内閣委員会 第8号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/03/02
会議録
○委員長(柴田栄君) これより内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。二月二十六日、浅井亨君、山木利壽君、後藤義隆君が、委員を辞任され、その補欠として鬼木勝利君、林田正治君、源田実君が選任されました。
○委員長(柴田栄君) 国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、発議者から提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員武藤山治君。
○衆議院議員(武藤山治君) ただいま議題となりました国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。 最近の急速な経済成長の陰で、わが国の社会保障の水準は相変わらず低い状態に置かれております。特に物価高を背景として、社会保障の飛躍的な拡充が望まれるところであります。 さらに、最近における医療費の急激な増加は、各種共済組合の財政収支を悪化させ、組合員に過重な負担をしいる掛け金引き上げを余儀なくさせており、このまま放置するならば医療保険は崩壊の危機に追い込まれるのであります。また、老後の生活安定のための年金保障制度の確立は、今日、労働者の切実な関心となっているのであります。 このときにあたり、国は社会保障の立場から強力な財政措置を講ずる必要があると考えるものであります。 すなわち、まず第一に、組合員の掛け金及びこれに見合う使用主負担の財源だけで運営されている現在の保険主義の原則を改め、大幅な国庫負担の導入により共済組合の社会保障的性格を強める必要があります。イギリスに例をとれば、国民保険事業に要する費用の七六%(国六八%、地方八%)が公費負担であり、国民の生命と健康の管理には巨額の予算が組まれております。いやしくも政府が、福祉国家の実現を政治スローガンとする限り、医療保障に対する国の財政的裏づけを強化すべきことは当然であります。 第二は 大幅国庫負担の導入つまり社会保障主義の拡大をはかりつつ、ばらばらの各種医療保険を高い給付水準で統合し、医療サービスの格差と不均衡等を是正することであります。政府は、医療保険の中核たる政管健保に薬代半額本人負担を実現し、このようにして押し下げた水準で全体の統合調整を強行しようとしております。われわれは、医療給付水準切り下げの統合調整構想は不当であり、今日必要なことは働くものの医療保障を前進させる高い水準での制度統合であると考えるものであります。 以上の立場から、特に医療費増高の事態に対処して、さしあたり共済組合短期給付に重点を置き、当面する退職一時金の任意選択権の問題を含めて、本改正案を提出することといたした次第であります。 次に、この法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一は、国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法の一部改正についてであります。 すなわち、共済組合短期給付に要する費用につき、新たに社会保障の立場から、国庫は二割相当分を負担することとするものであります。これにより、国家公務員共済組合につきましては、国庫としての国二割、使用主としての国五割、組合員三割の負担、公共企業体の職員等の共済組合につきましては、国庫としての国二割、公共企業体五割、組合員三割の負担とすることにいたしております。 第二に、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律の一部改正を行ない、年金通算と退職一時金のいずれかを選択する権利が切れた男子について、国家公務員、公共企業体職員等及び農林漁業団体職員についてはその期限を二年度延長し、女子同様、昭和四十一年十月末日まで選択権を行使することができることといたしております。 なお、本法律案は、国家公務員共済組合法と公共企業体職員等共済組合法の改正部分は昭和四十年四月一日から、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律の改正部分は公布の日からそれぞれ施行することにいたしております。 以上、本法律案の提案の趣旨及びその内容の概略を申し述べました。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○委員長(柴田栄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。 —————————————
○委員長(柴田栄君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題といたします。質疑の通告がありますので、これを許します。なお、政府側からは、増子恩給局長、秋吉大蔵省給与課長が出席しております。伊藤委員。
○伊藤顕道君 総理府の総務長官は予算委員会の都合でお見えにならないようですが、それは適当な時期にお尋ねすることとして、恩給局長を中心に、以下次に申し上げる点について二、三お伺いしたいと思いますが、まずお伺いしたいのは、外国政府職員、それから外国特殊法人職員の恩給の通産問題です。これを中心にお伺いしたいと思いますが、御承知のように、外国政府職員、それから外国特殊法人職員であった公務員のうち、日・満ケース、それから日・満・日ケース、これは大体解決しているわけですが、あとへ不公平にも取り残された満・日のケースの場合ですね、この点しぼってまずお伺いしたいと思いますが、で、昭和二十八年の第四十三国会において恩給法をそれから関係共済組合法が改正されまして、外国特殊法人であった公務員等の前歴の通算が行なわれたわけです。また、それ以前三十六年、第三十八国会において外国政府職員期間の通算が行なわれたわけです、これらの改正はいま申し上げたように、日・満・日のケースと日・満のケース、これは在外期間を全部通算しているわけですね。ところが、いま申し上げたように、満・日のケースでは、恩給共済のいわゆる最短資格年限までしかいま通算していないわけです。最短年限をこえる年月は実際に在職しておったにもかかわらず切り捨てられている、こういう事態ですね。これはどなたがどう考えても、きわめて片手落ちなことであって、かくては公務員公平の原則にも反するのではないか、こういう点でまずこの点からお伺いしたいと思いますが、恩給局長としては、一体この不合理をどういうふうにお考えですか。
○政府委員(増子正宏君) ただいま御指摘の点でございますが、いわゆる日・満・日、日・満のケースにつきましては、言うまでもなく以前にあるいはもともと恩給公務員であった者の場合でございます。いわゆる満・日のケースというのは、当初は恩給公務員ではなかった、つまり最初から恩給公務員として経歴を始めたという人でない場合になりますが、恩給法のたてまえからいいますと、いずれにいたしましても恩給公務員でない期間を恩給公務員として在職したというふうに取り扱うことで、一種の擬制といいますか、いわば例外的な取り扱いになるわけでございます。そういう意味で、この通算問題が論議されるようになりましてからは、全体としては厳格に解する、恩給公務員でない期間を恩給公務員であったと同じように在職年を計算していくということについては、できるだけ例外的な措置であるので、厳格な考え方で臨むということが基本になっているというふうに承知しているわけでございます。そういう点から、いま御指摘になりました日・満のケースあるいは日・満・日のケースにつきましては、いわば最初から恩給公務員としてそのキャリアを始めた人のその後のいわば身分の異動ということを考慮いたしましての措置として当然うなずけるわけでございますけれども、満・日の場合には、最初はいわゆる日本政府といいますか、この日本の官吏あるいは公務員として経歴を始めた方でない、終戦になって公務員としての経歴についた人でございますので、この場合にまで、最初に申し上げた二つの場合と同じように通算をするということについては、やはりそこに当然ものごとの幅があったわけでございます。しかしながら、当時、終戦後公務員として新たに経歴を始めた方が年齢的にも相当の年齢になっているけれども、しかし恩給の年限には達しないというような人、そういう人のいわば人事管理上の問題もあったわけでございまして、そういう問題を特に考慮しましていわば例外的な処理としてこれを扱う、したがって、いわゆる満の場合の在職年数もそれをまるまる通算するということではなくして、あとで公務員に、いわゆる満・日の日の場合の在職年数が恩給年限に達しない場合だけその達しない分を通算するというような考え方をいたしたわけでございます。で、こういった違った取り扱いをしたことにつきましては、公平の原則に反するというような御意見もあったわけでございますけれども、以上申し上げましたような内容から申しますれば、まず相当の考え方ではなかったかというふうに私ども考えているわけでございます。したがいまして、さらにこの満・日の場合につきまして、満における全在職年を通算するということにつきましては、私どもとしてこの際そこまですることにつきましての考え方はなかなか困難ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
○伊藤顕道君 いまの御答弁を伺っておると、かつて公務員であったから、かつて公務員でなかったからと、こういうことを基準にそういう程度の差はやむを得ないと、そういうお考えのようですが、これは以下私が数項に分けてお伺いすることによって、その考え方は間違いであるということが立証されると思うんです。したがって、順を追うてお伺いいたします。 そこで本質論としてまずお伺いするわけですが、外国政府あるいは外国特殊法人職員期間の通算を認めた根本的な趣旨は、ここは非常に大事な点だと思うんですが、これらの期間が形式的にはなるほど日本政府そのものではないけれども、実質的に考えれば、日本の政府そのもの、あるいはその代行機関である、したがって、その職員は日本内地の公務員と実質的に同様である、こういう理念に基づいて、日・満・日、日・満のケースがまず認められたわけです。本質論からいって、形式的には日本政府そのものでないけれども、実質的には日本政府そのものである、もしくはその代行機関である、したがって、そこまでの確認のあった場合、ただ単に日・満・日あるいは日・満、それと満・日だからと、そういう区別をつける何らの理由はないわけです。この点はいかがでしょう。
○政府委員(増子正宏君) 外国政府につきましては、御承知のように、いわゆる終戦前から、終戦前の恩給法からも通算措置があったわけでございます。特殊法人等につきましては、戦後の問題として出てまいったわけでございますが、そもそもそれでは外国政府についての通算をどういう考え方で認めたかという問題になりますと、ただいま御指摘になったような考え方はもちろん基礎にあると思います。しかし、政府の代行機関であるとか、あるいは実質においてその業務が政府機関とほとんどかわるところはないというようなことは、もちろん一般的にはそのとおり理解できるわけでございますけれども、具体的にそれではどの場合がそれに当たるかという認定の問題はなかなかむずかしい問題であるように思うわけでございます。したがいまして、沿革的に申しましても、まず認められたのは外国政府という形で認められたわけでございます。でこれはもちろん満州国等が考えられたわけでございます。で、これをいま今日の段階におきまして日本政府の代行機関というふうにいえるかどうか、これは問題かと思うのでありますけれども、いずれにしましても、日本政府からその職員をいわば人事政策として派遣せしめたというようなこと、まあこの辺がひとつやはり恩給制度というものが人事管理上の一つの制度であるということと関連しまして大きな要素ではないかと思うわけでございます。 外国特殊法人につきましては、前々からすでに御案内のように、これは日本における公共企業体を一応考えて定められておるわけでございますけれども、国鉄その他公共企業体は、本来的に、御承知のように、国の機関としての沿革を持っておるわけでございまして、人事管理上あるいは恩給制度上におきましてこの公共企業体等は全く一本であったという沿革もあるわけでございます。そういう日本における沿革といいますか、関係をそのまま外国の特殊法人、公共企業体の場合に引き延ばしましたのは、やはり内面的に人事の交流が行なわれたということにあると思うわけでございます。したがいまして、これらの点を考えてまいりますと、その業務が非常に類似しておったとか、あるいは国の代行機関的なものであったというような一般的な性格はもちろん認められるのでありますけれども、具体的に人事交流といいますか、一方的ないわば制度的なものとして人事の交流等が行なわれたというような点がやはり非常に大きな要素になっておるように私ども考えておるわけでございます。したがって、具体的な通算問題もその事業体の業務というようなことばかりでなく、現実にこうした人事交流等が行なわれたというようなことにつきましても、相当重きを置いて具体的な機関を考えたということでございます、
