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48回国会参議院1965/02/23

農林水産委員会 第5号

発言数
58
登壇者
8
会派数
2
開催日
1965/02/23

会議録

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  農林水産基本政策に関する件を議題とし、前回に引き続き質疑を行なうことといたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 農林の基本法の精神におきまして、選択的拡大という名のもとに、畜産と園芸を大きく取り上げて、関係の農業者はもちろん、政府なり官民一体となってやっているそのこと自体は、私賛意を表するに決してやぶさかではございませんが、それについて当面の問題あるいは将来の重要な問題と考えられるものおもなることについて二、三大臣の御所見を拝聴いたしたいと思います。  それは第一は、畜産に関してはえさの問題であります。それから畜産と園芸を通じ、ことに蔬菜、野菜の問題はなおさら関係が深いのですが、これは価格流通の問題が重点になると思います。  まず、えさの問題を最初にお尋ねいたしたいと思います。わが国の畜産関係に必要な鶏あるいは乳牛、あるいは養豚等これらの畜産関係のえさの、濃厚飼料のほとんど六割以上というものは外国に依存しておる。ことにそのうちでも養鶏の飼料のごときは、御存知のとおり鶏は草食動物でありませんから、全部を濃厚飼料に依存しなければなりませんが、養鶏飼料は現在の配給飼料の約七割以上を占めておると思っております。そこで、私は、いろいろな事情で外国に依存するということは、一日も欠くことのできない飼料を国内需給度というものをもう少し高めることに政府のもう一段の努力が必要じゃないかと、そのためには二百万町歩以上畑地がありましょう。それから二毛作地帯におきましては水田裏作もあります。それらを利用して飼料作物、濃厚飼料の資源になります飼料対策に対して一段とこれに力を入れて国内需給度を高めたい。これに対する大臣の御所見をひとつお聞きしたいと思う次第でお伺いをいたしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 私も同様に考えておるわけでございますが、ただ考えても容易でない、なかなか容易でないという事情にはございます。イモ類等はでん粉との関係がありますが、イモ類等は品種を改良して飼料のほうに回すように増産をしていきたい。あるいは大裸麦等につきましても裏作の面がございます。でありますので、ことしの予算等にもありますように、協同組合を通じてこれに大型機械等を導入して共同耕作というような方法によって裏作の作付をふやしていく。そういうところへ大裸麦等も作付していくような方向へ持っていきたいと思っていますが、価格の面等におきまして、国際的に見ていまの価格支持でも外のほうの価格のほうが安いというようなことがありますので、そういう制約を受けておるわけでございます。しかし、こういうものもいまのような裏作地の積極的利用をはかっていきたい。それから、これはまた鶏等ではございませんが、牛等につきましては、御承知のように自給飼料としての草地を造成して相当程度そのほうに持っていけると思います。ただ鶏の飼料等につきましては草というわけにもまいりませんので、濃厚飼料を相当必要とするわけでございますので、そういう面に、おきましては草地を造成してというわけにはまいりませんが、自給飼料を裏作の面において、あるいは既耕地の面におきまして相当増産さしていくことにしたいと思っています。そういう方法、たとえば先ほど申し上げました機械等の導入によって作付面積をふやしていく、そういうことも一つの方法でございますが、需給度を増していくということについては一そう進めていきたいと、こう思っています。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 本日の新聞紙上に発表されたようですが、昭和四十年度の濃厚飼料、流通飼料の需給関係はかなり大部分のものが外国から輸入せられることになっていますが、さっき申し上げたように、米が人間の主食であるように濃厚飼料、ことに粒えのごときは鶏の飼料としては絶対欠くべからざるものと思うんですが、政府がいま予想されておる、また予定せられておる外国飼料というものは、現在の国際事情から見て、まあ価格の面もありましょう、あるいは輸送の面もありましょう、あるいは政治の面もありましょうが、はたして完全に確保できるかどうか、自信を十分持っておられるかどうか、その点ひとつお伺いをいたしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 担当者から……。

桧垣徳太郎農林省畜産局長

○政府委員(桧垣徳太郎君) お答えを申し上げます。昨日飼料需給安定審議会におきまして、四十年度の飼料の政府の需給操作の計画が審議会によって適当と認められたわけでございますが、その基礎をなします全飼料についての需給推算表の上でお話しのように明年度の飼料の要輸入量は飼料の形態で約五百九十五万トンということでございまして、三十九年度が五百三十九万トンでございますから、五十六万トン程度の輸入の増というようになることに相なっておるわけでございます。この飼料の輸入量につきましては、それぞれ品目別に推算いたしておりますが、おそらく御懸念の点は、本年一月十一日からアメリカのメキシコ湾沿岸の港湾のストライキ等で約一カ月余り輸入が停止されたというようなこと等の関連で御懸念があるかと思うんでございますが、世界の輸入飼料全体を見渡しますと、明年度当面する日本の要輸入量というものの確保にはそれほどの困難はないと、私どもは確信をいたしております。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 大臣にお答えを願うつもりでありましたが、畜産局長の御答弁で、大体確信が持てると、こういうお話でありますから、それをまず信用いたしますが、何べんも申し上げるように、えさはこれは人間の全く主食同様、米同様ですから絶対に不安のないような飼料の確保ということには全力を尽くしてやっていただきたい。飼料の問題につきましては濃厚飼料の国内需給度を積極的に高めるためにいま一歩あるいは数歩積極的にいろんな施策を講じてもらいたい、こういう要望をつけ加えて飼料の問題は打ち切っていきます。  次に、価格の問題でありますが、まず、価格の問題は、畜産物の価格のうち卵の値段が安いということで、これは昭和二十八年以来の数字を見ましても販売価格が十キロ当たり二千円をこしたことはない。農家の手取り百数十円、現在のごときは農家の手取り百四十円あるいはそれ以下、ごくいなかのほうではそれ以下である。一方飼料は、これはふすまも上がったんでありますが、ことに配合飼料等になりますとかなり上げやすい。単味の場合ははっきりしますけれども、配合飼料の場合においてはごまかしがきくというと語弊がありますが、非常に価格の構成が外部の人にはっきりしない。そこで、実質以上に上がる傾向があるんでありまして、現在養鶏農家、非常な大資本を持って経営しておる数万羽あるいは十数万羽というような大企業的な養鶏業者は、これはいろいろな意味において、資本力との関係で現在の不況を耐え得ることもありましょう。が、いわゆる養鶏農家と称せられる者、これらが非常に困る、窮境にあることは申し上げるまでもないことで、これは賢明な赤城農林大臣はよく御存じのとおりでありまして、多くを申し上げなくてもわかると思いますので、また、本会議その他の機会に、卵の価格の問題はあらためてお聞きしたいと思いますが、これについてひとつ当面の応急対策としては、卵を一時買い上げるとか、あるいは買い上げて別個に保管するとか、いろいろ方法がありましょう。しかし、卵の値段が昭和二十七、八年ころから今日まで十年以上キロ二百円を販売市場においてもこさない。ほとんど卵の値段というものは上がらない。ここにおいてこの理由は、これは大臣の御答弁でありましたか、畜産局長の御答弁でありましたか、何かの機会に、間接かに聞いたことがありますが、需要と供給の関係から供給がかなりふえた。最近非常に養鶏熱が高まって産卵数が非常にふえたので、そこで卵の価格が下がったのだ、こういう御説明であるようであります。また、実情もそうであろうと思います。しかし、私が現に関係しておる農協では、いま地方の補助金を受けて選卵機を据えつけたのでありますが、やはり選択的拡大、畜産園芸というものをやれば農家の所得は非常に増強するのだ。これが何と申しますか、農家の富をふやす、豊かにするのに一番早道だ、また、的確な道だということで、農家は非常な期待をかけておる。そこで、やはりただいまのような卵の産卵数がふえたので価格は下がる、こういうような考え方であるというと、実際に養鶏をやっていく農家にしてもどう将来養鶏はあるべきか、またあるいは養鶏の関係に携わっておる団体のほうの方、あるいはまたその他これらを指導しておる者の立場に立っても、日本の養鶏というものは、ことに農家の養鶏をやっておる者に対してどういうあり方でわれわれは農家というものに対処したらよいか非常に迷っておる、正直に申し上げますと。そこでこれはやはり現実の数字と将来の見通しに対してはっきりした動向というものを握って政府の施策というものが発表されないと、ただ畜産と園芸というものが成長産業だ、消費産業だというような抽象的な言葉ではかえって農民は迷惑するのじゃないか。また現に迷惑をしておる者がある。そこで、過ぎたことは仕方がありませんが、今後残された問題としては、卵の需要を増加し、消費を拡大するについてどういうことを考えておられるか、まず、その点をひとつお尋ねいたしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 一々お話ごもっともでございます。確かに需要に比例して供給が多いものですから、供給のほうは現時点としては調整というような方途をとると同時に、需要のほうの消費宣伝といいますか、需要の拡大の宣伝あるいは卵を割って、これは卵そのものであったならばなかなかもちませんが、割ってマヨネーズの材料等にするというような方法なども講じておりますが、大きく言えば、需要の宣伝によってまだまだ需要は伸びると思います。一面供給のほうの調整をするというような方法をとり、さらに当座の問題といたしましては、価格が下落するというようなことは、御承知のように生産者団体に調整をさしていくということもございます。調査によりますと、最近の鶏卵の価格は先週末より回復しまして、一キログラム百八十円程度になったというふうに承知いたしております。その理由としては、やはり供給の、出荷の調整が相当減ってきたということ、反面需要が上昇の傾向にあるというようなことによるというふうに承知しております。でありますので、今後とも先ほど申し上げましたように、需要の増加をはかり、そうして供給の調整をそれに見合ってやっていくというような方法をなお続けていきたいと思っております。なお、緊急の場合におきましては調整をはかっていくことを活用していく、こう思っております。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 御答弁では、非常に不安な状態にある養鶏農家を安心させるということにはまだ多少何か割り切れぬものが残りますけれども、いろいろ時間の制約もありますから、次に、蔬菜——青果物の中の蔬菜について価格、それから延いてはその価格を構成しておる流通の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  これはひとり蔬菜ばかりではありません。すべてのものがそうでありますが、価格の安定の根本になるものは需給つまり均衡を得るということが私はその基本になると思っております。同時にまた、流通の関係で物の動き、たとえば市場に何月何日にはどっからどういう品目の物がどれだけ出たのと、単価は幾らで数量は幾らで取引される、こういうような物の動きというものを完全に把握するということが何といっても非常にめんどうなようなことでありますが一番根本になるのじゃないか、したがって、流通機構の上に大きなメスを入れて改正する点があれば改正をし、いま申し上げましたような需給の均衡を得るために、あるいは契約栽培等いろいろな方法があると思いますが、その均衡を得るということが一番必要であり、と同時に、流通の過程を通じて物の動きをよく知らなければいかぬと思っております。ところが、私の少なくとも承知しておる範囲においては、政府の当局におかれても、あるいは全国的な各都市における、消費地における蔬菜の長期の価格というものに対しては完全な把握がされておるかどうか、蔬菜あるいは果実については多少の疑いを持つのです。一例を申し上げますと、たとえば静岡県の西浦のミカンは、これは沼津からわずかトラックで三十分かそこらで行ける近い土地でありますが、そこのミカンが一応神田の市場に出て、それからまた逆に沼津の市場に転送しておる事実があるのであります。これはしょっちゅうやっておるとはいえませんが、そういう事実がある。また、ある県の蔬菜が一応東京市場にきて、さらにそいつを他の関東の都市にまた神田の市場から送っている事実もある。これらはいわゆる結局二重運送になる。したがって、品いたみがする、目減りがする、また、運賃が不当にかかるというようなことから、結局末端における消費価格というものが高くなってくる、中間のロスというものが非常に大きい。  そこで、私がお尋ねしたいことは、現在日本における五百八十幾つかありますか、六百ないと思いますが、市制施行地に対して、現在ありまする、現存している市場というものは千八、九百、二千近く市場があるのじゃないかと思いますが、その市場に対して中央卸売市場法によって助成されているのは二十幾つか、二十五をこえない二十三か四かであったと思いまするが、それからまた、その他の小さな都市において、府県が条例等を設けて、名義は許可とか、あるいは認可、登録とそれぞれ名前は違いまするが、要するに条例のもとに市場を持っておるのが全部で十五府県くらいじゃないかと思っております。そうしますと、全国の二千に近い千八、九百の市場に対して、また、全国の四十六都道府県に対して、たくさんの市場にあるものの動きというものに対して、さっき申し上げましたような、完全に各市場に毎日出てくるところの品物に対して、品目、価格あるいは出荷地すなわち生産地、そういうものを把握していないのじゃないか。これが私は非常な価格の構成の上に不安定の因をなすと思っておるのであります。そこで、現在の市場制度そのままで政府はいかれるつもりであるか、あるいは現在の中央卸売市場法を改正して、中小の市場等も加えた一本の市場法に改正するか、あるいは現在の市場法はそのままとして、地方市場法とでもいうべきものを新たに制定される意思があるかどうか。いずれにしましても、冒頭申し上げますように、価格の構成の根本的な問題は需給の均衡を得る、生産と消費というものを計画的になすのだ、しかもその流れ——生産者から消費者の手に移るその期間というものを最も適正に、むだのないようにする、これでなくちゃいかぬと思う。その実例として、いま私は静岡県の西浦のミカンを申し上げた。  いま一つ、畜産の関係で、価格に関係があるから実例を申し上げます。私の福岡県から毎月鶏卵を五万箱ずついま金版連の取り扱いで送っている。常に東京の市場のほうが安い、北九州なり、福岡のほうが高い。高いけれども、どうも系統の取り扱いであるし、いつかの時代にはやはり系統を利用したほうがよかろうということで、その関係者は非常に苦しい思いをしていまの品物を送っておる。これらの全国における市場と買うものの、たとえばこれは生果市場ではありませんが、卵の取引というものをはっきり握っておらない。それで指導者もいいかげんだ。実際直接関係しておるものも非常な不利をきたす、まず、そういう点から現在の市場法というものに対する改正の意思があるのかどうか。どういうふうに対処せられるつもりであるのか。これは流通過程の上においては重要な役割りを持っておりますからお尋ねを申し上げます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 市場問題につきましては、県当局におきましても種々検討を加えておりますので、その状況等を事務当局から……。

