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48回国会参議院1965/05/13

社会労働委員会 第18号

発言数
43
登壇者
9
会派数
2
開催日
1965/05/13

会議録

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。皆さんの御推挙によりまして本委員会の委員長に就任いたしました。浅学非才であります。皆さんの御協力を得て、公正に委員会を運営しながら国民の負託にこたえていきたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)  委員の異動についてお知らせいたします。五月十二日、近藤鶴代君、村山道雄君、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として館哲二君、山本杉君、山口重彦君がそれぞれ選任されました。     —————————————

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) 理事の補欠互選に関する件を議題といたします。  藤原道子君の委員辞任に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に藤田藤太郎君を指名いたします。     —————————————

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) 労働問題に関する調査を議題にいたします。  一般労働行政に関する件について調査を進めます。質疑のある方は、順次御発言願います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、最近の雇用就労の問題についてどうなっているかということについてお尋ねをしたいと思います。大臣がいまおいでになりませんから、職安局長から……。  一つの問題は、年齢別の就職状況、それから、それに応じて殺到率、それから産業別の就職状況。もう一つのこれに関連した問題として、就職と離職の状況、相当高い数字が離職に出ていますが、この原因は何に起因をしているか。それから、これに関連して定年制の問題、定年制については表が出ていますが、定年制で会社を首切られた人のあとの生活状況、これは中高年労働対策とあわせてこの問題のお答えを願いたい、こう思います。

有馬元治労働省職業安定局長

○政府委員(有馬元治君) ただいまいろいろな指標についてのお尋ねがございましたが、ごく最近の指標について失対部で取りまとめておりますので、住部長から答弁いたします。

住栄作労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(住栄作君) まず、中高年齢層の状況について御説明申し上げますと、一般的に労働力の需給状況が逼迫しておるのでございまして、それに伴って全体的には需給状況が漸次緩和されてきておりますけれども、年齢別には、年齢が高くなるに従いまして、なお就職が困難だ、こういうような状況が見受けられるのでございます。たとえば数字について申し上げますと、昭和三十五年におきまして、全体の求人、求職の関係は、求人一に対しまして求職が一・五でございましたが、三十八年には求人一に対しまして求職者が一・二と、こういうことになっておりますが、たとえば四十歳から四十九歳の年齢層について見ますと、三十五年が三・七倍、三十八年が二・〇倍、それから、五十歳以上について見ますと、三十五年が一五・三倍、それから、三十八年が七・四倍、依然として高いのでございますが、年を追うに従いまして、年齢別には全体の需給状況の緩和を反映いたしまして、改善されてきておるような状況に相なっております。  それから、地域別について申し上げますと、これも地域によって求職、求人のバランスが相当の差があるのでございますが、たとえば求人超過の地域といたしまして、大体関東平均で三十八年について見ますと、求人と求職が大体バランスしている。ところが、中部におきましては、求人一に対して求職者が〇・六、特に愛知県だけについて見ますと、求人一に対しまして求職者が〇・三、こういうような状況になっております。これに反しまして、たとえば九州地方におきましては、求人一に対しまして求職者が三・九倍、四国におきましては二・一倍、こういうようなことで、地域別には求人、求職のアンバランスがあるわけでございます。  それから、離職の問題でございますが、離職の率につきましては、これは毎月勤労統計によりますと、離職率は、最近の状況について申し上げますと、三十五年が二・三%、三十六年が二・七%、三十七年が二・六%、三十八年が二・六%、年によってやや差はありますけれども、三十八年までの状況について見ますと、まあ横ばいというような状況になっております。  それから、離職理由について見ますと、これも労働省の労働力調査によって御説明申し上げますと、まず、雇用契約期間の満了、これは常用についてでございますが、三十八年度におきましては、五百人以上で二〇・六%、それから、百人から四百九十九人までの規模では二七・七%、三十人から九十九人規模では五八・六%、それから、事業経営上の都合という理由がございますが、これも五百人以上で三十八年度におきまして五・三%、百人から四百九十九人までで四・二%、三十人から九十九人規模で二・二%、それから、死亡、傷病、定年等という理由がございますが、これが三十八年度で五百人以上が一・二%、百人から四百九十九人規模で〇・五%、三十人から九十九人規模で〇・八%、こういうようなことになっております。それから、本人の不都合による解雇につきましては、やはり五百人以上で三十八年度で二・六%、百人から四百九十九人規模で一・七%、三十人から九十九人規模で〇・五%、それのほかに任意退職でございますが、五百人以上で七〇.四%、それから、百人以上四百九十九人規模では六五・九%、三十人から九十九人規模では四二・九%、こういうのが離職理由の理由別の構成になっております。  それから、産業別の就業状況について申し上げますと、雇用者につきましては、三十八年について見ますと、全産業の雇用者が二千六百三万でございますが、一次産業には五十八万、一次を除く二次、三次産業の合計で二千五百四十四万、こういうことになっております。就業者について申し上げますと、同じく三十八年度で就業者総数が四千六百三十八万人、一次産業では千二百九十二万人、二次産業では千四百三十七万人、三次産業で千九百五万人、いずれも労働力調査による状況でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、定年制の分類がありましたが、定年になった後のその人たちの就労と生活状況、この調査はできておりますか。たとえば厚生年金をもらうまでの状況。

大宮五郎労働大臣官房労働統計調査部長

○政府委員(大宮五郎君) 定年制につきましては、労働省として、労働力の有効活用という見地から実態を把握しようとして、先般通信調査を行なったのでございますが、ただいま集計中でございます。しかし、大勢といたしましては、従来五十五歳の定年が大半でありましたのが、五十七歳ぐらいまで二年間の定年延長という事例がかなり報告されるようになってきております。しかし、なおこの定年制そのものの延長につきましては、賃金体系との関係等もございまして、実質的な定年制の延長というくふうをこらすようなところも出てまいりまして、定年制そのものは延長しておりませんけれども、再雇用という形でもって、実質的に定年後におきましても同一会社に雇用される、こういう傾向がふえてきております。特に規模の小さなところにおきましては、定年制を持っております事業所のうち、約六割ないし八割のものが再雇用という状況に踏み切っております。大企業におきましても再雇用の方向が進められておりますが、この場合には、むしろほかの社に会社が就職をあっせんするという形でもって進めておる例もかなり多いといったような状況がほぼ把握されておりますが、詳細な結果につきましては、まだまとまっておらないような段階でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、いま大臣がお見えになっておりませんから、企画庁の局長が見えておりますし、次官おいでになりますから、総合的に御意見をお聞かせいただきたいと思うのです。  一つの問題は、就労問題でございます。中学卒は、大体求人に対する求職は四分の一ぐらい。要するに四倍ぐらいの求人がある。高校で三倍から四倍ある。ところが、中高年になると、五十歳以上になると殺到率が三十八年で七・四、地域的に見て、九州は三・九という殺到率が出てきているわけでございます。そこでお尋ねしたいのは、先日労働省が地域別産業別雇用労働力配置計画というものをお出しになって、非常にけっこうな案でありましたけれども、結局地域にどうして労働力を配置するか、要するに産業の再配置だと思うのです。生産機関、雇用条件を工業ベルト地帯だけに置くのじゃなしに、地域にも工場を配置して、そこで農家の余った労働力を、住居をできるだけ変わらずに地域で就労の機会を見つける、こういう考え方は非常にけっこうなんですが、それに対して、要するに中期経済計画においてもどういうぐあいにお考えになっているか。労働省としても、要するに愛知ですと殺到率は〇・三だと、こう言う。大体京阪神、中部、東海、それから京浜地方は殺到率は〇・一以下になっている。ところが、九州のようなところは三・九、四倍です。それから、中高年になると、これまた同じような数字が出ている。そのために地域別産業労働力配置計画をお立てになったのですから、むろん賃金とか労働時間が伴いますけれども、もっとそれよりか先に、それじゃ働く場の建設をどうするかということは、中期経済計画の中にも私は入っているものだと思う。そういうことをどういうぐあいにお考えになっているか、労働省自身としてはどうお考えになっているか、これが一つでございます。  もう一つの問題は、技術労働力が不足している、こういう話がいつも出るわけでございます。生産機関というのは新しい機械で近代化していることは事実でございますけれども、しかし、何としても長年一つの職場や一つの工場につとめている人が、今日の動物性たん白質の向上した中において、技術労働力というものは非常にたくさん残存労働力があるにかかわらず、五十五歳、いいところでも五十六歳ぐらいで首を切って、その人を街頭にほうり出して——世帯盛りだと思うのです。昔ならば、普通の家庭では、小学校か、せいぜい高等小学校に入れて、それでよかったけれども、いまは新制中学、新制高校というのは普通どの家でも出す、勉強を続けるということになってくると、五十五歳から六十歳というのは、子供の成育盛りです。それは首切ってほうり出して、そうして技術労働力が不足をするなんていうことは全く聞こえない話です。外国では、こういう定年制でいいところだけとって、あと捨てるというような方法をやっている国はどこにもないわけであります。日本はそういうことを行政で許しているというところが問題だと思う。そうして厚生年金は六十歳から。その五年間どうして生活するかということについては一つも触れていない。このことが技術労働力不足からくる重要問題の第二番目の問題だと私は思う。  以上の点について、ひとつ労働省と企画庁との御意見を承わりたい。

