社会労働委員会 第4号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/03/09
会議録
○委員長(藤田藤太郎君) ただいまより開会いたします。 委員の異動についてお知らせいたします。二月二十四日、石田次男君が委員を辞任され、その補欠として小平芳平君が選任され、二月二十五日丸茂重貞君が委員を辞任され、その補欠として村上春藏君が選任され、また、二十六日、村上春藏君が委員を辞任され、その補欠として丸茂重貞君が選任されました。 —————————————
○委員長(藤田藤太郎君) 委員の異動に伴い、理事が二名欠員となっております。 つきましては、その補欠互選を行ないたいと存じますが、互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認めます。それでは理事に丸茂重貞君及び杉山善太郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(藤田藤太郎君) 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 先般当委員会が行ないました夕張炭鉱爆発事故の実情調査のための委員派遣について、派遣委員から御報告を願います。
○阿具根登君 去る二月二十二日発生した、北海道炭礦汽船株式会社夕張鉱業所における爆発災害を調査するため、社会労働委員会から私が派遣されることとなり、石炭対策特別委員会から派遣された小柳委員長、阿部、堀、浅井、田畑の各委員とともに、二月二十四、二十五の両日現地の実情を視察してまいりましたので、その結果を報告いたします。 初めに視察日程を簡単に申し上げますと、二十四日夜札幌に到着、直ちに通産省札幌通産局並びに札幌鉱山保安監督局及び労働省北海道労働基準局から説明を聴取しました。翌二十五日朝、夕張におもむき、災害発生坑口で花環をささげて犠牲者の冥福を祈り、次いで夕張炭礦病院を訪れ、有賀院長から負傷者の状況及び医療対策を聞いた後、医療の実施状況を見、病室に患者を見舞いました。同日午後は、政府の臨時夕張災害対策本部及び夕張炭鉱労使関係者から説明を聴取し、質疑を行なった後、同夜帰京いたしたのであります。 次に、視察の内容について申し上げます。 まず、災害の発生個所は、北海道夕張市福住七番地、北海道炭礦汽船株式会社夕張鉱業所夕張炭鉱第一鉱丁末坑の最上区右部内でありますが、正確な個所は不明であり、また、災害発生日時は昭和四十年二月二十二日午後六時半ごろであります。当日二番方は最上区域に職員十二名、鉱員百四十四名、組夫十六名、計百七十二名が配番され、作業中でありましたが、午後六時三十分ごろ、右三・六尺ロング付近で突然ガス爆発と思われる災害が起こり、主として左部内におった者百三名は直ちに退避出坑しましたが、残る六十九名は退避することができなかったのであります。災害発生後、直ちに救護隊の救出作業が行なわれ、罹災者の収容につとめましたが、二月二十四日午後五時半現在の罹災状況は、死亡者六十一名、重傷者十二名、軽傷者五名、計七十八名となっており、この中には出坑者百三名中の負傷者九名が含まれております。なお、負傷者は夕張炭礦病院に収容し、加療中であります。死亡者の死因は爆風による火傷及び一酸化炭素中毒の併合したものであり、負傷の原因もまた同様であります。札幌鉱山保安監督局の説明によれば、災害は可燃性ガスの爆発によるものと思われるが、なお真の発生原因は不明であるとのことであり、現に鉱山保安監督署、警察署及び炭労がそれぞれ原因調査のため入坑しておりました。 次に、現地で行なった事情聴取について申し上げます。 臨時夕張災害対策本部長である古屋総理府総務副長官から次の説明がありました。 (一)、二月二十三日の閣議決定により、臨時夕張災害対策本部を夕張市民会館に設け、関係各省の責任者二十一名で本部を構成して災害対策に当たっているほか、北海道副知事など、関係機関の責任者十三名を現地協力員として委嘱し、協力を仰いでいる。 (二)、二十五日の閣議で、八名からなる技術調査団の現地派遣を決定したので、二十八日から三月三日まで災害発生原因の究明に当たる。 (三)、労災補償については、遺族補償費及び葬祭料を二月二十七日午前九時から夕張鉱業所において支払う。支給額は総額九千三百二十八万千六十円、平均百五十二万九千二百円、最高二百九十七万千百八十円、最低七十六万八千五百円である。ただ、組夫について受給権者の不明なケースが三件ある。 また、会社からの報告によれば、退職金は三月一日の合同慰霊祭前に支払う予定であり、総額四千五百二十二万二千七百円、平均八十二万二千二百二十七円、最高二百六十四万八千四百円、最低五万千三百円である。 (四)、遺族の就職問題については、労働省職業安定局に令じて現地の就職相談所開設を検討させている。そのための基礎資料として二月二十五日までに家族調査を完了するよう望んでいる。 (五)、一酸化炭素中毒患者の治療のため、バード式循環蘇生器を手配したが、全員意識があるため蘇生器は不要となった。二十四日早朝、札幌医大から医療用耐圧酸素容器を夕張炭礦病院に運び、患者の治療に使用しているが、効果がある。さらに九州三池炭鉱災害の際、医療を担当した九州大学脳研施設の黒岩教授が二月二十七日から四日間現地で患者の診察を行なうこととなっている。また、被災した百三十八名については、岩見沢労災病院に指示して、三月二日までに胸部、視力など第一次健康診断を行ない、さらに重症の者については引き続き第二次精密検診を行なう。 (六)、作業再開については未定である。また、災害対策本部員である通産省の佐伯石炭課長は次のように説明しました。 二月十二日、夕張鉱山保安監督署の鉱務監督官が夕張炭鉱の巡回監督を行なった際、可燃性ガス含有率が一・七%から二・二%ほど検知されたので、その除去を勧告し、さらに二月二十二日、鉱業所の副保安管理者を札幌鉱山保安局に招致して対策の進捗状況を聴取した。その直後に災害が発生したのである。 また、萩原北炭社長からは次のあいさつがありました。 増産に励むあまり、人命を軽視するきらいがあるといわれるが、決してそのようなことはない。保安設備に関する限り、私は予算を制約していないし、ワクに固執しないことを各鉱業所に徹底させている。去る三十五年の災害発生以来、特に保安を重視しており、保安管理の経験者でなければ鉱長には登用しないことを社内の規則で定めている。現に約一週間前にも各鉱業所長を東京に招集して、保安重点にやるべきことを指示したばかりである。保安には今後とも一そう努力するつもりである。 最後に、労働組合代表者からは次の要望が述べられました。 (一)、鉱山保安監督行政を強化すること。 (1)、鉱務監督官は、監督の結果、不良個所があれば会社に対してこれを指摘し、勧告を行なうが、その内容は組合には知らされていない。このような場合、鉱務監督官は組合に対しても指示、勧告の内容を通知すべきである。