予算委員会第一分科会 第3号
- 発言数
- 333 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/03/29
会議録
○主査(中村順造君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。 まず、委員の変更について御報告いたします。 一昨日、鈴木強君、稲葉誠一君か辞任され、岡田宗司君、木村禧八郎君が選任されました。 —————————————
○主査(中村順造君) 本日は昭和四十年度総予算中、内閣及び総理府所管を一括して議題といたします。 まず、説明を聴取することにいたしたいと存じます。臼井総務長官。
○政府委員(臼井莊一君) 昭和四十年度における内閣及び総理府所管の歳出予算案について、その概要を御説明いたします。 内閣所管の昭和四十年度における歳出予算要求額は二十億五百十八万九千円でありまして、これを前年度歳出予算額十七億五千五百七十六万八千円に比較いたしますと、二億四千九百四十二万一千円の増額となっております。 内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは、内閣官房、内閣法制局、人事院及び国防会議の事務の執行に必要な経費であります。 次に、総理府所管の昭和四十年度における歳出予算要求額は六千三百十三億百八十八万七千円でありまして、これを前年度歳出予算額五千七百五十二億六千五百二十九万四千円に比較いたしますと、五百六十億三千六百五十九万三千円の増額となっております。 総理府所管の歳出予算に計上いたしましたものは、総理本府のほかに公正取引委員会、国家公安委員会、土地調整委員会及び首都圏整備委員会の四つの委員会と宮内庁、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁の六庁の外局に関するものでありますが、このうち、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁に関する歳出予算計上額三千三百九十六億四千五百六十九万四千円につきましては、他の分科会において御審議を願っておりますので、これらの部局以外のおもなる経費について、以下予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、 〔主査退席、副主査着席〕 総理本府一般行政等に必要な経費三十八億三千二百五十九万六千円、文官等に対する恩給支給に必要な経費百九十五億七千五百六十二万六千円、旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費一千三百五十五億七千八十九万二千円、昭和四十年国勢調査に必要な経費二十二億八千十四万九千円、沖繩援助等に必要な経費三十億四十一万四千円、警察行政に必要な経費二百五十二億二千三百四十万三千円、行政管理庁に必要な経費三十億三千五十四万円、北海道の開発事業に必要な経費九百四十四億三千百十三万五千円等であります。 次に、その概要を御説明いたしますと、総理本府一般行政等に必要な経費は、政府施策に関する広報活動の積極的推進、農地被買収者等に対する給付金の支給及び決定の事務、生存者及び戦没者等の叙勲、青少年対策の推進、在外財産問題調査等のための経費でありまして、前年度に比較して八億六千八百三十九万二千円の増額となっております。 文官等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基づいて、退職した文官等に対して年金及び恩給を支給し、また、国会議員互助年金法に基づいて、退職した国会議員に対して互助年金を支給するための経費でありまして、昭和四十年度におきましては、新たに、昭和四十年十月から実施することとして、恩給年額の改定のための経費を計上しておりますが、新規裁定及び失権等に伴う増減がありますために、前年度に比較して五億四千三百五十六万九千円の減額となっております。 旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基づいて、旧軍人及び遺族等に対して恩給を支給するための経費であり、昭和四十年度におきましては、新たに、昭和四十年十月から実施することとして、恩給年額の改定、旧軍人の抑留加算の実施のための経費等を計上しておりますが、新規裁定、失権等に伴う増減がありますために、前年度に比較して六十五億六千百二十三万六千円の増額となっております。 昭和四十年国勢調査に必要な経費は、五年目ごとに実施されている国勢調査で、昭和四十年十月一日午前零時現在において調査を行なうための経費でありまして、前年度に比較して二十一億七千二百十六万八千円の増額となっております。 沖繩援助等に必要な経費は、沖繩における農林漁業資金、土地改良事業、護岸、漁港等施設整備、土地調査等の産業開発関係その他社会的福祉、医療、文教、技術援係の援助、南方同胞援護会に対する補助等のための経費であり、医療、文教等の援助経費につきましては、その執行にあたって必要に応じ、それぞれ関係各省の所管に移しかえて使用されるものでありまして、前年度に比較して九億八千十四万二千円の増額となっております。 警察行政に必要な経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方機関の経費及び都道府県警察補助のための経費でありまして、前年度に比較して二十五億一千六百十二万八千円の増額となっております。 行政管理庁に必要な経費は、行政管理庁及びその付属機関並びに地方機関の経費及び都道府県に配置されている統計専任職員費でありまして、前年度に比較して一億一千六百七十一万二千円の増額となっております。 北海道の開発事業に必要な経費は、北海道における土地改良、農用地開発、漁港、住宅、林道及び造林事業等の経費と、治山、道路整備及び港湾整備事業等の経費に充てるための財源の各特別会計への繰り入れ金等であり、事業費については、その執行にあたって必要に応じ、それぞれ関係各省の所管に移しかえて使用されるものでありまして、前年度に比較して百三十七億四千五百九十七万五千円の増額となっております。 なお、このほかに国庫債務負担行為として、総理本府におきまして外国人恩給のため四十八万一千七百七十四円を計上いたしております。 以上をもちまして昭和四十年度内閣及び総理府所管の歳出予算要求額として計上しております経費の説明を終わります。 なお、詳細につきましては、御質問に応じまして関係各政府委員からお答えいたすことにいたします。 よろしく御審議あらんことをお願いいたします。
○副主査(村山道雄君) ただいまの説明に対し、質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○岡田宗司君 総務長官にお伺いいたしますが、沖繩の問題について、沖繩がアメリカの支配から脱して日本に復帰することをわれわれは念願し、かつ主張しておるものでありますが、本分科会においてこの問題についての政府の所信を、あるいは今後の政策をただすことは適当な場所ではないので、私はその問題については、いまここでお伺いすることばいたしません。 また、最近のベトナムにおける諸情勢が、沖繩をして非常な緊迫した状態に追い込んでおりますが、この問題についても私は触れませんが、当面の問題を若干お伺いしたいと思うのでございます。 第一にお伺いしたい点は、日米協議委員会の権能の拡大の問題について、この問題については、すでにそれが今後論ぜられ、討議され、そして権能の拡大が実現されるであろうということは予想されるわけでありますが、総務長官も過日沖繩に行かれました際に、これらの問題について琉球政府やあるいは立法院やその他からいろいろ要請も受けられたと思うのです。今後の協議委員会に臨んで、その委員会自体の権限の拡大にあたりまして、沖繩の問題を所管としておるその責任者であるあなたが、この協議委員会の権限の拡大についてどういう点を要求されるか、その方針についてお伺いしたい。
○政府委員(臼井莊一君) この日米協議委員会の権限拡張方針と申しますか、これにつきましては、先般佐藤総理が訪米の際に、ジョンソン・アメリカ大統領との共同声明におきまして、現存する日米協議委員会が今後は沖繩に対する経済援助の問題にとどまらず、引き続き沖繩住民の安寧の向上をはかるために両国が協力し得る他の問題についても協議し得るように、同委員会の権限を拡大することについては原則的に意見の一致を見たと、こういうことが書いてあるのであります。そこで、この内容を実際的にはどういう問題を取り扱うかということにつきましては、外務省とアメリカ側とアメリカ大使側を通じましていろいろと話し合ってきたのでありますが、私どもといたしましては、できるだけいろいろの問題をここにおいて取り上げていきたいという希望もありますが、ただ、同じ共同声明においても、やはり沖繩の基地というものが自由諸国の安全保障のために必要だということもお互いに認め合っておりますたてまえ上、やはり沖繩における基地に対する考慮、さらにはまた、何分にも平和条約第三条によりまして、御承知のように施政権がアメリカにございますので、したがって、施政権がアメリカ側にあるこれに基づいてのアメリカ大統領の行政命令によって、強くこれが規制をされておりまする関係で、したがって、その間の調整と申しますか、やはり外交の舞台においてやるべき部面と協議委員会のやるべき部面との関係が、なかなか微妙なところがありますために、したがって、最近の交渉の結果では、あまり個々にどういう問題、どういう問題というものを列挙しないで、やはり交換公文においてこの共同声明の文案を大体そのまま一応移しかえて、そして話し合いの場合には、さらにどの問題を取り上げるかということを逐次検討しつつ取り上げていくのが適当ではないか、こういう結論に近づいておるわけでございます。したがいまして、現在の段階においては、どの問題をどう、こういう段階にはまだ至っておりません。
○岡田宗司君 最近は日米協議委員会はいつ開かれるのですか。
○政府委員(臼井莊一君) この交換公文でこの問題が取りきめが終了いたしましたら、できるだけ早い機会に、日米協議委員会としては今度たしか五回目になるわけですが、この改定後においての第一回目は、なるべく早い機会に開きたい、こう考えております。
○岡田宗司君 これから先の第一回目の会合において、権能の拡大の具体的なものが打ち出されますか。
○政府委員(臼井莊一君) いよいよ日米協議委員会を開く場合には、どの問題を主として議題とするかという問題は、今後やはり外交交渉といいますか、そういうルートで一応話し合ってやっていきたい、こう考えるわけです。
○岡田宗司君 その外交ルートでやるのは、これは外務省の所管でありますけれども、その外交ルートで向こう側と話し合いをする場合に、沖繩の問題はあなたのほうの所管事項ですから、あなたのほうからすみやかにこういうことを討議のできるように協議委員会の権限の拡大をしてくれという問題があるだろうと思う。その最も近い将来において、何をあなたは具体的に要求されるのか。
○政府委員(臼井莊一君) この点につきましては、従来、形としては、たとえば経済援助におきましても、日本側に要請する額を、やはりアメリカ側から原案を提出してきて、それに対してこちらが意見を述べると、こういう形になっておりますので、したがって、今後の問題におきましても、やはり問題を取り上げる上においても、やはりそういう形をとらざるを得ないんじゃないかと、こう考えるわけでございまして、まあ外務省や何かには、私どものほうとしてもやはり一応研究したところ、希望等は伝えたいと存じます。
○岡田宗司君 それでは、経済問題、経済援助以外の問題についてというのが権能拡大の大きな柱になっておるわけですけれども、その点については何にも——経済問題以外の点については、何かあなたのほうから外交交渉について要望される点はないんですか。
○政府委員(臼井莊一君) この問題につきましては、こちらからむろん外務省のほうにもわれわれの考えは伝えまして、政府としての考えを打ち合わせてまいるつもりでありますけれども、その開かれるつど取り上げていきたい。従来は、まあ経済問題といいましても、広く経済問題全般というよりは、経済援助に関する額に大体その問題が集約されていたような感がありますので、そこで、たしか三回目の協議委員会でございましたかの際にも、私どもとしても、もう少しこれを拡大していきたいという気待ちを持っておりました。その後ワトソンさんもあちらから協議委員会にオブザーバーとして出席されまして、いろいろ意見を交換した結果、もう一つはこういう声明を見た、一つの意思の疎通が十分あったと、こう考えますので、取り上げる問題につきましても、十分意思の疎通にそごのないようにしていきたいと、こう考えております。
○岡田宗司君 それでは、経済援助の問題以外の点についてというのは、何も具体的な提案もなければ、そうして大体権能の拡大について、これだけのワクを日本側が要求するのだということもなければ、そのつど取り上げていこうということだけでは、これはどうも権能拡大ということが打ち出されたことに対して、まるでわれわれは羊頭を掲げて狗肉を売るように思わざるを得ないのですが、どんなものでしょうか。
○政府委員(臼井莊一君) 私どものほうとしては、決してさようには考えておりません。いま申し上げたように、従来は、日本から沖繩に対しての経済並びに技術援助のそのおもに予算等の関係がほとんど主であったわけですが、しかし、今度はそういうふうに交換公文で決定されれば、私どもとしても今後どの問題を取り上げていくかということについて研究もし、また向こうからこの問題をというお話があれば、それに対して意見も申し上げて、ひとつどの問題を取り上げるかを決定したいと考えております。
○岡田宗司君 その外務省とアメリカ大使側との交渉、これはいつごろそれがきちっとしたものになってきまりますか。
○政府委員(臼井莊一君) この点につきましては、ただいま申し上げましたように、できるだけすみやかに、まあ外務省のほうで交換公文をアメリカ側と交換いたしましたら、こちらの総理府もそれに加わって、ひとつ外務省と取り上げる問題を決定、交渉したい、こう考えております。
○岡田宗司君 われわれとすれば、とにかくこの権限、権能の拡大ということが打ち出されたのですから、したがって、単に経済援助の問題だけでなく、これは直接施政権の返還等の問題に触れるまでの権限は与えられないとしても、かなり一般的な問題、特に施政権の問題について、あるいは沖繩県の人々の自治の問題等についても、日本側が要望することが実現できるように、権限の拡大を望みたいところです。それらの点についても、総理府のほうでは論議できるようにしたいとお考えになっておりますか。
○政府委員(臼井莊一君) その点につきましては、私どものほうとしては、いま岡田先生のお話のような方向で進みたい、努力いたしたいと、こう考えます。
○岡田宗司君 この問題については、さらにまたいつか適当な機会にお伺いするとして、この問題はここでとめまして、次にお伺いしたいのは、従来よく沖繩のほうからもこちらのほうからも要請しております沖繩への渡航をもっと自由にする。これはキャラウェー高等弁務官の時代に非常にむずかしかった、ワトソン高等弁務官の時代になりまして幾らか緩和されてきたのでありますけれども、しかし、まだまだこの問題については緩和される余地があると思うし、また、そういう要望が沖繩側からも非常に強いし、こちらのほうでもそういう要求を持っておりますから、これについて総理府のほうでは今後それをもっと自由にしていくという点をお考えになっておるか、そして、それをお考えになっておるとすれば、どういう方法でそれを実現しようとされるか、それらをお伺いしたい。
○政府委員(臼井莊一君) 渡航の自由につきましては、私、昨年八月参りました際に、ワトソン高等弁務官にもその旨を強く申し入れをいたしました。そして、その後もう私のほうから申し上げるまでもなく、これは米民政府のほうでも考えておりまして、また、琉球政府のほうでもやはり米民政府のほうに強く申し入れてもおりましたので、これは非常に改良されてまいりました。そして、もちろん許可は必要でございますけれども、これについては、最近、許可を得るまでの期間も非常に短縮もされ、それから、これを拒否するというようなのもほとんどございません。ただ、先般私参りました際に、この点についてワトソンさんが、最近沖繩からこちらに渡航する者一人を実はこれは断わったと、しかしこれは日本に迷惑をかけたくないと、まあこう思うのでこれだけはあれしたけれども、ほかの件ではそういうあれはなかった。それから、さらに最近の情報によりますと、日本から沖繩以遠の旅行者の方で、そして沖繩で観光のためにビザなしで七十二時間滞在できると、これも、かねてからの沖繩住民でございましたのも実現をいたしまして、こういう面では非常に改良されたと、かように考えております。
○岡田宗司君 けれどね、まあ沖繩の方がこっちへ来て、そしてこっちでもってたまたまいい相手を見つけて結婚する、その女の人を向こうへ連れていこうというときに、やっぱり非常にめんどうな手続が要るんですね。こんな問題は解決できないんですか、何か。
○政府委員(臼井莊一君) まあそういう問題等でも、個々の問題につきましても、アメリカ側でも非常に好意を持って善処する方向にございますので、まあ手続はやはり必要でございましょうけれども、できるだけ住民側の希望に沿った方向でいきたいというのが基本的な最近の考えでございますので、そういう点についても、徐々に希望がかなえられていく、こう考えております。
○岡田宗司君 こういう問題は、やはり一つの事例にはすぎませんけれども、しかし、この渡航を緩和するという問題から見ると、やはり重大なことなんで、そういう問題はひとつ早く実現できるように御努力をお願いしたい。 それからもう一つ、ちょうど私が沖繩へ行っていたときに、こっちに——東京にいる沖繩の方です、これは私の友だちなんです。その人のおかあさんが、向こうで急になくなられた。そこで今度はさっそく向こうへ行く手続を、東京都を通じてとったわけですが、たいへん時間がかかるというので、病気になって電報が来てすぐ手続をとったけれども、とうてい間に合わないというので、行くのを断念されてしまった。こういうような場合に、何か特別な措置は講ぜられないのですか。
○政府委員(臼井莊一君) それでは手続上の問題でございますから、ひとつ特運局長からお答え申し上げます。
○政府委員(山野幸吉君) 渡航の簡素化につきましては、ただいま総務長官お答えになりましたように、総理府としましてもいろいろ努力をいたしているのでありまして、全体として申しますと、大体現在渡航許可申請を出しまして、一週間以内で七割三分ぐらい許可になっております。二週間以内ではもう九割四分程度の許可がおりております。これは去年の初めごろと比較しますと、もう画期的な迅速化になっております。で、御案内のように東京に米民政府の渡航班がございまして、それが私のほうの渡航の係と常時定期的に会合をやっておりまして、いろいろと敏速化をはかっておりますが、いまさっき問題になりました転籍のような場合ですね、これは私どもも転籍の自由を認めてもらいたいということで、今後も折衝を重ねていきますが、そういう場合には、なかなか時間がかかるという問題が一つあります。それからいま御指摘になりました死亡等の場合に、急遽行きたいというような場合に、ついうっかり普通のような手続をとりますと、一週間ぐらいかかりまして間に合わないということになりますが、現在は、もうその事情を明らかにして申請しますと、即日許可ができるようになっておりますので、ただいま御指摘になりました例はどういう事例か、どういう手続をおとりになったか知りませんが、私のほうによく事情をお話しくださいますれば、即日許可がとれるように私どもは便宜をはかりたい、かように考えております。
○岡田宗司君 窓口は東京都でしょう。東京都で、そういう事情を述べたにかかわらず、いまあなたの言われたような処置をとるように教えてもくれなかったし、それからそういう手続をとってもくれなかった、だからもうその人はあきらめてしまったのですね。そういう点については、やはりむずかしい問題があるのじゃないですか。
○政府委員(山野幸吉君) それは向こうのほうのいろいろ意思が加わっておくれたというよりも、むしろあるいは内部的に、東京都と私のほうの連絡なりそういうものを迅速にすれば解決できるのじゃないかと私は考えておりますが、なおよく調べまして、そういう要請には即応できるようにひとつ進めてみたいと、かように考えます。
○岡田宗司君 それから先ほど臼井長官が向こうへ行かれて、ワトソン高等弁務官と会われたときの唯一の例外というのは、人民党の瀬長亀次郎君のことだと思いますがね、まあワトソンさんが、瀬長君が日本へ来て迷惑をかけるから渡航を許可しなかったのだ、こういうことらしいのだけれども、迷惑がかかるかかからないかということは、こっちの話なんで、何もワトソンさんにそんなことを言われる必要はない。私は、ほかの理由でそういうことを言われたのだろうと思うのですけれども、そういうことは、私はやはりいいことじゃないと思うのですよ。これは瀬長君がどういう思想を持ち、どういう政党に属そうとも、その人が、少なくともやはり日本人であり、そうしてまあ沖繩はいま施政権は向こうにあるけれども、潜在的な日本の領土だとすれば、それくらいのものは認めてしかるべきだと思うのです。ほんとうはどういう理由でもって拒否されたのか、それはあなたにも伝えられなかったと思うのですけれども、しかし、そういうことはやはり今後この問題を紛糾させることにもなるし、またわれわれの考えております渡航の自由化の方向に一つの障害にもなる問題だと思うので、そういう問題も含めてもっと渡航を自由化していくという方向に御努力を願いたいと思います。 それから次にお伺いしたいのですが、まあ本年度の予算で沖繩援助費二十三億計上してありますね。これは去年よりだいぶふえておるのですけれども、沖繩の去年の予算あるいはおととしの予算、どうもこれがせっかくこちらで計上しても、向こうで使い切れない、つまり消化し切れないという事態があるわけなんです。で、私行っていろいろ聞いてみたりなんかしたのですが、これはまあ琉球政府の行政能力もさることながら、民政府がいろいやかましいことを言ってチェックしてしまうために使い切れないということが、往々にしてというより、非常に多いのですね。一体その点についてあなた方のほうでは高等弁務官と話をして、せっかく日本政府が計上しアメリカ側もそれを認めたのだから、それがもっと具体的にすみやかに使えて予算を実現できるように処置しなければならぬ。それらの点について一体そういう努力をされたかどうか。それからもう一つは、おととしですね、年度内にどれくらいそれが消化されたか。それからそのはみ出した分は、昨年中にどれくらい消化されたか。それから本年度の予算において一体どのくらい消化されて四十年度にどれくらい残る見込みか。その点ちょっとお伺いしたい。
