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48回国会衆議院1965/02/27

予算委員会第三分科会 第6号

発言数
349
登壇者
28
会派数
2
開催日
1965/02/27

会議録

相川勝六自由民主党

○相川主査 これより会議を開きます。  昭和四十年度一般会計予算及び昭和四十年度特別会計予算中厚生省、労働省及び自治省所管を議題といたします。  この際、分科員各位に申し上げます。質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員になられた方は三十分程度にとどめることになっておりますので、何とぞ御協力を願います。  なお、政府当局の申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に、要領よく、簡潔に行なわれますよう、特に御注意申し上げます。  これより質疑を行ないます。金丸徳重君。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 たいへん時間が制約されておりますから、私のお尋ねいたすことも一つの要点だけにしぼってさしていただきます。  実は、地方財政が特に僻地町村において非常に窮迫しております。そのために、やりたい仕事あるいはやらなければならないような仕事がやれなくなっておる傾向が非常に強くなってまいっておるのじゃないか。ことにこの両三年来、例の地域格差などということがしきりと強く言われておりますようなことにかんがみましても、最近特にその傾向が強いのじゃないかと思われます。それらを救う道はいろいろ考えられておると思うのでありますが、この地域格差が、自治大臣のお目にとまった範囲内におきましては、非常にこの両三年来強くなっている傾向がますます強くなっておるのか、それとも最近地域格差解消というような方策がとられておりますので、あるいは昨年あたりからやや緩知されておる方向にでもなっておるのか、その点まずお伺いをいたして、私のお尋ねにかかりたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 ごもっともでございまして、私も実は就任いたしまして一番重点を置きましたのが、地域格差をどうして是正していくか、御承知のように経済の高度成長が進んできてけっこうでありましたけれども、しかし、それは大都市に集中して、農村は疲弊しておるというのが私の目にも映っておりますので、それで実はこの点に重点を置いてやってきております。それで御承知のように、地方交付税という制度がございまして、その交付税というのは必ずしも地域格差を是正するということだけではございまんけれども、この運用によってできるのじゃないかということで、地方交付税の配分にあたりましても私は特にその点を注意さしております。それから、これは私から言えば、もっといま御指摘になりましたような僻地等における、いわゆる総理が言われる社会開発といいますか、社会保障的なといいますか、そういう問題に取っ組んで、重点的と言ってはなんでございますけれども、考慮をしていくことができはしないか、現在もやってはおりますけれども、現在までのやり方では追いつかない、もっと徹底すべきじゃないかという気がいたします。  それから、僻地については御承知のように辺地対策事業債というのがございまして、これは、僻地でありますものは普通程度まで引き上げるということで五カ年計画で地方債を発行して、それをあとで見るというかっこうできております。これは普通の中程度まで引き上げるということで計画がされておりますけれども、それでは五カ年計画が終わったらあともうやらないのかということがよくいわれますが、私はそれでとどまれば、それは中程度までいけばいいですけれども、格差はまた片方は進んでいきますから、私はおそらくそれではとまらぬと思うのです。ですから、また追っかけてやる必要があるものだという覚悟をきめておりますが、御了承いただきたいと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 大臣のお考えはよくわかるのでありますが、実はそれにつきましては本会議でも大臣にお尋ねいたしまして、お答えの中に、地方交付税あるいは地方債などで、足らぬところといいますか、負担力のないところなどには十分考慮するからということが言われておりました。私もこれを了承いたすのであります。また、自治省の本年度の財政計画の説明の中には、特にこの地方交付税制度を改正して、前年度に引き続いて財政力の貧弱な地方団体の財源を充実するという方針を強くうたっておられます。私はたいへん大事なことだと思うのでありますが、実はそれにつきまして、私は自治省のほうでお出しになっておられまする交付税制度の解説を読ましてもらいました。昨年もやはりこの貧窮団体に対する救済制度をやると、こう言っておられました。昨年やられた実績と、ことしやらんとする具体策というようなものをこの際お示しをいただきますとありがたいのでありますが、どういうふうな昨年の計画であったのか、またその実績はどうあがり、格差はこれによってどう是正されておるか承りたいのであります。

岡田純夫自治事務官(財政局在制課長)

○岡田説明員 低種地市町村のために交付税をなるべく重点的に配分いたしますために、三十七年から四年計画の年次計画をもちまして交付税をいわゆる傾斜配分をいたしてまいりました。それで本年度、つまり三十九年度は六十一億ということですでに配分いたしておりまして、成果があがっておるものというふうに見ております。なお、四十年度はその完成年度にあたりますけれども、五十九億を算入いたす予定で作業を進めております。なおその他につきましても、低種地といいますか、辺地の団体のために全般的に交付税を重点的に配分するような配慮を加えております。以上でございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 重点的に配分されるという御方針はよくわかるのでありますが、具体的にどういう方法でやられておりますか。例の交付税の配分につきましては、何ということばを使っておられますか、あなたのほうでは補正係数といいますかそういうようなものを使っておられるのでありますが、これで間に合っておられるのか、それとも何か新しい方法で、昨年でいうと六十一億ですか、本年は五十九億というものを充てられておるようでありますが、総額においてもわずかなものですから、よほどじょうずにこれを配分されぬとその効果はあがってこない。その方法というものを具体的にお示し願いたい。去年の実績をもお示し願えればありがたい。

岡田純夫自治事務官(財政局在制課長)

○岡田説明員 考え方といたしましては、種地というのがございまして、市町村は御承知のように一種地から二十種地までございます。そこで、種地の低い市町村につきましては、従来標準的な規模の市町村、これは人口十万を一応標準的な市町村と置いております。これは比較的高いところでございますけれども、それから要するに割り落としをして、種地の低いところについては財政需要の算定が低目に算定されておりましたものを、十種地以下の、すなわち十種地から一種地に至るまでの市町村につきましては、年次計画をもちまして十種地並みに引き上げる、要するに補正係数の割り落とし率を年次計画をもって変えまして、十種地を一といたしますと、その一に持ち上げるという作業をしてまいりました。これが四カ年計画をもって進めてまいりまして、来年度をもちまして一種地から二十種地までございましても、一種地から十種地までの市町村は全部十種地の段階まで引き上げる、こういうことでございます。こういう作業を進めてまいりまして、いま申しましたように、一応来年度をもって目標に到達する、こういうことでございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 そういう作業を進められました結果が、ほんとうに地域格差の緩和というか是正にどの程度役立っておりますか。そういう御協力にもかかわらず、依然として格差はますますひどくなるという傾向が見えるのでありますが、それではせっかく努力されても何かやぶにらみの努力みたいに思われるのでありますが、どうなんですか。

岡田純夫自治事務官(財政局在制課長)

○岡田説明員 ただいま申し上げましたような低種地市町村の割り落としの解除と申しますか、是正だけをもちまして、全市町村の行政水準が理想的なものに到達するとは考えておりません。したがいまして、これのみでなく、その他たとえば、まだ御質問にはございませんが、住民税の減税補てん、あの問題も住民税の減税が大きく響きますのは、やはりほんとうの辺地、後進地域の市町村が、従来から要するに課税方法等もただし書き方式でありますとか超過課税等をやっておりまして、それだけにより多く減税補てんの影響があるわけでございますが、これが年次割りをもって逐次吸収されてまいります。こういうことにつきましてもなるべく減税補てん以上に財源を傾斜配分いたしますように、ただいま申し上げました五十九億の低種地への傾斜配分の問題ばかりでなく、そういった住民税の減税補てんの問題に関連しましても、財源賦与をして極力引き上げてまいりたい、全般を通じましてそういう配慮を尽くしておるつもりでございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 私がお伺いいたしたいのは、そういう努力をなさっておることはよくわかりますけれども、具体的に格差がそれによって減っておるのか、これからもその方法をとっていかれれば減る見込みがあるのか、こういうことであります。自治省はどういうふうにそれを見通しておられますか。

松島五郎自治事務官(大臣官房長)

○松島政府委員 ただいまお尋ねのございました、格差解消のために努力をしていても、格差が解消していくのかどうか、その実績はどうかという御質問でございます。一口に地域格差と申しますけれども、その内容を分析してまいりますと、いろいろな問題がございます。一つは、いままでの格差がすでにあるがゆえに、過去における投資と申しますか、施設と申しますか、そういったものが現時点において非常に大きな違いがあるという問題が一つございます。さらにまた、最近における経済情勢を反映いたしまして、農山村においては人口がだんだん減っていっておる。経済力が低下して、相対的な経済力の低下がある。そのために格差がさらに拡大しつつあるのではないかというような問題もございます。そのほかいろいろな問題がございますけれども、それらにつきましては、ただ一つの方法のみをもってして問題を解決することは困難であろうと考えております。交付税は、どちらかと申しますと、年々歳々繰り返されます経常的な経費というものを中心にいたしまして、ある時点においてそれぞれの地方団体の行政を経常的に行なっていくために必要な経費を中心とするという点に、どうしても主眼が置かれがちでございます。したがいまして、たとえばいなかに学校があります場合に、その学校も東京の学校も、ある学校を前提としては、同じような内容の運営ができるようにという配慮はいたしておるつもりでございますけれども、いなかにおいては過去においてすでに学校の施設が悪かった、東京の学校は過去において学校の施設がよかった、この格差をどうやって解消していくかという問題は、単に交付税だけでは解決できない問題でございまして、これにつきましては、地方債の運用等にまたなければならない面があろうかと思います。また、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、ごく辺地に参りますと、電灯施設もない、あるいは学校に通学バスを通そうと思っても道路もない、そういうようなところについては、それ自体を改善してまいらなければならないわけでございまして、これを交付税の面だけで取り上げるということは困難でございますので、辺地対策事業債というようなものを設けまして、こういった施設の改善をいたしてきておるわけでございます。さらに、非常に技術的なことばでございますが、低種地市町村の態容補正の引き上げということを今日までやってまいりましたのも、一部においては、やはり過去においておくれた行政水準のおくれを取り返そうということと、やはりいなかにおいてもそれ相当の学校なら学校、あるいは道路なら道路の運営ができるようにしていきたいということでございまして、それがどの程度の効果があったかということになりますと、なかなか実績の測定は困難でございますけれども、ただ、昭和三十七年度以来四十年度までの四カ年間でこの低種地市町村の率を引き上げることによりまして、二百六十億ばかりの交付税がそれらのいわゆる財政貧弱な団体に行き渡ることになっているわけでございます。したがいまして、金額にいたしまして二百六十億でございますから、それで十分か十分でないかの議論はございますけれども、今日の段階では相当の額のものであろうかと考えております。  また、もう一つの格差の問題として、いなかでは税金が高いのに施設が悪いじゃないかという問題、これをどう解消するかということも、一つの格差解消の問題でございます。これにつきましては、御承知のとおり、昨年度住民税の改正をいたしまして、いなかにおいても特に貧弱町村において多かった重い税負担を解消していこうという方策をとってきたわけでございます。ところが、それらの市町村においては、金がないがゆえに、町村の財政が豊かでないがゆえに、豊かでない住民に税金の負担を多く求めたということでございますから、減税をすれば、直ちに今度はそれらの市町村財政が困るという問題が起きてまいる。そこでそれを救済いたしますと申しますか、そのために減税補てん債をさしあたり起こしたわけでございますけれども、減税補てん債でいつまでもつないでいくわけにいきませんので、恒久的な財源としての交付税の配分をそれにかえて逐次切りかえていくというかっこうをとってまいっておりますことも、先ほど財政課長から申し上げたとおりでございます。  それからまた農村の人口が減ってまいりますと小学校の生徒が減る。現在の交付税の算定方式では、学校の生徒一人当たり幾らというような方式になっておりますと、生徒が減れば交付税が減るという仕組みになるのは当然といえば当然でございますけれども、それではいなかでは一つの学校で生徒が減っても維持していかなければならぬというような問題がございます。そういった問題を解決いたしますために学校の経費を同じく算定いたします場合にも、生徒にあるいは学級にあるいは学校ごとにそれぞれ単位費用をきめておりますけれども、その場合にも学校にウエートを乗せる、学級にウエートを乗せる、そうして生徒にかけるウエートを少なくしていくというようなことによって、いなかにおける学校の経費が総体的に減らないようにというようなこまかい配慮もいたしておるわけでございます。  そういうようないろいろな方策を講じまして、貧弱な市町村といいますか、そういったところの財政力に大きな支障を来たさないようにしつつ、できるだけ行政水準の引き上げをしていこう、こういう努力を続けてきておるわけであります。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 いろいろ御苦心をなさっている様子もよくわかりました。ただ、私はこの平衡交付税のねらいといいますか考え方の対象が、いまもお話の中に出てまいりましたように、どうしても人のみを対象にしておる。これはもう当然のことでありまして、政治の対象は人間、国民ということ、住民ということでなければならないのであります。しかし、いま僻地あるいは山村などが非常に苦しんでおりますのは、まあむろん人間の生活を向上させなければいけないことでありますが、それ以前の問題として、地域の安定がはかられておらぬ。財政力がないものですから、山は荒れっぱなし、谷もくずれっぱなしというようなことで、道も直らない。もちろんいまお話がありましたように、学校はますます都会との開きが大きくなるということで、問題はそういうもとを直していきますれば減る人口も幾らかは減らなくて済むであろう、生産力も上がってくるのではないか、こう思われるものですから、いまのこの交付税が人を対象としてのみ考えられておる。のみといってはあるいはいけないかもしれません。ほとんど私はこれで勉強したのでありますが、人の数なりあるいは道の長さなり道の幅なりということを考えておる。国土そのもの、まあ地方団体でありますから県主ということばがいいのですか町村土ということばがいいかどうかわかりませんけれども、要するに行政区画内の土地そのものを対象としておらぬのです。だから広い土地を管轄しておって、しかも村民、町民が少ないというような場合においては、幾ら交付税のほうで補正し、よけい回そうとしても回し得ない面がある。問題は、私は交付税算定の基礎の考え方として、土地の豊凶なり土地の条件なり、あるいはもっと言いますれば気候なんかも考慮して、よけいにそういうところへ交付金がいくような考え方をとっていかなければいけないのではないかと思うのです。私はつくづく思うのでありますけれども、この平衡交付税というのは、大臣御承知のように占領政策の落とし子みたいなものじゃなかったのでしょうか。戦争直後における非常な状態を救済せんがため、またいまから考えますると非常にとっぴな地方税制というようなものをとったものですから、それを救済するための交付税制度というものが出てきた。あのころは当然に、またアメリカの考え方からしますと、さしむき人というものを対象にして人の救済、人の向上ということのみをまずねらったことはよくわかる。当時といたしましてはやむを得ないことだったかもしれませんけれども、いまやようやく衣食足ってきたんです。次に住まできておる。このときにおきまして、もう一歩進めて土地そのもの、国土そのものに考え方を向けていかなければならぬと思う。そういうことになってきますれば、交付税の考え方の対象といいますか、ことに補正係数というようなものにつきましては、よほど新しい考え方をとっていきませんと、僻地なり山村なりの窮迫財政というものは救い得ないのではないか。とうてい補正係数などで間に合うものでもありません。また公債をやるからといいましても、公債で救えるものというのはいまの状態からいいますとわずかなものである。基本をまず国土そのものに向けていただくときがきたのじゃないかと思うのですが、これはいかがでありましょう。

松島五郎自治事務官(大臣官房長)

○松島政府委員 ただいま先生御指摘のございましたように、現在の交付税制度につきましていろいろな批判がありますうちで、現在の交付税制度が御指摘のありましたように、人あるいは既設の施設というものに即して算定されるということから、何と申しますか非常に現在の交付税というものは静態的な算定方法であって、新たなる展開、産業開発なり新しい事態を展開していくためには不十分な点があるのではないかという問題が一つございます。たとえば、道路についてみましても、道路の面積当たり幾ら、延長当たり幾らというような計算方法をいたします限りは、既設の道路というものが中心になるわけでございまして、これから新しい道路をつくろうというそのものを計算の中に入れるということは困難でございます。そういう意味で循環していきます経費はこの交付税制度で算定できるけれども、新しい投資、新しい展開をしようとする場合には不十分じゃないかという議論がありますことは御指摘のとおりでございます。しかしながら新しい投資、新しい分野を開こうという場合に、それをどう計算の中に入れていくかということは、単に補正の問題だけではなかなか解決しにくい問題でございます。と申しますのは、継続的な経費でございますと、現在のような算定方法で計算できるわけでございますけれども、一回限りあるいは特にある時点においてのみ必要だという経費を算定するということは、結局その時点その時点においてどの団体についていかなる経費が必要であるかということを個別的に判断をしていかなければならぬという問題になってくるわけでございまして、そうなりますと、交付税がいわば国が補助金を出しておりますように、一つ一つの問題について一つ一つ判断していくということになりますと、どうも交付税算定の客観性が維持できなくなるという問題がございます。私どもも交付税制度がいまのままでいいかどうかという問題について、ただいま御指摘のありましたような問題について、いろいろ検討を加え、その上にはそれなりに私どもも改善をはかってきておるわけでございますけれども、より根本的にはやはりそういう機動的な交付税の算定方法が将来考えられるかどうかということは、一つの大きな研究問題であろうと考えております。

相川勝六自由民主党

○相川主査 金丸さんに申し上げますが、次の質疑者がお見えになりましたので、適当にひとり……。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 たいへん時間がやかましいようでありますからはしょるのでありますが、実はいまも官房長からお答えがありましたように、何か新しい方向へ持っていかなければこの状態は救い得ないというのであります。私もぜひそれを大臣のほうで大所高所から御検討していただきませんと、なかなかこの地域格差ということは困難なのであります。先ほどからお話のありましたように、いろいろな方法をとられたにもかかわらず、私の目には格差はますますひどくなっておるのであります。これを一挙にどうというわけにもいきませんけれども、方法といたしましては、やはり土地というようなものに基本的に目を向けていただいて、そして特に荒れ地、山地というようなものを持っている地方団体に対しては思い切った対策が講ぜられるような方途を講じておきませんと、とうてい少しばかりの交付税もしくはその交付税の補正などによって救われるべきものでもないわけでありますから、そういう意味におきまして私は根本的にこの交付税の目を土地に向けていただきたい、国土に向けていただきたい、こういうお願いをいたしたいのであります。それにつきまして、ベテランとしての大臣、どういうお考えを持っておられますか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 先生の御指摘になっている事情は私もよくわかっております。なかなかそれを一ぺんに徹底的にやれるかどうかという問題になりますと、むずかしい問題ですけれども、地方交付税は、やはり格差の是正という点から見れば、私はこれはいい制度だと思うのです。活用すればできる制度だと思っております。したがいまして、先ほど申しましたように、それを私は大いに活用してやろうと思います。しかし、それがもう一々の山間僻地のところまで徹底してやるということになりますと、それはなかなか容易ではございません。抽象的に言えば、先ほど私が言ったように、地域格差の是正というものにこの地方交付税を利用し運用していきますけれども、それが末端まで徹底するということにはなかなか容易ではないと思うのです。それで、先ほど申しましたように、これは各自治体を通じてやることですから、県を通じ、県がさらに市町村を通じ、市町村からそういう僻地の対策へと、こういうことになると思うのです。それで、一時的な問題につきましては、先ほど申し上げましたように辺地債がございまして、辺地債でやっていって、その辺地債の償還というものをこの交付税で見ていくという方法をとればできぬこともございませんから、御趣旨の点は私よくわかっております。それではいま一体何年でどういうふうに具体的にやるかとおっしゃいますると、これはなかなかむずかしいですけれども、むずかしいでほっておくべき問題ではございませんから、私どももこれは非常に関心を持っておりますので、よくわかりました。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 私は交付税制度を勉強いたしまして感じましたことは、たいへん失礼な言い分ですけれども、これでは、かゆいところへは手が届くかもしれない、いかにも丁寧に手を届かしておるのですけれども、痛いところへは手が届かない。問題は痛いところへ手を届かせるときが来たのではないかと思う。そういう意味におきまして、いまの辺地債なども一つの方法だとは思いますけれども、それよりももっと広い基本的な考えに立って進められなければ、いま私が心配いたしますのは、地方団体は財力がないものですから、荒れ地が起きる、たとえば谷間が荒れてくる、山肌が非常に心配だといっても、それに手をつける意欲を失っておる。どうか台風でも来て大荒れに荒れてくれれば、今度は国のほうで全部災害復旧をやってくれるからというようなことにまでなっておるのです。このもう手をあげておるという状態は、私は非常に政治の不在を物語るもので心配だと思いますから、そうじゃないのだ、国も手を尽くしておるのだという方向だけは早くお示しにならぬといかぬのじゃないか。いままででも、たとえば積雪寒冷地帯についての特別な方策、急傾斜地帯についての特別な方策というものが講ぜられております。しかし、これとても、どちらかというとある種の生産面をねらってのことなんです。私は生産面をねらう前の国土保全という立場からいって、そういう積雪寒冷対策事業、急傾斜救済事業というようなものでなくて、さらに大きく網をかぶせるような形の方策をとっておかなければならぬと思うのです。そういう意味におきましては、いままでの交付税制度があまりに人のみに、あるいは産業のみに片寄って基本を忘れておる、痛いところを忘れてかゆいところのほうにばかり手を届かしておったというこの欠陥をこの際是正する大方針を打ち立てて、そしてこれを地方にお示しになる。具体的にことしどうということが困難でありますれば、そういう方向へ強く検討を進めておるのだということだけでも、僻地の町村の管理者というものは張り合いを持って手も考えるのではないか。いまのところでは、お手あげ、まああらしが来るのを待つ以外にはないなどということで、ますますそういう考え方からして地域格差は増大するのじゃないか、こう思うのであります。この点特に大臣に御要望申し上げて、これについての大臣のお答えをちょうだいできればありがたい。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 先ほど申しましたように、御指摘になりました点は私にもよくわっておりまするので、今後といえどもこの点にきましては極力考慮を払っていきたいと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)分科員 もう一応時間が来ましたから。ただ、私は大臣はベテランでありますから、何かもう少し具体的にお考えを持っておられるのじゃないかと思います。時間が来ましたので非常に大臣はお答えをはしょっておられるようでありますけれども、考えを持っておられると思うものですから、それをこの機会に示しておいていただくとありがたいのですが。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 実は具体的なものは持っておりませんけれども、考え方としては私はそういう構想を考えておるわけでございます。ですから、先ほど申しましたように、その方向に向かって私は考えていきたい、こういうことでございます。

相川勝六自由民主党

○相川主査 次は細谷治嘉君。  細谷君に申し上げますが、大体十一時半くらいまでにひとつ。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 時間もございませんので、簡単に二点ばかりお尋ねいたしたいと思いますので、簡単明瞭にひとつお答え願いたいと思うのです。  第一点は、昨日の閣議で、地方公共団体に対して、水道料など各種公共料金の値上げを自粛するよう要請することがきまりまして、自治省から要請文を各自治体に出すことになったそうでありますが、その内容とお考えについてまずお尋ねしたいと思うのです。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 昨日、閣議でそういう話がございまして、まだ通牒は出しておりませんが、私としては出そうかと思っておるわけであります。しかし、御承知のように、公共料金が一年ストップになっておりまするために——一年ストップといいましても実は水道料はもう五年間ストップされているところが相当多いようでございます。バスにしますと、十年ばかりストップされていたようなものもございまして、ことしの一月に適当に解除をしたということであります。水道につきましても、赤字がだんだんふえる一方にございまするから、各地域においてそれぞれ計画をされているところでございます。ですから、地方公営企業制度調査会におきましても、細谷先生御承知のように、昨年の十一月に答申が出まして、料金は押えるというだけじゃなくて、適正な是正は必要であるというふうになっておりまするから、私は適正な是正はやむを得ないと思っております。ところがその上げ方につきましては慎重な考慮を払ってほしい。ただ上げていいらしいというので、どんどんどんどん上げたということではいろいろ物価に影響するところも多いし、特に現内閣は物価というものに対しては相当の関心を払っておるときでございまするから、地方庁におきましてもその考え方に沿うてひとつ自粛してほしいという意味の通牒を出すつもりですけれども、まだどういうふうな内容のものにしていいかというようなことを実は検討中でございます。考え方としてはそういう考え方であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 通牒は閣議決定に基づいて出す方針になっておる。その通牒あるいは要請文の内容についてはいまの大胆のおことばでありますと、合理化もしなさい、そういう中において水道にいたしましても、交通事業にいたしましても、昨年一年間ストップしたわけです。その前にも上げておらぬのですが、いわゆる上げ幅といいますか、そういうものを最小限にとめろ、こういう内容の通牒を出される御意向のようでありますけれども、昨年大臣も御承知のように一年間ストップいたしたために、きょうは時間がありませんから詳しくは申し上げませんけれども、やはりたいへんな問題が起こっております。そしてそういうものの影響も受けているというのは、むろし一年間のストップということに関連して予想以上の大幅値上げというのが現在出てきております。そういう観点で、ただ文書を出したというだけで上げ幅は適当にしなさい、これから地方議会がその審議の本場にかかるわけでありますけれども、それだけで文書を出されるということはいかがと思うのです。政府としてはこういう具体的な方針を持ってやるからひとつこういうふうにしてほしいという具体的な対策を持って対処していかなければならぬのじゃないか。昨年の例から見てもそういうふうに痛切に感ずるわけでありますが、そういう点いかがでしょう。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 ごもっともな点でございまするけれども、しかしながら、それでは自粛するけれども、国がそのなにをカバーしてみろということで国にまたたよってくるということでは、私はこの問題は解決しないと思うのです。国もなすべきことは地方公営企業制度調査会の答申の中にも織り込まれております。先生よく御承知のように、大きく分けると三つの柱であったように思います。一つは、適正な価格の改定は必要やむを得ぬぞということ。もう一つは、同時に合理化をしなさい。合理化はほうっておいてただ赤字だからその赤字を料金で解決するという考え方はいけないぞというふうに私はとっております。これは私はぜひ必要なことだと思う。もう一つは、政府もただおまえたちけしからぬぞというだけではいかぬぞ。現在の赤字の一つの原因は、民間の公募資金によって短期の利子の高いのでやっているもので、利子に追われている点もあるわけだから、政府としても比較的長期な政府資金を安く貸してやるようなことにおいて、ひとつこの問題を助けてやったらどうかという趣旨のように私は思えるわけです。この三つの線に沿うてこの問題は取っ組んでいかなければならぬのじゃないか。いろいろ先生方のお説の中には、水道に対しては一般国費から補助したらいいじゃないかとかどうとかというお話がございますけれども、やっぱりこういう公益事業は、利用者がその会計において解決をしていくということでありませんと、利用しない者もその税金でもってこれをまかなうという行き方は、やはり特殊な場合は別といたしまして、一般的にはやはり独立採算のたてまえはとるべきである。そうしたときに、それでは大幅に上げるがいいかと言われると私のほうは実は困るので、大幅に上げられないように計画は最小限度に自粛してほしい。それじゃその自粛の方法はどういうふうにして解決するかといえば、私は、一つは合理化を同時にやってほしいと思うのです。合理化の余地がないかというと、いま地方公営企業制度調査会においてもこの問題は、取っ組んで検討されております。夏ごろまでには答申が出るだろうと思いますが、この問題はやはり合理化というものをあわせて検討していくべきではないか。そのほうを抜きにして、ただ赤字なんだからそれを全部料金にはね返していくという行き方はとるべきではない。それから政府においても、政府資金をできるだけ長期にするという検討をいま大蔵省とも折衝しておりまして、これは前向きにいま進めておる段階であります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 大幅の値上げはぜひ阻止したい、そして合理化も必要だが、適正な最小限度の値上げ、こういうことであるようでありますが、一体そういうことについて自治省がいまお考えになっておられる対策、国としてとるべき具体的な対策、そういうものが前提になってどういう点が一体妥当なのかということについては、今日なおお答えできるような段階にないと私は思います。思いますが、現実にたとえば五〇%以上六〇%とか七〇%という大幅な値上げが起こっておりまして問題化しております。直接な問題でありませんけれども、昨日あたりは国保関係なども東京都の大幅値上げ、こういう問題に関連いたしまして、町村では返上してしまえ、返上計画をしてほしいという声が町村長の間あたりで非常に強く出ております。そういうことでありますから、これは何としても、ただ一片の要請文を出されるということでなくて、昨年の経験もあることですから、ひとつぜひ具体的な対策を持って、こういうことを国としてやるから地方においてもこの線で値上げ抑制に努力してほしい、こういう通達にしていただきたい、こう私は思うのです。これに関連して、財政局長もおいでいただいておるのですが、地方公営企業法にいうところの公営企業ばかりでなくて、自治体においてはたとえば公営質屋の問題もたいへんな問題になっております。こういう問題も、ただ単に水道とかあるいは交通事業とかいう問題ばかりでなくて、全く同じような構造的な赤字を持っておるし、また赤字要因を持っておる、こういうことでございますので、こういう点についてはどういうお考えなのか、これもあわせてお聞きしておたきい。   〔主査退席、井村主査代理着席〕

