建設委員会 第2号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/08/11
会議録
○森山委員長 これより会議を開きます。 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 今国会が閉会となりましたあとも、国土計画に関する件、地方計画に関する件、都市計画に関する件、河川に関する件、道路に関する件、住宅に関する件、建築に関する件、建設行政の基本旅策に関する件、以上の各件につきまして、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○森山委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。 閉会中審査案件が付託になりました際、現地調査の必要がある場合は委員を派遣し、その実情を調査するため、議長に対し委員派遣承認申請を行なうこととし、その手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○森山委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。岡本隆一君。
○岡本委員 瀬戸山さんがこのたび大臣になられまして、私ども建設委員会といたしましては、非常に歓迎しております。幾人かの大臣を迎え、送ってまいりましたが、建設委員会で長く席を同じうして建設行政の問題について議論し合った仲間の人が建設大臣になられたということは、私が建設委員会に入りましてから初めてのことでございまして、それだけに、建設行政については何もかもお互いにわかり合っておる、こういうことでございますので、今度こそは、私は、りっぱな建設行政が行なわれるであろうといういことを非常に期待いたしておる次第でございます。したがいまして、私どもも瀬戸山さんのおやりになることにつきましては、十分私どもの気持ちを察した上で施策を進めていただけますと思いますので、十分な協力を惜しまないつもりでございます。しかしながら、自民党内にはやはりいろいろの考え方、いろいろの方針を持っておられる人がありますので、必ずしもわれわれが全面的にいつも同意をする、同調をするというわけにはいかない場合もあろうと思います。また、瀬戸山さんにも、やりたいと思うことが十分におやりになれない面もあろうかと思います。そういう面は、また野党の私たちが大いに側面から推進するように、さまざまな形で御協力申し上げてまいりたいと思います。 ことに、大臣に就任されまして最初に地価問題を一番大きく取り上げていただいたということ、このことは、私は、日本の今日の建設行政の現状から見ますときに、非常に時宜を得たものであると思うのでございますが、しかしながら、先般来新聞にもいろいろな形で発表しておられますし、談話も発表しておられますし、さらにまた、先週の委員会で大臣から所信表明を承りましたが、地価問題について、どういうふうな形でもって地価の抑制をやっていくかということにつきましては、きわめて抽象的な表現がとられております。あるいはまた、政府部内でもって十分な調整がつかないので、具体的にはこうやりますということをはっきりお述べいただく段階になっておらないかもわかりませんが、しかしながら、私は、この機会に、建設大臣がどういう腹案を持っておられるか、どういう方針を持って臨もうとしておられるのか、こういうようなことだけはひとつ率直に、自分はこう思うのだ——しかしながら、あとで出してこられたものはなかなかいろいろな意見があるために思うようにはいかなかったというようなことがありますから、いまおっしゃったことがそのまま政府の案として出てこないからといって、それが食言であるの何であるのというような無理解なことを申すつもりはございません。しかしながら、大臣として、自分はこうやっていきたいのだという抱負は持っておられると思いますので、大臣の持っておられるその抱負のほどをひとつこの機会に御表明願いたいと思うのでございます。
○瀬戸山国務大臣 岡本さんからたいへんおほめのおことばをいただいて、実は恐縮いたしております。仰せのとおり、建設行政と申しますか、国土開発はきわめて重要だという私なりの考えから、相当長い間この問題と取っ組んでまいっております。その間、当委員会等におきまして、お互いにいろいろわが国の開発、建設のために知恵を出し合ってまいっております。もちろん、頭で考えるように理想的にそう簡単にまいらないことはたくさんありますけれども、それにしても、建設行政も相当にテンポを早めつつ進んでまいりつつあると思います。けれども、この時点においてはさらに国民の期待というものは非常に大きい。いろいろ解決すべき問題が、しかもむずかしい問題がたくさんあるわけであります。最初に就任いたしましたときにごあいさついたしましたように、真剣にやりますから、どうか皆さんのほうでも忌憚なき御叱声、御協力を願いたいと思います。 そこだ、いま、地価対策と申しますか、地価問題をどう考えるのかということでありますが、これは率直に言っていろいろな建設行政がありますが、いまその前提をなす土地と申しますか、地価問題これが一番重要な問題であると考えるのであって、非常に困難でありますけれども、これをやはり、十全、万全とはいかないと思いますが、相当程度に地価抑制策というものを前進させなければならない。そうしなければ、建設行政のみならず、わが国の国民的気持ちと申しますか、また一面、わが国の社会、経済の進歩にほんとうに大きな障害を来たしつつあるし、また将来はもっと来たすであろう、こういう考えを平素から持っております。今度その責任の衝に当たりましたので、これを完全に解決できるとはうぬぼれておりませんけれども、しかし、これは私一個の問題ではなくて、また政府だけの問題ではなくて、やはり率直に言って国民全部がひとつこれを解決するという気持ちになってもらいたい。これがひいてはわが国の社会、経済に非常なプラスをもたらすものであろう、実はこういうふうに考えておるわけであります。そこで何とかひとつこの前進をはかりたいという気持ちでいろいろみずからも考え、もちろん建設省のそれぞれの部局の皆さんにも検討を願っておりますが、正直なところ、かくかくという具体的な構想はまだ最終結論になっておりません。したがって、きょうはそれを申し上げることはできませんけれども、いまおっしゃったとおり、考え方はどうだと言われますからそれを申し上げておきたいと思います。 御承知のとおり、土地ないし地価対策ということで現行でやっておりまする直接間接の措置と申しますか、あるいは法律的あるいは行政的措置といいますか、これを前提に一応洗ってみたいと思いますが、一体どこに問題があるのか、こういう掘り下げたところからこの問題は検討しなければ、とうてい思いつきでは解決できない、こういう立場で検討いたしております。法制的にはどうかといいますと、ほとんど見るべきものはございません。まあ地価対策あるいは土地対策に関連のある法制といいますと、皆さんご承知の、まず土地収用法それから新住宅市街地開発法あるいは都市計画法あるいは土地区画整理法、そういう部類が土地ないし地価に対する一つの法制的な方策の部類に入ると思います。そのほかに、法律的と申しますと、やはり税制の問題がある。あるいは不動産取得税とか、あるいは不動産譲渡に対する所得税課税とか、こういうものも、直接ではありませんけれども、間接的な一つの地価対策の用をなしておる、私はこういう見方をいたしております。 さらに行政的にはどうか。問題はこういう法制上の運用のいわゆる行政的面があります。一番端的な直接的な法制としてできております土地収用法に至っては、率直に言ってほとんど無用の長物になっており運用されておらない。御承知のとおりに、いわゆる土地収用法、これは特例法までつくって、しかも国会で大いに議論をして、土地対策に有効ならしめるために、あれほど数次の改正をいたしましたあの法律も、ほとんど運用の面において実効を伴っておらないというのが現状であります。これが私は率直に言って、一体政治は何をしておるのだということをみずから考えておるわけであります。その他いわゆる行政上の運用としては、御承知のとおりに、あるいは地価が高いから土地を高度に利用するということで、いわゆる高層住宅の建設あるいは高層ビルの建設というのが、いわゆる運用面における一つの地価対策あるいは土地対策で、あるいは高架道路、高架鉄道の敷設、東京都の高速道路の高架道路などは、やはりこれも一つの土地対策であり、地価対策であろうと思うのです。まあ並べればいろいろありますけれども、皆さん十分御承知のことばかりであります。 ただ、私がこういうことを申しますのは、土地及び地価に対して根本的に一ぺん考えてみるためにいろいろ考えてみておるということを申し上げておるわけであります。そういうふうに今日でいろいろ考え、土地ないし地価の問題は、長い間これではいけないという議論が国会でも世間でも行なわれておる。そこで御承知のとおり、政府はこの問題をきわめて重要だとして取り上げて、宅地審議会等、その他いわゆるその方面の有能なる皆さんに、この問題に対する対策等について検討してもらっておりますが、ある程度の微温的と申しますか、局部的な提案がなされて、以来一応実行に移されておるところがあります。けれども、結論においては、率直に申し上げて効果がない。なぜ私がさようなことを言うかといえば、御承知のとおり、地価はとどまるところを知らない。最近の経済情勢等の関係で、ここ一両年その上昇率がやや鈍っているという現象はありますけれども、これはいわゆる土地ないし地価対策の結果ではないという判断を私はいたしております。御承知のとおり、日本の土地問題に対する研究はきわめて微力であります。したがって、周密な研究というのはございません。地価の上昇等についていろいろ統計等がなされておりますが、御承知のとおりに、いわゆる旧都市と申しますか、都市を中心とした地価の問題を見てみますると、昭和三十年を起点として四十年度くらいでは少なくとも七倍あるいは七倍以上——これは平均であります。