○政府委員(臼井莊一君) このせっかくの経済援助が消化がおくれるという問題につきましては、私どももあらゆる方面からこの消化の促進のためにいろいろ配慮いたしております。これは主としてあちらに日米協議委員会とさらに琉球に日米琉技術委員会がございまして、そこでこの日米協議委員会で決定した援助資金というものの実際使用、運営につきましては、あちらで、総理府としても南連の事務所長も加わりまして、そうして日米琉で協議してこの促進に従来とも努力をいたしております。逐次これは改良されてまいっております。ただ、一つは日本の会計年度とアメリカの会計年度と三月ばかりちょっと差がありますので、ですからそれに見合うだけのものは、これはある程度繰り越されるのもやむを得ないのですが、それからこれを使用するについて、実際昭和三十七年度の予算でございましたか、これはたいへんおくれて決定したあれがあったわけです。しかし三十八年、九年になりますと、これが非常に早くなりまして、したがって消化もだいぶ進んでまいりました。確かに一つはこの日米琉連絡してこれをやるというところに、スタートの多少おくれるところもあろうと思いますので、大体消化につきましては私どももこれを促進したいというので、特に私のほうで望んで、これがための日米琉技術委員会も開いてもらいまして、この促進方もやっておるようなわけでございます。実際に何%おくれておるかというような見通し等につきましては、特連局長のほうからお答えいたします。
○政府委員(山野幸吉君) 昭和三十七年度に沖繩援助費十億七千四百万円ございまして、そのうち琉球政府の執行分が七億一千二百九十万九千円であったわけでございますが、大体まあ総務長官からもお話ありましたように、覚え書きのおくれたこと等の理由がございまして、五億八千九百九十万九千円が三十八年度に繰り越されたわけでございます。これは三十九年の三月までは全部完了したわけであります。 それから三十八年度の援助費十九億八千万四百万円、このうち琉球政府が執行する分は十四億二千百三万三千円でございまして、これにつきましては同じように三十九年の一月になって覚え書きが成立いたしました。その結果十億三千八百九十三万五千円が三十九年度に繰り越されたわけでございます。 三十九年度に入りまして、御案内のとおり三十九年の四月から、いま総務長官からお話ありました日米琉技術委員会というのが発足いたしまして、この技術委員会は昨年中に四回開きまして、その会議のほとんが執行促進に向けられまして、相互にいろいろと執行の隘路を検討いたしまして、執行の促進をはかりました結果、これは三月末には全部執行を完了するということに大体見通しが立っておるのであります。それから三十九年度の予算でございますが、この三十九年の予算につきましては、従来と違いましてこの覚え書きも七月早々にきまりまして、そうしてしかも一方では技術委員会でいろいろ予算執行の隘路を検討いたしました結果、相当事業は促進されておりますが、実は三十八年度の事業がほとんど三十九年度にかかる。その上に三十九年度分の予算が加わってまいりまして、私どもいろいろ琉球政府にお願いもし、そしていろいろ改善方策も講じまして、大体三月末には約六割程度は三十九年度の予算も消化できる。さらに琉球政府の新会計年度の始まります六月末には、まだ一・四半期ございますから、さらに相当上回るであろうということございまして、昭和四十年度分の予算執行からは、ほぼ経常化をするのじゃなかろうかというぐあいに見ておるのであります。 大体御案内のとおり琉球政府の予算執行にあたりましては、地元の業者等も非常に事業遂行の能力におきましてもいろいろ問題があり、それから御指摘がありましたように、民政府なり日本政府もそうでございますが、そういう事業の監査、事前、事後の調整、そういうような問題もございます。したがいまして、相互にできるだけそういう事業をおくらすようなことのないように、制度を簡素化し、そうして執行率を高めるように今後とも努力してまいりたい、かように考えております。
○岡田宗司君 沖繩の援助をこちらで計上するときの日米協議委員会で、アメリカ側との了解はすでについておるわけです。それにもかかわらず、もう一度今度日米琉技術委員会にかけて、そうして民政府がさらにこれを検討をすると。しかもそれにずいぶん時間がかかって、いよいよ日米琉技術委員会が開かれてそれがきまるまでに相当長い時間が経過しているんですね。もう少し、一ぺん日米協議委員会でこういうことをきめたら、日米琉委員会でそうこまかいことをきめないでもいいんじゃないですか。だからそういう問題は、もっと琉球政府に権限を委譲して、やるべきものはやらせるように主張しなければ、いつまでたったってこんな状態が繰り返されるだけだと思うのです。こういう点について、日米協議委員会でも、日米琉技術委員会がもっと予算の執行なんかについての権限を縮小するというような方向に主張できないものですか。
○政府委員(山野幸吉君) いま御指摘ございましたけれども、実は日米琉技術委員会は、別に予算遂行上のチェックにはなっておりません。協議委員会できまりまして、そうしてこちらの予算が成立しまして琉球政府の予算が成立すれば、もうすぐ執行の段階に入るわけでございますが、いま私が申し上げました、技術委員会でいろいろ執行問題を取り上げておると申し上げましたのは、三十八年、三十九年度の事業のおくれた個所について、どうすればこれが執行促進できるかという議題について、技術委員会が中心になりましていろいろ議論をし、そうしてその執行促進をはかってきたわけでございます。一々の予算の執行について技術委員会はタッチしておりません。ただ、いろいろ予算執行にあたりまして、御指摘のように民政府のほうからいろいろ監督がありましたり、これはまあ当然のことなんですが、そういう予算執行の事前、事後の調整を通じていろいろ米琉間で多少ひまどるというような場合もありますので、そういう点を改善してもらうために日米琉技術委員会を活用しておるわけでございます。いずれにいたしましても、確かに御指摘のとおり工事執行はまだ私どもが納得できるような速度で遂行されておりませんので、したがいまして、さらに日米琉技術委員会をよく活用しまして、事業の執行が促進できるように極力進めてまいりたい、かように考えます。
○岡田宗司君 いまお話を伺っていると、日米琉技術委員会は予算の執行を促進するようにということですけれども、琉球政府自体が日本政府から回わされた予算をいろいろチェックするようなことやっているように私ども聞いているし、それからまた、実際これはよろしいというまでに、いろいろひまがかかっているのですね。こういう問題について何とかもうちょっと改善できぬものですか。
○政府委員(山野幸吉君) この点については、確かにそういう事実がございましたので、私どもも、琉球政府の日政援助にかかる事業を遂行される場合に、民政府としていろいろ指示され、あるいは監査されるのはこれは当然でございますが、しかし、そういうことをやられる場合には、とにかくそのために事業がおくれることのないようにしてもらいたい、たとえば人員を増加し、あるいは監査、検査を合理化して、できるだけ早くその監査、検査のために工事がおくれることのないようにということを要請いたしておったのでありますが、去年の四月以来、民政府の公益事業局というのを特に設けまして、職員も相当配置いたしまして、そういう工事の遂行を促進することができるような体制をとっておるのでございまして、最近はだいぶ改善されてまいっております。なお、今後とも私どもは民政府のほうのそういう諸監督のために工事がおくれるようなことのないように、相互にひとつよく話し合ってまいりたい、かように考えております。
○岡田宗司君 総務長官にお伺いしますが、沖繩の経済開発計画ですか、これは直接日本政府が立てるものじゃないのですけれども、しかし、もしそういうことができるとすれば、日本側とすれば相当な援助をしなければならぬと思うのです。ところで、沖繩はいまのところアメリカ軍の基地に非常に多く依存をしておる。まあいわゆる基地経済というものが沖繩の経済の非常に大きな部分を占めている。しかしながら、これにおんぶをしているから、それであとはいいかげんにしておいていいというものじゃないと思うのです。人口もふえているし、基地だっていろいろな変化でいつどうなるかわからない。沖繩自身の産業経済というものを開発し、発展さしていかなければならない。とうていこれは琉球政府の力でできるものではない。日本がよほど援助しないといかぬ。計画自体をつくるにしても、日本が調査団を送り、そうして各種産業その他の事情について調査をし、それに基づいて琉球政府とともに計画を立てるといいのですが、いままでにそういう沖繩の経済発展についての計画というものについて、個々の部門とかなんとかでなくて、全体としての沖繩の経済を発展させる計画について調査をされ、研究されたことがありますか。
○政府委員(臼井莊一君) この点については岡田先生のお説のとおり、何とかして沖繩の産業経済を発展させたい、まあ沖繩に行ってみますと、経済成長は、日本に次いででございましょうけれども、東洋において第二であるというくらいに、非常に最近住民の所得の増加、経済面の生産力も増強はしてきたのでありますが、何分にも経済産業のうちでも御承知のように農業がほとんど主体、まあ漁業もそれに次いででありますけれども、第一次産業の中ということになると、なかなか急速な発展ということがむずかしいところへもってきまして、御承知のようにあそこは台風の通過地帯ということ、それからサンゴ礁からでき上がっているという耕地の特殊性と申しますか、それからまた離島が多いというようなこと等で、作物についても農業の中でもその七〇%がサトウキビをつくっているということ、それと最近はパインも盛んになってまいりましたが、しからばこれを他の作物ということにつきましては、あちらでも農業試験場等で非常に研究はいたしておりますけれども、この解決が一つはなかなかむずかしいということなんでございまして、そこで日本政府側でも沖繩の技術援助という点から、ひとつ最近も農業のほうの調査団があちらにまいりまして調査をいたしておりますが、最近米民政府と琉球政府とが共同いたしまして沖繩開発の六カ年計画というふうなものを策定しつつあるやに聞いております。いずれこれができますれば、日本政府側に対してもこれに対してのおそらく意見なり、またこれに対する日本側の援助ということも当然問題になってくると思います。そこで先生の御指摘のように、これらの問題等も考えあわせて、あらかじめそういう方面の開発に関する視察、調査というふうなこともできるだけいたしておきたい。従来はあまりこういう方面にはいたした場合がないようですが、最近になりましてからこの点に留意して努力をしつつある現状でございます。
○岡田宗司君 六カ年計画なり何なり長期の開発計画を地元で立てたところで、いまのアメリカの国防総省の方針なりあるいは琉球政府の力で、はたしてそれができるかどうか。結局日本側として相当な援助といいますか、あるいは資金の投入といいますか、それをやらなきやならぬ。そうすると、やはり日本側としてもそれに対処するための独自の調査を進めておくことが重要だろうと思う。農業調査団を出したということを私も聞いておりますが、今後そういうような方面でさらにいろいろな調査団は出されると思いますが、いずれにしても日本側としてもその調査報告に基づいて、そしてある程度の案というものを持っておる必要があろうと思う。特に農業とか漁業とか、第一次産業の面については、これはやはり日本側としての援助を必要とする。それらのことはお考えになっておるだろうと思うのですが、実は前に西表島の開発計画のための調査団を送っているのです。ところが調査団は行っておるけれども、それの調査の発表が行なわれていないし、それをもとにした開発計画についても何にも私ども聞かされておらない。あれ一体どうなったのか。もし今後日本がいろんな調査団を送っても、あれと同じようにしり切れトンボというか、立ち消えになっちゃったら、何にもならぬと思いますが、あれがなぜ立ち消えみたいになったか、あるいはしり切れトンボになったか、それらの事情は今後のこともありますので、明らかにしていただきたい。
○政府委員(臼井莊一君) 西表島の開発は、私どもも非常に関心を持っておりまして、したがって調査もしたわけでございますが、あの開発には相当の資金も要ることであり、それには金ばかりでございませんで、先ほど岡田先生の御指摘の消化能力にも関係することでありますが、この消化能力の一つおくれているあれも、実は土木、建設のほうの技術とか何かの力が足りないということがございまして、それで私も昨年八月参りました際に、経済援助を進めるが消化能力も考えてもらわなくちゃ困るという御意見がアメリカ側にありましたので、消化能力を進めることについては、われわれも全力をあげてお手伝いしたい、そこで建設の技術なんぞも内地においては非常に進んでおるのであるから、こういう方面でももっと技術援助の面をお手伝いしたいということも申し述べてございますので、現在沖繩において検討中の開発が、はたして西表が入っておるのですかどうですか私どもにわかりませんけれども、確かに西表に、あそこに一億円くらいかかるというのですが、川に一つ橋をかける、両方の道路をつなぐ、南と北とつなぐというだけでもこれは非常に開発になる。あそこは植林とか森林の伐採、パルプの生産等のためそういうあれはあるようですが非常に開発の余地のある——現在人口が五千人くらいしかいないのでしょうが、あれを開発すれば、優に十倍以上も収容できる、こういうことでございますので、これは決してしり切れトンボになったとは考えませんが、前に調査に参りました資料等も勘案して、私どもとしてもこれに対する検討をひとつしてまいりたい。 産業開発につきましても、昭和三十七年度におきましては財政援助十億のうち産業開発が五億の援助でございましたが、三十八年度においては十九億の財政援助額のうち十二億が産業開発のための援助、それから三十九年度におきましては二十億円のうちの十一億円が産業開発でございましたが、いま御審議いただいております昭和四十年度の財政援助額の三十億円のうちから産業開発費のためにはその半額の十五億円が予算として計上してございますので、そういう面につきましても、ひとつ産業開発のために日本政府においてもあらゆる面で援助を進めてまいりたい、こう考えております。
○岡田宗司君 西表島の調査報告ですね、これは公表されますか。
○政府委員(山野幸吉君) 相当膨大な調査報告でございまして、要点等を集約してお出しすることはできると思います。
○岡田宗司君 この調査は日本側として沖繩でやった調査のうちでは最大のものなんです。なぜこれがすみやかに発表されないかということについて、沖繩においてもいろいろ疑惑があります。たとえばアメリカが好まないとか、あるいはアメリカが西表島の開発についてやりたくないのだ、実はあそこをアメリカが軍の基地を設けようとしているために、あそこの開発は欲しないのだ。いろいろな話があるのですが、もしそうでなければ、あなたの言われたように、少なくともそのうちから重要な部分を抜いたものでも発表して、そしてそれをもとにして、やはり琉球政府なり何なりが、それをもとにして開発計画を立てる、日本側でも援助の態勢を示せるように、そういうような積極的な態度をおとりになるつもりがあるかどうか、どうでしょう。 〔副主査退席、主査着席〕
○政府委員(臼井莊一君) 今後、沖繩にとりましては西表島の開発ということは、あれだけの大きな島でございますから、これは非常に重要な問題になる、こう考えますが、ただ、いままでお話がございましたように、従来の、日本が援助しておる開発にいたしましても、なかなか予算の消化もし切れないということ、それからさっき申し上げましたように、沖繩におきましては開発の六カ年計画というものを全体的に取り上げて計画中でありますので、その中に入っておるかどうかわかりませんけれども、全体の計画とにらみ合わせて、現在西表へそれだけの資金を投入するとしても、それに対するまだ準備なり、沖繩全体のそれだけのまだ基本ができてない。これは調査の結果、どういう開発にということになろうと思いますけれども、いま申し上げたように、農業にいたしましても、まあ甘蔗とかパインとかが現在西表以外でも中心であります。そこで、さらにそういう方面のみの開発ということになって、はたしてよろしいかどうか。御承知のように、砂糖の市価が非常に国際市場相場、これが下がっておりますために、いまもまあ問題になっているようなわけで、そういう全体の沖繩の産業の開発とにらみ合わせて考えるべき問題だと、かように考えているわけでございます。私どもといたしましても、これに対しては調査の結果に基づいて、できるだけのあらゆる方面から研究いたし検討はいたしたいと考えております。
○岡田宗司君 それでは調査報告書の概要といいますか、それは発表されますね。
○政府委員(山野幸吉君) はい。
○岡田宗司君 それから琉球政府と民政府のほうで共同でつくっている六カ年計画のお話がありましたが、いずれ日本側の資金も投入しなければならぬわけですから、これらの内容ですね。策定中に通報されておりますか、つんぼさじきですか。
○政府委員(臼井莊一君) 現在はまだ琉球政府と米民政府との間で検討中でございまして、こちらにはまだ正式な内容は示されてておりません。いずれ示されれば、これに対し検討もし、また、従来の調査の結果によっての日本側としての意見も申し述べたいと、こう考えておるわけでございます。
○岡田宗司君 向こうで民政府と琉球政府でもって、こういうものをつくっておって、あとで日本側で相当な資金を提供しなければならないとすれば、私は作業の最中においても日本側が通報を受け、また、日本側として意見を述べて、そしてこの計画に参加をしていくということは当然だと思うのですが、こういうことこそ、また日米協議委員会で要求すべき筋合いじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(臼井莊一君) これは私どものほうでも、いま申し上げたように農業の視察調査団も出ておりますが、それも日本政府側の資料としてばかりでなく、私のほうでも、できるだけこれも琉球政府あたりにも資料を提供して、いま策定中の開発計画にひとつ十分利用してもらうようにしたらよかろうと、こう考えておりまして、ただ、時間的な問題がありまして、やっぱりある程度向こうの素案が少なくともでき上がって、そのあれをこちらでも検討するというのが、少なくともあちらに施政権もあることでもありますので、まだ案の策定中にこちらのほうで進んでどうこう、こういうこともいかがかと考えていますが、あちらから何か問い合わせ等があれば、私のほうではできるだけそれに協力していきたい、こう考えております。
○岡田宗司君 とにかく自治権拡大とか、あるいはもう少し経済の問題についても自主性を高めていくというような点から考えますと、こういう点に、もっと日本政府が全体として積極的な態度をとっていくことが必要じゃないのですか。向こうさまのほうでもってやる。だからまあ日本は口を出さないで、あとで向こうでもってお前のほう幾ら出してくれと言ったら、それに応じて出すでは、これは沖繩の人々も日本政府は頼りないと思うし、それからまた、施政権の返還の問題を基礎に考えていくならば、こういう態度というものは、私はどうも承服できないのですが、少なくともまあ遠い将来施政権の返還ということを前提として日本政府が沖繩に望むならば、こういう点についてももう少しアメリカ側に対して日本側として積極的に要求すべきものは要求する。全体の問題は外交交渉かもしれないけれども、こういう個々の問題については、総理府としても、もっと積極的な態度をとってしかるべきだと思うが、どうですか。
○政府委員(臼井莊一君) まあお説はごもっともな点であるのでございますが、ただ、何せ施政権がアメリカにある、そうしてあそこが大きな軍事基地である、こういうような点からも、私どものほうではいろいろ沖繩住民の福祉向上のために考えてはおり、また、この点についてはアメリカ側も了解して、できるだけすみやかに日本の本土の相当の県に匹敵するように、沖繩を経済面についてもあらゆる面について引き上げていきたい、そのための援助はお互いに日米でやっていくということについては了解がついているのであります。したがって、あまり表面立って日本の政府はこうこう考えているのだぞというようなふうに、はでに打ち吊すことについては、いま申し上げたような理由でいかがと考えますが、お互いに、相当日本の者もあちらに参りますし、それから、沖繩からもこちらに参りまするので、できるだけそういう点について意思のそごのないようにして、そして結果的には、いま岡田先生お話しのような結果を見たい。本年度の三十億になりましたのも、昨年の二十億から見ますと五割増し、こういうようなことでやりましたのも、八月に私ども参りましていろいろ話し合った意思の疎通がやはりそこに実ったとも考えられるわけでございます。決して私どもこれで満足するわけではございませんが、アメリカ側で四十年度の日本の援助に対しては、あちらのほうからすでに二十六億円という額で出してきたのも、やはりお互いの意思の疎通というものがそこに結果をもたらしたというふうに考えるわけでございます。この長期計画につきましても、私、先般沖繩に参りました際にも弁務官とお話し合いをいたしまして、この策定については日本側ともひとつ十分話し合っていきたい、こういうことで、その点については日米協議委員会、また、日米琉技術委員会等もございますので、それぞれの機関を通して正式にはいたしたいと思いますが、意思が十分に疎通するように努力をしてまいりたいと、こう考えおります。
○岡田宗司君 総務長官にはまたあとでお伺いするのですが、今度は沖繩の砂糖の問題ですね、これについて、農林省の食糧庁長官お見えになっておりましたらお伺いしたいと思います。 私、この間二月に沖繩に行ってきたのですが、ちょうどそのときに沖繩でサトウキビの買い入れ値段が発表されて、それが非常に農民に大きな失望を与えた。沖繩のサトウキビをつくっております農民が非常に動揺をしているのです。そこへもってきて、さらに沖繩の久米島の工場が操業中止をするという事態が起こりまして、たいへんな騒ぎになっておった。これは国際的な砂糖価格の下落ということから生じたものでもありましょう。しかしそれにしてもいま沖繩は、御承知のように、農業といったって、米のほうはもうほとんどだめなので、したがって、サトウキビとそれからパイナップルにほとんど集中されているわけです。あの砂糖をどこに売るといったって結局日本に売るよりしようがないので、日本側としても、沖繩がとにかく日本の領土でありまして——潜在主権、施政権はないけれども、領土である。しかも沖繩の人々が日本の国民だとするならば、農業の基本になっておりますサトウキビの生産、これに対して相当に保護を加えなければならない。また、そのサトウキビを買って砂糖をつくっております製糖業に対して保護を加える、そういう立場にあると思うのです。それでいろいろな施策も講じられておりますけれども、しかし、本年はなお非常な不安と動揺を与えているわけであります。これは沖繩にとって死活の問題である。日本政府としていままでことしの産糖に対してとられます価格政策等が、やはりこちらで買い上げる数量等が、向こうでは十分満足な状況でないということから起こっているのであります。これらの点について、政府のほうとしては、この沖繩の今日の製糖業者並びに農民の窮状に対してどういうふうにお考えになり、かつ、どういうふうな施策をおとりになっているか、それをお伺いしたいのです。
