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48回国会参議院1965/03/29

予算委員会第四分科会 第3号

発言数
117
登壇者
10
会派数
4
開催日
1965/03/29

会議録

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  去る二十七日、鈴木壽君が委員を辞任せられ、その補欠として小林武君が、本日、藤田藤太郎君が委員を辞任され、その補欠として横川正市君がそれぞれ選任されました。     —————————————

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) 昭和四十年度総予算中、文部省所管を議題といたします。  まず、政府の説明を求めます。愛知文部大臣。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 昭和四十年度の文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、文部省所管の一般会計予算額は四千四百六十九億八千八百五十一万八千円、国立学校特別会計の予算額は千六百七十五億八千九百七十万五千円となっており、その純計は、四千八百億千七百九十五万円であります。  この純計額を前年度当初予算額と比較いたしますと、およそ六百四十九億円の増額になりますので、その増加率は、一五・六%になるわけであります。  この増加率は決して十分とは申せませんが、一般会計予算総額の増加率を考えますと、文教予算に重点が置かれていることは明らかであろうかと存じます。また、内容的にも、従来とかく見のがされがちでありました面につきまして、できる限りきめのこまかい配慮を加えたつもりであります。  以下、昭和四十年度の予算案におきまして、特に重点として取り上げました施策について御説明申し上げます。  まず第一は、初等中等教育の改善充実であります。  前年度に引き続きまして、公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数を改善し、施設設備の整備を進めることといたしましたほか、さらに教科書の無償給与を推進し、学校給食の充実をはかる等の施策を進めることといたしておりますが、要保護、準要保護児童生徒に対する就学援助、へき地教育及び特殊教育の振興につきましても特に留意し、教育の機会均等の趣旨に沿うようにつとめました。  そのうち、まず、学級編成及び教職員定数の充足につきましては、学級編制の基準を原則として小・中学校いずれも最高四十八人に改めるとともに、標準法に基づいて教職員定数の充実をはかり、また、特殊学級担当教育及び充て指導主事の増員などを行なっております。  次に、給与の改善につきましては、給与改訂、管理職手当の引き上げ等を行なうことといたしましたほか、へき地にすぐれた教員を配置するため、へき地勤務教員の優遇策について特別に考慮いたしております。  次に、公立文教施設につきましては、既定計画の線に沿ってその整備を進めることとし、小・中学校の校舎及び屋内運動場の整備、危険校舎の改築、学校統合に伴う校舎等の整備を行なうために、公立文教施設整備費二百八億円を計上いたしました。そのうち、危険校舎、統合校舎等の事業量、建築単価及び構造比率の改善につきましては、それぞれ実情に即して配慮を加えております。  次に、父兄負担の軽減をはかる趣旨から、小規模学校の教材の充実を含めて教材費の増額をはかりましたほか、国・公・私立学校を通じて、小学校及び特殊教育諸学校の小学部の第一学年から第六学年までの児童に、全教科書を国の負担において無償給与することにいたしております。  また、学校給食につきましては、小麦粉について従来の補助を継続いたしますとともに、ミルク給食につきましては、酪農振興の見地から、国内産牛乳の大幅な使用増加を前提として、所要の補助金を計上いたしました。  さらに、学校給食の施設設備につきましては完全給食の実施を目途として、従来に引き続き単独校の計画的整備をはかるとともに、最近特に要望の強い共同調理場の整備費について大幅な増額を行なっておりますほか、新たに生牛乳の殺菌設備の補助を行ない、また、栄養職員の設置につきましても、補助対象人員の増加をはかっております。  このほか、関係市町村のかねての要望にこたえて、小・中学校の遠距離通学者に通学費を支給する市町村に対し、新たに補助金を交付する道を開いて、義務教育の円滑な実施をはかることといたしております。  次に、僻地教育の振興につきましては、まず僻地に勤務する教員の人事交流の円滑化に資するため、僻地勤務教員の優遇措置を講ずるとともに、教員住宅の建設について一そうの充実をはかり、また、僻地に勤務する教員の子弟の教育のために、新たに高等学校の寄宿舎建設に対する補助を行なうことにいたしました。  さらに、僻地の教育環境の整備につきましては、引き続き、スクールバス、ボート、視聴覚教育設備、僻地集会室等について補助を継続いたしますとともに、小・中学校の寄宿舎の建設費及び運営費に対する補助金の増額を行なうなど、総合的かつ重点的に施策を推進することといたしております。  次に、特殊教育につきましては、養護学校及び特殊学級の計画的な普及と就学奨励費の内容の充実をはかるために必要な経費を計上いたしますとともに、職業教育の一そうの充実を期するため、特殊学級の設備及び特殊教育諸学校の技術・家庭科の設備の充実について補助金を増額いたしております。  また、要保護、準要保護児童生徒の就学援助につきましては、それぞれの品目について補助単価の改訂を行ない、その内容の充実につとめております。  このほか、前年度に引き続き、道徳教育及び生徒指導の充実強化をはかるために必要な諸経費を計上し、また、教職員の研究活動を推進するため、各種教育研究団体の助成を強化するとともに、都道府県に総合的な研修センターを設置するために必要な補助を行なうことといたしました。  また、幼児教育の重要性にかんがみ、多くの父兄の要望にこたえて、幼稚園の普及整備のために必要な施設、設備の補助を増額計上いたしております。  第二は、大学教育の拡充であります。  国立学校特別会計予算につきましては、前年度の当初予算額と比較して二百八十一億円の増額を行ない、約千六百七十六億円を計上いたしました。その歳入予定額は、一般会計からの繰り入れ千三百四十五億円、借入金三十五億円、附属病院収入二百十七億円、授業料及び入学検定料三十七億円、学校財産処分収入十七億円、その他雑収入二十一億円であります。歳出予定額の内訳は、国立学校運営費千三百十九億円、施設整備費三百五十二億円などであります。  まず、国立大学の拡充整備につきましては、公立一農科大学の国立移管を含む八学部の開設、三十五学科の新設及び拡充を行ない、特に多年の懸案でありました文理学部の改組を、まず四大学について実施することといたしております。  また、教員養成制度の改善につきましては、制度全般についてなお検討を進めておりますが、さしあたり、教員養成大学、学部の入学定員の改訂、養護教諭養成所及び必要な養成課程の新設、宮城教育大学の創設などの措置をとることといたしております。  このほか、前年度に引き続き、中堅技術者の育成のため七工業高等専門学校を新設する計画であります。  以上の結果、大学及び短期大学の学生定員の増加は、合計約三千四百人となっております。  さらに、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費、設備費等のいわば基準的な経費につきましてその増額をはかりますとともに、新制大学における大学院修士課程の拡充についても特段の配慮をいたしております。  次に、施設の整備につきましては、財政投融資資金及び不用財産の処分収入を財源の一部に含めまして、予算額の大幅な増額をはかり、一段と施設整備の促進をはかることといたしておりますが、特に、土地の取得のために財政投融資資金を利用いたしましたことは新しい構想であり、今後の成果を期待いたしたいと存じます。なお、施設整備のために、後年度分について四十五億五千万円の国庫債務負担行為を行なうことができることといたしております。  次に、育英奨学につきましては、大学院奨学生及び教育特別奨学生の増員を中心として、引き続き事業の拡充をはかるとともに、日本育英会につきまして奨学金の返還業務の促進に要する経費を増額し、約八十九億円を計上いたしております。  第三は、私学振興の拡大であります。  私立学校の振興は、文教政策の今後の重要な課題でありますが、昭和四十年度の予算案におきましては、特に重点としてこれを取り上げ、格段の努力をいたしたところであります。まず、私立学校振興会に対する政府出資金及び財政投融資資金からの融資につきまして、合わせて百十億円と、これを前年度の二倍に拡大し、私学全般の施設の改善充実をはかることといたしております。  次に、私立大学等理科特別助成費及び私立大学研究設備助成費につきましては、合わせて五億円増の約三十億円を計上し、科学技術教育の振興にも資するとともに、新たに私学の教職員の研修センターに対する建設費の補助を計上する等の施策を講じております。  第四は、学術研究及び科学技術教育の振興であります。  わが国の学問及び科学技術の水準を高め、ひいては国民生活の向上に寄与するため、学術研究及び科学技術教育の振興につきましては、かねてから努力を続けてまいっているところであります。  明年度におきましては、まず、学術研究について、重要基礎研究の促進をはかるために、科学研究費の増額を行ないましたほか、原子力、防災科学、宇宙科学等の研究のために必要な経費を計上し、また、電子工学研究所の新設、海洋研究所、宇宙航究研究所等の整備をはかることといたしました。  さらに、国際的な学術研究の協力体制を強化するため、引き続き日米科学研究協力事業等について所要の経費を計上するとともに、南極地域観測事業の再開に必要な経費を計上いたしております。  次に、初等中等教育の分野におきましては、中央産業教育審議会の答申の趣旨に従い、産業教育関係の施設設備の改善充実をはかるとともに、自営者養成のための農業高等学校の寄宿舎、実習施設等を整備することにいたしました。  なお、科学技術者の養成につきましては、昭和四十年度におきましても引き続き理工系学生及び工業高等学校生徒の増募を行なうため、大学、高等専門学校及び工業高等学校の充実整備をはかっておりますが、国立学校関係につきましては、先ほど述べました学部、学科の増設等により、約二千五百人の理工系学生の増募を行なうことといたしております。  第五は、青少年の健全育成と社会教育の振興であります。  働きながら学ぶ青少年の教育問題は、学校教育及び社会教育の両面にわたって深く意を用いるべきところであると存じます。  まず、学校教育の面におきましては、引き続き定時制高等学校の施設設備の整備、定時制及び通信教育手当の支給、通信教育用学習書の給与等に必要な経費を計上いたしましたほか、夜間定時制高等学校につきまして、夜食費補助金及び運動場照明施設整備費補助金を増額計上いたしております。  また、社会教育の面におきましては、勤労青少年に学習及び訓練の機会を与えるため、国立第四青年の家を新設いたしますとともに、引き続き公立青年の家の整備を進めることとし、さらに青年学級及び勤労青年学校の内容の充実をはかり、また、中学校卒業後直ちに就職する青少年のために研修を行なう経費も新たに計上いたしました。  次に、社会教育は、広く国民の資質の向上に大きな役割を果たしており、その普及振興は、学校教育の充実とともに、きわめて大切なことであります。このため、まず公民館、図書館、博物館等の施設、設備の整備を一そう推進するとともに、家庭教育、婦人教育あるいは同和教育等の振興のために必要な諸経費を計上いたしておりますが、同時に、すぐれた社会教育指導者の養成は、社会教育振興のため最も必要なことと存じますので、新たに国立社会教育研修所の設置に関する経費を計上いたしました。  次に、体育の普及奨励につきましては、広く国民一般に対し体育を普及奨励するため、水泳プールの整備に必要な経費を大幅に増額いたしますとともに、体育館、運動場のほか、新たに公立高等学校の柔剣道場を整備するための補助金を計上いたしております。  また、スポーツ活動の指導者養成、スポーツ教室及びスポーツテストの普及、スポーツ団体の助成等について必要な経費を増額いたしましたほか、相次ぐ登山事故の防止のため、すぐれた指導者を養成する必要を考え、新たに国立の登山センターを設置するための準備を進めることといたしました。また、オリンピック東京大会を記念いたしまして、選手村跡の施設を活用してオリンピック記念青少年総合センターを設立するための経費一億二千万円を計上いたしております。  第六は、芸術文化の振興であります。  芸術文化の質的向上をはかるとともに、すぐれた芸術を広く国民に普及いたしますことは、国民生活の文化的向上をはかる上に、きわめて必要なことであります。このため、近代文学館その他の芸術関係団体の助成を強化し、芸術祭の開催等を行なうことといたしておりますほか、歌舞伎、文楽等のすぐれたわが国の伝統芸術の保存と振興をはかるため、国立劇場の建設を進め、さらには、東洋美術の公開展示のための東洋館の建設を行なう等、関係予算の大幅な増額を行なっております。  次に、文化財保存事業につきましては、保存修理事業を拡充し、防災施設の整備をはかる等、その充実について努力を重ねておりますが、特に最近、国土開発の急速な進展に伴って、史跡、埋蔵文化財等の保護対策の強化が痛感されておりますので、平城宮趾の買い上げ、発掘調査の促進をはじめ、その他の史跡につきましても、その公有化、環境の整備等をはかるため必要な経費を増額計上いたしました。  第七は、国際文化の交流であります。  国際文化交流関係の予算につきましては、まず、アジア文部大臣会議をはじめ、教育、学術、文化、スポーツ等、各種の国際会議への積極的な参加及びわが国で開催される国際会議に対する援助を積極的に行なうことなどによりまして、国際機関、団体等との協力提携をいよいよ密にするとともに、文化協定締結国等との学者、研究者、学生の交換、学術の共同研究、芸術、文化財の交流、スポーツを通じての国際交歓などをさらに推進し、また、国際文化団体への助成を強化いたしたいと考えております。  次に、各国の要望にこたえて、留学生の受け入れ体制、特に日本語教育体制の整備についてくふうを重ねますとともに、新たにアジア・アフリカの学生を主として受け入れるため、ユネスコ国際大学院コースを開設することにいたしました。なお、最近海外勤務者が激増しつつあり、その子弟の教育が切実な問題となっておりますから、その教育対策につきましては、これを一段と積極的に推進することといたしました。  以上のほか、産炭地域における教育につきましては、放置できない実情がありますので、就学援助費、給食費等について援助を強化するため、一般の予算措置のほかに特別の配慮を加えております。  その他、沖繩の教育に対する協力援助費につきましては、これを大幅に増額して、別途総理府所管として計上いたしております。  