法務委員会 第21号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/05/18
会議録
○委員長(石井桂君) これより法務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。本日、亀田得治君、岡三郎君が委員を辞任せられ、その補欠として野々山一三君、柳岡秋夫君が選任せられました。 —————————————
○委員長(石井桂君) 次に、刑法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案はすでに提案理由及び逐条説明を聞いておりますので、これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○稲葉誠一君 法務省に交通課というのはないのですか。
○政府委員(津田実君) 法務本省におきましては、刑事局関係では交通課というものはございません。これは刑事局刑事課において所掌いたしております。
○稲葉誠一君 交通課というのがないのはどういうわけなんですか。
○政府委員(津田実君) 検察庁におきましてはいま部制を敷いておりまして、東京と大阪には交通部というのがございます。しかしながら、それは交通関係の現実の事件を処理するための部でございまして、法務省におきましては検察庁の検察指揮に関する事務を行なうという意味でありますが、検察指揮に関する事務につきましては、刑事課に属する事件として取り扱っております。もちろん担当の検事は刑事課に配置されておりますが、課という制度はとっておりません。
○稲葉誠一君 警察庁では交通局というのはあるのですか。
○政府委員(津田実君) 警察庁におきましては交通局がございまして、三課に分かれておるようであります。
○稲葉誠一君 どういうわけで警察庁には交通局というのがあるのでしょうか。
○政府委員(津田実君) 私は詳細は存じておりませんが、警察庁におきましては交通関係の指揮事務及び免許に関する事務の全国的な統括という管理事務があるわけでございまして、その事務は非常に膨大な数にのぼるという意味において交通局があるのではないかというふうに考えております。刑事事件のためにあるというわけではないと思います。
○稲葉誠一君 法務省の刑事局には公安課というのがありますね。公安課というのがあって、そうして交通課というのはどういうわけでないのですか。公安と交通とを比べると、交通関係というのはあまりウエートがないのですが。そういう見方をしているわけですか。
○政府委員(津田実君) これは刑事局の所掌事務の分け方の問題でありますが、現在、総務課と刑事課と公安課と青少年課の四課と、参事官室という一室というのが刑事局の編成であります。現在公安課というものがありますが、これは公安、労働関係事件を主として所掌しておるわけであります。交通事件につきまして交通課を要するかどうかという問題はすでに検討されておりますが、一課としてこれが必要があるかどうかということにつきましては、いまだ結論に達しておりませんので、置いていない次第であります。
○稲葉誠一君 交通事故の対策ということが非常に重要だということを盛んに言われるのですけれども、ここで法務省の中に交通課を一課として置くだけの必要性はいまのところない、こういうことになっているわけですか。そういうことになっているとすれば、その理由は一体どこにあるのでしょうか。
○政府委員(津田実君) 交通事故の原因のうちで、交通事犯、つまり犯罪としての交通事犯が占めておるという問題のウエートのいかんということも考えられるわけでありますが、少なくとも全国で取り扱っておる事件は四百数十万件あるいは五百万件ということでありまして、刑事事件としての数の上においては非常に膨大な数字になっていることは御承知のとおりでありますけれども、しかしながら、法務省は直接一線の事件を扱うわけではなく、その事件の重要な問題あるいは法律問題等を扱うわけでございます。したがいまして、その意味におきまして現在一課としてこれを設ける必要があるかどうかという点につきましてはなお検討を要する問題があるという意味におきましていまだ交通を担当する課を置いていないわけでございます。
○稲葉誠一君 これは検討を要するというので検討したことは具体的にあるのですか。あるとすれば、どういうことで、いつごろ、どういうふうなことから検討したのか、その点をお聞かせ願いたいのですが、したことはないでしょう。
○政府委員(津田実君) 昭和三十四年に青少年課を設置いたしましたが、青少年課を設置する際に、青少年課及び交通課を設置するか、あるいは青少年課でなくて交通課を設置することを要するか、その辺を検討したわけで、その辺を検討した結果、管理事務、それから立法、企画事務等の関係から青少年課を置く必要があるが、交通課はいまだその程度に達しないという結論であったわけであります。その後今日に至りましてもなおその交通課を置くべきかどうかということは、必ずしも具体的に毎年検討しているわけではありませんけれども、そのときの結論につきましてはまだこれを変更するだけの必要性が起こっていないというふうに判断しているわけであります。
○稲葉誠一君 そうすると、法務省としては交通課を置くまでの現在のところ必要性がないということは、交通事故の安全対策というか、あるいは取り締まりといいますか、そういうふうなもの全体に対して法務省としてはその占めるウエートが少ないのだというふうに見られてもしようがないのじゃないかというような気がするのですがね。法務省として、一体、交通安全対策全体の中でどういうふうな地位を占めておるわけですか、全体としての交通安全対策というふうなものの中で。
○政府委員(津田実君) 先ほども申し上げましたように、数百万件の交通事件が全国に起こっております。その交通事件を円滑に処理するための検察庁の管理あるいは企画ということはもちろん法務省がつかさどっておるわけでありますけれども、事件数が多いからといって、具体的事件につきましては、これは特別指揮を要するような事件はございません。これはあげて検察庁にまかせられているわけであります。したがいまして、検察指揮に関する事務あるいは法律解釈上の問題というものも、これは絶無ではありませんけれども、きわめて少ないわけであります。で、法務省といたしましては、交通関係を担当する検察官の会同を催すというようなことによりまして、そのつど全国的な方針、あるいは処理の基準、法解釈というようなものについてのいろいろ指導をいたしておりまするけれども、そういうような事務は行なっておりますけれども、具体的事件の処理には当たっておりませんので、事件そのものの数は膨大な数にのぼっておりますけれども、直ちに法務省刑事局におきましてつかさどらなければならない、処理しなければならない事務というものはそれほど大きい数ではございません。したがいまして、現在の状況にあるわけでございます。
○稲葉誠一君 刑事局の刑事課の中はどういうふうに分かれているんですか。刑事局の中には、刑事課、総務課、公安課、あと参事官室ですか、こうあるわけですが、刑事課の中はどういうふうに分かれておりますか。
○説明員(伊藤栄樹君) 現在、刑事課は、私課長のもとに総勢十四名おるわけでございますが、その中に刑事局付の参事官二名、それから刑事局付の検事が二名おりまして、そのうちの参事官一名、それから検事一名が交通問題を担当しておるわけでございます。
○稲葉誠一君 具体的事件についてはタッチしないと。これは法務省はもちろんそういうたてまえですが、そうすると、公安課というふうなものはどうして法務省に特にあるわけですか。これも具体的事件にはタッチしていないわけでしょう。
○政府委員(津田実君) もちろん具体的事件の処理にはタッチいたしておりません。公安関係の法律問題、あいは全国の公安労働係検事の管理というようなものをつかさどっているわけでございます。
○稲葉誠一君 交通部というのがあるのは東京地検と大阪地検の二つだけだと、こういうのですが、これはいつごろできたのですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 一昨年でございます。
○稲葉誠一君 これは両方とも一昨年ですか。
○説明員(伊藤栄樹君) さようでございます。
○稲葉誠一君 どうして一昨年なんですか。もっと当然前からできていてもいいように考えるのですがね。