○政府委員(齋藤誠君) 御指摘のとおり、また先ほどの総務長官からも御答弁の中にありましたように、沖繩におきまする農業の中で、特にサトウキビの占める地位は非常に高いわけでございまして、作付面積におきましても、農家戸数におきましても、また農業収入の面におきましても高い。またできた製品はほとんど日本本邦に輸入されるというふうな状態でございまして、しかも、それも輸出額の中に六割以上を占めるというふうなことでありますので、御指摘のとおり、沖繩におきまする砂糖業の地位というものにつきましては重要な関心のあるところだというふうに思うわけでございます。そこで岡田先生十分御承知のとおりと思いますが、三十八年の八月に粗糖の輸入自由化の措置がとられたわけでありまして、これに伴いまして、沖繩産糖ばかりでなしに、実は国内糖自身につきましても、これに対する国内の保護措置が必要であるということで、御承知のように、甘味資源特別措置法というものができまして、生産者に最低価格を支持し、その最低価格によってできた製品が支持価格を下回る、支持価格と乖離するというような事態におきましては、これを買い上げるという道を講じたわけでございます。沖繩につきましても、同様の趣旨で、本邦にほとんど輸入されているという状況にありますので、これが非常に低落するということになった結果、沖繩生産農民の所得も維持できない、あるいは製糖事業についても継続困難であるというような事態におきましては、本邦に輸入された砂糖について政府が買い上げる、こういう措置を講ずることにいたしまして、御承知のように、沖繩産糖の政府買い上げに関する特別措置法というものが制定されたわけでございます。で、そこで本年におきまして、沖繩糖とそれから一番近似しております西南諸島の甘蔗糖につきましては、いずれも国際価格が非常な低落することに相なりました関係で、コストを割るというふうな事態が生じたわけでございます。甘庶糖につきましては、大体沖繩と西南諸島と比べてみますと、西南諸島のほうが生産性においても小さい、また、企業の規模におきましても非常に小さい、生産条件においてもまあ不利だというような関係がありまして、しかし、まあそれらの事情を考えまして、甘庶糖の生産者の価格をきめたわけでございますが、沖繩におきましても、西南諸島における甘庶糖の生産農民と同じような保護は当然加える、考慮する必要があろうということで、西南諸島における甘蔗糖の生産農民に対する最低支持価格と同様の基準で沖繩産糖についての買い上げをする場合における価格の基準にする、こういう考え方をとったわけでございます。しかし、いま申し上げましたように沖繩におきまする生産量が大きい、製造企業が西南諸島に比べましてうんと近代化されているというような状況になっておりますので、政府の買い上げする価格といたしましては、西南諸島の買い上げ値段は九十二円、沖繩産糖におきましては本邦に買い入れる際の値段をキロ八十円ということにまあいたしたわけでございます。そこで買い上げの量につきましていろいろこれも議論のあるところでありますが、今年度予算をつくる当時におきましては実は市価が百十五円前後いたしておりましたので沖繩のコストから見ますと必ずしも買い上げるべき状況にあるかどうか、今後の市価の推移いかんにもよる、こういうことで国内産糖につきましては三十九年度の補正予算におきまして一定の買い上げ予算を計上し、それから沖繩産糖につきましては四十年度の予算費に計上いたしましてそのような事態に備える、こういうこうことにいたしたわけでございます。ところが、一月以降になりまして相当価格が下がって、御承知のように、現在では、百十五円くらいであったものが九十四、五円というふうな価格に低落してまいった。そこで三十九年度においても沖繩産糖の措置をする必要があろうということになりまして、ことしの買い上げ見込み量中三月までに本邦に輸入される量を五万七千トンというふうに押えまして、そのうち七千トンは三十九年度の補正予算におきましてすでに買い上げを行なったわけでございますが、残る五万トンにつきましては、実は先ほど申し上げましたように、三十九年度補正予算において措置をしていなかった関係で、買い上げの財源がない。そこでこの五万トン分につきましては、本邦に輸入した場合に委託保管をいたしまして、そうして輸入したものに仮払いで融資をするということをいたしました。これを、先ほど申し上げましたように、この予算が成立いたしまするならば四十年度予算の予備費の中で早急に政府買い上げの手続を進めたい。これによって実質上は三十九年度に政府が買い上げたと同じ措置を沖繩産糖については与える、こういうことになるわけでございます。残る四十年度予算におきまして実は沖繩産糖の全体の買い上げ見込み量といたしましていろいろの糖価事情の今後の推移等も考え、総生産量の六割、十万三千トンを一応買い上げの対象にいたしたい。それに必要な予備費を計上いたしておったわけでございますが、十万三千トンと五万七千トンとの差額につきましては四十年度予算でこれを買い上げするというふうに進めていったらどうだろうか、こういうふうに考えているわけでございます。今回までとりました沖繩産糖に対する措置は以上のような経過に相なっております。
○岡田宗司君 まあ大体四十年度には六割買い上げ、十万三千トン、こういうことですが、昨年と違いまして本年は、沖繩は甘蔗が非常によくとれて、実際製糖しますと予想よりも沖繩産糖は多いわけです。この十万三千トンというのは、おそらく四割ぐらいにしか当たらないんじゃないか。こうなってまいりますと、やはり非常な不安が起こるわけです。それから価格もぐっと下がっておりますから、したがって、それから来る不安というものは大きいので、この買い上げる数量を増すことができるのか、できないのか、これは非常に問題があるわけですが、この十万三千トンはさらに何らかの措置で増すというお考えをお持ちですか。
○政府委員(臼井莊一君) この問題につきましては、先般私どもも大蔵省並びに農林省の係官とともに沖繩に参りまして実情をよく視察してまいりましたが、あちら側の希望といたしましては、ぜひ買い増しをやってもらいたい、こういう強い要望がございまいますので、それで最初はいまお話しのように、二十一万七千トンの収穫予想で、いま食糧庁長官のお話のようにやったんですが、ところが、その後、二十四万三千トンに収穫がふえた。で先日参りましたら、これが二十五万トンからさらに二十六万トンぐらいになるだろう、こういうように非常にけっこうなことではあるんですが、そこで糖価が下がって困っているからということでありますので、私どもといたしましても目下、あちらへ行ってまいりました者、またあとに一人残して先島のほうへ農林省の人で行ってきた人が戻ってきましたので、これらと集まって、できるだけすみやかにいわゆる前向きの姿勢でひとつ検討してまいりたい、こう考えております。
○岡田宗司君 前向きの姿勢ということは、買い上げの数量を増す、こういうことでございますか。
○政府委員(臼井莊一君) どの程度買いますかということは、これからの検討のあれでございますが、やはりこのままでいいというわけにはまいらぬ実情にあるようにも見受けられますので、そこでいま申し上げたようなわけで、ひとつ前進的な方向で善処をしたい、こう考えております。
○岡田宗司君 そうすると、買い入れ数量を増す方向で検討ということなんですが、問題は、見込みよりも非常に生産量が多くなる、そうしますと、この十万三千トンのワクを相当ふやさなければならぬわけでしょう。一体あなたのほうでどの程度までふやすお考えなのか。これはいろいろ食管特別会計の問題と関連があると思うんです。これらの点についてもう少し明確なお答えはできないですか。これはやはり早くある程度はっきりさせないというと、沖繩の農民に与える影響というものは非常に大きいんで、そこいらの点はどんなものでしょう。
○政府委員(臼井莊一君) 私どももその点も十分考慮いたしております。ただ現在どの程度買いますかという結論までは得ておらないんです。あちらのほうではいままできまった十万三千トンを、まあ量でいうと、十五万トンまでは買ってもらわなければ困る、こういう強い御希望がございます。それらの御意見もございますが、現在の段階では、これは幾ら買いますということにきまっておりません。目下あちらへ参りました者が鋭意協議中でございますので、できるだけすみやかにこの結論を出したい、こう考えております。
○岡田宗司君 いつごろまでに結論が出ますか。
○政府委員(臼井莊一君) これはいつごろまでということをいまにわかに申し上げられないのですが、できるだけ早く、こう考えております。
○岡田宗司君 それで、これは食糧庁長官の問題じゃないのですけれども、農林省の問題として、沖繩の農業について調査団も出しておるし、やはり今後日本側として指導しなければならぬものもあろうと思うのですが、まさか——砂糖の国際価格が非常に不安定である、そしてこういうように下がってきた、だからもう沖繩の砂糖を沖繩の農業の基幹産業にするわけにはいかない、こういう考えは持っておらないと思う。とすると、どういうふうにして沖繩のサトウキビの生産者なりあるいは製糖業者なり、この砂糖の国際価格の変動に対して対処できるように指導しようとされるのか、それらの点について、農林省側としてはどういうお考えですか。
○政府委員(齋藤誠君) お話しのように、非常に糖価が下がってきたことは沖繩産糖ばかりでなしに、実は国内の産糖についても非常に影響が多いわけでございまして、このままの状態におきましては、国内の生産安定を進め、さらに農家の所得を維持していくということで、必ずしも好ましからざる事態が醸成されつつあるというふうなことを憂慮いたしておるわけでございます。 実は沖繩産糖がことし非常に増産になりましたが、同時に南西諸島におきましても当初の生産見込み約六万トンと押えておりましたが、これが八万トンをこえるような状態になってまいったわけであります。このこと自身は非常に望ましいことでありまして、将来国際糖価が非常に変動いたすわけでありますが、ある程度の国内生産は沖繩糖も含めまして当然安定し維持していくことが、適地におきましてはこれらを進めていくということが農業政策上も望ましいと、こういう見地に立っておりまして、現在では砂糖の国内自給率は沖繩産糖を含めまして約三割近い数字になっておりますが、このような傾向は、今後ともやはり維持していく必要があるのじゃないかというふうに考えております。そこで、いまは国際糖価が非常に低落した事態でありまして、これが昨年程度に回復するならば、政府の買い上げの措置も必ずしも必要ではなくなってくる事態も生じましよう。また、これによって農家の生産意欲も高まるということになろうかと考えておりますが、そこで現在の事態におきましては、一応甘味資特別措置法がございますけれども、なお糖価の安定対策というものを考えていく必要があるのじゃないか、特に国内産糖の生産の安定、所得の維持というようなことと相関連しまして考えていく必要があるのじゃないかというふうに思うわけでございまして、そういう方向で、いま糖価安定対策を食糧庁としては検討を進め成案を得たいということで、鋭意努力いたしておるわけでございます。しかし、他面砂糖の自由化の面におきまして、従来の糖業のあり方とはやはり異なるものであってしかるべきではないか、そういう意味におきまして、国内の製糖企業におきましても同様でありますが、沖繩産糖の製糖企業につきましても、琉球政府がそれぞれ検討され、また施策を進められておるようでありますが、やはり合理化の方向ということにつきましても積極的に進めていく必要があるのじゃないか、こう考えておるわけでございます。しかし、国内の生産も含めまして沖繩糖も同様に生産の安定ということにつきましては、われわれとしても一そう進めていくことが望ましい、こういう考え方を持っております。
○岡田宗司君 この問題について、直接農民が非常に困っておるわけですが、この農民がもっと安定した所得がサトウキビ栽培から得られるようにするために、やはり生産費を下げるためにいろいろな措置を講じなければならぬと思いますが、これは農民自身もやらなければならぬことでしょうけれども、しかし、政府の指導なり補助なりということが非常に必要だろうと思うのです。琉球政府がもちろん直接糖価をやらなければならぬ問題だろうけれども、日本側としてもそれに対する援助ということを相当考えなければならぬ。この点について、農業のいろいろな改良のための援助がいつも政府の予算の中に含まれておるわけですけれども、特に砂糖の問題について、何かそういう農民の所得が安定し増大するような措置というものをお考えになっておるのですか。ことにこんな暴落した場合に、やはり至急そういう措置を——どろなわ式かもしらぬけれどもとり、さらにそれを恒久的なものにしていく必要があると思うのですけれども、それらの点について何か具体的に本年度おやりになろうと考えておりますか。
○政府委員(臼井莊一君) 農民に対しましては、御承知のように、生産費を補償するというふうな形で、ブリックスが十八度で十四ドル十七セントでございますか、邦貨にして五千百円くらい、これは聞くところによるとハワイとか、台湾でございますか、あちらから見ると、やはり原料値段が非常に高いということもございます。でございますから、これを合理化してどう引き下げるかということ、これはかんがい排水とかあるいは搬出の道路とかいろいろ方法もあるでしょうけれども、何ぶんにもあそこは一戸当たりの耕作反別が少ないというところに一つは問題があろうと思いますが、ただ補償されていても、やはりこういう市価が安くなってきますと工場のほうが内払いにしているので、そこにやはり農民側でも不安があるということで、至急にいまできるだけの努力をわれわれとしてもしなければならぬと、こう考えておるわけですが、具体的に砂糖だけに対する援助額がどうなっておりますか、この点については事務当局のほうからひとつ答弁いたします。
○政府委員(山野幸吉君) いま御指摘がございましたような、砂糖だけについてどういう予算になっているかというこまかい細目の数字はございませんが、四十年度の予算におきましても、いま総務長官からお話がありました土地改良とかあるいは農道とか、そういう関係の農業土木事業に一億四千万、それから農業試験研究とかあるいは農業融資でございますそういう関係で、四億八千万の予算が計上されております。特にただいまお話に出ましたように、機業が非常に重大な関頭に立っておるというような事態に即応して、食糧庁長官からお話がありましたように、砂糖生産の合理化の面からも今後さらに一そうこの農道の整備なりあるいは将来の農業のあり方についての研究なりその他農業関係諸費の問題についての適切な援助等が考えられなければならぬというぐあいに私ども考えております。
○岡田宗司君 食糧庁長官にお伺いしますが、この奄美大島、南西諸島の砂糖の買い上げ価格と、それから沖繩産糖の買い上げ価格との開きですね。これがまあだいぶ沖繩では問題にされておるし、なぜこういう差別をするのだということが問題になっております。もちろん南西諸島と沖繩とは生産の条件も違うしするので、そういうような差をつけたのだということでございましょうけれども、しかし、この点はかなり沖繩の農民諸君に対する心理的な作用も大きいと思うのです。何か差別されているのだというようなことが、これはまあ経済の問題ですから、そういうふうな算定もあるいはやむを得なかったのかもしれませんけれども、しかし、沖繩対策というものがある以上、沖繩対策というものが考えられ、しかも、それは単に経済的な問題の面だけでなく、諸般の事情を考慮して考えるときに、あるいはまた、直接いまの沖繩の農民の窮状、糖業の窮状ということを考えますときに、この買い上げ価格をもう少し引き上げる、そして奄美大島と近づけるというようなことはできないのか、その点を御答弁願います。
○政府委員(齋藤誠君) その点は、買い上げ価格をきめる際におきましても、ずいぶん論議のあった点でありますが、現在この甘味措置法なりで沖繩産糖の価格をきめます場合の考え方といたしまして、農民の支持価格はこれは同じにしたい。問題は、農民の手取りの支持価格から製品になるまでの加工経費をどう見るかということが、これが一番の争点に実はなっておったわけです。われわれの一応のいまの製品価格をきめます場合に、たとえばビートであれば九社あるいは西南諸島の甘蔗であると十四社があり、沖繩産糖においても十三社あるわけでございますが、これの個別の製品価格を出すことは、これは非常に困難であります。そこで、標準的な経費というものを算定いたしまして、これによって沖繩産糖なり、西南諸島の製糖価格なりを出さざるを得ない、こういうたてまえをとっておるわけであります。ところが、西南諸島と沖繩と比べますと、大体工場の規模におきまして、西南諸島でありますと、平均的に四万トン程度の操業、ところが沖繩産糖でありますと、これは十万トンないし十四万トンの一工場当たりの原料処理をする、こういうことになっておりますものですから、規模において、一方はどちらかといえば前近代的、沖繩産糖は十万トンないし十四万トンの平均規模を持っておりますから、これは規模としては、まず西南諸島に比べれば相当大きな工場規模になっておる。それから生産の条件につきましても、たとえば歩どまりは西南諸島の甘庶糖に比べて沖繩の場合は歩どまりが高い。具体的に言いますと、西南諸島でありますと歩どまりが一一・五ぐらいであります。沖繩でありますと一二%ぐらいになるといったようなことで、工場における経費が比例費、固定費を含めまして非常に差が出てくる。それにいまの歩どまりの差が出てくるというようなことから、九十二円と八十円、こういう価格になったわけであります。したがって、同一の条件であれば価格も近似するということになりますけれども、工場の規模なりが違っておるということで、同じ標準的な経費というもので考えるならばそこに差が出てくる、こういうことで差が九十二円と八十円、こういうことになったわけでございます。個別の企業につきましては、もちろん辛いところもあり、あるいは甘いところもありましょうが、いま申し上げておるように、内地における工場の、内地における製品価格を出します場合におきましても、あくまでも標準経費、こういう考え方で対処いたしておりますので、同様の考え方でありますと、いま申し上げたようなことに相なると思います。
○岡田宗司君 農民の場合につきまして、工場に売り渡すキビの問題でかなり南西諸島と差がある。つまりブリックスは高いのだけれども、それに比べて値段が安い、この不平があるのですね。これはどういうふうにお考えになります。
○政府委員(齋藤誠君) この価格をきめます場合の取り方でありますが、国内のほうは、実はビートについて見ましても甘庶糖につきましても、最低価格で政府は支持する。そういう意味で最低の価格だけを示して、それ以上のブリックスの程度に応じて価格差を設けるかどうかは、実は生産者と製糖企業との間における協議にまかせる、こういう形をとっている。政府としては農民に最低限度、糖価の変動にかかわらず、それにスライドした価格ではなしに、生産費を償いあるいはパリティ価格を参酌しまして、そうして最低の価格をきめる。それで買い上げの価格を保障するという措置をとっておるわけであります。確かに沖繩の場合におきましてはブリックスが高い。しかし、最低生産者価格は国内と同じように扱う、あとのブリックスの度合いによってはこれは製糖企業の各社間において生産者と話し合ってきめるというたてまえを国内においてはとっておるわけであります。そういうことで、沖繩のほうについてはブリックスが高いにかかわらず、内地並みに引き下げられるというふうな不満があるいはあるのかと思いますが、これは糖価の変動の状況と、それから最低価格を保障するというたてまえとの感じから受ける食い違いだというふうに思いますが、たてまえとしましては、いま申し上げたように、最低価格を維持する、こういうことでいたしております。御了承願います。
○岡田宗司君 その問題ですが、沖繩の生産者は経営反別が小さいのですね。ですから、内地のビートの生産者あるいは南西諸島よりも面積が小さいのです。そうなるというとやはり手取りは少ない、それだけ苦しい、こういうことになるのですが、そこいらの点について、つまり所得を維持してやるということについての配慮は全然なさらなかったのですか。
○政府委員(齋藤誠君) それは南西諸島の農民についても同様かと思いますけれども、やはり価格の計算方法でありますから、米みたいに、それによって所得の均衡をはかる程度までに補償するというわけにはこれはとてもまいらない。したがって、生産費なり、あるいは他の農産物との関係なり、あるいは購入資材の値上がりを見たパリティー価格なりといったようなものをやはり基準に置いて計算せざるを得ないかと思いますが、ただ、その面におきましては、私はむしろ、率直に言いまして、西南諸島の農民よりは沖繩の甘庶糖の生産農民のほうが収入は多いと思うんです。それは面積も若干沖繩は大きいと思いますが、かりに同じとしても、生産条件は、反収が高いですから、しかも、甘蔗糖に依存する度合いは西南諸島よりも沖繩のほうが高いんじゃないか。そういう意味からいいまして、国内の西南諸島の農民と比べてみて特に不利でない。価格の面から見れば、いま申し上げたようなことで計算せざるを得ない。さらに、積極的に所得の増大をはかるということになりまするならば、これは生産の面においてもっと生産費を下げるとか、あるいは生産の条件をもっと合理化するというようなことによって、結果的に所得が維持できるようにするというようなことが望ましいんじゃないかと、こう考えるわけでございます。
○岡田宗司君 砂糖の自由化が行なわれましても、とにかく沖繩も含めて日本でもある程度自給度を高めていかなければならない。そういうふうに考えられるわけです。ことに南西諸島とか沖繩とかは、これが主たる産業です。したがって、沖繩のごときは、今後人口もふえていきますし、農業の面でもこのままにしておくわけにはいかないわけなんですが、それらの点を考えますと、もっとこの砂糖の問題について新たなる観点から考えなきゃならない。それからまた、沖繩については特別にさらに配慮をしなきゃならぬ問題も含まれておるかと思うんですが、これらの砂糖の問題全般、それに関連する沖繩の産糖並びに甘蔗を生産する農民について今度調査団が出されましたが、その調査団はそういうことについての調査ということをやはり目的の一つにしておりますか。
○政府委員(臼井莊一君) もちろん、すでに申し上げましたように、沖繩における農業というと砂糖の生産者が非常に多いわけでございまして、当然砂糖の今後の生産のあり方、こういうことについても検討することと存じますが、そればかりではございませんで、そのほかパインの問題とか、農業全体、さらには漁業方面のこともあわせて調査をしてまいることを考えております。
○岡田宗司君 それじゃ、食糧庁長官、砂糖の問題はこれでおしまいにいたします。 次に、パイナップルの問題で、これはひとつ通産省にお飼いしたいのですが、問題は、まあ、沖繩のパイナップルの業者なりあるいはパイナップルの生産をやっておる農協方面の方が来て陳情されておるので、私、繰り返して申し上げません。いま非常に沖繩のパイナップルも苦況に立っておることは御承知だと思います。そこで、一番あの諸君が不安に思っているのは自由化の問題なんですが、これに対して通産省の方針というものはどうなんでしょうか。
