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48回国会参議院1965/03/23

予算委員会 第16号

発言数
245
登壇者
33
会派数
2
開催日
1965/03/23

会議録

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) ただいまから、予算委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について御報告いたします。  昨二十二日、市川房枝君が辞任され、林塩君が選任されました。  本日、高山恒雄君、曾祢益君が辞任され、田畑金光君、向井長年君が選任されました。     —————————————

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 昭和四十年度一般会計予算、昭和四十年度特別会計予算、昭和四十年度政府関係機関予算、以上衆議院送付の三案を一括議題とし、昨日に引き続き、質疑を行ないます。  この際、昨日の理事会において、分科会の件について協議いたしましたので、その内容について御報告いたします。  分科会の審査期間は、来たる二十六日、二十七日及び二十九日の三日間でございます。分科会の数は四個とし、おのおのの所管及び分科担当委員数と、これが各会派別の割り当ては、お手元にお配りしてあります刷りもののとおりといたしました。  分科担当委員の選任は、先例によりまして委員長において指名する方法によること、及び分科担当委員の変更については、その取り扱いを委員長に一任することにいたしました。  また、分科会において参考人の出席要求を決定したときは、その取り扱いを委員長に一任することにいたしました。  ただいま報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 次に、参考人の出席要求についておはかりいたします。  中村順造君から、本日の同君の質疑の際、次の参考人の出席を求められております。  水資源開発公団総裁進藤武左衛門君、海外経済協力基金総裁柳田誠二郎君、日本原子力研究所理事長丹羽周夫君、新技術開発事業団理事長鈴江康平君、日本開発銀行総裁平田敬一郎君、社会福祉事業振興会会長葛西嘉資君、農地開発機械公団理事長松本烈君、日本中央競馬会理事長石坂弘君、石油資源開発株式会社副社長岡田秀男君、日本中小企業指導センター理事長越智実君、雇用促進事業団理事長万仲余所治君、日本住宅公団総裁挾間茂君、首都高速道路公団理事長神崎丈二君、日本鉄道建設公団総裁太田利三郎君、私立学校振興会理事長岡田孝平君。  以上の諸君を参考人として出席を要求することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 御異議がないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) これより質疑に入ります。藤田進君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私は、まず最初に、大詰めに差しかかったと伝えられております日韓交渉につきましてただしたいと思うものであります。  まず最初に、外務あるいは農林大臣から、昨日までの交渉経過の全貌について、この際、当予算委員会を通じて国民の前に明らかにしていただきたいと思います。あわせて、昨日、総理を含めて四者会談が持たれておりますことが、内容を含めて報道せられておりますが、この際、直接その内容について確かめたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 日韓交渉の全般につきましては外務大臣から申し上げることと存じますが、私のほうの担当しております漁業の問題につきまして御報告します。  日本といたしましては、再々申し上げておりまするように、李ラインを実質的に撤廃したいということと、日本漁船の操業実績を確保したいと、こういう二つの目標を持ちまして交渉を続けてまいっておるわけでございます。  第一の、李ラインの実質的撤廃につきましては、一つは、韓国の一方的な管轄権が公海にまで及ぶ、すなわち李ラインのような、そういうことが協定上及ばないことを明白にするために、十二海里の専管水域を設けるということで、これはほとんど話がまとまっております。あとで申し上げまする済州島のところが残っておりますだけでございます。  その外側でございますが、漁業専管水域の外側の公海上に共同規制水域を設けまして、その水域の漁業は両国が平等公平な規制を受けること、こういうことで共同水域を設けること。その水域の帯状の幅等につきましても、ほぼ一致しております。これが第二でございます。  第三は、専管水域の外の公海におきましては、取り締まり権限は旗国——旗の国の専属とすることを明確にする。そうして、公海上に一方的な管轄権が及ばないようにする方針で進めておりまして、おおむねその主張を貫徹いたしたものと考えております。  次に、日本の操業実績の確保につきましては、出漁する隻数について、おおむね日本の実績によることがめどがついておりますが、最終的にはまだきめておりません。この隻数を調整するめどとして、漁獲量については、おおむね日本の現状の漁獲量とすることができたと考えております。すなわち、十五万トン、アローアンス一〇%、最大は十六万五千トン、これは隻数のめどということになっておりまして、協定の書き方等につきましては隻数をもって書こうということになっておりまして、量につきましては合意議事録等に回す、こういうことに話し合っております。  そこで、いま残っております問題は、この隻数が最終的に確定していない。ほとんど私どもの実績を認めておりますが、まだはっきり確定していないということが一つ。  それから専管水域の線を、外側の線をきめるにつきまして、済州島の関係がございます。済州島につきましては、韓国側は直線基線をもって朝鮮半島から済州島を囲む、こういう考え方で去年から来ておったのであります。私どものほうでは、それは国際慣例に沿わない、すなわち、半島のほうは直線基線で線を引く、済州島のまわりは低潮線から十二海里の線で専管水域の外側に線を引く——済州島は低潮線から十二海里、半島のほうは島をつないだところから直線基線で十二海里、そうすると、両方くっついてしまいます。くっついてしまったところに東と西にくぼみができます。そのくぼみが紛争の種になりますから、そこへ入らないように、日本側で入らないようにしようじゃないかということで、東側においては百二十七度十三分までは線を引いて、そのくぼみには入らないようにしようという話になっておりますが、西側につきまして、私どもは十二海里、専管水域の長さ十二海里の内側にそういう線を設けていくべきだという話と、韓国側では外側に沿うて線を引くべきだということで、話が一致いたしません。一致しないままになっております。  でございますので、問題は、わがほうの出漁する隻数がまだ最終的にきまっておらないということ、済州島近辺の専管水域の線の引き方について両国の意見が一致しない、こういう点でございます。  また、昨日の会議について、どういうことであるかということでありますが、これは漁業協力資金でございます。御承知のように、無償、有償及び民間の資金で協力するというような「大平・金メモ」というようなものがございます。そういうようなことで、漁業協力につきましては、そのハ項の一億ドル以上の民間資金というものの中で漁業の協力をするということに相なっておりますが、その額——これは民間でございますが、その額あるいは金利等につきまして、向こうの要求をいれるというわけにはまいりません。しかし、この問題は、そういう請求権の問題等の関連もございますので、日韓の問題が最終的にきまるときにきめていこう、また、漁業の問題でいまきめていくよりも、最終的にきめたほうがよかろう、こういうことであとに回したわけでございます。同時に、いま済州島の問題で基線の問題が一致しておりませんが、日本側の主張を通すように、なお交渉を進めていく、こういうような話になっておるわけでございます。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 第七次日韓漁業会談は、昨年の十二月三日から開催されております。基本関係、在日韓国人の法的地位、漁業問題並びに請求権の問題等につきまして、逐次会談を進めつつある状況でございます。  基本関係の問題につきましては、私が去る二月十七日から二十日にかけて親善のために訪韓の際に、基本条約はイニシアルの交換をみた次第でございます。  法的地位につきましては、だんだん会談が進捗いたしておりまして、退去強制という問題、あるいは処遇の問題等につきまして、だんだん会談が進行しておりますが、まだ終局の結論を見ておらない段階でございます。  それから請求権の問題につきましては、金・大平了解を基礎にしてこれから会談を進めるわけでございますが、まだ細部の点につきましていろいろ問題があるのでございます。  漁業の問題は、ただいま農林大臣から詳しく説明されたとおりでございます。  なお、その他、拿捕漁船に対する損害の問題、あるいは従来の日韓貿易の焦げつきの問題であるとか、あるいは文化財の問題であるとか、竹島の問題であるとか、いろいろ諸案件がございますが、これらの問題も、これからだんだん協議を進めてまいるつもりでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 昨日の四者会談の内容についてお伺いいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま御報告申し上げたとおり、済州島方面の基線につきましての争いにつきましては、わがほうの主張を通すべく交渉を進めるということであります。  それから漁業協力資金につきましては、大平・金メモのハ項の条項に従って、その線を守るべきであるけれども、これは漁業の交渉ばかりでなく、請求権その他の問題とも関連があるので、漁業の交渉の場できめるというよりも、最終的にといいますか、その漁業等の問題がきまって、そのほか、請求権の問題等の話し合いの進むころにきめたらよかろう、それはあとできめていこうと、こういうことでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そこで具体的にお伺いをいたしますが、どうも見ていますと、従来、国会を通じて、私どももしばしば入れかわり立ちかわり両院におきまして国民の意のあるところを政府に対してもただし、かつ、いろいろ主張を続けてまいりました。で、日韓会談そのものの適否についての基本的問題は一応保留いたしましても、現在までの交渉を見ますと、小坂外相あるいは大平外相以来、漸次、椎名外相に至りまして軟弱ぶりを示されて、結局、漁業専管水域——禁漁区域についても、赤城試案が出されて以来、まあ後退に後退を重ねてまいりました。ことに済州島北側については、これが内水化を認める結果となり、最終的に譲らないと主張していたところの東西の済州島基線につきましても、東についてはくぼみができるが、そこには入らないことにしようとおっしゃいますが、百二十七度十三分の線に合意を見られた模様であります。また、西側についても、百二十六度線の主張にもかかわらず、百二十五度五十四の線との対角線を妥協案として提示される。このことだけを見ても、今後の日加米あるいは日ソ等における漁業交渉に、日本の基本的態度として説明しがたいような、将来に大きな問題を残すと私どもは心配をするのであります。何がゆえに、日韓に関する限り、このようにわが日本の基本的権利を曲げてまで、将来に大きな禍根を残して妥結を急がなければならなくなってきたのか。総理は閣議において、大乗的見地からこれを促進する、協力しろと、かけ声があったと言われております。このようなことが契機となって、ますます韓国代表は強く迫ってきているものと理解をいたします。いま説明をせられました、まず第一に漁業関係について見るときに、また、李外務部長官が本日やってまいられました暁は、総理の裁断とかなんとかいったようなことで、うやむやのうちに韓国ぺースに巻き込まれるということを、国民とともに憂えるものであります。この辺の決意なり、また、このようにじりじりと韓国外交に関する限りは、全く軟弱で、妥結をなぜ急ぐのか、基本的な理由を私はお伺いいたしたいのであります。外相、農相、両大臣からお答えいただければ幸いだと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま交渉の最中でございます。まだ終局的に決定したわけではございません。しかし、御指摘の、あくまで主張すべきは主張し、国民的な、国家的な利益を基調として、正当な合理的な会談の妥結を目標として、せっかく努力中でございます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 日本側がだんだん後退していくじゃないかというお話でございます。私はそうは思っていないのです。実は、私の基本的な考え方としては、率直に申し上げますと、去年の考え方は、日韓の国交正常化ができないとしても、少なくとも漁業の問題だけはきめていきたい、こういう去年は考えを持っておりました。その考えはいまでも変わりませんが、日韓の全体として、なお漁業問題が解決することは望ましい。これは私の考え方にすれば、共産国家のソ連とても、漁業の問題は解決して、ブルガーニン・ラインを撤廃して、そうして漁業協定をいたした。あるいは、民間ではありますけれども、中共との間でも、漁業の協定ができております。でございますから、韓国との間におきましても、漁業の問題は、日韓関係が正常化しなくても、これはきめたいというような基本的な私の考え方であったわけであります。幸いに、日韓問題全体として、漁業問題もその中に解決できれば私は望ましい、というのは、ソ連との関係ではブルガーニン・ラインがありましたが、そのブルガーニン・ラインを撤廃さして、そうして漁業交渉が成り立ったように、やはり韓国との間におきましても、李ラインを撤廃さして、漁業の協定ができることが私は望ましいと思いましたので、そういう基本方針に従って漁業の交渉を続けているわけです。  そこで、日本からいえば、率直にいって、李ラインを撤廃しなくちゃならぬ、韓国からいえば、李ライン撤廃には絶対反対だ、これは国辱外交だというような動きがございます。でございますので、交渉の過程において、李ラインを撤廃させるようなことをあまり公表したりすることは、向こうを刺激してこの交渉がうまくいかないことではないかということを憂えましたから、なるべく李ラインの撤廃というようなことを表看板にはしなかったのでございます。  交渉の経過を申しますと、最初に向こうで言ってきましたのは、いまの専管水域、これは十二海里を——直線基線から十二海里が国際的な慣例でございますが、いまの共同水域の外側まで専管水域にしよう、すなわち、李ラインをいまの李ラインの内側の共同水域の外側までに縮小はするといたしましても、そこまでを専管水域にしようというような話があったわけであります。しかし、そういうのは国際慣例にもないし、そんなことを承知できるわけのものでもない。こういうわけで、国際慣例の十二海里に専管水域をするように向こうを納得さしたということなどは一つの例でございますけれども、私のほうが後退したというよりも、向こうが向こうの主張を下げてきた、あるいは、共同水城におきましても平等に漁獲をしていこう、それから、取り締まりあるいは裁判管轄権なども、幾ぶん、日米間にありまするように、向こうの権限を少し残しておきたいというようなことを言いますけれども、そういうことがあっては、これは李ラインの存続と同じようなことであります。そういうことを承知するわけにはいかぬし、そういう話ではだめだというような点、その他たくさんございますが、決して私どもの主張が後退しているのじゃなくて、向こうの主張を相当押えて、そうして両国共同の魚族資源を保存していこう、こういう線で進めたわけであります。  ただ、いま御指摘のように、済州島のところにつきましては、私どもも百二十七度十分までは譲ろうというようなことを言ったのが、十三分まで、まあ話でございまするから、両方との話し合いでそこまでは譲ってもよろしいということにはしてあります。しかし、その間が、済州島と朝鮮半島の間が内水ではございません。いまのお話のような、内水ということは私のほうでは認めません。内水ですと、これは直線基線の内側にもなりますし、領海にもなります。そういうことではございませんで、これはもっぱら専管水域、ですから、あの線の外へ十二海里をとるというようなことでなくて、あの線の中側も専管水域だ、こういうようなことでございますので、決して国際的に私どもが主張できないような立場に話を進めておるということではございません。ただ入り組んだ少数——少ない部分、これは専管水域内並みに取り扱おうじゃないか、これは紛争を避ける意味において、当分、しばらくの間、そういうふうにしようじゃないか、こういうことでございますので、私どもは新聞論調その他におきまして後退したように書かれております。しかし、あまりにこちらが向こうを譲らしたというようなことで向こうの国民感情を刺激して、この問題の解決をかえって阻害するようなことであってはいけないと思いまして、遠慮しながら言っておるのでございますけれども、決して日本の主張というものを後退さしたり、譲りに譲ったというようなことは絶対に私はない。むしろ、向こうを譲らしたほうが交渉の過程におきましては非常に多いと、こういうふうに私は考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは譲ったかどうかは、事実が証明するわけで、だとすれば、最初、基線についての赤城試案などというのは、単なる戦術的に御提示になったのであって、いまきまったのが実は腹だったと言わぬばかりのことのようですが、これは今後の交渉にも響くことなので、そういう御発言はいかがかと私は思うのであります。  なお、内水問題については、事実上、専管水域、禁漁区域として合意に達する以上、いかんともしがたい現実が残ると思うのでありまして、そこで、済州島東側の対立については承りましたが、これはあくまでも対角線という妥協案が出た、このものはいかなる場合も譲らないという決意なのか、事と次第ではこれも変わるのか、お伺いしておきます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 対角線で交渉をしていく、主張していく、こういうことにきのうの話できまっておりますから、その線で進んでいくつもりです。

