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48回国会衆議院1965/02/22

予算委員会第四分科会 第1号

発言数
165
登壇者
16
会派数
2
開催日
1965/02/22

会議録

古川丈吉自由民主党

○古川主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  私が、御推薦により本分科会の主査をつとめることになりましたから、何とぞよろしく御協力をお願い申し上げます。  本分科会は、昭和四十年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、昭和四十年度特別会計予算中、農林省及び通商産業所管について審査を行なうことになっております。  審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。  それでは、昭和四十年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、並びに昭和四十年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管を議題といたします。  これより順次説明を求めます。まず農林省所管について説明を求めます。赤城農林大臣。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 昭和四十年度農林関係予算についてその概要を御説明申し上げます。  最初に、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、予算の裏づけとなっております農林水産施策の基本方針について申し上げたいと存じます。  まず、最近における農業の動向につきましては、さきにこの国会に提出いたしました昭和三十九年度農業の動向に関する年次報告にも明らかなように、農業生産は、昭和三十八年には気象災害などもあって前年に比べやや減少しましたが、昭和三十九年には前年に比べ相当増加しております。また、農業所得は、昭和三十八年度においても、農産物価格の上昇もあって相当の増加を示し、農業の生産性もかなりの向上を見ており、農業従事者の生活水準は、農外所得の増加もあって順調に向上しております。しかし、農業の非農業に対する比較生産性及び勤労者世帯に比較した農家の生活水準の開きは、それぞれ前年度と同程度ないしわずか改善されている程度であり、なお、農業と他産業との生産性及び生活水準の格差は相当著しいものがあります。また、農業経営を積極的に高度化して高い農業所得をあげる農家が次第に力強く形成されつつありますことは注目されるところでありますが、他方、生産性の低い第二種兼業農家が増加する等、農業発展にとって楽観を許さない事情が生じていることも事実であります。  このような動向に対処して、今後国民食糧の安定的な供給及び農業と他産業との格差の是正をはかるためには、農業生産の選択的拡大と生産性の向上及び農業構造の改善を根幹として、農業の近代化を一そう強力に推進することがきわめて重要であると考えられるのであります。  以上の点は、事情に若干の差はありましても、林業及び漁業についてもほぼ同様であると言うことができるのであります。  さらに、農林漁業をめぐる国際情勢に目を転じますと、開放経済体制への移行に伴って、今後農林水産物の輸入数量制限の撤廃、輸入ワクの増大、関税の引き下げ等の国際的要請が漸次強まるものと予想されるのであります。これに対し、わが国農林漁業の特殊性と現状について諸外国の理解と協力を得られるよう努力いたすのはもちろんのことでありますが、基本的には、農林漁業の構造改善と生産性の向上をはかり、国際競争力を強化することが、長期的に見て、国際情勢の推移にも対処し、日本の農林漁業を発展させるための本格的な道であると考えるのであります。  以上申し述べましたように、農林漁業をめぐる内外のきびしい諸情勢のもとにおいて、農林漁業を近代化して、これを国民経済の健全な一環として育成することは、単に農林漁業従事者の福祉向上の観点からのみでなく、国民生活の向上と国民経済の安定的発展という観点からもきわめて大切であると存じます。  以上のような考え方に基づきまして、昭和四十年度におきましては、農林漁業の生産性の向上、構造改善、生産の選択的拡大、価格の安定、流通の合理化等、農林漁業の近代化をはかる上において重要と考えられる諸施策を推進することとし、農林漁業者が安んじてその経営の改善に邁進できるよう基本的諸条件を着々整備してまいりたいと考えております。  このようなことを基本方針といたしまして、昭和四十年度予算を編成した次第であります。  まず、一般会計における農林関係予算の総体について申し上げます。  農林省所管合計といたしましては三千三百六億円となっておりますが、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は三千七百億円となります。これを昭和三十九年度補正後の予算三千四百八十五億円に比較いたしますと二百十五億円の増加となりますが、さらに、これを予算編成上変動要因の多い食糧管理特別会計繰り入れ、農業近代化助成資金繰り入れ及び災害復旧等を控除した金額で比較しますと、昭和四十年度は二千四百三十七億円、昭和三十九年度は二千八十一億円で、三百五十六億円の増加となっております。  以下農林関係予算の重要事項についてその概要を御説明申し上げます。  昭和四十年度予算編成にあたり最も力を入れましたものは、農林漁業生産基盤の整備、農業経営規模の拡大、農林漁業構造改善事業の推進、農業生産の選択的拡大、農林水産物の流通合理化と価格安定及び農林漁業金融の拡充の諸施策であります。  第一に、農林漁業の生産基盤の整備に関する予算について申し上げます。  農業生産基盤の整備につきましては、農業の生産性を向上し、生産の選択的拡大の方向に沿って総生産の維持増大をはかるとともに、農業構造の改善に資するため、これを強力に推進することとしまして、総額九百二十三億二千七百万円を計上しております。これは、土地改良事業で五百七十七億八百万円、干拓事業で百三十四億八千百万円、草地改良を含め農用地開発事業で二百三億五千七百万円等であります。  これらの事業のうち、圃場整備事業及び農道整備事業につきましては、機械化農業の推進等に資するため、事業量の増大、補助率の引き上げを行なうとともに、新たに地域の農業振興をはかり、あわせて農村環境の整備に資する観点から、農林漁業用揮発油税財源の身がわり事業として、農業用道路の整備を大規模に推進することとしております。  また、草地改良事業につきましては、飼料生産基盤を整備し飼料自給度の向上をはかるため、事業量の増大、補助内容の充実を行なうとともに、新たに国営草地改良事業及び農地開発機械公団による共同利用模範牧場の設置事業を実施することとしております。  さらに、八郎潟中央干拓地にモデル的な新農村を建設するため、新たに八郎潟新農村建設事業団を設立し、農地整備、施設造成、営農訓練等の事業を総合的に実施させることとしております。  林業に関しましては、林業生産基盤の整備と森林資源の開発を促進するため、林道事業について六十二億二千六百万円を計上し、一般林道開設事業等の拡充と山村振興林道の補助率の引き上げを行なうとともに、新たに農林漁業用揮発油税財源の身がわり事業として、地域開発としての意義の大きい林道の開設を森林開発公団に実施させることとしております。  また、治山事業につきましては、新治山事業五ヵ年計画に基づきその拡充実施をはかることとして、水源林造成事業をあわせ総額百七十三億六千五百万円を計上し、造林事業につきましては、その計画的推進をはかることとして、五十七億八千七百万円を計上しております。  漁業に関しましては、漁業生産基盤の整備をはかるため、漁港事業について九十六億八千五百万円を計上し、事業量の拡大、第一種及び第二種漁港の補助率の引き上げを行なう等、漁港整備事業の計画的推進をはかることとしております。  また、沿岸漁場の造成開発を促進するため、引き続き大型魚礁設置事業を推進するとともに、新たに浅海漁場を開発するための調査に着手するほか、農林漁業用揮発油税財源の身がわり事業として、新たに漁港関連道の整備事業を実施することとし、これらに要する経費として六億五千五百万円を計上しております。  第二に、農業経営の規模の拡大をはかり、自立経営農家の育成に資するための予算について申し上げます。  農業構造を改善し農業の近代化を強力に推し進めるため、自立経営農家の育成に力を注ぐこととしまして、自立経営を志向する農家の経営規模の拡大を促進するため、新たに農地取得のあっせん、取得に要する資金の融通、農地の買い入れ、売り渡し等を業務とする農地管理事業団を設立することといたしました。  農地管理事業団は、当面農業近代化の機運の高まっている市町村からパイロット的に事業を実施することとし、昭和四十年度には百市町村において農地取得のあっせん、資金の融通等を実施することとしております。政府としましては、同事業団に対し必要な出資等を行なうとともに、農家の土地取得に関する地方公共団体の指導事業等を助成することとし、これらに必要な経費として四億六千七百万円を計上するほか、同事業団の貸し付け金として財政投融資二十億円を予定いたしております。  第三に、農林漁業の構造改善事業に関する予算について申し上げます。  まず、農業構造改善事業につきましては、百六十億百万円を計上し、新規の事業実施地域を四百五十、計画樹立市町村を五百として、前年度からの継続分とあわせ、土地基盤の整備、経営近代化施設の導入等の総合事業の計画的推進をはかることとしております。また、本年度は、事業完了地域の出現に伴い経営管理上の指導を強化するほか、新たに農業経済圏育成事業計画の樹立に着手することといたしております。  次に、林業構造改善対策事業につきましては、林道整備及び近代的林業施設の導入等の総合事業を計画的に推進することとし、前年度に指定された九十二地域における第一年度目の事業実施と新規の百市町村における計画樹立等を助成することとして、十億二千万円を計上しております。  また、沿岸漁業構造改善対策事業につきましては、十六億二千三百万円を計上し、新規の計画樹立地域を五、経営近代化促進事業の実施地域を七として、前年度からの継続分とあわせ経営近代化促進事業及び漁場造成改良事業の計画的推進をはかることとしております。なお、本事業を推進するため、融資単独事業の一地域当たりの規模を拡大することとしております。  第四に、農業生産の選択的拡大を推進するための予算について申し上げます。  畜産関係につきましては、さきに述べました草地改良事業のほか、生産振興対策として三十四億百万円を計上しております。まず、酪農の安定的発展をはかるため、新たに国の定める指針に即し都道府県及び市町村に酪農近代化計画を樹立させるための調査等を行なうとともに、乳用雌子牛を大規模に育成するため国の種畜牧場を活用し、また、地方公共団体等による育成事業を拡充することとしております。このほか、飼料作物の作付の強化、乾草流通の促進、家畜の導入及び改良増殖、家畜衛生等の事業を拡充強化することとしております。  果樹農業の生産振興につきましては、農林漁業金融公庫の果樹植栽育成資金の融資ワクを五十億円に拡大するほか、合理的な果樹園経営の育成、醸造用ブドウの生産合理化、リンゴの品種更新等の事業を実施することとして、一億三千九百万円を計上しております。  野菜、花卉の生産振興につきましては、野菜の安定的生産供給をはかるため、野菜指定産地における生産合理化の推進等を行なうこととして、二千五百万円を計上しております。  甘味資源作物の生産振興につきましては、てん菜及びサトウキビの生産振興並びに原料用カンショ及びバレイショの生産合理化を推進するため、省力栽培促進、土壌改良等の事業を継続実施するとともに、新たに国立さとうきび原原種農場を設立することとし、これらに要する経費として十二億三千万円を計上しております。  米麦等の生産合理化につきましては、優良種子確保、地力保全、植物防疫等の事業を継続実施するとともに、新たに耕種農業を中心とする農業生産の近代化を促進するため、圃場条件の整備された地区における大型機械を中心とした高度集団栽培の促進事業及び畑地における麦作の合理化モデル事業を実施することとし、これらに要する経費として十億二千七百万円を計上しております。  養蚕生産の合理化につきましては、桑園作業の機械化と蚕作向上のための機械化実験組合の設置を助成する等、二千三百万円を計上しております。  第五に、農林水産物の流通の合理化と価格の安定等をはかるための予算について申し上げます。  家畜、畜産物につきましては、食肉、食鶏、鶏卵、生乳等について、産地の出荷処理施設、消費地の処理保管施設等の設置の助成を拡充するとともに、国内産牛乳の学校給食の計画的増大を推進することとし、その供給量を七十万石に拡大することとして、これらに要する経費三十七億八千九百万円を計上しております。  青果物につきましては、野菜指定産地制度の対象となる品目及び地域を拡大するとともに、新たに野菜の需給見通し及び指定産地経営改善計画の樹立、カンラン及びタマネギの生産安定資金制度の維持改善等を行なうこととして、一億五千八百万円を計上しております。  林産物につきましては、主要林産物の需給動向調査及び木炭、干しシイタケの出荷調整事業の助成等を行なうこととして、六千万円を計上しております。  水産物につきましては、産地の冷蔵施設及び水産加工施設の設置、冷凍魚の普及宣伝事業等の助成を継続実施するとともに、新たに農山村地帯における水産物消費の増進に資するため冷凍ショーケースの設置を助成することとして、二億五千二百万円を計上しております。  また、生鮮食料品の流通機構につきましては、中央卸売り市場の施設整備を継続実施するとともに、地方卸売り市場の適正配置に関する調査、生鮮食料品総合小売り市場の設置事業を実施することとして、七億六百万円を計上しております。  次に、農産物の価格安定につきましては、米、麦、イモ類、甘味資源作物、畜産物、繭糸、大豆及びなたねについて、食糧管理特別会計、畜産振興事業団、糸価安定特別会計等の制度により、引き続き価格の安定と所得の確保の措置を講ずることとしております。特に、畜産につきましては、酪農経営の安定と牛乳の生産、消費の円滑な拡大をはかるため、生乳の価格安定制度の改正について検討を行なうこととしております。  これらの措置を実施するため、一般会計からの食糧管理特別会計への繰り入れ千五十五億円、畜産振興事業団出資三億円、大豆なたね交付金八億円を計上しております。  また、農業資材の生産流通の合理化及び価格の安定につきましては、肥飼料及び農薬等の検査事業を継続実施するとともに、輸入飼料の買い入れ売り渡しの対象にトウモロコシを加える等、流通飼料の需給及び価格の安定をはかるための措置を拡充することとして、これらに要する経費四十三億九千三百万円を計上しております。  第六に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林漁業金融制度の拡充について申し上げます。  まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、農林漁業の基盤整備、構造改善、経営拡大等に必要な長期低利資金の拡充をはかることとし、新規貸し付け計画額を前年度に比し百七十億円増の千二百四十億円に拡大しております。  この原資としましては、産業投資特別会計及び一般会計からの出資百六十四億円、資金運用部特別会計等からの借り入れ金七百七十三億円、計九百三十七億円と自己資金二百三十五億円を予定しており、また、以上の資金計画に関連し、別に農林漁業金融公庫に対する補給金四億六千七百万円を計上しております。  次に、農業近代化資金融通制度につきましては、資金ワクを七百億円に拡大するとともに、すでに造成した農業近代化助成資金の運用益を財源として利子補給の助成を行なうこととし、農業近代化助成資金への追加繰り入れば行なわないこととしております。このほか、都道府県農業信用基金協会に対する出資の助成を含め、これらに要する経費として三十二億百万円を計上しております。  また、無利子の農業改良資金制度につきましては、貸し付けワクを五十七億円に拡大し、技術導入資金のワクを四十二億円とするほか、農家生活改善資金及び農業後継者育成資金については、農林漁業用揮発油移財源の身がわり事業として、これに必要な資金を補助することとし、特に貸しつけワクをそれぞれ五億円及び十億円と大幅に拡大することといたしました。  なお、開拓融資保証制度及び中小漁業融資保証制度につきましても、所要の改善を行なうこととしております。  以上のほか、できるだけ簡潔に、農業、林業及び漁業の施策推進のための予算について触れてまいりたいと存じます。  農業関係につきましては、さきに述べましたもののほか、農業機械化の促進措置として、トラクター、コンバイン等の導入事業、ヘリコプターの設置及び利用事業等を拡充実施することとして七億八千九百万円を計上しております。  また、農業関係の試験研究事業につきましては、七十七億七千三百万円を計上し、試験研究機関の経常研究費の増額、冷害実験施設及び種苗の保存導入施設の設置、農業試験場の移転整備を行なう等、試験研究体制の整備強化をはかることとしております。  農業改良普及事業につきましては、四十一億七千二百万円を計上し、農業改良普及所の広域化、機動力の増強、普及員研修の拡充等を行なうほか、省力技術及び農業者健康管理に関する特別事業を実施することとしております。このほか、畜産経営技術の指導事業につきましては、畜産コンサルタント事業の拡充等をはかることとして一億円を計上し、蚕業技術改良事業につきましても、職員設置の助成等を継続実施することとして六億円を計上しております。  農業近代化推進のにない手となる農業経営者の養成につきましては、農業専修学園の新設、経営伝習農場その他の研修施設の整備拡充、民間農業教育機関等の活動に対する助成の強化をはかることとして四億三千六百万円を計上しており、また、農家労働力対策につきましては、一億四百万円を計上しております。  開拓地の営農振興対策につきましては、営農振興対策資金の融資ワクを五十億円に拡大し、営農指導及び施設設置の助成等を強化するとともに、離農援助措置を充実することとして、これらに要する経費二十一億五千三百万円を計上しております。  離島の振興対策事業につきましては、農林関係予算として四十八億二百万円、僻地農山漁村電気導入事業については三億三千万円、農山漁村同和対策については一億二千五百万円を計上するとともに、新たに山村振興のための調査を行なうこととして三千万円を計上しております。  次に、林業関係につきましては、さきに述べましたもののほか、森林計画制度、保安林整備等の拡充に要する経費として九億三千百万円、林業労働力対策として一千三百万円、入り会い林野の整備促進対策として二千万円をそれぞれ計上しております。  また、林業関係の試験研究及び普及指導事業につきましては、新たに林業技術普及センターの整備を助成する等、これらの事業を拡充強化することとして十六億一千三百万円を計上しております。  水産業関係につきましては、すでに述べましたもののほか、中小漁業の振興対策、漁況海況予報事業及び内水面漁業の地域振興対策として七千万円、漁業災害補償制度の実施に要する経費として四億七千四百万円を計上し、漁船損害補償制度については、小型漁船の国庫負担対象付保率の引き上げ等助成の充実をはかるごととして、八億一千四百万円を計上しております。  また、水産資源の保護培養対策につきましては、保護水面の指定、魚類のふ化放流事業等の拡充、国際漁業生物調査の実施等に要する経費六億二千万円を計上しており、海外漁場の開発促進対策については、大型調査船の建造、新漁場開発調査等に要する経費二億二千四百万円を計上しております。  水産業関係の試験研究及び普及指導事業につきましては、十二億六千百万円を計上し、水産技術の高度化、改良普及及び教育事業等の拡充強化をはかることとしております。  以上申し上げましたもののほか、重要な施策といたしまして、農業災害補償制度につきましては、農作物及び蚕繭共済について、単位当たり共済金額の最高限度の引き上げ、選択共済金額の上昇等に伴い掛け金国庫負担を増額するとともに、家畜共済について、診療点数の改定に伴う農家負担の増加の軽減をはかるため奨励金を交付することとしており、また、農業共済団体の事務費につきましては、団体職員の期末勤勉手当を増額し、農家負担の軽減をはかることとしております。以上により総額二百二億八千万円の農業保険費を計上しております。  また、災害対策公共事業につきましては、二百十三億八千六百万円を計上し、海岸事業、農地、農業用施設、林野、漁港等の災害復旧及び災害関連事業並びに鉱害復旧事業の推進をはかることとしております。  次に、昭和四十年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。  第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。  まず、国内産米の管理につきましては、現行方式を継続することとし、昭和四十年産米の集荷目標は七百十万トン、政府買い入れ価格は前年産米の買い入れ価格と同額、消費者価格は現行どおりをそれぞれ前提として予算を編成しており、また、国内産麦及び輸入食糧の管理についても、現行方式を前提として必要な予算を計上しております。  なお、卸、小売り業者の販売手数料、農協等の集荷手数料及び保管料につきましては、所要の改定を行なうこととしております。  以上の方針に基づいて食糧管理を実施するため、さきに述べましたように、この会計の調整勘定に調整資金として一般会計から一千五十五億円の繰り入れを行なうこととしております。  また、カンショでん粉、バレイショでん粉、砂糖類及び輸入飼料につきましても、その買い入れ等に必要な予算を計上しており、このうち輸入飼料については、その買い入れ等に伴う損失の補てんのため一般会計から輸入飼料勘定へ四十一億円を繰り入れることといたしております。  第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、さきに述べました農業災害補償制度の運営のため、一般会計から合計百三十三億三千二百万円を繰り入れることとしております。  第三に、国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業勘定において、全国森林計画による国有林の木材増産計画に基づき、歳入状況の見通し等を考慮して、国有林野事業の実施に必要な予算を編成しております。  なお、この会計の資金を活用しまして引き続き民有林行政への協力をすることとし、林業振興費財源の一般会計繰り入れ額を、融資造林拡大のための農林漁業金融公庫への出資、水源林造成事業を実施させるための森林開発公団への出資等合計四十五億円といたしております。  また、治山勘定におきましては、民有林治山事業の着実な実施をはかることとしております。  以上のほか、森林保険、自作農創設特別措置、糸価安定の各特別会計につきましては、それぞれ前年度に引き続きほぼ同様の方針で予算を計上しましたほか、特定土地改良工事、開拓者資金融通、漁船再保険、中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましては、さきに申し上げましたような施策方針のもとに予算を計上しております。  最後に、農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。  昭和四十年度における農林関係の財政投融資計画は、農林漁業金融公庫への出資を、一般会計から八億円、産業投資特別会計から百五十六億円、計百六十四億円としますほか、資金運用部特別会計等からの借り入れ金は、農林漁業金融公庫、愛知用水公団、農地開発機械公団、森林開発公団、農地管理事業団、八郎潟新農村建設事業団、開拓者資金融通特別会計及び特定土地改良工事特別会計を合わせて九百九十五億円で、財政投融資総額は一千百五十九億円となり、前年度に比し二百三十二億円の増となっております。  これをもちまして昭和四十年度の農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。     ―――――――――――――

