内閣委員会 第11号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/03/11
会議録
○委員長(柴田栄君) これより内閣委員会を開会いたします。 この際、理事の補欠互選を行ないたいと存じます。 三月九日、栗原理事が一たん委員を辞任され、翌十日、また委員に復帰されましたので、栗原祐幸君を再び理事に選任することといたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柴田栄君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(柴田栄君) では、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、国家公務員の給与に関する件の調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。なお、関係当局からは佐藤大半院総裁、瀧本給与局長、小林管理局長が出席いたしております。伊藤委員。
○伊藤顕道君 人事院の総裁を中心にして、公務員の給与関係について二、三お伺いしたいと思いますが、毎年行なわれてまいりました人事院の勧告は、過去六カ年間続けて完全実施されてこなかったわけですけれども、これは人事院の総裁としては、一つにはどのようにこのことをお考えになるかということ。こうお伺いすると、きわめて遺憾であるとおそらくお答えになると思うのですけれども、その遺憾であるということだけではなく、人事院は申し上げるまでもなく公務員の利益を守るべき立場にあるわけですから、その責任者としては、政府にいかにして完全に実施させるかということについても重大関心を持たざるを得ないわけですね。そこで、いろいろと人事院の立場でこのことについて慎重に検討してまいったと思うんですが、この点について一体どのように努力なさってきたか。その点について具体的に御説明いただきたい。この二点についてお伺いいたします。
○政府委員(佐藤達夫君) おことばにありますとおりに、過去数年来、勧告の内容はともかくといたしまして、その実施の時期について、常に数カ月これがおくらせられておるということについては、私ども伊藤委員の先ほどのお話にありますとおりに、きわめて残念なことに思っておるわけであります。したがいまして、ここ二年ばかりの間、少なくとも私が総裁を拝命して以来のことしか私は存じませんからでありますけれども、その点についてもできるだけ完全に、もう理論からいっても、四月調査でいけば四月実施でやるべきだという御議論さえあるわけです。少なくとも五月実施ということは実行していただかないと筋が通らないというような趣旨から実に執拗に政府筋にはお願いしてまいって、なおかつ昨今のようなことであります。たまたま——たまたまと申しますか、幸いにして、と申しますか、昨年はまあまあ一歩前進の姿を見せてくれましたから、これは、その点政府の努力に対しては敬意を表するにやぶさかではありませんけれども、今後もう一息、もう二息、これが完全な実施の方向へ実現いたしますように、われわれといたしましては強く念願しておるわけであります。それに関連して、おそらくいまのおことばの続きとして出るかと思いますけれども、最近勧告時期が、どうもおかしな時期に勧告がされるから、これはしようがないんだというように言わんばかりの口吻が、これは去年あたりからそろそろ出始めました。これはわれわれとしてはゆゆしきことだということで、その方向はその方向として検討はしておりますけれども、ともあれ、いままでのところ、そういう決意でおりますということをお答え申し上げておきます。
○伊藤顕道君 勧告の実施時期についてはただいま申し上げたわけですが、このことについては、超党派で全回一致の附帯決議がこのことに関連してなされているわけです。前の第四十七国会の当内閣委員会で、この内容もさることながら、実施の時期についても完全に実施されるように、内容と実施の時期があわせて勧告どおり行なわれて初めて完全実施ということがいえると思うのです、で、当内閣委員会でそういう全会一致の附帯決議がなされたということは、もちろん政府に対してでありますけれども、公務員の利益を守る立場にある人事院、特に総裁としては、いま御指摘になったように、当然このことには重大関心をもって、責任もって完全実施させるように、そういう御意図であろうし、また、かくあらねばならないと思いますが、そこで、同じ内容のことですが、このことが当内閣委員会で全会一致で附帯決議もあげられている、こういうことであるので、よほど人事院の総裁としても重大な決意をもって事に当たられないと、なかなか解決のめどがつかないと思うのですが、この点について重ねてお伺いしたい。
○政府委員(佐藤達夫君) 当内閣委員会において、この勧告の完全実施を見るようにという深い御理解をいただきまして、いろいろ励ましのおことばをかねかねいただいてまいっておりますことは、まことに私ども感銘しているわけでありますけれども、その勧告の完全実施をめぐりまして、先ほどちょっと申しかけましたように、勧告の時期を少し変えることによって完全実施の方向へいくべきではないかという問題が最初に出てきたわけです。これは私どもとしても、完全に勧告が実施されるために、われわれのやり方一つでそれが実現できる、保証できるということであれば、これはこれにこしたことはないというたてまえで、ここでのお話も数年来ございました。かたがた私どもとして、この勧告の時期を変更することによって、われわれも調査時期をもずらすことによってそのほうの何か保証がつかないかということで、鋭意検討してまいった、また、その中間的な結果はここでも申し上げたことがあると存じますけれども、いずれにいたしましても、ただいままでの結論では、時期を変えただけで完全実施の保証というものはどうしてもつきかねる。もちろん完全実施に近づく、しやすいという面があるかもしれないというところまで含めて、われわれ検討を続けて、まだいまだに検討を続けておりますけれども、これははっきりこう変えてしまうというところまでの踏み切りはまだついておりません。そこへ、かたがた昨年の勧告をめぐっての閣議決定がございました。ただいまおことばのようなことに関連して、勧告の完全実施のために勧告時期の変更ということについて人事院に検討してもらうかどうかということについて検討することというような、非常に回りくどい閣議の附付事項がございました関係もございまして、われわれもただいま申し上げましたように、ただいま検討を続け、また、政府とも素直に連係いたしましてやっておったのでございますけれども、結論はただいまのようなことになりました。そこでそれに並行いたしまして、昨年のこの給与法案をここでお上げいただく際に、ただいまお話しのように、全会一致の附帯決議をいただきまして、これはたいへん私どもとしてはほんとうにうれしい附帯決議であったわけです。それは要するに、その勧告の完全実施のためには、あらかじめ当初予算でそれだけの含みを盛り込む、そこまではっきりは書いてはいらっしゃいませんけれども、そういう予算上の措置をあらかじめ講ずることによって、完全な実施がはかれるように十分考慮すること、というたしか附帯決議の御趣旨だったと思います。われわれとしては、やはり勧告時期の問題もさることながら、やっぱり結局尽きるところはお金の問題でございますので、お金のほうのやりくりがつかぬと言われれば、いかに勧告時期を変更しようと、これは同じことなんだという、これは多少思い詰めた言い方かもしれませんが、何ぶんやっぱり先立つものはお金ということになりますので、その点について前回の御決議は非常に要点をついたありがたい御決議であったと思います。その趣旨はもちろん私どもといたしましても、大蔵省当局その他についてかねがねしつこくこれまた申し上げておるわけです。まあ大蔵大臣としては、ここでも述べられたと思いますが、なかなかそういうことは予算上あるいは財政上むずかしいということを私どもに対しても言っておられます。まあそう言われずにぜひ何とかなるように善処をお願いしたいということで、われわれとしても努力してまいっておるわけです。そういうこともあわせ考えまして、ことしかりに勧告が行なわれるような事態になりますれば、ことしこそはもうひとつ理想に向かって大いにわれわれ努力しなければならぬという決意でおるわけでございます。