有馬元治労働省職業安定局長

○政府委員(有馬元治君) 先ほども申しましたように、現在においても労働力の需給関係は相当逼迫しているのでございますが、その中にありましても、若年労働力、技能労働力を中心とした不足が激しい、あるいは、また、地域において非常にアンバランスがあるというようなことでございますが、今後のことを考えてみましても、新規労働力につきましては、四十一年まではなお水準はいままでよりも高いのでございますが、四十一年以降になりますと新規労働力は減少傾向に転じていく、こういうようなことが見通されております。一方、労働力の需要は、今後も日本経済が安定的な成長を続けていくということでありますならば、需要は依然堅調に推移することになるのでございますが、そういうことから、将来は相当深刻な労働力不足のような事態も考えられるわけでございます。一方、また、先生御承知のように、全国総合開発計画を初めといたしまして、新産都市の推進とか、あるいは低開発地域の工業開発の促進というような地域開発政策が進められておりまして、都道府県等におきましても、雇用の関係を含んだ総合開発計画なり地域圏発計画をつくっておるような状況になっております。こういうような地域開発計画の進展にからみ合いまして、各地域の労働力需給は現在とは相当違うのではないだろうかというようなことも考えられる。地方に企業が進出する場合の労働力の確保の問題、こういうことも非常に問題になってくることが予想されます。一部の県におきましては、新規労働力が他県に出ていくということを抑制したいというような動きも出ているような状況もあります。と同時に、既成工業地帯では労働力の需要が旺盛でございまして、いわゆる過密の弊害等も生じておるような現状でございます。そういうような観点に立ちまして、労働省としましては、昨年の六月に地域別産業別の雇用計画試案というものをつくりまして、いろいろ各方面の御意向等も承っておるわけでございますが、その後、中期経済計画が閣議決定をされております。そういうような関係から、中期経済計画との調整等につきまして、企画庁その他関係各省と調整をいたしまして、試案としてつくり上げました地域別産業別の雇用計画というものを本格的にしていきたい、こういうことで現在いろいろ準備を進めておるような状況でございます。

