石炭対策特別委員会、社会労働委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1965/02/24
会議録
○委員長(小柳勇君) これより石炭対策特別委員会、社会労働委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の委員長の職をつとめます。 それでは、北海道炭礦汽船株式会社夕張炭鉱爆発事故に関する件を議題といたします。 まず、このたびの北海道炭礦汽船株式会社夕張炭鉱の爆発事故の発生により、多数の犠牲者を生じましたことにつきまして、深く哀悼の意を表します。つきましては、犠牲者の霊に対し、黙祷をささげたいと思いますので、御起立を願います。黙祷いたします。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(小柳勇君) 御着席願います。
○委員長(小柳勇君) それでは、これより議事に入ります。 この際、機内通商産業大臣から発言を求められておりますから、これを許します。機内通商産業大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) このたび夕張炭鉱に起こった災害により、多数の犠牲者の発生を見たことは、はなはだ遺憾にたえないところでございまして、申し上げることばもない次第であります。 災害の概況について申し上げますと、二月二十二日午後六時三十分ごろ、北海道炭礦汽船株式会社経営の夕張炭鉱、一礦丁未坑において、ほぼガス爆発によるものと思われる爆発事故が発生し、当日二番方として作業に従事していた鉱山労働者百七十二名中、六十九名が坑内に閉じ込められたのであります。災害発生と同時に救護隊を招集し、これら六十九名の救出作業を進めたところ、二十四日午前七時現在、行くえ不明者一名を残し、六十名の死亡者及び八名の負傷者を収容し、目下最後の一名の救出に全力をあげている次第であります。 災害発生と同時に、現地監督署及び札幌鉱山保安監督局から監督官八名を現地に急行させるとともに、本省の鉱山保安局から局長外一名を現地に急派し、その後さらに監督官五名を増派して、罹災者の救出、災害状況の把握及びこれが対策の樹立等に当たらせておりますが、今後の対策につきましては、現地に総務副長官を本部長とし、総理府をはじめ、関係各省の職員によって構成される災害対策本部を設置し、罹災者に対する医療対策、遺家族に対する援護対策等につき適切な対策を講ずることといたしました。不幸にして本災害の犠牲者となられた方々に対し、深い哀悼の意を表するとともに、今後再びかかる災害の発生しないよう、徹底的に原因を究明し、十分な対策を講じてまいる所存であります。
○委員長(小柳勇君) ただいまの通商産業大臣の発言に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○阿具根登君 いま局長その他を派遣されて原因を究明中だと言われておりますので、その原因そのものは今後明らかにされると思います。われわれも、許されれば直ちに現地に参りたいと、かように思っておりますが、その直接の原因ということよりも、今日炭鉱がこういう状態に立ち至っておる、しかも、一昨年三池で四百五十八人も死んだ場合の政府の考え方はどうであるかということをただしておったはずなんです。そして、その当時池田総理は、生産と保安は車の両輪でありません、保安が優先しますということを言っておったわけなんです。しかし、今日のこの災害を見る場合に、保安が優先しておったのかどうかということに対して非常な私どもは疑問を持つ。なぜ今日こういう状態が起こってきているか。さらに六十名、七十名という大きな犠牲者であるからこそ今日国会でも問題になっておる。今日社会的にも非常な心配をかけておる。しかし、この間、毎日毎日数人の人が死んでいる。こういう実態を見る場合に、通産省の石炭政策の不備から、私は余儀なく労働強化になり、あるいは保安軽視になっておる現実を指摘せざるを得ぬわけです。一体これに対してどういうお考えをお持ちになっておるか、大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御指摘を受けたのでありますが、私は、保安を無視しての合理化はないと思うのであります。石炭鉱業の近代化、合理化の基盤として保安の確保につとめてまいったつもりでございます。しかしながら、それが不十分なために今回のような大災害を起こしましたことは、まことに痛恨にたえない次第でございますが、われわれとしては、保安監督の強化、あるいは保安施設の整備、保安教育の量質ともに両面にわたる充実、保安技術の振興等、所要の措置は講じてまいったつもりでございますが、このような災害をまのあたりに見るときに、なお不十分な点があったと思います。今後さらにこれらの対策を強化いたしまして保安の全きを期したい、かように考える次第でございます。
