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48回国会参議院1965/03/11

大蔵委員会 第11号

発言数
81
登壇者
12
会派数
4
開催日
1965/03/11

会議録

西田信一自由民主党

○委員長(西田信一君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。  本件につきましては、すでに提案理由の説明は聴取いたしておりますので、これより補足説明を聴取いたします。喜田村国税庁次長。

喜田村健三国税庁次長

○説明員(喜田村健三君) 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件について、補足説明を申し上げます。  最初に、東京国税局管内の荏原税務署の設置について申し上げます。現在、東京国税局管内の品川税務署は東京都の品川区を管轄しておりますが、同署の管轄区域である品川区は、京浜工業地帯の一翼としての工場地区、五反田駅周辺の繁華街及び住宅地などが中心となっており、最近の経済的発展は目ざましいものがあります。  これに伴いまして、品川税務署管内の納税者数、徴収決定税額等は、最近十年間について見ると、法人数は一・八倍、徴収決定税額は四・三倍となっており、その増加は著しく、税務署の事務量の限界に達し、税務指導等納税者に対するサービスの面でも支障を生じようとしております。  また、同署の職員定数も定員三百四人と全国第五位の規模を有し、事務管理上少なからず支障を来たしておりますので、今回、品川税務署の管轄区域を分割して旧荏原区の地域を管轄する荏原税務署を設置しようとするものであります。  次に、東京国税局管内の武蔵府中税務署の設置について申し上げます。これにつきましては、次に申し述べますような立川税務署及び武蔵野税務署の事情に基づくものであります。  立川税務署は立川市、府中市、昭島市、調布市、国分寺市及び北多摩郡の一部を、武蔵野税務署は武蔵野市、三鷹市、小金井市、小平市、東村山市及び北多摩郡の一部をそれぞれ管轄しております。  この両署の管轄する地域は、三多摩地区の中心部及び都区内に隣接した地区であり、しかも交通の便に恵まれております。  このため、マンモス団地、一般住宅地の造成が行なわれており、工場建設なども盛んでありまして、最近、急速に発展し、今後も相当の発展が予想されているところであります。  これに伴いまして、納税者及び課税物件は急激に増加し、最近十年間について見ると、両税務署合わせて、法人数においては、三・二倍、徴収決定税額においては実に六・六倍の増加を示しております。  一方、職員数も二十八年当時両署合わせて二百十三人であったものが、現在三百六十二人と一・七倍になっており、立川署百七十四人、武蔵野署百八十八人といずれも相当大規模な税務署となっております。  そこで、納税者に対する便宜をはかり、あわせて事務管理の適正を期するため、この際、立川税務署及び武蔵野税務署の管轄区域を再編成して、府中市、調布市及び北多摩郡狛江町を管轄する武蔵府中税務署を設置しようとするものであります。  最後に、札幌国税局管内の札幌北税務署の設置についてでありますが、これにつきましても、次に申し述べますような札幌税務署及び石狩税務署の事情に基づくものであります。  札幌税務署は札幌市の中央部及び南部を、石狩税務署は札幌市の北部、江別市、千歳市、札幌郡、千歳郡、石狩郡及び厚田郡をそれぞれ管轄しております。  札幌市は、北海道の政治、経済、文化の中心地として、その発展はまことに目ざましいものがあり、これに伴いまして、納税者数、徴収決定税額等の増加も著しく、最近十年間について見ると、両税務署を合わせて、法人数は三・六倍、徴収決定税額は三倍の増加を示しております。  このような傾向は札幌市の主要部分を管轄する札幌税務署において著しく、同署の職員数は三百三十五人の多きに達し、京橋税務署に次いで全国第二位の大規模署となっております。  そこで、管轄区域を適正に編成し、税務署を適正規模なものとするため、札幌税務署を札幌中税務署と改め、札幌市の中央部を管轄させ、石狩税務署を札幌東税務署と改め、札幌市の東南部、千歳市、千歳郡及び札幌郡の一部を管轄させ、新たに札幌市の北部、江別市、札幌郡手稲町、石狩郡及び厚田郡を管轄する札幌北税務署を設置しようとするものであります。  以上申し上げましたように、今回の税務署の設置は、事務処理体制の確立をはかり、納税者の利便と税務行政の円滑な運営をはかろうとするものであります。  簡単でありますが、これをもちまして補足説明を終わります。     —————————————

西田信一自由民主党

○委員長(西田信一君) 次に、物品税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、以上二案を一括議題といたします。  両案の提案理由の説明はすでに聴取いたしております。  それでは、各案につきまして順次補足説明を聴取いたします。吉國政府委員。

吉國二郎大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(吉國二郎君) 最初に、物品税法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。  すでに提案理由でも御説明申し上げたとおりでございますが、小型乗用自動車、カラーフィルム、小型レコード及びカラーテレビジョン受像機、この四品目につきましては、昭和三十七年度に物品税法の全文改正をいたしました際には、この基本税率を二〇%とすることにいたしたわけでございます。しかし、当時このような四品目につきましては、開放経済体制を前にいたしまして、自由化等の関係でその技術控除をはかる必要があり、また量産をしてコストダウンをさして国際競争力をつける必要がございましたので、別途附則におきまして特別の軽減税率を設けたわけでございます。すなわち、小型乗用自動車につきましては、一五%、他の三品目につきましては一〇%の軽減税率を適用してまいったわけでございます。この適用期限が本年の三月三十一日ということになっております。  この三年間にこれらの物品の量産化が進んだかどうかという点でございますが、小型乗用自動車につきましては、その直前の三十六年の生産台数に対して約二倍に達しております。その他の三物品につきましても、いずれも二倍ないし三倍、ことに最初に台数の少なかったカラーテレビジョン受像機につきましては、実に二十倍というような状況になっておるわけでございます。しかも、技術的に比較いたしましても、ほぼ国際水準に達したという点も見られるわけでございます。そのような点から申しますと、この軽減税率はほぼ目的を達したともいえるわけでございます。  しかし、現在開放経済体制に突入いたしまして、すでにこの四つのうち自由化されたものもございますし、自由化を目前に控えておるものもございますので、こういう時期に一時に五%ないし一〇%の税率引き上げが行なわれるということになりますと、価格面その他でかなりの無理もあるかと思われますので、これらの現在までの軽減税率の効果を土台にいたしながら、暫定的に、三年間で基本税率に戻そうという趣旨の改正をいたすわけでございます。  すなわち、小型乗用自動車につきましては、昭和四十年度は一%だけ引き上げまして一六%、四十一年度におきまして一八%、四十二年度において基本税率に達するということにいたしました。その他三品目につきましては、四十年度は一三%、それから四十一年度は一六%、四十二年度において基本税率に達する、かような改正をいたすわけでございます。  なお、これに伴いまして、従来附則において定めておりました手持ち品課税につきましても、今回の税率改正の幅等を考慮いたしまして、その課税最低限を三倍ないし四倍に引き上げるということにいたしまして、手数の簡略化をはかっております。  この法律は昭和四十年四月一日から施行の予定でございます。  増収税額は、平年度三十四億円、初年度二十五億円と見込んでおります。  以上、物品税について御説明を終わります。     ————————————— 次に、相続税法の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。  今回の相続税法の一部を改正する法律案の内容は、すでに提案理由説明でもお話し申し上げましたように、三点を主眼といたしております。  第一は、被相続人の死亡によって相続人が取得をいたします生命保険金の非課税限度を引き上げることであります。従来、被相続人の死亡によって相続人が取得いたしました生命保険金につきましては、相続人一人につき五十万円を限度としてこれを非課税といたしております。この五十万円という非課税限度は、昭和二十九年に引き上げられましてから後全然引き上げておりません。その間に、相続税につきましては控除の引き上げを三度行なっております。しかし、その際にもこの五十万円は手をつけていなかったわけでございます。しかし、最近の実際の課税の実績なり、あるいは新しい契約の状況から見ますと、五十万円というのは、この制度の趣旨から申しまして、やや低過ぎるという面もございますので、今回、この限度を百万円に引き上げようといたすわけでございます。  なお、この際に、従来課税上問題もあったわけでございますが、損害保険契約に基づく保険金でございまして本人の死亡を保険事故といたしておるものにつきましては、余命保険と全く同じ内容を持っておるとも考えられますので、今回偶発的死亡を事故とする損害保険契約は、これを生命保険契約と同様に、被相続人の死亡によって相続人が取得した場合、相続人一人につき百万円の控除を認めるということを法律上明らにいたしたわけであります。  第二番目は、申告手続の、何と申しますか、合理化と申しますか、従来、贈与税の申告書の提出期限は二月末日となっておったわけでございまして、しかし、御承知のように、贈与税と所得税法におきまする譲渡所得の課税とは、かなり密接な関連がございます。したがいまして、所得税で譲渡所得の課税があった場合に贈与税が関連して生ずるという場面がしばしば見受けられるわけでございますが、その際に、申告期限がすでに経過をしておるということになりますと、善意の納税者が無申告というような結果を生じますので、この関連した税法同士の申告期限を同日にするという趣旨におきまして、この二月末日という申告書の提出期限を三月十五日とし、所得税と一致させることにいたすよう改正をいたしたいと思っておるわけでございます。  最後に、第三点は、最近、定期金給付契約あるいは保険契約の内容が多様化してまいりまして、いろいろの形のものがあらわれてまいりましたために、現在の法律の規定でこれを解釈で運用してまいりますのにかなりの困難がございます。したがいまして、これらの契約の多様化に応じまして、それに応じた規制を加えていく必要がありますので、技術的にみなし相続財産についての範囲あるいはこれらの契約金の給付金に対する評価方法等を明らかにするため、技術的な改正を行なっているわけでございます。  なお、相続税の改正のほうは四月一日から施行いたしまして、四月一日以後の贈与から適用するということにいたしております。  以上簡単でございますが……。

西田信一自由民主党

○委員長(西田信一君) 以上で両案の補足説明は終わりました。  これらの三件の審査は、後刻、調査案件の質疑終了後行なうことといたします。     —————————————

西田信一自由民主党

○委員長(西田信一君) 租税及び金融等に関する調査のうち、企業金融に関する件を議題といたします。  本件につきましては御質疑の通告がございますので、これを許します。佐野芳雄君。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 最近、中小企業の倒産が非常に多くなってきておるのですが、この中小企業の倒産は金融引き締めの始まった去年あたりから実は激増をしてきておるわけです。特に昨年末の日本特殊鋼、あるいはサンウェーブ工業、さらに続きまして、今月に入って日本繊維工業と山陽製鋼の行き詰まりなど、いわゆる成長産業として注目されていた中堅企業が倒産していることは注目をしなければならぬと実は考えております。  いま問題にしようとしております山陽製鋼は、従業員は約三千七百名であります。資本金は七十三億八千万円で、自動車用の軸受け鋼や合金鋼など特殊鋼の大手のメーカーでありますし、しかも経済成長政策の選手的な役割りをもって、原料から製品までの一貫体制の建設に踏み切り、大がかりな設備投資を行ない、合理化をはかろうとしてきておるのであります。  この山陽製鋼が、六日の日に会社更生法の適用の申請を行ないまして、すでに言われております負債は四百億と言われ、あるいは五百億と言われておるのでありまするが、この山陽製鋼の主要株主を見ますと、三井信託銀行、富士製鉄、神戸銀行、三菱信託、東洋信託、伊藤志商事、国際運輸倉庫、住友信託、そして荻野一、三井物産等でありまして、これで約三五%の株を持っておるわけであります。このうち荻野氏はもちろん社長でありまするし、国際運輸倉庫は荻野氏の経営する会社であります。この二つの持っておりまする株は約六百万株でありまして、全体から見ますとわずかであります。いわゆる金融機関と富士製鉄が主として株を取得しておる、こういう状況にあるわけであります。  したがって、富士鉄は、ある意味において、実際的にも山陽製鋼の親会社であります。また、神戸銀行を中心にいたしまする三菱、三井等は、それぞれ金融機関として非常な融資を行なっておるような事情がございますから、当然、平常におきましてもその指導監督が行なわれておらなければなりませんし、また、山陽製鋼の経営の内容等につきましても承知をいたしておるはずであると私たちは判断をいたしておったのでありまするが、最悪の事態に実は今日立ち至ったわけであります。特に、あとでまた触れたいと存じますが、山陽製鋼は設備投資を行ないます過程において、外資の導入等もいたしております。  まあそういうことについて、大蔵、通産両当局の御見解、あるいはそういう今日までの状況についての、御承知の向きを、ひとつお伺いいたしておきたいと思います。

