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48回国会衆議院1965/05/18

法務委員会 第29号

発言数
79
登壇者
10
会派数
2
開催日
1965/05/18

会議録

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 これより会議を開きます。  これより請願の審査に入ります。  今国会において本委員会に付託されました請願は百四十五件であります。  請願日程第一より第一四五までを一括して議題といたします。  まず、審査の方法についておはかりいたします。  各請願の内容については文書表で御承知のことでもありますし、また先ほどの理事会で検討願ったところでありますので、この際、各請願について紹介議員よりの説明聴取等は省略し、直ちに採決に入りたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  これより採決いたします。  請願日程中第一ないし第一四四の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、日程第一四五の請願はその採否を留保いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 なお、本委員会に参考送付されております陳情書は、民法第二百三十三条の改正に関する陳情書外十二件で、お手元に配付してありますとおりであります。この際、御報告いたしておきます。      ————◇—————

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 経済関係罰則の整備に関する法律を廃止する法律案を議題といたします。  本案に関し、参考人としてお手元に配付してあります名簿の方々の御出席を願っております。  参考人各位には御多用中のところわざわざ御出席をいただき、まことにありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。  この際、委員各位に申し上げます。参考人の御意見は質疑によってお述べいただくこととなっております。さよう御了承願います。  それでは参考人並びに政府委員に対する質疑に入ります。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 わざわざおいでいただきましてありがとうございました。御存じのようにこの法律案は、皆さんのそれぞれの機関における今日まで刑法上有罪とされておりました事実を、とにかくこれから無罪にするという、端的に言えばそういう内容を持った法案であります。私は先般この委員会で政府側に尋ねたのでありますが、それぞれの機関の係の方なりあるいは責任者が、君はよく骨を折ったというわけで融資を希望する人たちから金をもらうことは、法律上それが有罪であろうか無罪であろうかの以前に、道徳的にそれはよくないことであるから、それを今日まで有罪だったが今度からは無罪にするということについては、どうも心理的に納得できないことであるということを申し上げたのであります。そこできょうざっくばらんに皆さんにお伺いをしたいのでありますが、もちろん皆さんとしては、法律上の罪になるよりは無罪になるほうがいい、だからこの法案に御賛成だと思うのですが、しかし、私どもそういう心中きわめて納得できないものについてどうお考えになるか。おそらく皆さんは、これはできたならば通してくれとおっしゃる方ばかりだと思います。しかし、世間に向かって私は説明ができないというのであります。ただこの法律が説明ができるのは、いままでわれわればかりが取り残された、あとの銀行なりその他はもうとっくにそういうことをやっても罪にならぬということになってしまったのに、われわれだけが罪になるのは不当だ、不公平だ、こういう点は納得できないこともないのであります。しかし、そういう法律上の問題になる事実についてはどういうふうにお考えになるのか、そういうことからまずお伺いをいたしたいのであります。  四人一緒にお答えいただくのは恐縮でございますので、まず農林中金の山本さんにお伺いしたいのでありますが、いま係争中の事案としては、おたくの岡山支所の係員並びに業務課長さんがわいろを収受したという事案が最高裁までいっておるわけであります。最高裁まで争うということは、本件が有罪であるか、無罪であるか——一審は無罪、二審は有罪、三審つまり最高裁でどうなるかわかりませんから、このこと自身は結果的に無罪になるかもしれぬけれども、しかしながら、こういうような疑いをかけられる事案というものは、何も岡山ばかりではないと思うのでありますが、こういうことについて農林中金そのものとしてはどういうふうに内部牽制制度をおとりになり、あるいはまたこの法案についての私の疑念というものをどうお考えになるか、お伺いをいたしたい。

