石炭対策特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1965/07/21
会議録
○委員長(阿部竹松君) ただいまから石炭対策特別委員会を開催いたします。 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 去る六月二日及び三日の二日間にわたり、当委員会が行ないました山野鉱業株式会社山野鉱業所爆発事故の実情調査のための委員派遣について、便宜上、私から御報告いたします。 山野鉱業株式会社山野炭鉱の災害に対する委員派遣につき報告申し上げます。 去る六月一日発生いたしました山野炭鉱の爆発事故を調査するため、当委員会から亀井理事及び鬼木理事と私が派遣されました。また、社会労働委員会からは、小柳委員長が派遣されました。 派遣期間は六月二日及び三日の二日間でございまして、その調査日程を申し上げますと、六月二日、空路福岡に到着、空港で福岡通産局、福岡鉱山保安監督局及び福岡労働基準局から一応の説明を求め、直ちに現地山野へ直行いたしました。現地においては、まず、臨時山野炭鉱災害対策本部を訪れ、対策本部の説明を聴取した後、災害発生坑口で黙祷をささげて犠牲者の冥福を祈り、その後、山野鉱業所、労働組合及び職員組合を訪れてお見舞いを申し上げ、最後に、山野炭鉱病院に負傷者をたずね、お見舞いを申し上げてまいりました。 山野炭鉱は、明治三十一年、三井鉱山株式会社により開発され、昭和三十八年九月までは三井鉱山に属しておりましたが、同年十月以降、第二会社山野鉱業株式会社として再発足したものであります。 山野炭鉱は、筑豊炭田に属し、鉱区は東西約四・五キロ、南北約四キロに及び、理論埋蔵量約四千万トン、実収炭量約千六百万トンといわれております。 当鉱は、第一立て坑(運搬入気坑口)、鴨生本卸坑口(人気坑口)及び第二坑口(排気坑口)を有し、杉谷部内及び海八部内の二区域に三カ所の採炭作業場を持ち、さらに今後の採掘現場をつくるため、立て坑付近より新たに大焼層開発のための坑道を掘さく中であったとのことであります。 生産の状況は、昭和三十九年度四十八万七千トン、そのうち約六五%が原料炭、約三五%が一般炭であります。 労働者数は、四月末現在で、長欠を除く常用労務者九百九十人、請負夫七百二十九人であり、出炭能率は三九・八トンとのことであります。 次に、災害の状況について申し上げます。 災害発生は、六月一日午後零時四十分ごろと推定され、当日一番方として本坑に入坑していた者は五百五十二名であり、罹災者は杉谷部内が最も多かったのであります。災害発生個所は、坑内探検の模様等から、杉谷部内及び大焼部内と推定され、災害発生の原因等については、ガス爆発であることは明らかでありますが、その直接の原因は、いまだ調査の段階に入ったばかりで、推定の域を出ておりませんでした。 災害発生後、直ちに救護隊三班を編成して救護活動を開始し、その後、周辺の田川炭鉱、小舟炭鉱等からの救護隊が到着して協力した結果、六月三日現在、二百三十七名の人命が失われ、三十八名の重軽傷者を出したことが判明したのであります。また、負傷者は炭鉱病院に入院せしめ、山野炭鉱病院の医師及び看護婦のほか、九大、熊本大、九州労災病院、日赤病院等から医師及び看護婦の応援を得て応急治療に全力をあげているとのことでした。被災者の死因については、遺体の位置、ガスマスクの使用状況及び外傷等から判断すると、爆発時の外傷及び一酸化炭素中毒死と想定されるとのことでした。 次に、今回の被災者に対する遺族補償費、葬祭料、療養補償費等は、六月八日をめどに支払う準備をしており、推定では二億五千万円程度の金額になるのではないかとのことでした。 以上が今次災害の概要であります。 今日、石炭鉱業が合理化政策の途上にあり、なおかつ、困難な石炭情勢の中にありながら、北炭夕張、日鉄伊王島に次いで、またしても死亡者二百三十七名という戦後第二番目の死者を出したことは、関係者にとっても大きなショックであり、石炭労働者に与える影響も重大なものがあったと思われます。われわれも保安の確保なくして生産はあり得ないという感を一そう深くするものであります。 