地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/02/16
会議録
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 地方行政の改革に関する調査といたしまして、公立高等学校の授業料値上げ問題に関する件を議題といたします。 自治大臣、柴田財政局長及び文部省から今村初中局財務課長が出席しておられます。 御質疑の方は順次御発言願います。
○加瀬完君 衆議院の予算委員会等でも公共料金、特に水道料金、授業料等が問題になっておりますが、公共料金に対する政府の基本的な態度というものはどういうことでございますか。
○国務大臣(吉武恵市君) 公共料金につきましては、できるだけ上げたくないというのが私どもの気持ちではございまするけれども、しかし、水道料金等公営企業は独立採算制を原則とし、たてまえとしておりますので、公営企業の赤字も三十八年度決算におきましてすでに三百七十六億にのぼっているような状況でございます。したがいまして、これが対策に苦慮いたしまして、昨年の七月に公営企業制度調査会を設けまして、各方面の権威者の方々に御調査をお願いしているところでございます。その結果、まだ審議中ではございますが、昨年の秋に一応中間の答申が出まして、その結果は、一つは料金をあまり押えることはよくない、適当なる機会に適切なる是正をすべきであるということが一点でございます。それから第二は、同時に、合理化を推し進めなければならないということが第二になっております。それから同時に第三として、これらの赤字対策としては長期に安い金利の融資をしていくべきであろう、こういうふうな三点についての中間答申が出て、引き続きあとの調査がなされておるのでありますが、私どもといたしましても、いま指摘されました三つの点はぜひやはりその方向で進むべきであろう、こう存じまして、公共料金と申しますか、水道料にいたしましてもあるいはバス料金にいたしましても、適当ないわゆる是正はやむを得ないじゃないか、かように存じております。同時に、合理化もあわせてやらなきゃなりませんけれども、この点も地方公共団体等に申しておるわけでございますけれども、なかなか合理化のほうはそう六から左というわけにいかないものですから、東京都等におきましては交通関係では若干の合理化が行なわれたようでございますが、今後もこの点もやはり推し進めていきたいと思います。と同時に、政府といたしましても、長期といいますか、長期といってもそう長くというわけにはいきませんが、いままでよりも政府の資金をよけい融資していくように、そして期間もできるだけ長くするように、そうして金利と申しましても特に金利を引き下げるというわけにはいきませんが、政府資金でございますと、民間金利よりはやや安く手に入りますので、ことしの資金ワク等におきましては、従来政府資金がたしか三に民間資金が七であったようなのを、今度は政府資金のほうを少しよけいにしていきたい、こういうことでいまやっておる次第でございます。
○加瀬完君 公共料金全般については、いずれ質問をいたしたいと思いますが、きょうは時間がございませんから、授業料に限って伺いますが、授業料も独立採算をたてまえとするお考えですか。
○国務大臣(吉武恵市君) 授業料は公共料金というふうには考えておりませんですが、これは昨日の衆議院の予算委員会でも申し上げたところでございまするけれども、高校の授業料が三十一年から今日まで実は据え置きになっているわけでございます。据え置きになってはおりますけれども、これは各府県の自主的にきめられることでございまして、政府が決定するのではございませんから、すでに十六府県におきましては、従来の六百円を八百円に引き上げられているところがございます。そこで、私どもこの四十年度の地方財政計画を策定するにあたりまして、昨年までは六百円で計画を立てておりましたけれども、何ぶん地方財政も御承知のような苦しい立場にもございまするし、もうすでに十六府県も八百円でやっておるときでもございまするし、また一方、よく考えてみますると、三十一年から今日までの間に生徒一人当たりの経費がやはり二倍ちょっと出ております。それから国民所得も御承知のように三十一年から今日までの間に二倍に達しているようなわけでございます。それから国民所得もその間に二倍からになっております。そういう点を考えまして、物価は一・四倍程度ではございますけれども、それらの点を勘案いたしますと、もうこれ以上無理やりに押えるということは無理であって、これは財政計画としては八百円で組まざるを得ない。それから民間の私立学校等におきましては、もうすでに千円あたりが二千円以上ぐらいに上がっておるような実情でございますので、公立学校の高等学校をこれ以上押えつけるというわけにもいきませんので、財政計画といたしましては八百円で一応見込んでいる、こういうわけでございます。
