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48回国会参議院1965/02/26

科学技術振興対策特別委員会 第2号

発言数
9
登壇者
3
会派数
2
開催日
1965/02/26

会議録

村尾重雄民主社会党

○委員長(村尾重雄君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  初めに、委員の異動について御報告いたします。  去る一月三十日、野上元君が辞任され、その補欠として光村甚助君が選任されました。     —————————————

村尾重雄民主社会党

○委員長(村尾重雄君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  本日は、昭和四十年度科学技術庁の施策及び予算について説明を聴取することといたします。  初めに、愛知科学技術庁長官から、基本施策について説明をお願いいたします。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 基本的な問題につきまして、二、三御説明を申し上げたいと思います。  現代は、科学技術の時代であり、科学技術発展の成否が国の繁栄を支配する時代であるといわれております。  戦後の荒廃からすみやかに立ち直った今日のわが国の繁栄が、いまや世界の驚異の的となっていることは、御承知のとおりでありますが、このことは、わが国における科学技術の目ざましい進歩発展に負うところ、きわめて大であったことは申すまでもありません。しかしながら、従来の科学技術の発達は、わが国が先進諸国のすぐれた技術を導入し、よくこれを消化し得たことによることもいなみ得ない事実であります。  科学技術庁長官といたしまして、私は、科学技術の進歩の上に重要な役割りをになうべき政府の使命を深く肝に銘じ、科学技術の振興をはかることこそ、今日における政府に課せられた急務であると確信し、いまやわが国は、まず先進諸国に伍していくことを念じ、さらに進んでは、これに先がけて、平和利用に徹した独創的科学技術の開発に向かって格段の努力を傾注しなければならないときであることを痛感する次第であります。  私は、このような観点に立って、昭和四十年度におきましては、次の諸施策を強力に実施してまいる所存であります。  まず第一は、原子力の平和利用であります。  最近における海外諸国の原子力開発利用に対する意欲にはまことに驚嘆すべきものがあり、その技術は一段と進歩している状況であります。エネルギー資源に乏しいわが国におきましても、エネルギー政策上、原子力の開発利用をさらに積極的に推進することが、きわめて肝要であると考える次第であります。このため、国内における原子力平和利用の研究開発体制の整備強化につとめ、特に、その中核的役割りを果たす原子力開発機関の一そうの充実をはかってまいる所存であります。  すなわち、日本原子力研究所におきましては、組織運営の改善をはかって研究体制の整備を進めるとともに、動力炉の国産化に必要な材料試験炉及び高速増殖炉の研究開発を促進することといたしております。また、原子燃料公社におきましては、今後わが国が原子力発電を推進し、自主的な核燃料利用体制を確立する上できわめて重要な使用済み燃料の再処理施設の建設及びプルトニウム燃料の有効利用をはかるために必要な研究開発等を一段と促進いたしたいと存じております。  さらに、日本原子力船開発事業団におきましては、原子力第一船の開発を推進するため、原子炉本体の製作及び船体の建造に着手いたす所存であります。  第二は、宇宙開発であります。  宇宙開発につきましては、気象衛星、通信衛星等に見られるように、宇宙開発の成果がすでに実用化の段階にまで達している世界の趨勢に対処し、国として昭和四十五年度に国産実用人工衛星を打ち上げることを目途に、その研究開発を一段と強化してまいる所存であります。