藤田進日本社会党

○藤田進君 念を押しますが、これは最終的な日本政府、わがほうの結論であると解してよろしゅうございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほど申し上げたような次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そこのところがはっきり言えないと、これは韓国側もきょうの審議の経過は十分検討するでしょうが、じゃあ、譲る余地があるんですね、はっきりそういうことが言えないところを見ますと。きのうの四者会談では、わがほうとしては筋を通すということをきめたとおっしゃるが、これは腰だめなんですな。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 交渉中でございますので、ここではっきりしたことは申し上げられませんが、主張は主張としてそれを通すということにきまっておりますから、その主張をやっていくと、こういうことでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 きわめてあいまいもこたるものであります。そういう態度がむしろわがほうにだんだんと譲歩を求めてくるし、余儀なくそれを譲るということになるかと思います。先ほど来これは、先般小柳委員の質疑に対しても同様でございましたが、李ラインの撤廃、これはもうそれが大前提であるということであったにかかわらず、同じ赤城農相の口から、実質的にこれを、というような文句に変わってまいりました。これはあくまでも実質も形式もない、李ラインというものはもう初めからこれは国際法上反するものであって、この存在を許すわけにはいかないという主張に変更を来たしたやに私は見受けるのであります。「実質的」という特に注釈が入ることは、韓国側においては国内向けに、李ライン、平和ラインは絶対にこれを撤廃しないとしばしば最近も言明しているところであります。これに対して、同じものを、両面からそれぞれ自分たちの有利な解釈にするかのような印象を受けるわけであります。国内法によって韓国はこの平和ラインなるものを規定している。この国内法の措置も何もしないままで、しかも、基本的には撤廃しないということを了解しながら、実質的にはこれを撤廃するというような、あいまいもこたることではなくて、これは、一括解決の基本方針だとすれば、文字どおり、実質も、形式も、もう一切これを撤廃することを絶対的な条件になぜしないのですか、お伺いします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いまのお話のように、初めから国際法に違反しているもので、私どものほうで認めておりません。ないものであります。ですから、実質上ないものになれば、私のほうでは差しつかえない。しかし、その点におきましては、私ども話し合いの中におきましては、交渉の中におきましては、はっきりそういうものをなくするような話し合いをするように、記録にとどめるようなことにいたしたいと、こう思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 せめて記録にとどめて、ああいうものが自今ございませんよということについては、合意に達しましたか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 大体そういう話、合意に近くなっております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 漁労隻数は十五万トンを中心に、上下アローアンスを持つということは、しばしば言われてまいりました。これはまさに韓国ペースだと私はこの前も指摘したのでありますが、その漁労隻数について、ほぼ了解点に達しつつあるという御報告でございますが、これはしかも実績を下回らない——上回るかもしれないようなことを過般ほのめかされておりました。これは隻数にしてその量的にはどういうものを提示されているのかお伺いしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いまなお折衝中でありますので、数は申しかねますが、以西底引き、以東底引き、まき網、それに沿岸漁業は自主的に何隻と、こういうことで実績を確保し、また日本の漁業者がその取りきめによって損害を受けない程度ということで話を進めております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 隻数はわが方としてはそれぞれに分けて、底引き等々隻数は提示されているわけですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 一度は提示しました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 一度提示して、それがどうも向こうさんがいけないということで引っ込めているという現状ですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 引っ込めてはいませんが、それにつきまして、たとえば東海岸の隻数を少し減らしてくれとか何とか、こう言っていますが、それは減らすことはできないということで、それでその提示したものを主張し続けておる、こういうことでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 御説明によると、漁獲量十五万トンというものについては、それぞれ自主的にその量は判断するのであって、お互い間に臨検その他調査をするということではないように伺っておりますが、そうなんですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 自主的に取り締まると、ことに裁判管轄権もそうでございますが、いわゆる旗国主義といいますか、そういうことで臨検等はしないと。もし違反ということがありましたらば、お互いに通報し合って自国の船で取り締まるようにすべきであると、こういうことで、これもほとんどのんでいるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 だとすれば、国会を通じて基線あるいは民間を含む協力資金等、それぞれ説明があるのに、十五万トンの合意があるにかかわらず、隻数が交渉中といえども、公にされてしかるべきだと思うのであります。再度この点をお伺いいたしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 外交交渉の一部分でございます。私どもはそれを低めに譲歩するという気持ちは持ちませんけれども、折衝中の問題をまだ発表する時期には私は達していないと、もう少し煮詰めていかなければ発表のタイミングになっていないと、こう思いますので、いましばらく差し控えたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これはどう見ましても、隻数を提示されたけれども、相当柔軟性を持ったものだという印象を受けるのであります。この点は後日明らかになろうかと思うのでありますが、まことに遺憾であります。  次に、外務大臣にお伺いいたしますが、竹島については、島根県としては古くからその管轄であるということから重大な関心を持っているところであります。先般島根県議会においても問題となりましたのは、大平・金メモによりまして竹島を共同射爆場にすると、そういったことになって、まあゆゆしい問題とされているのであります。その事実関係についてお伺いいたします。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 政府委員をして答弁させます。

後宮虎郎外務省アジア局長

○政府委員(後宮虎郎君) 御承知のとおり、金・大平了解はもっぱら請求権問題に関係する話し合いでございまして、竹島問題には全然当時触れておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 韓国国内における報道等もそのように指摘をいたしているところであります。しからば、竹島はあくまでも日本の領土であるということと、同時に、そのような共同射撃場にするといったようなことは、将来話が出されてもこれは絶対に受け入れないという態度に変わりはありませんか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 竹島の問題につきましては、わがほうとしては、あくまで日本の領土であるという主張をいたしております。韓国はまた韓国の領土であると、そういう主張が対立しておりますので、われわれはあくまでこれは日本の領土である、かような主張を貫きたいと、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 次に大蔵大臣にお伺いをいたしますが、零細漁民に対しては四・五%と、韓国の言う金利水準で協力資金の条約を結んでもいいようなことが、昨日の四者会談で大蔵大臣しぶしぶ認めたかのように報じられているのであります。これは零細であるかどうか、相対性の問題であり、かつ他国のことでもあり、非常に問題が把握しにくいことであろうということと、また、国内の現在内海あるいは沿岸漁業を含む漁業のこんぱいというものがとてもひどいものがあります。こういう国内における措置よりもはるかに優遇をするということが行なわれてまいりますと、これは当然国内漁業政策としてもこのことが適用少なくともされなければと、量的にも、金利その他の条件から見ても思うのであります。大蔵大臣の所見をお伺いいたします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 日韓交渉におきましては、御承知のとおり、有償、無償合わせて五億ドルのほかは、大平・金メモに基づくハ項の一億ドル以上、こういうものでございます。現在漁民に対して四分五厘の低金利を提供するというようなことをきめてはおりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 じゃお伺いしますが、韓国はあくまでも四・五%ということなんじゃありませんか。それに対して、基線問題その他との関連で、場合によればというニュアンスが非常に強くわれわれはその報道の中から受けるのであります。この点いかがですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) ただいま申し上げましたように、四・五%という金利に対しては、先方側がそのような発言をしておられるようでございますが、四者会談でそのようなことをきめた事実はございません。なお、私たちはあくまでもコマーシャル・ベースと、こういう考え方に立っておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 外務大臣、そういうことで、コマーシャル・ベースということはくずさないで交渉をあくまでもがんばっていくということに受け取れるのですが、そのとおりなんでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 交渉中でございますが、その方針で交渉を続けております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 相当大詰めにきたということ、また李東元外務部長官も本日夕方立ち寄られると、四回にわたって折衝を進め、それぞれについて少なくとも仮調印ということの模様でございますが、以上のお答え等から見て、そのようにいくのかどうか、かなり私は疑問に思うわけですが、この点は、大体、今度のアメリカに行かれ、日本に再びおいでになりまする李東元外務部長官の滞日中一週間の間に、大きなめどとしては、仮調印といったところまで運び得るという、また効力をし、かつそのようになるだろうということなんでございますか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 折衝の模様につきましては、にわかに予断するわけにはまいりませんが、われわれといたしましては、あくまで正当な主張を根拠にして、そしてできるだけ早い機会に妥結をしたい、かような方針で交渉に臨んでおりますが、しかし、相手のある問題でありますから、必ずしも私は予断することができない、かように御了解願います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 若干の点は知ることができましたが、しかし、多くの部分が議会に対しても全く秘密にされていることはまことに遺憾であります。何か東南アジアその他の事情から佐藤総理をはじめ、現内閣は相当な条件を譲ってでも早期妥結に重点を置いているように見受けるわけであります。この際いやしくもそのようなあせり、軽率、勇み足にわたらないよう特に強く要望いたしておきたいと思います。  外務大臣に最近のベトナム事情について、わが国との関連をお伺いいたしたいのであります。御承知のように、アメリカはフークイをはじめ、かなり北の地域を爆撃するに至りましたし、その投下爆弾もナパームであるとかあるいはガスであるとか、いろいろ伝えられております。しかも、これはカンボジアの一部も攻撃したともいうし、あるいはタイ国から発進したという攻撃隊の報道もあるわけです。こうなってまいりますれば、テーラー特派大使は近く本国に帰り、さらに三万ないしそれ以上の陸上兵力をここに上陸させるといったようなことも伝えられております。一方、中共ないしソ連も毎日のようにそれぞれの強硬な態度を漸次規模において、また質において強めつつあるように思えるのであります。こうなってまいりますと、わが一億になんなんとする国民は、あるいは戦火が及ぶのではないかとひしひしと身近な問題として心配をしているのが、私先般一週間ほど地方行脚をいたしまして、感じている一つなんであります。イギリスあるいはフランスはこのことをつとに心配をいたしまして、御承知のとおり動きをやりましたが、必ずしも成功をしていない。ことに、アジアにおける重大な関連を持つ、しかも、軍事基地を与えている日本の外相とされて、あるいは内閣とされて、もっと積極的にこの際、これが戦火の拡大、ひいてはわが国の巻き込まれるということのない、国民の納得するその努力というものがほしいと思うのであります。これが対策と、さらに現情勢をどう外務大臣は把握しておられるのか。あくまでもアメリカのいう局地、しかも不拡大でこれが収拾できると、アメリカを信頼していればいいんだというかけ声で国民が納得すると思われるのか、私は疑問に思うのであります。国民はそのようなかけ声ではなかなか安心しない。過去の戦禍を受けた日本としては重大な関心を持つのは当然だと思う。情勢の把握とこれが今後の行動、対策等について詳しくお伺いいたしたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) アメリカの最近の北ベトナム攻撃は、直接の向こうの攻撃に対する報復という限界を越えておる、直接の攻撃に対する反撃と、そういう報復的な反撃でないということは御指摘のとおりだと思います。しかしながら、北ベトナムが人員及び物資を絶えず浸透させ、そしてそれを基礎にいたしまして南ベトナムの内部撹乱をしておる、こういう情勢が継続的に行なわれておるのでありまして、やはり浸透作戦というものが継続しておる。こういう状況に対する一つのやむを得ざる防衛的な反撃である、こう言っておるのであります。その事実にしてこれをまことであるとすれば、わが日本といたしましても、これはやむを得ざる一つの自己防衛の攻撃であると、かように考えておる次第であります。御承知のとおり、米国は南ベトナムの要請によって、その独立と自由を守るために軍事協力をしておるのでありまして、北ベトナムの侵透作戦がはっきりやんだということになれば、自分らの軍事行動を停止する、そして話し合いに入る、こういうことを言っております。北ベトナムは、ベトナムの問題はベトナムにまかせるべきである、アメリカはただ軍を撤退すればそれで問題は片づくと、こういうことを言っておりますが、それでは南ベトナムの独立と自由というものは一体どうなるかという保障が一つもないのであります。そこに両者の食い違いが出てきておるのでありまして、日本といたしましても、この同じアジアに位する一国といたしまして、この動揺、不安定な状況が鎮静することを心から望んでおりますけれども、いまはいかんともいたしがたい状況である。それで戦争に巻き込まれるかどうかという問題でございますが、これはもし日本の基地を利用して、そして直接北ベトナムの作戦行動を行なっておるとすれば、これは当然日米安保条約によって事前協議の対象となる問題であります。しかし、実際問題として非常に地理的に離れておりますから、さようなことは現在起こってもおらぬし、また起こり得ないとわれわれは確信をいたしております。したがって、この戦乱に日本が巻き込まれるということは絶対にあり得ない、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 非常な確信のようでございますが、そのことは即アメリカの今後の作戦の展開において、さらに強化されるということがあるかないかの判断の基礎がなけりゃならぬと思います。加えて、中国あるいはソ連の出方も絶対に直接これが介入はしないという前提があると解さなければなりません。このように外相とされては、あくまでも南ベトナムに対して若干の兵器等の援助があるとしても、直接介入は、いかなる場合においても巻き込まれないという確信からくる基礎としては、中共ないしソ連等がこれに介入はしないという確信がおありなのでしょうか、いかがでしょう。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 中共、ソ連がこの事件に介入するかしないかということは、これは第三者といたしまして、ここではっきり論断することは、差し控えたいと思いますが、ただいままでの情報によりますというと、さようなことはあり得ない、こういうような情報を得ております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いま、外務大臣のところへ届いている各国の兵力の配備状況、ことにバシー海峡一帯、この日本沿岸あるいは日本海等を含む、一説には、ソ連も原子力潜水艦のもうつとに配置をそれぞれ前線地帯に行なったというし、アメリカまたしかり、今日の花形である原子力潜水艦、かつ、これは原子砲を持った威力のきわめて大きい隠密性のあるこういうものの動き、あるいは中国は北ベトナム国境地帯に大挙兵力を集結しているというようなこともあるわけですが、これらの配備状況等からすれば、いかような状況にあるかをお伺いいたします。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) われわれの得ている情報によりましても、軍事介入はあり得ない、かように考えております。信じております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いま外務大臣が言われたのでは、どうもよく把握はできませんが、お伺いいたしましたのはおわかりになったようですから、再度お答え願いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) われわれの得ている情報によりまして、軍事介入は絶対にここのところあり得ない、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは非常に簡単におっしゃいますが、それほど単純に割り切れるかどうか、私は疑問を持つわけであります。これはあげて、アメリカの少なくとも今後の作戦、戦略体制なり、攻撃の事情によるのではないんだろうか。とすれば、アメリカとしても、その情報等に基づいて不拡大、あくまで不拡大という見解に立っておられるのか。たとえばテーラー大使が本国に帰り、さらに進言しているというその報道は、あげて、さらに強化拡大されるということになっております。この辺の事情をつまびらかにしていただきたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) まだ十分の情報を得ているという確信はございませんけれども、われわれのただいままで得ている情報によりまして、アメリカはあくまでみずから好んで戦火を拡大するという意思は持っておらぬ、北ベトナムの浸透作戦がやむならば軍事行動は控える、こういう前提のもとに行動しておりまして、それを一歩も出るというようなことは徴候は見受けられないのでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 非常に重大な見解の表明であると思いますが、このことが、あすになればまた違った見解に立つことはよもやあるまいと思います。そこで、日本がかかる事情のもとにおいて、戦火に巻き込まれないと断言せられる根拠を、この際お伺いしておきたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 日米安保条約によりまして、日本を基地にして直接北ベトナムに対する作戦行動が行なわれるということでございますと、これは必ず事前協議をしなければならぬ、事前協議の対象になるわけであります。そういう場合には、そのことに対して日本政府の意見を求められるのであります。ただいまのところ、さような事実は一回もございませんし、また、非常に地理的に遠隔でございまして、かようなことはあり得ないと考えておりますので、したがって、戦火に巻き込まれるという懸念は少しもございません。かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それは過去なかったからといって、突如として事前協議を持ち込まれるやもわかりません。また、南北ベトナムに限定されるかどうか、その事態においては、あるいは南北朝鮮の問題に波及するかもわからない。アジアは幾多の問題を持っているわけであります。もし協議が申し込まれても、日本を基地としてそのような作戦行動に移ることは、外務大臣としては、これをお断わりするという態度でございましょうか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 仮定の問題でございますから、私は、これは申し上げないほうがよろしいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 仮定と言われても、これはもう戦争とか、そういう事態認識については、将来を見込むわけです。自衛隊自身も、三矢作戦とかなんとか、そうでしょう。それはほかの問題とは違います。お答えいただきたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 日本が、その意思に反して、さような戦火に巻き込まれるというようなことは、絶対に避くべきである、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そのような基本方針のもとに、これが事前協議においても対処すると理解してよろしゅうございますか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) とにかく、さような戦火に巻き込まれるというようなことは、絶対に避けたいと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連。先日の外務委員会における私の質問に、椎名外相は、限度を越えた戦争、爆撃には反対である、こうおっしゃいましたが、テーラー大使は、ベトナム戦争に限度はないと、きのうはっきり言っておるのでありますが、それは、そういうことでもよろしいのですか。もし椎名外相が先日言われたように、限度を越えたとあなたが理解された場合には、当然アメリカに対して、何らかの意思表示をなさってしかるべきだと思います。先日の外相の御答弁と微妙な関連がありますから、この機会に伺いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) まだそういう問題について正式の意思表示を受けておりませんから、申し上げられません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これは、ちょっと質問というより意見になりますが、私の考えているところを申し上げますというと、椎名外相は、あたかもアメリカを支持するがごとく、それから佐藤総理は、この前の私の緊急質問に、こういうことは不幸なことであるから、できるだけ話し合いで、すみやかにベトナム問題を解決することを希望すると言っている。そうすると、閣内で全く二つの意見が、あなたはアメリカを支持され、佐藤総理はすみやかなる終結を希望する、だから、極端にいえば、椎名外相がアメリカのメンツを立てながら、佐藤総理は片一方でバランスをとって国会運営をやる、こう私たちは考えざるを得ない。そんないまのような外相の答弁のしかたで、この重大なアジアの危機を乗り切れるとお考えになりますか。平和外交、平和外交と言いながら、何が平和外交か。何をなさろうとするのか。はっきりとこの機会に、日本の平和外交とは、そもそも何をするのか、ひとつお聞かせいただきます。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 総理のかような事態は遺憾であるということは、私も同様に感じておるのであります。かような東南アジアの政治的不安定というのは、結局日本の安全あるいは国家利益から見てきわめて緊切なものでございまして、決してこれを対岸の火災祝するわけにはいかない、直接非常に利害関係をもって結びついておるわけでありますから、かような事態は一日も早く沈静することを希望する点においては、全く同じ意見を持っておるのでございます。  平和外交という御質問でございますが、日本は国際紛争を武力をもって解決するという手段をいまや全く持たない。すべて平和裏に外交を進めていく以外にはない、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 最近、特にアジア積極外交ということを強調せられまして、閣議でもそのようにとりなしがなされたと聞くのであります。その積極外交の一つに、私は拡大しつつあるベトナムを中心とする戦火について手をお打ちになるのではないだろうか、松本俊一氏を派遣せられておりますが、これらの関連から積極外交をお伺いいたします。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 松本氏をわずらわしましたのは、すでにインドシナ三国には在外公館がございまして、あらゆる問題について詳細な情報を提供しておるわけでございます。さらにこの三国を一にらみして、大局的な見地からその情勢を把握するということがこの際必要ではないか、かような考えで松本氏をわずらわしたような次第でございまして、限られた日数でございますから、なかなか詳細な徴に入り細をうがって十分な観察は、あるいは不可能かも存じませんが、とにかくさような意図をもって松本氏をわずらわしたような次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 積極外交の一環として、その結果を待って対策を講じようという意図がおありでございますか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 日本といたしましては、東南アジアの安定については、非常に緊切な問題でございますから、あらゆる場合にもしできるならば日本としてもその方面に努力したいという考えを持っておるわけであります。特にこの際松本氏をわずらわして、そういう外交上の態度を急に変えたというわけじゃないけれども、今度の視察の結果、もし日本のかねての方針に合致するような点がありますれば、これをあくまでも利用してまいりたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 次に労働大臣にお伺いします。  労働力の需給関係は、漸次供給が不足するということを聞くのであります。こういう際に、現在産業界あるいは報道関係等々に見られる女子の定年を著しく低下させる、あるいは二十あるいは二十六才、五才、電力関係においても漸次これが拡大されておるのであります。婦人少年局長その他の意見は、国会ではないけれども聞いているのでありますが、これは機会均等その他基本的憲法上の権利等から見ても不当ではないだろうか。このことについて、これが御所見と対策についてお伺いいたしたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 御指摘のような、事実男女の間に定年制の差別を設けておる事実があることは、承知いたしております。これは直接的に労働基準法三条、四条というものには直ちには違反するということにはなりませんが、いまお話のように、憲法上との関連において問題があることも事実でありましょうし、それから民法上の問題もあろうかと思いますが、社会通念の上から言って著しく不当と思われるものについては、行政指導で逐次改善をはかってまいりたいと思っておる次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 事務当局には資料をお渡ししているのですが、いま電力関係について見ても、東北電力が二十歳、北陸が二十一歳、オペレーターが二十五歳、中国電力もオペレーター等二十五歳、四国電力がオペレーター等二十六歳と、現実にこういう公益事業、基幹産業でも出てきているわけです。これが、しからば具体的にはどういう行政指導をなされたか、あるいはなされようとするのか。これはもうだんだんとゆゆしい問題に、婦人の職場の狭隘化というか、定年制にまで及んできていることは、まことに重大だと私は見るわけであります。適切な行政指導をなされるべきでありますが、どのようにやってこられ、やられようとするか、お伺いします。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 先ほどから申しましたように、法律上直接どうこうという問題になりますと、直接法律に違反するということにはならないと思うのでありますが、しかし、社会通念上、また男女平等の原則というようなことから考えまして、著しく不当と認められるものについては、その事情を調査し、個々にわたって改善を促してまいっておるつもりでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 事務当局でもいいですよ。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 基準局長がおりますから、具体的に……。