向坂正男経済企画庁総合計画局長

○政府委員(向坂正男君) ただいま労働省のほうからもお答えがございましたように、中期経済計画をつくるに至った動機は、労働力不足の基調に日本経済が変わってきた。これは非常に大きな日本経済にとっての歴史的な変化であるし、それに適応していくということは、国民経済全体にとっても、あるいは企業経営にとっても、特に中小企業や農業や、そういう企業経営にとって、あるいは国民生活、たとえば消費者物価の上昇ということも労働力不足と直接間接いろいろ関係がございますから、国民生活にとっても、労働力不足時代に入ったということは非常に大きな影響を及ぼしてきつつあるわけでございます。そういう観点から、それが一つの有力な動機になりまして、それで新しく中期経済計画、今後の経済の予測及び好ましい姿にしていくためのいろいろな経済政策の立案をやってきたわけでございます。  それで、中期経済計画は、大体経済全体をマクロ的と申しますか、日本経済全体の問題を論じております。今後どういうふうな産業がどの程度伸びるであろうかとか、あるいは労働力需給がどうなるであろうかというようなことも、大体国全体としての様子を捕捉しているわけでございまして、これが地域別にどういうふうな需給関係になっていくのかというような点、あるいは、また、地域別にどういうふうな政策を考えていかなければならないのかというような点については、今度の中期経済計画では取り上げていないわけでございます。いま労働省からも御指摘ありましたように、労働力不足時代に入るとともに、いろいろ地域別に労働力需給の問題が不均衡であり、問題が起こってきているわけでございますが、それに対応してどういうふうに考えるべきかは、今後経済審議会に設けられた地域部会において今後の地域的ないろいろな発展の方向なり、それの望ましい姿にしていくためのいろいろな総合的な地域政策なりというようなものを検討していく予定になっているわけでございます。その中で、先ほど労働省からお答えになった地域別の雇用計画、あるいは需給関係の見通しなども当然検討されていくべきものと考えております。したがって、中期計画においては、そういう労働力需給の見通し、あるいはそれに対する対策というようなものも、いわば地域別というよりは、マクロ的にあげられているところでございまして、ここで一々御紹介するまでもなく、その点については非常な広範な視角から政策を考えているわけでございます。直接には労働力の流動化、移動しやすいような条件をいろいろつくっていくということ、それと、非常な労働力の需要に応じた労働の能力をつくり上げていくというような面のいろいろな職業訓練の問題、こういう職業紹介や職業訓練、そういうような問題というようなことは、全体としての労働対策としてまず重要な点として上げているわけでございます。  それから、なお、今後これから中期計画期間中は新規労働力の比較的供給量が多いわけでございますが、先ほど労働省からもお答えがあったように、四十二年ころをピークとして、地域の労働力は、十年近くにわたって、かなり急テンポに減っていくであろう、しかも、需要のほうは経済機構が年々拡大していきますから、いろいろ生産性の合理化とか、あるいは労働力をどういうふうに節約するかというようなこと、そういう努力も進んでいくには違いありませんが、需給関係としてはますます逼迫の方向に向かうだろう、中期計画期間中は、過去四、五年のような急速に需給が加速度的に逼迫してきたというような状況から比べれば、これからの四、五年はそれほど急速に加速度的に逼迫するというような状況ではないけれども、しかし、政策を考える場合には、もっと長期的に計画期間のあとの労働需給の逼迫が予想され、それに対応していろいろな政策を十分論じていくべきじゃないかというように考えられているわけでございます。したがって、新規労働力の供給が減少するに伴って中高年齢層の移動というものが今後多くなるに違いありません。それは一次産業から非一次産業への移動というものも進むでしょうが、しかし、これはだんだん農業就業者自身がすでにかなり兼業化して減少していく傾向がありますから、一次産業以外のところで、その中でのいろいろな移動というものが今後かなり多くなるのじゃないか。その場合、中高年層がまあ斜陽産業から成長産業へ移っていく、あるいは中小企業の間の移動とか、あるいは中小企業から大企業への移動とか、より高い所得を求めて移動するというようなことがかなり大きくなるんじゃないか。それは当然地域的にも移動が大きくなる傾向は考えられるわけでございますから、それに伴って、職業紹介についても、もっと広域的な紹介のシステムを強化する、あるいは移りやすいような条件として住宅対策、勤労者のための住宅建設というものを強化していく。さらには、企業間の移動という場合には、特に中高年層になりますと退職金に縛られているいままでの傾向がありますから、社会保障制度、年金制度の強化によって、そういう退職金に縛られないで移動しやすい条件をつくっていく、あるいは児童手当の問題もそれに入ると思います。そういう意味で社会保障制度を充実していくということも労働力の流動化を進める上に必要な対策であるという意味で、少し雑然といたしましたが、今後の労働力の移動、特にそれが中高年層において移動が多くなるということに対応して、広範ないろいろな政策を準備しておく必要があるということが強調されておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いま向坂局長のお話になったことにもうちょっと私は触れてみたいと思うのです。いま労働省が、たとえば地域別産業別労働力配置計画は企画庁と相談をしてやったと、こういうお話でございます。いまの計画局長のお話を聞いていると、私は少し根本の問題に新たに触れなきゃいかぬような気がしてまいりました。あなたは、日本の経済は発展するということの中で労働力をどうするかということをおっしゃられた。そんなら、第一に、私は、あなたお考えになっているのかどうか知りませんけれども、日本が生産力をあげていったら、それに見合う消費力、購買力をどう高めていって経済のバランスをとるかということをお考えになっているのかどうか、これが一つございます。そういう例で私はここで触れますと、たとえば国民総生産に対する、要するに設備拡大の比率は日本は二〇%台ですね、ことしも六兆、二一・五%という計画がされている。こんな国が外国のどこにあるか。イタリアにしたってドイツにしたって、フランスにしても一一、二%以上のところはない。それで、社会保障はスライディング・システムで購買力を高めて生産拡大された分の消費のバランスをとっている。これは統計に出ているのですから、私が言うまでもないことです。今度はそういうものの考え方と日本はどうですか。この労働省の毎勤統計に出ているこれは、あなたのほうも毎日お読みになっていると思うが、労働時間は、ここで非農林業で四十九時間から一週間五十九時間の人が九百七十七万もおる。たとえば昨年の十一月現在をとってみても、六十時間働いている人が六百九十四万人もおる。農林業に入ってきたら、農林業でも二百五十五万と百三十一万、こういう膨大な長時間労働でございます。それから、あとから触れようと思いますけれども、賃金になってくれば、付加価値生産性はヨーロッパ並みになっている。ところが、分配率は半分だ、社会保障はおくれている、どうして生産と消費のバランスをとるのですが。だから、その若年労働者のいいところだけは殺到するけれども、中高年その他はほったらかしだ。ここ二、三年のうちには労働力が不足するから云々ということだけで地域的産業別雇用計画をお立てになっても、予算をどれだけとっているのですか。予算もとらないで工場を建てるわけでもなし、九州全体で四倍ですよ。三十歳以上の中高年というのは、先ほどお話がありましたように、非常に高い数字です。そして学卒だけは何倍という求職がある、それでこの毎勤統計に出てくる労働力調査の失業者は三十万とか二十万とかというようなことでいいのかどうか。今日私はお聞きしたいのですけれども、これだけ日本が三十五年が二二・四、三十六年が二五・五、三十七年が二三・四、ことしが二一・五という国民総生産に対する拡大をおやりになって、拡大した生産器具がどれだけ動いておるか、操業度が実際にどうなっているかということをお考えになったことがあるのか。いまの物価の値上がりの根本は何ですか。資金調達のために卸売り物価を下げない、中小企業に回ってきて、これが物価値上げ、それは勤労所得のところはあります。環境衛生その他にあります。そういうところに物価値上がりの根本があるんじゃないですか。それで操業度は非常に低い、結局そんな無理をしてつくった工場はほこりをかぶってとまっている。それで長時間労働をして、長い間働かして、それで賃金はそうだと、このことをお考えにならないで、地域別産業別計画においても賃金とか労働時間の問題は一つも触れてない。こうしますと言うだけなんです。工場配置の予算措置も何もない。これで私は、労働省は、出先という言い方はいかぬかもしらぬけれども、直接当たっておられるから、その問題について追及をして何とかつじつまを合わせて、あとの処置は国会全体でやってもらいたいということで追及されるでありましょう。日本の経済全体を進めて計画されている企画庁のあなたのところでいまのようなお話では、これは日本の労働力が有効に使われるということにはならないと私は思う。  もう一つ、林野庁の方も見えておりますけれども、農業労働力が日本は七十七万移動したと、人口にして百六十五万人離農をしたと、こういうぐあいに農林省は出しているわけであります。私はあとから問題にこれはしますから何ですけれども、その農業の労働力というものも、自然にどう生活を維持しながら第二次産業、第三次産業の所得の高いところに配置していくかという問題もあると思う。ただ頭だけ並べたところで、せっかくつくった工場がほこりをかぶってとまっているような状態で頭だけそろえたところで何にもならない。だから、全体の計画の中ではみんなが働けるように労働時間の短縮をして、完全雇用の道といまの産業の再配置の問題がある。働けない人には社会保障で購買力をつくって、国内の生産と購買力の消費とのバランスをとっていくというところに日本の健全な経済の発展があると、私はそう思う。そのことは肝心なところは抜けてしまって、数字だけここで合わせてもらったところで雇用対策には私はならないのではないか。ですから、みんな出先というか、みんなの国の産業界はいいところだけとったらいい、国に技術労働者が不足していると労働者があれだけ宣伝しておりましても、百二十何万も不足しているといいながら、技術を持った人を五十五歳で全部ざくざくと首を切っている。いままでその工場にいたら能力があるにかかわらず、外に出したらほうきを持って掃除を——ニコヨンにもこのころは入れない、どうにもならない存在で一生終わる。生活はその人を中心の生活ですから、家庭経済は苦しくなる。もっと有効になぜ技術労働力を使おうしないか。そういうところから、まずそういう労働力配置、国民の購買力、それに見合って経済の計画生産と消費のバランス計画というものは、私は、所得倍増計画にしたって中期経済計画にしたって、ここが練れなければどうにもならぬじゃないか、私はそう思うのです。見解を聞かしていただきたい。

