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48回国会衆議院1965/02/16

本会議 第8号

発言数
22
登壇者
6
会派数
2
開催日
1965/02/16

会議録

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) これより会議を開きます。      ————◇—————  国立近代美術館評議員会評議員任命につき国   会法第三十九条但書の規定により議決を求   めるの件  畜産物価格審議会委員任命につき国会法第三   十九条但書の規定により議決を求めるの件

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) おはかりいたします。  内閣から、国立近代美術館評議員会評議員に本院議員稻葉修君を、畜産物価格審議会委員に参議院議員温水三郎君を任命するため、それぞれ国会法第三十九条但書の規定により本院の議決を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ————◇—————  国務大臣の演説(東南アジアの情勢について)

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) 椎名外務大臣から、東南アジアの情勢について発言を求められております。これを許します。外務大臣椎名悦三郎君。   〔国務大臣椎名悦三郎君登壇〕

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 最近の東南アジア情勢について、特に現在国際的に注目を浴びている地域であるベトナム及びラオスの事態並びにマレーシア問題を中心にして御報告申し上げます。  一九五四年のインドシナ休戦に関するジュネーヴ協定により、北緯十七度線に沿う休戦ラインにより、ベトナムは南北に分かれましたが、元来この休戦ラインは、南北ベトナムを恒久的に分離する政治的境界線、すなわち国境とみなさるべきものではなかったのであります。その後、南ベトナムにおいては、一九五九年ごろから次第に北越の援助指導によるベトコンの反政府ゲリラ活動が活発となったため、ベトナム政府の要請に基づき、米国は同政府に対する援助を強化せざるを得なくなったわけであります。その間、南ベトナムにおいては、政情不安が続発し、ベトコンはますますその勢力を伸長するようになりました。  ベトコンは、二月七日、プレーク米軍基地を攻撃、二月十日、キニヨン米軍宿舎を爆撃したため、米ベトナム空軍は、これら攻撃に直接関連を持つベトコンの訓練補給基地となっておる北越南部を報復爆撃いたしました。この報復爆撃に関し、二月九日、中共は六億五千万の中国人民は絶対にこれを黙視できないとの政府声明を発し、たまたまコスイギン首相を北越に送っていたソ連も、同日北越の安全を保障し、防衛力を強化するため一そうの措置を講ぜざるを得なくなったとの政府声明を発し、また、十一日のソ連、北越両国共同声明においては、両国は北越の防衛力強化のためとるべき手段について合意に達したと述べました。  インドシナ問題の解決策については、かつてド・ゴール大統領は、南北ベトナムの中立化を提案しましたが、上記北越爆撃を契機として、仏、インド等は、国際会議による問題の解決を主張しています。  米国の今般の行動はベトコンの攻撃に対応してとられたやむを得ざる措置であり、米国自身戦火の拡大を意図していないことをつとに宣明しております。わが方としても、ベトナム情勢の成り行きには重大な関心を抱いており、平和的な解決をもたらし得る環境がすみやかに醸成されることを期待しております。この意味においても、まず北越側の侵透扇動工作が直ちに終息されることが肝要であると信じます。  次に、ラオスに移ります。一九六〇年末に勃発したラオス内戦は、一九六二年に右派、中立派、左派パテト・ラオよりなる連合政府が成立し、ジュネーヴ十四カ国協定の調印を見て、ようやく終息したかに見えましたが、翌六三年四月に右派、中立派よりなる政府軍とパテト・ラオ軍の間に内戦が再発し、左派閣僚はビエンチャンを引き揚げ、連合政府から事実上脱落してしまったのであります。かくて、目下国内勢力は事実上二大勢力に分かれて対立しておるありさまであります。両派勢力融合のため、昨年夏パリにおいて三派首脳会談を開くなどの努力が払われたが、徒労に帰したのであります。最近右派内部に勢力争いがありましたが、基本的な二大勢力の対立状態が今後当分続くものと思われます。また、ラオス問題の解決は、大きくベトナム問題の解決に左右される傾向があります。  次に、マレーシア問題に移ります。一九六三年九月十六日のマレーシアの成立をめぐり、インドネシア及びフィリピンとマレーシアとの間に発生したいわゆるマレーシア紛争につきましては、同年九月十七日、マレーシアと右二国間の外交関係が断絶されて以来、すでに一年五カ月を経過いたしました。本件紛争において、インドネシアとマレーシアとの関係は、マレーシアのサバ、サラワク両州国境におけるインドネシアのゲリラ活動の激化をめぐり、次第に悪化し、今日に至っております。この間、右両国関係の悪化は、関係諸国の憂慮するところとなり、一九六四年一月に至り、アメリカのケネディ司法長官による調停工作を契機に、同年二月及び三月、バンコックにおいて関係三国閣僚会議が開かれ、平和的解決促進の試みがなされたのであります。さらに昨年六月には、東京において三国首脳及び閣僚会談が開かれ、平和的解決への努力が続けられ、その結果、紛争の平和的解決について勧告するアジア・アフリカ四カ国調停委員会を設置することに三国は原則的に合意するに至ったのであります。  しかしながら、インドネシアの投入したゲリラ撤兵問題が片づかないため、右調停委員会はいまだ設置されておらず、東京会談以後の情勢は必ずしも好転したものではなく、特に本年一月に至り、マレーシアの安全保障理事会非常任理事国就任とともに、インドネシアが国連から脱退する旨宣言するという事態の発展を見るに至り、インドネシア、マレーシア両国間の軍事的緊張が高まっておるのであります。  わが国といたしましては、紛争発生以来、本件紛争の平和的解決に側面的協力を進めてきたものであります。アジアの平和を希求し、紛争の平和的解決を願うわが国としては、本件紛争が一日も早く解決されることを望むのはもとより、関係諸国の平和的解決への努力がたゆまず続けられることを期待するとともに、わが国としても紛争の平和的解決への雰囲気が醸成されるにおいては、そのタイミングを考慮しつつ、公正妥当なる解決のため協力することにやぶさかなるものではございません。(拍手)      ————◇—————  国務大臣の演説(東南アジアの情勢について)   に対する質疑