○説明員(伊藤栄樹君) 交通部を東京、大阪両方の地方検察庁に置きました当時、私がその事務を処理いたしましたので、私から御説明申し上げますが、警察庁におきまして交通局が設けられる動きが出ましたのがやはりそのころでございまして、各都道府県警察におきましても、交通部、ないしは交通と警らでございましたか、それらを一本とした警ら交通部でございますか、そういう部が逐次編成される状況にございました。これらの状況は、当時の次第に高まってまいりました交通事情に対する国民の関心を反映する、そうして人身の保護のために警察も一生懸命やろうという努力のあらわれであろうと思いますが、これに呼応いたしまして、私どものほうも、特に事件が集中的に発生しております東京、大阪につきましては交通部を設けまして、その交通部とたとえば警視庁の交通部、それから大阪府の交通部、これと連絡を緊密にいたしまして検挙取締体制の整備あるいは交通安全の指導等に万全を期したい、こういうことでつくったのでございます。
○稲葉誠一君 法務大臣はまだ来ないのですか。——二十分くらいおくれるわけですか。それではこの質問を続けていきますが、東京、大阪のほかに交通部というものが地検にないのはどういうわけなんですか。
○説明員(伊藤栄樹君) ほかの都道府県におきましても、たとえば愛知県でありますとか兵庫県のように、警察で交通部を置いているところがないわけではございません。しかしながら、検察庁といたしましては、御承知のように、検察官の数が限られております。そこで、交通部という独立の部を置いたといたしましても、それに見合うだけの人員の配置ができないというような事情が実際のところの置かなかった一番大きな理由でございます。
○稲葉誠一君 いまのがちょっと聞き取れなかったのですが、愛知県とかどこですかの警察でも交通部を置いているというのだけれども、警察はもうほとんど交通部を置いているのじゃないですか、全国的に。しかも、交通部を二つに分けて置いているところもあるのじゃないですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 今日の時点で私は確信をもって申し上げるわけにはいきませんが、交通部を、設置しました当時の時点においては、少なくともその時点におきましては、交通部のあります警察本部のほうがはるかに数が少なかったと記憶いたしております。
○稲葉誠一君 そうすると、法務省としては、各県の警察に交通部が現在どの程度あるかというふうなことについては把握していないわけですか。そういう点は別に把握する必要もないと、こういうわけですか。
○説明員(伊藤栄樹君) もちろん事務的には把握いたしておりますが、本日ここにその資料を持ち合わしておりませんので、記憶に基づきましてお答えいたしたわけでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、あなたの記憶によると、どうなんですって、二つしかないというんですか、東京、大阪のほかに、警察の中に交通部のあるのは。
○説明員(伊藤栄樹君) 全体で、現在交通部という名前の部を置いております警察本部は、十指に満たないのではないかと記憶しております。
○稲葉誠一君 それはまたあとでよく調べてみたいと思いますが、そんなことはないんだと思いますがね。 それから検察庁で交通関係の事件を扱うのを、なぜ副検事や事務官にまかせるんですか。いわゆる本検事はほとんど取り扱わないでしょう。どういうわけなんですか。
○政府委員(津田実君) 御承知のとおり、道路交通法違反事件の大部分は、区検察庁の管轄に属しておるわけであります。したがいまして、区検察庁には副検事が置かれておるわけでありますので、副検事がこれを取り扱うわけであります。もちろん業務上過失傷害致死あるいは重過失傷害致死の問題は、これは検事が扱っております。これは区検察庁の所掌事項ではございませんで、検事が扱っております。
○稲葉誠一君 業務上過失傷害の場合は区でも取り扱うんじゃないですか。
○政府委員(津田実君) 比較的軽微なものにつきまして罰金で扱う場合は扱いますけれども、大部分のおもな事件につきましては地方検察庁で扱っております。したがって、それが交通部設置の大きな要素にもなるわけであります。
○稲葉誠一君 政府全体としての交通安全対策というふうなものは、現在どういうふうな形で仕組まれてやっておるわけですか。その中で法務省の占める地位というのは、どういうふうな程度のものですか。
○政府委員(津田実君) 交通事故の防止に関しましては、広い視野に立って、総合的な対策が必要であることはもちろんであります。そこで、それらの総合的な交通対策を樹立いたしまして、これを実施に移していくことはきわめて肝要であるわけでありますが、政府におきましてはかねてから交通関係閣僚懇談会及び交通対策本部を設けまして、必要な施策の樹立とその実施につとめてまいっております。本年三月十三日には交通安全国民会議を発足させ、国をあげて交通事故の絶滅を期そうとしている次第でありまして、法務省としても全力をあげてこれに協力し、その所掌事項に関する限りにおきまして有効適切な交通事故防止策を推進していく、こういう体制になっておるわけであります。
○稲葉誠一君 その交通安全国民会議というのは、これはことし開かれたんですが、あれですか、具体的にどういうふうなことがやられたのかということは法務省としては把握されておるわけですか。これは総理府の関係だから、あなたのほうにはわからないわけですか。これには出席されたんですか。
○政府委員(津田実君) これには法務大臣ももちろん出席いたしておりまして、法務省の係官も出席いたしております。もちろん主たる所管は総理府であります。
○稲葉誠一君 いまの交通安全国民会議というのは、この日何時間ぐらい開かれて、何人ぐらいの人がどういう意見を述べたかということはわかりますか。この資料はあなたのほうにはないわけですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 交通安全国民会議の開かれました日は土曜日でございましたが、午後一時ごろからおおむね四時ごろまでかかったように記憶しております。各界の代表の皆さん——約十数名だったと記憶しておりますが、からそれぞれの立場に基づいた御意見の開陳がありまして、これに対しまして総理から所信の表明がございまして、終わった次第であります。
○稲葉誠一君 これは、総理府を呼んで、いまのこの問題だけではなくて、その他の問題についても聞きたいんですが、政府のいう交通安全対策の中で、法務省が具体的に役割りを担当しておるのは何なんですか。どういう点を担当しているのですか。別に担当しているというふうなものがないわけですか、法務省として。
○政府委員(津田実君) 政府の施策の概要を申し上げますと、まず第一は、道路及び交通環境の整備であります。それをさらに分けますと、交通安全施設の整備拡充、それから交通環境の整備、たとえば、駐車場等の整備でありますとか、時間別の交通規制ということであります。 それから第二は、交通安全教育、これは全国的な交通安全運動の実施等のことであります。 それから第三は、交通秩序の維持、これは無免許運転とか、酔っぱらい運転、ひき逃げ等を主眼とするおもな交通法令違反取り締まりの強化と、それから交通切符制の実施、この交通切符制の実施は、法務省と警察庁、それから最高裁と共同の作業になっております。 それからその次は、交通事犯に対する罰則の強化、これは区検察庁関係、それから法務省もこれに関係をいたしております。 その次は、交通事故被害者の救済でありまして、これは救急病院の拡充、それから専門医師の研修というようなことであります。それから損害賠償、これは自動車損害賠償保険金額の引き上げ、それから法律扶助制度の拡充強化、交通相談活動、それから示談屋に対する取り締まり強化の徹底、これは法務省と警察庁であります。 大体、法務省関係は、交通切符制、それから罰則の関係、それからいまの法律扶助制度拡充と示談屋の取り締まり、こういうものについて役割りを持っているわけであります。
○稲葉誠一君 そうした交通安全の問題全体について、これはあなたのほうにおわかりでないかもしれませんが、交通基本問題調査会、こういうふうなものができているのですか。
○政府委員(津田実君) これは総理府にありまして、総理府におきまして調査の結果をまとめまして、調査会の答申として答申が出されております。その答申に基づきまして、政府におきまして、先ほど来申し上げましたような施策を立てておるわけでございます。
○稲葉誠一君 その交通基本問題調査会というのの答申は、これはあれですか、法務省はそれには直接関係はないわけですか。調査会ですから、これは民間の人の集まりなんですか。