○伊藤顕道君 人事院の勧告を政府並びに国会で受けるわけですけれども、政府はこの勧告に灯して、口を開けば勧告は尊重するということを言い続けてきておるのです。しかし、いま御指摘申し上げているように、実施の時期については、だいぶこれを値切っておる。実施時期をおくらせるということは、いわゆる内容を低下させることにほかならない、そういうことでありますけれども、この問題は一にかかって政府の誠意があるかないかということに問題は帰着できると思うのです。政府にほんとうに実施時期についても完全実施というそういう決意と意図があるならば、いま総裁もちょっと御指摘になったように、来年、年末の次年度の新年度の予算編成の時期にあたって、給与アップに必要と思われる相当額をとにかく予算に組んでおく、このことによって、もちろん足りない場合はその差額だけを政府は準備をすればいいので、非常に財源措置は楽になるわけです。そこで財源の関係でできないということは、そのことによって緩和されることになる、一にかかって誠意いかんにあろうと思う。もとより勧告の実施時期等については、特に民間との四月比較ということについては、これは軽々にこれをはずすべきではない、こういうふうに私どもとしても考えておるわけで、勧告の時期は従来どおりであっても、問題は政府の意図にあるわけですから、そこでお伺いしたいわけですが、いま申し上げたように、政府に一介の誠意があるなら、新年度の予算編成にあたって、あらかじめ予算を組んでおくと、こういうことが不可欠の要素になろうと私どもとしては考えるわけです。そこで公務員の利益を守ろうとするその立場にある人事院としても、当然このことについては重大関心を持っておると思うのですが、このことについてはいま一部御指摘にはなりましたけれども、きわめて大事な問題でございますから、重ねてこのことに対する総裁としてのお考えを明らかにしていただきたい。
○政府委員(佐藤達夫君) 基本的な態度はもう先ほども触れましたし、いまさらここで申し上げるまでもないことでございます。その方向、その理想に向かって従来も努力してまいりましたし、今後もできるだけこん身の力をふるってその方向へ邁進したい、抽象的なことを申し上げますけれども、幸いに両院とも内閣委員会において私どもの立場を非常によく御理解くだすっていることでもありますし、こちらのお力添えもいただいて、私どもとしてはさらに努力を重ねてまいりたい、こういうふうに考えております。
○伊藤顕道君 この人事院の勧告の時期について、政府にはこれはひとつ何とか政治的に解決しよう、そういうような動きが見られるわけです。これはあらゆる点から総合して、そういう動きのあることは確実に見受けられるわけです。そこでこの動きに対して人事院としては一体どのように対処していこうとするのか、この動きに対する人事院の基本的な能度についてこの際承っておきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) 一時は、これはおそらく善意であろうとは思いまするけれども、この完全実施のためには先向きの実施期日をきめてもらえば非常にうれしいのだ、さかのほらずに今後に向かって来年四月からという勧告をしてもらえばというような、きわめてこれは単純なお考えであったろうと思いますけれども、そういう意向を持っておられる方も確かにおられましたけれども、これは申すまでもなく、過去の分は全然空白になってしまうわけですから、われわれとしてとんでもない話であるというようなこともそれはだんだんわかっていただきました。私どもの知る限りでは、今日においては政府関係の方々はわれわれと同じ立場で、これはほんとうに誠意をもって考えてくださっておると思います。ことに私は給与担当の増原君としょっちゅう連絡してやっておりますけれども、その点少なくとも増原君はわれわれと同じ立場で良心的に努力をしてくれておる、これは申し上げてよろしいと思います。
○伊藤顕道君 そういうことで人事院としての態度も明らかになったわけですが、ここで強く要望申し上げておきたいと思いますが、ややともすると、何とか政治的に勧告の時期を、むしろ政府の意図ですから、貨金アップを値切ろう値切ろうとするそういう政府は立場を続けてきたわけですから、そういう観点からすると、何とかこの勧告の時期を政治的に変更しようとするのはおそらくこれをおくらせようとする意図にほかならないと思うのですね。もしそういうような介入が人事院に対してなされるようなことであると、これは容易ならぬことになりますので、いまの総裁のおことばでよくわかりましたけれども、今後そういうような介入の動きがあった際にはひとつ、言うまでもなく、公務員の利益を守る立場にある人事院としては、ひとつ今後もき然たる態度でこれを断固退けて本来の使命達成のためにさらに一段と努力していただきたい、こういうことを強く要望を申し上げるわけです。 そこでいよいよ勧告の時期が近づいてまいったわけですが、ここでそのうちに行なわれるであろう勧告のことに関連して以下二、三お伺いしたいと思いますが、昨年四月以降の毎勤統計、あるいは消費者物価指数、生計費、こういうものが著しく上昇しておるわけです。ここに一部の統計をまとめたものもございますが、こういうことから考えると、本年も当然に勧告することが、むずかしいことはさておいて、当然に常識であると考えられるわけです。このことについて総裁の御所見をこの際ここで伺っておきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもも申すまでもなく、この毎勤その他の経済上の情勢の変化については常に注視を怠らずにおるわけであります。そこで、相当これが上り坂をたどっておるということもそのとおりでありますが、ただその点に関するわれわれの観測は、もう伊藤委員と同じでありまして、伊藤委員以上の権威ある判断をする能力はもちろん持っておらないわけです。私どもとしては、どうしても今年も四月調査をするつもりでおりますが、この四月の官民の調査の結果の比較ということによってすべてのデータを求めざるを得ないということで、すべてこの四月の調査待ちというかまえでおるわけでございます。
