運輸委員会 第2号
- 発言数
- 105 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/08/06
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 海運に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
○關谷委員 船員局長が見えておりますが、水先人の関係は海運局長のほうですね。船員局長に簡単にお尋ねをしてみたいと思います。 いつでありましたか、記録を見なければわかりませんが、私が亀山局長当時に船員の養成の計画表を出してもらったことがありますが、あの計画を出してもらった後の計画がどのくらい実現したか、いわゆる実施状況と申しますか、そういうふうなものについて、この前に報告いただいてから後の状況を説明してもらいたいのですが、わかりますか。私もその表をさがしてみたのですが、古いのでないのです。ある表に基づいて、その後の実施状況がどうなっておるかということをひとつ、ちょうど前の局長もそこにおられますので、お二人で相談しながらでけっこうですから、御説明願いたい。
○岡田説明員 船員の養成計画の表といいますのは、実はきのうさがしましたのですが、どういうのがお手元へ行っておるのかよくわかりませんので、計画造船に基づく、七百四十三万トン建造計画に基づく船員需要増、たぶんこれではないかと思いまして、一応これについて検討をいたしておる次第でございます。これは三十九年度、四十年度における増加船腹に対応する船員の数は外航船だけについて出しておりますので、外航船につきましてはいまのところ各社の報告を聞きましても、一応数は充足されておるというふうな状況になっておりまして、むしろ内航船、それから漁船のほうに非常に現在しわが寄っておるというふうなことを聞いております。後ほどまた御質問によって申し上げることになるかと思いますが、内航船、漁船のほうにつきましては、運輸省として現段階ではまだ的確な資料を把握しておりません。本年度予算をいただきましたので、それによって現在調査を進めている段階でございます。内航船、漁船につきましてはもうしばらく御猶予をいただきたいというふうに思います。
○關谷委員 その表の中にありますのに、大学の卒業生でどれだけ充足し、商船高校卒業生でどれだけ充足するというような計画が出ておるのですが、あれから後に一度卒業しておるはずでありますが、その卒業生について、大学を出た者で乗船しないで、船のほうへ乗らないで陸上のほうへ上がった者がどれだけあるか、大学でどれだけ、商船高校のほうでどれだけ、そしてそのほかにもまた、陸上の産業のほうへ移動する者が非常に多いということを聞かされておるのですが、そういうふうに陸上のほうへ移動する、そのために勢い内航船からこれを吸い上げるというようなことになっておりますので、内航船も非常に困っておるのです。この学校の卒業生ですぐにほかへ就職をして船に乗らない者がどの程度、何%くらいあるのか、それからまた、別にいろいろな機関で養成をして充足することにしておりますが、それらの者はやはりほかの産業のほうへよく行っております。それが何%くらい行っておるのか、それを充足するために内航船からどのくらい吸い上げておるのかという、この表がありませんと内航と外航との関連性がわかりませんので、それらの表がもしなければ次に出してもらってもいいのです。きょうでなくても、次の十日にまた委員会があるのですからその際でもかまいませんが、きょう御答弁ができればしていただきます。できればあらためて調査をして表をつくってから御説明願ってもいいと思うのです。
○岡田説明員 商船大学の卒業生のうち何%が卒業してから船のほうに行かないかということでございますが、三十六年度及び七年度の実績では大体三〇%程度がほかへ流れております。三十八年度は、実は三十八年の春に船会社のほうとして船員が余りまして原則的に不採用にした、採用する場合には組合のほうと相談をするというような協定をいたしました関係上、三十八年度は非常に成績が悪くなりまして四〇%ほど流れております。三十九年度はこれはだいぶ回復をいたしまして二七%ほど流れております。それから商船高校におきましては、ほとんど全員海上のほうに就職をいたしております。率でいいますと約四%程度が陸上に、就職しておるという状況でございます。それから海技大学校、海員学校のほうはほとんど全員海上に就職しております。 それから内航のほうからどれくらい外航に来たかという点でございますが、現在のところ詳細な調査そのものがまだできておりませんので、本年度予算で調査の予算をいただきましたので、それによって現在調査を進めている段階でございます。
○關谷委員 いまの、学校の卒業生あたりでもひどいのになると四〇%もほかへ行ってしまう、半数近くはほかへ出て行くというようなことで、私が見ましたあの計画でも船員学院ですか、海技大学というのですか、あのあたりの養成の計画あたりでも、計画どおりに行かないというようなことがあの当時すでに言われておったのですが、そんなもので私はだいぶ狂っておると思いますが、これから先大量建造をやりますのに、いまの卒業生あたりでも大きく狂っておりますので、それだけ狂うということが大体統計上出てくるんなら、それくらい余分なものを養成する。ことに何といいますかこのごろはみなオートメーション化せられて、リモートコントロールでみなやっているというようなことになっておるのですから、そういうふうなことで優秀な人をつくらなければならぬときに、これから学校を出ていくのがそんなに陸上のほうへ流れているというようなことではぐあいが悪いので、学校の教育方針といいますか、そういうものを変えなければならぬのではないでしょうか。これはむずかしい議論をする人は憲法違反だとか何とかいうことが出てくると思いますが、昔のような貸費生といいますか、給費生といいますか、そのような制度でもとって確保しなければならない時期が来るのではないか。これは将来千三百三十四万トンくらいにしなければならぬというような計画をやります際に、船だけ急いでつくって、しかもそれが機械化されたものができる際に、優秀な船員がついていけないというようなことで、ここ二、三年たちましたならばたいへんなことになるのではないか。そのためにこの間からいろいろ事故がたくさんあったりいたします際に、船員の素質が落ちておったりするためにこのようなことになるので、早く優秀な船員を大量につくらなければならぬ、十分余裕のあるほどつくっておかなければならぬというような気がしてなりませんので、私がいまお尋ねしておるのですが、そういうふうな学校制度の改革というふうなことについても、何か、これは相談をしなければならないと思いますが、そのことを考えておりませんか。
○岡田説明員 ただいまのお話の点につきましては、われわれといたしましても現在いろいろ考えておりますが、まず第一段階といたしましては、商船関係の海員学校を含めまして、そういう学生に対する将学金の貸与というようなことを、希望者全員に、貸与できるようなことを考えたらということで、現在いろいろ具体的な案を検討いたしております。できるだけ早い機会にこれは実現するものと思います。 なお、学生のうち何%がほかのほうに逃げるかということになりまして、全体の養成計画をまだ再検討しなければならないということが当然考えられるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、三十八年度という年は非常に異常でありまして、船会社のほうで採らないという事態が起こったために相当ほかに逃げたというふうなこともございますので、三十八年の四〇%という数字が恒常的な逃げる率であるということも考えられないのではないかというふうに思っておりますし、三十六、七年度に大学なり高校の定員を増加いたしましたので、それがもう二、三年すれば出てまいるわけでございますので、中期経済計画に対応する船員の数に一応合うということになっております。ただし実際は三十八年度のように予想外に流れました部分については、実際は水産高校あたりの学生がそちらのほうに就職をしておるということが、多小計画の数字よりも大学のほうは下回っておるのですが、水産高校のほうの学生で補っておるというような現状になっております。
○關谷委員 私この前の計画表をもらいました際には、あの計画表が一〇〇%実現して初めて中期経済計画の充足ができる、こういうふうなことになっておりましたのが、こういうふうに大幅に狂っておるのですから、これは大幅にその計画が狂ってなければならぬと思うのです。そんなことを心配するのでいまお尋ねしておりますので、私が最初言いましたようにきょうでなくともいいですから、いままででずっと何年度こういうふうなことになっておるということを詳しくやってみますと、大体統計が出てくると思います。それで計画をしてよほど余裕を見ておきませんとたいへんなことになると思います。そういうことを心配してお尋ねしておりますので、これなら十分自信があるんだという計画表をつくってもらいまして、そしてこれは多少こういうところで狂いが出ても差しつかえないのだというふうなところにまで計画をつくってもらいまして、それを一ぺん提示してもらって、これなら安心だというものができれば、私たち何もとやかく言うのじゃないですから、ひとつその点私がお尋ねしておる意味をよく理解していただきまして、よく私たちに納得のいく表を一ぺんつくって、十日に問に合わなければ、また次の臨時国会まででかまいませんから、そう差し迫った、きょう、あすでなければならぬというのじゃありません。よく検討して、もしいままでの表でこれが欠陥があるというのなら、そういうふうなところはひとつ正しいものに直して、直すのにどうしたらよいかということをよく検討していただきたいと思います。 それから次にもう一つお尋ねしておきたいのは、商船高校を高等専門学校に昇格をさすということで、前から国会議員がずいぶんたくさん寄って決議をしたりいたしまして、それを文部省とあなた方のほうと両方に申し入れをしてきているわけです。いろいろ聞いてみますと、最初これは初等中等局の管轄だというようなことで、初中局のほうで、委員会か審議会かどちらか知りませんが、つくって検討して、そしてこれは初中局のものではない、大学局関係のものだというふうなことになって、そちらのほうへいった。そちらでまた委員会をつくってやっておるということを聞くのです。文部省で一たん検討してみた、それは局が違うというので、向こへ回した、向こうはまた新しくやるというようなことで、たらい回しで次々に延ばしておったのでは、いつまでたっても実現しない話ですが、促進するようにあなた方のほうで話が出して、そしていつ専門学校に昇格することができる見通しなのか、よく見通しをつけて、これもきよう御答弁は要りませんが、よく相談をして、相談をしてみたがこういうふうなことで、昭和四十一年には実現ができますとか、昭和四十一年には実現ができませんということがはっきりわかるようにひとつ御答弁を願いたいのです。