林田悠紀夫農林省園芸局長

○政府委員(林田悠紀夫君) 野菜の価格安定をはかりまするためには、先生が仰せになりまするように需給の均衡をはかるということが基本になる次第でございまするが、現在その需給の均衝をはかるということにつきましては完全には行なえてない次第でございます。それで、現在やっておりますることは、野菜につきまして、あるいはくだものにつきまして、生産と出荷をできるだけ計画的にいたしていきたいということから、需給の調整協議会というものを京浜とか、あるいは名古屋、京阪神を中心にいたしまして、その卸売り市場と生産地との間でやっておるような次第でございます。実は四十年度におきましてはそれに加えまして野菜の需給見通しをつくっていきたいということから、一方におきましては京浜と京阪神につきまして、まず、生産の見通しを行なう。それから同時に需要の見通しを行なうということによりまして需給の均衝をはかっていきたいということを考えております。  それから、物の動きを逐一把握するということが必要でありますることは申すまでもないわけでございますが、現在は統計調査部を通じまして、統計調査部の調査員を卸売り市場とか、あるいは生産地に置きまして、それからの報告を徴しておるような次第でございます。これもなお完全なものでございませんので、四十年度におきましてはなおそれを一そう拡充いたしまして、しかも迅速に報告が集まるようにいたしたいという考えでございます。  それから地方市場の問題でございますが、地方市場は仰せになりまするように全国におきまして千五百くらいございます。それでそういう市場を今後把握してまいるということのためには、その取引高とか、あるいは売買価格につきまして報告をさせていくということが必要なわけでございまするが、実は三十八年度と三十九年度の二カ年にわたりまして現在地方市場の実態を調査中でございます。そうして、それがまとまり次第、四十年度におきまして地方市場をどういうふうにしていくかということにつきまして研究会を持つことにいたしておりまして、それによりましてできるだけ早く物の動きがはっきりしてまいるように措置をいたしていきたいと、かように考えておる次第でございます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 与えられた時間がないので、あと一点だけ質問をいたしたいと思いますが、産炭地に対する農政の問題でありますが、産炭地に対しては主としていま国会その他において論ぜられ、また政府なり関係者でいろいろ心配されておるのは閉山、廃山したところの炭鉱の離職者をどうするか、あるいは炭鉱地帯における自治体が非常な窮境におちいっておる、それをどういうふうにして救済するか、こういうふうな問題がありますが、農業方面からの問題としては御承知のとおり筑豊だけ、福岡県の北九州だけでも年によって多少違いますけれども五、六千町歩、多いときは七、八千町歩もありますが、農道あるいは用水路あるいは田畑そういうような土地が陥没しておる。最も深いのはレンコンなんかをつくっておるところがあります。浅いところじゃまだレンコンまでつくっておりませんが、ごく深いところはほとんどため池のような状態になっておる。これの復旧については、いろいろと戦前からずっと政府もやっておられることはわれわれ十分承知いたしておりますが、私はこれが必ずしもまだ確信は持てませんが、政府としてどういうふうにこれに対して御見解を持っておられるかお尋ねしたいと思いますが、これらの陥没地を、いわゆる鉱業被害地を復旧してりっぱな耕地にするのには相当多量の土あるいは砂、砂れきというようなものを客土して、さらにその上に植物の育ちやすいような表土を、上土として持ってこなければならない。したがって、陥没地の復旧というものには非常にばく大な金がかかる。ところが、二、三年前から、九州大学の園芸学の主任教授の福島君が、これは元海軍炭鉱であった志免炭鉱のボタを九大の付属農場に持ってきて、約二カ年ぐらい実際に実験してみたのですが、そのボタを持ってきて、それに植物の生育に必要な成分をいわゆる液肥として流して、いわゆる水耕法みたようなものですが、流して、それにいろんな野菜をつくったり、木本の植物のバラなんかもつくっております。したがって、二カ年ぐらいの実験の結果かなりの成績を得まして、いま現在では直方市の郊外に元新入炭鉱のあったところに、すでに相当の広い農地で、実際に私が行ったときにはカンランをつくっておったのですが、カンランが普通のいい畑あるいはいい水田等の裏作等なんかでりっぱにできておるのと同じようなりっぱなカンランができておる。ひとりカンランばかりじゃありませせん。レタスにしても、あるいはその他何でもできる。たばこのごときにしましても、その品質は別として、われわれの背たけ以上の普通のたばこができておりますが、これがただ一個の大学の教授が、もういま実験の段階を経てすでに現地で相当広い面積でやっておるのでありますから、相当な農業の学問なり、あるいは技術の面からいえば生育可能だという判断はできる。ただ液肥をそういうふうにやるのにはパイプを配管するとか、あるいは液体の肥料を貯蔵するところのタンクの設備だとか、いろいろそういう費用がかなりかかるわけです。そこで、これは経済上農家にすすめ得る事柄であるかどうか、その点は私まだ非常な疑問を持っておりますが、これは私の個人の見解では、相当やはり農家にもすすめても引き合うものじゃないか。言いかえれば農家にも十分奨励し得る価値のあるものだと考えております。これがはたしていま申し上げるように、そのようなボタの上に液肥をやって、その栽培があたりまえと同様にいけるものとすれば、これは非常な一挙両得であるし、陥落地はそれによってりっぱに普通に復旧ができます。またボタというものの山も全然取り除かれてくる。これらに対してすでに大臣御存じであるかどうか、まず、それをお尋ねしたいと思いますが、それらのことに対しては、これはあの地帯としては非常に重要な問題でありますし、また、現在政府も陥落地の鉱害被害地の復旧については非常にたくさんな金を使っていられるので、いまのような方法がはたして実際に適用できるということになれば、これは国家のためにも非常にいいことですが、どの程度まで御存じであるか、またどういうふうなこれに対するお考えを持っておられるか、お尋ねをしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 産炭地の陥没耕地に対しましては、土地改良等も施しておりますが、いまお話のような方法で、一種の水耕栽培ができるということを聞いております。でありますので、それがよくいくということでありますならば非常にけっこうなことだと思いまして、福岡県等におきましてもそれらの試験研究をして補助金等も出しておるような状態でございます。で、この試験の結果、私はそれが非常にいいということならば、そういう方向へ産炭地の耕地の復旧と栽培方法を奨励するといいますか、すすめていきたい、こう考えています。目下はまだいいことだろうというほどの前提で試験研究をしておる状態であることを申し上げておきます。