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) ただいまの発言に対して質疑  の通告があります。これを許します。勝間田清一君。   〔勝間田清一君登壇〕

勝間田清一日本社会党

○勝間田清一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま行なわれた椎名外務大臣の東南アジア情勢についての報告に関連して、佐藤総理大臣に対して若干の質問をいたしたいと思います。(拍手)  アメリカは、ベトコンに対する報復と称して、北ベトナムに対して三回にわたっての大規模な攻撃を行ないましたが、ときあたかもアメリカの武力干渉がベトナムで完全に行き詰まり、文字どおり四面楚歌の中で、撤退か、しからざれば北進かというきわめて重大な岐路に立っていたやさきだけに、またコスイギン・ソ連首相がハノイを訪問している最中であっただけに、この無謀にして危険な武力干渉は、全世界に深刻な衝撃を与えたのであります。(拍手)第二の朝鮮動乱を予測せしむるような不安と恐怖を与えたのであります。  アメリカはこの攻撃をあくまでもベトコンに対する限定的な報復だと言っておるのでありますが、われわれは、かつて朝鮮動乱の際、マッカーサー元帥が、限定戦争にたえ切れず、鴨緑江を越えて原爆戦争を計画したために、全世界から猛烈な反撃を受けて、ついに老兵消え去らざるを得なかった、あのなまなましい経験を思い出さざるを得ないのであります。(拍手)また、佐藤内閣は不拡大をアメリカに進言したというのでありますが、あえて満州事変を顧みるまでもなく、世界の歴史は、不拡大とは、結局戦争犯罪者にとって常に拡大の道であり、悲劇の道であったこともわれわれは忘れることのできない事実であります。(拍手)  佐藤内閣はこの際、この危険な武力攻撃を直ちに中止し、軍事的介入をやめるようにアメリカに強く要求すべきだと考えるのであります。  そして、富士山ろくに駐留していた海兵隊や、佐世保、長崎にいたところの第七艦隊が、すでにベトナムの戦線に出動していると伝えられるのでありますけれども、日本の基地をこのような目的に使用することは、安保条約の違反行為であります。同時に、日本の安全を脅かす行為であります。(拍手)日本の政府は峻厳にその使用を拒否すべきだと考えるのであります。  また、佐藤内閣は、南ベトナムに対して医療援助を行なってまいりました。さらに経済援助も約束しようといたしております。武力介入が続く限り、これもまた当然拒否すべきであろうと考えます。  そして、この際、アメリカが南ベトナムに駐とんすることは、一九五四年及び六二年のジュネーヴ協定に違反し、これをじゅうりんするものでありますから、直ちにベトナムから撤退することを要求すべきだと考えるのであります。(拍手)  ただいま行なわれた椎名外務大臣の報告を聞けば、ベトナムに対する認識、日本の態度が、すべてアメリカの一方的な態度に従属していることをきわめて遺憾に思うものであります。(拍手)佐藤総理は、ベトナムの攻撃に対しての日本の自主的な、しかもき然たる態度をこの際表明すべきだと考えるのであります。  ジョンソン大統領は、過般の一般教書におきまして、アメリカの南ベトナムに対する駐とんの根拠を二つあげております。  その一つは、南ベトナム政府に頼まれたからだというのであります。しかし、若干でも今日のベトナム情勢を知る者にとって、この理由を承認する者はおそらくないでありましょう。みずからかいらい政権をつくって、それに圧力を加えて頼み込ませたというのが真の実情ではないかと私は思うのであります。(拍手)しかも、その政権もゴ・ジンジェム政権以来幾たびかクーデターによってかわっております。そして、いまでは民衆から完全に離反しております。その政府すら、たとえばグエン・カーンのごとく、アメリカを公然と非難しておるというのが今日の実情であります。したがって、頼まれたからいるという押しつけの根拠すら今日形式的にも実質的にもすでに消滅しておると考えるのであります。(拍手)さればこそ、去る二月五日の記者会見において、ある新聞記者から、それならば南ベトナム政府から帰ってくれ、そう言われたならばアメリカは帰りますかと問われたときに、ジョンソン大統領はこれに正当に答えることができなかったのであります。  ジョンソン大統領は、また、駐とんの第二の理由といたしまして、自由を守る努力を援助するためであると称しております。しかし、この理由がはたして正しいものであるかどうかは、私は日本外務省の情報文化局が発行しておる「世界の動き」が正しく分析しているように思われるのであります。椎名外務大臣の報告にもかかわらず、同じ外務省の情報文化局は、アメリカの掲げている大義名分であるところの反共について次のような疑問を投げかけております。  第一は、南ベトナムは、北からの大規模な侵略の戦場とはなっていない。したがって、南ベトナム国民は、北ベトナムの共産政権をそれほど警戒していないと断定しております。  第二に、国民の関心は、いわば観念的な共産主義の脅威よりも、現実の生活に直結する内政問題に集まっていると指摘いたしております。  第三に、批判分子にお前は容共派だというレッテルを押しつけて仮借ない弾圧を加えたために、国民が反共政策そのものに警戒心を持っていると断定いたしております。  第四に、さらにベトコンが、攻撃の対象を政府、軍事施設及び政府関係者、アメリカ人にしぼって、一般の国民には何らの危害を与えていない作戦をとっているとも分析いたしております。  私は、こうした外務省情報文化局自体の分析が正しく事情を伝えておるものと考えます。私は、アメリカが反共とか、自由を守るとか、抽象的な美名に隠れて、ベトナム国民の真剣な願いである民族の独立、生活の安定、こうした貴重なものを根本から破壊しているところにベトナム紛争の根本的な原因があるものと考えるのであります。(拍手)  アメリカは、二万五千名の軍事顧問団と、年間四億一千五百万ドルをこえる膨大な援助を南ベトナムにつぎ込んでおるのでありますけれども、金と武力によってベトナムの国民の心をとらえることができないというのは、そこに多くの教訓が残されているのではないか。私は、アメリカがかつて中国において経験し、いまなお朝鮮において、キューバにおいて、そしてまたコンゴにおいて経験している二十世紀後半での貴重な経験であると考えるのであります。  したがって、佐藤内閣は、ただ単にアメリカの考え方を一方的に支援するという態度ではなくて、ほんとうに友だちがいのある友人たらんと欲するならば、この際、アメリカに対して、南ベトナムからすみやかに撤退することを強く忠告すべきだと考えるのであります。(拍手)そして、ベトナム問題解決のただ一つの道は、一九五四年並びに六二年のジュネーヴ協定の線に沿った国際会議を開き、話し合いによって解決することを勧告すべきであります。  ウ・タント氏は、国連の事務総長でありながら、国連の外でもいいからこの際国際会議を持つべきだと主張いたしております。ジュネーヴ会議の議長団であったイギリスあるいはソ連の指導者も重要な動きを始めたかに伝えられておるのであります。