運輸委員会 第4号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/08/12
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 航空に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。田邉國男君。
○田邉委員 本日の委員会は、特に委員長にお願いをいたしまして、日米航空協定の会議が現在日本で行なわれておりますが、われわれ国会におきましては、さきに委員会及び国会の決議をもって、この航空協定の改定について日本政府の重大なる決意を促して、今日までまいっておるわけでございますが、きょうの新聞紙上で拝見するところによると、まことに遺憾の点が多々あるやに思うわけでございます。そこできょうは運輸大臣の御出席をいただいたわけでございますが、一体今回の航空協定の改定につきまして、政府の心がまえと申しますか、この新聞紙上に伝わるところによりますと、アメリカの要望というものが日本のニューヨーク・ビヨンド、これを認めるからには、それに対する逆提案、十数項目にわたって日本に対する要請といいますか要求があるやに聞いております。私どもは、その点につきまして政府は重大なる決意をもって臨んでおられると思うわけでございますが、その点につきまして前回の委員会におきましても、大臣にその所信を伺ったわけでございます。この会議の最中に詳細にわたっての大臣の——外交上の問題もございますので、それに影響するところもあると思いますが、しかしわれわれ国民が重大な関心を持ち、なおかつ、われわれ国会において非常な強い態度をもって臨んでおるわけでございますから、大臣に悔いを千載に残すような会議のまとめ方をしていただいては困る、そういう意味で私は本日重ねてひとつ大臣の所信を伺いたい。
○中村(寅)国務大臣 私は、日米航空協定の改定に対する日本のほうの態度といいますか、姿勢とか要求の中に二つの大きな柱があると思います。一つは、東京、ニューヨーク以遠、欧州を回って東京に帰ってくる完全な世界一周路線の確保と、同時にこれに携わる国内企業が安定をしていくということと、将来の発展を続け得る点の体制の確保ということが一点と、もう一つは、不平等の航空協定を平等な線に是正するというこの二つの柱があると思っております。これが基本的な柱だと私は思います。それを通すための私のほうの、日本政府の決心というのですか覚悟というものは、国会の皆さん方の決議の趣旨を体しまして目的を達するという考え方でございます。
○田邉委員 大臣の非常にき然たる御決意には私ども敬意を表するわけでござます。ただ私が心配をいたしておりますことは、いま大臣が申されましたように、二つの目標がある。その一つは、世界一周の問題、もう一つは不平等の是正である、こういうお話でございますが、私どもが国会でニューヨーク・ビヨンド世界一周を強く要望しておるというその根底というものは、現在の航空協定が非常に不平等である。だから、これを根本的に是正をしてもらいたい。その表現といたしましては、われわれが最も要望をしておるいわゆるニューヨーク・ビヨンド、世界一周という一点に帰一して要望を出しておるわけでござます。しかしその内容というものは、国会の決議において長谷川委員長が詳細に不平等の点を指摘しておりますとおり、いろいろ問題点がたくさんあるわけでございます。ただそれをニューヨーク・ビヨンド、世界一周の路線を獲得しなければならぬという一点にしぼっておりますので、ニューヨーク・ビヨンド、これが日本の最終の目標である、だからこれさえ通せば、あとの問題は相当のんでもいいのだということが、もしこの航空協定の改定の衝に当たっておる政府代表の頭の中にそういう流れがあったと仮定したならば、新聞でうわさされておる十三項目のうち大部分をのんでも、ニューヨーク・ビヨンドが通ればいいのだという考え方に立って交渉したならば、これはもう日本は百年の悔いを残すことになる。そういう意味におきまして、今回の航空協定の改定の会議というものは、重大な決意でおやりになっていただきたい。 それがいわゆる不平等是正の根本につながるものでございますが、私どもが不平等だといっておりますのは、もう大臣も十分御承知なんでございますが、この航空協定のいわゆる成立当時の歴史的背景という、根本に問題がある。それはサンフランシスコ平和条約の十三条に、既存の権益は認めるのだ、そしてそれを四年間そのまま据え置かせるのだ、しかも航空協定はすぐ協定を結べということが平和条約の中に書いてあります。その後において、昭和二十七年のこの条約ができて以来、改定はわずかに三十三年にロスまでの権利をとった、これ以外に何らないのです。ですから私どもとしては、非常な不平等というものがますますその格差を拡大するような要望がアメリカから出ておる、これについては全面的に政府においてはこれを否決していくという決意がなければだめだということを申し上げたいのでござます。 そこでいまこの航空協定の政府代表として出ておられる航空局長は、よほど強い決意を持って臨んでいただくのだけれども、私どもの察するところでは、現在の航空協定というもの、このワクの中で問題を進めていこうという考え方があったら、これはたいへんなことになる、こういうことを政府代表の人たちに十分認識をしていただきたいのでございます。というのは、従来の航空協定というものが不平等であるのだ、不平等であるものを一応是認をしておきながら、その中で議論をしていったならば、決して不平等の是正はあり得ない。ですから、政府の代表が航空協定のワクの中で協議をするというような考え方がもしあると仮定するならば、この考え方というものは根本的にひとつ是正をしていただきたい。いまこの協定改定の会議の最中でございますから、われわれは代表に詳細な問題について質疑応答をしようとは考えておりません。ただわれわれ国会が決議をしておるその上の問題点というものを皆さんが交渉にあたってほんとうにからだの中、はだに感じて交渉なさらないと、重大な損失を国家に与えることになる、そういう点において、われわれはきょう閉会中にもかかわらずこうやって委員会を開いて、そうして政府の当局に強く要請をしておるわけでございます。 