これは私たち国会議員がたくさん寄って非常に関心を持って、大会まで開いたことがあるのですから、その方面へ答える必要もあります、実施状況はどうなっておるかということを言わなければなりませんから、ひとつこの点も文部省とよく話し合って、そしてその結果を委員会で正式に報告をしていただきたいと思います。船員局長にはそのくらいのことできょうは打ち切っておきます。 それから海運局長のほうに、水先案内人のことでちょっとお尋ねをしてみたいと思います。 昭和三十八年の三月十五日に海上航行安全審議会の斎藤浄元さんから、綾部運輸大臣に対する中間答申が出ております。これに基づいて水先制度についても非常に進んできたわけでありまするが、その際にきめられた事柄が十分守られておらないのではないか。答申の線が十分実現しておらないのではないかというふうな節がありまするので、お尋ねをするのです。 いま各方面から私のところに言ってまいりまするのは、どの水先区におきましても、水先人が不足しておる。これは三十八年の三月十五日の答申にもありますが、原則として年一回各水先区における水先人の適正員数を検討するものとするということになっておるのです。これが三十八年の初めの答申でありまするので、三十八年に検討したものでは、どこの港はどれだけ、三十九年はどこがどれだけ、四十年は、というので、もう三回くらい、毎年一回やるはずですから、出ておるのです。各港の員数がそれによってどのような変化が出ておりますのか、これはちょっと説明せいといっても説明しにくいと思うのですが、表がありましたならば、表を委員のほうに配っていただきたいのですが、ありますか。
○亀山説明員 委員会にお配りするだけの数を用意しておりませんので、さっそく刷り増しをいたしましてお配りをいたします。 総数についてだけ簡単に申し上げますと、昭和三十七年九月現在全国で百五十三名、三十八年九月は百六十一名、三十九年九月百八十三名、それから四十年八月、現在ですが、二百二名。そうして最近の第一次試験および現在修業中の者がございますが、それが二十二名ございます。これが来年の二月に水先人として出てまいります。これを含めますと、来年の二月の数字は二百二十四名、こういうことに相なるわけでございます。各港則の数字につきましては、さっそく印刷をいたしまして差し上げたいと思います。
○關谷委員 これは一つの例でありまするが、和歌山県の下津に従来三人水先人がおったそうであります。ところが海南港と、それから和歌山港が二つありますが、それとで合計四つの港を一つにしたのに、定員が一名しかふえておらない。そのために船舶の入出港に非常に不便を来たしておる。水先人のためにおくれておるという状態が続出しておる。しかし荷主にいたしましても、船主にいたしましても、非帯に気がねをしてよう言わないのだというようなことで、先般ある人が私のところに来まして、こういうふうなことでまことに困ったことになっておるが何とかならないものであろうかというようなことを言うております。室蘭と同じような事故が起こったそうですが、幸い火がつかなかたために大事に至らずに済んだ。もしあの際火災が起こったならば、室蘭以上のことになっておったのではなかろうかというようなことを言うておりました。そんなことがありまするのも、やはり人員が少ない、そのために非常にオーバーロードになってきて、そうして疲労が激しいというようなことからくるのだというふうにもっぱら言われておるのであります。この水先人の組合というものは、派閥と申しますか、学閥といいますか、非常にそういうふうなのがありまするし、昔の封建的な制度そのままを受け継がれておってどうにもならないというような状態で、いま一人当たり月収が、費用を差し引いても五十万以上というような状態になっておって、それを守らなければならぬというようなことのために、こういう荷主や船主に非常に迷惑をかけておるのが実情だと言われておりますし、私たちもそうではなかろうかというような気持ちがいたしまするが、こういうふうな実情をよく調査をして、各水先区において水先人の不足することがないような、サービスを向上するような点をもう少し運輸省として指導しなければならない。指導、監督が足らないということがもっぱら言われておりますが、この点どんなに考えておられますか。
○亀山説明員 水先人のサービスの向上につきましては、ただいま申し上げました三十七年九月水先料の値上げの機会に強力な指導をする、つまり人数をふやすということについて強い指導をいたしました。その後先般の国会で水先法の改正をお願いいたしまして、各地区に法律に基づく水先人会、前の水先組合でありますが、法律に基づく水先人会に対しまして、法律上の監督権を持つように改正をいたしたわけでございます。その線に沿いまして現在も指導を続けておりますが、船舶の港湾への入港数の増加が非常に急テンポでございまして、それに対応するだけの優秀な水先人の整備ということについてはなお足りない面があるのではないかということで、今後もいま御指摘の点につきましては十分考慮を払って強い指導をしていきたい、このように考えております。 和歌山、下津港につきましても、従来三名のものをさしあたり一名増加するということでありまして、従来和歌山区及び海南区に水先区の指定になっていなかったのであります。これを本年の七月に区域を拡張をいたしました。ところがこの拡張した区域につきましても、従前、水先区として指定される以前におきまして、やはり一種の水先行為、私どもは水先類似行為と呼んでおりますが、実体的には水先行為を行なっておりました。現在の数字で見ますと、水先人一人当たりの月間の水先をいたす平均の隻数が、下津港については十一隻でございます。これは三十九年の実績でございますが、和歌山、海南地区を含めますと、実績は二十九隻ということに相なっております。大体月に三十隻程度の水先業務ということは、数としてはそう多くはないのでございます。ただ御指摘のとおり、入港がだんごになり、毎日平均に入港するわけではないのであります。そういう際にサービスの十分でない点等も想像できますので、これらの点についても船主側の要望をも十分聞きまして、さらに増員いたすように行政的に指導をしてまいりたい、かように考えております。
○關谷委員 毎年一回水先区における水先人の適正員数について検討するということで、さっき述べられたのは、各年度において審議会を開いて、その審議会の答申がこういうふうになっておるというのですか。
○亀山説明員 毎年海上航行安全審議会におきまして、各水先区ごとに増員の見通しについて一応審議会の了承を得る。ことしにつきましては、ことしの一月の航行安全審議会で各区水先の増員について了承を得ておるわけでございます。
○關谷委員 こういうふうな数についてそれが適切であるかどうか、海運局では調べたことがございますか。現地の状況と照らし合わせて、これが適当かどうかというようなことで荷主、船主の意見を聞いたことがありますか。
○亀山説明員 各水先区を管轄する地方の海運局におきまして、船主、港湾管理者、水先人の組合、こういうところと海運局が相談をいたしまして、適正員数というものを本省に通告をしておりますが、その相談の中に水先人会も入っておるということから、必ずしも常に船主なり港湾関係の要望が一〇〇%反映されない場合もあるのではないかと想像いたしておりますが、この点につきましても、先ほど御指摘のように、今後一そう調査を厳密にいたしまして、適正員数の増員ということに努力をしたいと思います。
○關谷委員 これから計画造船が大幅に建造せられるわけでありますが、このようなことになってまいりますと、水先人あたりのために稼航率が落ちるということがあってはなりません。今度港湾運送事業法を改正しようというのも、やはり大量建造せられる船腹量に適応できるような形をつくり上げようとしておるのでありますが、水先人のこういう組織の欠陥からたくさんつくった船の稼航率が落ちるということがあってはたいへんでありますので、ひとつ十分に検討していただきたいと思います。水先人の関係のことについてはわりあい海運局が軽く見ておるというのがいまの状態でありますので、ひとつここらで考え直して対策を立てていただきたいと思います。 それに次いで、あまり時間が長くなりますから羅列して申し上げたいと思いますが、第一に私が考えるのは。パイロットは定年制をつくったらどうであろうかということであります。比較的年寄りが多過ぎる。それで、少ししけたり、おそくなったりいたしますと、仕事をするのを大儀がる。その癖があってどうにもならないのだというのが一般の現状でありますので、定年制でも設けて、からだの強い人で、さあと言ったらさっと動けるような体制を整えておくのがいいのではないかと思います。それが第一。 第二番目には、水先人の法律改正の際に、あの当時の情勢からいって時間的余裕がなかったので、しかたがない、このまま通せというので通しましたが、一水先区に一組合ということでなく、大きいところでは、私はサービス改善の意味からいって、二組合を設けてサービスの競争をさすのがほんとうではないかという気持ちがいたします。一水先区に一組合というのは独禁法のたてまえからいってもぐあいが悪いのではないかという気持ちもいたしますし、私はそうすることがサービス向上のためにいいんだと思いますので、その点もひとつ御検討を願いたいと思います。 それから試験の方法でありますが、これは船をあやつる技術が優秀な者でありましたならば、学科試験をもう少したやすくして、語学は、外国の船あたりが来たときに簡単なことが話せる程度の者はどんどんと採っていくようにしていかなければならぬ。そのために、いまの制度でやりますと、大学を出た者でなければならないということで、学閥ということが非常にいわれておりますが、さっき卒業生のことでも言いましたように、陸に上がる者は大学出が多く、実際に腰を落ちつけてやって、技術の優秀な者は商船高校出が多いのです。これが船員の実情であって、私は一番よく知っておるのでありますが、そういう商船高校出の優秀な者をパイロットとして採用する道が開けるような試験制度に変えていかなければならぬと思います。その点についてもひとつ検討してもらいたいと思います。筆記試験だけむずかしく言うて、筆記試験は七十点なければならないのに六十六点だからこれは採用できないんだということでふるい落として、自分たちの閥を守っていこうということがありますので、その点よく検討を願いたいと思います。 それから選考をいたしますところの選考委員会のメンバーでありますが、この人選につきましてはよほどこれは慎重にいたしませんと、ここらが水先制度を誤らす根源になるのではないかというような気持ちがいたしております。この選考委員会——航行安全審議会のメンバーではありません、この選考委員会の人選というものはよほど慎重にしなければ、ここらで妙なメンバーが入っておると、妙なことになりまするので、私はそれについてはいろいろなことを聞かされ、いろいろこういうふうなプリントを渡たされたりいたしておるのでありますが、そのメンバーについては、これは厳正公正にやれるような人を選んでほしい、選ばなければならぬ。私はきょう何もそれらのことについて全部答弁しろと言いません。これはむずかしい問題で、いろいろ検討した上で御返答願わなければなりません。よく検討をして、そして適当な機会にこうなる、こういうふうにしますということで、その四つの問題につきまして御答弁を願いたいと思います。あとでその資料などを御配付願います。 私は十五分か二十分と思いましたが、長くなりましたので、この程度でやめたいと思います。 —————————————
