予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/02/23
会議録
○古川主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和四十年度一般会計予算中、経済企画庁所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。 川俣清音君。
○川俣分科員 企画庁長官に土地の問題と水の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、いずれも物価安定の重要な基盤でありますので、お尋ねしたいと思うのです。 きのうも会計検査院にいろいろお尋ねをしたのですが、長官御存じのように、国有財産である土地を、大蔵省所管または農林省所管の国有地を払い下げ等売り払いをいたしておるわけですが、この場合の指摘事項として取り上げられておる点は、たくさんございます。会計検査院としては、国有財産をなるべく国に有利になるように処分すべきだという考え方をしておる、これはまた当然なことだと思うのです。ところが、ここをひとつ企画庁長官にお尋ねしなければならぬのですが、政府は物価の値上がりを抑制しようとしておりまして、その物価のうちでも、最も国民生活に、日常生活に関係の深い製品である生鮮食料などについては、野菜等についてその値上がりを押えるとすれば、何といっても地価を押えなければならない。または住宅対策にしてみても、地価を押えていかなければならないというたてまえをとっておられると思うのですが、そうじゃないでしょうか。この点を伺いたい。
○高橋(衛)国務大臣 物価対策上、地価が高騰するということは、決して好ましいことではございません。ことに今日、政府としては住宅の問題を非常に大きく取り上げまして、社会開発の一つの中心的な柱として住宅の建設を推進しておる次第でございますが、これにつきましては、こういう公営住宅、公団住宅等はそれぞれ政府で土地を手当てをいたしますが、やはり持ち家の奨励ということも当然に半面行なわれなければならない。そういう場合におきまして、地価の高騰ということは、それの非常に大きな障害になると考えられます。そういうふうな点から、物価の点からももちろんでございますが、全般的な社会開発政策を遂行する上において非常に大きな障害になる問題だと考えまして、地価の問題については、非常にむずかしい問題ではございますが、政府としては本格的に取り組んでいきたい、かような意欲を持っておる次第でございます。
○川俣分科員 そうであろうと思います。 そこでお尋ねの問題が出てくるわけですが、国有財産の貸し付けにいたしましても、賃貸にいたしましても、会計検査院から、貸し付け料金が非常に安過ぎる、あるいは安く処分をしたということで批難事項が出ております。もちろん利権的あるいは一獲千金的な事業に売り払う場合は、相当気をつけなければならぬ問題も多々あると思いますが、何といいましても地価の値上がりを強めるような指摘事項になっておるのではないかということで、きのう会計検査院にだいぶ質問をいたしたわけです。どういう点にあるかというと、時価で払い下げなければならない。しかもその近郷の類似地の売買価格を参照しなければならぬ、これが時価だ。ところが、近郷の類似価格とかというものは、実例は、御承知のように、投機的な考え方で取得をする人もあるでありましょうし、または財産的にこれを保持するということで買われた人もある。そういうふうに動いておるものを時価と称しておるわけです。そうすると、この時価というものは、土地価格が高くなれば、それに即応しなければならないという指摘なんです。そういう高くなっておるものを安く売ってはいかぬのだ、こういうことですから、いよいよもって地価を上げるのに拍車をかけておる。国有財産ですらあれだけの価格で処分をしたのだから、われわれ民有地のほうはもっと上がってもいいはずだということになりかねない。特に私がきのう指摘したのは、いままで農業用にあまり使われておらなかった原野を、酪農振興の上から、草地改良等を行なって、さらに効率的な利用をして酪農振興に寄与させようというのが、農業基本法の中にもあるわけです。これは、国有林野特別会計が持っておる原野がたくさんある。この開放を進められておりますが、この処分または賃貸にあたって、林野庁はこれを貸し付け料金と称しておりますが、貸し付け料金が安過ぎるからという指摘を受けて、会計検査院から安く貸し付けているという指摘を方々で受けるから、今後は貸し付け料金を上げなければならないという通達を出しておるわけです。日本のような狭い領土の土地を、それを放任しておくなら別ですけれども、有効に使おうということで投資をしたところが、付近の土地と比べて安過ぎるという批判を受けて、土地改良の恩典というものは改良した者に所属させるのが農業のたてまえなんですけれども、改良すればするほど地価を上げていかなければならないという指摘を受けたということになりますと、これは地価対策上から言って問題だと思うのです。大蔵省にもこれをお尋ねしましたが、時価ですべてのものを算定しておるのだ、こういうことなんです。固定資産税をはじめ相続税等も時価で算定する。そうすると、御承知のとおり、時価というものは上がる傾向にある。その上がる傾向に乗っていかなければならないのだということになりますと、政府みずからが、地価の値上げを抑制しようというのじゃなしに、みずから値上げの率先者であるという批判を受けなければならないと思うのですが、企画庁長官、どうですか。
○高橋(衛)国務大臣 問題は国有財産法の問題でございまして、大蔵大臣の所管事項になるかと思いますが、国有財産法では、私もあまり勉強はいたしておりませんが、学校用地等につきましては、公共団体に払い下げる際に時価よりも安く売るという特別の規定がたしかございます。そういうふうな特定のものを除きましては、ただいまお話しのとおり、近傍類地の価格によるということが国有財産法のたてまえになっております。しこうして、こういうやり方が結局は地価を引き上げる結果をもたらすのではないかというのがただいまの御質問のようでございますが、もちろん、そういうふうな土地を相当大量により安く払い下げるということをすれば、それが地価抑制の効果を持ち得る場合も相当あろうかと存じますけれども、これはまた同時に国有財産であり国のものだ。国民のものであるところのこの国有財産を、たとえば、先ほど申し上げましたように、相手が公共団体である、またその用途が学校の敷地である、その他公共用の目的であるという場合に限定してこれを廉価に売り渡すことは、公共目的に適合するゆえんでございますから、それは国有財産法で例外を認めておるわけでございますが、一般的にそういうことにするということになれば、またそこにいろいろ利害関係、特定の人に特定の利益を与えるということになって、法律のたてまえ上いかがかと存ぜられますので、これは物価の一環としての地価の問題ということだけではなかなか解決できぬ問題じゃなかろうかと思います。 ただいまお話しのような、酪農振興を進める上においてそういうふうな不適当な場合があるというお話でございますが、それは、将来の問題として、そういうふうな特定の公共の目的に適合するような場合に時価よりも安く払い下げるという道を検討することは、一つの問題じゃなかろうかと存じますが、一般的には、ただいまお話しのような結果になるとしても、国有財産法自体の問題として適当であるかどうかということについては、国有財産法のたてまえとしては時価でいくというたてまえを堅持せざるを得なかったのであろう、かように存じます。
○川俣分科員 そこが問題なんです。そこで企画庁に聞いているのです。あなたのほうは、すべての国民生活の体制を整えるところでございますから、国有財産法から言えばそのとおりなんです。また、そうあるべきだと思います。これが不当だと言うのじゃなしに、こういう経済の伸展の中で、いまひずみができておる。これを是正しなければならないというたてまえをとる企画庁としてはどうであろうかというお尋ねなわけです。国有財産法に基づいて適正処分をしなければならぬ、そのとおりです。また、国民の財産でありますから、いたずらに安く払い下げてはならぬ、そのとおりでございます。それと、いまあなた方が熱心に物価政策と取り組んでおられるこの間に矛盾がないか、こういうお尋ねをいたしたわけです。確かに、国有財産法によると、大臣説明のとおりです。それが不当だという指摘を実はしておるのではないのです。そういうたてまえと、物価を抑制しなければならない問題と、どう調整をしていくのかというのが企画庁のお仕事であろう、こう思うからお尋ねしたのです。これはなかなかむずかしい問題です。しかし、むずかしい問題だからといって逃げるわけにいかない問題です。そこで、これは関係閣僚会議等を開きまして適切に処置していくということが望ましいのではないかということでお尋ねをし、研究を願いたい、こういうことで質問をいたしておるわけですが、御答弁願いたいと思います。
○高橋(衛)国務大臣 地価対策の問題は幾つかの面から検討を要すると思います。まず第一に、われわれはいわゆる過密都市の問題と申しておりますが、東京とか大阪とか、こういうふうなところは、人口または産業が急速に集中してまいりましたために、局地的に土地についての需要供給関係が非常にアンバランスになったので、非常な地価の高騰を来たしております。それがまた全国的に影響を与えておるという問題があろうかと思います。こういう問題は、過密都市の問題を漸次解決して、全国が均衡のとれた、調和のとれた開発ができるような方向に持っていくということが、やはり一つの必要な事柄であろうと思います。同時に、今度は、そういうふうな地価の高騰の非常に激しい地域におきまして、ことに地方におきましても都会地周辺にはそういうふうな情勢が出てまいっておるのでございますが、そういうところにおきましては、たとえば、さしあたりの問題になっておりますのは宅地の問題でございます。または工場用地等の問題もございます。そういう場合におきまして、公共団体等の手によって大量に先買いをしていくというふうな方法をとるとか、または、要するに大量の供給ができるということによって、地価の問題はある程度これを抑制していくことができ得るものだ、かように存じます。しかしながら、そういうふうに土地の大量取得をするということのためには、やはり法律的な権限の裏づけがなければなかなか実行がむずかしいというのは、川俣先生御承知のとおりかと存じます。そういうような観点から、結局土地に対するところのいわゆる私権と公共の福祉との調和の問題として、やはり、ある程度国の権限によって、または事業をやるものの権限として、それができるというふうなたてまえがだんだんできてくるということが必要じゃなかろうか。そういうふうな方向で、ただいま政府といたしましては、建設省等において必要な検討をずっと進めていただいておるような次第でございます。土地全般としてそういうふうなことを考えておるわけでございますが、それは民有地についての話でございます。したがって、国有地についても、つまり、私権の制限までするという対象の仕事であれば、国有財産についてもやはり同じような立場からその間の調整をする必要があるのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。そういうふうな考え方のもとに将来検討を要する問題であろう、かように存じます。