○阿具根登君 労働大臣がおられませんから、労働面からひとつ次官にお聞きしますが、日本の労働事情はさか立ちをしておりはせぬかと私は思うのです。せびろを着て冷暖房で働いておる人には半どんがあり、祭日があり、相当のレジャーを楽しむ機会が多く、最も危険な今日悪条件下に、しかも、新聞紙上で見る限りにおいては、一・五%近くのガスが充満しておった、そういうようなところで働いておる炭鉱労働者とか鉱山労働者とか、最も危険で最も労働力を要するところは全然そういうことはない。一体これはどうなのか、労働面から見た場合どういうふうにお考えになるか。私は、むしろこういう地下産業で、太陽にも当たらない、しかも、非常に危険な場所である、こういうところで働いておる人にこそ、私はそういう休暇その他は優先して認めらるべきである。それが私企業なるがゆえにそういうことは認められぬ、あるいは国家がその監督をしているためにそういうことが認められるということになるならば、私はまた一つの意見を持っておりますが、労働者をこういう危険な場所で使う場合に、現在八時間以上坑内で労働をやっているこういうことは一体正しいのかどうかということをひとつお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(始関伊平君) 炭鉱におけるような、非常に困難、かつ、危険度の多い労働者につきまして、その保護をはかり、また、作業環境をよくするということは、御指摘のとおり、非常に大事なことであると存じております。石炭鉱業の一般的な労働条件につきましては、労働省といたしましても、従来から監督指導の重点業種の一つとして取り上げておるのでございまして、少なくとも年に二回は現地に参りまして監督指導を加えてまいったのでございます。その結果といたしまして、たとえば労働時間等を中心として、まま御指摘のような労働基準法の違反もございますので、これにつきましては、これを指摘いたしまして厳重な注意を促す、こういうことをやってまいりました次第でございます。そして・さらに最近におきましては、労働時間の違反につきましても、これを計画的にひとつ排除していこうという体制を確立いたしまして、漸次成果をあげてまいっておるのでございます。 なお、夕張炭鉱につきましては、昭和三十九年度におきまして二回にわたりまして監督を実施いたしたのでございますが、その際には、労働時間の不当な延長等の法律違反は発見されなかったのでございます。
○阿具根登君 私の質問に対してのお答えじゃなかったようです、いまのやつはですね。私は、一般論で見た場合、坑外で空気のいいところで、そして夏は冷房、冬は暖房と、こういうところで働いておる人と、坑内でこういう悪条件下に——いつも一・何%かのガスがあるというところで仕事をしておる人を同じ労働時間働かしていいかどうか、それが逆になっておるじゃないかと、いまの場合は。非常によごれた着物を着て、そして非常に危険な場所で自分の生命をすり減らして働いておるようなところが賃金は安いし、労働時間も長いんです。いま政府が休日をふやすとか祭日をふやすとかなんとか言っておられても、祭日をふやしても一つもこの人たちには有利なことはないんです。何にもないんです。祭日であろうが土曜であろうが、坑内で働かにゃならぬのです。だから労働省の考え方として、どういうところにウェートを置くかということを質問しておきますから、これはひとつあとで答弁してください。 それから、これはいつも言うことなんですが、いま次官は、何かこの前の三池の問題で問題になりました監督官の問題に少し触れられたようですが、通産大臣にお聞きいたしますが、通産省というものは、労働者の保安とか、あるいは労働者の待遇とか労働条件とかというものを考える前に、生産そのものをまず考えられるところだと思うんですね。だから、どうしても通産省に保安局があ るということが問題じゃないかということを、いつも私はこの問題があるたびに言っておるわけなんです。この前の大橋労働大臣は、確かにそのとおりだ、労働者の保安については労働省が責任を持つべきだ、そう考えるけれども、いまの場合はまだいままでのまあ経過もあるので——ということでしり切れになったわけなんです。そうして、それに一部何かものを言えるようになったということを言われておりますが、私は、通産省にこの保安問題の監督権がある限り、生産が先に立つか、両輪の考え方になると、こう思うんですが、それが一点と、まあ新聞で見ただけでわかりませんが、一週間か十日前に監督官が一・五%のガスになったから注意をされておる、こういうことが新聞に出ておったわけです。これは監督官が二カ月に一ぺんなり行っておられるから、当然それは認められて注意されたのはまことにけっこうだと思う。そのあと実行がどうされておるか見ておられない。三池の場合も、炭じんがあれだけついておるのを一週間くらい前に注意されておるんです。それでもやらないということは何なのかということを考える場合、これはどうしようもない矛盾の一つではありますけれども、たとえば同じ学校を出た人でも、一方は炭鉱で何十年も働いておる、一方はお役人さんという場合に、どちらが炭鉱のことに詳しいかというような自負感があると思うんです。だから、監督官が言われても、そのとおりの実施はなかなかむずかしい、しかも、学校はうんとおそく出て若い人だ、こういう弊害があると思う。たとえば化学の爆発等におきまして、そうしてたくさんの死傷者が出た場合に質問をいたしましたところが、率直な答えの中には、最近の科学の発達には、いまのお役人さんではとてもついていけない、しかし、会社はそれだけに外国に派遣し、外国の方々を直接呼ぶ、そういうことをやっているので会社から習わにやならぬ、こういう意見まであったわけなんです。そうしますと、私は炭鉱の問題でもそうじゃなかろうか。そうして今日斜陽だといって人は集まらぬ、金出して首切って、そうして今度は金出して集めにゃいかぬ、それでも集まらぬ。