西田信一自由民主党

○委員長(西田信一君) なお、委員長から、本日の政府側の出席されている方を申し上げておきます。鍋島政務次官のほか、政府委員といたしまして、高橋大蔵省銀行局長、同じく影山中小企業庁次長、説明員であります通産省谷敷重工業局次長が出席をいたしております。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 山陽特殊鋼の融資関係及び株主関係につきましては、ただいま仰せのありましたとおりでございます。で、株主としてはあまり飛び抜けた大株主はおりません。三井信託が一番多いと申しましても、六百六十万株でありますから、大体四%強にはなりますが、その程度でございますし、富士鉄が六百五十万株程度でございますから、まあこの程度、同じような割合になっております。  問題は、これらの金融機関がかなり大きな貸し出しを行なうにあたりまして、この会社の経理の実態を十分に把握していなかった。この点は銀行の審査に非常に粗漏な点があるということを認めざるを得ません。ただ、この会社の経理につきましては、私どもが当該銀行等から聞いたところによりますと、すでに昭和三十六年当時から赤字がはっきりしてきた。いまから振り返ってみると、そういうことになっております。ですから、数期にわたりまして決算を粉飾しておる。この決算の粉飾は非常に多岐にわたっておりまして、バランスシート、損益計算書のほとんどすべての部分に粉飾があった。そういうことで銀行側が、そういう経理の数字の面からは黒字であるのを実際は赤字であるというふうに判断するに至らなかったということでございます。  昨年、日本特殊鋼が、倒産といいますか、会社更生法の適用を受けるに至りました。その後、これは特殊鋼業界全部が非常に悪いというふうなことがわかったわけでございまして、銀行側としても、そのあとでこの山陽特殊鋼についてもかなり深い調査をしてみましたところ、実際は黒字どころか毎期相当多額の赤字を出して、最近といいますか、その調査時点におきましては、百二十億円にのぼる累積赤字がある、しかも毎月赤字が積み重なっていく、こういうことがわかっておったのでございます。売り上げは月に十二億円くらいだそうでございまして、そうだといたしますと、この金融機関の借り入れ——これは外資も入っておりますが、金融機関からの借り入れ三百十億円にのぼっております。それに対して売り上げが十二億円というのは、いかにも、どう考えてもバランスのとれない話でございますので、その辺からだけでも、もっと早く気がつくのが当然ではなかろうかと私は思うわけでございますけれども、一ころ富士鉄が相当力を入れて、更生法まで持っていかないで何とか救済の道を講ずるような話もございました。  しかし、これはその後新しい設備投資計画も非常に大がかりなものを考えておるとなりますと、その金は、もう自己資金というようなものは一つもございませんので、全部借り入れ金にたよるのですから、このまま経営を続けるとなると、まあ少なく見ても二百五十億円、多く見れば三百億円の追加融資が必要になる、こういうことではとうてい銀行側としてこれにつき合っていけない、そういうことから今回会社更生法の申請を決定するに至った、これが実態でございます。  私ども、そういった銀行の審査の点に非常な手抜かりがあったことは厳重に指摘しておるわけでございますが、今後におきましても、このような粗漏な貸し出しを行なわないように十分注意を促してまいりたいと思います。

谷敷寛通商産業省重工業局次長

○説明員(谷敷寛君) 通産省のほうからの見解と申しますか、ちょっと御説明申し上げたいと思いますが、この山陽特殊製鋼の経営が破綻いたしました原因は、一つは、やはり特殊鋼業界が全般的な不況の状況にあります中に、設備投資あるいは販売政策の面におきまして会社があまりにも積極的な経営を強化したためじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。この会社は従来から非常に設備投資が過大でございまして、通産省といたしましても機会あるたびに会社に自重するように伝えたわけでございますが、必ずしも会社側で通産省の勧告を聞かないで積極経営を強行したというような経緯もあるわけでございます。  また、富士鉄等の関係でございますが、この会社は富士鉄の子会社のように考えられる向きが多いようでございますけれども、これはそうではございませんので、たまたま会社が富士鉄の広畑製鉄所の近傍にあったということで、むしろ山陽特殊製鋼からいろいろ頼まれて、当初技術的な指導を行なったという関係で、技術重役を派遣をしたわけでございます。その後山陽特殊製鋼がなお積極経営をやろうということで、原料になります銑鉄を自分で溶鉱炉をつくって確保したいというような計画を立てましたが、これをやりますと相当な金も要りますし、たいへんな拡大計画でございましたので、これはむしろ通産省が中に入りまして、たまたまそばに富士鉄の溶鉱炉があるわけでございますから、富士鉄から銑鉄を供給したらどうかというようなふうに話をいたしまして、その結果富士鉄から銑鉄を供給しようというような話になり、そこであらためて富士鉄から重役が行くというような形になったわけでございまして、先ほど話がございました富士鉄の持ち株四%くらいでございますか、これも富士鉄が積極的に株式を取得したということではなくて、会社に対する銑鉄の売り掛け代金が払えなくなったためにこれを株式に振りかえたというような形になっておるわけでございます。  ただ、今後の再建につきましては、経営面におきましては富士鉄の協力がなければなかなかむずかしいんじゃないかというような意味で、富士製鉄はこれからの経営の再建については大いに協力はいたしましょうと、こういう状況になっておる次第でございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 銀行局長にはあとで重ねて尋ねますが、関連いたしまして、いま通産省のほうから特殊鋼業界の不況の問題が出ましたが、それはそのとおりだと思うのです。しかし、富士製鉄の関係ですが、富士製鉄は大同製鋼、あるいは山陽特殊製鋼も含めて愛知製鋼等、これは八幡系の系統だといわれておりますけれども、こういう富士グループが中京地区にそれぞれ共同して特殊鋼のビレット・センターをつくるという計画を推進していることは御承知だと思うのです。これに対して山陽製鋼は積極的な賛意を表してはいないわけなんですが、少なくとも今度の問題を契機にして案外それが話が進むのではないかというような一面の見方もされておるわけなんですが、そういう関係といまあなたのお話とはどういうことになりますか。

谷敷寛通商産業省重工業局次長

○説明員(谷敷寛君) 特殊鋼の業界は、普通鋼の業界に比べますと、非常な中小企業になるわけで、相対的には中小企業になるわけでございまして、これが非常に不況であり、不況の原因が一つは過当競争、あるいは規模が小さくて合理化が進んでいないというようなところにあると考えられますので、ただいま御指摘のように、関東地方におきましては、日本特殊鋼なり特殊製鋼、あるいは三菱製鋼というようなグループが八幡の後援で合理化を進めるような計画をやるとか、あるいは中京地区におきましては、ただいま御指摘がございましたように、大同製鋼なり愛知製鋼が共同して合理化の設備を進めるというような指導もいたしますし、そういう方針で進んでおったわけでございます。山陽特殊製鋼につきましては、この中京の計画に参加するかしないかという点は必ずしもはっきりしていなかったわけでございますので、これは今後山陽特殊鋼の再建をどういうふうに持っていくかという問題とからみまして、いまの中京の大同グループに含めたほうがいいということがはっきりいたしますならば、そういうふうに指導したいと思いますが、現在の段階ではまだ山陽特殊製鋼の再建をどういうふうに持っていったほうがいいかということが必ずしもはっきりいたしておりませんので、もう少し研究をさせていただきました上で結論が出ることになろうかと考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 なお、重ねて、関連いたしますからこの機会にお尋ねをしておきますけれども、十日の日のこれは東京新聞ですが、永野富士製鉄社長が語っている記事があるのですけれども、それについて、山陽特殊製鋼の再建については選ばれる管財人は銀行団から出してもらいたい、それから富士鉄としては常務クラス以上の相談役を出して協力をしたい、また中京地区に特殊鋼ビレット・センターをつくる計画は今後も一そう推進したいというような、いろいろな発言をしているわけなんですが、このことは、富士製鉄としてはこの問題に、どの程度の含みがあるかは別の問題です、いろいろな理解のしかたがあると思うのですが、あなたのおっしゃるように、ただ山陽が富士鉄の近くにあるから親会社と子会社の関係といわれておるけれども、ほんとうはそうじゃないのだという判断は、ちょっと軽率じゃないかと思うのですが、その点いかがですか。