このことは、換言すれば、保安監督行政を単なる監督行政にとどめることなく、指導行政の域にまで質を高め、範囲を広げることである。 (2)、作業中止を命令する鉱務監督官の権限があいまいであり、実質的には権限はないにひとしいのではないかと疑われる。何よりも危険個所で労働者を働かせないことが肝要であり、そのためにも鉱山保安法及び石炭鉱山保安規則について、今日の事態に即した改正を早急に行なうべきである。 (二)、会社から選任された保安係員は他の業務と兼務しているため、保安に専念できないところに危険の生じる原因がある。そして切り羽の重点的機械化が著しく進んでいる現在、労働者五十人に一人という法定基準では保安は確保できない。したがって、保安係員については、厳密かつ明確な定員制をとるべきである。 (三)、遺族援護対策の確立。 去る三十五年の夕張炭鉱爆発の際は、罹災者の未亡人や負傷者を夕張鉱業所に雇用し、さらにその後造成された職場に採用してその生活援護がはかられたが、合理化の進んだ現在、今回の災害による遺族の就職対策については、はなはだしい不安がある。したがって、国としての援護対策を確立してもらいたい。 (四)、一酸化炭素中毒対策。 負傷者はすべて火傷とともに、一酸化炭素中毒症状を呈している。一酸化炭素中毒は、三池の例に見られるように、後遺症が残り、将来廃人となるおそれのある悲惨なものである。したがって、法による特別保護措置を講ずるとともに、本人のみならず、家族の生活についてもこれを保障すべきである。 以上が、現地で視察し、聴取した事項でありますが、その後判明した事項を簡単に申し上げます。 一、爆発事故の起こった夕張炭鉱一礦最上坑で、二月二十五日夜停電によって濃厚なガスが発生し、自然発火の危険が迫ってきたと判断されたため、会社は同坑の部分水没による密閉を行ないました。これによって事故の原因究明が非常に困難となったため、残された究明の手段としては、生存者からの事情聴取及び爆発後坑内で撮影された写真にたよらざるを得なくなったわけでございます。 二、労災保険による遺族補償費並びに葬祭料及び会社の退職金は二月二十七日支払われました。なお、当時労災補償受給権者の不明であった三名の組夫については、三月二日受給権者が判明したので、近く補償費の支払いが行なわれる予定であります。 三、遺族の就職対策については、二月二十七日、北炭の会社側が、(1)、直轄採用希望者は採用する。(2)、他にあっせんを希望する者は会社が責任を持ってあっせんする。(3)、就職未決定者には、二年を限度として、月額一万円を支給すると労組に回答しました。 報告を終わるにあたって、私は三点の要望を申し述べたいのであります。 第一に、労働組合からの意見にもありましたように、鉱務監督官が行なった指摘、勧告については、同文の写しを会社と同時に労働組合側にも渡すことを鉱山保安法規で明示すべきであります。 第二に、鉱山保安行政の所管を一日もすみやかに通産省から労働省に移管すべきであります。 第三に、一酸化炭素中毒対策について述べたい。この中毒が悲惨な後遺症をもたらすおそるべき疾病であることについては、去る三十八年の三井三池大災害によって広く知られるようになりましたが、今回夕張災害によって、またもや一酸化炭素中毒患者が発生しました、幸い札幌医大から急送された医療用耐圧酸素容器によって治療を行なった結果、意識喪失もなく、経過は良好とのことであります。夕張炭礦病院の有賀院長も語っておりましたが、この医療器械が各鉱業所及び各病院に備えつけられ、かつまた自動車等に搭載されて簡便に移動できるように常時配置されていれば、大いに効力を発揮することは疑いないと思われます。私の調査によれば、この医療器械は、去る三十八年、札幌医大の依頼によって某器械メーカーが試作したものであり、現在は日本に三台しか存在しておりません。しかし、器械メーカーは、この医療器械の有効なことが判明したため、改良を施して販売用としての生産開始を検討している模様であり、しかも、現在の器械ならばわずか百五十万円ないし二百万円でつくれるとのことであります。したがって、政府と企業とがこの医療器械の開発に努力しておれば、三池の多くの患者を救済し得たのではなかったかと、はなはだ遺憾にたえません。いまからでもよい、政府はこの種医療器械の開発普及につとめ、労働者の生命と健康とを守るために最大限の努力を傾けるとともに、不幸にして発生した一酸化炭素中毒患者及びその遺族の医療と生活とを保障するために、立法その他による特別措置を構ずべきであります。 以上で報告を終わります。
○委員長(藤田藤太郎君) ただいまの御報告に対し質疑はございませんか。——別に質疑、発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。本件に関する質疑は、労働省の調査もまだ出ておりませんので、次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議なければ、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(藤田藤太郎君) 社会保障制度に関する調査を議題といたします。 まず、厚生大臣より、厚生行政の基本方針についての所信を聴取いたします。
○国務大臣(神田博君) 所信表明を申し上げる前に、一言ごあいさつをお許し願いたいと思います。 御承知のように、医療費の問題につきまして、今日まで各位に少なからず御心配と御迷惑をおかけいたしました。したがいまして、当委員会の運営に影響を及ぼすことになりましたことにつきまして、私としてまことに遺憾に存ずる次第であります。今後とも誠意をもってこれが解決に努力いたしたいと存じます。各位におかれましても、事情を御了察くだされ、今後厚生行政について格段の御協力と御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。 それでは、ただいまから所信表明を述べさせていただきます。 第四十八回国会における社会労働委員会の御審議に先立ち、この機会に厚生省所管行政に関し、所信の一端を申し述べたいと存じます。 近年におけるわが国経済の目ざましい成長発展の成果を真に国民全体の福祉向上に結びつけるためには、経済開発と均衡のとれた社会開発をはかるための施策を強力に展開していく必要があります。この意味で、社会保障の拡充と生活環境の整備を中軸とする厚生行政につきましては、なお一そうの努力が要請されております。 政府といたしましては、社会全般の進展に即応し、国民一人一人の生活の安定と向上をはかるため次のような施策に重点を置き、逐次その水準を高めてまいりたいと存じます。 