○政府委員(津田実君) これは法務事務次官が幹事になって出ております。その他そのもとにおきまして係官が調査会に出席いたしまして、いろいろその調査会の事務に協力いたしておったわけであります。
○稲葉誠一君 その交通基本問題調査会の答申というのはいままで何回くらい出て、法務省としてはそれに対してどういう対策をとったわけですか。
○説明員(伊藤栄樹君) これは昨秋一回答申がございまして、その中に織り込まれております法務省に関する対策というのは、先ほど局長から御説明申し上げましたように、交通切符制の実施でございますとか、あるいは悪質事犯の取り締まりの強化、あるいは示談屋等のばっこを防ぐための措置というようなことが法務省関係では入っておるわけでございます。
○稲葉誠一君 それはあとで交通基本問題調査会の答申というのを資料として提出していただきたいと思います。これは、本来なら、総理府総務長官を呼んで具体的ないろいろな形のことを聞いて、その中から資料の提出を求めるのがほんとうかと思うのですが、便宜これは法務省のほうからこの答申を出してもらいたいと思うのですが、そうすると、いま言ったような切符制の問題だとか、示談屋の取り締まりとか、法律扶助だとか、あるいは罰則の強化とか、こういうようなことが法務省としてやるべきことだということであれば、それについてその答申が出た後に具体的にどういうようなことをやって、きたわけですか。
○政府委員(津田実君) 交通切符制につきましては、成人につき、本年四月から、島嶼部を除きまして全国に実施しております。少年に関しましても、相当な範囲において実施しております。でき得る限りの交通切符制の実施を徹底したということでございます。 それから罰則の問題につきましては、今般御提案申し上げているような政府原案の作成をいたしておるのであります。 それから法律扶助制度につきましては、これは法務局関係であります。これは法律扶助協会を通じまして補助金として出すところの予算の拡充をはかる、大体こういうようなことを行なっております。 それから示談屋の取り締まりにつきましては、これはもう全国にその趣旨を指令いたしておりますので、その趣旨によって全国の検察庁において行なっておるわけでございます。警察におきましてもこれを行なっておるわけであります。
○稲葉誠一君 いまの法律扶助協会の点は、これは最高裁判所の管轄になるわけですか、法務省の管轄になるのですか。
○政府委員(津田実君) これは法務省の人権擁護局系統で、地方では法務局が行なっております。これは弁護士会の関係になる法律扶助協会が主として実施事務を行なっております。
○稲葉誠一君 今度、総理府で交通安全問題調査室というのをつくることをきめた、そうして各省でばらばらに実施されてきた交通行政を総合的、一元的に実施するということになったんだというようなことが伝えられているわけです。これについては、どの程度法務省は関与しているわけですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 先生御指摘のように、総理府内に一つの室を設けるということがことしになりまして持ち上がりまして、法務省にも御相談がございましたので、全面的に御協力いたすことになっております。発足いたした場合に、おそらく各省庁から人をそこへ送って、そうして相互の調整をやっていただくということになるのだと思いますが、そのような場合には、法務省といたしましてもできるだけの協力をして、政府として一貫した総合的な交通対策の樹立ができますように、側面から御協力申し上げたいと思っておるわけであります。
○稲葉誠一君 いま交通対策の話が出たわけですが、法務省の言う交通対策費というのは、これはどの程度あるのですか。あるいは、こういう形ではないわけですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 予算の面におきましては、毎年御審議いただきまして成立いたします予算の中に、交通対策費という形では出てまいりませんが、取り締まりに従事いたしまする副検事、検察事務官の増員、あるいは、中央で会同を開きまして取り締まり方針あるいは交通対策の一般につきまして周知徹底をはかる、そういった関係の経費、こういうものが予算の中に組まれているわけでございますので、その部分だけを抽出いたしまして総額幾らというような計算はいたしておりません。
○稲葉誠一君 いま言った副検事なり検察事務官が交通対策というか交通事件の取り調べに当たるわけですが、それがここたとえば五年なら五年の中でどの程度数としてふえてきておるわけですか、金額的にも、人員的にも。そういうふうな資料はありませんか。
○説明員(伊藤栄樹君) 正確な資料を持っておりませんので、記憶でお答えいたしますが、平均いたしまして、毎年、副検事におきまして十五名ないし二十名、検察事務官につきましては二十名ないし三十名の増員をしたと記憶しております。
○稲葉誠一君 あとで正確な資料を出してもらいたいと思いますが、これは道交法違反の取り調べですか、中心は。
○説明員(伊藤栄樹君) 事務量から言いますと、主として道交法違反に関します取り調べ、及びこの裁判言い渡しの結果確定いたします罰金刑の徴収事務でございますが、副検事につきましては、業務上過失致死傷事件の区検察庁において処理いたします部分、それが相当ふえておりますので、その部分に見合う増員というのが相当多くなっております。
○稲葉誠一君 業務上過失致死で区検察庁で取り扱うというのは、罰金の場合だけですか。体刑請求の場合は取り扱えないわけでしょう。
○説明員(伊藤栄樹君) そのとおりでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、ぼくの聞きたいと思っておることは、一体政府の交通安全対策というものが具体的にどのようなものであって、その中で法務省がどういうウエートを占めておるかということが聞きたいので、そこから問題をだんだん下げていきたいと、こう思っておるのですが、どうもあまり積極的な形での関与というものではないようですね。これはまあ法務省というものの性質上そうなっているのかもわかりませんが、政府自身の具体的な交通安全対策というものがどこにどういうふうなことにあるのかさっぱりはっきりしないように考えられるわけです。そこで、いまの交通安全問題調査室というのをつくってそこで何をやるかといったら、交通基本問題調査会の答申の具体化、二が国内、外国における交通安全対策の調査、三がその他交通対策の企画、実施、こういうようなことを任務として長期計画に基づいて一貫した総合交通行政を実施をするんだ、こういうふうに伝えられておるわけですね。そうすると、これから長期計画に基づいたそうしたものが始まるんだというふうな中で本件のような罰則だけを上げるというような形のものを出していくことが、全体としての均衝というか、その中で非常に一つのズレがあるというふうに考えられるのですが、これはまあまたあとの問題になってきますのでこれは総理府の長官を呼んでこの関係からずっと質問をしていきたいと思います。 そうすると、いま言った国内、外国における交通安全対策の調査、こういうものは、法務省としては全然やっていないわけですか。これは自分のところの管轄ではないということになるのですか。
○政府委員(津田実君) 交通事件の処理につきましては、これは検察庁で処理するわけであります。その検察庁において処理する起訴あるいは起訴猶予等の処分によりまして交通関係の刑事政策を立てていく、遂行していくというのが法務省なり検察庁の任務であります。したがいまして、その面におきまして交通秩序の維持と申しますか向上、こういうものをはかっておるということは、もちろんそういう意味においての総合施策に寄与しているということでありまして、法務省の寄与すべき事項というものは、まあ法務省の性質から申しまして大体そういうこと以上には出られないわけであります。
○稲葉誠一君 先刻、参事官一名とそれから検事一名が法務省の刑事局の刑事課の中に置かれたというのですが、これはいつ置かれたのですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 私は刑事課の中に参事官一名、検事一名が置かれたというふうに申し上げたつもりではなかったのでありますが、刑事局についております刑事局付の参事官、刑事局付の検事それぞれ一名が刑事課の中に配置されまして、主として交通問題を取り扱っておる、こういうことでございます。
○稲葉誠一君 それはいつからですか。