○長谷川委員長 この際おはかりいたします。 議員田中織之進君から、委員外発言を求められております。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認め、これを許します。田中織之進君。
○田中(織)議員 私は和歌山県から出ておるものですが、過般、橋本小学校の子供会の関係の者が大阪港で遭難をいたしましたことにつきましては、さっそく運輸委員会といたしまして、当局から経過報告を求め、事故防止あるいは遭難者に対する慰霊、補償等の問題について、さっそく取り上げていただいておることを心から感謝申し上げるものです。たまたま本日午後二時から橋本市で合同慰霊祭がございまするので、この機会に皆さんのお許しを得て、特に運輸大臣に一、二要望だけを申し上げておきたいと思うのであります。 この事故につきましては、当初芦屋丸でありますか、タグボートのリモートコントロールが故障で暴走したために起こった事故だというふうに報道せられたのでございまするが、その後これがリモートコントロールについては何らの故障がなくて、東村船長でありますか、全く操船上のミスであるということを自供したことから、よけいに地元の人たちにショックを与えておるわけでございます。その意味で、私も過般地元選出の議員を代表して現地へ弔問なり、調査に参ってきたのでありますけれども、橋本市だけで十九名の子供とおかあさんとおじいさんの犠牲者を出しておるわけでありますが、その犠牲の上に立って、再びこの種の事故を起こさないようにやってもらいたいということが地元の要望の第一でございました。特に船長のミスであるというようなことがはっきり本人が当局の調べに対して自供しておる現在の段階から、特別に運輸当局として今後の事故防止の点に、いま關谷先生から船員の問題についての御質問もありましたけれども、指導なり監督なりを強化していただく具体的な提案が肥田委員等から本会議なり委員会で提案をされておることに従って、具体的に準備を進めていただいておると思いますが、陸の交通取り締まりが非常にやかましいのに比べて、海の交通の問題については、何となしにおくれているような感じがいたします。その点が地元で非常に切実に要望している点でございまするので、ぜひやっていただきたいと思います。 それからきょうの合同慰霊祭が終わりますと、あと遺家族なり、あるいは遭難者に対する補償の問題等の具体的な折衝が始まりますけれども、私現地へ参りまして感じたことは、きょうの合同慰霊祭の問題について、大阪通船なり日立造船の関係者が弔問等はなされておりますけれども、この種の事故の場合にはそういう関係の人たちも合同葬儀等のことについては配慮されるのが通例でございますけれども、本日はそういう関係者からの申し出が全然ございませんので、橋本市が市の各方面を集めて、橋本市の主催で慰霊祭をやるというようなことになっておりまするので、これが今後の補償等の問題について響いてくるのではないかということも心配をいたします。もちろん転覆をいたしました大阪通船は非常に小さい会社でございまして、ほかの海運会社のような負担力というものもございませんけれども、全く日立造船のタグボートのミスによって起こった事故ということになりますならば、ことに日立造船側に特別な考慮をしてもらわなければならぬというのが、地元の人たちの切実なる意見でございまするので、どうかこの点につきましても、当局の指導の面で、もちろんなくなった命は取り返すすべもないのでございますが、せめてもの慰霊の方法がそういう形で実現のできるようにということが、市長はじめ関係者の希望でございまするので、この機会にこの二点だけ申し上げまして、ひとつ運輸大臣からこの地元の要望にこたえられるような御努力をお約束していただきたいと思うのであります。
○中村(寅)国務大臣 いま田中議員からお聞きいたしました、大阪通船の「やそしま丸」が先日遭難いたしまして、そのために二十名の犠牲者を出しましたことにつきましては、心から弔意を表しておる次第でございます。 田中議員も言われますように、今後こういうことが再びないようにあらゆる努力を当局としましてはいたしますことはもちろんのことでございますが、こうして起こりました事故のあとの処置がまた非常に大切なことと考えております。 きょうの合同祭には海運局の高林参事官を運輸大臣の代理でやりまして、弔詞を差し上げさしていただきました。 あと一番大切なことは、田中議員の言われますように、あとの方に対してできるだけの弔慰をささげるとか、補償金を出せるというような処置をすることが残された一つの、なくなった方々の霊に対する道だと考えまするので、できるだけ早く、しかも丁重な処置ができるように、大阪通船はもとより、過失によって犠牲を出させました日立造船のほうにもそういうことに対しまして、当局としてもできるだけの処置をいたしまして、犠牲になった方々の霊を慰め、遺族の方々の気持ちを安らげていただきますように、力強く処置をしたいと考えておりますので、どうぞ遺族の方にも田中議員からよろしくお伝えを願いたいと思います。当局といたしましても、できるだけのことをいたしますことを固く約束いたしたいと思います。
○田中(織)議員 どうもありがとうございました。 —————————————
○肥田委員 ひとつ伺いたいことがあるのです。やはり船の関係です。ちょっと、簡単ですから……。 昨日予算委員会で運輸大臣が答弁された事項の中に、小松委員からの質問に対して、LSTの乗り組み員が水泳中に死亡をした事件について、五日には立川に運ばれるから調査して報告する、こういうふうにおっしゃっておられます。それからけさ、私のほうへ入りました情報では、昨日横田基地に日本人の死体が運び込まれた、こういう問題が新たに出てまいりました。そこで簡単にお伺いしたいのは、昨日大臣が答弁をされた立川に運ばれるという日本人の死体と、それから昨夜横田基地に運ばれた日本人の死体というものは、これは別なものかどうか、これをひとつお伺いいたしたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 私のほうに入っております情報では、立川基地に遺体は送還されておる、こういうことになっておりますが、その横田基地に入ったということは聞いておりません。さっそく調べて——私はおそらく人は同じ人だろうと思うのです。さっそく調べまして報告いたします。
○肥田委員 私のほうには昨夜そういう連絡が入ってまいりましたので、お調べを願いたいと思います。それからこれが同一人であろうということは、要は人数が少ないということになるのですから、けっこうなことだと思うのですが、それと同時にもう一つお伺いしたいのは、LSTに乗り組んだ人々で、今日までこういう関係で死亡した人がほかにもあるのかどうか、この点についても、これはあとでよろしいですから、一緒に御報告をいただきたいと思います。 ————◇—————
○長谷川委員長 次に航空に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。肥田次郎君。
○肥田委員 それでは、四日にこの委員会で問題になりましたところの日米航空協定の問題について、私は若干質問をいたしたいと思います。 四日に矢尾委員のほうから若干この内容に触れた話がありましたが、昨日の夕刊を見てみると、こういう記事が載っておりました。マン国務次官と武内駐米大使が会って、その内容だという筋書きのものですが、朝日の松山という特派員の記事が載っておるのであります。それには、米国の強硬態度はいささかも変化はない、われわれがいままでいろいろな面で期待を持っておったのが全く期待も持てないようなそういう実情だ、こういうふうにいわれております。これはおそらく武内駐米大使の話が松山特派員を通じて日本へニュースになってきたのだと思うのですが、そういう問題点が現在あるということ。したがって、アメリカ側としてはただ単にテクニックとして日本で交渉を持とうという範囲のものではないのか、こういう気がするのであります。これはまことに重大な問題だと思いましてお聞きしたいのであります。特にこのスノードンという交渉課長、こんな小粒の代表団が交渉権限を与えられておるはずがない、こういうふうに新聞に書かれておるのであります。したがって、その関係をもう少し詳しくひとつ御報告をいただきたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 私のほうに正式にきておりますのは、こういうような情報ではございませんので、私もその新聞記事を見まして調べてみたのです。が、正式の通知はない。何もきておりません。ただアメリカが態度をかたくしてくずしていないというのは、あるいはそういうことはあり得るかとも考えております。私らがこの間行きましたときの態度から、おそらく——正式にはいま交渉しておるわけではありません。武内大使が十日から開かれる東京における日米正式交渉の運営方法等について、向こうと打ち合わせております。その中でおそらく武内大使が受け取った感触だろう、かように私は考えております。私も肥田委員がいまおっしゃるように、アメリカの態度がそう初めから軟化してくるとは予定しておりません。しかし、向こうも東京に来てやるということは、正直に申しますと、非常に渋ったのです。それはなぜ渋ったかと申しますと、やはり東京へ来て正式交渉を開いて、ものがまとまらずに引き揚げていくということは、アメリカとしては容易ならぬことである。そういうことで非常に渋りましたのを、こちらから無理に押しつけました結果、向こうでは、私は、これは想像でございますけれども、ラスク長官だけでなくて、あるいは大統領あたりのところまで相談をして、日本へ行くということをきめたように、これは想像しております。そういうこともありますので、向こうとしても東京に来てやるからには、やはり相当の決心を持ってくるだろう。日本がかたいということも、もちろん知っておるはずでございます。それから日本の国内情勢というものは、運輸委員の皆さん方が行かれて、あらゆる人に詳細に話していただいておりますので、日本の国民的な空気というものも大体知っております。そういう土台の上に立って、日本に来て正式交渉を開こうというのでございますから、向こうとしても相当の覚悟を持っておる。ただメンバーが、新聞等で伝えられておりますが、まだこれも正式に通知があっておりませんが、しかしうわさでそういうことは伝えられておりますので、念のために私のほうとしては、だれが——これはことばは適当でございませんけれども、もっともらしいような人をひとつ代表の中に加えてもらいたいということを、これは念のために申し入れて、向こうでも考えるということのようでございます。大使のほうからもそういう連絡がございました。それで初めから加えられるかどうかわからぬが、人選をして、ひとつそういう要望にはこたえようという意があるようでございますし、私のほうとしても、そういう希望を強く申し入れておりますから、それもあるいはそういうことになってくるといま考えておるところでございます。
