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49回国会衆議院1965/09/10

建設委員会 第4号

発言数
15
登壇者
5
会派数
2
開催日
1965/09/10

会議録

森山欽司自由民主党

○森山委員長 これより会議を開きます。  この際、委員長から御報告申し上げます。  委員諸君もすでに御承知のとおり、委員派遣に関し、去る八月十二日付の産経新聞にまことに遺憾な記事が掲載されましたが、同日の本委員会におきまして、本問題に対しましては、真相究明の上、委員長において善処いたしたいと申し上げておきましたが、委員会散会後直ちに委員打ち合わせ会、翌十三日午前中理事会を開会いたしまして、関係者から事情を聴取いたしましたところ、当委員会といたしましては、関係地元に対し費用を負担されたいと申し入れた事実は全くなく、ただ従来の慣例もあり、派遣委員の受け入れ態勢についての地元関係者の協議の段階において誤解を招き、当該記事となったことが明らかになったのであります。  そこで、理事会の協議の結果、委員派遣は予定どおりこれを行なうこととし、委員派遣に対する現地の協力は必要最小限度、たとえば車の手配等の程度にこれをとどめ、宴会等はすべてお断わりする旨文書をもって関係地元に対し申し入れることにし、委員長から同趣旨の文書を関係地元に発送いたしました。  なお、委員派遣の際費用に不足を生じましたときは、従来ともそうでありましたが、派遣委員においてこれを負担することを再確認した次第であります。  さらに、同日午後、事の真相並びに理事会の申し合わせ事項を記者クラブにおいて私から発表をするとともに、本問題は、本委員会のみにとどまる問題でないと考えまして、引き続き、議長不在のため田中副議長に事実を報告し、あわせて、本院の委員派遣に関しては、派遣委員の費用算出等を含め再検討すべきであることを申し入れた次第であります。  また、昨九日、理事懇談会を開会いたしまして、山本静岡県副知事の出席を求め、念のため事情を再調査いたしました結果、委員会より宿泊料等地元負担の要求をした事実は全くなく、ただ地元側としては気を使い過ぎ、その間県内部における事務処理の過程で新聞記事となり、建設委員会に迷惑をかけ遺憾であるとのことでありました。  また、今回の委員派遣について、車の手配、現地の説明に要したもののほかは、宿泊料、宴席、みやげ等の一切の費用の負担をかけていないことを申し添え、以上御報告をいたしておきます。      ————◇—————

森山欽司自由民主党

○森山委員長 次に、谷垣建設政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。谷垣政務次官。

谷垣專一自由民主党建設政務次官

○谷垣説明員 去る九月二日の新聞によりまして御存じかと思うのでありますが、住宅公団の地カ所長の問題について不正事件の報道がございました。たいへん遺憾なことでございますが、ただいままでわかっておりまする状況を御報告いたしたいと思うわけであります。  住宅公団の青梅宅地開発事務所長の熊井正煕が、本年四月ごろに、当時熊井所長は工事課長として板橋宅地開発事務所に勤務をいたしておったわけでありますが、この板橋地区の宅地造成工事の請負に関しまして、安井工務店及び東企業株式会社から現金を収受した容疑で一日に逮捕、取り調べを受けている事件が発生いたしているわけでございます。まことに遺憾な事件でございますが、ただいま司直の取り調べ中でございますので、まだ真相が詳細判明いたしておりません。  現在まで私たちのほうに報告を受けました内容は、大体次のとおりでございます。  安井工務店関係は、当時板橋地区に安井工務店のほうから工事用の残土を捨てたいという申し入れがございました。この残土を捨てる問題につきましては、条件を付しましてこれを許したのでございますが、安井工務店のほうでは、その地区の整地工事の発注を受ける目的で当時の熊井工事課長に現金十数万を贈って、熊井がこれを受け取ったという疑いでございます。  もう一件のほうの東企業の問題は、現在同社は板橋地区の整地工事の請負をいたしまして、四月から九月二十七日までの工期で施工中でございますが、その施工に関して便宜を供与してもらう目的で熊井に現金十数万を贈って、熊井がこれを受け取ったという、そういう容疑でございます。  まだ現在取り調べ中でございますので、それらの事実に関しましては、まだ私たち確認をいたしておりません。熊井当人につきましては、事実の判明次第住宅公団におきましてそれぞれの処分を行なうことになるわけでありますが、いまのように現在取り調べ中でございますので、もう少しその判明を待ちたい、かように考えております。  それから、建設省のほうといたしましては、この事件が起きましてすぐに、とりあえず部長から公団総裁に対して注意を深く促しておきましたが、さらに大臣から総裁に対しまして厳重な注意を促し、また公団の職員の勤務その他につきまして、職員全体の綱紀粛正及び今後このような事件の発生が起きないように十分な対策を講ずるよう指示してまいっているのが現在までの状況でございます。  たいへん遺憾なことでございますが、ただいままでの状況を御報告いたす次第であります。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 政務次官に申し上げます。  監督官庁である建設省において今後このような不正事件を起こさないよう十分監督を強化するよう御注意を願います。

谷垣專一自由民主党建設政務次官

○谷垣説明員 御趣旨のとおり注意をいたしたいと思います。      ————◇—————

森山欽司自由民主党

○森山委員長 次に、本委員会におきまして、建設省関係公共事業等の調査のため、議長の承認を得て、委員を中央、東名道路、近畿及び九州地方に派遣いたしたのでありますが、この際、派遣委員よりその報告を求めることにいたします。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