まず、医療保険につきましては、医療費の緊急是正に関して昨年十二月二十二日に中央社会保険医療協議会に対し諮問をいたしたのでありますが、同協議会においては昨年内は六日間にわたる長時間の審議にもかかわらず、結論をみることができず、問題は本年に持ち越され、一月九日に至りまして、ついに同協議会の公益委員は、まとまった答申を早急に得ることができないとの判断を持つに至たり、この段階における公益委員の意見として、諮問案における点数の配分内容について若干の修正を可とするほか、九・五%引き上げを一月一日から実施することが原則としてやむを得ない旨の報告を提出するに至ったのであります。このような事情で答申を得るに至らなかったのでありますが、私としては、この問題に関する各側の意見も実際上承知することができましたので、諸般の情勢を勘案し、その緊急実施の必要性にかんがみ、やむを得ず公益委員の報告に基づいて医療費の改定を行なうことに踏み切ったのであります。 今後私は各界の御協力を得て事を運んでまいりたいと存じておりますので、一そうの御支援を賜わりますようお願いする次第であります。 次に、医療保険財政につきましては、政府管掌健康保険及び国民健康保険をはじめ、各制度とも収支の均衡が失われるに至っておりますので、明年度におきましては、当面の財政建て直しをはかる方策を実施するとともに、将来の発展及び内容の充実をはかる基盤を整備することが緊急の課題となっているのであります。これがため、明年度予算案におきましては、国民健康保険の事務費負担金の充実、医療費の緊急是正による負担増に対する国庫補助の措置、健康保険の国庫補助の拡大等に要する所要の経費を計上いたしますとともに、目下政府として関係諸制度の整備につき、その具体案として健康保険法等の改正案を関係審議会に諮問している次第であります。諸般の事情から停滞していたこれらの審議会の審議が先般ようやく軌道に乗ってまいりましたので、この上は、各方面の御意見を十分お聞きした上、早急に最善の対策を樹立して、当委員会の審議をわずらわすために全力を傾けてまいりたいと存じております。 次に、国民健康保険における世帯員の七割給付につきましては、四カ年計画の第二年度に当たる明年度は、昭和四十一年一月から新規に全世帯員の二五%について七割給付を実施することとし、所要の経費を明年度予算案に計上いたしております。 第二に、所得保障施策の拡充といたしましては、生活保護基準を国民生活一般の向上と見合い引き上げるため、明年度におきまして生活扶助基準を一二%引き上げるほか、教育扶助基準の引き上げ等を行ないたいと存じます。また、第四十六国会で審議未了となりました厚生年金保険法の一部改正法案につきましては、いわゆる一万円年金の実現をはかるべく、今国会に再度同法案を提出いたしております。福祉年金、児童扶養手当及び重度精神薄弱児童扶養手当につきましては、それぞれの額を月額二百円引き上げますほか、所得制限の緩和等、その改善を行なう所存であります。 第三に、児童家庭対策といたしましては、母子保険が健康対策の基本であるべきことにかんがみ、母子の保健対策を一貫的にとらえ、その充実をはかってまいりたいと存じます。さらに、明年度からは低所得階層の妊産婦及び乳幼児に対しまして牛乳の無償供与を実施いたしたいと考えております。また、保育所その他の児童福祉施設の整備につきましては、一そう努力いたしたいと存じます。児童手当制度につきましては、この制度を持たないことがわが国社会保障制度の大きな欠陥であることだけでなく、所得格差の縮小、人口資質の向上、労働力の流動化のためにも必要とされるようになっておりますので、できる限り早期に実施に移したいと考えております。 第四に、環境衛生対策といたしまして上下水道、清掃施設の整備につきましてその一そうの促進をはかるべく、所要の財源措置を講ずる所存であります。 産業の発展、人口の都市への集中等に伴う公害対策につきましては、過密都市のみならず、新たに産業の進出が予定される地域において発生し、または発生することが予想される大気汚染、水質汚濁等の公害の実態を的確に把握し、すみやかにその対策を講じてまいりたいと存じます。このため、明年度におきましては新たに公害防止事業団を設け、積極的に公害対策と取り組んでまいりたいと考えております。 第五に、戦傷病者戦没者遺族の方々の援護につきましては、本年はあたかも終戦二十周年にも当たることでもございますので、一段と援護の拡充をはかることとし、戦没者の遺族の方々に対し、新たな特別弔慰金を支給する制度を創設するほか、戦傷病者相談員の設置、未実施の地域における戦没者墓地への墓参の実施等を行ないたいと存じます。 以上申し上げましたことのほか、精神衛生対策、原爆被爆者対策、社会福祉施設職員の処遇改善等、重要な問題は少なくありません。 明年度におきましては、これらの施策を遂行するため、提案中の昭和四十年度予算案におきまして、厚生省一般会計分として四千八百二十億円が計上されており、これは本年度に比べて八百三十億円、伸び率にして二〇・八%増となっております。 また、今国会には、これらの施策と関連いたしまして、先に述べました厚生年金保険法の一部改正法案のほか、母子保健法案、公害防止事業団法案その他の法案を提出し、御審議をわずらわしたいと存じます。 厚生行政の一そうの進展を期して、私は今後とも誠意をもって努力する所存でありますが、ここにあらためて各位の一そうの御支援と御協力を切にお願いする次第であります。 —————————————
○委員長(藤田藤太郎君) 次に、昭和四十年度厚生省関係予算につきまして説明を求めます。戸澤会計課長。
○政府委員(戸澤政方君) それでは、私から昭和四十年度の厚生省所管の予算のおもな事項につきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。 資料が一般会計分と特別会計分と二冊に分かれております。 まず、厚いほうの一般会計分のほうの資料の第一ページに総括表が書いてございますが、四十年度の要求総額が四千八百十九億となっておりまして、前年度予算額四千百二十二億に対して六百九十七億の増となっておりますが、この前年度予算額というのは補正予算を含めた額になっております。それで、前年度の当初予算額に比べますと、当初予算額は三千九百八十九億でございましたので、ただいま大臣の申し上げましたとおり、約八百三十億の増になっておりまして、伸び率は二〇・八%の増となっておるわけでございます。ちなみに、本年度の国家予算全体に対する厚生省予算の比率は一三・二%となっております。 それでは、四ページ以下におもな事項を掲げておりますので、新規の事項等を中心にいたしまして、簡単に注釈を加えてまいりたいと思います。なお、この配列は大体厚生省の組織順になっておりまして、最初が衛生医療関係、次が社会福祉、最後が保険、年金、援護といったような大体の順序になっております。 四ページの一番の結核対策費、これは来年度要求額五百七十八億で、前年度に比しまして七十四億の増となっておりますが、これは医療費の単価増がおもなものでありまして、内容的には大きな変わりはございません。 