○川俣分科員 それだけにこだわっておるわけにいきませんので、ただ結論を申し上げますると、国有地などはなるべく払い下げ処分をしないで、それを有効な使用目的を持ったものに貸し付けていくという態度をとるほうがよろしいのではないか。貸し付けでありまするならば、そのときどきの情勢に応じて上げることもできるであろうし、あるいは据え置くこともできるであろう。これは、国有地を払い下げたのがいい意図でありましても、たとえば農業用に払い下げましても、これがどんどん転売の対象になっていくということになりますると、どんなに安く売ったって無意味なことになるわけであります。途中で値上がりするものでありまするならば、せっかく安く払い下げても、物価対策について有効じゃないということになりますし、狭い日本の領土でありますから、有効に使わせるためには、売り払うよりも、むしろ貸し付けるほうが妥当じゃないか、こう思うのです。これは私の意見だけです。 次に、水の問題について申し上げたいと思うのです。東京都が上水道の料金を値上げをすることになっているのですが、政府はやむを得ないというようなお考えでありますが、私はこれは非常に不当だと思うのです。不当だと思うということはあとでよく説明いたしますが、大臣は、あまり不当でないような、独立採算制だからやむを得ないんだというようなお考えのように承りますが、さようでございますか。
○高橋(衛)国務大臣 御承知のとおり、昨年一年間公共料金はすべてストップをしていただいたわけでございます。その際に、水道料金につきましても、これは各地方公共団体の権限でございまして、政府の権限でもってこれを押えることはできないたてまえのものではございますが、政府の方針と同じような趣旨をもって地方公共団体にも御協力を願うように申し上げておりまして、ほとんど全国各都市ともこれに御協力願ってきたわけであります。ところで、この公共料金の一年間ストップという措置は、その対象になるところの企業、または公営企業も含めまして、そういうような企業にとっては非常に大きな負担になっておって、個々の企業について相当赤字が出たり、または場合によると倒産に瀕するというような事態になってまいりましたので、これは物価がどんどん上がっていく勢いを何とか思い切ってチェックして、そして安定的な状態に持っていきたいという非常措置として一年間やったわけでございますが、これをずっと永続することは、自由主義経済のこの状態のもとにおいては妥当ではないという考え方から、一年間以上これを続けるということはいたさないのでございますが、しかしながら、公共料金のストップをやめたからといって、すぐさま公共料金をどんどん上げていくのだということをいたしますと、せっかく消費者物価というものがある程度落ちついてまいりましたのが、またもとのもくあみになってしまうというおそれがございますので、政府といたしましては、公共料金のストップは一応解除いたしましたけれども、今度は一つ一つについてその企業の状態をよく審査をしまして、そして、がまんできる最小限度でもってとどめていただこう、こういうことで、民間の企業につきましても、そういうふうな御協力を一々お願いをして、苦しいところを、物価全体の騰勢を押えるということに御協力願ってきておる次第でございます。したがって、水道につきましても、公共団体に対して、ぜひ、物価を全体として押えていくのだ、物価の安定にお互いに協力するのだという考え方のもとに措置をしていただきたい、政府といたしましてはそういうふうに考えておるわけでございます。しこうして、東京都の場合、先般の新聞に出まして私ども初めて知ったわけでございますが、しかも非常に大幅な引き上げという案が提示されておりますようで、その後東京都知事自身が私のところにお見えになりまして、事前によく連絡しなかった点についてのお話がいろいろございました。しかし、この問題について、政府としては、先ほど申し上げましたとおり、どうしろという権限があるわけではございませんので 政府といたしましては、政府も権限のあるものについて最小限度にとどめていただく、そして物価の安定を期するように地方公共団体にもぜひ協力してもらいたいという、この姿勢はちっとも変えてない次第でございますので、そういうふうな心持ちでもってぜひ御協力を願いたい、こういうように申し上げておる次第でございます。
○川俣分科員 では具体的に申し上げます。東京都が値上げをするということは、私は許されないと思うのです。なぜかと申しますと、これは具体的に指摘しますよ。東京都の水源地帯でありました保安林を国から払い下げを受けまして、その水源地を東電に売ったじゃないですか。いま東電の所有になっておる。東京都下の水源地を必要だということで国から買い受けて、それを利権の対象にして東電に売ったじゃないですか。もっとはっきりしたことを言いますか。もっとだれにでもわかりやすい例を申し上げます。私は、これは分科会でなしに、ほんとうは予算委員会で明らかにしたいと思ったのでございますが、いずれまた問題にしますけれども、御承知のように、井之頭公園というのがございますね。井之頭というのは、名前のごとく、江戸城の水源地であった。徳川藩の唯一の水源地であった。それから井之頭という名前がついているほど、東京都の水源地であった。これを利権の対象に売り払ったじゃないですか。いま住宅地になっている。みんなこのように自分の水源地を売って、近くになくなったから、利根川の上流に行かなければならぬ。遠くへ行かなければならぬ。この売った金はどこに入っているのです。水道局に入っているかというと、そうじゃない。東京都へ入っているわけです。売った金は上水道の財源にならないで、売り払っておいて、枯渇させておいて、水源地がなくなったのだと言うことは、どういうことです。こういうことを見ないで、独立採算制ならば何をしてもよいのですか。持っている水源地を売って、それを資本にしているならば別ですよ。それを放棄さしておいて、独立採算だからやむを得ないのだと言う。財産を取り上げておいて、水源地を取り上げておいて、枯渇するのはあたりまえのことでしょう。別なところへ水源地を求めなければならぬ。これは、東京電力としては、電力の水源地として持つことは必ずしも不当ではないにしても、東京都が売り払うというのはどういうことです。なぜ自分の水源地を売り払わなければならぬのか。それほど余裕があるならば、一般国民に負担させないで、住民に負担させないで、しかるべきものだと思う。利権の対象になるのはみな売り払っておいて、いまごろになってから、独立採算上上げなければならないのだと、よく言えたと思うのです。これはもちろん安井都政の時代です。これを払い下げるには有力な人々も参加しているのです。私はいま名前をあげるのを控えますけれども、払い下げ運動に参加している。私はこれを指摘して、東京都がこういう水源地を失うというと、水資源公団のときですか、あとで困りませんかと言ったら、東京都のことについては、売り払うことについてあまり干渉できないと言う。干渉できないでしょうけれども、今日のように国民生活に非常に関係の深い問題でありまするならば、その当時から当然注意してしかるべきなんです。余裕があるなら東電に売ることもいいですよ。水利権の一部を譲渡すればいいだけで、持っておいていいはずなんです。井之頭というのは、いま申し上げたように、井戸の頭として徳川時代から尊重してきた水資源なんです。それを枯渇させておいて、水源地がなくなったのだ、よくそういうことを言えたものだと私思うのです。これもみんな利権の対象です。もちろん住宅難の点もありましょうけれども、あれを枯渇させなくても、住宅地ならばもっと他に求めればいい。水源地を売り払い、あるいは土地会社に売り払った。そうしておいて、水源地が不足したといって、今度は遠く利根川の上流に行かなければならない。そうしたら設備資金がかかるのは当然なことです。自分の近くにあるものをみな売り払っておいて、今度はよその県へ行かなければならぬということになると、農業用水等の問題あるいはその他の問題で衝突して、解決するのが非常に困難になるばかりではなく、設備資金も非常にかかるということになるから、単価をあげなければならないという問題が当然起こってくる。それを前の時代に放任しておいて、いまごろ上げることはけしからぬじゃないか、この問題を提起しなければならぬはずだと思うのです。そのときの金は幾ら入ったのですか、それをはき出さしたらいい。水源地を売って、その金は別のほうへ使っておりまして、今度水資源が不足になったらさがさなければならないということは、厳重に警告しなければならぬ問題だと思う。これは私は前から指摘しているんです。指摘していることをあえてやったんだから、値上げする必要はないんだ。東京都というものは実にだらしないところで、何でも利権があれば食うところです。そういうことに対して、政府は、干渉するのではないけれども、注意を喚起しなければならないと思うのです。あなたは水資源については異常な関心を持っておられるはずです。私もたびたび警告しておる。この点どうでしょう。
○高橋(衛)国務大臣 ただいまの井之頭の問題、私全然承知しておりませんでしたが、いま初めて伺ったわけでございます。 東京都の問題でございますが、東京都では、水道は完全な独立採算を実行しておるわけじゃございませんで、昭和三十九年度においても一般会計からたしか八億円繰り入れをいたしておると承知いたしております。それで、御承知のとおり、昨年荒川から四十万トン取り入れる工事をいたしました。また、ちょうど今月一ぱいでもって、利根川から、将来ダムが完成した暁には百二十万トンの水を東京都に供給するという取り入れの水路を完成いたしまして、来月一日に通水式をする運びになっております。それらはいずれも巨額の経費を必要といたしまして、これが大きな負担となる。工事は水資源開発公団でいたしておりますが、東京都で負担していただくことになっておるわけであります。そういうふうな関係で、将来のことも考えて、そういう工事が完成いたしますと、そういう経費も、具体的に独立採算のたてまえから計算していかなければならないというふうな関係もあるようでございます。したがって、東京都の水道会計というものは非常に困難な状況にあるということは、私どもも承知をいたしておるわけであります。しかしながら、ただいまのお話のお答えにはならぬかとも存じますけれども、先ほども申しましたとおり、それにいたしましても、今日消費者物価の安定ということは非常に大切なことでございますので、地方公共団体にも、苦しいところを何とかひとつ政府の政策に協力してもらいたい、こういう呼びかけをいたしておるのが現状でございます。