○加瀬完君 大臣は、高校の授業料が実質的に上がっていないとお考えのようですが、授業料は六百円のところもございますけれども、授業料にかわるべく学校に納付している父兄の負担というものは必ずしも少ないものではございません。ですから、実質的に父兄の負担というものが非常に増大をいたしておるわけでございますが、この点はどのように御理解をなされておりますか。
○国務大臣(吉武恵市君) その辺の詳しい数字はわかりかねますけれども、御指摘のようにPTAの負担にいたしましても、いろいろな経費は相当上がってきているだろうという点は、私どもも見ております。
○加瀬完君 父兄の義務的支出というものが相当な額にのぼっておりますのに、この検討をしませんで、授業料だけを上げるということになりますと、国立学校とはさらに差がついてまいりますね。国立学校は授業料を上げないと言っているんですよ。ところが、公立学校は授業料は上がっておりませんけれども、父兄の負担は非常にかさんでおる。そこへさらに授業料を上げる、こういうことになりますと、授業料を上げるということが、単に財政計画の上でバランスが合うというだけではなくなりまして非常に被害を及ぼすわけですね。これは国民生活に大きな被害を与えるということになるわけでございます。むしろ、父兄負担の増加率というものを押えていくというたてまえを政府としてはとらなければならない、物価を押えるというたてまえから。しかし、授業料を上げるということになりますと、授業料は上げますけれども、現在授業料にかわるべき父兄負担というものはどう押えていくのか、その方法をお講じにならなければ、これは実質的には授業料の値上がりというものは非常な大きな響きを与えるわけです。その点はどうお考えになるのか。
○国務大臣(吉武恵市君) これは、まあ私どもとしては上げずに済めば一番いいことではございますけれども、しかし、先ほど来申しましたように、やはり地方の財政から見ましても、いまの学校の先生の給与も三十一年から二倍以上になっておるし、それから一人当たりのかかる経費も二倍以上になっておるというような状況でありまするから、そのほうはやむを得ないから上げる、しかし、収入の面はいつまでも押えるというのは、ちょうど水道料金についても言えるように、そうはなかなかいきにくいと思うのであります。ですから、上げ過ぎるということは、これはできるだけ差し控えるべきでありますけれども、しかし、いつまでもそれを押えてというわけにはいきかねると思います。ですから私どもは、要は、急激に大幅な値上げにならぬようにというようなことで漸次是正をしていくべきじゃないか、これは水道についても私どもそういうふうな考えで進んでおるわけでございまして、学校の経費は、授業料以外にもそれはいろいろな文房具その他につきましても、かさんでくることだとは思いますけれども、しかし、それがかさむからといって授業料をいつまでも押えるというわけにもまいりませんので、まあこれは府県のやるべきことではございますが、もうすでに十六府県におきましては六百円から八百円に上げておるところがございまするし、また、私立学校ではそれどころじゃない、もっと上がっておるところが普通でございまするから、まあ今度の財政需要におきましては八百円くらいを見込むということはやむを得ぬじゃないか、かように考えておるわけでございます。
○加瀬完君 私立学校が上がったから公立学校も上がるべきであるという理論は私はおかしいと思う。国は物価の上昇というのを押えるという政策を出しておる。昨年は公共料金を上げないというたてまえから、授業料もこれに準じて各府県では上げようとしておったけれども上げなかった。そこで、私は、教員の給与もふえたからとか、いろいろなことを言いますけれども、それは上げる理由が全面的に私は一つもないと否定をするわけではございませんが、いままで一体地方財政法の二十七条の三によって、少なくも都道府県が住民にその負担を転嫁してはならない経費というものがきめられておったわけです。これは守られていない、一つも。形を変えて、当然公費で負担をしなければならないものを、父兄の負担にさせておるわけですよ。それのほうの支出というものを押えなければ、授業料を上げると、二重に授業料が上がったことになるわけですよ。なぜならば、法律で禁じられているものまでも形を変えて授業料のかわりに取っているわけです。言い方をかえれば、授業料は公立学校ですでに上がっているわけです。そこで、こうした二百円、二百五十円も授業料を上げるならば、これは二重に授業料を上げることになるわけですよ。そこで、「都道府県は、当該都道府県立の高等学校の施設の建設事業費について、住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない。」こうきめられておりますね。そこで私は、自治省はどういう監督をしておりますか、疑問を持つので伺いますが、「間接であると」というこはどういう内容をお考えになっておりますか。間接でもいけないという、間接ということはどういうことまでも含めますか。
