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48回国会参議院1965/03/02

外務委員会 第6号

発言数
16
登壇者
4
会派数
2
開催日
1965/03/02

会議録

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  去る二月二十六日、大野木秀次郎君が委員を辞任され、その補欠として和田鶴一君が委員に選任されました。本日、和田鶴一君が委員を辞任され、その補欠として沢田一精君が委員に選任されました。     —————————————

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とカナダとの間の条約の締結について承認を求めるの件、三件を便宜一括して議題といたします。  まず、補足説明を聴取いたします。佐藤外務参事官。

佐藤正二外務省条約局外務参事官

○説明員(佐藤正二君) 租税条約の一般的な構成につきましては、前回の委員会で御説明いたしましたので、本日は、三件の内容につきまして簡単に御説明いたします。  これら三件のうち、日加条約が一般的な租税条約でございまして、ほかの二件は、前にございました現行条約を修正補足する議定書でございます。  まず、一般的な条約でございます日加租税条約から申し上げますと、条約の対象となる所得税につきましては第一条でございますが、両国とも国税ということにいたしております。  それから、第二条には定義の規定がございますが、このうち御説明すべきことといたしましては、第一項の(d)、(e)に、「日本国の居住者」というものと「カナダの居住者」というものについての定義がございます。ここでは、わが国がほかの国と結んでおります租税条約と同様に、日本の居住者でもありカナダの居住者でもあるといういわゆる二重居住者については、条約上居住者の中に入れておりません。条約上除いております。  それから、法人の場合にはどういうふうになるかということになりますと、これは一項の(f)、(g)に法人の規定がございますが、日本のほうでは、租税条約上法人というのは、従来から、本店所在地国としてその法人が属する国という、本店を持っているという意味で、本店所在地主義というものをとっておりますが、カナダのほうは、その法人を管理支配するというような観念をとっておりますために、この関係でも、何と申しますか、二重国籍の法人というものが発生する可能性があるわけでございます。で、この二重国籍の法人については、この条約では適用外というふうにしております。この二重国籍法人及び二重国籍の個人については各国国内法で律していく。すなわち、外国で取られた税を単に控除するというような形でこれを解決していくというような構成になっております。  それからその次に、定義の規定のうち、「恒久的施設」という定義がございますが、これは第一項の(k)というところにございます。これが一番問題になります規定でございまして、事業所得の課税は、相手国に恒久的施設がなければ課税しないというたてまえになっておりますので、どのようなものが「恒久的施設」になるかということが非常に重要なことになってくるわけでございます。この「恒久的施設」の定義につきましては、いままでのわが国が各国と結んでおります租税条約と同様に、支店だとか、工場だとか、作業場だとか、工事の現場だとか、代理店だとか、そういうふうなものが「恒久的施設」、すなわち、そういうものを持っている法人は、その相手国に恒久的施設を持っておるというふうに考えるというふうな定義になっております。したがって、単なる倉庫を持っておるとか、それから、情報だけとっておるような調査機関を持っておるというようなものについては、恒久的施設を持たないというふうに考えるというふうな規定になっております。  それから、事業所得に対する課税は、恒久的施設がなければ課税しないという、いま申し上げました原則と、それから、課税対象とする所得についてはその恒久的施設に帰属する部分だけに限る、その恒久的施設が、何といいますか、かせいできた所得だけに限るのだと、いわゆる帰属方式とわれわれは言っておりますが、そういうような方式をとっております。これは、先日御説明いたしましたOECDのモデル条約なんかも同様な趣旨の規定をしております。恒久的施設に帰せられる利得の額のいろいろな計算方法もございますが、これは非常に技術的なことになりますので、これは従来どおりの規定になっております。それから、事業所得のうち海運、航空運輸業というような利得の場合には、これはどこでかせいだかよくわからないというような、利得計算が非常に困難なものでございますから、これは、この利得に関しては相手国では免税にするということが通例になっておりますし、この日加条約でもそういうような形になっております。  それから、その後の第六条、第七条、第八条というところに、配当、利子、ロイアルティー、いわゆる投資所得の源泉地国課税の問題を規定しておりますが、これはいずれもこれらの所得については一五%をこえない部分を源泉地国で取るというふうに規定しております。  それから第九条以下に、相手国では課税しないものとして若干の人的な課税について規定しております。すなわち、短期滞在者の人的報酬とか、それから、学生だとか教授、教員の人的所得というものについて規定しております。  それから第十三条は、原則規定でございますが、日加それぞれにおいて、国内法上外国税額控除の制度をとっておりますので、それを背景にして、条約上国内法上の制度を相手国に対して認めるというふうな規定をしております。ここで居住地国課税と源泉地国課税との競合の場合、競合で国際的な二重課税が起こり得るところを回避しておるわけであります。  それから、第十四条以下では、行政的な規定、いわゆる課税当局間の情報交換とか相互通信だとか、そういうふうな規定を置いておりますが、これは、いままでの租税条約と大体同じような規定になっております。  大体、日加租税条約の構成は、以上申し上げましたとおりです。  次に、日米の租税条約の修正議定書について、おもな修正点を申し上げてみたいと思います。これは一番大きなところは、配当条項について双務的に一五%以下源泉地国課税をするというふうにしたこと、それが第一点であります。  それから利子及びロイアルティーの源泉地国課税の税率の限度を一〇%にした。これが第二点でございます。  ほかは、大体、日米条約自体が非常に古い条約なものでございますから、その後日本がつくりました租税条約で、いろいろOECDのモデル条約なんかに従って、日米条約と違っていたところがございますので、その点を少し手直しした点がございます。  それから次に、スウェーデンの補足議定書につきましては、配当利子、ロイアルティーの源泉地国課税の税率の限度を引き下げた点と、それから、条約の対象とする課税する税については地方税を含めたという点がおもな改正点でございます。  大体、非常に簡単でございますが、三件について御説明いたしました。  これらの三国の間の貿易関係、商社関係、その他企業の進出状況、航空機、船舶の往来というような点につきましては、お手元に資料を差し上げてございますので、それでごらん願いたいと思います。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 以上で説明は終了いたしました。  これから質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 最近の日本とカナダとの間の貿易の傾向、日本の輸出、商社の進出状況、それについてちょっと説明してください。