谷敷寛通商産業省重工業局次長

○説明員(谷敷寛君) その点はなかなかむずかしい問題でございますが、従来の経緯はそういうことで、近くにあったために比較的緊密な関係になっておったということでございまして、そのほかにはいわゆる資金的に非常に支配をするような株を持つとか、あるいは金融をするとかというようなことは実はなかったわけでございます。  今回の特殊製鋼の再建につきましては、やはり金融の問題と経営の問題と両方で援助、てこ入れをいたしませんと、再建がうまくいかないというような状況でございまして、金融のほうは関係の銀行団で手配をするということになっておるということになっておりますが、経営面につきましては、やはりどっかに頼むということになれば富士鉄が最も適当だというようなことで、富士鉄にこれは関係銀行団からも依頼をしているようでございますが、そういう関係で富士製鉄に経営面はお願いをするというようなことになっておるように了解しております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 これは私的なことは避けたいと思うのですが、私は個人的に荻野社長とは三十五年来の知己でして、彼が現在の仕事に入ります前は、飛島組の監督のような仕事で、現在の富士鉄の広畑製鉄時代に飛島組の監督の仕事をしておったわけです。そういうことで広畑とは三十五年来の関係にあって、そういう中で今日の成長を遂げてきているわけです。したがって、厳密な意味における商業ベースとは別に、どんなふうな関係にあるかということは御承知おき願いたいと思います。  そこで、その問題は、通産省の関係はあとでお尋ねしたいと思うのですが、いま銀行局長がいろいろ調査あるいは監督の点で遺憾の点があったことをおっしゃったのですが、その中で、私はやはりこれはこの際言っておきたいと思うのですけれども、とにかく株式の所有の状況はそうなんですが、役員の人事を見ますと、取締役副社長藤井素介氏はもと三菱銀行の取締役であったのですね。どういう関係で入ったか、これは別の問題です。しかし、少なくとも荻野社長が非常に広い方面における仕事をしておるときに、藤井副社長は主として山陽製鋼の仕事に専念しておったわけなんです。この方は、三菱銀行の取締役としておられた方が入っておるわけなんです。それから、常務取締役には富士製鉄の取締役をしておったが芹沢さんがおられるわけです。そのほかにもたくさんおられますけれども、神戸銀行、あるいは富士鉄広畑製鉄の部長をしておられた方がおられるわけです。さらに、これは銀行局長にお聞き願いたいのですが、監査役が三人おるのですが、この三人は、一人は神戸銀行の監査役をしておられるのです。一人は現在の朝日生命の社長です。一人は高松の国税局長、大蔵省出向の大臣官房の勤務を経て、監査役になっておる。こういう前歴の人が三人監査役におるわけなんです。そういうふうな監査をする立場の三名の者が、そういう前歴のある方々がおられるのに、こんなことでいいのかということですね。これは大蔵省の管轄と別ですが、ちょっとその点、御意見を伺っておきたいと思います。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 仰せのとおりでございまして、副社長は三菱銀行から参っております。それから、最初は常務でございましたが後に専務になりました平木という方は、神戸銀行の取締役から行っております。この両名の方はいずれも三十八年の十一月に行っておるわけでございます。ですから、当時すでに実は相当な赤字をかかえておって、それからその後も一年くらいの間特殊製鋼の非常な不況が続くわけでございます。  それで、こういう点につきましては、まことに外部から見ておりますと、非常にふしぎな感じがするわけでございます。せっかく銀行から行っておりながら、経理面もどうしてわからなかったかということでございますが、これはもちろん、これらの銀行から参ったと申しましても、いわゆる出向されて行っているんじゃございませんで、つまり銀行をはっきりやめた方が再就職したというようなかっこうになっております。出向社員の場合ですと、また必ず当該銀行に戻ってくるということもございますし、かなり何といいますか、うしろだてが強うございますので、経理面に口出しをするということも当然でございますが、実情を私どもが聞いたところではっきりしたことは、これは言えないのでございますけれども、どうも社長が非常に忙しいと申されましたが、社長だけが経理の実態を実際に把握しておる。これらの新しく入られた、一年くらいになります——一年以上になりますが、それらの銀行から行った重役の方には一切経理面をタッチさせなかったんだそうでございます。タッチしないのがよくないのでございますが、とにかくほとんどつんぼさじきに近いような状態で、もっぱら銀行から金を借りてくるときの御用をするけれども、中身を把握するということがほとんどない。じゃ、だれが社長命を受けて経理を、実際いろいろ粉飾計算をしておったかという点が問題になりますが、その点は私どもあまりつまびらかでございません。  ただ、何か銀行の方の説明によりますと、単一の人物がその経理を全部やっておったのじゃなくて、複数の人物が、何といいますか、全然切り離して横断的に、縦断的に全部見るというう体制にはない。だから、それを集約して握っているのが社長一人である。その社長が非常に説明がうまいそうでございます。銀行の頭取など、その話を聞いておりますと、非常に感心する。それから、新しい設備の工場を見にいくと、非常にりっぱである。そういうことで疑いを十分に持つに至らなかった、こういう説明でございます。  いずれにしても、ちょっとふしぎな現象とは思いますけれども、実情としてはそのようなことで何年もの間粉飾が続けられておった、こういうことでございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 局長の御答弁、私は三分の一くらいはそのとおりと思いますが、三分の二はそうではないと思うのですが、その点はこの際深く掘り下げてお聞きしようとは思いません。  そこで、この際、実は委員長にお願いして、宇佐美日銀総裁にきょうお越しを願うようにしておったのですけれども、日銀総裁の件はきょうは御遠慮されているようであります。そこで、日銀総裁のお考えの問題は、これは日銀の関係でないからお答えができないとおっしゃられれば、それはやむを得ないのですが、しかし、日銀は特殊な銀行でございますから、大蔵省のほうで御答弁ができる面があろうかと思いますしいたしますので、はっきりお聞きいたしたいと思います。  六日の日に更生法の申請が新聞に発表されているのですが、ところが、すでに五日の日に日銀総裁談話が発表される態勢が出ているわけです。しかも、これは異例の特別記者会見と申しますか、特別談話と申しますか、出ております。これは私たちは、ある意味において宇佐美さんらしい機敏な措置であると理解しておりますが、そこで、その談話と申しますか、日銀の意向と申しますかという中に、いろいろあげられているのですが、その中で、姫路商工会議所会頭の龍田さんなんかが入って、地方で発表しておりますときに、日銀の意向も含めての通産局、中小企業庁あるいは銀行等の意見を打診した結果だと思いますが、第一番目に、山陽製鋼が行なっております生産の実情から見て、自動車産業保護のために工場の操業は絶対必要である。さらに、連鎖反応を防ぐために金融上の助成をするために政府資金の融資は当然行なわなければならない、こういうふうに言っているわけです。その後、通産省当局なりあるいは大蔵省の出先等のいろいろの関係のほうでは、そういうふうなことを裏書きするがごとき努力という表現になっておりますけれども、いろいろやっているのだ、やるのだ、こういうふうに言っております。  そこで、まず第一番に、通産省もしくは中小企業庁の方にお伺いしたいのですが、さっきも出ておりまして、確かに業界の不況の波の中で困難はありますが、しかし、自動車産業保護のためにはこの工場の操業は必要であるという、そのことについての御見解を聞かしておいてもらいたい。

谷敷寛通商産業省重工業局次長

○説明員(谷敷寛君) 自動車産業だけではございませんが、山陽特殊製鋼の最も重要な製品はベアリングの部品でございまして、これはもう国内の供給の九〇%くらいは山陽特殊製鋼が供給しているわけでございます。したがいまして、まず第一に、ベアリング業界に非常に影響を及ぼす。それから、このベアリングは間接的に自動車に影響を及ぼしますし、ベアリング以外のものにつきましても、自動車用の材料が非常に多いわけでございまして、ここで生産がとまります場合には、ベアリング業界及び自動車業界に非常に影響、打撃を与えるということは事実でございまして、通産省といたしましては、何とか生産がストップしないように切り抜けていきたいというふうに考えたわけでございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 そうすると、はっきり申し上げて、あなた方の立場からいうと、一つの企業の倒産ということではなしに、現在山陽製鋼の生産している仕事の事情からいっても、ぜひ存続をさす必要があるのじゃないかというふうにお考えになっているわけですね。

谷敷寛通商産業省重工業局次長

○説明員(谷敷寛君) そのとおりであります。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 それから、その次に、連鎖反応を防ぐための金融助成を政府のほうで資金融資を行なってでもやる準備があるのだということを言っておるのですが、これについて通産当局並びに大蔵省の見解を伺いたい。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) この山陽特殊製鋼の場合、負債総額は五百億円を若干上回る程度かと思いますが、その中で最も大きいのが金融機関からの借り入れ金でございまして、それ以外のいわゆる買い掛け債務、支払い手形等は全体で二百二十億円くらいじゃないか。確定した数字ではございません。その二百二十億のうちで、約百二十億円は大商社を中心とする商社の持つ債権でございます。したがいまして、残り百億円ぐらいになりますが、その中で、これを分けますと、大体四十四億円くらいが中小企業のもの、それから中小企業でない分が、もちろん大企業というわけではございませんが、その残りであるというふうに推算されております。  特にこれらの中小企業を含めました百億円の分につきましては、私どもも連鎖倒産というふうな事態を極力防止するという考えで、かねてそういった趣旨の連鎖倒産は絶対に防ぐようにという通達を出しておりますが、同時に、こういう事件が起こった場合に直ちに金融懇談会を開きまして、当該財務局が中心になりまして関係の金融機関を全部集めまして、それぞれその分に応じた応援をしていただくというふうな段取りをして話を進めております。現に今回の場合もそういった関係の会合を何回か催しまして、そしてことに地元である神戸銀行はあの兵庫地区には非常に支店が多いわけでございます。そういう関係で、取引先もこの関係者の中のかなりの数にのぼっておるわけであります。会社の数は全体で三百数十社といわれておりまして、中にはずいぶん小口のものもございます。そういったものについて一件一件全部会社側から債権者の名前と金額、そういうものを集めまして、そしてそれらについてはどの金融機関が取引があるか。それらの業者はたいていの場合には取引銀行があるわけでございます、中には相互銀行も含めまして。そういったものを全部リストでもって分けまして、どの分をどの銀行が担当するというふうなところまで入りまして、目下まだ完全にはでき上がっておりませんが、しかし、かなりのデータができておるようでございます。それに従いまして、百億円のうちのほとんど全部をみな貸す。つまり不渡りになった分に見合う分を貸しつけをするという方法で救済することに、そういう方向で進んでおります。  なお、どうしてもそういった銀行等にたよれない向きは、商工中金、中小公庫、国民公庫、こういう政府機関にたよるようにする。もっともこれらの政府機関の中にはすでに関係先、これらの百億円の中に含まれる中小関係の業者に若干の貸し出しをすでに行なって取引先になっておるものもございます。そういうものもめんどうを見る。  だから、まあ絶対に一社の落ちこぼしもないとは断言できませんけれども、しかしほとんど全部を金融という手段によってつなぐことができる、倒産を防ぐことができるのじゃないか。また、そのつもりでただいま鋭意やっておる次第でございます。

影山衛司中小企業庁次長

○政府委員(影山衛司君) ただいまの銀行局長の御説明のとおり、山陽特殊製鋼の倒産に関連いたしまして、主として中小企業の関連倒産を防止するための金融措置につきましては、中小企業庁、通産省といたしましても、出先の大阪通産局に指示いたしまして、大蔵省の財務局等とも協力いたしまして、現地におきましての打ち合わせ会あるいは大阪におきましての金融懇談会等を通じまして、実情の調査と同時に、具体的な金融の措置につきまして遺憾のないようにしておるわけでございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 お二人のおっしゃるとおり、確かに出先のほうではそれぞれの調査を行ない、それぞれ相談室を設けて相談に応じておることは承知いたしております。しかし、倒産を防止するために具体的に一体どのように融資をするかということが問題になると思うのです。その点については、私たちはまだいまのお話で満足は実はできぬのです。必要なことは、相談だけでなしに具体的な救済融資をどのようにしていくかということに、やはり私は問題がかかってくると思います。政府側のほうでは民間の金融機関に協力を求めてやっておりますが、これは限界があるわけです。確かに神戸銀行を中心にして地元の者はみな協力しているわけですから、いろいろ心配して努力していますけれども、これはあくまでも民間の金融機関ですから、協力しようという条件に限界がございます。当然にやはりある程度厳重なというか、ことばは悪ければ訂正しますけれども、選別融資が行なわれることは当然です。そういうふうな状態です。  銀行局長は一件もとはいきませんと言うけれども、すでに十日の日の東京新聞にも、山陽特殊製鋼の問題に関連をして下請企業の三紘製作所、それから及川金属工業、この二つが休業に入り、内整理に入っており、また大阪の鉄鋼問屋等でも代金回収不能のために倒産寸前のものが出てきておる、こういうふうにすでに発表されておるわけです。これは出てきている一、二の例です。私はもっと例を知っているわけですけれども、あとでまた申し上げますけれども、こういうふうな実情です。  この中で、ただ努力しているだけということでは私は済まぬのじゃないか。したがって、具体的にどのように援助するのだ、どのように協力するのだ、どこに対してどうするのだというふうな対策、対案をお示し願いたいと思うのですが、それはいいですか。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) ですから、私どもはその当該企業がどこの金融機関と取引があるかということをまず調べまして、その債権額が幾らであるか、それに応じて関係銀行が全額見るのか、あるいは全額見ない場合はその一部を神戸銀行が貸すとかいうような方法で、具体的に詰めて、一件ごとに詰めてやる。また、それは急を要するわけでございまして、三百数十社ございますから、そう一日にというわけにいきませんが、これは逐次全部支払い期限が近いものからどんどん片づけていく、そういうやり方で解決するつもりでございます。  百億円と申し上げましたが、一挙に期限が到来するというわけではありません。不渡りということにはなりませんけれども、多少期限はあるわけであります。ただ、この期限の中に非常に無理な長いものがあれば、そういうものは繰り上げて融資をする。そういう措置も講ずるつもりでございますが、一つの例といたしまして、この事件が起こる前に、つまり会社更生法の適用を申請するすぐ二、三日前のことでございますが、私どものほうへ銀行側が参りましたときに、たとえばこの神戸銀行は頭取みずから言われましたが、百億円のうち、まず概算四十億円は神戸銀行で全部引き受けます、自分の取引先を調べてみたところが、大体四割くらいあるようである、その姫路地区、兵庫地区、あるいは大阪地区、そういった近辺の取引企業、それはそのうちの四割程度は神戸銀行が責任を持って融資をつなぎます、こういうふうに言っているわけであります。そうでありますから、そのほかの三菱とか三井とか富士とか、そういった大銀行につきましては、神戸銀行がそこまでやると言っておるのだから、それらの銀行のそれぞれの分に応じて残りの分を全部負担してくれぬか、こういうふうな都市銀行中心にやっていただく。しかし、その中にはやはり相互銀行、信用金庫との取引をやっているものもございますので、これらの相互銀行にも近畿地区の協会がございます。その協会に十分な援助を頼むということで承諾も得ているわけでございます。  そういうことでございますから、比較的大部分のものは金融措置によって具体的に救われ得ると思いますけれども、いまお話のございましたような、すでに危くなっているという企業もあるでございましょうが、そういうものはまた具体的に財務局あるいは財務部でそれらの実情を調査いたしまして、すぐにでも金融の手段を講ずるように具体的な相談をする、そういう考えで、非常に綿密に今回はやっているわけでございます。政府機関の分も、むろん数億円少なくとも要るのではないかというような感じでございます。そのくらいのものは用意してかかるようにということで指示をいたしておりますので、どうぞひとつ。  それから、具体的な報告はまだ全部もらっておりません。途中経過が電話で入ってくるという程度でございますが、いまはこまかい表等、対策をつくりつつある、そういう段階でございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 ここの問題で一つの特異な事情は、外資の借り入れがあるとということです。山陽がラベール銀行から十八億円、その他ボルサ、ナショナル・イングランド銀行等から合わせて四十三億円の外資の導入をしております。更正法が適用されますと、当然この負債もたな上げされますが、そうすると対外信用の低下を招くおそれがあるというので、政府側では対策を検討しておるということでございますから、おそらくサンウェーブの例から見て何らかの適切な措置がとられると思うのでありますが、その点どういう対策が具体的に立てられているのか、それをお伺いしたいと思います。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) その点についての最終的な方針は私は聞いておりませんが、外国銀行からの借り入れにつきましては、全部銀行保証がついております。これらの関係銀行が保証しておるわけでございますが、おそらく、これは断言はできませんが、対外的な信用を考えまして、その保証を関係銀行が履行するという形におきまして、全部外国銀行には迷惑をかけないというような始末がとられるのではないかと思いますし、またそうあってほしいものだというふうに考えております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 その措置はけっこうだと思うのです。  そこで、銀行の保証があることは、外国だから信用を落としてはいかぬということだけで政府が熱心になるだけでは困るのであって、国内の国民の何千人、何万人の死活問題があることを見落としてはならないと思う、これはたいへんな問題だから。したがって、先ほど銀行局長が言われたような、少なくとも政府資金を大幅に融資する態勢を具体的におとり願わないと、神戸銀行がこういう努力をしているなんというだけでは問題は解決しないのではないか。  そこで、この際、これは主務官庁はおそらく大蔵、通産になるのではないかと思いますが、信用保証協会に対する大幅な出援金の増額もしくは大幅な資金援助ということを、県当局から要請があれば行なう用意があるのか。また、そういう点の御検討はどの程度なされているのかという点ですが、どちらの所管ですか、両方の所管ですか。