森部隆輔自由民主党

○森部隆輔君 私の質問はこれで打ち切りたいと思いますが、大臣も一度なにかの機会に現地をごらん願えれば、いま申し上げるように、私は、相当多数のものが、出かけてみたのですが、りっぱに育っているのですから、ただあとは経済上成り立つかどうかということの問題だけでありますから、これがうまくいけば、いわゆる一石二鳥でもあるし三鳥でもありますから、十分お取り上げを願いたいと思います。  この機会に、最後に希望を申し上げておきますが、さっきいろいろと物の動きあるいは需給の均衡を得るためには、まず数字を握らなくちゃならぬということを申し上げたのでありますが、農林省の統計に関するいろいろな予算は全体でおおよそ百億くらいじゃないかと思います。そのうち八割くらいは人件費だと思っております。現在のいろいろな機械の進歩、通信あるいは交通その他諸般のものが非常に進んでおる時代において、人件費の八割くらいでは困る、不十分じゃないか、もう少しこういうような方面には今後積極的に予算等も十分御計上になって、万遺憾のないように措置されたい、こういうように希望を最後につけ加えて、質問を終わりたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、まず農林年金の職員の給与の問題についてお尋ねいたしますが、昨年の通常国会における当委員会でこの問題を取り上げまして、その際の状況は、昨年の二月十三日に農林年金の当局と労働組合との間に、労働協約が結ばれておりまして、その協約の中に、「一九六四年度中に他の政府関係機関との本給格差を解消することを目標において努力する。」こういう労働協約が締結されておりまして、その協約に基づいて昨年度のベース改定の際にこのことの、労働協約の実施についていろいろ質問をしたのでありますが、その際に農林大臣は、他の政府関係機関、特にまあその場合比較に出されたのは愛知用水公団というのが出されました。事務当局からは私学共済等も出ましたけれども、とにもかくにもこの愛知用水公団等の給与との格差のあることを認められまして、それに対する格差是正のために努力する、こういうことを農林大臣は答弁なさっておるわけなんです。で、その後、この問題の解決は昨年のベース改定の際には実現しなかったわけでありまして、一年おいて、私もそのときの委員会で申し述べているのですが、次のベース改定の際には、ひとつ大臣がそうおっしゃっているのだから、それまでにひとつ格差の是正されるように努力されることを期待をし、次のベース改定の際にそれを見守る、監視をするということを申し述べておったのであります。ところが、昨年の暮、一般公務員のベース改定が行なわれて、その後労働組合からの賃金要求がなされて、団体交渉を重ねてきたのでありますけれども、それまでの結果を見ますというと、年金当局はいろいろな努力をしたけれども、他の関係機関と同様の八・二%の賃上げしかできない、こういうことで、昨年の二月締結しました労働協約の実行が今回もまた不履行に終わる、こういうような情勢にあるようであります。これはまことに遺憾なことでありまして一本委員会における審議の経過からしても、また昨年の農林年金関係法の改正の行なわれた際の附帯決議の中にも、衆議院の附帯決議でございますが、これにも、組合に対する監督は適正の範囲にとどめ、組合の余裕金運用その他業務の執行及び組合職員の労働条件等については、組合の自主性を尊重すること、こういう附帯決議がついている、こういう点からいっても、今回の農林年金のとっている措置というものは、国会の当委員会の審議の内容を無視し、衆議院の附帯決議の線を無視したものと思われる。これでは何のために論議をし、何のために附帯決議をしたかということについて全然権威がないことになるわけです。したがって、監督官庁として一体どのように年金当局に処置をされておるのか、その実情についてまずお伺いいたしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 経過等につきましては、いま御指摘のとおりでございます。ございますので、私どもといたしましても、他の政府機関との関係は八・二%ということの賃上げになっておりますけれども、理事長等に対して、附帯決議の趣旨もあるので、実質格差是正のほうへ相当力を入れて交渉に応ずるようにという指導はいたしております。なお、農政局長を通じていろいろそういう方法について推進をいたしておるわけでございますので、経過等について申し上げることにいたしたいと思います。

昌谷孝農林省農政局長

○政府委員(昌谷孝君) ただいまお話しのとおりの経過でございますので、私どもとしても、農林年金が政府関係機関ということで位置づけられております以上、政府関係機関としての一定の制約を受けることはある程度やむを得ないと思いますけれども、そのワクの中でなるべく組合員諸君あるいは理事者の希望が満たされますよう、そういった制約の中での努力ではございますけれども、極力前進ができますよう努力はいたしておりますし、現にまた労使間の交渉が継続中でもございます。私どもとしてもその間の経過も聴取しながら監督に遺憾なきを期したい、そのように存じておる次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私の聞いておる範囲ですと、八・二%の予算のワクというものは、これは動かすわけにはいかない、こういうふうに伺っておる。ところが、農林年金当局は、八・二%の原資では是正することができない。特に年金の場合、八・二の原資で俸給表を作成するというと、管理者関係の一部は上がるかもしれないけれども、職員の大部分が八・二%以下になる。実質七・五%くらいにしかならない。したがって差を縮めるよりは逆に格差は拡大をする、こういう結果になるということで、年金当局はこの事情を農林当局に説明しているはずであります。したがって、その説明がなされているにかかわらず、八・二%というものの原資しか認めないということは、格差を縮めることにならないし、またそれを否定をするのは一体どこなのか。農林年金当局は少なくとも格差是正のために協約の線に沿うて努力したが、その努力を抑えるのは農林省なるのか大蔵省なのか。政府関係機関というワクの中であるけれども、是正したいというのですけれども、この八・二%の原資を動かさない限り是正できない。ところが、それをがんとして八・二%だと、こういうことである限り本格的な格差是正の方向には向かわないと思うのですが、農林年金当局が労働協約の線に沿うて努力する点についても、それを制約するのは一体どういう趣旨なのか。また、年金当局の意思を受けて、農林省はどういうふうに判断をし、大蔵省とどんな協議をしているのか。そこら辺のところを明らかにしていただきたい。