○説明員(伊藤栄樹君) このような体制はそのときどきによって人的構成によって変わってまいりますが、交通問題につきまして参事官ないし局付検事、これが二名で担当するという体制は、もう数年来やっておるはずでございます。
○稲葉誠一君 数年来そういう体制でやっていて、法務省としては具体的に何をやったんですか。この参事官なり検事がいて、法務省の刑事局全体として何を交通問題についてやってきたわけですか。
○政府委員(津田実君) まず、最近におきます問題としては、交通切符制度の実施、つまり、交通事件の迅速円滑な処理の企画をいたしております。それから今度の刑法の改正の立案、これも実施いたしております。そのほか、全国検察庁におきますところの交通関係事件による法律問題の解決、これをいたしております。そのほか、先ほど刑事課長が申し上げました交通関係の副検事、検察事務官の配置等につきます企画、立案をいたしておるわけでございます。
○稲葉誠一君 交通切符制の企画の問題というようなことは、これは現実には法務省がやったのですか。最高裁判所のほうで取り扱うべき筋合いのものではないめですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 私が参事官当時企画いたしまして実施に移したものでございます。なぜ法務省で取り上げたかと申しますと、三者——最高裁判所傘下の各裁判所、それから法務省管下の検察庁、それから警察、これらを統一的にまとめますためには、それぞれの司法警察職員に対します一般的指示権を持っております検事正等を管下に持っております法務省が中心になりませんと、その間の調整がきわめて困難でございますので、法務省が中心になって企画、立案いたしまして現在に至っているわけでございます。
○稲葉誠一君 交通事故の問題の中で、道路交通法の改正というか、それはどのようにして行なわれてきたわけですか。特に道交法の中で罰則の強化がどのようにして行なわれてきたのかを聞きたいわけですが。
○説明員(伊藤栄樹君) きわめて古くは存じませんが、最近におきます道路交通法の改正は、交通関係閣僚懇談会等の御意向、あるいは一般国民の声、あるいは警察行政の実績等にかんがみまして、道路交通法は警察庁の所管の法律でございますので、警察庁におきまして一応の案を出してこれを罰則の点を中心といたしまして法務省に協議に来られて、法務省と警察庁と十分協議を尽くしました上で罰則の部分は改正をするというような仕組みになっております。
○稲葉誠一君 仕組みはわかりますが、道交法は三十五年の十二月二十日にできたのですか。そうすると、その前はどういうふうになっておったんですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 従前は、道路交通取締法及びこれに基づきます施行令、この二本立てで取り締まりが行なわれていたのでございますが、それを全面的に改めまして、一本の道路交通法という形になりましたのが昭和三十五年のことでございます。
○稲葉誠一君 だから、道交法ができる前の道路交通取締法とその令と二本立てのころと、それができて以後と、罰則がどういうふうに変化してきたんですか。その一覧表はありませんか。
○説明員(伊藤栄樹君) 現在、手元に作成したものは持っておりません。
○稲葉誠一君 刑法の罰則の強化に関連して、当然、道交法の罰則の強化の問題が起きてくる。これは道交法の罰則を強化しろという意味ではなくて、過去にどういうふうに罰則が強化されてきたかということが非常に大きな問題になってくるわけです。ですから、それがどこにねらいがあるかはおいおい私が質問していく中でわかっていくわけですが、ですから、道交法ができる前とそれから道交法ができて後に非常に罰則が変わってきているはずです、何回となく。だから、どこがどのようにいつ変わってきたのか、それを一覧表にして出していただきたいと、こう思うんです。それによって質問の角度が変わってくるわけです。それはいつごろまでにできますか。
○説明員(伊藤栄樹君) 一覧表につきましては、現在、いま仰せになりましたものを作成しますそのもととなるべきものが私どものほうにございますので、一晩あればおつくりできるというように思います。 それで、いまここで簡単に申しますと、道路交通法の罰則に関します大改正といいますか重要な改正といいますのは、道路交通法ができましたときは別といたしますと、昨年、いわゆるひき逃げに関します罰則の強化をはじめとしまして相当の罰則の引き上げをいたしておりますが、この道路交通法制定のときと昨年の改正、この二回が道交法上の罰則の改正の主なものでございます。
○稲葉誠一君 資料はあとでいただくとして、いま、道交法に基づいてどこがどのように罰則が重くなったのかということをちょっと説明を願いたいと思うんですがね。
○説明員(伊藤栄樹君) 昨年の改正におきまして最も顕著でございますのは、百十七条及び百十七条の二というのが全面的に改まりまして、まず百十七条におきまして、人身事故がありました場合に救護措置をとらないというような行為に対しましては、従前一年以下の懲役等でございましたものが、三年以下の懲役または十万円以下の罰金、こういうことに相なっております。それからさらに、無免許運転あるいは酒酔い運転等の刑が加重されましたほか、百十八条、百十九条、百二十条にきわめて多数の構成要件がございますが、これらを再整理いたしまして、改まった部分の多くは刑が重いほうに入れられておる、こういう経過になっておるわけでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、酔っぱらいだとか無免許だとかあるいはひき逃げとか、そういう悪質な事犯に対する道交法上の罰則の強化、これについて去年そういうふうなものが改正されたと、こういうわけですが、その詳細はあとで資料にして出していただきたいというふうに考えます。いま言った道交法の改正というか成立が三十五年の十二月二十日で、それ以前の道路交通取締法との関連からで言うと、この罰則は相当重くなったのですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 一々の構成要件については記憶しておりませんが、相当重くなっております。
○稲葉誠一君 そういうように刑が重くなって、それによって交通事故は減ったのですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 交通事故は必ずしも減ったとは申せません。他の、自動車台数の飛躍的な増加でございますとか、運転人口の飛躍的増加、いろいろな事情があると存じますが、数字の面でただいまのお尋ねにお答えいたしますと、必ずしも減少しておりません。むしろふえてまいっております。
○稲葉誠一君 道交法の罰則が強化されたのは二回ないし三回ある、そのときに強化されたことによって交通事故がどういうふうに変化をしてきたかということ一。もちろん、交通事故の変化は、絶対数が自動車や何かのふえ方との関連がありますから、交通事故の数だけで論議はあるいは不正確かもわかりませんから、罰則の強化、それに伴って交通事故はどういうふうに変化をしてきたか、また、備考として自動車の台数はどうふえてきたのか、こういうふうな形での一覧表というかそういうふうなものを出していただきたいと思います。そうでないというと、今度の法律が一体どれだけの価値というか何というか、そういうようなものを持つのかさっぱりわからないわけですから、それはひとつ正式なものをつくって資料として提出をしていただきたいと思いますが、これは相当かかりますか。
○政府委員(津田実君) ただいまの自動車台数と交通事故発生状況につきましては、お手元に出してある資料に、昭和二十年から三十九年までのものが出ております。これは、自動車台数、事故総件数、死者の人員・指数、負傷者の人員・指数という形で出してございます。それによって御承知いただけると思うのであります。 ただ、まあそのうちの一例を申し上げますと、たとえば昭和三十三年におきましての自動車台数を一〇〇といたしますと、昭和三十九年は二九一という指数になり、約三倍弱であります。ところが、事故件数は、昭和三十三年を一〇〇といたしますと、昭和三十九年は一九二ということで二倍弱であります。自動車の台数は三倍弱であり、事故件数は二倍弱である。それからさらに死者の数は、昭和三十三年を一〇〇といたしますと、三十九年は一六二ということで、まあ六割程度増しというようなこと、あるいは、負傷者は、三十三年を一〇〇といたしますと、三十九年は二一四ということであります。これは一例を申し上げましたにすぎませんが、これが道路交通法の罰則の強化によった原因であるというふうに申すことはもちろんできません。道路交通法の罰則の強化によって事故がふえたか減ったかという因果関係は、これはとうてい見つけ出すことは困難であります。諸種の、道路の施設の状況、自動車の台数の状況、あるいは安全教育の徹底の度合いというようなものがありますので、道路交通法の改正との相関関係は、これはとうてい見ることができませんと思います。したがいまして、ただいまの資料としてのお話の件は、まずお手元に差し出してございます「刑法第二百十一条関係統計資料」によりましてごらんいただくほかはないと私は思うのでございます。