影山衛司中小企業庁次長

○政府委員(影山衛司君) ただいまの信用保証協会の信用保証能力の増強につきまして、兵庫県におきましても損失補償等をするというような前向きの態勢も示しておりますので、それに対応いたしまして、必要となりまするならば、中小企業信用保険公庫等から融資基金等を流すというような措置も考えられるわけでございます。そういう措置はとっていきたいというふうに考えておりますが、ただ、まだ兵庫県のほうからどれだけの金額を流してくれというような要望も参っておりませんわけでございますが、いま調査中でございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 それでは、要請があればそれに応ずる用意はある、こういうふうに理解してよろしいですね。

影山衛司中小企業庁次長

○政府委員(影山衛司君) さようでございます。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 これは私、一つの例を御出席の政府委員の方にお聞き願っておきたいと思うのですけれども、私が八日の日に実はこちらへ来たんですが、新聞で六日の日に発表されましたときに、神戸のある中小企業なんですが、名前は遠慮いたしますけれども、資本金は六百万円、従業員は九十名、ここは大体月産千六百万円ばかりの仕事をしております。そのうちで山陽特殊製鋼の仕事が月平均大体三百万円、約二割になっておるんです。ところが、ここは五日の日に二百五十万円の手形を受け取ってきておる。喜んで帰って来たら、六日の日の新聞では不渡りが発表されておる。これはいい悪いは別問題ですが、そういう深刻な状況の中で、現在山陽特殊製鋼の受け取り手形で、譲渡といっては語弊がありますが、割引をしたり、あるいは担保手形として提出してやっておる金が千百十五万円ございます。そのほかに手持ち分が約千二百万あるわけです。だから、約二千五百万円近い手形が山陽から出ておる。これはひどいのは十一月十日というのがございますが、これはお産手形なんですけれども、そこでこの工場の場合は、いま言いましたけれども、約二割が山陽製鋼で八割は山陽製鋼でないから、工場の継続には支障はございません。しかし、こういうふうな山陽製鋼の非常にばく大な手形をかかえておる。しかも、すでにきょうは十一日ですが、私、電話で聞きましたら、十日に落とすべき二百五十万円は他で高利の金を借りて買い戻しました、こういうふうにそこの社長が言っておりましたが、十日の日の八十万円、百七十万円という二百五十万円の山陽手形を買い戻しておる。こういうところまですみやかに解決の手を打ってやらなければ、せっかく八割他の仕事ができるのに、資金的にもお手あげになってしまう。こういう実情に実は置かれておる会社もあるわけなんです。これは非常に、山陽の下請工場としては安定性のあるほうなんです、二割しかやっておりませんから。しかし、資金的には、これはもう倒産と申しますか、倒産一歩手前です。  で、この社長は、しかし、仕事はほかのほうを八割やっておりますから、従業員には、絶対労働条件は下げない、そうして何とかやっていく、ということですが、正直に私に電話口で言っておりましたけれども、いまの状態ではとても仕事のほうに身が入りません。どうしていままで割引しておる山陽の手形を落としていくかということに、これからは毎日狂奔しなければなりません。しかし、ようやく三月十日付のやつは済ましたけれども、来月の十日に落とすやつは、これはどうしようかということで、これが約二百四十万ございます。そのほうでもいろいろ頭が痛いと言っておりますが、こういうふうなところが相当私はやっぱりあると思う。  こういうところが、いま銀行局長がおっしゃるように、地方銀行なり信用金庫の救済を受けられればいいんですけれども、そこは残念ながら私の知っておる範囲ではそういう救済が受けられる状態にない。いろいろな他の事情があります。そこで、私は信用保証協会の活用がどうしても望ましいというふうに思うんですが、そういう意味で先ほどからお聞きしておるわけですが、政府のほうで、県のほうで要請があれば十分資金的に信用保証協会に対しても援助の用意があるということであるならば、それは次の機会にお預けをいたしておきたいと思うわけです。  この際、これは中小企業庁になるのか、通産省になるのかと思うんですが、お越しになっているのが重工業関係の方ですから、どういうふうになりますか、会社更生法の問題について二、三お伺いしたいと思いますが、いいですか、お答え願えますですか。  今度の場合、会社更生法の申請がなされておるのですが、最近倒産企業の続出によって、会社更生法の申請がだんだんふえてきておる。更生法はもちろん、再建の見込みがあるという株式会社で、債権者と株主、その他関係者の利害を調整しながら、その事業の維持更生をはかることを目的としておるのが立法の精神であるわけなんですが、実際は法の適用によって債務の返済が停止されるわけですから、つまりは債権者の犠牲で倒産会社の更生をはかるということの結果になる面が多いわけです。更生法を適用するということは、再建の見込みがあるということをも意味しておるわけですから、したがって、再建の見込みがあるということになると、その債権は後日履行されることを意味することになると思うわけですが、しかし、履行されるのを待てない下請の企業や商社のために、そういう弱小な業者のための保護規定がどうしてもこの際必要だと思うのですが、そういうことで最近やや問題になりかかってまいりました会社更生法のそういう面における改正について、どの程度までお考えになっておるか、このお答えできますか。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 会社更生法は、これを主管いたしますのは法務省でございます。法務省からお答えするのが筋かと思いますが、確かに会社更生法という手段によって当該企業の存続はまあできるけれども、そのためには部外者にたいへんな迷惑をかける。いわばそういった債権者の犠牲において企業が存続を認められるというふうな精神、わかりやすくいえばそういうことになるわけであります。  そこで、いまおっしゃられましたのは、おそらく、特に中小企業等について何か考慮する手はないかと、こういうことだと思うのですが、これはまだ研究事項でございまして、私どももいまの会社更生法のあり方が非常に理想的なものだと思っておるわけではありません。いろいろな欠陥も含んでおるものと思います。しかし、いかんせん、存続するためには債権の取り立てを許すわけにはいかないというふうなことになっておりまして、その間の調整が非常にむずかしいところでございます。  ただ、実際に再建計画をつくって、それを裁判所で承認する場合には、それ以前において関係者の集会、これはそれぞれ別々に行なわれるようでありますが、株主は株主で別にやりますし、金融機関等は金融機関等でやるわけでございますが、それらの場合において、再建計画の中に、この会社の存続に関連してやはりその下請等でどうしても存続しなければならないものが、平等の待遇を受けるというだけでは存続しがたい、こういったことが起こり得るわけでありまして、そういった点については、再建計画についてある程度政府側から勧告をするといいますか、そういったことで、当面は何とかある程度のそういう実情に即した解決策があるいは得られるのではないかということも考えられます。法的な、法律的な改正という点については、非常にまだ慎重審議を要する問題だと思います。法務省におきましても、即時には結論が出ないと思いますが、検討をされるというふうな話は私も伺っております。非常にむずかしい問題ではあると思います。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 これは将来の問題ですから、直接の関係者ではないのですから、お聞きを願っておいてもいいと思うのですけれども、先ほどお答えのございましたように、今回の山陽特殊製鋼の問題について、必要な場合には政府資金の援助融資等も行なうということであるわけですから、したがって、山陽特殊製鋼が再建が可能であるという、そういう見込みがあるということの前提で更生法の適用がありますというふうな場合、あるいは富士鉄の援助あるいは協力、あるいは銀行団の協力というようなことが見通しのつきます限りでは、その振り出しております手形等についても、ある程度の、担保にはなるかどうかわかりませんけれども、いわゆる信用保証協会の活動の幅を広めて保護措置をとるということは、私は必要ではないかというふうなことを考えております。そういう保護措置を更生法改正の場合にお考えいただくということを皆さんに御検討願っておきたいということを、この際ひとつ希望しておきます。  そこで、最後に、もう少し二、三お伺いをしたいのですが、これはこの間、先月の二十二、三日ごろの衆議院の大蔵委員会でも同僚から質問がありましたが、またがって本委員会で、私は一昨昨年であったと思うのですけれども、所得税法の一部改正のときに、大蔵大臣に御注文申し上げて、そして大蔵、労働両大臣のほうから、確約とまでは言いませんけれども、とにかく社内預金は好ましくない、したがって社内預金は規制したいということのおことばをいただいておるのですが、そのとき問題になりましたのは、御承知のように、少額貯蓄に対する免税措置の問題であった。したがって、預金としての保護をされない性格の社内預金を——貸し金ならよろしい、しかしながら貸し金ではない、社内預金の名目でもって大蔵省が免税措置を与えるなら、やはり預金としての保護をしなければならないということを申し上げて、そうしなければ免税措置は困るぞと言ったところが、その点は十分留意をしてやるからということであったが、それで今度一億五千万円ほどの社内預金が凍結されてしまっているわけです。これは銀行局御承知だと思うのです。  そこで、今度の更生法が適用されました場合に、百十九条によって、あるいは共益債権として返還の請求をする権利は一応生まれているのでございます。しかし、現実に金がないという場合にこれは払ってもらえないわけです。そういうふうな状態に社内預金が置かれているときに、一体銀行局長はどういうふうに社内預金の問題をお考えになるのか、ぜひこの際お考えを承っておきたい。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 仰せのとおり、更生法の百十九条によりまして、共益債権の中に租税等と並んで従業員の預かり金が入っております。しかし、実際問題として会社側に現金がないということから、ただいま即時には凍結解除ができないという事情のようでございます。まあこれまだ会社更生の手続開始には至っておりません。更生手続が開始されますと、たな上げはしますけれども、新しい借り入れも可能になるわけでありまして、そういう点からいえば、その共益債権がいかに現金で支払われるかということは現実問題としては私はあろうと思いますが、いまこうなればこうなるというふうなお答えができないのは遺憾でございますが、とにかく経理としては確保されているわけでありまして、一時的にただいま現在では現金で払えないという実情のようでございますけれども、これはいずれ凍結解除されまして支払い得る状態になるものと私どもは見ております。  なお、その社内預金のいろいろ扱いにつきましては、これは主管省は労働省にございまして、そちらほうにも十分な御検討をお願いしております。先般の衆議院の大蔵の審議に際しましては、労働省のほうでは、労働基準局長が、労働省に審議会がございますが、その審議会に積極的に労働省のほうから検討をする問題として提起して、いかにあるべきかということを御検討をいただく、そういうことによってまた政府としての基本的な方針を定めることとしたいというふうな話がございます。私どもとしても、これは金利の問題、それにつけている金利の問題、あるいは金額が無制限にならないように、何らかの適正な基準を定める必要があるのではないかと思いますが、場合によりまして、これ労働基準法の問題になりますので、それらの点につきましてはなおしばらく労働省と共同して検討した上で結論を出すことにいたしたいと思います。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 局長のいまの御答弁は、これは国会答弁としてはそれでいいんでしょうけれども、これはやっぱりほんとうの、真剣にこの問題に取り組んでいこう、対処しようというお答えの形になっていないと私は思うのです。そこで、やはり更生法がもし適用された場合に、共益債権として返還の権利が確保されるから、いつか返ってくるのだというようなことで、血と汗の結晶の自分の金が凍結されておるということは、これは中小企業、零細企業の場合にもたいへんな問題だけれども、労働者にとってはもっとたいへんな問題なんです。ですから、この問題については、預金者保護の立場における大蔵省としては労働省と違う見地においてお考えを願わぬと、あなた方のほうでは、銀行局としては預金者の利益を保護するということが第一の任務。その立場において、預金者の利益が保護されていないのじゃないか。そういうようなものを、そういうふうな立場で、いまのようなお答えで、それでもいいんだ、事が済んでいるのだというふうにお考えになるということになると、これは銀行局としての本来の役目を怠っておるのじゃないかというふうに考えざるを得ないわけです。  これは預金者の利益が保護されていないのですよ。自分の預けた金がいつ返ってくるかわからない。あるいは返ってこないかもわからない。あなたの債権として、あなたの預けた金は丁預かり金は、債権は確保されていますよというだけであって、その人のものというだけで、いつ返ってくるかわからない。しかも、それが預金で、免税の措置がとられているのです。だから、私は免税の措置はいけないと言ったのですが、免税措置を政府は進めている。ぼくは免税措置はよくありませんと言ったのだけれども、法律は通さなければいかぬということで通っちゃったのですけれども、これはもっと真剣に銀行局としては考えなきゃいかぬ。これは労働省の問題じゃないと思う。私は、基準監督署の立場で考える問題と、銀行局が銀行の監督をしておる立場において、預金者の利益を保護するという立場においての立場と違うと思いますから、この点はあらためてまた別の機会に御質問いたしますけれども、これも考え方を新たにしてやってもらわぬことには、これはちょっと問題になりますね。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 私どもは決して関係がないとは申しませんけれども、銀行局が預金者保護として実際に行なっておりますのは、金融機関に対する預金、これにつきましては、金融機関をすべて直接検査する権限を持ち、またそのほかの金融機関の場合には知事に権限を委任いたしまして検査、監督をする。検査、監督と申しますのは、貸し付けの内容にまで立ち至ってやっておるわけでありますが、そういう見地から預金者保護ということについては十分な配慮をしているつもりでございます。この従業員の預かり金は、ちょっとそれと趣きが違いまして、根拠が労働基準法であると。それについて預かっている企業に対しては、私どもは何らの検査権限も持っておりません。  それから、法律的な問題といたしましても、会社更生法を適用された場合には、共益債権として優先的に扱われますが、それが適用されない場合には、何にもない普通の更生債権としてしか扱われない。預金は一般債権と同じようにしか、預かり金は他の債権者と同じようにしか扱われないという法律上の問題もございます。こういう点をいかに扱うかという点が問題でございまして、私どもも実は預かり金の保全ということについては、これはもう気持ちの上では全く十分な関心はありますけれども、実際問題として預かっている人、預かっている会社を私のほうが検査監督ができないという点に矛盾がございます。また、矛盾といいますか、私ども銀行局としてはそこまでは行き得ない問題ではないか。やはり基準監督署がそれぞれの企業について適切な指導を行なうことによって、不慮の事態を起こさないように、またその上にさかのぼれば倒産という事態を少なくする、こういう配慮は根本的に必要じゃないかと思います。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 もう、きょうここでこれ以上この問題は議論しようとは思いませんけれども、一言だけ銀行局に申し上げておきたいと思います。  先ほど申し上げましたように、一昨年のとき、免税措置の問題のときに、これは議論になったと思うのです。少なくともこの免税措置は大蔵省の要望によって、少額預金に対する免税措置の一環としてこれをやった。労働省のほうが、労働者の預かり金の預託の立場において、労働者にもやはり預金させなければいかぬ、これにはひとつ免税を考えたいと。私はやはりそういう免税措置を、これを預金の形における他の少額預金と同列にするのはいけないのだ、法律にするのは、ということを申し上げたのだけれども、いろいろな事情があってそうなってしまったのです。そういう点で、免税措置を他の金融機関における少額預金と同じように扱っているという事実の上に立って、大蔵省は私のほうは監督権はないからということで逃げられることは、私はやはりちょっとおかしいと思うということをいま実は申し上げておるのですが、これはいずれ他の機会に。