山本省三農林中央金庫総務部長

○山本参考人 お答えいたします。  金融機関たるものがここにありますような事件を引き起こしましたことは、まことに申しわけないと存じております。日ごろ綱紀粛正につきましては、理事長以下たいへん気を配っておりますが、不幸にしてこういう事件が起こったわけであります。私どもといたしましては、目下最高裁に黒白を明らかにいたしていただくようにお願いいたしておりますが、第二審の判決に対しましてどうも承服しがたいということで最高裁に上訴したわけであります。ここで経済罰則の整備に関する法律が廃止になる、これでよかった、こういう感じはもちろんございますが、私どもは法律のあるなしにかかわらず、無罪であることを信じておりますから、そのためにこの法律をどうするというような考えは持っておりません。  それから、かりにこの法律が廃止になりましても、私どもは国の機関でございます公庫等の仕事を代行いたしております。その法律に基づきまして委託の仕事をやっております役職員は公務員とみなされるわけでございますから、いずれにしてもこの法律があるからどうこうということは私どもは実は考えておらないのであります。ただ、先ほどもおっしゃいましたように、ほかの金融機関ではずれたところがあるのに農林中央金庫はそれでいいのか、こういう御質問でございますと、それは同じようにひとつお取り扱いいただきたい、こういうふうには考えております。  十分ではないかもわかりませんけれども、一応御回答申し上げます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 小野さんに伺いますが、信用金庫はいま係争中のものが武蔵野信用金庫、横浜信用金庫、伊那信用金庫、松本信用金庫の四カ所にわたっています。この一例を武蔵野信用金庫にとりますと、「被告人何某は、右金庫の専務理事として、その資金を貸付けるに当っては、信用金庫法、定款及び内規等に依り一定期間定期積金を払込んだ会員に対してのみ十分な担保を徴して行なうべき任務を有していたにも拘らず、右何某から会員でないミスズ建設会社に対し融資方の懇請を受けるや、これに応じここに被告人両名は共謀の上、同社に対する貸付は禁止されており、且つ経営も困難な状態にあり、貸付金の回収も不能の虞れあることを知悉しながら、右何某の懇請を容れ、前評被告人何某の任務に違背して右会社の利益を図る目的を以て、十分な担保を徴することなく、一、昭和三十六年一月三十一日前記金庫本店に於て、前記ミスズ建設株式会社に対し、手形貸付名下に金五百万円を貸付け二、同年二月十四日前同所に於て、右会社に対し、手形貸付名下に金百万円か貸付け以て右金庫に対し同額の財産上の損害を加え」等々をいたしまして収賄をしておる事案であります。私も大蔵委員会において小野さんとは非常に懇意に願っておるわけでありますが、信用金庫がここ数年間非常な勢いで発展をしまして、中小企業金融に至大の貢献をしながら、その過程において、発展過程でありますがゆえにずいぶんこういう問題が多いのであります。むしろ私は、信用金庫系統が新聞に載る度合いが非常に多過ぎると思う。もっともこれは氷山の一角でありまして、吹原事件のような大銀行の問題もなしとはしないのでありますが、新聞に散見をします度合いにおきましては信用金庫が非常に多いということは非常に遺憾なことだと思っております。一体信用金庫としては内部牽制制度と申しますか、常識的に言って誤解があるかもしれませんが、相当の都市銀行、市中銀行におきましては、内部牽制制度がわりあいに伝統があってまあ比較的整備をされておると思いますけれども、信用金庫は小柄でしかも伸びが大きいために内部牽制制度がうまくいってないのじゃないかということが痛感されますが、その点はいまどういうふうになっておりますか。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 ただいま横山先生から御指摘になりました信用金庫の本件の事案が四つございますが、私は、この法律の廃止に関する問題につきましては、銀行と同等信用金庫も変わらない、これはぜひ廃止していただきた、しかしながら、こういう問題に対しては厳罰にすべきもので、この法律がなくても、いわゆる背任等処罰法律はたくさんあるじゃないかということでございます。また、信用金庫が非常に多いということははなはだ申しわけない次第でございますが、全国に五百二十八ございまして、ほかの金融機関の四倍近くもあるものでございますから、数の上からそういうことも言えるのでございますけれども、ここに一つ問題があることは、先生も御指摘になったとおり、急激に伸びたものでございますから、内部の人事構成等が完全にいかざる点も多々あると思います。協会におきましては、特にその点を強く指導しなくちゃならぬという考え方で、この二十七日に開校式をやるのですが、信用金庫大学というようなものをつくろうということで、いまとりあえず千葉県に七千坪のものを建ててございます。そうしていわゆる金庫の内部整備をして、真に今後中小企業のほんとうのにない手は信用金庫なり相互銀行だ、わけて信用金庫はそれでなくちゃならぬ、それに目ざめるべく私ども努力をしてまいる次第でございます。いままで御指摘になった四つの問題があります点につきましては、全国協会会長としてはなはだ遺憾であり、この点は幾重にも自分が反省しおわびしなければなりませんが、今後はかかることのないように努力したいと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私のお尋ねしましたもう一つの点は、内部牽制制度はどうなっておるかという点であります。つまり、未然にそれを防止するための教育訓練をすることは適当だと思うのでありますが、係官なりあるいは何なり、これらがひそかにこういうような事案があることについてチェックする制度、これはどうなっておるかということです。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 ただいま御指摘になりました点、まことに失礼いたしました。内部牽制制度というのは、大体におきましてはできておるのですが、はなはだ遺憾なことは、そういう不祥事を起こしておるのだから、全部できておるとはいえません。しかし最近、国税の歳入代理店の取り扱い上、日本銀行におきましてもいろいろ調査した結果、かなり、信用金庫はいままで考えた以上のものであった。したがって、いまそこに御指摘になりました横浜信用金庫とかそういうものもございましたが、そういう点につきましては日本銀行のほうの取引もおくれるといういろいろの関係もございますが、内部牽制は、どこにも監察室があり、そして完全なものができておるのですが、しかし、その数字から申しまして、いま全体がということは私も申し上げられない。  それから、これは横山先生は大蔵委員でございまするから特にお考え願わなければならぬことは、抜本的な問題は、信用金庫は五百二十八ある。そして小さいのは二億、大きいのは一千億、大きな格差を持っておるので、これは一つの行政ではできない問題がある。だから、二億、三億、五億の小さな金庫に至っては、そういう問題が、やかましいことを言いましても、人員構成、いわゆる経理内容からいってなかなかできない。そういう点は、きょうは法務委員でございますが、大蔵委員としても十分御勘考願わなければならぬのじゃないか。いずれか大蔵省においても——もう経営思想も違うし、二億から一千億のこういうような雑然たるものを背負っておる協会長でございますから、非常に困難を背負ってイバラの道を歩いていますが、しかしこれも完全にいくべく、私は、御承知あると思うのですが、大体月に二十回くらい飛行機で飛び回っておりまして、それで昨年胃袋も取った。ことしはまた腸閉塞で、きょうも実は聖路加病院からこちらへ参った次第でありますが、なおればまた月に二十回以上は全国を飛行機で飛び回っております。牽制制度はどうなっておるかというと、完全にできておると申し上げたいのですが、数字の上からはできておらないことは、二億、三億の金庫というものは、かっての産業組合、信用組合、農協さんの小さなところと何ら変わらぬ形がある。こういう点で、全部がということは言い切れぬことはまことに申しわけない次第でありますが、それを今度二次計画におきましては、全部完全なる軌道に乗っけたいということで努力さしていただきたいと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 もう一つ伺いたいのですけれども、銀行は大蔵省の監査があって、それについて不正事実が発覚をされるということになるわけでございますが、協会自身でそういうことをおやりになるということにはいまなってないわけですね。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 それはございません。いま連合会に特殊の監査室を置こうじゃないかという計画をしておるのですが、いずれも御承知のとおり特別の免許を持っておるものですから、外部監察というのはなかなかむずかしい問題でございます。これは実をいうと、告発権もあるし、検査する以上は大蔵省自身がもっと抜本的に、正しくないものがあったらばんとやったらいいじゃないか、くさいものにふたをする形はむしろいかぬじゃないか。だから、こういう点はむしろ私ははっきりしてもらったほうがいいので、大蔵省が、悪いなら悪い点をばんと摘発してもらったらいいじゃないか。ただいわゆる検査の結果の検査公表において、これこれ是正せいというようなことではなかなか抜本的な仕事ができないのじゃないか。だからそういう点は、先先方から、特に何かの機会に、十分御研究になりましょうから、指摘願うことがいいのじゃないか。告発権を持っておるのですから。われわれは実際監査し得るといっても、表面上はできましても、実際内部に言う権限は何も持っていないわけですから、遺憾ながら先生のお答えにならぬかもわかりませんが、御了承願います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 田崎さんにお伺いをしたいのでありますが、私はこういうことを考えておるわけです。それは金融機関というものは信用が大事であるからということで、預金者の秘密ということが相当尊重をされる。金融機関の信用、預金者の秘密、そして不正事実があってもなるべく外に漏れないようにするということが一般常識になっておるくらいであります。またもう一つは、昔は取りつけ騒ぎがあったけれども、いまは相互保障協定があり、いろいろなそういうことがあって取りつけ騒ぎになるようなことはないのであります。そのために金融機関の内部牽制制度が確立していないために、金融機関内部で不正事実があったときは、なるべく早くもみ消しをして、外にわからないようにしろということが今日の金融界に携わる者の常識になっておるくらいであります。したがって、一罰百戒という思想はそこにはない。犯人があっても犯人をなるべくわからないようにして、犯人に金を出さして、どこにもわからぬようにして、それがなかりしものにしてしまうということにきゅうきゅうとすべてがなるのではあるまいか、こういうことが今後ますます続いていく限りにおいては、ことばはまことに適当ではありませんけれども、金融機関内部において何か問題を起こしても、また経営者がきわめて経営者としての適格性を欠く人でありましても、このために経営がうまくいかないようになりましても、結局どうかこうか、いろいろなことをやっても守ってくれる、つぶさないように努力してくれるという雰囲気があって、金融機関の独立不覊の精神を持って健全に経営をするという点が昔より欠けているのではないか。だから私は、いま小野さんもちょっと御意見をおっしゃったようでありますけれども、悪いことは悪いとして、金融機関の問題については、もう悪いことについては、公表しなければならぬものはすみやかに公表して、そして、ほかには全然ございません、そのような点は即時改めますというような態度をとるべきではあるまいかと考えるのでございます。信用協同組合は特に零細な人たちでありますがゆえに、底の底まで洗えば問題がずいぶん多かろうと思うのです。この点についてどうお考えでございますか。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 お答えにならないかもしれませんが、私の意見を述べさしていただきます。  信用協同組合は最も弱小なるランクにある金融機関でございまして、まず事件などが起きますと預金者保護が第一ということを考えるわけでございます。したがいまして、まずその観点に立って、たとえばある不正事実が発覚いたしましても、何とか預金者の保護ができるように、しこうしてそれは、その事実が発表されることによって非常に信用を失墜するものでございますので、勢い一応はなるべく外部に漏洩しないような手段をとるものと考えます。これは一信用協同組合ばかりでなく、御説のとおり各大銀行から同業の方にもそういうことはあると思いますが、監督官庁には必ず御連絡しておると思います。信用協同組合におきましては各都道府県の県庁が監督機関でございますし、われわれ連合会は大蔵省の監督下にございますが、両方の御判断によって円満なる解決に努力しているものと思われます。不正事実あるいは事故を直ちに公表することはケース・バイ・ケースによって判断さるべきものではなかろうか、かように考える次第であります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 少しことばが濁っておると思うのですが、すなわち、金融機関における不正事実については、なるべく預金者には秘密にし、銀行の信用、金融機関の信用ということで隠蔽し、事なかれを期するということが妥当であるか、それとも私のように、そういうあいまいな状況、あいまいなやり方というものがかえって犯罪構成の温床になるのではあるまいか、真に銀行の信用なり預金者の利益を守るという立場に立てば、一罰百戒という立場に立つべきではないか。どちらをお選びになりますか。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 事故がございましたときには、信賞必罰で、あくまでその事実は厳重に処罰されなくてはならない、かように考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 本人が処罰されるのは当然でありますが、しかし、これを銀行内部、信用組合内部として処罰をずるにとどめて、しかもこれは使い込んだから処分をされたのだということは外部には公表しないで、普通退職というようなかっこうで済ましてしまうのではあるまいか、こういう感じを私は受けるが、その点はどうか。外に向かっても罪は罪としてはっきりすべきではないかということを言っているわけであります。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 全くお説のとおりと存じます。先ほど私、お答えにならないようなことを申し上げたかもしれませんが、ケース・バイ・ケースで、比較的軽微なものとか、あるいは賠償のできるものは、人情としてもなるべく表ざたにしたくないのが同業の者の気持ちであろうかと思います。ただし、原則として信賞必罰が行なわれるべきものであると考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 信用組合につきましては係争中の問題について一件ございます。それによりますと、被告人は、大阪の千代田信用組合に専務理事として勤務し、理事長を補佐して何々する仕事であるが「組合員株式会社日東商会代表取締役何某より右組合の同会社に対する手形貸付、手形割引に関し被告人から便宜な取扱いを受けたことに対する謝礼並に将来とも同様な取扱を受けたい趣旨で供与されるものであることの情を知りながら、第一、昭和三十六年四月十五日頃大津市山上町所在株式会社皇子山カントリーホテルにおいて、同カントリーホテルに対し自己の皇子山ゴルフ場第二次入会保証金として二十九万円を払込んで貰って利益供与を受け、第二、昭和三十七年一月十日頃淡路観光開発株式会社の取引先である大阪市南区難波新地四番地第一銀行難波支店において、自己の同会社ゴルフ場第一次入会申込金として四十万円を払い込んで貰って利益供与を受け、もって自己の職務に関し賄賂を収受したものである。」  私も金融関係をやっておりまして、金融機関に接触をしておりますので感じられるのでありますが、これは何も田崎さんのところの信用組合を云々するものではない。しかしながら、一般的にいまの不況状況で中小企業が金融難におちいっておるときに実にありがちなものだと私は思う。たまたまこの問題は、この人に言わせれば、おそらくだれだってやっているのだけれども、おれは運が悪くて出たにすぎないという感じを持っているのではあるまいか。したがって私は、氷山の一角として出たものに対して、このようなことがあった、だからこのようなことが事実である場合にはこうされたということを、はっきり徹底させなければいけないのではあるまいか。先ほど小野さんから御答弁があった、教育し、訓練をし、平素内部牽制制度をするというばかりでなくて、一つの事実について周知徹底させて、問題があった人はこういうふうに処理されるということを周知徹底させなければいけないのではないか。それが金融機関においてはくさいものに全然ふたをして、あの人はどうされた、円満退職したということに終わっているのではないかということが痛感されるのであります。その点を私は信用協同組合だけを言っているわけではないのですが、御質問の順番としてあなたに、その人が処分されるけれども、外に向かっては、何もない、銀行は何も損害を受けなかったというかっこうに終わってしまっているのじゃないか、そういうことはいかぬのではないか、こう言っているわけですよ。この点、どうですか。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 たびたび御指摘のとおり、全く御意見のとおりと存じます。以上をもってお答えといたします。