○政府委員(柴田護君) これは「直接であると間接であるとを問わず」と限っておりますのは、いわば方法的に第三者を介してやらせる、たとえば建設事業について期成同盟式のようなものをこしらえてそこでやらせるといったようなこと、あるいはそういう方法でなく、直接住民に転嫁する、あるいは何か一つの機関を通して住民に転嫁をする、そういう手段方法のいかんを問わず、負担を転嫁しない、こういう意味でございます。
○加瀬完君 それでは都道府県立の高等学校の生徒、父兄の納入いたしております義務的経費ともいうべきものの実体を御存じですか。
○政府委員(柴田護君) いわゆる生徒、父兄の負担しておりますものの中に、生徒会費のようなものがございますが、いわゆる生徒等の自主的な一つの集団に対しまする分担みたいなものをいたしている、昔からありますような生徒会費みたいなもの、こういったものにつきましては、このものはもちろん入りませんが、施設の建設事業、施設をつくります事業というものを、そういう形で一般住民に転嫁させるということは、この法条は禁止しているわけでございます。ただ、実際問題といたしましては、お話のように、たとえば金を借りるといったような方法でありましても、任意に金を借りるといったような形でもって、これに直接違反するかしないか、すれすれくらいのところがあちこちで行なわれているということは、私ども知っておるのであります。機会あるごとにそういうことは直すようにということをるる言ってまいったのでございます。 負担の状況の変化を見てみますと、一時、高校急増問題が非常に激しい場合においては、この関係の税外負担は非常に多うございましたが、最近は高校急増対策が一段落ついたということも大きな原因かもしれませんが、逐次この関係の税外負担というものは落ちついてまいった、そのように実は思うのであります。しかし、もちろんそれでなくなったかといえば、なくなっておるとは私も思っておりません。しかし、先ほど来御質問がございましたが、高等学校授業料の是正というものを通じまして、この授業料を引き上げました部分につきましては、すべてこの高等学校関係経費の増加のほうに回しております。こういったような措置を通じまして、税外負担の制度につきましては、なお実際の財政運営の面におきまして十分指導してまいりたい、こういうように考えているわけでございます。
○加瀬完君 施設積み立て充当金あるいは施設充当金というものは、この二十七条の三の内容とはみなされませんか。いま学校が、生徒、父兄から、講堂を建築するとか、あるいは教室を増築するとか、こういう目的で、建設とか増築という文字を使いませんで、施設の充当費であるとか、施設整備充当積み立て金というような名前で金を集めている事実がありますが、これはこの「間接」あるいは「直接」の二十七条の三に該当する内容とはなりませんか。
○政府委員(柴田護君) その集め方にいろいろ問題が実はあろうかと思うのです。転嫁という場合におきましては、強制的な一つの意思が加わっているわけでございます。全くの任意に、出したいものは出してくれと、いわゆる寄付金という形でもって、それが強制的寄付金にわたらないという形になりますれば、直接法条の関係から言いますならば若干は疑問があろうかと思います。しかしながら二十七条の三をつくりました趣旨からいえば、必ずしも適当でないというふうに考えております。
○加瀬完君 ある県では、この金額が三十八年度で二十二億あります。全国的に概算をいたしますと五百億を下らないと思われるわけであります。直接たると間接たるとを問わず、その負担を転嫁してはならないという法律がありながら、直接にたとえばある学校では施設充当費百円、施設永年充当費二百円、こういう形にして授業料を納入するときと同じ窓口で取っておるのです。明らかにこれは義務的な寄付ですね。義務負担です、父兄に対する。こういうことが公然と許されておるならば、この学校にすれば三百円すでにもう何年か前に授業料が上がったことになるじゃないですか。これは一体禁ずべきことなんですか、禁じなくてもよろしいことなんですか、地財法二十七条の三の問題として考えましたときに。
