予算委員会 第10号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/02/10
会議録
○青木委員長 これより会議を開きます。 昭和四十年度一般会計予算、昭和四十年度特別会計予算、昭和四十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。 なお、念のため申し上げますが、先般の理事会の申し合わせにより、本日の質疑者の持ち時間は、岡田春夫君及び永末英一君はそれぞれ一時間三十分、林百郎君は一時間でありますから、御了承ください。 それでは、岡田春夫君。
○岡田委員 総括的な質問を進めたいと思いますが、本論に入る前に、今日緊急な重大問題がありますので、その点を簡単にまずお伺いをしてまいりたいと思います。 まず第一点は、米軍の北ベトナム攻撃に基づいて、アメリカから日本に対して非常警戒態勢の要請があったはずでございますが、外務大臣にこの経過その他をお伺いしたいと思います。なお、去る八日には韓国の全域に対して非常警戒態勢の指令が発せられておりますので、当然日本にもこのような要請がアメリカから来ていると考えられるわけでございますが、こういう点についての経過を外務大臣から、あるいは外務大臣が御存じなければ防衛庁長官にお伺いをいたしたいと思います。
○椎名国務大臣 さような事実は全然関知しておりません。
○岡田委員 防衛庁長官にお伺いしたいと思いますが、今日日本の自衛隊において、昨年の十月私この問題についても取り上げたのでございますが、アラート態勢が何段階にも分かれて、そのアラート態勢についての準備が進められておりますけれども、米軍の北ベトナム攻撃に基づて、アラート態勢の段階を一つ繰り上げて、そういう段階の態勢に入っていると私は聞いておりますが、この点はいかがでありますか。
○小泉国務大臣 アメリカから、今回の南ベトナムの情勢の変化について、わがほうには何らの通告もございません。なおまた、わが自衛隊といたしましても、この問題について何らの変化はございませんで、平常のままに現在まで過ごしておるわけでございます。なおまた、態勢について、アラート態勢というおことばでございましたが、御承知のとおり、平常の態勢を五として、五段階に分かっておりますが、その平常の態勢のままでございます。
○岡田委員 そういうことになりますと、二月の二日から八日まで続けられたはずである日本全域にわたるところの陸海空の自衛隊の総合演習というものがますますくせものであるということが明らかになってまいります。しかも、これは、日本自衛隊の三軍の総合演習だけではなくて、アメリカと共同して演習をやっているという事実は明らかであります。それは、二月の二日に入間川でアメリカの空軍機が事故をもって落ちております。また、三沢において行なわれた日本自衛隊の誤射事件というのは、あれは在日米軍の指令に基づく演習においてこの標的の誤射が行なわれたということは、新聞報道されているとおりであります。こういう点を見ましても、これは明らかに、単なる三軍の演習だけではなくて、ことばをかえて言うなら、この間石橋質問に答えて防衛局長が、昨年の二月にこの通達を出して、年度が過ぎた二月の二日からこの演習をやっているのだそうでありますが、このこと自体きわめてナンセンスなことなんでありますけれども、このことは、単なる日本の自衛隊の計画だけではなくて、アメリカとの共同作戦のもとにこの演習が行なわれておった。この演習は、しかも米軍の北ベトナム攻撃に相応じて行なわれておるというところに実は非常に問題があるし、北ベトナム攻撃というものが何かきわめて緻密な計画のもとにおいて進められているという感じをわれわれは持たざるを得ないのでありますが、この間の関係についで、防衛庁長官からでも御答弁をいただきたいと思います。
○小泉国務大臣 この問題については、先日石橋委員からも質問がございましてお答え申し上げましたとおり、前もって予定をしておりました計画をそのまま実行したまででございまして、昨年の二月統幕会議で決定をいたし、昨年七月長官指示で準備を進め、そうしてこの二月から始めた日本の自衛隊の陸海空の統合演習でございまして、何ら南ベトナムの関係とか、そういう関連はございません。なおまた、今回の統合演習は、航空自衛隊を中心とした演習でございますし、昨年は陸上自衛隊、一昨年は海上自衛隊というものを中心として、順次計画を立てた予定の演習でございます。
○岡田委員 ちょっとこの点は確かめて念を押しておきたいのでありますが、これは、防衛局長にも伺っておきたいのですが、いまも防衛庁長官も答弁されておりますが、そしてまた、この間の石橋質問の答えでも、防衛計画に基づく演習というのは毎年二月にきめるんだ、今度の二月の計画も昨年の二月に決定したものを実行したにすぎない、こういうように防衛局長は答弁されておりますし、いま小泉さんも重ねて確認をされました。二月に計画を立てたものが翌年の二月を過ぎてからこれを実行するという意味が私にはどうしてもわからないのでございますが、この関係は、ひとつはっきりしていただきたいと思います。それから、そういう演習は毎年二月に計画を立てることになっているのですかどうなんですか、この点も伺ておきたいと思います。
○海原政府委員 ただいまお尋ねの点でごいざますが、先日私が石橋先生の御質問にお答えしまして、昨年の二月に決裁を得たと申しましたのは、私の記憶違いでございまして、ただいま大臣から申し上げましたように、二月には統幕会議でそういう演習をやろうということをきめたわけでございます。長官の御決裁は、大臣からいまお話がございましたように、その後七月においてなされております。年度の訓練計画というものは当該年度が始まります前にそれぞれ準備を終わりまして、予定を各部隊に通報いたしますので、これが過去におきましてわが三自衛隊のとっておる方式でございます。これは、先般も委員会の席上御説明したと記憶しておりますが、私どもは、毎年六月から八月の間にかけまして、翌年度の各自衛隊の業務計画というものを決定するわけでございます。これに従いまして予算要求案を作成いたしまして、大蔵省に折衝いたします。その結果、予算原案がきまりました段階におきまして、この業務計画を修正し、これによりまして各部隊はそれぞれの業務を実施いたします。したがいまして、教育訓練の計画もこの業務計画の中でそのように行なわれます。したがいまして、先日お答えし、かついま大臣がお答えしたようなことに相なるわけでございます。
○岡田委員 局長に再度伺っておきますが、それでは、統幕会議が決定をしたのは例年二月、こういうことになるわけですか。
○海原政府委員 これは、そのときどきの状況によってきまるわけでございますが、大体二月から三月、この期間におきまして、翌年度の始まります四月以降の計画がきまるならわしとなっております。
○岡田委員 その問題に関連をしまして総理に伺いたいのですが、二月の七日、八日の米軍の北ベトナム攻撃は、私は、明らかに侵略行動である、かように断定をいたしておきます。それはなぜかというと、自衛権の行使というのは、総理大臣もよく御存じのとおり、緊急不正の攻撃が現実に行なわれた場合、その攻撃自体に対して行なう防衛行動というものがいわゆる自衛権の行使であって、この自衛権の行使を拡張解釈することは絶対に許されない。しかるに、米軍は、南ベトナム内部で攻撃を受けたことを理由として、第三国である北ベトナムを攻撃していることは、たとえばここに支援基地があったとしても、その支援基地から米軍に対して直接の攻撃が行なわれておらない限り、アメリカの軍事行動は明らかに国連憲章に違反していると思います。たとえば、こういう事態を自衛権行使として正当であるというようなことをアメリカは言っておりますが、こういう事実を認めるとするならば、アメリカの第七艦隊所属の航空母艦から発進した米軍機が北ベトナムを攻撃したこと、これは事実なんですが、これを理由として第七艦隊の基地である横須賀に対して報復攻撃が行なわれたとしても、これは、自衛権の行使として違法でないということになる。これは重大な問題です。この点、総理大臣は、米軍の北ベトナム攻撃を自衛権の行使として適法なものと認めるか、違法なものと認めるか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 お答えをいたします。 これは、安保理事会等でも議論をされておると思います。それは、詳細は外務大臣からお聞き取りいただきたいと思いますが、私は昨日も申し上げましたように、これは報復攻撃だ、かような答弁をいたしました。しかし、私と同じような答弁をしているのを見ても、イギリスもやはり同じように見ておるようでございます。ただいま、今度は横須賀基地が攻撃を受けても当然か、こういうような言い方をされましたが、私は、そのときに申し上げておりますように、この拡大をしないように、これは心から願っております。私は、ただいま言われるような事態は起こらないものだ、かように確信をしておりますが、どこまでもこういう事態は拡大をしない、こういう態度で、そうして平静になるように努力すべきだと、かように考えます。