したがって、東京あるいは大阪等の大都市はそれより上であるということは当然なことであります。一般物価の上昇がありますけれども、これはそれに比べるとたいへんな違いの地価上昇があります。私があえて今日まで地価対策というものが何らの効果はなかったというのはそういう現象を見て申し上げておるわけでありますが、一体これでいいのかということです。悪いということはしばしば議論がなされいろいろ検討がされておりますけれども、いわゆる効果のある対策というものはほとんどできておりません。一体それはどういうわけだ、国民的にもこの地価の問題については必ずしも一般的に言って釈然たらざるものがある、何となく割り切れないものがあるということは事実であります。しかもなおかつ議論がされ研究がされておって、これに対する効果のある措置がとられないというのは一体どういうわけであろうか、それは当然な経済現象であって、そういう地価変動ないし騰貴をするということは当然なことであって、日本は領土は狭くて人口が多いからそれは当然なことであるということであれば、こういう問題に神経を使って研究をする必要はないのであります。国際的世界的に見ましても、もちろん経済の発展あるいは生活の程度が高くなるに応じてある程度上がっておりますけれども、日本の場合は特別だということは皆さんも御承知のとおりであります。当然であるということの結論でありますと、これは議論するほうがばかばかしいですから、研究を要しないやむを得ざる事態であるということになりますが、当然であるかどうかということについて検討しなければならないが、私は結論的に言うと、これは当然ではないという結論を持っております。一般経済現象に従ってあるのであって、日本は土地が狭くて人が多いから需要供給の関係でそうなっておるのだ、そういう考え方の人もある。こういうものは需要供給であって、需要者がなければ地価なんか上がらない、また、大量に供給すると地価はそう上がらないのだという考え方の人もあります。従来のおおよその建設省を中心とするいわゆる土地対策、地価対策というものは、そういう考え方に基づいておった。それも一面の効果があることは事実であります。したがって、大量供給をして、宅地等については、国あるいは地方公共団体等において大量宅地造成をして供給すれば地価抑制策になるのだということが、御承知のとおりしばしば言われて、それが実行されておる、これも全然効果がないとは申し上げません。しかし、それにもかかわらず地価はとどまるところを知らない。もっとほかに原因がある。原因があるならば、その原因が一体取り除かれるものであるかどうかということを検討しなければならぬ。しかもそれは当然のことでなければその原因は取り除かなければならない、こういう段階にいまきておるわけであります。 そこで、しからば一体土地とは何だ。土地の本性からこれは研究していかなければ、問題の解決にはならないだろう。そこで私は、あまり理屈ばかり言ってもしようがありませんから、結論的に申し上げると、御承知のとおり、日本憲法は私有財産権を認めて、私有権を保護することになっておりますから、憲法のもとにおいて法律を制定しまた行政を運用しなければならぬことは当然でありますので、憲法を前提に頭に考えての話でありますが、私有財産権を認めておりますから、そこで、私有財産というものは一体何だ、こういう観点から検討を進めていく。私有財産の問題をここでいろいろ申し上げるわけじゃないのでありますが、しからば一体私有財産の中で、土地とその他の私有財産とは同じものであるか、同じ観念で扱うべきものであるかどうかという問題にぶつかるわけであります。 そこで私は結論を申し上げると、これは違うものであるという考えを持っておるわけであります。一体どう違うのか。私は、土地については、こういう考えを持っております。土地というものは、水及び空気、その他にもありましょうけれども、これは人間存在の基本的に除くことのできない条件である。しかも土地及び水、空気、これは人間がつくることのできないものである。しかも、これをふやしたり減らしたりすることもできない。土地だけにいたしますと、これは全く増減を許さない、人間が生産し得るものではない、と同時に土地を離れて人間は生活ができない。こういう意味におきまして、私は人間が生産し得る土地以外の財貨と同じ立場において私有財産権を評価するということは、根本的に誤りであろう、こういう基本的な考えを持っております。もしこの立場が肯定されない、この考え方が肯定されないということになると、率直に申し上げますが、地価抑制策ということを議論することは間違いである。わが国の憲法のもとにおいてはそういう考え方でありまして、私はもちろん土地所有権者に対してその土地の評価の基準ということ、いわゆる基礎条件は何かということはいろいろ議論がありますが、それは今日申し上げませんけれども、土地というものの評価について、問題は一般の財貨のように、人間の努力によって価値をふやすとかふやさないとか、こういう観点に立ちますと、土地というものについては、人間の努力によって価値をふやすという場合が、全然ないとは申し上げませんけれども、きわめて少ない。今日の地価問題というのは、およそ社会と申しますか、あるいは国と申しますか、地方公共団体といいますか、簡単に申し上げると社会と言っていいでしょう。そういうものの努力によって、その結果が地価の上昇を来たしておる。私はそう考えます。たとえば道路をつくれば、非常に便利になるからそこの土地が高くなる、あるいは新産都市を指定して、そこへ工業都市ができるという構想が出てくると、とたんにその土地の値段が上がる、こういう現象があらわれております。この現象は、根本的に間違いである。もちろん便利になりますと、その土地の利用価値は高まりますから、客観的には、その土地を高く評価するということはあえて否定はいたしませんけれども、その利益というものは、国あるいは地方公共団体、言いかえると社会に還元されるべきものである、こういう考え方であります。そういう、いわゆる基礎的な、妙な理屈ばかり申し上げましたけれども、そういう考え方に立った地価対策というものをやるべきである。その手段、方法、これは簡単なものじゃございません。なかなか複雑な問題でありますから、ただ一片の法律などでこれは解決するとは思っておりません。まあ私は、まずそういう目的を達成するために土地収用法を改正すべきだ、こういうような考え方を持っております。たとえば縦貫自動車道をこの路線につくるのだ、こういう決定をしたときにその土地の評価は確定すべきである、それがつくられるということで、将来の利益をその特定の所有者が受けるということは、根本的に間違いである。したがって、その評価は、ここにこういう公共事業をやるということが決定した時点における評価をもって補償するということは当然で、それをいたしましてもその所有権者には何らの掲害を与えておらない。まあ基本的な考え方はそういうことであります。したがって、そういうことが実現可能な制度、方法に土地収用法を改正すべきだ。それだけでは足りません。公共用地だけはそれでおさまるといたしまして、しからばそこへ道路ができて、その周辺の土地の地価の上昇によってその付近の所有者が格別の利益を得るということは、これは社会通念と申しますか、あるい先ほど私が長いこと申し上げました理由によってこれは正当ではない。したがって、これはどうするかという、また法律上の制度もつくらなければならない、その他税制とか、いろいろあると思います。そういう問題をいまいろいろ検討いたして、手段、方法を検討いたしておる。したがって、これはなかなかそう簡単なものじゃありません。そういうことで検討いたしておりますので、先ほど申し上げたように、いまここにこういう方法をやりますということを申し上げられないのははなはだ残念でありますが、これは、問題は、しからばそういう考えに立って、この複雑な社会のもとで、都市あるいは農村、あるいはその他の地域ですべて間然するところのない制度ができるかというと、私は必ずしも間然するところのない、十分満足すべき制度ができるとは期待いたしておりません。またそういうことを期待しておりますと、この重要な問題の地価対策というものの実現ができない。ある程度ギャップがあっても、ある程度指摘すべき点がありましても、少なくと地価に対する大筋だけは国会を通じてぜひ定めていただきたい。その間においてもちろんいろいろ弊害と申しますか、不均衡が出てくる。それはそれに応じて訂正すべきところ、改正すべきところは改正していく、こういう手段をとらないと、多少の欠点があるからだめだということでありますと、この問題は、これがなかなか解決する時期はとうてい想像はできない、こういうふうに考えているわけであります。 だいぶかってなことを申し上げたようでありますが、これは非常に重要な問題であって、これから住宅政策は御承知のとおり大事業、きわめて緊急な事業として今後ますます拡充しなければなりません。しかも、御承知でありましょうが、国土縦貫自動車道その他をつくって国土の改造をしようとする際に、この問題に手をつけないでそのままにしておくということは、それは全く国民経済上、国家財政上それこそたいへんな事態を起こすであろうということを私は考えておりますから、何とかまず第一にこの問題にめどをつけるべきである、また国会でつけていただきたい、こういうふうに考えているということを申し上げておきます。
