法務委員会 第19号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/05/11
会議録
○委員長(石井桂君) これより法務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 五月七日、後藤義隆君が委員を辞任せられ、その補欠として野上進君が選任せられ、五月八日、野上進君が委員を辞任せられ、その補欠として後藤義隆君が選任せられました。 —————————————
○委員長(石井桂君) 次に、理事の補欠互選についておはかりいたします。 ただいま委員の異動について御報告いたしましたとおり、後藤義隆君が一時委員を辞任せられましたため理事に欠員が生じておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井桂君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に後藤義隆君を指名いたします。 —————————————
○委員長(石井桂君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題とし、山梨県知事の選挙違反告発事件に関する件について調査を行ないます。稲葉君。
○稲葉誠一君 四月三十日に、甲府の地方検察庁に対して、社会党の山梨県本部から、山梨県の知事の天野というのですか、この人を事前運動の選挙法違反ということで告発をしたことがあると思うのですが、こういう事実がありますか。
○説明員(伊藤栄樹君) ございます。
○稲葉誠一君 日時とか、それから被告発人とか告発人、こういうのは、私がいま言ったことで間違いはありませんか。
○説明員(伊藤栄樹君) 告発の月日は本年四月三十日でございます。あて先が甲府地方検察庁検察官、被告発人が現在山梨県知事であります天野久となっております。告発人は、社会党の御関係についてはちょっとわかりませんが、神沢浄という人のようでございます。
○稲葉誠一君 その告発の具体的な内容といいますか、告発の要旨、事実としてあげられているものは、何と何ですか。二つあるように聞いていますが……。
○説明員(伊藤栄樹君) 御指摘のとおり、告発事実は二つに分かれておるようでございます。申し上げますと、第一の事実は、本年三月二十六日、甲府市内の山梨県立あげぼの学園というところの入退園式があったそうでございますが、その際、天野知事がこれに出席いたしまして、職員あるいは園児、父兄、こういった人たちの前で、来たるべき参議院議員選挙に、同県地方区から立候補を予定されているという広瀬久忠氏の名前をあげまして、同氏を推薦する趣旨の演説をした。演説終了後、このあとがちょっとはっきりいたしませんが、集まっておった人たちにと思われますが、百円札を分配したということのようでございます。それから告発事実の二番目は、本年四月二十四日、甲府市内の山梨県民会館で開催されました山梨県身体障害者福祉大会に天野知事が出席いたしまして、約三百人の参加者だったそうでございますが、やはり広瀬久忠氏を推薦する趣旨の演説をした。これらが公職選挙法違反になるはずであるから捜査されたい、こういう趣旨の告発のようでございます。
○稲葉誠一君 その後の本件の処理はどういうふうになっておりますか。四月三十日ですから、その間連休もありましたけれども、参議院選挙が始まるわけですから、当然早急に処理をしなければならない案件だと思いますが、その後処理の状況はどうなっていますか。
○説明員(伊藤栄樹君) 告発事件を受理いたしましたので、さっそく捜査に着手いたしまして、目下鋭意捜査を行なっておるようでございます。
○稲葉誠一君 鋭意捜査を行なうのはそれとして、そうすると、どういう点に主眼を置いてやるわけですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 具体的に現地の検察官がどういう点に主眼を置いてやっておりますか、そういった細部について報告を求める時期でないと思いますので、承知いたしておりませんが、おそらく事前運動の成否、あるいは百円札云々ということが出ておりますから、運動報酬あるいは投票報酬、こういったものに当たるものかどうか、被告発人の地位が知事でございますから、公務員の地位利用ということに当たるかどうか、そういった点についての選挙法上の問題があるというふうに思われますので、それらの点に留意しながら事実関係についての捜査を始めておるのではないかと、かように考えます。