次に、二番目の精神衛生対策費、これにつきましては、昨年のライシャワー事件等を契機にいたしまして、精神衛生対策の強化が叫ばれまして、審議会の答申も得まして精神衛生法の改正を提案いたしておるわけでございます。予算としましては、前年度に比して二十八億の増になっております。内容といたしましては、その(2)番、通院医療費補助金二億一千五百万というのが新規の対策になっております。これは従来措置入院といった入院治療に対する公費負担だけを考えておりましたが、在宅患者の早期治療及び適正医療を徹底するために、結核の場合と同じように、外来患者に対する公費負担制度を創設いたしたいという趣旨のものでございます。摘要欄に書いてございますとおり、外来通院患者に対しまして二分の一公費負担をする、それに対して国が二分の一を補助する、あと二分の一は都道府県の負担ということになっております。初年度の対象約四万八千三百六十八人をみております。 それから、精神衛生対策費としましては、次の五ページの右上に書いてございますが、保健所における精神衛生の予防指導事業を強化するために、医療社会事業その他の職員の増員を考えてございます。あとは精神衛生研究所の組織強化とか、国立精神療養所の関係でございます。 次に、事項三番にまいりまして原爆障害対策費、これにつきましても法律改正を提案いたしておるわけでございますが、これは昨年の国会における決議等を尊重いたしまして、できるだけの改正を織り込んでいるつもりでございます。改正のおもな点は、摘要欄の、マル新と書いてありますが、(2)番、特別被爆者の範囲の拡大、これは従来、投爆時爆心地から三キロ以内にあった者及びその胎児というふうになっておりましたのを、新しく、投爆後三日以内に爆心地から二キロ以内に立ち入った者及び三キロ以遠であっても、特に放射能濃厚地にあった者というようなものを特別被爆者の範囲につけ加えたわけでございます。 それから、(2)番の健康診断費につきましても、従来定期検査だけを認めておりましたのを、定期外の検査及び六ページにまいりまして、簡単な収容検査等をつけ加えたわけでございます。 それから、(3)番の医療手当交付金、特別被爆者に対する医療手当につきましても、そこに書いてありますような単価の増並びに所得制限の緩和を考えております。 それから、次に事項の四番にまいりまして、保健所関係の経費としましては、摘要欄の右に書いてあります医師の充足対策としまして、特に長期勤務者を外国に派遣するといった費用、それから保健所活動調査費といたしまして、大学の医学部教室との協力関係を強化したいというような趣旨の予算が新しく組まれてございます。あとは施設整備費とか、それから貸費につきましては、保健所の職員確保対策の一環としての貸費生に対する貸与につきましても、摘要欄に書いてありますような単価の増額をそれぞれはかっております。 次に、七ページにまいりまして、五番の、らい対策費につきまして特に申し上げておきますことは、摘要欄の上から三行目に書いてあります「患者付添切替に伴う増員」、患者付き添いを定員職員に切りかえる計画は前年度までに終了したわけでございますが、その後の患者の老齢化等に伴う事情に伴いまして、なおこの付き添いが足りないという実態にかんがみまして、来年度さらに七十五人ふやしまして第二次の増員計画をスタートさせたいというわけでございます。 それから、事項六番の疾病予防対策につきましては、(2)番の法定伝染病予防費が前年度に比べて減になったようなかっこうになっておりますが、これは補正後の予算と比較したために減になっておるのでありまして、例年これは補正で措置いたしておりますので、前年度の当初予算と全く同額でございます。 それから、次に八ページにまいりまして、(4)番の地方病予防費補助金といたしましていろいろ書いてございますが、(1)番は、これは日本住血吸虫予防のための施設費の補助としまして一億三千百万円、その他以下各種のフィラリア、鉤虫病等の従来とも行なっております予防措置費でございます。 次に(6)番は、性病予防費補助金としまして、新しく最近また性病が再出現してくるような傾向、特にその患者の年齢層の若年化が慰められるといったような傾向にかんがみまして、特に性病予防の重点地区を選びまして、それに対するPRとか衛生教育、そういったものを実施さすために、約八百万円新しく組んでございます。 次の七番の健康増進対策費は、大体栄養対策を中心にいたしたものでございます。 次に、九ページにまいりまして、事項八番の環境衛生対策費につきましては、総額約九十九億、百億近く組んでございますが、これは先に成立いたしました生活環境施設整備緊急措置法に基づく五カ年計画の計画に基づきまして大体予算を組んでございます。 次に、一〇ページにまいりまして、事項九番の公害防止対策費、公害対策の重要性にかんがみまして、この基礎的な調査研究を徹底するために、前年度予算二千五百万円に対しまして約一億一千万と、大幅に増額をしてございます。これは各種の公害のいろいろな実態調査、調査研究、そういったものの経費でございます。 次に、十番の公害事業団事務費交付金、これはただいま大臣も申されましたように、公害防止事業の徹底を期するために事業団を創設することにいたしておりますが、そのための事業原資は二十億財投のほうから別途予定しておりますが、ここには事務費の交付金としまして三千四百万ほど組んでございます。 次の十一番の環境衛生関係団体等指導助成費、これも新規の政策でございますが、従来不十分であった環境衛生業者、理容業とかクリーニング業種、そういったものに対してその近代化、合理化をはかるために、同業組合あるいは県等を通じていろいろ指導をしていくための補助金でございます。 事項の十二、十三、十四は医療機関とか救急医療対策等でございまして、これは大体前年と同様の趣旨並びに内容のものでございます。 次に、一一ページにまいりまして、十五番は保助看——保健婦、助産婦、看護婦等の確保対策費、これも養成所の整備とか貸費制度でございまして、大体前年と同様のものでございます。 十六番は国立医療施設整備費の増額で、病院と療養所を合わせまして十一億ほど増になっております。 十七番の医療金融公庫につきましては、これはカッコになっておりますのは、この予算は、大蔵省のほうに予算の形としては組まれますのでカッコにいたしておるわけでございますが、従来と変わりました点は、政府出資金が減りまして、そのかわり借り入れ金を大幅にふやしまして多額の需要に備えようという方針になったわけでございます。摘要欄に書いてございますが、政府出資金は前年の二十九億に対して五億に減っておりますが、借り入れ金が前年八十五億を百四十億とふやしております。で、資金総額としましては、前年百三十五億が百七十億となっております。 次に十八番、血液対策費が減になっておりますのは、御承知のとおり、前年予備費をもって採血者を全国的に整備できましたので、来年度の予算といたしましては、いろいろ行政指導、PR、そういったものの費用が中心になっているためでございます。