集まらぬはずです。ただいま申し上げましたように、こういう悪条件の中で、賃金も安いこういうところで仕事をしている。そういうことを考えてみますと、通産省にそういう保安監督権があるというのが正しいかどうか、これはもういつもやっているのです。それが一つと、保安監督官がサボっているとかなんとか、そういうことは私申し上げません。非常によくやっておられると思うのです。よくやっておられると思うけれども、そういう実際地下でやっている人たちから見た場合に、いま炭をうんと出さなければ自分の企業がくずれるかもわからぬということが上から下まで浸透していると思うのです。炭鉱がいつつぶれるかわからぬ、だからいまの場合は、前と違って非常な労働強化になっている。次官はそんなことはないとおっしゃったけれども、それじゃ人間があれだけ減って、そうして十六トンから十八トン出しておった、それが三十五トンから四十トン出しているということは一体何なのか。機械化だけでそれだけ出るか、これは労働の強化なんです。そういう状態の中でこういうことが起こっているということは、炭鉱自体について考えなければならない時期にきている。しかも、北炭夕張といえば、新聞でいわれたように、炭鉱の中ではりっぱなところなんです。そういうところがこういうことになっているとすれば、いままでたくさんのところで事故が起こっている、たとえば長崎県の軍艦島——端島等も爆発が起こっておりますが、たまたまそのとき人がいなかった。これが夕張のように人がおったならばたくさんの死傷者が出ている。そういうことがこの炭鉱でも繰り返しやっておって、たまたま被害が少なかったというだけで、どこの炭鉱にも私はこういうおそるべき災害が起こる状態があると思う。そうするならば、もっと基本的に考えなければ、だれも責任を負わぬようなことでは、死んでいった人は一体どうなるか、残った家族は一体どうするかということを考える場合に、何も労働省にしたから災害が一回もありませんぞ、あるいは通産省にしたからいつも災害があるのだ、そういう極論、暴論じゃなくて、実際労働者の生命を守るならば、これは労働省がひとつそれをやろうじゃないか、やるべきだという心意気がなぜないか、その点からひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま鉱山保安のあり方について、通産省がやるのはどうかということについての御意見をいただいたいわけでございます。私は、この御意見は御意見として尊重すべきだと思いますが、私は、この御意見に何も反論がましいことを申し上げるのではないのでございますが、あらかじめお許しをいただきたいのでありますが、昨年七月に就任いたしまして以来、私自身が繰り返し申しておりますことは、経営者は三池のああいう大災害、あるいは昭和電工の事件のような問題、あるいは最近非常に注目を浴びている公害の問題、こういうものをひとつ優先的に考えてもらいたい。すなわち、経営者は、現在の世の中の状況からするならば、新しい産業道徳的な考え、そういうものがまず優先すべきである、その考えが前提になければ近代経営者としてのむしろそれは資格がないんだと、こういうふうに私は強調をしてまいったのでございます。したがって、私がいま産業行政全般を預かっておりますが、その預かる考え方の前提には、災害とか公害とか、こういう問題を起こしてはいけないのだと、これが前提でなければ産業の振興はないんだと、こういうふうに考えて、また、そのことをしばしば申し上げてまいったつもりでございます。特に今回こういう災害があったからことさらに私がそういうことを申し上げておるんじゃない、この点はひとつ御了承をいただきたいのであります。しこうして、鉱山保安の問題を考えますときに、御指摘のような点があろうかと思います。しかし、鉱山の場合は一そう保安というものが優先しなければならないと思います。というのは、私がこういうことを言うまでもなく、御専門でありますから、かえって失礼かと思いますが、地下資源を掘っていく上におきましては、その掘って生産をするということは、同時に保安というものが考えられなければこの生産は私はあり得ないと思います。特に地下資源の場合の自然条件が複雑であって、鉱床等のいろいろ変化がございますれば、それに応じた保安というものが優先されて考えて掘る、生産をする、こういうことになっていくのではないか、かように思うのであります。といって、私は、労働省が工場、鉱山の労働者の保護に当たっておる立場、また、その立場からいろいろ通産省に対して忠告を与えるというようなことに対しては謙虚に聞かなければなりませんし、今回のような災害がありますれば、そういう労働省との緊密な連絡の上に立って対策を立てていくべきことは当然であろうと思うのであります。 なお、今回の鉱山保安監督局の監督の状況でございますが、新聞等にも報道せられておるとおりに、二月十二日にこの夕張炭鉱一礦丁未坑の検査をいたしております。そして、それに伴って、さっそくに三つの事項についての監督票によっての注意をいたしましすとともに、二月二十二日、すなわち災害の起こった当日でございますが、当日に札幌鉱山保安監督局長が、すでに注意をした事項を通達書で手交をしておるのでありますが、その手交したおりに、現在わかっておりますことは、この監督票によってどの程度改善をしたかということも坑長に対して監督局長がよく確かめております。そうして、しかし、どうも不十分な点があるじゃないかというようなことがございまして、さらに改善の要望をしたと、そういうような経過をたどりながら、遺憾ながらその当日の午後六時三十分にこういう爆発事故を起こした、こういうことでございまして、返す返すも、何と申ま上げていいか、言うべきことばがないのでありますけれども、もう一つわれわれの監督が迅速に的確に行なわれておればかような事態を起こさなかったのではないか、かように思う次第であります。
