決算委員会 第7号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/03/18
会議録
○委員長(柴谷要君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 これより昭和三十八年度決算外三件についてその概要説明を求めます。 まず、昭和三十八年度決算及び三十八年度日本専売公社の決算につき説明を求めます。田中大蔵大臣。
○国務大臣(田中角榮君) 昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書及び同政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに本国会に提出し、また、昭和三十八年度末における国の債権の現在額について本国会に報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。 昭和三十八年度予算は、昭和三十八年三月三十日に成立いたしました本予算と、昭和三十八年十二月十八日及び昭和三十九年二月十四日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。 昭和三十八年度本予算は、通貨価値の安定と国際収支の均衡に留意しつつ、経済の正常な発展に資することを目途とし、健全均衡財政の方針を堅持して編成いたしました。一方、財政投融資においては、政府資金・民間資金を通ずる積極的な活用について配意することとしたものであります。その内容といたしましては、将来にわたる国力発展の基盤を充実するため、輸出力の増大を第一義とし、社会資本の整備、文教、社会保障の充実につとめる等、引き続き重要施策を着実に推進することに重点を置き、経費及び資金を効率的に配分、運用することをもって基本といたしました。 この基本方針に基づき、一般会計予算は、租税負担の軽減をはかるとともに、社会資本充実のための公共投資の拡大、文教及び科学技術の振興、社会保障関係施策の拡充、輸出の振興、農林漁業、中小企業対策の推進、地方財政の充実等の重要施策を推進することとして、編成されたものであります。 なお、本予算成立後、政府職員の給与改善に必要な経費、食糧管理特別会計へ繰り入れに必要な経費、災害復旧に必要な経費及び地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費等について、予算補正を行なったのであります。 昭和三十八年度におけるわが国の経済を振り返ってみますと、昭和三十七年十月の引き締め解除後、昭和三十八年度に入って予想を上回るテンポで拡大を続けたのでありますが、その結果再び国際収支の不均衡がもたらされ、公定歩合引き上げ等の措置がとられたのであります。国際収支不均衡の原因は、輸入の急増であり、輸入急増の最大の原因は、生産の上昇であったと考えられます。 一方、卸売り物価はおおむね安定的に推移し、また、消費者物価はほぼ前年並みの上昇を見せましたが、年度後半にはかなり沈静化いたしました。 以上のような経済の推移の結果、昭和三十八年度の国民総生産は二十二兆四千五百三十八億円に達し、前年度に対し一六・三%、実質一二・一%の拡大となりました。また鉱工業生産においても同じく一五・三%の増加を示す一方、経常収支は、八億二千二百万ドルの赤字、資本収支を含めた総合収支でも四千七百万ドルの赤字となって、昭和三十八年度末外貨準備高は、十九億九千六百万ドルとなったのであります。 以下、決算の内容を数字をあげて、御説明申し上げます。 まず、一般会計におきまして歳入の決算額は三兆二千三百十二億円余、歳出の決算額は三兆四百四十二億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと千八百六十九億円余の剰余を生ずる計算であります。 この剰余金千八百六十九億円余のうち九億余円は、国立学校特別会計法附則第三項の規定によりまして、国立学校特別会計の昭和三十九年度の歳入に繰り入れ残額千八百五十九億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち、昭和三十九年度の歳入に繰り入れ済みであります。 なお、右の剰余金千八百六十九億円余から昭和三十九年度に繰り越しました歳出の財源に充てなければならない金額四百十二億円余及び前年度までの剰余金の使用残額七百六十億円余を差し引きますと六百九十六億円余が、昭和三十八年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。しかして、昭和三十八年度に新たに生じた純剰余金六百九十六億円余から地方交付税及び道路整備事業費の財源に充てられることとなる額四十六億円余を控除した残額六百五十億円余につきましては、現行財政法第六条第一項の規定によれば、さきに提出いたしました決算説明において、御説明申し上げているとおり、その二分の一を下らない額に相当する金額を公債または借入金の償還財源に充てなければならないこととなるわけでありますが、この点につきましては、今回別途、本国会に財政法の一部を改正する法律案を提出しておりますので、幸い、御審議の上原案どおり国会の議決を得られれば、その五分の一を下らない額に相当する金額を償還財源に充てなければならないこととなるので念のため申し添えます。 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては予算額三兆五百六十八億円余に比べて千七百四十四億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和三十六年度剰余金の受け入れが、予算額に比べて千二百八十三億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと、昭和三十八年度歳入の増加額は四百六十億円余となるのであります。そのおもな内訳は租税及び印紙収入における増加額百八十一億円余、専売納付金における増加額八十三億円余、官業益金及び官業収入における増加額六億円余、政府資金整理収入における増加額五十九億円余、雑収入における増加額百二十九億円余になっております。 一方、歳出につきましては、予算額三兆五百六十八億円余に昭和三十七年度からの繰り越し額五百二十二億円余を加えました予算現額三兆千九十一億円余から支出済み額三兆四百四十二億円余を差し引きますと、その差額は六百四十八億円余でありまして、そのうち、翌年度に繰り越しました額は、前述のとおり四百十二億円余、不用額は二百三十六億円余となっております。 次に、翌年度への繰り越し額の内訳を申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ国会の議決を経、これに基づいて翌年度へ繰り越しましたものは三百八十八億円余、財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しましたものは十六億円余、財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割り額を繰り越しましたものは七億円余であります。 なお、これらの繰り越し額のうち九億円余は、国立学校特別会計法附則第二項の規定により国立学校特別会計に繰り越したものであります。 次に、不用額のおもなものは、食糧庁の農産物等価格安定費につきまして、飼料用輸入小麦の買い入れ価格の低下、輸入ふすまの売却数量の減少、農産物、輸入飼料、砂糖についての経費の減少等により農産物等価格安定勘定の損失が少なかったので、食糧管理特別会計へ繰り入れを要することが少なかったため不用となったもの二十七億円余、大蔵本省の政府出資金につきまして、国民金融公庫法の一部を改正する法律案が成立しなかったので、国民金融公庫出資金を要しなかったため不用となったもの二十億円、文部本省の学校給食費につきまして、義務教育諸学校でミルク給食の開始がおくれたので、義務教育諸学校給食用脱脂粉乳購入費補助金を要することが少なかったこと等のため不用となったもの十六億円余、大蔵本省の国債費につきまして、大蔵省証券を発行しなかったこと、国債利子の支払いが予定より少なかったこと等のため、国債整理基金特別会計へ繰り入れを要することが少なかったため不用となったもの十五億円余、防衛本庁の防衛本庁につきまして、職員の充員が計画を下回ったので、職員俸給を要することが少なかったこと及び契約価格が予定価格を下回ったので、油購入費を要することが少なかったこと等のため不用となったもの十二億円余であります。 次に、予備費でありますが、昭和三十八年度一般会計における予備費の予算額は二百億円であります。その使用総額は百九十八億円余でありまして、そのうち、昭和三十八年十二月までの使用額百五十九億円余につきましては、すでに第四十六回国会におきまして、御承諾をいただいております。 また、昭和三十九年一月から三月までの使用額三十八億円余は、本国会に別途提出いたしております予備費使用承諾案について御審議をいただきます際、御説明申し上げることといたしております。 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。 財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は五百八十六億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は五百五十九億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額千百四十六億円余を加え、昭和三十八年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額七百十一億円余を差し引きました金額九百九十三億円余が翌年度以降に繰り越されたことになります。 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、本年度実際に負担いたしました債務額はございません。 次に、昭和三十八年度特別会計の決算でありますが、これにつきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと思います。 なお、同年度における特別会計の数は、四十一でありまして、これら特別会計の歳入決算総額は五兆三千八百三十三億円余、歳出決算総額は四兆七千八百五十八億円余であります。 次に、昭和三十八年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、資金への収納済み額は二兆五千六百十九億円余でありまして、この資金から支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は二兆五千五百四十七億円余でありますので、七十一億円余が昭和三十八年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかわる還付金のうち支払い決定済みであって支払い命令未済のものであります。 次に、昭和三十八年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。 また、その他の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。 次に、国の債権の現在額でありますが、昭和三十八年度末における国の債権の総額は、四兆八百二十九億円余でありまして、その内訳の詳細につきましては、昭和三十八年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。 以上、昭和三十八年度一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算等につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。 なお、昭和三十八年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては、六百十六件にのぼる御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これにつきましては、今後一そう経理の改善に努力を傾注いたしたい所存であります。 何とぞ御審議のほどお願いいたします。 ————————————— 次に、日本専売公社の昭和三十八年度決算についてその概要を御説明申し上げます。 まず、昭和三十八年度の事業概況を御説明申し上げます。 第一に、たばこ事業におきましては、葉たばこの購入は、数量で十七万九千トン余、金額で七百五十八億円余であり、予定に比べ数量で一万一千トン余、金額で六十五億円減少しております。 たばこの製造及び輸入数量は千五百四十四億本余で、予定に比べ十二億本余減少しております。その販売数量は千五百四十七億本余、金額三千八百六十三億円余で、予定に比べ数量では四億九千万本余減少しましたが、金額では六十五億円余増加しております。 第二に、塩事業におきましては、塩の購入数量は国内塩七十四万トン余、輸入塩三百四万トン余、計三百七十八万トン余、金額にして百九十億円余であり、予定に比べ数量で二十七万トン余、金額で三十億円余減少しております。 塩の販売数量は四百三万トン余、金額にして二百七十七億円余であり、予定に比べ数量で二万七千トン余、金額で八千万円余減少しております。 次に、決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。 まず、収入支出予算について御説明申し上げます。 昭和三十八年度における収入済み額は、四千百七十七億円余、支出済み額は、二千六百九十四億円余であり、収入が支出を超過すること千四百八十三億円余であります。 