○肥田委員 私は直接話の内容を知るわけじゃないのですが、われわれが新聞その他の情報を総合して、最も不安に感ずることが一つあるのです。それはアメリカが非常に強硬な態度で、たいして考え方を変えていないのじゃないか、こういう印象を強く受けます。特にこの記事にも書いてあるように、おそらく日本は協定破棄というようなことはとてもやらないだろう、こういうことを前提にしてこの報道が出てきておるのです。私はこれは重大な問題だと思うのです。われわれの態度が率直に相手方に聞かれたということは、これはそのとおりだと思うのです。大ぜい行かれたのですからね。ただ、よろしい、あなた方の言われること、話はわかりました。趣旨はわかりましたというのと、じゃそれをどういうふうに交渉の中で希望を生かすかというようなこととは、これは問題は全然別にして考えなきゃいかぬと思うのです。大臣がおいでになってそして感じられた面と、ただことばの上で、向こうの儀礼的な応答の中で感じられたものと、それから純粋にアメリカがこの経済交渉の中での航空協定というものに対するものの考え方というものは、これはやはり私は区別して考えられないと、この東洋人の気持ちを尊重するものの考え方、アメリカ人のようにすべて物質的な取引を中心にしてものごとを処理する考え方、こういうものとの間に大きな食い違いができてくるんじゃないか、こう思うのです。特にその食い違いは民法的な問題でやむを得ない問題がありますけれども、しかし現実にこういうふうに日本はとうてい協定破棄というようなことをようやらぬだろうというふうに相手方がとっておるとするならば、私は、問題は非常に重大になってくる、こう思うのです。四日の日の大臣のお答えを聞いてみまして、私は若干不安を感じたのですが、その点について一大臣のほうでは、まあ交渉だから、初めからこちらの主張ばかり言っておったのでは交渉にならない。これは向こうも同じだ、こういうふうに大臣はおっしゃっていました。ところが、いま第一段階においてわれわれが問題にしておるのは、この不平等条約を是正するという大きな目的が一つある。ところが、向こうは経済的な取引ですから、平等とか不平等というふうなことは、向こうの考え方では、私は問題にしていないと思うのです。そこらが、気持ちとそれから実際上の問題とで、大きな食い違いがある。ですから、大臣のおっしゃるのは、こちらの気持ちも向こうにわかってもらったのですから、したがって、この話は進むだろう、こういうふうにお考ええになっておる。向こうは、言うことはわかりました、しかし商取引になってくると問題は別だという態度で臨まれると、そこらの関係は一体どの点を基点にして話をされておるのかということが心配になってくるわけなんですが、もう少しそこらをお聞かせ願いたいと思うのです。
○中村(寅)国務大臣 私も、アメリカの態度というものをそう甘くは見ておりません。アメリカもおそらくまだ最初の、一括でなければという姿勢をくずしておらぬと思いますが、日本のほうも東京—ニューヨーク—欧州以遠世界一周路線を確保すると同時に、将来の問題等につきましても不安のないようにといういろいろの配慮を申し入れをしております。この姿勢も強く私らは堅持しておりまして、それは、向こうから言わせますと、日本も姿勢をくずしておらぬという姿で、私は、アメリカが簡単にこっちの言い分を聞こうとは、そう安易には考えておりませんけれども、私はやはり国会の決議等を尊重して力強くやればまあ説得し得るのではないか、説得し得ない場合は、そのときにはまたそのときの時点に立って、決意の姿において処理していくという、まあことばは適当でございませんが、しっかりした腹を据えて取り組んでおるつもりでございます。
○肥田委員 大臣、おっしゃっていることはよくわかるのです。ところが、御承知のように国会は十一日で終わりになります。閉会になります。この臨時国会が閉会になると、またわれわれはしばらく大臣とお会いすることもないわけなんです。その間に実は交渉が始まるわけなんですね。そうして、またたいして交渉権限もないのに、瀬踏みにやってくるのがスノードンという小ものの課長です。あるいは、アメリカ人のことですから、言いたいほうだいのことを言って帰るのか知りませんが、このようなたいして交渉権もないような人が来て、そうしてそれに対してこちらはどういう態度で交渉に臨まれますか。こちらも同じようにその程度の者で応対させておきますか。
○中村(寅)国務大臣 私は、八月の十日から始めて、できれば八月一ぱいくらいまでには片づけたい、こう決心をしております。それで向こうも、それは小ものとおっしゃいますけれども、大体航空協定なんかのときには、そういう実務のわかる者が来てやるのが普通だということであります。ただ向こうが来るまでになりました過程を考えますと、日本は航空協定破棄まではやり得ないと必ずしも考えていないのじゃないか、これは、本委員会から行かれた方々は、おそらく航空協定破棄までやる日本の空気だということを伝えていただいておると思いますが、私も民間航空委員長のマーフィと話しましたときに重大な決意を伝えまして、そうして日本の国内の事情等を一時間半にわたって話をいたしまして、それからマーフィがよくわかったと言っておりましたが、それからラスクの態度が少し変わってきまして、そうしてあの最後の日の共同コミュニケにも載せることを承知しましたし、それを載せるまでのことを見ましても、アメリカのラスク長官を中心とした動きというものが非常に追い詰められたような形で動いておったようでありますが、最後は東京でやることを承知いたしたようでありますから、向こうも東京に来てやろうという腹をきめるまでには相当慎重な態度をとったようでありますが、私はそう向こうが、ただ小ものを差し出して話し合ってみたらいかなかったというようなことで引き揚げていくというような安易な考え方ではないと想像しております。私のほうの決心は、いま申されますように、向こうが何と考えておろうと、こっちは不平等の是正を要望する、実質的に不平等の是正を取りつける、これがぎりぎりの線でありますから、そのぎりぎりの線を堅持して力強く交渉するという決心でおります。それで向こうの態度が強いからいいかげんなところで話を片づけようなどという気持ちは毛頭持ちませんので、できるだけ話をまとめたいという気持ちは持っておりますけれども、向こうの出ようによっては、そんなにこっちが曲げてまでまとめようという意思もありませんので、そこは国民の気持ち、国会等の総意を尊重して力強くやるという決心でおります。結果はどんなことがあっても、向こうの言う条件をのめるだけのんででもまとめようというような気持ちは私にはございません。やはり不平等の是正ということを最低線として堅持したいという気持ちでおります。
○肥田委員 大臣、私はこういうふうに考えておるのです。スノードンというのが小ものだということは新聞に書いてあったのをそのまま言いましたが、これは大臣もおっしゃるように、課長クラスが一番よく実情がわかっております。ところが課長クラスの権限というものは、これは日本もアメリカも同じだと思うのです。ですからわれわれが体験する中でも、話を理解してもらうときには、実情がよくわかっておる課長クラスのところに話を持っていけば一番よく話がわかり、処理される。ところが最終的にその話をどうしようかということになってくると、これはもう課長ではどうにもならない。やはり局長あるいはそれ以上のところが最終的な処理をすることになる。ですから、要は実情がわかっておる課長が来てこれが小ものだということではなしに、少なくとも日米交渉、航空協定を改定しようというこの相手方として交渉権限というものを持ってくるということになると、課長では小ものじゃないか。帰って実情を報告するにとどまるというような程度のものしか、おそらくそういう権限しか与えられておらないだろう。それは結局アメリカと日本との交渉の過程で、日本の強力な交渉の中から、アメリカが何らかのテクニックを弄しなかったらこの問題のこれ以上の話の展開口がないというようなこういう判断の上に立って、それでは実情を調べにあなたのほうに行こうじゃないかというようなこういうテクニックの問題、こういうように判断しておるのです。ですから、実情というものは向こうのほうが知り過ぎるほど知っておる。私はこの交渉の基本方針というものは、いろいろ新聞なんかにも出ておりましたし、あるいは資料なんかをとって読んでみましても、やはりそういう判断は私は正しいと思うのです。アメリカのほうで航空協定を、経済的な価値の上に立ったところの航空協定というものを考えておるのですから、アメリカというのは、どっちでもいいわけだ。要はアメリカは損をしないところの協定が結ばれることが目的なんです。われわれはそうじゃない。われわれは気持ちの上で問題にしておるのが一つ。それから出発点が誤っておるということを言っておるのが一つなんです。そういう状態ですから、私はこの際、ただ実情を調べる程度ということでスノードン課長が来るのなら、これにはやはり日本の航空の実情に対してたんのうな課長クラスの人が応対をして、それで、どうだ、わかったろうということで帰ってもらえば、それでいいわけです。この諸君を相手に、ここで日本で何らかの交渉の足場がつくられるということは、私は少し考え方が甘いと思うのです。そういうふうに私は考えるのです。いかがでしょうか。
○中村(寅)国務大臣 航空協定の運び方は、向こうが全権を委任したという人が来るということじゃないと思います。それはいま肥田委員もおっしゃるように、私が向こうの人に、相当の者を出してもらいたいと言いましたときに、向こうが言いますのには、もう一切をそこでぴたっときめ得るほどの人をよこすわけにはいかぬ、そういう立場の人はそう簡単に行けない、しかし話し合って、直ちに本国政府に請訓をして取りきめられるような機構になっておるから、その点は心配するな、こう言っておりましたから、これはやはり出先が、ちようど日韓会談をやりましたように、実務の者で詰め合って、問題問題で一つ一つきめていく、こういうことだと思います。私のほうもそのつもりで対処する、あのときの話し合いもそういうつもりでやってきております。それで、実情調査とかなんとかという意味じゃございません。
○長谷川委員長 肥田君、中村運輸大臣は予算委員会のほうへ呼ばれておりますから……。