フランスは、すでに、インドシナ問題には中国との話し合いが絶対に必要である、そしてインドとともに、ジュネーヴ会議開催の必要なことを強く主張いたしておるのであります。中国はまた、昨年わが日本社会党との共同声明の中で、ジュネーヴ協定の精神に沿った国際会議による解決が唯一の方法であることを表明いたしておるのであります。  アメリカの今回の爆撃が、政治交渉の際において名誉ある妥結を得るための一つの手段であるというきわめて有力な意見がありますけれども、もしそうだとするならば、これほど拙劣な、しかも危険きわまりのないやり方はないと思います。何となれば、戦争拡大の危険こそあれ、アメリカに有利な条件などは、この中からは絶対に生まれてこないでありましょう。  また、アメリカがメンツにこだわるといたしますならば、われわれは、一九五四年にフランス首相マンデス・フランスがとったあの勇気ある態度を学べと言いたいのであります。アメリカのウォルター・リップマンは、ベトナム収拾のために交渉の必要なことを説いて、アメリカ政府が交渉による平和について語るのをしり込みしてきたのは、南ベトナムにいる若干の軍隊の士気が衰えることをおそれたためである、また国内での批判をおそれたためであろう。だが、今日、アメリカは東南アジアで交渉による解決を求めていることを言明することに対しておそれてはならない、と言っておるのであります。またウォルター・リップマンは、ジョンソン大統領はトルーマン大統領の誤りを再び繰り返してはならない、と警告いたしているのであります。まさに正論と私は思います。  佐藤総理は、この際、ベトナム問題打開のために、積極的な日本の態度を表明すべきであります。  最後にお尋ねしたいことは、この重大なときに、椎名外相が近く韓国を訪問して、日韓会談の妥結をはかろうとしておる重大な誤りについてであります。  わが党は、今日まで重要な幾つかの理由をあげて日韓会談に反対してまいりましたが、さらに、ベトナム問題と日韓会談とは国際問題として重要な関係を持っていることを、この際、あらためて認識する必要があると思うのであります。  われわれが東北アジア軍事同盟の問題を言おうと言うまいと、アメリカが今日ベトナムと韓国とを軍事的に密接不可分なものにしようとしていることは、韓国の軍人二千名をベトナムに派遣することを要求した一つの事実をもっても明らかであります。(拍手)この韓国軍人二千名のベトナム派遣は、かつて朝鮮動乱が破局に際した際に、当時のマッカーサー元帥が台湾海峡またはインドシナ半島に第二の戦線を展開させようとしたあの前例に照らしてみて、私はきわめて重大なものを感ずるのであります。ベトナム紛争は、アメリカの態度いかんによっては、アジア全体に国際化される危険性を持っているのであります。そして、今日進められている日韓会談も、日本と韓国とを結合させようとするアメリカの意図が強く働いていることは何人もこれを否定することはできません。(拍手)  こうしたアメリカのアジアに対する一連の政策に対して、共産諸国がそれぞれの対抗措置に出てくることは、これまた必然的な現象であります。最近、ソ連のコスイギン首相が、北ベトナムの訪問、中国、北鮮の訪問等を通じて、友好同盟条約の再確認、相互援助条約の締結等、一連の対抗措置をとったことは、この具体的なあらわれでありましょう。そして、いまやアジアには再び二大陣営の対立が緊張の方向に逆転しつつあるのであります。  このきわめて重大な時点において、椎名外相が韓国を訪問する、重大な親善を目的として訪問するということが、このアジアの情勢に対していかなる影響を及ぼすかは、きわめて冷静に判断せなければならない重大なる問題であると考えるのであります。(拍手)ましてや、日韓会談の政治的妥結や、伝えられるようなベトナム情勢の判断にまで懇談が進むといたしましたならば、この椎名外相の訪問は、アジアの緊張を一そう増大するであろうことは明らかであります。この訪問はまた、せっかく芽ばえた日本と大陸との間における友好関係を逆転させる危険性を持つものであります。この訪問は、東北アジア軍事同盟を実質的にも、形式的にも一そう促進する役割りを持つものであります。そしてまた、この韓国訪問は、万一戦争が拡大した場合には、日本が直接その渦中に巻き込まれる第一歩を踏み出す危険を持つものであります。(拍手)したがって、私はこの際、佐藤総理に対して、椎名外務大臣の韓国訪問を取りやめるように、ここに強く要求するものであります。(拍手)  そして、日本は、平和憲法を持つただ一つの国民として、また真にアジアの平和と繁栄を願うアジアの一員として、積極中立の立場から平和外交を推し進めていくことを強く要望して、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。  ベトナム問題につきましては、私がしばしば申し上げておりますごとく、不拡大の方針をとっておることは御承知のとおりでございます。また、この問題につきまして、米国の行動は、しばしば言われておりますごとく、ゲリラ攻撃に対応してとられたやむを得ざる措置で、米国も軍事行動の激化を望んでおらないことは明らかであります。  また、この問題に関係いたしまして、わが国にある米軍の施設、区域を戦闘作戦行動のための基地として使用しておるようなことは全然ございません。したがいまして、事前協議の問題も起こっておりませんし、安全保障条約違反というような事実はございません。  医療援助についてお話がございましたが、医療援助は、申すまでもなく住民の福祉、厚生を目的とする人道主義的な見地からも必要なものでございます。(拍手)東南アジアの諸国に対して、その民生安定のために経済援助をすることは、わが国の具体的方針でもあります。ベトナムに対しましても、これが例外ではございません。ベトナム共和国の自由と独立が、非公正な手段によりまして脅かされているということが今日の問題であります。米国は、かねてからベトナムの治安が回復されれば軍隊を撤退する、かようにはっきり申しております。この点は、社会党の方にもよく御記憶に残していただきたいと思います。  御意見がありましたように、この種の問題は、終局的には国際会議が開催され、話し合いの場によって解決が必要だとアメリカ自身も考えております。しかしながら、問題は、かかる話し合いの前提となる環境が醸成されるかどうかという問題にかかっておるのであります。日本の態度は、この問題に対しまして、非常にはっきりいたしております。私は、ベトナム住民が長い戦乱の結果、その生活に疲弊を来たしておる、同時にまた、東南アジアの平和に対する脅威となっているということは、まことに遺憾に存じております。したがいまして、一日も早くこの地に平和が回復し、情勢が安定することを心から望んでおります。この立場に立ちまして、わが国が関係国から要請を受けるならば、また、私どもがなすべき役割りがあるなら、その役割りを果たしていきたい、かように考えております。  外務大臣の訪韓につきまして最後にお尋ねがありましたが、外務大臣の訪韓は、申すまでもなく、善隣友好関係の確立のために必要でございます。私は、遺憾ながら、勝間田君とは意見を異にいたしております。(拍手)