また、昭和三十八年度の総収益四千百八十二億円余から、総損失二千四百四十四億円余を控除した純利益は、千七百三十七億円余でありまして、これから日本専売公社法第四十三条の十三第二項の規定により積み立てる固定資産及び無形資産の増加額八十五億円余を控除して算出した専売納付金は、千六百五十一億円余であり、これは、その予定額千五百七十一億円余と比べますと、八十億円余の増加となっております。 以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたします。 まず、収入の部におきましては、収入済み額は四千百七十七億円余であり、収入予算額四千百十三億円余に対して、六十四億円余の増加となっております。なお、この増加は、たばこ事業において、製造たばこ売り払い代が予定以上に達したこと等のため、六十五億円余増加した反面、塩事業におきまして、塩の売り払い代が予定に達しなかったこと等のため、一億円余の減少を見たことによるものであります。 一方、支出の部におきましては、支出予算現額は、二千八百七十三億円余、支出済み額は、二千六百九十四億円余であり、差し引き百七十九億円余の差額を生じました。この差額のうち、翌年度に繰り越した額は、百三十五億円余、不用となった額は、四十四億円余であります。 なお、昭和三十八年度において、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予備費を使用した額は、役職員給与支払いのため十億円、固定資産取得費支払いのため十億円、合計二十億円、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予算を流用した経費の額は、職員給与支払いのため二億円余、固定資産取得費支払いのため五億円余、合計七億円余であります。 また、昭和三十八年度において、予算総則第五条の規定により使用した額は、固定資産取得費支払いのため十五億円余日本専売公社法第四十三条の二十二第二項の規定により使用した額は、業績賞与支払いのため六億円余であります。 次に、債務に関する計算について御説明申し上げます。 日本専売公社法第三十五条第一項の規定に基づく昭和三十八年度の債務負担行為の限度額は、塩事業費において五十億円でありますが、実際に負担した債務額は、十九億円余であります。 次に、日本専売公社法第三十五条第二項の規定に基づく昭和三十八年度の債務負担行為の限度額は、一億円でありますが、実際に負担した債務額はありません。 また、日本専売公社法第四十三条の十四第二項の規定に基づく昭和三十八年度の短期借り入れ金の最高限度額は、千二百億円でありますが、実際に借り入れた額は、七百七十億円であり、これは昭和三十八年度内に償還し、翌年度に繰り越した債務額はありません。 なお、昭和三十八年度の日本専売公社の決算につきまして、会計検査院から、不当事項として指摘を受けたものはありません。 以上が昭和三十八年度の日本専売公社の決算の概要であります。 何とぞ、御審議のほど、お願い申し上げます。 —————————————
○委員長(柴谷要君) 次に、日本国有鉄道の昭和三十八年度決算につき、説明を求めます。松浦国務大臣。
○国務大臣(松浦周太郎君) 昭和三十八年度日本国有鉄道決算書を会計検査院の検査報告とともに、本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。 昭和三十八年度における日本国有鉄道の収入は、旅客収入において消費生活の向上と旺盛な旅行熱にささえられ、前年度に引き続き好調な歩みを続け、また、貨物収入においても年央以降の国際収支の不安による景気調整策の影響を反映してやや伸び悩みの傾向を見せたものの前年度を上回り、収入全体としては予算を上回り運輸成績は若干向上いたしました。他方、支出面におきまして、日本国有鉄道は極力支出の節約につとめ、経営の合理化をはかりましたが、輸送量の増加に伴う経費の増加のほか仲裁裁定による人件費の増加等により営業経費は前年度より増大いたしました。しかし、現行制度によりますと損益計算上は約五百七十四億円の純利益を生じ、前年度に引き続いて黒字決算となっております。 以下収入支出決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。 損益勘定におきましては、収入済み額は五千七百二十五億円余、支出済み額は五千六百五十一億円余でありまして、収入が支出を超過する額は約七十四億円であります。これに収入支出決算に含まれていない営業外の損益等の金額を加減いたしますと、昭和三十八年度純利益は前述のように約五百七十四億円となります。この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額五千六百五十三億円に対しまして約七十二億円の収入増加となっております。その内容は運輸収入におきまして四十七億円余、雑収入等におきまして二十五億円余の増収となっております。他方支出におきましては、予算現額約五千七百七十八億円から支出済額を差し引きますとその差額は百二十七億円余でありまして、そのうち翌年度への繰り越し額は百十七億円余で、残りの約十億円は不用額となっております。 次に、資本勘定におきましては、収入済み額は三千三百五億円余、支出済み額は三千二百八十五億円余であります。この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額三千百六十六億円余に対しまして約百三十九億円の収入増加となっております。このうち百三十億円余は資産充当による収入の増加によるもので、そのほか減価償却引き当て金の増二十三億円余、鉄道債券の発行と借り入れ金による収入の増加約二十八億円があったのに対し、損益勘定からの受け入れの減少による収入の減が四十二億円余あったことによるものであります。他方、支出におきましては、予算現額三千二百九十五億円余から支出済額を差し引きますと、その差額は約十億円でありまして、そのうち翌年度への繰越額は四億円余で、残りの約六億円は不用額となっております。 最後に、工事勘定におきましては、収入済み額は二千九百七十三億円余、支出済み額は二千九百十四億円余であります。この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、資本勘定からの受け入れが多かったため、予算額二千八百六十三億円余に対しまして、百十億円余の収入増加となっております。他方、支出におきましては、予算現額三千百十九億円余に対しまして二百五億円余の差額を生じておりますが、そのうち百八十八億円余は翌年度への繰り越し額であり、残りの約十七億円は不用額となっております。 この工事勘定の決算の内容に関連して主要施策の実績について申し上げますと、昭和三十九年の開業を目途とする東海道幹線増設工事をはじめといたしまして、主要幹線の複線化、輸送方式の近代化、車両増備等の国鉄五カ年計画の諸工事を実施いたしました結果、第三年目に当たる昭和三十八年度の事項別決算額は、新線建設約七十四億円、東海道幹線増設約一千四百四十八億円、通勤輸送約百十億円、幹線輸送約五百一億円、電化・電車化約百四十三億円、ディーゼル化約八十二億円、取りかえその他約四百五十五億円、総係費約百一億円、合計約二千九百十四億円となっております。このうち新線建設につきましては、昭和三十九年三月二十三日に設立された日本鉄道建設公団が日本国有鉄道から新線建設事業を引き継ぐことになりましたので、同日現在における支出未済額八億円余を現金出資するとともに、建設仮勘定等の固定資産と作業資産約百七十二億円を現物出資いたしました。また、昭和三十六年度からの国鉄五カ年計画の一環として施行いたしております東海道幹線増設工事につきましては、昭和三十八年度に至りまして八百七十四億円の増額が必要となりましたので、工事に支障を来たさないよう昭和三十八年度の補正予算におきまして四百四十三億円の補正措置をいたしました。これによりまして東海道新幹線は昭和三十九年十月に予定どおり完成し、営業を開始いたしました。 最後に、昭和三十八年度の予算の執行につきまして、会計検査院から九件の不当事項と改善事項一件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。 以上昭和三十八年度の日本国有鉄道の決算につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(柴谷要君) 次に、日本電信電話公社の昭和三十八年度決算につき説明を求めます。徳安郵政大臣。
○国務大臣(徳安實藏君) 昭和三十八年度日本電信電話公社の決算書類を会計検査院の検査報告とともに本国会に提出いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。 昭和三十八年度における日本電信電話公社の事業収入は予算を下回りましたが、電話の増設につきましてはほぼ予定数を、また市外回線の増設につきましては予定を上回る工程を実施し、事業サービスは向上いたしました。他方支出面におきましては、事業規模の増大に伴う経費の増加のほか、主として人件費の増加により事業支出の対前年度増加率は事業収入の対前年度増加率を上回りましたが、損益計算上は五百八十億円余の利益金を計上することができ、前年度に引き続き黒字決算となっております。 以下決算の内容を勘定別に概略御説明申し上げます。 損益勘定におきましては、収入済み額は三千六百三十五億円余、支出済み額は三千六百二十五億円余でありまして、収入が支出を超過すること十億円余となっております。この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額三千六百五十九億円余に対しまして二十四億円余下回ったものとなっておりますが、その内容は、電信収入及び電話収入で三十二億円余の減収、その他の収入で八億円余の増収となっております。他方支出におきましては、支出済み額は予算現額三千六百六十一億円余に対しまして三十六億円余下回ったものとなっておりますが、その内容は翌年度へ繰り越し額約五億円と、三十一億円余の不用額とであります。 資本勘定におきましては、収入済み額は二千七百九十三億円余、支出済み額は約二千七百七十三億円でありまして、収入が支出を超過すること二十億円余となっております。この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額二千七百五億円余に対しまして八十八億円余上回ったものとなっております。これは損益勘定より受け入れが予算額に対し五十一億円余の減となりましたが、電信電話債券で七十三億円余、減価償却引き当て金及び債券発行差損償却引き当て金で四十億円余、その他で約二十六億円がいずれも予算額より増加したことによるものであります。他方支出におきましては、支出済み額は予算現額二千七百七十四億円余に対しまして一億円余下回ったものとなっておりますが、これは翌年度へ繰り越し額七千万円と不用額五千万円余とであります。 建設勘定におきましては、収入済み額は二千五百八十七億円余、支出済み額は二千五百五十六億円余でありまして、収入が支出を上回ること三十一億円余となっております。この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、資本勘定より受け入れが予算額に比べ多かったため予算額二千五百十八億円余に対しまして六十九億円余の増となっております。他方支出におきましては、予算現額二千七百三十八億円余に対しまして百八十二億円余下回っておりますが、この差額は全額翌年度へ繰り越すこととしております。 なお、昭和三十八年度は日本電信電話公社の電信電話拡充第三次五カ年計画の初年度に当たっておりますが、実施いたしました建設工程のおもな内容について申し上げますと、一般加入電話増設七十万加入の予定に対し約六十九万六千加入、公衆電話増設二万八千個の予定に対し約二万七千個、また市外電話回線増設三百十五万三千キロの予定に対し約三百三十七万九千キロをそれぞれ実施いたしました。 最後に、昭和三十八年度の予算執行につきまして、会計検査院から五件の不当事項の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾なことでありまして、日本電信電話公社に対し、経理事務の適正化、経費の効率的使用につきまして今後一そうの努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。 以上、日本電信電話公社決算の概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問をいただきましてお答え申し上げたいと存じます。 —————————————
○委員長(柴谷要君) 次に、会計検査院より昭和三十八年度決算検査報告の概要について説明を求めます。小峰会計検査院長。
