外務委員会 第4号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/02/23
会議録
○委員長(小柳牧衞君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 去る二月三日に本院先議として当委員会に付託されました、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とカナダとの間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件。 以上四件を一括して議題といたします。 本日は、提案の理由の説明を聴取いたします。 それでは順次説明を聴取いたします。外務大臣。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま議題となりました、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 わが国と米国との間の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約につきましては、これが昭和三十年四月に発効いたしましてから、昭和三十二年三月及び昭和三十五年五月に署名された議定書によって、再度にわたり修正補足が行なわれたのでありますが、政府は、これをさらに修正補足する議定書の締結につき昭和三十六年十二月以来米国政府との間で交渉を行ないました結果、最終的合意に達し、昭和三十七年八月十四日に東京において大平外務大臣とライシャワー日本国駐在米国大使との間でこの議定書に署名を行なった次第であります。 今回の修正補足議定書のおもな内容は、現行条約において、米国の投資家が日本法人から受け取る配当に対する源泉課税をわが国が免除し、米国がその所得の二五%を米国投資家の所得税額から控除することと規定されている点を改め、日米両国がそれぞれ相互に相手国の投資家に対し原則として一五%を限度とする源泉課税を行ない得るようにすること、並びに利子及び使用料に対する源泉地国課税の税率の限度を現行条約の一五%から一〇%に引き下げること等でありますが、このほか、現行条約の運用改善のための補足規定をも設けておりまして、この議定書の締結により、税制面を通ずる日米両国間の経済交流は、一そう促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの問の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 わが国とスウェーデンとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約は、昭和三十二年六月に発効いたしておりますが、政府は、これを修正補足する議定書の締結につき昭和三十八年四月以来スウェーデン政府との間で交渉を行ないました結果、最終的合意に達し、昭和三十九年四月十五日に東京において大平外務大臣とアルムクイスト日本国駐在スウェーデン大使との間でこの議定書に署名を行なった次第であります。 この修正議定書のおもな内容は、条約の対象となる租税の中に所得に対する地方税を新たに含めること、並びに親子会社間の配当や利子及び使用料に対する源泉地国課税の税率の限度を現行条約の一五%から一〇%に引き下げること等でありますが、このほか、現行条約の運用改善のための補足規定をも設けておりまして、この議定書の締結により税制面を通ずる日・スウェーデン両国間の経済交流は、一そう促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とカナダとの間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、カナダとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約締結につき昭和三十九年五月以来カナダ政府との間で交渉を行ないました結果、最終的合意に達し、同年九月五日に東京において椎名外務大臣と日加閣僚委員会に出席のため来日中であったゴードン・カナダ大蔵大臣との間でこの条約に署名を行なった次第であります。 この条約は、十九カ条から成り、従来わが国がヨーロッパ諸国との間に締結しているこの種の租税条約とほぼ同様の内容を有しておりますが、そのおもなものは、次のとおりであります。すなわち、相手国内にある支店等の恒久的施設を通じて事業を行なう場合の利得に対する相手国の課税につきましては、これをこの恒久的施設に帰属する部分に限るという方式によることとし、船舶、航空機の運用から生ずる所得につきましては、相手国において全額免税としております。投資所得に対する源泉地国課税の税率につきましては、配当、利子及び使用料のいずれも、それぞれ一五%をこえないものとしております。政府職員、百八十三日以内の短期滞在者、二年以内の短期滞在の教授及び教員並びに学生及び事業修習者の受け取る報酬や手当等につきましては、滞在地国において課税されないこととしております。また、二重課税の回避の方法として、それぞれの国の外国税額控除に関する法令の規定に基づき、相手国で徴収された租税を自国の租税から控除するものとしております。 現在日加両国間の経済関係は、貿易、技術導入、企業進出等の諸分野において緊密な関係を保っておりますが、この条約の締結によりまして、両国間の二重課税防止の制度を通じ、経済、技術及び文化の面における交流が一そう促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とフランス共和国政府との問の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、フランスとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約締結につき昭和三十七年五月以来フランス政府との間で交渉を行ないました結果、最終的合意に達し、昭和三十九年十一月二十七日にパリにおいてフランス駐在萩原大使とフランス外務省ルデュク総務局長との間でこの条約に署名を行なった次第であります。 この条約は、本文三十一カ条及び条約の不可分の一部をなす追加議定書から成っております。その内容は、わが国が従来ヨーロッパ諸国との間に締結しているこの種の租税条約とは、条約の対象となる租税に地方税が含まれるとしている点、及び、フランス側法制上の要請により、条約実施の際の細則的規定を含む追加議定書が付されている点を除き、ほぼ同様でありますが、案文について、OECDのモデル条約案の規定をできるだけ採用することとしたため条文数が比較的多くなっております。条約の内容のおもなものは、次のとおりであります。すなわち、相手国内にある支店等の恒久的施設を通じて事業を行なう場合の利得に対する相手国の課税につきましては、これをその恒久的施設に帰属する部分に限るという方式によることとし、船舶、航空機の運用から生ずる所得につきましては、相手国において全額免税としております。投資所得に対する源泉地国課税の税率につきましては、配当では一五%、利子及び使用料ではそれぞれ一〇%をこえないものとし、日本の企業に対するフランスの動産資本所得税の課税につきましては、その企業がフランスに恒久的施設を有している場合に限りこれを認めることとするが、当該恒久的施設に帰属する利得を限度とすることとしております。政府職員、百八十三日以内の短期滞在者、二年以内の短期滞在の教授及び教員並びに学生及び事業修習者の受け取る報酬や手当等につきましては、滞在地国において課税されないこととしております。また、二重課税の回避は、それぞれの国の税法の規定に基づき、日本においては外国税額控除方式により、フランスにおいては、投資所得等一部の所得については外国税額控除方式、その他の所得については外国所得免税方式により行なうこととするとしております。 現在両国間の経済関係は、貿易、技術導入、企業進出等の諸分野において緊密な関係を保っており、また、文化交流も盛んでありますが、この条約の締結によりまして、両国間の二重課税防止の制度を通じ、経済、技術及び文化の面における交流が一そう促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ以上四件につき御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(小柳牧衞君) 以上で説明は終了いたしました。 本件の補足説明及び質疑は次回にいたします。
○森元治郎君 委員長、暫時休憩を……。
○委員長(小柳牧衞君) 暫時速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。 次回の委員会は、二月二十五日午前十時より開会いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午前十時四十六分散会 —————・—————