このため、昭和四十年度におきましては、大学関係の協力のもとに、宇宙開発を総合的かつ効率的に遂行するための具体的な宇宙開発計画を策定するとともに、昨年発足いたしました宇宙開発推進本部及び航空宇宙技術研究所のロケット部門の充実をはかることといたしております。  第三は、科学技術振興の基盤の強化であります。  すなわち、かねて懸案の科学技術長期計画の策定につきましては、所要の体制を整備し、本格的にこれに取り組むことといたしております。さらに、研究学園都市の建設につきましては、昨年十二月、総理府にこれが推進本部の設置を見、当庁といたしましても、計画のとおり完成を目ざして鋭意努力いたす所存であります。  また、原子力、宇宙開発、電子技術等の諸分野での科学技術の進歩発達に不可欠な非金属無機材質の基礎的総合的研究を飛躍的に推進するため、非金属無機材質基礎研究所を設立すべく、その準備を強力に進める考えであります。  なお、科学技術振興のためには不可欠な、すぐれた科学技術者を養成し、確保するため、研究公務員の資質の向上及び処遇の改善につきましても、一段と努力いたす所存であります。  第四は、防災科学技術、公害防止科学技術等の重要総合研究の推進であります。  当庁といたしましては、昭和四十年度におきましては、特別研究促進調整費を大幅に増額し、その積極的な推進をはかる所存であります。特に、自然災害及び公害問題につきましては、昨年六月の新潟地震や、例年大きな被害を及ぼしている豪雪、豪雨、台風などに見られますように、わが国は、まれに見る自然災害の多い国であり、これらによる被害はまことに甚大なものがあります。また、近年における産業の急速な発展に伴う大気汚染、水質汚濁、騒音振動等の公害が国民の日常生活に大きな影響を与えておりますことは、まことに遺憾とするところであります。  私は、今後とも、社会開発の一環として、自然災害ないし公害の防止、あるいはこれら被害の軽減をはかり、経済の発展と調和のとれた住みよい生活環境を実現するため、前述の特別研究促進調整費の大幅増額、あるいは国立防災科学技術センターの強化等を通じて、防災科学技術及び公害防止科学技術の確立を促進してまいる所存であります。  第五に、国産新技術の開発につきましては、国立試験研究機関の一そうの活用をはかるとともに、新技術開発事業団及び日本科学技術情報センターを強化拡充し、発明実施化の助成、科学技術者の顕彰等、一連の措置を実施する考えであります。  さらに、科学技術映画の製作、地方科学技術会議の開催等を通じ、国民全般に対する科学技術知識の普及啓発を一そう推進いたす所存であります。  第六に、最近の急激な資源利用構造の変動に対処するために必要な諸調査の一そうの拡充を行なうとともに、今後は、国際的視野に立つて、資源の総合的利用を強力にはかつてまいりたいと考えております。  最後に、科学技術の国際交流についてでありますが、近年、科学技術の研究は、宇宙や原子力の分野における研究に見られるように、国際的規模における共同研究や情報交換が必須の要件となつているのであります。このため、昭和四十年度におきましては、科学技術に関する対OECD活動を強化するため、OECD日本代表部に科学技術アタッシェを常駐させ、また、国際原子力機関の第九回通常総会を東京において開催し、その他、科学技術者の交流を一段と活発化する等、科学技術に関する国際協力を強力に推進してまいる所存であります。  以上、当面考えております施策の大綱を申し述べましたが、わが国科学技術振興の必要性に思いをいたし、微力ながらも、あらゆる努力を傾けていく所存でありますので、本委員会の皆さまにおかれましても、一そうの御指導、御鞭撻を賜わりますよう、心からお願いする次第であります。     —————————————