○伊藤顕道君 まだ調査の四月の時期の前でございますから、どの程度ということについては大体胸算用はできておっても、総裁の立場で発表されることは無理であろうと思う。そこまでは要求いたしませんが、試みに毎勤統計の一つの例ですが、全産業の毎月きまって支給する給与額についてひとつ比較してみると、三十九年、昨年の四月を一〇〇として昨年の十二月では一〇九・三、いわゆる九・三この間に上昇しておるわけですね。ここにいろいろ表があるわけですが、人事院総裁としてもこういう大綱についてはもう十分御検討済みと思いますので、いまおことばもございましたから、一々数字をあげることは次回に譲りたいと思いますが、そこで、お伺いしたいのは、いま政府はもちろんですが、日経連なども、これは当然に賃金抑制の意図から作為的の不況ムードをつくりつつある、そういうことが見受けられるわけです。このような作為的な不況ムードによもや人事院ともあろうものが惑わされるようなことは断じてない、このように私も確信しておるわけですが、このことに対する総裁の決意のほどをこの際お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもとしては、公務員法にもありますように、科学的、合理的という看板を上げてすべての作業をやっておるわけでございます。これがムードに支配されておっては、すでにその看板にそむくことになりますので、私どもとしては、やはり先ほど申しましたように、四月のわれわれの責任において行なった官民比較ということに最重点を置いて、ほとんどそれをそのままに、ほとんどということばさえ、これはよけいなことばであります。それをそのままに基礎にして、そうして作業あるいは勧告を申し上げることになる、そういうことで従来もやっておりますし、今後もそのことに間違いないということでございます。
○伊藤顕道君 そういう御決意でございますから、案ずることはないと思いますが、ひとついまのおことばどおりに、人事院としては人事院本来の使命感に立ってひとつ目標を完遂していただきたいということを重ねて要望申し上げるわけです。 そこで、次に問題を変えまして、お伺いしたいのは、これは新聞の報道によって知ったわけですが、人事院総裁としては四十一年度から日本式の職階制を採用したい意向だというように新聞報道ではございますが、そこで、日本式職階制というのは、われわれ不勉強でよく存じ上げないわけですが、日本式職階制というのは一体いかようなものか、ひとつしろうとにわかるように御解明いただきたい。
○政府委員(佐藤達夫君) 日本式ということば自体は確かに私の発明したことばでございまして、それ以上の何ものでもないわけですけれども、ただそういう日本式ということばをなぜ使ったかということがおそらくお尋ねの趣旨だろうと思います。これはかねて人事院におきましてももう数年、だいぶ前になりますけれども、確かに職階法に基づく職務分類というものをやったことがあるのです。ところが、それがきわめてアメリカ式に近いと申しましょうか、きわめて精密なものでありまして、われわれ当時政府側におったわけですけれども、まるで童話帳みたいなものじゃないか、これじゃ何も役に立たぬという感じを持ったわけです。そのほかあらゆる面からいろいろ御批判ございまして、はなはだ残念ながらそれがたな上げということばはよくないけれども、そういう形できておるわけです。そこでやはり任用制度あるいは給与制度というものの基礎になりますものは、何としてもやはり職務分類というものが正確にできておらなければ話にならぬじゃないか。これは筋としてはわかるわけです。職階制という階という字がついているために、何か階級制度というものをそこにつくるように一般に非常に誤解されるわけです。私は、あの法律の名前、たまたま職階に関する法律という名前がつきましたけれども、あれがそもそも誤解を生むゆえんなんで、これは官職の分類というふうに徹底して考えているわけです。それが本来だと思うのですけれども、それはさておいて、この官職の分類をこの際ひとつ日本の実情に即した、現行制度に対してそう根本的な変化にならないような意味でひとつこの際つくり上げていくのが必然人事院としての責任でないかということで、私が事務当局に頼んでおりますのはきわめて科学的と申しましても、あまりに精密過ぎ、実際に合わない分類というものは過去に経験したのだから、一ぺん態度をイロハに戻して、現在のたとえば給与法を見て、これはやはり行政職、教育職、それから研究職と分かれている。そして一等、二等、三等と分かれている、これもほんとう言えば一種の職務分類やっているわけです、現行制度はすでに。ただそれが職務分類表という形では別に出ていないだけで、その給与制度の裏を見れば、そこにやはり職務分類制度が隠されてその底にひそんでいるはずです。まずそれをそのまま表に出す、それを表に出して分類表の形で一ぺん抜き出すということからその作業を始めて、それをやってみれば、なるほどここのところはまだちょっと不合理だ、ここはあいまいだということに気がつきましょうし、それに関連して試験制度というものの反省が出てくるということもありまして、隠れた分類制度というものはあるのだから、それを表に出して、それをちょいちょいと手直し——ちょいちょいということばはよけいでありますけれども、出してそれを基礎にして手直しして、合理化するというような地道な態度でひとつやっていこうじゃないかということで、日本の実情に即した分類制度ということで日本的ということばをたまたま使ったわけであります。これは非常に便利なことばであったと、私の考えております趣旨はそういう趣旨です。
○伊藤顕道君 従来のいわゆる職階制については大いに問題のあるところであったわけです。いまの御説明で、これは職階の階の字がどうも誤解を受ける向きがあるが、官職の分類の問題である、そういうことでございますが、いずれにしてもこういうことは、公務員の利益に非常に影響するところが大きいと思う。こういう問題でありますので、今後この問題に取り組まれる場合は、公務員自体の声もひとつ聞いて、きわめて民主的な態度でこういうことを御検討いただきたいということを強くこの際要望申し上げておきたいと思うのです。 次に、問題を変えまして、いよいよ時期が近づいてまいりまして、人事院としては当然に民間給与の実態調査をなさる手配になろうと思うのですが、大体いまどのように——いろいろ基本的なものもきめていかなければなりませんし、事務も相当進んでおるとは思いますけれども、まずそこで調査内容についてその要点を承っておきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) ごく最近になって、先ほど申しましたようなことから、ことしもやはり四月調査でいかざるを得ないということをきめております。そしていまその調査項目を策定中でございます。しかし、策定中と申しましても、四月調査でありますから、もう今月末までにはきめてしまわなければならないというタイム・リミットは当然ございますが、まだ確定案は得ておりません。大体のいままでの私どもの中間的な研究の段階としては、そう従来の調査項目と大きく変わるところはないじゃないか、若干の出入りという程度にとどまるだろうということは、いままでの中間的な段階での一応の考え方になっております。なおまたお尋ねによりまして……。
○伊藤顕道君 いまお伺いしましたこの調査内容については研究中ということではございますが、基本的な問題は、まあ例として四月調査がそれも一つの内容ですが、なお具体的には、いまの時点で米決定の分についてはいざ知らず、大体すでに方針がきまったことについては具体的にひとつ御解明をいただきたいと思うのですが、これは総裁でなくてもけっこうです。
○政府委員(佐藤達夫君) 一応お答え申し上げますが、具体的に決定とまではいきませんが、先ほど申しましたような段階での考え方としては、たとえば宿日直手当というものはどうだろう。これはしかし昨年調査いたしましたから、ことしはよかろうじゃないかというようなこと、あるいは通勤手当というようなもの、これはどうもことしはやっておかぬといかぬものじゃないか。それから住宅手当もこれはきっとあとでお話が出るんじゃないかと思いますが、これもわれわれとしてはまだまだ消極的な態度をとっているということは確かに事実でありますけれども、しかし、常にわれわれとしては注視を怠ってはならない問題であるということもありまして、住宅関係の点はやはりことしも調査をすべきではないかと、そんなところでございます。
