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48回国会衆議院1965/02/04

予算委員会 第5号

発言数
116
登壇者
10
会派数
3
開催日
1965/02/04

会議録

青木正自由民主党

○青木委員長 これより会議を開きます。  昭和四十年度一般会計予算、昭和四十年度特別会計予算、昭和四十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。  西村榮一君。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、四十年度の財政政策について、主として総理大臣、大蔵大臣にお伺いいたしたいと存じます。  申すまでもなく、昭和四十年度の財政政策の目的は三つあると思います。  その第一は、高度成長政策から安定成長へと経済政策を切りかえますにあたりまして、その混乱と摩擦を避けて、いかにその目的を達するかということが第一だと存じます。  第二の問題は、経済不況と物価高という相矛盾した中に苦悶いたしておりまするところの現下の経済不安を、いかなる方策をもって解決するかが第二だと存じます。  第三は、物価高を解決し、国民生活に安定感と光明を与えるの方策はいかん、この三点が私は財政の主たるものではないかと思うのです。  さらに私は、この機会に総理大臣にお伺いいたしておきたいことは外交政策でございます。総理大臣は、アジアの平和と繁栄に力を注ぐと言われたのであります。これは何人も国民は賛成するところであります。問題は、いかなる方策をもってこれを具現化するかということについて、総理の具体的な御構想を承りたいというのが私の質問したい主眼でございます。  そこで、順序といたしまして、財政問題についてお尋ねいたしたいのでありますが、総理大臣は、先般の施政演説において、経済引き締め政策が各分野に浸透し、国際収支は改善に向かい、国内経済も落ちつきを取り戻してきたと、きわめて楽観的な見通しをお述べになりました。しかしその反面、経済構造の変化に景気の調整が重なり合って、企業倒産など憂慮すべき現象が生じている。さらに消費者物価はなお騰勢気配を続けており、また国際収支の見通しは楽観を許されない、かように警告されておるのでありますが、この警告はきわめて適切だと存じます。  しからば、私がここに総理大臣にお尋ねしたいことは、日本経済の構造の変化とは一体あなたは何をお指しになっているか。これは、財政政策立案の基調になるのでございますから、あなたの経済構造の変化という問題について一応お伺いいたしたいと存じます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま冒頭にるる尋ねたいという点を御披露になりましたが、これにも関係することでございますが、ただいまの高度経済成長、これを進めてまいりました。同時にまた国際的には開放経済に向かってきた。この国際的な環境の変化や、同時にまた高度経済成長がもたらす人手不足と申しますか、こういう点が特に経済の構造変化として言えるのではないか、かように私は思います。ことにこれが非常に短い間に急激に、急速にこういう状態を招来した。そのために、これに対応する経済体制というものが十分熟成しないといいますか、そういう形がありますために、この構造変化がもたらす影響が各面に出てきた、かように私は見ておるのでございます。もう少しことばを簡単に申せば、最近の高度経済成長がもたらしたそれに対応する経済機構、経済構造、これが非常に急速の間に行なわれた、そのために摩擦現象を生じた、かように私は理解しております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 いま総理大臣は人手不足等をあげられたのでありますが、私は、もう少し日本経済の構造の変化については根本的な御認識を願いたいと思うのであります。  私が考えますところは、日本経済の構造の変化とは、第一に、従来は需要超過型でありました。しかし、いまは供給の過剰型になってきている、こう思うのであります。第二には、企業経営の実態が、これがために利益率が全般的に低下いたしまして、投資効率が低下し、企業の収益が低下してきている。これが日本経済の一つの構造的変化の本質ではないか、こう私は考えるのであります。しかし、私はいまあなたと学術論争をするという時間がございませんから、あなたの見解を承り、私の見解を申し述べて、次の段階に入ります。  そこで、私がお伺いしたいと思いますることは、そういうふうな高度成長政策から安定成長への転換、供給、生産過剰の現状におきまして、本年度の予算を拝見いたしておりますと、前年度に比して予算の膨張率は一二・四%であります。経済の成長率は、実質で七・五%であります。経済の実質が七・五%の成長率と政府が認められながら、予算の膨張率が一二・四%、財政が著しく膨張しております。これだけの経済の成長率を超過する財政の膨張率というものを一体日本の経済が吸収できるでございましょうか。私が申し上げるまでもなく、西欧先進国におきましては、経済の成長率以上には財政の伸びというものは十分に警戒いたしておりまして、経済の成長率以上の財政の膨張というものは、西欧諸国に前例を見ないのであります。現にEEC諸国は、昨年の五月二十日に加盟諸国に対して財政膨張率を五%以内に押えて、もって国際競争力とインフレ防止について万全の策を講じておるのであります。  しかるに、成長率は四十年度は低下する、企業利潤は著しく低下を予想される。この中に財政の膨張だけが独走して、日本の経済がこの膨張された財政規模をまかない得るかどうかという点について、総理大臣の御見解を承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま西村さんが、特に説明は要らない、こう言われて避けられて、次に進められたのでございますが、ただいまの生産過剰とか、こういうことは一部の業種においてはそれがあるようだ、しかしながら、全体としての生産過剰型とは私どもは今日の経済を見ておりません。御承知のように、一昨年未来、経済の引き締め基調に入ってまいりました。先ほども申しました構造の問題が一つございますが、そういう点が非常に急激であった、こういう意味で引き締め基調に入った。そうして、その引き締め基調からもたらされた一つの現象がある。その現象は何か。これが片一方で設備投資が鎮静をするとか、あるいは消費が思ったように伸びないとか、こういう事態になり、経済界全体がやや鎮静の方向に向かっておる、こういうことでございまして、御指摘になりましたような、いわゆる生産過剰、生産インフレ、こういうような状態とは私どもは考えておりません。最近の生産在庫指数その他をごらんになればその点はおわかりだと思います。ただ企業自体が、かような状態で収益率が低下しておること、これはいなめない状況でございます。  そこで、私どもは、冒頭に疑問にされたその観点、いわゆるデフレ的な傾向、同時にまた倒産等がある、そういうものに対応するそのたてまえからいかなる予算を編成すべきか、これが実は今日の問題でございます。その点では同じような心配をしておる、かように私も考えております。したがって、今回の予算編成にあたっては、刺激を与えることはできるだけ避けるように、また、ただいま言われるように、経済成長率をうんと上回る予算編成は非常にあぶないのじゃないか、こういう御指摘だと思いますが、そのとおりだと思います。ただ私どもが今回一二・四の予算を編成いたしましたことは、御承知のように単年度としてこの経済成長と予算編成が合っているか合わないか、こういうことを考えるだけでは実は十分ではないのじゃないか。今日までの経済が一つの惰性をもって動いてきておる、それをやはり相当の長期にわたる計画、そのもとに予算を編成すべきだ、かように考えまして、ことしなどは一二・四、これで予算を編成することに非常に困難があった。しかしながら、あえて政府自身は、今日はこの経済情勢、また経済の発展を進めていかなければならない、こういう観点に立ちまして一二・四の予算も実は無理を知りながら編成したような次第でございます。しかし、この状態は、必ず私は来年度あるいはその次になれば経済が成長化してくるだろう、そういうときに本格的な予算編成と取り組める、かように私は考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 総理大臣は、本予算は非常に無理な予算であるということをお認めになりました。私はさらにこれ以上その点は追及いたしません。ただ私が心配することは、無理な予算を編成された結果が、いわゆる税金の取り方が非常にきびしくなるのではないか。たとえて申しますと、中小企業、農家等の青色申告所得者に対して非常に無理な税金の取り方になってあらわれてくるのじゃないか、これは私は十分御注意をいただきたい。申し上げるまでもなく、高度成長政策のひずみの是正は、中小企業と農家の成長率を高めるというところに施策の重点があるのでありますから、これに向かっての税金の苛斂誅求というものが行なわれますと逆の結果を来たします。この点は御注意いただきたい。そこで、私はあなたが無理な予算であるということをお認めになりましたから、この点は深く追及いたしません。しからば、一体、あなたにお尋ねしたいのは、無理な財政を何がゆえに組まねばならぬかという原因であります。私は、この原因あなたの内閣だけではなしに、従来の歴代の内閣の一つの弊害が、過去の実績主義をそのまま尊重して、その上に新規の事業計画をプラスするから予算は膨張に次ぐ膨張になってきている。  そこで、私がお尋ねしたいのは、この弊害を切断する方法は行政機構改革以外にありません。幸いにして、二年七カ月の長きにわたって朝野の人材が知能をしぼって答申してくれた行政機構改革案というものがあるのでありますが、それを本予算案において何がゆえに実行されなかったか。政府は総理大臣みずから、並びに閣議において、この行政調査会の答申は尊重いたしますということを声明いたしておられます。しかも行政調査会が答申されたのは九月の二十九日でありまして、十分に四十年度予算編成には間に合う時間を考えてこれは答申されておるのであります、答申の骨子は、私が申し上げるまでもなく、第一に、不必要な地方出先の機関を整理すること、第二は、各省間における重複機関が多いからこれを整理すること、第三は、民間企業を監督するための機構が膨大化し過ぎて、官僚統制の弊害が生じてきていること、第四には、不急不要にして冗漫な補助金が多数にのぼっていること、これを大幅に整理することを答申いたしておるのであります。この答申に基づいて、総理大臣は閣議において、新しき部局の増設を取りやめてもらいたいということを忠告され、閣議が満場一致をもってこれを了承しておるのでありますが、何がゆえにこの答申案を、四十年度の予算編成にあたってその精神を生かされていないのであるか。この点、総理大臣の言明と生まれてきた結果が全然逆になっておるのでありまして、総理大臣の御心境を承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 行政機構の答申を佐藤会長からいただきまして、政府自身はこれと真剣に取り組むという態度をとっておりますが、ただいままで準備がおくれていた、これは何とも申しわけのないことであります。私は、今回の予算編成にあたりましても、重点主義的な観点に立っての予算の編成をいたしたつもりでございます。よく内容を御検討いただきたいと思います。したがいまして、今日までの不必要な機構、それを整理しろ、それをやめろ、こういうことですが、今日までのところは、いわゆる不必要というものが一体どの程度にあるのか、これは考え方によりますが、いろいろ問題はあるのでございまして、私自身が官僚の出身だから官僚機構をそのままにしておく、こういうつもりは毛頭ございません。もちろんメスを入れるつもりでございます。しかしながら、それぞれが必要があってそれぞれのものが生まれてきた、こういうことでありますので、ただいま手をつけましたのは、不要不急の補助金等の整理は、これはいたしたつもりであります。また機構そのものにつきましての今後の問題といたしまして、ただいま御指摘のような不必要な機構、これは存置さしておくべき筋のものではないのでありますから、そういう意味で十分検討してまいりたいと思います。私は、まずその実現の容易なものから、認許可等につきましても直ちにこれと取り組むつもりでございます。そういたしますれば、必ず人はその方面で浮いてくるだろう、そういう者を他に融通していく、回していく、こういうようなことで、いわゆる行政整理をしないうちに行政改革、これをしていきたい、かように私考えておりますので、しばらく時間をかしていただきたい、かように思います。しかし、ただいま御指摘になりましたように、政府が熱意を持ってやること、今日までおくれていたこと、こういう御非難に対しましては、つつしんで政府も反省してまいるつもりでございます。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 将来注意されるという御答弁でありますから、私は深くその問題は追及いたしませんが、しかし行政整理と反対の結果は、このたびの施策において三局一部が増設されていることです。これはあなたの方針と相反している。しかも、減らすべきものは逐次減らすというお話でありましたけれども、減らすべきものは行政調査会の答申の中にかなり明確に出ております。一例を申し上げますと、大蔵省の臨時貴金属処理部あるいは農林省の蚕糸局、開拓行政部局、これは終戦直後の臨時的あるいは戦争中にできた部局でありまして、こういうものを何がゆえにほうっておくのか、私は、これは総理大臣の意思が行政に反映しないというだけでなしに、政治の怠慢だと思うのです。今日の国民は安くてサービスのよい政府を求めているのです。この国民の声に忠実ならんとすれば、少なくとも政治家としての良識があるならば、戦争中並びに戦後できたこういう不急不要の二十何カ所の局部というものは統合整理して差しつかえない。そこで私は、ここであなたがその決断がありまするならば、率直に申しまするならば、三十九年度の当初の予算三兆二千五百五十四億円の中で、人件費を除いて残余のものは二兆八千四百八十億円、行政整理をもしも断行して、安くてサービスのよい政府をつくり上げようといたしまするならば、二割の節約がそれによってできるとすれば、五千六百九十六億円が浮いてくるのであります。一割五分にいたしましても四千億円浮いてくる。この捻出されたる資金によってあなたが言われる社会開発事業、あるいは教育減税等が行なわれ得るのでありますが、これをなぜなさないのであるか、ということは、私は政治の怠慢以外にはないと考えるのであります。いま国民は行政機構の改革を要望しております。同時に、国家財政もこれを要望している。これをなし得るかなし得ないかということは、総理大臣の決意と勇断にかかっておるのでありまして、私は、あなたが無理な予算だということをお認めになり、そして行政改革を将来なそうといま声明されたのでありますから、深くは追及いたしません。しかし、年々歳々事情が変わるのでありますから、新規の事業を起こそうとすれば、古き無用になったものを整理するという勇断が必要なのでありまして、私はこれ以上申しませんが、行政整理をなさないということは、総理の勇断と決意の欠如、さらにそれは政治の怠慢なりということに十分御反省をいただきたい。  同時に私は、次に移りますが、この際財政政策につきましてお尋ねいたしておきたいことは、経済政策の基本に属するのでありますが、アメリカ合衆国が四十六カ月の長期にわたって景気の上昇を続けております。なお、この景気は継続の可能性がございます。合衆国建国以来のこの長期にわたる景気上昇の原因は一体どこにあったとあなたはお考えになりますか。一応承りたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いろいろ原因があるだろうと思いますが、高額減税を実施した、これが一番大きな原因ではないか、かように私は考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 大幅の減税ということですか。総理大臣はなかなかよくごらんになっておると思うのです。そのとおりです。それに加うるにもう一つあります。ケネディ大統領が就任してアメリカの景気を建て直すためにとったものは、第一に物価と通貨の安定に細心の注意を払ったということです。第二は、百十五億ドルの減税を断行いたしましたが、この減税によって生じた国民の財力をどこに向けたかと申しまするならば、それは貯蓄と耐久消費財、住宅等の健全な方向に向かわしめた。これが物価と通貨の安定という注意と相伴いまして、アメリカは建国以来の景気の上昇を遂げながらも、物価は一%の上昇にとどまっておるのであります。これがなお景気上昇を継続するという原因だ。こう考えますると、私は、あなたの内閣以前のことでありますから、物価と通貨の安定に対して慎重なる考慮を怠ったということは、あなたを責めようとはいたしません。しかし、あなたは、アメリカ経済の上昇の原因が大幅な減税にあったということをお認めになりましたならば、合衆国政府は二回にわたって百十五億ドルの減税、そのうち個人所得に対して九十一億ドルの減税でありまして、あとの二十四億ドルは中小企業並びに輸出産業に対して減税を行なっております。そして個人所得におきましては、その課税率は二〇%から一六%に減額されております。しからば、ここで問題になるのは、日本においての個人所得の減税であります。私は、あなたの三千億減税については、二日間他の議員が触れられておりますから触れませんが、そこで私が申し上げたいことは、アメリカの経済の上昇の原因が大幅の減税にあったとあなたがお認めになりまするならば、少なくとも今日からでもおそくはない、行政機構改革をなさって、二割倹約ができると私は思いますけれども、たとえ一割倹約いたしましても三千二百億円浮くのであります。同時に昨年度の自然増収があります。これをもって、私はとりあえずあなたに要望したいことは、月収六万円までの収入者に対しましてこの際免税を断行されても、概算二千億円前後しか要らないのであります。さらに続いて、アメリカの故知にならいますならば、第二回の減税といたしまして、月収八万円まで、年間九十六万円まで減税を断行されましても四千億円しか要らない。アメリカ合衆国でなし得たことが日本国家においてなし得ないはずはないのでありまして、なすかなさないかということは、あなたの意思と御決断による。私は、その財源の捻出は行政機構改革によって出せ。しかも、行政機構改革は満天下の国民が要望している。行政調査会は答申しておるし、政府は応諾されている。したがって、あなたと私の意見が一致したことは、アメリカの景気上昇は大幅な減税にあると言われた。これは一致している。しからば、それをいかにして断行するかということなのでありまして、その断行のポイントは、とりあえず月収六万円まで今日免税をしていただきたい。それに要する費用は二千億円要るのでありますが、あなたはそれを断行される御意思があるかどうかということをひとつ御言明願いたい。意見が一致しているのですから——一致していなかったら違いますよ。一致しているのですから、御答弁願います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 当予算委員会におきまして、三千億円減税、これは公約じゃないかとしばしば責められました。減税をすることが国民の力を涵養するゆえんだ、かように私考えておりますので、これが私の政治の姿勢でもございます。今後とも引き続いてこれをやっていくつもりでございます。ただいま御指摘になりましたように、あるいは月収五万円までできる——まだ五万円までいっておりませんが、五万円になるとすれば、今度は六万円、さらに八万円、これはお互いの願いでありますから、ただいま申し上げますように、減税政策につきましてこれを引き続いてやっていく。同時にまた、ただいま、チープガバメントという観点に立って、安い政府機関であれ、こういう御批判をいただきました。問題は、やはり今日行政整理と申しますが、ただ単に機構の整理、行政機構の改革をいたしましても、これは、しばらくたたないとその効果がなかなか出てこない。こういう時代でございますから、いわゆる人員整理というような思い切った処置はとりにくい、これはとれない。これが実情でございます。しかし、御指摘になりましたように、チープガバメントはわれわれの理想でもございますし、また行政調査会からの答申も得ておる点でございます。そういう意味におきまして、これは政府が熱意を持ってやっていく。先ほど来申し上げておりますように、しばらく時間をかしてください、かように申したわけでございます。  貴金属処理部等についてのお話がございましたが、これなどは大蔵省では具体化しておるのではないかと考えておりますが、なお戦後あるいは戦時中に設けられた機構等についても不要ではないのか、こういうような点もあるだろうと思います。十分検討いたしまして、具体的に御指示がございましただけに、これは私どもも真剣にやっていきたいと思います。ことに私が非常にうれしく思いますのは、基本的な考え方においてこれは一緒である。したがって、それを今後遂行していく場合に、その方法あるいはその時期等は政府の責任において処理してまいりますので、そういう意味で、しばらく時間をかしていただきたい、かようにお願いいたします。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 時間をかせとおっしゃるのでありまするから、私は佐藤総理大臣の政治的な誠意にしばらく時間をかすことにやぶさかではありませんけれども、現実においては、あなたの部局をふやさないといって言明された、閣議に指示された二日後に三局一部がふえているという現象が生まれてきています。これは、総理大臣の威信が行政部に行なわれていないのか、あなた自身が真心をもって実行してないのか、いずれかと思いますけれども、私は、本論は外交の問題であなたの御意見を承りたいと思いまするから、これで深入りすることを避けましょう。  しかし、御参考までに申し上げておきますと、アメリカ国民の総所得は、御承知のとおり、六三年で四千七百億ドルでありました。日本はこれに対して五百六十六億でありまして、大体八分の一であります。この率から申しますると、アメリカの先例にならってあなたが減税されようといたしまするならば、五千四十億円が減税の可能性の額となってまいっております。田中さん、これが数字になってあらわれてきております。アメリカと日本は国情が違いますけれども、この五千四十億円の減税額をアメリカの故知にならって断行しようとするならば、私は、月収八万円までは減税できる、こう思うのであります。これは、あなた方の母来における国民に対する真心と御識見にまつよりいたし方ありません。そこで私は、これで深入りしていると、肝心な外交問題についてお留守になりますから、次に移ります。  物価の問題であります。私は、率直に申しますと、政府には物価対策がいままで存在しなかった、こう申し上げざるを得ません。一月二十二日、物価安定のために総合政策を打ち出されたのでありますが、それは、国民の受け取り方が、物価の問題について作文がまた一つふえたという受け取り方しかしていない。幾たびか物価政策、物価対策というものをお出しになりましたが、実行されていないというところに国民の不満があります。同時に、政府の物価に対する見通しはいつも誤っております。明敏なる田中大蔵大臣は御記憶があるでしょう。三十六年度の政府の物価の当初の上昇の見込み額は一・一%でありますが、実際は六・二%でありました。三十八年度は、政府は二・八%の物価の上昇率を見積もられましたが、実績は六・六でありました。三十九年度は、四・二%見積もられたのでありますが、十二月の末日をもちまして四・五%となりました。三月末には六%になるでしょう。昨日の新聞を見ると、一月だけでも一・九%東京都の物価は上がっておる。私は、いまのように電子計算機がある中に、これほど物価の見通しが誤るということは、一体どこに見当をつけておるのか。要するにこれは予算委員会に対して、その年度の予算を組むときに、政府は物価の見通しは政治的に安く見積もって予算案を出されたという以外にないのでありまして、結果は逆であります。  そこで、私は、時間がありませんから、私の要望したいことを申し上げます。  この物価上昇はあるいは六%あるいは四%といいますが、昭和四十年度におきまして、政府は四・何%見積もられておりまするけれども、都市銀行は大体六・七%から七%の上昇と見積もっておる。政府の上昇率よりも高いのです。これは、私はかなり正直に言っていると思う。  そこで問題は、物価の統計について論議するのではなしに、この物価上昇はどの階層が一番影響を受けるかと申しまするならば、御承知のとおり、エンゲル係数から申しまするならば、六万円以下の中以下の下の階級が一番受けておる。そこで、これを一体どうして解決するかという問題であります。  そこで私は、総理大臣にお伺いしたい。失礼だが、いままでの政府は、物価対策というものはなかったと称しても差しつかえない。言いわけはされても、結果においてなかった。そこで、物価抑制対策として消費者基本法を制定される意思はないか。一つの私の提案です。これは、私どもの提案だけではなしに、行政調査会は次のごとき答申をしておるのです、消費者保護行政が存在しないのは、先進国において日本だけだと彼らは書いておる。その次に、具体的な政策として、消費者局を政府に設けなさい。さらに、消費者大衆の意見を参考にして消費者行政をなすためには、消費者行政評議会を設置しなさい、かように行政調査会は答申しておるのであります。この答申の趣旨に従って、消費者保護行政のために消費者局を設ける意思があるかどうか、消費者行政評議会をお設けになる御意思があるかどうか。さらに、消費者を保護するために、消費者基本法を制定される御意思があるかどうか。これについて総理大臣にお伺いいたしたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 消費者基本法、これはまだ内容はよくわかりませんが、おそらく消費者の立場で消費者の保護行政がやれるようなもの、こういう意味のことだろう、かように考えますが、御承知のように、国民生活局というものがございます。そういう考え方と同一ではないかと思いますが、なお高橋君から説明させます。