○稲葉誠一君 この相関関係というか、それらを判断するのはなかなかむずかしいということですが、それは、むずかしいと判断する人もあるし、それによってわかるという人もあるわけです。だから、罰則が強化されたそのときに、その罰則の強化の罰条の交通事故、それがどういうふうに変化してきたのか、これが出していただければ、これに基づいて判断はこちらのほうでするわけですから、そういう資料は当然できるわけじゃないのですか。
○説明員(伊藤栄樹君) ちょっといまおっしゃいましたことを正確に理解することがむずかしかったのですが、当該罰条にかかる交通事故というふうに伺ったのでございますが、道路交通法違反の場合は交通事故を対象としているわけじゃございませんで、交通違反を問題にしているわけでございます。交通事故ということになりますと、刑法第二百十一条の関係になるわけでございますが、二百十一条の罰条に違反する交通事故につきましてはお手元にすでに差し上げてある、こういうことでございます。 なお、私の理解が足りません点はお教えいただきたいと思います。
○稲葉誠一君 酔っぱらい運転なら酔っぱらい運転の罰則を強化したと、こういうわけでしょう。そうすれば、その段階で前とあととで酔っぱらい運転は一体罰則の強化に伴って減ったのかどうか。罰則の強化は非常に効果があって減ったというなら減ったでいいし、あるいは、そうではないんだ、いやそれにもかかわらずふえているんだ、ただ、ふえているけれども、自動車の台数がふえているから、それとの比率で見なければわからないんだと、こういう考え方ももちろんあると思うのです。だから、酔っぱらい運転がどういうふうにふえたとか、あるいはまた、無謀操縦がどうとか、あるいは、無免許運転はどうとかということは、統計として当然出てくるのではないんですか。出ていないですか、それは。
○説明員(伊藤栄樹君) 道路交通法違反の中のたとえば酒飲み運転が昭和何年に何件あり翌年度は何件であるというようなことは出るのでありますが、御承知のように、道路交通法違反と申しまするものは非常に暗数があるということは常識的に申せることであろうと思うのでございます。したがいまして、取締体制というものがどうであったかということとむしろ相関関係を有するものとされておると思います。したがって、たとえば警察におかれまして交通警察官の増員を要求されたり、そういうことによりまして取り締まりを強化するというようなことが問題になるわけでございまして、もっぱら取締体制というものと相関関係があるように思うのでございますが、もちろんぜひそういうものを出せと仰せになりますれば、比較的容易に出し得るのではないかと思いますけれども、あまり御参考にはならないんじゃないか、私どもの警察と共同しました従来の研究結果からしますと、御参考にならないんじゃないかというふうに危惧はいたしておるわけでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、罰則を強化しても、それによって交通事故が減るとか減らないとか、そういうことはよくわからないんだということですか、結局。
○説明員(伊藤栄樹君) もちろん、絶対数を論じないで、相対的に減るかどうかというふうにお尋ねいただきますれば、相対的に減ることは間違いないと、かように確信しております。
○稲葉誠一君 確信しているのじゃなくて、現実にそこに罰則の強化が道交法で行なわれたのだから、そのときにこの罰則の強化をされたところの罰条の案件というものが減ったのか減らないのか、これはあなたのほうとしては減ったというような形で資料を出したいところじゃないですか。そうでしょう。だから、そういうものがあれば出していただいて、それはこう減っているけれども別な理由があるのだということになれば、別の理由がどこにあるかということはあらためてこれはまた検討しなければならぬことですね。ただそういうふうに信じるとか信じないとかというだけの話ではなくて、そういう資料が容易にできるというならば、価値があるかないかはこちらのほうで判断しますから、出すだけ出してもらって、そしてあとはぼくらのほうで検討するということになるわけですよね。それは出されたらいいんじゃないですか。
○政府委員(津田実君) ある構成要件を設けたという場合に、従来の構成要件につきましてさらにそれを強化したということによってその違反は出てくる。かりに構成要件は同じで罰則だけを強化したといたした場合に、その強化前と強化後の違反の数の比較ということは、これは当然数の上の比較はできる。しかしながら、その数がふえたからといって効果がなかったと言えるか、あるいは、減ったからといって効果があったと言えるか、これは別問題であるわけですね。それは、自動車の台数の違いもあります。あるいは交通頻度の問題もありましょう。あるいは道路整備の問題もありましょうから、それはそのこと自体ではそれが原因になっているということの比較はできないというわけであります。しかし、絶対数ということがどれだけかということは、これは調査して容易に提出することはできます。
○稲葉誠一君 そういうような調査は、価値判断は別ですよね。ぼくはなかなかむずかしいとは思いますけれども、そういうようなものは当然あなたのほうとしては出したほうがいいのじゃないかとも考えられるんですが、容易にできるというのですから、容易につくって出していただいて、それに対して判断はこちらのほうでまたして、それに対して資問などはあらためてします。そういう資料は、これは二、三日中にできるのですか。完全なものはできないでしょうから、大ざっぱな推計でできる程度のものでもいいんですよ。
○政府委員(津田実君) これはわずかな間の時間でできると思います。
○稲葉誠一君 法務大臣が来られたから、ちょっと別の問題で大臣にお聞きしたいんですが……。
○委員長(石井桂君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(石井桂君) 速記を始めてください。 —————————————
○委員長(石井桂君) 法務大臣の御都合がありますので、この際、法案の質疑を一時中断いたしまして、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題とし、吹原産業事件等に関する件について調査を行ないます。稲葉君。
○稲葉誠一君 実は、二、三日前ですか、法務大臣と新聞記者諸君との会見の中で吹原問題について言及されて、森脇が逮捕されたことによって黒金念書の偽造の問題もわかったので、これによって政界とは関係がないことがわかったんだ、こういうような意味のことを言われたと、こういうように伝えられているのですが、真相はどうなんでしょうか。
○国務大臣(高橋等君) 政界とは関係がない、要するに刑事上の、ということは、私がこれは雑談的だったのですが話をいたしました。ただ、森脇が逮捕をされたからそれによって事情が判明したということは、これは私のことばの不足であったか、あるいは言い足りなかった点があったか、とにかく新聞のほうへ誤解を与えたと思います。それでああいう記事になったと思いまするが、現在、森脇につきましては、御存じのように、検察庁で捜査をいたしておる最中でございます。だから、その逮捕によって政界と関係がないということは純粋にはまだ言う段階でない、こういう判断を私は持っておりますので、その点は、ことばをくずして申しますれば、雑談的であったので、森脇が逮捕をせられた場合に、各あなた方の新聞社は、いわゆる黒金念書というものは偽造だったという記事を各新聞社がお出しになった、そういうことで、国民の疑惑もだいぶ解けたように思うという表現はしたのでありますけれども、森脇自体のことについてそう突っ込んだはっきりした話は実はいたさなかった。それが要するにこれは私のことばが足らなかったのじゃないかと思います。その次にすぐ、これは刑事事件とは関係がないが、徳義上政治家はえりを正さねばならぬということをつけ加えたものですから、何かそこのあやがああいう意味にとられたのではないかと思いますが、真相はそういうことでございます。