さらに私はお願いしたいのですが、いま事後承認制という問題があります。これは秘密合意議事録という形になって出ておるわけでございますが、伝え聞くところによりますと、アメリカはこれを表に出して明文化してくれという問題が出ておる。私はこの内容についてはとやかく申しません。しかし私どもの知る範囲においては、この秘密合意議事録の内容というものは事後承認制、こういう制度をとっておる。これはアメリカという国が、たとえば他国と航空協定を結ぶ場合において、日本もこういうような事後承認制をとっておるのだ、だから君の国もどうだということで実は航空協定を順次改定をしていこうという下心がある。同時に、新しく航空協定を結ぶ場合にはそういう形でやっていこう。日本が一つの試験台になっていると解釈して間違いないと私は思います。ところが日本が現在航空協定を結んでいる国の中で、フランスでもイタリアでも英国でも、みな事前協議という形をとっておる。ですから、この事後承認制というものは附表の中にも入っておらぬのだ。これはたまたま昭和三十三年の、ロスの路線を確保するために日本がやむなく譲歩した一つの事項だと私は思う。いわゆる紳士協定だと思うけれども、アメリカが現在非常な強い要求を十数項目出しておるといっておりますが、その根本は、この事項というものを表に出してこれを明文化していこうという私はねらいがあると思う。そこで私は、附表にもないものを、この際約束を取り消すという決意が政府にあっていいんじゃないかと思う。どういうふうに会議で皆さんが進めるかということについて、ここで私は答弁を求めようとは考えておりません。しかしわれわれ国会の決議というものの背景には、こういうものを直してくれという叫びがニューヨーク・ビヨンドという形で出ておるのだということを御認識をしていただきたい。そして交渉にあたっては、やはり日本の正しい要求というものを通していただきたい。それが国会の総意であり、国民の真の声だと私は思う。そういうことをひとつ理解してこの協定の会議に重大な決意をもって臨んでいただきたい、こう考えるわけでございます。 いま問題になっております、たとえば航空協定の破棄をも辞さない決意をもってというこの破棄の問題についても、いろいろの議論がございます。私どもはきょうここで破棄論の云々を言うべきではないと思う。しかしながらこの事後承認制の問題にいたしましても、航空協定の附表の問題にいたしましても、非常に問題点が多い。ですから政府が、附表もこれは航空協定の協議の中に入っているのだ、それで今回の改定の中ではこの附表の問題もわれわれは云々できないのだという考え方に立っておったら、えらいことになる。附表についても事後承認制についても、こういうものをどんどん是正をしていくという決意に立って、私は航空協定の改定に当たっていただきたい。これを私どもは強くお願いをするわけでございます。あと各委員のそれぞれの立場において強い要望があると思いますので、私は最も大事な問題の一、二点をあげまして、大臣及び交渉の衝に当たる政府各位に、ひとつき然たる態度でわれわれの考えておる点を十分理解の上で交渉に当たっていただきたいことを要望いたしまして、私の要望を終わる次第であります。
○佐藤説明員 お話のように、本年五月十三日の本院の御決議の中に「政府に対し日米航空協定の改定に当たっては、協定の廃棄をも辞せずという堅い決意をもって不平等を是正し、正しい日米友好関係を確立するよう強く要望する。」という御趣旨の御決議があるわけでございまして、これをわれわれとしても体して、お話のありました内容全般にわたって現在交渉中でございますので、詳細に申し上げる自由を持ちませんが、十分お話の趣旨を体して交渉に当たりたいと考えておる次第でございます。
○關谷委員 関連して。ただいま田邉委員が御質問なりあるいは要望を申し上げておりましたことに関連いたしまして、一、二点だけ申し上げてみたいと思います。 この間の毎日新聞に、大臣の談が用ておりました。そして私たち、ちょうど大臣欠席をしておられましたけれども、大臣があの記事に書いてあるようなことを発言せられたのであったならばたいへんなことである、日米航空協定をこれから進める上について非常に不利であるということから、いろいろここで議論をいたしたのでありましたが、あとで政務次官から大臣にあのときの模様をお伝えをし、さらに大臣からお話があったということを政務次官から私のほうへ通知をしてまいりましたのには、あのようなことを一切言うておらないということでありますので、私たちは安心をいたしたのでありますが、この航空協定をこれからまとめ上げますまでにまだ相当な日数を要すると思いますが、その間におきます新聞記者会見等におきましての御発言は、よほど御注意を願いませんことには、非常な誤解を招く、そのために日本側にとって非常に不利なことになるおそれがありますので、この点、もうこの上申し上げる必要はないとは思いますが、御注意を願いたいと思います。 それから、いろいろ私たちが代表団といたしましての航空局長あたりのお話を伺っておりますと、どうも現行協定のワクに立ってというふうな気持ちがあるために、自然にアメリカのペースに巻き込まれておるというふうな感じを受けます。日本の役人は、役人になってから法律に基づいて行動するというようなことで、絶えず法律ということを頭に置いておりますために、ともいたしますと法律に縛られるということが多いので、この航空協定を議論する上におきましても、いままでの協定にとらわれてしまって、自然にそのほうへ引き込まれていく。この航空協定が不平等でこれを直さなければならないんだということでありますので、大所高所からながめて、ここが不平等だ、それでこうしろああしろという議論に発展をしなければなりませんのに、大所高所からこの航空協定をながめて、山の上から森をながめておるような態度になればいいのでありますが、その森の中に入り込んでしまって議論をするということになりますので、結局森の姿を見失うということになってしまうのではないか、こういうふうな気持ちがしてなりません。この点私は、今度はこの協定を改定をしなければならないのだ、この気持ちに立って、そして大所高所から議論を進めていって、森の中へ引き込まれないようにしてもらいたい。この点はくれぐれも航空局長に私はお願いを申し上げておきたいと思います。