○政府委員(山本重信君) パイナップルのかん詰めの取り扱いにつきましては、基本的には、沖繩産品を優先的に考えるという方針で従来から処理してまいっております。したがいまして、沖繩からのプイナップルかん詰めの輸入は自由でございますけれども、ほかの地域、主として台湾、ハワイ等でございますが、それからの輸入は、輸入割り当て制度のもとに置かれておる次第でございます。実は、三年ほど前にパイかんの自由化が問題になったことがございました。いろいろ検討してみたのでございますが、まだ沖繩の産品が十分な競争力がないという事態がはっきりいたしましたので、当分自由化は先に延ばすということで今日に参っております。ただいまのところ、まだ沖繩の合理化も途中でございまして、直ちに自由化をしますならば、非常に深刻な影響があることが予想されますので、なおしばらくの間は、極力自由化を進めるようにしてもらいまして、その情勢も見きわめました上で自由化は考えたい。当面、ただいまは、自由化する考えはございません。
○岡田宗司君 この問題について、台湾政府なりあるいはアメリカ政府なり、あるいは他のパイかん詰めを生産する、日本に多少でも輸出している国から自由化の要求はありますか。
○政府委員(山本重信君) 三年ほど前に自由化が論議されました当時は、若干の国からそういう話もございましたけれども、その後、特に最近は聞いておりません。
○岡田宗司君 そうすると、パイナップルのかん詰めの自由化というのは、当面は行なわないということは確認されていいわけですね。
○政府委員(山本重信君) さようでございます。
○岡田宗司君 次にお伺いしますが、毎年外貨割り当てをやっておりますね。それがだんだんふえてきておりますね。昨年あたりはずいぶんふえている。ことしはどれくらいになりますか。
○政府委員(山本重信君) ただいまパイかんの輸入は年間百五十万ケース前後かと思います。そのうちの百万ケース前後のものが沖繩から入っております。全体の七割五分程度になっております。それ以外の地域の分が二割五分程度でございますが、その割り当て発券につきましては、沖繩の産品の出回り期を避ける等、かなりきめのこまかい配慮をいたしておるつもりでございます。国内の需要もだんだんふえてまいっておりますので、割り当てのワクのほうも逐次ふやしてまいるつもりではございますけれども、先ほど申し上げましたように、基本的には沖繩のパイかん産業の重要性を十分に考慮いたしまして、そちらに悪影響のない範囲で割り当てをしてまいりたい、このように考えております。四十年度の割り当て数字につきましては、ただいま農林省と相談中でございまして、まだ決定をいたしておりませんが、ただいま申し上げましたような考え方で数量を決定いたしたいと、このように考えております。
○岡田宗司君 昨年は全体で三百五十万ドルでございますか。
○政府委員(山本重信君) さようでございます。
○岡田宗司君 本年はこれより多くなるのですか、少なくなるのですか。
○政府委員(山本重信君) ただいまのところ、まだはっきりここで申し上げるところまで検討いたしておりませんが、沖繩に対する影響も十分考慮いたしまして検討させていただきたいと存じます。
○岡田宗司君 実は昨年、非常に一昨年から見ると割り当てが九十万ドルくらいふえているのですね。そうじゃないですか。
○政府委員(山本重信君) さようでございます。
○岡田宗司君 これは何かオリンピックもあって、それから一般にも国内の需要が増大して、したがって、需要増大が見込まれるからということで割り当てが多くなった。ところが、こいつがずいぶん入ってきたために、いまでは相当そのパインのかん詰めが国内にあふれておる。そして、値下がりが非常なもので、まあ消費者には安いほうがいいんですけれども、スーパー・マーケットなんかでずいぶん安く売られておる。こういう事態から、そういうふうに国内で滞貨のために値下がりがしておる状態で、はたして本年度沖繩のパインかん詰めがよけい日本に入ってくることができるかどうか、これは非常に問題だと思うのです。 それから、ことに沖繩においては農業でほかにこれというなにがないから、砂糖とパイナップルに集中されて、パイナップルの植えつけ面積もふえているし、それから生産量もふえておるわけです。それで、日本で買わないとすれば、これはどこにも持っていきようがない。こういうような事態から考えてみて、私は自由化はもちろん非常に大きな問題で、いまのところ政府としては自由化の政策はとらないと言われたことはけっこうだと思うのですけれども、外貨の割り当てがだんだん多くなって、台湾だのハワイからもどんどん入ってくるということになれば、自由化しなくてもなおかつ沖繩のパイン産業というものは圧迫をされ、そして今日のような窮境に立たければならぬと思うのですが、それらの点について本年度の外貨を割り当てる点についてそういう点も考慮されておりますか。
○政府委員(山本重信君) 昨年の割り当て数量を決定いたします際に、仰せのように、オリンピックがあるというようなことも考慮の中に入れましたことは事実でございます。なお、沖繩の生産が私たちが当初予想したよりも若干ふえた等のこともございまして、最近マーケットに在庫がややふえてきておるということも聞いておりますので、その辺の事情も十分に考慮に入れまして、沖繩のパイかんが売れなくて困るというような事態を避けるようにして数量を決定いたしたいと思います。その点につきましては、つい昨日も現地から大ぜい関係者が見えまして、私も直接いろいろ話を伺いましたので、そういう点は十分に考慮いたしたいと思います。それと同時に、やはり合理化を極力進めてまいることが何としても根本的には大事なことでございますので、その点につきましては、私のほうから沖繩の関係の方々にも十分に要望申し上げておいた次第でございます。
○岡田宗司君 すでに沖繩のほうの方々の要望も聞かれていると思いますが、やはり沖繩にとっては一つの死活の問題ですから、もちろん台湾側からのもっと割り当てろという要求もありましょうししますけれども、これらの点は、やはり沖繩というまあ特別な日本との関係を考えますならば、どうしたって、この沖繩のパイン産業というものを維持し、さらに育成していかなければならぬ。そういう観点から、やはりこの外貨割り当て政策も考えていただきたいと思うのです。もちろん、この沖繩のものはもっと安く日本で売られても差しつかえないパイン産業の合理化が進められなければならないと思うのですが、これらの点については、やはり保護的な態度というものはくずさない、そうして外貨の割り当て等についても、その点ひとつ十分な考慮をお願いしたいと思うのですが、それはいつごろきまるのですか。
○政府委員(山本重信君) ただいま仰せの趣旨を十分に考慮いたしまして、数量をきめたいと思います。時期は、四月の上旬にはきめたいと思っております。
○岡田宗司君 臼井長官にお伺いしますが、砂糖とそれからパインが沖繩の農業の基本なんですが、まだまだこれはもっと合理化されなければならない余地があると思うのです。で、日本はさきに台湾を領有しておりました時代に、台湾において米、砂糖、バナナ等について非常な研究もやり、その生産を発展させる上に大きな力があったと思います。それで、この経験は日本は持っているのです。沖繩におけるこの熱帯、亜熱帯作物ですか、これについてももっとも関心を払い、もっともっと政府として沖繩政府、琉球政府を援助して、そうして熱帯農業研究所というようなものを沖繩に設置して、合理化を進める。そうして農民の所得の増大をはかる道を講ぜられたらどうかと思いますが、その点はどうお考えになりますか。
○政府委員(臼井莊一君) ごもっともなお説でございまして、沖繩の農業といえば、砂糖その次はパインと、しかも、戦後このパインが非常に生産が伸びてまいりまして、沖繩においても将来に非常な希望を持っておるわけです。ところが、いまるるいろいろお話し合いがございましたように、昨年オリンピックが開かれるというので、輸入割り当てをふやしたのが、またそういうことがずるずるにさらにふえるというようなことがあると、これは日本の市場がほかに取られてはたいへんだ。沖繩はこれまた砂糖と同様に、ハワイや台湾より生産費が高い、コストが高いというところに問題がある。先般参りました際にも、松岡主席ともいろいろ話しまして、この合理化については、強力にひとつ御考慮を願いたい——松岡主席もハワイ等におられた経験もあるので、その点は非常に関心をお持ちでございます。私どもしろうとでも、行って見まして、飛行機から見ますと、最近沖繩の山の上のほうまで耕してパインを新しく開墾をしている。非常にけっこうなようだけれども、コストがこれではかかるのじゃないか、こう考えて、申しましたら、やはりその点が問題だと。そこで、あまり山の上に作物をつくることは合理化の上に非常に問題があるというようなことで、もう一つ品種の改良、これはハワイにある、ハワイでつくるパインは品種がまあ非常によくて、根があんまり深く入らぬ。この点は品種の改良というようなこと等で十分合理化して、将来これが自由化されてもそれに耐え得るようなひとつ体質改善、合理化をということでお願いしてまいりましたが、しかし、その間におきましてはやはりこれを育成し、保護していくことがやむを得ないことと考えております。できるだけしかしすみやかにこの合理化によりましてコストが安くなるように。それからもう一つ、聞くところによりますと、内地に入るパインは、沖繩産のものはあまり沖繩産と書かぬそうでございます。これは輸入業者の、そちらのほうの販売政策上なのかもしれませんけれども、そうでなくやはり沖繩と書いて、一つの国産認識というような意味で、日本本土の者が沖繩のパインを進んで買うような方向に持っていけるようにしたいということも話し合ってまいったんでございますが、あらゆる面でひとつこういう面——特にいまお話しのように模範農場等でも研究はしていると思いますが、さっきお話しの西表の開発でございますね、あちらは日本で一番最南端で、亜熱帯植物——作物の研究には一番適したところとも考えられますので、将来あちらあたりにでもそういう試験所等もつくって、亜熱帯あたりの作物もどういう種類でどういうふうにやるのが一番いいかということが、これはまあ東南アジアの農業を日本が指導していく上にも私は重要である、こう考えております。
○岡田宗司君 次に、この沖繩援助のうちでいろいろ問題になっておりますのが、やはり生活保護なんですね。それから、あるいはいろんな、医療保護の問題とか、さらには国民健康保険の沖繩に拡大する問題とか、まあいろいろあるわけですけれども、こういう点について政府は一つの方針をお持ちですか。まあ、ばらばらにはやっておるようです。結核に対する保護や生活保護を、内地に比べれば非常に低い程度で行なわれておる。何かやっぱり根本的に沖繩と日本の内地の国民との差を縮めていくということから考えますと、何かやっぱりこういう問題をもっと政府が積極的に考えなければならぬわけだと思うんですが、これらの点について政府のまず根本的な方針をお伺いしたい。
○政府委員(臼井莊一君) この沖繩における社会保障の立法といたしましては、現在、生活保護法、それから児童福祉法、身体障害者福祉法、このいわゆる社会福祉の三法だけはできて、そのほかに結核予防とか精神衛生法、また失業保険、労働者災害補償保険等が施行されておりますが、特に医療保険などがたいへんおくれておる、こういうことで、沖繩の問題としてはこれが非常に重要な問題、ということは、日本の本土並みにすみやかにするという上においての重要な問題でございまますので、私のほうでも四十年度の経済技術援助の中におきまして、むしろ今度が初めてと言っていいくらいにこの点の援助をする、こういう予算を新しく盛り込みまして、あちらでもこの医療保険等のほうは、いま立法院のほうに立法の法案がかかっておりまして、何とかこれを立法したい、こういう努力をしつつございますので、本土におきましても、日本の政府におきましても、この点につきまして今後ともひとつ何とか解決することを望んでいるのでありますが、いろいろの施政上の制約がございますけれども、日本から医師を派遣いたしましたり、それからまあ、この医師の派遣でも、無医地区とかあるいは公立の医療機関に医師を派遣するとか、そうして医療保険が行なわれても支障のないようにひとつ技術的な援助もいたしてまいりたい。もう一つ、この公務員の共済年金制度の問題等もあるのでございますが、できるだけそういう方面も早く進めていくように、日本の政府といたしましても、希望もし、また援助もしてまいりたいと、こう考えております。
○岡田宗司君 いまの問題ですがね、何がその障害になっているとお考えですか。琉球政府が財源がないためにそういうような問題ができないというだけなのか、それとも、アメリカ側がこれに対して難色を示しているということから来る問題もあるのか。これは相当大きな問題だと思うのですが、どうでしょう、その問題。
○政府委員(臼井莊一君) この点につきましては、アメリカ側でないがしろにしていたわけでもないわけで、いま申し上げたように、いろいろの社会保障、社会福祉の立法もすでにできております。ただ、内容におきましては、やはり不十分な点がないとは言えないと思いますけれども、そういうことで努力はいたしておりまするし、たしか昨年も医療保険の法案がかかったのですが、立法院においてこれが継続審議になったということで、現在やっているのですが、この医療保険については、一つの障害は、やはり医師が足りない、こういうことで、そこでこの医師の確保ということが一番問題でございますので、内地のほうにあちらから学生をお招きして、そうして医師としてやっていただきたいということで実習しているのですが、ところが、医師になるというとむしろあちらへ帰りたくなくなって、こちらで開業しちゃうとか就職しちゃうのがあるので、まことに困るのですが、この点は、将来やはり琉球の大学に医学部を早く設置して、そうしてこの医師の充実ということが一番肝心だと思うのです。ところが、これをするにしても、第一にその医学部の先生がない、まあ予算もかかると、こういうことがあるのですが、それまでの間でも、琉球に近いどこか県の大学にそういう者を委託して養成することが第一。それからもう一つおくれているのは、やはり何といっても経済的な面もありまして、そこまでいままで手が回らなかったということもあると思うのです。そうして、今日まで経済的な面の建設に非常に力を用いていたので、そこまで手が回らなかった。ようやくこの方面をこれから充実していこうというのが実情だと、こう考えます。
○岡田宗司君 アメリカが施政権を持っておって、沖繩はアジアにおいては日本に次ぐ経済発展と生活水準の向上を見た、こう言うのなら、その施政権を持っているアメリカが、本来ならもっと積極的にこういう社会保障をやるのがあたりまえなんだ。それをやらないで、ほったらかしてあるのですね。それで沖繩の県民諸君が非常に強くそれを要望しているにかかわらず、何らいままで措置がとられなかった。私は、これは単に琉球政府に財源がないということや医者が足りないという技術的な問題だけでなくて、もっと根本的な問題だと思うのです。ですから、そういう点こそ日本政府はもっとアメリカ側に対して強く、施政権を持っているならこれくらいのことはするのはあたりまえじゃないかということで要求していくのが私は当然だと思うのです。そういう考え方に立ってやはり日米協議委員会等で日本側がもっと積極的に沖繩の住民の福祉を向上させるというのが権限拡張の今後の問題になると思うのです。それは積極的に進めていただきたいと思うのです。そうして、いずれまあ健康保険その他のものが施行されることになりますれば、それについての準備のための調査も必要でしょうし、日本側が援助する態勢を積極的に示すということも必要だろうと思うのですがね。そういうことについても、何ですか、こちら側である程度の調査なりお考えなりができておりますか。
○政府委員(臼井莊一君) 事実沖繩で、いま申し上げましたように、この社会保障、特にまあ医療などを中心としてこれを急速に充実させるということが一番重要な問題でございまして、そこで、それらの問題等のために内地からも厚生省から相当あちらのほうにそういう方面の調査、援助のためにこちらから参っております。今後これをひとつ一そうこちらのほうでも充実をしてまいりたいと、こう考えております。
○岡田宗司君 厚生省のほうから来ておられますね。
○主査(中村順造君) 厚生省は、若松公衆衛生局長、竹下児童家庭局長、網野厚生省企画室長、加藤保護課長、首尾木厚生省保険局企画課長、以上来ております。
○岡田宗司君 まず企画室長にお伺いしたいのですがね。厚生省ではこの問題について従来琉球政府と連絡をとって調査を進め、何らかの案をつくっておられますか。
○説明員(網野智君) 医療保険の問題につきましても、三十二年以来それぞれ専門家が参りまして、いろいろ、たとえば法律案の実施事務の指導とか、あるいは診療方針、あるいは診療報酬の改定の指導とか、あるいは保険経理の指導、こういうような問題等につきましてただいまも専門家が行っていろいろ指導をしておるわけでございます。
○岡田宗司君 その点でですね、何かすでに素案のようなものはできておりますか。
○説明員(網野智君) その点につきましては、まだそういう……。
○説明員(首尾木一君) 医療保険の問題につきましては先ほど総務長官からお話がございましたが、現に琉球立法院のほうに医療保険制度に関する法案が提案されておりまして、その内容は大体将来すべての琉球住民に医療保険の適用範囲を拡大するということを前提にいたしまして、とりあえずは被用者に限りましての保険を創設するというふうなことで、現に相当程度固まりました案が提案されておるわけでございます。その案につきましては、先ほど申し上げましたように、三十二年以来いろいろ厚生省のほうから専門家が参りまして、現地でいろいろ話をいたしまして、また、三十八年度におきましても最終的に専門家五人を派遣いたしまして、琉球の現在の地域の実情と、それから、琉球政府でもってわれわれの派遣いたしました過去の専門家の意見等を取り入れまして、また、民政府等とも検討いたしました案が現地でできておるような状況でございますので、大体その方向で発足をするということが適当ではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
○岡田宗司君 その発足のめどはいつごろですか。
○説明員(首尾木一君) これは、琉球政府といたしましては、本年の七月一日から実施をいたしたいというような考えであるように承っております。
○岡田宗司君 総務長官にお伺いしますがね、いまの琉球政府の財政状況等では、なかなかこれを実施していく上に困難が伴う。ことにこれを国民健康保険のように全県民に広げようとすると、さらに大きな財政的な負担をしなければならん。それに対して日本政府としては、日本の国内のこういう医療保険について政府はこちら側で支出する用意はございますか。
○政府委員(臼井莊一君) この点もひとつ今後十分検討してまいりたいと考えますが、四十年度御審議いただいている予算におきましても、従来は三十九年度においては、この社会福祉及び医療関係の援助が三億八千万でございましたが、これを六億二千万円に増額いたしまして、そして、その内容におきましても、従来の生活保護法の基準の引き上げに必要な経費が九千七百万円、精神衛生事業における個人負担軽減のための必要な経費が八千百万円、こういうふうに、社会保障充実については、来年度の予算でも非常に努力を本土の援助においてもいたしておるわけなんでありまして、そこで、私どもといたしましても、社会保障関係の政府の援助とともに、医療保険等についてはあちらで立法措置が早くできるように念願いたしまして、そして、いま申し上げましたように、これに対して本土政府からどういう援助をするかということについては、ひとつ十分これから検討してみたい、こう思います。
○岡田宗司君 そうすると、十分検討してみたいということは、いよいよ向こうでもってこの立法ができ、そしてそれが実施されるという段階になれば、政府としてはこれに対して援助をすると、こういう意味ですか。
○政府委員(臼井莊一君) 現在の段階で、必ずしもこれに必ず援助をするということを申し上げるまでには立ち至ってないのでございますが、まあ、社会保障につきましても、いま申し上げましたようないろいろ援助をいたしておりまするので、この問題についてもひとつ研究はしてみたいと思いますが、これで研究した結果、必ずこれは実施する、援助をそれに加えるということまでには、いまの段階ではちょっと申し上げかねるわけでございます。
○岡田宗司君 ずいぶんたよりない話なんで、日本政府が、前々から質問いたしますと、その国内とそれからいまの沖繩との国民の生活の格差を縮めようということをいつも言っておられるのですね。さて具体的になると、一番重要な医療の問題等についてそういうあいまいなことでは、看板が泣くんじゃないですか。だから、はっきりそういう方向で行くということくらい示したってよさそうなものだと思いますが、総務長官の権限ではそこまで言えないのですか。
○政府委員(臼井莊一君) これは、いま申し上げたように、その問題は重大な、沖繩にとりましてもまたわれわれとしても、関心を持っておる問題でございますが、何ぶんにも援助をする問題が非常に広範にわたっております上に、社会保障の引き上げの面でも、四十年度においては、いま申し上げたように、相当前進をしたのですが、まだしなくちゃならない面もありまするので、はたしてそこまで——いずれはいまもお話がございましたように、本土並みにすべての程度を引き上げようということではありますけれども、いまこれを私からお約束申し上げるというのも現在ではいかがかと存じますので、いま申し上げたようなわけでございます。
○岡田宗司君 まあ、たよりない御返事なんで、向こうでもやはり日本のほうからどれだけの援助があるかということをいろいろ考慮してやっておると思うのですよ。また、持にこれが単なる被用者だけでなくて、国民健康保険的なものにしようということになれば、その点一そう考えなくちゃならぬのじゃないかと思うのですが、それはひとつ政府はもっとそれこそ積極的に考えていただきたいと思うわけです。もしアメリカ側が積極的に出ないというならば、むしろ日本側としてさらに積極的にそれを要求していく、そうして実現を早めるぐらいのことはしていただかなければならない。それから、いまやっている社会保障のうちでも生活保護の問題なんか、今度幾らか予算が増します。しかし、行ってみますと、何といっても、日本のいま生活保護の行なわれている水準にしますと、もっと金額もふやさなければならぬし、それから適用の範囲も広げて、適用される人もふやさなければならぬと思うのですが、これらの点について多少予算がふえてもなおかつ不十分だと思うのですが、この点についてどうです。その差、それから今後それをもっと引き上げることについての具体的なプラン、そういうものは厚生省のほうでどうお考えになっておりますか。
○政府委員(山野幸吉君) ごく大づかみに申しまして、大体沖繩の生活保護基準と本土の生活保護基準とを比較してみますると、約六割見当じゃないかというふうに思います。まあ、そういう実態もわかりましたので、それを逐年ひとつ改善していこうということで、大体その差を二割程度に詰めたいというための予算が、先ほど総務長官からお答えございましたような予算措置に相なったのであります。その額が九千七百万円、これがそのための経費でございます。琉球政府のほうでもできるだけ早い機会に本土との格差を詰めたいという意向を持っておりますので、私どもは今後十分話し合いまして善処していきたい、かように考えております。