以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) これより質疑に入ります。  質疑の通告がございますので、順次発言を許します。千葉千代世君。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私は、幼稚園教育の問題と学校医の問題、それから学校安全会について文部大臣に質問いたしますが、その第一番の、幼稚園教育の問題でございますけれども、人間形成の大事な時期に当たる幼児教育の重要性は、いまさら私が申し上げるまでもございませんが、現実には、幼稚園はたいへん狭い門となっているわけでございます。私の調べたところによりますと、昭和三十八年に幼稚園に入った者九十万人、それから三十九年においては百三万人に急増していますが、その七〇%が私立幼稚園になっております。いま、入学試験にたとえますというと、幼稚園から大学までが試験地獄で、幼稚園浪人ということばがこの二、三年出てきた。御承知のように、徹夜で受験の番号の札を取るために、おとうさん、おかあさんが非常に苦しんでいる。それから、無理な電車の通園をしたりしているわけですけれども、文部省は、昭和三十九年から幼稚園の振興対策として七カ年計画が実施されているように伺っておりますけれども、その実情について御説明いただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 幼稚園の問題につきましては、なかなかたいへんで、困難なものがございますことは、いまも御指摘のとおりであります。で、文部省といたしましては、ただいま御指摘がございましたように、昭和四十五年度というところを目標におきまして、御案内のように、人口一万人以上の市町村の就園率を、そのときまでに六三・五%というような目標を置きまして、幼稚園の新設あるいは学級の増加に努力をいたしておるわけでございます。  それで、どういうふうな状況になったかと申しますと、三十九年度をとってみますと、新設されました幼稚園が三百二十でございまして、それから幼児数がその間に約十二万人増加をいたしておるようでございます。  それから、とりました措置の一つといたしまして、公立の幼稚園の設置者は市町村でございますが、この市町村に対する財源を強化したいと考えまして、地方交付税の交付金の単位費用を、幼稚園の教育費については人口一人当たり十二円四銭ほど増額いたしたわけでございます。現状におきましては、人口一人当たり幼稚園教育費が七十三円十二銭ということに相なっておるわけでございます。  それから、国の予算につきましては、御承知のように、公立幼稚園の整備費の補助金、それから幼稚園の設備費の補助金、これは公立、私立ともに含まれております。それから、私立の幼稚園に対する私学振興会からの貸し付け金、それぞれ四十年度におきましては三十九年度よりもさらに増額をしておるわけでございます。  で、こういったような、むずかしいながら、いろいろくふうをしていった結果が、三十九年度にどうあらわれておるかと申しますと、ただいま申し上げましたように、新設の数も相当ふえたわけでありますけれども、これは当初立てました、いわば七カ年計画とでも申しましょうか、先ほど申しました目標に比べますと、実績は、三十九年度は、予想いたしました計画よりもかなり進んでいるということが言えるのではないかと思いますが、それらの数字的な問題につきましては、政府委員から必要によって御説明いたしたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 いまの御説明によりますというと、実績もかなりあげているとおっしゃったのですが、実際的には、設置基準などを見ていますと、建築する場合、やはり資材の値上がりとか人件費の値上がりとか、そういうわけで非常に困難を来たして、市町村でもかなり本気になっておりますけれども、まだまだ隘路はたくさんあるわけでございますが、そこで私が伺いたいのは、この七年計画というものをもっと繰り上げて、これを充実していく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは、実はまだ私一個の考えでございますけれども、つまり、長期計画を設定して、幼稚園教育に前大臣も非常な意欲を示されて努力をされたわけでありますが、その実績を見てみますと、三十九年度にも、ただいま申しましたように、予想よりも以上の成果があがっているように思いますので、こういう状態をよく掌握いたしまして、できるならば、その期間というようなものも短縮いたしたい、私としてはそういうふうに考えておるわけであります。  ただ、ただいまも御指摘がありましたように、幼稚園についても、ただ実績が、ことに私立の幼稚園の数がふえた、あるいは就園の児童がふえたということだけでは安心できませんわけで、やはり、私立の幼稚園の経営には、ただいまも御指摘がありましたように、いろいろ経費の問題もございますから、私立の幼稚園の、たとえば授業料等が高くなり、育児費が大いにかかるというような面が一面出てまいりますから、それらともにらみ合わせまして、国がどういうふうに、あるいは市町村がどういうふうに、さらに計画的に援助をしたらいいかということについては、今後なお真剣な対策の樹立が必要である、かように考えておるようなわけでございます。  なお、御承知と思いますけれども、現在の時点でとると、幼稚園の数は七千八百六十九でございます。それから幼児数が百六万人、教員の数が四万五千人余、就園率が三八・九%、こういう状態なんでございますが、これは全国の問題であって、各都道府県によりまして、この就園率などは非常に大きな開きがある、こういうところにも問題があろうかと思います。一例をあげますと、ある県におきましては八二・三%の就園率をあげておりますが、ある県におきましては、わずかに九・六%、こういうふうに非常に大きな開きがございます。こういう点に、われわれの大いに考えていかなければならぬ点があろうかと思っておるわけであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 次に、父母負担の増加の件で質問いたしますけれども、昭和三十六年ごろですというと、大体公立では年間五千円、私立で一万二千円、そのくらいでございましたのが、三十九年ですというと、公立が約八千円で、私立が二万円ぐらいの負担となっているわけですけれども、非常に父母の負担が増加していく。そのほかに、まあいろいろの名目で幼稚園の先生方のお給料が非常に少ないものですから、お盆とか暮れとかに御配慮なさっておる方がおられるようですけれども、そういう観点から考えますというと、文部省の掌握していらっしゃる三十九年現在の公立の平均の年間要ると予定される額ですね。私立はどのぐらいでございますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 幼稚園の場合におきまして、直接幼稚園自体で徴収するものが主であろうと思います。そのほかいろいろ家庭で必要なものを買う場合も相当ございますけれども、その中で一番やはり主要なものを考えますと、入園料であろうと思います。公立、私立でございますが、三十九年度の実態を調べてみますと、公立で最高二千円、大体平均いたしまして百五十円ぐらいが全国平均になっております。百五十円弱でございます。私立は大体三千円程度といわれておりますが、最高五万円などというのもございます。これは例外でございまして、大体三千円弱、二千七、八百円ぐらいが私立の全国平均になっております。これは入園料でございます。  そのほかに、まあ服装費とか、その他若干のものがございますけれども、大体これが中心を占めているものであろうというふうに私は考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 先日の厚生大臣の答弁の中にも、私、保育料は高いということを追及いたし、これは何とか考えなければならないというお話でございましたけれども、日本の幼児対策というのは、文部省と厚生省との二つに分かれておる。これは、具体的には大蔵省なら大蔵省で予算を査定する場合にでも、文部省の幼稚園の問題、それから厚生省の保育所の問題と、両方で予算を取るのに一生懸命になっていると、こういうふうな状態だと聞いているわけですけれども、この幼児教育について、何か文部省で一本化するような対策について考えられたことがございましょうか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 幼稚園と保育所の関係は、従来からいろいろやはり問題があると申しますか、調整の必要があると考えられておりまして、昭和三十八年に厚生省と文部省との間の協議がまとまって、教育という面からいえばその基本になる考え方というもの、指導要領というようなものについて両省で協議が行なわれ、まとまりましたものを、両省から幼稚園と保育所の末端に通ずるように、指示といいますか、指導をすることになったわけでございます。これで、一番基本の大切なところは、両省のやり方というものが一致する線に乗ってまいりましたわけでありますけれども、ただ、保育所のほうは、幼稚園と違いまして、長い時間にわたって両親がいろいろ仕事をされる、そういう関係の子供さんたちを保育するというような、幼稚園とは別個の非常に大切な役割りを持っておられるわけでございます。  そこで、全体の計画としては、先ほど申しました長期計画においても、大体文部省の関係では、幼稚園については、人口一万人以上の市町村が一カ所の幼稚園を持って、六割以上の就園率をあげていけるようになる。そうすると、保育所の実績や計画から見まして、大体において義務教育就学前の教育体制というものは一応ととのう。そこを目標にして、両方相協力し合って進もうということになっているわけでございますが、なお、これらの点については、さらに積極的に研究を進める必要があろうかと考えるわけであります。  それから先ほどもちょっと申しましたが、お尋ねの点でありますが、やはり入園料その他の点から申しましても、幼稚園についても、公立の幼稚園というものをもっとふやさなければならない。で、少なくても今日やらなければならないます第一のことは、幼稚園のない市町村、あるいは幼稚園が極度に不足しておる市町村に幼稚園を新設する、あるいは学級増加をはかる、こういうことが、幼稚園のサイドから見まして一番適切な、またやらなければならない施策であると、かように考えまして、先ほどもちょっと触れましたように、たとえば地方交付税交付金の算定基準などにつきましても、相当の配慮を自治省にもお願いをいたしまして、実現をしつつあるようなわけでございまして、こういったような点に文部省独自の立場では努力を続けていきながら、かたわら、厚生省とはますます協力、緊密一体の体制をしいていかなければなるまい、こういうふうに、考え方としては考えておるわけであります。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 先ほど私が申し上げました数字に若干補足して申し上げておきたいと思いますが、先ほど申し上げましたのは入園料でございます。  三十九年度の保育料の調べによりますと、公立で月平均四百八十七円、私立のほうは、月平均千五百三十二円、こういう数字になっております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 幼児教育の一体化については、私は多少意見は持っておりますが、きょうは時間の関係で省略をいたしますが、昭和三十九年に、文部省それから厚生省が連絡をとってお互いに幼児教育についてやろうではないかという通達かなんか出ておりますね。しかし、現実には、なかなかそうはいっていない実例もございますわけです。で、たとえば幼稚園の教育の指導要領なら要領というものを、今度はそれと似寄ったものを厚生省のほうでも考えておると、こういっておりますが、そういうときには、やはり指導要領のよしあしは別として、やはり十分な御連絡をとってやっていただきたいと思います。  その次には、幼児教育、つまり幼稚園の義務制の問題と、それから義務教育を一年年齢を下げていく、こういう関連で伺いたいと思うのですが、ほうぼうの国で見ますというと、五才の就学というのがかなり多うございますね。現在日本では就学する人は六才でございますね。非常に多いわけです。そういうときにおけるやはり義務制の年限を下げていくのと、それからもう一つの考えとしては、幼稚園の一年を義務制化するとか、あるいは父兄への義務入園——父兄が責任をもって入園させるとか、それから市町村が責任をもって幼稚園を設置する——いま文部大臣が述べられました全国の市町村にふやしていきたい、こういうふうなことがございます。それと、幼稚園の先生方の給与との関係がございますので、その点、どのようになっておりますか。お答え願いたいと思います。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) まず、最初の問題でございますが、幼児教育の重要性という観点から申しまして、幼稚園でございましょうとも、あるいは保育所でございましょうとも、ある程度この教育の共通性というものを持たせる必要がございます。そういう意味で、厚生省と私どもと十分連絡をとってやってまいったわけでございまして、厚生省の保育所のほうにおきまして、最近改正されました幼稚園の教育要領に基づきまして、これをさらに保育所に適するように保育要領を改定すべく、いま準備をいたしております。これにつきましても、私どもの専門家がこれに協力しまして、お互いにそごのないように、十分連絡をとっておるつもりでございます。  それから次の問題でございますが、幼稚園を義務制にするという問題でございますが、これは、なかなかむずかしい問題であろうと思います。また、重要な教育問題でもございます。イギリスなどでは満五歳から就学義務を課しているところもございますが、将来の問題として、幼稚園そのものを義務制にするのか、あるいはまた小学校の就学年齢を一年繰り上げるかというような問題は、教育制度の根本にわたる問題であろうと思います。したがいまして、これは、しかるべき権威のある機関において十分検討していただきたいと私ども考えているわけでございます。現在のところでは、私どもとしては先ほど大臣からるる申し上げましたように、十分幼稚園の普及してない地域に幼稚園を普及さして、できるだけ多くの幼児を教育の対象にしていきたいということに努力しているわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 幼稚園の先生の養成でございますけれども、養成所は都会にわりあいに多くて、地方には少ないわけですね。よい幼稚園の先生をたくさん得るためにという、その一つとして、今国会に育英会法の提案がなされて、返還免除規定ができるわけなんですが、これは、なんでございますか、これから入って出ていく方に免除をやるんですか。ずっと前から育英資金を受けていて義務制に行った方、幼稚園の先生方は、お返しになっていただく——これは前にさかのぼるということは考えていませんか。