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————  千九百六十三年十二月十七日に国際連合総会   決議第千九百九十一号(XVIII)によって採   択された国際連合憲章の改正の批准につい   て承認を求めるの件の趣旨説明

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) 議院運営委員会の決定により、千九百六十三年十二月十七日に国際連合総会決議第千九百九十一号(XVIII)によって採択された国際連合憲章の改正の批准について承認を求めるの件の趣旨の説明を求めます。外務大臣椎名悦三郎君   〔国務大臣椎名悦三郎君登壇〕

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 千九百六十三年十二月十七日に国際連合総会決議第千九百九十一号(XVIII)によって採択された国際連合憲章の改正の批准について承認を求めるの件につきまして、趣旨を御説明いたします。  一九六三年十二月十七日、国際連合第十八回総会の本会議は、国際連合憲章の一部を改正し、安全保障理事会及び経済社会理事会の理事国の定数を増加すること等を規定する総会決議第一九九一号を採択いたしました。  この総会決議による改正は、安全保障理事会の理事国の定数を現行の十一から十五に増加すること、これに伴い、同理事会における決定に必要な賛成投票の数を七から九に増加すること、経済社会理事会の理事国の定数を現行の十八から二十七に増加すること並びに両理事会の理事国の定数の増加のために必要となる経過措置を内容としております。  この改正は、憲章第百八条の規定に基づき、安全保障理事会の五常任理事国を含む国際連合全加盟国の三分の二によって批准されたときに、すべての国際連合加盟国について効力を生ずることになっております。国際連合加盟国は現在百十四カ国で、昭和四十年一月二十日までにこの改正の批准書を国連事務局に寄託した国は、五十四カ国であります。なお、安全保障理事会の常任理事国のうちで批准を行なった国は、現在のところ、ソ連一カ国でありますが、他の常任理事国も遠からず批准するものと予想されております。  この決議はすべての加盟国が昭和四十年九月一日までにこの改正を批准することを要請しておりますが、わが国といたしましても、本件改正は、国際連合加盟国の増加に伴い、安全保障理事会及び経済社会理事会による任務の遂行を一層適切ならしめるものとして妥当と認める次第であります。  以上が、千九百六十三年十二月十七日に国際連合総会決議第千九百九十一号(XVIII)によって採択された国際連合憲章の改正の批准について御承認を求めるの件についての趣旨でございます。(拍手)      ————◇—————  千九百六十三年十二月十七日に国際連合総会   決議第千九百九十一号(XVIII)によって採択   された国際連合憲章の改正の批准について   承認を求めるの件の趣旨説明に対する質疑

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) ただいまの趣旨の説明に対して、質疑の通告があります。これを許します。西村関一君。   〔西村関一君登壇〕