○会計検査院長(小峰保栄君) 昭和三十八年度決算検査報告に関する概要を御説明申し上げます。 昭和三十八年度歳入歳出決算は、三十九年十月二十四日内閣から送付を受け、その検査を了して、昭和三十八年度決算検査報告とともに三十九年十二月三日内閣に回付いたしました。 決算額について申し上げます。まず、国の会計についてであります。昭和三十八年度の一般会計決算額は、歳入が三兆二千三百十二億余円、歳出三兆四百四十二億余円、各特別会計の決算額合計は、歳入が五兆三千八百三十三億余円、歳出四兆七千八百五十八億余円でありまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入が八兆六千百四十五億余円、歳出七兆八千三百一億余円となりますが、各会計間の重複額及び前年度剰余金受け入れなどを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入が五兆二千五百九十二億円、歳出五兆五百四十六億円となり、前年度に比べますと、歳入において五千七百二十九億円、歳出において六千八百三十六億円の増加となっております。なお、国税収納金整理資金は収納済額二兆五千六百十九億余円、歳入組み入れ額二兆五千二十四億余円であります。 次に政府関係機関の会計について申し上げます。 政府関係機関の昭和三十八年度決算額の総計は収入二兆六千七百二十億余円、支出二兆四千七百二十一億余円でありまして、前年度に比べますと、収入において三千二十七億余円、支出において二千九百七十三億余円の増加となっております。 次に、未確認額および検査未完了額について申し上げます。 ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ確認するに至っていないものは総計三百三十八億六千四百万余円でありまして、そのおもなものは、総理府の航空機購入費の項で二百十九億九千六百万余円、防衛本庁の項で七十三億五千八百万余円などであります。 次に不当事項について申し上げます。 会計検査の結果、経理上不当と認めた事項として、検査報告に掲記しました件数は合計六百十六件にのぼっております。三十八年度の不当事項件数が、三十七年度の六百五十一件に比べて減少いたしましたのは、主として補助金において減少したためであります。いま、この六百十六件について、不当経理の態様別の金額を概計いたしますと、租税収入で徴収決定が漏れていたものが四億六千七百万円、工事費、物品購入代金の積算にあたり処置適切を欠いたため契約額が高価に過ぎたり、または物件売り渡し代金等が低額に過ぎたと認めたものが八千四百万円、右のほか、工事の施行、物件の購入などにあたり計画等が適切を欠いたため経費の使用が不経済となっていると認めたものが二千百万円、工事の施行または物品の購入などにあたり検収処置が適切でなかったなどのため支払いが過大となっているものが八千三百万円、保険金の支払いが適切を欠いたり、保険料等の徴収額が不足したりなどしているものが二億千万円、補助金で交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものが二億六千三百万円、災害復旧事業に対する早期検査の結果補助金の減額を要するものが十一億千百万円、職員の不正行為により国に損害を与えたものが四千三百万円、その他が三千七百万円、総額二十三億二千二百万円にのぼっておりまして、三十七年度の二十四億九千百万円に比べますと約一億六千九百万円の減少となっております。 検査の結果につきましては、租税、工事、物件、役務、保険、補助金、不正行為などの各項目に分けて検査報告に記述してありますが、これらのうち、会計経理を適正に執行するについて、特に留意を要するものとして、工事、物件、保険及び補助金に関してその概要を説明いたします。 まず、工事および物件について説明いたします。工事の施行並びに物件の調達、管理及び処分において不経済な結果となったと認められるなどの事例については、毎年指摘してきたところでありますが、三十八年度におきましても、なお、総理府、農林省、建設省、日本国有鉄道、日本電信電話公社などにおいて見受けられております。 工事の施行につきましては、工事の計画などが実情に沿わないため不経済となっているもの、工事費の積算が適切を欠いたためひいて契約額が高価となったと認められるもの、工事の出来形が設計と相違しているのにそのまま竣工検査を了しているものがあります。物件の調達、管理及び処分につきましては、契約にあたってその購入方法または仕様に十分な検討を加えなかったため不経済な結果を来たしているもの、評定価格の算定が適切でなかったため売り渡し価額が低廉となっていると認められるものなどがあり、また、国有財産の管理が当を得なかったため土地を無断で売却されたり、使用されたりしているもの、土地の貸し付け料が時価に比べて低廉となっているものなど適切を欠く事例が見受けられます。 次に、保険について説明いたします。国が、特別会計を設けて経営する各保険事業における保険事業の運営、保険金の支払いまたは保険料などの徴収につきましては、従来、厚生省、農林省、労働省の所管するものにつき、適正を欠いていると認められる事例を多数指摘して注意を促してきたところでありますが、三十八年度においても、依然として健康保険、厚生年金保険、船員保険、労働者災害補償保険または失業保険の保険料などの徴収不足を来たしているものや、健康保険、失業保険の保険金または漁船再保険の再保険金の給付が適切でないものや、農業共済再保険において農業共済組合の共済金の経理に適正を欠いたものが見受けられるのであります。 次に、補助金について説明いたします。補助金につきましては、その経理が当を得ないものを毎年多数指摘して注意を促してきたところでありますが、三十八年度においても、なお多数の不当な事例が見受けられるのであります。まず、農林、運輸、建設各省の公共事業関係のものにつきましては、補助の対象となる工事の監督及び検査が十分でなかったため、その施行が不良となり工事の効果を著しく減殺していたり、設計に対して工事の出来高が不足したりしているもの、または工事費の積算が過大となっているものなどが依然として多数にのぼっているのであります。 また、災害復旧事業の事業費査定の状況につきまして、工事の完成前に早期に検査を行ないましたところ、採択された工事のうちには、関係各省間で重複して査定しているもの、災害に便乗して改良工事を施行しようとしているもの、現地の確認が十分でなかったため設計が過大となっているもの、計算を誤ったため工事費の積算が過大となっているものなどが多数見受けられましたので、これを指摘して工事費を減額させることといたしました。 次に、その他の補助金につきましても、厚生省の簡易水道事業関係、農林省の農業構造改善対策事業関係などにおきまして、精算額を過大に報告して補助金の交付を受けているもの、補助の対象として不適当なものに補助金を交付しているもの、補助の目的を達していないものなどの不当な事例が見受けられております。 最後に、是正改善の処置を要求しまたは改善の意見を表示した事項について説明いたします。 ただいままでに申し上げました不当事項のほか、三十八年十二月から三十九年十一月までの間に、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定に基づき主務大臣等の責任者に対して是正改善の処置を要求し、または法令、制度もしくは行政に関して改善の意見を表示したものは十四件であります。 これらの内訳は、国の機関につきましては、国家公務員宿舎新築工事の施行に関するもの、厚生保険、船員保険両特別会計における保健、福祉施設の管理運営に関するもの、農業委員会の特別事業に対する補助金等の経理に関するもの、二年度以上にわたり継続施行する国営土地改良工事に対する予算等の措置に関するもの、林産物検査の取り扱いに関するもの、中小企業近代化促進費補助金を財源とする設備近代化資金の運営に関するもの、履物にかかる普通輸出保険包括保険の運営に関するもの、機械類賦払い信用保険の運営に関するもの、道路改良工事における機械経費及び諸経費の積算に関するもの、並びにアスファルト舗装工事の設計及び施行に関するものの十件でありまして、政府関係機関その他の団体につきましては、日本国有鉄道の自営電力施設の管理に関するもの、日本道路公団の高速自動車国道のコンクリート工事に関するもの、首都高速道路公団の工事用材料の支給等に関するもの、及び帝都高速度交通営団の新線建設工事の予定価格の積算に関するものの四件であります。 以上をもって概要の説明を終わります。会計検査院といたしましては、適正な会計経理の執行について、機会あるごとに関係各省各庁などに対し是正改善の努力を求めてまいりましたが、なお、このように不当な事例が多数見受けられますので、関係各省各庁などにおいてもさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
○委員長(柴谷要君) 以上で昭和三十八年度決算に関する概要説明の聴取は終了いたしました。 —————————————
○委員長(柴谷要君) 次に、昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書、昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書を一括して議題とし、政府委員より説明を求めます。鍋島大蔵政務次官。
○政府委員(鍋島直紹君) ただいま議題となりました昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書の概要を御説明申し上げます。 昭和三十八年度中における物品の増加額は千四百十七億円余、物品の減少額は九百九十九億円余でありまして、差し引き四百十八億円余の増加となっております。 また、右のほか本年度における物品の価格改定による増加額は六億円余でありますので、これらを前年度末現在額二千八百八十二億円余に加算いたしますと昭和三十八年度末現在における物品の総額は三千三百六億円余となります。 この総額の内訳をおもな品目別に申し上げますと防衛用車両五百二十四億円余、試験及び測定機器四百九十一億円余、車両及び軌条三百六十五億円余、土木機器二百八十四億円余となっております。 次に、物品の増減の内容でありますが、昭和三十八年度中における増加額のおもなものは、車両及び軌条二百十七億円余、土木機器百八十五億円余、試験及び測定機器百五十八億円余であります。また、減少額のおもなものは土木機器二百十一億円余、車両及び軌条百六十八億円余であります。 以上が、昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書の概要であります。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。 次に、昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書について、その概要を御説明申し上げます。まず、昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。 昭和三十八年度中に増加しました国有財産は、行政財産二千九十億円余、普通財産千六百四十一億円余、総額三千七百三十二億円余であり、また同年度中に減少しました国有財産は行政財産六百二十七億円余、普通財産四百八十五億円余、総額千百十三億円余でありまして、差し引き総額において二千六百十九億円余の増加となっております。これを昭和三十七年度末現在額三兆四千百九十三億円余に加算いたしますと、三兆六千八百十二億円余となり、これが昭和三十八年度末現在における国有財産の総額であります。 この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産一兆八百七十八億円余、公共用財産二百三十四億円余、皇室用財産二百五十億円余、企業用財産八千九百三十二億円余、合計二兆二百九十五億円余となっており、普通財産においては一兆六千五百十六億円余となっております。なお、この普通財産のうち一兆三千四百七十九億円余は政府出資等となっております。 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地七千二百六十五億円余、立木竹六千百三十六億円余、建物四千三百九十八億円余、工作物二千八百八十五億円余、機械器具十五億円余、船舶千百五十億円余、航空機千四百七十二億円余、地上権等三億円余、特許権等四億円余、政府出資等一兆三千四百七十九億円余、合計三兆六千八百十二億円余となっております。 次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。 まず、昭和三十八年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおりその総額は三千七百三十二億円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって増加した財産は二千九百十八億円余でありまして、このうち購入、新営工事、政府出資等歳出を伴うものは二千七百三億円余、寄附、交換、現物出資等歳出を伴わないものは二百十四億円余となっております。 第二に、国の内部における異動によって増加した財産は八百十四億円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の増加は、五百七十九億円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の増加は二百三十四億円余となっております。 次に、減少額について申し上げますと、その総額は一千百十三億円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少した財産は三百七十八億円余でありまして、このうち売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは百八十七億円余、交換、譲与等歳入を伴わないものは百九十億円余となっております。 第二に、国の内部における異動によって減少した財産は七百三十四億円余でありまして、このうち各省各庁又は各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の減少は六百六十億円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の減少は七十三債円余となっております。以上が昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。 次に、昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について、申し述べます。昭和三十八年度中に増加しました無償貸付財産の総額は五十八億円余であり、また同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は四十一億円余でありまして、差し引き十六億円余の純増加となっております。これを昭和三十七年度末現在額二百二十八債円余に加算いたしますと二百四十五億円余と心り、これが昭和三十八年度末現在において無償時し付けをしている国有財産の総額であります。 この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは公園の用に供するもの五十四億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの三億円余等であります。 次に減少したものは公園の用に供するもの三十六億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの四億円余等であります。以上が昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(柴谷要君) 次に、会計検査院より説明を求めます。会計検査院長小峰保栄君。
