予算委員会第二分科会 第5号
- 発言数
- 218 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/02/26
会議録
○中野主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昭和四十年度一般会計予算中、防衛庁所管を議題といたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。横路節雄君。
○横路分科員 去る一月二十七日の総理大臣の施政演説に対する自民党を代表する福田赳夫君の質問は「現在ジュネーブにおける国連軍縮委員会に参加いたしておりませんことは、まことに残念なことであります。わが国は、国際的に平和活動を展開するため、この際、軍縮委員会に積極的に加入すべき時期に到来いたしておると思うのであります。総理の所見を伺いたいのであります。」こう言っておるわけです。そうして総理は、それに対する答弁として「国連軍縮委員会に積極的に参加したらどうかということでございますが、これは最近アメリカに行き、国連ウ・タント事務総長と会っていろいろ話し合ってみますると、最近、軍縮会議等を強化するという立場でいろいろくふうされるやに聞いております。こういう際はたいへんいい機会だと思いますので、わが国がそのメンバーになることを心から願っております。」そこで私は、いまだかつてわが国の総理が、スイス、ジュネーブの国連軍縮委員会に積極的に参加するという方針を明らかにされたことはないわけです。そこで防衛庁の長官として、このスイスのジュネーブの軍縮委員会に参加される――総理が言っているわけだから、これは閣僚として、しかもあなたは責任者として、これに参加するにあたっての基本的な方針というものを、ひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○小泉国務大臣 ただいまの問題につきましては、総理の御答弁にもありますとおり、これに参加することは日本としても望ましいことであり、私といたしましてもそういう事態になることは望ましいことであるとは考えておりまするが、まだ防衛庁長官としてこういう問題について具体的な検討をいたしたこともございませんので、いま申しましたような総理の意向に沿って、望ましいことであると考えておるという程度のお答えしかできないわけでございます。
○横路分科員 実は私は、この点につきまして、二月一日の予算本委員会における総括質問でお尋ねしたいと思っていたわけです。総理がこうおっしゃる以上は、防衛庁の長官としては当然お考えになっているだろう、こういうように思ったのです。しかし、具体的なことについてはまだ一度も検討していないということは、これはちょっと不可解だと私は思うのです。なぜならば、自民党の代表福田赳夫君がこういうように言っているのです。前段はありますよ。「総理は、このような意味におきまして、核武装国に対しては、全面的な核実験禁止はもとより、さらに一歩を進めて、核兵器の破棄を求めるとともに、核武装をするに至っていないスウェーデン、カナダ、インド、西ドイツなどの国々に対しては、核武装の愚かさを説き、これ以上核が拡散しないよう呼びかけるべきだと思うが、総理の所見を伺いたい」、そうして軍縮委員会に参加すべきだ、自民党として方針がきまっておればこそ、代表質問でこう言っているのです。この問題は、私は総括質問でお尋ねをしようと思ったのですが、いまの防衛庁長官のような御答弁であれば、それじゃひとつ総理と相談をされるまで審議はしばらく待っていましょうということになるんですよ。私は、まだ一度もそういうことについて考えたことはございませんなどということは言えるものではないのであります。しかも、ほかの人が言ったならばともかく、いまだかつてわが国の総理としてこういう点を明確にした人はいないのであります。この点の具体的なことについては、何ら考えていらっしゃらないのですか。スイス・ジュネーブの国連の軍縮委員会に参加する、自民党の代表者が質問する、総理がこういうように御答弁される、私は何か総理との間に相当打ち合わせがあって、そうして総理の答弁があったという点からいけば、当然長官に対して御相談があったと私は思うのですが、その点は何もなかったわけですか。
○小泉国務大臣 この問題につきましては、総理の答弁、福田赳夫氏の質問以外に、私は、総理からも党からも、いままで何らお話を受けておりません。
○横路分科員 小泉さん、いかに分科会だとはいっても、全然党からも相談を受けてない、総理からも相談を受けてない、だから私は何一つここで具体的に答弁ができないのですということだけで、これは済まされないのではないでしょうかね。 〔主査退席、登坂主査代理着席〕 こういうことになるならば、これは、ひとつあらためて長官は総理と御相談されて、党の国防部会ですか、政調部会ですか、御相談されて、党としての――党としての態度というよりは、防衛庁長官として総理と御相談されて、ここで御答弁されなければ、防衛庁予算に関する分科会としては、これ以上進めるわけにはいかないのじゃないでしょうかね。私は、きょうはこのことについて防衛庁における基本的な方針を承って、それから逐次いろいろな問題について御質問しようと思っていた。やはり長官、全然総理からも聞いたこともない――自民党の代表質問ですから、長官もあのときはひな壇にすわってお聞きになっていたではありませんか。私はお聞きしていて、これは非常に重大だ、いまだかつて保守党内閣の総理で言ったことがないことばだ、これはぜひお尋ねしなければならぬ、できれば総括質問でもお尋ねをしたいと思っていたのですが、時間の関係でできなかったから、きょうここでお尋ねをしているわけです。やはりお答えできませんか。
○小泉国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、具体的にこのことで総理からも党からもお話がございませんでした。私が先ほど申し上げましたとおり、総理の発言のように、総理がお答えになることは私としても希望をし、好ましいことではございまするけれども、具体的な御相談もございませんので、防衛庁としてはいままでの方針どおり計画を推進をしていく、こういうふうに考えておるわけでございます。
○横路分科員 しかし、国務大臣としてはちょっとおかしいのではないでしょうか。総理がスイス・ジュネーブの国連の軍縮委員会に積極的に参加する、こういう態度を表明されている。私は、きょうあとでお尋ねをしますが、あなたは、六月中には第三次防衛計画について基本的な方針を定めることをきのう指示をされた。参議院の内閣委員会では、高橋防衛庁政務次官はそのことをはっきり答弁している。きょうの新聞はそのことを明らかにしている。そのことがスイス・ジュネーブの軍縮委員会に参加することと全然関係がないなどということは、私はあり得ないと思う。これでは全く自民党の代表は思いつきかってなことをしゃべり、これこそおしゃべりだ。総理も思いつきをおしゃべりをした。しかも、場所は衆議院本会議、自民党を代表しての代表質問に対する、いまだかつてないジュネーブの軍縮委員会に対する積極的参加に対する方針を述べていらっしゃるのに、この点について長官としてはどうなさるのだということをお聞きするのが私は当然だと思う。私は、これは一日の総括質問でやる予定にしてあったのですよ。 主査にお願いしますが、防衛庁の予算は、実はきょう一日一ぱいで終わることになっていますが、これでは終わるわけにはいかないです。この問題は、本来からいえば、これで防衛庁の予算の審議はストップして、長官が総理とよく相談をされた上でやるというのが、ほんとうは正しいのです。そうでなければ、私がこれからお尋ねする第三次防衛計画の問題にしても、その他の問題にしても、全部これと関連があるのだから。これが予算の本委員会ならば、審議ストップですよ。私はここで一歩譲って土曜日の日――土曜日になるか、あとで中野主査とよく相談しますが、きょうはとても――私は他の問題を続けてやってもよろしいが、この問題はあらためてひとつ表明してもらわなければならぬ。これはどうしますか。ほんとうはここでストップですよ。第三次防衛計画の問題その他だって全部これと関連しているのだから、これでこのままきょうは防衛庁予算はストップして、あらためて三月一日にもう一ぺん一日とってやってもいいのです。
○登坂主査代理 ちょっと休憩します。 午前十時二十分休憩 ――――◇――――― 午前十時四十四分開議
○中野主査 休憩前に引き続きまして会議を開きます。 小泉防衛庁長官。
○小泉国務大臣 先ほどの横路委員の御質問の点につきまして、総理の意向を承りにまいりましたが、参議院本会議に出席中のため、官房長官とお打ち合わせをいたしましただけでまいったのでございますが、本会議における総理のジュネーブ軍縮会議に対する表明は、日本の平和を熱願をするという基本的な考え方から、日本もジュネーブ軍縮会議に参加することが望ましいという希望を表明されたものでございまして、それ以後の具体的なことは、今後の進捗にまたなければならないわけでございます。あくまでも日本としては、平和憲法の趣旨に基づいて、平和を熱願するために、こういう会議に参加して世界平和に貢献をしたいという総理の意思にほかならないのでございます。
○横路分科員 いまの長官の御答弁で、私は、問題が二つあると思うのです。 一つは、総理が参議院の本会議に入っておられたから、官房長官と打ち合わせをされたということですが、それはあくまでもやはり官房長官であって、総理との打ち合わせではないわけです。この点は、先ほど長官から総理と打ち合わせをしてということですから、わざわざ本分科会を一たん休憩にして、総理と打ち合わせに行かれた。ですから、この点は官房長官との打ち合わせでここへ来られて、それが総理との打ち会わせだといっての御答弁にはならないわけです。この点をまず一つ指摘をしておきます。 第二番目、平和に対する熱望を表明したのだと言いますが、そうでない。先ほど私が指摘をしましたように、福田赳夫君ははっきりしているのです。どういうようにはっきりしているかというと、核武装国に対しては全面的な核実験の禁止、そして、その次には核兵器の破棄です。さらにスウェーデン、カナダ、インド、西ドイツなどの国々に対しては、核武装の愚かさを説き、やってはならぬ、そして、これ以上核が分散しないように呼びかけるべきだ。具体的な構想が入っている。核兵器の破棄なんていうことは、いまだかつて言っていることはないです。ただ、そういう希望を表明したものだけではないのです。長官、いまの御答弁で、まず第一番に手続上の問題として、あなたは総理と打ち合わせをされに行った。しかし、総理は参議院の本会議でいま答弁中だ。きょうは日韓の緊急質問で答弁中である、できない。だから、官房長官と……。これはあくまでも問題の本質が違います。だから、私は、この問題はあらためてあなたは総理とよく打ち合わせの上、あらためてここで答弁をしてもらいたいと思う。それは、この分科会の最終段階でもいいです。中野主査との間で十分打ち合わせをして。 それから、平和への熱願を表明したものだ、そんなことではだめです。核爆発の全面的な実験禁止、核兵器の破棄、いまだ核武装をしていない国々に対しては核武装をさせないという、核の拡散に対して絶対反対する、こういう基本的な問題を含んでいるわけです。ただ平和に対する熱願を表明したものだということだけではだめなんです。私は、この点があなたの基本的な態度が明確にならないと、ほんとうはこれからの質問ができないのです。ほんとうからいえば、参議院の本会議が終わるのを待って、もう一ぺん総理と打ち合わせをされて御答弁されてやるのが、私は本分科会を進める上に一番適当だと思うのです。しかし、私は、他の質問の予定者の点もありますから、いまの点については、あなたがもう一ぺん総理と打ち合わせの上答弁されて、その点について相当長時間あらためてあなたに対する質問をしますということで、次に移ります。しかし、長官、この点は、これほど大切なことを総理が答弁をされているのに、長官と打ち合わせがない、長官はこのことについて全然考慮を払っていない、聞いてもみないという点は、私どもは非常に遺憾であると思うのです。このジュネーブの軍縮委員会に参加する以上は、基本的な方針がなければならない。福田赳夫氏は、いま核爆発の全面的な実験禁止、核兵器の破棄、核武装しない国に対しては絶対させないという三点を少なくともあげている。しかし、これに参加する以上は、わが国の防衛力についてはどうするのかという点について、当然考えて参加すべきだと私は思うのです。しかし、あなたから御答弁がないから、その点はひとつあらためてあなたからお聞きをして、重ねてやります。あるいは質問がダブるかもしれません。 そこで、この間本分科会で田口君が質問をしている問題で、田口君の質問で時間がございませんでしたので、田口君が十分していないから、私がひとつこれからその問題についてもう少しこまかに聞いてみたいと思う。 それはどういうことかというと、まず、今日のスイスのジュネーブの軍縮委員会に参加する以上は、防衛庁長官としては、わが国の軍縮委員会に対する基本的な構想、わが国の防衛力をどの程度縮めていくのか、そういう基本的なかまえがなければ、参加などできるものではないのです。最初に主計官に聞きますが、まず、陸上自衛隊の定員と予算定員というものはどういうふうに見ておるのか。
○渡部説明員 お答え申し上げます。 四十年度末の陸上自衛官の定員は、十七万一千五百人になっております。これに対して四十年度の予算は、八五%で組んでございます。一五%定員に対して減っております。
○横路分科員 人員にしてどれだけ減るのか。
○渡部説明員 予算計上の人員は十四万五千七百七十五人でございますから……。
○横路分科員 実際には幾ら減るのか。
○渡部説明員 二万五千七百二十五人でございます。
○横路分科員 陸上自衛隊十七万一千五百を、予算定員は八五%で押えておるのはどういうわけですか。
○渡部説明員 定員は十七万一千五百でございますが、過去の状況並びに現在の見通しから申し上げまして、四十年度は八五%程度募集可能であるとのこと、こういう考え方でやっております。
○横路分科員 それじゃ人事局長にお尋ねします。いままで陸上自衛隊の全体の定員を聞いたのですが、今度は十三個師団の定員について聞きたいのです。十三個師団の定員は幾らですか。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。師団十三個のうち、九個師団が七千で、四個師団が九千でございます。
○横路分科員 だから、全部で定員は幾らだと聞いている。
○堀田政府委員 九万九千七百四十三名でございます。
○横路分科員 定員は九万九千七百四十三、それに対して現在員は幾らいるのですか。
○堀田政府委員 現在員六万五千八百七十五名でございます。
○横路分科員 そうすると、欠員は幾らです。
○堀田政府委員 三万三千八百六十八名でございます。もっとも、これは昨年の十一月末現在でございます。
○横路分科員 いまお聞きのように、十三個師団の定員は九万九千七百四十三名だが、現在員は六万五千八百七十五名で、欠員は三万三千八百六十八名だ。そうすると、充足率は幾らですか。
○堀田政府委員 六六%でございます。
○横路分科員 では、その内訳をこれから聞いていきます。幹部の定員は幾らで、現員は幾らで、充足率は幾らになっておるか。
○堀田政府委員 幹部の定員は七千七百三十二名、現員は六千四百三十三名、充足率は八三・二%でございます。
○横路分科員 それから曹の定員、現員、充足率。
○堀田政府委員 曹は二万八千八百八十九名、現員二万二千九百十九名、充足率七九・三%でございます。
○横路分科員 士の定員と現員と充足率は幾らになっておるか。
○堀田政府委員 定員六万三千百二十二名、現員三万六千五百二十三名、充足率五七・九%。
○横路分科員 そこで問題になるのは、昔でいう一等兵、二等兵、いまはいわぬけれども、一士、二士、これを合わせた定員は幾らで、現員は幾らで、充足率は幾らになっておるか。
○堀田政府委員 ただいま申し上げましたのは十一月末現在の数字でございますが、私いまここに持ってきておりますのは十二月末……。
○横路分科員 十一月末ということで初めからきたのだから、十一月末でやってくれ。統計は同じ月でやってもらわなければ困る。
○堀田政府委員 それでは十二月末の数字を申し上げます。たいへん失礼を申し上げました。 十二月末の定員は、幹部が一万九千四百十六、現員が一万八千五百二十六、欠員が八百九十、九五・四%。曹五万六千二十九、現員五万二千九百十、欠員三千百十九、率九四・四%。士……。
○横路分科員 あなた何言っているの。私は十三個師団を言っている。だめですよ。いまあなたが答弁していることは、十七万一千五百人を話しているのだろう。ぼくは十三個師団の数を聞いているのだ。だから、統計というのは十一月で話をしたら終わりまで十一月で話をしてもらって、それから言ってもらわなければ困る。いまは十一月の曹のところまできたのだから……。士のところは定員が六万三千百二十二人、現員が三万六千五百二十三人、充足率は五七・九%、そこで昔でいう一等兵、二等兵、一士、二士の定員と現員、そこで充足率はどうか、そう聞いているのです。そういうふうに一貫してやってもらわなければだめだ。
○堀田政府委員 失礼をいたしました。私、手元に持ってきておりませんので、すぐ準備をいたしまして御報告いたします。
○横路分科員 五〇%を割っているのでしょう。一士、二士については五〇%を割っているのだろう。いまのお話で幹部の充足率は八三・二%。まず問題点の一つは何があるかというと、十三個師団で九万九千のところを六万五千しかいなくて、欠員が三万三千いる。一個師七千にしたら、これで何ぼ減るのです。約五個師団減っているじゃないですか。十三個師団といっても、五個師団ないじゃありませんか。十三個師団というけれども、五個師団なくて、実際には八個師団しかないじゃないですか。そして、いま幹部は八三・二%、曹の充足率は七九・三%、士の充足率は五七・九%。いまあなたが資料をもってくると言うが、一士、二士の充足率はおそらく五〇%を割っている。これは頭でっかちの師団なんです。一個中隊というのは、念のために聞いておくけれども、どれだけの数で、幹部がどれだけで、曹がどれだけで、それから士長がどれだけで、一士、二士がどれだけか。あなたは専門家だから、ひとつここで教えてください。
○海原政府委員 部隊の編成のことでございますので、私からお答えいたしますことをお許しをいただきたいと思います。中隊の編成につきましては、いろいろな連隊がありまして違っておりますが、一例を普通科連隊で申しますと、普通科連隊の普通科中隊で申しますと、幹部が九名、曹が四十六名、士が、これは士長が入っておりますが、百五十八名、合計二百十三名、これが普通科の中隊の編成でございます。
○横路分科員 そうすると、いまのお話で、こういうことですね。その百五十八のうちで、士長と一士と二士との差はどういうふうになっていますか。
○海原政府委員 この点は、編成的には士長と一士、二士の区分はございません。
○横路分科員 そうすると、二百十三名の普通科連隊の一個中隊が、幹部は九名おる。充足率八三・二%、八、九、七十二だから、約八人おることになる。それから曹は七九・三%だから、八〇%として二〇%減るから、約九人減って三十七人ほどおる。ところが、百五十八人の士に至っては、五〇%割っておるわけなんです。だから、どういうことになるかというと、これは一体どれだけになるのですか。八十名足らずである。そうすると、二百十三名だというが、実際にはどれだけで編成しておるのですか。二百十三名の一個中隊が、百二十五名の一個中隊じゃないですか。これが今日の陸上自衛隊の実体なんですよ。私は、いままでどなたもこの十三個師団の充足率をお聞きしてないから、この点について聞いておるわけなんです。十三個師団あるというが、しかし、実際には約五個師団ほどなく、あるのは八個師団くらいしかない。そうして普通科連隊の一個中隊は二百十三名だというけれども、実際には百二十五名くらいの編成だ。防衛庁長官、ここに問題があるのですよ。だから、私はスイスのジュネーブの軍縮会議にあなたが参加をされるということは、この実体を踏んまえて参加される以上は、とても今日のわが国の防衛力というものについては、これ以上ふやすわけにはいかない。漸次縮小の方向にいく以外にない。私はそういうことしかないと思うのです。人事局長、国民は、みなきょうの新聞で、あなたが参議院の内閣委員会で言われた、上野の銅像の下で何か募集しておるとか、パチンコ屋で募集しておるとか、渋谷のハチ公の前で募集しておるとかいう話を、苦笑しながら見たと思うのです。私はあなたにお尋ねをしますが、これを充足できる自信があるのですか。たとえば中学から高校への進学率は、三十五年で五九・九%が四十年には七一・八%ですよ。四十五年には七五%をこえるんですよ。これは文部省の資料なんです。労働省のこの求人見込みからいけば、いわゆる求人のほうの倍数が、中学卒業生でいま三・六倍なんです。高等学校の卒業生で四倍になっているのですよ。こういう実態からいって、あなたのほうでこれを一体充足できる自信がありますか。十三個師団が今日八個師団しかない。普通科連隊の一個中隊は二百十三名が百二十五名なんです。そして頭でっかちの下がしり細りの、しかも実際に第一線で働く一士、二士というものは、五〇%を割っているのです。人事局長、どうやって充足するのですか。