昌谷孝農林省農政局長

○政府委員(昌谷孝君) 前国会の年金法の御審議の際にも御論議があった問題でございますが、実は各種の政府関係機関それぞれにつきまして、発足以来その職員構成なりその職務の性格なり等々から、それぞれの政府関係機関ごとに給与の体系については沿革的な、あるいは実質的な相違が見られます。一がいに格差というようなことを申しましても、職員構成その他ございますから、単純な比較が非常に困難なことはおわかりいただけると思うのですが、昨年の国会の御審議の際、私どもが申し上げましたように、実は当年金につきましては発足の当初、国家公務員共済、あるいは私学共済といったような同種の共済事業を行なっております政府関係機関ときわめて類似の性格を持つものということで、職員構成あるいは給与の体系その他が発足をした経過があります。そういったような意味で、当事者の御熱心な努力もありますけれども、そういった点の他の共済事業を行ないます政府関係機関との関連その他を十分に整理がし尽されていないという点で、割り切った方向が出ておらないのが現状だと思います。御承知のように、昨年までその原資の中で累次の御努力によりまして、初任給につきましては、他の政府関係機関、公団等々とも形式的にも実質的にも全く足並みをそろえるような給与体系を持っておったわけであります。昨年その点について私もどの席で先生にお答えをして、初任給については格差のないことを申し上げた記憶がございますが、しかし、初任給はそうでありますけれども、実質を見ますと、だんだん年数を経て上級者になりますに従いまして、限られた原資の中でそういう給与表、給与体系を持った関係上、上級者のほうは他の政府関係機関はもとより、級によりましては国家公務員よりもかえって給与表の表面から見ますと下がっておるような、非常に傾斜のゆるい給与体系を余儀なくされておった。昨年の御論議にもかんがみまして、年金当事者としては、本年度の努力の目標としましては、比較的に給与が他との接近しておるところは控え目にして、非常に落ちくぼみの激しいところに限られた原資を重点的に充当して給与の改善をはかる。相対としての給与の均衡是正といいますか、落ちくぼみの是正ということに今回は重点を置いてお考えが進んでおったように聞いております。私どももそういった配慮が、実質的に全体の職員の給与の落ちくぼみを是正するという意味で、けっこうなことだという趣旨で、そういった方向を了承しておったわけであります。したがいまして、そういう意味から申しますと、おっしゃいましたように、そういう落ちくぼみの激しいところに重点を注いだ結果が、比較的に従来はほとんど落ちくぼみのなかった層について今回は手薄になっているというような点が生じておることは事実だと思います。したがいまして、それらの点を一挙に完全にと申しますか、一挙に思うように解決をするということは、この種の制度的制約の中で行ないますので、なかなか困難でございますが、一番著しい欠陥から、財源の許します範囲で逐次是正をはかっていくという意味での漸進改善に当事者が御努力をなさっている点は、御了承いただきたいわけであります。  なお、政府関係機関のことでございますから本機関と他の機関との相対的な給与のあり方の基本について、いろいろ論議のあるところでございます。これらにつきましては、私どもも、従来もそうでございましたし、今後も引き続いて、それら横の均衡という点についての検討改善は引き続いて根気よくやっていく必要がある、さように考えておる次第であります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 根本的な、政府関係機関、政府関係機関と、こうおっしゃられるのですけれども、たとえば前回の、渡辺勘吉君からの質問で、現実に愛知用水との比較において、いま局長がおっしゃられるように、初任給においては年金も、愛知用水のこれは高率でもって一万五千円、これで均衡とれてゼロである。ところが、二十五歳のところを見ますと、すでに愛知用水との差は二千円現行で出ている。二千円低いのです。それから四十歳のところを見ますというと四千五百円低いのであります。ところが、今度の第一問の問答、いわゆる八・二%を原資とする俸給表によって、いま局長の説明されたように、若干その原資の中で運用いたしまして、上のほうに厚く下のほうに薄くと、こういう配分をした結果、どんなふうになったかというと、二十五歳の例を先ほども申し上げまして、二千円あったものが、今回これによりますというと、二千九百円というふうに九百円に差が拡大をしている、二千円の差であったものが二千九百円になっている、こういう状態です。それから差が縮まったというのは、三十四歳のところで従来四千二百円の差があったものが四千百円と百円の差が縮まったというだけで、依然として愛知用水と年金の差は、いままで四千二百円の差であったものが四千百円になった、百円締まったということで、現実にやはり四千百円という差は残っているのです。したがって、その同じ年齢構成で給与表にあらわれたものは、差は若干縮まったとはいいながら大部分のものは差として残っておる。で、初任給のごときも今度は愛知用水のほうは一万六千七百円で年金が一万六千百円と、それで初任給も六百円開いてしまった、今度は。そういう結果ですね、愛知用水と比較した場合においては、総体的にいえば昨年のベース改定の当時よりも今回の場合のほうが差は開いたという結果になっておる。これは八・二%の原資でおそらく愛知用水もそういうことでやったんでしょうけれども、もともとが高いところへ八・二%かけるものですから差はやはり広がっていく。このままの状態でいけば広がっていく。こういう結果にならざるを得ないことはもう理屈上はっきりしている。ですから政府関係機関としての制約はあるというのだが、もともと局長の説明のように、私学共済というものと比較して年金は公務員と同じ給与で発足している。愛知用水はそれより高いもので発足している。こういうことなんだけれども、この前の委員会で、それはまずいのだ、愛知用水と比較をするのだということがはっきり出て、そのために努力するというので、その問題の解決は私はもうすでになされている。大蔵省の給与課長もこちらに来ておってそういうことを主張されたんだけれども、大臣はそう言っておらない。大臣は、愛知用水と均衡のとれるように努力する、こういうふうにはっきり答弁されておるので、私はやはり当面の比較の対象は、同じ農林省所管の中における愛知用水だと、こういうふうに理解をしているのです。また、そのように努力するというふうに答弁されておるのですから、それはひとつやってもらわないというと、根本の問題の解決がまだできてないような形で、年金は公務員と同じでいいのだと、こういうことを言われたのでは、差はいつまでたっても縮小されないことになるのであります。格差は格差でないと、こうおっしゃるのでは、これはこの前の国会の論議は何をやったかわからなくなる。その点は、もう問題を解決して愛知用水と均衡をとるということで、そういう方針で大臣も努力するというふうに答弁されておる。また農林年金当局の労働協約の趣旨もそういうふうな趣旨である。そういうことだろうと思うのですが、労働協約というものは、監督官庁である農林省なり協議すべき大蔵省が勝手に労働協約が不履行になるような形で指導していいものかどうなのか。この点は交渉能力等の問題とも関連してくる問題なんですが、そこら辺のところを再確認したいと思うのですが、どのようにお考えですか。ひとつこの点は大臣に答弁してもらいましょう、大臣がはっきり前回答弁されておるのですから。

昌谷孝農林省農政局長

○政府委員(昌谷孝君) 私からちょっとその前に申し上げたいと思います。政府関係機関として、各種のものが現に労使間の賃金交渉と申しますか、給与改定についての交渉のさなかでございます。御承知のように、愛知用水公団もまだ交渉の経過をたどっております最中でございます。中には私学共済でありますとか、国家公務員共済のように、いち早くおおむね決定を見たというふうに伝えられているところもございます。それらのそれぞれの中で、現に当事者がたいへんに御苦労なさっておられるわけでございますから、私どもとしては、この際そういった交渉の経過を十分見守って善処をいたすということが一番ふさわしいと思うのでありますが、先ほどお触れになりましたように、経過は経過として、この年金の当事者なり、あるいは労働組合なりが努力目標として、他の政府関係機関との本給格差を解消することを目標に努力をするべきである、したいということで労使の間でそういう努力目標を確認をしておられます。したがいまして、私どもとしてそういった当事者の御努力の目標を十分尊重して対処すべきものだと考えます。ただ具体的な措置といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、政府関係機関としての給与の水準のあり方について、決定的なきめ手を欠いております。で、やはり何と申しますか、可能な限度において現実的に逐次一歩々々前進していくということの努力を積み重ねること以外に具体的な解決の方法としてはなかなかないわけであります。一挙に問題を解決すべくいろいろやるという意見もあろうかと思います。具体的によくしていきますためには、そういった改善の積み上げがやはり現実的な方法であろうかというふうに私ども考えますし、また理事者の方々もそういう認識で現に交渉に当たっておられます交渉過程でございますので、先ほどお触れになりましたページの数字等につきましても、まだ最終的にどういうふうにおさまりますかどうか十分な最終的な報告に接しておりません。さような状況でございますのでただいま申し上げましたような趣旨で、私どもとしては当事者の努力目標を実現する具体的な手段としての一歩前進、二歩前進というやり方で少しでもよくしていくということを努力しておる次第でございます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 政府関係機関でありますので、その業務の運営等につきましては、おのずから公共的な使命があることは申すまでもないと思います。でありますので、労使間の協定等につきましても、そういう公共的要請に沿ってまあ締結さるべきものだと思っています。しかし、締結されたものに対しましては、私ども十分尊重していかなければならない、こういうふうに思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私も、団体交渉でやっている問題ですから、それをどうしろ、こうしろということを内容に立ち至ってここで幾らかとかなんとかそういうことを聞こうというやはなことば考えておらない。ただ考え方の基本として、この年金が公務員と同じでいいのだ、こういう考え方で格差是正の方向に向かわない。したがって、いま答弁にもありましたように、それを一気に全部格差を一回で解消してしまえ、こういうむちゃなこともまあできないかもしれません。その点もわかります。しかし、いまの大臣の御答弁で、労使双方の協約というものを尊重する形において努力をする、こういうことでございますから、私はその点を了とします。しかしながら、これは農林当局だけで解決しないで、大蔵省当局にこれは協議をすることになっておりまするので、大蔵省との協議の際にこの問題がやはり蒸し返してくる可能性がある。それでひとつ大臣は、この前の委員会でも念を押したのでございますが、大蔵当局の協議の際に、農林当局の労使協約尊重の考え方というものが徹底するようにひとつ御努力を願いたい。この点はいかがでございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) まあ率直に申し上げまして、愛知用水も八・二%上がり、こっちも八・二%上がってはいつでも同じことだと思います。でありますので、一挙には格差の是正はできないとしても、逐次是正していく方向に私は進めていくのが当然だといいますが、そう考えます。でありますので、そういう線に沿って大蔵省当局等ともよく話し合ってみたい、こう思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その線でひとつ今後の基本的な考え方としての努力を願うと同時に、先ほど政府関係機関ということで、一応そういう制約が若干あることは私も理解できないわけではございませんけれども、この年金は政府の補助金は確かに受けているわけです。しかし、この年金の職員の事務費については、年金が発足当初、組合員一人について百円ですか、それで三十四万で三千四百万程度の事務費の補助を受けているわけです。職員の給与は、この事務費の補助との関連があるわけですが、給付の補助は別として、大体三十九年度の年金の事務費その他が約二億何がしかですか、四十年度で三億、こういうようなことで事務費の増加は来たしておるのでありますが、補助金は年金発足以来全然これは変わっていないわけです。もう五、六年になるのですけれども変わっていない。これは衆議院等の論議の際にも、これを増額すべきだというような考え方も出されているわけです。しかし、これは今日まで百円ということは変わっていないのです。事務費は相当ふえる。これは年金の積み立て金の利子の運用によってまかなわれているわけですね。したがって、この政府関係機関で補助をしているしていると、こう言っておりますけれども、ほんの一割程度の補助金しかなされていないわけです、事務費の補助というのは。したがって、年金は、事務運営についてはその九割は年金自体の運用によって行なわれておるわけであります。したがって、この政府関係機関ということで締めつけるにも限度がある。それは、一つには、加入者である組合員と理事者との間に持たれている組合会ですか、その会において年金の職員の給与というものは改善すべきである。そうして労使双方の行き方についてもまああまりストライキだの何だの起こらないような形で円満にやったほうがかえってプラスになるのだということの決議がなされておるわけです。したがって、この年金運用の意思というものは組合員である三十四万人の組合員の意思を代表した形においてそういう意思がはっきりしておるのであって、監督官庁である農林省なり、協議をすべき大蔵省がその年金の当局並びに組合員の意思、これを左右する大きな要素というものはあり得ないのじゃないか、こう思っておるのです。したがって、政府関係機関という一般概念の中で何かしらこの制約を受けるのだと、こういうことでありますけれども、実質的にはいま言った補助金、わずかばかりの、一割くらいの補助金で、何からかにまで年金自体の自主性というものを抑えるような形というものは私は好ましくないのじゃないかというふうに思われるのです。この点をひとつ今後の監督上の方向としても十分配慮していただきたい、こう思うものであって、先ほどの大臣の労働協約を尊重するという、そういう考え方によって、その自主性をある程度認めると、こういうふうに理解をしたいと思うのですが、今後の指導監督のあり方として、私はその組合会の意思というものは十分尊重せらるべきものだと思うのですが、これに対する見解をひとつお伺いしておきたいと思います。