○稲葉誠一君 長くは御質問しませんけれども、政界とは関係がないと、そういうような御意見が今の段階で言えるのですか。
○国務大臣(高橋等君) 吹原弘宣に関しまする詐欺被告事件の捜査の経過等に徴しまして、森脇将光について、吹原と共謀の上、黒金泰美名義を冒用した念書と題する書面をほしいままに作成した私文書偽造及び同文書の行使の容疑が認められることは御存じのとおり。それから、本月十日、森脇を逮捕し、引き続き勾留して取り調べを行なっております。また、吹原弘宣については、右に述べた告訴事件について、去る五月十四日、東京地方裁判所において、同人が三菱銀行長原支店から十億円と二十億円の通知預金証書二通を騙取したという事実に基づいて公訴を提起しておる。これがいわゆる吹原事件に関する現在までの状況であります。私はこれらの事実及び吹原起訴に伴う経過にかんがみまして、吹原事件が政界に関係がないものと判断をして記者会見で発言をいたした。したがって、この発言は私の判断に基づくものでありまして、関係事件の捜査については、検察庁において厳正に行なわれておる、将来も厳正に行なわれることを期待しておるものであって、私としては捜査の内容に容喙するようなことは一切行なわないという考えでやってまいっておるわけであります。そういういきさつで、私の判断から、いま申し上げますように、吹原事件、森脇将光の逮捕の事実及び吹原起訴に伴う経過にかんがみまして、政界に関係がないものと判断をしてああした談話をいたしたわけであります。
○稲葉誠一君 それは、法務大臣として、公式に部下から報告を受けて判断されたわけですか、私的に判断されたわけですか。
○国務大臣(高橋等君) 吹原を起訴いたしまする場合に、ある程度の経過は実は私は間接的に聞いております。しかし、それは正式な報告として出たものではございません。そういうようなこと、及び森脇将光についての検察庁の逮捕に踏み切ったいろんな状況から考えまして、これは政界には関係がないものと私が判断をいたしたわけでございます。なお、こうした異例の発言——もちろんこれは雑談的にちょっと話したのが記事になっちまったんですが、こういう異例の発言を私がいたしましたのも、国民大衆が、政治家につきまして、ことに国会議員についていろいろとこの問題について疑惑を持っております。とにかくその疑惑を晴らすことがいいんだという考え方でこうした発言をいたしたようなわけでございます。
○稲葉誠一君 だから、私の聞いているのは、公式な発言として承ってよろしいんですかと聞くんですがね。
○国務大臣(高橋等君) 雑談的に話しておりますが、大臣が記者会見で話したことでございますから、これは公式と受け取られてもやむを得ないと思います。
○稲葉誠一君 そうすると、捜査の進展の最中に、その捜査に関連をして法務大臣がなぜそういうふうなことを発言をするんですかね。国民に対する疑惑をなくすというんじゃなくて、逆に国民は疑惑を持つんじゃないですか。それによって法務大臣が、まあ指揮権発動とまではいかないとしても、この捜査にワクをはめたんだという印象を国民に与えたんだと、こういうふうにはお考えになりませんか。
○国務大臣(高橋等君) 私の発言は純然たる私の判断に基づいた発言でございまして、いま申し上げますように、捜査に対しましてとかくの容喙をいたすということは毛頭考えておりません。したがって、関係事件の捜査につきまして、検察庁において厳正にこれが行なわれることを私は期待をいたしております。
○稲葉誠一君 いや、あなたが厳正な捜査が行なわれるのを期待するのはこれは当然なんですが、私の聞くのは、そうではなくて、あなたのそういうような発言が逆に捜査自身にワクをはめたんだという印象を国民に与えたんだと、こういうようにあなたは考えになりませんか。あなたのお考えとは逆かもしれませんけれども、そういうふうに国民には受け取られたのではないでしょうか。そういうふうにはお思いになりませんか。
○国務大臣(高橋等君) 私にはそうは考えられません。
○稲葉誠一君 そうすると、あなたとしては国民が疑惑を持っているといいますけれども、国民が疑惑を持っているのは、全体の捜査が完了しなければわからないことではないのですか、それを捜査の途中において、疑惑はないのだとか疑惑を晴らすためにといってあなたが発言をするということは、それはどういう意味なんですかね。軽率だというふうにはお考えになりませんか。
○国務大臣(高橋等君) 先ほど申しましたように、この私の事件の中間における発言というものについては、いろいろの批判があると思いますが、私がいま申しましたように、これは国民に対する疑惑を払いたい、お互い国会議員の名誉も守っていきたい、こういうことを考えたわけでございまするが、その時期は、吹原を起訴したこの十四日に一つの吹原起訴というここで一段階が過ぎているわけであります。その時期に私がこの発言をいたしたというわけでございます。
○稲葉誠一君 事件はまだ捜査の段階で、森脇なり吹原あるいはその他の者の取り調べからどういうような結論が出てくるかわからないのじゃないですか。そうして、政界に、望むことではありませんけれども、関係があるというようなことがわかってきたときに、あなたのいまの発言というものとは結果として違ってくるわけですね。そのときに、一体、じゃどうするのですかね。国民はさらに大きな疑惑を持つのじゃないですか、結果として。政界に関係があることが今後わかってきたときに、あなたは前の御発言をどうするのですか、取り消されるのですか。
○国務大臣(高橋等君) 森脇の取り調べにつきましては、これは一応いま申すように、吹原の取り調べの結果、森脇もやはり念書について偽造、行使の疑いがある、こういう心証で逮捕の要求を出して、裁判所の許可を受けたようなわけであります。そういうわけで、森脇のほうはこれから調べる、いま調べている最中、その中間的などうなっているかは、私も聞いておりません。ただ、吹原起訴という段階までの間にいろいろな経過を私は先ほど言いましたように間接的に承りまして、正式に検察庁から私に報告が来たわけではございませんが、確実なるこれは私に対する間接的な報告だと考えまするが、それを基礎にしまして政界には関係がないものと私は判断をいたし、この判断につきましては私はどこまでも責任を負いたいと、こう考えます。
○稲葉誠一君 法務大臣がこうして現に捜査中の事件について間接的に聞いておられるという発言をされるわけですが、それは具体的にはどういうことなんですか。捜査当局から聞いたならば、それは捜査の内容がわかっているから、こういうようなものだということをある程度あなたも判断されるでしょうけれども、間接的に聞いたということで判断されということでは、これは問題があるのじゃないですか。だから、捜査当局から大臣としていろいろ捜査の結果をお聞きになっておられるなら、それはお聞きになっておられるで、私はいいと思うんですよ。それに基づいてそう判断されたと、こういうのならば、それはそれで話は別ですがね。捜査当局から捜査の結果についてのいろいろな報告を受けられて、そうして判断されたと、こういうことじゃないとおかしいんじゃないですか。
○国務大臣(高橋等君) 検察当局から直接私に報告が来たわけではございません。人を介しまして、人といいましても、これは役所の機関を通しまして私にその人から話を聞かしてもらった、こういうわけでございます。
○稲葉誠一君 役所の機関を通じてあなたに報告があるというのは、何のためにそういう点について報告があるわけですか。あなたは検事総長を指揮する権限は持っているわけですよ。それとの関連であなたに対して報告があるわけですか。どういうわけで報告があるのでしょうか。
○国務大臣(高橋等君) 吹原起訴ということに踏み切るというその段階におきまして一応のそうした間接的な手段で経過を話してきた、こういうことにお受け取り願いたい。ただ、私は、検察当局へ直接事件のことを聞いたこともいままでありません。また、どうしろという指図をしたこともないのでございます。そういう立場で私は終始いたしております関係上、そういうことになっておるわけでございます。
○稲葉誠一君 あなたのほうから人を介してというその人は法務省のだれですかあれですが、その人のほうに報告をしてくれということを頼まれたわけですか。