○伊藤顕道君 そこでお伺いいたしますが、人事院は昨年初めて企業規模を従来五十人以上というのを百人以上に改めたわけです。ここで十分考えなければならないのは、元来国の規模というのは民間の企業に——民間の特に大企業に比較してもはるかに大きいものであると思うのです。したがって、比較する際には当然に大企業と比較すべきではないか、こういうふうに私どもは基本的に考えておるわけです。このことに対する総裁のお考はいかがですか。
○政府委員(佐藤達夫君) これはいつぞやもここで申し上げたことがあると存じまするが、私などのこれは夢でありますけれども、しかし、白紙に立って考えれば、公務員の給与というものは、やはり公務員自体の職務をとらえて公務員自体が公務員らしい生活を営むそのためにはどの程度の給与を支給すべきであるか。これはたいへん復古調でありますけれども、旧憲法時代の給与表というのは、そういうところでわれわれやっておった覚えがありますから、そういう、昔物語になりますけれども、本来はすべての観点を離れて純粋にその点から公務員の体面を保つためには、公務員が公務員らしく食っていくためには、その仕事に適応した報酬としてはというような点から率直に適当な金額を盛るということは実はそれは私の理想であります。念願でありますけれども、しかし、これはいまさら、また今日の事態においてそういうことはまだ夢物語にすぎない。したがいまして、いまのようなことを言いますと、たとえば比べるにしたところでいまお話に出ましたような大企業、もう日本第一の企業と比べていくというようなことにもつながってまいるわけであります。そういうことを私もここで申し上げたこともあります。本来ならばそうしたいものだということを申し上げたこともありますけれども、遺憾ながら、今日の日本の全体の経済状態その他から申しますれば、その理想はまだとうてい夢物証であろう。それは国家公務員法あるいはその関係の一般職の職員の給与に関する法律は、やはり現事態に即した給与制度というものを立てておるわけであります。そうして局間の給与というようなものをやはり柱にしてやっておるわけでありますから、その意味では、やはり公務員法の趣旨に従って現状はまかなっていかなければならない。要するに、民間に先立って公務員が優遇されるというようなことを非常に遠慮深く現在の制度は立てているわけであります。一般の民間の水準が上がれば公務員もまたそれに従って上げる民間優先主義をとっておるわけであります。そういう立場から、従来これは、まあ企業規模五十人以上というようなことでやっておったわけであります。民間の中にはピンからキリまで企業規模がある。それらの労働者、勤労者全体の水準をつかまえて、そうして公務員のめどにしようということできておったわけであります。これは昨年踏み切りまして、五十人は少し時代おくれではないかということで百人にさしていただいたわけです。そういう変化はございますけれども、まだいまの大企業と比べるとか、あるいはまた、私の夢に描いているような白紙に立ってというようなところまではとうてい実現できないじゃないかと、まあたいへんこれはさびしい話でありますけれども、そういう感じであります。現在のところ、やはり昨年百人としましたので、これは少なくともことしは百人でせざるを得ないということははっきり申し上げてよろしいと思います。
○伊藤顕道君 ぼんやり聞いておりますと、いま総裁のおことばで、民間との賃金較差を見てその差額だけ上げると、これは当然なことを当然合法的にやるように考えられるわけです。ですけれども、少し掘り下げて考えると、民間企業は大中小というふうに大体分かれておるわけですが、その較差が非常に大きいのですね。上と下との賃金校差が非常に膨大に大きいわけです。したがって、どの産業規模を比較にとるかということには重大な問題が包蔵されておると思うのです。で、まあ先ほども指摘申し上げたように、人事院としては、昨年ようやく五十人を百人にしたということはこれは一歩前進とまでいかぬが、半歩ぐらい前進したんではなかろうかと思うのですが、それにしても前向きに半歩前進になったわけですけれども、過去十六年前から引き続いて規模五十人のものを対象としてきたわけですね。公務員の賃金がどうも低いところにくぎづけされておる根本的な理由はこの辺にあろうと私どもは考えておるわけです。これをもっと大きな企業に比較すれば、当然公務員の賃金は上がってこなければならない。公務員の賃金は低い低い。低いから学校の新卒技術者などは官庁をきらって局間に走る。特に昨年などは顕著であったわけですが、各省の次官会議などで、これは公務員の賃金を上げてもらわぬと困る、優秀な人がみんな民間に散ってしまう、そういう声が人事院にも反映しておったと思うのです。ことしも当然のことであって、このことはことばを返せば、いわゆる公務員の賃金は低いところでくぎづけにされておる。これをさらに検討すればいろいろ原因はございましょうけれども、一つの大きな原因として、民間企業体の比較の対象が小さいものに偏しておる、こういうことから公務員はいやおうなしに低賃金にくぎづけされておる、こういうこの辺に公務員の低賃金の根本的な原因があるんではなかろうかと考えるわけですが、この点は総裁としてはいかようにお考えですか。
○政府委員(佐藤達夫君) やっぱり先ほど申しましたような、民間を見ました場合に、民間にはやはり企業規模からいってもピンからキリまである。勤労者の所得から申しましても、やはりピンからキリまであるというたてまえに徹して、まあその水準を求めて、それと比べようというのがおそらく根本の出発点であったと思うのであります。そこで五十人というような非常に小さな数も出てきたと思いますけれども、やはりその全体を比べるというたてまえはたてまえとして、私どもとしてはやっぱり当分はそれをとっていかなければならぬのじゃないかということで、先年、せめて百人ということでその水準を、最低限を上げさしていただいた、こういうことであります。
○伊藤顕道君 公務員の賃金は当然局間との均衡をとらなければならない、これはどなたもこういうことは認めておるわけですね。そこで、そうだとすると、どの規模の民間企業と比較したらいいのか、どの程度の企業の民間の労働者と均衡をとったらいいのか、この辺の問題は大いに議論のあろうところだと思うのです。で、公務員の自体について考えると、まず公務員の平均年令とか、あるいは経験年数、あるいは学歴、そうして行政組織の大きさですね、規模、こういう点から公平に考えると、私どもとしてはまず日本の実情からいって、五百人ないしは千名以上の企業をとるべきである、そういうふうに考えるし、また、そういうことを主張をしてきている人も多いわけです。そこで、五百人から千人ということになると、相当幅もあるし、いま御指摘のように、昨年ようやく百人まではきたわけですけれども、さらにこれをせめて五百人くらいの規模と、五百人以上の規模と比較するようにはならないか。むろんこの場で総裁、それならそういたしましょうと、簡単に結論の出ないことはわかりますけれども、前向きの姿勢でひとつこの規模の問題についても真剣に取り組んでもらって、何とかせめて五百人以上を目途に、何とかこれを引き上げるほうの前向きの努力がこの際当然必要であろうと思うわけであります。で、このことに対する総裁のひとつ決意のほどをこの際伺っておきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) 昨年思い切って五十人から百人にしたというのでも、これも前向きじゃなくて前進だと思うわけでありまして、前向きをしておることは申し上げるまでもないことで、その気持ちでおるわけであります。また、私の本来の、夢物語ではありますけれども、本来の理想の姿というものは、先ほど申しましたようなところにあるのでありますから、そういう点も御了察いただいて、そうして堅実にわれわれとしてはやっていきたい、こういう気持ちでございます。
