社会労働委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/07/10
会議録
○委員長(小柳勇君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動についてお知らせいたします。去る六月二日、杉山善太郎君が委員を辞任され、その補欠として佐野芳雄君が選任されました。また、七月九日、佐野芳雄君が委員を辞任され、その補欠として杉山善太郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(小柳勇君) この際、厚生大臣、厚生政務次官及び労働政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木厚生大臣。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、さきの内閣改造に際しまして、はからずも厚生大臣の重責をになうことになりました。近来の国民生活の向上、多様化は、厚生行政にも大きな影響を与えております。したがって、新しい角度から行政の検討を要請しておるのでありまして、この結果、厚生行政にもさまざまな問題が生じているのであります。御承知のように、厚生行政は、国民一人一人の毎日の生活に深く密着しており、そのいかんは国民福祉の向上に大きな影響を与えるものでありまして、厚生行政の当面する諸問題の解決については、非常な決意をもって当たる必要があると考えております。経済水準が西欧諸国の域に達しようとしている現在、国民の福祉も、またこれに劣らず、力強く前進する必要があるのであります。この意味で、現在、厚生行政がかかえておりまするもろもろの問題は早急に解決しなければなりません。あらためて責務の重大さを痛感するとともに、今後広い視野に立って、新しい角度から厚生行政の推進につとめたいと存じます。 まず、医療保険につきましては、将来の医療保険制度の発展の方向もあわせて考えながら、当面の保険財政の危機の解消をはかりたいと存じます。このため、まず、中央社会保険医療協議会をすみやかに開催するよう努力いたしますとともに、現在、社会保障制度審議会及び社会保険審議会に諮問中の医療保険三法について両審議会の御答申を待って成案を得、できるだけ早期にその実現につとめたいと存じます。国民健康保険の財政につきましても、その急激な悪化に対処するため、昭和三十九年度の国庫負担金等の不足分について、できるだけ早期に措置いたしたい所存であります。 第二に、年金制度の充実につきましては、さきの国会で成立いたしました厚生年金保険法の改正に引き続きまして、国民年金の分野におきましてもその充実強化をはかりたいと存じます。すなわち、来年度は国民年金の第一回目の財政再計算時期に当たりますので、主として拠出年金を中心に、給付水準の向上、支給要件の緩和等をはかる所存であります。 次に、社会福祉及び児童福祉の問題といたしまして、とかく経済の成長に取り残されがちな身体障害者、老人、低所得者、要保護児童などに対しましてあたたかい配慮の手が伸びるよう、特段の努力をいたしたいと存じます。とりわけ、昨今大きな社会問題とさえなっております重症心身障害児対策につきましては真剣に取り組みたいと考えております。このため、収容保護を必要とする児童のために収容施設の増設をはかりますほか、在宅児の指導態勢を一そう強化する所存であります。 第四に、生活環境の改善につきましては、新たに設けられた公害審議会における審議や、公害防止事業団の業務等を中心に、公害を初めとする環境衛生上の諸問題の解決をはかり、また、これまで中小企業対策の中でも、とりわけ立ちおくれている環境衛生関係営業対策の充実強化につとめたいと存じます。 厚生行政につきましては、以上の問題のほか、国民生活の安定と向上をはかるために当面解決を迫られている問題が少なくありません。私は、今後とも、誠意をもってこれらの問題の解決に努力する所存でありますが、ここにあらためて委員各位の一そうの御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○委員長(小柳勇君) 佐々木厚生政務次官。
○説明員(佐々木義武君) 私、先般、厚生政務次官に任命されました佐々木義武でございます。厚生行政に携わるのは全く初めてでございまして、かつ、また、はなはだ生来不敏な者でございますので、今後何とぞ皆さまの御指導、御協力のほどをお願い申し上げまして、簡単でございますが、ごあいさつといたします。(拍手)
○委員長(小柳勇君) 天野労働政務次官。
○説明員(天野光晴君) 今般、労働政務次官を拝命いたしました天野でございます。私も労働行政につきましては初めてでございまして、皆さま方の格別な御協力を願わなければなかなか容易でないと思いますので、一生懸命勉強もいたしますが、委員の皆さま方の格別な御配慮を心からお願い申し上げましてごあいさつにかえる次第でございます。(拍手)