○稲葉誠一君 事前運動の場合に、この人を選挙のときに頼むと、こういうふうに言わなければ選挙違反にならないんだと、こういうふうな見解をこの被告発人は何か持っているようなんですが、どうなんですか。この人を頼むということを言わなければ事前運動にならないのですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 具体的な案件について見なければならないと思いますが、頼む趣旨があらわれておればよろしいのではないかと思います。
○稲葉誠一君 この人を出さないというと非常に県民が損をするんだと、こういうことを言った場合には、これは、あれですか、頼むということの趣旨があらわれておると、こういうふうに見ていいわけですか、一般的に言って。
○説明員(伊藤栄樹君) さらにその場の零囲気あるいは前後の発言の詳細を検討しなければ何とも言えないと思いますが、投票依頼的な趣旨であったとするならば、選挙運動ということになりましょうし、あるいは、さらに具体的な問題に関して利害をあげて誘導したというようなことであるといたしますれば、御承知のように利害誘導の関係になるのではないかというふうに思われますが、何ぶん具体的な案件につきましては詳細を承知しておりませんので、これ以上お答えいたしかねます。
○稲葉誠一君 いま捜査中の案件ですから、あれですが、私の聞いた範囲、調べた範囲では、あけぼの学園というのは肢体不自由児の県の施設ですが、そこで、父兄と生徒が約二百名集まって、四十分間くらい話をしたそうですが、そのときに、特定人の名前をあげて、この人は厚生省生みの親で、この人を出せばあけぼの学園の施設はよくなるんだ、この人は福祉関係の第一人者なんで、この人を出さないというと非常に損なんだ、ただ、投票してくれとは言わないけれども、推薦はしておくんだと、こういうことを言っておるようですね。だから、投票してくれと言わなければ、推薦しておくと言っても事前運動にはならないんだというふうな、きわめて素朴といえば素朴、ずるいといえばずるい考え方でやっているようなんです。 そこで、このときに父兄が二百名おったようですが、子供にやってくれと言って百円ずつを父兄に渡したと、こういうんです。この金と選挙の投票との間の結びつきが、いま法務省が言ったように、告発の中ではすぐ結びつくかどうかは、これは別問題になるとは思いますが、その百円を何のためにやったんだと、こういうところの調べまではまだついていないのですか。百円を何のためにやったという——私は調への結果を聞くのではなくて、そういうところの調べはまだついていないんですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 具体的に百円の点を調べたかどうかとか、あるいは、どういう演説内容があったかということについて、どんなような範囲の人たちを調べ、どういうふうな捜査を進めておるというような点については、報告も私のほうではまだ徴しておりません。
○稲葉誠一君 ですから、百円あてを父兄にやったということが告発に入っているわけですから、その百円をやった趣旨がどういう趣旨であって、そのときの話とどういうように結びつくのかということは、もう当然捜査としては調べて、それが投票依頼の報酬というか、あるいはそういうようなものになるかならないかということが本件の告発の事実については一つの大きなポイントになると思うわけですが、その点は私の考えとおりで間違いはないですか。
○説明員(伊藤栄樹君) お説のとおり、この点も一つの問題点になろうかと思います。
○稲葉誠一君 このことに関連しては、市会議員の小宮山という人が証人になっておる。それからあとの身体障害者福祉大会のことについては、ある新聞社の甲府支局の記者が聞いたりなんかしておったりしまして、証人にはっきりなっておる。こういう事実があり、その他にもたくさんの人がおるのですから、これはぜひ早急に調べていただきたい。選挙が始まってからではおそいのですから、早急に指揮をして調べるようにひとつお手配をお願いしたい、こういうふうに考えますが、その点についてはどうですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 承りました。