杉江清文部省大学学術局長

○政府委員(杉江清君) 今後入ってくる者及び現に在学している者からこれを適用する、こういうことにいたしております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これも時間がないんで残念ですが、やはりこれは、さかのぼって適用されるような何らかの方途を考えていただくように要望しておきます。  それから給与でございますけれども、小学校よりもたいへん低いですね。同一学歴で、そして同一勤務年数で計算していった場合には、大体全国で四千円から五千円低いように聞いておりますけれども、その点、いかがでしょうか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 公立の幼稚園におきまして、現状は、御指摘のように、公立の小学校よりも低いわけでございます。三千円ないし四千円くらい差があると思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それでは、やはり希望を持って安心して働いていただくということについては、非常にこれは申しわけないと思っているわけでございます。小学校との交流も、いま自由にいっておりませんですね。いろんな義務教育国庫負担の関係やら、その他で、いっておりませんけれども、私はやはり、幼稚園の先生方が調べた調査を見ていきますというと、いま幼稚園で働いていらっしゃる先生方の七〇%は上級免状の資格をお持ちになっていらっしゃる、こういうわけなんです。ですから、交流のほうも考えていただくと同時に、給与についても、これじゃ非常に少ないし、給与の出どこが、市町村負担でございますね。同じ市町村負担でも、東京とか、その他のところですというと、たとえば教育職員給与表ですか、それに合わせる。これが多くの場合ですというと、行政職がほとんどでございますね。その点、どういうように把握なすっていらっしゃいますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、給与は小学校の場合よりも低くなっております。しかしながら、この問題はいろいろな原因があると思いますが、御指摘のように、幼稚園の場合は市町村が負担いたしております。そういう関係で、交付税等の積算に十分の積算をいたしましても、やはり町村の財政等の事情によりまして十分の給与を出さないという市町村が多うございます。そういうために、小学校の場合と非常に開きがございますが、小学校のほうは、これは御承知のように、都道府県負担でございます。したがって、交流等の場合におきましても、給与の負担関係からまいりますところの困難もあるわけでございます。  したがって、将来の問題として、私どもは、理想としては、幼稚園の教員の俸給につきましても、都道府県というような、もう少し上の段階において負担をしてもらえれば、これは、ある程度そういう問題は解決するのじゃないかというように考えておるわけでございます。そういうことになりますと、御指摘のような、小学校との交流等もかなり促進される。また、待遇においても相当改善が行なわれるのじゃないかということを期待しておるわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 短大を出て資格をとりましても、大体三分の一ぐらい、あとはみんなよそにいってしまう、給料のいいほうにいってしまうと、こういう実情では、やはり、幼児教育が大事だとか重要だといいましても、現実には、よい先生が希望を待って安心して働ける職場でないことは非常に残念だと思うのですが、いま初中局長は、県費負担の方向へいきたいと、こういう希望を述べられたんですね。私、それはたいへんけっこうなことで、ぜひしていただかなければならない。というのは、幼稚園の先生方は二十年来要望し続けていらっしゃるし、私どもも、これは何とかして県費負担に少しでもやっていかないと、全国の、いま申し上げたアンバランス、非常に少ないところですというと——これは例でございますけれども、長くお勤めになって、まだ一万幾らのところがあるわけですね。それが、何ぼせつなくても、言っていく場所がないわけです。地方費が、非常に財政が圧迫されているからできないと、こういうことで片づけられてしまう。ですから、これを排除していく道は、県費支弁の方向にやっていく。県費支弁でやっていくためには、小学校の先生の場合のように義務教育国庫負担法の中でということもありますけれども、先ほど申し上げました義務制化の問題と、それから父母の義務入園の問題と、地方の幼稚園義務設置の問題——具体的には義務設置の方向に出していけば、これは義務教育国庫負担の適用になりますか、どうですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 義務設置をしたから直ちに国庫負担法の対象になるというようには考えていないわけでございます。これはまた別個の問題であろうと思いますが、ただ、先ほど申し上げましたのは、これは都道府県教育長協議会などで昨年来検討いたしております問題でございまして、その研究の結果も、まだまとまっておりません。したがって、どういう方向にいくのか、結論を申し上げるのは早いわけでございますけれども、一つの理想としては、そういう方向も考えられるのじゃないか、こういうことでございます。したがって、現在の幼稚園の教員の待遇が悪いというのは、市町村の財政の問題もございますけれども、また一面、卒業して就職する方々が、まあお嫁入り前に給与は幾らでもよろしいからお手伝いの意味でやらしてほしいという方々も相当いるわけでございます。そういう点から申しまして、平均給与が非常に下がっているというのが現状でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 やはり、義務教育国庫負担法を何らかの方法で変えていくという、そのことを前提として変えていくということについては何かの糸口がなければならない。そうするためには、先ほど大臣が述べられました七カ年計画、これを早く繰り上げて、内容を充実していく、そのあとに来るものが義務設置——そういうことになると、たいへん日がかかるので、率直に言って、これは早急に県費支弁にしてほしいという、予算的措置がほしいという、こういう私どもの考えでございますけれども、県費支弁に持っていくためには、たとえば予算的な、文部省の予算の要求の方法なり、あるいはその他について、何かいい方法がありますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) まだ名案がないわけでございまして、都道府県教育長協議会の部会等におきまして、事務的にいろいろ検討されている段階でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 たいへんしつこいようですが、給与の問題は、やはり基本でございますので一番気になりますわけなんです。それで、さっきお嫁入り前の就職云々と言われたのですが、これはいずれの職業にもあることでございまして、お嫁入り前に、ちょっとの間とかというのが、かりに一人や二人ございましても、それは、それを基本として考えるべきではなくして、やはり幼児教育の重要性とか人間形成の段階で、私はむしろ小学校より大事だという——ヨーロッパのほうの国々を見させていただいたんですが、どこの国でも、小学校や中学校の教育よりも幼児教育が大事だというので、幼稚園の先生方に対する養成計画とか、そういうものについては非常な配慮を払われている。こういう点から考えていきますというと、やはり子供の重要性という観点から、そこに働いていただく先生方の給料は考えていかないと、お嫁入り前だから、少ない人があったから一つの隘路になっているということは、私はあたらないと思うんですが、いかがでしょう。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) おっしゃることはよくわかるのでございまして、過去の実情をつけ加えて申し上げたまででございます。私どもとしては、できる限り、やはり幼稚園におきましてりっぱな子供の教育をやっていただきますためには、やはり適正な待遇が必要であろうということは、これは御指摘を待つまでもなく、同じ考えでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは、ぜひ早急にそういう対策をお立ていただくように、心から要望しておきます。  次に、設置基準にございますように、養護教員と事務職員の配置でございますが、その点についてはどのように考えておりますか。設置基準を出しっぱなしではなしに、どういう行政指導をしていらっしゃいますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) これは、千葉委員も十分御承知のように、標準法の改正をいたしました際に設置基準を引き上げまして、各都道府県の定数のワクを増加したわけでございます。したがいまして、その増加されましたワク内で、できる限り、都道府県が、養護教員あるいは事務職員を充実するように私どもは指導しております。ところが、実際の問題としては、従来養護教員のみに偏して、といいますか、事務職員のほうはほとんどふえないで養護教員をたくさん置いたという県、あるいは逆に、事務職員はたくさん置いたけれども養護教員はあまりたくさん置いてないというところもございます。そういうところも、一ぺんにはまいりませんけれども、この五カ年計画の進行してまいりますにつれて、標準法が規定しております最終の設置基準には到達するように、これがすみやかに実現するように指導してまいりたい、こう考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私、幼稚園の教育の実際を拝見いたしましたけれども、先生方が、子供が帰りましてから事務室で事務していらっしゃる事務量がたいへん多いんです。そういうふうな関係で、これはぜひそうしていただきたいということと、それから設置基準も、現行ですと、四十名以下を原則とするということになっております。実態は四十名、四十五名のところもある。これはやはり早急に、一年の場合で二十五名とか、二年に二十名とか、こんなように、もう少し定数を考えていただきたい。  それからもう一つは、園長さんですけれども、兼任園長のところがかなりございます。私、専任園長と兼任園長と、どこが違うのだろうと思って、実は名古屋の市立幼稚園で全部見さしていただきましたけれども、やはり専任園長さんのいらっしゃる幼稚園の経営と、それから兼任園長さんとはたいへん違います、率直に言って。やはりこれは専任園長さんを置くように、同時に先生方をもっとふやしていくように、こういう方向で御配慮いただきたいと思いますが、私の与えられた時間が来ましたので、あと、残りました設置基準、建築費の問題とか、市町村単位の設置の様子とか、それから質問の予定でありました学校医の問題、学校安全会の問題等ございますけれども、きょうは省略して、文教委員会のしかるべきときに質問したいと思って、これで終わります。     —————————————

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) 分科担当委員の異動について報告いたします。本日、横川正市君が委員を辞任され、その補欠として小宮市太郎君が選任されました。     —————————————

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) 小宮君。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 ちょっとお断わりいたしますが、病後でございますので、かけて質問いたしたいと思いますので、どうぞあしからずお願いいたします。