なお、血液対策につきましては、問題になっております血清肝炎の調査研究費としまして、官房のほうに医療研究助成補助金がございます。その中から約五百万程度この血清肝炎の研究のために回す予定にいたしております。 次に、一二ページにまいりまして、十九番は国立公園等の整備費、前年に比べて約一億の増になっております。 次に、二十番は生活保護費、この生活保護関係が総額一千億を突破いたしまして、国民健康保険と並んで厚生省予算の両横綱となっております。中心をなします生活保護費のうちの生活扶助につきましては、右の摘要欄に書いてございますが、基準の改定を来年度は一二%予定しておりますが、一二%アップしました結果、標準四人世帯の扶助額は、東京都の一級地では月現行一万六千百四十七円が一万八千八十四円、町村等の四級地では一万一千七百八十七円が一万三千二百一円と相なります。それから(ウ)の教育扶助につきまして、従来この基準改定がなおざりにされておりました状況にかんがみまして、来年度は教育扶助の基準改定を予定しておりまして、一三ページに書いてありますとおり、小学校三年の例をとりますと、一、二級地は二百四十円を二百九十円、三、四級地は二百円を二百六十五円という程度の増額をはかっております。 次に、一四ページにまいりまして、二十一番は低所得階層対策費としてまとめてありますが、内容は世帯更生資金貸し付け並びに母子福祉貸し付けでありまして、それぞれ一億及び五千万ほどの増額をいたしておりまして、この内容について若干の改善をいたす予定でございます。 それから、二十二番は民間社会福祉事業に対する助成費等でございまして、二十三番は身体障害者保護でございまして、特に申し上げるほどのこともございません。 次に、一五ページにまいりまして、二十四番の老人福祉対策費としましては、老人の健康診断費を、従来三年に一回の割合であったものを二年に一回にふやす、また、老人クラブを、その非常な要請によりまして、対象を二万から倍加するというようなことを考えております。 次に、一六ページにまいりまして’事項二十五番の地方改善事業、これは同和地区とか不良環境地区の環境改善整備費等でございますが、摘要欄に書いてあります同和地区の改善につきましては、率でもって対前年比二五%、(2)番の不良環境地区につきましては、対前年比二〇%の増額と相なっております。 それから、次に二十六番の社会福祉施設整備費、これにつきましては、社会、児童、両方の施設の整備費を含めてあるわけでありますが、前年二十四億に対しまして二十八億と、約三億四千万ほどの増額をはかっております。 次の二十七番の児童保護措置費につきましては、後に述べます施設の職員の待遇改善のほかは、児童保護措置費につきましては大体生活保護と同じ程度の改善、つまり一二%程度の改善を考えておるわけでございます。 省略しまして、一七ページにまいりまして、二十八番の母子福祉対策としましては、先ほども申し述べました母子福祉貸し付け金のほか、保育対策、保育所の運営費、それから保母の充足対策として養成所の補助、大体内容は従来と同様なものでございます。一八ページの(3)の保母充足緊急対策費が五百万ほど減になっておりますのは、産休代替保母の実績件数が昨年非常に減っておりましたので、その件数減によるものでありまして、そのかわり単価のほうはふえておるわけであります。 それから、事項二十九番は、母子保健対策としまして、未熟児対策とか妊娠中毒症対策等は大体従来と同様のものでございますが、(4)番に母子栄養強化費といたしまして一億八千六百万ほど組んでありますが、大臣が申されました低所得の妊産婦とか乳幼児に対するミルク支給の経費でございます。これはとりあえず生保世帯と市町村民税非課税世帯を対象にしまして、生保世帯につきましては、国が十分の八補助する、あとは地方公共団体がみる。それから、市町村民税の非課税世帯につきましては国が二分の一、あとは都道府県、市町村の負担というわけでございまして、それに対して妊産婦、乳幼児に対して、そこに書いてありますような員数を想定しております。 次に、一九ページにまいりまして、三十番は家庭児童対策費、これは昨年から始めました家庭児童相談室を福祉事務所に逐次増設していくための経費でございます。 三十一番は、心身障害児対策費としまして、身体障害児の援護費のほか、(2)番の結核児童等療育費の中で、摘要欄にマル新と書いてあります進行性筋萎縮症児童につきまして、これに対するベッド、病床のほうは国立療養所等を利用して整備しておりますが、これに対する療育費を児童福祉措置費と同じように国でもって措置しようという趣旨で新しく設けられたものでございます。 次に、二〇ページに参りまして、事項三十二番として、社会事業施設職員の処遇改善費をまとめて書いてございます。施設職員の待遇が非常に悪いという実態にかんがみまして、来年度はかなり大幅の給与改定をいたしまして、保育所では二〇・九%、その他の収容施設におきましては一三・三%のベースアップをいたします。これによりまして大体国家公務員本俸と同額まで引き上げられる結果に相なります。それから、そのほか職員増員……。
○委員長(藤田藤太郎君) ちょっと——三十二番の総額が書いてないのは何でですか。
○政府委員(戸澤政方君) これは先ほど申し述べましたが、それぞれの予算としましては各施設ごとに組まれておるわけでございまして、保育所ならば先ほど出てきました保育所のところに、それから児童施設は児童施設のところに、老人施設は老人保護費のところにというようになっておりますので、便宜上ここに再掲いたしたために書いてないわけでございます、 総額といたしましては、摘要欄に書いてありますが、社会事業施設の職員の処遇改善費として三十二億程度になっております。 それから、三十三番は児童扶養手当及び重度精神薄弱児扶養手当でございまして、これは大体福祉年金の改正に見合う改定を行なう予定でありまして、つまり月二百円のアップを考えておるわけでございます。ここで、改定を行なうにもかかわらず、金額が減になっておりますのは、児童扶養手当につきまして、これまで予算で見込んでおったほどの対象がなかった、つまり実績が予算よりずっと下回っておるということがわかりましたので、それを調整いたしたわけでございます。 次に、三十四番の国民健康保険関係につきましては、助成費につきましては総額で一千百九十四億になっておりますが、大体内容は御承知のことと思いますが、(1)番は法定の補助でございまして、(3)番は療養給付改善特別補助金としまして七十億、これは昨年から実施いたしました世帯員七割給付を昨年全体の四分の一を実施いたしたわけでありますが、本年もさらに四分の一を新しく実施するということに伴いまして、その五割から七割にふえる二割相当の保険者負担額に対して四分の三を国が補助するということでもって組んでおるわけでございます。