この点は、大臣は官僚出身ではないので、その点からいきますと、世間を苦労して渡られておりますので、大所高所からものをながめる習慣がついておられるはずでありますので、よく指揮をして、間違いのないようにしていただきたいと思います。 それと、大臣が先ほどニューヨーク乗り入れ、ビヨンド、それと同時に、不平等を是正するのだということでありましたが、いま向うは、航空協定の中で日本が持っておる権利を削れというようなことを言うておるのでありますので、こちらも相手の持っておるものを削れということも言って差しつかえないはずであります。したがいまして、むずかしいことを言う場合には、東京からの以遠権は削るというふうなことも私は議題に出して差しつかえないのではないかという気持ちもいたします。もとよりそのぐらいのことは万々御承知だということを言われるかもわかりませんが、そのぐらいな気持ちを持っておりませんと、この航空協定は直りません。 さらにまた私は、どうしても動かすことのできないものは、ニューヨークの乗り入れと以遠権を求める以外に、ロサンゼルス、サンフランシスコからの以遠権は、これは将来のSSTの出現する場合の関係等を考えますと、これはどんなことがあっても確保しなければならない。大圏コースもまた、これはどうしても確保しておりませんことには、将来に大きな悔いを残すことになってまいりますので、軽々に扱うべきではない。運賃問題というものは、見方によりますと非常に簡単なもののようでありますが、これもたいへんな問題だ。この三つの問題、ニューヨーク乗り入れと合わせますと四つの原則というのは、どんなことがあっても貫かなければなりませんので、間違ってもこの点だけは貫くという点に徹していただきたいと思います。 私たちが見ておりますと、何やらアメリカのペースに巻き込まれつつあるような気がいたします。そうしてあなた方の考えの中には、ニューヨーク・ビヨンドを認めたのだ、それだけ認めたのであるから、それでおいおい向こうの主張も折れるものもあろう、こちらも折れるものもあろう、そういうことになってくると、 このニューヨーク乗り入れを認めた上に立っての条件の折衝になった場合には、その際には破棄というようなことも言われないのではないかというふうな気持ちにまで、はやあなた方が下がっておられるようなことを、私はお話の中からときどきうかがうことができるのでありますが、そのようなことがあってはなりませんので、その際においても、いまのロサンゼルス、サンフランシスコからの以遠権、大圏コースの関係、運賃の問題、この問題だけはたとえどうであっても一歩も譲ってはならないのだというかたい決意をしていただきたい。これだけをくれぐれも申し上げまして、私は大臣と局長と両方から決意のほどを一言ずつ承って質問を終わりたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 いろいろ具体的にお話を聞きまして、私は最初申しましたように、不平等の是正、これが基本であって、その一つのあらわれとして、ニューヨーク以遠等、關谷委員から仰せられたようないろいろな案件はあると思います。できるだけ日本の要求を完全に通すということが、現時点における私の決意の基盤であります。そういう決意をもって交渉に当たる考えでございます。
○佐藤説明員 關谷先生の御発言の御趣旨を十分体してこの際交渉をしていきたいと思います。
○長谷川委員長 矢尾喜三郎君。
○矢尾委員 ただいま田邉、關谷両議員から御質問がございました。私も先般委員会におきまして大臣にいろいろ質問をいたしました。またその決意のほどに対しましてある程度満足をしておったのでございますが、何を申しましてもそのときはまだ交渉が始まってない、前日でございましたので、具体的な問題等につきましての質問も差し控えたわけでございます。まだ本日も交渉中でございますので、具体的な問題についての質問は差し控えたいと思うのでございますが、ただいま大臣は關谷議員の質問に対しまして決意のほどを述べられたのでございます。そのあげ足をとるというようなことではありませんが、日本の要求をでき得る限り貫徹してこれを妥結に導いていくということを申されたのでございます。 御承知のとおり日本が現在要求しておりまするいわゆるニューヨーク、ワシントン、ビヨンド、この問題はあらためて日本が要求したのではございません。これは現在の航空協定の精神から見まして、また世界各国がおのおのの国と航空協定を結んでいる立場から当然の要求でございまして、今日まですでにこういうような問題は解決しておらなければならない問題を、ただ一つ日本は要求をしておるのでございます。そういたしますと、それと引きかえに向こうは、この日本の要求をも含めて十三項目にわたるところの提案をしてきておるのでございます。その要求の一つ一つを取り上げまして検討してみまして、私たちはなるほどと納得し得るものは何一つあり得ないのでございます。これくらいのことはよかろうというような考えをお持ちになる方もあるとは思いますけれども、それが私は交渉を成立せしめない、日本の要求を完全に貫徹せしめないもとになるのではないかと思うのでございます。 私はこの際、この会議に出ておられまする航空局長にお尋ねいたしたいと思うのでございますが、今朝の新聞紙を見ましても、きのう、おとといにわたりまして会議を重ねてまいられまして、両方とも強硬でなかなか話がつかないというようなことを報道されておるのでございます。ここで一つお伺いいたしたいことは、その会議の前にアメリカ側は、日本のワシントン、ニューヨーク・ビヨンドを認めるということを一項目として、以下十三項目にわたって要求してきておる。これを包括してアメリカは交渉するのであって、一つ一つの部分については話し合いをせないということが報道され、またアメリカにおきます武内大使の談話等におきましても述べられておりますので、この交渉はなかなかむずかしいだろう、こういうことが報ぜられておったのでございますが、アメリカ側は今度の交渉に対しまして、やはり包括的、いわゆる一括交渉のかまえをして当たってきておるのか、これを部分的に切りくずして話し合いをしようとしてきておるのか、そういうようなことにつきまして、許されるならばこの会議に出席されておりまする航空局長からひとつ御報告を願いたいと思うのでございます。 