構想が出ているわけです。結局コンクリートなものにはならなかったが、建設省自体が合理的にというか理論的に考えた考え方というものがここに出ているのじゃないか、こういうふうに思うわけです。  それからまた民間の総合政策研究会が出しておりますこの中におきましても、高速自動車縦貫道路というものの位置づけを従来の道路政策の発展としてきわめて大きく評価をし、その中においても、これは直線コースというものをやはり考えておるわけです。これらはただ単に地域的な問題ではなくて、日本全体を貫いていく背骨として考える場合には、北九州、南九州をつなぎ、さらに沖繩あるいは東南アジアをつないでいく、こういう場合には当然にそうした線が考えられなければならぬのじゃないか、それが高速縦貫自動車道の基本原則だと思いますし、また地域開発の問題については、先ほど来大臣が繰り返し情熱を披瀝しておられますその点については私は敬服をいたすのでありますけれども、ただ限られた資本の中で社会資本の拡充というものを考えますときには、この地域経済問題調査会が出しております考え方というものが私は妥当ではないか、こういうふうに思うわけです。その点大臣と十分に議論がかみ合わなかったわけでありますが、その点は私は、やはり地域経済問題調査会がたくさんの学者等を含めて検討された理論的な背景というものは、今回の九州縦貫自動車道の場合にも、社会資本の地域開発の具体的な実現の手段として考えますときには当然これが貫かるべきではないか。特に私はこの点で申し上げたいことは、先ほど来井谷さんやあるいは池田委員のほうからいろいろ御質問がありましたので、具体的な問題については特別にないわけでありますが、ただ理論的な面について言いますならば、この地域経済問題調査会の施策部会報告の中に、地域の割拠主義になってはならぬのだ、こういう指摘があるわけでありますし、また今日の地域問題の根本的な理解については混乱があるということが明確に指摘をされておるわけであります。この点は私も、時間も非常に制限をされておりますから大臣と十分な質疑はできませんが、しかしこの地域経済問題調査会がいっております。地域開発の基本問題の理解のしかたにおける混乱というものは、私は今回の九州縦貫自動車道の中に出てまいったのではないか、こう思うわけであります。  そこでこの中でも、特に社会資本Aの拡充をやり、特に全国的な幹線高速道路網計画を確立せよ、こういう中で問題の処理が混乱をしていくということについては、これは全国的にいろいろ問題があると思いますので、私は今日の社会資本A、社会資本B、社会資本C、こういう形で社会資本の拡充政策についての一応の理論的な根拠というのが与えられ、地域開発政策の検討の素材というのが提供されておりますので、それらの点を十分に検討されて、混乱のない全国的な地域開発と道路投資の政策の結合というものを進めていただきたい、こう要望して終わりたいと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 稲富稜人君。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 ただいまの縦貫道路の問題について、二点だけ大臣にお尋ねしたいと思うのでございます。  今回の縦貫道路に対します鹿児島までの終点を宮崎までに延長する、別線をつくるという御計画があるやに承っておるのでございまして、そういう御説明もあったようでございます。やはりこうなれば当然法律の改正、別表の改正をやらなければいけないのでございますが、そこで、この別表の改正をやってまでやらなければいけないという九州東部地帯におきまする必要性があるとするならば、将来当然この九州東部の縦貫線の問題も起こってくると思うのでございますが、こういうこともあわせて考えてあるかどうかを承りたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、現在の一般道路と縦貫自動車道とは行政のやり方が違っておりまして、縦貫自動車道は通過地点というものがきめられておりますから、その範囲内でどこが一番この第一条の目的にかなうようになるかということを中心にして私どものほうは検討をいたしておるわけであります。一般道路でありますと、法律に地点が書いてありませんから、産業経済、先ほど川崎さんからもお話がありましたようなことを考えて道路網をつくるわけでありますけれども、縦貫自動車道に限ってはそうはまいらないのであります。したがってこういう論争が起こるわけであります。  そこで、全体の構想に立ってどういう道路網をつくるべきかということは、これは第二の問題であろうと思っております。縦貫自動車道を一本つくりましても、これだけで直ちに効用が発揮するわけじゃありませんから、先ほどAとかBとかCとかというお話のように、やはりそれにつながる毛細管といいますか、そこまで行かなければすべての経済活動、いわゆる産業立地条件というものはできませんから、そういうものを含めて、九州のみならず、全国的にこれにつながる高速道路網というのをせっかく検討いたしております。こういうことを申し上げておきたいと思います。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 私が大臣にお尋ねしたいのは、御承知のとおりこれは鹿児島が終点になっておったのです。東部のほうの産業開発上必要性があると思って、大臣は今回法の改正までやって宮崎まで延長しよう。こういう御計画になったと私は思うのでございます。そうなれば東部地方においてはまだ未開発の地域がたくさんあるのだから、たとえば別途つくられるとするならば、宮崎までのものをさらに延長してなぜ東部の開発をやろうとしないのか、やる必要があるのじゃないか、こういうことに対してどういうお考えを持っていらっしゃるかということを聞いているのです。別途に道路をつくることもけっこうであろうし、あるいはこれは特殊性があるとするならばこの道路を延長してもいいことなんです。当然宮崎あるいは大分の南部等には開発すべき地点はたくさんあるのだから、あえて——これは私いやみを言うわけじゃございませんけれども、大臣の選挙区だけを通るような形でなくて、もっと前進するような方法をお考えになったならば、もっと政治の合理性というものが当然出てくると思うわけでありますから、こういう点に対してどういう考えを持っていらっしゃるかということをお尋ねしたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 誤解のないようにひとつお願いしておきますが、これは問題が紛糾しておりますので……。私が承っておりますところでは、九州の南部というものは、地形的にもなるほど終点を一点にしたということはあるいは適当でないかもしれない。そういう意味で、ちょうど北海道にも終点が二つあるように、縦貫自動車道路に終点が必ずしも一つということは適当でなかったのじゃないかというお考えがあるそうでありまして、そういうことであれば、南九州の開発上それは適当でございましょうと私お答えしておるのでありますから、誤解のないようにひとつお願いしておきます。