○伊藤顕道君 これはきわめて遺憾な御答弁なんですがね。同じ内閣の同じ総務長官とか恩給局長が前に確認したことを、いま基本的にはそうであっても具体的には違うのだ、場合々々で違う、そういうあいまいもこたる考え方には遺憾の意を表さざるを得ないわけです。先ほども申し上げたように、満州国とかあるいは満鉄等のいわゆる特殊法人機関、こういうものは繰り返し申し上げるように、なるほど形式的には日本政府そのものではなかった、しかし、実質的には日本政府そのものである。あるいはまた代行機関であるというこの無念、これは三十七年の議事録を見ていただいたらよくわかりますように、三十七年の十月三十一日、それから三十八年の六月二十日の当内閣委員会で、当時の徳安総務長官、当時の八巻恩給局長がこれを確認しておるわけです、確認しておる、もうすでに。それをいま基本的にはそうだけれども、具体的には違うのだというようなことになると、政府の統一見解はまたくずれてくると思うのです。そこで重ねてお伺いしますが、増子局長としてはこういう理念については確認するのかどうか、前任の八巻恩給局長も政府の統一見解としていま私が申し上げたような理念に基づいてこのことを確認しておるわけなんです。徳安総務長官も同様です。これが政府の統一見解としてこの点を明確にしたわけです。それがはっきりしないというと、これが根底になるわけですから、その点を増子恩給局長としてひとつ確認してもらいたいと思うのです。この確認の上に立って以後お伺いするわけですから、その確認がくずれるということになると、かつての政府の統一見解がくずされてしまったということになったらこれはまた白紙に戻ると思うわけです。その点はいかがです。これはいま申し上げた日時の国会の当内閣委員会の議事録をひとつごらんいただきたい。
○政府委員(増子正宏君) 私ただいま申し上げました点は、先生から御指摘になった、これらの外国政府なりあるいは特殊法人というものがどういうものであったかということについての考え方を実は反対申し上げたわけではないわけでございます。すなわちこれらの機関が日本政府の代行機関とかあるいは実質的に日本政府機関そのものであったというような見方、あるいはそういうふうにこれらの機関を考えることにつきまして私異議を申し上げたわけでもなく、それを否定したわけでもございません。そういうふうな一般的な考え方に立っておったということは私どもも承知いたしておるわけでございますけれども、ただ外国政府という場合には、これはもう問題がございませんけれども、外国特殊法人あるいはその後の改正によります特殊機関ということになりますと、実は非常にたくさんあるわけでございます。それらの特殊法人あるいは特殊法人と具体的には扱われていないものにつきましても、それに似寄ったものなどもあるわけでございますが、それの似寄ったものとそうでないものとの区別をどこに置くかという問題になりますと、非常にむずかしい点があるわけでございます。そうして特に具体的に問題になりますのは、一般的に外国特殊法人であるとか、その機関が性格的にどういうものであるかということよりも、具体的にどこのどういうものにおった場合の在職期間が通算されるのかされないのかという、きわめて問題は具体的なものになるわけでございます。したがって、その具体的な問題に対する答えを考えます場合には、やはり抽象的な特殊法人というふうな考え方だけでは、問題は解決しないように私ども思うわけでございます。その場合に、具体的にはそれじゃどういうものさしがあるかということになりますと、その業務が非常に日本の政府機関なりあるいは公共企業体と非常に類似しておったとかいうふうなこと、それからさらに具体的には人事交流が行なわれておったというふうなこと、そういうことがやはり具体的な一つの何といいますか、基準ということになっているように私ども考える、そういうふうに現在の制度を理解しておるわけでございますので、そういう意味で申し上げたわけでございます。したがいまして、先生の先ほどおっしゃった、従来総務長官あるいは恩給局長が申し上げた考え方をここで私くつがえす、あるいはそれと違ったことを申し上げるという意味でお答えしたわけでないことを、ひとつ御了承願いたいと思います。
○伊藤顕道君 そうしますと、重ねてお伺いいたしますが、いま申し上げた内容はもう申し上げませんが、総務長官、恩給局長、当時のお二人が政府の統一見解として述べられたその確認ですね、これは増子恩給局長としても同様に確認しておるとそういうことですか。そこのところをはっきりお答えいただきたいのですが。
○政府委員(増子正宏君) 実はいま前の総務長官あるいは恩給局長等の発言の内容そのものを詳しく存じ上げていないものですから、私その点をはっきりお答え申し上げることはできないわけですけれども、いままでに先生から御説明があり、それから私の考え方を申し述べた範囲内におきまして、従来の総務長官なり恩給局長の考え方と、私、別段変わっていないというふうに信じておるわけでございます。
○伊藤顕道君 そうしますと、大事な点ですから重ねて明確にする必要上お願いするわけですが、大体満州国とか外国政府あるいは満鉄等——満鉄等についていまあなたから詳しく具体的にあったわけですが、満鉄等の中に一体どこが入るのかというふうな問題までいまあなたは触れられたけれども、従来の経緯から見て、満鉄等の中には一体満鉄のほかに無制限にこれを含めているわけではない、おのずから制約があるわけですね、この点はいま局長の心配されるような問題はないわけです。いままでの長い間の経緯によって大体固定してきたわけですね。したがって、どこに一線を画するかという心配はもうないわけです。大体もう明確になっておるわけです。無制限にどんどん今後ふえていくという性格のものじゃないのですね。そういうことで、結局そういう意味の満鉄等、これらの機関の職員は形式的には日本の政府そのものではない、これはどなたが考えてもそうでしょう。形式的にはそのものではないけれども、実質的には日本政府そのものであり、またもしくはその代行機関であったということは、たとえば満鉄等についてもこれはもうずいぶん時間をかけて、当時の総務長官、恩給局長は初めから肯定したわけじゃない。おそらく、私どもは満鉄に長い間勤務しておりましたから、満鉄の特殊法人いわゆる日本の政府そのものであるという性格は、沿革的に、従来その創立の趣意その他から、国際情勢のうるさい情勢の中でるる説明して、そして最終的には総務長官も恩給局長もこれを確認したということだ。したがって、根拠なしに申し上げておるわけじゃないのです。しかし、そういうことをここで煮返す必要はない、もう政府の統一見解は出されておるのですから。そこで多くを申しませんが、そういう代行機関である、こういう理念に政府の統一見解が出た。しかも、いま増子恩給局長としては、いままでの統一見解と違った考えを持つものではないということは、ことばをかえれば、この理念については増子恩給局長も確認したということでありますので、そういう前提に立って以下お伺いしたいと思うわけです。そこで、この理念が確認された以上、この理念に基づいて事を処理しなければならぬ、これまた当然の理だと思うのですね。そこで、お伺いするわけですが、現実に満州国あるいは満鉄等に現地で採用になって、そしてほかの日・満あるいは日・満・日のケースと同じような、実質的に何ら、同一勤務の同一労働、そういうものをずっとやってきたわけですね。ただ満・日なるがゆえに必要な最低限度の年限だけは取り入れるけれども、実際に勤務してもそれは切り捨てだ、そこに不合理がないかということが問題である。これをそのままでよろしいかということなのです。これはもうどう考えても、きわめて不合理だということなんです。何らそこに不公平がないか。もし不合理、不公平だということになると、それはそのままほうっておけない、そういうことになろうと思うのです。その点にしばってお伺いするわけです。
○政府委員(増子正宏君) まあ日・満あるいは日・満・日のケースに比べまして、満・日の場合の取り扱いが何といいますか、不利といいますか、適用を受ける者にとって不利になっておるという点は、確かに御指摘のとおりのことでございますが、それを不合理と考えるかどうかということにつきましては、これは考え方の問題かとも思うのでございますが、従来こういう取り扱いをしてきたことについて不合理であるということを私申し上げることは、実はちょっと何といいますか、心苦しいといいますか、すでにこれは国会に御審議を願ってきめてきておることでもございますので、明らかに不合理だというふうに私ども申しかねるわけでございます。かりにこれを不合理だということにいたしますと、実は従来の法律の中にもいわゆる似たようなケースはあるわけでございます。たとえば外国政府の場合におきましても、戦前からの場合でございますけれども、恩給年限にすでに達してから外国政府に行った場合におきましては、これは全然外国政府におる期間が通算はされないという原則があったわけでございます。これらの点も、たとえば文官の場合はかりに十七年であれば、十七年過ぎてから外国に行った場合は、外国の期間は全然通算されないけれども、十六年で行った場合には、外国の期間が全部通算されるというような取り扱いも、ある意味においては不合理なりあるいは不均衡という点はあろうかと思うのでありますけれども、これは別の観点から一応そういう取り扱いがなされておったということもあるわけでございまして、ただいま御指摘の問題につきましても、日・満あるいは日・満・日のケースについては、満における在職年数をまるまる通算するけれども、満・日の場合だけは違った扱いをしておることが不合理だという見方もあるいは私は成り立とうかと思いますけれども、少なくとも、この法律を立案してまいった、あるいはその成立した法律案を施行する立場におきましては、それはやはり一応理由のあるものというふうに考えて今日に至っているわけでございます。その理由があるといいますのは、先ほども申し上げましたように、そもそも日本の恩給公務員としてその経歴を始めた場合と、それから本来は日本の公務員として経歴を始めた場合でない——あとになって、いわゆる終戦後になって公務員としての生活を始められた方、これがつまり満・日のケースでございますが、その場合を全く同様に扱う、扱わなければならぬということは、必ずしも絶対的にはないのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