○阿具根登君 まあ新聞で見たり、大臣の答弁で感じるだけのことですが、そうなっていけば、大臣は、この際、どうすればこういう災害は起こらないようになるだろうか、こうあるべきだという考えは一つも言っておられないんですね。そうすると、政府も何も悪いことがない。今度新聞で見れば、会社は、保安が重点です、保安はわれわれはもう十分にやっておったつもりだけれども、こういうことになってまことに遺憾である。これは遺憾だけで、だれがほんとうにそれではこれに取っ組んでいるかということが何にもないわけです。それじゃまたこういう事故が起こりますよと私は言っているんです。だから、いままでそういう指摘されてきたことをひとつやってみようじゃないか、そして少しでも災害が減るようにやろうじゃないかという意気込みがあればいいんですけれども、大臣の考えは、いま私聞いておれば、全然そういう問題に触れておられない、やっておるんだ、やっておったんだというようなことになってくる。私らが現場に行ってもそうだと思うんです。ほとんどのガス爆発はどこが原因であって、どうすれば直るんだということはほとんど結論が出ておらない。どこの爆発でもほとんど死んでおるから、これはガス爆発だと私は思うんです。そこで私は、またこういう災害が起こるおそれがあるから、ここで何か抜本的なことを考えなければ同じことじゃないか。ほかの炭鉱じゃそれじゃ爆発起こらぬ、事故起こらぬということなら別。ほかの炭鉱もこれに類似した災害が起こる危険性があるという前提で私はものを言っている少なくともあなたより私は炭鉱は見てきたわけです。少なくとも、どこの災害でも、私は行っていないところはないのです。そうして、そのたびそのたびに同じことを本会議を通じ、この場を通じて質問をしているけれども、同じ答弁です。おそらくいまの答弁だったら、前の災害のやつを見てもらえるなら、前の大臣と同じ答弁だと思うのです。それではちっとも前進ないじゃないか。だから、ここでこの前労働省からも、ああいう保安監督行政について口ばしを入れるようになったが、それが万全とは言えないが、ひとつ保安のほうは労働省に頼みましょう、やってください、このくらいの意気込みがなくては、私はこういうこの種の災害をとめることはできぬと思うのです。会社だって、いや、おれのほうは生産が第一です、生産をやらなければ会社がつぶれますからと言う人は一人もおらぬ。事故が起これば全部、保安を完全にやっておりましたが、どういうわけかこうなった——結局死んだ人がいつもばかをみている。またこれを繰り返す。だから、もうこういう押し問答なんかしたくないのですけれども、だから、もっとまあ佐藤さんの一枚看板で人間尊重と言われたならば、その佐藤さんが、いま予算委員会で質問の終わったばかり、初めての国会——まあ臨時国会はありましたけれども、そんならこういうときに、いち早く佐藤さんはどうあるべきかということを考えるべきなんです。この前も言ったから言いたくないのですけれども、ドイツなんかでは首相が一番先に見舞いに行く。かけつけて行き、陣頭指揮をとっておられるのですよ。そんなことができないで人間尊重なんか言わぬほうがいいのです。人間の生命を軽視しておって人間尊重なんて言わぬほうがいいのです。だったら、なぜこの際一番先に佐藤さんが号令かけぬのですか。人間尊重というのはまず生命でしょう。それがまたこういうことがあるなら、いままでこういうことはやってきた、やってきたけれども、しかし、保安の万全ということは人間のやること、しかも坑内の危険なところだから、万全ということはできぬにしても、おれは人間尊重が第一だからかくやるべきだということはあるべきなんです。そのまた責任者としての機内通産大臣も人間尊重を旗じるしにするなら、この際はこんなことじゃだめですよというような考えがあなたにあるはずです。それがなかったら人間尊重なんてうそ、そんなこと言わぬほうがいいのです。もっと一番危険な相手は死んでおる、家族は泣いておるのです。その気持ちになってもらえば、私はいままでのような答弁でなくて、今度はこうやるのだ、かくあるべきだ、考え方だけでもやはり私ははっきりしたものがなからねば、いつこういう事故が起こって聞いても同じこと、会社においても私は同じだと思うのです。あなた方ばかり責めるのじゃなくて、会社側も責めます。組合が悪いということになれば組合も責めます。それが人間の生命を尊重するゆえんです。そうしてできるだけのことをお互いやるべきなんです。同じ人間です。その点について、私まあきょう午後から現場に行ってまた調査して、そのあとで御質問申し上げますが、時間もないし、皆さんも質問があることと思いますから、これで終わりますが、そういう気持ちで人間尊重ということを十分ひとつ考えてもらいたいと私は思うのです。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどお答えの中に、これからどうするのかということについて触れておられなかったこと、まことに申しわけございません。