○岡本委員 非常にわれわれと似た考え方を持っていただいておりますのでけっこうでございます。そしてまた大臣がしばしば新聞なんかを通じておっしゃっておりますのは、すでに議論よりも決断の時期であるというようなおことばでございますが、私はこの機会に、大臣が大いに勇をふるってやっていただきたい、実行力に大いに期待をしておるわけです。そのためにはあらゆる協力はいたすつもりであります。ただしかしながら、いまのお説を承っておりますと、土地というものは生産はきないものだから、普通の商品と同じように考えるわけにいかない。したがって土地の所有権についてはある制約は当然加えるべきだ。私有財産権については一つの大きな制約が加えられるべきである。したがって土地収容法はもちろん改正しなければならぬ。同時にまた税制その他の面でもって、土地に与えられたところの価格と申しますか、土地の価格というもの、むしろ土地の価値というものは、土地それ自体の価値というものよりも、その土地が持っておりますところの社会的地位と申しますか、社会的条件と申しますか、そういうようなものが土地の価値をつくっておるのであるから、土地の価値というものは社会的な価値である。だからそういうような社会的な価値増は社会に還元すべきである。だからそれが還元されるような形の税制なりその他の制度をつくっていくほかない、こういうようなことで土地問題の解決をやっていきたいというふうなお考えのようでございますが、しごくごもっともで賛成でございます。ただししかしながら、そこで問題になってまいりますのは、やはり農地との関連の問題であります。土地というものは、工場をつくることによって工場地として利用するかあるいは店舗地として利用するか、商業地として利用するかあるいはまた農地として利用するか、その利用の方法によって付加価値の生産率に非常に大きな開きがあるわけです。だからその土地というものは、土地自体の価値というよりも、その利用の仕方によってその価値が出てくるわけであります。たとえばそこに非常にりっぱな国道ができたといたします。道路ができたといたします。しかしながらその道路のそばで農耕をやっておれば、やはりそこから得られるところの利益というものはわずかなものより得られない。しかしながらそこに店舗を持ち、多くの人が集まってくれば、商業地として非常に多くの利潤が得られる。また工場用地として使えば非常に大きな利益が得られるわけであります。だから、その利益のしかたによって土地というものが生むところの利潤というものが非常に大きな開きがあるわけでありますから、したがって私はその場合に、やはり何をおいてもまず土地の利用の区分というものを確立しなければならないと思うのです。その利用区分に従ったところの、利用によって利用がされなければならない。そういうような見地からいきますときに、大臣のいまのお考えをもう一歩貫いて、その政策の実施の面ということになれば、何よりもまず土地の利用区分というものを確立していく。ここのところは農地である、ここは宅地である、ここは工場用地である、こういうようなことを先に決定してやって、それ以外の利用は許さないということになれば、農地は農地としての価値を持っていきますし、商業用地、工業用地、住宅地それぞれの価値を持ってくるわけです。またそそうしなければ農業というものは私は成り立たないと思うのです。国土縦貫自動車道ができます。さらにまたどんどん道路網の開発がこれから行なわれていくでありましょうし、また行なわなければならぬ。そういう場合に、至るところ工場適地でありますから、工場が一カ所どこかに進出します。そうするとそこのところはいままでの農地がたちまち工場地になり、その周辺はまた住宅地になる。そして、その地域の地価は全部住宅地並みになってくるわけであります。そうすると、それに隣接している農地も全部それと同じ価格になる、地価になりますから、農地というものが非常に高くなってきて、農地として使っているのでは採算がとれなくなるわけです。だから手放す。市街地周辺の農家はむしろ土地の値上がり待ちということで、農業生産に身を入れないし、同時にまた、そんな小さな経営規模では、五反や一町に足りない経営規模では成り立たないから、経営規模の拡大をやりたい、そう一町あるいはもう五反買い増しをしたいといっても、それはばく大な価格となって、農業経営には全然役立たないということになってくるわけです。したがって、やはり少なくも農地と宅地との間の利用区分というものをはっきりきめる必要があると思うのでございますが、そういう点について建設大臣はどういうお考えを持っていらっしゃいますでしょうか。
○瀬戸山国務大臣 いまの御意見はしごくごもっともでございますが、残念ながらわが国においては土地利用区分というものについてこれが明確になされておらない。ややこれに似たようなもので都市計画法というものがありますけれども、それもそういう意味においてはきわめて不完全な土地利用区分で、また国土のほんの一小部分にすぎない、こういう状態であります。それで、もちろん土地政策の前提はいわゆる国土の利用区分というものを明確にすることが前提であります。けれども、私は、いまそういうことを日本全国にわたり土地の利用区分をすると相当の年月を要しなければ間に合わないことでありますから、それは別途にそれを進めるとして、現在ただいま地価抑制策というものが必要である、こういう観点に立っている。もちろんこれと並行して土地利用区分をきめることを進めなければならないということを考えております。しかもそれは、いま申し上げましたように日本全土にわたって土地利用区分をすると相当の長年月を要しますから、少なくとも地価問題の当面の課題になっている地域から漸次利用区分を定めていくべきであろう。これはあるいは首都圏あるいは近畿圏とか、その他都市周辺ということになりますが、あるいは縦貫自動車道沿線というものがありましょう。当然にそれと並行してその政策を考える、こういう立場であります。ただ一番問題は、いまお話がありましたように農業政策、これは率直に言って、私は農林省にも話しておりますが、これは農林省自体を非難するわけではありませんけれども、日本の農業はどうあるべきか、したがってまた農耕地はどの程度に確保すべきであるか、この問題は、まだ残念ながらわが国においてはその方策が全然ないとは言えませんけれども、土地の利用についてはあまり明確な政治が行なわれておらない。したがって、私は率直に言って、建設行政と農林行政は全くうらはらをなすものである、こういう一つ考えを持っておりますが、一番問題なのは農耕地、いわゆる農林政策との関連である。したがって、土地利用区分をやりますことは、これはそう簡単なものはありませんけれども、いまお話がありました、世間でもよくいわれておりますが、農地をいわゆる商品として農家が考えておるということ、これは根本的な農業政策の誤りだ、これは農業政策じゃないわけですけれども、そういうような感じがわが国においてはあるわけであります。これは理屈をいうようで恐縮でありますが、農業は土地の生産力を利用して農業という一つの事業といいますか企業といいますか、それによって生計を営むということであろうといいますから、土地を売って農家がもうけるというような思想を肯定しておるということは根本的に誤りであると私は思う。したがって、土地利用区分をいたします、それと同時に、土地計画等を立てますときには、ここは農地であるべきかどうかあるいはどうしてもここは農業をしていきたいというところは、それは当然農業にしなければなりませんから、そういうところは将来農業以外の土地には転用を許さない、こういう規制をしなければこの問題は解決しない、こういうふうに考えております。
○森山委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○森山委員長 速記を始めて。
○岡本委員 いまの土地問題につきましては、もう少し大臣にいろいろお尋ねいたしたいと思うのでございますが、大臣のほうで参議院の内閣委員会で、懸案の建設省設置法の問題について非常に出席る督促されておられるようでございますから、お互いに落ちつかない気持ちで議論していたのでは、この重要問題の議論がうまく進まないと思いますので、私の質問はここで中断さしていただきまして、明日の委員会であらためてお尋ねさしていただきます。 ————◇—————
○森山委員長 次に、河川に関する件について調査を進めます。 本日は、参考人として水資源開発公団理事小林泰君に出席をいただいておりますが、参考人からの意見聴取は質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。 質疑の通告がありますので、これを許します。小川三男君。
○小川(三)委員 この問題は実は河川の問題について建設大臣からとくと御確答を得たかったのですが、時間の関係上議事を進めます。 去る二月十九日の本委員会において、實川清之委員より、河口ぜきは何のためにつくるのか、という目的に対する質問が行なわれております。これに対して上田政府委員は、現在使っておる農業用水を正常な状態で利用できるようにする、それから二に、そのほかに水資源開発公団で計画しておる東京都で使う水並びに千葉で使う水、そういうものが加味されて、両方の目的が同時にスタートしておるわけであります、こういうぐあいに答えておる。現状においていまもなおこの目的並びにこの答えに変更はないかどうか、それを伺いたい。
○小林参考人 現在でも変更はございません。
○小川(三)委員 そうしますと、東京都で使う水と千葉で使う永、これは上水道用水と工業用水とに分かれておりますが、この比重はどうなっておりますか。つまり、この上水道用水は一般家庭用のものであるのか、あるいはまた工業地帯のものであるのか、その比重がどうなのであるか。
○小林参考人 これは政府の基本計画によって示されておるわけでありますが、都市用水として二十トンということで、内容についてはお示しがまだございません。
○小川(三)委員 では利根河口ぜきの使用目的は、上流の水の確保にあることは明確である、そう考えておるのですね。ところが、新たにこれに、いままでの農業用水に対してさらに工業用水が参加してきておる。これらの上流の目的を達するために下流に対してはどんな対策が講ぜられるのか。言いかえれば、利根河口ぜきの下流では何ら得るべき利益がありません。あそこは上で潮どめのせきがつくられてしまう、言いかえれば、入り海のような状態になってしまう。したがって、いままでの淡水漁業やその他について何らの利益を得ることができない、こういう不安を持っているわけです。下流に対してあなたのほうではどんな対策がおありですか。