森山欽司自由民主党

○森山委員長 それでは、速記を始めてください。  まず、第一班の報告を西宮弘君よりお願いいたします。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 去る八月十六日より七日間にわたり、中央、東名両高速自動車国道等、主として道路問題を中心といたしまして、山梨、長野、岐阜、愛知、静岡県下における建設省関係公共事業を調査してまいったのでありますが、その詳細を申し述べますことは相当長時間を要することとなりますので、要点のみを御報告申し上げ、あわせて、これに対する関係当局の御見解を承りたいのであります。  まず、中央自動車道について申し上げます。  本道路は、去る昭和三十二年第二十六回国会において成立を見、同年四月十六日に公布されました国土開発縦貫自動車道建設法の別表に示されている東京−吹田間を連結する高速自動車国道でありますが、そのうち小牧−吹田間につきましては、名神高速道路の一部として、すでに供用を開始いたしておりますことは御承知のとおりであります。  したがいまして、残区間、東京−小牧間のうち、まず昭和三十七年以来、日本道路公団により、工事が進められております東京−富士吉田間につきまして、計画の概要と進捗の状況につき簡単に申し上げますと、東京都杉並区高井戸より山梨県都留郡河口湖に至る九十二・七キロの区間中、設計速度東京−八王子間百二十キロ、八王子−河口湖八十キロ、インターチェンジ七カ所、バス・ストップ約七カ所。車線数四車線。ただし八王子より河口湖までの区間は用地のみ四車線を買収するが、二車線をもって供用を開始し、交通量の増加に応じ、残り二車線を完成する。以上の計画のもとに、総事業費八百二十億円をもって、昭和四十二年度末における全線の供用開始を目標に鋭意工事を進めているのでありまして、用地の取得につきましても、東京−調布間が都市計画事業との関連もあり、未買収のままでありますが、それにいたしましても、現在までにすでに全体計画の約二分の一の用地を確保いたし、工事もまたその四分の一を発注、さらに今年中に七〇%を発注の予定でありまして、本年より来年度にかけまして、工事はその最盛期を迎えることとなるのであります。  次に、富士吉田−小牧間について申し上げますと、同区間中、富士吉田−甲府間のルートにつきましては、現在の一般国道一三七号線沿いに、御坂トンネルを通って甲府に通ずる案、一般国道二〇号線を大月付近にて分離し、笹子トンネルに並行して甲府に通ずる案、及び都留市付近よりトンネルを掘さくして甲府に通ずる案の三案があり、当局において目下検討中でありますため、同区間の着工が小牧−甲府間のそれに比しておくれる懸念が出てきておるのでありますが、関係地元におきましては、多年の要請である甲府−東京間の直結という意味からも、同区間の早期着工を強く要望いたしているのであります。  また、甲府−小牧間につきましては、本年九月中旬ころ基本計画が、また来年早々には整備計画が、それぞれ決定の運びになる模様でありますが、目下現地におきましては同区間中、地質その他の関係で最も工事の困難性と長期化を予想される延長八千メートル前後に及ぶ中津川トンネルに最重点の努力を傾注して、調査を進めている状況であります。  一方、あらゆる開発計画を本道路の完成に託している同地方といたしましては、用地買収等に関しましても沿線各市町村当局が進んで協力の態勢を整える等、本路線の早期着工、早期完成を待望する強い熱意が感ぜられたのであります。  次に、東名高速道路について申し上げます。  本道路も、去る昭和三十五年第三十四回国会において成立を見、同年七月二十五日に公布されました東海道幹線自動車国道法に基づいて建設されるものでありまして、小牧市において、すでに供用を開始いたしております名神高速道路と接続、東京−神戸間を結ぶ一連の高速自動車国道となるものであります。  本道路につきましては、去る昭和三十七年五月に東京−静岡間、同三十七年九月に豊川−小牧間、そして昭和三十八年十月には、残された静岡−豊川間を含めた全線にわたる施行命令が、建設大臣から日本道路公団に発せられたのでありまして、その計画の概要は、東京都世田谷区より愛知県小牧市に至る三百四十五・三キロの区間中、設計速度平地部百二十キロ、丘陵部百キロ、山地部八十キロ、インターチェンジ二十一カ所、バス・ストップ二十四カ所、サービス・エリア六カ所、車線数、東京−厚木間六車線、厚木−小牧間四車線、建設費三千四百二十五億円でありますが、建設費三千四百二十五億円の一部として、世界銀行より昭和三十八年九月に東京−静岡間を対象として七千五百万ドル(二百七十億円)、同三十九年四月に豊川−小牧間を対象として五千万ドル(百八十億円)、さらに本年五月、静岡−豊川間を対象として七千五百万ドル(二百七十億円)、計二億ドル(七百二十億円)の借款が成立いたしているのでありまして、これは当該建設費の約二一%に当たるものであります。  一方、工事の進捗状況につきましては、まず用地の取得率について見まするに、本年六月末現在におきまして、東京−静岡間二六・七%、静岡−豊川間一・九%、豊川−小牧間四五・三%という数字を示しておるのでありますが、このうち、最も取得率の少ない数字を示しております静岡−豊川間につきましては、用地担当員不足のため、目下道路の幅ぐいを打つ程度にとどめ、来年度より集中的に買収に入る予定で準備を進めている段階であります。  また、現在までに着工されたおもなる工事といたしましては、地すべり対策の一環として、静岡県由比海岸の埋め立て工事が昭和三十七年に着工されたのをはじめとして、多摩川、相模川、矢作川、庄内川、矢田川の橋梁の下部工事及び一部上部工事、静岡県岩淵付近の国鉄新幹線との立体交差橋、清水市内における本格的な土木工事等があげられるのであります。  なお、今後の見通しといたしましては、小牧市内において同市の主張する全面高架の問題との折衝、あるいは含水率一五〇−二〇〇%に及ぶ足鷹ローム層に対する技術的工法の問題等、部分的な問題も残されているのでありますが、全般的な計画といたしましては、昭和四十三年度末における全線完成を待たず、最も交通量が多いと予想される東京−厚木間、由比で早期着工し、国道の混雑がはなはだしい吉原−静岡間及び岡崎−小牧間につきましては、昭和四十二年度末までに完成、完成と同時におのおの供用を開始することに目標を置いて工事が進められているのであります。  以上、東名高速道路の計画並びに工事進捗状況の概要について申し述べたのでありますが、この際、東名高速道路に関連する一、二の問題につきまして、簡単に申し上げることといたします。  まず第一の問題は、東名高速道路に関するアクセス道路についてであります。従来、高速道路インターチェンジの設置に伴うアクセス道路、いわゆる取りつけ道路等につきましては、インターチェンジの設置された府県におきまして、地方道として整備することとなっているのでありまして、名神高速道路の場合のごとく、一府県につき一カ所ないしは二カ所のインターチェンジ設置の場合は特別の問題となることもなかったのでありますが、東名高速道路全延長のうち、約半分を占める静岡県におきましては、建設予定のインターチェンジも十一ヵ所を数え、これに対するアクセス道路等、関連道路の整備費のうち、県負担分のみにても県当局の計算によりますと、三十億円余に達するものと推定されておるのでありまして、これら高速道路の建設に伴う関連道路整備に対する国としての特別の助成措置を強く要望いたしておるのであります。  第二は、東名、中央両高速道路の連絡道路の整備についてであります。すなわち、昭和四十三年度における全線開通を目途として現在工事中の東名高速道路も、各種の調査の結果を見ましても、昭和五十年度におきましては、全く飽和状態に達し、相当量の交通流が中央自動車道に移るものと推定されるのでありまして、これら両高速道路を連絡する公共道路の整備計画につきましても、検討を加えなければならないときにきているのではないかと考えられるのであります。  次に、高速道路の問題に関連して、この際特に申し上げたいことは、わが国における高速道路の建設費が、諸外国のそれに比較して著しく高額であるということであります。