○政府委員(柴田護君) 少なくとも趣旨からいえば適当とは考えません。したがいまして、さような事例の起こりませんように、毎年乏しい地方財政計画の中で、少なくともそういうものの負担の解消に資するように財源も保留してまいりましたし、交付税の計算におきましても逐年需要の増強をはかってまいったわけでございます。しかし残念ながら実際問題といたしましては、なかなかそういう施設の充実というものが思うにまかせないといったような事情もありまして、そういうことが行なわれているということは御指摘のとおりだと思います。私どもとしては、決して適当と思っておりませんし、機会あるごとにそういうことはやめて一般財源に振りかえるようにということは、口をすっぱくして言っております。
○加瀬完君 大臣に伺いますが、授業料の値上げを、先ほど財政局長のお話によると、これは施設費等に振り向けるということでありまするとすれば授業料の値上げがある場合に、当然こういうものが厳格に規制されて、いままでの父兄の不当な負担というものは解消をされると考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(吉武恵市君) ただいま御指摘になりましたように、学校の施設を父兄に負担をさせるということは、私はよくないと思います。それは財政法にも規定されているようなことでございまして、従来往々にして寄付等によって取っていたようなこともございますけれども、それは私どもとしては厳重にやかましく言っているところでございます。でありますから、今後にもしそういうことが行なわれるようでございましたら、私どもとしては、それはやかましく指導していかにゃならぬと思います。それで授業料を上げるのだと、こういうわけではございませんで、先ほど来申しましたように、三十一年度から今日までずっと据え置かれておる、しかしその間に物価も上がれば学校の先生の給与費も上がっていく、生徒一人当たりの経費も上がるというようなことでやむを得ないのではないか、こういうことを言っておるわけでございます。
○加瀬完君 それが認識不足と私は指摘をしたいのですよ。授業料は上がっているのですよ。施設充当費とか、施設永年積み立て金というような形で三百円なり、ひどいところでは六百円も取っている学校があるのです。授業料が六百円上がっていることになるのです。そこにさらに授業料を上げるということでは、授業料が実質的には二重に上がったことになるから、大臣のおっしゃるように、いろいろの関係でここで授業料を上げるというならば、少なくも不当に授業料にかわって支出をしておりました父兄の、しかもこれは法律の違反ですよ、法律違反をおかして徴収しておるこういう徴収金というものに対しましては、ここで切りをつけていただかなければならない。おつけいただけますかということなんです。
○国務大臣(吉武恵市君) どういう内容のものか見ませんというと、私は一がいには言えないと思います。校舎を建てるとか学校の施設に直接必要なものを父兄に負担さすということはいけないよということで、財政法にも規定してあることでございますから、これは私どもとしても、いままででもやかましく言っているところでございます。しかし、負担という中には、私は自分の子供たちも中学校や高等学校に行っているのもございますが、やはりPTAの関係の負担とかなんとか、いろいろなのがございます。そういうようなものもだんだんと上がっているとは思いますけれども、そのほうで負担が増しているから授業料はいままでどおり押えなきゃならぬぞと言うわけにはならぬので、いま御指摘になりましたような学校の施設そのものの負担をかけるということは、それは授業料のいかんを問わず、この問題は財政法としてはこれは遺憾なことでございまするから、私どもは今後といえどもやかましく指導するつもりでございます。
○加瀬完君 こういうのもありますね。名目上は一般財源に五千万なら五千万寄付をするのです。しかし、それは県立何々学校というものを新設するについて、その学区になるべき地域から建築費の五千万なら五千万というものを寄付をさせるのだけれども、地財法によりまして、その寄付は従来のようにできませんから、その五千万を県の一般財源に納入する、寄付をする。県はそれをひもつきで何々学校の建設費に回す。これも二十七条の示す間接的な寄付行為でしょう。しかし、これが公然と行なわれておりますよ。数字を申し上げましょうか。だんだんこれがひどくなってきた。三十九年で、ある県は二千三百三十六万、四十年の見込みでは二億九千万、こういう金額になっております。建築費にそのまま寄付ができませんから、二十七条三項に違反すると言われますから、一般財源で受け入れて、一般財源からひもをつけて、その学校に流す。こんなばかなことを許しておけば、二十七条の三項なんというものはないほうがましですよ。こういう事実を御存じですか。また、こういう事実をお認めになりますか。