○岡田宗司君 いろいろこの問題についてお伺いしたいことがあるのですが、原爆医療法の問題ですね、これは沖繩からこっちに来られた方々、で、日本ではあの法律によって診療も受けられるし、それから病院にも入れるのですけれども、なかなか沖繩ではそういかない。これは沖繩側でも強い要望がある。私ども行って被爆者の方にも会っていろいろ実情を聞いたのですけれども、政府としてはことし、何らかの措置をとられることになったと思うのですが、その点について日本政府として本年これよりとられる措置について明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(臼井莊一君) この点については、かねて懸案になっておりましたが、幸い、去る十六日でございますかに、アメリカ側のこれに対する承諾の通知を共同で発表いたしまして、それであちらにいわゆる原爆の患者がどれだけあるかどうかを、四月早々でございますな、こちらから厚生省のほうにお願いしまして、厚生省の方々が二班に分かれて四名ずつ参りまして、そうして実情を調査に参ることになっております。で、その結果、もし治療を要する原爆患者等があるならば、これは内地のほうにお呼び申し上げて、そうして政府の費用で治療をして差し上げる、こういうことになっております。
○岡田宗司君 その実情調査とは、診療を含んでおるのですか、診察を。
○政府委員(臼井莊一君) これは、実際の調査は、はたしてどういう患者がどれだけいるか、こういうことを調査するわけでございます。それにはやはり一応診察してみないと、まあどういう患者であるかわかりませんから、診察はいたしますが、治療のほうは、これは原爆患者に対する治療の法律が内地だけに通用いたしますので、そこで、そういう患者が発見できた場合においては、その方を内地にお呼びして、そうして治療をする。あちらでの治療はこの班の人たちがすると、こういうわけではございません。
○岡田宗司君 そうすると、たとえばこちらに呼んで病院へ入れる程度ではないけれども、向こうで治療を要するというような人々についてはどうするのですか。
○政府委員(臼井莊一君) それでは、厚生省のほうから詳しいことを御答弁申し上げます。
○政府委員(若松栄一君) 現在国費で全額まかなっております原爆症患者、これは原爆医療審議会の認定を経た患者でございますが、そういうような患者がおられれば、内地においでいただいて、そうして内地で全額国費で治療しようということでございまして、軽症の患者については現地で医療をやろうという計画は現在のところございません。
○岡田宗司君 非常に片手落ちじゃないですか。とにかく原爆のためにそういう病気になったという人たちがあって、いまでもそれで苦しんでおられるのは、何らかの形で治療しなければならぬ。国内ではそれが行なわれておる。それで、まあ入院治療しなければならぬ者はこっちに連れてくるけれども、そうでない者は治療を受けられない。これは非常に片手落ちじゃないですか。何かそこにもう一くふうあってしかるべきだと思うのですが、それはどうでしょう。
○政府委員(山野幸吉君) まず、いま厚生省のほうからお答えございましたように、今回二班の調査班を派遣いたしまして、そうして被爆者の症状を診察しまして、一体どういう程度の患者が多いかということを確認しまして、そのあとで対策が考えられる。重い人は内地の病院へ収容して治療する。その他の問題はどういうぐあいに取り扱っていくか。で、そういう患者の態様がはっきりしませんと措置もとれないわけでございまして、ただいまのところは、そういう確認のために調査班を派遣しておるような次第でございます。
○岡田宗司君 次に、教育の関係についてお伺いしたいのですが、沖繩ではとにかく復帰という問題が重大な関心を持たれている。しかし、なかなか現実にできない。特に教育の面で日本と同等にということが非常に強く叫ばれ、沖繩の教職員会等もその方針でもって進んでこられまして、その点では非常な努力をされておるわけです。しかし、行って見ますと、ずいぶん差があるのですね、特に伊江島へ行って、伊江島の中の小学校を見て痛感したのです。校舎もひどいし、狭いし、その上へ持ってきて設備がたいへん悪い。そうして、理科教育なんかに使ういろんな実験用具とかそんなものはさっぱりないのですね。それで、これで見ますというと、学校備品援助のために一億二千万円計上されておりますが、これだけじゃとうていいまの沖繩の全体の教育を引き上げていくために使う備品の援助としては足りないと思うのですが、これらの点について政府側どう認識されておるのか。それからまた、今後それをどういうふうに処置していこうとされるのか、それをお伺いしたいのです。
○政府委員(臼井莊一君) これにつきましては、事実私どもが行ってあちらの話を伺いましても、内地と比較しますと、まだまだすべての点でおくれている。学力の程度も内地よりは低い。こういうことでございまして、台風の関係もあるのですが、建物なんかは逐次コンクリートのりっぱなものになっておりますが、そこで、日本の援助といたしましても、教育、文化に対しましては三十九年度が四十一万八千ドル、それに対しまして四十年度が百十一万二千ドル、三倍ほどでもないのですが、とにかく六十九万四千ドル、教育、文化方面に増額をいたしまして、そして逐次教育の内容を充実していくようにそういう経済的な援助もいたしておりますし、また、従来やっておりましたように、夏季には内地の教員をあちらに送って、そうして内地の教育と同じような教育ができるように指導をするとか、あるいはあちらの先生をこちらへお呼びして、内地で、いわゆる内地留学といいますか、国内でひとつ本土で十分勉強していただいて、そうしてあちらの教育基本法にもあるように、本土の教育と同じような教育を受けられ、また程度もひとつ逐次内地と同様に引き上げられていくように努力をいたしております。
○岡田宗司君 文部省のほうにお伺いしたいのですが、学力の差ですね、こちら、内地の平均と沖繩の差はどれくらいあるのですか。
○説明員(三角哲生君) 昭和三十年度の全国学力調査の結果を見ますと、科目あるいは学年によって異なりますが、先ほど申されました、たとえば理科で申しますと、大体十点ないし十五点の差が出るわけでございます。
○岡田宗司君 いまのような差というものは、これは縮めるのはなかなかたいへんだと思うのです。よほどの努力をしないと縮まらないと思うのですが、これはもちろん備品の援助くらいで追っつくものじゃないし、それから、先生それ自体の程度を高めることが先であって、これは沖繩の教職員会なんかでもずいぶん努力をしております。日本政府としてももっと努力しなければならぬ面があろうかと思いますが、こういう点について、これは沖繩では非常に希望をつないでおるわけですから、ひとつ十分な御努力を願いたいと同時に、やっぱり教員の地位といいますか、待遇といいますか、この問題もやっぱり重大な問題になっております。これはひとり教育のみならず、沖繩における公務員全体の問題ですけれども、何というのですか、年とって退職をされても年金が一向もらえないというようなことですが、これなんかについても、やはり日本側とすれば、地方公務員の共済組合なんかに対してだいぶん援助しておるのと同じような意味で、やっぱり何らかのことを考えなければならぬし、琉球政府だってもうそろそろこの問題を考えなければならぬ。その前提には、やはり日本側の援助といいますか、それを考えなければならぬのですが、その点についてすでに日本側でも調査なりあるいは立案なりができておるのか。もちろん、琉球政府と一緒にそういうものができておるのか。アメリカ側のこれに対する態度、アメリカ側に対する日本側の要求、そういうものはどういうことになっておるのですか。
○政府委員(臼井莊一君) これは社会保障制度のおくれとともに、公務員の共済制度がないというところがやはり大きな問題で、やはり向こうの行政能力を引き上げるという点からいっても、この点はやはり重要な点でございますので、日本側としてもそれに対する措置を要望をいたして臨んでおるわけでございますが、琉球政府でも、何か聞くところによると、最近公務員側とこの問題についての何か懇談会を設けて検討を始めたというように聞いていますが、詳細なことは私どもまだわかりませんけれども、そこで、ただ共済制度も沖繩の内部だけではなかなか経済的に十分にいけるかどうかというむしろむずかしい問題もあろうかと存じますが、これに対してもあちらこららで一応案をおつくりいただいて、その上でわれわれのほうもそれに対して検討をしていきたいと、こう考えます。
○岡田宗司君 そうすると、この問題についても、医療保障についてと同じように、琉球政府側において立案がなされ、そして立法化されていくならば、その際には日本側として援助をすべきである、そういうふうな態度をおとりになるのだと、こう解していいのですか。
○政府委員(臼井莊一君) この点につきましても、医療保険制度と同様に、どういう案ができますか、どの程度になるか、現在あちらも検討中でありまするし、私どものほうも目下検討中でありまするので、現在、これができたらすぐ本土側でも援助を出すかどうかということは、まだこれから検討してみなければ何とも申し上げられない。しかし、ほかの援助と従来の経過から見ましても、われわれとしてもできるだけの努力はしなければならぬと、こう考えております。
○岡田宗司君 それから、この予算のうちに先島TV調査事務費というのが計上されていますね。これはいずれ先島にもマイクロウエーブを設置することになるための費用、それを調査する費用だと思うのですが、そうですか。
○政府委員(臼井莊一君) これは先生も沖繩に行かれて、御要望をずいぶん受けられたと思うのですが、ことに宮古あたりへ私ども参りました際に、小学生が出迎えに来てくれて、そこで、歓迎文の中には、むしろ早くテレビを先島のほうへよこしてくれという強い要望がありまして、何とかこれは要望をかなえたいと思うのですが、ただ技術的にも、費用の点でもずいぶんかかるし、技術的にもなかなか問題点があるように聞いておりますので、とりあえず、来年度におきましては、二百六十万円の予算を、調査費を計上いたしまして、技術的にひとつ十分研究調査をしてみたい、こういうことで予算の御審議を願っております。
○岡田宗司君 この点、郵政省の電波監理局長ですか、来られておりますね。この点について具体的に、これは伸ばすことは可能であるか。それから、それにどれくらいの費用がかかる。それからまた、いつごろまでにかかるか。そういう点、もうある程度おわかりになっておりますか。
○政府委員(宮川岸雄君) 現在沖繩までマイクロウェーブが行っておりまして、それをさらに先島方面に伸ばす問題につきましては、相当技術的な問題としては非常に困難がございます。と申しますのは、日本の九州から奄美大島を経まして、沖繩まで現在マイクロウエーブを伸ばしておるわけでございますが、これは相当距離が一スパンの中継、一スパンと申しますが、非常に距離が長いわけでございまますが、非常に距離が長いわけでございますが、たまたま途中に島がありまして、その島へぶっつけるという技術を使いまして、それによって可能になっておりますが、沖繩からさらに先島のほうに伸ばしますときに、途中にそういういい島がございませんので、現在マイクロウエーブを伸ばすということをいたしますときには、どういうような技術を使うかということにつきまして、まだ結論が出ないくらいにむずかしい問題でございます。非常に世界でもやったことのないような特別な技術ということも考えられないではないのでございますけれども、実際具体的な方式をどういうふうにするかということにつきましては、相当研究もいたさなければなりませんし、また、先ほど長官が言われましたように、調査費の費用も相当かかりますが、実際の工事費もたいへんかかることになろうかと考えております。
○岡田宗司君 要望だけでなくて、実際全体に日本の文化を及ぼしていくということからいえば、積極的になされなければならぬことだし、むずかしくても、私は日本の技術で克服できると思うのですが、ひとつ先島の人々の要望にこたえてぜひこれは実現するように努力をしていただきたいと思います。 全体として、私、きょうの質疑、これに対する答弁から感じましたことは、まだまだ沖繩に対してなされなければならないことは非常に多い。そして、その障害は、ひとり琉球政府の行政能力とか、あるいは日本政府のほうに計上される沖繩への予算の額が小さいとかいうことだけじゃないと思うのです。というのは、やはり根本的にはアメリカがあそこに軍事基地を持ち、そして軍政がしかれておる。しかも、相当きびしい軍政がしかれているということから来ておる面が多いと思うのです。で、このアメリカの施政権があるということが根本的にはいろいろ問題の根源をなしておるわけですけれども、しかし、このアメリカの施政権の問題について、もう少し日本側として考えて、また向こう側に要求しなければならぬ問題があるのではないか。それは、やはり将来施政権を返還してもらうということを前提にして、現在沖繩における自治の拡大といいますか、あるいは琉球政府の権限の拡大、それは、逆に言えば、高等弁務官なり民政府の権限の縮小、それから沖繩の県民諸君の琉球における政治への参加の度をもっと強めて発言権を増大すること、これが痛感されるのです。で、このために、やはり日本政府としても、なお沖繩側の要望にこたえて、しなければならぬことがたくさんある。それは、やはり今後外交交渉を通じて、アメリカ側にもっと積極的に要求するなり、あるいはもう少し次元の低い問題では、日米協議委員会でそれを要求していかなければならぬのですが、その点について、どうも日本政府のかまえというものがまだ十分でない。沖繩の県民の諸君の要望に対して満足を与えるほどのことでないというふうに考えられます。これは私は、日本政府なり、特に沖繩の問題を取り扱っている総理府、その責任者である総務長官の努力をもっともっと要求したいと思うのですが、これらの点について、総務長官として、今後積極的にそういう琉球政府なり、あるいはまた沖繩県民諸君の権利の拡大、それについて努力をされるつもりであるかどうか、それをもっと積極的に日米協議委員会等で発言するつもりであるかどうか、お伺いしたい。
○政府委員(臼井莊一君) この点、いま御質問の点につきましては、私どもも、施政権の返還はあらゆる機会に日本としてもアメリカに要請するとともに、その返還を見る間にも、できるだけすみやかに、日本の相当県に対応するような程度にまで、沖繩の民生についてあらゆる面を引き上げていきたいというのが私どもの念願でございますので、従来も、この点については日本政府としても努力をしてまいりましたが、今後ひとつ一そうそういう面で努力をしてまいりたい。ただ、御承知のように、先ほど申し上げましたが、施政権がアメリカにあるというたてまえから、これを侵すことのないようにという配慮をしなければならぬ立場に私どももございまするので、そこで、あるいは若干少し遠慮がちじゃないかとか、手ぬるいというような、はたからごらんになるとそういうふうにごらん願う面がないとも限らぬと思いますが、しかし、この点は、あちらのほうに私どももできるだけ参りまするし、また、あちらからも来る、こういうことで、お互いに意思の疎通をはかりつつ、ことにワトソン高等弁務官になりましてからは、現地の住民の意向も十分耳を傾けよう、こういうことに非常な細心な努力を払っておられまするので、この点については、わりあいに今後はすみやかにあらゆる点で改良をせられていく、こう考えまするし、私どもも、アメリカと日本と琉球とが協力して、すでにケネディ・池田会談、その前の岸総理が行かれたとき、また、先般の佐藤総理とジョンソン大統領との会談と共同声明——共同声明ばかりでなく、いろいろお話もされたようでございまするし、私どもも、実質的に効果のあるようにひとつできるだけ努力をしてまいりたいと、かように考えます。
○岡田宗司君 とにかく、日米協議委員会の権限が拡大されるという事態が生じているのですから、政府としても、やはりそのことを十分に考慮しつつ、積極的な態度をとっていただきたいと思うのです。何といったって、もう沖繩がアメリカの支配下に入ってから二十年たっている。そうして、この施政権者としてのアメリカの軍政当局と、それから沖繩の県民との関係が従来とちっとも変わらないのだ、多少恩恵によって、ゆるめられたにしても、本質が変わらないでは困ると思います。やはり本質を、徐々に変わっていく方向へ持っていってもらいたい。それには、やはりどうしてもアメリカ自身が軍政の面についてその権限を縮小するということを考えてもらわなければならない。こちら側からも、もっと大胆に、そうして率直に、個々の面についてでもいいから、権限を——こちらからのつまり自治権といいますか、それの拡大ということを強く要求して実現してもらいたい、こういうふうに思います。政府にそういう態度をとってもらうことを要望しまして、私はこれで質問終わりたいと思います。
○主査(中村順造君) それでは、二時再開することにいたし、これにて休憩いたします。 午後一時三十二分休憩 —————・————— 午後二時十八分開会
○主査(中村順造君) これより予算委員会第一分科会を再開いたします。 委員の変更がございました。木村禧八郎君が辞任され、稲葉誠一君が選任されました。 —————————————
○主査(中村順造君) 休憩前に引き続き質疑を行ないます。 質疑のおありの方は、御発言を願います。
○稲葉誠一君 警察関係の予算の問題についてお聞きするわけですが、 〔主査退席、副主査着席〕 その前に、ある程度具体的な事件についてお伺いをして、それから予算の問題に入りたいと、こういうふうに考えます。 一つは、ことしの二月二十八日に、三重県の四日市で行なわれました、朝鮮人の高校生ですが、これに三人の警官が乱暴をしてなぐったりいたしまして、そして、その後この警察官が処分された事件があるわけですが、この具体的な事実についてひとつ御説明を願って、それに基づいて質問をしていきたいと、かように考えます。
○政府委員(大津英男君) ただいま御質問がございました、三重県四日市警察署の警察官が非行少年に暴行を加え傷害を与えたという事案でございますが、これはまことに遺憾なことでございます。事案は、本年の二月二十八日の午前十時三十分ごろ、四日市警察署の塩浜警察官派出所勤務の巡査人見茂治並びに巡査広谷健治、この両名が少年補導のため私服で四日市所在の映画館塩浜劇場へ立ち入ったときに、四日市の大池町居住の自動車助手金壽満を発見いたしましたので、そこで、たばこを所持しているということから説諭をしておったのでございますが、その金の顔見知りでありますところの愛知朝鮮中高級学校二年の金永珠がやってまいりまして、突然右手で広谷巡査の顔面を数回なぐり、また頭突きをする等の暴行をいたしまして、広谷巡査に全治一週間の傷を負わせたということで、広谷、人見の両巡査が本人を傷害現行犯として捕えまして、十時三十五分ごろに派出所へ同行いたしました。その途中広谷巡査が、なぐられ、また負傷させられたことに立腹いたしまして、劇場付近の道路上で金永珠の顔面を一回なぐっておるわけであります。また、金永珠を派出所に連れましたときに、派出所で津田良雄巡査が見張り勤務をいたしておりましたが、津田は広谷巡査の顔の負傷を見ましてそのわけを聞き、金永珠に対しまして、警察官をなぐってもよいかというような詰問をいたしたのでございますが、これに対して横柄な態度で反問があったということから、瀞田、人見、広谷の三巡査が順次金の顔面を平手でなぐるなどの暴行を加えるというようなことを行なったわけでございまして、その結果、本人に腰部打撲等の傷を負わせると、こういうような事案が起こったわけでございます。三重県の警察本部におきましては、この事案の報告を聞きまして、たとえ被疑者になぐられたということでありましても、感情に走ってこのような行為に出たことは、あるまじきことであるということで、三月九日、懲戒審査委員会を開きまして、暴行いたしました警察官の津田、広谷に対して諭旨免職、人見巡査に対して停職一カ月、その他監督の立場にありました署長以下の幹部警察官に対しまして戒告等の処分をいたす、こういうふうなことでございます。以上でございます。
○稲葉誠一君 その事実はまあ事実として、映画館の中で補導をしたというのですが、その両警察官は私服でどんな服装をしていたのですか。
○政府委員(大津英男君) 私服でございますから、背広の服を着ておったということであります。
○稲葉誠一君 何か、ジャンパーを着ていたのじゃないですか、この警察官は。
○政府委員(大津英男君) その点については、詳しい報告が来ておりません。
○稲葉誠一君 何かジャンパーを着ていた不良風の男二人に詰問されたと、だから、てっきり町のチンピラに言いがかりをつけられたと思って、そして友だちを救おうと思って何というのですか、金というのですか、その広谷という巡査に体当たりをしたとかなぐったとか、こういうふうにも一部の新聞では伝えられているのですよ。地方の、伊勢新聞というもので見るというと、何か、私服であって、友だちがおどかされているというふうに思い込んだのだ、こういうふうに言っているのですがね、そういう補導する場合には、警察官は、警察官だということをはっきりこの場合示したのですか、その点がどうもはっきりしませんが。
○政府委員(大津英男君) 少年を補導する場合におきまして、警察官が私服であった場合におきましても、やはり警察官であるということを示すのがたてまえでございますので、そのようにしておると思っておるわけでございます。
○稲葉誠一君 そのようにしておると思うというのはまあそれとして、そのときの両巡査の服装と、それから、一体警察官だということを言ったのか、あるいは警察手帳を示したのか、そこのところはどういうふうになっているのですか。いまわからなければ、あとでもいいと思いますが。
○政府委員(大津英男君) その点については、詳しいことが来ておりませんので、調査いたしまして後ほど報告いたしたいと存じます。
○稲葉誠一君 それから、いまの、何か聞きますと、なぐってもよいかということを警察官がその金という少年に聞いたのですか。
○政府委員(大津英男君) 警察官をなぐってもよいのかということを詰問したようなことでございます。警察官をなぐってもよいのかと、そういうふうに金に問うておるわけでございます。
○稲葉誠一君 警察官をなぐってもよいのかというふうに警察官が聞いたのだというわけですね。すると、なぐったのは三人がなぐった。三人の警察官がその少年をなぐったのですか。
○政府委員(大津英男君) 先ほども申し上げましたように、最初に広谷巡査が顔面をなぐられまして、それで、まあ二人で、広谷、人見の両巡査がこれを捕えたということでございますが、その途中で、広谷巡査が、なぐられたことで腹を立てて、劇場付近の道路上で金の顔面を一回なぐった。それから、派出所へ参りまして、派出所におりました津田という巡査がその傷を見て、どうしたのかということでわけを聞いて、今度はまたいろいろと聞きまして、それで、どうも反省の色がないということでまたなぐった。こういうふうなことが起こったわけでございます。