○岡田委員 見通しの、拡大かどうかの問題については、私も意見がありますし、あなたの御答弁を伺うまでもないのであります。私は、米軍の行動が違法であるか、適法であるか、この点についての見解を伺っているのであります。外務大臣に伺う必要はないのであります。安保理事会に提案してないからであります。アメリカはまだ安保理事会には提案しておりません。したがって、あれはフランスに対して見解を述べたのであって、正式に安保理事会に提案しているのじゃないのであります。ですから、総理大臣に、それは違法か適法かを伺いたいのです。
○椎名国務大臣 アメリカ側の報告によりますと、きわめて近接した北ベトナムの地域において人員の訓練が行なわれておる、そして、これらの人員並びに軍事物資の浸透が……。
○岡田委員 経過を聞いているのじゃないですから、経過なら聞かなくてもわかっている。
○椎名国務大臣 これは理由であります。
○岡田委員 違法か適法かを聞いているのです。それじゃだめです。経過はわかっているのです。私は、経過は全部わかっているから、今の点を聞いているのです。経過じゃなくて、違法か適法か……。
○青木委員長 結論を出すための説明です。
○椎名国務大臣 こういう事実から考えて、これば正当な自衛の措置である、かように考えております。
○岡田委員 外務大臣は書いたものを読んでいるのですから、それ以外に書いてないだろうと思うから、これ以上言いません。何はともあれ、私は、米軍が北ベトナムを攻撃したという事態に基づいてアジア全域に緊張が起こっているという事実は認めなければならない。日本もその渦中の中にあるということはきわめて遺憾なことである。これについてはどうですか、総理大臣。
○佐藤内閣総理大臣 そのとおりであります。したがって、私は、不拡大ということを念願しておる、かようにお答えしたわけです。
○岡田委員 緊急問題の第二を伺いますが、これは委員長に伺いたいのですが、この間石橋質問が行なわれた際に、高杉代表の出席を、喚問することを要求をしたはずなんでありますが、私は、この問題はきわめて重大であると思うので、直ちに高杉代表をこの予算委員会に出席要求すべきだと思うが、委員長はどのような御見解をお持ちですか。
○青木委員長 この問題につきましては、理事会におきましていろいろ協議しまして、まだその結論を理事会として決定いたしておりませんので、現在検討中であります。
○岡田委員 この点については、すみやかに出席されることを要求いたします。再度私から要求いたしておきます。 しかし、先ほどから佐藤総理大臣も言われましたように、アジア全域の情勢はきわめて緊張している。こういう情勢のときに、外務大臣が十七日に韓国に行くということは、私は絶対に許されない。こういうことはやめてもらいたいと思う。あなたがいない間に緊急事態が起こった場合、外務大臣、責任を負いますか。この点を伺っておきたい。
○椎名国務大臣 責任を負います。
○岡田委員 あなた、責任を負うと言ったことばは速記録から消えませんよ。その間において、二十日までの間に事件が起こった場合に、あなたは責任を負って、あとの問題は明確にしていただきたいと思う。 そこで、本論に入りますが、質問要旨を政府側にもお渡ししておきましたので、質問要旨に基づいて質問を続けてまいります。私の質問の問題は、大まかに分けて、第一は日米会談と日米共同声明について、第二は安全保障と憲法問題について、第三はアジア外交、特に南ベトナムの問題について、この三つの点について伺ってまいりたいと思います。 第一点は日米会談の問題でございますが、日米会談の一番大きな問題の一つは、中国の問題だと思うのであります。今日の国際政治は、中華人民共和国を度外視してこれは考えることはできません。特に、昨年の中国の核実験以来、世界情勢は中国の存在を度外視して考えることは不可能になっております。共同声明を見ますと、その第五に、アジアの平和と安全に最大の影響を及ぼすものは中国問題であると、総理大臣と大統領は合意されております。第八においては、アジアの平和と安全を確保するために日米安保体制を今後とも堅持することが日本の基本政策である、このように総理大臣は述べておられます。総理大臣は、こうしてアジアの安全保障というものを中心にして中国問題と安保体制を対応されている。のみならず、総理大臣は、アメリカにおられる間において、中国は侵略的傾向を持つという意味の演説もされておるし、この点については、この間横路質問に答えて、中国の侵略的傾向についてはっきり否定的な答弁を行なっておられるわけではありません。そこで、私は、こういう点を総合して考えました場合、総理大臣のお考え方はこうじゃないかと思うのです。中国はアジアの平和と安全に非常に大きな影響を及ぼす侵略的傾向を持っているから、日本としては、今後とも安保体制を堅持して対応していかなければならない、こういうような考え方を総理はお持ちになっているのではないかと思う。このことは明らかにアメリカの中国封じ込め政策に追随するということをあらわしていると思います。 そこで、総理大臣にお伺いをしたいことは、中国と安保体制の関係をどのようにお考えになっているか。第二の点は、中国はアジアの平和と安全を脅かす侵略的傾向を持っておるとお考えになっているか。第三は、中国の政策がそのようなものであるとするならば、日本は安保条約を一九七〇年以降においても続けるべきであると総理はお考えになっているのかどうか。この三点をまず伺いたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 中国と安保条約が関係があるか、第一のお尋ねでございますが、安保条約制定当時のことをよく想起していただけばいい。日本の国の安全を守る、こういう安全確保のために日米安保条約が必要だ、こういう観点に立っているのであります。別に中共ととやかくの問題ではございません。これは関係ないということ。 第二点、侵略的云々の問題でありますが、これは、この前お答えいたしましたから、重ねてお答えはいたしません。岡田さんも静かに聞いていらしたようでありますから、御了承だと思います。 第三点、この第三点は、私どもが日本の安全上、安全確保の上から必要だ、こういうことを自主的にそのときになってきめる、こういう態度であること、このことを申し上げておきます。
○岡田委員 先ほどあなたも聞いておったはずだ、こういうお話ですが、私の聞いている限り、あなたの御答弁は、中国が侵略的傾向を持っているということを否定はされなかった。岸前総理大臣は、あなたのおにいさんは、中国は平和愛好国であるとまで言われた。それと同じことをあなたはお話しになる勇気をお持ちですか。少なくとも侵略的傾向を持っているということを否定しておられないじゃありませんか。
○佐藤内閣総理大臣 侵略的傾向、肯定もしていない、否定もしていない、これが私のたてまえでございます。これは一に中国自身の、中共自身のたてまえの問題でございますから、私がとやかく言う筋のものではない。