○会計検査院長(小峰保栄君) 昭和三十八年度物品検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書は、三十九年十月二十四日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月三日内閣に回付いたしました。 右物品増減及び現在額総計算書における三十八年度中の物品の増減等を見ますと、三十七年度末現在額は二千八百八十二億三千五百万余円でありましたが、三十八年度中の増が千四百十七億三千九百万余日、同年度中の減が九百九十九億三千百万余円あり、また、同年度中の価格改訂による差し引き増が六億千百万余円ありましたので、差し引き三十八年度末現在額は三千三百六億五千四百万余円となり、前年度末に比べますと四百二十四億千九百万余円の増加となっております。 物品増減及び現在額総計算書に掲げられております物品の管理について、会計検査院法第三十六条の規定に基づき改善の意見を表示しましたものは厚生保険、船員保険両特別会計における保健、福祉施設の管理運営に関するものでありまして、これは昭和三十八年度決算検査報告に掲記しております。 次に、昭和三十八年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算書及び国有財産無償貸付状況総計算書は、三十九年十月二十八日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月三日内閣に回付いたしました。 三十七年度末の国有財産現在額は三兆四千百九十三億四百万余円でありましたが、三十八年度中の増が三千七百三十二億三千五百万余円、同年度中の減が千百十三億千七百万余円ありましたので、差し引き三十八年度末の現在額は三兆六千八十百二億二千百万余円となり、前年度末に比べますと二千六百十九億千七百万余円の増加となっております。 次に、国有財産の無償貸し付け状況について申し上げますと、三十七年度末には二百二十八億四千三百万余円でありましたが、三十八年度中の増が五十八億七千百万余円、同年度中の減が四十一億九千九百万余円ありましたので、差し引き十六億七千百万余円の増加を見まして、同年度末の無償貸し付け財産の総額は二百四十五億千四百万余円となっております。 国有財産の管理及び処分について不当と認めましたものは、国有財産の取得に関するもの三件、同じく維持及び運用に関するもの六件、同じく処分に関するもの三件、計十二件であります。また、国有財産の管理について、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定に基づき是正改善の処置を要求し、または改善の意見を表示したものは、国家公務員宿舎新築工事の施行に関するものの外一件でありまして、これらはいずれも昭和三十八年度決算検査報告に掲記しております。 以上で概要説明を終わります。
○委員長(柴谷要君) 以上で昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書外二件に関する説明聴取は終了いたしました。
○委員長(柴谷要君) ただいま小峰会計検査院長より発言を求められておりますので、これを許します。
○会計検査院長(小峰保栄君) 昭和三十八年度決算検査報告についてでございますが、この検査報告に掲記してあります不当事項のうち、六一四号として掲げてあります首都高速道路公団の白魚橋自動車駐車場工事に関する事案についてであります。最近に至りまして、公団当局から新たな事実の報告がございました。これに基づいて計算いたしますと、批難金額は約千五百九十万円と書いてありますが、これは千五百二十万円となるわけでございます。なお、この事態の詳細につきましては、当委員会におかれまして首都高速道路公団関係の御審議を行なわれます際に御説明申し上げることで御了承願いたいと存じます。
○委員長(柴谷要君) それではこれより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○相澤重明君 昭和三十八年度の決算をいま御報告をいただいたわけでありますが、きょうは内閣の最高の責任者も出席しておりませんし、また財務関係の田中大蔵大臣も御退席でありますので、ひとつ次の点を私は政務次官にお伺いいたします。 昭和三十六年、三十七年両年度とも当決算委員会において、不正不当事項が多い。したがって、関係各省に対して当委員会としては警告を内閣に発しておるわけです。その警告を発しておることについてどう処置をとったのか。これは内閣から次の機会に具体的に私は説明を願いたいと思う。 それからいま一つは、いま小峰会計検査院長が財務関係や職員の問題で十四件の事項の指摘をされておる。これら内閣に対するところの改善意見あるいはそうした指摘に対して具体的にどう処置をされたのか、これもやはり次の機会に御報告を私はいただきたい、こう思うのです。それを冒頭に、委員長からあとでその要請をしていただくことを条件に、私は本日は特に一つの問題点だけを御質問申し上げまして、次の機会に譲りたいと思うのでありますが、まず第一は、米軍並びに自衛隊基地等においてジェット機の騒音被害というものがきわめて大きいということは、これはもうすでに政府関係機関においても御承知のとおりであります。本日も私が指摘をしたいのは、たとえば電電公社のこの御説明をいただきまして、たいへん電電公社が努力しておることについては敬意存表しておきたいと思うのです。しかしそれだからといって、それでは全部がいいかというとそうではない。またもっと国民の要望する問題についても私はあると思うのです。それが防衛庁の項においてしかり、郵政省の項においてしかりだと私は思う。そこで一つの例として、米軍に提供しておる基地の対策、これはきわめて国民感情からいっても大きい問題であるし、当院においても何回か私をはじめ関係委員からも質問をし、衆議院の段階においても具体的な事例をあげて、政府に対する要請を行なってきたことは御承知のとおりであります。最近、佐藤内閣においてこれら基地の問題についてやはり検討しなければならないという方針を確認されたやに私ども聞いておるのでありますが、具体的にどういうふうなことをどうやろうとするのかまだ私ども聞いておりません。私は前回までに当委員会で申し上げたのは、基地周辺の民生安定に関する法律をつくるべきである、予算をつくるべきである、こういうことを従来主張してまいりましたが、どうも新聞等で伝わる話を聞くと、ケース・バイ・ケースの問題を、ことさらに政府が真剣に対処しておるかのような印象でこの基地問題を扱おうとしておるということがうかがえるのでありまして、私どもは、私がこの三十七年度の決算の最終締めくくりの際に佐藤総理大臣に行ないましたように、国家的な事業について、そのために公共的な立場をも含んで、もし国民に被害を与えておるならば、当然これは国家賠償の責めに応じなければならない、こういうことを指摘をいたしまして、佐藤総理大臣に国家賠償法の検討ができるかという点を指摘をいたしたのでありますが、もちろん現在のこの国家賠償法そのものを単に字句を直すというだけでなくて、もっと近代社会におけるところの広い意味の国家の責任、国民に対するところの責任を明らかにすべきである、こういう点を指摘をしておったのでありますが、当面といたしまして、基地周辺の民生安定に対して、政府はどのような施策を行なおうとするのか、四十年度予算を通じて国民にどういう補償を与えようとするのか、この点についてまず基本的な問題を先にお答えいただきたいと思う。これは、きょうは次官の諸君が出ておるわけでありますが、それぞれ大蔵省なり防衛庁なりから、あるいは郵政省から御説明をいただいておきたいと思います。
○政府委員(鍋島直紹君) 前段のところ私はちょっと席におりませんので失礼いたしましたが、いわゆる基地周辺における大蔵省としての予算に対するいろいろな設備の問題であろうと思います。御承知のとおり、四十年度予算におきましても、従来どおりその線を守って基地周辺の防音の問題、あるいはその他における土地取得の問題、売り払いの問題等が主としてございますが、あるいは特に基地周辺における騒音防止等の問題につきましては、私現在予算書を持ちませんので、数字的なものはつまびらかにするわけにはまいりませんけれども、そういう防衛庁から要求のあった点、特に周辺における家屋移転等の問題につきましては、重点を縫いて予算を計上して、御迷惑をかけないようにという点において編成をしたつもりでございます。非常に簡単でございますが、以上お答え申し上げます。
○政府委員(服部安司君) 私のほうは主として電話、ラジオ、テレビの関係でありまするが、当然この種の基地周辺の住民が受ける被害は、十分に考慮を払わねばならないということは言うをまちません。そこで郵政省といたしましては一応ラジオ、テレビの音は、私も専門家ではありませんが、七十から八十五ホン程度の強さで聴取ができぬようでありますが、一般の家屋の構造では、屋外と屋内で約十ホン程度の音の強さの差があるように考えられます。屋外の騒音が八十から九十ホン以上の地域が受信障害を受けていると考えることができますので、先般もこの地域につきましては郵政省、防衛施設庁、NHK及び神奈川県の合同調査団が実施した、たとえば厚木基地の騒音の実情調査によって、ほぼ滑走路を中心とした二キロメートルから一キロメートルの長方形の範囲内であることが明らかになったわけであります。こういった地域を免除区域に設定したような次第でありまするが、今後も御指摘の問題に対して十分に意を用いて、精密なその地域々々の実地調査を行なって、また地元住民とも十分打ち合わせを行ないまして、慎重に取り計らって、なるたけ遺憾のないような措置を講じたい、かように考えておる次第でございます。
○政府委員(小野裕君) 基地対策につきまして、当然政府としては十分な措置をとらなければならないのでありまするが、必ずしも地元の御期待に沿うようなところまでいってないことをまず残念に思います。このことにつきましては、いろいろな事情がございまして、私どもとしては最善を尽くして、お許しをいただくのみでありまするが、たとえば米軍並びに自衛隊の基地を通じましてその周辺対策ということで、従来から努力してまいりました歩みの中でひとつの数字を申し上げますならば、昨年度はいわゆる基地対策という形で約九十五億円の予算を計上したわけでございます。——昨年度というのは本年度であります。昭和三十九年度は九十五億円の実行でございましたが、昭和四十年度におきましては百二十五億、約三十億、三〇%に近い増でございまして、御承知のような総予算の伸びのうちで三〇%の増というところに、私どもの努力のあとをひとつおくみ取りいただきたいと思うのであります。 重点といたしましては先ほど御指摘がございましたように、飛行場周辺における騒音の問題、あるいは事故等に対する対策というような問題がございまして、まず第一にはただいま大蔵次官からもお話がございました学校、病院等の防音改築の補助、これは本年度は約四十億でございましたが、四十年度予算には五十五億をお願いしてございます。 それから特に飛行場の周辺に家屋が密集しておるようなところに対する特別の措置として、その家屋の移転あるいはあと地の買収というような移転関係の経費といたしまして、四十年度は約十億をお願いいたしております。大きな経費の要るものとしてはそういうもの、そのほか、あるいは民有地を広い面積借り上げをしておるのでありまするが、その借料の適正化と申しまするか、まだ十分とは申せませんけれども、年々相当の引き上げを続けておるわけでありまして、これにも十数億の予算を計上しておるわけであります。いろいろございますが、特に重点を置きました項目は、そういう点でございます。