○伊藤顕道君 いま民間企業との比較の問題についてですが、なおこの問題に関連して対応する等級にもいろいろと問題が残されておるということを御指摘申し上げたいと思います。これは抽象論ではなかなかわかりませんので、たとえば具体的な例をあげてみますると、行政職の第一表の一等職は、規模五百人以上の支店長とか工場長、事務長、こういうものと対応させておるわけですね、現実の問題は。ところが、二等職についてもこれは同様のことが言えるわけで、同規模の課長と対応させておる。上のほうはうなづけるわけですけれども、さて課長補佐の四等級の者はどうかと見ますると、これは不可解にも同規模の係長と対応させておるわけです。それから係長の五等級についてはどうかと見ますると、これは同規模の上級の係員と対応させておる。上のほうは相当有利に対応させておるわけですけれども、課長補佐四等級以下についてはきわめてこう不公平と思われるような対応がとられておる。まことにわれわれとしてはこう不可解千万だと思うのですが、この点をひとつ解明いただきたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま御指摘の問題でございますが、御承知のように、昨年の勧告におきまして、新三等級というものをつくっていただきたいということを勧告で申し上げまして、そのように新たに一つ等級をつくっていただいたわけであります。しかし、そこで、それはどうしてそういうものをつくったかといいますと、これはわれわれ部内におきまして、現実に一つの官におきます課長補佐というものが、平均四、五人ないし、五、六人はおるということで、民間ではこれは平均的な話になりますけれども、課の中に、課長の下に直接いる者は係長、それから一般係員、こういう組織の段階になっているようです。そこで、民間でも課長代理、あるいは副課長、課の次長というものがないわけではございません。しかし、われわれの調べによりますると、大体かりに課長を五千人調べたといたしますると、そういう課において、いま申しました課の次長とか、あるいは次席と申しますか、副課長、そういう方は大体三千人ぐらい、課長と同数だけはいない。すなわち組織としてこれを非常に確立したものと見るのか、あるいは公務と対応させるときに、どういうふうに考えたらいいのかということで、従来なかなか結論を得ることがむずかしいままに、調査はいたしてみましても、公務と直接これを比較する数字に用いなかったわけであります。たまたま民間ではそういう状況でございますし、公務におきましても現に課長の下にあります班を主宰しておる班長、これは課長補佐が当たるわけでございますけれども、これが四、五人いる。それで、その中に総括課長補佐というものがいるというのが現状でありますので、新たに新三等級をつくっていただいたということであります。そこでそういう新しい一つの等級をつくるということになると、一体従来とは事情が変わるわけでございますから、民間との関係でどういうふうに対応させていくかということが非常に問題になる。ただいま先生御指摘の点等も含めまして、この問題は目下慎重に、どういうふうな対応関係に立つか、少なくとも従来どおりではいかないと考えておる次第でございまして、ただ名称だけから申しますると、民間で使っている名称と、公務が一段ずれた感じになっているところがあるかもしれませんけれども、われわれは名称よりもむしろ実態として、どの程度の職務と責任を持っておるかということにももちろん着目いたしておるわけでございます。目下そういう点も含めまして、対応関係を検討いたしております。
○伊藤顕道君 これは先ほど申し上げた民間企業の規模の問題とも関連があると思うのですね。私どもが考えている規模、五百人以上の民間企業と、これを比較するということになれば、五百人以上の企業体にはそれに匹敵する課長、課長補佐、あるいは係長、こういう職制は大体できているわけです。五十人が百人に一歩前進したということですが、百人くらいのところではまだまだ官のそのものの職制がない、したがって、比較も容易でない、こういうことの御説明ですが、問題は現状ではどうも上のほうにはあまり問題がないが、いわゆる課長補佐、四等級以下の問題の対応になると、相当まだまだ問題はある。で、われわれからすれば、当然課長補佐は五百人以上の規模の課長補佐と比較し、係長は同規模の係長と比較される、このままではなかなか合法的には考えられない、どうも不公平ではなかろうか、こういうことは当然考えられるわけです。まあ民間の職務内容が云々であるのでというような御答弁を毎回人事院としては繰り返されておるわけですけれども、人事院は大体この民間各職種について職務の内容まで調査されておるわけですか。
○政府委員(瀧本忠男君) この民同給与調弁は、御承知のように、非常に規模の大きいものでございまして、また実際問題としてこれは短時日のうちに実地調査を終了し集計を完了しなければならないということもございます。したがいまして、御指摘のような非常に精密な職務内容の検討ということは、実際問題としてできるものではございません。したがいまして、しかし、そうはいっても、われわれは職務を度外視してこれを調査するわけにまいりませんので、毎回勧告の際に付帯して御報告申し上げておりますが、民間給与調査の結果の表の中に明示しておるのでございますが、その職務と責任の範囲をある程度限定いたしまして、そういうものだけについて調べる、こういうことをやっておるわけであります。
○伊藤顕道君 民間の職種内容については、非常に複雑、大規模なので、なかなか詳しく調べることは不可能であるという前提に立てば、詳しくわからないのにこの職務内容を云々するということは当たらないと思うのです。で、ここで、私どもは特に考えておることは、各等級とも不公平のないように、公務員公平の原則に基づいて、ひとつ現状できわめて不利益だと思われる課長補佐、四等級以下の分についても、ひとつ当然に、これは公平になるよう措置すべきである。こういうことをお伺いしておるわけでありますので、このことに対して現在の不公平と思われる分については、早急にひとつ、また勧告も近いわけですから、このこともあわせ考えて、合法的な勧告を出していただきたい。そこで、このことに対する総裁の御所見をひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) ただいまお尋ねの点、給与局長が答えました点は、結局、同じような職務についての横との比較を申し上げたわけであります。私どもは、同種の職務について横の比較をとりますとともに、やはり縦の、官庁部内の縦の系列として、俸給表なら俸給表の面から、またそれが合理的な調和が保たれておらなければならぬ、そういう立場でやってるわけであります。理想を追ってやっておりますけれども、なかなか勧告のつど御批判があります。ただいまのおことばもおそらく一つの御批判であろうと思いますが、そういう点は常にここで十分拝聴いたしまして、そしてその点で万遺憾なきを期するよう勧告のつど反省を加えてやってるわけでございまして、今後もそういう立場で、かりに勧告を出すようなことになりますれば、その辺合理的な調整ができますようにつとめてまいりたいと存じます。