西村関一日本社会党

○西村関一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました国際連合憲章の改正の批准について承認を求めるの件に対し、またこれに関連して、政府に対し次の五つの点につき質問をしようとするものであります。  質問の第一は、今回の改正の意義についてであります。  そもそも、国連は創立当時五十一カ国で発足し、安全保障理事会は五大常任理事国と、二年の任期で選挙される六つの非常任理事国で構成され、その配分は一九四六年のロンドン紳士協定できめられ、明確にAA諸国に割り当てられた議席は一つもなかったのであります。しかるに、その後、アジア、アフリカ、中南米等で相次いで独立した新興国が次々に国連に加盟し、現在、加盟国数も百十四カ国を数えるに至りました。かくして、安保理事会及び経済社会理事会の理事国の議席増加の問題は、第十回総会以来、毎総会の議題にのぼっていながら、常任理事国の反対のため実現せずに至ったところ、第十八回総会において、本決議案が採択され、しかも、その決議文には、議席の配分についても明記され、両理事会とも、アジア・アフリカ諸国による理事国の議席が認められ、その決議によって国連憲章改正の段取りに至ったことは、まさに国連史上画期的とも言える改正であって、単にその議席数の増加のみであるといった単純な内容ではなく、安保理事会、ひいては国連そのものの方向をも決定するぐらいの大きな意義を持つものであると思うが、この点について、政府はどのように理解されておられるか、まずお伺いをいたしたい。  質問の第二は、憲章の根本的改正についてであります。  国際情勢の流動的変化につれて、国連の全面的再検討、したがって、憲章の根本的改正を緊要とする声は国連の内外から強く起こっており、国連を脱退したインドネシアもこのことを言っておるのであります。佐藤総理は、先ごろの施政方針演説において、「インドネシアの国連脱退は、国連史上初めての事件であり、まことに遺憾であるといわねばならぬ、国際連合の権威と機能を高めるため、積極的に貢献することは、わが国外交の基本である、私はウ・タント事務総長に対し、国際連合の強化につき日本が全面的に協力することを話し合ってきた」と言明されていますが、国連のどこをどのように強化しようと言われるのですか。どの点で積極的に貢献しようとお考えになるのですか、まず総理にお伺いをいたしたいと思います。  次に、椎名外務大臣は、去る十二月四日、国連総会の演説において、「いまや国連憲章を全面的に再検討することもわれわれの重要な課題だといわねばならない、国際連合創設二十周年を控えたいま、憲章の再審議を真剣に考慮すべき好機と言えよう」と言っておられますが、本国会における外交演説においては、「国連成立二十周年の意義深い年は、国際連合の平和維持活動のあり方についての加盟国の意見の成立と、インドネシアの脱退という二つの不幸な事件をもって始まった、わが国としては、対立が解消され、第十九回総会が一日も早く実質的審議を開始することを希望してやまない」と言っておられるだけであります。まるで通りがかりの傍観者がありあわせの願望を述べている調子で、国連中心主義、アジア重点外交に何らの意欲的、具体的、建設的提言をしておられないことは、きわめて遺憾であります。  国連憲章再審議の問題は、中小諸国にとっては、傍観や他人行儀を許さない切実な問題であります。今度の不幸なインドネシアの脱退にしても、幸い連鎖反応的現象を起こすことなくおさまっているようでありますが、そうだからといって、インドネシアの唱えている国連全面改組の必要、急務であることは、いずれの国といえどもこれを認めるところであります。国連そのもののあり方について、スカルノ・インドネシア大統領は、「大国によってあやつられている国連は全面的に改組しなければならない」と言っています。それと対照的に、ドゴール・フランス大統領は、拒否権という五大国の特別の座を認め、「国連創設にあたって同意したとおり、憲章発足当時の精神に戻るよう合意すべきである」と言っています。  国連の現状は、五大国中心の安全保障理事会では、拒否権のたびたびの行使に災いされて麻痺状態に陥り、好むと好まざるとにかかわらず、安保理事会を回避し、総会に重点を置くようになってきたのでありますが、その総会が決定したコンゴの出兵問題につき、これを認める、認めないの問題で分担金拒絶となり、それがこじれて、いまや国連は総会をすら開くことができないような状態に陥っております。こういう困難なとき、いわば国連の危機ともいうべきときに、国連中心主義を常に外交の基本方針の一つとしている政府は、大国と中小諸国の間に立っている日本、また、アジアの一員としての日本として、具体的にどのような役割りを果たそうとしておるのでございますか。外務大臣の御所信を承りたい。(拍手)  次に、国連憲章第百七条及び第五十三条には、第二次世界大戦における旧敵国に関する条項があります。かかる条項は、憲章で規定しているところの加盟国の主権平等の原則からいっても、明らかに過渡的、暫定的性質の規定であって、改正せずにいつまでもそのまま放置されていることは、国連の目的に反し、かつ、はなはだ不適当であると考えます。戦後すでに二十年、国連もいまや百十四カ国のメンバーを擁する大世帯となり、真に国際の平和と安全とを維持し、すべての加盟国の経済的、社会的発展を促進するための国際機関であろうとするならば、もうとうに憲章第百七条と第五十三条の改正、または削除が行なわれていてしかるべきであると思うが、そのような動きが過去においてわが国から、または他の加盟国から提案されたことがあったかどうか。さらにまた、このような旧敵国条項に対して、わが国は積極的に改正を提案する意図があるか、総理並びに外務大臣の御所信を承りたい。  質問の第三は、憲章第四十一条と、わが国憲法との関係についてであります。  このたびの改正によって、わが国も安保理事国になり得る可能性が生じてまいりました。政府は積極的に安保理事国に立候補するお考えをお持ちですか。もしも、わが国が安保理事国に選出された場合、そしてまた、もし、理事会において憲章第四十一条に規定している軍事的措置の議決が下された場合、わが国憲法に抵触すると思うが、この点につき、政府はどのような考えを持っておられますか。  また、昨年七月、国連軍の創設に関するソ連からの覚え書きに関連して、昨年の第四十七回国会において椎名外務大臣が、十一月二十六日、参議院本会議において、「北欧三国、カナダなどの考え方、すなわち、自国の軍隊以外に待機部隊を常置するという国連警察隊の考え方は時宜に適するものだ、日本としてはどう対処するか、憲法上の問題もあるので、目下法制局で研究しているはずである」と答え、佐藤総理も、同じく衆議院予算委員会において、ほぼ同様の答弁をしておられるのであります。また、一方、志願制度による国連警察隊の創設についての列国議員同盟会議における議論や、同じ志願制についてのデンマーク国会の議決などあるが、それらの諸点につき、政府はその後どのように検討せられてきたか、総理並びに外務大臣の御見解を承りたい。  質問の第四は、国際共産主義と対決するということと国連中心主義とは矛盾しないかという点であります。  よく自由主義陣営に伍して国際共産主義と対決するというようなことがいわれるが、これは国連中心主義とは矛盾すると思うが、いかがでしょうか。国連憲章の大前提ともいうべき前文には、「寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、」とある条項と相反する考え方であると思うが、いかがでしょうか。  国連は、国際協力の場であって、東西または南北の関係が相対立し、相抗争する場ではありません。