○小林参考人 そういう全般的な基本的な計画につきましては、公団は政府から指示を受けてやっておるわけでございますが、私のお答えできる範囲について御説明申し上げたいと思います。 先般も御説明申し上げたと思いますが、利根川の全体の総合開発のためには、上流にダムをつくりまして、その上流のダムの操作によりまして、渇水期における下流の水量を増量させて、それで各方面における利用を高めていこうという根本的な考えに立っておるわけであります。したがいまして、いまお話しの、上流において取水する部分のほかに、せきから下流に対して放流する水があるわけでございます。従来ですと、自然のままの状態でおります関係で、せきの下流では渇水期になりますと、非常に水量が減るわけでございます。たとえば十トン以下になるようなときも従来往々にしてあったわけでありますが、このせきができます状態では、上流にすでに建設中の矢木沢、下久保ダムも完成いたしまして、それらの調節によりますと、渇水期でも毎秒三十トンの水が確保されるという計画になっておるわけでございます。したがいまして、そういう面では最渇水の状態では下流においても緩和されるわけでございますが、やはり塩害のありますときにはせきの操作をいたすわけでありますから、下流にいろいろな影響があるということも予想されておるわけでございます。たとえば河口における土砂あるいは漂砂による河口の埋塞というような問題も予想されるわけであります。そういう問題が起きた場合には、計画といたしましてはしゅんせつによって対策を講じていくという考えでございます。また漁業等に支障がございます場合には、補償によってこれを解決してまいりたいというのが現在の考え方でございます。
○小川(三)委員 上流の農業用水の問題は非常に重大な問題であって、この委員会にも陳情書が出ておりますが、これはあとにしまして、下流の問題からやっていきたいと思いますが、利根下流の銚子市、茨城県波崎町、千葉県東庄町、この一市二町の、銚子市長嶋田隆、銚子市議会議長田辺清、波崎町長泉豊作、波崎町議会議長山本清司、東庄町長向後省三、東庄町議会議長岡野正雄、この方々の連名で、建設省に対しても、水資源開発公団に対しても要望書が出ておる。この要望書の前文は省略して、五つの項目に分かれておりますが、この五つの項目についてあなたのほうから確認を得ておきたいと考えております。 「1 農業および生活用水等の各種用水の塩害防除対策 河口堰の建設によって、流況が従来の自然状況に比較して、人為的に著るしく変化するため、同堰の下流部は海水の逆流が激化し、塩害の影響が一段と顕著になる。すなわち、海水の浸透によって農作物に多大の塩害を及ぼすほか、生活用水、工業用水等にまで悪影響を及ぼし住民生活に脅威を与えるものであり、殊に、台風、強風時には、被害の増大が懸念されるものである。また、従来当地域利根川沿岸の農業地帯には、利根川の水利権が存在していたが、近年かん水の度合が高まるにつれて取水不能となり、地下水または上流地域の農業水路からの不充分な導水によって凌いでいる実状である。ついては、これらの対策として、河口堰下流部の両岸に潮止堤防を築造するとともに、その内側に導水路を設けて、農業、生活、工業用水等の取水に支障のないよう適切な措置を確実に講ぜられたい。」こういうぐあいに出ていますが、これについての対策はどうなっておりますか。
○小林参考人 銚子、波崎、東庄等の御指摘の要望書は私のほうへも参っておりまして、承知いたしております。現在手元に持っておりませんが、これに対しては波崎町の要望もございまして、公団から回答を出しております。大体の趣旨を申し上げますと、下流の影響に対しましては、先ほど申し上げましたように、上流のダムの操作によってなるべく支障のないような利根川全体の流量調整をはかっていく、渇水期における従来の塩害をむしろ緩和するような操作をやっていくというような基本的な考え方でございますが、やはり塩害の際には水門の操作によるわけでございますから、御指摘のような点は出てくるおそれがございます。そういったものにつきましては、現在沿岸の地下水の水質の調査とか、あるいは塩分濃度等の問題についていろいろ現地調査あるいは実験による調査等を土木試験所等に依頼して調査を進めておる状態でございます。したがいまして、そういう調査の後におきまして、補償として解決すべき問題は公団として誠意をもって解決してまいりたいと思っておるわけでございます。
○小川(三)委員 あなたのほうからすでに地元に回答が出ているとすれば、長い文章は省略しますが、2の利根河口ぜきによる被害の対応策として国の責任において整備すべきものと考えるという中で、金額国庫負担によって実施されたい、つまり漂砂防止の有効適切な手段、こういうことがあげられております。ところがいま利根川は渇水期なんです。そこで銚子河口から約三百メートルないし五百メートルの地帯は漂砂によって船の航行がすでに不可能な状態で、したがって遠方から魚群を発見して船に向かって出漁を要請しても、塩の状態によってでなければ船が出ることができないというのが一つ。それから帰る場合でも、いままではいわば船に満載して帰ってきたわけですけれども、ところがこの漂砂のためにスクリューの損害や船の被害が多いために、七〇%ないし八〇%までの漁獲で一〇〇%漁獲してはならぬというぐあいに漁業協同組合あたりで指導しておる。こういうような実情がすでに損害として起こっているわけであります。それがさらに、いまの現状のまま自然流況のままですらそうである、ところが今度それが上流でせきとめられた場合は、こういう被害がさらに多く起こってくるのではないか。こういう問題について、常に変化してやまないこの自然状況に対応して、あなたのほうでは地元に対して、お答えの中で、損害があれば補償しますということを言っている。それから土砂の埋塞つまり漂砂によって埋塞された場合にはしゅんせつします、こういうことを言っておりますが、いまかりに利根河口ぜきができたとして、いまのように三百メートルないし五百メートルの距離でこういう埋塞がすでに起こっている。それをあなたのほうでしゅんせつしてほしいと言われたら、水資源開発公団として、利根河口から三百メートルないし五百メートルのあの荒波の地帯をしゅんせつするようなしゅんせつ船の設備やそういう機能をお持ちになっておるのですか。
○小林参考人 先ほど申し上げました河口のしゅんせつの問題は河口ぜきの竣工後における問題でございまして、現在まだそういう機能は公団としては持っておりません。現在では波崎、銚子等において、それぞれ漁港関係の事業として建設を進めておられるように伺っておりますが、竣工後におけるしゅんせつの問題については、公団としても万全の準備を進めてまいりたいと思っております。
○小川(三)委員 そうしますと、かりに現状のような事態が利根河口ぜき完成後起こったとしたら、あなたのほうは直ちにこれらのしゅんせつ工事に責任を負われることになりますか。それはできますか。
○小林参考人 河口埋塞の問題は治水上としても重要な問題でございますから、これは公団の責任において処置すべき範囲と漁港政策として御措置になる国の問題と、両方相まった問題だと考えられますが、その点については私どももちょっと部外でございますので、直接申し上げるわけにいかないと思いますが、私見としてはそういうふうに考えております。
○小川(三)委員 ですから私が先ほど指摘したように、あなたのほうでは地元に行っての説明は、損害があれば補償はします、埋塞すればしゅんせつします、こう説明されている。けれども下流の漁民はそういうことを信用しておらない。埋塞されてからしゅんせつされても間に合わないのです。あそこは御承知のように、いますでに日本でも第二位の漁船の出入港なんです。したがってその漁船が漁港へ入ってくるために、途中で、満載してきた漁獲物を二〇%外へ捨てなければ入ってこられないような、いますでにそういう状態なんです。それをさらに上流の河口ぜきでとめておいた場合にさらに大きな被害が起こってきやしないかという大きな不安にさらされているわけです。したがってあなたのほうで埋塞が起こったらしゅんせつをするということでなくて、これはあなたのほうだけの問題じゃなく、建設省、海上保安庁、あらゆる機構が総動員でこの問題の解決に当たらなければならないはずなんです。あなたのほうだけで、しゅんせつします、損害があれば補償します——一体損害があれは補償しますというけれども、現に損害が起こっているわけです。もうあそこで船大工さんのつくっておった小さい漁船はすでに航行がとめられるというので、上流への遡上ができないために船の注文がとまっておる。あなたのほうではこれは間接被害であるから補償の対象にはならない、こういっているけれども、船大工の組合は何ともしょうがない、もう半年も発注がないのです。それで銚子市、波崎町、地方自治体に向って転業の道や、あるいは転業資金の借り入れの問題そういう問題を持ち込んでいくわけです。したがって地方自治体としては、銚子市にしても波崎町にしても、これらの処理に非常に困難をしている。 それから2の中で、ここに、「漂砂防止に有効な利根川導流堤の延長工事も併せて実施する等、漁港機能の維持に万全な対策を講じられたい。」こういう要望が出ている場合に、これは一体水資源開発公団の仕事としてこういう仕事をやられるんじゃないでしょう。農林省の水産庁や、あるいは建設省やそういうところと総合的な機能の上に総合的な立場に立ってあなたのほうから明確な回答を地元にしてもらわなかったら、地元はいつまでも不安な状態にさらされる、こういうことなんです。
○小林参考人 公団のほうから地元へお答え申し上げましたのは、公団でできる範囲のことをあくまで申し上げたわけでございまして、ただいま導流堤等の問題は、これはここに建設省の河川局長もおられますが、建設省あるいは水産庁等の今後の治水計画あるいは漁港政策等によってなされる面が非常に多いわけでございます。それで公団といたしましては、そういう問題については公団でできる範囲で実現するように国のほうへも働きかけてまいりたいというふうにお答え申し上げたわけでございます。