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、たしか昨年ごろからだったと思いますが、人事院としては、指定官職の範囲を広げて、これを優遇しておるわけです、そして、いままでの指定官職を広げて優遇したということから考えれば、ことに本年の勧告にあたっては、今度はこれも公平の原則で、上のほうをよくしたのだから今度は下のほうを当然に考慮してしかるべきだと思うのですが、この点については、総裁としてはいかようにお考えですか。
○政府委員(佐藤達夫君) 事務次官あるいはその直近のいわゆる上級の人々の給与は、率直に申しまして、従来これは不当に据え置かれておったような気もいたします。そういう意味で二回にわたってこの際一応調整をさせていただいたわけであります。しかし、それに伴いまして、ただ先ほど申しましたような見地から、ずっとこの俸給表を通して見た場合に、その辺になお調整を要するものがあるかどうかということは、さらに新しい眼で今度は勧告をする場合には見てまいりたいという気持ちでおります。
○伊藤顕道君 次に、行政職第一表の新三等級を設けられたわけですが、この結果職員間に非常にアンバランスが生じたのではなかろうかと考えられるわけです。アンバランスが生じたとすれば、それはそのままにしないで、これは当然調整をしなければならぬ、どのように一体その調整を行なっておるのか、その点についてお伺いしたいわけですが、特にこのことに関連して定数等についてはどういう考慮が払われておるか、このことをあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) 現に各官庁におきまして、先ほども申し上げましたように、一つの課において課長補佐が四、五人ないし五、六人おるというようなこと、実態としてはさらにその中に総括課長補佐がおるというようなことで、総括課長補佐は課長の代決権を持っておるけれども、そのほかの課長補佐は班長として部分的に課の中の仕事を担当しておるというふうな状況があるわけであります。しかし、いずれにいたしましても、班長といい、総括課長補佐といい、いずれも課長補佐という名称で従来は四等級ということでやっておったわけであります。そこで、総括課長補佐を中心にいたしまして専門職等も考慮を払っておりますけれども、その職務の責任の実態に応じまして新三等級というものを設けたのでありまするが、ところが、従来同じ四等級の扱いであったではないか、場合によったら年齢でもおれのほうが古いぞ、にかかわらず、あいつは新三等級になったけれども、おれは四等級に据え置かれたというような感情がいろいろな職場においてありましたことも、これは否定いたしません。しかしながら、新三等級を設けたということは、職務と責任に応じて設けたのでございまするが、四等級自体も昨年は相当改善をいたしておるのでございまして、もし新三等級を設けたかったといたしましたならば、みんな四等級にわったわけでございますが、新三等級を設けたために、従来四等級におられました、ないしは五等級から上がってきたような職員の中で、職務と責任の重い人はよりよく優遇する、その優遇され方に見方によっては厚薄があるものでございますから、そこで御指摘のような感情がいろいろな職場においてあったということは否定いたしません。一つの考え方とすれば、それはまあそういう感情にとらわれておったら、もう現状をばんと動かさずにいくよりしようがないのじゃないかという議論にもなりかねないのでございますけれども、結果的に見ますれば、やはり今度とりましたような措置が職員を優遇するゆえんであるというように思います。しかしながら、そうはいっても、ただいまのような感じを残しておるということは、これは必ずしも人事管理上好ましいことではございませんので、そこはやはり今後ともよく見てまいりまして、必要に応じて新三等級にする必要がある部局についてはそういうことも考えていくということで、今後とも十分見てまいりたいというように思っております。 なお、等級別定数ではございますが、これは相当従来から四等級の人ならず五等級、六等級につきましても改善をしてまいっておるわけでございまして、今回も相当程度の改善をいたしております。新三等級の定数もおおむね四千五百くらいございました。これは課長の数がおおむね行(一)について見ますと三千程度である。ちょっとあるいは記憶違いがあるかもしれません。大体その程度の数字だったと思っておりますので、四千五百という数字は決してこれは少ない数字であるとは思っておりません。なお、この四等級というものが一万幾らあるわけでございますから、その中からこれだけ抜けていったわけでございます。あと四等級がそれだけ差し引きしただけかっきりの数字になっておるかというと、これはやはりそれ自体としてふくらんでおるということで、われわれとしましては、やはりこの辺の待遇改善、表に出ませんところで配慮もいたしておるのであります。そのしかたが不十分ではないかという御指摘があれば、それは見方によってそういう見方も出てくると思いますが、その辺につきましても、今後とも十分よく見ながら努力してまいりたいと考えるのであります。
○伊藤顕道君 そういう御意向はわからないわけではないのですが、給与局長も御指摘あったように、まだわれわれからアンバランスが見られるので、今後近い時期の勧告においてその機会を機会として、そういうアンバランスについて全面的にこれを勇断を持って是正されたい、そういうことを強く要望申し上げたいと思います。 なお、お伺いしたい点は、先ほど総裁からも、たとえば住宅手当、通勤手当があまりに少ないので、実際の通勤手当の名前に値する通勤手当にする必要があろうと思う。それから住宅手当についてもひとつ相当額を具体的に近く行なわれる勧告を機会として、ひとつ前向きの姿勢で、具体的に取り組んでいただきたいと思います。そのことを先ほど一部御指摘ございましたが、いわゆる手当について、一括していま一度総裁の御決意のほどをこの際伺っておきたいと思います。
○政府委員(佐藤達夫君) 通勤手当については先ほども触れまして、とにかく調査をしなければならないという気持ちで現在のところおります。おそらく調査することになるのではないかと思います。もう一つ、住宅手当が、率直に申し上げまして、ほんとうに最もわれわれの一番苦慮しているところです。たびたびここでも申し上げたと思いますけれども、何か住宅手当らしいものについてのデータをほしいというわけで、最近二回にわたって住宅手当の調査をやったわけです。これはもう御承知のとおりであります。ただ、その結論はやはり一般民間における住宅手当を支給している率というものは案外低いという結論が出ております。これは三分の二くらいが会社から出ておれば、われわれとしてもとうていほうってはおけないということに追い詰められますが、数字の上でそこまでまだ出てこない、民間は。ともかく公務員が困っておるんだからということも一つの考え方でございますけれども、さてしからば、どの程度の住宅手当を支給するかという段になると、ほんとうに名目だけの住宅手当が、それは官民格差の中でやりくりしてやれないこともございませんが、相当住宅手当らしい手当を出そうということになりますと、昨年でいえば八・五という較差の中でのやりくりでそれをやった場合においては、今度は本俸のほうのベースアップは犠牲にならざるを得ないというようなバランスの問題が出てまいります。かたがた持ち家におる人はどうだろうかという技術的な問題も一つあります。そうして一方、現実には住宅そのものが欠乏している。実質的に欠乏している。公務員宿舎というようなものの現状を見ますと、まだまだそれは不足なんだ。