○堀田政府委員 いま横路委員の御指摘のとおりに、充足の現状は非常に悪いのでございますし、かつまたこれを完全にカバーをいたすことは、たいへんな難事業であると私も思っております。しかしながら、実際に自衛隊員が自衛隊を去っていく姿をしさいに考えてみますと、一士、二士について考えますと、いわゆる満期除隊をして、任期が来て帰っていく者が大体一万、なお途中で退職していく者が大体一万という数字になっております。この途中で一万人退職してしまいます者は、これはやはり入りました最初三カ月くらい、生活がきつくて耐えられないでやめるというような者もございますけれども、それよりも、やはりほかの職場に比べて自衛隊の自衛官の生活がよくないというようなことでやめていく者がかなりおるのでございます。たとえば隊舎の生活が、ほかの中小企業もしくは大工場の宿舎等に比べてはるかに悪い、あるいは食事が悪い、あるいは任期制の隊員でありますから、任期を終えまして帰りますときには、現在一割くらいしか下士官になれない。曹と申しますか、下士官になれない。なおまた、空海と違いまして、特別な技能を身につけて再び自衛隊以外の職場へ帰っていくということもないといったようなことで、やはりあまり魅力がないというような条件が陸上の士の中途退職を決定しておるのではないかと私どもは考えております。したがって、自衛隊の隊員の生活環境をよくしてやると同時に、就職のあっせんも考えてやる。あるいは自衛官の隊員生活をしておる間に技能も身につけさせてやるといったような職業訓練等のくふうをいたしますれば、この一万人の途中の脱落者があるいは五千になり、二千に減っていく、そういうふうに私どもは考えております。したがって、現在募集し得る限界というのは大体二万数千でございますが、この募集の能力も、さらにいろいろな面でくふうをいたしまして、地連の組織を強化する、あるいは予算措置を十分にしてもらって、PR、広報の組織、広報の手段等をくふういたしますと、少なくとも現在程度の募集能力は確保できる。片や先生御指摘の周囲の条件が悪くなったにしても、募集能力が現在程度以上に確保されておるならば、脱落者を防ぐことで隊員の充足率というものは逐次上げ得るのではないか、絶対に不可能であるというふうには言えないのではないかというように私は考えております。
○横路分科員 ちょっと念のために聞いておきますが、陸上自衛隊の自衛官一人当たりの年間の金は幾ら、それから海上自衛隊の自衛官の年間の費用は幾ら、航空自衛隊の自衛官の年間の費用は幾らですか。
○大村政府委員 お答え申し上げます。 一人当たりを計算いたします場合に、人件費とかあるいは旅費、庁費とか電話料とか光熱水料とか、そういう維持的な経費と、それから活動的経費と申しますか、演習訓練等をやります場合の油代とか、あるいは修理費とかいろいろございますが、それらをひっくるめまして一人当たりを申し上げますと、陸上自衛隊の場合が七十万七千二百七十六円、海上自衛隊が百二十四万二千九百二十七円、航空自衛隊が百四十一万六百二十二円でございます。
○横路分科員 それでは経理局長、そのうちの給料、それから食費、旅費、退職手当といったようなものを入れたいわゆる一般的な人件費は、陸上自衛隊の場合七十万のうち幾ら、それから海上自衛隊の場合には幾ら、航空自衛隊の場合には幾ら、それはどうなっていますか。
○大村政府委員 お答え申し上げます。 人件費と糧食費、旅費という御指定でございましたので、その三つを申し上げますが、ちょっとそれだけの合計がございませんので、恐縮でございますが、数字を自衛隊ごとに申し上げます。それであとで計算して合計を申し上げます。 千円単位で申し上げますが、陸上自衛隊の場合には、人件費は四十八万八千円でございます。旅費が六千円、糧食費が四万六千円でございます。海上自衛隊は、人件費につきまして一人当たり五十四万九千円、旅費が一万円、糧食費が五万七千円でございます。それから航空自衛隊につきましては、人件費が四十六万八千円、旅費が一万円、糧食費が四万五千円でございます。
○横路分科員 いまお聞きしますと、陸上自衛隊一人当たり七十万円のうち、人件費、旅費、糧食費合わせて五十四万円ですから、約八割近いものはいわゆる人件費と旅費と糧食費、食べものである。陸上自衛隊というのは何をやっているかというと、給料を払って食べさせて旅費を払っているということになる。そういうことです。いま七十万のうち五十四万はそうなんだから、そういうことになるわけです。長官、どうですか。私がこれからあなたにお尋ねをしたい点は、あなたにきのうちょうどいい機会に発表していただいたので、きょうの新聞に出ておりますが、「小泉防衛庁長官は、このほど事務当局に対し、四十一年度に終了する予定の第二次防衛力整備計画に続く第三次防衛力整備計画の基本計画作成を指示した。」六月中に基本方針をつくれと命じた。これは間違いございませんね。
○小泉国務大臣 六月ごろまでに基本的な大綱だけでもまとまるようにこれから研究をしてもらいたいということを指示いたしたことは、そのとおりでございます。
○横路分科員 それでは、あなたにお尋ねしますが、いま私が申し上げたように、陸上自衛隊十三個師団のうち五個師団も充足されていない。八個師団しかない。よもや第三次防衛計画で陸上自衛隊の十三個師団をさらにふやすような計画はしないんでしょうね。この点だけきちっと聞いておきます。
○小泉国務大臣 そういう問題も、すべてこれからの防衛力整備計画の中で検討をされ、決定をされる問題でございまして、いま二個師団ふやすとかふやさないとか、そういうことを具体的に考えておるわけではございません。
○横路分科員 小泉さん、私が聞いたのは具体的に聞いたのですよ。十三個師団のうち五個師団も充足できていないじゃないか。その十三個師団のうち五個師団も充足できてなくて、八個師団しかなくて、そうして第三次防衛計画で十三個師団プラスアルファなんということは、よもや考えてはいないだろうということを聞くのは当然じゃないでしょうか。当然じゃないですか、小泉さん、どうですか。十三個師団のうち五個師団ないんですよ。さっき言ったように、普通科連隊は何ぼです。二百十三名のうち百二十五名しかいないのですよ。一体、これはふやすことができますか。だから、私は十三個師団の増員なんというものは、第三次防衛計画で考えることすら――私は、ことばがあるとすれば荒唐無稽ということばがあるが、全然これは考える余地もないと思う。これはどうなんですか。
○小泉国務大臣 これから検討するようにという指示をいたしたのでございまして、いまそういう具体的なことを考えておるわけでございませんで、今後検討の結果どういうことが出てくるか、いわゆるこれから検討をするということでございます。
○横路分科員 検討するということは、現在十三個師団が八個師団しかないという現状を踏んまえて検討するということですね。これは間違いないでしょう。十三個師団が八個師団しかないという現状を踏んまえて検討するということでしょう。そのことだけはっきり聞いておきます。
○小泉国務大臣 十三個師団はやはり十三個師団あるのでありまして、いま横路委員の言われるとおり、人員その他の点からこれを数字だけ合わせますると、あるいは八個師団の人員しかないではないかというお説も立つのでありますが、われわれは、将来定員も充足をしていきたいというような考え方に立っておりまして、やはり十三個師団というものは、定員が不足であっても十三個師団であるという考えに立っておるのであります。
○横路分科員 長官、珍しいことを言いますね。だって、あなた、普通連隊の一個中隊二百十三名のところ百二十五名しかなくて、これが一個中隊なんですか。それが一個中隊なんですか。十三個師団というのは、かっこうだけは十三個師団だが、中身は違うじゃないですか。だって、事実あなたは、先ほどみんな十七万一千五百の定員だけのことを言っているから、私は十三個師団の中身を聞いたんです。九万九千の定員のところを六万五千八百七十五しかないのだ。十三個師団のうち八個師団しかないのだ。だから、あなたが第三次防衛計画をやる場合には、その九万九千七百四十三が六万五千八百七十五だ。十三個師団は現状実際に集めて見れば――昔だって、戦争のときみんな集めてみたら、二十個師団あると思ったやつが十個師団しかなかった、そういうやり方をやるじゃないですか。集めてみたら八個師団しかないじゃないですか。だって二百十三名の中隊が百二十五名しかないじゃないですか。だから、私がお尋ねしているのは、その現状を踏まえて、第三次防衛計画のまず陸上自衛隊についてはどうするかということをお考えになるのでございましょうねと聞いている。現状を踏まえて……。そういうことを全然考慮なしにやるのですか。その点はどうなんですか。――局長に聞くことは局長に聞きます。いま防衛局長にも聞きますし、かわるがわる聞きます。しかし、きのう長官が指示をしたというから――防衛局長が指示をしたのなら防衛局長に聞くけれども、長官が指示をしたのだから、私は長官に聞いている。
○小泉国務大臣 それは私どもは、人員の数においては横路委員の言われるようなことも言えるかもしれませんが、あくまでも十三個師団という現状に立って今後の計画を進めるという意味でございます。
○横路分科員 しかし、十三個師団があるが、実際には三万三千、約五個師団近くは実際には人間はいないのだ。その現状に立って検討する以外にはない。それを無視してはできない。 第二番目、第三次防衛計画でぜひこれは長官に聞いておきたい。これはなぜ聞くかというと、福田赳夫君の質問で、全面的な核爆発の実験禁止、核兵器の破棄、さらに核武装していない国々に対しても、スウェーデン、カナダ、インド、西ドイツなどの国々は核武装するということがいかに愚かなことであるか、あなた、総理、スイスのジュネーブの軍縮会議に行って説きなさいと言っている。第三次防衛計画で私がきょうあなたにはっきり御答弁していただきたいのは、第三次防衛計画では、ナイキハーキュリーズを導入することは絶対にないですね。その点だけははっきりここで御答弁願っておきたい。
○小泉国務大臣 核兵器を持たないということは、もう日本の既定の方針でございまして、あくまでもこの既定の方針に沿っての第三次の防衛力整備計画であることは言をまたないところでございます。
○横路分科員 私は具体的に聞いているのです。ナイキハーキュリーズを聞いているのです。なぜ私がそのことを聞いているかというと、いまから何年前ですか、やはり同じく予算の分科会で、首都防衛のナイキアジャックスを私が聞いたときに、発射機、ランチャーは、これはナイキハーキュリーズをぶつ飛ばすものなんです。弾体はナイキアジャックスを持ってきたが、ナイキアジャックスはもうアメリカでは生産中止をしている。そのときから疑いを持ってみんなが見ている。現に沖繩にあるのはナイキハーキュリーズ、核弾頭つきなんです。だから、私は、あなたが言う核兵器は絶対持ち込まない、自衛隊の核武装はしないということだけでは、きょうはそれだけではだめなんです。第三次防衛計画ではナイキハーキュリーズの導入はしないということをここではっきりとあなたは言明することが、いまあなたの答弁からいって当然なんです。そのことだけは明確にしてもらいたいのです。
○小泉国務大臣 兵器のことでもありますし、いままでの経過もございますので、防衛局長から答弁いたさせます。
○横路分科員 ちょっと待ってください。 しかし、防衛庁長官、いま第三次防衛計画の中心は何になっているかというと、このナイキハーキュリーズを導入するかどうかということが中心なんですよ。これが第三次防衛計画ではずれるか入るかということが、第三次防衛計画の中核になっておる。そのことを長官が御存じなくて、六月中に第三次防衛計画の基本方針を決定せいなんておっしるのはおかしいのです。それは専門家の防衛局長に聞きますが、やはりこの際、政治家としての、閣僚としての小泉長官のひとつ態度をきちっと聞いておかなければだめですよ。
○海原政府委員 先ほど先生のお話の中に、数年前の事例を御引用になりまして、発射機がユニバーサル型である、したがってというお話がございました。このことにつきましては、これは技術的なことでございますので、私から御説明申し上げたいと思います。 これは、たびたび関係委員会で御質問がございましたので申し上げたのでございますが、現在私どもの持っております発射機は、一般にはユニバーサル型といわれておりますが、これをもって直ちにはハーキュリーズの弾頭を発射できません。私どもの承知しておりますのは、十数点のいわゆる付属器具のアタッチメントというものをいま持っておりますところのランチャーにつけ加えなければ、それをもっては直ちには発射できないものでございます。これは、私どものほうの技術的なことでございます。したがいまして、いまの発射機でもって直ちにナイキハーキュリーズというものが発射できるものではございません。この点は、ひとつ明確にそのように御認識願いたいと思います。 さらに、三次計画につきましては、昨日御指示いただきましたのは、防衛局が中心となっていろいろ事務的に取りまとめをせよ、こういうことを御指示になったのでございまして、このハーキュリーズの導入問題も、やはり三次防の一つの問題として、それがどういう形になるかということが六月ごろまでには見当がつく、これがすなわち基本構想ということであります。先ほど大臣からお答えしたとおりでございます。 ただ、この際申し上げておきますことは、ナイキハーキュリーズと申しましても、これは、普通弾頭を用いますものと、核弾頭を用いますものと、二つございます。したがいまして、これも先般の国会で御説明いたしましたが、この普通弾頭のものをナイキハーキュリーズということであれば、これは現行法上何ら抵触するものではございません。普通弾頭を用いますナイキハーキュリーズというのは、現在私どもが持っておりますこのエージャックスの進歩したものでありますことは、これは先生御存じのとおりと思いますが、念のために申し上げておきます。
○中野主査 関連して石橋君の発言を許します。横路君の時間の範囲内で。石橋君。
○石橋分科員 ただいまの横路君の質問に答えられて、ランチャーのユニバーサル型は、エージャックスもハーキュリーズもともに発射できるものではないというふうにお答えになっておられますけれども、当初このエージャックスの装備の問題を内閣委員会で議論いたしておりましたころは、両方とも発射できるようなお答えがあったわけであります。その後だんだん答弁が変わりまして、必ずしもユニバーサル型であっても、エージャックスもハーキュリーズも発射できるものではないというふうに答弁が変わってきております。そこで、私、この間、ついせんだってでございましたが、沖繩に参りました。二月十六日から行ってきたわけですが、幸いに米軍のほうで民政府の責任者が案内をしまして、ハーキュリーズの基地を見せてくれました。場所は普天間でございましたけれども、そのときキャプテンがいろいろと説明をしてくれまして、質問はございませんかと言いますので、私は単刀直入に聞いたわけです。ここにあるのはハーキュリーズでございますね、そのとおりでございます。その前にここにエージャックスがございましたか、ありました。発射機のほうは変わりましたかと聞きましたら、何をしろうとがというような顔をしまして、これはユニバーサル型というランチャーである。そのまま使えるので、エージャックスのときと同様でございます。その隊長が責任を持って答えているのですよ。これはおかしい。私たちもそう思っているのだけれども、日本の防衛庁は、いやユニバーサル型といえども両方撃てることはない。どちらがほんとうかという疑問を持たざるを得ません。向こうは、現実に操作をしております基地の責任者が説明しているのですが、あなたの答弁と食い違うわけです。どちらかがうそを言っているということになるわけですけれども、ユニバーサル型ではハーキュリーズは撃てませんか。
○海原政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたことば、私の説明、いずれも正しいわけです。と申しますことは、先生は沖繩の隊長のことばを御引用になっております。私も防衛局長を四年半つとめておりまして、政府委員としてお答えしているわけでございますが、お答えする以上は、事実を調べております。ただ、お話を承っておりますと、現在沖繩にあるユニバーサルタイプの発射機というものは、それをもってエージャックスもハーキュリーズも両方打てるわけです。私どもの持っておりますユニバーサル発射機というものは、先ほど御説明しましたように、十数点のものを欠いております。沖繩にあるものは、その十数点のものが現にあるわけです。したがって、それは両方撃てる、これはあたりまえでございます。したがって、米軍のキャプテンの言うことは正しいわけです。私どもの持っております発射機は、その十数点を欠いております。したがって、そのままでは撃てない。しかし、これはあれだけの大きな関連装備の中の十数点が欠けているだけのものでございますから、呼ぶときにはユニバーサルと呼んでいるわけでございます。現実にこれをもう少し御説明いたしますと、当初この発射機がまいりましたときには、ハーキュリーズも撃てるいわゆるアダプター的な付属器具も入っておりました。それは、持っておりますといろいろと誤解を受けるということで、顧問団のほうで交渉しまして返した事実がございます。したがいまして、私が先ほど来御説明しましたことは、そのとおり事実でございます。いまある発射機にそのハーキュリーズという弾体を発射するに必要な付属器具と申しますか、アタッチメントと申しますか、それは、私の記憶では十数点ございます。それをつければ、そのあとにおいてはハーキュリーズは撃てるものなのです。したがいまして、先生がお聞きになりましたアメリカの隊長のことばも私のことばも、それぞれ正しい、こういうふうに御理解を願たいと思います
○石橋分科員 それじゃ、正確にここで確認しておきたいと思うのですが、弾体のナイキハーキュリーズと十数点の部品と一緒に持ってきさえすれば、現在のランチャーはそのままハーキュリーズの発射のためにも使える、こういうふうに確認してようございますか。
○海原政府委員 技術的にはそのとおりでございます。
○横路分科員 防衛局長にお尋ねしますが、ナイキハーキュリーズは非核と核との併用なんでしょう。その点、はっきりしておきたいと思う。ナイキハーキュリーズは非核と核との併用なんでしょう。
○海原政府委員 ただいま先生のお尋ねが併用か、こういうことでございます。併用ということばをどう解釈するかでございますが、私の申し上げておりますことは、ナイキハーキュリーズの弾頭には、飛んでいくミサイルには二種類のものがある。普通弾頭を用いましたものと核弾頭を用いましたもの、この形はそれぞれ同じでございます。したがって、併用ということは、発射機が同じであって、両方の弾頭のものが撃てるということで併用とおっしゃるのであれば、そのとおりでございます。諸外国におきましては、大体ナイキハーキュリーズにつきましては、それぞれの国によって違いますが、核弾頭を三、普通弾頭を七、あるいは核弾頭を四、普通弾頭を六、そういうような比率で一般に保有しているというふうに私どもは承知いたしております。
○横路分科員 そうしますと、核弾頭七で非核が三ですね。逆ですか。
○海原政府委員 私どもの承知しておりますのは、核弾頭が少ないわけであります。三、四に対して片一方が七、六。と申しますのは、これは対空の火器であります。したがって、飛行機が一機で飛んでくる場合には、いわゆる従来の高性能の弾頭のもので十分効果が発揮できるわけであります。非常に誘導性能がよろしゅうございますので、普通の性能のもので十分に効果が達せられるものに、わざわざ高い核を使う必要はありません。したがって、そういうような保有の率になっておると承知いたしております。
○横路分科員 第三次防衛計画の中心は、ナイキハーキュリーズを導入するかしないかということにあると思います。いまの問題は、ナイキハーキュリーズについては核が三ないし四、非核が七ないし六ということになりますが、しかし、第三次防衛計画でナイキハーキュリーズを導入するということは、言うなれば、私は、逐次自衛隊の核武装、自衛隊の核兵器持ち込みのなしくずしになると思うのであります。この点は、私は非常に危険な問題であろうと思います。だから、この点は、いま石橋委員から指摘されたように、十何点かの部品を整備すれば、今日持ってきておるものでもナイキハーキュリーズを発射できるという状態になっておる。しかし、これは、せっかくスイスのジュネーブ軍縮会議に出るという、そういう点で問題点は二つある。一つは十三個師団の増員は、先ほどから明らかにされた点から言って増員などできるものではない、かえって縮小すべきである。ナイキハーキュリーズの持ち込みは、絶対すべきではない。防衛庁の長官に対して、まず自衛隊の核武装についてのあなたの所信と、それからナイキハーキュリーズは、自衛隊の核武装に対してなしくずしの道を開かれるものであるか、この二点についてあなたの所信をお尋ねしておきます。