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 公営企業のうち一番大きな問題は、御承知のように交通、水道料金、病院の三つであります。いまおっしゃいました公営質屋等につきましては、その他公営企業の中に入るわけであります。公営質屋というものがだんだんと経営が苦しくなっておりますことは御承知のとおりであります。これは公営質屋というものの利用がだんだん減ってきておる、むしろ実際は公営質屋というものの果たすべき使命というものが変わってきておるのではないかというような問題があるわけであります。所管は、財政的には私のほうでありますけれども、たしか厚生省だと思いますが、主管省ともこの辺の持っていき方につきましては今後とも相談をして、その方向を転換させていくべきときではなかろうかと私どもは考えております。ただ単に財政が苦しいからどうこうという問題じゃございませんので、財政が苦しくなっておる原因というものは、その需要そのものの価値が変わってきておるのじゃないかというように私どもは考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 公益質屋の問題あるいは屠場の問題等いろいろあるわけでありますけれども、私はやはり今日の公益企業についての独立探算制の根本的な問題——独立採算制というのはどうあるべきか、これらの見通しまでも含めて、料金値上げに織り込んでいこう、そういう企業の独立採算制のあり方に根本的な問題、構造的なもがのあると思うのです。ひとつそういう点についても十分具体的な対策を持って指示するからには、要請するからには、一片の通達にならないように、自治体が困らないように、ひとつ配慮をお願いしたい、こう思うのです。  時間もありませんから、次に移りますが、自治省におきましては、今年に入りましてから、地方公営企業関係の施行令とそれから省令を改められたわけですね一これはいつ公布されたのですか。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 一月十七日だったと記憶いたしております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 一月十七日、私は一月十六日と記憶しておるわけです。その内容の一つに、従来は一定の条件を持った法人に限って料金の委託徴収、こういうものがなされておったわけでありますが、今度は営利を目的としようとしまいといいのだ。法人、私人に対して委任できるのだ。そのほかにも、従来は指定都市においては自治大臣が、それからそうでないところに対しては都道府県知事において、許可ができたわけでありますけれども、今度は地方公共団体の長の同意、こういうことになったわけであります。そして、この理由としては、公営企業の経営内容の悪化という問題と、もう一つは、従来から日本水道協会等の主張、こういうものもあって、こういう改正が行なわれたのじゃないかと思うのですが、こういう内容の施行令の改正、広範囲な委託制度を採用していこう、こういうことがどの程度、たとえば今日の水道企業の経営に役立つとお見込みになっておるのか、この辺、お尋ねしたい。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 その改正を行ないましたのは、私は実は公営企業の問題に、財政局に変わりましてからタッチしたのですが、第一承認を要するという規定があります。承認を要しても、その承認するについても、いろいろはっきりした基準があるわけでもなし、事務の手続きからいいましても、繁雑なだけであります。どうしてこういうことをやったのか、実はよくわからなかったのですけれども、いろいろ調べてみますると、こういうことをしても全然意味がないわけじゃございませんけれども、事務簡素化、能率的な経営ということから考えますと、地方公営企業の経営者側において、さような道を開いてくれという要請があるのに、拒否すべきでない。したがって、私どもも、申請してきたものを、一々判断するのは事務上繁雑でございますので、また地方側におきましても、そういうことにわずらわしい手続きを踏むことも、経営という面から見ますれば、そんなに価値の高いものとも思われない。むしろ地方団体側におきまして、経営上そういう仕事を委託するかしないか、自分でやるべきかどうか、それは地方団体の判断にゆだねたらいいじゃないか。したがってそういう承認手続き等を一切とっ払って、地方団体の自主的な判断によって委託するかせぬかということを決定していくというような方法に変えたのでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 そこで、料金徴収の委託制度というものは、これはへたをすると、合理化という名における人員の削減、こういうものに発展する危険性がずいぶん多いんです。こういう点をねらわれているんですか。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 別にそれだけをねらいにしたわけでございませんけれども、不必要な人間であれば、それはその企業から去っていただくことも、企業の経営上必要な場合があろうかと思います。それがよけいな波紋を起こしてもいけませんけれども、地方団体の実情においてしかるべく取捨選択の上道を選んだらよかろう。要するに、そういうものに対してよけいな人員を置いて、今後の経営を苦しくするのがいいか、あるいはそういう事務はできるだけ簡素化して、能率的な経営をやっていくかという判断になる問題でございます。  そこのところの判断は、私どもは個々の地方団体にゆだねよう、こういう観点から、経営の合理化に役立てばということを主眼に置きまして、かつお互いの立場からいいますと、無用の手続きをして、形式的な承認を行なっても意味がないじゃないか、こういう判断に立ったわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 おことば、そのとおりでありましょう。しかし、従来と違いまして、営利を目的とする法人、私人でもいいわけですから、どうも自治省のお考えというものは、ことばは非常にさわりはいいんですが、地方団体の、たとえば水道企業の料金徴収というものは非能率だという前提意識を持って、ものごとを考えていらっしゃるようでありますけれども、非能率という問題は、徴収であろうとなかろうと、これは自治体自体で解決すべき問題だと私は思うのです。  そういう点で、今度かなり大幅な委託に対する範囲を広げた。こういうことについては、企業自体からしますと、幾多の問題点が存在しているのじゃないか、私はこう思います。そういう点について今後十分に指導をしていただきたい、こう思います。  もう一つの点は、省令の改正が行なわれたわけですが、幾つかの点において耐用年数の短縮という問題と、それから減価償却について、従来一〇%のものを五%にした。この二点が主体のようでありますが、これはどういう観点からこうなさっておるのか。いわゆる内部留保というものをしよう、こういうことでしょうけれども、どういうことからなさったんですか。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 従来から国の法人税の規定とずっと合わしてございますので、国の法人税法の規定の改正に合わして、所要の改正を行なったわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 減価償却率を百分の九十から百分の九十五にしたということは、法人税法の問題であろうが、耐用年数の問題もそうでしょうか。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 水道事業以外は全部そうでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 そこで、これは法人税法の改正に基づいてこういう二点が取り上げられたんだということでありますが、数日前の新聞に、かねてからこの地方公営企業等の問題に関する地方債の償還期限の問題と、それから利子の問題とが問題になっておりまして、自治省でもいろいろ努力をされておったようでございますが、大蔵省の方針といたしましては、自治省が主張するような耐用年数には疑問があるんだ。それから、利率の引き下げについては他との均衡上から問題があるんだ。こういうことを主張されておりまして、若干の償還期限の延長——これは耐用年数と密接不可分の関係を持っているかと思うのですけれども、償還期限の延長については若干延ばす方針のようでございますが、しかしなお自治省の主張する耐用年数には疑問を持っておる。三年ないし五年くらい延ばそう、こういうお考えのようでありますけれども、どういう具体的な結論を大蔵が持っているかは、私承知しておりませんけれども、利子については大蔵としては反対だ、こういう見解のようであります。折衝中でありましょうけれども、このいきさつと、それから、自治省の方針をひとつお尋ねしておきたいと思います。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 私どもが利率の引き下げの問題を取り上げましたことについては、細谷先生御承知かと思いますけれども、二つの問題があります。  一つは、公営企業金融公庫というものができておりまして、この公営企業金融公庫が弱小の地方団体にかわって募債をして、それを貸す。つまり、弱小の地方団体にかわって募債をするのだというのが設立の経緯でありますけれども、法律上は低利の安定した資金を貸すのだ、こういう形になっております。   〔井村主査代理退席、主査着席〕 ところが、政府資金は六分五厘でございますけれども、公募資金は、逐次下げてまいりましたけれども、なお七分三厘。公営企業金融公庫の持つ立場とそれから使命からいいますならば、この利率をもっと下げてもいいんじゃなかろうか。また、下げることによって地方公営企業というものの経営に稗益するならば、そういう立場をとるべきではなかろうか。要するに、特殊の企業に対しては、特に民生安定の立場から重要な企業については、差別金融したっていいじゃないかというくらいの気持ちを実は持っておって折衝に当たったわけでございます。しかしながら、それは公営企業金融公庫のあるべき使命というものをどう考えるかということで、残念ながら大蔵当局と私どもの間には所感を異にいたしまして、予算折衝の段階  におきましては話がつかなかったわけであります。したがって、なお一年間、どういうぐあいに公営企業金融公庫のあるべき立場を考えるかということについては宿題になっているわけでございます。  それから、償還期限の延長の問題は、耐用年数とからまるわけでございますけれども、これは私どもは実は、大蔵省当局の気持ちとしては、ほかの企業の融資に関する償還期限というものとの均衡問題、もっとはっきり申し上げますならば、資金運用部資金の資金繰りの問題というものがやはり根底にあるだろうというふうにも思うわけでございます。しかしそれにしても、非常に資本費が高い水道だけについては何か考えられないかということで、ずっと折衝を続けてまいっておるのでありまして、この点につきましては、何年にするかという問題は、まだ話が完全についておりませんけれども、大蔵省当局もその趣旨においては異論がございません。話し合いを進めておるわけでございます。  耐用年数は、従来から法人税法に乗っかるというたてまえをとってまいっておりますので、今回も法人税法に規定のあるものにつきましてはそれに乗っかるように改正をしたのであります。水道につきましては類似企業がございませんので、そのままになっておりますけれども、ほかのものにつきましては法人税法の改正に合わせて改正したということでございます。  御質問の趣旨はおそらくは、地方債の償還期限というものと耐用年数とのギャップをどうするかという問題だろうと思うのでございますけれども、この問題につきましては、耐用年数の再検討も一つでございましょう。償還期限の延長の問題も一つございましょう。あるいはまた、その間に資金的なつながりをどう持っていくかという問題、自己資金の充実という問題もあります。それらの問題をあわせ検討して結論を出さなければならないというふうに考えておるわけでございます。これは逃げるわけではございませんけれども、御承知のように、調査会をやっておりますので、調査会の結論等も参酌いたしまして態度をきめたい、こういう考え方でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 時間がありませんから最後に要望ですけれでも、一つの点は、必ず大臣なり局長のおことばの中に調査会の答申というものが出てくるわけですね、答申をまって、答申をまって。中間答申が出ておりますけれども、中間答申というのはまだ中間であって、本格的な答申が出なければどうにもならぬわけです。おそらくことしの秋過ぎになるでしょう。私はそういうところに、今日ののっぴきならぬ公営企業の実態が調査会の答申待ちという形で、いわゆる調査会の答申というのが隠れみのになっておるところに、追い詰められておる公営企業の問題点があるのじゃなかろうかと思う。ですから、私は、答申が出て、そういうものは尊重しなければならないけれども、やるべきことはまず自治省のほうでやはり進んでやっていただかなければ、今日の構造的な地方公営企業の問題点は解決できないのじゃないかと私は痛感しておるわけなんです。そういう問題の一つとして、耐用年数の改訂は法人税法に基づいて行なわれたわけでありますけれども、たとえば水道ですと、一般的には水道管等は四十年とこういうふうにいわれております。ところが、これについては償還期限が二十五年とか非常に短い。それを二十八年にしようとか三十年にしよう。ところが、大蔵当局は、やはり耐用年数というのはせいぜい三十年ぐらいだと見込まれておるというところに、なお自治省と大蔵との間にこの問題についての意見が一致は見られておらない。もう一つの問題点は、他との均衡との考えで利率——たとえば公営企業金融公庫というのは七分二厘ですか、こういう利子ですね。これは自治省は何としてでもやはり早く政府資金と同じような利率に下げていきたいという考えを持っておられると思う。先ほど局長のおことばでは、今日の地方公営企業の実態から、ある意味では他との均衡ということで利子のことは考えないで、特別な措置を講じてやらなければならぬじゃないかというおことばもあったくらいでありますから、この問題についてはもっと実情に即した形において、耐用年数の実態とこういうものに基づいて償還期限のかなり大幅な延長、あるいは利子の引き下げ等、こういうものにひとつ積極的に取り組んでいただくことが、今日の地方公営企業の問題点解決の一つになるのではないか、私はこう思うのですが、これについてひとつ大臣の大蔵折衝に対する決意ですね、これを聞かしていただきたいと思うのです。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 御指摘になりました点はごもっともでございまして、私どもも、この公営企業の資金繰りにつきましては長期低利という点を考えて、昨年の暮れの予算折衝にはずいぶんぶつかったわけでございますけれども、今回はついにその壁が抜けなくてただ、政府資金のワクを従来よりは増してもらって、民間の公募のほうを少なくしてやるということになったわけでございまするけれども、利率を下げることも一つでございます。  それから耐用年数もいま折衝中でございまして、若干は長くしょうというふうに進んでおります。御指摘のようにこれが四十年、五十年というふうになればけっこうでありまするけれども、一足飛びにはなかなかむずかしいと私は思いますが、少しずつでも長くしていきたいと思います。ただ一つの問題は、何といっても民間資金の七年くらいの八分からの高い金利で、これを借りかえ借りかえでいくことは一つの大きな赤字の原因にもなるのでありまするから、これを何とか解決をしていけないものかという実は考えを持っております。いずれにいたしましても、この点は御指摘のとおりでございまして、公営企業といいましても、特に水道というのは一般大衆の生活に直接つながる問題でございまするから、独立採算制はちょっといまのところこれを変更するということは容易でないので、御趣旨にはいまのところ沿いがたいと思いまするけれども、金利の点、そうして長期資金の点につきましては、これはもっともな点でございまするから、今後とも努力するつもりでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 一言、大臣は国務大臣でありまするけれども、何といっても自治大臣ですから、地方自治体を守っていく張本人でなければならぬと思うのですが、どうも私ども見ていますと、大蔵折衝が一段落すると一息ついて、うしろを振り返って地方自治体を締めて、また問題が起こりますと大蔵折衝して、そして折衝がある程度まで進みますとうしろに返ってまた自治体を締めるという、どうも一息するくせがあるように思うので、いろいろな問題点があるようでありまするから、一息つかぬで、つくような余裕がありませんから、つかぬでひとつがんばってもらいたいことを特に要望いたしまして終わります。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 決して一息つきませんで、この問題はぜひとも解決をしなければならぬ大事な問題でございまするから、引き続き努力をいたします。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 終わります。

相川勝六自由民主党

○相川主査 次に、小林進君。  小林君に申し上げますが、大体十二時五分までにお願いいたします。

小林進日本社会党

○小林分科員 それでは十二時五十分まで御質問を申し上げます。

相川勝六自由民主党

○相川主査 十二時五分であります。

小林進日本社会党

○小林分科員 十二時五十分まで……。いやいやどうもありがとうございます。私も質問をまとめてまいりませんからばらばらでいくのですが、現在地方自治体における市町村を単位に申し上げますが、国民健康保険財政の赤字はどれくらいになっておりますか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 国保財政の赤字は団体として三十七億であったかと思います。それに市町村の繰り入れとそれから府県の補助——補助はこれは赤字といっていいかどうかわかりませんけれども、実質上の赤字と考えまして、これが九十五億でありましたか、全体として百三十二億、これは三十八年度の決算でございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 若干古いようでありまするが、三十八年度の決算において国民健康保険特別会計の赤字は百三十二億円、こういうことになるわけでございまするが、三十九年度はまだ決算が出ておりませんが、その見通しあるいは四十年度、ことしはまた九・五%値上がりいたしておりまするが、四十年度の見通し等はいかがでございましょうか。概算でよろしゅうございます。  あなた方の答弁がおそいときはそれだけこっちも時間を食いますから、委員長、答弁の時間は含まないですからね。

相川勝六自由民主党

○相川主査 いやいや、含んでおるそうです。十二時五分です。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 昭和四十年度の見込みでございますが、歳出につきましては、御承知のように医療単価の是正に伴う医療費の増、給付率引き上げに伴う医療費の増という問題がございます。それから事務費の増その他を考えまして、歳出に大体私どもの推算では三百七十億見当の増加が予想される。これに対して歳入につきましては、国庫負担金の増加並びに一部負担金の増、これはいまの単価の是正に伴うものでございますが、二百九十七億程度の歳入の増がある。差し引き七十二億ばかりのものは足らぬであろう。結局、もう一回申し上げますと、歳出の増加としては三百七十億くらいのものが予想される、歳入の増加については国庫負担金、一部負担金を合わせまして二百九十七億円程度の増加が予想される、差し引き七十億くらいのものが足らない、この部分につきましては、保険料にその歳入を求めざるを得ない、こういうふうに相なると思います。

小林進日本社会党

○小林分科員 保険料の値上げ……。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 はい。

小林進日本社会党

○小林分科員 これは一般交付税、一般財源を保険特別会計財政に繰り入れるというようなことはありませんか。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 社会保険のたてまえに立っておりまする以上は、一般会計からの繰り入れということを求めることは、本来筋の合わない話だというふうに考えております。

小林進日本社会党

○小林分科員 私はきょう申し上げますのは、二つの問題さえお聞きすればよろしい。国民健康保険料が一体どれだけ地方財政を圧迫しているか、地方住民を圧迫しているかということが一つです。もう一つは、この前も自治大臣にお願いしましたいわゆる地方町村議会のあり方の問題です。この二つのものを要領よくお答えください。あなた方が要領悪いと私が非常に迷惑する。それをひとつ第一にお願いしますから……。  現在市町村における市町村民税を免税されている世帯主といいますか、全国で各市町村を通じてどれくらいおりますか。各市町村、全国で三千何ぽかありましたな。その中でいわゆる住民税を免税されている者はどれだけか。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 現在、総人口のうち、市町村民税の納税義務者は、均等割りを納める者を含めまして、明年度で約二千九百万人、こういうことであります。したがいまして、これを世帯主の数とそれから個々の所得者の数と見てまいりますと、現在のところ免税を受けております者はおおむね一千万人くらい、こういうふうに見ております。

小林進日本社会党

○小林分科員 そうすると、大ざっぱに言って、世帯主も個人の場合もありますが、それを総計して二千九百万人、そのうち一千万人が免税をされておるということですか。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 二千九百万人が納税者の数であります。

小林進日本社会党

○小林分科員 そうすると、プラス一千万人か。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 はい、そういうことです。

小林進日本社会党

○小林分科員 大体三千九百万人の納税資格者というか納税をしなければならない国民というか、そのうち一千万人が免除せられて、二千九百万人が納税しておる、こういう勘定ですか。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 逆に申しますと、有業者の数と納税義務者の数の差を一応免税ということができるかと思います。厳格な意味での免税と申しますのは、免税点以下の者もございますし、所得が低いためにかけられていない者もございますので、そのもの自体の数字を正確につかんだものはございません。したがいまして、いま申し上げましたように有業者は一応所得があるものだ、こういうふうに考えてまいりますと、いま申し上げたようなことが推定できるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 それでは、まあ有業者が三千九百万人としましょう。そのうち一千万人が均等割りを免除せられておる。しかし、その人たちはやはり国民健康保険税は納めているわけですね。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 健康保険税の納税者と有業者の層とが必ずしも一致をいたしておりませんので、正確な差し引き計算は困難であろうと思いますが、健康保険の被保険者の数はいま三十八年度で約三千三百万くらいになっております。

小林進日本社会党

○小林分科員 そんなにいったかね。そんなことないでしょう。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 被保険者の数は三千三百万でございます。したがいまして、これは御承知のように世帯主のほかに家族も含まってまいるわけでございまして、ぴったりした同じ面での比較ができないわけでございます。一応の大きな見方としてそういう見方ができるわけです。

小林進日本社会党

○小林分科員 ちょっとおかしいが、国民健康保険の被保険者は四千五百万くらいにいっているだろうか。四千二百万くらいにはいっているだろう。だんだん減ってくるだろうけれども、三千万ということはないだろう。それは家族を含めるが……。そのうちの一体国民健康保険のその保険料というか、保険税の責任者というか、納めている人、家族の者は世帯主が一括して納めていますから、そういう数が概算どのくらいのものですか。いわゆる保険料の納税責任者というか、納めている責任者の数は……。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 被保険者は家族も入っておりますので、三十八年度で三千三百万でございますが、ただあるいはお尋ねの点が、もし世帯単位ということでございますと、世帯数からいいますと一千万、いわゆる世帯主単位に把握いたしますと一千万くらいでございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 それで一体いまのいわゆる市町村民税の総額がどのくらいで、国民健康保険税というものが一体総額どれくらいになっているか、これをちょっと比較してくれませんか。全国的なトータルでむずかしいかもしれませんけれども、国民健康保険税の総額は……。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 同じく三十八年度の調べでございますが、市町村民税の納税義務者数が一千八十六万七千五十四人、国民健康保険のほうの世帯数が先ほど申しましたように一千七十二万六千百二十八世帯、しかして国民健康保険税の総額は四百九十億でございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 それから市町村民税の総額は。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 市町村民税の個人の所得割りの三十八年度の額は一千百二十一億でございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 どうもこういうトータルでいきますと、これは市町村民税を納める者は勤労者もおりますし、日傭者もおりますから、なかなか把握できませんけれども、現在農村地帯へ行きますと、いわゆる市町村民税の均等割りも納めない人が国民健康保険税を年間四千円ないし五千円取られているのだが、これは矛盾じゃありませんか、自治大臣そういう実例をお聞きになりませんか。こういう例はありませんか。市町村民税も均等割りも納めない者がいわゆる国民健康保険税の四千円ないし五千円を取られております。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 市町村民税の均等割りは、知のように前年の所得が、ことしでございますと年二十万円以下の者は均等割りを納めなくてよい。ほかにもいろいろ条件がございますが、この二十万円と申しましても、老年者であるとか障害者であるとか寡婦であるとかいったようないろいろ特殊な環境にある人でございますが、そういう場合がございます。国民健康保険のほうは御承知のように本来が保険料の性格のものでございますので、必ずしも免税ということでなく、やはり所得に応じまして納めることになるわけであります。その場合に、各市町村によって個々の健康保険税の納税者に対する負担の割り方の方式が幾つかございますので、必ずしも一致いたしておりませんが、多くの場合は均等割り的な負担とそれから能力的な負担、両方の面でやっております。市町村民税が免税されておりましても、保険料はやはり別の性格のものでございますので、保険料を納めるケースはあるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 これは特別会計で、どうも自治省は一体保険料の徴収に対しては干渉できないものでございますか。国民健康保険に対しては自治省の監督権なしですか。

細郷道一自治事務官(税務局長)

○細郷政府委員 御承知のように国民健康保険事業は、国の仕事を市町村に団体委任をしているのでございます。その国民健康保険事業の所管省は厚生省ということになっておりますので、法律的な厳格な意味におきましてはそういう面での監督権はございませんが、反面自治省は地方団体の総括的な立場からする一般的な立場での、いろいろ指導助言等をする責任がございますので、そういう面からはあると思います。

小林進日本社会党

○小林分科員 先ほどのお話の中に、やはり七十二億円くらい赤字になる、これは保険料を値上げする以外にないというお話があったのですが、これは去年の暮れですか自治省は国民健康保険に対する国庫負担の問題について、いま国庫負担二割五分、調整金が一割、合計三割五分を国庫が負担しておりますけれども、それでは地方財政がもたない。だから国民健康保険に対して国は五割を負担すべきであるというような主張がされたことがありましたが、おやりになりましたようなその経緯をひとつお聞かせ願いたい。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 国民健康保険財政の立て直しをやりますためには、結局社会保険の立場に立つのでありますから、国庫負担金と保険料という二つによって収支をとるといったほかに方法がない。したがって、そういう意味から現在の国庫負担金の制度をながめてまいりますならば、療養給付費の国庫負担金というものもこれも改めるべきであろうし、また事務費の国庫負担金というものも名実ともに国庫負担金たらしめなければなりませんし、調整交付金につきましてもいまのままの姿がいいか悪いかということになりますれば問題があります。したがいましてそういう意味から私どもといたしましては療養給付費の今日の百分の二十五という低率負担金を百分の四十に改めるべきである、事務費は名実ともに全額国庫負担とすべきである、こういうことを申しまして、一方保険料については標準保険料という制度をつくったらどうか。現在標準保険料という制度はございません。そこで国民健康保険税の負担の均衡をはかるために、先ほど来いろいろお話がございましたが、現在保険税の負担にいろいろ問題があるものですから、標準保険料制度というものができないものだろうか、これをつくって、これと国庫負担金との差額というものは調整交付金の合理的な制度にのせて、そしてこれを全額補てんする措置というものをとるべきじゃないか。本来ならば交付税で果たすべき機能というものを、この制度の特殊性から調整交付金という制度で果たすべきじゃないか、こういうことを申し上げておった次第でございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 理屈っぽくなりますけれども、先ほど、保険事業というものはやはり国の委託事業で自治省には具体的には関係がない、そして、赤字になっても一般交付税から繰り入れるべき性質のものじゃない、こういうことをおっしゃったんだけれども、そうすると、いまのお話とは矛盾があるようだ。実際の面においては、これはあなたの言うことがほんとうなんだ。みんな赤字が出てくる。一般交付税から食い込んでいる、一般財源から食い込んでいるから、保険財政のために、いわゆる他の地方自治体本来の仕事が非常に迷惑をこうむっているわけだ。だから、あなた方はそういう他の管掌事項に対してもそういう主張をしなければならぬわけでしょう。やはり四割の交付金をよこしなさい、標準報酬をきめて、あとは全部調整金でおやりなさい、事務費は全額ひとつ保険財政で持ちなさい、厚生省というか、他の機関で持ちなさい。これは干渉ですよ。いわば干渉だけれども、干渉しなければならぬ原因は、それはあなた方の一般財源を食われているから。そうでしょう。で、そういうことを言われたんでしょう。そうじゃないですか。そこで、ぼくはあなた方の主張を支持するんだ。ぼくは、それは正しいと思う。だが、それをなぜ一体あなた方はやらなかったのか。言いっぱなしで、へをしただけで、あとは知らぬ顔をしている。へっぴり腰の主張はしないほうがいい。あなた方はちっともそういうことで強く出てこないから、医療費の問題で、ここで大もめにもめているんです。だれ一人支持しようという者がないのであって、きのうあたりも支払い側と会談したようだけれども、話がまだ解決しないでもたついている。そして住民もみんな困っているのだ。地方団体も困っておれば、住民も困っておる。それは厚生省も悪いです。全部赤字を出すようにして、そして自治省にしりぬぐいをさせているのだから。それをあなた方はしりぬぐいする必要はない。赤字は赤字のままで返上すればいい。返上するように指導すればいいんです。それで、私もずっと調べてみたんだけれども、大体市町村平均で、去年おととしあたりまでは一世帯平均で保険料というものは七千円−一昨年あたり五千円くらいだったが、昨年は市町村によっては三割上げたの四割上げたの、六割上げた市町村もありまして、だから六、七千円。今度またこの四月から一斉に上がる。四割から六割上げますといって、大体ことしの四月になると市町村住民の、農村地域ですが、一戸平均一万から一万一千円くらいになる。したがいまして、これをあなた方がいかに地方自治法をうまくやって地方税の負担を軽減してくれたところで、反対にそういう保険税や保険料だの、あるいは水道料、公共企業体と、こっちのほうでぽんと上げられたんでは何にもならないんだ。そんなことは何もならない。だから、やはり地方自治体全般をあなた方が見るならば、さっき公共企業体のときに問題がいろいろ出たから触れませんけれども、こういう保険税の問題でも、均等割りを納められないような貧困な家庭が健康保険税の一万、一万一千も取られてはとても住民の生活なんて成り立つものじゃありませんよ。どうです。そこら辺、ひとつ明確に腹をきめてやってください。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 私どものほうは何もしなかったというおしかりがございましたが、何もしなかったわけではございません。何もしなかったら、いま申しましたようなことは申し上げておりません。申し上げておりますのは、いても立ってもおられないからした、そういうことを申しておるのであります。しかしながら、私どもは残念ながら国庫負担金の主管官庁でございませんから、予算要求ができないわけでございます。はなはだ残念でございますが、いたし方がございませんので、厚生省にお願いをする。そうして大蔵省との折衝を援助するという方法しかとり得ないのでございます。しかし、いまおっしゃいましたような問題があることは私どもは否定いたしません。これは結局社会保険という考え方に立ちます以上は、私はいたし方がないと思うのでございます。国民健康保険の保険料負担というものを軽減するならば、国庫負担金をふやさなければなりませんし、もし国庫負担金をふやせないのでありますれば、国民健康保険に求めざるを得ないのであります。しかし問題は、社会保険でいいのかどうか、社会保障的な考え方に立っていくべきかどうかというところに問題の根本があるのではなかろうかというふうに私は考えております。

小林進日本社会党

○小林分科員 保険か保障かというその問題の論争は別として、あなた方はやはり地方財政を監督するというのならば、そういう意味においてもう少しはっきりしなければいけませんよ。事務費だって、百八十円を今度二百円にしたって、二百円でやれないでしょう。実際やれっこない。実際は三百六十円くらいかかる。そういうようなことを黙って住民にのましているところに自治省の腰の弱さがある。そういうやれないものはやれないと、赤字はそっくり国に返上しろ、泣き寝入りするな、こういう指導をしなければいけませんよ。  それから、あなた方にお聞きしたいのだけれども、あなた方は市町村をよく見ておられるのだけれども、現在医者のいない町村というのは一体どのくらいありますか。

柴田護自治事務官(財政局長)

○柴田政府委員 無医村が相当あることは知っておりますけれども、具体的に幾らという数は存じません。

小林進日本社会党

○小林分科員 道路や橋をつくるのも大切だけれども、そういう人間の命に関することもあなた方はきちんと調べておいてください。これは財政局長の仕事かだれの仕事か知りませんけれども、あなたの仕事でないかもしれませんけれども、人ごとのような顔をしないで聞いてください。道路も橋も大切だけれども、町村の自治をつかさどっているのだから、医者がいないで人間の命をほうり出されているような問題は厚生省にまかせないで——厚生省というのはだめな省です。あの省はだめなんだから、きちっとそういうことをながめて、そうしてそれに対して住民がどれだけの負担をしているか。あなた方は均等割りをとらないの、所得割りをとらないのといって、それで自治行政がうまくいくと思ったら大きな間違いですよ。地方住民から出る金は均等割りだろうが、所得割りだろうが、保険税だろうが、出る金は、ふところは一緒だから、変わりません。そういうことを見て血の通った行政をやってくださいよ。まあ時間もない。ヘビのなま殺しみたいになって実際私ももの足りないのですが、時間がないから次へ行きます。  この前の問題で、自治大臣、あなたはうっちゃらかしの答弁をしている。けしからんですよ。ぼくが聞いたでしょう。県会議員が県会で発言をした発言をとらえて、町村会が、その県会議員の県会の議場内の発言がけしからんといって不信任の決議をした、こういうことをどう思うと言ったら、あなたはそんなことは地方自治体と県知事と抱き合わせでうまく話し合いをしてください、妥協してください、こういうような答弁をしてこの席上から出ていった。あの答弁一つでも、自治大臣としては実に私は不謹慎きわまると思う。それまでは吉武さんという人は、これは案外話のわかる人だわいと思って若干好意を持っておったのだが、あの答弁を聞いてから千年の恋もさめた。ほんとうにつまんない自治大臣ができたものだと思っておる。あのときの速記録を持っておりますが、ああいうようなことはよくありませんよ。これは重大問題です。ところが、これは国会の内外で問題になって、幸いにしてあなた方、こういう書面の回答をお出しになった。抽象論としてはこれはいいですよ。「県議会における議員の発言が著しく事実と異なり、関係市町村においてその公益上の見地から意見を述べることが必要であると認められる場合においては、」——何でこんなくどくどしいことを言わなければならぬのですかね。「その意見を市町村の議会の決議という形で表明することはさしつかえないものと解するが、単に議員の発言をひぼうし、その議員を弾がいする趣旨のものは、なしうべきものではないと解する。」これはどういうことなんです。この二つのケースをひとつ区別をして納得できるように説明をしていただきたいのであります。同時に、私がこの前事例を詳しく申し述べて説明をしながら皆さん方の回答を求めたあの具体的事例は、一体この回答の中の後半に属するものか前半に属するものかも、あわせて御答弁をいただきたいと思います。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 ただいまお読みになりましたとおりに、その後私どもが法律の解釈といたしまして、法制局とも打ち合わせまして御提出を申し上げたわけでございます。前段は、県議会における議員の発言がありました場合に、その当該町村につきまして事実が違っておる。そして当該町村といたしましても、それに対して弁明しておきたいというような場合に、市町町議会におきまして決議の形で当該市町村の意思を表明する、こういうことは差しつかえない、こういう趣旨でございます。後段は、それが単に特定の議員の発言を誹謗する、あるいはその議員を弾劾するというそういう趣旨のもの、これはなし得べきものではない、こういう趣旨でございます。  なお、御質問で、この前御提示になりました決議文がどうかということでございましたが、私どもこれを県に照会いたしまして、発言の全文ではございませんで、要旨ということで承知いたしたのでございますが、この要旨を拝見いたしましたところでは、確かにやや後段の趣旨からいたしますると問題になる点があるように存じます。

小林進日本社会党

○小林分科員 あなたのことばではわからない。結局おっしゃることは、県から資料をもらった、それは全文ではなくて要旨だ、要旨を見たところではやや後段に近いものと思われる、こういうことですね。それでは私としてはどうも満足をすることができません。要旨でおわかりになりませんでしたら、県には全文があるはずでございますから、どうか全文をいま一回おとりいただきまして、要旨だからわからない、やや後段に属するようだというようなことではなしに、こういうようなことは明確にやはり自治省としての判断を出していただくことが将来非常に必要なことでありますから、いま一回ひとつあなたの回答をちょうだいいたしたいと思います。全文をとっていただいて、その全文に基づいて、それが確かに特定の議員を誹謗しているものであるかいなかということも明確にお答えいただきたい。  自治大臣、あなたはこの問題に関しましてこういうことを言っていられる。「それぞれ発言されたことについては、それぞれの方が責任をとられるべきものであると思います。地方自治は地方自治の中でそれは解決をしていくということでないと、それを一々自治省が取り上げて、裁判所のように白黒をつけていくというようなことは、私はいかがであろうか、かように存ずるわけであります。」あなたはわかったようなわからないようなこういう答弁をしていられる。私はあのとき一生懸命になって事例をあなたに説明したと思う。これは私の事例をまじめに聞いていない証拠ですよ。自治大臣としては実に不謹慎きわまる。あなたはまじめに聞いていましたか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 聞いていました。

小林進日本社会党

○小林分科員 それならあの話をいま一回……。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 いま行政局長からもお話しいたしましたように、その経過なりそのときの発言の具体的なこまかい点は存じませんから申し上げかねますけれども、自治体でそういうふうな争いなり紛糾が起こったものを、一々自治省が介入をしてどうだこうだということは、私はできるだけ避けたがいいと思います。自治体は自治体を尊重して、自治体の立場においてものを解決をしていくということでありませんと、自治省が一々介入してどうだ、こういうことは自治体の趣旨というものを尊重しないようなことになるといかぬ、こういう意味において私は自治体で解決をしてほしい、こういうことを言ったわけでございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 私はあなたに聞いているのじゃない。私がどういう事例を申し上げたか、その事例をあなた述べながらおっしゃっていただきたい。知っているとおっしゃいましたから……。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 それは、その前の御発言になりました点は速記録に残っておりますので、私はいま一々速記録を覚えているわけにはまいりません。

小林進日本社会党

○小林分科員 いま一回内容を説明してください、私がどういう内容を説明したか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 この前、委員会で御発言になりましたのは、新潟県の六日町において前町長か何かが県会議員に立たれて、県会で何か発言されたことが六日町の利益に反するというようなことでその町の町会でおもしろくないという意味の決議をされたというような趣旨の御発言があったようでございます。ですから、そのときにはどういうふうな発言をされ、そうしてどういうふうな決議をしたかということは、私はよくわからないけれども、その町における一つの争いなんですね。何か小林さんのお話だと、何とかの道路、何とかの橋とかいうようなものがよくかかるからどうということでありますけれども、それは私はそのとき申し上げたように私どものほうではそういうことは聞いちゃいない。しかしよそではそういうのがあるかもしれない。しかし、それはその地域においての開発にもなり、いいことでありまするから、それはお骨折りをなさることは私はけっこうであるし、それがどういうふうな名前をおつけになろうと、それはやむを得ぬことだろうと思うのでありますけれども、そのときにとられたその町村のやり方について、名前をはっきり覚えませんが、県会議員の方が元そこの町長をされていたとかどうとかいうことでけしからぬという話があったということは、私は記憶をしております。それで町のほうの当局者から言わせると、自分のところの町の発展のために大いに骨折ってくれたのに対してそれを誹謗するのはけしからぬじゃないかというようなことで決議になったというような事情を私は委員会で承っておったわけでございます。詳細は、私はだいぶ日にちがたちまするからよく覚えませんけれども、どうもそのような趣旨の御発言であったように記憶いたします。

小林進日本社会党

○小林分科員 そこまであなたが知っておられれば、これを答案にして点数をつけるとすれば、まあまあ五十五点はやれましょう。点数ゼロでないからそれでけっこうですが、私の問うているのはそういう具体的事例がいい悪いということじゃない、あの場合は。国会議員が国会の中で、いわゆる国会議員の発言は外部に対して責任を持たないという憲法の保障に基づいて発言をし、その発言をあるいは下級の議会、あるいは県会あるいは町村会において、あの国会議員の国会内における発言はけしからぬ、あいつをひとつとらえて不信任を出そうというようなことで、下級の議会で不信任の決議なんかされることが一体憲法上、法律上許されることであるかどうか、私はこういう基本論を言っている。一つの事例として、あの場合、県会内部における県会議員の発言は、国会議員のように、憲法に明確にそれが保障せられているわけではないけれども、県会議員の発言というものも、やはり国会議員の国会の発言に準ずべきものではないか。それを下級の市町村議会が、その町の自治に重夫なる支障を来たすというようなことでこれを取り上げて、いわゆる不信任の弾劾をするような法律行為、それは許されるべきかどうかということを私はお尋ねしたい。これが第一点です。  第二点は、しかも弾劾したところのその事実は、その議員の議会内における発言が正しくとらえられていない。発言をしない事実を誹謗している。いわゆる誤っている。粉飾をして、事実を歪曲をして、それを取り上げて弾劾の決議をしている。事実を事実のままにとらえない。そのとらえないということの中には、県会の中に国会のように速記録という制度がない。要領筆記であります。だからそういう筆記制度、速記録制度というものが、県会の中にないことの可否は一体どうなのか、そういうことも自治省としてどう考えるかということが第二点。  第三点では、いまも言うように、その発言は事実でないということを県会の当該委員会の委員長あるいは副委員長、その委員会に出席した委員も、なおその弾劾をしたといって非難をしている地方自治体の所属している政党、いわゆる与党の幹事長も、みんなそれは事実と違っているという、そういう証人までいるにもかかわらず、いや発言の内容は違うけれども、どうも腹の中ではこういうことを企図してやったんだからそれはだめだといって、言わざることもとらえて弾劾決議をしていることの可否、それが一体よろしいかよろしくないか。  第四点としては、その決議をするときに、その町村は十四対十四だ。そんなことは弾劾をすべきでないという意見が十四、弾劾決議に賛成するほうが十四。そのときに議長が、その弾劾決議案に賛成するほうに一票を投じて十五対十四でその決議案を成立せしめた。いやしくも個人の人格やその人なりを弾劾をするような非難決議あるいは弾劾決議に、議長が賛成のほうに身を投じて、それが十五、十四になるというきわどい決議をするそのやり方が、一体、地方自治のあり方として好ましいことであるか、好ましいことでないかということ。  第五点としては、そういうような決議は、やはり人間の終生の名誉に関する問題だから、当然記名投票で行なうべきじゃないか。それを無記名の形でそういうような決議をやることは、やはり地方自治体としても好ましいことではない。国会等は、御承知のとおりにやはり弾劾決議案とかあるいは重要な法案というものは、みんな記名採決をやっている。国会でそういうモデルを示しているのだから、地方自治体においてもそういう人間の人格に関するようなものは国会に準じて記名投票等、慎重にかまえろという指導は、自治省あたりにあってしかるべきではないかというのが第五点  以上の五点を私は御質問申し上げたのであって、具体的な事案に対して自治省に調停せよの、軍配を上げろのとかいう御質問をしたわけではないのです。そうしたらここへこういう抽象的な文書が来た。こういう文書では、将来とも断じて問題を解決する解明にはならないのですよ。たとえて言えば、自治大臣、私は、やろうと思えばやれるのです。あなたは参議院議員をやって、今度は改選期かどうかしらぬけれども、あなたがいわゆる参議院議員として発言された。これは山口県の全般の利益のために非常に不利益を与えた。これはひとつ弾劾せにゃならぬというので、山口県の県会で多数決で吉武大臣弾劾決議案をつくり上げて、その弾劾決議案を印刷して、ビラにして山口県じゅう全部の電信柱に張ったとする。そういうことをやり得る可能性があるのです。そういうような危険性もこの中に含まれているから、県の基本に対する重要問題だからひとつ慎重にかまえていただきたいという質問をしているのに、あなたはこういうとんちんかんな回答をして行っちゃったわけですよ。いまの問題をひとつ明快にお聞かせ願いたいと思うのであります。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 国会議員につきましては、初指摘のように憲法五十一条において、「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」という明文がございますから、これは責任を問う処置はございません。しかし地方議会については法律がございませんから、これはそれを禁止するとかどうかということはできないと思います。もし事実でないことをやって、本人の名誉を棄損すれば、名誉棄損の問題は起こってくるでありましょう。これらのことは、自治体は自治体の考え方でやられることでありますから、私としては、先ほどお読みになりましたように、事実でないものを議決したりするようなことは、穏当でないと思います。これは常識上当然のことだと思います。

小林進日本社会党

○小林分科員 時間もございませんから簡単にやりますが、国会議員の、あなたがお読みになりました憲法五十一条に対して、地方議会が弾劾することは、それは一体責任を問うことになりますか。憲法でいう責任を問うということの中に、そういう弾劾をしたり決議をしたり非難をすることが含まれますか、含まれないか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 補足して申し上げますが、憲法の規定で院外において責任を問われないというのは、法律上、民事上刑事上の責任を問われないという趣旨に解釈されるわけでございます。地方議会の議員につきましてはそのような規定がございませんので、議場内での発言につきまして、議場外において民事上、刑事上の責任を問われないという保障が法律上ございません。それからただいま先生が御指摘になっておりますような問題は、先ほど私どものほうから御回答申し上げましたところで御説明申し上げましたけれども、特定の議員に対してこれを弾劾するというようなことは、これは、地方議会においてすることはできません。当該議員の責任を問いますならば、ただいまの場合でございますれば県議会の中で懲戒の手続があるわけでございますから、県議会でやるべきことでありまして、その議員の身分に関して弾劾をするというようなことは、これは法律上当然できないということでございます。ただ御指摘になりました六日町のものが、弾劾決議になるかどうかにつきましては、若干問題もあろうかと思いますが、ただ先ほどお答え申し上げました趣旨からいたしますと、確かに問題があるように存じておるわけでございます。

相川勝六自由民主党

○相川主査 小林君に申し上げますが、時間が来ましたから……。

小林進日本社会党

○小林分科員 委員長の気持ちよくわかります。委員長の苦心はよくわかりますので、これでやめますけれども、いわゆる刑事上、民事上の責任をとらないというこれは、下級議会が弾劾決議をすることは刑事上、民事上の責任という範疇に入るか入らないかということですよ。一体それはどうなんです。そういうようなことがあなた方のこういう文書に基づいて、重大なる事実上のそごがなければ、公益上の見地から意見を述べることができるというこの解釈に基づいて、そして下級議会でいつも上級議会における人の、議会内における正当な発言をとらえてきては、こういう事実があるのでこの県に被害を与えた、損をしたの、この村が損をしたの——多数決だから何でもできる。それをやって県内でも一地域でも流されたら、事実上いわゆる議会活動というものはできなくなるという危険があるのじゃないかというのです。だから、その点を私は聞いているのですよ。それを明確に言いなさいよ。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 その点につきましては明確にお答え申し上げているわけでございまして、当該市町村議会が市町村の公益上の見地から、そのことについていわば市町村としての立場で言明的な意思表示をする、これは法律の禁ずるところではございませんし、市町村議会には市町村議会としての独自の権能があるわけでございますから、それは差しつかえない。しかし、その発言をされた上級議会の特定の議員に対して誹謗するとか弾劾するとか責任を問うような、そういう趣旨の決議は、これは法律の趣旨からいうてできないと解する、かように申し上げておるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林分科員 残念ながらまだ問題が明快になっておりませんけれども、時間がありませんのでこれで終わります。したがいまして、六日町の問題は先ほど念を押しておきましたように、摘要であったからまだその判断が明確に下せないということでありましたので、今度は摘要でない、詳細な記事を全部県からお取り寄せいただきまして、この次の地方行政委員会のときには是非黒白を自治大臣の口を通じて明確にお答えを賜わりますことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

相川勝六自由民主党

○相川主査 これをもちまして昭和四十年度一般会計及び同特別会計予算中自治省所管についての質疑は終了いたしました。     —————————————

相川勝六自由民主党

○相川主査 次は、厚生省所管についての質疑を続行いたします。八木一男君。  八木君に申し上げますが、時間は実は三十分にしておりますが、あなたは特別に一時間にしましたから、ぜひ一時間内で終わってください。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 厚生問題について御質問を申し上げたいと思います。  まず、厚生大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、厚生大臣が新管されるものの中で、その大部分であり、最も重点は社会保障制度の問題であるというふうに思うわけでございますが、それについて簡単に御答弁願います。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 いま八木委員からのお尋ねは、厚生大臣の主管しておる仕事のうち一体何がおもか、こういうお尋ねのようにお聞きいたしましたが、お話もございましたように、社会保障に最も力を入れておる、こういうふうに御了承、願いたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 いろいろの社会保障の問題を中心にすべて厚生問題をやられる場合に、厚生大臣は国務大臣として憲法の条章をもとにして、それから民主的な国会のいままでの論議、決議それから審議会の答申、勧告、そういうものをもとに行政を進められる、それからいろいろの企画を進められる責任を持っておられると思いますが、それについてひとつ……。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 いまお述べになりましたようなことを心がまえといたしまして、その充実発展に努力しておるつもりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 四十年度の予算で生活保護基準について約一二%の引き上げというような計画をしておいでになります。厚生省が四十年度予算について要求された最初の率は幾らでございましたか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 生活保護費の予算要求につきましては、例年の要求要領を変えまして、八月の末日までに一般予算は概算要求すべきでありますが、生活保護は、そのときは経費の総ワクで前年度の三〇%増ということで予算要求をしたわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 経費の三〇%増という要求をされたのはどういう理由でそれが妥当であるということで要求されたのか、その根底を聞かしていただきたい。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 生活保護基準の引き上げに要する経費の要求につきましては、昨年社会労働委員会で先生からの御質問のときにも前の大臣からお答えしました経緯もございますが、従来一般の予算概算要求と同じような要求のしかたでやりますと、一つの例をとりますと、厚生省が二十数%基準の引き上げを要求して、そして十二月の末日に政府部内で概算要求の一応の案が決定したときには、それが十何%かになるというような過去の例からいたしまして、そのような予算要求のしかたは、いかにも厚生省の考える最低生活と最終的な予算決定のときの最低生活との間に変化を生じたような誤解を受けるきらいがございますので、四十年度予算要求におきましては、四十年度の経済見通しなりその他のいろいろな生活保護基準を決定していく上において確定いたします要素というものがきまりました後にはっきりと基準を設定したほうがよろしいという、これは八木先生を含めた国会の委員の先生方のそういう御要望でもございましたし、私どももさよう考えて、三〇%というものはいわば予算のワクを設定するという意味で、その後いろいろな生活保護基準を設定する上の指標が固まりました段階で正確に基準の経費を設定し、最終的に政府部内できめる、かような手順を踏むために、ただいま申し上げましたように八月末は三〇%の概算要求をした、そういう経緯でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 それでは第一次、第二次、第三次とどういう段階があったのか、一次からいまの政府決定に至るその段階についてお伺いしたいと思います。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 その後十一月に経済企画庁で四十年度の経済見通しというものが出されまして、これも内閣でその見通しの案が一応政府の案として決定されました。したがってそういうものによって来年度の一般的な生産の伸びなり国民の消費水準の伸び、それから物価の増高の予想、そういうものが一応政府の予想として決定しましたので、そういうふうなものを参考にいたしまして、十二月、予算の大蔵との折衝の直前におきまして、私どものほうで一応の案を設定し、十二月の二十九日でございますか、政府の案として生活保護基準を一二%引き上げるというふうに決定したわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 その時点における一応の案というのは、どのくらいのパーセントですか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 私どもの案では第一案、第二案というふうにございましたが、これは一六%と一二%というような案でございまして、一二%にきまったわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 一六%と一二%の二つの案をつくった根拠は何ですか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 これは結局社会福祉審議会で生活保護の専門分科会の中間報告がございまして、今井一男先生を分科会長とした一つの委員会の参考意見というものが出されたわけであります。それによりますと、生活保護基準の引き上げに際しては、一般的な国民の消費水準と、それにプラス生活保護階層と一般の勤労者世帯なり、あるいは第一・五分位階層なり、そういうものとの格差の縮小ということを考慮していく必要があるのじゃないか。一六%という案はその格差縮小を最大限に私どもが考えた場合の案でございます。しかし、一%にきまりましたのは、結局格差縮小を見込んではおりますけれども、その限度を多少第一案よりもゆるめた案ということで、一二%という案があるわけでございます。一案と二案の差は格差縮小の多少の変化ということでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 一六と一二と二つの案を用意して当たるというのは非常に不見識だと思います。どういう考え方でいままでやっていないようなそういう二つの案を用意したのか。今井小委員会の結論を重視するのはよろしい。重視したなら重視したものでやればよろしい。それでなければそうじゃない考え方で、それについてやればいい。二つという案を厚生省が用意して、それで予算折衝に当たる、こんな不見識なことはないと思いますが、これについて……。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 予算案というものは一つでございますが、考え方を二つ持ったということでありまして、私どもが予算をつくったのは一二%一つでございます。ただ、さっき八木先生からどういう考え方なり経過があったかということをお尋ねがございましたので、経過としてはそういうふうな考え方があったということを申し上げた次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 先ほどの経過で申し上げていますから、すりかえないでください。いま政府の態度できまったのは一二%だけれども、それまでにこの問題の責任に当たる厚生省がいついかなる時点にどういう考え方を持っていたかということをただすためにいま質問している。あなたは厚生省の中でも頭のいい人で有名で、そんなことはわからないはずはない。追及されてごまかす。政府で最終的に閣議できまったものが原案であるような、そういうすりかえ的なものを用意して、して答弁しておる。そうではないでしょう。十二月の時点において一六という案があった。それは厚生省の考え方でしょう。そうじゃないのですか。一六という数字をあなたは答えられた。それについては何らかの確信があって出されたのでしょう。一六というのは幽霊みたいなかげろうみたいなものですか。はっきり答えてください。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 要求の経過において私どもが考えた案でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 要求をした以上は、それについてはそれが適正である、妥当である、必要であるという自信を持って要求されたのじゃないのですか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 これは格差縮小の限度の問題でございますので、私どもは今日の段階では厚生省としては格差ができるだけ一挙に縮小の度合いが多いほうがいいという意味においては、八木先生がおっしゃいましたように、一六%が私どもとしてはよろしいと思うわけでございます。そういう意味においては第一案を一六というふうに考えたわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 非常に牛丸君は巧妙に答弁している。ぼくがどこでどういう論戦を展開するかと初めから用意をして、それで答弁をしておる。そういうことではずるくていかぬですよ。ほんとうに正直にしてもらわなければ。あなた方の意見は一六%であったはずです。最終的に大蔵省が横やりを入れて、一二にきめた。きめたことを追及されるのをおそれるあまり、一六と一二の二つの意見があった。一二のほうも厚生省の意見であるというふうに持っていこうとしている。そういうふうなでたらめなことを言うのじゃなしに、厚生省は一六の主張をした。一二と一六の二つの案を出してどちらでもいいです。そんなことを言うような役所はないでしょう。どっちがほんとうなのですか、一六と一二と。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 これは最終的には一二でございますから、公式にどちらがほんとうかと言われたら、一二という答えしかないわけであります。しかし、八木先生は、さらにそれを打ち割って、そのきまる前にどういう案があったかと言われますから、実はわれわれとしては最大限二八まで引き上げたほうがよろしいという案を持っていたということを申し上げておるわけでございまして、ごまかしで申し上げておるわけじゃございませんで、事実をそのまま率直に申し上げておるつもりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 いま一六から先に言われて、一六というのがそのときの厚生省の案であって、それから大蔵省交渉、政府部内の決定が一二である、それだけはすなおな答えであると思いますが、これについてもう一回はっきり言ってください。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 時間的経過からいうと、ただいま八木先生のおっしゃったとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 非常に問題点を知り尽くして逃げようとして答弁をされておるけれども、そういうことでは困りますよ。問題を進めるために討論をしておるのだから、ことばでごまかすような答弁をしてはいかぬ。厚生大臣はそういう経過を全部知っておられるかおられないかわかりませんが、とにかく厚生省のほうは二八%を要求された。いろいろな折衝経過をたどって最終的に一二%になったということであろうと思う。それについての厚生大臣の意見を聞かしてください。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 いま八木分科員と牛丸社会局長の問答にございましたように、厚生省といたしましてはできるだけ格差是正をしたいという、有利に有利にはじき出す。これは先ほど来の社会保障の充実を考えていくという上からも当然のことと思っております。そういう観点でやってまいりました。相手のあることでございまして、また相手側で相手側の資料がございまして、その資料でいろいろ討議をいたして、結局両方が了解した到達点は最終的には一二であった、こういうことでございます。おっしゃるとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 生活保護法について一番の責任を持っておられるのは厚生大臣、それを補佐しておるのは社会局長であるということになると思う。   〔主査退席、井村主査代理着席〕 その問題について厚生大臣なり社会局長が二八という案を出された以上は、二八はよしとして出されたものでなければならないと思う。そうですね。それについて……。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 もちろんよしと思って要求したのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 ところで大臣にお伺いをしたいのですが、生活保護法というものは憲法第二十五条を一番直接にまっとうに受けておる法律であります。生活保護法の中で第一条と第三条にそれが明らかに載せられておるわけであります。第一条には、「この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。」第三条はその最低の生活についてちゃんとはっきり規定してあるわけです。「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。」というふうになっておる。そこでいま国務大臣として憲法を順守してやられるということを、当然なことですけれども、言われたのですが、この憲法をほんとうに順守してやられるためには、生活保護の基準はあいまいなものであってはいけないわけです。ことに最低限度というものであれば、一つのはっきりした客観的なものがなければならない。ほかのように、道路の舗装をしなければならない、それを二千メートルしたいというけれども、予算の都合で千八百メートルだけことしやって、残りは次というようなものじゃない。日本国民の基本的人権に関するものであって、最低限度を下げるというようなことは許されない。どんなに権限のある人でも、憲法の条章に従って最定限度というものが健康で文化的な生活というものがどういうものであるかということについては、大体この問題を本質的に考えている人は全部結論が出ているわけです。この問題を考えないで、いいかげんなことを言う人はかってなことを言います。金持ちであって、貧しい人、不幸な人について非常に同情のない人はいいかげんなことを言うけれども、この問題を知り、この問題についてほんとうのことを考えている人はどういうものであるべきかということは、全部大体一致をしておるわけであります。厚生大臣も社会局長も一致していなければいけないと思うのです。健康で文化的な生活というものは、世の中の生産あるいはまた生活水準、そういうものが前進するとともに前進をしなければならないものなんです。ほんとうにきちっとしたもの、固定したものではありません。終戦直後においては、われわれは砂糖の一かけらもなかった。そういう時代においては、サッカリンの配給があっても、その時代においては文化的なものということになるわけです。だけれども、世の中の進むに従って、健康で文化的なものというものはぐんぐん進まなければならない。それと同時に、同じ時点における、同じ地域における健康で文化的なものというものは、一つの客観的な、こうでなければならないというものがなければいけない。これは朝日裁判のいろいろの裁判の論告とか、その他の判決の条文なんかごらんになるとはっきりいたしますけれども、ともかく一定の時点において、一定の地域における健康で文化的な最低限度というものは客観的なものがなければならない。それをいままで厚生省がそういうものについて腹づもりで要求をし、大蔵省は腹づもりで査定をされて、内閣がいいかげんなところできめる、そういうこと自体が許されない。それは憲法の精神に違反をしておるわけです。ところで、それからの問題です。  厚生省が一六%が正しいと考えて要求した以上は、ほかの問題と違って、この憲法の条章にきまった健康で文化的な最低限度というものについて、厚生省が一六%は上げるのが今度は正しいと思われたならば、この問題に関する限りは、どんなことがあろうとも、びた一文も、〇・一%も負けてはいけない。ほかの問題はとにかく、この問題についてはただの一文も一厘も負けてはいけないものである。それを、一六の考え方を持ちながら、最初の三〇は概算でいいかげんにやったというからおいておきます。一六の原案を持ちながら、一二にされたということは、ほんとうに無定見、ほんとうならば、それがそういうふうにされるならば、厚生省は全責任をとらなければなりません。健康で文化的な最低限度の生活という憲法に保障された権利について、厚生省は一六%がよしと言っているのに一二に下げられた。四%は健康で文化的な最低限度の生活をあなた方のために国民が侵害をされることになる。いまになって一二がいいというならば、一六をきめたあなた方はほんとうのこの問題についての、何が健康で文化的な最低限度で四十年度はあるべきかということについての考え方は誤っておると思うのです。どちらかになるわけです。この責任について厚生大臣はどのようにお考えになっておられましょうか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 八木さんのお尋ねのお気持ちはよくわかります。私どもといたしましては、いまも引用されました法案の趣旨を十分くみまして、それ以上の文化的生活をひとつこいねがいたい。もう多少なりとも、とにかく格差の是正というものを詰めることが厚生省の仕事だ、できるだけそれを詰めたいというのが、私どもの、いわば主管省としての立場でございます。この点は八木分科員のおっしゃったとおりでございまして、私どももそれに終始したわけでございます。しかもまた、四十年度の経済の伸びの見通しももっと見ていただきたいのでございます。そういうような関係もございまして、いろいろ両省で協議いたしてまいりますと、予算がきまりますと、経済の伸びというものがきまって予算がきまるというようなことでございまして、そうして他の条件も変わってまいったものですから、そこで、この程度なら大体、いまお述べになりましたおしかりもございましたが、そうしからずにも行くのじゃないか。一六はベターでありますけれども、これは先ほど来申し上げておるように、私のほうとしても格差是正をもっと強く出す。また経済変動をもっと高度に、もっと伸びるというような考えを持ったわけでございます。その高度成長が安定成長になったというようないろいろの事情もございまして、再計算いたしまして——一二%でもこれは決していいとは申しておりませんですよ。この法律、憲法に保障されたものは守られている、こういうように考えまして、そこで了承いたしました。だから精神は八木分科員のおっしゃったとおりでございます。まことに同感でございます。厚生省はあげてそのとおりでございます。しかし詰めてまいります間に、私どものいわゆる前提になったものの中に、もっと格差是正をしたいという意欲があったわけです。また経済の伸びももっと伸びるだろうという一つの見通しもあった。ところが、そういうものの制約を受けて詰まってまいりますと、まあ一二%でもやむを得ないのではないか、こういうことでございまして、決してそれは予算で査定を受けたというようななまやさしいことでやったわけではございません。これは火の出るようなあらゆる角度から詰め合った結果でございまして、その点はひとつ誤解のないように御了承を願いたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 社会局長に伺いますが、十一月の末に政府の経済見通しがきまったとさつき御答弁になりましたね。そのとおりですね。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 経済企画庁の原案が策定されたのは十一月末だと私は記憶しております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 その後政府において企画庁及び上位の機関で見通しを変えたようなことはあまりせんか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 ちょっと専門ではございませんので、詳細なことはわかりませんが、それから多少の変化があって、たしか十二月になって、政府は最終的に閣議決定されたのは十二月十日過ぎではなかったかというふうに思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 厚生大臣に伺います。二八%を要求された、要求をしておられたのは十二月の下旬まで要求されておったと思いますが、どうですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 最終決定になるまでは、要するに予算を詰め合うまではそういうような考え方に置かれておったわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 その時日はいつですか、一六をあきらめた時日は。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 最終の詰めの段階でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 何日ですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 二十八日でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 厚生大臣正直でよろしい。その二十八日まで一六%の意見を持っておられたのでしょう。それで経済の見通しについて十一月の末で、十二月の十日ごろに最終的に確定になった。これはあなたは専門家でないからよくわからないだろうと思うけれども、あなたは、十一月の末に経済企画庁の見通しが発表になった、それから政府の見解がきまったのは十二月十日と言われた。厚生省のほうは二八の案を十二月の二十二日くらいまで持っておられた。時間的なズレがありますね。そのズレ自体はたいした問題ですけれど・も、ズレの問題にいくんではなくて、本質的な問題を申し上げたい。いろいろなことであなた方は答弁を逃げたいと考えておられる。一六が正しいと思っておられるけれども、大蔵省が壁が厚くてあなた方が大蔵省に負けて一二にされてしまった。そこで考え方がそうなんだけれども、経済の見通しの数字や何かが狂ったから一二になりました、考え方は同じですというように逃げようと牛丸君は考えて答弁をさっきからしておる。ところが、その経済の見通しは十一月の末に企画庁が発表して、内閣から十二月十日ごろにそのことについての見通しについての確認が行なわれた。ところがそれ以後も一六は出しておる。当然厚生省はそのような見通し後においても一六が正しいという観点を持っておられたけれども、予算折衝で一二にされた。された現在において、なぜ一六が一二にされるということを、追及されるのを、逃げるためにああいうようにごちゃごちゃ時間をかけておる。明らかに二八が正しいと思っておられた。それはいいことだ、悪いことじゃない。それをなぜ一二に削られたか。ほかの問題とは違って、健康で文化的な最低限度の生活というものについてはびたの一文も、〇、〇〇〇一%も削られてはならない。削られてもいいようないいかげんな案を出したならば、厚生大臣から社会局長から、全部それは責任をとらなければならない。ほかの問題とは違うということを、ほんとうに腹に据えて考えておいていただかなければならない。どうでございますか。二千メートルの道路を千五百メートルやって、翌年あと五百メートルやるというような問題とは違う。その期間において、日本国民の最低の人権がそれだけ侵害をされるわけです。そういうことになるわけです。そういうことについては、どんなことがあっても大蔵省の連中に譲ってはならない。どういう経過でこれを譲られたか、最終的に閣議で削られたか、あなたがどういうふうに大蔵大臣に主張されたか、内閣総理大臣はそれについてどういう理解を持って裁断を下されたか、いいかげんにうんと言ったか、そういう経過についてちょっと教えていただきたいと思います。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 八木委員のお話しのことは、私はよくわかっておりまして、私どもの考えていることとは違っていないのじゃないかと思うのです。ということは、最低にして文化的な生活、こういうことでございますから、われわれ厚生当局としては、その最低の線を引くということも、これは親心でございますから、やはり相当上のほうに引くということも当然だと思うのでございます。われわれ厚生当局としては、できるだけひとつ線を上のほうに引きまして、そして予算折衝をするということは当然でございます。ことに御承知のように、近来のような経済の成長いかんによっては格差是正という問題がなお考えられるわけでございますから、厚生省は厚生省なりのそうした階層の人権と文化の向上に資するために、思いやりと申しましょうか、その責任上、あるいはもう責任というもの以上に愛情をもってこたえるような線を引いていくことは当然だ、おっしゃるとおりだ、そういう意気込みでやったわけでございます。しかし御承知のように、予算折衝ということになりますといろいろの数字が固まってまいりますから、経済の伸びもどの程度になるか、要するに見通しがどうなるかというような、いろいろな客観的な現象があらわれてくるわけでございます。そこで具体的な相談に入るわけでございまして、その相談の結果まあこれならばむやを得ない、こういうことでございまして、前年度あるいはその前の年というようなことも比較翻案いたしまして、この程度ならば——いま八木委員からお話がございましたその出発点はそういうことでございましたが、その他の変化によっていわゆる格差是正が保たれるのだ、こういうような考え方でございます。非常に御熱心に督励していただくお気持ちはよくわかりますし、私どももそういう意気込みでやったつもりでございます。これは道路や何かと違いまして、その他の予算と違いまして、決して相手に押されたから引っ込むとか、相手の何か圧力に屈したとか、権威に屈したとかいうものではございません。これは正々堂々と、厚生省としての一番大きな役割りだと思っています。何人も納得できるような数字で、そして妥結するということについては、これは大蔵大臣にもこの点は最後まで主張いたしました。でございますから、事務的折衝をいたしまして、そしてその煮詰まらぬ点を、最後に閣僚また党の立ち会いのもとで、最高のレベルでこれをきめた、こういうことでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 厚生大臣の御発言、普通でいえば御熱心なようだというように伺うところかもしれませんが、全然違うのです。申し上げることをよく聞いていただきたい。親心ということは、厚生省は病気や貧乏に悩んでおられる方のことを考える省ですから、それは親心ということばじりはとらえませんけれども、そういうことで一生懸命やっていただくのはいいです。だけれども、これは問題は違うのです。国民のほんとうの最低の権利、生存権、憲法二十五条には親心で救ってやってくれなんということは書いてない。憲法二十五条をもう一回読みましょうか、日本国民のことがちゃんと書いてある。それで憲法二十五条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とはっきり書いてあります。親心でちょっとつまみ金をふやしたらいいとか悪いとかいう問題ではない。これをまともに受けているのが生活保護法で、一条と三条が二十五条を受けて、その文言を再現して書いてある。権利ですから、親心でちょっと上げた下げた、それで大蔵大臣が親心が少し少なくて下がったというような問題じゃない。これに違反するものは、厚生大臣でも大蔵大臣でも総理大臣でも、これはもう憲法違反として追及されなければならぬ。  ところで具体的な金額の問題について、これはどこが妥当かという問題がある。それがいいかげんにごまかされる。ところが、具体的な金額の問題については、社会保障制度審議会においても提唱がある。われわれもいつも提唱している。ほんとうに公正な民主的な権威のある、政府の予算などに縛られないで、ほんとうの意味で健康で文化的な最低生活は、この時点においてはこれであるということを出したものでやらなければならぬということが常道であり、制度審議会の答申、勧告にもある。それをこの前の厚生大臣の小林君は受けてちゃんとしたものをつくらないで、社会福祉審議会の中の小委員会みたいなちっぽけな機関にまかせていますけれども、そんなちっぽけな機関は事務局もないから、事務局はいいかげんにほかのほうの役所からとれば、その資料自体も指示があったりなんかするから、そんなものはほんとうのその趣旨を果たしたことになりませんけれども、まだ少し小林君は前向きの姿勢をこの前は示した。そういうことですが、それをつくる努力をしない厚生省自体に非常な責任がある。つくらない間において、厚生省としては、牛丸君も非常に有能な人だという評判がある、有能な人を中心にして、有能な人が一生懸命考えて一六がいいと出た。大蔵省からあとでちゃちゃを入れられる時期ではない。経済の見通しも企画庁で発表されて、十二月十日にはその問題についてこういう見通しだという確認をとられた後に、まだ一六%を持っていた。したがって厚生省としては一六が正しい、今時点における健康で文化的な最低限度の生活はこれが正しいという観点を持っておられる時期なんだ。これをへっぴり腰で出しておったとすれば、その点の責任をまた追及しなければならぬ。その二八か、具体的には大蔵省の壁に突き当たって一二にされた、そういうことです。いま厚生大臣かおっしゃったように、経済の見通しとかなんとかは十二月十日に立っておる。結局財源の問題ですよ。財源の問題にしぼられてくる。財源の問題は、たとえば配当や利子の分離課税というようなことをして、大金持ちには八百億も減税するようなことを田中角榮君はやっている。そういうような田中君を相手にして、このたび一文でもまけてはいけないものを四%も削られるというようなことであっては、これは閣僚としてはほんとうに無責任であると同時に、憲法を順守しなければならない国務大臣としての責任を果たしていないことになる。あなたばかり責めますけれども、これは田中角榮君を責めなければならない、佐藤君も責めなければならない。ですから、角榮君がどのようなちゃらんぽらんなことを言って、あなたの一生懸命やったといわれる主張をくずしたのか、それについて佐藤君はどういう裁断を下したか、その経過を明らかにしていただきたい。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 八木委員のお述べになりましたことは私どもよくわかるのでございますが、しかし先ほどから繰り返すわけではございませんが、立場立場と申しましょうか、私は社会保障を担当している厚生省といたしまして、健康で文化的なる権利を保障されているものを、有権的に、また具体的にこれを見守っていくということになりますと、私はやはり前向きの姿勢で考えざるを得ないと思います。前向きの姿勢に考えていくということは、私はやはり主観が入ると思います。これは当然のことだと思います。できるだけよくしょうという主観のもとでやってまいります。しかも四十年度は、経済の見通しも格差が出はしないかというような杞憂も考えておるものですから、どうしてもその権利を前向きに強く守ろう、こういう考えでございますから、勢い見方が、相手側から見ればやはりいろいろ批判が出る、こういうことになろうかと私は思います。その点はまあやむを得ないんじゃないかと思うのです。別におことばを返すわけではございませんが、そういう前向きで真剣にやっていけばいくほど、そういう差が出るのではなかろうか。それで最後の詰めですね。最後の詰めでいろいろ具体的に御相談いたしまして、そうして譲らなければならぬものはやはり譲るということになりますと一二である。しかし、それにいたしましても、私どもの主張の説明のつく点ですね、また先ほど来の、ことばは妥当かどうかわかりませんが、親心で見ている気持は納得してもらった、こういうことでございまして、減ったことについておしかりを受けることは、これは私は弁解するわけではありません。しかし、その気持ちと実際にふえた額は、がまんいただくというか御納得いただくというか、私はこれは良心的に考えて決して恥じないものだ、こういう意味のことを申し上げておるわけでございます。  そこで、具体的の数字になりますれば、これは政府委員から述べさせていただきたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 何回言っても押し問答で、田中角榮君がどう言ったか、佐藤君がそれにタッチしたか、タッチした場合にどう言ったかということを二、三回伺ってもおっしゃらない。ですから、田中角榮大蔵大臣と佐藤総理大臣に出席を要求しますから、主査からひとつ手続をとっていただきたいと思います。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 八木委員にちょっとお答え申し上げますが、ここは厚生省所管の分科会でございますので、きょうは五分科会が一斉に開かれておりますから、いま直ちにと仰せられても、主査としては努力はいたしますけれどもちょっと困難かと存じますから、どうぞ続行してください。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 要請しておきますが、困難な事情は私もわきまえておりますが、最大の努力をしていただきたいと思います。先ほどあなたの前に委員長席にすわっておられた方が言われたように時間は守りたいと思いますが、そういうことがございますから、またあとで総理大臣、大蔵大臣が出席されたときに質問を続行することを保留いたしたいと思います。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 重ねて申し上げますが、開会中またいろいろ機会もあろうかと存じますから、どうぞきょうのところは時間どおり質疑をしていただきたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 先ほどのことばと同じように、努力をされるのですから、努力が成果を結んで出てこられたときには、質問を続行するということをひとつ確認していただきたいと思います。  それから、そういう困難な事情でありますから、もちろん出てこられれば総理大臣と大蔵大臣に直接質問をしますけれども、厚生大臣から十分にお伝えをいただいて、反省をさせておいていただかなければならないと思うのです。大蔵大臣は財政を運用しておられるけれども、それは一つのセクションの問題であります。憲法の問題は、総理大臣、大蔵大臣も全部国務大臣として、憲法第九十九条でこれを完全に順守しなければならない責任がある。一番責任が重いわけですから、大蔵省、厚生省の問題じゃなしに、このような憲法の条章に基づいて、そういう問題について大蔵省がほかの理由でこれを値切るというようなことは絶対に許されない。そういうことをしていれば大蔵大臣は憲法違反である、また総理大臣が憲法違反であるということになる。だから、いまからでもいいから与党のほうに頼んで、一六に予算を修正するということをやりなさい。そういうことをあなたから大蔵大臣と総理大臣に、この質問が終わってから即刻伝えていただきたいと思います。それについての御答弁を願います。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 いまの、八木委員から、大蔵大臣、内閣総理大臣に伝言するようにということはよく私も承知いたしましたが、しかしすぐ修正するかということは、少し私が申し上げている答弁を、何といいますか、もう少しお聞き願いたいと思います。と申しますことは、私どもはそういう各般の資料に基づいて十分検討を加えまして、それで憲法の条章や他の法令にも触れてない、こういう確信のもとで予算の御審議をお願いしているわけでございまして、一六が一二になったために憲法違反だから修正をするんだというふうに、いかにもそういうような印象を与えた私の答弁であったとすると誤解のように思います。八木さんがどういうふうにお考えになろうともそれは御自由でございますけれども、政府部内としては統一した見解のもとに、憲法違反ではない、法律違反ではない、そういう憲法、法律の条章の精神にのっとって十分論議し、討議して、そうして予算を組んだ、こういうことでございますので、この点はひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 いまの厚生大臣の御答弁は非常に不適当と思いますけれども、総理大臣、大蔵大臣にその間の経過を伺ってから、それについて厚生大臣がほんとうに責任を果たすための努力をされたのかどうか、されてなければその責任を再度また追及しなければならないし、厚生大臣がされたけれども総理大臣や大蔵大臣が憲法の条章の理解が不十分であった、そういうことであれば彼らを追及しなければならないということであります。ただ、いまおっしゃったように彼らが反省するのは早いほうが、佐藤君としても田中君としてもいいことですし、国政についてもいいことですから、とにかく本予算案を修正をして——ほんとうの責任官庁である厚生省が憲法できめられた健康で文化的な最低生活であると確信を持った案を、そのようなほかのちゃらんぽらんの理由で変えたことは憲法の条章に合っていない、だからいまから反省をして本予算案の修正を用意したらどうか。本予算案を国会に提出したからには、かってに撤回することはもちろんできない。これは予算委員会並びに国会の了承を得て一二を一六に直して出す、それが憲法を守るゆえんであるということを総理大臣と田中角榮大蔵大臣に、歯にきぬを着せずに至急に、厳重にはっきりと伝えていただきたいということをもう一回御答弁を求めます。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 そのお伝えはいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 それではほかの問題に移ります。  ところで、一二%にいま政府の原案はなっております。これは修正をされるべきであると思いますが、とにかく一二%になっておる。社会保障制度審議会の答申は、三十七年の答申で、昭和三十六年度の時点におけるものを昭和四十五年度までに実質三部にしなければならないという答申があったことを御承知だと思います。それにこの一二%が合っているかどうか。これについて、厚生大臣あるいは社会局長でけっこうですから、御答弁を願います。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 制度審議会が、三十六年でございましたか、そういう答申をなされていることは承知しております。そうして現在までの各年度における改定の度合いというものは、平均の年率で一五・二%の上昇をやっております。これは実質は多少物価上昇その他によって違いますが、制度審議会は三倍の引き上げを四十五年度までにということですが、これを単純に年率に直しますと一二・九八%ということでございます。八木先生からは、実質はそうじゃないというおしかりが必ずくるとは思いますけれども、名目指数から申し上げますと一五・二で、すでにこの数字を相当上回って引き上げをやっておることは事実でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 先回りばかりされるので…。年率で一二・九ですね。それで本年度は、これは明らかに減っておりますね。二、三年前にはもうちょっと上がったことがあります。ですけれども、物価がずいぶん上がっておりますね。制度審議会のほうは、物価じゃなくて、実質三倍とはっきり規定をしておるのです。それから、これは少なくともということです。それがいいんじゃない、それ以上にしろということを言っているわけです。少なくとも三倍にするということです。ですから、上のほうは幾ら上に上がったってかまわない。それで物価のほうを考えると、これは牛丸局長は頭がいいので、そのとおりいってないということはわかるでしょう。いってないでしょう。いってないかどうか、再確認しておきます。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 三十九年度のはいっておりません。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 四十年度も、これは一二・九よりも一二で少ない。おまけにこれは物価の分が入ってないということになります。明らかに少ない。厚生大臣、こういうふうに少ないのです。ですから、田中角榮大蔵大臣に、片方のほうで一六が正しいと言ったけれども、数字をごちゃごちゃ言われて、ないのをごまかしておられると思うのですけれども、もしかりに数字炉ごちゃごちゃごまかされて、基礎数字が違うから、観念は同じだけれども何とかかんとかいうことになったようなことについて、ごまかそうといま牛丸局長が一生懸命考えておられます。きのうから考えておられますが、それはとにかくとして、そっちのほうについてもさっきの時点の誤りがあるわけです。それからもう一つ片方で、社会保障制度審議会の答申、勧告を尊重するということが、いま国会の非常に大きな問題になっておる。あなたも再三言っておられるわけです。しかもこの答申は、三年がかりで百二十回くらいの会議を開いて、一会議で四時間平均やって、それですべての学者、権威者が集まってやった問題なんです。この問題は実質的に少なくとも三倍で、三倍を欠けたら絶対いかぬということをいっておられるわけです。それを明らかに下回っておるわけです。いままでも物価を入れると下回っておる。今度は、物価を入れなくとも、それより一二で下回っておる。そういうことですよ。ですから、こっち側からきても、一二ということは、これは制度審議会の答申、勧告を完全にじゅうりんしておるわけです。あなたの時代にですね。これもひとつよく考えて、あなたは間違った、しかし国民のために間違ったことを改めなければならない。だから田中君に、あなたも間違いを同じくおかすといけないから一六に変えることを強調しろ、予算を出してからこれを変えるにはいろいろメンツの問題もあるけれども、それよりも国民の権利のほうが大事である、直そうじゃないか、きょう即刻にも佐藤君や田中君に言ってそれを努力する。それでなければ厚生大臣ではない。即刻それについて最善の努力をして、一日の分科会くらいに、そういうことにきまりました、それをやるについては国会の御協力を得なければなりませんから、本予算を撤回することをお許し願いたい。そういうことをやるのに命がけでやられる気があるかどうか、それについて伺っておきたいと思います。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 八木委員はこの方面の専門家で、しかも社会保障制度審議会等には委員として直接タッチされておるのですから、おっしゃっておることについては私は非常な敬意を持ってお聞きしておるわけですが、しかし、だからといって、私は抗弁するわけではございませんが、正直なお話でございます。社会保障制度審議会の答申というものは、尊重しなければならない、これは私どもの持論でございます。また、佐藤内閣の姿勢でもございます。しばしば機会あるたびに委員会その他において言明しておりますから、決して審議会の答申を無視しようというような意図のないことを、これまたいま八木委員もお述べになったように御了承願えると思います。そこで、三十五年以来政府の一貫した考え方といたしましても、毎年定率改正につきましては上げておることも御承知のとおりで、いまお話しのとおりでございまして、そういう一貫した考え方で今日まいっておりますので、多少今回のことについては御議論がありましょうとも、この問題で変えて持ってくるというようなこと、これはいまのところ、私といたしましてはなかなかそういうことにはまいらないのじゃなかろうか。いまの八木委員の非常な御意見は、これはもう毎年のことでございますから、来年度等におきましてなお一そう留意いたしまして、そして健康にして文化的な生活をなお一そうできることに努力いたしたい、こういうことでひとつ御了承願いたいと思います。  なお、大蔵大臣にも総理にも伝えろ、これは私は、先ほど来お答えを申し上げておるとおり、その趣旨は十分わかりますので、政治の姿勢、あり方というものについてお述べになりましたことをそのままよく伝えたい、こういうことをお約束いたしておきます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 いまの時点において一生懸命お答えになったことは、これはお聞きをしておきますけれども、了承はできません。了承はできませんが、そこで厚生大臣が責任を保たれるにはいろいろな方法があると思う。本予算を撤回する、それで出し直すということを率直に言ったらいいのですけれども、与党のほうが、そこまでメンツを捨て切って国民のために考えるということに、全員が割り切っておられるおどうかという問題になりますと、またむずかしいことかもしれません。しかし、いろいろな問題の予算を変える問題があるわけです。その処理がどういうふうになるか、おのずからあなたもおわかりだろうし、私もいろいろ想像はつきます。とにかく予算を実際動かすことが行われる、そのときに、あなたがほんとうに命がけでやられれば動かすことができるわけです。そういうことは宿題として申し上げておきます。宿題といってもゆっくりした宿題じゃないですよ、二三日中の宿題です。そういうことです。  それから、時間が迫ってきましたので、少し具体的なことをぱっぱっと伺います。いまの生活保護制度の中の加算制度をちょっと社会局長から…。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 まず、妊産婦加算というのがございます。その内容は……。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 内容はいいですから、名前だけ。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 それから母子加算、それから身体障害者加算、老齢加算、在宅患者加算、それから乳幼児加算でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 昨年の法律が通りまして——児童局関係の法律です。重度精神薄弱児扶養手当法が通って成立していますね。九月からその重度精神薄弱児扶養手当というものが出ている。それがあの法律で生活保護費等から引かれることになっているので、それに対処することとして、九月からそれに対する加算をつけるという約束があったわけです。それは約束どおりやっているとしたら身障加算の中でやっておられるのかどうか、それについて……。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 身体障害者加算でやっております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 九月から……。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 昨年の九月からやっております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 完全実施しておりますね。  それでは今度、これは法案が通るかどうかわかりませんが、福祉年金のほうの国民年金法の改正で、重度精神薄弱児扶養手当法は子供の問題ですが、おとなの身障者について案が出ることになりましたね。これも同じくです。あの体系からいえば、その入るものが生活保護費の中から収入と認定されることになるわけです。それに対応するために、生活保護の中に加算制度をつくらなければならないということになるわけです。それについては、社会局のほうは具体的に考えていられるかどうか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 予算が通ることを念願しておりますが、通りました暁には、そのように、いまと同じように処置したというふうに現在検討中でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 それは対応する法律がかりに通った場合に、何月から実施するつもりですか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 法律の施行の月からやります。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 それからもう一つ、福祉年金のほうで、二百円ずつアップする法律が出ております。非常に少な過ぎて、これは年金局長を徹底的に追及しなければいかぬと思いますが、それをわれわれが修正して二百円の加算が千円になろうとも、三千円になろうとも、とにかくその上がったものに対応して、生活保護のほうでそれに対応した加算を遅滞なく完全につけることにならなければいけないと思いますが、これについて

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 いままでと同じように措置したいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 措置したいというのは、社会局長、完全にできますね、しますね。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 法案が通りましたらやります。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 専門的ですから局長に聞きましたけれども、厚生大臣がそれまでにおやめになっておられるか、あるいは総理大臣になっておられるかどうかわかりませんけれども、とにかく厚生大臣はいま局長の言ったとおり完全にやられる。厚生大臣として——神田さんじゃなしに、厚生大臣という資格のもとに完全にやられることを確言できますか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 いま主管局長からこれは実行いたしますと、こう言って答弁しております。私もまたそういうことをやらすべきものだ、こう考えております。御了承願います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 それでは次に……。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 八木委員には特に一時間お許ししたのですから、どうぞ簡潔に願います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 年金のことを質問しようと思いましたけれども、時間切れで、生活保護だけにします。年金局長は後日徹底的にやります。  それから生活保護の問題で、生活保護の中に飲食糧費というのがありますね。この飲食糧費の昭和四十年度の予算が通ったら、どのようにするかという作業ができておるかどうか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 予算案で決定しております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 その資料は国会に配付されておりますか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 予算書の説明の中にはたしかないと思います。内訳でございますから。しかし、一応の内定はしております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 質問しようと思ったのですが、性別、地域別、年齢別の飲食糧費が幾らになるか、そういうものがなければ生活保護の審査なんかできない、即興それは出してください。資料を出したらまた質問を続けますから。いつ出せますか。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 早急にお出しいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 分科会でその質問を続けますから、早急といって、すぐ出してもらわなければ困る、何時に出せますか。どうしても印刷が間に合わなければ、原案を持ってきて一つ一つ説明してもらってもいいです。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 性別、年齢別はこれからのこまかい作業になりますので、標準の世帯でごかんべん願えませんですか。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 資料がきてから質問を続けますけれども、それじゃほかの問題に移ります。  それから、飲食糧費の中に嗜好品費が入っているかどうか伺いたい。

牛丸義留厚生事務官(社会局長)

○牛丸政府委員 これは、計算の基礎はいわゆるエンゲル方式でやっておりますから、一応本人がそういうものをその経費の中でやるならばいいわけでございますが、計算の基礎としては入っておりません。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 厚生大臣、嗜好品費が生活保護には入っていないのです。私、前から調べておるのですけれども、たばこ一本も吸えないことになっておる、酒の一滴も飲めないことになっておる、子供がキャラメル一つもなめられないことになっておる、生活保護の内容ではそうなっておる。それはよく覚えておいてください。年とった人が非常に不運で、生活保護を受けなければならない。この人も、健康で文化的な生活を受ける権利があるのですよ。若いときにそんなに大酒飲みじゃないですけれども、お酒が楽しみだった。それが年とってから老後を養うときに、酒の一滴も飲めない、なめられない、たばこの一本も吸えないという計算でできておる。ただそれは融通がききますから、ふろに行くふろ賃をやめて、あかだらけになってたばこを吸えば吸えます。あんな少ない一日一食三十円、こすところもありますけれども、去年の例だと、一番悪いところだと一食十八円くらい、犬の食糧費が五十円であるといわれておるときに、その三分の一くらいの食費なんです。そこで、たばこを吸おうと思ったら、その三分の一くらいのものをまた減らさなければならない。こういうものが生活保護なんです。  そこで、いま言った一六とか一二、経済の動きがどうだとか、経済を進行させるために資本を集中しなければならないから配当分離課税が必要だとか、田中角榮君がそんなことを————あなた方の予算を削って、八百億もそんな金持ちのほうばかり肩を持つ。厚生大臣がほんとうにこういうことを認識しておられたら、ほんとうにあなたはぼくの三倍もかんかんになって、どうして二八が認められないのか、おまえは人間か、おまえは憲法を守れるか、田中角榮とつかみ合いもできるはずです。あなたはそういうことを知っていないからそういう気魄がない。そういうことがある、嗜好品費が一つも認められていないものが、健康で文化的な生活ということになっておる。完全に、いまの生活保護のいろいろな基準は憲法違反です。そういうことを認識されて、さっき言ったこともおやりになって——金持ちのほうが、株の配当分離課税をしたら株を持つだろう、株屋が喜ぶだろう、そんなことと次元が違うのです。ところが大蔵大臣なんというものは、そんなことのほうに頭が向いておるわけです。あなたのほうが百倍も千倍も理由がある、断固として譲ってはいけないわけです。この生活保護の中に嗜好品費くらい入るような、そういうことを進めていただかなければならないと思う。  生活保護にはたくさん問題があります。いま世帯単位でやっておるために、たとえば十八歳の子供がちゃんとつとめて一生懸命働いている、ところがその家族全体が生活保護になっておるときに、その子が幾ら働いても働いただけ収入認定して差っ引かれる。そうしたら、その子が一生懸命働いたのが何も役に立たない。その子のためにも、その子が親孝行したいという親孝行の気持ちのためにも何の役に立たない。なぜこれを分離して個人単位でやらないかという問題がある。  また、生活保護法の第四条には鬼か悪魔のような規定がある。ありとあらゆる財産と能力を運用していかなければ生活保護が適用できないということになっておる、その条文どおりいえば。いま厚生省もおっしゃったように、血も涙もあるからほんとうは条文どおりやっておりませんが、条文どおるやるならば、ある年とった婦人がだんなさんに死に別れた、あと家族はない、結婚のときにもらったかまぼこの指論がただ一つの思い出だ、墓場まで持って帰りたいといっても、あの条文どおりやれば、それをひっぱがしてたたき売って、それだけ食ってからでなければ生活保護の適用にならない。条文どおりやれば、一生涯に何か一つ晴れがましいことがあった、記念品の小さなトロフィーがあった、それを売らなければこれは全然だめだ。いまラジオは厚生省では認めておりますが、昔は、年寄りがラジオ一つが楽しみだ、からだが動かない、その古ラジオをたたき売らなければ、法律では生活保護法の適用にならない。いまはそんなことをやっていませんよ。古ラジオをたたき売っても、古くて聞えぬラジオだから二十円か三十円にしかならない。ごみ屋が集めるようなものであっても、それを売らなければ生活保護が適用にならないという条文になっておる。あまりひどいから、厚生省のほうもそんなことはいいと言っておる。いま具体的な問題はテレビになっておる。テレビがいろいろと増産されて、古テレビが安くなっておる。そんなものはたたき売ってもたいしたものではないけれども、それを一生涯これから生きる間の楽しみとして老人がいる。腰が動かない、うまいものも食えない、それだけを楽しみにしておる老人が生活保護を受けるときに、テレビを取り上げてたたき売って、それで三日くらい食ってからでなければ生活保護が適用にならないということになっておる。この問題も、厚生省はわりに人情のある人がいるから具体的にお扱いになっておるけれども、しかし条文自体がそれだから、厚生省の中に情けある人がいても、心あたたかい人がいても、心を鬼にして、鬼みたいな顔でやらなければならぬ条文になっておる。こんな条文をなぜ変えないのか。こういうふうに変えたらよろしいということで、わが日本社会党は生活保障法を三年前から出しておる。お手本は百点満点のお手本がある。十五点のことをやっていて、百点満点のお手本があるのに、なぜそれを変えようとしないか。社会党の生活保障法の案に従って直ちに生活保護法の改正案を出す、そのようなことを進めてもらわなければならないと思う。まだまだ扶養義務の追及だとか、あるいはまだ地域差が大き過ぎるとか、いろいろな問題があります。そういう問題全部を解決する百点満点のものが出ているから、あなたが見たら百点満点だとわかる。百二十点だと思う。田中角榮君や佐藤君が無理解でそれはできないと言っても、あなたがほんとうに努力すれば、九十九点くらいのものは出せる。そういうような生活保護の根本的改正をする。それについて、ほんとうに命がけでやるというような御決心をお持ちになるかどうか、それを伺っておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)分科員 その前にちょっと……。八木委員の御意見をただいま拝聴しておりまして、たいへん御卓見を承ったわけですけれども、その中に、同僚の議員として非常に耳ざわりな御発言が一つありましたので、お取り消しを願いたいと思います。それは、大蔵大臣田中角榮氏に対し、そのことばを引用されまして、田中角榮君は————という御発言がありました。議場内の品位を保つ上からもこれは御訂正願いたいと思います。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 主査において後ほど議事録を調査し、不適当な文言があれば善処いたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 ことばが過ぎた点は訂正するのにやぶさかでありません。しかしながら、それを言わなければならないほど無理解な状態であるということを、厚生大臣も、それからそばで不規則発言をされた人も理解していただきたい。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 八木委員に重ねて申し上げます。時間が超過いたしましたから、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 厚生大臣に、いま言ったような生活保護法の改正をする、そういうことについてすぐ取りかかられる意思があるかどうか、決心をはっきりと示していただきたいと思う。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 ただいま、生活保護等に対しまするいろいろな規定に過酷な点があるから、そういう面について再検討の必要がある、こういうような御趣旨だと思っております。世の中がだんだん進んでまいりまして文化が向上すれば、やはり向上した分に見合ったような制度に解釈するなり、あるいは改正するのが近代国家の姿だと私は思います。そこで、法律も施行してからだいぶ年限もたっておりますし、いろいろな御意見のあることもその他から耳に入っておりますので、前向きで十分検訂してみたいと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 至急にそういうことを検討されて一あなたがそのままやられておろうとも、後任者に引き継がれようとも、来国会に生活保護法の改正案を政府として提出されるかどうか、あるいはわが党の提出する生活保障法案を、与党にも話して、そして政府は同意を示して与野党で通過させるというようなことをされるか、そのどちらか一つを必ずやっていただきたいと思いますが、それについてもっとはっきりした決心を聞かせていただきたい。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 具体的な御提案でございますが、ひとつ早く社労が開かれるようになりまして、社労で十分御相談することが必要だと思います。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 八木君、これで終了していただきます。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 その厚生大臣の決心を聞かせていただきたい。厚生大臣自体で、少なくとも次の通常国会に提出される決心を明確にされるか、あるいはわが党案にあなたが動かれて、これは与野党で審議する問題ですが、これを通すための努力を最大限にやられるか、どっちか御決心をはっきりしていただきたい。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 政府としては検討する、こういうことを申し上げます。いつまでに出せ、こう言われても、検討してどういうことにするかという内容を、やはり改正するとなれば、全体の考え方をひとつまとめなければなりませんから、相当時期がかかるのではないか、すぐこの国会でどうするということにはまいらないと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)分科員 違うのですよ。今国会とは言っていない。次の通常国会に生活保護法の改正−案を提出するかどうか、それについて厚生大臣は責任を持って対処するかどうかということです。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 十分検討はいたしてみたいと考えております。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時三十七分休憩      ————◇—————    午後三時五分開議

相川勝六自由民主党

○相川主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十年度一般会計予算及び昭和四十年度特別会計予算中厚生省及び労働省所管を議題といたします。  この際、分科員各位に申し上げます。質疑の持ち時間は一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となられた方は三十分程度にとどめることになっておりますので、右御協力を願います。  なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は的確に要領よく簡潔に行なわれますよう、特に御注意申し上げます。  これより質疑を行ないます。大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原分科員 労働省、労働大臣に対する分科会の質問は非常に手薄でございまして、厚生、自治のように十分徹底して質問が行なわれていないのです。そこで、あとの厚生関係の質問が残っておりますから、労働省に対しまして私のほうから集中的にひとつ質問をいたしたいと思います。  この前は次官が出席になりまして、各局長に本年度の施政方針、決意をそれぞれお述べいただきつつありましたところが、二人しかお見えになっておりません。しかしきょうは関係いたしましたことは局長に答えていただきますが、主として労働大臣に集中的に質問をいたしたい。  問題は最低賃金制の問題であります。最低賃金制の問題につきまして、労働大臣は労働行政のベテランでありますが、ベテラン過ぎてやや抜けることがあると私は思うのです。  そこで私はお尋ねするのですが、最低賃金制というものはILOでもそれぞれ二十六条その他において規定があるわけですけれども、最低賃金制については、基本的に労働者を保護する賃金の中でどのようにその重要性についてお考えになっておるか、こういう点を労働大臣から最初にお答え願います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 最低賃金制はいわゆる賃金政策の基本でありまして、労働力の需給あるいはそのほか歴史的な経過、そういうものの関連において、不当に低い賃金が勤労者の生活を圧迫するということをなくしますと同時に、国際的に見ますと、そういう低労賃による公正な国際競争というものの阻害を防ぐという役割りをも果たしてきておるものだと考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 労働者の生活を、いうなれば底を上げて安定させる、そういう役割りを持っておると思いますし、最低賃金制が実際にどのように行なわれているかということは、その国の賃金水準を具体的に示すバロメーターの一つとして、国際競争においてはお話のような一つの大きな問題点となっておる、こういう点であると思うのです。私は、申し上げるまでもないことなんですが、労働省、労働行政というものは資本家のためにあるのじゃないと思うのです。ですから、資本家の立場で最低賃金をきめるという現在の業者間協定というものは、これは基本的に問題がある、誤っておる、こういうふうに私どもは主張いたしてまいりましたが、労働大臣はどのようなお考えを持っておられるか、お聞きいたします。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 現在まで実施してまいりました業者間協定を中心といたしまする最低賃金制というものが完全なものであるとは私も思っておりません。しかしながらわが国の当時の実情から、また同時に最低賃金制度というものを一般的に理解させる段階的な必要から、あの程度の法律で満足せざるを得なかったものと考えております。しかしあの法律におきましても、業者間協定でも、労使、公益三者による中央、地方最低賃金審議会の議決を経て公布されるのでありますから、労働者側の発言が全く無視されているとは思っておりません。さらに他の職権決定方式その他が法律の上では規定せられておるのであります。しかしながら、御指摘のように、主として業者間協定を中心として運営せられたこともまたこれは事実であります。それが満足すべきものでないということも先ほど申したとおりであります。したがって、政府といたしましては、昨年十月の中央最低賃金審議会の答申に基づきまして、これに職権決定方式を加味して運営の改善に当たっておるのであります。いままでの最低賃金制は、むろん完全なものではありませんでしたけれども、しかしながら、それによって最低賃金制度が理解され、これからの前進へ大きな寄与をしたものと考えておる次第であります。

大原亨日本社会党

○大原分科員 前進へ寄与した、啓蒙的な役割りを果たした、こういうお話でございます。しかしながら、やはり労働問題、賃金問題について、たとえ中小企業としても、中小企業が持っておるところの社会的な公共性、社会的な責任というものが、今日いろんなひずみ、しわ寄せを受けて困難な立場になりますると、やはりなかなか理解ができない。したがって、業者だけで最低賃金をきめる、賃金をきめるというようなことは、憲法の趣旨にも反するし、ILOの二六号の精神にも反するわけでありますから、このことは国際的な水準からいっても、これは違反をしておる、あるいは致命的な欠陥を持っておる、こういう点を再確認をすべきではないか、論議をする前に大切な点ですから、労働大臣の御見解を伺っておきます。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 あの法律が制定施行せられました時代においては、あれは私が最初の労働大臣のとき提案したものでありますが、あれでさえも、当時の中小企業経営者からは非常な非難と攻撃をあびたものであります。私どもが地方へ参りますと、必ずといっていいくらい、地方の商工会議所を中心といたしました反対的陳情がありました。ところが今日では、そういう人々も現行の最低賃金制度そのものを前進させなければならないという気持ちになってきておる。これはやはり私は啓蒙的な役割りは果たしたものと思うのであります。同時にあの法律も、先ほどから申しましたように、不完全なものであることは言うまでもありませんけれども、あの法律実施にあたっては、やはり労働者諸君の代表の意見を示し得られる、影響し得られる条項をちゃんと規定はいたしておりました。ただ先ほどから繰り返して申しますとおり、現在の段階においては、すでにあれだけを中心とする運営では、もう実態に即しなくなりましたし、逆に申しますと、その啓蒙された土台を基礎といたしまして、さらに前進し得られる段階、同時に前進していかなければならない段階にきていると思っておるのであります。そこで職権決定方式を併用いたしまして、昨年十月の最低賃金審議会の答申に基づいて、いま行政成果の拡大につとめておるところでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 求人難、殺倒率の問題から、今日は初任給が上がるという傾向にありまして、賃金は各種の格差が是正をされるというような大きな傾向を持っておると思うのです。しかしながら真の意味の最低賃金制は、歴史的に今日の段階が最も必要な条件、あるいはこれを前進させる条件、情勢にきておる。こういう客観情勢も、私は主観的な条件以外にある、こういうふうに考えるわけであります。  そこで、いろいろと指導的な問題について業者間協定を中心に云々されましたが、業者間協定以外で四つの方法、しいて言えば三つ、四つの方法についてやられておる今日までの指導上の実績——業者間協定は本来の意味の最賃じゃありませんから、労働者の権利を保障するという意味の基本的な人権の上に立った最賃ではないけれども、業者の協定を法律で確認するというその手続の中において、国家権力の入り込む若干の問題がある。しかしそれはともかくといたしまして、それ以外の実際の実態を政府委員でもよろしいから、ひとつ簡単に御答弁いただきたい。

辻英雄労働基準監督官(労働基準局賃金部長)

○辻説明員 お答え申し上げます。現在の最低賃金の実施状況、三十九年十二月末現在でございます。お話がございましたので、法第九条によります業者間協定のみのものを除外をいたしまして申し上げますと、業者間協定に基づく地域的な拡張適用という規定が十条にございまして、それに基づきますものが九十五件ございます。これによりまして拡張によって適用を受けておりますものが、約三万人でございます。それから法十一条にございます労働協約に基づく地域的な拡張適用によります最低賃金でございますが、これが五件で、適用労働者十六万人でございます。それから職権方式といわれますところの、御承知の法十六条に基づきます最低賃金審議会の調査決定に基づく最低賃金でございます。御承知の石炭鉱業の部分が一件ございまして、現在適用労働者約七万人でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 職権方式というのは法律には合って、なかなか合理的でやりいいようでありますけれども、実際には、賃金審議会や、行政官庁の今日の労働省の力量においてはなかなかできないのであります。実際上業者が文句言いましたり、横やりを入れましたらできないような仕組みになっているので、私はこれは実績が示すとおり、石炭のような大きな社会問題の中から出てきておりますから、そういうものであると思うのであります。  そこでもう一つ指導上の問題で、どのくらい熱意を持って前進させようとしておるのかという点を知りたいためにお尋ねするのですが、問題は生計費を基礎としていない。生計費を基礎とした科学的な最低賃金でないというところに一つ問題がある。手続上の問題は、労使対等の原則でないというところに問題が一つある。内容上と手続上の問題で最低賃金の問題が非常に議論になっておるわけでございます。そこで、内容上の問題を進めるために、いままで何回も議論いたしたわけでありますけれども、労働省は最低賃金制はどのくらいな金額が適当であるかという点を生計費その他の点から出す必要があると思うのであります。それを職権方式その他を前進させる際における基礎とすべきことを努力しなければならないのですが、労働省は、健康で文化的な最低の生計費は大体どのくらいに考えておるのか、そういう資料をつくっておるかどうか、こういう点をひとつお答え願いたいと思います。

辻英雄労働基準監督官(労働基準局賃金部長)

○辻説明員 お答え申し上げます。最賃法の規定の中にも、最低賃金額の額を考えます場合に、他の二つの要素と並んで生計費を考慮すべきことが規定されておるわけでございます。しかしながら現在の段階で、全国非常に地域的な格差もなお残っておりますので、幾らにするのがいいかということになりますと、実はいろいろやかましい議論がございます。ただいま大臣からお答え申し上げました、昨年並びに一昨年中央最低賃金審議会で、最低賃金制の進め方について労使公益三者で御討議になりました際も、そのことがたいへん議論になりまして、各種の資料等を御検討いただいたわけでございます。ところが、その具体的な結論といたしましては、金額が業者間協定でばらばらにまかせるということは望ましくない、したがって、一定の金額の目安をつくるべきである、しかし目安という程度で、業種の実態、賃金の社会的相場あるいはその他先生のお話がございましたような各種の生計費資料等を勘案して具体的に目安をつくるということで、現在全国六区分の目安というのがつくられておりまして、御答申をいただいておるわけでございます。その一番高いのは甲地域でA産業、四百四十円から四百八十円の間を目安とする、一番低いところは丙地域のB産業、これは三百六十円から四百円の間を目安とする、こういう六区分が御答申になりまして、私どもといたしましては、現実的にはその御答申にございます六区分によりまして協定内容の行政指道守をいたす、かようにいたしておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 これは独身者一人の生計費を基礎としてはじき出した数字ですか。

辻英雄労働基準監督官(労働基準局賃金部長)

○辻説明員 実際の御判断になりましたときの材料は、初任給その他の賃金の実態あるいはその趨勢、あるいは生計費といたしましては国家公務員につきまして十八歳について人事院が出しておりますような数字なり、あるいは地方の人事委員会がお出しになっておるような数字等を御検討になった結論でございまして、直接に生計費の御算定は委員会では行なわれておりません。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それは委員会は行なわなくても、労働省がそれだけのことはきちっとして、ちゃんと主体性を持って、こういうことを考えるがどうかというふうな諮問のしかたをしないから前進をしないのですよ。あなたらは労働問題ということになると、資本家からにらまれると思って、ただ手続だけを云々されるから、これから申し上げるようないろいろな問題が出てくるわけです。これは指導性がないじゃないですか。大蔵省だってずばりと例の生計費を出した。こんなものを買って生活したら生活できますよというやつを出した。五十四万四千円の所得税免除の基準その他が議論がやかましいときに、これだけで生活ができますよというのを標準家族で出したわけです。品物と量まで出した。厚生省には栄養研究所があるわけです。だから当然、カロリー、物価その他を勘案して、労働省としてはこれだけは最低生活費です一よということを出すようなことをやらないから、これは労働者のためのものではないのじゃないか、こういう議論になるのであります。この点はいかがですか、労働大臣。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 生計費等の調査や指数は政府といたしまして調査をいたしておりますが、賃金決定の原則というものを労使関係の話し合いによってきめるというたてまえにとっておりますので、労働省としての賃金の基準になるようなものは出しておりません。しかしながら賃金についての基礎調査もいたしておりまするし、また生計費等について必要な資料の準備はいたしております。ただどの程度が適当なものかという断定を下すに至ってないことはたいへん残念でありますが、さらに検討を加えてみたいと思っております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 労働大臣はエキスパートですから、もうこれはわかっておるんだというふうなことで大体進んでおられると思うのですよ。そういう点では若干から回りをしておると思います。法律には労使間で決定をするという最低賃金の手続上の問題もあるけれども、職権方式その他のこともあるけれども、これは職権方式でやる場合でも、労働省が一つの権威を持っておる、あるいは労働者保護の立場に立っておる、こういうことが指導性の問題とも関連して根拠があるわけです。最低賃金法によりますと、生計費というのが文章の中にあるわけです。だから、生計費というものがある以上は、最近の生計費は最低生活をやるためにはどれだけが必要だ、その中から労働大臣がよく言われる持ち家制度とかいろいろな住宅の問題、物価の問題あるいはその他生産性との関係の問題等が派生してくるのだと思うのです。人間として健康で文化的な最低賃金は、所得保障、生活保障なんかと一緒に、完全雇用政策と一緒に、これは三本の柱です。したがって、最低賃金について生計費はどれだけだったかということを、働く場合の再生産に必要な費用としてどれだけ要るんだということを明確にするということは、私は絶対に必要なことだと思うのです。その点においては、労働省は業者間協定を一歩も前進していないのじゃないか、当時から考えてみて。石田労働大臣は、これをつくられたときにおられたわけでありますけれども、それから何人労働大臣がかわりましたか、ぐるぐるかわって、かわった労働大臣のたびごとに答弁が違う。総理大臣が組閣をいたしまして、大臣がそんなにぐるぐるかわるということは、総理大臣は大臣製造業であって、大臣がそのときそのときの都合で答弁して逃げていては、国会で一生懸命審議してもなかなか前進しない、こういうことが出てきていると思います。ですから労働大臣にいたしましても、閣議において五月の内閣改造なんか断固反対だ、参議院選挙のための内閣改造には断固反対だ、こう言うてあなたは共同戦線を張って、佐藤さんを突き上げるくらいのことがなければ、これはいま責任を持って質疑応答しているということにならないわけです。これは非常に遺憾なことです。ですから結局事務当局はおざなりなことをやって、業者のほうに目を向ける、あちらこちらちょっと顔を立てるようなことをやっておいて、から回りして少しも前進しない。身体障害者雇用促進の問題でいまこそぴちっと解決すべき問題が——労働大臣が中座されましたときに、私は質疑応答をした。身体障害者の雇用を促進して、官庁でも会社でも若い者を使わぬでも、身体障害者を使えば——交通戦争その他で非常にたくさんの被害者が、これは戦争以上の死亡者や負傷者が出ているわけですから、そういうことだけでなしにたくさん出ているわけですから、精薄その他の問題もたくさんあるわけですから、それはできない仕事でも、いすなんかを入れれば、エレベーターなんか運転できる。これはいろいろなことがあるわけです。そういうことが日本においては、どうも労働行政として一貫性と発展性がないのじゃないか。そういうことでILOその他に関連して労使と話をするといっても、その間において信頼関係がなかなか得られない、こういうふうに思うのであります。生計費の問題については、これは生きていくためだけではない。働いていくためには、再生産のためにはどれだけの生計費が必要であるか、こういう点を指導的に明確に出して、三百六十円くらいのことだったら、もうこれは卒業して、実態はそれを通り抜けているんですよ。最低賃金審議会にかけた場合には——三日六十円、四百円でいまどき一人前の者を雇うことはできない。事実は通り越しているときに、こういう数字を出して、抵抗を排除するようなことをやって、おざなりな業者間協定をたくさんつくって、何百万人に適用しております。こう言っても、これは私は全然適用していないと思う。労働者保護の立場にあるようなそういう労働行政ではないのであります。生計費の問題について大きく前進するように指導性を発揮してもらいたい。この点について労働大臣から重ねてお答えをいただきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 労働省はむろん労働者保護の立場で一貫するつもりであります。労働省としての生計費の調査を進めて、一定の基礎的な数字を持ち得るように努力をいたしたいと存じます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 特に佐藤内閣の石田労政でありますけれども、五月には留任されるだろうと思いますが、数少ない留任のうちの一じやないかと私は推定しているわけですが、人間尊重というのは、池田内閣の高度成長政策の単なるひずみ是正ではないのだということを佐藤さんが言ったわけです。だんだんそのことばがあやしくなっているけれども、社会開発というのは、人間尊重というのは、経済を尊重したことから人間を尊重するほうへ転換するのだ、つまり人間の労働を尊重するという方向へ政策を転換するのだというふうに言われたことだと私は思う。特に資本主議が高度に発展をしているところでは、社会開発は後進地域でいろいろ議論されたことでもあるが、しかしながら資本主義の社会においての人間尊重といえば、農村や都市において働く人間を尊重することだろうと思います。でありますから、社会開発ということを真剣に理解するならば、最低賃金制、どこでもいつでもこれだけは、人を雇う場合においては再生産のために経営者は賃金を保障する、最低生活を保障する、憲法の二十五条を実行する道義的な社会的な責任を持っておるんだ、こういうことをはっきりと明示できるようなものでなければならない。佐藤内閣のひずみ是正、社会開発というようなことは、人間尊重ということは、私はこういうところに集中的にあらわれてくると思う。生活保護とか社会保障の推進とか、あるいは雇用政策とかにあらわれてきて二十五条の精神が生きてくる。二十五条の精神を演説に引用した総理大臣はたくさんおらぬわけでありますから、そういう点があると思うのですが、大体佐藤内閣の人間尊重というのは私が申し上げたようなそういう趣旨なんですか、どうですか。国務大臣である石田さんの御答弁を……。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 総理の演説の中にも示されておりますように、特にこの政治においては人間がいつでも目的でなければならぬ、人間がいつでも目的であり、その人間の価値を高めていき、そして人間を豊かに保障していきますためには、まず第一に人の力をとうとく扱うということでなければならないと存じます。御説のような趣旨で労政を担当しておることを重ねて申し上げたいと存じます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 ちょっとこれは余談といいますか、自民党は選挙のときでもどこでもそうですか、生産第一の自民党、こういうことを言う。で、分配の社会党、こう言って、社会党をある場合には分配ばかりやっておって、総評のひもつきだというようなことを宣伝するわけです。自民党は——あなたが言うわけじゃない。自民党の諸君はそう言うわけです。生産第一というのは高度成長政策です。分配第一というのは、これは人間尊重です。私どもは、そういうふうに言われたとしても、分配は私は政治の目的であると思う。目的は分配にあると思うのです。強い者が強い者勝ちに自由主義だということでやるんだったら、それはいまのようにますますひずみが拡大するわけです。池田さんの高度成長政策がそのことを示している。大体私がいま議論しましたことは、労働大臣は賢明ですからたくさん申し上げませんが、いかがですか。私と同じ意見ですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は目的は、最終の目的はよりよき分配にある、これはもう全く同感だと思います。しかしながら、よりよき分配をするためには多くの生産が行なわれなければよりよい分配が行なわれない。それは端的に、順番をいえば生産と分配がどっちが先かといえば、それは生産が先であります。しかしながら、その生産は何のために生産するかといえば、よりよき分配のための生産である、こう考えておる次第であります。

大原亨日本社会党

○大原分科員 そこがちょっとニュアンスが違うところがあるのですが、あなたは自民党、私は社会党だからそういう点はあると思うんだが、月給二倍、所得倍増というニンジンをぶら下げて、馬の鼻の先へぶらさげておいて、ずっとついていっていたら、ますます足の底のほうが、働いている条件が悪くなって、ひずみが拡大をして、住宅は上がるし、物価は上がるし、貨幣価値は下落するし、いろいろな問題が——医療保障は後退して十割保険が八割になるし、保険料はふえるし、給付の内容が悪くなるというふうに、まあ一つの例ですけれども、つまりニンジン政策です。これはニンジン政策になるわけです。これは議論をあなたとするわけじゃないが、私は佐藤さんの社会開発というのは違うといわれればてんぷら政策だというのです。それは議論するのじゃありません。  そこで一歩質問を進めてまいりますが、前の大橋労働大臣のときに、現在の最低賃金制の役割りは終わった、今日、いまや業者間協定はやはり一つの役割りを果たしてきた、しかし現在における実質的な効果は持つに至っていない、したがって、これは一歩前進をさして、全国一律の最低賃金制を目ざしてひとつ近く立法に着手する段階に来た、いまやそういう段階に来た、そういうことの御答弁が国会におきましても、昨年の国会では衆参両院で社労その他におきまして盛んに論議をされまして、そして大橋労働大臣はそのことについて非常に示唆に富んだ明確な発言をされておるのであります。これは総評との話し合いが始まっておりますが、総評その他労働大臣は当時全労等に対しましてもそういう意見をはっきりとお話しになっておるわけであります。そこで最低賃金の問題は、いまやいろいろと問題はあったけれども、大きく前進をするということを期待をしておったわけであります。その点につきまして、社会開発の佐藤総裁のもとにおける労働大臣のさらに一歩前進するような具体的な見解をお伺いしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私が承知いたしております大橋前労働大臣の委員会における答弁あるいは総評の陳情に対する答えというものは、こういうふうに理解いたしております。従来業者間協定を中心に運用してきた最低賃金制度を、今後は職権方式をも含めて進めていく、その実績に徴して三年程度で現在の方式において根本的な再検討をしよう。これは一昨年の暮れに行なわれた中央最賃審議会の答申であります。こういう答申であった。そうして同時にこれに関連をして三月二十七日、総評の太田議長、岩井事務局長などを含む代表との話し合いにおいて、大橋さんは、何とかその三年という中央最低賃金審議会の答申を縮めて繰り上げるわけにいかないかという総評側の要求に対して、自分もできるだけ速度を早めるようにして、せめて一年ぐらいは短縮するようなことをも考えたい。しかし、御承知のごとく最低賃金の制度は労使間の問題でありますから、この制度の立案にあたりましては、労働者の意向も十分に聞き入れますと同時に、使用者側の意見をも十分取り入れまして、円満にこれが取り運ぶよう労働省としてはできるだけ努力をしたいと思っておるわけであります。そういう意味で、今後最低賃金法の改正問題について必要があれば、定期的にも組合側の代表とお話し合いを進めたい。こういうふうに小林委員の質問にお答えになっております。私は考え方としては大橋前労働大臣の考えと同様であります。ただ、この昨年暮れに出されました中央最低賃金審議会の答申に基づきまして、昨年の十月、具体的な、先ほど賃金部長からお話を申し上げましたような進め方の業種及び地域的なめどとでも申しますか、そういうものが示されたわけであります。それに基づきまして、いま職権方式をも加味した行政成果を上げるように指導している途中であります。それと並行しまして、各方面の意見を労働省自体としてお聞きいたしますと同時に、中央最低賃金審議会の御検討を願いまして、できるだけ前進した方式によって前進した方向を目ざしてまいりたいと思っておる次第でございます。そうして最低賃金制度というものの最終的目標というものは、これはやはり何と申しましても、全国一律の、どこへ行っても同じ程度の現金収入が得られることだろうと思うのでありますが、しかしそのためにはいろいろな条件がございます。そういういろいろな条件を、政治的にも行政的にも整理していくということで加味して、目標にできるだけ早く到達するようにしていくのが至当であろうと考えているわけであります。

大原亨日本社会党

○大原分科員 私が資料を出して質問しようと思うことを、先回りしてできるだけ薄めるように御答弁をしている。しかし、労働者側に対しまして、これは信義の問題ですが、国会におきましていろいろ質疑しておりまして、私も資料を持ってきましたけれども、地域的な若干の例外を認めるならば、全国一律の最低賃金制も十分考慮をしたいということが一つ。これはまぎれもなく、そのことは国会の討論その他で、そういう断定的なやるんだという発言ではないけれども、若干の条件はつくかもしれない、しかしながら、全国一律ということで、やはり労使の意見や国会の意見あるいは生計費等の客観的な事実を反映したような形で最低賃金制をきめるのだという原則を採用するのだ、そういうことが一つ。それからもう一つは、昭和四十年、本年末、つまり次の通常国会までに、いまの業者間協定による最低賃金制は使命が終わったから、これを改正する法律案を出したい。まあ大橋さんは、まさかそのころまでは労働大臣をしておらぬからと思っていいかげんなことを言われたわけじゃないと思うのです。しかし同じ自民党内閣でありながら、答弁したことが裏から変わるのだというならば、私どもは何をよりどころにして審議をするかということになる。自分が思い違いをしたとかその他については、これは私は大臣が是正してもよろしい。是正のしかただって、これは予算委員会でもそうですか、椎名外務大臣みたいに、七、八分の間に七、八回修正するようなことは不見識のそしりを免れない。しかしながら、こういう問題については相当議論が煮詰まって、労使の間においても話し合いがなされた。だから私は二つの条項は厳として実在しておると思うのです。つまり職権方式もあるけれども、若干の条件を付しながら全国一律の最低賃金制をこの際採用する、こういう問題と、それから四十年末ですから、次の通常国会には最低賃金法を改正する法律案を提案する、こういうことは、私は、いろんな議事録から推定いたしまして、議事録には労使間の話し合いも引用いたしておりますから、間違いなくあったと思う。やはり言明をさらに前進した形で——前進なんですから、後退じゃないのだ、間違っていないのですから。だからそういうのを石田労働大臣が実施されることが労使間の信頼関係を確立し、労働行政を前進させる、これが私は石田労政の真骨頂でなければならぬと思うのですが、これは重大な問題です。私は賃金の問題についてたくさんお尋ねしたいと思うが、その中枢になることをずばりと——石田労相に初めて対面する私といたしまして、いままではまとまった機会がなかったのですが、予算の重要段階において、私は集中的に、石田労働大臣の責任において、この問題についてどのように前向きに解決をするのかという点を明らかにしてもらいたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私が理解をいたしておりまする点は、最低賃金法というものを前向きで考えて、そうしてそれを四十年の終わりまでには立法化して提案をしたいという大橋前労働大臣のお気持ち、これを述べられたことは承知しております。それからもう一つは、そのときには最低賃金制度というものも含めて検討したものを出したい、こういうふうに述べられたと理解しております。私も、最低賃金制度というものについては、やはり幾つかの段階は踏まなければならないかもしれませんし、その過程においては例外的な規定も多く用いなければならぬかもしれませんけれども、しかしながら、最終目標とするものはやはり全国一律のものであろうと思います。そこへできるだけ早く到達するように努力をいたしたいと思うし、いたさせておるつもりであります。その気持ちにおいては大橋前労働大臣と同様でございます。ただ、御承知のごとく、法律の提出には最低賃金審議会の答申を経なければなりませんし、その場においては、労使双方の意見の調整も行なってまいらなければなりませんし、昨年の十月に出たばかりの答申の行政効果も見てまいらなければならないのであります。そういうものを勘案しつつ、前向きで、できるだけすみやかに理想に到達し得られるように、国際的な水準のものに到達し得られるように努力をしたいと考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 日本では中小企業その他のものが占めるウエートが非常に大きくて、地域的な格差が大きい。したがって、それを前向きで前進させるためには、賃金の底をつくって、これを引き上げていくような努力をすることが、やはり生活様式や産業を近代化する大きな力になる。そういう意味においては、日本はどの国よりも最低賃金というものは重要な役割りを果たす。最低賃金制が中小企業をつぶすなんというふうな考えを持っておるやつは全く大それた——与党の中に一部あるようだけれども、とんでもない話だ。だからそういう観点からいうと、大臣が御答弁になったけれども、全国一律の最低賃金制が望ましいという方向においては一致する、こういう御答弁であります。それで実施の時期は、四十年の末に、次の通常国会においては法律案をおつくりになって提案せられる、そういう決意であるかどうか。というのは、中央最低賃金審議会で二回にわたる諮問がこれについてある。それから石炭の問題を中心といたしましてある。職権方式その他を通じまして、空気としては相当前進しつつある。だからそれに対して、労使その他各方面の意見を聞かなければならぬけれども、それも出尽くしておる感があるし、この際国会を通じてそういう方向を明示することが、このこと自体を一歩前進させることになるのではないか。そういう意味において、二つの点において全国一律の最低賃金制を含めて法案の内容を考える、提出の時期としては本年末、こういうことをずばりとして、ここにいろいろな条件の変異がない限りにおいてはやるのだ、こういう点をさらに具体的に明確に示されることが、私は石田労政のほんとうの値打ちというものを明確にする、国民の信頼、労働者の信頼を得せしめる、こういうことではないかというふうに思いますから、重ねて大臣が明快な答弁をされるように望みます。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 最低賃金制度というものを前進した形において決定する時期としては、いまの時期が私は非常に適当な時期であると思います。非常にいい条件が整っておる、これは同感であります。それからもう一つは、およそ勤労者に水準並みの賃金を支払えないで事業を経営するということは論外でありまして、事業を経営する以上は、当然標準的な賃金の保障を行なうべきでありまして、標準的な賃金の制度ができたから事業を行なうことが困難になるという考え方についても、私はあなたと同感です。それから先ほどから繰り返して申しますとおり、いろいろな段階もあり、例外規定やその他の経路をたどらなければならぬかもしれませんが、しかしできるだけ早く全国一律という制度ができることが理想であることも同感であります。それをできるだけ早くしたいことも同感であります。ただし、先ほどから繰り返しますとおり、労使関係のそれぞれの御意見の調整をはかる、同時に中央最低賃金審議会の御意見をまとめてもらうということも必要でありますので、それらを努力しつつ、できるだけ早く実現したいと思っております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 私は国会の最高の決議機関であるが、万能であるとは思っていない。いろんな法律によって各種の審議会その他があることを承知しておるし、私どもはそのことをやることが一つの直接的な民主主義であると思っておる。したがって、そういう面においては各方面の意見を制度上実質的に聞くことについては不賛成ではない。しかし、いまや大橋労働大臣の雷門である全国一律を含むということと、四十年末を提出の目途としてやるのだ、こういう一音明が後退したやに一般には受け取られるということは、石田労政としては、これは前向きの人間尊重、佐藤内閣の方針からいったって、社会開発だってだんだんと中身がばれて、いまごろは一ぱいぼろが出ているけれども、そういう趣旨からいうとおかしい。そういう点から考えて、重ねて私は質問いたしますが、大橋労働大臣の二つの言明は後退をしたのではない、これを前進させるのだ、そういう面においては十分の決意と、そしていま御答弁になりましたようなそういう方向で努力をするのだ、そういう点について、この国会において、いまや条件は熟したから、指導的な決意を労働大臣が明確にされる、こういうことが私は、国会としての責務である、野党としての責務でもある、こういうふうに考えますので、各方面の意見をお聞きになることはけっこうですが、その諮問をされる、意見を聞く労働大臣としての決意はかくあるものである、こういう点を明確にすることが、私は労働行政を信頼させる、前進させる基礎になると思うけれども これは重ねて、最後になりますが御質問をいたしておきます。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は大橋労働大臣が示されました言明は、できるだけ早くやりたい、そのめどを四十年末くらいに置きたいというお気持ちをお述べになったものと考えておるのであります。私もできるだけ早くやりたいと思います。  それからもう一つは、そういうことを検討していただく際には、最低賃金制度というものを含めて最低賃金審議会において検討していただきたいものだと思います。それから同時にその最低賃金審議会の運営にあたって、でき得る限りいまの考え方を前に進めるように労働省としても努力をしていきたいと思っております。

相川勝六自由民主党

○相川主査 これをもちまして昭和四十年度一般会計予算及び昭和四十年度特別会計予算中労働省所管についての質疑は終了いたしました。

相川勝六自由民主党

○相川主査 次に、厚生省所管について質疑を続行いたします。  この際、山花君に申し上げます。十分間ということですから 何とぞ御協力を願います。山花秀雄君。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 二つ三つ、質問を兼ねて、大体要望になると思いますが、厚生大臣にお尋ねをしたいと思います。  最近世間では薬の問題でずいぶん騒がしくなっておることは、厚生大臣御承知のとおりであります。そこでこの問題につきましては、同僚委員のほうからずいぶん質問があったと思いますので、あるいは私がいま質問することが重複しておるかどうかわかりませんが、もし重複しておれば、もうそれは重複しておると答えていただけば、私は質問をやめます。  それは、一般に市販されておる薬はたいてい定価がついておるのであります。二百円とか千円とか五百円とか。これは法規によって定価を明示しなければならないという、何か薬事法か何かで法規にあるのかどうか、これをひとつお伺いしたいと思います。

熊崎正夫厚生事務官(薬務局長)

○熊崎政府委員 薬の値段の表示につきましては、法律上これを表示しなければならぬという規定はございません。しかし私どもとしましては、やはり小売段階において値段をはっきりさせることは、消費者が扱う場合に非常に望ましいことでもありますので、私のほうから、局長名をもちまして、なるべく表示をするようにという指導をいたしております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 ただいま承っておりますと、やはり消費者の便宜の必要上厚生省としては小売り価格、定価を明示するように指導しておる、こういうお話でございましたが、実は最近薬の、何と申しましょうか、販売競争と申しましょうか、三割引き、四割引きというような、常識から考えますと非常に安い価格で各所に売っておるということはたぶん御承知と思いますが、その場合に、小売り価格の表示がなければ、消費者としては非常に不安を持つのであります。相当有名なメーカーで、ずいぶん小売り価格の表示をしてない薬がありますが、大体のところでいいと思いますが、各薬に小売り価格を明示しておる、あるいは明示していない、そのパーセンテージは大体おわかりでしょうか。

熊崎正夫厚生事務官(薬務局長)

○熊崎政府委員 これはたとえばデパートあたりに参りますと、薬自体には表示はいたしておりませんが、その薬のすぐ下に値段をつけたプライスカードを置くようにいたしておりまして、はっきりこの薬は幾らということがわかるようになっておりますが、しかし御指摘のように薬につきましては乱売行為もあるといいますし、メーカー側でこの薬は幾らかということを印刷することは法律的な義務もございませんし、またそれを印刷することによって、薬というものはその薬がどんどんたくさん売れていけば結局値段というものは刻々と変わっていく、これを一々書きかえるということも不可能でございますので、なるべく小売り段階におきまして、プライスカードで明示するということを指導しておるわけでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そうしますと、たとえば効能書きを張り出してありますね、食後にこれを飲めとか、あるいはこの成分は何の薬が何%、何の薬が何%とか。価格だけはいろいろな関係で表示するように指導しておるが、まあ表示されてない場合が多い、しかしその現物の横に責任ある小売り店では価格を別な紙に書いておる。しかしそのままでいいかどうかという点であります。将来厚生省といたしましては価格を明示するように指導しておるといわれるのでございましたならば、これはもう少し各メーカーに慫慂するような指導措置を今後とられるのか、現状のままで放任されるかどうかという点を承りたい。

熊崎正夫厚生事務官(薬務局長)

○熊崎政府委員 私どもといたしましてはなるべくそういう指導をいたしたいと思っておりますし、先生の御意見には私どもは賛成でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 一例をあげますと薬を、ある小売り店で買いますと百五十円、ある小売り店で買いますと百八十円、またうんと値引きをしておるところで買いますと百二十円、一体この薬は定価が幾らだろうかということで相当頭を使うのです。こんなところに神経を使うだけでも生存競争の激しい今日、相当ロスになると思うのでありますが、これはひとつ強力に価格明示をするようになお指導していただきたいと思います。  それからもう一つは、これは厚生省関係でもよく御承知と思いますが、私も事前通告をしておりますが、例のハンセン氏病の関係であります。この問題に関しましては同僚委員でもなかなか質問する人が少ないし、また非常にお気の毒な状況にございますので十分なる予算措置をやっていただきたいということで毎回の通常国会で私は質問をしておるのでありますが、ただいまハンセン氏病にかかっておられる方の日本国内における総数を大体おつかみと思いますが、その総数のうちから何割程度が病院に入っておられるか、いわゆる病院と申しましょうか、収容所といえば少し語弊がございますけれども、全国十一の療養所に収容されているパーセンテージがおわかりになれば御明示願いたいと思います。

若松栄一厚生技官(公衆衛生局長)

○若松政府委員 現在三十九年十月末の数でございますが、国立療養所に九千七百七十四名、私立の療養所に二百四十七名、合計一万二十一名が収容されておりまして、そのほかに在宅患者が七百八十名ございまして、総計で一万八百一名というものが私どもの把握しておる数でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 ただいま報告されました以外には捕捉されない、こういうことになるんでしょうか。

若松栄一厚生技官(公衆衛生局長)

○若松政府委員 把握されましたものはそういう状況でございまして、そのほかに年々まだ新たに発見される患者がございます。それが最近では大体百名から二百名の間の数でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 最近いい薬ができまして、いままで不治の病と言われておりましたが、全快をして、たとえば療養所に収容されておる方々でも出所をするということを承っております。たいへん喜ばしい現象と思いますが、最近二、三年の統計でいいのですが、年間どの程度出所されておりますか。

若松栄一厚生技官(公衆衛生局長)

○若松政府委員 最近の数で申しますと、三十五年が二百十六名、三十六年百六十九名、三十七年百三十四名、三十八年百二十五名という状況でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そういたしますと、ただいま大体四カ年の出所者の統計でありますが、それと、片一方は新しく発見するのが百名ないし二百名ということになりますと、これは半分に割って百五十名ということになりますが、出所した人の平均も大体百五十名くらい出ておりますから、とんとんという形で数としては減らない。人口がふえておるからそれに比例すると幾らか減る、無理にこじつければそういう計算が出ますが、新しく発見される病人と全快されて出られる方の数は、大体とんとんというところでしょうか。

若松栄一厚生技官(公衆衛生局長)

○若松政府委員 入所者と新発見患者はいま申し上げたのでございますが、患者もかなり年をとっておりまして、死亡者等もございまして、総体としては逐次減少していくという状態でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そこでちょっとお尋ねしたいのですが、ハンセン氏関係の病院は大体ある意味における強制収容というような形になっておりますので、いろいろやってもらいたいことがございましてもなかなか外へは出られないようなわけですが、ことしの予算要求で、療養所の関係から一番いつも問題にされますのは、付き添い看護助手の定数をふやしてもらいたいということを要求されておりますが、本年度厚生省関係ではどの程度要求されて、現在どの程度の査定になっておるのでしょうか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 付き添いの方の要求は百五十要求いたしまして、認められたのは七十五名でございます。参考までに昨年の数を申し上げますと、五十名でございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 昨年の五十が七十五になったので二十五名ふえたという計算になりますが、昨年はどのくらいの要求で五十という査定になったのですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 昨年は五十名の要求であります。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そうしますと、昨年は要求どおり査定された、こういうことですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 昨年は御承知のとおりに、五カ年間で付き添いを二百五十名入れるという計画がございまして、この五カ年計画の最終年、それで五十名というわけだったのです。それでやってみました結果が、まだ付き添いを要する人で付き添いをつけていないのがだいぶある、こういうことでありますから、第二次の計画を立てまして、それをお願いいたしました数が七十五名で、いままでの五カ年計画よりもスピードアップしている、こういうわけでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 昨年五十で、五十が満ぱいというような形になっておりますが、その経過を見ておるととてもやはり足りないということで、おそらく百五十要求されたのではないかと思います。七十五名の予算措置で、これは患者のほうにいたしますと、厚生省が大体これだけ要るという予定で、山をふっかけた、あるいはサバ読みをやったというわけでもないのに、七十五名でこれを押えられるということについては、相当大きい不満を持っておると思います。これらの問題につきましては、来年度は抜かりないような予算措置を十分やっていただきたい。いまこれを変えるとかなんとか言っても、実際問題として私はむずかしいと思いますから、来年度はひとつ厚生当局もがんばっていただきたいと思います。

相川勝六自由民主党

○相川主査 山花君、時間が参りましたから…。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 なお、ハンセン氏関係の予算について、総額は去年よりどのくらいふえておるでしょうか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 二億ふえております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 パーセンテージにして−…。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 一〇四・八プロ。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そうすると、四・八ふえたというわけですね。そのうち、職員の人件費でどのくらいふえておるでしょうか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 人件費の総額が七千百万円でございまして、パーセントが五・四プロでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そうすると、総ワクで四・八%ふえて、人件費だけで五・四%ふえたわけですね。これは一応給与の関係になっておりますが、そうすると、実際にほかの費用ではどのくらいふえたことになりますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 四・一プロでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 私も詳しい数字は検討しておりませんが患者側から言ってまいったのは、職員の給与の関係は二・七%ふえて、一般の関係は二・二%ふえた、こういうことを言ってきておるわけなんです。これはあとで調べればわかると思いますが、そこで問題は、総額で四・八ふえて、おおむね人件費にとられて、あとは非常に少ない、こういうことじゃ厚生省は誠意がない、これは何とかしてもらいたいというのが患者側の要求であります。いま、数字が患者側から言ってきておるのと厚生当局の数字が違っておりますが、これは後ほどひとつお調べを願って、もし厚生当局のほうが違っていなければ患者側の納得のいくように、了解をしてもらうようにやっていただきたい。もし患者側の言うのが間違いがなければ、厚生当局はもっと予算措置をやるように尽力を願いたいと思います。  なお、いろいろ申し上げたい点は、毎回、患者の手当の問題とかなんとか、これはもうよく御承知と思いますので、時間の関係もございますので、いま申し上げました看護助手の数の関係と、予算増額分の配分の関係について一段の考慮をしていただくことだけを申し上げまして、数字がちょっと違っておりますが、これはお調べ願って対処願うということにして、私の質問は終わりたいと思います。

相川勝六自由民主党

○相川主査 次に村山喜一君。  大体四時四十分くらいまでにひとつ……。    〔主査退席、井村主査代理着席〕

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 私は厚生大臣に未帰還者の問題につきまして、質問をいたしたいと思うのであります。  戦後二十年、もはや戦後ではないということばが出てまいりました。大は憲法改正の問題から、小は個人の生活に至るまで反動的な考え方や新しいナショナリズム、愛国心というような問題に至るまでにぎわっている今日でございますが、まだ忘れられておる日本人の異国の空で望郷の念にかられながら泣いている状態が残されている、これがやはり未帰還者の問題であるわけであります。私はここに書類を持ってきておりますけれども、これは鹿児島県の援護課のほうにおきまして、詳しく県内の留守担当の家庭に当たり、あるいはいろいろな書類等によりまして調査をいたしました、その資料でございます。これによりますと、鹿児島県関係の未帰還者で帰国手続済みの未帰還者が、中国に十七名おる。まだ手続の済まない者が七十八名おる。他県に本籍があって、留守担当者が鹿児島県内におる者が五名おるのであります。これは中国から参りました手紙やあるいは紅十字会の名簿やあるいは証言等によりましてつくられた名簿でございます。  そこで大臣にお尋ねをいたしたいのは、第一に、未帰還者がどの国に何人おるのかというその実情を、いま厚生省としてはどのように把握をしておられるかという点でございます。その中には帰国の手続済みの者も多分にあると思うのでございますが、その帰国の手続済みの者は一体何名になっておるのか。最近国交がまだ未回復の国から、赤十字社等を通じまして帰国をした者が、一体何人になっておるのか。  なお、この中に書いてありますが、後ほども取り上げますけれども、帰国したくても旅費がないとかあるいは許可が出ないとか、いろいろな事情によりまして、帰りたい意思を持ちながら帰ってこれない人たちがおるわけでありますが、これに対するいわゆる帰国促進について、今日どういう方法を講じておられるのか、これについて承っておきたいのでございます。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 お答え申し上げます。  戦後二十年を経ました今日、なお異国に残っておられます未帰還の方々、またその御家族の方々等を考えますときには、全くその責任の重大さが身にしみるわけでございまして、一日も早い帰還をこいねがいたいというようなことで、あらゆる情報をとりますとともに、この帰還の措置を講じておる次第でございます。  そこで、いまお尋ねございました各地区の未帰還の人員を申し上げますと、大体推定でございますが、ソ連地域には六百四十八人、そのうち大体生存が推定できるというような方が三百八十人、こういうように考えております。それから中共地区におきましては五千百三十七人でございます。その中に生存を推定される方が二千九百二十人。それから北鮮地域でございますが、北鮮地域は二百五十五人でございまして、このうち九十人が生存をされておるという認定でございます。それから南方諸地域でございますが、これは六百三十七人ということになっておりまして、生存の確認がまだ十分でございません。合計いたしまして六千六百七十七人でございまして、そのうちで、生存の確認と申しましょうか、推定をされる方々が三千三百九十人、こういうことでございます。  なお、ついででございますが、昨年帰還された方をこの際申し上げますと、ソ連から十四人、そのほかに家族が九人、だから二十三人でございます。それから中共から百十人、このほかに六十六人の家族が含まれております。それから南鮮から八十人、このほかに七十四人の家族の方が入っております。合計いたしますと二百四人、その家族の方が百四十九人、こういうような状態でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 第三点の、帰国促進にあたりましてどういう手段をとっておいでになるのか、またこれからどういうふうにして進めようとお考えになっておるか、これについてお答え願いたい。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 御承知のように、わが国と国交が回復している国、また国交が回復していない国がございます。そこで、国交が回復しております国々に対しましては、外交交渉を通じましてすみやかな帰国を懇請しておるというのが実情でございます。外交関係がまだ十分でない、確立してない国々につきましては、いろいろな関係の方々の情報その他つて等を求めまして、一日もすみやかに帰還をしていただくように手配をしておる、これが今日の状況でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 先ほど大臣は、南鮮から家族を含めて百五十四人帰ってきたということでございましたが、これは北鮮ですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 南鮮でございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 そこで、この日本に帰ってまいりました在外同胞の人たちの中には、これは帰国でございますから、一時的な帰国者というものは含まれていないと思うのでありますが、この中に一時帰国の者がございますか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 仰せのように入っておりません。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 昨年の秋に日中間の新聞記者交換が行なわれました。私の郷土の鹿児島の南日本新聞社からも久保編集局次長が約二カ月にわたりまして中国各地を訪問いたしました。その各地における記事を次から次に読者に届けてまいったのでございますが、東北地方を旅行して——旧満州地区でございますが、そのホテルに鹿児島県出身の中年の女性がたずねてきたというのであります。それは、終戦の直前ですか、ソ連が満州に進撃をいたしまして、関東軍はまっ先に逃げまして、日本の居留民の保護はほとんどなされない中で、居留民だけがあとに取り残されて苦難の道を歩まなければならなかったのでありますが、ついに帰国できないで苦しい生活を過ごしているときに、親切な中国人に救われて、彼と一緒になって、いまはもう子供も三人もうけて安定した生活を過ごしておる。しかしながら、異郷の地でございますので、自分はここに永住をし、そして中国の土となを決意である。しかし死ぬまでの間にいま一度故郷の両親やきょうだいや知人に会いたい。そして郷里の水を飲みたいという希望を持っている。この願いは私だけでなくて、いまこの町に居留をしている人たちの日本婦人についてもそういう願いを持っている人たちがきわめて多い、こういう報道がなされたのであります。私も昨年中国の国慶節に参りまして、中国の友人に、当時名簿を持っておりましたので、どうしたら帰国について、——永住はするにしても、一時帰国という手もあるのだから、そういうような方法をとるにはどうしたらよかろうというような相談を実はいたしたのであります。そういたしましたら、その友人が言うのには、中国の紅十字会にひとつ名簿を出していただけませんかということでございましたので、この名簿を紅十字会のほうに送付をいたしました。ところがもう出しましてから数カ月になるわけでありますが、何の返事もまだもらっていない。御承知のように日本に居住をいたしております中国人の場合には、祖国に墓参りに帰りたい、あるいは両親が病気だ、病気見舞いに帰りたいというので、私も日本国に在住をいたしております中国の人について、華僑総会を通じまして日本の赤十字社から向こうの紅十字会を通ずる手続をとって、そして御承知のように一時帰国が入管の許可を得まして行なわれるようになっておりますから、それに手伝いをいたしました人もございますし、そしてまた旅行の期間が過ぎましたら日本に帰ってきて国内において営業をしている人も知っているのでございますが、そういうような一時帰国の方法が、日本においては中共との間においてすでにとられている。このことは大臣もよく御存じのところだと思うのであります。  そこで日本に日本人としての国籍を持っておる者の帰国の問題もそうでありますが、永久に中国に居住をしたい、あるいはその他の地域でもよろしゅうございます。居住をしたいのだが、せめて死ぬまでの間に一回だけは両親の顔も見たい、こういうような一時帰国の手続につきまして、厚生省としてはいままで何らかの措置を講じてこられたのか。たとえば赤十字社等を通じまして、向こうのほうと話し合いをするなり、あるいは何らかのそのほかのルートを通じて厚生省として何らかの措置をおとりになったことがあるのか、このことをお尋ねをしたいのでございます。と言いますのは、この名簿の中にも出ておりまするが、帰国手続済みの十七名の名簿を調べてみますと、その中に女性が十三名おるのであります。それからまだ帰ってこない未帰還者七十八名の中の五十三名は女性でございます。他県に本籍を持っておる人、これは鹿児島に身寄りの人がおるのでございますが、五名のうち三名は女性でございます。この名簿をごらん願いたいと思いまするけれども、たいがい女性の人は向こうで中国人あるいはその他外国人と結婚をして子供を持ったりして幸福な家庭生活を行なっておる。こういうようなのでございますから、もう日本に帰って来るというよりも一時帰国したいという希望のほうが強いわけであります。ところが帰国をしたいけれども旅費がない。それから夫はそうしたらいいじゃないかと言ってくれるけれども、どうも当局の許可がおりない。こういうようないろいろ仕分けがございます。そういうような状況を見ますと、これはそのような方法で中国に永住する人は、日本の国籍を抜くにしても、いろいろな方法もありましょうし、また一時帰国をさせるための措置等もおとりにならなければいけないのじゃないかと思うのであります。いま厚生省でやっております旅費負担のものは、これは一時帰国には適用されていないのではなかろうかと思うのでありますが、この点はいかがでございますか、一時帰国の制度の創設といいますか、そういうような考え方について厚生省の考え方を承りたいのであります。

鈴村信吾厚生事務官(援護局長)

○鈴村政府委員 お答えいたします。  過去に日本赤十字社とたしか中国の紅十字会だと思いますが、話し合いをいたしまして、中国からの一時帰国を実施したことがあるのであります。最近におきましては、地域は違いますけれども、南鮮からも一時帰国の企てがありまして、これも確かに日本赤十字社であっせんいたしまして一時帰国が行なわれたのであります。ただいまわれわれのほうで帰国のための旅費を支給してとありますのは、全部いわゆる永久帰国と申しますか、一時帰国でないものについてであります。一時帰国となりますと、若干事情が違ってまいります。たとえばすでに中国の国籍を取得しくおるというような方でありますと、これは外国人の日本への入国というような形にもある意味ではなるわけでありまして、一般的な意味での外国人の入国の問題ということにもなる。したがいまして過去にありましたように日本赤十字社等が間に入りまして、そういうようなことを考えるような場合には、できるだけわれわれもこれが実現に協力したいというふうに考えておる次第であります。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 私はこの一時帰国者には、日本の旅費負担がなされていない。そのために帰りたいのだけれども帰れない。こういうような特殊な、まだ十分に国交の回復がなされてない地域にありまして、何とかして帰りたいという気持ちを持っておるこの人たちを、厚生大臣としては救ってやるといいますか、これは戦争犠牲者というようなふうに考えていただいてもいいのではないか。御承知のように戦没者の未亡人に対しましては一時金も支給されました。ああいうような法律をお出しになることを考えますと、これはやはり人道的な立場から、日本政府がそこまでこまかい配慮に基づいた思いやりのあるあたたかい政治というものをおやりになる段階にきておるのではなかろうかと思うのでありますが、厚生大臣のこれに対する見解をお聞かせを願いたいのであります。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 いま村山委員のおっしゃいました戦後現地にやむを得ず残りまして、そうして現地でいろいろの生活をされておるわけであります。内地に一時帰ってきたい、この気持ちは、私はもう実によくわかるものでございます。そういう方々に対して、厚生省として特別に考えてやったらどうかということ、これは全く同感でございます。十分の資料がございますれば私ども十分ひとつ一これは各関係省もあると思います。外務省とか、あるいは内閣等もあると思いますが、あたたかい気持ちでそういう場合にはひとつ努力いたしたい、この気持ちでございます。

村山喜一日本社会党

○村山(喜)分科員 ぜひ、該当者もそうたくさんあるわけではございませんので、これらの点については、人間尊重といいますか、そういうような、終戦直後のなんで、異境の空で非常にさびしい思いをしている人たちの生活をよくお考えをいただきまして、ぜひ厚生大臣、この問題を一生懸命やって、実現をしていただきますことを要望申し上げまして、終わります。

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 これにて村山喜一君の質疑は終了いたしました。   次に松井誠君。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 私は医療行政の問題についてお尋ねしたいと思うのです。医療行政といいますと、今度の国会の花形のテーマのような形になってしまいましたけれども、私は医療の問題の中で、特に僻地の医療の実態というものについて、ひとつお伺いしたいと思うのです。現在の、あるいは現在までの厚生省の僻地の医療対策の実情、その概略を最初にお伺いしたいと思います。これは事務当局でけっこうです。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 僻地と申しますか、医者のいない土地を調べてみますと、近くに医療機関がありまして、このために病院がないというようなところもございますが、僻地で医療機関がつくられてないというふうなところを調べてみた結果、これは少し古い統計でございますが、昭和三十五年の六月に、近隣に医療機関がありまして、そのためにそれを十分利用し得るというようなものを第一種と言っておりますが、三百八十五カ所。それから人口とか面積、交通等によりまして、医療機関の運営が困難なところ、これが八百五十九カ所、これを第二種と言っております。医療機関の運営が可能な人口のあるようなところを第三種と呼んでおりますが、百八カ所。それから人口が少なくて、三百人以下のところを特別僻地と呼んでおりますが、七百十一カ所。この第二種の八百五十九カ所のうち、何とかてこ入れをすれば、医療機関ができるというふうなところが四百三十二カ所。それ以外の四百二十七カ所、これを医療僻地対策の対象として計画をしたわけでございます。その第二種のうちの四百三十二カ所につきましては、国保の関係でやっていただくというふうな考え方からやっておりまして、その四百二十七カ所に対しまして、昭和三十一年から毎年三十カ所ないし四十カ所の診療所を親元病院と連携させましてつくらしていく、こういうふうな対策をとってきておる次第でございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 三十一年からその対策が始まって、現在大体どの程度まで進捗しておるのですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 現在三百十六カ所診療所ができております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 これからあともその一種の無医村対策というものを継続して進めていかれる。それが僻地医療対策の中心というか、あるいはそれだけなんですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 この僻地の診療所をつくる仕事は、あと続けていくつもりでございますが、それだけでなく、人口が少なくて、診療所をつくるほどでもないというふうなところにつきましてはマイクロバスを設置させまして、それによって患者さんをもよりの医療機関のほうへ連れていく便宜をつくってやる。また巡回診療をやらせますための診療船とか診療車、また雪の多いところにおきましては雪上車というものを配置して、巡回診療をやっていく。歯科関係におきましては、歯科の診療車を県に渡して巡回診療をやっていく、こういう方針でございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 その診療所の数字のことはわかりましたけれども、マイクロバスなり診療車あるいは診療船、そういうものは具体的にはどういう数字になっておりますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 整備計画としては、診療車百八十三台を予定しておりまして、三十九年度は二十三台、四十年度は二十九台の予定をしております。それから診療船は九隻を予定しておりまして、三十九年度が一隻、四十年度が一隻。雪上車は八両を予定しておりまして、三十九年度は一両、四十年度が三両。歯科診療車は十四台予定をしておりまして、三十九年度、四十年度おのおの二両、こういうふうな数字になっております。なお診療車、診療船は、三十六年から実施しておるのであります。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 そういう整備計画は、何か長期の整備計画があってやられておるのか。あるいはその整備計画があるとすれば、その整備計画の概要、それからいまの診療船なりマイクロバスなりの経営の主体といいますか、運行の主体はどこなのか。その辺のことをまとめてお教えいただきたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 先ほど申しました昭和三十五年に全国の無医地区調査によって計画をつくりましたが、さらに三十八年に計画を少し訂正いたしまして、いまのような計画ができたわけでございます。三十八年から大体四十二年に完成する予定の計画でございます。それからマイクロバスは市町村に運営させ、診療車、診療船、雪上車等は、県または県の連合体に運営させて、巡回診療をやる、こういう形の計画になっております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 先ほどの診療車何台、現在まで何台というのは、昭和四十二年までの整備計画全体の数字のことなんですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 診療所の数、診療車、診療船、マイクロバス等、みな四十二年で大体完結する計画をいま持っております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 四十二年度に計画どおりそれが整備されると、これでいわゆる無医村というものは全部解消するということになるのか。無医村にはいろいろ定義があるでしょうが。一応その整備計画が終われば、いまの僻地診療対策は終わるという見通しなんですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 当時の調査によりまして、県と計画いたしましたのは終わるわけでございますが、いま第二次の補正をしました計画の運営中におきましても、県当局からいろいろ個々に困っているところなどの話が新しく出てまいりまして、計画の訂正の要求はせられておりますが、これは  一応いまの計画が終わってからという話で、いまわれわれは進んでおるわけであります。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 そういうものの整備、施設の整備ということは、一応金があればできますし、それはそれで意味があるわけでありましょうけれども、御承知でしょうが僻地医療の一番のガンというのは、物の施設ということよりも、一体その施設を運用するお医者さんなり、看護婦さんなり、具体的に医者が来ない。あるいは来ても長く居つかない。そのことが最大のガンではないかと思うのでありますけれども、この僻地医療対策の最大の問題点というものは、一体何であるかということをお教えを願いたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 お説のように医者、看護婦、特に医者の入手、それが一つ。それからもう一つは運営につきまして、経営がだいぶ苦しい。その診療所を持っておりますところの町村なり、またはそれを応援しております親元病院が非常に苦労をしておる、こういうところでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 その財政的な隘路については、具体的な対策というものはどういうものですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 診療所の運営につきまして、赤字の二分の一程度のものを国が補助をするという形をやっております。また診療所の運営費を補助しておるということでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 財政的な問題はそういう形でケリがつくとしましても、問題はお医者さんを確保するということなんですが、これについては具体的にどういう手段をおとりになっておるのですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 この僻地診療所の医師の確保につきましては、それが一つの僻地の医療のガンでございまして、昭和十年ごろに、やはり厚生省の方面でこういうような仕事をやったことがありますが、なかなか医者が居つかずに、失敗したというふうな前例にかんがみまして、この三十一年からの計画につきましては、親元病院制度というふうなのを考えまして、公的医療機関が親元病院となりまして、この僻地診療所を責任を持ってもらって、そして医者を親元病院から出してもらう、こういうふうな制度をとりまして、親元病院の院長さんが医者の入手をする、交代でやるというふうなことに苦労しておられますが、何とか医者の配置に無理をしながら、いまやっておるという状態でございまして、ちなみにその数を申し上げますと、現在開設しております三百十六カ所のうち、医者が常住しておりますものが百二カ所、非常勤的でありますが、その親元病院から一週間に何回というふうにして医者が行く、こういうふうなものが百五十八カ所、医者がいなくて休診をしておるところが十九カ所、あとの三十七カ所は、これは三十九年度に設置したものでありまして、まだ医者が入っていない、こういうふうな状態になっております。入っていないというか、統計がとれていないということでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 その公的医療機関を親元病院として、そこから医者の円滑な配給という仕事、そういうルートからやろう。その方法でいまのお話では十九の診療所が全然常駐ももちろん、そうでない医者の配置もできないようになっておるというのですが、この方法でお医者さんの対策としてはやっていけるという見通しでございますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 いまの十九カ所は、まあこれはあの調査期の数字でございまして、その十九カ所がずっといつもというわけではございませんで、浮動しておるわけでございますが、いままでのところはこれでやってきた。まあ第二次のあとの、九十くらいでございますが、そのくらいのものもこれで何とか親元病院、公的医療機関にやらし得るのではないかと思っておりますが、しかしかなり親元病院も苦労して、手一ぱいというふうな声がいま上がっておりまして、われわれとしましてももう少し何かいい考えはないかと、いま検討しておるところでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 いい考えがないかということで検討中だというのですが、むしろ公的の医療機関に医者を呼ぶことさえも、実はだんだんむずかしくなってきておるのであります。開業医のほうが割りがいいということで、そういう公的な医療機関に月給をもらっていくという、それも都会地ならば別でありますけれども、いなかの病院ということになりますと、そういうお医者さんを確保すること自体が、だんだん困難になってきておるのであります。私は島に住んでおりますから、島の中のあれこれ回りますと、お医者さんがいないというのが非常に痛切な問題なんです。まだ車が通る道があるところにおる人は別ですけれども、そうでないというところも多いだけに、これはもう身近にお医者がいないということが非常に大きな問題で、診療所はできたけれども、たまに一週間に一ぺんかそこらに、遠くのところから町の診療所の医者がやってくるということだけでは、これは急場の間にはなかなか合わない。ですから公的な医療機関から、そういう常駐で医者が配置をされれば一番いいのですけれども、そうではないところのほうが先ほどの数字では多いようでありますし、そうなりますといまの方策でお医者さんを確保するということは、だんだん困難になってくる。何かいい方法はないかということだけではなしに、何かありませんか。何か具体的な方策というものはお考えになっているということはないですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 先ほども申しましたように、昭和十年ころの無医村対策といたしまして、そこに診療所をつくり、経営費とか人件費もかなり出すという方法でやったのが、完全な失敗に終わっておるというふうなところから、やはりこの親元病院という考え方は、いまの数字から見ると、かなり成功しておるのではないかと思います。しかし親元病院自身でもかなり手をあげかけておるというふうな状態でありますので、医者の待遇等につきまして、親元病院へと申しますか、経営市町村へと申しますか、そういうところに助成を強化して、待遇をよくして来てくれるようにするということも手だと思います。  ちなみに申し落としましたが、研究費を六万五千円、運官費の算定の中に考えておりますが、待遇をよくすることが一つの問題でありますが、ただそれだけでなく、やはり医者は絶えず勉強するというふうな雰囲気、こういうようなものが必要とせられると思いますので、できるだけそういうふうな全体の医者を確保する手を考えていかなければならない、こういうふうにして、いろいろ親元病院につきましても、限界に来ておりますところから、方法を考えておる、こういうことを申し上げたわけでございます。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 実際いまのお話のとおり、親元病院そのものも私は限界にきておると思うのです。それを待遇の改善——金で済むことならばということで、待遇の改善というそのことでケリがつくならば、私はまだ道があると思う。しかし待遇の改善だけでは、なかなかカバーできないという条件がたくさんある。あなたが言われたお医者さんは勉強しなければならぬ。未熟なままでいなかへ行って、一生いなか医者として終わることは、とうてい忍び得ないということになると、かりに来てくれても、そう長くはいない。初めから腰かけだということになる。そういうことになりましては、ほんとうに僻地の医者の確保ということが非常に苦しいわけです。ですから、何か方法がないかというようなことではなしに、もう少し何かお答えがいただけるのじゃないかと思ったのですけれども、これは私の一つの思いつきのようなことでもありますが、考えるわけにはいかないかということなんです。昔軍医という制度があったときに、初めから、大学のときからその軍医を国が学資を出して、まるごとかかえて養成する。そのかわり卒業してから何年かは軍医にならなければならないという制度があったと思うのです。そういうことで家庭の事情で、医者にはなりたいけれども金はない。そしてまた金があって医者になれるならば、僻地へ行ってやろうという、そういう人道的な考え方を持っておる若い人もおるだろうと思う。そういうものを国家が養成して、国家が厚生省の職員なら職員として当分の間義務的に配置をするというようなこと、そういう形でも考えなければ、単に待遇をよくする、あるいは何がしかの、公的な医療機関を通しての規制をするということだけでは、行き詰まるのではないか、これは大臣どうでしょう。何かそういうよほど抜本的な考え方をとらない限り、いまの僻地における医者不足というものは、解消できないのじゃないかと思いますけれども、いかがですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 先ほど来松井委員が僻地の医療対策について突っ込んだ御質問、また御意見を吐かれておりまして、私は実は傾聴しておったわけでございます。僻地の無医村を解消したいということは、もう厚生省の長い夢であり念願でございますが、なかなかこれは一朝一夕に、むずかしい問題がございましてできないのは、御承知のとおりでございます。そこでいま、昔の軍医制度にあったようないわゆる貸費生制度ということになりますか、いろいろ義務年限つきの貸費生、こういうような形だと思います。これはいま実は公衆衛生関係でやっておりまして、保健所等の医師充足のために、これは多額ではございませんが、やっておるのでざざいます。保健所自体が医者に困るというようなことでございまして、この制度はもうかれこれ七、八年前からでございましょうか、やっておりますが、なおかつ不足を感じておるようなわけであります。ですから僻地対策を真剣に、今後だんだん僻地に持っていくことになりますから、なお至難だと思うのであります。いろいろの面からこれは検討しませんと、昔の軍医制度に似たようなことをいま公衆衛生関係で、保健医の充実のためにやっておりまして、うまくいっていないのが実情でございますから、何かもっと突っ込んだ案がなければならないのではないかというようなことを検討中でございまして、いまのお話もごもっともでございますから、あわせて検討いたしますが、そういう事情でございまして、きめ手というのはいま急にないことを非常に遺憾に思っております。   〔井村主査代理退席、主査着席〕 しかし充足しなければならぬことは、おっしゃっているとおりでございまして、その必要を痛感して対策を練っておる最中でございますから、あわせてひとつ検討いたしたいと思います。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 最後に一点お伺いしたいのでありますが、そういういなかへ行きますと、これは厚生省にお尋ねをしてもしようがないかもしれませんけれども、私らは国民健康保険税あるいは国民健康保険料というものを払っておる。ところが医療機関を利用するチャンスというのはきわめてない。いよいよ利用しなければならぬということになりますと、島の場合ですと、道がないと船を仕立てて急病の場合には出ていくという大がかりな形で、お医者さんにかからなければならぬ。めったにそういう医療機関の恩恵を受けないのにたまに恩恵を受けようということになると、人一倍の金を使っておるということです。こういう場合には、ひとつ保険税を減免するというわけにはいかないだろうかという意見さえ出てくる。これは言ってみればうしろ向きの議論で、それよりもむしろそういう恵まれない医療の普及というほうに、考え方を向けるのがほんとうでありますけれども、しかしそういう筋論は別として、現にそういう医療の恩恵を受けていない人が同じ金を取られるというのは、どうにも理屈に合わない、これが現実の感じなんです。しかし国民健康保険税をそういう形で特別に減免するわけには、これは現実にもあるいは理屈の上でもできないでしょう。ですから何かそれを具体的に医療の充実のために、何かの形でそれを還元するという、具体的な何か結びつけというものができないのかということについて、ひとつお考えがありましたらお聞かせ願います。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 いまの松井委員のお話も、そのお気持ちは私はよくわかります。よくこの無医村、いわゆる僻地対策といたしましては、医師を置いたのではとうてい成り立たないから、林道を開発するとか、あるいはまた船だまりをよくするとか、あるいはまた空から行くようなことを、ヘリコプターを使うというようなことを考えるとか、もっとそういう別な面から、僻地のお医者さんがなくても、あったと同じようなことを考えたらどうか、電話の充足をはかれば、そういうことができるわけでございますから、そういう面等コンバインして考える必要があるのではないか、こういうことも検討の最中でございます。それによってどのくらい医者を置いたようなことになるかというようなこと。それからいまお話のございました国保の減免税の問題も、よくそういう際に対象になって考えられるのでございますが、お話にもございましたように利用度が少ないから、減免するというようなわけにもまいらぬわけでございます。しかし何もできないということになれば義務だけ与えて、一向給付の対象にしてくれぬという矛盾がございます。何か前向きで解決したいというのが、今日厚生省の悩みといいますか、検討中の難問題中の問題でございまして、今後なお一そうひとつ検討を加えたい、こう思っております。

松井誠日本社会党

○松井(誠)分科員 最後ですが、例のガソリン税のように、それだけの分は必ず僻地の医療を受けられるような、いろいろいま言ったような道をつけるということも一つの方法でしょう。あるいはヘリコプターということも考えられますから、何かそういう具体的な返すという方法で考えてやらないと、非常に不合理です。ところがそういう僻地というのは、権力に非常に弱いですからね。ですから税金を納めなければならぬ。税金を納めないのは罪悪だという考え方があって、一〇〇%の納税というようなことを誇りに思っている。ですから気持ちの中では非常に不合理で、理屈に合わないという気持ちがありながら、実は金を納めているわけです。ですから、黙っておるから問題がないのじゃなしに、問題が非常にうっせきしている。そういうことをぜひひとつこの医療行政の中でお考えをいただきたいと思います。

相川勝六自由民主党

○相川主査 次に大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原分科員 これからいよいよ最後の質問をいたします。  第一は、分科会が一応終わるわけですから、簡潔に法制局長官にお尋ねいたしますが、御承知のように年末から中央医療協があのように混乱いたしまして、職権告示等がございました。それから国会におきましても、二月の一日以来、二日、六日、八日とそれぞれ議論をいたしてまいりまして、いろいろと分科会で議論をいたしました。そこで簡潔に質問をいたしますので、ひとつお答えいただきたいと思うのですが、そういう神田厚生大臣の職権告示、その他厚生行政後退に対するいろいろ議論をし、追及をいたしてまいりましたが、議論をした中での法律関係、事実関係というものがいろいろあるわけです。それから法律問題、政治問題があるわけです。政治問題や事実関係については、私は法制局長官に法律適用について御判断や見解を聞こうという気持ちはない。それから現在は、きょうも総理大臣官邸で支払い側その他は政府・与党の代表と論議をいたしておる。ですから事態はやや前進をしつつあると思うのです。私どもとしては、国会は最高議決機関ですけれども、しかしながら法律に定めた民主的なルールは守って、直接的に各界の意見を聞きながら、利害関係者の意見を調整し、高い立場でこれを判断していく、行政府の判断について、私どもはより高次な判断に立って議論をしていく、国会はこういう職能を持っておると思うのです。  そこで二つの中で、一つの質問は、例の一月九日の職権告示でありますが、一月九日の職権告示は、私がいろいろと事実を確かめた点では、十日というふうに判断をしたわけであります。十日の未明というふうに事実を判断をしております。そのことはおきますが、一月九日に一月一日に遡及いたしまして職権告示をいたしましたが、職権告示は公益委員の報告に基づいてなされたわけであります。職権告示が違法かどうかという議論を私はいたしました。職権告示が違法であるかどうかの点は、健康保険法の二十四条ノ二と四十三条ノ十四にございます中央医療協と社会保険審議会の機能並びにこの実体法を受けて組織法で、中央医療協と社会保険審議会の組織と役割りをきめておる、文書の答申その他そういうものから考え、法文から考えてみまして、私は違法であると言ったわけです。その違法であるかどうかを判断することは、支払い側が土俵に上がる意思があったかないか。一月九日の職権告示は緊急措置として万やむを得ざる措置であったかどうか。三者構成によって診療、支払い、公益とありますが、支払い側が非常にたくさんの利害関係を持っておる。支払い側が土俵にのぼる意思があったかなかったか、こういう事実判断によるものではないか、違法か云々の法律解釈は。ですから法律解釈としては、法律のとおりにやらなければ違法である。しかしながらその解釈をする場合に、事実関係としては、職権告示の正当性をもし根拠づけるとすれば、支払い側が土俵にのぼる意思がなかった、どたんばに来ておった、そういうふうに判断をするかどうかという一点にかかっておると私は思うのであります。その点につきましていろいろと法制局長官は総括質問、一般質問を通じて議論をお聞きと思いますが、二十四条ノ二、四十三条ノ十四、それから組織法、これらの法律の条文から考えてみて、私が申し述べるような見解は妥当なものであるかどうか。簡潔でよろしゅうございますから、結論的に答えていただきたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 ただいま御指摘の条文を含めまして、審議会に行政機関が一定の行為をなそうとするときに諮問をするということが、行政機関の行為をするについてその審議会なりの意見を聞くというための手続であることは、これは申すまでもないわけでございます。したがって諮問をするということは、すなわち意見を聞くということでございます。  ところで問題は具体の問題でございますので、その点について申し上げれば、私の伺うところでは、ともかくも厚生大臣は諮問をなさいまして、答申を受けるたいへんな御努力をなさったようでございますし、その過程において審議会の意向というものが把握をされたということがございますのと、それからいわゆるこの緊急是正の実施の遅延を許さないという事情、この対比において考えられるべき問題だと思います。要するに、仰せのとおりに審議会の意見を聞くということは、実は意見を求めるための手続でございますので、意見が出れば、これが法の予期するところでもあるし、また諮問する人の期待するところであろうと思いますが、不幸にして法の所期するような事態が実現しないで、そこに変わった事態が生じたというときには、その変わった事態を処理するに合理的な限度でその中身が把握されれば、それもまた実質的には意見を聞いたということになるのではないか。要するにその場合は委員が仰せになりますような、結局その事態の認識の問題になろうかと思います。大ざっぱに申し上げて一応そこまで申し上げておきます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 緊急性と、そうして答申を得なかったことは事実ですから、所期の目的を達していないという法制局長官の御答弁です。答申を得なかったことについても認めておるわけであります。これは質疑応答の中で明らかであります。そういう点で事実の認識の問題である合法、非合法の問題が出てくる、こういう見解であります。これは異議がないようでありますし、私も無理な解釈をする意思はない。  第二の問題は、一月九日に告示をいたしまして——事実は十日ですが、九日日付で告示をいたしまして、そして一月一日に遡及をいたしました。そのことについての質疑応答の中では、これは遡及してもよろしいという法律上の根拠はないということは明確です。どこにも法律はないわけです。それから遡及して悪いということがないから、遡及してよいという法律はないのでございます。そうすれば行政独善であります。一カ月でも二カ月でも遡及して実施しても、いろいろなへ理屈をつけてできるのでありましたら、行政が立法を侵害する、人権を侵害するということになるわけでありますから、これは理屈にもならないと思います。その点ははっきりいたしておる。遡及をすることが違法か合法かということについて慣例を提示されましたが、慣例は昭和三十六年七月に七十数億円の負担がある場合に、三十億円くらいは政府が負担をいたしまして、支払い側も納得いたしておった事実があるわけですが、病院側は少ないと言って反対いたしております。医師側は反対いたしておりました。私はこの慣例は悪い慣例よい慣例、認められる慣例と認められない慣例があるから、慣例はもちろん法制局長官の論議をすべき限界ではないと思う。問題はこの具体的な事実にこれはやはり調論が発展をするのでありますが、これも法制局長官の答える限界ではないと思いますが、問題は、遡及をすることによって、関係国民に物的な損害を与えるかどうかいう問題であると思います。これは刑事訴訟法その他の法律によりまして、そういう点が問題であると思う。遡及は原則としていけない。いけないけれども、そういう遡及する場合においては、やはりそういう点が問題である。物的な損害を与えるかどうか、これは事実問題については、法制局長官の判断をすべき権限や所管ではないと思うけれども、せんじ詰めると、問題はそこにいくのではないか、私は結論的にこういうふうに考えるわけでありますが、法制局長官の御答弁をひとつ……。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 いわゆる遡及の問題は、御承知のとおり刑罰不遡及の原則というようなものに典型的な事例が見られますが、国民に不測の負担、あるいは危険を負わすということを避けるというのは、憲法上は、刑罰不遡及の原則で書いてあるだけでございますが、原則としてそういう原則が成り立つということは言うまでもないと思うのです。したがって、同時にまたいまおあげになった例のほかにも、本人の利益のため等には遡及があるのも、これまた認められていることも当然であります。したがいまして今度のような場合についても、私どもの見たところでは、確かにいろいろな遡及上の問題はございますが、その遡及をすることによって、一般に禁止されているような遡及の事態がこの際は生じているのではないかというふうに私は確信をいたしますが、原理、原則として申し上げれば、ただいま申し上げたとおりでございます。  それからこれは先ほどの御質問に関連いたしますが、諮問をするというのは、意見を聞くというのが目的であるということは申し上げたとおりでございますが、その意見が聞かれない場合について、あるいは十分に、事実の認識の問題になりますが、合理性がある場合について、結局これが違法であるとか不法であるとかいうような問題は、その合理性のかかるところによっていえる、判断をされるべき問題であるというふうに一応申し上げますが、御参考のために申し上げておきますけれども、行政機関が行為をする場合に、御承知のとおりいろいろな法律に、審議会の議に基づきとか、あるいは審議会の議によりとかいうような規定が、行政法上よくございます。そういうものは、実はその議がありませんとなすことができませんので、処理ができないというような事態も考えられないわけではございませんが、この健康保険法は、諮問をするということになっております。むろん諮問をするということは、その意見を聞きまして、それを参考にするということでございますが、いま申し上げたような実定法の上にあるいろいろの規定とは、そこはおのずから規定のしかたが違う。中身もまたおのずから異なってくるということを、ほかの規定とあわせまして、御参考のために申し上げておきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 法制局長官は法律家ですが、私が問わないことを、総理大臣みたいなことや、厚生大臣みたいなことを言っちゃいけない。つまりあなたの御答弁の中でははっきりはしておりますが、本人、医師、利害関係者の承認があればよろしい、不利をこうむってもよろしい、個々一人一人の場合、全部承認することができなければ、それを代表する意思表示のできる団体の承認を得ればよろしい。それから本人、支払い側——支払い側というのは、労働者から日経連、関係団体まで全部これは国民です。ですから、支払い側の利益になるものであればよろしい。これはもちろん遡及いたしましても問題ない。二つの場合は問題ない。そこで利益になるかならないかという判断が、金か命かというような、よけいな議論まで出てきた問題があるわけであります。これは質疑応答の中では非常に問題を起こす。私は究明いたしませんでしたけれども、関係者で見ればとんでもない常識を持っているという議論です。医師会は、ほうっておけば不正乱診をやったり、診療放棄をするかもしれない。そういうことを磯辺会長は議事録に残しておる。これは国会の私の議事録に残っておる。そういう点から考えて、私は刑罰の不遡及の原則、憲法の精神からいって、物的な損害を与える、こういう事実がある場合には法律上はいけない。ただしそうでない場合はよろしい。その事実上の判断は、これは法制局長官のかかり知るところにあらず、こういうことではないかと思いますが、いかがですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 場合をそのように限定して申し上げますが、先ほど申し上げましたように、刑罰不遡及の原則というのに典型的に見られますように、そういう国民を極度の不利あるいは危険に陥れるということについては、これを遡及しないという原則というものは一般にあるということは申せると思います。そうしてまた同時に、遡及が何でもかでもいけないというのではないという意味合いにおいて、利益になる場合はむろん問題ない。そうすると、それは両極端でございますが、その中で、一般の公共の福祉上の観点、同時にまた遡及することによって受けるといういろいろな影響、その辺との関連において具体の問題について、ある場合は遡及してもかまわないというようなものも出てくると思います。むろん一般論を申し上げるわけでございますから個別の問題には触れませんが、とにかく刑罰不遡及の原則が一方にある。同時にまた遡及しないということはもう絶対に許すべからざる理論であるというわけにはいかない。もっともよく言えば、利益のためには遡及することはちっとも苦しからず、その間には当該場合、場合について公共の福祉上の要請とかいろいろな問題を兼ねあわせて、具体の場合について程度がそれぞれ異なってくるであろう。これは理屈の問題としてはそういうことであるということを申し上げておきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それで私が議論しておるのは、このようなルール違反というか、混乱状態を将来起こしたくない、将来のことを考えながら申し上げておるのです。それから法律改正の問題等を考えながら申し上げておるのです。ですから、私は遡及するということは、刑罰不遡及の原則に示されておるように、憲法上の精神から原則としては許されない、あり得ないことです。しかし利益になる場合には、これは何が利益かという議論はあるけれども、これは不当なものではあっても当然違法なものではないだろう。違法なものではない、こういう一応の良識的な結論では行きつく、一致しておると思うのです。特に違っておるところがなければそうなる。  そこで、大体法制局長官にお尋ねしたい点はそういうことですが、もう一つ簡単にお答え願いたいのは、私がふに落ちないのは、九日まではよろしいが十日以降はいけない、一カ月はいいが二カ月はいけない、半年はよろしいが一年はいけない、こういうふうな判断は、九日がよければ二十日もよかりそうなものではないか、こういう議論が出てくるのであります。そういう目安というふうなものは法律上ございますか。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 遡及という場合には、常に既存の秩序と比べましてある程度の権衡をもたらすものですから、遡及にもやはり具体的な事案については限度があり得ると思います。つまりあまり極度に遡及しないほうがいいではないかというふうな場合はあり得ると思います。お示しの九日ならいいけれども十日ではいけないということは、法律上の問題としては私は出てこないではないかと思います。その際の考え方といたしまして、十日よりも九日であったほうが、適法、違法の問題ではなしに、そのほうが妥当ではないかというような考慮が働いているのではないかと私は推察しておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 これは裁判やその他におきまして議論する事実上の問題ですけれども、十日の未明にやったという事実を、私は一人、二人でなしに聞いているのでございます。印刷が十三日、これが一般社会に対しまして効果を及ぼすのですから、十三日の時点で考えてもよろしいのですが、それは事実行為は後におくれてやって、そして九日の日付になって一月一日ということは、何とかのダブルプレーだと言ったら問題が起きたわけですが、しかしこれは事実問題ですから、法制局長官にお聞きする必要はないわけです。しかし告示の事実はおくれておって、九日の日付になるというようなことがあればいけない。これはあなたに聞かないでも当然わかっておる。しかしこれは裁判やその他の問題でしょう。九日まではいいが十日まではいけないという見解を政府は示しているわけです。行政省として解釈している。その妥当、不妥当を議論することは、国会としても当然議論をいたしますが、これは裁判でも議論して結論が出ます。これは私は触れません。つまりいままでのお話で、将来の問題を含めて、真に職権告示がやむを得なかったかどうか。それから遡及というものが、利害関係者に対して利益を及ばすか害を及ぼすか。こういうことの法律解釈、これを行なうという場合において、特に数百億円、千億円を単位とする利害関係の大きな医療費の問題でしたから、これが大問題になったわけであります。したがって、この問題は法制局長官との議論の中で明らかになりましたので、これ以上はきょうはこの問題はおきまして、次の問題に移りたいと思います。  そこで、厚生大臣にお尋ねいたします。どういう点かということ、これは簡潔にお答えいただきますが、厚生省はいかなる資料を持っておられますか。国民健康保険法の七十条によりまして、政府は国民健康保険の医療給付の中で、これは簡単にいうと二割五分、第二号で結核、精神その他についての二割、調整金についてはプラスアルファ、つまり二割五分とプラスアルファについて、法律上義務負担をすることに相なっておるわけです。これが一つ。  それからもう一つの問題は、これは前の国民健康保険課長が答弁いたしましたので、私は議論を蒸し返しません。国民健康保険は国の事務である。国の仕事である。国の仕事であるけれども、これを法律によって市町村に団体委任をいたしておる。国の事務の委任を受けた市町村は、事務費について正当な要求をいたしておる。これは人件費その他においても割引をしないで、公務員のベースその他を参酌して、当然の人件費や事務費を出すべきであるというふうな、そういう解釈をいたしておる。これが一つです。この問題は議論を蒸し返しませんが、ここに一つの問題がある。この予算額は一体幾らかということを、次の答弁のときにひとつお答え願いたい。不足額は幾らというふうに考えるのかということです。  それでもう一つは、問題の七十条一号、二号によりまして、二割五分プラスアルファを国は当然の義務支出といたしておるわけです。そういたしますと昨年の国会において、三十九年度の当初予算を、審議いたします際に、当初予算において二割五分プラスアルファに相当する金額を予算に計上したけれども、一年間の医療費が相当増大をしたために、いま二月も大かた終わろうとする段階において、いまや国の支出すべき金額の中で、当初予算の不足額が明確になってきた。これについて先般の分科会においては、六十六億円というふうに厚生省は答弁をいたしました。しかし六十六億円ではない、こういう意見があります。九十五億円という意見がありますけれども、これはあまりにも金額が開き過ぎる。精算拂いですから、決算段階で精算する場合に、数億の差が出るというようなことは、大きな財政ですし、運営上の問題もあるからやむを得ません。しかし三十億というのは少し大き過ぎるじゃないかということです。これは推定上の問題ですが、一体どちらが正しいのであろうか、こういう問題をまず一つお尋ねいたします。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山政府委員 ただいまお話がございました昭和三十九年度における不足額がどのくらいになるかという問題でございますが、前回私どもの課長からお答え申し上げましたのは、少なくともこのくらにはなる、こういう前提で申し上げたのであります。ただいま先生が仰せになった程度にまで、不足額が伸びるかどうかという問題は、いまのところまだ確定的に言うことは非常にむずかしゅうございますが、私どもが従来仕事をやってまいりました実感から言いますと、おそらく先生がおっしゃった金額のほうが、あるいはひょっとするとそれをこえる程度に、実際はなるという可能性を感じております。  なぜ今日の段階でそんなに食い違いがあるか、これは御疑問としてはしごくもっともでございますが、何分やっておりますのが全国の市町村でございまして、いまいろいろ言っておりますものは、すべて見込みの数字で言っておるわけでございます。したがってこういった数字が実際に固まりますのは、年度を越えまして三、四カ月たってからでございまして、昨年などもちょうど三月ごろに、三十八年度の最終的な数字がどのくらいになるかというようなことが議論になりまして、その当時これはかなり綿密に市町村からのその当時の見込みを積み上げて出しました数字が、実際に出てまいりました数字と、結果的には相当違っておったというようなことがございますので、的に申し上げることは不可能でございますが、見当としてはむしろ今日の市町村における国民健康保険関係の医療費の伸び方の趨勢からすれば、先生のおっしゃたような数字、もしくはそれ以上というくらいのところを頭に考えて、将来のいろいろな措置を考えていくという腹がまえでなければなるまい、こんなふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 医療費の精算はなかなかややこしい点もあのですが、事実上はもう二月も終わろうといたしておるのですから、あと一カ月わずかの推定は、今日の発達いたしました通信機関をもってすれば、県に集約し、国に集約することができる。それは追及はいたしません。しかしいまの段階で考えた場合には、大体九十五億の穴があいているということは間違いないだろうと思う。大体そういう意見であります。  そこで、前の分科会において議論をいたしましたときに、これは担当主計官であったと思うのですが、なぜ補正予算を組まないか、こう言いましたときに、補正予算を組む財源がない、予備費もない、こういうことで組まなかったというお答えでありましたが、厚生省もそのように理解をいたしておりますか。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山政府委員 結論としては私どももさように話を聞ております。数回にわたっていろいろと話し合いをし、できるならば、あるいは当然のこととして、財源があれば今年度のうちに三十九年度の不足分を補正すべきだ、こういう考え方は大蔵当局においても強く持っておられるということを私ども感じておりますが、何ぶんにも財源の都合がつかない、こういうふうにお聞きしております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それで、昨年の市町村の財政からの持ち出しは九十五億円、それは質疑応答の中で明らかになった。それで九十五億円、実際上政府の義務支出を想定いたしまして、九十五億円の金銭の操作をしなければならない、財政操作をしなければならない。こういうことは今日たいへんな問題になっている。そこで私はお尋ねするのですけれども、そういうふうなことは法律上国民健康保険——そして単なる補助でない場合において、打ち切り補助でもないのですから、そういう場合においてそういうことを放置するというふうなことは、また財政上これは法律に違反しないか。そういうことを前提として四十年度予算にも計上しない、当初予算にも計上しない、三次補正もしない、予備費からも出さない、そういうふうなことは、財政関係法から考えて違法な国の行為ではないか、政府の行為ではないか、この点についてひとつ——大蔵省、あと見えますが、政務次官その他来てもらうことにしておるし、大臣は別にやるけれども、大蔵省としてはどのような見解を持っておるのか、予算編成をやる大蔵省としてどういう見解を持っているのか、これを聞きたい。

船後正道大臣事務官(主計官)

○船後説明員 国民健康保険の給付費としての三十九年度の不足見込み額でございますが、これは私、この分科会で先生の御質問にお答えしたとおりでございまして、もちろん国の負担すべき経費、これは国が負担しなければならぬ、こういうことでございますが、何せ三十九年度につきましては、第一次補正におきまして、全く財源がない、財源の見通しがつきませんので、補正予算も組めない、こういう現状でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 そこで大臣に質問したいところですが、主計官では御無理な点があると思うのです。財源がないということは見解の相違があるわけです。というのは、四十年度予算で三兆六千億円の予算を組んでいるじゃないですか。その中で三次補正の財源が、九十五億円の財源が見出せないというふうなことは、私は法律の精神からいって、法律をじゅうりんして、無視してやったことにはならないか、予算案を編成したことにはならないか、こういう点でありますが、いかがでありますか。

船後正道大臣事務官(主計官)

○船後説明員 国保につきましては、これはまあ実行上の問題といたしまして、当初予算で見込みました給付費が、医療費の自然増加によりまして、かなり毎年伸びております。したがいまして、従来としても、大体三十五、六年度も、当初予算よりも実行が伸びまして、毎年度当該年度に若干の不足見込みを補正し、また翌年度に至りまして精算をする、かような過程で進んできておるわけでございます。四十年度予算の段階におきましては、従来から不足見込み額は当初予算でこれを計上しないという慣例にもなっておりますのと、ことに四十年度のこの国保関係の予算といたしましては、総額で千百九十五億円、対前年度比三百五十億円という非常な増になっております。このような財源事情から、当初予算にはこれを見込まない。しかしながら先ほど申しましたように、これは国が精算した上で必ず市町村にお渡しすべき金でございますので、財源の見通しがつきますれば、当然所要の予算措置は講ずる、かような性質のものでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 財源の見通しがつけば補てんするというふうなのは——これは清算すればよろしいということや、財源の見通しがつけば補てんするというようなことは、これは数億円の場合のことです。国の財源が数億円の場合のことです。昭和三十六年にはやはり二月二十二日に補正予算を成立させておりますし、三十七年の二月十五日にも第三次補正が成立し、三十八年の二月十四日にも三次補正を成立させて、それぞれその当時の金額で三十八年が十三億円、三十七年が二十億円、三十六年が六億三千百七十四万円、こういうふうに年度内に補正をしているわけです。金額が多くなってくれば、これは当然年度内に補正しなければ、一体市町村はどうしてやっていくのですか。国の事務であるということは明らかになったわけです。国の事務を団体委任をしておきながら、当然支出すべきものを、支出が済んだ段階においても補正をしない、年度内にも補正をしない、当初予算においても予算操作していない、こういうふうなことは、これは全く法律のじゅうりんではないか。財政法の予決算の予決算令によると、第四条、第五条において翌年度の四月三十日までに支出をするということが原則になっておるのであります。いかがですか。いかぬじゃないですか。予決算令から考えても、法律違反じゃないですか。

船後正道大臣事務官(主計官)

○船後説明員 ただいまお話の予決令の問題でございますが、このほうは国の会計の手続でございまして、予算で組んでおきまして支出するという問題でございます。国保の問題は、これは予算にその不足額を計上するかどうかという問題でございまして、これは何と申しましても、予算は歳入と歳出というものが両建てになるわけでございますので、先ほど申しましたように国の財政事情から、従来いたしておりました当該年度の不足見込み補てんは、三十九年度補正では遺憾ながらできなかった、こういう事情になるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 国の予決算の四条の精神は、国の責任で支出すべきものであって、市町村がたとえ事業の主体であろうとも、法律によって、国民健康保険法によって当然義務支出すべきものになっているわけです。だからこの答弁は私は全然納得できませんよ。そういうことが国会でまかり通っておったら、弱いものにしわが寄ってしまうじゃないですか。九十五億円も穴があいているのに、法律によって当然支出すべきものであるのに、国の事務であるのに、国の予算で二割五分プラス・アルファ分は当初予算に計上しておるのに、いまやその支出を、町村においては完了しているのに、出さぬということは、予決令の四条、五条の精神からいっても、これは違反ではないか。政治的にも法律的にも違反だ。このことは全然私は了承できない。このことが了承できなかったら、予算は絶対に通さない。これははっきり言っておく。一般質問と総括質問で徹底的にこれは追及する。この問題は私は一応これで保留しておきますが、厚生大臣も厚生大臣だ。腰抜けだと思う。こんなことにしてなぜ放任しておるか。事務費について五十円上がったということを吹いておられますけれども、こんなでたらめなことはないです。国民健康保険を破壊する−ものです。もし財源がなくて延ばすのであったら、財政投融資から金を回していって、その利子分だけを補給しなければ、法律の精神に沿うことにならぬ。三兆九千億円の予算を組んでおいて何たることか。当事者の厚生大臣は、国民健康保険を守る立場です。予算編成の立場でないけれども、そういう立場から考えて、私は念のためにちょっと見解を聞いておきたい。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 この国民健康保険財政に御承知のような穴があいているということは、いま大原委員の述べられたとおりでありまして、私どももこれは予想できたことでございまして、大蔵当局と非常な折衝をいたしておる次第でございます。金がないから、財源がないから補正を待ってくれというようなことを言っておられますが、金がないから待ってくれということだけでは済まされぬ、何とかひとつ対策を約束してもらって、そうして市町村の国保財政が健全に運用できるようにするめどを立ててもらいたいというようなことで、折衝しておる段階でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 大蔵省に聞きますが、三次補正を今国会中にやる予定があるのですか。

船後正道大臣事務官(主計官)

○船後説明員 先ほども申しておりますとおり、財源の見通しが立ちませんので、目下の段階では補正をやるという予定はございません。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それでは、事態がはっきりしてきましたが、私は重ねて申し上げておきます。こういう法律違反、国民健康保険、社会保障を破壊するような法律違反は、国会は絶対に許せない。こういうことがある限り、この予算は通さない。わずか二億や三億の問題ではないわけです。しかも法律の精神に違反をしているということは許せない、そういうことを、分科会ですけれども、私ははっきり申し上げておきます。これは大臣、次官に来てもらってもしようがないから、出席はよろしいです。  それから第三の質問です。できるだけはしょって申しますが、若干まだ問題点はあるけれども、懸案となっておる問題を時間のある限り、やはり責任者といたしまして取りまとめていく責任があるから、申し上げますが、第三の問題点は、いろいろと薬の問題について審議がございました。薬の問題で審議があったことは、いかに国民の医療に対する関心が高まっておるかということです。こういうときに、神田厚生大臣の信任、不信任にかかわらず、そういうことにかかわらず、やはり職にある限りは職を賭して、議論を回避しないで、問題の解決に当たってもらいたい。この問題は非常に大きな問題ですから、一医師会、一総評、一団体あるいは一メーカーが議論すべき問題ではない。国会において各方面から徹底的に議論して、国民的立場において解決することが必要である。このことは与野党の立場ではない、こういうことであります。薬事審議会で薬価基準の問題、薬務行政に対する姿勢を正す問題、厚生省は医薬品メーカーの系列下になっておるのじゃないか、あるいは薬事審議会は医薬品メーカーの系列下に入っているのではないか、あるいは学者や研究機関が系列化の中に入っているのではないか、こういう疑惑がいまあるわけでありまして、制度上、内容上の問題について私は徹底的に議論しなければならぬと思う。このことはだれがどう言おうとおそれないで、議論をすることが必要であると思います。  そこで医薬分業問題、実態調査の問題、いろいろあるわけでありますが、これらの問題と一緒に議論の中であらわれた問題について、この機会に端的にお聞きしたいのですが、辻原君から御質問がございましたが、医家向けの薬と大衆向けの薬、保健剤、そういうふうなものはこれは医家向け、これは大衆向け、たとえばアンプルは大衆向けというので、ピリン系薬物を含むかぜ薬がたくさん出ておるし、特に大正製薬、エスエス等がやり玉上がったわけだ。たとえば放送で大衆向けにじゃんじゃん宣伝するために非常に高くかかっておって、粉末の調剤では技術料を除いて二、三円の原価でよろしいというのが百二十円、二百円、強力云々で味がついているから何ぼも飲む、こういう仕組みはおかしいという問題提起があったわけです。  私はきょうお尋ねいたしますのは、アンプル入りのかぜ薬についてあれほど議論いたしまして、検査中であるというふうに言われております。その検査の結果は、当時二、三日中というふうに小さい声で答弁いたしました。おそらく議事録に書いてある。それは予算委員会が済むまでとは言わなかったが、小さな声で二、三日、二、三日は過ぎていると思います。そこでその後もこの週刊朝日とかいろいろな新聞に出まして、私どもも専門家の投書をたくさんいただいております。それぞれいろいろな見解が出ておりますね。良心的な学者や医者は、この問題については非常な関心を持って見ております。そこで、分科会はきょうで終わるわけでございます。予算委員会はなお二日になるか——自民党は二日に済ませたいというが、三日になるか四日になるかわからない、こういうことですが、検査の結果は出ましたか、どうですか。

熊崎正夫厚生事務官(薬務局長)

○熊崎政府委員 事故が起こりましてすぐ、敏速を期するために県の衛生研究所のほうに検査を依頼すると同時に、国立の衛生試験所に検体を送付させたわけであります。県の段階でのバプロンアンプルの検査結果につきましては、きのり結果が参りました。少しおくれましたが、検査は不純物はない。アミノピリン、スルピリン、PHの検査につきましては合格という報告が参っておりますが、まだエスエスのほうのエスピレチンについては、結果が参っておりません。それから国立の衛生試験所でやっております検査は、各県の段階での検査よりもより複雑な、より中身にわたった検査が必要でございますので、その後はほとんど徹夜作業で、あしたの日曜日も出勤してやるように命令を出しておりまして、できる限り月曜の午後から開かれます学識経験者の懇談会に間に合わせたいということで、現在せっかく努力中でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 学識経験者の審議にゆだねてもよろしいが、その前に私どもが聞きたいのであります。その結果がわかりましたら、すみやかに知らせてもらいたい。月曜日に、私の質問中でもよろしいから、すぐ知らしてもらいたい。  それから死体解剖はいたしましたか。

熊崎正夫厚生事務官(薬務局長)

○熊崎政府委員 死体解剖の要請は、現地で県の担当者のほうから強く要請したそうでございますが、御遺族の方々が、これ以上死体をとやかくしていただきたくないということで、全部の件につきまして遺族の承諾を受けられないままに、行なっておらないような状況でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 診察を担当した医師の中には、この雑誌にも出ておりますが、これはピリン剤のショックである、こういうふうにはっきり言っております。診断書に書いております。ですから、診断書に書かれたことがうそであればまた問題になるわけですが、これは薬事審議会において新薬として製造販売を承認したという、規格基準からはいま見た結果ははずれていない、こういう御答弁であります。しかし規格は妥当であるが、ああいう一般に販売する方式が妥当であるかという問題については、試験によりましても結果は出てこないのです。ですから厚生大臣が国民に対して言明したように、疑わしきは許さずという点からいえば、明らかに副作用があり、劇薬です。アレルギー体質ということは、専門家に聞いてみても何がアレルギー体質か、そのとき身体の条件によっても違うのですね。こういう薬の副作用のしかたは、形式、内容ともに問題があることは明らかです。したがってこの問題については、厚生大臣が答弁された疑わしきは許さずという観点に立って、いままでのこと、薬事審議会でやったこと、厚生大臣が許可したこと、規格自体が問題であるということの責任追及は、建設的でないから何もあげ足とるようなことはしないけれども、そのことが誤りであったら改正しなければならないということについては、薬事審議会のあり方、新薬の選定、私が申し上げた資料の提出、そういう問題等を含めて改正すべき大まかな方向、各方面に諮問すべき厚生省としての責任ある見解は明解にする必要がある。その点をまとめてもらいたい。ここでもう一回議論を蒸し返すと、検討いたします。研究いたします。その点は異議ありません、こういうことで終わっても、何もせんないことであります。したがって、業者あるいは関係者あるいは各団体の思惑もあるだろうが、その点については明確に科学的なあるいはあるべき姿において見解を表明してもらいたい。このことがはっきり表明されないと、これほど大きくなった医療問題を解決するめどすらも、国会の予算審議においてつけ得なかったということで、これは私は責任を感じなければならないので、そういう問題をひとつ明らかにしておきたいと思いますが、厚生大臣いかがですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 いまの大原さんの御意見は、前前から御質疑がございまして、お答えしたとおりでございまして、厚生省といたしましてはこの前も御答弁申し上げたような方針に基づきまして、厳重に検討を加える、こういう考えでございます。市販も禁じておることは御承知のとおりでございますが、前向きで検討いたしたい、こういうことでひとつ御了承いただきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 私はよく言うのですが、武見太郎さんは非常に変わった人であって、私は彼の意見には不賛成も多い。ただし賛成すべき意見が一つあるのです。というのは、薬業資本に隷属した医者から、国民の医療に奉仕する医者であれ、こういう方向で技術を尊重する時代に入らなければならぬ、こういう意味のことを彼は言っているのであります。この点は、私は国民諸階層の立場から考えてみて、一致すべき点があると思うのです。歯にきぬを着せないで議論をしていけば、是は是とし否は否としていけば是であります。  もう一つは薬価基準の問題ですが、昭和三十五年以来放任されておるわけであります。これは言うなれば技術料が低いから、医者の隠し利潤だった、こういうことで医者の既得権のように言われておる面もあるわけであります。しかしこの面は、薬が安くなれば国民にも還元されるし、医者にも還元されるのでありますから、これをどう分けるかということは、医療協議会などで厚生省がいろいろな点を聞きながら、諮問の原案をつくっていけばよろしいし、できなければ専門家、公益委員の中で案を提示していけばいい。やはり技術を尊重するというたてまえからいくべきだと思います。一兆三十九億円の四十年度の総医療費の中で、三八%以上  私は国立病院等で調べた資料を若干持っておりますが、いろいろな病院に聞いて見ましても、薬価基準は薬業メーカーの利潤を保障するような形となっている面もある。ですから薬価基準についてはいろいろな議論がありましても、その実態を明らかにしながら、そうしてできるだけ安く、バルクライン九〇という方式ですが、できるだけ安く医療機関に頒布できるような指導や監督や措置を共同購入その他でとりながら、バルクライン九〇を下げていく。そしてできた財源については公平に分配しながら、医療技術が尊重されるという方向でみなが議論をし、措置していく。そうすると一兆三十九億円の三割八分として四千億といたしましても、一千億円に近い金があるわけでありまして、薬価基準との間においてはやはり相当の開きがあるわけであります。だからその点については、そこで医者と診療側と支払い側の国民的な連帯ができる。そこで技術を尊重しながら、投薬的な売薬的な医療から、ほんとうに国民に奉仕する医療ができるのではないか。売薬的な医療に対しては、技術の優秀な良心的な医者の非常な批判や意見があるわけです。技術が問題であります。だから困難ではあっても、日本においてはそれを生み出していって、そして長期の展望を持ちながら、問題を一つ一つ解決していく。薬価の問題についてもこの際十分議論をして、これこそ厚生大臣の職権においてとるべき問題はとり、メーカーを指導すべき問題、バルクラインその他実勢価格の問題等においては、やたらに保健剤を使うというようなことで、大衆薬を使って金がかさむということはおかしい。やはり医家向けの、ほんとうに国民の求める医薬品で必要な施療を施していく。薬はできるだけ少ないほうがよろしい、使わないほうがよろしい、病気にならないほうがよろしい。健康が増進するような医療保障の方向でなくて逆の方向、売薬的な医療の方向ではいけない、間違っている。これから相当長期の二、三カ月議論をする期間があるわけですから、是正する方向をとるべきだ。困難であってもそういう方向を出して、医療に対する国民的な連帯をそこで確立すべきではないか。そういう点で厚生大臣の職見と指導性が要るのではないか。薬価基準の問題についての私のこういう考えに対して、厚生大臣の所見を明らかにしてもらいたい。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 健康保険に用いられている薬価基準等の問題につきましての、大原委員の御所見につきましては、私は大筋としてきわめて同感のものでございます。薬務行政の問題、また保険行政の問題につきまして十分検討いたしまして、私もそういう考え方を持っておりますので、今後一そうさらに検討を加えていきたい、こういう考えでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 きょうは時間がまいりましたからこれでおきますが、私は何もこれからの予算委員会や国会において、あげ足をとってひっくり返すというようなことはないわけでありますから、分科会におきまして出してきました問題点を取り上げればまだたくさんございますが、集中的な国民の関心の問題点について私は質問をいたしたのであります。したがってこういう国会が開かれている機会に、行政当局ではできないことがたくさんある。そこへ国民の世論を背景に一歩でも二歩でも前進することが必要である。与党の諸君の中にも、これは自民党だけがやってはいけない。どうしても一つのグループや団体と結びつく、どこかの団体と結びつく、そうするとひもつきになってしまつて、国民的な議論ができないと言っている人がある。この問題は超党派的な議論をしなければいけない、こう言って考えている人があるわけであります。もちろんわが党の中にもそういう点で皆無とは言わない。弊害がないとは言わない。だから、それは私どもは忍びがたきを忍んで、これを前進をするということが必要ですから、私はこれからの問題点について、後刻またの機会にこの問題を時間のある限り究明をしていく。今日の厚生省当局のとられておる現状では満足しない。さらに一歩二歩前進するような、そういう明快な所見をこの国会中に示してもらう、そういうことを私は強く要求をいたしまして、私の質問を終わりたいと考えております。

相川勝六自由民主党

○相川主査 これをもちまして、昭和四十年度一般会計予算及び同特別会計予算中、厚生省所管についての質疑は終了いたしました。     —————————————

相川勝六自由民主党

○相川主査 以上をもちまして、昭和四十年度一般会計予算及び昭和四十年度特別会計予算中、厚生省所管、労働省所管に及び自治省所管に対する質疑は全部終了いたしました。     —————————————

相川勝六自由民主党

○相川主査 この際おはかりいたします。  昭和四十年度一般会計予算及び昭和四十年度特別会計予算中、厚生省所管、労働省所管及び自治省所管に対する討論採決は、先例によりまして予算委員会に譲ることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕

相川勝六自由民主党

○相川主査 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。  分科員各位の御協力を心から感謝いたします。  これをもちまして第三分科会を散会いたします。    午後六時四十分散会

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