佐藤正二外務省条約局外務参事官

○説明員(佐藤正二君) お手元にも差し上げてございますが、貿易関係につきましては、一九六三年の貿易額として日本からの輸出が一億三千五百万ドル、日本における輸入が二億六千八百万ドルということになっておりまして、御存じのとおり、日本から繊維、機械というようなものが出ておりまして、向こうからは小麦、木材というようなものが出ております。  それから、資本取引も御説明いたしましょうか。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 貿易のいまの額は、もちろんのことですけれども、これは縮まらぬのかどうか。この前、カナダとの話し合いをやりましたが、今後の傾向ですね。つまり、日本の輸出を増加して、もっとバランスのとれるようにする方向に進み得るのかどうか。

佐藤正二外務省条約局外務参事官

○説明員(佐藤正二君) これは、私もあまり専門家ではないのではっきりしませんけれども、カナダに対しましては、御承知のとおり、規制が行なわれているわけでございます。規制の点の話し合いが、カナダのほうとしましても、日本のいわゆる市場撹乱というような問題がないということはだんだんわかってきていると思いますから、だんだん規制も広がらぬと思いますし、そういう点で、伸びるという可能性が非常に多いのではないかと思っております。したがって、カナダから入るものとしましては、御承知のとおり、小麦だとか木材というようなものでございますから、これは何と申しましょうか、それほど急激にふえるものでもございませんから、日本のいわゆる消費物資のほうがふえてまいりますれば、バランスする可能性が、非常に数年前から見ますと、ずいぶん日本の輸出はふえているわけでございますから、だんだんバランスの傾向になるのではないかと思っております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 貿易もふえれば、商社もあるいはふえるというようなことになるでしょうし、あるいは日本側の投資というものも多少はふえていく可能性が出ていくわけですね。そうすると、今度の条約は、対象になるものもそれだけふえてまいるわけですね。これらはどういうふうに見ておられますか。どのくらい、今度の条約のつまり対象になる日本側の商社、それから日本に来ているカナダ側の商社——個人は別として——それはどのくらいいまのところあるわけなんですか。

佐藤正二外務省条約局外務参事官

○説明員(佐藤正二君) 大蔵省のほうから……。

大倉真隆大蔵省主税局国際租税課長

○説明員(大倉真隆君) お手元に配付申し上げてございます資料に件数が載っておるかと思いますが、企業の点について申し上げますと、三十九年の四月一日現在ということで、日本からカナダに現地法人が十一出ております。支店が一つございまして、そのほかに駐在事務所が十九出ておるわけであります。カナダから日本に、経営参加的に株を持っておる、いわば合弁的なものというようなものが現在八件ございます。カナダ法人でありますが、日本に支店を持っておるものが、これは実は東京、大阪のものだけでございますが、十三ございます。大阪以外にはないのではなかろうかと思っておりますが、十三来ているわけであります。ところで、こちらから出ておりますのは、鉱業——マイニング系統の会社、それから商社が多いように聞いております。先方からはやはり商社系統が多い。それから、技術援助は、残念ながら日本からカナダにはまだないのでございますが、カナダから日本には三十九件ございます。これは、元本の測定は、ちょっとできかねるのでございますけれども、御承知のように、技術ですから、年間三億円くらいのロイアルティーを払っているわけであります。これが、この条約ができまして、それぞれどのくらいさらに進出してくるだろうかが実はわかれば、非常に私ども条約をやる者として張り合いがあるわけですが、十件か何件くらいかふえますか、ちょっと申し上げかねますが、いずれにしても、佐藤参事官が申しましたように、事業所得者取り扱いなど、いろいろな点ではっきりしてまいりますので、現在駐在所が支店に昇格するとか、あるいは税金の不安のあったものが、つかないで出ていくようになるという点で、今後、両国間の貿易というものは相当促進されることを私どもとしては期待しております。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 他に御発言もなければ、ただいまの三件のうち、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とカナダとの間の条約の締結について承認を求めるの件に対する質疑は終了したものと認めて御異疑ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 御異議なしと認めます。  これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。本件全部を問題に供します。本件を承認することに御賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 多数でございます。よって本件は、多数をもって承認すべきものと決定いたします。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、この程度で散会いたします。    午前十時五十一分散会

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