高橋衛自由民主党経済企画庁長官

○高橋(衛)国務大臣 お答えいたします。  先ほど物価の見通しと結果が違っておるという御指摘でございました。過去においてはそのとおりでございましたが、三十九年度は当初四・二%と見通しをされたわけでございますが、昨年の末に、経済の成長が予想よりも、予想が実質七%のものが九・四というふうに、その他の経済資料も相当変わってまいりましたので、四・八と改定をいたしました。しこうして昨年の四月から十二月まで、つまり三十九年度に入っての九カ月間におけるところの上昇は三・九%でございます。したがって、大体私どもは、この見通しが単なる目標じゃなしに、ある程度実現し得るところの、またそうしなければならぬところの数字になると、かように考えておるわけでございます。  なお、ただいま総理からお答え申し上げましたが、臨時行政調査会において御提案になりました消費者局というものにつきましては、今回国会に経済企画庁設置法の改正案を提案いたしまして、この中で国民生活局を経済企画庁につくるということにいたしておるわけでございます。なお、消費者評議会という御提案に対しては、現在国民生活向上審議会というのがございますので、これを名称を国民生活審議会というふうに改定いたしまして、そうして内容をその趣旨に沿ったものにやっていきたい、かように考えておるわけでございます。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 まあこれから政治家として大をなされるあなたのことですから、恥をかかせるわけじゃありませんが、あんまりいまから詭弁を弄されないほうがよろしいですよ。ということは、当初三十九年度の予算を審議するときに、政府の物価の見通しは二・七%でした。それを途中から四・二%に変更したのです。それで、昨年末四・五%でありますが、一昨日の新聞をごらんになればわかります。東京都の物価は一・九%一月ふえているのですから。あまりつべこべ詭弁を弄さないほうがよろしいと思います。  次に、私は総理大臣にお伺いしたいことは、いまの構想を大体実現されるということを承りまして安心しましたが、さらに流通機構の改善その他におきまして、生鮮食料品の需給バランスをはかるために、生産地並びに受給地において国家負担による大規模の冷凍貯蔵庫を設ける、それから価格及び需給のバランスをとるために一つの機関を設けるという点について、あなたは御賛成いただけませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いまの冷凍庫、冷蔵庫、これは、私ども賛成しております。いろいろつくることを奨励もし、また、ことに魚の集散地等におきましては、これに力を入れております。また、肉につきましても同様なことをやっております。  あとで御提案になりましたのはどういうことでしたか、ちょっと私、聞き漏らしたのですが、科学技術の点、もう一度伺いまして……。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 国庫負担による大都市に対する市場の拡充並びに倉庫です。いまのを国の負担でやるということです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま卸売り市場、さらにまた小売り市場、これの整備につきましても格段の留意をいたしております。全部が全部国庫支弁と、かように私は考えませんが、今日の流通機構そのものの改善が物価安定にはたいへん必要だと、かように考えますので、そういう意味の末端の施設に真剣に取り組む、そういう態度でございます。ただいま国庫負担、こういうことに特に重点を置かれますと、必ずしも御要望どおりにはなっておらないか、かように考えますが、この施設そのものは、御指摘のとおりこれは大事なことだ、かように考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 供給地並びに消費地において大きな冷凍倉庫をつくることには賛成であるが、国庫においてそれを負担するということにはにわかに賛成できないというお答えがありました。私は、これはあなたと少し見解が違うのです。今日の物価の問題を私は経済問題とは見ておらないのです。これは社会問題です。同時に政治問題です。もしも日本の政治がすべてを経済問題で割り切るということでございまするならば、それは近代政治というものと逆行するのです。たとえば、少しことばがかどが立つようでありますけれども、お米の値段にいたしましても、今日の日本の買い入れ米価は国際価格の倍です。しかし、これは農村対策、食糧政策、あるいは万一のときの国際的変動に備えて政治的に考慮していまの米価は算定されているのです。これは政治米価です。したがって、物価の問題も、経済問題というものよりも、社会問題ないしは政治問題だと考えるならば、私は国庫の負担によって五百億ないし七百億円を投じて供給地並びに消費地において一大冷蔵倉庫をつくるということは、その程度を踏み切らなければ物価対策にはなりません。しかし、それも議論を深追いしておりますと、肝心な外交問題が時間が経過いたしますので、私はその問題についてあなたの再考を促したい。国家が費用をやらずしてだれがやるのですか。だれが物価の問題を解決するのですか。これが政治の最大の任務じゃありませんか。この点をお考えいただきたい。同時に私は、住宅の問題、薬価の問題その他ありますけれども、これらは政府の一つの反省を促したい、こう思うのであります。私が物価の問題は経済問題にあらずして社会問題であり、政治問題である、この観点から政府は解決に乗り出すべきであるという見解に対して、総理大臣はいかがお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いずれ金額の点につきましては大蔵大臣から説明をお聞き取りいただきたいと思いますが、私は、基本的な考え方で西村さんと考え方を異にしておるのじゃないだろうか、かように私は思います。ただいま言われるごとく、物価問題は、今日では経済問題というよりも社会問題だ、政治問題だ、こういうところに特に力を入れておられますが、政府がとっておりますところのものはもちろん社会的、また政治的な観点からもこの問題と真剣に取り組んでおりますが、やはりこれは経済問題である、かように私どもは考えております。その経済問題になりますと、自由経済の立場に私ども立っておりますので、ただいま申し上げますような基本的な考え方で国庫による倉庫等もつくりますが、また融資等もいたしますが、もちろん民間の資金の活用をすること、これに重点を置くわけであります。この点になりますと、やや立場上基本的な態度が違っておるのじゃないか、かように私は思いますが、しかし、いままでとってきております事情につきましては大蔵大臣から説明させますから、お聞き取りいただきたいと思います。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 大蔵大臣の説明の前に、私は、いまの御答弁は佐藤さんらしくない、時代感覚のズレを証明するものだと思います。私は、政治の要諦は国民生活の安定にあると思う。物価の問題は、純経済問題として取り扱うなら、社会保障制度というものもありません。自由党が提唱された——民社党が提唱されて、後に自民党さんも提唱された福祉国家の建設もありません。あなたの提唱される社会開発もありません。ことごとく国民生活の安定というものは政治です。その点、あなたの御認識と私はだいぶ違うのです。だいぶ違う。あなたのは十九世紀的のアダム・スミス以前の経済学です。今日は二十世紀です。二百年違っていますよ、それは。それはお考え直しを願いたい。先ほど申しましたように、米価一つの取り扱いも政治的問題だ。純経済的に取り扱ったら農家はどうします。私は、少なくとも物価の問題は国民生活の安定という政治的な大きな課題として取り扱っていただきたい、これを希望します。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私も、ただいま申しますように、政治的問題であり、社会問題であるということは否定はいたしません。しかしながら、やはり私どもは、これは経済問題を中心にして、その社会問題あるいは政治問題を解決していく、こういう態度でおるのでございます。この点は誤解のないように願いたい。まあ十九世紀とお考えになりましても、それは御批評は御自由でございますが、私は二十世紀の人間でございますので、ちょっと生まれる前の考え方は私にぴんとこないのであります。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 その問題を論争いたしておりますと時間を食いますので、私は本題の外交の問題に入りたい。  佐藤首相は、私が申し上げるまでもなく、施政方針の中で、あるいは記者会見の中でしばしば国連中心主義、並びにアジアの一員としてアジアの平和と繁栄を確保することが大切であり、自分の外交の主力をそこに注ぐ、こうお述べになっている。しからば、今日のアジアの問題をせんじ詰めてみますならば、目前における南ベトナムの軍事紛争をいかにして停止するか、さらに、その背景として根本的なものは中国問題であるのでありまして、これをせんじ詰めてみまするならば、米中の政治的対立と申しまするか、緊張緩和と申しますか、これをいかにして解決するかということが日本外交の果たすべき使命であります。そこで、私は順序として、アジアの一角において起こった南ベトナムの軍事紛争を、あなたの言われる国連主義の立場においていかにして解決されるか、具体的な方策があればお聞かせをいただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 アメリカに参りました際に、ジョンソン大統領ともいろいろ話し合ったのでございます。御承知のように、ベトナムの状況、この民族の安定、また平和であること、これは心から願っておる。同時に、これはまた私どものアジアにおける平和に関係を持つ、ことに日本自身がアジアの一国でありますから、この立場からこの点を無視するわけにいかない。たいへん私も心配しております。ただいまアメリカ軍がベトナムに出かけておる。その出かげておる基本的な態度は、これはベトナム政府からアメリカ軍の出兵を要請されたということになっておると思います。一時国連におきましてもいろいろ論議された。しかし、これは安保理事会において反対を受け、国連の国連軍が出かけるということは実現をしなかった。しかしながら、アメリカがベトナム政府から要請を受けて、そうして出ていっておるということになっておる。この経過は御承知のことだと思います。ただ私は、長い混乱状態、しかもそれが軍事的な行動のもとに国民が疲弊をしておるだろうし、たいへん困っていることだろう、かように考えております。ただ、私どもがこういう問題について率直に申し上げますならば、一部の者がいわゆる軍事的支配、あるいはクーデター等によりましてその政治的な野望を達する、こういう事柄については私は賛成をいたしかねるのです。こういう意味からこの成り行きを注視しております。しかしながら、いずれにしてもただいまのような軍事的紛争が続いておる、こういう状態には固惑しておる。一日も早く国民が安堵するような、安定するような、そういう方法はないものか、かように考えるのでありまして、アメリカに対しましても、いわゆる西欧的な合理主義、これだけでものが解決できるように考えることは、これは賛成しかねる。もっと民心を安定し、民心の支持を受けるように、こういうような処置がとれないかということをるる説明いたしたのであります。一部におきましては、ただいまのお話にありましたように、これはアメリカと中共との対立、あるいは対決ではないか、こういう見方がございますが、現状は必ずしもそういう状態ではない、もっとベトナム民族、国民、そういう立場でものごとを見るべきではないかと私は考えているわけであります。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 私が総理大臣にお伺いしたことは、ベトナムにおける情勢の分析をあなたにお伺いしておるのではないのでありまして、さような情勢認識の上に立って、アジアの一角に起きたこの軍事紛争を、アジアの一員としての日本の外交がいかにして解決するかという御方策がおありになれば承りたいということをお聞きしたのです。  そこで、議論を蒸し返して堂々めぐりしておりましてもいたし方がございませんから、私は、ここに一個の提案を申し上げまして、あなたの御見解を承りたい。あなたがアメリカのジョンソン大統領とお打ち合わせになって、医療班を送る、あるいは民生安定のための救護班を送るというお話、私は、その前に何と申しましても解決しなければならぬことは、現下火を吹いておる軍事的行動を停止せしめることだと思う。この軍事紛争をしていかに停止せしむるかということになりますと、これはアメリカが直接のその責任者です。あるいはイギリスも色合いがついております。フランスとアメリカとの関係もデリケートでありますし、ソ連と中国との関係もデリケートであります。しからば、ここにベトナムの軍事紛争を解決するためには第三者が乗り出さなければならぬといたしまするならば、その第三者は、特定国にあらずして、平和と安全とをそのスローガンとして生誕したところの国連がこの問題に乗り出す。国連がこの問題に乗り出すきっかけはどこがつくるかと申しまするならば、これは日本の外交の責任であります。私は、そこで、日本一国だけでもよし、あるいはインド、ビルマ、タイ国、フィリピン、その他これに近接し、この軍事紛争に大きな不安と影響を持つ諸国が相語らっても差しつかえありませんからして、国連の安保理事会、あるいは国連の安保理事会が拒否権発動によってその機能が麻痺するといたしまするならば、国連総会に対して、南ベトナムの軍事紛争の即時停止を勧告するの要請をなすべきではないか、かように考えるのでありますが、総理大臣の御見解はいかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 お答えをいたします。  いずれこれは話し合いにより紛争が解決する、こういうことだと思いますが、これは、日本がそういう立場に立ち得る、また日本もそういうお役を果たしたい、こういう希望は持っております。ただ問題は、いかなる時期にそういうことが言えるか、こういうことだと思います。話し合いのときが必ずくるものだ、そういう場合に、日本政府ももちろんその一役を買うべきものだ、私はかように考えております。ただいま、国連においてこういうことをしたらどうかという御提案がございました。今日、国連そのものについての平和機構としての強化、それこそはただいま御指摘になったような点にあるのではないか。たとえば安保理事会で解決ができないならば国連総会において処置したらどうか、これがただいま国連内部におきまして、国連の平和機構強化の方向でこういうことはやれぬだろうかというのが、今日研究されておる問題だと思います。ただいまのところ、まだこれもお説のような結論に到達するような国連の実情でないという、これが問題でございます。しかし、今後国連を平和機構として強化しようというわが国の主張などは、御指摘のとおりの点に触れておることをこの機会にお答えしておきます。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 ただいま総理大臣は、私の提案に対して御賛成のようでありましたが、ただ問題は、時期の問題であるというお答えがありました。私は、この時期の判定というものは、外交において最もむずかしい判断だと思います。しかし私は、いまは絶好のチャンスだと思います。たとえて申しますと、アメリカにおいては、一月の四日にラスク長官が、中共がこれに介入しなければアメリカは軍事的撤退をする用意ありということを声明されております。さらに、いま中共とアメリカとの間にひそかなる会談も行なわれております。一説に言わせまするならば、ベトコンとベトナムとの間に和平の協定の話し合いも行なわれておると聞いております。さらに本日の新聞を見ますると、現下の情勢を憂慮してソビエトの首相が北ベトナムに行かれる。しかも基本的には、ベトナム二千万人の人民が早くこの戦争が終わって平和がこないかということを神に祈っておるような状態、あれを思い、これを考えてみまするならば、いま日本外交が打つべき絶好のチャンスではないか。あまりものが煮えないうちにあわてて飛び出しましても、やけどをするだけであります。さりとて火事が終わってから消防ポンプが飛び出しても、これは役に立たない。これは、一にかかって総理大臣の英知による政治的判断であります。私は、あなたが施政演説の中でアジアの平和と国連主義というものをうたわれたのは、実はあなたを買いかぶっておるかもしれませんけれども、その点を御賢察になって、意味が含んでおると私は善意に解釈しておる。したがって、いまはチャンスです。手を打つべきときです。あなたと私が意見が一致すれば、あとは時期の問題の推定です、観察です。時期がきている。これは、第一にあなたの親友ジョンソン氏を助けることになります。アメリカはいま北進政策をとることもできない、撤兵することもできない、現状のままでいきまするならば、どろ沼の中にすべり込んでにっちもさっちもいかなくなる。同時に、中共も平和撹乱者としての汚名を着たくないでしょう。北ベトナムのホーチミンしかり、ベトナム人民また平和を念願している。この時期に、だれか時の氏神を待っているとすれば、いまは絶好のチャンスです。あなたが言われる勇断と決意を持って今日乗り出されてはいかがですか。乗り出されるとするならば、私は日本一国だけでもよし、インド、ビルマ、タイ国その他の諸国とよく打ち合わされ、その外交の方針を打つべきだ、こう考えるのであります。率直なあなたのお考えを承りたい。私はあなたのあげ足を拾ったり、ことばじりをとらえたりいたしません。この機会にアジアの動乱を日本の外交がいかにかして解決して日本外交健在なりというところを示すという目標を一体どこに置かれるか、どういう手をお打ちになるか、私と根本的に意見が一致するなら、そのタイミングの問題をお聞かせいただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま御指摘になりましたように、外交はそのチャンス、タイミングが一番大事でございます。ただいまそういう観点に立って真情を吐露した西村さんの御意見を聞かしていただきまして、私はほんとうに謹聴した次第でございます。ただいまお答えとしては、ただ御意見を伺ったと、かように御了承いただきたいと思います。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 これ以上は外交の機密にも属しますし、総理大臣としては御答弁することもややためらわれる点があると思います。私は、これでも幾らかレンコンを食っているつもりでありますから、深くは申しませんが、日本の外交をタイミングをはずさぬように、有効にして適切なる手を打っていただきたい。そして日本だけが独走をするということは、アジアの諸国の感情もそうでありますから、緊密な連絡をとってベトナム問題の解決に日本が一つの使命を果たすように、あなたの御健闘を祈りたい。お手並みは、三カ月後議会が終了するまでにもう一ぺん私がお伺いするかもしれませんが、そのときには本格的にいやなことを言うようなことにならないように御健闘いただきたい。これは、日本民族のためにお願いしたいと思います。  次に私は、アジアの問題と関連しておる中国の問題に移りたいと思うのでありますが、中国問題の政治論に入る前に法律的に見解を統一しておきたいことは、日本国内には中国は一つなりという見方があります。あるいは中国は二つなりという見方がある。第三には、一つの中国と一つの台湾島という見方がある。この三つの中に、中国の毛沢東主席並びに蒋介石総統は、漢民族は一つなり、中国は一つなりと主張されている。これは、私は蒋介石先生にしても毛沢東主席にしても識見だと思います。今日かりそめにも国共軍事的に対立していても、漢民族百年の大計を考えてみれば、中国は一つなり、両巨頭が終始一貫してこの方針を変えていないということは、私は中国の政治家として識見だと思うのです。日本の政治家の一部にも、少しこれを参考にしなければならぬ人々があるのではないかと思うのであります。そこで、あなたはこの三つのうちどういうふうな主張をされるのか、先般来承ってみますると、中国は一つだが二つの政権があるというお答えに帰するようでありますが、一体どの見解をおとりになるか、承りたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま蒋介石先生、毛沢東主席、これはお使いになったことばでございますからそのとおり申しますが、中国は一つなりという、これは大識見だと言われました。私もこれは中国民族の念願だと思います。おそらくそれには変わりはないだろう。こういう一つの念願——また法律的な問題は避けますが、これがどういうことになっておるか、これは別でございますが、しかしながら、この念願と現実とは非常に離れておる、こういう実情でございます。私は、やはりこの民族の念願、これは私どもがどこまでも尊重していかなければならない、かように思いますが、現実に二つの政権のあることだけはいなめない。これはもう厳として存在しておるのだ。ただいままで日本は国民政府と正規の外交ルートを持っている、また中共とはいわゆる政経分離の基本方針で接触を保っておる。これが現状でございまして、現状においてこれまた私どもとっておることは、そのいずれの理論か、こういうことよりも、現実問題としてこの問題と取り組むということ以外に方法はないのじゃないだろうか、かように私は実は考えております。もちろん中国民族の、中国住民のこの念願、これは私どももとやかく言う筋のものではない。しかし現実にあるこの二つの政権、これとどういう態度でつき合っていくか、これはもうたびたび私が説明したとおりでございますので、今日の実情、これはよくおわかりだと思いますから重ねては申しません。ただ、お尋ねになりましたことばに対してあるいは直接の答弁になっていないかわかりませんが、しかし、私が申し上げたいのは現実、これを無視しない、こういう立場で私どもの態度をきめていかざるを得ないという今日の中国の状況だ、かように私は考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 なかなかこの問題はむずかしいのでありまして、ただいまの総理の御答弁を要約いたしますと、現実的に取り組む以外にない、こういうお答えに帰したようですが、それで間違いありませんね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 そのとおりであります。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 しからば、私はその現実的な取り組み方というものは三つあると思います。一つは、漢民族としての立場の主張からくる念願を基礎とするのか、あるいは台湾政府、国民政府の主張を基礎とするのか、北京政府の主張を基礎とするのか、もう一つは、純法律的に考えて、国際法を基礎として現実的にものを処理するというこの三点しかない、私はそう思います。  そこで、中国問題を民族的感情並びに政治論を抜きにいたしまして、純法律的に解釈して、その上に立って現実的な外交政策を進めるといたしまするならば、私はきわめて簡単だと思います。法律的に解釈いたしまするならば、一つの中国と台湾島、これ以外にないと思うのです。この法律的基礎は、ポツダム宣言第八条並びにサンフランシスコ条約第二章第二条、これに従いまして解釈いたしまするならば、一つの中国と台湾島という以外には法理的解釈は生まれてまいりません。この法理的解釈はイギリス、フランス、カナダその他サンフランシスコ条約調印国が一致した見解であります。しこうしてその中に、台湾島の帰属に対しましては、日本国は御承知のとおり領土権を放棄いたしまして、その帰属に対しては発言権はございません。したがいまして、ポツダム宣言、サンフランシスコ条約においては、台湾島の帰属というものはこれは未確定であります。未確定でなかったら法律的根拠を示していただきたい。未確定であります。そして台湾島の帰属をいかなる基準によって定めるかということになりますると、国連憲章の精神に従って住民の意思によってそれは決定される。住民の意思とは一体何だ。マラヤ系高砂民族と十六世紀に移住してきた漢民族との雑居した千二百万の島民が今日の台湾住民であります。私は、これが法理的解釈だと思う。この法理的解釈に基づいて大陸を支配している北京政府、そして千二百万人居住しておる台湾島民、せんじ詰めてみまするならば、一つの中国と一つの台湾島という解釈しか法理的な解釈ではなり得ないと思うのでありますが、あなたの御見解いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 西村さん、たいへん詳しく御説明になりましたが、そういうお考えに一番大事な中国の両政権、いわゆる国民政府も北京政府も賛成をしないのであります。先ほど言われたごとく、国民政府の主席蒋介石、また毛沢東自身が中国は一つだ、こういうことを申しまして、これに賛成をしない、そこに問題があるわけなんです。だから、これは私どもが法律的だとか、あるいは国際法的だとか、かように申しましても、現実にこれが賛成されないものではいかような処置もつかないのであります。私は、過日ウ・タント事務総長とお目にかかりまして、いろいろ中国問題についての話を聞きました。これに加入しておる各国の間にいろいろの御意見のあることは、ただいま御指摘のとおりでありました。そういう考え方に国民政府、同時にまた蒋介石総統、また、毛沢東主席は賛成ですかと言ったら、これは、両方ともこれに賛成でございません。それじゃいかような処置もつかないじゃないですかと言ったら、それで困っているのです。かようなことを申しておりました。私は、端的に申し上げて、ただいまこの点をめぐり、同時に中国の代表権問題、この代表権問題にからんで国連加盟の問題も一そうむずかしくなっている。現状におきましては、日本といたしましても、こういう状態で長くあることについては非常に困ったことだ、かようには考えますが、ただいまは両者ともこういう事態についての一つの見識を持っているのですから、これはいかようにもできない。せっかくのお考えでございますけれども、しばらくこの推移を見る。流動的な中国問題、これと取り組んでいくということが私どものやり得る今日の態度ではないか、私はかように考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 北京政府も国民政府も、私がいま申し上げた説には賛成しないということは当然であります。しかし、日本の国としては、国連に中共の加盟の問題が日程にのぼってき、同時に日中両国間においては、政経分離というごまかしがいつまでも続かないのであります。あなたは、あなたのみならず従来の自由党政府は、政経分離というなかなか頭のいい器用なおことばをお使いになりましたが、実質においては政経分離という議論はおよそナンセンスでありまして、言いわけにすぎない。これはいつまでも続くものじゃありません。目前に迫るものは、中共を国連に加入せしむるにあたって、重要事項指定を日本が賛成するかしないかを迫られる。同時に、北京政府との間にはどうするかということの問題が起きてくる。したがって、ここにおいて問題は、北京政府も賛成しないし、台湾政府も賛成しないが、しかし、さりとて国連の問題、日中国交回復の問題等を考えてみまするならば、日本政府としては方針を立てねばならぬ。そうしますと、あなたの言われるのは、北京政府を主として台湾政府を否定するのか、台湾国民政府との間に日華平和条約が存在するから、この立場に立って中国は一つなりという解釈をするのかということになると、あなたはどう回答されるか。なかなかむずかしい。回答できないでしょう。そこで、わかったようなわからぬようなことを言わざるを得ないという御心境もわかります。しかし、あなたは現実論と言われるが、現実に存在するものは大陸を支配する北京政府です。同時に、台湾に居住をかりに置いておる国民政府の存在です。これをお認めになりますね。お認めになりませんか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 現実にはただいまお話しのとおりでありまして、北京政府また国民政府、それぞれあるわけでございます。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 そうすると、大陸を支配する北京政府、台湾島に仮政府を置いておる国民政府という現実をお認めになるということになりますと、一つの中国と台湾島ということに帰するのじゃないですか。国民政府は台湾に、仮政権です、居住しておるだけ、寄留しておるだけです。それに触れたくない、結局こうじゃないですか。あなたの言われる中国には、中国は一つだが二つの政権があるということ、私の言う一つの中国と台湾政府という意見は、結局お経の題目は違うけれども、唱えるお題目は一緒だということ、女のことを婦人と言おうがあるいはレディと言おうが、女性には変わりないという本質の結果に落ちつくんじゃないですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、二つの政権があるという現実のお話をいたしました。しかし、ただいまのお話で国民政府は仮政府だと言われるが、仮ではございません。(西村(榮)委員 「仮居住」と呼ぶ)「仮居住」と言うのもおかしいと思います。だから、この仮政府、仮居住、これは私とは意見が違うのであります。これは、すでに平和条約でちゃんと私どもで認めておる国民政府、この点でございますので、これは西村さんだけがお話しになるので、私が賛成しているわけじゃないから、間違いないだろうと思いましたが、明確に申し上げておかないと、外交上の問題でありますだけに、これは誤解を招くとたいへんだと思いますので、はっきり申し上げておきます。ただ、いまいろいろ言われておりますが、もう先ほど来私がよく詳しく説明をいたしましたので、この点は私の認識と西村さんの認識が相違しても、これはしかたがないように思います。どうも意見は一致しないのかもわかりません。とにかく現実の問題といたしまして、国民政府また中共の北京政府、ともどもに賛成をしない案を私にしいられましても、私はこれにイエスが言えない。これは、やっぱり国民政府並びに北京政府できめることでございます、中国が一つという問題について。ただ、私どもは条約上の義務を一つ負っておる、これも厳然たる事実でございます。その観点に立ってものごとを判断していきたい、かように思いますので、この点は誤解のないようにお願いをいたします。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 それでは、私の説は別として、あなたのいま言われたことは、一つの中国にして二つの政権、こういうことですね。そして日華条約は生きておる、こういうことですね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 現実に北京政府というものがある、また国民政府がある、こういうことを申し上げておるのであります。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 そうすると、中国は一つだが、現実的には北京政府と国民政府が存在する、こういうことですね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 国民政府と私どもは条約を結んでおるというのが現状でございます。そうして、これは中華民国、国民政府ということでございます。そうして、大陸にはただいまお話しのように北京政府がある、こういうことでございます。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 大体わかりました。中国は一つであるが、北京政府と国民政府という二つの政権が存在する、佐藤さん、それでいいですね。中国は一つだ、しかし現実には北京政府と国民政府がある、これが現実である、そして国民政府との間に条約を結んでいる、これが現実だということですね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 国民政府とは私どもは条約を結んでおる、これはそのとおりであります。また大陸に北京政府のあることも、これは御承知のとおりであります。ただ問題は、これが一つの中国という御議論を北京政府も国民政府もひとしく主張しておる。そうして、現実にはただいまのような国民政府と北京政府がある、こういう実情でございます。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 それでは、大体話はわかりました。話を進めましょう。  そこで、いま佐藤総理は、国民政府との間に日華平和条約を結んでおる、これは現実であるとお答えになりました。日華平和条約の要点は三点あります。第一に、戦争状態の終結、第二は——人が話しているときにしゃべっている人がありますか。不謹慎な。私は法理的解釈を聞いているのじゃない。政治家として総理大臣に聞いているのです。総理大臣は、すなおに自分の識見をお答えになったらいいのです。先ほど来私は法理的にあなたに突っ込むことならたくさんありますよ。しかし、お互いに一国の宰相に対して政治論を承っておる。法理的に間違っても、大づかみにつかんでおりさえすればいいのです。人が話をしているときに、失礼じゃないですか。  そこで、総理大臣は、日華条約は有効である、これが現実であるとお答えになりました。日華条約の要旨は、私が申し上げるまでもなく——念のために申し上げますと、三つあります。第一には戦争状態の終結、これが一つ。第二には賠償問題の放棄、第三には戦前に日中間に結ばれた諸条約の廃棄、この三点が骨子だと思うのです、政治的に見れば。これは条約は有効ですね。あなたはそうお考えですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 むろんそのとおりです。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 そうしますと、従来の国際慣例から申しまして、あるいは国際法の常識的解釈から申しまして、その政権が民主的に移動された場合、あるいは革命、クーデターによって移動された場合、例外を除いて大まかに言って、前政権が締結した条約はあとの政権がこれを継続、継承する義務と権利があるということが従来の慣例になっておりますが、あなたはそうお考えですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 前政権と後継政権との場合に、お尋ねになりましたような場合もある、かように私は考えます。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 場合もあるということよりも、例外以外にはそれが常識です。ひんぴんとして行なわれる中南米諸国の政権の移動も、これは民主的に移動が行なわれていませんけれども、クーデターその他において行なわれても、前政権が締結いたしました諸条約は、後継内閣は継続している。私はなぜそのことを重要視しているかと申しますと、北京政府はしばしば言明していわく、日華戦争と申しますか、あの当時の長年にわたる戦禍によって損害を受けたものは五百億ドル、人命の損傷一千万、この損害の賠償については、北京政府は留保しているとしばしば声明されている。私は、日本国民の、あなたの言われる国家的利益と国際慣例からいって、国民政府との間に結ばれたこの戦争終結の宣言と賠償問題の放棄、日中間に結ばれた諸条約の放棄というこの三つは、私は将来も生きているものだ、しかも日本に対して宣戦の布告をしたのは、毛沢東主席にあらずして、国民政府の蒋介石先生か日本に対して宣戦を布告した。その宣戦布告をした蒋介石総統が、日華条約を結ぶにあたり、損害賠償の放棄というこれを宣言している。私は、日本国家の利益と国際通念からいって、この三つの条約の骨子は生きていると解釈する。日本国総理大臣として、あなたはこれに対し明確な御回答を願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私はむろん生きておる、かように考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 佐藤さんと私の意見が一致したことは、まことに国家のために欣快にたえません。同時に、一つの中国、一つの国民政府という見解も、結論においては、内容においては一致している、こう解釈いたしております。  そこで、次に私はあなたにお尋ねしたいのでありますが、あなたには、五月に開かれるAA会議に対しては、いろいろ迷いもあったでしょうし、途中におことばが変わったこともありますが、結論としてあなたが言われたことは、一日の自民党の小川半次君の質問に対して、AA会議には招待されれば代表を派遣すると言われた。同時に、当初においては、大ものを出す、こういうふうなお話もなさいました。まあこういう際にどういう人を出すのかという質問も、少しやぼになりますが、腹案があれば、あなたの言う大ものというのは大体見当がついているのですが、ついてはその人柄について私も注文をつけたいことがある。お答えを願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 まだきまっておりませんが、外務大臣が何か考えているかもわかりませんから……。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 いいですよ外務大臣、あなた、けっこうです。私は、これは外務大臣がお考えになりますよりも、政治の最高責任者が責任を持ってその人選に当たっていただきたい、かように考えます。そこで、いかなる人をお出しになるかということについて、まだあなたもいまお述べにくいでありましょうが、私はどういう人を出すかという基準だけを御参考に申し上げたい。  第一には、AA諸国がいかなる苦痛、苦悶をいま抱いておるか、そしていかなる要求を国際社会に出しているかという点において、AA諸国の希望と要請をよく理解できる人。  第二の点は、AA会議の席上において中共との間に政治的に折衝のできる人。私は、あえてきょうは、政経分離というようなごまかしのことばのナンセンス的な政治理論をもてあそぼうとはしません。これほどとんちんかんな議論はないのでありますが、しかし、中共との間においていろいろな人の交流がありますけれども、政府間との交流というものはいまない。あなたは、大使級の会談もいま必要としない、外務大臣間の接触も必要ない、自然に中共との接触をはかり得るものはAA会議です。このAA会議を活用して日中間にわだかまっておりまする政治的な問題の解決をなし得るだけの見識と力量のある人、これが第二であります。わかりますね。  第三には、AA会議という国際会議において、中共をして国際平和に責任を持たすべく政治的な方針を持っている人。私は、中共の国連加盟に対して、重要事項の指定に対して日本は賛成すべきではない、中共の国連加盟を一日も早く日本が促進すべきである、こう考えるとともに、その反面、中共をして国際平和に責任を持たすべく、二十四億のAA会議の代表の前において、二十四億の民心を率いる世界七十のAA会議の会議の席上において、中共をして世界平和に責任を持たすべく会議の席上において堂々とそれを誘導し得る識見がある人。あとこまかいことを申し上げる必要はありません。  以上三点をこなし得る人材を派遣してもらいたい。私は、人柄について申し上げません。遠慮しておきますが、希望を申し上げれば、その程度くらいの大ものをひとつ出してもらいたいと思いますが、総理大臣、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 建設的な御意見を伺うことができまして、たいへん喜んでおります。もちろんAA会議諸国の国民の念願するところのものにやはり理解を持つ人、これは私は必要なことだと思います。同時に、また私どもの日本の立場もよく説明してほしい。私どもは、どこまでも自由を守り、平和に徹するというこの考え方だけは十分そこで述べ得る人、こういうものを考えたいと思います。ただ、中共自身に対してただいまのように説得力がある人がはたして見つかるかどうか、これは十分私は考えていきたいと思いますが、ただいま申し上げる自由を守り平和に徹するというこの念願こそは、世界平和に通ずるものであり、おそらくアジア民族ひとしくの熱願だ、かように思いますので、こういう点について遺憾なく、また端的に意見を表明し得る人、そういう方を選びたい、かように考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 少し私の申し上げたことがことばが足らなかったか、総理大臣は誤解されておるうよでありますが、私は、AA会議を利用して中国を直接説得すべしというのではないのです。AA会議に参加の七十有余の国、二十四億の民衆は、私は何というても世界の平和を念願していると思うのです。そして、核兵器の拡散防止を心から念願していると思うのです。したがって、それらの民衆の会議の前において、世界の世論をして核兵器の拡散防止、思想、政治、軍事三面にわたって軍事的対立を深めるがごとき中共の政策の反省を促すということを民衆とともにやれと、こう言うのです。直接説得じゃない。私は、他国のことですから、これ以上申し上げることを遠慮いたしますが、それだけの見識と深い読みを持った大ものを出すべし、こう言うのです。御理解いただけますね。  それでは次に、私は、もはや私のいただいておる時間は八分しかないそうですから、次の構想に入ります。  私は、佐藤首相がアジア開発銀行の創設に対して非常に熱意を持たれて努力しておられるということについては敬意を表します。しかしながら、アジア開発銀行と申しましても、アジア諸国の経済自立、社会開発と申しますか、それらの問題を解決するには、銀行業務の商業ベースには当分は乗らないのです。したがって、その点を運営においてよく考慮して設立にかからなければならないのですが、あなたは、その点は着目しておられますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 エカフェを中心にいたしましてただいまアジア開発銀行の構想がだんだん具体化しつつあります。私どもも直接当方から派遣さし、エカフェでその仕事に関係しておる方からしばしば実情を聞いております。  ただいま御指摘の点が開発銀行としても一番の問題でございます。開発銀行そのものといたしましては、これはやはり長期の目で見ていくことが必要だ、短期においてペイするとかペイしないとか、かように考えることは、本来の目的から申しましてこれは無理なことだ、かように考えます。したがいまして、この資金なども広い範囲で集める、こういう構想でただいま進めつつあるのであります。ようやくそのドラフトができたという程度でございますから、これから真剣に取り組んでいこう、そういう場合に、まだまだいろいろの問題が起こるのではないか、かように私考えております。そういう際に、御指摘の点、それが短期間にペイするとかいうような商業銀行的な考え方でなしに、その目的、これに真に沿うものをつくりたい、かように考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 時間がありませんから、この問題は私の要望だけにとどめておきます。  私は、やはりいま総理大臣との御意見が一致したようでありますが、何というても日本の農村地区において、一つの特色は信用組合、産業協同組合です。これは、米づくりから税金の取り方から預金までやっているわけです。この性格をアジア開発銀行の基本的性格にする、そして技術援助を中心にして開発を進める、同時に、円の価値を高めて三千万華僑の預金も吸収できるようにする、これには、やはり日本の財政計画も、先ほど言うようにもっと健全化さなくてはいけませんよ、田中さん。話がそこへ落ちるとまた議論を蒸し返しますから、私は省略しますが、それらの点をお考えになって、せっかくあなたの構想であるアジアにどうしてもなくちゃならないアジア開発銀行というものを一つ具体的にお進め願いたい。  最後に、私はお尋ねしたいのですが、あなたは、アジアの平和と安全、そして繁栄というものを外交の基本方針にされました。これは何人も反対するものではないのであります。しからば、その具体的方針をどうするか。せんじ詰めてみれば、私は米中の緊張の緩和にあると思う。いかなる方策をもって米中両国の緊張緩和をはかられるのであるか、具体的構想があればお聞かせ願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 米中の緊張の緩和あるいは米ソの緊張の緩和、これなどはしばしば東西対立、こういう表現でいわれております。ただいまのところ、米ソの間におきましては平和共存への道をたどっておるということで、世界平和の上にこれは必ず非常な寄与をする、かように私考えておりますが、アジアにおきまして事ごとにこの米中の間に対立のあることは、私まことに遺憾に思います。今回、私がジョンソン大統領と意見を交換いたしましたのもこの点でございます。しかし、この点につきましては、不幸にして両者の意見が一致しなかった、かような状態でございますが、国際常識というものもだんだん固まりつつあるのではないかと思うし、また米国内におきましても、きわめてわずかな州ではありますが、米中間においても貿易をすべしという、こういうような考え方もございます。とにかく逆戻りしないように一つ一つ積み重ねていく、それがおそいようだが案外早い道ではないだろうか。両国間の国民的感情、なかなか対立的な熾烈なものがございますので、そういうのが順次解消するような、またそういう意味においての私どもの努力も必要だと思います。いわゆる私どもが何か米中間をあっせんする、かような話もございますが、私はそこまで伸び上がった考え方はいたしておりません。ただいま申し上げるような、結局国際世論というものが問題の解決への、おそいようだが早道ではないか。そうして、やはり平和への道、平和に徹する、そしてお互いが繁栄をたどるという、そこをよく理解していただく、これが何より大事なことだ、かように私は考えております。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 私の時間もそろそろ尽きたようでありますが、この問題についてとくとあなたの御所見を承りたいと思いますが、その時間がありませんから、私は提案だけいたしまして、あなたの御見解を承りたい。  今後における日本の外交の焦点は、米中橋渡しです。あなたは背伸びしたことはいかぬということを先般来言われたようでありますが、この際日本は、私は背伸びをすべきだ。日本外交の健在を示すのはこの一点しかない。しかも、日本の外交に与えられた使命がここにある。そして、あなたがアジアの平和と安全と国連主義によって将来の外交の基本にするとおっしゃった、この三点を基礎として、米中の問題をどうするかと申しますると、なかなかアメリカが得心し、中国が得心するような方策は出ません。米中両国とも、おそらく日本がいかなる案を出しても反対するでしょう。そこで、私は観点を変えまして、たとえて申しますと、イソップ物語じゃありませんが、旅人のマントを脱がせるのには、烈風を吹いてもこれは脱がせることはできないのであって、春先のあたたかい風をそこに注げば、自然と旅人はマントを脱ぐということわざがあります。そこで私は、この故知を国連憲章に適用しまするならば、国連憲章第八章五十二条には、地域組織の結成というのがあるのです。国連が今日次に改組を要求されるものは何かと申しますと、中央集権的に頭でっかちで地方組織ができていなかった。そこで、この弊害を是正するために、最近アフリカにおいて、中南米において、各地において地域組織ができております。この地域組織は、当初は安全と平和のための地域組織でありましたけれども、いまは政治的結合体となり、それがお互いの経済の協力機関として発展しているのです。  そこで私は、簡単に申しまするならば、アジアにおいて国連憲章八章五十二条に基づく地域組織を結成する。あるものは共産主義国である、あるものは過激なるナショナリストである、あるものは自由主義国家であっても、アジアにお互いに居住するという立場においては、歴史と伝統を同じうし、生活環境を同じうしておる、このものがお互いに隣組同士をつくって、経済の自立から生活水準を高めるためにお互いに協力しようじゃないかという組織は、私は案外スムーズにいくのじゃないかと思う。そこにあなたのアジア開発銀行という構想も相結んでくるなら実も実る。そこで、それらのアジア諸国の隣組を結成いたしまして、生活を助け合う、経済を助け合う、技術の交流をするという隣組の組織から、漸次アジア全域における平和と親睦を結びまするならば、その立場から、私は、米中の緊張の緩和というものはおのずからできるのではないか。こまかい議論は、時間がございませんから私はきょう申し上げることはできませんけれども、要するにあなたの国連主義を中心にするということであれば、国連主義とは、国連の決定に追従することではないのです。アフリカにでき、中南米にできておるが、アジアにだけできないのであるからして、アジアにおける工業先進国としての日本の責任は、国連憲章第八章五十二条に基づく地域組織の結成によってアジアの平和と安定と繁栄をはかる、この地域組織の結成、あなたはそれに外交の主眼を置いていただくならば、米中の緊張緩和というものもおのずとできると私は考えるのでありますが、御見解はいかがでありますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。  たいへん明確な御提案でございます。私は、過日国連に参りました際に、この種の一提案を実は打診してみました。しかしながら、現状においては、まだまだ慎重にやりたいというか、ことに安全理事会との関係がありまして、そう簡単にウ・タント事務総長も引き受けてくれない、こういう状況でございます。しかしながら、ただいま具体的な御提案がございますし、私は、われわれが努力すること、ことに国連中心でおる、そうしてまた、国連の繁栄への道、繁栄への努力、これはすでにだんだん具体化しつつあります。その方向において協力を得ることも可能ではないか。しかし、まだ平和への機能としては、国連自身がたいへん弱いものでございます。今後の問題として十分研究してまいりたい、かように考えます。ありがとうございました。

西村榮一民主社会党

○西村(榮)委員 これで私の質問は終わります。

青木正自由民主党

○青木委員長 これにて西村榮一君の質疑は終了いたしました。  午後は二時より再開することといたします。午後の質疑者は永井勝次郎君であります。  なお、理事諸君に申し上げますが、委員会休憩後直ちに理事会を開きますから、委員長室に御参集ください。  この際、暫時休憩いたします。    午後零時十分休憩      ————◇—————    午後二時十一分開議

青木正自由民主党

○青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十年度総予算について質疑を続行いたします。  永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 私は、中小企業の問題と石炭問題を中心にお尋ねをいたします。  最初に中小企業についてお尋ねします。  最近、中小企業の倒産が非常にふえております。昨年中における倒産の件数は四千二百十二、その負債総額が四千六百三十一億、このように毎月ふえる足取りをとっております。本年一月の倒産件数も四百二、負債総額四百二十億となっておるわけでありますが、十二月から比べれば幾らか減っておる。しかし、三月、四月からさらに激増の足取りをたどるであろうと一般にいわれておるわけでありますが、総理は、中小企業倒産の見通しをどのように立てておられるか、伺います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま中小企業の倒産件数をあげられ、また負債総額等につきましてもお話がございましたが、私はたいへん心配をいたしております。一月がやや十二月に比べて数が減ったということでございますが、もちろんこういう状況で減ること、倒産のない、そういう事態を望みますが、まだまだ引き続いて二月、三月と出てくるんじゃないだろうか、私たいへん心配しております。この原因などは、御承知のように、中小企業は本来非常に数の多いものであり、またその規模が名前のごとく小さい、そういうところから、経営上、また社会的にもいろいろ困った問題が幾つもございます。そういう点を十分克服するように中小企業を強化していかなければならないと思いますが、ことに一昨年来金融引き締めを実施してまいりました。やはり弱い面にそのしわ寄せが出てきた、かように私は考えまして、たいへん心配するだけでなく、金融も、公定歩合あるいは預金準備率等々の改善方法を講じまして、やや金融も緩和したのではないか、かように考えますが、しかし、金融自身が安易な方向に流れることはもちろん慎しまなければならない。そういうところで、特に私ども基本の線はまだくずしておりません。しかし、中小企業のただいま御指摘になりましたような倒産というたいへん深憂にたえない事態が次々に起こっておりますので、これとは真剣に取り組む、そういう意味で、ことに私どもが金融の面から連倒鎖産、あるいはまた黒字倒産、こういうことを引き起こさないで済むなら、金融の面におきましてもこまかな注意をすべきだ、こういうことで関係方面を督励しておるというのが現状でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 中小企業倒産の見通しは容易でない、このことはお答えになりました。その原因と対策については、総理は金融の引き締めから起こった原因であるから、そのほうの緩和措置によって対処していきたい。倒産の原因が金融の問題にあるように受け取られる御答弁があったわけでありますが、政府は、中小企業の倒産の原因をそのようにお考えになり、その線で対策を立てれば倒産の防止になるのだ、対策になるのだ、このようにお考えであるか。もう一つ突っ込んで中小企業倒産の原因が何であるか、その対策は何であるか、明確にしていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 金融引き締め、その結果、経営上必要な資金、あるいは売り掛け代金の回収等が思うようにいかなくなった、これが一部あるだろうと思います。したがって、これが全部の原因だとは私は申しませんけれども、こういう点にもし原因があるなら、それは対策として立てていこうということを申したのであります。しかし、中小企業そのものについて、その弱さ、これを十分認識しないと対策が立たない。御承知のように、中小企業は非常に小さく、また数字が多い。そういう面から、あるいは資金の確保なり調達なり、あるいはまた最近起こっておる労働力の確保、これなども、小さいだけに、またお互いに数が多いだけに非常に困難だろうと思います。したがって、倒産もさることですが、中小企業が近代化され、そうして経営上もりっぱに成り立っていく、そういう積極性を持った対策を立てなければ、ただいまの倒産を避ける、こういうことにも実はならないのです。むしろ中小企業の前向きの方法について、関係者も十分考えていただく。ことに、これはもうすでに中小企業基本法等ができておりますので、前向きに十分考えられておる、さように考えますけれども、それだけでも不十分であり、今日倒産が起きておるという現状、これは救済のできるものは救済していかなければならぬ、かように私は思っておるのであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 倒産の原因が何であるか、その対策の正確を期しますためには、倒産の実態がわからなければいけない、把握していなければいけないと思うのですが、政府は、その実態をつかんでいるのかどうか。先ほど来私が申し上げた数字も、これは東京商工興信所の調査で負債額一千万円以上という、そういう興信所の数字を政府も基礎にしているし、一般も基礎にしている。それ以外には倒産に関する正確な資料が現在ないという状況、いわんや負債額一千万円以下の分については、現在実態がどうなっているのか、どういうふうに動いているのか、こういうこともさっぱりわからない、こういう実態であります。一体、中小企業庁があり、倒産の問題がこれほど業界の深刻な問題となっておるときに、主管である通産省が商工興信所の調査にだけまつ。みずからの手でこれを調査しようとしない。これぐらいのものは調査したらどうか。正確なものができないまでも、努力を積み上げていかなければならぬのですが、そういうものがさっぱりない。企業の倒産の実態がわからないで、正確な対策など立つはずはないと思うのですが、この点について通産大臣の御答弁をわずらわしたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 永井委員の御指摘のとおりに、現在は興信所が調査したものを基礎にいたしております。しかしながら、通産省としては、言うまでもなく東京とか名古屋とか大阪とか、あるいは福岡とか札幌とかいう地方通産局がございます。その通産局におきましては、その地域の中小企業の実情についてはでき得る限り把握するようにつとめておるのでございます。ただ、興信所の数字を基礎にしておるということは、この興信所が多年にわたって調査をしておりまして、いま急に通産省自体がいろいろ調査しようといたしますよりも、現在におきましてはこれをまず基礎にいたしまして、そしてそれに対して各地方通産局内の実情を総合して判断していく、こういうようなことでございます。御指摘のように、通産省自体が調査もいたし、数字も把握すべきだと思います。しかし、なかなかそれは相当思い切ったことをいたしまして行政機構を拡充しなければなりませんし、また調査員も多数擁さなければなりませんので、多年にわたる興信所のそういう数字を現在では利用しておる、こういうことでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 通産大臣、これは興信所の数字で、その統計でやっているのだと、のんきな人まかせな話ですが、倒産の問題は、中小企業における重大な課題です。中小企業基本法では、調査、統計はきちっとやっていくということになっておるわけです。それをやらないのです。倒産の問題ばかりでなくて、中小企業関係のいろいろな諸統計にいたしましても、いろんな統計からこれを抽出してきてつくり上げておる。中小企業庁みずからの努力で、その視点に立った統計というものがほとんどない、こういっても過言でないという実情です。倒産というこれほどの重要な問題を、通産省みずから調査したらどうですか。いまも大臣は、むずかしくてなかなかできないんだというようなのんきな話ですが、倒産してしまって、その事態が出てきてから葬式の問題だけを論議するのではなくて、倒産過程にあるいろいろな困難な問題を予防していくということが、通産省における主要な役割りでなければならぬ、そこから漏れたものが、救えないものが死んでいくのだ、こういう問題でなければならないと思うのですが、その過程がわからない、過程が把握できない、それで正確な対策は立つわけはないと思うのです。これは、統計をきちっとやるかどうか、調べることを今後やるのかどうか、ひとつ明確にお答えを願いたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 永井委員のおっしゃることは十分わかるのであります。しかし、倒産問題が非常に問題となりましたのは、一昨年の十二月の金融引き締め以降のことでございます。また私どもは、当初におきましては、それほど大きな影響があるというような前提を三十九年度の予算編成当時には持っておらなかったのであります。でありますから、いま言われれば、なるほど私どもの対策が十分でない、また調査が十分でない、こういうことになりますが、急にその調査員を集めること、あるいは急に予算措置を講じましても、なかなかそれは実際上にはできにくいことだと思うのであります。でありますから、私が就任後、ただいま総理が言われたとおりに、非常にこの問題は憂えてまいりました。できるだけの正確を期して、そしてそういう数字に基づいて対策を講ずべきだということは、もう永井委員のおっしゃるとおりでございますが、急には間に合わないことであったので、現状ではやむを得ず多年の実績のある興信所の数字を基礎にして、そうして地方通産局を動員して実情把握につとめた、こういうわけであります。しからばいまお尋ねの、これからどうするか。それはもうおっしゃるとおり、でき得る限りわれわれの機能を活用いたしまして、正確を期する調査をしていく、ただ私はそういう気持ちがございましても、全国にそれだけの人を配置するという場合は非常に多額の費用も要しますので、おのずから限度はあろうかと思いますが、お話の御趣旨に沿ってできるだけのことをいたすということを申し上げておきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 主要な中心となる基礎でありますから、今後一そうの努力によって正確な数字を国会に報告するように期待しておきます。  ただいま通産大臣は、倒産がこのような事態になることは予期しなかった、こういうふうにおっしゃっておられますが、そのとおりでありますか。予期しなかったというならば、現実にあらわれてきたこの倒産ということは、政府の中小企業対策の失敗の結果である、こういうことをお認めにならなければいけないと思うのですが、失敗の結果であると御承認になりますかどうか。重ねてお答えを願います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 なかなかこの点についてはずばりとお答えしにくいところがあろうかと思います。時代が非常に変転しておりますし、また進歩もしておるおりでございます。そこで、中小企業自体にも大きな変化が時代に即応してあるべきだということも、これは考えなければならぬと思うのであります。そこで、いま倒産のことについて予想ができなかったのか、あるいはそれであれば失敗でなかったか、こう言われるのでありますが、私どもとしては、現に起きておるそういう事態はまことに遺憾ではあったが、こういう事態を中小企業の将来の発展のために役立たしめていきたい、中小企業基本法もできておることでありますから、これはこれとして前進をしていきたい、そういう気持ちを持っておるのであります。一がいにそれが失敗であったかどうかという点については、にわかに御同意ができないのであります。それというのは、この倒産の実情につきましていろいろ調査をいたしてみますると、金融引き締めが直接の原因となった倒産というのは、大体これが売り掛け金の回収困難であるとか、在庫状況の悪化であるとかいうほうであると思うのであります。放漫経営、あるいは設備規模が非常に広がって、そのために資金繰りが悪くなったとか、あるいは過去の業績が不振であったとかいうような問題のほうは、これまた別であろうと思うのであります。現在の企業倒産の実情の中におきましては、大体これが半々に出ておると思います。  なお、この際一言つけ加えたいのでありますが、私どもが興信所の数字を相手にしておる原因の一つには、この実態を調査するということになりますと、個人の秘密にかかわってくるわけであります。それを政府が直接にやるのがいいのか、民間機関の相当信用できる数字を相手にしていくのがいいのかということも考えてみまするときに、従来は、興信所があれだけやっておるなら、これをひとつ基礎に考えてみようというような、そういう考慮もあるということを一応御念頭に置いていただきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 通産大臣は、日本の産業全体、その中における中小企業という総合的な経済施策の中心にあるわけでありますが、いまお話を伺うと、中小企業の倒産というのは、非常に上つらだけをなでて、そして金融引き締めでこうなった、死ぬときはたいてい心臓がとまるのですから、心臓がとまって死んだというのでは、そういう倒産の病理解剖では私はまことに心もとないと思う。マクロの点からあるいはミクロの点から、いろいろな見方をもっと深く掘り下げて、そして構造的な面にまで問題を掘り下げて中小企業対策あるいは倒産の対策というものを、これを病理解剖していかなければ、金融引き締めで起こったのだ、これは予測しなかったのだ、こういう上つらなことで、皮相な見解で問題を扱っておるということについては、私は驚くわけです。そういう薄っぺらな見方で見ているから、ほんとうの中小企業対策というものは立っていないのだ。立っていないからいろいろな事態が起きてくることは当然なんです。そういう事態が起きたときに、その事象を見てあわを食って右往左往しておる。これが中小企業庁における、あるいは通産大臣が中小企業の倒産と取っ組んでおるほんとうの姿であろう、こう思うのです。それならば、私はこれからいろいろお尋ねをいたしてまいりたいと思います。  総理にお尋ねをいたしますが、中小企業倒産の直接の原因になってきたのは、やはり景気調整の作業としての金融引き締め、これが大きなファクターであることは間違いないわけでありますが、金融政策の中で、それならばいままで中小企業を育成し、助長し、あるいは振興をはかっていく、こういう金融政策ならば中小企業は伸びていくんだという金融政策をとってきたのかどうか。従来の政府のとってきた金融政策について、その結果として中小企業が個人の責任でそこから倒産していった、こういうならいいのですが、私は、政府の行なっておる金融政策というものが中小企業を倒産へ追い込んでいっているんだ、それがだんだんあらわれてきたんだ、こういうふうに見るわけでありますが、金融政策について、中小企業がこれならば振興できるはずだ、こういうようなお考えでおやりになっていたならば、その点を明確にしていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 御承知のように、政府が今日まで中小企業の育成強化、それに努力してまいっておるのは、中小企業関係の三機関を中心にして指導をしている、また援助をしている。同時にまた、最近の実情に即して、全体的な金融の緩和、そういう方向でいろいろ努力しておるわけであります。公定歩合の一厘引き下げも、また預金準備率の点も、これは必ず中小企業の金融の面には役立っておる。また、この委員会で非常な議論がありました歩積み、両建てなども、中小企業には必ず役立っておると思います。ただ単に金融ばかりではございません。税制の面におきましても、ことしのくふうなどは、確かに中小企業に役立つ大きな面ではないかと思います。また財政面におきましても、ただいま申し上げるように、実際に中小企業に役立つような処置をとっております。詳しくは大蔵大臣からお聞き取りをいただきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 お答えいたします。  中小企業の倒産の原因は、金融調整の過程において中小企業が倒産しておるということも一つの要因だと思いますが、これだけではなく、やはり戦後二十年を振り返ってみますと、量から質の時代にだんだんと転化をしなければならない方向が要請せられておるわけであります。ところが、昭和二十年代、三十年代と世界的な質の競争時代に入っておるのですが、中小企業の近代化や中小企業の体質改善そのものが、急速には行なわれておりますが、これに足りない部面もあるということも一つございます。それから量の時代として量的拡大に走っておったものが、質的に転換しなければならないという時代の要請にマッチをしておらぬということで、在庫製品は非常に多くなるけれども換金ができないというようなものもございます。それから大企業の健全経営という方向転換によりまして、下請代金の支払いがうまくいかないというような問題もたくさんございます。非常に複雑な日本の中小企業の実態から考えまして、中小企業の倒産を防ぐというだけではなく、世界に例のない日本の中小企業の近代化をはかって、将来より強固な体質改善を行なうべく各般の施策を行なっておるわけであります。  総理からも御答弁がございましたが、政府三機関の資金量を増大することはもちろん、金融引き締めの体制下におきましても、中小企業貸し出しに対しては、公定歩合が引き上げられても、貸し出し金利を上げないようにとか、いろいろな施策を行なってきたわけでございます。なお、戦後中小企業向けの専門金融機関として信用金庫や相互銀行の発達もはかってきたわけでありまして、倒産そのものをすなおに考えますと、第二、第三の段階に入っておるわけでありますので、中小企業の将来の姿としては、より強固な体質をつくり上げるように各般の施策を進めていくべきだという考えに立っておるわけであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 総理は、中小企業の倒産対策は、ひずみを是正していくことによって防止するのだ、こういうふうな御答弁だったと思います。私は、いまの政府のやっておるやり方は、ひずみを是正するのではなくて、ひずみを拡大する結果になり、倒産はその面からますます多くなるのだ、こういうふうに逆な見方をしておるわけです。  そこで、どちらの考え方、見方が正しいか、これをはっきりさせますために、金融、税制、労務、取引の実態、こういうふうに分けまして、それらの分野からどのように政府の施策が行なわれて、これがひずみの是正になるのかどうか、このことを検討していきたいと思うので、問題をあまり広げないで、いまは金融の面でひとつ御答弁を願いたいと思うのです。  政府は、高度成長政策の中では、開放経済に備えるために、日本の国際競争力を強化しなければならぬ、こういう一つの立場から、大企業へ設備投資を傾斜集中して行なってきた、こういうふうにわれわれは見るわけです。したがって、その結果として大企業は非常にふくれた。そのしわ寄せを食って中小企業は非常なおくれをとってきておる。この格差が現在あらわれておるところのひずみの問題ではないかと思うのですが、そうでないというなら、高度成長政策実行以来、政府は大企業の設備投資にどのくらい投入したのか、中小企業にどのくらい回したのか、ひとつ大蔵大臣から数字をお示し願いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 大企業中心の金融政策を進めたために格差が開いたという御指摘でありますが、そうではありません。大企業というよりも、基幹産業を中心にして、戦後もののないときには傾斜的に、重点的に投資を行なったこともございますが、その後国際競争力もついて、だんだんと輸出が伸びて今日に至っておるわけであります。中小企業に対しましても、先ほどから申し上げておりますように、設備の近代化その他国際競争力にも耐えるような施策を推進してまいったわけでありますが、基幹産業等と違いまして、中小企業の様態が非常に複雑多岐にわたっておるわけであります。これは世界に例のない特殊な状態であります。同時に、中小企業の中に零細企業というものもございます。戦後二十年間で零細企業から中小企業へ、中小企業から中堅企業、大企業へと発達しておる姿は、御承知のとおりであります。でありますから、零細企業をできるだけ中堅企業に育て、中堅企業から形、内容ともに整った大企業、安定企業へと成長せしむるような金融政策をとってきたことは事実であります。その意味で、中小企業専門機関として発達した相互銀行、それから政府三機関はもとより、信用金庫等の扱う資金量が非常に大きくなってきたという事実をもっても御承知いただけると思います。  ただ、中小企業というものが、すべてを中小企業というふうに一括して考えておるところにいろいろ問題があると思います。一体中小企業として、他人資本をもって経営をしていく限度というものはどうあるべきか。きょうまでつとめておった人が、何人か寄って零細企業を形成する、看板をかける、こういう日本の特殊な状態に対して将来どうしなければならないかということは、非常に重要な問題でありますが、中小企業の中で私はおおむね三つに分けられると思う。その一つは、中小企業ではあるが非常に重要な産業であるので、これを育成していかなければならないという企業、いわゆる輸出に寄与するような企業という部類が一つ。もう一つは、国内的な需要に対して供給をする産業、これは国民の総生産の伸びの範囲内で企業を育てていくという部類のもの。第三は、企業としてはなかなかむずかしい状態にありながら、父祖代々の企業であるからどうしてもこれを続けていくのだという、個人のいわゆる企業責任によって続けなけばれならない企業。そういうものを分類しながら将来の国際競争力をどうしてつけていくか、将来の日本の中小企業をどういうふうに育てていくかというようなめどをつけながら、新しい金融施策も進める必要がある、こう考えておるのであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 いま大蔵大臣からお話がありましたが、中小企業、大企業とこう対比させて問題を進めてまいります場合に、中小企業というものをはっきりさせておかないと、これからの議論の焦点が非常にぼけてまいります。  われわれの考えております中小企業というのは、中小企業基本法に基づいて分類されたそれによるわけです。でありますから、日本の全産業で三百二十二万の事業所の数、そのうち大企業は二万、残りの三百二十万が中小企業です。事業所の数からいえば九九・四%までが中小企業だ。まずその事業所の比率を明確にひとつ頭に入れておいていただきたい。それから製造の関係からいえば、全産業で五十二万のうち、中小企業は五十一万七千、大企業はわずかに三千、こういう割合だ。商業でいえば百七十五万が全商業、このうち中小企業が百七十四万、大企業はわずか一万なんです。それからサービス業でいえば、四千が大企業で、六十四万二千が中小企業だ。これはもう圧倒的にそういう数になっておる。これを従業員で申しますならば、大企業は四百九十三万、全体の二一・三%、中小企業は一千八百二十二万、七八・七%、こういう比率です。生産の寄与からいえば、貿易の関係で五五%が中小企業です。小売りの流通面における寄与からいいますならば、八六・八%が中小企業です。こういう日本の全産業の中に占める大企業、中小企業の構成比の上から見て、それに対応した資金量が流されているかどうか、ここが私は問題であると思うのであります。大蔵大臣、また総理は、中小企業に相当の資金を流した、こう申しますが、ここにはっきりした統計があります。これは、全国銀行の中小企業向け貸し出し割合の推移、この推移が  これは個人的な見解ではなくて、はっきりした統計数字として出てきておるのでありますが、これによりますと、昭和三十年、都市銀行は中小企業に対して三二・一%、こういう割合の資金の流し方をしております。それが三十八年度になりますと二〇・一%、三二・一%からだんだん減って二〇・一%に都市銀行の中小企業向け金融量は減ってきておるのです。地方銀行はどうかといえば、昭和三十年、五八・五%であったものが、三十八年度は四八・八%、こういうふうにしぼられてきております。だんだん都市銀行あるいは地方銀行の中小企業への流れ方が細くなってきておるわけです。最近の例で申しますと、昭和三十九年の四月、都市銀行の二〇・〇%であった。それが年末の十一月になりますと一八・九%に減っている。地方銀行で申しますと、昨年の四月四八・八%であったものが、十一月には四七・七%に減っておる。こういう数字から見て、資金量は大企業に集中融資されておる。そうして設備投資をどんどん拡大して経済成長、高度成長をやった。金融引き締めにあたりましては、これを大企業のところに向けなければいけないのに、そのしわ寄せが中小企業にきてきゅっと締めた。大企業のところはやはりかけた設備投資を中断するわけにいかないからというので、それをなし遂げた。そういう形によって、景気がよければよいで金融は大企業に流れる。悪ければ悪いで中小企業をしぼる。こういう形で、明治維新以来、日本の保守党政権と財界とは手を結んで、大企業がどんどん育って、中小企業と農民がその収奪の中で二重構造というものを長い歴史の中につくってきた。戦後はどうかといえば、戦後さらに荒廃した大企業を育てあげて、中小企業との格差をますます拡大してきた。高度成長の中ではさらにその格差が拡大していっておるというのが現状でありまして、いまのような政府のとっております施策の中からは、大企業と中小企業のひずみは縮まってこない、拡大していくのだ、こういうふうに私は思うのです。でありますから、私はいま金融の分野においてだけ議論しているのですが、大蔵大臣、中小企業にどんどん資金量を多く流しておるのだという数字的な根拠があれば、ひとつそれをお示し願いたいと思う。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 中小企業金融公庫で調べました全国金融機関の中小企業向け貸し出しを見てみますと、三十七年は二五・七%、三十八年は二九%と、このようにふえておるわけであります。大企業と中小企業との金融の比率をそのまま数字で判断をするということは、非常にむずかしいわけであります。これは、私が申すまでもありませんが、大きな規模の企業というものに対しては、非常に正確な経営の見通しがつくわけであります。もちろん高度成長の過程において、他人資本、外部資本により過ぎたという問題はございますが、いずれにしても金融ベースに乗りやすいということは、もう御承知のとおりでございます。中小企業そのものが一体どういうものかというと、一番初めは、ものになるかならないかというような状態においては、同族的な姿で発展過程をたどるわけであります。でありますから、新しい仕事を始めようという場合に、親きょうだいから金を出したり、友人知已を集めたり、だんだんと大きくなりながら零細企業から中小企業に転換をするときに、初めてその企業としての経済性というものが社会に認められてきて、その場合他人資本が導入せられるわけであります。でありますから、いまのような数字的な比較ではなく、同種の生産企業において一体どういうふうになっているのかというような比較と、経済比較そのものもしなければならないというふうに思われるわけであります。いずれにしましても、中小企業という非常にむずかしい実態の中から、零細企業から中小企業に、中小企業から中堅企業に、大企業へと発展せしむるためには、金融施策としては、中小企業向けの専門金融機関さえもつくって、今日その上になお中小三機関をつくりながら、しかも三機関においては金額は少ないというけれども、限られた財投の中で、今年度などでも、対前年度比融資計画額は二六%もふやしておるわけであります。でありますから、中小企業に対する融資の比率ということをいつまでもこういう状態で私は議論をしておるよりも、私自身も、四十年度の予算編成にあたってこういうことを一つ考えました。個人企業がだんだんと大きくなって他人資本を入れるということになるには、一体どういう過程をたどるのか。先ほどもちょっと申し上げましたが、きょう会社をやめて、二、三の人が集まって払い込み百万円の会社をつくる。すぐ融資を申し込む。これは融資の対象にならないことは、もう実績がないのですからあたりまえのことでございます。でありますから、零細企業として他人資本と自己資本の比率はどうあるべきかということ自体を私は考えていくべきだと思います。ですから、政府もあらゆるデータを集めながら、中小企業、零細企業が自己資本から脱して借り入れ金による率というものは、一体どういう過程をたどるのか。少なくとも三カ年間やってみて、これだけ資金をつぎ込めば必ずよくなるという見通しがつくまでは、なかなか他人資本というものは導入しにくいものであります。でありますから、零細企業、中小企業を一緒くたに考えて、きょう看板をかけたものまでみな対象にするという考え方では、資金的にまかなっていけるはずはないのであります。でありますから、産業資本の実態というものを把握をして、将来中小企業に対する金融のルールはこうあるべきだという考え方は、ひとつどうしてもはっきりさせなければいかぬ。今度融資ルールを金融機関でも検討しておりますが、ただ自然増収、いわゆるその年間に純増される預金の二五%というものは必ず貸し出せということだけでは、中小企業向けの金融というものは確保できるわけじゃありません。ですから、経営の健全化ということが前提になって金融が行わなれるわけでありますから、一体どこでバランスがとれるのかという問題は、ひとつ数字的に積み上げて、新しい中小企業に対する、また零細企業に対する融資の基準、融資の考え方というようなものをつくっていきたいという熱意を持っております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 中小企業というのは何に対して中小企業と言うのか。これは大企業に対比して中小企業というのです。したがって、中小企業と大企業とが一つの産業界の土俵の中で競争する以上は、金融量の流れ方の問題については、どういうふうに流れるかということを大企業と中小企業と対比して見ていかなければ——それは、この金融量と、それから質の問題とか、いろいろな評価する視点はございましょう。ありますけれども、一応大ざっぱに資金量はどういうふうに流れているかということで私は先ほど来数字を申し上げたのです。しかし、こういう数字を離れて常識的に言っても、世間一般に大企業のほうはオーバーローンとかなんとかいろいろ金融機関の関係では言うけれども、もう相当潤沢な資金量の金融機関の裏づけの中で設備投資を急速に、膨大に拡大しておる、こういうことは一般の常識です。そのしわ寄せを食って、中小企業は、大企業の系列の中に入るか、あるいはその下請になるか、何らかの形でなければ、その裏づけがなければ設備投資も十分にいかない、資金量の不足によって四苦八苦している、こういうのが世間の一般の常識です。先ほど通産大臣も、金融引き締めで中小企業の倒産は多くなった、こう答弁しているのです。でありますから、常識的に言ったって、大企業のほうには潤沢な金が流れている、中小企業には細々とより流れない、こういう資金量の上から見た格差が拡大しているということは、これは一般常識です。  それから、金融機関の人方の新聞、雑誌等における座談会等を見ますと、金の需要が多いときには金利は上がるんだ、金利が上がった場合は、上がった高い金利を使える大企業でなければ企業が成り立たないのだ、中小企業に金が回らないのはこれはあたりまえだ、資金の需要が減って資金量がだぶついてくれば金利が下がってくるのだ、下がってきたときに中小企業がその金を使うというのは、きわめて企業の実態からいって合理的だ、余った金でなければ中小企業には回さぬぞ。こういうことをはっきり言っているのですよ。あるいはせっかく大蔵大臣の御努力によって歩積み、両建ての問題は漸次是正されていく方向にあることは、喜ばしいと思います。しかし、これはただ歩積み、両建てというものはやめるんだ、こういってやめれば、金融機関は歩積み、両建てがなければおまえのところには金を貸さないまでだといって貸さなくなってしまうのです。歩積み、両建てをやめる以上は、それを補完すべき別の信用の状態というものを、金融が流れるような措置を講じなければ、これは打ち切られてしまうということになるわけです。そういうような金融のいまの実情から見て、数字から離れたって、中小企業には潤沢で、大企業は金融に困っているんだ、そしてその格差は中小企業に優先しているんだというようなことは、われわれはどうしても納得ができません。その点は、現状は現状として数字的にあるいは実際的にこれをお認めになって、その上でどういうふうに今後田中大蔵大臣はそれの是正をやっていくのか、こういう金融面から是正を行なうことによってひずみの是正ができるんだというなら、そういうことを順序立ててひとつぴしっとわれわれが納得できるようにお示し願いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 大企業は、いまお話もございますが、確かに外部資本により過ぎたという実態がございまして、自己資本比率を上げなければならないという事態にあることは、私も認めます。中小企業に対する金融というものに対して、ただ私はここで率直な意見を申し上げて——永井さんはもう二十年間、国会議員として終始一貫して中小企業の研究をやっておられまして、永井さんの御説はいつも聞いておりますし、私たちと一緒に中小企業問題を検討したこともあるわけでありますから、私はよく知っておるのですが、ここでただ中小企業に対して資金量をふやせばいいんだというような考え方だけで解決しようとすると、問題がございます。私も限られた時間で申し上げるのでありますから、なかなか徹底した発言にならないかもわかりませんが、大企業というものも、私は過去において大企業といわれたようなニュアンスとは違うと思います。これはある人が独占をしておるというものではなく、国民大多数が株主になっておる企業でありますから、過去のニュアンスによる大企業とは考えません。しかし、規模の大きい企業というものは、採算計画というものを十分立てて、そして長期の見通しというものでもって資金が投下をせられるということになりますと、外部資金が入りやすいということは事実であります。しかも、これが計画経済とか政府が資金を統制しておるというような事態であれば、いろいろ資金の流れを変えることもできますが、自然の流れ、いわゆる金融の正常化をはかりながら民間の自主的金融の発達の過程において金融が行なわれるということを考えますと、どうしても安定度の高いものに対しては融資がしやすいということは、これはあたりまえのことであります。中小企業そのものも、借り入れたら必ず返せるという、いわゆる採算制に乗るという経営規模、経営実態、経営に対する企画、こういうものを前提にしないで、中小企業、零細企業というものが金に困れば全部金を出さなければいかぬというわけにはまいらないわけであります。でありますから、設備の近代化とか、あるいは協業化とか合併とか、いろいろ企業形態を民間金融のベースに乗るような形態に育て上げるということが、中小企業対策の一つの大きな眼目であるということも御承知だと思います。でありますから、いまのような状態で正すべきところを正して、そして金融ベースに乗せる理想的な長期中小企業金融のルールを立てたいということを私たちは考えておるわけであります。でありますから、ただ財政資金をもってまかなえとか、中小企業関係三機関をもってすべて中小企業が必要とする資金をまかなえというような議論ではなく、中小企業がどうしても財政資金による三機関の融資にたよらなければならない部面に対してはその部面を拡充していく、と同時に、新しい意味で、中小企業に対してもやはり適正な経営規模というようなものに育てていくようにしながら、金融ルールも確立をしていくというふうに施策を進めていくべきだと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 もっと時間をかけて数字を詰めていろいろな角度から検討しないと、何かはっきりしないようなところがありますが、大企業に傾斜集中している金融の実態を、何も何から何まで中小企業全部、この量的な基準に比例して流せというようなことを言っているのではなくて、あまりに片寄っている金融の流れをもう少し公正な形に姿勢を置きかえなければいかぬのじゃないか、こういう立場で言っているのですが、それに対しては賛成のようでありますから、私はさらに前に進みます。  そうしますと、新聞あたりによっても、日本銀行法の改正を大蔵省は手がけているようです。日本銀行法は昭和十七年にできましたが、これは総動員法の内容なんですね。第一条なんかひどい。「国家経済総力ノ適切ナル発揮ヲ図ル為」というような、こういうひどい内容がそのままいま行なわれておる。銀行法にしても、昭和二年に施行した法律がいま生きておる。こういうので、金融行政についてはもっと近代的な内容、性格、運用、そういうものに改正をしなければならぬと思うのですが、これらの銀行法、日銀法及びそれに関連する金融諸立法について、ひとつ近代化の法改正をするお考えがあるかどうか、伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 日銀法、銀行法、小切手法、手形法、いろいろな問題がございますが、確かにこれらの問題に対しては改正を必要とするということを前提としていま検討いたしております。特に日銀法につきましては、もう答申を受けましてから、三、四年もたっておって、たなざらしになっておるということで、できるだけ早い機会に成案を得て、国会の御審議を求めたいということで、いま検討いたしておりますが、私も改正案を勉強いたしましたら、現行法はばかに古くさい。また、新しい憲法の精神どおりうまく改正をしようとしますと、あまりにも近代的になり過ぎているじゃないかと思うくらいに条文は画期的な改正案がつくられております。これは、金融の自主的な、また中立的な運営が確立をせられればいいという考えで、私自身にはまだいろいろ希望もありますが、できるだけ早い機会にこれをまとめまして国会に出したいという考えであります。うまくいけば二月一ぱいくらいに出せるかどうか、いまの事務当局がまとめた案を一部手直しをして出せばもっと早くも出せるということもありますが、日銀法でありますから、日銀の意見とか、在野の達識の意見とか、そういうものをできるだけ聞いて、ひとつ円満に御審議が願えるような状態こそ望ましいという姿勢をとっておるわけであります。  銀行法につきましては、改正を必要とすることは日銀法と同じ気持ちでございますが、これはまだ審議会にかけたり答申を求めたりという段階がございますので、時間的にはこの国会で間に合うという段階ではございません。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 いろいろお尋ねしたいことがあるのですが、時間がございませんから前へ進みます。  通産大臣にお尋ねをいたします。通産省では、選別融資について、金融機関と懇談会を開いて、あるいは行政指導をするというような、そういうようなことをいろいろおやりになっているようですが、一体この方向は、特振法にかわるべき行政措置として行動されているのか、あるいはどのようなねらいをもってこれをおやりになっておるのか、その内容を明確にひとつこの場で示していただきたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私が就任する前に国会で特振法の御審議をわずらわしたことがございますが、今回の金融措置のことにつきましては、その特振法の問題とは全然関係はございません。昨年預金準備率の引き下げ、また本年に入りましてから公定歩合の引き下げ等、段階的に金融緩和の方向に進んでおります。この際に、過去における三回の金融緩和の当時に、一言でいえば産業界の行き過ぎがあった、そのために過大な設備投資が行なわれて、その後にそのはね返りがあったというような事態から、今回こうやって金融緩和をしていく上におきましては、さようなことを繰り返してはいけないのじゃないか、産業界の側から考えて好ましい金融の姿というものを率直に金融界に反映をさしたらどうか、そういうことで、通産省の内部におきまして、事務次官以下が日銀や銀行筋の方方といろいろ御相談をしておる。しかし、このことは、私どもが金融界に対して何か制肘を加えようというのではないのであります。産業界のほうの実情をよく把握していただきまして、行き過ぎがないような健全な融資をしてもらいたい、こういうことの趣旨にほかならないのでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 金融の問題については、資金量の問題あるいは金利の問題——金利についても、大企業のほうは安い金利、中小企業関係は安くてもせいぜい九分くらい。長期あるいは政府の資金で特別な安いものもありますけれども、大体九分くらいの金利。それも、債券によらなければいけないというようなことで、これを消化しますためには七分三厘くらいの金利がかかる。それを九分に回すのでありますから、メリットは一分七厘くらいよりない。金利を引き下げる幅がないというような実情等もあります。でありますから、資金量からいえば問題でなく大企業に集中融資されている、五兆に近い設備投資のうち七割くらいは大企業に集中融資されている現状でありますから、これの是正なくして中小企業の経済のひずみを是正する方向はない。また、金利の面における格差も是正していかなければ、その面からするひずみの是正というものはあり得ない。それがない限り、ひずみはますます拡大していくのだということが、金融の面からはっきり証明できると私は思う。  その次には、私は、現在は労務の問題、労働の問題だと思うのです。この労務が、労働が、ことに若年労働が大企業のほうにどんどん流れて、中小企業のほうはもうほとんど素通りする。ことに中学卒業、高校卒業という新卒の関係の流れ方というものは、漸次ひどい状態に傾斜のカーブを描いてきておる。初任給は幾らか縮まったようでありますけれども、その後における賃上げは横ばいになってしまうというような状況。こういう事柄に対して、労働大臣は、労働行政の上から、あるいは産業と結びつけた将来の展望からいたしましてどういう施策をとっておるか、中小企業と大企業、それから地方の労働と都会に集中する労働の流れ方の傾向等に対してどういう批判を持ち、どういう措置をもって対処されるのか、その点を、簡単でいいですが、明確にしていただきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 御指摘のように、近年若年労働に対する求人は、一般的に非常にバランスを失しつつあります。それが、特に大企業が先取りすると申しますか、大企業に充足率が高く、規模の小さいところには充足率が低ということも御指摘のとおりでございます。