すなわち、諸外国の例を見ましても、一キロメートル平均でアメリカ二・三億円、西ドイツ三・五億円、イタリア二億円、フランス一・八億円であるのに比し、わが国におきましては、名神高速道路六・三億円、東名高速道路九・八億円、中央道八・八億円という単価になっておるのであります。これはわが国の地形の複雑なこと、土地の高価なこと、さらに高架構造の連続であること等にもよることと思うのでありまするが、今後さらに東北、九州等、全国的に高速道路の建設が開始される際でもありますので、これら建設単価の低減という点につきましては、十分に検討する必要があるのではないかと考えられるのであります。  以上、今回の調査の主目的であります中央、東名両道路の概況について申し述べたのでありまするが、以下、調査いたしました個々の路線につきまして、簡単に御報告申し上げることといたします。  まず岐阜県管内における一般国道四一号線、同一五六号線、主要地方道八幡−金山線につきましてその整備の状況を数字的に申し述べますると、一般国道四一号線すなわち名古屋市−富山市間二百三十七・一キロ中、各県下における整備の状況を昭和四十年度末における数字で推定いたしまするに、その改良率は愛知、富山両県とも一〇〇%であるのに比し、岐阜県のそれは八七・三%、また舗装率につきましても、愛知県一〇〇%、富山県八四・四%に対しまして岐阜県五九・九%と、その整備の状況が関係県に比し著しくおくれておるのが目立つのであります。また、一般国道一五六号線(岐阜−高岡線)につきましても、岐阜県管内における実延長百五十八・九キロ中、昭和三十九年度末における改良率五九・九%、舗装率二七%という状況でありまして、本年度主として美濃加茂市−八幡町間に重点を置きまして整備を進めておるのでありまするが、昭和四十年度以降なお約四十八億円に及ぶ残事業を残しておるのであります。主要地方道八幡−金山線につきましても総延長三十六・七キロ中、昭和三十九年度末における改良率三二%、舗装率に至りましては僅々一〇%にすぎず、本年度改良費二千八百万円余をもちまして約一・一キロ、舗装費三千四百万円余をもちまして約三・九キロの工事を実施いたしておるのでありまするが、それにいたしましても昭和四十年度末における改良率三五%、舗装率二一%という状況でありまして、さきに申し述べました一般国道四一号線、同一五六号線とともに岐阜県山地部における経済交流、観光開発という観点よりその整備の促進が強く要望されているのであります。なお岐阜県におきましては、その大部分が山地部であり、したがいまして山地部の道路が多いのでありまするが、国の現道舗装の思想に先がけまして県単事業として積極的に現道舗装を推進いたしておりますることは注目すべきことであろうと考えられるのであります。  次に、伊豆半島における道路網の整備概況について申し上げます。  同半島東海岸における重要路線である一般国道一三五号線につきましては、最近のレジャーブームによる観光客、ことにオーナードライバーの増加並びにローカル交通の漸増によりまして、トンネル掘さくによる網代バイパスの問題、あるいは伊東市宇佐美地先より湯川海岸を通り、県道伊東−川奈−八幡野線の一部を利用して一般国道一三五号線に連絡するバイパスの問題等、緊急に解決を要する問題が部分的には残されてはおるのでありますが、何といたしましても、同国道のバイパスともいうべき有料道路も各所に完成、あるいは完成を間近に控えまして、同半島東海岸一帯の発展に大きく寄与いたしておるのであります。しかしながら、一方、同半島西海岸について見まするに、幾多の景勝、温泉群、あるいは豊富なる林産、水産の資源を有しながら、同地方における唯一の幹線道路である一般国道一三六号線について見ましても、その整備率は昭和三十九年度末におきまして、改良で四〇%、舗装で三二%の数字を示しておるのでありまするが、これらの整備もほとんどが船原峠以北に集中され、同峠以南につきましては全く未改修の状態に置かれ、金額にしてなお約四十五億に及び残事業を残しているのであります。一方、地方道について見ましても、主要地方道沼津−土肥線中、大瀬−戸田間約十二キロ、並びに同じく主要地方道、下田−石室−松崎線中、地元において西伊豆有料道路として早期着工を要望している子浦−雲見間約十二・二キロ等につきましては、図面上の路線はありますものの、自動車等の交通は全く不能のままに放置せられ、東京より至近の距離にありながら、同半島西海岸を海岸沿いに陸路を一周することは不可能の状況にあるのでありまして、これが同地方発展の著しい障害となっているのであります。そのほか、主要地方道、修善寺−下田線、下田−中川−松崎線、一般府県道浜−松崎線中、湯ケ野−河津浜間等につきましても早急なる整備の促進が要望されているのでありますが、一方、同半島を横断するものとして、一般国道一号線中、箱根峠における雪、ガス等による交通不能期間を解消するものとして、また同一号線のバイパス的性格をも含めまして、比較的標高の低い地点を通過する熱海−函南経由のいわゆる熱函道路の構想も検討されておるのであります。  以上のごとく伊豆半島におきましては東西両海岸における道路網整備の極端なるアンバランスが目立つのでありまするが、さらに注目すべきことは、同半島における道路の種類を見まするに、いわゆる公共道路に加え、日本道路公団による有料道路、県公社による有料道路あるいは民間企業による有料道路等、あらゆる種類の道路が同半島に集中されておるのでありまして、これらを総合した有機的な道路網整備の必要性が痛感せられるのであります。  道路問題の最後といたしまして、各地で要望のありましたバイパスの問題につきまして一括して申し上げます。本問題につきましては、すでに着工中のものもあり、その他のものにつきましても大部分が関係当局におきまして検討中のものでありまするので、簡潔を期するため関係路線とバイパス設置個所の名称をあげるにとどめ御報告にかえることといたします。  まず、一般国道一号線につきましては浜松、由比、吉原、沼津の各バイパス、同二四六号線につきましては小山−沼津間の二四六号バイパス、同一三六号線の三島バイパス、一般国道一九号線につきましては中津川、瑞浪、土岐、多治見の各バイパス、岐阜−名古屋を結ぶ一般国道二二号線に対する名岐バイパス、一般国道二市号線中、岐阜−大垣間の岐大バイパス、及び同路線中、大垣市内の部分を避ける大垣バイパス、一般国道四一号線中、名古屋−美濃加茂間の名濃バイパス等があげられるのでありまして、これらはいずれも現状のままにては激増する交通需要に対して円滑なる通行を期し得ないとして早急なる対策が要望されているのであります。  そのほか道路問題といたしましては、東海北陸自動車道の早期着工、静岡県磐田市−長野県茅野間の主要地方道の一般国道への編入等につきましても強い要請があったのであります。  最後に、河川関係の問題点といたしましては、静岡県駿河湾沿岸中部、東部地区における工業、上水道、農業用水対策として、日本軽金属富士川第二発電所の放水を利用する水利権の問題、さきに放水路の完成を見ました狩野川のショートカットの問題、岐阜県境川、荒田川、論田川、桑原川、糸貫川等の内水対策に関する排水機増設の問題、あるいは木曾三川の漏水対策の問題等があげられるのでありますが、特に今回の調査に際し、各委員の間で問題となりました点は、木曾川、保津川あるいは球磨川等における、いわゆる川下りの遊船等に関する河川管理上の規制措置についてであります。同件に関しましては、河川法第二十八条におきまして、「河川における竹木の流送又は舟若しくはいかだの通航については、一級河川にあっては政令で、二級河川にあっては都道府県の規則で、河川管理上必要な範囲内において、これを禁止し、若しくは制限し、又は河川管理者の許可を受けさせることができる。」と一応規定されてはいるのでありますが、具体的にはどのような措置がとられているのか、当局より実情につき御説明を願うことといたしまして、今回の調査の御報告を終わることといたします。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