○政府委員(柴田護君) 具体的にどの県ということをこちらから伺いとうございますけれども、そういうこともおそらくはあろうかと実は推察はいたします。私どもといたしましては、高等学校急増対策を契機として、そういう適当でない事例があちこちである。まあ打ち明け話をいたしますならば、私も実は県でそういう経験をしたことがございます。そういうようなこともあって、急増対策についてきっちりした措置をいたしました際に二十七条の三項という規定を置いて、そういう不明朗なことは今後やめようということにしたわけでございますが、惰性がまだ残っているということは御指摘のとおりだと思います。したがいまして、高等学校急増対策は一応終わっておりますけれども、四十年度からは、なおまた、すでに急増で応急に建てたものの修理とか、あるいはそれ以前のものについての老朽の危険とかといったようなものもあるわけでありますので、またピークもずれている府県もあるわけでございますので、なお高等学校急増関係の地方債のワクを置き単独事業債のワクをふやして、そしてこれに対応する措置はとりながら、なお一般の生徒経費、いわゆる授業費というようなものにつきましては、高等学校の授業料を是正することによって、増加したものを上げて、授業費の正常化というものに回すことにいたしまして、財政的な措置を整えながら、なお一そう御指摘のようなことが起こりませんように指導してまいる。こういうつもりで交付税の単位費用をはじめ財政計画も組んだわけでございます。
○加瀬完君 この三十九年度はもう納入済みですからね。四十年度も一部納入の運びになっております。一般財源に寄付をして、それを学校の建築費に充てる。これは明らかに二十七条三項の違法でしょう。これを厳重にお取り締まりになりますか。一つの県ばかりじゃありませんよ、それをやっているのは。
○国務大臣(吉武恵市君) そういうところは、いま財政局長が言っているように、あるいはあるのかもしれないなという気もいたしますが、ひとつ具体的に御指摘をいただきまして……。私はそういうようなことはおもしろくないと思っております。したがいまして、具体的なお示しをいただきまするならば、今後の一つの参考にもなるし、指導の上にも、必要なことでございますので、ひとつお示しをいただきたいと思います。
○加瀬完君 あとで提示をいたしますけれども、自治省そのものが甘いのじゃないですか、この考え方が、この取り締まりに対して。おやりになっておるところの総務部長などというものは、大体自治省関係からお出になった方が多い。二十七条三項をおきめになったときいらしった方だって、該当者にいる。それで抜け道は一般財源に入れて、それを流すという形をとっているということになりましては、これははなはだ地財法を侮辱したものですよ。要は、どことどこがやっておるかということを私どもも出しますけれども、どことどこがやっておるか、やっておったら許さないぞという厳重な、少なくとも法律違反ですから、これはほぞをきめて自治省はかかっていただかなければならないと思う。それは十二分にお取り締まりをしていただけると了解してよろしゅうございますですね。
○国務大臣(吉武恵市君) さようでございます。
○加瀬完君 次に伺いますが、授業料をお上げになるということでございますが、いままで大体六百円という財政計画の単価でありましたものを八百円にするということでございますが、これはどういう根拠でございますか。
○政府委員(柴田護君) 授業料の交付税の算定、財政計画の算定を是正いたしましたのは、先ほど大臣からも御説明申しましたように現在六百円、いままで六百円の基礎でいろいろな措置をしてまいりました。三十一年度に直しましたままになっております。その後におきまして、昭和三十八年度において国は、大学、短大の授業料を三割三分ですか、上げております。そのとき地方財政も是正しようという話もありましたけれども、そのときは一般の府県の状態とも比べて差し控えたわけでございます。しかし最近の状態は、八百円をこえます団体の数も相当ふえております。また、昨年無理に押えつけた例もあるわけでございます。それやこれや考えまして、やはりこの際は六百円を八百円に、約二割五分くらいになりますか、是正をいたしまして、これをむしろ授業費の増加に充てたいという結論になりまして、これに基づいて単位費用の算定をいたしたわけでございます。なお定時制につきましては、その実態等から考えまして、地方財政計画なり、あるいは地方交付税の算定基礎になっております三百五十円を下回る団体が相当ございますので、これはそのままにいたしております。
○加瀬完君 ある県の知事は、地方財政法の改正で父兄の寄付が禁じられて、県費負担が相当重くなったので、授業料を上げなければならない、こういう言明をしておるわけでございますが、これを自治省もお認めになりますか。