これに対しまして、政府は、まず政府関係機関において中高年労働で代替し得る職種を定めまして、そういう職種については若年労働の採用を見合わせるように強力に指導をいたしております。それから、日経連その他におきましても、これに呼応いたしまして、大企業が若年労働でなくてもいいところに若年労働を採用するということを防いでいくようにいたしておる次第でございます。ただ、日本の場合、特に長い伝統と過去の条件に支配されまして、どうしても若年労働、特に新規学校卒業者に集中する傾向があり過ぎるのであります。御承知のごとく、人口構造は近年きわめて急速に近代的な姿に変わってまいっておりまして、過去のインド型とでも申しますか、底辺の長い、高さの低い三角形、つまり若年労働が総労働可能人口の中に大きな割合を占めておった時代のままの雇用対策を持っておる、ここに私は間違いがあるんじゃないかと思うのであります。したがって、中高年労働に対する目をもっと各方面が開いてもらいますように、一般的な指導をいたしておる次第でございます。  それから、近年賃金格差は著しく縮小してまいりました。お話のように、若年労働におきましては、初任給賃金その他は規模別格差はほとんど見られないようになってまいりました。ただ、その後における条件にはやはりまだ若干の差がございます。ございますけれども、たとえば昭和三十六年から三十九年までの数字をとってみまするならば、二十五歳未満の若年労働については、千人以上の大規模事業場においては大体この年度の中で三割五、六分の上昇を示しているのに対して、中小企業におきましては五割程度の上昇を示しております。それから三十五歳から四十歳、あるいは四十歳から五十歳までの年齢をとってみますと、一般において二割強くらいでありましたのに対して、中小企業においては三割五、六分くらいの上昇で、上昇の率は違いますけれども、規模の小さいほうの上昇率のほうが大企業の上昇率よりは高くなっております。そして、三十歳未満の賃金は規模別格差がほとんど見られないのでありますが、それ以上の規模別格差は依然としてございます。ございますが、漸次縮小の過程をたどっておるのでございます。  それから地域的な労働力の偏在、特に都市に対する集中に対しましては、地域別、産業別の雇用計画を策定いたしまして、一方、政府の産業分散とでも申しますか、地域格差の是正、ひずみ是正の施策と相まちまして、地方に雇用が生じ、そして、その雇用条件が都市に劣らないようにするように協力をいたしておるつもりであります。  一般的に申しまして、規模別あるいは地域差における労働力の偏在あるいは偏在傾向というものを是正するためには、労働条件が低くても、悪くてもそこへ行けというようなことはできないのでありますから、やはり何と申しましても、労働条件が上昇していくことに助成してまいらなければなりません。そこで、力の弱いものに対しましては、政府としましては、特に雇用促進事業団、あるいは中小企業退職金共済事業団、あるいは年金福祉事業団、あるいは住宅金融公庫等を動員いたしまして、住宅あるいは福祉設備その他について所要の融資を、あるいは助成をいたす。さらにまた、本年度からは、中小企業集団を全国に約四百集団つくることを目標といたしまして、これに対して所要の援助を与えて、中小企業の労務対策その他について検討し、対処せしめる方針でございます。また、地方に対しましては、都道府県に中小企業労務対策協議会というものを設置させまして、経営者の労務管理あるいは労働条件向上についての研究に資すると同時に、その努力を促進する方法をとっておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 中小企業が従来大企業に対立してささえられてきた大きな原動力は何かといえば、潤沢な労力、安い賃金、こういうものであったのですが、その労働構成、労働の構造的な内容がだいぶ変わってきた。そういう面から、私は、中小企業のささえとなっていた大きな桂が倒れてきている、こういうふうに思うのです。ですから、その面からするひずみの是正ということはあり得ない、こういうふうに思うのですが、労働大臣は、これはどういうふうに考えるか。  それから、労働大臣の所管の中で、就職あっせんについて、縁故募集なんかを押える、そしていろいろやっておられるのですが、なかなか中小企業のほうへ職安で回さない、そして大企業へ大企業へと地方の労力を、ことに新卒を集中してあっせんする、そういうような労力あっせんのいろいろな引っぱり合いから、秋田県その他においていろいろな汚職事件等が起こっておると思います。これは氷山の一角であって、これだけ労力が逼迫し、先行き今後十年間というものは、中学卒業は三十八年度をピークとしてどんどん下がってくるでしょうし、高校卒業生は四十一年か二年をピークにしてどんどん下がってくる、こういうような労働情勢の中で、ますますこの問題が起こってくると思うのです。でありますから、もう少し地方に労力を定着させるためには、もっとその面において指導しなければいかぬ。あるいはいろいろな面でめんどうを見ていかなければいかぬ。それを握りつぶしてしまって、大企業へ大企業へとかり立てる、こういう情勢が顕著に見えておると思うのです。これについてはどういうふうにお考えですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 御指摘のように、労務という面から見ますると、近年まで中小企業の経営の基本条件であったいろいろなことはくずれてまいりまして、変わってまいりました。そして、その変わってまいりました傾向というものは、今後さらにもとへ戻るということはないのであります。そういう傾向はいよいよ強まるだろうと思うのであります。したがって、そういう傾向を認めた上において対策を講じていかなければならぬことは、これはもう申すまでもないのであります。その最大の対策は、やはり何と申しましても、格差の是正に応ぜられるように生産性を上げていくということが必要であることは言うまでもございませんが、しかし、にわかにできない場合におきまして、所要の援助を特に中小企業に向けて重点的に行なっていく必要はむろんございます。そして、その方法をとっておることは、ただいままで申しましたとおりでございます。  それから地方に対して、都市集中を防いで地方に労働力が残るようにするためには、いままで労働行政の上からやってまいりましたいろいろな福祉政策というものは、都市を中心に、つまり労働者が集まっておるところに追っかけてやっておりました。これは、今後は逆に地方にそういう施策を集中いたしまして、地方に産業が行きやすいように、地方に労働力が停滞しやすいように、たとえて申しますならば、勤労者の住宅をつくり、福祉センターをつくる場合におきましても、都市にまずそれをつくるというよりは、地方にまずそれをつくっていく、そして、都市のほうはあと回しとでも申しますか、地方へいたしました余力をさくという、現在までの施策の逆の方向をとってまいりたいと思っておる次第であります。  それから、私どものほうの職業安定業務が大企業中心に、大企業へばかりあっせんするという御非難でありますが、そういうことのないように強く指導はいたしておるのでございます。しかしながら、先ほども申しましたように、何と申しましても、労働条件に明白な差がある場合において、本人が労働条件のいいところに行きたがるのを防ぐ方法はございません。そこで、やはり先ほどから申すように、くどいようでありますが、大企業に劣らないような労働条件を具備するように経営省の自覚と努力をまつと同時に、他の施策を通じて生産性の上昇をはかる、同時に、労働省といたしましても、中小企業には特に特別の福祉政策その他の援助を行なうという方法をとっておる次第であります。  それから、秋田県その他におきまして、職業安定業務におきまして、ただいま御発言のような不祥事故が起こったことは事実でございます。これは、大企業が関係すると申しますよりは、中小企業の人が関係している場合が非常に多いのでありまして、これは、それだけ苦しいとも言えるのであります。そういう不祥事件が起こらないように厳重な監督をいたしますと同時に、安定局長通達をもちまして、職安職員に対して、そういう不正手段に訴えた業種に対しては再びあっせんをすることを差し控えるというようなこともあわせて、姿勢を正すことに努力をいたしておるのでございます。  また、御承知のように、先般来予算の御可決をいただいて進行してまいりました労働力市場センターでございますが、機械を利用いたしまして、職業安定業務をスピーディーに行なう、これも本年七月から稼働できるようになりましたので、事務処理上格段の進歩をするものと考えておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 もう一つ農林大臣にお尋ねしますが、いま農村から年間流出する人口が、純粋に流出する者として年間約七十万、新しい学卒者の農業に残留する者が年間わずかに八、九万、こういうような非常な状況ですが、これは、いま労働大臣からおっしゃったように、大企業と中小企業が同じような労働条件を整備しろ、自覚によってと言うけれども、何ぼ自覚したって、経済力がなければできないことなんで、その経済力にそれだけの差があるというところがひずみであり、格差なんです。それが縮まる方向にいくか、縮まらない方向にいくかというのが、いまの政府のとっておる政策に対する批判のポイントだ、こう思うのです。農業のこういうような関係は、私は、やはりひずみの結果農村からどんどんこういう者が追い出されてきておるんだ、追い落とされてきておるんだ、こう思うのですが、これに対して農林大臣はいかがにお考えですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お話のとおり、農業と他産業との生産性の格差も、他産業に対して二九%ぐらいであります。農業の得所にしましても七七%ぐらいでございます。そういうふうに格差がございます。そういうので、水が低きに流れるごとくに農村から労働力が出ていくということは、御指摘のとおりでございます。でありますので、この格差の是正、ひずみの是正ということが農業問題としては一番大きな課題でございます。しかし、なかなかこれは短日月に是正ができません。三十七年、三十八年なども横ばいでございます。また、構造改善や近代化政策を講じておりますが、十分にそれが効果を発揮するということにはまいっておりませんが、農業政策全般を通じてこの格差を是正して、農業人口が、農業が安んじてやっていけるというような方向へ鋭意努力いたしておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 格差を是正して、農村から流出する労働力を農村にとどめておける、いわんや、嫁さんの問題も、あと取りの問題の心配もなくなるというような農業にしなければならぬわけでありますが、これに対して農林大臣は、人だけ減るというのは予想しなかったところだ、人だけ減ってもらっては困るんだ、家族ぐるみ減ってもらわないと困るんだ、家族が減らないと、残った者の耕地面積の拡大ができないんだというところで、農地管理事業団ですか、何かつくって、まあ出ていく人は心おきなくどんどん出ていってもらいたい、あとの土地は引き受けて何とかするから、こういうので、人がこれだけ減ってきた、今度は戸数を減らすんだ、こういうような政策でどんどんおやりになっているように思われるのですが、この関係はいかがですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農業人口は、いまのお話のように、出ていく数に比例して農家の戸数というものは減っておらない統計が出ております。しかし、これを少なくして、追い出して農家の経営規模を大きくしていこう、こういう態度をとっておるわけではございません。農業の近代化のために、御承知のように、土地基盤の整備とか、あるいは資本装備の強化とか、あるいは技術の推進をいたしています。しかし、構造改善そのものが、先ほど申し上げましたように、十分にいっているとは思いません。経営規模の拡大ということは望ましいことでございます。日本の農業の零細性というものは、他産業に比較しても日本の農業が伸びない一つの原因でもあり、あるいはまた、国際的に見ましても日本の農業が脆弱面を持っているというのは、零細性が一つの原因だと思います。でありまするから、経営規模が拡大することは、特に耕種農業や酪農等においては望ましいことだと思います。あるいは花とか、あるいは養鶏とか、こういうものは土地が小さくてもやっていけるものでございますから、一がいには申せませんが、大体におきまして経営規模の大きくなることは望ましい。しかし、そのために経営規模の小さい人を追い出す、出ていくようにしむけようというような考えは持っていません。ただ、現実に、いまお話のありましたように、七十万からの人が出ております。これはなるたけ農業にとどまることを期待しています。でありまするから、兼業農家等も全農業者の四二%を占めておりますが、兼業農家のうちでも、農業をやっていきたい、しかしなかなか農業が思うようにやっていけない、これは生産性は非常に低いのでございますので、こういう兼業農家等につきましては、私は、協業によって、協業という協業体で経営規模が大きくなるというような方向へ持っていきたい、こう考えます。しかし、事実、人口が出て行っておりますることは近代化の一つの契機にはなろうと思います。でございますので、職業の自由でございますから、あるいは商売をしようとか、あるいは他産業に入ろうという者で、しいてとどめようとしてもとどめ得ない者、むしろそっちへ行ったほうがよろしいというような者に対しましては、受け入れ体制を整えることによって、その残った土地は経営規模の拡大に方向づけていこう、こういうことは必要だろうと思いまして、管理事業団というようなものの手によって、経営規模の拡大に流動する土地を方向づけていく、こういうことも考えておることは御承知のとおりでございます。でありますので、あえてこれを整理しようということではなく、これを契機にして、一面においては零細な人人が農業をやっていけるような共同化その他の政策をやっていく、あるいはまた、離れようという者につきましては、離れて土地を手放すという者に対しましては、あっせん等をし、あるいは買い取り等をして経営規模の拡大に方向づけていこう、こういうことは考えておるわけでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 農業におけるひずみは、こういう点から言っても、縮まっていく方向ではなくて現実に拡大する方向だ、こう私は思います。それならば、人が減って、あとに残った者が相当充実された農業生産が行なわれるかというと、農産物価格の問題、あるいは農業経営転換、構造改善、こういう面においても、中身は何にもない。当面しているこの寒地農業の奨励作物にしても、農林省が大いにいままでやってまいりましたビートの問題は、農林大臣、生産者価格はことしどのくらいにきめるつもりですか。また、選択的拡大で酪農をこれから振興するのだ、酪農だ酪農だというわけで、凶作対策の唯一の方向は酪農のように言いますけれども、酪農に実際転換していく上において、その資金をどうするのか、それからそのえさをどうするのか、それから乳牛をどうするのか、乳価の問題が安定しているのか、こういう不安定条件をそのままにしておいて、そうして、ただそっちのほうへ焦点を目先だけ変えて、無責任な指導をしておるということより言えないと思うのです。そういう面で、少なくも牛を飼ってもビートをつくっても、農村の経済の上から言うひずみ是正ということはあり得ないと思うのですが、農林大臣、いかがですか。ビートの価格はどうするのです。乳価の安定はどうはかるのです。時間がありませんから簡単にひとつ。農村の問題は、まだ別の個所でやりたいと思います。この場合はひずみ是正を焦点としてお尋ねをしているので、お答えを願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 ビートの生産者最低価格、これにつきましては、甘味資源法に規定されておることも御承知のとおりでございます。でございますので、パリティ計算をきちんといたしまして、再生産を確保できるような諸般の事情をしんしゃくしてきめる、こういうことで、鋭意その決定に検討を加えております。お話のように、価格政策というものが非常に大事でございます。牛乳等につきましても、これをどうするかということでございます。一つは、草地の造成等により経営の規模も大きくしたいし、また飼料も自給飼料にしたい。一つは、価格政策が大きな問題でございます。でありますので、加工牛乳等につきまして不足払い的な方向に立ってこの価格を保障するといいますか、安定させるようなことを検討をいたしておる次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 ただいま、総理、お聞きのように、格差是正の大きな条件である金融の問題、労働の問題、それから農産物の価格の問題、何一つ格差が縮まっていくという条件は出ない。話を聞けば聞くほど格差がますます拡大していくという条件が明らかになりつつある、こう思うのです。  それならば、実際の取引の面における実情がどうなっておるか。これは、総理にお伺いしたいと思うのですが、工業の面においては七割までが大企業の系列下にあります。下請関係にある。大きな影響かどうか割合の問題はありますけれども、ほとんど大企業の支配下にセーブされておる。商業の面はどうかといえば、ますます商品のシェアの競争が激しくなって、メーカーの力が強くなって、直接の販売店を持ってそこでシェアを拡大していくという系列化がどんどん起こっていく。こういうことで、中小企業は即大企業の出店、こう言ってもいいような形になり、その収益率はどんどん削られていく、もうけは上のほうへ、大企業へ吸い上げるという形で行わなれておる。しかも、下請関係などにおいての支払い代金の遅延の問題がある。金はしぼる、労働力は持っていく、そうして税金は高い。その上に、支払い代金については、単価をどんどん切り下げて、そうして百五十日だ、二百日だ、二百五十日だというような、こういうひどい手形で取引を実際にやっていく。こういう中で、中小企業がその中で戦って大企業との格差を是正していく条件があるのかどうか、この取引の条件をそのままにしておいて経済秩序が保てるのかどうか、これらの問題について総理の御見解を伺いたいと思う。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま中小企業、また、おあげになりました農業も同じかと思いますが、先ほど来いろいろ問題を詰めていらっしゃいましたが、最後に一つ残っておるのは、いかにして生産性を上げるかということです。この点に触れていらっしゃらない。今日まで政府自身が近代化あるいは高度化、こういうことに特に力をいたしてまいりました。これで生産性を上げることによって初めて近代的、経済的な企業と言い得るのではないかと思います。私は先ほど数字を見ておりましたが、三十五年まで付加価値の生産性というものが大企業と中小企業との間に、これは製造業の部門でありますが、非常な開きがあった。しかしながら、徐々ではありますが、この付加価値生産性がだんだん上がってきている。ただいまはおそらく六割程度になっておるのではないかと思います。しこうして、片一方の賃金そのものは、先ほど来労働大臣から申しておりますように、初任給においてはほとんど格差がない、こういう状況でございますが、ただいま途中において、その後の賃金の上昇その他においては結局中小企業も生産性を上げることによって近代事業としての経営が成り立っていく。採算ベースに乗って初めてその賃金も格差がとれてくるのではないだろうか。私どもの考えている中小企業の近代化、中小企業の高度化、これは、ただいま申し上げるような、いかにして生産性を上げるかということに尽きるのであります。農業の部門におきましても、専業農家が成り立つように、こういう意味の農業施策をいろいろ遂行している。やはり生産性を特に見ていかなければならない。しかし、まだまだ満足すべき状況ではない、かように私は思います。この生産性が十分上がらないと、金融一つにいたしましてもなかなかつけにくい。これは先ほど来大蔵大臣がしばしば説明したところであります。問題は、弱い立場にある中小企業、こういうことを十分認識し、そうして、それが一本立ちができるようにできるだけの努力をする、ともどもに努力する、こういうことでありたい、かように考えております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 いまの総理のお答えの問題については、もう少しあとでひとつさらにお尋ねをいたしたいと思いますが、とにかく取引の面における大企業と中小企業のこの不公正な問題は、政府の手によって是正する方向を確立しなければいかないと思う。たとえば、中小企業が苦労をして製品を開発すると、開発して安心して生産できるのは一年だという。一年たったら、大企業がそこへ入ってきて、同じようなものをつくって安売りして競争する。そういう競争条件をつくっておいて、さあおまえのところはおれのところの会社の系列に入るか、独立してやるか、二者択一だ、こういうふうにやられて、独立してやるならば自分の首をかけて戦わなければいけない。安全の道をとって系列に入れば、生かさず殺さず、飼い殺しみたいに非常に低い利潤で働かされる。こういうふうにして、開発すればみんな大企業に収奪されてしまう。こういう大企業の独占的なやり方。あるいは製造業の七割までが系列にある、こう申しましたが、この系列にあるのは、大企業と中小企業との間の系列という問題は、対等の立場で系列にあるのではないのです。従属の形で系列下に置かれておるのです。でありますから、日本の生産業の大部分というものは、この大企業の独占的な形にある。先般総理はこの議場で、日本の独占資本のあり方について、シェアの問題からそうした問題はないと言ったが、日本の独占資本というのは、総理、違った形であると思うのです。産業界のシェアの形ではなくて、資本系列の形においてあると思うのです。三井グループ、三菱グループ、住友グループ、それぞれの資本のグループで一つの独占形態をつくっておる、したがって、その中では金融もやればあらゆる生産を一セットとしてやるんです。でありますから、産業界における自動車なら自動車、石油化学なら石油化学、こういう産業のシェアで言うならば、国際競争力は非常に弱い。そうして、弱いけれども、国内における一つの三菱グループ、三井グループというようなものは、小さな末端の配給部門まで手に入れて、系列下に置いて非常に強力で、もうかることは国内で収奪する、こういう形で日本の独占資本が強化され、拡大されている。この問題をどういうふうに考えますか。そうして、中小企業が苦労して製品を開発すると、それを見ていて取り上げてしまう。そうして系列下に置く。こういう一つのやり方、独占資本のやり方というものは、これは日本の産業の秩序の上から是正しなければならない主要な課題であると思うが、総理、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 先ほどお尋ねがありましたのをお答えしないで落とした。これは下請代金の支払い促進でございます。また、ただいまは、中小企業が本来開発したものに対して大企業がその分野に入いてくる、こういうのをいかにするかというお話でございます。その二つとも大事な問題でありますし、通産省はただいま下請企業のあり方というものはいかにあるべきかということを、ちょうど審議会を開いていろいろその結論を求めておるようであります。この点も大事なことであります。同時にまた、その支払い方法について、今日までだんだん支払い代金が長期になっている。この点が中小企業の売り掛け代金の回収などたいへん困難な問題であると思います。したがいまして、これはいままでもやっておりますが、一そうその点に努力をいたしたいと思います。また、中小企業が開発し、あるいは本来中小企業に適当しておるようなそういう仕事、これに大企業が入ってくる、こういうことはできるだけそういうことのないようにというので、これは行政指導をいろいろいたしております。ただいままで二、三の品種について御指摘になったような点がございますが、これは通産省の本来の仕事でもありますので、力をいたしてその分野を乱さないように、できるだけ中小企業の育成強化、これに役立つように骨を折るつもりでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 公取委員長にお尋ねをしたいと思うのですが、下請代金の遅延の問題は、ずいぶんこれは長い問題です。遅延防止法という法律までをつくっておるのですが、ほとんど実行されておらない。この実行されておらない実情はどういうふうになっておるか、下請代金の手形遅延の状況が実情はどうなっておるか、これを一つ。それから依然として百五十日、二百日という手形が横行しておる。この原因がどこにあるのか。これを防止するにはどうしたらいいか。これは弱い者いじめだから、何とかしなければならぬとここで幾ら言っても、やる気がなければ何十年たったってこれは解決しない。これは、やはりやる気がないからできないのだ。やる気があればこんなものはわけなくできるとこう思うのですが、これらについて公取委員長の所見を伺いたい。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 下請代金の支払い状況でございますが、私のほうでも、かなり検査件数はふやしましたし、いろいろやっておりますが、特に昨年は、金融引き締めの影響もあったと思いますが、決して改善されていない、あるいはかえって悪化というような状況にあるように思います。私のほうで昨年一月から十月にかけて四回にわたって調査した結果によりますと、われわれのほうで下請代金の滞留月数と呼んでおる数字がありますが、これが平均一・〇七でありまして、三十八年の一・〇八と比べますと、おおむね横ばいでございますが、手形払いの占める割合は平均五五%でありまして、三十八年の五三%に比べますとふえております。それから、手形サイトでありますが、百二十日以上の手形を振り出している親事業者は、三十九年四月及び七月には調査対象の五七%を占める状況でありまして、三十八年の五二%前後に比べましてもまた増加しております。  下請代金のこうした取り締まりにつきましては、昨年中小企業庁といろいろ相談しまして、従来の中小企業庁のやり方も変えていただきまして、従来は中小企業庁はいわば下請業者を中心に調べる、私まほうは親企業者からまず入っていくというのを、両方とも一応親企業者についてまず調べる、ただ、中小企業庁のほうは広く浅く、私のほうはどちらかといえば狭く深くということで調査しまして、いろいろ出た数字によって、さらに臨検検査する、そして勧告をするということで、その限りにおいては相当やっておりますが、いわば、それだけではどうもなかなか問題の解決がむずかしい。やはり総合的にもう少し考えていかないと、ほんとうの意味の改善はできないじゃないだろうか。ただ、それにしましても、われわれのほうとしましては、一応こういう法律があり、その施行をまかされているわけでありますから、したがって、今後ともこの面についての施行はやかましくやっていくということを考えております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 中小企業が当面している倒産の問題、四苦八苦して、あらゆる努力をして倒産にたどり着いた。サボっていて倒産をしたのだというのとは私は違うと思う。どのような条件の中で努力してきたかということについては、金融の面から、あるいは簡単ですが税制の面から、あるいは労働の面から、あるいは取引の実際の実情の問題から、支払い代金の問題から、これをあげて総理にお尋ねをしてきたわけであります。これらの問題をどこから取り上げても、これらの事柄によっていままでのひずみが是正される条件が生まれてくるかどうか。雑草のごとく強く生きる中小企業といえども、百五十日、二百日の手形でこれを踏みつけられる。下請の関係では、親企業に一〇%以上の取引を系列の中で取引したら、これは食い殺されると、こう言っております。あるいは販売部門においては、百貨店と自分のところの取引の一〇%以上やっておれば、これは自分がマイナス、企業が倒れてしまう。それほど流通分野における百貨店の資本力と、それの横暴、系列の中における大企業の横暴は、こういうことが端的に証明している事柄だと思うのですが、こういう実情の中で、このままの状態においてどうしてひずみが是正されますか。私は、ひずみを是正しますためには、総理の思い切った決断がなければならないと思うのです。いままでの取り上げたこれらの問題の検討においてどのようにお考えでありますかか、伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 中小企業自身が経営上のまずさから倒産するものについては、これはまた別でございます。しかしながら、今日一番頭を悩ましておりますものは、最近中堅企業の倒産、整理、それに連鎖いたしまして、いわゆる連鎖倒産を起こしたような企業でございます。最近の事例で申せば、日本特殊鋼あるいはサンウェーブ、これらの下請けの事業、これは非常な数にのぼります。それをとにかくあたたかい救いの手を差し伸べてあげられないかということで、特にこれにつきましては特別な配慮をいたしてみました。私は一、二の例を申し上げるのでございますが、問題の黒字倒産だとか、あるいは連鎖倒産だとか、こういう点については、特に私ども政府が配慮すべきことだ、かように私は考えております。こういう意味におきましては、よほど具体的なものであり、その具体的対策によってこれの救いの手が出てくるのだ、かように思います。また手形自身が、最近は非常に手形知識がないのか、あるいはまたこういう意味の経営秩序が乱れておるとでも申しますか、たいへん期間が長くなって、また、これは昨日来もいろいろこの席で論議をされました、こういうものについては、これはひとり中小企業といわず、経済界全部が今日の手形のあり方についてはたいへんな問題だ、このままほっておくわけにはいかない、こういうことでありますので、これなどはひとり中小企業の立場というばかりでなく、経済界の信用を確立する、こういう大事な意味におきまして、手形法と真剣に取り組む、これは大蔵大臣が答えたとおりであります。私は中小企業そのものとしての特別対策を立てるべき問題が幾つもあると思いますが、とにかく一番力を入れたい、かように考えておりますものが、ただいま申し上げた黒字倒産あるいは連鎖倒産、こういうものについての特別な配慮をいたすことであります。また、経済界そのものを安定基調に乗せることによりまして、おそらくこの種の忌まわしい、あるいは不幸な現象はよほど減らすことができるじゃないか、かように思いまして、経済の安定基調ということを特に強く叫んでおる。これが私の経済界また中小企業に対する対策でもございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 私は、中小企業の問題は、なおいろいろ検討したい点があるのですが、時間がありませんので結論に入りますが、結論として、私は、今日出ておる中小企業の倒産、農村における離農の続出、これらは政府の経済政策の成果として評価すべきものではないか、予期しなかった結果としてあらわれた一つの失敗だ、こう見るのにはあまりに計画的であるし、あまりに政府のとっておることが言っておることと違っておると私は思う。でありますから、あらためて私は総理に伺いたいのですが、今日の倒産なり農村の離農者ができておるということは、これは政府の経済政策の成果として評価すべきものではないか、失敗と見るべきものではないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点についてお答えいただきたい。  それには総理、政府がずっととってきました経済政策の推移を見ますならば、これははっきりとわかると思うのですが、三十二年、政府は経済白書の中で、中堅企業の育成強化をはかるのだ、二重構造の解消はむずかしいということをはっきり言っている。それから三十五年、商工会制度を出しました。これは零細企業対策として一応出たわけであります。三十八年は中小企業基本法ができた。そうして三十八年の十二月、所得倍増計画の中間検討報告として、政府が初めて公式表明をしています。中堅企業の発展を支援、単なる保護政策ではない。経済的に成り立たない分野については転換移動を援助する、転出困難なものには社会保障でこれを見ていく。こういうふうにはっきりと、中小企業以上は育てるのだ、それ以下は育成助長の対象にしないで切り捨てていくのだ、そうして、中小企業は転換能力が非常に強いのだ、こういうことを三十八年の十二月には正式に政府が表明しているわけです。三十九年の七月の経済白書の中には、開放経済体制下では生産の低い産業をそのままの形で残すことはできない、農業も中小企業も体質を変えていかなければならない、日本経済は世界的に非常に高い転換能力を示している、整理淘汰の好機であるぞ、整理淘汰を早くやらなければだめだ、こういうことを昨年の七月に言っておる。さらに四十年の一月、本年の一月、中期経済計画には、今後の産業構造高度化の方向は、成長期待産業中心に重化学工業を進めていく、輸出工業を育てていく、中小企業のこの選に漏れるものは転廃業させて、そうして転換資金を供与していく、こういうふうに言っておる。でありますから、私は今日膨大な中小企業、これをこのうちの上部のほうだけを対象にして、それ以下のところはもう切り捨ての対象にしていく、農村においても零細農業はどんどんもう転出さしていく、人間が減って戸数が減らなければ戸数の減りやすいような政策をとっていく。これは一貫して農業、中小業の面に転換の焦点が向いてきておる。ですから、倒産というのは、これは一つの政府のこうした経済政策の成果としてあらわれてきた、今後ますますこの形が出ていくのではないか、こういうふうに思うのです。でありますから、私は、政府が予期しなかった、こういう事態は失敗であるとお考えなのか、経済政策の成果として評価されているのか、これは明確に聞いて、次のお尋ねをいたしてまいりたい、こう思うのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 問題は、やはり経済性ということを十分考えていかなければならないと思います。そういう観点に立って、現在起きておる事象に対しても大局的立場でこれと取り組んでいくことが望ましいと思います。もちろん政府は、その途中におきまして、私が先ほど説明いたしましたように、その中小企業者そのものの責任にあらずしていわゆる連鎖倒産というような形において倒産をする、こういうものに対してはすぐに救いの手を差し伸べるべきだと思います。ただいまお示しになりましたその事例のうちには、必ずしもこういう企業自身の責任によらないものもずいぶんあるだろうと思います。そういうものが今日までの経済成長政策、あるいは金融引き締め政策、そういうもとにおいて急激な変化に対応することができなかった、こういうものは私どもが救いの手を差し伸べる、これは当然のことだ、かように思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 中小企業の問題をほんとうに考えていく、正しい努力をするものは正しい方向に伸びられる、そういう環境を整備するというお考えならば、私は、やはり大企業と対立させてその関係を調整していかなければいけない、こう思うのです。それならば、事業分野の確保に関する法律、われわれが多年主張しておるわけでありますが、大企業には大企業の任務があるし、適当な仕事がある。中小企業には中小企業に適当な仕事がある。中小企業に適当な領域に大企業はささっていってはいけない、というような法律をおつくりになる考えがあるか。あるいはそういう行政指導をするお考えがあるか。  もう一つは官公需確保に関する——中小企業に対して官公需の発注、これは政府がするのでありますから、おやりになることができると思う。こういう問題について、アメリカでやっているような、ただ単に競争入札をやらせるのだ、そして勝ったやつに下げるんだというのではなくて、中小企業に発注する割合をきめて、そしてそれを実行させる。そういうような措置をお考えになるかどうか。これは、たとえば政府がせっかくやっている工業団地の問題ですが、茨城県の古河に配電盤の茨城団地をつくりました。そして品川、川崎から二十一軒の会社が移っていったわけです。ここでは配電盤でありまして、これはオーダーメーカーでありますから、注文がなければ取らない。せっかく設備はよくなった、機械はよくなった、しかし注文がなくて宙ぶらりんで困っておるわけであります。でありますから、たとえば役所がつくる、通産省なら通産省がつくる、その場合、その設備の配電関係はこれらの工場に発注する。こういうふうになれば、これはせっかく設備をさせたということも生きてくるし、そういうことで政府が助長していく、中小企業を育てていくという趣旨も貫かれるわけであります。そういうふうに官公需のなにをどうするか、そういう問題。  それから手形。下請関係の問題については、六十日以上延びた場合には延びた部分に対して親企業がその利子を出すというように、もう少し法的にきちっと経済秩序を確立していく方向を出す必要があると思うのですが、その点はいかがでありますか。  その他いろいろ労働の関係において、中小企業が大企業と対比して及ばない点については、国が労務行政の上から措置するというようないろいろな方策もございましょう。金融の面においても集中融資を押えるという点もありましょう。いろいろな面がありますが、先ほど来総理が言われたように、正しい中小企業を育てていくという基本原則がありますならば、これらの問題はそれぞれ具体的に措置されなければならない問題であると思うのです。いかがでありますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 お話しの点、疑問にされている点でございますが、この全部を大企業と中小企業と対立の関係に置いて見ることは必らずしも当たりません。ただいま部品その他を整備している団地のお話をなさいました。そういうことを考えてみますと、大企業と協力の関係に立っているものもずいぶんあるのでございます。この協力関係をいままでは下請、かように呼んでおりますが、この関係が力の関係で必らずしも中小企業者に幸いしていない、こういう点が多々見受けられるのであります。したがいまして、この点を通産省におきましては、下請、この協力関係のあるべき姿、そういうことを審議会にかけて、ただいま調査、答申を待っておる、こういう姿でございます。これは、先ほど私ちょっと触れましたが、やはりこの下請関係、これを正常化すること、これが大事なことだと思います。ただいまお話しのように、下請代金の支払いなどについて今日まで努力してまいっておる点は十分御了承がいっておると思います。しかしながら、まだまだこれは不十分でございます。したがいまして、ただいまのように長期にわたるものは、二カ月以上のものについての金利は親企業が負担しろ、こういうようなお話も出ておりますが、これなどは十分検討すべき事柄だろうと思います。とにかく手形のサイトの長いもの、これはできるだけ短縮していかなければなりませんが、そういう方向でこれはやる。あるいはまた官公需について中小企業を優先しろという、これは、今日まで法律によっておるわけではありませんが、できるだけ行政指導の面でこういう点も御期待に沿うようにいたしたいものだと思います。ただいま御指摘になりましたように、最近は団地が各地に形成されておりますが、この団地形成によって労働条件あるいは労働環境、これなども整備され、中小企業は独自のその地歩をつくりつつある、かように私は思っております。それが、ただいま例示なすったものがたまたま下請関係にある、そしてそれに対する注文がない、こういうことで、この団地が十分にその効果を発揮していないという御指摘でございますが、これなどはさっそく通産省において行政的に指導すべき事柄のように思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 中小企業の問題は、その構成の内容からいって全産業の九九・四%にも及んでおる問題でもあります。この単に倒産の問題という点だけではなくて、中小企業の分野においては弱肉強食の乱戦場になっておる。これを秩序立てるということは、当面非常に重要な事柄であると思うのでありますが、佐藤内閣ができて、これは五年も十年も続くものではないでしょう。でありますから、佐藤内閣ができた以上は、もう少し改造をやるなら改造をやって、そしてまっ正面からこの政策で来いというぐらいな気魄でなければ、何かわれわれ質問していても、入り婿さんに質問しているような考えで、これはほんとうはまっ正面からファイトがわいてこないわけです。その意味において、もう少し佐藤内閣の純粋な形で、さあ来いというかまえを示していただきたい。そして、その記録としては、中小企業がいま一番弱肉強食のひどいところにあるわけでありますから、これらの問題に手を染めていただきたいと思います。  次に、石炭の問題についてお尋ねいたしたいと思います。石炭の第一次報告は、スクラップと労務転換の点に力を入れて、そしてビルドのほうはさっぱり進んでいない。産炭地振興の面も何もやっていない。前向きの問題は何もやらぬであと始末だけをやって、鉱害その他の問題はほったらかし、こういうのが現状であると思います。第二次の報告は、この面に重点を置いて、企業の経営の面に問題をしぼってきたと思う。その第二次報告の要点は、炭価の引き上げの問題であると思うのですが、炭価の引き上げについては、電力会社その他に対していまどのような運びになり、今後炭価についてはどのようにお運びになる予定でありますか、伺いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 炭価引き上げに対するその施策につきましては、現在大蔵省との間で折衝中でございます。今回の予算措置の上におきましては表へ出てきておらないわけでございますが、御承知のような原重油の関税還付、これが二年間延長が認められておりますので、その中で処理をいたしたい、かように思っておりますが、現在のところ負担増になりますのが、電力が六十六億円、鉄鋼が二十一億円、合計八十七億円でございまして、原重油の関税還付でやる場合の財源としては三十二億円程度しかございません。そこで、現在私としては、この電力、鉄鋼の負担増にどう対処したらいいかと苦労をして、大蔵省と折衝中でございますが、いまの段階ではまだはっきりした見通しを持っておらない、こういうことでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 見通しがないというならば、炭価が上がらなかったら、第二次報告はどのような——政府の補給金その他でおやりになるつもりですか。いまの政府の第二次報告に対する基本的な態度を伺いたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 一般炭三百円、原料炭二百円の引き上げにつきましては、これを答申に沿って実施をする考えでおります。したがいまして、これによるしわ寄せをいかに処理をするか。申し上げるまでもなく、私どもの処理が十分でなければ、電力界、鉄鋼業界に、ことばは悪うございますが、犠牲を求めなければならない、こういうことにもなろうかと思いますが、せっかくいま作業中でございます。

青木正自由民主党

○青木委員長 永井勝次郎君。時間がきております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 時間がありませんから、最後にまとめてお尋ねしますが、懸案になっておる産炭地の振興の問題はこれからどうするつもりですか。政府の機関としてほとんど何もやらない、民間の中小企業を申しわけのように誘致して、それは開店半年ですぐつぶれる、こういうようなでたらめなやり方をしておるのですが、今後のしっかりした方針を伺いたい。  それから産炭地発電の問題はどうするのか、鉱害の復旧はどうするのか、高能率の炭鉱の開発は今後どうするのか、あるいは地方財政の救援の問題はどういうふうな考えで折衝しておるのか。それから、いろいろな問題を私企業としての炭鉱の努力に期待しても、もうすでに限界だと思う。炭価を引き上げて国民の負担でこれをやっていくか、あるいは国民の直接の税金でこれを補給金を出してやっていくか、いずれにしても消費者である国民の負担か、税金の納税者である国民の負担か、いずれかでなければ今後の石炭産業というものはやっていけないとするならば、私企業に対するやり方ではなくて、経営をもっと社会化して、そうして本腰を据えてやるという体制が必要ではないか。そういう限界にきているのではないか。また石炭の問題は、石炭の分野でだけ解決できる問題ではなくて、総合エネルギーの中で問題を処理しなければならぬ。これらの関係をどう処理するのか。中途はんぱで、その場しのぎで、そうしてことしはことし、来年は来年、もう行き当たりばったりの政策ではもうどんどんどんどんこれは行き詰まっていくわけであります。もっと腰を据えて答弁を願いたい。明確に、われわれが理解できる方向が御答弁を願いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 言うまでもないことでございますが、昨年の国会におきまして、衆参両院の決議に基づき、さらに閣議の決定によりまして第二次の石炭調査団を派遣をしたわけでございます。そして昨年十二月十六日に詳細なる答申をちょうだいいたしました。そしてその答申に伴いまして今回の予算措置をいたし、ただいま御審議をわずらわしておるわけでございます。その中に、いま御指摘の産炭地の振興にいたしましても、またビルド鉱の問題にいたしましても、鉱害の問題にいたしましても、答申の線に沿っておおむねこれをほとんど取り上げてまいった考えでございます。したがいまして、石炭対策に対する予算は相当規模が大きくなりまして、昨年度百三十一億円のものが、今回、通産省だけでも百六十六億円、労働省関係を入れますと二百一億円であります。また、財政投融資にいたしましても百七十四億円、電源開発の関係を入れますと二百六十二億円というような、他の予算に比較いたしますならば、石炭対策に対する予算の計上、財政投融資を相当考えておる次第でございます。その詳細につきましては、あらためてお尋ねに応じてお答えするのがしかるべきではないか、かように存ずる次第でございます。

青木正自由民主党

○青木委員長 これにて永井勝次郎君の質疑は終了いたしました。  次会は、明五日午前十時より開会いたします。  明日の質疑者は、午前、中澤茂一君、午後、田中織之進君であります。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十六分散会

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