○稲葉誠一君 法務省が直接指揮権があるわけではないですから、その点の趣旨をよく甲府のほうに伝えていただきたいと思います。私どもも甲府のほうにそういうふうなことを申します。 それからその他非常に露骨にこの人は同じようなことをやっているようですね。いまのあけぼの学園の卒業式、それから身体障害者福祉大会、この二つを告発したのですが、たとえば中央道の何か八王子で会議があったときにも、全国区から出るある人に対しての推薦を露骨にやっておりますし、保健所関係の集まりの中でも同じようなことをやって、それを聞いていた婦人会の人がおこって帰ってしまったというようなこともある。あるいは、酒の小売商の組合の大会のときにも同じような話をしておる。このときには、候補者と目される人の子供さんか何かが大蔵省関係におられるらしくて、その人も列席されておるらしいんですが、そういうようなことをやっておるんだということで、非常に心ある県民の憤激を買っておるようです。こういうようないろいろな事実については、告発人のほうから調べのときに申すと思いますから、ぜひ早急に告発人を呼ぶなり何なりして事実を調べていただきたい、こういうふうに思います。 これに関連をして、警察のほうの本部長、これは丸山という人ですが、これが、天野知事に対して、事前運動が行き過ぎておるからこういうことをやらないようにということを忠告をしたということが伝えられておるんですが、この点については警察のほうはまだそこまで調べておりませんか。
○政府委員(日原正雄君) 聞いておりません。
○稲葉誠一君 ちょっと私その点を警察のほうに話をするのがおくれたものですから、聞いていないようですが、至急これは警察のほうへ連絡をして、知事に対して、丸山本部長が、あまり行き過ぎているからということで忠告をしたかどうかを確かめていただきたいと、こう思います。そういうふうな談話が新聞に載っておったですね。これは、質問中に、まだ二十分ぐらいかかりますから、電話なりして調べてくれませんか。こういうように、いろんな形での地位を利用した事前運動というか、そういうものが行なわれておる。 それから、よく大臣などが地方に出張をして、そばに候補者を置いておいて、この人が出ればここの道路はよくなるんだというようなことを言う場合があるんですがね。これはまあ内容にもよって一がいには言えないんだと思いますが、この人が出ればこの道路を直してあげられるんだというような場合があるようですが、こういうような場合には、やはり利害誘導というような形で選挙違反になるというふうに考えていいわけですか。
○政府委員(津田實君) まあ状況によりましてがいには言えないと思いますが、なる場合もあり、ならぬ場合もあると思います。
○稲葉誠一君 そうすると、どういう場合がなるんですか。
○政府委員(津田實君) これは、まあ具体的の問題じゃないと、ちょっと抽象的には非常に言いにくいんですがね。ですけれども、非常に実現ということに密着しているような場合はなる場合が非常に多いと思います。
○稲葉誠一君 山梨県でこの前、これに関連というか、行なわれた大月の市長選挙の問題で、これは、あれですか、結果はあとで新聞に出ておりましたからあれですけれども、警察としてはこの大月の市長選挙についてはどういう見解で事件を立件したわけなんですか。
○政府委員(日原正雄君) 立件したのは、公職の候補者に対する利害誘導罪ということでございます。
○稲葉誠一君 警察としては、公職の候補者に対する利害誘導罪になるというふうにこれは考えたわけですか。
○政府委員(日原正雄君) そのとおりでございます。
○稲葉誠一君 そういうふうに考えるについて、十分なる捜査を遂げて確信を持ってそういうふうになると思ったわけですか。
○政府委員(日原正雄君) その容疑で捜査をいたしまして立件いたしたわけでございます。
○稲葉誠一君 その容疑で捜査をして立件したのはこれはまあわかっているんですが、利害誘導罪になるということを十分捜査をし、確信を持っていたわけですか、あるいは、これはならないのではないかというようなことも考えていたんですか。
○政府委員(日原正雄君) ちょっと御趣旨がわかりかねるのですが、私ども立件する以上、一応あくまでもこれは裁判の結果にまたなければならぬわけでございまするが、そういう意味では容疑ではございますが、そういうことで立件をいたしたわけでございます。
○稲葉誠一君 立件をして、最終的には裁判の結果によらなければならないですが、これはまあわかり切っていることですが、警察としては十分な捜査をして利害誘導になると確信したと、こう思うんですが、それは利害誘導になるというように調べられた人たちも事実を認めておったのですか。
○政府委員(日原正雄君) これは、現在から考えると、まだまだ徹底した調べをすべきであったというふうな点が考えられるわけでございますが、当時の状況としては、十分な調べをして立件したというわけでございます。
○稲葉誠一君 現在から考えると警察はもっと徹底した捜査をやるべきであったと、こういうんですが、現実の問題としては、こういうふうな事件のときに警察としては相当手を抜いたんじゃないですか。手を抜いたというとことばは悪いかもわからぬが、ある程度さらっと調べて、あとは検察庁に行ってのことだということで回しちゃったんじゃないですか。