村上茂利労働省労働基準局長

○政府委員(村上茂利君) 大綱につきまして、大臣がお答えいたしましたあのような考え方で行政指導を行なっております。先生御指摘の問題につきましては、女子一般の問題と、それからキーパンチャーとかあるいはタイピストとか、いろいろ職種によりまして、つまり労働能力というものを加味した立場からの問題も一つあるわけでございます。そういった職業上の能力による差別ということになりますと、一般的な男女の差別取り扱いという観点とはやや異なった評価を受けることと相なります。しかし、いずれにしましても、先ほど大臣からお答えがございましたように、基準法等の個々の条章には触れない場合であっても、社会通念上いわゆる公序良俗違反と考えられるような問題が起こらないように、行政指導の面におきまして適切を期したいと考えておるわけでございます。  全体を通じてみても、いわゆる定年制の問題につきましては、五十歳以上の問題につきまして、はっきりした制度をとったものが多いようでございますが、二十五歳とか三十歳といったような比較的若い年代について定年制を設けておるというのは、部分調査でございますが、調査から見ましても比較的率が低いようでございます。御指摘のような事業場については、比較的特殊なものと認められますので、今後の行政指導につきましても、十分配意して行ないたいと考えておる次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 従来の労働省は、資本家の世話役という感じを受けたが、せめて石田労政においては、そのようなことがないように期待いたしたのでありますが、諸外国の例あるいは二十五歳でタイピストがだめになるという科学的な根拠を、私はお伺いいたしたいのであります。これは後日資料によってお示しをいただきたいと思います。  そこで防衛庁長官、おくれられたので飛び飛びになりますが、外務大臣にアジア情勢、特に軍事問題を中心にお伺いをいたしました。日本の自衛隊としては、これらの情勢に対処する次のことについてどう考えているか。それは関係国といわれるソ連あるいは中国等の日本近海等における潜水艦等を含む兵力の移動、配備状況をお伺いしたい。わがほう自衛隊の体制はどういう実情なのか、特に拡大するやに見られるベトナム情勢のもとにおける自衛隊の行動その他を含めてお伺いしたいと思います。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) 極東における軍事情勢の現状でございまするが、いろいろな資料によってわが防衛庁において得ておりまする情勢は次のごとくでございます。  極東のソ連軍でございますが、陸軍で約二十五個師団、約三十三万人、海軍で約九百隻、この中に潜水艦が百隻含まれております。約六十万トンでございます。九百隻、六千万トン。空軍が約二千八百機、このほかに海軍機約二百機がございます。  次に中共でございまするが、陸軍が約百二十個師団、二百万人以上、このほかに公安軍と称する者が約三十万人でございます。海軍が約九百隻の十九万トン、この九百隻の中には潜水艦が二十五隻と見ております。海兵隊が約二万八千人でございます。空軍は二千五百機、このほかに海軍機が五百機ございますので、合計は三千機ということでございます。  次に北鮮でございます。陸軍が十八個師団、五個旅団、約三十五万五千人、ほかに保安隊が十万人ございます。海軍が約百三十隻、一万一千トン、空軍が約九百機。  次に韓国でございます。陸軍が約二十八個師団、五十四万人、うち十個師団は第二軍として後方の配備について警備、兵たん、教育訓練等に従事いたしております。海軍が約七十五隻、約五万二千トン、海兵隊が一個師団、一個旅団、約二万八千人でございます。空軍が約三百機と見ております。  国府が陸軍二十三個師団、約四十万人。海軍が三百二十隻、約十五万八千トン、海兵隊が約二万七千人。空軍が五百機から六百機の間と見ております。  次に北ベトナムでございまするが、陸軍が約十五個師団、二十六万人。海軍が約五十隻、三千トン。  南ベトナムは、陸軍が約二十万人、海軍が五十隻一万八千トン。空軍が約二百機でございます。  こういうような情勢に見ておるのでございまするが、最近のベトナム情勢にかんがみまして、わが自衛隊としてどういうふうな体制をとっておるかという意味の御質問と承りましたが、この問題については、南ベトナムの情勢に対応して、特にどうという変わったことはいたしておりませんし、平常どおり第二次防衛力整備計画を進め、いままでとっておりまする体制をそのまま堅持しておるような実情でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 伝えられるところによると、ソ連もポラリス型潜水艦等はかなり活発に移動しつつあるということ、あるいは中共の兵力も集結しているといったようなこともあるわけですが、自衛隊はどのようにこれを見ておりますか。防衛庁長官。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) 御指摘のとおりソ連のポラリス潜水艦が五隻あるいは場合によっては七、八隻、日本の周辺に遊よくしておるという情報は得ております。さらに中共軍の問題については、確たる情報を今日のところまだ得ておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 時間がないので、次に大蔵大臣に一点お伺いしたいと思います。  この間日商総会で総理は、公定歩合再引き下げのニュアンスを非常に強くほのめかされております。このことはいわゆる山陽特殊製鋼等に見られるようなまことに自分勝手な、負債は凍結しておいて——といった連鎖反応を持ち。——一連の金融の緩和というものを思わしめるわけであります。これは大蔵大臣も合意というか事前了解のもとに、たとえば四月ころ再引き下げといったようなことが伝えられているところでございますが、いかがでございますか。これが一つ。  それからもう一つは、事前通告もしておいたつもりですが、どうもこの予算委員会では、外貨事情が若干いいといったようなこともあって、あまり論及されておりません。しかし過剰生産、在庫投資の急上昇といったような一連の輸出圧力と見なすべきものも多々あると思いますし、世界的な過剰生産といったわれわれは立場をとるわけですが。——等から見て、必ずしも政府のいう経済見通しどおりになるかどうか。なかんずく輸出貿易はどうなるかといったようなことを考えますと、経常収支は黒字でも、貿易外収支特に海運その他、こういう型の外貨事情というものは、もう漸次田中蔵相のもとにおかれても、このパタンの変更を積極的に私は進められるべきだと思うのであります。これら二点について具体的にお伺いしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 公定歩合の問題につきましては、日銀政策委員会のやることでございますから、明らかにいつごろだということを申し上げられるものではございません。しかし金融情勢はどうかといいますと、御承知のとおり輸出は非常に伸びておりますし、輸入も政府が企図しましたものよりも落ちついております。また企業の投資意欲も沈静をいたしておりますので、金融は緩和の方向にいくべき最終的な段階になっておるということは申し上げられると思います。しかし開放経済体制下に向かった第二年次目でもございますので、金融的に公定歩合をいつ下げるかというようなものにつきましては、日銀当局が適切な時期を選んでおやりになるものだと考えております。  第二点の、国際収支の見通しにつきましては、輸出は非常に伸びて六十九億ドルないし七十億ドルというところでございます。また輸入も落ちついておりまして、大体年間を通じますと、貿易収支では四億ドルくらいな黒字ということが考えられるわけであります。しかし、貿易外収支で大体その程度の赤字が見込まれますので、経常収支においておおむねとんとんになるのではないかということでございます。総合収支じりは、当初は一億五千万ドルの赤字ということを見込んでおったわけでございますが、おおむねとんとんもしくは多少の黒字になるというくらいなところかと思います。それから三月末の期末外貨準備は、二月の末で二十億五千万ドルということでございますので、大体この程度だと思います。国際的な情勢を見ますと、必ずしもいままでのように高い水準で輸出が伸びていくというような環境ではないと思いますが、まあポンドの問題、ドルの問題その他いろんな問題があるにもかかわらず、アメリカは史上最高の景気を続けておりますし、まだ四十年度の上期にこれらが非常に悪くなるというような情勢はいまのところ見受けられませんし、正常な状態において輸出は伸ばしていけるだろうという考え方でございます。ただ、国内的な輸出の体制というものに対しては十分な配慮を必要とすると考えます。それから貿易外収支の問題につきましては、もう御承知でありますからこまかくは申し上げませんが、昭和三十七年度に、貿易外収支じりは二億二千五百万ドル、三十八年度には四億九百万ドル、三十九年の四月から四十年の一月までの総計は、三億八千七百万ドルの赤ということでございます。先ほどおおむね貿易収支が四億ドル程度の黒字であり、この範囲内に貿易外収支の赤字がおさまるだろうということを申し上げたのは、この数字でございます。いずれにいたしましても、国際収支の長期拡大安定という方向に対しては十分な対策を続けてまいらねばならぬと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 運輸大臣にお伺いいたします。  どうも参議院選挙が近づいてまいりますとともに、ずいぶん国鉄新線その他にぎわしくなっております。その中で、私、調査をいたしましたものについて詳しくお答えをいただきたいのですが、山陽新幹線がもう予算化され、具体化しつつあるような感を受けるのであります。これについて、年次別等どういう御計画であるのか。それから広島県のかつて旧軍港の一つである呉−広島間の複線、電化、これはもうすでに四十年度からかかるかのような国鉄内部の方々の報道がございます。利用債も三十億余り引き受けたと、これの実情、また、同じく本郷線に対する建設等に対する今後の予算的見通し、完成年次といったことについても、非常に急速にできるかのような与党側の報道があるわけであります。これらの実態についてお伺いをいたしたいと思います。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) お答えいたします。  第一の山陽新幹線の建設についてでございますが、山陽本線の旅客、貨物の輸送量の伸びは、最近著しいものがございまして、大阪−岡山間は、昭和四十二年ころには、新幹線開業前の東海道本線を上回る状態に行き詰まりつつある状態でございます。また、岡山、博多の問題につきましても、昭和四十五年、六年ごろには、同様に行き詰まりつつあることが予想されるのであります。したがいまして、国鉄といたしましては、第三次計画、つまり新長期計画と申しますが、これでは大阪−岡山間は、昭和四十六年までに完成することにいたしたいと思っております。また、岡山以西へも新幹線の伸長につきましては、その必要性を十分認めておりますので、今後検討いたしたいと思っておる次第であります。  また、呉線の電化につきましては、御承知のよりに、支線ではございますけれども、これは非常なふくそうをいたしておりますので、呉線の電化は、山陽本線の電化と関連いたしまして、車両の運用等、要員の合理化等の面により必要性の高いものと思われますので、電化の時期につきましては、今後検討いたしたいと考えております。  さらに本郷線の建設についてでございます。本郷線は、加計より戸河内に至る約十四キロメートルの建設工事線でありまして、現在加計側より約四キロメートル間の路盤工事を行なっております。なお、戸河内までの残区間と、さらに戸河内より山陰の浜田に至る六十五キロメートルの今福線につきましても、今後測量、設計等を進める予定でございます。以上でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 新幹線四十六年に完成ですね。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) そうです。四十六年です。

藤田進日本社会党

○藤田進君 他にも御出席いただきましたが、時間切れで名答弁が聞けないで残念ですが、これで終わります。     —————————————

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 委員の変更がございました。  中尾辰義君が辞任され、小平芳平君が選任されました。     —————————————

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 藤田君の質疑は終了いたしました。  午後零時三十分再開することにいたし、これにて休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      —————・—————    午後零時四十五分開会

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) これより予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。中村順造君。