○相澤重明君 防衛施設庁についてはいま概略の説明を受けましたが、当院も予算もいずれ通ると思いますから、具体的にどう使うかということについて後日資料を提出してもらいたい。それから特にその中で、いま騒音の問題と家屋移転等の問題がございましたが、これは大蔵省自体は確かに全般の予算という関連からいけば、防衛施設庁の予算請求に対してある程度のこれは多過ぎるとか、あるいはここまで組まねばいかんということがあるかもしれぬけれども、逆に地方自治体なりあるいは地域住民の立場からいけば、大蔵省は実情を把握しておらぬではないか、こういうことが言われるわけなんです。そこで先ほど冒頭に申し上げたように、内閣の中にこれら米軍に提供しておる基地、あるいは自衛隊の基地等の問題について根本的に対策を立てなければいかぬということで何らかの機関を設置する、単なる閣僚懇談会とかあるいは事務次官クラスでこの対策をつくるとかいうことじゃなくて、もっと根本的な姿勢というものがないのかどうか。こういう点を私は冒頭に聞いておるわけです。まあ、総理大臣なり大蔵大臣がいないからといっても、あなた方次官の諸君がそういうことはやはり聞いておるはずだと私は思う、そういうことを。まあ、きょうはしかしいますぐというわけにいかぬだろうから、あとでそういう点についてはどういうふうな対策を持っているのかということを、メンバーを並べてひとつ資料として提出をしてもらいたい。いいですね。 それからその次に、郵政政務次官がおりますが、郵政省の監督下にある日本放送協会、これは特に先ほども次官からお話がありました、騒音というものは一体どのくらいのものが騒音といわれるのだろう。あるいは人体から考えたならばこれがどうもよくない、こういうことが科学的にこれは基準というものがなくてはいかぬと私は思うのであります。ですから、わが国においてもいろいろ御研究をされておりますが、諸外国の例を見ても一体何ホンあれば人体によくない。あるいはたとえばテレビ、ラジオ、電話等の視聴率がよくない、こういうことばやはり私は科学的な基準というものを出すべきだと思うのです。こういう点についていままでの点、私は若干つかみといいますか、どんぶり勘定的なものが、従来の経過からいってこれはあったと思う。そこでそういう科学的な基準というものを出すためには、恒常的な調査というものが私は対策として樹立をされねばならぬ。そういう点についていままで政府関係機関なり、あるいは神奈川県なり地元の大和市なりが、厚木基地については調査も確かに行なわれ、あるいは東京都においても昭島や横田についても行なわれたわけでありますが、政府自身がそういう科学的な根拠に基づく騒音の基準というものをつくる考えがあるのかないのか。これはきわめてもう大事なことであります。したがって、この点について一日ただ測定器を持っていって、きょうは飛行機の数が多かったとか少なかったとか、こういうだけでは、私はそんなものは根拠にならぬと思うのです。ただ話としては、きのうやってみたところがきのうの様子はこうだった、最大限やったのはいままで三日間やった、三日間やったけれども、その結果はこうだった、しかしその結果はどうかというと、まあ私も現地に参加をしてみて、関係官庁の皆さん方が行ったときと、地元でまた別にやったときとは違うわけですね、データが。そういうことから言って、私は恒久的な対策というものを考える必要があるのじゃないか、科学的な基準を出す必要があるのじゃないか、こういうことを考えておるのでありますが、政府機関としてはどうなのか。その点をひとつこれは防衛施設庁が中心になると思うのですが、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(小野裕君) 騒音がいろいろなことにどういう影響を与えるかということにつきましては、それぞれ検討はいたしておるわけであります。まず第一には、教育上与える障害、どの程度高い音がどういうふうに出れば、教育はまるっきりできない、この程度まで敬遠できれば何とかやっていけるというような形の調査がございます。これは文部省のほうが中心でございますが、私ども御協力しまして、一応私どもが考えておりますことは、いままで一応の結論を出しましたところは、学校の教育、授業に関しては少なくとも音を七十ホン以下に落としたいということを一つの基準としていま考えております。まあそれ以上になりますと若干の支障があり、大きく上回るならば大きな支障がある、こういうふうに考えておるわけであります。 それから人体、衛生、健康という点についての影響でございますが、この点につきましては昭和三十六年度からでございますが、福岡の板付飛行場を中心といたしましていろいろ実態の調査並びに九州大学に対する調査委託を行ないまして、いろいろな面で、こまかく申しますならば一般の健康状態あるいは母乳の分泌、乳幼児の発育あるいは疲労度、あるいは難聴——耳が悪くなるというようなことに分けまして、継続研究をお願いしてまいっております。そういうようなことから、どの程度の音がどういう影響を与えるかということがいずれ結果が出てくるであろうと期待をしておるわけでございまして、なおラジオ、テレビその他につきましては、私どものほうから申し上げるのはいかがかと存じますので、その程度にさせていただきます。
○相澤重明君 そうすると、いま小野施設庁長官の答弁されたように、一応室内においても七十ホン以下に騒音の程度を弱めたい、こういうことは政府の一つの機関としての考え方が述べられたわけですね。そこで、いわゆる屋外においても、先ほどの次官の言われたような考えもあると思う。だからそれが科学的にどうであるかということについては、私は恒久対策をつくれ、そしてやはり国民に納得のいく基準というものを示すべきだ、これが私の質問をしておることなんです。これについては、ひとつの学校教育の場としての問題をいま小野長官が言われたわけです。私は全般的に、国民全般にわたってもそういう納得のいく線を出すべきじゃないか、こういうことで、これもあとでひとつ、きょうのところはむずかしいでしょうから、あとで御報告いただくとして、さらにしぼって、長い間要求をしておるテレビ、ラジオ等の聴取料の減免、これについては先ほどの御報告をいただきますというと、長さにおいて二キロ、幅において一キロ、いわゆるコース下における現在のNHKから聴取料を減免をしておる、こういう説明だったわけです。私はこのことについて、単にこれはNHKだけの問題でなくて、国全体の問題であろうと、こう思うのであります。しかし、せっかくNHKがいわゆる放送法がある限りにおいては、私はこの法律の趣旨を生かさなきゃいかぬ。そうしますというと、この放送法の第一条を見ると、私はこの点についてはやはり現在のところ欠けるところがあるのではないか。この第一条の目的を見れば、この法律によって「一放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」こうなっておる。「二放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。三放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」と、こういうものが放送法の第一条の目的にあるわけですね。ところがこの第一条の目的というものは、それでは行なわれておるのか、こういう点について、いまのたとえば屋内において七十ホン、あるいは屋外において七十五なり八十五ホンと仮定をした場合においても、すでに調査をされたその結果に基づけば百十ホンもあれば百三十ホンもある。こういう場合に、この放送法のこの国会で通した法律が守られておるかどうかという点については、私は疑問を持つわけです。しかもさらに放送法の第七条——第七条はやはり目的で、「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」日本全国において、あらゆる地域においてこの放送が受信できるようにするというのが、この第一条、第七条の放送法の目的なわけです。その放送法の目的が達成できないというのは、一体だれの責任なのか、こういうことになると、私はいまの小野施設庁長官の教育の場をひとつのお考えとして述べられたことと、いま郵政省のあなたがこれからやらなきゃいけないということは一体何だ、こういう点についてひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。
○政府委員(服部安司君) 御指摘の、放送法の第一条及び第七条、そのとおりでございます。われわれも、国民全体が受信できるような放送を行なわしめるような目的をもっていろいろと行政指導をやっております。ところが、この基地周辺となりますると、端的に申し上げてこの法律の趣旨には沿わないかもしれませんが、最大の努力を払っても料金の減免以外に郵政省としては打つ手がないわけなんです。ということは、放送の過程においての問題であれば、予算問題、また技術の問題で御指摘のとおり改善を加えることも可能でありまするけれども、何ぶん基地にからんだ問題でございまして、郵政省並びにその監督下にある放送協会の力ではいかんともいたし方がない、御指摘どおりに第一条、第七条の趣旨によってやらねばならないが、そういった事情のあることでひとつ御理解を賜りたい。なお技術的に可能な問題がもしあるとするならば、これはもう御指示どおりに誠心誠意やるように指導していきたいとともに検討を重ねたい。 なお前段のいま私のほうでは、騒音という問題でありまするが、科学的な調査は必要ではないかと、これは非常に広範囲にわたるわけで、内閣の問題になると思うのでありまするが、しかし郵政省といたしましては、ひとつNHK、すなわち日本放送協会に行政指導いたしまして、その立場においてでも、こういった問題を取り上げていくようにしたい、かように考えておる次第であります。
○相澤重明君 いま一点は、この放送法第三十二条の第一項、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会と放送受信についての契約をしなければならない。」いわゆるこれは強制契約でしょう。今日、民放の発達しておる社会の中で、何がゆえにNHKだけに強制契約のさせるか。このことは、やはり第一条、第七条の問題でしょうが。そうすれば、この法律からいけば、NHKにそれだけの最大の権限を持たす。そしてまたそれだけ全国民に不偏不党に恩恵を受けさせる、こういうことからいくならば、せっかく本人が聞こうと思って強制契約をしておったけれども、事実、それができないというならば、これは、すべて債務負担行為じゃないですか。明らかに、これは契約者の意思に反するものでしょう。しかもその契約なるものは強制契約、三十二条は。そこで、その三十二条の強制契約から考えていくと、私は、ここに民法五百三十六条という本のが出てくると思う。民法五百三十六条は、危険負担における債務者主義ということなんです。この民法五百三十六条は、一、「前二条ニ掲ケタル場合ヲ除ク外当事者双方ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リテ債務ヲ履行スルコト能ハサルニ至リタルトキハ債務者ハ反対給付ヲ受クル権利ヲ有セス」というふうに、結局はこの第一項、第二項の「債権者ノ責ニ帰スヘキ事由ニ因リテ履行ヲ為スコト能ハサルニ至リタルトキハ債務者ハ反対給付ヲ受クル権利ヲ失ハス但自己ノ債務ヲ免レタルニ因リテ利益ヲ得タルトキハ之ヲ債権者ニ償還スルコトヲ要ス」と、こういうふうに、民法五百三十六条は規定をしておるわけだ。したがって、明らかに、日本放送協会は、いわゆる国の持つ最も大事な放送網として、他の民放よりはばく大な権力を持っておる。他面、国民がテレビ等を見たいといえば強制加入を押しつけられておる。その強制加入された者が、今度は自分がせっかく見ようと思ったものが見ることができない。そこで、私は、民法五百三十六条というものが重要な問題になってくると思う。したがって、私は当然その民法の考えからいけば、国は、聴取者、視聴者の立場に立って補償すべきだ。これが私は今日のNHKが、たとえ長さが一キロ、幅が一キロでも、この減免をできる大きな理由だと思う。その点については、法律の解釈からいって、私は誤りはないと思う。誤りはないと思うが、これを、さらにそれだけでいいのかというと、私は放送法の第一条、第七条から考えてみて、この幅をきめたのは、少し狭きに失するのではないか、国民の期待にこたえておらぬのではないか、こう思うわけです。そこで、きょう結論を私は要求しようとも思いませんし、大事なことでありますから、十分御検討いただきたいのでありますが、少なくともこの法律に基づいていくならば、減免の区域というものを、私はもっと検討されて、そしてたとえば放送法なり民法上から考えて、幅を四キロにするとか、あるいは長さを七キロにするとか、いろいろあると思う。それがまた一律にいかないで、それじゃ、その免除するところは何キロなのか、それから軽減するところは何キロにするとか、こういうようなことも、私は具体的にこの法律の趣旨に基づいて検討すべきじゃないか、こういう点をお尋ねをしたかったわけです。そこで、政府がそういう基地周辺の民生安定という問題について取り組みを始めたのでありますから、きょうは私の御質問を申し上げて、ひとつ後刻検討をされたことを御回答をいただきたい、こう思うのであります。 いま一つの点は、たとえば電電公社の問題でありますが、先ほども冒頭に申し上げましたように、電電公社は非常によく仕事をやっておるわけです。しかもこの債務を見ると、昭和三十八年度の電電公社の拡充第三次五カ年計画の初年度に当たっておりますが、一般加入電話増設が、七十万の予定に対して六十九万六千、公衆電話増設が二万八千に対して約二万七千、市外電話回線の増設は、実に三百十五万三千キロの予定に対して三百三十七万九千キロと非常に努力されたあとが見られるわけです。この点私はたいへんけっこうだと思う。ところが、先日私ども運輸委員会で河野謙三参議院議員からこのような話があった。それは国鉄が、先ほども運輸大臣が、国鉄の決算報告をされたけれども、昨年の十月一日から東海道新幹線を開業された。ところが東海道新幹線が通ったために、その附近の電話加入の申し込み者が増設費をよけいに取られる、つまり騒音による問題を、電電公社としてはどうしてもよけいにお金をもらわなければ電話は正常に聞くことはできない、こういうことで、それはおかしいじゃないかというのが河野謙三君の実は質問だった。その際に、私は電電公社の担当者が御出席の際に、いずれこの問題は聞くからひとつ相談をしてこいと、私はやはりいまのテレビやラジオと同じように、国の事業として、それは確かに国鉄がやったかもしれぬけれども、国の事業としてやった限りにおいては、その障害のために個人が負担増を要求されることはあり得ない、これは国鉄がそのために金をよけい出すことも考えられるでしょう、郵政省がそのために出すことも考えられるでしょう、あるいは国全体がそういうことを見ていくことも考えられるでしょう。こういう点で一個人を弱い者いじめするということは、これはこの法律の趣旨からいって私は沿はない。こういう点で、東海道新幹線をめぐる、たとえば平塚なり大磯なりのそういう地帯の新加入者に対するところの新しい金額の要求というものを行なうことが正しいのかどうか。この点はやはり現行法によって、特殊地域に対するところの設定をした場合の負担というものを述べておると思うのでありますが、私はこの法律上のたてまえからいって、そういうことはあまりにも弱い者いじめに過ぎる、こういう点を指摘できると思う。そこでそれと合わせてひとつ法律上の解釈ないし改正しなければならなかったならばどういう点を改正をする、当面はとにかくそういう国民の困っておるものを、弱い者をいじめないと、こういうものに主眼を置いて、ひとつ御回答をいただきたい。いまおわかりになれば、おわかりになったところで御説明いただいて、後刻資料をちょうだいすればけっこうです。私は以上で質問を終わりますが、これに対しては資料を提出していただきます。