○稲葉誠一君 その少年は、警察官が補導しているというようなこと、つまり、警察官だということはいつごろどういうときにわかったのですか。まだそこまでわかりませんか、あなたのほうで。
○政府委員(大津英男君) どうもそういう詳しい報告が来ておりませんので。どの瞬間からわかったかということはわかりませんが、おそらく警察の者だと言っておって、それから交番へ行こうじゃないかというようなことで、もうそのときから警官であるということはわかったのではないか、かように思うわけでございますが、詳しいことが報告書に書いてありませんので……。
○稲葉誠一君 すると、映画館の中で少年が広谷という人を、なぐったのか、体当たりしたのかはっきりしませんが、そのときには、広谷という人が警察官だということを少年が認識していたかどうかということについては、いままでの段階の報告の中ではまだはっきりしない、こういうことになりますか。
○政府委員(大津英男君) 最初に、たばこを持っておりました自動車助手の金という者に対して説諭しておったところへ金という別の少年が参りまして、それがいきなり暴行を広谷巡査に加えたということでございます。
○稲葉誠一君 だから、広谷というのは警察官だということをその暴行を加えた少年は知っていたのでしょうかね、知っていなかったのでしょうかね。一部の報道によると、何か町のチンピラがその少年をおどかしているというふうに思ったのだと、こういうことを——あるいはこれは誇張かもしれませんよ。ですけれども、そういうふうに言っているところもあるし、何か、二人の警察官の服装があまり正規というか、私服でしょうけれども、きちんとしたものではなかったように伝えているものもあるので聞くのですけれども、これは、いまはっきりしなければ、あなたのほうで再度三重のほうへ照会をして、それからでいいと思います。 そこで、もう一つは、朝鮮人だということはその警察官にいつわかったのですかね。
○政府委員(大津英男君) そういう詳しいことは報告にございませんので、調査をいたしたいと思います。
○稲葉誠一君 朝鮮人だということがわかったからぶんなぐったんだというふうにもとれないことはないと思うのです。あるいは、これは考え方によっては邪推だというふうに見るかもわかりませんが、その点がこの事件の一つのポイントでもあるし、近来、そういう、朝鮮人に対する、ことに朝鮮人の学生に対する警察官の暴行事件というものがあちこちで起きているわけですから、これはあなたのほうでよく調べていただきたい、こういうふうに思います。おそらく映画館を出るときには当然わかっていたのではないかと、こう思うのですが、これはいまここでやってもあれですから、あなたのほうで十分調べていただきたいと思います。 そこでまた問題になりまするのは、そういうふうに警察官が三人で少年をなぐって、これは二月二十八日、そのなぐったということについて警察官から四日市署ですか、そこに報告があったのですか、なかったのですか。
○政府委員(大津英男君) これも報告書にないのでございますけれども、外勤幹部のほうから、そういうことがあったというふうに聞いて、本部のほうでこの問題について問い合わすというふうに聞いておるわけです。
○稲葉誠一君 警察のほうの外勤幹部というのはどこのだれか、あとで明らかにしてもらいたいと思いますが、それが四日市署に報告したのか、警察の本部に報告したのか。いつ報告したのですか。いまわからなければ、あとでもいいのですが。
○政府委員(大津英男君) 後ほど調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
○稲葉誠一君 それは違うんであって、まあ違わないというか、そういう事実はあったことは、外勤幹部が報告したという事実があったことは、間違いないと思いますが、その前に、二日の日に朝鮮総連の四日前支部ですか、これが四日市署に抗議を申し入れて、そして初めて警察のほうにわかったのじゃないですか。これも一つのポイントになるのですが、その点はどういうふうになっているのですか。
○政府委員(大津英男君) 抗議があったことも事実でございますが、この抗議と報告が、どちらがいつであったかということは調査して報告いたしたいと思います。
○稲葉誠一君 抗議があるまで警察のほうでは、派出所の人は隠しておったのじゃないですか。どうもそういうふうにとれるのですが、それはまだそこまで調べがついておらないというならばあとでいいですが、派出所の中に一体何人いたのですかね。その点も明らかにしてもらいたいと、こう思いますが、これもまだいまはわからないのですか。塩浜派出所というところですか。
○政府委員(大津英男君) 三人おったわけでございます。
○稲葉誠一君 県警本部が広谷、津田巡査を諭旨免職にしたのですが、これはいつですか。
○政府委員(江口俊男君) 三月九日に懲戒委員会を開いておりますので、三月九日付でなっておるわけであります。
○稲葉誠一君 警官だということを知って平あやまりにあやまったと子供は言っている。「それなのになぐる、けるの乱暴は余りにも行き過ぎである。」と、こう言っているのですが、伊勢新聞の三月十一日付によると、被害者がこう言っているのですが、この点についてもさらによく調べていただきたいと、こう思います。 そこでもう一つ、このときに、三重県の警務部長於久というのですが、この人の談話の中に「桑名署での事件に重ねて今度の事件があり、まことに申し訳ない。」というふうにあるのですが、桑名署の事件というのは何ですか。
○政府委員(江口俊男君) 桑名署の事件と申しますのは、伊勢新聞の記事として扱われました桑名警察署の巡査部長云々というのは、その桑名署の巡査部長が酒に酔って自動車の運転手を殴打したというふうに伊勢新聞は報道しているそうでございますけれども、そういう事実は聞いておりません。しかし、しいて推測をいたしますれば、最近桑名警察の署員が、自動車運転手を不適当な逮捕をしたという事実がございまして、その事実を津地方法務局に提訴されているという事件がございますので、あるいはそのことではなかろうかと考えます。
○稲葉誠一君 あるいはでなくて、これは三重の警務部長談話として載っているのですから、三重県のほうにあなたのほうは連絡しているはずですよ。これははっきりしているのではありませんか。
○政府委員(江口俊男君) 三重の警察部長がどういう談話を発表したか知りませんが、私の聞いております範囲では、伊勢新聞には、桑名署の巡査部長が酒に酔っぱらって自動車運転手を殴打したというふうに書いてある。しかし、そういう事実はないので、考えてみれば、殴打はしていないけれども、夜おそく踏切の一たん停止をしなかった。それを注意してもその態度が悪かったということで逮捕した事実がでございます。あるのです。そのことをひどいということで、津の法務局に逮捕された本人から申し出があった。この事実をさしておるのじゃなかろうかと考えるわけでございます。そのことなら詳しくわかります。
○稲葉誠一君 その事実でいいわけですよ。ぼくは、その巡査部長か何かが、運転手ですか、それを殴打したということは一言も言っていないのです。まだ、私も殴打したかどうかということはわからないのです。ただ、いま言ったように、「桑名署での事件に重ねて今度の事件があり、まことに申し訳ない。」という談話が——そのまま正確かどうかは別として、出ておりますから聞いているので、その逮捕したというのはどういうことなんですか。
○政府委員(江口俊男君) 三重県上野市の木興町三千二百六十九番地の当時桑名タクシー有限会社、木興タクシー運転手川中勝男二十二歳という者についてのことでございまするが、この運転手が桑名警察署の捜査係長と警備主任両名を人件擁護局に訴えているわけでございます。その事案の概要は、昭和四十年の一月三十日午後八時半ごろ、山川という捜査係長の警部補でございますが、山川警部補は警察署で仕事をしておったところ、先輩から——この先輩というのは前の桑名署長でございますが、先輩から、用事があるからちょっと出てこぬかという電話を受けて、九時ごろ、同市川口町所在の飲食店に行きまして、その先輩と飲食をともにし、十一時半ごろその店を出まして、帰りに同市八間通りのバーにちょっと立ち寄りまして、バーから桑名タクシーを呼んで、夜中の零時ごろ川中運転手のハイヤーにその先輩とともに乗車して帰途につきました。途中、川中運転手の運転が非常に荒いので二人が注意をし、特に同市本郷地内の通称本郷踏切では徐行しただけで、とまらないで通過をしてしまいましたので、踏切では一たん停車をすべきである、そして安全を確認した上で通るようにという注意をしたところ、その運転手は、汽車の時間や電車の時間というものは自分は知ってるから、いまは通る時間じゃないからよいんだというような反論をしたそうでございます。そこで山川警部補は、先に呼ばれた先輩を送りまして、自分一人で帰る途中、さらに川中運転手に対して、おまえのような運転はあぶなくて乗っておれないというようなことを言いましたために、桑名高校付近に来たときに停車をしまして、ここでおりてくれと、これは運転手のほうが申し、そこで乗っておった警部補と十五分余り口論をいたしております。そのあげく警部補は、本署までとにかく来いということで、零時半ごろ桑名署にその運転手と一緒に参っております。そこで山川警部補は署に到着するや、川中運転手を刑事室に同行して、金を払うがおまえに言うことがあるということを申しまして、踏切の一たん不停止、それから途中でおりてくれと言うた下車要求等をしたことについてまあ詰問をしております。そこへ当直勤務中の中島巡査部長というのが参りましたので、山川警部補は中島巡査部長に対して、こういう事情だという話をした上で、川中運転手を道路交通法違反で現行犯逮捕するから留置するようにということを命じております。中島巡査部長は山川警部補の指示に従いましてその運転手を留置場に連行しまして、看守勤務中の松岡巡査に命じて身体検査を行ない、零時五十分ごろ保護室に保護留置をいたしております。山川警部補は、川中運転手の留置を命じましてから、そのタクシーの本社に電話をかけまして、いま君のところの運転手を道交法の違反で逮捕したから、責任者に出頭するようにという要請をしましたけれども、来ませんので、さらに中島部長に電話をさせましたが、その際もだれも出頭してないということを確認いたしましたので、中島巡査部長とともに留置場に行き、当直主任小林巡査部長にも立ち会いを求め、午前一時五分、川中運転手を出房——保護室から出しまして、刑事室で貴重品を渡した後、一時半ごろ帰宅をいたさしております。 要するに、ここに読み上げたとおりの事実によって、一たんこれは成規に逮捕をしたということになりますかどうか、保護室に約十五分ほど入れ、さらに刑事室で取り上げた貴重品等を渡す、まあ一時間近くの間警察に置いたというような事故がございまして、これはまあ、もちろん違法な行為でございますから、あくまでも争えば逮捕するということもございましょうけれども、自分も酒を飲んでおったし、しかも深夜の踏切で、緩行しながら停止をしなかったというだけでそういう処置をとったということが適当でないしかたであったということで、県のほうではそれを問擬したというような事実はあるわけでございます。
○稲葉誠一君 それは山川という警部補ですか。これは係は何の係なんですか。交通の係ですか。
○政府委員(江口俊男君) 桑名署の捜査係長ということになっております。
○稲葉誠一君 捜査係長ですか。そうすると、交通ではないわけですね。そこへ乗っていたのは、あれですか、公務としてその車に乗ったんですか。
○政府委員(江口俊男君) 前後の模様から見ると、さようではないと考えます、車に乗ったこと自身は。
○稲葉誠一君 金をいつ払ったのですかね。払うからと警察へ連れていったんですけれども、いつ金を払ったのですか、タクシー代は。
○政府委員(江口俊男君) この報告では、その点、詳細でございません。
○稲葉誠一君 いまの報告で言うと、刑事部屋で金を払うからということを言ってるわけですね。そうじゃないですか。だから、警察へ行って金を払ったんですか。
○政府委員(江口俊男君) 刑事室でございます。刑事室で、自分がまあ捜査係長ですから自分の部屋ということでございましょうが、自分の部屋で、金はもちろん払うけれどもおまえには言うことがあると、こういう話になったような状況でございます。
○稲葉誠一君 だから、金を払ってから言うことを言ったのですかな。金払うのに、ずっと、終わってからあとになったのですか。何か、留置権でもないでしょうけれども、同時履行の抗弁権でも行使しているみたいでね。いつ金を払ったんですかね、これは。
○政府委員(江口俊男君) 先ほども申し上げたとおり、金を払うがということを言ったということの報告はございますが、同時に、そこで金を払ったのか、いまもって払ってないのか、その点については詳細でございません。
○稲葉誠一君 いまもって払ってないのかわからないと言ったって、まさかいまもって払ってないということはないでしょう。警察庁長官は、部下のその警部補のことについてそんなに信頼してないのかな。いかにも信頼してないように聞こえるな。その、いまだにもって金を払ったかどうかもわからぬというようなことばは、おかしいのじゃないですか。士気に影響するよ、それは。
○政府委員(江口俊男君) まあ、ことばでございますが、とにかくわからないということであって、わかっておれば、何時何分に払ったということを申し上げるので、私はおそらく——おそらくというか、まあ私の信念としては、金を払った上で、それはそれであとの小言を言ったものだと、想像はいたします。
○稲葉誠一君 まあ、ことばじりですから、もうやめますが、いつどんな状況で金を払ったか、これはあとで明らかにしていただきたいと思います。それと、これは現行犯逮捕だったのですか、なかったのですか。現行犯逮捕ならば、当然それだけの書類をつくらなければならないと思うのですが、そういう書類をつくったのですか、つくらないのですか。
○政府委員(江口俊男君) 先ほど読み上げたとおりの事情でございまして、逮捕するぞとは言いながら、まあ保護室に十五分ほど入れておいて、そうして会社のほうにまあ引き取りに来るように——おそらくそうだろうと思いますが、電話をかけて、来ないものですから、十五分のあとに出しておりますから、法律的には逮捕をしたということの形をとってないと思います。だから、書類はつくってない模様でございます。
○稲葉誠一君 そうすると、保護室に入れた法律的な根拠はどこにあるわけですか。現行犯逮捕じゃないのに保護室へ入れたとなれば、法律上の根拠がなければならないでしょう。それはどこにあるのですか。
○政府委員(江口俊男君) それは、事実そのものとしては道交法違反でございますから、逮捕しようとそのときには思ったのかもわからないです、成規な逮捕。ところが、考えているうちに、成規に逮捕するには少し度合いが過ぎるというようなことで、出したものだと思われまするから、その根拠云々といっても、その現在においては逮捕しなかったということに法律上は考えざるを得ないわけであります。
○稲葉誠一君 逮捕しなかったのはいいんですが、保護室へ十五分間入れておいたというのでしょう。それはどういうことです。たとえば泥酔者だから保護したとか、いろいろあるでしょう。これはどうなっているんですか。
○政府委員(江口俊男君) まあこれはその点の事情を詳しく書いてございませんから、私の推測でございますが、場合によっては正規な逮捕ということもその場では考えたのじゃなかろうかと思うのです。保護室へ入れるときには、しかし、五分、十分の間に逮捕というのは行き過ぎだというふうに考えたので、特別に新しい事情が起こっておりませんのに十五分後には帰宅さしているわけです。そういうところから見ると、逮捕しようという意思があって始めた行為ではあっても、その三十分後にはそれを実行しない、保護室に事実上置いたというふうに解釈する以外にない、かように思います。
○稲葉誠一君 そうすると、保護室へ置くについては、相手の承諾があったということですか。必ずしもそうではない、現行犯逮捕をしようと思ったその前段階の事実上の措置という意味なんですか。
○政府委員(江口俊男君) そういうところが詳しく書いてございませんが、相手の承諾があったとは思われない。だから、一方的に保護室に入れたものだと思いまするが、その点が不当である、行き過ぎであるということで三重県警では問擬して懲戒をしたわけでございます。
○稲葉誠一君 どうして適当でないか、どういう点が適当ではないか……。
○政府委員(江口俊男君) 御承知のように、逮捕をするという要件は、道交法に限らず、証拠の隠滅のおそれがある、あるいは逃亡のおそれがあるということが条件になっておりまして、また、逮捕時の状況にもよるわけでございます。そういう諸般の事情を勘案した上で、これは逮捕すべきもの、それから同じ犯罪でございましても任意で調べるものと分かれるわけでございまするから、この具体の事例のような場合には、逮捕をしないで、事件にするしないはこれは別でございますが、逮捕をして調べる性質のものではない、こういう意味で逮捕には行き過ぎがあった、こういう解釈をしているわけでございます。
○稲葉誠一君 現行犯の場合には、あれじゃないですか、証拠隠滅とか逃亡のおそれがなくても逮捕できるのじゃないですか。
○政府委員(江口俊男君) もちろん現行犯逮捕の場合はそれができるわけでございますが、いまのは、現行犯逮捕といいながら、事実上は現行犯のときじゃなしに、やはりもう済んでしまってからのことでございまするから、いわゆる本質的な現行犯逮捕、その場でやらなければその犯罪の防止ができない、あるいは繰り返すというようなもののために与えられたあの制度にそのまま乗っていくような状態ではないのでございまして、これは普通の取り調べでやるのが適当である、こういう判断を三重県警ではとったわけでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、保護室へ十五分間入れたということも違法だということですか。
○政府委員(江口俊男君) だから、私は先ほどからここで違法だということと不適当だということを使い分けをしているのはそこでございまして、違法であるかどうかというのは法律的にもっと突っ込んでみなければわからぬと思うのです。少なくとも適当ではなかったという状態は前後の事情から見られるわけでございます。そういう判断をしております。
○稲葉誠一君 だって、現行犯逮捕が法律的にできないというのでしょう。現行犯逮捕が法律的にできないというのに、現行犯逮捕をしようという前段階として、本人の承諾なしに保護室に入れたとするならば、これは違法だと言わざるを得ないんじゃないですか。
○政府委員(江口俊男君) 現行犯逮捕は、法律的にできるわけです。ただ、現行犯逮捕をすべきかどうかということは、その状態にもよることであって、あの場合は現行犯逮捕としてやるべき状態ではなかった、こういうことを言っておるわけであります。
○稲葉誠一君 もうその論争をするのをやめますけれども、その踏切で一たん一時停止をしなかったという段階ならば、現行犯逮捕だったとあなた言われるんじゃないですか。それが、署に帰ってきた段階では現行犯ではないという見解をとっておるわけです。この見解自身がおそらく問題があると思うんです。刑事局長なんかその現行犯には反対じゃないかと思う。あなたの見解では、現行犯逮捕はできないわけですから。現行犯逮捕をして、本人の承諾なしに入れたんじゃないですか。そうなると、違法ということになってきざるを得ないじゃないですかと思うのですが、あとは論争ですから、あなたのほうでそのときのタクシーの運転手を保護室に入れたことが違法なのか違法でないのか、あるいは適当であるのかないのか、これをあとで整理して書面を私のほうに出してもらいたいと、こう思うんです。あとでいいですよ。
○政府委員(江口俊男君) それはあとでその詳しく法律問題は検討いたしますが、私の考えとしては、その現行犯逮捕としてやったということは、私は違法か適法かという点では違法じゃないという考えを持っています、この具体の事件を。しかし、適当ではない、こういう判断でございます。
○稲葉誠一君 論争はこの程度にしますが、そうすると、あなたの前に言われたこととちょっと矛盾してくると思うんですがね。まあいいですわ。準現行犯とか何とかという話ならまた別になりますが、まあここで論争していずれもあれですから。 いずれにしても、このときにはこの捜査係長に対してどういう処分をしたんですか。
○政府委員(江口俊男君) お管えいたします。 これは、二月の九日の懲戒委員会におきまして、山川警部補に対しましては減給百分の十、六カ月、その指示に従いました中島巡査部長に対しましては戒告の上転署という処分をいたしております。
○稲葉誠一君 もう一つ、別の事件についてお聞きいたしますが、これはちょっと古い事件ですけれども、新聞としてはことしの三月二十七日の毎日新聞の「警察」という続きものの(11)というところ、「権力の病理現象」というところの最後に出ておるんですが、「三十七年夏の事件だが、秋田県秋田署で、婦女暴行事件の被害者(二九)に対して事情聴取に訪れた警察官(四四)が現場検証と称してみずから“加害者”の役を演じて婦女暴行を働いたというのがある。この事件は秋田署や県警本部が報導陣にひた隠しに隠して危うくヤミからヤミに葬られるところだった。」という、この事実はどういう事実なんですか。
○政府委員(江口俊男君) これは、事実としてはおっしゃるとおり古い事実でございますが、元秋田警察署の捜査主任であった藤原という巡査部長の事件でございます。現在検察庁におきまして起訴をされ、しかも求刑も出ている状況でございまて、ただ、警察の見るところと多少内容について違うところがあるようでございますが、強姦事件の被害者である某さんを取り調べた警察官に対しまして、秋田県の地方検察庁におきまして強姦の加害者として告訴をされたのであります。秋田地方検察庁から連絡を受けました秋田県警察本部が監察いたしましたところ、その内容については、警察の見るところ、すなわち、本人の申し立て等から勘案した事実と多少の食い違いはありますが、とにかく捜査、取り調べをした相手方、これはどちらから持ちかけたとかなんとかいう問題が中に介在しますが、それがそのいづれであっても、その者に対してわいせつな行為に及んだということはけしからぬということで懲戒免にいたしているという事案であります。
○稲葉誠一君 それは、起訴は強姦ですか、求刑は何年ですか。
○政府委員(江口俊男君) 起訴は昭和三十八年十月十二日でございまして、求刑はことしの四十年の一月十二日でございます。懲役三年の求刑になっております。
○稲葉誠一君 判決はまだないのですか。
○政府委員(江口俊男君) 判決の点は書いてございませんが。おそらくまだないと考えます。
○稲葉誠一君 求刑は一月の三十日ですか。
○政府委員(江口俊男君) 求刑は一月十二日でございます。