○伊藤顕道君 これは繰り返し申し上げるように、きわめて政府としては後退しているわけです。したがって、きわめて遺憾な答弁だと言わざるを得ない。以下申し上げることでこれは了解していただけると思う。というのは、いま申し上げていることは、三十八年の六月の第四十三国会で、また三十九年の六月の第四十六国会で、当内閣委員会において各派共同提案において全会一致の附帯決議をもって、このことは——在職年の通算ですが、これは不合理である、だから緊急に善処されたい、こういう意味の附帯決議があげられているわけです。ただ附帯決議があげられただけでなく、これに対して当時の総務長官であった徳安さんは、こういう答弁をこの当内閣委員会でなされている。これはあなたは知っているのかどうか、こういうふうに総務長官はお答えになっているのです。高い次元において検討を加え、研究の上次の国会までに提出いたしたいと、はっきり申しているということは、これは四十三国会の場で言われたのですが、四十三国会の場で次の国会に当然これが出るものと期待しておったわけです。ところが出されていない。これはまあ大臣の、内閣の異動がありましたから、これは真にやむを得ないとして、この国会では必ず出されるものと現在でも私は期待しておるわけなんです。大体今国会にまた恩給法とか共済の改正法案が出されるわけですが、それには当然こういうことが組まれていなければならないわけです。次の国会までに提出いたしたいとはっきり言っているのですよ。したがって、前の徳安総務長官あるいは八巻恩給局長がそのまま現在まで在任しておったならば、いまあなたが答えられるようなことは答弁ないはずだ。また後退している。またもとへ戻っているわけです。何回か審議をして認めていただいた最終的な態度として、いま私が申し上げていることを総務長官も当時の恩給局長も確認されたわけです。したがって、高い次元に立って十分検討したい、そうして次の国会に出したい、こうまで答えられている。そういう次元に立って今度はあなたの御答弁を承ると、また相当後退しちゃっているわけですね。これではせっかく委員会で審議を重ねても、やるたびにまた長官なり局長がかわるたびに後退してしまうのではおよそ意味がない。あなたはこの四十三、四十六回でいわゆる各派共同提案で全会一致でこういう附帯決議がなされたということは承知しているのですか、承知していないのですか。そのことをも含めてこのことに対してはっきりひとつ御答弁いただきたい。いまのままではこれは後退です。相当後退しているわけです。
○政府委員(増子正宏君) ただいま従来の国会におきまして附帯決議がなされたことにつきまして御説明があったわけでございますけれども、それらの附帯決議につきましては私も承知をいたしております。そして、当時の総務長官がお答えになられた点も、私、十分今日でも理解できるわけでございますが、ただ、私から申し上げるまでもないことでございますけれども、附帯決議はただいま御指摘になった一点だけがあったわけではございませんで、たくさんの項目が附帯決議には盛られておるわけでございます。したがいまして、それらの一つ一つについてこれは次期国会には云々というふうに申し上げたのではないように、私、理解をいたしておるわけでございます。もちろん私どもといたしましても、附帯決議の趣旨につきましてはそのつど十分検討いたしまして、それが立法化が可能でありあるいは妥当であるという結論に達しました場合には、その後の国会におきまして改正案を御審議願っておるという状況は、先生もよく御承知のことでございます。今国会におきましても従来の附帯決議の趣旨等を十分勘案いたしました改正案を実は提出いたしておるようなわけでございまして、常に附帯決議の趣旨につきましては、十分その線に沿った検討はいたしておりますけれども、内容的に一つ一つ申し上げますれば、直ちにそのとおりの改正案を御提案申し上げるというところまでに至らないものがございます。すなわち、いま問題になっております外国政府機関なりあるいは特殊法人の通算の場合における満・日ケースの処理につきましては、今日においてなお附帯決議の趣旨に従った改正案を立案するまでに至っていないということでございます。なお、徳安総務長官あるいは八巻前局長のお話がございましたけれども、その後総務長官は野田総務長官、それから現在の臼井総務長官におかわりになっておるわけでございますが、その間にいろいろお引き継ぎがあったことは私も承知いたしております。ただし、前局長からこの通算問題につきまして、具体的に次期国会には提案する方針であるというほどの意味の引き継ぎはなかったと記憶をいたしておるわけでございます。
○伊藤顕道君 これはいま御指摘あったように、外国政府あるいは外国特殊法人職員の恩給通算問題で、最短年限をこえる分について切り捨てられると、こういう問題だけが附帯決議であったとは私用し上げていない。あるいは抑留とか留用、そういう問題等々幾つかあったわけです。しかし、この決議があげられたことに対して、決議がなされれば政府としては所信の表明があるわけです。この附帯決議に対して政府はどういう態度をとるのか。必ず附帯決議があげられたとき、それに対して政府を代表して責任者から所信の表明があるわけです。その所信の表明がいま読み上げたような内容なんです。これはもう議事録にはっきり出ておるわけです。すみやかに検討の上善処するよう要望ということに対して、いま申し上げたように、高い次元において検討を加えてもちろん研究いたしましょう、そして次の国会までに提出いたしたいと、これははっきりしておるわけです。それが前向きの姿勢で、十分真剣に検討したいということははっきりここに出ておるわけですね、これは認めるでしょう、増子恩給局長も。前向きの姿勢で何とか解決したいという、前向きの姿勢で取り組んで、こういう所信の表明があったわけです。ところが、局長がかわって増子恩給局長の代になると、これはどうもその点はまだまだ検討を要するというようなことで、さっぱり前向きになっていない。それで、こういうことを繰り返しておると、また増子恩給局長は、いまはそういう態度で、だんだん回を重ねていくうちに、それでは十分検討して次の国会に出すようにしましょう、ぐらいになるかもしれぬ。そのころになると、総務長官、恩給局長がまたかわってしまう。それを繰り返しておるということでは意味がないと思うのですよ。せっかく骨を折ってこの委員会で時間をかけて審議しても、それが一歩々々前進していかなければいかぬと思うのですね。前任者の決定を一つの時点として、回を重ねるごとにそれが前向きに前進していかなければならぬ。いやしくもそれは、後退あっては相ならぬ。それじゃおよそ審議の意味がない。どうも全体から見て、増子恩給局長、慎重に事に当たると、そういう態度はまことにけっこうですが、だからといって後退があっては許されないと思うのですね。一体、前の理念について確認されて、その理念に基づいて、しかもこういう附帯決議があげられて——しかもこれは各派共同の全会一致です。強い要望であるということはうかがえると思うのです。それに対して繰り返し申し上げるように、政府を代表しての総務長官からいわゆる決意の表明があったわけですね。だから、それを時点として一歩前進でなければいかぬと思います。その、前進のような御答弁はできませんか。
○政府委員(増子正宏君) いろいろ御意見があったわけでございますけれども、私が恩給局長をやることになりましてから、もうすでに改正案を、今国会を入れまして二回立案しておるわけでございます。これらの内容はいずれも従来附帯決議に盛られておりました事項の中から取り上げたものでございますので、その意味では決して私考え方として後退しておるというふうには考えてないわけでございます。ただ、たまたま御指摘になりました問題につきましては、私どもまだ改正案を御審議願うというところまで達していないということを申し上げたわけでございます。
○伊藤顕道君 かつて恩給公務員であった、あるいはかつて恩給公務員ではなかったということから始まって、そういう差別がいま増子恩給局長の頭の中を去来しておるわけですが、そういうことがいかに意味がないかということは、以下質問を続けることによってさらに一そう明確になると思うので、いまの御答弁では決して満足できませんけれども、さらに質問を繰り返していきたいと思うのですが、そこでさらにお伺いしますが、満州国の政府あるいは満鉄等が、実質的にはいま申し上げた、繰返したような理念に従って内地の公務員と同様に扱うべきものである根拠、それから歴史的沿革、そしてまた、日本政府自体が種々の点でこれらの機関を国家機関に準じて取り扱ってきた事実等については当内閣委員会で私が再三申し上げてきたわけで、ここで繰り返すことをやめたいと思いますが、したがって、そのことをしばらくおいて、そこで類似の例を一つ見てみたいと思う。いまの点についてはもう繰り返しましたので……。 たとえば、元関東州、それから朝鮮、台湾、樺太等におった公務員は、平時においても植民地加算があったわけです。それから、戦時中はさらに擾乱地加算があって、非常に手厚い処遇を受けていた。このことに比較すれば、一体どう見られるのか、増子恩給局長としては。これはいままでの例と違いますよ。時点をあらためていま申し上げたような類似の例をいま申し上げたわけですね。関東州とか朝鮮、台湾、樺太、ここにおった人は同じ日本の公務員であって、平時においても植民地の加算、戦時中はさらに擾乱地加算があって、きわめて不公平——不公平でしょう。こういう特殊の取り扱いをしている、こういう問題を一体どう見られるのか。これは現実にこういう不合理、不均衡はあったわけです。これをどう解釈されますか。
○政府委員(増子正宏君) いま御指摘の地域における恩給の制度としてまあ特殊な加算があると。で、その加算が不合理であるというふうに御指摘になったと思うのでありますけれども、これらの地域につきまして植民地加算とか、あるいはときにより擾乱地加算というものがつきましたのは、それぞれ一定の理由に基づきまして設けられたものであると思いますので、少なくとも当時の状態におきましてこれは制度として不合理であったというふうには、私、必ずしも考えられないように思うのでございます。
○伊藤顕道君 それでは、さらに実際の別な例を申し上げましょう。 これは昭和二十二年法律第百五十一号によって全期間恩給通算が認められた。これはあなたが言うかつての恩給公務員でない一株式会社の例がここにあるわけです。それは、具体的に申し上げるとこういうことです。国際電気通信株式会社、日本電信電話工事株式会社、この例をとってみると、明らかにこれは民間企業体です、株式会社ですから。満鉄などと比較すべくもない純然たる株式会社です。特に日本電信電話工事株式会社は何ら法律の根拠なしに、ただ単に逓信省の勧奨によって電信電話関係の民間工事請負業者が合同してつくった純然たる民間会社なんです。何ら法律に根拠がない。満鉄等の沿革は申し上げませんが、これはもう特例によって、法律によってき然たる基礎が確立されておる。このことは申し上げませんが、これは何ら法律の根拠がない。ただ、当時の逓信省が勧奨して民間の株式会社幾つかを合同させてできたのがこの会社です。あなたは、先ほど繰り返し自信ありげに申されたわけですね。かっての公務員であった者と、公務員で全然なかったそういう者の区別は、ある程度やむを得ないという意味の自信満々たる御答弁があったわけです。そういう前提に立つならば、これは一体どういうふうに解釈しますか。これは一体どうなるのか。都合のいいときだけそういう発言をなされて、さてこういう事例にぶつかって増子恩給局長はどういうふうに解釈されますか。これも、これは架空の問題じゃないですよ。現実の問題ですよ。こういう事実を知っているでしょう、増子恩給局長は。知っておって言っているのでしょう。都合のいい点を取り出して御答弁なさってこういう事例はたなに上げておく。そういう御答弁では満足できない。これは一体どう解釈されますか。こんな不合理はありますか。これは純然たる何ら法律の根拠のない民間会社です。ただ、当時の逓信省、いまの郵政省、その当時は逓信省であった。これが勧奨して、業者を集めて——これは民間の業者ですよ。それをただ合同さした。何ら法律的根拠もない。それを通算全額を認められた。こういう片手落ちなことをしている。きわめて不合理、きわめて不公平じゃないですか。
○政府委員(増子正宏君) 先生がただいま御指摘になりました国際電気通信株式会社等の社員につきまして、恩給法の特例等に関する法律が昭和二十二年に出ておりまして、御指摘のようになっておることは事実でございます。この点につきましては、従来の株式会社の業務を全く政府の必要により、これを政府の中に吸収したといいますか、したがいまして、本人の意思に基づかずに、全くいわば機械的に株式会社の社員であった者が恩給公務員に就職したというような状態にされておるわけでございます。その際に、従来の会社における在職期間を公務員の在職期間、公務員としての在職期間の計算の中に入れるという措置、これが法律によりまして、恩給法の特例として定められたわけでございます。これが一体どういうことかということにつきましては、確かに外国政府等の在職年の通算の場合とは違った取り扱いをいたしておりますけれども、この事例といたしましても、またかなり特殊な場合に属するものではなかろうかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、いわゆる民間の企業を政府の都合によりまして、政府の機関の中に吸収して、職員のいわば自由意思に基づかずにその身分の変更をしたというような場合における特殊な措置というふうに私どもは理解するわけでございます。