○肥田委員 その前にごく簡単に結びますが、結局交渉の基本態度と申しますか、廃棄というのがわれわれの決意なんです。交渉の基本態度というものは、相手方は現行協定が出発点だ、こう思っているのです。日本の態度はそうじゃなしに、もとに戻して、そしてそこから始めようじゃないかというのが、われわれの不平等条約を是正するという態度なんです。ここに大きな差があります。階段の上に立って話をしようというのと、階段の上がり口までおりてきなさい、そこから話をするんだというわれわれの態度というものが、もっとはっきり相手方に理解されなければいかぬと思うのです。これがいうところの条約廃棄の態度なんですから……。したがって、きょうはまだ六日でございます。国会は十一日までありますし、この次の委員会が十日にございます、もう一日委員会がございますから、この問題はひとつこのままお預けにしてもらって、そしてもし必要なら再度廃棄の態度を確認をして、そして交渉に臨むところの基本的態度と申しますか、こういうものについてもう少し詳しく大臣の御意見を聞いた上でこの問題の始末をつけていきたい、このように考えます。
○長谷川委員長 それじゃ大臣、予算委員会のほうへどうぞ。 泊谷委員。
○泊谷委員 町田さんにちょっとお尋ねをしたいのですが、新聞に伝えられるところによると、七月三日早朝、サンフランシスコ発羽田着で、香港行きのパンアメリカンの貨物専用ジェット機七〇七に強制立ち入りをして荷物をおろした、こういうことを報じておるのですが、これは事実か。事実だとすればどういう根拠に基づいて荷物をおろしたか、その間の経緯をお聞かせいただきたいと思います。
○町田説明員 正確に申し上げますと強制立ち入りではございませんので、わがほうの主張と反するような行動をとりましたので、東京でストップをさせました。荷物を全部おろせという命令をいたしたのでございます。別に強制立ち入りをして検査したわけではありません。もうちょっと詳しく申し上げますと、カンパニー・カーゴ、すなわち会社の荷物だけは積んでもよろしい、これは一般の商業品には関係ございません。その他は一般の貨物も郵便物も、全部東京でおろすという措置をとりました。その理由は、アメリカが現在東京から香港まで貨物便をやっております。これをさらに香港から先まで延ばしまして世界一周便にいたしたい、こういう希望をいってきたわけでございます。これに対しまして私どもは、それは日本航空その他一般の貨物を運んでいるキャリアにとりまして非常に影響するところが大きい。と申しますのは、香港から世界一周便をいたしますと、アジア地域特に日本におきます貨物は南回りによりましてニューヨークに行ってしまう。そうすると、太平洋を通って運んでいるキャリアに対しまして非常に影響が大きい。こういう意味で許可はできないというふうに申しておったわけでございます。ところが日米航空協定に基づきまして、現在貨客便の世界一周便をパンアメリカンはやっております。これに対しまして、七月三日に行なうものは貨客便に対する臨時便であるという解釈から実施しようということでいってきたわけでございます。これに対しまして私どもは、本来貨物便の増便と申しますか、香港から延長するということをやりたいといってきたのに、急に貨客便に対する臨時便であるという言い方は、いままでの経過から見て適当ではないというふうに判断いたしまして、同時に、臨時便の届け出が七月二日の夜九時ごろにまいりました。これは七月三日の朝私どもの手元に到着するわけであります。実際の飛行機は七月三日の朝六時に羽田に着いております、そういう手続上の不備がある、そういう趣旨でストップさせました。こういういきさつがあります。
○泊谷委員 航空局で許可しないという方針を、あらかじめパンアメリカン側に伝えてあったのですか。
○町田説明員 伝えてございました。
○泊谷委員 そうだといたしますと、航空局ではあらかじめ許可しないという方針を示しておったのに、パンアメリカン社独自の計画で世界一周専用貨物便、臨時であろうと何であろうと——ということでこの七月三日に羽田に着けたということですね。私は五月十三日に国会でこの日米航空協定の改定が決議され、そしていままでに例のないといわれている、国会議員が直接相手方のアメリカに乗り込んで事情を訴える、そして七月一日からは日米経済合同委員会が開催されておるというこの時期に、パンアメリカンが日本の航空局の指示にも従わずに強行突破、言ってみれば実力行使をやってきたということの意義は、相当大きいものがあろう。見方によっては日本政府を無視した行動と見なければならぬと思うのですが、質が重要であるだけに、これに対する政府の抗議といいますか、相手方に対する反省を促すという手きびしい行動がなければならぬと思うのですが、どういう措置をとられたか、その点についてお聞かせいただきたいと存じます。
○町田説明員 ただいま泊谷先生のおっしゃるとおりに私ども考えております。したがいまして羽田でとめまして荷物を全部おろさしたということが、これは当然でございますけれども、一つの行為、それからもう一つは外交ルートを通じまして米側に対しまして厳重に抗議を申し込みまして、今後こういうことを絶対にしないようにということを申しております。
○泊谷委員 貨物専用便は週三便サンフランシスコ、ホノルルを経由して東京までが一便、それから東京経由香港、サイゴンまたはバンコックまでが二便となっているわけですね。その他週四便入っておりますけれども、これはどういう運航で、どういう荷物を積んでいるのか、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。 なお、従来三便の貨物専用便は、正規の取り扱いをしますと、着出港する空港の指定もあると思うのですが、三便とも指定された羽田に到着しておるのかどうか、その事実も明らかにしてほしい。
○町田説明員 現在来ております貨物便は、先ほど問題になりました香港までが一便、それからあとはサイゴンまでが二便、こういう形になっております。 それからただいまお話がございました、このほかに週四便とおっしゃいましたのは、実はいきさつをこまかく申し上げますと、軍の物資を輸送する場合に、大ざっぱに申しまして三つの形態がございます。一つはいわゆるMATS輸送というものでございます。これは全部軍の管理下に置かれる輸送でございます。この輸送は特例法によりまして航空法から除外されておりますので、一般民間航空の規制からははずれているわけであります。それから二番目は、これは普通の場合と申しますか、一般の商業便に対しまして軍貨物を一般のレートで積むという場合でございます。これは普通の商業便としてその中に積まれるものでありますから、別に規制はしておりません。ただいま御指摘がございました三番目は、主としてパンアメリカンでございますけれども、ノースウエストもそういうことをたまたま要求してきましたが、普通の商業便に軍の貨物を入れて軍の貨物だけ運びたい、こういうものでございます。これにつきましては、私どもの解釈は、いわゆる航空協定にかぶるものではない。航空協定では一般の民間の需要というものが要望されるわけでありますが、そういうものではないという趣旨で、航空協定からははずれている。したがって、わが国の航空法の百三十条の二でございますが、要するに特別便という趣旨でございます。そういう形で全くわが国の判断で認可する、こういう態度をとっております。こういうことで一便ごとの許可という形にいたしまして、向こうが要望してまいりましたときに許可をいたす、こういう形になっております。それがただいまおっしゃいましたような大体週三便ないし四便というものが、昨年の夏ごろからパンアメリカンによって行なわれて、その他ノースウエストもときどきそういうことがございました。これは一般の定期便とは考えません。
○泊谷委員 端的にお尋ねしましたが、定期便三便、いま百三十条の二でおやりになっておるという話ですが、それは四便の場合もあると思いますが、全部羽田に着いておりますか。
○町田説明員 要するに、日本を通っていく便だけについて認可申請が出てくるわけでございます。そういうものは羽田を通るということになっております。
○泊谷委員 お尋ねしているのは、簡単なんです。羽田に着いていますか、いませんかと聞いておる。運輸省でオーダーを出したのは全部羽田に着いておるのでしょうねと聞いておるのです。
○町田説明員 着いております。
○泊谷委員 私が聞いておるのは、それでは誤りかもしれませんが、週三便というものの中には、横田に着陸するものがあるということですが、その事実はありませんか。
○町田説明員 横田に着陸して羽田へ行くというのもあるいはあるかもしれません。
○泊谷委員 それはおかしい、町田さん、通俗的な社会の話はそれでわかりますが、運輸委員会でお尋ねしているのです。これからどうかという形を聞いているのじゃないのです。いままで過ぎた事実行為をお尋ねしておるのです。ですから、羽田に着いたものは何便、横田についたものは何便ということが明らかにならなければならぬと思うのですが、いかがですか。
○町田説明員 調査いたしますれば明らかになると思います。
○泊谷委員 それではまた、その調査をまって次回にお尋ねすることにします。 民間航空機では武器弾薬は運べないことに国際間のならわしはなっておると思いますが、いかがですか。
○町田説明員 そのとおりでございます。
○泊谷委員 だとしますと、正規の三便以外の四便というものは、これは総じて四便と言っているので、四便であるのか五便であるのかよく承知しませんが、とにかく正規の三便以外に来ているのは事実ですね。これは何によって保護されて飛んでおるのですか。
○町田説明員 ちょっと御質問の趣旨がわかりませんが……。
○泊谷委員 この四便というのは、地位協定の関係などによって保護されて日本の飛行場に着陸する、日本の上空を通過する、こういうことになるのですかと尋ねているのです。
○町田説明員 先ほど申しましたように、航空法の百三十条の二という根拠に基づきまして許可をしております。
○泊谷委員 ちょっと不勉強で恐縮ですが、それでは着陸料その他は地位協定の五条のように免除されるのですか、されないのですか。
○町田説明員 免除されておりません。
○泊谷委員 そうしますと、その運航並びに積み荷というものについて運輸省側は詳細承知をしておりますね。
○町田説明員 承知しております。軍需物資に限るという意味で承知しております。
○泊谷委員 軍需物資に限るという意味で承知しているということは、どういうことでしょう。もう一度別な言い方をしてわかるように説明してください。
○町田説明員 私どもの解釈では、先ほど申しましたように、これは一般の航空協定にカバーする商業便ではないという意味で、軍需物資に限る、軍需物資だけを積むのですというような条件をつけて飛ばしておりますので、そういう意味において内容について承知しておるということであります。
○泊谷委員 先ほども話がありましたように、地位協定でなくて百三十条の二でやるとして、着陸料その他は間違いなく取っているし、荷物の内容もわかる。実際荷物の点検などはできるのですか。
○町田説明員 航空法によりまして立ち入り検査をいたしますればできます。
○泊谷委員 いままで立ち入り検査をおやりになった事実がありますか。
