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48回国会参議院1965/03/10

石炭対策特別委員会 第7号

発言数
3
登壇者
2
会派数
1
開催日
1965/03/10

会議録

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  派遣委員の報告に関する件を議題といたします。  先般、当委員会が行ないました日本炭礦高松鉱業所問題の実情調査のための委員派遣について、派遣委員から御報告を願います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 日本炭礦株式会社高松鉱業所の問題に関する委員派遣につき御報告申し上げます。  派遣委員は、小柳委員長、亀井、鬼木の両理事及び田畑委員と私の五名でありますが、現地では劔木、阿具根の両委員も参加いたしました。期間は二月二十一日から二十四日までの四日間であります。  日本炭艦高松鉱業所の問題は、この会社の鉱区が筑豊地方の北端から北九州市にまたがっているため、ここの石炭を採掘することが、北九州市に点在する瀬板貯水池、養福寺貯水池、穴生浄水場、屯田貯水池、三菱セメント黒崎工場等の地上の特殊物件の保全に悪影響があり、鉱害の発生の心配もあるとして、地上権益者と日本炭礦の間で、長年にわたって掘るとか掘らないとかの問題について折衝を続けてきた問題であります。ところが、昨年の十一月十八日に、福岡通産局から日本炭艦に対し、高松炭鉱の施業案については、地上特殊物件保護のため、その影響区域における採掘はこれを認可しないという施業案の処理方針が示されたのであります。もちろんこれに対し、日本炭礦側は不満を表明し、かくして地上権益と鉱業権の争いが急迫してまいったのでございますが、私どもは、二十二日に福岡市において、福岡通産局、福岡鉱山保安監督局、福岡県、電源開発株式会社、水巻町、八幡製鉄株式会社、三菱化成工業株式会社、三菱セメント株式会社、北九州市、日本炭艦株式会社、日本炭礦職員組合、日本炭臓労働組合の順にそれぞれの幹部から事情を聴取し、翌二十三日には水巻町、高松一鉱、養福寺貯水池、穴生浄水場、瀬板貯水池、屯田貯水池、若松火力発電所、高松二島鉱の順に現地視察をしてまいりました。  日本炭艦側の主張といたしましては、主力採掘区域一帯が採掘禁止となり、会社の存立が危ぶまれる重大問題であるから、施業案の認可を強く要望しておりました。すなわち会社としては、(一)、鉱業権があるので当然採掘できるものとして、長期展望のもとに多年にわたって多額の設備投資をしてき、二島斜坑だけでも百億円を投じている。(二)、あとから設けられた地上施設のために鉱業権が致命的な制約を受けるのは、受忍できない。(三)、いままで施業案の小刻み認可、地上権益者との事前協議等の特殊な取り扱いによって六十三億円にのぼる損失をこうむり、経営の危機に直面している。(四)、生産量で全体の三分の二を占める主力採掘区域での採掘が不可能になれば経営を維持していくことができない。岡、六千六百人の従業員の生活権はもちろん、関連産業や関連地域の存立基盤にまで脅威を及ぼし、重大なる社会問題にまで発展するとして、施業案の認可を求めているのであります。組合では、基本的には従業員及び家族の生活不安を取り除いてもらうことを要望し、採掘方法を検討するとともに、地上施設の補強、移転を考え、施業案の認可ができるよう国で援助措置をしてもらいたいとのことでした。水巻町では、日本炭艦への依存度がきわめて高いので、日本炭艦の経営が困難になると社会問題が発生するおそれがあるから、施業案を認可してもらいたいと申しておりました。  一方、地上権益者側は、地上の特殊物件の保全は、産業の存続のためにも、北九州市民の生活にも絶対必要であるという特殊物件保護の立場から施業案をそのまま認可することに反対しておりました。すなわち、八幡製鉄は、日本炭艦の採掘線が養福寺池に近づくにつれて、ダムに亀裂や漏水が発生し、万一鉱害が生じたときには企業の存続を左右する重大問題であるとし、三菱化成は、いままでの採掘によって生じた引っぱりの程度を日炭との共同測量によって実測してみますと、実測値と最初に予定された計算値と大きく食い違っているので、理論上は安全という数値が出ても決して安心できない。最近では瀬板貯水池のダムの傾斜も憂慮され、貯水池の池下採掘はまだまだ不安材料が存在するとし、三菱セメント黒崎工場は、セメント設備は精密さを要求されており、工場施設に鉱害が起こり、不同沈下でもすると運転が不能になるとして、地上権益者はこれ以上の採掘を続けることには反対の意見でありました。  また、北九州市は、これ以上採掘を続けることは多くの危険をはらむし、産業の発展、市民の生活に重大な影響があり、もはや採掘の限界にきているものとして採掘の中止を要求しておりました。ただ、今後の採掘区域については、屯田第三、第四貯水池や蜑住、島郷の住宅団地のごとき、開発計画としては最適地というべきものが含まれていますので、鉱害の発生防止に万全を期し、万一鉱害が発生したときには国が援助して、早急に賠償と鉱害復旧工事を実施するよう要望しておりました。  採掘区域の問題には直接関係を持たず、日炭高松の石灰に強く依存している電源開発会社においては、若松火力の電力用炭の九〇%は日本炭艦の低品位灰であり、日本炭艦の出炭規模が縮小すると所要量の確保ができず、発電所の運営に支障を来たしますので、日本炭艦の自立安定策を急ぎ、長期安定供給体制の確立を要望しておりました。  以上、関係者の意見の大要を紹介しましたが、この問題は古い歴史を持ち、地上権益者にも鉱業権者にもきわめて重大な影響を持つだけでなく、ひいては労働問題、社会問題にも連なるものであります。また、採掘による地上物件への影響の度合いや採掘の方法などに関する技術的な問題も含まれており、通産省の行政指導とも重大な関係があります。今後さらに精細な技術的調査の結果をもととして、各種複雑な利害関係の調整を行なわねばならぬのであります。  私どもは、今後石炭対策を審議するにあたりましては、今回の派遣の際の貴重な見聞を十分参考にして、慎重に審議する必要があると痛感した次第であります。  以上、報告を終わります。

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) ただいまの報告に対し、御質疑はございませんか。——別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十八分散会

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