私といたしましては、すでに保安局長も課長も現地に行っております。徹底的な原因の究明をいたしまして、また、さらに技術調査団の派遣についても閣議においてきめていただいておりますので、すみやかに調査団も派遣して、まず今回の原因を確実に把握する、しこうして、これに対する対策の万全をはかりたいと思うのであります。 三池炭鉱後におきます状況も、今度の問題が起きましたので、さっそくに通産省としての対策が不十分であってはいけない、こういうことで調査もいたしました。一応の対策が講ぜられ、また法案の改正もお願いをしたというような実情を知ったわけでございますが、今回の災害に伴う原因がわかり、そしてそれが法制上欠けるところがあったり、あるいは通産省の政令、省令等によって先ほど申し上げたような保安行政がもっとも的確、迅速に行なわれる方途がありますれば、これはもうさっそくに改善をいたしたいと思うのでありますが、ただいまお話の点は十分念頭に置きまして、これからの対策に、より反映させ、万全を期する決意でございます。
○阿部竹松君 この爆発の本質的な問題については、明後日同僚議員が、佐藤総理はじめ、関係閣僚の皆さん方にお尋ねすることになっておりますから、省くことにいたしまして、できそうでありながらやらないために多くの犠牲者を出している、まことに遺憾であるという点について二つ、三つだけお尋ねしますが、ちょうど災害が起きたのは一昨日の午後七時くらい。たまたま私と同僚議員の大矢正さんが一緒におりまして、爆発を知ったのは九時五十分ごろ。これはたいへんだということで調べてみたところが、扇風機をとめておって、まだ四十二名の従業員が入っておる、こういうことでした。ですから、残念ながら大矢君と二人で、坑内で炭じん爆発かガス爆発かわからぬけれども、扇風機をとめてしまったらこれは全滅であるということで、さっそく、きょうは札幌に行ってお留守ですが、保安局長の川原さんに、それはけしからぬではないかということで川原さんのところにお電話したわけです。しかし、もうそのときは扇風機とめてしまったあとで、川原局長さんは済みませんというおわびのことばだけで、どうにもならなかったのです。そのときは川原さんの力をもってしても、扇風機とまっておるわけですから、これはやむを得なかったと思いますが、あとで私新聞の記事を見ただけですから、私の話がどの程度まで確信を持ってお尋ねできるかどうか別として、爆発でなくなった人は、これは百歩譲ってやむを得ないとしても、メタンガスによる一酸化炭素で心臓あるいは内臓やられてなくなった人が多いわけなんです。どうして扇風機とめたかわからぬのですね。ですから、坑外におって工場で働いてもけがしたり、重大災害が次から次に起こる今日ですから、特に危険な坑内ですから、皆無ということは皆さん方のほうで努力を願っても無理だと思うのですが、まあここ数年来見ても、大辻炭鉱で十七名、あるいは上清炭鉱で六十三名、特に一昨年の三井三池炭鉱のごときは、事後処置さえよければああいう膨大な犠牲者を出すことはない。今後裁判で争うことになっておりますから、どういう結果になるかわからぬけれども、どうも措置が私は納得いかぬ。ですから、いよいよ災害が起きた場合の処置としては、経営者の行なう処置が監督の立場にある皆さん方の上をいくのではないかという気がする。一月に五回勧告したといわれておる、今月の十二日も勧告したといわれておる、しかし、現実は爆発しておる。そうすると、勧告のやりっぱなし、聞きっぱなしということになっておるのではないか。きょう調査団が派遣されるそうですから、その結果が明確になると思いますが、言いっぱなし、聞きっぱなしということが現在の保安行政でないかというような懸念がある。事後処置さえよければこういう膨大な犠牲者が出なかったような気がするのですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 災害後における事後の措置について御指摘のような欠けるところがあるということは、まことにこれは重大なことだと思います。お話のとおりに、措置よろしきを得ればとうとい人命の犠牲を出さなくて済んだ、そういうことを考えますときに、これは申しわけないということばでは済まないのでございまして、もしこれらの措置について通産省の監督が及んでおらなかった、通産省として手の及ばぬことがあったといたしますならば、たいへん責任を感ずるようなわけであります。今後こういうような事後措置によるあやまちというものが繰り返されないように、先ほど申し上げたような技術調査団、あるいは現に参っております担当の局長等の報告に基づきまして、迅速にかかる事態の起きないように措置を講じたいと、かように思います。