○川俣分科員 東京の水道は徳川時代から引き続いてやっておるのでございますが、太田道灌が江戸城を築くときから水に対しては異常な関心を持って調査したことは、歴史的に明らかであります。徳川時代から水資源をどうしようかと苦労して、そこに江戸城を築くべきかどうかという研究の対象になっておったのに、しかも江戸時代から培養した水源地があるにかかわらず、それを軽々に処分した。いま矢木沢ダムをつくっているが、東京都がまたよそへ売り払うならば、ますます枯渇するでしょう。去年のような水飢饉なんというものは起きないで済んだはずの東京都であるべきなんです。江戸城はそういう計画のもとに設計されたものなんです。それを軽々に利権の対象にして売り払ってしまう。それではいつまでたったって水など確保されるわけがないと思う。その点が問題なんです。これは、ほかの町村のように、水資源が初めからなくて、人口がふえていったというならば別です。東京都は十分な水源地を持っておったんです。いまでも現にある。それを、たとえば井之頭へいま行ってごらんなさい。庭の池みたいになってしまった。水源地にはなっておりません。昔のうっそうとした杉は跡かたもない。あなたは御存じないかもしれませんが、杉というのは地下水を非常に吸収する力を持っている。わき水の出るところには多く杉がある。これは地下水を非常に吸収する力を持っている。第一に、井之頭の水源地にありました御承知のあの杉を切ってしまった。それからだんだん住宅になって、いまは庭の池のようなものです。あれが江戸城全体をまかなう水源地であった。いまはそれよりもっと水の必要量は多くなって、必要度は高くなった。そういうことはわかっておるのに、売り払うということを黙認をし、警告もしないでおった。あれも国有地だった。徳川の所有地で、国有地であったのですよ。それを東京都が払い下げて売り払った。むしろ国有地にしておけば、売り払うことはできなかったかもしれない。何でも利権になるようなものは、国から払い下げを受けて、売り払って、水源がないということ。これを黙認するようじゃ政治にならないと思うのです。いま大臣お話しのように、やむを得なくなったというのではないのです。そうなることが明らかであるにかかわらず売り払ったという点に問題があるわけです。たとえば、旧江戸城の外堀の、いまの神楽坂の下のところの用地などは、あれは国から払い下げを受けたのですよ。払い下げを受けて何に使っていましたか。飲食店のほうに、貸し付けるどころじゃなく、売り払っているじゃないですか。公園にすべきものですら売り払っておいて、何でも利権の対象になるならば売り払っておいて、それで公園が足りないということが大きく出ている。最も公園としてしかるべきところを売り払っておいて、今度は公園をつくらなければならないと言う。東京都の空気を見てごらんなさい。汚染度の激しいこと、東京都で普通のはかり方をすれば、浅川まで行かなければ普通の状態の空気じゃないというのです。これがスモッグの原因にもなり、環境衛生の上から言っても何とかしなければならない問題になってきておる。それは、いたずらに膨張するから、膨張に追われていることも認めないわけじゃありませんよ。しかし、膨張するということは、水の必要が増してくることである。あるいは縁地帯を増さなければならないということになることは明白なんです。それを、自民党だからということで、あるいは都会議員の利権の対象になる。もっと詳しく言いましょうか。井之頭を売ったのは安井さん、前の都知事の安井さんの後援会の会長に売ったのです。私は国に、そういう水源地を売れば払い下げた目的に反するから、払い下げを解除すべきだということを強く主張したのです。あれは公園にするということで払い下げたのです。住宅にするということで払い下げたのじゃない。ところが、払い下げの法によって目的に向かって払い下げたならば、その通りやらなければ取り消してもいいわけです。これを私はやかましく言って、取り消すべきだと言ったときに、中に入って、売り払ったものはやむを得ないのじゃないかと言ったのはだれですか。いまでもこの国会にいますよ。自民党の有力な幹部です。そうしておいて、今のありさまです。ここなんですね。そうじゃなくて、自然膨張でどうしても困ってきたなら別です。りっぱな水源地を持ちながら、売り払った結果、値上げをしなければならないのだということは、何としてもおかしい。大臣、そうお思いになりませんか。私はそう思うのですがね。どうでしょう。水源地を売り払っておいて、水源地がなくなったからということはおかしいのじゃないですか。東電のほうはまだ意味があるのです。これは電力の水源地だから、東電に売るということも必ずしもこれは悪くはないと思うのですけれども、これもおかしいと思いますよ。これも国から東京都へ払い下げたので、これは保安林です。普通なら保安林なんというものは売り払いの対象にならないのですね。保安林については国から売り払わない。公共団体である都の要請だということで、これも払い下げたわけです。国が持てる保安林も都が持てる保安林も保安林の本質には変わりないということで、それも東京都で管理を十分にするだろうということで払い下げた。それを東電に売るのですからね。東電も買ってみて困った。これは当然赤字のもとだということで、株主総会でやかましくなりまして、東電がまた子会社をつくって、子会社にこれを売っております。いま何という子会社か調べておりますけれども、まだ調べが十分でない。これを東電が売り払うというときに、私は当時の東電の社長のところに行きまして、これは売り払うべきでないのだ、売り払うというならば国に返してもらう運動を起こすからということで、それでは子会社にしてあれしますということになった。で、保安林のために採算が合わなくて弱った、これを管理する費用に困っておる、そこで株主総会がやかましくなったので売り払うという計画を立てましたが、それではやめましょうということでやめておる。これは菅礼之助だからよくわかった。菅さんが社長の時代です。みな眼前のことにとらわれていくから問題が起こるのだということを私は強く指摘したい。値上げはやむを得ないのだということでなく、なぜそういうようなものを売り払ったのかということまで究明して、それでもやむを得ないなら別です。いまの井之頭の水源なり奥多摩の水源なりを持っていてごらんなさい、わざわざ矢木沢ダムをつくらなくても十分やれる。都下で近距離のところで、しかもかつてからの水源地でありましたところを活用することができるはずなんです。国の損失から言ったって大きいじゃないですか。いまあなたのほうで膨大な融資で援助しなければならない。矢木沢ダムにいたしましても、下久保ダムにいたしましても、あすこまで行かないでもいいのです。いまはやむを得ないでしょう。それを悪いとは言いませんけれども、持っていた資源を枯渇させておいて、そうして今度はあすこまで行かなければならぬ。私は下久保ダム、あの地点まで行って見ました。あれは長続きしませんよ。私の見るところでは、いまの形態でいって、水源地を培養するあれがないのです。もっと水源を培養するような森林計画でも立てない限り、あれは枯渇する方向にいくであろうと思われますよ。もうあの辺はすっかり乱伐されておりますし、最も水資源に必要な杉など、ほとんどなくなっている。そうすると、あすこにダムをつくっても、どれだけ有効度が出るか、私は非常に疑問に思っておる。しかし、それほど専門に研究したのではない。私の見た目の感覚ですから、経験から来る感覚ですから、必ずしも確実だとは言いませんけれども、非常に危険度が高いのではないかと思っておるのです。この金も有効に使われないで、ただその場の処理としては必要かもしれませんけれども、もう少しあれを永続させるというような計画なしには、あれは枯渇するであろうということが想像できるわけです。これをやらないで、あとばかり追っておったって、一体どうするのですか。人間生活に必要な水です。人間のからだの七〇%ぐらいは水でしょう。生きるに最も必要な最小限度の要求ですよ。生きるための要求を殺しておいて、何の政治があるかということです。社会開発どころじゃないですよ。まず生きることをやってもらいたい。私は痛切に思うのです。これはきょう言うのじゃないのです。前から指摘していることなんです。それを無関心にしておいて、そして、いま対策を立てよう、あるいはしておられますけれども、この点については十分注意を喚起したいということで、あえてこれは指摘しておる。速記録を見てごらんなさい。歴代の長官のときに、大臣のときに、みなこの点を指摘しているのです。速記録をよくごらんなさい。これはみんな無関心でおる。高橋さんならそう無関心でおってもいただけないだろうと思うから、あえて言う。ほんとうのことです。中村梅吉君のときなんか、君は東京都の住民なんだから、水資源というものについて十分関心を持つべきだ、さようでございますというようなことを言っておったけれども、そのとおり一つもやっていない。今日が来ることは明らかなんです。これは予想されないことじゃないのですよ。ここに政治の手が伸びなければ、だれが伸ばしてくれる。高橋さん、ひとつ御答弁を願って、どの程度やっていただけるか言ってください。
○高橋(衛)国務大臣 私、専門家でございませんので、水量がどの程度人口に対して必要かということは確たるお答えができかねますけれども、しろうと考えかもしれませんけれども、東京都の人口はここ十年ぐらい毎年三十万近くの人口がふえてまいったわけでございます。同時に、漸次下水等も完備してまいりまして、水洗の便所等が漸次普及いたしてまいりました。またはビルディング等の冷房装置の水も使用されるということで、これは文化の向上に従って人口一人当たりの使用水量というものがここ数年間急激に増大してまいったわけでございます。したがって、井之頭の問題は、これが存置されればどの程度の水量がそれでもって保有できたかという点は、私はよく存じませんが、その後小河内のダムができまして、これでもって安心だと言われたのがその当時の状況でございましたけれども、もうとうていこれではまかない切れぬということから、長期的な観点に立って利根川の矢木沢や下久保のダムをつくり、さらに利根川から東京都に取り入れるという工事をやって、これが完成したわけでございます。しかしながら、これも、全量予定どおり取り入れるためには、さらに利根川の河口ぜきをつくらなければいかぬ。これにも非常にばく大な金を要することは、御指摘のとおりでございます。そういうことでございますが、今後相当長期的な観点に立って水の問題は考えていかなければならぬという点については、御指摘のとおりだと存じます。もちろんこの問題はそう容易な問題じゃございません。今後、文化あるいは生活水準の向上に従いまして、さらに一人当たりの使用水量というものもどんどんふえていくものだと考えざるを得ませんし、そんな関係から、利根川から取水するという計画も、いつまでこれでもってまかなえるかということについては、そう長期にまかなえるというものじゃなかろうかとも考えられます。かたがた、一方、やはり過大都市になっていることは事実でございますので、東京都のいままでの人口の集中度合いがどの程度緩和されるか、たとえば、新産業都市建設とか工業整備地域とか低開発地域とかいうことで、地方の開発にも政府としては非常な力を入れて 都市に産業、人口、文化の過度の集中をできるだけ抑制しようという方針も立てておりますので、今後その政策の成果がどの程度実現できるかという点も見合わせながら、相当将来にわたって計画を立てるべきであろう、かように考えます。 また、御指摘のように、過度の集中の結果といたしまして、公害の問題が非帯に大きく出てまいったわけであります。そういうところから、経済企画庁の主管でございまするけれども、たとえば、水質保全の関係から、つまり隅田川、多摩川等の水質保全の問題も、審議会に御検討願って、そうして御答申を得て、それぞれ水質関係二法の根拠のもとにこれが取り締まりを行ない、浄化をだんだん進めてまいっているような次第でございますが、こういう問題につきましても、やはり将来を見通して長期的な観点に立って私どもは今後の政策を遂行すべきだというただいまの御意見に対しては、全く同感でございます。 また、ただいまお話のございました、将来下久保ダムの水源が枯渇するぞという御注意に対しましては、私ども、その点特に注意をしていきたい、かように考えます。