○国務大臣(高橋等君) 報告してくれということを頼んだわけではないと思います。ただ吹原起訴についての事件の経過というものについての概略を私にこういうようなことになっておりますという話を聞かしてくれた、こういうわけでございます。
○稲葉誠一君 吹原起訴の段階でこの疑惑を明らかにしたとかなんとかいわれますけれども、吹原の起訴というのは、三菱銀行から三十億円の通知預金証書を詐欺した、こういう起訴なんですよね。その起訴の段階で政界のほうに疑惑があるとかないとかというのが解けるわけはないじゃないですか。起訴は違うんですよ、これは。それは非常におかしいじゃないですか。森脇だとか限定するわけじゃありませんが、そういう人の調べが全般的についてきて捜査全体が終局したというときならこれ話は私別だと思いますが、そこまでいかない段階、吹原と三菱の関係で起訴されているわけですからね、詐欺が。その段階では、そういうふうなことを発言するのは、何かこう意図があって発言をされたとしかとれないわけですよ、第三者は。何か特定な意図があってそして発言をされたわけですか。
○国務大臣(高橋等君) ただいま申し上げましたように、私の判断からいたしましてこれは政界に関係がないという判断をいたしましたから、私自身が国民の疑惑を一応解くというためにああした発言をいたしたわけであります。
○稲葉誠一君 あなたが判断されたというのですが、あなたがそういう判断をして発表をされるとういことについては、これは閣議で総理以下みんな御承知だったのですか。
○国務大臣(高橋等君) 総理にもだれにも相談をいたしておりません。法務大臣の責任においてやっております。
○稲葉誠一君 そうすると、その判断の基礎は間接的に法務省の人を介して聞いておることによってそういうふうに判断をしたんだ、その判断が誤った場合には自分は責任を負うんだ、こういうふうに承ってよろしいのですか。
○国務大臣(高橋等君) そのとおりでございます。
○稲葉誠一君 そういうことで責任を負われるということでありますから、捜査の進展というものをわれわれ見なければいけませんが、何かそのときの話で参議院選挙までに捜査を終わる予定なんだ、こういうことをお話しになったというふうに聞いておるのですが、そういうことをお話しになっておりませんか。
○国務大臣(高橋等君) それは話しております。いま検事の数も非常にふやしまして、この世間で非常な疑惑を持たれておる事件をできるだけ早目に解明したいという考えで進んでおることは御存じのとおりであります。森脇の勾留の期間は来月の一日で一応切れるというそれまでにはとにかく事件がはっきりしたものが出てくるだろう、こういう推測のもとに、参議院選挙前には事態ははっきりすることだろう、こういうことを話したわけであります。
○稲葉誠一君 そうすると、あなたとしては、参議院選挙のころまでに——終わるまでですか、ころまでですか、わかりませんが、森脇の二十日間の勾留ですか、そのころまでには事件の真相というものを明らかにしたいんだ、こういうふうにお考えになっておられるわけですか。
○国務大臣(高橋等君) 私の発言は、参議院選挙の前までにははっきりするであろう、そういう発言をいたしておるのでありまして、参議院選挙の告示とかなんとかということを話しておるわけではございません。
○稲葉誠一君 そうすると、参議院選挙前までに終わるというその根拠はどこにあるんですか。別に根拠はないのですか。
○国務大臣(高橋等君) いま申しますように、非常に検事の数もふやしまするし、そしていろいろと各方面にわたる捜査をいま手分けをして進めております。実際の常識からいきまして、二十日間の期限は一日で切れる、それ以上何日かかるか、一日までにけりがつくか、大体そういつまでもこの問題が引っぱれるものではあるまい、そういう判断からそうした発言をいたしておるわけであります。
○稲葉誠一君 そうすると、参議院選挙前までに検事を増員してやればこの事件は片がつくというくらい簡単な事件だというふうに判断されたわけですか。
○国務大臣(高橋等君) 私は、参議院選挙までには片がつくものと判断をいたしております。
○稲葉誠一君 そうすると、大臣は非常に事件の内容について御存じですね。御存じでなければ、参議院選挙の前までに片がつくなんという判断はできないんじゃないですか。非常に詳細な報告があなたのところに行っておるとしか考えられませんな。そうじゃありませんか。非常に詳しくよく御存じですね。まあ大臣だから知っておられるのはあたりまえかもしれませんが、非常に詳しく御存じなんじゃないですか、見通しについて。そうじゃないですか。何かそういうふうにとれるんですがね。
○国務大臣(高橋等君) 私の判断からいたしまして、そんなに長くこの事件を延ばすというものではないのでありまして、一日が勾留の満期期間であります。それ以上また再逮捕を万一いたすといたしましても限度があるわけであります。とにかく参議院選挙までにはけりがつく、こういう私は判断をいたしております。しかし、けりをつけろというようなことを下へ命じたようなことはこれはもちろんないのであります。
○稲葉誠一君 まあくどくなるからあれしますが、けりをつけろということは、あなたが命令するわけはないですね。これは指揮権の発動ですから。これは大きな問題になるのですが、あなたがそれ以上事件を延ばすことはないだろう、そのころにはけりがつくだろうと、こういうふうになぜ判断をされるのか。よっぽど詳細なことを御存じないと、これは判断できないと思うんですがね。どうも非常に詳しく知っておられるようなのでふしぎでならないですし、また、あなたが詳しく知っておられるようにとれること自身が国民がこの事件に対して疑惑を非常に持ってくることになっておると私は思うんですが、そうすると、大体のことでいけば、六月の一日ころまでにはこの事件は目安がつくと、森脇の再逮捕その他のことはないだろうと、これは自分の判断なんだと、こういうふうに承ってよろしいですか。
○国務大臣(高橋等君) いや、それは違います。いま申し上げましたように、六月の一日までで森脇の二十日間の勾留期間が切れるんだ、それから再逮捕いたしましてもとにかく限度がある、要するに参議院選挙までにはこの問題は片がつくものであろう、こういう私は判断をいたしております。私は一応これは常識じゃないかというように考えております。
○稲葉誠一君 非常に失礼なことを聞いて恐縮でございますけれども、恵比寿に銀座パレスマンションというのがございますか。
○国務大臣(高橋等君) 私は存じません。
○稲葉誠一君 あなたが病院に入っておられてそこの会合に何かお出になったということが巻間伝えらたておるんですがね。そういうことはございませんですか。
○国務大臣(高橋等君) 私は、病院に入りまして療養専一にして、一日も早く国会へ出たいと。したがって、国会へ先週の火旺日と金旺日に出て参りました。そうして今週出てくる。これ以外は一切病院から外へは出ておりません。いかなる会合ももちろん出ておりません。それはそういうことを疑われるのは非常におかしいと思うのです。何の会合があったんですか。
○稲葉誠一君 そたは私もよく知りませんがね。(笑声)まあいずれにしても、あなたのそういうふうな発言が何か特定の意図をもって行なわれたのではないかという印象を少なくとも私は受けたし、あまりにあなたがこの事件はこの程度のときには終わるだろうというようなことを言われると、非常に詳細な点の報告が行っていていろいろな点を御存じ過ぎるくらい御存じなんだというふうな、どうも私はそういう感じを持つんですよね。これは私一人の問題かもしれませんで、何か割り切れない感じを私はこの事件について持っておるわけです。だから、あなたは、そうじゃないんだと、ほんとうに厳正公正に徹底的にこの事件をやるんだと、こういうふうなことであれば、私はその程度の決意をさらにお聞かせを願って質問を終わらしていただきたいと思うんですが、徹底的にこの事件をやるんだということは、これはもう当然言えるわけですか。
○国務大臣(高橋等君) 先ほども申し上げましたように、関係事件の捜査については、検察庁において厳正に行なわれておりますし、将来も厳正に行なわれることを期待をいたしております。そして、私は、この捜査の内容に容喙するようなことは一切いたしてもおりませんし、これからももちろんやるべきではない、こう考えておるのでございます。
○岩間正男君 関連して。関連ですから簡単にお聞きします。 第一に、法務省として、法務大臣とそれから刑事局長の答弁の態度がこれは終始一貫しなくちゃならないと思うんですが、食い違っていいんですか。
○国務大臣(高橋等君) どういうことですか。