○阿部竹松君 答弁のやりっぱなしでいいとお心得になっておるかわかりませんが、二、三年前、通産大臣、芦別市に三井芦別炭鉱というところがある。そこで、おしを坑内夫に使っておった。五体満足な人でもなかなか坑内で働けないのに、おしを坑内で使っておって犠牲者としてなくなった。この新聞報道によれば、六十八歳の人が坑内に入って犠牲者としてなくなっておる。年齢によって人間の健康を云々するわけにいきませんけれども、普通の五体りっぱな青壮年でも、なかなか炭鉱の業務というものは、特に第一線、現場等においては容易なことじゃない。おしを坑内に入れたり、六十八歳になる人を坑内に入れるということは、これは穏やかではありませんよ。これはたまたま犠牲者になったから私どもにわかった。犠牲者でなければまだたくさんおるかもしれません、わからぬだけの話で。こういうのはやっぱり皆さん方のほうに、一から十まで監督してくださいと言うのは無理かもしれませんけれども、実際届け出があるはずなんです。もぐりはないことになっておる、第一線、現場は。それは知らない、自後改めますと言っても、何回も聞いておるので、猜疑心を私持っておるかもしれませんけれども、自後改めますと言っても、そういうことが何度も何度も毎回起きておるのですから、なかなか了解しがたい。特にこの今回爆発が起きた北海道炭礦汽船株式会社は、五年前に第二坑というところで四十二名なくなっておる。それから二年前、清水沢炭鉱というところで北炭がまた炭鉱爆発しまして、そうして炭鉱が坑内火災が起きるというので、坑内に従業員がおるのに坑口を密閉した。あとでその坑内に居残っておった従業員のなきがらを北大に持ってきて解剖したところが、密閉する時間よりも生きておった時間が長かった。大臣は知らぬかもしれぬけれども、当時の通産当局におって監督行政をやっておる人がおるからわかるはずだ。そういうことを北炭がやっておる。ですから、また今回起きて、大臣は大まじめに答弁していただいておるわけですが、信用できないわけです。特に労働省の政務次官もおいでになっておるからお伺いしますが、北炭というところは次から次へと犠牲者を出す。大きな爆発でないから、二名か三名の犠牲者が出た場合には気の毒で、あまり言いたくないから言わないが、相当な犠牲者を出しておる。そうしますと、労働大臣あるいは基準局長が、通商産業大臣あるいは鉱山保安局長に、それはできませんよといって法的に勧告をすることができることになっておるはずだ。そういうことを今年あるいは昨年の下期に何回かやりましたか。
○政府委員(始関伊平君) お話のとおり、鉱山保安法の規定によりまして、労働大臣から通産大臣に勧告することができることとなっております。この規定に基づきまして、本省から本省への勧告は過去に三回ばかりやりましたのでございますが、ただいまの北炭の問題につきまして勧告をいたしましたことは、それだけを具体化してはないようでございます。
○阿部竹松君 いまのちょっと明瞭に理解できなかったのですが、もう一度……。北炭の問題についてまではわかりましたが。
○政府委員(始関伊平君) 実は三十五年の十一月二十五日に、ガス爆発、坑内出水、危険の鉱山の指定、巡視の強化、こういったような事柄をおもな勧告内容といたしまして、労働大臣から通産大臣に勧告をいたしておりますから、この場合には北炭の爆発の問題も頭の中に入れて本勧告が行なわれたものと思いますが、詳細は局長が参っておりますから、お聞き取りを願いたいと思います。
○政府委員(村上茂利君) 鉱山保安法に基づきます労働省から通産省に対する勧告は、一昨年秋の三井三池の事故後におきます勧告だけでございます。しかし、労働基準法の面におきまする勧告は、たとえば今回の事故のございました夕張鉱業所といたしましては、昨年十月ごろ、特に労働時間、割り増し賃金等を中心にいたしまして監督いたしておりますが、夕張の場合には違反なし、それから下請の旭川開発につきまして、石山組等に対しましても、下請として別途に監督をいたしましたが、幸いにして違反が認められなかった。ただ、その際に、実は小災害がかなりありますことを北海道の労働基準局としては把握いたしております。たまたま私全国産業安全大会が北海道でございまして参りました際に、その災害等、一般労働条件関係等も詳細に調べまして、そして、さらにそれによるところの札幌の鉱山保安監督局と十分連絡をとり、特に災害多発事業所に対する監督を労働の面からさらに強化するという角度で措置をいたさせておったところでございます。法に基づく勧告はいたしておりません。事実上の勧告でございます。
○阿部竹松君 私のお尋ねしているのは、岩見沢とか札幌の基準局長が地方の保安局長に勧告することができる。はっきり注文を覚えておりませんけれども、中央の基準局長あるいは労働大臣が、労務者の災害云々というふうに、文章ははっきり記憶しておりませんけれども、そういう場合には勧告することができるということ。北炭の場合、次から次へと災害が起きますから、その法に基づいておやりになっておるかどうかということで、私は賃金がどうだとか、そういうことをお尋ねしておるのではありません。ですから、その点については、現地からも来られてから何度も持たれるでしょうから、そのときでもよろしゅうございます。 最後にお尋ねしておきたいのは、冬になると空気が乾燥するのですね、特に坑内は。北炭の場合は、この前の大災害のときも、二月の何日か記憶しておりませんが、雪があったように記憶している。そうすると、夏と同じような方法で保安行政をやっておったのでは手抜かりができてくる。同じような法律で石炭経営者を押える、そうすると保安規則でも何でもそれに基づいてやる、これは必ず問題が起きます。ですから起きたたびに騒ぐようですが、そういうことについて当局は異なった処置を講じておるかどうか。年中同じ一本の規制でもってやると、必ず爆発事故が起きるわけです。この点はいかがですか、最後にお尋ねしておきます。
○国務大臣(櫻内義雄君) まことに申しわけございませんが、季節の変動によって保安監督がどういうふうに行なわれているか、私いま存じませんので、担当の者からお答えさせます。