また、山野炭鉱におきましては、常用労務者九百九十名に対し、組夫七百二十九名もおり、今回の犠牲者二百三十七名のうち、組夫が百十四名を占めていたことは、生産の合理化と労務者確保の困難性があったとはいえ、組夫の中には、移動率も高く、炭鉱の保安知識の乏しい人も多いため、災害の発生を高める一つの原因ともなっているのではないかと思われ、この点、今後十分な検討を要するものであります。 最後に、最近、相次いで大災害が、比較的優秀であるといわれていた炭鉱に発生し、そのつど、炭鉱の保安確保について万全の対策を確立するよう要望してきたのであります。この際、安全を犠牲にして石炭鉱業の再建はあり得ないのでありますから、現在進められている石炭政策をも再検討し、石炭鉱業の真の安定をはかるとともに、緊急に必要な保安施設の整備、その他保安確保に対する諸措置を講ずるために必要な予算上の措置を早急に決定することを強く要請する次第であります。 以上報告を終わります。 —————————————
○委員長(阿部竹松君) 以上で派遣委員の報告は終了するわけですが、この際、森保安局長から発言を求められておりますので、これを許します。森保安局長。
○説明員(森五郎君) ただいま委員長から御報告がございましたように、今度の災害が起きた場所が山野鉱山の杉谷部内及び大焼部内というところでございます。ところが、山野にはほかに海八部内というところがございます。ここは、ただいま委員長の御報告にございましたように、全然被害を受けておらない地区でございます。そこで、この海八部内の炭はいわゆる原料炭でございまして、非常に自然発火もしやすいということで、保安上からもあまり長く放置することはかえって好ましくないという事情もございます。もちろん会社側も労働組合側も、非常に早期再開ということを強く希望いたしておりますような事情もございます。そこで、会社側から保安整備計画というものが出されましたのは六月二十六日でございます。これをいろいろ検討いたしまして、不備な点を改善命令その他を出しまして検討しておったわけでございますが、保安整備状況の総合検査を七月十三日から十六日にかけまして行ないました。その結果、その保安整備計画になお追加すべき点が認められましたので、その改善指示をいたし、そういたしまして、七月十八日に追跡検査を執行いたしました。その結果、すべて指示された事項が改善されているということを確認いたしましたので、本日の一番方から入坑を認めるということにいたしたわけでございます。 なお、この山野の再開につきましては、ただいま御説明申し上げましたように、被害を受けました杉谷部内及び大焼部内につきましては、今後の状況を待って再開を行ないたい、こう思っておりますが、すなわち、まず、とりあえず海八部内を許可いたし、そのあといろいろ整備をいたしまして、次々とあとの二地区についても許可をしていきたい、こういう段階的な再開ということにいたしたわけでございます。 そこで、では、その保安整備計画が前とどういうふうな相違があるかということについて申し上げますと、今後の事故にかんがみまして保安に関する体制を強化した。すなわち、これを申し上げますと、重要な点は、まず、海八部内でも掘進個所がございました、この掘進個所から出てくるガスが払いを通るというような状況になっておるわけでございまして、したがいまして、そういう場所にはガス自動警報機をつけさす。それから、ハッパをかけるときには払いの人間を退避さしてハッパをかける、あるいはそのガス自動警報機をつけたその場所、すなわち、ハッパをかける場所で、その掘進先の電源、それから、その地区の電源、あるいはその場所の風下の全部の電源が遮断できるというような装置をつけさすというようなこと、あるいはガス吐出があったということになりますと、すぐ風門をあけまして、それによってガスを全部排気側に誘導する、そういうようないろいろな管理体制を強化することによって許可をいたす、こういう状況でございます。
○委員長(阿部竹松君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(阿部竹松君) 速記をつけて。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十六分散会