横山利秋日本社会党

○横山委員 御意見のとおりだということは、私の言うように、たとえばこの被告人の千代田信用組合の専務理事はこういうことがあった、したがっていま裁判で係争中で、事実はこういうことだ、こういうことは二度と再びあってはならないということで、信用組合連合会から全国の信用協同組合へ、こういう先例を追ってはいかぬという教育のしかたもおやりになりますか、と聞いているのです。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 連合会は信用組合の経済行為のみを行なう機関でございまして、別に啓蒙指導あるいは政治活動を担当する機関としまして、信用組合中央協会というものがございますので、今回たまたま事例を知らしていただいたわけでございますが、私のほうから中央協会とも連絡いたしまして、本件に関しましては直ちに全国に周知徹底の方法をとりたい、かように考えております。ただし、千代田信用組合と申しますのは大阪府の組合でございまして、たまたま経営者が適格でございませんために不良貸し付け等による事件ができまして、現在は大阪府の弘容信用組合に吸収合併されまして法人格を失っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 労働金庫の三木さんにお伺いをいたします。  労働金庫は係争中のものは群馬県の労働金庫に起きた事案、「被告人は、群馬県労働金庫の役員で且つ、財団法人日本労働者住宅協会群馬県支部長であるところ、第一、財団法人日本労働者住宅協会群馬県支部長として金銭出納の業務に従事していたものであるが、昭和三四年一二月三一日前記労働金庫において、同協会名義の右金庫普通預金通帳から現金七六、〇四二円の払い戻しを受け、業務上保管中これを同所において檀に自己の用途に供する目的をもって着服横領し、」第二に、三名の人から、金五百万円の融資を懇請されたことから一人前九百五十六円相当の酒食の饗応を受けたこと、またその年に一人前千九百五十七円の饗応を受けたこと、第三番目に一人前三千三百四十六円相当の酒食の饗応を受けたこと、「もって夫々前記労働金庫の役員である自己の職務に関して賄賂を収受したものである。」とされているのであります。  いま前橋地裁で一審係属中の模様でありますが、労働金庫は特に金のない全国労働者の零細な預金を扱っておりますがゆえに、事案としては他の金融機関の事案と比較にならぬほど少額の問題で係争になっております。しかし、金額の大小にかかわらず、この預金者であります労働者諸君にとりましては全く労働金庫の信用を失墜するもはなはだしいという感じがいたしますが、労働金庫について、いま二、三の方にお伺いいたしました内部牽制制度はどういうふうになされておりますか。この事案ができたということから、どういう改善が労働金庫においてされていますか。

三木常資全国労働金庫協会事務局長

○三木参考人 お答えははみ出たところが多少あるかもしれませんが、ひとつ御容赦を願います。  いまのお答えのほうを先に申し上げますが、労働金庫の今回の案件は、ことに経済罰則の整備に関する被告の事件は、実はむしろ内部制度そのものに直接どうこう、内部牽制制度を整備したからどうこう、いわゆる金融業務の正常の取り扱いの上に起きたものでどちらもございません。しかしながら、内部牽制制度というものは金融機関として非常に必要なものでございます。労働金庫は御指摘のように零細な預金を扱い、非常に弱小な金融機関ではございますが、内部牽制制度につきましては十分の注意を払って、それから人数の少ない関係から、各金庫にまだ内部検査室というものが全国にわたって設けられておりませんが、この必要性を打ち出して、だんだんこれを各金庫に及ぼすという形にやっていく。それからまた私は全国労働金庫協会というところに所属しておるわけでございます。ただいまは名前が変わりましたが、経営指導部というものがございまして私がそれを担当しておったのですが、ここを通じて各金庫の経営のしかたを指導する、あるいはまた協会が中心になりまして監事の研究会、これは去年からずっと各金庫について実施をしておるわけでございます。労働金庫でございますので監事、普通の会社ですと監査役というのにあたる方々の資格と資質が、労働組合出身の方が多いので必ずしも適任でない。計数的なことに明るくないというようなこともございまして、この点では協会が中心になって監事研究会を昨年から全金庫について行なって、いろいろな事例もあげまして、そうして事故の起きないように指導しておる、こういう形でございます。  これから先はちょっと御質問からはみ出すのですが、今度の廃止という点につきましては、私は公平の見地という点から賛成でございます。むしろ何ゆえにいままでほかの銀行であるとか保険会社であるとか、民間金融機関が三十八年に除外をざれたのに、いままでわれわれのような信用金庫あるいは信用組合、労働金庫がそのまま残っていたのか。この理由、実は大部の参考書をいただきましていろいろ見たのですが、全部読み通してみてもどうしてなのかさっぱりわからぬ。非常に弱小なものだからお忘れになったのかと善意に解釈するほかにない。特に理由があろうとは思われない。銀行や保険会社よりも公共性が強い、公務員に準ずる性格が強いのだというような形でいままで残されたとは考えられませんしまた、どうせ弱いやつだからひとつ締めつけてやろうという悪意があったとも考えられない。とすれば、単に事務的なミスでいままで残ったのじゃなかろうか。そういう点で、今後こういうようなことのないようにひとつ御要望を申し上げ、参考人としてはなはだ口はばったいことでございますが、御要望を申し上げます。ほかの法律にもいろいろこういうのがあるのじゃないか。私、法律についてはしろうとなのではなはだ何でございますが、ここは法務委員会という立法府の法務関係のベテランの方々がお集まりの席上でございますので、特にひとつ問題を指摘いたします。  それから、この係争中の事件に対します私の考え方でございますが、実は民間金融機関の係争事件について、はなはだほかの御列席の参考人の方にはあるいは差しさわりがあるかもしれませんが、実はいただきました資料につきまして統計をとって見ました。その中で一件あたりの金額をちょっと申し上げますと、信用金庫さんは一人当たり四十五万七千円、次にあがっておる労働金庫は六千二百六十九円、信用組合は六十九万円、銀行も載っておりますが、銀行は四百七十七万円だ、こういうような形になっておる。横山先生は金額の内容ではなくて事の本質だというように申されましたが、私はこのあがっておりますものをずっと拝見いたしますと、かりに今経済後罰則整備のこの法律が廃止になる。そうしてわれわれ金融機関が除外されましても、国民感情として、こういうものはひとつあくまでも徹底的に糾明をして、その罰すべきは罰していただきたいと思うような事件もある。あるいはまた、読んで見まして、かりにこの法律がそのまま存続したとしましても、これはあまりに重箱のすみをつつくような、故意に罪人をつくるというようなケースではないか、こう思われるものもあるわけでございます。大体ずっと見ましたところが、全部全品の贈収賄という問題がからんでおります。労働金庫のは供応だけでございます。この労働金庫の事件は、何もそうだからといって労働金庫だけを無罪にせいとか、労働金庫についてだけ起訴の事件を取り下げにせいと申しておるわけではないのですが、いま言ったような観点で、非常に法律を適用する上において疑念を持たれる点が多々あるわけです。  ここでひとつ横山先生に弁解ではないのですが申し上げておきたいことは、実は労働金庫も金融機関でございまして、この法律が適用されるということは知っておるのです。贈収賄というような事実は、実は多少冗談話でございますが、わいろを持って来てほしい、こう思っても、持って来るところはないわけです。相手は全部労働組合、労働者の団体でございます。その点は非常に清潔である。ただ会員制度でございまして、金庫の役員などは大体労働組合出身、ごくわずか金融機関関係の出身者もおりますが、そういう方々でございます。そういたしますと、いわゆる商売上で初めてつき合いを生ずるという形でございません。本来知り合い同士であるという方が会員になって金融上のおつき合いも生ずる、こういうことになる。そうしますと、どうしても昔からの知り合いとして飯を食おうというようなこともあり得ると思うのです。横山先生がお読みになった今度の係争事件についても、お聞きになればわかるように一人前九百五十六円の供応を受けた。三回にわたっておりますので全部で六千二百円ほどになっております。こういうことでございます。この事件は、なるほど瓜田にくつを入れず、李下に冠を正さずでございまして、非常にけしからぬことでございますが、むろんこの点につきましては、私ども協会といたしましては各金庫に通知いたしております。そうしてこのような疑われる事情、状況というものをやっちゃならない、清潔の上にも清潔を期せ、こういうふうに指導をしておるわけでございます。  以上でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 いま三木さんのお話の中の、ほかの金融機関は落ちたにかかわらず、われら弱小金融機関だけが落ちないのは不公平きわまることだという点は、全く私どもも同感であり、また本法案が提案された趣旨もそこにあるわけでございます。先般もちょっと政府委員にその点について聞いたところでありますが、この際、各参考人がそういう感じを濃厚に持っていらっしゃるということにかんがみ、あらためてこの際政府側から、どういう経緯でもってこのほかの都市金融機関が先に削除されて、これらがおくれたのか、説明をいただきたいと思います。

伊藤榮樹検事(刑事局刑事課長)

○伊藤説明員 御承知のように銀行、保険会社等につきましては、昭和三十八年の法改正で削除になったわけでございますが、削除になりましたのは金融緊急措置令を廃止する法律の附則によりまして廃止になったわけでございます。すなわち、金融緊急措置令の廃止に伴う一連の措置といたしまして廃止になったわけでございます。したがいまして、きょう参考人が御列席になっております関係の金融機関につきましては、金融緊急措置令と直接の関連がないということで、いわばあと回しになったということのように承知しております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 金融緊急措置令と関係のあるところだけ落とした。しかし、落とした瞬間に今日法案を提出せざるを得ない事態というものは発生したわけですね。だから、そのときにこれを落とすなら公平論としてこれらのものを落とすべき必然性がそこでできてしまったわけです。なぜそのときに一緒に落とさなかったのか、落とせられない理由が何かあったのか、その点はどうですか。

伊藤榮樹検事(刑事局刑事課長)