もう一つは、この航空協定というものは御承知のとおりに、日米航空協定の中にも、相手国の航空企業に不当な影響を及ぼさないように、公平の原則により輸送力を規制すべきであるとした条項があるのでございます。相手国側の企業に支障を来たさない、不利益を与えないということを原則とするということが一項目あるのでございます。そういたしますと、今日アメリカが持ってきました条項、この条項について運輸大臣は、このアメリカの条項が日本の航空企業において行なわれるようになったときにおいては、はたして日本の企業に対して影響を及ぼさないか及ぼすかということにつきまして、どういう御見解を持っておられるかということを、ひとつはっきりとお聞きかせを願いたいと思うのでございます。 まずこの二つの問題につきまして、航空局長と運輸大臣から御答弁を願いたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 私は、向こうは当然のことだというて、大きい影響を与えないと思うておるのであろうと思います。私はただいま矢尾委員のお話しのように、向こうが出してきておる条件の中には、日本の航空企業に大きな影響を与える内容がくまれておるということを考えております。
○佐藤説明員 非公式会談における米側のいろいろな話、あるいは現在話しておる内応は、先ほど申し上げましたように、あるいは将来交渉の過程において米側から公式に話があるかもしれませんが、私からその内応をいま申し上げる自由を持たないわけでございますが、交渉に臨む当方の態度としては、いろいろな問題について双方誠意を持ってそれぞれの件名について話し合うという態度を持っておるわけでございます。向こうもおそらくそういう気持ちで交渉に臨んでおるのではないかというふうに考えて、われわれは交渉いたしておるわけでございます。 次に、御指摘の現行協定十一条の考え方についての問題でございますが、御指摘のように「一方の締約国の指定航空企業が協定業務を運営するに当っては、他方の締約国の指定航空企業が同一の路線の全部又は一部において提供する業務に不当な影響を及ぼさないように、」という協定が書いてございまして、こういうものの法律解釈というよりは、先ほど關谷委員から御指摘のように、こういう協定全体の精神に照らして、日米航空企業をどういうふうな姿に置くことが不平等の是正であり、また正しい日米友好関係に立つものであるかということの判断のもとに立って交渉したいという考え方を持っておる次第でございます。
○矢尾委員 ただいま運輸大臣からも御答弁がございましたが、現在アメリカが日本に提示しておりまする要求というものは、大臣が見られましても、平等なものでないという御意見でございます。もしもこの条項が認められるというようなことになれば、現在の不平等というものがますます拡大されるということに相なると思うのでございますので、われわれとしましてもあらゆる手段を講じて、また代表に出ておられる方々も国会の決議の趣旨というようなものを強く考えていただきまして、強い交渉をしていただきたいと思うのでございます。 航空協定の破棄ということは、皆さん方も御承知のとおり、また交渉に当たっておられる方にも、いまさらこんなことを申し上げるまでもございません。破棄するということはいわゆる両国間において非常な重大事態のような考えを持たれる人がありましょうけれども、われわれが破棄ということを強く主張しておりまするのは、現在の条約というものはあまりにも不平等過ぎる、だから、これを是正するために日本はこれを入れてくれ、こういう要求を出しましたところ、アメリカがそういうように出て来た。破棄するということは、平等の原則に立って交渉するということ、出発点に戻すということが破棄なんです。同じスタートに立ってこれから日米航空協定をどうしていこう、こうしていこう、日米間におけるところの航空関係をどうしていこうということをきめるのが交渉でございます。もうすでに大きな不平等の中に立って、大きなハンディキャップがついておるのであります。そこで交渉するということは、私はとうていこのもとにおいて公平な交渉というものはできないと考えるのでございます。破棄ということにつきましても、航空界におけるところのこの破棄ということは、いわゆる国際的な常識とまでいわれるのであって、御承知のとおり、もうすでにフィリピンにしても、英国にしても、あるいはインドにしても、四カ国が破棄を通告し、破棄をしておる。そうしてその間において一年間の行政協議において次に目的を達しておる事例は幾つもあるのでございます。また先般運輸大臣はゆっくり本月中かかって交渉をして、国会の決議の趣旨にも沿いたい、そうしてまた当委員会が要望しておりまする問題につきましても解決したいという意思を表明されたのでございまするが、聞くところによりますると、アメリカとフィリピンとの間におけるところの協定というものが——これはフィリピンとアメリカとがやはり航空協定を結んでおります。それが三年か四年前に決裂して、フィリピンが破棄をいたしました。そうして一年間の行政協議の結果一年一年延ばして、今年で三年目で、この八月十五日、もうあす、あさってかそこいらに期限が切れる、現在日本に来ておるところのスノードン以下代表がこのフィリピンとの交渉をやるというかまえをしておるということを聞いておるのでございます。だから、アメリカ側といたしましては非常に急いでおる。日本はゆっくりかまえて交渉すればよいと思うておるかもしれないけれども、次にはフィリピンとの間に、もう十五日がくれば行政協議において決定した期間が切れるという事態に直面しておるアメリカといたしましては、この問題について非常に急いでおる。十五日というとあと二日しかありません。そういうような事態でございまするから、ゆっくりと腰を落ちつけて日本との話し合いをするというような間もないと思うのでございます。 この問題と関連いたしまして、この会議に出席されておりまする局長はどういうような御見解を持っておられますか。長期にわたって交渉し得る可能性があるかないか。ないとすれば日本のとるべき態度はただ一つ、もういわゆる国際的な常識となっておる、一応日本が破棄するということ、スタートラインに日本とアメリカが並んで、日米航空関係はどうでしょうかということを公平の立場に立ってきめるためには、もう破棄以外には道がないというように、これは日本におけるところの大新聞あるいはまたアメリカにおけるところの日本の武内大使、あるいはその他の人々もそういうような意見を持っておられるのでございますが、この問題についてどういうような御見解を持っておられますか、見通しにつきまして航空局長は、早期に妥結し得るという確信をお持ちになっておられますか。とうていそれは短時日では不可能であるというお考えを持っておるかどうかということにつきまして、ひとつ見解を述べていただきたいと思うのでございます。