村尾重雄民主社会党

○委員長(村尾重雄君) 引き続き、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案について、長官の御説明を願います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案は内閣委員会に付託されておりますが、御参考までに、その内容について御説明申し上げます。  改正の第一は、科学技術庁の附属機関である航空宇宙技術研究所に支所を設けることができることとすることであります。  同研究所は、航空技術及び宇宙科学技術の向上をはかるため必要な試験研究を行なうことを主たる任務とするものでありますが、近年における世界の航空技術等の急速な進展に対処して、わが国におけるこれらの水準を飛躍的に向上させるため、昭和四十年度において、同研究所の拡充強化の一環として、垂直離着陸機の試験研究等を行なう実験所を支所として設けることといたしたく、これに伴つて所要の改正を行なうものであります。  第二は、科学技術庁の職員の定員を改めることでありまして、同庁の附属研究機関の強化をはかるため、定員を四十七人増加する一方、CECD日本代表部に新たに科学技術アタッシェ一名を派遣するための定員移しかえを行ない、差し引き四十六人の増加となり、新定員を千八百六十人に改めるものであります。  以上、本案の概要について御説明申し上げた次第でございます。     —————————————

村尾重雄民主社会党

○委員長(村尾重雄君) 次いで、科学技術庁関係の予算について説明を聴取いたします。科学技術庁長官官房長、小林貞雄君。

小林貞雄科学技術庁長官官房長

○政府委員(小林貞雄君) 昭和四十年度科学技術庁の予算案について御説明申し上げます。  昭和四十年度科学技術庁の予算要求額は、歳出予算額百八十四億七千万円、国庫債務負担行為額十七億八千七百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳出予算額十五億四千八百万円の増額、比率において九・一%増となっており、国庫債務負担行為額七十一億一千八百万円の減額となっております。  次に、予算要求額中おもなる経費につきまして、その大略を御説明いたします。  第一に、科学技術振興基盤の強化につきましては、一億九千万円を計上いたしました。  まず、科学技術の画期的な振興をはかるため、国として総合的な科学技術振興長期計画を策定することとし、これを担当するため新たに調査官を一名増員するとともに、必要な経費を計上することにいたしました。  次に、研究学園都市の建設につきましては、本年度に引き続き、試験研究機関等の集中移転に伴う共同利用研究施設等のあり方及びその規模並びにその運用方法等について、調査を行なうため必要な経費を計上いたしました。  また、最近における原子力、電子技術及び宇宙開発等の諸分野における科学技術の発展に伴い、これに不可決である材料の品質、性能の向上及び新材料の創製をはかるため非金属無機材質基礎研究所を新設する必要がありますので、明年度は、さしあたり、その建設等に必要な各般の調査を行なうため必要な経費を計上するとともに、設立準備室を新設することにいたしました。  試験研究機関の人づくりの推進につきましては、従来の海外留学制度のほか、新たに国内留学制度を設けることとし、理工学関係の研究者等を国立大学に再教育のため派遣するため必要な経費を計上いたしました。  科学技術の普及啓発活動の強化につきましては、本年に引き続き、地方ブロック別に科学技術振興会議を開催するほか、新たに青少年及び婦人を対象に科学技術普及啓発用の映画を作成し、これをテレビにより放送または地方巡回用に利用することといたしました。  第二に、国産新技術開発の促進と情報活動の強化につきましては、九億九千百万円を計上いたしました。  まず、新技術開発事業団につきましては、本年度に引き続き、国産新技術の開発を促進するとともに、将来一そうの発展を期するため、新たに実験調査費を計上するとともに、調査部門の人員の増加をはかることとし、五億六千六百万円の政府出資金を計上いたしました。  次に、発明実施化試験の助成につきましては、最近における実施化試験の規模の拡大化傾向にかんがみ、その円滑な実施をはかるため、補助単価を改定いたしました。  日本科学技術情報センターにつきましては、情報活動を一そう強化充実するため、情報の発行回数及びページ数の増加をはかるほか、新たに中小企業向け海外技術情報を発行することにいたしました。また、三十九年度より継続している合同ビルの建設につきましても必要な経費を計上することとし、総額三億九千五百万円の政府出資金及び補助金を計上いたしました。  第三に、宇宙開発の推進につきましては、宇宙開発推進本部及び航空宇宙技術研究所のロケット関係研究費を合わせて総額七億六千百万円を計上いたしました。  宇宙開発推進本部におきましては、従来から開発してまいりました気象観測等実用化ロケットの研究について、明年度において一応の結論を出す計画のもとに、試作ロケットの本数を増加し、実験の強化をはかることといたしました。また、人工衛星の打ち上げにつきましては、国として、大学関係の協力のもとに、国産実用人工衛星を打ち上げることを目途に研究開発を促進いたしてまいりたいと考えております。  第四に、原子力研究開発利用の推進につきましては、百三億四千三百万円を計上いたしました。  まず、日本原子力研究所におきましては、本年度より本格的整備に着手いたしました材料試験炉の工事を年次計画に従って進捗させるほか、高速炉の開発では臨界実験装置の完成、建て家の着工等を行なうことにいたしました。