中村順造日本社会党

○中村順造君 私は日本社会党を代表いたしまして、本日お集まりをいただきました公団、公社、公庫、事業団などから多数の参考人の出席を求めたわけでございますが、皆さん御苦労さまです。  私としては、この公庫、公団、公社、事業団等につきましては、基本的にこれは反対するものではありません。むしろ、それが活発に運営をされるということは望ましいことであり、そういう前提でありますが、しかし、今日のこの政府機関の関係の数あるいはその運営等、必ずしも私は適正であり、かつ万全だとは考えておらないわけであります。そこで、内容的にはいろいろあろうかと存じますが、適切でないと申し上げたのは、ややもすれば綱紀の問題、さらには業務の運営、人事の登用、給与のアンバランス、こういうものが私の集めた資料の中にもあるわけでございます。  そこで、まず大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、数はこまかいことでありますからさておきまして、一体、今日まで公社、公団、公庫、事業団、こういうものに政府が出資をなさったその総額は一体どのくらいになるのか、大臣からひとつ……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 一般会計及び特別会計から、国際機関を除きます公社、公団、公庫及び事業団等に出資をいたしました累計額は、四十年度予算の分も計上いたしますと、全部で一兆三千四百億ということであります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 一兆三千四百億と、こういうお答えでございましたが、私の集めました資料でも大体同じ数字が出ておるわけであります。  私は、これは総理大臣がおられないから御判断をいただくわけにいきませんが、いま私の手元にある資料では、一体どのくらいできておるか。総理府で十四、それから外務省で二つ、大蔵省で四つ、文部省で八つ、厚生省で五つ、それから農林省で十七、通商産業省に至っては二十七、運輸省で五、建設省で二、郵政省で二、労働省で五、建設省で五、自治省で五、大体百、こういう数が上っているわけであります。これにつきまして直接これは所管大臣にまたそれぞれ内容的にはお尋ねいたしますが、まず大蔵省関係の日本開発銀行についてお尋ねいたします。  その前に、大蔵大臣、途中で出られるわけですね。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 途中というより、二時までありますからどうぞ。

中村順造日本社会党

○中村順造君 大蔵大臣、途中で退席なさるようですから、先に聞いておきますが、まず先ほど申しましたこの政府機関の役員の給与であります。役員の給与が大体段階に分けて五つに分かれているようでありますが、その基準について、大蔵省とどういう関係にあるのか、ひとつお答え願いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 公社、公団、事業団等の役員の給与は、三公社、公庫、公団、事業団——事業団の中に大きな事業団、小さな事業団、その他の法人等に分けられておりますが、三公社の総裁、理事長が月額四十万円であります。副総裁と副理事長が三十万円、理事が十九万円ないし二十三万円、監事が十七万五千円、それから公庫、公団の総裁、理事長は三十二万円、副総裁、副理事長は二十六万円、理事は二十一万円、監事は十七万五千円、大きな事業団の総裁または理事長が二十八万円、副総裁または副理事長が二十五万円、理事が二十一万円、監事が十六万円、事業団の小さなものの総裁、理事長が二十五万円、副総裁、副理事長が二十二万円、理事が十八万五千円、監事が十六万円、その他法人の代表者二十万円、こういうことであります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 私は額の多寡について論じようとは思いません。もう一つお伺いしたいのは、いま御説明をいただきました数字、額、どういう基準によってきめられておるのか。いまお話があった中で見ますと、大体一年で約二割程度以上上がっております。昨年の四月から現在まで。四十万円というと総理大臣の給料と大体同じです。副総裁、副理事長の三十万円というのは、これは国務大臣と同じですよ。そういう面はどういう基準でそういうものを——いろいろ三公社あるいは大きな公団、公庫等につきましては、その理事長、総裁は総理大臣と同じだ、これがいいとか悪いとかいうことは別です。どういう基準でなされているのか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 原則としましては、公庫、公団は公的な性格、使命を持つものでございます。しかし、これが運営につきましては、一般会計や特別会計というよりも、利用上、より創意くふうが必要であるということで、民間出身者を充てたいということで人選等も行なっておるわけでございますが、そういうことになりますと、優秀な人材を得るということになると、民間の給与に近づけなければならないわけでございます。しかし、公的な使命を持つ性格上、その企業として一般の営利企業よりペイしない性格も持っておりますから、民間と同じようにというわけにはまいらないわけであります。民間の人たちを登用でき得る条件を備えておって、しかも公務員給与に近いものといいますか、公務員給与よりも多いけれども民間よりも幾らか少ない。いずれにしても民間から優秀な人材が得られるようにという配慮のもとに、公社、公団、事業団等の役員給与はきめられたものだと、原則的にはそういうように理解いたしております。それから総理大臣よりも多いじゃないかというようなことでございますが、確かに三公社の代表者は四十万円でありますが、総理大臣は一般の給与改定のときからいいますと、総理大臣や大臣の給与はもっと高かったわけでありますが、歴代総理大臣が、総理大臣や閣僚の受ける給料はできるだけ押えるべきである、こういうことで、一般公務員が三回上がっているときに一回だけ上げるというようなことがありました。特に池田前総理のときに、もう三年ぐらい前だと思いますが、給与の勧告がありましたときに、押せ押せでやりますと五十万円、六十万円となったわけでありますが、そういうものはよろしくない、四十万円に据え置きだ、こういう強い政治的な配慮があって押えられたのであります。しかし、いま申し上げた公団、公庫、事業団等の役員の給与は、民間と比べて高いものでないということは、常識的に御理解いただけると思います。

中村順造日本社会党

○中村順造君 私は、その責任者の給与でございますから、それが高いとか安いとか、そんな失礼なことは申し上げたくないのですが、いま総理大臣は現行四十万円ですから、それから民間との割り振りですか、そういうものを勘案されておるようですが、私が調べた中では、役人、公務員から——これ総裁、理事長は別にいたしまして——大体理事クラスになりますと、公務員から横すべりをされた方がたいへんあると思う。そういう意味では、民間人とのバランスということは、あまり私はその内容の基準の判断の材料にはならないと思います。いずれにいたしましても、これは、そういうことで国民の前に明らかになればそれでけっこうです。  そこで、大蔵省関係の日本開発銀行につきましてお尋ねをいたします。非常にきょうは数が多いので、ごく簡単にひとつお答えいただければけっこうでございますから……。それから済みましたら、お忙しいところですからお帰りになってけっこうです。  開発銀行に二点お伺いいたします。一つは理事以上の前歴を、どういう経歴であったか、お示し願います。それから給与及び退職手当の基準があると思いますが、その二点をひとつお答えいただきたい。

平田敬一郎日本開発銀行総裁

○参考人(平田敬一郎君) お答え申し上げます。開発銀行は総裁、副総裁それぞれ一人ずつ、それから理事が八名、監事が二名、そのほかに参与といたしまして六人、これらが主たる役員でございますが、そのうち総裁、副総裁は大蔵省、それから理事の中で大蔵省から二人、日本銀行一人、興業銀行一人、それから開発銀行の内部から上がりましたのが三名、それから通産省出身の人が一人。それから監事のほうは一人は大蔵省、一人は開発銀行の内部から上がった者でございます。なお、参与は六人でございますが、これは全部民間の方々をもって構成いたしております。  それから役員の給与につきましては、先ほど大蔵大臣が申されましたとおりでございまして、私は公社と同じ報酬をいただいております。それから手当のほうは公務員と同じ率でございます。それから退職手当のほうは、これも大体ほかに準じてそれぞれ定められておりまして、特に特例は設けておりません。

中村順造日本社会党

○中村順造君 いまのお答えでは、大蔵大臣が先ほどおっしゃった——これも給与のことで恐縮ですが——民間人の云々ということは、大体参与は全部民間人だという御説明で、理事以上は大半が公務員から横すべりをされた、こういうことが明らかになっている。これは基準の適用というか、判断の材料にはならないと思う。その点どうなんですか。それから退職手当等、あるいは給与等の規則はないのですか。どうなんですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) この問題は、いつも国会で問題になる問題でありまして、いつも政府は基本的な考え方を申し上げておるわけであります。民間からも広く人材を登用したい、こういう考え方でございます。公庫、公団、公社等は国家機関の外にありながら国の施策を行なう、こういう性格を持っておりますので、広く人材を集めるということを基本的にいたしております。いま開発銀行等の人事から見ますと、あまり民間から入っていないじゃないか、こういうことでございますが、これは金融機関の成り立ち、性格等もありますし、なかなかいまのような給与では、こういうところに民間の有能な人材が入ってきたがらないということは事実でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 それでは次に通産省関係の質問で、日本中小企業指導センターの理事長さんにお尋ねいたしますが、中小企業指導法の二十六条に基づく実績の概要を簡単に御説明をいただき、さらに、現状は非常に倒産が多いのですが、これらに対する指導の方針なりあるいは現状の認識、こういうものはどういうふうにお考えになっているか、二点をお伺いいたします。

越智実日本中小企業指導センター理事長

○参考人(越智実君) お答いたします。中小企業指導センターといたしまして事業の柱が三つございまして、経営管理並びに技術指導員——これはそれぞれ国並びに地方庁でやっておるわけでございますが、その経営管理の指導員の養成関係と、それから主として府県庁でやっております技術員の指導員関係の要するに養成事業。これは経営管理に関しましては一年間経営の実習を中心として研修があるわけでございますが、現在七十四名研修をしておりまして、すでに二回生を送り、三回生が七十四名研修しております。  技術のほうは、機械、化学、金属、雑貨、窯業、繊維等分かれておりますが、これは六カ月やりまして、三カ月あるいは長くやりまして、実習は地方の国立の試験場その他でやっております。これはおおむね毎年百八十名前後研修をやっております。それからなお、経営関係におきましては一カ月コースでございまして、これはすでに中央で現実に第一線に立っております指導員も、非常に最近の情勢が進歩してまいりますので、それをさらにレベル・アップするために毎月一回集めましてやっております。それを毎年七回やっておりまして、大体百四、五十名研修しております。  以上が養成関係でございますが、本年度から小規模事業で、指導員でございます商工会議所並びに商工会議指導員でございますが、その研修を開始いたしまして、三十九年度では、最初でございますので、四十名すでに研修いたしました。  以上が研修関係でございますが、二番目に地方派遣ということでございます。これは現在地方府県庁で中小企業の技術なり経営の指導をそれぞれ担当いたしておるのでございますが、最近いろいろ高度化の関係がございまして、団地関係でございますとか、商業団地でございますとか、そういう非常にむずかしい指導になりますと、高度の技術関係がございますので、私どもの十八名のコンサルタントが地方庁の依頼に応じまして参りまして、今年度は大体八十回前後実地指導に参っております。  それから第三番目といたしまして、調査関係でございます。いろいろ中小企業関係におきましては、全国都道府県におきまして、数百人あるいは数千人の指導員がおるのでございますが、非常に現場で忙しゅうございますので、実地の指導に役立つ研究の資料その他をもらっておりまして、毎年四十ないし五十種類の業者関係の調査をいたしまして、その調査結果を指導関係の監督官に御送付しております。  それから次に……(発言する者あり)忘れました。失礼いたしました。経営関係の指導員関係が大体八百名おるようでございます。それから、技術関係の指導員が二千五百名以上おりますので、それで数千名と申し上げたので、訂正させていただきます。(発言する者あり)

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 委員じゃない方の発言は許しません。(発言する者あり)まだ変更できておりません。

越智実日本中小企業指導センター理事長

○参考人(越智実君) 次に、倒産関係でございますが、私どもの事業といたしましては、指導員の養成並びに指導員の実地指導という形をとっておりまして、直接企業者にやっておるわけでございますけれども、われわれ中小企業当面の問題としまして、非常にむずかしい問題でございますので、今年度から倒産の事例を集めまして、そうして個々の具体的の経路なり結果を調べまして、そうして、現場におきます指導の担当者の教育をいたしたい、こういたしまして、目下いろいろ努力中でございます。  なお、落としましたが、本年度から高等技術研究所と申しまして、特別の中小企業に導入いたします自動化その他のために研究所を設置いたしまして、建設次第、完成次第事業を起こす、こういう事業をことしから新しくやる予定でございます。  以上でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これ大蔵大臣にお尋ねいたしますが、いま、政府出資金と補助金との資料は私の手元にあるのですが、大体政府出資金二千万、それから補助金が一億六千八百万、これは非常に少ないのじゃないですか。簡単にひとつ。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 少ないのじゃないかということでございますが、これを出しますときには御審議をいただいたわけでございます。しかし、この性質上だんだん大きくしなければならないということであれば、予算編成の過程において慎重に検討いたしたいと思います。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これは、この問題だけにかかっているわけにいきませんが、現状はその倒産が非常に多い。やはり中小企業にはたくさんの問題がある。せっかくそういう設けられたものなんだから、フルに活用すれば金もかかるだろうし、という意味で私は申し上げたわけです。  次に、石油資源開発株式会社、通産省ですが、この第十五条に言う利益配当がなされたかどうか、これ簡単にひとつ。それだけです。(発言する者あり)

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 委員外の発言は許しません。

岡田秀男石油資源開発株式会社副社長

○参考人(岡田秀男君) 私どもの会社は、三十年の十二月一日に発足いたしたのでございますが、何ぶん生産ゼロの状態から地質調査等仕事を始めましたものでございますから、初めのうちに未済欠損がかなりあった。最近になりまして、当年度限りにおきましては、ある程度の利益ができておりまして、繰り越し欠損ももう十億以上消してまいりましたけれども、なお、二十億ちょっとの欠損がございますので、配当の段階にはいまだ至っておりません。近く配当のし得る状態まで持ってきたいと一生懸命勉強いたしておる状態であります。(発言する者あり)

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 妨害する御意思ならば、退場を命じますよ。(発言する者あり)妨害しちゃいけませんよ。(発言する者あり)  速記をとめて。   〔速記中止〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 速記を始めて。  これより再開いたします。中村順造君。

中村順造日本社会党

○中村順造君 この石油資源開発株式会社につきましては、一応五年たてば配当してもよろしいということになっておりますが、民間資金も入っているようでありますから……。この程度でとどめたいと思います。  次に、農林省の農地開発機械公団の関係でお尋ねをいたします。第十八条の、いわゆる貸し付け総額はどうなっておるのか。それから、農地造成または改良の実績、さらに輸入乳牛の地方公共団体売り渡し、この三つについて実績をひとつお示しを願いたい。

松本烈農地開発機械公団理事長

○参考人(松本烈君) お答え申し上げます。貸し付けが約三億ございます。それから、乳牛は七千五百頭ほど導入をいたしまして、そして現在府県から代金を徴収しておる状況にございます。それから、受託事業は年々増加してまいりまして、昭和三十八年度においては大体十七億程度でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 十七億というのは何でございますか、単位は何ですか、金ですか。

松本烈農地開発機械公団理事長

○参考人(松本烈君) 十七億円でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 もう一回お尋ねします。私の聞くところでは、八郎潟の干拓との関係で若干問題があるように聞いておりますが、そういう事実あるかどうか。それから、議論があったのかどうか。それから、この開発公団にかつて役員で、任期が満了されてよその公団に行かれたということを聞いておりますが、それは、退職手当は出されたかどうか。その点を。

松本烈農地開発機械公団理事長

○参考人(松本烈君) お答え申し上げます。前段の八郎潟の干拓事業につきましては、内部の工事は公団が施行するのに適当であると、こういう考えを持ちまして農林省のほうにお願いを申し上げておる現状でございます。  それから、先に公団の理事長でございました者が、愛知用水の公団の理事長に転出をいたしました。その当時に出しました退職金は千二十六万円でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 千二十六万円の退職金を出されたと言われたのですが、これはよしあしは別にいたしまして、あなたのところには、給与及び退職手当支給の基準がございますか。

松本烈農地開発機械公団理事長

○参考人(松本烈君) 農林大臣並びに大蔵大臣が協議されまして、決定をせられました、役員手当支給規程というものがございます。その規程に基づきまして支出をいたした次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 議事進行についてですが、参考人の方々御苦労ですから、答弁が継続します間、前にいていただいたほうがいいと思います。

松本烈農地開発機械公団理事長

○参考人(松本烈君) はあ、おそれ入ります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これは特に私は、いま千二十六万円、前の役員の退職手当を出されて、さらに次の公団に行かれた。こういうことは、最近のことじゃないんですが、少し前ですが、いまお話のありましたその規程というのを、後日また委員長のほうに出していただきたい。

松本烈農地開発機械公団理事長

○参考人(松本烈君) はあ、承知いたしました。

中村順造日本社会党

○中村順造君 次に、日本競馬会の理事長さんにお伺いします。二点だけお尋ねいたしますが、第二十七条による国庫納付金の実績を、三十七年と八年、第二十九条の特別積立金の実績があれば、三十七年と三十八年をお示し願いたいと思います。