○藤田藤太郎君 ぼくは、きょう大臣が初めてお見えになったのですから、あまり理屈は申し上げたくないのでありますが、私は、大臣は初めて来られて、鋭意勉強中だと思いますし、大臣自身にあまり言いたくありません。今後ともに、この社会労働委員会は、社会保障の問題をどう高め、そして充実していくかということがこの社会労働委員会の重要な任務だと、私はそう思うわけであります。残念ながら、大臣のごあいさつをいまお聞きしまして、具体的な厚生行政のお話がありましたけれども、日本の社会保障をどう高めていくか、どう取り組んでいくかというごあいさつがなかったように、私の聞き間違いか知りませんけれども、なかったように思うのです。そういう意味で、これは厚生大臣を取り巻く方々のミスと言うたらいいのか、足らざるところがあったというのか、どうも大臣のごあいさつを聞きながらそういうことを率直に感じましたから、一言申し上げておきたい、こう思います。
○委員長(小柳勇君) お忙しいところ、ありがとうございました。 —————————————
○委員長(小柳勇君) 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 先般、当委員会が行ないました山野鉱業所の爆発事故の実情調査のための委員派遣につきまして、私から報告いたします。なお、報告の内容は要点のみにとどめ、詳細につきましては本委員会議録の末尾に掲載させていただきます。 それでは報告いたします。 災害の調査は、六月二日、三日の二日間にわたって調査したのでありますが、現地で福岡通産局、福岡鉱山保安監督局、福岡労働基準局から詳細調査いたしております。それから、当時の状況は、入坑中の者が五百五十二名、うち、死亡者が二百三十七名、そのうちに組夫が百十四名、それから、重軽傷者が三十八名、こういうことでありまして、重軽傷者に対しましては山野の炭鉱病院でお見舞いを申し上げておりましたが、その後二名と思いますが、九州大学に送りまして、一酸化炭素に対する特別の治療をしたという調査をいたしておりますが、その後の情勢につきましては、正式に政府から報告を受けていません。私が調査をいたしたもの、当時はそういう情勢でございました。 新聞でも御承知のように、一番問題点は、山野の山に組夫が多かったという点でありまして、採算を重視するために、本雇いよりも組夫を重視して、保安にも手を抜いておった、こういう点が問題であろうかと思います。なお、十八歳以下の組夫も入っておったのでありまして、これは労働基準法にも違反するし、先般、労働省から勧告も出たようでありますから、詳細については、あとの委員会などで問題にしていきたいと思います。 最後に、遺家族の就職などについて関係各機関が協力して万全の措置をとるように希望するところでありますが、詳細につきましては、この臨時国会が開会されたあとの委員会で当局の報告を求めて、その上で質問していきたいと思いまして、きょうは質疑を省略したいと思います。いかがでございましょうか。
○鈴木強君 ちょっと委員長、委員長のお進めのとおりでけっこうでございますが、現地視察をしていただいて適切な御指導をいただいたと思いますが、特に遺族補償、なくなられた方々のそれについては万全な措置をしていただくようにお願いをしてあるわけですが、それらについて、もし私は時間がそうかかるようでしたらどうかと思いますが、基本的な問題についてやられていることについて、簡単に要旨だけでも御報告いただけませんでしょうか。救済措置だけでいいです。
○説明員(村上茂利君) 先生御指摘の遺族補償の問題につきましては、御承知の補償費の支払いの問題と、それから、残された遺族の方々の生活確保という観点から、他への就職あっせん、あるいは会社内部における適当な職場へのあっせん等、いろいろあるわけでございます。現在まで会社側等とも十分連絡をとりまして、遺族の方々個別に御希望を徴しまして今後の就職問題等について御相談申し上げておるわけでございます。現在まで二十数名の遺家族の方々が他に職を求められまして就職されたという報告を受けておりますが、ただ、何ぶんにも住宅事情その他の問題がございますし、それぞれの遺家族における家庭的な事情もございまして困難な面もございますが、なお今後も引き続きまして遺家族のいわゆる生活援護も含めた広範な見地から万全を期したいというふうに考えている次第でございます。
○鈴木強君 組夫十八歳以下のまだ未成年の方々がおったのですが、これ等の労災はどうなんでございますか。何か特に問題があって補償ができなかった、そういうことはないのですか。