○町田説明員 これについては特にございません。
○泊谷委員 その必要を感じなかったといえばそれまでですが、なぜ荷物の立ち入り検査をおやりにならないか。特に事情がおありですか。
○町田説明員 特に事情はございません。一般的に申請の内容を信用しているわけでございます。
○泊谷委員 それでは私が、そこに疑義があるから立ち入り検査をして一度確かめてもらいたいと要請すれば、やっていただけますか。
○町田説明員 いたせると思います。
○泊谷委員 再三くどいお話をしましたのは、あらかじめお断わりしておきますが、安保協定がどうのこうのという議論をしようとするのではありません。せっかく日米航空協定を改定しようというときに、私どもの国の航空界が全世界の均衡のとれたものをどうして求めるかという位置において私は尋ねたいと思うのですが、具体的な問題としてどうしても私として理解できないものは、いまお話がありましたMATSです。これは来るときは軍需品を積んできますね。帰りはどうしていますか。私の聞いた話では、料金をダンピングして一般の旅客を乗せているというふうに聞いているんですが、事実は違いますか。
○町田説明員 私どもの方針ではMATS輸送というものは、お話がございましたように、安保地位協定に基づきまして特別の措置をしているわけでございますので、それと一般の商業便とを混同して使用することは厳格に区別するように申しております。したがいまして、お話のような事実はないと思います。また、そういう申請が出てまいりました場合には却下するという方針であります。
○泊谷委員 いまのお話では、アメリカ側に、MATSの取り扱いは地位協定に基づく行為だから、民需にこたえてはいけないということを航空局で話をしたというのはいつごろですか。
○町田説明員 話をしたと申しますか、具体的な例といたしまして、先生のおっしゃるように、たとえばMATS輸送で参りました便、帰り便がからになるときに、それで商業貨物あるいは一般の人を積んでいきたい、こういうような申請あるいはそういう話し合いが出てくることが間々ございます。そういうものにつきましては、すべてただいま申しましたような趣旨で不許可ということで処理しているわけでございます。したがいまして、具体的に出てきた例もございますし、出てこなくてお話がございましたけれども、だめですということで断わっているというのが実情であります。
○泊谷委員 もし——もしということばをつけますが、事実行為として帰り便に一般の商業ベースあるいは民需にこたえたという事実がありとすれば、航空局はどういう措置をとられるのですか。
○町田説明員 やはりこれはこの法律の先ほどの百三十条の二と思いますけれども、特別便の申請、臨時便の申請という形になると思いますけれども、そういう法律に違反するような行為がございました場合には——まあ事前にわかりました場合にはもちろんとめます。もしそういう事実上法律違反の行為をいたしました場合には、それに相当する措置をいたさなければならぬと思います。
○泊谷委員 先ほどは地位協定五条による行為、MATSはそういうことだとお話がありまして、帰り便に疑義があるということで航空局が具体的にその内容をお調べになるということが事実問題としてできるんですか。
○町田説明員 MATS便そのものでございましたらおそらく、航空法の適用はございませんので、立ち入り検査は法律的にはできないと思います。
○泊谷委員 そうすると町田さん、どういうことになるのです。前段で聞いたのはそういう要請があったから断わった、こういうお話です。もし——もしということばをつけたんですが、事実ありとすれば、今度は航空法百三十条の二でしかるべき措置をとる。実際問題としてその検査ができるのかと聞けば、これはまた地位協定五条に戻りまして、不能だということになれば、やり得ですね。いかがですか。
○町田説明員 私が申し上げました趣旨は、MATS便でございますと、MATSの全体が軍の管理下に入るわけでございますので、そういうものは地位協定五条ではずれるという趣旨でございます。したがいまして、向こうから申請が出てまいりました内容でございますけれども、MATSのチャーターを排除しまして、そして一般の商業便にいたしまして一般の貨物を運ぶという措置になれば、それはすぐに民間一般の航空法の内容に含まれますから、そういう場合には立ち入り検査ができるという解釈でございます。
○泊谷委員 そうしますと、立ち入り検査は可能だというのですね。
○町田説明員 そのMATSの契約が解除されまして、MATS便でなくなったという場合には可能だ、こういう趣旨でございます。
○泊谷委員 だから、持って回っているんですよ。同じことでしょう。MATSを解除するかしないかは米軍の掌中にあるわけだ。そうでしょう。一般の人が羽田で乗ったか乗らないかということは、日本国内におけるこっちの事実行為なんですから、それは軍のMATS輸送計画が解除されなければ意思発動ができないということ、そういうことですか。
○町田説明員 ただいまおっしゃいましたようなケースの場合には、もちろん解除されなければ商業便はできないということであります。したがいまして、先生のおっしゃいます意味で、MATSの契約のまま一般の民間物資あるいは一般の人を運ぼうということになります上、これは航空法と別の問題にあるいはなるかと思います。
○泊谷委員 大臣、唐突なお尋ねになりますが、不在中に一つお尋ねをしたのです。七月の三日に貨物専用便がパンアメリカンで飛んできたのです。羽田に着いて、運輸省は、あらかじめそのコースについて許可を与えていないために、指示して荷物をおろさした。ところが先ほど申しましたように、一つは五月十三日に国会で日米航空協定の改定の決議がなされ、長谷川委員長關谷委員その他うちの矢尾先生などがアメリカに行って、日本の実態を訴えて、大臣がアメリカにおいでになって、これまた日米経済合同委員会が開かれておるときに、日本の航空局の、日本の政府の意思を無視して、強行突破をパンアメリカンがやってきたわけです。それからいま申し上げましたもう一つの問題は、貨物便が正規に三便許可され、そのほかに航空法百三十条の二で適用されておるといわれております軍需輸送、これは着陸料をもらっておるというのですから、地位協定とは関係ないでありましょうが、この品物について、私のほうで立ち入り検査した事実なし、臨時便といわれておりますMATS、来るときには一般の軍需品でありましょう。ちょっと整理しておきたいのですけれども、帰りに一般の旅客を料金をダンピングして乗せた、そういう事実があると私はここで申し上げませんが、問題として提起するからには、その不安なしとしないから申し上げておるのですが、この一連の動きを考えまして、具体的にいま問題になりましたMATSの問題は、航空局長が答弁したような事態にあるのですけれども、もしこれが事実行為としてあったとすれば、日本の羽田を基地にして飛び出します日航などというものは、どんな協定ができたって事実上は底抜けになりますね。力のある国にダンピングされ、そして軍需輸送として配置された飛行機が、帰り便で旅客を運ぶということがあったのでは、鋭意いま努力されておることについて何ら価値を有しないのですが、これについて大臣としてどう処置をされるか。その方針をひとつ聞かしていただきたいのです。
○中村(寅)国務大臣 いま泊谷委員の仰せられた点は、向こうが法規に従ってやっていない場合のことだと思うのです。そういうことがもしもわかりますれば、私は法の許す範囲の処置を厳重にして、そういうことを差しとめたいと思っております。
○泊谷委員 大臣の考え方が明らかにされまして了解いたしましたが、技術的にどうするのか。その部分についてひとつ回答をほしいと思うのです。日米航空協定の中に、相手国航空機に不当な影響を及ぼさないよう公平の原則により輸送力を規制すべきであるとした条項があるはずです。日米航空協定という民需の関係の協定がある。片や地位協定五条だというのですが、実態としては片道は許してもいいと思うのです。私はこの荷物も調べてもらいたいと思うのです。実際は地位協定五条で来るなんというものは着陸料も取りませんし、免税措置ですから、そういうことで一般商業ベースで始められたのではたまったものではありませんから、航空局としても一、二度くらいはこんなものについては調べてみるくらいの気魄がいまの交渉前にあってしかるべきだと思いますが、それは行政上の問題だから強くは言いません。しかしともあれ日本の航空界の基礎を固めようということでいま進めております段階において、大臣からいま方針が明らかにされましたが、事務的にこれを始末するとすれば、どういう論拠に立って、また具体的なことでもいいですが、おやりになろうとするか、恐縮ですが、もう一度町田さんのほうからお答えを願いたいと思います。
○町田説明員 ただいま泊谷先生がおっしゃいました例でございますけれども、MATSチャーターと申しますのは、その飛行機全部がMATSの軍の管理下に入るわけでございますので、米軍が自分の管理下に入っているものに対して一般の貨物を輸送させようということを考えた場合は別でありますけれども、そういうことはちょっと考えられないわけでございます。そこで、先ほど申しましたように、たとえばからの帰り便を民間輸送に使おうとする場合には、当然その限りにおいて、MATSが解除されまして、一般商業便になってやるというふうに考えられます。したがいまして、先ほどお話がございましたように、そういうものについては原則として許可はしないという方針でございます。もし万一、先生のおっしゃったような事実があるということでございましたら、やはりこれは航空法に従いまして、立ち入り検査をして差しとめるという措置がとり得ると思います。そういうふうにいたしたいと思います。
○泊谷委員 それでは、先ほどの話とは違って、事実行為としてそれが帰り便は民需にこたえているらしいということが予想された場合は、かりにMATSの運航計画が軍から解除されなくてもやりたい、こういうことですね。
○町田説明員 そういうことでございます。
○泊谷委員 何月何日こうなったということをここで申し上げる資料を持ち合わせません。しかし一応私が口に出したということは、やはりそういう心配あるいはにおいがあって問題を提起しているわけでありますから、この点十分留意されまして、航空局のほうで特に措置を要請しておきたいと思うのです。この際、航空協定改定の交渉にあたって、先ほどのパンアメリカンの乗り入れといい、世界一周の貨物便の問題でありますが、強くこれに批判をするとともに、不定期の規制と、それから便数の規制など強く要請すべきだと思うのです。何か新聞を見ますと、逆に貨物線の新設など提案されておるという話を聞くのですけれども、もってのほかだと私は思うのですが、このことについて政府はどういうふうにお考えであるか、今度の交渉に臨む態度として明らかにしてほしいと思います。