鈴木市藏各派に属しない議員

○鈴木市藏君 関連して。銀行局長、いろいろ法的な立場で言いましたけれども、現状が一番問題だと思うのです。いまこの社内預金は、第一部、第二部の上場会社でどれくらいの企業が実際上は社内預金を実施していますか。それと、その金額は一体総計で幾らになるか、あるいは従業員一人当たりにとってどのくらいになるか、あるいはそれらの各企業を産業別に見た場合、社内預金の占める比率は一体どのくらいの額にのぼるかといったような、そういうつまり統計は銀行局のほうでは行なっていないのですか。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) この調査は労働省てで行なっております。私のほうでは直接は行なっおりませんが、三十八年三月末現在の数字が、労働省の調査としては一番新しい。その当時は金額では四千七百億円程度になっております。事業所の数は私はっきり記憶ありませんが、三万数千だと思います。関係者は、預金している従業員の数ははっきりは記憶ありませんが、何百万ということでございます。

鈴木市藏各派に属しない議員

○鈴木市藏君 これは、ぼくは関連だから討議まで深く入っていきませんけれども、ひどいですよ、あなた、実際問題として。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 それでは、その問題は、いまの局長の三十八年三月というのは、その資料しかないという。そんなばかなことはないです。私のほうで資料を一ぺん出してみます。近いのがあります。  そこで、最後に申し上げておきたいのですが、実は山陽は、中小企業庁にもお聞きしますが、今月十日の給与支払いが一億二千万円あった。それが実は六日、八日の組合と会社、社長との団体交渉で、十日に確実にお支払いいたしますと言っていたところが、残念ながらきのうは払えなくて、夕方になってようやく六千万円だけ支払いができた。したがって、十二日にあと半分払うということにしたというふうに聞いておるわけなんです。だから、ひとつこれも御参考までに銀行局長にも聞いておいてもらいたいのですが、昨年末に年末一時金が一億八千万円ばかり、これは労使妥結——三千七百人ですが、妥結したのですが、その金の手当てができずに、その一部はそのときに労働金庫から借り受けて、一部は会社が出して一億円の支払いをしているわけです。その八千万円の残額が今月の末になっておるのですが、おそらくこれも支払いは不可能になるとわれわれは判断しているわけです。  そういう状態がもし今後続いてまいりますと、せっかく企業を継続させて生産を続けていこうと思っても、労働意欲が私は減ってくると思う。だから、山陽製鋼が今日かかえておる三千人の工員と七百人の職員の優秀な人が散っていきますと、せっかく皆さんが御苦労になって山陽製鋼を存続していこうというふうにされても、その存続は不可能になります。したがって、私は、やっぱり生産性の向上をこの際どうしても温存していくということを考えなければならない、そのためには労働の条件をできるだけ確保していかなければならないということが必要になってくるし、会社もそれを考えていると思うし、銀行でもそれを考えていただかなければならぬと思う。   〔委員長退席、理事佐野廣君着席〕 したがって、そういう意味において、いま問題にされているのは関連企業あるいは下請企業の問題だけを申し上げておるわけですけれども、その下請企業の従業員も含めて、山陽製鋼に働いている三千七百人の生産性が低下をしないように労働条件の確保をしていかなければならぬ。それには給与の問題その他の問題について、やっぱり銀行局なりあるいは中小企業庁なり通産局のほうでは最大の融資の援助の態勢をお考え願わぬと、実際いかぬのではないかというふうに考えるわけです。ところが、民間の金融機関のほうでは、給料までは私のほうでは見ることは困難であると。これは商業ベースからやむを得ないのですけれども、そういう点についてこの際どうお考えになっているかお伺いをしておきたいと思う人です。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 賃金の未払い分は、私は会社更生手続が開始される前に起こったものは共益債権として、先ほどの社内預金と同様でございますが、権利としては確保されておるわけでございます。更生手続が始まった場合には、その未払い賃金分は共益債権であります。そういう点ではいいのですが、現実に今度の場合のように、十日に支払う給料が金になったのは半分しかないということが現に起こりますと、たいへんまずいことだと思うんですが、こういう手続をとって、しかも開始の決定がなされていないという空白の状態のときには、これはあらためてたとえば銀行が貸しますと、貸した分は更生債権になってしまうわけです。ですから、普通に貸し出しをいたしますと、それは言ってみれば貸し倒れの追い貸しをしたような結果になる。そこで、貸すについてはたいへん私は技術的な配慮が必要であったんじゃないか。何か私の聞いておるところによりますと、これは一流商社の手形を割り引くといいますか、そんな形で、そういう担保があったからその分についてはできた。そうでなくて単名の貸し付けで行なうとなりますと、手続の開始前の分は更生債権になってしまうというふうな、法律上の扱いがそうなりますので、銀行としても非常にむずかしい立場になる。政府金融機関の場合でもその点は変わりありませんが、私どもは法律上明らかに更生債権になってしまうという方法ではこれはぐあいが悪いですけれども、そうでない方法さえあれば、できるだけ政府機関においてそのめんどうを見るという考えでございます。  それから、もう一つつけ加えますが、先ほどの関連質問で、数字は少し古いですけれども、三十八年三月三十一日現在の分が実際にわかりましたのは、三十九年になってから結果がわかっておりますが、社内預金実施事業所数は約三万三千、預金をしております労働者の数が約四百十万、預金総額は約四千七百四十億円ということになっております。それから一年以上経過しておりますので、当然にこれはある程度の増加を来たしていると思いますが、一般にいわれております一兆円とか一兆五千億とかそういう数字には、その趨勢から見るとなっていないのじゃないか、それよりも低いのじゃないかと思っております。