○伊藤顕道君 それは特殊な措置だと考える、そんな簡単で済まされる問題じゃないですよ。そんな答弁は答弁になっていないですよ。満州国にあって、関東軍の兵であって、それが除隊したと、そして満州国なり満鉄等に勤務した場合ですね。引き続き勤務するべきはずなのを、日本政府がむちゃな戦争をやったために敗戦の憂き目にあって、その意に反して引き揚げてきたわけです、その意に反して。これが特殊の事情じゃないんですか。みんな喜んで満州国なり満鉄等、そういうところから日本に引き揚げてきたんじゃない、追い立てられてきたわけです、敗戦国に。そういう責任は一体、その本人にはないわけです。その意に反してみんな内地へ引き揚げてきたわけです。同じじゃないですか。ただ単に、純然たる民間会社ですら、一省庁である逓信省がただ一言勧奨しただけで、みんなひとつ合同の会社をつくらぬかと一言言っただけで、それが法律によって前歴が——公務員じゃないですよ、民間会社だから。繰り返し申し上げますが、あなたは最初言われたでしょう、はっきり、かつての公務員であったから、かつての公務員でなかったからと、その間のアンバランスはある程度やむを得ないということを言っておる。これは、そういう理念に立って、そういう考え方に立ってこの問題をどう措置されるか。特殊な場合、特例だと、そんな簡単な一言で済まされますか。そんなことじゃ了承できませんよ。——それでは、まだこういう不合理があるということを、あなたも御承知でしょうが、ここで指摘いたしましょう。これは公共企業体職員等共済組合法の附則第十一条を見ると、国に買収された私設の鉄道会社の職員ですら、その私鉄勤務期間をまるまると通算しておる——恩給または共済年金を支給することになっているわけです。そういう者に——これは私鉄ですよ、私設の鉄道会社の職員であった者が、共済組合法の附則第十一条によって、その私鉄の職員であった当時の勤務年数がまるまる全部、これは恩給の最短年限に達するまでなんていうんじゃないんですよ、まるまると通算されておる。純然たる私鉄会社員……。こういう不合理も指摘せざるを得ないわけです。あなたがはっきりわかるんなら、こんな事例を出さぬでもいいわけですけれども、まだまだ御理解がないから、これは特殊の例だなんて簡単に片づけてしまうから……。これは一体特殊の場合かどうか、満日のケースですね。たとえば関東軍を除隊して満州国に入った、満鉄等に入った、そして長年勤めておったら敗戦で、その意に反して引き揚げてきたわけです。これは特例じゃないんですか。どういうふうに違うんですか、こういう事例と。これは特別な場合だからという簡単な表現でこの問題は済まされないわけです。みな同じ。日本の政府がこういうきわめて不合理、不公平な原則をあえて強行しておるわけだ。それは親心——これは反対するわけじゃないんですよ、こういう私鉄の勤務期間を通算することに対して。あるいは逓信省が一言言ったから電信電話業者が集まって国策に即応するために会社をつくった、その在職期間の通算をまるまる認めておる、これを非難しておるんじゃないんですよ。これは一つの善政でしょう。だから、それに賛成しておるわけだ。そういうものを否定するんじゃないんです。私は認めておる、それはけっこうだ。ならば満・日のケースはどうなのかということを聞いておる。きわめて片手落ち、きわめて不合理、不公平ではないかということを言っておる。これはどなたがどう考えたってそう言わざるを得ない。ただあなたは恩給局長という立場にあるから、うっかりした答弁はできないと思って、心にもないことを言っているのでしょう。あなたの良心——一片の良心があるならば、これはきわめて不合理、満・日のケースはきわめて不合理だという結論が出るはずです。あなたは恩給局長という立場にあるから、まだ新任だし、うっかり言うととんだことになると思って——あなたは必ずいま初めて知ったわけじゃない、恩給局長としては初めて相まみえますけれども、あなた、当内閣委員会に長い間いろいろとお骨折りになっているので、よく存じているわけです。その人となり公平、厳正な方であるということを十二分に承知している。だからあなたの胸の中にはこれは答えるべきだと思っても、新任恩給局長として、うっかりなことは答弁できぬと思って、あなたは慎重を期している、その気持ちはわからぬでもない。わからぬでもないが、こういうことはどなたが——しろうとでもわかるですよ、比較してどちらが不合理か。私が無理をお願いしているかどうかということはわかるでしょう。なぜ満・日だけのケースをまま子扱いにするかということをお伺いしている。前者の事例を非難しているわけじゃないです。これが一つの政治です。それが、善意に解釈して法を運用するのが、これは政治家の態度です。だからそれを非難しているのじゃない。むしろ賛成している。しかし、満・日のケースだけは、どうどなたが考えたって片手落ちでしょう。だからこれも同じように扱うべきではないかということをお伺いしているわけです。決して前を非難しているのじゃないのです、そういう事例を。たいへんにけっこうな政治です。それはだから先ほどその善政にならうべきだということを申し上げている。もうそろそろ良心のほのめきを出されて、ひとつ当然だという御答弁があってしかるべきだと思うのです。
○政府委員(増子正宏君) いま御指摘になりました公共企業体関係の場合でございますが、これも私鉄を買収いたした場合の措置でございます。したがいまして、先ほど問題になりました国際電気通信の場合でございますが、あの場合もいわゆる業務を政府で吸収したといいますか、ちょうど従来ありました民間企業を国の機関として吸収してしまう、あるいは公共企業体の内部に吸収してしまうという場合、まさに同じケースだというふうに理解するわけでございます。したがいまして、この場合の通算措置につきましては、国の機関なりあるいは公共企業体の業務の中に、従来あった民間のものを全く業務もろとも吸収して継承した場合の措置というふうに考えられるわけでございます。で、一方満・日のケースの場合でございますが、これが非常に関係の人々にとりましては不幸な事態であったことは御指摘のとおりでございますし、戦争なりその敗戦という結果がなかったならば、こんなことにはならなかったであろうと思われる事態であることも確かでございます。しかしながら、その恩給法上の取り扱いにつきましては、いま申し上げました民間企業を吸収合併した、あるいは買収したというような場合とはやはり違うような感じが、私、いたすわけでございます。もちろんそれを私の個人的な考えとして申し上げることは、これは許されないと思いますけれども、問題の形としましては、日・満・日なり、あるいは日・満のケースと満・日のケースが、やはり性格として違い、そこに違った取り扱いがあっては間違いであるというふうには私どもまだ考えられないのでございます。しかしながら、いろいろと私の立場につきまして御理解あるお話がございましたのですが、私も恩給局の仕事を始めましてからすでに一年半ほどになるわけでございまして、まあ及ばずながらいろいろと勉強してまいりましたつもりでございますが、まだ先生のおっしゃるような結論にならないということはあるいは勉強不足ということでございましょうか。少なくともまあ私としましては、この制度のいままでの沿革等をできる限り勉強しましたところで現在考えておりますことを申し上げたわけでございます。あるいは御指摘のように、今後さらにもっと勉強すれば先生のおっしゃるとおりの結論があるいは出るのかもしれませんけれども、現在のところはまだそこまで至っておりませんことを御了承願いたいと思います。
○伊藤顕道君 その勉強不足もさることながら、それは良心の不足ですよ。それは良心的に不足しておる。 それではさらにいま公共企業体の場合を申し上げましたから、今度は国家公務員共済組合法について申し上げましょう。それでは国家公務員共済組合法の、長期給付に関する施行法第九条、頭にしっかり置いておいてください。これによると、まず地方鉄道、それから国際電気通信株式会社、日本電信電話工事株式会社及び純然たる民間会社であった日本電話設備株式会社、この職員期間がまるまる通算されておるわけです。で、前の幾つかの例とこういうものをあわせ考えたとき、これは満・日の私鉄等私設の会社を買収してそれを公務員であったと認める、そういう場合と満・日のケースと同じ性質のものと私は言っていいのじゃないか。満・日のケースなどは先ほど来から言っておる満州国にしろ、満鉄と満州の民間にあって満州の一商店にあったその者が日本に来て公務員になったら満・日のケース、そういうものじゃない。その満州国とか満鉄等、これはもうさっき申し上げたような実質的には政府機関そのもの、もしくは代行機関、そういう確認の上に立ってお伺いしておるわけですから、これはいま申し上げた公共企業体あるいは国家公務員共済あるいは電信電話企業の民間会社、それとはあなたは違うというけれども、そのとおりだ。その点はどちらがどういうふうにあなたは違うのか、腹の中わかりませんが、これははっきり違う。一方はもう一国の政府の総務長官なり恩給局長がこれは実質的には政府そのものである、もしくは政府の代行機関であるということをはっきり確認しておる。そこで終戦という羽目にあってその意に反して日本に引き揚げた、これが満・日ケース。幾つかいま申し上げておる特に最初の株式会社とか私鉄の職員期間をまるまる通算して、こういうことすら、ここは大事な点です。あなたは違うと言うけれどもも、どういうふうに違うのか、まだはっきりされていない。この程度ですら、私鉄ですら、電信電話の単なる株式会社の職員ですら認めておるのでしょう、まるまる。こういう内容のものすら認めるのであるならば、繰り返し申し上げますように、そういう内容のところにおった、満州国、満鉄等におった、その職員の期間は戦争のために日本に来たのだからこれも特殊事情でしょう。やむにやまれぬ国策のためにやむを得ずこちらへ引き揚げてきた。どうしてそれが認められないか。勉強の不足でそこまではまだ理解できない、これは逃げ口上です。そんなばかなことがありますか。しろうとでもわかる。これは理の当然でしょう。ただ単に満・日のケース、満州にあって八百屋さん、とうふ屋さんにつとめておって日本の公務員になったから認めろ、そういうむちゃを言っておるのではないのですよ。満・日といったって、その満はもう確認されておる。日本の政府そのものだ。もしくはその代行機関だと認められておる。満州国あるいは満鉄等におって、戦争のために引き掲げてきた。一方は一民間会社ですよ。民間会社がただ逓信大臣のお声がかりで合同しただけで、その職員は認める。一方は私鉄の期間をそのものとして、その職員期間を公務員と同じように扱っておる。だからそういうものを取り消せというようなことを言っておるのではない。それはけっこうだと言っておるのです。そこまで認めたならば、その低い時点のものまで認めたならば、こんな高い時点の満州国から日本に来たそれがなぜ認められないか。そういうばかな理屈がありますか。筋が通らぬじゃないですか。そういう不合理、不均衡は最も政治で忌むところ。国民の考え方は乏しきを憂えずひとしからざるを憂う。そのひとしからざるに匹敵するじゃないですか。みんな公平に扱うなら私は何をか言わぬ。 〔委員長退席、理事栗原祐幸君着席〕 一方にはこういう民間会社をも、その職員すら認めておりながら、一方はその政府の代行機関あるいは政府そのものだといっておるのに、そこまで認識があるのに、これは特別だ、違うのだ、何がどう違う。もちろん違いますけれども、はるかに時点は高いわけだ。満・日のケースは。そういう不合理を率直に認めて、いまこの場ですぐそれでは責任を持って入りますと断定的なことをいまここであなたに要求しておるわけじゃない。まことに筋の通ったお尋ねだから、このことについては誠心誠意検討して、近い将来に実現するよう最大限の努力をいたします。この程度の御答弁があってしかるべきだ。これは最小限度だ。幾らあなたが特別だ、特例の場合だ、違うのだといっただけでは、この問題は済まされないですよ。これは決してあなたは勉強不足じゃない。もう知り尽くしておる、そりゃあしろうとを恩給局長にするもんですか、政府は。もう精通しておられるから、あなたは給与のことを長くやってこられて精通しておられる。特に選ばれて恩給局長になっておる。勉強不足じゃない。正義感の不足だ。あえて言えば。結果から言うと。ただ立場上うっかり答弁できないなどとつまらぬことを考えておるのでしょう。だからこの場でいたしますと断定せぬでいい。おことばは筋の通ったごもっとものことであるので、誠意を持って緊急に検討を加えて、実現のため最大限度の努力をいたしますくらいは、最小限度答弁あってしかるべきだと思う。いままでの答弁では答弁になっていないのです、それは。こんな例を申し上げなくてもよかったんです、それは。こういう事例によって、いかに政府が不合理、不公平、不均衡な扱いをしておるかというその一端がわかるわけです。そういう不合理、不均衡、不公平をそのままにほうっておくことは政治じゃない。知ったが以上は最大限の努力をして是正をするのが当然政府の使命なんです。事恩給に関することだから、恩給局長はその当面の責任者だ。いいかげんな答弁じゃ困ります。決して無理なことをお尋ねをしているわけじゃない。