○佐藤説明員 日米間の不平等改定交渉につきましては、御承知のように去る八月十日から開始した次第でございまして、この交渉はどのくらいの時日をかけて、どういうふうにするかということは、双方誠意をもってできるだけ精力的に交渉をするということを現実にやっておるということを申し上げることしか、現在会談についてわれわれとしては申し上げることができないわけでございます。お話のように、米比協定につきましては、一九五九年の三月に廃棄をされまして、現在行政許可ベースで向こうはなされておる。そのうちの一部について八月十四日に失効する事実があるということは、われわれも承知しております。それらの間にあってどういうふうに処していくかということは、今後の交渉の推移にもよることでございますし、われわれとしては与えられた交渉の時日で、できるだけ精力的に交渉を続けるということを現在考えておるということを申し上げるにとどめさしていただきたいと思います。
○矢尾委員 現在交渉中でもありますし、それに支障を来たすようなことを私たちも聞きたいとは思いませんけれども、最後にひとつお伺いしておきたいということは、航空局長は誠意を持ってこの問題について一つ一つ妥結をしていきたい、こういう考え方を申されたのでございますが、その一つ一つを話し合いをするというような態勢に現在なっておるかなっておらないか。やはりアメリカは一括交渉という方式で臨んできておるかどうか。そして局長としては、そういう話し合いをし得る見通しを持っておられるかということを、最後にひとつ聞かしていただきたい。
○佐藤説明員 われわれとしては、先ほど来申し上げておりますように、あくまでも不平等を是正して、正しい日米友好関係を立て得るような内容にしたいということで話を進めておるわけでございます。
○長谷川委員長 泊谷裕夫君。
○泊谷委員 失礼なお尋ねをしますけれども、運輸省と外務省が一緒になって交渉に携わっていますが、この連絡関係はどうなっているか、どちらが主導権を持って交渉に当たっておるのか、それからまず聞かしていただきたいと思います。
○佐藤説明員 今回の交渉にあたりましては、運輸省の航空局長と外務省の北米局長が、双方首席代表という形で相互に緊密な連絡をとって交渉に当たっております。
○泊谷委員 現時点における外務省と運輸省の考え方に相違点はあるのかないのか、この点明らかにしていただきたいと思います。
○佐藤説明員 相違点はございません。
○泊谷委員 そうしますと今月の六日、それから十日に本委員会でお尋ねをいたしましたMATS便、MATSの取扱いについて中村運輸大臣も、それは好ましくないということで、町田監理部長のほうからも、かりに来るとき軍需品を運び、帰りは商業ベースで民需にこたえるというようなことがあれば、これは立ち入り検査も行ないます、こういうふうに話をされておるのでありますが、新聞の報ずるところによりますと、藤崎外務省条約局長の話では、全然指一本触れられないという趣旨のことを書いておるのはどういう理由なのでしょう。これをまず明らかにしてください。
○佐藤説明員 お話の新聞といいますのは、昨十一日毎日新聞の夕刑のことかと思われますが、さようでございますか。
○泊谷委員 そうです。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 昨十一日の夕刑を私も拝見しまして、実は直接条約局長からも話を聞いたわけじゃございませんので、この新聞の報ずるところによって私たちがいまの御質問にお答えするわけでございますが、ここで問題になっておりますのは、実は米軍輸送サービスのチャーター機、いわゆるMATSチャーターといいます、つまりMATSの資格において行政協定に基づきまして輸送される航空機でございますが、この航空機のことについて、その法的地位をここで説明をしておるわけでございます。当委員会において町田監理部長が御説明を申し上げましたMATSチャーターとの関係についての御質問であるわけでございますが、ここで申しておりますのは、純粋にいわゆるMATSのチャーター機というものについては地位協定の規定によって来ておりますので、いわゆる航空法の特例法が御承知のようにございまして、航空法の適用を除外しておるわけでございますから、そういう特別な法的地位を持っておる。と同時に、事前協議その他の関係で協議をしておるというふうにわれわれ了解しておるわけであります。それで私のほうが取り扱っておりますのは、実はそのほかに、いわゆる一般の民間輸送としての資格において、その内容が特にこのMATS物資の輸送であるというものがあり得るわけでございます。そういうものの取り扱い方についての御説明を町田監理部長が申し上げたのだ、そういうふうに分けてお考えをいただきたい。もし前回の説明と食い違う点がありましたならばあとで訂正をさしていただきたいと思いますが、基本的にはそういう二つの性質のものがある、そういうふうに分けてお考をいただきたいということを申し上げたいと思うわけでございます。