○政府委員(日原正雄君) 決してそんなことではないと思います、私ども立件する以上は責任を持ってやるわけでございますので。ただ、この事件については、任意捜査で終始したという点に徹底しなかった点があるかとも思いまするけれども、その限りにおいては十分徹底した捜査をやったつもりで送ったわけでございます。
○稲葉誠一君 だから、私の言うのは、利害誘導というのは、法律的にも非常にむずかしいし、事実関係もむずかしい。しかも、その中で証拠隠滅というものが非常に行なわれる事犯ですね、これはだれが見ても。それをなぜ任意捜査でやったんですか。任意捜査でやったから徹底しにくかった点があったわけです。だから、いまあなたの言うように警察としてももっと徹底した捜査をすべきであったと、こう言われるのですが、なぜ任意捜査でやったんですか。一般の場合などは、任意捜査じゃなくて、どんどん逮捕してやっておるのじゃないですか。もちろん、捜査の常道は、任意捜査であって、強制捜査は例外であるというのはまあ筋ですけれども、こういうふうにいわゆる地方の有力者とか権力者とかいうふうな事件になってくると、任意捜査ということでやって、その結果としてどうも徹底しない。だから、検察庁に行ったときには証拠が隠滅されて、検察庁ではこれを証拠不十分ではねてしまったんじゃないですか。なぜ任意捜査でやったんですか。強制捜査に踏み切れなかった特段の理由があったんですか、あるいは、それほど重大性のある事件ではないということだったんですか。
○政府委員(日原正雄君) お話しのように、任意捜査でやれる事件ということで考えてその原則でやったわけであろうと思います。
○稲葉誠一君 まあ、あなたのほうとしても、いろいろ言いにくいというか、答えにくいというか、いろいろあるようですけれども、これは法務省のほうにお伺いしますが、甲府の地検では証拠不十分ということで不起訴にしたということが新聞に発表されておったようですが、どういう点、どういう点が警察の送ってきたものと異なった見解を検察庁では出したわけですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 警察の見解とどう違ったかというお尋ねは非常にお答えしにくいのでございまして、一件送致記録に被疑事実としてあげられましたものが十分証拠づけられておったというのが警察の御見解であるとすると、検察庁の見解と若干これは違ったことになるわけですが、現にもうすでにお答えしておると思いますが、甲府地検で受理いたしましたのは昨年十二月十七日でございます。以来約五カ月近く鋭意捜査を遂げたわけでございまして、結局、その結果はどうも証拠が不十分である。で、要点は、被疑者が何人かおりますが、これらの所為が公職の候補者になろうとすることを断念させる目的で利害誘導した行為に当たるのだという点を的確に立証するに足るだけの証拠が足りない、どうしても手に入らないということもありまして、五月七日に八名の被疑者全員を不起訴処分にしたわけでございます。犯罪の嫌疑がないということではございませんで、犯罪の嫌疑不十分、平たく申しますと証拠不十分ということで不起訴にしたわけでございます。
○稲葉誠一君 その犯罪の嫌疑不十分と犯罪の嫌疑なしとは、もちろん概念的には違うでしょうが、不起訴の場合は、裁定としてはいま分けていますか。
○説明員(伊藤栄樹君) いまから二年ほど前から、法務大臣訓令によって、不起訴裁定の主文を明確にいたしたわけでございます。これによりますと、まあたくさんございますが、証拠関係について判断しました裁定の理由としましては、罪とならずという主文、それから犯罪の嫌疑なし、それから嫌疑不十分、この三つが主でございまして、罪とならずと申しますのは、被疑事実自体が犯罪を構成しない場合でございます。それから嫌疑なしと申しますのは、身がわり犯人が出たとか、その他犯罪の真犯人でないことが明らかである場合、あるいは真犯人であることを証拠づける証拠が皆無である場合、こういう場合に嫌疑なしということにいたしております。嫌疑不十分と申しますのは、平たく申しますと、白と断定はできませんが、黒と断定して公訴を維持するに足るだけの証拠がない、かような場合に嫌疑不十分ということを使うことになっておるわけでございます。
○稲葉誠一君 本件の捜査の場合に、初めから検察庁は警察にまかせっぱなし——と言うと、ことばはあれかもわかりませんが、まかせっぱなしで、指揮というか、まあ正式に指揮ということばは使えないにしても、協議というものは全然していなかったんですか。その点はわかりませんか。
○説明員(伊藤栄樹君) 事件が起きましてから一カ月ばかりの間に送致されておるわけでありまして、非常に警察も迅速な捜査をなされたわけでございますが、その間に甲府地検といたしましても警察とは寄り寄り御協議をしながらしたんではないかと、こう思っております。