稲富稜人民主社会党

○稲富委員 わかったようなわからぬような気がいたします。この問題につきましてはまたの機会に譲ることといたします。  ただ、この点で一点お伺いしたいことは、現在政府の道路五カ年計画によりまする四兆一千億という予算ワクというものが十分でないということは私は承知しております。そういたしますと、この計画がさらに延長することによってなおさらこの予算ワクが不十分だということになってくるわけでございます。こういう問題に対して政府は責任のある予算措置を将来おやりにならなくちゃいけないと思うのでございますが、これに対する政府の意のあるところを承っておきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 現在の三十九年ないし四十三年の道路五カ年計画四兆一千億は、適当であるとかないとかいうことは語弊がありますけれども、不十分であるということはどなたもお考えになっておると思います。私どももそれは承知いたしております。ただ問題は、いろいろやるべきこと、考えるべきことたくさんありますけれども、申し上げるまでもなく国家財政とのにらみ合わせでやるわけでありますから、こういう事態になっておりますが、これは少なくとも私どものいまの計画と申しますか、考えでは、昭和四十二年度からの新五カ年計画を相当大幅に改定すべきである、そうでありませんといまの産業社会の実態に応ずる道路政策の推進ができない、こういうことを考えておりますことを申し上げておきたいと思います。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 この際、議員中馬辰猪君から委員外の発言の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森山欽司自由民主党