○泊谷委員 最初にお断わりしておきますが、日米行政協定がどうだこうだということに議論を発展させようというのではありません。航空協定の交渉のさなかでございますから、それにしぼってこの前も断わってお尋ねをしたつもりです。 この十日から交渉が始まりまして、とにかく大臣の言われたことがほんとうかどうかは別として、新聞に報ぜられること、NHKにおける大臣の対談、それからゆうべの夕刊、あげて公器を使って国民に、委員会でこの航空協定は私どもの主張と一分一厘間違いのないことだと話されたその気勢を全部そぐような談話が出されておることは、私は残念だと思います。これを私はまず最初に申し上げておきたいと思うのです。 いま日米航空協定、民間の航空協定の二国間の協定をまずいところがあるから修正してくれという交渉をしておるときに、片や行政協定に基づいて行なわれるこのMATSというものが、かりに帰り便に商業ベースで民需にこたえても、それは指一本触れられないということになったら、何のために苦労して日米航空協定というものをやるのか。民需に関する限りは、一切あげてこの規制をしなければならぬところに、二国間の協定というものの意義があるはずなんです。先日そういうことで大臣にもお尋ねをしたが、事実問題としては、米軍のほうから帰り便に一般の利用に供さしてくれというような申請があった、航空局としてはそれを拒んでおる、こういうことが明らかにされた。しかしその事実があるやに聞くので、事実があった場合はどうか、またそのおそれあるときには国内法の航空法の規制に基づいて立ち入り検査も実施してもらえるものか、こういろ尋ねに答えて、中村運輸大臣も町田監理部長も、それは立ち入り検査をいたしましてそういうことのないようにいたしますという要旨の答弁をなされたはずであります。いま航空局長の言われた話で、かりにそういう夕刊に出たような立場を運輸省がとっているとするならば、なぜ交渉のさなかにおいて条約解釈などという妙な言い方をして、国民に当然MATSというものについてはどうやってもいいのだというような印象を与えて交渉の条件を不利しようとするのか、この根本的な姿勢について、大臣から私は明らかにしてほしいと思います。
○佐藤説明員 ちょっと私の説明がこの前の御説明と食い違っておるようでございまして、内容的に不正確な点があるようでございますが、まず先ほどお尋ねの、事前協議の対象であるかどうかという問題については、外務省の条約局長の話しておることと、この前の御説明のこととは直接関係はないと思います。それからさらに、いわゆるMATS輸送と行政協定の関係その他についての前回の御説明を、重ねて町田監理部長から申し上げることをお許しいただきまして、その間の事情を明らかにすることをお許し願いたいと思います。
○泊谷委員 ちょっと待ってください。町田監理部長からもう一ぺん聞くなんてことは必要ありません、会議録できちんとしておりますから。あなたのおっしゃるように、別なら別でいいです。民需行為に入った場合には手きびしく取り締まるという方針に変わりないというふに理解してよろしいですね。
○佐藤説明員 一般の民需輸送の場合には仰せのとおりでございます。
○泊谷委員 食い下がるようですが、一般ということばが入ったのは別に意味はありませんね。とにかく軍需品以外の行為は、こちらで事実行為として発生した、あるいは発生をするおそれがあるときには、国内法で規制をする、許された範囲内で取り締まりをする、こういうふうに理解してよろしいですか。
○佐藤説明員 先ほど御説明しましたように、航空法の適用を直接受けるものについては、航空法で規制をする、こういうことになるわけでございます。
○泊谷委員 航空法の適用を受けるものについてはというのは、MATSの帰りですね。来るとき軍需品を積んできて、帰るとき民需でやりたい、商業ベースでやりたいというときは、国内法の適用を受けるのでしょう。
○佐藤説明員 いわゆるMATS輸送で参りました飛行機が、帰りにはMATSチャーターを解除されて、一般の民間輸送に供したいという状態になった場合には、仰せのようにこれは一般航空法の適用を受けるものとわれわれは解釈をし、取り扱いをしておるわけでございます。
○泊谷委員 航空局長、もう一度町田さんと打ち合わせしてください。MATSが解除にならなければ——あなたの話をいま聞いていると、MATSの運航計画が解除されなければ、日本国政府としては意思発動ができないというふうに聞えるのです。それは計画の中に組まれてくる便、帰り便であっても、事実行為として民需にこたえている場合は、航空法の適用を発動するということがこの前明らかにされているのです。この点間違いないでしょう。
○町田説明員 前回私が御答弁申し上げました趣旨は、ただいま局長がお答えいたしましたことと同じであると私は確信いたします。つまりMATS輸送というのは、地位協定によりまして、航空機のすべてが軍の管理下に入るわけでございます。そういう航空機が帰りに一般輸送をしたいという場合には、当然これはMATS輸送が解除されて一般の航空、商業便になって帰りたい、こういうことになるわけでございます。したがいましてそういうような申請は、当然軍からではございませんで、事業者から出てまいるわけでございます。そういうものについて私どもは、いままではきびしく規制をしておった、こういうふうに申し上げたわけでございます。それにつきまして泊谷先生から、それに対して立ち入り検査ができるのかという御質問がございました。MATS輸送として軍のもとに輸送されている場合には、私どもは立ち入り検査はできませんけれども、帰り便を商業便として使うということになった場合には、これは当然MATS輸送が解除されたということが前提になっておりますから、そういう意味で、そういうものについては、もしこちらの許可がなくて行なったという場合には、立ち入り検査ができると思います、こういうふうに申し上げたと思います。
○泊谷委員 大事なところですからくどく尋ねたのですが、とにかく羽田に着陸しているのは、新聞報道を見ますと、一般専用軍用機というのは最近の機会まで、七機しか着いてない。ところがMATSのほうは、三百四十五機も着いているんですね。そこでいま町田監理部長の話のありました、米軍からこれはMATSを解除したのだ、しないのだというあいさつの前に、帰り便に一般民需の要請があった場合には、MATSから解除されたという理解をとるということは間違いないですね。確かめておきたいのですが、よろしいですか。
○佐藤説明員 現実の扱いとしては、MATSでチャーターされているものについては、米軍からこれはMATSチャーターで輸送するという通報がありますので、それに従う。したがいまして、それ以外のものについては、いま御指摘のような一般機としての取り扱いをするということになろうかと思います。なお数量についてのお話がございましたが、わがほうで調査をいたしました羽田の着陸回数は、最近における多い月で八十九機——月によって若干違いますが、五十数機から大体八十数機の程度の数でございます。