○伊藤説明員 当時の経済罰則整備法の別表乙号から金融緊急措置令による金融機関を落とします場合に、ただいま申し上げましたように金融緊急措置令を廃止することに伴って必要最小限な改正をするということで、金融緊急措置令を廃止いたしますと、別表乙号の関係がどうなるかということで、別紙乙号に上がっておりました金融緊急措置令に基づく金融機関というものだけをさしあたり削除するということにされたわけでございます。もっとも、その際その余の金融機関が全く問題にならなかったのかと申しますと、そうでもございませんようで、なおそれらにつきましては非常に小口預金者等の預金を集めておるというような観点から、大銀行と申しますか、銀行あるいは保険会社と全く同視してよろしいかどうか、なお若干検討を要するものがあるのではなかろうかというような考え方もあったやに承知いたしておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これは何らこの法案をあと回しにする積極的な理由がなくて、当然そり場合に客観的に見て法の公平論からいってこれらの法案を提出すべき必然的な理由がある。このために数年間、この金融機関の、ここに御列席の皆さんから法の公平の概念に反するといわれても、私どもとしましてもまことにそうだという気にならざるを得ないのです。この点は、政府側としては十分に一つの法律を直すについて他の法との公平な立場から、そのことのほうがむしろ大事なんでありますから、その立場から考えて今後善処しなければならぬ。  小野さんにもう一つ伺いたいのでありますが、この公平論の概念からいいますと、この問題はまことにこの法案については妥当性があるわけです。しかし現在、まことに皆さんには御迷惑なことではあろうけれども、まあ今国会で最大の問題ともいうべき吹原事件が勃発いたしまして、また山陽特殊鋼の問題があって、金融機関のあり方についても問題になった。まことに金融機関について国民の不信の念がきわめて増大をしたときでありまして、したがいまして、私どもは単純に公平論だけでこの法案を審議するわけにはまいらない。そういう状況にあるわけです。で、個人の御意見でもけっこうでございますが、いわゆる吹原事件を国民が聞いてまことに解釈に苦しむ。何の担保もなく、何の保証もない者に三千億円の通知預金証書を振り出すとか、あるいはそのほか吹原事件に伴って発生いたしましたことについて、あらためて金融機関というのは、中小企業が三十万円やあるいはほんの少しのお金を借りることにはやいやい言うけれども、他方において何たることをしておるのか、また、中小企業金融専門機関であっても、中小企業に対しては非常な厳格な規制をしながら、コールを一体どういうふうに回しておるのかという批判がきゅう然として巻き起こっておるわけであります。したがいまして、この法案の公平論については私ども何ら云々すべきいわれはないのでありますけれども、あたかもまことに時期が悪い、こういう感じを争えないのであります。国民の全般の吹原事件に関連いたしまして金融機関に対する不信の情というものをどういうふうに一体おとりになっていらっしゃるのか、あの事案の個々の問題にお触れになってもけっこうでございますから、所見を伺いたい。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 ただいまの御質問の点にお答えいたします。  その前に公平論につきましては、今度の経済罰則整備法というものは戦時立法であって、ああいうものが残滓としてほんとうに残っているのはおかしいので、これは公平論あるいは小額預金とか中小のものを擁護するというような考え方でそういうような行政措置がとられたということになれば、これははなはだ遺憾な問題でありまして、いわゆる経営者の人格を無視したもの、そういう経営者の人格を無視するところにいろいろな問題が起きておるのじゃないかと思っております。私はもう少し国民を信頼していいと思う。罰すべきものだったらどんどん罰したらいいじゃないか、私は断固として大蔵省の検査の結果いけなければ罰したらいいと思うのです。検査の結果不良が出て、いろいろな問題で告発ざれた例はないのです。むしろ私はこの点を遺憾に思っておるくらいであります。  それから吹原事件を契機として、またその前からも、両建て、歩積みあるいはコールの問題等で金融機関がいろいろ批判されております。これにつきましては反省せにやならぬ問題がたくさんございまするが、この問題に至りましても疑義が多くある、これをお考え願わなくちゃならないのじゃないか。それはもう関連したわけでございますから、わずかな時間ですからちょっとお与え願いたいと思うのですが、コールの問題、両建て、歩積みにいたしましても、両建て、歩積みがいわゆる公表されたものが、相銀四十幾つ、それから信金が三十幾つ、銀行が二十幾つとか、三十幾つになっていますが、実際においての銀行の預金と、それから両建てのほうも、これは中小企業者だけ抽出したら五〇%以上になる。ほとんどは大企業が借り手なんです。大企業を通算してくるから一番預貸比率が低いというだけのことなんです。だけれども、中小企業だけ出したら非常な高い五〇%からの率になる。私は銀行の関係で調べておる。そういう点でも、いわゆるただ表面にあらわれた数字だけ言われても、ほんとうに困るのだという気持ちを持っておるわけですが、しかし、これは先生方に言われて非常に自粛して、そうして二年、三年計画をもって、私どもは当局、先生方の御指示に従ってその線まで下げる。それからコールに至りましても、一体やかましいことをおっしゃっておるが、しかし法律において一八〇%の預金者保護というものをやらしておいて、そうしてその金というものはどこへ持っていくかといえば、結局銀行に持っていく。銀行に持っていくのなら定期の預金をして、一銭何厘よりか三銭何厘でコールのほうでとるというなら、コールにとらしたほうがいいではないか。結局一八〇%といういう膨大なものがあるということを法律できめた、法律よりか行政指導です。これは当然、現在は三兆円ございますが、平均ならしても一八〇%も出てくる、二十割近くのものが六千億からある。こういうものも、私は常に言っていることは、一体そういうものがいけぬとするなら、信用金庫が持っておる金を政府がいわゆる逆ざやにならないように、いま三百億や五百億出したところで中小企業の救済にはならぬと思うのです。だから一千億出して、逆ざやにならぬようにこうせいということでどんどん使ってくれたらいいじゃないか。そういう点はいま国家の金を使ったらいい。ただそれを、コールがいけぬいけぬと言ったところで、コールは表面そうでありましても、中にはまた二百も三百も持っているところもあるから、これは高い数字になる。八千億からになってしまう。そういうところの特別のものを考えないで、ただ表面にあらわれた数字だけで言われると、なるほど信用金庫はコールは一番高くて、いわゆる高利で荒利をかせいでいると言われるのだが、そうせざるを得ない日本の金融行政があるのだということは、横山先生は十分御了解、御承知のことだと思うのですが、新聞、国会等で言われますと、もうそれ自体が非常に悪人のように見られることは残念であるけれども、これは私は大蔵大臣にもまた他の人にもいま言っておることで、今度はさらにその問題に対していろいろ大蔵委員会にも請願をしてみたいと思っております。  そこで最後に、吹原事件につきましては、これはもう私どもの常識では考え得られぬ問題であって、内部牽制というどころじゃない。ああいう問題が、いわゆる中枢部が知らずしてそれだけのものが動かない。支店なら支店で預金内容を一々本店に毎日毎日報告されるのだから、総預金が、たとえば三十億の支店が五十億になれば、本店はこれはどういうわけだと直ちに質問があるべきものだ。だから、そういうことは考えても考え得られぬ問題が出ておるので、私どもは金融機関として常識からいきましてもああいうものはほとんど考えられぬ。考え得られぬけれども、大和さんにしても、また三菱さんにしても、そういう問題が関連して起きておるということなんであります。私どもはこれにつきましては他山の石じゃない、頂門の一針、どちらにいたしましても信用金庫は、そういうような形が全然表面にあらわれてこなくても、ないとはいえぬのじゃないか。そこで私どもも、今月、あさって退院させてもらって、今度は、新年度はそういうものを中心に歩こうじゃないかということを言っておるわけでありますが、これはいい機会だと思うのです。先生方から、都市銀行ばかりじゃない、全体の金融機関が考えなくちゃいかぬじゃないか——他の機関を申すわけではありませんが、いま農協さんだって、信用組合よりも大きくなり、信用金庫より大きくなって、そうしてこれが農協じゃなくして農商工協会というような形にしなければならぬようなものがたくさんできてきておって、そういう金がどういうふうに動いておるか、そういうことも十分御研究になっておるだろうと思いますが、そういうものの中にはきまれておる信用金庫というものは、いろいろな問題のサンドイッチになっておるから問題がないとは申しませんが、私は自分の力のある限りは改めていきたい。それから常識的にいえば、ああいろ問題はどうしても私どもに判断つかない。われわれ小さな金融機関としましても、一支店が——自分らの支店は十五億、二十億ですが、三億とか一億のものが台が変わっても、本店に報告にいくと、この一億はなんだいということを必ず質問をされるのがいわゆる常識なんです。ですから幾ら質問されましても、こうだということは私どもは申し上げられない、自分らの常識にはないのだ、これははなはだお答えにならぬのですけれども、これで御了承賜わりたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 四人のお方にそれぞれお答えを願いたいのですが、第一の質問は、この法案に賛成か反対かという点であります。第二番目の質問は、お答がしにくいかもしれませんけれども、ひとつそれぞれの信念に基づいてお答えを願いたいのでありますが、いままで質問をいたしました継続中の経済法律違反に問われた五十二件、この五十二件の問題を、この法案の審議に関連をしてさかのぼって無罪にするという意見がごく一部にあるかの話であります。こういうことについて賛成か反対かという点が第二問であります。第二問にはお答えがきわめてむずかしかろうと思いますが、それぞれの所信に基づいてお答えを願いたいと思います。山木さんからお願いします。

山本省三農林中央金庫総務部長

○山本参考人 第一点につきましては、法律を廃止することに賛成でございます。  第二点につきましては、これはなかなかむずかしい問題でございますが、信念を言え、こうおっしゃいますならば、私としてはこれで無罪にする、この法律が廃止になれば過去の案件が水に流れるということは適正でないと考えます。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 お答え申し上げます。第一の問題は、こういう問題はぜひ廃止をお願いしたいということでございます。  第二の問題につきましては、いま山本さんがおっしゃったとおり、こういう問題は私は処分すべきものだとは考えております。ただ法律が廃止されますと、いわゆる立法関係でどういう形になりますか、自然にこれが免除されるのかもわかりませんが、私はあしいものは処分すべきだという考え方を持っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 ちょっと小野さん、第二問の趣旨がよくおわかりにならぬと思うのですが、第一問によって、かりにこの法律が通りますれば、裁判官は精神的な影響は受けると思います。しかし、法は過去において生きております。私の質問は、この機会にこの法律を修正して、過去の五十二件を無罪にするという意見がごく一部にあるような気がするが、それに賛成か反対か。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 私は、法治国としてやはり過去の法がよかろうと悪かろうと、それできめられたものは当然やるべきものだ、処分すべきものだという考え方を持っております。