○町田説明員 航空協定にございますように、先ほど泊谷先生が御指摘になりましたように、輸送力条項というのがございますけれども、両方の航空機便は平等のチャンスを持たなければならない、それから、公衆の利用にマッチしたものでなければならない、こういうことが十条、十一条、十二条というところに書いてございます。したがいまして、そういう趣旨に従いまして、相互に公衆の需要にマッチしたという意味で、ルートにつきましても、便数につきましても、相談し合ってやっていきたいという方針でございます。おっしゃるような御趣旨に沿ってやっていくというふうに御解釈いただいてよろしいかと思います。 なお、臨時便、特別便につきましては、これは航空協定のいわゆる定期便と別でございまして、これはこれでまた別途の方針がございます。それは私どもがとっております方針は、一般の定期便に非常な影響を及ばさないというものについては許可をする、影響を及ぼすというふうに考えられるものについては許可をしないという方針でやっております。これは、わが国は一般的に申しまして、ほかの諸外国に比べて非常にきびしいというふうに考えられております。今後そういう方針でやっていきたいと思います。
○泊谷委員 いま貨物便について二つの問題を私は出したつもりです。一つは、軍需という銘を打って、一般民需の関係の品物が飛行機で運送されてないかという心配が一つ、もう一つは、地位協定第五条によるというMATSといっても、実態は小さい子会社の飛行機をチャーターして軍需にこたえさせている。必然的に一般民需にこたえているという心配なしとしない。この二つを提起したわけでありますが、今度せっかく数多い大臣もアメリカに乗り込んで、航空局の皆さんも十年近くでしょう、苦しんでいても、相手国の実態としては、航空企業の圧力というものが相当この交渉の一つのネックになっていることは、口に出せないが腹の中では御承知のはずだと私は思う。だとすれば、そういう事態をあばくということでありませんけれども、公正を期するためには、商業ベース、軍需ベースというものをいずれかの機会に明らかにして、お互いの土俵をきちっとしておいて折衝に乗るということが肝心だと思いますので、特にこの点配慮して事を運んでいただきたいと思います。この点を要請しておきたいと思います。 それでは今度は、直接航空協定の関係でお尋ねしたいのですが、米国の上院、下院に、従前、国際航空運送協会、これはシカゴ条約でできました一つの機構ですけれども、これが国際線の運賃の調整、統一をしていることにしてありますね、これを、アメリカの航空局で航空局独自に運賃決定ができるように、距離比例制などを含めた法案の提出の動きがあると聞いておるのですが、この情報はどうでしょう。
○町田説明員 そういう動きがあるということを私ども聞いております。
○泊谷委員 中村運輸大臣にお尋ねします。 いま前段で申し上げた貨物便を中心に問題をとらえて考えてみ、それから、アメリカの国内の動きを見まして、これらの動きから、今回の交渉は、日本側としては、何のことはない、ニューヨーク以遠の乗り入れですね、これをこの改定に際して修正を要請した。ところが、アメリカ側のほうでは、逆提案として、新聞の伝えるところによりますと、まあ交渉の内容に入ることでしょうから詳細に入ってはいけないかもしれませんが、日本側の既得権の放棄、東京以遠無制限運航の確認、新しい会社の太平洋線乗り入れ等々出てきておるわけですが、こういうことはそのまま図表にして考えてみると、直接当てはまるかどうかは別にして、綾部運輸大臣時代に、北日本、日東、富士を統合せしめて国内航空を設立して、札幌—東京間の主要幹線乗り入れを認めたが、コンベア24〇で、全日空の727、日航のボーイング88〇とはとうてい太刀打ちできなかったのと同じような感じを私は受けるのです。 そこで、そういうふうにして考えてみますと、今回のアメリカ側の交渉に臨む態度は、先日長谷川委員長をはじめ当委員会の先生が四名アメリカにおいでになったときに、アメリカの新聞などでは社説でこれを取り上げ、ニューヨークには当然乗り入れるべきだと主張されて、従来と違った前向きの空気が出ておったと思うのです。ところが、今回大臣がお骨折りになって東京に交渉の場所を移したことについては評価されるべきものがあると思いますけれども、交渉のスタイルとしては、このアメリカ側のかまえ方を見てみますと、これは不平等な航空協定を改定するという技術論あるいは政治的な配慮といいますか、そういう意思とは別に、アメリカの持つ必要に迫られた航空政策、このアメリカの航空政策をこの際一気に今度の交渉を通じて解決しようという腹づもりのように見えてしかたがないのですが、大臣としては、相手の腹ですからどう読むかは別として、いままでの接触の中で、この三つに分けました、一つは、純粋な技術論としての日米航空協定の不平等の節を直そうとかまえてきているか、二つには、日米間の友好をさらに前進させるために、理屈はどうであろうと、政治的にものごとを解決しようとしているか、三つ目の、この際アメリカが持つ必要に迫られている航空政策のために、特に太平洋上における路線確保の意味を含めてこの際片づけようとかまえてきているが、大臣はそのうちのどれをアメリカ側は強くお持ちだとお考ですか、この際明らかにしてほしいと思います。
○中村(寅)国務大臣 私は、アメリカは、日本が要求しております東京—ニューヨーク、東京—欧州および東京に帰る世界一周路線をよこせ、こういうことがきっかけになっておりますので、アメリカは、これは私の推察でございますから、向こうの腹でございますから聞いたわけではございませんが、推察いたしますと、向こうはやはりいまの姿というものを、日本が言うように不平等な状態であるとは解釈しておらないのじゃないか、それはそうだと思うのです。それから日本がいま世界一周路線をよこせ、こういうことを強く申し出てきたために、それを認めるについてはやはりアメリカも国内企業がたくさんあって、その企業のひとつの政治に対する圧力といいますか、あるいは要求というようなものが相当強いということは、これは御承知のとおりであります。そういう問題を全然無視してはアメリカとしても日本の要求には対処し得ないという立場に立って、やはり日本に——向こうが言いますのには、相当あの航路は一つの権益だ、こう向こうは言っているのです。それは日本も日本の家庭の事情があろうけれども、アメリカにもアメリカの家庭の事情がある。こういうことをおさめていくためには一定のことは日本にも承知してもらわなければならぬ、こういう姿勢にあるのであります。
○泊谷委員 先ほど町田さんにお尋ねしましたが、アメリカ側は国際間の航空料金というものは一つの組織があって規制していたのを、今度はやめて独自の自国の国内とあわせて料金政策をかってにきめられるということになると、距離制でやられるとすれば、かりにニューヨークビヨンドを認めたとしても、アラスカ経由で入って距離の問題で太刀打ちができないはずです。さらに新しい路線を認めて、パンアメリカンとノースと、さらに一本太平洋上に乗り入れてくるということになると、これはそらおそろしいかまえだと私は思うのです。せっかく長谷川委員長たちが行ってあれだけ起こしてきた体制を、またあそこで、ワシントンできめようとしたのを、大臣ががんばって東京に持ってきたことの価値は私なりに評価しておるのですけれども、現状はこれから交渉に臨む体制として、これはとてもじゃないがそらおそろしいかまえになってくるのじゃないかという心配を特に私はするのです。なぜかならば、一九四四年のシカゴ条約はアメリカが招集して五十二カ国を集めたのですが、三つの話題を提供しましたけれども、特に空の自由について航空路の割り当て、便数、貨客の積載制限、料金統制など無制限自由を訴えたのはアメリカなんですよ。そして合理的な規制を設けるべきだと主張したヨーロッパ諸国との意見が対立して、いまの二国間協定というものが出てきた。そうでしょう。だとすれば、私どもはこの協定の今度の交渉の中で最大のとりでは、先ほども話が出ましたが、そこで問題になってくるのですが、二国間協定がたった一つのとりでになってくるだろう。もちろん航空協定を破棄することは問題ではありません。ものごとをまとめる手段であることは承知しております。ただいままでの歴史をながめてみて、私の手元にあります資料では、二国間の協定で話が合わなくて相手方から破棄通告されたのは、四回のうちアメリカは三回あるのです。いずれも一年後に——一件まだ残っておるようでありますけれども、大体一年後に再協定をいたしまして、協定を破棄した側の主張が大幅にいれられて、そこでアメリカは初めて譲歩しておるのが過去の実績なんです。 そこで、今回の交渉に臨むにあたりまして、きのう山口委員がお尋ねをしまして、大臣の八月中に約三週間程度でまとめたいという話がどう理解していいか実は苦しんで尋ねておるのですが、大臣がワシントンに乗り込んだのは、新聞の記事によりますと、わが国の言いぶんはこうだという資料を突きつけて、何も数字的なことを言う気はない、あるものは日米間の感情だ、こう言われて大臣が引き掲げられたと書いております。この限りにおいては確かに公正な、特に友好関係にある日米間のきょうだいつき合いをさせるために、いままで曲がっておった協定をまっすぐにしてくれという筋を訴えられたことについては、このベースで進められることは好ましいと思うのです。ですけれども今度のように、いま大臣も心配されておるように、それは不平等条約という位置づけではなくして別なことらしい、こういうところですね。一発勝負で、私どもは言い分は何もない、前回ワシントンで言ったとおりだと大臣がかまえるのか、あるいは条約の改定なんというものは十年も二十年もかかった先輩の歴史があるから、じっくりと長いことかけてものごとを直そうとするのか。いずれにしても三週間というものは中途はんぱで、ひょっとすると名前だけはいただいて、実は全然とられてしまって四十五、六年と予想されますSSTの開発、料金政策など考えてみれば、へたな妥協はそらおそろしい事態を招くのではないかと考えて特にお尋ねをしておるのです。この点について交渉に臨む大臣として全般的な総括ベースで交渉に臨まれようとするのか、衆議院で、あるいは参議院できめられた院議に基づく、とにかく不平等である航空協定を改定せいという、その一点にしぼって交渉を始めようとするのか、そのどちらを選ぶのか明らかにしてほしいと思います。