○泊谷委員 どうも聞き方がへたなのか、すかっとしないのですけれどもね。私は町田監理部長の言われた、軍でMATS運航計画の解除をしなくても、帰り便に民需の事実行為がある、あるいは要請があった場合には国内法の適用を受けるというふうに理解をいたしますから、大きく間違っていたら特に発言を求めて修正してください。 そこで中村大臣にお尋ねをしたいのですが、これだけMATSの問題が正面に出るということは、事実行為として何かあったと理解しなればならぬと思いますし、アメリカ側の考え方というものは、これをさらに帰り便について条件をなくして、民需にもこたえようという考え方が働くのではないかと想定されるのですが、もしそういう想定があるとすれば、大臣としては絶対私は譲ってもらっては困るし、厳然たる立場をとってもらわなければならぬと思いますが、いかがでしょう。なぜこれを尋ねるかといえば、軍需品の輸送というものとは別に、日米航空協定の根底を私はゆすぶると思いますから、特に大臣からその点についてお答えをいただきたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 泊谷委員の御質問になりました前段につきましては、私は了承いたしました。それから後段の点につきましては、規定されておる法規にしたがって善処していきたいと思います。
○泊谷委員 規定されておる法規とは何を意味するのでしょう。
○中村(寅)国務大臣 政府委員からお答えいたさせます。
○佐藤説明員 お話はMATS輸送と一般輸送との関係についての御質問であり、大臣が申し上げましたのはそれぞれ先ほど来申し上げておりますように、MATS輸送については特例法の適用による、それ以外については航空法の適用によるということで、厳密に区別をして取り扱うということを申し上げておるわけでございます。
○泊谷委員 佐藤局長にお尋ねしますが、簡単なんですよ。お尋ねしておることにできるだけポイントを合わしてお答えいただきたいのです。いままでやはりMATSの帰り便についてはアメリカ側から商業ベースでやらしてくれという申請があったということは、町田監理部長も六日に明らかにしているのです。今後もそういうことが予想されるし、今回の交渉には面接するかどうかわからぬけれども、アメリカ側の気持ちとしては、帰り便についてうるさい制限などつけないで、何とかしてくれということの態度に出てくるということが予想されるのだが、その場合は、厳然として私どもとしては、MATSの帰り便を商業ベースで運航するということについては困りますし、許容できませんという態度を堅持してもらえるのかどうかということを尋ねておるのです。堅持するかしないかということだけお答えいただきたいと思います。
○佐藤説明員 従来、MATS輸送と一般輸送とは全然別のものであるという立場で、御指摘のような方針を堅持してまいっております。
○泊谷委員 今後も……。
○佐藤説明員 われわれとしては、MATS輸送と一般輸送を混同することは考え方として好ましくないという立場を従来からとっておりますし、今後も、これは協定の交渉とは全然別の問題でございますが、そういう立場をとってまいりたいというふうに考えます。
○泊谷委員 協定と別問題だというのはちょっとひっかかりますけれども、今後も断固阻止するという態度が明らかにされましたので、その問題はそれでおしまいにいたします。 それでは次に、今回の交渉に臨む態度についてお尋ねしたいと思うのですが、ワシントンの会議を東京で交渉されるということに中村運輸大臣が努力されたことについては、交渉の今後の進め方としては、私自身は、条件は従来よりよろしいと思います。思いますけれども、実際の交渉の内容を新聞を通じてみますと、また、NHKの大臣の談話などを聞いておりますと、私どもは不平等条約を改正してほしい、だがアメリカはそう考えていないということで、私どもの乗っております土俵と向こうの出しておる土俵との食い違いがあると思います。今後、この土俵をどういうふうに整理をされようとするのか。きっちり私どもの要請にこたえた土俵で交渉が進められるという今後の見通しがあるのか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 私は、八月十日から日米両国の代表が出まして、そして正式交渉を始めておりますから、双方の持っております土俵は一本になっておると思っております。
○泊谷委員 大臣がおっしゃる、土俵は一致しておるということになりますと、では、私どもの考えております航空協定の不平等を改定しようという限定された土俵に乗っておると理解してよろしいのですか。
○中村(寅)国務大臣 私らが言っておるように向こうが理解しておるかどうかということは別でございますが、日本が要求しております日米航空協定を改定したいという要求に対しては、その対策を講じてきておるものと了解しております。
○泊谷委員 その点が一番気になるのです。先ほど先輩の關谷さんからも田邉さんからもお話がありましたが、大臣は、とにかくニューヨーク・ビヨンドが入っているから、それでこちらの条件が入っておるというなら、それでおしまいですか。その先の話はなしですか。
○中村(寅)国務大臣 私はそういうことを申し上げておるのじゃございません。交渉の経過は、向こうはやはりいろいろ条件を出してきております。私のほうも相当の条件を出しておりまして、その条件を双方が協議しようという姿は一致しておるということを申し上げたわけでございます。
○泊谷委員 それは大臣、私の考える土俵が食い違っていないかということなんです。ワシントンにおいでになりまして、アメリカにおります日本人記者に大臣が発表されたといわれる、日本から与えるものは何一つない、一切の日本の要求がこの資料の中にある、残るものは日米国民の感情だけだ、こう強く主張されたと書かれておるのですが、その書かれておるところを見ると、私のほうは、とにかくニューヨークを越えて世界一周の路線を当然もらってしかるべきだ、こういう立場であるわけです。そのほかこちらから与えるものは何もないとおっしゃられておるのですが、いまのお話によりますと、両者の言い分をまず並べてみて、そして協議に入ろうということは、土俵が狂っておりませんか。