佐野芳雄日本社会党

○佐野芳雄君 最後にお尋ねをしてやめたいと思うのですが、いまの銀行局長の御答弁で、現在まだ更生法の適用が決定していないのですから、この状態の中で追い貸しのような形でお金を出すことはできないということは私は承知をいたしているわけですが、ただ、将来の問題として、いまおっしゃったような更生法の適用がなされて管財人もできて、そうして必要な場合資金を融資をする用意があるというお答えがあったのですから、そのお答えを実行していただくということが当然で、私は一応満足いたしたいと思います。  最後に、これは御出席の政府委員の方に御参考までにちょっとお聞き取り願っておきたいのですが、十日の日の東京新聞によりますると、先ほど申しました永野富士鉄社長が、管財人は銀行団からということで、必要な場合は富士鉄のほうから技術指導者なりあるいは相談役等が出て、十分援護したい、こう言っておりますが、この管財人の問題なんですが、管財人は更生法によりますと裁判所のほうで決定することになるわけです。これは数名でもいいわけですから、私たち、ぜひこうしなければならぬということになるわけじゃないし、特に議論をする場をつくろうということで言っているわけじゃないけれども、いわゆる三者構成による、ILOの場合でもそうですが、労働委員会の場合でもそうですが、いわゆる利益を擁護する立場における管財人ということになりますと、銀行団、大口債権者、あるいは経営団体等の代表もけっこうだと思うのですが、そこに働らいている、生産性を守っていく立場における労働代表が管財人になることも、これは議論を巻き起こすということになると問題ですが、そうでなしに、いい意味における会社再建の推進に役立つということになるならば、真剣に考える必要があるのじゃないかということをひとつ考えているのですが、こういうことの決定は、いまのところでは裁判所のほうで行なうことになるわけですが、今後の法改正の際には皆さんのほうでも御検討願っておきたいと思います。これはひとつ私の希望意見としてお耳に入れておいていただければ、それでいいです。  そこで、委員長、資料要求したいと思うのですが、これはひとつ政府委員のほうで、こういう資料が御出席の政府委員のほうでできるかどうか知りませんが、ひとつできるならできる、できないならできないと伺いたいのですが、最近つぶれました一部上場株の会社ですが、日本特殊製鋼、それからサンウエーブ工業、これはもう古いですから、去年からですから資料は出ると思うのです。それから、日本繊維工業、山陽製鋼は新しいですから、これはどうですか。せめてこの四社くらいの下請企業と取引商社などの社名と、その資本金と、従業員数、それからその企業、商社の月産生産額または販売額と、その中で占める上部企業からの受注額一概要でけっこうです。それから、それらの下請の企業なり商社がそれらのメーカーからどの程度の受け取り手形を現在抱かされているか、その現状と、それからなお売り掛け残高はどのくらい持っているか。どうでしょうか、これ。これはあなたのほうは調査専門だから、できるでしょう。

佐野廣自由民主党

○理事(佐野廣君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

佐野廣自由民主党

○理事(佐野廣君) 速記を起こして。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 きょうは時間もこういう時間ですから、そうやりませんが、先ほど来お答えを聞いておりまして非常にわれわれおかしく思うのは、たとえば山陽特殊鋼にしても、もうすでに二月には株が異常に下がったという現象、あるいはすでに去年の末かことしの初めの経済雑誌などにも山陽特殊鋼の危険信号というのはもう表になっていたわけですね。こういう問題について、これはどうなんですか。これは重工業局長に聞いておいたほうがいいと思うのですが、こういうような事態というものが予測されていたと思うのですが、ことに、あなたのお話を聞いてみましても、なぜこう倒産したかという一番大きなあれは、過剰設備投資と言われましたね。また、この会社はドイツからも新しい機械を入れて設備をやるという話も現実に出ていたわけでしょう。そのように過剰設備を重ねて、さらにドイツからも持ってこようというような経営ぶりですね、それから売り上げ金についてはわずか月十二億前後、こういうようなことになってきますと、これは通産省の指導行政から見ても、私はこんなことはもうちょっと親切に通産省あたりが、これは大きな、何といっても大手メーカーでございますから、その辺にたくさんある、何百何千あるという中小零細じゃないのですから、しかも軸受けのメーカーとしては第一だといわれておる、これだけ大きな会社だとするならば、その辺の事情が予測できぬはずもないと思うし、事ここに至って初めて天下の耳目を驚かしたということは、これはどうもわれわれ納得いかないわけですけれども、この点はどうなんですか、あなた方としては。

谷敷寛通商産業省重工業局次長

○説明員(谷敷寛君) 通産省といたしましては、業界全体の不況につきましては対策をいろいろ考えまして、特殊鋼につきましては、最近不況カルテをつくりまして、生産の調整、価格の調整も実はやっておるわけでございます。ただ、個々の会社の経理内容というようなことになりますと、私どもは重役を派遣しているわけでもございませんし、必ずしも内容がはっきりわかりませんので、ただ新聞とか雑誌とかでそういうような話は聞きます。   〔委員長着席、理事佐野廣君退席〕 それで、こういう件につきましては、いま新しい設備の導入なんかに関しましては、これはなるべくやめなさいというふうに内部では一応指導はするわけでございますけれども、それを指導しても、いや、おれのほうでぜひやるのだといってやられますと、いろいろな面で通産省で規制できる、法律的な規制ができる点はチェックできますけれども、規制できなくて会社の自由にできるというような問題につきましては、これはやはり会社首脳部がやるということでやられますと、必ずしもチェックがきかない、こういうような状態でございます。  一番私どもはわかりませんのは会社の経理内容でございましてこの前も日本特殊鋼の場合も、われわれはあまりよく知らないうちに、経理のほうの関係でまあだめになったというようなことでございまして、今回も融資銀行が中心になっていろいろやっているということは聞きました。そういう状況は聞いておりましたけれども、通産省といたしましては、どうもそれ以上個々の会社に対して強制力をもってどうこうするということはならないために、こういうような事態になったわけでございまして、その点はわれわれも遺憾には思っております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 そうしますと、何ですね、次長のお話は、いまの自由企業のたてまえである限りは、こんな場合はお手上げだ、何とも指導も勧告も方法がないのだと、こういうことになりますね。  ことに、これは流れましたけれども、特振法という法律を出して、皆さんの場合は特に、特振法の第一の対象業種はこの特殊鋼関係だったでしょう。あの法律ができればこんな場合なんかは未然に防げたし、あるいは指導もできたのじゃないか、こういうようなことになるわけですが、あるいはあなたのお話のように、今後こんな大きなことは二度とあっては困りますけれども、戦後初めてといわれておる大きな倒産を経験したわけだが、今後こういうようなこと等について、事前に通産省としてもっと私は指導するなら指導する、あるいは勧告するなら勧告する、あるいは自主的な何らかの道はないのかどうか、こういうことを聞いておるわけです。

谷敷寛通商産業省重工業局次長

○説明員(谷敷寛君) まあ特殊鋼に限りませんが、問題のある業界はそれぞれ、まあ工業会とか、業界の団体がございますので、そういうところで首脳部が集まりまして、通産省と一緒になっていろいろな問題を検討しまして対策を立てるということはずっとやってきておりますので、これは会社の首脳部がそういう業界と通産省との共同の懇談会で出ました結論なり線というものを真剣に取り上げるという決心さえしてくれますならば、こういう問題は起こらないと思うのですけれども、そこをそれだけ認識してやってくれるかどうかということで、今回の問題は起こったのではないかというふうに考えております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 先ほどいろいろ出ましたが、たとえば昨年の夏にもうすでに倒産した東京発動機、あるいはその他先ほどあげられているサンウエーブとか日本特殊鋼とか、最近では日本繊維工業とか、いろいろありますが、こういう大きな倒産に関連して、先ほどお話しになっておる、特に下請企業、関連企業、中小企業の影響と申しますか、どの程度関連企業は倒産したかなどの統計資料というのは、先ほど資料として出してくれというお話でありますが、皆さんのほうに現在ここで説明できるようなことはありませんか。

影山衛司中小企業庁次長

○政府委員(影山衛司君) これは一例で恐縮でございますが、東京発動機の場合におきまして、関連の下請企業で緊急に融資を必要とするもの、これが百八十二社あったわけでございますが、それに対しまして東京通産局あたりがあっせんの融資をいたしました結果、約七億の融資ができたわけでございます。その中で、こういう緊急対策が及びませんで倒産したものが約十五社ということになっております。そういうふうに実情の把握は重々いたしているわけでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 そうしますと、百八十二社のほとんどは救済融資によって存続している、こういうわけですね。それで、十五社というのは、たとえばどういうようなケースが対象にならなかったのですか。

影山衛司中小企業庁次長

○政府委員(影山衛司君) この倒産しました十五社の詳しい内容につきましは、まだ手元に資料を持っておりません。大体東発が倒産いたしまして、直ちにもう金融の手当てがつかないということで倒れたものもあるわけでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 先ほど銀行局長のお話を聞いておりますと、神戸銀行のほうでは、百億のうち四割はわがほうの責任だろうというようなことで、ひとつ責任をもってめんどうを見ようというような頭取も話をしていた。したがって、その他の銀行においても、神戸銀行と同じように同調するだろう、そういうわけで一つもつぶさぬつもりでというような、非常に力強い御答弁があったわけですが、これはやはりこの関連企業を救済するにあたっては、もちろん地方財務局や通産局が一緒になって、今後実際それが保障されるかどうかということを十分指導、監視される必要があると思うんですがね。この点は今後どのように具体的にやっていかれるのか、もっとその辺の事情をひとつ、いま何をやっているのか、これからどういう仕事をやっていこうとするのか、詳しく話してもらいたいと思います。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) いま財務局を中心に銀行等と交渉して、われわれ会社の実態把握をやっております。いずれも、一社もつぶさないくらいの決意でやれと言っておりますが、従来の例でありますと、どうしてもその中に落ちこぼれが生じております。これは一々具体的にはお話し申し上げるところまでいっておりませんが、中に関連して出てくるわけですが、一〇〇%依存というものが中にございます。しかし、この山陽特殊鋼の場合には、いわゆる下請の部品工業というようなものは比較的少ないのでございます。下請が持っております債権額は五億数千万円でございます。百億のうち五億数千万円が下請企業の持つ債権でございます。ですから、他のいままでのたとえばサンウェーブの場合なんかとだいぶ様子が違います。  そこで、依存度が高いものがあるかどうか、あまりないのではないか。数は非常に少ないのでございます。依存度が一〇〇%というような事例が出てまいりますと、今後山陽特殊鋼はその事業としては存続するわけでございますから、直ちに仕事がなくなるわけではございません。続くと思いますが、しかし、従来の例で見ますと、依存度一〇〇%の場合に非常に倒産に至るケースもあるということでございます。  それから、もう一つは、非常に悪質な融手を自分自身で相当出しているという例がございます。自分自身が相当に実は赤字をかかえて、それを融手でごまかしている。これが今度のこういう事件を契機に調査されたところ、それが非常な多額の赤字をかかえている、それを融手でごまかしている。こういうものは銀行としてもめんどうを見切れぬという場合が間々ございます。  この倒産をいたしましたのは、依存度が非常に高いもの、そうして今後の仕事が縮小されてやっていけなくなり、転換がきかない、どうしても他に道を見出すことができない、あるいは本人自身が非常に不良な債務をかかえておる、こういったケースに限られるわけでございまして、件数としてはそう多くありませんが、今回の場合にも、私どもは財務局に一々詳しい報告を中間的にさせまして、どういう処置がついているか、つくことになっているか、具体的にそれを点検して監督するつもりでおりますが、財務局も十分その点は心がけておりまして、おそらく非常に熱心にこの問題の解決に当たるものと私どもは期待いたしております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 局長、先ほど聞き漏らしましたが、債務総額が——まあ出資が七十三億と言いましたね。それから、その債務の負担が四百六、七十億とかいうことですが、さらにその内訳がどうなっているかということ、その負債の内訳ですね。それから、いわゆる企業間信用の問題が非常にやかましく、特にこういう大きなメーカーだし、また何百という下請を持っているところでは、いろいろと企業間の信用というものが相当大きな額にのぼっていると思うのですが、融手の問題等。こういう点について、おわかりになっている範囲で、もっと数字的にひとつ説明を聞かせてくれませんか。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) これは従来のサンウェーブ等の倒産の場合と異なりまして、負債のうちの一番大きな部分を占めるのは先ほども申し上げましたような金融機関等からの借り入れ金でございます。これは数字は今後変わると思いますが、いまの段階でこちらに把握されている総額は五百三十一億円であります、債務総額が。そのうちの三百十億円は金融機関からの借り入れでございます。この中には外国銀行も含まれますが……