森山欽司自由民主党

○森山委員長 速記を再開していただきます。  引き続きまして、第三班の報告を實川清之君よりお願いいたします。

實川清之日本社会党

○實川委員 去る八月二十三日より七日間の日程をもちまして、九州地方における建設省関係公共事業のうち、特に道路関係、河川関係を中心にして調査いたしてまいりましたので、この際その要点について御報告申し上げ、あわせて関係当局の御見解を承りたいと思うのであります。  最初に道路関係について申し上げます。  まず、第二関門連絡施設について申し上げます。  本連絡施設は、現在の関門トンネルが最近の交通需要の増大に伴いまして、一日平均約八千台にも達するに至り、昭和四十二、三年度には完全に限界に達し、交通麻痺が予想される状況にあり、また近い将来建設が予定されております中国、九州それぞれの縦貫高速道路が真の機能を発揮するには、その接点であります本連絡施設の早期完成が重大な問題となってまいります。  本連絡施設の案といたしましては、現在関門締め切り堤を利用する案、トンネル案及び架橋案が検討されておるのでありますが、その工費はそれぞれ四百億円、二百億円、三百億円と概算されております。このうち関門締め切り提案は山口県小野田市と門司市間島を結ぶ締め切り堤案で、本案は運輸省においても別の目的で検討を進めている段階でありまして、当分実施の見込みは薄く、またトンネル案は車線を十分に取り得ないこと、完成後の維持管理について問題があり、必ずしも適当とは申しがたく、地元といたしましては観光資源等を考慮しました場合、最後の架橋案を強く希望いたしております。しかし本問題につきましては、当局としても昭和三十九年度に大都市周辺調査費の一部として五百万円、本年度本連絡施設の正式な調査費として一千万円をもって調査した結果、いずれの案が適当であるかの結論を出し、昭和四十一年度、四十二年度をもって調査を完了し、昭和四十三年度より本工事に着工する予定とのことでありますので、現段階においてはその結論は時期尚早とは思いますが、早い機会に結論を出し、着工されんことを強く要望いたします。  次に、北九州バイパスの問題について申し上げます。  本バイパスは、国道三号線の北九州における交通緩和をはかるため、日本道路公団の手によって有料道路として工事を進めている道路でありまして、第一期、第二期、第三期工事に分かれ、第一期、第二期の工事はそれぞれ昭和三十三年、昭和三十六年に完成し、現在第三期工事小倉−八幡間約十五キロ余にわたって着々と工事が進められており、昭和四十三年度をもって一応完成の見込みとなっておりますが、現在の交通状況を見ますとき、一日も早く同区間の完成が望まれますと同時に、八幡以西福岡間における宗像バイパス、香椎バイパス等につきましても、当局に対しましてその早期着工を期待いたします。  次に、国道三号線の問題に関連いたしまして、久留米駅付近の立体交差について申し上げます。  本立体交差は、国道三号線、同二〇九号線、同二一〇号線及び都市計画道路等が一カ所に集まり平面交差いたしております上に、さらに西日本鉄道が同地点を斜めに平面交差し、加えて同交差点に隣接して、西鉄久留米駅、同バスターミナルが存在する等の悪条件が重なっておりますため、随時交通の渋滞、麻痺の状態を惹起いたしておるのが実情でございます。  本問題につきましては多年にわたり関係者の間において種々検討がなされてきたのでありますが、関係機関が国、県、市及び私鉄と多方面にわたっております関係上、その計画調整には多くの困難があったものと思われますが、本年度より四十三年度までの四カ年計画により建設省が事業主体となりまして、立体交差の建設事業を行なうことになりましたことは、本委員会としましても多年の懸案でありましただけに、喜びにたえない次第であります。  ただ本事業の総額が約十二億六千万円で、そのうち市の工事負担金が、関係事業を含めますと四億四千万円にもなりますため、市財政に相当な圧迫を及ぼしますので、市といたしましては財政事情からして市負担金のうち一般市道分の国庫補助もしくは全額起債等の措置についての配慮を強く要望いたしておりました。  次に、国道二一〇号線の改修の問題について申し上げます。  本路線は、福岡県久留米市より大分県日田市を経て別府市に通ずる路線でありますが、福岡県と大分県を結ぶ路線は本道路と国道一〇号線のみで、特に福岡西南部、佐賀、長崎とを結ぶ路線は、本道路一本にゆだねられており、産業、観光両面にわたって必要欠くべからざる路線でありますが、本道路は屈曲が多く、狭隘なため危険な個所が相当多く見られ、激増する自動車交通には現段階においてはとうてい対処できない状態であります。幸いにして本年度より直轄施行の指定を受けておりますので、今後の改修につきましては当局に大いに期待をいたすのでありますが、前述のような現状でありますだけに、改修の早期完成を強く要望いたすのであります。  次に、国道三四号線佐賀バイパス建設の問題について申し上げます。  国道三四号線は、佐賀県鳥栖市より嬉野町を通じ長崎市に通ずる路線でありますが、佐賀市におきましてはほぼ中央を貫通する地方経済圏の主要動脈路線であります。  本道路は、佐賀県においては東西道路の唯一の路線でありますため、車両交通のすべてが佐賀市を通過し、そのため市内における交通混雑は限界を越えているような現状であります。地元では昭和三十五年より国道三四号線佐賀バイパスの建設について、種々当局に対して検討を申し出ているのでありますが、いまだ実現の運びとなっていないようであります。  国道三四号線の市内における幅員は、歩道四メートル、車道十二メートルのもので、一日の交通量、自動車約一万四、五千台、自転車関係約一万台を見ますとき、現在の幅員においてはやはり狭く感じられ、地元のバイパス建設運動も当然でありますので、当局のこれに対する配慮を大いに期待するものであります。  次に、天草連絡架橋の計画の概要について申し上げます。  天草連絡架橋の計画は、熊本県宇土半島より大矢野島を経て、天草本島へ五つの橋梁で連絡しようとするものでありまして、国道五七号線より三角町で分岐し、大矢野町飛岳へ第一号橋で渡り、登立を経て大矢野島を縦断し、第二、第三、第四、第五号橋で満越から永浦島、池島、前島を経て松島町合津へ至る総延長一万七千三百九十九メートルの区間であります。  この計画は、日本道路公団が施行する有料道路部分と熊本県が施行する公共事業部分とに分けられていますが、その構造基準が三種山地としてなされておりますので、道路部分の幅を五・五メートル、橋梁部分の幅を六・五メートルとし、カーブの最小半径を百メートル、最急勾配を七・七七%として計画されております。  有料道路部分は、一般国道五七号線より第一号橋までの区間と第二号橋より第五号橋までの区間に二分され、延長四千二百三十三メートルであり、その内訳は橋梁部五橋で延長千八百十三メートル、道路部六区で延長二千四百二十メートルであります。  公共事業部分は、有料道路以外の延長一万三千百六十六メートル区間で、昭和三十三年度より一すでに実施中であり、その内訳は、大矢野工区延長一万二千三百二十五メートル、松島工区延長八百四十一メートルであります。この計画は、昭和四十一年に完了し、同年中に使用開始の予定であります。  事業費は総額二十八億円を要し、そのうち有料道路事業二十二億四千万円、公共事業五億六千万円で、有料区間は三十年の償還計画を立てております。  なお、路面は道路部分は砂利道、橋梁部分はアスファルト舗装にする計画でありますが、本計画の中心となる架橋工事につきましては、現場技術者の努力によりまして、地勢、技術の両面にわたる困難を克服しつつ、来年の竣工を目途といたしまして着々進行いたしておるところでございます。  道路関係の最後といたしまして、国道五七号線の改修及び九州縦貫並びに横断道路の建設に対する地元の要望について申し上げます。  国道五七号線は、大分、阿蘇、熊本、雲仙、長崎を結ぶ総延長百九十九キロ余の道路でありますが、九州中央を横断する産業開発幹線道路でありますとともに、国際観光ルートとしても枢要な路線でもあります。  本路線の改修率を見ますとき、長崎県は三十九年度をもって舗装を完了し、熊本県は一部の改良(本年度ほぼ終了)を残すのみとなっているのに比べまして、大分県側はほとんどが未改良でありますため、大分県の地元といたしましては、早期改修を強く要望いたしております。  また、今般の視察におきまして各県ともに、九州縦貫高速自動車道並びに九州横断自動車道の早期着工に関する要望がありましたことを最後につけ加え、道路関係についての御報告を終わります。  次に、河川関係について申し上げます。  現在、九州地方建設局管内におきましては、筑後川をはじめ十八河川を対象として改修事業を行なっておりますが、昨年の河川法改正によりまして、九州地方においては、筑後川及び大淀川の二本が一級河川に指定されました。  今回は、一級河川では筑後川、その他の河川では佐賀県にあります六角川、長崎県の本明川の計三河川について重点的に調査してまいりましたので、これら三河川についてのみ触れることといたします。  まず、筑後川の問題について申し上げます。  筑後川につきましては、さきに開発水系の指定、さらに一級河川の指定と、名実ともに九州第一の河川として流域の経済発展が大いに期待されておりますものの、改修率が四十年度末で二六%の予定であり、ことに本地方が台風、集中豪雨の常襲地帯でありますことを考えますとき、本河川の総合開発計画の中でも治水事業関係が最優先さるべきであり、前述のような進捗率でははなはだ心もとないとの流域住民の声が高いのでありまして、新治水五カ年計画並びに一級河川としての改修工事の促進については、本川の残事業費三百五十余億円の完成のため、予算配分の増大を強く要望いたしますとともに、本川上流の松原、下筌ダムに対する用地補償の促進並びに工事の早期完成等につき、特に当局の配慮を期待いたします。  次に、六角川の問題について申し上げます。  六角川は、佐賀県杵島郡の山岳地帯に発する諸渓流を合わせて杵島平野を屈曲し、河口付近で牛津川と合流し有明海に注ぐ二市二郡にわたる大河川であります。  本流域は古くから干拓造成地で、土地が低くかつ日本でも類のない軟弱地盤であり、河口の潮位は五メートルから六メートルもあるため、六角川で三十キロ、牛津川で十五キロは感潮区域に及んでいる状態であります。さらに現在、堤が低い上、老朽堤のため、漏水がはなはだしく、従来から毎年、洪水、高潮により、広範囲にわたって惨たんたる災害を受け、その被害も年々激増いたしておりましたが、昭和三十三年度より直轄河川に編入され、改修工事も年々進んでおりましたところ、河川法の改正により一級河川の指定を受けられず、今後の対策についてはなはだ不安を感じておるのが実情であります。  本河川が特殊な河川であり、改修工事もきわめて困難でありますことを勘案して、一級河川に指定するのが適当ではないかと思われますので、当局の適切な措置を期待するのであります。  河川関係の最後といたしまして、長崎県の本明川について申し上げます。  本河川は、昭和三十三年度に直轄河川に指定されて以来、鋭意その改修が進められておるのでありますが、現在、諫早市より河口に至る区間、事業費にして十七億円程度を残すのみとなっておりますが、地元といたしましては、昭和四十四年度までの暫定期間内に一応の改修を完了せしめる措置を当局に望んでおりますので、関係当局におきましても、弾力性のある措置を期待いたしまして、河川関係の御報告を終わります。  今回の調査の最後として、有明海岸堤の問題について申し上げます。  御承知のとおり、佐賀県の南部は有明海岸で囲まれており、海岸線延長百二十八キロ、十市町村に及び、背後地は穀倉二万七千ヘクタールの佐賀平野となっているのでありますが、同海岸地方一帯は非常な軟弱地盤であり、しかも干満の差は六メートルにも及び、台風時期ともなれば高潮の襲来に備えて流域住民の不安ははかり知れないものがあるのであります。  一方、建設省当局においては、これらの事情より、昭和三十五年度以来、直轄海岸事業として約二十五キロの区間について工事を進めているのでありますが、これらの海岸事業は高度の技術と巨額の事業費を要するものでありまして、これが総事業費約百四十億円のうち昭和三十九年度末までの施行済み額はわずかに七億円程度にすぎず、このすべてを完成しますにはなお相当の長年月を要するものと推定されるのであります。したがいまして、地元といたしましては、これら巨額を要する本事業の早期完成のためにも、また、地方財政の実情より見ましても、直轄海岸保全事業国庫負担率の引き上げについて強い要望があったのであります。  以上、道路関係、河川関係等の要点のみを申し述べましたが、当局におかれましても、十分御承知のこととは思いますが、種々検討の上、最善の措置を講ずることを強く要望し、御報告といたします。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 次に、第二班の報告を福永一臣君よりお願いいたします。

福永一臣自由民主党

○福永(一)委員 去る八月二十三日より五日間の日程で、本委員会の所管になる公共事業につきまして、大阪、京都、奈良、和歌山の各府県下を調査いたしてまいりましたので、その概要について御報告申し上げます。  本調査は、主として近畿圏整備法に基づく保全区域、淀川水系の桂川、由良川水系等の河川の治水対策の実情、並びに新大阪駅周辺土地区画整理事業の実情を中心に行なってまいりましたので、まず、近畿圏の保全区域の実情に関して申し上げます。  御承知のとおり、近畿圏には史跡、文化財、国立公園その他自然的風致が数多く存在しております。これらはわが国の長い歴史の中につちかわれた貴重な民族的資産であり、広く一般に認識されるとともに、長く後世に伝承されるべきものであります。  近年、わが国経済の目ざましい発展に伴い、企業の設備投資が盛んになり、これに従いまして、土地の価格が急騰し、ために、土地の開発が都心部から急速に近郊にスプロールし、各地に土地開発ブームが生じ、他方、国民所得の向上とともに国民の生活水準も高まり、消費景気となり、いわゆるレジャーブームを生じ、観光開発もまた盛んとなったため、史跡、文化財、自然的風致などが荒廃し、損傷し、各方面から憂慮されるに至ったのであります。  史跡、文化財、自然的風致の保全と観光開発とは微妙な関係にありまして、原形を保存する必要のある場所などはまた同時に観光資源として価値のある場所でもあるため、かかる場所は、昔日は徒歩、手弁当に精神修養の意義を認めたと思いますが、近時は、乗用車などで保養する傾向となってきて、そのための施設も次第に大規模化、高級化してきております。したがいまして、保全を要する自然的風致なども、観光用の道路、建造物の建設のため地形が変化するなどの損傷を受け、その他これらに関連する公共施設にも直接間接の影響を与える結果となっております。  近畿圏整備法には「文化財を保存し、緑地を保全し、又は観光資源を保全し、若しくは開発する必要があると認める区域を保全地域として指定する」制度があり、これに基づきまして現在、二十区域、約四千四百八十平方キロメートルが保全区域の指定を受けております。この面積は、近畿圏全域の約一二%に相当する広範なものであります。しかしこの指定は、単なる指定に終わるものであったため、去る第四十六国会においてわれわれはその一部を改正して、「保全区域の整備に関し特別の措置を必要とするときは、別に法律で定める」ことができることといたしたのでありますが、法律の制定にはまだ日時が必要のようであります。現在、文化財保護法、都市計画法、特別都市計画法、自然公園法がわずかにそれらの損傷に対処しておりますが、これをもってしては、貴重な民族的資産を保全するにはあまりにも消極的であるといわざるを得ません。  われわれは、このため、修学院離宮周辺、比叡山周辺、奈良公園周辺、吉野熊野国立公園等を視察いたしてまいりましたが、修学院離宮におきましては、宮内庁が計画的な入場制限によってその保全につとめていますが、総面積八万数千坪に及ぶ広大な管理は、予算その他の関係で十分とはいいがたく、離宮内は別といたしましても、京都に普通見られる借景の構想は、周囲の開発されていく現状には無意味なものとなりつつあります。かつては上の茶屋から淀の川筋が望めたという優雅な離宮の周辺も、借景はおろか、次第に箱庭と化していくのではないかと思われます。  古都の保存ということから最近世論となりました京都駅前の京都タワー、奈良公園の奈良県庁塔屋等があげられますが、それは別としまして、奈良公園そのものにつきましては、公園の中には古くから市民の生活がありますので、将来市民の生活とは何らかの形で区画することを考慮する必要があるほか、公園の入り口が不明確であったり、公園の中に国道が通っていたりしていること等、保全の上に数多くの問題を含んでおります。保全のため公園の区域を買収するといたしますと、それには約三百億以上の経費が必要とのことでありますが、保全は反面現状維持でありますので、開発は促進されません。したがいまして、地元は経済的に大きな負担となりますので、これに伴う補償措置といたしまして、環境の整備、道路整備等は国において措置することが必要ではないかと思いますが、それらを含め、今後の保全区域の整備に関しましては法的措置を早急にとることが必要ではないかと思います。  修学院離宮に隣接する比叡山は、西の四明岳、東の叡南岳、北の釈迦ケ岳、水井山を含め、その周囲十数キロメートルに及ぶ天台宗の霊山であります。昭和三十三年に山中越より田の谷峠を経て尾根伝いに比叡山頂に達する約八キロメートルのドライブウエーが開通し、京都から五十分、大阪から一時間半で到達するようになり、比叡山はいまや関西の箱根といわれるほど変貌しております。現在このドライブウェーの終点から、釈迦堂、横川、仰木に至る延長約十二キロメートルの奥比叡ドライブウェーが開発されつつあります。このルートはいまなお修験僧の道場となっている秘境でありまして、開発には一部識者の反対もあったと聞いておりますが、かつては皇室を檀家として一般庶民を近づけず、長く女人禁制を守っていた霊山も、宗教界の変遷によりまして、宗教と観光の二筋の道を歩んでいるわけであります。奥比叡ドライブウエーは、その企業内容から、文化財保護法や自然公園法、道路運送法等の許認可が必要であり、以前、建設省、日本道路公団がマイクロウェーブ用のアンテナを設置する際、京都側におきまして文化財保護委員会で問題になったことがあるほどで、風致の保存につきましては考慮が払われていることと思いますが、他方、この有料ドライブウェーは府県道に取りついており、その通過交通のため府県道は拡幅修繕等を余儀なくされております。また、奥比叡ドライブコースが開通いたしますと、県道仰木−雄琴線、国道第一六号線を経て琵琶湖大橋に至る観光道路となりまして、自動車等の通過交通量の増大が考えられます。このドライブウエーは日本道路公団の施行する有料道路と異なりまして、建設費の償還が終了しましても、一般道路になったり料金の逓減は行なわれません。比叡のドライブウェー以外にも道路運送法による有料道路はありますが、これらの道路は府県道等、公共施設に及ぼす影響は大なるものがあります。したがいまして、道路行政の見地から適切な措置を講ずることも必要と思われます。また、当然のことながら、道路建設の過程に生ずる多量の土砂については、砂防の見地から適切な措置がとられるよう、行政指導等について万全を期すべきであると考えるものであります。  なお道路運送法による道路で、和歌山県白浜町に明光バス専用道路がありますが、本道路は、いまから約三十年前に沿道の土地開発を条件として白浜町から借地したものであります。本道路は、明光バスの専用道路のため、一般には供用されておらず、また平草原という名勝地を独占しております。現在借地期限の問題で白浜町と話し合いが進んでいるようでありますが、借地返還に対する補償問題が難点とのことでありました。しかし名勝地をバス会社が独占することは、いろいろと問題もあるところで、かかる道路は許可の際の条件として、ある期間がきたら公開供用させる等、適切な措置をすべきであると考えるものであります。  次に、治水対策について申し上げます。  まず、当委員会におきましてしばしば問題となりました淀川水系の桂川について申し上げます。  本川は京都市の北端大悲山山中を水源とし、京北町、亀岡市を経て保津峡より山城盆地に入り、南流して大山崎付近で木津川、宇治川と合流し淀川となり、延長約百十キロメートルを流下しております。本川は保津峡付近に狭窄部がありまして、記録によりますと、上流地域に百ないし百五十ミリメートル程度の降雨がありますと、そのつど狭窄部のため桂川が逆流し、亀岡市付近の盆地に湛水するため、大きな被害が出ております。もちろんこの狭窄部を除却すれば被害はなくなりますが、下流部の京都市その他で桂川の水位が上昇し、下流部に被害を及ぼすことになります。  この対策としまして、京都府では昭和三十六年ごろ上流の天若にダムを築造する計画を立てましたが、地元の反対がありましてダム予定地点の調査もできない現状であります。われわれは現地におきまして地元民から実情を聴取いたしましたが、それによりますとダム予定地点は天若のほかに二、三あるようですが、ダム計画のための水没予定地には約二百戸の住家があり、水没すると移転先がないという理由が反対のおもなものであります。しかしこうした動きのため、地元民には精神的にあせりと不安が見えておりますので、建設省としましては地元住民の不安を一刻も早く除去するため、生活再建のための適切な措置等を提示して理解と協力を求め、早急に一貫した治水対策を樹立するようつとめるべきであります。  次に、由良川水系の治水対策について申し上げます。  由良川は、京都、滋賀、福井の三府県境、三国岳を水源とし、美山町、綾部市、福知山市と約百キロメートルを西流し、土師川を合わせて約四十キロメートルを北流し、日本海に注いでいます。本川は上流部は渓谷、中流部の綾部−福知山市間はゆるやかな勾配、下流部は河口まで狭窄部となっております。  由良川水系は、最近に至るまで治水面の対策がなかったといわれ、下流の洪水調節のため昭和十八年に着手された大野ダムが、昭和三十八年に完成したという状態であります。しかしこのダムによりまして、福知山市の計画高水量を定め、河川改修の促進につとめていますが、福知山市から下流につきましては狭窄部となっているため、流域の住民は毎年水害を受けるに至っております。しかし上流部で洪水調節を行なうということは、地形その他から現状では困難なことでありますので、下流部の治水といたしましては、流量調節、河積の拡大、築堤等による一貫した治水計画が必要であると思います。現在建設省の直轄改修といたしまして、綾部市から河口までの改修が行なわれておりますが、綾部市から福知山の間及び人家の密集しているところは築堤により、その他はかすみ方式あるいは河道の掘さくによる計画となっております。現在の低水路では毎秒三百立方メートルぐらいしか流れませんので、これを掘さくし拡大しまして毎秒五百ないし八百立方メートルぐらいを流し、浸水を防除しようということであります。  由良川水系の治水計画の確立は、相対的に立ちおくれを見せている京都府北部の産業発展、地域住民の生活水準の向上がはかれるものと考えられますので、地域格差の是正の点からも一そうの促進が望まれるものであります。  次に、新大阪駅周辺土地区画整理事業の実情について申し上げます。  この事業は大阪市が東海道新幹線新大阪駅の建設に伴いまして、新大阪駅と都心部を結ぶ都市計画街路御堂筋線の築造をはじめ、公共施設の整備を行ない、駅周辺の宅地利用の高度化をはかり、副都心にふさわしい健全な市街地を造成するため約二百九十ヘクタールの区域について、都市改造を目的とし、百四十七億の事業費をもちまして昭和三十六年から七ヵ年計画で始めたいものであります。前年度は減歩緩和のための用地買収を終え、本年度は仮換地指定を行なうとともに、建物移転、街路築造工事等を実施し、都市計画街路御堂筋線及び歌島−豊里線の整備を進める計画になっております。  この計画に対しまして、地元住民の一部から反対運動が起こっておりますが、反対運動の主たる内容は、施行区域には過小宅地が多く現に建物が建っておりますので区画整理方式による減歩が困難であります。