三木常資全国労働金庫協会事務局長

○三木参考人 第一問については、公平の観点から賛成でございます。むしろおそきに失する、こう考えております。  第二問につきましては、これは係争中のものには適用すべきではない、すなわち、やはり罰すべきだ、こう思うわけです。ただし、その罰する態度については、先ほど申し上げましたように、重箱のすみをつつくような、問題にならぬようなものまで法があるからといってあれするのではなくやってもらいたい、こういうことでございます。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 第一点につきましては、廃止に賛成でございます。  それから第二点につきましては、前三者の御意見どおり、法がございます以上は処罰さるべきがたてまえであると考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 田崎さん、法があるというのは過去にあった、修正して無罪にするということにすれば法はなくなるんですよ。法を改正して、過去のものを無罪にすることに賛成か反対かということをお伺いしているのです。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 過去のものは処罰さるべきであると思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の質問を終わります。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 坂本君。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 大体横山委員から質問がありましたが、私も若干質問をいたしたいと思います。  ただいまの結論では、この法案に賛成だ、こういうお話でございますが、お立場上そのとおりだと思うわけであります。ただ私たちがこの法の審議について考えますことは、ただいま刑事課長も御説明がありましたように、一般の市中銀行がこれからはずれましたのは昭和三十八年の七月なんです。これは金融緊急措置令に規定する金融機関というもので、実はこれは法務委員会にはかかっていないと思うのです。他の大蔵委員会のほうにこの金融緊急措置令というのがかかりまして、これが通過いたしましたから、そのほうの結果として別表乙号の二十四が削除になった、こういう結果を来たしておるわけです。実はこの法律が通過しましたから、金融機関についていまここにおいでの方々のは残って、一般の市中銀行がはずれた、こういう結果になっているわけです。そこで、その後ある方面から聞くところによりますと、この法律は非常に不公平じゃないか、金融機関を全部はずすならばいいけれども、一部残して、今度法律改正になって、ここにおいでの四名の方々のは全部はずれてしまうのですが、附則ができまして、電源開発その他についてはまだこれと同じ法律案が残ることになるわけです。いわゆる贈収賄事件でございます。そこで非常に不公平じゃないかということを私たち耳にしました。しかし、ほんとうはこういう金融緊急措置令なんかの法律案が大蔵委員会にかかりましたら、これは法務委員会と連合審査をいたしまして慎重審議をしてやるべきはずだと思うのですが、われわれ法務委員としても責任があると思うのです。実はこの法律案の審議にはわれわれは参加していないような関係で、それでその後の話を聞きますと、それじゃ全部はずすか、何とか市中銀行の点について復活しなければ公平を失するんじゃないか、そのほかにも若干の理由がありますけれども、大きい理由はそこにあります。そうしてその結果を見ますとどうかと申しますと、市中銀行はそれじゃもう野放しになったのか、贈収賄があったかなかったかは法的問題等にしてはあらわれておりませんけれども、われわれの耳にするところは市中銀行の支店長なんかは非常に実入りがいい。一年、二年支店長やっていれば家も建つ、服装から時計その他の持ちものも相当の持ちものがある。銀行から中小企業が金を借りるのには非常に骨が折れるというので、暗に贈収賄として法律上考うべき問題等についてもそういうことが行なわれておる。これが金融独占資本のもとにおける一つの影響かとも、私は法律家として私なりに考えていたわけなんです。そこで、公平の原則からいけば、市中銀行をはずしたら信用金庫その他の金庫も当然はずさなければならぬ、これが公平だ。しかし、私は普通銀行がはずれた結果を見ますと、現在の社会情勢からも、やはりこれだけの法的戒めをやっておかなければいかないんじゃないかというような考えも大きにあるわけなんです。そう考えておりますときに、今度この法律案がここに出たわけであります。  そこで前回刑事局長にも御質問をいたしましたが、こういう点についての考えはないかということを聞きますと、これは横山委員も聞かれたと思いますが、やはり金融機関全般についての法的措置も考えておる、こういうような答弁でありましたが、私はこういう法律案をはずして、いま一番産業の中心になっておる金融機関についての処置をするならその処置をやって、新しい法律でもつくって——法律が結局できるでしょうが、その法律ができて、その法律の結果こういう金融機関に対する罰則を削除する、こういうふうでなければならない、こういう考えを持っているのですが、その点についてまだ法務当局の所見を聞いていないわけでありますが、まずその点についての所見を承りまして、参考人の方々の御所見を承りたいと思います。  なお付言したいのは、この表にはこれだけの、現在係属中の五十二件の資料が出てまいっておりますが、その他の資料によれば、この罰則によって取り扱われた事件というのは相当あるのです。これは単なる表だけでありまして、司法統計年報による資料だけでありまして、実はこの審議にあたってはその内容も知りたかったのですが、期間の問題その他の問題で資料が出ておりませんけれども、むしろ市中銀行に対する違反が三十八年前は多かったのじゃないか、皆さん方信用金庫その他の事件は数においてごくわずかで、市中銀行のほうにおいては非常に多数あったのじゃないか、私、こういうふうに思うのですが、その点もあわせて法務当局の御所見を聞きたいと思います。

伊藤榮樹検事(刑事局刑事課長)

○伊藤説明員 まず最後の御質問に対してお答えいたしますが、この法律の別表乙号二十四号から金融緊急措置令による金融機関が削除になります以前におきまして、銀行あるいは相互銀行等にかかわる贈収賄のケースがある程度あったごとは事実でございます。手元にございます数字からいたしますと、信用金庫等と同じくらいあったように見受けられます。なお、昭和三十八年に金融緊急措置令の廃止に伴う本法の改正がありまして以後、銀行以外の金融機関で起訴されたものはございません。  さて、最初の御質問でございますが、現在御審議いただいております経済罰則整備法を廃止する法律案と申しますのは、すでに御説明申し上げておりますように、経済罰則整備法の廃止とこれに伴う必要な措置を講ずることを目的として立案いたしましたために、現在本法の適用を受けております信用金庫その他の金融機関につきましては、すでに別表から削除されております銀行等との均衡その他を考慮いたしまして、新たにそれぞれの法律に役職員等にかかる贈収賄等の規定を設けないこととしているのであります。また、そのように経済罰則整備法を廃止する、それに伴って必要な措置を講ずる、こういうのが現在御審議いただいておる趣旨でありますので、そういうことになっておるわけであります。しかしながら、先生も御指摘のように、銀行なども含めまして、一般に金融機関全体につきまして、預金者保護あるいは金融の適正化、こういった見地からその運営の公正が強く要請されるということも事実でございまして、このような観点に対しましては、当面私どもといたしましては現行の各種の罰則の活用によりまして、おおむねこれら機関にかかります違法行為の取り締まりの実を期し得るものと考えておるのでございます。しかしながら、なお他面、それらの預金者保護、金融の適正化をさらに厚くするという観点からいたしますと、その役職員の職務の公正をざらにさらに担保いたしますために、特別わいろ罪の規定等が要るかどうか、あるいは背任罪等についての加重規定、こういった罰則が要るかどうか、こういった問題があるわけでございまして、これらの問題につきましては、金融機関全般を通じての問題として、今後私どもといたしましても、関係各省と十分協議検討いたしまして善処いたしたい、かように思っておるわけでございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 私は、先ほど質問いたしましたように、むしろその法律案を整備してから、その結果としてこの罰則が削除される、こういう方向に持っていかなければならぬじゃないだろうか、こういうふうにも考えまして、そのような法律案をいつごろ整備してどういう考えに立っておるか。きょうは法務大臣が見えておりませんが、政務次官、いかがでございますか。