(4)の特別療養給付補助金、これは九・五%の医療費の緊急是正に伴いまして、保険料相当額に見合う分を一部国でもって措置するという趣旨から、前年度も補正予算におきまして約十二億、三か月分の予算を組んだわけでありますが、四十年度におきましてもさらに三カ月分を国でみるということでもって十五億組んでおるわけでございます。つまり通算六カ月分は保険料相当分を国で措置するということになっておるわけでございます。それから、(5)の事務費補助金につきましても、非常にこれが実態に比べて少ないというところから、大幅な要求が考えられましたが、予算といたしましては、被保険者一人当たり、従来市町村百五十七円が二百円というふうにふえております。以下省略させていただきまして、三十五番は健康保険組合に対する補助金であります。 それから、次の二二ページにまいりまして、三十七番の社会保険国庫負担金、これは後ほど別冊資料によりまして特別会計のバランスシートを御説明いたしますが、ここには一般会計からの繰り入れ金を掲げておるわけでございます。厚生保険特別会計へ繰り入れ二百四十六億、その内訳は右に書いてございますが、健康保険に対しましては、従来五億程度のものでありましたものを、赤字対策として三十億繰り入れてございます。それから日雇健保につきましては、法定の三割五分の補助のほかに、特に赤字特別対策としまして三億上積みしてございます。それから、船員保険特別会計につきましても、疾病保険につきましては二億、前年は一億五千万でございましたが、これを二億にふやしてございます。 次に、事項三十八番につきましては、国民年金国庫負担金六百三十億、この(2)では福祉年金の関係につきましてはいろいろの給付改善を企図してございます。摘要欄に書いてございますが、年金額を、各種年金につきましては月額二百円引き上げる。それから、次のページにまいりまして、本人の所得制限を基本額二十万円に、子供一人について従来加算額が三万円であったものを四万円に引き上げる。それから、扶養義務者の所得制限につきましても、扶養親族五人世帯を考えますと、従来六十六万七千円であったものを七十一万六千円程度に引き上げるというふうに引き上げております。それから、支給範囲の拡大としまして、重度精神薄弱児扶養手当法ができましたときに、おとなの精薄をどうするかという問題が残されておりましたが、その重度の精薄者の成人をこの障害福祉年金の対象に取り入れるということでございます。こういうふうに給付改善をいたすにもかかわらず、予算額としまして、二二ページに出ておりますとおり、福祉年金の財源は十七億減になっておるのは奇異な感じを持たれるかもしれませんが、これも実施後五カ年以上たっておりまして、調査の結果、予算に組んでおったほどの対象がなかった。これは死亡とか失権等によって、届け出すべきものが未届けになっておったというようなこと等の事情によりまして、予算が実績よりも上回っておったということのために、来年度予算におきましてはこれを調整いたしたわけでございまして、給付改善をいたしましても財源的に支障を来たすというおそれはございません。 それから、二三ページにまいりまして、三十九番は戦傷病者戦没者の遺族援護費、これにつきましては、遺族プロパーの改正はことしは行ないませんが、恩給のベースアップがありますので、それに並行して、大体これに見合う約二九%程度のベースアップを行なう予定でございます。 それから、四十番は傷痍軍人に対する特別援護費、これも摘要欄に書いてありますとおり、手当の引き上げとか、各全国的に相談員を設置するというような改善を行なっております。 それから、事項四十一番にまいりまして、戦傷病者会館建設費補助二億円、これは大体市ケ谷に戦傷病者の会館を建設するという計画が進んでおりますが、これに対する補助金でございます。 四十二番は、先ほど大臣が申されましたとおり、本年は終戦二十周年でございますので、追悼式も、従来五百万であったものを倍としまして、参加者もふやして盛大に施行したいというわけでございます。 四十三番は特別弔慰金事務処理費、これは特別弔慰金というのは遺族年金——これも終戦二十年を期しまして、遺族年金等を受ける遺族がない、兄弟姉妹とか、あるいは成人に達したために受給権を失ったというような者につきまして、額面三万、十年償還、無利子の国債を支給することになりまして、このための事務費でございます。 それから、四十四番は社会保障研究所費、これは前年発足いたしました研究所で、さらに研究職員を七人増加する、その他の経費でございます。 四十五番の児童手当につきましては、この準備を一段と促進するために、担当参事官を新設して本格的な準備を始めたいというわけでございます。 以上、簡単でございましたが、厚生省一般会計関係の説明を終わりまして、次に、もう一冊の別の資料によりまして特別会計の関係を簡単に御説明いたします。 厚生省所管の特別会計は五つございまして、厚生保険の特別会計、これは中が政管健保と日雇健保と厚生年金等の勘定に分かれております。二番目は船員保険の特別会計、三番目は国立病院の特会、四番目は、あへん特会、五番目が国民年金特会とありまして、この中は拠出制の年金と福祉年金というふうに分かれております。 まず、一ページが厚生保険特別会計の中の健康勘定でございますが、歳入歳出三千百三十三億のバランスシートとなっておりますが、先に便宜上、摘要欄の基礎計数について見ていただきますと、被保険者数は、前年度千百七十四万八千人から千二百十二万九千人にふえ、それから標準報酬が三十九年度となっておりますのは、三十九年度の当初予算でございます。前年度予算が二万三千四百四十七円となっておりましたのが、来年度は三万四千百二十九円、これは来年度は新しく総報酬制をとりまして、臨時収入等も保険料の対象にするという内容が含まれているわけでございます。その結果、保険料率のほうはこれを引き下げまして、現行千分の六十三を五十八に引き下げる。それから、一人当たりの保険料額は、その結果、前年一万七千円が二万一千円程度になります。それから、一人当たり保険給付費、これは次の医療給付費、現物給付による医療給付費と現金給付費、この二つを合わせたものでありまして、一人当たりの医療給付費について見ますと、前年度予算一万五千二百十六円が来年度は一万九千百四十八円、これは最近の実績をもとにしまして、また、薬代一部負担等実施の影響を加味して計算しておるわけでございます。それで、バランスシートのほうを見ますと、歳入のほうは保険収入二千六百五十七億、その内訳が保険料収入と、それから一般会計受け入れが先ほど申し上げました三十億、前年度五億でございましたのが三十億受け入れとなっております。積み立て金は本年食いつぶしますので、来年はございません。それから、借り入れ金として四百六十二億と多額に組んでございますが、この内訳は、前年度の、三十九年度の支払い未済額が約二百二億ございます。