○古賀政府委員 ただいま導流堤のことについてお尋ねがありましたが、この点につきましては建設省としましても、治水対策上あるいは流水の正常な機能を維持するために実施してまいったところでございます。したがって導流堤の処置につきましては今後われわれとしてもそういった具体的な、平常状態に起こる問題につきましては解決するように努力していきたいというふうに考えますし、いま水資源公団でおっしゃっているのは、利根川の河口ぜきができた場合のあとの問題につきまして、さような不都合が生じた場合にはしゅせつを行なっていくということでございます。 それから一方、従来から河口につきましては埋塞とかいろんな問題があったわけでございまして、これらの問題につきましては、当然漁港管理者が、このしゅんせつあるいは船の出入を便ならしめるような措置をされるものと考えられまして、そういったものを十分調査して、今後の対策を関係各省と打ち合わせまして実施していきたいと考えております。
○森山委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○森山委員長 速記を始めて。 ————◇—————
○森山委員長 小川委員の質疑の途中でありますが、都合によりまして、この際、本日の請願日程全部を一括して議題といたします。 ただいま議題となりました各請願につきましては、請願文書表等により、委員各位もその内容を御承知のことと存じますが、先刻、理事会で御協議願った結果、本日の請願日程中第一ないし第四及び第六ないし第八の各請願は、いずれもその趣旨は適切妥当と認め、衆議院規則第百七十八条の規定によりまして、採択の上、内閣に送付すべきものであるとの結論を得ましたので、そのように決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、以上の各請願に関する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○森山委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してありますどおり十八件であります。御報告申し上げておきます。 ————◇—————
○森山委員長 再び河川に関する件について質疑を続行いたします。小川君。
○小川(三)委員 それでは、地元から出ている要望書について、あなたのほうでお答えになっているのは、文書で御回答されているのですか。
○小林参考人 茨城県を通じまして波崎のほうへ文書をもって回答いたしてあります。
○小川(三)委員 銚子及び東庄に対してはどういうことになっておりますか。
○小林参考人 波崎につきましては、波崎のほうからそういう回答の要請がありましたものですから、そちらへお出ししたわけでございます。東庄のほうへは現在のところまだ回答をいたしておりません。銚子も回答はまだ出してございません。
○小川(三)委員 地元の不安を解消するためにも、早急に文書をもって回答することができますか。
○小林参考人 文書によって回答するほうがいいようにも思いますものですから、至急に起案いたしまして御回答申し上げたいと思います。
○小川(三)委員 では、本委員会に、利根河口せきの建設に伴う農業用水等確保に関する陳情書が関東一都九県議会議長会及び神奈川県議会議長から出ておりますし、利根川に汐止め河口せき設置に伴う漁業被害に関する陳情書、こういうものが出ておりますが、この農業用水の確保の問題、これは上流、下流合わせて農業用水の問題ですが、現在、建設省及び企画庁の水資源局の調査の資料に基づいても、利根川水系からの農業用水取り入れ口が千七百十五カ所、二十一万町歩の農地を潤している。布川地点より下流だけでも二万五千町歩、最大使用量は一秒間三十六トンという計算が出ている。これは河川局の資料です。そのうち新たに工業用水が参加してきても、現在使っておる農業用水に支障がないかどうか、それを伺いたい。
○小林参考人 新しい水の需要に際しましては、上流のダムの建設あるいは河口ぜきによる調節等で生まれるわけでありまして、既得権益には支障がないように考えられております。
○小川(三)委員 利根川は、現在河川維持用水として、最低一秒間に五十トンの水を必要とする、いまでもこの維持用水には変化はありませんか。
○小林参考人 現在河口ぜきができるまでの状態では変化はございません。しかし必要でございましても、渇水期には現状ではこれを割る場合が非常にあるわけでございます。それを上流のダムの建設によって渇水期でも五十トンの流量が確保できるような調節をするというのが利根川全体の利水の総合計画になっておるわけでございます。
○小川(三)委員 それでは重ねて伺いますが、昭和二十七年から三十六年までの十年間最少流量を見ても、昭和二十七年六月二十三日で五十三・七〇秒トン、二十八年五月二十日で三十三・二三秒トン、二十九年八月二十日、三十六・九七、三十年六月二十九日で十四・三三、三十一年八月二十二日で十二・二九、三十二年四月六日で五十一・一五、三十三年七月二日で六・五三、三十四年八月七日で十五・六七、三十五年七月一日で二十二・九〇、三十六年六月二十三日で十二・九〇、こういう数字が出ています。これで見ると、五十秒トンをこえる数は昭和二十七年の六月と三十二年四月、十年間に二回しかない。あとは、ひどいのは三十三年七月二日のいわゆる大きなあの渇水時にはわずかに六・五三、こういう数字しかないのです。こういう数字しかないのに、五十秒トンの利根河川維持用水が必要であり、さらに二十秒トンの工業用水を取ろうとしても、どうしてこれは取り得るのか。
○小林参考人 現在のところ上流のダムがまだ完成いたしておりませんので、河川の流量は自然のままの状態で流れておるわけであります。したがいまして、そのためにこれを調節して、五十トンに確保するというために、上流のダムが目下建設されつつあるわけでございます。したがいまして、上流のダムの完成後には、通常の渇水の状態で五十トンを確保し、塩害を防除しようというのが従来の計画であります。
○小川(三)委員 あなたのほうでダムの水の問題に触れておりますが、建設省の第二次案では、昭和三十年現在、埼玉県の栗橋地点で農業用水、上水道、工業用水、河川維持用水などの必要量は百四十秒トンである。ところが、この水量を維持するには、年間一億二千五百四十万トンの水が不足するという計算になっている。あなたのほうは、いまあなたがお答えになられましたが、上流のダム群、すなわち藤原、相俣、薗原、矢木沢、品木という、これらのダム群の水の管理権は、一体だれがどこで管理するのですか。
○小川(三)委員 公団で目下建設中のダムが、矢木沢、下久保の二カ所ございます。またすでに建設省で建設いたしまして、目下建設省の直轄管理になっておりますものが藤原、相俣、それから最近竣工いたしました薗原とございます。それで公団の現在建設中のダムにつきましては、将来公団が管理してまいりますが、これには国のほうから管理方針が示されまして、また国のほうとしては、利根川の総合管理事務所というものを、すでに上流に設置いたしておりまして、ダム群の総合的なな操作についての指令が、本省あるいは地方建設局、総合管理事務所等を経て公団にもまいるわけであります。そういうようなルートによりまして、公団は公団のダムを操作してまいるということになるわけでございます。
○小川(三)委員 現に三十三年の日照りで非常に塩害が起こったときには、藤原ダムの放流の問題について紛糾が起こっているわけです。言いかえれば、上流の電力資本にとって、上流のダムの上にたたえられた水は、彼らにとっては札束にひとしいのです。一体彼らが、下流の農民が水がないといった場合に、唯々としてその水を、はいそうですかといって、簡単に流すかどうか。その点についてあなたのほうは電力資本に対しても強力に抑制するだけの立場をお持ちになっておるのかどうか。
○小林参考人 これは河川行政の問題であると存じますが、昭和三十三年当時、私も建設省におりまして、この緊急水位について措置いたしたわけでありますが、東京電力も直ちに快く協力してくれまして、発電に対する水をダムから放流したというわけでございます。当時特別なトラブルはございませんでしたし、効果も直ちにあがったと自分でも承知しております。 それから多目的ダムに関する発電の問題は、やはりダムの操作については発電との共同管理のようなかっこうにはなっておりますが、そういう全体の川の水の総合的な利用という面で緊急的な措置は水利使用の命令書等にも付されておると思いますが、そういう面で国のほうの河川行政としてスムーズに御措置されるものと私は解釈しております。
○古賀政府委員 ただいまの問題に関連いたしまして渇水時における水利使用の調整を行なうことができるようになっております。新河川法で明示されておりまして、河川管理者は、協議が整わない場合には、緊急に水利使用の調整を行なわなければ、公共の利益に重大な支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、水利使用の調整に関して必要なあっせんまたは調停を行なうことができる、ということになっておりまして、藤原ダムの放流につきましても建設省としましては、先ほどお話があったようにそのような場合にはさような措置をいたしたいと思います。
○小川(三)委員 あなたのほうでいまそういうぐあいにおっしゃられておりますが、いますでに利根川は渇水状態にある。その上で電力用水、農業用水、新たに工業用水、上水道用水までこの水をめぐって参加してくるわけです。その場合に、一番弱い立場に置かれている農民の用水の確保を私は心配しているから伺っておるわけです。電力用水や工業用水、工業資本家の京葉コンビナートのような工業地へ送る水でも、いまあなたは公共的な立場と言われたけれども、公共的な立場の中へ農業用水の比重をどういうぐあいにお考えになっておるか、それを伺っておきたい。