大坪保雄自由民主党法務政務次官

○大坪政府委員 ただいまの坂本さんの御質問に対しては、刑事課長がお答えいたしましたが、お答え申し上げましたように金融機関に関する事柄でございますから、大蔵省、通産省、その他関係の向き向きとよく打ち合わせをいたさなければなりません。ただいまの段階で、いつごろそういう措置が講ぜられるかということはお答えいたしにくいところでございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 そこで参考人の方に御所見を承りたいのですが、この問題の取り扱いについて考え方は三つあると思うのです。  第一は、全部はずしてしまうかどうか。参考人の方々のそれぞれの関係のほうを残して、金融措置令の法律の効果として、一部の市中銀行、保険会社、相互銀行だけを落としたという点に、私は法の制定について非常に欠陥があったんじゃなかろうかとも思うのです。そこで、それじゃ市中銀行の関係を新法規をつくるのか、これはなかなか出さぬじゃないかとも想像されるのですが、そうするならば、緊急措置令ではずしたものをやはり復活をして、預金者の保護、公正を期するという方面へ進むか。第三は、急いでこの新法規をつくって、金融機関一般に対するところの預金者保護と公正を期する目的を達成すべきか、こういうふうにあると思うのですが、それぞれの参考人の方の御所見をこの際承っておきたいと思います。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 ただいまの法務当局のお答え、いろいろな点から考えまして、いわゆる私どもは金融機関としてということは、かつては雑金融機関として大蔵省が取り扱っておった。いまわが国の総預金の一割を信用金庫も相互銀行も持っている。どちらも雑金融機関であった。最近はそうでなくして、相互銀行、信用金庫は、金融機関としてあらゆるものを取り扱っておる。であるがために歳入代理店もやっておるんだ。そのときにおいて、これは急激に発達したんだからやむを得ませんけれども、私は会長を受けて三年やっておるが、その間に七千億からいま三兆円になっておるのですから、やむを得ません。しかし相互銀行がはずれて信用金庫が残される、これもおかしいじゃないか。また信用組合さんにしても同じじゃないか。またいまおっしゃった電源開発とか、こういう問題につきましては、これは他山のことでありますから私は知りません。基幹産業あるいは国家の特別恩恵を受ける産業に対しては、これは準公務目の扱い、制度を置くのだといっても、私は国民の一人としてこれはやむを得ないと思う。だけれども、銀行といまわれわれのほうの金融機関とどこが違うんだということを、実は自分自身に反問してもわからない。取り扱いも銀行と何ら変わっていたい。こういうことが法務当局におきましては、いわゆる協同組織であったからそういうものははずしたんだとおっしゃれば、それはそうかもわからぬが、いわゆる協同組織というものが非常に観念が違っておって、いままでの協同組織は市町村単位で、信用組合やいろいろやって、お互い顔なじみでやってきた。ところが現在の経営というものは信用組合も県単位で、もう顔なじみとかそういうものはない。いわんや信用金庫に至りましては非常に広範囲であるから、協同組織であるけれども、協同組織というのは支店を通してのみ協同組織であって、全体からいけばもう何ら変わらない。だからそういうような措置が残されておることは私どもは非常に不名誉だ。しかも信用金庫、相互銀行に対しては大蔵省なり日本銀行から、金融行政を行なうときに、これをはずしては金融が乱れちゃうということで、かってなことをやられてはということで一切網をかけられている。したがって、総預金の二割を相互銀行と信用金庫が持っておる。そういうような形になってきておるのですから、私どももやはり人格を認めていただきたい。だからこういうものはおはずし願いたいと思います。また、これが必要であるという先住のおっしゃった点があると思うのです。今度の吹原産業みたいなことがあると思うのです。だからこれに対しましては新しく法律をつくってもいい、厳罰をつくってもいい。経済機関は国家の重要な要素であるから、むしろ国家がやるべきものを民間で特別許容しているのだという考え方にもなる。だからこれは処分してもいい。だからそういう法律を作成されることはやむを得ないと思う。さきに金融二法案というものが、いまから七、八年くらい前に提案されておりますが、これは全体で反対してつぶれてしまったのですが、あの法律からいきますと、不正をやったりすると役員もやめさせられてしまう。その時分に、そうなるとまた官僚が金融機関に入ってきて、かってなまねをされてはかなわぬというので、大きな反対をしたのですが、それがないとするなれば、私は実際言うと、刑事被告人になったって、完全なる犯罪をやっても役員にすわれるという形はむしろ間違いではないか。そういうものはつくってもいい。だけれども、いま先生のおっしゃる、この法案をつくってからはずしたらいいじゃないかというおことばは、これもよくわかるのですが、その間ははなはだ残念な問題である。だからこれはおはずし願って、新しく全体の金融機関に対するところの、そういう立法化したものがあってもいいじゃないか、私は協会長とし、また信用金庫の理事長としても、そのぐらいなことはあっても当然のことと覚悟を持っておりますから、どうぞこの問題につきましてはぜひおはずしを願いたいと思うのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 大体ほかの方も同じような御意見だろうと思いますが……。

三木常資全国労働金庫協会事務局長

○三木参考人 労働金庫でございます。大体同じだと思うのです。まあ銀行を入れることを考えているから、それでおまえらは除外せずに待てというのは、何といいますか、現実に銀行を入れるという法案が用意されて、どっちをとるかといろ形でない以上、先生のおっしゃるような、前提となっている公平の原則を害するため、これは小野さんの言ったように、やはりいまの時点においてははずしてもらいたい。それから金融機関に対して、吹原産業やなんかのいろいろな事件にからんで、預金者保護のために何か厳重な法律——この経済罰則のほうは公務員並みの贈収賄ということでございまして、その他の点はおそらく背任なり横領なりというような刑事事件に関連することだと思うので、この法律の性質が違うわけでございますので、この改廃とその問題とを何かからめて論ずるということ自体がちょっとわき道にそれているんじゃないかと思うのです。それにしましても、ああいったような国民の不信を買うような大きな事件が金融機関内に起きているということについては、国民感情——国民の一人としても、何か罰則を設けるというような点については、私賛成でございます。しかし、労働金庫というものにつきましては、そういう法律がありましてもありませんでも関係がないというような意味で、あってもなくてもいいようなものですけれども、しかし、それにいたしましても金融機関として、そういう公共性のある金融というものを扱っている以上、何か厳重な措置があってもよろしい、こういうふうに思っております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 われわれが吹原産業の事件を問題にしておりますのは、横山委員と同じことでありまして、やはりこういう市中銀行に対する罰則なんかもはずされて、そうしてその結果として生ずるし、法的に支店長の貸し出しの権限なんかきまっておるものでありますから、三十億も貸し出すのは、先ほど参考人もおっしったように、本店が知らぬわけはない。頭取とか常務理事とかの了解がなければ、支店長のそういう権限なんかではできない。そのできないところに政治的、その他いろんな問題が出ておると思うのですが、その点については別に究明したいと思っておるわけです。  そこで私は、これは全然そういうのと話が違いますけれども、信用金庫、それから信用協同組合では、やはり、たとえば何十万以上は理事長の承認が要るとか、理事会の承認が要るとか、そういう点の定めがございますか、内規か何かありますか。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 信用金庫におきましては、金庫が自主的にきめられるものは、支店長に対して二十万なら二十万、あるいは三十万、五十万という程度であって、それも、いわゆる専決権は持っておるけれども、事後決裁で、そのあくる日は必ず本店の決裁を得なければならぬ。だから、決裁をされておるのと同じことで、こえる金額の貸し出しについては全部本店の決裁を得るわけです。便宜上、お客さんが来たら即座に二十万、三十万あるいは五十万というような程度ならやれる。あるいはまた金庫といたしまして、これは最高限度の押えがございまして、御承知のとおり一昨年までは最高一千万だったのですが、現在は五千万まで融資ができることになっておる。これは本店の決裁が要るのであります。その場合におきましても、これは会員勘定の二%という別に法律がございます。そうすると、私どものほうでは会員勘定が十六億ありますから、二〇%だと三億でありますけれども、しかし、五千万が最高であるから三億は出せないのだ。それで、一般金庫でも小さい金庫がありますが、会員勘定一千万でありますと二百万しか出せないということであります。けれども、いまから七、八年前に、京都の皇道信用金庫は一億二千万で一億から出しておるというようなこともあるので、それは前のことで話にならないことでありますが、そういうこともありました。しかし、五千万というと、ややもすると、五千万も貸せるじゃないかという錯覚も持てぬわけじゃないと思います。そういうことがないように地方を回ってあれしておりますが、御承知のとおり、信用金庫にいたしましても信用組合にいたしましても、地方の小さなところに限って最高のトップの有力者が理事長になっている。だから、その頭というものは古色蒼然たるものであって、現在の何はわからない。だから、二億や三億程度でもそのままいいのだということもいえる。そういうところで非常にむずかしい点もございますが、しかし、漸次そういう点が改まってきて、三等重役といわれている現業から上がった者を役職に置かなければいかぬというような形をとっております。最高は五千万である。五千万であるけれども、これは会員勘定の二〇%をこえることができない。そうすると、一億の金庫で会員勘定が二千万とすると、四百万円以上は出せぬわけである。だからこれ以上出せば法律違反であります。こういう点があります。  それから、総融資の三〇%までは無制限に出せる。これは、たとえば一千億からある城南信用金庫が五千万円で押えられたんでは困る。だから、一千億あるのだから、総融資が七百億あるとすれば、七百億の三〇%まではできるのだ。それも会員勘定をこえることはできない。ちょっとややこしいのですが、会員勘定の二〇%が原則である。だから、どんなに資金を持っておっても、城南といえども会員勘定の二〇%をこえることができない。会員勘定の二〇%となると、城南は何十億にもなる。小さな金庫でも、会員勘定の二〇%で三億何ぼである。これは総融資の三〇%をこえることができない。だけれども、そういうものは芳しくない。結局中小金融機関としては五千万が最高ではないかと考えて、私どもそういう指導をしております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 時間がたちましたから、あと二点だけお聞きしたいのです。  一つは、これは参考人の方に失礼になるかもわかりませんが、ちょっと御容赦を願いたいと思うのですが、現在中小企業は破綻に瀕しているし、農村は非常に疲弊をいたしております。そこで、借金をするようなのは倒産に近い中小企業であるし、また、農家においてもなかなかその保証と申しますか、ないようなものである。そこで、この法律をはずされたなら——私どもなんか友人に弁護士も、検察官も、裁判官もおるわけですが、もしこれをはずしたならば、市中銀行と同じように、支店長にでもぺこぺこ頭を下げなければ金が借りられないというようなことで、百姓も、中小企業、零細企業者も、その貸し出しの地位にある人のところにやはり何か持っていかなければならぬが、持っていく金もないのがその金融の必要を感じておる。だから、農民、中小企業、零細企業をあずかられる信用金庫、農協、信用組合等については、どうも金融がその地位にある者の自由になって、ほんとうに困る農村、中小企業、零細企業は金が借りられないではないか、こういうことを聞くわけですが、そういう点についての何かお考えでもありましたら承っておきたいと思います。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 ただいまおっしゃった先生のおことば、そういうようなことを伺わぬわけでもございませんが、事実といたしますと、現在この法律があることは、私どもでも、相銀さんでもそうでしょうが、その行員自身はたぶんほとんど知らぬでしょう。ただ、私ども経営者として、あまりにもこういうことを残されていることは、少しどうもメンツの上で侮辱的ではないかという気持ちもあるから強く主張しているので、実際はそういうものを職員も知りません。支店長も知りません。だから、そういうことは絶対にあり得ないと思う。それから、幸いに比較的小さな金融機関というものは、支店長の権限ばかりではなくして、いま言った土地の古い顔なじみが信用組合さんにいたしましてもありますから、そういうことは断じてあり得ないと思う。それがはずされたらぺこぺこしながら金を借りに行かなければならぬじゃないかというようなことはあり得ないと思う。それがもう小さい信用組合に至ってはなおさら、支店長がどうであろうと、結局理事長さんのところに行かなければ借りられないというか、信用金庫も実際そういう事例がたくさんありますが、私ども特にそういうことをやかましく言っておりますから、そこは先生、話としては一応確かに困る話でありますが、杞憂に近いんじゃないかと思うのです。この点はひとつぜひ御了解願いたいと思います。