○中村(寅)国務大臣 日本が主張しておりますのは、世界一周路線と同時に、日本の国内企業が健全な営業がやっていけるようにという一つの基本的な態度がありますので、それをくっつけてアメリカにこれを処理させていかなければならぬ。御承知のように国内企業の実力というものは、アメリカの持っておる国内企業と日本の国内企業とは力関係に非常に大きな開きがございますので、そういう客観的な情勢の中にあって日本の航空企業が世界一周路線を円滑にやっていけるということが、これはやはり大切なことでございます。そういう基本的な態度を考えながらとこれを取り結ぶことが即不平等の是正になって、いくこういう一つの基本的な立場で交渉を進めてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○泊谷委員 交渉の全権をお持ちの大臣に交渉に注文をつけることは不見識だと思います。だがたいへん心配で、やはりいま大臣のことばでいみじくも出てまいりました、私はできるだけ避けたつもりでありますが、持てる国、持たざる国というお話がありましたが、一連の動きはアメリカの航空政策に関する限り——ほかのことには言及しようとは思いませんが、一貫して流れておるものは力による勝負、それは過去の歴史からして否定はできないと思います。しかしせっかく、何度も申し上げますが、長谷川委員長や關谷委員が行って——これは日本語に直したのをもらったのですが、アメリカの新聞の社説、これは一九六五年六月十日付クリスチャン・サイエンス・モニター紙の社説ですが、ごらんになったでしょうか。私としても記録にとどめてもらおうと思いますが、それを読ましてもらうと、こういうふうに書いておる 。 「第二次大戦による壊滅から再び日本が世界の強国の地位を取り戻したのは、もっぱらその経済的復興に基づいたものであり、軍事または外交にたよったものではなかった。そのために日本人には、自国が他の国と平等な取り扱いを受けているかどらかを判断するに際して、経済的な尺度を用いたがる傾向がある。 したがって、日本航空の太平洋路線を延長し、米大陸を横断してニューヨークへ乗り入れたいとする希望を、米国政府が拒否し続けてきたことは、日本国民の間に広く憤りの感情をかもした。さきに日本政府が行なった協定改正交渉は何の成果もあげなかったが、今度は、国会を代表する日本の代表団が来米し、米議会及び米航空局に対してこの問題を提起しようとしている。 米国の二つの航空会社は東京に乗り入れている。ニューヨークは疑いもなく最も有利で威信のある米国のターミナルである。米国の航空会社が東京に乗り入れているのに、何ゆえに日本の航空会社はニューヨークへの乗り入れが認められないのか、了解に苦しむ。一九五二年に締結された協定によって、日本をニューヨークに寄せつけないでいることは、米国が日本を劣等国として取り扱っているという点で、現在は締結当時よりもより罪深く日本人の目に映ずるのである。 日米間には一朝一夕には除くことのできない若干の問題がある。沖縄問題はその一つである。幸いにも全般的日米関係より見れば、いまはそれらは小さな部分を占めるにすぎない。しかし、もし米国が新しく生まれかわった日本を認めることをためらうならば、小さな問題もたちまち日米関係全般を悪化させるおそれがある。この点からも、日本航空のニューヨーク乗り入れを認めるべきである。」 これはアメリカの新聞の社説であります。国会議員の皆さんも、もちろんそれは、素地をつくってくれた前の航空局長も、綾部さん時代も松浦さん時代も努力されて、ここまで積み上げていって、アメリカの新聞の社説さえ取り上げてこう断定するに至っておる。しかるに、なぜさらに問題が拡大し、質的な変化を求めて交渉の場が持たれるかということは、他動的な力があると見なければならないと思います。他動的な力は、これは直接的な行為としては採算ベースで直接利害関係にありますアメリカの航空会社でありましょう。今度の話の中でも、この交渉団に——交渉団とはなってないけれども、時を同じゅうして数多いアメリカの航空会社の皆さんが日本においでになるという話は聞いています。もしそれが事実だとすれば、中村運輸大臣がかまえる態勢としても、先ほど先輩の肥田さんからもお話がありましたけれども、国内の航空会社なり、あるいは国会の与野党の先輩を何らかの形で組織して、この交渉の局面の打開に当たるという方策も、一つの手段として考えられていいと思うのですけれども、これについて具体的に中村運輸大臣は構想をお持ちでありますか、この点をお尋ねしたいと思いますし、この質問はあわせて、異例の措置でありましたが、運輸委員長として本会議でこの種問題の提案をされました長谷川委員長からも見解を聞かしていただきたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 私は、いまの段階では、私が決意を十分いたしまして、出てくるアメリカと取り組んで、相手がどういう人が来ようが、私の決心は一つも変わりませんので、相手の出てくる人によって、いまここで、向こうの業界が来るからこっちもそれをというようなことはいまの段階では考えておりません。ただ、私の力が及ばずして、そういう人の力を借りなければならないという判断に立ちましたときには、その時点で考えたいと思っております。
○長谷川委員長 お答えします。 日米航空協定交渉はいまから始まるのですから予測はできませんが、私自身の考えとしますと、十一日に国会が終わり、交渉会議が十日から始まるそうですからひとつ運輸委員会の皆さん方はなるべく東京にお残りいただいて、どこかにたまり場をつくりまして、そして情報の交換をしながら交渉をフォローアップするのが必要じゃなかろうか、こういうふうにいま考えております。
○泊谷委員 中村運輸大臣、まあ自信のほどでいまのところ相談を持ちかける必要はないといわれたのでしょうけれども、交渉というのは、これはやはり私はかまえ方というか、土俵というのを気にするのです。いまの土俵は、ぼくら相撲をとりたいというのに、ボクシングをさせろといわれているような気持ちなんです。私どもがお願いしてないところまで話が出されてきて、かえって息の根をとめられるのではないかと心配している。本来、中村さんが主張したように、言い分はここに書いてある。残るのは日米間の国民感情だ、日本からアメリカに与えるものは一つもない、このベースでやってもらう。それが私どもは全世界に聞いてもらっても無理のない主張だと思うのです。世界の主要国でニューヨークに入れてくれないのは日本だけでしょう。インドだって、イギリスだって、全部入っておるのです。最も仲がいい日米間だというのになぜこれを入れないかというのは、やはり背景には深刻な、企業を守らなければならぬという理屈を抜きにした航空界の始末にアメリカは苦悩して、この際太平洋上におけるアメリカの航空政策を一気に片づけよう、形だけはニューヨークに入れてやろう、ニューヨークを越えて飛んでいくことはいい、しかし実質はいただこうというかまえに見えてしかたがないのです。それでは本来の日本とアメリカという兄弟関係の筋とは違うのじゃないか。しかも先ほどから申し上げましたように、うちのほうで断っているのに、パンアメリカンが世界一周の貨物便を羽田に着けてみたり、MATSのように帰り便に民需を載せてみたりされたのでは、たまったものではない。きれいごとを言いながら、実際は金をもうけるためには弟も兄貴もないというようなかまえでは容易でないと私は思うのです。ですから、土俵を何とか整理してもらいたい。本来の相撲をとる土俵に戻してもらいたいと思うのですが、それは十日を目の前にして、アメリカでやるよりは日本でやってもらったほうがいいですから、交渉の場は、これは私は了解します。ですから、東京で交渉を持たれることに一つの喜びを持ちながら、何とかその上がる土俵というものをきっちり整理をしてかかっていただきたい、こういうことを強く要請したわけです。向こうも、院外団というのですか、応援団がある。私のほうもそのベースで必然的に、中村運輸大臣がどう考えようと、国会筋はこうだということで、逆にことばは悪いけれどもあばれんぼうに使うという措置もあるだろうと思うのです。全知全能をしぼって、この際考え方を正してもらうために精魂を傾けるべきだと私は思いたいのです。そういうことで問題を提起したので、きょうのところ御返事をいただきましたけれども、十日にもまた何かお話があるそうでありますから、その際までにひとつ熟慮されて、さらにお答えをいただきたいと思います。 そこで、はなはだ恐縮でありますが、大臣お忙しいから、せっかくの機会に、私の手元にありますのを一つだけ読み上げて参考に申し上げておきたいと思うのです。この二国間の協定はどこも紛争を続けております。こんなことは事務局からお手元にいっておると思うのですが、耳で聞いたほうが早いでしょう。一九五三年にイギリスとフィリピンの協定は、イギリス側から破棄を通告しましたけれども、五五年の一月に協定ができていますね。そしてイギリス側は極東のマニラ線を獲得したのです。それから一九五八年、米仏協定をフランス側から破棄しました。破棄して、これも五九年には新しい協定ができまして、フランスは北極経由のロサンゼルスまたはサンフランシスコの路線を含む三路線を獲得したのです。またさらにアメリカとフィリピンの問題で、フィリピンのほうから五九年に破棄通告があって、これも両国航空企業が行政許可のベースで行なっておりますけれども、フィリピン航空のマニラ−ホノルル−サンフランシスコ週二便が確保されて、逆にパンアメリカンはホノルル−グァム−マニラ−シンガポールを週二便、ホノルル−グァム−マニラ−シンガポール−ジャカルタ週一便、これは六便であったものをこれだけに制限することができておるわけです。まだありますけれども省略をして、数字上の問題として、さらにはアメリカとインドの協定です。これもインドから破棄しまして、五四年に破棄して五六に結んだのですけれども、新協定を締結して、インド側は世界一周線の権利を握ったわけです。 ですから、これは今回の場合与野党一致して出ていると思うのですけれども、何も協定破棄が目的ではありません。交渉をまとめる手段であることは承知しながらも、過去の歴史は、行き着くところやはり協定を破棄し、一年間の行政ベースで運航を認め合いながら新しい協定の締結という道を踏んできているのです。この点を特に念頭にとめておかれまして、この際最後に大臣にひとつお願いをしておきたいと思うのですが、これは新聞にも出ておったのでごらんいただいたと思うのですけれども、「六年前、わが国はそれまで認められていたシアトル線、サンフランシスコ線のほかにロサンゼルス乗入れを求めて、日米間で改定交渉を行なった。その時、ロサンゼルス乗入れの代償として、米国側の乗入れ便数の事後審査主義を認めたことはあまり知られていない。」ということは表に出てなかったわけですけれども、「事後審査主義とは、便数を先にどんどんふやし、半年後にその増便が乗客数などに見合ったものかどうかを日米間で協議するというやり方。この結果、日本に乗入れる米航空会社の増便はほとんど自由になってしまった。」と指摘しているのです。日航は羽田で四十四便しかございません。パンとノースで合わせて五十七便、現実の羽田の実態はこうであります。特に大臣にお願いしたいことは、今度の交渉はたいへん御苦労だと思います。御苦労だと思いますけれども、ただ単に名前だけをもらって実を奪われて、五年後、十年後、私どもが国会を去るときに、あとにきた者に言いわけのつかないような始末だけはしないように、まことに恐縮な申し上げ方でありますが、特に肝に銘じて御努力をいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらしていただきます。
○長谷川委員長 次会は来たる十日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十二分散会