○中村(寅)国務大臣 それは、私は土俵が狂っておるとは思わないのです。私がアメリカで対処しましたときの向こうの考え方も、やはり向こうは日本が要求しております東京−ニューヨーク以遠、世界一周路線と同時に、いろいろの条件を一括日本に了承してもらいたいというのが、あのときの向こうの姿勢です。私は、今後もやはりそういう姿勢であると思っておりますが、私のほうは、この日米航空協定が基本的に不平等の姿である、この不平等を基本的に是正したいということが一つの基本であります。その不平等を是正していきます上の一つの要素といいますか、東京−ニューヨーク以遠、世界一周路線、さらにそれを担当していきます企業が、将来安全を確保して事業が進んでいくような諸条件が整えた上で、これは一つの要求としたいと考えております。 そのほかこの段階では申し上げられませんが、こっちからも幾つも要求を出しておるわけであります。それで、双方の主張が一致しておるという意味ではございません。私が言うのは、いま言うそれぞれ違う立場に立つ要求をこの十日からの交渉でまとめようという一つの意欲は一致しておる、こういう意味であります。
○長谷川委員長 質問者に委員長からお願いしますけれども、いま交渉中です。みな非常に心得ての御質問、けっこうです。そこで、私の仄聞するところによると、きょう十二時半から、代表団なりそれに出席する諸君の打ち合わせ会があるようですから、それに間に合うように、ひとつ十二時前後に打ち切ってもらうように、大局的な質問をお願いしたいと思います。
○泊谷委員 先ほど矢尾委員から質問に答えて、フィリピンの航空協定の問題の事後の扱いがわかりましたけれども、なぜフィリピンがアメリカとの協定を破棄したのか、簡単にその事情と、そしてフィリピンの事例に基づいて、日本がなぜフィリピンと同じ姿勢をとられないのか、この点を航空局長からお答えをいただきたいと思います。
○佐藤説明員 その破棄した理由でありますが、アメリカがフィリピンに対して、協定で東京が含まれていないとして、フィリピン航空の東京経由サンフランシスコ線を許可しなかった、つまり東京をポイントにして争いがあって協定の破棄という問題ができたというように承知をいたしております。 〔委員長退席、田邉委長員代理着席〕
○泊谷委員 いま局長から明らかにされたように、フィリピンは、フィリピンの出す条件の、東京を通過させろ、東京に寄らせろということについてアメリカが同意しないために、自分の持つアメリカ側の通過権を切ったわけですね。なぜ日本が同じような措置をとれないのですか。
○佐藤説明員 日米間につきましては、先ほど来申し上げておりますように、本院の御趣旨を体して現在交渉中でありますので、その具体的なことについてここで御説明することは差し控えさせていただきたいと思います。
○泊谷委員 時間の関係がありますからやめますけれども、本来なら、その答弁は全然いただけません。フィリピンが切ったのは一九五九年三月です。私のほうでニューヨーク・ビヨンドの条件を出したというのは、いつの話なんです。先代の先代の航空局長時代からやっていることで、きょう初めて出した問題でないから、そういう何でも交渉にかこつけて話を逃げるということは、私は不親切きわまりないと思います。特にこの際交渉で注目すべきものは、アメリカの運賃決定方式が、国際間の協定を破りまして、そして国内の実勢に基づいて距離制を採用するということで、上院下院に法案を提出しておるというのでありますが、この考え方について、日本政府として同意ができますか。今後日米間がこういう体制で協調するか、するとするならば、日本の航空というものはどんな措置をしても、現在において世界をはばたくことは不可能だと思うのでありますが、これに対する見解と、今後のアメリカに対する態度を明らかにしてほしいと思います。
○佐藤説明員 御指摘のように、運賃をマイリッジ・タリフにするということになりますと、現在の運賃体系が非常に変わってまいりますので、そのこと自体についても相当慎重な検討を加えていかなければならぬと思いますし、かりにそうなった場合にどう対処するかということについても慎重に考えていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○泊谷委員 慎重ということばは、世界各国との調和をとるという運賃政策は堅持したいというふうに理解していいですか。——でないと、アラスカ経由の空路が許容される限り、私どものほうがどういう方向をとってニューヨークに入っていっても、しょせん競争にならないと思うのですが、この点、企業防衛の点から考えて御見解を明らかにしてほしいと思います。
○佐藤説明員 そういう点も含めて慎重に検討してまいりたいと考えております。
○泊谷委員 最後に、はなはだ恐縮なお尋ねを運輸大臣にいたします。 日米航空協定の東京交渉で四日以来当委員会に態度を明らかにされましたが、この包囲せん滅によって、ニューヨーク・ビョンドだけは入れてやります、あとはみなよこしなさいということで、アメリカ側は、この際、アメリカにあります機材を豊富にフルに使って、太平洋上における路線を確保し、さらには東京を越えて、今後予想される共産圏への空路を固定せしめようとしておる、そう私は見ておる。ですから、ニューヨーク・ビヨンドという一カ所だけは逃げ場所をやって、そうしてこういう包囲せん滅戦にかかっておると思うのでありますが、私どものこの急場を打開できるものは、航空については、ただ一つ二国間協定であります。そこで再三言われますが、この航空協定破棄の最終的な態度について、閣議で十分最終的な御相談がなされておると思いますが、この点を明らかにしてほしいと思います。
○中村(寅)国務大臣 この航空協定の問題につきましては、いままでの経過は報告しておりますが、今後の態度につきましては、そのときそのときの情勢によって、私の判断によって閣議等にも相談をして事に処していきたいと思っております。
○田邉委員長代理 次会は、来たる十九日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十四分散会