これを一応借り入れ金でもってまかなうということと、それから、不測の事態に備えまして、次の歳出に書いてあります予備費二百六十億というものを組んでございますが、これに対する財源として、一応もしこれを使用する必要が生ずるという場合には、これを借り入れ金でもってまかなうということで、過年度の支払い未済額二百二億と予備費二百六十億を合わせたものを借り入れ金に計上いたしておるわけでございます。 歳出のほうでは、保険給付費、それから予備費が二百六十億と、約保険給付費の一割、相当多額のものを見込んでございます。従来は大体三%足らずが例でございますが、一割という多額のものを見込みましたのは、これはいろいろ制度改正によりまして、総報酬制といった新しい制度を導入しますし、その成果も十分に期しがたいものがある。その他いろいろ変動の多いことが予想される年でございますので、そういう不測の事態に備えて、一応弾力ある運営をするために、安全をとって大幅な予備費を見込んでおるわけでございます。 次に、二ページにまいりましては、日雇健保勘定、これは摘要欄は、大体被保険者数、その他一人当たりの保険料とか給付費でございまして、ごらんになればわかると思いますが、バランスシートを見ていただきますと、歳入のほうでは、保険料収入、これは大体印紙収入が主となっておりますので、郵政特会から印紙収入として受け入れるものが八十五億、それから、そのほかに若干現金収入がございます。これが保険料収入として書いてあります十一億でございます。それから、一般会計からは総額百億ほど受け入れますが、その内訳は、手数料補てん、これは印紙売りさばきの手数料、これを郵政特会のほうで、もう印紙売りさばきの際に先に先取りしますので、その手数料分を一般会計から補てんしておるものでございますが、そのほかに保険給付費財源受け入れとしまして九十六億、この内訳が、これが三割五分という法定補助のほかに、三億特に赤字対策として積み上げておるわけでございます。それから、借り入れ金が百七十九億と書いてございますが、これも健保と大体同じような趣旨でございますが、三十九年度までの累積赤字が約百三十八億でございます。百三十八億、それと四十年の単年度赤字が三十億程度見込まれております。それと下の予備費を五億、こういったものの合計でございます。歳出のほうは、特に申し上げるほどのこともございませんが、現金給付が若干減になっておりますのは、前年度の実績が非常に下回りましたので、三十八年度の実績を使って計上したために若干減額になっております。 次に、三ページの年金勘定、厚生年金の関係でございますが、先に摘要欄を見ていただきますと、被保険者数とか標準報酬等が書いてございますが、被保険者、そこに一種から四種まで書いてございますが、御存じかと思いますが、一種は一般男子、二種は女子、三種は坑内夫、炭鉱夫、四種は任意継続者でございますが、平均標準報酬がそれぞれそこに改定になっております。これは法律改正によりまして、最高額を現行三万六千円から六万円に上げます。そういったことによる標準報酬のランク並びに額の引き上げによる増額でございます。それから、料率も、そこに書いてありますとおり、それぞれ若干の引き上げを予定しております。料率のところで特一とか特二とか書いてあります。それは企業年金が実施されますと、基金のほうでもって一部給付をいたします。それで、政府管掌といたしましては定額部分だけの部分を扱うことになりますので、その部分に関する料率ということになりますので若干減る、全部政府管掌にしてやる場合と比べると若干減る場合がございまして、その部分を特一として書いてあるわけでございます。勘定のほうにまいりましては、保険収入三千八百九十三億となっておりまして、それが保険料収入と一般会計よりの受け入れ、それは一般会計は給付費の一五%、特に三種、抗内夫につきましては二〇%の補助が出ることになっております。その分でございます。あとは特に申し上げるほどのことはないと思います。 次に、四ページにまいりまして、これは業務勘定でございまして、これは事務費的なものでございますので、いろいろな人件費、その他の運営のための事務費とか、それから福祉施設として運営しております病院等の経費でございますので、省略さしていただきますが、福祉施設とか保険施設がかなり多額に減になっております。これはこういう未曽有の赤字時代でございますので、病院等の整備も、もう継続分だけに限るといったようなことで、大幅に自粛しているために減額になっているわけでございます。 次に、五ページの船員保険特別会計でございますが、備考欄を見ていただきますと、被保険者数の増、そのほか平均標準報酬月額が増額になっておりますが、船員保険につきましては総合報酬制は採用いたしません。これは船員保険は、御承知のとおり、年金とか疾病とか、各種保険を総合的に運営いたしておりますので、それから、また、賃金形態が非常に汽船、漁船等で変わっておりまして、漁船等では歩合制といったように、非常に古いまだ賃金形態をとっているような事情もありまして、総合報酬制を採用いたしません。そのかわり標準報酬の最高額を、現行五万二千円を十万円に引き上げます。そういったことによって標準報酬も増額になっております。それから料率は、そこに書いてありますとおり、各種の保険合わせまして、現行千分の百五十八を百九十七に引き上げる。あとは特に御説明するほどのこともないと思います。一般勘定のほうにまいりましては、歳入の一般会計よりの受け入れが約十億、これは右の備考欄に書いてありますが、失業保険については法定補助二割五分となっております。年金につきましては二割の補助となっております。疾病保険につきましては、先ほど申し上げましたとおり、前年一億五千万が二億とふえているわけでございます。 次に、六ページにまいりまして、今度は国立病院特会でございます。これは歳入歳出三百十五億となっておりますが、歳入のほうでは診療収入が二百四十五億、これはもちろん緊急是正による医療費引き上げ等を見込んでおるわけでございますが、その他一般会計から毎年ある程度受け入れておりますが、来年は三十四億受け入れます。その内容といたしましては、摘要欄に書いてございますが、一般経費三十二億、これはまあ整備費の一部とか運営費の一部でございます。それから、看護婦の養成費としまして一億六千万ほど、これは看護婦養成所の運営費の二分の一を例年一般会計で持つということになっております。それから、借り入れ金が二十五億組んでございます。これは支出のほうに出てきますが、三十八年度から施設特別整備費というものをやっております。これは大体各地方の基幹的な病院を選びまして、先行投資によってその整備を促進しているわけでございますが、これについて、その財源として借り入れ金をもって充てておるわけでございます。財源は借り入れ金とか土地処分をもって充てているわけでございますが、借り入れ金を来年度二十五億そのために計上してございます。それから、歳出のほうにまいりましては、摘要欄にそれぞれ入院、外来のベット、人数を書いてございますが、特に患者食糧費につきましては、一人一日当たり、一般食については百二十六円を百四十円と、十四円アップしてございます。