もしも国連が対立抗争の場となる様相を示すならば、すみやかにこれを解消して、安定した平和をもたらす努力をしなければならぬと思います。一方の陣営にくみし、国際紛争の仲間入りしようとする姿勢は、国連中心主義と両立しません。国連は、イデオロギーや制度の違った国々を結集し、どれも憲章のいう平和愛好国として、同じ場で協力することを目的としています。大国ほど自己の力を過信して、国連を対立、抗争の場としやすいのであります。そうした紛争の圏外に立ち、公正な立場でその解消に当たるのが国連中心主義であり、日本は常に国連中心主義に立ち、正正堂々の論陣を張るとともに、公正な提案に対しては積極的にこれを支持し、多数を説得して、その採決に努力する。つまり、日本は国連内で最も平和を愛する集団と協同し、多数派として行動できる体制にあらねばならぬと思うが、総理並びに外務大臣の御所信を承りたい。(拍手)  先ほども、わが勝間田議員が質問の中でも触れましたが、ウ・タント国連事務総長は、去る十二日、ベトナム紛争解決のために、主要当事国が話し合って、公式な会議を準備すべきであると提案いたしました。私は、最近南北ベトナムを見て回ってまいりました者として、この提案が、ベトナム危機回避のために、さしずめの措置として適切なものと思うが、先ほどの質問にお答えがなかったから、重ねてお尋ねいたしますが、総理は、ベトナム戦争終息のためイニシアチブをとるお考えをお持ちになっておりませんでしょうか。また、ウ・タント事務総長の提案に対してどのような考え方をお持ちでございましょうか。  質問の第五は、国連と日本の使命、責任についてであります。  思い起こせば、一九五六年十二月十八日、国連総会が満場一致日本の国連加入を承認したとき、わが重光全権は総会で演説して、まず日本国憲法の前文を朗読し始め、「日本国民は、恒久平和を念願し、平和を愛好する諸国民の公正と信義に信頼して、国際社会で名誉ある地位を占め、平和のうちに諸国民とともに共存したい」と言われ、また、アジア・アフリカの民族主義に触れて、「極端な国家主義は困るが、元来、民族主義は人類解放にとって自然の道程である」と断じ、「日本は、アジアの一国として固有の歴史と伝統を持っており、アジアの諸国とは、政治上も経済上も唇歯輔車の関係にあり、バンドンのアジア・アフリカ会議にも参加し、そこで採択された平和十原則は、日本の最も熱心に支持するところのものであって、国連憲章の精神にも完全に一致するものである」と述べ、最後に、「日本は東西のかけ橋になり得る」といって、日本の地位と責任とを強調されたのでありました。  そこで、私は、最後に総理並びに外務大臣にお伺いをいたしますが、日本が八年余り前国連に加盟をいたしましたとき、あなた方の先輩である重光葵氏が日本の外務大臣として、また全権として、責任ある立場で国連において決意され、約束された趣旨を尊重し、平和愛好、平和共存を外交の基本として、東西また南北の和解、融和のかけ橋となろうとする固い決意をお持ちでありましょうかをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えをいたします。  国連憲章の改正につきまして、今回の改正は、お話のうちにもありましたように、国連結成当時より加盟国の数も非常にふえております。それだけ最初どおりでは実情に合わない、こういえ、ものが出てまいったのであります。  そこで、AA諸国におきましても、——このAA諸国は御承知のように五十八カ国にのぼっておりますから、この五十八カ国にものぼるAA諸国が、国連の重要会議である安保理事会あるいは経済社会理事会、こういうもののメンバーになることが望ましい、しばしばこれを要望し、今回ようやくそれが取り上げられ、そしてただいまその改正を見ようとしているわけであります。したがいまして、これができ上がってまいりますと、お話しになりましたように、今後AA諸国は積極的に国際の平和並びに安全保持に貢献する場を得られる、かように私は思うのでありまして、今回の改正を、ぜひ三分の二以上が批准することによって成立させたいものだ、かように思います。  国連が発足いたしましてからすでに二十年になっております。ただいま申しましたように、加盟国の数も非常にふえておりますが、同時にまた、国際政治そのものも国連の憲章そのものに合わないものがあります。ただいま旧敵国の処理についての規定などを御引用になりましたが、これなどは明らかにそういうものだと思います。いずれ、これは外務大臣から御説明をいたしますが、ただいまさような状態でありますので、国連についてこれをくふうして、より改善していきたい、こういうことがいわれております。  ことに、そういう場合に問題になるのはどういう点か、かように申しますと、御承知のとおりに、国連の平和維持の活動、そのあり方について、いろいろの要望が出ております。その中で特に私どもが関心を持ちますのは拒否権の制度、拒否権の制度というものはこれでよろしいのか、また、安保理事会の構成、これはただいま申しますように、加盟国の数がふえておりますから、ぜひともその構成についてもくふうしてもらいたい。また、総会と安保理事会との機能の配分につきましても、これはくふうを要することではないか、かようにいわれております。  これらの問題が論議されながらも今日まで解決されなかった、それは一体どういうわけだろうか。これは端的に申しますと、国際の平和と安全、その確保に重要な役割りを果たすべき責任のある大国の協調ができておらないということだと思います。国連ができた当時のように大国間の協調を回復することが、今日何と申しましても国連の機能を強化するゆえんだ、かように私は思うのでありまして、その意味合いにおきまして、わが国はしばしばかような発言もし、また同時に、さような意味において、大国自身がそのみずからの責任を自覚するような態度をとってもらいたいと、しばしば反省を求めておるような次第であります。  いずれにいたしましても、わが国は、私がしばしば申し上げるごとく、自由を守り、平和に徹する、この観点に立って、平和維持機構としての国連、これをどこまでも強化いたしたいものだ、かように私は考えておるのであります。  国連警察軍についてのお尋ねがありましたが、ただいまのもとにおきましては、国連警察軍の性格、目的、行動の態様など、まだはっきりきまっておりません。いずれこういうものが明確になりました際に、憲法との問題を考うべきことだ、かように私は思っております。  ただいま、国連中心主義と国際共産主義との対決、こういうことは両立しないのではないかと言われましたが、私どもが申し上げますことは、国連中心主義というのは、とりもなおさず国連の平和維持機構の強化、同時に、国連の権威の向上が、私どもが言う国連中心主義という立場でございます。そうしてわが国が平和に徹する、こういう立場に立って、国連において協調のもとに平和を確保していこうということでございますので、直接の答えにはならないかわかりませんが、私どもは堂々たるこの主張のもとに進んでまいりたい、かように思います。  ウ・タント事務総長がいろいろ心配もされ、あっせんされておること、これにつきましては、私も同様な感を持っておりますので、先ほど勝間田さんにお答えいたしたのであります。しかしながら、こういう問題にいたしましても、いずれにしても、話し合いができる、そのためには、そういう前提としての環境をつくることが大事だ、かように私は考えます。  また、最後に、重光さんのお話を引用されて、私どもの態度についてのお尋ねがございましたが、私がしばしば申し上げますごとく、私は平和に徹する、この態度は、はっきりいたしておりますので、このもとに進んでまいる、御了承いただきたいと思います。(拍手)   〔国務大臣椎名悦三郎君登壇〕