○説明員(森田三喜男君) いま御指摘がございましたように、乾燥期等におきましては、法律上の措置としては異なる措置をしておりませんが、監督の実態といたしましては、そういうことを念頭に置きまして、強化する方針でやっておる次第でございます。
○田畑金光君 大臣に私ひとつ常識的な立場で一、二お尋ねしておきたいと思うのですが、端的にひとつ大臣に承るわけですが、この種事件の責任というのは、一体だれが第一義的には責任を負うべき筋のものか。われわれも新聞でおおよそ炭じんガス爆発であるというようなこと、また、この辺の監督の今日までのあり方等についてもいろいろ新聞では見ておりまするが、これらをあれこれ勘案してみたときに、この種事故についての第一義的責任というのはだれが負わねばならぬのか、この点は大臣としてどのように感じておられるか、これを率直にひとつ承っておきたいと思う。
○国務大臣(櫻内義雄君) 原因が究明されまして事態が明白になりますれば、法的にだれの責任かというようなことが出てくるかと思います。しかし、私は、私の気持ちとして、そういう形式的なことは一つも考えておりません。今回の災害に関係のある私から、また経営者から、すべて大きな道義的責任があろうかと思います。そういう形式的な責任よりも、われわれの道義的責任のほうが大きいかと思いまして、責任を痛感して今後の問題に対処していきたいと、かように思います。
○田畑金光君 私は、大臣のそのお気持ちは了とするし、また、そうでなければならぬと、こう考えておりますが、そこで、私は、道義的な責任という立場で大臣にお伺いするわけですが、法律的な責任の問題は、これからまたいろいろ複雑な、こういう技術的な検討の結果出てくるものですから、また、はたして法律的な責任の所在がはっきりするかどうかということも、いままでの事例を見ると、あいまいに終わるのではなかろうかとも心配しておりまするが、それよりも、端的にお尋ねしたいのは、この北炭では昭和三十五年の二月にあのような大事故を起こしているわけです。またその後、大きくはないにしても、しばしば事故を起こしているわけです。今度またこのような大きな事故が起きたわけです。しかも、だんだん聞いてみると、現地の保安監督局においても、幾たびか警告を発していたにかかわらず、こういう大きな事故が起きたという問題です。しかも、北炭という山は、大手の中でも大手と言われているし、また、経常の面から見ても、経理の面から見ても、技術の面から見ても、一流中の一流の山ではなかろうかと、われわれはこう見ているわけです。三井といい北炭といい、こういう一流の山でこういう事故が頻発しているというこの事実です。昨年四十六国会で鉱山保安法の改正がなされたわけです。鉱業所長が統括責任者として保安の強化がはかられたわけです。また、従業員の声を聞くというので、保安監督員補佐制度というものをしかれたわけです。こういうように、法的な面でも規則の面でもだんだん改良を加えられておるが、しかし、事故は相変わらず起きておる、こういうことですね。そこで、いま大臣のお答えのように、道義的な責任を会社が負うとするならば、やっぱり私は、最高経営者が、こういう事故を起こしたならば責任をとって、その罪を、あるいはあやまち、あるいは自分の指導の誤りを明らかにするということくらいは当然私は必要じゃないかと、こう思うのです。そういう点から見るなら、私はやっぱり監督の立場にある保安行政上の責任も追及しなくちゃならぬが、それよりも、より一そう、こういう会社を経営している経営上の責任というものは、私はこれは当然明らかにしていいのじゃないか。これは株式会社だから、よそからあれこれ言う筋合いでもないかもしらぬが、しかし、それは行政指導その他によって、当然まずそういうような面の責任を明らかにさせるということが私は大事じゃなかろうかという気持ちも感じておるわけなんです。だからこそ、昨年の法改正でも、鉱業所長を統括責任者にして、保安の当面の最高責任者に山元ではしているのですが、しかし、私は、生産と保安と一体となってやれといっても、鉱業所長のところではなく、さらにもっと商い指導の面において保安を重点にして山全体の経営がなされるということがあれば、こういうような事故はおそらく防げたのじゃないか。そういう点から見た場合、私はそういう面で、この際、繰り返しこんな事故を起こしておる山あたりでは、ひとつ経常上の責任もはっきりさせるのが大事じゃないか、こういう感じを持ちますが、この点どうでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 田畑委員のおっしゃっていることは私によくわかります。ただ、こういう公式の席上で、行政面を担当しておる私が何らの裏づけのない言動をしてもいかがと思うのでありまして、先ほど私お答えしたとおりに、私をはじめとして、道義的責任のある者は、その責任を感じて行動の上にいろいろあらわすことが、これが当然であり、好ましいと思います。
○田畑金光君 私も今夜現地に参りますので、もうこまかいことをかれこれ質問する気もございませんが、ただ、先ほど阿具根委員から質問があって、大臣はこれに対してお答えなさったのかなさらなかったのか、私は聞いておりませんが、とにかくこれだけの大きな事故を起こしたということになれば、やはりこれは保安行政の最高の責任を負っておられる通産大臣みずからが現地に乗り込まれて、みずから弔意を表されるとともに、事後措置、あるいは問題の所在について正確を見出すために努力なさるべきだと、こう思うのです。それぐらいの気持ちでこの問題に取り組まれることが大事なことじゃなかろうか、こう思うのですが、その点についてもう一度心境のほどを承っておきたいと思っております。いろいろ尋ねたいことがありますけれども、これは現地の調査の結果、また別の機会にお尋ねしたいと、こう思っております。