これは米価改定とか若干の内容改定を見込んでおるわけでございます。その次は、二番目の施設整備費、これは全部で五十三億五千万ほどでございますが、このうち、特別整備費というのが、ただいまちょっと申し上げました三十八年度から四カ年計画をもちまして、大体各県に一つずつぐらいの割りでその地方の基幹的な病院を整備する計画で進めております。で、その財源として借り入れ金とか土地処分を考えているわけでありますが、その特別整備費分が三十八億、それ以外の一般のちょぼちょぼした整備が十五億というわけでございます。あとは看護婦養成とか、四番の国債整理基金特別会計というのは、この借り入れ金の利子でございます。七ページは国立がんセンター、これは整備費が約四千万と見てございます。 次に八ページ、あへん特別会計、これは医薬品等に使うアヘンにつきまして、国がアヘンを買い入れまして、それを指定した特定の麻薬取り扱い業者というものに売って、その利ざやをもって運営をするというために設けられた特別会計でございまして、歳入のほうのアヘンの見込み売り払い代金、これは国が買ったものを業者に売るわけでございますが、これが四億二百万円、それから歳出のほうでアヘン購入費が三億九千二百万円、「外国産」と書いてありますのはインド、トルコでございます。国内から一トンだけ買い入れております。 次に九ページ、最後に国民年金の特会でございますが、これは拠出制の国民年金と福祉年金との二つに分かれておりますが、拠出制のものにつきましては、歳入は保険料収入、これは三十五歳未満が百円、三十五歳以上百五十円という保険料収入でございまして、二百六十四億、これは後ほど出てきますが、業務勘定のほうから受け入れるかっこうになっております。それから、一般会計より受け入れ百五十一億となっておりますのは、国民年金につきましては、納入された保険料の二分の一を国庫が負担するということになっております。だから、百円納めれば五十円を国が負担するということになっておりますが、その一般会計からの受け入れ分が百五十一億でございます。それで、歳入のほうは、あとは特に御説明するほどのこともございません。歳出のほうで、下から三番目ぐらいに「福祉施設費業務勘定へ繰入」と書いてありますのは、これは全部年金福祉事業団への交付金でございます。事務費を年金勘定から出しているその分でございます。 それから、一〇ページにまいりまして福祉年金勘定、これは全部国費でもって負担しているわけでございますが、一般会計からの受け入れ三百九十八億、これが減になっておりますのは、先ほど申し上げましたとおり、従来予算で見込んでおったほどの対象がなかったというところから調整いたしたのでございます。歳出のところで、備考欄に各種年金につきまして件数、金額を掲げてございますが、これは改正分を含んでございます。この改正分につきましては、先ほどの一般会計のほうの資料の中に書いてございます。 最後に、二ページは年特の業務勘定で、一事務費がおもなものでございます。特に御説明するほどのものはございませんが、歳出のところで、摘要欄に事務費、交付金を国庫の事務費と同じようにこれも非常に少ないというところから増額をいたしております。拠出年金市町村交付金につきましては、被保険者一人当たり百三十円を百六十五円、それから、福祉年金につきましてもそれぞれ増額をいたしておるわけでございます。 以上、はなはだ簡単でございましたが、一般会計、特別会計について御説明を申し上げました。
○委員長(藤田藤太郎君) ちょっと——国民年金勘定の運用収入ですが、これは……。
○政府委員(戸澤政方君) これは積み立て金の利子でございます。各種のほかの厚生年金なんかにもございます。
○委員長(藤田藤太郎君) ほかにございませんか。御質疑、御意見ありませんか。——いずれ本件に関する質疑は後日に譲りますけれども、いま特にお気づきの点があったら御質問しておいて、あらためて御質疑を行ないたと思いますが、どうでございましょうか。
○藤原道子君 ちょっとお伺いしたいのですが、ライ療養所の看護職員の切りかえですが、あれは五カ年計画だったのが去年で切れている。いまおっしゃったのは、特に老齢化等によって特に必要だから入れたというのですが、さらにあらためて何年計画ということになったのじゃないですか、来年度だけですか。
○政府委員(戸澤政方君) お話のとおりでございまして、第一次の切りかえの計画が三十五年度から九年度まで毎年五十人あたりずつふやしてまいりまして、計二百五十人ふえたわけですが、これではやはり済まない、やはり重症患者もふえているというような実態にかんがみまして、さらに第二次の五カ年計画というような構想でこちらは考えております。したがって、第二次計画を五十人ずつということにしないで、特に来年は七十五人にふやしているというわけでございます。再来年以降のことにつきましては、まだ何人ずつふやすというようなところまではきまっておりませんが、そういうふうに第二次の計画をもって増員していくつもりでございます。
○藤原道子君 当初から患者の要求と厚生省側の考えと非常に食い違っているわけです。このごろは軽症患者はどんどん回復して退院しているでしょう。残りは重症者ばかりなんですよ。だから療養所に行ってみると、見るにたえないような状態です。だから五十人ずつだ七十五人ずつだといわないで早くしてやらないと無理だと思います。昔はなおらないと思っていたけれども、いまは療養して回復して帰ることができるのですけれども、ということになると、不自由な人、病気の人が病人を世話する、雑役をするということは酷なことだと思います。そういう点から、やはりなるべく至急に充足してほしい、強く要望しておきます。 それから、もう一つお伺いしたいのは、いま厚生年金の積み立て金はどのくらいあるのでしょうか。
○政府委員(戸澤政方君) もう一兆をこす……。
○藤原道子君 もうじゃなくて、おおよそわかるでしょう。
○政府委員(戸澤政方君) 所管の局長からお答えいたします。
○政府委員(山本正淑君) 昨年の十二月末で一兆を二、三億円こしております。正確な数字をいま持っておりませんけれども、一兆を二、三億円こしているような数字になっております。
○藤原道子君 わかりました。 看護婦の充足でこのごろずっと病院歩くのだけれども、ひどいですね。一昨日愛媛のほうへ行ったのですが、やはり一カ月に十八日ぐらい夜勤している。どんどんやめていくというのですね。充足いたしますと言いながら、これだけで充足できるのですか。二千四百人ぐらいに奨学金やって、もう言いわけに、何とかします、努力しますじゃ、もうやりきれない状態にきていると私どもは思うのですけれども……。
○委員長(藤田藤太郎君) 本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十九分散会 —————・—————