○政府委員(柴田護君) そういう事情も、そのすべてが是とは申し上げませんけれども、県の事情によりましては、あろうかと思います。
○加瀬完君 おかしいじゃないですか。諸般の情勢を勘案して、地方財政の二十七条三項というものを入れたわけですね。入れまして寄付を禁止したわけでありますけれども、寄付を禁止しましたところで、財政計画の上では、高等学校の運営はできるという前提のもとに財政計画が組まれておるわけですね。それを、寄付を禁止されたから授業料を上げなければまかなえない、こういうものの言い方は、まるでそれは授業料だけで——さきの大臣のお話じゃございませんが、水道の独立採算制と同じようなものの考え方ですね。教育費の補てんというものを授業料だけでまかなうというものの考え方は、私は必ずしも正しいとは思われない。そこで、一体そういう考え方というものを自治省は肯定をされるかどうかということとともに、授業料を上げて、それならば高校の授業費は幾ら補てんをされるのか、補てん率は幾ら伸びるのか、それをお示しいただきたい。
○政府委員(柴田護君) 私が申し上げましたのは、高等学校の施設並びに運営費というものにつきましては、特別に制限を設けておるわけでもございません。県によりましては通常のレベル以上の施設をしておるところもございましょうし、そういうものを従来寄付で行なっておったものを、それが寄付金を禁止することによってできないと、つまり財政計画なり、あるいは地方交付税なりというものの想定しておる水準をこえる部分について、そういうものが起こりました場合に、そういうような県事情として授業料の問題というものを再検討するというようなことになるといったような県もおそらくあるだろう、こういう意味でございまして、何もその考え方すべてが当然だと申し上げておるのではないのでございます。県によりましては、そういう事情のあるところもあるでございましょうと、こう申し上げておるわけでございます。しかし、財政計画なりあるいは交付税では最小限度の必要財政需要の算定はいたしておりますし、それについての措置はしておるつもりであります。基準財政収入額のほかに残しております二割の税金でもって、必要なものがあれば高等学校教育に充当するということも可能なわけであります。私どもといたしましては、このこと自身について、そのいまおっしゃいましたような行き方自身のすべてをもって当然だ、あたりまえだといったような考え方を決してとるものではございません。授業料六百円を八百円に是正いたしましても、それで計画上ふえてまいります額は約六十億円というように想定いたしております。
○国務大臣(吉武恵市君) 先ほど私申し上げました点で誤解を受けてはいけないかと思いますが、私は、学校のその授業料は独立採算制ということじゃございませんで、水道について申し上げましたのですから、どうぞ御了承いただきたいと思います。それと同時に、学校の施設費、それを授業料でカバーするというようなことをしてはいないのでありまして、ただ、それでなくても生徒の一人当たりの経費というものが、三十一年度から今日の間までに二倍以上にもなっておるようなことでもあるしするから、こういうことでございますから、ひとつ御了承いただきたいと思います。
○加瀬完君 これは財政局長でけっこうですけれども、この昭和三十年を押えて三十九年を比較しますと、いわゆる高等学校に生徒を入学させておる父兄の負担の増加率はどうなっておりますか。
○政府委員(柴田護君) 私どもの調べでは、PTA関係の負担の増加額が一・六倍、それから高等学校生徒一人当たりの授業料が二・二倍、国民所得が二・二倍、教員の給与費が二・一倍、物価が一・四倍、こういう形になっております。
○加瀬完君 全体を含めますと、文部省の統計によりますと一五一%ということになっておりますね。これはお示しの一・六倍よりは低いかもしれません。一五一%……。物価は三四%くらいでしょう、上がっておるのは。物価よりも教育費の負担というのが非常にかさんでおるのですね。これをどうして押えるかということも、これは物価対策全体から見ても、やはり考えなければならない問題と思うのです。で、もう時間がきましたので、端的に大臣にお答えをいただきます。父兄の教育費の負担というのが非常にかさんでおるわけでございますから、授業料を上げるとすれば、いままで不当に負担をしておった、あるいは妥当を欠く形で負担をさせられておりました建設関係の——実質的には建設関係の費用負担といったようなものだけは、はっきりとここで打ち切っていただきたいと思いますが、先ほどのお答えでは、そのようにお取り運びいただけるというように承ったわけでございますが、よろしゅうございましょうか。