○稲葉誠一君 一月十二日に求刑があっていままで判決がないというのはちょっと考えられないのですが、これはあとで調べていただければわかると思います。 それからやはりこれにも出ておりますが、私も資料をとったのですが日本弁護士連合会の人権擁護委員会の資料がここにあるのですが、これは新潟県の弁護士会長から日弁連の人権擁護委員会に人権侵犯事件として、これは新潟県北魚沼郡小出町の事件ですが、「小出警察署人権侵害の結果報告書」、これは新潟県の弁護士会の会長から日弁連の会長あてに来ておって、昭和三十九年十二月十七日付で新潟県の弁護士会の中における人権委員会で調べて、新潟県の弁護士会の会長に報告をし、それがそのまま日弁連に来ているのですが、報告によると、小出警察署の警部に対して被害者に対する陳謝要求を含む警告をなし、同人の監督者である元小出警察署長及び新潟県の警察本部長に対し警告をなすを相当とする旨議決したというふうになっておるのですね。 これについては新潟県の弁護士会が認定した事実というのは二つあって、 一、申立人の新潟県警察本部長に対する投書事件を同県小出警察署において誣告罪の容疑を以て捜査した結果送検しない旨決定したにも拘らず、之を秘匿し、新聞記者二名に対し、送検するか否かは検討中、若くは書類送検というような虚偽の発表を行ない、その旨新聞テレビ等で報導されたため、申立人の名誉が著しく侵害されたものである。 二、小出警察署の申立人に対する誣告被疑事件の捜査は、捜査不備や処理上の違法などから、小出警察署の県警察本部に対する信用維持を目的とし、又は投書者に対する報復の目的ではないか、との疑いを抱かせ、その結果、関係人の基本的人権を侵害する危険性が多分に存する。 こういう事実の認定をしてやっているわけなんですね。これに対して、その後新潟県警なり何なりではどういうような措置をとったのですか。というのは、これも同じやはり「警察」という(11)のところに出ているわけですね。「投書者を誣告扱い」ということが出ているわけですが、「権力にタテつく者は、力づくでもねじ伏せ、こらしめてやるという見本、あるいは世にいう“いやがらせ捜査”の典型である。」と、こういうふうに認定されているんですね。これはどういう事実ですか。
○政府委員(江口俊男君) その前に、先ほどの秋田の事件につきまして、さらにいまきのう確かめた者からの報告では、やはり判決はまだ出ておりません。 それから新潟県におきまするただいまおっしゃったような事件といいますか事故というものはあったわけでございまするが、その詳細につきましては、刑事局長から報告いたさせます。
○政府委員(日原正雄君) この事案は、四月二十一日付のはがきで、県本部に対しまして、「小出町の一町民」という匿名で夜間強盗被害者の妻が危険をおかして届け出たけれども駐在は適切な取り扱いをしなかったという趣旨の投書があったわけでございます。で、この投書を受けまして小出の署長が調べましたところ、投書内容が事実と相違をしている、しかも警察官を誹謗して厳重な調査と指導を要求するというような誣告罪の容疑があるということで、投書者の捜査をいたしました結果、筆跡によりまして小出町居住のKという者が判名したわけでございます。そこで、七月十五日にKに任意出頭を求めて調べたところ、投書した事実を認めまして、さらに投書内容は事実に相違したものであることを認めてわびたわけでございますが、誣告の犯意は否認をしております。で、小出署長は、送致しない方針をとりまして、本人にもこの旨伝えたわけでございます。 なお、この投書について記者との話の際に、次長が、投書について取り調べはしたけれども、事案が軽微であるので供述内容を検討してきめたい、こう語っただけであるそうでございます。 事案の内容は以上でございます。
○稲葉誠一君 これは私も実は日弁連からきょう関係の書類をもらったんです。もらったというか、私が行ってもらってきたんですが、内容を十分検討しておりませんが、しかし、その中で、新潟県小出警察署の次長警部に対する警告書も新潟県の弁護士会から出ているんですね。これは昭和四十年の二月十五日。それから前小出警察署長に対しても同じ日に新潟県弁護士会の会長名で出ているんですよ。ですから、県の弁護士会が人権委員会を組織して、それでいろいろ調べた結果として事実を認定し、両名に対して警告書を出しているのですから、これに対する答えを私は当然警察庁としてはしなければならぬ筋合いのものである、こういうふうに思うわけです。それはいまの段階では十分調べがついておらないからということでは、いまの段階ではそうでしょうけれども、まだ日がありますから今後この問題について、おそらく日弁連からこれをあなたのほうでもらっているのじゃないか、こう思いますがね。日弁連では衆参の法務委員に全部配ったということを言っておられるようですが、いずれにしても、この事実について日を改めて詳しく聞くつもりですから、これはあなたのほうで資料を集めてよく内容も、あなたのほうの言い分ももちろんあるだろうと思いますから、検討しておいてくれませんか。そしてまたあとで別の機会に聞くようにしたい、こういうふうに考えます。あなたのほうの調べが十分でない段階において一方的にこうだこうだという形で押しつけるということは私の本意ではありませんから、それは私はしません。 もう一つ、きのうの「警察」の(12)というところに出ているのですが、ことしの「一月二十日、千葉県佐倉市で東京・中野署の警察官が乗用車で通行人二人をはね、一人が死んだ。しかし翌日の新聞にはなにも出ない。佐倉署や千葉県警察本部がお隣の警視庁をはばかって“部外秘”にしてしまったのだ。事故の報告を受けた警視庁では、さっそく警務部長名で管下全署に厳重注意を指示し各署で二十二日朝署長が部下に訓辞した。」、こういうことがきのうの朝の毎日新聞の「警察」(12)という続きものの中に出ているのですが、これはどういう事件ですか。
○政府委員(江口俊男君) 私もいま詳しいことはわかりませんが、そういう事実があっことははっきりいたしておりまして、本人も辞意を表明いたしましたので、たぶんそういう形で諭示というか退職をいたしたものと考えております。遺憾なことでございますが、二人かけまして、一人がなくなられているという事実がございます。千葉県に聞きますと、特に秘匿したというわけではないけれども、積極的に発表した事実ももちろんございません。事件は普通に取り扱っております。
○稲葉誠一君 だから、事件はどういう事件なんですか。
○政府委員(江口俊男君) 事件を起こしました者は、中野警察署の警ら一係の巡査、三十一歳でございまして、その被害者は、千葉県佐倉市の石渡さんという人と谷川さんといういずれも御老体で、七十二歳、七十歳の方でございます。なくなられたのは石渡さん、七十二歳の方で、七十歳の方は右大腿部の骨折という事故でございます。これは一月二十三日の新聞にも出ておりますとおり、四十年の一月二十二日の二時四十分ごろの事故でございます。その巡査は、その日の午後二時四十分ごろ、これは非番日でございまして、婚約中の女性と同乗いたしまして、この女性の所有している自動車を自分で運転して成田山に参拝に行く途中でございます。時速三十八キロくらいで、現場は千葉県佐倉市本町二十九、佐倉−八日市場線県道でございますが、その現場に差しかかりました際、右側から道路を斜め横断をしてまいりました第二当事者——被害者でございます——を発見して、急ブレーキをかけましたが、間に合わず、被害者の左後方からはね飛ばし、さらに、道路の左側を自転車で同方向に進行中の第三当事者——大腿部を骨折した老人でございます——に追突してそれを横転させ、それぞれに傷害を負わしたものである。前の方はなくなり、あとの人が大腿部骨折ということでございます。 それで、その措置としては、事故を起こしました巡査は直ちに被害者を救護いたしまするとともに、所轄の警察署に連絡をして所要の措置をとっております。事故の原因、過失の度合いという点につきましては、所轄の佐倉警察署で詳細に取り調べをして、普通の交通事故どおり、警察官であるから特にゆるやかに考える、あるいは強く考えるという、事故としてはそういうことなしに、普通に処理をいたしております。ただ警察官自身は、このことに責任を感じまして、退官をするということになったわけでございます。
○稲葉誠一君 それは一月二十二日の事故ですか。一月二十日の事故ではないのですか。
○政府委員(江口俊男君) 訂正いたします。報告の日時を読み上げましたが、事故の日時は、おっしゃるとおり一月二十日の午後二時四十分ごろの事故でございます。
○稲葉誠一君 それは警察官として特別に交通事故を取り扱ったかどうかということをぼくは聞いているわけではないんです。これは過失があったのですか警察官に。そういうふうに一応警察では認定したのですか。
○政府委員(江口俊男君) 結論から申しますと、何対何の過失率をこれで認めたか、報告を受けておりませんので、ここで申し上げられませんが、普通の場合を申し上げますと、たいていの場合、こういう事故の際には、第一原因者、第二原因者、ともに過失はある程度あるわけでございますが、しかし、結果がこういうことになりますというと、第二原因者の過失というものはそう強く取り上げられないで、やはり第一原因者に大部分の過失を考えて処置するのが普通になっておりますから、これもおそらくそういうふうにしていると思います。ことに第三原因者等は、これは全然本人に過失のないものでございます。これは一方的に加害者の過失ということになると思います。
○稲葉誠一君 本件のひいた人に過失があるという認定をして佐倉の警察署では検察庁に送ったのですか、送らないのですか。
○政府委員(江口俊男君) 過失がもちろんあるとして送っていると思いますが、その過失の度合いをどういうふうにし、しかもその事故をいつ送ったかということについては、報告を聞いておりません。
○稲葉誠一君 過失の度合いというのは、いま聞いた範囲でもこれはなかなかむずかしいというふうに考えられるんですよ。それは別として、事件として立件をして、あそこは千葉の検察庁ですか、あるいはどこかの支部ですか知りませんが、いずれにしても、どういう過失があるというふうに認定をして送検をしたのか、これはあとで調べて、書面でお知らせ願えればいいと考えます。 そこで、二、三の例をあげたわけですが、時間の関係等もありますから、例はこの程度にしたいと思うのですが、もう一つだけちょっと例を引きますが、京都の府警では、ここのところ非常に同じようなよく出てくる事件が、あまり芳しくない事件があるわけですが、ここ二、三年にどんな事件があったのですか。これは項目だけでいいです。あまり詳しいことは、十分通告していませんから、別のときに聞きたいと思いますが特に京都は目立って多いわけです。
○政府委員(江口俊男君) お答えいたします。 この二、三年、これはいつからというあれではございませんが、最近、おっしゃるように、京都におきまして非行が相次ぐということについでは、私たちも遺憾に思っておりますが、最近のおもなる事例は、京都上賀茂署におきまする金品受領事件、これは強盗でございましたか、窃盗でございましたか、とにかく当人が被害者の寄付を受けて打ち上げの費用に使ったという事案、まあ普通考えられない事案でございますが、そういう事案、及び京都五条署における看守巡査の暴行凌辱事件、これはちょっと私の記憶にはございませんが、項目としてはこういうのがございます。それから京都捜査三課員の不純交際、これはいかがわしい者とつき合って、その者との費用で二十万とか三十万とか未払いになっているというような事件、それからもう一つ、京都では松原署保安係の物品受領などの非行、これは売春関係の情報を得るために近づきになっておった女性の方から、酒のもてなしを受けたり、転任に対するせんべつを受けたりした事件でございます。 この三つが最近における私たちの記憶に新たな事件でございますが、第二番目にあげた五条署における云々というのは、必要があればほかの者から説明させます。
○稲葉誠一君 いや、いいです。 そこで、三十八年、三十九年の警察官の不祥事件というか、そういう事件を起こして懲戒処分になった状況、三十八年度、三十九年度はできていると思いますが、これはどの程度あるのですか。内容的に分類してどういうふうになっているのか……。
○政府委員(江口俊男君) 三十年度からの書類がこの中にあって、先ほど私読みましたけれども、いまちょっと見当たらないのですが、あとでまた必要あれば詳しく申し上げますが、三十八年には合計七百二十八件、三十九年には七百七十七件という懲戒処分の事例が報告されておりますが、御参考までに私の記憶では三十年ごろがピークでございまして、数からいえば二千件くらいあったと記憶いたしておりまするが、その後漸次減ってまいりまして、最近は七百件から八百件の間を横ばいという状態でございます。
○稲葉誠一君 いまのは懲戒免ですね。そうすると、そのほかに、実際懲戒処分と同じようなことをやっていながら、懲戒処分ではなくて依頼免にしておる、こういうものが相当あるのじゃないですか。
○政府委員(江口俊男君) いわゆる依願免の形をとる——われわれの内部ではこれを諭旨免、本人が必ずしも自分から願い出て自発的にやめるということではないけれども、不適格者だとして解職をしておりまするけれども、これを懲戒処分にするには少し酷過ぎる、しかしそういう人物を将来置いておっても警察としては適当でないという者について、旨を示してやめさせるというのが年々二、三十件ございます。
○稲葉誠一君 年々どのくらいあるのですか。
○政府委員(江口俊男君) 二十件ないし三十件くらいでございます。
○稲葉誠一君 その程度ですか。それははっきり各警察本部で出さないのでわからないのじゃないですか。いまの三重の四日市の事件も諭旨免職でしょう。懲戒処分ではないですね。これなんか、その少年を三人がかりでなぐったり何かしていて、それで懲戒処分になっていないのですか。 〔副主査退席、主査着席〕
○政府委員(江口俊男君) 私のほうまで上がってくるそういう性質のものは、去年は十八件、一昨年は三十件といっておりまするから、二、三十件に間違いございませんが、ただいまおっしゃるように、そういうところまでしないで、あるいは依願免の形でやっておるのがその以外の数にあるかもそれは存じません。しかし、先ほどあげたような三重県の事例のようなものは当然この中に入ってまいります。
○稲葉誠一君 その三重県の例は、諭旨免職でしょう。懲戒処分ではないでしょう。だから、これだけ少年をなぐったり何かしていて、傷を負わしたり何かしていて、そうしてこれは懲戒処分にしないのですか。これはどういうわけなんですか。
○政府委員(江口俊男君) それは、諭旨免と懲戒処分と依願免の三種類についてはもちろん御承知だと思いまするが、懲戒処分の種類は、上から申し上げて、懲戒免職、停職、減給、戒告ということになっておりますが、懲戒処分とすれば減給ぐらいあるいは停職ぐらいというものであっても、これは鍛え方により、あるいは一時の間違いであってあと注意をよくすればりっぱに更生する、警察官としても役に立つという者については、懲戒処分をもって臨んだ場合がいいことは言うをまちませんので、その例が圧倒的でございますが、中には、その事案そのものについては懲戒処分としては減給あるいは戒告ぐらいだけれども、これはどうも同じことをしょっちゅう繰り返すとか、あるいはその成績上必ずしも部内にとめ置くことは適当でないというような者については、特にこちらの方から本人の意思というものを喚起してやめたらどうだということでございまして、これは普通の懲戒免よりは有利でございますが、依願免よりは不利でございます。たとえば、特別のそのときにおける昇給でありますとか、あるいは階級を上げるとか、いろいろなまあ普通にやめる人に対してはできるだけの特典を施しておりますけれども、そういうことは一切やらないでやめさせるという中間的なものだと御理解いただいてけっこうだと思います。
○稲葉誠一君 それは中間的かもしれませんが、履歴書には載らないのでしょう、諭旨免というのは。
○政府委員(江口俊男君) まあ不起訴の中に起訴猶予があるようなもので、履歴書の文面からははっきりした形は載らないと思います。
○稲葉誠一君 だから、三重県のいま言った四日市の例などは、当然懲戒免職にすべきものではないですか。それを諭旨免にしているということはどうもよくわからないんです。そこら辺のところで非常に自由裁量の余地をたくさん残してやっているというところにぼくは問題があると思うんですね。諭旨免というのは、いま言ったように、二十件や三十件じゃないのじゃないですか。各県警本部が警察庁のところに報告しないのじゃないですか。自分のところの恥になるから、当然諭旨免になるようなものを普通の依願退職の形にしているものもあるし、そこら辺は警察としてはつかんでいないというのがほんとうじゃないのですか。なぜ三重県四日市の例が懲戒免職にならないか。恩給まじかであるとかなんとかであれば、懲戒免になると恩給がつかなくなっちゃう、退職金がつかなくなっちゃうので気の毒だというものが確かにあると思うんですよ。ところが、この場合は二十幾つかの巡査でしょう。そういうことはあり得ないわけですね。
○政府委員(江口俊男君) 諭旨免にします際には、ただいまおっしゃったような多少行為は懲戒免に近いものがあっても、職を離れてすべての恩典というものをなくするのはかわいそうだということでそうする場合も間々ありますけれども、三重の場合なんかは、やはり懲戒処分としては、懲戒免に及ばざるもの、やはり減給処分か停職かという判断であったと思いますし、しかし、それを長く置くことによってさらに同じような事案を積み重ねるおそれがあるということで、やはり警察の組織からは排除したほうがいいという判断で県の委員会では決定したものだと私は考えております。
○稲葉誠一君 警察の各県警本部のどの程度の警察官の非行があった場合に警察庁へ報告するというふうにたてまえはなっているんですか。
○政府委員(江口俊男君) 御承知のように、警察官の種類、身分に二つありまして、国家公務員である警視正以上の懲戒処分につきましては、当然国家公安委員会で懲戒をするわけでありますから、事こまかにそれは全部出てまいります。それから警視以下の職員につきましては、府県の懲戒委員会において任命権者である府県本部長の処置によるものでありまするから、その点多少のまちまちになる点がないとは申せませんが、報告といたしましては、事後の報告は、懲戒処分に付した事案、人名、件数というようなものは戒告以上全部報告には相なるようになっております。
○稲葉誠一君 これは国家公安委員長がおいでですからお尋ねをするのですが警察官がこういうふうに非行、ことに犯罪を犯している者も相当あるわけですよね。それで、これらのことについて非常に近来新聞をにぎわしているわけですが、なぜそういうふうなことが起きるのか、そういうことが起きないようにするためには一体どういうふうにしたらいいか、こういうふうなことについてどういうふうにお考えでしょうかね。前より少なくなったんだから、横ばいなんだからまあいいんだというふうなことなんですか。まさかそういうことではないでしょう。
○国務大臣(吉武恵市君) 警察官の紀律につきましては私も特に意を用いているところでございまして、そういう非行が絶対にあり得べきことではないと存じます。しかし、事実として御指摘になりましたようになかなかあとを断ちませんことは遺憾に存じているところでございます。この対策といたしましては、やはり採用のときによく見て採用するということが第一点でございます。なお、採用いたしましても平素の教養訓練というものが大事であると思います。それともう一つは、御指摘にありましたように、そういう非行がありましたとき一罰百戒の処置をとつてそういうことを起こさないように戒しめるという処置が必要かと思います。先ほど来警察庁長官が申しましたように、私もこの点につきましては特に意を用いているつもりでございますが、最近の警察官の状況は、紀律も非常によくなっておりまするし、また、素質もよくなっていると思っております。これはまあひいき目のことばかもしれませんけれども、私視察をいたしました際の感じから申しますると、たいへんよくなったなあという感じをしておるところでございますが、しかし、事件はあとを断ちませんので、今後とも注意をいたしまして、さようなことの起こらないようにひとつ処置をいたすつもりでおります。
○稲葉誠一君 いま、警察官のいろいろな問題の中で、いろいろありますね。たとえば、ふざけてピストルを撃った警察官が同僚に大けがをさせたとか、あるいは、久留米で例の売り上げ金を盗もうとした警察官が免職になったとか、いろいろあるわけですが、結局一つの問題として、警察官に採用された者が一年間の警察学校の教育で実務につくということ、非常に速成的なシステムが問題なんだと、これは一部で指摘されておるんじゃないですか。一年間ではとても警察官として無理じゃないかということですね。ぼくは警察学校で教えたこともあるんですが、どうも一年間では無理じゃないかという気がするんですが、いまでも一年間ですか。
○政府委員(江口俊男君) 現在でも、継続的に入れてから卒業させるまでの期間は一年でございますが、おっしゃるとおり、一年間では十分ではないということで、その後数カ月を過ぎてから現在補習という名前で四カ月間の補習教育をやって、すべての実務につく。だから、一年四カ月というのが最小限の教養期間になっております。しかし、御承知のように、巡査部長になりまする際にはさらに数カ月、警部補になりまする際にはまた同様に数カ月、警部になるときには一年ないし半年の教育を受けるというようなわけで、警察界におきましては、学校を出たからそれで終わりということでなしに、とにかく最後まで数カ月ないし一年近くの教養というものをときどき繰り返してやっておりまするから、その点は他の社会よりもむしろ多いんじゃないかと思います。ただ、警察官を採用しまして街頭に立たせるまでの期間が一年しかないということについてはいろいろ問題がございますが、最近の採用状況、収容人員というようなことからして、それ以上一時長く置くというわけにはいかないかと思います。 ちなみに、昭和二十二年当時の一斉増員時代は、同様に早く充足するというようなことで、収容力の関係等から半年以下で出したような事例もございます。
○稲葉誠一君 いまの問題、いろいろ問題があると思いますが、そこで予算の問題に入っていきますが、昭和四十年度予算、この四角い大きなものの百九十ページ、警察庁のとこで、項が警察庁ですね、刑事警察に必要な経費十一億一千七百七十三万八千円ですか、この内訳はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(浜中英二君) 刑事警察に必要な経費の内訳は、諸謝金が千六百六十三万円、それから検案及び解剖謝金が二千六百六十四万円、それから職員旅費が三百五十八万円、活動旅費が四億八千三百二十七万七千円、庁費が四千三百十四万五千円、装備費が二億九千七百九十四万八千円、電子計算機の借料八百二十四万円、捜査費が二億三千八百二十六万六千円、こういうような内訳になっております。
○稲葉誠一君 この刑事警察に必要な経費の前年度予算額と四十年度要求額との開きはどの程度ですか、どの程度増額ですか。
○政府委員(浜中英二君) 刑事警察の関係では、ただいま申し上げましたほうが国費でございますので、補助金の関係に約十億近くの補助金がございまして、全体といたしまして補助金を倍額に計算いたしましたときには約三億の伸び率になっております。
○稲葉誠一君 その補助金は別として、ここに書いてあるもので言うと、約一億一千万ですか。
○政府委員(浜中英二君) さようでございます。
○稲葉誠一君 警備警察に必要な経費二十七億四百六十四万五千円ですか、このおもな内容はどういうのですか。
○政府委員(浜中英二君) 非常勤の職員手当が七千八十五万円、諸謝金が七十八万八千円、職員旅費が千二百六万四千円、活動旅費が十三億三千七百十六万九千円、庁費で二百四万円で、警察の装備費で八千四百七十四万円、土地建物の借料が八十六万一千円、捜査費で十一億九千五百二万二千円、各所修繕が三十五万円、被収容者食糧費が七十五万円、以上でございます。
○稲葉誠一君 警備警察に必要な経費の伸びを見ると、約三億三千万ぐらいですか、去年よりふえておりますが、これは何がおもにふえたのですか。
○政府委員(浜中英二君) 活動経費でございまます。
○稲葉誠一君 活動経費が三億三千万円ふえたその理由はどこにあるんですか。
○政府委員(浜中英二君) 正確に申し上げますと、活動経費といたしましては二億七千八百三十五万円の増でございますが、これは最近の治安情勢にかんがみまして、極端な右翼あるいは左翼の取り締まりに必要な経費でございます。そのために必要な、そのための活動経費でございます捜査費あるいは旅費でございます。
○稲葉誠一君 保安警察が四億九千六百万円ですか、交通警察が四千八百八十万ですか、ここに書いてあるのは。これは交通警察が非常に少ないのじゃないですか。
○政府委員(浜中英二君) 御承知のように警察費の負担区分は、警察法の三十七条の二項によりまして、原則といたしまして都道府県が支弁することになっております。ところが、警察法の施行令の二条によりまして特定のものだけが国で負担するというふうに負担区分が規定されておるわけでございます。ところで、交通警察につきましては、事柄の性質上、国で国庫負担をするところのそういう性格になじまないものがありまして、大部分が補助金で支弁いたしております。そういうわけで、国費に上がってくる分がきわめて少ない状況になるというわけであります。
○稲葉誠一君 そこで、百九十二ページにありまするこの活動旅費ですね、二十二億六千百万円ですか、これの刑事警察と警備警察との内訳はどうなっているのですか。便宜、警察を刑事警察、保安警察、交通警察、警備警察の四つに分けて、活動旅費の内訳を説明してもらいたいと思います。
○政府委員(浜中英二君) 活動旅費は、いま御指摘のような国費で二十二億七千六百八万九千円、補助金で十三億四千六十四万一千円、合計で三十六億一千六百七十三万円になっております。この内訳を申し上げますと、実は刑事関係は国費と補助金とに分かれておりますので、私どもの計算では、普通補助金対応額を倍と計算いたしましておるのでございますが、そういう角度からお示し申し上げますと、刑事関係では国費で四億八千三百二十七万、補助金で十二億七千九百六十四万円、合計十七億六千二百九十二万三千円というのが刑事関係でございます。保安関係では、国費で三億八千四百八十九万七千円、補助金で五億三千六百六万四千円、合わせて九億二千九十六万一千円、交通関係ではただいま申し上げましたように、国費は千九百六十七万三千円、補助金のほうでは一億一千六百九十八万八千円、合わせて一億三千六百六十六万一千円、警備関係は国費ばかりでございまして十三億三千七百十六万九千円、そのほかに七億九千万ばかりございます。これは外勤の日額旅費とか、あるいは教養、通信、科学警察研究費、皇宮警察の各事項に含まれている旅費でございます。
○稲葉誠一君 いまの、活動旅費の内訳ですか。
○政府委員(浜中英二君) さようでございます。
○稲葉誠一君 いまの何か二十二億七千幾らといわれましたね。四十年度要求額は二十二億六千百四十三万四千円じゃないのですか。
○政府委員(浜中英二君) 皇宮警察の活動旅費千三百九十四万も合わせて私申し上げましたので、そういう意味で数の違いが出てまいりました。百九十三ページ……。
○稲葉誠一君 わかりました。 警察装備費はどういうふうになっていますか、八億五千幾らの……。
○政府委員(浜中英二君) 警察装備費は予算書に出ております。装備費は、大きく分けまして五つの事項に分れておるわけでございますが、一つは、警察庁の一般行政に必要な経費といたしまして七千百二十八万五千円、警察機動力の整備に必要な経費の事項に出ておりますのが三億九千七百七十九万二千円、それから飛びまして刑事警察に必要な経費というところに二億九千七百九十四万八千円、保安警察に必要な経費が百五万一千円、警備警察に必要な経費が八千四百七十四万円、そのほかに、項が変わりまして、皇宮警察本部で千三百二十四万円の警察装備費が計上されてございます。
○稲葉誠一君 捜査費十五億——十五億五千六百十九万八千円ですか、その内訳はどうなりますか。刑事警察と、保安、交通——交通でも捜査費というのはあるのですか、それから警備と分けて。
○政府委員(浜中英二君) 捜査費関係では、先ほど申し上げましたような計算で国費と補助金とを合わせて申し上げますと、刑事関係で五億三千六百六十六万四千円、保安関係で一億七千六百五万円、交通関係で二千九百八十三万円、警備関係では十一億九千五百二万二千円、その他九百九十万円、以上でございます。
○稲葉誠一君 警察費の部門別内訳、いま言ったような活動旅費と、警察装備費と捜査費——警察装備費は別かもわかりませんが、活動旅費と捜査費だけを分けるのじゃなくて、足して、そうしてはたして警察費の部門別内訳が出るのかどうか、ちょっと私も疑問なんですが、これは人件費は全部別なんでしょう。
○政府委員(浜中英二君) 人件費は全然別でございます。
○稲葉誠一君 そうすると、警察費の刑事局、保安局、交通局、警備局と、この四つに分けて部門別の金額ですね、それは国費と補助金もあるわけですが、いずれにしても、三十七年度、三十八年度、三十九年度、四十年度と、こういうふうに分けてひとつ一覧表をぜひいただきたいというふうに思います。実は、三十七年、三十八年、三十九年は、私が委員会の調査室を通じてあなたのほうから調べてもらったものはあるんです、ここに。ですけれども、四十年度のものがそれと同じようなものがいまあるとすれば、ここで承りたいのですが、なければ整理したものをいただきたいと、こう思うんですが、三十九年度は、刑事局が、国費と補助金を合わせて三十億一千二百三十三万一千円ですか、保安局が十二億一千四百七十三万六千円、交通局が九億二千八百十二万九千円、警備局が、これは国費だけですが、二十四億四千八百十七万一千円と、こうなっているのですが、これは違っていますか。四十年度はどういうふうになりますか。もう一ぺん整理した形でひとつ……。
○政府委員(浜中英二君) 大ざっぱに申し上げますが、刑事警察という項では、国費と補助金を合わせまして約三十一億余りであります。ただ、刑事警察というのは、刑事警察という事項の中の予算を合わせましたものでございますが、しかし、現実には刑事の増員とか刑事の装備とか、そういうものは除外いたしておりますので、そういうものを広い意味で刑事警察ということに解釈いたしますと、さらに四十数億になろうかと思っております。それから保安警察では、十二億八千万でございます。それから交通警察は、国費と補助金とでは十二億でございます。しかし、交通の現実の予算が府県でどのように出されておるかということになりますと、交通は、御承知のように、免許の手数料等を県に納めまして、その還元と言ったらおかしいですが、そういう財源をもとにして県単でかなりの費用を出していただいておりますので、交通関係ではこれはそういうものを合わせますと四十億ぐらいになろうかと思っております。それから警備警察では、先ほどお話がございましたが、四十年度は二十七億でございます。そのほかに、これは通信とか装備とかそういうものを合わせました機動力、これを国費と補助金とを合わせまして六十八億、そのほかに施設等が四十六億、こういうような大ざっぱな見当になります。
○稲葉誠一君 それは、外勤はどこに入れているんですか。外勤は別にいまの中に入っていないわけですね。
○政府委員(浜中英二君) 外勤は、ただいま申し上げました保安警察の中に入っております。
○稲葉誠一君 機動隊は、いまはやっぱり五千七百ですか。もっとふえたんですか。
○政府委員(浜中英二君) 機動隊の定員は依然として五千七百であります。
○稲葉誠一君 その機動隊はどこへ入るのですか。警備局に入るのですか、入らないのですか。
○政府委員(浜中英二君) 警備局の予算に入っております。
○稲葉誠一君 入っているんですか。
○政府委員(浜中英二君) はい。
○稲葉誠一君 人員の場合には、機動隊は警備の中に入らないのじゃないですか。その他というところに入るのじゃないですか。
○政府委員(浜中英二君) 人件費は、全部、警察庁の一般行政に必要な費用の中に入っております。機動隊の現実の人件費はほとんど地方費負担でございますので、府県費の関係になっております。国費関係では全部人件費は別でございます。
○稲葉誠一君 私の聞き方がちょっと悪かったのですが、たとえば都道府県警察官の職種別配置定員というのをもらったわけですよね、前に。機動隊は、そのときは、警備に入らないで、その他というところに入るんだと、こういうふうに説明を聞いていたわけなんですが、それでいまのことをちょっと聞いたんですがね。
○政府委員(浜中英二君) 定員の関係では、お説のとおり、機動隊は警備の定員と別に五千七百人というふうに分かれております。私が申し上げましたのは、機動隊の訓練の旅費とか活動の費用は警備警察の事項に含まれている、こういうように申し上げたのであります。
○稲葉誠一君 そうすると刑事局で扱う一年間の立件数といいますか、検察庁に送るのは、事件件数でどのくらいあるのですか。百三、四十万件ですか。
○政府委員(日原正雄君) 百五十万件が刑法犯の発生でございます。そのほかに特別なものもございます。
○稲葉誠一君 いま百五十万件を突破しているのですか。大ざっぱでいいのですが、そこまでいかないですか。直接のあれではないから、大ざっぱなあれでいいですが。
○政府委員(日原正雄君) 百五十万件を突破しております、五、六万。
○稲葉誠一君 保安局では、検察庁に送る立件の件数はどのくらいですか。あと、交通局、警備局順々に聞きますが。
○政府委員(浜中英二君) 正確には、後ほど調べまして、各部門別に御報告申し上げます。
○稲葉誠一君 警備局は、年間、立件として検察庁に送るのは、大体何件くらいですか。これはわかっているのじゃないですか。
○政府委員(泰野章君) 警備局で扱います犯罪は、たとえば業務妨害とかそういった実際に事件になる場合は、刑法犯とかあるいは暴力行為等、そういったようなものになるわけであります。したがって、統計の上では、一般刑事統計の中に入っております。別にとっておりません。
○稲葉誠一君 そんなことはないでしょう。警備局で扱っているのは立件件数はわかっているのじゃないですか。二千件から二千四、五百件ではないですか。それはわかっているわけですよ。
○政府委員(泰野章君) おもな検挙数につきましては、報告をとって大体わかっております。地方でいろいろこまかな事件を立件するものにつきましては、一般統計の中に入っているものがかなりあろうと思います。そういう点で、明確に事件ということで全体の件数を把握することはちょっとむずかしいのじゃないかと思います。
○稲葉誠一君 前に、きょう議事録を持ってこないのですが、ぼくは聞いたことがある。そのとき、はっきり二千二、三百件というふうに、去年かおととしはそういう答えだったですよ。これは警備局として取り扱ってそうして立件するという形のものなんだから、調べればわかるのじゃないですか。いまわからなければ、あとでもいいですけれでも、わかっていませんか。
○政府委員(泰野章君) よく調べましてお答えいたします。
○稲葉誠一君 そうすると、刑事警察と警備警察とは立場が違うといえば違うかもしれませんが、百五十万件の事件を扱っていて三十一億くらい、そうして、ぼくの調べでは、二千件か三千件を扱っていて二十七億という金を使っている警備警察、この間には、べらぼうな均衡の差というものがあり過ぎるくらいあり過ぎると考えざるを得ないわけですね。警備警察は何も事件を立件するだけが自分の仕事でないと言えばそれまでかもわかりませんが、上がってきたものを考えてみた場合には、あまりにもそこに差があり過ぎて、警備警察偏重という実際の行き方がいま日本の警察の中でとられているわけですね。これは明らかな筋だとぼくは思うわけですね。 交通局関係では、どのくらい立件数があるわけですか。
○政府委員(鈴木光一君) 交通局関係の交通違反の事件の検挙件数は、年間約五百二、三十万件であります。
○稲葉誠一君 約五百万件で約四十億ですか、交通局は全部合わせて。事件の数だけでもちろんあれはできませんけれども、内容によりますから。五百万件で約四十億。刑事警察は百五十万件で約三十数億。警備警察は、はっきりしませんけれども、あとで十分出してもらいますが、きわめて明らかな私の調べでは、二千件かそこらのところで二十七億、約三十億近い金が使われている。これは極端な警備警察偏重なんですよ。だから、刑事警察の人たちに会って聞けば、警備に金が行き過ぎているからといってみんなぶつくさ言っているんですよ。これは公安委員長は御存じないかもしれませんが、刑事警察のほうへ行って聞いてみれば、警備警察のほうへあまり金が行き過ぎて、非常に不平が多いんですよ、警察の中で。こういうふうな内部の配分というものについて、これは十分考慮をし直さなくちゃいけないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、これはぼくらが警察の人に会って聞くと、これははっきりしたことはもちろん言いませんが、言うと差しさわりがあるというので言いませんが、みんな刑事関係の人は、警備のほうがいい、待遇がいい、昼めしを食べるのでも食べるものが違う、片っ方はラーメンを食べているのに、片っ方はカツどんを食べて、警備警察のほうが金がふんだんにあるといってうらやんでいるんですよ。出世は警備警察のほうがうんと早いんです。各県の警察本部に行って署長になる人の経歴を調べてみると、警備警察の人が出世が早いんです。なぜかといったら、警備警察のほうは頭がいいから早いのはあたりまえだと書いているんですけれども、頭がいいか悪いか知りませんが、あまり内部のことに立ち入るのはなんですからこのくらいにしておきますけれども、いずれにしても、警備警察のほうに金が行き過ぎて、交通とか刑事とかそういう方面に金が行っておらないというような非常に偏重した日本の警察のあり方がとられているということは事実なんです。いまここであなたから私は聞こうとは思いませんけれども、事実として指摘しておきます。これは警備警察としてどういうふうな立件数があったかということが明らかになってからもう一ぺん質問しますから、これは警備警察のほうで明らかにしてもらいたいと思います。 そこで、もう一つは、都道府県の警察官の職種別配置定員というのは、これはどういうふうになっておるのですか。私がもらった表では、警務、捜査、鑑識、それから防犯保安は一本にして、防犯保安、交通、外勤、警備、その他と、こういうふうに分けて表を前にもらったことがあるんですが、三十九年が十四万二千七百十人になっておるんですが、四十年度の定員としてはどの程度のことに考えているわけですか。
○政府委員(浜中英二君) 四十年度は、総計が第一線が十四万七千四百、これの配分は、四十年の一月一日現在で申し上げさしていただきたいと思いますが、警務関係四千百九十九名
○稲葉誠一君 前より減っているですね。
○政府委員(浜中英二君) 総監とか本部長とか署長を合わせますと、それに千二百四十七がプラスになりますので、それがもし別々になっておりますと、数は少なくなります。捜査関係は二万二千三百十四、鑑識が二千九百二十一、保安防犯が一万四十六、交通が一万九千三百五十六名……。
○稲葉誠一君 前より減っていませんか。二万二千三百五十九人と言っている、三十九年は。
○政府委員(浜中英二君) 増員完了後そういう形になるわけでございます。ちょうどそれに三千を足しますとその数になります。それから外勤が五万一千六十一と、警備が一万八千六百十六、機動隊が五千七百、あと見習生でございます。今度四月一日にさらに刑事関係の増員が三千五百名ございますので刑事関係がふえることになりますが、現在の状況は以上でございます。
○稲葉誠一君 そうすると、機動隊の五千七百というのは前に聞いた予算の中では警備局の中に入っているということでしょう、あなたの言われることによると。ですから、警備の一万八千六百十六人に機動隊の五千七百を加えると、二方四千三百十六になって、捜査に当たる二万二千三百十四人より警備のほうが多いわけですね。これはこういう数字になるわけでしょう。
○政府委員(浜中英二君) 機動隊というものの数をそういうふうに計算いたしますと、御指摘のとおりになるわけでございますが、ただ、機動隊の任務と申しますとすべて警備警察というふうなわけでございませんで、機動隊は、災害の警備とか、雑踏の警戒、あるいは交通とか、各府県におきましてはいろいろな分野に活動いたしております。治安警備だけが機動隊の任務だというふうにはなっておりませんので、その点はひとつ御了解願いたいと思います。
○稲葉誠一君 もうさっき私は警備局の予算の中に入っておるのかと聞いたら、入っておるというお話じゃなかったですか。だから、主として警備局のことじゃないですか、現実にやっていることは。
○政府委員(浜中英二君) 予算といたしましては警備局の事項に入っておりますけれども、その内容は必ずしも治安警備が重点ではございません。
○稲葉誠一君 それはおかしいじゃないですか。何のために毎日柔道をやったり、剣道をやったりしているんですか。毎日柔道ばかりやっているのじゃないですか。安保のときなんか出かけて行ってやるとか、そういうことばかりやっているじゃないですか。だから、警備局のほうに入っているのじゃないですか。それを加えると、警備のほうが捜査より人数が多いのじゃないですか、警察官として。そうでしょう。それじゃ、いま、機動隊五千七百を警備警察の中に加えてごらんなさい。全部が機動隊が警備関係ばかりでないといっても、警備局の予算の中に入って、主たる仕事がそれなんですから、それを加えれば、現実に捜査の人員よりも警備の人員のほうが多いのじゃないですか。それは認めざるを得ないのじゃないですか。
○政府委員(浜中英二君) 刑事関係は今度五千の増員がございましたので、刑事関係の人員は二万七千三百十四人でございます。かりに機動隊の定員を警備局に合わせましても二万四千三百十六で、刑事関係のほうが数といたしましては三千ばかり多いという結果でございます。
○稲葉誠一君 五千増員したというのは、いつ増員したのですか。いま説明したのは、四十年一月一日現在で説明したのではないですか、ぼくに。
○政府委員(浜中英二君) 四十年の一月一日現在に千五百名増員になりまして、それから四月一日現在で三千五百増員に相なることになります。したがいまして、いま申し上げましたのは一月一日の状況でございますので、さらに四月一日にはそういうふうな数になるということでございます。
○稲葉誠一君 わかりました。そうすると、一月一日で千五百名増員したというのは、それはいつの予算できまったのですか。
○政府委員(浜中英二君) これは三十九年度の予算でございます。
○稲葉誠一君 それは捜査だけですか。今度三千五百名の捜査だけの増員が組まれているわけですか。
○政府委員(浜中英二君) 今度の増員に捜査だけの三千五百名が計上されております。 なお、刑事関係と申しまして先ほど二万七千と申し上げたのでありますが、そのほかに刑事の鑑識要員が三千名ばかりございます。
○稲葉誠一君 いまのはいろいろこまかい計算があると思うんですが、そうすると、捜査が二万二千三百十四名に千五百名いまの段階では加わっているという段階と、それから警備の機動隊がこう入っているということを加えれば、いまでは若干警備のほうが人数が多いという計算になるわけですね。四月一日に三千五百名入ってきて捜査のほうが多くなる、こういうふうに数字の上ではなるわけですね。だけれども、外勤というものも、ある程度は実際は警備警察の仕事をやっているのじゃないですか。
○政府委員(浜中英二君) 外勤は全般的な仕事をやっておりまして、巡回連絡とか、見張りということをやっておりますので、必ずしもどの部門だけを専門にやるということはございません。警察のそのときの状況に応じまして、交通を取り締まりをしたり、あるいは青少年の指導に当たったり、また警備の仕事も、場合によってはそういう出動警戒に当たるということもございます。
○稲葉誠一君 いま職種別配置定員で明らかにしたことでもわかるように、捜査の人員と警備の人員とがほとんど匹敵しておる。むしろ警備のほうが多かったような状況にあった、今度変わるとしても。いま予算を見てもそうだし、人員を見てもそうなんですが、極端に日本の警察機構というものが近来一般捜査や交通から変わってきて、警備警察、いわゆる公安警察というものに重点が移ってきて運営をされているということは、ぼくがいま言った数字あるいは人員からも明らかであるというふうに考えるわけです。実際の事件としてはきわめて警備警察の扱う事件は少ないんです。これはあとから出てくるとわかりますが、こういうような行き方というものを全般的に改めなければ警察の民主化というか運営というものができないんだというのが私の一つの考えですが、その考えを押しつけてどうこうしてもまた始まりませんから、これは警備警察関係の、実際にどれだけの事件を扱って、検察庁にどういう事件で何件送っているか、こういうようなことを明らかにしてもらってからあらためてまた質問をするということにしたいというふうに考えて、きょうの質問はこれで終わります。 なお、いまさっき京都のことでいろいろ説明があった中で、たとえば去年の二月に斎藤という人が巡査ですか、これは少年か、何か京都の警察署が、少年が一一〇番に電話した、そうしたら、行った巡査がその少年をぶんなぐっちゃって、結局それが人権擁護委員会の問題になって、その巡査が免職というか、諭旨免ですか、になったと、こういうような事件もあるわけですよ。これはテレビで人権侵害の形で報導された事件なんですが、非常に京都の警察は事件が多いし、京都だけではなくて、全般的にこのごろそういうような人権侵害の事件が大きくなっておりまするから、そういうふうなものについてもいずれいろいろな角度から資料が集まったものについてはただして、姿勢を正すという方向に進みたいと思っております。 きょうは質問はこれで終わります。
○主査(中村順造君) 以上をもちまして内閣及び総理府所管に関する質疑は終了したものと認めます。 これをもって、昭和四十年度総予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府のうち防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除く全部、及び法務省並びに他の分科会所管外の事項の審査は全部終了いたしました。 なお、予算委員会における報告の内容及び審査報告書の作成につきましては、慣例によりこれを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(中村順造君) 御異議のないものと認め、さよう決定いたします。 これにて散会いたします。 午後四時十四分散会