○政府委員(服部安司君) 御趣旨十二分に拝聴いたしましたが、後刻ひとつ御要求どおりに資料を提出いたしたい、かように存じます。
○稲葉誠一君 私は決算委員会初めてだし、きょうはあまり時間がないということですから、簡単に質問をしたいと思います。 ぼくは常々疑問に思っておりますのは、自衛隊法の罰則の関係のことがあまり論議されたことがないようなのですが、自衛隊法の罰則関係はどういうふうになっておるのか、そこら辺のところを簡単に御説明を願って、それからあとに入っていきたいと思います。あまりこまかいあれはいいですよ。懲役七年のと五年のと三年のとあるでしょう。その点だけでもいいのです。あまりこまかいところはいいのです。
○政府委員(麻生茂君) 自衛隊法の罰則につきましては、自衛隊法の第九章において規定をしておるわけであります。第百十八条におきましては、職員なりあるいは職員であった者が、自衛隊法の「第五十九条第一項又は第二項の規定に違反して秘密を漏らした」場合。それから第六十二条で私企業との関係の規定がございますけれども、この項がございまして、これに違反した場合でございます。それから第三号で、「正当な理由がなくて自衛隊の保有する武器を使用した者」、なお、これらの罪につきましては、これらの「行為を企て、教唆し、又はそのほう助をした者」を独立犯として処罰をしておるわけでございます。 それから第百十九条につきましては、これは大十一条のいわゆる政治行為の制限に違反をしか者、そういう者につきまして規定をいたしております。それから第六十四条の第一項において、「団体の結成等の禁止」に関する規定に違反した者に対しまして処分をする。それから同じように大十四条の二項におきまして、「同盟罷業、怠業子の他の争議行為をし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。」という規定が六十四条の二項にございますが、この規定に違反した者について罰則が規定してございます。それから第四号で、「第七十条第一項の規定による防衛招集命令を受けた予備自衛官で、正当な理由がなくて指定された日から三日を過ぎてなお指定された場所に出頭しないもの」に対する罰則でございます。
○稲葉誠一君 罰則の内容は。
○政府委員(麻生茂君) 罰則の内容は、三年以下の懲役または禁錮でございます。百十九条に関するものについては、すべて三年以下の懲役または禁錮になっているわけであります。それから、先ほど申しました百十八条につきましては、一年以下の懲役または三万円以下の罰金でございます。 それから、「第七十七条又は第七十九条第一項の規定による出動待機命令を受けた者で、正当な理由がなくて職務の場所を離れ七日を過ぎたもの又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて七日を過ぎてなお職務の場所につかないもの」という者に対しまして三年以下の懲役または禁錮に処しております。それから第七十八条第一項又は第八十一条第二項に規定いたします「治安出動命令を受けた者で、上官の職務上の命令に反抗し、又はこれに服従しないもの」これに対しましてやはり三年以下の懲役または禁錮に処しております。それから七号の「上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者」という者について、やはり三年以下の懲役または禁錮に処しております。これは「多数共同して反抗した者」ということであります。それから八号は、「正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者」、権限なくして部隊を指揮するというようなことを厳に取り締まる意味で、三年以下の懲役または禁錮に処しております。これらの行為につきましては、いま申しました第百十九条第二号、それから第四号から第六号までに規定します行為の遂行を教唆しましたり、封助した者、それから第三号、それから第七号もしくは第八号に規定する行為の遂行を共謀したり、教唆したり、もしくは扇動した者は、独立犯としてそれぞれ三年以下の懲役または禁錮に処しております。 それから第百二十条の「第七十八条第一項又は第八十一条第二項に規定する治安出動命令を受けた者で、次の各号の一に該当するものは、五年以下の懲役又は禁こに処する。」ということになっています。要するに、治安出動命令を受けた者について規定しているわけでございます。平時ではないわけであります。第一号は、「第六十四条第二項の規定に違反した者」、先ほど申しました争議行為をやったり、あるいは同盟罷業、あるいは怠業その他の行為をやったり、政府の活動能率を低下させるような怠業的行為をしてはならないというものに対する違反でございます。それから二号の「正当な理由がなくて職務の場所を離れ三日を過ぎた者又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて三日を過ぎてなお職務の場所につかない者」、三号としまして、「上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者」、四号が、「正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者」。なお、いま申しましたうちで、「第二号に規定する行為の遂行を教唆し、若しくはそのほう助をした者」、それから「同項第一号、第三号若しくは第四号に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、若しくはせん動した者」は、それぞれ独立犯として処罰をしております。 それから第百二十一条におきましては、「自衛隊の所有し、又は使用する武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物を損壊し、又は傷害した者は、五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。」ということにいたしております。 それから百二十二条におきまして、「第七十六条第一項の規定による防衛出動命令を受けた者で、次の各号の一に該当するものは、七年以下の懲役又は禁こに処する。」ということにしております。要するに、防衛出動命令を受けた者につきまして、七年以下の懲役または禁錮に処する。ことにしております。第一号では、先ほど申しました「第六十四条第二項の規定に違反した者」、それから第二号では、「正当な理由がなくて職務の場所を離れ三日を過ぎた者又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて三日を過ぎてなお職務の場所につかない者」、三号といたしまして、「上官の職務上の命令に反抗し、又はこれに服従しない者」、四号としまして、「正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者」、それから五号としまして、防衛出動の場合には、「警戒勤務中、正当な理由がなくて勤務の場所を離れ、又は睡眠し、若しくはめいていして職務を怠った者」というものにつきまして処分しようとしております。なお、これらの「第二号若しくは第三号に規定する行為の遂行を教唆し、若しくはそのほう助をした者又は同項第一号若しくは第四号に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、若しくはせん動した者」は、それぞれ同じように独立犯として処罰することになっているわけであります。
○稲葉誠一君 非常に詳しい説明があったのですが、防衛出動命令に違反した場合が一番重いわけですが、これなり、あるいは治安出動命令、あるいは防衛待機命令いろいろありますが、全体のこれと、もとの陸軍刑法との比較ですね、これはいますぐでなくてけっこうですから、あとでまとめた形で資料として出していただきたいと、こう思うのですが、ただここにある出動命令と、旧陸軍関係の招集関係とが、必ずしも正確にマッチしない場合もあるのじゃないかとは思うのですがね。その点は出していただきたいと思うのです。たとえば防衛招集命令というのは旧陸軍刑法の何に当たるかぼくも知りませんが、旧陸軍刑法よりも自衛隊法の罰則のほうが重いということが言われているわけですね。この辺がはたして正確かどうかも検討しなければなりませんし、旧陸軍刑法に対比した場合に、自衛隊のいろんな出動命令に違反した罰則がどういうふうになっているのか、これはよく研究されて、まとめた形で資料としてお出しを願いたい、こう思いますが、これは出していただけますか。
○政府委員(麻生茂君) 先ほど私の申し上げました中で、旧刑法で申しますと死刑に当たるものが相当あるわけでございます。この自衛隊法におきましては、死刑というものは認めません。それからまた、十年ぐらいの刑のものもたくさんあるわけでございますが、それも七年以下ということで、非常に制限されたかっこうになっております。それから、大体旧軍の軍刑法よりは軽いことを目途としてやっておりますので、出過ぎているということはないと思いますが、あるいは簡閲点呼と、それから一般の招集との差かと思いますが、その点よく調べまして……。
○委員長(柴谷要君) 要求の資料は提出願えますね。
○政府委員(麻生茂君) はい。
○稲葉誠一君 そこで、たとえばいま言う防衛出動命令というのは、どういうふうな場合に出るわけですか。
○政府委員(麻生茂君) 御承知のように、自衛隊法の第七十六条におきまして、内閣総理大臣は、外部からの武力攻撃——外部からの武力攻撃のおそれのある場合を含むとなっておりますが、外部からの武力攻撃に際しまして、わが国を防衛するため必要があると認める場合に、内閣総理大臣が原則として国会の承認を得て出すということになっております。
○稲葉誠一君 治安出動命令は。
○政府委員(麻生茂君) 先ほど罰則の過程においてちょっと触れましたように、治安出動は二つの形態があるわけでございます。一つは命令によろ治安出動でございまして、七十八条に規定しておりまするように、「内閣総理大臣は、間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力をもっては、治安を維持することができないと認められる場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。」こう相なっておるわけでございます。それからもう一つは、要請による治安出動でありまして、第八十一条に規定されているわけでございます。「都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県の都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し、部隊等の出動の要請をすることがきでる。」こうなっております。そこで、第二項で「内閣総理大臣は、前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊等の出動を命ずることができる。」ということになるわけでございます。なお、これをやります場合には、第八十五条でございますが、内閣総理大臣は、長官と国家公安委員会との相互に緊密な連絡を保たせるということにしております。国家公安委員会と緊密な連絡をとった上で出動させるというたてまえになっておるわけでございます。なお、先ほどちょっと説明で申し落としましたが、命令による治安出動につきましては、事後に国会の御承認を得るということになっております。
○稲葉誠一君 条文を見ればわかることはいいですけれども、時間がきょうありませんから。 そうすると、治安出動命令が急に出たという、あるいは知事から何らかの要請で出たというふうな場合には、なかなかそれに応ずるというふうなことのためにも、いろいろ防衛庁としてはふだん準備していかなければならないわけでしょう。そのためには、防衛庁としてはどういうふうなことをやっているわけですか。これは防衛局長に伺います。
○政府委員(海原治君) 治安出動に対する準備をふだんからどうしておるか、こういうお尋ねだと思いますが、この場合の準備と申しますのは、いわゆる物的ないろいろ装備品、特に治安出動をしたときにこういうものが要るだろうか、どういうものが要るだろうかという点につきまして、一応研究の段階のものはございますが、部隊装備品としては、必ずしもまだ十分には至っておりません。ただ、治安出動した場合に、これは主として警察行動的なことでございますが、そういう場合には現在の部隊がどういうふうな形をとることが適当であるかということにつきましては、担当部局におきましていろいろと研究はいたしております。