○理事(栗原祐幸君) 速記とめて。 〔速記中止〕 〔理事栗原祐幸君退席、委員長着席〕
○委員長(柴田栄君) 速記を起こして。
○伊藤顕道君 この問題については、大事な基本的な問題でもあるので、それに対する恩給局長の答弁はきわめて不満でありますから、次回木曜に、恩給局長と総理府総務長官と十分相談されて、前向きに最高度の努力をされた結果を木曜にお答えいただきたいということを要請して、この問題に関する私の本日の質問をこれで終わりたいと思います。
○委員長(柴田栄君) 了承しました。 次回には、ぜひ総務長官も御出席をいただいて、総務長官と十分お打ち合わせの上委員会に出ていただきたいと思います。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(柴田栄君) それじゃ速記を起こして。 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後は一時再開することとしてこれにて休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 —————・————— 午後一時二十六分開会
○委員長(柴田栄君) これより内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。 なお、政府側の出席者は、秋吉大蔵省給与課長、胡子自治省給与課長でございます。伊藤委員。
○伊藤顕道君 外地引き揚げ公務員の外地赴任前の勤務期間を退職手当の期間として通算する、こういう問題があるのであります。この問題に関連して、大蔵省、自治省それぞれ担当者に以下二、三の問題についてお伺いしたいと思います。 戦争前また戦時中に公務員であった者が、当時の戦争遂行といういわゆる国策の至上命令で、その意にあるといなとにかかわらず、外地の公務員として赴任した場合が相当あるわけです。その赴任までの間に二日以上の空白があった者については両者の期間は引き続いていないものとしてその期間が通算されていないわけです。これを不当、不利益だからぜひ通算してもらいたい、こういう趣旨の陳情が特に地方公務員の皆さんから引き続き熱心に続けられておるわけなんです。この件について大蔵省また自治省としてはそれぞれの立場で、この問題についてまずお伺いしたいのは、そういう熱心な要望が強く出されておるということを承知しておられるのかどうかということと、それからこの問題について一体どういうふうにお考えになっておるのか、この二点についてそれぞれ大蔵省、自治省の立場でお答えいただきたい。
○説明員(秋吉良雄君) 御質問の点は、二日間以上の空白が生じた場合に通算をされないんじゃないか、しかもそういった方々が相当、特に地方公務員に多い、この問題の焦点を存じておるかという御質問でございますが、私ども十分そういった御要請のあることは承知しております。では、いま現在どういう考え方で行なっておるかという問題でございますが、御承知のように、退職手当制度はあくまでも勤続報償を根幹とし、たてまえとしております。したがいまして、非常に窮屈なやり方をしております。で他省庁に移ったような場合でも、同日または翌日に移らなければならないというように、引き続いてという非常に厳密な解釈で運用しております。そのように勤続報償というたてまえをとっておりますし、引き続いてというのも非常に厳格な解釈をしておるし、それからまた、勤続期間の長短によりましてその率は非常に変わってくるというぐあいに勤続報償が現在たてまえになっておるわけでございますが、しかしながら、現行制度はそういう制度になっておりますけれども、ただいま先生御指摘になりましたように、終戦前におきましてはいろいろの事情がございましたわけです。そこで、この点につきましては、私どもといたしましては、多少こまかい点でございますが、退職手当法の施行令というのがございますが、その政令におきましてこういうことで運用しております。「先に職員として在職した者であって、所属庁の承認又は勧しょうを受けて他庁の職員となるため退職し、且つ、当該庁の手続の遅延のため退職の日の翌々日以後において他に就職することなくその承認又は勧しょうを受けた庁の職員となったもの」というぐあいに二日以上の空白がございましても、その空白の理由が渡航の手続とかいろいろの準備の都合によってやむを得なかったという者につきましては、その実態に即しまして通算の措置を認めておるわけでございます。
○伊藤顕道君 これはいまお伺いしたように、この地方公務員の方々が特に熱心に不当不利益だからこれを是正してもらいたいという要望、陳情の趣旨は、言うまでもなく、内地の公務員の経歴はあっても、当時の国策の要請で外地に行った。そこで翌日付で発令されているものについては、これは問題ないわけですけれども、さっき言ったように二日以上、この二日というのは那辺に根拠を二日ときめたのか、これまた問題があるわけですが、一応二日になっていますから二日以上の場合は、いま課長から指摘になりました面はあるとしても、一括してとにかくこれはきわめて不当不利益として扱われておって認められていない。後ほどお伺いしますが、渡航の準備とかあるいはそれに要した日数がしかも証明されていなければだめだ、証明されている場合、そういう問題もありますけれども、そういうものを含めていまお伺いしておるわけで、一とおりお伺いすることによってそういう点も明らかにしたいと思いますが、したがって、こういう不当不利益を何とか是正してもらいたいというのがその趣旨であるわけなんです。これは静かに考えた場合、当時は少なくもああいう混乱の中でなかなか平素のように、たとえば夜具を送るにしてもなかなか平時のようにすらすらいかぬ、船も定期的に出るとは限らぬ、非常に制約を受けておる。しかも朝鮮海峡なんかは危険にさらされておったわけですから、そういう事態をあわせ考えた場合ですね、ただ機械的に二日以内ならいいけれども、二日以上越えたという場合、しかも二日以上の空白があった場合でも上司の勧奨とかそういう証明があればいいとかそういうところでありますけれども、ああいう混乱の中でなかなかそういう証明が具体的に得がたいわけですね、現実の問題として。理論上はいま答弁なされたようなんで、一応手を尽くしているように、そういうふうに一応受け取れますけれども、その当時の証人としてはもう故人になっておることが——そういう証明もなかなか向こうからこっちへ引き揚げるときに一切文書は持てなかったわけですから内地の人には想像つかぬわけですが、現地の人は身をもって体験しておるわけです。書類は一切焼けてしまったわけですから、そういう中にはむろんそういう大事なものもあったでしょうし、もっともっと大事なものをみな焼いてきたわけですから、そういうことをあわせ考えたとき、ただ理論的に二日以上でもこういう場合は認めるのだという、こういう場合がなかなか得がたいわけです。こういう点を、やはり法は活用するのが使命ですから、悪用しちゃいかぬ、活用すべきですね。法の趣旨に従ってこれを活用すべきである、これが政治ですから、悪用は厳に慎まなければいかぬわけです。そういう観点から、もっと幅広く考えてしかるべきじゃないか。当時のそういう戦時中という特殊な事情にあったわけですから、こういう点をあわせ考えてどういうふうに結局お答えいただけるか、この点についてお伺いいたします。
○説明員(秋吉良雄君) 全く御指摘のとおりでございます。
○伊藤顕道君 そこでお伺いしたいわけですが、問題は二日以内と、二日以上と、そういう二日以上の空白があった、ただそれだけの理由で国家公務員には半年くらいでも認められた慣例はあるようですけれども、地方公務員の場合は、二日以上の空白があった場合については、ただ二日以上の空白があったというそれだけの理由で現実に通算されてない。現実にこの問題はまだ解決していないわけです。この点をお答えいただきたい。
○説明員(胡子英幸君) 自治省といたしましては、地方公務員の退職手当につきましては、国家公務員と同じ内容のモデル条例を示しておるわけでございまして、先ほど大蔵省のほうからお答えがございましたような趣旨で私どもも指導いたしておりますので、地方公務員と国家公務員とについて、退職手当に関する限り取り扱いが異なっていることはないと考えているわけでございます。
○伊藤顕道君 そこでまず一つ一つ確認していきたいと思うのですが、この場合、二日以上の空白があっても、いまお伺いしたように渡航には準備が要るわけです。あるいは航海が、出ることになっておってその港へ行ったけれども、現実の問題としては門司あるいは下関に行ったけれども予定の船が出なかった。これはまあ航海に要した期間に入ると思うのですね。こういうことで結局三日以上になってしまった。こういう場合でも認めるといま御答弁ですけれども、しかし、それには証明が要るわけでしょう。ただ同僚などがそれを確認してもだめなんで、何か証拠物件がなければ認めていない、こういう実情じゃないですか。この点はどうなんですか。
○説明員(秋吉良雄君) 問題は渡航あるいは渡航の準備、渡航に要した空白期間、これは当然不可抗力によるものでございますから、したがって、そういう空白がございましても引き続いて勤務したということで通算するわけでございますが、問題はその立証の問題の御指摘でございますが、それにつきましてはケース・バイ・ケースで、心証が得られれば問題ないと思っております。
○伊藤顕道君 この問題と関連して一つの事例として、農林省の職員であった場合の例があるわけですけれども、これについて確認しておきたいと思うのですが、この場合、半年以上の空白が、農林省の職員の一つの例ですが、半年以上の空白があった事例があるわけです。しかし、これも最終的には引き続いておったものとして認められておる事例があるように聞いておるわけですけれども、こういう事例は当然あったと思うのですけれども、これをひとつ確認をしておきたいと思うので、ひとつ正直にお答えいただきたい、そういう事例について。
○説明員(秋吉良雄君) 私ども御案内のように、退職手当の法律、制度の問題をあずかっておりまして、個々具体的にどういうケースがあったかということはちょっといま私どもわかりかねますが……。
○伊藤顕道君 そうしますと、たとえばいま農林省の職員で、実際には半年程度の空白があったけれども、認められた事例があるかどうか、こういう形でお伺いしたわけですけれども、そういう個々の具体的な事例はいまのところ承知していないと、そういうことですが、これらもさっそく当たって早急にお答えいただきたいと思うのですが、それはそれとして、こういう情勢下にあって半年程度の空白があったものは、当然これは認むべきではないか、こういう基本的な考え方について大蔵省としてはどうお考えですか。
○説明員(秋吉良雄君) 半年はいいか悪いかという問題でございますが、問題はやむを得ず引き継がなかったというところに問題があると思います。どうしても引き継がなかったという原因が那辺にあったかという問題がポイントではないかと思います。したがって、半年とか三カ月とか一カ月ならいいとか、一年ならだめというものじゃなしに、その渡航並びに渡航の準備、実際渡航に要した空白というものが、そういう理由に基づく空白が何日であったかということが問題の解決ではないかと存じます。