三木常資全国労働金庫協会事務局長

○三木参考人 先生はお聞きにならなかったので当然御承知と思うのですが、労働金庫につきましては、従来ともそういうようなわいろをもって事務担当者の裁決を左右するというような事例はございませんでした。したがって、この法律から労働金庫が除かれても、あらためてそういう懸念が生ずるというようなことは絶対ないわけでございます。そういう意味で先生の質問も労働金庫ははずして御質問になったことと思うのでございますけれども、あらためて申し上げておきます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 ぜひそういうふうにあってもらいたいわけなんです。この法律があってもなくても。ただしかし、いま小野さんの御意見で、こういう法律があるかないか支店長も知らぬだろうとおっしゃるけれども、これは法治国の人間として、さらにはそういう地位にある人は、現在の事実は別としまして、やはりこれは承知してやっていただかなければ、違反を犯してから、そんな法律は知らなかったと言っても、法を知らざるをもって罰しないわけにいきませんから。ただ私は、こうして法改正の問題が出てくると、やはり市中銀行の点については罰せられないけれども、それと同じようなことが行なわれておると思われるわけなんです。ですから信用金庫、協同組合等についてもぜひひとつそういうことがないようにしてもらいたい要望があるわけなんです。  もう一つは農林中央金庫にお聞きしたいのですが、これはほんとうかどうか私よく存じませんが、何でも農林中央金庫は農民のための農地開発その他等々についての金融機関である。ところがその金が、われわれ実際頼まれて行ったこともあるけれども、いろいろ書類の不備とか担保が足らぬとかいうことで断わられたこともあるし、やってもらったこともあるわけですが、現在農林中央金庫は農民の方面に貸し出すだけでなくて、金が余っておるから経済投資のほうにやっておる、こういうことを聞くわけですが、そういうのがあるかどうか。もしありましたら、その金額の点について承りたいと思います。

山本省三農林中央金庫総務部長

○山本参考人 農林中央金庫は農林中央金庫法に基づく特殊機関でございますが、創立いたしましたのは大正十二年、その当時とだいぶ事情が違ってきております。早い話が、設立当初は政府のお金を農業のほうへ投資する仕事がおもでございました。したがって、余裕金というものは全然なかったわけでございます。すべて政府資金を金庫を通じて農家のほうに流すという仕事をやっておったわけでございます。今日になりますと、実は預金のほうが非常にふえてまいりました。預金がふえたということは、農業の生産力が上がってきて農家の生活程度も豊かになるというようなバックグラウンドもあると思いますが、一面から見ますと、御承知かとは思いますけれども、農家を分類いたしまして、専業の農家というものはもう三割を割っているのが現状でございます。あとの七割何ぼは兼業農家という形に変わってきております。そこで農業のほうは確かに資金が足りないわけでございますが、といって、いま投資しようといいましても、なかなかペイしないという問題があるわけでございます。そこで農業のほうはなかなか普通の金では出ないものでございますから、別途に農林漁業金融公庫、これは政府資金をファンドにした融資機関でございますが、そういうものをつくりまして農業に投資しておるという現段階でございます。初めのころは政府資金を流す金融機関でございましたけれども、ただいまのところは預金の運用機関というふうに性格が変わってきております。私のほうは金庫法の趣旨にのっとりまして、相なるべくは農業に金を出さないとその使命も達成できないというふうなことを自覚いたしまして、極力貸し出しを推進いたしたいということでこの五年来非常な努力をいたしております。ただここで御承知いただきたいことは、私のほうは個人との取引ができないわけであります。中に組合がございます。それから県段階に信用組合連合会というものがございます。したがって、組合が金がないときに初めて資金の需要が金庫にくるわけです。ところが、先ほどから申しますように、農家の資金事情が豊かである、これは必ずしも農業が豊かであるとは私は思いませんけれども、とにかく金がある。そうしますと、組合の資力も昔とは全然違いまして、いまは金がある。そこで資金の需要にこたえていけば、組合から金庫に借り入れ申し込みが自然とこないわけでございます。だから中の組合あるいは県の連合会が大いに貸し出しをやっていただいて、それで金が足りなくなったときに金庫に借り入れ申し込みがきて、金庫も貸し出しがふえる。こういう関係でございますから、私ども仕事外かと思いますけれども、農協並びに信用連合会の貸し出しを大いにやろうじゃないかというような啓蒙あるいは指導、あるいは援助をいたしておるわけでございます。  そこで現状でございますけれども、私のほうはただいま六千億くらいの預金がございます。それから農林債券、これは記憶でございますから正確でございませんが二千億ございます。農林水産業関係に、いま申しました組合方面で資金を必要とする向きがまだあるわけでございます。地帯別におもに東北と南九州というようなところが資力が弱うございますから、そういうところから資金需要があるわけでございます。こういう方面に大体千五百億くらいは出ておると私は記憶いたしております。そこでさっき申しました集めた金が八千億、それに対して千五百億しか貸していない。差し引き六千五百億をほかに回しているじゃないかというおしかりをいつも受けるわけでございます。数字は確かにそうなっておりますが、私ども金融機関として健全経営をやる場合に、預金に対する貸し出しの比率を預貸率と申しておりますが、預貸率はどの程度が適正であろうかということを考えますと、戦前を見ますと、普通銀行は大体五〇%から五五%程度でございます。いまの銀行のほうをごらんになりますと、この預貸率が一二〇%一一〇%というようなきわめて異常なオーバーボローイングを呈しておるわけです。そこで私ども一一〇%なんというものと比較されますと、非常におかしくごらんになりますけれども、五〇%の預貸率が適正であるといたしますと、大体八千億の五〇%で四千億ぐらい貸し出しをやるのが私ども適正じゃないか、こう考えておるわけでございます。しかし現実は、そう申しましても余るわけでございますから、この余ったものは第一番目に農業、林業、水産業に関連する産業に貸しております。これは大蔵、農林、両大臣の御認可を待てやっておる仕事でございます。一例を申しますと、戦後肥料工業が荒廃に帰しましたときに、工員も金もない。そこで大蔵、農林の両省の御慫慂もございまして、肥料工業に対しまして復興資金を出したのが、いまの関連産業貸し出しの初めでござ  います。一例を申しますとそういうことでございますが、すべて両大臣の御認可を受けてやっております。その全額が二千五百億ぐらいでございます。先ほど申しました農業、林業、水産業に対する貸し出しが千五百億、関連産業が二千五百億、四千億はそういうことで運用いたしております。まだ四千億残っておるではないかという御質問があると思いますが、これは支払い準備金でございます。私どものほうは系統全体の貯金が二兆円ございます。支払い準備はまず組合で保有いたしますが、その保有先は県の連合会、それで県の連合会も支払い準備が必要でございますが、その支払  い準備は中央金庫に持ってくるという関係になっております。したがって、四千億かりにありましても、それは支払い準備だとお考えいただきたいと思います。  支払い準備をいかに運用するか、こういうことになりますが、それは有価証券あるいはコール運用、こういうことになるわけであります。コールの金利が異常に高くなりまして、事態が明白でございませんけれども、最近みたいに落ちつきますと、もうからないからコールをやらぬ、こういう性質のものでないことはもうおわかりいただけると思います。  そこで問題は、農業は、ことしの予算案を御審議いただくときにも、いろいろ御質問いただいたわけでございますが、もっと金が出ないのかといろ御質問があると思いますが、その金が出るためには、私どもやはり国なり県なりの農政と申しますか、そういう方面の施策をぜひお願いいたしたい。金融だけで農政の問題は片づくわけではございません。やはり金融というのは農政のあとを追っかけていくものだと私ども考えておりますが、ただいまみたいに畜産は成長作物だ、青果は成長作物だ、こういっておりますけれども、つくってみたところが卵価がえらい下がるあるいは牛乳の値段が下がる。こういうことではなかなか農家のほうで投資意欲が起こってまいりません。したがって借り入れ申し込みも起こってこない。そういう現状でございますから、そういう農業をほうっておいたのでは、農業もだめになりますけれども、日本経済全体にも影響を及ぼしまして、日本経済の成長の足を引っぱるのじゃなかろうかというふうに私ども考えまして、政府にもひとつ農政のほうで思い切った措置をとっていただくように御要望申し上げておるような次第でございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員 その問題はまた別に農林委員会等でやるべきものだと思ったのですが、たまたまこの法案の審議に際しまして、農林中金は現在政府から金が出ていないのですね。それだからこれははずすのだ、こういう点も法務省の提案理由に書いております。提案理由にもありますように三団体、電源開発、日本航空株式会社、商工組合中央金庫、これについては附則がつきまして、やはり従来と同じような贈収賄の罰則がついているわけでございます。それを農林中金をはずすのは、これはいまの三団体は政府資金が出ている。農林中金はここに表もありますけれども、多いときは二十億近くあったようですが、現在ない、だからはずすのだという理由も聞いております。ただ私がいま最後にお聞きしましたのは、私も二十まで百姓をして、二反百姓のせがれですが、実際選挙区なり農村に行ってみると、金を借りようと思っても借りられないわけですよ。それじゃ農林中央金庫で、農業、林業の貸し出しの金庫があるじゃないかというと、そういうところでは金は借りられない、こういうわけなんです。そうして預金が六千億もあるのに、それをやはり関連産業と申しましても、肥料工業のメーカーというのは、これは一つの独占産業だから、そういうのに投資するようであっては、農林中央金庫自体についてこれは相当考えなければならぬじゃないか。市中銀行と同じようなことをしておったならば、農林中央金庫というそのもの自体が必要なくなるじゃないかと、これは極論になりますけれども、考えられるわけです。それでわれわれがたまたま農林中金に行って頼むと、何のかの銀行と同じようないろいろな担保から——やはり農林中金も銀行屋ですから、まず回収のことを考えなければならぬ。回収できないようなものには金は貸せぬというようなことで、多少説明を加えても、実際ほんとうに必要で、農村開発、林業のために必要な金は借りられずにおるのが現状ではたくさんあるのじゃないかと思うのです。そういうことだからお聞きしたわけですが、この問題はまた別に私も資料も産めて検討してやるべき問題だと思います。  私、以上で終わります。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 大竹太郎君。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 四人の参考人にお聞きしたいのでありますが、先ほど横山委員の第二の質問に関連してちょっとお聞きいたしたいと思います。  先ほど四人の方の第二の質問に対するお答えは、処罰規定があってそれを犯した、そして現に裁判になっておる。たまたまこの法律が改正になったということで責任を問われないというのは、いわゆる社会正義の観念からいって不都合だと思うから、いま係争中のものは当然処罰すべきだという御意見だったと思うのであります。これは少し法律的な問題になって恐縮なんでありますが、ところが、処罰規定の基本的な処罰規定でございます皆さま方も御承知の刑法でございます。刑法の原則から申しますと、法律が改正になって、たとえば一番わかりやすい例だと、姦通罪が新憲法のもとで、これは刑法の規定でございますが、姦通罪はいままで処罰されておったのが改正になった。この刑法にはちゃんと規定がございまして、そういうような場合にはいわゆる免訴の申し渡しをして、以後、そのままそのとき係属になっておったものもいわゆる罪にならないというのが刑法の原則なのでございます。それでいまこういうような取り締まり規定によって、今度の経過規定によりますと、皆さん方の御意見どおり、いま係属中のものはやはり裁判を続けて白黒をきめるということになっておるのでありますが、ただ皆さま方の先ほどのお答えをお聞きしておりますと、いま係争中のものを罪を問わないということは社会正義の観念からいっておもしろくないというお考えのようでございますが、そういたしますと、一般の観念からいって、さっき私が御説明を申し上げましたように、刑法の改正があった場合に、いままで罪になったものも今度罪にならなくなる。いわゆる姦通罪というような一つの例からいたしまして、これを刑法が改正になったからといってそれを無罪放免にするということはやはり社会正義に非常に反すると思うのでありますが、この点について、これはそれが悪いということなら刑法を改正しなければならぬことになるわけでございますが、これは法律のなかなかめんどうな問題でございますが、いわゆるしろうととして一体どうお考えになるのでしょうか、それを率直にお答えいただきたい。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 私は、いろいろ法律が改正されるためにその事件に関連しておる者が免除されておる点は新聞でもよく拝見しております。これは法律の原則からいって私どもとやかく申すものではございません。ただ金融機関の場合にもいろいろ内容がございまして、私どもの関連したものは貸し付けによって損害を与えておる、その行き方は役員とすれば、職員とすれば、いわゆる背任というものが別個の刑法で成り立っております。それで処分していくべきじゃないかと思うのです。だから戦時特別措置の法律が、それが改正されてもそれが消えないような感じを持っておるのですが、この法律に関連したものに関してのみならず、いま先生のおっしゃったように免訴になった例がたくさんいままであったと思うのです。姦通罪とかなんとか、そういうものが係争中のもの、これは私どもとやかく申すところではございませんが、いわゆる特別な背任じゃなくて普通背任というものが当然ある。そういうものは特別背任がなくなったからといって普通背任で処分していくべきでないか。われわれはそれはすっと免除していただきたいというようなことは、むしろみずから反省してみて、それは責任を回避するという気持ちがあって申すのではないが、法律のこまかい点につきましては先生方は専門家で私どもわかりませんが、そういう点で自分の先ほどの所見は——弁解じゃございませんが、申し上げさせていただきます。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 ほかの方からも同じ点に対してお答えいただきたいと思います。