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) お答えいたします。  国連分担金の問題をめぐっていまだに解決を見ない、そのために国連の審議が中止しておるような状況であります。わが国といたしましては、本問題を取り扱う委員会の一員として、相当この問題の解決に努力してまいったのでありますが、不幸にして現状に至った次第であります。今後とも、この問題の解決に努力するつもりでございます。  憲章百七条及び五十三条の敵国条項の問題でございますが、これはおっしゃるとおり不平等なものでございまして、この改正は望ましいものであることは論をまたないのであります。しかし、わが国のごとく、平和愛好国として国連に加盟いたしました国にとっては、この条項は適用されないものと解釈しておりますので、あわせて御参考までに申し上げておきます。  それから、憲章四十一条と憲法の問題についてのお尋ねがございました。憲章四十一条の問題は、安全保障理事会が兵力の使用を伴わない措置を加盟国に要求した場合の問題でございます。したがって、この決定に基づいてなされる措置は、兵力の使用以外の措置でございますから、わが憲法に何ら抵触することはないのでございます。  なお、この問題に関連してお話がございましたが、国連憲章第四十三条に国連軍の問題を規定しております。これは規定だけはございますが、実際はこれに伴った状況ではない。したがって、この問題は、現実の問題とはなり得ない。さらに、国連軍にあらずして国連警察軍の創設ということになりますと、この問題につきましても、各国からいろいろな提案がございますけれども、現実の問題としては、憲章にもこれに該当する規定がございません。これが取り上げられて、その性格、目的、行動等の態様がきまりますれば、われわれとしては、その趣旨においては賛成でございますから、大いに研究をいたしたいと考えております。(拍手)