○伊藤顕道君 そうしますと、大蔵省の立場としては、半年とか一年とか三月、一月とこういう期間にとらわれておるものではなくて、やむを得ざる事情があったかどうかという点、たとえば具体的にはこの渡航のための準備期間あるいは渡航に要した期日、それがときたまたまやむを得ぬ事情で——たとえばですよ、一カ年要した、そういう場合であったとすれば、そういう場合は、たとえ一カ年であっても半年であっても、それはやむを得ぬ事情と、そういう基本的な考え方の上に立ってこれは認めるのが至当だと、そういうふうに受けとめていいわけですか。
○説明員(秋吉良雄君) そのとおりでございます。
○伊藤顕道君 そこで、なおお伺いいたしますが、国家公務員の場合は、大蔵省では引き続いているとそういう解釈をしておるわけですが、これは自治省にお伺いしたいわけですが、地方公務員については公平の原則で国家公務員と同様な扱いをしておるのだということでありますけれども、それは国家公務員と公平にせざるを得ないわけですね、公務員公平の原則というものがあるわけですから。それは自治省としての立場で当然国家公務員と同様に扱っておる、そういう御答弁ではございますけれども、実際問題に当たってみると、少しも公平の原則は守られていないわけです。現実の問題としてですよ、理論でなくて。理論的には当然公平であるべきである。さて実際問題になると、地方公務員の場合は、なかなか国家公務員と同様な扱いを受けていないわけです、これが現実です。そこで、自治省にお伺いしたいわけです。先ほどの考え方についてはもう明確になっておるわけです。国家公務員と同様の扱いをする、いわゆる公務員公平の原則を厳守する、その一つの基本的な立場は明確になりましたから、これは重ねてお伺いいたしませんけれども、自治省としては、地方自治団体に対して一体どのように——そういうふうに扱っているわけですが、たとえばそのような指令を出すとか、いろいろな指導の方法があるわけですね。国家公務員は、いま大蔵省でお答えになったように、やむを得ぬ事情のあった場合は半年とか三月とか一年とか、そういう期間にとらわれるのではなくして、真にやむを得ぬ事情が存置した場合にはこれは認むべきだ、そういう基本的な考え方がここで明確になったわけです。また確認されたわけですから、そういう考え方が地方公務員にも同様に各都道府県に周知されなければならぬわけですね。徹底されなければならぬわけです。それが自治省の任務ですからね。しかし、なかなかそういう解釈は地方へ行くとされていないわけです。この点は一体どのように指導なさっているのか、この点を具体的にお伺いしたいのです。
○説明員(胡子英幸君) 地方公務員に対する退職手当についての指導につきましては、先ほども申し上げましたように、国家公務員につきまして規定されております退職手当法、それと政令、施行令、それから運用方針というものがございまして、それぞれ詳しく国家公務員についての取り扱いが明らかにされているわけでございますが、そういった国家公務員の取り扱いを、これは法律と政令と運用方針と三つに区分されておりますので、自治省といたしましては、これらの内容をモデル条例案というものに織り込みまして、いろいろと技術的な改正等が国においては行なわれておりますので、そのつど私どものほうでモデル条例案に手を加えまして、国家公務員についてとられている措置が漏れなく地方公共団体を通じて制度的に実施されるように私どもとしては配意をいたして今日に至っているわけでございます。したがって、このモデル条例案どおりの条例を個々の地方公共団体において条例化しております限りにおきましては、国と取り扱いは全く同様になっているはずでございます。また、そのように条例を制定いたしております団体におきましても、その条例の解釈及び運用について疑義のあります際には私どものほうに照会がございまして、私どもといたしましても通達をもって指導いたしております点で、不十分な点がございますならば、照会に対して答えるという形をもって個々の指導もあわせ行なっているという実情でございます。
○伊藤顕道君 そこで事例としてお伺いいたしたいと思うのですが、昨年の十一月二十五日付で自治省の行政局給与課長から、これは一つの例ですが、茨城県の総務部長あての回答書が出されているわけですね。これは「外国官署所属職員及び外国政府職員等の勤続期間を有するものの勤続期間等の取扱いについて」、こういう件名で総務部長に回答がなされている。その一項を見ますると、人事の記録とか、当時の関係職員の証明により事実の存在が確実と判断される場合には、任命権者の承認または勧奨があったものとして取り扱うとしているが、そこで特に明確にしなければならないのは、この証明というのは一体どの程度のものであればよいのか、ことに実際問題となると、先ほど申し上げたように、戦時中で引き揚げに先立って、大事な免許証をはじめ、どうしても身につけておかなければならない重要書類でもみんな焼却してこなければならないような、そういう事態の中であるので、なかなかその当時の正式な履歴書とか辞令書とか、そういうものは持ってきた人はおそらくないと思うのですよ。みんな焼却している。こういう戦時中の特殊事情の中でのことですから、したがって、この証明というのは、一体どの程度のものをさしているのか、ここに問題がかかっておるわけです。で、これをひとつ具体的にわかりやすく御説明していただきたいんですが。
○説明員(胡子英幸君) 私どものほうで茨城県からの照会に対してお答えいたしました点は、いま先生から御指摘になったとおりでございます。で、私どもの考えといたしましては、先ほど大蔵省のほうからもお話がありましたように、そういった渡航に要する準備、あるいは渡航に要した期間、こういつたことが原因になりましてある程度の空白期間が生じたということについての心証を得るに足るものであるならばそれで十分だという趣旨でございまして、一つの方法として、私どもとしては、人事記録なりあるいは当時の関係職員の立証というふうな方法も考えられるであろうということでこういった点を書き添えたわけでございまして、考え方といたしましては、そういった事情やむを得ないものという心証を得るに足るものでありますならば、あえて私どもとしては、ここのこのような方法でなければならないという立証の方法まで固定化して考えるべきものではないと判断をいたしておるわけでございます。
○伊藤顕道君 そこで、そういう人事記録も明確に持っており、しかも証人を得ると、そういう場合は問題がないわけですね、そういうものがあれば。なかった場合どうするのか。しかも、当時の関係職員はみな死没してしまったと。特に年配者には同年配の関係者が多かったと思うわけですが、したがって、記録などは、繰り返し申し上げるように、当時の混乱の中でそういう文書類は一切持てなかったわけですから焼却してきておる。そういう事例をまず考えにゃいかぬわけですね。それと、その当時の関係者はみな四散しておるわけです。で、ようやく探してもその人はもうすでに故人になっておったと、こういう事例は相当多いわけですね。だから、いまあなたのほうで指摘された、人事記録とか関係職員が健在しておる、そういう条件の備わった方はいいとして、それ以外の人があった場合にはどうするかという問題です。ただこのお答えだけでは解決されないわけでしょう、そういうものがなかったら。そこでお伺いしたいのは、そういう関係職員がもうすでに死没したとか、どうしてもわからないと、そういう場合には、たまたま満州で同僚の方がおった、その方に証明してもらう、そういうことでも認めるのか認めないのかという、具体的な問題になるとそういう問題になるですね、現実の問題になると。そういう場合はどうなさるのか。
○説明員(胡子英幸君) 私どもといたしましては、先ほども申し上げておりますように、個々の団体によりましてそういった心証が得られるならばそれでよろしいという指導をいたしておるわけでございますので、具体的な判断の問題になってまいりますと、それぞれの地方公共団体において関係の方々から提出されたいろいろな資料等に基づいて心証が得られるならば、そのような判断をされてけっこうだと考えておるわけでございます。自治省といたしましては一般的な指導を示しておるにとどまっておるわけでございまして、個個の具体の判断の問題につきましては、こういった私どもの基本的な考え方を参考にしながら、個々の地方公共団体みずからの判断にゆだねるほかはないと考えておるわけでございます。
○伊藤顕道君 その御答弁についてはよくわかりますが、そこで具体的には、個々の問題々々で、ケース・バイ・ケースでその場合々々によって応じていく。で、国会ではいま給与課長はそういうふうに筋を通して答弁なさっておりますけれども、さて、これを地方に徹底さして、地方公共団体でそこまで実際の係の方が必ず人事記録を見せろとか、あるいはその当時の関係職員の証明はどれかというふうに当然少しかた苦しくなると思うのですね。当然、いまあなたがここで、国会で答弁なさっておるような幅を持たしては扱われていないわけです、現実の問題としてはですよ。いまあなたの考え方は明確になった、即、自治省としての考えは明確でありますけれども、そこで、そういうことを、いまあなたが答弁なさったように、十分幅を持たして、何でもいいからそれを証明するに足る何らかの手がかり、不十分でもよろしい、そういうものでもなんでも、取るに足るものがあればそういうものを認めて、それをもって通算を認めようと、こういうことを自治省としては地方公共団体へ徹底してもらわないと、ここだけで答弁されても、国会でこういうやりとりがあったということは、地方公共団体ではわかるはずですが、なかなか実際には周知していない、そういう場合ですね、一体どういうふうに自治省としては指導するのか。ここに問題があるわけです。たとえばですよ、ここでは、国会では明らかになっています、たとえば国家公務員に公平の原則で地方公務員についても、二日には限定されていない、渡航の準備のために、あるいは渡航に要した期日、これが二日以上になっても、結局国家公務員の場合は先ほどの人事記録とかある程度の証明によって通算を認めておる、こういうことは地方じゃ知らないですよ、地方では。あなたは、自治省としては、地方公共団体へ周知させておると言っておりますけれども、この茨城県は特にそういう方が多いのか、この問題に特に熱心で、あなたも御記憶でしょう、大蔵省給与課とか自治省の給与課へ波状陳情でいろいろ熱心にこの運動を推進されてきたわけです。だから総務部長もそれに教えられて自治省に照会があったわけです。こういう照会があったのは全国都道府県の中で、おそらく私が承知している限りではあまりないと思いますね。というふうに、地方都道府県ではなかなかそういう程度の認識がないわけです。そこで、ここで答弁なさっておるように、地方公共団体の当事者はそういうふうに理解ある態度で臨んでくれれば問題ないけれども、実際問題なかなかそうはいかぬわけです。条項にとらわれて人事記録を見せろとか、その当時の職員の記録はどれか、一つ欠けておっても、不十分で、これはだめだと簡単に片づけられてしまう、これが現実だ。したがって、公務員公平の原則で、国家公務員については、先ほど来大蔵省の給与課長は指摘なさっているとおり、それを自治省は公務員公平の原則で同じように確認された。そこまではいいのです、そこまでは……。さて、これを具体的に地方公共団体へ、しかもその当事者、実際扱うのは当事者ですからね、その窓口がむげにこういうものをけってしまう、いまの事例はそうです、弾力性を持って法を活用するというような大所高所から、なかなか窓口はやってくれないのです、これが現実だ。だから、その窓口というものが徹底するように自治省がやってくれて初めて法は活用されるわけです。そこまでいかないと、国会でどんなりっぱな答弁をなさっても実際には活用されなければ意味ないわけです。そこのところを自治省としては、具体的にどう公共団体を指導なさるのか。そこまで窓口まで明確にしないと、実際扱うのは各窓口ですから、窓口でぱっとけられてしまって、これはだめだといえばもうそれでおしまいなんです。そこのところをひとつ明確にして、なるほどそれならだいじょうぶだというところまで御指導いただかないと、通り一ぺんのここだけの御答弁では了解しがたいわけです。その点はいかがですか。