石坂弘日本中央競馬会理事長

○参考人(石坂弘君) お答えいたします。国庫納付金は、三十九年度が、これは第一国庫納付金と、第二国庫納付金に分かれておりますが、第一国庫納付金が六十五億四千十七万円、第二国庫納付金が十億六百二十八万円と、こういうことに相なっております。特別積立金のほうは、ちょっといま資料持っておりませんから、席に帰って持ってまいります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 厚生省の社会福祉事業振興会長お願いいたします。一点だけお尋ねいたしますが、この「業務の範囲」の中で、これは二十三条ですが、その中のおもな実績をひとつ御説明いただきたいと思います。

葛西嘉資社会福祉事業振興会会長

○参考人(葛西嘉資君) 社会福祉事業振興会は、二つの仕事をしております。一つは社会福祉事業振興のために、施設の改良、拡張等のために貸し付け金をする。及び経営上必要な資金を貸し付けするという点、それから、施設社会事業経営に従事しておる人たちの退職共済の仕事と、二つでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 もし少し内容を詳しくひとつ話してくれませんか。非常に重要なことですから。二十三条の実績、いままでやられたことを話してください。

葛西嘉資社会福祉事業振興会会長

○参考人(葛西嘉資君) 実績という意味がよくわかりませんけれども、現在まで貸し付けをいたしております総額が十二億円ばかりになっていると思います。  それから、退職共済のほうの関係で申しますと、これは施設社会事業従事者の共済組合でありまして、国と、それから都道府県と、それから従業員が従事しておる施設のほうとで所要の経費を三等分いたしまして、そして、その職員が退職した場合においては、勤続年数に応じて退職金を給与するというようなことでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 金を貸すだけだというお話ですが、非常にこれは、特にスタッフが少ないようですが、そういうところに理由があるわけですか。

葛西嘉資社会福祉事業振興会会長

○参考人(葛西嘉資君) 社会福祉事業振興会法の中には、助成というような項目があるのでございますが、これは実は経費が少のうございまして、助成をいたすようなことがありません。大体政府から出資をいただき、あるいは一部は財政投融資のほうからお金を借りまして、そしてそれを施設社会事業に低利長期で貸し付けをしておる、こういうようなわけでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 私がお尋ねしているのは、もちろん内容はわかりましたが、特にあなたのところは常勤の人が少ないわけですね。これは間違いかもしれませんが、その辺はどうなんですか。非常勤の人が非常に多くて、常勤の人が二人ですか。

葛西嘉資社会福祉事業振興会会長

○参考人(葛西嘉資君) 常勤と申しますのは、理事の中で常勤の者があるのでありますが、大体それが二名でございます。あとは全部非常勤というふうなことになっておって、その辺はまあ仕事と大体とんとんにいっているのではないか、こういうふうに考えております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 この私の資料では、少なくとも政府出資金が十億五千万円、国庫補助金が二千八百九十万円ということになっておりますし、借り入れ金もあるわけです。三億円あるわけですが、それを理事がたった一人でおやりになっている。会長と理事、あとは全部非常勤。非常勤ということはどういう勤務になるのですか。

葛西嘉資社会福祉事業振興会会長

○参考人(葛西嘉資君) いまおっしゃるように、大体いままでの出資金が十億五千万でございます。そのほかに、本年度は三億円を財政投融資のほうから拝借さしていただきましたが、この金は、希望から申しますと十分ではないので、実は非常に残念に思っておりますが、その範囲で貸し付けします。大体いまお述べになりました会長及び常務理事、ほかの理事は非常勤ということで、大体その程度でいいのではないか、こういうふうに考えます。

石坂弘日本中央競馬会理事長

○参考人(石坂弘君) 先ほどお答えの漏れましたものを申し上げます。特別積み立て金の額は、三十八年が八億五千四百三十一万円、三十九年が十億六千二十四万八千円、こういうことになっております。それから第一国庫納付金を三十九年度だけ申し上げましたが、三十八年は四十九億九千百八十七万四千円、それから三十九年が先ほど申しました六十四億三千六百二十万円、それから第二国庫納付金が、三十八年度は八億五千四百三十一万四千円、三十九年度が十億六千二百四十八万一千円、こうなっております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 建設省の日本住宅公団の総裁にお尋ねしたい。まず一点だけお尋ねいたしますが、今日業務の内容はどうなっておりますか、概況をひとつお伺いしたいと思います。

挾間茂日本住宅公団総裁

○参考人(挾間茂君) お答え申し上げます。業務の内容を簡単に申し上げます。  日本住宅公団は、昭和三十年七月に創立いたしまして、事業は、公団法の第一条に掲げてあります目的に従いまして、住宅難の激しい地域に住宅の建設をし、それを譲渡し、または賃貸する。それから宅地を大規模に造成いたしまして、それの譲渡または賃貸をする。さらに工業用地を昭和三十二年以来造成することになりました。これも進めております。それから埋め立て事業もやっておりましたが、現在はやっておりません。主として工業用地の埋め立て事業でございます。総括して申し上げますと、昭和三十九年度までにでき上がりまして管理に移る住宅は、賃貸、分譲合わせまして、これが三十九年度の計画が終わりますと三十万三千戸になります。御存じのように、住宅は長いものは十数カ月、短くても八カ月を要しますので、現在のところ管理に移っておりますものは、賃貸住宅は十七万八千戸あまり、それから分譲住宅が十一万戸前後になると思います。四十年度の末に至りますと、大体三十万五千三百数十戸に相なると思います。また、宅地の造成につきましては、住宅用地の造成と、工業用地の造成をいたしております。住宅用地の造成は全国で六十七カ所いたしておりまして、すでに分譲を終わり、また、賃貸をいたしておるところもございますし、第二期、第三期の事業すべてを合わせますと、いま施工中のものが二千百万坪あまりになっております。また、工業用地につきましては、六百九十万坪を造成し、すでに分譲も終わって工場が建設せられたところもございます。  なお、この住宅に付帯いたします事業といたしましては、そこに必要である学校あるいは上下水道、病院、託児所、公共団体の事務所、出張所、さらに郵便局の出張所等もつくり、また、店舗をつくりまして、これを賃貸しまたは分譲をいたしております。  大体さような方針のもとに、住宅難の激しいところに主として賃貸住宅を設ける。また、労働移動を考慮いたしまして、全国的に特別分譲住宅と申しまして、会社の職員住宅を、これは全国各地にわたって建設をいたしまして、分譲をいたしております。また、個人に対する普通分譲住宅と申しますが、これも主としてやはり住宅難のはなはだしいところでございますが、個人に分譲する住宅もいたしております。来年度からは、持ち家政策のもとに、この普通分譲住宅の建設戸数を相当増加する予定で進む考えでおります。  大要以上でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 最近、住宅公団の住宅は非常に高級化しているということで、多少問題があるようですが、この点いかがです。

挾間茂日本住宅公団総裁

○参考人(挾間茂君) 仰せのとおり、昭和三十年ないし三十一年に建設いたしました住宅と現在の住宅とを比較いたしますと、建設技術の進歩とまたその研究の結果、より以上よいものになっておりますが、しかしながら、一番問題は、主として首都圏区域内における住宅につきましては、地価が相当高騰いたしましたので、建設費よりも地価の高騰によって家賃が高くなる。しかし、内容がそうデラックスなものになるということではございませんが、私どもの念願といたしましては、あまりに狭いものよりも、漸次家族構成も多くなりますので、住宅の規模はでき得る限り、予算の許す範囲内において、住みよい住宅を建設をする方向で進んでおります。  なお、さらに住宅公団といたしましては、建設技術の近代化と申しますか、量産化ということに非常な関心を持ちまして、その関係におきまして、量産試験場を設置して、そこで今日の、プレハブと申しますか、組み立て住宅によって、生産技術が精度を増し、また、それによって生産コスト・ダウンないしは建築期間の短縮をはかるということ、さらに内部設備につきましてもいろいろのものがございますので、それについても近代的なものにするように、鋭意研究所において研究いたしまして、自信を得たものは逐次実行に移すという方針で進んでおります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 非常にけっこうなお話ですが、これは大臣にひとつお尋ねしますが、建設省、必ずしも全部というわけではありませんが、住宅公団あるいは道路公団、こういうものにはややもすれば世間を騒がせるいまわしい問題も出てくるわけです。特に私は綱紀の問題で申し上げているのでございますが、総裁としてのそれについての決意と、大臣から答弁を伺いたい。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) ただいまのところ、綱紀の問題を起こしましたのは首都高速道路公団だけでありまして、ほかの公団にはそのようなことはございませんが、ただ、そういう問題がありましたので、全般の公団関係者に対しまして、十分な注意を払うこと、また、公の機関として国民に奉仕する立場であるのであるから、平素の言動あるいは挙措について、十分慎重な態度をとるようにということは、たびたび注意を喚起しているわけであります。

挾間茂日本住宅公団総裁

○参考人(挾間茂君) 綱紀の問題につきましては、私、非常に注意深くいたしております。一昨年でございますか、ある一部の不正入居というものがございまして、数人の者が司直の手で調査を受けたわけでございます。これは住宅公団における募集業務につきましてのやり方について、下部の者にそういうことがございましたので、これを厳重にいたしますために、この募集についての審査ないし契約は支所において直接やるということにいたしまして、営業所におきましてはこれの受け付けをするということだけにいたしております。さらに、その問題が起こりました直後におきまして、各支所長の所長会議を開いてその点を十分に注意し、将来を戒めるようにいたしました。また、一面、私のほうに考査役という、そういうものを専門に考査する者がございますので、随時それを派遣し、また、管理部門の担当者も各支所を回りまして指導をし、そごのないようにいたしております。現在においてはかようなことは全然ございませんので、その点申し上げておきます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連して。公社、公団、事業団等がとみに最近その数を年々増してきているところであります。  大蔵大臣にその点総括してお伺いしますが、企画並びに大蔵にお答えいただきたい。  これは、各国ともこういった方式はかなり出てきているところです。この特徴が直接議会に対する責任を持たない。ことに、日本の特徴としては、いつも世間で問題になるように、高級お役人のうば捨て山、隠居かたがたといったようなところに心のゆるみが事業団等によっては——全部が全部とは申し上げませんが——あり、かつ各省諸官庁におかれても、旧友でありあるいは旧先輩であるといったようなことからくる機構上の監督の乱れといったようなことを私は感ずるのであります。この国会にも、農林省をはじめ、それぞれ事業団、公団等が出てきておりますが、今後政府としては、総括的に御答弁いただきたいのですが、私はもっと仕組みの上においてその監督の点、それから機構上の問題等十分考慮を払われる必要があるのではないだろうか。ことに、次のことについてどういう認識のもとにこれが設立、運営をなされているかということを伺いたいのであります。これは、企画庁、大蔵大臣にお答えいただきたいのですが、この公団、事業団というのは、現政府であり、また、その与党である自由民主党の基本政策と承っているいわゆる資本主義、自由主義の原則に立つとおっしゃる。この立場から見たときに、世間で学問的にいろいろ議論されている、たいへん多くなってきたこの公団、事業団というものが、一体どういう位置づけになっているか。たとえばこれはある種の、資本主義でまかない切れないもの、これをささえる資本主義の突っかい棒なんだろうか、それとも世にいう一種のこれは社会化の形態であるソシアルゼーションである、そういう考え方なんだろうか。私は自由民主党ないしその政権である閣僚におかれても、一体どういう基本的な考え方で設立され、また、今日現在、それぞれについて位置づけをお考えになっているだろうか、実は一度お伺いをしてみたいと思っていたところ、幸い、きょう各事業団からお見えになっておりますので、この点をお伺いしたいのであります。  本来資本主義のもとでは、私企業のもとに競争関係というべきものが——相当最近は公団、事業団ということで、政府出資あるいは財政資金ということに一〇〇%たよるという状態になってきたのではないだろうかと思うのであります。関連ですから、長くなりますので、以上お答えをいただきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 資本主義経済のもとで、公社、公団等ができることがあっても何ら矛盾はないという考え方を基本に持っております。公社、公団のおい立ちを見ますと、御承知のとおり、三公社等は一般会計において行なっておったものが特別会計になり、三公社となり、だんだんと転化をしていったわけでございます。一般会計にあるものよりも特別会計、また企業性を持つものに対しては、公社、公団に変更していく。しかし、これが全然競争場裏にある私企業という企業形態までに移せない性質を持つものに対しては、公社なり、公団であり、事業団という形態をとっておるわけであります。しかも非常に公益的な性格を持ち公的な性格を持っておるわけであります。その意味で、自由な競争場裏に私企業としてこれを移していくということは好ましくない、適当でないというものに対していまの形態をとる。しかも国が投資を行ない、出資を行なうというためにこれらの形態をとっておるわけであります。しかし、こういうものが何百、何千と一体出ていくのかという問題に対しては、政府も十分検討しております。できるだけ民間に移していくべきものだというふうに考えております。しかし、ある過程において、公社、公団というような性格でやらなければならないという社会的要請、公益的な要請があるものに対しては、やむを得ずいまの形態をとっておるわけであります。もう一つは、今度できましたように、時代の要請に沿うべき公害事業団というようなものをつくった場合、これはなかなか民間で、私企業形態でこういうものをつくろうとしてもペイしないというようなものに対しては、事業団形態をとることもやむを得ないということは御理解いただけると思います。しかし、できるだけこういうものは民間に移していきたいということでございます。公社、公団の形態から私企業に移せるものに対しては移してまいりたいという考え方を持っておるわけであります。でありますから、御承知のとおり、いまの三公社につきましても、まず国鉄の九分割案がございました、民間に移してしまう、こういうことがございますが、しかし、鉄道運賃を無制限に、私企業にして上げていくわけにいきませんので、結局国が出資または投資をもって、いまの国鉄を形成しておる。しかもまた、戦後、いまの電電公社の分割案、民営案でありましたけれども、持つ公益的な性格で、急激にこれを民間に移すわけにはできないわけでありまして、いまの電電公社の形態をとっております。また、アメリカのように専売公社につきましても民間で十分やれるじゃないか、税をとればいいんだ。酒は民間でやっておる、税を納めておるじゃないかという議論がありますが、これも現状においてすぐ民営に移すわけにはいけないということで専売公社の制度をとっておる次第であります。

高橋衛自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(高橋衛君) ただいま大蔵大臣から詳しい御説明を申し上げましたので、余すところないと存じますが、自由主義経済のもとに、こういうふうな公社、公団方式と申しますか、こういう方式が行なわれてまいりました傾向は、これは自由主義諸国家におけるところの最近の傾向でございまして、どの国でもこういうようなものでだんだんとやっておるようでございます。しこうして、非常に公共性の高い仕事につきまして民間の事業を国が助成するという方法も一つの方法でございましょうけれども、やはり公社なり公団なりに特殊な使命を与え、そして独占的と申しますかやって、しかも一方において税制上課税をしない、税金をかけない、同時に、他方、政府から出資をしその事業をやっていただく、また、同時に、民間企業におけるところの非常に特徴でありますところのいわゆる能率の向上、企業会計原則によるところの能率の向上という面も同時にあわせて達成し得る方法の一つとしてこういうふうな方式が生まれてきたものと私どもは考えておる次第でございます。もちろんこれらの目的を達成するためには十分細心の注意が必要と存ぜられますので、それらについては、いままでもそういうふうな努力が続けられてまいっておりますが、今後もそういうような考え方で監督をいたしていきたい、かように考えておる次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 要するに、大蔵大臣が言われ、それを肯定しながら企画庁長官の答弁ですが、私はたとえば経理的にとかいろいろ指摘されたことは、やはりある種のこれは成熟論だと思うのです。だとすれば、私はまあ民間に移したいと言われても、具体的にじゃ何ですかと聞きたいわけですが、そのような成熟理論をお持ちだとすれば——お持ちになると私は見るのです。いまの理由を承りますと。企業でふさわしくない。だとすれば、まだまだたとえばいま問題になっておる石炭あるいはは電力あるいは基幹産業の一つである鉄鋼とかいうものも、やがて、各国もそうであるように、公団になるか国有化になるか、そういう傾向をたどらざるを得ない、企画庁長官が言うように。ですから、私はことばはどうか知りませんが、これが一つの社会化の現われではないか、そう思わないかという点についてはいかがです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 公社、公団が社会化の政策の一つであるというふうには考えておりません。これは、御承知のとおり、公益性が非常に強いということで、歴史の上では、一般会計でもってやっておるとか特別会計でやっておるというもののずっと歴史を経ながら、しかし企業性が非常に強いので、一般会計や特別会計でこれを処理するよりも、公社、公団にして民間の英知も入れながら企業のウェートというものを十分見られるというような状態に転化をするということで公社、公団の制度ができておるわけであります。しかし、これを民間に全部やってしまうというには公益性が高いので、民間の私企業と国でやっておる一般会計のちょうど中間に存在をしておる。これを例を申し上げますと、一般会計と財政投融資と民間の金融ということを考えてみても、財政投融資が民間金融を補完しておると同じように、一般会計で国の税金でまかなうというにはいろいろ問題があるし、しかし、これは国民生活に非常に重要な影響があるので、その料金とかを政策目的によって押えたり調整をしたり、また、その過程において国が出資をしたり財政投資を行なったりというように、そういうことによってその調整を行なっていくということでありますから、必要やむを得ざるものとして公社、公団、事業団の制度がある、こういうふうに見ていただいていいと思うのです。これをだんだん進めていくと、電力でも鉄鋼でもみな国有ということになるのかというのですが、そうではない。電力や鉄鋼もかつて国有であった歴史がございます。ございますけれども、時代の変遷に従いまして、私企業として、国の基幹産業ということである種の料金その他に対しては電力などに対して主勝大臣が認可をするというような制度は残しておりますが、企業形態はあくまでも私企業ということに転化をしていったわけであります。でありますから、できるならば、理想的な姿でいえば、いまの公社、公団、事業団というものができるだけ早く民間に移っていくという形態が望ましいわけでありますが、いまの社会の情勢を考えて、そういう好ましい状態まで急速に移行することはできないということで、現在の公社、公団制度がやむを得ざる処置としてとられておると、こう御理解いただいたほうが合理的だと思います。

中村順造日本社会党

○中村順造君 基本的な問題がいま関連質問で出されましたが、私が今日こうしてやっておるのも、総理がお見えになったときに、きょうお答えをいただいたものをもとにしてそれで基本的な論議をしてみたいと思います。もう少しいままでのを続けていきますが、文部大臣お急ぎですから、文部大臣に先にやりましょうか。これは私立学校振興会の理事長にお見えになっていただいておりますが、建設省はまだ残っておりますから、ちょっと待ってください。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 神崎さんのほうですか、岡田さんのほうですか。

中村順造日本社会党

○中村順造君 岡田さんのほうです。  これは私学振興のために非常に御努力をなさっておるということは私どもも十分わかっております。今後もやってもらわなければなりませんが、ただ、私は一つだけお尋ねいたしますが、監事の内藤誉三郎さんという人は現在監事をしておられるかどうか。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 現在監事をいたしております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 常勤でございますか。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 常勤でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 私立学校振興会の規則の中に、第十六条に、役員は「公務に従事する職員とみなす。」という項がございますね。これはどういうふうに御理解なさっておりますか。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) これは刑法上の問題の適用につきましては公務員と全く同様に扱う、かように考えております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これは刑法上の問題とおっしゃるが、この公務員が選挙運動活動ができないということはどう御理解になっておりますか。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 私立学校振興会の職員、これは公務員そのものではございません。公務員に関する選挙法令はそのまま適用しないものと存じております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これは、先ほど申しましたように、非常に御努力なさっておるということは私も率直に認めて感謝しておるものでありますが、少なくとも政府出資金百二十一億五千万円、こういう性格の振興会でございますが、その中の職員、役員が、そういうふうな、いうならば問題のある——私はいまの今日の段階では問題のあるという表現をいたしますが、そういうことは理事長としてはどういうふうにお考えになっておりますか。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) この常任監事の仕事は、これは本会の業務の適切なる運営を果たすということでございまして、主として会計関係の仕事を中心に業務の監査をやるというのが仕事でございまして、内藤監事は、この規定に従いまして、あるいは業務の事前監査、あるいは事後の監査、また関係庁に出します諸種の報告書等につきましても事前事後監査等をいたしております。現在、本会の執行には直接さしたる支障なくやっております。ただ、お話しの選挙関係のことでございますが、これは法令上立候補を禁止する規定はございませんし、また、現在立候補しているわけでもない。したがいまして、これはさらにその選挙のいよいよ間近になった段階におきましては別途の考慮をいたすと言っておりますけれども、現在におきましては何ら支障なくその業務をなしておりますと、かように申し上げる次第であります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 業務の内容がどうであろうと、監事でございますかと私がお尋ねしたときに、監事だ、こうおっしゃったから、監事は明らかにこれは役員でしょう。この点はどうなんです。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 役員でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 いろいろ苦しい答弁をなさっておりますが、この役員はそういうことで「公務に従事する職員とみなす。」と、こういうことになれば、いまたまたまあなたが選挙のことをおっしゃったが、現在立候補もしておらなければ将来立候補する意思もない、こういうお話ですが、それはよろしゅうございますか。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 現在立候補していないということを申し上げたわけでございまして、将来はまた本人の意思をよく確かめて……。

中村順造日本社会党

○中村順造君 文部大臣、いまの岡田理事長の見解に対してひとつ答弁をしてください。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 私学振興会の監事の内藤君に関する御質問ですが、実は先月上旬に衆議院の予算委員会でもこの件についてのお尋ねがございました。私どもの見解としては、現在参議院の選挙が始まっているわけではまだございませんので、現在のところは勤務状態その他について十分職務を遂行しているかどうかということを中心にして調べもし、勧告もいたしましたが、その当時の調べで、監事として大体毎月十日以上、つまりこれは日曜とか祭日を除いてでございますが、そういう出勤の状況であり、仕事につきましても法制に規定されておる職務に対して十分の仕事をしておるということが認識されましたので、さらに一そう職務に精励するように注意をいたしておいた次第でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 職務の内容が会計だとかなんとかいろいろこじつけておっしゃっておられますが、これは先ほど私申しましたように、百二十一億五千万という政府出資金を受けておる振興会、しかも内藤君の場合は現職監事として月額十四万円の報酬を受けておる。これは民間の私企業ならいざ知らず、こういう性格のものにつとめておる役員が、ちゃんとあなたこの会の規則の中に十六条に書いてあるんです。そういうことをやってはいけないということが。どうです。理事長、もう一回。現在立候補しておらないなんて、いま立候補しておる者がおりますか。そういうこじつけでなしに、一体どうなっているのか正確にひとつ御答弁を願います。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 振興会の役員の任命権はすべて文部大臣にございまして、私どもから任命についてどうということは申し上げられないのでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 任命するときにはそれはそうです。なるほど文部大臣が任命権を持っております。しかし、現在の役員の体制でその会の運営の責任者でしょう、あなたは。その点はどう考えておりますか。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 先ほど大臣からも申し上げたと思いますが、勤務の適正を期するようにと、そして公正に仕事をするようにと私からも常に注意をいたしております。また、先般、文部大臣からもその点を御注意いただいたということでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 そういうことを言われましても、これは明らかにいろいろな客観的な一つの実証があるわけですよ、私は申し上げませんけれども。十分おわかりになっておりながらそういう答弁をなさっている。業務に支障があろうがなかろうが、やっていけないことをやった場合にはどうなるか、こういうことでしょう。私は冒頭に申し上げましたように、政府機関なるがゆえいろいろ綱紀の問題も厳重にしなければならぬ。あるいは人事の登用あるいは公平という面から見て、そういうことをやっていけないことをやっているのを見のがして、他の一体総括的なあなた監督ができますか。その点はどうなんです。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 先ほど申し上げたとおりでございます。(「そんなの答弁じゃないよ」と呼ぶ者あり)

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは、ただいま岡田理事長からもお答えいたしましたように、任命の責任は私にあるわけでございますから、十分事態をなお一そう見通しまして善処いたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと関連。この問題は非常に重大なことだと思います。かねて選挙制度審議会におきましても高級公務員の立候補については何らかの措置をすべきではないか、こういう意見も出ております。しかし、これは憲法に保障された被選挙権自由の問題にも関連がありますから、なかなかこれはむずかしくて今日に至っておるわけですね。今回もたしか七名程度の高級公務員が、特に次官クラスまで行かれた方々がすでに新聞紙上にも出て立候補がきまっておる。そういう中で私はいまこの問題について愛知大臣の意見を聞きたいのは、世にいう国家公務員の高級職員が立つ場合には批判があるにもかかわらず、やめた内藤かつての文部次官が、政府の機関に監事としてつとめられて、そうして十数万円の給料をもらいながら選挙運動を続けているというのが実態なんです。だから、これはもし良心があれば、みずから内藤さんは辞職をする。そうすれば、高級公務員という批判はあっても、その点はまあ一応世論としてもある程度私は了解すると思うんですよ。そういうことをするのが良心的な立場であろうし、それをもうあとわずかのときに迫っておるにもかかわらずこういう問題が国会の中で論議をされるようなことは非常に私は遺憾だと思う。ですから、そういう方々は早うやめさして、そうしてりっぱに事業団に協力ができる体制をしくことが私は大臣の職責ではないかと思うんです。それをやりなさいよ。そうしないと、内藤さん自体ばかりじゃない、政府も批判されるであろうし、国民もこれは納得しませんよ。そんな、あんた、高級公務員の立候補が問題になっているときに、しかも政府機関から金をもらって選挙運動やっているなんて、これは私は問題だと思う。ですから、その措置はすみやかにやるべきだと思いますが、大臣はどうですか。国務大臣(愛知揆一君) 御注意のございました点を十分考えまして善処いたします。

中村順造日本社会党

○中村順造君 いまの岡田理事長の答弁は、私は納得できません。答弁じゃないと思うのです。  ついでにお尋ねしますがね、会長はまあよろしゅうございますが、理事長以下、前歴はどういう経歴を持っているのか。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 理事長の私は、前は文部省の官吏をしておりました。それからあと理事は五人でございまして、一人が常勤、他の四人が非常勤であります。常勤理事の宮川さんは、前に日本学校給食会常務理事をやっておられました。監事は三人おりまして一人が常勤監事、先ほどお話の内藤さん、あと二人は非常勤でございまして、それぞれ私立学校関係の方でございます。  なお、申し落としましたが、非常勤の理事四名は、それぞれ私立学校関係の方でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 この問題は、大臣も衆議院の本会議だということで席を立たれてあれですが、問題は確かに残っているのです。これだけは申し上げておきますから、大臣は検討して善処すると、こうおっしゃっているのですから、それは任命の責任の有無ということでなしに、この際は日常業務に携わっている監督のあなたの措置ですね、これをどうなさるのかということを私は聞きたかったのです。答弁ができればもう一回してください。

岡田孝平私立学校振興会理事長

○参考人(岡田孝平君) 文部大臣とよく御協議いたしまして、適当にやりたいと思っております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 時間もまいりましたが、続けて建設省に移りたいと思いますが、変わりたいと思いますが、いま大臣のお話では、住宅公団には問題はないのだと、こういうお話がありますが、これは表面に出ると出ないとでは、私もかなりなことを聞いているのですが、悪いことをしようと思えば、その規模からいいましても、この住宅公団というのは、ものすごいですね。政府の出資金なんかというものも、他の公団に比してもばく大な数に上るわけです。道路公団でも同じです。こういう問題は、特に綱紀の問題は、先ほど住宅公団の総裁は、そういうようなお話でありましたが、大臣にひとつ力を入れてもらわなければならない。  それでは首都高速道路公団のことに入りますが、これはいまあなたもお認めになりましたね。綱紀の点は確かに不都合があった。これは罰則がありますが、どうなっておりますか、その後の経過は。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) お答えいたしますが、三宅坂インターチェンジの不始末事件だと存じますけれども、不始末事件を起こしました西松建設、これの職員は検察庁によって取り調べられておりますことは御承知のとおりでありますが、西松建設に対しましては、首都公団としては、今後の指名を二十カ月停止という措置をとっておりますし、建設省としましては建設業法によりまして、関東地建に関する区域に対しては一カ月の営業停止、それから全建設省の直轄工事に関しましては当分の間指名をしない、こういう処置をとったわけでございます。  それから公団の職員につきましては、起訴されました一人は懲戒免職、一人のまだ起訴に至っておりませんが、取り調べ中の者は、これは職務を変えまして、そうしていまほかの仕事をさせておりますが、これは検察庁の取り調べが決定次第、厳重な処分をいたす所存でございます。  それからなお、もう一つつけ加えて申しますと、今度の問題については資材のいわゆる官給と申しますか、資材を供給したことに起因している面があるのでありますけれども、これについては資材を、セメントや鉄材を供給しまして仕事をさせることについては利点もあるのでありますが、今度のような問題もありますので、いま私の手元で、これは廃止をする方向で検討を進めている最中でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 起訴された者は免職処分だと、こういうことで、それから取り調べ中の者は仕事を変えて、現在仕事についておる、こういうことですね。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) さようでございます。と申しますのは、ほんとうは裁判確定まで待ってするのがいわゆる人権尊重の立場であろうと思いますけれども、免職しました分は、本人もその事実を認めたと思いましたのでそういう処置をとったのでありますが、もう一人のほうはまだ起訴された……その検察の処分が未確定のままでありますので、従来の慣例に従って確定した上で処分をする、こういうふうにいたしておるわけであります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 まあ綱紀の点は、非常に政府の出資額も多いし、事業のスケールも大きいので、この点は特に私は公団の総裁、高速度道路公団あるいは住宅公団、建設大臣に要望しておきます。特に気をつけていただくように。  次に、労働省の雇用促進事業団理事長にお尋ねいたします。この雇用促進事業団の内容ですが、これは現在の社会情勢から判断をいたしまして非常に重要な仕事をなさっておると思います。したがいまして、この十九条の示す内容につきまして、いまどういうことを重点的になさっておるのか、あるいはいままでされたか、これから先なさろうとしておるのか、その点ひとつ若干詳しくひとつ説明をいただきたいと思います。