○説明員(村上茂利君) 十八歳未満の年少者が使用されておりましたことは、私どもはなはだ遺憾に存じておる次第でございます。これも遺族補償費を支払うために戸籍謄本等を取り寄せた結果、年齢に偽りがある、かつ、また、名前までも実は戸籍とは違うという事実は、実は遺族補償費の支払いの段階において発見したような次第でございます。で、これは本人だけの問題でなくて、使用者も年少者を使用する場合に年齢を確認するといったような義務がございますので、関係者は送検手続をとって送検をいたしまして、法に従った措置をお願いいたしておるような次第であります。遺族補償費のほうは支払い済みでございます。
○委員長(小柳勇君) 藤田君から質問があるようでありますから、質問を許します。
○藤田藤太郎君 私は、この際、森鉱山保安局長にちょっとお尋ねをしておきたい。これで三池から始まっている大事故が四回目でございます。保安局長はもうおいでになったあとだったと思いますけれども、かねがね私たちが申し上げていることは、その責任の所在を明らかにしてもらいたいということでございます。起きた事故は帰らないわけであります。水没にしたってガス爆発にしたって、その災害責任がどこにあるか、だれにあるか、それから、その災害の根本原因はどうなって、あと処置はどうしたかということがいつまでたってもいままで明らかにならなかった、それがこの事故をいつまでも繰り返していることだと私は思うのです。済んでしまったらおしまいだというけれども 二百三十何名の人が一瞬にして命を断たれるということはたいへんな問題だと私は思う。だから、この間三井鉱山の処理の問題が少し新聞に出たように記憶するのですが、あの件の詳細を出していただきたい。それから、それまでの豊州の問題にしても、水没事故について明らかにならないものですから、この問題をできるだけ早く責任の所在を明らかにすることが事故を防止する一番大きな私は対策だと、そう思うわけでありますから、これはぜひこの問題を明らかにしていただきたい。きょうはやめます。やめますから、次の委員会——国会が始まったときにそれを明らかにして、資料を全部出していただきたい。そういうことが鉱山保安局長に対するお願いでございます。 それから、労働省には、いま鈴木さんからお話がありましたように、具体的な遺族の補償その他の処置の数字を明らかにひとつ出してもらいたい。単に山野ばかりじゃありません、いままでのもあるわけです、私は。だから事故の原因なんというものは、そんなに長くかからなくとも、一審でいかなければ控訴の処置もあるのだから、二審、三審という裁判制度があるのですから、できるだけ最短距離で、処置はこうだと、異議があったらまた申し立てをして、そこにどういうところに異議があったかということが社会にあらわれていいことだと思うのです。それをぐずぐず一年も二年もほうっておいて、国民が忘れたじぶんにこそっと出て客観的な情勢を国民がもう忘れてしまったじぶんにぽっと出てしまえば関心が薄れてしまう。私はこういう処置のしかたはいかぬと思うのです。だから、原因なんというものは、追及すれば日にちがたつほどぼやけてくるのが災害の問題ですから、できるだけ早く世間に発表をして、異議があったら異議のあるところから申し出てもらったらいい、そして裁判でも何でもやって、それが国民の前に公開されることはいいと思う。そのことをやらないで、いつまでも二年も三年もずるずるやっていることが次から次に事故を繰り返している問題だと思う。それなら対策が立つと思うから、だから、ぜひそれを今度はやってもらいたい。 それから、統計もいままでの経過を出してもらいたいし、労働省は、災害のあと、遺族の補償や、その他災害補償の問題、今度は年金化したわけでありますから、その中で一酸化炭素という被害者の摘出をしなければならぬのか、しなくてもいいのか。私は、一酸化炭素中毒の摘出をして、特別の保護をしなきゃいかぬ、こう主張しているわけですが、これはやはり委員会全体の中で客観的に摘出しなくてもいいのかどうかということの審議もしなきゃなりませんから、具体的な資料を、ひとつ今度の国会が始まったら委員会を始めますから、そのときまでに出していただきたい、これをお願いしておきます。
○委員長(小柳勇君) 保安局長に私から二点正式にお願いいたしておきますが、私が調査いたしましたあとに、一つは、保安の問題で特に百数十億の金を出して、政府が責任を持って機械保安設備などを措置するということを新聞で報じておりましたから、具体的にはどういうことをやられるかということが一つ。それから、いま一つは、さっき私が申し上げました、労働省が組夫の使用などについて勧告をやった、労働省のその勧告に対する通産省がとりました措置、その二つの点をこの次の委員会に報告してもらって、そういうことを中心に質疑をしていきたいと思いますが、きょうは調査報告については質疑を省略していきたいと思います。お願いしておきます。 他に御質疑はございませんか。——御発言もないようでございますので、派遣委員の報告はこれで終了いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三分散会 —————・—————