○国務大臣(吉武恵市君) 先ほどお答え申しましたように、そういう建設費を父兄に負担さすということは、財政法でも認めていないところでもございまするし、そういうことは今後といえども私どもは、しないようにという指導を、もちろん厳重にいたすつもりでございます。
○加瀬完君 文部省来ておりますね。それでは文部省に伺いますが、文部省は、都道府県が住民にその負担を転嫁してはならない。経費ということで定められた地方財政法二十七条の三項をどうお考えになられますか。
○説明員(今村武俊君) 法律に書いてあることですから守っていくべきものだと思います。
○加瀬完君 国立の学校ではこれを守っておりますか。
○説明員(今村武俊君) 初中局の関係をやっておりますので、国立は存じません。
○加瀬完君 初中局だけではないんですね。文部省全体として、国立学校の寄付というものは相当に多い。地財法の二十七条の三項は適用されないかもしれませんけれども、その趣旨というのは、これは国の法律ですから尊重さるべきものだと思います。課長さん、いま尊重をするとおっしゃったけれども、尊重されておらないんですね。一体、昭和三十七年の決算で国立学校が一般の父兄から寄付をさせたものはどれくらいあるとお考えですか。
○説明員(今村武俊君) 残念ですが存じません。
○加瀬完君 それではあとでお調べをしていただくとしまして、追って質問をすることにしたいと思います。何々建築期成会とか、何々拡充期成会とか、あるいは何々大学後援会あるいは何々大学付属何々学校建設後援会、こういったようなものが非常に数が多いんですよ。国が国立学校をつくるのに、その敷地から校舎まで寄付させておいて、それで都道府県は地財法を適用してされるのだから、都道府県は寄付をつのってはいけない。あるいは都道府県や市町村に国が割り当てて寄付をさせている。こういうことをやっておりましては、だれも地財法なんか守るものはありませんよ。これは財政局長実情を御存じでしょう。どうお考えになりますか。文部省は一番多いんだ、寄付を集めるのが。
○政府委員(柴田護君) 実情を統計的に調べたことはございません。ただ、御指摘のような事例が非常に多いことは私どもも十分承知いたしております。毎回大蔵当局なりあるいは文部当局に是正方をお願いをいたしておるわけでございまして、まあ一番多いのは敷地を寄付してくれ、それで、最近ありましたのは、高等専門学校、高専誘致に関連して敷地寄付という問題が非常にあったわけでございます。その問題について、私どももこの法律をかけました手前もあって、非常にこの関係の是正に苦慮いたしました。まあ、そこで、最近は財産交換という形でもってこの間の調整をはかっておるというのが実情でございます。また、県立大学の国立移管というものに伴いますいろいろの負担といったようなものにつきましても問題がございます。私どもがその間に入りまして、その間の調整をはかっておるような次第でございます。
○加瀬完君 これで質問やめますが、高専校を除いて、三十七年度に土地を金額に見積もって十四億三千九百万、建物そのものの寄付を金額に見積もって十五億九千九百万、これだけ一般から寄付をさしているんですよ。で、この問題は、私は文部省に地財法の問題とからめて質問をしましたら、これはこういう公開の席上ではございませんでしたが、学校を建てるためには寄付というものを二十七条の三項だの四項だのというふうに禁じてしまっては、非常に文部省としては困るんだという、こういう御見解を述べられた方がございますが、現課長さんもさようでございますか。寄付というものがなければ学校は建たないものだと、学校をよくするためには、父兄の負担ということは問題であっても、学校に限っては寄付は大幅に得られるように、法律をむしろかえるべきで、地財法の寄付の禁止なんというのはどうも当を得ていないというようにお考えになりますか。
○説明員(今村武俊君) 現行法が理由があって定められておることでございますから、現行法の趣旨に沿って運営していくべきものだと思います。ただ、学校の実態をよく見ますと、学校というものが、たとえば小中学校の場合でございますと、市町村の営造物であって市町村の経費で運営されるべきものだということでありますけれども、学校に何か法律上の主体性があるような考え方が強うございまして、足りなければ、わりに安易にPTAに頼るというような現実の習慣、しきたりが非常に強うございます。そういう点を今後是正していく方向で考えるべきであって、それを基準にして現在の法律を改めるという方向は、逆なんじゃなかろうかと思います。