○国務大臣(櫻内義雄君) 田畑委員の御指摘のとおりでございまして、すでに私は国会のほうに、いまの予算委員会の審議の状況、あるいは関係各委員会の関係等から、すみやかに現地に行きたい、ひとつお許しをいただきたい、こう私は申し出ているのでございますが、予算委員会でも、御承知のように、衆議院の最終段階を迎えております。また、本日こうやって委員会へ出るのも私の当然の行動かと思いまして、おそらく一両日中に現地に行けるようになれると思います。また、私はそれをぜひ実行いたしたい。御指摘を受けるまでもなく、すみやかに現地に行きまして弔意を表したい、お見舞いもいたしたい、対策の万全も講じたい、かように考えている次第でございます。
○阿部竹松君 議事進行について。 今晩各委員の中から現地調査に行かれるのですが、なお、通産当局から保安局長も現地に行っておることですから、皆さん方のお帰りの結果、その報告を求めて、その後十分論議されたらどうか。あまり時間もないようですから、そういう議事進行について御賛成願えれば委員長において取り計らっていただきたいと思います。
○委員長(小柳勇君) ただいまの提案がありましたが、議事進行についての御意見いかがですか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○石田次男君 二、三点、質問さしてもらいたいのですが。
○委員長(小柳勇君) どうぞ、石田君。
○石田次男君 まだ現地調査以前のことでございますから、詳しいこともできませんが、きのう若干調べたところによりますと、この夕張炭鉱では毎年事故が起こっております。もちろん全部がガス爆発等のためではありませんが、三十五年に四十二人、六年が六人、七年が七人、八年が六人、九年が七人というような状態でありまして今度の災害を迎えたわけであります。日本としては大きい炭鉱で、しかも、伝統もあって、設備も整っているはずのこの夕炭でこういうふうに事故が起こるというのは、炭鉱自体の保安体制に何か大きい欠陥があるのじゃないかと思いますが、それに対する通産関係の意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 御指摘のように、夕張炭鉱の災害が毎年ありますことは承知をしております。いま根本的な原因が何かあるではないか、こういうお尋ねでございますが、いまここでとっさにこういうことではないかというお答えが私には出てまいりません。今回の原因を契機として、さらに詳細なる原因探求を行なうのでございますから、こういう頻発している実情についても、これをよく検討をするように命じたいと思います。なお、また、先ほども申し上げたとおりに、技術面からの調査団も派遣することになっておりますので、石田委員のおっしゃることは、私のほうから調査に当たる者に過去にさかのぼって総合的な判断をしてもらうようによく申しつけることにいたします。
○石田次男君 その保安上の問題でありますが、あそこの炭山の性質上、よそに比べて非常にガスの発生率が大きいところである、こういうふうに聞いております。それで炭鉱の地図を取り寄せて詳しく数字の上から検討してみたのでありますが、地図の上でも、非常に場所によってガスのたまっている量が違うのですね。これはもちろんいつの時期の地図ということは言えませんが、その作製当時において、ある個所においては〇・〇一、ある個所においては〇・八、こういうふうに、非常に場所場所における格差が大きいのです。そうしてファンのほうは二百五十馬力のやつをかけているということですが、今度の切り羽は二月の検査以降に切り出し始めたところだ、こういうふうになりますと、あるいはこの空気の流れの都合上、そこが一つのポケット地帯になってガスのはけが悪いのじゃないか。言いかえれば空気の流通が悪かったのではないか、そういうような点も考えられるわけであります。でありますから、通産省としては、いまの爆発個所だけではなくて、夕炭の坑内全体についての科学的な厳重な検査というものをひとつ私は要望したいと思うのですが、この点大臣のお考えをお伺いします。
○国務大臣(櫻内義雄君) 従来調査をいたしました実情というものは報告がまいっております。それを拝見いたしますと、石田委員のおっしゃるように、ガスの滞留状況に相当複雑な面があろうかと思います。今回の事故を起こしました坑内それ自体についても、十二日の検査の際に御指摘のような複雑な模様があるようでございまして、それに対応する措置を命じてもおったと思いますが、石田委員のおっしゃるとおりに、今後の保安監督の上におきましても、坑内全体にわたっての詳細な検査をするように命じたいと思います。
○委員長(小柳勇君) 他に御質疑はございませんか。——御質疑がなければ、連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳勇君) 御異議ないものと認めます。よって、連合審査会は終了することと決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後三時二分散会