○森山委員長 御異議なしと認め、議員中馬辰猪君の発言を許可することにいたします。中馬君。

中馬辰猪自由民主党

○中馬議員 委員外の発言を許可していただきましたことを厚く御礼申し上げます。  実は、高速自動車道の問題でございますけれども、すでに大臣は八月末を目途として道路審議会を開くという御計画であったようでありますけれども、諸般の事情によってだいぶ延びてまいったようでありまして、関係者ひとしくこれを待望いたしております。つきましてはいつごろ道路審議会をお開きになる予定であるか、お伺いをいたしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 御承知のとおり、できるだけ八月中に開きたい、こういう考えを持っておりましたけれども、お話しのようにいろいろ議論がありましておくれておるわけであります。しかし皆さんのいろいろな御研究によってお話し合いがつきますれば、今月中に審議会を開いて準備を進めていきたい、かように考えておるわけであります。

中馬辰猪自由民主党

○中馬議員 もし今月中に審議会をお開きになるという場合におきましては、すでに決定をいたしておりますところの五ヵ所のうち、たとえば南九州につきましてはこれを保留して、全国五カ所のうち四カ所及び九州におきましては北九州地区だけをおはかりになる予定でありますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 最終結論はまだ承っておりませんが、いまいろいろ御協議願っておるのは、人吉以南の問題については路線の問題でいろいろ御議論がありますので、これを円満なる状態にいたしたい、こういうお話し合いが進んでおることを承知いたしております。しかし、これはまだ最終的にそうなったということを承っておりません。したがって、そのお話し合いでは、どうせ十年間ぐらいかかる事業であるから、円満に妥結した後にこれをやったほうがいいじゃないかという御意見がありますので、それはごもっともな御意見でありますから、時期的にややおくれますけれども、全体から見まするとおくれるということではないと判断いたしております。そうかといって、全部いつまでも準備を進めないということは道路政策上適当でないと思いますので、その他の部面を、基本計画あるいは整備計画の準備を進めるために審議会を開いておはかりをいたしたい。いまのお話を承っております部分はすみやかにそれに追っかけて諸般の手続をするように、こういう御意向のようでありますから、これもそうたいしておくれないうちに、準備ができ次第審議会におはかりをいたしたい、こういう考えを持っておるわけであります。

中馬辰猪自由民主党

○中馬議員 もし南九州地区におきまして円満なる話し合いが終わった場合におきましては、たとえばこれは国会のほうの立場でありまして、建設省とはまだ直接の御答弁を願う立場にございませんけれども、もし円満なる妥結をいたしたような場合におきましては、かりに最も早い機会に縦貫道の修正というようなことがもし成立をいたしたような場合におきましては、新しく修正された部分につきましては、いわゆる所定の手続をもって調査が行なわれるものと考えております。かりに完全に調査が完了いたしました場合におきましては、まだ来年三月まで昭和四十年度の年度が残っておるわけでありますから、その間、期間がございましたならば、もう一回道路審議会をお開きになって、昭和四十年度のいわゆる二十億円の予算を、そういう地区に対しましても、南九州に対しましても、配分をしていただきまして、文字どおり一日も早く縦貫道路が九州に南北ともに——北のほうはもちろん問題ございませんけれども、南のほうにおきましても着工になるように、ぜひ事務的にお取り計らいを願いたいと考えております。かりに一年おくれたからといって、用地買収等のことでございますから、そうたいした問題ではないと思いますけれども、多年待ちに待ったる縦貫道路でありますから、できたならば、所定の法律の改正等がございまして、調査が完了したという仮定の場合でございますけれども、そういう場合におきましても、一年待つというようなゆうちょうなことではなくて、昭和四十年度の予算でぜひとも一部分なりとも着工を願いたいことを強くお願い申し上げておきますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、皆さんの非常な御努力によって円満に決着がつきますれば、その御趣旨に従ってできるだけ早く間に合わしたい、これは当然であろうと思っておりますので、できる限り御趣旨に沿いたい、かように考えております。

中馬辰猪自由民主党

○中馬議員 ただいまの大臣の御答弁を聞いて、私どもも安心をいたしておるわけでありますから、ぜひともひとつその方向で御努力を願いたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三分散会

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