○川俣分科員 もう一点だけ伺っておきます。小河内ダムがあれほどりっぱにできて、その水源地が、いま申し上げた東電と競合する点なんです。これは御承知のとおり、水力電気は水を必ずしも放出するわけではございませんから、ある程度、八〇%程度は利用できると思いますけれども、電力会社の水の利用と水道とは必ずしも一致しない。これは雨量の多いときはほとんど一致しますけれども、少ないときは、なかなか東電の発電の必要と水道の必要とが一致するわけではないので、やはりこれは確保しておかなければならなかったのではないかと思います。そういう意味で、小河内ダムの効率も落ちてきているということになっていると思うのです。ですから、同じことなんですね。水源を失うことは、膨張する東京都にとっては十分警戒しなければならないにかかわらず、利権の対象になってしまった。それは当時東京都は苦しかったかもしれません。私はその点都政の内容は十分知っておりませんけれども、こういう水源地を失うことについて私は無関心ではおられないということで、警告したことは事実なんです。おそらく菅さんはいまでも知っていると思う。あれは、株主総会であれを売り払うことにきまったやつを、取り消さして、そして子会社にしておる。あれを売り払ったら、東電も困ったでしょう。むしろ東京都へ売り払うなら別にして、あれを一般に開放するということになったら、観光会社か何かができてきて、水源地は荒される結果になるだろうと思う。東京都下においては非常に水のいいところでありまするし、観光資源としてはとっておきのところであろうと思う。みんな観光資源として目をつけている。観光資源が悪いという意味じゃないですよ。東京都のような水源地の不足したところが、そういうところを観光資源に活用することはどうであろうかと言うだけで、観光資源は必ずしも悪いなんということじゃないのです。ないけれども、そういうおそれのあることは避けていかなければならない。人口がふえるということは、いまわかったことじゃないのです。前からわかっておることなんです。そうすると、水の必要も増してくるであろう。電力の必要も増してくるであろう。そういう水源地を荒らすということについて無関心でいたという点は、これは企画庁などの長期計画をするところにおいては特にこの点について関心がなければならぬであろう。水についての管轄がいま経済企画庁にありますのは、これは、長期計画の必要なところから、そうあると思うのです。あるいは工業用水であれば通産省であり、普通の農業用水であれば農林省でありますが、あえて調整機関である企画庁にあるというのは、長期展望が必要だというところにあるんだと私は思うのです。そういう意味で、何もあなたを責める意味ではないのです。そういう長期展望をしなければならない任務を持ったところだから、いまにしてしっかりした計画を立てないと危険ですということを申し上げておるわけです。東京の人口がどの程度ふえるということは、企画庁よりも東京都がよく知っていなければならないはずなんです。また、統計等を見ますと明らかになっておる点なんです。都民がどれだけふえるということがわかっていながら、その重要な水について無関心である。税金を取ることだけは考えておって、生活させるということは考えていない都政であると言わざるを得ないのです。何でも利権の対象になれば売り払うという考え方です。これが非常な誤りなのであって、こういう点について企画庁は無関心であってはならないんじゃないかということをあえて指摘をしたわけです。それだから、東京都が水道料金を上げるのはけしからぬというのは、独立採算とかなんとかいうけれども、みずからの資源を売り払っておいて、枯渇するようにしておいて、それで足りないなんと言うのは、足りないんじゃない、捨てたのです。売り払ったのです。そこに問題がある。お調べになってごらんなさい。東京都も江戸城の歴史ぐらいある程度知っているでしょう。木村君が江戸城の歴史を書いておる。これにも、大切な水のことについて苦労しておったことが出てきておるわけです。近代都政になってから、水のことは考えないという都政が一体ありますか。徳川時代ですら考えたものが、近代国家になって、人間がふえて産業が発達してくるということは、当然考慮しなければならない。その計画がない。それじゃ都政の紊乱だと言うのです。紊乱を擁護するということは、あり得てはならないんじゃないか。私があえて値上げに反対だということを強く言いたいのは、その点なんです。おそらく、企画庁でも、紊乱を認めて値上げはやむを得ないと言ったのじゃないだろうと思いますけれども、歴史を調べてみると、そういう結果になっている。この点を強く企画庁に期待をしてこの問題を打ち切りたいと思いますけれども、土地問題にしても、水の問題にしても、こういう点は非常に大切なことです。これから東京都もスモッグの対策としてはやはり樹木を植えなければならぬことになると思うのです。みんなこれは樹木を切ってしまっておる。いま麻布にありますが、公園だったところをつぶして住宅にして、いま住宅をまた公園にしようという運動が起こっておる。それは必要だということで公園を住宅地にして、今度は住宅を取り払ってまた公園にするのだという。こんなむだな経済がありますか。十分関心を持っていかなければならぬだろう、こういう点については企画庁の責任が大きいということを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。きょうは分科会だからこの程度にしておきますが、これは本委員会でどうしても問題にしなければならぬ。
○古川主査 これにて川俣清音君の質疑は終了いたしました。 次は、加藤清二君。
○加藤(清)分科員 私は、通産省のほうがいらっしゃらぬようでございますので、まず経企庁だけで答弁できる問題について最初にお尋ねしたいと存じます。 第一点は、離島振興法に関連してでございまするが、御存じのとおり、離島振興法はおたくのほうの管轄下でございますね。この離島が、町村合併によりまして、もともと島だけの行政であったものが、陸地と一体の行政を行なう地区が出てまいったわけでございます。そういう場合に、経企庁としては一体どのような御指導をしていらっしゃるのか、この点をまずお尋ねしたいと存じます。
○高橋(衛)国務大臣 離島振興法によるところの離島の区域は島ごとに指定をいたしておりまして、町村の単位では指定をいたしておりません。したがって、その島ごとに指定された区域についてのいろいろな施設について指導をし助成をしておるのでございます。
○加藤(清)分科員 その助成ですが、離島と陸続きのところとでは助成が違うわけです。町村合併のおかげでどんぶり勘定になってしまっているのです。このどんぶり勘定のおかげで、政府の合併せい合併せいという合併促進法によって合併してみたら、逆に島としては助成金、補助金等は減ってしまったという個所があるわけなんです。ところが、島それ自体に対する助成金はふえておるはずでございます。この間の消息をひとつ長官から御説明願いたい。
○高橋(衛)国務大臣 町村合併をいたしました際におきましても、もともと離島として指定をされた島自体の離島振興法に基づく開発計画を立てておりまして、その開発計画に基づいて助成または施設をしてまいっておるわけでございます。したがって、それが形の上でどんぶり勘定になりましても、そこは理論的には区分し得るということで、そういうふうな措置をとってまいっておるような次第でございます。
○加藤(清)分科員 そのとおりですが、だから指導をどうしていらっしゃいますかとお尋ねしておるのです。どんぶり勘定であればこそ、助成金や補助金は離島に対しては年々ふえているけれども どんぶり勘定になってしまったおかげで前よりは減っておる、その島自体から考えますとね。なぜそうなるかといえば、簡単な原理ですよ。低いところと高いところをどんぶり勘定にして広きに行き渡らせれば、島のほうが減るのがあたりまえの話なんです。だから、この行政指導をどうしていらっしゃいますかと最初から聞いているのです。
○鹿野政府委員 特に島につきましては、離島振興十ヵ年計画というもので、それに従って一応個個の島の具体的な計画に基づいてやっておりますから、おっしゃられましたように、離島がほかの町村と合併されましても、そこにおける、たとえば漁港の必要性あるいは道路の必要性というものが特にそのために減殺されるというふうなことでない限り、従来の計画に従ってやっておりますから、合併したがゆえにその離島にいく予算の配分が減っていくというふうなことはほとんど考えられないというふうに考えております。
○加藤(清)分科員 そのとおりです。あなたのほうから出る金はふえておると私は言っておるのですよ。ところが、島に行ってみると減っておると言うのです。そうすると、問題はどんぶり勘定にあるわけです。だから、どのように指導しているか。もっと詳しく言えば、絶対にひもつきで、この金はこの島に行くのだぞよ、ほかへ使っては相ならぬぞよという指導がなされているかいないかということなんです。
○鹿野政府委員 離島振興の予算は、具体的に施設に対しての補助金になっておりますから、この道路をやる、この漁港をやるということで、離島の一つ一つの港なり道路なり、そういうものについての予算になっておりますから、予算は、はっきり、どこそこのどの個所をやるということでやるように配賦を各省を通してやっておりますから、そのためにそれがほかのほうへ回されるとか、そういうようなことはない、考えられないと思っております。
○加藤(清)分科員 それは、あなたが町会議員や県会議員をやったことがないものだから、あさはかさでそういうことを言っておる。具体的事実というものは、あなたが期待しておるようなしかくさように単純なものではないのです。それでは、あなたがおっしゃった漁港について申し上げてみましょう。島が二つ、町村が三つ合併する。どうしても、陸地のほうが大きいから、そっちから町長が出ます。町会議員もそちらから多く出るのです。さて、漁港の必要性からいくと島のほうが大きいのです。にもかかわらず、役場できめるときには人口の順にきまっていくのです。議員の数できまるのです。そんなことは、ここの中を見ておってもようおわかりでしょう。社会党がどんな正しいことを言うてみたって、数の順にきまるでしょう。われわれが何をここで言うてみたって、予算修正することをがえんじないでしょう。上がそういうことをやるものだから、下これ右へならえで、みんな無理なことをやるのですよ。そういう実態をよく把握して、それによくマッチしたところの行政指導をせんければ、親心末端に達せずです。私は、あえてここで名前をあげてあげつらおう、それを非難攻撃しようというのが目的ではないのだから、行政指導のよろしきと相まって、名前のそれのごとく離島を振興させたいというところに意があるのですから、決して荒らしたり突っ込んだりというのが目標ではないのです。その点をよく心得て、あなたは、ここで言いのがれをして、ここだけをスムーズにのがれていくということだけを考えずに、実態に即した指導をやってもらいたい、これが第一点です。 ところで、これを具体的にあげてみますと、長官、先ほども出ておりましたが、あなたは水道料金は一体全国平均どの程度ならば今日の経済状態から言って適切であるとお考えでございますか。
○高橋(衛)国務大臣 全国的に見てどの程度が適切か、(加藤(清)分科員「あなたはケースバイケースで逃げるでしょうけれども」と呼ぶ)——先に返事を言われたようなわけでございますが、やはり、私ども各地方公共団体にお願いをいたしておりますのは、独立の企業経営、公営企業でございますが、それにしても最小限度にとどめてもらいたい、全国的にこの程度がいいのだから、ここは、少々もうかっても、ひとつ水道料金を上げるというような形でなしに、最小限度にとどめて、物価の抑制という政府の方針に協力してもらいたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○加藤(清)分科員 そうすると、水道料金の目標額というものはない、ただなるべく安く、こう考えていらっしゃるというのですが、それではお尋ねします。今日の平均価格は一立米について一体幾らですか。
○高島政府委員 水道の価格、ちょっと手元に資料がございませんが、大体の相場は二十円くらいの見当であろうかと思います。正確には後ほど……。
○加藤(清)分科員 高島さんのような頭のいい人が、そういうことはちゃんと覚えておいてもらわなければならぬ。しかし、これはあとで御提出を願いたい。大体、大都市とそれから農村、それから、ついでに簡易水道、これは厚生省所管になっておりますけれども、コストだけは、あなたのほうが元締めでございますから高島さんよろしゅうございますか、簡易水道の料金とあわせて表にして出していただきたいと存じます。総括でまたやらなければなりませんから、この分科会が終わるころまででけっこうでございます。 そこで、いま高島さんがおっしゃられた数は、わが党の政調会で調査している数に大体見合っています。さすが頭のいい高島さんだけある。 ところで、長官、離島へ行ってみますると、これが何と五十五円です。まさに三倍近いです。これは高いか安いか。高いと思われるか、安いと思われるか。
○高橋(衛)国務大臣 個々の離島についてそういうところがおそらく御指摘のとおりあるだろうと存じます。離島は本来水源地を得るのに非常に困難な場所が非常に多い。そういうふうな関係上、政府としては、特に離島については補助率を引き上げて水道等に助成をしておりますけれども、それにもかかわらず、料金が相当高くならざるを得ないというふうな地域が相当存在するものだ、かように存じます。
○加藤(清)分科員 これは、離島から陸地まで距離があって、その下へケーブルを敷かなければならぬ、そのためにそう高くなる、こういうふれ込みになっておる。それはそのとおりでしょう。問題は、一立米について十五円から二十円の相違がある。全く平均水道料金ととんとんくらいの相違がある。三倍近い金を払わされる。このことの一例をとってみても、離島振興に対する助成金が十分であるかないかということの判定の一材料になると思いますが、離島振興に対して助成していらっしゃることはけっこうでございまするけれども、その率や資金量は、はたして離島の人と内陸の人と平等に扱っているかいないか、この点について長官の御意見を承りたい。
○高橋(衛)国務大臣 御指摘のように離島の生活条件が非常に悪いというところから、特に離島振興法という法律をつくり、そして本土との生活水準の格差をできるだけ少なくしていこうという目的をもって離島振興法ができ、また、その趣旨でもってこの四十年度も九十三億何千万円という予算を計上いたしましてこれが助成をいたしておる次第でございます。しこうして、そのために本土よりはより高いところの補助率をもってやってまいっておるわけでございますが、それで十分に、つまり本土との間の生活上の格差が埋められておるかどうか、補正されておるかどうかという点については、なおきわめて不十分であると、かように申し上げざるを得ないと存じます。しかしながら、ずっと経過を見てみますと、年々離島振興費を増額してまいりまして、そしてその差を縮めていこうという努力を政府はいたしておることも、ひとつ御了承願いたいと思います。
○加藤(清)分科員 なぜ水道料金がそんなに高くなるとお考えですか。
○高橋(衛)国務大臣 先ほどもちょっとお答え申しましたように、離島の場合においては水源地を得ることがはなはだ困離であります。したがって、水源地に相当な経費を要するとか、またはそれが陸地から引かなければいかぬというふうな場合もあるようでございますが、そういう場合にはそういうことによって相当に高価につく、まあいろいろ、要するに自然条件が水を得るのに困難な地域が多いというところから来ているものと存じます。
○加藤(清)分科員 離島については水資源から遠いところにある、したがって水を得るのに困難な地区である、だから設備費にたくさんかかる、したがって水道料金が高くなる、聞いていると一々ごもっともなことでございます。さらに私は設問しなければなりません。 同じ設備を使っておりながら、いま申し上げましたように内陸と離島とはかくのごとくに違う。しかし、同じ内陸でありながらなおたいへんな相違がある。これをあなたはどうお考えでございますか。
○高橋(衛)国務大臣 これは離島の間にも相当差があります。また、内陸の間にも非常に大きな差があることは事実でございます。
○加藤(清)分科員 同じ水源地からとって、同じ設備をして同じ水道みちから水を引いて、それでなおコストが違うとは、どういうことでございますか。
○高橋(衛)国務大臣 ちょっと意味がわかりません。
○加藤(清)分科員 それでは、もっとはっきり言いましょう。たとえば同じ木曽川の水を引きながら、名古屋の水道料金は十円から十五円、今度上げて二十円以下でございます。しかし、同じ時期に、愛知用水の水は同じ木曽川から引いておりますが、これが卸値にして二十九円、小売り値にいたしまして四十円前後でございます。補助金を出しているところで三十七 八円のところがございますが、補助金なしにすれば四十二円、これが普通でございます。これはどういう意味でございますか。
○高橋(衛)国務大臣 その具体的な実例をおあげになっての御質疑でございますがその両者について私詳しく承知はいたしておりませんが、あるいは私のお答えが実情と違っておれば、なお後ほど訂正させていただきたいと存じますが、おそらくは、その取り入れ口についての、また水源地についての設備その他に要した経費が相当違っておるという点から来ておりはしないかと存じます。それで、たとえば、愛知用水の場合においては、牧尾ダムという非常に大きなダムをつくったわけでございますが、単純に木曽川の水を取水する場合と、ああいうふうなダムをつくって、そのダムによって有効水量を増してそれを利用する場合とでは、おのずからコストにおいてある程度の差ができるものではないか、かように存じておる次第でございます。
○加藤(清)分科員 単純理論からいくとそういうことになるのですね。しかし、あなたもケインズの学派を奉ずるほうでしょうけれども、それからいきますと、少し単純視過ぎて、真相をうがつにはファクターがもの足りない。そこで、一歩進めまして、なるほど、昔つくったものと今日つくったものとでは投資の額が違うでしょう。金利が違うでしょう。したがって、減価償却がコストに含められた場合には、これは違うでしょう。ごもっともな御議論です。しかし、もう一つお尋ねしたい。それは何かといえば、同じ愛知用水の水が工場のへいの中で飲むと四円、工場のへいの外で飲むと四十二円、これはどういうことですか。
○高橋(衛)国務大臣 工業用水とそれから上水とおのずから別にして、これも私調べたわけではございませんが、私のいままで聞いておりました範囲で申し上げますが、工業用水として配水をした場合と、それから飲料水として配水した場合と、おのずからそこには差があるのが通常の状態であろうかと存じます。したがって、工場のへいの中で飲む場合には、それは工業用水を飲むのであって、飲料水を飲むというたてまえになっていないんじゃないか、かように存じます。
○加藤(清)分科員 工業用水と飲料用水が区別されるのが当然であるなどと、物価の本山のあなたがそんな認識であってはたいへんなことなんです。もちろん工業用水は安いほどいい。私は四円がいけないと言っているんじゃない。四円がむしろ三円のほうがなおいいと思います。しかし、これは、先ほどあなたがおっしゃられたように、設備がよけいにかかったから、減価償却がよけいにかかるからという理論に当てはめると、どういう結果になりますか、同じ答えが出なければなりませんよ。同じ時期につくった水道ですよ。同じ穴から出てくる水ですよ。あなた見てください。このコップの水は工業用水ですか飲料用水ですか、あなた区別できますか。味の区別はできるかもしれぬけれども、これは飲料用水で、これは工業用水だという区別はどうやってつけますか。物理的にできないでしょう。この区別はだれがつけたんです。すなわち、あなたたち政府の人間がつけたわけでしょう。政府は工業用水に対してはどうしているか。その設備費を全部国家ないしは地方自治体に持たしておる。第一期工事十六億七千万円程度、第二期工事四十六億、これはみんなここで審議している。工業用水法によって審議している。予算によって審議しているんですよ。そうやってつけるものですから、工業用水は最高になったとしても五円六十銭どまり。しかし、その五円六十銭が高過ぎるから五円にしてもらわなければ困るという工業側の陳情があると、ごもっともでござるというんで、そういうように予算を組んでみえる。ところが、国民に対しては、四円で飲めるものを四十二円から、それを離島へ行くと五十五円という値なんです。これでもってこの地区の住民は、はたして今日の政府が住民のためを思っておってくれると言えますか。あなた、今度参議院の選挙演説のときにあの地区に行ってごらんなさい。一ぺんにこれで食いつかれますよ。何を言うか、今日の政府は工場さんのほうはお大事にするけれども、われわれのほうは痛めつけられておるじゃないか、幹線工事費はもちろん、支線工事から何から全部持たされて、おまけにその工業用水の貯水池をつくるために田地田畑が水底に埋没しておるじゃないかということになる。それも、称して、いやこれは水道のためだ、こう言っているけれども、そんな飲料水のためだなんてあほなことを言うたって、地元の人は承知しない。なぜかならば、それじゃ同じ飲料用水をもっとよけい使う名古屋のほうはどれだけ大きな貯水池があるか、こう聞かれる。ないじゃないか。ろ過池だけしかないじゃないか。片一方はどえらい大きな六十町歩も土地を埋めてとにかくつくって、なお足りなくて二十町歩埋めて、なお足りなくてまた今度三十町歩埋める。ここをもってして、この地区へあなた参議院の応援演説に行って何と演説なさる。それでもなお、われらは住民のためをはかっている、こう言われますか。石投げられますよ。これについて、長官は、今日の物価体系から見て、住民に対する物価の施策というものが完全であるとなお言い切れますか。
○高橋(衛)国務大臣 愛知用水について私は具体的なことを承知いたしておりません。しかしながら、愛知用水は、加藤先生が一番よく御存じだと存じますが、新しく三万町歩に及ぶ農業用水を主体としたところの利水計画であったと存じます。それで、しかも、新しく水を供給するために、牧尾ダムという水量を増加するための相当膨大な経費を要するダムをつくったこと、それから、そういうふうな事柄のために、ずっとその下流におきましても、ただいま御指摘のような貯水池を必要とするに至った、かように私どもは承知いたしておるわけでございます。しこうして、農業用水については、御承知のとおり、土地利用の分担金は負担をいたしておりますが、その水はただで供給しておると存じます。しこうして、工業用水は、これは浄水の必要がない、しかも一々配水管を必要としないというような関係もあり、工業用水というものについては、そういうふうな浄水の必要のないところの水である、また大量に消費される水であるという関係から、農業用水に次いで廉価な水の供給が行なわれてきたというのが従来の慣例であり、しこうして、飲料水については、どうしても衛生的にずいぶん浄水の施設も必要とするでありましょうし、そういうふうな関係で高くなる。これは一般的に常識的にそういうふうな方法で料金が計算されてきているものだと承知いたしております。 〔主査退席、仮谷主査代理着席〕
○加藤(清)分科員 私はなぜこのことを言わなければならないかと申し上げますと、次いで豊川用水ができて、私きのう建設省の質問に立ちましたが、次から次と多目的ダムができてくる。みんなこれが適用される。だから、今日の政府は、はたして住民の水道料金について努力をしているかいないか。努力をしているとお答えでしょう。しかし、工業用水と比較すると、工業用水には親切が厚く、飲料用水には親切が薄い、こう言わざるを得ない。これについて、長官、いかがです。その点について答えてください。工業用水はあとで聞くから。
○高橋(衛)国務大臣 ものには順序がございますので、農業用水についてはただで、それから、その次に工業用水については、これは経費負担の関係もございまして、より安く政府が助成してやってきておるのが実情でございます。これは長い日本のずっと歴史的な背景もございますが、水につきましては、いままで、簡易水道を除きまして、国から補助をするというたてまえになっておりませんので、したがって、独立採算制ということになれば、上水道についてはいろいろ衛生的な問題もあり、浄水の必要もあるというふうな関係からいたしまして、飲料水についてはある程度高くなってきておるのが実情でございます。
○加藤(清)分科員 あなたはこの場だけ言いくるめて逃げようと思っていいかげんなうそをついてはいけませんよ。本会議場ならたいへんなことになりますよ。水について国家は助成してないと、いいかげんなことをおっしゃったのですが、それで私はわざとさっき設問しておいた。これは簡易水道はどうなっていますか。ほとんど設備資金は、ちゃんと助成がありますよ。それはそれとして、こういうケースが、これが当然なケースであり、つまり、工業用水は十分の一の値段、飲料用は十倍か十三、四倍が通常の常識である、慣例であるということで推し進めていかれる政治というものは、決して民主主義でもなければ人間尊重でもない。明治時代そのままの政治、こういうことですね。明治時代からそうだったからこうやる、こうおっしゃる。そういうことを言われるから、人間尊重だなんという金看板ははずしてもらわなければならぬということを言わなければならぬ。羊頭狗肉ということです。事物価政策については羊頭狗肉である。 ところで、あなた、農業用水は親切にしておる、こうおっしゃいましたが、お尋ねします。一体、今日の農家が営農いたしました場合に取り得る収入は大体わかっていますね、反当収穫。したがって、反当一体水の料金はどの程度ならば営農が可能であるか。米代を御設定になるあなたのところだから、御存じでしょうからお尋ねいたします。
○高橋(衛)国務大臣 ただいま御質問の、水が幾らだったら営農が可能であるか、農民が引き合うかという問題については、水はただになっておりますから、その点は検討しておりません。
○加藤(清)分科員 水はただ、えらいことでございます。それはありがたい。農業用水ただですか。そういう設定のしかたをしてみえるから、供出米価の試算のときに誤った答えが出てくるのです。水はただですか、もう一度お尋ねします。
○高橋(衛)国務大臣 もちろん、土地改良のために必要な経費は、国の補助を除いてそれぞれ利用する者がその経費は負担をしております。
○加藤(清)分科員 しからば、米価設定の場合に、あるいは果樹、花卉、何でもよろしゅうございますが、それのコストをあなたたちが設定なさる場合に、妥当な価格を指示なさる場合に、水代金というものは全然コストの中に占めておりませんか。
○高橋(衛)国務大臣 御承知のとおり、米価を決定します際には、生産費を調査いたします。その生産費の中には公租公課並びに土地改良費負担金というものが入っております。そういう意味で水の経費が算入されておることは、これはもう加藤先生よく御承知のとおりでございます。
○加藤(清)分科員 たいへんな誤謬です。あなたは明治時代のコスト設定を考えていらっしゃる。今日水がただであるなどと考えておったら、たいへんなことです。ただにしてもらおうじゃないですか。こんなありがたいことはない。いやこれはもう大喜びで、あなた全国区でやりなさったら、愛知県からよけい出ますよ。それをやったらそれだけで当選しますわ。ところが、あなたのおっしゃるただは、しょい切れないほど、払い切れないほどしょわされておる。農業改良区の費用は別ですよ。水だけで入植者は反当七万五千円、いいですか、反当ですよ。すでに耕作をしていた者が山を畑にし、畑をたんぼにして水をこれに取り入れますと、四万五千円、いいですか、反当ですよ。ため池があっていままでどうにかやれていた。しかし、水が引けたおかげで干ばつが防げた。これについては二万八千円、反当ですよ。これはたいへんなことですよ。それをしかも十五ヵ年間で。ペイしよう。こう言われておる。七万円を十五ヵ年間でペイするというと、一体幾らになります。すぐ計算してください。簡単でしょう。暗算ですよ。その数字だけそっちの事務官に聞いておる。七万円を十五ヵ年間で割ってください。
○高橋(衛)国務大臣 おそらくは特殊なケースでなかろうかと存じますが、普通の場合においては、米価の算定は、生産費の調査の場合に、水利組合費なり、また土地改良費の分担金なり、そういうものが計算されておるのが通常の状態でございます。
○鹿野政府委員 四千六百円見当であります。
○加藤(清)分科員 五千円近い金が取られて、なおそれで足りなくて、いま協力費やら、いわゆるあなたのおっしゃった公租公課が取られていくのですよ。一体、反当収穫わずか五俵程度、開墾地で五俵ということは困難ですよ。これは農業問題になりますから、そこから先は農林委員会で農林大臣が来られたときにやりますが、一体、反当収穫が二万円や二万五千円のところで、水代金を五千円取られて、これで営農が成り立ちますか。あなたは特殊だとおっしゃった。特殊じゃありませんよ。いま多目的ダムをつくってごらんなさい。いま福井県で、私は九頭竜川のことも問題にしているのです。あなたの郷里です。これはとんでもないことですよ。なぜそうなったかというと、これは設備費が高いからという名目で、特殊なケースだなんとあなたは言っていらっしゃるが これからできる多目的ダムでは全部そういうことで取られるのですよ。あなたは何を考えているのですか。どこの大臣ですか。アメリカの大臣ですか。しかも、あなたはコスト設定の本山ですよ。本山の管長さんですよ。管長さんがお経を知らないということはとんでもない話だ。九頭竜の問題でも、六億何がし、すなわち四十億の一割五分のところで六億八百万も余分に使えば、これがやがて電気料金、水道料金に影響を及ぼしていく。一部政治家かだれか知らぬけれども、それを救って入れた。その結果はやがて水道料金や電気料金の値上げとなる。いまに通産省から聞きましょう。通産省の電気料金値上げだって同じことなんです。設備費によけいかかるから料金を上げてくれということなんです。利益追求、利潤の幅を多くするために値上げ、こう来ているのじゃないのです。あなたは特殊ケースと言う。冗談じゃありませんよ。それだったら、愛知用水だけが特殊だったら、豊川用水はただにしてくれますか。豊川用水はただ、そうしたら、あとからできるダムはそれをテストケースとしてやっていますよ。あとみんなただになりますか。とんでもないことを言っている。
○高橋(衛)国務大臣 加藤先生は百も承知だと存じますが、土地改良を計画いたします際には、その土地改良の結果として、いままでたとえば米ができなかったとか、または米ができても反当五俵とかというところだった、それに水をかけることによってそれが八俵になり九俵になるという計画のもとに政府の計画が行なわれ、そしてそれに対して国も助成もし、そうして、ただいまのように反当五千円の経費がかかるといたしましても、それが増収の結果として十分ペイできるという場合に土地改良がずっと推進されておるのが普通の状態であろうか、かように存じます。したがって、ただいま御指摘のような地域がどこにあるか、私もよく承知いたしておりませんけれども、そういうふうなことが起こるとすれば、これは計画それ自体が土地改良の目的に十分ふさわしくなかった、またはその負担のやり方が必ずしも適当でなかったのじゃないかというふうなことを考えざるを得ないような感じがいたします。
○加藤(清)分科員 あなたは正直でたいへんけっこうです。それを御存じない。しかし、これは社会党、与党の問題じゃございません。名前は控えますが、与党の某々氏がこれを引き受けて、そうして大蔵大臣や経企庁の長官に話をすることになっておるのです。しかも、それはもう長年ですよ。きのうきょうの問題じゃないのです。すでに金額の支払い時期が来ているのです。いつ来たか。きのうきょうじゃないのです。二年前から来ておる。ところが、払えないのです。払うことができないのです。どうして。あなたがおっしゃったように、五俵とれたところが、とたんに八俵とれますか。これは農林大臣の専門だから、それはあなたに聞きません。しかし、水が来るようになったからといって、とたんに五俵のところが五割もふえて三俵もよけいにとれてくるとなると、農業の専門家もいますけれども、噴飯ものなんです。せいぜい一俵です。一俵は一体幾らです。一万円米価にしてみたところで、四千円ですよ。増加分は全部水代に取られてもなお足りないのです。営農ができないのです。 そこで、問題は、今度は経企庁のほうへ戻りましょう。どこかに設定の間違いがあるのではないかというので、これは保守・革新じゃないのです。地元も地方議会も合同で長年検討をしておるのです。その結果、一つの間違いといいましょうか、誤謬が発見された。それは何か。大体設備は三十年も五十年も耐久力があるというのに、これを十五ヵ年で償却してしまわなければならない。そうための償却が基礎になってのコスト設定、ここに間違いがある。そこで、償却年限を長くすべきである。特に農業問題においてはしかりである。農業の金融を見たってそうです。二十年以上のものもたくさんあるわけなんです。それを十五ヵ年で設定したというところに間違いがあるという結論になったわけです。まけろというんじゃない。かかった金は払わなければならない。しかし、クレジットで延べ払いをもっと延ばすべきである、これが一致した意見でございます。これについて長官はどうお考えでございますか。あなた知らぬとおっしゃったけれども、そんなことを言ったら、保守党の議員は全然交渉しなかったということで腹を切らなければならぬですよ。
○高橋(衛)国務大臣 水利組合費なり土地改良費の分担金の年割り額というものがそういうふうな償還期限によって計算されておるために、ただいまのお話でありますと、負担が過重になっておる、したがって、その償還期限を延長すべきではないかという御意見のようでございます。そういう点はおそらくは相当にあろうかと存じます。したがって、これは実際上大蔵省の主管でございますが、政府全体としてもそういう問題は今後の問題として相当検討を要する問題であろうかと存じます。ただ、いままでの経過から申しますと、地方債またはそういうふうな公共団体に対するところの貸し付け金というようなものも、償還期限がわりあいに短期になっておりましたために、そういうふうな状態が起きてきておるのでありましょうし、また、同時に、資金計画と申しますか、そういうふうな原資をどういうふうに運用すれば十分に安心をして回転をしていけるかというふうな問題とも関連いたしますので、いま直ちにどうということはお答え申し上げかねますけれども、今後やはり検討を要する問題であろうかと存じます。
○加藤(清)分科員 なぜ十五ヵ年間に設定しなければならないか。農林関係の延べ払いは、これは資金を借りたものでもなお二十年、二十五年というものがあるのです。にもかかわらず三十年も五十年も耐久力のあるものをつくっておいて、そしてなぜそれを十五ヵ年でペイするように設定したかというと、これには御承知の世銀の金が入っているからなんです。そこから先は大蔵大臣とやり合う問題ですけれども、ほんの一部世銀が入ったおかげで、国内の投融資その他までも、世銀の借款、それの返済、このペースに合わせているところに間違いがある。これは当然区別すべきである。しかも、なお問題は、いまつくったそのものが長年使えるという場合において、いまの時代の人だけでこれを負担するという思想はもはやないのです。ジプシーの時代であれば、全部短い時間にペイするような経済学も出たでしょうけれども、アメリカにおいてもどこにおいても、長期設備投資資金を当代の者だけが負担をさせられ、それ以後の者には無償でこれを供与するという考え方は、もはや経済学の上においても今日では通用しない。したがって、戦後のように資金の回転が急を要する場合はやむを得ぬとしても、戦後二十年、落ちついてきた、変えなければならぬというならば、経済学の観念も変えていかなければならぬはずなんです。にもかかわらず、あなたは、コストのあれでも、農家の米のあれでも、明治時代のことを言っておられる。これでは話にならぬ。そこで、新しい時代にふさわしい経済、特に新しい設備資金の償却のしかた、これを当然考えていただき、その基礎によって経企庁の物価設定を考えていただかないと、一たん上がったものはそのままいってしまうのです。さて、十五年後になった場合に、もう減価償却は済んだ、あとは天から降ってくるものだから事務費だけでよろしい、そこでがたっと切り下げるかというと、絶対に水道料金はそうなっていない。そうでしょう。それではあと余分に取った部分はどうするのですか。あまりにも設備投資が急で、一定の金の回転率の急を要した時代はやむを得ぬとしても、だんだんと設備投資も少なくする、成長率も少なくするというならば、当然の結果として、私の理論が正しく行政の上に反映されてしかるべきだ。これについてどうお考えですか。
○高橋(衛)国務大臣 御質問の趣旨がようやくわかってまいりましたが、御承知のように、今日、地方公共団体に対しては起債は全部許可になっており、しかもその地方債のお世話を財政投融資の形で大体国がしておる、そういうかっこうに相なっておるわけでございます。そんな関係で、財政投融資の資金というものを、これはもうずっと転換していかなければならぬ関係もございまして、そう長期にすることは非常に困難だというところから、つまり、資金の償還計画から申しますと、独立の企業採算というものを前提にし、しかも資金ベースのコスト計算ということになりますと、どうしても水道料金は相当高くなるという状態が出てまいります。したがって、たとえば東京都に例をとってみますと、東京都では一般会計からも相当入れておられます。そういうことで、各地方公共団体によって状態は違うと思いますが、どうしても上げなければいかぬといたしましても、そういうふうなベースのとり方については、ただいまお考えのように、実際の償却年限というものをベ−スにして、そしてそのコスト計算をすれば、もっと安くなってしかるべきじゃないかという考え方もあり得ると存じます。ただ、その場合に、現実に金が足りぬのだから、それでは一体国が全部そのしりを見てくれるか、こういうふうな問題になると、これはまた財政投融資その他の関係で非常に困難な問題がございますので、私どもといたしましては、地方公共団体がそれぞれ自分のふところにおいて、または国がもちろんそれについて今後だんだん是正をしていく、より実情に近いような期限に延長していくという問題については検討を必要とするではありましょうが、しかし、それがなければ水道料金を上げるのだ、こういうかっこうじゃなしに、とにかく、物価政策というのは、国・地方公共団体を通じて、国全対としてどうしても消費者物価を安定していかなければいけないのだ、そういう考え方のもとに地方公共団体はぜひ協力していただきたい、かように要請をいたしておる次第でございます。
○加藤(清)分科員 なぜ長期にわたる設備が償却だけは短期になされなければならないかの問題については、世銀借款、つまり外資導入、それの返済を国内資金にも無理やりに適用している。並行している。重なった場合には、世銀だけ別に仕分けをして、これは短期、世銀のほうは短期を要求されるから短期でいいでしょうけれども、投融資、財投その他はもっと長期にいくべきなんです。特に、農業のように、営農資金はたくさん要るけれども、年々歳々の反当収益量が非常に低い、こういうものについては、このような配慮があってしかるべきなんです。もう一つ、短期に返済しなければならないという考え方というか、そういう施策が生まれた原因は、日本はあまりにも資金が少な過ぎるという問題と、それに関連して利子が非常に多い。したがって、利子率が過重になる。ここに問題があって、観念的に、貸した金は早く取らなければいけない、借りた金は短期間に払うほどよろしい、こういうことに金融の観念がなっちゃっているのですね。そういう頭で、分析も研究もせずに、ぽっぽっぽっときめていくところに問題があるわけです。そこで、これはぜひひとつ、将来経企庁が長期な計画を立てられるにあたって、返済の問題、投資されたものの償却の期限の問題、これはひとつ十分検討をしていただく。このことが物価を引き下げる一つの大きな要因になると思うからでございます。 もう一つの問題は、大企業に対しては設備資金を全部国家ないしは地方公共団体で負担をしてやる。大企業の水道のごときですよ。首を振らないでもいいのです。私はうそを言っていないのだから。国が全部持っている。ところが、一般市民、農業、中小企業、労働者の使う水については設備資金は恵んでやらない。やっても少ない。ここにコスト格差のできる原因があるわけなんです。大企業に対しては設備資金を全部持ってやる。あなたのおっしゃったように、農業用水農業用水と言ってつくっておきながら、工業用水へ持っていく。そういうことまでして上には厚くする。ところが、農業、中小企業、この中小企業にはとうふ屋がありますね。床屋がありますね。おわかりでしょう。とうふ屋はコンニャクをつくる。みんな水が要ります。ふろ屋も洗たく屋もみんな水が要ります。これは全部高い。したがって、そこから生産されるところの床屋の代金から洗たく代金から、みんな上がってくる。それをあなたたち逃げるときに、賃金が高くなった、賃金が高くなったとおっしゃるけれども、しからば、床屋の賃金、クリーニング屋の従業員の賃金を調べたことがありますか。ここの国会の中の床屋の従業員の料金はどれだけ上がりましたか。床屋の料金は三倍も上がっておるのに、そこの従業員の賃金は三割も上がっておりませんよ。まあそれは余談です。しかし、とにもかくにも、大企業には厚く、中小、零細農民、労働者、これには政府から流す金が薄過ぎるのだ。そこで物価がこんなに変わってくる。大企業の水の料金は四円、片方は十倍から十三倍という問題が発生してくるわけなんです。したがって、私は、まず根本的にここを直しなさいと言いたい。けれど、おたくは逃げるでしょう。じゃ、せめて延べ払いの期間なりとも過重負担の人々には延ばしてやる、このくらいの情はあってしかるべきだと思うのです。この点、結論的にお尋ねいたします。
○高橋(衛)国務大臣 加藤さんはしきりに大企業は云々とおっしゃいますけれども、工業用水については、御承知のとおり、四分の一国で補助をして、あとは起債なり自己資金でもってペイするようにやっておる次第であります。農業の土地改良のほうは、国営の場合は五割の補助をし、また構造改善の場合は七割まで補助をし、また地盤整備の場合は四割ないし五割というふうに、それぞれ差はございますけれども、工業用水よりはより高いところの補助率でもってこれを助成しておることは、加藤さん最もよく御承知のとおりであります。しかして、飲料水が高いのは、これは、先ほど来答弁申し上げておりますとおり、浄水の設備が必要であるとか、または各戸に引き込むためのいろんな設備を必要とする、そういうふうな関係から、上水についてはどうしても工業用水よりは高くなるのは、これは自然の状態でございます。それで、ただいま床屋のこと、とうふ屋のことがございましたが、これは上水を使いますので自然そういうことに相なっておるかと思います。
○加藤(清)分科員 あなたがそういうふうにおっしゃると、ここでもう一度深く突っ込んだ理論闘争をしなければならない。あなたは率が下々のもののほうが多いと言う。冗談言っちゃいけません。それじゃお尋ねいたしましょう。東海製鉄が四円で飲ある水をなぜ島で五十五円、なぜ半田、常滑で四十二円を出さなければならないのか。明らかな事実ではないですか。(高橋(衛)国務大臣「農業用水はただだ」と呼ぶ)冗談じゃない。いま七万円払わなければならぬじゃないですか。冗談言っちゃいけませんよ。まだ認識していないのだね。七万円払えますか。すでに償還期限が来ておるにかかわらず二年払っていないのですよ。払えっこないじゃないですか。私はうそを言ってはおらないし、具体的な実例を言っておるのだから、ここでうまく答弁しても、あとでこれは農林委員会、大蔵委員会で問題になる。農林委員会ではみんなして御存じのとおり大問題になっておる。ただそれをあなたが知らないだけなんです。だから、理論的に追及していけば、理論的にも行政的にもまだまだ突っ込まなければならない点がありますけれども、時間が来ますから次に移ります。これは次に譲りましょう。 次に、医療費の設定の問題にからんで、一体、この医療費を上げなければならないというその原因ですね。これは経企庁としては厚生省からどのように聞いておられますか。医療費を上げなければならない原因は何々であるか。
○高橋(衛)国務大臣 御承知のとおり、医療費の問題は、非常に長年の懸案でございまして、昨年の春の例の中央医療協の答申がございまして、八%の引き上げは妥当であるという答申があったわけでございます。その根拠となるところの考え方は、まず、病院等におきましては人件費の向上もございます。それから、その他諸経費の高騰がございます。また、開業医等の所得の水準が、他の一般的な所得がだんだん上昇してまいりますにつれて、それもある程度引き上げを必要とするであろう、そういうふうな観点から、中央医療協は国に八%の引き上げを必要とするという答申をされたもの、かように承知しております。
○加藤(清)分科員 時間の関係上ずばり聞きましょう。それでは、厚生省がこれの値上げをするということについては、経企庁の長官は御相談を受けていらっしゃるはずです。そのときに、一体薬代は何倍になるのか、治療代の値上げ分は何倍になるのか、それを所得倍増以前の三十四、五年と比較して、今度改定されると、一体薬代は何倍になるのか、治療代は何倍になるのか、これはわかっているでしょう。どうなんです。
○高橋(衛)国務大臣 昨年の春八%の答申がございまして、それから暮れになっていたしたわけでございますが、その後その内容について具体的な配分のしかたがまだ十分に検討してございませんので、全体としてつまり九・五%まではやむを得ないであろうということでございます。
○加藤(清)分科員 それは、全体を先に八%と設定して、それから一・五%上積みして九・五%になった、そんなことは子供でも知っている。ところが、経企庁としては、なぜそうなるかという原因を究明されたはずなんです。何がゆえに全体でそうなるか。金額では約一千億と言われている。なぜか。何と何と何が上がるからこうなるかということは、聞いていらっしゃるはずなんです。それを知らずに、ただ向こうが八%と言うから、九・五%と言うから、はいのみましたということでのんでいらっしゃるのですか。患者が薬をよけい飲むから高くなったなんと言いながら、あなたがかってにパーセンテージをのむから高くなる。何と何と何が上がるのですか。
○高橋(衛)国務大臣 ただいま具体的な資料をここに持ち合わせておりませんが……。
○加藤(清)分科員 わかりました。それでいいです。それでは至急出してください。何と何の値上がりか。向こうではわかっていますよ。ただあなたのところがこれも知らぬだけだ。まるのみしているだけだ。こんなのはもう新聞、ラジオ、テレビに出ているんですよ。厚生大臣も何回か答えているんですよ。ただ、私は、物の値段の総元締めであるあなたのほうが、いかなる認識において、いかなる立場においてこれを是認したかということを知りたいだけの話なんだ。それを聞いておる。あなた、これじゃ審議は進みませんよ。 ただいま大体薬代は三倍の値上がりなんだ。所得倍増以前と比較してみてですよ。治療代その他もありますが、ここは社労ではございませんから、薬の値だけに集約をして、ものをお尋ねいたします。 一体、薬が三倍になった。これはゆうべのテレビでもNHKのニュース解説でやっているのです。三倍ということは国民一般の常識になっている。ところが、私はそうじゃないと思う。薬は九層倍だと思っている。ビタミン剤にしても、原価計算をわれわれは政調会でやっております。労働組合からもとっております。十二銭か三銭のものが百円の余になっているのです。そこで、私は、薬価が三倍になったということを前提条件にしてお尋ねするのですが、一体、三倍になったのは、単価が値上がりしたのか、それとも、いままで下級品を使っていたものを高級品に——医療の場合ですよ。お医者さんがいままで患者に渡すのに下級な薬を使っていたものを高貴薬にしたからか、あるいはその高貴薬がぐんと値上がりしたのか、この原因くらいは、単価設定の本山だったら、ちゃんとお調べになっていらっしゃるはずなんです。これについて一体どう把握していらっしゃいますか。