○岡田委員 いや、たてまえの問題は、あなた自身がどういう感想をお持ちかを私は聞いている。しかし、あなた、過去、現在において中国が日本に対して侵略的な措置をとったことはないじゃありませんか。ありますか。それよりも、逆に、かつて侵略をしたのは中国ではなくて日本じゃないですか。あなたのおにいさんの岸さんや、そこにいる椎名さんはよく知っているじゃないですか。身をもってそれをやったじゃないですか。だから、私は過去においてと言っている。のみならず、今日アジアの平和と安全を脅かしているのは、あなたがさっきお認めのとおり、アメリカ帝国主義の侵略政策じゃないですか。安保条約はそのための道具立てになっている。私は、安保条約があるということが中国の敵視政策だと思う。その理由は、安保条約に基づいて配置されているF105はどこを向いているか。あるいは原子力潜水艦は中国に向けられているじゃないですか。沖繩のメースBは中国に向けられているじゃありませんか。これらの事実を考えても、安保条約によって軍事的には日本は中国を仮想敵国として想定していることを意味しているのではないか。この点はどうですか。
○佐藤内閣総理大臣 これは、非常にはっきり答え得るのですが、仮想敵国としておりません。これははっきり申し上げる。ことに、私どもは、終戦後新生日本、この日本の性格はよく考えていただきたい。これは私ども自慢ができる。このくらい自由を守り平和に徹するという国はないと思う。どこにもない。戦争前の事柄をいろいろ言われることは、新生日本、これを十分認識した上の言動ではないと思う。私は、その意味で、新生日本のその立場に立って御議論を進めていただきたい。
○岡田委員 それでは、総理大臣、再度念を押して聞きますが、たとえば日本の自衛隊が仮想敵国として中国を考えているというような場合には、これはお認めになりませんか。どうなんです。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま申し上げますように、いずれの国も仮想敵国として日本は考えておりません。
○岡田委員 これも石橋質問に関連する問題ですが、共同声明の第八項の中における「いかなる武力攻撃」という問題はこの間ずいぶん議論になりました。この「いかなる武力攻撃」の中には、この間の答弁によると、核兵器による攻撃というものも含まれるという、こういう御答弁でありました。これに対応して、日本の防衛はそのときになってみなければわからないという御答弁でありました。ところが、その中で、あなたの御答弁で最も大事な点は、いかなる武力攻撃に対応しても、日本の国には核兵器は持ち込まない。いかなる場合においても持ち込まないということを明確に答弁されたと思いますが、この点はいかがですか。
○佐藤内閣総理大臣 そのとおりであります。
○岡田委員 その場合は、アメリカの核兵器の日本に対する持ち込みがあっても、これは事前協議条項によってはっきり断わる、このように解釈してもよろしいですか。いかなる場合にもそうですか。
○佐藤内閣総理大臣 そのとおりでございます。
○岡田委員 それでは、共同声明の第三の点として、私が一番ふしぎに思ったのは、共同声明の中で中国や南ベトナムのことは書いてあるが、あなたの非常に熱心である、そしてお隣の問題である韓国というか、南朝鮮の問題が何も書かれてないことなんです。これは、どういうことを意味するのですか。日米会談では日韓会談の問題は出たのであるが、国民の世論を気にして共同声明の中に書かなかったのか、あるいはアジアの平和と安全には関係がないとしてお書きにならなかったのか、あるいはその他の理由があるのですか。どうなんですか。
○佐藤内閣総理大臣 日韓交渉の経過などは議題にならなかったと、当時はっきり申し上げたとおりでございます。
○岡田委員 あなたとジョンソン大統領の会見の中においても、それはなかったのですか。
○佐藤内閣総理大臣 これは否定してもいいことですが、本来私は、ジョンソン大統領と私との間の話は一切どこにも申し上げない、かように考えておりますので、その点から誤解を生じないようにはしていただきたいと思いますが、ただいまの共同声明に全然書かれていないその経過は申し上げたとおりでございます。
○岡田委員 自民党の中には、これはあなたも含めているかどうかはちょっとはっきり確定はしていませんが、釜山赤旗論というものを唱える人が非常にある。この釜山赤旗論を唱える人は、特に日韓会談に熱心である。これは、どうも軍事的なにおいがしてしようがない。日韓会談というのは軍事的な背景を持っているのではありませんか。
○佐藤内閣総理大臣 もちろんそういうものではございません。御承知のように、日本の憲法をよくお読みになれば、そんな誤解は生じてまいりません。自民党もなかなか熱心な、現在の憲法がある限りにおいて憲法擁護論者でございますから。
○岡田委員 共同声明並びに日韓会談の問題は、あとで関係する部分がございますので、あとでもう一度触れてまいります。 次は、安全保障と憲法問題について伺いたいと思いますが、総理大臣、率直に言うことをお許しいただきたいと思いますが、佐藤内閣ができてから国民が非常に懸念していることがあります。それは、公人としての佐藤さんの言動がきわめて右翼的である、そのために、今後反動的な政策を強行して、再び軍国主義的な国家体制を再建するのじゃないか、こういう点が一番心配です。これははっきり申し上げておきます。私は、憲法問題をここで取り上げるのは、そういう観点から問題を取り上げてまいりたいと思うのでありますが、その意味では、よく佐藤さんは平和に徹するということばをお使いになる。この平和に徹するというのは、外交上において平和に徹するのはもちろんそのとおりであります。われわれも賛成であります。しかし、平和に徹するというのは、事国際関係だけではなくて、国内の関係においても平和に徹するという態度をとってもらわなければならない。かりそめにも戦争準備を進めるような体制、戦争体制を進めるようなことは絶体にやるべきではないと私は思います。 そこで、総理大臣にお伺いしたいのは、先ほど、新生日本の問題でございますと、このようにお話しになりましたが、その新生日本が生まれる前提として、過去の戦争に対する反省がなければならないと思う。まず第一にお伺いをしたいことは、日華事変あるいは太平洋戦争時代の軍国主義体制についてはどのような反省と批判をお持ちになっておられるか、これが第一点。 第二の点は、当時行なわれたような高度国防国家体制、あるいは国家総動員体制、または総力戦国家体制というものは、現行憲法のもとにおいては、これは違憲として認めるべきでないと思うが、この点についての総理大臣の見解を伺いたいと思います。総理大臣、政治的見解を伺いたいのです。
○佐藤内閣総理大臣 私は、ただいまの日本の行き方がよろしく、これがまたほんとうの文明国家をつくるゆえんだ、かように確信をしております。したがいまして、過去の戦争等についてあるいは一部の擁護論者がございますが、これはいろいろ誤解を受け、また、たいへんな事態を引き起こしたものだ、かような意味におきまして、この種の事柄は、もう誤解を受けるようなことは一切しない、こういう立場で今後進めていきたい、かように私は考えております。 また、ただいま総力戦云々と言っておられますが、私どもがいま新しい憲法のもとの民主主義、また基本的人権尊重、こういう立場に立ちますと、全体主義的な考え方を排撃しておることはよく御承知なはずだ。したがいまして、私どもは、一部の国家がとっておるような全体主義的な傾向はとらない、このことははっきり申し上げる。したがいまして、今日の行政におきましても、もうあらゆる面におきまして自由主義経済を進めていく、これが私の基本的態度であります。したがいまして、ただいまのような誤解を受けるとは私は思いません。もちろん、岡田さんが私の思想についてあるいは右寄りだとか言われることは、それは御自由ですが、私自身は、どちらかというと非常に進歩的な人間だ、かように考えておりまして、そういう誤解がありましたら、それは解いていただきたい、かように思います。
○岡田委員 これは重要ですからもう一度確かめておきたいと思うのですが、民主主義的な方針にさからう国家主義的な、全体主義的な体制は、日本においては絶対に認めない、これは排除する、こういうことだと佐藤さんの見解をいま承ったと確認してよろしいですか。