向坂正男経済企画庁総合計画局長

○政府委員(向坂正男君) お答え申し上げます。  まず、第一に投資率、つまりGNP——国民総生産に対する民間産業設備投資の比率が非常に高いということでございますね。その点につきまして、投資率が高いから生産過剰になるのじゃないか、消費と生産とのアンバランスがひどくなるのじゃないかというのが第一の御意見かと思いますが、それにつきましては、中期経済計画でもいろいろその点審議の過程で問題になって、投資が多過ぎるのじゃないかというような意見もあったことは事実でございます。しかし、結局はこの程度の民間設備投資は必要とするのじゃないかということになったわけでございますが、その理由は、第一には、この四十三年度までの日本経済の成長率は確かにこれまでよりは低くなりますけれども、ヨーロッパに比べればおよそ二倍近い成長率を続ける。つまり中期経済計画は今後八%程度、八・一%ぐらいの年率で経済が成長するということを予定にしておりますから、それはヨーロッパの国国の大体二倍程度の成長率でございます。成長率が高い国ほど大体投資率が高いというのが、各国のこれまでの例に徴してもそういうことが言えるだろうと思うのです。それから、もう一つは、民間設備投資が今後ともかなり高水準に続くといいますけれども、その内容はある程度変わるのじゃないかということが予想されます。いままで比較的基礎財を供給するような産業、一言で言えば重化学工業などに多かったわけでありますが、今後はもっと加工度の高い加工産業のほうに投資がふえるのじゃないかということ、それから、企業規模別に見まして、これまで大企業の投資が相当多かったわけでありますけれども、今後中小企業、あるいは農業部面、そういう方面における投資がふえるということが予想される。また、政策的にもそういう投資をふやすということを考えていかなければならない。そういうふうに、設備投資全体としては、今後もある程度ふえることが予想されますが、内容的に変わってくる、あるいは、また、変えていくことを政策的にも考えなければならぬのじゃないだろうか、それが中小企業や農業の近代化を促進する、あるいはそれを通じて消費者物価対策にも通じていくという意味で必要なんではないだろうかということが投資率が高い第二の理由としてあげられた。  それから、第三点は、日本は、まだ生産性がヨーロッパに比べて、平均としてはかなり低いわけであります。それで、たとえば資本係数と申しますか、一単位の物を生産していくのに必要な資本投資額、あるいは資本のストック額というものは、まだ先進国に比べて、かなり低い段階でございますから、今後資本係数は上がる傾向にあると考えなければならぬ、そうしなければ、生産性をあげ、より高い賃金を払っていくということに適応できないのではないか。その意味で、今後ある程度資本投資はふやしても、それに応じてふえる生産額というもののふえ方はおそらく小さくなるだろう、さっきの逆の言い方であります。そういう方向が考えられます。それは各国のそういう資本係数の変化、そういうものもいろいろ検討した末、日本は、やはり資本係数がある程度ふえていくと考えていいんじゃないか、そういう点から、大体投資はこの程度行なわれると見ていいんじゃないだろうかというふうに考えられるわけです。しかし、こういう資本係数によるいろいろな需給とか、つまりこれだけ投資をすればどのくらい生産能力がふえるかということは、いまの統計技術をもってして、あるいは統計的なデータをもってしては的確に詰めるということは非常にむずかしいと言っていいと思いますが、その意味でこれだけの投資が八%成長に必ず必要だというふうにまでは全部実証できたとはもちろん申し上げられませんけれども、この程度であれば、操業度が非常に低くなって過剰生産になるというようなことはおよそなさそうだというようなところで、比較的高い投資率ということを考えたわけでございます。  それから、一方、消費と生産のアンバランスということでございますが、確かに御指摘のように、日本はまだ中期計画期間中も投資率が比較的高い。さらに、これに政府の公共投資まで含めて、全体の固定投資率は三十数%というふうに非常に高い時期が続き、その反面、全体の国民総生産に占める個人消費の比率は五〇%前後というように、これまでどおり低い状況が続くということが想定されています。これも消費の比率が低過ぎるのじゃないかということが関連してくると思いますが、それにつきましては、大体一般成長率の高い時期には消費の比率が低い、投資がふえる反面、消費の比率が低いという状況でございますが、今度の計画では、個人消費については、個人の雇用と一人当たりの勤労所得の増加率が、大体名目賃金にすると、過去の増加率よりは幾らか高くなる。実質賃金でもほぼ同様で、個人消費は着実に過去と同様に伸びていくというふうなこと、それでは国民生活の改善ということに不足ではないかということで、一つは住宅とか、あるいは下水道その他のいろいろな生活環境施設を充実していくということと、それから、もう一つは、社会保障の充実、たとえば国民所得に対する振替所得の比率を現在五%程度から、五年後には七%に引き上げるという点を、そちらのほうに国民生活の改善としては重点を置く考え方でいくべきではないかという意味で、公共投資における住宅投資、あるいは環境衛生に対する投資とか、福祉厚生事業に対する投資の配分というものは、過去に比べて、計画期間中は相当ふやす計画をつくったわけでございます。それから、社会保障の充実については先ほど申し上げたようなことでございます。結局そういうふうな、いわば共同的消費といいますか、社会的消費といいますか、そういうことの充実によって国民生活の一そうの充実をはかっていく、その部面を個人消費支出に加えて、社会的な消費、共同的な消費というものを含めれば、従前よりも国民生活の改善に、より重点を置いた計画だと言っていいのじゃないかということでございます。  それで、終局的に生産と消費とのバランスということについては、大体いまの中期計画であげたような国民経済バランスでほぼバランスがとれるのではないかということでああいう数字をきめたわけでございます。  それで、なお、第二の問題として、もっと短時間労働で、もっと高い賃金をということでございますが、それにつきましては、中期計画の中では、国際的に比べれば、特に中小工業、農業の生産性が非常に低いということ、それで国の中の生産性格差においても、先進国に比べれば、大企業分野とこういう中小小経営分野というものは、非常に生産性格差がまだ大きいのが事実でございます。大企業については、かなり西欧水準にだんだん近づく方向には動いておりますけれども、中小企業や農業の物的生産性の上昇率は、まだ各国に比べれば大きいのですけれども、大企業に比べれば小さい段階、そういう意味で、今後農業あるいは中小工業、流通機構その他に非常にまだ広範に残っておる小経営というものの近代化というものを進めていく、生産性向上をはかっていく、投資もふやし、あるいは技術能力、技能労働者の訓練をしていく、いろいろな施策を通じてそういう小経営分野の近代化をはかっていくということの必要が強調されておるわけです。それを進めることなしには、将来の輸出増加はもちろん、国民全体の賃金の上昇なり所得の上昇なりがはかれなくなるんじゃないか、また、中小企業経営自身も困ってくるんじゃないかということで近代化を強調したわけでございます。で、近代化を進めるということも、もちろん全体としてある程度成長率が高い中でないと近代化を進めていく条件ができてこない。と申しますのは、中小企業や農業にとっての市場の拡大ということも伴わなければ、単に投資だけすれば近代化が進むということではないのでございまして、その意味で全体としての成長率を八%程度に維持していく、そのことによって中小企業や農業に対する市場の拡大もかなりのテンポであることを前提にして、それでいろいろ中小企業、その他の生産性の低い分野の近代化を進めていくための施策をいろいろやっていく必要がある、その施策を今後の計画の中で強く取り上げているわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いま高度の拡大をやっていく理由について一、二おあげになりました。それじゃそれだけつくった生産機械はどれだけ操業しているのか、これは調査がむずかしいと、こうおっしゃる。そして拡大だけは外国の二倍くらいをやっている。拡大をそれだけおやりになるなら、なぜ購買力をお上げにならないのか、そこのところができないから、結局操業はとまっている。貿易だってフィフティ・フィフティでしょう。日本の国の物だけ買うてくれと言ったって、買わなければ買うてくれやしません。なんぼ日本の生産力を拡大したって、国内の需要条件というものがなければ貿易なんて伸びっこないじゃないですか。設備だけどんどん拡大してアンバランスして、働いている国民、労働者、社会保障を含めてでありますけれども、ほっぽらかす、業者はいいところだけ食う、こういう経済政策で、結局顕在化している失業者は三十万くらい、顕在化していない潜在失業者は何百万ということをいわれている、事実そうでしょう。そういう状態の中で、購買力も上がらぬ、社会保障も上がらぬ、そして拡大だけしたらいい——中小企業に手を入れるとおっしゃるけれども、開闘以来去年は中小企業が倒れたのです。山陽特殊製鋼のように、五百億も借金をして倒れた。最近倒れるのは近代設備をしたところが倒れる。何が起因しておるか、そんなところになぜしなければならぬか、結局消費の場がないから生産ができぬから借金倒れ、拡大倒れになっているんじゃないですか。だから、いまの計画経済を、ぼくはあなたとの議論はまたあらためてしますけれども、ヨーロッパの各国は、いま何で経済の調整をとっているか、労働者、直接雇われている者は定年制もありませんし、完全雇用でありますけれども、何で経済のバランスをとっているかというと、社会保障です。国民所得の二〇%水準に社会保障を引き上げて、これをスライディング・システムにして生産の上昇と消費のバランスをとって経済を維持しているじゃないですか。まだ消費の場が足らないからOECDというところに力を入れて、そして生産と消費のバランスをとろうとしているじゃありませんか。近代の社会というものはそういうものじゃないですか。そういうことには目もくれないで、そして振替所得も含めて五・三%、これを七%にする。しかし、少なくともヨーロッパ並みにやったら九・九%、一〇%は必要だけれども、七%でとめるというのが中期経済計画じゃないですか。私は、そんなところまで入っていると時間がかかりますからやめますけれども、私は、雇用関係が、先ほどからあげましたように、技術労働者が不足するというようなら定年制を、そうして全体の国民に購買力を持たして、これだけ拡大していくから生産と消費のバランスをとったらいい。国民総生産の二一%のやつを、外国では一五%もないけれども、たとえば一五%拡大するとしたら六・五%残るわけですから、二兆近くの金が購買力や消費のために使えるはずです。そうすれば、いまほこりをかぶっているものが操業するようなことになるでしょうし、貿易も伸びるようになるでしょう、そこらをおやりになるのが経済企画庁ではなかろうかと私は思っておるのです。そうすれば雇用も健全化してくるし、労働時間を短縮して、とにかく基準法できめられた四十八時間以上毎週働いている人が二千万近くおるというような条件が解消される、外国と同じような条件に。そうしたら潜在失業というようなものは、全く後進国に残っている潜在失業の姿というものは、近代国と同じような姿にぼくはなってくると思うのです。そういうやはり経済計画というものが完全雇用の道をつけるし、産業の再配置、地域的産業別の労働力配置という問題になってくるのではないか、そのことを経済企画庁でおやりにならなければ、労働省で何ぼ頭をひねってみたってどうにも解決されない問題が横たわっておると思う。計画をお立てになる局長に先ほどから私は聞いておるわけです。どうでございますか、そこのところをもうちょっとお聞きします。

向坂正男経済企画庁総合計画局長

○政府委員(向坂正男君) 消費の拡大がないというふうな御表現もあったようでございますけれども、それは先ほど申し上げたように、一人当たりの所得、あるいは個人消費支出の増加も、実質的にも過去と同様に伸びていく、その上にいろいろな社会保障その他の共同的消費もふえていく、これで消費は拡大していくというふうに申し上げたつもりでございます。結局それでもなおかつ投資率がこんなに高くては過剰生産、過剰能力になるのではないかという御意見かと思いますが、その点は先ほど一とおりはお答えしたつもりでございますが、最近の設備投資、あるいは操業度の状況を見まして、確かに一部の産業は過剰能力をかかえて困っておるというような産業が出てきておることは事実でございます。しかし、そういった産業では、最近の状況は、企業投資も、あるいは通産省としても控え目にするように指導をしておるわけでございますし、実際に投資金額はあまりふえない、あるいは、かえって減る、過剰能力をかかえておるところはそういう状況が出てきておるわけであります。しかし、他方、たとえば電力であるとか、あるいは石油化学であるとか自動車であるとか、その他の幾つかの業種でございますけれども、別にいま過剰能力をかかえておるのではなくて、需要がふえ、輸出がふえ、国内の消費やその他機械設備の需要がふえておることによって操業度が上がる、それで能力が不足しそうだから投資をしているというような産業も相当にあるわけでございまして、それらを総合してみると、やはりある程度設備投資はふえていく、現在すでに二〇%をこえるような高い投資率の状態でありながら、なおかつ設備投資がある程度ふえていくというのが現状のように思われます。そういう意味で、確かに今後も、これまでも行き過ぎた投資があり、一時的に過剰生産、過剰能力をかかえた業種もふえておりますけれども、そういう業種においては一、二年投資を控え目にし、さらに需要が拡大するところにおいては投資をふやしていくということになりますと、やはりある程度今後も高い投資率が続く、それほど今後過剰能力を大きくつくっていくというようなことなしに比較的高い投資率が続くということが想定されるというふうに考えるわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 もう一言、それじゃ企画庁はいまの消費物価値上げにどういう態度をおとりになっておるわけですか。下村治君のように、卸売り物価が上がると問題があろうけれども、消費者物価の値上がりはサービスの提供だから人間の価値が上がったというものの考え方をされておりますけれども、企画庁は大体そんな傾向のお考え方になっているんでしょうか。最近の消費物価がどんどん上がっていく、押さえようがないのだ、人間の価値が上がっているんだ、こういう見解にお立ちになるのでございましょうか。いま私は民間の設備拡大だけ申しました。それは財政投融資を含めて三十何%になりますが、それは国全体の財政投資を含めて設備が拡大していくなら、あなた、経済や需要が上がったって——私も需要が上がらないと言っているわけじゃない、需要も上がりました。国民生活水準も上がりました。上がったけれども、いまの行き過ぎたこれだけの拡大に追いついていますか。追いついていないから、実際の消費生活になってきたら、物価値上がりと所得の上がりととんとん、ものによってはおかしいかっこうになっているというのがあるわけです。ですから、私たちは拡大を何も否定しているわけじゃない。拡大はしていかなきゃいかぬけれども、国民所得が上がり、生活のバランスがとれていけるような状況の中で拡大をしたらいいじゃないか。二〇何%も、外国の二倍も拡大をして、外国より国民生活水準が上がっていますということだけでは全くあなた解決しない問題じゃないですか。端的に物価値上がりにあらわれてきているわけじゃないですか。だからそういうことを言いたくなるわけです。だから、どうしてもつくった工場はフルに動いて、そして生産は国民のためになるその計画を計画経済として立てていくのがあたりまえじゃないですか。それがむちゃくちゃな拡大をやって、そしてその犠牲は国民がかぶっている、こういうかっこうで、片一方は長時間労働や低賃金や分配率を見たら外国の半分ぐらいだ、労働分配率は。付加価値生産性を見てみると、ほとんど近いところまできている、労働者の。そういうのに分配率は半分ぐらいだということが問題じゃありませんか。そういうところを基礎にして、経済計画を生産と消費のバランスをとりながらどんどん進めていくということになりゃせぬのか、そうでなければ雇用問題というてもいまのようなとんちんかんなことになってしまう。技術者を掘り出しておいて技術者が不足だ、自由主義、自由経済だといって若年労働者だけに集中して、そしてほんとうに困っている人はニコヨンにも行けない状態で、そして農家の生活保障も何もできない、こういう状態ではほっぽらかしじゃないですか。中小企業は倒れっぱなしといったことを、ひとつことしからは中期経済計画で中小企業に手当てをされるそうでありますけれども、資金を持たない中小企業は、資金の援助——援助というのは単なる金融じゃだめなんです。補助をして新しい生産能力を、たとえば政府のことばでいえば協業というのですか、とにかく生産能力をあげていくという状況をつくっていくということをもろもろをやって、地域に配置して完全雇用の道を開いていく。それには人間にかわって機械がものをつくるのでありますから、労働時間を短くして、みんな生産、勤労を通じて生活をするというかっこうにやはり持っていくという計画があってしかるべきだと私は思うのです。これは日本だけがこんなことを言っているなら、私はあなたとえらい議論をしますけれども、しかし、そうじゃない、ヨーロッパの各国が全部そういっているのです。いまの経済のバランスの調整をとっているのは社会保障ですよ、所得保障ですよ、そういうところへ来ているじゃありませんか。それをいまのようなことだけで無関心にいっていいのかどうかということが私は問題にしたいところなんです。まあこれはあなたとの議論はいずれあらためてやりますから何ですけれども、ここらあたりがこの雇用問題についても問題になってくるんじゃありませんか、こう言っているわけであります。また御意見がありましたら聞かしていただきます。

向坂正男経済企画庁総合計画局長

○政府委員(向坂正男君) いわゆる物価問題については、人の評価が上がるんだから上がってもいいのだというふうな考え方でやっているわけでは決してございません。ただ、いまの物価問題は、構造的と申しますか、日本がこれまで広範な生産性の低い部門を残した二重構造の状態で高度成長を進めてきたことが確かに物価問題を引き起こしている根本であるかと思います。ほかの点は省略いたしますけれども、そういう観点からいっても、消費物資の生産供給に関係の深い部分の近代化を進めるということが物価問題からいっても必要なわけでございまして、その意味で、繰り返すようでございますが、消費物資、あるいは個人に対するサービスを提供するような中小工業や、あるいはサービス産業その他の近代化をいかに促進ずるか、そのための政府の施策をどう強化していくかということ、それから、農業のいろいろな主産地形成であるとか、あるいは生産の選択的拡大であるとか、そういう方向を考えながら農業の構造改善をやっていく。そのために農業のいろいろな機械その他の投資も必要でございましょうし、あるいはかんがい施設その他の農業の生産基盤に対する投資を強化する。そういう意味で、日本に広範に残され、しかも、消費に関連の深いそういった部分の近代化を一そう強力に進めていくということを計画としては強調している次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあもう少し賃金や購買力の問題で議論をしたいわけでございますけれども、しかし、一般の国民は、いまの自由民主党というのは下村治君の言う議論で、物価はやかましく口だけでは言うんだけれども、人間の価値が上がったくらいしかいまの政府は考えてないんだ、企画庁も。だから物価手当て、物価対策なんて何にもしないのだ、実際にはしていないんだから。口ではおっしゃるけれども、していないんだから、下村治君と同じ方向でいまの企画庁の方針がどんどん進められていると、こういうぐあいに一般の庶民は考えていますから、まあ私は代弁して言うわけじゃありません、私もそう考えておるわけですが、いまあなたないとおっしゃるのですから、実証をひとつ物価問題だけでも見せるように全体のところをさわってもらわなければ、何べん言ってもらったって、外国の二倍も二倍半も投資して、そうしてそこのところだけが自由で、中小企業から下は犠牲になりっぱなしというかっこうはやっぱり変えてもらわなければならぬ。変えてもらわなければこの問題はなかなか納得できない問題です。また別にあらためて議論をいたしますが、そう考えております。  それから、林野庁の長官に私はお尋ねをしたいのですが、いま少し議論をいたしました不健全雇用という問題と、農民が七十何万、百六十五万も家族を含めて移動していく、そういう事態にあるわけです。ですから、農民の林野業というのはほんとうに国家的に重要な仕事だと私たちは思っているわけです。ですから、国家的に重要な仕事であるから、単にその何と言うか、どういう表現をしたらいいか知らぬけれども、要するに農民の労働力の余ったところだけとって、そしてこの前も議論になりましたけれども、そういうことじゃなしに、林野庁自身として計画を持って、一年を通じて計画をお立てになって、身分の安定、それから、雇用の健全化、そういうことをおやりになる時期に私はきているのではないか、こういうぐあいに思うわけです。この間も議論をしましたから、その後どういうぐあいに議論をしていただいて、どういう方向でお進めになろうとしているか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。