○高島政府委員 医療費の内容につきましては、問題の進め方が、中央医療協中心の、利害関係の審議会を中心にして進んでまいりました関係上、閣議において方向についての御審議はしばしばございましたが、われわれ、内容につきましては、全体のむしろ影響のほうを心配いたしまして、中身については、大体厚生省の御研究に信頼をいたしております。ただ、先ほどの、薬のいいものを使っているか、あるいはそれ自身が上がったかというところの要素は、いまはっきり記憶いたしておりませんが、両方の要素があったように感じます。
○加藤(清)分科員 問題は、これほど重大問題になっている問題ですから、経企庁のほうとしても、何がゆえに上がるかくらいのことは検討されてしかるべきだと私は思うのです。一兆円総体の医療費がかかる中で、薬代だけが大体四千億だといわれておる。その中の三五%がいわゆるお医者さんが患者に渡す薬代で、あとは薬局その他で売るものだといわれている。これは厚生省のほうで発表になっている数字なんですね。ところで、今後九・五%、約一兆円の一割、すなわち一千億の値上げをされるにあたって、薬代が非常なウエートを占めておる。しかも、そのウエートの中身は三倍にもはね上がっている、こういうことなんです。 そこで、公取のほうにお尋ねしたいのですが、薬屋さんがもうかっているのかもうかっていない一のか。もうかることは私はかまわぬ。薬屋さんがもうかることを云々するのではないが、これほど中小企業の倒産が多く、戦後最高だというのに、その倒産の中身に金融機関——金融機関も公的金融機関ですが、金融機関と製薬会社がありますか、ありませんか。
○渡邊(喜)政府委員 金融機関の倒産という話は、おそらく、おたくの話は、大蔵省の要するに行政管下に入っている金融機関のことでしょうが、金融機関の倒産の話は、まあ聞いたことはありません。これはもうはっきり言えます。それから、薬屋さんの倒産の話は、私寡聞にして、あるいはすみからすみまで知らないかもしれませんが、まだ、私の耳に入っておる限りにおいては、少なくとも聞いたことはありません。
○加藤(清)分科員 ようお聞き及びになりましたか。農薬会社は、一部倒産とか不渡りとかというのがございます。ところが、製薬会社ですね、人に飲ませる薬屋、その薬を飲んで倒れた人間はあっても、その薬をつくってもうけておるやつで倒れたものは一つもない。これはどういうわけです。いかに薬がもうかっているか。ところが、厚生省はなかなかにここへ手をよう入れないというのです。そこで、今度予算の理事会で、これに手を入れる、入れなければならぬ、突き上げが多いからやりましょうということになっておるのです。したがって、そういうやさきに、経企庁が薬の代金が高いか安いか、このことを調べるのはあたりまえな話なんです。調査なさった実例がありますか、ありませんか。
○高橋(衛)国務大臣 薬の値段が高いか安いか、これは、価格として表に出た結果は物価の一つの資料として調査の材料にいしておりますが、それが高いか安いかということについての経理の内容を審査したことはありません。
○加藤(清)分科員 全然ない。公取ではこれを御調査なさったことがありますか、ありませんか。
○渡邊(喜)政府委員 妙な言い方かもしれませんが、公取は物価庁ではございません。そういった意味の点について、たとえば不況カルテルとかなんとかいう問題になりますればコスト計算をいたしますが、カルテルとしての申し出のない場合においてわれわれがコスト計算する、これは遺憾ながら私のほうにそれだけの人数もありませんし、また、仕事の性格から言いましても、そういった意味のものではない。ただ一般的な動向としての観察はしておりますが、コスト計算の上から、それがもうかっている、もうかっていないということ、あるいはどの程度もうかっているというようなことについての調査は、したことがありません。
○加藤(清)分科員 それではお尋ねいたします。薬価基準ということばがございますね。これは何によって設定されておりますか。これは経企庁のほうに聞きます。
○高島政府委員 専門ではございませんが、厚生大臣の告示によってきめられておると思います。
○加藤(清)分科員 経企庁は一医療費値上げを相談された場合に、その薬代はどこをとられたのでございますか。薬代が三倍に上がった、だから九・五%にしてくれ、こう言うて来たでしょう。閣議でもあったでしょう。そのときに、経企庁長官としては、薬の値段はどこを設定されたのです。
○高橋(衛)国務大臣 薬価については加藤さん御承知のとおり、これは統制価格ではございませんので、つまり自由主義経済の中で自由に売買されるところの物品の価格でございますから、したがって、それは出てきた実際の売買価格というものを基準にしてものを考える、これより道がないと思います。
○加藤(清)分科員 国立の病院が薬屋さんから薬を買いますね。それも薬の値段です。これを患者に渡しますね。これも薬の値段なんです。どこが上がったのです。そのいずれが上がったのです。それについて検討なさったですか、なさいませんか。これによってまた公取へも影響が行くのですが、どこをとられたのです。
○高橋(衛)国務大臣 もちろん、医療費を引き上げなければならぬという理由の根本は、薬屋さんから病院または開業医が買うところの薬価、これを基礎にしてものを考えるべきである、こう考えます。
○加藤(清)分科員 そうなりますると、これは保険料その他国民のいわゆる膏血をしぼった金、これが支払われるわけですね。そうでしょう。寄付金でやるわけではないのですから。そこで、国家の機関が私企業から薬を買い入れる。そのときにあなたのほうは薬価基準をもって——薬価基準の説明がないけれども、時間がないから簡単にいきましょう。これで公認してみえるわけだ。あなたがやるんじゃないけれども、病院はそれをやっておる。あなたのところはその値段の監督官庁だ。それを調べずにいる。調べずに、薬代が幾らになったかわからずに、何倍になったかわらずに九・五%をのまれたのですか。
○高橋(衛)国務大臣 具体的に薬が病院または開業医によって買い入れられる価格、その価格について検討しているわけでございます。
○加藤(清)分科員 この問題については、これ以上やっても時間を食うだけですし、検討を進めていらっしゃらぬようですから、私はこの問題についてまとめます。 そこで、経企庁としては国民から一千億の金を吸い上げるということになる。このことは減税分より多いのです。そうでしょう。減税をするすると言うても、もうこれだけでペイされて、国民の出し分のほうが多くなる。一月一日に行なわれました消費者米価の値上げ、これがまた一千億の値上げだ。そうなってきますると、必然的に四・五と押えたいところのことしの物価が、あと軒並みにずっと上がっていったとすれば、これはあなたのところの問題になってくるわけです。あなたのところの中期経済計画が、そこからくずれてくるという問題が発生してくるわけなんです。そうでしょう。あなたのところは押える押えると言っておっても、各省の大臣はそう考えていない。おれのところは薬代を上げる、おれのところは米代を上げる、おれのところは電気料金を上げる、これも上げる、これも上げると言って各省の大臣はみんな上げるつもりでおる。総理とあなただけは、押える押えるとおっしゃる。ところが、各省は、みななわ張り根性で、おれのところの持ち分だけは上げる上げるとおっしゃる。そうなってくると、四・五はくずれるわけだ。そのときに、私はあえて薬代を例にとっているんですけれども、何ゆえにそれを上げなければならぬかを知らずにのむ、そんなばかなのみ方がどこにありますか。あなたは、薬を飲むときに、何の薬かわからないけれども、飲めと言われたら、はいはいと言って飲みますか。冗談じゃないですよ。国民の金をしぼり上げるのです。膏血をしぼり上げるのだったらかわいそうだ。かわいそうなら、なるべくしぼらぬようにすべきだ。しぼらぬようにするためには、九・五%は分析すべきだ。分析して、除外できるものはなるべく除外してやらなければならぬはずなんだ。それを、この倒産の多いときに製薬会社は一軒も倒れていない。倒れていないことが悪いんじゃないですよ。まことにけっこうなことなんです。ということは、もうかっていることだ。三年ごとに設備が倍増されておるのです。だから、今度は、松下よりも、あなたの参議院の友人の大正製薬の大将のほうが最高所得額になる、こういう話だ。それはいいんですよ。おめでたいことなんだ。そんなけっこうなことはない。しかし、一人の功成ることが万骨の涙から来てはいけないと思う。一人の財産家、薬屋の財産家をつくることが、病人のせんべいぶとんをはぐということから来ることは、許すことができない。この点について、経企庁としては、十分調査して、九・五%の内訳は、銘柄別に何が何%上がるからこうなるというデータを本分科会が終わるまでに提出していただきたい。答えができぬじゃ審議はできない。主査、よろしゅうございますか。
○高橋(衛)国務大臣 物価の上昇の割合等については、昭和三十九年度に四・八という見通しを立てており、また、昭和四十年度においては四・五という見通しを立てておるわけでございます。しこうして、三十九年度については、四月から十二月の第三・四半期までの情勢におきましては、前年度比較において三・九%の上昇に相なっております。その後、お話しのように、消費者米価が上げられ、また医療費の引き上げもございました。そういうことで、一月には前月比較において一・九という急激な上昇がございましたけれども、しかし、年間を通じての計算といたしましては、私どもは、なおかつ四・八という当初の見通しに落ちつき得る、また、そうしなければならないという考え方のもとに努力をいたしておる次第でございます。 また、なるほど中期経済計画においては二・五というものを目標としてこの計画を打ち立てたわけでございますが、ただ、物価というものにつきましては、前年度または前々年度におけるところのいろいろな経済諸元の影響が時間的にずっとずれて残ってまいっておるような関係もございまして、来年度においてはそこまでのことは困難であるという考え方から、昭和四十年度においては、中期経済計画においては二・五となっておりますが、実情に沿って、しかもわれわれの政策努力によって達成できるという考え方のもとに、四・五という引き上げの割合を見通しとして立てた次第でございます。しこうして、その方向にあらゆる努力を政府としては重ねて、そうして順次中期経済計画で意図しました二・五という物価安定的な状態に持っていくという努力を今後も続けていきたい、かように考えておる次第でございます。 しこうして、ただいま御要求のございました資料は、これは厚生省からお出しするのが筋かと存じますから、主査のほうで厚生省のほうに御要求くださるようにお願いいたします。
○加藤(清)分科員 それではもうこれで……。
○仮谷主査代理 これにて加藤清二君の質疑は終了いたしました。 午後は本会議散会後再開して、通産省所管について質疑を続行することにいたします。 暫時休憩いたします。 午後零時五十四分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