○古賀政府委員 渇水の場合に非常にお困りになる状態が起こるということはお説のとおりでありますが、その際どれを緊急調整の対象にするかはそのときの事態に即応して行なわれなければならぬと考えます。したがいまして、そういう緊急事態には農業用水が非常にお困りになるのか、あるいは工業用水が非常にお困りになるのか、上水道が非常にお困りになるのか、そのときの事態に即応しまして必要なところに水を供給していくということでございますが、農業用水につきましては非常に不特定多数の、たくさんの大衆の方がその生活の基盤とされておりますので、十分そういう問題を尊重しながらこの調整をはかっていくという考えにしております。
○小川(三)委員 最後に伺っておきますが、工業用水、電力用水と農業用水とを三つ対比した場合に、一番弱い立場にあるのはこの不特定多数の農民なんです。したがってその立場を十分にあなたのほうで考慮してやっていただかないと、この水をめぐる問題というのは、現在でも諸所で水をめぐって農地対農地の間でも起こっている。したがってそういう点に留意されたい。 新河川法では農業用水の水利権を従来どおり認める立場はとっております。三年間に水利権を登録させ、これを認めるが、新たに公共の利益のある水利権が申請されたら、前の、つまり農民の水利権を取り消すことができるということが新河川法にあります。その上、損害を払えばいいというような点がありますが、農民に損害を払えばいいというような問題でなく、農地に対する在来の先祖以来の水利権というものは存在しているわけなんですけれども、これは新河川法によって、別の立場から考慮されなければならない状態に置かれておりますから、これについて農業用水を、工業用水や電力用水に下回るような、弱いものはいじめられるというような状態でこの水の確保あるいは水利の監督をやってもらっては困るという点を私は伺っておきたい。
○古賀政府委員 農業用水の問題でございますが、この緊急調整の場合、農業用水を取り消して、その緊急な用水に充てて、その補償を払えばいいというようなお話でございますが、その点につきましてはその緊急の度合いがどうであるかというような問題になるかと思います。したがって、そういった事態が生ずるようなおそれがある場合には、十分事前からその調査をいたしまして、適切な処置をその事態において行なわなくちゅいかぬというふうに考えます。今後も多目的ダムにつきましては積極的に不特定用水の確保に邁進してまいりたいというふうに考えております。
○森山委員長 関連して、實川委員。
○實川委員 だいぶ時間が経過しましたので簡単に二、三点、小林さんに御質問いたします。 さっき小川委員の質問の中にございましたが、小型の木造船業者が、利根河口ぜきの問題が出ましてからほとんど発注がゼロ近くになっている、こういう実情について御存じになっておりますか。
○小林参考人 その点につきましては陳情書等で伺っております。
○實川委員 この前、当委員会の質問で、小林理事から、関係漁民あるいはその他に被害の問題等が出た場合は、最大限これに対して賠償その他の措置をとりたい、こういうことをおっしゃっておりますが、この木造船業者に対しては賠償の対象になるかならないか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
○小林参考人 この問題はついては目下公団の担当はおきまして研究中の問題でございます。陳情書では、最近こういう発注が非常に減って生活に困るから転業したい、転業に際して転業資金等を県であっせんしてもらいたいという県のほうへの御要望もあるようでございますが、公団に対しましては見舞い金を出してくれないかというような内容のものでございます。補償の範囲の問題につきましては非常に困難な問題がございますが、この現在の発注が非常に減ったといういろいろな周囲の客観情勢等、河口ぜきとの直接因果関係等について目下建設事務所を中心にいたしまして調査を進めておるような状態でございまして、ただいま直ちにこれに対して補償するかしないかというお答えが現在の状態ではできないわけでございます。お許しいただきたいと思います。
○實川委員 そこが実は問題なんで、目下調査中だということであなたのほうではのんびりかまえていらっしゃいますが、当事者の業者にとってはもうきょうあすの生活の問題なんです。大体あそこの木造船業者というのは数にしても五、六軒しかありませんし、ほとんどそれだけが唯一の生活の方途でございまして、ほかに生活の道がないわけです。それがすでに発注がなくて生活に困っている、転業もできない、その商売で食べられないという死活の状態に追い込まれているわけです。したがって、現在調査中だからということでこの場合時間を延ばされては当事者が困るわけです。特に間接的な被害であるから補償はできないという御見解もあるやに聞いておりますけれども、私はほかにこの木造船業者が発注が減った理由というものは何もないと思うのです。利根河口ぜきの問題以外何もない。したがって、これは公団側で早急に補償を考えるべきじゃないか。ほかに救済策がないとは考えておりませんが、少なくとも直接の被害者として補償を与えるべきじゃないか。この木造船業者がほかの理由から生活が困難になったというような事情は何もないのじゃないか。あくまでも河口ぜきの問題が唯一の事由なんだ。したがってこれは公団で補償すべき性質のものじゃないかと思いますが、その点どうですか。
○小林参考人 この陳情書につきましては十日ばかり前に地元からお届けいただいたわけでございまして、まだ問題が出ましてから日が浅いものでございますから調査中と申し上げたわけでございますが、問題はやはり河口ぜきとの直接の関係、あるいはほかにこういうような事業で補償した例があるかというような点についても調べようと思っておるわけでございます。用地担当のほうで現在調査を進めておる次第でございます。
○實川委員 大体その調査はいつごろ完了する予定ですか。
○小林参考人 私の担当でございませんものですから、ここで実は申し上げにくいことでございますが、後ほどまた調べて御連絡申し上げたいと思います。
○實川委員 直接の補償の対象にならないと仮定した場合に、何か別に救済策はお考えになっておりますか。
○小林参考人 よその例で見ますと、そういう間接的な補償について県のほうで補償を——県が肩がわりして見舞い金を出したというような例はほかにあるようでございますが、地元のほうの御要望は、県に対して転業資金を貸してくれ、公団には見舞い金を出せというような御意向のようでございますが、場合によっては県のほうでかなりの措置ができるのではないかというふうにも考えられます。県にもよく打ち合わせて善処したいと思っております。
○實川委員 県のほうに一切肩がわりして逃げられてしまったのでは話にならないのですが、県とこの問題について具体的に折衝されたことがあるのですか。
○小林参考人 直接の担当でございませんものですから、その辺は私もわかりませんが、用地担当のほうでそういう作業を進めておる、連絡をとっておるかと思いますが、よく調べまして、お答えをいたしたいと思います。
○實川委員 それじゃひとつなるべく早く調査を完了いたしまして、あなたが直接の担当者でなければ、その方面の担当者に十分連絡をとっていただきたい。いずれまた別の機会に催促に伺いますから、ひとつよろしくお願いします。 これで終わります。 ————◇—————
○森山委員長 次に道路に関する件について調査を進めます。 この際、本件調査のため日本道路公団理事内田聖君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、参考人からの意見聴取は質疑応答の形式で行ないたいと思いますので、御了承願います。 ————◇—————
○森山委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。井谷正吉君。
○井谷委員 時間がありませんから、簡単に要点だけ御質問を申し上げたいと思います。 御承知のように、去る六日に四国九州のフェリーボートの問題が非常に混乱しておりますので、関係者に参考人として出ていただいて意見を聞いたわけであります。私どもがなぜこの問題を重視するかというと、これは九州と四国の開発の一大動脈となる路線に関連をいたしますから、われわれは非常にこれを重要視しておるわけなんです。ところがこの問題が大分県、愛媛県あるいは政府当局等の意思の統一がなかなかできないで、時日を遷延しておりますので、私どもとしても何とかしてこれを軌道に乗せたいということからいろいろ工作をいたしております。その参考として先般おいでを願ったのでありますが、その中で私、二、三公団にお伺いをいたしたいことがあるわけです。 それは豊予商船の代表取締役である田中健之助氏の話によりますと、もうすでにこれは豊予商船にきまっているような言い方でありますし、さらにこれのきまる過程として、豊予商船がいろいろな計画を立てていたのを、公団からお話がありましたから、それでしぶしぶ、不満ではあったけれども、民間と公団の半々でやることを了承した、こういうような言い方をせられたわけであります。私の知っておる範囲では、これは最初公団がおやりになるといううわさを聞いておりましたし、さらに明治十八年から八十年近く豊後水道の開拓のためにこの航路で運航に従事しておりました宇和島運輸会社も、公団がおやりになるということで、過去のそうした経験によるいろいろな資料を公団に提供して、御協力を申し上げてきたのであるが、これが民間ということになれば、当然自分の会社がこの中に御選定然になる資格があるというような言い方なのであります。なるほどこの会社は戦時中持ち船の三分の二を徴用されて沈没をいたしまして、非常な犠牲を払っているが、国家補償も受けておりません。しかもこれは宇和島を起点として八幡浜、大分、別府、定期の直通便をやっておるのでありますから、この航路ができると一番影響を受けるのはこの会社なのであります。でありますから、公団がおやりになると思って、それも顧みず御協力を申し上げたのであるが、民間参加となれば自分の会社を度外視せられるということについて非常な不満を持っておるわけであり戻す。そこで豊予商船の申しますように、当初すでに豊予商船がこの認可の申請をしないうちにそういうお話し合いがあったものであるかどうかということ。もう一つは、これは運輸省のことであると思いますけれども、大体豊予商船というのはここに航路権を持っていなかったのであります。青木繁吉という人が持っておった機帆船、これも経営不振で一年有半やめていた、それを譲り受けて名前を変えた、こういうような経路のように聞いておるのでございますが、公団としてはそういう基礎薄弱な会社に、過去のそうした実績を持って奮闘しておるそういう会社を犠牲にしてまで豊予商船にやらねばならないというお考えになっておるのかどうか、またそういう根拠はどこにあるのか、こういうことを承りたいと思いまして、御迷惑を願った次第であります。