○説明員(胡子英幸君) この点は先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、モデル条例をつくりまして、そうして条文を国家公務員と同じ内容のものにいたしまして、個々の地方公共団体全部にこれを流しておるわけでございますので、制度的には先ほど来申し上げておりますように、国家公務員と同じ趣旨の条文がそれぞれの団体の条例にすでに条例化されておると、こういうふうに申し上げておるわけでございます。まあそこで、そういった条例の規定は制度的に整備されておりましても、個々の運用にあたりましては、先生の御指摘のような問題があろうかと思います。したがいまして、私どもも機会あるごとに地方公共団体の課長会議等の招集を年に何回かやっていろいろとこういった給与関係の問題についての打ち合わせ会をいたしておりますので、その機会に、従来私どもはそういった国の考え方というものを文書で流すと同時に、その説明をも兼ねてしばしば行なっておるわけでございますが、なお、御指摘のような点につきましては、そういった事情もあるいはあろうかとも思われますので、今後そういった御趣旨を体して、会議の機会を活用いたしまして十分趣旨が徹底されるように配意してまいりたいと考える次第でございます。
○伊藤顕道君 そうしますると、一つのモデル・ケースをつくって、それによって国家公務員と同じに扱うんだということの事例を地方に徹底させると、そういうことでありますけれども、大蔵省として確認したことは、人事の記録とか当時の関係職員の証明、こういう事実の存在が確実に判断される場合には、任命権者の承認または認証があったものとして取り扱う、こういう考え方だと思うのですね、大蔵省としては。 そこで、これをさらに具体的にいえば、その空白期間は渡航準備とかあるいは渡航に要した期間であったと認められるときには、ということになるわけです。ところが、そのためには関係書類が必要でしょうし、関係職員の証明も必要であるわけですね。だから、そういう証明が得られるものについては問題がないわけです、もう明確になったわけですから。そこで、関係書類は、ああいう混乱の中ですから焼いた方も多いわけです。ほとんど焼いてきた。それからその当時の最もいい、適役と思われる方はもうなくなってしまったわけです。そういう場合には一体そういう意味の証明がとれないときは一体どうなるかということなんですが、その問いに対して、それはケース・バイ・ケースでそのときの具体的な問題と取り組まなければわからないということですけれども、そこでたとえば同僚の証明でもいいのかどうか、こういう具体的な一つの例をはっきりさせておきたいと思うのです。 繰り返しお伺いするようですけれども、ここで基本的な抽象的なことをいま私が言うたようなことをここではっきりさせても、地方公共団体の実際に扱うのは窓口ですから、その窓口でこの条文どおり解釈して、これに当たらぬからだめだと簡単に拒否してしまう場合が多いわけです。結局自治省のほうでは、もしそういう場合があるとすれば、というふうに非常に簡単に考えておるようですけれども、ほとんどそういう場合が多いわけですね。ときたまそういう場合があれば、という前提に立っていまお答えがあったわけですけれども、ほとんどそういう窓口ではそんな深い理解はないわけですよ。ですから、問題は、関係書類がないと、焼失あるいは関係職員が死亡した、証明する人がいない。そういうような場合には、たとえば、同僚の証明でもそれを証明するに足る場合にはそれでもいいのか悪いのかという問題ですね。この程度の具体的なことを聞いておかないと、ここで抽象論だけお聞きしても意味がないわけです。この点どうですか。具体的に……。
○説明員(秋吉良雄君) なかなか具体的なそういった問題のテーマでいまどんぴしゃりとお答えするのはいかがかと思いますが、要するにケース・バイ・ケースで心証を得られればいいわけでありまして、同僚の証明があればすぐそれがいいかどうかという御指摘につきましては、その同僚の証明が心証に足るようなものであれば——たとえて申しますと、一人じゃちょっとあぶないとか、あるいは二名以上とか、三名以上とか、何かそういうように、やはり同僚の証明にいたしましても、その同僚の証明がやはり心証に足るような判断ができような証明であれば問題はないと思います。要するに、どうして証明をしてもらうかというその証明が心証に足るような、なるほどとわかるものであれば問題はないわけです。そうかといって、全然心証のないものをこれを退職手当の勤続報償の体系からして、何も証明がない、どうもあぶないというものも全部通算するか、これもまた私どもとしてはそこまで踏み切れないわけでございまして、要は、同僚の証明でございましても、そういった場合に、数人以上の証明で、しかもその数人以上の証明から判断いたしまして、心証に足るというようなケースでございますならば、十分通算の対象になってしかるべきだと、こう思っております。
○伊藤顕道君 そういたしますと、たとえば具体的な同僚の証明でもよいかという問いに対して、全然関係のない、全然無縁の同僚を取り出して、それでただ認めたものについては問題があるけれども、私、具体的に言いましょう。たとえば満州から引き揚げて同じところにつとめておった、確かにあの方が満州のどこそこの何々省の何々の国民学校に在勤しておった。そういうことを現存の同僚が確認するような場合には、これは一つの根拠があるわけですね。内地におる人よりも真実性が強いわけですね。そういう場合、確かにそういうことをそういう立場にある同僚の一人が認めた場合はいいというそういう解釈になるわけですか。そこのところは、実際の場合でないと、抽象論ではむずかしいけれども、要は私のお伺いしたいのは、あまりやかましいことを言って、もう四角四面に一つでも条項が欠けたら削ってしまうとか、受け付けないとか、そういう場合が地方に行くと多いわけです。それを法に忠実で、法を曲げるわけにいかないというそういう考え方はいいとしても活用できない。法は活用しなければいかぬわけですけれども、地方の実際窓口が扱っている場合は、たとえば先ほどから申し上げている渡航準備とか、渡航に要した期間とか、そういう人垣記録とかそういうものにとらわれておりますから、それを守ることが忠実だと思ってやっておりますから、なかなかここで答弁されているように、弾力性を持たしたところの答弁のようにはなかなか扱いをしてくれないと思います。だから私どもは、実際問題として、現実の問題として、こういうことに十分あたたかい指導がないと簡単に拒否されて、現にいままで拒否されてきたんです。ただ当たりもしないでお伺いしておるわけじゃない。みんな拒否されてきておるんですよ、そういう窓口で。全然受け付けられていないわけです。それではあまりにも不当な不利益。だから認むべきじゃないか。で、問題は一にかかって証明の具体性にかかっていると思うんですね。いま、そのことに問題をしぼってお伺いしておるわけです。しかし、ここが一番大事な問題なんです、実際問題としてはですよ。もう基本的の考え方ははっきりしたわけですから。たとえ一年でも半年でも、そういうことは真にやむを得ない事情であるということは、まず第一条件ですね。そういうことを確認した上で、さてそういうものを証明するものは何かという問題に、いま要約されてきておるわけだ。その肝心の、その証明の段階で、それがなかなか得がたい証明を自治省なり大蔵省は期待しておるという限りは、この問題は、国会でこういう答弁がなされたにもかかわらず、今後も引き続き解決されないということになるわけですね。問題は証明の程度に帰着すると思うんですね。そこで、大事なことだから、この問題を解決しない限り、実際問題だめなんです。いままで相当の人がそういう証拠書類で当たったけれども、問題にされていないわけです。機械的にぱっと分けられちまうんですね。自治省としてはそういうふうに、真にやむを得ぬ事情でという前提に立って、しかも人事記録とか、そういう当時の関係職員の証明はなかったけれども、同僚の中にこれだけ証明する人があると、そういうことで具体的には各都道府県のほうで窓口が受け付ける、そこまでひとつ骨を折っていただかぬと、ここで抽象論を論議しても実際には何の役にも立たぬという問題になると思うんです。現にいままでそういう問題みんな拒否されてきておるんですから。そこで、特に地方公共団体に関する限り自治省のほうで責任を持ってひとつ、やっかいなことでしょうけれども、これは公務員公平の原則を守らなきゃいかぬという、そういう自治省の考えもあるわけですから、ひとつ、簡単にはこの問題は解決しない問題と思いますから、徹底させるために——法を活用して幅広く解釈するという、そういう態度を地方公共団体に周知徹底さしてもらいたいと思うんですよ。このことなくしては、いかに抽象論は幅広く認められても、残るものは何もないわけです。この点先ほど、公共団体の課長会議等があるから、そういうことをひとつまた繰り返し言っておこうと——そんな程度じゃなかなか徹底しないですよ。何か通牒のようなものをはっきり出して、ひとつ具体的に早急にやってもらいたいと思うんですが、そのことはいかがですか。
○説明員(胡子英幸君) 先生の御指摘もごもっともでございまして、私どもといたしましても、地方公共団体で国と異った運営を行なうということは好ましくないわけでございまして、やはり地方公務員の退職手当に関する制度の運用につきましても、国家公務員に準じて措置されることを特に期待をし、また、そのような指導を、機会あるごとにいたしているわけでございます。ただ、いまの問題は、制度的な問題よりも、条例化された条文の解釈をめぐっての具体的な取り扱いに関する問題でございまして、いまのところ私ども聞き及びますところでは、全地方団体でこのような問題があるというふうには承知いたしておりません。したがって、これを全国的に流したほうがいいのか、あるいは個々の団体に、むしろ私どものほうで、しょっちゅう当該県の職員が毎日のように出入りをいたしておりますので、先ほど私は会議の機会をつかまえその他の機会に、御趣旨を体して配意したいと申し上げましたけれども、必ずしも会議を待たずして、毎日のように私どものほうに出入りをいたしております関係職員に対し、この問題をつかまえまして、この趣旨の徹底をはかるという方法もまた講じてまいりたいと考えているわけでございます。それでなおかつ全国的に問題がありますという場合に、通牒を流すこともやぶさかではございませんけれども、いましばらくそういった具体的な個々の問題でございますので、個々の指導を通じて御趣旨に沿うように努力いたしてみたいと考える次第であります。
○伊藤顕道君 ところが、全国の都道府県では、こういう内容のことを知らないですよ。知らないから何ら問題ないわけだ。法は不知を許さずで、知らない者は権利も喪失してしまうのだ、知った者だけが問い合わせろ、それも一つの方法かもしれませんけれども、それは公務員公平の原則を徹底させる考え方からいうと、それはあまり親切とは考えられないわけですね。民主的でもない。茨城県にはたまたまそういう熱心の方がおったから、いろいろ追及して、国家公務員はそういう扱いをしているのか、そのことが県の総務部長を動かして、総務部長も関心を持って、それじゃ自治省に問い合わしてみよう、それで問い合わせた結果、こういう回答が得られたということ——いい悪いは別として、内容が満足すべきものであるかどうかということは別にして、その程度の認識は茨城県では持ったわけですよ。これはどこの都道府県にもそういう該当者は必ずいるわけです。いるけれども、こういうことを知らないわけです。全然知らないから、問題が起きないわけです。だから知らないところはそっとしておいて、問題のあるたとえば茨城県のようなところだけは、ひとつそういう通牒を出しておこうとか、そういうことはいかぬと思うのですね。知らない県にも相当該当者はいるわけですから、万が一なければないでいいじゃないですか。これこれこういうものの該当者があった場合は、かくかくしかじかに措置すべきである、これは当然自治省の一つのつとめでしょう。政治の民主化、そうして公平を期すならば、当然そこまでやってもらってしかるべきだと思うのですがね。知らぬ県はほうっておけということは自治省としてとるべき態度じゃないです。だからこれは要望ですが、ひとつ知らない県のほうが多いわけですからね。ほとんど問題がないと思っているでしょうが、知らないから問題がない——知らない、わからない、そういう該当者が相当おってもわからないから、別に県に対して陳情もしてない、自治省に対して問い合わせもしてないというこれが現実です。だからひとつ自治省はそういういわゆる不公平、非民主的な問題を解決していくのが、自治省の一つの使命ですから、そういう使命感に立って、全国都道府県にひとつ、かくかくしかじかの場合にこういうふうに措置するように、そうして二日以上の解釈についてはいまのように、なお法の解釈だからそれはケース・バイ・ケースの場合もひとつ自治省に問い合わせてもらいたい、そこまで言わないと、これは徹底しないと思うのです。この点、いかがですか。そんなめんどうなことはやりたくないとおっしゃいますか。めんどうでもひとつやってもらいたいです。