田中重五林野庁長官

○政府委員(田中重五君) 雇用の安定というお説につきましては全く同感でございます。そこで、林業の経営につきましても、できる限り雇用が継続するようなくふうをいたさなければならないと考えているわけでございます。まあ先生も御承知のとおり、林業経営というのは、農家の農業経営とうまくかみ合わせて農繁期の労働力を活用してそれが成り立っておるという歴史がございまして、林業は植物を扱うという性質上、やはりいろいろ適期というものがございますから、ちょうど農業の仕事とかみ合わせてそれが行なわれてまいった、こういうことでございます。ところで、これを国有林の事業についてみました場合にも同じような沿革をたどって始まってはおりますが、国有林といたしましては、やはりこの事業が近代化され、技術化され、それなりに熟練した労働者が必要であるというような雇用の面から、そういう要求からいいましても、でき得る限り専業的にこの事業が進められ、専業的に雇用される人が多くなってくるということが望ましいわけでございます。そこで、そういう意味合いからいいまして、やはり農家の次男三男というような人たちが漸次そういう意味で臨時雇用が常用化され、あるいは、また、それが定員内に繰り入れになって今日に及んでおる。そういう意味からいいますと、以前に比べまして、雇用の安定といいますか、そういう面では非常に改善されているように私どもは考えているわけでございます。ただ、いまも申し上げましたように、この林業というものの性質上、その季節性を完全に克服するということが困難であるというのがなおいまの段階でございまして、そこで、事業が増加してまいります場合には、たとえば造林の場合には、一定の期間に以前よりも、より多くの造林をしなければならない、あるいは、また、より多くの下刈りをしなければならないということになってまいりますと、そこにやはり臨時の労働者の必要性が生じてくる。そうしてそれは造林あるいは下刈りの事業が済めば、そのときだけでまたそれで要らなくなるというような状況でございますので、そこで、何とか仕事をそのように波の起伏のある仕事にしないということは、別のことばで申し上げますと、いまも申し上げましたように、平準化していく、そうしてほかの仕事とでき得る限り組み合わせをいたしまして、同じ人に長く働いていただくというくふうを現在やっているわけでございます。そういうようなくふうは、仕事が機械化されるに伴いまして、ある程度可能になって今日に及んでおります。将来とも、そういう方針で雇用の長期化、安定化をはかってまいりたい、こういう考えでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 季節的に云々というお話がありました。順次改善されているとおっしゃるけれども、六ヵ月、八ヵ月雇う人が四万人近くおる、あとは失業保険によろしく頼みまっせという労働者が四万人もおるというようなことが正常化されていいんでしょうか。季節的に見て、日本の林業が、そんなに冬ちょっとでも雪が降ってきたらもうやめて、失業保険で食っていきなさいというようなことでいいのかどうかということが問題だと思うのですよ。だから、年次計画で私がきょう期待していたのは、六ヵ月と八ヵ月があって、それじゃ来年からは八ヵ月分だけ常用にします、一、二年準備期間をおいて、六ヵ月分までそれじゃそれも常用にします、そういう計画で林業というものを再検討いたしましょうと、きょう私はお話がいただけるものだと、こう思っておったそのことには一つもお触れにならないが、どうなんでしょうか、そこのところは。

田中重五林野庁長官

○政府委員(田中重五君) その点についていまお答えを申し上げたわけでございますが、定期作業員が約三万五千人になっております。三万五千人いるということは、その前の月雇い作業員、その月雇いの作業員がそこまで雇用の継続が可能になるようにしたということで月雇いの作業員が減って定期作業員がふえてまいった、定期作業員のうちからまた常用作業員がふえてまいった、常用作業員の中から定員内繰り入れが始まったという経過でそれぞれ雇用の長期化、安定化がはかられてまいった、こういうことでございます。それで、そういう雇用の安定継続をするためには、言うまでもなく、そこにそれに必要な仕事があるということが前提の要件でございまして、そこで、いまも申し上げましたように、でき得る限り仕事の組み合わせを考えてまいる、仕事が継続するようにくふうをするという努力を今日までしてまいりまして、それは機械化の促進、そういうことである程度いままでの季節性を克服し得たということを申し上げたわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、大体その八ヵ月、六ヵ月はことしはどういうぐあいに、数字でいったらどうなりますか。いまのあなたの御趣旨を数字であらわせば、どういうぐあいに常用か定期かになりますか。

田中重五林野庁長官

○政府委員(田中重五君) 昭和四十年度の雇用計画につきましては、まだ現在、各営林署でそういうような方針に基づいて樹立中でございます。その内容については営林署、営林署によって事情は違うと存じますけれども、方向としては、その雇用の長期化の方向をたどっておるということは間違いがないというふうに申し上げて差しつかえございません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると何ですか、いまそれをおろして、そして六ヵ月、八ヵ月のところは完全に身分を保障する方向で、その大原則の上に立っていま全体を処理をしている、こういうぐあいに理解してよろしゅうございますか。

田中重五林野庁長官

○政府委員(田中重五君) それはお説のとおりでございまして、いまも申し上げましたように、その前提としての仕事の組み合わせ、ですから、事業計画、これがまず前提になるわけでございます。そういう事業計画をでき得る限り長期につながるようにくふうをして、それに基づいた雇用計画が立てられる、したがって、そういう面からいいますと、それなりの雇用の長期化がはかられる、こういうことでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それは大体いま三万五千の人が何年後にはどうなるという構想はお話できませんか。

田中重五林野庁長官

○政府委員(田中重五君) その点につきましては、いまの段階では御答弁のできる材料を持っておりません。今後の国有林野事業全体の伸びと、それから、それの機械化の速度、それから、いま申し上げましたような仕事の仕組みを、やはり地方によって差がございますので、その仕組みをもってまいることは地方によって径庭がありますが、それに応じてできる限りそういう長期化の方向に向かっていく、こういう方針でやっていくわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、この前のときより前進したことは、この四十年度からいまのような不健全な雇用でなしに、全体が常用化、ことばは別として、一年間通算雇用するような方向で事業計画を立てて、一度に一年にはいかぬけれども、順次そういう方向でいま各営林局で機械化その他を含めて計画をしている、できるだけ早くやりたい、こういうぐあいに理解しておいてよろしゅうございますね。

田中重五林野庁長官

○政府委員(田中重五君) 方向といたしましてはそういうふうに御理解いただいてけっこうだと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 労働災害の問題について鉱山保安局長にお尋ねをしたいのです。労働災害の改正案がいま国会に提出されておりますから、特に最近の鉱山における被害、ガス爆発、私たちは一酸化炭素の罹災者に対して特別措置を講じようという法律案を提案をしているわけですが、たとえば簡単に三池、夕張、伊王島の三つのガス爆発の原因は何か、この責任はどこにあるかということをまずお話を願いたい。  それから、いまの災害の補償の問題についてどうお考えになっておるか。それから、これはやはり労働災害補償というのは労働省にあるわけですが、これはやはり監督と続いて処理しなければならぬ問題だと思うから、だから、その鉱山保安の問題については労働行政があなたのほうにあるわけだが、あなたはどうお考えになっているか、この三点をひとつ聞かしていただきたい。