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————  日程第一 地方自治法第百五十六条第六項の   規定に基づき、海運局の支局の出張所の設   置に関し承認を求めるの件

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) 日程第一、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、海運局の支局の出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。     —————————————

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。運輸委員長長谷川峻君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔長谷川峻君登壇〕

長谷川峻自由民主党

○長谷川峻君 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、海運局の支局の出張所の設置に関し承認を求めるの件について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本件は、北海道厚岸港に北海海運局釧路支局厚岸出張所を、石川県小木港に東海海運局七尾支局内浦出張所を、静岡県田子の浦港に東海海運局清水支局田子の浦出張所をそれぞれ設置するために、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づいて国会の承認を求めようとするものであります。  厚岸港、小木港及び田子の浦港は、最近における経済の成長に伴いまして相当数の荷役量及び出入船舶があり、したがって、新たに海事関係業者が進出しつつありますので、海事に関する行政手続の利便をはかるとともに、海事行政の円滑な運営を確保するため、これらの港にそれぞれ出張所を設けようとするものであります。  本件は、去る一月三十日本委員会に付託され、二月五日政府より提案理由の説明を聴取し、同月十二日質疑が行なわれましたが、その内容は会議録により御承知願います。  かくて、同日、討論を省略し、採決の結果、本件は全会一致をもって原案どおり承認すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) 採決いたします。  本件は委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————

船田中自由民主党議長

○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時二十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         外 務 大 臣 椎名悦三郎君         文 部 大 臣 愛知 揆一君         運 輸 大 臣 松浦周太郎君  出席政府委員         内閣法制局長官 高辻 正巳君         内閣法制局第一         部長      関  道雄君         外務省国際連合         局長      星  文七君         農林政務次官  舘林三喜男君      ————◇—————

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