それらもひとつ大いに増設していただいてしかるべきではないか。かりに公務員宿舎のほうが完成してくれば——完備してすべての公務員に行き渡るようになれば、住宅手当の問題もそれだけ減ってくるという関係にもなるというようなことから、過去二回、民間の住宅手当の湖面を行ないましたけれども、いま申しましたような趣旨でとうてい住宅手当の支給までにはわれわれとしては踏み切れなかった。しかし一方、現実の住宅不足ということに対しては、これはほうっておくわけにいかぬというわけで、一昨年も総理大臣に直接私がお会いして、公務員布令の完備について要請を申し上げましたし、昨年は今度は書面にいたしまして、申入れ書の形にして、これも池田総理にお目にかかって強く要望してきたということがございました。幸いに現実の公務員宿舎のほうは予算上相当配慮していただきまして、わわわれがお願いした——われわれがお願いしたからかどうかわかりませんが、かいがあった。ことしも多少明るい見通しを持っております。そういう努力は努力としてやっていくわけであります。肝心かなめの住宅手当というものは、われわれが注視だけは怠らずに、一般の民間の状況を常に見詰めていきたい。そうして何かしらの変化があればわれわれも考えようがあろうということで二回もやったことではありますが、ことしももう一ぺん調査はしてみたいということで、これはその方向でやっておるわけであります。したがいまして、その調査の結果によって、またわれわれはどう判断するか、これはほんとうに正直に申し上げますけれども、いま言ったような事情がありますので、調査をしたからさっそく支給するほうに着手いたしましょうというようなことはこの際とても申し上げられない。そういう現実を何もかも正直に申し上げると、そういうことでございます。
○伊藤顕道君 いろいろ新たな決定をするということは障害もありましょうし、困難もありましょうけれども、公務員にとって住宅問題はいかに重大な問題であるかということにひとつ十分一そうお考えを深めていただいく具体的な実現の方向に向かってさらに一段と努力をしていただいて、できればその勧告にも具体的な誠意の一端をあらわしていただくということを重ねて強く要望申し上げておきたいと思います。 次に問題を変えまして、人事院の勧告を見ますと、これは言うまでもなく、いままでは民間給与が主体となってきておるわけですね。ところが、国家公務員法の第六十四条第二項を見ますると、「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して」云々と、こういうことばが明記されておるわけであります。したがって、勧告には当然に物価とか生計費は俸給表に反映してこなければならないと思うのですね。この点はもう国家公務員法の第六十四条第二項に明確に出ておるわけですけれども、この際このことに対する総裁のお考えをひとつお伺いしておきたいと思うのです。
○政府委員(佐藤達夫君) これは根本的な問題になりますが、私どもが従来からとっておりまする考え方は、確かに生計費、物価というふうなものが一つの大きな要素になりますけれども、これは実際は民間の賃金の中に生計費の要素も物価の要素も実は取り入れられておるという前提から、この民間の賃金を調べれば、四月現在における民間の賃金ということで、これがおのずからこの生計費なり物価を反映しての民間給与であるというようなことから、特段に生計費、物価を取り上げることなしに第一の根本基準としては民間の賃金ということで柱を立ててやっておるわけであります。しかしながら、これも御承知でありますけれども、生計費の関係におきましては、特に高校卒の初任給の場合については、やはりそれはそれなりに一つのささえという意味でこれはまた標準生計費そのものについての御批判にありますにせよ、われわれとしては一つのささえとして、その場合これを取り入れるというようなことで、この法律の趣旨とするところは生かされておるということになるのではないかと、そういう考えでやってきておるわけでございます。
○伊藤顕道君 答弁によりますと、民間の賃金の中にはすでに生計費、物価などが加味されておるから、すでに加味されているんだから民間給与は当然主体となる、そういうような御説明であったわけですけれども、この法第六十四条にも、明確に生計費、民間における賃金と並び出されておるし、なるほど民間にもそういうことが、生計費とか物価が当然に加味されておるとは思いますけれども、やはり加味はあくまで加味であってそのものでないわけです。そこで私どもとしては、物価とか生計費にむしろ主体を置いて、公務員が、そうすることによって公務員が食べられる俸給炎が生まれてくると思うのです。このことについては先ほどの御答弁の中に、公務員独自の俸給表ということについて関連のある御答弁があったわけですけれども、むしろ公務員が食べられる俸給表をつくるということになると、やはり物価とか生計費は当然に主体を置かなければならぬ。そういう結論になろうかと思うのです。むろん民間との均衡を保つ上に、当然に民間とかけ離れては相ならぬということは原則ですが、そこでこういう考えに対しては総裁としてはどうお考えですか。
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど申しましたような趣旨で、従来人事院のやってきておるところはこれは私は間違ってはいないと思います。これを一足進むとすれば、いまおことばにもちょっと出ましたように、むしろ私の理想論といいますか、夢のお話のほうへむしろつながることで、これは生計費もこうだろう、物価もこうだろう、それから公務興としての体面を保つためにはどの程度の給与が必要かというところまで勘案して、大上段からかまえてつくるべきじゃないだろうか、むしろそっちのほうへ行ったほうが徹底するんじゃないか、よけいなことですけれども思うぐらいでございまして、いままでやってきたところはやってきたところで公務員法のあるいは給与法の趣旨には沿っているんじゃないか、そういう気持ちでいまのところおるわけであります。
○伊藤顕道君 先ほどの御説明で民間の賃金の中にはすでに加計費、物価がもう当然加味されておるということで、その意味の生計費をここでとってこれを欧米先近国のそれと比較して見ますると、私の調査によると、大体の国々は夫婦二人の生計費を基準にとっておるわけですね。ところが、夫婦と子供一人、計三名の生計費を基準にとっておるというところも、たしか英国だったと記憶しておりますが、これはまあ特殊な場合としても、大体夫婦二人の生計費を基準にしておる、これを賃金に反映させるとしても、一人の生計費を反映させるのと、二人の生計費を反映させるのでは相当の格差が出てくると思う。日本の場合は遺憾ながら男子十八歳の生計費を基準にとっておることは言うまでもない。それでこのことはひいては日本の公務員の賃金が低い、労働者の方々が欧米並みの賃金ということを要求するのは当然なことだと思うのですが、したがって、日本にはこういう男子十八歳一人の生計費を基準にしておりますから、さて結婚の適齢期になってもうっかり結婚できない。どうしても結婚する場合には共かせぎでなければ、一人では、一人の生計費を基準にした賃金しかもらっていないわけですから、二人は生活できない。婚期があるいはおくれあるいはまた無理をして夫婦共かせぎということにもこの生計費の基準のとり方が関連してくると思うのです、こういう点については総裁としてはどのようにお考えですか。これは日本のことだから簡単にしかたがないということでは済まされないと思う。もうほとんどの先進国が夫婦二人の生計費を基準にしておるわけですから、現実の問題として。英国のような夫婦と子供一人計三名を基準にとっておるところは例外としても、大体、夫婦二人の生計費を基準にしておる。日本は依然として一人の生計費を基準にしておる。こういうところにも十分検討の余地があるし、もうそろそろこういう点をひとつ解決すべき段階にきておるのではなかろうか。経済は非常に発送しておるということを佐藤内閣は強調しておるわけですから、ひとつもうそろそろ西欧並みにこういう、できるところから、小さな問題のようで基本的な問題だと思うので、あえてお伺いしたいわけです。