森五郎通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(森五郎君) お答え申し上げます。実は私、四月の三十日に発令になりましたものですから、まだ目下勉強中でございまして、答弁に非常に不満な点がおありになろうかと思いますが、その点をひとつ御了承いただきたいと思います。  ただいまお尋ねの三池、夕張、伊王島の爆発の原因は何かというお尋ねでございますが、三池につきましては、御承知のように、第一斜抗の巻き上げ中の炭車が逸走をした。その逸走によりまして、斜抗中に堆積をいたしておりました炭じんが浮遊をいたしております。その浮遊した炭じんに火がついたわけですが、その火源につきましては、鉱車とレールまたはその他の摩擦熱によるものか、あるいはその鉱車の逸走によりまして電線かケ−ブルが破壊をされた、それに伴う火花でついたという両方の原因が考えられるわけでございますが、この決定につきましては、目下いろいろ専門家が調べておりますが、われわれといたしましては電線の火花による疑いが濃厚であるというふうに考えておるわけでございます。  次に、夕張炭鉱の爆発原因でございますが、これは災害発生個所につきましては、御承知のように、水没いたしております。したがいまして、現場は現在見ることはできないわけでございますが、関係者の供述であるとか、あるいは押収物件というようなのもで調査をいたした結果を申し上げますと、本災害を起こした一部の採掘あとの石炭が自然発火を起こしたと考えられておるわけであります。その前に気圧の変化、急に上昇、また、急に低下というような現象がありまして、いわゆる呼吸現象というものが起きてその自然発火が促進された。そういう火が石炭採掘場にたまっておったメタンガスに引火をしてああいう爆発事故を起こしたというふうに考えておるわけでございますが、何しろ、先ほど申し上げましたように、水没をいたしております現状で、これは今後の研究にまたなければならないというふうに考えておるわけでございます。  次に、伊王島の爆発原因でございますが、伊王島の爆発原因につきましては、さっそく現場のガス排除に伴いまして、直ちに鉱務監督官が入坑いたしまして原因を調査いたしましたが、その結果によりますと、どうもいわゆる九号ゲートという坑道がございますが、これは沿層坑道でございますが、これの奥でガスがどうも発生をしておって、それに何らかの原因で、信号線とそこに動力線が入っておりましたわけでございますが、これが落盤その他でどちらかが切れた、切れたことによって火花が生じた、これによって火がついたということでございますが、この動力線が先であったか信号線が先であったかという点につきましては、目下検討中でございます。  なお、以上のように、最近起きました三つの労働災害につきましては、いずれもガスなり、あるいは何らかの理由によって火源があって炭じんに火がついたという労働災害でございます。まことに遺憾なことであると考えておるわけでございますが、通産省といたしましては、要するにこういう災害を起こさないように監督を厳重にするということでございますが、現在これに対して、鉱山保安法規に基づきまして、こういうガス爆発、あるいは炭じん爆発、あるいは自然発火、あるいは坑内火災というような災害の種類ごとに、施設であるとか、あるいは管理体制であるとか、そういうことについて詳細に規定をしてございます。なおかつ、これを確実に実施せしめるために鉱務監督官が逐次巡回をいたしまして、この結果をチェックするということをやっていきたい、今後ますますこれを強化していきたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、労災補償の点について通産省はどう考えているかということのお尋ねでございますが、法律に基づく労災補償の点につきましては、これは労働省の御所管でございますので、通産省といたしましては、その他法律に基づかない会社の弔慰金であるとか、あるいはその他の問題につきましては、労使の交渉が円滑にまいりますようにあっせんその他もいたしまして、側面的にその罹災された方々につきます補償については十分にいきますように努力をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 もうちょっと質問がしたいわけですけれども、労働大臣は時間がないようですから、ちょっと労働大臣に伺います。  一つの問題は、雇用問題です。先ほどからだいぶ議論をしました。そこで、時間がないようですから端的に申し上げておきますが、一つは、地域産業別労働配置計画、これは私は、あの裏づけをどうされていくかということを聞きたい、石田労働大臣に。産業再配置するというなら、予算をとらなければこれはできない相談、国家の予算をどうとって、太平洋ベルト地帯だけに集中している工場を、九州全体でいくと殺到率が三・九だと、いま現状は四国が二・四だと、東海や京阪神、京浜地区は〇・幾ら、だからどうしても、たとえば日本海沿岸、九州、四国に軽易な産業ならやれるはずですから、予算化をどうするか。そのときに労働時間の問題や賃金の問題がむろん出てくるわけですが、この問題もあすこには触れてないからどうするか、これが一つです。  それから、もう一つは、技術労働者が足らぬ。これは訓練、養成をしてもらわなければいかぬ問題ですから、大いに労働省にやってもらっているわけでありますけれども、私は、長年企業におって、そこで技術を持っている労働者を五十五歳になったらすぱすぱ首を切っていくというものの考え方というものは、私は、片一方では技術労働者が足らぬといって、片一方では、いわゆる具体的には技術を持った人を外へほうり出していく、こういうつじつまの合わぬことはないと思う。これをどうするか、定年制の問題をどうするか、これは外国にも例のないことですから。労働力は、その人の能力を生産を通じて社会に貢献していくという社会相互扶助、連帯の中で国家経済というものは生きて、国民の生活も生きているわけですから、そんなもったいないことを片一方でやって、鐘や太鼓で技術者が足らぬということじゃ国家的にマイナスじゃないかと私は思う。まずこの二点をお聞きしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 前段は、産業条件の整備、特に輸送を中心といたします条件の整備というものはむろん必要でありまして、それはその背景なくして、労働省だけで、雇用計画だけで効果はあげられないことは御指摘のとおりであります。これは関係各省庁と連絡をとりまして、この実行については予算の裏づけを持った計画を進めてまいりたいと思っておりますが、それと同時に、労働省自体でやれるものがあります。それは勤労者のためのいわゆる住宅、レクリエーション・センター、そのほか労働省自体でやっております施策も、今日までは過密地帯に追っかけてやっておったわけであります。この追っかけてやるやり方を逆の方向でやる、労働省自体でやれるものはそういうような考え方で推し進めてまいりたいと、こう思っておる次第であります。  それから、二番目の定年制の問題でありますが、純粋に技術労働という面からだけ見ますと、必ずしも条件が合わない面も出てくるかとも思いますけれども、およそ定年制というものは他の社会保障の制度と結びつかなければならない。各国とも、社会保障の出発点が大体定年制の終了と結びついている。日本の場合は五十五歳が一般的なようでありますが、社会保障のほうは六十歳、六十五歳、これはそのこと自体からでも矛盾がございます。それから、もう一つは、五十五歳という定年は、日本民族の平均寿命というものが五十歳であった時代の考え方で、いまは男子で六十七歳半、女子で七十二歳という時代になってきておるのでありますから、人間のいわゆる五十五歳の時限における労働能力というものも非常に違いますし、いわゆる平均余命も非常に違うわけであります。したがって、これは当然再検討をさるべきものだと存じます。行政措置で強制すべき性質の問題ではありませんけれども、しかしながら、資料を集め、行政指導に努力をいたしまして、現実に沿うように効果をあげてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 労働省が、技術労働者は不足している。これは言うてみて、養成をしても百何十万不足しているということは、すぐ解消できるわけではないのですから、それをお言いになるときに、一番大きなファクターはこれなんだというぐあいに政府自身として追及されていいんじゃないですか。私はそう思うわけであります。大臣がおいでになる前に、地域的産業別雇用配置計画のお話を聞いていると、経済企画庁とも相談をなすって労働省の考え方をお出しになったということを私は聞きましたから、だから経済企画庁の計画局長に、なぜそんなんなら予算化の問題をおやりにならぬかというお話も先ほど私していたわけです。佐藤内閣の閣僚である石田労働大臣が、そのことの積極的な、具体的な問題を進めていこうということのかまえ次第でこれはきまる問題だと、私はこう思いますので、そういうお気持ちのところを聞かしていただきたい。  それから、労使調整の問題について一つ聞いておきたい。一つは、労働三法があり、その中の調整事項は労調法がやっております。公労法の中にも調整事項がある。人事院は賃金をきめて、公平委員会その他があるし、全体の苦情処理とか、そういうものがあるわけですけれども、私は、こういうものは、国家公務員というのは幾らか違ったかっこうのものが出てくるけれども、統一をして労使調整というような問題がやられていいものではないか、こう思うのですが、労働大臣の見解をお聞きいたします。  それから、たとえばいまのように片寄った産業の発展をしますと、工業のない府県においてはそんなではないけれども、集中している大府県においては調整事項でてんてこ舞いで、まだ手が足らないという状況である、こういうものの処理をどうするか。たとえば都労委のような関係、東京都労委とか大阪地労委とかというようなところ、福岡あたりでも、福岡と北九州市との間にだいぶ距離があるから、そこらのあんばいをどうするか、あれだけの人員でいいかどうかという問題も一つの重要な問題点です。それから、調整機構、要するに、この労働委員会というものが、中労委は行政委員会として特殊性を持ったようなかっこうなんですけれども、その独立性というものを、もっと行政委員会みずからの手で社会経済全体、国民生活の中でその知識を集中をして、独自の立場で、むしろ前向きで処理をするというかまえが必要ではないか、私の感じているところでは、何かそういう姿勢が足らないのじゃないかという気がするわけです。  それから、もう一つ、これは一緒に申し上げますが、どうもいまの独立性との関係で、これは基準監督を含めて、独立性であるべきものが、少しやっぱり弱い面があって、基準法の違反のものや不当労働行為、団交の問題やその他の問題が争議のきっかけになっている争議が相当たくさんある。だから、そういう問題をどうしていくか、五つほど労使調整の問題をあげましたが、これについて大臣の見解を聞きたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 先ほどの御質問にちょっと申し残したことがございますが、地域別産業別雇用計画というものを立てましたのは、一番土台になる考え方は、いままで人間はどうでもなる、集まるものだと、こういう考え方で産業計画のほうが先に進んで、労働力というものはあとを追っかけていた。そういう考え方、そういうことを根本に直していこうというのが土台であることをひとつ御了解いただきたいと存じます。  それから、労使関係の調整機関、公務員関係は別として、あとのものは一つにしたらどうか、これは私は一つの考え方だと思っております。そうして、また、同時に、ヨーロッパ等で行なわれておりますように、調整機関に独自の権限と独自の権威ある調査能力とを付与することによって、それが全体の労使関係の中心的指針になるようなものを打ち出すことができれば、将来の労使関係の改善に大いに役立つのではないかということを日ごろから考えております。ただ、そうなります場合には、当然、その裏になりましたいまの公社、現業、それから政府関係機関、そういうものの経営のあり方自体にやはり検討を加えていかなければならないのじゃないか。その経営の土台が予算編成権や予算審議権と結びついている限りにおいては、やはり民間と同じようなわけにはいかないのじゃないか。今度公務員制度審議会において当事者能力の御検討もいただいて、その結論の出ようによっては、これは非常に前へ進めて検討し得る問題ではなかろうか、こう考えておる次第であります。  それから、第二番目の、忙しいところと忙しくないところとが、最近いよいよその特徴をそれぞれ発揮して懸隔が生じてまいりました。東京都労委、大阪地労委等においては、もう事件をかかえ過ぎて、とても繁忙にたえない人員の増加、整理の要求がございます。これは実情に合うように検討をいたさなければならないと思っておる次第であります。  それから、先ほど、その前にお話しになりました技術者不足の問題について、われわれのほうで一生懸命職業訓練等をやっておるのでありますが、私は三度この役所に参りまして、最初のときは技術者不足が十七、八万、次は八十何万、三度目に来たら百六十余万、幾らやっても追いついていかない。これには、むろんいま御指摘のように、定年退職者の技術というものを利用するということが一番早道である。ただ、その場合、その持っている技術と現在要求している技術との間のギャップをどうするかという問題が残りますが、これは一つの大きなファクターであると思っております。それと同時に、文部省における学校教育が社会の要求しておる姿というものに合うように再検討してもらわなければならない問題じゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) 速記をやめて。   〔速記中止〕