○小泉国務大臣 日本の核武装ということは、もう申し上げるまでもなく、なすべきものでないことは既定の方針でございますので、ナイキハーキュリーズの問題につきましても、核、非核両用があるということでございますので、あくまでも核弾頭のナイキハーキュリーズを装備すべきものではないと考えておるのであります。
○横路分科員 しかし、防衛局長、これは、核のものも非核のものも、同じランチャーから発射できますね。それは間違いありませんね。
○海原政府委員 繰り返して恐縮でありますが、ハーキュリーズの弾頭と発射機からは、両方とも発射できます。
○横路分科員 それでは、あと二、三の点についてはお尋ねしておきますが、これは防衛局長にお尋ねしたい。 一つの問題は、いま北海道でやたらに誇大な宣伝が行なわれまして、小樽市で、海上自衛隊の基地ができるのだ、隊員が四千人もそこに行くのだ、家族を含めて一万人の人口が増加する、そうして税金その他物資の調達で十六億円もおりるのだということなのだが、三千人の海上自衛隊の基地ができるなんということはどんな話なんだろうか、こういうことについては長官は専門家ではないから、ひとつ防衛局長から、こんな事実があるのかどうかはっきりしてもらいたいと思います。こういうことでいたずらに誇大な宣伝が行なわれるということは、非常に遺憾だと思います。防衛局長、御答弁願います。
○海原政府委員 現在そのような計画はございません。
○横路分科員 それでは、その点はそれで一つはっきりいたしました。 次に、これは施設庁の長官にお尋ねしておきますが、あなたに前に資料を出してもらいましたが、MSTSの日本人乗り組み員の船舶八隻、このうち東南アジア方面に行っているものが大体三隻、昭和四十年一月一日現在百四十五名。大体三隻は東南アジアに行っている。これは米海軍所属の海上輸送隊で、陸海空の人員や陸海空の物資を輸送しているらしい、こういうことも明らかです。私は、これはいずれ外務委員会でもお尋ねしますが、私は、あなたの見解だけをお尋ねしておきたいのです。この地位協定の十二条に、「現地の労務に対する合衆国軍隊及び第十五条に定める諸機関の需要は、日本国の当局の援助を得て充足される。」そこで合衆国軍隊とは一体何だろう。そこで合衆国軍隊とは、地位協定の第一条の(a)項に書いてある。「「合衆国軍隊の構成員」とは、日本国の領域にある間におけるアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍に属する人員で現に服役中のものをいう。」そうすると、いまこの十二条の合衆国軍隊に対する現地の労務提供で、MSTS所属の八隻、百四十五名、三隻は東南アジアに行っている。しかし、地位協定の第一条ではっきりと、合衆国軍隊の要員とは「日本国の領域にある間におけるアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍に属する人員」なんだ。そうすると、日本国の領域から出ていけば、もうそれはいわゆる合衆国軍隊の構成員ではない。地位協定に定められた、第十二条にいう、安保条約の付属文書である地位協定にいう、いわゆる日本人の労務者の提供ではない。これを何で東南アジアまで、この危険なさなかに行くものでしょうかね。これは、きょうまずあなたの見解を承っておいて、それからあした外務委員会で、条約局長と基本的にやりますから、とりあえず施設庁長官の、この地位協定に対するあなたの考えをひとつ聞いておきます。
○小野政府委員 ただいまのお尋ねのうちで、地位協定第一条、合衆国軍隊の構成員の問題に触れられましたが、これは、もう申すまでもなく軍隊の構成員自体の問題でございまして、日本政府側で提供しておる労務者は、この場合は構成員ではない、これは十二条4項によりまして提供しておるのですが、軍隊の関係者ではございましょうが、いわゆる構成員ではないことは、御承知のとおりでございます。十正条4項によりまして、いわば簡単なことばで申しますならば、在日米軍に対して労務者を提供するわけでございますが、そのうち、ただいまお尋ねのMSTSの貨物船等の船員というものについて、これが東南アジア方面へ行くというのはどういうことか、こういうお尋ねかと思うのですが、大体、日本政府側で提供いたします労務者は、たてまえとしては日本国内で勤務するというのが当然でございますが、たまたまMSTSのような輸送部隊でございますれば、その任務の性質上、この船が外洋に出る、それに乗り組んでおる船員が日本の国土を離れるということのあるのは、やむを得ないものである、あるいは当然である、このように私どもは考えておる次第でございます。
○横路分科員 長官、在日米軍というのは、日本国の領域にある間だけをいうんですよ。日本の領域からはずれたら、在日米軍でないんですよ。いまあなたは、日本国の領域からはずれている在日米軍に十二条の何項かで労務者を提供するという、そんなことはないのです。在日米軍とは、日本にある米軍なんです。それは、日本国の領域の間の、空軍なら日本の空ですね、陸軍であれば日本の土地、海軍であれば日本の領海、そこから離れたら、在日米軍でないのですよ。いまあなたは在日米軍に提供しているというが、在日米軍ではないのです。安保条約の地位協定の第一条をあなたはもう一度お読みになったらいいです。ここに書いてある。「「合衆国軍隊の構成員」とは、日本国の領域にある間におけるアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍に属する人員で現に服役中のものをいう。」と書いてある。そこから離れたら、在日米軍ではないのです。だから、日本の港から港へと物資を運んでおるのはいいのですけれども、何で東南アジアまで行くのにこの日本の、しかも調達庁が――これは米軍の間接雇用で、あなたのほうで責任がある。三隻行っているわけですね。あなたは在日米軍だからやっておるというのですが、これは、防衛庁長官にお聞きしてもいいですよ。お聞きしてもいいのですけれども、施設庁長官がいらっしゃいます。前々から施設庁長官をお呼びして――これは、地位協定の点からいっても問題ですよ、在日米軍というのは。ここに専門家の石橋委員がいますから、何だったらまたここで石橋委員に関連してやってもらってもいいですけれども、在日米軍なんて、そんな東南アジアにまで行ってまで在日米軍、ハワイに行ってまで在日米軍、仁川に行ってまで在日米軍、釜山に行ってまで在日米軍、そんなことはないですよ。それは、長官、改めていただかなければ、あなたは日本人の百四十五名の労務者を間接雇用される最高の責任者なんだから、そういう意味で、私は、この条約並びに条約に関する付属協定書というものの解釈は厳として、そして日本人労務者の安全を守ってやるということでなければならぬと思う。何か御意見はございますか。
○小野政府委員 在日米軍ということばは、これは、従来からむずかしいやりとりがあったことばでございまして、私、必ずしも正確な意味でいま申し上げたわけじゃございませんが、お尋ねのMSTSという部隊は、横浜に司令部を置き、横浜港を所属港とする船を動かしておる部隊であることは御承知のとおりでございまして、そういう意味で安全保障条約の仕事に従事しておるというように私どもは理解をいたしまして、これに対して、その実施規定である地位協定による提供をいたしておる。私どもは、そのように理解をしてこの仕事をやっておるわけでございます。
○横路分科員 しかし、長官、地位協定の十二条の先ほどのところを読んでください。第一条(a)項のところを読んでください。何べん読んでも同じなんですけれども、合衆国軍隊の構成員とは、日本国の領域の間におけるアメリカの陸海空の人員をいう。日本国の領域ときまっている。そういう点は、あまり拡大解釈をされてやられることはうまくないです。それで、長官、あしたまた外務委員会でやります。今度は外務大臣とお二人、専門家を並べて。あなたにもう一ぺん恐縮だが出てきてもらう。これは、私はやはり大事だと思うのです。こういうことがルーズになってはいけないと思うのです。非常に安保条約の運用がルーズであり、地位協定の運用がルーズである。私どもあれほど三十五年の国会では反対をした。ああいう自然成立の形をとられた。しかし、われわれは国会においては十分監視しなければならない。そういう意味で、われわれ野党が監視しなければだれがするのか、こういう点なのです。この点は、時間もだいぶたっていますから、恐縮ですが、あしたもう一度おいでいただいて、外務大臣と条約局長を並べた上でもう一ぺんお尋ねしますから、おいでをいただきたい。 最後に一つだけ主計官に。防衛庁長官から昭和四十年度防衛庁予算の説明で、「基地問題を円滑に処理するため、前年度に引き続き、騒音防止対策を推進するとともに、基地周辺の道路の整備、用地買収及び家屋の移転等の民生安定諸施策の充実強化をはかることといたしております。」こうなっている。いま一番問題なのは、F104Jがそれぞれ配置になってきた。そこで、これはF86FとかF86Dとは違って、非常な騒音を出す。そこで、学校の防音装置をやってくれという陳情があり、ことし予算を組んだのは十八億でしたね。これをみんなやるのでしょうね。あなたのほうで、まさか何か歳入欠陥が生ずるおそれがあるとかいって、ずたずた切ってやるようなことをせぬでしょうね。そのことだけ聞いておきたいのです。
○渡部説明員 ただいま御審議願っているように、防衛庁の航空自衛隊関係で組んでおるのは十八億円でございます。われわれは、これを皆さんに御審議願って、国会を通過させていただければ、四十年度においては大体やりたいと思います。
○横路分科員 全部で何校あるのです。
○渡部説明員 おおよそのところ四十校程度です。
○横路分科員 学校だけですか。
○渡部説明員 学校四十校程度と、病院が二程度でございます。
○横路分科員 予算が通れば全部やるのですね。
○渡部説明員 やりたいと思います。
○横路分科員 それでは、最後に長官、先ほどの官房長官との打ち合わせでは私は納得できないから、この点だけは、せっかく佐藤総理があれほどいいことを言っているわけだから、もう一ぺんよく打ち合わせをされて、その上で第二分科会が終わるまでに、恐縮ですがおいでいただいて、もう一度ひとつスイスのジュネーブの軍縮委員会に参加する基本的な態度についてお伺いいたします。それから施設庁長官には、なおもう一ぺん地位協定について。この条約、地位協定の援用、解釈というものはやはり厳密にすべきだというのが私の考えですから、そういう観点に立って、あした出てきていただきたいと思います。
○中野主査 茜ケ久保重光君。
○茜ケ久保分科員 定員の問題について質問したいと思いましたが、横路委員からかなりあれしましたので、あらためてあとで内閣委員会でこれに触れたいと思います。時間もございませんので、ひとつ端的にお伺いしたいと思います。 それは、御承知と思うのですが、十年来の問題でありまして、群馬県にとりましても非常な大きな問題として今日まできている太田小泉飛行場の問題でございます。この分科会あるいは内閣委員会等で何回となく質問もし、また御要望申し上げ、あるときには陳情もしてきたのでございまして、当該大泉町の関係でも、百回に達する陳情をしてきておるわけであります。その間、防衛庁長官ないしは施設庁あたりでもかなり御努力はしていただいたと思うのでありますけれども、なかなかその実効はあがりませんので、今日現地はもうほとほとしびれを切らしている。先般は、一応革新的な人たちが中心でございますけれども、二千数百名の者が集まって現地で返還要求大会も持っておりますし、これに呼応して、いわゆる革新糸でないといわれる方々も、かなり同調者も出ておるようであります。これがこのまま推移いたしますならば、太田小泉飛行場を中心とした都市計画なりあるいは工場誘致、民生安定等の問題が非常にそこを来たして、ゆゆしい問題になるという可能性もあるわけです。私どもも、たびたび御要望申し上げ、質問してまいりましたけれども、一向に進展をしない。ただ、去る二月の国会で前防衛庁長官だった福田大臣から、当時一応一歩前進する形の答弁をいただいて、われわれとしても、また地元としても非常に喜んでおったのであります。と申しますのは、この太田小泉飛行場の返還のネックは、新しい代替地をいろいろな方面から要請するけれども、適当な地があっても地元の反対のためになかなかできないというので、今日まで延びてきたのでありますが、私どもといたしましても、おそらく新しい代替地を今日求めることはとうてい不可能であると思う。たとえば最近になって一番適地というので、栃木県の赤麻遊水池、これは米軍としても了承し、当局としてもこれに対していろいろな手を打たれたようでありますが、私どもは太田小泉飛行場の返還を強く要求しながら、やはり赤麻遊水池に対しては反対の意思表示をし、またそういう具体的な行動も起こしております。それは今日どうにもならぬ。おそらくどこをおさがしになっても不可能に近い。そこで、当時二月の内閣委員会で福田防衛庁長官が、新しい代替地は不可能である。したがって、既存の自衛隊の基地ないしは米軍の基地にその代替地を物色して早期に解決したいという御答弁がありまして、これは、十年来の懸案に対して大きな前進だということで、先ほど言ったように、地元としてもわれわれ非常に喜び、期待をしておったわけです。ところが、前国会で、その福田防衛庁長官の御答弁から約四カ月後にさらにこれをただしますと、今度はまたあと戻りをして、米軍はなかなか言うことを聞かないということで、また足踏みしておるという状態であります。 私がここで指摘したいのは、アメリカ軍の投下演習がひんぱんに行なわれる、日本中立という大きな目的にこれはなくてはならぬというような重大なものならば、あるいはまたわれわれもわかることもありますが、御承知のように、現在ほとんど申しわけ的な状態で演習しておる。しかも、その申しわけ的な演習が、とんでもないところに物を落とす、学校の付近に落としたり、あるいは道路の周囲に落ちたり、全く言語道断であります。こういうほんとうに使いもしないもの、しかも使うときには、必ず五十万坪のあの広大な演習地の中に落ちないで、小学校や中学校の付近の地帯、あるいは道路の付近に落ちたり、全く危険千万です。こういう状態をいつまでも置くことは、あなた方のおっしゃる日米親善、日米友好の点からも、国民の中に非常な不信を抱かしておる。したがって、私は、ただ単に社会党という立場からでなくとも、あの飛行場は一日も早く返還することこそが、そういったあなた方のおっしゃる目的に最も適応するというふうに考えるのであります。したがいまして、くどくど申し上げませんが、そういう状態の中にあります太田小泉飛行場の返還に対して、今日防衛庁長官はどういう御見解を持ち、どういう御努力をなさっていただいておるか、お尋ねしたいと思います。
○小泉国務大臣 太田小泉飛行場の返還の問題は、御指摘のとおり、長年の重要懸案でございまして、私どもも、基地の問題の中においては最も頭を痛めておる問題でございます。また、太田小泉飛行場周辺の方々に対しても、たびたび長年にわたって御陳情もいただき、ほんとうに申しわけないことだと存じておるのでございまして、いま御指摘のようないろいろな経過をたどり、防衛庁といたしましても、あらゆる面に最善の努力を尽くしてまいったのでございまするが、アメリカ側が代替地というものをば固執をいたし、この代替地の条件というものが一向緩和されないで今日に至っておるわけでございます。最近においては、代替地の条件を大幅に緩和していただく以外に解決の見通しは立たないということからいたしまして、空軍の司令官に対しましても、直接私のほうから、何とかひとついままでのようなことでなくて、もっと高度な立場において、大局的に検討をしてもらいたいということを申し込んで、私は鋭意この解決に努力をいたしておるわけでございますが、いまだ具体的な見通しが立たないことをきわめて遺憾に存じておるわけでございます。さりながら、長い間の懸案でもございますし、何としてもこの問題をすみやかに解決をしていきたい。 アメリカ側の前向きな、もっといままでと違った意味における条件の緩和というようなことで、これを何とか解決をしていかなければならぬと苦慮をいたし、また努力を続けておるようなわけでございます。御指摘の飛行場の使用の状況その他、また詳しいことは、さらに施設庁長官から答弁をいたさせます。
○茜ケ久保分科員 施設庁長官、いま私が指摘したように、最近の使用は非常に緩慢でありますし、また、地元の人たちは、あるいは返さないための口実に使っているんではないか、そういった考え方が非常に強いわけなんです。御承知だと思うのでありますが、しかも、先ほど言ったように、たまに来てやると、いろんな危険をおかして、住民をおどかしているということがございます。あなた方の立場からお考えになっても、あの飛行場が、いま在日米軍の日本防衛という立場から考えても、さしたる重要性はないというふうにわれわれは考えるし、地元もそう考えているのですが、あなたはお貸しになっている責任者として、どのようにお感じになっていますか。
○小野政府委員 現在の米軍の使用状況でございますが、最近一年半ほどの間に、物資の投下訓練は千二百回ほど、兵員の降下訓練は二百十二回ほどやっておるという報告が入っております。ただ、この程度の訓練であの演習場をフルに使っているとは言えないわけでございまして、その点については、私どももいろいろと疑点を持っております。ただ、何と申しましても、いわゆる空輸部隊、あるいは落下傘関係の要員というものは、ごく少数ではございますが、やはりおるわけでございまして、こういうものが、いざというときの自分の技術、技能を保持しておくための訓練というものは、定例にやらなければならない。たとえば立川の輸送機でございますが、輸送機は必ず物量あるいは人員の投下、降下訓練を担当することがあるわけでございまして、そういうような投下訓練、降下訓練というものに輸送員をなれさせる。また補給廠のほうには補給廠のほうで降下の作業員がおるわけでありまして、こういうものが降下のための作業、あるいは物量投下処理の作業、こういうものについて一定の訓練を継続しなければならない、こういう理由を先方は述べるわけであります。その点についてはもっともであると思います。そういう意味で、そういう訓練が必要であるということについては、私どもも納得せざるを得ないわけであります。ただ、訓練の回数、度合いというものと、今日の太田のいろいろな事情というものを考えましたときに、私どもは、それではせめて他の自衛隊、または米軍の既設の演習場を使って、そこで間に合わしてくれんかということで、いろいろと交渉をしておるわけであります。ただいま大臣からお答え申し上げましたように、最近におきまして、昨年の秋でございますが、米軍としては、私どもがあらためて提起をいたしました幾つかのそうした候補地、こうしたものについても、しさいにいろいろ調査、検討してみたのでありますが、どうもうまくいかない。あるいは気流が悪い、地形が悪い、あるいは距離が遠いというようなことから、いま問題になりそうな候補地についていろいろ当たってみたけれども、どうもそこでやるというわけにはいかない。それでは、そのほかに米軍としてお気づきの点があったら言ってみろ、そこまでこちらは言っておるのでありますが、どうもそういうところはない。どうしても御要望には沿いかねる、こういうふうに先方は回答してきておるわけであります。私どものほうとしては、さらに多少条件は悪くなっても、まとめてやればやれるところもあるわけであります。いろいろくふうもあるじゃないか、そういうことで、こちらが提案しております既存の施設を使ってやるという方向をさらに考えてくれということで、いま押し問答をしておる、こういう段階でございます。