○内田参考人 実は九四フェリーにつきましては、三十九年度の予算要求に際しまして、公団がずっと従来調査してまいりましたものですから、公団が運営するという形で一応予算要求をいたしたわけでございます。しかしこれにつきましてはいろいろな関係もあったことでございますけれども、これは大蔵省のほうともまだ話し合いがつかず、認められてはおらなかったわけであります。そういった形で三十九年度に入ったわけでございます。三十九年度に入りましてから、これは公団一本ということではなくて、民間と公団と提携してやっていくといいますか、両者がフィフティ・フィフテイの立場でやっていったらどうかというような方針も政府のほうから打ち出されたものですから、公団といたしましては、その方針に従いまして、あらためて民間と公団とが提携してやっていくという方法を考えたわけでございます。ただし民営の場合には純粋の民間企業でございますし、公団の事業としましては一種の政府機関の事業でございまして、事業の形態そのものにいろいろな問題があり、民営の場合と違った立場をとらざるを得ないということがございまして、はたして民間と公団の経営とがうまく提携してやっていけるものかどうかということがまず前提条件になる。それにつきまして、具体的にこれはどういう協定になっていくかということを相談してみなければ、これがはたしていくものかどうかということは結論がつかないことだと思っております。そこでたまたまその当時具体的な対象として選びましたのが豊予商船でございます。たまたま豊予商船というものが、ちょうど公団が考えておりました三崎——佐賀関の航路権を持っておったわけであります。そのほか宇和島運輸会社と九四フェリーという会社がございましたけれども、完全に公団が考えておる航路の三崎——佐賀関とたまたま一致しておったのが豊予商船というようなことでありました。そこで一応民間としての相手方は豊予商船ということを想定いたしまして、具体的な協定がはたしていくものかどうかということについては、やはり具体的な対象を選んで話し合ってみなければならない、そういった意味から豊予商船を選んで話し合いを進めたわけです。しかし私たちの考えでは、一方において公団さることでございますけれども、豊予商船がはたして実際に公団との提携でやっていける相手方になり得るかどうかということについては、一方においては海上運送法に基づきまして運輸省の航路認可の手続をとらなくちゃいけない。私どものほうとしてはかりに豊予商船が運輸省の海上運送法の認可の際に免許にならなければこれは提携もできないことでございますし、そういったことについては海上運送法の免許の裁定というものが、これは相手方が民間という相手方を限定する一つの手段になるんだ、そういうふうに考えておったわけです。そこで一応は豊予商船というものを対象にして、はたして提携してやっていけるかどうかという話し合いを進めてまいった。公団としてはこれは明らかに豊予商船以外とはどうだというような、そういったはっきりとした考え方は持っておりませんでした。
○井谷委員 豊予商船が三崎——佐賀関の航路権を持っておるから適任であるといって御想定になったというが、宇和島運輸も、起点は宇和島ですけれども航路は同じなんですよ、豊予商船と。しかも豊予商船は動いていない。あの繁久丸というのはこれは行方不明になっている。しかもこの間田中さんの話によりますと、私がお問いしたお答えによると、持ち主である青木繁吉から譲り受けた。譲り受けたのならどれだけの金を出したかといえば、これは将来資本金を三億円ほどに増すからそのときに相応の株を渡すという意味のお答えがあった。これはわれわれからいえば架空の会社で、実際に動いていないのですよ。そういうものを御選定になったということは私は非常に不可解に思うのであります。認可するしないはこれは運輸省のことでありましょうけれども、天下の公団ともあろうものがそういう夢のような会社に何がゆえに御選定になったか。豊後水道の航路のことであるならば、従来どういう会社が航行しておるか。いまの宇和島運輸会社は資本金は一億五千万円ほどと思いますが、豊予商船は三千万円である。バックはそれは佐伯さんというりっぱな名前があるかもしれないけれども、これから一仕事やろうというこれからの夢の計画と、今日まで戦争のために大きな犠牲を払って、それも泣く泣くこらえて一生懸命やっておりますけれども、そういう会社を全然無視して御想定になったということは私はきれいな意味において受け取れない。それについてもう一ぺん伺いたいと思います。
○内田参考人 実はただいまの豊予商船が公団の考えておりました三崎−佐賀関間と同一の船路権を持っておった、これもまた一つの理由になると思うので申し上げたのですけれども、実は宇和島運輸も九四フェリー両社それぞれあの間についての航路権を持っておるわけでございます。ただいま申し上げた三崎−佐賀関というふうな両方の限定された区域では一致しておったのがあの豊予商船。それからもう一つは豊予商船が、いまお話のありましたように実際には運航していなかったというようなことも聞いております。ただ、これはこの前から話がいろいろ出ておりますけれども、青木石油から権利譲渡を受けまして三十八年の暮れにほんとうに設立された会社でもあるし、そういった会社であることと、もう一つは、先ほど申し上げましたように、これは相手がどういう会社になるにしろ民間と公団とがフィフティ・フィフティでいくという方針をはっきり出されているものですから、それに対する具体的な裏づけをとるにはどうしても具体的な対象を選ばなくてはならない。そういったことから豊予商船というものを一つの対象に選んだわけです。もちろんこれは公団が独自に選んだというわけでもございませんで、建設省当局の御了解のもとに一応の対象として選んだわけであります。 結論的に申し上げますと、最終的に海上運送法に基づく免許という一連の手続が必要でございますが、そういったことで、相手方としての会社が適格であるか不適格であるかという判断は当然この免許の際に下されるものだと考えておったわけであります。
○井谷委員 もう一つ、いまのたまたま豊予の持っておる航路が一致しているという話でございますけれども、青木の航路というものは八幡浜が起点、宇和島運輸は宇和島が起点、そして宇和島運輸はやはり佐賀関に着けておったのです。現在は着けておりません。しかしこれは当時の旅客の状況によって航路変更ということは常にやっているのです。お客が多ければ着ける、少なければそこは寄らない、こういうことは会社の運営として当然やっておることで、いま豊予がその航路を持っておってもやっているというわけではない。さらにまた宇和島運輸が八幡浜から臼杵までのフェリの認可を得て、たしかこの九月には七百五十トン程度の進水ができて就航するようになっておりますけれども、これは三崎−佐賀関間を道路公団がおやりになると思ってやったので、あれが自分のほうにやられたらこれはやりませんよ。さらにまた豊予に御認可になったといたしましても、実際毎日定期航路を出している宇和島運輸の受ける被害は実に甚大であります。そういう犠牲を払わしてまでも架空の——私から言えば架究でありますが、そういうものに御想定になった、こういうことは私はやはり納得がいかないわけであります。それはそれでいいです。 次に申し上げたいのは、これはいつまでもこういうことを繰り返しておっては片がつきませんので、私どもいろいろ苦心をしております。大分県の知事も六日に参考人として出られて従来の立場を強硬に主張せられたのでありますが、私は大分県の知事の言ったことは間違っていないと思いますけれども、今日の段階では大分県知事の最初からの主張のとおりにはいかないだろうと思って個人的にも木下さんにも会い、いろいろ努力をしておるのでありますが、いま大分県知事としてはここまで譲歩しておるわけです。「最近公団と愛媛・大分両県との二本建て案の発意があったとのことを新聞紙上にて承知しましたが、大分県としてもこの新案による早期解決については、原則的に異議ありませんので、早期解決のため十分協力する用意あることを申し添えます。」ここで一歩退却をしておられるわけです。なぜ大分県知事がそういうことを言うかというと、河野さんのおやめになる前に、両県の県営でやるのだったら民営にこだわらないという御意思を述べられた。ここまで話が煮詰まってきたと思うのですけれども、私は、やはりこれは早急に解決しないと大分県が予算の返上を、公団からお示しになった案に対する拒否の態度をとっておりまするので、早くこれは片をつけないといけない、こういうふうに考えておりまするから、きょうは公団としての御意見を承りたいと思って御足労を願ったわけであります。私はもまそうと思っておるわけではない。何とかこれは話をつけなければならないという努力をしておることを御了承願いたいと思います。
○稲富委員 関連質問。 ただいまのフェリの問題につきまして、関連いたしまして、非常に重大でありますので、二、三、公団側にお尋ねいたしたいと思います。 先刻のお話によりましても、民間と公団とがフィフティ・フィフティでやっていくという将来の経営に対しても、いろいろ公団にも問題があると思うのでございますが、そういうことがたやすくいける、こういうような見込みをされているかどうかということ。さらに、本来から言うと、公団としては公団独自でやりたいという意思が十分おありになったんじゃないかと思いますが、先刻からのお話のようにフィフティ・フィフティになった。これは政府のそういうような勧告でございますか、勧誘でございますかそういう点があったということを先刻おっしゃっておられますが、どの点からそういう勧告が政府のほうから公団に対して行なわれたか、この点は非常に重大な点でございますので、まずこの点について承っておきたいと思います。
○内田参考人 最初のほうの御質問に、民間との提携がたやすくいけるかどうかというようなお話だったと思いますが、これにつきましては、必ずしもたやすくとは考えられませんが、問題は企業の本質的な問題があるかとは思いますが、しかし、だんだん詰めていきました結果は、一番問題になりましたのは、第一に、兼用工作物といいますか、岸壁施設を両者で兼用していこうという考え方でございます。兼用工作物という考え方でございまして、これにつきましてどういうふうな扱いをするかというふうなことを、本質的な問題もあるかと思いますが、だんだん煮詰めてまいりましたら、これははっきりとした解釈が出てくる。しかも、いやしくも提携してやるのならばそれぞれ特自の経営ではございますけれども、それぞれの船の大きさとかそういった運航回数というふうなことで両者の調整をはかっていかなければならない。それから、その次には料金の問題です。料金も別々の料金というわけにもいかない。そういったことについても同じような考え方でいかなければならないと思うわけで、私たち、ずっと具体的な折衝をしてまいりました結果は、結論的にはこれはもうだいじょうぶ、両者で提携してやっていけるという結論になったものですから、事業として取り上げて協議をしたわけでございます。県当局と協議をしたわけでございます。ただ、まあ同じ料金にしても、両者の考え方のペースには何がしかの相違があるはずでございますが、民営企業として考えた場合、料金の考え方のペースですね、公団の考えたベースというものが何がしかの出発点の相違があるかと思います。そういったことが非常に問題だと思って折衝しておったわけでございます。まあ最終的な給証といたしましては、たやすくとは申し上げられませんけれども、だいじょうぶ、提携してやっていけるという結論に到達したわけでございます。 それからもう一つの、これは公団独自でやるというような考え方があったのかといまおっしゃいましたが、これはもちろん、かねてからフェリについては愛媛県、大分県当局からの強い要望もございましたから、それを受けて立ちまして、公団もずっと数年来調査を重ねてきました。もちろんその前提は、できるものならば公団でやろうかという考えで進めてまいったのでございます。しかし、公団全体から見ますと、要望される道路とかその他の案件がたくさんございまして、その中でどういうふうにこれが日の目を見てくるかということはなかなかむずかしいところでございます。そういったところではございましたけれども、そのほうは三十九年度には一応予算要求という形で出たわけでございます。その間に、当時の建設大臣のいろいろな御意向もございまして、民営企業というような話も出たわけでございますが、それは結局事務的には大蔵省で認められなかったという話でございます。
○稲富委員 もう一点。公団としては大体公団独自のことをやりたいというのが大体の希望であった。ところが、政府建設省の関係からフィフィティ・フィフティで民間側と共同でやれ、こういうような意思が非常に強いから、そういうほうに大体は傾いているのだ、これが経過だと思うのでございますが、ところが、この認可権を持っているのは、これはもちろん運輸省ではありますが、先般運輸大臣は——今度中村運輸大臣が大臣になって、この問題に対しては民間に認可することが妥当だと思う、さらに、公団からはまだ申請がないから公団にはやらせないのだということをはっきり新聞に語っております。運輸大臣はきょうは来ておりませんが、そういうことをはっきり新聞に語っているのです。その点からしますると、公団は公団としてやりたかったしだけれども、政府からフィフティ・フィフティの共同でやったらどうかということがあるからそういうことで進んでいる。こういうような経過にもかかわらず、認可権をもっている運輸大臣は、すでに新聞記者に対する発表において、民間が経営することが妥当である、しかも公団から申請がないのだ、それだから民間にやらせるのだ、こういうことを言っているのでありますが、これは、認可権を持っている運輸省がそういうふうな傾向があるということを御存じでありますか。
○内田参考人 公団は公団としてやりたかったということにつきましては、これはいろいろな面から考えなければいかぬことだと考えますけれども、少なくとも当初は公団でやるといいますかやる、そういった前提で調査を進めてまいりました。しかし、それが本質的に事業化されるかどうかということは、この条件にはいろいろな関連もございまして、非常にむずかしい情勢ではあったわけであります。そこへもってきまして、これをはっきりと具体化させる方法として、いまのような両者の提携というような案も出されたかと思っております。それ以上のことは私のほうでお答えを申し上げるわけにはまいらないのでございます。
○稲富委員 まう一点あるのです。この点、公団に特に申請し上げたいと思いますのは、この認可の問題はいろいろ問題があるのです。時間がかかりますから、詳しいことは申し上げませんけれども、あるいは先刻井谷委員から言われました豊予商船の買収の問題、その他いろいろな問題錯綜しております。ところが、今日において、公団は認可になっていないから民間にやらせるのだという政府の意思表示、これは非常に大きな問題ではないかと思う。公団がやりたいと思ったけれども、そういうことがあったがゆえに公団は申請していない、申請していないから公団にやらせない、こういうような見解を政府が持っていらっしゃるということは非常に問題があるので、私はいろいろな内情を調査しておりますので、いずれ機会がありましたら、いろいろ具体的に問題になりましたら、またその問題に対する経過等はお聞きしたいと思いますけれども、そういう点があるので、ほんとうに公団はやる意思があったかなかったか、こういう点を聞きますために私はお尋ねしたのであります。その点は、公団のほうでも、いまの政府のその意見については釈然としない点がおそらくあるだろうと思いますが、この点のいきさつ等を十分御存じになっているかどうか。先刻井谷委員が言っておりました豊象商船の買収問題、そういう点のいきさつを御存じになっているか。こういう点を念のために聞いておけば何かの参考になると思います。
○内田参考人 ちょっと先ほどことばが足りませんでしたけれども、これが事業化されるまでには、フェリの場合には二つの手続がございまして、一つは、道路措置法に基づきまして建設大声の認可を必要とする。それからもう一つは海上運送法に基づく航路権の免許を受けなければならない。両方ございまして、私のほうの事務的な進め方としましては、一番先に前提になるのは、これが予算化できるかどうか、予算化できないものを手続をとるわけにはいかない。まずそれが前提でございまして、その次に、これに措置法に基づいた手続によりますれば、当該の県当局の同意を得て、事業認可の申請をするという形になっております。私のほうでは両県に照会をいたしまして、両県からの回答をいただいたわけであります。海上運送法に基づく航路認可につきましては、両県からの回答を得て、建設大臣に、そういった各般の準備が整ったところで認可申請をいたします。その認可申請とほぼ並行して海上運送法の手続もとろうという考えでございまして、結局結論として一番前提になるのは、これが予算化でき得るかできないかということで、その後の手続がずっと続いていくというふうに考えております。
○稲富委員 そうしますと、公団のほうから申請が出てないから認可しないのだ、こういう運輸大臣の意思発表は、まだそういうことは非常に軽々しい、こういう結論になるわけなんですね。
○内田参考人 軽々しいかどうかわかりませんけれども、やはり海上運送法の認可と、建設大臣の認可、それから予算化というものがうまく相まっていかなくちゃいけない。したがって、海上運送法の認可だけを先に出すわけにはいかない。
○井谷委員 もう時間がないから三分間、最後の締めくくりでありますが、いま稲富委員からお話がありました、公団が最初や意思があったのかなかったのかということで、これは前の委員会でも私申し上げたのですが、あれは福岡の公団の支所の方、あるいはこちらからも行かれたか、これは存じませんけれども、八幡浜の駅の駅長室で新聞記者を集めて、公団がやるのだ、予算もついた、船も何トンの船を建造するのだという具体的な御説明がありまして、それでみんなは公団がやるものだ、頭の中にこれが大部分を占めておるわけなんです。これはちょっと御参考までに申し上げます。 それから、次に青木繁吉の繁久丸の問題ですが、これは公団に御参考までに申し上げます。これは運輸省の問題ですが、青木という人は一筋なわでいく人じゃありません。しかも豊予が契約不履行ということできょう来ますが、これは会社成立の基本をゆるがす大きな問題が起きてくると私は思います。これは非常に訴訟にたけた人でありますから、やはりそういう計画があるように聞いておるし、もうすでにやられておるかもわかりませんけれども、これはそう簡単にいかない相手で、豊予商船がそういう状況にあるということを御参考に申し上げまして、私の質問を終ります。
○森山委員長 本日はこれにて散会いたします。 なお、次会は明十二日木曜日午前十時理事会、午前三時三十分から委員会を開会いたします。 午後零時五十四分散会