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) 速記を起こして。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それくらいできょうは、いまの委員長の御意見もありますから、やめますが、労働災害の問題について、鉱山保安局長にもう一言二言申しておきたいのですが、今度はガス爆発のときの一酸化炭素の問題です。ここ三、四年前に続いた事故に古洞の水没事故がありますね。だから、鉱山保安と補償の問題というものは切り離せない状態になってきている。だから、補償の問題は労働省ですからということだけでは済まされない問題がある。私は、これは何としても統一して、どういうかっこうにおやりになるか知らぬけれども、事故を防ぐことが前提なんですから、これは労働大臣の見解も聞きたいし、あなたの見解も聞きたいが、鉱山の保安監督というものと補償の問題は切り離せないから、保安の問題をどうしたらいいかということを、大臣と保安局長の二人から、最後にひとつ見解を聞いておきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 産業災害というものが、各方面の努力にかかわらず、依然としてその数は減少していないことはまことに遺憾の至りでございますが、私は、まず一番大切なことは、いままでの経営者、社会全体がやりました生産第一主義ということよりは、やはり人命尊重という気風の醸成、これが第一だろうと思います。そのためには、政府自体が率先してその啓豪に当たるはむろんでありますが、昨年、労働災害防止団体等に関する法律が通りました。その法律に基づく機構の整備等を行ないつつあるところでございますが、その活動に大きな期待を持っていきたい。同時に、労使双方とも、いつでも安全ということに留意するというこまかい努力が必要じゃないだろうか。大きな政策なんかもむろん必要でありますが、それ以上に、工場へ入るときに安全を呼びかけるとか、あるいは休憩時間にちょっとでいいから安全を呼びかけるというようなこまかいこと、そうして少しでも安全に害があると認められるときには、直ちにそれに対して対応策を講ずるというような気がまえ、こういうことが必要であろうと思っておる次第であります。で、基準監督行政の強化によりましてその成果をあげるように行政上の努力をいたしております。  それから、鉱山関係は、言うまでもなく、通産省の所管でありますが、当面、労働大臣の勧告権を行使いたしまして、緊密な連絡をとって予防の万全を期したいと思うのでありますが、恒久的な対策といたしましては、やはりその機構自体の検討が私は必要ではないだろうか、こう思っておる次第でございます。

森五郎通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(森五郎君) 鉱山事故の防止につきましては、先ほど申し上げましたが、要するに労使双方が保安という考え方を全く徹底して持っていないとなかなかできないということであろうと存じます。ただいま大臣の御答弁の中に、生命尊重の考え、これはやはり根本に労使双方が持っていないといかぬという考え方を、もちろん官は監督いたしますわけでありますが、いわゆる官と労使、三位一体の保安という努力がなされなければならぬというふうに考えておるわけでございます。そういったことから申しますと、ただいま大臣の御答弁がございましたように、こまかい努力が必要だということに関連いたしまして、なお一そう保安教育ということが必要ではないか。これは単に保安教育と申しましても、非常に末端的なことも考えなければなりませんし、あるいは当面手が打てるというものもあろうかと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、こういった保安教育というものにもっともっとわれわれも力を入れて、たとえば、いわゆる鉱山における保安の責任というものは保安係員というのが持っておるわけでございますが、保安係員の監督のもとに労務者が何人か働いておられる。しかし、やはりそのうちの労務者の一人が不注意なことをしたために非常な大きな災害が起こるということも考えられますので、したがって、保安教育ということにつきましては、経営者といわず労務者といわず、端末に至るまで徹底させるということでやっていきたい。また、当面、重大災害を起こしたことでございますので、保安監督の面ではこれを強化いたしまして万全の措置をとっていきたいというふうに考えているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小柳勇日本社会党

○委員長(小柳勇君) 御異議なければ、さよう決定いたします。  他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会

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