また、高崎研究所におきましては、大型加速器の完成をはかって工業材料の試験を本格的に実施することとし、このほか、アイソトープ工場の整備、既設原子炉の維持運転、動力炉開発研究、燃料及び材料に関する試験研究等を本年度に引き続き実施することにいたしております。このため、日本原子力研究所に対し、総額六十六億六千万円の政府出資を行なうことにいたしております。  次に、原子燃料公社におきましては、本年度完成する山元製錬試験工場の本格的操業に必要な経費を計上するほか、人形峠及び倉吉地区等における核原料物質の探鉱を、本年度とほぼ同様の規模で実施することにいたしております。また、使用済み燃料の再処理施設の建設につきましては、これに必要な技術開発を行なう経費として二億円及び国庫債務負担行為三億九千九百万円を計上いたしました。その他、原子燃料研究費等を含め、原子燃料公社に対し、総額十九億六千六百万円の政府出資を行なうことにいたしております。  次に、日本原子力船開発事業団につきましては、原子力第一船の建造費を大幅に増額しましたほか、第一船建造に関連する開発研究費等を含めまして、政府出資金七億一千五百万円を計上いたしました。  以上のほか、原子力関係につきましては、民間企業等の試験研究に対する助成費三億一千五百万円、国立機関の試験研究費五億八千四百万円及び放射能安全対策の強化に必要な経費一億三百万円を計上いたしました。  第五に、防災科学技術等重要総合研究の推進につきましては、七億二千八百万円を計上いたしました。  まず、国立防災科学技術センターにおきましては、本年度より着工いたしました雪害実験研究所の諸施設を完成させるとともに、波浪等観測塔施設の整備をはかることにいたしております。また、地震に対する防災研究は一段と強化する必要がありますので、大型震動実験装置の開発を三カ年計画で実施する計画のもとに、その調査費を計上いたしました。  次に、特別研究促進調整費につきましては、防災、公害その他重要総合研究につき一そうの推進をはかるため、本年度予算額より一億円増額し、五億円を計上いたしました。  第六に、資源の総合的利用方策の調査につきましては、五千八百万円を計上いたしました。  まず、一般的な資源の総合的利用方策の調査につきましては、従来からの継続調査のほか、新たに、わが国が当面しております諸問題のうち、水資源関係、東南アジア一次産品の資源的評価及びわが国資源の国際競争力等に関する調査を実施することにいたしております。また、資源総合利用方策の実証的調査につきましては、LPガスの冷凍漁船への利用及び炭焼き廃煙の有効利用について助成することにいたしました。  第七に、国際交流の促進につきましては五千八百万円を計上いたしました。  まず、経済協力開発機構(OECD)関係につきましては、科学技術アタッシェ一名をOECD日本代表部に常駐させるとともに、各種委員会に積極的に参加することとし、また、わが国の科学技術政策について調査するため、明年度同機構から派遣される調査団に対し協力するための必要な経費も計上いたしました。  次に、国際原子力機関につきましては、本年秋ごろわが国で開催予定の第九回通常総会に対する協力費を計上いたしました。また、日米科学委員会、天然資源の開発利用に関する日米協力等につきましては、それぞれ所要の経費を計上いたしましたほか、科学技術者の交流につきましても、その増員をはかりました。なお、第三回アジアエレクトロニクス会議の開催について必要な経費を計上いたしました。  最後に、所管研究所の整備充実につきましては、四十八億四千百万円を計上いたしました。  まず、航空宇宙技術研究所におきましては、ロケット関係並びに垂直及び短距離離着陸機関係の研究施設の整備を重点的に実施することとし、宮城県角田市に支所を新設する等、垂直離着陸研究設備及び営繕等の施設費二億円を含めて総額十六億三千九百万円を計上いたしました。  次に、金属材料技術研究所におきましては、材料試験部の建物の一部完成、クリープ試験機の整備等をはかるため三億二千万円、その他の一般試験研究施設の整備等に六億六千二百万円、合計九億八千二百万円を計上いたしました。  放射線医学総合研究所におきましては、特別研究の強化、養成訓練部における研修課目の増加等をはかるため、五億二千六百万円を計上いたしました。  次に、理化学研究所におきましては、建設中の研究本館、大型サイクロトロン等につきまして、年次計画に従い、八億三千百万円を計上するとともに、農薬研究室の増設、宇宙線の測定研究、特別事業等に必要な経費等を合わせて総額十六億九千四百万円の政府出資金を計上いたしました。  以上、昭和四十年度の科学技術庁予算のうち、重要項目について、その大略を御説明いたしましたが、このほか、原子力損害賠償補償契約に関する法律の施行に必要な国の契約の限度額を一般会計予算総則において八億円と定めることにいたしております。

村尾重雄民主社会党

○委員長(村尾重雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

村尾重雄民主社会党

○委員長(村尾重雄君) 速記をつけて。  以上で説明を終わります。  ただいまの説明に対する質疑は、後日に譲ることにいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十五分散会

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