昌谷孝農林省農政局長

○政府委員(昌谷孝君) 政府関係機関としての給与その他についてのあり方につきましては、必ずしも当該団体が直接的な事務費の補助を受けておる、いないに関係なく、一つの統一した方針と申しますか、政府関係機関としての本来の制約というようなことで、現に他の政府関係機関も、補助を受けていない政府関係機関におきましても、類似の、やはり足並みをそろえてやっていくという扱いになっておりますので、何と申しますか、形の上でと申しますか、形式論理的に申しますれば、補助の有無等が直接そういった政府関係機関としての内在的な制約の強弱とはつながらない、形式論理的にはつながらないかと思いますが、しかし、実質的には仰せのような微妙なニュアンス、というものはあり得るようにも思います。私どもとしては今後組合会の御意図なり、あるいは衆議院の附帯決議の御趣旨もありますので、そういった事務費充当財源のあり方について、この程年金についてもう少し基本的に考えてみることがあるように思います。で、とたえて申しますれば、何と申しますか、制度の基本設計といたしましては、政府は年金対象組合員一人頭百円の事務費補助を現に出しておる。まあ年々対象組合員が広がるにつれて事務費の額、その補助の額もふえておりますが、実質的に使っております事務費とのバランスからいえば、確かにそのごく一部に充当されておるに過ぎません。その主体をなしますものは、一般の組合員から年金の掛金として徴収いたしましたもののうち、予定以上の利回りで運用のできました、いわばゆとりを一定の監督のもとに事務費財源に充当しておるというのが実情です。このこと自体が、何と申しますか、組合の自主的にものを考えていきます際に、どこまでが当然事務費として充当すべき財源であり、どこまでは組合員の年金給付の基本設計として積み立てていくべき筋合いのものであるかについての客観的なルールがないという難点がございます。そのことがケース・バイ・ケースの監督というようなことで、年金当局の自主的な計画を立てにくくしている一つの原因であろうかと思われます。将来の検討項目といたしましては、したがいまして、他の保険制度にもありますように、たとえば普通の年金掛け金のほかに、事務費に充当する分としての付加保険料的な思想をはっきり打ち出して、組合会の、あるいは組合員全体の御同意の上で、ちゃんとした付加保険料をとって、その付加保険料の中での自主性の強化というようなことを考えるのも制度的な検討の一環として、私はどうもそういう点の配慮がないことが、ケース・バイ・ケースの雰囲気を来たす一つの原因になっておろうかということも最近考えております。したがいまして、先ほど大臣からもお答えがありましたし、私もお答えいたしましたように、着実に再建をはかりますと同時に、そういった当事者の御希望を、他の政府関係機関との比較において改善をはかってまいりますためには、そういった事務費財源の充当のルール等につきましての一つの設計等を伴って検討することが説得力があり、かつ当事者の自主性を尊重する解決の方法ではないかというふうなことも考えております。まだ試案の段階を出ませんけれども、それらの点を含めまして、今後御趣旨のような方向で検討を重ねてまいりたい、さように思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 この問題、最後にいま一点で終わりますが、これは先ほども申し上げましたように、昨年の労働協約で、昨年のベース改定では実現せずに一年間保留になって今日まできて、その間努力すると、こういう経過のある問題でありますから、ただいままでの大臣の答弁、局長の答弁からいたしましても、格差是正の基本的な考え方というものはわかりましたから、それはぜひひとつ今回からの給与改定の際に行なわれるように、これがまた来年ということだと二年ごしになりますので、まだ団体交渉中の問題でありますから、ぜひひとつ今回から実現するように御配慮願いたいと思いますが、この点いかがでしょうか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) すでに申し上げたような気持ちでいろいろと、当事者といっても使用者側には指導といいますか、話は私はしております。そういった配慮のもとになお一そう指導といいますか、話を進めていきたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それではこの問題はそれだけにいたしまして、次に、中期経済計画の農業問題についてお尋ねいたしたいと思いますが、まず、中期経済計画の農業問題の報告、小委員会の分科会の報告ですか、これに基づいて中期経済計画がほとんど原案どおり閣議決定が行なわれているようでございます。これによりますというと、所得倍増計画が実施されまして四、五年たったわけでありますが、農業の現状はその所得倍増計画実施当時の状況とあまり大差はないようであります。当時、農業基本法が制定されまして、農業と他産業との生産性の格差、農業従事者と他産業従事者との所得の格差、こういうものを是正をする、そういう増大の傾向にあるのを是正をする、こういうたてまえをとっておりましたけれども、今度の中期経済計画においても、いま申したような格差是正というものは行なわれておらない。四年後、五年後の今日もやや同じである。こういう状態でございます。それからまた、農業の新規就業者が著しく減少をして、農家の兼業化が急速度に進展をしている。これは所得倍増計画における農業人口の減少ということは想定しておりましたが、まさしく、農業の就業人口は予定したより以上に減少をしたのでありますけれども、これが農業経営規模の拡大、それから農業の生産性の向上、他薦業との所得格差ということに役立っているとは思われない。現実には前業農家が——六百万農家のもう総兼業化が進んでいる。農家の後継者がいなくなっているという状態のようであります。この点を率直に中期経済計画は認めているわけです。  それからまた、農産物の価格の高騰、こういうことで食糧の消費構造の高度化、需要の増大ということでもって、需要の非常な急増がなされたのですが、農業生産の構造上の弱体化から農産物の価格の高騰が起こった、それと同時に、農産物の輸入が非常にふえてきている、こういうことで、高度成長のしわ寄せが農業の部門に集中しておる、こういう現状の認識に立っておるようでございます。そこで、今度の中期経済計画の中で、目標年次の四十三年度の日本農業のあるべき姿というものを描いておるわけですが、その一々についてはもう申し上げませんけれども、ここで私はお伺いしたいのは、目標年次のあるべき姿の中で、就業者一人当たりの生産所得のところで、比較生産性ということが取り上げられております。で、三十五年から三十八年の平均の比較生産性が二八・四%ですね、それが四十三年の成長率七%、八%、九%の三つの場合を想定をして、七%の場合は比較生産性が三〇%、八%の場合は二八・二%、九%の場合は二六・六%と、このように比較生産性が想定されておるわけです。ところが、この点から言えば、成長率が七%のときだけが従来より若干比較生産性が高くなる。八%の場合はもうすでに従来より比較生産性は低くなる、こういう状態であります。ところが、三十九年度の、今年度の経済成長率は大体一〇%くらいになるのじゃないか、こういうふうに想定されております。そうしますというと、この中期経済計画の想定した比較生産性からいくというと、三十九年度、四十年度というところを見ますというと、さらにこの農業と非農業との格差というものは拡大をしていく、こういう結果にならざるを得ないと思うのでありますけれども、この点に対して一体どのような見通しを持っておられるのか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) ちょっと御指摘の点に触れながらわれわれの見解を申し上げたいのでございますが、お話しのように、中期経済計画の計画期間中の六年間に相当高い農業の生産の伸びがあるというふうに考えまして、しかも御指摘のように経済成長率が七%あるいは八%、九%というふうに、三段階に分けての作業もあるわけです。で、農林漁業分科会の計算によりますと、いまお話しのとおり七%程度の場合は格差が若干縮小する、しかし、八%あるいは九%というような場合には、格差是正は必ずしも容易ではないということは、そのとおりでございます。そこで、中期経済計画はさらに価格関係が一定としての計算をしているわけです。御指摘の中にもありましたが、農産物の価格が従来の、傾向的には他産業の価格上昇よりはやや高いという傾向がございます。わが国の農産物についての需要の非常に強い現状は、これは将来も続くというふうに考えられますが、そういう観点からいいますと、計算上出ております三〇%あるいは二八・二%、あるいは二六%というような格差そのものは、結果としては、この数字よりも若干高目に出てくるのではないかということが予想されます。ただその場合に、手放しに需要が強いから、農産物の価格が高ければ、幾ら高くてもいいのだというふうには考えられないわけです。その辺に今後の価格政策のむずかしさがあろうかと思います。しかし、中期経済計画の中でも御指摘しておりますけれども比較生産性が将来にわたって是正されない、だんだん拡大をしていくというような場合には、価格政策というものを、やはり補完的な機能を果たすものであるけれども、そこに重点を置いて、この格差是正には何らかの手を打っていかなければならないのではないかという指摘をいたしております。で、本筋から言いますと、やはり生産対策、あるいは構造対策についての基本的な政策を強めていく、その場合に、やむを得ない場合には価格政策というもので補完するということを中期経済計画は言っているわけですけれども、そういう方向で今後やっていかなければならない、ただ、繰り返しになりますが、その場合といえども、できるだけ早い時期に構造改善、生産性の向上という実をあげなければならないということで、いわば二筋道を追うということになると考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 確かに農業の施策を強力に推進して、なおかつ比較生産性が縮小することは非常に困難である。農業の成長率から見て非常に困難である。その場合価格政策によらざるを得ないということも指摘されておりますが、いまの説明からいうと、やはり農産物の価格は、先ほどの想定は農産物価格が一定の場合を想定しているわけでありますから、これで比較生産性が縮小しないということになれば、当然価格政策によらざるを得ないので、そうすると、農産物の価格はある程度上がるということにならざるを得ないのじゃないか。その場合に消費者物価指数の上昇の二・五%というものの想定というものはくずれて、それよりも上がっていくという方向に行かざるを得ないのじゃないか、そういうことも想定しながら価格はある程度上がるのだ、こう見ておられるというふうに理解してよろしゅうございますか。

中西一郎農林大臣官房長

○政府委員(中西一郎君) お話の消費者物価指数の二・五%というのは、何といいますか、計算上出てきた結果というのではなしに、中期経済計画の仕組みを立てる場合の、むしろ前提的な要件として考えられたものでございます。そういう二・五%というような物価政策のものの考え方とは別に、価格関係については不変なものとして、先ほどの格差の計算ができているわけであります。そこには直接の関連はないのでございますけれども、そういう意味で、今後の問題としまして、農産物価格が上がる、他の価格は上がるものもあり、下がるものもある。農産物の中でも傾向としては上がると思いますけれども、上がるものもあり、下がるものもある。その全体がどういうふうな形になっていくかということは、今後の問題として考えていくべきだと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで、大臣にお伺いしたいのですがね。まあ格差是正の方向としては、経済成長率が低いほうがいい、こういうことは農業の場合からは言い得るんじゃないか。七%以上出た場合は、格差は拡大する一方である。したがって、安定成長というか、そういう面からいけば、経済の成長率は七%以下でなければ農業の場合は幾ら農業政策の積極的な振興をはかっても追いつけない、格差は拡大する一方である、こういうことなんですが、この経済の成長率に対する考え方ですね、これは経済政策として一体高度成長政策を続けていったほうがいいのか、七%以下に押えていったほうがいいのか。この点について大臣の所見をひとつお伺いしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほど来お話がありましたように、就業者一人当たりの生産所得から見まして、お話しのように七%ならば四十三年度には比較生産性が三〇・八%ならば二八・二というようにだんだん経済成長の度合いに従って比較生産性も率が悪くなる。農業にとっては高度成長の場合にはほかの成長のほうが進んで、農業はそれに伴わないという見通しが持たれております。そういうことでございますから、農業面から見まして、比較生産性等も考慮いたしまするならば、高度成長は極力避けてやっぱり安定成長といいますか、七%程度のものが一番いいというふうにみられると思います。そういう意味におきまして、高度成長は農業にとってはあまり好ましくないと、こう思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで、今度の中期経済計画の中の農業政策の新しい姿勢の問題ですが、今度の答申の、またそれを政府の政策として決定した非常に大きな特徴は、自立経営育成政策というものを前面に打ち出して農政の中心課題としている。これは非常な特徴だと思います。このことは、農業基本法制定当時においてすでに基本法の精神でもあるわけです。ところが、今日、この自立経営農家の育成ということは、構造改善事業もこれを避けて通るというような状況で、あまり農林省のお役人さんも自立経営農家というものは言わなくなっちまった。言わなければだんだんひとりでに消えてなくなるであろうということを期待しているようでありますが、今度の中期経済計画の答申はこれを非常に重要視して、農政の中心課題として進めるんだということが言われておるんでありますが、その結果として、長期の目標として百万戸の自立経営農家の育成をやるんだと、こういうことになっておるんですが、この自立経営育成政策に対する政府の考え方ですね、これをひとつこの際はっきりお伺いしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いまの比較生産性等につきましても、農業白書に申し述べておきましたように、一般の格差は比較生産性は三十八年度二九%ぐらいでございますが、一町五反以上の農家でみまするというと四〇%から五〇%と、こういう数値になっております。あるいはまた生活水準等につきましても同じような環境の場合、他の勤労者と比較いたしますると、生活水準等も九〇%以上というふうに一町五反以上の農家ではなっております。でありますので、生産性の点におきましても、あるいは所得の点におきましても、経営面積が相当のものであるということがいい結果になっております。そういう点からみまして自立経営農家が多くなると、こういうことは非常に望ましいことでございます。ただ農業の経営規模の量的な拡大のみでなく、質的な資本装備というような点においても強化していくということが必要だと思いますけれども、無理のないいき方でありまするならば、経営規模を拡大する方向へ推進していったほうが生産性につきましても、農家の所得の点におきましても、よりよろしいということから考えまして、健全な自立経営農家を規模の拡大において育成していくと、こういう考え方でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いま私が質問いたしましたのは、そういうことは基本法の制定当時から考えられもし、やってきたのですけれども、この計画は計画であって、いま答弁がありましたように望ましいという程度であって、その農林省の方針が、これは政府の方針として閣議決定されたのですから、そういうことだろうと思うのですが、現実問題として専業農家はどんどん減って兼業化の方向へいっているというのが実情だということは現状分析の中ではっきりしているわけです。それに対して自立経営農家を育成していくのだということになれば、相当思い切った農政の基本的な施策としてのやり方が従来と変わってこなければならないはずなんですね。したがって、自立経営農家育成政策の根本を一体どこに置いてどういうふうにやっていくのかと、こういうことを施策としてはっきりしなければいけない。一つには土地の流動化政策をとっていく、強力に進める、あるいは離農対策を強力に推進する、こういうようなことをやらなければ、ただ単にお題目で、自立経営農家育成が望ましい。こういう程度では、現実に自立経営農家の育成ということはできないのじゃないかと思うのです。したがって、そういう強力な施策をとって、中期経済計画の目標であるこの百万戸の自立経営農家育成というのは、どういうふうに近づけるのかという問題だと思うのです。その熱意が、一体農林省は熱意を持ってやるのかやらないのか、この腹をまずお伺いしたいのです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 何といいますか、経営規模の拡大とともに、またそういうことをねらっておるのでございますけれども、一面においては兼業農家が相当ふえておるということは御指摘のとおりでございます。でございますので、この兼業農家の扱いをどうするかという問題と関連して経営規模の拡大ということが考えられると思うのであります。一面におきましては、申し上げるまでもなく兼業農家の協業化というようなことで、単位としては経営規模を拡大するという形になると思います。しかし、兼業農家のうちで、やっぱり農業よりも他産業に入ったほうが生活の点におきましても、あるいはその他の点におきましても、規模を持ちながら土地を放し得ないというものもあると思います。そういうものにつきましては、私は流動するような土地を手放し得るような環境をつくる、こういうことになりまするというと、ひとつの離農対策といいますか、脱農対策といいますか、そういうものの裏づけが必要だと、こういうふうに思います。そういう意味におきまして経営規模の拡大、自立農家の育成ということにつきましては、土地の流動化を、所有権の面におきましても、あるいは賃借の面におきましても流動化というものが進められなければならないと思います。しかし、これは無理に流動化を進めるということになりまするというと、農業者を農業から追い出すというような結果になることは、これは考えていかなければならぬ問題だろうと思いますので、流動化は私はしなくちゃならぬと思いますが、いま現に流動している土地でも相当あるんでございますが、これが経営規模の拡大の方向に方向づけられておらぬというような面もありますので、流動化は私はしなくちゃならぬと思いますが、当座は流動しているものを経営規模の拡大の方向に方向づけるという方針で経営規模の拡大をはかっていくということを考えておるわけでございます。それから離農対策、脱農対策等につきましても、実は管理事業団の手によって土地の経営規模を、土地を広くして経営規模を拡大することをするに当たりまして、離農対策も十分考えていかなければうらはらにならぬ、こういうふうに考えたのでございますが、今度の自立経営規模拡大の農地管理事業団によるそのことにつきましては、まだそこまで本格的にスタートいたしませんので、離農対策という点につきましては、ことしは見送ったといいますか、見送ったような状況でございます。でございますが、この中期経済計画的な長い目で見ますると、長い目というほどでもございませんが、五年とか十年とかいうような観点からするそれを推進するのにはどうしても離農の対策というものが裏づけされなければならないと、こういうふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 きょうは、私は私の主張を論議することじゃなしに、中期経済計画に指摘されている事項についての質問をしているわけなんで、どのくらいの腹をもってこの中期経済計画を実施するのかと、こういう立場で質問をしているわけです。したがって、私は自立経営農家そのものについてどうこうというのは、また構造改善事業等の問題をめぐって別の機会で質問をしたいと思っているのです。したがってきょうは時間的な関係もありますから、逐次中期経済計画の内容そのものについて質問をいたしたいと思います。で、あまり自立経営農家育成についての腹がまえというものがはっきり大臣の答弁から受けとれません。まあ百万戸の育成というのが、いまの答弁の内容からするというとできるのかできないのか。またどれだけの熱意があるのかということについては受け取れませんが、次の質問に移りたいと思います。  農地政策については、非常に具体的に中期経営計画は提起をいたしております。農地の流動化促進の問題について、一つは小作料水準の改定、それから権利移動の制限、賃貸借解除の制限の緩和、いわゆる権利移動の制限の緩和と、それから賃貸借解除の制限の緩和、こういうようなことをやろうというようなことで、これらは農地法上の規制の緩和ということを指摘しているわけであります。したがって、今後農地法の改正をする意思があるのかないのか、この点についてお尋ねいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いまお話しのように、小作料の問題もございます。あるいは賃貸借の問題のいろいろの制限もあります。あるいは小作地の保有限度の問題もあります。これらは管理事業団直接に関係する問題でございます。そういう問題で農地法そのものにつきましても流動化の方面にどういうふうにもっていったら、改正したらいいかということに迫られておると思います。でありますので、この面につきましてはいま検討を加えておりますが、改正の方向へ検討を加えておる、こういう段階でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次に、今度の法案で出てまいります農地管理事業団の構想、まあ特殊法人の構想でありますが、これは法案が出てまいりました際に、じっくり審議することといたしまして、この中期経済計画の指摘では、提起では、事業内として農地の買い入れ、信託、売り渡し、賃貸借——賃借賃貸ですね、それから農用施設の建設、農用地の開発というところまで農地管理事業団的な特殊法人でもってやるべきだと、こういう構想を示して提起しているわけです。ところが、現実には、農地管理事業団は、今度出されたものはあっせんと融資、この程度で終わっているようでございます。これだけの強力な施策を講じないというと簡単に自立経営農家はできないんだと、こう踏んでいるようですが、この点に対する考え方は一体どうお考えですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 農地管理事業団の業務といいますか、どういう目的でこれを運営するかということでございますが、いまの第一は土地収得のあっせんでございます。それから、いまお話しの農地管理事業団そのものが土地を買い取るということでございます。これも事業の中に入れます。それから売り渡し、こういうことも入ります。それから融資を扱う、買い取りに三分、三十年の資金を融通することになりますので、その資金の融通も取り扱う。いまお話の中で、農地の開発ということがございましたが、将来は私はそういうことまでやるべきだと思いますけれども、いま提案をしようとするものの中には開発というところまでは含んでおりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 農川地の開発の際、これは実施がどこになるのかわかりませんけれども、国有林、公有林野の積極的な解放をやれ、こういうことをうたっておりますが、これらは一体どのように考えておられるか。それからもう一つ、いま申した農地の流動化促進あるいは特殊法人における流動化の実施機関あるいは農用地の、国有林、公有林野の解放、こういう問題は農家経営規模の拡大の基本線に立って農地政策の再編成をやって、そして先ほどの農地法の改正とも関連して国家的な機関の介入、直接統制方式的な思想が非常に強くあらわれているわけです。これは自由放任的になるがままに指導ということではなしに、非常に積極的な意欲を農地政策の中で持っておるようであります。したがって、この答申にある考え方というものに対する態度ですね、農地政策としての強力な政策推進というものを裏づけとしているわけですが、この答申に対する政府は態度を決定しているわけなんだけれども、一体ほんとうにそのような気がまえがあるのかないのか、その点をひとつお伺いしたいですね。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 国有林の解放という問題につきましては、私は所有権はやっぱり国に置いたほうが、国有林の目的といいますか、趣旨に合うので、そのほうがいいと思います。しかし、この活用等につきましては、構造改善等に関連いたしまして、国有林の活用を相当はかっていくべきだと、こういうふうに考えております。そこで、国有林と関連して、いまの農地管理事業団のやっていこうという考え方は、相当、何といいますか、国家的機関といいますか、政府的機関というような形で、一つの土地制度に対して大きな、何といいますか、統制的、権力的役割を演ずるのではないかということでございますが、いまの考え方としては、一つの土地制度を改革するというような、そういう権力的な考え方ではございません。いまの農業形態から見て望ましい方向に構造改善をしていこう、その構造改善の基礎である土地改良とか、そういう問題以前に、経営規模を拡大していくという構造改善が必要であるというようなことから、構造改善の基本的な問題としてとらえて、そうしてこの土地による経営規模の拡大をはかっていこうということでございますので、いまお話しのように非常に権力的に土地制度を改革していくというような意図まで持って、これを運営していくというようなところまでは考えておらぬ次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次に、農業振興地域の指定の問題についてお伺いしますが、答申によれば、農業振興地域というので、まあ新産都市の農業版ともいうべきもので、一定の地域指定をして、そこに集中的に農業生産の中核を育成していく、こういうことがうたわれております。その振興地域については基盤整備、流通施設改善、道路整備というようなものを総合的に、しかも優先的にこれを実施していくのだ、補助率も引き上げていく、融資条件も緩和する、指定地域内の農地の転用は原則として認めない、禁止している。こういうようなことで農業政策の重点施策を集中をする、そうして非常に高度の総合的施策によって、高度な農業振興をはかっていこう、こういう構想が示されておるのでありますが、これについて大臣はどのように対処せられるのか、この点をお伺いしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 構造改善を進めていっております段階におきまして、一町村内の一部落といいますか、元で言えば元の町村の一部等に構造改善をやっておりますが、いまの町村全体として構造改善を行なっていきたいというような希望もございます。あるいはまた希望がなくても、総合的に開発していく必要があるところもございます。そういう必要から、ことしなども、広域圏経済地帯といいますか、農業の広域圏というものを考える必要があるのじゃないか、こういうことで総合的にやっていく構造改善のような仕事を、手がけて見ようということを始めております。でありますので、調査費等も設けて、全国に数地区そういうものを調査して、その方向に進めることが適当である、よりよろしいということであれば、それを進めていきたいと思います。しかし、いまお話しのように、その区域内において非常に強力ないろいろな施策、たとえば農地の転換を禁止するとか、いろいろこういうことを述べておりますけれども、こういうことにつきましては、調査の結果によってやっていかなければならぬと思いますので、そういうお話しのようなことをいま直ちに行なうというふうには考えておりませんが、広域経済圏というような形で構造改善の一つの方法として手がけてみようかという調査をいたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 この点は調査の段階だと、こういうことのようですが、これは従来の構造改善事業というようなものとは全く構想において比較にならないわけですね。一町村の中の一部分の構造改善事業、そういうものではなしに、相当広域にわたって、しかもそれを全域的にこういう施策をやろうというのですから、これは予算としても、融資としても、新産都市の例から見ても膨大なものにならざるを得ないと思うんですね。したがって、いまの答弁を聞いておるというと、構造改善の一環としてこういうことが考えられる。それを広域的に若干直した程度で考えられる筋合いのものではないと私は理解するんです。したがって、これをやるかやらないかということになると、これはたいへんなことだろうと思うんですが、その調査の段階というのはこの構造改善の引き伸ばし程度の考え方なのか。いま提起している問題は相当大がかりな構想のように思いますが、こういう大がかりなものを想定しての調査をやろうとするのか。この点をひとつもう一度はっきり御答弁願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いま行なっている構造改善というようなものとは私も違うと思います。総合的に地域振興というような形で持っていこうという考え方でございますが、なおそういう調査をしておりますので、どういうふうに持っていこうという調査であるかということにつきまして、担当者から御説明申し上げます。

昌谷孝農林省農政局長

○政府委員(昌谷孝君) 私どものほうで、広域経済圏という形で三十八年度以来実地の調査を進めております。三十八、三十九両年度におきまして約三十の地域につきまして広域的な農業振興の計画と申しますか、将来図を描いた場合のそれぞれの農業に関連する諸施設の整備の方向等についての基礎固めをする意味で、現状から始めておりますが、四十年度におきましてはそれらの実態調査の上に立って、限られた地点についてそういう将来構想というようなものがどういう形で描けるものか、現地の御希望と、私どものほうの各種諸施策、各局あるいは各省でやっておられます地域振興に関連の深い諸施策とのつながりぐあいをどういうふうに調整をし、補完をしていったらいいかというような観点から調査を進めております。中期経済計画で御提案になっております農業振興地域のものの考え方に非常に似通った点もございますし、また御指摘のように、私どもの調査は主として個別経営の問題よりも、主産地形成でありますとか、農村地域のマーケッティングの問題でありますとか、あるいは社会環境の問題でありますとか、そういう個別農家の問題をこえた地域性の問題に調査の主点を置いております。その将来計画、将来図を想定をする研究の過程におきまして、先ほど中期計画にありますような諸提案が地元の希望として強く打ち出され、またそのことが広域的な農業振興的な農業振興をはかる上にぜひ必要な補完的な施策であるということでありますれば、さらに検討を深めてまいりたいと思いますが、当面はそういう市町村ごとの主産地形成をつなげたもう少し強力な広域の経済開発、社会開発を含めた構想をどういうふうに組織立てていくか、あるいは関係各省、関係各局のそれに関連のある施策をどういう形で総合化し、調整していくかという点に力点を置いてやっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次に、農産物の価格政策についてお伺いしますが、価格政策は安定機能を重視するか、それからまた所得均衡ということを、所得保障ということを、機能を重視するかという点について、計画はいわゆる計画期間中の所得均衡ということも重要な役割を果たすことになるだろうということで、だいぶ譲歩したような、経済合理主義の一点ばりの考え方というものを譲歩したようなふうにうかがわれます。それで一体この価格政策の考え方について、この考え方を了とせられるのかどうなのか、農林省の態度をまずお伺いいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) どうも価格政策につきましては、価格安、定政策あるいは所得保障、両面持っていると思いますが、この価格政策のあり方等につきましては農業基本法ができましてから、その価格の政策のあり方というものを検討して公表することになっておりますが、その検討を続けておりまして、まだできておりません。しかし、だんだん固まりつつあるので、価格政策のあり方も近く一般に公表できるような形になろうと思いますが、非常にむずかしい問題で、検討中でございます。しかし、近いうちにそれが外へ出るような形になると思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 価格の問題はいろいろあり過ぎて、ちょっと時間がきましたからできませんから、これはまあいつかの機会にまたやることにして、きょうはこのくらいにしておきますが、次に、生産政策のうちで、麦と牛乳に非常な力点を置いているようでございます。これらの農産物はいずれも自由化には非常に弱い部分でありますが、その中で麦については飼料用の麦の転換策を強力に進めるべきだという提言がなされております。これに対する考え方はどうか。  それから酪農政策については一飲用乳を重点路線として明確に打ち出しております。そういうことでありますが、立地条件としてどうしても飲用乳に向かないというところには、加工原料乳地域あるいは季節的な余乳処理の問題等の問題については、価格支持の新しい政策をとるべきである、こういうことを言われております。それと同時に、輸入増加、特に麦、乳製品等の輸入という問題については新しい措置が必要だ、こういうふうに言われているのであります。それで、乳製品等の輸入等については新しい措置というのは、まあ輸入の買い入れ機関を一本化するというようなことも考えられているのではないかというふうに思われるのでありますけれども、これは非常に特異な提言をしているのでありますが、これらに対する考え方は一体どうなのか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 飼料の問題について、自給飼料を相当増産させていかなければならないという要請にこたえなくちゃならぬ段階であると思います。でございますので、ことに裏作地等が放棄されておりますので、先ほども森部さんに御答弁申し上げましたように、農協等の機械化を通じて麦作を相当作付するようなことにいたすつもりでございます。ただ、これを価格の面等につきまして飼料化にするかどうかというような問題につきまして、なお検討を要する問題が残っていると思います。  牛乳につきましての価格支持でございますが、御承知のように、飲用乳等につきましては、国際的に見ましてもそう国際競争力が弱いということではございません。飲むほうは、ただし、これも最近ではすぐに飲用乳になるような加工品もありますから、輸入によりましては必ずしも競争力に耐え得るとは考えておりませんが、しかし、より以上競争力の弱いというのは酪農加工品ということが多いと思います。そういった点におきまして、加工原料乳を中心として価格支持をしていきたい。価格支持の方向といたしましては、いわゆる不定払い的な方法によりまして価格支持をしていきたい、こう考えております。その価格をどういうふうにきめるかというような点につきましては、なお検討を要しますけれども、そういう方向へ進めていくつもりでございます。  そこで一方、畜産事業団によって酪農加工品等を一手に輸入することを考えております。もちろん。これにつきましては為替の割り当て等によってやらなくちゃなりませんが、一般の輸入もございますが、一手に輸入するような方向へ持っていきたいと、で、輸入した場合の価格と国内の価格との均衝をとっていくためには、その差益というものがあると思います。そういう差益の一部を不足払いの財源にしていったらどうか、不足払いの財源は一般財源でございますけれども、そういうものによるものもつけ加えていったらどうかと、こういうような構想のもとにその方向へ検討を進めているわけでございます。もっとも不足払いの制度は、ことしの予算ではそういうことが行なわれる予算になっておりますので、その準備としての牛乳を集める集乳路線等を一本化して、そういう準備を進めていく、こういう予算にはなっておりまして、ことし不足払いの制度を実現するというわけではございません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次に、農業金融政策についていろいろ提起されておりますが、一つは、公庫資金の融資条件の緩和をしろ、こういうことが言われておりますが、この点についてどのように処置されるのか。  それから近代化資金については、これも貸し付けワクの拡大とか何とかありますが、信連の直貸について提起されておりますが、信連の直貸についてどのような考え方を持っておるか。  それから系統三段階制を簡素化して弾力的な二段階制運用をはかるということが指摘されておりますが、これについてどのように考えているか、処置されようとしているか。  それから長期融資について改良普及組織と金融機関の有機的な連携を強化しろ、そうしてアフターケアの充実をはかれと、こういうことが言われております。これについての見解はどういうふうにされておるか、いわゆる農業金融制度の改変の問題については、やや穏健であるが、いま申し上げましたような点がそれ以外にもありますが、指摘をされておるわけですが、これらの点についての見解をひとつお答え願いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 昨年度、三十九年におきまして、公庫資金等につきましても、金利の引き下げとか、償還期限の延長とか、貸し付けの簡素化、あるいは近代化資金等あるいは改良資金等につきまして、いろいろ改良を加えたわけでございます。ことしはそれぞれのワク等を広げて簡素化をはかるというようなことを考えております。いまお話しのような公庫資金や近代化資金の問題、あるいは系統三段階、二段階の問題、農業金融につきましていろいろ問題がございます。昨年の本委員会等におきましても、そういう問題につきまして対策をどういうふうに樹立するかというような御質問、御意見等も承わりまして、このことにつきましては、事なかなかデリケートな問題もございますので、近く農政審議会に農業金融のあり方、あるいは改める点というようなものを諮問いたしまして、どういうふうにもっていくかということをきめていきたい、こういうことを考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 もう時間でありますから、最後に締めくくりとしてお伺いいたしますが、最初にお伺いした自立経営の問題でございますが、今度の四十三年度を目標とした政策の根幹は、私は何といっても、やはりいままで農政のタブーとして触れることをしなかった、また明らかにしなかったのであり、農業構造改善事業等においてもこれをよけて通ろうとした自立経営農家です。これについて今回の政策目標の取り上げ方は、明らかに農家の階層の限定という問題を直接的な政策目標として取り上げている、ここにこの計画の特徴があると思うのです。私はどうしてもやはり自立経営農家というものをやる場合に、自立経営にもっていく、育成する方向と、脱農なり切り捨てるというか、ことばは悪いが脱農というものと明確にしなければならないということを非常に強く強調されておりますね。その点はもう従来の惰性的な農政では日本の農業の今後というものはやっていけないのだということで、非常に思い切った提言がなされておると思うのです。したがって、この点についての考え方をもう一度ひとつお伺いしておきたい。しかもその場合に一番大きな問題は、やはり土地政策の問題と労働力政策、いわゆる土地と人とに関する農業政策上の非常に困難な問題をこの際思い切ってやらなければならないところまで農業自体が追い込まれておる。そういう思い切った政策転換をやらなければならないのだということが強調せられているように思うのです。そういう点についてひとつ最後に締めくくりとしてお伺いしておきたい、こういうふうに思うのです。従来の農政のきまり文句で、きめのこまかい農政をやるとかなんとかと、こう言われるのですけれども、そうでなしに今度は、きめのこまかい農政をやっていたのではもうじり貧だと、したがってもう重点施策でもって線の太い農政を打ち出して、いわゆる百万の自立経営農家中心の農業に持っていくのだ、こういう考え方が非常に強く打ち出されていると思うのです。したがって、この考え方に対する農林大臣の所見をひとつ承っておきたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 私から何か申し上げること必要ないぐらいに実態を把握しておられると思いますが、土地と人との問題でございますが、非常に農村から人が出ております。そういう関係から、何といいますか生産が相当伸び悩み、また土地が不耕作のまま放置されておると、こういう状況でございまするので、との労働力と土地との問題からいいましても、少ない労働力で農業生産性をあげていく、こういう必要に迫られておる、そういう面で機械化も進めていかなくちゃなりませんが、その機械の効率をあげるという点におきましても経営規模が大きくなければより効果的ではないというようなことが考えられると思います。それから経済的に見まするならば、先ほどから申し上げましたように、他産業との格差是正という点から見ましても、経営規模の大きいものは生産性の格差におきましても相当分がいいし、あるいは所得の点においても分がいい、こういう点から見ましても、あるいは国際的な競争力にだんだん耐えていくような方向へ持っていく意味におきましても、経営規模が大きいということがより強化される立場になるということから、経営規模を拡大していこうという方向へ政策を進めていこうということでございます。しからばこれが農村の分化といいますか、層を分化するということを目標としてやるのかということでございますが、これは従といいますか、主でなく従としてそういうことはある程度行なわれると思います。そこで、兼業農家の問題がやはり爼上にのぼるわけでございますが、私は、兼業農家につきましては、農業をやっていこうという熱意、生産性をあげていこうという人々が相当あるのでございますから、そういうものは一つの協業の形で、先ほど申し上げましたように協業という一つの単位そのものが経営規模が大きくなったという形に持っていけると思います。でございますので、人を農民層を分化する、分けてそのほうに持っていこうということを主としてではなくして、経営規模の拡大が先ほど申し上げましたような理由から、そういう方向へ持っていくことが非常にいま必要だという点で進めた結果が、ある程度の流動しておるこの労働力を分化させるといいますか、分けていくというような形には相なろうかと思いますが、層を分化するということを目的でそういうことをやろうという考えではございません。でございますので、この経営規模の拡大ということにつきましても、全般的にこれを行なうということよりも、パイロット的に、そういうような方向が進められる一つのパイロット地区をつくっていこうというところに出発点を持っておるわけでございます。でございますので、全国的に全般的にいま申し上げましたような政策を強行するという考えではございません。

仲原善一自由民主党

○委員長(仲原善一君) 以上で、本日は散会いたします。    午後一時九分散会      —————・—————

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