○稲葉誠一君 ですから、証拠が不十分という形になったということは、いわゆる初動捜査というか、最初のところの捜査の出発のときに警察側がもっと徹底をすべきであったものを徹底しなかったというところに問題点があったとも考えられる。もちろんそれがすべてではないかもしれませんが、少なくともそういうようなときにしっかりとした捜査をして、ことにこれは証拠関係が非常にむずかしい案件ですから、固めなければならぬ案件ですわね。それを任意捜査でやって、ときどき呼んでやってくるんじゃ、帰って全部お互いに相談してやってくることはわかり切っている案件なんですね。そういうのを任意捜査でやったというところに出発点が間違っておったし、また、任意捜査をやらざるを得なかったというか、それをやったというところに、土地の有力者とかそういう人たちに対する案件のときにはどうも警察は少しく遠慮をするというか、やりにくい点があって、それが本件の捜査の一つの障害をなしてきたのではないかと、私はそう思うんですが、いまそれを法務省の見解を聞いても、あるいは警察に聞いてもあれですが、大体お答え願っておりますから、その点はこの程度にしておきます。ですから、こういうような案件の場合に、今後警察当局が、一般の人がやったときにはどんどん身柄を逮捕してほうり込む、特に労働組合の組合員がちょっとしたビラ張りやった程度でもどんどん身柄をほうり込んでやっておるということなのに、対照的にこういうときにはそれをやらない、こういう形のものではぼくはいかぬと、こういうふうに思うわけです。これは今後の問題としていろいろ私のほうからも注意をし、そういうようなことであってはいけない、こういうふうに考えるわけです。 そこで、話は前の知事の告発の問題に移るわけですが、近いうちに、特に参議院選挙が始まる前に、被告発人を呼んでその間の事情を聞くということは、これはもう捜査として当然だと思うんですが、それはやることになっているわけですか。また、捜査の常道として当然それは行なうということですか。
○説明員(伊藤栄樹君) やることになっているかどうか承知しておりませんが、おそらくそういうことになると思います。
○稲葉誠一君 警察本部長がその山梨県の知事にこういうのは事前運動として行き過ぎなんだからやらないようにということを通告したということの事実かどうか、これはまだわかりませんか。
○政府委員(日原正雄君) まだそれは調査中でございます。
○稲葉誠一君 じゃ、警察にお伺いするのですが、参議院の事前運動がいろいろな形で行なわれているんですが、それに対し、今の段階で警告なり何なりを発したというようなものがどの程度あるんですか。これはわかっておればでけっこうですが。
○政府委員(日原正雄君) いま数字を持って来ておりませんが、約二千件くらいになっていると思います。
○稲葉誠一君 これはここでちょっと聞くのもおかしいですが、事前運動の場合に、その人が立候補してみなければ、それが事前運動になるかならないかは、あれですか、確定をしないんですか。そこはどうなっているんですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 立候補の意思があれば理論上はいいと思いますが、特定の何の何がしという人が立候補の決意を持っているかどうかということは、現実に立候補するかどうかによって一番はっきりしてくるわけでございまして、かりに事前の段階で立候補が予想されておりましても、公示の後において立候補しないという場合におきましては、証拠上困難な問題が出てくる場合もあると思います。
○稲葉誠一君 それでは、私のきょうの質問は、山梨県の知事の選挙違反に関連をして告発が出ている。その告発は、告発文によるというと、明らかに公職選挙法の、さっき法務省でも言ったように、事前運動の問題、あるいは投票報酬の問題、地位利用の問題、あるいは利害誘導の問題、これらに該当をするという疑いが非常に濃厚であって、そういうようなことをやることは非常に弊害を及ぼすことでありますから、これは徹底的に早期に捜査をやって、選挙の告示前に当然被告発人も調べて、そして事実を明らかにすべきである、こういうふうに私は考えるわけです。警察本部長のほうがどういうようなことを知事に注意をしたかという点がまだわからないようでありますから、これはあとでまた私のほうへ知らせていただけばけっこうだと考えます。 私の質問は、きょうはこれで終わります。
○委員長(石井桂君) ほかに御発言はございませんか。——御発言もなければ、本日はこの程度にいたします。 次回の委員会は五月十三日に開会いたします。 本日これをもって散会いたします。 午前十一時四十九分散会 —————・—————