古川丈吉自由民主党

○古川主査 次に、経済企画庁所管について説明を求めます。高橋経済企画庁長官。

高橋衛自由民主党経済企画庁長官

○高橋(衛)国務大臣 昭和四十年度経済企画庁予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  歳出予算の要求総額は二百二十億四千八百七十万六千円でありまして、これを前年度予算額百五十一億八千八百十四万六千円に比較いたしますと、六十八億六千五十六万円の増額となっております。この増額となりましたおもな理由は、水資源開発事業費において三十五億八千一百二十六万二千円、離島振興関係事業費において十九億四千四百十七万円、国土総合開発事業調整費において十億四百四十九万円、土地調査費において一億七千九百三十六万円、それぞれ増額になりましたことなどによるものであります。  次に、経費の内訳を申し上げます。  第一に、経済企画庁の項では、要求額は七億六千七百六万四千円でありまして、前年度の六億六千八百六十二万六千円に比較いたしますと九千八百四十三万八千円の増額となっております。この要求経費の内容を御説明申し上げますと、人件費四億七千四百九十五万一千円と事務費二億九千二百十一万三千円であります。この事務費は、一般庁務の運営に必要な経費七千十八万円並びに次に申し上げる内容のものであります。  その一は、年次経済計画大綱及び経済運営の基本方針の策定、海外経済協力及びOECD関係事務等に関する経費として一千六百四十四万五千円を計上しております。  その二は、国民生活の向上、物価の安定等に関する経費として五千八百十万五千円を計上しております。この中には、昭和三十七年に設立されました国民生活研究所の育成、充実をはかるため、同研究所に対する補助金四千五百万円が含まれております。また、最近における国民生活行政の重要性の増大にかんがみまして、合理的な生活水準及び生活構造の策定を進めるとともに物価安定のための施策を拡充強化するほか、一般消費者の保護、生活環境の整備等諸般の国民生活行政を強力に推進するため、新たに国民生活局の設置を計画しております。  その三は、長期経済計画に関する経費でありますが、これには経済審議会等の運営及び長期経済計画に関する経費といたしまして、二千一百七万八千円を計上しております。経済審議会におきましては、昨年来中期経済計画の策定作業を行なってきましたが、昨年十一月十七日、内閣総理大臣に答申がなされました。この計画は去る一月二十二日閣議決定となりましたが、計画の趣旨に即しまして、その内容と考え方を国民に十分周知徹底し、その理解と協力を得るとともに、常時経済社会の実勢との対比分析を行なうことにより、一そう有効適切に計画の意図するところを推進してゆく所存であります。また、本計画との関連を考慮し、地域格差を是正し、過密都市の弊害を除去して地域経済の均衡ある発展と住民福祉の向上をはかるために、具体的かつ効果的な地域政策を検討し、立案してまいりたいと考えております。  その四は、国土の総合開発に必要な経費といたしまして三千八百八十五万一千円を計上しております。御承知のように、国土総合開発に関する施策は、大都市における人口及び産業の過度の集中を防止し、地方開発の拠点となる新産業都市の建設並びに工業整備特別地域の整備を促進するとともに、離島、山村その他開発のおくれた地域の開発を積極的に推進することによって、地域格差の是正につとめ、国民生活の均衡ある発展をはかろうとするものであります。このための経費といたしまして、国土総合開発関係の経費、豪雪地帯対策、特殊土壌地帯対策、地盤沈下対策、台風常襲地帯対策等の特殊地域の開発振興に必要な経費、東北・九州・四国・中国・北陸の各地方開発に必要な経費、新産業都市建設、工業整備特別地域整備及び低開発地域工業開発関係に必要な経費、離島振興に必要な経費、山村振興に必要な経費、並びに全国総合開発及び拠点開発調査に要する経費を計上しております。  その五は、水資源関係の経費であります。産業の急速な発展と都市人口の増加に伴う水需要の増大に対応して、水資源を開発するための経費、並びに公共用水域の水質保全に関する経費といたしまして、三千二百九十六万二千円を計上しております。このうち、公共用水域の水質保全をはかり、あわせて水質の汚濁に関する紛争の解決に資するため水質審議会を運営するほか、水質の調査及びそれに基づく水域の指定並びに水質基準の設定等に必要な経費といたしまして三千二十三万円を計上しております。なお、水資源開発公団に対し、前年度に引き続き出資金一億円が大蔵省所管の政府出資金の項に計上されております。  その六は、内外経済事情調査に関する経費であります。国内及び海外経済の動向を的確に把握し、また、経済白書、世界経済白書等の報告書及び統計資料の作成並びに経済動向の調査分析を行なうほか、新たに消費者信用調査と賃金調査を行なうに必要な経費として五千四百四十九万二千円を計上しております。  第二に、上地調査費の項では、要求額は八億八千二百六十一万円でありまして、前年度の七億三百二十五万円に比較いたしますと一億七千九百三十六万円の増額となっております。この増額となりましたおもな理由は、国土調査事業十ヵ年計画に基づく第三年度分としての地籍調査の規模が増加したことによる補助金が一億七千一百七十二万六千円増額となったためであります。要求額の内容を申し上げますと、基準点測量に要する経費として二千九百四万九千円、地籍調査に要する経費として八億三千二百五十一万円、土地分類調査と水文資料整備に要する経費として二千七十二万四千円となっております。  第三に、経済研究所の項では、要求額は一億一千九百六十二万五千円でありまして、前年度の六千八百二十八万五千円に比較いたしますと五千一百三十四万円の増額となっております。この増額のおもな理由は、大型電子計算機導入に関する経費が増額となったためであります。  経済研究所の経費の内容を御説明申し上げますと、人件費五千三百四十六万八千円と事務費六千六百十五万七千円であります。この事務費は、経済研究所の一般運営費と研究調査費でありまして、そのうちの研究調査費の内容を申し上げますと、わが国経済の構造と循環その他経済の基本的な事項を研究調査するために要する経費並びに国民経済計算の整備改善等に要する経費に大別されます。  第四に、国土総合開発事業調整費の項では、要求額は四十四億五千万円でありまして、前年度の三十四億四千五百五十一万円に比較いたしますと十億四百四十九万円の増額となっております。国土開発に関する事業は、各省庁におきましてそれぞれ実施されておりますため、開発事業相互間の事業の進捗度に不均衡を来たし、総合的な効果が発揮せられない場合があります。このような場合に、この経費によりこれを調整いたしまして、総合開発の効果をあげようとするものであります。調整費使用の対象地域は、国土総合開発法に基づく特定地域及び調査地域並びにそれぞれ単独の開発立法に基づく東北地方・九州地方・四国地方・中国地方・北陸地方及び首都圏整備法、近畿圏整備法、新産業都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法、低開発地域工業開発促進法、豪雪地帯対策特別措置法並びに産炭地域振興臨時措置法に基づいて指定された区域等となっております。  第五に、地域経済計画調査調整費の項では、前年度当初予算と同額の五千万円を要求しております。この経費は、地域経済計画の策定のための調査について、各省庁間の調整をはかり、調査効果を高めるために必要なものであります。  第六は、離島振興事業関係でございますが、その内容を申し上げますと、離島振興事業費の項では要求額は七十四億二千百十二万円、揮発油税等財源離島道路整備事業費の項では要求額は十八億九千四百万円、農林漁業用揮発油税財源身替離島農道等整備事業費の項では要求額は七千二百万円、合わせまして九十三億八千七百十二万円でありまして、前年度の七十四億四千二百九十五万円に比較いたしますと十九億四千四百十七万円の増額となっております。  この経費は、離島振興法に基づきまして、離島振興対策実施地域において国または地方公共団体が実施いたしますところの治山治水、道路整備、港湾、漁港、空港、農業基盤整備等の公共事業及び電気導入事業、簡易水道事業等に必要な事業費またはこれを補助するための経費であります。増額になりましたおもな理由は、離島の後進性を除去するために最も重要な施設である道路、港湾、漁港、空港の整備などによるものであります。  なお、この増額分の中には、三十九年度において各省に計上されておりました第十次指定地域の経費が含まれております。この経費は、経済企画庁に一括計上し、実施にあたりましては各省に移しかえ、または特別会計に繰り入れて使用するものであります。  第七に、水資源開発事業費の項では、要求額は六十三億九千二百二十八万七千円でありまして、前年度の二十八億一千百二万五千円に比較いたしますと三十五億八千百二十六万二千円の増額となっております。  この経費の内容を御説明申し上げますと、明年度の新規事項としての水資源開発水系における水資源の総合的な開発及び利用の合理化の基本となるべき水資源開発基本計画を決定するための調査に必要な経費三千万円、水資源開発公団が行なう印旛沼開発事業、群馬用水及び利根導水路の建設事業に要する費用のうち、土地改良事業費補助として同公団に交付するために必要な経費二十三億三百二万円のほか、下久保ダム及び利根導水路建設に要する費用のうち、工業用水道事業費補助として同公団に交付するために必要な経費七千七十五万八千円、並びに、同公団が行なう矢木沢ダムほか五つのダム及び利根川河口ぜきの建設事業等に要する費用のうち、治水関係費用として同公団に交付する交付金の国庫負担分として治水特別会計に繰り入れるために必要な経費三十九億八千八百五十万九千円となっております。  以上、一般会計予算案の概要を御説明いたしましたが、次に、当庁関係の財政投融資計画につきまして簡単に御説明いたしたいと存じます。  まず、海外経済協力基金につきましては、その業務の拡大に応じ、四十年度中における事業の円滑な遂行を期するため、一般会計から十億円の出資を受け、資金運用部特別会計から十億円の借り入れをすることを予定しております。  次に、東北開発株式会社につきましては、東北地方の経済発展に貢献する産業の育成助長を目的として経営いたしてまいりましたが、年々赤字が累積している現状にかんがみまして、四十年度においては、三十九年度に引き続き、会社の再建をはかることに重点を置くことにいたしております。四十年度に措置する事業資金は四十億円であります。このため、産業投資特別会計からの出資金十四億円と、公募債二十六億円を計画いたしております。  次に、水資源開発公団につきましては、その事業量の増大に伴い、総事業費は前年度の百八十九億円から、四十年度は、二十一億円増の二百十億円を確保することにいたしております。このため、前に申し上げました一般会計からの出資金一億円のほか、財政資金から四十四億円の融資を受けるとともに、公団債の公募二十五億円を予定いたしております。  次に、北海道東北開発公庫につきましては、その資金運用規模は三百七十億円であります。これに要する資金源は、産業投資特別会計からの出資金五億円、政府借り入れ金七十億円、政府引き受け債六十五億円、公募債百三十五億円のほか、自己資金九十五億円を充てることにいたしております。なお、三十九年度予算規模は、当初予算二百九十億円、新潟地震災害復旧関係としての補正四十億円、計三百三十億円であります。  以上をもちまして経済企画庁関係の予算案並びに財政投融資計画の説明を終わりますが、なお、御質問に応じまして詳細御説明を申し上げたいと存じます。何とぞ、よろしく御審議の上、御可決くださいますようお願いいたします。     ―――――――――――――

古川丈吉自由民主党

○古川主査 次に、通商産業省所管について説明を求めます。櫻内通商産業大臣。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 ただいまから通商産業省予算案について御説明を申し上げます。  まず、昭和四十年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は、六百十六億円余でございまして、これを三十九年度当初予算額と比較いたしますと、百二億円余の増加で、約二〇%の伸びとなっております。  まず第一に、輸出振興及び経済協力費につきましては五十九億四千万円を計上いたしておりますが、このうち、輸出振興につきましては、日本貿易振興会の事業費補助として三十二億四千万円を計上し、海外市場の調査、海外施設の運営等総合的な輸出振興事業を一そう強力に行なうこととしておりますほか、雑貨、プラント類、工作機械、生糸及び絹織物の輸出振興費等につきましても、それぞれ必要な経費を計上いたしております。  また、経済協力費につきましては、アジア経済研究所に対する補助金として四億四千万円を計上しておりますほか、海外技術開発等協力費、海外技術者受入研修事業費、低開発国一次産品対策費等を増額して、低開発国との経済協力を一そう促進することといたしております。  第二に、中小企業対策費でございますが、中小企業問題の重要性にかんがみまして、最重点項目として取り上げ、前年度に比し三十四億円余増の百五十億円余を計上いたしております。  そのうち、中小企業の近代化、高度化につきましては、中小企業設備近代化補助金として五十億円、中小企業高度化資金として特別会計への繰り入れ六十六億円余を計上いたすとともに、貸し付け条件の大幅な改善をはかることといたしております。  また、新設の小規模企業共済事業団に対しましては七千万円の政府出資及び補助を行ないますほか、小規模事業対策推進費、中小企業指導センターに対する出資及び補助、中小企業指導事業強化費等につきましてそれぞれ大幅の増額をはかっております。なお、中小企業関係予算といたしまして、大蔵省分となっておりますが、中小企業信用保険公庫への出資六十億円がございます。  第三に、国際競争力強化費でございますが、これにつきましては、一般会計予算よりもむしろ後に述べます財政投融資による対策が重要な役割りを占めていると言うことができるかと存じます。  一般会計からの国際競争力強化対策費は、主として地下資源開発費でございまして、新鉱床探査費補助として四億円余、金属鉱物探鉱促進事業団に対する補助金として一億円余を計上いたしております。  第四に、技術振興及び特許行政強化費につきましては、九十八億円余を計上し、試験研究所の特別研究費、重要鉱工業技術試験研究委託費、鉱工業技術研究費補助金等の増額をはかるとともに、特許行政の強化費として、特許等の審査審判の促進をはかることを重点に、十六億七千万円を計上いたしました。  第五は、地域振興及び産業基盤強化費でございますが、そのおもなものは、工業用水道事業費補助でございまして、八十二億円余を計上いたしております。  第六は、エネルギー対策でございますが、そのおもなものは石炭対策費でございまして、予算といたしましては、前年度に比し二十八億円増の百四十五億円余を計上してございます。  その内容は、四十年度から赤字企業に対する利子補給を行なうため九億五千万円を新たに計上いたしましたほか、電力用炭代金精算株式会社を電力用炭販売株式会社に改組して電力用炭の販売業務をも行なわせるため五千万円の政府出資を計上し、また、鉱害賠償基金を鉱害基金に改称して従来の業務のほか新たに鉱害防止のための融資をも行なわしめるため三億円の政府出資を行なうことといたしております。  このほか、従来から引き続き実施しております石炭鉱業合理化事業団への出資、炭鉱整理促進費、産炭地域振興費、鉱害復旧事業費、炭田開発調査費等につきましても、それぞれ必要な経費を計上しております。  また、石炭関係以外といたしましては、可燃性天然ガス探鉱費として四億円を計上いたしております。  第七は、産業公害及び産業保安対策費でございますが、まず、産業公害対策につきましては、最近における産業公害問題の緊要性にかんがみ、大気汚染等の産業公害対策及び工場排水施策を引き続き実施するほか、新たに公害防止のための事前調査費として三千五百万円を計上し、また、厚生省と共管のもとに公害防止事業団を新設することとしております。  以上のような産業公害対策行政費のほか、特別研究費や研究施設費におきましても、その中で産業公害防止技術の研究開発に関する経費の大幅な増加をはかっております。  次に、産業保安対策でございますが、最近における化学工場の相次ぐ爆発事故の防止対策といたしまして、特定の化学工業を対象に新たに立法措置を講ずることとし、また、鉱山の保安につきましては、石炭鉱業合理化事業団の保安融資のほか、ボタ山災害防止対策費として一億六千万円、鉱山保安監督検査費として五千八百万円等を計上いたしております。  最後に、消費者対策につきましては、計上経費は多額ではございませんが、消費者保護の見地から、家庭用品品質表示法の施行、日本消費者協会の事業補助等諸般の施策を推進してまいる所存でございます。  次に、当省所管の特別会計について申し上げます。まず、アルコール専売事業特別会計でございますが、歳入予定額は六十九億六千万円、歳出予定額は五十七億二千万円であります。輸出保険特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも百六十七億一千万円でございます。機械類賦払信用保険特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも十三億一千万円でございますが、歳入予定額のうち二億円は一般会計からの繰り入れでございます。また、中小企業高度化資金融通特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも六十七億二千万円でございますが、そのうち六十六億円余は、さきに述べましたように一般会計からの繰り入れでございます。  次に、当省関係の財政投融資計画について御説明いたします。  昭和四十年度におきます当省関係の財政投融資計画総額は、四千八百二十億円でございまして、これを昭和三十九年度当初計画に比べますと、九百二十三億円、伸び率にしまして約二四%の増加となっております。  以下、機関別にその概要を御説明いたします。  まず日本輸出入銀行でございますが、プラント類を中心とする輸出の伸長と経済協力を促進するため、運用規模を千九百四十五億円に拡大し、このため、出資二百九十億円を含め千二百九億円の財政資金を投入する計画でございます。  次に、中小企業関係政府金融機関につきましては、各機関の貸し出し規模を三十九年度当初計画に比して約二〇%拡大することといたしており、このため、中小企業金融公庫千四十三億円、商工組合中央金庫百三十四億円、国民金融公庫八百六十八億円の財政投融資等を計画しております。  日本開発銀行につきましては、施策の重点を産業の質的充実、エネルギー対策の推進、産業公害の防止、地域開発の促進等に置き、従来の施策の拡充強化をはかるほか、新たな施策といたしまして、石油業の体質改善を推進するため四十億円の融資ワクを計上いたしております。このため、運用総額は千六百七十七億円に拡大するものとし、これに必要な財政融資等千百五億円を予定しております。  電源開発株式会社につきましては、引き続き石炭火力発電所三舞の継続工事と大水力電源開発の工事推進に主力を注ぐことといたしまして、出資十五億円を含め三百九億円の財政投融資を予定しております。  石油資源開発株式会社につきましては、引き続き海外における原油の探鉱を拡大するため七億円の財政出資を行なう計画でございます。  石炭関係の機関につきましては、石炭鉱業合理化事業団整備資金に十五億円、産炭地域振興事業団に三十八億円、鉱害基金に十一億円の財政融資をそれぞれ予定しております。  金属鉱物探鉱促進事業団につきましては、探鉱融資規模を二十二億円に拡大し、このため出資二億円を含め十九億円の財政投融資を計画しております。  日本航空機製造株式会社につきましては、中型輸送機YS-11の量産事業の運転資金として四十二億円を政府保証によって調達することといたしております。  最後に、公害防止事業団でございますが、これは、産業公害の防止を重点的かつ積極的に行なう見地から公害防止施設等の整備を推進するため新たに設立するものでございまして、その所要資金として二十億円の財政融資を行なう計画といたしております。  以上をもちまして通商産業省所管の一般会計及び特別会計の予算並びに財政投融資計画の御説明を終わります。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに可決されますことをお願い申し上げます。

古川丈吉自由民主党

○古川主査 以上をもちまして全所管についての説明は終わりました。     ―――――――――――――

古川丈吉自由民主党

○古川主査 これより各所管について順次質疑を行なうことになっておりますが、この際分科員の皆さま方に申し上げます。  議事進行の円滑をはかるため、質疑を行なわれる方は、あらかじめ政府委員等を要求の上、主査に御通告をお願いいたします。質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代で分科員となった方は三十分程度にとどめたいと存じます。  それでは、昭和四十年度一般会計予算及び特別会計予算中、通商産業省所管を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。桜井茂尚君。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 私はまず最初に貿易関係からお伺いしたいのであります。  昨年池田前総理は、国際収支における構造的赤字の原因は貿易外収支にある、このように言っておりました。しかし、本年度はそのようなことはあまり大きく言われていないようであります。確かにそのとおりでありまして、根本的な問題といたしましては、貿易の地域構造そのものに問題があると考えられるからであります。私は世界の百二十二カ国の一国一国について質問してもよろしいのですが、時間の制限がございますので、非常に大づかみに御質問いたします。なるべく簡単明瞭に御回答をお願いいたします。  そこで、まず私のほうから具体的に申し上げます。わが国の貿易の最大の赤字の原因は、たとえば対アメリカ貿易の赤字が、三十八年度で五億七千万ドル、三十九年度の一月から十一月までで約五億ドルであり、また、対カナダ貿易では、三十八年に約二億ドル、三十九年の一-九月でもほとんど同じであります。そしてまた、対オーストラリアでは、三十八年三億五千万ドル、三十九年の一-九月で三億三千万ドルの赤字であります。したがって、この三国だけで年間十一億ドルの赤字になっております。これを補うために、わが国の貿易は主としてその黒字を東南アジアあるいはアフリカに求めております。東南アジアの黒字は四億ドル、あるいはアフリカでは約二億ドルであります。これでもなお足りません。そして、これに加えましてさらに重大なことは、今後輸入がますます増大するであろうと思われる石油の輸入であります。石油の輸入は、三十六年に七億三千万ドル、三十七年八億三千万ドル、三十八年十億ドル、三十九年に十一億五千万ドル、そして、中期経済計画によりますと、四十三年には何と二十五億ドルにのぼるのでございます。しかも、この輸入の相手国は、その大部分がアメリカを中心とする国際石油カルテルの生産物であり、イランやイラクは、たとえ石油を輸出いたしましても、その国の輸出とはみなしておりません。したがって、中近東貿易の赤字は膨大なものになるでありましょう。このような貿易構造にわが国国際収支の最大の弱点があり、このことが国際収支の赤字を発生しやすくさせ、ひいてはわが国経済の循環にひずみを生じさせ、国民経済に常に重大な影響を与えているのであります。そして、一方ひるがえってヨーロッパ貿易を考えますと、その輸出入はほぼとんとんでありまして、ふえてもやはり輸出入とんとんであります。あるいは南米につきましては赤字であります。  昨年私は商工委員会におきまして同趣旨の質問をいたしたのでありますが、このわが国の貿易構造の赤字の所在を明らかにする、このことが非常に大切であります。そして、福田前通産大臣から、まさにそのとおりであるというような御答弁をいただいておるのでありますが、大臣もかわったことでありますので、櫻内大臣にこのことについて御所見をお伺いいたします。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 桜井委員の御指摘のように、アメリカ、カナダ、豪州の関係が貿易上相当赤字である。また、東南アジア、アフリカ諸国向けにおいて貿易収支が黒字である。これは数字はそのとおりになっております。ところで、貿易全体の上から申し上げますならば、本年度はおそらく輸出は六十九億ドルを為替ベースで上回るだろう、そして黒字もおそらく三億ドルとか三億五千万ドルというような大きな黒字になろう、これは貿易全体の収支バランスはそういうことになるわけであります。ですから、やはり国際収支から言えば、貿易外収支による赤字というものが大きな原因になっておる、これはお認めいただけると思うのであります。それから、このアメリカ、カナダ、豪州の赤字になっておる原因は何か。それは、日本の必要な原材料を大きく買いつけておる。私も、日加閣僚会議であるとか、あるいは豪州、アメリカの代表が来るつど、君らの国とはどうも片貿易になっているのだということはよく指摘しております。しかし、内容をしさいに検討してまいりますと、その赤字は、いずれは品物になって、戻ってくる要素の多いものでございます。これもよく考えていかなければならないかと思うのであります。これらの諸国から安定したよい原料が供給されるということが貿易全体の黒字の原因をつくっておるのじゃないか、かように思います。しからば、東南アジアの関係はどうか。東南アジアに日本の軽工業品を中心とする輸出が非常に伸びておることは事実でございます。また、それに対して、東南アジア諸国、アフリカ諸国から片貿易の是正が望まれておるということも、これもしばしば関係諸国から強い要望があるところでございます。したがって、これに対するわれわれの対策しては、たとえばイラン、イラク、ナイジェリア等に対するコンペ制度をとるとか、あるいは日本政府が国際的に約束をしております経済援助施策を十分にいたしまして相手国に力をつけるとか、あるいは開発輸入のようなことも考えるというようなことで改善につとめておる次第でございますが、全体としては貿易では黒字である、国際収支の赤字の原因は貿易外収支にある、かように言わざるを得ないと思います。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 貿易外赤字の問題につきましては、実は商工委員会におきましても先日御議論願いましたので、私遠慮を申し上げておったのであります。ただ、通産大臣が私の質問に簡単に答えずにいろいろとこまかにお答えくださるので、かえって審議が長引いてしまうのでありますが、たとえば本年の東南アジア方面の外貨は急速に減っておりまして、ごく最近の新聞報道によりましても、一昨年の下半期から昨年の上半期まではよろしいのですけれども、ことしに入りましてからは非常に急速度に減っている。また、EECとの関係におきましても、そう簡単でなく、けさの新聞をごらんになってもおわかりのとおり、フランスあたりでは非常に苦しい状態になっております。イギリスも御承知のとおりでございます。アメリカにしましても、外貨節約のためドル防衛というような状態であります。個々の具体的な問題につきましては、私は商工委員会であらためて質問したいのであります。ただ、首相の演説あるいは大蔵大臣の演説、通産大臣の演説でも、いま申しましたような通産大臣のおことばとは逆に、今年度は非常に海外の見通しは楽観を許さぬというようなことをおっしゃておった。それが、いまは何かばかに調子がよくて、ぐるっとひっくり返ったようなことをおっしゃっておられるのでありますが、そんなに見通しが明るく、そしてまた、低開発国のほうからの国連貿易開発会議の問題もございますが、そういう方面からの要望、それらの問題につきましては甘く考えてよろしいのでございますか。その点だけ簡単に御回答を願います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 桜井委員に申し上げたのは、三十九年度、本年三月末までの貿易収支のことを申し上げたわけでございますから、これは御了解いただきたい。  それから、四十年度の見通しにつきましては、お話のように、ドル防衛の問題とか、あるいはポンド不安の問題とか、EEC諸国の状況、東南アジアの外貨の状況から言って、これは相当きびしい条件があろうかと思います。しかし、何といっても日本は貿易で立っていかなければなりませんから、あらゆる努力をいたしまして、何とか四十年度においても貿易収支が黒字でいきたい、このための努力をしておる、こういうことでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 ですから、私が最初にお伺いしたのは、貿易構造の転換、たとえば通産省でおやりになっておるように、トウモロコシの開発輸入だとか、いろいろそういい意味におきまして、片貿易をなるべくなくす意味における貿易構造の転換をするつもりはあるのかないのか、こういうことだけをお伺いしたのであります。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 これは、先ほどもちょっと申し上げたように、片貿易の国に対するコンペ制度などもとり、あるいは開発輸入なども考え、できるだけ改善をしたい、こう思います。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 そこで、一番問題があるのが、先ほど申しましたように、四十五億ドルにも近く及ばんとするであろう石油の問題であります。この石油をこのままに放置しておいたのでは、いかにしても赤字を解消することが困難である。世界の各国に日本からばかり黒字の輸出超過というわけにはまいりません。このような国際石油カルテルの輸出というものにだけ依存しておったのでは、日本は非常に困難ではなかろうか。したがって、この点につきましては、ある程度ソ連からの石油の輸入というものをふやす必要があるのじゃなかろうか、こう私は考えるわけであります。そして、数年前に、たしかソ連のほうから、イルクーツクからナホトカまでパイプラインを敷設したらどうか、日本のほうでそのパイプを輸出してくれと言いましたら、国際石油カルテルの妨害と、アメリカのほうから遠慮してくれということで、さたやみになった、こういう事情があるのでありますが、これを復活して、ソ連からも石油を輸入するというほうが、かえってわが国のためになるのではないか、佐藤さんではございませんが、世界の力のバランスというものを考えたときに、わが国の国家利益にも役立つのではなかろうか、こう思うのですが、その点については、どのような経過になっており、どのようにお考えでございますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 いま御指摘になられたように、ソ連原油が硫黄分も少ない良質のものである、また価格も安い、これはよく承知をしております。しかし、現在各会社が自主的な判断の上に立っての買い付けを行なっておりますし、そういう自由貿易のたてまえをとっておりますので、お話のことはよくわかりますが、その会社の自主的判断によっていま買い付けられておる、こういうことでございます。それから、日本も、御承知のような、東南アジア関係におきましても現在原油の開発につとめております。政府としては、そういう方面にも補助金を出しまして、できるだけ民族資本の油を入れるというようにつとめておるようなわけでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 それは私は存じております。スマトラ石油あるいはアラビア石油をやっておるのは知っておる。私がただお伺いしたのは、ソ連からのあのパイプラインの敷設の問題は、その後の経過はどうなったか、そして今後日本政府の方針としてはどうなのかということをお伺いしているのであります。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 日ソの貿易は、この間六五年の三億五千万ドルがきまった経緯で、お話のように、相互に話し合って、向こうの計画にも応じ、また日本の希望のものも言っておるわけでございます。あの六五年の場合などで、お話のようなパイプライン等の具体的な交渉はなかった、こういうふうに聞いております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 それは、この前日本のほうから、アメリカのほうの要望によって鋼管の輸出をやめましたから、したがって、ソ連のほうからまた再びそういうことを持ち出すということは、それこそソ連の体面にもかかわるでしょう。したがって、そういう点についてわが国のほうからも何とか配慮のある口のきき方をしなければ、ソ連との間にその問題が復活するということはあり得ないと思います。ですから、私は、政府の態度はどうなのかということをお伺いしているのであります。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私就任いたしましてから、特にその辺の問題にこだわって貿易交渉をしたとは聞いておらないのであります。この間の交渉が、相互に自由に連絡をして交渉をした、こう思っております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 では、ソ連からの石油輸入も、あとう限り輸入する方向に持っていきたいというように考える、ばく然とでけっこうでございますが、そう考えてよろしゅうございますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 年度を比較いたしましてふえておること、話ができまして増加しておるということは事実でございまして、それは好ましいことだと思います。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 その点は好ましいというのでございますから、そのとおりに御努力を願いませんと、何しろ昭和四十三年には何と二十五億ドルに及ぶ輸入でございますので、いまから十分御配慮を願いたいと思います。  次に、昨年ジュネーヴで行なわれました国連貿易開発会議、これが三年ごとに開かれます。そして、すでに低開発国の要望によりましてガットの修正というところにまで及んでおります。この問題は、特恵の問題、あるいは第一次産品の輸入の問題、非常に重大な問題が含まれており、日本の中小企業に及ぼす影響も重大であります。この中小企業に及ぼす影響につきましては、またあとで後ほどお伺いいたしたいと思いますが、本日はまず最初に、第一次産品、ことに農産物について及ぼす影響をお伺いしたいのであります。それは、何と何が日本の農業に非常に大きな影響を及ぼすか、品目をおっしゃていただきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 国連貿易開発会議におきましては、具体的に一次産品の買い付けなどについての品目などの話はまだ出ていない、こういうふうに聞いております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 話が出ていなければわからないというのでは困るのでありまして、南方にどういうものができるかくらいわかっておるのであります。御承知なければあえて聞かなくても、私のほうが知っておりますからけっこうです。ただ、この農産物につきましては、EEC内におきましても非常に問題がありまして、やっとこの間解決したばかりであり、アメリカとEECとの関係、自由化の問題につきましても、ケネディ・ラウンドの問題につきましても、非常に問題があった問題でありますから、そう簡単にいかないということは自明の理であります。ただ、それに対処する日本の国内の体制というものがなかったらたいへんであります。そこで、その国内における農業の混乱を起こさないようにしなければならない。何しろ、三年先は何とか逃げられても、六年先は逃げられぬという事態がないとも限らぬ。したがって、国内体制についてどう考えておるか、通産大臣には無理でございますので、農林省の方にお伺いしておきたい。――農林省はおられないようですから、その問題はあらためてお伺いいたします。  では、中小企業のこまかいいろいろな影響の問題につきまして、これは先日商工委員会におきまして私こまかにお伺いいたしておりますので、きょうはちょっと方面を変えましてお伺いいたします。  流通の問題でございますが、とかく流通の問題が従来忘れ去られておった。しかし、物価の騰貴によりまして、最近におきましてはこの問題が国民生活に及ぼす影響が甚大でございますので、その点についての世論というものも高まってまいりました。しかるに、政府としての施策は非常に乏しいのであります。そこで、日常生活の中に占める生鮮食料品の地位はきわめて大きい。しかもこの部分の流通が最も立ちおくれているのであります。日本の食生活の改善並びに流通経費の節約ということで、昨年佐藤さんが科学技術庁長官でありましたときに閣議で発表し、たしか本年一月二十九日だと思うのですが、科学技術庁より関係各省に勧告があったと思うのです。それは、LPガス利用による冷蔵貯蔵、あるいは輸送、こういう問題でございますが、こういう事実があったかどうか。そして、その研究に基づくと、これは日本の流通に対して甚大なる影響を持ち、さらにまた、それはひいては当然のこと生産に影響を持つ。のみならず、国民の食生活、衛生上の問題、これにまことに画期的ともいうべき影響力を持つと私は思うのでありますが、これに対する見解を科学技術庁のほうより簡単にひとつ御説明をお願いしたい。

橘恭一科学技術庁資源局長

○橘政府委員 御質問の点に関しましては、三十九年三月十七日に「食品低温輸送方式へのLPガス冷蔵車の実用化に関する報告」という資源調査会の報告が科学技術庁長官に出されております。それから、もう一件は、一月の二十六日でございましたか、「食生活の体系的改善に資する食糧流通体系の近代化に関する勧告」、この勧告は科学技術庁長官に対し資源調査会会長から出たものであります。これを受けまして、科学技術庁長官が、一応勧告の趣旨を了とし、関係各省に対して通知をいたしました。勧告を横に流したわけであります。勧告自体は科学技術庁にしております。現在のところは、科学技術庁としては、経済官庁と緊密な連絡をとりまして、関係の各省、農林、厚生、通産、運輸等々とすでに第一回の会合を持ち、なお、その構想は、勧告の内容は生鮮食料品を低温で流通させるという一つの技術的な着想から出たものでございまして、低温流通を中心に流通機構の近代化、ひいては食生活の改善、また生鮮食料品の安定需給に資するものと思っておりますが、そういうことに対する一定の方策の推進をはかるべく、目下各省と連絡中でございます。一応各省はそれぞれ、たとえば農林では部内にそのための農林部内の連絡会が持たれ、関係各省とも一応この線で前向きに進んでおられるような状態でございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 科学技術庁の調査によりますと、たとえば生鮮食料品でも、その輸送がたしか四割くらい節約されるように読んでおります。それからまた、肉、魚だけでも五百六十万トン程度の輸送が節約されるというようなぐあいにも出ていたように考えます。要するに、国民空活の衛生上はもちろん、輸送費の中におきまする節約というものは実に甚大なものがございます。そのように考えてよろしゅうございますか。

橘恭一科学技術庁資源局長

○橘政府委員 そのように聞いております。数字につきましては、低温で輸送すべきものは、全食品の、重さで約六割弱になっております。輸送につきましては、低温そのものによる腐敗、減耗の防止ということもございますが、主として陸送による輸送の節約ということが大きなファクターになっております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 すでに、LPガス利用による自動車は、科学技術庁の指導のもとに数台できて動いております。こうなりますと、これから、単に自動車の問題だけではなしに、コンテナによる輸送、あるいは船による輸送というような問題が出てまいります。そういう大きな変革が輸送面に出るばかりでなくて、生産地並びに消費地に冷蔵施設がございませんと、やはり困難になる。そういう意味におきまして、各地に冷蔵施設を設置する、このようなことを考えなければならないのですが、通産省並びに農林省としてどういうぐあいにお考えでございますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 通産省としては、消費者の立場を考えて、日本消費者協会などに補助したりするような施策を講じておりますが、直接冷蔵施設云々、こうなりますと農林省のほうでございますので、そのほうからお答えをいただくのが至当と存じます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 農林省が参ったようですから、もう一度あらためてお伺いいたします。  低開発国から第一次産品、ことに農産物が日本に入ってまいったときに、日本農業に大きな影響を及ぼすだろうと思われるもの、それは何と何でございますか。また、それに対してどのような施策を現在考えておるか。

森本修農林経済局参事官

○森本説明員 ちょっと私途中から参りましたものですから、いままでの御質問の趣旨がよくわからないのでございますが、御承知のように、後進国の貿易の開発の問題が特に大きく取り上げられましたのは、昨年の五月前後の貿易開発会議でございます。そこで、後進国の関心品目について、あるいは先進国において貿易障害、つまり関税なり輸入制限を緩和しようというふうな要求といいますか勧告がございます。それからまた、もう一つのやり方としましては、後進国産品の価格が非常に不安定である、特に一九五〇年代においては非常に工業製品に比べて価格の下落が著しい、国際的にそういう価格を安定さすというふうな措置をとらなければならないということでございまして、当時ずいぶん議論はされましたけれど、まだ、特定のどういう産品についてどういう措置をとれというところまでは、抽象的な勧告でございましたから、はっきりした範囲の規制というものがなかったように思っております。そういう関係から、何と言いますか、その会議で特にどの産品をどうこうしろというふうな要求ではなかったというふうに承知をいたしております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 私、昨年商工委員会におきまして、約二回にわたりまして、時の経済企画庁長官と通産大臣に御質問をし、国連貿易開発会議の問題は実に重大であるということで、私は繰り返しこまかに御質問いたしたのです。しかも、私の質問する日に関係閣僚懇談会まで開いて態度をきめて、私の質問にお答え願っておるのであります。そして、この問題は非常に重大であるから、今後の日本の政治の上でわれわれはいまから対処してかからなければならない、そのような心がまえを持たなければならないということを申し上げましたところ、経済企画庁長官が代表いたしまして、まさにその通りである、このようにお答えくださったのであります。しかるに、ただいまお伺いしてみますると、いまだにその問題についてたいした関心もなく、あるいはまた、それに対してどのような処置をするという積極的な施策もお持ちでないようでありますが、事実そうなんでございますか。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 国連貿易開発会議のおもな議題は、一次産品の問題と、特恵の問題と、それから補完融資といいますか、融資の問題でございまして、それぞれにつきまして特別な査問会とか委員会をつくりまして、具体的な話を進めることになっております。問題は、おそらくこれから具体的な話が展開されてまいると思います。この事柄自体は、先生御指摘のように、非常に重大な問題でございますので、政府においても、そうした国際的な動きをよく見ながら十分に対策を考えていく必要がある、このように考えております。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 たとえばタピオカの輸入がありますと、でん粉はたいへんなことになります。日本のイモ作農民は、日本の畑作の三番目の作物でありますが、これはたいへんな打撃を受けます。それに対処する方策を持っていらっしゃらない。そして、ことしのイモ作、イモの値段あるいはでん粉価格などを見ますと、政府で支持価格を十貫目当たり三百円、二三・五%のもの、こうきめた。現実には十貫目のものが百八十円。農家はでん粉屋さんに、ただで持っていってくれ、掘って持っていってくれ、こう言っても、でん粉屋さんももらわないという現状であります。これはイモだけではありません。イモがそうならば、今度は落花生が転落する。落花生にいたしましてもまた同様になる。あるいはコンニャク、お茶等々、いろいろな影響が出てくるでありましょう。そういう問題に対して、本年度もただ単にあのざる法と言われる農安法そのものによって、抜本的な改正をして本格的に取り組むという姿勢をいまだ示していらっしゃらない。砂糖は現実にどんどん値下がりしている。このような状態に対して、何か農林省は非常に甘い考えで問題に取り組んでいるようでございますが、いまだに、ほんとうに農林省の中では真剣に取り組んでいないのでございますか。

森本修農林経済局参事官

○森本説明員 先ほど通産省の通商局長からも、あるいは私からもお話し申し上げましたことで、国連貿易開発会議の動きと、あるいはその他の国際的な動向を見ましても、確かに先生のいま御指摘になりましたようなことで、国際的な要請が非常に強まっておるということは、おっしゃられたとおりでございます。したがいまして、われわれとしても、別段その動きを軽視しておるわけでもございません。きわめて日本の農業にとっても重要な関連のある動きである、また、一つ間違えれば相当重大な影響のある問題であるということを十分承知いたしております。したがいまして、われわれとしても、そういう動きに対して、どの程度国際的な要望を入れればいいか、また、それに対して、国内的な取り扱いといいますか、措置をどの程度真剣に考えなければいかぬか、現在検討し、また将来真剣に取り組んでいきたいというふうに思っておるところでございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 本日の農林大臣からの御説明でも、あるいは通産大臣からの予算の提案理由の説明につきましても、それは全然見当たらないのであります。ですから私御質問しておる。それに対処する姿勢を持っていらっしゃらずに今年度の予算を編成なさった。そこで、これ以上御質問申し上げてもどうにもなりませんから、私、先ほどLPガスの問題について御質問しましたから、実はこれも一つからんでおりますので、続いて御質問いたします。  たとえば、先ほど通産大臣にお伺いしたのでありますが、LPガス輸送によりまして、畜産物におきますと、頭であるとか、しっぽであるとか、あるいは骨であるとか、臓物であるとか、こういうようなものをもはや輸送せぬでもいいような状態になる。科学技術庁から勧告が出ておるはずであります。御承知のとおりに、人間は酸素を吸入して温度を下げますと冬眠状態になる。それと同様に、ほかの動物の場合はそうですが、蔬菜や果実の場合ですと、窒素を供給して同様の処置を講じますと、腐らずに輸送できる。現在蔬菜なんかの場合には三割以上が途中で腐ってしまう。こういうのが気温に関係なく腐らずに輸送ができるということになりますと、これはたいへんであります。たとえば、現在国内におきましても、北海道、東北方面にそれを利用してもよろしい。すでに自動車は完成しておる。そうして科学技術庁ではすでにそれを推奨しておる。だが、それを国内だけに考え、国内だけにとどまらす、たとえばシベリアをとってみますと、シベリアでは、御承知のとおりツンドラ地帯であります。したがって、蔬菜、果実の生産は非常に限られておる。しかも、ソ連におきましては五ヵ年計画で開発しておる。人口も増大する、生活水準も上がる、今日までビタミン補給源で困っておるということは当然のことであります。したがって、シベリア開発と結びついた日本の蔬菜生産、これを輸出をしていくというような方法は考えられないものだろうか。これは単にシベリアばかりではございません、南方にだって、温帯性蔬菜あるいは果実はございません。あるいはイギリスに行ったって、まずいくだものばかりであります。したがって、世界的なマーケットがあると思う。こういうものにつきまして、もしほんとうにそれを利用する、科学技術庁からの勧告どおりにやるとするならば、これは非常な大きな問題が発生するし、作物については日本農業のそれこそ構造的な変革が発生するかもしれぬ。こういう作物について、従来イモならばタピオカにかなわぬ。しかし、日本はモンスーン地帯であり、南北に長く、蔬菜、果実には非常に適地であるということになると、生産様式が変わってこざるを得ないと思うのですが、この点についての見解はいかがですか。

森本修農林経済局参事官

○森本説明員 御指摘のように、技術なりあるいはひいては流通機構上非常に大きな問題でございますので、科学技術庁の勧告の内容を十分検討して将来の対策を研究するということで、実は、農林省の中に関係の人を集めまして、それに対する省内の連絡の協議会を設けまして、十分この問題について検討していきたいという段階であります。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 これも本年度予算には何も載っていない。そして、これをやろうとするならば、貯蔵から輸送、一貫してこれは重大な問題になるのでありますけれども、これも本年度予算には全然載っていない。私は続けて質問申し上げたいのでありますけれども、もはや時間だと言われましたのでやめますが、とにかく、私の質問に対しましてほとんど御回答がなかった。まともな御回答がなく、しかも、私の言うことが間違っているということを政府の皆さま方からはっきり御指摘くださることもなかった。重大であるから検討する、検討すると言うだけであります。非常に残念であります。私は、こういう問題につきまして、いわゆる日本の行く手における貿易構造の大転換をせざるを得ないにかかわらず、また、低開発国との関係において、せっかく佐藤首相が東南アジア外交を進めるとかなんとかいろいろなことをおっしゃっているけれども、実際は何もやらず、そしてそれに対する国内体制づくりもやっておらず、ただ単に日韓交渉だけ一生懸命になっておる、こういうところに根本的な誤りがあると思います。したがって、この点を指摘して、私の質問を終わらせていただきます。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 二点ほどお答えをしておきます。  このLPGの冷凍輸送の問題については、これは、科学技術庁の主宰で食生活改善のための流通方策の推進のための会合がございまして、本年一月二十八日に実施されて、通産省は企業局が参加しておるということでございます。  それから、一次産品の問題につきまして、国連貿易開発会議の関係では、先ほど局長が申したような特恵や補完融資や一次産品の具体的な話し合いが進むこれからの段階でございまして、これに通産省としても参加をして協議をするという立場でございますが、ただ、私として一言申し上げますと、トウモロコシやコーヒー豆とかココアの豆、こういうものは国産品と競合しないのでありますから、これはまず問題がないのじゃないか。それから、先ほど来でん粉の問題がございましたが、米とかでん粉類とか雑豆とか落花生、これは現に輸入制限をしておりますので、これは引き続いて継続していきたい、そういう心がまえで、同時に国連貿易開発会議の具体的な協議に加わっていこう、こういう立場でございます。

桜井茂尚日本社会党

○桜井分科員 私が終わると言ったらまたそういう答弁をなさったものですから、私申し上げるのですが、それはその方針でずっと続けていけるのかどうか。EECの中においても問題があり、日本においても私はある程度保護政策をとらなければならぬということは十分わかるし、そして、そのためには、たとえば砂糖などの場合には専売制まで実施していかなければならぬのじゃなかろうか、あるいはでん粉価格の問題にしましても農安法の改正をやらなければならぬのじゃなかろうかということも考え、しかし、低開発地域の要望に沿って、できることならばわれわれはある程度やって、漸進的にも解決しなければならない。その漸進的に前向きにわれわれが要望に沿い得るものは何だろうかということの検討を一つもなさっていない。それからまた、科学技術庁の問題にいたしましても、現総理である佐藤さんが昨年閣議で発表した問題であります。それが今年度の予算の中に一つも反映してない。ただいま検討中でございます、こういうことなんです。ですから私申し上げたのです。  以上で終わります。

古川丈吉自由民主党

○古川主査 これにて桜井茂尚君の質疑は終了いたしました。  午後は一時十五分から再開し、引き続き通商産業省所管について質疑を続行することにいたします。  暫時休憩いたします。    午後零時十五分休憩      ――――◇―――――    午後一時二十五分開議

古川丈吉自由民主党

○古川主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十年度一般会計予算及び特別会計予算中、通商産業省所管について質疑を続行いたします。  永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 大臣にお尋ねいたしますが、日韓の間に仮調印が行なわれ、漁業の問題、貿易の問題等は今後それぞれ話し合いで進めていくというふうに伝えられているわけですが、貿易の関係については、どのような手順で、どのような方向でお進めになるお考えであるか、承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 今回の取りきめに伴いまして、いつ貿易会議をやるか、また貿易会議では何を議題として取り上げるかというような具体的な内容等につきましては、話し合いはしておらないようでございます。ただ原則的な貿易会議をしよう、こういうことであったと聞いておるのでございます。御承知のように、韓国との間におきましては著しい片貿易になっておりまして、通産省としてもこれが改善のためには努力をしてまいりました。しかし、先方の希望しておるのは農水産物の買い付けでございまして、これが国内に対する影響はあるのでございまして、そういう片貿易の是正ということだけで今後の日韓間の貿易会議を推し進めるというのはどうか。私どもとしては、できればもう一つ大きな視野に立った、先方の輸出産業に助力をするというような、そういう方向でこの問題と取り組んでいきたいと思うのでありますが、さような具体的な事項については、今回は別段の話はなかったようであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 今回の話し合いでどのように運ばれたかは別といたしまして、両面の間の調印をまとめますためには、漁業の問題から貿易の問題、一切を事前に一括してまとめて、まとまったところで調印をするという最初からの計画でありますから、それらの問題については、当然、日韓会談を進める一環として、内容的には、こちらのかまえも、それから向こうとの話しに応ずる諸整備もできていなければならぬと思うのです。   〔主査退席、仮谷主査代理着席〕  それらについて、今回の会談の問題は別といたしまして、これに取り組んでいく政府の努勢として、これは明確に伺っておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 ただいま私が申し上げたように、日韓間の貿易が非常に片寄っておる、これを是正をしたいということについては、通産省の責任者としては当然とるべき立場であろうと思うのであります。今回の会談に臨むにあたって、通産省は一体日韓貿易についてはどういう考えをするのだ、そういうような打ち合わせをして、その結果今度の貿易会議という取りきめになったのではないのであります。原則的なものを取りきめてきた、かように承知をしておるわけでございますが、当時通産省からは担当官が一人随行しておりますから、あるいは詳しくお答えさせてよろしいかと思います。

赤沢璋一通商産業事務官(通商局経済協力部長)

○赤沢説明員 私、今度大臣の御命令によりまして椎名外務大臣の随員として向こうに参ったのであります。ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、貿易会談の内容を事前に両国間で相談をいたしまして向こうへ行ったというのでございませんで、向こうへ参りまして、全体の基本問題の話い合いをしながら、両当局で貿易会談をやろうということの合意を見たということでございまして、内容について何をやるかというような問題はまだ最終的に煮詰まっておりません。共同声明で発表いたしましたように、一つには、向こうからの輸入の増加問題、これについて向こう側は強い希望を持っているということ。それから、向こう側から話が出ましたが、ただ日本と韓国の不均衡の是正という問題だけではなくて、もっと広い視野から、さらに長期的な視野から、韓国の輸出能力と申しますか、そういったものを今後広げていく、増大していくということについて日韓間でどういう協力ができるかという問題等も含めて今後相談をしていこうという点が共通声明に盛られましたが、そういうことで合意してまいったのであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 いま韓国には、一九六一年の五月からわがほうの商社が向こうに常駐しているわけですが、大体六十社くらい常駐している。それが、日本の一流の商社あるいは銀行、そういう関係もみんな常駐しているわけです。それで、今後のいろんな活動に備えて手ぐすね引いているわけですが、これらの六十社からの商社が向こうに乗り込んでいろいろいままでもやってきているし、今後に期待しているわけでありますが、そういう関係について、通産省としては、向こうの貿易のやり方、それからこれらの商社の活動等について全然無関係で動いているわけではないのでありますが、現状において何が問題なのか。そして、これらの六十社はどのようにしておるのか、伺いたいと思います。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 仰せのように、現在日本の商社の社員が連絡員というような資格におきまして相当数行っております。いままでのところでは、まだ正式に先方におきまして営業活動をすることを認められておりませんので、いずれも連絡業務ということを中心にして活動をいたしておるわけでございます。これらの現地での商社の連絡員の活動につきましては、特に通産省として直接いろいろな指導なり何なりはいたしておりません。御存じのように、最近現地で課税問題が起きておりますので、これは政府としても放置できませんので、正式に、先方に対しまして、その解決をするように申し入れをいたしております。そのほかのことにつきましては、特に政府として直接には関知はいたしておりません。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 本年の二月九日、日立造船の冷蔵船十隻の契約が決定した。この契約は現金決済である、こう一般にいわれているのですが、これはどんな状況なのでありますか、はっきりさしていただきたい。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 現金決済でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 幾らですか。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 約百四十四万ドルでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 日韓貿易における問題点は、向こうは幾らでもほしいものは買う。しかし、支払い能力はどうかということが問題になっている。いままでいろいろ取引されたのでも現金決済というのはそうないようなんです。日立造船が現金決済だ、こういうのですが、いま日韓貿易の中で焦げつきになっているのはどのくらいあるのか、その数字を明確にしていただきたい。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 従来日韓両国間の貿易は原則としてオープン・アカウントでやってまいりましたが、一九六一年に両国間で話し合いをいたしまして、当時のオープン・アカウント勘定の貸し越し残高が四千五百七十二万ドル余りでございますが、これを確認いたしまして、その後の貿易の取引につきましては、オープン・アカウントが今後さらに焦げつきになるといいますか、貸し越しがふえますことを防止するために、一定のワクを設けまして、二百万ドルだったと思いますが、それをこしましたものにつきましては現金決済をするという話をしております。したがいまして、その後今日に至るまで、その申し合わせに基づきまして、ごく一部のものはオープン・アカウントでありますが、相当部分のものはいわゆるドル決済によってまかなっておるというような状態であります。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 日韓の関係でいろいろうわさされておる問題があります。これはうわさでありますから必ずしも正確ではないが、また全然火のないところに煙は立たないわけであります。政府がいま日韓会談の成立、調印を非常に急がれておる。昨年の十二月に緊急援助二千万ドルをきめた。これなんかも、その使い方についてはいろいろ問題があるようにいわれておるわけです。さらに、大平・金会談におけるこの三億ドル無償、二億ドル有償、一億ドル民間ベース、これらの数字の根拠はどこにあるのか、これを通産大臣に伺いたい。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 ただいまお話がございましたその三億、二億及び一億につきましては、そういう話が出たということを私ども間接に承知しておる程度でございまして、特にそれらの数字の根拠について申し上げるほどの知識を持っておりません。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 通産関係にそういうことを聞いても無理だと思いますが、これらの金は、日韓の間で取引した経済が韓国政府から出ない、そこで、これらの予算をこちらできめて、そうして日本の金で決済していく、それが焦げつきになりあるいは支払いが延びておるので非常にそれを急いでおる、韓国駐在の六十社の商社も、これらの調印が早くまとまって、これらの金が早く日本から出て、その金の裏づけで取引が円滑に進むようにこれを期待しておるのだ、向こうの政府の支払いを期待しておるのではないのだ、こういうことで日本の政治家も動いておれば財界も動いておる、これがもう少し先にいけば非常なスキャンダルがここから出てくるのじゃないか、もっぱらこういうふうにうわさされておるわけであります。いま仮調印がまとまって、そうしてこの貿易の問題をこれから進めるにあたって、大臣は、いまのところ何もないのだ、これから折衛していくのだと言うけれども、もうすでに二千万ドルなんかについても韓国の中ではいろいろ問題はあるんですが、二千万ドルというのは、この民間ベース一億ドルの内ワクなのか外ワクなのか。これも聞くのは無理なんでしょうかな。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 先般の緊急信用供与二千万ドルは、いわゆる一億ドルの経済協力のワク外でございます。全然別でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 この金でいろいろいままで取引の決済が行なわれたというような事実はございませんか。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 今回の二千万ドル分は、主として繊維とか原材料が中心でございまして、これから早急に向こうが必要とするものをこの方式によって供与するということでございますので、過去のもののしりぬぐいというものではございません。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 まあ、この金を早く取りきめて、三億ドル、二億ドル、一億ドル、これを早く出す、動くようにするということは、向こうで議会なんぞで問題になっているのは、日本から見ればこれはいま取引しているやつの先渡しだ、それは韓国から見れば先食いだ、こういうことが問題になっているようですが、そういう関係は全然ないのかどうか。これは大臣から明確にしていただきたい。この金でしりぬぐいなんか全然するんじゃないんだ、これからの新しい取引についてのいろいろな問題なんだというふうに言明できるかどうか、この際大臣からはっきりさせていただきたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 これは、これから対象品目や具体的手続の細目について話し合うのでございまして、これから将来への問題である、私はさように解釈をいたしております。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 これは速記に残り、将来いろいろ関係するんですから、これはそれならそれのように明確にしておいていただきたいと思います。  それから、政府なんかのなにでは、輸出の関係では、塩化ビニールの樹脂、セメントのプラント輸出が予定されておる、あるいはアクリル繊維、鉄鋼圧延工場、これらのブラントが予定されておる、こういうのでありますが、聞くところによると、韓国にはセメント工場は五つあって、設備過剰になっている、操短しておるんだ、二つくらいの工場がほんとうに動いて、あとは操短している、このように過剰になっているところに、さらにこっちからセメント工場のプラントを輸出するというような条件があるのかどうか、そういう関係はどういうふうに見ておられるのか、局長に伺いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 先ほどお答えしたのが、ちょっと不十分な点がございます。それは、民間ベースによる信用供与につきまして、日韓国交正常化以前・以後を通じてこれをやる、こういうことで、民間協力の一億ドルにつきましては、現に私の記憶では二件くらいプラントの取りきめがあったかと思います。これはちょっと先ほどのお答えが十分でなかったので、補足いたします。

山本重信通商局長

○山本(重)政府委員 いまのお話の、塩化ビニール樹脂のプラントと、セメント工場の二件につきましては、いわゆる一億ドルの民間ベースの経済協力の一環として、これは日韓両国の基本協定ができる前から実施しようということで、すでにこの二件につきましては認可をいたしております。いまお尋ねのセメント工場につきましては、先方の計画がいろいろございますので、どれを優先させるか、また、そのプラントの生産能力の過不足の問題はどうなっておるかということにつきましては、日本側だけでいろいろ調査することも事実上不可能でございますので、本件につきましては、先方の意向を確かめまして、向こうの代表部から口上書をもって、この二件については緊急を要するので、ぜひ経済協力をしてくれ、こういう依頼がまいりました。それに基づいて処理をいたした次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 出し入れのバランスをとるということになると、向こうから輸入するものは農産物あるいは海産物、中には無煙炭程度のものはありましょうけれども、そういうものになってきて、国内生産と競合する面が非常に多くなると思うであります。また、日本経済の実情からいたしまして、ノリは別といたしましても、ブリであるとか、スルメであるとか、メンタイであるとか、こんなものをどんどん輸入するなどということは、国の経済から言ってもどうかと思うのですが、こうした輸入の面で、ただ韓国の危殆に瀕している経済を援助する、日本の犠牲でこれをなにするというような結果になっては因ると思うのですが、その点、これから交渉が始まるわけですが、前からそれらの問題が日程にのぼっているので、これらについて、先ほど大臣からもちょっとお話がありましたけれども、その辺のけじめはきちっとしていなければいけないと思うのです。午前中に桜井君から貿易構造についての話もあったわけですが、大体の構想を承っておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 今回の取りきめで、貿易会談のほかに農相会談がございまして、いま御指摘のような品目は国内産業に影響もございますから、そこで腹臓なく意見が交換されるものと思います。また、通産省の立場からいたしましても、十分農林省と協議をいたしまして、慎重に取り計らっていきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 日韓貿易の問題についてはまだいろいろございますけれども、時間がありませんから、ただ、有償、無償、民間ベース、こう言いましても、日本の商社が六十社から向こうに行って待機しているという点等も考えましても、これからは、不安定な韓国の政府を信頼して取引しようということよりも、これらの成立に基づいて日本の財政経済の裏づけで安定した取引をしよう、こういうのがねらいである。そして、そこらには日本の政治家等が介在していろいろ問題を起こしかかっているというのが実情であり、この疲弊した韓国の民族と地域を舞台に、アメリカの口添えで、そして日本の国民の税金を支出して、そこにまた二重、三重の黒い頭のネズミが蠢動するというようなことでは、これは天下の笑いものになりましょうし、また醜悪の限りであると思うのです。これらの運営その他のこれからのいろいろな問題については、十分に戒心してやっていただきたいことを強く申し上げておきます。  次に、中国との日中貿易の問題ですが、これは右往左往している。政経分離だというが、政経分離なら政経分離で、はっきりとその線が出ればいいのですが、台湾のほうから文句が出ると、よろよろとしてしまう。そして、実際には日本が政経分離ではなくて政経一体の原則で一方的な台湾の言い分でやるというようなところが、これからの日中貿易の大きな障壁になっておるわけであります。中国のこれからの貿易の展望というのは、各国のいろんな動きから見てもたいへんなものであろうと思うし、アジアにおいて中国を無視しては、経済的にも政治的にも軍事的にも成り立たないわけであります。時間がありませんからこまごま申し上げませんが、西欧各国の中国との間におけるプラント類輸出のいろんな商談の状況から見れば、ここで日本が指をくわえて看過しておりますと、将来悔いを千載に残すことになると思うのであります。倉敷の場合には輸出入銀行の融資を承認し、ニチボーの場合にはこれを認めない、こういうように一貫してないのでありますが、その関係は台湾から文句を言われたためである、こういうふうに理解していいのかどうか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 予算委員会あるいは商工委員会で繰り返し申し上げておりますが、ニチボーのプラントあるいは日立の造船の関係につきましては、今年になりまして、ニチボーのほうは四月までに承認をしなければ無効になる、日立のほうは二月十五日、これがその後三月一ぱいということになったのでありますが、それまでに承認を与える必要があるということで、御存じのように、標準外の決済をいたします場合にはすべて輸出承認を得る、こういうことになっておりまして、したがって、一月になりましてから順次ニチボー、日立のものについて承認を与えることにいたしたわけでございます。通産省といたしましては、与える上において、その条件としてどういう資金繰りをしなければならぬということはないのであります。また、この承認後におきまして、それぞれの経営責任者が民間の立場において御判断をいただく、企業努力もしていただくということによってものごとが進んでいく、かように私は見ておるわけでございます。具体的に申し上げると、承認があり、また契約をいよいよ実行するということになりますれば、そこに頭金も入ってくるというようなことで資金繰りがついていく、かように見ておるわけでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 ああ言えばこう言う、こう言えばああ言うというふうに、その場のがれの言辞を弄するだけで、ほんとうに中国との間の貿易を土台にのせて腹を据えてやっていくという姿勢、かまえがない。また、口先だけで商業ベースに乗るのだというようなことをどう言ったって、延べ払いの問題とか長期にわたるプラントの輸出の問題等は、現在は商業ベースだけでは可能でないわけでありますから、それらの問題についてはいまさら議論をする余地がないと思います。そういうことを言っている間にこっちはすっかり浮き上がってしまって、アジアの地域はヨーロッパ勢あるいはそのほかの地域から席巻されてしまって、日本が何とかしなければならぬと気づいたときはもう手おくれであるというような事態が出ることは明白であります。これらの問題については、もっと政経分離なら分離のように明確な商業ベース、経済ぺースの線で行けるような体制を確立してもらいたい。中国の関係、ソ連の関係等、いろいろお尋ねしたいと思いますが、時間がありませんから警告だけをいたしておきます。  次に、電力料金の問題をお尋ねいたします。  大臣のお兄さんが社長をしておる中国電力では、料金の値下げをしたい、こういう要望に対して、あたりで寄ってたかって、値下げをしてはいけないということで、物価問題がこれだけやかましくなっているときに、値下げしてはならないというので押えているというようなことを伺うのですが、その実情をひとつ伺いたい。兄弟の間でありますから、よくおわかりでありましょうから、明確に承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 中国電力の経営内容が他の電力会社に比較いたしまして相当改善されておる事実は聞いております。しかし、この料金問題につきましては、各会社から料金の改定の申請があった場合に通産省がこれをよく検討して認可をする、こういう手順でございまして、おっしゃるようなうわさを私も聞いておりますが、中国電力自体としても、今後の電力の消費増にこたえる相当な建設もしなければならぬことでもありましょうし、また、最近石炭調査団の答申もございまして、炭価問題もまだ明白になっておらぬおりからでございますので、現在会社自体が種々検討しておるというのがほんとうではないかと思うのであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 時間がありませんから端的に伺いますが、電気事業法が先般国会にかかりましたとき、公聴会で木川田東電社長に私はお尋ねしたわけであります。火力電力料金を決定したのは昭和二十九年です。それから見ますと、今日は技術が相当進みましたし、石炭なり重油なりの単価もずいぶん引き下げられた。熱効率が高くなって、大体四〇%以上のコストダウンができておる。無理をするのでなくて、当然そういう条件が整備されてきている。でありますから、火力発電の多いところは、関西電力なんか料金を改定しない。そして、きょうの日経にもありますが、これで見ましても、関西電力は、前期が四十九億七千二百万円の利益に対して、三月期は六十億というふうに非常な増益をあげている。そういうふうに、火力発電のところはうんとよくなっている。四割以上コストダウンできている。そうして需要増がある。でありますから、火力発電のところは、もうかってしょうがない。ところが水力発電のところは、御承知のように、その後改定されましたけれども、非常に安い単価になっておりますから、これは経営が苦しい。こういうことになっておるのだろうと思います。でありますから、北陸のような地帯は経営が苦しい。火力発電の多い関西なり中国なり、あるいは東電なんかも、電力料金の改定が行なわれたのでありますから、最近はもうかって左うちわだ。でありますから、コストの上に計算されていない定額法の償却を定率法の償却に切りかえて、それでもなお余裕しゃくしゃくだ。こういうふうに、電力料金がいまの時価から比べますと非常に高い状態に維持されておる。こういうので、この北陸、中部の会社は経営が苦しくなり、火力発電の多い地区はどんどんよくなっていく、こういう会社の間の格差が生まれてきているわけであります。政府は、九つの電力会社でやることが一番いい方法なんだ、そして、そこで不備な点については広域運営で十分やっていくのだ、こういうふうに言っておるのでありますが、それならば、料金の関係のこういう格差については、先年ありました水火調整のように、もうかっている火力発電から苦しい水力発電のほうに調整したらどうか。まず広域運営の面で調整をする考えがあるのかどうか。そういう調整なんか、問題でない。もう一つ、地域的な独占の濃いもの、国際競争のない電力、こういうものは内部的に行政的にどんどん合理化の追求をやらなければできないものであります。じっとしていたほうがもうかるのですから、国際的な競争がないわけですから、そういうものは行政当局がもっとこれを追求していかなければならぬ。そういう追求の面において、どういう方向で合理化を追求しているのか、これが、第二点。それから、石炭の価格の値上げの問題が、いまいろいろ問題になっているのですが、こういうようにほかのものが開放経済の中でどんどん合理化なり近代化を追求していると章に、電力の関係だけはさっぱり追求されておらないということは不合理ではないか。そういう面から、われわれが客観的に見ますと、石炭のトン二百円や三百円の値上がりなんかは、十分いまの経営の中で吸収していける。われわれしろうと計算から見ましても、十分これは吸収していける。そうやかましい問題ではない、こういうふうに思うのであります。電力料金と石炭の値上げの問題、こういうものをからめまして、どういうふうに考えておるのか。これを通産大臣及び公益事業局長、石炭局長等から、それぞれの担当の領域において御答弁をいただきたいと思います。

宮本惇公益事業局長

○宮本政府委員 御質問が三点あるかと思います。  最初の、火力料金が二十九年以来非常に合理化されて、火力地帯は非常に楽である、それから水力地帯は苦しいという点につきましては、先生の御指摘のとおりであり、また先生が昨年の電気事業法を御審議願いました聴聞会のときにもそういう御質問をされておることは、よく承知しております。ただ、御承知のように、確かに火力料金は非常に下がってまいりましたけれども、水力と違いまして、やはりそこに燃料費というものが要るということと、御承知のように電気料金の総括原価の問題は、ただに火力料金が下がったからというだけでは、なかなか全体としてすぐ下げるというところに直接結びつかないというのが現状でございます。御承知のように、たとえば火力料金は非常に下がっておりますが、逆に水力料金は上がっておる。あるいは、たとえばいろいろな補償費、人件費その他上がっておりまして、結局全体としてもうかっているかどうかという点が問題でございます。この点につきましては、いま永井先生御指摘のように、たとえば関西電力は前期並びに当期、非常な利益を計上している。これは全くごもっともでございます。したがいまして、われわれ自体といたしましても、公益事業というのは、律律のたてまえから申し上げますと、損をさせてはいけないが、同時に、もうけ過ぎてはいけないというのは、理屈として全くそのとおりでございます。ただ、御承知のように、電気料金は一種の――一種と申しますか、一つの公共料金でございまして、たとえばいまいいから下げて、次に悪くなって上げるということがなかなか実際問題としてできないのと、やはり公共料金というものは、長期に安定をるすということが一つの問題でございます。御指摘の関西電力の場合は、なるほど現在非常にいいわけでございますが、御承知のように関西電力の場合は、いままでは再評価不足の非常な老朽設備を、無理してと申しますか、ある程度今日まで動かしてまいりましたけれども、これからそういう老朽設備を新しくかえていくという場合に、現在はいいのですが、長期で見ますとダウンカーブにあるわけでございます。したがいまして、もちろん値下げすべきときは、会社が十分検討いたしまして値下げをしたら、われわれとしては十分これに応ずるわけでございますが、その辺を長期にいま検討中でございます。  それから、先ほどの、そういうふうに料金の格差があるということが一社化にすべきではないかという御議論につきましては、昨年の商工委員会でたびたびにわたりいろんな議論が出たわけでございますが、現在電気事業法で九分割体制というものが認められました以上、一社という問題はちょっと現在はわれわれといたしましては考えておりません。ただ昨年、広域運営でできるだけ格差を縮めるとは申し上げませんが、格差の進行をとめるというような御答弁を申し上げておりますが、たとえば今度の中部電力の場合も、広域運営の要素は非常に加味いたしまして、たとえば予備力の問題にいたしても何にしましても、一社であるならば相当持たなければならないのが、広域運営によって予備力の保有も非常に縮減をしておる。あるいはそういうものの資産は、たとえば真実有効の資産の中からはずしてしまうというような努力はいたしております、ただ、やはりある程度水火のアンバランスと申しますか、現在の中部の場合のように、非常に安い水力料金にきめられましたところが、売れば売るほど赤字になるというような経営では、これは最小限に食いとめるという努力はいたしつつも、値上げ自体は将来の方向としてはやっぱりこの際認めざるを得ないのじゃないかと考えております。  なお、昨年の御質問にもありましたが、合理化はちっともやっておらぬじゃないかといった点は、実はこれは相当やっておるわけでございまして、中部電力の場合その他につきましても、個々のたとえば単位当たりの販売電力量、あるいはロス、そういうのは急速に減っておるわけでございまして、その辺は決して合理化をみだりに怠っているわけではございません。  それから第三の石炭の値上げの吸収の問題でございます。これは、現在の電力会社に負担能力が全然ないということを決して申し上げておるわけではございませんけれども、しかしながら、やはり会社によりまして、たとえば北海道などのように相当苦しい会社もございます。これが特に三百円上がるということになりますと、御承知のように北海道は現在、経理面は定率によりまして七〇%の償却をやっておりますが、たとえば修繕費などは非常にかかるのは切り詰めておるというようなことで、やはりこれをダイレクトにこうむりますと、特に北海道の場合は相当きつい。したがって、現在のところ、あとで石炭局長から御答弁があると思いますが、いわゆる関税還付制度を活用することによって、比較的楽な、つまり揚げ地に薄く積み地に厚くということをやろう、しかし、全部がカバーできなくてもそれは何とかやっていかざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えております。

井上亮石炭局長

○井上政府委員 それでは私のほうから一言御答弁させていただきます。  石炭産業がエネルギー革命の影響を受けまして端的にその困窮の度を増してまいりまして、特に体質改善、思い切った合理化をやらなければいかぬというような事態になりましたのは、昭和三十四年前後からでございます。政府におきましては、御承知のように三十四年度から石炭の価格を千二百円引き下げるというような方針をきめまして、これは三十三年度価格に対して三十四年は二百円下げる、以後三十八年まで四年間毎年二百五十円ずつ炭価を引き下げるというような政策を強行してまいったわけでございます。この価格引き下げを企業としてやり得るためには、どうしても思い切った体質改善をやらなければいかぬというようなことで、この間千数百万トンにのぼる老朽炭鉱の閉山を実行し、労務者にいたしましても、たしか当時二十七、八万人程度の労務者だったわけですが、今日では十一万五、六千人程度の在籍鉱員に相なっております。そういった思い切った体質改善を行ない、能率も当時に比べますれば少なくとも倍以上の生産能率をあげるというようなところまで合理化を進めてまいったわけでございます。しかしながら、御承知のように石炭鉱業はこういった体質改善の過程を通じまして、その問いろいろな事情もありまして、現在大手だけで八百億くらいの累積債務をかかえている。それから、なおコストの面におきましても、四十年度の、私どもの想定でございますが、大手平均で四百円程度の純損益における赤字の見通しでございます。中小炭鉱におきましても、平均的に見まして三百円程度の赤字が予想されるわけでございます。こういった事態に対しまして、先生御承知のように、第二次石炭鉱業調査団の答申におきましては、やはり政府におきまして私企業に与える最大限の助成を考えますとともに、やはり炭価面におきましても、少なくとも一般炭におきまして三百円程度、原料炭については二百円程度の値上げを行ないませんと、石炭鉱業はこのまま放置していけば崩壊の危険がある。労働面からの閉山というムードからの崩壊、経営の赤字面からの崩壊というようなおそれがありますので、先ほど申しましたように、政府も私企業に与える最大限の助成をいたしますけれども、あわせて需要部門に御迷惑をかけることになりますけれども、ただいまのような値上げの方針を石炭鉱業調査団としましては答申されたわけであります。政府といたしましてはこの答申を受けまして、関係の需要部門に協力要請を昨年末以来いたしておるわけでございまして、現在のところ値上げの基本的な方向につきましては一応理解はしていただいていると思いますが、負担増対策について需要部門から政府の努力を要請された。現在私どものほうといたしましては、できるだけこの負担増対策を十分にやるようにということで鋭意大蔵省と折衝中でございます。なおこれにつきましては、大臣も大蔵大臣と会いまして、担当大臣としていろいろやっておられますが、まだ結論には至っておりません。こういうような事情でございます。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 ただいま両局長から詳細お答えをしたわけでありますが、私としては、いまの九電力の形態は、長いいろいろな経過によってこういう形にもなっておる。これらの会社が相互に企業努力をして経営をしていきますならば、それなりの効果がある、またその間に広域運営等の調節の方法もあるというので、いまの状況のままで経営の改善はできるものと思います。また合理化の点についても、お話のように熱効率などが非常によくなってコストダウンしておる事実もございます。さらにこの炭価の引き上げは電力会社が吸収できるのじゃないか、こういうお話でございますが、現在この負担増につきましては、炭価引き上げに伴う電力会社の負担増が、大まかに申し上げまして六十六億円ほどになりますので、できるだけこの負担増が軽減されるようにつとめておるわけで、これが全部各会社の経営で吸収でき得るとは考えてない次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 大臣の答弁も、公益事業局長の答弁も、これはミクロの立場からこういうふうにやって合理化をやっていくつもりであるということであって、九電力会社の基礎になる日本の電力というものはこれで合理的なのかどうかというマクロからの見方というものはちっともされてない。でありますから、中国の富山なり何なりから水力発電を関西に持っていく、何に持っていくということで、非常に長い路線で途中のロスをなにしながらみな持っていって、そしてこんな狭いところで――先年外国から来た公益事業関係の人からいろいろ聞いたのですが、日本における電力の株がどうしてこんなに安いのかということと、そしてこんな狭いところで九つもの電力にして、むだな路線をこういうふうに引っぱり合って、何てばかなことをしておるのだ、こういう話を聞かされたわけでありますが、ちょっとしろうと目に見たってこれはわかることです。そういうようなことをやっておいてその中で合理化をやっても、これは合理化でも何でもなく、一つの中間的な合理化であって、国としての立場から見ると合理化の条件ではない、こう思うのです。これはもう少ししっかりやってもらわなければいけない。中国電力が値下げをするというのは、何ももうかり過ぎるから値下げをするというのではないように大臣のおにいさんの社長の話を新聞で聞いておるわけです。値下げをしなければ、新しく創設する大きな会社はみな自家発電をつくるんだ、自家発電をつくってそちらのほうになにするから、これを押えるためには電力料金を下げなければいけない、こういうことなんです。当然大きな会社でそろばんをとるところは、こんなばかばかしい高い電力料金を買ってやれるかということは一目でわかる。ですから各地で大きなところは、自家発電をどんどんやっておる。十分そろばんがとれる。一つ一つの電力なんというものは、非常に使うときもあれば、使わないときもある。使わないときは蓄積できるわけではないから、非常に採算的には不利なわけでありますが、そういう不利をしてもなおかつ自家発電のほうが得だというそろばんでやる。だから値下げしなかった中国電力なんかは、新設のなにがどんどん自家発電に食われてしまう。  電気の問題等についても何ですが、償却の関係だって、コストの上における定額償却を、ほとんどのところは定率法による償却をやっておるのですから、償却が足りない、不十分だということはないと思うのです。ほかの会社なんかは定額ではとてもやれないという。電力のほうはそうやってもなおかつ余裕しゃくしゃくだし、石炭に対する社内留保だって相当持っているわけです。そういうことで全くの地域独占であり外国と競争のない企業であるという事情でありますから、内部的に、もう少し行政的に合理化、近代化というものを追求しなければいけない。こまごましいことは私は申しませんが、その意味において一段の、物価の問題その他についていま問題になっておるときでありますので、開放経済に対応する基礎的産業としての電力の問題でありますから、ひとつその点では石炭の値上げの問題等ともにらみ合わせてこの際抜本的な対策を立てていただきたいということを強く要求しておくわけであります。  次に、肥料の問題に入りますが、肥料は先年非常に赤字を出して、ア系肥料は外国に出血輸出をした。そして、国内における需要も、内部的に変わってきている。硫安からほかの肥料に順次変わってきているということで、非常に赤字を出して困ったわけであります。これらの赤字の補てんをわれわれの税金で百数十億したというようなことを転機にいたしまして、今度は、そろばんに合わないから諸外国でもア系肥料の関係はあまりつくらなくなったというので、いま脚光をあびているように、海外にも相当高く輸出できるわけでありますから、これは国内においては肥料をもっとコストを下げることができると思うのですが、これのコスト計算はどうなっておるか。それから、好調なのに乗じて、どんどん増設計画が進められておる。それに、いろいろな方面に、樹脂産業その他にも、これはア系、アンモニアガス関係は活用されておりますが、国際競争力から見ても、これは独立した肥料工場というようなことではコスト計算で競争ができないと思うのです。これはやはり廃物利用なり、あるいは廃ガス利用という、あるいはそうした方向で総合的にこれは経営を成り立たすようにしていかなければ、将来非常な困難なところに当面するのじゃないか、こう思うのですが、この肥料の国内におけるいまのコストが下がるんではないかということが一つ。  それから、将来の国際競争に備えて、肥料産業の、企業の体質的なものをきちっときめてかかるということが必要ではないか。好調に浮かされてやると、すぐつまづきができる。この点について、どういうふうな考えでおやりになっていくのか、これらの点を伺いたいと思います。

伊藤三郎軽工業局長

○伊藤政府委員 第一点の、肥料のコストがさらに下げられないかというお尋ねでございますが、最近肥料の輸出も相当好調になりまして、したがって、操業度も上がってきております。まあそういう意見でコストとしては下がってきておるというふうに考えられるわけでございますが、さらに、アンモニア工業について考えますと、肥料工業は、ここ十年ばかり、肥料二法のもとでいろいろ合理化を推進してまいりました点、これは御承知のとおりでございますが、最近の新しい技術、さらに大規模な装置でアンモニアの製造をする、それによってコストを相当切り下げできるんではないかということで、欧米におきましても非常に大規模なアンモニア工場というものの建設を始めておるわけでございますが、そういう点からしまして、今後、そういう大規模な新しい技術によるアンモニア製造、これによりましてアンモニアのコストの切り下げをはかる。これは今後化学肥料にとりましても一つの価格引き下げの要因になるものというふうに考えるわけでございます。  それから、第二の点で、増設をそうむやみにやってはいかぬではないかというお尋ねだろうと存じますが、永井委員のおっしゃるとおりでありまして、肥料は最近輸出も好調になっておりますし、また工業用のアンモニアの需要もふえております。国内の肥料の需要というものは大体約三%ないし四%程度の伸びであります。また、工業用のアンモニアの伸び率も、大きいとは申しましても、やはりアンモニア全体の約二割程度でございます。今後肥料工業を伸ばしてまいりますためには、どうしても輸出に依存せざるを得ないわけであります。輸出につきましては、御承知のような状況で、確実な見通しを立てるということは非常に困難でございます。そういう点にかんがみまして、現在アンモニア工場増設の希望が各社相当ございますが、将来の需給を考えまして、安定した形で伸ばしていきたいということで、その調整方策を現在考慮検討いたしておる段階でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 肥料の問題は、ようやく長い間のトンネルをくぐり抜けて光を見るようになってきたわけでありますから、またトンネルの中へ入り込むようなことのないように十分対処して、この際、国際競争力を強化し、国際市場を確保して、アジアにおける有利な地位を将来にわたって確立するのに手落ちのないように希望をしておきます。  最後に、中小企業関係の一、二の問題について伺いますが、中小企業の問題を予算委員会などで質問をいたしますと、土俵が大きいものですから、土俵なしで話をするように際限なく広がってしまって、玄関口にも入らない間に時間が来てしまう。いつでも座敷へ入ってすわって話すということのないままにいままで済んでしまう。たいへん残念だと思うのですが、しかし、ただ中小企業とばく然と、これだけの日本の全産業の九九・四%もあるような問題を、一口に、商業から工業、サービス業、規模の大きいものから小さいものまで一緒くたに議論することは間違っておるわけであります。しかし、時間がありませんから、そのうちの二、三の問題だけお聞きしたいと思います。これはいろいろ前提条件となる問題は十分わかり合った上での質問でありますから、ひとつ端的に要点に触れてお答えを願いたいと思います。  企業間の格差をなくする、そうして、しわ寄せになっている中小企業なり農業なりを是正するんだというのが、中期計画におけるアフターケアの主要な課題だと思う。ところが、口ではそう言うが、実際はそれとは逆な方向に動いておる。具体的に言えば、金融の面において、労務の面において、あるいは技術の面において、税金の面において、みんなそういうふうに格差拡大の方向に動いておるのですが、大臣、客観的に、いまのような政府の政策を進めていけば中小企業は倒産をしないで救われるのだ、あるいはこの政策を進めていけば中小企業の振興になるんだとほんとうにお考えになって、心からそういうふうな信念でいまおやりになっているのかどうか、ひとつ率直に意見を聞きたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 これは、一般的に期待されておる施策が行なわれておるかどうか、こういうふうに率直に言えということになると、なかなかむずかしいのでありますが、しかし、今回御審議を願っておる昭和四十年度の予算の上におきまして、あるいは財政投融資の上におきまして、今回は、全体の予算の伸びから考えますならば、中小企業予算、投融資の関係は相当伸びておるのではないかと思うのであります。また、私どもあらゆる角度から努力をしているのでありまして、いま永井委員からは、格差がどんどん開いておる、こういうふうに御指摘でございましたが、数字の上からは、付加価値の生産性の状況などは、年度を追って次第に改善されておると思います。あるいは賃金の格差にしても改正されておると思うのであります。しかしながら、これで十分だとは思いません。あらゆる努力をして中小企業のために寄与していきたいというのが私の考え方でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 たとえば、付加価値が中小企業の関係は格差が縮んできているというようなことは、政府のねらっているのは、中小企業のうちの中ぐらい以上の企業を育てていく、その部分の近代化によって付加価値が改まっている、向上しているというのであって、そこが進めば進むほど、それ以下のところはどんどん切り捨てられている、その方向に格差が拡大していっていると思うのです。たとえば、賃金の格差の是正なんて言ったって、これは御承知のように高く出さなければ来ないのですから、初任給が上がっているということだけで、あとは横ばいでしょう。グラフで見たっていい。そんなことはいまさら言う必要はない。わかり切っている。そのぐらいのことがわからないで通産大臣なんてつとまらぬわけですから、わかっていてそういう答弁をすることは、私は良心的でないと思う。金融の面だって、どんどん構成比が下がってきているわけです。こういう事柄をよく見て、ほんとうに格差がこういうふうにあるんだというようなところから出発しませんと、予算が四〇何%ふえたからそれでいいんだということでは、九九・四%という大量な中小企業に対して、こんな予算では問題にも何もならない。ほかのことから見たら、たとえば金融量の関係から見たって、八幡一社が年間二千億からの金融量でしょう。量から言ったって、これは中小企業金融公庫の年間全体の貸し出し量に匹敵するほどのものです。問題にも何もならぬ。それほどの格差があるということは、これはもう常識だと思うのです。  そこで、大臣にお尋ねするのですが、金融の問題は量では解決しない。こんなわずかな、幾らふえたんだ、これだけふえたんだというこんなことで解決するような量的な問題でない。だから、もう少し中小企業の実勢に対応するには、もっと量をふやさなれけばいかぬじゃないか。もっともっとふやさなければ対応できないのではないか。これが一つ。それから、質的にもっと金融を吟味しなければならないじゃないか。金利の面から、あるいは長期貸し出しの面から、その他いろいろあると思うのですが、通産省は選別融資をいろいろ考えているようですが、その選別融資の性格、先般の予算委員会では、行政措置としてやるのではなくて、そういう一つの参考になにするんだと、こう言っていたのですが、それだけでは実際にいま動いている金融の現実の実情には合わないと思うので、実際の腹を割った考え方を示していただきたい。たとえば、強制できないまでも、一つの金融の目標というものがあるわけでありましょうから、政府の考えている目標というものはどこにあるのか、どうあれば現在の日本の経済の中に占めている中小企業の位置づけに対して、金融の面からの位置づけもつり合いがとれていくんだというような点の大体のお考えを示していただきたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 永井委員がおっしゃるまでもなく、中小企業に対しての資金量をできるだけ増量していくということは当然でございます。しかし、御承知のごとくに、政府三機関では限りがございまして、この点は、民間金融機関の協力を得るとか、あるいは親企業の協力を得るとか、他にでき得る施策はすべてこれ講じながらいかなければならないと思うのでございます。また、貸し出し条件につきましては、現在の三機関の金利を従来下げてまいりましたが、四十年度におきましては遺憾ながら引き下げがなかったわけでございますが、しかし、貸し出し条件の緩和については努力をしてまいりたいと思います。  なお、お話しの選別融資ということでございますが、これも予算委員会でもしばしば申し上げましたが、通産省の側から見ますならば、産業政策上の見地というものが金融機関に反映することが好ましい。金融機関を特に通産側から規制しようという考え方はないのでございます。通産省のほうが各産業の実態をよく掌握しておる。したがって、融資をする場合にそれらの事情というものを金融機関に反映をしてもらいたい、こういうことでございます。輸出産業あるいは中小企業につきましては、これは当然重点的に配慮せられるべきものでございまして、その他の産業については、それぞれの実情に応じて、金融機関の自主的な判断で、われわれの考えもいれながらやってくれ、こういう趣旨でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 この問題について、労務の面、金融の面の議論をしていると時間あがりませんから……。とにかく、そういう上つらの実情に合わないことをいかにももったいぶって答弁しているところに、私は、何年たったって中小企業が金融の面、労務の面から是正のできない原因がある、ただ口先でごまかしているだけだ、こう思うのです。  そこで、いま一番大きな問題は、やはり大企業が中小企業を圧迫している問題であると思うのです。たとえば、われわれの手元で調べただけでもたいへんなものです。織布の関係から言えば、東洋紡やニチボーや敷島紡や第一紡、東洋レーヨン、倉敷レイヨン、こういうところがどんどん進出している。絹、人絹にいたしましてもそのとおり。既製服の製造関係についてもそのとおり。魔法びんからちり紙、それから石油ストーブ、自転車、清涼飲料あるいはしょうゆ製造、パンの製造、牛乳、加工でん粉、油脂、ガス器具販売、電気器具、石油販売、プロパンガス、電気工事、冷凍工事、印刷、クリーニング、みがき粉、ずっとほとんどもう一流の企業が恥も外聞もなくこういうところに進出している。トイレットペーパーにまで入ってくる。このような状態でいいのかどうか。経済秩序の問題について中小企業庁はどうお考えになっておるか、中小企業庁の当局から伺うとともに、そのあとで、ひとつ経済全体の上から、大臣は経済秩序をいまどのように考えておるか、伺いたいと思います。

影山衛司中小企業庁次長

○影山政府委員 最近の情勢といたしまして、大企業が中小企業の分野に進出してきておるというような状況が出てきていることは、一部において現象があらわれてきておるわけでございます。それに対しまして、中小企業を中心といたしますところの経済秩序をいかにして正していくかということでございますが、これは、中小企業自体がまず自分たちで団結をいたしまして大企業に対していろいろな交渉をやっていくということが必要なんで、大企業の中小企業の分野に対する進出につきましては、昨年度団体法を改正いたしまして、商工組合が、進出してくる大企業との間に特殊契約を結んで、自分たちの合理化、近代化が進むまでの間大企業の進出を見合わしてもらうようにというような契約ができておる、それがうまくいかない場合には調停審議会のほうで調停をいたすというような段取りもできておるわけでございます。そういうとをころ十分活用いたしまして経済秩序を正していきたいというふうに考えております。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 ただいま次長からお答えを申し上げましたように、永井委員が御指摘するような大企業の中小企業圧迫の事実がございますれば――また現に私もあると思います。それらの点は最善を尽くして除去していきたい。その方法の一つとしては、中小企業団体の組織に関する法律の中の特殊契約事項を生かしながら、あるいは公取委員会に働きかけながらやっていきたい、かように考えておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 そういう紋切り型の答弁で、ありますればどころの騒ぎじゃないのだけれども、そんな認識の程度じゃ話を進めてもなにですが、外資の導入が目立っておると思うのです。調べたところによると、資本として来ているもの、あるいは株を取得して来ているもの、経営参加的な取得がいまのところ五百三十件余り、市場経由をして取得しているものが十八万というふうに、いろいろ外資が進出してきている。これが日本の大企業と結んで、そうして頭をちょっと出すが、支配力、影響力は非常に大きい。こういうような形でだんだんやってきているわけでありますが、大企業の進出とあわせて、これら外国資本の日本の大企業と結んでの進出に対して、どのように現状を把握し、今後どのように対処しようとしているのか、この点をお伺いいたします。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 外資の進出につきましては、外資法の適正な運用によって、産業界に大きな影響のないようにつとめていきたいと思っております。現に、石油精製のごときは、大体私どもの大きなめどとして、民族資本と外資の関係をフィフティ・フィフティに置いていきたい、こういうふうなところで慎重に考えてやってきておるわけでございます。また、今後の問題といたしましては、はっきり自動車産業のごときは、外資による進出をしてくる、ノックダウン方式でもやってくるというふうなことにつきましては、外資法の運用によってこれを押えていきたいと考えておるのでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 次に、三十八年度の決算報告で、中小企業関係では、設備近代化資金の運営について勧告を受けておる。このことを知っておるかどうか。そうして、実情に合わない運営をしておるということについて、どういうふうな反省と、今後どのようにこれを改めていくお考えであるか、承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 近代化資金の運用がうまくないので、決算面でいろいろ御批判があり、また警告を受けた事実を知っております。しかし、いまこの個々の資料がございませんので、次長のほうから、存じておる限りを申し上げさせたいと思います。

影山衛司中小企業庁次長

○影山政府委員 設備近代化資金は、元来中小企業のうちでも零細層に対しまして県を通じまして無利子の金を貸し付けていくという制度でございますけれども、これが運用の実情におきまして、多少どうも上の層に設備近代化資金が貸し付けられておるという傾向もなきにしもあらずでございます。その点が指摘されたというような点がございます。そういう点は、厳に私どもの設備近代化補助金の元来の趣旨に沿いまして小規模零細のほうにこれを流していくという方法で運用していきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井分科員 最後に、中小企業の問題は、法律的にも相当たくさんな項目がきめられております。また、予算の面でも、しるしだけですけれども、たくさんの項目が並べられております。しかし、法律の運営が一体どれだけの力を持っているかといえば、これはもうほとんど問題にならない。予算の面においても、実効的な効果があがっておらない。問題だけはたくさん店開きはしているが、中身はない。これは中小企業庁自体が痛感されておるところだろうと思うのです。日本の経済が、また日本の経済を動かしておる権力が、そういう大企業中心で動いておるからやむを得ない現勢だと思うのですが、その中でも、そういうものにどんどんつぶされて、そうして首をくくって死んだり倒産をしたり、経済の問題ではなくて社会悲劇までたくさん起こっておるこれらの問題に対して、その事務を担当する者は安閑としていられる問題ではないと思うのです。でありますから、質疑をしますと、こういう問題もあります、こういう問題もあります、こういうふうにしております、こういう言いわけはできるのです。しかし、それがほんとうにどれだけやっておるのかというと、何も効果がない。このことをわれわれは中小企業の論議をするときに非常に嘆かわしく思うわけであります。でありますから、店開きをずっとして中身のないことをやらないで、もっときちっとやりますためには、やはり、大企業に対してどういうふうな姿勢で取っ組んでいくかということ。これは、下請代金の問題一つ考えたって、どんな法律があったってどんどん二百日も二百五十日ものなにが行なわれていくわけですから、ここは、さっき次長が言ったように、問題は中小企業の自主的な団結がこれを解決していくのだと言うけれども、どんな法律があったって、力がなかったらできないのですから、その面において、では中小企業庁はどのくらい組織の関係について力を入れ、それを助けているかということになると、日々のできごとの具体的にできた問題は大企業の立場でのみほとんど解決されていっておる。最近はだいぶ違ってまいりまして、東発の倒産のときにおける態度なんかは、従来に見ないりっぱな態度であったと思いますし、最近の倒産に取っ組んでいく態度というものは中小企業庁はずいぶん変ってきたな、こうわれわれにも感じさせるわけでありますが、まだまだこのほんとうの姿勢は確立しておりません。でありますから、ひとつ中小企業庁が核になりまして、柱になって、きっちりと、日本のこの気の毒な中小企業の大きな大衆の中に、こうすればいいのだというはっきりした目標を与え希望を与え、そうして、その中に、自分から、おれは見込みなければ転業しようかというくらいな指針、示唆が出るようにしていただきたい。そういうあいまいな口先だけでごまかして、おれの運命じゃないのだ、おまえ自身の運命だからおまえ自身で考えろ、こういう不親切ないまのやり方は改めてもらいたいということを張く要請しまして、私の質問を終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷主査代理 これにて永井勝次郎君の質疑は終了いたしました。  次に、中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 質疑が若干重複すると思うのですが、いま大きな政治問題になっておるプラント輸出の問題について私お尋ねしてみたいと思います。  長崎の国旗事件以来、中国貿易が御承知のとおり停滞をしておった。それが近年ずっと順調に進んでおったわけでありますが、今度のニチボーのプラント輸出の問題で、またああいう状態が再現されることが予想されるわけでございます。大臣としても、まじめな人柄であり、また担当大臣としてこの問題に対しては頭を悩ましておられるのではないかと思うわけです。日中友好、中国貿易促進という点から、何としてもこの問題の早期解決をはかってもらわなければならぬと思う。ところが、吉田書簡というものがこの問題の契機になったわけですが、大臣は、このニチボー・プラント輸出の問題に対して、吉田書簡に拘束されるということであった場合、こういう事態に陥るということを予想しておったのかどうか、その点どうなんですか。   〔仮谷主査代理退席、主査着席〕

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私といたしましては、通産省としてのできるだけの努力をしていこうということを終始念願としておるわけでございます。したがって、今回の措置にいたしましても、私どもの取り計らいによって何か問題が起きるという言動については、深くこれを慎しんでおるわけでございます。そして、なお若干の時間があるように思いますので、これも繰り返し申し上げておりますが、頭金で動き出した後に、しからばその後どうしたらいいかとか、いろいろと苦慮しておるようなわけでございまして、誠心誠意日中間の貿易の前進のために努力をしておる、こういう私の気持ちを申し上げておきたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そういう抽象的な答弁じゃしょうがないと思うのです。問題は解決しなければならないのですよ。言動を慎しむ、台湾のことを考え、中国のことを考えるとうっかりしたことは言えない、こういうことだと思うのですが、私は、担当大臣としてはそういうことであってはならぬと思う。問題の解決をどうしたらよろしいのか。頭金が出ているのだから、それで何とかやりくりをしておったならば、時間がたったら解決するだろう、そういうことじゃならぬのじゃありませんか。どうすれば解決をするのか。具体的な手を打っていかなければならぬと思う。解決策としてはどうしているのですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 そこがきわめて大事なところだと思うのであります。私としては、責任の衝にございますので、公式にあるいは非公式にいろいろな話を聞いております。それで、いま割り切ったお話を申し上げて、はたしてその通りいくのかどうか、こうなりますと、これもなかなか問題があると思うのであります。そこで、いまのところある程度の時間的な余裕がまだある、その中で慎重にまた前向きで結論が出るようにつとめたい。そのためには下準備的なこともございましょう。あるいはいろいろ統一をはかる必要もありましょう。いろいろやることもあろうかと思うのであります。それだけに、私としては慎重に事を運んでおる。私のお答えが非常に歯がゆい、ただ抽象的なことになる、現状においては私自身そのことをよく承知をしておるのでありますが、情勢はやむを得ない、こう思っておるのであります。しかし、ここではっきりしたことを言うことが前向きになるかどうかというと、いまはやはり時期を考えるべきだ、こういうふうに思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 はっきりしたことを言うことは問題だ、こういうこと。それは、国会であるから、そういった公的な場所で言えないこともあるかもしれない。しかし、黙っておったからといって問題は解決しないのですよ。どういう手を打っているのか、それに対しては明らかにされる範囲で明らかにしてもらわなければならぬと私は思う。ところが、大臣御承知のとおり、尿素もだめ、日立の問題もだめになった。次から次に、問題は解決する方向ではなくて、悪化する方向に進んでおるじゃありませんか。だからして、それではだめなんだから、問題を解決するような努力がなされなければならない。どういうことをやっておるのか、また解決する見通しがあるのか、いつごろになったら解決すると考えておるのか、そこらあたりをもう少し明らかにしても差しつかえないのではありませんか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 なかなかお答えしにくいのですが、たとえば、あらわれた現象面で申し上げますと、二月十五日までが日立造船の問題のぎりぎりのところである。それが、御承知のように、最近三月末までに先方側で延ばしてくれておる。これはやはり私どものいろいろな配慮というものを若干でも配慮しておるのではないか、こういうように私は見るのでございます、そういうわけで、何かこの種の問題でずばりとはっきり言ったらよかろうか、こう思っても、なかなかその辺が思うようにいかない。私としては、事態はそう悪化しておるのではない、多少私どもの気持ちも反映しておるのではないか、こういうふうに見ておるのでありますが、せっかく日中貿易の発展のために誠心誠意努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 政府の誠意が向こうにくみ取られておるので二月末の期限が三月末に延ばされておる、あなたのほうでそういう希望的観測というか期待感を持たれることは、それはそれでいいでしょう。ところが、中国はやはり日本との友好関係を何とかして持ち続けていきたいというような考え方、これは私はあると思うのです。だからして、政府が誠意をもって努力するというようなことを期待をしておるかもしれない。しかし、あなたは、この前の商工委員会で板川君の質問に対してお答えになったのは、頭金もあるということで、具体的にそのときは七月というお答えだったように私は記憶するのですが、そういうことでは、三月と七月、期間的にはずれがありますから、どうにもならぬということになってくる。だから、どういう手を打っているのですか。七月ごろなら七月まで頭金でやり繰りしておったならば、その間に何か解決するというような見通しがありますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 率直に申し上げまして、一応私はそういう判断をしておったのであります。ところが、その後の動きから見ると、それは甘い観測であったと思います。したがって、もう少し早目に何か私どもが考えなければならないのじゃないか、こういうふうにただいま観察しております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 この問題は吉田書簡ということから事態は発展をしてきたというふうに思うのですが、総理大臣の答弁とあなたの商工委員会における答弁とはニュアンスの違いがあるわけです。だから、やはり吉田書簡に拘束されるというような考え方の上に立ってこの問題に対処しておられるのか、その点どうですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 すでに総理が委員会でお答えをなさっておるわけでございますが、私は通産省の分野の責任を守っていきたい。そして、その通産省の分野では、でき得る限り障害になるような言動をしたくない、こういう気持ちで終始をしておるのでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そういう答弁ではだめです。あなたは通産当局の一事務官僚ではありません。大臣ですよ。総理大臣は予算委員会で、拘束されると答弁をした。あなたは通産当局である。そういうことから、障害になるようなことはなるべく避けたい、そういうことじゃだめじゃありませんか。やはり中国に対する関係をおもんばかり、あるいは台湾の関係をおもんぱかっておると私は思う。同時に、国民に対していささかの疑惑も持たしめないということでなければならぬ。いまあなたが言われるようなそういう答弁では、納得しろといっても無理な話です。だから、私が質問したことに対して率直にお答えなさればいいでしょう。解決の点はそういうところから見出されてこなければならないわけですから、どうです。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 それはお察し願えると思うのです。すでに総理が委員会を通じてお答えになっておるのでありますが、私は、担当の通産省の責任者として、この問題を解決いたしたいからあらゆる努力を払っておるんだ、これで御了解がつけると思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 あなたが何か言いにくそうにしておられる気持ちはわかるような気もするのですが、しかし、問題は解決をしなければならぬ。われわれも質問のために質問しているのじゃありません。何とかして政府に対して注意を喚起することは喚起するし、われわれの意見は意見として十分申し上げて、そういう中から問題の解決をはかっていかなければならぬという考え方の上に立って質問をしておるわけなんです。だから、吉田書簡に拘束されるというようなことになってくると、三十九年度だけを拘束されるのかどうか。また、政府側の答弁も一貫をしていない。そういったような意味の答弁もあるし、当分の間という答弁もあるし、三十九年度だけでなくて当分の間というのは、四十年度にもかかるのかどうか、そういったようないろんな関係が出てくるわけです。だから、いまあなたが言われたようなあいまいな答弁では、これは問題の解決にならない。もう少しはっきりするところははっきりされたほうが、私はいいと思う。総理大臣が予算委員会の席上においてはっきりした答弁をしたことが、あなたが通産大臣として答弁できないはずはないでしょう。また、あなたの考え方を明らかにしていく、そういう中から問題の解決をはかるようにしていかなければならぬ、こう思うわけです。だから、その点をもう少し明らかにしてもらいたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 ここが私として非常に大事なところだと思うのです。繰り返してお答えをしておるとおり、私は私なりのもちろん考えもございます。しかし、その考えというものが、きょうそれではそのとおりになるのか、私がここで慎重な言動をとっていることによって先々にそれがはっきりするのか、その辺のところというのは、やはり中村委員のせっかくの御質問で何か申し上げたくても、それをしんぼうをすることが。やはり政治家としての責任のような気もするのです。その辺でひとつ御了承願いたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それは、そういうものではありません。われわれも質問をする、あなたに前向きな答弁をさせる、そういう中からひとつ解決を導いていこうと考えているんだ。だから、あなたがそういう答弁をされるならば、私も、私の質問する意図をおくみ取りなさい、そういうことに対する答弁をなさい、そういう要求をせざるを得ない。だから、吉田書簡なるものは三十九年度だけの関係を拘束するのか、そうでないのか、その点どうなんですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 中村委員の御質問になっておる気持ちがよくわかりますから、そこで私は言動を慎まなければならない。これが中村委員がお考えになっている気持ちと私の気持ちがあるいは一致しておるかとも思える節があるのであります。しかし、それがお答えのしようによっては全然逆の方向にいく場合もございまして、ここが非常にむずかしいところだと思うのでございまして、もうすでに何人かの方々からこの御質問をちょうだいいたしまして、私としてこれ以上はまずお答えがしにくいと申しましょうか、この時点では、この態度がいずれ将来において効果があらわれてくるのではないか、こういうふうに私自身心に期しておるようなわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そうすると、プラント問題は解決し得るという確信の上に立っておりますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私は、現下の日本の置かれておる貿易上の実情からいたしまして、皆さま方から繰り返し御指摘のように、中共との関係の貿易というのは非常に重要視しておるのでございまして、このプラントの問題にしても、解決をして前進しなければならないという立場をとっておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 このプラントの問題が解決をしない期間、日中貿易はどういう方向に進んでいきますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 相互間の問題でございますから、日本側だけの、あるいはこの通産省の側だけの考えではいけないと思うのであります。どれだけの理解を相手がしてくれるかというところに問題はかかっておると思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そうすると、輸銀を使う使わぬという問題は、これはどうなるんですか。政経分離ということを政府はいつも言っておるわけですが、これは政の部に属するのですか、経ですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 これも御了解願えないかもしれませんが、はっきりしておるのは、政経分離、民間ベースというのは、繰り返し日本政府が申してきたところでございます。その民間ベースは一体どんなふうに考えるのか。これは、輸出承認を受けましたそれぞれの会社の責任者が、諸情勢をみずから判断をする、また、こういうふうにすればそろばん上はいけるんだというふうに判断をせられるのが民間ベースではないか、また、その判断によってやりようがあるのじゃないか、こういうふうに申し上げておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 質問に対してまともに答えていただきたいですね。この輸銀というのは、結局これは、金利をできるだけ安くする、資金の長期化をはかっていくとか、民間ベースの貿易が円滑に行なわれるためにこの輸銀の制度というものがある。従来そういう形で政府はこの輸銀を利用させてきたと思うんですよ。だからして、中国貿易が政経分離のたてまえをもって進もうとするのであるならば、輸銀を利用するということは政の部に属するのか、経の部に属するのか、どういう考え方を持っておるのかということです。そこははっきり言えるでしょう。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 これは申し上げるとおしかりを受けるかと思うのでありますけれども、しかし、すでにそういうふうに総理がお答えをなさっております。政経分離、民間ベースとは一体何だ、現に行なわれておる事態というものをそういうふうに考えておる、こういうふうに総理はお答えになっておるのでございまして、これをもう一つ申し上げていけば、そのときそのときの情勢で、政経分離、民間ベースの内容というもののある程度の変化はやむを得ないのではないか、こう思うのであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そういうあいまいな答弁というのはないですよ。いままで政経分離のたてまえで進んできたわけですね。そうして輸銀を利用されてきたわけです。それが今度輸銀を利用させないということになってくると、どういうことなんですか。矛盾するじゃありませんか。いままではいわゆる政経分離でなくて政治的なたてまえに立って進んできたというのであれば別ですけれども、そうじゃないわけですね。従来も政経分離というたてまえであったわけです。そうして輸銀を使わせてきたわけです。今度とたんにこの輸銀を使わせないということになってくると、これは従来やってきたことと矛盾をするのだから、この点はどうお考えになっておるのか。そのときそのときだという、そんなあいまいなことでは、国民を愚弄することにもなる。また、貿易上の問題から入ってくると、その点からの国際信義上の問題だって出てくるじゃありませんか。その点どうなんです。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 すべてお答えしにくいことばかりなので因るのでありますが、ただいまも申し上げましたように、この民間ベース、それは許可を受けたものが民間でお考えになることだ。そのお考えになる場合に、これは私のいまの通産大臣の立場を離れて、私が許可を受けた一人であるならば、これは民間ベースであるから、輸銀の問題については民間ベースでないという疑義を持っておるものが国際的にある、いまこれを使わなくても、自分らの考えようによってはこういうふうにやればそろばんがとれるのだとかというような考え方が、そこに出てくるのじゃないか。そういう考え方で処理をされるのが至当ではないか。これは現実のいまの動きはそういうところにないかもしれませんけれども、私としては、そういうふうに民間ベースの考え方、輸銀に対する取り扱いというものを処理をしておるのであります。もしこれをさらに突っ込んで特別な見解などを述べると、それは今後の問題に障害になる、こういうふうに私は思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そういうあいまいな態度はいかないと思う。企業が、輸銀は当然いままでも政経分離のたてまえから使ってきたのだから、当然従来の延長としてこれは使わせるであろう、これはいわゆる経の部に属するものであるという考え方の上に進んできたのです。話し合いもそういうことで進めてきたのです。ところが、とたんに、今度は使わせぬのだ、使わせないのだから、おまえのほうの企業努力でこの問題を解決をしなさい、そんな簡単なものじゃありませんよ。そういうことでいいのですか、そういう無責任な態度で。企業が輸銀を使わせろと言っていることは、だだをこねているとあなたはお考えになっているのですか。どうなんですか、その点は。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私からこの輸銀がいい悪いということをお答えするよりも、民間ベースでよく御判断が願える問題だ。これをいま中村委員から言われて、私がはっきりはっきり何でも答えていくということにかりにいたします。しかし、私は、それはどんなことがあってもしたくないのであります。はっきりはっきりしていくと、それが非常な障害になっていくので、まことにあいまいもことした答えをしておるけれども、これには私としては将来を考えて相当配慮をしながら答えておる。また、中村委員のおっしゃることも重々承知をしてお答えをしておるのでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 輸銀を利用するのと、その他の金融に依存するということとは、だいぶん条件が変わってくる。だから、中国との関係について政の部に属するのか経かということにあなたがお答えができないとするならば、それでは、あなた、企業努力で企業にかってにしろということでほったらかしておるのじゃないでしょう。何とかこの問題を解決したい、プラント輸出をさせたいというふうにお考えになっておるならば、それにかわる方法として、通産省としては適当な解決策を見出すべく、そういう面に対して努力をしておられると思う。その点は、中国との関係は何も影響ないわけなんだから、だからして、そういう内輪でやっていることは言えるでしょう。どういう金を使わせようとするのか、また、それでいけるのかどれか、企業はそれで納得するのかどうか、金融面の解決の見通しはどうなのか、そこらあたりはどうなんです。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 それは、シンジケートでやったらばどうかとか、また日銀との関係でやれる方法があるのじゃないかというような方法については、両当事者ともお話し合いをしたことがございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 答弁をして差しつかえないような答弁は、はっきりしてもらいたいと思うのですね。私のこれは主観になるわけでしょうけれども、お尋ねしていることは、何も支障はないと思ってお尋ねをしております心ましてや、いまどちらかといえば、それとの関連はあるのだとあなたは解釈されるかもしれませんけれども、問題を解決をするために、金融面がなめらかにいくために、どういう努力をしておるのかということに対しては、具体的な答弁ができないはずはないと私は思う。両当事者と会ったことはございます、そんなことだけで問題が解決さるべきものではないと私は思うのですね。何も口をつぐんでさえおればよろしいのだというような考え方ではだめなんです。もっと勇敢にこの問題を解決するという態度がなければならぬ。あなたは通産大臣であるから、いわゆる担当相であるから、だからしてより慎重である、うっかりしたことは言えないのだ、それはそれなりにわかるとしても、問題の解決に対しては、同時に責任を持って積極的にこれに取り組んでいくという態度でなければならぬ。そのことはやはり国民に理解されるものでなければならぬと私は思う。ところが、いまのあなたの答弁の中からは、みじんもそうしたあなたの積極的な態度をうかがうことができぬじゃありませんか。もう少し具体的にお答えができませんか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 これは、両当事者と私との話し合いの上からいけば、いま言うシンジケートの方法か日銀との関係で考えるというようなことで、これはいき得ると思うのです。両当事者も、場合によってはそれでやろうという考えもありましょう。しかし、先ほどから中村委員が御指摘のように、現状においては、その範囲ではもう解決し得ないような状況がそこに加わってきておると思います。これは率直に認めざるを得ないのでありますが、しかし、といって、なお検討する時間的余裕があるので、あらゆる努力をしておるということを前段のほうでるる申し上げておるわけでございます。具体的にこういう方法はどうか、ああいう方法はどうかというような、いまのようなシンジケート方式のようなものも、その具体的な方法として検討をしたことは事実でございまして、それで両当事者が踏み切り得る場合があるとは思います。しかし、それで問題の解決が現在はできかねておる、こういうことでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 だから、私どもは、この問題に対して非常に心配をしておるのです。お先まつ暗だということになるじゃありませんか。そういうことではだめだと思うのですね。もっと積極的な取り組みがなければ……。  それと、これはまたいよいよもって答えられぬと、こうおっしゃるのだろうと思うのですが、この輸銀を使わせないということに対して、中国が尿素を取り消してきた。日立の問題も、これは若干期間を延ばしたにすぎない。その期間を過ぎると、これもだめだということになる。そういう点については、あなたはどんな感じを持って中国の態度を受けとめておるのですか。もっと具体的に言えば、中国の言い方は無理だ、こういう受けとめ方ですか、あるいは中国の言うことも理解できるという考え方ですか、その点はどうですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私としては、われわれとして努力をしておる事実が、やはり向こうにも当然反映していくという気持ちもあるわけでございます。それがどういうふうに動いていくか、その辺は事態の推移を見ておるわけでございますが、一方においては、中村委員の御心配になるように、デッドロックに乗り上げておるように見る方もございますし、いやそうでないと言う方もございます。そういうようないろいろな情勢がございますので、したがって、私として慎重な言動をとらざるを得ない。これもあれもみな日中貿易に阻害にならないように、何とか苦慮しながらも解決の方向へ持っていきたい、そういう気持ちから申し上げているようなわけでございまして、まことに、中村委員の、何かここで改善の方途はないかという御熱意がわかるだけに、お答えが不十分でたいへん恐縮でございますが、どうぞ御了承をいただきたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 どうも御答弁では納得がいきませんので、いずれまた当該委員会においてお尋ねすることにいたします。  中小企業政策についてお尋ねしたいと思いますが、御承知のとおりに、昭和三十九年度の予算審議の際に、池田内閣は、革命的中小企業政策を行なうんだ、こういうことを言われております。総選挙の際にもそういうことを公約をし、それに基づいて三十九年度の中小企業政策というものが打ち出されてきた。私どもは、当時、革命的な中小企業政策というが、何も前向きのものはないじゃないか、こういうことで強く批判をしたわけです。その答えはどういう答えが出たかというと、大臣御承知のとおり、中小企業は次から次に倒産をしていくという答えが出てきている。きわめて深刻な状態におちいっているということは、御承知のとおりなんです。そこで、佐藤内閣は、人間尊重、寛容と調和、あるいは社会開発、この社会開発の中においては、生産性のおくれておる中小企業、農業に対しては、この問題の中に組み込んで抜本的な政策を行なっていくんだ、こう言っておる。ところが、いま提案されておる四十年度の予算の中からは、中小企業がほんとうに前向きで前進をするであろうということをうかがうことはできない。そこで、四十年度の中小企業に対する大臣の基本的な考え方、重点をどこに置いていこうとしておるのか、まずその点に対してのお答えを伺ってみたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 池田内閣当時に、革命的な中小企業施策をするのだ、こういうことを申してまいったことは、私も入閣した当時から、それまでの中小企業対策の重要なポイントとしてよく承知をしております。今回の予算措置につきましては、私としてもまことに不本意な予算ではございますが、予算全般の上から見て、中小企業に相当な理解を大蔵当局に持ってもらった、かように思っておるのでございます。そして、特に、このたびの施策の中におきましては、零細企業関係について配慮をした。すなわち、小規模企業者の共済事業団であるとか、あるいは無担保、無保証の金融などに踏み切ったのが具体的なあらわれでございますが、それとともに、政府機関の金融のワクなどにつきましても、当初予算、三十九、四十年の比較をいたしますならば、千六百十七億円から二千四十五億円に広げた。数字的にはそう大きな数字ではございませんが、全般の他の予算の伸び率からいたしますならば、相当な伸び率になっておるかと思うのであります。また、近代化資金とか高度化資金につきまして、大体通産省の要望の線に沿って予算措置ができたと思います。もとより、四十五億円が五十億円になった、たった五億円じゃないかと、あるいは高度化資金の伸びについても御批判があろうと思います。しかし、これは私も非常に因ったのでありますが、現在の行政機構の状況からいたしまして、まずこの辺が順当でないかというような線が、今回の予算措置であり、財投の措置になっておると思うのであります。これをほんとうに画期的に飛躍せしめようということになりますと、通産省の機構なりあるいは都道府県の機構なりにも及ぶ問題でございまして、その辺のむずかしさもございまして、やむなくこの程度の予算、財投の措置、かようになった次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 いま大臣がお答えになったのは重要なことなんです。これ以上望むということは、中小企業の通産省の機構の問題に問題があるというふうにも受け取れるわけですね、いまの答弁からは。そこはどういうことですか。これ以上期待することは、通産省の機構に問題があるという。具体的にはどういうことがネックになっているのですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 これはいろいろな角度から見なければならぬと思うのであります。人員の多いほうがいい場合がございます。また、金の出し方も、国が出すのと、この国が出した金に対して地方の自治体がそれに応ずる金も出す、こういうところのからみ合いが問題なんであります。ですから、それこそ機構の上においても、地方の自治体においてもすべて思い切ってやっていけ、こういうことになれば、またそれは考え方は別でございましょうが、まずまずこの辺のところが順当である。いわば、先ほど申したように、革命的、こう言っておったけれども、そうはいかずに、漸進的にやらざるを得ない、こういうふうに思うのであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 いまのあなたのお答えが機構の問題とどういう形に結びついてくるのか、ちょっと理解に苦しむわけです。予算の問題、何というか、高度化資金の問題にしても、その他中小企業に対するいろいろな施策、それに地方自治体の負担が伴ってくるのは、これはわかる。しかし、それはひとり通産省関係だけではありません。全体の問題なんですね。だから、革命的中小企業政策を行なうのだとして池田内閣が打ち出したその政策あるいは予算、その中において中小企業は次から次に倒れていきつつある。しかし、これはこのまま放任するわけにはいかない。何とかこれを歯どめしなくちゃならぬ。こういうことです。また、中小企業者だけでなくて、全体の国民はそれを期待しておるであろう。その期待にこたえるためには、やはり一番大事なことは、この通常国会におけるところの予算というものが一番重点であるし、それに基づいて出てくるいろいろな施策というものが重要である、こういうことになると私は思う。  そこで、機構上の問題に対して日ごろ私どもがいつも要求しておるが、通産省の中に中小企業庁があり、中小企業庁が中小企業対策を打ち出しておるということでは弱いのではないか、むしろ、ほんとうに中小企業者の利益を守っていくために、それこそ革命的な中小企業政策を推し進めていくためには、中小企業省というものが必要になってくるのではないか、こういうことをいつも言っておったわけですね。したがって、大臣がそういう考え方の上に立って、機構上の問題として中小企業省というものが必要である、こういう考え方の上に立ってのお答えであるとするならば、よくわかるわけです。また、そこまで踏み切れないとするならば、それにかわる何か中小企業庁の強化対策といったようなものは考えておられるのかどうか。問題のネックは、いまあなたがお答えになったようなことでなくて、もっと別なところになければならぬと私は思う。そのあたりはどうなんですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私から申し上げるまでもなく、現在中小企業庁がある。また、地方には地方通産局がある。これを現在の政府機構全体の上からいきますと、中小企業の革命的施策をやる上にもう一つこれを拡充していきたいといっても、なかなか至難な点があり、いろいろな面で制肘があるということを申し上げておるわけでございますが、また、中小企業振興の上から、これらの中小企業庁をはじめ末端の組織に至るまで、予算の制肘はあってもできるだけこれを拡充し、また施策を講じていくということは、当然のことだと思うのであります。なかなかそこがむずかしいところだと思いますが、また、中小企業省のことについては、これは中村委員がいま御指摘になったとおり、中小企業の関係者から強く望まれておるところでございます。将来そういう形に持っていくことも好ましい姿であろうと思います。しかし、現状におきましては、言うまでもなく九九%以上も占める中小企業のことでございまして、これが産業全般の中に溶け込んでおるのでありますから、産業対策全般と中小企業施策とを切り離すわけにもいかないのでございます。ですから、この通産省の中で現在においてはあらゆる努力を払わざるを得ない。しかし、方向として、お話しのような考え方も十分頭に置いてやっていくべきであろうかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 通産行政の中における連関性ということはわかるのです。ところが、中小企業というものの規模、そういったような点から考えて、日本経済に果たす役割りは、きわめて重要な役割りを果たしておる。いままであなたは通産大臣として中小企業行政を担当してこられましたが、その中からやはり中小企業省の設置が好ましいとお考えになっておられますか、その必要はないとお考えになっておりますか。どうです。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 そういう方向は、私は好ましいことだと思うのであります。しかし、現状においてはなかなかそういう機構改革などが一足飛びにできない。せっかくのあの佐藤委員会でも、そこまでの答申をしておりません。したがって、私としては、通産省即中小企業省の気持ちが大いにやらなければならぬということで現在おるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 まああなたに中小企業省設置のことについて御答弁になりましたこと以上をお尋ねするということも無理でしょうから、それはまた適当な機会にひとつ大いに掘り下げて検討してみたい、こう思います。  そこで、先ほどあなたは、今度は零細企業というものに重点を置いたと言う。その零細企業に重点を置いたというのは、振興という立場から、振興という形に重点を置いておりますか。共済事業団ということからは、中小企業の振興というようには考えられないですね。その点どうなんですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 当面あらわれている姿からは御質問にお答えしにくい点がございますが、この共済事業団のねらいといたしましては、掛け金を集めまして、いずれ、遊ばしておくわけにはいかないのでありますから、還元融資などができるように育っていくと思うのであります。そういたしますと、そういうものは当然零細企業の振興の上に使い得る、こういうわけで、長い目で見ていただきますと、振興ということも考えておる、こういうことでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大体こういうことになるのじゃありませんか。中小企業の中にも、発展の傾向にあるものと停滞の傾向にあるものとあるわけですね。これは三十八年度の中小企業白書の中においても明らかになっておるわけです。ところが、その際停滞の傾向にある零細企業に対してはどう考えているのか。これは中小企業基本法を審議する際にも私どもが指摘したが、あいまいであった。白書の中にも、停滞傾向にあるというだけであって、非常にあいまいであった。もう三十九年度の中小企業白書が近く出るわけですが、その中にはどういう形に盛り込まれておるのか、まだわかりません。ところが、共済事業団の性格からいたしまして、やはり事業転換、ここに重点を置いておるのではないか、こう思うわけです。そうなってくると、発展の傾向にあるものに対してはさらにこれを振興し育成をしていく、停滞の傾向にあるものは事業転換を進めていく。そこで、四十年度の中小企業政策としては、振興と保護、こういう二極分解といいますか、そういうような形において中小企業政策を樹立しようとお考えになっておられるのではないか、こう思うのですが、その点いかがでしょうか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 おっしゃるとおりの方向で考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そうすると、事業転換ということになってくると、労働行政あるいは社会保障的ないろいろな観点からこれと取り組んでいかなければならぬと私は思う。これはたいへんな問題であると思うのです。ところが、共済事業団という形におきまして、いま停滞の傾向にある中小企業を、いわゆる事業転換という形で推し進めるということになってくると、これはたいへんな問題だと私は思う。そこで、今度は、いわゆる発展の傾向にあるもの、それに対しては振興しこれを育成をしていくというような形になる。そのどちらかということになってくるとはっきりいたしますけれども、ところが、そのいずれにも当てはまらないというのが、網の目から漏れるという形のものが、私は出てくると思う。やはり、発展の傾向にあるものを振興し育成をしていくということは、国際競争力の強化、産業構造の高度化、こういう形になってまいりますから、そういう施策の中に入る企業というものはきわめて少ないわけなんです。それ以外のものに対しては、いま言う事業転換ということになってくると、これはたいへんなことでございますから、そういうものは、またきわめてむずかしい条件の中に私はあると思う。その中間的なものはどうするのかというような問題が、中小企業政策を進めていく上にとっては非常に大切なことでございますが、そこらあたりに対しては、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私としては、先ほど方向として申し上げたわけでございますが、小規模企業共済事業団は、事業団としてこの目的にその趣旨をはっきりさせております。この共済制度の確立と小規模企業者の福祉の増進と小規模企業の振興と、こういうことにしておるわけでございます。そこで、いま御質問の焦点は、小規模企業者の転換のところに非常に御注意があったように思うのでございますが、現在先行きが暗い小規模企業がないとは言えない、相当数あると思うのでございます。そういうような場合にどう対処していくか、これは、全国の商工会とかあるいは商工会議所等に政府が費用を出しての指導員あるいは補助員等を置きまして、そしてまたこれらの指導員などに対する研修、講習などもいたしまして、末端まで御相談に応ずる、指導に応ずるという体制をとっておるわけでございます。したがって、個々の企業者がそういう指導員との相談の上で自主的にこれは前途の見込みがないという判断のできるような方向へ持っていくというような形で、できればあまり大きな障害なしにスムーズに転換できるものはしていったらいいんじゃないかというように考えておるような次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 どうも大臣は、ずいぶんことしの中小企業政策というものは前向きであるというようにお考えになっていらっしゃるようだけれども、そうじゃありません。これは予算の数字の面からも言えます。また政策の面からも私は一声えると思います。ただ、先ほどお答えがありましたように、あいまいにしておった。共済事業団というようなことで、一応事業転換をする企業に対してはどうするのかということをはっきりさした。それから、無担保、無保証の問題も、いまあらためて考えられたのじゃなくて、そういう方向で進むということは、いままでも明らかにされておった。それが形の上ではっきりさしたという点は私は認めます。認めますけれども、いまお答えになりましたような小規模事業対策費として出されている問題に対して相当力点を置いてお答えになったわけですけれども、これとても、三十九年度には十三億九千三百万円であった。それが四十年度においては十七億四千三百万。しかし、これのほとんどは普及員のベースアップなんですよ。何にもなりません。そこで、いま私が指摘いたしましたような二極分解的な方向に進む。ところが、そのいずれにも手当てされない中小企業に対してはどうするのかということに対して、いまのようなお答えでございました。いままでとその点に対してはひとつも変わりない。普及員のベースアップだけでは問題の解決はしないわけです。だから、もっと前向きな施策がそこへ出てこなければいけない。また、普及員の問題にいたしましても、どういう人が普及員になっておるのか、それすらあなたのほうではつかんでおられないでしょう。また、こういう普及員は、自分の身分が保障されてない。きわめて不安定である。適当な仕事がないからというので、腰かけ的に普及員になっておられる方がある。そういう不安定な中において、中小企業の小規模事業の振興をはかろうというような期待を持つということ自体が間違いなんです。普及員、これはいいことです。いいことですから、ほんとうにその普及員が中小企業に情熱を持って取り組めるようにするためには、その身分をどうするのか、また、どういう人を普及員にするのか、そういう点についても関心を持って取り組んでいかなければならぬと私は思う。そこらあたりの考え方はどうなんです。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 中村委員のおっしゃるとおりに、私もいま御指摘のような諸施策をもって事足れりとは思わないのであります。政府の一般財政措置、それからまた金融措置、いろいろなものが総合されて、小規模企業者に対しても今後特に力を注いでいこうという趣旨を申し上げております。しかし、個々の予算面を一つ一つお取り上げくださって御批判をちょうだいいたしますれば、私としても、小規模事業の関係の予算というものをもっと取って、施策も十分にやりたいということは当然でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 あなたにたいへん失礼な言い方ですけれども、中小企業問題に対して、あなたも長い国会生活の中においては真剣に取り組んでおられたと私は思う。私もまた、中小企業の問題に対しましては、情熱を持って取り組んできたつもりであります。個々の予算の中でいろいろ指摘されるならばこたえる、こうおっしゃったのですけれども、どうも中小企業の問題は変わりばえがしないですね。これは非常に倒産が深刻になってきておる。いま東京興信所あたりで明らかになっておる倒産は、一千万円の負債、そうした規模の倒産だけが一つの統計の中にあらわれてきておる。それ以下の中小企業の倒産というものは、実に深刻な状態にあるのです。あなたのほうはそれすら十分に把握しておられないのです。そういう中で、中小企業のいわゆる小規模企業の振興をはかろうといっても、それはできないですよ。  さらにまた、金融問題をあなたは強調された。決して私はけちをつけるわけじゃありませんけれども、金融問題に、どこに前年度よりもこの深刻な事態に対処するという前向きな施策のあらわれがありますか。国民金融公庫の財投の問題を見ても、あるいは商工中金、中小企業金融公庫、これとても、商工中金の場合はいわゆる純増に期待をしている。それから、中小企業金融公庫の場合は、これはいわゆる公庫債に期待をしておる。この公庫債がどういう結果を生むのか。これをあなたのほうでは、政府の財投からの融資あるいは出資というものではなくて、公庫債に期待をするということになってくると、これとても中小企業の振興には大きな問題点が出てくるわけです。そういう、いまあなたが力点を置かれたいわゆる金融政策的な面においてどの程度前向きであるという確信をあなたは持っておられますか。具体的な問題として、私がお尋ねをいたしましたこの三百億円の公庫債をお出しになるわけです。昨年はこれは百億であった。ことしはこれが三百億にふやされた。しかし、百億から三百億に公庫債はふやしたけれども、一方今度は財投からの融資というものは縮められた。これは決して中小企業にとってはプラスだとは私は考えない。また、これはどういう形で消化しようとしておるのか。その点に対してのお考え方はどうですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 こまかい数字のことは別といたしまして、財投の関係は、融資、公募債ともに、三十九年当初計画に比較するとふえております。これはわずかでございますから、特に強調するわけではございません。そこで、この財投の関係は、私、今回予算折衝のおりに相当強い要望をしたのであります。しかし、そのときに、率直に言って私が大蔵省に負けましたのは、通産大臣いろいろ言うけれども、たとえば年末に非常に困ると言えば、それはそのときに追加するんじゃないか、あるいは災害があればそれも追加するのではないか、あるいはお盆のときは追加したじゃないか、この財投の関係は、一応こういうことで、もし君のほうでどうしてもこれは困るというならばいつでも考えるんだから、この辺で落ちつけないかということで、それで終わったのであります。そして、近いところでは、昨年の十二月に年度末までどれくらい必要かというので、八百億円のワクの増大をした事実も御承知のとおりでございますので、まず、当初計画としてはこの範囲でやむを得ない、大蔵省も実態に即応して十分今後も考えてくれるもの、こういうことを期待して話がついた、こういうわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そういうことではだめなんですね。そういう腰の弱いことでどうします。災害が起こったときは、それに対処するために当然いわゆる買いオペといったようなことがなされなければならない。また、財政投融資というものもなされなければならぬ。あたりまえのことなんです。そうしなければならない事態が発生しているのですから、それをやるわけですね。ところが、いま中小企業は深刻な状態にあるわけですよ。それに対して、わずか財投十億しかふえていない。いまあなたがわずかだからとおっしゃったから、正直なお答えですから、そのとおり、私もあまりそのことについてはいろいろ言いません。言いませんが、十億なんというのはあまりにもひどい。そこで、純増に実際は期待をして、自己資金に期待している。自己資金はどうしてふえるとあなたは思いますか。自己資金が非常に多いということは、なめらかに中小企業の金融が行なわれておる、そのために自己資金が多いのだというお考え方ですか。どうです。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 当時、中小企業金融公庫にいたしましても、あるいは商工中金にいたしましても、相当な資料をよこしておりまして、その資料に基づいて、折衝するそのときの私の判断に役立てたわけでありますが、今回の措置で、まず実情とそうかけ離れずに措置ができておる、こう思うのであります。なおまた、いま中村委員のおっしゃるように、災害等の場合はもとより後日手直しを行なうべきでございますが、しかしまた、一般的に言っても、非常に金融が逼迫をするという事実があれば、これは当然手直しをする場合が起きてくるかと思うのであります。私としては、非常に手ぬるいようにいま御指摘でございましたが、何といっても財投全般との関係もございまして、今回中小企業政府三機関といたしましては、百二、三十億の増ワクになっておると思いますので、この辺でがまんをしようということになったわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 あなたは通産大臣です。これは重要閣僚ですよ。全体の財投を考えたということもわかります。また、深刻な事態であるならば手当てもしなければならぬと言うが、深刻な事態だから私は言っているのです。財投十億ということで引き下がるということは、おそらく通産の事務当局も全くこれは失望しただろうし、中小企業者というものも大きな失望をしていると私は思う。少なくとも大臣がこの公募債に対して三百億ということにきまったのを半分くらいにして――私は、これは公募債が適当でないという考え方の上に立っているわけです。これを財投分へふやしていきたいというならわかる。しかも、自己資金というのは、これは金融がなめらかにいっているのだから自己資金がふえるのではないのですよ。結局これは選別融資を政府金融機関すら行なっているというわけです。支払い期日が十分守られるような企業、焦げつきというものが行なわれないような企業、そういうところに選別融資をしていくということになってくると、それだけ償還というものはなめらかになるから、いわゆる自己資金というものはそういう形でふえてくる。また、商工中金の場合は、これは出資である。あるいは問題の歩積み、両建てというようなものが依然として行なわれてくる。そういうところに期待するから、自己資金なんというものはふえてくるのです。一つ一つあなたが指摘があるならば明瞭にお答えをするとおっしゃったのだが、私がいま指摘したことに対して、あなたはどのように中小企業に納得さぜるような答弁をなさるのでしょう。その点どうなんです。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 次長のほうにこまかい数字がございますから、ちょっと御参考までに申し上げて……。自己資金が今回多少減っておるということでございますから。

影山衛司中小企業庁次長

○影山政府委員 政府関係三機関に対する財政投融資を年度当初計画として組みます場合には、一応の見通しを立てまして、自己調達あるいは回収金というようなものを前提といたしまして財政投融資を組んだことは、御承知のとおりであります。たとえば商工中金あたりにいたしましても、四十年度の計画の面におきましても、三十九年度の見込みあたり六百四十億の自己調達があるわけでございますが、それよりも控え目に五百五十一億という自己調達を見ておるわけでございまして、こういうところは、また先ほど大臣がおっしゃいましたように、年末金融であるとか、あるいは年央の追加融資をいたします場合に、またその点自己調達がどの程度さらにできるかというようなことも勘案しながら決定していくわけではございますけれども、自己調達というものもそう過大に見積もっておるということではございません。  それから、中小企業金融公庫の三百億の公庫債の点でございますけれども、これもやはり、現在市中の金融機関から中小企業向けの金が、多少金融引き締めの影響もございまして、回っていかないという傾向があるようなわけでございます。そういう民間の金を活用していくというような趣旨から、この公庫債という制度もつくっておるわけでございます。そういう点から、総合的に考えまして妥当な線をきめていただいたというふうに、事務的には考えておるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 どうもいまのお答えではもちろん納得できませんが、四時十五分までにやめろということであります。  ところで、いまの民間資金を吸収してくるということですが、これは従来のとおりでしょう。日本興業銀行を幹事役とするシンジケート団を組織する、その中で引き受けさせるのでしょう。ところが、昨年私は池田総理にこの問題をお尋ねをし、かつまた問題点として指摘した。こういう制度をとることは、公債政策にも通じてくる。これは適当でないことであると同時に、いろいろな弊害が起こってくる。利子の問題も起こりますね。それから、シンジケ-ト団がこれを引き受けたということになってくると、そのために中小企業に対する融資というものを押えてくることにも通じていく。一方また、これを引き受けたから中小企業金融公庫の代理貸しを優先的にこれに扱わせるといったような圧力もかかってくると私は思う。そこらに対してはどうお考えになっておられますか。私の言うのは杞憂だ、こう大臣は判断されますか。

影山衛司中小企業庁次長

○影山政府委員 公募債の点につきまして、民間金融機関のほうがかえって中小企業に対する金融を公募債の関係で圧迫するのではないかという御質問の趣旨かと思います。まず、政保債の起債計画をつくります場合には、御承知のように、大蔵省のほうで全銀協あたりと折衝いたしまして、大体の起債のワクをつくりまして、その中で中小公庫の分はどの程度引き受けてもらうというようなことをきめるわけでございます。三十九年度の起債の計画が千八百十億でございますから、四十年度はたしか二千億くらいに伸びておるはずであります。大体三百億程度の消化というものは無難にいけるというふうに考えております。  それから、もう一つ、中小公庫の代理貸しとの関係でありますが、これは、私どもといたしましても、代理貸しと公募債の引き受けというものは関連させて行わないようにということで指導しておるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それはあなたが指導されるように進めばいいです。しかし、いまの金融資本なんというものは、そう甘っちょろいものではありません。これを引き受けた、引き受けたから中小企業に対する金融問題は一応役目を果たしたのだ、こういうことを中小企業にできるだけ金を貸したくない金融資本は言うのですよ。それと同時に、これを引き受けたから、代理貸しというようなものを一これの直接の関連というものは、その金即代理貸しというものにそのまま引き直すということではありません。しかし、そういうことをやらせることになると、勢い中小企業金融公庫の自主性がそこなわれる。優先的にそういう代理貸しに対しても無理を聞かなければならぬという事態が起こってくる。私は、単にこれを観念論で言っておるのではない。事実そういうことがあらわれてきておるから言っておるのです。私が昨年の予算審議の際に指摘したとおりのことが現実に行なわれておるわけです。こういう質問をするからには、私どもは、そういう現場の実態というものをつかんで質問している。だからして、私は、ことしは三百億なんというような、そういうような大幅なふやし方をしないで、財投というものをわずか十億ということでなくて、これを相当ふやしてくれるであろうということを期待している。それがほんとうの中小企業の倒産を防止することにもやはり役立ってくるし、中小企業に対する振興策に大きなプラスになってくる、こう私は考えて期待をしておった。ところが、現実には、いま私が指摘をしてきたような形が行なわれております。だからして、まだ予算は審議中でありますから、これで私はしかたがありませんから、来年はどうだというようなことは言いません。ともかく、これに対しては、こういうことが今後行なわれないように、正しい中小企業金融が行なわれるように、私は即刻改めることを希望したいわけです。  と同時に、商工中金の歩積みの問題、私は、この予算委員会において、田中大蔵大臣に、商工中金に対してあなたは十分ひとつにらみがきくわけなんだから、政府の意図のとおり進むはずなんだから、この歩積みはやめさせるべきではないのかということを言った。そのとおりであります、政府出費を商工中金にふやしたのは歩積みをやめさせるようにしたのです、だから厳にこれを取り締まる、こう言った。ところが、現実に商工中金の歩積みはなくなったと考えておられますか。私は私なりの資料を持っておりますが、その点どうなのですか。また、今後どういう指導をやっていこうとお考えになりますか。

影山衛司中小企業庁次長

○影山政府委員 第一点の中小公庫の代理貸しとの関係でございますが、これは、具体的な問題といたしまして、今後そういうことのないように指導していきたいと思います。  それから、商工中金の歩積み、両建ての点でございますが、御承知のように、商工中金は一般的な預金もできない関係上、そういう歩積み、両建て的なものと考えられる預金の部門もないではなかったのでありますが、商工中金の使命にかんがみまして、そういうふうな運用というものはよくないということで、中小企業庁といたしましても、自粛対象の歩積み、両建て預金、拘束性預金というものを、ことしの十一月までにほとんどないようにしていきたいという方針で指導をいたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 指導するのはあたりまえだけれども、実績が少しもあがらないというのです。民間金融機関に対して歩積みをなくせよというのならば、まず南分のほうが監督のできる商工中金の歩積みをなくするということが先決じゃありませんか。みずから範をたれることですよ。現実には、商工中金については、金利こそ九%になりました。しかし、商工債を引き受けさせられましょう。それから出資ですよ。それからこの歩積みですよ。商工中金に、手がかかる、非常にむずかしい、時間がかかる、いいことさらになし、こういうことで、せっかくの政府金融機関というものが、あまり評判がよくない。こういうところに原因がある。まずそういうところにメスを入れていく。金融問題については直接的には大蔵省ということになるかもしれない。しかし、少なくとも通産省がこの問題に対しては積極的に取り組んでいかなければならない。そうして大蔵省に要求する、あるいは要求していくということになってもらわなければ困る。十一月までにこれをなくするようにしたいと言われる。田中大蔵大臣は、昨年の予算委員会では、先ほど申し上げましたように、もっとはっきり答えた。にもかかわらず、成績がよくあがらない。また、あなたが、十一月までにこれをなくするようにすると言う。あなたの答弁だけではこれはだめでございますから、大臣、その点についてはどういう扱いをなさいますか、はっきりお答えを願いたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 商工中金の金融の実態が、お話しのように、出資が要望されたり、商工債の引き受けを求めたり、また、いま問題になっておる歩積みの事実があるということは、私も承知をしております。本年十一月までにそういうものを解消するように指導をしておるのでございまして、できるならば早期に歩積み問題の解決をいたしたい。私として、大蔵省に対し、また商工中金に直接に、改善するように極力誠意をもって努力をするということを申し上げておきます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 商工中金の関係のそうした歩積みの関係、そういった関係の資料を要求いたしておきます。  それから、先ほど、選別融資の問題に対して、永井分科員の質問に対してお答えをいたしておられます。選別融資の問題に対しては、通産省としては、通産省自体が考えておるような方向にまで協力をしてもらうように指導していくと言う。ところが、現実に行なわれている中小企業金融に対しては、あなたのほうの指導の方向に沿うておるとお考えになっていらっしゃいますか。選別融資の問題、その点どうなんですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 通産省としては選別融資ということばをできるだけ避けておるのでありますが、だんだん一つの定義ができてきたようで、私非常に残念に思うのであります。通産省として、金融の上にどこに重点を置くのか、こういえば、それは中小企業と輸出振興の上に重点を置いていきたい。産業全般を見ておりますと、準備率の引き下げ、公定歩合の引き下げによる金融緩和が段階的に進んでおる、その進んでおるときに、実情に即した金融の行なわれることが望ましい、こういうことで、日銀やまた銀行当局との協議を事務次官以下でせしめたわけでございます。その場合に、通産省のほうから十一業種を例示して、それぞれの企業の内容の説明をいたしました。そうしましたところが、何か十一業種に選別融資をするのだというようなふうにとられたきらいがございますが、通産省のほうから特にこれこれの業種に金融をしてくれというのではなくて、それぞれの業種、この十一はみないろいろな事情を内蔵しておりますので、それらの点を説明いたしまして、あとは金融機関が自主的な判断の上に、金融機関をわれわれが制肘するのではなくして、金融機関が産業政策上の見地を十分理解して今後の金融をやってもらいたい、こういう趣旨で話し合いをしたと思うのであります。それが、何か選別融資というようなことで取り上げられておりますが、そのように少し、いまの御説明でおわかり願えると思いますが、私どもの言っておることとニュアンスが違うかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 そうした業種に対する選別融資というものもあるでしょう。また、個々の企業に対する選別融資というものも現実に行なわれておりますね。それはあなたのほうとしては好ましいことだとお考えになっておられますか。好ましくないとお考えになっておられるならば、それに対する指導はどうしておられますか。また、どうしようとお考えになっていらっしゃいますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 業種の関係は、いま申し上げたように、金融機関に対して各業種の実態というものをよく反映せしめたいということで、おわかりいただいたと思うのでございます。それじゃ、個別の企業を、金融機関が、この会社には融資していいか悪いか、この会社は好ましくないとか、選別ということばがいいのか、それぞれの会社の事情をいろいろ勘案しつつ融資をするということになろうかと思います。しかし、その場合、われわれとしては、話がもとへ戻るわけでございますが、これらの業種については特に考えてもらいたいという場合には、多少個別の企業に欠陥がございましても、その将来が融資をすることによって伸びていくという場合については、われわれの立場から言えば、よく考えてもらいたい、ただ金融の面からのみ、これはどうも内容が悪いから貸したくないというような解釈でなしに、もう一つ産業政策上から考えてもらいたいというのが、われわれの偽らない主張でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 独立採算制ですから、政府金融機関すらいわゆる選別融資をやっているのですから、ましてや、民間金融機関において選別融資をやっているということに対して、実効があがるような指導をいまの取り組みでとうてい期待できないということは、私は当然だと思う。そういうことであってはならぬと私は思う。現実に中小企業のそういう深刻な状態の中において、中小企業金融機関と称せられる相互銀行あるいは信用金庫、これはコールが三銭程度であったから、コールのほうへどんどんと金を出しておる。いま、コールが八厘から一銭一厘程度下がってきておる。そうすると、コールでは妙味がない。かといって、これを中小企業に対してはどの企業にも出すというわけにはいかない。実は、いま金融機関は、金がないというけれども、むしろ金には余裕が出てきた。だけれども、中小企業はますます深刻な状態になっていきつつある。これに対しては、当然適切な指導というものが具体的に私はなされなければならぬと思う。そのためには、いわゆる民間金融機関も中小企業にいろいろな要求をするでしょう。もっと保険制度を確立せよ、こういうことも言うでしょう。その保険の問題についても、いわゆるてん補率を引き上げていくというようなこともやってもらいたい、保証協会の保証能力をもっと強めてもらいたい、いろいろな要求があるだろう。ところが、あなたのほうで現実にやっておる政策、また、現にやろうとしておる政策というものは、そうした民間金融機関が中小企業に金を流していくということに対して、安心して流すことのできないような政策にとどまっておる。そういう対策にとどまっておる。これでは私はだめだと思う。口でどんなに言ってもだめなんですよ。現実に実効があがっていない。歩積み、両建ての問題だってそうなんです。選別融資の問題だってそうなんですよ。あなたのほうで、書類を出すとか、あるいは来てもらっていろいろ言うとか、あるいは事務当局に金融機関に行ってもらっていろいろ言うとか、こういうことだけではだめなんです。現実にもっと情熱を持って取り組んでいく、そういう実効のあがるような具体的な施策を講じていく、こういうことでなければだめだ。中小企業の倒産だって、いろいろ言っておりましたが、ほんとうに資金に困っておる、これが倒産の最大原因なんです。だから、そういう点に対しては、私は、もっと積極的な取り組みがなされなければならぬと思います。この後は具体的にどういう態度でもって取り組んでいこうとされますか、その点いかがです。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 ただいま中村分科員の御指摘のように、コールの実情も非常な変化がございました。また、中小企業を相手にする相互銀行、信用金庫、信用組合の資金的な余裕のあるということも、よく聞いております。それが金融ベースだけで考えておると資金がなかなか流れないという実情も、私ども承知をしておるわけでございます。したがって、いまお話しのございましたように、何としても担保力がないというようなところ、そういう面に金が流れる必要があるのでありますから、保証協会の拡充強化をすべきであろうと思います。今回は無担保、無保証の問題もございまして、その面だけのてん補率の引き上げでとどまりましたが、今後もっと掘り下げて考えていく必要があろうかと思います。  なお、金融の実態に即したいろいろ考え方はしております。地方通産局などが中心になって金融懇談会を設け、大蔵省の出先の財務局長あるいは日本銀行の支店長、また親企業、地方自治体の参加をも求めまして、できるだけ中小企業金融の円滑化を期しております。また、自治体によりましては非常な御協力をいただておるようなわけでございますが、御趣旨の線に沿いまして、今後一そう中小企業に対する金融の円滑化を期するようにいたしたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間がまいりましたからこれでやめますが、いまの無担保、無保証の問題は、三十万まで、こういうことになったわけですね。ところが国費というものは決して乱費すべきでないということはもちろんでございますけれども、この無担保、無保証は、保証をとらなくても、担保をとらなくても、まあ金の回収が間違いないだろう、そういう企業を選別して無担保、無保証をやったのでは、意味はありません。だから、その点は十分適切な指導をされたい。中小企業は、最近、振興ということばはなくなって、近代化というような方向で、あげて国際競争力の強化、産業構造の高度化、そういうような線に沿うて系列融資に重点が置かれつつある。この点を十分お考えになって、中小企業をほんとうに振興して、そして、その無担保、無保証の制度をより実効のあがるものにし、さらにこれを拡大する、こういうような運営をしてもらわなければならぬ。その点に対する大臣の決意を伺って、私の質問を終わります。きょうはこの程度にしておきます。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 御趣旨の点は十分理解ができますので、私としては、できるだけの善処をいたしたいと思います。

古川丈吉自由民主党

○古川主査 これにて中村重光君の質疑は終了いたしました。  本日はこの程度にとどめ、次会は明二十三日午前十時から開会し、経済企画庁及び通商産業省所管について質疑を行なうことといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十八分散会

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