○佐藤内閣総理大臣 全体主義的あるいは国家統制的な考え方は毛頭持っていない、こういうことをはっきり申し上げておきます。
○岡田委員 それでは伺いますが、二・二六事件のときのような戒厳令については、現行憲法上合憲的な法的措置がとられるとお考えになりますか。戒厳令は違憲ですか。これを伺いたい。総理大臣、まず政治見解を伺って、そのあとで法制局長官にも伺いますから、政治見解を伺いたい。
○佐藤内閣総理大臣 こういうことは、いきなり政治見解を申しますと間違いますから、まず法律はどういうようになっているか、それから申し上げて、しかる後に私が……。
○高辻政府委員 お答えを申し上げます。 明治憲法時代の戒厳令というのは、戒厳令がしかれますと、いろいろ国法上の関連に影響を持った法律関係が生じてまいります。そのうちには、もとよりわが現行憲法のもとでは許されない事項が入っていると私は思います。したがって、はっきり申し上げれば、わが現行憲法の上ではそのとおりのものはできないというふうに考えます。
○岡田委員 いま法制局長官が言われたように、戒厳令は現行憲法のもとにおいては違憲である、こういう解釈は、総理大臣、間違いないのでございますか。
○佐藤内閣総理大臣 権威のある法制局長官が答えたそのとおりだと思います。
○岡田委員 それではお伺いしますが、これは自民党の鹿島さんのところで出した「日本の安全保障」という本であります。この本の中で、ここにおられる増原恵吉さんが演説をされております。その日にちは昭和三十七年の七月二十五日であります。この中にこういうことを書いておられますページは四二五ページから二七ページにかかっている。読んでみますが、総理大臣、お聞き願いたい。 次に、間接侵略の問題に関連して、安保の時に見られたような事態に対処する一つのキイ・ポイントは戒厳令なのです。戒厳令がなければいけない。内々でやっているのですが、戒厳令というものは、昔のとおりのものを持ってくる必要はないのですけれども、やはり、非常事態における、総理なり長官なりの権限を拡大しなければいけませんからね。動く動き方をもっと変えなければいけないですよ。で、戒厳令というものを作らないというと、ああいう騒擾、暴動には対処できません。戒厳令ができれば警察だってうんと力ができますし、自衛隊だってきわめて有効です。そして、これはまた憲法改正ということになりそうなのですが、憲法改正をしなくても、戒厳令というものをこしらえれば、いけると思います。 このように言っている。この点は、総理大臣、どうですか。あなたに認めないとおっしゃったが、そこにいる増原さんは、戒厳令やれと言っている。これについて佐藤さん、どうです。
○佐藤内閣総理大臣 たいへん自由民主党の自由主義的な傾向を御披露いたした、かように思います。私どもいろいろぴしっと統制をとるというようなこともございますが、きまるまでは自由にいろいろな意見を述べる、これがわが党のあり方でございます。私は、それによって党がきまったというならこれまた別でございますが、その個人個人の意見を引き合いに出されて、自由民主党はこの考えだとか、あるいは政府はこの考えだ、かように押しつけられることは、そこに無理があるんだ、かように私は思います。
○岡田委員 これは重大ですよ、佐藤さん。あなたの内閣にいる国務大臣ですよ。これは、一つは内閣不統一じゃありませんか。そればかりじゃなくて、戒厳令について、自民党の方針はいまだにきまっていないのですか。憲法違反であるという事実はきまってないのですか。さっきから戒厳令は認めないと言っているじゃありませんか。——認めないならば、方針はきまっているじゃありませんか。——私は、まだ質問するのだからもう少しおすわりなさい。あなた、増原さんがこう言っている事実をお認めになって、それでいいとおっしゃるのですか。増原さんに陳弁の機会を与える前に、それは閣僚の云々などということについて、自民党の一党員の自由だからけっこうだなんて言ってよろしいのですか。あなた、大臣の一人ですよ、はっきり答弁なさい。
○佐藤内閣総理大臣 いま増原君にその所見を言います機会も与えないで私がいきなり答えたというのは、たいへん御不満のようですが、ただいまお読みになったとおり、昔のままの戒厳令を云々しておるわけじゃないと思います。なお、そういう点で明確にしたいとお考えなら、増原君がお答えするだろう。私は、先ほど来申し上げておりますように、政府あるいは党でこういうものがきまっておれば、そのときの意見なら、いかようにでも御批判をいただきたい。先ほど来戒厳令についての私の所信は申し上げたとおりでございますから、それまでの横の御議論はあまりしたくない、こういう立場で私はお答えしたのでございます。その点、増原君にさらに説明をさそうとおっしゃるなら、お聞き取りをいただきます。
○岡田委員 増原さん、答弁なさるおつもりがなければ、それでも私は別に聞こうとは思いませんが、この事実を否定されないでしょうから……。
○高辻政府委員 お許しをいただいて一言申し上げます。 ただいまお読み上げになりましたものは、私、実は詳細には存じません。存じませんが、私も先ほど申し上げましたように、昔の明治憲法下における戒厳令そのままの姿でやることは、憲法上むずかしい問題があるということを申しました。先ほどそういうふうに申しました。そして、ただいまの戒厳令が、やはりはっきりと昔と同じような戒厳令であれば、私が申し上げたさっきのお答えのとおりであります。しかしまた、その中身が違えば、それは話は別でございますが、全体的な考えとしてはさっき申し上げたとおりでございます。
○岡田委員 高辻さん、私は増原さんに聞こうと思ったのだが、増原さんはさすがに政治家であると思う。自分のおっしゃったことは、政治的信念を持ってお話しになったが、これに対して答弁されない。あなたがことさら増原さんにかわって陳弁しているのだが、それはともかくとして、それじゃ昔の戒厳令に該当する部分では憲法に抵触する部分もあるという、それはどこなんですか。
○高辻政府委員 たしか、昔のある種の戒厳令につきましては、例の特別裁判所に事件がかかるようなことも私はあったと思います。そういうものにつきましては、現行憲法の上で容認されないものがございます。したがって、そのようなものであれば、現行憲法では許されないということでございます。
○岡田委員 これは重要な点ですが、私はまだ重要な問題があるから、あまりこれに時間をとりたくないのです。あなたは、憲法上何条に基づいて戒厳令が実行できるとおっしゃるのですか。何条に基づくのですか。そういう事態がありますか。 〔発言する者多し〕
○青木委員長 静粛に願います。
○岡田委員 緊急事態というのは、参議院の緊急集会以外にはないはずである。それ以外に何があるのですか。これは重大ですよ。
○高辻政府委員 誤解がないようにお願いいたしますが、私はその戒厳令という、いわゆるその本にあります戒厳令というのが、昔の戒厳令と同じであるかどうか。これがわからないために念を押して言っております。 ところで、いまの御質問でございますが、御承知のとおりに、憲法上緊急事態については緊急集会というものがございます。そのほか、戒厳令の基礎になるようなものは確かに憲法上ございません。しかし、戒厳令と言っていいかどうか別といたしまして、現行法上は警察統制とかいうようなものがございますので、現行憲法の範囲内で一体どこまでできるかという問題は、別個にあることを申し上げたいのであります。むろん、憲法の範囲内でどういうことができるか、憲法の範囲内でどういうことがどういう範囲までできるかという問題はある。たとえば、警察法の中には、いわゆる警察統制というようなことがございます。そこで、一体いまどんなことを考えているかといわれましても、考えがございませんから申し上げられませんが、その範囲内で許されることならむろんできる、こういうわけでございます。
○岡田委員 非常に重大なことをお答えになったんだが、戒厳令というのは、軍隊を動員することですよ。軍隊を動員するというそういう形のことは、現行憲法並びに自衛隊法において許されておりますか。許されておるのなら、それははっきりしてもらいたい。総理大臣、これは非常に重大ですよ。軍隊を動員できる戒厳令が、内容がどのような内容であろうとも、軍隊それ自体を動員できる戒厳令ができるという、こういうことを法制局長官がおっしゃるなら、その根拠を明らかにしてもらいたい。間違っているなら取り消してもらいたい。これはあとの重大問題ですよ。はっきりしてもらいたい。ほんとうにはっきりしてもらいたい。重大問題ですよ。 〔発言する者多し〕
○高辻政府委員 はっきり申し上げます。私が申し上げたのは、憲法の範囲内でどういう程度のものができるかという問題であって、昔のような戒厳令そのものは、現行憲法のもとではできませんということを申し上げているわけでございます。
○岡田委員 それでは、軍隊を動かすような戒厳体制というものはとれないですね。憲法違反ですね。これははっきりしてもらいたい。総理大臣に伺いたい。
○青木委員長 法制局長官に発言を許しましたから……。
○岡田委員 総理大臣、これは政治問題ですから、総理大臣。総理大臣がさっきから意見を述べておられる。
○青木委員長 ちょっとお聞きください。
○岡田委員 はっきりしておかないとだめですよ。そこの点は、今後非常に問題があるから、はっきりしてもらいたい。
○高辻政府委員 大体おわかりいただいたと思うのですが、昔の戒厳令でありましたような効果を伴う動員は、これは、先ほど来申し上げておりますように、いろいろな効果が発生いたします。そういうものにつきましては、現行憲法上できるとは、私は申せません。現行憲法のもとでできる範囲が何かあるかどうか、これは研究問題かもしれませんが、あくまでもそれは現行憲法のもとでやれる範囲に尽きるわけでございます。したがって、その本にあります戒厳令というものがどういうことであるのか、昔のとおりであれば、むろん憲法上不可能でございます。
○岡田委員 じゃ、具体的に伺っていきます。自衛隊を戦争の前と同じように軍隊的な意味での動員をした、そういう戒厳令というのは行なえますかどうですか。はっきりしなさい。行なえないということをはっきりしなさい。
○高辻政府委員 たとえば、御質問の御趣旨と多少食い違っておるのかもしれません。私が申し上げます。 〔発言する者多し〕
○青木委員長 静粛に願います。
○高辻政府委員 私の答弁が不分十なのかもしれませんので、私の答弁に不十分なところがあるといけませんので申し上げますが、たとえば、自衛隊につきましては、非常の場合に待機出動命令を出すとか、いろいろなことがございます。そういうことは、むろん憲法のもとでできるという考え方で自衛隊法ができております。しかし、昔の戒厳令におけるような各種の効果を伴うものは、これは現行憲法でできないものがある。これは先ほど来申し上げているとおりであります。
○岡田委員 これは重要ですから総理大臣に伺っておきたい。自衛隊を動員して実質的に戒厳令と同じような効果を伴うようなことは、憲法の精神として認めるべきではない。さっきあなたは、日本の民主主義のためにそういう軍国主義体制はとらないとお話しになった。そういう点は認めるべきでないと思うのだが、この点はどうですか。これが第一点。長官、あなた耳打ちしてはいけない、法律解釈を聞いておるのじゃないのだから。あなたには十分答弁の機会を与えているのだから。それが第一点。われわれはそういう懸念を持っているから聞いている。 第二の点は、憲法で明定されているシビリアン・コントロールという原則がありますね。このシビリアン・コントロールの原則というものをはっきりしてもらわなければならない。軍人が国内政治を壟断したり、軍国主義国家体制を推進するようなことがあるならば、これは断じてその責任をはっきりして、取り締まってもらわなければならないと思うが、総理大臣、この点はどうですか。 私はこれであまり時間を取りたくないのです。この二つの点を簡単にお答えください。
○佐藤内閣総理大臣 第一段は、法制局長官が先ほど来答えたとおりでございます。 第二の問題は、ただいま御懸念なさるようなことは絶対にございません。またやらさないとはっきり申します。
○岡田委員 やったら、そういう責任は明確にしてもらわないと困りますよ。
○佐藤内閣総理大臣 こういうことは、もう御心配なしに、政府にまかしておいていただきたい。
○岡田委員 それでは、これは防衛庁長官に伺いたいんだが、重大な問題ですけれども、昨年の八月一日、陸上自衛隊関東駐とん地部隊二尉グループ、代表者志村義広、「国防省昇格の早期実現を」という怪文書が出ている。自民党の中に、佐藤さんのところにも配付になっているはずだ。その怪文書の内容は、戦争前の軍国主義的な思想というものを非常に明確にあらわしている。まず第一に、憲法の改正を要求する、シビリアン・コントロールを批判する、第三は、政府と社会党を攻撃し、特に政府に対しては、腐敗した金権政治のもとでも、軍はその命ぜられるままに死地へ挺身しなければならないのか、あるいはまた、——自民党の諸君よく聞きたまえ。保守弱腰政権のもと、われわれの出動、鎮圧という最悪の事態を迎える日までほうっておくというのであろうか、憂国の一念にかられているわれわれ青年の存在を忘れるなと結んでいる。これは非常に重大な問題ですが、小泉さん、これはどういう調査をされて、どういうように始末されましたか。
○小泉国務大臣 ただいま岡田委員から御指摘のありました怪文書が流布されたことは事実でございまして、私も詳細に拝見をいたしました。ただいま御指摘の、関東駐とん部隊二尉グループの志村某なる者の名前でございましたので、詳細に調査いたしましたが、この志村なる人間は存在しておりませんし、またこれに該当するような人物もございませんでしたので、徹底的調査はいたしましたが、実在の人物がいなかったということで、ついにその実態を突きとめることができなかった状態でございます。
○岡田委員 小泉さん、あなたは知らないのですよ。責任者は処分されたじゃないですか。防衛局長は知っているでしょう。責任者は処分されているじゃないですか。防衛局長、答えなさい。その経過をはっきり言いなさい。責任者は処分されているじゃないか。
○海原政府委員 御指名でございますので、私からお答えいたしますが、二尉グループというものの存在はございません。したがいまして、その代表者の志村という者もおりません。したがいまして、処分が行なわれた事実はございません。
○岡田委員 こういうグループというものがなくて、そういうものはないんだが、しかし、それに関連するものとしての責任の追及はあったでしょう。私は知っていますよ、あなた。はっきり言いなさいよ。ないのですか。
○海原政府委員 ただいまお尋ねがこの事件に関連してということでございますので、私の知る限りでは、そういう処分はございません。なお、防衛庁内の所掌事務では、人事局長の所掌でございます。
○岡田委員 それでは、まあいいですわ、続いてあとで明らかにしますから。防衛庁長官に伺いたいのですが、昭和三十八年の六月ころ、防衛庁の統幕会議が中心になって、統合防衛図上研究と称する研究会を行なったのです。この図上研究は、海原さんの言うとおり、昭和三十八年二日一日、統幕3第38−30号の実施計画に基づいて行なわれたはずだ。この点は、あるいは防衛庁長官は当時在任でなかったからおわかりにならないかもしれませんが、海原さんはその当時から在任されておられるし、この会議にはあなたの中の防衛第一課長久保課長が出席しておりますので、これは、あなたおわかりのとおりですが、この事実について伺いたいと思います。昭和三十八年統合防衛図上研究。
○海原政府委員 先ほどの御質問の際にお答えしたと同じ趣旨でございますが、毎年自衛隊では年度を通じまして、いろいろな教育訓練をいたします。また図上演習もいたしております。これらはすべて先ほどお答えいたしましたように、あらかじめ年度の計画はきまっております。それの一環として、統幕におきましてそういう演習が行なわれたことは事実でございます。通常そういう研究演習が行なわれます場合には、長い場合には一月、短い場合も二、三週間、いろいろな研究がございますので、その過程におきまして、私のところの一課長、当時久保君でございますが、これがその演習に一部参加したことは事実でございます。