万仲余所治雇用促進事業団理事長

○参考人(万仲余所治君) 雇用促進事業団の理事長でございます。  御承知のように、当事業団は三十六年の七月からできましてやや四年近くになっております。私、最初から理事長を仰せつかっております。私どものやっております仕事は、当時から非常にそういう情勢が顕著になったので事業団をおつくりになったと思いますが、一つは、最近の産業界に技能労働者が非常に必要になったということで、義務教育を終えた人々にまず技能の訓練を施して社会へ出すという仕事が一つでございます。これに関連しまして、義務教育を終えたとか何かということでなくて、どこかの産業に労務を提供しておられた方々が失業状態になられた際に、次の仕事につかれることについても私どもはいろいろな援助を申し上げます。その際に違った仕事をなされるために、いままでの仕事とは違うのですから、そのための技能の訓練を必要とする場合があります。これを転職訓練と申しておまりして、こういう訓練もいたしております。で、これは第一点の職業訓練と称しております。  二番目は、ウエートは同じでございます。むしろそのほうが大きいかもしれませんが、最近、全体の労働者の状況を見ますと、やや失業状態の人もあるかもしれません、まあありますが、その中で、ほしいと思う人が少ない、また別の面では就職したいと思う人が就職できないという、労働者全体の数と、そのほしい、就職したいという関係が非常にアンバランスになっておりますので、これを調整するために、場合によりましては遠隔の地方から違ったほうへ持っていくというような事柄に対する産業界地域間の就職のあっせんをする。あっせんそのものよりもあっせんのまあお手伝い、と申しますのは、あっせんそのものは官庁の仕事でございますので、私どもは一応のあっせんがなされる段階になりました際に、これのお手伝いの仕事——後ほど内容は申し上げます——これが一つでございます。  なお、そういう地域間のアンバランスを調整いたします際に、多くの場合に、地域が変わりますと、いままでは住宅があったが今度は住宅がないというようなことで、住宅がないために就職が途中でこわれてしまうというようなことが非常に多くありますので、これをまあお手伝いといいますか、調整するために、需要地を中心といたしまして労働者の住宅をつくりまして、ただし、この住宅はきわめて短期間、ほんとうの落ちつき場所をおつくりになったり、あるいはそこへお入りになるまでの間のつなぎとして、ここへお入りなさいというので、移転就職者用宿舎という名前をつけておりますが、その内容は住宅公団でおつくりになります労働者用住宅と同じようなもの、そういうものをつくるという意味合いのこと、あるいは就職に関するいろいろな付属的な事柄をなすというような——大体、もう一度申し上げますと、職業訓練関係の仕事、それから地域間、産業間の労働力を適正に動かしてその後顧の憂いがないようにすること、さらにそれらの必要のための付随的な仕事と三つに分けるのが、われわれがやる仕事の目的でございます。  実際にやります仕事は、私どものほうの仕事の内容としては三つに分けております。一般的な業務というのが一つ、それからちょうどできますその前から石炭関係が異常状態でございまして、石炭関係の異常状態は特に地域的に遠隔へ持っていかなければならないというようなことで、石炭関係だけを独立的に、援護関係と申しまして、炭鉱援護関係でございますが、そういう関係を一つ別に特別関係で持っております。それと、ただいまちょっと申しました住宅でありますとか、あるいは遠隔の地へ移ります際の移転をするための費用でありますとか、あるいは就職をなさる際にお金がないから就職のための資金をお貸ししたりというような事柄をやっております。  名前をひとつあげますと、住宅関係では、ただいま申しました移転就職者用宿舎というのを、現在でき上がって人が入っております住宅は戸数で一万二千ばかりございます。ただいま建てつつありますのが約五千ばかりございます。さらに引き続いて予算をちょうだいしまして、これから建てる——建てると申しますか、これから着手していこう、来年度に入りますけれども、それが六千九百であります。でき上がっておりますのは一万二千三百ばかりでございます。そのほかに港湾労働者用の住宅、これはまだそう数は多くはございません、二百四十戸ばかりでき上がっております。それから、簡易宿泊所というのが、これは全国各地に私ども事業団を組織します前からございましたのを継続して、また幾らかふやしてやっておりますのが二十二カ所つくっております。それから、労働福祉館、これは子供さんを預かるという意味合いでございます。これも私どもの事業団ができます前からありましたのを引き続いてやっております。これがまあ住宅関係でございまして、なお個々の会社等が労働者を入れるために住宅をつくる、そのために金が足りないという際に、その福祉関係の資金をお貸しするという仕事もやっております。これだけが住宅関係のほうでございます。  それから、移ります際に手当としていろいろなものを出しておりますけれども、就職資金、それからさっきちょっと申しました移転資金、これは旅費でありますとか、日当というわけでもございませんけれども、旅費に伴って要りますいろいろな費用をいろんな計算で出しますのを移転資金と申します。それから、雇用奨励金というのは、これは先さまがお雇いになる場合に、現在は三万円とか四万円とか、いろいろな能力があるとは思わぬし、やり得ないけれども、その人たちは家族その他の関係でどうしても自分の能力よりもよけいに場合によってはいただかなければならぬ。ある期間たてば能力は出ましょうが、初めは能力がないという場合に、政府が事業主にある金を援助しまして、本人にはよけい行きますけれども、事業主のほうへは一部政府が援助するという雇用奨励金というものも出しております。それから、住宅関係でもう一つあります。住宅確保奨励金と申しまして、御自分で住宅をお建てになる際に二十万円を限度にしてお金を差し上げるという制度もございます。また、どこかよそから、いまのような厚生関係とかいろんな関係から、私どものほうにもありますが、お金をお借りになる場合には、それにさらに十万円を限度として自分でお出しになる金を援助して差し上げるという制度もございます。それから、家があるのだが、それを改造するとか、増築するとかいうような場合も金に限度がございますが、お金を差し上げるという制度がございます。  さらに、もう一つは、最近扱っておりますのは、どうにも家がないし、なかなか困るが、借りればあるという際に、事業主が家を借りられた場合に、それに対して三千円ないし五千円の、状況によりまして家賃の援助をするというやり方もいたしております。これが住宅奨励金で、申し落としましてございます。  それから、職業訓練をやります際に、失業手当をおもらいになる方、またおもらいにならぬ方、いろいろな条件がございますが、その際に失業手当とのバランスを見まして、訓練手当というものを差し上げるという制度もいたしております。  身元保証ということは、お金を差し上げるのじゃなくて、保証がなくちゃ就職できない際に就職の保証をいたしまして、もし万やむを得ざる事故のために何か経済面の問題が起こった場合は、二十万円を限度として私どものほうで、やむを得ぬ場合にそれを補償するという制度もございます。  これらが一般の援助関係でございますが、次に、職業訓練関係でございます。これは私のほうでは総合職業訓練所といいまして、原則としては都道府県各一カ所ずつは必ず持つというたてまえで、総合職業訓練所というのを経営いたしております。これは義務教育を出た人を原則として二年間専門的な訓練をして、職場に入りました際にはやがて職長的な立場に立つという中堅幹部を養成するということを主にいたしておりますが、訓練所ができました当初は、幾らか余裕がありますので、都道府県の依頼を受けて、都道府県でやっていらっしゃいます。年間訓練という職業訓練の委託を受けてやるということもやっております。それから、ここでは、なおあります余裕をフルに動かしまして、さっき申しました転職をされる方の再訓練ということもやっております。三十八年度の実績を申しますと、全国に総合職業訓練所が五十五カ所あります。炭鉱専門のものの転職訓練をやっておりますのは、そのうち六カ所ありますが、その他の場所でも、いまの専門訓練並びに基礎訓練のほかに、なお転職のための訓練は余裕のある限度においてみなやっておりますが、三十八年度の実績を申し上げますと、養成訓練では延べ九千七百二十一人、その内容が……。

中村順造日本社会党

○中村順造君 簡単でいいです。

万仲余所治雇用促進事業団理事長

○参考人(万仲余所治君) 詳しくはいつでも申し上げますが、転職訓練で延べ八千七十二人ばかりを三十八年度としてやっております。  さっきごちゃごちゃに申しましたが、炭鉱離職のための援護関係と申しますと、さっき申しました移住資金という、これは一般移住資金よりも遠距離でありますために、少し高額なものを差し上げております。雇用奨励金、職業訓練手当、なお移動宿舎を、私のほうで買ったパイプハウスをお貸しするということもやっております。それから、住宅奨励金、これはさっき申し上げました。  こういうのが、お金の額は申しませんでしたけれども、大体私のほうでやっております仕事の内容でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 非常にいまのお話は内容が多岐にわたっておりますし、またたいへん御苦労なさっておるようであります。時間がありませんから多く申し上げることができませんが、この港湾労働者の住宅ということは、いまなかなか思うようにいかぬというお話でしたが、要望として、今後これは非常に夜中に沖仲士を終わって帰ったなどというのがたくさんあると思いますから、特に力を入れてやってもらいたい。労働大臣、ひとつ目をさましてください、あなたの所管事項ですから。  次に、科学技術庁の所管の新技術開発事業団の理事長にお願いいたしますが、もう時間がございませんから簡単でございますが、私のお尋ねしたいのは、第三十五条の「利益及び損失の処理」という項目がございますが、この新技術開発事業団法ということで、この中に利益及び損失というようなことはどうなっておるのか。これをひとつ御説明願いたいと思います。

鈴江康平新技術開発事業団理事長

○参考人(鈴江康平君) 新技術開発事業団といたしまして利益を生ずる面といたしましては、新しい技術が企業化されまして、それが利潤を生みました場合には、技術の実施料として、事業団の収入としていただく分があるわけでございます。その分が利益になりますので、それが非常にたくさんになりました場合には、それを次の年度に持っていくということでございますし、あるいはまた、事業を育成いたしますときに、それが全然だめなものであった場合には、これは事業団の損失になりますものですから、それは赤字として処理するということになるわけでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 いまどうなっているんですか、その利益、損失というのは。

鈴江康平新技術開発事業団理事長

○参考人(鈴江康平君) ただいまのところ、実は一件だけどうしてもうまくいかないのがございまして、約七千二百万円ばかりの損失を来たしております。  一方、収入といたしましては、まだ約一千万円足らずのものでございますけれども、この実施料が入っておるわけでございます。ただ実施料は、今後その事業がますます拡張されますときには、あるいはまた、将来製品がたくさん売れるようになりますれば、実施料が上がってまいりますものでございますから、ただいまのところは欠損が大きいのでございますが、まあ先にいきましてはそれが取り返し得るんではないかというように考えておる次第でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 そういたしますと、これは政府出資金が、私の資料では二十億七千万円出ておるわけですが、赤字が現在のところ七千万円、それから収入見込みが一千万と、こういうことですか。

鈴江康平新技術開発事業団理事長

○参考人(鈴江康平君) さらに、そのほかに事業団の事務費がございますので、これが一応欠損になっておるわけでございます。これと、先ほどの失敗いたしましたときの欠損、並びにその事務費でございますが、これが、ただいまそれに見合うだけの実施料がまだ入っておりませんものですから、収支いたしますとその分も赤字になってまいるわけでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 現在あなたのところのスタッフはやはり非常勤が二人、三人おられるわけですが、総人員何名ですか。

鈴江康平新技術開発事業団理事長

○参考人(鈴江康平君) 職員が現在のところ四十名でございます。それから役員は、いま御指摘のとおり、六人おるわけでございますが、内容を申しますと、理事長、専務理事、それから理事が三毛おりまして、そのうち一名が常勤、二名が非常勤でございます。監事が一名ございますが、これは非常勤でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これはよろしゅうございます。  次に、原子力研究所について、理事長の方にお尋ねいたします。  これも時間がございませんから、一点だけですが、いまの利益、損失、または積み立て等について、ひとつ第三十条の項目ですが、御説明いただきます。

丹羽周夫日本原子力研究所理事長

○参考人(丹羽周夫君) ただいま御質問の、といいますか、経理の決算に関する話なんですが、まことに申しわけありませんが、原子力研究所というものの経理制度は民間のそれと非常に違いますし、また、ああいう特殊なものでありますので、決算のし方に損失金というものをあげてはおりますけれども、純粋の損失としていいのか悪いのかというような点もございまするし、かたがた申しわけない点は、きょう経理決算の詳しい数字の表を持ってまいりましておりませんので、もしなんでしたならば、後ほど書面にでもよりまして御回答申し上げたいと思いますが、いかがでございましょう。

中村順造日本社会党

○中村順造君 まああとで書面をいただくということでございますから、それでもよろしゅうございますが、きょうわざわざ来ていただいて、あなたが最高の責任者ですが、少なくとも概略の——こまかい何百、何十億ということでなしに、何千万というまではいかなくても、概略を、大体これこれだということは、あなたのところは膨大な政府出資があるわけですね。ほかに類例を見ないほど。大体政府出資金は幾らですか。あなたのところは。

丹羽周夫日本原子力研究所理事長

○参考人(丹羽周夫君) 四十年度につきまして申し上げますというと、民間出資をまぜまして約七十億であります。もう少し詳しい数字を持っております。予算につきましては数字を持っております。決算に関する数字だけを持って参りませんでしたので、四十年度の予算につきましては、全体の収入が合計七十億二千六百五十六万五千円であります。そのうち政府出資金が六十六億六千万円、そのほかに民間出資等々がございまして、合計七十億二千六百五十万円でございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 政府の出資金は幾らですか。

丹羽周夫日本原子力研究所理事長

○参考人(丹羽周夫君) 六十六億六千万円であります。民間出資がこの予算では一億五千万円となっておりまするが、ただいま各方面にずいぶん広くお願いに回っておりまするが、ひょっとしたら一億五千万円まではいただけないのじゃないかというふうに考えております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 ちょっと数字が違うのだが、私のほうは、政府出資金が三百八十一億一千九百万円となっているのですがね。えらい開きがあるのですが、どうなんです。

丹羽周夫日本原子力研究所理事長

○参考人(丹羽周夫君) 私の所持しておりまする資料によりますると、これは四十年度事業予算でありまして、ただいま申しましたように、このとおりにならないものは民間出資金、並びに民間寄付金であろうと思います。その他のものは、ただいま申し上げた数字であろうと心得ております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 えらい数字が違っておりますが、数字はあとで正確なものを出していただけばよいと思いますが、私の聞いているのは、政府出資金……。

丹羽周夫日本原子力研究所理事長

○参考人(丹羽周夫君) 三十九年までの累計でございますか。それはちょっと私これも詳しい数字を持っておりませんが、おおむね今日までの政府出資は三百五十億余りであろうと存じております。

佐藤一郎大蔵省主計局長

○政府委員(佐藤一郎君) ただいまお話しのございましたのは三十九年度までの政府出資の累計です。それから丹羽さんのお答えになりましたのは四十年度の出資の予定額です。

中村順造日本社会党

○中村順造君 丹羽理事長さんは技術者ですか。失礼ですが。

丹羽周夫日本原子力研究所理事長

○参考人(丹羽周夫君) 私は約四十五、六年前に東大の工学部を出身いたしました。したがって、かっては技術者であったつもりであります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 わかりました。それは少し無理な質問だったかと思うのでありますが、あとで資料を出していただきます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ちょっと関連して。技術者であり、かつ、丹羽さんはかっては広島の地方労働委員会の委員をされたり、なかなかその方面もたんのうだと思うのですが、簡単でいいのですが、おたくの労働関係については、とかくいろいろ問題が出ていたのですが、現状いかがでございますか。

丹羽周夫日本原子力研究所理事長

○参考人(丹羽周夫君) 私、昨年の六月一日に会社関係をやめまして、原研の理事長を拝命したのでありますが、その前後にずいぶんいろいろな、いまおっしゃいました原研の労働関係等につきましての書いたものやらお話やらを承りました。私就任いたしましてから今日までに、あれは大体政労協と申しますか、まあ政府関係の諸団体と同じような行動をとる労働組合でありまするが、今日までにたしか三回ストをやりました。そのうちの二回は一時間の時限ストであります。それから一日だけは、先週の金曜日でありましたか、二十四時間のストライキをやりました。その他は何にもございません。かつて、私就任前にいろいろあったやに聞きましたこと、あるいはその他いろんな事情を聞いたり見たりさせられましたが、だいぶん実情とは違う点があるというふうに思う点もございます。ともかくも、現状、私就任いたしましてから約九カ月余りになるのでありますが、むしろ他の方面に比べまするというと、ストライキというものだけににつきましては、数が少ないように存ずる次第であります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 それでは次に、水資源開発公団の総裁にお願いいたします。  これも原子力と同じことになりますが、恐縮ですが、大体その利益損失ということのこの項目については、どうなっているのか。ひとつ簡単でいいですから。

進藤武左衛門水資源開発公団総裁

○参考人(進藤武左衛門君) お答えいたします。  ごく概要でございますが、水資源開発公団の、公団法とそれから促進法の二法によりまして、昭和三十七年の五月一日に発足いたしました。来月でちょうど満三年になるわけでございますが、総理大臣から水資源開発水系として指定されましたのが利根川と淀川と、それから昨年の暮れ筑後川と、三つ指定されているわけでございます。そのうち公団の仕事として政府から命令を受けておりますのは、利根川と淀川の開発でございまして、利根川におきましては、最上流の矢木沢ダムと、それから中流の支流にあります下久保ダム、二つの多目的ダムの建設と、それから群馬用水、それから利根導水路並びに印旛沼の開発計画、これだけをただいま工事を実施しておりますが、大体順調に推移いたしておりまして、特に利根導水路は、御承知のように、東京都の現在の水情勢にかんがみまして、昨年の八月二十五日に荒川の余剰水をいたしまして、今日までに約七千万トンくらい入っております。なお、去る三月一日に、利根川の余剰水を取り入れることにいたしまして、これもただいま一日七十万トン近く東京に送水いたしておるわけでございます。  それから淀川におきしまては、昨年の八月淀川の河口を締め切りまして、長柄可動ぜきと申しますか、ここで約十トンの水を京阪神へ送っておるわけでございまして、そのほか、上流の高山ダムもただいま工事中でございます。  なお、四十年度におきまして、そのほか四十年度になりますと、実施調査をいたしますのが、利根川におきましては神戸のダム、それから淀川におきましては青蓮寺ダムでございます。なお、利根川におきましては、最近利根川の河口を締め切りまして、河口ぜきと申しますが、これを締め切ります工事に着手を始めております。  なお来年度は神戸の多目的ダムの実施調査をいたすということになっております。  大体三十七年度は四十億の予算でございましたが、三十八年度は九十六億か九十七億、それから三十九年度は百八十六億、まあ大体毎年等比級数で予算がふえておりますので、ほぼ三年間で事業が軌道に乗ったと考えておるわけでございます。

中村順造日本社会党

○中村順造君 御苦労さまでした。  次に、海外経済協力基金法について、この基金の総裁にお尋ねをいたしますが、おられますか。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 柳田参考人どうぞ。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これは目的はよくわかっているわけですが、現状の貨し付け、または出資額というのは、どういうふうになっていますか。