○茜ケ久保分科員 長官は、いま、最近千何百回の物資投下、二百回の人員降下とおっしゃっておりますが、私の調査記録では、最近ほとんど人員降下はやっておりません。これは全然といっていいほどやっておりません。物資も、少ないときは一カ月に数回、多いときで一週間に二回くらいですから、千何百回なんて、とてもやっていません。したがって、ほとんど使用していないに近いと思います。人員降下はほとんどやっていませんから、私が先ほど指摘したように、米軍は、なぜあの土地にあんなに執着するのか。それは、半分ほどゴルフ場に使っていますから、アメリカの将校の諸君が日曜に来てゴルフをやっています。これは、日本人も使っておりますけれども、むしろ米軍の幹部諸君が使っておる。私どもにすれば、投下演習よりもゴルフをするために使っているとしか思えない。そういうことにいわゆる作戦上とか演習のためとかいって、五十万坪に余る広大な、しかも、太田、大泉は、群馬県としてもいわゆる東部の開発の最も根幹のかなめの場所であります。これをそういうふうにされることは、全く国民感情としても許せないものである。私は、気流とかいろいろあっても、ほかにあれだけの土地がないとは言えぬと思うのです。私は、小泉長官をはじめ、防衛庁当局の熱意を最近は疑ってきている。もう仏の顔も三度で、地元でも百回以上の陳情をして、そのたびに何とか言ってくれればいままでがまんしてきたけれども、これではがまんできません。私どもも、皆さま方の御苦衷を察しして、いままで事を荒立てさせてこなかったのですが、つい先般は、やむを得ず二千数百名集まって大会をした。きょうの質問で態度が煮え切らなければ、私どもは今後演習のあるたびに現地にかなりの動員をして、自主的に彼らが演習できないという事態に追い込んで、アメリカ軍が逃げ出す以外に方法はないというところまで追い込まなければならぬと思うのです。しかし、私どもはあえてやりたくない事態なんです。それが先ほども申したように、いま決してあなた方のいういわゆる革・新的な力ばかりでなくて、皆さん方の立場に立つ・人たちもそういう空気になってきている。いま何カ所か提示をなさったとおっしゃっているけれども、自衛隊の基地の中でも、ずいぶんあるのだから、これはないはずはないのです。ほんとうに長官なり施設庁長官がそういう地元の実態なり、日本の国民としての立場で真剣にやっておられるかどうか、全く疑わざるを得ない。私は、きょうはこの問題をもうそういつまでもお待ちできない。アメリカに対しても、私はある程度の強い決意と地元の要望は的確におっしゃらぬと、いま言ったように、むしろ一部をゴルフ場に使っておるので、これは日本の諸君もやっているから、あのゴルフに行く日本の諸君は、これは安い値段で便のいい場所でゴルフができますから、あるいは米軍とゴルフをやりながら談笑する中で、非常に連中の間にはあるいは気分のいいものがありましょう、そういうようにアメリカ軍がもし国民の、あるいは地元民の気持ちを理解をしておりますならば、大きな間違いであります。ゴルフを楽しんでいる諸君は、一部の有産階級の諸君である。あの土地によって犠牲を受ける人たちは、あのゴルフ場に行っておりません。したがって、むしろそういうことは地元の人たちに対しては逆効果を生じます。こういう点は、施設庁長官、少なくともあなたも日本の施設庁長官ですから、アメリカの施設庁長官じゃないのですから、少し腹をきめて事に処してもらいませんと、不測の事態が起こっても――これは、私ははっきり申し上げます。この辺でめどがつかずに、アメリカが聞きませんといっているというのでは、私ども十年間しんぼうし、百何十回の陳情をあえてしても、全然政府もアメリカ軍もこれに対して何らの誠意を示さぬならば、これはもうとる道は一つ、われわれは投下演習のあるたびに現地にすわり込んで、これは人命にかけてもあの土地を取り返すということ以外に方法がないと思うのです。こういう事態がきてから権力を行使されてもおそいのです。防衛庁長官、こういった状態の中で、これに対して、あなたも何代目かの長官ですが、私のお伺いすることも――防衛庁長官は、自分から希望して長官になられたということですから、その気持ちは壮とします。しかし、それはただ単に三軍を統率するだけでなくて、そういったいわゆる基地という具体的な問題から起こる国民感情なり、国民に対する犠牲をやっぱり一日も早く払拭するということが大切だと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 私は、基地問題というものが日本の国防の基本的な最も重大な問題であることをば重視いたしまして、予算編成その他におきまして、基地対策というものは最優先してこれに力を注がなくちゃならぬということを庁議でも宣明をいたし、またそういう予算に対する取り組み方もいたしてまいったのでございます。 また、小泉飛行場の問題につきましては、先ほど来全く地元の方々にも申しわけない。たびたび御陳情いただき、そうして茜ケ久保議員はじめ地元の方々が、激化することをむしろなだめて、解決してやるからということで非常な御協力をいただいておるということも、よく承知し、感謝いたしております。先ほども申し上げましたとおり、いままでのようなことでなくて、この段階にきてはもっと高度の見地に立って、アメリカ側がほんとうにこれを解決しようという前向きの姿勢で検討をされなければ困るということで、強硬に申し入れをいたしたということを申し上げましたが、結果は、先ほど施設庁長官が述べましたような、両方の押し問答に終わっておるというのが実情でございまして、まことに遺憾しごくでございます。ただいま茜ケ久保委員の地元民を代表しての切々たる御意見もございましたし、私どもは、また国会でこういう論議があったということを一つの契機といたしまして、さらにこのままでは困るということをひとつできるだけ早い機会に、私自身高度の折衝に努力をいたすということをこの席で申し上げておきます。
○茜ケ久保分科員 時間もありませんから、私も予定がありますので、きょうはこのくらいで終わっておきますが、とにかくまだ今国会もありますから、次にまた内閣委員会で逐次お尋ねをしたり、要望しますが、ひとつこの国会の終わりますころまでには何らかのめどを必ずつける、そういった御決意で――これは、私はくどく今後も質問もし、追及もしたいのですが、今国会中には何とか目鼻をつけるというつもりで、その決意で、ひとつ今後ぜひこの問題と取り組んでいただきたい。そのことが、他の基地に対するいろいろな問題にも関連して、むしろあなた方にとってもアメリカ軍にとっても幸いするのじゃないか、こう思うわけであります。いま最後に、これ以上がまんできないと申しましたけれども、これは、まああなたのいまの最後の御答弁で、あなたの誠意もお認めいたしますから、私どもも忍びがたきをいましばらく忍んで、あまり荒っぽいことはいたしませんが、しかし、今国会中に何らのめども出ないようでしたら、これは私どももやむを得ないと思う。私どももそういった立場で来ておりますし、これは、どんなことが起ころうとも、あげて政府の責任ですから、そういうことに突入せざるを得なくなります。どうか、いま長官のおっしゃったことばを一応ここで信頼して質問を終わっておきますから、ひとつぜひこの点を十二分にお含みをお願いしたいと思います。
○中野主査 山花秀雄君。
○山花分科員 時間の関係もございますので、なるべく簡略にお尋ねいたしますので、御答弁のほうも、ひとつその趣旨に沿って答弁をしていただきたいと思います。 この二十四日の各新聞紙に伝えられるところによりますと、防衛庁はホーク一個大隊を東京近効に配置する計画だと報知されておるのであります。これは、現に北海道千歳基地の地対空ミサイル一個大隊と同じ規模のものであるといわれておりますが、そういう計画を検討していらっしゃるかどうか、そして、それを新聞が伝えておりますように、首都東京の近辺に配置しようとしておるかどうか、これを説明願いたいです。
○海原政府委員 第二次の防衛力整備計画におきましては、ホークは二個大隊配置をする予定でございます。一個大隊は、いま先生おっしゃいましたように、北海道にすでに編成を完了いたしました。二つめのホークにつきましては、昭和四十一年度に東京周辺に配置をするということが、方針としてきまっております。
○山花分科員 ただいまの御答弁によりますと、東京周辺とまあもくろんでおる、こういう答弁でありますが、防衛庁では、このホークの設置について、地元民の反対運動をおそれて、設置の時期や場所についてあまり明言されていないように承っておりますが、これは、防衛庁に対する国民の不信に拍車をかけるだけだろうと思うのであります。たとえば、先般予算委員会でも問題になりました三矢問題につきましても、国民は相当大きなショックを受けておることは御存じだろうと思うのであります。国民の知らないところで何かひそかに計画されておるというような不安を、国民は非常に強く感じておるのであります。私は、そういう計画があるのならば、いずれ明らかにしなくちゃならぬと思いますので、事前に発表して住民の納得を求めるというようなことが必要だと思うのであります。国民は、それぞれの立場でそのことのいいとか悪いとかを判断すると思うのであります。少なくともそうした態度でない限り、防衛庁に対する国民の不安、不信感は取り除かれないと思うのです。計画があるなら、この際、その候補地や設置の時期を明らかにしてもらいたいと思います。また、計画が具体的になく、したがって当面そういう事実がないというのだったらしかたがございませんが、ただいまの答弁では、四十一年度はやる、東京近在でこれを行なうというようなことでありますから、もう場所だの計画、あるいは方針がきまっておると思うのでありますが、この際明らかにしていただきたいと思います。
○海原政府委員 先ほど申し上げましたように、編成は昭和四十一年度でございます。したがいまして、その準備としまして、東京周辺におきますいろいろな候補地と申しますか、について検討しておることは事実でございますが、まだ具体的なものは得ておりません。と申しますことは、もともとこのホークというものは、ミサイルということで、一般には何か非常に大規模のもののようにお考えでございますけれども、これは、本来はいわゆる野戦兵器でございます。必ずしも固定した陳地がなければ配置できないものではございません。ただ固定施設がございますと、結局兵器の保護であるとか、あるいはレーダーの目標を捕捉しますところの効率、そういうものがよくなるというような、いろいろな利便がございます。したがいまして、簡単に申しますと、本来野戦防空兵器として考えられたものであるけれども、いわゆる固定した配置もできる、こういうことでございます。あるいはこれは大型のヘリコプターでも輸送できる程度のものでございますので、そういう大規模なミサイルではないということをまず御了解、いただきたいと思います。そういうものでございますので、配置場所につきましても、いろいろ条件につきまして、現在寄り寄り検討中ということがほんとうの姿であります。
○山花分科員 ただいまの御答弁を承っておりますと、たいした兵器じゃないのだ。ヘリコプターでも自由自在に、将棋のこまを動かせるようにできるのだ、何かきわめておもちゃの兵器のような感じのする御答弁でございますが、そうは一般国民もわれわれも感じていないのであります。そして、その設置の場所もまだ検討中できまっていないというようなことを言われておりますが、仄聞するところによりますと、東京都の南多摩とか、埼玉県の朝霞町だとか、千葉県の柏市付近というようなところが候補地として検討されておるというふうに承っておりますが、ほんとうにまだそういう場所はわかってないのですか、どうですか。
○海原政府委員 再度同じことを繰り返しまして恐縮でございますが、まだ成案というほどのものは得ておりません。ということは、別の例で申しますというと、別にナイキという部隊もありまして、これは、北部九州に配置することでいろいろ検討いたしましたが、最終的にきまりました配置場所は、当初考えたものとは違ってきております。そういうことでございますので、現在ホークにつきましては、先ほど申したように、いろいろな候補地について、それぞれの条件-条件と申しますのは、どういうことになるかということでございますが、条件等につきまして幕僚の段階で検討をしておる、これが事実でございます。
○山花分科員 いろいろな条件を勘案してまだ考え中できまっていないといういまの答弁でありますが、二十四日の新聞紙は、一斉に東京都下の南多摩郡にある稲城町と多摩町の、旧米軍が接収しておりました火薬庫所在地、火薬貯蔵場を中心にやるということで、地元ではえらい大騒ぎになって、町では決議までして反対の陳情運動をやる、こういう動きがここ一両日のうちにあるということは、防衛庁の皆さんもよく御存じだろうと思いますが、その条件というのは一体何であろうかという点であります。たとへば人口の密集地、こういうのは条件になって省かれるかどうか。あるいは首都圏整備法によりベッドダウンとして一つの市街地を構成しようとするようなこと、これは条件として省かれるのかどうかという点、その条件をもう少しお聞かせを願いたいと思います。
○海原政府委員 ただいま先生のおあげになりましたのも、私が先ほど申しました条件の一つでございます。なお、そのほかに、具体的に射撃中隊は四つございます。この四つを一応配置しますところの場所のいわゆる地積と申しますか、地形とか宿舎との関係、こういうことも条件の一つになっております。御参考までに申し上げますと、北海道のホークの部隊につきましては、本部は約一万二千坪程度の場所でごいます。中隊は四つございますが、これも大体二万坪から三万六千坪程度のところに分かれて現在配置しておる、こういうことでございますが、こういう地積であるとか、あるいはその地形であるとかいうことも条件の一つになっておる次第であります。
○山花分科員 私は、そうばく然たる一般論を聞いておるのではないのです。地元の東京都下の――いまあすこでは三十万のベッドタウンとして、首都圏整備においてもこれを計画しておる。それに伴って、私鉄が二線あすこに延長されようとしておる。また住宅公団、水資源、いろいろなものがあすこで計画されておる。そこがいま問題になっておる。そういう条件のあるところに置くのかどうか。そういう条件があればそこをはずすのかどうか。このことを具体問題として聞いておるのですから、ひとつそれははっきり言ってもらったほうがいいと思うのです。
○海原政府委員 ただいまのような点は、私どもがかりに計画を決定いたしましても、関係諸機関の御了解を得、地元の方の御納得をいただかなければ部隊は配置できないわけでございまして、これは、従来の防衛庁のこういう部隊を配置しますときに常にたどってきた過程であります。したがいまして、地元であるとか、あるいは管轄しておられる都であるとか、こういうところの関係諸機関とも十分お打ち合わせをいたしまして、地元の方の御了解も得て、そこに参りました者が気持ちよく勤務できる、こういう条件を整えた上で配置するということが従来の例になっております。
○山花分科員 関係地元民の納得を得て、それからただいま私が申し上げましたような膨大なベッドタウンをつくろうという、それぞれの筋の了解を得てやるというようなお話でございました。そうなりますと、そういう了解が得られなければまた他の適当な場所に変更する、こういう御意見ですか。これは、ひとつはっきりしておいていただきたいと思います。
○海原政府委員 先ほど来申し上げておりますが、何分にもこれからの問題でござますので、先ほど申しましたいろいろな条件が整いますればということで、候補地を寄り寄り物色しておる、こういうことでございます。実例を申し上げますと、現在ナイキの一個大隊が関東地方に配置されており、その一個中隊が入間にございますが、あすこに当初ナイキを配置しようという計画が一般に明らかになりましたときに、地元はこぞって反対をされたのであります。しかし、その後いろいろ私どものほうで御説明もし、地元の方の御納得を得まして、現にナイキの部隊は配置されております。こういうことでございますので、ホークにつきましても、数個の候補地を選定いたしましたあとでは、それぞれのところに御連絡いたしまして、御納得を得て配置していきたい、こういうことに考えております。何とぞ御了承願いたいと思います。
○山花分科員 私は、この際はっきり明言しておきますが、とてもいまの状態では地元の納得は得られない。これは、私の政治的責任においてもはっきり明言できると思うのです。予定のうちに、たとえばいま私が申し上げましたような稲城町、あるいは多摩町をお考えになったことがあるのかどうか。予定のうちにそういう考えを持っておられたことがあるのかどうか。条件さえ整えばそこに置こうというようなことになるのじゃないかと思いますが、そういう考え-予定地としてあすこの辺がいいなというようなことが胸に浮かんだことがあるかどうかという点を、もう一回御答弁願いたいと思います。
○海原政府委員 これは胸に浮かんだことがあるかというお尋ねでございますが、先ほど申しましたように、この部隊は、陸上幕僚監部におきまして、幕僚のレベルにおいてまだ候補地の選定をしておる段階でございますので、その関係幕僚の中には、いま先生のおっしゃいましたような土地につきまして、あるいはそういうところが適地であるということも考え、あるいはそれに基づく連絡等は行なったかもしれませんが、まだ最終的な成案を得ておりませんので、私どものところにはそういうことについての連絡、報告はございません。
○山花分科員 幕僚監部においてあるいはそういうことを考えたかわからないけれども、いま自分の手元においては考えたことがない。しかし、もしやるとすれば、地元の御承諾を克明に説明をして得てやる、こういうようなお話でありましたが、私横合いから何か茶々を入れるような形になるかもわかりませんが、いま私のあげました土地では、いま防衛庁がお考えになっておるような手続でもし適否をきめるということでございましたならば、これはもう絶対不可能だということだけを明言しておきたいと思います。なぜかと申しますと、先ほど申し上げましたように、ここは新衛星都市といたしまして、三十万の住宅地帯を目下建設中であります。そして、その人口を都心に運ぶために、私鉄が二線延長する場所であります。関連いたしますところは、東京都あるいは建設省、住宅公団、東京都住宅公社、不燃公社、私鉄二社というように、もうたくさん関係しておりまして、町議会では両方とも絶対反対の決議を昨日あたりいたしまして、防衛庁のほうへ大挙押しかけようというような、そういう空気がいま地元の空気であります。へたをすると、砂川の二の舞いになろうというような状態であることだけをはっきりひとつ銘記をしていただきたい。私の政治的責任から申し上げますと、とうてい納得せしめるような説得はもうできない。そういう場所だから、あきらめておかれておいたほうが摩擦がなくていいのじゃなかろうかということだけを申し上げまして、この問題は、これで一応私の質問を終わりたいと存じます。 次に、駐留軍に働いておる労務者、一般的には駐留軍労働者と、こう言っております。労働組合関係は、全駐労といって、防衛庁との関係はいろいろ労働条件その他、あるいは外務省に関連いたしまして接触のあることは御存じのとおりでありますが、アメリカのドル防衛政策の一環として、昨年来から在日米軍の兵力削減が続きまして、そのために駐留軍労務者の大幅な整理が行なわれておるということは、御案内のとおりであります。これら労働者の雇い主という立場から、政府は昨年六月閣議において離職対策を決定いたしまして、雇用の安定のための努力をされたのでありますが、現実にはこれがきわめて不十分でありまして、離職者の不安定な生活が続き、現に働いている人たちも不安な気持ちを持っておることは、御承知のとおりであります。この問題は、単なる行政措置でなく、したがって具体的な予算措置を行ない、その裏づけに保障された救済を行なうのが政治の姿だろうと存じておるのであります。このため、私どもは駐留軍労働者の雇用安定に関する法律案を用意して、近く本院に提出する予定でありますが、本来ならば、こういうことは内閣として、政府として提出すべきであろうと考えておりますが、この種問題に対して法律化すべきだと思われるのかどうかという一点を、まず最初にお伺いしたいのであります。
○小野政府委員 ただいまお話のございました、雇用安定法のような形の法制化によりまして駐留軍労務者の雇用問題を安定させる、こういうことについて国のほうが進んでやる気があるかというお尋ねかと存じましたが、ただいまのところでは、別途の離職者対策措置法の活用によりまして、あるいはまた一般の労働行政のワク内におきまして、最善を尽くすことによってめんどうを見て差し上げる、政府側として、ただいまお示しのような雇用安定法という形のものはまだ準備しておらないという段階でございます。
○山花分科員 行政措置で離職者のいろいろな点は十分やっていけるという、結局そのことは、熱意がないやり方であろうと私どもは考えております。たとえば昨年の閣議決定による離職対策の中で、離職者の就職援護措置として政府関係機関に雇用するワクが、五百八十人用意されておりました。これはもう十分御承知だろうと思う。けれども、実際には百二十人しか就職していないという結果が生まれてきておるのであります。いろいろ事情があるだろうと思いますが、長い間駐留軍の仕事に関係した人であり、それだけ日本の企業にない悩みやまた苦労が多かったと思うのであります。こういう人を政府機関が率先して受け入れることが、民間企業への就職を大いに刺激するのであります。本年は、この問題についてどういう具体案を持っておるか、この際お尋ねしたいのであります。
○小野政府委員 昨年は、御承知のように、米軍の配置調整による、あるいはドル節約方針による大きな失業が出たわけでありまして、まことに困難な事態であったわけでありますが、その中で、政府といたしましては政府機関の受け入れの方針をきめたわけでございます。できるだけ努力したのでありますが、何ぶんにもいろいろな条件、たとえば勤務のポストの問題、職種の問題、あるいは通勤場所の問題、あるいは給与の問題もあります。いろいろな条件から、必ずしも予定しただけの数をいわゆる官公庁でお受けすることができなかったのでございますが、その点は、今後さらに努力をしたいと思います。今後の問題といたしましては、あらゆる措置はやはりとりたいと存じますが、ただいまの見通しとしては、当面のところ大量の整理という見通しはございませんので、いまだその点について本格的な検討はしていないわけでございますが、一般的には、再就職の円滑化ということについて、たとえば職域内における職業訓練その他の方法によって不断の努力を続けておる状況でございます。