○稲葉誠一君 防衛庁はよく研究しているんですがね。決して研究することは悪いというのじゃなくて、研究していいのですが、しかしあなたのほうで言う年度の警備計画というものを、各陸・海・空自衛隊でつくっているわけでしょう。これはどういうふうなものなんですか。
○政府委員(海原治君) ただいま先生のおっしゃいました警備に関する計画というのは、主としては治安出動的な事態を想定して計画しております。
○稲葉誠一君 そうすると、その警備計画というのは、いつごろからできているのですか。毎年つくるのですか。
○政府委員(海原治君) 私の記憶が正しければ、警察予備隊が発足いたしまして翌年ごろから警備に関する計画というものはできておりまして、毎年その年度におきます状況というものを前提にしました計画というものがつくられておる次第でございます。
○稲葉誠一君 その警備計画というのは、日本全体の警備計画ということもあるでしょうし、特に基地の問題を中心として、どこでどういうことが起きるかもわからないから、警備計画を立てなければいけない、こういうふうな形のほうにウエートがあると言うとことばが悪いかもわかりませんが、そういう点が一つ中心になるわけですか。
○政府委員(海原治君) 現在の段階で申し上げますと、これは陸・海・空自衛隊の各部隊について、第一線の部隊まで、一応その部隊の何と申しますか、陸で申しますと一応警備管轄区域でございますが、そこでもしある事態が起こった場合にはどうするか、空と海の場合につきましては、それぞれの部隊が、主としては自分のところでございますが、自隊防衛をどうするか、こういう計画は一応単位の部隊までできております。
○稲葉誠一君 だから、間接侵略というか、あるいはそういうふうな暴動というか、何かことばがちょっとあれですけれども、そういうふうなのが起きたときに、自分の隊を守るということはわかりますが、いま、日本に軍事基地が一ぱいあるでしょう、減ったとしても。そういうような軍事基地を一体どうやって守るのですか。
○政府委員(海原治君) 軍事基地とおっしゃいますのは、おそらく米軍の基地ということだと思いますが、これにつきましては先ほど申しました、例を陸の自衛隊にとって申し上げますと——海・空につきましてはもっぱら自隊防護が主でございますので、よそへ応援に行ってどうこうするというようなことはございません。ところが陸の場合でございますと、自隊の管轄区域の場合に、いろいろ万一の場合に警備すべき対象がございます。たとえば電源地帯であるとか、あるいは重工業地帯であるとか、あるいはいま申された基地であるとか、したがいまして、そういう場合にもし要請があれば、そういう場合の基地の警備をどうするかという計画はございます。ただし、たてまえといたしましては、私どもは米軍の基地は米軍の基地自体によってこれは防備できるものという一応の想定は持っております。
○稲葉誠一君 米軍の基地は、米軍だけが守るのだということの何か取りきめでもあるのですか。
○政府委員(海原治君) 別に取りきめはございません。そういう想定を立てておるということでございます。
○稲葉誠一君 それはどこが立てておるのですか。日本の自衛隊だけで、自分のところだけで立てておるのですか。
○政府委員(海原治君) 一応、現在の段階におきましては、自衛隊だけで立てておるわけでございます。
○稲葉誠一君 これはちょっと逆説的かもわかりませんけれども、アメリカの基地が日本にある。彼らに言わせれば、アメリカが日本を守っているわけですから、それをアメリカの基地だけ、アメリカ軍だけで基地を守り切れるのですかね。かりに間接侵略が起きたと仮定した場合に、そういう場合に、日本の自衛隊も積極的に協力しないというと守り切れないのじゃないですか。
○政府委員(海原治君) ただいまの点は、具体的に事態の状況に応じて決定されるわけでございますから、先ほど申しましたように、大師団の管轄区域内にいろいろな警備対象がある。たとえば先ほど申し上げましたような電源地帯というものは、だれの警備があるわけでございません。そうすると、警察も手薄であるということになると、むしろ電源地帯のほうに最初の部隊を派遣することがあるだろう。しかし、米軍自体も能力が足りない場合には、その要請があるかもしれない。その場合にどうするか。この計画といたしまして、一つの想定といたしましてABCと、 いろいろな含みを持った準備をいたすものでございますから、先生のおっしゃいましたような場合には、そのときの事態に応じて自衛隊がその警備に協力するということは当然あり得ると思います。
○稲葉誠一君 そうすると、アメリカの基地が間接侵略されるかもわからないという想定は、日本の自衛隊も立てていろいろ演習するということもあり得るわけですか。
○政府委員(海原治君) アメリカの基地が間接侵略されるというおことばでございますが、そういう表現でございませんで、先ほど申しました国内の情勢が悪くなった場合には、アメリカの基地も一般の要警備対象と同じように、警備を要することがあるかもしれない、こういう想定も立てているわけであります。
○稲葉誠一君 そういう想定をするのは、日本の自衛隊が単独にやるんですか。アメリカ軍に相談なしにそんなことをどんどんやっているのですか。
○政府委員(海原治君) これは同じことを繰り仮して恐縮でございますが、向こうから要請があれば、というたてまえで考えておるということでございまして、別に米軍との相談はいまだかつていたしておりません。
○稲葉誠一君 そうすると、米軍の要請があればやるんだということは、どこできまったんですか。
○政府委員(海原治君) どこできまったかということになりますと、私ども過去におきましてこの警備計画をつくります場合に、一応担当の部局で案を持ってまいります。その際に相談をいたしまして、最終的にはこれは大臣の決裁をいただいておりますので、その時点においてそういう考え方がきまっておると、こういうことに相なるかと思います。
○稲葉誠一君 その間接侵略というものが、具体的にどういう形で起きるか、いろいろ多種多様であるかもしれませんが、それに備えて防衛庁自身でいろいろふだんから、いわゆる政治情勢とか経済情勢、社会情勢というか、そういうふうなものは十分キャッチしておられないと困るんじゃないんですか。
○政府委員(海原治君) お尋ねの趣旨は、警備計画を作成する前提として、平時から警備に関する情報の収集をしておく必要があるんではないか、こういうことだと思いますが、特に自衛隊がその目的のためにそのような情報を収集するということは、いたしておりません。このことは国内の情勢でございますから、日々いろいろな当事者から当然に関係者の耳目に触れるわけでありまして、私どもといたしましては、万一の事態に際してどういうことができるかということを考えておけばいいわけでございますので、そういう事態が起こるであろう前提について特に特別の注意を払う、こういうことはございません。
○稲葉誠一君 それは防衛庁と警察との間のとりきめがあるんじゃないんですか。
○政府委員(海原治君) 警察との間のとりきめということになりますと、これは治安出動いたしました場合の警察と自衛隊とがどのような任務を分担し合うか、相互にどのような援助をし合うか、どのような協力をするかという協定がございます。さらには装備品でございますが、たとえば自動車であるとか通信機であるとか、こういうものをどういう場合にどのような形で相互に保管転換し合うかというような、物品に関する便宜供与の協定はございます。
○稲葉誠一君 自衛隊及び警察は、相互に緊密に連絡するものとすると、こういう点がありますね。これは昭和二十九年に治安出動の際における自衛隊と警察との間の協定が、防衛庁長官と国家公安委員長の間に結ばれているんでしょう。それにそういうようなことがはっきりあるわけですね。これは類推して治安出動になってからではなく、なる前にもある程度こういうことをやっておかないと、十分的確な情勢というものはつかめないのじゃないか、あるいはそれは警察のほうにまかせっぱなしということになるのですか。
○政府委員(海原治君) この点につきましては、昨年でございましたか一昨年でございましたか、やはりお尋ねがございましたときに申し上げておることでございますが、平時におきましては、政府の関係機関がそれぞれいわゆる連絡をいたしまして、情報の交換と申しますか、こういうことはいたしております。先ほど先生がお示しになりました協定というようなものは、平時においては結んでおりません。
○稲葉誠一君 治安出動の際における協定というのはあるわけですね。ふだんはないのだと、こう言うのですか。ふだんはないけれども、治安出動の際における自衛隊と警察との協定の精神を類推をしてふだん行なっているのだ、こういうことですか。
○政府委員(海原治君) 平時におきましては、私ども万一に備えることが任務でございますので、単に警察ばかりではございません。たとえば国際情勢につきましては外務省、こういう関係政府機関の間でいろいろな形においてお互いの情報を交換し、協議をする、これは事実行為としていたしております。
○稲葉誠一君 この警備計画は、いろいろ問題があるのですけれども、時間の関係がありますから、ひとつこの程度にしておきますが、そこで、防衛計画というのも立てるわけですね。これは毎年立てるのですか。これは警備計画と防衛計画とは全然別個に立てるのですか。あるいは合わせて一本という形になっているのですか。実際はどういうふうになっているのですか。
○政府委員(海原治君) 過去におきましては、と申しますのは、警察予備隊あるいは保安隊の当時におきましては、当時の部隊といたしまして、外敵の侵略に対抗するということがございませんので、警備実施計画という一本の形でございました。しかし、防衛庁になりまして自衛隊が外敵の侵略にも対抗する責任を与えられましたので、それ以来この防衛計画と警備実施の計画とこれは二本立てでやっております。
○稲葉誠一君 いま言われた外敵の侵略に備えるというのが防衛計画、そのまとめたものは年度の統合防衛計画、こういうことになるわけですか。
○政府委員(海原治君) 具体的には、直接侵略の場合にもやはり間接侵略的な事態を併記する場合がございますので、必ずしもさい然と、はっきりと理論的に分かれるわけではございませんけれども、一般的に申し上げますと、いま先生のおっしゃったようなことでございます。
○稲葉誠一君 外敵が侵略してきた場合に、日本の自衛隊は具体的にはどういう行動をとるのですか。
○政府委員(海原治君) その外敵の攻撃の状況に応じて、内閣総理大臣の御命令を得て当時におきまして——当時というのは、その当時におきまして、能力の最大限を発揮して外敵の駆逐、まあ撃滅、つまり国内治安の維持ということを行なうということになろうかと思います。
○稲葉誠一君 その外敵の駆逐というのは、自衛隊だけで行なうのですか。
○政府委員(海原治君) 現在におきましては、御存じのように特に米空軍の力というものが、私どもの国の防衛には相当な期待をかけざるを得ないような状況でございます。したがいまして、日本が外敵から攻撃を受ける、襲撃をされるという場合には、当然に日米共同してこれに当たるということになろうかと思います。
○稲葉誠一君 日米共同するというのは、アメリカの空軍と日本の陸・海・空の自衛隊なんですか、それと共同するという意味ですか。
○政府委員(海原治君) 特に空軍とのみと限定はいたされませんが、私が例といたしましたのは、日米共同の実態を実は申し上げるつもりでございます。在日米軍は、現在総数約四万、陸軍が六千、海軍が一万三千、空軍が二万一千、これが一月末の状況でございますが、そういうことでございますけれども、陸軍の部隊といたしましては、主として補給、管理関係の部隊、海軍関係の部隊というものは横須賀、佐世保等の基地のためのものでございますので、いわゆる防衛力として直接役に立つと申しますか、意味を持つものは、米空軍ということになると思います。その意味で申し上げた次第でございますが、白米共同という場合には、当然に米陸・海・空軍、この三軍との共同、こういうことでございます。
○稲葉誠一君 その三軍との共同でいろいろ演習をやることがあったのですか。やったこともございますか。
○政府委員(海原治君) 米空軍との共同演習と申しますか、米空軍の飛行機の協力を得まして演習を行なったことはございます。陸軍につきましては、私の承知しているところではございません。海軍は、在日海軍部隊ではございませんで、第七艦隊の船、あるいは水上艦、あるいは潜水艦等の御協力を得て行なっております。
○稲葉誠一君 防衛局長は、前には何か衆議院の予算委員会ですか、三月三日の……これは「航空自衛隊、あるいは海上自衛隊等におきましては、」等と入っておりますが、「毎年アメリカとの間でいろいろな共同演習をいたしております。」と言っておりますね。毎年やるのですか。
○政府委員(海原治君) 従来の例、ここ数年の例では、毎年二回あるいは三回、一回の場合もございますが、いたしております。
○稲葉誠一君 そうすると、それは毎年一回ないし二回あるいは三回やるということもあるのですか。たとえば安保ができてからいつ、どういう共同演習をやったかということは、これははっきりしているのですか。やったこと自身は、いつどういう共同演習をどこでやったか、ということははっきりしているのですか。
○政府委員(海原治君) はっきりいたしております。
○稲葉誠一君 それは発表できないのですか。発表しているのですか。また、発表するとアメリカから文句が出るのかな。
○政府委員(海原治君) 従来の例でございますと、これは米軍関係がいつ、どこでどういう演習をやったかということは、外部に対して発表いたしておりません。したがいまして、わがほうもそれにならいまして、従来は申し上げておりません。