○説明員(胡子英幸君) 私が先ほどから申し上げておりますのは、知らない者はほうっておけばいいという考え方では決してございません。たびたび申し上げましたように、国のほうでこういった制度改正が行なわれました機会に、すでに通知をもって文章で流しかつまた会議を招集いたしまして、その解釈につきましても十分私たちは趣旨の徹底ははかってまいっておりますので、少なくともこの問題の人事担当者は、熟知いたしていると考えているわけでございます。むしろこの問題について、全然知らないというふうな人事担当当局は、ないと判断をいたしているわけでございます。たまたま個々の認定の問題につきましては、それぞれの該当者のケースによりまして判断がなかなか困難だという場合もあると思うのでございまして、そういう場合に私どものほうに口頭で照会があったりあるいは電話で照会があったり、さらには慎重を期する意味で文書をもって照会する向きもあるわけでございまして、いろいろな方法で私どもが示した条文と同じ条文を規定いたしております団体については種々そういった照会もあるわけでございますし、また、お互いに、地方公共団体相互間におきましても、その解釈及び運用がどのようになされておるかということについて関係者はいろいろと協議会等を持って相談し合ってこの問題について措置をいたしておるわけでございますので、その点は先生の御心配になっておられます点、地方公共団体においても十分考えてくれておると私どもは判断をいたしておるわけでございます。ただしかし、私どもそういう判断をいたしておりますけれども、中には非常にしゃくし定木的にこの規定を解釈するものが絶対にない、絶無であると私はこの席で断言することはできないわけでございますので、そういった点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、あらゆる機会をつかまえまして十分趣旨の徹底をはかるということで、先生の御心配の点は解消し得ると私判断をいたしておるわけでございますので、方法等につきましては私どものほうにおまかせをいただきたい、かようにお願いしたいと存ずる次第でございます。
○伊藤顕道君 いま答弁の中で誤解があるのですが、地方都道府県ではわからないだろう、徹底しないと言うたのは、その該当者がそういうことを知らなければ県の公共団体に陳情しないわけですね。それはあなたのほうからたとえば都道府県の会議を開き、当事者の会議を開き、通牒も出したからそれは公共団体としては担当者は承知しておるでしょう。それも全然知られていないだろうとは言わなかったわけです。私が指摘したのは、都道府県の公共団体ではそうであっても現実にこの該当者ですね、該当者、そういう方がほとんど知らないわけですよ。該当者が知らなければ自分はそういうこれに該当するのか、それならひとつ県庁へ行ってこの点を問い合わせてみよう、そこで初めて問題になるわけですね。したがって、自治省自体もさることながら、公共団体がさらに県内のほうに働きかける、そこまでやらないと徹底しないわけです。そういう意味のことを私は申し上げたわけです。したがって、公共団体が全然知らぬだろうとは申し上げなかったわけです。そういうふうに理解していただきたい。 それといや一点お伺いしたいのは、引き揚げの時期によって扱いが全然違うことになっておるわけです。そこで終戦の昭和二十年八月十五日ですか、この時期をポイントとしてそれ以前と以後、これについてはっきりと区別がされておるわけですね。そこで十四日以後の引き揚げ公務員については、再就職の際は相当期間の空白があっても引き受けたものとみなされておる、これは問題ないわけです。で、ここでお伺いしたいのは、十四日以前の引き揚げ公務員についても同様に扱ってもらいたい、こういう要請が強いわけです。そこでこのことについて大蔵省としてはどういうふうにお考えですか。
○説明員(秋吉良雄君) 先生の御指摘は実にごもっともな点があるわけでございますが、私ども終戦時の八月十五日現在の人でないといかないという押え方をしておりますのは、やはり八月十五日に、終戦時にやはり勤務しておったもの、その終戦がなかりせば同様に勤務するであろうというものに特にしぼって考えるのが至当であろう、この点につきましては、恩給法におきましても、この恩給法は八月八日になっておりますが、法律で八月八日現在の人を対象にして、こういったバランスからいたしましても、終戦時八月十五日現在でないとさらに八月十五日前の、すでに引き揚げていたという者まで対象にすることは、勤続報償をたてまえとする退職手当についてはいかがかと、こういう考え方をいたしております。
○伊藤顕道君 そうしますと、終戦の昭和二十年八月十五日以後の引き揚げ者でない場合は、これは認められない。そういうことですか。
○説明員(秋吉良雄君) 御指摘のとおりです。
○伊藤顕道君 そうすると、これも自分のおのれの意に反して終戦前にですよ、終戦前にいろいろ官庁の使命とかいろいろ用務を帯びて引き揚げた。で内地に引き揚げているそのさなかで終戦になってしまった。そういう人は全然突っ放してしまうわけですか。
○説明員(秋吉良雄君) 現在の法のたてまえはそういう結果が起こり得るかと思います。
○伊藤顕道君 しかし大体がですね、こういう空白を認めて法を活用するというそういう趣旨から言うなれば、これは八月十五日を限度にして、その本人には、該当者には、それぞれかってにあのころは引き揚げることはできなかったわけです。みな用務によって、一種の用務を帯びて引き揚げた場合が多いわけですね。ところが、八月十五日以後なら認めるけれども、以前なら認めないと、これは何らいまの段階で突っ放しただけで全然検討はしていないわけですか。これは当然だといって簡単に片づけてしまっておるわけですか。
○説明員(秋吉良雄君) いつの現在時点で押えるかという問題はある程度これは画一的にならざるを得ないと思います。そこで恩給法におきましては御案内のように、八月八日、ソ連参戦の日で押えております。それから私ども退手の関係でございますと、御指摘のとおり八月十五日で押えております。この両者を共通する問題はやはり終戦によって引き続き勤務ができなかったのだというものに着目いたしまして、そういったものについてのみ通算の対象にしようという趣旨でございまして、御指摘のような実態論としては、なるほどわれわれも傾聴に値するわけでございますけれども、やはり二十年八月十五日現在に在職しておって、もし終戦なかりせば引き続き在職するだろうというものに限らざるを得ない。それが恩給法も八月八日現在と押えておるという趣旨からいたしますれば、退手のほうにつきましては、特に勤務報償の体系を強めておりますので、八月十五日まで、これを八月八日にするという考え方は、これは満州国についてはあるかと思いますが、その他については八月十五日の終戦の日が正しいと思います。恩給は八月八日になっております。満州国では八月八日にしたらどうかという御意見は私どもとしては十分検討に値すると思いますが、何しろ恩給法のほうで現在八月八日という縛り方をしておりますし、体系的に同じようなことになっておるわけでございまして、確かに検討課題であると思っております。
○伊藤顕道君 そうはっきり八月十五日以前はだめだと言い切ってしまえば、何をか言わんやで、これはどうにもならぬわけです。そこでいろいろ事情を聞いてみますと、実に気の毒なケースが多いわけです。たとえばこれはその年の六月十五日に引き揚げたとかりにしても、これはほとんど終戦の、戦争の末期にあって、自分の意思ではあの当時は引き揚げられなかったわけです。みな、公務を帯びて、用務を帯びて引き揚げておる。ただそれだけの違いで簡単に機械的に考えて、今後検討の余地を残されていないということになると問題があろうと思うのですね。これはいろいろケース・バイ・ケースでずいぶんこれは真にやむを得ないという事情のものも相当おるわけです。だから機械的に八月十五日でぷっつり切ることには十分まだ考慮の余地があるのではないか。そこで、なら八月十五日以前のものも認めなさい、認めましょう、そういうことをいまここでお伺いしておるわけじゃないのです。あなたはここでそうしようと思っても、この場でそんならよろしゅうございます、八月十五日以前のものについてもそういたしましょう、そこまで私はお伺いしておるわけじゃないのです。ただその当時の解消を考えた場合、もちろん私自体は何ら関係ないのですよ。しかし、満州におったということは、満鉄社員であったからよく事情を知っておるわけです。事情を知っておるから申し上げる。私最後まで残って引き揚げ者の世話をしておったものですから、それで自信持って言えるわけです。しかし、繰り返しお断わりしておきますが、私は何ら該当者でないのですから、それは誤解のないように。ただ現場にあって事情を知っておりますから、最後まで踏みとどまって、そこで実情をまのあたり皮膚で感じておるわけです。これは十五日で機械的に切ってしまって、それは措置はそのほうが楽でしょう。その当時の事情を全然無視したことになるわけですね。これはやはりあんまり酷だと思うのですね。そこで十分この点に、八月十五日で押えるというこの問題についても、十分大蔵省としても自治省としても誠意をもって検討してもらいたいと思うのですよ。ここでそうしますということを要求しませんから、そのくらいの誠意があって初めて政治は平等に向かうと思うのですね。ただ機械的に、それは簡単でしょう。ここでうっかり答弁すると大臣からとっちめられるしなんということを考えるからうっかりなことは言えない。そこで、すげなくそんなに冷たい課長だとは思っておりませんけれども、ここで簡単に目をつぶってしまえ、そういう態度ではあろうとは思いますけれども、これは検討の余地は十分あると思う。そのことを、ひとつここで大蔵省としても、自治省としても、誠意をもって十分検討してもらいたいと思います。検討の期間がたったら、またお伺いしますから、きょうここで十五日できまっておるものを課長の立場で、決して無理なことは要求しませんから、十分しかし誠意をもって検討すると、そういう前向きの御答弁でない限りは了承できぬと思いますね。ただ簡単にそうきまっておるから、もうそれ以上はできないのだと、そういうことでは政治は進歩しない。前向きの姿勢で、ひとつ善処するために十分誠意をもって検討すべきであると思うのです。それに対して大蔵省、自治省それぞれの立場でひとつ誠意ある御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(秋吉良雄君) 退職手当法で八月十五日現在ということでしぼっておりますのは、繰り返して申し上げますように、自己の意思に基づかないで終戦によって強制的に退職を余儀なくされたという特殊事情、また、これは恩給法もその趣旨を受けましてソ連参戦の八月八日ということでこれは法律事項できめられております。私どものほうは政令でございますが、そういったようなことからいたしまして、いま私どもすぐこの問題について解決案が出るかどうかということについては現段階でお答えはしにくいのでございますが、そういった終戦のどさくさ前のいろいろの特殊事情ということはいろいろあろうと思います。そういった問題につきまして私ども恩給局、自治省とも十分相談をいたしまして検討してまいりたいと思います。
○説明員(胡子英幸君) 私どもといたしましても、御趣旨を体しまして、十分関係各省と協議をし前向きの姿勢で検討いたしてまいりたいと存じます。
○委員長(柴田栄君) ほかに御質疑はございませんか。——ほかに御発言がなければ、本件の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十五分散会 —————・—————