○山花分科員 ことしはあまり大きな削減がないというような一応の見通しを話されましたが、これは、どうもちょっとわからないと思います。昔流に申し上げますと、治にいて乱を忘れずというようなことで、十分な対策が必要だろうと思います。五百八十のワクに百二十しか入らなかったということは、いかに転換がむずかしいかという点も考えられないことはないと思うのであります。 そこで、問題になりますのは、職業訓練を充実されて強化することがまた一つの当然の対策であろうと思うのでありますが、職業訓練委託費は、予算の関係から申し上げますと、残念ながら昨年度より予算額が少ないのでありますが、どういう事情か、ひとつ説明願いたいと思います。まして最近の技術の進歩は驚異的でありまして、したがって、再就職するためには、少なくとも新しい時代にマッチした技術を習得する必要があります。これは、当局でも十分認めておられると聞いておるのであります。そうであるならば、基地内の職業訓練の内容を充実するために、これに見合った予算措置が必要だろうと、私どもは考えております。前年度に比べて大体一二%ほど少ない予算内容で、これで可能かどうか、私は少し熱意が足りないのじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
○小野政府委員 施設内の職業訓練の予算が減ったではないかということでございますが、金額の上では若干減っております。しかしながら、その訓練を受けさせる人員は、前年よりも上回った数字で予定をいたしておりますので、その点で十分であるかどうかということになりますと、別の問題かと思いますが、私どもとしては、前年度よりも前進しておる、そういうふうに考えております。
○山花分科員 金額が前年度より減ったけれども、収容人員を多くしたからこれで間に合うんじゃないかというような御答弁でありますが、先ほど申し上げましたように、これからの再就職は、相当高度の技術を必要といたしますので、人だけを集めて訓練を与えただけで満足というようなことでは、なかなか再就職ができないと私は思うのです。そういう訓練所は、内容を完備した、予算もある程度たっぷりかけて、質のいい人をつくり上げるというのが必要だろうと思うのであります。どうも収容人員だけふやしたからこれでいいんだというような安易な考え方は、私は大きなあやまちだろうと思いますが、これは、ひとつ当面の最高責任者の小泉防衛庁長官、どうお考えになりますか。
○小泉国務大臣 技能訓練の経費が減額されましたことは、いま山花先生御指摘のとおり、これからやめていこうとする方々にとってまことに残念なことでございまして、今後退職者の将来のことに十分配慮をいたしまして、私としても、できるだけこの問題をさらに増額をするとか、あるいは技能の訓練、習得ということについて、退職者の方にできるだけの御便宜を与えるようにひとつ努力をいたしたいと存じております。
○山花分科員 防衛庁長官のこれから大いに努力するという言明がございましたので、私はそれを信用いたしまして、ひとつ最善の努力を払っていただきたいと思います。何はさておき、予算措置が去年より減ったということにつきましては、これは、できれば予備金とかなんとか流用できる範囲でひとつ拡充するように御尽力を願いたいと思います。 次は、特別給付金の問題でありますが、昨年はこれを、現実の物価が上がったりあるいは民間ベースなどに比較いたしまして、不十分ながら若干改善されました。ただ、この給付金は、自己退職者は対象にされておりません。申し上げるまでもなく、この基地労働者はきわめて身分が不安定であります。米軍の都合でどうにでもなる。もうおまえは解雇だといえばそれっきりというような状態で、また遠い他の場所へ転勤するかもわからない、きわめて不安定であります。こういうような環境にあるために、労働者総数の一〇%が、これは自己退職を余儀なくされておる。そういう環境にあることは、防衛庁の方々はみな御承知だろうと思います。安定した職業への再就職を常に求めるのは、これは人間の自然の感情であります。私は、こうした人たちに対しても、この特別給付金を何らかの方法で、たとえばどの程度でも支給すべきではないかと考えますが、防衛庁はどういうお考えですか。
○小野政府委員 特別給付金の問題でございますが、この制度ができましたのは、御承知のように岸・アイク声明のあとの大量整理というようなことから始まったわけでございますが、当時の考え方として、一時に大量に退職を余儀なくされるということになるので、お見舞い金としてこういう制度が考えられたわけでございます。その後、若干内容は拡充され、また範囲も広がったわけでございますが、ただいま御指摘のように、自己退職、任意退職の方については適用がないわけであります。これも見たらどうかというお尋ねに対しましては、いろいろお話のようなことも考えられますけれども、今日のところにおきましては、やはりこれは、退職を余儀なくされた方に対するお見舞いであるという基本的な考え方を私どもまだ持っておりまするので、ただいまのところでは、多少の手直しというようなことはあるかも存じませんが、全面的に自己退職の方に適用するというほうへ持っていく準備はございません。
○山花分科員 一応任意に退職するにいたしましても、先ほど申し上げましたようないろいろな事情は、結局余儀なく退職という範囲である。多少のことはというようなお話がございましたが、一歩前進して、この問題については、長年環境の違う、ことばも通じない、そうしてある意味からいえば、日米外交の橋渡しのような状態でつとめてまいられましたこれらの駐留軍労働者に対するあたたかい措置を、ひとつこの際――いずれ労働組合と施設庁長官との間にいろいろやりとりがあろうと思いますけれども、その多少というようなところをもう一歩前進させて、解決の方向へひとつ御尽力を願いたいと思いますが、防衛庁長官、いかがですか。
○小泉国務大臣 特別給付金の問題につきましては、私も、実は駐留軍の労務者の方がたくさん出ておられる地元の関係上、この設定の当時は、社会党の先生方と御協力申し上げまして、これにいささか努力をした一人でございまして、この点は山花先生御指摘のとおり、十分事情も了承していますし、またいろいろな悪条件のもとに不安定な環境に置かれておるという点においても、同情をいたし、常日ごろ何とかしてあげたいと考えておるわけでございますので、十分に積極的な努力をいたしたいと存じます。
○山花分科員 昨年、大船基地の米軍が立川に移動いたしました。これに伴って労務者の大幅な移動問題が発生したことは、御承知だろうと思います。特に大船付近に住む大多数の労務者は、立川付近に住居を移転しない限り、とうていこれは就職ができない問題であります。このため多くの人が余儀なく退職をする、こういう事例は御承知のとおりであります。これは、実質的には基地閉鎖と同じ状態であると思います。したがって、人員整理と同じ扱い方でこれらの人々に救済の措置をとるべきであると思うのでありますが、これも自己退職、任意退職と同様な扱いをするということは、少し残酷だと思うのであります。こういう具体的事例に関する俗にいう任意退職者は、どうお取り扱いになるのでしょうか。
○小野政府委員 大船のBXの立川移転に伴うて、通勤ができなくなるからやめざるを得ないという方々に対しましては、別途いろいろ就職のお世話等、あるいは職場の転換等で残っていただくように努力もいたしますが、どうしてもそういかない方々につきましては、やはり余儀ない事情で退職をされるものというお扱いで進めてまいりたい、こういうことで、米軍側のほうの取り扱いもそのように取りつけておりまするが、政府部内の考えも、そういうふうに考えております。
○山花分科員 そうしますと、いま言ったような具体的事例で任意退職される方には、特別給付金をあてがう、こういう意味にちょっと聞こえたのですが、そういう意味に了解してよろしゅうございますか。
○小野政府委員 できるだけそうしたいと考えておりまするが、これは、やはりいろいろこまかい制約条項等もございますので、全部一人残らず適用になるかどうかについては、まだ検討中でございますが、方向としてはできるだけ支給するように持っていきたい、このように考えております。
○山花分科員 いま申し上げましたように、大船と立川の距離は相当離れておりますし、これは住居問題その他で、実際上はこちらに職場があるじゃないかといっても行けないのが実情であります。そうすると、この特別給付金をあてがうかどうかということになると、いろいろこまかい事情やなんかで、なるべく努力するというようなきわめてあいまいな御答弁でありましたが、私は、これは当然特別給付金の対象者に入れてもいいと思うのでありますが、長官、どうお考えになりますか。いまやりとりをよく長官お聞きになっていたのでありますから……。
○小泉国務大臣 施設庁長官が申しますとおり、どうしてもこれは特別給付金の対象ということに努力をしなければならぬと長官も申し上げており、ただ、それがここでそうなるというようなことを御確答申し上げる段階でないという意味だと、私も存じております。ただいま山花先生の御指摘のとおりであると私も考えますので、できれば全面的に対象にすることができ、特別給付金の給付ができるようなことに持っていくべく、私どもも最善の努力をいたしてみたいと存じます。
○山花分科員 最善の努力を、この際重ねて私からもこの問題に関しましてはお願いをする次第であります。 駐留軍の離職対策につきましては、基地を持つそれぞれの自治体でも熱心に取り組んでおります。ところが、この離職対策を講ずるための地方協議会の設置補助金は、全国でわずか百十二万円であります。これは全く会議費、会議をやるだけでもなくなってしまう少額な費用だと私は思うのです。大蔵大臣は、この問題について、それでも使い切れずに残っておると答弁をしております。これは、実情をあまりにも知らな過ぎるのであります。実際は補助金が少な過ぎて、各自治体の持ち出し分が多くてやり切れない。したがって、最初からこの問題に手をつけないでいるのであります。あまり少ないから分けようがないというようなことから、ある程度残る、こういう事例であります。百十二万円では実際に配分しようがないのでありますが、問題は、このワクを広げて、離職問題に熱心に取り組んでおるところに対して重点的に助成することが大切であろうと思いますが、本気になってやるのだという姿勢を示していただきたいと私は思います。そういうことを示せば、それぞれの自治体も熱の入れ方がぐっと違うと思うのでありますが、駐留軍の離職対策に本気で取り組む防衛庁の姿を、ひとつこの際実質問題として予算の裏づけで発揮してもらいたいと思いますが、こういう問題についてお考えをお示しを願いたいと思います。
○小野政府委員 駐留軍労務者の離職対策につきましては、先ほども申し上げましたように、関係する方面が多々ございますので、これの間の調整機関というか、調整の仕事のために駐留軍関係離職者等臨時措置法という法律ができまして、これは総理府に所管されておるわけでございます。その中で、私どもは私どもなりにやるべきものはやる、また労働省は労働省として御心配を願うということでございまして、ただいまの離職対策協議会の関係の仕事は、中央では総理府でございますが、地方の協議会は労働省のほうの所管でございまして、労働省のほうでお世話をいただいておるわけであります。ただいまお示しのようなことにつきまして、ある程度事情は承知いたしておりますが、その問題の処理につきましては、労働省のほうとまた相談をしたいと考えます。
○山花分科員 駐留軍労務者に関する質問の最後に、私はぜひ考慮していただきたい点を申し上げたいと存じます。これは、ぜひ実現するように要望するのでありますが、大臣や施設庁長官の御配慮を特にお願いするものであります。 それは、駐留軍関係の臨時措置法に示されておる中央協議会の内容と機構の改革であります。この組織は、関係行政機関の職員のうちから委員を選び、これを総理大臣が任命することになっておりますが、残念ながら、その当事者である労働者の代表が入っていないのであります。必要あるときはその意見を聞くとありますが、これではせっかくのものが十分に活用されないおそれがあります。それは、当事者がよくおわかりだと思いますが、たとえば労働代表が一番よくすべての実情を知っておるのであります。こういう立場の委員が組織の中におれば、運営上にもお互い非常に便利であろうと思うのでありますが、この問題の結論を至急お願いいたしまして、この問題に関する私の質疑は終わりたいと思います。 最後に一つ、騒音問題につきましてお尋ねしたい。多くの質問をしたいと思いますが、時間ももう迫っておりますので。騒音問題につきましては、もう耳にたこができるほどおそらく防衛庁関係の方々はお聞きになっておると思います。そのものずばり、一点だけお伺いしたいと思います。これは、申すまでもなく、横田基地のF105戦闘機の騒音に付近住民が非常に悩んで、政府でもたびたび問題にし、われわれも問題にし、関係町村においても問題にしておる問題でありますが、集団移転の問題があそこに起きております。約二百戸ばかりは集団で移転させたほうがいいというような意見も出、地元もその要求をしておりますが、防衛庁は、この問題について、前任者の福田防衛庁長官のときにもこの問題が議論になりましたが、本年度はどういう議論に終わったか、あるいは集団移転をさせようという意味のことをお考えになっておるかどうかという点について、ひとつお伺いしたいと思います。昭島市の、これは言わなくてもよくおわかりだろうと思いますので……。
○小野政府委員 横田基地の南側、進入表面下にあります集団的な住宅街をほかへ移っていただくという、この問題につきましては、かねてからいろいろ検討してまいったのでございますが、昭和四十年度以降におきまして本格的にこれが実施に取りかかりたいと考え、ただいまいろいろ準備中でございます。予算等につきましても、一気に全部を片づけるだけの予算はまだお願いできませんでしたが、少なくとも三分の一なり半分なりはまず手をつけられるというような予算をただいま御審議を願っておるわけでありますが、こういうような数百戸の住宅につきまして、いろいろな態様がございますので、その方式等は非常にむずかしいのでございますけれども、とにかく何らかの形でただいま御指摘の問題を片づけたい、こういうことで、いませっかく研究努力中でございます。
○山花分科員 先ほど横路委員のほうから騒音問題につきまして、学校、病院の改築費と申しますか、装置費と申しましょうか、それに対して予算の金額が明示されましたが、ただいま集団移転問題については、一挙にというわけにはいかないけれども、四十年度からその準備に取りかかって、ある程度の予算措置も考慮しておる、こう言われましたが、それでは、第一期、第二期というような形になると思いますが、第一期分ではどの程度の予算を計上して、どの程度の計画をいまお考えになっておるのか、お示しを願いたい。
○小野政府委員 実施計画がまだ承認されておりませんが、予算がまだ成立していないわけでありますから当然でございますが、実施計画はいま案として練りつつございますが、予算の面としましては、横田を含むそうした問題につきまして、来年度予算として七億五千万円の住宅移転並びにそのあと地の買収という計画を持っております。
○山花分科員 事業をやるには、調査費あるいは工事着手とか、いろいろ段階がありますが、七億五千万の第一期の予算措置は、どの程度の計画でこの数字が出たか。七億五千万という金額を出す以上は、こういう計画、これにこれだけの金がかかるんだという一つの目論見書のようなものがあると思いますが、それをひとつお示しを願いたい。
○小野政府委員 この種の安全対策と申しますか、騒音対策と申しますか、進入表面下の土地に居住するということがなくなるように措置するということにつきまして、特に重点を置いて考えておるのは横田飛行場、厚木飛行場でございます。その他にもございますが、この二つの飛行場に関連しまして、合計八百戸ぐらいは移転していただくことが適当であるということを私どもは考えております。その全体の計画を完了するためには数十億要るわけでございますが、この数十億と申しますのは、まあある程度の数字はございますけれども、いろいろな事情がございまして、この際は申し上げませんけれども、まずそういうようなうちの一部でございますが、私どもの希望といたしましては、三カ年ぐらいでその計画はやり遂げたい、こういうふうに考えております。新年度、四十年度予算も成立をいたしましたならば、新年度すぐにでも、この調査ということをすることなく、できるものから実施をするという意味で、いまいろいろな調査を現にやっておるわけであります。まあ、数十億のうちで七億五千万では何年かかるかということになるわけでございますが、この問題は非常に移転補償ということのむずかしさ、これは御承知のとおりでございますが、行く先の問題、あるいは補償金算定の問題、いろいろございますので、いま何割をやるとか、あるいは何年で完成させるとか、はっきりした計画にはなっていないのでございますが、私どもの考え方は、できれば三年くらいで片づけたい。そのうちで、とりあえず予算を計上していただきましたものが七億五千万である、こういうふうに申し上げます。
○山花分科員 ただいま御答弁を承っておりますと、大体当該地区で移転を完了させるべき戸数は八百戸、そうして数十億――数十億というのは非常にばく然としていて、二十億でも八十億でも数十億の間に入りますが、とりあえず七億五千万の予算を組んで、大体計画は三カ年で完了したい。そして、まあできるところから着手をしていきたい、こういう御答弁でございました。そこで問題になりますのは、大体のめどがつくんじゃないかと思うのですが、その数十億と八百戸との関係であります。そうなると、八百戸というその戸数が出ておるんですから、八百戸にプラス幾らということでやりますと、大体金額が出るんじゃないかと思いますが、どんなもんでしょう。
○小野政府委員 いろいろその単価あるいは積算の基礎、こうしたものについてのお尋ねだと思いますが、一つは、飛行場の所在によりまして、甲の飛行場と乙の飛行場では非常に事情が違うと思います。一つは、何と申しましても、これからそうしたようなお話し合いをしてまいります場合に、いろいろ支障が出てくると困りますので、現実に具体的に個々の場合にお話をすることにいたしまして、一般的には申し上げないほうがよろしいか、こう存じます。
○山花分科員 そうすると、防衛庁関係の外交折衝がうまくいくと、その数十億が二十億でもあがるし、外交折衝がへたにまいると、それが八十億にもはね上がる。だから、いまここでへたな金額を明示すると、それぞれ外交折衝に支障を来たす、そういう意味に受け取れましたが、まあ、それはそれでけっこうであります。とにかく、三カ年なら三カ年の間に完了するように、ひとつ御尽力を願いたいと思います。 そこで、具体的に八百戸という数字が出ましたが、いま一番大きく取り上げて、一番集団的に大きいのは、やはり横田基地の昭島市堀向地区だといわれておりますが、ここは一体何戸ぐらいを対象としてお考えになっておるか。八百戸という数字が出たんだから、大体ここが二百戸とか、ここは五十戸とか、計算が出ておるんじゃないかと思いますが、一番大きい昭島市の堀向地区は、何戸くらいをお考えになっておられるのでしょうか。
○小野政府委員 大体移転していただきたいと私どもの考えております区域は、滑走路の末端、着陸地帯のはずれから約一千メートルの距離でございます。その間にある戸数でございますから、もうすでに大体見当はあるわけでございまして、堀向地区の場合には、その中に、これは一応概算でございますが、五、六百戸あるかと考えております。
○山花分科員 一千メートル、そうすると、幅はどれくらいですか。それで大体計算が出てくるのですが……。
○小野政府委員 幅はまだ決定いたしておりませんけれども、三百ないし四百メートルということになるかと思うのでありますが、それは、その土地の状況にもよるわけでございます。どこへ線を引くかということについては、もう少し先に述べたいと思います。
○山花分科員 そうしますと、幅は大体三百ないし四百メートルで、直線のほうは一千メートル、その下にある住宅は大体移転してもらったほうが将来不安がなくてよい、こういうように承りましたが、それでよろしゅうございますかということ。それから、概算すれば大体五百戸くらいではないかというお話がございましたが、それは、概算でありますからどうなるかわかりませんけれども、それもそのとおりの数字で承ってよいかどうかということだけを、ひとつもう一回確認の意味で御答弁を願いたいと思います。
○小野政府委員 お尋ねの二点、いずれもいまの段階ではそのように考えておるわけでありますが、具体的な検討をさらに詰めませんと、正確なものは出てまいりません。
○山花分科員 もう時間がございませんので、長長質問いたしましたが、私の質問はこれで終わりたいと思います。
○中野主査 この際、先ほど横路君よりの質問に対して、堀田人事局長より報告をいたします。
○堀田政府委員 先ほど横路先生のお尋ねに対しまして答弁を御猶予いただきました点につきまして、お答え申し上げます。 士全体の定員が六万三千百二十二名、現員が三万六千五百二十三名、率が五七・九%、そのうち士長二万三千六百二十一、現員一万七千九百三十、率が七五・九%、一、二十三万九千五百一が定員、現員一万八千五百九十三、率四七・一%。
○横路分科員 わかりました。
○中野主査 午後は、本会議散会後直ちに再開し、質疑を行なうこととし、暫時休憩をいたします。 午後一時九分休憩 ――――◇――――― 午後三時五十六分開議
○中野主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際横路委員に申し上げます。ジュネーブの軍縮会議に参加についての基本的方針についての御質問は、予算委員会において答弁させるようにいたさせましたから、御了承を願います。 質疑を続行いたします。小林進君。
○小林分科員 防衛庁長官にお尋ねをいたしたいのでありまするが、最近何かの資料で私は見たのでありまするけれども、その資料を忘失をいたしましたのでちょっと困っておるのでありますけれども、アメリカがいまなお各国で軍事援助をいたしている国が相当ありまするけれども、その序列の中に、日本はまだ相当高位の軍事援助を受けている国の中に入っているようでありますが、そういうような資料がありましたら、ひとつ資料に基づいて、日本がアメリカから軍事援助を受けている国の何番目で、現在なおどれくらいの援助を受けているものか、数字でひとつお示しをいただきたいと思います。
○海原政府委員 担当は装備局長でございますが、ちょっとおりませんから、私からかわってお答え申し上げます。 アメリカの対外援助の額についての御質問、かつその中におきまする日本の地位でございますが、それはいつの資料をごらんになったかによりまして非常に変わっております。と申しますことは、御存じのように、毎年度のアメリカの会計年度に計上されますものと、それから前年度までの使い残りの繰り越しの分、これが非常に変わっておりますので、第二次防衛力整備計画の過程におきましては、一応五カ年間で六、七百億程度のものを考えておりました。これらのものは、今日までのところでは二百四、五十億程度のものをもらい、かつ、もらうことになっております。したがいまして、これらのものが入っておる年度の比較でございますと、もし私の記憶が正しければ、純粋の軍事援助につきましては、日本は十五、六番目ではなかったかと考えられます。しかしながら、今日現在におきましては、特にアメリカの一九六五会計年度、すなわちこの六月三十日に終わります予算の中ではたいしたものはございません。それは数十億程度の見込みではなかったかと思います。これは、実は私のほうで予定しております額とアメリカの予算に計上せられます額との間には、必ずしも同じ数字が使われておりません。したがいまして、そこに若干の差異がございますが、今日ただいま及び来年度以降につきまして、日本に対する純粋の軍事援助というものは非常に減っております。残っておりますものは、あとせいぜい三、四十億程度のものだろうと思いますので、そういう限度におきまして考えますと、これは、六十数カ国のうちの一番終わりのほうになるんじゃないか、こう考えられます。
○小林分科員 それでは、おそれ入りますが、アメリカの六五会計年度は六月に終わるのでありますが、それで終わりになるとすれば、日本がアメリカから受けている軍事援助のトータルを五五年度あたりから六四年度くらいまでひとつお聞かせ願いたいと思います。
○海原政府委員 最近のものにつきましての数字を申し上げますと、昭和三十六年度以降について申してまいります。全部ございますので、全部申し上げてもよろしゅうございますが、三十六年度は陸海空合わせまして百二十三億四千二百万円でございます。昭和三十七年度につきましては百五十五億二千三百万円、昭和三十八年度につきましては七十二億七千二百万円、昭和三十九年度につきましては、第一・四半期から第二・四半期、この六カ月でございますが、この間のトータルが十五億五千八百万円、こういう数字に相なっております。これは陸海空の自衛隊につきましての合計でございます。
○小林分科員 案外少ないですな。こんな少ないものをやはりもらっていなければいけぬのですかね。午前中も質問があったそうですから、なるべく重複しないようにお尋ねしたいと思うのでありまするけれども、いまわが日本の陸海空軍がそれぞれあるわけですけれども、特に陸軍では十七万一千名の自衛隊法に基づく定員をお持ちになっているが、そのうちの大半、八割以上というものは人件費に使われている。装備などというものは依然としてアメリカの中古品、古いものばかり使わされているというもっぱらの評判なんですが、そういう中古品とか古いものは、いまおっしゃったこの軍事援助、MSAですかの軍事援助の中に入っているのかどうか。これは金銭じゃない。いまの中古品や品物でもらったものも全部入るんでございましょうね、そうでございましょうが、こういうものをもらってアメリカの装備をしていなくちゃならぬのかどうか。
○海原政府委員 アメリカから貸与を受け、あるいは供与を受けましたものは、昭和二十六年度以来でございます。したがいまして、過去十数年の間を考えてみますと、その上半期におきまして受け取りましたものは、いま先生のおっしゃいましたいわゆる中古品、これがおもなものであります。これは警察予備隊から保安隊、次いで自衛隊になってきたわけでございますが、その編成の過程におきまして当初もらいましたものは、言うなれば中古のものが多うございました。しかし、その後半におきましては、逐次新しいものが入ってきているわけでございます。したがいまして、たとえば昭和三十八年の終わりで考えてみますと、陸海空の自衛隊の装備の見積もりというものは一つの数字が出てまいりますが、そのときにおきまして、その装備に費やしました日本側の負担とアメリカ側の負担とはほぼ同じ程度に相なっております。簡単に申しますならば、現在の自衛隊のものとして残っております装備品の半分はアメリカが負担してくれている、こういうかっこうでございます。先ほど申しました過去十数年の後半におきましては、新しい最も近代的な装備を逐次アメリカから受け取ってきた、こういうことが一般的な趨勢でございます。ことし及び来年につきまして、なお若干のものがございますが、これはすべて新しいものでございます。したがいまして、すべてが中古のもの、こういうことではございませんので、何とぞそのように御了解願います。
○小林分科員 そうすると、現状のままではアメリカの品物が半分、こちらが半分、こういうことで、日本製が半分、アメリカ製が半分、アメリカ、日本のチャンポンの装備でおやりになっておる、こういう勘定になるわけですね。違いますか。
○海原政府委員 私の説明が不十分で申しわけございませんが、一般的な傾向を御認識いただくために金で申したわけでございます。装備品に費やした金で比較してみますと、アメリカと日本側が半々という状況が一年前の状態でございます。しかし、本年現在でいきますと、日本側の負担しておるものが多くなっておる。当時の数字が、私の記憶が正しければ約一兆一千億くらいになるわけでございますが、その一兆一千億の見積りで半々が日米相互負担というかっこうでございます。
○小林分科員 三矢事件はいずれまた予算委員会の小委員会でおやりになりますから、私はその問題には触れませんけれども、ただ巷間伝えられているところは、何か仮想敵国の襲撃を受けた場合には、日本の自衛隊というものはアメリカの本隊に吸収をせられて、ともに戦うのだけれども、アメリカが日本の本土に上陸して戦時体制につくまで五日間なり一週間なり間がある。その期間だけ持ちこたえるための日本の自衛隊であるという、こういう解釈が行なわれているわけでございまするが、そういう解釈自体が私は正しいのかどうか知りませんけれども、一体皆さん方の頭の中に、いまの陸軍が十七万一千ですか、海上が艦艇十四万五千トンで三万四千九百人、航空自衛隊が一千百機で三万九千五百人という、こういう自衛隊法に基づく定員によって、日本の本土が他国の襲撃を受けた場合に一体どれだけ独立して戦い得る能力を持っていますか、参考までにお聞かせいただきたい。
○海原政府委員 一定の状況を想定いたしまして、その際にどの程度の力があるかという趣旨の御質問と存じますが、このことにつきましては、従来おりおり御説明した次第でございますが、その想定が非常にむずかしいのでございます。したがいまして、私、従来御説明しておりますところは、現在第二次防衛力整備計画というものが進行中でございますが、この防衛力整備計画に従いますると、四十一年度でもって一応整備計画が終わるわけでございますが、そのあとにおきまして、おおむね一カ月程度は自力で何とかしたいというのがこの防衛力整備の目標であるということをかつて御説明しております。また現在においてもそのように考えておる次第であります。おおむね一カ月程度ということになりますと、具体的にどういうものかという御質問があるいは続いて起こるかもしれませんけれども、これは、いろいろな状況がございますので、私ども一応いろいろな場合を考えましてそのような想定をしておるわけでございます。
○小林分科員 限られた時間でありますからなんですが、その四十一年の整備計画の中には、あなた方の予定していられる陸上自衛隊二十三万名というもの、それを含めてあるのですか。現在十七万一千名を二十三万名にした計画、現在の十七万一千の計画でございますね。もし現在の自衛隊法に基づく十七万一千名で一カ月の戦いを持ちこたえる、そういう想定が成り立つならば、戦争の内容や何かは別といたしまして、あなた方が要求しておられる二十三万名まで増員をした場合には一体どういう質的な変化を来たせるのか、これもあわせてひとつ御説明をしていただきたいと思います。
○海原政府委員 ただいま先生のおことばの中に二十三万という数字が出ておりますが、私どもそういう計画は持っておりません。この二次防衛力整備計画におきまして、陸上自衛隊は、昭和四十一年度におきまして、現在の定員十七万一千五百に対し八千五百名の増員をお願いして、一応十八万にするというのが現在の計画でございます。したがいまして、そういう前提のもとに先ほど申し上げた次第でございまして、なお御参考までに当時発表いたしましたのを読んでみますと、こういうことに相なっております。すなわち「装備の近代化及び損耗分の計画的更新、機動力の増強、後方支援態勢の強化、特に、基地等後方施設の整備充実、おおむね一カ月分の弾薬等の備蓄等に重点をおくものとする。」こういうものが二次計画の方針として当時発表されたものでございまして、この辺で先ほど申しましたような解釈ができるわけでございます。
○小林分科員 あなた方が国会に要求せられた数字はなるほど十八万名であるかもしれませんが、それは、公式に表明せられたものではないんですね、この二十三万名というものは。三矢事件のように、非公式でやはり要望せられておる数字の中に二十三万名というのがあるんですね。それじゃ、二十三万は公式で言われたわけじゃございませんから、それはそれでいいことにしましよう。ところが、四十一年度の計画で十八万名を計画をせられているというのでありまするが、一体今年度は十七万一千五百、それに対して今年度四十年度の国家予算は、主として陸上自衛隊はこれに対して何万名の予算を組んでいるのでありますか。この十七万一千五百名に対してどれだけの予算が計上をせられておるのか。
○堀田政府委員 四十年度の陸上の査定人員数は十四万五千七百七十五名でございます。
○小林分科員 パーセンテージは何ぼですか。
○堀田政府委員 八五%でございます。
○小林分科員 これは、午前中にも質問があったというのでありまするから、私もあまりくどく繰り返したくないと思うのでありますけれども、この八五%とか八四%とかいうようなことは、去年、ことしの数字じゃないのだな。これは、自衛隊が定員法に基づく定数を充足し得ない年限は一体何年たっているのですか、何年から不足しているのですか、ちょっと聞かせてください。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。三十三年からの数字を申し上げます。三十三年の充足実績でございますが、九六・三%、これは陸上でございます。三十四年九四・四%、三十五年八九・六%、三十六年八四・三%、三十七年八四%、三十八年八三・二%でございます。
○小林分科員 三十三年からでも九六・三%ですね。自来だんだんこれは漸減してきているわけです。これは、本格的な欠陥、本質的な欠陥があるのじゃないですか。こういうことをそのままにしておくということは私はいかぬと思うのです。これは、もはや事務官の答弁にあらずして、大臣の御答弁に待たなくちゃならぬ。こういう長い間、自衛隊法などというものを設けて、与野党必死の攻防戦をやりながら、そういうような数字は要るとか要らぬとか激しい論議をしながら、あなたはこの数字がなくちゃ日本の国防の第一線は守られぬと言ったじゃないですか。断じて日本国民は一日も安心して寝られぬと言ったじゃないですか。一兵一卒といえども、これがなければ日本の運命に重大なる欠除があると言ったじゃないですか。そういって国民を扇動教唆をしておきながら、国会という神聖な場所において扇動教唆をしておきながら、さてその定員をふやしてみたならば、自来それを不充足のままにしておいて、何ら国防に支障もなければ痛くもかゆくもないですな。それに、国民を欺瞞する行為じゃないですか。これは欺瞞する行為ではないとおっしゃるのですか。これは私はわからないんだな。これをこそ、そういうことをおやりになるから、政治家はうそつきだとか、ちょうどかって外務大臣に大平さんという方がいられて、何やかにやと答弁されたが、どうもあの人はうそつきだというような評判もあったけれども――いや、これは失言でございますけれども、そういうような政治家や国会の良心を問われるような形がこういうところに出ているのです。こういうことをおやりになるから国会の良心が問われる、自衛隊の良心が問われる、国民の信頼を失うということになるのです。大臣、これはどういうことになるのですか。要らないなら要らない、要るなら要る、これは、あなた、一年や二年の問題じゃないですよ。もはや十年近くも定数不足のままにしておいて、そして知らぬ顔をしているなどということは、私は重大問題だと思うのでありますが、大臣の御所見を承りたいと思うのであります。
○小泉国務大臣 ただいま小林委員御指摘の欠員が三十四、五年以来依然として相当数続いておるということは、自衛隊の最大の悩みでございまして、この問題については、今日までいろいろと努力を続けてまいったのでございまするけれども、一般の社会経済情勢、他産業との待遇の格差というか、また若年労働力の不足というようないろいろの問題とからみまして、依然としてこれが解決されずに今日に至っておることは、まことに遺憾でございます。やはり隊員に魅力を持たせるというようなことでなければ、自衛隊員に青年が応募しないというようなことでございますので、われわれは最善の努力を尽くしまして、隊員の処遇の改善、環境、設備を改善をしていくというようなことに今日まで努力を続けてきたのでございます。ことに今年度の予算につきましては、もちろん、まだまだこういう面の改善の方策について不十分ではございまするけれども、充足率の向上というものを目途といたしまして、隊員の処遇改善の問題等については、ここ二、三年来施策の推進をいたし、いま予算の御審議を願っておるわけでございまして、漸次こういう問題を解決をし、また募集体制等の強化と相まって、われわれはこの充足率の向上を期し、今日のような事態を一年でも早く解決をしていかなければならないと努力を続けておるようなわけでございます。最近の情勢においては、一時、オリンピック東京大会等を契機といたしまして、国民の自衛隊に対する認識が深まり、相当程度の募集率の向上を見たことも事実でございまするが、いままた横ばいの状態でございます。しかし、われわれは、この隊員の充足ということは決して不可能ではない、あくまでもこれを達成しなければならないということで、今後ますますこれに対する諸施策を推進をいたしまして、定員まで人員の充足ができるように、今後とも最善の努力を尽したいと考えておるわけでございます。
○小林分科員 いま運輸の分科会のほうで迎えに来ました。間もなくそっちへ参りますので、質問を途中で打ち切らざるを得ないのですが、大臣、私は無理に不足人員を充足してくださいと言っているのじゃないのです。私の申し上げたいことは、三十三年からです。三、四、五、六、七、八、九と、もう七年も八年も十七万一千名ですよ。三万名近くも欠員を生じたままで今日まできている。それで、何ら支障がないのですよ。支障がないというこの事実の上に立って、そんなに無理に充足を考えなくたって、自衛隊法をこの際改正をして、実情に即した数字に直したらどうかということを申し上げているのです。支障は実際ないじゃないですか。それでもありますか。あるいは防衛庁長官の靴みがきをする兵隊が足らなかったり、あるいは政務次官の高橋清一郎君の当番兵が足らないからという、そういうぐらいの不足はあるかもしれませんけれども、自衛隊本来の防衛的立場を考えたときには何ら支障はないと考えなければならない。この際すみやかに自衛隊法というものを改正した上で、実情に即した数字に直されたらどうか。しかも現し実に内閣の中で、あなたのほうは定員法をもって十七万一千なら十七万一千という数字を持っている。とろこが肝心の大蔵省のほうは、そんな数字は架空の数字だといって、定員としてはいまお話のあったとおり、八五%、十四万五千七百七十人しか組んでいない。一昨年は予算定員の八四・五%、昨年度がやはり定員の八四%しか組まないという。これは、自衛隊がこれだけなければ日本の防衛は守れないのだと言ったその数字に対して、同じ内閣の閣僚の中で、そんなのなくたっていいのだと言わんばかりに、八四%ばかりの予算しかつけてくれないということは、これは閣僚内部における不信行為そのままじゃないですか。一体そんなことがいいんですか。こういうふうな矛盾をなくするためには、定員の数字とそれに基づく予算措置、こういうことが国民の前に明確にきちっと合った形で示されるのがほんとうじゃないか、かように私は考えるのです。だから、大臣に言いたいことは、いま繰り返して申し上げますけれども、もう定員を削減されて、実情に即した数字に直されるように自衛隊法の改正をおやりになったらどうですか、これを申し上げているわけでございます。
○小泉国務大臣 定員と実人員が一致するということがきわめて当然なことであり、またそうなければならぬのでございますが、先ほど来申し上げましたとおり、まことに遺憾ながらこういうような欠員がずっと続いているわけでございます。しかしながら、支障がないではないかと仰せられますが、やはりできるだけ支障を少なからしめたいという考え方に立ちまして、不足な人員をもって、各隊が非常な努力をしてこれをカバーしながら、その任務の達成に苦心をいたして今日までやってきておるのでございまして、私どもは、先ほど来申しますとおり、将来あらゆる方面の施策の改善、充実を推進いたしまして、定員と実人員が合うようにいたしたい。また決してそれは不可能ではないのでございまして、そういう意味からいたしまして、いま定員不足が相当年数続いているから実人員程度にこれを縮小したいというような考え方は毛頭持っておりませんで、何とか定員と実人員と一致する正しい姿に持っていきたいという努力を今後も続け、そしてわが防衛の任務の全きを期さなければならないと考えておる次第でございます。また、先ほど来小林委員が、これは軽い意味でおっしゃったことと思いますが、国民にこういうことが誤解されてはいけませんので、私ども長官や政務次官が隊員に靴をみがかせるというようなことは一ぺんもこざいませんので、そういうことはひとつ御了承をいただきたいのでございます。
○小林分科員 ともかくあなたのほうは、結局、定員法を改正する考えはない、あくまでも人員を充足していきたい、こうおっしゃるわけでございます。これは一時的な現象であるならばともかくといたしまして、あれくらい激しく論争して、この定員が一人、半ぺた減っても日本の国防はたいへんであると声を大にしてはたかれながら、七年間も八年間も、十年一昔というのだが、十年近く前から二万も三万もの欠員をそのままにして放置しておきながら、なおかつ執拗にその数字を守っていこうとする。そういうところに私は何か納得しがたい無理があるということを申し上げているのです。 それから、これはきのうも参議院で何か質問が出たそうですから、私は同じことを繰り返しませんけれどもきのうは何か西郷さんの銅像のところにアベックしているところの男のところまでも隊員の募集をしておるという話であるが、私も実際そういう感じを受けた。私も東京を歩いていると、広告にぶつかる。何かと思って見ると、自衛官募集中、毎日入隊、十八歳から二十五歳まで毎日受付、申し込み先市ケ谷何がしという、全く自動車のけつまで、薬屋の広告、洗たく屋の広告じゃあるまいし、こういうような広告をつけて東京都内を走り回って、それほどまでして一体自衛官を募集しなければならぬのか。そんなことで集められて持ってきた者が、一体日本の国防――どこをお守りになるのか知りませんけれども、国防の第一線に働き得るかどうか。小泉さん、これはあなた、ごらんになりましたか、その看板を。あなたはどういう感じをお受けになったか知りませんけれども、私は、あまりみっともないので、自分で目をそらしましたよ。そういうようなえげつない、品位のないまねまでして自衛官の募集をしながら、一体人間を充足していかなければならぬのかどうか、ひとつ十分考慮をしていただきまして、私は全く自衛隊のいまの――私は新潟県でありますけれども、豪雪やあるいは天変地異に対して自衛隊の皆さん方が努力をしてくださった。それに対してはまことに感謝にたえない。非常に感謝をいたしておりますし、また自衛隊の方々が一つの職業としておつとめになっておるから、その自衛隊の隊員の方々に対して私は非常に尊敬もいたしておりますし、何も文句は言わないけれども、国の政治としていまの自衛隊のあり方に対しては、われわれは賛成できないのであります。賛成できないのでありますが、しかし、かりに賛成するとしても一これは仮定ですから、小林進が賛成したとは決して言わないでくださいよ、反対なんですから。かりに賛成したとしても、いまのように、陸上自衛隊のように十七万一千の、あめん棒を延ばすようにしてアメリカの軍隊の中古兵器を借りて、アメリカの服装でばたばたしながら、その一人の自衛隊員に対する費用は六十五万円、その六十五万円の八割有余の金を人件費やあるいは食費にあてがっているような、そういう自衛隊のあり方は私は反対です。ほんとうにあなたが国防の第一線に必要だと思うならば、思い切ってそんなものは半分にして、そんなけちくさいアメリカのMSAなんかの援助金をもらわないで、そっちのほうに装備を回して、人件費あたりは四割か三割くらいにして、あとの六割か七割は近代的な兵器で装備する。そして装備や兵器の面においては断じて世界のだれにも譲らないという、そういう構想の自衛隊をおつくりになったらいかがでしょうか。小泉先生、そんな自動車のけつに自衛官募集の札なんか下げて、人件費や食費だけに国家予算を費やして肝心な兵器や装備のほうはアメリカの古ものをもらっててこてこ歩くような、そういうサルまねのような自衛隊はおやめになったらいかがでございましょうかと私は申し上げる。どうぞひとつこの点を心から御忠告申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○中野主査 川俣清音君。
○川俣分科員 大臣もお急ぎのようですからひとつお尋ねしたいのですが、それは、予算委員会も大体終結に近づいてきておりますが、予算委員会の中に設けました三矢小委員会が進行しませんと、中に設けた小委員会でありますために、予算全体の審議の上に非常に影響するところが大きいと思いますが、聞くところによりますと、資料の提出等がないために進行しておらないようにも承るわけでございますが、いよいよ最後の段階に来ておりますので、――私は最後の段階とは思いません。十分審議するのでありますから最後とは思いませんが、政府の要請によると、もうこの辺で終わりとしたいという目安をつけておられるようでございます。これは、自民党がつけておるというよりも、政府がつけておるのではないかと思いますが、そこで、予算を引き受けておるものとしては一応の見通しをつけなければなりませんので、防衛庁は積極的に進んでこの小委員会が早く終結を見ると申しますか、審議が進んで報告のできるようにしていただかなければならぬと思いますが、大臣のこれに対する心がまえを承っておきたいと思います。
○小泉国務大臣 いわゆる三矢図上研究等に対する小委員会の点につきましては、御指摘のとおり、少しでも早く十分な小委員会における御検討をいただきまして結論を見出したいということについては、防衛当局においては最も熱心にこれを希望しておるわけでございまして、今後の資料の問題あるいはいろいろの問題等につきましても、委員会の総意に対処いたしまして、でき得る限りの審議の進行に御協力申し上げることは当然であり、またその迅速なる審議の終結と申しますか、そういう結論が出てこの小委員会が完結をすることをわれわれは心から熱望をいたしておるわけでございます。
○川俣分科員 ほんとうにそうであるならばその結論を待ちたいと思うのですけれども、御承知のように、この小委員会はむしろ野党の要求でなくて、野党は特別委員会を設けたいということに対して、政府並びに与党から、予算の中に設けて、予算委員会の中で起きた問題だから予算委員会の中で処理してもらいたいという要望に基づいて、それもそうだということで小委員会をつくったわけですから、小委員会の終結を見なければ予算の終結を見ないという形になっておりますので、この点、十分小委員会のほうにもお願いいたしますけれども、防衛庁は進んでこの審議の促進に御努力を願わないと、総体の予算が上がらないという責任が防衛庁に出てくるのではないかと思いますから、これは、念のためにひとつ申し上げておきたいと思います。 そこで、もう一点だけ聞いて、あとは小委員会のほうで伺いたいと思いますが、防衛庁ではいろいろな研究をやるために外部からいろいろ、資金の援助はあるかないかわかりませんけれども、物質的な支援を得ておるやにも聞くのでありますが、そのように予算が逼迫しておるのでございましょうか。これは、詳しいことはどうせ聞きますけれども、大臣としてはそういうことがあると思っていらっしゃいますか、ないと思っていらっしゃいますか。
○小泉国務大臣 防衛庁本来の任務を遂行していく上において、もちろん国会に御審議を願っておる国家予算でずっとやってきておるわけでございまして、国家予算以外に、何と申しますか、いま川俣委員が御指摘のような民間の何と申しますか、寄付と申しますか、資金と申しますか、そういうことがあるべきはずはないと思っております。
○川俣分科員 そこで、もっと具体的にお聞きいたします。時間がないので遠回しはやめます。 あの三矢研究には相当の御苦労をしておられるようですが、こういう経費は外部からの応援でやったのではなくして、内部の経費でおやりになったと理解するのですが、こういう経費は、一体大臣、どこから捻出されておりますか。私ども予算項目を見ますると、こういう膨大な経費をかけるような予算が単独には出てこないわけです。詳しいことは大臣、どうせ経理局長に聞きますよ。大臣はどういう感覚であの経費が出たとお考えになっておるのか。考えただけでいいのですよ。間違いなんていうことは指摘しませんから、どんな考え方で使われたかということだけは、総括の大臣として、大体こういう程度から出ておるだろうということはお考えになっているのじゃないか。これは、総括の大臣としては無関心であってはならないはずだと思うのです。特に外部から資金の援助を受けたなんということになると、これはますます問題が大きくなりましょうし、内部の経費をやりくりしたということもあるかもしれませんから、どういう項目から出ておるのでしょうか、また、こういう費目を初めから用意しておられたというふうに理解しておられますか、大臣の感覚だけでいいのですから、間違えたっていい、大臣、思っておられるとおりでけっこうなんです。間違えているからなんて決して指摘しませんから、そういう点は安心して御答弁願います。
○小泉国務大臣 もちろん、例年自衛隊の当然の任務として、いろいろな研究や想定図上演習等をいたしておりますので、これは、当然一般事務費の中からまかなわれておるものと私は考えておるわけであります。また、詳しいことは経理局長から答弁をいたさせます。
○川俣分科員 そうすると、大臣の感覚では――私が感覚と申し上げたのは、間違いがあってはいかぬから、わざわざ感覚と申し上げておるわけですよ。感じでは、防衛庁の本庁の事務費がそれに充当されておるのだ、こういう御答弁のようですが、私は、三矢研究がいい悪いということは小委員会でやるのですから、そういう議論をしておるのじゃないのです。そういう研究がこの中に盛られておるが、そうすると、ほかの事務費というものはそれだけ削限されておるのじゃないか。それじゃ、事務費が削減されると、防衛庁の運営上支障を来たしたのではないかと思いますが、そういう心配はなかったのでしょうか、大臣、どういうふうにお考えになっておりますか。詳しいことはどうせあとから聞きますから。
○小泉国務大臣 いま申し上げたような幕僚が集まってそういう研究をするということ自体が、やはり事務の一つでございますから、決してそれの事務費を使ったからほかの事務費が差しつかえるというようなことはないものと考えております。
○川俣分科員 あれは特別に使われた経費だ、毎年ああいうことを成ずしもやっているのじゃない、あれだけの膨大な研究というのは毎年やっておられるわけじゃない。そうすると、あれは臨時費かなんかでなければならぬ。たまたま余裕が事務費の中にあった、こういうことになるのですか、ほかの事務費を削減したということになるのでしょうか。詳しくなくていい、詳しいことはどうせ経理局長からお聞きするのですから、大臣はどういうふうにあれを見ておられますか、あなたの見ている感じをお聞かせ願えれば、私ども、また別の判断をして経理局長に詳しくお尋ねいたします。大臣は総括の責任者として、どういう経費でやっただろうかというようなことを一応大臣としては頭に描かれたものと思うのですよ。通常の事務費からだったとすれば、事務のほうが渋滞したはずだ。これは、そんなに余裕がある事務費でもないと思うのです。毎年そんなに余裕のあるものではない。だから、どこか詰めなければならぬだろう。私どもは、もっと詳しく言うと、これはあとでお聞きしますが、大臣だけにちょっと耳に入れておきますけれども、事務費全体が余裕があるのか。余裕があるからそんな研究までできるのか。そうするというと、予算上そんな余裕があるならば、もう少し詰めていかなければならないのじゃないかという議論にもなると思う。これは、いまちょっと一例を一つあげただけですが、大臣のいる間に私の質問の結論を見たいと思うのでお尋ねしておるわけですが、大臣、事務費などは相当余裕があるんだというふうにお考えになっておるか、ないところから必要だということで無理に捻出したものだとお考えになっていますか、この点だけひとつお聞きしたいと思うのです。
○小泉国務大臣 先ほど来申し上げますとおり、こういう研究や想定を立てて勉強するそのこと自体が一般の事務でございますので、特にこれをやったからほかの事務に差しつかえるということはないと存じております。また、ああいう研究が実際に演習等が行なわれたとかいうことであれば、相当の経費も要しましょうし、あるいはどっか地方にでも相当多くの人員がそのために動いて実地の演習等をやったということであれば、それはたくさんの費用も要しましょうが、こういう事務的なものでございますので、たいした費用がかかるものでもないし、いわゆる一般事務費の中から当然の事務費として使われたのであろうと考えますし、このためほかの事務に差しつかえが生ずるということは毛頭私は考えられないのでございます。
○川俣分科員 もう一点だけ大臣にお答え願って、小委員会のほうに回っていただきます。 あの研究をするからには相当の資料も集めなければならぬ。あのあとには、非常に苦心の資料を集められたものというか、アメリカの研究資料なども取り入れられておる。これは、頭だけで考えたものでなくて、相当の資料の根拠を持ち、なかなか研究された資料であるし、大臣が予算委員会で御説明になりましたごとく、印刷ページにいたしましても膨大なものであります。ああいう膨大なものができ上がるには、そう簡単にでき上がったとは見えないわけです。ああいうものが簡単にでき上がるとなると、防衛庁の予算というものはもっともっと減っていいので、経費をかけないでさっさとああいうものができるとなれば、こんなに費用は要らぬのじゃないかとも逆に思うのですよ。そこで、しつこくあなたにお尋ねしておったわけですが、大臣、よろしいです。あとは経理局長にお聞きしますけれども、私は、大臣、これは相当勉強されたと思うのですよ。小委員会も設けられたのですし、しかも国会開会中であり、予算の審議中でありますから、当然大臣の頭にも、こういう経費の捻出はどこからきたであろうか、外部の援助を受けたのであろうかどうかということが、当然検討されておったと思うのです。外部に発表するかしないかは別にして、あったのじゃないかと思うので、実は私はお尋ねしておったのであります。 そこで、大臣だけにもう一つお尋ねしておきたいのですが、大臣は、三無事件というのは御存じですね。だんだん三無事件は公判で明らかになってくると思いますが、たまたま三無事件の構想といいますか、計画といいますか、事件としては陰謀のような計画になっておりまして、陰謀であるかないかは判決を見なければわかりませんが、相当似ておる研究が、三無事件と同じような研究が行なわれたということは、これは結果的には明らかですね。どっちがまねしたのかどうかは別です。あるいは三無事件のほうが統合幕僚会議の資料を見てつくったのか、あるいは三無事件の研究の資料を参考にしたのか、これはわかりません。これは、いずれ小委員会でやることでしょうから、私は内容に入るわけじゃないのですけれども、いずれにしても、膨大な研究資料が提供された。国会図書館をもってしてもなかなか一われわれ代議士なんかあまり能力がないのかもしれません。そこへいくと、自衛隊の諸君はなかなか能力があるのかもしれませんけれども、あれだけの研究をするからには、そうたやすくできたものでもない。相当の研さんを経たものだ、私はそう察するに足るのであります。戦時中の総動員法なども相当勉強しておられるでしょうし、こういうものも自衛隊としては新しく買い入れなければならない資料だと存じます。借りてくるにしたって、借り賃は出さなければならぬであろうし、そう長く貸しておくものでもないし、結局、こういうものは買い求めなければ有効にならない資料だと存じますので、こういう参考資料が相当集まっておられるだろうと思う。これはむだじゃないと思いますよ。私は、決してむだだとかいう意味じゃない。研究するにはやはり相当資料があって、創作でもない、相当な研究であったということもあります。大体統監部で、この研究に対して、りっぱな研究だという講評が行なわれておる。それから見ても、りっぱな研究だというからには、そう粗末なものでなかったということは明らかだと思うのです。それがよかったか悪かったか議論になっておりますが、それは別ですよ。相当な研究であるということについては間違いないわけです。大臣自身も本国会で千何百ページにのぼる一部だと言われるからには、相当膨大な研究であった。そういう経費が防衛庁の中でたやすく出てくるということについて、大臣はどうお考えになっておりましょうか。大臣なかなか苦しそうでございますけれども、これは正直言ってみますと、私は別にこれであなたを責めるとかなんとかいう意思はございません。予算の最終段階に来たので、何とか予算委員なりに結論を得たいということから、詳細はいずれ小委員会できまってまいりましょうが、結論を得たいということでお尋ねしたわけです。大臣、もう一回だけ御答弁願います。
○小泉国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、こういう図上研究は自衛隊としては当然一般の事務でございますので、特にこれをやったからほかの経費が圧迫を受けるとかなんとかいうことはない、当然の一般事務費の中でやっておりますので、御心配になるようなそうたくさんの経費が要るわけでもなく、また、そういう研究に費用がかかるから他の一般事務費を圧迫するとか縮小するとかいうことはあり得ないことでございます。 なおまた、お尋ねの中に三無事件云々ということがございましたが、三無事件と自衛隊の図上研究等とは何ら関係がございません。 また、りっぱな研究であったという講評が行なわれたというような意味の御指摘もございましたが、これも何らかの誤解ではないかと存じます。ほめるもほめないも、いわゆる講評というものは全然行なわれておらないのでございます。
○川俣分科員 だれが講評したかということも明らかでございます。講評でございまするから、これが防衛庁にあることも事実です。こういう講評を行なったということは、そういう事態がなかったらば講評もないと思います。これは、防衛庁の従来のあれからいって、研究については必ず講評が行なわれておる。その研究がいい悪いというような批判を加えることによってさらに前進させようとする、このこと自体は私悪いと言うのじゃないです。その講評を見ますると、非常に力を入れた充実した研究であるという講評を行なっておるわけですから、その資料は当然防衛庁になければならぬ。なければ、この講評というのは私的な講評であって、防衛庁の講評じゃない、こういうことになると思うのです。それを見せるか見せないか、それは別です。そんなことを言っているのじゃなくて、防衛庁の組織の費用でやったものに対して、これがいいか悪いかという批判を加えていることは当然だと思います。そういうことも何もなしに、ただ研究したのだということになれば、それは国費を乱費したということに私はなるのじゃないかと思う。こういう研究をしたことについて、この研究は防衛庁として見て非常にすぐれた研究である、これはまだ不十分なものであるとかいう講評が当然伴わなければ、この研究というものは生きてこない、この事務が生きてこないのです。何のためにやった事務かわからないような結果になってしまうことです。これは事務じゃありません、仕事じゃありませんですよ。仕事をやったからには、これだけの費用をかけたのですから、必ず結末が何らかの形で――いい悪いは別です。国会のような論議のいい悪いじゃなしに、防衛庁としては、これは非常にすぐれた研究であるとか、まだ未熟な研究であるとかいう批評があっていい。別にあって悪いなんて私指摘しているのじゃない。これだけの経費をかけてやったものが何にもならないことだったなんということになったら、それこそ問題だと思う。大臣だけ責めると苦しそうですから、小委員会に行ってけっこうです。 経理局長にお尋ねします。こういう毎年要求される事務費の積算の目をお示し願いたいと存じます。
○大村政府委員 お答えいたします。支出の目は九日の庁費でございます。
○川俣分科員 そのほかに、たとえば三矢研究のような、あるいはその他の事務研究のような会議の費用の項目がございますか。大臣はみんな事務費の中だという答弁になっておりますが、大臣の言うことに間違いもありましょうから、それと違うとかいうことを言いませんから、実際はどうなっているのか、経理局長のほうの話をもとにいたしますから。あなたが大臣の答弁したときに間違っていれば、ちょっと言ってくだされば再びやらないのですけれども、あなたがそばにおられて大体承認しておったような顔をしておられるから、こういう研究の費用は、一般事務費というふうな大ざっぱなものの中に目として、あるいは積算の基礎が出ていなければならぬはずだと思います。もとの陸軍の費用は、これは積算の基礎も何もないです。いまは陸軍の費用とだいぶ違いますから、必ず項目がなければならぬはずだと思うので、ひとつお尋ねしておきます。それを研究したのは悪い、いいという意味じゃないですよ。それは小委員会のほうでやることですから……。
○大村政府委員 この研究は、先生御承知の統合幕僚会議の事務局で行なわれたものでございます。したがいまして、統合幕僚会議の事務局の経費は、項は防衛本庁の中にございます。その中の一般の事務費でございますから、これは九日の庁費でございます。ずいぶん膨大な経費を使ってやられたような御印象でございますけれども、実は、これは部内の幕僚だけでやっておるものでございます。しかも、それぞれの研究の成果の発表の過程において経費のかかったものが主として何かといいますと、実は紙でございます。それに対する印刷も、これは部内で印刷しております。したがいまして、印刷代などは幾らもかかっておりません。大部分の主たる経費は紙代でございます。したがって、経費的にはきわめて微々たる経費でございます。したがいまして、ほかのほうにしわ寄せするとかなんとかいうことは全然起こらぬほどのわずかな経費でございます。
○川俣分科員 防衛庁というのはしあわせな官庁だと思う。国会などは、庁費が方々に使われるものですから、枯渇いたしまして、一日に四十人くらいの議員が医務室に行くのですが、かぜの薬代も捻出の道がないということで困っておるくらいだ、国会ですら。庁費というのはどこの官庁でもそうですが、庁費は不足がちだというのが普通の官庁の言い分になっているわけです。事務費ということなら別ですけれども、庁費の中の経費というものはなかなか押えられがちで不十分だというのが、各官庁の泣きごとを言われるところでございますが、防衛庁は非常にしあわせだと思うのは、こういう研究をやれるだけの事務費を持っているということになりまして、おそらくこういう研究は、夜間も使われておるでしょうし、こういう研究をやる場合には、あるいは昼食代も出さなければなりませんでしょうし、昼食代は別にあるといえば、これは別ですけれども、やはりこういう独立した研究であり、必要な研究であれば、別個に予算を立てるのが予算のたてまえだ、こういう観点に立って私はお尋ねしているのです。実際は防衛庁は特別なようですから、私の認識が違うような点もあるようですけれども、ここを明らかにしたい、こういうことなんです。
○大村政府委員 かかった経費は幾らかと申し上げると、先生がびっくりされるようなわずかな経費でございます。もちろん防衛庁とて庁費は非常に窮屈なんでございます。統合幕僚会議の庁費は、普通庁費と特別庁費を合わせまして四百万円足らずでございますけれども、その中で、先ほどお答え申し上げましたとおり、かかりました経費は大部分紙代でございます。それで、そういう紙代を中心といたしました事務用消耗品でございます。したがいまして、総額といたしましても、これは三万円弱というくらいのごくわずかの金でございます。先ほど昼めし代なんかもとおっしゃいましたけれども、実は会議には、ここに検査院がいらっしゃいますけれども、部内の職員が会議をした場合は食事は出しません。みんな自弁でございます。したがいまして、特別にこのために会議費も使っておりません。
○川俣分科員 そういう点、では会計検査院にお聞きをしたい。 各官庁が研究会議をやる場合には相当な経費をかけておりますね。防衛庁はあれだけの資料をつくるのにあまり金をかけられなかった、こういうことになるのですね。そうすると、ほかの官庁は防衛庁と比べてずいぶんむだな経費といいますか、かかり過ぎる経費をかけているような検査になっておりますか、やはりこういう研究については、同じような経費をかけているというふうに検査されましたかどうか。おそらく会計検査院としては、支出については、ある点に標準を見て検査をされると思います。そうでなければ結論は出せないはずですから。そういう点で、総体の事務費についてどんな検査の感じを持っておられるか。別に指摘事項がなかったようですけれども、防衛庁の指摘事項というと、物品の購入がおもなる指摘事項ですけれども、どこでも事務費の指摘事項はあまり会計検査に出ていないようですけれども、検査されました報告としては、こういう事務費についてはあまりむだがなかった、あり過ぎた、こういう感じを必ず持っていなければならないはずだと思います。これは、ほかの官庁と同じような経費の使い方、あるいは異常な使い方、あるいは非常に節約した使い方という検査があるはずだと思うのであります。あなたが担当官であったかどうか存じませんけれども、もしあなたが担当官でなければ、この委員会が終わるまでに会計検査院の事務費に対する検査報告をお願いしたい、こう思うのです。これは、早くないと、この予算をどうするかということについて結論を私ども得られませんので、大づかみの検査報告でけっこうですから、お出し願えますか。
○服部会計検査院説明員 お答えいたします。いま事務費の検査についての御質問がございましたが、私のほうでは、いま防衛庁関係の経費について私の課で検査いたしておりまして、当然事務費も検査しております。その場合に、事務費につきましては、われわれのほうの考え方といたしましては会計経理の面から、そういうたとえば帳簿の紙、そういったものを購入しております場合に、その契約の方法なり、あるいは数量なり価格、こういうものがはたして妥当であるかどうか、主としてそういう観点から検査をいたしております。この点は、ほかのほうのことは私存じませんが、一般に事務費の検査はこういうやり方でやっておるのではないかと私は考えております。したがいまして、もしそういう検査の方法といいますか、そういう観点から検査をいたしまして、かりに不当な経費がございましたときには、これは、当然検査報告という形で国会に提出することになるだろうかと思います。ただ、いままでのところ、私たちが検討いたしました段階では、こういう不当と認められるような事例は認めなかったわけでございます。
○川俣分科員 これは、あなたにお尋ねするのは無理だと思うのですが、事務総長でもおいで願わなければならぬと思うのですが、会計検査院を独立させて会計検査を願うということは、各項目について適切な運営が行なわれたかどうかということを大いに期待して会計検査をお願いしておると、私どもはそう理解をしておる。それだけにかなり御苦労もあるだろうからということで、旅費や何かについても、先般、かなり詳しい検査をしたりすると時間も延びるのであろうということを予想して、私はこの間お尋ねしたわけです。私のあれからするならば、いままでやらなかったけれども、これからやるかどうかということは、あなたの答弁の範囲ではないようですけれども、国民の代表としての衆議院としてみれば、国の財政全般についてどういうような指導で行なわれておるかということは、非常に関心の深いものであります。これは、全部税金にはね返ってくるものでありますだけに、その指導がよろしきを得たものか、あるいは余裕があるような予算なのか、不自由な予算なのか、国の行政を運営していく上において不自由であってはならない、多過ぎてはならない。そこの適切なのは、会計検査院の査定をまつというのが国民感情だと思うのです。したがって、こういうことをお聞きするのは、いや、そういうことはやってないと言われればそれきりですけれども、期待しているところはそれ以上のものを期待しておるのです。こういう期待に沿うような機構になっていないんだ、あるいは会計検査院の庁費その他の事務費がそういうものまでやるような余裕がないのだというのか。私は、会計検査院にはそういうところまでやる機能を与えておるし、願っておるということは、会計検査院法からいってそうだと思います。ただ、実際上事務費やあるいは旅費や人員の不足等でそこまで手が伸びないんだということなら別ですけれども、機構そのものからいって、これはやれないんだというようなことじゃないと思うのです。課長、そうじゃないですか。やれないというものじゃない、やるべきなんだけれども、そこまで人員やその他の諸般の事情からできないんだということなら私は了承しますよ。また、いままでもそこまでやってないということなら了承します。この点、どうなんですか。
○服部会計検査院説明員 庁費の検査でございますが、たとえばわれわれ防衛庁等の関係の検査をしておる者にとりましても、いわば庁費というものは、基本経理の分野に入る面かと考えておりますが、そういった庁費等を含めました経理の基本的な面につきましても、たとえば装備品等の調達の場合と少なくとも同等のつもりでわれわれは一生懸命検査しているつもりでございます。したがいまして、いま先生御指摘のような、そういう使用目的、そういったものについても一応十分頭に入れて検討をしておるつもりでございますので、御了承願いたいと思います。
○川俣分科員 それでは、私のお尋ねするような資料がお出し願えるならば、この委員会の終了を見るまでにひとつ参考資料としてお出し願いたいと思うのです。 大蔵省の防衛庁担当の主計官にお尋ねをしたいのですが、いまおいでになったので、もう一ぺん繰り返すことは非常に時間を浪費することになりますが、簡略にいたしますると、結論は防衛庁の庁費積算の基礎を明らかにしてほしい、こう思うのです。というのは、各官庁とも、主計官の会議で御存じのとおり、各庁費というものが非常に詰められておって、運営が非常に困難だといわれておるのでございます。今日の国会の予算審議にあたりましても、お聞き及びだと思いますが、国会の庁費も種々雑多なものが入っておりまして、なかなか運営に困難を来たしておるようでございます。 そこで、なぜお尋ねするかというと、防衛庁の経理局長も大臣も――三矢研究のような膨大な研究に要した費用は、私は、一カ所ではないと思った、実は方々の費用を集めて移流用と申しますか、適切な運用をしたんだというふうに思ったわけです。ああいう研究を初めからやるのだなんという予算があるわけでもないし、そういう経費もなかろうし、どこかの費用を集めて――これは、項の中であればできるでしょうし、雑費みたいなものとして集めてできないこともないわけですから、そうかと思ったら、そうじゃないのだ、正常な庁費の中からああいう研究をするような費用はいつでも組んであるのだ、こういう答弁なのです。ほかの官庁は、積算の基礎を非常に詰められて減らされるような説明を聞くのですが、防衛庁は、そういう点ではこの庁費の内容についてはあまり詰めたことはないのですか。当然査定をされる段階でお調べになっておるでしょうから、相当詰めたことだろうと存じます。大蔵省ですから。しかし、ここの経理局長に先輩がいるのだからということでやられるなら、これはまた別ですけれども、何も先輩がいるからといって、このごろの若い主計官はなかなかそういうあれもなさそうですからね。有能な主計官ですからね。やはり相当詰めたと思いますので、積算内容は一体どうなっておりましょうか。
○渡部説明員 お答え申し上げます。 防衛庁の三矢研究に要した経費がどこから出ておるか、そういう予算は組んでおるのか、防衛庁の予算は一体おまえはどの程度詰めておるのか、こういう御質問でございますが、私のほうといたしましては、現在までのところ、まだ三矢研究にお使いになったお金がどの費目からお出しになったかは防衛庁のほうから伺っておりません。私の推定でございますから、間違っておったらお許し願いたいと思いますが、おそらくこれに要したお金は、九日庁費、一般の人当庁費からお出しになったのではないかと思います。その庁費の積算根拠は、過去の使用実績その他いろいろの要素を考えまして、三十七年、三十八年が一人当たり一万九千二百円、四十年度は二万二千二百円、このように計上いたしてございます。
○川俣分科員 したがいまして、ほかの官庁から見ますると、こういうような研究をする余裕を与えておったのだとも見えないことはないでしょうし、また必要に迫られた研究であるために、いろいろなものをもちろん法律の範囲内において流用したのだとも考えられる。どちらかわからなかったのですけれども、いまここに来ると、何か一定の基礎の上に答弁しなければならないということで答弁されておるのだろうと思いまするけれども、私は、いま三矢研究が悪いとかいいとかということを問題にしているのじゃなくて、予算の面から今後どうあるべきであろうかということなのです。あまり予算の豊富なためにいろいろなものをやられたのじゃかなわない、あまり詰めておいて研究が不十分になってもいかぬ。ここで手ごろな判断を下さなければならぬと思うのです。そこで、しつこくお尋ねする点もここにあるのです。あまり余裕があり過ぎるとよけいなことまでやるんじゃないかと思うのです。少な過ぎればやるべきこともやらないんじゃないかというようなことから、一体どのくらい詰めておるのか、主計官にお聞きしたいというのが私の質問の趣旨なんです。
○渡部説明員 川俣先生からなかなかむずかしい御質問をいただきましたが、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、自衛隊における過去の使用実績、どういうものにどの程度お使いになっておるか、あるいはよその官庁においてはどういうものにどの程度お使いになっておるか、それらのものは、はたして必要であるかどうかというようなことを検討した上で、三十七年、三十八年は一万九千二百円程度が適正だ、このように考えて計上いたしております。
○川俣分科員 そうすると、ああいう膨大なものを研究しないときは、非常に余裕のある査定だというふうになるのですね。ああいうものをやり得る予算だということになると、やらなかった場合は非常に余裕のある予算だ。別な方面に事務費が使われるという余裕のある予算だ、こういうふうになりますか。私どもはそう勘ぐるわけじゃないけれども、そう見るのはあたりまえな見方だ、こういうことになる、どうですか。
○渡部説明員 私は、三矢研究なるものが、こうこうこういう性質のものだとこの場で申し上げるわけにもまいりませんし、また伺ってもおりませんから、その点についてはお許し願いたいと思います。ただ、わがほうといたしましては、先ほど申し上げました人当庁費と称するものの使用については、一括して防衛庁の長官におまかせしております。したがいまして、この範囲内において防衛庁の長官は必要と思うものからお使いになっていく、こういう仕組みになっておるわけでございます。
○川俣分科員 ですから、これは絶対必要だということでお使いになった、その点は悪いと言っているんじゃないのです。これも、防衛庁の活動の範囲内で必要な経費だということでお出しになった、それを否定しているわけじゃないのです。もしもやらなければこれだけの余裕があるのじゃないか。これを使ったというのでしょう。いい悪いは別ですよ。研究機関やなんかは別にして、これだけを使わなければならなかったんだということですから、確かにそれにはそれだけの必要性があったのでしょうけれども、もしこれをやらなければ、その金は浮くような計算になりませんか。私どものしろうと計算だとそうなんですね。ああいうものをやってこれだけの経費がかかる、やらなければ浮いてくるんじゃないですか。また、もちろんほかの仕事をするでしょうけれども、あれに匹敵するような大きな仕事をしたということを聞きませんね。そこで、あれは相当な仕事をされて、あれ以外だと防衛庁内であんまりたいした仕事をしておらないとも批評される、それはまた別です。あれくらいが画期的な仕事だともいわれるわけですから、それは別ですけれども、そういう意味で、一体もしもあの研究がなければ、研究にかかっただけの費用は浮く勘定になる、その年は浮いたはずだ。また別なほうに使ったかもしれないけれども。そこで主計官、三矢研究のいい悪いは大蔵省の関知するところではないでしょうし、大蔵省といえどもあの研究が必要だったとか、将来必要かどうかということについて、予算査定の基準にもできないでしょうが、今日のような窮迫した財政状態においては、あらゆるものを削減しなきゃならない。ことに事務費などについては、大蔵省は削減方針をとっておられるのですね。そういうところからいって、今度の四十年度の査定では、こういうような研究もできるような余裕のある事務費になっておりますか、非常にきびしい事務費になっていると主計官はお考えになっておりますか、その点をお尋ねしたい。予算面からいうと、従来はたいして使っていませんよ。
○渡部説明員 非常にむずかしい御質問でございまして、お答え申し上げにくいのでございますが、四十年度の防衛庁費については、私どもといたしましては、きびし過ぎるとも放漫に過ぎるとも申し上げかねる次第でございます。ただ私といたしましては、適正な予算ではないかと、このように考えております。
○川俣分科員 主計官はいつから防衛庁の主計官をやっておられるか存じませんが、世の中に大きな波紋を描きましたような三矢研究、これは御承知でしょうけれども、膨大な研究です。研究としては非常にりっぱな研究です。かつて戦争中において総動員計画をする場合は、非常な費用をかけて研究されたほどの歴史が残っておりますし、記録も残っておる。それを安易に、簡単につくられたということは、非常にりっぱなものだと私は思います。あの総動員計画などというものはほんとうに苦労している。中には病死した者もあるわけですから、そういう中において平然と、と申しますか、あまりたいした犠牲も出ないで、簡単に研究がなったというのは、相当すばらしい頭脳の集まりだと見てもいいと思う。それはそれでいいと思うのですよ。そういう研究のための事務費というものが平常使われるというような予算構成ではない、私はそう思う。特別支出なら別ですよ。それほど余裕のある庁費にはなっていないんじゃないかと思う。各省ともきびしいときに、そういう特別な研究をするだけの余裕があることは、これは非常にしあわせな防衛庁だと言わざるを得ないと思う。あなたはきびしいと言うけれども、よそではやれないのに防衛庁ができるというのですから、その優秀さは確かにあるでしょうけれども、単なる優秀さだけではできない。やはり費用の点においては余裕があったのだ、こう私は見るのですけれども、もっと鋭敏な主計官は見抜いておるはずだということで、あなたにおいで願ったのですが、私の見そこないであれば別ですが、どうでしょうか。
○渡部説明員 私は先生のお見通しのとおりの者でございまして、申しわけありません。ここで私先ほど来申し上げておりますように、この経費がきびし過ぎるとも、あるいはルーズに過ぎるとも申し上げかねます。私といたしましては、適正な予算であるのではないか、それしか申し上げかねます。
○川俣分科員 私どもが非常に心配しておるのは、防衛庁の中には、昔の臨軍の時代に教育された人々が非常に多いのです。国のためになるならば、費目は何であろうとも、いいことをやるならば転用でも流用でもやっていいんだという思想がいまだに残っておりまして、それは、いろいろな演習地に行った場合に行なわれておる査定等を見ましても、そういう感覚で処理しておられる点を、私指摘せいというならしますけれども、きょうは時間がないし、申し上げませんけれども、どうもそういう臨軍的な一括権限を与えられたような会計の運営が行なわれておることをしばしば見受けるのです。いまこの三矢研究は、小委員会をつくって、いいとか悪いとかどういうものだとか、内容を検討しておりますから、私それには触れない。主として国の予算の運営上から実はお聞きしておるわけですけれども、そういう意味で、いや、きびしくもない、あたりまえな運営だ、こういうことになりますが、きょうも第一分科会で国会の予算を審議中に、たとえば超勤の費用などを見ましても、ここにおります看護婦のこときは、きょうのように予算委員会がおくれますと、まだつとめておる。つとめておっても超勤が出ないのですよ、超勤がないのですよ。ところが、委員会開会中は帰れない。それで超勤が出ない。これは、庁費のうちの雑費で払っているようですが、雑費なものですから、ほかの雑費にとられると、この雑費が出てこない。こういうことなんです。国会ですらそれほどきびしいのに、こういう研究ができるということになると、私は非常にしあわせだと思うのです。国会など、おそくなるとこの結末がつかない。政府がおそくまでやってくれ、あしたにでも上げてくれといってけつをたたくけれども、それを補給するような措置ができていない。予算的にできていないのだけれども、やれというわけです。それほどきびしいのだから、もしもそういうほうに余裕があるならば、主計官、国会の庁費のほうに回してもらわなければならぬ。こっちは研究どころではない。政府の要請だ、大蔵省の要請だということで、日曜もやろうかという。日曜もやるならば、衛視から看護婦から、みんな金を払う道がない。こういうせっぱ詰まっておるときに、こういうりっぱな研究をする防衛庁があるというのは非常にしあわせですから、右へならえをさしていただけないかと思う。決して人のことをうらやんで言うわけじゃないのですよ。そういう意味で……。
○渡部説明員 私は国会担当でございませんので、国会関係の予算については何とも申し上げかねます。防衛庁の予算につきましては、先ほど来申し上げましたとおりでありまして、よその官庁へ回すほどの余裕があるようには考えておりません。
○川俣分科員 あなたのいまの答弁を主計局へ持ち帰りまして、ほかの官庁と比べてみて、あらためて御検討願わなければならぬ。その結果をひとつ御報告願いたいと思う。これは、主計官の主観で言われるわけじゃないでしょう。おそらく内部で研究してのことでしょうから、他省とも関連することでございますので、研究してみて、初めてよそと比べて余裕があるのかないのかという返答が生まれてまいりましょう。よそはきびしく査定しておるが、防衛庁はあなたの理解のもとに寛大であるのか、やはりきびしいのか、どういう程度か。私は別に防衛庁の予算を回せというのじゃない。査定に当たっては主計局としての同じ基準があるはずだ、こういう意味でお尋ねしておる。財政法からいって、防衛庁の予算を国会へ回せるものでもないことは十分承知の上で言っている。しかし、大蔵省の主計局の国会に出される予算の基準というものがあるはずだ。あるという説明をされているわけです。それを見て、どうであろうかとお尋ねしておる。主計官にまかしておられる、防衛庁にまかしておるのだというのなら別ですけれども、予算説明によりますと、そういう説明にはなっておりません。したがって、これをお尋ねしているのです。ひとつ帰って主計局の中で御検討になって、あらためて答弁を伺う機会を得たいと思いますから、御研究願いたいと思います。 きょうはこれで質問を終わります。
○中野主査 以上をもちまして、昭和四十年度一般会計予算中防衛庁所管に対する質疑は終了いたしました。 明二十七日は午前十時より開会して、外務省及び大蔵省所管についてそれぞれ質疑を行なうことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十五分散会