○岡田委員 防衛局長にもう一度伺っておきますが、それじゃ昭和三十八年統合防衛図上研究というのをやったというのは事実ですね。
○海原政府委員 いま先生おっしゃいましたような名前の研究演習が行なわれたことは事実であります。
○岡田委員 それじゃもう一度伺っておきますが、この研究は三矢研究とかスリーアロー研究とか略称されておりますが、そういうものですね。
○海原政府委員 三矢とかスリーアローとかいう名前で呼ばれておるという報道はございますが、私どもはそういうニックネームは用いておりません。
○岡田委員 ニックネームは用いても用いなくてもいいです。 それではもう一つ伺いますが、その図上研究の実施は相当長期間であって、私の調べている限りでは六月十三日、十四日の両日、並びに六月十七、十八、十九、二十、二十一、二十二の八日間、こういう相当長期間の研究が行なわれたとわれわれは調べておりますが、この点はいかがですか。
○海原政府委員 先ほども申し上げましたように、研究、演習が長期にわたる場合には、一カ月に及ぶこともございます。
○岡田委員 大体はっきりしてまいりましたが、防衛局長に伺いますが、その図上研究は市ケ谷の指揮演習講堂二階で行なわれた。参加者は当時統幕会議事務局長田中義男陸将、彼が統裁官である。統裁官付並びに補助官として第一幕僚室長ないし第五幕僚室長まで、すなわち大平、久原、山本、梅沢、高木各将補、研究員としては統幕部員佐官クラス十六名、陸海空の各幕部員佐官クラス二十一名、内局からは防衛局防衛第一課長久保課長外三名、その他合わせて八十四名が出席している。そうして、この会議はきわめて秘密を保持する意味で、徹底した秘密保全のもとに部外者の完全な立ち入り禁止を行ない、参加者は一目でわかるように、たとえば田中総裁官は赤白赤の腕章をつけている。統裁官付というのはいわゆる将補でありますが、これは赤の腕章をつけておる。それぞれ腕章をつけて非常に厳重な会議が行なわれた。こういうような会議であったと思いますが、防衛局長、どうでございますか。
○海原政府委員 年度の統合演習の研究の際は、通常、いま先生のおっしゃいましたような程度の人員が参加いたします。その場合にそれぞれの立場と申しますか、階級職責を明らかにする標識をつけ、呼称をつけていることは、おっしゃるとおりでございます。
○岡田委員 総理大臣、これは非常に重要なんで伺ってまいりますが、この研究会議に提出された想定は、私ここに資料を持っております。たとえば第三動状況として七月の一日から三十一日までの、その軍事情勢が述べられておる。その軍事情勢の中には世界情勢、アジア情勢、国内情勢と分けて詳細に規定されている。この点を簡単に申し上げますと、七月の十九日、北朝鮮、中国の両国軍隊が三十八度線を突破して南朝鮮を侵略した。七月の二十一日、東京において日米安保協議委員会が開かれ、政府は臨時閣議を開いて、総理大臣はテレビ放送で、日本は共産側の直接侵略の危機のもとにあるが、国民は決起せよと放送した。そうして戦時国内体制の整備に着手した。そうして、国内においては共産党、朝鮮総連、それから安保反対国民会議が全国的に反政府活動を始めた。それからもう一つ重大なことは、国会内では野党が政府を激しく追及をして臨時国会の開会を要求し、事態は重大段階におちいるものと思われたので、自衛隊に対して治安出動を命令した。防衛出動待機の命令が行なわれた。こういう想定が行なわれております。 こういうことが行なわれているばかりではなく、重大なことは、この図上研究というのは、図上作戦と答解作業が含まれている。この答解作業によって、二年前にすでに八十四名以上の自衛官の制服によって、日本の政治、経済、産業、外交全般にわたる国家総動員体制の計画がつくられている。そのための政治方針が具体的にきめられて 私はあとで資料として総理大臣にもごらんに入れますが、特に問題になるのは、その想定に基づいて研究課題が十数項提出されている。この研究課題のNo.12には、「七月二十一日の臨時閣議において決定されたわが国防衛の基本方針ならびに所要の国家施策についてその骨子を述べよ」——その骨子を述べよというのは、八十四名の自衛官が骨子をつくれというのです。国策の方針をつくれというのです。No.10には「七月二十日までの状況に対し、逐次とった統幕、各幕としての措置」——これはいいとして、「ならびに防衛庁及び政府レベルにおいてとらるべき措置について、主要事項を列挙し、その骨子を述べよ。」これも八十四名の制服が研究したのです。いいですか。 そこで、総理大臣に伺いたいのです。まず第一は、この想定の中で、北朝鮮、中国を仮想敵国と明確に断定している。あなたのさっきの答弁と全然違うじゃないですか。はっきりこういう事実がある。この文章の中で、敵ということも書いている。 第二、No.12、No.10に見られるごとく、臨時閣議で決定されるべき政治方針、政府レベルのとらるべき措置というのは行政措置です。政治と行政全般が制服の自衛官によってつくられている。そういう内容がつくられているということは明らかに政治の介入である、政治の支配である。自衛官にはこのような政治的行為というものは制限されている。こういう事実が現実に行なわれている。しかも、これは二年前である。二年後においてもどんどん行なわれておる。これはきわめて重大なことです。これはひとり社会党の問題だけではないと思う。自民党も含めて、このような軍国主義体制が、制服といわれる軍隊、実質的な軍隊の手によって進められているというのは重大である。こういう点は、政治的な見解を総理大臣にまず伺いたいと思う。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま仮想敵国、こういうように断定されましたが、それは私は言い過ぎだろう。ただいまお述べになりました事柄について、この想定自体があまりにも現実とかけ離れている、こういう批判は十分受けてしかるべきだ、かように思いますので、そういう意味の問題は、私どもがまた防衛庁とよく相談いたしまして、幾ら想定をいたすにいたしましても、いろいろ誤解を受けるようなことのないように、これから気をつけてまいりたいと思います。
○岡田委員 いや、その程度では済まないことです。かつての二・二六事件の前において、そういう形で軍隊がどんどんと軍国主義的な復活をやっていったのです。こういうことを、そういうことであっては困る。私は、佐藤さんの本心としても、ほんとうにそういうことをやらせてはいけないという気持ちを持っておられると思いますよ。佐藤さんまでだまされて、制服によっていま軍国主義の支配が進められようとしておる。だから、私は言っているんですよ。重大な問題ですよ。こういう事実があったら徹底的にお調べになって、究明して責任の所在を明らかにされますか。はっきりしてください。これは重大ですよ。
○佐藤内閣総理大臣 私は、いま答えたように、私がただいま責任を持っておりますので、この責任の立場においてこの問題を処理します。
○岡田委員 これはもう非常に重大ですから、はっきりされるということを私確認した上でもって内容に入ります。 いいですか、いまお手元に配付した資料は、これは読まなければ速記に載らないのですが、委員長、これは先例として、配付した資料は要求すれば速記録に載ることになっておりますから、これは速記録に載せていただくことを私は要求いたします。先例があります。
○青木委員長 理再会で相談の上処理いたします。
○岡田委員 総理大臣、そこに資料があるはずですからごらんください。「三矢研究状況下の第4回合同研究実施要領」(「資料はないじゃないか」「そこに資料が配付してあるじゃないか」「読め読め」と呼び、発言する者あり)それじゃ読みます。いいですか、それでは全部読みますよ。「第3動、研究問題」……。 〔発言する者あり〕
○青木委員長 静粛に願います。
○岡田委員 全部読みます。「7月20日までの状況に対し、逐次とった統幕、各幕としての措置ならびに防衛庁及び政府レベルにおいてとらるべき措置について、主要事項を列挙し、その骨子を述べよ。〔状況下の研究No.10〕2、7月21日実施された日米安保協議委員会について下記を研究せよ。〔状況下の研究No.11〕3、7月21日臨時閣議において決定されたわが国防衛の基本方針ならびに所要の国家施策についてその骨子を述べよ。4、7月21日下令された防衛出動待機命令に関連し、内局、統幕、各幕の作成する行動の基本、指揮命令をそれぞれの形式によって記述せよ。」 以下8までここに並べてありますが、あとは省略します。 それから想定は、「1、世界情勢」これは略します。「2、アジアの情勢」これは小さな(1)(2)(3)もありますが、これは長くなるので省略します。(4)(5)(6)(7)これは略、「(8)7月19日夕刻、突如中共空軍機をふくむと思われる北鮮側の戦爆大編隊が、韓国の主要空軍基地及び都市を奇襲攻撃し、夜半にはいって、北鮮側地上軍は軍事境界線の全線にわたり攻撃を開始し、東部国境地区においては韓国反乱軍及び革命分子の策応もあって、相当の進出をみたもようである。」云々。そして先ほどの(10)は、日米安保協議委員会臨時閣議の内容。総理大臣は、「いまや我国は共産側の直接侵略の危機に直面している。祖国防衛のため国民のけつ起を要請する」とテレビ放送を行なった。想定の最後に、「今後これらに対する敵潜水艦隊及び航空機の妨害が予想される。」敵とはっきり書いてある。 そこで続いて総理大臣、その問題からもう一歩進みます。お聞きください。これだけではないのですよ。いいですか。この中で、先ほどから申し上げたように、No.12というのはきわめて重大です。あとで資料を配付いたしますが、No.12というのは、政府の閣議で決定すべき国策要綱から、国内体制の戦事編成及び国会に対する干渉事項が具体的に計画されている。国会に対する干渉ですよ。この点は単に社会党だけではない、自民党も政府も制服といわれる軍隊が国会の干渉まで具体的に規定しているというこの事実はきわめて重大である。たとえばNo.12の第1は、「韓国情勢の推移に伴う国策要綱」というのができている。韓国情勢推移の国策要綱は、「(昭3X・7・21閣議決定)」としてつくられている。この閣議決定の作成にあたって——総理大臣、お聞きください。作成の基本方針としては、「7月21日臨時閣議において決定された防衛の基本方針は、いわゆる狭義の防衛力運用のための基本方針といったものではなく、国家防衛に関する全般にわたっての政府の方針的事項であると考え、」いいですか。「そのような立場にたって研究を行なった。また、この方針的事項は当然重要国策として打ち出されるものであるので、答解の表現においては、この意味において「韓国情勢の推移に伴う国策要綱」とした。」このように書いてある。なおこの種の文献として最もよい凡例は、いいですか。「昭和16年7月8日の御前会議において決定された独ソ開戦に伴う「情勢の推移に伴う帝国国策要綱」がある。」このように言っている。 〔「文書の出どころをはっきりしろ」「文書の信憑性を明らかにせよ」と呼び、その他発言する者あり〕
○青木委員長 静粛に願います。
○岡田委員 これはもう非常に重大です。 〔発言する者あり〕
○青木委員長 静粛に願います。静粛に願います。
○岡田委員 こういう事実を……。 〔発言する者あり〕
○青木委員長 静粛に願います。
○岡田委員 こういう事実は、すでに自衛隊の制服が、このような国策要綱一切を戦争前の独ソ開戦の帝国国策要綱に基づいてこれを行なっている。これはきわめて重大です。こういう点について、総理大臣からぜひこれははっきりと意見を伺っておきたい。
○佐藤内閣総理大臣 答弁をいたします。 どうもただいま、この席はまことに大事な席ですから、いいかげんな資料でお話しになるとは私も思いません。したがって、それは信頼すべき材料でございましょうが、しかし、お読みになった事柄全部が、これは研究課題としてのいわゆる仮想問題でございます。それをただいまのようにお話しになりますと、いかにも事実であったかのような誤解を受けやすいのであります。これはどこまでも仮想の問題だということをはっきりさしておきたいし、また事実とこれをこんがらがらさないように願いたい。同時に、私は、そういうことをも含めて、全体としての想定についてはよく研究をして、そうして政府としてこれに対する処置をいたしたい、かように思います。問題は、ただいまのような非常に重大な事柄を、またその資料それ自身も、私防衛庁からも伺っておりませんので、よく確かめますが、どこまでもこれは仮想の問題であるということ、そうして、実際の問題とはそこにつながりのないということをはっきりさしておかないと、これは国民から非常に誤解を受けるだろう、かように思います。また岡田さんも、そういうような印象を与えるということは、御質問の真意でもないだろう、私はかように考えますので、こういう点をも含めて、全体として十分処置する、善処するということをお約束いたしておきます。
○岡田委員 防衛庁長官、ちょっと伺いますが、先ほど申し上げたように、統幕3第38−30号という実施計画に基づいて、このような資料が配付された。この点をお認めになりますか。それが第一。 第二は、こういう研究をされたことも事実であると思いますが、これについて防衛庁長官に伺いたい。
○小泉国務大臣 ただいま岡田委員から配付されましたこの資料の極秘文書が、はたして防衛庁の研究をいたしましたものと同一のものであるかどうかすら私は理解に苦しむものでございまして、この点も十分調査をいたしたいと存じております。あくまでもこれは一部の演習の前提としての想定であったと存じまするが、なお、この実態をよく調査をいたすつもりであります。
○岡田委員 それでは、そういう資料を御提出になりますか。 〔発言する者多し〕
○青木委員長 静粛に。
○小泉国務大臣 資料を調査をいたしまするが、内容については秘密を要する問題もありますし、ここでお示しするとかしないとかいうことはお答えするわけにまいりません。
○岡田委員 それじゃ統幕3第38−30号の実施計画というものはあったのでしょう。防衛局長、どうですか。
○海原政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、そういう名前の研究、あるいはそういう名前の文書、それはございます。
○岡田委員 その資料を防衛庁長官、出してください。
○小泉国務大臣 そういう名前のものはあったと防衛局長は申しておるのでございまして、その名前のものが、ただいま岡田委員が指摘をされ、お配りになった内容と同一のものであるかどうかということを、今後調査をすると申しておるわけであります。
○岡田委員 もう一つの資料をすでに配付しているそうですから、私は第二の点も説明して資料を出していただきたいと思いますが、第一点は「韓国情勢の推移に伴う国策要綱(昭3X・7・21閣議決定)」として、この内容が全文書かれております。第二、その場合における「国防中央機構等の整備に関する事項」これは政治問題です。「整備を必要とする機構等を次のとおりとする」ということで、国家機構ができています。国家機構は、(1)戦争指導機構、(2)民防衛機構(郷土防衛隊)となっています。(3)国土防空機構、(4)交通統制機構、(5)運輸統制機構、(6)通信統制機構、(7)放送、報道統制機構、(8)経済統制機構、このような国家機構がつくられることになっている。 その次。国家総動員法に匹敵すべき体制がつくられている。さっきのは軍政体制ですね。総動員法の体制としては、経済の統制。生活必要物資の規制、戦略物資の統制、物価統制、金融統制、輸送統制、全部できている。経済の動員。戦争動員です。軍用物件の収用及び利用。軍用資材、医療機関、輸送機関、土地、建造物、その他となっている。それから生活必需物資及び軍需品増産諸施策の実施。重要戦略物資の備蓄施策の実施。産業防衛についてもつくられている。それから「重要戦略物資の繰上げ輸入及び新規輸入を実施する。」また、それだけではなくて、徴用についても書かれている。軍の徴兵、徴用。「国策遂行を必要とする要員を確保するため必要な施策を推進するが、要員確保のための強制措置については」——強制措置というのは、徴兵、徴用です。「当面これを保留し、情勢の推移に応じて決定する。なお、要員確保のための施策の優先順位を自衛隊、治安機関、民防関係その他とする。」とはっきり書いておる。 最後はわれわれにとって非常に重要な関係だ。「戦時諸法案と補正予算案の国会提出と成立」、これもできている。その法律は全部で八十七件だということをいっている。ここまでつくっているのですよ。八十七件で、しかも最後に文章上明らかになっているのは、国家総動員体制に移行させるもの十件と書いてある。しかも国会に対しては、国会の召集を行なって、約二週間で成立をさせる。そのために緊急なものは特別委員会を設けて審議させる。並びに、もっと緊急なものは委員会の省略を行なって、即座に本会議において上程可決させると書いてある。これは、明らかに最高機関である国会法のじゅうりんですよ。これは明らかな……。(「予定だもの」と呼ぶ者あり)予定では許されないです。(「予定じゃない、想定だ」と呼ぶ者あり)軍政体制をこのような形でつくっている。これは、明らかな全体主義的な国家体制、総動員体制です。総力戦体制です。高度国防国家の体制を、このような形でつくっているのです。こういう点について明確にしない限り、われわれは絶対に承服しません。こういう点を明らかにしてもらわない限りは、われわれこの審議には承服できません。はっきりしてもらいたい。
○小泉国務大臣 ただいま御指摘の内容が、正式機関において決定されたとは私も毛頭考えないわけでございまして、十分に調査をいたしたいと存じます。
○岡田委員 あなたは防衛局長の答弁を聞いているでしょう。八十四名の人が出て、公式会議でこれを討議したと言っているじゃないですか。
○青木委員長 岡田君、ちょっとお待ちください。総理大臣から答弁になります。
○佐藤内閣総理大臣 私の政治姿勢なり、私が政治的に取り組んでいることは冒頭に御説明いたしましたからよくおわかりだと思います。私は、ただいまのようなことは絶対に許せないことだ、かように考えます。この機会に、その書類がどういうところから出て、だれからおとりになったか、これはやはり御協力をしていただきたいと思うのです。私は、それを岡田さんに、この席でなくとも、他の場所でいいですが。私は、同じように国民の一人としてこれを非常に心配しておる。かような事態が政府が知らないうちに進行されている、これはゆゆしいことだと思います。したがいまして、私は、その書類は、おそらく岡田さんがこうしてお読み上げになるのですから、これは十分の確証があるものだと思います。それを十分私どもと相談していただいて、政府がこれを了承しているとか、あるいは政府が指導しているとか、こういうことなら政府の責任を追及なさるのもしごくもっともですが、私の態度は、先ほど来数回にわたって申し述べておりますので、そういう点を御協力願って、そうして、十分こういう事態に対しての対処を政府があやまらないようにひとつさしていただきたいと思います
○岡田委員 総理大臣の真意はわかりました。こういう事実は絶対に認めないということならよくわかります。そこで、あなたが私にも協力を願って、ニュースソースについても言ってもらいたい、こういうお話ならば、それもできるように取り運びたいと私は考えております。しかし、その前に、こういう事実が防衛庁においてつくられているという事実を、私が言う前に、あなたのほうが、さっきからいわゆる通達番号まで出しているのだから、昭和三十八年の二月一日、統幕3の第38−30ということまで言っているのだから、こういう事実をお認めになるのかどうか、その点をはっきりしてください。その点をはっきりしない限り私は言えない。
○海原政府委員 私の説明に関連してのお尋ねでございますので、私から御説明いたします。 私が先ほど申し上げましたのは、先生のおっしゃいましたような名前の研究演習が行なわれたことは事実である。その演習に際して、私の記憶が正しければ、先生のおっしゃったような文書番号のものが出ていることも事実である。しかし、その内容がいま先生のおっしゃったものと同じであるかどうか、この点につきましては、先ほど大臣からお答えいたしましたように、現在どうであるかということはわかりませんので調査いたします、こういうことでございます。 再度申し上げておきますが、私は、先生のおっしゃったものがそのときに配付されたものということは一切申しておりません。 〔「控えがあるはずだ」と呼び、その他発言する者多し〕
○青木委員長 議事進行についての辻原弘市君の発言を許します。
○辻原委員 いま岡田君から提起をされた問題は、これは、先ほど海原防衛局長も認められたとおり。しかも、岡田君はこの資料について、先ほど……(発言する者多し)はっきり言いますから、委員長……。 〔発言する者多し〕
○青木委員長 静粛に願います。——静粛に願います。
○辻原委員 先ほど指摘をしておりますように、昭和三十八年二月一日付統幕3第38−30号の実施計画に基づく一連の資料については、そういったような実施計画、演習を企画、研究をしたことがあるということは、海原局長はこれを認めたのであります。したがって、はたしてこれが、いま岡田君が詳細に述べた、すなわち、第38−30号という実施計画に符合するものであるかどうか、われわれはこれを十分検討しなければならぬ。したがって、認めた以上、その行なったという実施計画が防衛庁にあるはずであります。したがって、その資料は直ちに当委員会に提出できるはずだと私は思う。直ちにその資料を提出していただきたいと思います。
○青木委員長 本件につきましては、政府側においても、ただいま岡田春夫君の御質問の内容等につきまして調査を言明いたしております。また、辻原君の御要望に対しましては、理事会においてその取り扱いを協議いたします。 時間が参りましたので——お約束の時間が参っておりますので、どうぞ結論をお願いいたします。岡田春夫君、時間が参っておりますので、結論をお願いいたします。
○岡田委員 これは、総理大臣もお認めのとおり、きわめて重大な問題であり、私もここへ出す限り、いいかげんに無責任な怪文書を出しているわけではないのです。根拠があるから出しているのです。私は、そういう根拠に基づいてこの資料を出しているわけです。あなたのほうが、これは事実を調べなければわからないとお話しになるならば、私はこれ以外にまだあるのですよ。これに関連する重大な問題がまだあるのです。あるのだから、これらの私の言っているものが防衛庁の制服の統幕会議においてつくられたものであるのかないのか、この点を明らかにしてもらわない限り、私は審議を進められないのです。ですから、こういう点については理事会を開いてはっきりしてもらわなければだめなのです。
○青木委員長 理事会において検討いたすことにいたします。時間が参りました。
○佐藤内閣総理大臣 先ほど来何度も政府の態度を明確にいたしたつもりでございますが、これは仮想の問題だと私は思いますが、仮想の問題にしても事はまことに重大でございます。しかも、これは実際、事実の問題としばしば間違えやすい事柄でございます。したがって、これを十分調査いたしまして、私のほうで善処いたします。そのことをはっきり申し上げます。
○岡田委員 総理大臣は十分調査をして善処をするとお話しになっておるが、この前文の中に、まだ私が取り上げておらないもっと重大な問題があるのです。その点は、これが、私があなたに言っていることが事実でないなら、私は質問ができないわけですよ。事実であるならば、私はもっと重大な問題をこれから取り上げなければならないのです。直ちに調査してもらいたい。そうして、理事会の上ででも出してもらわない限りは、私は質問ができないのです。
○青木委員長 理事会において検討いたすことにいたします。 これにて岡田春夫君の質疑は……〔発言する者多し〕岡田春夫君の質疑は一応終了いたしました。 午後は一時三十分より再開することといたします。 なお、理事の方に申し上げますが、委員会休憩後直ちに理事会を開きますから、委員長室にお集まりください。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕 ————◇—————