予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 305 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/02/22
会議録
○相川主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 私が第三分科会の主査の職務を行なうこととなりましたので、まことに至らぬものでございますが、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手) 本分科会は、昭和四十年度一般会計予算中厚生省、労働省及び自治省所管、昭和四十年度特別会計予算中厚生省、労働省及び自治省所管につきまして審査を行なうこととなっております。 なお、審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じます。あらかじめ御了承を願います。 それでは、昭和四十年度一般会計予算中厚生省、労働省及び自治省所管並びに昭和四十年度特別会計予算中厚生省、労働省及び自治省所管を議題といたします。 これより順次説明を求めます。 まず、厚生省所管について説明を求めます。神田厚生大臣。
○神田国務大臣 昭和四十年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について御説明申し上げます。 厚生行政につきましては、日ごろ各位の御協力をいただき、逐年予算の増額を見、厚生行政の進展がはかられつつありますことはまことに喜ばしいことでありまして、この際あらためて厚く御礼を申し上げたいと存じます。 さて、昭和四十年度厚生省所管一般会計予算における総額は四千八百十九億四千百九十七万八千円でありまして、これを補正第一号後の昭和三十九年度予算四千百二十二億一千二百九十八万五千円に比較いたしますと、六百九十七億二千八百九十九万三千円の増加と相なり、前年度予算に対し一七%の増加率を示しており、また、前年度当初予算に対しましては二〇・八%の増加と相なっております。 なお、国家予算総額に対する厚生省予算の比率は一三・二%と相なっております。 以下、特に重要な事項について、その概要を御説明申し上げます。 まず第一は、生活保護費関係の経費であります。 生活扶助費につきましては、その基準額を一二%引き上げることといたしており、また、教育扶助につきましても基準の引き上げを行なっております。 このほか、保護施設職員の待遇改善を行なうなど、生活保護費として、総額一千六十一億六百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百二十六億一千八百余万円の増額となっております。 第二は、社会福祉費関係の経費であります。 まず、児童保護費でありますが、収容施設等の飲食物費、日常諸費等を改善するほか、保育所及び収容施設職員の待遇の改善をはかるとともに職員の増員を行ない、また、新たに保健衛生費等を計上いたしております。 また、新たに母子家庭の栄養対策を強化するため、低所得階層の妊産婦、乳幼児に対して一人一日一本あての牛乳を無償で支給することとして、このための所要経費を計上するほか、母子衛生対策並びに身体障害児、結核児童及び重症心身障害児の療育対策に必要な経費をそれぞれ増額するなど、児童保護費として二百六十一億三千三百余万円を計上いたしております。 また、保護施設、児童福祉施設等各種社会福祉施設の整備に必要な経費として二十八億円を計上いたしております。 このはか、身体障害者保護費、老人福祉費、世帯更生資金、母子福祉資金等の経費をそれぞれ増額するとともに、児童及び重度精神薄弱児扶養手当の内容を改善するなど、社会福祉費として総額四百二十九億四千七百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し四十七億七千八百余万円の増額となっております。 第三は、社会保険費関係の経費であります。 まず、国民健康保険助成費についてでありますが、昭和三十九年度以降四ヵ年計画をもちまして進めている家族全員に対する七割給付の実施につきまして、昭和四十年度は第二年目になっておりまして、その引き上げた部分について四分の三相当額を国庫より助成するとともに、医療費の緊急是正に対する特別措置を行なうなど、国民健康保険助成費として千百九十四億七千二百余万円を計上いたしております。 次に、社会保険国庫負担金でありますが、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計へ繰り入れに必要な経費として二百五十七億五千三百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百二億八千余万円の増額となっております。 また、拠出制国民年金につきましては、国庫負担金として百五十一億三百余万円を計上し、福祉年金につきましては、各年金額を月額二百円引き上げるとともに、障害の範囲を精神薄弱者にまで拡大し、また、扶養義務者の所得制限緩和をはかるなど、福祉年金給付費として三百九十八億四千四百余万円を計上し、国民年金国庫負担金として六百三十億三千五百余万円を国民年金特別会計へ繰り入れることとし、社会保険費として総額二千九十五億三千余万円を計上いたしており、前年度予算に比し三百七十一億八百余万円の増額となっております。 第四は、保健衛生対策費関係の経費であります。 まず、精神衛生対策でありますが、精神衛生法に基づく命令入院の措置をさらに強力に推進するほか、新たに通院医療費の公費負担に要する費用に対する国庫補助制度を設け、在宅精神障害者対策の強化をはかるなど精神衛生費として百六十三億六千余万円を計上しており、前年度予算に比し二十八億余万円の増額となっております。 次に、原爆障害対策費でありますが、原爆被爆者に対する健康管理の強化をはかるとともに、さらに被爆者の範囲を拡大するなど原爆障害対策費として十六億六百余万円を計上しており、前年度予算に比し二億七千七百余万円の増額となっております。 このほか、結核医療費として三百二十六億九千二百余万円、保健所運営費、法定伝染病予防費等の保健衛生諸費として六十七億六千四百余万円、らい予防対策費として一億八千三百余万円、また、国立療養所に必要な経費として二百九十五億八千四百余万円をそれぞれ計上するなど、保健衛生対策費として総額九百十三億六千二百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百九億五千百余万円の増額となっております。 第五は、遺族及び留守家族等援護費であります。 まず、戦傷病者戦没者遺族等援護費でありますが、新たに、恩給年額の改定にあわせて障害年金、遺族年金及び遺族給与金の増額改定を行なうこととし、必要な経費百八億二千余万円を計上いたしております。 戦傷病者特別援護費については、新たに、戦傷病者の援護の増進に資するため戦傷病者相談員を設置するほか、療養手当額の引き上げをはかるなど、これに必要な経費七億四千八百余万円を計上し、また、留守家族等援護費として四千九百余万円を計上するなど、遺族及び留守家族等援護費として総額百十七億六千六百余万円を計上いたしております。 第六は、環境衛生対策費であります。 明るい生活環境を実現するため特に環境衛生施設の整備をさらに強力に推進することとし、し尿処理施設等の清掃施設整備費補助金については四十五億八千五百余万円、下水道終末処理施設整備費補助金については三十二億百余万円、簡易水道等施設費補助金については二十一億九千二百余万円を計上いたしております。 また、新たに公害防止事業の推進をはかるため、公害防止事業団の運営費について三千三百余万円を計上するなど、環境衛生対策費として総額百五億七千二百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し二十一億三千九百余万円の増額となっております。 以上、昭和四十年度厚生省所管一般会計予算案についてその概要を御説明申し上げたのであります。 次に、昭和四十年度厚生省所管特別会計予算案の大要について御説明申し上げます。 まず第一は、厚生保険特別会計についてでありますが、一般会計より二百四十六億七千九百七十七万円の繰り入れを見込みまして、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 第二は、国民年金特別会計についてでありますが、一般会計より六百三十億三千五百三十七万五千円の繰り入れを見込みまして、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 第三は、船員保険特別会計についてであります。 船員保険特別会計につきましては、十億七千三百二十九万三千円の一般会計よりの繰り入れを行ない、歳入二百二十八億三百万一千円、歳出百六十二億三千八百五十九万九千円を計上いたしております。 第四は、国立病院特別会計についてでありますが、一般会計より三十四億三千五百十八万一千円の繰り入れを見込みまして、歳入歳出とも三百十五億四千四百七十五万四千円を計上いたしております。 最後に、あへん特別会計についてでありますが、歳入歳出とも五億九千百二十万九千円を計上いたしております。 以上、昭和四十年度の厚生省所管一般会計及び各特別会計の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。 —————————————
○相川主査 次に、労働省所管について説明を求めます。石田労働大臣。
○石田国務大臣 昭和四十年度一般会計及び特別会計の予算案中、労働省所管分につきましてその概要を御説明申し上げます。 労働省所管の一般会計の歳出予算額は九百八億六千百三十六万三千円でありまして、これを前年度予算額八百二十八億二千六百八万二千円に比較いたしますと、八十億三千五百二十八万一千円の増加となっております。 次に、そのおもな内容について、概略を御説明いたします。 その一は、積極的な雇用対策の推進に必要な経費であります。 最近の雇用失業情勢は、経済の高度成長に伴い、全般的には好調に推移しておりますが、なお、若年労働者や技能労働者を中心とする労働力の不足、中高年齢失業者等の就職困難、地域間、産業間における労働力需給の不均衡等の問題があるのであります。 かかる事態に対処し、さらに地域及び産業を通じ均衡ある経済の発展に寄与するため地域別産業別雇用計画を策定して、労働力の流動化、労働力需給の円滑な調整を推進することとし、これが実施を期するため、労働市場センターの整備促進とその業務の一部開始、公共職業安定所の機能の強化、移転就職者用宿舎の大量建設、雇用促進融資の拡大等の措置を講ずるとともに、中高年齢労働者の雇用促進、中小企業における労働力の確保、労働力の有効活用対策の充実など積極的な雇用対策を展開してまいることとし、これらに必要な経費として百二十三億九千四百五十二万九千円を計上しており、また、財政投融資計画中に、雇用促進融資として八十億円を計上いたしております。 次に、港湾労働対策につきましては、港湾運送に必要な労働力を確保するとともに、港湾労働者の福祉の増進をはかるため、港湾労働等対策審議会の答申の趣旨に沿って関係公共職業安定所における職業紹介体制の充実強化をはかるとともに、新たに、港湾雇用調整計画の策定、日雇い港湾労働者の登録及びその需給の調整、雇用調整手当の支給、技能向上のための訓練の実施、退職金共済制度の新設などの措置を講じ、さらに、福祉センター、簡易宿泊所の建設、雇用促進融資の活用等福祉施設の充実をはかるなど、総合的な港湾労働対策を実施することとし、これらに必要な経費として五億四千七百八十四万九千円を計上しております。 なお、このために、今国会に港湾労働法案を提出しております。 また、失業対策につきましては、再就職の困難な中高年齢失業者に対しては就職指導、転職訓練等の就職促進措置を引き続き強力に推進するとともに、失業対策事業に就労する者に対しましては、雇用奨励制度を中心として一般雇用への復帰を一そう促進し、また失業対策事業については、その事業費単価の改善などを行なうこととし、これらに必要な経費及び失業保険国庫負担金に必要な経費として六百六十八億九千三百二十四万六千円を計上しております。 なお、炭鉱離職者につきましては、その就職促進をはかるため、就職指導、転職訓練等の就職促進措置を引き続き実施するとともに、移転就職者用宿舎の建設をはじめ移住資金、雇用奨励金の支給などの援護対策を実施し、また、炭鉱離職者緊急就労対策事業は、就労者の生活の安定をはかるため、引き続きこれを実施することとし、これらに必要な経費として五十九億五千五百九十三万四千円を計上しております。 その二は、中小企業労働対策の推進に必要な経費であります。 経済の成長発展を背景に、中小企業の労働条件等は、逐次改善されつつありますが、最近における中小企業の深刻な労働力不足の事態に対処するため、事業内職業訓練及びその施設の設置に対する助成を拡大して、中小企業における技能労働者の養成確保とその技能水準の向上をはかり、中小企業の労働面における近代化を一そう推進するため、新たに、中小企業集団に対して助成を行ない、その労務管理改善の自主的活動を促進するとともに、労働力の確保、労働条件の改善、労使関係の安定、労働福祉の向上等に関する行政指導を統一的、一元的に実施することとし、さらに、中小企業レクリエーションセンターの設置、勤労青少年ホーム及び働く婦人の家の増設、福祉施設に対する融資の拡大、中小企業退職金共済制度の普及、最低賃金制の推進、小規模事業場に対する労災保険及び失業保険への加入促進等福祉対策の充実をはかるなど中小企業労働対策を総合的に推進することとし、これらに必要な経費として百二十五億一千九百六十二万五千円を計上しております。 その三は、技能労働者の育成と技能水準の向上に必要な経費であります。 技術革新の進展と経済の開放体制の本格化につれて、技能労働者の確保は現下の喫緊の要務であり、特に中小企業における技能労働者の不足は深刻なものがあります。 かかる事態に対処するため、事業内職業訓練の推進及び公共職業訓練施設の新設、拡充を行なって、積極的に技能労働者の養成につとめるとともに、就職の困難な中高年齢失業者等に対する職業訓練を実施して、その雇用の促進をはかり、さらに、技能検定の職種の拡大をはじめ民間の実施する技能競技大会に対する積極的な指導援助等を行なうほか、新たに通信技能講座開設の準備を行なうなど技能水準を一そう向上させるための対策を積極的に推進することとし、これらに必要な経費として七十八億三千五百九十四万円を計上しております。 その四は、労働災害防止対策及び労働条件近代化対策の推進に必要な経費であります。 労働災害の防止につきましては、従来から鋭意努力を重ねてきたところでありますが、最近における新技術の導入、新原材料の採用等の急速な進展に伴い、新しい種類の労働災害があらわれつつあり、その中には、一たん発生すると予想外に大規模化するおそれのあるものも少なくありません。かかる現状に対処し、人命尊重の基本的観点からこれらの労働災害の防止をはかるため、労働災害防止に関する諸施設を強力に展開することとし、特に昭和四十年度においては、労災防止対策部の新設、第一線監督機関の強化等行政体制を整備するとともに、労働災害防止計画の樹立、科学技術の進歩に即応する安全衛生基準の設定、監督指導及び検査、検定の強化、人命尊重観念の高揚、自主的災害防止体制の充実、安全及び衛生に関する研究機関の整備など総合的労働災害防止対策の強化をはかることとし、また、産業構造の近代化の過程における賃金、労働時間に関する問題の合理的な解決をはかるため、所要の調査を実施するとともに、最低賃金制の実効ある実施、賃金制度の改善指導、長時間労働の排除等の施策を積極的に推進することとし、これらに必要な経費として九億七千四百五十二万八千円を計上しております。 その五は、合理的労使関係の樹立に必要な経費であります。 国民経済の繁栄と民主主義の発展のため、労使が相互信頼と協力の精神を基調とし、平和的、合理的な話し合いを通じて労使問題の解決をはかるという慣行を樹立するため、労働教育等の指導啓蒙に意を用いるとともに、労働紛争議の予防とその円満な解決につとめることとし、これらに必要な経費として一億四千八十四万四千円を計上しております。 その六は、婦人及び年少労働者対策に必要な経費であります。 婦人及び年少労働者対策といたしましては、婦人労働力の有効活用をはかることともに、家事サービス職業訓練の実施、内職相談施設の拡充等婦人の職業対策の充実をはかり、あわせて勤労青少年ホーム及び働く婦人の家の増設、年少労働者産業カウンセリングの普及、年少労働者集団活動の健全化等、婦人及び年少労働者の福祉対策を増強するほか、新たに、農村婦人に対する指導援助、婦人の地位向上対策を進めることとし、これらに必要な経費として二億七千四百十七万七千円を計上しております。 以上のほか、勤労者の財産形成に関する調査及び啓蒙、国際労働行政の充実、その他一般行政事務費等に必要な経費が計上してあるのであります。 次に、労働者災害補償保険特別会計について御説明いたします。 この会計の歳入及び歳出予算額は、ともに一千十七億五百三十六万四千円でありまして、歳入のうち、保険料収入は六百二十九億四千百万円で、また、じん肺等長期傷病者補償費国庫負担金の受け入れば、十二億五千九百二十八万三千円であります。 また、歳出のうちには、保険金に必要な経費としては五百三十八億五千百九十九万九千円を、労災病院等の施設の整備拡充のための労働福祉事業団出資金に必要な経費としては二十五億六百六十七万一千円を計上しております。 なお、労働者災害補償保険制度の改善をはかるため、適用範囲の拡大、保険給付の年金化、零細事業主、一人親方等に対する特別加入制度の新設などを骨子とする労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたすこととなっております。 最後に、失業保険特別会計について御説明いたします。 この会計の歳入及び歳出予算額は、ともに一千四百八十四億四千四百三十四万八千円でありまして、歳入のうち保険料収入は一千九十四億八千六百万円であり、失業保険国庫負担金受け入れは二百九十億四千九百万円であります。 また、歳出のうち、保険給付に必要な経費としては一千百四十八億二千百万円を、総合職業訓練所の整備拡充、移転就職者用宿舎の建設、中小企業レクリエーションセンターの設置等のため、雇用促進事業団に対する出資金に必要な経費としては、百三十四億六千四百九十一万九千円を計上しております。 以上、昭和四十年度労働省所管一般会計及び特別会計の予算案につきまして概略御説明申し上げたのであります。 何とぞ本予算の成立につきまして、格段の御協力をお願い申し上げる次第でございます。 —————————————
○相川主査 次に、自治省所管について説明を求めます。吉武自治大臣。
○吉武国務大臣 自治省関係の昭和四十年度歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十年度の自治省所管一般会計予算は、歳入二千九百万円、歳出七千三百三億四千三百万円であります。歳出予算では、前年度の当初予算額六千二百八十九億二千四百万円と比較し、一千十四億一千九百万円の増額となっており、前年度の補正後の予算額六千四百四十六億九千百万円と比較し、八百五十六億五千二百万円の増額となっております。 この歳出予算額を組織に大別いたしますと、自治本省七千二百九十億七千四百万円、消防庁十二億六千九百万円となっております。以下この歳出予算額のうちおもな事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。 まず、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。 その総額は、七千百六十二億一千百万円でありまして、前年度当初予算額六千二百十四億八百万円と比較し、九百四十八億三百万円の増額となっており、前年度の補正後の予算額六千三百七十三億一千万円と比較し、七百八十九億百万円の増額となっております。 この経費は、昭和四十年度における所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の二十九・五に相当する額の合算額に、昭和三十八年度における地方交付税でまだ交付していない額並びに昭和三十九年度及び昭和四十年度において借り入れる借り入れ金にかかる昭和四十年度分の利子の支払いに充てるため必要な額を加算した額を計上いたしたものでありまして、すべて交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れられるものであります。 次に、参議院議員通常選挙の執行に要する経費であります。その総額は、四十二億四千万円であります。 この経費は、公職選挙法第三十二条の規定に基づいて、昭和四十年六月一日に任期満了となる参議院議員の通常選挙に要するものであります。 次に、選挙の啓発関係経費であります。 まず、常時啓発に要する経費でありますが、その総額は、五億五千万円でありまして、前年度と同額になっております。 この経費は、選挙を明るくし政治をよくする運動を強力に推進し、かつ、国民の政治意識の向上をはかるために必要な経費であります。 次に、参議院議員通常選挙のいわゆる臨時啓発費でありますが、その総額は、三億三千九百万円であります。 この経費は、参議院議員通常選挙が明るくかつ適正に行なわれるように、選挙人に対し、参議院議員選挙の重要性その他必要な事項を周知するため必要な経費であります。 次に、奄美群島振興事業関係経費であります。 まず、奄美群島振興事業費につきましては、十六億一千四百万円を計上いたしております。 この経費は、昭和三十九年度に策定された奄美群島振興五ヵ年計画に基づき、産業の振興及び公共土木施設の整備等の事業を行なうために必要な経費であります。 次に、奄美群島振興信用基金出資金につきましては、五千万円を計上いたしております。 この経費は、奄美群島における産業振興に必要な金融の円滑化をはかるため、奄美群島振興信用基金に対する追加出資に必要な経費であります。これにより同基金に対する昭和四十年度末における政府の出資総額は、四億七千万円となります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金につきましては、十四億円を計上いたしております。 この経費は、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に交付するため必要な経費でありますが、前年度に比し五千万円を増額しております。 次に、公共土木施設及び農地等の小災害地方債の元利補給金につきましては、十八億七千七百万円を計上いたしております。 この経費は、昭和三十三年以降昭和三十九年までに発生した公共土木施設、農地等の小災害にかかる地方債に対する昭和四十年度分の元利償還金相当額の全部または一部を当該地方公共団体に交付するため必要な経費でありますが、前年度の当初予算額に比し一億三百万円の増額となっており、前年度の補正後の予算額に比し一億七千八百万円の増額となっております。 次に、固定資産税特例債の元利補給金につきましては、一億七千八百万円を計上いたしております。 この経費は、固定資産税の制限税率引き下げに伴う減収補てんのため発行されました地方債に対する昭和四十年度分の元利償還金相当額を関係市町村に交付するため必要な経費であります。 次に、市町村民税臨時減税補てん債の元利補給金につきましては、十九億二百万円を計上いたしております。 この経費は、昭和三十九年度に引き続き市町村民税の課税方式の統一等を進めることとし、これに伴う市町村の減収を補てんするための地方債のうち国が元利補てんを行なうものについて、昭和四十年度分の元利償還金相当額を関係市町村に交付するため必要な経費でありますが、前年度に比し十六億二百万円の増額となっております。 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給金につきましては、八千百万円を計上いたしております。 この経費は、新産業都市の建設及び工業整備特別地域の整備の促進をはかるため、一定事業の地方債の充当率引き上げにかかわる特別調整ワク四十億円について、国が関係道県に利子補給を行なうに必要な経費であります。 以上のほか、住居表示制度の整備に必要な経費として六千五百万円、選挙制度の調査研究等に必要な経費として六百万円、地方公営企業の再建整備促進に必要な経費として六百万円、地方財政再建の促進特別措置に必要な経費として三千二百万円等を計上しております。 なお、公営企業金融公庫に対する政府出資金を増額するための経費一億円が、別に大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。 以上が自治本省関係の一般会計歳出予算の概要であります。 次に、消防庁の予算の概要を御説明申し上げます。 まず、消防施設等整備費補助に必要な経費につきましては、九億五千八百万円を計上いたしております。 この経費は、消防ポンプ自動車、化学車、はしご車、救急車、防火水槽等の消防施設費及び都道府県の消防学校設備費に対して補助するため必要な経費であり、前年度の当初予算額に比し二億四千二百万円の増額となっており、前年度の補正後の予算額に止し二億四千四百万円の増額となっております。 次に、退職消防団員の報償に必要な経費につきましては、六千六百万円を計上いたしております。 この経費は、非常勤消防団員が多年勤続して退職した場合に、その功労に報いるため、国が報償を行なうに必要な経費であります。 次に、消防吏員及び消防団員に授与する賞じゅつ金につきましては、一千万円を計上いたしております。 この経費は、消防吏員及び消防団員が職務を遂行したことにより災害を受け、そのために死亡し、または不具廃疾となった場合において功労があったときに、賞じゅつ金を授与するため必要な経費であります。 次に、消防団員等公務災害補償等共済基金に対する補助につきましては、三千七百万円を計上しております。 この経費は、基金が行なっている非常勤消防団員等に対する公務災害補償及び非常勤消防団員に対する退職報償金制度の実施に必要な事務費を補助するため必要な経費であり、前年度に比し三百万円の増額となっております。 次に、科学消防等の研究に必要な経費につきましては、三千九百万円を計上いたしております。 この経費は、科学消防技術の開発向上をはかるため、消防研究所の行なう経常研究及び特別研究に必要な経費であり、前年度の当初予算額に比し一千万円の増額となっており、前年度の補正後の予算額に比し一千一百万円の増額となっております。 以上のほか、消防大学校の寄宿舎を整備するため、別に九千六百万円が建設省所管官庁営繕費に計上されております。 次に、特別会計予算の概要を御説明申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計がありますが、本会計は、歳入七千八百十八億四千四百万円、歳出七千八百十二億三千七百万円となっております。 歳入は、一般会計から地方交付税交付金等の財源として受け入れる収入、地方道路税、石油ガス税及び特別とん税の租税収入並びに前年度の決算上の剰余金の見込み額を昭和四十年度において受け入れる収入、借入金その他であります。 歳出は、地方交付税交付金、地方道路譲与税譲与金、石油ガス譲与税譲与金及び特別とん譲与税譲与金並びに前年度における借入金の元利償還金及び一時借入金の利子の合計額を国債整理基金特別会計へ繰り入れるための経費その他であります。 以上、昭和四十年度の自治省関係の一般会計予算及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○相川主査 以上をもちまして全所管についての説明は終わりました。 —————————————
○相川主査 これより各省所管について質疑を行なうこととなりますが、日程の都合上、本日は自治省所管について質疑を行ないます。 この際、分科員各位に申し上げます。 議事進行の円滑をはかるため、質疑を行なわれる方は、あらかじめ政府委員等を要求の上、主査に御通告を願います。質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となったお方は三十分程度にとどめていただきたいと存じます。 右御了承の上、御協力をお願い申し上げます。 なお、質疑者が多数あることと思われますので、各位におかれましては開会時間を厳守するよう、特にお願い申し上げます。 それでは、昭和四十年度一般会計予算及び昭和四十年度特別会計予算中、自治省所管を議題といたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。滝井義高君。
○滝井分科員 私、二点質問をいたします。第一点は、交通保全対策の問題です。第二番目は、国民健康保険財政の問題です。 〔主査退席、井村主査代理着席〕 まず、第一の交通保全対策の問題についてでございますが、御存じのとおり、最近都市におきましては非常に交通事故が多くなってきたわけです。この交通事故の多くなるにつれて、地方自治体、特に各県の交通保全対策の経費というものも、ウナギ登りにのぼってきておるわけです。同時に、それにつれて、この交通事故の増加による懲罰、すなわち、スピード違反を除いた人身、物件等の事故を起こしたために罰金を受けることになるわけですが、この罰金額がまたウナギ登りにのぼってきておるわけです。そこで、これらの関係について少しく質問をしてみたいと思います。 そこで、まず罰金を扱う法務省のほうにお尋ねいたしたいのですが、一体三十五年から三十九年、今年までの最近五カ年間における交通違反の件数と、それに伴う罰金というものがどういう推移をたどりつつあるかということでございます。これをまず御説明願いたいと思います。
○安原説明員 お答えいたします。 ただいま滝井先生に表をお示しいたしましたように、この別表の一をごらんいただきますと、昭和三十五年から三十九年までの道路交通法違反事件で検察庁が受理いたしました件数がおわかりいただけるかと思います。 ごらんのとおり、受理のところが検察庁で受理いたしました道路交通法違反事件の総数でございまして、昭和三十五年が二百五十七万、三十六年が二百九十一万、徐々に増加いたしまして、三十七年に飛躍的に増加いたしまして四百十二万七千五百四十一件、昨年は四百五十五万七千三百七十九件と相なっております。 あと罰金の点でございますが、別表の第二というところにお示ししておりますように、法務省におきましては罰金科料の収入金額というもののトータルはわかるのでございますけれども、道路交通法違反事件に関する罰金科料の金額の統計はとっておりませんので、明確にはいたしかねるわけでございますけれども、この表の三十五年から三十八年までの罰金科料の総額のうちの約七割から八割が、道路交通法違反事件の罰金科料の金額であるというように御理解いただけば間違いないところと存じます。
○滝井分科員 そうしますと、昭和三十五年に二百五十七万件あったものが、昭和三十九年には四百五十五万件になる。罰金を見ますと、科料も加えて、三十五年には三十二億であったものが三十八年には百三億になっておるわけです。三十九年はおそらくこれがさらに増加することになると思うのですが、三十九年の推計はどのくらいになるのですか。
○安原説明員 お答えいたします。 いま滝井先生は現金収納のところだけをごらんになったようでございますが、罰金科料の収入のしかたといたしましては、この表にありますように現金収納もございますし、証券収納の方法、これはつまり郵便為替によるものでございますが、そういう収納の方法、それから仮納付金というものがございますが、これは略式命令、即決裁判等裁判を告知いたしましたときに、直ちには裁判が確定いたしませんのですぐに罰金を取り立てるわけにはいきませんが、裁判所で仮納付告知ということを命じますと直ちに執行ができる。その仮納付金の仮納付を命ずるわけですが、それをすると、一応国家といたしましては一時保管金ということになります。それが裁判が確定いたしますと、それを歳入編入に振りかえるということで、雑収入に入る金額がこの仮納付金歳入編入でございますが、そのほかに印紙収納というものがございます。これらを合わせますと、昭和三十五年が四十五億四千三百三十六万四千九百九十一円、三十八年は百五十億六百四十七万七千百二十四円というのが罰金科料の総収納額であります。そのうちの大体七割から八割が、道路交通法違反事件による罰金科料の収納総額であるということになると思います。 ただいまお尋ねの、三十九年はどのような数字になるかということに対しましては、はっきりしたことはわかりませんけれども、件数の伸びから言いまして、さらに増加しておるはずであるということが言えるかと思います。
○滝井分科員 そうしますと、現金収納ばかりでなくて、証書から印紙等まで入れますと、昭和三十五年に四十五億の罰金科料が三十八年には百五十億、しかもその七割ないし八割が道路交通法違反である。すなわち五年間に五倍以上の伸びになったわけでございます。しかも三十九年度はさらに件数が増加しておるので、罰金の増加額は、五年間で五倍になったわけですから二割程度ずつ伸びておるわけです。そうしますと、一方で罰金がこれだけ伸びておるが、しからば一体地方自治体というものは、この交通保全の経費を三十五年からどういう推移で出しておるのかということです。これは自治省のほうでおわかりだと思うのです。各県がどの程度の金を出しておるか。これは、ほんとうは半額くらい国が負担することになっているわけですが、これは一体どうなっていますか。
○鈴木(光)政府委員 お答え申します。 三十九年度の当初予算額を見ますと、全国の交通警察関係予算総額は四十億一千七百余万円になっております。
○滝井分科員 三十五年ぐらいのはわかりませんか。
○鈴木(光)政府委員 三十五年の統計は持ち合わせておりません。三十八年からで、三十八年は約三十三億九千万円です。
○滝井分科員 そうしますと、これも大体二割程度伸びておるわけですね。罰金も年々二割ずつ伸びていくし、予算も二割ずつ伸びていく。そうすると、四十億一千七百万円のうち、国は一体幾ら負担しているのか。国庫補助は幾らなのか。
○鈴木(光)政府委員 三十八年度におきましては、国庫補助は三億七千二百三十八万六千円であります。
○滝井分科員 大臣、お聞きのとおりです。道路交通の経費として四十億の、自治体は予算を組んでいる。ところが、そのうち国は三億しか負担していない。一割負担していないのです。そして罰金は百五十億、そのうちの七、八割、百億をこえるものは国に納めているのです。 そうすると、まずここでお尋ねしておきたいのは、三十九年度の当初予算で一体どの程度の予算を組んだのかということです。それから四十年度には、この予算書を見ますと懲罰及び没収金、三十九年百五十六億三千五百四十三万一千円、三十九年度にはこれだけ懲罰及び没収金を組んでおるわけです。そしてこれが四十年には百七十六億一千六百九十九万五千円と、二十億程度増加している。この中で道路交通対策の結果出てくる罰金というのは、三十九年度の予算にはどれだけ組んでおって百五十億取れたのか、それから四十年には幾ら組んでいるのか、それをひとつ御説明願いたい。
○鈴木(光)政府委員 こういう歳入の見積もりにつきましては大蔵省所管でございまして、私どもといたしましては、つまびらかにいたしておりません。
○滝井分科員 そうしますと、ちょっと大蔵省を呼んでいただきたいのですが、これは前に成田氏が質問をして、国会で大もめになったことがあるところなんです。政府は、歳入欠陥が出たら、罰金をふやしてやってきたことがあるのですよ。これは三十九年度の実績を見ればわかるはずです。きょうは、自治省の主計官は来るのでしょう。大蔵省は一番トップの出席のあれになっておるから……。
○井村主査代理 滝井分科員に申し上げますが、平井主計官はちょっと外出しておるそうであります。
○滝井分科員 それじゃ、それはあとにいたします。 そこで、地方自治体は四十億の財政を組み、国はわずかにその一割以下の三割しか出していない。しかし、地方自治体の働きで罰金は——ここが一番大事な点なんですが、予算を幾ら組んでおって、予算をどの程度上回ったものが出てきたかということを知りたいのです。ここらあたりが政府を攻め立てていくポイントになるのだけれども、ポイントのところでどうも来ていないので困るのですが、こういうふうにばく大な収入をあげているわけです。そして自治体は、なけなしのさいふをはたいて、交通保全の対策費を捻出しているわけですね。ここですよ。地方自治体の財政を軽減するためには、この罰金を自治体に還付する道を考える必要がある。これは大臣御存じのとおり、大蔵省はいろいろ問題が起こると、いつもあなたのほうの特別交付税にみなしりを持ってきてしまう。炭鉱の水道が困る、いや特交で見ろ、こういうことになる。今度は逆攻勢をかけて、罰金で相当収入をあげて、経費を出しているのですから、そのウナギ登りにのぼっていく経費については、この罰金からある程度還元する。しかし罰金をよけいに取るために、おまわりさんがむちゃくちゃに交通違反をあげてもらっては困るのです。そこらは十分手綱を締めながら交通安全対策を推進する、財源がこんなにウナギ登りにのぼっているのですから。ここらあたりで、私はある程度予算をおとりになる必要があると思う。いままでいつも大臣は、何とか言えば補助金の引き上げをやらずに交付税で見よう、こういうことでしわを一ぱい寄せられてきたのですから、今度は逆攻勢で、ここを足場にしてとるべきだと思うのです。 どうして私がそういう気になったかというと、どこかこういう例がないかと思って一生懸命ウの目タカの目で調べておったら、たまたま福岡県で一つ材料を得たのです。三十六年に一万三千件程度の交通事故が、三十九年になってから二万四千件ぐらいになる。三十七年当時の県の予算を見ますと千七百十八万円出して、そのうち国が六百六十六万円、四割負担している。ところが三十九年になりますと、千七百十八万の交通対策費が七千百五十三万にはね上がっているのです。そして国はその割合に応じて四割負担されているのかというと、千二百九万、二割程度しか負担しない。二割以下なんです。だから、さいぜん御説明のとおり、四十億要るのに三億しか負担をしていないのですから、福岡県あたりは、おそらく自動車の数その他が多くて——東京とか大阪は幾ぶんよけい出しているのじゃないかと思うのです。そして罰金を見てみますと、三十九年の罰金はまだないのですが、三十八年で五億九千万円あげているのです。三十八年の交通対策費は六千八百万で、罰金を五億九千万円あげているから、約十倍程度の罰金をあげているのです。そこでこの中から、一割とは言わなくても五分だけを県に返してやる、こういう形になりますと、県は赤青の交通信号なんかもどんどんつけられて、非常に交通安全対策ができる。おまわりさんの人件費の倹約にもなる。そういう点で、私はこれはぜひ実現をしてもらいたい。ひとつ吉武大臣、ふんどしを締め直して、この実態を明らかにしたわけですから、私はとってもらいたいと思うのです。それは地方自治体の財政をうんと軽減することにもなるわけです。これに対する吉武大臣の見解をお伺いしたい。
○吉武国務大臣 お話、ごもっともの点でございまして、いままでも私はそういうふうな声をいろいろと聞いてもおりますし、前年度の予算の際にも、大蔵省とも実はその点で話し合ったことがあるのであります。ところが大蔵省は大蔵省の言い分がありまして、罰金は罰金である、罰金の収入がすぐそれで経費になるという考え方は間違っているのだというような話がございまして、なるほど理論はそのとおりだ、だから別に罰金収入だけを経費に持っていけなどとは言わぬから、それに見合った交通施設に対する予算を出したらどうかということを話しまして、それはまた別個のことだから、考えるだけは考えるけれどもということで、そのいまお話しになりました罰金に見合う——同じにというお説ではなかったと思いますし、私どももそれだけまるまるということを主張したわけじゃございませんけれども、それだけの収入もあることだから、それに見合った施設が必要だからという話はしたわけでありますけれども、先ほど申しましたように、大蔵省は罰金を経費に充てるという考え方が間違っているということで、理論的には私もそれはそのとおりであろうということで一応譲ったわけでありますけれども、交通事故がたいへんふえてまいりますし、事故死もふえておることでありまして、私どもいろいろこれを検討しております。警察当局の取り締まりも私はもっときびしくやるべきだと思っておりますが、何といっても交通施設をするということが一つの大きな交通事故防止の対策であると思いまして、この点につきましては、なおさらに罰金のいかんにかかわらず努力をすべきである、がように存じておる次第でございます。
○滝井分科員 どうもいまのでは答弁にならないのであって、四十億も地方自治体が金を使うのに、国は三億しか出していない。したがって一つの道は、この三億というものを相当ふやすということは、これは明らかに交付税その他に関係なくふえることになるわけです。ここに一つの道があるわけです。それからいまの福岡県の例をとるならば、三十八年に五億九千六百万円の罰金があがった。そうすると、その中からたとえば一割なら一割は対策費として還元するんだ、特に施設費として還元する、こういうひもつきでもかまわぬ、きちっとしたそういう目的をきめたものでもかまわぬと思うのです。何かそういう形でやらないと、自治体は交通対策のためにどんどん金を出すけれども、そのわりに国は見てくれない、罰金だけ取り立てられるのではかなわぬということにもなりかねないわけです。したがって、私はこれは速急に考えて、地方財政の負担軽減のために——収入がなければともかく、あるのですからね。大蔵省というところは、よけい金のあがるところにはわりに気前がいいのです。だからここらあたりは、百億のうち一割とったって十億ですから、十億を回してやったら自治体は相当助かるわけです。いまのように財源が枯渇して、あとにも触れますが、国保料金も上げなければならぬ、水道料金も上げなければならぬ、人件費も上がるというときに、一文でも何らかの形で節約ができれば、これは非常な前進になると思うのです。そういう意味で、自治省が大蔵省に逆攻勢と言ってはおかしいけれども、強力に主張できる理論的な根拠のある問題だということです。吉武さん弱気にならずに、これはぜひひとつ何らかの形で還元をするか、補助金を増額するかの形でやってもらいたいと思うのですが、再度御答弁を願いたい。
○吉武国務大臣 ごもっともでございまして、罰金をそのまま経費に持ち込む持ち込まぬは別として、それだけ国庫に入っておるわけでありますから、交通施設に国家ももっと金をつぎ込むべきであるということはごもっともであります。私ども、今後とも強力にこの点は推し進めるつもりでございます。
○滝井分科員 ぜひそうしていただきたいことを要望しておきます。大蔵省なかなかやってこないので、次に進みます。 もう一つの問題は、地方財政の赤字の大きな原因になっているいわゆる国民健康保険の財政についてでございます。そこで最近の新聞論調その他を見ると、地方財政計画に関連をして、人件費が非常に増加をし、公営企業が非常な危機に直面をしており、それから国保の財政も危機だということが地方財政赤字の大きな原因になっているというようなことを新聞論調はとっております。人件費や公営企業の問題は同僚の諸君に譲って、国保財政の危機について私は少しく実態を明らかにさしていただきたいと思うのです。 まず第一にお尋ねをいたしたいのは、一月二十八日の衆議院の本会議で、同僚の吉村君の質問に対して大臣はこういう答弁をされたわけです。それは「三十八年度の決算で三十七億余りの赤字がございますが、これに対しては、地方財政の一般から九十五億余り繰り入れをしておるような状況でございます。」こういうことになっておる。三十八年に一般会計から九十五億ほんとうに繰り入れておるのかどうか、これもちょっと確認をしておきたいと思います。
○吉武国務大臣 私どもの調べたところによりますと、あの際答弁いたしましたように、国保の赤字団体の赤字が三十七億、正確には三十六億七千八百万円でございます。それに対して府県やら市町村から繰り入れ、あるいは補助をしておるのも含めておるわけでございます、これは実質上という意味で……。それが九十五億三千万円でございます。したがいまして、これを合わせますと百三十二億が実質上の赤字じゃないかというふうに私ども考えておるわけでございます。
○滝井分科員 三十七億と九十五億と足したものですね。そうしますと、いまの九十五億三千万円という府県、市町村の繰り入れあるいは補助の内訳ですね。これは府県は補助金になるわけですが、市町村は幾らの繰り入れか、これをちょっと分けていただきたいと思います。
○柴田政府委員 ちょっと正確な資料を持ち合わせておりませんが、九十五億三千万円の中で約十六億円程度が、東京都が特別区に出しておる保険関係の金でございます。あとは大体、ほとんどが市町村の一般会計から特別会計に繰り入れておる金、かように御理解願いたいと存じます。
○滝井分科員 十六億程度を東京都から特別区に出しておる、それから八十億程度が市町村、こういうことですね。そうしますと、三十九年度においては、一体どの程度の繰り入れなり補助金が行なわれておると推定をするか。もう大体年度末になっておるから、およそわかると思いますが。
○柴田政府委員 実はまだ正確には三十九年度の推計はとれませんが、大体の推移を追うてまいりますと、三十七、八年ごろから大府県の所在の市町村が悪くなってまいっておりますので、この繰り入れ傾向は三十九年度におきましてはさらに増加するであろう、かように考えております。正確なところは、現在年度進行中でございますので、計数をもってお答えすることはできませんけれども、増加するであろうと考えております。 〔井村主査代理退席、主査着席〕
○滝井分科員 実は今後予算の最終段階になると、やはりこれが非常に大きな問題になってくるわけです。三十八年の医療費の様相と三十九年の様相というのは、非常に違ってきているわけですね。そこで三十九年度に、自治省としてはおよそこのくらいだという推計は、柴田さんは専門家だし、わかるはずです。もう二月ですからね。大体三十九年一月から十二月までのものをとってみれば、およそ推計がつくのじゃないかと思いますがね。
○柴田政府委員 二月でございまして、普通の場合ならばおっしゃるとおりでございますけれども、この問題は地方ともいろいろ苦慮している問題でもございますし、最終補正は三月にやるわけでございます。三月になりましてどの程度になるかということが明確になるのでありまして、いまここで軽々に申し上げるわけにはまいりません。しかしながら、情勢をたぐってまいりますと、昭和三十七年度の一般会計からの繰り入れというものは六十九億であります。それが三十八年度は九十五億になっておるわけでございます。三十七年度の会計独自の赤字額は二十二億円、それから三十八年度は三十六億円でございます。その辺の傾向から推察いたしますれば、特にそれが大都市でありますだけにその額というものはふえていくだろう、その程度のテンポをもってふえていくだろうと推察されるのであります。ただ最近の傾向といたしましては、大都市の財政が非常に苦しくなっておりますので、一般会計からの繰り入れ額を取りやめて特別会計だけで収支をとる、つまり特別会計の赤字を出しつばなしにするという傾向が見えておりますので、この会計自身の実質収支と財政措置額との間の入り組み関係は変わるかもしれません。どちらかと言いますと、財政措置額は九十五億という額が横ばいないし若干落ちて、実質収支額がうんとはね上がる、こういう傾向になるかもしれません。しかし実質収支の百三十二億という赤字額は、増加するであろうというふうに考えております。
○滝井分科員 厚生省にお尋ねいたします。これはあなたのほうは専門におやりになっているのだから…。一体三十九年度の国保特別会計へ自治体が一般会計からどの程度繰り入れるとお見込みになっておりますか。
○信沢説明員 ただいまの実質のほうから申し上げました数字と関連しますが、私どものほうでつかんでおりますのは、いわゆる事業勘定、保険事業の会計だけの繰り入れの数字でございます。したがいまして、若干いまのお話と食い違うかもしれませんが、三十八年度は一般会計から一応六十五億繰り入れがございます。本年度の見通しでございますが、これも私ども現在調査中でございますのではっきりお答えをいたしかねますが、市町村の本年度の予算に計上されておりまする一般会計繰り入れの額を全部集計いたしますと、七十五億程度になっております。ただ、従来一般会計からの繰り入れにつきましては、年度の終わりになりまして、その年度の収支の状況を見て一般会計の繰り入れ額をきめる、こういうような事情もございますので、三月になりますとこれを上回るか、あるいは場合によっては下回るかというような不正確な要素がございますが、一応つかんでおります数字といたしましては七十五億円でございます。
○滝井分科員 これは九・五の引き上げを一月一日から実施するわけですね。そうすると、その三ヵ月分が今度別に加わってくるわけですね。したがって、要素としては七十五億よりも上回らなければならぬという情勢があることは明らかですね。
○信沢説明員 本年度の緊急是正につきましては、増額いたしまする市町村の負担分のうち、法定の国庫負担金、補助金はもちろんでございますが、一応の保険料にはね返る分も全部特別対策でこれを見るというたてまえになっております。したがいまして、緊急是正に伴う財政的な影響というものは一応ない、かような見込みでございます。
○滝井分科員 ちょっとそこが納得がいかないですね。もう少し先に進めてみましょうか。そうしますと、とりあえず三十七年度で自治省の見解が六十七億、三十八年度が九十五億、厚生省は三十八年度が六十五億ですから、ここにも三十億の開きがあるわけです。これは県の補助金その他が加わっていかないにしても幾ぶんの開きがあるようです。三十九年度は七十五億で、自治省はまだはっきりしない、こういうことらしいですが、そうすると、まず昭和四十年度の療養給付費の総額というものを一体どの程度見ておるかということですね。九・五も含めて御説明願いたい。
○信沢説明員 昭和四十年度の国民健康保険の全体の療養給付費は、これは市町村だけでございません、組合も入っておりますが、一応二千八百九十八億円と推定いたしております。この中には患者が窓口で払います一部負担金も当然入っておりますので、市町村あるいは組合の会計を通りますいわゆる保険給付から申しますと、千七百六十九億ということであります。
○滝井分科員 そうすると、二千八百九十八億円の中に九・五%分は幾ら入っておりますか。
○信沢説明員 二百四十九億円でございます。
○滝井分科員 そうしますと、その二百四十九億円を保険者負担と患者負担に分けるとどういうことになりますか。
○信沢説明員 保険者負担が百五十二億円、患者負担が九十七億円で、ございます。
○滝井分科員 そうすると、患者負担九十七億、保険者負担百五十二億、その保険者の百五十二億は国庫が幾ら見て、保険料で幾ら見るということになりますか。
○信沢説明員 国庫の負担の中に、一応三十九年度同様に、来年度におきましても保険料にはね返る分の一部を軽減するという形で特別対策の補助金十五億を計上いたしておりますが、この十五億を含めまして、先ほど申し上げました百五十二億の保険給付費のうち、国が持ちます分が約百八億でございます。したがいまして、残りの四十四億円ほどが保険料の負担となる、そういうことであります。
○滝井分科員 これで大体国保の九・五%のアップに対する財政の対策が一応出たわけです。 そこでお尋ねをしたいのは、同じく一月の二十八日の同僚の吉村君の質問に対して、吉武自治大臣は、「ことしの三十九年度分につきましては、一−三月分国庫で計上されておりまするとともに、四十年度分につきましては三ヵ月分が計上されておるのであります。その後の収入確保につきましては、先ほど厚生大臣からお話がございましたように、厚生省で目下検討されておるところでございます。」こういう余韻を残しておるわけです。しかし前に厚生大臣は、別にこれのことについては何も言っていないわけです。そこで、御存じのとおり、三十九年度分については、一月から三月までについては暮れの補正予算で十二億円見たのです。そして今度は、四十年度分の四月、五月、六月の三ヵ月分を十五億見ることになるわけです。そしてあとの残りの九ヵ月分の四十四億については、これは自治大臣のこの見解は、「厚生省で目下検討されておるところでございます。」こういうことになっている。それでこれは何か余韻が残るのか、それとも四十四億円は、政府の方針としては保険料で全部もうかぶせていく、こういう方針なのか、この点をひとつ明白にまずここでしておいていただきたい。
○吉武国務大臣 この間、本会議で申し上げましたように、三十九年度は一月から三月までの分が十二億計上され、それから四十年度は、あと四、五、六月分の十五億が計上されております。それ以後はやはり保険料に見合う、つまり医療費の値上げの保険料に見合うものを組んだのでありまするから、その後は保険料を上げていくというたてまえだと思います。この点の処置は、私は直接聞いておりませんからわかりませんけれども、厚生省としてはおそらくそういうつもりではないか、かように考えております。
○滝井分科員 そうしますと、自治省としてもここに答弁で幾ぶん余韻を残して、何か四十四億については政府が見てくれるように、私この答弁も聞いたのです。聞いて、自治大臣はなかなか政治的な余韻がある答弁をしたなと思っていたのです。いまの答弁では、当然四十四億は保険料の引き上げでいくべきだ、こういうように受け取ったのですが、厚生省、そういう方針でいくわけですか。
○信沢説明員 ただいま自治大臣のお話のとおりであります。
○滝井分科員 そうすると、柴田さんにお尋ねすることになるのですが、一体三十九年度において、市町村自治体は国保の運営主体として、医療費の急激な増高に対してはもはや何ともならない——昨年だけでも、国保財政自体としては、御存じのとおり約三百六十億くらいの赤字が出た。そこで、いち早く自治体は、赤字を消さなければならぬというので保険料の引き上げをした。相当の市町村がやったわけです。一体昨年中に、どの程度の団体が、全国平均したらどの程度の保険料の引き上げをやったのか、そして引き上げをやった団体の数は一体どの程度なのか。
○柴田政府委員 昨年、保険料につきましてある程度の引き上げをやった。これはたしか、給付率の引き上げに見合うという観点からの引き上げが非常に多かったようであります。私どもといたしましては、滝井委員御承知のように、たしか一昨年でございましたか、低所得者の保険税の軽減を行なって、それの補てんにつきましては、国庫から特に調整交付金を増加して補てんをするというたてまえをとったわけであります。その後におきまして給付率の引き上げという問題が起こってまいりまして、その一部は、千分の三くらいだと記憶しておりますが、国庫が考えてくれる。ところがその給付率の引き上げに伴いまして、給付人員と申しますか、給付額と申しますか、これも非常にふえた。そこで市町村としては、保険料の引き上げをせざるを得なくなって保険料を引き上げたところが相当あるということは、私も承知しております。去年の三十九年度において住民税を軽減してくれたけれども、保険税が上がったから、これは差し引きゼロだというような非難が一部にあるのだということも聞いております。いま決算の調査とあわせていろいろ調べておりますけれども、私の手元にはその実態がつまびらかになっておりません。しかし、御指摘のようにその数は、ほんの例外というようなものではなくて、相当の数にのぼっておる、相当の団体に及んでおるということは、私もそのように考えておるわけであります。残念ながら実態が明らかでありませんので、お答えになっておらないかもしれませんが、そのようなことになっております。
○滝井分科員 もう少し柴田さんのほうでも勉強してもらって、あなたのほうで、地方財政の赤字が人件費やら公営企業ということに大きなウエートがあるが、同時に国民健康保険にもウエートがあるというならば、もう少し実態を至急に洗ってもらう必要がある。これほど大きな問題はない。しかも三十九年度における被保険者の総数は四千三百万人、九千七百万の国民の半数以上を占めておるわけでしょう。この医療保障の問題、しかも運営の主体は自治体市町村ですから、この点、もう少し明らかにしてもらわなければいかぬと思う。そこで、厚生省のほうでは、一体どの程度の団体がどの程度の引き上げをやったと把握しておりますか。
○信沢説明員 私どもが、昨年の十一月ごろ、県を通じて調べた結果によりますと、一応市町村で被保険者一人当たりの金額で申しますと、三十八年度が一人当たり千百八十円であります。三十九年度はこれが千四百九十八円になりますので、二六・八%程度引き上げられた、かように見ているわけでございます。 なお、引き上げの状況でございますが、全然上げていない市町村もございますが、いま申し上げましたように平均約三割近い引き上げをいたしておるわけでございますので、それぞれ段階がございますが、一応三割以上引き上げております市町村の率だけを申し上げますと、全体の市町村の四三・三%が三割以上の引き上げになっておる、かように承知をいたしております。
○滝井分科員 大臣、お聞きのとおりです。一人当たりの保険税が千百八十円、それが千四百九十八円と約二割七分程度アップしておる。しかも三割以上上げたのが三千有余の保険者の中の四割三分。だからもうほとんど上げているわけですよ。三割以下のほうがまだうんとあるはずですからね。だから全部上げておる。そうすると、さいぜん柴田さんが言われるように、もはや地方財政の一般会計自体が非常に苦しくなってきた、国保の特別会計なんか簡単に見得る状態ではないんだという客観情勢が一つあるわけですね。そして九・五のアップがあって、その前に五割の給付を七割に上げたというこの事態のために、半数以上のものが三割以上の引き上げをやってしまっておる。そうすると、九・五上げていただいて非常にありがたいんだが、実質的には、四月からその分については国はたった十五億しか見ません、あとの四十四億は全部自治体が見なさい、こういうことになりますと、一体負担能力があるかどうかです。御存じのとおり、国保の保険料というものは市民税よりか高いというので、けんけんごうごうです。いま安井さんがここにおりますが、わが党の地方行政担当の安井さんが地方に出ていきますと、いま地方で問題なのは一体何だというと、これは水道料金が上がるということと、国民健康保険料が上がるということの二つが大問題です。したがって、この四十四億の金を、私は当然かぶせるべきではないと思うのです。すでに二割七分を上げておるんですからね。その上今度またこれを上げるということになれば、これはたいへんなことになる。御存じのとおり、政府はことしの一月一日から、四分の一の市町村については、保険者についてはさらに家族の五割から七割給付の前進をはかるわけでしょう。そうすると、この給付の改善で今年度は、さらに医療費の増加が九・五、やるやらぬにかかわらず、くることは明らかなんです。そうすると、その分の保険料のアップからやらなければならぬわけです。それに九・五の四十四億がかぶさってくる、こういう形になるわけですね。そうしますと、池田内閣以来の高度経済成長政策のひずみの影響を受けた農業と中小企業の諸君が、それの二割七分の上に、さらに一割とか一割五分を上積みするだけの保険料の担税能力が一体あるかどうかということです。ここが私は問題解決のかなめだと思うんです。それは、のんでおるピースを一本倹約したらそれくらい出るじゃないかといわれるかもしれませんが、もう倹約に倹約をして、つめの上に火をともしてやっておる生活なんですね。国民健康保険の被保険者、特に世帯主の所得の状態を見ると、所得三十万円以下というのが八割近くおるでしょう。そうしますと、とてもこれは払えないですよ。だからここらで自治体としてお茶を濁して、もう十五億でよろしいといって目をつぶるわけにはまいらぬと私は思うのです。もし厚生省がこういうことで押し切っていくというならば、自治体は、この点からいっても、もう返上いたしますということになる。国保返上論が出てくる。これは大臣、一体いまわが道を行くという覚悟で、保険料でも全部かぶせていくということにするのか、それともここで一歩下がって反省をして、日本の農業と中小企業の被保険者大衆の負担軽減のために、何らかの蛮勇をふるう意思があるのかどうか。これをひとつ大臣に、もう一回いまのような客観的な情勢の分析の上に立ってお尋ねしてみたい。
○吉武国務大臣 国保は国保の制度によってきまっておる問題でありますから、例の九・五%アップの問題のよしあしは別といたしまして、やはり医療費を上げなければならぬということになれば、したがってその負担は、国保の制度の中で国が負担する区分においては国が持つ、自己負担で持つべきものは自己負担で持つ、保険料で持つべきものは保険料で持つということでなければならぬと私は思います。もしそれが、その制度として考え直さなければならぬということであれば、その制度全体を考え直すということであって、負担が少し増してきたから、それをどうするというものではないんじゃないか、かように私は存じております。
○滝井分科員 それならば、少しまた問題を進めます。大臣のいま言うように、国保という制度の中で、当然保険料という制度があるんだから、それを払うのは当然だ、この当然論に立って、今度次の議論をしてみます。 次の議論は、私は一歩譲って大臣の議論で議論していきます。大臣のような立場で、制度がそうきまったらその制度のとおりに運営をしていくべきだ、この理論に立って次の問題を提起いたしますと、大臣御存じのとおり、世帯主はすでに三十八年の十月から七割給付を実施いたしました。そして政府は、いよいよ今年の一月一日から、本格的に家族に対して七割給付体制をとることになったわけです。そして被保険者の四分の一をまず七割給付とする、特に貧しい自治体、市町村からやっていくんだ、こういう方針でやっておるわけですね。これを厚生省は、何ぞ四ヵ年を待たんや、できれば二年くらいでやりたいという気持ちを持っております。したがって、とにかく今年は、当初の方針どおりにものを考えても、四分の一の家族被保険者大衆は七割給付になる。そうすると、すでに過去に家族の七割給付をやっておるところもあります。七割給付をやった市町村については、医療給付費の五割が七割に上がった二割分については四分の三を見ます、こうなっておる。四分の三を見てあげます。すなわち一割五分を見てくれるわけです。これは一割五分見ておるかどうか。
○信沢説明員 いまのお話のような考え方で補助をいたしますが、予算補助でございますので、市町村によって若干医療費が高い場合には、打ち切りの分が出てくることになるわけでございます。
○相川主査 この際滝井君に申し上げますが、大蔵省の平井主計官もお見えになりましたので、先ほどの問題についてお願いいたします。それから、お約束の時間をだいぶ経過したので、お急ぎを願います。
○滝井分科員 そこで大臣、いまお聞きのとおり、結局政府が四分の三を見ますよと、われわれ国会にも説明をした。ところが、予算補助でございますから打ち切りだ、そうすると、一体全国平均幾らくらいやっておりますか。
○信沢説明員 本年度一月から三月までの三ヵ月分で、家族である被保険者一人につきまして、金額で約百六十一円でございます。
○滝井分科員 そうしますと、実質的に医療費の四分の三、すなわち一割五分に比べてどの程度の割合になりますか。百六十一円というものは何%になりますか。
○信沢説明員 一月−三月の実績がまだ出ておりませんので、正確なことは申し上げられませんが、ただいま一応の見込みをとっておりますが、本年度家族七割を実施いたします千百余りの市町村のうち八割ぐらいは、この百六十一円でお話しのように四分の三相当額になるわけでございます。二割程度の市町村におきましては若干不足する、かような見通しを持っておるわけであります。
○滝井分科員 若干ですか。私、当たってみた。特に七割給付がぐんぐん前進をして、しかも最近国保の低所得者階層の被保険者は、一番大都市に集中しておる。そこで、大都市の問題を見てみますと、私、一、二調べてみたのですが、ある市で医療費が九千六百十二円。この九千六百十二円の医療費のうちで二割分が千九百二十二円。そうすると、千九百二十二円の四分の三は千四百二十二円になる。これに対して八百円の定額交付をする。八百円しか定額交付していない。そうすると、いま言ったように、九千六百二十二円のような高い医療費はだめだ。そのときは定額交付ということになるから、六百二十二円の不足が出てきたわけです。この六百二十二円は、保険が自分でまかなわなければならぬ、すなわち保険料の引き上げをやらざるを得ない、こうなるわけです。自治体一つ一つからとってみると、あるところでは八百六十円でやっています、あるところは八百円です。これは、いまあなたの言ったように定額補助になっている。だから羊頭を掲げて狗肉を売るわけです。政府が五割から七割にしなさい、したものについてはその一割五分上げますよ、こう言ったので、ほんとうだと思ってやってみたところが、金をもらってみたら、あにはからんや、それはいま言ったように定額、一人平均百六十一円ということです。こういうからくりをやっている。だから大臣、制度としてやられるならば、私それでいいです。さいぜんの問題は私は文句を言いません。それならば、制度でやるとするならば、国保の一割五分の補助をくれなければうそですよ。一割五分くれてない。それが一つです。 それから、もう一つあります。事務費は、去年百五十円からすったもんだしてようやく二百円になった。それならば一体実態は、事務費は、法律で全部国が見てくれることになっている。それは国がみな見ると言ったところで、そんなに野方図には見られない。やはり見るには事務費査定を必要といたします。一体全国の自治体が、二百円で保険事務をやることができるかどうかということです。二百円ではできないでしょう。平均したら三百円何ぼかかっておる。それをつつましやかに、厚生省は幾ら大蔵省に要求しましたか。
○信沢説明員 市町村の場合、被保険者一人当たり二百八十八円を要求いたしました。
○滝井分科員 大直、お聞きのとおり、つつましやかに、三百円以上かかっておるのに二百八十八円要求している。それが二百円でしょう。いまから三年前に、私質問をしたことがある。地方財政の赤字の原因は何なのだと言ったら、当時柴田さんの前の財政局長奥野さんだったと思いますが、赤字の原因は、国保の特別会計に一般会計から入れることがその赤字の最たる原因である、こう言ってしまった。数年前の赤字のときは、国保の赤字の最たる原因は一体何に由来しているか、事務費が適正でないというところなんだ、こういう答弁があった。この底流は変わっていない。一方医療費の問題もありますので、同時に事務費が適正でないところに自治体の苦悶があるわけです。 そこで、どうせ私は大臣のベースで話をして、国保という制度の中でものを考えていった場合に、当然医療費が上がったら、それは保険料がふえるのは当然だ。それは当然でよろしい。しからば政府は、一割五分をやると言ったものについて、一割五分文字どおりやらなければならぬ。事務費は少なくとも二百八十八円必要ですといって、下回って見積もったものについて二百円しかやらない。こういうやり方、ここに赤字の原因があるわけです。この二点について、私は的確な方針を自治省は主張する必要があると思うのです。いま言ったように、保険の制度のベースの中で、私は一歩下がって大臣と同じ議論をする立場に帰ってきたわけです。ですから、ここらあたりを明確にしてやらなければいかぬ。そこで大臣に、まず御答弁を願います。この二点について、一体大臣はどういう見解を持っているか。
○吉武国務大臣 私は、お話のとおりと思います。あとにおっしゃいました事務費の点につきましては、これは国が持つというたてまえでありまするから、国が持っていただきたい。昨年の暮れの予算折衝でも、厚生関係で相当予算の折衝がなされましたが、私のほうからも、側面的に、事務費はいまの百五十円では相当赤字になるから、ひとつ増額をということで、とうとう二百円になったわけであります。これがどれくらいかは各市町村で異なっておるようでありますが、平均に見て三百円は要っているのではないかという観点から、その増額を要求いたしました結果、二百円にとどまっておるわけでありまして、これは御指摘のように増額をすべきものであると私は存じております。 それから、最初にお話しになりました点は、私は制度がどういう約束になっておるか存じませんが、つまり七割給付になりました分の一五%を国が見るということが、いままでのように定率の負担でありますれば、これは当然国が見るべきものだと思います。そこが定率補助の負担になっておるのか、あるいは打ち切りの補助になっておるのか、この点はまだ私はっきりつまびらかでないのですけれども、いままで聞いているところでは、定率負担ではなくて打ち切りのある補助として出しておるのではなかろうか、こう思うのであります。しかし、これは先ほど申しました制度として考えるということであるならば、制度としては定率の負担に将来は持っていくべきものでなかろうかという感じを私も持っておるということでございます。
○滝井分科員 いまの重要な二点について、私は大臣の言質をいただきました。それは、百五十円から二百円になった、国民健康保険の事務費は当然少ない、これはやはり増額すべきであるという見解です。これはわれわれ、予算分科会はだてにしておるわけではない。当然総括なり一般質問で今度大蔵省にはっきりさせなければならぬ、予算修正をわれわれはやらなければならぬ点だと思います。 それから定額について、一割五分が定額か定率か、当然制度としてはこれは定率化すべきである、この点、われわれも全くそうです。そういうことについては意見の一致を見ましたので、これでめやます。 そこで平井さん、いまお聞きのとおりなんですが、私は大蔵省に二点確認をすることにいたします。 一つは、いまのように地方財政の赤字の主たる原因の一つが、国保の事務費が異常に少ないということと、政府はわれわれに公約するときには、五割から七割に給付を引き上げたものについては四分の三の補助をやりますと言っておったのに、いつの間にか実際は定額補助のようなことになってしまっておる。これは羊頭を掲げて狗肉を売るものである。だからいま自治体は、けしからぬ、そんなはずではなかった、こう言っておるわけです。この二点について自治省担当の主計官として、当然これは、私は改めてもらわなければならぬ点だ。 もう一つは、さいぜんあなたのいらっしゃらなかったときに問題になりました罰金の予算。三十九年度には一体罰金の予算を幾ら組んでおったか、四十年度には一体幾ら組んでおるのか。 この国保の問題と罰金の問題について御答弁を願いたい。それで私はやめます。
○平井説明員 最初に、少さいほうの問題についてお答えを申し上げます。罰金科料の予算の問題でございますが、三十九年度の予算額は百四十六億四百六十二万五千円でございます。これに対しまして四十年度は、百六十七億八千九百八十三万四千円を計上いたしております。 次にお尋ねのありました国保の赤字に関する大問題でございますが、先ほど自治大臣から得指摘のございましたような問題があることは、私どもも承知いたしておりまして、厚生担当の主計官とも常に連絡をとりまして、その是正をはかっておるわけでございます。ただ、御承知のように、あくまでも私どもの予算の立場といたしましては、標準的な運営というものを前提にせざるを得ないわけでございまして、単に実績的なものをつかまえて、それによって予算を計上するということは、すべての補助金の補助の考え方の基本にないわけでございます。したがいまして、その限りにおいて実績的なものを基礎としながら、いろいろ御要求はございましても、それを十分に取り入れることは困難であるという事態を御認識いただく以外になかろうかと考えておるわけでございます。
○滝井分科員 事務費というのは法律できまっておるのですね、全部を出すということは。そうしますと、ちょっと厚生省にお尋ねしますが、事務費が二百八十八円要求して二百円になった。八十八円分減ったことによって、総額幾らの事務費の負担増が一体出てくるのか、これだけちょっと教えてください。 それから、もう一つは平井さんに……。百四十六億の予算で、今年の実績をどの程度一体取れる見通しになっておりますか。実は去年の罰金が百五十億取れているのですよ。だから、おそらく去年は、もっと少ない見通しでよけい取れておるだろうと思うのです。ことしも、百四十六億と見積もったら、件数がウナギ登りにのぼってきておりますから、三十八年に約四百十一万件が四百五十五万件、いままでに受理したのがこれだけですから、まだこれはのぼることになる、三月までですから。したがって、これは相当罰金がのぼるわけです。そこで、さいぜん私が自治大臣にお尋ねをしたのは、こういうように地方財政で交通安全の対策費を都道府県が組んでいるが、そのうちの一割を国が出していないのです。そして、罰金は予算額以上にあがってきている。当然これを地方自治体の交通対策費に出すべきであるということを大臣に言っているのです。大臣も、何らかの形で、それは罰金が右から左に地方財政にいくというのは困るけれども、何か考えるべきであろうという、同じ意見になってきたわけです。そこで、主計官として、地方財政は非常に苦しいのですから、同じ大蔵省の中で言いにくいかもしれないけれども、こういうところは言って、地方がそれだけ一生懸命に交通安全対策をやるならば、そして罰金があがってきたんだから、その罰金の中の幾ぶんかをやはり交通安全対策費として、たった一割程度しか負担していないんだから、それをもう少しよけいに国が見てやるという方向を私はとるべきだと思うのです。そういう点についてあなたの協力が得られるかどうかということです。大臣は、ひとつ何か考えようと言っている。自治省として、そういう点を地方財政負担軽減のために考えられるかどうか。それから二百八十八円と二百円の差によって、どの程度自治体は財政支出が増加するか。
○信沢説明員 二百八十八円要求いたしまして二百円の予算単価でございますから、被保険者一人当たり八十八円不足するわけでございます。来年度の市町村の年間の被保険者を約四千万と見込んでおりますので、したがって三十五億円不足をする、こういうふうになります。
○平井説明員 罰金の点でございますが、三十九年度の決算見込みは、四十年度予算で見込んでおります百六十八億円と大体同額くらいになるであろうということを考えております。 それから、ただいま御指摘のございました道路交通法違反による罰金収入等の何割かを地方団体に交付することによって、道路交通取り締まりを強化すべきであるという御意見でございますが、私どもといたしましては、特定の財源を特定の支出と結びつけるということは、その財源と支出との間に特別に関係がある場合に限るというふうに考えておるわけでございます。御承知のように、道路交通法の違反の罰金は、その本質におきまして刑罰でございまして、犯罪行為を犯した者に科せられる制裁であり、刑罰である以上は、これをそれ以外の財政目的で徴収するということは適当でないというのが、法務省並びに私どもの考え方でございます。したがいまして、この刑罰の執行に基因して結果的に入ってまいります収入を、特定の取り締まり目的等のために充てるということは妥当ではなかろう、もしそういうことをいたしますならば、本来道路交通法違反行為の危険性なり反社会性に着目して、これに基づいて科せられる制裁の社会的な意義なり効果が減殺されるというような考え方を持っておるわけであります。その限りにおいて、地方に対して何らかの形で財源を罰金の中から付与するということは、適当ではあるまいというふうに考えております。もちろん、道路交通取り締まりについて、地方団体が相当の努力をいたしておられるということ自体は御承知のとおりでございまして、そういったものに対する一般的な財源付与の形がどうあるべきかという問題は、これは別途考えるべきであろうかと考えております。
○滝井分科員 昭和三十九年には、百四十六億の予算に対して百六十八億くらいは取れるだろう、それだけのものが取れておるわけです。これを取るためには、自治体は四十億の金を使っているわけです。四十億のうち、わずかに三億しか国が見てくれていない。すなわち、地方自治体は、交通安全対策のためにばく大な地方自治体自身の単県費を使っているわけです。そこで私は、その分を、右から左に罰金を道路交通のほうに回しなさい、そう言うのじゃないのです。これだけの予算額を百六十八億も貢献しているのです。予算を上回る額を罰金がかせいでいるわけでしょう。そこで、予算以上のものをかせいでおるとすれば、その分について右から左にやるのではなくて、何らかの形で補助金をふやすか、あるいはそれを今度は別な制度として還付的なものを考えてみたらどうか、右から左に罰金をやる必要はないが、何か財政的に助ける方法を考えてください、こういうことなんです。大臣は、右から左にやることは反対だが、そういう意味のことならば当然これは検討しよう、こう言っておるのです。主計局のほうで、そんなのはだめだと突っぱねたら、これはたいへんですよ。だから何らかそこをひとつ考慮してもらいたい、こう言うのです。右から左に出す必要はないのです。
○平井説明員 先ほども御答弁申し上げましたように、そういう地方の道路交通取り締まりの経費を一般財源でどう考えるべきかという問題があることは事実でございます。しかしながら、決算的にこれを上回るから、その程度のものを当然必要財源として予定すべきであるということは、現在の予算上の制度としては、直ちに実施いたしかねるというふうに考えております。
○滝井分科員 予算で実施しかねることはわかっているのです。しかし現実の問題としては、自治体がばく大な金を年々使っていることも事実なんですよ。したがって、年々使っておるものを交付税で見よう、こういうことになると全部自治体の金を自分で食う、いわゆるタコ配当になってしまう。そこで、そういうものについては、これは罰金をあげるために交通違反をよけいに増すということは困るけれども、現実においては、百六十億、百七十億の金があがっていることは事実です。予算を二十億も上回る収入があがっていることは事実でしょう。そういう金をあげておるのですから、したがって、国がわずかに四十億のうち三億しか補助しないということはない、もう少し補助率をふやすような何らかの方法を考えなさい、こう言っておるのです。これは当然考えるべきだと思う。そうかたくなになる必要はないと思うのです。全般的に考えてもらいたいというのです。
○平井説明員 どうも御意見の点が、予算収入を三、四十億上回っているような状況であるからその程度の金は見てやれということでございますけれども、結果的に、数字が大体そのような数字とよく見合っておることはございましても、私どもといたしましては、あくまでも、たてまえとしてその間に関連をつけることは適当でないというふうに考えざるを得ないわけでございます。一般的に、そういった道路交通取り締まりについて警察費上どのような措置をとるべきかということは、今後の制度問題としては別途考える余地はあろうと思います。ただし、今年度の予算の問題として直ちにどうこうということは、遺憾ながら現段階においては不可能であろうと考えております。
○滝井分科員 今年度の予算の問題で考えて言っておるのではないのです。私はさいぜん——あなたが早く来ないから同じことを二度言わなければならぬことになる。法務省から資料も出してもらって、そして交通違反の増加の趨勢、罰金の増加の趨勢、地方自治体の財政負担の増加の趨勢を見て、そしてその結果ウナギ登りに地方財政の負担が増加をしておる、同時に罰金も増加をしておる。ところが、交通対策費は増加をしておるけれども、国の出す金は増加をしていないのですよ。一割以下なんです。むしろ減っているのです。昭和三十五、六年ごろは四割ぐらい出しておったのです。ところが、いまや二割以下になってきているわけでしょう。国が出すのは減るし、自治体が出すのはふやし、罰金の額はふえておる。こういう三者の関係を見ると、国がもう少しこの点については考えてやる必要があるんじゃないかというのが結論なんです。何も、いま私は予算でこれをやるぞと言ったものだから、平井さんはまた、これをやっておったら集中されるんじゃないか、そういう悪質なことをこの予算の段階でやるつもりは——国民健康保険についてはやりますよ。国民健康保険については別です。これはわれわれは考えなければならぬが、来年のことについて考えてください、こう言っているのです。大臣は、そういう点は考えなければならぬ、こう言っているのです。主計官が納得しておかぬことには、私はまた来年これをやる、私は毎年同じことをやっていって、とれるまではやるつもりだから、そういう具体的な例を出してきちっと論理的に言っているのですから、これを検討だけぐらいしておいてくださいよ。
○平井説明員 そういう問題でございますれば、当然来年度以降の問題として検討はいたしたいと考えます。ただ、あくまでも、罰金の金額が伸びているということの関連においてということは、私どもとしては考えるべきではないというふうに考えております。
○相川主査 それでは午前の質疑はこの程度にとどめ、午後は一時三十分より再開して自治省所管の質疑を続行いたすこととし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 午後一時四十分開議
○相川主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 自治省所管について質疑を続行いたします。安井吉典君。
○安井分科員 自治大臣に数点につきましてこの際お尋ねをいたしたいと思います。また別に伺う機会がありますので、きょうは、この機会にお尋ねをいたしておいたらと思う点に限りたいと思うわけでありますが、初めに地方議会の議員の退職年金の制度の問題であります。 先年この制度ができまして、十二年以上都道府県議会の議員あるいは市町村の議会の議員をつとめた人には年金が渡る、こういう仕組みになって今日に至っているわけでありますが、最近になりまして、この年金受領に至る前にやめる人が相当多いので、一時金の仕組みをつくってもらいたい、こういう要望が全国的に非常に高まってきているわけです。全国町村議会議長会あるいは市議会議長会、都道府県議会議長会等もそれぞれの決議でその点をお待ちになってきているわけでありますが、この問題につきまして、自治省の御見解をこの機会に伺っておきたいと思います。
○佐久間政府委員 地方議会議員の退職一時金制度を設けてほしいという要望が関係者の間からかねてございましたことは、私どもも承知をいたしております。この問題につきましては、いろいろ関連をいたしまして検討を要する問題点もございましたので、御要望はございましたが、従来は検討をさせていただくということでまいっておるわけでございます。しかしながら、いろいろ事務的に検討いたしますと、この問題につきましても、やり方によりましては実施することも可能ではなかろうかという大体の検討もいたしたわけでございますが、ただ、問題は、国会議員につきましても同様な年金制度があるわけでございまして、それと別に地方議会議員につきましてだけ先に実施することはどうだろうかというような議論も政府部内にあるわけでございます。また、公費負担との関係等の問題もございまして、いろいろ検討をいたしておるわけでございますが、私どもといたしましては、これは制定といたしまして理論的に成り立たないという問題ではない、むしろいろいろ御要望がございますならば、その線で検討を続けてまいりたいという態度で現在検討をいたしておるところでございます。
○安井分科員 十二年たたないで途中でやめるというふうな数は、都道府県、市町村分けましてどれぐらいになっていますか。全体の割合のどのくらいを占めているか、そういったようなことについてお聞かせを願いたいと思います。
○佐久間政府委員 都道府県議会議員の場合におきまして、一期当選直後をかりに一〇〇といたしますと、二期当選直後は六四・九でございます。三期当選直後は四一・二、四期当選直後は二四ということでございます。それから、市議会議員の場合におきますと、一期当選直後を一〇〇といたしますと、二期当選直後は五八・七、三期当選直後は三六・四、四期当選直後は二二・八、町村議会議員の場合におきましては、一期当選直後を一〇〇といたしますと、二期当選直後は五九・七、三期当選直後は三七・七、四期当選直後は二四・二ということでございます。
○安井分科員 この問題はいろいろ検討すべき余地がたくさんあるわけでありますが、現在の年金という仕組みは、短期給付は一切しない、その前提に立って、それを資金源として長期給付を行なう、これがいわゆる年金制度のたてまえであるわけです。ですから、そのたてまえをくずすのは私はおかしいと思うのでありますが、ただ、いまいわれているように、現在の掛け金の五%、それはあくまで長期給付のものであって、ただ、短期的な給付については、それとは全然別個に積み立てて、互助的なものとして進むということなら筋が通らないわけでもない、こういうふうに考えられるわけです。つまり、年金というたてまえを堅持している以上、短期給付はこれはやるわけにいかないわけです。しかし、短期給付というものを別建てとして考えるということになれば問題は一応別になるというふうな見方も成り立つわけでありますが、これはどうなんですか。その一応の検討が済んだら自治省が法案というような形でお出しになる、こういうふうにお考えなのですか。
○佐久間政府委員 一応の検討が済みましたならば、国会で御審議をいただく運びにいたしたいと思っておりますが、ただ、ただいままでのところ、政府部内におきましては、政府提案でこれを提出するということにつきましては、関係省のほうに相当異存もございまするので、それらの点につきましては、私どもといたしましてはまだ見通しを持っておりません。
○安井分科員 いろいろと多方面に関連を持ってくる問題だと思いますので、そういう意味でひとつ慎重な御検討を願っておきたいと思います。 次に、地方公務員の定年制を実施するというふうな問題につきまして、自治大臣は非常に御熱意を持って問題をお考えになっておられるというふうに漏れ承るわけでありますが、この点についてはどうですか。
○吉武国務大臣 定年制の問題につきましては、検討をしておる段階でございますが、御承知のように、地方財政の中における給与費の額というものが相当の額にのぼっておりますし、また、市町村の給与の実態を見ますと、五大市、六大市と申しますか、市の地域等におきましては、国の国家公務員の基準よりも相当上回っているのもあるように見受けるのでございます。その原因等を調べてみますと、いろいろの点があるのでありますが、その中で、一つはだんだんと年齢が高くなっていくために、その関係がこの給与の平均給を高めておるという実情にございますので、なおかつ各市町村の当局の方面からもぜひひとつ定年制をしいてもらえないかという要望が相当各方面からございますので、これは検討すべきものではないかということで、いまこれに取っ組んでおるわけでございます。 なお、臨時行政調査会からも、定年制を設けるべきであるという答申も出ておるときでもございますので、慎重に検討を加え、できるだけ早い機会にもし提案ができれば提案をしたい、かように存じておるわけでございます。
○安井分科員 これは法律改正を現にいま検討中だ、そういうことですか。
○吉武国務大臣 まだ法律に手をつけるという段階ではございませんで、各方面の意見をとりながら目六体化に進んでいきたい、かように存じているわけでございます。
○安井分科員 新聞によりますと、都道府県総務部長会議で金丸事務次官が、次期通常国会に地方公務員法改正法案を提案する方針だから、各府県でもそれぞれの条例について検討を進めてほしい、こういう示達を行なったと報ぜられておりますが、そのとおりですか。
○佐久間政府委員 事務次官から、総務部長会議の席上定年制は各方面から要望もあり、ただいま検討をいたしておる、今国会に提案するということには考えておらぬけれども、次期通常国会には提案するように運びたい、こういうような趣旨のことを発言をいたしたことは事実でございます。ただ後段の、各地方において条例等について検討せいというようなことは発言されなかったと私は承知をいたしております。
○安井分科員 各都道府県等でも、退職勧奨条例とかそういうような運びがあるということも、私どもいろいろ聞いているわけでありますが、自治省はそういう指導をされておるわけですか。
○佐久間政府委員 そのような指導はいたしておりません。
○安井分科員 ここで言う、いまの金丸次官が言われたという通常国会というのは、この国会ではなしに来年の通常国会、そういう意味で言われているわけですか。
○佐久間政府委員 そのように承知いたしており ます。
○安井分科員 昭和三十一年の第二十四国会のときに、政府は定年制の問題を含んだ地方公務員法の改正をお出しになった。それがいろいろないきさつのもとに流れてしまったということは、自治省もよく御存じだと思います。そのときと現在ともちろん時点は違っておりますが、簡単に定年制の問題を実施に移すことができるような情勢だとお考えになっておられるのかどうか、その点をひとつ伺います。
○佐久間政府委員 昭和三十一年に地方公務員法の一部改正法案を提出をいたしましたことは、御指摘のとおりでございます。その際、私直接担当いたしておりませんでしたので、正確には申し上げかねますが、伺っておりましたところでは、定年制を実施するためには、職員の老後の保障の措置の万全を期するべきである、退職年金、退職手当等の身分保障、老後の生活保障の措置を十分講じた上で考えるべきであるというような、当時御意見が非常に多かったように伺っておるわけでございます。その後御承知のとおりに、地方公務員の退職年金制度及び退職手当制度を国家公務員に準じて整備をいたし、内容を充実することにいたしましたことは、御承知のとおりでございます。なお、現在の退職年金あるいは退職手当制度が、決してこれで十分だというわけではないと思いまするけれども、当時と比べますると、そういう点につきましては改善されておるというふうに考えておるわけでございます。 その他の事情につきましては、先ほど大臣がおっしゃいましたように、臨時行政調査会から、これは国家公務員も通じまして、定年制を検討すべきだというような御意見も出ておりまするし、かような状況のもとにおきまして、この際やはり定年制をいま一度あらためて検討すべき時期ではなかろうかと判断いたしておるわけでございます。
○安井分科員 大臣は先ほど、いろいろ定年制を考えるに至った理由につきましてお話があったわけでありますが、地方公務員だけがやるべきで国家公務員はそうじゃないとお考えなのか、同時に国家公務員についても考えるべきだと大臣はお考えなのですか、どうなんですか。
○吉武国務大臣 臨時行政調査会の答申は、国家公務員を含めてのようでございまするので、両方とも必要があろうかと思いますが、特に必要なのは、私、地方公務員だと思います。国のほうは適当に高い年齢の者は新陳代謝が行なわれているように思うのでありまするし、また実際の給与ベースも、先ほど申しました者と比べますればそう著しい変化はございません。ところが六大都市に至りますると、特に平均ベースは国のベースよりずっと高まってきておる。それをだんだん検討してみまする醸、年齢が高くなり、高くなるに従って平均給が高まっていっている。こういう状況で、特に地方財政に余裕のあるときならけっこうでございまするけれども、だんだん窮屈になってきておるし、それから地方のそういう理事者側も、多数の人々から、ぜひひとつこの点は取り上げてくれというような陳情もございますので、これは必要ではなかろうか、こういう感じを持っておるわけでございます。
○安井分科員 先ほど私は、いまの大臣のお話やら、一番最初大臣がおあげになった理由やらに根本的な大きな間違いがあると思うのですが、それはそれといたしましても、三十一年と現在との違いが、社会保障制度が完備してないということで、三十一年度が流れたのだとすれば、現在の段階でそんなに完備したのですか。国家公務員並みの仕組みができたというさっきの御説明でありますが、ただそれだけの理由なら、国家公務員のほうが保障できているなら先におやりになってというようなことになるのではないでしょうか。私はだから国家公務員を先にやれという意味で言うのじゃありませんけれども、ごく最近の段階でやっと国家公務員並みの共済年金の仕組みができたのですね。そうして一方国家公務員には何にもないわけです。そういう定年制の問題は現在の段階ではできていない。その点を、さっきの行政局長の御答弁では、その二つを妙な論理で埋めておられるわけでありますが、現在の段階でそんなに社会保障制度が地方公務員について老後充実できたとお考えでしょうか。どうですか。
○佐久間政府委員 現在の段階におきましてなおこれで十分だとは思っておりませんし、なお改善の余地もあろうかと思っておりまするが、昭和三十一年当時に比べますると、制度が充実、整備できたというふうに考えております。
○安井分科員 時間が限られておりますので、この問題ばかりやっているわけにいきませんが、この問題につきましては、私はただいま自治省側でお述べになった論理はどうも一貫していないし、さらにまた現在の段階でこういうような問題が早急に処理できるような環境になっていない、私はそう思います。特に給与費の問題については、なるほど国家公務員の場合は国の総予算の中の給与費は約一一%です。私はこれをこの間ずっと経過的にも調べてみたわけでありますが、約一一%で、地方公務員の場合は三六%です。しかし、比率というのは割る数と割られる数とできまってくるわけですよ。地方公務員にはよけいな人間をかかえていてよけいな金を払っている、ただそれだけお考えになっているとすれば、大臣、これは大きな間違いだと私は思うのです。町村の職員なんかがものすごい低給料のもとに置かれているのは、大臣、お忘れではないと思うのであります。そこでその比率というのは、給与費のほうは分母に当たるところの国家財政の総規模と、それから一方は地方財政の総規模、その分母を固定させて分子の額だけを問題にされているから、地方の給与費が大きいとかなんとかいう問題にぶつかるわけです。分母であるところの地方財政の規模が間違いなんじゃないですか。国の財政と地方の財政との規模そのものを現在のままでどうしても置かなければいけないというのが間違いなんで、国から地方に対して事務の配分がえなり税財源の配分がえなりが行なわれれば、地方財政の規模というものがふえてくるわけです。その意味は、国の仕事でありながら地方が大部分やっているのですから、やっている地方は仕事量に応ずる財政規模に当然ふくれてこなければいけないわけです。いまのところは地方はたくさん仕事をやっておる。仕事をやっておるが、その財政は国の財政になっておるわけですよ。そういう仕組みのために、国家公務員の数は国の総規模に対して一一%にしかなっていない、地方のほうは三六%にもなっておる、こういうことなんですよ。だから分子に当たるところの給与費だけを問題にしても——どうも新聞の論説なんかもそういうきらいがありますねっそうじゃなしに分母に当たる国の財政規模と地方の財政規模とがいまのままでいいのかどうかという問題を論議しないで、機械的に給与費の数字だけを問題にするから、一一%よりも三六%が多いとか、そういうような問題が出てきていると私は思うのですよ。地方の財政規模と国の財政規模とのバランスが適切かどうかという、そういう根本問題をぜひ論議してもらわなければいかぬと思います。この問題はきょうはこれ以上入りませんが、いずれにしても、自治省の中で地方公務員の定年制についての検討が大臣の言明どおり進んでいるという事実を、きょうは国会の中で初めて明らかにされたわけであります。それだけ重要な問題だと私どもは思いますので、今後さらにわれわれはわれわれの立場から検討をしたいと思いますが、いずれにしても、国会に一回出して流れた、それほどの重要性を持っているということを十分お含みをいただいておかなくてはならないと思いますが、その点だけをはっきり申し上げておきます。 財政局長がおいででございますので一、二点伺いますが、初めに辺地債の問題をちょっと伺いたいと思います。新しい経済段階における地方財政、あるいはまた地方自治の問題は、都市においては過密都市でありますとか、過大都市だとか、そういうような問題が起きております。私もきのう名古屋へ参りましたけれども、名古屋でも、県内の地方議員の諸君の集まりでいろいろお話を聞いても、愛知県の財政と名古屋市の財政とのバランスの問題が出てまいります。あるいは大阪では大阪府と大阪市の財政バランスの問題が出てくる。東京はこれもまた過大化してどうにもならないような問題があります。そういうような過大都市化の問題の一方、これは離島だとかずっといなかのいわゆる辺地へ参りましたら、そこではまだ電灯もつかないし、道路もまだろくすっぽついていない、そういう地帯があるわけです。大都会のほうはそういう問題にさらされている一方、ずっと辺地ではまだ神代の昔のような事態がそのままに置かれている。これは私は、いわゆる高度経済成長政策というものの奇妙な取り合わせ、そういうようなものがいまあると思うのです。共産主義と資本主義の平和共存よりも、あるいはもっとこの高度に成長している日本の段階において奇妙な存在かもしれません。そこで、過大都市の問題はまた後に触れる機会があると思いますが、辺地振興対策というふうな点について新年度において自治省はどういうふうな角度でお取り組みになるお気持ちか、それをまず伺います。
○柴田政府委員 辺地の状況につきましては御指摘のとおりでございます。私どもも辺地整備の必要性を感じまして、御承知のように辺地の公共施設の整備に関します法律を提出し、国会でお認めを願ったわけであります。そのときの計画では、大体十億ずつ五年間全部で五十億の辺地債をもって辺地の公共施設の整備をはかる、こういう形であったわけでございます。この計画は順調に進捗いたしておりまして、地方におきましても非常に希望が殺倒し喜ばれておりますような事情もあって、昨年でございましたか、この進捗度を若干早めまして十五億に実はしたわけでございます。それは二年経過いたしまして、三年目の残っております三十億のうちで、それを五年計画を一年縮めて十五億でもって整備をする。昨年の私どものところに集まりました件数では五百九十二件、事業費総額で三十二億、一般財源で十五億を辺地債でもって財源を獲得をして事業をした、こういう形になっております。中身でどんな仕事をやっているかと申しますと、一番多いのが道路の整備であります。その次が電気導入施設であります。それから飲料水供給施設でございます。その辺がおもなところで、あとは、通学施設でございますとか、診療施設でございますとか、そういうものがございますが、大体いま申し上げました三件が非常に大きなものでございます。そこで計画は相当進捗してまいりましたので、昭和四十年度では残った十五億円でこの辺地整備計画を一応当初計画の最終を一年早めて四十年度で片づける。しかしそれで辺地の総合整備が終わったわけではございませんので、さらに本年度じゅうにおきまして、それもなるべく早く辺地の総合整備の進捗状況と実態を調べまして、それに基づいて今後の施策というものを考えていきたい。私どもの気持ちでは、この五十億の計画ではまだ足りない、さらにこれをもう少し引き伸ばし、かつ強化をしていって、早く整備をしなければならぬだろう、このように考えております。
○安井分科員 そうしますと、本年で一応打ち切るというお考えだとすれば、明年からまた新しく考え直すというふうなことであります。これは法律改正は必要なんですか、どうですか。現在の法律のままそういうふうな仕組みでいけるのですか。
○柴田政府委員 法律は直接改正の必要はございません。一応五年間として考えましたものを一年繰り上げて終わる。終わるけれども、しかしそれでもって十分整備が完了したとは言いがたいから、実態に即応してさらにこれを推進する方法で昭和四十一年度以降考えたい、こういうふうに思っております。
○安井分科員 それじゃ、昭和四十一年度以降はさらに、よく前向きということばが出てまいりますけれども、前向きな姿勢で考えるのだ、そういうふうに理解いたしたいと思います。 そこで、これは五百九十二件で三十二億円、これは昨年の実績をおっしゃいましたけれども、大体どうなんですか。これは需要と実際の件数とはどういうふうな比率になっておるか、つまり需要はものすごくあってそれに足りない状態なのか、その点ひとつ伺いたい。
○柴田政府委員 需要は殺到しておるというほどでもございませんけれども、需要はこの五百九十二件をもちろん上回っております。しかしこれは四十年度の結果を見てみませんと、その不足ぐあいというのはわかりませんけれども、四十年度を待たずに三十九年度にぜひやりたい、つまり早くやりたいというのが相当ございますので、単年度におきましては相当需要は上回っております。
○安井分科員 そこで道路整備が一番多いというふうに聞くわけでありますが、道路整備は新設が中心になっていて改良的なものがネグレクトされている。こういうふうな苦情を辺地の人たちから聞くわけでありますがどうですか。
○柴田政府委員 大体道路関係のものは部落間連絡道路がおもでございます。したがって新設のほうがウエートがかかってくる。しかし改良、拡幅等の問題もあるわけでございまして、新設のみに限っておるわけではございません。
○安井分科員 しかし現実には新設のほうが通っているけれども、拡幅やいわゆる改良的なものは落とされている。こういうふうな話を聞くわけです。辺地へまいりましたら、それは確かに道路らしきものがあっても、いわゆる踏みなれ道的なものであって、新設と少しも変わらないような、そういうふうな状態の道路がたくさんあると思うのです。そういうようなものは表面的には改良かもしれないけれども、新設と何ら変わらない措置で当然これはやるべきだと思うのですが、その点新設のほうが改良よりも優先して、改良はあと回しなんだという御方針なのか、それとも辺地債の総ワクが小さいために、改良のほうはあと回しになっているのか、その点どちらでしょう。ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○柴田政府委員 部落間連絡道路でも新設がおもになる。と申しますのは、この法律の場合に、第二条の第二項に「辺地とその他の地域との間における住民の生活文化水準の著しい格差の是正を図るため最低限度必要なものをいう。」これが公共的施設だということになっておりまして、その中で例示がありまして、道路というようなことになっておるわけであります。したがって、法律上におきましては別に新設とその改良、改築と申しますか、そういうものとは区別をいたしておりません。私どもの取り扱いにおきましても、特にその間に特別の格差を設けておる事実はございません。ただ実際問題としては、新設のほうが案件が多いというだけのことでございまして、整備の、おっしゃいましたような拡幅とか改良とかいう問題を全然軽視しておる事実はございません。
○相川主査 安井君、時間がまいりましたから……。
○安井分科員 もう約束の時間だそうですから、もう一点だけ伺って終わりたいと思うのですが、いまの点は、やはり総ワクが少ないから、結局新設のほうによけい予算が回ってはみ出ておる。そういうケースではないかと思うのです。ですから、やはりことしだけでやめるとか、そういうようなことではなしに、さらに前進的に問題をお考えをいただきたい。こういうことで重要な改良的な事業も必ずそれに入れていただく、こういうような御措置を最後にお願いをしておきたいと思います。 それからなお、日本住宅公団の家賃値上げの問題に関連いたしまして、自治省のほうでは住宅公団に対する固定資産税の軽減措置を一方でやれ。それに対して特別交付税で穴埋めをするのだというふうな指導で関係市町村に臨まれておるのにかかわらず、関係市町村のほうは実施をしない。そういうようなために家賃値上げもやむを得ない、こういうような事態でいつもトラブルが続いてきておるわけです。今日の段階では、物価値上げを抑制するというのが政治の重大な課題であるわけですから、こういう点をひとつ明らかにしなければいけないと思いますが、特に固定資産税を減免しても特交で穴埋めをきちっとしてくれるのかどうかということについての不安が市町村の側にあるわけです。不交付団体等において、そういう不安があるわけです。ですから、この問題については、自治省の指導として完全な軽減措置ができるということの見通しをきちっとするということが一つと、それから不交付団体をも含めて特交補てん措置が完全に行なわ細るということ、そうして公団測の家賃値上げを見送るということ、こういう三段階で処理さるべき問題だと思うわけです。その点につきまして、きちっとした措置が、特に特別交付税の配分が今月末で行なわれるわけでありますから、今年必ず行なわれるということをここで確認したいと思うのですが、どうですか。
○柴田政府委員 御指摘の問題は、長い間問題になっておったのでありますが、昨年のいつごろでございましたか、建設省との間で、いろいろ事務当局同士話し合いがありまして、結局御指摘のような形でもって問題を処理するということになったのでございます。したがいまして、私どもといたしましては、特別交付税の配分にあたりまして、この問題については特定項目に立てて措置をする、こういうつもりでおります。つまり余裕財源がありますところは、差し引き計算いたします。差し引き計算の外において、交付税のベースにおいてやる。したがって、全部というわけにはいかないかもわかりませんが、きちっとする措置はするつもりでございます。
○安井分科員 それは不交付団体も含めてですね。
○柴田政府委員 さようでございます。
○相川主査 藤田高敏君。 藤田君に申しまするが、持ち時間は大体二時五十分くらいまでとお考え願いたいと思います。
○藤田(高)分科員 新人議員でして、なかなか質問する機会もございませんので、そこは主査のほうで少し御善処願いたい。時間的な御処置をお願いしたいと思います。 時間の制約もございますので、私はそのものずばりで、以下幾つかの問題についてお尋ねをしたいのですが、私の質問点は、主として新産業都市の建設に関連をする地方自治体の財政負担、及び国あるいは民間企業団体との負担割合等に関する問題点についてお尋ねしたいと思います。 〔主査退席、井村主査代理着席〕 若干事務的な面にわたるかもわかりませんが、まず第一にお尋ねしたいのは、新産業都市計画による公共投資の総額と、その総額の内訳としての国、県及び市町村の負担割合その他民間団体、こういうふうに区分をいたしますと、その負担割合がどういうふうに、完成年度である五十年までの基本計画によれば、なっておるのかどうか。それとあわせまして、この計画遂行の一つのステップ段階として、三十九年から四十五年までをいわゆる計画の一つの前半の区切りとしておるようでありますがこれを区切った場合の、いま指摘しました国、県、市町村、その他の負担割合というものをお示し願いたいと思います。 そのことと関連して、いままで自治省あるいは政府が発表いたしております内容を見て、若干私ども理解に苦しみます点は、当然のこととして誘致される企業が負担すべき民間企業の財政負担というものについて、非常に不明確な点があるように思うわけであります。その点もあわせてひとつ具体的にお聞かせ願いたいと思います。
○柴田政府委員 新産業都市の基本計画におきまして、それぞれ昭和五十年度まで、またいま御指摘の四十五年度までを一応対象にいたしまして、産業人口の増加数でございますとかあるいは雇用者の増加数でございますとかいうような大ざっぱなものを中心にして、それぞれの地区別に計画がきめられておりまして、その最後に経費概算として四兆三千億という数字があがっております。それだけのことでございますが、その新産業都市建設計画の全体事業費をきめます場合に、関係各地区からそれぞれ出されました建設基本計画中の経費の概算を、私どもの手元でもって推定したもの、つまり経済企画庁の手元で集めたものでございませんで、私どもの手元で、県の計画を中心として推定したもので申し上げますと、実はそれしかございませんので、それで申し上げますと、三十九年から四十五年までの間の事業費が二兆三千億、そのうち国庫負担と目されるものが五千八百億、地方負担と目されるものが九千億、その他のものの負担が八千五百億、このようになっております。
○藤田(高)分科員 この地方負担のうち、県と市町村の負担区分、その率が大体どの程度になっておるか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。 それと、質疑の時間を効果的に進める意味において、私どもが調べておる範囲の数字と若干食い違っておる点を、私どものほうから数字を提供して、そしてお答えをいただきたいと思うのですが、一般的に発表されております三十九年度から四十五年度までの公共投資総額は、ただいまの説明では二兆三千億というふうに聞いたのですが、こういった膨大な事業計画ですから、若干の数字のそこのあることは理解できますが、私どもの調査では二兆六千五百七十億、そうして地方負担額が、約一兆七百十六億、こういうふうに理解をしておるのですが、そのあたりの食い違い、これはどういうところから生じておるか、これも参考までにお尋ねしたい。
○柴田政府委員 ただいま御指摘になりました地方負担分の九千億の中身——県と市町村の内訳は、残念でございますが、現在わかっておりません。 それから御指摘のありました数字等の違いは、おそらく、最初経済企画庁で調整をする前の数字が、ただいまの藤田さんからおっしゃった数字だと思います。私が申し上げましたのは、全体計画を調整をして、そして経済企画庁の基本計画に合わせたあとのケースでございます。
○藤田(高)分科員 私は決して難くせをつけるわけではないのですが、地方自治体から申請して、新産都市として指定されている県及び市町村が基本計画を策定して、政府においてこの基本建設計画を承認してもらうというそれまでの計画案の内容というものは、私はかなり具体的な数字あるいは事業内容というものを申請書の項目に出してきていると思うのです。少なくとも国が新産業都市建設法という法律をつくって、国のイニシアチブによってこの新産都市を建設していくということになれば、一番大事なのは、それに必要な金をだれがどのように負担してこの事業を推進していくかということだろうと思うのです。そういう観点からいきますと、いま私が質問した自治体負担の市町村負担分と県の負担分がわからないというようなことでは、これははなはだもって自治省の作業としても私は無責任ではないかと思う。これは新産都市法の中には所管省として自治省なり経済企画庁なり労働省というものが直接この計画にタッチするようになっておるわけですから、そこいらはいま少し親切な御答弁を願いたいと思う。 〔井村主査代理退席、主査着席〕
○柴田政府委員 これは別に数字をごまかしているわけでも何でもございませんで、私どもの手元でわかっております数字を率直に申し上げたわけでございます。実際問題といたしまして、お尋ねの府県を市町村の事業費区分というものはきまっておりません。この県が一番最初につくりましたときの数字は、ちょっといま手元に持っておりませんけれども、あるのでございます。しかし、経済企画庁で調整いたしましたあとの計画——全体計画を四兆三千億と押えましたあとにおける計画、つまり三十九年から四十五年までの二兆三千億の場合の県と市町村の事業の内訳というものはまだわかっていないのであります。
○藤田(高)分科員 わかってないものを示せと言っても、これは答えにならぬと思いますが、これは経済企画庁にお尋ねしてもわかりませんか。
○柴田政府委員 経済企画庁でわかっておりますれば、私のほうでもわかっておるはずでございます。企画庁でもわからないはずでございます。
○藤田(高)分科員 私はその点については政府の指導性といいますか、財政計画面における指導性というものについて非常に不十分さと申しますか、足らざるものがあると思うのです。これはそういうことの指摘にとどめますけれども、これはそれぞれ新産都市の指定を受けた当該地区においては、国がどれだけの財政援助をしてくれるのか、県なり市町村が自分たちとしてどれだけ負担しなければいけないのか。これは今日段階としては県別、事業別にいま言った区分の策定計画というものがあってしかるべきだと思う。そういう点からいって、早急に策定作業をしてもらいたいということを要望しておきます。 次に、いま質問した中でまだお答えがないわけでありますが、民間企業関係の負担する事業予算といいますか、事業費というものをあとで示してもらいたい。 それと次に、この新産都市の推定地域に関連をする県及び市町村の財政状態を、これは概括的でけっこうですから説明を願いたい。と申しますのは、一つの例を申しますと、新産都市地区の市町村の総数が幾らあって、そのうち再建団体が幾ら、実質収支赤字の団体が幾ら、単年度の赤字団体が幾ら、こういう大まかな数字でけっこうですから、お答えを願いたいと思います。
○柴田政府委員 民間の事業の負担になりますものは、事業費二兆三千億のうちから国と地方で持ちます部分の五千八百億と九千億を足したもの、つまり一兆四千七百億を引きましたものが民間の負担になるわけでございます。したがって、大体約八千億のものが民間のものになります、このように御理解願えればけっこうであります。 なお、財政状態、市町村の問題でございますが、ちょっといま資料を忘れてまいりましたので、すぐ御答弁申し上げますが、県の財政事情から申し上げますと、関係いたしております十三地区十二府県はいずれも財政的には楽な団体ではございません。どちらかといいますと、すべて後進地域の、いわゆる公共事業のかさ上げを受ける団体でございますので、財政力は非常に悪い。ただ市町村になってまいりますと、たとえば岡山地区の岡山市でございますとか、あるいは道央地区の札幌、室蘭といったようなところ、新潟市も震災を受ける前は強かったわけでありますが、ある程度そういった財政力の強い都市が中心になっておりますけれども、しかしそのほかの市町村はいずれも貧弱でございます。 なお、赤字団体の数につきましてはすぐ資料をもちまして御答弁申し上げます。
○藤田(高)分科員 大綱的にはわかりましたが、私どもの調べておる範囲におきましても、新産業都市地域市町村の財政状態というものは、二百六十三市町村のうち、かれこれ実質単年度赤字の団体というものが百近くもある。四割程度のものが赤字団体だというふうに承知をいたしておるわけであります。三十七年を契機として全体的に地方財政というものがまた財政危機を招くのではないか、そういう傾向を強めており、かてて加えて先ほどの滝井分科員の質問にもありましたように、自治体の財政事情というものは国民健康保険事業等の問題を通じてさらに財政負担というものが加重をされてきておる、こういう状態の中でいま建設に入ろうとしておる新産都市の事業費が前半の計画からいっても二兆三千億、私どもの計算では二兆六千億と踏んでおるわけですが、これをごく算術的に見ますと、いわゆる地方負担額というものは、さっきの御答弁でいきますと、二兆三千億のうちやはり負担率というものは四割程度ですね。四割程度の負担になります。これを一地区平均に算術的に割ってみますと、十三地区に割れば八百億程度、約一年間に一地区百億からの財政負担をしなければいけない。これはもうすでに新聞その他でも発表されておるところでありますが、その一番典型的な地区としては徳島、これは年間予算二百三、四十億のところですが、この二千三百億の公共投資をやるということになれば、これは一年間国の財政予算に匹敵するだけのものを投入しなければ事業がやれない。これは率直に言ってばく大な資金を投入しなければできないというのがこの新産業都市の建設計画であります。こういう内容のものが、いま御答弁のありましたように、全体的には非常に財政状態がよろしくないという地域にこの新産業都市建設をやろうとしておるわけでありますから、これは自治大臣にひとつお尋ねしたいと思いますけれども、こういう地方財政の現状の中で、あとで触れますが、今回俗称かさ上げ法といわれるものが出てきておるわけです。その程度の財政援助をしても、なかなかこの新産業都市というものが財政的見地から見て前進できないのではないか、こういうふうに心配をするのでございますが、その点についての所管大臣の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○吉武国務大臣 総額で新産都市四兆三千億ということでございまして、その年度割りも実はまだはっきりいたしておりません。それからまた、その中における国の投資する額と地方及び民間の投資額もまだはっきりしていないわけでございますが、相当の額にのぼることは御指摘のとおりでございます。この新産都市の計画でございますけれども、地方財政から非常にかけ離れた大規模の計画を立てますと無理がいくのじゃないかと思うわけでございます。したがいまして、十年間の計画でございますから、その十年間の計画のうちで無理のいかないような計画を私は立てるべきではないか、こう思うわけであります。しかし、新しく新産都市をつくるということでありますから、あまりじみちなことをしておったのではできませんから、したがいまして、普通の公共投資より上回る財政負担については、府県分は起債を見てその利子を補給しよう、さしあたり四十年度は四十億ということでありますけれども、これは初年度でありますからこの程度につけておるのでありまして、この程度ではおそらく年を経るに従ってとうていまかなえないと思っております。したがって、これに対する政府の利子補給の問題も相当大きくなりはしないかという予想はしております。それからまた、市町村の財政につきましてもどの程度になるものか、その個々の地域によっても違ってくると私は思うのでありますけれども、それにしましても、普通の公共投資、その他また厚生施設にいたしましても上回ってくると思われますので、今度の財政措置によりまして、上回ったものについては、つまり上積みの高率補助をしようということでございますから、この程度のことをいたしますれば今後の財政計画——新産業都市に対する財政計画の立て方によりますけれども、やっていけるのじゃないか、かように存じておるわけでございます。
○藤田(高)分科員 ごく抽象的には地方財政でまかなうことのできるような計画を立てることが望ましい、こういうふうになると思うのです。しかし、政府がここ二年来のいろいろな手続を経て、つい昨年の十二月の十五日でございましたか決定をしたのは、少なくとも四兆三千億という、新聞にも出ておるところの各県別の計画というものを承認しておるわけですから、これが承認されるものであれば、いま大臣のおっしゃられたように、その地方財政に見合ったような計画を立ててきなさいよ、そして政府も大所高所から見てこういう計画にしたら望ましい、こういう計画策定ということはあり得ると思うのです。ところが現実には四兆三千億というものができておるわけですから、今日の段階としては、やはり政府も県も市町村もこの計画をいかにすれば実現できるかというところに焦点を合わして財政的にも検討を加えていかなければ、もう抽象的なそういう論議の段階を越しておると思うのですね。そういう点からいいますと、いま大臣のおっしゃられた点については、私はいささか抽象的な御答弁であって、少なくとも大体政府が今国会に出しておる程度のかさ上げ法をやればやれるんだといいますが、私は時間がありませんから各地区の例は引きませんけれども、相当多額の負担をしなければいかぬ。若干の違いがありますけれども、総じて県及び市町村の負担割合というものは四割程度は負担をしなければいかぬわけです。そうしますと、この程度の負担というものは今日の自治体財政の中で私はとうてい負担できないと思うのです。その点についての見解を具体的にひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○柴田政府委員 これは、先ほど一般論のお話でございましたが、個々の地区別にこれを見てまいりますと、非常に地方負担の軽重がございます。たとえば、徳島県をとらえてみますると、県と市町村で七年間に負担する額が四百八十八億であります。これを七年で割りますと、大体一年間、県、市町村で六、七十億の負担になる。負担を半々とかりに考えますと三十、三十になるわけでございます。これを地方債の充当とそれから国庫負担金のかさ上げでもってまかなう。なかなか容易でないことは御指摘のとおりだと思います。しかし、この計画の遂行にあたりまして具体的にどのように計数が変化いたしてまいりますかというと、大体は年度を追いますごとに事業費の額を上げていく、つまり傾斜的に上げていくという方法をとっていくだろうと思います。現に経済企画庁の腹づもりはそういうことでございます。そうしますと、その線で一般の経済の伸び等々とからみ合わせてまいりますと、具体的にどうなるかということは、ごく正確には四十年度の地区別の事業費がきちっときまってまいりませんと、実は正確な御答弁はできかねるのでございますけれども、その辺の事情を考えますならば、今回の措置で何とか切り抜けられるのじゃないか、実はこういう感じがあります。それから府県につきましては四十億——いま申し上げました徳島地区を例にあげますと、三十五億とかりにいたします。そうしますと、一応これを地方債でまかないますけれども、しかし徳島県は後進地域のかさ上げもいたしますけれども、相当高い後進地域の国庫補助かさ上げによる清算分がある、そういう事情を考えてみますと、まあまあ、苦しいだろうけれども、何とかいけるのじゃないだろうか、こういうように思うわけであります。
○藤田(高)分科員 これは個々のケースは時間がありませんから論議することはできませんが、岡山のようにいわば新産都市地域としては一応条件の整ったモデル地区のようなところでさえ、ああいうふうな期成同盟会みたいなものをつくってやみ金融みたいな措置をやって先行投資をしなければいけなかった。今日の段階では、すでに事財政的な問題に関する限りは、これは率直にいって私はお手あげの状態になっていると思うのです。これはやはりこれから先新産都市を建設していく他の地域に対して一つの警鐘を乱打しておるものとして、われわれは政府も、議会もあるいは市町村も県も考えていかなければいかぬのじゃないかと思う。そういう点でこれは意見の言いっぱなしになりますけれども、なるほどそれはいま少し精密な数字が、計画ができてこなければわからないかもわかりませんが、私をして言わしむれば、いま少しく自治省としても楽観し過ぎておるのじゃなかろうか。私はあとで集約段階でも申し上げたいと思いますが、極論をすれば、これが財政的に無理であれば、規模が十のものであれば七に圧縮するとか、これをどうしてもやるというのであれば、財政的には地方自治体にどういうふうに財政負担がかかる、しかしおまえさんの自治体としては財政負担がこういうふうにかかるけれども、えらくともやるのかやらないのか、こういう親切な煮詰めをして、こういう新しい都市づくりをやらないと、これは自治体の住民にとってもたいへん大ぎな不安があると思うのです。そういう点で私はいま政府が考えておる、この自治省がいま考えられておるといいますか、御答弁になられた範囲の意見に対しては非常に不満であります。これはもっと正確に今日段階でも具体的な回答ができてしかるべきだと思いますが、その点はまだ作業が進んでいないということですから、不満の意を表しただけで次に移りたいと思います。 次に、これまた事務的なことになりますが、今度のかさ上げ法によって、県に対しては起債ワクが四十億、そうして利子補給が八千百万ということになっておるのですが、市町村はこのかさ上げ法によりますと、大体推定数字としてどの程度のものを見込まれておるのか、これをひとつお聞かせ願いたい。 もう一つ、これは大臣から聞かしてもらいたいのですが、新産都市建設に必要な財源は主体的には国が見るのか、自治体が見るのか、この財源措置はどこが主体的にやるのかということを基本的態度として、前後しましたけれども、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○吉武国務大臣 最後にお尋ねになりました新産都市に対しての財源措置といいますか、主体性はどちらかというお尋ねでございますが、これはやはり地方が主体性を持って立てるべきもの、こういうことになっております。しかし、御指摘のように、地方の財政の状況ではとうてい自分のところだけではまかなえませんので、これに対して政府が財政援助の措置を講ずる、こういうことでございます。 それから市町村がどれくらいになるかは財政局長からお答えをさせますが、結局は翌年度の精算払いになっておりまするので、はっきりいたしませんから、それに応じまして四十年度に必要でありましたものは四十一年度に政府がそれに対する約束をしたといいますか、財政援助法に基づいて計上する、こういうことでございます。
○柴田政府委員 先ほど最初におっしゃいました問題につきましては、私どもも非常に心配いたしております。したがって、御指摘のように計画が進んでまいりますに従って、この総合計画に従って具体的な計画を立てる。それに従って財政措置に遺憾のないように措置をいたしていきたい、こういう考え方でございます。いままで岡山県がああいう事例になりましたのは、その辺の計画の実行につきましてやはり総合的な実行計画がございませんで、指揮と申しますか、実行上の調整が十分じゃなかったということにやはり大きな原因があるだろう、その役割りを私どもといたしましてはやっていくべきだというふうに深く考えております。 それから、いろいろ答弁があれしますが、先ほど私が言いました新産都市関係の町村数は、十四県、六十五市、二百二十三町村、赤字団体は三十三団体であります。しかし御指摘のように三十九年度に赤字になるおそれのある団体もなおございます。それから市町村のかさ上げがどういうようになるかということでございますが、やはり個々の具体的な事業の個所づけがきまりませんと具体的にはわかりません。しかし私どもの推算では幾ら少なくても十五億はあるだろう、十五億以上だというふうに考えております。
○藤田(高)分科員 県に対する利子補給が八千百万、起債ワクが四十億、市町村に対するかさ上げの、これは推定数字ですが、まあ十五億ないし二十億、これは初年度ですけれども、初年度にしてもスタートするにあたってこの程度の国の財政援助で歯車を回せといっても、これはできないと私は思うのです。この数字そのもののやりとりをしておりますと、これまた時間がありませんので、別の角度からお尋ねをしたいのですが、私ども社会党並びに私ども個人の立場としては、当初自治省が、昨年このかさ上げ法を出しましたね、このかさ上げ法でいけば初年度が六十億、そして大体年平均百億から百五十億程度のものがこのかさ上げ法によって財政援助ができるのではなかろうか、こういうふうにごく大ざっぱな数字ですけれども、私どもは理解をしておるわけです。私ども自身はそれでもまだ不十分でありますが、一応一つの段階としてはそういう政府の努力というものは、特に地方自治を守るという所管省の立場としては当然その程度の努力はあってしかるべきだ、またそういう考え方というものが実現されることをひそかに期待しておったのですが、結果的にはいま言ったように大きな違いが出てきたわけですね。それで、この自治省のお考えとしては、当初われわれが考えておったものと、今度の財政援助法との関係はあまり違いがないのだというふうに判断をされておるのかどうか知りませんけれども、私どもの見解をもってすれば、相当大きな開きが出ておるわけです。なぜこのような大きな開きが出るようになったのか、そのいきさつを、これは事務当局で答弁できなければ、ひとつ大臣からお聞かせ願いたい。
○柴田政府委員 私どもが最初に考えておりましたのは、単独事業がある程度入っていた。今度はその点が、単独事業がはずされた、このことが非常に大きな援助額の変化の差でございます。あとは援助額というものが長期の低利融資に変わっておる、つまり私が少なくとも十五億と申し上げましたのは、十五億から二十億になるかもしれませんが、かりにそう考えますと、起債を合わせて六十億くらい、そうあまり変わらない。ただ国庫負担金のかさ上げと考えておりましたのが起債に変わった、こういうことになるわけでございます。
○藤田(高)分科員 時間の制約もありますから先を急ぎますが、私は、例の法案が成立するときの付帯条件でございますね、これでいきますと、高率の補助を適用するのだということを付帯条件に入れておると思う。はたして今度出されておるこの財政援助の法案の内容は、高率補助の概念に当てはまるかどうか、私は、これはやはり高率補助というワクの中には入らないのじゃないかと思うのですが、その点についての見解を示してもらいたい。それともう一つは、これは見解の相違になるかもわかりませんけれども、なるほどいま局長の御答弁では、起債で四十億ふえたのだから、最初かさ上げ法の自治省の案が通らなくとも、まあ当面はそう違いはないのだということですが、これはいまのセクションだけで見ると、そういう言い分もあるかもわからない。しかしこれは何年か先には、自治体が返さなければいかぬのですからね、起債は。ですからやはりそれだけのものは自治体に財政負担として後にかぶさっていくわけですから、問題はやはりそういう長期の財政計画の観点から考えれば、これは最初自治省が考えておったものと今回の案との間には当然大きな開きができた、こういうふうに認識することが正しいのじゃないかと思う。そういう理解を——やはり理解は理解として地域住民にも理解をさせた上で、進めるべき事業は進めさせていくことが必要ではないかと思うのですが、それについての見解をひとつ聞かせていただきたい。
○柴田政府委員 これも高率補助ということがいえるかどうかという問題、率直に申しまして一つの議論だと思いますが、しかし最高八割まで補助率を二割五分の範囲内でかさ上げをするということでありますから、やはり今回の措置は従来市町村に対してとられておりました補助率制度からいいますならば、相当思い切ったかさ上げ措置であろうと私は思います。 それから起債の問題でございますが、これは御指摘のとおりいろいろ御議論があるところだろうと思うのであります。しかし今回措置をとりましたのは、普通からいいますならば実際の計画をきちっときめて、それで具体的に地方負担がどうなるかという変動を見て措置をするというのが本来財政的には常道でありますけれども、それでは計画も何も立たぬじゃないかということで、新産業都市の建設関係の地方団体が計画を具体化するのに非常に困っておる。これを救ってやるためには、少なくとも援助の路線ということを明確にしてやる必要がある。こういうことから出発をしたのであります。したがいまして、先ほどからいろいろお尋ねがありましたが、明確な計数の答弁がいたしかねる、そういう措置のほうが先行をして、普通の場合と逆な形で出ておるものですからそういうことにならざるを得なかったのですが、そういうような状態のもとにおきましては、私どもといたしましては決して満足はいたしておりませんけれども、今日の国家財政が置かれた立場、あるいは四囲の経済情勢から考えますればまあやむを得なかったのではなかろうか、かように考えます。
○藤田(高)分科員 私はこれは非常に重大なことになってくると思うのです。というのは、少なくとも前半の計画として二兆三千億ですか、全体の計画として四兆三千億、こういう公共投資を中心とした新産業都市を建設するのだということで政府もこれを承認して、そして実質的にはことしが初年度になってその事業に着手するわけですけれども、これはこのままの、いま政府が考えているような財政援助の条件でこの新産業都市を進めていくと、第二の岡山、第三の岡山、第四の岡山ができると思うのです。そういう見通しがあまりにも明らかであるにもかかわらず、これは経済企画庁なりそのほかの所管省が一つの——悪い言い方ですけれども、マスタープランじゃないが、机上プランをつくって、こういう計画でひとつ将来の新しい産業計画を立てていくのだという構想をお立てになることはいいけれども、現実に各自治体のサービス省としての自治省自体までが、こういう非常に微温的な財政援助の条件で新産業都市の建設に全面的に賛意を表したような形で取り組んでいくということは、たいへんひどい言い方かもわかりませんけれども、自治省自身が新産業都市の建設を通じて地方自治を財政的に破壊することに何か手をかしているような気がするわけです。これについては、やはり少なくとも大臣を中心に財政援助の問題については、起債がふえたからどうこうというのでなしに、将来の長期計画を含めてもっともっと地方財政負担というものが軽減できるような努力をすることは今日段階においても約束をしてもらいたい。このことは少なくとも法案成立時における付帯条件の精神にも沿うことだと思いますが、それについての大臣の御見解をひとつ承りたい。
○吉武国務大臣 新産都市の計画というものは大事なことでございまするから、できるだけ国も援助もし、計画を遂行させたいのでありますけれども、しかし財政にもおのずから限界もございましょうし、また新産都市だけというわけにもいきませんので、大蔵省と折衝いたしました結果、一応国の財政措置の方向というものをきめたわけでございます。したがって府県のやりますものは起債にして利子補給をする、市町村はいま提案いたしておりますような普通補助の上に二割五分の補助をかさ上げいたしまして最高八割までをやる、まあもっとよけい援助ができればそれは越したことはございませんけれども、いまのところこの程度でやむを得ないのではないか。それで水島の例も丁私どもも非常に警戒しておるわけでございまして、いままでは何でもかんでも国が全部やってくれるのじゃないかと思われたかどうか知りませんけれども、非常に先行投資が行き過ぎて行なわれてきた。それがために赤字で困られているという点がございます。こういうように国の方向というものがきまりますと、地方もこれに即応した計画を立てていっていただきたいと私は思いますし、またそのような指導もしなければならぬのじゃないか。新産都市は御承知のようにいろいろと計画を立てて将来に向かってのものでございますから、ただ計画だけで新産都市ができるわけではございませんし、やはりそれにはそれに即応した工場誘致という問題もあることでございますから、この十年間の計画のうちに実情に即した指導なりをしていくべきじゃないか、いままではただやるやるというかけ声だけで相当各地に行き過ぎたといいますか、先行投資が進み過ぎた、そういう状況がございますけれども、これで国の財政援助の道というものの方向がきまりますれば、おそらくこれに即していけるのではないだろうか、かように存じております。初年度は最初のことでございますので、大蔵省のほうといたしましても、かさ上げの起債を四十億程度に見ましたけれども、私どもといたしましても、大蔵省といたしましても、年を重ねるに従ってこの程度では済まない、だんだん大きくなるだろう、かように存じておりまして、したがって、国の財政援助も相当の額にのぼっていくのじゃないか、かようにも存じておるわけでございます。
○藤田(高)分科員 持ち時間を若干超過していることをよく承知いたしておりますので、私の質問点はたくさんあるわけですが、質問したいことを集約いたしますから御答弁願いたいと思います。 財政援助の問題については、これはもう今日段階で見ても、おそらくいま大臣が言われた以上のことは政府としては御答弁できないのじゃなかろうか。したがって私どもとしてはこれはたいへん不満だ。地方財政を非常に圧迫するぞ、たいへんなことになりますぞ、そしてたいへんかどばった言い方ですけれども、これは国会の附帯決議にも違反しますぞ、こういう見解を表明して、今後の地方財政負担を軽減さす方向で御努力を願いたいという主張をして、以下留保したいと思います。 次に私質問をしたいのは、こういうふうに新産業都市あるいは医療費負担等の問題で地方財政というものがだんだんと苦しくなる、こういう状態の中において、これはすでに国会でも問題になったところでありますが、それぞれの自治体において企業誘致条例というものをつくっておる。いわゆる地方税法の第六条をまさに拡大解釈といいますか、拡張解釈の最たるものとして拡張解釈をしておる。そうして御承知の固定資産税を三年間、五年間あるいは七年間免除しよう、あるいはそれが形の上で無理があるとすれば、それに匹敵するように誘致措置として金を貸していく、こういうような誘致条例がありますが、これは今日の地方財政の現状から見て、特に新産業都市の指定地域においてこういう誘致条例を存続させることは非常に不合理だと思うのです。これは少なくとも、政府としては法律改正になるのか追加になるのか知りませんけれども、こういう特定な企業あるいは不特定な、ごく少数企業に対して地方団体がこの種の財政援助ないしは固定資産税を免除するということはよろしくない、こういう法律上の改正もしくは私が指摘したような強力な行政指導をする必要があると思うのでありますが、そのお考えがあるかどうか、これをお尋ねしたいと思います。 次に、新産業都市の指定でいま一つ大きな問題になりつつありますことは、計画がきまった、その計画の内容を見てみますと、大かたの地区は鉄鋼だ、やれ石油精製だ、やれ石油化学だというようなコンビナート方式の大企業誘致の計画を考えられておる。これはなるほど計画としてそういうことをお立てになることはいいのだが、業界筋も言っているように、時間がありませんから具体的なことは省略しますが、たとえば鉄鋼だったら鉄鋼、石油精製だったら石油精製、石油化学であれば石油化学は向こう昭和四十三年度なら四十三年度までにどれだけの設備能力をつくるのだ、石油化学でいえば、これだけのセンターのほかに二ヵ所なら二ヵ所のセンターをつくるのだ、こういう計画が業界筋としてはちゃんとあるわけですね。その業界筋の計画と、この新産都市の計画の中に盛り込まれておる計画というものは、具体的にどこでどういうつなぎ目の調整をやってきたのか。私は愛媛ですが、いわゆる愛媛の東予がたとえば石油化学を入れておる。この石油ははたして住友化学が来るのかあるいは昭和石油が誘致されるのか、こういう具体的の確実性、見通しの問題について、どうなるのかということをお尋ねしたいと思います。そうしないと、岡山だったら、岡山の水島地区に川重がくると言っておったのが、新産と関係のない香川県の坂出へ行くということになってまいりますと、先行投資をやってそこに企業が来ない、ますますもって財政的にも苦しくなる、こういう悪循環を生むと思います。したがって、業界筋と新産業都市の計画との関係は、どういうふうに不即不離の関係で計画が組まれておるか、そうしてその見通しというものはどういう状態になっておるのかということです。大体通産、経済企画庁にも関係いたしますので、関係各省から来ておられる方は答弁願いたいと思いますが、大体各地区に対してはこういう企業が行くのだというあらかたの計画案というものをお持ちなのかどうかということをひとつお尋ねいたしたいと思います。
○柴田政府委員 企業誘致条例につきましては、在来から私どもといたしましては、こういう条例を設けて税金をまけるという形ではなくして、むしろ工場が来ることによって、必要となる道路の整備とか、いろいろな施設、工場周辺の環境の整備というようなものに相当額の金を投下する、こういう形のほうがむしろ望ましいという指導をやってきております。したがいまして、この辺のところがいままで乱れておったのでありますが、新産業都市建設促進法には、ある程度の租税の減免をむしろやる、そしてそれについては交付税でもって措置をする、こういう仕組みになっておるわけであります。したがいまして、この新産業都市建設関係の租税関係とこれに対する補てん措置というものについては、一応新産業都市建設促進法の線に沿って措置さるべきものである、それ以外の工場誘致条例というものはなるべくやめることに指導する、こういうことで従来きておりまして、今後もその方針には変わりございません。 それから、企業誘致の問題につきましては、私どものほうの所管ではありませんけれども、この新産業都市建設計画の中では、大体地元が考えておりますものとの間の調整をつけて、それぞれの達成目標がきめられておる。ただ具体的にどの企業をとるかということは、地元の思惑があるかもしれませんが、具体的には明らかになっておりません。その点は実は今後におきます新産業都市建設事業というものを進めていく場合に一番大事なことでありまして、今後この計画を実行する場合につきましては、やはり政府関係各省で非常に緊密な連絡をとってその辺遺憾のないようにしてやらないと、たとえば岡山の水島地区のような問題が起こりはしないか、こういう心配を私どもしておるのであります。したがって、この点につきましては今後とも十分遺憾のないように措置し連絡を密にしてまいりたいと考えております。
○藤田(高)分科員 私、けさ個人的に経済企画庁と通産省に対しては、この関係がありますので、出席を要求しておいたのですが、お見えになってないようでありますから、これはしかたがありません。また何らか適当な機会にお尋ねすることにいたしますが、どの質問もたいへん中途はんぱで、私自身も残念に思うわけですけれども、先行投資が行き過ぎたとか、あるいはむだな財政投資をやったというのは、やはりこれは政府と自治体と業界と、こういうものの間に完全な話し合いができて、計画的な調整がなされた上で都市づくりをやらないから、こういう事態が生まれておると思う。この点はひとつ関係各省の間で、いま私が指摘したような点を、がちっとこの計画案に見合って調整する。そうして石油化学なら石油化学をここへ誘致するという計画案を政府が承認した以上は、政府の責任において、ここへはたとえば川重だったら川重が行く、ここへは住友化学が行くなら行くと、やはりこういう業界とのはっきりした話し合いをつけてこの新産都が前向いていくようにやってもらいたい。この点はひとつできるだけ早い機会に、いまの業界筋は鉄鋼、石油化学にしてもそれぞれ計画を持っておるわけですから、その計画の中で新産都計画と業界の計画というものをがちっと合わすように計画案をつくってもらいたいと思うわけであります。 時間がありませんので、もうこれでやめますが、企業誘致条例の問題については、いままでも指導してきたというのですけれども、今日この企業誘致条例というものは全く誘致手段としての効力を発揮してないと私は思う。これは非常に悪い言い方ですけれども、どこもやってないときに、おれ方の県だけが、わし方だけの市がこういう企業に対して誘致条件をつくっておるのですから、ここへ会社をつくってくださいという場合は、これは政策手段としてある場合には効果があるかもわからぬ。しかし、全国の、もう大体工場の来るような市町村、県は全部軒並みにやっておるのですから、これは何もそういう意味の効果がなくなって、全く悪循環が悪循環を生んでおると私は思うのです。これはどこでもそういうことをやれば効果がない。喜ぶのはだれかといえば、大資本家だけです。私は自治体が今日の財政事情の中で特定な企業にそこまで財政援助をするようなことはやる必要はないと思う。いわんや所管省としての自治省はこういうむちゃというか、おろかなことについては即刻やめさせるような行政指導をやってもらいたいと思う。これは強く要望したいのですが、この点については、委員長も時間を若干考慮していただきましたが、私は私なりにこの新産都問題と地方自治体との関係で一生懸命質問さしてもらったのですが、せめて一つぐらい、これは冗談じみたことを言ってたいへん恐縮ですが、おみやげではないですけれども、その程度のことは、私は地方行政、地方自治という立場から見て無理な注文じゃないと思う。この企業誘致条例をやめさす、この点についての見解をひとつ大臣からお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。
○吉武国務大臣 御意見の第一の工場誘致について、ある程度具体的に結びついていくべきであるという御意見については、私全く同感だと思います。ただ、それが全部が全部そうできれば非常にいいのでありまするけれども、なかなかそうもいかないので、大体こういう工場を誘致しようというようなところでいわゆる先行投資をし、それが見込みが違ってくるというようなところがあるのでありまするけれども、企画庁で大体の、どこそこの新産都市はどういう種類のものをということを立てておりますけれども、さらにそれを具体的に、どこの会社をどこに誘致するほうが望ましいというような、もっとこまかい、掘り下げた一つの計画といいますか、あっせんといいますか、これは私はぜひ必要ではないか、かように存じております。 それから第二の、例の企業の固定資産税の減免の点でございますが、いまお話しになったように、今日の段階ではもうあんまり価値がないじゃないかという点も私はごもっとものように思いますけれども、この工場を誘致する新産都市にいたしましても、聞くところによりますと、いろいろの設備投資をしておりましてもいざとなるとなかなか来ないという事情もございますので、いまこれをすぐやめるとなると、苦心をしておるときにまたそれでない苦心をするということになりますから、慎重に考えながら御意見の点をひとつさらに私どもといたしましては研究をさしていただきたいと思います。
○藤田(高)分科員 その点、大臣のそういう御答弁であったわけですが、もうすでにこの点は、三十年でございましたか、自治省としても通達を出しておるくらいですから、その後の条件というものはずっと変わってきております。きょうは時間がないので、私は省略しましたが、厳密な意味からいうと、地方税法の六条、いわゆる公益上云々という、はたしてこれが公益上の概念に該当するかどうかという税法自身の問題にも私は問題があると思うのです。そういう点から、大臣の慎重に検討してというその御答弁の中には、私の見解というものも十分ひとつ生かして行政指導をやろう、こういう御趣旨だというふうに理解をして、ぜひまたそのようにしてもらいたいということを強く要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
○相川主査 次に、大原亨君。 大原君にお願いしますが、持ち時間は、大体四時二十分ごろまでにひとつ……。
○大原分科員 私はこれから、地方住民の負担の問題につきまして、地方税につきまして若干と、それから国民健康保険その他の問題につきまして質問いたしたいと思います。 その前にちょっとお聞きしておくのですが、大蔵省の主計官でもだれでもいいですが答弁していただきたいのです。 〔主査退席、井村主査代理着席〕 御承知のように、いま九・五%の医療費値上げで、主として政府管掌健康保険で健康保険法が問題になっております。その他各共済組合健康保険、船員、日雇い、国民健保その他で全体的に大きな問題になっておるのですが、公務員の非現業の共済組合の被保険者の負担の問題ですが、たとえば健康保険法では総報酬制や薬価の本人半額負担、二千円頭打ちというふうなのをやっておるわけです。地方公務員の問題にも関係がありますから申し上げるのですが、地方公務員、国家公務員の非現業の共済組合について、国の場合においてはそれに準ずるような改正案を大体どのようにお考えであるか、これは地方公務員に関係いたしますから、国家公務員のほうを先にお聞きいたします。
○船後政府委員 ただいまの御質問は、健康保険法の改正に関連いたしまして、共済組合の医療給付の問題がどうなるのかというお尋ねでございます。これにつきましては、現在の国家公務員共済組合法の第五十五条の第二項に、健康保険法の第四十三条ノ八の規定を準用いたしております。したがいまして、この四十三条ノ八という規定は、現在の健康保険法における一部負担金の規定でございますので、薬剤自己負担の規定が健康保険法のほうにおきまして改正に相なりますれば、国家公務員につきましてもこれに準じてやる、そういうことになるわけでございます。 それから、総報酬制につきましては、現在も保険料算定の基礎となる賃金の算定方法につきましては、健康保険法と国家公務員共済組合法とは、そのやり方を異にいたしております。これを健康保険法におきましては、現在の標準報酬月額制から総報酬制に改める案を考えておるわけでございますが、これは技術的な問題でございますので、このほうは、国家公務員共済組合法のほうでは採用しない、こういうことになろうと思うわけでございます。
○大原分科員 地方公務員も同じですか。
○船後説明員 地方公務員のほうは私どもの所管でございませんが、おおむねこれに準じたような取り扱いになるのではないかと存じます。
○佐久間政府委員 地方公務員共済組合につきましては、国家公務員共済組合に準じて考えるようにいたしてまいりたいと思っております。
○大原分科員 それでは薬価の一部負担二千円頭打ちについては、健康保険法の四十八条を準用してやるということですが、保険料の負担については、これは法律上関係ないわけですか、あるいは政策上関係ないわけですか。あるいは総報酬制でないとすればどういう方法をとるのですか。保険料率を上げるのですか。
○船後説明員 現在国家公務員共済組合法におきましては、保険料算定の基礎になる賃金はいわゆる本俸でございまして、これを基礎といたしまして、長期の掛金のほうは年金給付に要する費用でございますが、短期のほうも同様でございまして、毎年毎年の短期の収支を見込みまして、これは連合会ではなくて、各単位組合ごとに毎年度の収支に従って、毎年保険料率を再検討し、これを引き上げあるいは引き下げということをとってきておりますが、四十年度につきましても、従来と同様、四十年度の給付に要する費用の見込みというものを算定いたしまして、それを収支相償うように保険料率がそれぞれ単位組合ごとに決定される、こういうことになると思います。
○大原分科員 一般的に国家公務員は保険料率が幾らにつきますか、つまりそれは基本給ですから超過勤務とかあるいはボーナスは入っていないわけですね。料率は幾らにつくのですか。
○船後説明員 これは各組合ごとにそれぞれの事情がございまして、その年度に要する費用の見込みというものを計算するわけでございますから、これから各組合のほうで作業される、こういう段取りになっております。
○大原分科員 ついでにお尋ねするのですが、大体大まかな点は厚生省が握っておると思うのですが、現業のほうも、いまお話のように国家公務員、地方公務員に準じてやるのですか。
○船後説明員 現業の中でも国家公務員である五現業でございますが、これは共済組合に関しましては、非現業と同じ法のもとにございます。それから三公社につきましては、別に共済組合法があるわけでございますが、従来の例から申しますれば、おおむね国家公務員と同じような運用をしておるという実情でございます。
○大原分科員 それではこれは時間の関係で、あとに時間があれば、地方公務員の共済組合法の改定に伴う問題につきましては、質問をいたしたいと思います。 それでは次の質問に移りたいのですが、住民負担の問題のその一つは、地方税におきましては、御承知のように住民税が地方税法の三百十四条の二の一によりまして、本文方式とただし書き方式が現在行なわれておる。本文方式に完全に移行するのは昭和四十年であるかと思います。昭和四十年からは本文方式に全部なりますか。
○細郷政府委員 昨年地方税法の改正によりまして、三十九年、四十年の二ヵ年にわたりまして課税方式の統一と標準税率制度の設定をいたすべく措置をいたしております。四十年度には全市町村が本文方式による標準税率制度の課税方式をとる、こういうことになっております。
○大原分科員 それで質問するのですが、昭和三十九年の住民税の課税最低限は幾らですか。それから昭和四十年は幾らになりますか。
○細郷政府委員 三十九年までは両方式がございまして、ただし書き方式のところもございますし、またそういう市町村におきましては、扶養家族等の税額控除が、法律は標準だけを示しておりまして多少の違いがございますが、概括的に申しまして、ただし書き方式では標準世帯で約三十一万円、それからこれが本文に移ってまいりますと約三十七万円、こういうことでございます。
○大原分科員 昭和四十年はどういうふうになりますか。
○細郷政府委員 昭和四十年がいわゆる本文方式に移りますので三十七万円ということになります。
○大原分科員 これは大臣にお聞きしてもいいのですが、国の所得税の課税最低限は、標準家族で初年度が五十四万四千円であります。それから住民税のほうの課税最低限が、本文方式で標準家族におきましては三十七万円です。これは税の負担の均衡、公平の原則からいって、これはおかしいのじゃないですか。改正する意思がありますか、どうですか。
○細郷政府委員 大臣がお答え申します前に私からちょっと申し上げたいと思います。 所得税も住民税も、個人に関しましては、御承知のように所得に対する課税であるという意味におきましては税源が同じでございます。しかしその両税の間には、おのずとそれぞれ性格の相違がございますので、課税のしかたあるいは負担の求め方に両税の性格の相違があらわれていいのではないか、こう考えております。住民税は御承知のように、小さな地域団体におきます経費を住民が分かち合って負担をしていくというような性格からいたしまして、幅広くそしてまた累進度をゆるめた負担のしかたをしてもらおう、こういったような考え方でございまして、その意味合いから課税最低限につきましても、所得税と住民税とにはそういった差異ができる、この点につきましてはいろいろ税制上も従来から議論のあった点でございますが、昨年も政府の税制調査会におきまして慎重に御審議をいただきました結果、やはり両税の性格の相違による措置は当然であるといったような答申も実はいただいておるのでございます。
○大原分科員 累進率がゆるやかになって比例制になってくるとそういうことになり、最低限が五十四万四千円に比較して三十七万円はうんと低いということになりますと、低所得階層に地方住民の税の負担がのしかかってくる。そういうことになって、ひずみを拡大する、格差を拡大していく、こういう結果にならないですか。結果としてそういうようにならないですか。
○細郷政府委員 そこで同じ所得に対する課税は、所得税と住民税とを合わせまして、負担が縦に均衡をとれていく、すなわち高所得者と低所得者の間で均衡がとれていくかどうかといったような考え方を将来していくべきである、そういう意味合いにおきまして、住民税の現在の課税最低限にいたしましても、所得税と違いましてここ三、四年据え置きになっておりますので、それらの点について政府の税制調査会の答申では、四十一年度以降にこれを検討するようにという答申をいただいておりますので、政府といたしましても明年度のことではございますが、十分にこの一年研究さしていただきたい、かように考えております。
○大原分科員 物価が上がって貨幣価値が下落して、名目所得が増大をしていって税率を三年も四年も固定化しておきますと、これは低所得階層が負担がひどくなるわけです。市町村の財政力によってうんと差が出てくるわけです。不公平になってくるわけです。これは配分するわけにはいかないわけです。だからこの方針がいいということはないわけでしょう。だからいまの方針は誤っておる、いまの方針は是正しなければならぬ、そういう方針で来年以降の税制について、総合的な地方財政を考えた上で検討なさるのですね。これは大臣から御答弁いただきます。
○吉武国務大臣 これはいろいろと実は検討されたようでございますが、先ほど局長から申しましたように、税制調査会におきましても今年度はこれでいこう、将来検討しようということになっております。御説ごもっともではございますけれども、今日の地方財政の状況等から見まして、ちょっとこれ以上の減税をするということは無理でもございましたので、今年度はこのような方針をとったわけでございます。将来の問題として検討したい、かように存じます。
○大原分科員 つまり最低生活に食い込むような税金は、いかなるものであっても悪税であります。その上に、所得の能力に従って税金を納めるのが、公平な税制であります。これは保守党であろうが革新政党であろうが、公平の原則であります。そこが税金が持っておる所得の再配分であり、その中からいろいろな施策をやっていくのが普通であります。厚生省の栄養研究所などの調査によりますと、たしか標準家族では年間五十六万円が最低生活であるというふうに出たと思う。それで所得税につきましても、初年度の五十四万四千円、私ども非常に不満足だが、そういう数字が出ておるわけだが、住民税でそれ以上に税金を取っていくというようなことは、これは自治体によって固定資産その他の関係で違いますが、これは改正すべきものである。放置すべき問題ではない。そういう意味において、国務大臣として、あるいは自治省の大臣として吉武大臣から、もう一回将来のあるべき姿について御答弁をいただきたいと思います。
○吉武国務大臣 先ほど申しましたように、将来としてはそうあるべきだと思うのでありますけれども、目下の状況といたしましてはなかなかそうもいきがたいのでありますし、税制調査会におきましても四十一年度において検討しようということになっておりますので、その際にもう一度検討してみたい、かように存じます。
○大原分科員 それから住民負担の公平という点から、国民健康保険税について質問を続けていきたいと思うのですが、地方税法の七百三条の三に規定してございますけれども、何を基準にして国民健康保険税を課しておるのか、的確を期するためにそういう点を御答弁いただきたい。
○細郷政府委員 地方税法の七百三条の三に目的税としての国民健康保険税の賦課のしかたが書いてあるわけでございます。御承知のように療養費の支給に要する費用の見込み額、それから一部負担金の総額の見込み額を控除した額の七割五分に相当する額を、その市町村におきます賦課総額といたしまして、その賦課総額を市町村内の国民健康保険の世帯並びに被保険者に対して割り振りをいたすわけでありますが、その割り振りのしかたに三つの標準的な方式が法律上きめられておるわけであります。一つは所得割りの総額、資産割りの総額、それから均等割り、こういった分け方で、それぞれその割合が法律に書いてあるわけでございます。また第二には所得割りの総額に均等割り額を加える。第三には所得割りの総額に均等割りの加え方をさらに被保険者だけにするといったような方式によることができるようにきめられておりまして、各市町村がこれによりましてそれぞれの方式を選択いたすことになっております。
○大原分科員 つまり簡単にいえば均等割りと所得割りによって国民健康保険税を国の負担分以外について充足をしていく、こういうことだと思いますが、その所得割り以外の均等割りの場合に、被保険者、すなわち世帯主ですかを単位にする場合と、世帯全体を単位とする場合、こういうふうにあると思うのですけれども、各市町村における実態はどうなっているのですか。
○細郷政府委員 三つの種類が法律上あげられておりますが、比較的多く採用されておりますのは第一の方法によるものでございまして、それによりますと、先ほど申し上げました賦課の総額の半分を能力割り、半分を均等割りという制度でございます。その際に法律に示されておりますのはその能力割りの半分が一いわゆる全体の半分を能力割りに充てるわけでございますが、その百分の五十のうち、所得割りの総額に按分するものが百分の四十、資産別によりますものが百分の十、合わせて百分の五十、あと残りの百分の五十を均等割りにさせるわけでありますが、そのときに百分の三十五が被保険者の頭割り、あとの百分の十五が世帯別の均等割り、こういうことで均等割りのほうも合わせて百分の五十、こういった制度でございます。
○大原分科員 そこにいろいろ問題があるのですが、私は一つ質問いたします。それは出かせぎに行きましたり、あるいはその世帯員の中で二男、三男、長男も、あるいはおやじまで含めて、他の職場において、社会保険、政府管掌保険その他を負担をしている人がありますね。そういう人々はいまのような方式でまいりますと、保険料をダブって負担することになりませんか。
○細郷政府委員 制度上はそれぞれダブらないような仕組みになっておりますから、あとは実態の確認の問題であろうと思います。ただ家族の一人が出かせぎに出ていったというような場合には、なかなか実態が把握できないわけでございまして、そこらについてはなお制度の適正な運用に期する面が残っているかと思います。
○大原分科員 運用上の問題という場合に、たとえば出かせぎにいって日雇い健康保険や社会保険、他の政府管掌保険、組合管掌の健康保険等に入っている、あるいは兼業その他で入っている、こういう場合に、そういう人の所得は除いてこの国民健康保険の基礎データをつくっていく、これが正しい方針である、こういうふうにお考えですか。
○細郷政府委員 原則的にはそのとおりでございます。
○大原分科員 そのことは実際にやられておるのですか。
○細郷政府委員 そこで先ほどもちょっと申し上げましたように、家族の一人が出かせぎに行っているといった場合に、その出かせぎの期間にもよるわけでございますが、多くの場合、なかなかその都会に出ておるとか、あるいは他府県に出ておるとか、他の市町村に出ておるといったような実態が、把握できない場合があるわけでございます。あくまでもその世帯主の扶養家族の実態である家族構成員であるかどうかといったような問題の現実での技術上の認定が、この制度の適正な運用に資する問題になろうかと思います。
○大原分科員 その点はよく趣旨が徹底するように、皆保険というのは一つ一つ積み上がってきましたから、全体として見ますと不合理な点がたくさんあるわけですから、それでなくてもそういう低所得階層、勤労階層の負担が不公平であるという点が問題ですから、その点は十分ひとつ留意をしてもらいたいと思う。これはやられていないところがたくさんございます。 それから、一つお尋ねするのですが、国の所得税を払っていない人で国民保険税を払っている人の率、あるいは住民税を払っていない人で国民健康保険税を負担をしている比率、これはなかなかむずかしい数字ですが、前のものはともかくとして、あとのものは、住民税を払っていない人であって、しかしながら国民健康保険税を払っている、こういう人は大体どのくらいあるか、御調査の資料がありますか。これは厚生省でもどっちでもよろしい。
○細郷政府委員 御質問にぴたりの数字を実は手元に持ち合わせておりませんが、御参考までに申し上げますと、いま所得税の納税義務者数は約二千万、それから住民税は均等割りまでを加えますと、納税義務者数が二千九百万、それからちょっと時点がずれますが、三十八年度の国民健康保険税の納税義務者数は七百六十六万、その被保険者数は三千二百八十三万、こんなような実情でございます。
○大原分科員 所得税の昭和四十年の免税点が標準家族で初年度五十四万四千円、それからいまの御答弁で、住民税の課税最低限が、標準家族で三十七万円、さらに住民税を払っていない人が地方税法のこの条項によって国民健康保険税を圧倒的に払っておる。私の手元の資料によると、年二十万円以下の所得の人が五四%ほど国民健康保険に加わっておる。それから年六十万円以下にいたしますると、これは九五%になる。九五%は六十万円以下の人である。五十四万四千円という数字はありませんけれども。そういうふうに圧倒的に国民健康保険は低所得階層が多いわけであります。その人が国民健康保険税を負担をして、これを払わなければ、やはりこれは差し押えの対象になる。国税通則法によって取られるでしょう。そういう対象になっておると思うのです。ここにも私は貧乏人いじめというか、ひずみを拡大させる大きな問題があると思うのであります。これが今日国民健康保険財政、担税能力をめぐって非常に大きな地方自治体における問題になっているのではないか。これが私は問題の一つの本質であるというふうに思うわけであります。その点は皆保険下においては、私は当然にこれは税金の一種というふうに考えて、将来改善すべき問題である、こういうふうに考えますけれども、これは大体答弁は予想できますけれども、前向きのこれに対する見解をひとつ示してもらいたい。これは大臣でしょう。局長ではとてもできないかもしれない。
○吉武国務大臣 お話のように国民健康保険につきまして、保険料というものの負担が相当になるという点は、御指摘のとおりでございます。しかしながら、こういう保険制度におきましては、やはり保険料の受け持つ分野においては、それぞれ保険料を負担してもらわなければなりません。将来の問題として、これらの国保の制度というものをどういうふうにしたらいいかということも、社会保障制度審議会等では検討されておる問題でございまして、将来の問題としては検討すべきものがあると、かように存じております。
○大原分科員 いま九・五%の医療費値上げをめぐって、これをどういうふうに分担をしていくか、国民が負担をするか、こういう問題、あるいは組合管掌の健康保険や、あるいは共済組合関係の各種の保険、共済組合の短期給付、そういう比較的給与の安定をしている問題についても、総医療費の増大で薬価負担等の問題はあるわけです。その他国民健保、政管健保、日雇い健保というのは、これは低所得階層であります。これは時間があればあとで十分議論をすればよろしいわけですけれども、低所得階層ほど貧乏と病気はつきものであります。いろいろな資料を見てみましても、受診率その他の問題等にいたしましても、特殊な傾向を示しておるわけであります。したがって全体皆保険で、各種の健康保険を統合するという案もあるけれども、総合的に調整しようと思うと、先ほど申し上げたように日雇いや政管や国民健保に対して、政府の支出を厚みをかけていく、国庫負担を思い切って増大をしていく、そういうふうにして、今回のたとえば社会保険審議会やあるいは中医協の問題や、社会保障制度審議会の問題でも健康保険法の問題でも、そういう問題を解決しなければ絶対に解決できはしません。今回この健康保険の問題は、政府の命取りになるかもしれませんよ。その際における問題は、国の負担をしないでおいて、医療費の値上げを一方的にやって、そうしてこの負担を一方的に国民に転嫁をしている。これはきわめてひずみを拡大する形になっている。私は税の面から申し上げたけれども、そういうことになっておるということが、大きな政治問題であります。したがって当面の事態を救済するためには、やはりそういう低所得階層に対する国の支出を増大をして、そして国民健康保険財政のアンバランスを、負担能力に応ずる負担というもので均衡をはかっていく、こういう所得再配分の社会保障的な考え方で一歩前進をするということが、当面の政治情勢を打開する道だ、これ以外にないと私は思う。これについてはその日暮らしではいけない。厚生大臣の責任は別に追及するとして、これは厚生大臣だけを追及してもしようがない、こういうふうに思うわけです。国民健康保険の分野における国庫負担の増大、こういう問題については、地方財政の現状からも、地方住民の負担能力からいっても、さらに思い切った措置をとるべきではないか。こういう点につきまして大臣の御答弁をひとついただきたいと思うのであります。
○吉武国務大臣 先ほど申しましたように国民健康保険制度の現在におきましては、医療費の値上げという問題につきましては、それぞれの分野において、国の負担については国の負担で見る、それから保険料で見るべきものは保険料の中において見る、自己負担の面は自己負担の面で見るということよりしかたがないのではないかと思います。まあ九・五にしたのはどうかという問題はあるかもしれませんが、しかし一方において医療費というものが相当上がっておりまするので、やむを得ず上げなければならなかったかと思うのであります。ただ問題は、国民健康保険の将来の問題としてどういうふうにしたらいいかという問題は、いま御指摘になりましたように、いろいろの保険制度があるこの保険制度を、どういうふうにしたらいいかという基本的な問題も論議されていることでもございまするし、将来の問題としては、これは厚生省のほうで社会保険としていろいろと御検討があるかと思いますが、自治省といたしましては、現在あります制度の上においてやっていただくよりしようがない、かように存じております。
○大原分科員 それは保険は保険であるという考え、従来からの考えですが、しかし、大蔵大臣だって細々ながらでも、少しずつつけておるわけであります。一月から三月まで、四月から六月まで、目くそばかりのものをつけておって、大きな顔をしているわけでありますが、それはともかくといたしまして、とにかくこれから自治大臣は地方住民の、あるいは地方財政のそういう観点から考えるならば、厚生大臣だけでなしに、国民健康保険が皆保険下で、全体の中で地域保険としてどういう役割りを果たしておるか。こういう点について、十分留意されて、今後の事態収拾に当たってもらいたい、そういう点を私は要望いたしたいのでありますが、その点について重ねて大臣の御答弁をいただきたい。
○吉武国務大臣 いろいろ国民健康保険については御意見があろうと思いますが、自治省としては現在あります保険制度において、善処していただくよりしょうがないのでありまして、将来の問題といたしましては厚生省を中心といたしまして、どういうふうにするかという問題はあろうかと思います。私も国民健康保険の現在のあり方については、いろいろと考えさせられる点もございますけれども、しかし私の自治省としては、目下のところ現在の制度というものがあります以上は、その制度の上において健全化をはかるよりしょうがないのではないか、かように存じております。
○大原分科員 大臣は近く参議院に出られるのでしょう。参議院選挙が済んでから後のことまでは言わぬというつもりかもしれぬが、そういうことでなしに、やはり政治家として、国務大臣として、当面の事態をどういうふうに切り抜けていくか。医療保障をどのように前進させるかといえば、これは大きな責任があります。 それから私はこういう点があると思うのです。つまり農山漁村僻地の医療が問題になっている。もちろん農山漁村では三ちゃん農業だとか、一ちゃん農業だとかいうことを最近言い出したけれども、年寄りとか病人とか退職者、退職して農村に帰る。そういう退職者等が農村におって、そうして十代、二十代の働き盛りがみな都会に行って税金を払うわけだ。担税能力がないところで、しかも病人をかかえるような、そういう負担の多い状況にあるから、いまや国民健康保険制度は全く返上論が出るくらい、瓦解寸前にある。ひずみの是正どころではない。社会開発どころではないのです。政治における最低の責任であるところの医療の問題が、全くなおざりになっておる。僻地へ行けばお医者さんがないものだから、医療機関がないものだから、機会均等をはかるわけにいかない。保険料だけは税金と同じで差し押えて取られる。取られたものが最低生活に食い込む。そういう矛盾を一ばいかかえておるわけですから、これについては保険であるとはいいながら、自分で属して自分で助け合うのだ、相互扶助であるとはいいながら、これは社会保障なんですから、いまや全体の保険の調整が問題になっているように、この問題については担税力、負担力、病気の実態、健康の実態、そういうことからいっても、これは抜本的に考えなければいけない。そういうときであるというふうに私は考えるのですが、大臣、いかがですか。
○吉武国務大臣 御指摘のように、現在の国民保険制度のいまのようなあり方でいきますと、農山漁村は農山漁村だけでまかなっていくということは、非常に苦しいだろうと思います。この点は先ほど申しましたように、もうつとに社会保障制度審議会等におきましても検討されているところでございまして、小さい市町村の単位にしたらいいのか、あるいはもっと大きい範囲の単位にしたらいいのか、 〔井村主査代理退席、主査着席〕 また他の保険との関係をどうしたらいいかという点がございまして、厚生省におきましても、おそらくは検討される問題だと思いますが、いま自治省としてこれについてどうするという考えはございません。
○大原分科員 それでひとつお尋ねするのですが、これは厚生省でもいい。昭和三十九年度の療養給付費の国庫負担の不足額は、つまり総医療費がふえたために、定率の国の補助二割五分、特別調整交付金を除いて二割五分、それの不足額が出ておるはずであります。一体幾ら不足額があって、これはいつ払うつもりか。
○信沢説明員 ただいまのお話でございますが、お話のように医療費が当初予算に見積もりました予算より、だいぶふえておるわけでございます。したがいまして、いまお話の幾ら不足かという問題は、医療費の上昇が幾らであるかという推計にかかわるわけでございます。これはなかなかむずかしい問題でございまして、特に私どもの場合、たくさんの市町村でやっております関係上、資料その他が不備でございますので、正確な推計をいたしかねますが、現在のところ、私どもが最小限度というふうに考えられますのが、約六十六億円で、ございます。
○大原分科員 各市町村の持ち出しは、昭和三十九年の推定は幾らでしたか。保険料を二七%平均値上げしておりますが、その残りで持ち出しは幾らですか。
○信沢説明員 けさほど滝井先生の御質問にお答えいたしましたように、本年度の市町村の一般会計からの繰り入れば約七十五億円程度というふうに、現在の段階では推計をいたしております。
○大原分科員 つまり七十五億円の持ち出しがある上に一これは自治大臣、直接関係があるからあとでまた質問いたしますが、七十五億円も市町村が持ち出しをしておる。保険料の値上げは限界にきておるから、持ち出しをしておる。その上に当然国が国民健康保険法によって助成すべき金額が六十六億円も穴があく。実際には保険財政のやりくりというのは、その日その日で出ておるわけです。そういうことでやりくり算段ができない。こういうふうに火の車であるというのが、いまなお市町村の実情であると思うのです。その点については大体いつをめどに払うのか、清算するのか。あるいは概算払い等をいたしてもかまいはしない。概算払いをしてあとで清算すればいいのですから、そういう点をすみやかにやる必要があると思うのですが、いつやるのですか。
○信沢説明員 ただいま申し上げておるお話は、本年度の予算の不足額であります。したがって予算がなければ概算払い等もいたしかねますので、事務的に申し上げますれば、補正の措置等を講じていただかない限りは、この点の補てんができないのであります。
○大原分科員 大蔵省にお尋ねいたしますが、大蔵省はその措置についていつやるのか、補正についてはいつやるのか。
○船後説明員 国民健康保険に関する医療費給付金補助の問題でございますが、先般の第一次補正におきましては、九・五%の医療費アップに伴う国の補助として三十一億円出しております。それ以外に医療費の増高傾向がございまして、ただいま厚生省の話ではかなりの不足が見込まれるということでございますが、三十九年度につきましては財源がございませんので、目下のところでは第二次の補正をする予定はない、かように私ども承知いたしております。
○大原分科員 市町村はその七十五億円を持ち出しておいて四苦八苦して、市町村議会その他みんな苦労してやっておる。しかも九・五%は除いて、医療費の増高に伴うて当然法律に従って最低二割五分、調整交付金はその上へ積むわけだけれども、当然出すべき金が六十六億円も穴があいておる。しかもそれを助成する見通しがないとは、一体何事だ。そんなことがあるのか。この国会中でも出すべきじゃないですか。法律に従った当然の支出なんですから、予備費その他から出すなり、あるいは足りなければ補正を組むなりして、当然出すべきじゃないですか。予算が全部使われてしまったということだけれども、その点について見通しがないということはおかしいですよ。自治大臣は自治体の財政ということから考えても、この点については政府としてははっきりした態度を示さなければ、これはあとでまた議論するけれども、たいへんなことですよ。合計いたしましたら百三十数億円にもなるような、そういう当面の資金工作だけでもやらなければならぬ。いかがですか。
○吉武国務大臣 御指摘のように当然払うべきものが不足して、百三十億程度あるということも聞いておりまして、厚生大臣にもできるだけ早く、これを予算化するようにという話をしているところでございます。ただいま大蔵当局から話しておりますように、財源がなかなか見つからないというので、いまのところまだ目鼻がついておりませんが、これはできるだけ早く補正予算といいますか、予算化していただきたい、かように存じておるわけでございます。
○大原分科員 おかしいじゃないですか。大蔵省に聞きますが、大蔵省はどうするのですか。当然これは支出すべきものですよ、この六十六億円は。昨年の予算編成以来、問題はわかっておるはずなんですよ。大体厚生省はけしからぬのだけれども、そういう保険財政の実態について、全然国民に明らかにしないでおいて、ばばっと医療費問題を出して、中医協え押しつけているから問題になっておるのだ。そういう国民的な道義や世論を無視して、やるべきものも処置しておらぬ。こういうことについて見通しもないということ。これは、年度が改まって、来年度の予算でやってもらわなければならない。それまでも結局保険料その他から住民負担に転嫁されるということは許せません。だから大体いつごろ予算上の措置をするのだ、こういう目安について大蔵省は答弁してください。主計官でできなかったら、大蔵大臣を呼んできなさい。
○船後説明員 国民健康保険に対する補助金のうち、国庫が負担すべき経費でございますが、これにつきましては当然額の確定を待ちまして、精算の上、国が支出する、こういうことになるわけでございます。ただこれをいつするかという問題でございますが、三十九年度につきましては、先ほど申しましたような財源事情でございます。また四十年度の当初予算におきましても、国保関係の補助金の総額が千百九十五億円にも達しておりまして、これは前年の予算に比べますと約四四%の増でございます。このように国保につきましては、格段の予算的な措置ということに努力いたしておる次第でございます。
○大原分科員 それはやるのは必ずやる。やるけれども、いつやるかわからぬということですか。
○船後説明員 先ほど申しましたとおり三十九年度につきましては、目下のところ財源の見通しがつかない事情にある、かようにわれわれ聞いております。
○大原分科員 そういう場合に吉武国務大臣、地方では当然国が法律によって出すであろう、それ以上必要なものがたくさんあるわけですが、そういうものがいつ出てくるかわからない、来年度の予算を組まなければいけない、こういうときにあなたはその穴を何で埋めるのですか。時々刻々地方財政の負担になっているわけですよ。当面は大蔵省に話をして、厚生大臣と一緒に話をして、いまの質疑応答ではだめだから、私は大蔵大臣にやるけれども、当然このことはやるべきじゃないですか。そういうことをしておいて、しかも、いろいろ、あとで申し上げるような諸問題を、さらに矛盾を拡大するようなことは許せませんよ。どうしますか。
○吉武国務大臣 先ほど申し上げましたとおりに、これは当然国から出してもらう性質のものでございますので、ひとつ早く出すようにということを厚生大臣にも申しておるところでございまして、なかなか大蔵当局のほうでは財源がないからということで、むずかしいような話ではございますけれども、お話のように、これはできるだけ早く出すべきものでございますから、私のほうとしては督促をしているところでございます。
○大原分科員 私は要望しておきますが、これはこの予算委員会の審議中に、総括質問が済むまでにその目安をつけてもらいたい。このことは、私は党全体の問題といたします。きわめて重大な問題ですから。その点をひとつ善処をしてもらいたい。吉武国務大臣にひとつ決意のほどをお聞かせ願いたい。
○吉武国務大臣 これは厚生省の関係で、大蔵大臣に要求されるもので、ございますので、私のほうの自治省といたしましても関係のあることですから、側面からこれを督促しているような状況でございます。私はできるだけ努力をしておるところでございます。
○大原分科員 これはまたあした大蔵大臣に出てもらってやるけれども、この問題については吉武国務大臣もひとつ厳重に申し込んでもらいたい。 それから大蔵省に。いままでの午前中からの質疑応答を聞いていてふに落ちない点があるのだが、この国民健康保険というものは、市町村の仕事なんですか、国の仕事ですか。こういう点について法律上の見解を出していただきたい。
○信沢説明員 私どもとしては、法律的にはそういう概念が適当かどうか知りませんが、いわゆる国の団体委任の事務である、かように解釈いたしております。
○大原分科員 それはこの法律を見ればそのとおりです。国民健康保険というものはいまお話のとおり、国の事務を市町村に委任をしておるわけです。ここで仮定の問題を言います。市町村の議会その他において、いま返上決議とか返上論というものがあるわけです。市町村が返上しましたら、これは深刻な問題です。返上いたしましたら、国がかわってこの職務を管掌して、健康保険のことをやりますか。
○信沢説明員 法律をもって市町村がこの仕事の実施を義務づけられておりますので、したがって健康保険法のたてまえでは——お話は仮定の問題になりますので、その場合どうするということを、現在の段階で論議するのはいかがかというふうに考えます。
○大原分科員 仮定の質問には答えられませんか。君は大臣並みの答弁をするね。この問題は局長、大臣を呼んでこなければだめだ。それから国の事務であることははっきりしておるわけですけれども、ここで私お尋ねするのですが、国の事務であるならば事務費は六十九条に従って、全額を出すべきだ、それを自治体に転嫁するということはけしからぬじゃないか、こういう議論が成り立つわけです。けさからの議論を聞いてみると、そこがびしっとしていない。国の事務なんです。委任を受けた市町村が事務費についてまでばく大な負担をするということは、これは法律のたてまえからいっておかしい。(井村分科員「まじめな市町村は標準費でやっているのだから、浪費になってしまう」と呼ぶ)そんなことはない。それだったらちゃんと義務教育の国庫負担にしたところで、職員の給与その他負担したところで、地方公務員のそれについてはちゃんと見てあるわけだ。それを一人二百再事務費を出しておいて、実際上はけさからの質疑応答で明らかなように、三百円かかっておる。それを出さない、こういうようなことは私はおかしいと思う。法律違反ではないか。国務大臣たる吉武自治大臣に御答弁いただきます。
○吉武国務大臣 これは私、午前中にも申し上げましたように、事務費は国が持つということになっておりますから、国が持つべきだと思います。したがって四十年度の予算編成にあたりましても、従来の百五十円ではあまりに低いからということで、厚生省といたしましてもずいぶん努力をされ、私どもも側面から努力をいたしまして、大蔵省は百八十五円くらいまでということでしたが、なおさらこれを推進をして二百円にしたようなわけで、努力の点はひとつお認めをいただきたいと思います。まだ多少の不足の点はございますが、これも実は平均すればその程度ということで、それぞれの町村の実情に応じて、いろいろな差があるようでございます。でありますから多少事務費の不足に困っているような様子もございますので、これはだんだんと是正をして、私ども努力をしていくつもりでございます。
○大原分科員 事務委任した以上は、たとえば国家公務員の平均給与くらいは、地域によって差はあるけれども、人件費としてみて、そして事務費を負担すべきなんですよ。当然そうすべきなんですよ。二百円でやっておるところがあると、そばで言っておるけれども、あんなのはよほどむちゃくちゃな人間の使い方をしておるのだ。それはむちゃをやって、そういうことをやっているのであって、まともなことをやっているわけではないわけです。だから事務費自体を自治体が持ち出しをするというふうなことは、これは許せないことです。この点についてはまあ担当大臣は、厚生大臣も関係があるし、大蔵大臣も関係があるから、あなたに対してだけ言うわけではないけれども、しかしながらこれは市町村長がやっているわけなんだね。 それからもう一つは、いま担税能力の問題がアンバランスだというようなことを言いましたけれども、標準保険税というものを設定をして、そしてそれに必要な医療費の交付をしていく。そういういまの実態に即したような、そういう国民健康保険の財政の組み立てをすべきである、こういう議論が出ております。この点について吉武大臣はどういうお考えを持っておりますか。
○吉武国務大臣 そういう説も私承っておりまして、一つの考え方ではないかと思っております。したがいまして先ほども申しましたように、現在のこの国民健康保険制度というものが、いまのような小さい市町村の単位でいいかどうかという点も、社会保障制度審議会におきまして、もうつとに研究されつつある問題でございまして、それらの点をも勘案して、おそらく厚生省あたりでも検討されるのではないかと思います。ただいまの御意見は、私もそれも非常にいい考え方ではなかろうか、かように存じております。
○大原分科員 吉武さんから賛成の演説があったのですが、もう一つお尋ねするのですが、健康保険法の何条かに、都道府県知事の国民健康保険に対する指導上の責任について書いてあるわけですね。国民健康保険を市町村単位でやるということについては、いまや不合理が続出しているわけです。だから国の事務を市町村に委任をして、市町村に犠牲を負担させるというふうなことは、これは社会保障の観点からいっても、税収の上からいっても、限界に来ておる。爆発寸前である、こういうことになっておるわけです。そこで県に対しまして、強い要望がだんだん出ておるわけです。県が市町村全体のバランスをとるという意味において、これについて何らかの助成措置をしてもらいたい、こういう要望が市町村から出ておるわけであります。これにつきましては、どのように自治省としてはお考えですか。県知事が、都道府県が、市町村の国民健康保険に対して何らかの救済上の措置を——破産寸前にある、そういうところに対しまして措置をする、こういうことについては、よきやあしきや、賛成か不賛成か、こういう点について見解をひとつ示してもらいたい。
○柴田政府委員 府県が市町村に対しまして助成すること自身については、それ自体として違法とかどうとかいう問題はありません。しかしながら国民健康保険のたてまえから申しますならば、国民健康保険の危機を解消するのは、府県が責任を負うべきものではございません。それは国自身の、いままでるる御指摘がありましたが、そういう点の改善をして、市町村の国民健康保険の財政の改善につとめるべきものだと考えます。それが第一であって、府県がその役割りをになうということは、そういう意味合いから言いますならば、適当ではないと考えます。
○大原分科員 違法でない、ただし適当でないだろう、まず国が責任を果たせ、それを国がほったらかしにしているから、見るに忍びないということで、県知事がやるという場合がある。 それはともかくといたしまして、時間もだいぶ迫ってまいりましたから、私は原爆医療法、広島、長崎やその近辺の府県に関係が深いのですが、この医療法に伴って特別被爆者の制度があって、家族が五割負担であるならば、その残りを国が負担をするという制度があるわけであります。これは勢い、ただであるということだけでなしに、特別被爆者は放射能その他の被爆の関係で、健康を害しておるわけです。ですから治癒能力が劣っておるから、特別被爆者の制度によって、医療の保険の残りを見ていこう、こういう一つの制度があるわけであります。そうしますと、やはり病弱であるという点から、勢い総医療費がふえてくるわけであります。総医療費がふえるために、広島、長崎その他近辺の市町村の被爆者が散在いたしておるところにおきましては、国民健康保険に対する市町村独自の持ち出し分がふえているわけであります。私がここで数字を申し上げればはっきりいたしますけれども、千万円の単位でふえておるわけであります。それにつきましては、先般も自治省のたしか代議士に出られた前の財政局長も出席の上で、厚生大臣、大蔵省、全部で議論をしたことがあるのですが、これは国民健康保険の特別調整交付金で見ていこうということになったわけです。十分の八の限界で見ているわけです。しかしながらそれでもなお現実には総医療費が増大をする、そういうことで持ち出しになっておるわけであります。それに対して広島、長崎その他の関係市町村が持ち出しをいたしましても、自治省は基準財政需要額の交付税の対象にしないわけであります。私は原爆などというものは、それぞれ市町村自体だけが責任を持つ問題でもないし、あるいはその地域の住民の国民健康保険料を払っておる人が、全部で責任を持つべき問題でもない。これはたてまえからいって、そういうことはない。結核の予防法や精神衛生法の趣旨からいってもそうであるし、特別法の性格からいってもそうである。そういう点で、その財政措置についてこの際考えないこと、さらに余分の負担をするということに相なるのではないか。これはだれが考えても当然のことではないかと思う。これは地方交付税の対象とする。国民健康保険の財政措置の中でできないという問題があるわけですから、そういう対象として地方交付税その他で見ていくようなことをすることはできないかどうか、あるいは制度自体をこの際改めるべきときではないか、こういう二つの点があるわけであります。したがってその点につきまして、私はひとつだれでもよろしいから、これに対する——みんなうなずいているわけだから、これは否定できないわけだから、この対策についてお聞かせをいただきたい。
○柴田政府委員 その問題は、本筋から申し上げますならば、国民健康保険というものの性格から言いまして、調整交付金をもって措置すべきものと考えます。もし調整交付金額が足らなければ、その金額の足らないことを再検討すべきだと考えます。
○大原分科員 国民健康保険の調整交付金は、災害とかその他突発的な事項を頭に置きながらやっているわけであります。だからこれは恒常的なんです。特別被爆者がそこにおるからには、半恒常的なものであります。そこでその中で、特別調整交付金で何とかやっていこうということでやるほかにないということで、これは御努力に相なっておると思うのでありますが、十分の八の措置では、一千万円の単位で毎年出ていっているわけです。何らかの措置をすべきであろう、こういう点でございますが、あなたは専門家ですけれども、財政局長はいかなる措置をとるべきであるかということについて、具体的に大臣を啓蒙できるような御答弁をいただきたいと思います。
○柴田政府委員 結局私が申し上げましたのは、原爆による被爆者の保険料負担ということになるわけでありますが、その問題は国民健康保険のワク内で処理すべきものである限りにおいては、調整交付金でやるべきものであります。そういうものを国民健康保険の会計のワク外でもって措置するということになれば、別にそういうものに対してどのような措置を講ずるかということは、別途研究すべきだろうと思います。現在の制度的たてまえからいいますならば、調整交付金の制度の中でとるべきではなかろうか。それが十分とれないというお話でございますが、金額が足らなければ、金額の問題を検討すればいいのではなかろうか。それでどうしても現行制度のもとにおいて、金額の問題が片づかぬということであれば、現行制度の問題について再検討したらいいのではないか、こう思うのでございます。
○大原分科員 もっともらしい筋の通った答弁ですが、そこで厚生省の見解を伺います。
○信沢説明員 いまお話のように、私どもといたしましては、被爆者にかかる医療費のうち十分の八につきまして、特別調整交付金で補てんいたしておるわけでございます。したがって十分の二の部分につきまして、市町村の負担ということがあるわけでございますが、この部分につきましては、被爆者といえども国保の被保険者でございます。したがって所得の問題についていろいろ論議がございますが、これについては別途一般的な低所得階層に税あるいは料の減額の問題がございますが、やはり原則的には一部保険料あるいは保険税を負担していただく、こういうたてまえで考えるべきだ、こういうふうに考えております。
○大原分科員 これは一部国民健康保険で負担する。いまでも負担しているのじゃないですか。その負担が限界にきて、よそよりも多くなっておる。それから被爆者でない国民健康保険の保険料を払う人まで、その負担がかかってきておる。調整交付金を十分の八出してもらっても、なおこれは足りない、こういうのが広島、長崎のそういう市における保険運営の実態なんですよ。だから、いま財政局長の答弁のように、その限界をいまや越えておるわけです。これは当然じゃないですか。広島、長崎だけが被爆について今日まで、今日以降、ずっと保険料やあるいは財政上の負担をすべきではない、これは国の政策としてやっておるわけですから。その点については、これは財政上も制度上も検討すべきではないか。あなたにあまりそういう政治的なことを聞いてもわからぬけれども、その点、筋を私は言っておるのです。
○信沢説明員 お話のように広島あるいは長崎の保険料は、決して安いということを申し上げるつもりはございません。確かに一年前までは、全国的にもかなり高い部類に属しておったというふうに承知いたしております。最近、けさほどのお話にもございましたように、国民健康保険の医療費が一般的に増加いたしております。それに伴って、各市町村は保険料のかなりの引き上げをいたしております。したがって現在の時点でこの問題を見ました場合に、広島市あるいは長崎市が、異常に他の市に比べて高い保険料を取っているという状況にはないというふうに私ども承知いたしております。もちろん保険料、保険税の負担の限界というものは、むずかしい問題ではあるわけでございまして、なお取れるか、これが限界だとか、いろいろ議論の余地はございますが、少なくとも比較論から申しまして、いま申し上げておりますように、たとえば三十九年度の保険料等につきましては、必ずしも広島市、長崎市が一番高いというような状況ではないというふうに承知いたしておるわけであります。
○大原分科員 私が言っているのは、こういうことだ。数万の特別被爆者、広島、長崎を中心とする自治体では、特別被爆者は治癒能力も劣っておるから、勢い医療費がかさんでくるわけだ。その医療費は絶対量が他に比べて多いわけだ。当然なんです。資料が出ておる。ですから、調整交付金で負担に限界がある問題について、その分までそれぞれ関係地域の自治体が、保険料を支払う被保険者に負担させることはおかしいじゃないか、そういう点を私は言っておるわけです。ですから、そのたてまえからあなたは答弁しなさいよ。
○信沢説明員 いまお話のような事情がございますので、被爆者にかかる医療につきましては、十分の八まで調整交付金で補てんいたしまして、保険料の軽減をはかる措置をとっている、こういうことでございます。
○大原分科員 だから、そのことが物理的に足りないと言っているのだ。十分の八というのは限界にきている。だから事実上財政からも持ち出しになる、一般の持ち出しも加えてそういうことになる、こういうことです。 そこでこの問題は、さらに医療法の関係もあるけれども、私は総括的に言って、前年度の六十六億円の問題が議論になったけれども、その残りがなお補正の見通しがつかない、財源がない、こういうきわめて無責任な答弁である。このことは絶対に私は了承できない。予算委員として了承できない。この問題についてはすみやかにそれぞれの——吉武自治大臣は直接のなにではないけれども、それぞれ厚生大臣や大蔵大臣も来ていないけれども、これは後の分科会その他において追及するつもりだが、これは予算が済むまでに、この問題は全町村の非常に大きな関心のある問題なんです。いまの国民健康保険の財政からいって、大きな関心のある問題なんです。それから事務費その他についてはなお十分議論の余地はあるけれども、この議論を十分銘記されたいということと、それから特別の配慮をされておるけれども、特別被爆者にも十分の八で、さらに配慮する余地があれば研究してもらいたいが、なければこれをどうするかという問題を、自治省と厚生省と大蔵省は十分連絡をとった上で、これは考えてもらいたい。この三つのことを私は特に強く要望いたしておきまして、それで私の質問を終わることにいたします。
○相川主査 次に田口誠治君。 田口君に申し上げますが、大体三十分程度の持ち時間でひとつお願いいたします。
○田口(誠)分科員 大臣がちょっとおりませんけれども、数字の関係だから局長さんではっきりしておると思いますので、ずばり申し上げますが、三十八年度の国民健康保険の赤字が全国で百三十二億円、これは私の把握した数字ですが、三十八年度は大体この程度ですか。
○柴田政府委員 一般会計からの繰り入れを、その性質に従って、赤字と考えた場合の収支のしりが、つまり実質収支になるわけですが、それはお話のとおり百三十二億でございます。
○田口(誠)分科員 そこで三十九年度になりますると、三十八年度に赤字が非常に多かったので、三十九年度は保険料の吸い上げが各市町村とも非常に多くなっておるのだが、その内容をどの程度把握しておりますか。
○柴田政府委員 先ほど午前中に滝井さんから御質問があったのですけれども、年度の進行中でございまして、保険料の引き上げにつきましては、私どものところではまだ正確にわかっておりません。
○田口(誠)分科員 三十八年度は先ほどあなたがお答えになったが、三十九年度のはまだ集計できておらない、こういうことですか。
○柴田政府委員 さようでございますが、全額的には私どものところで実態をつかんでおりませんが、厚生省当局のお話によりますれば、大体平均で二六%程度の引き上げが行なわれているということでございます。
○田口(誠)分科員 自治大臣、これは重大な内容ですから、あなたに善処してもらわなくてはいかぬと思うのですが、三十八年度の国民健康保険の赤字が全国で概算百三十二億円、そこで三十九年度ではとても地方財政がまかない切れないというので、保険料を相当に引き上げておるわけです。その保険料を引き上げておる引き上げ額が、二倍半から多いところは三倍になっておるのです。こういう点は全然把握しておられぬですか。あなたの二五%と、私の言う二倍とか二・五倍とか、だいぶ開きがあるのですが……。
○柴田政府委員 私どもの手元では実は実態をいま調べております最中でございまして、まだ結果は出ておりません。私が申し上げましたのは、先ほど午前中の滝井委員の御質問に対して、厚生省当局から御答弁になったところによりますれば、大体二六%ぐらいの引き上げが行なわれておる、こういうことでございます。
○田口(誠)分科員 これはあとに岐阜県の場合を、各市町村のものを持っておりますから、見ていただけばわかりますが、二倍から二倍半、こういう保険料の徴収増になっておるのです。だからそうやらなければ、地方財政がやり切れないというのが実態であるわけです。そういう実態の中へ持ってきて、今度は厚生大臣が医療費を九・五%も職権告示をやって、このことで各市町村は非常に頭へきておるわけなんです。したがってそのことは文章なりあるいは行動において、政府なりあるいは与党、野党へ対しても陳情をいたしておるわけなんですが、今度の医療費の引き上げ等は、どう解決するか、これは最後のことでわかりませんけれども、いずれにいたしましても、現在ですら保険料を引き上げなくては、地方財政がまかない切れないという、この健保のために非常に困っておるという実態であるわけです。したがってこういう問題が事実あるわけでございますから、これが事実とした場合に、自治大臣は今後それをどう緩和していこうとされるか、これを承りたいと思うのです。それでいま事実とするなればと言いましたけれども、私は事実の数字を持っておるのだから、あとでお見せをいたしまするが、事実そういう引き上げを行なうておるのです。そうでないと地方自治体の財政が、国保の赤字で何ともならないということなんです。だからこういう時点において、なお医療費の九・五%の職権告示その他健康保険法の全度の改正によって、いろいろと地域住民の負担が多くなるわけでございますから、これをどうして今後緩和していこうとするか、この際お伺いしておかなくては、なかなかこの問題を今後審議していくのに多くの支障があると思いますので、お考え方をひとつ承りたいと思います。
○吉武国務大臣 これは先ほど滝井さんの御質問に対しても申し上げたとおりでございますが、今度の医療費の値上げについてはいろいろの御意見はあろうかと思いますが、しかし医療費がかさんできておりまするので、引き上げざるを得なかったということで、九・五%の引き上げが行なわれたわけでございます。そうなりますると、これをどういうふうにして吸収するかといいますか、支払うかということになりますれば、現在の国保の制度の中でこれを引き受けざるを得ないわけでございます。御承知のように今日の国保では、自己負担の面と、保険料として負担する面と、国が負担する面とがあるわけでございまするから、それぞれの面においてそれぞれの分野がこれを受け持つよりほかないと思います。そこですぐさま保険料を上げるというわけにいきませんから、保険料として受け持つ分については、三十九年度一−三の間を補正予算で、十二億でございましたが国が見、なお四十年度では四、五、六の三ヵ月間を持ったわけでございますので、そのあとの分は保険料としてこれを見ざるを得ない、こういうふうに私どもは考えております。
○田口(誠)分科員 そこで私お聞きいたしておりますことは、先ほども申しましたように、地方の実態というものを十分に把握しておいでにならないということなんです。ここで私一、二その実態を申し上げまするが、これは町名を申し上げるのだから、うそは申し上げません。岐阜県の揖斐川町の場合は、昭和三十八年には一世帯当たり二千九百七十一円、これが三十九年には六千五百九円になっておる。その次に谷汲村、これが昭和三十八年には二千三百二十四円が三千二百四円になっておる。大野町の場合には二千六百五十三円が五千五百七十四円になっておる。池田町の場合は三千三百六十七円が七千二百九十四円になっておる。これが三十八年度と三十九年度の保険料の増徴をいたしておるということなんです。こういうような状態の中で、これは被保険者も困っておるが、こうせざるを得ないという自治体の気持ちも、私はわかると思うのです。まだ三十九年度の集計はできておりませんけれども、三十八年度は先ほど申しましたように全国で百三十二億円、こういう赤字を出しておる。こういう中においてなお被保険者、いわゆる地域住民に負担をかける保険料が、いままでではなかなか済まないと思いまするし、そして地方公共団体が負担をするところの金額も、これは保険料の引き上げによってなお赤字が増加してくる、こういうことになりますると、実際地方自治体というのは国民健康保険をかかえておることにおいて、非常に困っておるということなんです。したがって先般来全国の各市町村なりあるいは各県の知事から、それぞれ陳情の来ておりますることは、国会が始まりまするとそれぞれ陳情は行ないまするが、単なる陳情でなくして、あの陳情だけはほんとうに真剣な陳情である、こういうように受け取ってもらって、この善処方を考えてもらわなくてはならないわけです。これを放任してもらってはならないわけなんです。ただ厚生省の関係で、今度の国保の問題は結末はどうにかつきまするけれども、現在ですらそういう状態であるということをこれは知っていただいて、そしてその上に立って、こういう自治体の実態だが、今後どうすれば緩和できるのかということは、当然自治省の大臣としても、そして自治省の役人の皆さん方も、十分に考えていただいておらなければならない問題であろうと思うので、どういうようにしていただくかということをお聞きしておるのです。
○吉武国務大臣 これは先ほど来申し上げましたように、現在の制度ではやむを得ず、それぞれの区分においてこれを負担しなければならぬ。医療費を上げないで済めばけっこうでございますけれども、上げないでおくというわけにいかない。上げるとすれば、その分はそれぞれの保険制度にきめられた分野において、これを受け持つよりしようがない。しかし非常に困っておるぞというお説につきましては、私どももそういうふうに聞いておるわけでございます。ですから、それは現在の保険制度を一体いままでのような各地域、小さい限られた地域で受け持っていくのがいいかどうかというような問題が、社会保障制度審議会等におきましてもっとに検討されておることでございますから、これは厚生省の問題でございまするので、おそらく厚生省においても検討されるであろう、自治体としては現在きめられたもおにおいて、それぞれこれを健全化していただくことよりしかたがない、かように存じております。
○田口(誠)分科員 もちろん厚生省のほうでは、社会保障制度審議会、社会保険審議会でいろいろ検討して、そして答申を一つの参考にして、いろいろと改正案あるいは行政を行なわれるわけでございますけれども、私のいま申し上げておるのは、現行の状態でこのような事態になっておるのだから、これは自治省としては、地方自治体の財政面を見て放任しておくことができぬから、何かこれは手をかしてやらなければならないのじゃないか、こういうことなんです。その手をかしてやる方法は、いまのところでは、何もお考え方もなければ案もないということかどうかということをお伺いしておるのです。これは大臣でなくとも、どなたでもよろしいですが、私が納得いけばよろしいのですから、ひとつお答えをいただきたいと思うのです。
○柴田政府委員 現在の制度のもとにおいて物事を処理するというたてまえのもとにおいてはというお話を先ほど大臣もされましたが、それは国民健康保険というものをどう考えるかということにもなるわけですが、今日のように社会保険の一つだという考え方に立ちます限りにおいては、やはり保険料と国庫負担金というということになるわけでございます。したがって先ほど来るるお話がございましたように、国庫負担金が足らぬということであれば、これを足りるようにすればいいのであって、国民健康保険、その上がった分については国庫財政の状況で、どうしてもそれだけのものは出せぬということであれば、国民健康保険税というものにある程度の負担を求めることもやむを得ないのではないか。制度全体といたしましては、これを国庫負担金と国民健康保険税というたてまえのもとにおいて、両方の財源によってこれをどうこなしていくかということに結局なろうかと思うのでございます。先ほど岐阜県のお話をされましたけれども、岐阜県のいまのお話を聞きまして、なるほど非常に大きな引き上げをやっておるということはよくわかりました。しかしところによりましては、引き上げをそうやってないところもあるわけでございます。したがってそれによって府県税負担が非常に重くなっているということになりますれば、そういうところにつきましては、調整交付金の機能を発揮をして、そういう妙なことにならないようにつとめたい、こういうことであると思うのでございます。しかしそれで国民健康保険が片づくかといいますと、国民健康保険会計というものの将来を考えてまいりますれば、そうもいかぬだろうというように実は私も思うのでございまして、そこには先ほど来これも御議論が、ございましたが、標準府県税といったようなことを考えることも一つの問題点でございますし、あるいは市町村単位の国民健康保険事業というものを府県単位に直すということも一つの問題でございましょうし、そういう問題を制度全体の上に立って、そういう問題も含めて検討する必要はありましょうけれども、今日の段階におきましては、国庫負担金と国民健康保険税、この二つの調整をどのようにしていくかということに改善の基本を置かざるを得ないと思うのでございます。私どもはそういう立場から、数年来事務費の国庫負担につきましては、地方団体に対しまして必要以上の支出、つまり事務費の節約、合理化と申しますか、そういうことも徹底してやりなさいというかたわら、国に対しましては、厚生省なりあるいは大蔵省に対しましては、事務費の国庫負担金というものはまともに出してやってくれということをたびたびお願いしてまいりました。また療養の給付費の国庫負担金につきましても、これもちゃんとやってもらいたい。毎年毎年支払いがおくれておるけれども、これもそういうことのないようにお願いするということをたびたびやってきたのであります。しかし結果はいろいろな事情がありまして、先ほど来御指摘になりましたようなかっこうになっておるわけでございます。自治省としてどう考えるかとおっしゃるならば、私どもといたしましては、いままでからやってきた努力というものをさらに強く繰り返す以外にない、かように考えておるのでございます。
○田口(誠)分科員 まあ大蔵省からもおいでになっておりますので、あまり案がないようですから、私のほうからも申し上げて、御意見をいただきたいと思いますが、私はいま問題になっておる医療費の引き上げとか、あるいは健康保険法の改正とか、こういうような面は一応たな上げといたしまして、現行でいくといたしましても、地方財政にはこれは非常に大きな赤字負担をかけて、地方財政は困っておるというのが事実であるから、それで現在あるものをどうするかということを、自治省で考えてもらわなくてはなりませんが、それにはいろいろな方法がございましょう。方法はございましょうが、私ちょっと考えるに、昭和三十九年度までの既往の累積赤字については、再建債を発行したらどうか、そうしてこれの利子補給をやってもらいたい、あるいは補助金の交付をしてもらいたい、こういうことを考えておるのです。何かここで手を打ってもらわなければならないわけなんで、先ほど答弁の中では、岐阜県のほうの数字はただいま聞いたけれども、相当大きいと言われましたが、私は岐阜県の場合のは、これは事こまかく調べ上げて間違いのないところで持ってきておりますけれども、他の県の場合は、岐阜県ほどは自信はございませんけれども、他の府県においても大半の府県、地方自治体が、この国民健康保険の赤字のために非常に赤字を持っておる。そうしてそのことにおいて非常に困っておるということを、これは私の調査の範囲内で調査したものがあるわけであります。だから先ほどあなたのほうからの答弁でいきますと、岐阜県は保険料がたいへん高くなったけれども、他の県のほうではそうでもないというような印象を受ける答弁の内容でありたので、重ねて申し上げますけれども、岐阜県の参考に自信を持っただけのことで、私はその他の県のも調査しておりますが、同じように赤字が非常に累積しておりまして、そうして保険税を引き上げておる、こういう事実があるわけなんです。だから私は、これをこのままにしておいては地方財政が非常に窮してしまうのだから、何とかこの辺で手を打ってもらいたい、手を打ってもらう方法はないかということをお聞きしたら、あまりないようでございますね。それというのは、下部の実態を知らなかったということなんであります。知っておっても手を打っておらぬということになると、怠慢なんです。いずれにしてもそれはいけませんが、そこで私の思いついたことは、ただいま申しました三十九年度までの既往の累積赤字については、まず再建債を発行してもらい、そうしてこれに対する利子補給とか、あるいは補助金の交付等の処置をとってもらったらどうか、こういうように思いつき、提案をしたわけなんですが、こういうことは全くむずかしいことなのか、考慮する余地があるのかどうか、この点ひとつ承りたいと思います。
○柴田政府委員 百三十二億の赤字の中で、会計自身の収支としては三十六億の赤字でございます。あと九十五億というものは、一般会計から本来繰り入れるべからざるものを繰り入れたということの赤字でございます。そこで資金繰り、その赤字についてたな上げをして融資をして、利子補給をするという、かつての財政再建団体に対するやり方というものは、資金繰りに困っておる、つまり会計の赤字だからそれを短期の資金でつないでころがしてあるものを、長期の安定化した資金に切りかえるという仕組みであります。その意味からいいますと、この財政措置をいたしました九十五億というものは、それできまりがつくわけなんです。三十六億について資金繰りがどうなっているかという問題でございます。したがってその御提案の趣旨が全然意味がないものだとは申し上げませんけれども、特定の団体につきましては、あるいは意味があることができるかもしれません。しかしその措置でもって全くものが片づくというふうにも、実は私は考えないのであります。 もう一つは、かりに赤字をたな上げいたしましても、次から次に赤字が出てまいるのではしかたがありませんので、まず何よりも赤字が出ないという措置を講ずることが前提となると思います。そのためには、やはり国民健康保険会計の収支というものはこうするのだということを、はっきりする必要があるだろう。つまり私どもの考え方によりますれば、先ほどお答え申し上げましたように適正な保険料、それから適正な国庫負担金によって、適正な療養の給付費が支払われるという体制をとることが先ではないか。これが現在できていないのだから、それをすることが先ではないか。その上で御提案のような問題は、あわせて検討の価値があろうかと思いますけれども、私どもは何よりも先にともかく単年度において赤字が出ないという措置を講ずる必要があろう、かように考えまして、従来からその線で努力してまいったつもりでございます。
○田口(誠)分科員 尽くす手はないという結論になると思いますが、それは困るわけなんです。だから、そうすれば国庫の負担金というものを、被保険者一人当たり幾らという、この単位を上げてもらわなくちゃならない。そうすると私の一応のやむを得ざる、どちらでも了解のできるという金額は、現在は三十八年度、三十九年度と非常に上がっておりますね。上がっておりますが、被保険者一人当たりに対しての国庫負担の引き上げを、一人当たり三百円以上ぐらいに持っていかなくてはならないのじゃないか、こう思っておるのですがいその辺のところは大蔵省としてはずいぶんむずかしいですか。
○船後説明員 国保の財政は、支出面からいたしますと、大宗を占めますものが療養の給付でございます。そのほかに事務費があるわけでございまして、いま先生の三百円と仰せられましたのは、その事務費部分の話ではないかと思います。事務費につきましては、三十九年度当初予算におきましては、被保険者一人当たり百五十円でございましたものを、五十円追加いたしまして、二百円と大幅な引き上げをいたしております。それでもちろん種々議論はあろうかと存じます。また町村の実支出額というものと比較いたしますれば、なお問題があろうかと思いますが、予算の単価といたしましては、重点的な事務の執行というものを前提といたしまして、予算単価を組んでおるわけでございます。
○田口(誠)分科員 ともかくいずれにしても二百円では足らないから、ぼくは当面四十年度を三百円ぐらいにしたらどうかという提案をしたのですけれども、これは相当むずかしいような状態です。しかしこの問題は今国会で、おそらく重要な対決点になるところの問題でありまして、これは最後の結論としてはどうなるかわかりませんけれども、現行の状態でいった場合でも、私はただいままで申しました質問の内容の状態等から、この点は幾ら厚生大臣が公益委員の意見を聞いたりして強制告示をしたといたしましても、閣議にはかかると思いますので、当然自治大臣は地方の自治体の実態も把握しておって、こういう点には反対をしたり、またほかの提案をしてもらわなくてはならなかった内容のものだろうと思うのです。これはこれからのことも含めて、自治大臣はどういうようにお考えになっておるか、少しは前向きの政治をしいてもらうために、どういうようなお考えでみえるかということを、くどいようですけれども念を押してお聞きをいたしておきたい。
○吉武国務大臣 先ほど来申し上げましたように、医療費がだんだんとかさんでまいりまして、現状のままいくというわけにいかないので、九・五%厚生大臣としては引き上げざるを得ないということで、これは私どももやむを得ないと思っております。その医療費の引き上げに伴う、これをどういうふうに処置するかという問題になりますれば、たびたび申し上げますように現在の保険制度、国保の制度の中で、国の受け持つべき分野においては国が持ち、自己負担の面で受け持つものは自己負担で持ち、保険料で持つべきものは保険料で持つ、こういうことでこれを処理するよりしかたがない、かように存じております。将来の問題としては、先ほど財政局長も申しましたように、国保全体の問題として検討するものがあるかもしれませんが、現在におきましてはそのような処置をとらざるを得ない、かように存じておるわけであります。
○田口(誠)分科員 大臣から何回答弁をいただいても、同じ答弁よりできないわけですが、これは地方の自治体なり被保険者の実態、これを考えていただければ、おそらく閣議で大反対をしてもらわなければならぬ内容のものだったと思いますが、これは、この問題で社労なり予算委員会でそれぞれまだ審議されるので、私は打つ手がないということを確認して、非常に残念ですが、この問題はこれ以上突っ込んでみたとて時間を食うだけで、何にもなりませんので終わりたいと思います。 次にお伺いをいたしたいと思いますることは、地方財政法の関係で、船税を取るということは私は違法だと思うのですが、どういうようにお考えになりますか。このことにつきましては、条例できめてあるのだから、その条例の内容その他も見なければ、回答ができないということでございましたので、時間の点も考慮して、その条例も担当者に見てもらってあるわけなんで、これは違法か違法でないかということを、ひとつはっきりとここでお答えをいただきたいと思うのです。
○細郷政府委員 お尋ねの点は、法定外普通税のことではないかと思います。現在御承知のように府県、市町村では、地方税法で定められております税を取るほかに、それぞれの地方団体の独自の判断によって、法律で定められております普通税以外の税を取れる、こういう仕組みになっておるわけです。市町村につきましては、いわゆる法定外普通税というものがそれに当たるわけであります。この法定外普通税につきましては、その関係の団体におきまして議決をして、自治大臣の許可を受けることになっております。その際、自治大臣は許可にあたりまして、その申請の市町村の法定外税について、その市町村にその税収入を確保できる税源がある、それからその税収入を必要とする財政需要があることが明らかであるときには、これを許可しなければならない。ただし次に掲げるような事由があると認めるときは、許可をすることができない。そこで次にあげております事由は、一つは国税または他の地方税と課税標準を同じくし、かつ住民の負担が著しく過重である。第二は地方団体間における物の流通に重大な障害を与える。第三には以上のほか国の経済施策に照らして適当でない、こういう条件が掲げられております。したがいまして現行地方税法の税制上のたてまえといたしましては、自治体の判断、意思の決定を非常に重要視して、それをできるだけ優先的に見ていきたい、しかしそれにはいま読み上げましたような条章に該当する例があるかどうかは、十分審査する必要がある、こういったようなたてまえになっております。
○相川主査 時間が参りましたので、簡潔にひとつお願いします。
○田口(誠)分科員 わかりました。 そこでこの船税というのは、木曽川のライン下りをやりますね。そしてライン下りをする人から、その船乗り代のほかに税金として徴収するわけです。このお金はその地方自治体の赤字に充当させる、こういうことになろうと思うのですが、私が考えるには、神社、仏閣等で入場のお金を取るときには、入場料の中に税として取っておりまするけれども、その税金というものは、すなわち国宝、そういうようなものを今後とも修理したり維持をしていく上においては、やはり相当お金も要るのだから、ふだんにおいて来られた方から入場料を取って、そうしてそれをその方面に充てるのだ、こういうことなんだから、ああいう神社、仏閣とか国宝とかいうようなものを観覧する場合に税をかけるものは、これはいいと思いまするけれども、そうでなしに、地方自治体の財政が苦しいから、船に乗って遊覧しようとする人から税金を取り上げるというのは、これは違法だと思うのです。内容を明確にしましたので、ひとつ明確に答弁願いたいのです。
○細郷政府委員 お話は美濃加茂市から出ておりまするライン下り船税という、法定外普通税の問題であろうと思います。先般同市から議決を経て申請がありましたので、ただいま私どもは検討いたしております。まだ検討を尽くしておりませんので、結論は出ておりませんが、市当局の言い分を聞きますと、たくさんライン下りに外からお客さんが見えることは、市自体としては望ましいことである。市民の繁栄にも役立つ。しかしたくさん見えますために、いろいろ市としてはそのための特別な行政経費がかかる。具体的に言えば、いろいろ休憩所もつくらなければいけない、便所もつくらなければいけない、ごみも片づけなければいけない、そういった経費もかかる。そういう負担をするのに、やはり見に来ていただく方から多少ずつでも負担をしていただくのが、一つの考えではないだろうか、こういう言い分でございます。この言い分自体は、自治体が自分の自治体内のことを自分で処理をしていこうという一つの考えに立っておるのでございまして、その考え自体には素朴ではございますが、一つの言い分があるのではなかろうか、私はそう思っております。しかし半面に、税というものを取る場合には、担税力というものはどうなっているのか、あるいはそういった税金が置かれた場合に、その税源というのはどこにあるのか、どういう行為をとらえて担税力を見出すかといったような問題もあるわけであります。ただいま申請になっておりますのは、美濃加茂市のある地点から乗船をいたします。遊覧船に乗っていろいろと見ていただくわけでございますが、そういう施設、船がたとえば交通機関なのか、あるいは純粋の観光用の施設なのか、そういったところも一つの判断の材料として必要ではなかろうかという意味で、いろいろの面から検討を加わえております。
○田口(誠)分科員 検討中でありますれば、これ以上突っ込んでもあれですが、私は内容からいきまして、違法だというように判断をしておりまするけれども、これは役所のほうでひとつ検討していただきます。 それから委員長、時間がきましたので、ほんの小さなことをちょっと一つ、これは簡単なことですけれども、いまの法定外負担、税外負担、これは非常に多いのですね。そこで私、これはちょっと問題になろうと思うのは、特定の人の銅像なんかを建てる場合に、そこの市が広報会とか、そういうところを通じて、半強制的にあなたの部落ではこれだけ出してくれ、あなたの部落ではこれだけ出してくれという割り当てをすることは、これは違法だと思うのだが、どうですね。こういうことは私はできないと思うのですが、明確にしてもらいたいと思う。これは岐阜県にありまするし、その建てる建てないとか、いろいろなことは別問題として、法務当局もやはり取り上げておりますから、明確にしておきたいと思うのですが、任意的に金を出してもらうなら、これは何百万円出してもらったっていいと思うけれども、その地域地域、部落部落に、あなたのほうはこれだけ出してくれといって割り当てをする、この徴収のしかたは、これは許せない行為である、私はこういうように思いますが、その点もいいとか悪いとか、簡単に答弁していただけば、これで質問は終わります。
○柴田政府委員 地方団体が自治体の経費を支弁するために、その財源を強制的に寄付金として割り当てることは、これは明らかに法の禁ずるところであります。しかし市といまおっしゃいましたけれども、どういう形になっておるのか、いま初めてお話を伺いますので、そこを具体的に伺いませんと、そのこと自身がいいか悪いかということは判定しかねます。
○田口(誠)分科員 それで一つのひのをつくる場合に、市が一つの予算計画を立てますね。そうするとそれは大きい会社とか、いろいろなところからいろいろと寄付は願います。それで足りない分を、その市の各部落部落について金額を割り当てて、これだけ出してもらえぬか、こう言ってきておるわけです。どうですか。
○柴田政府委員 市自身がその歳入をまかなうために、そういう行為をすることは法の禁ずるところでございます。しかし任意の団体が適当にやることにつきましては、別に法律的には規制できません。
○田口(誠)分科員 そうすると市当局が音頭とりをして、そしてそういう割り当て表をつくって、そして落部部落へひとつ出してもらえぬかと言うことは、これは違法だ、こういうことなんですね。
○柴田政府委員 市が自分の歳入を上げるために、その財源を寄付金として強制的に割り当てることは、地方財政法が禁じております。したがってお話の点はよくわかりませんが、市が市がとおっしゃいますが、市がどういう形でタッチしておるのか、そこのところが一つ問題だと思います。
○田口(誠)分科員 そうするとたとえばその銅像をつくるにしても、国旗掲揚塔をつくるにしても、いろいろつくるものはあります。そういう場合にはたいてい任意寄付を願ってどこでもやっておるのですが、そういうものなんです。そういうのに該当するものはそれでよろしいのですか。
○柴田政府委員 市の事業として、市自身がやる場合には問題になります。しかし市が事業の主体でもなければ何でもない。ただ市の関係者のうちのだれかが、何か任意の団体に入っておって、その任意の団体が主になってやっておるというような場合につきましては、法律的に関係ありません。
○田口(誠)分科員 市長がそれをつくる。私の聞いておるのは委員長とか、そういう主役になっておる場合ですよ。
○柴田政府委員 市長が市長の資格においてやられますと問題になりますけれども、別の資格においてやられます場合においては、地方財政法とは関係ございません。
○田口(誠)分科員 そこの仕分けはどうしてできますか。市の公文書でなければ——何々市、だれだれとして、ぽんと押した公文書でなかったらいいということなんですか。公文書以外のものは市長がやっても、みんな個人的にやっておるというふうに判断しておいてもよろしいかということです。
○柴田政府委員 市が市の事業の財源を調達するために、強制的に寄付金を割り当てることは、法が禁ずるところでございますけれども、市長が——市長でも市の職員でもよろしゅうございますけれども、市の関係者が第三機関の構成員として、第三機関の名においておやりになることにつきましては、別段法に触れないわけでございます。
○田口(誠)分科員 それで市がもう少し金を出すつもりだった。市から議会にはかって、そして承認を得ようと思った金額が、議会でそのようになかなか承認が得られなかったので、それで一般から帯付を願うということになって、そこの市民に部落部落へ割り当てをして、そして寄付をしてもらう、こういうことなんですから、これは分離して考えていいやら悪いやら、実際のところわかりません。その点、あなたのほうであまりはっきりとしてみえるから私申し上げるけれども、そういうことなんです。
○柴田政府委員 問題は、その事業主体が何かということでございます。事業をやる寄付を集めているものが何かということです。
○田口(誠)分科員 銅像です。
○柴田政府委員 団体がどういう団体かということです。
○田口(誠)分科員 その市に貢献をしてもらったから、その人の銅像を建てるということなんです。
○柴田政府委員 抽象論を繰り返していてもはっきりいたしませんから、事実を見せていただいて調査をいたします。
○田口(誠)分科員 それではその点はまた別の機会にあなたのほうへお伺いいたします。 それでは、ちょっと時間を超過してすみませんが、これで終わります。
○相川主査 次に山下榮二君。 山下君に申し上げまするが、あなたの時間は大体五時四十五分くらいまでにひとつお願いいたします。
○山下分科員 おそくなりまして皆さん、恐縮ですけれども、しばらくお許しをいただきたいと思うのであります。 まず最初に伺いたいと思いますことは、地方公営企業の問題でございます。中でも特に伺いたいと思うのは、最近各都市で水道料の値上げ問題が、非常な話題を投げておるのであります。この問題に対しまして自治大臣に伺いたいのですが、政府は昨年公共料金の一ヵ年間のストップを閣議で決定をいたしまして、地方団体にそれぞれ通達を出されたのであります。地方団体は政府の通達を忠実に尊重をして、一ヵ年間これを守ってまいりてきたのであります。ところが一ヵ年が過ぎました昭和四十年度になりますると、水道も乗り合いバスも、一切のものが潮のごとく値上げ申請が出てまいってきておることは、御承知のとおりであります。こういう関係からいたしまして、まず特に水道の問題を取り上げたいと思うのですが、水道料金がなぜ赤字に悩むかという、その原因について、大臣は一体どういうお考えを持っておられますか。これはどの辺で赤字になるという、自治省としてのめどをひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。
○吉武国務大臣 水道の料金を上げなければならないという原因は、経費がだんだんとかさんできたという点が一つ。それから新設する水道の施設費が相当かさんできて、いわゆるその利子がかさんでおるという点でございます。そこでいま御指摘になりましたように、すでに水道料金は相当長い間据え置きになっておりまして、東京都の例を引いてみますと、五年くらい据え置きになっていて、上げなければならぬと思ったところへ、一年ストップをかけたわけでございます。そこでそれだけまた赤字がふえてきた。こういうことで無理に押えるわけにいきませんので、適当な水道料金の是正というものが必要であると、こう思っているわけであります。そこで私どもといたしましては、この問題は相当公営企業で、交通が主体ではございますが、交通と病院と水道とで、三十八年度ですでに三百七十六億という赤字がもう出ておるのですから、それで去年の七月に公営企業制度調査会というものを設けまして、その辺の関係の権威の方にお願いをして、調査をしていただいているわけです。いまでもまだやっていただいておるのでありますけれども、いつまでも待つわけにまいりませんでしたので、昨年の十月でございましたか、中間答申がございまして、さしあたり料金は適正に是正すべきである、あまり押えてはいけない、こういう適正にということばがたしか使われておったと思います。それからもう一つは、合理化をやはり同時にやらなければいけない、こういうことでございます。それともう一つは、企業の赤字の一つの原因には、先ほど申しましたように利子がかさんでくるわけでございます。ですからこれらの投資は、起債については、比較的長い起債で、安い利子の金を心配してやるべきであるというような答申が出てまいりました。そこで私ども上げずに済めばけっこうでございますけれども、上げる最小限度のものはやむを得ない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山下分科員 いま大臣のおっしゃったこの答申を、政府としては尊重される御意思があるのですか、どうですか。
○吉武国務大臣 私ども尊重するつもりでいまやっているわけでございます。料金の上げ方は、これは各自治体でやることでございまして、自治省が何ぼでなければいかぬ、何ぼ上げろということを言う筋合いのものではございませんで、あまりかけ離れた上げ方は、ひとつ考えてほしいというようなことは言っておるわけでございますが、もう一歩合理化の点は、合理化はできるだけする、こう言っておりますけれども、なかなか自治体のほうではその合理化が実は思わしく運んでいないようでございます。しかしこれはやはり合理化をいたしませんと、相当年齢の高い人もおられるようでございますし、また経費等も節約の余地がまだあるのではないかというふうに、調査会では言っておられます。 それからいまの長期の起債でございます。これは水道は東京でもそうでありますが、もう去年のように追われ追われしてやっているものですから、起債を押えるわけにいきませんから、起債は工事をやられればそのまま認めるという方針でやっておりますけれども、政府資金のワクというものには一定の限界がございますものですから、勢い縁故で民間資金を使われるわけであります。そうすると民間の資金を使いますと、期間も七年くらいの短い期間でございますし、利子も政府資金よりは高い八分以上になる面も多いわけでございますから、四十年度のいわゆる起債ワクにつきましては、水道について政府資金のほうをよけい見込んでおるわけでございます。なおその期間等につきましても、きょうの新聞に出ておったようでございまして、その結果はまだ聞いていませんが、財務当局は、大蔵当局とできるだけもう少し長い期間にしてほしいということで折衝しておりまして、その結果どういうことになりましたか、まだ私、報告は聞いておりませんが、財政局長からまた答弁をさせたいと思います。
○柴田政府委員 いまの償還期限の問題は、大体耐用年数の半分くらいの償還期限になっておるものですから、これが非常に資本比を高めまして、経理を圧迫する。そこでこれは何とか延ばしたいということで、調査会の中間答申もございましたことですし、大蔵省とも予算編成時におきまして折衝してまいりましたが、大蔵当局といたしましても、償還期限の延伸そのものについては、水道につきましては原則的に反対ではない。しかしそれを何年にするかということにつきましては、いろいろ政府資金の都合もあります、その他の関係もございますので、総合的に検討を加えつつ今日に至っておるわけでございます。具体的には資金運用部資金の審議会にかけて、そこで了承を得た上で決定と、こういう運びになろうかと思います。いずれにいたしましても政府資金も公営企業金融公庫の資金も、これを償還期限を延伸する、従来の二十五年、十八年を延ばすという方向で話し合いを進められております。
○山下分科員 私は昨年もこの予算分科会で、この問題で質問を申し上げたのでありますが、水道用の鉄管の耐用年数はおおむね四十年である。政府起債の償還年限は大体二十年、二十五年である。ここにも大きなギャップが出てきてまいっております。したがって水道用パイプの耐用年数と償還年限を合わせるべきではないか、こういうことを申し上げたのであります。 またもう一つは、御承知のとおり工業用水には国庫補助がございます。さらに簡易水道にも国庫補助がございます。水道だけには国庫補助がございません。地方公営企業の何条ですかに独立採算がうたわれていまして、補助が出ないということになっておる。そこで過般の調査会におきましても、補助をしてもらいたい、補助ができなければせめて利子補給をしてほしい、利子補給ができなければ償還年限の延長をお願いしたい、こういうことがそれぞれ政府に答申があったと私は記憶をいたしておるのであります。そういうことから考えまして、地方の上水道が、これは赤字が出るようにさせている、こう申し上げなければならぬと私は思うのであります。私が昨年調べたものによりますると、宮城県の塩釜が全国で一番高いようであります。隣の神奈川の横浜が一番安いようであります。こういうところ等から考えまして、塩釜がなぜ高いか、こういうことを調べてみますると、自分の行政区域内に水源地を求めるところがございません。他の行政区域、遠いところから引っぱってこなければならぬ。したがって工事費が高い。いろいろなことで水道料が高くつく、こういうことになってまいってきております。そこで私は伺いたいと思うのですが、調査会の答申その他等を勘案されまして、自分の行政区域から水源地を求めることのできないような、いわゆる遠隔の地に水源地を求めなければならないようなところに対しては、特別の何らかの処置をとるお考えはないかどうか、その辺を伺いたい。
○柴田政府委員 水道会計の合理化の問題につきましては、二つの問題がございます。一つは資本比をどうして薄めるか、逓減するか。もう一つは料金体系の問題であります。資本比を薄める問題につきましては、お話の償還延伸の問題が一つあります。政府資金の割合を高めるということは、一番手っとり早い方法でございます。しかし政府資金の割合を高めましても、それですぐ資本比の逓減がはかれるかといいますと、やはり問題があろうかと思います。そうしますとこれは一般会計からの資本繰り入れというか、出資というものをどのような形で求めるかという問題になるだろう。大体この三つのかね合わせというか、だき合わせれば、資本比の逓減の措置というものもある程度進むだろう。しかしそれに対して補助金の問題をどうするか。これはお話のとおり一つの問題点でございますけれども、この問題を処理いたします前提としては、適正料金をどうするかという問題をやはりきめてかからなければならぬ。つまり水道の適正な料金というものはどうあるべきか、それは料金体系の問題とからめまして、適正料金をどうするかという問題が前提になって、初めて補助の問題あるいは一般会計からの繰り入れの問題等が出てまいると思います。それらの問題を総合的に、いま調査会の水道関係の分科会で御検討願っておるわけであります。秋には答申が出ると思います。それに従いまして措置をするつもりでありますけれども、私どものごく事務的な考え方から申し上げますならば、やはりいまお話のような場合におきましては、何らかの措置を講じなければいかぬだろう、このように考えます。
○山下分科員 私は自治省が年度予算の編成のときに対して、大蔵省に交渉をする交渉が、非常に腰が弱いのではないかと思う。いまも申し上げましたように、工業用水あるいは簡易水道等にはそれぞれ補助金もあり、あるいはまた私企業等、計画造船等に対しましても、これまた利子補給の方法がとられておるのであります。水というような国民生活に欠くことのできない重要なもの、水と日光と空気がなければ人間は生きていけません。こういう重要なものに対して、これは船以上に私は政府としては重要視しなければならぬ問題ではなかろうか、こう思うのですが、これになぜ利子補給もできないのですか。昨年も私は繰り返しこの席で申し上げて、明年度には利子補給か、あるいは償還年限の延長か、何らかの処置をとってもらいたい、こういうことを申し上げたつもりでおるのですが、ところがことしになっても去年と何ら変わらない姿で出てまいった、こういうことについては、いささか私は自治省の水道に対する熱意のほどを疑わざるを得ない、こう考えるのですが、御承知のように、私が言わなくともおわかりだと思うのですが、ことしの九百六十五億という起債総額のうち、政府資金が五百億、公募債が二百九十五億、公庫債が百七十億、こういう比率になっておる。この金利が公募債はほとんど八分の金利であります。こういうことでは水道を安くせよと言うほうが無理、値を上げるなと言うことのほうが無理なのです。私はこういうことから考えて、政府はこの際計画造船と同様、三分五厘の利子補給をやる、こういうことを考えらるべきではないか、こういうふうに私は考えておるのですが、政府は予算編成にあたって、一体これらのことを考慮の中に入れられなかったのか、どうお考えになっておるのかを伺いたい。
○柴田政府委員 水道の補助金の問題につきましては、いろいろおしかりを受けるのはごもっともでございますが、これは私どもの所管ではございません。補助金の問題につきましては厚生省所管でございます。しかし私どもといたしましては、財政全般の立場から、上水道に補助金を交付すべきかいなかという問題につきましては、至大の関心を持っております。ただ本来の立場から申し上げましたならば、やはり基本問題は、適正料金をどうするかという問題と資本比の問題を先ほど申し上げましたが、この問題が片づきませんと、水道の持っていき方がはっきりいたしません。そこで当座一番手っとり早いことは、政府資金の投入割合をふやすということと、もう一つは償還期限の問題だ。この二つを中心に、今回の予算編成にあたりまして私どもは努力したつもりであります。それではほかのことをほうっておいたのかということになるかもしれませんが、ほかのことはほうっておくつもりはありません。それは先ほど申し上げましたように二つの問題が片づきませんと、そういう基本問題について話が進みません。そこでほんとうの気持ちといたしましては、昨年の暮れに調査会の答申がほしかったのですけれども、残念ながらいろいろな関係で法案の成立がおくれました。そのために調査会の発足がおくれたわけでございます。そこで調査会の基本問題に対しまする答申が半年も延びました。残念ながらことしの当初予算の編成には、その肝心のところが間に合わなかった、こういうことになっております。はなはだ残念でございますけれども、私どもといたしましては、この関係をほうっておいて知らぬ顔をしているつもりは毛頭ございません。
○山下分科員 これは工業用水や簡易水道と同じように、補助金の制度をお考えになる余地が何もありませんか。
○柴田政府委員 ごく率直に申しまして、全然ないと言い切るほどの勇気はございません。しかし従来の経緯から申し上げますならば、軒並みに補助金を設けるのがいいのか、一部のものに補助金を設けるのがいいのかということは、一つの問題であろうと思います。一般のほうといたしましては、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、料金体系の問題と資本比の軽減という問題に主力を置くべきものだ、補助金は水道問題につきましては従たる地位を占むべきものだ、かように考えております。
○山下分科員 補助金の問題も、先ほど私が申し上げたように、自分の行政区域に水源地が求められない、あるいは他の行政区域、他府県に求めなければならぬ。こういうような特殊な事情等にあるもの等々に対しては、一律ではなくて、特別な配慮をすることが私は必要ではないか、こう実は考えておるのであります。したがって自治省としても、その辺のことをひとつ今後御考慮いただきたい、こう考えるのであります。 次に償還年限の延長の問題、これを水道用パイプの耐用年数と合わせる、これだけでも私はずいぶんコストの上に大きな影響を与える、こう思うのですが、これは一体合わせることはできないのでしょうか。
○柴田政府委員 これは永久公債の問題とも関連があるわけでございますが、現在の日本の資本市場と申しますか、資金蓄積状況からいいますと、五十年、四十年もする起債を許すということは、現実問題としては不可能だと思います。そうしますとこれを合わすようにするためには、借りかえ債を発行してころがしていくということになる。その辺のところは十分検討の余地がある問題だ、かように考えております。
○山下分科員 いま政府の償還年限は、一番長いので何年ですか。
○柴田政府委員 たしか地下鉄が三十年だと思います。
○山下分科員 いままで二十五年だったのがことしから三十年になったのでしょう。
○柴田政府委員 地下鉄は去年からではなかったかと思います。
○山下分科員 私が調べたのはことしと、こう見ておるのですが……。
○柴田政府委員 三十九年度からでございますから、そういう意味ではことしです。
○山下分科員 そうしますと公募債と公庫債のほうは、どういうことになっているのですか。公募債のほうはずいぶん償還期限が短い。長くて七、八年、借りかえも行なわなければならぬ、こういう操作等で地方は相当困っている、こう私は見ておるのですが、これは一体どうなっているのですか。
○柴田政府委員 公庫債は十八年でありますので、これは延ばしてほしいということを現に交渉しているわけでございます。公募債の問題は、期限の問題よりか、むしろ利率の問題でございます。公募債の場合は、大体七年もので年六%償還でございますので、最終年度は四二%償還する、あと残ったものを借りかえていく、それで三年くらいころがしていくわけですから、大体に十一年くらいだろう、ただこの間金利が高いから、金利がかさむ、こういう問題であります。そこで私どもはなるべくそういう事態が起こりますのを避けて、なるべく政府資金の投入割合を多くしょうという努力をしてまいったのでございます。
○山下分科員 そうすると、努力をされておるということはわかる。政府資金の拡大の道をとりたい、こういうことはわかってまいったのですが、同じことを繰り返すようですけれども、利率を引き下げるということはできないのですか。政府の六分五厘、七分五厘の金利を引き下げることができなければ、先ほど申し上げました計画造船にすら利子補給を行なっておるのですから、せめてこれに利子補給の道を開く。どっちか一つお考えを願わなければ、だんだん水道というものは高くついて、毎年毎年値上げをしなければならぬという事情に追い込められていくのではないか、こう私は思うのであります。 そこで私はいま水道料金の値上げを見てみますと、東京が御承知のごとく六四・五%、大阪が五四%、和歌山が一番低くて三〇%、明石が四〇・八%、西宮が四八%から五〇%、水戸が五〇%、桐生が四三%、ほとんどどこの都市でも五〇%前後の値上げが、いま全国各市、七十数ヵ都市にわたって申請をされておる、こう新聞で拝見いたしたのですが、それに対して申請どおりこれを認めなければならぬという立場に立たれるのですか。何か政府としていま私が申し上げるような利子補給、いろいろの道を開いて、申請どおりでは困るから、できるだけ、いま佐藤内閣の言う社会開発という面から考えても、これらの問題を最小限度に押えていく、こういう方針でおやりになるのか、その辺のことを大臣から伺ってみたいと思います。
○吉武国務大臣 各地で水道の値上げのような報告は受けておりますけれども、御承知のようにこれは公共料金として政府が認可する制度ではございませんで、自治体が自治体の責任で上げられるわけでございます。それで一つは、昨年上げなければならないところを一年ストップをしたために、非常に困って赤字が出ているような状況でありまするから、ある程度上げることは私はやむを得ないと思っております。それで自治体といたしましても、市町村長にいたしましても、府県知事にいたしましても、県議会や市議会、町村議会を通して値上げができるわけでありますから、市民の声もその際には相当反映するでありましょうし、理事者側もそう非常識なこともしないであろうということで、私どもとしてはあまり大幅にならないようにということを言っている程度でございます。それぞれの町村の実情もございまするから、何ぼまではいい、何ぼまではいかぬというわけにはまいりませんので、できるだけあまりかけ離れたことをしないようにという程度でいっておる次第でございます。
○山下分科員 えらい微温的な話のようですが、一ヵ年間ストップ通達できるのですね。そういう意味から考えて、先ほどから私が事務当局の方と問答を繰り返しておりましたように、自治省としては、利子補給の道を考えるとか、あるいは償還年限の延長の道をはかるとか、あるいは補助金の道をはかるとか、何らか水道料というものの経営の合理化の道にさらに政府が手を差し伸べて、水道料のあまり大幅値上げにならないようにする、こういうことを大臣としては当然考えられ、あるいは当然さような処置をとられるべきではないか、こう考えるのです。そういうことに対して、いま申し上げる料金というのは、相当大幅な値上げである。これが国民生活に及ぼす影響がきわめて重大だと私は思う。ひとり水道だけではとまりません。水道料が上がりますと、直ちに待ってましたと言わんばかりにふろ賃が上がってまいります。洗たく代が上がってまいります。あるいは飲食店が上がってまいります。一切の水に関係のあるものは軒並みに値上げになる、こういう結果になることは火を見るよりも明らかである、私はこう考えるのであります。そういたしますといま政府としては、できるだけ高度成長のひずみを是正するという政策の看板の打ち出しをやっておられる、こういうたてまえから考えましても、これらに対して何らかの処置をして、大幅値上げを食いとめていく、こういう施策を立てられることが、先ほど申し上げましたように社会開発の一環でもあるのじゃなかろうか、こう思うのですが、一体いかようにお考えですか。
○吉武国務大臣 私どもも値上げは、できるだけ少ないほうがいいことを希望しているわけでございます。それからただいま山下さんがおっしゃるように、政府から補助金や何かでも出してくれればいいという、これもできれば、私ども決してそれに反対するわけではございませんけれども、所管が厚生省でございまして、私のほうからそういうことをやるというわけにもまいりませんのですが、元来公営企業は利用するものが負担をするというたてまえ、これは独立採算制といっておりますが、これをきちっとどこまでもとは言いにくいと思いますけれども、たてまえはやはり独立採算をたてまえにして、利用するものが負担をするということでなければならぬと思います。 もう一つは、いま値上げをやっております点は、東京都が一番初めに発表いたしまして、一つの大きなショックを与えておるわけでございまして、私どもも新聞で見まして、これは相当高く値上げをするなということで調べてみたわけでございます。私は決して弁護するわけではない。いま都議会においても検討されておるところでございますから、とやかく言うことは差し控えたいのでありますけれども、ほかのほうの水道がどういうふうになっているかと思って、実は資料も取り寄せてみたわけでございます。そうしますと、従来東京都は普通の家庭で十トン当たり百四十円、今度それを二百円にするとか言っておるわけでございます。それで先ほど御指摘になりましたように、千葉県あたりや東京都の郊外あたりやその他を見ますと、十トン当たり二百円から二百五十円というのが普通なんです。ですから東京都は今度値上げをいたしましても、ほかから比べて非常に高くなったというわけのものでもない。そうしますと上げ方が、ストップしておったので相当大幅な値上げになりますけれども、そうだからといって、それではそこに利子補給をするというと、それではそれよりも高い水道を現在やっているところはどうするかというような問題もございまして、やはりこれは先ほど申しましたような利用するものが負担をするという独立採算のたてまえでいって、ただしかしそれを文字どおりやれば——東京はどんどん水道建設に追われているわけでございます。昨年のように水がないといって大わらわになっておるのでありますから、どんどん建設して、いま利根川の河口ぜきまでせいてその水を取り入れるというような、膨大な計画も立てておるわけでありますから、それらについて政府のとるべき道は、先ほど来申しましたように、できるだけ長い、安い起債をめんどうを見ていく、そして長い間に償還の計画を立てれば、それが全部一ぺんに使用料にはね返るということも、少ないのではないかという処置をとっているわけでございまして、補助金を出しあるいは利子補給をするということを、私ども決して反対するわけではございませんけれども、たてまえとしては独立採算のたてまえをとらざるを得ないのではないか。塩釜等の例を御指摘になりましたが、そういう特殊なものは、これは特殊に考えるということもあろうかと思いますけれども、一般的にはいままでの状態で上げ方を一ぺんによけいということでないように、徐々にという考えで進んでおります。
○山下分科員 時間が参ったようでありますから、最後に申し上げておきたいと思うのですが、いま大臣のおことばを伺っておりますと、独立採算の公営企業という法のたてまえからいたして、補助金はできないが、特殊なもの等については将来何らかの方法を考えていきたい、そうしてさらに大幅値上げということはできるだけ好ましくはない、こういうふうにいま考えておる一ただ好ましくないと考えられただけでは、地方は赤字が出たのでは、これはやはり政府の言うことにこたえるわけにはいかぬ、こういうことになると思います。こういうふうにしてやるからあまり大幅に上げるな、こういうふうに、何かそれにかわるものがなければだめだろう、私はこう思うのです。ただ、いまのことばからいうと、実際問題として償還年限を多少延ばすような努力をしよう、これだけしか受け取れないのです。やはり同じことを繰り返しますけれども、計画造船にすら利子補給をやっているのですから、人間生活の一番重要な水というものに対しては、やはり政府といえども、人間尊重を説かれる政府のことでもございますから、水にはあるいは利子補給その他の道を講じて、できるだけ生活に困らないような方策をとる、水のために生活が困る、こういうことでは物価が上がっていく、こういうようなことでは困る、こういう感じを持ってくれなければ困る、私はこう考えるのです。ぜひひとつ——昨年も同じことを私は申し上げたと思うのですが、またぞろ来年同じことを言わぬでも事が済むように、ひとつ御考慮いただきたい。利子補給の道をはかり、あるいは償還年限の延長の道をはかって、できるだけ市民に負担の軽減の道をはかっていく、水というものは水道だけではなくして、その他の類似の業者に大きな影響を与える、こういうことをひとつお考えいただきたい。そういうふうに理解をしていいですか。
○吉武国務大臣 御趣旨の点はよくわかりますけれども、先ほど来申しましたように、利子補給にいたしましても補助にいたしましても、これは厚生省所管でございまして、私のほうでいいとか悪いとか言うわけにもまいりませんので、財政上許せばけっこうだと思うのでありますけれども、いますぐここで私がそうやりますと言う状態でもございません。できるだけ努力はいたすつもりでございます。
○相川主査 本日の質疑はこの程度にとどめ、自治省所管についての質疑は来たる二十六日続行することといたします。 明日は午前十時より開会し、厚生省所管について質疑を行ないます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十九分散会