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 幾らですか、外銀は。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 外銀は四十二億円でございます。で、これらの三百十億円の内訳を申しますと、銀行からの借り入れが設備、運転合計で百九十八億円、端数は省略いたします。それから、生命保険からの借り入れが四十四億円でございます。端数はやはり切り捨てます。外資の借り入れが四十二億円でございます。それから、その他の借り入れというのがございまして、それが二十五億円。この中に一部外国人からの借り入れがございます。それで三百十億円になりますが、その他の債務が全部で二百二十一億円ございます。この数字は調べ方によって少し違いますが、その二百二十一億円のうちで二十六の商社からの借り入れが約百二十億円でございます。したがいまして、残りの約百億円がいまの二十六の商社を除いた関係先に対する未払い債務となっております。  その百億円のうちを大づかみに申しますと、いわゆる中小企業の範疇に属するものが四十四億円でございまして、残りがその他大企業ということになりますが、大企業といいましても、五千万円をこえるものは大企業として扱っておりますから、非常に大きな大企業があるわけではございません。  なお、いま下請が多いとおっしゃいましたが、いわゆるその下請の企業として見られているものの持っている債権額は五億数千万円でございます。したがいまして、そのほかはいわゆる原料などを納入する業者とかあるいは運輸関係、建設関係等があるわけでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 この銀行からの借り入れ金が三百十億というあれですが、先ほどのお話を聞いておると、非常にふしぎに思うことは、やはり銀行からいろいろな重役が行っておりますね。その人方は、そうしますと、何ら権限がなくて、会社の重役という地位だけ汚したのか。おそらく、これだけ銀行から借りていたというのは、やっぱり銀行からそういう人が重役に行ったということでこれだけの金がまた借りられたということだと思うのですね。これだけ大きな金を銀行から引っぱり出し得る人方なんだから、社長がただワンマンで、社長がただわれわれには何も縦横のことは教えてくれなかったからなんということは、また無能な人ばかりよく派遣したものだと。先ほどのお話によると、大蔵省のどっかの国税局長ですかやった人も行っておるそうですね。大蔵省の国税局長なんかやる人なら、相当な人じゃないですか。あなたの後輩か先輩か知りませんですけれどもね。それだけの私はやっぱり優秀な人方が行って、これだけの大きな金を引っぱり出して、そしてその企業の経営の姿がわからなかったということは、これはちょっと世間に通用することばじゃないと思うのですが、何か根本的に欠陥があるのじゃありませんか。銀行局長ともあろう方が、先ほどのようなああいう御答弁じゃわれわれとしても納得いかぬですがね。どうなんですか、三百十億円もの金を現に引っぱり出しているじゃないですか。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) まことにおっしゃるとおりでございまして、私どもにも実は合点がいかない。どうしてその経営の内容が、つまり赤字が相当多額に、百億以上にもなるというのに、それだけの赤字があることをわからないでもって、黒字決算をして配当をしておるわけです。ずっと配当をしておるわけです。これはまことに私どもからいうと、常識ではふしぎと思われるくらいで……。ただ、バランスシート、損益計算書が全部うそで固められていたということは確かでございます。ですから、そういったうそのものを、会社の重役でも、あるいはほんとかというように思っておったのかもしれません、まるっきりうそだとは考えていなかったのではないかと思いますが、非常に突っ込みが足りなかった。もっともこれは行ってから一年余りでこういう事態になったわけでありますから、それらの副社長や専務の方を一がいに責めるわけにもまいりませんが、どうも公認会計士もさっぱり、それを見て、うそのバランスシートにあまり格別な意見をつけていないようであります。そういった点もやっぱり私どもとしては非常に疑問に思うのですが、まことにどうも遺憾なことだと思います。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 この問題は、もっとわれわれもひとつ掘り下げて勉強してみて、あらためてこれはお尋ねをしなくちゃならぬと思うのですが、どこから考えてみても、やはり長年銀行のめしを食った人方がそうして重役に行っているのですから、そうしてまた大蔵省出身の人も行っておるわけですから。それが一人じゃなくて何名も行っているのでしょう。何名もの人方がめくら判を押したのかというと——おそらく一年もすれば会社の事情がわからないはずがない。しかもまた取引銀行から行った人は、長年の取引があって、顔で行っているのですね。顔で行っているのですから、私はそこに何かしらあるのじゃないかという懸念があるのです。この点、幾らいまあなたに聞いても、これ以上の答えを求めることもできないでしょうから、残念ですが、これはこの辺でおきますが、  それから、もう一つ、特に最後の点、これは佐野さんが質問された労働金庫の社内預金の問題、労働者の労働金庫の社内預金の問題、これは労働金庫との関係でもいろいろ議論されてきた問題だろうと、こう思うのです。労働金庫法という法律に基づいて、これはりっぱに大蔵省の監督を得ている労働者の金融機関でもあるわけですからね。こういう金融機関についても、あなた方は一般の銀行に比べると数等きびしい監査、監督をやっているわけですね。これはまあ佐野さんも労働金庫の理事長をやったし、私もかつて労働金庫をやって、あなた方の検査を受けたことがありますが、そういうときは、あなた方は労働金庫というと目の上のこぶのごとくに監査、監督はきびしい。それはけっこうなんです。それだから非常によく運営されているわけですからね。これはいいですよ。労働者の零細な預金保護という立場からいうなら、ああいう社内預金をいまの形のままにしておくということは非常に危険なことじゃないかと思うんです。  しかも、あなたの先ほどの答弁を聞きますと、労働省の基準局だとか、あるいは基準法ということを言って逃げておりますが、もう少し、金融の正常のあり方という立場から見れば、この際この問題は根本的に検討する時期に来ているんじゃないか。私は、証券市場の育成とか資本市場の育成とか、いろいろなことを言っておりますが、金融のあり方からするなら、大衆預金者を保護するという立場からいうならば、いまのままの形で放任しておくということは間違いだと思うんですよ。これこそ私は、この際大蔵省は労働省と話し合ってこの問題について最終的な一つの結論を出していただく時期に来ていると思うんですが、どうなんですか。あなた方はそういうことをやっているんですか、やろうという気持ちがあるのですか。それとも、相手方は大きな会社がやっているんだから、そちらのほうのやることは少し敬遠しようという、そういう考え方が、先ほどの銀行局長の話みたいにいいかげんな答弁で、これだけ大きな倒産を起こして、たいへん国家社会に迷惑を及ぼすようなことになるんですよ。こんなことは、ほんとうに金融行政の責任者は大蔵省であるということはそのとおりなんだから、その責任を遂行しようという気持ちがあるならば、こういう社内預金というものをこの辺で整理したらどうですか。私はそのくらいの勇気を持ってやってもらいたいと思うんです。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) おっしゃるとおり、社内預金だけが実は金融機関でないものが預かり金をしている唯一の例外でございます。別に預かり金を取り締まる法律がございまして、金融機関でないものが預かり金ができないことになっております。この預かり金だけが実は例外で、事業者が従業員から預かるという点、そしてそれが保護という点からいっても全くいいかげんなものになっている。ただ、最低の利率を定めて——それがわりに高いのですが、実際上も事業者はそれを借り入れ金と同様に考えている節があるんじゃないか。従業員の預かり金というよりは、むしろ従業員から金を借りたと思って、借りたとすれば借り入れ金の利息等と比較して高くなければいいというくらいの感じでそれを使っているということでありまして、保護の点についてはひどく欠ける点もあります。  私ども、この問題につきまして、労働省もそうでございますが、政府といたしましてこの問題を根本的に検討する段階に来ていると思いまして、現在でも労働省にその考え方の基本をお示しくださるように、大蔵省としては大体考え方がないわけではありません。ただし、これを全廃するというところに一気に行くということについては、だいぶ問題があろうかと思いますが、全廃はしないまでも、経過的にといいますか、実情に即しながら、しかもあまりにも過大なる預かり金などをしないように、そして制限を加えたならば、倒産等の場合においてもその保護の措置について何か法的に考えるというような、そういうような考え方があるわけでございます。しかし、何ぶん主管省としては労勧省なので、そちらのほうの意見も十分固めていただかないと、政府の統一見解ということになりませんから、真剣にこの問題を取り上げて検討しておりますし、できるだけ早く結論を出すように心がけたいと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私も、二点ほどお尋ねしておきたいと思います。  これは粉飾会計をやっておったわけで、ああそうだったか、どうにも気づかなんだと、これで済まされてしまっても、下請でいえば間接的に殺人行為をやられたようなことで、死んでいかなきゃならないような人が出てくるかもしれない。こういうことについて一体だれの責任だと。それは会社の責任だというだけで話は済みません。これは公認会計士はおそらくその実情を知っておったかどうかということで、職業資格なんかの剥奪あるいは営業の停止というようなことになると思いますが、一体こういうことをただ単に会社の責任で、ははあ不正でございましたということで、それだけで道義的な面で済むものかどうか。こういうことに対して、刑事的なあるいは民法上の追及があるものですかないものですか。

岩本好男大蔵省証券局企業財務課長

○説明員(岩本好男君) ただいまの、山陽特殊鋼に関連いたしまして、公認会計士の監査について問題がある、あのような膨大な赤字をかかえている会社に対しまして、監査証明が虚偽の監査証明をしているという御指摘があったわけでございますが、私ども現在まで調査をいたしました段階におきましては、公認会計士の監査証明意見は、総合意見におきまして適正という意見を付しております。その意味におきまして、虚偽脱漏のある財務処理について適正なものとして監査証明をした事実がある疑いが非常に濃いわけでございます。こういう場合におきましては、公認会計士法第三十条におきまして、大蔵大臣に懲戒の権限を与えているわけでございますので、その面で今後所要の措置を講じたいと考えている次第でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私の言いたいことは、公認会計士が罰せられればいいとかどうとか、そういうことではない。公認会計士はそういうふうに罰せられて、めしの食いあげになるようになっている。下請の人たちはいわば首をくくっていかなければならぬような、間接的な殺人のようなことになっている。公認会計士も被害者です。おまえ、こういうふうにやれと強要されてやらせられたんだろうと思う。事ほどさように、こうやってごまかしてきた最悪の悪玉が、ああごまかしてやったなあと、これで済むのかどうかということです。一体今後そういうことでいいのか。そういう者には私は相当な処罰があってしかるべきだと思う。しゃあしゃあとしておられてはたまったものでない。

岩本好男大蔵省証券局企業財務課長

○説明員(岩本好男君) いまの御指摘は、私は公認会計士の責任の追及の問題だけに限定して申し上げたわけでございますが、会社側につきましても当然責任を追及すべきであると、私どもはさように考えております。法律で申しますと、証券取引法の第二百条並びに第二百五条におきまして、有価証券の届け出書あるいは有価証券の報告書に虚偽または重大な脱漏のあるような財務書類を提出した場合におきましては、罰則の規定がございます。従来これはそれほど適用された例はないわけでございますけれども、今回のような非常に大きな問題は、社会的ないわば社会悪といいますか、企業の社会的責任にもとるような事態でございますので、調査の結果によりましては、それらの所要措置をとるべきであるというふうに考えている次第でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 それはだれが告発者になりますか。自動的に検察庁が入るのか、どういうものですか。ついでに罰則はどのくらいなものですか。