したがいまして減歩相当分を金銭で清算することになりますが、貸家経営者はその清算金を家賃に転嫁しようとするため、借家人にしてみれば居住環境がよくなったり通勤途上が若干楽になる程度で直接恩恵もないのに家賃が値上がりすることに反対し、小住宅の所有者は、新大阪駅ができても、御堂筋線が通っても、地価の値上がりという潜在的利益は別として、いますぐ直接的利益がないのに経済的犠牲をしいられるところにあるようであります。その他、地区のきめ方に疑問を持ったことも反対の理由となっているようであります。  これらの諸点は今後の都市再開発に大きな問題を投げかけたといって過言ではありません。財政負担が可能であれば買収方式もよいと思いますが、これが万全というわけのものではありません。区画整理方式による場合は区域が過密状態に至らない前に事業を施行すべきでありまして、その時期と方法を誤るならばいたずらに反対と犠牲を生ずる結果となります。第二阪和その他の公共事業が遷延しているのも同じ理由によるもので、人家の密集している区域の都市改造には、住宅政策、道路政策等をあわせて計画すべきであると思います。  最後に、大阪府の道路関係につきまして、若干申し述べたいと思います。  大阪府はその面積が全国の都道府県中最小でありますが、人口密度は平方キロメートル当たり三千五百四十人と東京都に次ぐもので、これらの人口分布は大阪市より衛星都市への集中が激しくなっていく傾向にあります。  一方、道路交通事情特に自動車交通量の増加は目ざましく、例を大阪市営バスの平均運行速度で見ますと、年々下降をたどっており、現在平均時速十二キロメートルといった徐行並みの状態となっております。大阪府ではこれらの対策といたしまして新十大放射線、三環状路線を計画してその建設の促進をはかっております。  われわれはそのうちの中央環状線を視察いたしましたが、これは現在の主要幹線がすべて都心部へ集中した放射路線であるため、これら集中交通を軽減し、都心部の通過交通を迂回させる等、将来の交通需要の見通しの上に立って対処したものであります。すなわち、大阪市周辺部の都市相互の交通の円滑をはかるため、大阪国際空港、千里丘陵ニュータウン、名神高速茨木インターチェンジ、国鉄新貨物駅、八尾空港、堺・泉北臨海工業地帯を有機的に連携させております。この環状線は起点を池田市、終点を堺市とし、延長五十五・八キロメートル、事業費四百六十八億となっており、鉄道、幹線道路との交差はすべて立体交差としております。また、道路用地には八十数億の先行投資を行なっており、全線開通の暁には直接間接の経済効果ははかり知れないものがあろうと思いました。一日も早く完成を見たいものであります。  なお、視察日程中聴取いたしましたおもな陳情を申し上げますと、京都府下におきましては淀川水系上桂川の浸水常襲地帯の基本的計画の早急樹立について、由良川水系の内水排除と下流の改修促進について、国道一号線つけかえ道路の新設について、国道二四号線宇治、城陽町地内バイパスによる再改修について、主要地方道園部−平屋線の全面改修工事早期実現について、近畿縦貫高速自動車道建設について。奈良県下におきましては、国道二四号線奈良バイパスの早期建設について、国道一六五号線大和高田バイパス及び橿原バイパスの早期建設について、国道一六八号線の建設省直轄路線昇格及び全線改修と完全舗装の早期実現について、第二阪奈道路の早期建設について、室生ダムの促進について、奈良国際観光都市建設事業近鉄奈良駅−油阪駅間の改良について。和歌山県下におきましては、第二阪和国道の早期着工について、国道二六号線バイパスの早期完成について、国道四二号線白浜−新宮間一次改良の早期完成について、及び和歌山市内、海南市内、新宮市内二次改良の早期実施について、国道一六八号線、同一七〇号線の早期改修について、県道田辺−本宮線、並びに瀞公園線の国道への早期昇格について、奥地等産業開発道路の指定路線の拡大と基準の緩和について、昭和四十一年度以降地方道路整備国庫補助事業費の大幅増額について、紀の川等河川改修事業及び砂防事業費大幅増額について、公営住宅の超過負担解消について、近畿圏整備建設計画に基づく事業について国の財政援助、補助率の増大について。大阪府下におきましては、国際博覧会について、過密都市対策について、近郊整備区域の整備推進について、道路整備事業の促進について、琵琶湖淀川水系の総合開発について、淀川、大和川、猪名川の改修と高潮対策事業について、寝屋川水系の改修について、大阪市内河川高潮対策事業について、下水道事業について、工場等の疎開地の先行取得について、公園緑地の整備促進について、住宅対策について、大阪港湾総合庁舎の建設について。古都保存連絡協議会から、古都の歴史的風土の保存に関する立法化の要望がありました。それらの多くは近畿各府県の経済発展に大きな影響を持つものでありまして、地域格差の是正あるいは後進性の打破に必要なものであると思いますので、当局におかれましては、十分御検討の上、善処するようお願いするものであります。  以上、要点のみを申し述べて、御報告といたす次第であります。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 以上で派遣委員からの報告聴取を終わりました。派遣委員各位にはまことに御苦労さまでございました。

森山欽司自由民主党

○森山委員長 なお、九州縦貫自動車道建設問題について質疑の申し出がありますが、諸般の都合もありますので、理事会において協議の結果、次会、来たる十六日の委員会において行なうことといたしました。同日は午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会

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