○稲葉誠一君 いや、日本とアメリカとが共同して演習したというのでしょう、毎年やっているというのでしょう。毎年やっていることを、こまかいことはいいですよ、どのくらいの人数でどういうことをやったかということは別として、何年に何回ぐらいやったかというようなことは発表できるんですか、発表しているんじゃないですか。
○政府委員(島田豊君) 通常日米合同演習といっておりますけれども、これはただいま防衛局長から共同ということばを使われましたけれども、これは自衛隊が米軍の協力を得て行なう演習でございまして、指揮関係、もちろんこれは両者並列的でございますし、あるいは航空自衛隊あるいは海上自衛隊におきまして演習をやる計画を立てます場合に、そのつど米軍と打ち合わせをいたしまして、たとえば米軍の飛行機を標的機に借りるとか、あるいは潜水艦あるいは駆逐艦を標的艦に借りるとか、こういうことを米軍の訓練に支障のない限りにおきまして、打ち合わせをいたしましてこちらの訓練に米軍の協力をいただく、こういう趣旨のものでございます。したがいまして、両者の共同演習につきましての協定はあらかじめありまして、それに基づきまして両者が対等の形においてやるということではなくて、やはり自衛隊のあくまで演習でございまして、それに対しまして米軍の飛行機なり艦艇を借りる、こういう形の演習でございます。
○稲葉誠一君 いや、日米に共同演習をやる協定があるとかなんとか、そんなことはちっとも聞いてない。あなたのほうで、ずっと先のほうまで気を回して一生懸命そこへ防壁を設けてやっているけれども、そんなことはちっとも聞いてない。違うんですか、合同と共同とは。よくわからぬ。
○政府委員(島田豊君) 合同演習合同演習とよくわれわれ言いますので、そういうことを御説明いたしたわけでございますが、合同演習という正式の名前があるわけではございませんし、これは合同演習、共同演習、俗称としては普通よく使うわけでございますが、その演習の実態は先ほど私が申し上げましたようなものでございます。
○稲葉誠一君 いわゆる外敵がかりに侵略してきた場合に、日本の空軍の力というものは非常に少ないわけでしょう。ですから、どうしても在日米軍の、ことに空軍が中心となってやらざるを得ないでしょう。そういうたてまえでしょう、アメリカとしては。そのためにアメリカは日本の自衛隊をうんとふやせ、空軍とか海軍のほうはあまりふやせということは言ってないんじゃないんですか。
○政府委員(海原治君) いまのお尋ねは二点に分かれると思います。後段のほうは、アメリカから日本の自衛隊の整備について何か注文が出ておるような前提のお話でございますが、これは全然ございません。が、前段の米空軍の力というものはおっしゃるとおりでございまして、現在特に全天候能力ということになりますと、また私どものほうのF104が全力発揮できませんので、むしろ力としては米空軍のほうが大きいのでございます。したがいまして、外敵に当たる場合には、当然に米空軍の援助を仰ぐ場合が多うございますが、それとても双方が先ほど教育局長が申し上げましたように別個の指揮系統でお互いに共同して日本を守る、こういうたてまえできておる次第でございます。
○稲葉誠一君 かりに外敵が侵略してくるということを考えたときに、常識的に考えて相互が別個の指揮系統で演習やっていたんでは、とても力が弱いと思うんですよね。ほんとうに一体となった力にならないんじゃないですか。当然そこでその中から統一的な指揮官というものができ、指揮体制というものができてはじめて強固な演習体制というものが実際に力のあるものができるんじゃないですか。相互に指揮関係がばらばらになってやっているんですか。
○政府委員(海原治君) ただいまの御質問になっている点は、まことにごもっともでございます。ただ問題は、現在の新しい航空自衛隊及び米空軍が行動する状態を考えていただきたいと思いますが、昔のように大編隊を組んでお互いに組みつほぐれつというような空中戦というものはないわけでございます。非常にスピードが速くなっておりますので、現実の問題といたしましては、敵機のわが国に対する攻撃というものをレーダーによりまして相当遠距離においてこれをつかまえます。これが将来どの位置に来るかということは、全部電子計算機その他等の援助を得まして具体的データをもらって、それに従って飛行機は行動するわけでございますので、日米双方が共同するということになりましても、たとえば三沢地区は米軍、千歳地区はわが航空自衛隊、こういうふうに空域が分けられまして、その範囲内で行動するということになりますと、平素からお互いの同一の指揮系統のもとに訓練をしなければならないという必然性は、昔と比べまして非常に薄くなってきております。もちろん同一の指揮官が指揮をしたほうがベターではございますが、これにつきましてはいろいろ問題がございまして、現実におきましては日米がそれぞれ別個にそれぞれの指揮系統を通じてやる、ただし、お互いの意思の疎通をよくするという形で努力しております。
○稲葉誠一君 意思の疎通をはかるためには、ふだんどういうことをやっておりますか。
○政府委員(海原治君) これは一般的に申しますというと、統合幕僚会議の幕僚と在日米軍司令部の幕僚と、これは時々おりおり日本の防衛につきましての研究をいたし、相互に意思の疎通をはかっております。また北海道及び本州北部、いわゆる北辺の警備ということにつきましては、それぞれの現地の司令官の間で時々おりおりお互いに意見の交換を行なっておる。先ほど教育局長が申しましたように、年数回の演習のときにも米軍に協力を求め、その際の演習によってもお互いに意思が疎通する。こういうことで平素から十分な意思の疎通をはかっている次第でございます。
○横川正市君 ちょっと関連して。いまの問題で、非常に何か分けて答弁されているようですが、最近アメリカの高官が、日本は経済力も充実したから地上軍はもう少しふやせるのではないかというふうに談話を発表すると、そうすると、日本の内閣はそれを受けて、向こうとは何の相談もしないけれども、自分の経済力に従って防衛力の境強をはかる、兵員の充実をはかるというような関連性でものごとを進める、こういうことなのか。戦線展開の場合に、どこからどこまではだれの防衛空域で、だれが責任を持つ、どこからどこまではだれの責任でだれが防衛責任を持つというふうに、大体事前に直接、間接の攻撃に対しては防衛について話し合いをして、その話し合いの結果に基づいて訓練をする、こういうことではないか、明確に言えばそういうふうに聞いているわけですがね。それはいま答弁されているのは、何か非常に別々のような印象を受けるわけですがね。
○政府委員(海原治君) ただいま先生のおっしゃいましたような事態が本来あるべき姿かと思いますけれども、現実にはまだそういう状態ではございません。と申しますことは、わが航空自衛隊に例をとって申し上げますというと、米空軍の第一線の完全に訓練された飛行機と同じ程度のレベルを持ったパイロットというのはまだ非常に少ないのでございます。したがいまして、部隊としても同じ程度に演習が行なわれるのはきわめて危険でございます。かつは現在のところは、先ほど申しましたようにそれぞれ別個の空域というものを持っております。非常にお聞きになったところではおかしく思われるかもしれませんが、先ほど私が申し上げましたのがほんとうの現在の姿でございます。
○稲葉誠一君 いまの日米合同演習か共同演習か別として、それが安保条約ができてからいままで何回ぐらい行なわれておったかということは、その程度は言えるのじゃないですか。それも言えないですか。
○政府委員(海原治君) その程度のことは申し上げられると思います。
○稲葉誠一君 あなたのほうで言える程度のことを、いまの段階でおっしゃってくれませんか。
○政府委員(海原治君) たとえば海上自衛隊につきましては共同訓練、私の手もとの資料は三十六年以降でございますから、三十六年に一回ございます。三十七年に二回、三十八年に二回、三十九年に三回ございます。航空自衛隊につきましては、三十五年に七回ほどやっております。それから三十七年は三回、三十八年が四回、三十九年が三回、こういう一応状況でございます。
○稲葉誠一君 そういう演習には、どんな名前がついているのですか。
○政府委員(海原治君) 名前の点は、米海空軍におきまして外部に発表しないたてまえになっておりますので、ひとつ御了承願いたいと思います。
○稲葉誠一君 アメリカは発表しないのはいいですよ。日本ではどういう名前をつけているのですか。
○政府委員(海原治君) 日本では、そのつどそのつどの名前をつけているわけでございまして、教育局長から細部お答えいたします。
○政府委員(島田豊君) 海上自衛隊におきましては、特別訓練ということばを使っております。それから航空自衛隊におきましては、これは全体、つまり航空自衛隊全体の勢力を集中して訓練いたします場合に、総合演習ということばを使っております。それから航空総隊を中心にしてやります場合、これもやはり航空総隊の総合演習というふうな名称を使っております。
○稲葉誠一君 そういう航空自衛隊のいわゆる総合演習とか、海軍、海のほうの自衛隊の特別訓練ですか、そういうふうなものをやるときには、どこの決裁を経るのですか。決裁を経てやるのですか。
○政府委員(島田豊君) 海上自衛隊の場合におきましては、幕僚長のほうから長官に報告がございます。それに基づきまして実施の場合には、これも事前事後長官に報告いたしまして、長官はそれについて承知をいたしております。それから航空自衛隊の場合には、ただいまの航空自衛隊全体で行ないます演習、航空総隊で行ないます演習、それぞれこれは毎年度の業務計画におきまして、長官の承認を得て、その実施につきましては、長官の命令でやっております。
○稲葉誠一君 そうすると、毎年つくる業務計画ですね、これは総合防衛計画の一環じゃないんですか。
○政府委員(海原治君) 業務計画と申しますのは、毎年それぞれの自衛隊がどういう業務を行なうかということを、体系的に取りまとめた計画でございまして、これは予算の要求原案をつくります基礎となりまして、そういうものでございますので、いろいろ事項が書いてあるわけでございます。したがいまして、防衛計画とは形が全然違っております。まあ全然別個のもの、こうお考えいただきたいと思います。
○稲葉誠一君 もう時間があれですから、あまりやりませんが、そうすると、要するにそういうふうな形で、海空においては、アメリカとの間の、名称はいろいろ名称があるのですが、合同演習がそういうような形で行なわれておる。これは防衛長官の決裁というのか、承認というのか、報告というのか、はっきりしませんが、とにかく得られている、こういうことになるわけですが、これは防衛長官の、何ですか、決裁ですか。承認ですか。報告をしたという形なんですか。どういうことですか。
○政府委員(島田豊君) これは演習の性格、規模等によりまして、やや取り扱いが違っております。業務計画におきまして、長官がその計画を立てるにつきまして、そういう計画を立てるということにつきまして承認を与えておる場合と、それから各幕僚会議におきまして計画を立てまして、長官に報告をするもの、それから、その他部隊等が行ないます教育訓練につきましては、長官があらかじめ方針、大綱を示しまして、細部につきましては、各部隊長によって行なわれるという、こういうレベルのものもございますし、その演習なり訓練の性格規模等によりまして、手続関係は異にいたしております。
○稲葉誠一君 最後の質問にしますが、そうすると、こういうふうなものをやるのですから、これは前にもお答えになっております幕僚のグループがあって、アメリカの在日米軍といろいろ共同して研究をしておると、こういうふうなことを言われておったのですが、そういうふうなグループには、どんなものがあるのですか。
○政府委員(海原治君) これは統幕、統合幕僚会議事務局のレベルのものもございますし、あるいは各幕、陸・海・空幕僚会議のレベルのものもございます。先般予算委員会で御質問ございましたFTC、FTSということは、調査しますと、FTCはフリー・トーキング・コミティ、FTSはフリー・トーキング・サブ・コミティという略語でございます。FTGはフリー・トーキング・グループでございます。こういう略語を使うときもございます。そのときそのときによって違っております。
○稲葉誠一君 いままであなたのほうではFTCとかFTSについての質問があっても答えてなかったですが、いま答えられたということですが、これはあれですか、メンバーは固定しているのですか、固定はしてないのですか。
○政府委員(海原治君) 必ずしも固定しているというわけではございません。たとえば、御存じのように、統合幕僚会議事務局には一室から五室までございますが、これは昔で申しますと、一課、二課、三課と、課に当たるものと思いますが、たとえば、二室は情報、三室は作戦、四室が補給であるとか、そういう区分がございますので、その幕僚が向こうのそれに対応する幕僚と話をするということでございますから、それぞれの組織としての対応範囲はきまっておりますが、その幕僚個々のものは、これは転勤その他によりまして変わることがございます。大体においてはグループというものはファンクションによって分けられる、こう御了解願いたいと思います。
○稲葉誠一君 そうすると、FTC、FTS、FTGというものは、どういうふうに違うのですか。
○政府委員(海原治君) この細部につきまして、私も実は調べてまいりませんでして、この前FTC、FTSはどうかということでございましたので、調査してお答えするということを申しまして、実は調べた結果そういうものであるということがわかった次第でございますが、私の記憶に誤りなければ、FTCのほうがフリー・トーキング・コミティ、これが統幕レベル。サブ・コミティ、FTSのほうがその下の小さなグループ。FTGというものが各幕関係じゃないかと思います。
○稲葉誠一君 時間がきましたので、きょうはこの程度にしておきます。
○委員長(柴谷要君) 本日の審査はこの程度として、これにて散会をいたします。 午後三時三十七分散会 —————・—————