○加瀬完君 それではもう一つ恐縮ですがお伺いをしますが、そういうお立場であると、文部省は文部省統計を毎年おとりになっているわけですね。そうすると、当然これは地財法の違反であるべき寄付が、具体的に言うならばある県においては二十二億、これは数字を私持っております。十五億平均にしたところで、どう少なく見たって六百億前後の金というのが、負担すべからざる負担として父兄のほうからは納入されているわけですね。これは文部省統計に出ているわけですから、なぜこういうものを問題にして、もっときびしく府県の教育委員会等にこういう二十七条の三項に違反するような父兄負担というものを禁じないのか、こういう疑問を持たざるを得ない。今後は文部省もこういう方向でやはり法律は法律のとおりに守る、父兄の負担は軽減をさせる。父兄が負担をしなくて学校の運営ができないという経費の状況であったら、それは財政計画なりあるいはその他のいろいろの前提の条件というものを文部省なり自治省なりあるいは大蔵省も含めてお考えいただければいい問題で、財源がないから法律にも禁じられている父兄の負担をも大目に見のがすということでないように指導していただけるものと考えてよろしゅうございますか。
○説明員(今村武俊君) 新米の財務課長でございますので、あまり詳しく言えない点もございますけれども、従来文部省の統計によりまして、父兄負担が相当あるということは存じております。従来の担任者もそれは存じていたことと存じますが、それで文部省といたしましては、父兄負担の軽減をはかるためにいままでやってきたことは、大蔵省と折衝していろんな教育の経費もふやしていく、自治省にも交付税の計算でいろいろ資料を出してお願いをして、財源的なワクを広げていく、まあこういう関係に力を注いできたように思います。それで、その限度内において教育費をまかなわなければならないということになりますと、学校当局がPTA等に対していろいろお願いをして、その強制的と強制的でないとの限界が非常にあいまいでございますので、その辺を利用してというと悪いんですが、そういうほんわかとした形において教育の理想を達するために学校当局は非常に努力していた、そういう面については大目に見ていたという実情にあると思うんです。それで文部省自体として、今後やるべきことは、まあ教育費のワクを広げるということはもちろんでございますが、そのワク内で絶対にやるべきである、それ以上はPTAから経費をもらってはいけないというふうに議論を詰めてまいりますと、非常に学校当局を圧迫することになるんじゃないか。それゆえに代々の関係者がしばらく大目に見ていたんじゃないかと思うのでございますが、そういうあたりをどういうぐあいに運営すべきものかと、実は私いま非常に困っておる、考えておるところでございます。なお十分研究いたしまして、文部省としての方針を出してもらうように考えていきたいと、かように思っております。
○加瀬完君 どうも最後が延びて恐縮ですが、学校が困って寄付を集めるんじゃないんです。これは御存じでしょう。たとえば自然増とか社会増でそこに高等学校をつくってもらわなければ困るとなりますと、それならば二分の一経費を持てという形で教育委員会なり県のほうからくるのですね。あるいは相当学校がいたんでまいりますと改築をしなければならないというと、おまえの学校は五十周年記念だろう。それなら五十周年記念ということで、ある程度寄付で金を集められるのではないかという暗示をかけるわけです。それで施設充当積み立て金とかなんか、わけのわからない名目で、生徒から金を学校が取らざるを得ないという財政の仕組みということが問題なんです。地財法でそういうことはだめだということをはっきり基本的にきめていただけば、こういう問題は防げるわけです。おかしいでしょう。大臣も言っているけれども、水道と学校は違うというならば、独立採算制なんというけちなことを言わなければ、社会的必要があるならば、そこに学校を建てべきでしょう。義務教育の学校だったら建てないわけにいかないでしょう。それならば高等学校であろうとも建てるべき必要があれば当然それの財源は公共団体でまかなって建てるべきであって、その内容の施設その他について父兄が協力をしたいということまでも私は禁じようとは言いませんけれども、学校の敷地を買うのから地元の負担という形ではけしからぬじゃないですか。しかも寄付ができないというから、一般財源へ寄付をしろ、一般財源でおまえのほうへひもをつけて地元へ流してやろうということであれば、これは何のために二十七条三項だの四項だのをつくったのかということを疑いたくなります。そういう点、きびしくひとつ自治省ともども文部省も御監督をいただきたい。希望を申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(天坊裕彦君) 本件に関し、本日の調査はこの程度にいたします。次回は二月十八日木曜日、午前十時に開会の予定でございます。 それではこれにて散会いたします。 午前十一時十四分散会 —————・—————