柳田誠二郎海外経済協力基金総裁

○参考人(柳田誠二郎君) 御承知のように、海外経済協力基金は、三十六年の三月の半ばにできました。当初の出資が五十四億、次が五十億、さらに六十五億の出資がございました。その総計、これが現在の出資金になっております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 いや、私がお尋ねしたのは、出資金でなしに、貨し付けられるわけでしょう。まあ大まかに、大ざっぱでいいですから、貨し付け、または出資をされる場合ですね、されたほうの額をちょっと説明してください。

柳田誠二郎海外経済協力基金総裁

○参考人(柳田誠二郎君) 三月の二十日の現在になりまするけれども、投融資の承諾をした額が百二十億円、承諾額が、そのうちに、実際に実行しましたものは八十八億ほどありましたけれども、返金がありましたので、現在の投融資の残高は七十七億円ほどになっております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 内容をもう少し聞きたいのですが、もう時間がありませんから、その程度でよろしゅうございます。どうもありがとうございました。  次に、日本鉄道建設公団ですが、これは現状はどうなっておりますか。いままで、まだ発足以来日が浅いのですが、大まかに、この日本国有鉄道に貸し付けたか、または譲渡したものがあれば、実績をひとつおっしゃってください。

太田利三郎日本鉄道建設公団総裁

○参考人(太田利三郎君) 三十九年度におきまして、部分改良等によりまして完成いたしました線路で、国鉄に貸し付けておりますのが根岸線、それから北海道の美幸線、白糠線、辺富内線、生橋線が貸し付け線、それから譲渡の予定線が能登線でございます。これらを昨年貸し付けてあります。根岸線だけが有償貸し付けで、あとは無償貸し付け、こういうふうに相なっております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 それでは時間がまいりましたから、私は国鉄総裁と、日本電信電話公社の総裁にお尋ねをいたしたいのであります。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) どうぞこちらへ。

中村順造日本社会党

○中村順造君 両総裁に共通のことをお尋ねいたしますから、それぞれ答えていただきたいと思います。  電信電話公社も、国鉄もですね、労働問題が非常に複雑になっておる。これはもちろんILO問題等もありますが、いま早急にひとつ腹を固めていただかなければならないのは、当事者能力の問題です。まあ国鉄におきましても、電電におきましても、何十万という労働者をあなた方は管理しておられてですね、その労働者の管理をする上において、現状で一体どう考えておられるのか、この点をひとつまずお尋ねいたします。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) お答えいたします。労使間の問題の解決というものは、理想としては両者間の話し合いできめていくということが一番望ましいことだと存じます。しかし、これは国鉄に関する限りは、第一は、予算上の制度の問題、第二は、制度上のいろいろの制約がありまして、事実そういうことはできないのであります。そこで結局、第三者機関に持っていく、つまり仲裁裁定に持っていくということが現状であります。予算上どうしてできないかというと、御承知のとおりに、事、人件費に関する限りは固いワクがあります。一歩でもそれから出るということはできない。それでは予算を組むときに、それだけの融通を見て予算を組んだらいいじゃないか。かりに、たとえば一年にベースアップでもってこれまでは、最近においては二百七十億円ふえているのですが、それだけのものを予算で見たらどうだと、こういうことでございますが、これは大蔵省は絶対に承知しっこない。したがって、国鉄総裁としてその責任において、組合の納得するような多額の資金をもってして、組合と手を握るということはこれは事実できない。ということは、この場合には手を握ったあとで大蔵大臣の承認を得にゃならず、また国会の承認を得にやならない。そこで両者が承認するかどうかということはこれはわからない。わからないのに、チャンスをとって、国鉄総裁はあえて組合と手を握るということはこれは責任上不可能なことであります。  以上の次第でありますからして、組合の要求に対しては、結局は第三者の裁定に持ち込むということにならざるを得ないということで、御承知のとおり、去年までは組合が七千円とか八千円とか要求した場合に、いつもゼロ回答であった。ところが、ゼロ回答ということは、いかにももうこれは冷ややかな回答である。実にわれわれとしても忍びぬということで、ことしは五百円というものをつけたのであります。しかし、五百円で組合が承知するはずはない。承知するはずはないのに、まあていさいをつくるということでしょうね、ゼロ回答よりはまだましだ。こういうことで五百円という回答をまあしたのでありますが、われわれは五百円で組合を納得させようということはない。そういう精神でやったのではない。結局はやはり仲裁裁定に持っていく、仲裁裁定に持っていけば、きわめて公平な裁定を下すがゆえにそれでいいじゃないか、こういうことで、金五百円なり、こういう回答をした次第であります。  それで、さらに制度上の問題でありますが、かりに、国鉄総裁が自分の責任において組合の納得するようなものを出すという場合においては、その資金をどうするか、こういうことなんです。特に制度上の変革を要するということはできない。その資金をつくる一つの方法としては運賃の値上げ問題、さらに借金の限度というものを拡大する問題、こういうことは、できればこれは組合との話し合いで問題を解決するということが一つありますよ。もちろんこれには予算上の規定の改正をやらなければできない。しかし、こういうことは一体政府なり国会が承認してくれるやいなや、私は、現在の情勢ではこれは見込みないと思います。結局、やはり帰着するところは仲裁裁定に持っていく。仲裁裁定に持っていけばそこに公平な判断——裁定が下される。それで仲裁裁定できまったものは、これは労使、両者を拘束するのみならず、政府としても、あるいは国会としても、これに対しては敬意を表してくれる。そこにおいて公平な仲裁裁定の裁決というものがそこに非常な効果をあらわしているということで、現在の情勢では、やはりこれはもう仲裁裁定に持っていくということ以外に私は方法はないと考えております。

中村順造日本社会党

○中村順造君 これは答弁を聞く前に、わかりきったことを言われておるのだが、私はそんなことを聞いたわけじゃないのですよ。仲裁裁定が出ればどうなるとか、現行制度がどうなっておるということを聞いたわけじゃないのですよ。いままでの現行制度では、あなた方残念ながら……これは電信電話総裁の御答弁をまだ聞いておりませんが、おそらくいまの制度上の問題からいうならば、同じ立場に置かれておられるわけです。これは当事者能力がないということですよ。あなたは仲裁が一番いいとかなんとかおっしゃるけれども、当事者能力が現在はないとお認めになるかどうか、こういうことなんですよ。これは大臣もひとつ答えてくださいよ、大事なことですから。それで、組合が納得しない五百円ということは、ふざけた話ですよ、実際こんなものは。第一、制度上あるいは予算上と言われたけれども、予算のことはわかりますが、制度上そういう欠陥があるならば、われわれに当事者能力を授けてくれ、そういう制度にしてくれという要求をなさいましたか、政府に対して。なるほど二十万あるいは四十数万という職員をみんな使っておられる。その中で、人は使う、しかし、その裏づけの賃金を払う能力がないということでしょう、現状では。それでは払う能力をおれに与えてくれろと、こういう要求を政府になさったかどうか、なさる意思があるのかどうか。いまの制度が悪いことはわかりきっているのですよ。まして五百円の、組合も納得しないものを出すなんてふざけている。処分はどんどん、何か不都合があったというので、平気で自分の部下の職員の首を切ったり何とかするけれども、そういう意味からは全く当事者能力の不具者じゃないか。これに対して考え方はどうですかと私は聞いているのです。大橋総裁ひとつお答え願います。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) お答え申し上げます。  当事者能力の問題についてのお尋ねでありますが、現在の公労法の規定によりますと、給与に関することは、公共企業体におきましても団体交渉の対象となり、また団体協約に基づくことができるというふうに規定されておることは御承知のとおりであります。したがいまして、当事者能力なしとは、私は現在の法制上においては言いがたいと思うのであります。しかしながら、実行の面で考えてみますと、現在、先ほどもお話しのありましたように、予算総則の流用禁止の規定とか、あるいはその他公労法上のいろいろな制約によりまして、自由な協約を結ぶことが非常に困難な状態にあるわけであります。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) お答えいたします。  およそ企業に当事者能力が与えられることは、その企業を運営するために、それは全く必要なことであることはいうまでもありません。しかし、公共企業体においての問題をいまは論じておるのであります。自主性を付与される、これは当事者能力を与えられることでありますが、からといって、予算及び運賃、料金を国会の決議からはずし、公共企業体当局が独自の決定権を持って自主性を最大限に発揮することになることが、公共企業体の行なう事業等はきわめて公共性が高いので、その経営は、国民の立場から見て、ふさわしい制度のもとに置かれるべきものであって、その意味からいって、予算及び運賃料金を国会からはずすということが、この企業の公共性というものから見てほんとうに妥当であるかどうかということは、軽々しくここで大臣として答弁することが困難でございます。  しからば、現在よりも多少でも当事者能力を増していくということであるならば、予算の編成にあたって弾力性を打たせて、きめのこまかい点から改正によって当事者能力を少しでも付与していくという方向にいくことが、この際とるべき問題ではないかということについて、昨年来、この問題は、当議場においても衆議院の議場においても、相当議論されている問題でございます。したがいまして、関係各省次官会議におきまして、鋭意この問題を協議検討いたしましたところが、とりあえず現行制度を効率的に活用をはかることと、さらに、近く設置を予定されておるところの公務員制度審議会において根本的に検討を行なうことになっており、法律改正は、この審議会の答申を待ってなすべきものではないかということが現在の最終的結論になっておるのでございます。  以上、答弁いたします。

中村順造日本社会党

○中村順造君 私の質問に対して的確な答弁になってないのですが、時間がありませんから端的に申しますが、独立採算でしょう、電信電話も国鉄も。独立採算というならば、やはりそれだけのことがそれぞれ権能を与えられなければならぬわけです。いま大橋総裁はおっしゃったけれども、団体交渉で高額のいわゆる要求に近いもので妥結をすることができるけれども、実際には運用上問題がある、そんなことはわかりきったことですよ、今の制度では。だから、いまの制度をどうすればよろしいか、これももう議論の余地ありません。国鉄総裁も仲裁裁定が云々と言われるけれども、仲裁裁定ということは究極はどうなるかということも、これもわかりきったことなんですよ。ただ、あなた方正常にお二人の総裁が当事者能力を持っておられるとするならば、かりにそういう前提に立つならば、労働組合の要求が五千円、あたな方はそれに対して二千五百円あるいは三千円、こういう提案がされて、そこで金額が妥結をしないというときに仲裁裁定に持っていけばいいわけです。頭から相手がのめもしないし、いまの客観的な情勢から見ても、絶対できない五百円を提案するということはふざけた話ですよ。感覚が少しずれているんじゃないですか。私が申し上げておるのは、少なくとも対等な立場で、最高責任者として、自分の部下の生活安定のめんどうをみることができるこれだけの要求をなぜ政府になさらないのか、現状で甘んじておられるのかどうかということを私は聞いておるわけです。その点はどうなんです。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) お答えいたします。  国鉄が組合の要求に対して、あるいはゼロ回答をするとか、あるいは五百円の回答をするとかいうことは、何もゼロ回答をどこまでも押し進めていこうという意味じゃない、五百円の場合においてもまたしかり。結局仲裁裁定というものが、われわれから見ればきわめて公平なものです。国鉄にもよし、組合にもよし。そこで公平な裁定が出ればそれに従う。従わないというのじゃない、従おうというのだから、私は、これは中村さんの意見とは少し違うかもしれぬが、きわめて公平な給与の決定ができる、こういうことで、いまの制度で私はけっこうじゃないかと存じておる次第であります。

中村順造日本社会党

○中村順造君 いまの制度でけっこうじゃないかという考え方が私はずれているというのですよ。いまの制度ではあなた方が当事者能力ないじゃないですか。仲裁裁定に持っていくと言われるけれども、仲裁裁定はものごとがまとまらぬときに持っていくので、まとまるものなら、あなたが冒頭に言われたように、労働組合と手を握るだけのあなたに権限がないから、しかたなしに持っていかれるのですよ。あなたにそれだけの権限、たとえば三千円なり五千円のベースアップをするだけの権限があなたに与えられておるなら、何も第三者に持っていく必要はないでしょう。当事者でまとめるのが原則でしょう、大前提ですよ。いまの仲裁制度でけっこうですという、そこに考え方がずれているんですよ。私はあなたよりはずいぶん若いですよ。年齢からいけば若いから、私の考え方が間違っているかも知らぬけれども、私から言うならば、あなた方の考え方がずれている。この点どうです。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) 私は、これは考え方だと思う。たとえばアメリカあたりにおいても、鉄道の労使の関係というものは、なかなか労使で交渉してもまとまらない。結局どこに決定を求めるかといえば、大統領が仲裁人をつくって、その裁定に両者がまかせる、こういうことで、それは何も労使の関係だけでなくて、民間におけるいろいろの争議の問題についても、その決定は第三者の裁定にまかせるというのが、これは一つの私は行き方だと思う。決してこれは組合のほうに不公平なことは私はしない。現在までのやり方から見れば、きわめて公平だと思う。われわれがそれに従うのだから、それでよくわないかと存じておる次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連。これは総裁、やはりずれていますよ。労働問題の基本は、あなたのおっしゃるのが基本じゃないのです。これは自主的に解決をはかるというのが近代労働観念の基本なんです。ですから、民間産業においても、労組法第一条にはそのことが書いてある、労調法にもそのことが書いてある。両者間で紛争がうまく解決できない異例の場合に調停であるとか仲裁ということなんで、あなたは仲裁を基本に考えられているところにまず第一のズレがある。認めませんか、それはよく調べて答えてください。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) 私は、実は労働争議の問題についてはあまり経験ない。いまだかつて労働争議というものにあったことがない。国鉄に来てから初めての経験ですが、仲裁裁定というものは実によくできている。   〔「関連々々」と呼ぶ者あり〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 関連はなるべく整理してください。鈴木君。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 関連。国鉄総裁の御意見は、私何度も聞いているんですよ。しかし、いまもずれているというお話があったが、あなたもさっき御答弁なさったときに、当事者能力があることが望ましいことだとおっしゃったでしょう。現行公労法においては、賃金問題は団体交渉によってきめるということがきまっている。だから、これが基本であって、ただし、電電公社の総裁がおっしゃるように、そういうふうにきまっておるが、実際にそれをやる場合には困難が出てくる。それは国会で予算がきまって、給与総額があって移流用ができないから、こうおっしゃっているから、だから、公労法第八条の団体交渉によってきめるということがいろんな制約があってできないから、あなた方は労使間でもって団体交渉できめることができるように、制度上の欠陥があるならば、その欠陥を一応是正してもらいたいというのがあなたの立場でなければならぬ。そういうことをあなたが言わなければうそであって、アメリカの国会みたいなことをここで言ってもしようがない、こういうことを言っている。これはひとつはっきり総裁から聞きたい。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) 私は初めに申し上げましたが、労使の間でお互いに譲りあって、お互いの立場を考えてやるということが望ましいというか、これは理想なんですが、実際の問題からいけば、これはなかなかむずかしい問題だと私は思う。これはもう一方で、その証拠には、民間あたりでそういうことをやっておって、彼らはなかなかできないからストライキをやる、こういうことでしょう。ところが、国鉄の職員にはストライキ権はないのです。武器を持たないで戦争をしようとすることと同じことなんです。その武器を持たない相手の組合とあれするには、国鉄が一方的にきめるのではなくて、第三者の仲裁裁定によると、これは私はきわめて常識的な、公平な原則であると思います。

中村順造日本社会党

○中村順造君 まあ人間の考え方のズレというものは、これは議論したってだめだと思うのですよ。あなたも明治、私も明治だけれども、ずいぶんずれていますよ。組合が五千円要求して、五千円は出されないけれども、四千円なら出すからみんな一生懸命に働いてくれというのが原則でしょう、これが。ところが、あなた四千円出すだけの能力がない、こういうことだから、私はないのがけしからぬと、こう言っておるんじゃない。おれには能力がないから、政府に対しておれに権能を与えてくれという要求をなさるのがあたりまえだ。じゃ、ないですかとぼくが聞いたら、仲裁裁定があたりまえだあたりまえだ、何ですか、それは。やめます。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 中村君の質疑は終了いたしました。     —————————————

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 委員の変更がございました。松本賢一君が辞任され、千葉千代世君が選任されました。  本日はこの程度にいたしまして、明二十四日、都合により、午前十一時から委員会を開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十一分散会

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