岩本好男大蔵省証券局企業財務課長

○説明員(岩本好男君) 発行会社に対しましての責任の問題が証券取引法の二百条にございますが、これは八号までございますけれども、ただいま申し上げております届け出書の虚偽記載の問題は第一号でございます。これが六月以下の懲役または五万円以下の罰金でございます。それから、報告書の場合でございますが、報告書の場合におきましては、二百五条の二の二号でございますけれども、報告書等につきまして虚偽の記載をしたものを提出した者につきましては三万円以下の罰金ということになっております。  で、これらの罰金の適用につきましては、証券取引法で、所管いたしております大蔵省におきまして、それらに該当する事実が判明いたしました場合におきましては、大蔵省として告発すべきであるというふうに考えております。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 高橋銀行局長の話を聞いていると、ごまかしておったということは認めておる。粉飾だということばをみずから使って、ごまかしだということをお認めになっておる、いままでの調査の結果で。それは相当自信をもっておっしゃっておられましたね。どうですか、局長。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 私は直接調査したわけでありませんし、こまかな経理の内容を立ち入って見ておりませんが、銀行団といいますか、銀行側が調査したところによると、とにかく百億を下らない累積赤字があることは間違いない、大体百二十億くらいになるのではないか、それから毎月赤字がふえておる、こういうことを申しておりました。その黒字でなかったという点だけは確信をもって申し上げられると思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 それから、これだけの被害を与えて——かりに十万円の詐欺を働いたら、これは一つの詐欺行為で、強盗、追いはぎといってもそう違わないことになるんですよ、詐欺というよりももう少しいえば。そうして、それが三万円や五方円で事が済まされるんでは、ぼくは被害者の立場になればたまったものではないと思う、実際に、六カ月の体刑もあるということですが、それは二百条を適用になった場合で、いままであまり例がないということですが、あなたはいままで告発した例がないと言われたが、いままでもこういう粉飾会計で倒産した例があると思うが、他の場合にいままでなぜやらなかったのか。そういうことを検討されたことがあると思うのですが、なぜおやりにならなかったのですか。

岩本好男大蔵省証券局企業財務課長

○説明員(岩本好男君) 二百条及び二百五条の罰則適用の前例がほとんどないという御指摘でございますが、この点につきましては、過去にもそれに該当する事実があったのではないかというわけでございますが、立証がきわめて困難な場合が通常大部分である、非常に多いということでございます。証券取引法の二十六条に、届け出書の提出者につきましては大蔵大臣として検査権も与えられておるわけでございますが、この検査を実行した例も相当ございます。ところが、その検査の結果におきまして、罰則に該当するということを確信をもって告発するだけの立証、証拠があげられなかったということで、従来やっておらなかったというふうに私ども考えております。  今回の場合におきましても、二十六条の検査権限を発動いたしまして、検査をかりにやったといたしまして、この際できるだけ罰則適用までもっていくだけの所要の立証書類を確保するように、全力をあげて私どもとしてはやりたいというふうに考えておる次第でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 巷間偽装倒産ということもありますよ。粉飾会計ということは、今日の会社でいえばこれは常識になっていると思う。だから、立証ができないということになると思う、あなたのほうも。しかし、こんなことが許されていいということはないでしょうよ。だれでもいかぬということはわかるわけです。見のがすことがいいことではないでしょうよ。私は責任をもってこの結末をつけてもらわなければいかぬと思う。そして、こういうことを何回か繰り返すということは、何としても耐えられぬことです。あまり私が人情のないようなことを言うと思うでしょうけれども、そうじゃない。こういうことはぴしっとやらなければいかぬですよ。  それから、あなたのほうは二十六条の検査でやっておみえになるのかどうか、そういうことを聞いてみると、やることができるとかなんとかということですが、とにかく監督官庁にある人は責任を果たしてもらわなければいかぬ。ひいては、こんなふうにしたのは大蔵省の責任でもあると思う。いままで監督しておらなんだということだ、逆なことをいえば。銀行局長くらい責任を負うて、引責辞職するくらいでなければいかぬ。どうだこうだとおっしゃるけれども、しかし、そのくらいでなければ、それは範が示せぬじゃないですか、国民に対して。どうですか、局長。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 確かに今回の場合などは、累積赤字百二十億に達するまで何年かにわたって粉飾をして黒字と称し、そして配当をした。それを信用して株を買った人もおるし、また何といいますか、品物をそういう危機を考えないで納入しておった方々、これらに対しては、通常の詐欺以上の重大なる被害を与えているということは事実でございます。私なども直接銀行の貸し出しに、一々この貸し出し先の検査はしないことになっておりますので、銀行を指導する以外にない。銀行が、言ってみれば、私どもから言いますと、少し調査が足らなさ過ぎたんじゃないかという感じがいたします。  今後の審査にあたりまして、いま成瀬さんがおっしゃいましたように、粉飾決算をしておるという例は、これほど重大なことはありませんが、相当ざらにあるケースである。ただ、それがあまりにも悪質であると、倒産に至るわけでございます。非常に経理の問題につきまして、こういう経済事犯というものが処罰の対象になるケースが、詐欺ですとこれは五万円くらいの詐欺でもけっこう有罪になったりしますが、そうでなくこういう会社の経理を通じての欺圏は比較的扱われない、経済事犯としてですね、あるいは刑事事件として扱われにくい状態にあったことは、これは事案だと思う。その点は検察の問題でございますので、われわれのほうから立ち入って言うことはよけいですけれども、何か少し寛大に過ぎやせぬかという感じがしておるわけでございます。  何か、立法の問題であるのか、あるいは実際上の取り扱いが非常にめんどうなためにこうなるのか、私は検察庁の方も若干存じておりますが、何といいますか、強盗とか殺人とか、こういうのは非常に事態がはっきり把握できて、しかもこれを告発した場合には重罪に処せられるというケースが多い。経済事犯はそれに比べますと、こういったものは非常に膨大なる資料を要するわけですね、これを立証するにあたりましては。その労苦はもう普通の犯罪事犯の比ではないくらいにたいへんな労力を要する。しかも経理の能力がなければ——もちろんこれは公認会計士も雇いまして検察でやるのでございます。しかし、非常に労が多いのに、先ほど言いましたように、懲役はありますけれども、五万円の罰金である。五万円の罰金を科するのにたいへんな労力を要する問題でありますので、そういう立証という点に非常な難点があるんじゃないか。もっと簡単に、結果でわかるわけでございますから、そう犯意その他について詳しく立証しなくても、事実が示しておるんじゃないかということで片づけば、常識的な解決ができましていいんでございますが、それでは通らないらしいんです。非常にむずかしい。この経済事犯を扱うとなると、めんどうなことが非常に多いという事実は、やはりこれを寛大にしている一つの穴ではないかというふうに考えるわけでございますが、それらのことはむしろしかし刑事行政の問題でございますので、私がいろいろとやかく申しましてもいたし方のない問題ですが、ちょっと申し上げると、そんなようなことじゃないかと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 時間の催促もございますから、やめますけれども、とにかく罪悪感というものがないんですよ。経営者に罪悪感がないんですよ。ですから、非常に迷惑をかけておるわけです。少なくとも責任の所在というものは私は明らかにしておく必要があると思う。これがやはり、引責したけれどもどこかの顧問になってしゃあしゃあしておられたんでは、もたぬですよ。ですから、こういう問題については私は一ぺん検討してもらいたいと思う。あなたのおっしゃるのを聞いておると、五万円の罰金取るために百万をかけて、損して合わぬからやめておる、そんなつもりじゃないと思うが、もう少し、これは罪だ、罪悪なんだということは法規の上からも明確に私はしておいてもらいたいと思う。ただ単に道義的な問題じゃなくて、法規上からいっても間接的な殺人罪くらいの重罪だというふうに、罪悪感を植えつけることを私は法規の上においても明らかにする必要があると思っています。こういう問題については今後ひとつ御検討をお願いしたいと思う。  続いてお尋ねしておきたい点は、外資の導入をやるというようなことは、銀行が責任負うて検査してやることなんですよ。ところが、それも知らずにやってしまった。あとになって気づいてみたら、いかぬといって、今度は銀行が率先して取りつぶしておる。それで、銀行は抜け目なく先に、担保優先だからみんな取ってしまう。社内預金まで取ってしまって、労働者を犠牲にして銀行はしゃあしゃあしておる。ここらあたりも、どう考えてみても、銀行は少しいい子になり過ぎておると思う。少なくともこれだけのことをやったというなら、銀行が責任負うて、外資の導入のことについて責任負うたら、その損害とかなんとかいうようなものは銀行が負うというのがあたりまえですよ。その穴埋めに労働者の社内預金まで引き上げていってしまうということは、ちょっと筋からいってもおかしいと思う。ここらあたりは少しバランスのとれるようにしてもらえないですか。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) この問題、まだ詳しく内容をいまのところ聞いておりませんが、担保を全部取っておるという事実は実はないのです。つまり、担保が不足なわけでございます。担保のない貸し出しとして、銀行自身がこの貸し金のうちからある相当な割合はたな上げされてしまうわけです。それから、下請関連業者に対する貸し出しも、リスクがございますが、とにかく十分にやるということで、相当な貸し増しになります。これは日本銀行にも特別なワクをもらってやっておりますから、これもかなりの負担でございまして、金融機関側としては、もちろん先ほど申しました外資についても、保証の履行という形で自分が立てかえて、また新しい債権をふやす、それが更生債権になってしまうわけですから、そういう関係でやはり犠牲をある程度こうむらざるを得ないということでございますので、今回の場合につきましては、金融機関側としてもそれぞれ、非常にたくさんの金融機関に分かれておりますが、その点危険が分散されているので、私のほうも幾らか安心しておるのですけれども、それぞれの金融機関がそれ相応にリスクを負うということにはなっておるわけでございまして、決して銀行だけがいい子になるような結末にはならないだろうと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 いやいや、私の言うのは、たとえばそういう問題については、日銀が神戸なら神戸に対してめんどう見ますよ。ところが、社内預金のほうはどこもめんどう見てくれません、銀行は。日銀もめんどう見ないですよ。ですから、ちゃんとルートはつくわけです。それはあなたがおっしゃるように損害はあるかもしれません。しかし、首くくらぬでもいいようにちゃんと筋がついておるわけです。ところが、片一方のほうはそうはいかぬ。失業だわ、預金はなくなったわ、病気になったわでは、どうするかね。そういうところは不公平だと私は思うのですよ。いやいや、そうじゃない、そんなことは何ともしょうがないとおっしゃるなら、そうかもしれない。しかし、何ともできないじゃなくて、そこをやっていくのが政治なんです。だから、立場はどういう立場で見ていくかといえば、やはり弱い人を保護するというのが政府の立場であり、法律というものはそういうものでなければならないのですよ。行政というものはそういうところに主点を置いて指導されなければならぬと思っております。  ここらあたりは、いや、いや、平等ですよ。銀行のほうにも損がありますよ。みんな均等割りで、更生法になったらパーで、パーセントで割り当てられてしまったら、それはたまったものではありませんよ。そこらあたりは何とかなりませんか、法律がどうだとかということは別として。

高橋俊英大蔵省銀行局長

○政府委員(高橋俊英君) 従業員からの預かり金につきましては、権利としては確保されているわけでありますから。更生手続がどういうふうになりますか、反対している者があるわけです、更生手続の開始に対して。そうすれば、普通の破産の適用になります。そういうふうにいったのでは、先ほど重工業局のほうから御説明がありましたように、これは非常にシェアが、ベアリングの原料としては非常にシェアが大きい。だから、営業をとめるわけにはいかない。生産は続けなけなければいかぬという要請が確かにあるわけでありますから、でき得べくんば早く更生手続開始決定がされて、そうなれば会社はある程度新工場で動くわけでありますから、その従業員からの預かり金についても、いまは直ちに支払えないにいたしましても、必ず支払えるようになると思いますし、またできるように指導も加えるつもりでおります。

西田信一自由民主党

○委員長(西田信一君) 本件につきましては、本日はこの程度にいたします。  なお、本日の予定でありました物品税法の一部を改正する法律案外二件の質疑は、次回に譲ります。  なお、次回の委員会は明十二日午前十時に開会いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後一時十五分散会      —————・—————

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