○政府委員(佐藤達夫君) お説のとおりであります。経済の伸展というものとこれは徹底的にやはりにらみ合わせて考えなければならない問題なんで、欧米においてもやっぱり民間の給与というものの一体水準がどの辺にあるかというようなこともあわせて資料的に観察しなければならないことだとは思いますが、ただし、私の知っております範囲では、民間給与主義ということばは非常に悪いことばでありますけれども、便宜上申し上げますと、日本ほど民間給与の調査というものを厳密に、大規模に、正確にやっておる国はおそらくないだろうと思います。そういう意味で、私どものやり方は民間給与に準拠するという立場に徹しておるということになると思うのでありますが、そういう点から見ますというと、やはりこの勧告の内容たるべき給与のあり方というものも、結局そっちのほうに問題の重点が移りまして、そうして民間の給与の中にも生計費が入っておるじゃないか、物価が入っておるじゃないかというほうにつながっていくといったような、要するに、このたてまえが基本的に変わって、もう少し白紙の立場からというところへ日本全体の経済がもっていかれるということがわれわれとしては最も望ましいことだと思いますけれども、当面は現在の法律のたてまえ及びそれについての私どもの解釈というものを、まだ当分、今日のところでは貫いていかざるを得ないのじゃないか、おっしゃる趣旨はよくわかりますけれども、現在のところはまだそういうふうに考えております。
○伊藤顕道君 一応わかっておるけれどもということでございますが、ひとつ政府に遠慮なさらないで、これは正しいと思ったことはひとつ勇断をもって前向きで取り組んでいただきたいと思います。 最後に、時間の関係もございますから、一点だけお伺いして、本日のところ私の質問は終わりたいと思いますが、高校卒の職員と大学卒の職員とを比較してみますると、高校卒の職員はあまりにも冷遇されておるのではなかろうか、そういうことであるならば、今回の勧告にあたっては、当然この点をも十分考えて、ひとつ改善の方向で具体的に努力されたいということなんですが、この点いかがですか。
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほども触れましたように、また御承知のとおり、この高校卒の少なくとも初任給のところはこれはわりあいによく考えられていると、私どもから申し上げるとおかしいのでありまするけれども、思います。ただし、それからその辺がどうであろうかという、たとえば一等級あたりの昇給金額というようなものも、どうももう一ぺん先ほど申しました趣旨から、縦にずっと見てみようというような気持ちはこれは持っておるわけであります。やはりこの次勧告をいたしますような際には、先ほど申しました趣旨に沿って、全部そういう点もきれいにひとつ再検討しようという気持ちを持っておるわけでございます。
○伊藤顕道君 高校卒の職員の給与は、大学卒の職員の初任給になるのには、調べてみますと、民間では大体四年ないし五年の程度です。それに対して公務員では、学歴一年に対して経験一・五年で換算しておる関係上、大体六年になる。こういうことは言えるわけですね。そうするとまた、上級のほうでは、七の一の初任給は、一年たって六の一になる関係上、これでは九年の差が出てくる。こういうことになろうと思います。そこでどうもこういうふうに差が大き過ぎるので、この点については十分考慮さるべき問題ではなかろうか、こういうふうに考えるのですが、この点はいかがですか。
○政府委員(瀧本忠男君) 御指摘のように、公務員におきましては、初級試験、中級試験、上級試験の合格者の場合に学歴一年について一年半くらいに見ましてやっておるということは御指摘のとおりでございます。しかし、この学歴、スクーリング一・五年という考え方は、公務員の学歴というものを問題にせざるを得ないような現実の状況におきまして、これを秩序立てていく上に従来はこれが非常に大きな役割りを果たしてきたということは、これは否定できないと思います。しかし、スクーリング一年半という考え方と、最近のように高校率の初任給が上がる度合いが大半卒の初任給が上がる度合いに比べて少し大きい、これは中卒も同様でございますが、その間隔がずっとお互いに上昇しながらも狭まってくる傾向があるということは、御指摘のように、今後非常に注目して、それにどう対処していくべきかということは考えなければならぬことで、われわれも初任給の問題の中ではそのことを非常に問題にして研究をいたしております。ただ、いま先生の御指摘になりました問題の中には、各省庁におきまして採用した職員をどういうふうに処遇していくのか、あるいは登用していくのかというような問題に関連してきておると思うのであります。初級職の中の優秀な人を将来幹部職員として使っていこうというような場合には、あるいは非常にそういう職員に着目して優遇していく、昇格等も有利に考えていくということも現実にあり得るのであります。また、そういう諸君が在職中に中級試験なり、上級試験に合格するというような努力を本人がされる場合がもちろんある。そういう場合には、やはり役所側は中級なり上級扱いとして、ものを考えていくという方法もわれわれ用意いたしておるのであります。そこで、これはやはり現在の制度の上から申しますと、そういうふうに本人の努力なり、あるいは本人に力があるということを上で認めましてこれを取り扱っていく場合に、現在のところはっきりしたルールが立っておりません。そこで、もしやろうと思えば現実の状況ではいろいろなことができる仕組みになっております。しかし、私が言うのは少し理屈にとらわれ過ぎておるというきらいはもちろんあると思いますけれども、そこで、一番極端な場合を言ってみますと、大学卒と高校卒とが学歴差のほかにスクーリングを一・五と見てあるために二年分だけ余分に見てあるという差だけが一生つきまとって、そのほかには何の差もつかないというような制度であるとも言える。そういう点がそういうことでいいのかどうか。これは先生御指摘になりますように、非常に問題のある点でございますので、いま私はいろいろと、ああでもない、こうでもないと、まとまりのつかないことを申しましたが、非常にむずかしい問題でございます。いろいろな観点から研究いたしまして実態に即応するようにいたしたい、このように考えております。
○伊藤顕道君 そこで、時間の関係もございますから質問を終わりますが、最後に量ねて総裁に強く要望申し上げておきたいと思います。 以上幾つかの点についてお尋ねしてきたわけですが、幸い勧告も間近に迫っておりますので、言うまでもなく、人事院本来の使命観に立って、公務員の利益をいかにして守るかというき然たる態度で前向きに、しかも具体的に実現を目ざして一段とひとつ努力していただきたいということを最後に強く御要望申し上げまして、きょうの私の質問を終わります。
○委員長(柴田栄君) ほかに御質疑はございませんか。——ほかに御発言がなければ、本件の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会