○岩間正男君 あなたは病気でこの前の私の質問なんかのときに出てこれなかったんですが、刑事局長は終始一貫この問題の内容は捜査中だというんで全然触れないんです。もう行き過ぎぐらいだと思っているんです。たとえば吹原の前歴はどうだと聞いたって、これに対してさえ答えないんです。そういうふうに、現在は答えられない段階だと終始一貫この委員会では答弁している。ところが、あなたは記者会見の席上でそういうような発言をされておる。そうなれば、法務省の態度としてはどうなります、終始一貫がとれなくなります。
○国務大臣(高橋等君) あなたが刑事局長に御質問になりました時期がいつであるか。それから事件の内容につきましては、一々申し上げることはできないことは御承知のとおりでございます。いま私はでき得る限りのことを申し上げたつもりでおるのです。が、私が新聞記者の諸君に雑談的に話をしましたのは、吹原の起訴のきまりました日に私は話した。あなたが刑事局長にお尋ねになりましたのはいつであるか存じませんが、その時点の差がある。それから私が申しておりまする政界に関係がない云々というようなことは、刑事局長としてはこれはもう話さないでありましょうし、また、話すべき立場ではないと思いますが、その他捜査の内容につきましては、これはやはりお答え申し上げることが非常にむづかしい段階だ。ただ、吹原を起訴した理由その他については、もう一応起訴しておるのですから、これは先ほど申し上げたとおりであります。ですから、刑事局長がいつあなたに御答弁したか、どういう御質問であったかということを私つまびらかにいたしません。
○岩間正男君 いまのような答弁ですけれども、第一、なんじゃないですか、法務省の内部であなたの発言に対して非常に問題が起こったというのは、あくまでも捜査上の秘密を守るというそういう態度を法務省としてはとってきたんでしょう。そこにあなたがああいうような発言をしたので、これは態度としては全く終始一貫していない、ここが大きな問題になったんでしょう。だから、いまのような答弁をされていますけれども、これは納得できないと思うんです。
○国務大臣(高橋等君) お答えを……。
○岩間正男君 それからその次に、もっとあります。第一、吹原の起訴、森脇を逮捕した、これだけでどうして政界と関係がないというふうに判断したのか。そんなことは、まだあなた捜査の中間でしょう、そういう段階でそんな決定的な最後の大前提だけ持ってくるというやり方を法務大臣がやるということはいいんですか。
○国務大臣(高橋等君) 私の発言について、ある新聞で箱書きで法務省が非常に不満を持っておるということが出ております。これは一つの新聞だけですが、しかし、私の関知する限りは、そうした不満は法務省にはございません。よくお調べを願いたい。
○岩間正男君 あなたのほうは明るみにしなさいよ。ここで質問していればちゃんと出ているんだから……。
○国務大臣(高橋等君) よくお調べを願いたい。発言なさる以上、よくお調べを願いたい。一つの新聞……。
○岩間正男君 あなたの発言は……。
○委員長(石井桂君) 岩間君、私語を禁じます。
○国務大臣(高橋等君) 一つの新聞の箱書きだけをとらまえて法務省全体の姿勢というものを批判されることは、非常に迷惑いたします。 それからいま申し上げましたように、この私の判断は、吹原の起訴に伴う経過にかんがみますとともに、森脇将光が吹原と共謀の上黒金泰美の名義を冒用した念書と題する書面をほしいままに作成した私文書偽造及び同文書の行使容疑というものが、検察庁といたしましてはそうした容疑があるわけです。ただ想像で検察庁で人を逮捕勾留をするわけではない。何かのやはり検察庁に検察庁のよりどころがあってこれをやっておるわけです。そういうようなこと、及びいま申しました吹原起訴の経過等にかんがみまして私の発言となった、こういうようにお受け取り願いたいと思います。
○岩間正男君 津田刑事局長はそれじゃ態度を変えなくちゃならない。あなたが悪いか、法務大臣が悪いか、どっちかです。あなたの答弁は、そうすると、法務大臣の趣旨に合わないということになります。あんなに秘密みたいなことをやるというようなかっこうでは話にならぬ。 それともう一つ、最後に聞きます、時間がないから。あなたは、あのような発言については、いまどうなんですか、正しいと思っているんですか、それとも、取り消す気はないんですか。私は取り消すべきだと思うんです。
○国務大臣(高橋等君) 私は、私の信念において私の判断が正しいとしてあの話をいたしたのであります。しかし、これは雑談的にいたしたのでございまするが、ただ漫然とこうしたことを軽々しく口から外に出したわけではないのであります。もちろん、これは私は信念を持っております。そうして、したがって、先ほどもお問いになりましたように、もし違ったらどうする、もし違ったらということばに対しては、それは違いませんと言うだけじゃお答えになりませんので、万一ということがあれば私は責任をとるということを申し上げておるわけであります。
○岩間正男君 もう一つ、吹原の起訴と森脇の逮捕だけでこの事件が終わるというふうにあなたは断定できないでしょう。そういうふうに断定しますか。この事件が終わるというふうに断定するんですか。
○国務大臣(高橋等君) いま問題になっておりますのは、黒金念書に関する問題が中心でございます。黒金念書に関する問題はけりがつくものと判断いたしております。
○委員長(石井桂君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(石井桂君) 速記を始めてください。 —————————————
○委員長(石井桂君) それでは、本件については本日はこの程度にとどめ、中断前に引き続き法案の質疑を続けます。稲葉君。
○稲葉誠一君 刑法の一部を改正する法律案に返るわけですが、そこで、問題の刑法の全体の改正は現在どういうふうに進でいるわけですか。
○政府委員(津田実君) 刑法の改正につきましては、御承知のとおり、昭和三十六年に刑法改正準備草案が公表されました。その後、一昨年五月二十日に法務大臣から法制審議会に対しまして刑法の全面改正の要否についての諮問が発せられました。その後、法制審議会においては刑事法の特別部会を設けて審議し、さらにそのもとに五つの小委員会を置きまして、現在までにおよそ百数十回にわたって小委員会で審議をいたしました。その結果、本年の夏ごろまでには第一読会を終わりまして、今度は逐次具体案の作成に取りかかるということになるというのが現状であります。
○稲葉誠一君 大体の目安はいつごろになるわけですか。初め、これは三年間ということじゃなかったのですか、予定は。
○政府委員(津田実君) 昭和三十八年五月に諮問いたしましたときは、法務大臣の希望といたしまして三年ぐらいの間に成果をまとめてほしいということでありました。三年と申しますと、昭和四十一年の夏、五月ごろになるわけでありまして、大体それを目途としていま作業が進まっておるわけで、第一読会の終わりぐあいによりましては四十一年の夏ごろまでにはおよそ成案が得られるのではないかというふうに考えております。
○稲葉誠一君 今度の刑法の一部改正案ですね、これは法制審議会にはどのようにしてかかったのですか。
○政府委員(津田実君) これにつきましては、いまちょっと日時は具体的には覚えておりませんが、昨年の暮れに法制審議会に諮問をいたしまして、総会二回、刑事法部会の審議二回ということでその結論が出ておりまして、その結論どおりの法案を御提案申し上げておる次第であります。
○稲葉誠一君 法制審議会で具体的にどういうようなことが論議の的になったかということが本件の法案の審議の上において非常に重要なわけです。この前、暴力行為の改正案の審議のときは、法制審議会の審議の模様を資料として提出を願ったわけです。もちろんだれ委員がどういうふうに言ったかという委員の名前は伏せてけっこうですが、前例もあることですから、本件の審議のために法制審議会の審議の模様というか、内容といいますか、その議事録を、氏名は伏してけっこうですから、ぜひ提出をお願いいたしたい。これは前に前例もあることですから、当然のことですから、提出を願いたい、こういうふうに考えます。この点についてはいかがですか。
○政府委員(津田実君) 承知いたしました。できるだけ早く提出いたします。
○委員長(石井桂君) 速記をやめてください。 〔速記中止〕
○委員長(石井桂君) 速記を始めて。 それでは、一応休憩いたしまして、五時に再開いたします。 午後四時二分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕 —————・—————