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48回国会衆議院1965/02/01

予算委員会 第2号

発言数
215
登壇者
15
会派数
2
開催日
1965/02/01

会議録

青木正自由民主党

○青木委員長 これより会議を開きます。  昭和四十年度一般会計予算、昭和四十年度特別会計予算、昭和四十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、審議を進めます。  これより総括質疑に入ります。  この際申し上げますが、先日の理事会の申し合わせによりまして、総括質疑は本日より二月八日までの七日間、質疑の持ち時間は六日までは一人二時間となっておりますから、御了承願います。  それでは、小川半次君。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、当面の内政、外交にわたる重要問題について、佐藤総理をはじめ関係閣僚に御質問申し上げます。  佐藤内閣が誕生いたしましたのは昨年秋でありますが、時あたかも、中共の核実験に始まり、ソ連の政変、イギリスの総選挙における労働党の勝利、アメリカ大統領選挙による新しいジョンソン体制の出現、さらに南ベトナムの紛争等、わが国をめぐる国際情勢は激しい流動を続け、現在に至るもなお激しさを加えておるのであります。一方、国内におきましては、経済の高度成長政策に伴うひずみの是正、物価対策等、重大かつ困難な問題が山積しておるわけでありまして、この難局に対処することになった佐藤総理に対しまして国民は大きな期待を寄せておると思うのであります。見方によりましては、戦後最も困難な時期に総理に就任されたわけでありまして、その御労苦は察するに余りあるのでありますが、この難局に向かって全力を尽くすということは、政治家としての本懐であり、まことにやりがいのあることだと私は考えるのであります。  総理は、さきの施政方針演説におきまして、世界の悩みが集約された形で混迷を続けておるアジアの現状と、その解決のための日本の使命、近き将来国連の場において重大な段階を迎えるであろう中共との関係、真に国民の福祉と結びつく政策の基本としての社会開発、そして若い日本への限りない期待などについて述べられましたが、私は、この演説において佐藤内閣の基本路線というものがはっきり打ち出され、総理みずからによってみずからのことばが語り始められたという感を深くしたものであります。  私は、現在の日本国民にとって最も重要な問題は、第一に、新しい国家利益を追求しつつ、いかにして強力なアジア外交を展開するか、第二には、国の内外に現存するさまざまな制約の中でいかにして社会開発を進めていくか、この二点に集約されるものと考えておりますが、質問の初めにあたりまして、佐藤総理はどのようにして国民の期待にこたえようとされておられるのか、基本的な政治姿勢についてまずお尋ねしておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいまお話しのごとく、内外ともに多事多端なことだと思います。したがいまして、私が政局を担当するにあたっては、どこまでも国民とともに政治をする、この姿勢はくずしたくない。言いかえますならば、国民の協力を得るその姿において私は政治を遂行していきたい、かように考えております。私が、寛容と調和、これを説いておりますのも、このためであります。申すまでもないことでございますが、ただいまは民主主義、民主政治、そのもとにおいて政治を遂行してまいりたいと思います。民主政治には、当然のことでありますが、寛容、これは必要なことであります。同時にまた、私どもは、いたずらに対立抗争に終始するというようなことは避けたい、世の中の対立をできるだけなくしていく、こういう方向でものごとを進めていきたい。そのためには調和が大事でございます。これは、ひとり国内ばかりでなく、国際的にもこの調和の精神は必要でございます。私は、この寛容と調和、これを基本的な理念にいたしまして、そうして国民とともに進んでいく政治をしたい、これが私の基本的態度でございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 ただいまの総理の御決意を、私は国民とともに期待するものであります。  さて、この間の佐藤・ジョンソンによる日米会談を顧みまして、国民の中には、成功であったと賛意を表する者と、せっかく期待された佐藤・ジョンソン会談がその中身に乏しかったと批評する者と、見方はいろいろありますが、私はまず成功であったと見る一人であります。このアメリカにおける佐藤・ジョンソン会談で注目された諸点について、以下お伺いしたいと思います。  総理は、プレスクラブでの演説においても、またジョンソンとの会談に際しても、日本は東西の接点であると強調されたようでありますが、それは、日本が東洋と西洋との接点であり、特に自由主義圏と共産主義圏との接点であるという意味であろうかと解されますが、しかし、ことさら接点と強調されたのは、ただそれだけではなく、他に何か深い含みでもあったのではないかと思うのであります。まずこの点から伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私の訪米が成功であるとか、あるいは中身がないとか、いろいろの御批評のあることは、私もそれを受けるにやぶさかでございません。問題は、私は、今回の日米会談を通じまして、わが国の立場並びに基本的なものの考え方、これだけは十分アメリカ側が理解できるように話をいたしたと思います。その立場に立ってものごとを考えますと、今後の日米間の交渉なり、あるいはまた今後の国際平和へのわれわれの努力、これはたいへんしやすくなった、かように私は考えるのでありまして、その意味においては、これは成功でもあるし、またこの日米会談の効果は今後にあるのだ、こういうことが言えるのではないかと思います。さような立場で、私は、この日米会談を通じて、両国がその立場について十分理解し、また基本的な主張について十分理解し合ったこと、これを基礎にいたしまして、今後は、世界の平和、同時にまたわが国の主張、基本的な国民的利益、これを主張していき、伸ばしていきたい、かように考えます。問題は今後にあるということを、この際にお答えしておきます。  そうして、ただいまお尋ねになりました接点ということはどういうことかということでございますが、これは、私がプレスクラブで発言をしたことばでございます。ただいま小川さんが御指摘のような二つの意味を持っておる。私どもは、ただいま自由主義国、そうしてソ連、中共、こういう共産圏と隣国で接しておる。同時にまた、東洋と西洋、それの接点だ、かような意味でこのことばを申したの、でございます。これは、現状についての説明ばかりでなく、現状がかような状態にあるのだ。そこで、さような状態にあるならば、今後われわれはいかにすべきか、こういうことを十分示唆している発言であった、かように私は思っております。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 それでは、この自由陣営と共産陣営との接点にある日本は、特に接点にあるという立場上どういう姿勢をとることが得策であると思いますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この点については、いろいろな議論が国内にあると思います。接点であるがゆえに、その主張をできるだけ不明確にしたらどうか、あるいは中立主義的な考え方を持ったらどうか、かような考え方もわいてくると思います。しかし、日本の大多数の方が希望し、また主張しておられるものは、わが国が自由主義国のその立場に立っていかに処していくか、こういうことだと思います。しかも、私どもは、平和に徹する、かような考え方でおりますので、どこまでも自由を守り、しかもまたその平和に徹し、アジアの平和ばかりでなく、同時に国際的な平和にわれわれが貢献したい、こういう態度が望ましい、かように私はこの接点であるがゆえにその責任を痛感しておる次第でございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 わが国の隣にはソ連、中共という二大共産国家があるのでありまして、接点というその意味は、この二つの国を含んでの意味であるか、あるいはどちらかにウエートを置いた意味を含んでおるのでありますか。私はこのようなことをお伺いしますのは、共産圏といいましても、ソ連の修正主義と中共の教条主義とに大きな開きがあり、接点と申しましても少し意味が違ってくるのではないかと思うからであります。もしただ単に自由陣営と共産陣営との接点にあるというのであれば、これは日本ばかりではなく、韓国にいたしましても、台湾にしても、確かに両陣営の接点にあると言えるのでございます。総理がこのことを力説されたのは、日本はこのような接点に存在しているから、自由圏の一員ではあるが、共産圏とも仲よくしていきたい、それを理解してほしい、そして特に中共との関係がこのままの姿では日中両国にとってともに不幸である、これを打開したい、結局、接点の意味は、アメリカと中共との接点に日本が存在するから、この両陣営の調和を保っていきたい、このように御意思があるのではないかと思うのでございますが、そのように理解してよろしいですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま共産主義国と隣しておるということを申しましたが、この立場においてソ連と中共とを区別することはないと私は思います。今日、申すまでもなく、二国間の国際関係というものだけで調整できるものではございません。国際的視野に立って初めて調整が可能でございます。平和を守ることができるわけであります。そういう立場でございますから、私どもは、いろいろの国々がございますが、それらの国々と仲よくしていく、平和を保っていく、そのためのあらゆる努力をするわけであります。ただいま、そういう意味では、私は、中共とソ連、これを区別する筋のものではないと思います。なお、アメリカと中共との間に立って、そうして何か役割りはないか、こういうお話でございますが、もちろん、われわれが尽くすことができれば、そういう役割りを果たすのにやぶさかではございません。しかし、私自身、日本の力を考えてみました場合に、ただいまのような仲介の労をとるという、これは少し背伸びした議論ではないか、かように思いますので、私はその説には賛成はいたしません。私が申し上げたいのは、われわれは、わが国の自由を守り、しかも平和に徹する、この考え方で終始するのでございます。私は、この考え方に終始する場合に、相手国が共産国であろうが、あるいは自由主義国であろうが、そこらに区別はないはずなんだ、両国がお互いにその立場を理解し合うならば、そうしてお互いに平和を望むならば、必ずそこに双方の満足するものがあるんじゃないか、それをわれわれは見つけたい、それを努力したい、こういう考えでございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 接点の意味は大体了解できました。  そこで、以下少しく中共問題に触れてみたいと思います。  昭和三十九年の国際上の最大問題は、結局中共であったと思います。そのように、四十年の国際的の最大の問題もおそらく中共であろうと思われます。かつては東西両陣営の対立はヨーロッパでありましたが、この対立の焦点はいまやアジアに移ったと思われるのであります。われわれの周囲を見ますとき、そこには二つの中国があり、二つの朝鮮があり、二つのベトナムがあります。ラオスさえもすでに事実において両分されてしまった感がいたします。このようにして、アジアはまさにまつ二つに分断されております。この対立の背後に常に存在し動いているものは中共であります。中共は、アジア、アフリカの後進諸国を自身の側に獲得し組織して、その勢力をもって先進諸国家を一つ一つ包囲して、これを次々におとしいれていく戦術をとっております。やがて日本に対してもこの手が伸びないとも限らないのであります。このようにして、中共は、ジョンソン政権にとっても、また佐藤政権にとっても、当面最大の課題たらざるを得ないと思うのであります。アジアのどのような問題の解決をはかるにしましても、結局行き当たる障害は中共だと思います。中共との対立の解決なくして、アジアのいかなる問題の解決もあり得ないと思うのであります。佐藤総理は、ジョンソンとの会談において、この点をどのように説明されましたか、お伺いしたいのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いろいろ中共についての御批判はおありのことだと思います。一口に共産主義だと申しておりますが、共産圏でも平和共存を唱えておる国がある。こういうところと話し合いを進めることは非常に楽であります。もともと私どもは平和を守るのですから。だから、平和を確保するというその立場に立つならば、またお互いのその立場を尊重するならば、そこに解決の余地があるだろうというのは、こういう点をさして私は申しておるのであります。  したがいまして、中共があるいは国際連合に加盟するとか、あるいはその承認問題をめぐり、これが今日の国際間の一番のポイントである、これは御指摘のとおりだと思います。そこで、問題は、中共そのものがどういう政策をとるか、具体的なその態度がどういうことであるか、ここに私どもがこれに対処するのにいかにあるべきかという問題になると思います。私は、先ほど来申しますように、わが国の自由を守り、また平和に徹する、こういう観点に立っておりますので、この点について中共側において理解し、そうして誤解を受けないような態度であるならば、私はしごく簡単だと思います。今日まで、わが国にとりましては、ただいま仰せのような危惧を抱く人もありますけれども、私は、中共自身がわが国と友好関係に入りたいということを希望しておるのではないか、かように思いますが、ただいままで政経分離のたてまえで人的交流なりあるいは貿易なりが行なわれておるので、ただいま申し上げるように、わが国に対する態度そのものは別に心配すべき筋のものではないように私は理解しておりますので、ただいま、政経分離のたてまえで接触を続けていく、こういう態度をとっておるわけであります。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 すでに中共は核実験を行ない、やがて核兵器を保有するでありましょう。人類の平和共存の立場からいたしましても、中共をしてこの上核実験を重ねしめないようにすることであって、そのためには中共を国際連合に加盟せしめる必要があるという意見なども出ております。私は、中共が核実験を行なったから国連加盟を承認しなければならないという、何か暴力におびえて迎え入れるに似たそういう態度には賛成できがたいのであります。純粋の立場で中共問題と取り組むことが最善の方法であると思うのであります。この中共の核実験の問題や国連加盟問題がおそらくジョンソンとの間に話題になったことと思うのでありますが、この点お聞かせ願いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 共同コミュニケにおいて米国側の考え方とわがほうの考え方は必ずしも一致しておりません。したがいまして、双方の主張を併記した、こうして、共同コミュニケでこれは世界に声明しておるわけでございます。したがいまして、アメリカはいかに考えておるか、あれをお読みになればわかるだろうし、同時に、日本は中共に対していかに考えておるか、これまたおわかりがいくだろう、かように思います。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 総理は、ジョンソンとの会談で、日本にとって、特に中共とその人民は隣国であり隣人であり、歴史的、人種的、文化的にも十数世紀以上にわたる深い関係を持っていると言われたのでありますが、このことは、中共との関係を一歩前進させようという御意思のあることを含んでいるように思われるのでありますが、そういう下心があったのではないですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 中国と私どもが隣国であり、また隣人であるというこの関係は、だれが何と言おうと変わらないのであります。私どもは他に引っ越しするわけにはいかない。またこれが、在来からの歴史的あるいは文化的交流、こういうことでつながれておるゆえんでもあります。したがいまして、私ども、隣人であるというその立場は、よくアメリカ側も理解してもらいたいんだし、また、ただいま申し上げますように、共産主義国であろうが、わが国の立場について深い理解を持ってくれるなら、そうしてそこに膨張政策たど考えないならば、これはりっぱに両者が共存できるのであります。しかも、この中国の民族、これはたいへんな大民族でございますから、私はこういう点をアメリカにもよく理解してもらいかい。この点は、特に歴史的あるいは文化的交流というだけではやはり弱いように思う。われわれは、もっと隣国、隣人、こういう立場で中共を見てくれ、これが必要なんだ、そういう意味のつながりはどうしても必要だ、かようなことをアメリカにも主張したわけでございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 総理は、積極的に中共との関係を前進せしめなければならぬという御意思は持っておられたようでありますが、しかし、具体的にその点が共同声明にあらわれていないのでございます。これは、ジョンソンが、中共は隣国に対して好戦的政策をとっており、また膨張主義的圧力がアジアの平和を脅かしていると表明したので、このジョンソンの先制攻撃と申しまするか、そういう意見に押されて、つい総理が積極的に日中前進論を持ち出そうとしたのが、つい出なかったのではないか、こういう憶測をする向きもあるのでありますが、私がこのようなことをお尋ねしますのは、それは、昨年のこの臨時国会の予算委員会におきまして、総理は、中共問題については積極的に前進するという御答弁をしておられるので、このことにちょっと矛盾しているような気がいたしますので、お尋ねするわけでございます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ジョンソンの考え方を私が説明する立場でございませんから、これはひとつ御了承いただきたいと思います。しかして、私自身は、先ほど来申し上げたような考え方でございますから、今日別に、アメリカがこう言ったから日本が引き下がったのではないか、かような態度ではございません。私は終始一貫してわが国の立場を宣明した、かように私は考えております。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 大体中共問題は先ほど来の御説明によって明確にされてきつつありまするが、従来からの政経分離、すなわち現在行なわれている貿易、文化などの分野における民間ベースの接触を引き続き進めていく、これだけのようでありますれば、これは、政経分離による日中の接触は米国がこれまで認めていたものであって、別に目新しいものではなく、一方政経分離の原則が、延べ払い問題などで壁に突き当たっている現在、共同声明にこの原則を唱えたことは、かえって日本の立場を縛る結果になるのではないか、すでにこのような批判なども出ておりまするので、この点を明らかにしてほしいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 日本の態度を縛るというお話がちょっと私にはわかりかねるのですが、今日までの日本の態度、また、ただいま国民政府と正規の外交関係を維持しながら、しかも中共と接触を保つ、こういう立場だと、今日の状態が続いていくということをはっきり申し上げておるのでございます。したがいまして、ただ今日までのところを説明したばかりでなく、今後もしばらくそういうことがあるだろう、かようにもアメリカは理解してくれたと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、ただいまのアジア情勢、これは流動的であります。流動的でありますから、お互いに絶えず意見を交換して、そうして緊密な連携のもとに対処していこう、こういう申し合わせができておりまするので、いまおっしゃるような、いわゆる縛られた、こういう感じのものではないので、むしろ、こういう態度をはっきりさせたが、今後の情勢の変化に対処しては、お互いに意見の交換をして、そうしてこの大事な問題に善処していこう、こういうことがついておりますから、あとのほうも続けてごらんにならないと、ただいまのような、縛られておるんじゃないか、こういうような考え方になろうかと思います。その点は御心配は要らないと思います。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 共同声明で注目される一つとして、第八項の安全保障をめぐる部分があります。日本は安全保障条約体制の堅持を言明しており、米国側は、外部からのいかなる武力攻撃に対しても日本を防衛するという決意を確認しております。米国がことさらこのような言明をしたことは、中共が核実験に成功し、遠からず核兵器を開発するという事態を考えたものと思いますが、この再確認は、中共の脅威を感ずる向きには不安の解消ともなりますが、反面、日本の核による防衛への道を一歩印するものという見方も出てくるのであります。これは注目すべき点でありますので、この点明らかにしてほしいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 一国が自由を守るとか、あるいは繁栄への道をたどるとか、かように申しましても、その際に一番心配なのは、はたして安全なのかということであります。この一国の安全が確保されなければ、繁栄もなければ、その自由を守るという、あるいは国民生活の向上もないわけであります。しこうして、わが日本の安全は、今日、日米安全保障条約をうしろだてにし、そうして国内においては国力、国情に応じた自衛力をつけていく、これが私どもの安全確保の態度であります。その立場に立ちましてものごとをすべて考えていく。これは、もちろん基本的には平和憲法そのものがわれわれにこれをを命じております。私どもは、こういう立場から、隣国中共が核爆発、この実験をしたということ、そうしていずれは核兵器を持つであろう、かように予想されること、これに対しましては、まことに遺憾なことだとして、核爆発の実験をいたしました直後において、私ども、これは部分的モスクワの核実験停止条約に参加すべきだ、こういうことを申したのでございますが、しかしながら、この点は、まことに遺憾ながらもやられた。さらにまた、うわさするところでは、第二回目も近くやるのではないか、こういうようなうわさすら立っております。そういう状態のもとにおいて、わが国の安全は一体どうなるのか。ただいまは、中共が日本を敵視しているとは私は思いません。また核兵器そのものが日本に向かっておるとは思いませんが、しかしながら、いずれにいたしましても、隣国である日本とすれば、そういうものに対しての十二分の防衛態度は必要でございます。したがいまして、アメリカの安保条約は一体こういうことは予想しなかったことだが、いかに考えているか、中共が核爆発、核兵器を持つというようなことは予想だにしなかったことだと思うが、どういう態度になるのだ。これに対しましては、いかなる武力に対しても、その攻撃には日本を守る、これが第八項で明確にいたしたところであります。今日の安全保障条約、これはかくあるべきものだ、かように私も考えておりますし、こういう意味では、アメリカがはっきりその点を声明したことを喜んでおるような次第でございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 中共との関係を一歩前進さすためには、私は具体的な何かがなければならぬと思うのです。その具体的な一つとして、たとえば大使会議などをやる考えなどはないかどうかということでございます。御承知のように、アメリカが現に中共との間に大使会談をやっておるのであります。ワルソーで行なっている米中会議などがその例であります。日本政府の場合も、この米中ワルソー会議のような大使会議をやってみるということになれば、日中の関係が一歩前進ということになるのでありますが、この点、どのように考えておられますか、お尋ねしたいのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 米中会議、これは、接触を保っておること、そういう意味では意見があると思います。しかしながら、大使級の会談をした結果米中関係がよくなったとは実は私はあまり考えません。また、今日よくなりつつあるとも実は想像がつかないのであります。私どもの日本の立場において必要があるならば、そういう会談を設けてもいいかと思いますけれども、ただいまのところ、積極的なそういう必要性を感じてないというのが現状でございます。これなども、しばらく国際情勢の推移を見きわめて、しかる後にきめるべきことだ、かように私は考えております。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 本年は中共問題の年だとよく言われます。そのことばの裏には、国連加盟ということも考えられていると思うのであります。中共の国連加盟ということが従来から当委員会でもしばしば論じられてきたところでありますが、そのつど日本政府は、ただ一つの中国が存在するだけだと答えております。すでに一つの中国をしか認めない以上、問題は、その一つの中国の代表者として北京政府を選ぶか、台湾にある国民政府を選ぶかであります。北京を選ぶということになれば、当然台湾は国連から追われざるを得なくなります。北京を入れるが台湾も出さぬということになれば、それこそ、北京も台湾も激しく拒否している二つの中国方式でありなすから、さらに困難だと思います。  日中関係は新しい段階に入ったと言われます。が、しかし、この国連加盟の問題になりますると、簡単なものではないということがよくわかるのであります。私は、七億の人民を有し、しかも、十五年にわたる政権を続けてきた北京政府を無視するものではありませんが、一面、台湾の国民政府とは正規な外交関係を結んで、友好的立場を堅持してきたところのこの実績を見のがすわけにはいかないのであります。特に私は、国民政府、すなわち蒋介石総統が、終戦のときに日本に示してくれた四つの恩義を忘れない一人であります。四つの恩義とは、終戦当時中国全土を支配していた蒋介石は、終戦後間もなく、日本からは賠償金を取らないと宣言したのであります。すなわち賠償金請求を放棄したのであります。これが一つ。また、当時戦勝国、なかんずくソ連が、日本の天皇制度を破壊せよ、そして天皇を軍事裁判にかけよと主張した際、蒋介石はこれに反対し、天皇は軍事裁判を免れ、今日わが国民の象徴となったのであります。これが第二。第三は、当時ソ連が、ドイツが東西に分割されたごとく、また朝鮮が南北に分割されたごとく、日本をも南北に分割して、北をソ連が、南をアメリカが占領し支配しようと唱えたとき、これに反対したのは蒋介石でありました。第四は、終戦と同時に、蒋介石は中国人民に向かって、戦争は終わった、きのうの敵はきょうの友である、中国の領土にいる日本人に危害を加えてはならない、そうしてこの日本人をいたわりながら親のもとに、妻子の家庭に早く帰られるように協力せよと布告したのであります。その上、当時日本が食糧難であったので、中国人民に与える貴重な食糧をさいて日本人に与えて、帰国させたのであります。以上の四つの恩義を日本人は忘れてはならないと思うのであります。  このようにして、中国問題は、簡単に踏み込めない内容を含んでおると思うのであります。結局、中共問題は、わが国が中華民国政府と友好的な立場にあり、かつ正規な外交関係を結んでいるので、現段階においてはどうにもならないのではないか、このように解釈してよろしいか、あるいは一歩前進する意味で、本会議で福田赳夫議員が述べられたごとく、日中双方の内政不干渉を結ぶという方法もありますが、いかがなものでありますか、お尋ねいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いまのお尋ねは、いろいろの要素、条件を含んでおりますので、簡単な答弁ではあるいは誤解を受けるかと思いますから、やや詳しく申し上げたいと思います。  まず第一は、中国は一つだという問題であります。中国は一つだということは、これは、中国民族というか、中国国民がひとしく念願しておるところだと思います。これは、ひとり中国の国民ばかりでなく、ただいまの北京政府も、また国民政府も、同じようなことを申しております。したがいまして、私どもが第三国の立場でとやかく言う筋のものではない、かように思っております。これがいわゆる抽象的な、観念的な中国一つの議論でございます。私は、この立場は尊重さるべきものだと、かように思います。  しかして、現実には二つの政権があるわけであります。この二つが中国を代表しておるのか、どうなっておるのか、これがただいまの議論でございます。私どもは、国民政府と正規の外交ルートを通じて正規の関係を持っておるわけであります。しかも、片一方の中共政府、北京政府に対しては、これは政経分離で接触をしておるというのが現状でございます。したがいまして、ただいまの状況のもとにおいては、今日の中国は一つなりという、これと必ずしもぴったり一つになってないのじゃないか。ただいまの条約の関係から申せば、日本は、中国は一つ国民政府だけを承認しておる。したがって、これに代表権を与えておるのかというと、この国民政府が施政権の及んでおる範囲はきわめて限られております。その範囲においての国民政府の代表権は、これはもう問題はないわけでありますけれども、しかしながら、事中国大陸になれば、われわれは、この国民政府を一つの中国の立場で承認しているんだ、こういうことで国民政府と中国大陸における問題を話し合っていく、こういう態度ではないわけであります。したがって、中国大陸に対しては、ただいま申し上げるような政経分離の方法で今日交渉を持っておる、これが現状でございます。  したがいまして、今度国連加盟の問題になってくると、しかもその国連加盟が中国代表権の問題をめぐっていく、こういうことになりますと、これはまことに重大な意義を持つというのが私どもの考え方であります。少なくともただいままで、正規の外交関係を持っておる国民政府、それと、もう一つは北京政府、その二つのうち一つに中国の代表権を与える、こういうことになるのですから、これはたいへんな問題だ。しかも、ただいま御指摘になりましたように、蒋介石総統からわれわれが受けた恩義というものは、これはばく大だ。私は、この恩義と、この国交の問題を一緒にするつもりはございませんけれども、少なくとも私どものこの感謝の念だけは、あらゆる機会に表明すべきものだと思うし、われわれはほんとうに感謝しても感謝し切れないような気持ちがするものでございます。したがって、この問題とは別な政治的問題にしろ、いずれにいたしましてもこれは重要問題だ。これが先ほど来申し上げておる隣国、隣人、こういう立場だ。また、アフリカの諸国、あるいは欧州の諸国が中国を見るのとはここに変わりがあるのでございます。ことに私どもは外交上の権利義務、これを国民政府と持っておるだけに、一そうこの事態はむずかしい問題だ。したがいまして、今日までわれわれは重要議題だとして、そうして、この問題の国連における取り扱い方は手続き上の規定のごとく、過半数できめるべき筋のものではないんだ、ひいては、これはアジアの平和にも関係を持つものだ、まことに重大な問題だ、こういう意味でこの手続きを非常に慎重にしておる。これが今日までの私どもの態度でございます。問題は、これから先どういうように変化してまいりますか、これが残された問題だと思います。私どもの同僚も多数中共に参っておりますし、それらの事情もよく伺っておりますから、また流動しつつある状態でございますので、そういうものに処しまして、われわれは間違いのないように処置をとりたい、かように考えておる次第でございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 中国問題は以上で打ち切ります。  佐藤総理は、昨年の臨時国会において、アジア・アフリカ会議に代表を派遣したいと言明されたのでありましたが、今回の施政方針演説には、この点に触れておられないのであります。見方によっては、AA会議代表派遣の件は後退したのではないか、こういうふうな印象も与えておりまするし、また、政府の外交方針がわずか二カ月の間に変わったのは一体どういうことだろうかと疑問を持たないとも限りませんので、この点明らかにしていただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 施政演説になぜ入れなかったか、昨年の暮れにしゃべったばかりだから、また重ねてお話しするのもどうかと——まあ、施政演説はろいいろ御批判も受けますが、昨年言ったばかりのものをまた重ねて申しますと、そういう意味の批判を受けるだろう、こういうことで除いたのでございます。私どもは、昨年の態度を変えたわけではございません。したがいまして、今日もAA会議には出席さす、こういう考え方々持っておりますが、御承知のように、昨年の暮れから非常な大きな変化がございました。いわゆるインドネシアの国連脱退という、そういう事態があった。そうしてAA会議がいかように開催されるか、多数の国がはたしてこれに参加するかどうか、こういう問題がございます。三月十日に開かれるといった第二回AA会議は、ホテルその他の都合でややおくれるようだというようなこともあります。ただいままだ正式な招待も受けておらない。そういうわけで、もう少しAA会議の実体を見きわめる必要があるだろうというので、ただいまやや後退したのではないかというような批判を受けるような態度をとっておるのは、これは一に実情に即してわれわれは態度をきめたい、こういうことでございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 ただいま総理の御答弁を聞いておりますると、正式な招請状が来た場合は大体出席することになるだろうというような線でございますが、御承知のように、AA会議は第二の国連といわれているのでありまして、わが日本といたしましては、今日まで国連中心主義ということを主張してまいったのでございます。その国連中心主義を主張してきた日本が、AA会議に参加するということになりますれば、今後国連の場において何か冷たい扱いをされるようなことはないか。おそらく私はそういうことはないと信じますけれども、こういう微妙な点なども起こってくるのではないかと思われるのでありまして、こういう点につきましてどのようなお考えを持っておられますか。そういう心配は要らない、こういうことでございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 AA会議は第二の国連だという話は初めて伺いました。そういうことはないのであります。これはどこまでもAA会議でございます。だから、そのような心配はないと思います。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 総理のはっきりした御答弁で安心いたしました。  次に、日米会談の経済問題についてお伺いいたします。  共同声明では、日米航空協定、北太平洋漁業条約、日米綿製品協定などの経済問題について、日米両国が満足できる公正な解決が得られるよう協力することが重要であると述べてあります。これらの懸案については、はっきりした打開策が今度の会議で出てくる見通しは少なかったのでありますが、せめて一つぐらいはみやげはあるかもわからないというような期待は国民の間にあったわけでございます。これらの問題は、日本にとっていわゆる不平等条約あるいは協定の是正という点で、単なる経済以上の意味を持っているのであります。北太平洋漁業条約、日米航空協定は、いずれも連合軍の占領が終わった直後きわめて不利な条件のもとで結ばれたものであります。漁業条約では、西経百七十五度以東における特定漁業の漁獲を日本側が自発的に抑止すると規定されている点が問題であります。日本側は、自発的抑止は公海の自由、資源利用の平等、資源の平等保存という三原則を侵すものとして、条約の十年の期間が満了した一昨年の六月にその改定を要求しております。こういう不平等な原則が、今度占領下でない自由な交渉で再び織り込まれるようでは、このことが原因となって、日ソ、日韓などあらゆる漁業交渉で日本側は不利な立場をしいられるおそれが出てくると思うのであります。航空協定にしましても、米国側は東洋一の大都市東京を縦横に利用してかせぎまくっているのに、日本の要求しているニューヨーク乗り入れさえも認めてくれておりません。綿製品協定にしましても、対米輸出で、日本製品だけが制限され、不利な取り扱いを受けておる点は多いのであって、自由経済の原則が全く見られず、はなはだ残念であります。総理にこれらの経済問題を打開していただくには、今度の日米会談が絶好の機会であったと思うのであります。と申しますのは、従来からのこういう条約とか協定は、これは佐藤総理が行なったものではないのであって、新たに政権をとられた佐藤内閣の手によって、これを改善し是正していきたい、国民はこのことに期待を持っておったのでございますが、どの程度まで話を進められたのでありますか、お伺いしたいのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私とジョンソン大統領との話し合いは、もちろん主として政治上の問題でございました。しかしながら、両者の間で非常に簡単ではございましたが、日本側から不平等条約の典型的なものとしてあげている航空協定並びに漁業条約、これはぜひとも改正してもらいたいということを申しまして、そうして合同会議の席でラスクさんに特に詳しく説明をいたして、これを要求いたしたわけであります。御承知のように、日米間には、日米経済合同委員会がございます。閣僚相互に話し合いをしております。今日わずかな一日、二日の会合で結論が出ないならば、ぜひともことしの合同委員会ではこの問題の解決ができるように、それまでに準備を進めてほしいという話を申したのでございますが、ラスク長官は、それまで待たなくても、これは早く解決、結論が出せるのではないかという意味のことまで実は申しております。  ただいまお話がございましたが、航空協定については、ニューヨークまでの乗り入れということを私どもは主張したわけではないので、ビヨンド・ニューヨーク、ニューヨーク以遠、大西洋横断、これを実は強く要望したのでございます。ニューヨークまでという国内だけの問題ではなく、大西洋を越すことによって初めて世界一周の航空路が設定されるわけでございます。私どもは、今日まで話を聞いておりますのは、わが国の主張は、ぜひとも世界一周の航空路の設定、かようなことでございますので、そういう意味の話を十分納得のいくようにいたしたわけであります。ことにただいま御指摘になりましたように、これは占領下または占領後において、そうしていわゆる不平等な立場においてこの両条約が締結されたのだということを特に強く主張いたしてまいりました。  また、綿製品協定は、これは自粛的な部分もございますけれども、もしも自粛をしないならばアメリカ側において法定をするだろう、かようなことが看取されるがゆえに自粛したという、そういう立場もよく詳しく申し上げたわけでございます。今日、綿製品協定については、ただいま行なわれておるようでございますから、その結果を見たいと思いますし、また航空協定も、ただいま申し上げますように、できるだけ早い機会に結論を出したい、かような意向でおります。ただ、漁業条約の問題になりますと、カナダも入ってまいりますし、また、いろいろ交渉はしておりますが、最も困難な問題のところが、三者の意見の一致を見出すことがなかなか困難だということでございます。これも今後一そうの努力をするつもりでおります。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 ただいま総理大臣から御親切な答弁がございましたから、補足する必要はございませんけれども、予備交渉を日本でやりまして、なるたけ早く解決するように、大使館を通じて申し込んであります。御承知のように、日本の貿易は非常な好調を示しておりますが、船と飛行機で赤字を出しております。どうしても、おっしゃるように、開放経済の実をあげるためには、世界全国いずれのところに行っても商売ができるようにしなければならないということが基本でございますから、総理から、いまのように向こうとの間に大きな線においてお話しを願いましたから、今後、事務的に予備交渉をいたしまして早期に解決いたしたい、かように思っております。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 農林大臣、漁業条約の見通しについて御見解があればお示しください。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 漁業条約につきましては、交渉を重ねるたびに好転しております。基本的な考え方におきましては、カナダもアメリカもそうと見ております。私は、どっちかといえば、好転する方向にあるというふうに存じます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 次に、東南アジアヘの医療援助のことについて総理にお尋ねいたします。  総理は、ジョンソンとの会談で、東南アジア諸国の民生安定のため、日米協力して医療援助の手を差し伸べることを約束されました。日本では、すでにコロンボ計画に基づき、三十四年から東南アジア諸国に医療援助を行なってきておりますが、今度の会談がきっかけとなって、巡回医療班の派遣、医療機器の贈与など、アジアの医療協力に大きく前進することになったわけでございますが、一九六一年の国連総会で、一九六〇年代を開発の十年として、一九六九年末までに低開発国が毎年約五%ずつ経済成長をすることの目標で決議が行なわれたのであります。日本を除くエカフェ加盟二十二カ国の一九六二年の実質個人所得は、前年に比べ二%の減で、アジア開発十年の達成はなかなか容易でないことが認識されたのであります。このため、国連総会でコロンボ計画の必要性が再認識され、先進諸国はこぞって技術協力、経済協力を低開発国に申し出たのであります。米国では毎年三千人以上、英国では千人前後の専門家を派遣、日本でも百人前後の技術者を送ったのであります。しかし、技術協力や経済開発を進めているうち、それよりも医療面での開発がはるかにおくれており、これが経済開発をはばんでいることが明らかとなったのであります。たとえば人口十万に対する医師の数は、日本の一一〇・八に比べ、タイ二二・〇、フィリピン一四・二、セイロン二二・二ときわめて少なく、日本の五分の一から十分の一であり、ベッド数も人口十五万に対し日本が八二六・二に比べ、フィリピン八三・八、タイ八一・〇、インドネシア七八・二で、日本の十分の一にも達しないありさまであります。いま日本の診療班がこれら低開発国において大いに活躍しており、しかもその高い医療技術は、欧米の医療技術にまさるというので歓迎され、感謝されておるのであります。今回の日米会談で医療援助の朗報に接した現地の喜びは大きく、一刻も早く実行に移してほしいということであります。善は急げであります。直ちに計画を立てていただきたいと思います。いまこれについての総理の御構想、あるいはその予算の費目をどこから出すのであるか、お示し願いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 経済閣僚懇談会が一つあり、同時にまた科学関係の協議会も持っております。これをジョンソン大統領は指摘し、さらにまた、医学の面でもそういう協力体制をつくるべきじゃないか、かようなことを申しております。両国間で医学の、いわゆる科学者の一部、その医学についての協力、これは望ましいことでありますが、さらにただいま御指摘になりましたように、アジアの諸国に対して診療班、医療班を送るということ、これはたいへん具体的な例としてけっこうなんであります。これが、いま申し上げますように、二通りの意味がある。一つは学術的な問題、もう一つは実際の処理の問題、こういうことであります。  それぞれにおきましてこれを掘り下げ、検討を続けていき、具体化していくという方向にいきたいと思います。そうして具体案ができれば、もちろん予備費等で支出してもこれは差しつかえない問題だ、かように私は考えております。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 幸い本年は、昨年に比べて二百億の予備費の増でありますか、こういう予備費から出しまして、直ちに援助の手を伸べていただきたいと思うのであります。  次に経済問題なかんずく国際収支について大蔵大臣並びに企画庁長官にお尋ねいたします。一昨年末からの金融引き締めの最大の契機であった国際収支は、昨年夏以来力強い好転のあとを見せております。その結果、昨年十二月末の外貨準備高は、IMFを通じてイギリスに貸し付けたポンド防衛のための二千万ドルを別といたしましても、二十億ドルに近い十九億九千九百万ドルで越年したと記憶するのでありますが、引き続いて本年もこの好調は持続できますかどうか。また、三月末の外貨準備高はどの程度になると思われますか、まず初めにこの点を伺っておきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣・外務大臣臨時代理

○田中国務大臣 国際収支は、だんだんと好調に推移をいたしておることは御指摘のとおりでございます。昨年の十二月末日現在の外貨準備高は十九億九千九百万ドルであります。三月の期末に対しましては、当初政府が見込みましたものは、総合収支で一億五千万ドルの赤字ということでございましたが、幾分黒字に転化するということでありますから、おおむね一億五千万ドルないし二億ドルに近い国際収支の改善が行なわれるということになるわけであります。三月末における外貨準備高がどうなるかということは、いまさだかに申し上げられないと思いますが、数千万ドル現在よりもふえるということは言い得ると思います。数千万ドルでありますから、二十億数千万ドルということになるわけであります。それから、四十年度を通じましてどうなるかということでありますが、これはこれからの財政経済施策、また輸出振興等にもよることでございますが、安定成長路線を進めていけば、四十年度年度間を通じて国際収支は好調に推移する見込みということであります。また、そうなるべく施策を進めてまいりたいと考えます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 まあ、大蔵大臣の御見解は、少し甘いようでありまするが、一応われわれは信用することにいたします。  一昨年暮れから昨年の春にかけて始まった一連の金融引き締めは、その後輸出の急増を主因とする貿易収支の改善によって、一応その目的が達成されたといわれております。したがいまして、その結果として、昨年十二月十六日に預金準備率の引き下げが実施され、さらに本年一月九日には公定歩合の一厘引き下げが断行され、情勢によっては、近い将来において再引き下げが行なわれるのではないかとうわさされておるのであります。とにかく金融緩和への方向が打ち出されましたことは、一応適切な方法であったと思うのであります。しこうして、昨年十二月末のわが国外貨準備高は二十億ドルに達し、一月ないし三月という輸出の減少期を十分に考慮しても、三月末において、いま大臣がおっしゃったように、二十億ドル台は維持できるというのが政府の見通しのようでありますが、まあ事実そうなればまことに喜ばしいことであります。私どもは、昨年十一月までの実績から判断しまして、正直なところ、ある程度悲観的な見方を持っていたのであります。すなわち、貿易収支は、ようやく七月から黒字に転じ、七月には三千四百万ドル、八月は一億ドル、九月は七千九百万ドル、十月は七千七百万ドルと黒字を続けてまいったのでありますが、これはいずれも季節変動を修正しない数値であるため、これに修正を加えた黒字幅は、七月には四千五百万ドル、八月には八千七百万ドル、九月は千二百万ドル、十月になりますると九百万ドルとなり、千万ドル台を割るに至ったのであります。さらに十一月の実勢も引き続き小幅の黒字にとどまるだろうと見受けられたのでありまして、先行き輸出に一まつの不安を感じられておったのであります。一方輸入の面においても、通関実績は、先行き指標でありますところの輸入承認を見ましても、急速に増加していたので、このような状況から判断して、貿易収支は十二月から一月、二月にかけて黒字基調に転ずるのではないかというのが、昨年暮れあたりまでの各界の見方であったわけでありますが、最近に至りまして、十二月の輸出入信用状の実績は、輸出が輸入を大幅に上回り、すなわち、輸出が六億九百万ドル、輸入が三億六千百万ドル、差し引き二億四千八百万ドルという大幅な黒字を記録し、これまでの最高であった七月の二億三千五百万ドルを一千三百万ドルも上回るという大幅なものとなりまして、この分でまいりますと、輸出の高水準はほぼ定着したとさえいわれるようになったわけであります。政府は、この輸出信用状の実績好調の原因をどのように見ておられるのであのますか。また、この好調は当分不動なものか、これらの点につきまして御所見を承りたいのであります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣・外務大臣臨時代理

○田中国務大臣 三十九年四月から十二月の実績で見ますと、輸出は対前年度比二四%増しであります。輸入は一一・四%増しということで、貿易収支は均衡しつつあるということでございます。輸出が非常に高いのであって、輸入は低く、これからだんだん輸入がふえてくるのではないかという御心配でございますが、一−三月は確かに輸入期でございます。きょうも経済閣僚会議で検計いたしたわけでありますが、輸入期である一−三月を通じても赤字になるという基調ではありません。先ほど申し上げたとおり、十二月末で十九億九千九百万ドルが数千万ドルふえるだろうという見通しでございます。これが一体どういう基調によるものかということでありますが、一つには世界経済が拡大基調に向いておるということであります。第二は、日本の輸出基盤、国際競争力というものが非常に強くなったということの証左であろうと思います。例で申し上げますと、世界貿易の指数は、一九六一年で四・四%増し、六二年で六・二%、六三年で八・三%、六四年で一一・七%、こういう指数で伸びておるわけであります。これに対して日本が、六一年には三%増し、六二年が一九・九%増し、六三年が一一・九%増し、六四年の一−五月で二一・三%増し、こういう拡大基調をたどっておるわけであります。その上に、なお国内的にも金融政策で安定的な路線を確保しつつあるということが輸出好調の基盤をなしておるものだと考えます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 政府から提出されておりまする昭和四十年度の経済見通しによりますと、国際収支の面では、輸出は七十六億五千万ドル、輸入は七十三億ドルということで、貿易収支は三億五千万ドルの黒字ということでありまして、資本収支二億五千万ドルを合わせた黒字額は六億ドル、貿易外収支の赤字六億ドルとちょうど相殺して、総合収支では均衡するという見通しを立てておられるようでありますが、さきに経済企画庁でまとめられたいわゆる世界経済白書を見ましても、昨年の日本の輸出は世界貿易の拡大の波に乗って好調であったが、ことしは、アメリカ、西ドイツでの好調頭打ち懸念を初め、フランスのデフレ傾向、東南アジアを初めとするインド、ブラジルなどの低開発国の経済的困難、社会主義諸国での農業の不振などが予想されており、世界経済の成長率はおしなべて鈍化の傾向がうかがわれるのでありまして、わが国の貿易を取り巻く世界経済の環境はかなりむずかしい情勢が予想されるのであります。この点について、政府は、予算面におきましても、政策面におきましても、輸出振興策を強力に講じ、十分認識されているようでありますから、三十九年度のような、前年に比べ二二・一%という大幅な伸びは期待できないといたしましても、最大の努力によって、政府が予想しておりますところの一二・五%の伸び、すなわち七十六億五千万ドル程度の輸出はほぼ達成できるのではないかと思うのであります。問題は輸入の七十三億ドルという見込みのほうがよりむずかしいのではないかと思うのでございます。すなわち、前年に比べ九・八%の輸入増におさまるかどうかという点に大きな問題があるのではないかと思うのであります。と申しますことは、三十九年度における輸入は、前年に比べ二・二%、六億七千万ドルの増加が実績見込みとしてあらわれているのでありまして、これにはこれなりの要因があったと思うのであります。自由化の進展につれて、食料品や消費財、資本財など、さらにわが国の産業構造や需要構造の変化に伴う農産物や石油などの増加等、いろいろな要因が働いて、三十九年度は景気調整の過程下にもかかわらず、輸入は増加したものと思うのであります。  これらの増加要因は、四十年度にはより強められた形で移行するのではないか。中でも原材料や食料品は、さらに三十九年度を上回る傾向にあるのではないか。それに、四十年度からは新たに自動車を初め、一部の農畜産物を除いて、大部分のものが自由化され、これらがこれまでの自由化品目に上積みされた形で輸入は増加せざるを得ないと考えられるのであります。したがいまして、四十年度における輸入が前年に比べ九・八%、六億五千万ドルの増加、これは三十九年度を比率においても金額においても下回るものでありまして、この七十三億ドルという輸入見込みは少し甘い見方ではないかと思えるのであります。もしそうだといたしますれば、明年度の貿易収支は、とんとんか、せいぜい一億ドル弱のわずかの黒字にとどまり、総合収支では二億五千万ドルから三億五千万ドルの赤字が出るのではないかと思われるのであります。したがいまして、資本収支の黒字二億五千万ドル、これは主として長期資本だということでありますが、貿易収支がとんとんか、あるいは黒字幅が少なくなることになりますれば、短期資本が幾らかこの二億五千万ドルに上積みされることになるわけでありますから、これらを考えてみましても、なお一億ドルから一億五千万ドル程度の赤字の不安は消え去らないのではないかと思うのでありまして、この輸入を七十三億ドルに押えることができるかできないかによって明年度の国際収支は大きく変わってくる、かように私は心配するものであります。そこで、この輸入を抑制する手段として、輸入担保率を四月以降もこのまま引き下げないでいくか、あるいはさらに若干引き上げるなどの措置が必要ではないかと思うのでありますが、この点につきまして政府の御見解を承っておきたいのであります。

高橋衛自由民主党経済企画庁長官

○高橋(衛)国務大臣 お答え申し上げます。御指摘のとおり、輸出につきましては、今年度の前年度に対する伸び率が二二%程度になろうかと思いますが、それに対して、一二・五%というふうに、世界貿易の伸びが相当鈍化するものという前提のもとに、それぞれ品目別、仕向け地別に検討いたしました結果として、あの程度の予測をいたした次第でございます。しこうして輸入について非常に心配だという御指摘がございました。この点はわれわれも相当検討いたしたのでございますが、御承知のとおり、三十八年度の下半期において輸入が急増いたしました原因は、一つには日本におけるところの麦類の不作等のために食糧品の輸入が急増したこと、いま一つは砂糖の値段が急激に上がりまして、輸入価格が上がったということが一つの一時的な特異な現象であったわけでございます。しこうして三十九年度に入りましてからも、輸入はそう急激な減少を示しておるわけではございません。わりあいに高い水準でずっと推移してまいってきておるわけでございます。ところで、四十年度の見通しの問題でございますが、これは、結局輸出をささえるための、つまり鉱工業の生産が三十九年度においては一五%程度と見ておるわけでございますが、四十年度においては輸出が一二・五%程度にとどまるという前提に立ちまするときに、大体一〇%程度の鉱工業の生産の伸びであろう、かように予測いたしておるわけでございます。いま一つは、輸入の基礎原材料が、これが自由化の結果でございますか、または原材料の管理の方法が非常によくなったせいでございますか、最近だんだんと在庫率指数というものが下がってまいっております。最近の指数は大体七一・七でございますが、これは輸入がいつでもできるということ、またその管理能力が非常に上昇してきたということが原因であって、大体こんなところで落ちつくのじゃなかろうかというふうに私どもは見ておるわけでございます。言いかえれば、今日特に輸入素原材料を押えているという傾向は見えない、かように見ておるわけでございます。そういうような観点から、総合的に見まして、七十三億ドル程度にとどめ得る。もちろんこれについては、輸出についても同様でございますが、官民相協力してこれに対して努力をするということが当然に必要ではございますが、これをなし得るという見通しを立てておるわけでございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 計画のとおり、輸入はぜひとも七十三億ドルに押えるようにひとつ配慮をしていただきたいと思います。  次に、政府は本年における政策の大きな課題として、金融の正常化、国際収支の改善、経済成長に伴うひずみの是正にあるとの認識の上に立って、真剣に取り組んでおられる姿勢につきましては、私は賛意を表するものでありますが、国民の中には、なお先行き、不安を抱く向きもありますので、これらの不安を一掃し、これにこたえるという意味におきまして、いま一つ政府の考えを伺っておきたいのであります。政府の四十年度経済見通しによりますと、国民総生産の実質成長率は七・五%、鉱工業生産の上昇率は一〇・五%ということでありますが、これは三十九年度の国民総生産成長率九・四%、鉱工業生産の上昇率一五・一%をそれぞれかなり下回る見通しとなっておるのであります。国内の経済的均衡をはかる上から考えまして、前年度の経済拡大のテンポよりも四十年度のほうがこれをかなり下回るという条件の中で、はたして巷間言われているところの、いわゆる不況色というものを一掃できるかどうか、あるいは緩和されるであろうかという不安と疑問を抱くのであります。こういう点が国民の中にかなり話題となっておりますので、この際政府の考えを承っておきたいのであります。

高橋衛自由民主党経済企画庁長官

○高橋(衛)国務大臣 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のとおり、四十年度は三十九年度よりも実質成長率におきましても、鉱工業生産におきましても、わりあいに低い見通しを立てておるのでございます。しこうしてその低くなった理由は、先ほども御説明申し上げましたとおり、三十九年度が予想よりも上回った原因であったところのものは、輸出が非常に伸びたということ、また輸出にささえられて、設備投資もまた予想以上に大きくなった、この点からきておったわけでございます。したがって、金融の引き締めの緩和をいたしましたけれども、その緩和の背景のもとにおきましても、一二・五%程度の輸出の伸びということを前提にいたしまして、しかもなお経済政策について慎重な態度を持続する、安定成長の基調に持っていくという態度のもとにおきましては、この程度に落ちつくものだ、かように考えておるわけでございます。しこうして、ただいまの御質疑は、三十九年の末ごろから生産全体は相当伸びを見せておる、経済の成長は相当急速であるのにかかわらず、個別的に企業の倒産等が起こり、非常に不況な、または暗いムードが起こってきておったわけでございます。今日もなおその傾向は続いておるものと見ておるわけでございますが、しかし、漸次これが鎮静化してまいりまして、落ちついた基調の上に、これから着実なと申しますか、堅実な安定した成長が続いていかれるものと、かように私どもは見ておる次第でございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 次に、ポンド危機についてお尋ねいたします。  昨年十一月に至りまして、イギリスのポンド危機の問題が世界経済の大きな問題となりまして、各国の耳目を集めたことは御承知のところであります。これについては、当面各国中央銀行間の三十億ドルという異例の借款供与とIMFの予約借り入れ十億ドル等、国際的な協力のもとに投機筋の動きは一応封じられ、小康を見たとはいいますものの、いまだ根本的な不安が一掃されたとは言い切れないと思うのであります。今回のポンド危機の直接的原因は、イギリス保守党政権が残した国際収支の赤字と、新たに生まれた労働党政府のタイミングを失した施策及び情勢判断の甘さにあったといわれておるのでありますが、しかしながら、基本的にはイギリス経済そのものへの不信がポンド不安の根強い背景となっていることも事実ではないかと思うのであります。  そこで、今後の問題といたしましては、本年中にはポンド切り下げが行なわれるのではないかということが、大きな関心事となってくるのではないかと思うのであります。ポンドの切り下げがそう簡単に行なわれるものではなく、これには幾多の困難が伴う上、ポンド切り下げが何ら事態の解決には役立たないという考えのもとに、まず十中八、九までは切り下げはないだろうというのが常識のようでありますけれども、イギリス政府は、保守党から労働党に政権が移ったばかりでありまして、あるいは大方の予想を裏切って、近い将来においてポンド切り下げを断行するのではないかと心配する向きもあるわけでありますが、もしかりにポンド切り下げが行なわれた場合、これが国際経済に及ぼす影響はどんなものか、またわが国の貿易、経済にはいかなる影響が及んでくるのか、この点につきまして、政府の心がまえとその対策について承りたいのであります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣・外務大臣臨時代理

○田中国務大臣 ポンド危機につきましては、御指摘のとおり、IMF一般借り入れ十億ドル及び十一カ国中央銀行からの三十億ドルのてこ入れによって、一応小康を保っておることは事実でございます。それだけではなく、イギリスの政府、国民がポンド危機を回避しようということで非常に努力をいたしております。この二つが相まって、ポンド危機は一時考えられたほどの危機感はなくなっておるということは事実であります。私は、国際通貨に対する、ポンドやドルに対しての一つの行き方を示したものだと思っておりますので、ポンドが切り下げられるというようなことはないと思います。切り下げられるようなところまでいくためには、より強力な国際的なてこ入れというものがあると思いますし、私は、いまの状態でポンドが切り下げられるというようなことを想定する段階ではないと考えております。  また、ドルに次いでの国際通貨としてのポンドがもし切り下げられるとしたならばという仮定の御質問でございますが、これが切り下げられるという場合には、輸出その他に関して非常に大きな影響があることは、もう論をまたないわけであります。ポンド地域に対して輸出をしておる商社やその他非常に影響のあるものは、ポンドの問題に対しては非常に慎重なものの見方をいたしておりますが、現在政府としては、ポンドが切り下げられるということを前提にして行動はいたさないという立場であります。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 次に、物価問題についてお尋ねいたします。  総理の申しておられるとおり、日本はアジアの中の大国であることは世界の認めるところでありまして、したがってアジア地域に対して民生安定のため経済協力を惜しまないのは、大国として当然の義務でありましょう。しかし、同時に、その大国の日本の国民の多くは、いまもって物価に悩み、税金に苦しんでおります。その意味からも、佐藤総理の大きな課題は、物価問題に尽きるとさえ言えると思うのであります。総理は、物価問題解決を最優先に考えておられるようであります。もちろん日本経済の現状から言って、いますぐ効果の出る妙手はないかもしれませんが、それにしても、佐藤総理みずから国民の先頭に立って、なみなみならぬ決意のもとに血の出る努力を続けてほしいのであります。池田前総理も、物価問題打開に悩み苦しんだようでありましたが、それをしり目に、依然として物価は高騰を続けるばかりでありました。最近における消費者物価は、昨年八月から生鮮食料品の値上がりを中心に、再上昇の気配がうかがえるのであります。すなわち、消費者米価はすでに本年一月から一四・八%引き上げられ、医療費も九・五%の値上げがすでに予算に計上されております。国鉄運賃の値上げは、年内は見送られたものの、来年一月からの値上げが予想され、こうした公共料金の引き上げを契機として、あるいは予想して、バス料金、私鉄運賃、各種サービス料金の引き上げが誘発される機運にあるわけでありまして、これらの取り扱いいかんによりましては、再び物価はとほうもなく値上がりを促進されるのではないかと、国民は重大な関心と不安を持っているわけであります。これらの物価値上がりの原因は、構造的な要因に基づくことが大きく、なかんずく賃金との関係を無視することはできいなと思うのであります。生産性を上回る賃金アップ、賃金アップによる人件費高、人件費高による物価高、さらに旺盛なる消費需要、これらの悪循環をどこで断ち切るかということが、畠もむずかしい問題であろうかと思うのであります。先日の本会議における福田赳夫氏の質問に4ありましたように、物価の安定には、ひとり政府の施策のみならず、国民の理解と協力、労働者の話し合いによる理解と協力を求めることも一案であろうかと思います。総理は、物価対策は短期的施策と長期的に総合的な施策によってその安定をはかりたいというお考えのようでありますが、その具体的な施策につきまして、この際承っておきたいのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 物価問題は、私どもが当面しておる一番重大な、また重要な問題だと思います。ただいまの国の性格から申せば、物価問題一つ解決してくれればいいという、国民大多数のそういう願望だろうと思います。しかして、きょうも月例報告を伺っておりますが、ただいままでのところ、いわゆる卸売り物価なるものはやや軟調、大体において好ましい方向をたどっておる、かように考えます。そういたしまして、なおかつ小売り価格が高騰しておる。ただいまお話になりましたあるいは消費者米価、あるいは医療費等の改定がやはり影響しておることはいなめません。したがいまして、私どもといたしましては、当面する物価対策として、ただいまのあと考えられる公共料金の値上げ、こういうものにつきましては、真剣に取り組まなければならないのはもちろんであります。一年間ストップしたその期限が切れた。今日、そういう立場から、全部公共料金が上がるのじゃないかという非常な不安を感じておるようです。政府は、公共料金の性格から、これの取り扱い方は非常に慎重にするつもりでございます。したがいまして、いわゆる期限が切れたというだけで公共料金が軒並みに上がるというようなことはない。またさような処置はしないつもりでございます。今日まで上げましたものは、一年間ストップさせた。これは、経済活動としては不正常な形であります。したがいまして、消費者自身はストップによる利益は受けますけれども、同時にその企業体自身は非常な苦しい状態に置かれたわけであります。これを長く置くわけにはいかない。そういう意味で、一年間のストップ期限は切れたということで、そういう圧力は加えませんけれども、その実際のあり方としては十分考えてみたいと思います。ただいま賃金と物価との悪循環、これを御指摘でございます。いい例でございますが、公共料金をさらに長期にわたってストップさすというならば、公共企業体においての従業員も賃金アップは全部ストップをせざるを得ないだろう、かように思います。この一事を考えてみましても、かようなことは長くできないということがおわかりだと思います。しかし、消費者のほうから見れば、利用者のほうから見れば、公共料金が安いことは望ましいのであります。そういう意味で、この企業努力、これは十分にしていただく。こういうことで関係閣僚が十分注意してまいるつもりでございます。私は、当面する問題について、公共料金の扱い方なりあるいは台所用品、たとえば野菜であるとか、あるいは魚類、そういう食料等についてのあたたかい、こまかい配慮はいたしますが、しかし、経済はやはり何と申しましても安定基調へ持っていかなければ、この物価問題は解消はできないのであります。また、賃金アップにいたしましても、安定基調に乗らない限り、やはりこの賃金の値上げの要求は非常に強い、かように考えます。だから、一番大事なのは、経済を安定基調に持っていくことだ。そういう意味のあらゆる努力をする。これで総合的な政策が初めて実を結ぶと、かように考えます。しかもまた、政府がやるばかりでなく、これは国民の協力を得ない限り、この目的を達するわけにはいかないのです。お互いみんなが物価高には困るわけです。勤労者も同時に消費者なんです。その立場に立って、やはりその政策の遂行にあたっては協力する、このことが最も大事だと思います。いずれにいたしましても、政府自身が音頭をとらない限り、国民は協力のしようがないと思います。政府といたしましても、関係各省相互に総合的な施策を強力に遂行いたしまして、そうして経済の安定基調、それをもたらすというところに最善の努力をいたしたい、かように考えます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 次に、厚生大臣にお尋ねいたします。  一年以上もおくれていた医療費の是正が、先般九・五%アップという線で政府案が示されたのであります。これに対して中央医療協議会の委員の中の支払い者側委員、公益委員等が、さきに中央医療協議会が答申した八%アップを堅持して譲らず、その成り行きが注目されていたやさき、厚生大臣は突如として政府案実施の職権告示をしたのであります。これが思わざる事態となって、医療協はいまや大混乱となり、あるいは新聞等の報ずるごとく、医療協は空中分解したなどといわれ、その機能は全く停止の状態となってしまったのであります。また、一般国民の側から見ましても、医療費是正の内容がわからないものですから、厚生大臣は何でもしゃにむに職権告示で医療費を上げてしまったと見ておる様子であります。中央医療協は法律で定められた機関で、この中央医療協議会の議を経て厚生大臣が診療報酬の額を算定しなければならないことになっておると思うのであります。すなわち、健康保険法の規定によって、中央医療協議会に諮問しなければならないその答申をまって大臣が四十三条ノ九の第二項の規定によって算定する、こうなっていると思うのであります。このような規定があるにかかわらず、厚生大臣はなぜ職権告示をあえて行なったのでありますか。国民の前にその経緯を明らかにして、もし誤解があるならば、その誤解を解いていただきたいと思います。この点、お尋ねいたします。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 お答え申し上げます。  ただいまお尋ねがございました、中医協の答申がないのに医療費の値上げを職権告示によって行なった非常にこのことはきびしく批判が出ておるが、これに対してどういう考えでおやりになったかというようなお尋ねでございました。  御承知のように、医療費の改定問題につきましては、一昨年以来中央医療協で審議をいたしておりまして、そして昨年の四月に中央医療協の答申がございました。おおむね八%アップ、こういうような答申でございまして、これは、詳しく言うと長くなりますので、簡略に申し上げますが、そういうことでございまして、この配分関係をその後かけることになっておったのでありますが、御承知のように、その後日がたっておりまして、医療費を算定いたしますと、一昨年の暮れから開いた医療協できまった八%というのは、その後の物価の変動、たとえば米価の上昇とか、あるいは税務署等における医療機関の、何といいますか、耐用年数の短縮とか、あるいは看護婦の勤務時間の減少というようなことを入れますと、その八%が自動的に九・五というような数字になるのでございます。そこで、九・五という案をもちまして、先般臨時国会でも予算等、御了承を得たとおりでございます。そこで、公益委員を昨年の臨時国会で両院の御承認をちょうだいいたしまして、暮れの二十二日から中医協にこの審議をお願いいたしたわけでございます。いろいろの経緯を経たのでございますが、本年の一月九日になりまして、中医協の、いまもお話しございました公益委員のほうから、このままでは審議を進めることはなかなか困難な状態になった。診療側は消極ながら政府案に同意したが、支払い側は八%の一月一日繰り上げの点については了承しているが、一・五%についてはなお審議が必要だというようなことであった。しかし、自分たち公益委員の四人の方々の御判断によりますと、これ以上審議を継続いたしましても、まとまるという見通しがなかなか至難の状態になった。そこで四人の公益委員の意見をまとめまして御報告をされまして、この際政府の考えておる事態が緊急是正でございますから、おやりになって差しつかえないと思う、ただ内容のうち初診料を一点切り下げまして、そして入院料に振りかえたらどうだ、こういうような答申でございましたので、私どもといたしましても、事態が緊急是正として一昨年以来の懸案でございましたし、これ以上待つこともいろいろの混乱が生ずるおそれがある、こういうような考えをもちまして告示をいたした、こういうことでございます。まとまったことについてやるのが本来でございますが、まとまらない。そこで、その御報告をちょうだいしてやった、こういうような事情でございます。そのために混乱いたしておりますことは、まことにこれは遺憾でございますが、これらの点につきましては、誠心誠意をもちまして事態の収拾をいたしたい、こういう考えでございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 次に、ILO八十七号条約批准の問題について、労働大臣にお伺いいたしたいと思います。  来日以来二週間余にわたる精力的なドライヤー委員長をはじめとするILO調査団の調停工作はむなしく、成功をおさめないまま離日していったのであります。まことに遺憾であったと思います。御承知のように、諸外国の場合は、ほとんどILOの予備審査機関でありますところの結社の自由委員会での審議に基づいて問題が解決を見ているのが例でありますが、わが国の場合は、この機関での審議、勧告では解決できないで、ついに実情調査調停委員会にまで持ち込まれ、現地調査という、ILO四十数年の歴史始まって以来の調査を受け、しかもその結果は不調に終わるという面目ないことになったわけでございます。これに対しまして、政府は、何とか調査団のメンツを立てて、示された調停案を全面的に受け入れるべく努力したということでありまして、私は、この政府の態度に深く敬意を表するものであります。これに対しまして総評は、せっかくの調査団の努力の結晶でありまする調停案に不同意の態度を示し、これを拒否したと新聞は伝えているのでありますが、これらの点につきまして、直接その衝に当たられた石田労働大臣から、詳細にその経緯を承り、同時に今後の政府の態度、さらに今後の見通しなどについて承っておきたいと思うのであります。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 御承知のように、昭和三十三年以来ILOにおきまして問題となりました日本関係の事案につきまして、昨年の二月、ILO事務総長からこの問題についての調査調停のための委員会の設置を提示されまして、これに対してわが国の同意を求めてまいりました。日本政府といたしましては、国連尊重のたてまえから、また戦後ILOにいち早く復帰をいたしました精神から申しまして、この調査調停委員会の活動を受け入れることに同意をいたしたのであります。これに基づいて、五月に第一回の会合が開かれ、引き続いて昨年の九月、第二回の審問会合が開かれまして、わが国からは政府及び労働代表が出席しその審問に応じたことは、御承知のとおりであります。それに引き続きまして、本年の一月の十日にドライヤー委員会の来日を見まして、ただいまお話しのように政府関係者及び提訴者である労働側代表と個々の面接を遂げた上、実情調査を行ないました。そうして、二十三日の日に、私並びに労働側の代表である総評の岩井事務局長に対して、一つの提案が提示されました。その提案は、第一には、まず条約八十七号及び直接それに関係のある公労法、地公労法の改正に注意を集中すべきであるということが第一点であります。第二点は、この問題がかくのごとく長い期間にわたって解決を見ないで延びた背後には、わが国における労使間の相互の信頼関係が十分でない。したがって、この相互信頼を回復するために、政府、使用者並びに労働者の代表者たちが定期的に集まって、共通の関心事である事案について意見の交換を行なうことが望ましい、それを政府のイニシアで行なったらどうか。それから、その話し合いによって得た進歩のあとは、国会にそのつど報告されることが望ましい。さらに、本年の六月の総会には、政府及び労働側の代表者がジュネーヴへ来て、提案後のわが国におけるその事案処理の経過について報告をしろ、こういうことが内容でございました。政府は、これをしさいに検討いたしまして、なお与党の幹部とも協議をいたしました後に、この勧告を受諾し、その趣旨を尊重することに決したのであります。労働側におきましては、二十五日及び二十六日にわたっていろいろ提案の細部にわたっての質疑がございました後に、二十六日夕景、残念ながらこの提案に同意しかねるという報告がございました。これは、私もまことに遺憾だと思うのであります。しかしながら、いま小川さんのお話しのように、この調査団の来日活動というものは、元来わが国において処理すべき問題を国際機関の手をわずらわしたという点におきましてはたいへん残念でありますけれども、しかしながら、これが来日されて活動された成果というものは、決して私はむなしいものであったとは思わないのであります。また、決して完全に失敗したものとは考えないのでありまして、この提案は多くの示唆に富んでおりまして、その示唆された点、これはもとより私ども日ごろから考えておりましたこともむろん多いのでありますけれども、同時に、その良識が国際的な感覚にも一致するということが明確になりましたことは、私どもとして決してこれはむだなことではないと思うのであります。政府といたしましては、八十七号条約の批准につきましては、目下御承知のごとく関係国内法を国会に提出いたしております。したがって、この関係国内法と同時に、八十七号条約の批准を早期に行なうという方針には変わりはないのでありますが、ドライヤー調査団の示されました意見を留意しつつ、その方向に向かって努力いたしたいと存じております。  さらにまた、相互信頼の回復のためには、でき得る限り意見の交換の場を求めて接触を深めていくということは、これは人間関係の上において一番大切なことであり、総理においても、施政方針演説の中に明確にそれをうたっておるわけでありまして、これの具体化につきまして、目下政府は鋭意成案を得るべく努力中であります。これは、一方的に案を立てて実施するというのではなくして、関係者の意見も十分留意しつつ、その成果をあげるように努力をいたしてまいる所存でございます。

小川半次自由民主党

○小川(半)委員 制限時間がまいりましたので、私の質問はこれで終わります。(拍手)

青木正自由民主党

○青木委員長 これにて小川半次君の質疑は終了いたしました。  午後は一時十分から再開することといたします。午後の質疑者は横路節雄君であります。  この際、暫時休憩いたします。    午後零時六分休憩      ————◇—————    午後一時二十分開議

青木正自由民主党

○青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十年度総予算に対する質疑を続行いたします。  横路節雄君。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、社会党を代表いたしまして、先般総理が行ないました施政方針演説に関して、内政、外交について主として総理にお尋ねいたしたいと思います。  総理御自身、七月の自民党の総裁公選にあたって、国民が現代の政治に不満を持っていることは、宗教団体の政治への進出一つを見てもひしひしと感ぜられるということを言われております。国民の政治に対する不信は、選挙の際、総裁公選のとき掲げた公約が、当選をすれば、政権をとれば、その地位にすわればけろりと忘れて実行しない、ここに国民の不信感の増大があると思います。私は、この点は総理も同感であると思うのです。  さて、総裁公選にあたってあなた御自身は公約をされて、国民の負担軽減のために、初年度に所得税を中心とする三千億の減税を行なうと言われた。総理の施政演説では、所得税平年総額千二百四十億に及ぶ一般的減税を実施すると言われましたが、これを初年度で言えば九百八十八億になるのであって、所得税を中心とする三千億減税の約三分の一以下です。昔から政治家の話は話半令とよくいわれておりますが、話半分ならば千五百億円であって、その千五百億円にも満たない九百八十億とは一体どうしたことですか。総理、あなたはきのうのある新聞の横山泰三氏の漫画をごらんになられたと思います。あなた御自身がシャボン玉をふっと吹くのです。そうすると、シャボン玉がふくれ上がって三千億、三千億、こういうわけです。国民はそれをとらえようとするが、シャボン玉ですから、とらえればこわれてしまう。キャッチできないキャッチフレーズというのがきのうの横山泰三氏のこの所得減税に対する、これを諷刺したものです。私は、このことは笑い話では済まされないと思う。これが私は国民の政治に対する不信感を増大している一つだと思うのです。公約した以上は実現をする、これが国民の政治に対する信頼をつなぎとめることであると思うのですが、なぜ一体公約が実現できないのか、その点についてひとつあなたのお考えを第一番目に明らかにしていただきたいと思うのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。  ただいま私の公約としてお読みになったもの自身が違うようであります。私は三千億減税を約束した際に、これが一年でできるかできないか、十分検討したつもりであります。したがって、初年度三千億というようなことばは使っていないはずです。もう一度はっきりそこをさしていただきたいと思います。これはたいへんな相違であります。今日の国民負担、これは軽くないという、この点は、今日もそのとおりでございます。したがいまして、私は、この国民負担を軽減さすべく、今後とも努力を続けてまいります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 あなたは何をおっしゃいますか。あなたは先般の臨時国会でわが党の代表者である井手君の質問に答えて、初年度の三千億公約は言った、しかし、これは政治の姿勢だと言ったではありませんか。言ったことは事実ではありませんか。そう臨時国会で、ここで言っておるじゃありませんか。言っておりますよ。速記にあるじゃありませんか。そういうことを言われてはいかぬです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私が七月に申したのは、ただいまお答えするとおりであります。私は、三千億減税をやります際に、これが一年でできるかどうか、十分検討したのでございます。したがいまして、そのことばづかいは注意をしておるはずであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 あなたは臨時国会における井手君の質問に答えて、初年度三千億の減税は、それは政治の姿勢として言ったのだ、こう言っておるのです。あなた御自身がそう言われることが、あなた御自身が懸念をしておる国民の政治に対する不信感を招くことなんです。ここで、私の政治の姿勢なら姿勢だ、やってみようと思ったが、やれなかったらやれなかったとなぜはっきり言わないのです。  そこで私は、この際税制全般について総理にお尋ねをしたいのです。総理が、標準世帯の勤労所得について従来の免税点が四十八万五千円であったのを、今回の改正で約五十六万四千円に引き上げたという説明をされていますが、これは初年度は五十四万四千円です。この計算一、検討すれば、大蔵省がマーケット・バスケット方式で食費を計算して発表したものは、夫婦、子供三人の標準世帯で、一日六百十三円の食費で一人平均一口百二十円、これは批判をしています。牛乳一本飲めないのです。子供に一日に卵一つやれないのです。親はせめて子供に牛乳一本飲ませたい、卵を一日に一つ食べさしてやりたい、これが初年度五十四万四千円の中の、いわゆるあなたのほうで課税最低限として発表したものにはないのです。私は、あなたに特にきょうお尋ねをしたい点は、子供の教育費はばく大にかかっております。PTA会費、学校給食費、そして高校の授業料、とりわけ私立高校、そして大学の授業料の値上げ、入学金の値上げ、それだけ考えても、教育費のかかっているものは当然控除すべきだと思うが、そういう点についてあなたのお考えはないのか。こういう点について、私はやはりこの際総理の所信を明らかにすべきだと思うのです。おわかりでございませんか。——おわかりでございませんか。教育費についていろいろかかっておりますね。そういうものについては当然控除すべきだ、そういうふうに思うが、あなたはそういうお考えがないか、私はそう聞いておるのです。なければないでもいいですよ。検討してなければ検討してないでもいい。総理のお考えを聞いておるのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま所要経費という、これが最低にどういうことになっておるか、かような計算は私どもまだしておりません。しかして、ただいま御指摘になりますような事柄は、今後問題になるかもわかりません。そういう意味では私ども検討してみることも検討してみますが、ただいまはそれを引いてないということをはっきり申し上げます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 これは三十八年度の試算ですから、いささか数字に狂いがございましょうが、所得税の納税人員は、二十万円以下が二・九%、三十万円以下が二一・一%、五十万円以下が三一・五%、全体で六四・五%、七十万円以下が八四%、これを見ても明らかなように、担税能力のないところから取っておるのです。しかも納税人員は昭和二十八年の八百三十万、三十五年の千百七十三万、三十九年に千七百万、おそらく四十年では千八百万をこえるのではないでしょうか。こういうように、いわゆる給与所得者は、納税人員が全部ふえてきている。  そこで、私はあなたにお尋ねをしたい。三千億減税と言われた場合における独身者の課税の最低限は幾らになさるのか。あなたは所得税中心のいわゆる三千億減税と言っている。その場合の独身者の課税の最低限は幾らとしようとしているのであるか、五人の標準世帯の課税の最低限は幾らとしようとしているのか、この点をひとつお尋ねをしておきたいのです。その点がなくて、所得税中心の三千億減税なんということは、これは全くさっきじゃないけれども、シャボン玉をふくらましたものに違いないのです。その金額を明らかに示してもらいたいのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 冒頭に申し上げましたように、減税は続けてやります。その立場でものごとを考えておるわけです。いま三千億減税、それを初年度にやる、一年でそれをやる、それは何ぼか、こういうお尋ねでありますが、先ほど申し上げたとおり、私は、一年にやるとは申しでおりません。とにかく減税は、私どもの政治の姿勢として当然続けてやっていく。したがって、免税点もだんだん高くなってくるし、そういう点を先ほど来申し上げているのです。ただいまのような計算にはなりません。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それならば、私はあなたに重ねてお尋ねしたいのです。所得税中心の三千億減税というならば、ことしではない、来年ではない、再来年かもしれない。それならば、それでもけっこうです。それならば、その所得税中心の三千億減税の場合の独身者の課税の最低限は幾らなのか、標準五人世帯の課税の最低限は幾らなのか、どう考えて言われたのかということを言っているのです。あなたは言っているのですよ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 そこまでの計算はしておりません。しかし私は、引き続いてやるならば、だんだんと税負担は軽くなる、かように考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、きょうは特に総理にお尋ねしておきたいのは、あなたが公約の所得税中心の三千億というのは、国民は期待をしておるから言っておるのです。だから、独身者は今度上げて十九万です。しかし実際に労働調査所その他でやれば、独身者はどんなに倹約をしても月三万五、六千円はかかる。だから、年三十万以下はいまの段階で免税してもらいたい、標準五人世帯は、八十万以下は免税してもらいたいというのが、いまの段階における希望なんです。私は、総理が三千億減税——あなたがことしではない、来年ではない、再来年ではない、その次ではないなんと言ったら、しまいにおやめになってもまだできないのではないかと思う。しかしお約束した以上は、その金額が幾らだ、こう言わなければ、国民に対する公約にはならぬ。それがいままでの政治家の公約で、国民の不信感を買っているのです。  その次に、私あなたにお尋ねをしたい点は、税制の問題で、いわゆる問題点は利子所得の分離課税の問題です。あの利子所得の分離課税をなぜおやりになるのですか。税制調査会は答申をして、おやめなさい、そうして総合累進課税にしなさい、こう言っているではありませんか。それをなぜおやりになるのです。これが税制の第二の問題点です。これをあなたにお尋ねしておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 大蔵大臣から説明させます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 いや、そうじゃない。ちょっと待ってください。——待ってください。いや、大蔵大臣、あなたもお立ちになりたいだろうけれども、それは、あなたはあしたの山花委員以下の質問に答えてもらいたい。私はきょうは総理にお尋ねしているから、総理がわからなければ——具体的な数字を聞くのは聞くけれども、利子所得についてなぜやったかという基本的な方針は、総理から御答弁されていいではありませんか。基本方針なんですよ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 大蔵大臣に答えさすと言ったらどうしても私に答えろ、こういうことです。御承知のように、税制調査会では、これの答申はございませんでした。しかしながら、税のあり方というものは、そのときどきの経済情勢に対応して考えていく、これが当然のことであります。本来の基本的なたてまえは必要でございますが、ただいま御指摘になりましたような点は、私はこの際にこれを実施することが必要だ、かように考えたから実施したのであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 待ってください。総理、いまあなたはたいへんなことを言っていますよ。何と言ったのです。税制調査会は源泉徴収して総合課税にせいというのを押し切って、あなたたちは優遇措置をしたではないか。あなたは一体いま何と言ったのです。税制調査会ではそういう意見はなかったなんということは、とんでもないことですよ。総理、いまあなたは、税制調査会ではそういう意見はなかったと言っているじゃないか。何言ってますか。聞き違いですか。それならあなたはもう一ぺん言ってごらんなさい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 税制調査会では、分離課税をやれという答申がなかったということを申し上げた。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それをなぜやったんです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 それを私は必要だからやった。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総理にお尋ねしますがね。税制調査会では、分析の結果では、この措置による個人の総貯蓄の増加の効果はさして認められないものとされている、すなわち個人の総貯蓄は、いわゆる税を引いて個人がどれだけ処分できるかという可処分所得の増加と最もよく相関関係をしていることを統計的に示しているから、したがって、利子課税に対する制度の変還は、意味のある変化を統計上は示していないから、したがって先ほど言ったように、この点については源泉徴収をして総合課税をせいと言ったんです。この点は第二の問題点として、これはあなたは自民党として政府としておやりになったであろうが、しかし、これは国民は納得をしない。また貯蓄の増加にはならぬ。税制調査会がそう言っている。  はい、その次、第三点です。これが今度一番問題です。それは、配当所得についてお尋ねをしたい。現行は三月末まで五%の源泉総合課税でございましたが、答申は、四十二年三月まで一〇%の源泉所得課税、しかし一銘柄三万円の配当所得までは確定申告しなくてもいいというのを、政府は、四十二年三月まで源泉総合課税、一銘柄五万円までは確定申告しなくてもよい。ここが問題です。一銘柄五万円以下、または総株式数の五%以下を持っている人は、源泉選択制度をとってよいということを創設をした。これは実質的な分離課税で、この場合のパーセントは一五%ですね。  そこで大蔵大臣にお尋ねします。この場合におけるこの株のいわゆる配当所得のみの場合は、課税の最低額というのは標準世帯で幾らになっていますか、いまのこの税制で。課税の最低限は幾らになっているかということです。幾らまで税金がかからないか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣・外務大臣臨時代理

○田中国務大臣 改正法で百八十一万九千三百四十二円までであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 いまの大蔵大臣の御答弁で、配当所得の人は、いまのいわゆる実質的な分離課税で百八十一万九千三百四十二円まで無税なんです。給与所得は五十四万四千円まで無税です。これがいまの佐藤内閣のやり方なんです。私は、こういうやり方は、株式市場への資金の投入、証券会社の要請、株価対策以外の何ものでもないと思うのです。こういう点については、私は国民の大多数は知らぬと思う。知らないです、これは。百八十一万九千三百四十二円までは、いわゆる株の配当所得については、これは標準世帯は無税なんだ。勤労所得については五十四万四千円までは無税だ。それよりは百三十万円も多いのだ。こういうことは知らないです。いかに株式市場への資金の投入や証券会社の要請をねらったとしても、これは一部の高額資産所得者を著しく優遇するもので、私は弊害が多いと思う。これは、私はぜひひとつ総理においてこれを直ちに廃止すべきだと思うが、あなたのお考えはどうか、この点についてお尋ねをしておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 最近の経済情勢から見まして、ただいまのような点がありますが、私はこれは必要だ、今日の情勢からは必要だ、かように考えておりますので、いますぐこれをやめようとは考えておりません。今回のこれが時限立法であることも——ただいま御指摘になりましたような長期的観点から見れば、負担の公平ということが必要だろうと思いますけれども、今日の大衆投資の実情等から見るとこれは必要だ、かように私は考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 これはどうして必要なんですか。いまあなたが言ったように、税の負担の公平の原則を欠くではありませんか。いわゆる総合累進課税というものを弱めるではありませんか。しかも大事なことは、税に対する道義心、税に対する道義的な気持ちというものを失わせるではありませんか。その点は、総理、どう思うのですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣・外務大臣臨時代理

○田中国務大臣 税負担の公平が必要であることはもう申すまでもないことであります。しかし、税負担の公平論と、また減税政策が政策として行なわれるということと、分けて評価をしなければならないということをひとつお考えいただきたい。日本の税制は、御承知のとおりアメリカ税制であります。一体、戦後無資本の中から立ち上がったドイツは、どういう税制でもって今日になったかということも、よくひとつ比較をしなければならぬわけであります。国民各位や野党の皆さんは、よく借金政策をやめよ、オーバーローンを解消せよ、自己資本をふやして、もっと給与を上げられるような企業にせよ、こう言うですが、分配論のみを論じられて、その源泉を拡大するためにはどうするかということには論及せられないのであります。ですから、日本がいま一番大きな問題は何かと言いますと、開放経済に向かって、国内的には——国内的な議論と国際的な議論に二つに分けてものは考えなければなりません。国内的には公平でなければならない。同時に、国際的に競争の相手がある場合、国際競争力をつけなければならないという問題を解決するときには、政策的にそこに重点的に指向しなければならぬことは言うをまたないわけであります。これを二つとも混淆した国内議論でもって律しようとするところに問題があるのであります。要は、日本の企業が国際競争力をつけて、それで日本の輸出力が培養せられて、国際競争力が培養せられて初めて外貨があがなえるのであります。外貨があがなえるということをもって、日本の社会保障も行ない得、われわれの生活のレベルアップもあるのでありまして、この国際競争力が培養せられないというところには政策の進展は一つもないのであります。でありますから、国内的に税理論を議論する場合、公平でなければならない。しかし、相手のある国際場裏において国際競争に勝たなければならぬというときには、その…に税政策もまた財政資金の投入も行なって国際競争力をつけることは、国民全体の利益追求の面から見て不公平な議論にはならないのであります。ですから、現在日本が一番要求せられておるものは、資本力を培養することであります。OECDに加盟して、資本の自由化に対してどうして対応しますかという御質問があるじゃありませんか。ですから、資本力の培養とそれから貯蓄の増強が、われわれ国民のために、開放経済体制下に入った今日一番大切なことであり、この政策を具現するために、税制上必要やむを得ざる措置としてとったのがこのたびの措置であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 これは、総理に私は申し上げておきますが、税制調査会も言っているように——もう一度重ねて言います。給与所得者については標準五人世帯で五十四万四千円、ところが配当所得については五人世帯で百八十一万九千円まで無税、これは負担の公平の原則を無視している。租税の中立性を疎外視をしている。総合累進構造というものを弱めている。租税の道義に悪影響を与えることは明らかだ。だから私は、そういう意味でこの問題については直ちに廃止の方向にいくべきであると思う。私はこの点を明らかにしておきます。  次に、私は物価問題についてお尋ねをします。先ほど小川委員の質問にこたえられまして、総理もだいぶ御答弁をされています。実際には物価が上がってくる。いま議論をした所得税について、税について減税しても、実際には生活保護世帯六十四万世帯、母子世帯百三万世帯、日雇い労働者九十一万、失業保険の受給者五十一万五千、低所得者階層三十万以下はその減税の恩典には浴さたい。消費者物価の値上げは、先ほど小川委員からどんどん指摘をされたのであります。ただ私は、ここで小川委員の指摘をされない点で、学校給食が四月一日から小学校で一人月百九十二円上がる、中学校で一人二百二十五円上がる。きのうの新聞で発表になっているように、東京では都立高校で授業料が上がる。私立の高校しかり、私立の大学しかり。私立の大学は二割五分授業料が上がる。これは全部政府の責任です。高校急増対策、それに伴う大学、それは国立学校へ収容できないから、あげて私立にしわ寄せをしている。今日の慶応のあのストライキを見てもよくわかる。私は、政府のやり方というものは、そういう意味で非常に物価は上昇しておるのですが、私がここで総理にお尋ねしたいのは、中期経済計画で、経済の安定成長とは、国際収支の、経常収支の均衡を保つことだ、物価が安定することだ。そうして足りない点は、私は完全雇用の道を達することだと思うが、それは書いてない。中期経済計画では、三十九年から四十二年まで年二・五%の消費者物価の上昇を見込んでおるが、三十九年はすでに四・七%。しかしおととしの十一月に比べて去年の十一月は五・二%上昇している。四十年度の経済の見通しは四・五%。銀行では七%ないし六・六%を見ている。そうすれば、中期経済計画で三十九年から四十三年まで二・五%ずつの上昇ということは、三十九年と四十年ですでに一〇%近く食うんだから、したがって四十一年から四十三年までは消費者物価の上昇は一%で押さえなければ、中期経済計画の三十九年から四十三年までは二・五%という基礎的な数字は成り立たない。そこで、私は総理にお尋ねをします。こういう私のいま申し上げた基礎的な数字に立って、あなたは四十一年から四十三年の間に消費者物価の上昇を一%に押えられる自信はあるのですか。一%に押えるという、その一体具体的な対策は何ですか。その点について、私はあなたにお尋ねをしておきたいのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 中期経済計画を今日の現状に合わして考えますと、横路君いま御指摘のとおりの物価変動、そういう数字になります。私は、これはたいへん困難なことだと思う。問題は、やはり中期経済計画の目標とするものもこれは大事でございますが、ただいまの消費者物価の値上がりその他が、原因がどこにあるか、これを十分検討して、それに対する対策を立てていかないと、その計画どおりの数字がなかなか実施できないのだ。私どもは、中期経済計画が経済成長率七・五%と、かように考えているが、今日までの物価の動向は、御指摘のとおり非常に高い。したがって、これを目標としながら、今後の経済情勢にも合っていくような処置をとってまいりたいと、かように考えます。ただいまたいへんな……(横路委員「自信はあるのですか」と呼ぶ)これは、結局私ども総合的な対策を強力に遂行し、そうして民間の協力を得て、政府、国民一体になれば、これは可能なことだと、かように私は考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それではあなたにお尋ねしますが、四十一年から四十三年までは、消費者物価の上昇は一%に押えられていく自信はあるのですね。これは大事なことですよ。これから——いや総理にお尋ねしておきます。これは。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま申し上げましたとおり、これは目標の数字である。したがって、それが実施できるということはたいへん困難なことだ。この困難を克服しよう、こういう政府の熱意のあるところを御了承いただきたいのであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 いや、ことばではだめです。なぜことばでだめかといえば、三千億の減税と言っておいて、いや、それは話半分にもならぬ。三分の一だ。いや、それはおれはことしではない、来年ではない、再来年ではない、いつかわからぬ。それでは国民は信用できないです。だから、一%ができないというならば、一体何%ならやれるのです。もうすでにあなた、一〇%近く上がったのですよ。三十九年から四十三年までは二・五%でいくのです。三十九年、四十年で一〇%近くいくのです。そうしたら、四十一年から四十三年は年率一%でいかなければならぬ。だから、あなた、一%でいけないならば、一・五%で押えるとか、絶対二%以上上がらぬとか、自信があるならここで言ってください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま申し上げたとおり、中期経済計画、これは五カ年の問題でございます。私どもこの目標を堅持する、こういうたてまえで取り組んでおります。初年度におきまして非常な物価の高騰のあること、これもそろばんに入れた上で、ただいまの計画を実施していこう。したがいまして、この中期経済計画はあのままを閣議決定せずして、そうしてそのときどきの経済情勢に応じた対策を立てようと、かような閣議決定をいたしましたのも、ただいま御指摘のような点を考え、私どもは完全な計画経済じゃないのだということを申し上げたいのでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総理、私はやはり具体的な数字でなければだめですよ。本会議の答弁は、論議はいいでしょう。しかし、ここは予算委員会の論議なんです。予算委員会の論議なんだから、私はきょう具体的な数字をあげてあなたに聞いているのです。だから、私は中期経済計画をあなたのほうできめてなければいい。一月二十二日の閣議できめたではありませんか。そうして二・五%だ。それがもう三十九年、四十年で一〇%いくじゃありませんか。公共料金はどんどん上がってきて、ことしは四・五%ではないか。中間で手直しをしなければならぬ。だから、四十一年から四十三年まで一%でいけなければ、一・五%だとか、二%だとかというならわかるが、一体どうなるかわからぬ。何とかやってみましょう。国民は信用しますか。だから私は、具体的な——長官、待ってくださいよ。私はあなたには聞いていない。あとでゆっくり聞きますよ。きょうは総理に聞いているのです。具体的に。そういう具体的な数字はないのだ、中期経済計画は計画で、どうもあれは自信がないならないとここで言っていただけば、私は次に移りますよ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 中期経済計画は、先ほど来何度も申し上げておりますように、あのままを閣議決定はいたしておりません。だから、何といいますか、最初書いてある、条件がつけてあるものをよくお読みください。そうしてそれによりまして、私どもは経済の情勢に応じて、これの——これは、計画経済をやっておるわけじゃありませんから、目標の数字でございますので、それに合わしてやっていくつもりでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 いまの総理の発言は重要です。中期経済計画は、一月の二十二日は決定してない。何をおっしゃいますか。一月の二十二日には前文をつけたのです。前文につけたのであって、中身は変えてない。物価の上昇については変更してない。それを一体われわれのところに、中期経済計画についてわれわれが資料を出せと言えば出してきて、いまになってそういうものは閣議決定してないとは、一体何です。一体それはどういうことです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 どうもぼくの説明が不十分のようですが、御承知のように前文がついているのです。したがいまして、これが計画経済そのものじゃないということを何度も申し上げているのです。申すまでもなく、その数字自身を、きっちり数字にとらわれておるものじゃないということを申すわけなんです。申し上げるまでもなく、中期経済計画は、私どもは計画経済をやっておるわけじゃない、私どもはそれを目標として経済を遂行していくということでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 いまの総理の答弁では、この予算の審議は進められないです。私のところに中期経済計画に関する昭和四十年一月二十二日閣議決定、こういうようになって、決定事項はどうなっているかというと、いま総理が言ったように、前書きがある、一、二、三、四。しかし、この一体内容のどこを変更したのです。物価のどこを変更したのです、物価のどこを……。そういう物価のどこも変更してないのに、いま予算の審議をするにあたって、この中期経済計画は一体これは決定してないなどということは——これをもとにして昭和四十年度の経済の見通しを立て、それをもとにして昭和四十年度の予算案をつくったではありませんか。それを一体何です。目標だといっても、それをあなたつくったことがないなどとは何です。そういうことはだめですよ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま説明しておるように、私ども計画経済をやっておらないのです。その点ははっきりしておいてもらいたい。したがって、この中期経済計画はその目標であります。したがって、その前文と合わしてお読みくだされば、それでおわかりだと思う。もちろんこの数字の中の公共投資やなんかは、今回の予算編成にあたりましても重要な指標であったことは、私は認めます。しかしながら、全部については、これはものの考え方でありますので、ただいまのようなお話は当たらないと思います。私、決定していないとは言わない。これは閣議決定をしたのです。閣議決定はいたしました。   〔辻原委員「議事進行」と呼ぶ〕

青木正自由民主党

○青木委員長 辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 ただいまの横路委員に対する中期経済計画についての総理の答弁は、われわれ野党側としては納得できません。なぜならば、少なくとも二十二日の閣議で決定した中期経済計画は、これは審議会から相当前に発表せられて、少なくともわれわれは当面の経済情勢等を考慮し、織り入れて、長期にわたって政府としては計画的に数字をもって策定したものだと了解している。ところが、いま総理から答弁を聞きますると、まず数字にはこだわっておらない、また発表したものは閣議においてああいう形で決定したものではないと、何だか含みのあるような答弁であったわけです。それならば、政府の長期にわたる経済政策というものは、何をとらまえて、国民も、またわれわれも、またこれは各党とも考えていいかわからない。したがって、この中期経済計画については、総理の答弁になったごとく、数字にはとらわれないものである。また、閣議において決定されたときには、新聞等に発表せられておるものとは異なって、政府でいささかの修正を加えたということが正しいなら、あらためて政府の統一見解としてこれは発表してもらいたいと思う。しかし、それならば、これはわれわれがいままで考えておった政府の経済政策というものについては重大に考え直さなければならぬ点が出てきたということを、ぼくはあらかじめ申し上げておきます。いま一度政府の統一見解を聞きたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、先ほど来だいぶお話しの筋に誤解があるように思います。私は、この中の数字を全部が全部否定しておるわけでもありません。したがって、社会資本の投資計画や何かは、この線にたよっております。したがって、予算は編成されております。しかして、ただいま言われるごとく、この全部の数字をそのまま計画に採用しているか、かようになりますと、そこには各項目におきまして、やや疑問のものがございますし、したがって、これは私が申しますように、計画経済ではない、その経済の目標でございます。御承知のように、この中期経済計画を立てましたものは、倍増計画に対する一つのあり方、その倍増計画の残っておるその期間において、いかにこの経済成長と取り組んでいくかというたてまえでこの中期経済計画を立てたわけであります。したがいまして、これは、もちろんその前書きにありますように、そのときの情勢その他によりまして私どもはなお勘案し、その変更のあることを一応御了承いただかなければならないのでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、いまの総理の御答弁を聞いて、まことに奇異にたえない。いまあなたは、社会計画の資本投資ということ、それについては数字を述べた。いま私の聞いているのは、物価を聞いているのです。物価を聞いているのですよ。昭和三十九年から四十三年までは二・五%でいくのだ。しかし、三十九年はすでに四・八%、それを上回る情勢だ。この中期経済計画のもとに、第二年度を迎えて、四十年の経済の見通しを立てて、土曜日ここで説明があったのです。そうして物価については四・五%と言ったのです。だから、私はあなたに聞いたのです。三十九年から四十年にわたってすでに一〇%となれば、二・五%五年間でいくのであれば、もうすでに四十一年から四十三年までは一%の物価の上昇でいかなければならぬではないか。その点について政府は一体見通しがあるのか、自信があるのか、あるならば具体的に言ってもらいたい。こう言ったら、あなたはいま何と言ったんだ。物価のことについては触れない、中期経済計画のいわゆるこの具体的な数字というのは、私らは計画経済でないから、具体的な数字には触れてないのだ、こう言っている。こういうことで、私どもが、いま国民が一番関心を持っている、しかも昭和四十年度の経済の見通しで、物価の上昇は四・五%が正しいかどうか、そういうことを私がいま聞いているのに、その基本がくずれて、何で一体予算が審議できるのです。できるわけがないじゃありませんか。だから、私は物価のことを聞いているのです。物価に限定をして聞いているのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 物価に限定して、四十年度に限定してお答えをいたします。  いま問題になっておりますのは、中期経済計画の問題であります。これは五年の計画でございます。ただいま御指摘になっておるものは、四十年度の予算であります。したがって、四十年度の予算については、先ほど来この席において大蔵当局が説明したとおりであります。その数字があるいは四・五%あるいは四・八%、かようになっておる。こういうことで、先ほど来御議論になりましたのは、もうすでに一年でみんなとっているじゃないか、あとは一体どうするのだ、こういうお話だから、先ほど来のような御答弁をいたしたのです。しかしながら、いまだんだん話が詰まってきました。来年度予算審議に必要な四十年度の見通し、その観点に立って申せば、今日の経済見通し、これを四十年度の見通しと合わせていく、これが中期の計画である。それが四十年度の計画ではどういうようにアジャストされているか、この点を十分御理解いただければいいように思います。

青木正自由民主党

○青木委員長 議事進行について、辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 いま横路君のお尋ねは、物価についての指数の問題であったのだが、それに対して総理がお答えになった点は、われわれが少なくとべいままで考えておった中期経済計画というものについての政府の取り扱いの方針、考え方、性格、また政府のこれについての統一された見解に非常に私どもとしては信用のできないというか、またどういうふうにこれを考えていいか非常に不明確な点が出てきたので、私はあえて議事進行、関連質問でお尋ねをしているわけなんです。ですから、一応物価についての指数の問題はさておいて、いま総理がお答えになりましたのは、後段でも、この中期経済計画は計画経済でないのだから絶対のものではない、特に経済審議会からこの答申を受け取って政府が決定するときには、社会資本、すなわち公共投資等についてはそのままこれを採用したけれども、その他の部分については全部が全部それを了としたわけではない、こういうように答えられたでしょう。ところが、私どもが聞いた範囲によると、いま大蔵大臣もそこでうなずいておりましたが、この経済審議会が答申をしたものに、政府は二十二日前文をつけて発表された。したがって、最終的に審議会の答申を二十二日には確定をしたというふうに受け取っておる。それを前提にわれわれは経企庁の、政府の統一された、これまた四十年の経済見通し、さらにそれを背景にして四十年の予算案ができ上がっている本のと、われわれはこう了解して審議に入っているわけです。ところが、いま総理が言うようなことであるならば、公共投資の部分だけは、これは経済審議会の数字なんだから、それは中期経済計画に乗っていると理解はできる。しかし、その他の部分については、これはわからない。とするならば、ここで少なくとも閣議決定、それが当面の政府の経済政策の基本方向だというなれば、そういうふうに違っている部分があるなれば、あらためて中期経済計画を出し直してもらいたい。当然出してもらいたい、明確にそう言っているのですから。そうでなければ、われわれその次にくる、先般の企画庁が発表した経済見通しなんというものは信用できませんよ。信用できません。出し直してもらわないと信用できません。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私が答弁をいたします。  先ほど来申し上げておりますように、中期経済計画そのものの取り扱い方は一体どうなのか、こういうことでございますが、これは、中期経済計画は五年にわたるものでございますから、この点は御承知だと思いますが、将来に関係するものが非常にある。したがって、これは前書きをつけて、そして閣議決定をいたしたのであります。したがって、その点はよくおわかりだと思う。来年度の予算編成にあります点は一体どうなっているか。この来年度の見通し、四十年の見通しに立って、中期経済計画をアジャストして予算を編成いたしておりますので、これは別にただいま説明が食い違っておるわけではございません。だから、その四十年度の予算編成に必要なものは、もう十分そろっておる、私はかように考えております。

青木正自由民主党

○青木委員長 ただいまの辻原委員の議事進行についての発言につきまして、主管国務大臣としての高橋経済企画庁長官から補足的に説明いたしたいそうでありますから、お聞き取り願います。

高橋衛自由民主党経済企画庁長官

○高橋(衛)国務大臣 先ほど来横路さんからいろいろ、また辻原さんからも、御質問がございましたが、中期経済計画の性格について御説明を申し上げたいと思います。  これは、御承知のとおり、目標年次であるところの昭和四十三年度において経常収支においてバランスをとるということ、いま一つは、消費者物価を安定的な基調に乗せるという意味で二・五%という目標をつくったわけでございます。同時に、御指摘がございましたけれども、漸次完全雇用の状態にこれを持っていくということ、そのほかにいろいろあそこに規定しておりますが…(「よけいなことを言うな」と呼ぶ者あり)ちょっとお待ちください、性格でございますから。所得倍増計画の推進の過程におきまして、つまり高度成長の過程におきまして、中小企業、農林漁業等、生産性の向上の非常に立ちおくれた部分がございます。こういうものを急速に取り戻すということ、または社会開発の面が経済開発とバランスがとれない状態にある、こういうものに重点を置くということ、そういういろいろな政策目標を掲げまして、そしてそれを達成するのにはどういう政策があるべきかということについて答申を求めたわけでございます。しこうして、この答申は、御承知のとおり、経済に関連するところの要因、四十三の要因というものの相関関係をずっと検討いたしまして、過去十カ年間の実績をもととしてその相関関係を追求し、そして将来に対するところの見通しも立てながら、計画についての答申があったわけでございます。しこうしてその要因の中には、けさほど来も論議がございました、たとえば貿易関係につきましては、計画においては世界貿易の伸びを六%とし……(横路委員「私も読んでいます。」と呼ぶ)ちょっとお待ちください。そういうふうに、たとえば貿易については、三十九年度においてもその目標と違っておる。または、たとえば賃金につきましても、賃金は二・五%を達成し、かつ貿易収支をバランスをとらせるということのためには、七・六という数字が年の名目上昇率と見ておるような次第でございます。そういうふうに、経済各諸要素というものが、現実にそれぞれその事態において変わってくるということがあります場合におきましては、当然その精神はどこまでも尊重いたしますが、しかし、具体的の運営については、その年度年度においてそれぞれ適切な運営方針を立てることは、これは当然でございます。そういう趣旨において、あの閣議決定はあの前文がついておりますが、前文で弾力的に運営すると、こういうふうにずっとこまかく規定をいたしておりますので、その点は十分ひとつ御了承願いたいと思います。そういう趣旨におけるところの閣議決定であるということを、この際申し上げておく次第であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、先ほど何でこの問題でこんなに時間を費やしたかといえば、いま高橋さんから言われるまでもないです。いやしくもここで質問する以上は、中期経済計画はみな読んでいますよ、あなたから言われなくても。総理はこれを閣議決定してないと言うから、私は問題にしたのです。先ほどそう言ったじゃないですか。  委員長、まずこの中期経済計画の問題について、この取り扱いをどうなさるのですか。これでは進行できませんよ。

青木正自由民主党

○青木委員長 お答え申し上げます。  ただいま論議の焦点になっております中期経済計画の性格について、いろいろな御議論であります。この点につきましては、政府側の答弁と横路さん並びに辻原さんの質問との間に、若干さらにもう少し詰めて話をする必要もあろうかと思います。つきましては、中期経済計画の性格についての政府側の答弁につきまして、あらためて理事会において質問者と取り扱いを協議することといたします。ただ、横路さんのほうの御質問はまだたくさんあるようでありますので、この問題はしばらく理事会の取り扱いにまかせまして、次の問題について御質問をお願い申し上げます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは、委員長中心に理事会で扱うと言うから、委員長におまかせいたします。  私は、総理に言いますが、しかし、総理、いまのあなたの御答弁では——もう一度言いますよ。一番国民が期待しておるのは、物価の問題なんだ、物価の安定なんだ。それが三十九年から四十年にかけて約一〇%近く上がる。それが三十九年から四十三年度で約一二・五%しか上がらぬ計算だ。そうすれば、三年間では、四十一年から四十三年までは一%ないし一%弱なんです。一体そういう見通しは立てられるのか。一%しか上がらぬという自信はあるのか、それに対する具体的な対策は何なのか、こうお尋ねしたのです。それに対して総理はお答えがない。お答えがないのですよ。お答えがあれば、もう一ぺんしてもらいたい。国民が一番聞きたいところだ。なければ、この問題もあわせて理事会に一任をいたします。あわせてですよ。  その次に、私は委員長から言われましたから、この問題はあわせて委員長、理事に一任しまして、次に物価問題です。  総理は施政演説の中で、消費者物価の上昇をいかに押えるかということについては、当面の対策を述べておられるようだが、物価対策とは、本来上がるべきものを押える、それが一つ。下がるべき価格が下がらない、それを下げていく。総理、もう一度申し上げます。上がるべき価格を上がらないように押えていく、上がってくる価格を押えていく、これも一つ。しかし、本来下がるべき価格が、価格が硬直して下がらない。それを下げていく。私は、物価対策というのは二面あると思う。ところが、あなたはこの施政方針演説で、消費者物価安定対策には、その点については一つも触れていない。あなたは触れていない。これは意識的に除いたのですか。それともあなたはお考えになっていないのですか。それとも佐藤内閣の物価対策とは、上昇するものを下げるだけで、生産性が向上しながら硬直している価格、当然下がるべきものが下がっていないのは、下げるという対策を全然考えていないのか。その点総理、ひとつどう考えになっておるか。あなたの施政方針演説、私はもう何べんも読み直したが、一つも触れていない。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 横路さんのただいま御指摘のような点が、両面あるでしょう。これは、私ども物価対策としてもちろん考えていかなければならぬ。いままで私どもが申し上げておりますのは、卸売り物価が弱含みである、こういう状態で、卸売り物価自身が上がっておるわけではない。しからばどういうわけで小売り物価が高騰するか、これに対する対策は一体何なんだ、その原因を十分探求してやらなければいけない、それに対する対応策を立てるべきであるということを申しておるのであります。したがって、その面においては、いろいろ具体的なもので考えられるでしょう。いままで言われる管理格価、このものを安くしろ、これももちろん私どもが指摘しておるのであります。しかしながら、日本には言われるような管理価格という形態のものは、あまりないようであります。したがいまして、その非常にはなはだしいものがあれば、これはもちろん管理価格を下げる、こういう処置をとるべきなんです。けれども、言われておるようなものがないという、そういう表現でございますから、誤解のないように願いたいと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、いまあなたは、物価対策としては上昇するものを押えるのだ。いわゆる卸売り物価は安定している、横ばいだ。いまちょっとあなたは管理価格のことについて触れたが、もう一ぺん私の質問のあとで答えてもらいたい。管理価格がないと言ったのかあると言ったのか、その点はっきりしませんから、その点をお答えいただきたいのですが、一体あなたは、価格が下がるべきものが下がらぬので硬直している、その事実はお認めになるのかどうか。それから一体管理価格があることを認めるのか認めないのか、その点についてお尋ねしておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 最近は生産性が非常に向上しておりますから、生産性が向上したものについては、本来ならば価格が安くなるだろう。しかしながら、あるいは配当、あるいは賃金の引き上げ、こういうようなことで、必ずしも最終消費者に生産性の向上の効果をもたらしていない。これはやはり今後のわれわれの指導が必要だろう、かように思います。また、いわゆる管理価格というのは、七〇%以上市場を支配しておるような品物があって、そうしてそれが価格形成に独占的な立場に立っている、こういうものは、私は日本の場合にはまずないのじゃないか、こういう見方をしておるわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、まずこの点、あなたの説明を聞いて非常にふに落ちないのです。まず、あなたは、二社ないし数社で市場を支配している、七五%以上支配して価格が下がらないというものはないと言った。私は、これからひとつ反駁をしてみたいと思うのです。まず第一番目に、一昨年の衆議院総選挙の解散直前十月十八日の池田総理大臣の説明は、ここで物価安定対策は「他方、一部鉄鋼製品、繊維製品等の操短は、逐次これを緩和、撤廃し、価格の引き下げをはかってまいりましたが、少数の大企業による管理価格等については、検討を加えて、不当な価格維持を是正するため必要な措置を講ずる決意であります。」こう言っている。そうして池田総理はそのために何をしたかといえば、当面行なうべき物価安定のための具体策として、昨年の十二月十七日、その物価安定対策の5の四番目に、国内価格が硬直的であり、管理的価格が存すると認められる商品については、関税の引き下げを弾力的に行なうよう措置する、となっている。そうして公取では私どもの手元に資料を出している。八年間全く物価が硬直して全く動かないもの、ナイロン、テトロン、ブリキ、もうたくさんここに書いてある。二社ないし数社で……。ほぼ横ばいの状態のもの、あなたはこういう点についてお認めにならないのですか。一体あなたはお認めにならないのですか、これは。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま価格が硬直しているもの、これを全然認めないわけではございません。私もそういうものはちゃんと考えております。だから、いわゆる管理価格ということばにとらわれるわけじゃありませんが、そういう意味のものがはたしてあるかどうか。価格硬直のものを、とれを何とかしろという、これは私どものねらいでもありますから、そういう意味なら、私どもも同じ考え方であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは総理にお尋ねしますが、いまあなたが管理価格ということばを使われた。私も管理価格ということばを使いましたが、総理の言う管理価格というのは、どういう意味ですか、お尋ねをしたいのです。あなたはないとおっしゃったが、それでは管理価格とは何ですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 先ほど来申すように、非常な強い生産量で市場を独占しておるとか、かようなものをさしております。今日日本の場合に、あるいは板ガラスはそのうちに入るんじゃないかとか、あるいは特殊鋼製品は入るのではないか、こういうようなことも言われておりますが、日本の場合には数社関係しておりますから、必ずしも一社というような意味ではない、かように私は思っております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 あなたは一社で一〇〇%価格を決定をしているという独占価格を言っていらっしゃるんでしょう。しかし、管理価格とは、二社ないし数社で、そして市場を七五%以上を支配をして、そうして価格が下がらない、硬直的なものを言っているのです。それじゃあなたにお尋ねをします。それじゃ総理、あなたにお尋ねをしますが、あなたのほうは一月二十二日に物価安定のための総合対策として、第四番目、「不当な価格形成が行なわれているおそれがある商品についての実態調査を推進し、」この「不当な価格形成が行なわれているおそれがある商品」とは、これが管理価格でないですか。あなたは一体何をおっしゃるのです。あなた自身が総理大臣で、あなた自身が物価安定対策の、閣議で決定されて、あなたが第四項でおきめになった「不当な価格形成が行なわれているおそれがある商品についての実態調査を推進し、不当な価格形成が行なわれていることが明らかとなったものについては、輸入の自由化、関税率の引下げ等競争条件整備のための所要の措置を講じる。」ことばの問題ではない。基本的な問題です。これはあなた何をおっしゃっている。一体これは何をおっしゃっている。あなたお読みになっていないんじゃないですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますように、価格硬直だということで、そういうものに手を入れろとおっしゃることならば、これは私も賛成だと言っている。別に管理価格という議論をすることはないように私は思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 しかし総理、それは何もこの問題を私はあなたとこのことについて——前の池田内閣のことを思い出して言うわけではないが、しかし、不当な価格形成というのは、これは管理価格ですよ。二社ないし数社のものが七五%以上市場を支配している。管理価格じゃありませんか。それならば私はあなたにお伺いをしたいんだが、不当な価格形成が行なわれている商品については、実態調査を推進して、この不当な価格形成が行なわれていることが明らかなものには、輸入の自由化、関税率の引き上げ等、競争条件整備のため所要の措置を講ずるというが、そのほかに何がございますか。輸入の自由化、関税率の引き上げ等、その他何がございますか。不当な価格形成のおそわのある商品については、実態調査をして、何がありますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 もちろん、この価格形成の条件を整備するということは、経済現象として島も大事なことでございますから、政府の関係したいところの公取という機関もございますし、いろいろの機関等もこういう問題については十分監督していこう、こういうのでございます。私は、政府自身がタッチし得る調査その他もさることですが、価格形成上の公正な働きをする機関、それなども大いに働いてもらったらいいと、かように考えます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総理、どうも総理だけにお尋ねをしているようでたいへん恐縮ですが、やはり総理は大蔵大臣も長くおやりで、経済についてもたんのうでございますし、また外交についても特にお詳しいので、そういう意味で、総理にきょうは敬意を払って聞いているわけですから、どうかそういうわけで……。  そこで、私は、去年の一月十一日のこの物価の総合安定対策、これは池田内閣のときの当面行なうべき物価安定の対策の具体的な政策、それと一月二十二日のこの閣議決定と比べて、不当な価格形成についてどうして是正をするかということで当面行なうべき物価安定のための具体策において、勧告操短、鉄鋼公販制の廃止に何ら触れていない、この点を私はまず指摘をしておきます。そればかりでなくて、日本経済新聞の十一月十日には、不況対策として通産省は勧告操短、鉄鋼公販制も考えている、十一月の十一日、さらに日経は、鉄鋼公販制を強化していると述べている、十二月一日、さらに日経は、勧告操短は必要であると考えている、これは一連の政府の施策だと私は考えているのであります。  そこで、私次にお尋ねしたい点は、総理はこの聞こういうことをおっしゃっている。福田赳夫氏の本会議における代表質問で、独禁法の改正に関連をしてあなたはこう答弁をしている。「ただいまは独禁法を改正するというような点でなしに、ただ、独禁法が行き過ぎてくる、そういたしますと、今日の現状からでもこれはやや行き過ぎではないか。ものごとは行き過ぎが最もよろしくないように思いますので、そういう点では、公正な態度で、行き過ぎにならないように注意したい、かように思います。」、こういうようにあなたはおっしゃっている。この点は、本院の本会議でお述べになったことですから間違いございませんね。これは、大事なことですから念を押しておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま速記を読まれたとおりでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、総理、あなたはたいへんなことを御答弁されていると思うんですね。あなたはたいへんなことを答弁されている。私的独占禁止法の二十八条には職権行使の独立性がうたわれている。「公正取引委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行なう。」とある。第三十一条には委員の身分保障がある。あなたは一体公正取引委員会の諸君に、それは行き過ぎだ、だから注意をするんだ、あなたは何をおっしゃっていますか。この独禁法の二十八条から関連して、あなたのこのことは越権行為ですよ。ここで取り消しをしなさい。取り消しをしなさい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、越権行為だというそれは、その答弁は直ちに取り消さなければならぬとは思いません。公取自身が、私がかような発言をしても公取はおそらく聞かないでしょう。しかしながら、私の感じ、私から申すのは、とにかく行き過ぎは困るという、これははっきり私は申し上げ得ることです。これは、国民の一人としても、そういうことは言えないのではないでしょうか。私はそういう感じがいたします。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは、総理、お尋ねいたします。何が独禁法の運用について行き過ぎがあったのですか。何があったのです。何があったのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま指摘するというほどのものはないかもわかりませんが、私がある点で考えますのは、最近のある業界、特殊の業界におきましてはやはり不況な状況に入っておるのではないか、こういう場合に、独禁法のたてまえだけでこれを見ていくことは、たいへんその業界にとりまして行き過ぎな結果を来たすのではなかろうか。今日、とにかく特殊な業界は非常な不況に入っておる、その事実を認めていかないと困るのではないか、かように思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは、あなたにお尋ねをしますがね。いまあなたは、経済界は不況だ、だから独禁法の行き過ぎのないようにするのだ、それは、あなたは何をおっしゃるかといえば、いわゆる価格の硬直しておるものはそのままいくのだ。消費者は、いわゆる下がるべき価格の下がるのを待っておる。財界不況のために、消費者物価の上昇をあなたは押える対策を放置しておる。それならばあなたに聞きたいのだが、下がるべき価格が下がらないのに、どうして下げられないのですか。下がるべき価格をどうしたら一体下げることができるのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 経済界が不況だ、私はかようには申しません。ある種の業界においては非常に困っておるのではないか、そういう言い方でございます。その点は非常に大事なことでありますから、誤解のないように願っておきます。全般がどうこうというものではございません。なおまた、ただいま仰せのごとく価格が硬直しておるものにつきましては、その原因もよく探求いたしまして、そうしてこれに対する業界の指導をすべきだ、かように私は思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総理、業界の指導は何でやるのです。業界の指導は何でやるのです。何でやるのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 通産省は通産省、農林省は農林省、それぞれの立場がございます。これはいまさら御質問を受けるのがややおかしいような気がいたします。

横路節雄日本社会党

○横路委員 何をおっしゃるのですか。私的独占禁止法があり、公正取引委員会があり、そういう意味で、いわゆる公正取引委員会の運用を強化していくというところに、いわゆる硬直的な価格、あるいは勧告操短、あるいは鉄鋼の公販制その他の問題についてこれをやろうというのを、これを公取がその中に入っていくというところにその立場があるのではありませんか。公取委員長の渡邊さん、いま総理から、公取は行き過ぎがある、こう言っておるが、あなたは一体行き過ぎがあるのですか、ひとつ答弁をしてもらいたい。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 われわれは独禁法の公正な運用ということをまかされております。いろいろな御意見はわれわれ率直に反省の材料として伺うつもりでありますが、同時に、われわれは、まかされた使命が、一応それぞれ独立した意見をもって独禁法の公正な執行に当たるということにあるわけでございまして、したがいまして、現在のところ、われわれが行き過ぎ、あるいは行き足りないいろいろな御批判はあると思いますが、われわれとしては最も公正なやり方でもって独禁法の運用に努力してまいりましたし、今後もその方向で努力してまいるつもりでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総理、もう一つあなたにお尋ねしておきたい。やはりこれは、これからの独禁法の大事な問題だから。今日の現状からでもこれはやや行き過ぎではないか、ものごとは行き過ぎが最もよろしくない、私はこれはあなたは取り消すべきだと思う。あなたがそういうことをおっしゃるから、一体どうなっているかというと、こういうことを言っている人がある。ちょっと読んでみましょう。これは、東洋経済の一月三十日号、佐橋通産事務次官。独禁法の改正は「理想論としてはと&かく現実には困難だ。とすれば原則禁止主義で、狭く解釈する運用に弾力性をもたせて、弊害除去の考えに近づくようにすべきだろう。」、こういうようにいま通産省では——これは高橋さんの企画庁でも、いわゆる公取の運用の強化はこれは賛成だと思う。公取自体はそうだ。しかし、通産省は、いわゆる独禁法の弱体化をねらっているのだ。公取の運用の弱体をねらっているのだ。総理がそういう考えだから、通産省はあげて堂々と、通産事務次官がこういうことを発表している。あなたの物価安定対策は、消費者物価の上昇についてはとめようとしても公共料金その他で上がっていっている。いまそのことだけに触れて、下がるべき価格についてはそれを放置している。本来から言えば、管理価格については独禁法の運用を強化してやるべきだ。そういう点について私はあなたに申し上げておきたいと思う。一体私は、あなたの価格安定対策についていささか誠意を疑う点があるのです。  公取の委員長にちょっとお尋ねをしたいのだが、昭和四十年度の公正取引委員会の物価対策関係予算というのは幾らになっているのか、念のためにお尋ねをしておきます。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 公正取引委員会の予算といたしましては、これは物価対策だけとも言いかねると思いますが、全体として四十年度におきましては、人員において十一名の増員、それから金額に直しますと、これは全体のあれでございますが、三千七百万円増額ということになっております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 ちょっとあなたにもう一ぺんお尋ねをしたいのだが、物価対策関係の予算は去年は幾らだったのです。物価対策関係なのです。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○渡邊(喜)政府委員 物価対策関係といいますと、多少私は誤解を招くと思っております。といいますのは、私のほうの予算の立て方としまして、人件費あるいは庁費というような総合的なものがございます。それから、そのほかに特に物価関係という項目で特別についている予算があります。したがいまして、特に物価関係という関係でもってついているものは、昨年は三百九十五万、今年度予算に載っておりますものは四百二十五万です。しかし、物価関係といいますとこれだけではないということを、これは要らぬ注意かもしれませんが申し上げておきます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総額はあなたの言ったようなことだろうが、物価対策関係として限定すれば、いま話があったように、三百九十五万四千円、それがことしは四百二十六万三千円、そして、三十万円ふえて、人員は十一人ふえた。これでほんとうに総理のいわゆる物価対策というものかどうなのか、はなはだ疑わしいと私は思うのです。  物価問題についてはこの程度にしまして、次に私は、総理の一枚看板でございますいわゆる人間尊重の政治についてお尋ねしたい。  総理、あなたは立候補にあたってたいへんいいことを言っています。私は実にりっぱだと思うのです。私はそのときの立候補声明をあらためて読んでみたい。人間尊重の政治を実現したいと念願したから立候補したのだ、繁栄の中の貧困と不安を私は解消したいと思っている、市民生活の不安を私はなくしたい、こういうようにあなたおっしゃっている。そこで、私はあなたにお尋ねしたい点は、人間尊重の政治というのを、総理、このあなたの施政方針演説で拝見をしましたら触れていないのです。私はまことに残念だと思う。人間尊重なんてどこにも書いてない。そこで、私はあなたにお尋ねしたいのだが、まず、人間尊重というのは、やはり一番基礎になるのは、総理、何といっても人の命を大切にすることだと思う。総理、お聞きになってください。労働災害から人の命を守ること、交通災害から人の命を守ること、公害から人の命を守ること、自然の災害から人の命を守ること、凶悪な犯罪者から人の命を守ること、だれしも人間としてふさわしい生活をする点にあると思う。私はこれらの点についてたくさんお尋ねしたいのだが、きょうはひとつその中の医療保障の問題についてお尋ねしたい。  医療保障は、人の命というかけがえのないもの、これを病気から守る、こういうわけです。そこで、厚生大臣にお尋ねをします。八%、九・五%はあとで加藤委員から質問しますから、あなたが三十日に、厚生省の発表によると、いわゆる具体的な例として政府管掌健康保険について、赤字対策として社会保険審議会にこういうものを諮問をしたと新聞に出ていた。しかし、国会ではまだ聞いていない。そこで、それを具体的に話をしてください。政府管掌健康保険でよろしいです。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 お答えいたします。  御承知のように、健康保険の赤字が一昨年度から生じてまいっておりまして、特に今年度相当の赤字でございます。さらにまた、医療費の改定等がございまして、四十年度におきましては六百五十九億円にのぼる赤字になる見込みでございます。そこで、この赤字を克服するために所要の改正をいたしたい、たとえば標準報酬の料金徴収を総報酬制に改めるというような点、あるいは入院費以外は患者負担というものはなかったのでございますが、これを今度薬価の半額を目途とするような負担をしていただくというようなこと、さらに、政府からもいままで五億円の特別会計への繰り入れでございましたが、これを三十億円にするというようなこと、それからまた、社会保険の執行にあたりまして行政のむだ等の節約をいたしたい、こういうようなことを考えまして、社会保険審議会にそれぞれ諮問をいたした次第であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 厚生大臣、この赤字は何でできたとあなたのほうは考えているのですか。この赤字は何でできたとお思いになって、こういう対策を立てられたのですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 お答えいたします。  赤字の原因はいろいろございますが、主として赤字の原因は医療費の急増でございます。いわゆる受診量の向上薬価代の上昇、あるいは新薬の追加というようなものがおもなものでございます。それに先般改定いたしました医療費の問題、こういうことになろうかと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 いま総理お聞きのとおり、政府管掌健康保険というのは、大体一事業所二十三人程度の従業員、約千百万人です。いままでの標準報酬の平均は大体二万一千三百円、こういう低額所得者が多い。それは上の人もあるけれども、平均ですよ。そこで、私はあなたにお尋ねをしたいのは、いま六百五十九億円の赤字を、いままではいわゆる給料について取っていたが、今度はボーナスその他を入れて総報酬制度でやる、薬価の二分の一でやる、赤字の原因は医療費が増大した、薬価代が増大をした、診療費が増大したから、赤字を埋める。私はそこであなたにお尋ねをしたい点は、あなたはこうおっしゃっているのです。「社会保障については、国民皆保険、皆年金の制度が実施され、逐年堅実な前進を続けておりますが、」とあるが、いや神田厚生大臣のお話のやり方は、これは社会保障というように受け取っていいのでしょうか。これは社会保障なんでしょうか。これはどういうものでしょうか。ここはぜひひとつ総理のお考えを聞かせてもらわないと、これから論議をしていく上の一番基本になることです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 社会保障はぜひとも進めたいという政府の考え方でもございますが、しかし、財政上の都合もあるし、なかなか思うようにいかないものがございます。したがいまして、おそらく横路さんも、いま直ちに完全のものをやれと、こういう御要望ではないだろうと思います。実際に即したものをやっていけということだろうと思います。私どもが一番悩みに考えますことは、片一方で国民の負担、片一方で財政的負担、この二つの相いれない要素のものがございますので、その間の調和をとって、そして社会保障制度を進めていく、こういう態度で政府は取り組んでおるわけでございます。そういう意味から申しまして、そのときどきに国民の負担あるいは財政上の負担と、ときに十分に国民の負担だけを軽減するという立場でいけないこともあるだろう。この辺のところがこれから年とともにわれわれが克服していかなければならない問題であるように思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 総理、私が聞いているのは、神田厚生大臣のああいうやり方で政府管掌健康保険の赤字を埋めていくやり方は、いわゆる社会保障なのか、こら聞いているのです。あなたはここで、社会保障については、国民皆保険、逐年着実な前進を続けております。——だから、私はそのことを聞いているのですよ。これは非常に大事なことだから聞いている。これはあなたの言う社会保障なんですか聞いている。——いや、総理ですよ、これは。あなたの基本的な考えですよ。社会保障かどうかということ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 社会保障、この問題と取り組んでおります。先ほどの点は、私の主張でもありますが、現状のわが国の社会保障制度の運用でもあります。これは間違いのないところでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、総理、これはたいへんなことだと思うのです。これはたいへんです。たいへんだというのは、総理のお考えは違います。それは、いわゆる医療の社会保障とは、国民のだれもが、貧富にかかわりなく、医療を必要とするときはただで国によって医療が受けられるというのが医療の社会保障の根本なのです。だから、いま神田厚生大臣の言っていることは、それは保険なのです。しかも、いまの神田厚生大臣のお話で大事な点は、いわゆるどんどん診療を受ける、薬を飲む、だから薬がどんどんふえてきた、薬価代がふえてきた、だから被保険者にひとつ保険料を上げてもらうか、薬代の半分を負担させたら、患者は軽い病気のときは来ないだろう、重くならなければ来ないだろうという考え方が神田厚生大臣の考え方にあるのです。(「ない」と呼ぶ者あり)ある。あるからこういう考え方をやっておる。  そこで、私は、大蔵大臣、あなたに聞きたい。三十億円の国庫負担をきめた予算編成のときに、あなたは、総報酬制をとる、薬価の二分の一を被保険者に負担させるということを神田厚生大臣との間に覚え書きを取りかわして決定をした、そうして予算を編成した、この点はどうなっているのですか。あの三十億の国庫負担を政府管掌の健康保険に出すときに、総報酬制度をとる、薬価の二分の一は被保険者負担にするということをきめたでしょう。その点はっきりしてください。

田中角榮自由民主党大蔵大臣・外務大臣臨時代理

○田中国務大臣 きめたわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 田中大蔵大臣は正直でたいへんよろしいのです。健康保険法の第二十四条の二には、「社会保険審議会への諮問」、「政府ノ管掌スル健康保険事業ノ運営二関スル事項ニシテ、企画、立法又ハ実施ノ大綱二関スルモノハ予メ社会保険審議会二諮問スルモノトス」、こうなっている。これが健康保険法の第二十四条の二なんです。いま田中大蔵大臣の説明を聞いておると、去年の暮れの予算編成のときに、すでに大蔵大臣と厚生大臣との間に、政府管掌の健康保険には三十億の国庫負担をする、そのかわりいまの標準報酬制は総報酬制に変える、そうして被保険者に薬価負担を二分の一させるということを決定して予算を編成したことをいま大蔵大臣は正直に述べられている。そのことは、この健康保険法の第二十四条の二の、社会保険審議会にこの「運営二関スル事項ニシテ、企画、立法」——まだ立法はこれからだ。しかし、これは企画です。三十億を出す、標準報酬制を総報酬制にする、薬価の二分の一を被保険者負担にする、このことを「予メ社会保険審議会二諮問スルモノトス」となっているものを、政府が予算を編成して国会に出して、いよいよきょうから予算委員会が始まって、国会で問題になる、これはたいへんだ、そこで三十日にあわてて社会保険審議会にかけたというのは、私は健康保険法の第二十四条の二の法律違反だと思う。(「そんなことあるかい」と呼ぶ者あり)そんなことあるかじゃない。厚生大臣、どうですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 ただいまのお尋ねでございますが、従来の例でございまして、今回もその慣例を尊重いたしまして、前例を踏襲して諮問した、こういうことに御了承願いたいと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 これだけ社会問題になって、しかもはっきりと事業主並びに被保険者である労働者側は社会保険審議会に出ないと言っている。私はまずこの点は法律違反だと思う。これは法律違反です。じゃ、あなたは答申がなくてもやるのですか。まず第一番目にひとつ聞いておきたいが、答申がなければ国会には法律を出さないのか、その点聞いておきます。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 お答えいたします。  諮問するということでございますので、諮問いたしております。そこで、諮問に応ずるかどうかは今後の経過でございまして、ただいま諮問いたしておる段階でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうすると、いまのはあれですか、諮問をしたのだから、答申がなくても政府は一方的にやる、こういうわけですね。ここではっきりしてください。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 お答えいたします。  もう一つ社会保障制度審議会に諮問することになっております。両方諮問することになっておりまして、先ほど来お答え申し上げましたように、諮問をいたしております段階でございますので、答申待ちと申しましょうか、そちらのほうに期待をいたしております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 厚生大臣、私が聞いているのは、「諮問スルモノトス」というのは、これは答申がなくてもいいという法律的な意味ですかということを聞いておる。その点をもう一ぺん聞いておきます。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 諮問をするということでございますから、諮問をいたしておるわけでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 諮問をしたということは、答申がなければならぬ。答申がなければ立法はできないということか。諮問したということは、答申がなくてもできるということか。私はその法律解釈を聞いておる。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 それは、いまのところは仮定の問題でございまして……。

横路節雄日本社会党

○横路委員 仮定ではない。何を言っておりますか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 答申を待っているという現状でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 いや、だめだ。それはだめです。いま私は法律解釈を聞いているのです。法律解釈は、「諮問スルモノトス」というのは、答申がなくても企画、立法、実施の大綱はできるのか、「諮問スルモノトス」というのは、いわゆる諮問がなくてもできるのか、「諮問スルモノトス」というのは、諮問がなければできないのか、法律的な解釈はどうだと聞いておるのです。それは、厚生大臣どうなんですか。法律解釈を聞いておるんだ。   〔発言する者あり〕

青木正自由民主党

○青木委員長 御静粛に願います。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 私といたしましては、答申を期待いたしておる最中でございます。法律問題でございますから、法制局長官から……。

横路節雄日本社会党

○横路委員 だめだめ。ちょっと待ってください。予算委員長、ちょっと待ってください。   〔発言する者多し〕

青木正自由民主党

○青木委員長 横路節雄君。

横路節雄日本社会党

○横路委員 予算委員長、これがこれだけの社会問題でなければ、法制局長官がここに立って法律解釈をしてもよいかもしれない。しかし、厚生省、神田厚生大臣は、いまやそのやった職権告示その他が大問題になっておる。だから、私は、健康保険法の第二十四条の二は、一体厚生大臣としてはどういう解釈をしておるのか、まずあなたに聞いておるのだ。あなたに聞いておるのだ。法律解釈を聞いておるのだ。ほかのことを聞いておるのではないんだ。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 ただいま諮問をしておる最中でございまして、法律解釈のことは、私、専門家のほうにお願いいたします。

横路節雄日本社会党

○横路委員 ちょっと待ってください。だめですよ。   〔発言する者、離席する者多し〕

青木正自由民主党

○青木委員長 横路君、横路君、なお法律上の見解も説明したいそうでありますから、法制局長官から。

横路節雄日本社会党

○横路委員 ちょっと待ってくれ。担当大臣がわからないでどうするんだ。何を言っているんだ。大臣やめたらいいだろう。

青木正自由民主党

○青木委員長 なお法律上の問題について法制局長官から政府の見解を述べたいそうでありますから。高辻法制局長官。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 ただいま厚生大臣がお答えになりましたとおりでございます。健康保険法の二十四条の二には、お尋ねのとおり、「諮問スルモノトス」というふうにございます。法律にはしばしばそういう規定があるわけでございますが、むろん付議すればいいというわけではなくて、諮問する以上は、答申を期待し、答申の内容を知ることによってあとの施策の参考にしようというわけでございますから、むろんその答申を期待していることは、さっき大臣のおっしゃったとおりでございます。それによって、この審議会の意向が一体どの辺にあるのかということを承知することによって、行政施策の上にそれを反映させよう、こういう趣旨のものであることは言うまでもないことでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 法制局長官、私はあなたが法律専門家だから聞いておるのだ。「諮問スルモノトス」というのは、答申がなければ企画、立法、実施の大綱をきめられないのか、答申がなくてもきめられるのか、その点を聞いているのですよ。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 それもいま含めていたと思いますが、諮問をした場合には、答申の中身——これは通常は答申という形で得られるわけで、その答申が得られた中身に従って行政上の施策を講じていく。ただ、いかなる事由かは別といたしまして、諮問はしたけれども答申は得られない、しかしながら中身はよくわかったということであるならば、それは事態に応じてそれを参考にするということもむろんあり得ます。   〔発言する者多し〕

青木正自由民主党

○青木委員長 静粛に願います。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 要するに、諮問をして、そうするとそれに対して答申がある。その答申があった場合にどうするかという趣旨は、行政施策の上にその審議会の意向が何であるかを知るということが重点であるということだけを特に申し上げておきます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 もう一つ、それでは、法制局長官、念のために聞いておきますよ。諮問するというのは答申を期待しておる。しかし、答申がなくても社会保険審議会の意向がわかったと、こういう状態であれば、企画、立法、実施の大綱は定めることができると答弁しましたね。あなたはいまそう言った。ぼくは書いた。そうすれば、社会保険審議会がそのことを承認しなければできないということを意味しておるのですね。その点はどうなんですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 その審議会に政府が求めた、諮問をした。その諮問をした趣旨は、その審議会の意向が何であるかということを知るためであります。そういう趣旨の上で善処していくということになると思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 長官、それは承認を意味するのかしないのかと聞いているのです。社会保険審議会が承認することを意味するのかしないのかと聞いているのです。あなたも法律の専門家なら、もっと専門家らしくやりなさい。何を言っているんだ、一体。もっとはっきりしなさい。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 行政上の施策は審議会の承認を得てやらなければならぬということはございません。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは、いまのあなたの答弁で、社会保険審議会の承認がなくてもやれるというあなたの解釈だ。しかし、私は総理に申し上げておくが、いやしくもこれだけ問題になっていることを、神田厚生大臣が健康保険法第二十四条の二の法律解釈は私はできません、厚生省の官僚の諸君はだれひとりできない、こういうことが一体ありますか。もっと勉強しなければだめですよ、あなたも。しかし、これは大問題ですから、あとで加藤委員、大原委員から質問をいたします。  次に、私は総理にお尋ねをしますが、外交問題です。  まず第一番目に、外交問題についてお尋ねをしたいのですが、総理、一体池田内閣時代の対中国政策と佐藤内閣の対中国政策とはどこがどう違うのですか。なぜ私が聞くかというと、あなたは総裁公選のときにこう言った。「自主性のある外交は展開されなかった。この意味から池田君の時代は終わったと思う。」と、こう言っているから、それならば、一体池田総理とあなたの対中国政策とはどこが根本的に違うのか、その点をお尋ねします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 対中国政策に変わりはないように私は考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 ああそうですか。あなたは、そうしたら何をおっしゃったのですか。あなたは、対中国政策は池田内閣時代と変わらない。あなたは「真に自主性のある外交は展開されなかった。この意味から池田君の時代は終わったと思う。」あなたは、それではこの七月の総裁選挙には——これはいつまでもあなたにつきまとっているものなのです。そうすると、基本的には何ら変わりがないのですね。これは驚いたですね。もう少しあなたから何か具体的に——いや、いいですよ。あなたは何も違わないと言うのだから、それでは全く何も違わないということになる。  その次に、あなたのここで言う政経分離とは何を言っているのですか。私は、日米の共同声明で言う中国問題について聞いているのですが、あなたはここで「政経分離の原則に基づき、」と言うが、政経分離とは何を言うのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いまやっておるのは政経分離なんですが、特に説明しなければならぬでしょうか。

横路節雄日本社会党

○横路委員 いやいや、私が聞いているのは、あなたがいまやっているのは政経分離だ。そうすると、私のほうで聞きます。政経分離とは、中華人民共和国は承認はしない、しかし貿易は進めていく、そういう意味に解してよろしいのですね。その点を明らかにしてもらいたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 今日まで、また今日、これは政経分離のたてまえでやっておる。ただいま、政治的に両国関係を正常化する、こういうような状態ではない。私どもただいま国民政府と外交的な正規の関係を持っております。したがって、中国大陸のいわゆる北京政府とは、私どもは実際の貿易、あるいは人事の交流等で接触を保っておる、これが今日の態度でありますし、それを申しておるわけであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 ですから、総理、それは、中華人民共和国は承認しない、それが政治と経済の分離だ、ただし貿易は進めていく、こういう意味ですねと聞いているのです。いや違うとか何とか、あなたはっきりそのことを答えてください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 どうもなかなか政経の政は何かとか、こういうことになりますと、むずかしい議論が出てきます。私はただ、ただいまやっておることを政経分離だと、かように考えていただければ間違いない、こういうことをお答えしておるのです。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私はあなたの共同声明を読んで、ここで問題点が一つございますからお聞きをしておきたい。「大統領は米国の中華民国に対する確固たる支持の政策を強調するとともに、中共の隣国に対する好戦的政策および膨張主義的圧力がアジアの平和を脅かしていることについての憂慮の念を強く表明した。」これは新聞によると、併記した、並べて書いた。そこで、並べて書いたというのは同意したということではないのじゃないか。普通は、あなたの場合は首相。大統領、「首相は」と書いてある。これは別々に書いて併記してあるから、認めたことではない、同意したことではない、こういうように解してよろしゅうございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これは同意したことではございません。

横路節雄日本社会党

○横路委員 同意しなかったのですね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 意見は一致しなかったのです。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは総理、一月十四日ニューヨークにおける日米協会等主催晩さん会における総理スピーチ、この中で、あなたはこれは何々言っているのです。「しかしながら、われわれは中共の侵略的傾向に対し、米国と同じく、あるいはおそらく米国以上に危惧の念をいだいております。」この中共の侵略的傾向ということをあなたは共同声明では同意しなかった。しかし、翌日のこのニューヨークにおける日米協会の晩さん会で言っていることは、これは同意したも同じではありませんか。ただ、国民向けには、これで同意はしてないぞ、しかし、これは外務省からもらったのですが、まさかこういうものまで全部国内に報道されると思わないからあなたは言ったのでしょうが、これでは同意した。中共の侵略的傾向、あなたはそれでは同意したと同じじゃありませんか。中共の侵略的傾向とあなたはお認めになるのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 このニューヨークの私の話、これは、中共は侵略的だと断定しておるわけではございませんね。この点は、侵略的傾向ということを申しておりますね。この点はまず第一にはっきりしてもらいたい。私はこの発言をなぜしたか。アメリカは、ジョンソン大統領はいかように考えているか、それは、私説明する立場にないと思いますが、アメリカよりも私どもの国は中国の隣国である、隣人である、そういう立場ですから、もしもこういう事柄があるならたいへん心配なんだ、アメリカより以上に私どもは神経過敏であるべきだ、こういうことを申しておるのです。そうして、中共に対する事柄は、だいぶん古いことではありますけれども、朝鮮事変の際に、国連では中共を侵略的だといって断定しましたね。これは、国際連合に加盟している各国がそういう扱い方をした。その後において、中共の政策はよほど変化を来たしたかどうか。昨年は、さらに私どもの好まない核実験もした。こういう状態でございます。したがって、こういう事柄は、ただいま国際的にみんな懸念を持つ、いわゆる侵略的傾向があるのではないだろうか、かような国際的な懸念がある、こういうことを私は率直に申したわけでございます。私は、これで中共自身を侵略的だと、かように断定したわけのものではございません。

横路節雄日本社会党

○横路委員 あなたは、いまここでそういうことをおっしゃるが、この文章を読んでごらんなさい。「われわれは中共の侵略的傾向に対し、米国と同じく、あるいはおそらく米国以上に危惧の念をいだいております。」たいへんじゃないですか。  そこで、総理、私は昭和三十五年、日米の安全保障条約がかかりましたときに、安保委員会であなたのおにいさんである岸首相に、安保条約第二条における平和愛好国の問題で聞いたのです。自民党はいざ知らず、社会党は、いまでも当時の岸首相は保守党における最も反動的な首相だと思っている。このわれわれ社会党が反動的な総理であると思った岸首相ですら、私どもの質問に答えて、中共は平和愛好国か、中共は侵略国か、中共は侵略的傾向があるのか——愛知さんはよく聞いていたはずだ。一緒にわれわれと席を並べていたのです。そのとき岸総理は何と言ったか。あなたがおっしゃったように、朝鮮事変のときはそういう決議があったが、いまはそうではない。そういうようにはっきり言っている。それをなぜこういうように言っているか。この日米の共同声明について、さらに翌日同意をするようなこういう状態は、日米の友好関係から非常な障害になるから、私はここで率直にお取り消しになったほうがいいと思う。私はそう思う。あなたの所信をもう一度お聞きしておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 別にことばをなにするわけじゃないですが、ただいまのは、日米友好関係ではなくて、日中友好関係だろうと思いますから、この点は御訂正を願っておきたい。(笑声)私は、ただいま申し上げますように、この平和憲法のもとにおいて、日本の性格は非常にはっきりしております。私どもはどこまでも自由を守り平和に徹するという、これが国是であります。これはもう国民全部がさように考えております。私は、こういう事柄で日本の立場を十分理解してくれるなら、もちろん日中友好関係、これは持続されるものだとかように私は思います。ただ私、いま申し上げましたように、昨年の核爆発の実験は、これは必ずしも中共の真意ではないのでしょうが、いろいろの誤解を受けておる。そういう意味で、中共自身もこれについては、やはり誤解を解くような方法が望ましいんではないだろうか、これは私の個人的な考え方でございますが、私はさように考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 しかし、この十四日のこの点については、総理として将来の日中の友好関係からいってお取り消しになるのが、私は大事だと思います。これは、いずれ私たちの同僚委員からさらにあなたにお話をいたします。  私は椎名外務大臣にお尋ねをしますが、あなたは一月十五日の午前、英国外務省で当時の英外相コードンウォーカー氏と二時間にわたって会談した後、共同声明を発表して、この会談で、新聞紙は一斉に、英側は日本側の要請の線に沿って今国連総会では中国代表権に関する重要事項指定方式を援助する旨を約束をした、こういうようにあなたは言っているが、日英会談であなたはイギリス側に要請したのかどうか。そうして今度の国連総会では、いわゆる重要事項指定方式について提案をなさるのかどうか、その点についてあなたにお尋ねをしておきます。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 中共の国連加盟の問題については話題に出ました。それで、新聞の記事としていまお述べになりましたのといささか違うのでありまして、十九回総会においては、イギリスも重要事項指定方式によってこの問題を取り扱うことに同意するつもりである、そういう趣旨のことが会談のうちに述べられたのであります。それを新聞が多少歪曲ですか、少し書き方を違えておるようであります。そのことだけ御了承願います。  それから、今回この問題を日本から提案するかどうかということにつきましては、まだ方針を決定しておりません。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そこで、私は椎名外務大臣にお尋ねをするのですが、あなたは昨年の予算委員会で、まず衆議院の勝間田委員の質問については、中華人民共和国の代表権問題に関する重要事項指定方式は、いわゆる国連加盟を阻止する手段であり、あるいは引き延ばしすることだ、それが総理から取り消しをしなさいと言われて、あなたは御不満であったようだが取り消しをしたようになっているが、さてその取り消しを私はたんねんに読んでみたが、参議院において羽生三七委員の質問に答えて、「今回、国連において重要事項指定方式に従ってこれを処理する立場に日本として立つ限りにおいては、結論としては、勝間田議員の言われたとおりになるということを申し上げたのであります」こういうことを言っている。それからあなたはまた、重要事項指定方式というのはどういうことか、それは中国の国連代表権が認められて、いわゆる台湾の国民政府が出ていくことは困るんだ、だからそれに反対なんだ、そういういろいろなことを考えてみると、せんじ詰めれば、重要事項指定方式とは、言うなれば中国の国連代表権の交代は反対であるということには間違いないですね。権名外務大臣、その点はっきりしてください。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 反対です。

横路節雄日本社会党

○横路委員 じゃ総理、あなたは勝間田委員の質問に答えて中華人民共和国の国連加盟を阻止する手段だ、石野君に質問されて、それは行め過ぎだから取り消しをさせます。外務大臣が帰ってきたら取り消しをさせる。そうして参議院で取り消しをさせた。いま彼が言っていることは、いま言ったように、それは変わりはないという。——いや、待ってください。いま総理に聞いているんだから、あなたにも聞くから……。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 私は、重要事項指定方式は、中共加盟を阻止し、またはこれを引き延ばすことと解釈してよろしいかという御質問に対しまして、結局そういうことでよろしゅうございます。そう言った。それから、私が帰りましてから取り消しましたのは、問題は、中共を入れて国民政府を追い出す、このアルバニア方式にあくまで基礎を置いて話しておるのですが、重要事項指定方式そのものはただ方法論の問題にすぎないのだ、そのものに目的はない、そうでしょう。重要事項指定方式は重要だから指定するのであって、そのものには別に意味はないのだ。ただ本件の後半に、中共を入れるかわりに台湾を国連から追い出す、それがくっついているからそれには反対いたします。こういうことを言ったのです。そうしたところが、それでは、結局は同じことじゃないかという御批判がございましたが……(発言する者あり)まあ大体そうだろうと思います。(笑声)

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは椎名さん、あなたが言うのは、やはり中国の国連代表権問題というのは、中国の国連代表権が認められて、そうして台湾の国民政府が出ていく、これには反対だということは間違いないのですね。もう一ぺん言ってくださいよ。その点はっきりしなければだめです。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 いま申し上げたように、重要事項指定方式は、これはきわめて重大な問題でありますから、国際的な大多数の世論を背景にしてきめるべき問題である、そういうことを少し言い過ぎましたものですから、そこで、その点を取り消して、これは目的のない方法論の問題である、ただし、この問題には国民政府を追い出すという問題がくっついておるから、その問題については依然として反対であります。こう申し上げたのであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 じゃ椎名さん、私はあなたに聞きますが、それではこういうことは賛成なんですか。そういうことはこれから実際にあるかどうか疑問だが、中国の国連代表権が認められて、台湾の中華民国が、台湾の国民政府がそのまま議席を持つという状態であればいいというのですか。その点はどうなんです。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 私は、これも参議院においてお答えしたのですが、きわめてこの問題の前途は複雑微妙をきわめるものだろうと思うのです。それで、いま軽々に仮定の問題について申し上げることは非常な誤解を生ずるので、これはお答えしない、こう申し上げておきます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは、総理に私はお尋ねします。  総理、この重要事項の指定方式について、いま与党でも、提案国になるな、私はそうではなしに、提案するなということが問題だと思う。私は提案国になるよりは重要事項指定方式を提案すべきではない、そう考えている。その点についてあなたの考えを承ります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この重要事項指定方式、これにつきましてはいろいろの議論がございます。ただいま仰せのごとく、この方式を提案するな、こういうのもございますし、あるいは少なくとも日本がその提案国になるな、こういうような御意見もいろいろございます。ただいま私は各方面の御意見を聞いて、そうして具体的な場合にいかに処置するか、それをきめたい、かように考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私はこれから問題をはしょってお聞きをしたいと思うのです。  沖繩問題について私がお尋ねしたい点は、総理が沖繩の問題で共同声明で重要な点は何かといえば、沖繩の軍事的な価値についてあなたは認めたことです。これは岸・アイク共同声明でも池田・ケネディ声明でも、ない。あなたが初めてここで認めた。認めたということは、これは沖繩の核基地を認めたことですか。この点をひとつ聞いておきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 アメリカが施政権を持っておるので、こういう核基地というような話は会談では出ておりません。これはアメリカの施政権の範囲で自分たちがやることだ、かように考えております。これを認めたということ、これは日本の安全並びに極東の平和のために必要だ、さもありなん、かように私は考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 この核武装について、あなたは当然反対の申し入れをすべきだが、本会議では、とやかく言うべきでないとおっしゃっているが、そのとおりですか。言うべきではないですか。沖繩の核武装については撤去してもらいたいということ、どうです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 日本の国内につきましては、私ども統治しておるその範囲におきましては、核の持ち込み、これはしないということ、これは厳然たる態度でございます。しかしながら、私は沖繩について施政権を持っておるアメリカ、これはアメリカが処理する、さような立場で、私はこれに干渉していない。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は総理に申し上げておきたい。それはどういうことかというと、昭和三十五年の日米の安保条約のときに何と言ったかといえば、当時の岸総理は、社会党の飛鳥田委員の質問に答えて、沖繩には日本の潜在主権があるから、沖繩に核兵器の基地をつくるということに対しては、事情がわかれば、日本はそれを望んでいないということをアメリカ側に十分話をして、その反省を求めることは、日米間の交渉ですべきであると考えている、こういうことを言っている。ここにありますよ。あなたのおにいさんが言っているのですよ。あなたのおにいさんは、例を引くけれども、あなたにはたいへん気にそまないだろうが、私は岸さんのようになってもらいたくないと思う。その岸総理が、沖繩には潜在主権があるから、したがって、当然核基地については日本の立場から申し入れをすべきである、こう言っているが、その点について、なぜあなたはお話をなさらないのか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 先ほどから何度もお答えいたしましたように、アメリカの施政権の問題でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私は、まだたくさん問題がありますが、沖繩問題で終わります。  私があなたにお尋ねをしたいのは、私はあなたの沖繩についての共同声明を読んで非常に危険を感じている。なぜならば、この共同声明で初めて沖繩の軍事的価値を高く評価した。そこで、私は、非常にこの点に危惧の念を抱くのは、うしろに総務長官がいるが、昨年の八月二十九日、臼井総務長官は、琉球立法院の各派代表と懇談した結果、日本政府の沖繩に対する基本的な態度として、米国に施政権の即時返還を求められないのは日本の自衛力との関係である。日本政府は、米軍基地が存続する限り施政権返還を求められないとは考えていない。その次、日本政府は基地と施政権をある点では分離してもよいとの考えをしていると述べている。まことに重大だ。総理、あなたが最も信頼している田中さんが前に政調会長時代に、ロバート・ケネディ司法長官が来たときに、これが問題になった。沖繩の核基地を認めて、沖繩の軍事基地を認めて、沖繩の特別軍事基地協定を結んで、施政権の返還をやったらいいじゃないか、これが大問題になって、田中当時の政調会長を当時予算委員会にまで呼ぼうかということまで問題になったから、田中さんはいま心の中で私の言うことはよくわかると思う。私はこの共同声明を読んで、この点がただ単に共同声明で終わっていればいいが、私が調べたところによれば、いまお話の臼井総務長官は、八月の二十九日にそういうことを言っている。私は、将来の施政権返還のために断じてこういうことがあってはならない、この点を私は明確にしておきたいと思うのです。沖繩の特別軍事基地協定を結んで軍事基地を認めて、そうして施政権返還をやる、総務長官のお考えはこれですよ。当時の田中政調会長の考えも一貫している、田中さん、古いことで恐縮だけれども……。総理どうですか——いやいや、総理に聞いておる。釈明しますか。

臼井莊一自由民主党総理府総務長官

○臼井政府委員 お答えいたします。  ただいま横路先生のお話、そのとおりでございます。ただ私は、それは別に政府の意向としてそうであるというので申したわけではございませんで、施政権を早く返してもらいたい、こういうことになりますと、基地が、アメリカでも言うように、極東の安全保障の必要、裏を返せば必要であるというそのたてまえのある以上は、その時期までは返せないということになると、なかなか先の長い場合も考えられるますので、早く返してもらうならばそういう方法もある、こういうことを私、個人的な見解で申し上げたわけです。その点だけをお答えしておきます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 ただ私は、臼井総務長官、重ねてあなた答弁に立つ必要はないが、あなたが個人的な見解といっても、あなたは総務長官として行かれたんだから、総務長官として行かれたものが、施政権の返還と基地とは分離してもよいなどということを、軽々しくも琉球立法院で各派の代表を集めてやるなどということは、それはたいへんなことですよ。総理、この点についてはっきりしておいてください。私は、臼井総務長官が言い、この共同声明でそういう危惧の念を抱くから、この点をお伺いしたいと思うのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 それではお答えいたします。  大統領と私が会い、またそのときに答えたことを申し上げます。施政権返還に対する日本政府及び沖繩住民の願望、これはよく理解した、だが、同時に極東における自由世界の安全保障上の利益がこの希望の実現を許す日を待望する。これは直訳でございますので、ややわかりにくいかと思いますが、かようなことを申しております。  この点から私ども感じますことは、これは一に極東の安全に関する問題、極東の平和に関する問題だ、かように私は考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 私が総理に最後に申し上げたいのは、外交問題として私がきょう特に中国問題と沖繩問題を取り上げましたのは、ちょうどことしで戦後まる二十年になるわけです。しかし、日中の国交は回復をしてない、沖繩の施政権は返還されてない、これは私は国民の悲願だと思うわけです。そういう点で、私はこの二つの問題にしぼって取り上げたわけですが、特に総理に強く御質問しておきたい点は、あなたはここで日米の安保体制の堅持、特にいかなる武力攻撃に対しても米国は日本を防衛する、あるいは全面核停の問題にも触れていらっしゃる。そしてあなたは、先ほど私が指摘をした中国の侵略的傾向について、私はお取り消しになったほうが日中の友好のためによろしいと考えたが、お取り消しではない。しかし、今日日中の友好関係が一体なぜ深まっていかないのか、中国がなぜ核実験をしているのか、この問題は、私はまさに沖繩の核武装、沖繩のアメリカの軍事的な長い間にわたるいろいろな支配、きょうの発表によりますと、明日の午前八時、重ねて佐世保にシードラゴンが入るという。南ベトナムにおいても、韓国の派兵問題は、きょうは時間がないから聞きませんが、この問題は北朝鮮を刺激し、あるいは隣の中華人民共和国を刺激し、これらはあげて極東の緊張を、緩和ではなくて、極東の緊張を深めていくことになる。そういう意味で、私は、先ほど申し上げたように、沖繩における核基地の撤去についてはすみやかに申し入れをすべきである。同時に、明日の午前八時にシードラゴンが入港するというが、こういうことは、当然アメリカ大使館を通じて、この段階において、少なくともあなたが日中の友好関係を深めたいというならば、私はこの原子力潜水艦についての入港はお断わりをするというのが当然であると考えておる。そのことがアジアにおける緊張を緩和し、アジアにおける恒久的な平和をもたらす道であると思う。この点についてお尋ねしておきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 横路さんの前段、二十年たった今日いまなお沖繩が返ってこない、あるいは二十年たった今日なお中国との国交が回復しない、まことに残念だ、こう言われることは、私も同様でございます。しかしながら、さらにその議論が発展いたしまして結論として言われたことには、私は遺憾ながら賛成することができません。私は、一番先にわが国の安全を考えます。わが国の安全は、私がたびたび申すまでもなく、これは平和憲法のもとにわが国の安全を確保するのであります。したがって、これが攻撃的なものでないことはよく御了承がいっておると思います。どこまでも平和に徹するというわが国のその立場、そうしてこれは攻撃的なものでないというその立場に立って、私は、わが国の安全のためにただいまの日米安全保障条約が必要だと、かように考えております。この日米安全保障条約、このもとにおいて日本の安全がはかられ、また自分のところの国力、国情に応じた自衛力を今日はかっております。したがって、ただいま私が申し上げることは、どこまでも日本の安全に関することでございます。ただいま中共の核爆発実験について、いかにも沖繩の米軍基地が影響するのだ、こういうようなことを言われますが、私は、自衛のためといえども、私どもは核兵器は持たないという、これは日本国民の悲願でもあります。私は、この自衛のためにも核兵器を持たないという、核兵器は一切持たない、また使用しないというこの考え方がとうといのじゃないか。この意味におきまして、中共自身も、わが国の立場について深い理解をいただきたい。かように私は念願するのであります。(拍手)お答えしておきます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 以上で私の質問を終わります。

青木正自由民主党

○青木委員長 これにて横路節雄君の質疑は終了いたしました。  次会は明二日午前十時より開会することといたします。明日の午前の質疑者は山花秀雄君であり、午後の質疑者は加藤清二君であります。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十二分散会

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