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) どうぞ。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 まず初めに、PTAのあり方について、文部大臣ちょっとお尋ねしたい。  特にアメリカの占領中に、民間情報部といいますか、情報局といいますか、そういうものが置かれて、日本の教育に幾つかの示唆を与えてまいったことは御承知のとおりでありますが、その一つは、学校教育におけるPTA組織、それから民主主義の教育機関として公民館組織をつくったり、その他いろいろと新しい制度を進めたことは御承知のとおりであります。特にその中でPTA組織について伺っておきたいと思います。  これは、地方的に若干の相違はあると思いますが、当時、学校の経済的後援会の団体にならないこと、あるいはPTAの会費が低廉であること、教育に熱意のある人によって組織すること、また、同一の人が連続していつまでも会長の座を独占しないこと、長くても二年程度で交代をする、副会長には女性を一人置けというような、そういうことが特に強調されて、各地方でPTA組織というものが盛んになったわけですが、その内容は、特に経済的援助団体になったり、あるいは連続して会長や役員をやっていると、やがてはそれが政治的に利用されたり、あるいは学校運営にくちばしを入れる、果ては職員の人事にまでも介入するおそれがあるというようなことも配慮してのことだったと私は当時考えておりました。しかし、今日では、心配されたことが前面に出てきた感じが非常に多いのであります。特に、仲よくやっているじゃないかといわれればそれまでですが、純然たる学校の経営でございます体育会などには、校長とPTA会長が二人席を並べてやっておる。どっちが主催をしてやっておるかわからぬというような状況さえあるのですが、そういうように、だんだんと学校経営の中に入り込んできたという感じがかなりあるわけです。  これらはすべて——私はすべてとは言いませんけれども、教育予算の貧困から、PTAの寄付金によって施設がまかなわれているのが、ほんとうのところ、現実ではないかというように思うのです。もちろん、学校教育における経営にまでくちばしを入れ、人事に干渉するまでに至っている地方さえもあるのですから、その感を非常に深くするんですが、幾ら財政をつけまして、寄付行為はまかりならぬ、あるいは寄付行為を制限するというようなことを申しましても、すでに学校差というものは相当な差がありますし、その差をなくするということも、また父兄にとっては悩みの種であり、また常に考えられてきたことであります。しかし、いまのような自治体の貧困な財政では、なかなか学校差をなくするとか、教育の施設を充実するとか、そういうようなことは不可能に近いのじゃないかというようにさえ私は思うんです。  この際、PTA組織について、文部大臣の腹蔵ないところのお考えを承っておきたいと思います。できましてから、すでに二十年近くの年月を経てまいりましたし、もっと掘り下げて考える時期ではないかということも考えます。その点について文部大臣のお考えを伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 小宮委員のPTAというものについての御意見や御懸念については、私も非常に同感をおぼえる次第でございます。まあ、私の理解からいいますと、やはり何といっても、一つは、国なり市町村なりの財政的な措置というものが十分でなかった戦後の特異な状態から、いろいろな問題が起こってきているのではないかと思います。それからPTAについては、実は私なりの理解でございますけれども、私立の学校の場合と、それから義務教育の公立の学校の場合とは、いろいろ性格的にも役割りが違うのではないかと思うんでありますけれども、何といいましても、まず第一は、公立諸学校、義務教育関係については、父兄の負担ということを解消するということが何よりも私は第一の前提条件ではなかろうかと思います。いまさら申すまでもないことでありますけれども、父兄負担を軽減する、義務教育については徹底的に父兄負担というものを軽減しなければならぬということで、年来、公立の学校にも、あるいはまたそれに準ずるような制度もできておるわけでありますけれども、金銭の面における内容がこれに伴なわない。いま施設のお話もございましたが、第一、教職員の方々の待遇が十分でなかったために、その面の負担すらもPTAが負担しなければならなかった時期もあったわけでございますが、これはまあ、現在におきましては解消いたしたと思いますけれども、さらに今度は施設の問題でございますが、これは、たとえば公立学校の建築の単位とか、構造の比率の問題も関連してまいりますが、四十年度におきましては、たとえば学校の新設あるいは老朽校舎の改築等についても、できるだけ前年度の実績を尊重して、また同時に、今日のような状態でございますから、できるだけ鉄筋コンクリート構造の比率を増す。それから建築の単価についても、前年度の実績にほぼ近いものにして、要するにそこに格差を起こさないようにする。格差が起これば、それがPTAの負担ということに、また結び付いてくる危険性が非常にございますので、四十年度におきましても、この点については相当の配慮をいたしているつもりでございます。そうして、この経済的なPTAの援助をする立場というものの基本を解消していくことによって、金を出すから口も出すというような、その前提となるような条件を取り除いていくということが一番私は、くどいようでございますが、必要な点ではなかろうかと思います。  それから先ほど申しましたように、私立の学校、特に上級の学校の私立の場合などにおきましては、またこれが特殊の役割りを果たさなければならぬ場合も、従来からもあったように思いますし、今後も相当これはあり得るかと思いますけれども、これらにつきましては、特に私立の大学等についても、国家の助成措置として、この年度におきましても私学振興会等の相当の配慮ができるようにいたしましたし、さらに私学の助成方策については、法律の制定ができましたならば、四月以降なるべくすみやかな機会に、私立学校の助成方策を、各界の権威者の御意見を伺いながら、積極的に具体策を樹立していきたいと考えております。そういう場合におきましての問題の処理が、直接間接にPTA問題にも触れて、いまよりはよりよき状態を醸成することに相当役立つようにしてまいりたい。  まあ、大体さように考えているわけでございまして、御心配がございましたような、PTAが学校の管理者的な立場に立ったり、人事に容喙するというようなごときは、全くこれは、本来経済的に支援をしている場合においても、これは排除さるべき考え方であると思うのでありますけれども、何といっても、そこは微妙な関係があって、お世話になっている立場になると、ある程度口を出されるということもやむを得なかった時期がある。こういうことは、その基本を正してまいるのが筋の立つやり方ではなかろうか。非常に突然のお答えでございますので、私かねがね考えておりましたことを、ざっくばらんに申し上げたようなわけでございますが、なお、そういう点については、十分に研究もしなければなりませんし、措置していかなければならないことと考えているわけでございます。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 この点だけに時間をとるのもたいへんですから、ここらでやめたいと思いますけれども、要は、教育予算といいますか、特に設備の点、あるいは学校を新設する場合の予算、こういうものがいわゆる少ないということが、結局寄付行為を仰がなければならぬ、そういう点に結びつくと、こういうように強く端的に出てきていると思う。そういう点について、文部省はもっと、人づくり、基本的人権を尊重するという立場を内閣は盛んにうたっているのですから、文部大臣に申し上げるのは、これはお釈迦さまに説法のあれみたいだと思うのですけれども、十分PTA組織等についても突っ込んだ論議をしていただきたいと、こういうように考えるわけです。いろいろな何々会議、体力をつくる会議とか、何の会議というのは非常にできてけっこうですけれども、これはあまり金のかからぬ会議であって、金のかからぬ会議だから無意義だとは言いませんけれども、しかし、やはりものをつくらなければ教育はできない、そういう点について格段の御研究を願いたい、かように考えます。いまのは希望でございます。  そこで次に、四十年度から、予算が通りますと、教育モニター制度を新設する方針だと、こういうように聞いておりますが、その構想を承っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) ただいまもお話がございましたように、教育の問題については、私はおそらく国民の一人一人が、それぞれのいろいろの積極的な意見をお持ちになっているに違いないと思うのでありますが、そういったような意味で、広い国民の各層の方々から、批判や要望や意見というようなものを、さらに一そう声を出していただいて、文部省なり政府なりの今後の施策に役立たせていきたいというように考えましたので、新たに教育モニター制度を、初年度でありますから、いわばテストケースとして、こういう制度をつくることをお願いしているようなわけでございます。何ぶん初めてのことでございますので、ただいま四十年度予算でお願いしておりますのは、人数にして六百人でございます。それから予算も、わずかまだ四百数十万円程度でございますが、考えておりますことは、大体職業などの点で十ぐらいの分類をいたしまして、そして全国的にいろいろな御意見を伺いたい。  実施のやり方はどうするかということでございますが、ただいま考えておりますのは、文書で、年に六回ぐらい、いろいろの御意見を伺うことにしてはどうであろうか、それからまた、できることならば、全国よく八つのブロックといわれておりますが、その中のブロック別ぐらいにおいてモニターをお願いした方々から直接御意見を聞くための会合を催してはどうであろうか、というような考えを持っておるわけでございます。そういうやり方で四十年度はやってみまして、その状況に応じまして、さらに四十一年度にいろいろのくふうをこらして、成績が上がるようでありますれば、そういうやり方をさらに積極的に拡充してまいりたい、こういうふうな心組みでおるわけでございます。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 最近、モニターというのをよく聞くのですが、いまも交通戦争、交通地獄と、こういわれておるので、モニター程度では、とても間に合わないという世の中になったんですが、当初は、私は福岡の出身ですが、福岡県で交通モニターというのをつくったんです。ところが、いまおっしゃるように、試験的にやろうじゃないかとやったんだけれども、さしたる効果はなかった。その効果をあげ得なかったといえばあげ得なかったというようになると思うのですが、テストケースでやってみて効果があがるというのは、よっぽどの計画と下地がなければ効果があがらぬと私は思うのです。  いまお話しのとおり、全国からいろいろと意見を聞きたい、教育に対する意見をそれぞれお持ちの方があるのだからそれを聞きたい、こうおっしゃるのですけれども、六百人と申しますと、大体計算いたしますと、一府県に十五、六名から二十名というところじゃないかと思うのです。その方が、年に六回文書でアンケートをこっちから出されて、それの答えを出す、こういうお話のようですが、予算は四百三十万とちょっと聞きましたんですが、そうすると、一回のアンケートに千円ということになりますと、年間やってアンケートだけで三百六十万円ぐらいじゃないですか。あとは事務費、印刷費と、こういうことになると、一体どういう効果があらわれるのですかね。ちょっと、ぼくら理解に苦しむというか、その効果を疑うのですが、どんなものですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これもまことにごもっともな御質問どすけれども、実は現在、御承知と思いますけれども、総理府が担当しております世論調査というような関係におきまして、これは数年前からやっておるわけでありますけれでも、四百五十人で、そのときどきのいろいろの問題についてモニターから御意見を伺っているわけでございます。たとえば、その中には、最近行なわれましたものでも、教育に関係するものもモニタリングの対象になっておりますが、私の考えといたしましては、総理府で一般的にやりますのもけっこうでございますが、これももっと進めてもらわなければならないと思いますけれども、やはり文教なら文教というものにしぼって、そうして六百人くらいの方々にやっていただくということは、謝礼やなにかの関係も、大体総理府でやっておりますものの例に準じているわけでございまして、一つ一つを考えていけば、まことにおさびしいものではあるかもしれませんが、私は、総理府のモニタリングから申しましても、相当の期待をかけてこの仕事を進めてまいりたいというように思っているわけでございます。  先ほどもちっとお話が出ましたが、最近の乏しい経験でございますけれども、交通安全についての国民的な会議を開きましょうということで、これも開かれております。それから社会開発懇談会というものも総会が二回持たれております。あるいはまた、体位向上のための国民的な会議というようなものもスタートされておるわけでございますが、たとえば交通安全のお集まりにおきましても、それから社会開発懇談会においては特にそうなんでありますけれども、教育関係の御意見が圧倒的に多いわけなんでございます。その御意見は、われわれといたしましては非常に参考になるわけでございまして、そのときどきの会議などの御発言などは、それは思いつきの意見もあり得ると思いますけれども、相当かねがね考えておられたようなことを系統立って御開陳いただいておりますことは、文部省の行政や施策の上におきましても、ほんとうに、なるほどこういうことを力を入れてやらなければならないというような、非常に適切で、かつわれわれの気がつかなかったようなこと、あるいは比較的重点を置かないでいた、見過ごしていたようなことに対する示唆に富んだ積極的な御意見などがどんどん出てきております。私といたしましては、こういうふうなことを活用していくことが非常に意義があるのじゃなかろうかと考えておるわけでございます。  先ほど来率直に申しておりますように、四十年度、何ぶん初めての教育モニターの制度でございますから、人数というよりは、むしろ金額的に、こういう程度ではという感じは、私もいたさないではないのでありますけれども、まず、ここからスタートして効果をあげていきたいものだなと、こういうふうな気持ちで発足をいたしたいと考えておるわけであります。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 機関としては、県には県の教育委員会があり、市町村においては市町村の教育委員会がある。社会教育には社会教育委員会というんですか、審議会というんですか、こういういわゆる制度、機関として、ちゃんとあるわけですね。その機関で専門的に教育の問題について取り組んでやっているわけです。そういう政府の一つの機関としてやっている地方の教育機関と、どういう関係になるのか。ただ国民のなまの声を聞くのだ聞くのだとおっしゃる。そのなまの声が非常に感銘深いものがあると、こうおっしゃるけれども、専門的にやっている者じゃ、なまの声が聞けないのか。どうも、何かそこらに、教育委員会そのものを今度は改めていくという考えがあるのかどうかですね。そこら、屋上屋といいますか、何か積み重ねで、ちょっと戸惑うという感じですが、一体それはどういう関係にございますか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) このモニター制度というのは、先ほど申しましたように、すでに総理府その他でもやっておりますし、これによって文部省の関係におきまして、いまの教育行政の制度というようなものを改変するというようなことは全然考えておりません。まあ、あまりにも専門的な御意見も、まことにけっこうなことでございますけれども、先ほど御指摘がございました、たとえばPTAの問題にいたしましても、あるいは試験地獄というようなお話にいたしましても、あるいはまた、お行儀をよくするという問題にいたしましても、いろいろな点で、私は教育の問題ぐらい、どんな人でも一家言を持っていない問題はないのではなかろうかと考えますので、そういったような声も直接に伺うことが、確かに私は有効ではなかろうかと考えるわけでございます。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 文部大臣のおっしゃるように、人の子の親であれば、子供の教育、日本のこれからの政治の動き、将来の国際的な地位、そういうものについて、大きくはそういう点までも関心がある、これは当然だと思うのです、国民として。一番端的に言うならば、自分の子供は一体どう教育しようか、どうしようかというのは、まず生まれてくる問題だから、それは一つの意見は持っていると思う。持っているのですけれども、しかし、それを聞くなら、幾らでも、私は、各地方にある教育委員会は、その地方の行政の中の一部ですから、できた当時は、県の教育委員会は教育における知事だ、あるいは市町村においては教育における町長である、村長である、こうまで言われてやったんですから、教育の問題について、魚屋さん、八百屋さんは、いままではそう考えてなっかたけれども、自分の子供を生んで、まず子供の行く末という、そういう問題については、すぐ目と鼻の先にあるのですから、いろいろと意見を聞かれるとか、どうだとかいうこともできましょうし、そういう制度が日本の教育のいままでの一つの機関として、また制度としてでき上がっておったというふうに思うのです。  そうすると、いま文部大臣のおっしゃるように、幾らか、その教育に専門的じゃないけれども、かなりものが言える、かなり教育について識見を持っておって、そういうところに出て意見を述べられるという、そういう方から、ほかに聞くというようなふうにも聞こえるわけですが、そういうことが、はたして、モニターの全国六百人の中に、どういう人が応募されるのか、公募によってその六百人を得られるというのは、どういうようなかっこうで公募されるのか、私はそこらにちょっと疑問を感ずるのですが、どうなんでしょう。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは、私どもの考えました趣旨が、いま申し上げましたようなことでございますから、これはやはり、何といいますか、公募でモニタリングをやりたい。それでその際には、そのモニターに応募される方の中からは、たとえば政治とか行政に直接関与していないような方々からの御意見を求めたほうがより適切である、こういうふうに考えておるわけでございます。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 そうしますと、この公募をして応募される方がかなりあるわけですね。おっしゃるとおり、政治やあるいは教育の専門的なものに関与しない、そういうものに携わっておらぬというような人の中から選びたいという。だれが選ぶんでしょう、それ。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これはやはり、教育委員会なり何なりの御協力を得なければ、なかなかふるい分けといいますか、おそらく私の期待では、相当大ぜいの方々が公募に応ぜられるのではないかと思います。なるべく、先ほど申しましたように、十くらいの職種なり何なりに分けて、適当な方を選ぶようにいたしたいと思っております。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 教育の問題は、さっき私が申し上げましたように、自分の子供の教育、家庭というものの内部の教育から始まって、そうして学校教育その他に発展をしていくと思うのですが、しかし、端的に率直に教育を考えられるというのは、まず、さっきも何度も申しますように、自分の子供ですね。そうすると、いろいろな発言を教育的な立場から、専門的とまでいかなくても、かなり専門的な発言をされる方や、あるいは、何らか以前に教育に関係されたというような方々を取り除いたらば、私は非常に幅が狭くなってきて、はたしてこの文部省の意図されておるものが那辺にあるのかという疑問を持つわけなんです。その点どうでしょう。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは、先ほども御説明いたしましたように、いろいろの批判等を広くしていただきたいという考え方でございますから、あらかじめ一つの意図をもって、それを補強するようなことが出てくるような、そういうやり方をすれば、モニターの意味はなくなると考えるわけでございます。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 そうすると、テストケースとしてやって、そのある目的が達せられれば、モニターの制度は自然にやめるというわけなんですか。どうでしょう、それは。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 私は、四十年度においては、さっき申しましたように、テストケースでございますけれども、こういうことは、末長くずっと続けてやることが、いろいろな効果があるのではないかと、そういう期待を持ってやってまいりたいと思っております。しかし、一面においては、率直に申しておりますように、テストケースでございますから、将来の問題としてさらに別のやり方がいいというようなことであれば、それを改変することは当然だと考えておるわけでございます。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 時間がないようでありますから、文部大臣にぜひ希望を申し上げておきたいと思いますが、えてして、そういうモニターなんというものになりますと、何か監督者の地位を与えられたような気分になる傾向が多分にあるわけです。したがって、学校に出入りして、何か監督をしてやろう、学校のあらはないか、こういうようなことが往々あるのではないかというふうに心配をするわけです。その点は絶対にそういうことがないように、所期の目的は目的として、テストケースはテストケースとして十分考えてやっていただきたい、かように考えるわけであります。  次に、大学教授の待遇改善でございますが、これはよく本会議にも出て、日本の優秀な科学者等は日本の教育に対する待遇が悪いので、待遇のいい諸外国に行ってしまうのではないか、こういうようなことで、もっと優遇策を講ずべきだということが何回も発言になったと、私心得ておりますが、これは科学に限らず、人文その他も皆同じだと思うのです。こういう点について、大学の教授は裁判官と同じように、大体一人々々というものが、責任を持った研究をしている立場にあると私は思うのです。しかも、心理を探求する人ですから、一般の労働者と同じように、時間が来たらさあやめようというわけにまいらぬと思う。あるいは夜おそくまで、ときによっては徹夜をして研究を続けなければならぬ、こういう立場にあられるというように思うのですが、これに報いるに私は非常に待遇が悪いのじゃないか。同じ教え子の方は政治家になられたり、あるいは官庁に勤めておられると相当のところまで昇格されて、かなり優遇措置をとられておるのですけれども、お聞きするところによると、研究費は一万五千円程度で、一ぺん学会に出席すればそれで足が出るという場合もあり得る。これでは本気になって真理の探求をする教授としてはお粗末じゃないか、こういうように思うのですが、この点いかがでしょうか。文部大臣この点、意見を承っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これも全くごもっともでございまして、教職員の待遇の改善、それからその中で、国立の大学関係でいえば、大学の教授あるいは大学院等の研究者あるいはまた、政府部内の研究職の方々の待遇の改善の問題になるわけでございますが、昨年以来ずいぶん私もこの点については努力したつもりでございますが、まだ十分の成果はとうていあがっておりません。ただ、たとえば一、二の例を申し上げますと、大学院の担当の教官の俸給の調整ができたのが一つの成果かと思いますけれども、これはたとえば博士課程の教官で、特別の調整額をもらう人と、もらわない人との間に相当の格差がございましたが、これはいいほうにさやを寄せて、何といいますか、上のほうにならすようにしたということもその一つでございます。それから特別調整、これはたとえば管理職手当等の関係になりますけれども、これらにつきましても相当の成果があがりつつあるように思います。今度はまた別の観点から見ますと、ここに一つの例がございますけれども、今回の待遇の改善によりまして、たとえば教育職で申しますと、前の初任給が一万八千円でございましたものが、今回は二万二百円に上がりまして、一二%のアップになるわけでございます。それから俸給月額が従来五万円程度以下の若手の教官におきましても、こういうところをできるだけ引き上げることが必要であると考えましたので、かなり大幅の引き上げをみたわけでございます。それからまた、別の観点で申しますならば、東大をはじめ学長等につきましては、かなり大幅な待遇改善が行なわれることになったわけであります。それから教職員と研究ということにおいては大体同じに考えなければならないと思いますけれども、政府職員、国家公務員の研究職につきましても、大体若手の初任給の引き上げ、あるいは中だるみの是正ということにつきましては、人事院ともしばしば協議をいたしまして、いわば前向きに一歩前進をするようなかっこうになっているわけであります。  さらに、徹底したやり方とすれば、ただいまもちょっとお話がございましたような、たとえば裁判官等と同じような特別の俸給表をつくることが望ましいではないか、これは先生方の間からもそういう御意見も積極的に出ているわけでございますが、これらの点につきまして、現に人事院におきましても相当真剣に取り組んで考えてくれているように私は見ているわけでございまして、将来とも長きにわたりまして、これらの方々の待遇の改善ということに常に前進を続けていくようにやってまいりたいものだと思っております。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 最後にお伺いしたいのですが、昨日の新聞に能研テストについての報告書が出ているようでございまして、ごらんになったと思うのですが、非常に報告書は否定的でありますが、文部省は再検討して根本的に考えなおす時期に来ていると思うのですが、そういう考えはございませんか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この問題は、私の理解しておりますことは、大学の入学試験制度というものを抜本的にひとつ改善していかないということには、結局、これは高等学校はもちろんでございますが、中学校、小学校、ひいては幼稚園にまで及ぶような教育上の大問題じゃないかと考えているわけでございます。その大学の入学試験の根本的な改善ということについては、能力研究所が相当の努力をされて提案をし、能研テストというものが具体的にここに登場しているわけです。  実は、あの新聞記事等からごらんのとおりでございまして、高等学校あるいは中学校の方面からは、あの能研テストというものが一つのよい改善策ではないかという意見が積極的に出ております。どちらかというと、従来、大学側がこれに消極的であったわけでありますが、しかし従来と違いまして、能研テストについては、国立大学等の側におきましても、積極的な検討の対象にしてくださっている。このことは、従来よりは数歩の前進ではなかろうかと思うのでございます。私は、なにもあの能研の是なりとしておられるやり方が、画一的にすみやかに全大学に行なわれるということが唯一の望ましい方策であるとは決して考えておりません。しかし、大学の入学試験制度を何とか改善して、落ちついた高等学校の教育ができるように、また、ひいては落ちついた中学校の教育ができるように、大所高所から、大学側でも大学の入試の改善についても積極的に、もっと前向きに取り上げていただきたいということを、今日においても切望しているわけでございます。当初は、こういうことが何の役に立つであろうかというような御意見も相当多かったようでありますけれども、その後、大学へ入ってからのいわゆる追跡調査でございますか、そういったようなものもあわせて行なわれて、だいぶ能研テストについては関心が高まってきたようであります。今回の報告書については、ただいまも御指摘のありましたように、やはり消極的な考え方が多いようではございますけれども、しかし、まともに真剣に検討してくださりつつあるという雰囲気を十分読み取れるのではないかと思うのでありまして、さらに私としても文部省の専門的な人たちの協力を得ながら、この大学の入試の改善ということについては積極的に取り組んでいきたい。そのためには大学の側とも、さらに真剣な検討を続けてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

小宮市太郎日本社会党

○小宮市太郎君 時間がないので、これで終わります。

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) 次に、林塩君。

林塩第二院クラブ

○林塩君 私は、少し看護教育問題についてお伺いしたいと思うのでございます。  最近、人命尊重とか、それからまた、健康の増進、特に体位の向上、体力づくりというようなことが高まってまいっております。それからまた、医療問題についても世論のやかましいおりからでございますが、それにつきまして、この方面でこの問題の解決のためにいろいろ努力していかなければならない職種でございます。この医療関係者の教育に関しまして、これもやはり文部省の責任であろうかと思うのでございますが、これにつきましてどんなふうに考えておられますか、それについて文部大臣の御意見を伺っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 看護婦の養成の問題につきましては、端的にお答えいたしますと、四十年度予算では二十一の看護学校運営に要する経費が、総額で一億八千万余り組まれておりますが、これは一校当たりにいたしますと八百九十万円程度になるわけでございまして、前年度に比べますると、かなり大幅な増額になっておるわけでございます。さらに看護学校における臨床実習の充実あるいは指導者の配置というようなことにも関連いたしまして、運営費についてもさらに今後においても努力をうんと払っていかなければならない、基本的な姿勢としてはさような考えでおるわけでございます。

林塩第二院クラブ

○林塩君 私お伺いしましたのは、具体的な問題ではなくて、やはり看護につながりますところの保健教育の問題というようなことがあるわけでございます。あとで少し意見を申し上げたいと思いますが、一応文部省御当局としましては、いまおっしゃいましたような予算が組まれておりますことは存じております。その点、昨年来そういうことが委員会でも論議になっておりまして、たとえば医師、それから歯科医師、薬剤師等につきましては、学校教育法の第一条に規定したものになっております。ところが、それがなかなかそういう高度の能力を発揮するような教育体制が組まれておりませんところから、この看護問題、看護問題に関連いたしますところの国民一般の保健対策というものがおくれておるように思いますので、その基本的な問題について伺いたいわけでございます。医療制度調査会におきましても、看護教育をやはり教育の本筋の中に入れたほうが正しいのではないかという意見が出ております。そうして三十八年の八月でございますか、その答申が出ております。そのことにつきましては、文部大臣はどういうふうにお考えになりますか。昨年の予算委員会で前文部大臣の御意見を伺いましたところ——これは時間がございませんので、ちょっとその要旨を読んでみますと、将来看護関係の教育を、学校教育法による大学、短大あるいは高校というふうに入れるべきであるというふうに出ておりますが、これに対して大臣の御所見を伺いましたところ、大臣は、「看護婦の充足ないしは養成につきまして、学校教育法のいわゆる正規の学校で養成したらどうかという御意見が各方面からあるわけでございます。お話のとおり、医療制度調査会においてもそのような御意見がございました。で、現在の看護婦の充足の関係につきまして、すべての看護婦養成を正規の学校でやらなければならんかどうかということにつきましては、なお検討の余地もあろうかと思うのでございますが、長い目で見ました場合に、看護婦の重要な任務にかんがみまして、その一般教養の点におきましても、もっと高める必要がありはしないか。あるいはまた、技術も進歩しておることでございますから、進歩した技術を身につけてもらうことも必要ではないかと思うのでありまして、また看護婦の社会的な地位、あるいは経済的な地位、こういう問題についても、大いに改善する必要があるのではないか。このようなことを考えます場合に、お話のように学校教育法第一条の、いわゆる学校、これによって看護婦を育成するということは、私はまことに有意義ではないかと思うのです。文部省としましても、この点についてはその必要性を認めまして、現に具体的にいろいろ検討しておるわけでございますが、将来正規の学校で看護婦を養成する道がもっと拡大せられるように検討努力していきたい」と、こういうふうなお答えがありました。それにつきまして文部省といたしましては、その後どのように御努力をいただいておりますか、この方面にどんなふうに関心を持って御検討いただいておりますかということを、伺いたいわけでございます。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 私といたしましては、前任者の考え方をそのまま踏襲してまいりたいと思っております。ことに御承知のように、高等学校に進学する率が近来非常に高まっておる反面、養成所に入学する人が少なくなるということが現実の事態になってまいりましたので、たとえば准看護婦養成教育は高等学校教育に取り入れなければならないというような、これは時勢の要請であると、私はさように認識しておるわけでございますが、昨年の一月に衛生看護学科を実情に応じて設置するように、各都道府県の教育委員会に連絡いたしました。その結果、十六の高等学校に衛生看護科というものが設置されることになったのでございますが、今後とも実情に応じまして看護科を設置するように指導してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

林塩第二院クラブ

○林塩君 そういうふうに御検討いただいており、また、いろいろ通牒を出しておられることはありがたいと思いますが、ただ根本的に、この問題をもう少し教育としてお考えいただきたいという点で、私は根本的には保健、健康の増進、それからまた、命を守るといいましても、命がどうして守られるかということを、もう少し具体的に、子供の教育のころから教えられるべきであろうと思うのでございます。看護婦の職能というものを、ただ病院で働いておるのが看護婦である、それが看護教育であるというように、ただお考えにならないように、これは知育だけが教育でございませんで、命を守るというならば、どうして守られるかということを、もっと具体的な教育として入れるということ。よくいわれますことは、婦人にはこの問題が大事なので、どうしても女子教育の中にこれを入れなければならないということがたびたびいわれております。どこの教育委員会に参りましても、そういう声が出ます。男子の皆様方も、そういう心得があり、いかに命を守るか、いかに病気にならないようにするか、衛生的な生活をするかというようなことを——病気をしたときはもちろんでございます。そういうときに心得のある奥さんをもらえば、男子の方は幸いであるというようなことがしきりにいわれるわけでございます。しかし、いわれておるだけで、実際にはそれに何らの方策も立てられていないというような実情を私はよく存じております。それからまた、医療問題が起こってまいりますと、すぐ病院に働く看護婦が足りないからということだけで、その下地になるものについてちっとも努力をしておきませんで、起こってさましたら、すぐそのことだけでするということは、非常に私は教育として底がないのじゃないかと思いますので、将来に備えて何らかの対策をもっと具体的にしてもらいたいと、こういう考えでございます。そういう意味におきまして、いまおっしゃいました高等学校教育の中に准看護婦程度の教育を入れて、これが将来家庭婦人になる場合もよし、また社会人として出るときもよし、ひいては自分の周囲にある人たちの健康を守っていき、あるいは病気のときにはお世話ができるということにしたほうがいいんじゃないかという考え方を持ちまして、高等学校の中に准看護婦教育を入れていこう——これは一校ことしできました。神奈川県の二俣高校というところですが、教育委員の皆さんがたいへんよく努力をしていただきまして、できたのでございますが、このことについても、文部省はそういうことを御存知あっておりますかどうか、これは御当局に伺いたいわけでございます。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) ただいま御指摘になりました神奈川県の准看護婦養成の高等学校の問題につきましては、私ども、早くより、この設置の計画の御相談を受けたわけでございまして、高等学校の教育の中に、単なる准看護婦の養成という専門技術的な教育だけじゃなく、一般教養として、女性の教養上必要な科目も入れまして高等学校として設置するというような計画を、相談をしてきめたわけでございます。将来の問題としては、神奈川県だけでなく、他の府県にもこういう学校が、やはり時代の要請に応じまして、できることを私どもは期待しておるわけでございます。

林塩第二院クラブ

○林塩君 都道府県に行っていろいろ伺ってみますと、ことしは何でも二十校ぐらいができるようでございます。要は、それの中のカリキュラムの立て方であろうと思うのでございますが、この際ちょっと意見を申しておきたいと思いますことは、このカリキュムラの内容なんかも、やはりある程度統制をとってしたほうが、教育としていいのでないかと思うわけでございます。看護といいましても、ただ病院で医師の手伝いをしているだけが看護でございませんで、いま私が申し上げたような、基本的なそういう問題がございますが、そういうものが正しく組まれていないというふうに思うわけでございます。それにつきまして、将来どういうふうにそれをお考えになろうとするか、ちょっと御意見を伺いたいと思います。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、神奈川県は一つのテストケースとしてやったわけでございます。しかしながら、これも、基本的な考え方といたしましては、高等学校教育の目標に合致するという内容でなければ困るわけでございます。したがって、高等学校教育の目標に合致する範囲におきまして、准看護婦としての専門的あるいは技術的な教育もあわせ行なうというたてまえをとっております。したがいまして、その範囲におきましては、できる限り幅を持たせて、実情に応ずるような教育をしたほうがよくはないかというように考えておるわけでございます。基本的にはそうでございますが、しかしながら、一面、准看護婦の資格をもらうわけでございますから、臨床実習あるいはそういった実地につきましては、十分やはり技術的な能力も身につけていただくというような、相当充実したカリキュラムを組むように、私どもとしては将来も指導してまいりたいと考えております。

林塩第二院クラブ

○林塩君 この際、それと関連いたしまして、文部省ではどういうふうに——いまいろいろ問題になっておるようでございますけれども、小学校、中学校におきますところのそういった衛生、個人衛生とか公衆衛生とか、それからまず一番に、それによって守られる、自分たちの命は自分で守るとかいうような、日常生活の中におきますところの、そういう基本的な、知育だけでなくて、からだを自分で守るについての初歩的ないろいろのものがございますが、そういうものをどういうふうに教育されようとしておりますか。これは私も研究が足りませんで、文部省にお願いしたいと思うのでございますが、そういうカリキュラムの中に、どの程度そういうものが入っておりますか。お調べいただければたいへんけっこうだと思いますが、これは教育委員会できめるものでございますので、統制したものはないと思いますが、私の経験でも、保母の学校で教えました。いわゆる短大というところにいって、育児だとか衛生だとか、いろいろなことについて、それがなければ幼児教育もできませんし、それからまた、そういう子供を守っていくことができませんので、文部省ではそういう科目を入れるようにという指示がございまして、私もそういう学校で教えてみまして、この人たちは高等学校を卒業しているのでございますので、ある程度、高等学校の基礎教育より、もっと進んでは、小学校中学校の中にそういうものが入り込まれていけばよかったのじゃないかと思うことがたくさんにございます。それで、もっと初歩的なもので、子供のころに覚えていればよかったであろうということがずいぶん抜けているように思いますので、その保母の学校にいきまして初めて教えなければならないというようなことで、どうだろうかというようなことを長年経験いたしましたので、ぜひこの問題については御検討いただきたいと、こう考えるわけでございます。  で、付随して申し上げますが、お薬だけが結局病気をなおすわけではないのでございます。今日、非常にお薬の好きな、そしてそれがまた医療の上にいいかどうか、いま薬の問題がずいぶん出ておりますが、そういうようなことも基礎的に考えられているならば、あのような問題が今日起こってこないのじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。どなたに聞いてみましても、ほんとうにこんなことは、常識として、もっと考えられて教育さるべきであろうと思うようなことが、成年に達せられてからもわかりません。それで、何かというと、すぐお薬でなおるのだというように考えられていることでございますが、これなんかも、十年二十年やはり積み上げていかなければならない問題じゃないかと思うのです。そういうことが、やはり教育の基礎の中に入れられて、小学校、中学校から、そういうことが教えられているならばいいんじゃないかと考えます。これは私の意見でございます。  そういう意味で、私は、看護教育の基礎的なものを、やはり高等学校の中に入れていくことに将来とも努力をしていただきたいと思うわけでございます。  それから今度は、高等学校の教育の中に准看護婦程度の、そういう教育を入れることをぜひ進めていっていただきたいと思いますが、ただ問題になりますのは、そこで教える教師の問題でございます。高等学校でございますので、大学を卒業していなければ教師になれない。で、この施策が非常におくれておりまして、そういうことを教える専門の看護教師というのが、いま少のうございます。それで、そういうようなことにつきまして、文部省としては何らかの対策をお持ちでございましょうか。これからお考えいただけるかどうか、伺いたいと思います。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 御指摘のように、高等学校にそういう看護課程を設置しますと、その教師にさしあたり困るわけでございます。したがいまして、私どもとしては、基本的には、やはり大学、短大において必要な専門学科を修め、しかも保健に関する免許状を持っておる者が望ましいわけでございますが、現状としては、なかなか数を多く得られませんので、したがいまして、できる限り現職教育によって、認定講習会などの実施をいたしまして、当分の間は、できる限り必要な教員を確保していきたいというような考え方でおるわけでございます。

林塩第二院クラブ

○林塩君 それと関連いたしまして、今年度短大をつくるという御計画であったようでございますが、これができておりません。それで、至急にそういう対策をおとりいただかないと、せっかくできましたところの高等学校の課程そのものが有名無実になってしまいまして、決して地についた動きにならないわけでございます。これは私どもよく経験することでございますけれでも、そういう場合に、医師が教えられるだろうか——医師は大学卒業だからということで、ただそういう資格だけにものをしぼられますと、実際のことを決して…。私も医師の方をよく知っておりますが、お医者さんは知りません。それで高度の理論ばかり教えているというようなことで、なじまないわけでございます。そういうわけで、専門の看護教師というのもつくられたほうが教育の効果があがるようにも考えますのですが、いまおっしゃいましたように、認定講習その他でもって高等学校の教師にするというおことばでございますので、特例かなにかをおつくりいただきまして、当分そういうもので埋めていって、逐次向上していくというふうにお計らいいただきたいわけでございます。ことし短大ができるということでございまして、そこからやはりいろいろな向上もあるかと、こう考えていたのでございますが、それができませんでございましたが、それについては、それでは何か来年度には、そういうふうなことはぜひ組んでいきたいという御意見でございますかどうか、伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) ただいまるるお話がございましたが、御同感でございまして、国立の看護短期大学の設置につきましては、ぜひひとつ近い機会に実現いたしたい。それには、たとえば医学部付属の看護婦養成所、これを改組拡充するというふうなことが一つの手っとり早いやり方だと思いますけれども、四十一年度におきましては、こうした各大学の実情や、付設できるかどうかというような条件などを十分検討いたしまして、ぜひ一つでも実現いたしたい。かように考えておる次第でございます。

林塩第二院クラブ

○林塩君 医学部付属の看護学校の問題が出ましたが、医学部付属の看護学校の内容をよく存じませんが、一応外面的に見てみますと、予算を相当に使っておられるらしゅうございます。先ほど大臣がおっしゃいましたように、一校について八百何十万円かというものがございますので、これにもう少し何らかの形の改組をされますれば、そうひどく予算を使いませずとも、一番手っとり早いのは、大学に付属しておりますところのものを昇格させられまして、そういうのが一番いいんじゃないかと、こういうふうに私は思います。その予算も組みましたが、大臣は一億何百万円とおっしゃいましたが、全部でやはり三億幾らを使っておりますので、何かいい方法でそれを使われますれば、できるのじゃないかと思います。全国で二十二校ございます準備のできているところということでございますが、幸いに、医学方面には、医学部付属でございますから、教授、講師には事欠かないと思います。それからそういう方々たちを利用して、そうして看護の面に協力してもらえるような形を御指導になっていただければ、できるのじゃないかと考えます。これは私の長く考えていることでございますが。  それで、二十二校すべてできませずとも、ブロックに一県くらい一つ大学をおとりになって、そこに集中的にやるとかというような形にしますれば、ある程度来年度にでも達成できるのじゃないかと、私はそういうふうに思いますが、御当局はどういうふうにそれをお考えになっておりますか。これはもう、一年おくれれば三年おくれるというふうなことでございますので、四十一年度にはぜひともそういうことの体制をおつくりいただきませんと、高等学校の教育自体ができなくなってくるということになりますので、その辺、要望いたしたいと思いますが、これについて、御意見なり御所見なりを伺っておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、御同感でございますので、御趣旨に沿うように前進いたしたいと考えます。

林塩第二院クラブ

○林塩君 けっこうです。

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) 小林武君。

小林武日本社会党

○小林武君 大臣の先ほどのお話の中にもございましたように、私立大学の問題は将来——将来でありません、次の国会を大体初めとして、相当重要な問題になると思います。これについてお尋ねをする前に、関連がありますからお尋ねをしておきたいのですが、十七日のNHKの総理と語るという、そういう放送の中で、佐藤総理から、二十年後には、ほとんどの子供が大学に行けるようになるだろう、こういうお話があったわけでございますが、大体佐藤内閣としては、大学教育に対してどういう構想を持っていてこういう発言をなさったか、お答えを願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 佐藤総理としては、かねがね教育について非常な深い関心を持っておりますし、また、現在並びにこれからの予想される大学に入って勉強したいという国民的な機運に対しまして十分の理解を持っていると私も信じているわけでございます。そういう考え方をきわめて端的に、テレビの対談でも打ち出されたものと思うわけでございます。われわれといたしましては、同時にまた、何と申しますか、プラクティカルな行政的な問題もたくさんございますが、ビジョンとして、そういう方向になるべく近づけるような考え方で総理を助けてまいりたい、かように考えております。

小林武日本社会党

○小林武君 なかなか全部の子供を、ほとんどの子供が大学に行けるようになる、こういうことは、やはり内容が明らかになりませんと、これだけのことばでは非常な誤解が生ずる。日本じゅうの子供は全部大学へはいれることになるかどうか。そういう事態の中で、日本の一体産業とか、その他一切の問題がどうなるかということになりますというと、きわめてどうもあいまいになってくる。ですから私は、やはり総理大臣がここまで発言されたら、文部大臣としては、やはりその内容を、一体どういう内容を持っているかということについては、もう少し明確なお答えをひとつ御用意願いたい。しかし、いまそのことについて、かれこれ申し上げるのではありません。ただ方向として、なるたけたくさんの日本の青少年を大学に入れたいという方向は、私は佐藤総理の考え方に対しては同感でございます。  そこで、まず私立大学の問題に入るわけでございますが、私は、大学に入る側の立場でひとつ考え、親とか、それから入る者の立場、子供の立場で、青少年の立場で考えて申し上げますというと、私立大学というのは、いまのままでは、これはどうにもならない感じがするわけです。これを一々こまかい点について質問を申し上げると時間がございませんから、やめますけれども、一体大臣はどうですか。この私立大学の学生というのは、申すまでもなく、六割、あるいは短大になると七割近いものが私立大学に依存しているということになる。そういう非常に大きな比重を占めているわけですけれども、これらの学生の諸君が、教育の面で一体国立の大学と平等の教育を受けているかということになると、これはもう、私は、はっきり格差があり過ぎるということを感ずるわけです。だから、こういう点について、文部省がひとつこれから前向きの姿勢で、私立大学の問題を含めて抜本的な対策を立てるという意向だろうと思うのですが、受ける者、いわゆる大学に入る者の立場から、大学によって差別を受けないようなところまで、一体日本の文教政策は、するように努力するという考え方は、いまお持ちですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) やはり、これもビジョンの問題になるのでありますけれども、理想としては、そういうふうに持っていきたいと思いますが、現実の課題は、そういうことをクリアカットに申し上げるだけの、率直に言って、自信は、ただいまのところはございません。

小林武日本社会党

○小林武君 どうでしょうか。大体国立大学の学生は、一体一人当たりどのくらいの教育費を、これは国立の場合ですね、国として一体これに保障しているのか。私立大学に入った者は、一体私立大学からどれだけの経費のもとで教育されているのか、この点についてひとつお述べを願いたい。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは数字的には政府委員から御説明いたしますが、ただ現状は申すまでもなく、学年編制その他が国立と私立の場合は非常に異っておりますということもございまして、一がいに数字の上だけでもいけないかと思いますが、しかし、それはともかくとして、常識的に申しましても、授業料だけお比べになりましてもたいへんな格差がございます。それから入学のとき、あるいは入学試験を受けるとき、こういうときの状況を比較いたしましても、国立との間に非常な開きが出ているということは、私も痛心いたしておるようなわけであります。こういう状態はできるだけすみやかに、その格差を縮めていく努力を現実にどんどんしていかなければならない。基本的な考え方としてはそういう考え方でございます。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) ただいま大臣の申されましたように、いろいろ前提条件はございまするけれども、一応政府として、学生一人当たりの経費を消費的支出並びに資本的支出を合わせまして考えまして、三十七年度の収支におきましては、私立学校が年間十四万五千に対しまして、国立が三十三万ということになっております。三十八年度で申しますならば、私立の大学が十八万円強、国立が三十七万四千円ということになっております。

小林武日本社会党

○小林武君 ここに東京大学の学部ごとの学生一人当たりの所要経費、昭和三十七年度のやつが出ているわけですね。学部によって非常に違いますから、ただいまのやつは大体平均のお話だと思います。医学部ならたいへん経費がかかると思います。あるいは経済学部になると比較的低い。しかし、平均するとそういうふうになる。  そこで、所要経費の問題ですけれども、これか一人当たり国立が五十二万円くらいかかっているのではないか。この数字はあなたのおっしゃるのと多少違いますけれどもそうなっている。そうしますと、大体二十万の国立大学の学生が一千二百億円とすれば、私立大学の場合どうか。六十万だからほんとうは三千六百億円くらいなければならぬのに、実際は六百億程度の金でやっている。私はまあそのいろいろ文部省の側としても、政府の側としても、やりたいことは山々あっても、金と相談のあれですから、なかなかできがたいことはよくわかる。しかし、私は、いま急速にこれをどうするという問題ではなくて、やはり日本の大学教育というものを考えた場合に、この状態でいいかということについては、やっぱり国の教育に関しては政府がはっきりしたやはり見解を、もうそろそろ出さなければいかぬと私は考える。片方のほうは安上がりにやっている。安上がりになれば教育の効果という面から、当然そこに差が出てくるのは当然だと思います。片方は非常にたくさん金がかかる、片方はたいへんわずかな金で教育されている。ところが、大臣が言われるように、生徒の側から考えればどうかというと、安手の教育をされて、払うほうの金はばく大なんです。授業料を例にとられましたが、授業料も同様です。それから入学金の果てからその他学校のいろいろな寄付ということを考えると、これはたいへんな問題です。これをひとつ、私は来年度の予算で解決しなければならぬとかなんとかということを申し上げているのではないのです。どうぞひとつこれを私立大学をどうするか、私学教育をどうするかという立場でひとつ、よその国にも例のないことではないのでありますから、政府がやはり根本的な一つの対策を立てる必要がある、こう思うのです。  それから教諭の問題、教官の問題についてひとつお尋ねいたしますが、これは大臣でなくてけっこうですが、一体私立の大学というのは、国立でもいまはそうでもなくなったようですけれども、生徒と教師との接触の問題が議論になっている。ところが、国立大学と私立の大学のそういう面から見た教師の数、教官の数というようなことを考えますというと、非常にこれは嘆かわしい状態に私はあると思うのですが、どういうふうに押えているか、ひとつお答え願いたい。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) これは四年制大学について一つの計数を出してみたわけでございますが、専任教員一人当たりの学生数にいたしましても、三十九年度でございますが、私立の場合が二十八人強でございまして、それから国立の場合が約八人ということでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 そういうことになりますと、国立の大学の二十二万という学生の数、大体この近所で押えているのですね。これに対して専任教官というものは二万七千、私立が六十万の学生をかかえて一・九万、一万九千人という大体数字が出ている。これはあまり、間違ってもそう大きな間違いがないと思います。こういうこと自体から見て、私はやはりこれは先ほどから申し上げた、教育を受ける側の立場で考えると、これは軽視できないものがある。見のがしておくことのできない問題だと私は考えるのです。こういう点の解決策というのは一体どうなのかということは、たいへん大問題だと思うのです。そこで、無理にそういう答弁をいただかなくてもいいのでありますが、国立の場合でも、どうなんですかね、これはアメリカの大学と比べてみて、その点はどういう比較になっていますか。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) いま外国との比較を私手元には持っておりませんので……。

小林武日本社会党

○小林武君 大学学術局長がおられますがね、全然御存じありませんか。私も調べた資料で来たんですから、見てきたわけではないから、確実なことは言えませんけれども、大体日本の国立大学というのは、アメリカの二分の一だと思いますね。それから日本の国立大学に比べると四分の一、日本の私立大学は。こういうことは事実ですか。  それからもう一つ、一体私立の大学へ行くというと、この私立の大学の出している雑誌の中にあるからあれですけれども、かけ持ちの教授、それから幽霊講座というのがあるのです。講座はあるけれどもさっぱり教官がいないような講座、これが大学の中で出している雑誌の中に書かれています。そういうようなものも実際私立の大学には存在するのですか。

杉江清文部省大学学術局長

○政府委員(杉江清君) いま外国の事情等を比較しての数字は、残念ながら確実な資料はつかんでおりません。

小林武日本社会党

○小林武君 私立大学についてはどうですか。私立大学の内容。幽霊講座というのはどういうことですか。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) 幽霊講座の点については、私事情を存じません。

小林武日本社会党

○小林武君 存じませんというのはどういうことになりますか。そんなことは私立だから知ったことではないというお話ですか。それともとっても私立というのはむずかしいところで、入り込んでいっていろいろ調べることもできない。だから実際はあすこは治外法権だと、こういうふうにお考えになっているのですか、どういうことですか。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) 講座あるいは講座に準ずる組織というものにつきまして、名目だけで実質が行なわれてないということをまだ承知してないということで、申し上げたのであります。

小林武日本社会党

○小林武君 承知してないということは、調べた上で承知してないのですか、調べたこともないし、聞いたこともないと、こういうことですか。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) これの学科その他の事項は、四年制大学でいいますれば届け出事項でございます。それから短期大学につきましては、昨年から認可事項になっておるわけでございまして、この点につきましては、大学学術局におきまして年度ごとに届け出を受け、あるいは認可すべきものは認可をしておるという現状でございまして、私自身その点を承知しておらないということでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 届け出制であるとかいう、あれでありますし、また大学の自治の問題にもなりますから、そういう、あなたのほうでもいろいろそういう点できびしくお調べになることもできないということは私も了承いたしますが、やはり大学自体がそれを隠してないですよ、私立大学自体が。これは私立大学自体の雑誌の、しかも一番最近出た雑誌の中にそういうことをみたから、ぼくは言うのです。そうすると、私立大学自体が自分の大学にそういうことがあるということを認めているようなものです。そうするというと、私はやはりもう私立大学に対していまのままのそのことでいくということは、大学自体の教育を日本がどうするのかということになる。私は私立大学をどうしたこうしたという問題ではなくして、私立大学といえども、そこを卒業した者は、日本の国の社会に非常に貢献をしなければならない使命を持っているのですから、だから私立大学の卒業生を差別するというような、そういう考え方がない限りにおいては、その期待の度合いも同じでなければならぬ、こういうことになる。また、それだけの使命を持つということになりますから、私はそういう角度から、やはり私立大学の声を相当聞くべきだ。その声を聞くとすれば財政の問題だと思うのです。で、これはまた六十万の大学の学生を出している親たちのこれは切なる私は願いだと思うのです、財政上の援助というものは。そういう点を考えるわけでありますが、私はここで文部大臣に来年度の予算で、ぜひこういうことを実現しろということは申しませんけれども、もうそろそろやはり私立大学というようなものが、当初、よその国でも日本の国でも、できた当時の考え方ではなかなか経営ができなくなっているということはお認めになるだろうと思うのです。そこで、一体いまの大学を、私立大学の経営というものはどうしたらいいかという点について何かお考えの点があったら、いまのような、ほんとうの一部面から見た実情から言っても大体御想像ががつくだろうと思いますからお答えを願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この問題は、私の認識としては、もう最大の私どもに課せられた問題であると思っておりまして、したがって、その一つの方法としても調査会というようなものもお願いをいたしておるのもそこにあるわけでございますけれども、常識的にいいまして、最近も日本の大学という本を永井さんが書かれている。私もこれを非常に興味深く拝見をいたしておるようなわけであります。日常座臥これを考えているといってもいいくらい私も痛心いたしております。どういう意見を持っておるかといわれるわけですが、これは外国ともだいぶ事情が違いまして、たとえば、イギリスの例がよく引かれますけれども、イギリスは国立とか県立の大学はない。そして従来は寄付といいますか、篤志家の寄付というようなことででき上がっておった。それが最近では七割くらいかと思っておりましたが、最近私もちょっといろいろのもので当たってみると、九割くらい政府が補助をしていると。そこでイギリスの場合でもやはり非常な問題になっていると思われますのは、政府がフィナンシャルにサポートした場合にコントロールをどうするかということがやはり本質論で一番大きな問題であったんじゃないかと思いますが、それが一応調整がとれてうまくいっているというふうにイギリスの資料では伝えられております。また人を介して聞くところでもそうでありますが、そういう点が私としても非常に参考になるし、また、これをいろいろの方々で御検討をお願いしたいと思うのであります。私は、従来、古い考え方かもしれませんが、私学というものに対しては、金は出すが口は出さないというのが鉄則であるべきだと私は考えておったんであります。ところが、きわめて最近の状況からいえば、その金の出し方も、たとえば私学振興会等を通じまして、低利長期の資金によって建設の助成をするというようなことではたして足りるのかどうかと、これはもうしばしばの機会に申し上げておりますように、極端にいえばこのごろでは、口を出してもかまわぬから、もうこれは国家の事業として経常費も大幅に国家が助成すべきであると、そういう体制に切りかえるべきであるというような意見も一部には有力に出てきておるわけでございますが、さて、そういう考え方に乗っていっていいかどうかということも、これは十分考えなければならないことではなかろうかと思います。企業としての大学ということならば、そういう考え方も成り立つでございましょうが、私はやはり大学というものについてはもっと権威を持った自主独往の立場であり、そしてそれぞれの大学が建学の精神に基づいてりっぱな教育をされるところであるというのがやはり私は望ましいのじゃなかろうかと思いますので、そこの補助と調整とどういうあんばいに調整をしていくかということが最大の問題ではなかろうかと思います。この点については、もうほんとうに真剣に一つの考え方を固めて、そして御批判をいただき、さらにそれを練り直してりっぱな国の方針というものをつくり上げてまいりたいと思っております。  それからこれも私の持論でございますけれども、ただ単に私学の経営に助成をするということではなくて、そこに学ぶ学生、あるいは学生の両親の立場に立ってみますと、先ほど来御指摘のような状況でございますから、ある場合においてたとえば授業料が、少なくともある期間においては国立よりも高いということは、実際上の問題として一挙にこれを同等にするということもやりにくいことではなかろうか。そうだとすれば、そのある部分については、両親の所得の中からちょうど生命保険料さえ控除をされるわけでございますから、そういった税制上の、いまだかつて日本では考えられてもしなかったかもしれませんが、こういう状態においてはこういう面も積極的に取り上げていかなければならない。これも税制調査会にも過去半年にわたっていろいろとお願いをしましたが、まだ十分に理解を求めることはできない。これがこれからの私自身としての大問題であるとも思っておりますが、それからたとえば育英会の奨学資金の現状を見てみましても、これがまたいろいろな関係がございましょうが、国立大学のほうに確かに比率が多い。そうすると授業料は安い、いろいろの負担はさせられない、そして教育の内容が国家的に均霑されて十分な恩典があって、そしてそこでしたがって成績もいいからでございましょうが、さらに育英会等からの補助、助成もつくということになると、これは二重、三重の格差ができる。そうすると、今度学生直接に対しては私立大学の学生にももっとこれが均てんできるようにやらなければならない。いろいろな面からこれはやっていきませんと、一本だけで、これで何千億の予算を出せば、これでこの問題が片づくというふうな簡単な問題ではなくなってきたように思いますので、複合的に、総合的に知恵を出して、りっぱな大学対策というものをつくり上げなければならない。繰り返すようでございますが、これがほんとうに大きな大問題である。国民的な関心のもとに文部省としても最大の努力を払わなければならない問題であると考えて進めてまいりたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 愛知文部大臣は、確かに私立大学の問題等について非常に心配をされているという点は、私も敬意を表するわけであります。で、いろいろな面からのこれに対する対策ということもごもっともだと思います。ちょっとここで申し上げたいのですが、授業料を見ても私はひとつ考えなければならない点があると思うのですが、昭和九年当時、国立大学は百二十円で、慶応は百四十円、明治大学は百十円です。そうすると安いわけですね。しかし、安かった理由等を私立大学側から聞いてみるというと、結局人件費を安上がりにやらして、そうしてとにかくやっていくというようなやり方であったわけです。しかし、もういまやそういう時代ではないわけですよ。これは戦前の状況にまた逆戻りするようなやり方というのは出てこない。結局どこからか支援しなければならないということになる。それでまあ、永井さんのお話が出ましたから、私もそういう点では、やはりまあ何といいますか、永井さんのことばですと、精神は私立で財政は国家、国立と、こういう国家というような考え方がやはり将来どうしても必要だというようなことをいわれておる。あるいは古くから支援、援助すれども支配せずというのが、やはり私立に対する態度だと、国家はそういう態度で臨まなければならないと、こういわれておったのですけれども、私は大学側の要望からいうと、いまやそれがもういままでの単なる願いではなくて、そうしなければ大学は成り立たないということをはっきり日本私立大学連盟の会長、日本私立大学協会の会長、私立大学懇話会の会長、あるいは短期大学協会の会長、こういうような人たちがみなはっきり言っておるわけですから、だからもうここらでは、あまり時間をかけた対策では大学は成り立たない。そのことはやがて日本の各方面における発展とも結びつく問題ですから、抜本的におやりいただきたいと思うわけです。それでとにかく、大学に進めようという父兄たちの要望にこたえてもらいたい、このように思います。  そこで一つだけお尋ねいたしますが、大学等の格差の問題ですけれども、これと同時に、格差から生じたものかどうか知りませんけれども、私はやはり、これを今度使うほうの側でいろいろ格差をつけるということは大問題だと思います。学閥の偏重といいますか、あるいはいわゆる出身学校のいかんによって、一体能力とかなんとかということは別にして、その用いられる用いられ方に差がつくという………。で、私は文部大臣に皮肉なことを言うようではありませんけれども、そういうことで一番関心を持っておる文部省が、そういう問題にはどういう具体的なことを省内でやられておるか、私立学校の卒業の方々もいらっしゃるだろうと思いますが、一度私はそういう資料を文部省からいただきたいと思うのです。あるいは大学を出ないで高等学校だけ、あるいは専門学校だけ出た方もいらっしゃるでしょう。そういう人たちが一体どういうことになっているのか。もう民間では、いまやそういうことを切り抜けなければならないということで、民間の経営問題から出発しているのですけれども、経営の出発というのは、私はやはり合理主義でなければ、やはり金はもうからぬとということから始まったと思うのです。これはまあ役所でいえば金がもうからぬでなくて、行政の能率が低下するという問題だと思うのです。そういうことを役所がやっぱり私は先鞭をつけるべきだと思う。日本の場合には残念ながら一番あとになるのが役所で、やっぱりもうけを問題にする。別なほうからやってくるということになるのはこれは非常に残念なんですが、文部大臣は自分の省内ではどうしたらいいというお考えをお持ちであったらここでひとつお漏らしを願いたい。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これはいろいろ広範囲な問題に触れるわけでございますけれども、まず文部省はどういうことをやっているかということについては、一方において大学にみな入れたいという希望、入りたいという希望もございますけれども、同時に、現に履歴書偏重とか、何といいますか、ところてん式の、能力なくしても昇給ができるというような、この官民を通じての何かこう変な風潮というものを打破していかなければならない。文部省としてやっておりますことの一つは、たとえば定時制でございますね。これは大学の問題ではございませんけれども、定時制とか通信制の卒業生には完全に全日制と同じ待遇を与えて採用してもらいたい。これは官庁側は少なくともたてまえはそうなっておるはずでございます。それから民間側にも、まあ私も参りましてからいろいろ聞いてみますと、たとえば、日経連とか経団連とかそういうところを通していろいろのお願いはしておったようですけれども、なかなかそういうことは実情に沿いませんので、もうこれはというような会社、企業体などには全部くまなく定時制、通信制を格差をつけては困るのだということも、これはまあ依頼になりますけれども、相当回数も多く依頼もいたしておるようなわけでございます。  それから今度は大学の——ちょっと御質問と、はずれるかもしれませんけれども、大学の卒業予定者に対して、まあほんとうにこの大学の教育などを無視して、早くから青田買い、スカウトをやられる、これもたいへん困ったことでございますが、これらにつきましてもとにかく効果はいかようであってもまあうまずたゆまずひとつ努力をしなければならないということでできるだけの手は尽くしておるわけでございます。こういったような問題については、これはひとりその大学制度はどうあるべきか、高等学校制度はどうあるべきかということだけではとらえられないので、これはやっぱり全国民的な積極的な御協力がなければ十分の効果はできないと思いますので、たいへんむずかしい問題でございますけれども、やはりうまずたゆまずに努力をしなければならない、かように考えているわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 いまの問題についてはいろいろと文部省あたりが努力をして、内部においてできるだけそういう学歴偏重というような、あるいは学閥というようなものの解消につとめられるように御努力をいただきたいと思うのです。  時間もあまりありませんから次の問題を簡単にお尋ねいたしますが、端的にいって、夜間中学の問題はもう十数年たっているわけです、創立されてから。これをどうするかという問題ですね。まあいままでの文部省の態度というのは、大体まあ法的に認めることができないのだと、こういう態度をずっと堅持されておった。これも私は理解できるのです。しかし、事実は夜間中学というものは存続しているのですね。そうしてまた、その現場の面から見れば、その夜間中学によってある程度の成果をあげて、恵まれないきわめて少数の人たちではありますけれども、恵まれない子供たちがそれによって救われておるという現状がある。ここへきてどうするか。私は前の文部大臣のときに、やるのかやめるのか。やるならば何かその措置があるのか、こういう点についてはひとつ十分御検討をいただいて、結論を出してもらいたいというようなことを申し上げたのですけれども、一体大体そのいまのお考えではどういうところにあるのか。まあ夜間中学の側からいえばとにかく認めてくれるのか認めてくれないにしても何とか財政的にちゃんとしたものを確立してくれるのかと、こういうところに私はまあ要約すればあると思うのです。そういうものに対する態度をひとつここで文部大臣から御披露いただきたいと思うのです。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この実態でございますけれども、これはもうよく御承知のとおりと思いますが、便宜上申し上げるのですが、三十九年度には夜間中学を三十校、在籍生徒数が六百十七人、こういうような状態でございまして、この夜間中学校というものも、自然発生的にできたものではありますけれども、こういう事実があります以上は、これがまま子にならないようにしていかなければならないと思います。同時に、昼間の中学校にできるだけ収容ができますように、就学援助という立場から、たとえば要保護、準要保護生徒に対します就学援助の予算を十分にとるということ、こういうふうに考えまして、四十年度には四十億余りの予算が就学援助のために、全体としてでございますが、計上されてあるわけでございまして、基本的にできるだけ昼間の中学校へ通学するように、そうして通学できない事情を取り除いてあげるということが基本の姿勢であるべきではなかろうかと、私はかように考えております。しかし、先ほど申し上げましたように、とにかく三十の学校があり、六百数十人の在籍者がありますのでありますから、この事態は直視しなければならない、かように考えております。

小林武日本社会党

○小林武君 そこで、これは大臣でなくてけっこうですけれども、長欠生徒が一体どのくらいいるものなのか。これを手がけた人の当初の考え方の中には、長欠の生徒の中で、とにかく夜間中学以外に救済の道のない生徒というのが相当いるのだと言っている。その長欠の生徒というのは、現在どのくらいいるのですか。夜間中学でも救済しなければならないという、その夜間中学の網の目にかかるような生徒につきましてはどのくらいいるか見当つきますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) いわゆる長欠児童生徒でありますが、そのうちのお尋ねは中学校の生徒でありますので、お答え申し上げますが、昭和二十七年ころが一番多かったわけでございます。率も全体の三・七%強くらいになっております。年々これは率は低下してまいりまして、三十八年度においては指定統計の調べによりますと、一%を割りまして、〇・九五%程度になっております。人員にいたしまして、六万六千三百八十八人という数になっております。先ほど夜間中学の問題につきまして、大臣からお答え申し上げましたように、この中学奨励の対策を強化してまいりまして、一時三千人以上もございました夜間中学の生徒も、現在におきましては六百人程度に減少いたしております。私どもとしては、できる限り従来の方向をさらに強化してまいりたいというふうに思っております。

小林武日本社会党

○小林武君 六万六千三百八十八という数が、これが全くそのとおりだとしても、その中に、一体どうなんだろう。性格不良であるとか、頭悩が劣等であるとか、それから就学を放棄してどうにもこうにもならないという者は、これは救い上げられない。しかし、一家の収入がなくて、あるいはもう一家の支柱として働かなければならぬような子供がある。あるいは経済的に非常に困窮しているために、支柱とまではいかないが、昼間通学できないという者が存在する、このことは新聞の記事ですけれども、ことしの東京のある学校の卒業式に答辞として読まれておる。いま文部大臣は非常に努力されて要保護児童、準要保護児童に力点を入れられたことについては、私も認めている。ただその中で子供が言っていることは、学費がただでも、教科書が無料でも、私たちは学校に行けない。私が働かなければ、わずかの収入を取らなければ家はやっていけないのです。こういうものがある。これは準要保児童だけではなかなかこれはおさまりがつかぬのですね。これをとにかく夜の学校に行くのは不届きだと言ってみても、私はこれはなかなか容易でない、あるいはそれを雇っている人を労働基準法違反だとか、何とかといってみたところで、そうすると子供はどうなるかという問題になるわけでありますから、私は六万六千三百八十八人の中で、六百人が残っているから、これで六百人になったのだ、だんだん減ってきたのだ、三千人から六百人になったのだというように、一がいに平板的にこれを考えられては困るのだ、六万六千の中にまだ相当の数あると思う、三千を越す数があるのだろうと私は思うのです。また教師の諸君から聞けば、さがせばまだあるのです、こう言っているのです。だからそういう教師の諸君は、一人になってもがんばる、そういう子供が一人もいなくなるまで教師としてはやらなくちゃならない、こう言っている。私はそういう点で教師の努力、それから政府もそういう問題について注目していることは私も認めますが、ここらでやはり文部省として、教育に関係する一般の人たちが、何とかはっきりした態度をとらなければならぬのじゃないか、夜間中学を、もう何といいますか、暫定的にある程度認めるということをやるのか、あるいはそうでなかったら、そういうことがいまの法律上の見解からいくとまずないとしたら、何とかこれに対して別な方途を持って、とにかく夜間の中学の生徒というものを、もっとあたたかいところで教育をしてやるようなことができないのかどうか、ここらはこれは文部省はわりあいどうも県の教育委員会あたりに、やはりおんぶしておるような傾向が出ておると思う。これは文部省の態度がはっきりこれを認めないという態度の中でも、東京都の委員会を見ても、やれ給食だ、給食なんていうものは、中学校で一番先にやっているわけで、ほかの中学よりも先に夜間中学の給食を取り上げたということをやっている。夜間中学に教員の数を配置するということもやっている。だから私は教育委員会の独自の行動ということではなくて、国がもっとこの問題について、すっきりしたものを出してもらいたいということを、教育当時者やあるいは教育委員会あたりも持っておるのではないか。また、そうするべきだと私は思うのですが、この点については、文部大臣はどういうお考えをお持ちなのか。ぜひとも私はそれについてはっきりした態度をとって、みんながやはりこれをささえていくという態勢をつくっていただきたいということを要望するわけです。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 御趣旨はよく理解できるのでありますが、ただ全体の考え方としては、やはり義務教育の中学校には、みんな昼間通わせてあげたいというのは、あくまでわれわれとしては、鉄則としなければならない。しかし、それをあまり急ぎ過ぎて、いまの六百人というものが、あるいはこれ以上というお話もありましたが、この人たちに、何といいますか、しわが寄ってしまって、悲惨な目にあわせるということはやりたくない、こういう気持ちで、なお一そう文部省の足らざるところがございましたならば、努力を新たにいたしたいと思います。なお、長欠の問題等につきましても、いろいろ調べもございますようですから、御必要ならば、後刻御説明いたしたいと思います。

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) この際、おはかりいたします。委員外議員加瀬完君から発言をしたい旨の申し入れがあります。これを許可することに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。発言を許します。加瀬君。

加瀬完日本社会党

○委員以外の議員(加瀬完君) 時刻が非常に過ぎておりますのに、発言をお許しいただきまして、ありがとうございます。私の質問は一点でございまして、ただいま小林委員が問題にいたしました前半の私立大学の問題でございますが、小林委員の御指摘のような点を解決してもらわなければ困るということでございます。実は私のところに投書がございまして、国立学校の寄付金に対する質問は読んだが、私立のほうはよいのか。私の子供は某歯科大学を受験した、入学要項には六十万円ぐらいとあったが、いざ受験をしてみると、父兄が呼び出され、別に百七十万円も強制的に寄付を申し込まなければ合格を取り消し、または保留するとのことを言い渡された。また、補欠にはこれにさらに五十万円がプラスされるという話で、合計二百八十万円となるので、成績には自信はあったけれども、いろいろ相談の上、私のところでは入学を取りやめた。私の知人のむすこは某私立大学の理工科を受験したが、やはり設備資金が寄付できないということで親子げんかが起こり、結局その子は家出をしてしまった。国立学校の寄付は問題であろうけれども、私立はさらに問題ではないか。なぜおまえはこれを取り上げなかったのか、こういうことでございます。こういう法外な寄付というものを学力に関係なく金を積めば入れるという例がこれは公然と行なわれているわけでございます。これに対しまして、こういう弊風を文部省としては取り締まる法的な根拠はございませんか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 私もそういったようなお話をおりおり耳にいたしまして非常に情けなく思っておるのでありますけれども、法的に申しますと、文部省としては、これを規制する措置が現在のところないのであります。これらの点につきましては、あらためて、先ほど来申しておりますように、私学対策といたしまして検討しなければならない問題の一つではないかと考えております。

加瀬完日本社会党

○委員以外の議員(加瀬完君) この学校教育法施行規則の第二条に、文部大臣に対しては私立学校の専用学校、大学の場合は届け出をしなければならないとございますね。その中に、届け出の事項として、目的、名称、位置、学則または経費及び維持方法を変更する場合は届け出なければならないとありますね。第四条には「前条の学則中には、少くとも、次の事項を記載しなければならない。」とございまして、その七に「授業料、入学料その他の費用徴収に関する事項、」と、こうございますね。そうすれば、学則あるいは経費及び維持方法を変更する場合でこれはあろうと思いますから、学校が寄付金を申し渡す場合は当然これは届け出なければならないことになりますね。その届け出が文部省に来ておりますか。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) いまお示しのように、授業料、入学金等につきましては、届け出事項、学則の変更の一つの内容でございますから、届け出はございますが、このいま先ほどお示しになりましたいわばやみ、やみと申しますか、要するに定員まではその規定の授業料、入学金ないしは募集要綱に示しておりますところの施設の協力寄付金というようなもので大体処理をされておっても、そして一部には、私も個人的には、お示しのように、その定員の外へ出た場合に補欠あるいは第一次補欠、第二次補欠というようなことでさらに寄付金の協力を望むということを私ども個々の問題として耳にしたことがございますけれども、その実態に関しましては、いわばやみと言われていることでございまするので、私ども文部省として、その傾向が全体としてどの程度まで及んでいるのか、どういうふうになっているのかということは承知していないわけでございます。

加瀬完日本社会党

○委員以外の議員(加瀬完君) こういう問題が届け出られなかったならば、それがやみで入れようがあるいは補欠で入れようが、少なくもこれは経費及び学校の維持管理の費用に充てるというならば、維持方法に関する事項ということになるわけですから、どういう方法で徴収したところで、徴収した額というのは届け出られなければこれは違法ということになりますね。法律じゃございません、規則ですから、規則にこれは違反をしているということになりますね。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) 届け出事項に入るべき範囲のものを届け出なければ届け出の義務が完全に履行したものではないということでは御指摘のとおりでございまするけれども、これを、届け出事項でございまするから、その範囲等について、これを強制をするというような手段は法律上残されておらない。かように考えるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○委員以外の議員(加瀬完君) 結局金がなければ大学には行けないということになるわけですよね。そういうことになりましょう。御存じのように、はっきりと能力があれば学問ができることになっておりましても、現在のような小林委員御指摘のように、私立大学経営状態、あるいは財政状態というものをそのままにしておきますれば、こういう事態が生じてくるわけです。この事態というものを黙認しない限りは大学に行けない。しかしながら、いま申し上げましたように、家庭によっては百万も二百万も出して大学の教育を受けられるということにはならないわけですね。それで、私は何もこの私立のこういった行為を法律的に取り締まれとのみ主張しているわけではない。取り締まらなくてもいいような対策を立てなければ、社会問題としては解決ができないのじゃないかということですけれども、少なくも文部省としては教育のあり方からいって私学の精神や、いままでの私学の、日本の教育に果たした歴史等から見ても、これははなはだしく公の秩序を乱すということにはならないか、あるいは善良の風俗に反するやり方とは言われないか。三分の一ぐらいを合格さしておいて、あとの三分の二、寄付金の段階によって取るというようなことは一体善良なる風俗あるいは公の秩序ということをこのまま捨てておいては乱すことになるとはお考えになりませんか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 少なくとも望ましいことでないことはもちろん、妥当なこととも考えません。ただ、いま齋藤局長から御答弁いたしましたように、法律的にかりにこの規則に違反しておっても罰則もなければ、それからまた、従来からのいろいろの慣行からいいましても、やはり大学というものでありますだけに、あるいは御批判を受ける点があるかもしれませんけれども、なかなかそこは微妙なところで、そこまで立ち入ることは事実上もできなかった、これは事実として認めざるを得ない状態であると思います。そこでいまお話しの中にもございましたけれども、私としては、やっぱり法外なそういうような入学金などを取らないでやっていけるような姿にしていかなければならない。ここに根本の対策を求めるよりほかにないと思います。そうして、それが相当の程度までいくようであれば、それをこえて、国家が助成しているにかかわらず、それをこえて不適当と思われる、妥当でないことをやった場合には何らかのやはり制裁というものが考えられるのが社会的正義ではないかと思いますけれども、率直に言えばそこまでの助成もしておかないで、そうして、いたずらに法制に違反の疑いがあるからといって、この際、この瞬間においてといいますか、現在の時期で強行的な措置をするということは、これまた不適当ではなかろうかと、たいへんもたもたしたような考え方でございますけれども、要するに、これは私学振興を徹底的にやらにゃいかぬと、これを急速に対策を立てなければならぬということに私は尽きるように思います。

加瀬完日本社会党

○委員以外の議員(加瀬完君) けっこうでございます。しかし、やみ入学金を取ったり、やみ入学を許したりすることは、少なくとも善良な風俗を乱すということはお認めになれば、民法九十条「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為ハ無効トス」とあるわけですから、少なくもこれは大きな問題になるわけですね。そういう意味合いで、その結論は小林委員の御指摘のように、私立大学の財政対策を立ててもらうということでございますが、ここで一体私立大学などのやみ入学と世間で取りざたしております実態を調査をして、いずれかの機会に御提示をいただきたいと思います。  以上を要望いたしまして、とにかくこういう父兄の嘆きを解決をしていただけるように、能力があれば、大学教育を受けられるという実態を、政治の上で実現をさしてくださいますようにお願いを申し上げまして質問を終わります。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 御趣旨はよくわかりました。ただ、権限的に立ち入り検査をするとかなんとかということは、方法論としてもできないと思いますが、調査の方法にもいろいろあると思いますから、できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 この間、予算委員会で、文部省に調査をお願いして、十ばかり私立大学の入学金等について調査を出していただきましたが、その中には、慶応の医学部が最高で、五十万でございましたね。いま、加瀬委員から御質問の中に、二百八十万ということがあるわけです。そうすると、そのときに、五十万円の入学費を一応納めて、そうして毎月の月謝やなんか納めていくには、どのくらいあればいいかというと、大体、年間二百十万円ぐらいの収入がなければ、やっていけない。つまり、月収十七万以下では、大学にやれない。アルバイトや育英資金にたよらなければ、やっていけない。一体、二百八十万円の入学のお金というと、そうして、毎月、月謝やなんか払っていかなければならないとすると、一体幾らぐらいあればやっていけるのか。こういうことになりますと、おそれ入りますが、あの調査では不十分でございますので、ひとつつけ足して資料を提出していただきたいと思います。

齋藤正文部省管理局長

○政府委員(齋藤正君) 先生が予算委員会で提示を求められました資料は、これは、各学校の学校案内で、授業料、入学金、それから明示した寄付金というものについて集計をいたしまして、代表的なものを出したわけでございます。私どもは、さようにして全国的な平均もとり、その授業料なり、入学金の増加の傾向というものを、一つの判断の資料としておるわけでございます。ただ、いま、加瀬先生からお話のありましたのは、いわゆるやみというお話でございますので、これは先ほど申しましたように、私どもも、調べようもなかったし、その点でできるだけの資料は御提出したつもりでございますので、御了承を願いたいと思います。

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) これをもって、文部省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  以上をもちまして、本分科会の担当事項であります昭和四十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省、厚生者、労働省及び自治省所管に関する質疑は終了いたしました。これをもって本分科会の審査を終了いたします。  なお、予算委員会における主査の口頭報告の内容及び審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木一弘公明党

○主査(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後一時二十二分散会

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