山本省三農林中央金庫総務部長

○山本参考人 いま小野さんからお話がございましたこととそう変わりませんけれども、ただ一つ私どもは金庫だけの特殊事情が一つございます。私のほろのいま係争中の問題は、第二審に不服ということであくまで無罪だ、こういうことを主張しておるわけであります。したがって、ここで水に流す、それじゃ、あったんだけれどもそれで助かったというのでは本人も浮かばれないであろう。そういう特殊事情がございますから、これはやはりはっきりしていただいたほうがいいんじゃなかろうか、こういうことが特殊事情としてございます。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 いまの参考人の方々は、私の質問に対して多少それぞれのお立場でお答えになっていらっしゃるようであります。私、お聞きしたいのは、むしろ常識的に考えまして、処罰規定である刑法の基本的なものの考え方、いまのように法律が改正になった場合には、改正した法律によって、たとえば以後罪にしないということになれば、そういうことにしないのがたてまえ、ただこういう行政的な取り締まり、これはいろいろ法律的に見るとなかなかむずかしい問題があるのでございますが、たまたまこういうような行政的の取り締まり法規においては、法律が廃止になっても係争中のものはどこまでも白黒をきめるのだということになっておるのでございます。この基本的なものの考え方を、いわゆる先ほどお答えになりましたように社会正義の観念から見ましてどういうお考えですか。

三木常資全国労働金庫協会事務局長

○三木参考人 私、法律については先ほども申し上げましたようにしろうとでございまして、いま先生のおっしゃる刑法の原則というものがすべての法律の改廃のときの基本原則になっているのかどうか。あとの説明を聞きますと、行政関係のあれについては必ずしもそうじゃないのだということのようでございます。そこで問題は非常に常識的なんだが、そういう刑法の原則がほかの法律にも適用される原則として通用するのかどうかという点でなく、社会正義の点に照らして云々という御質問だと思います。例におあげになりました姦通罪ですね、私もその例についてお答えをするのですが、姦通罪というものを罪と認めないという一般的な社会通念、そういうのがいいか悪いか、いずれにしましても戦後はそういう通念になって刑法が改正をされた。したがって、起訴中のものにもそれを適用するということが社会通念に合するのか、われわれ常識的に考えまして、ほかの参考人もそれぞれの陳述の中で言われたと思うのですが、このこと自体はかりにほかの法律ができて、あるいはまた法律がなくても罰してよいけれども、ここに出ている起訴事実がほんとうであって、しかも非常に何といいますか、まゆをひそめるような性質のものであるならば、真実を究明して、法があろうがなかろうが、むしろ罰してもらいたい、こういう話があったのであります。そういう意味で、この問題についての社会通念というものは、金融機関という多少とも公共性のある事業に関連ずるものである以上、法があってもなくても自粛自戒をせなければならぬ問題だ。そういう意味で、すでに係争中のものについては、事態を鮮明にして、先ほども農林中金の方がおっしゃったが、自分のほうで行なわれているものが無罪と信ずるから、あるいは有罪と思うからどうだこうだじゃなくて、この際一つの社会通念として、このような公共性のある金融機関というものに従事する者にとってはなすべき行為でないという通念に照らして、既存のものについては事実を究明して罰すべきものは罰する、免訴にすべきものは免訴にするという措置をとっていただきたい、こら思っております。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 これは私のほらから先生に御質問申し上げますが、現在係争中のもの以外にすでに結審になって処分を受けた者も相当あるのですか。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 もちろん相当あります。

田崎袈裟男全国信用協同組合連合会常務理事

○田崎参考人 そういたしますと、現在まだ法律がありまして、その法によって争われておる。その法によってさばかれておる者につきましては、やはり公平の意味からいってもこの法に準拠して結審をしていただきたい。法が廃止であるから、当然にさかのぼって係争中のものも無罪であるというようなことは、そういう意味でも社会正義に反するのではないかというふうに考えております。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 それでは重ねて御質問をして恐縮でございますが、そういたしますと、四人さんとも、どうもこの法律は廃止しないほうがいいという趣旨にとれる。もしも廃止したなら何かそれにかわる罰則規定を当然設けるべきだという御趣旨のようにとれますが、そうとってよろしゅうございますか。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 それは全然私は逆なんでございます。それはぜひ廃止してもらいたい。しかしながら、いままでのすでに検挙された事件、事案としてこれまで行なわれているものが、これがなければ、特別の背任でなくして普通背任でも当然やられておるわけで、特別背任なら特別背任で免訴されてしまうということになると、おかしなことになるのじゃないですか。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 いや、法律を適用して罰するものを論じているのですから、ほかの法条は関係ないわけです。

小野孝行全国信用金庫協会会長

○小野参考人 それらのことはわかりませんが、端的にはっきり申しますと、これを廃止していただきたい。いままであったのだから、いままでの社会通念、社会常識においてやはり正義の上から適正に処分していただきたいということです。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 参考人に対する質疑はこの程度にとどめます。  参考人各位には、御多用のところを長時間にわたりまして非常に貴重な御意見の発表をいただきまして、まことにありがとう存じます。委員会を代表いたしまして、ここに厚く御礼を申し上げます。どうかお引き取りを願います。  この際暫時休憩いたします。    午後一時二分休憩      ————◇—————    午後一時九分開議

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 委員会を再開いたします。  閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  まず閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。すなわち、裁判所の司法行政に関する件、法務行政及び検察行政に関する件、国内治安及び人権擁護に関する件、以上の各案件につきまして、閉会中もなお審査を行ないたいと存じますので、この旨議長に対し申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、経済関係罰則の整備に関する法律を廃止する法律案、春日一幸君外一名提出の会社更生法の一部を改正する法律案、田中武夫君外二十二名提出の会社更生法の一部を改正する法律案の閉会中審査の申し出の件については、先ほどの理事会で御協議のとおり、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、おはかりいたします。  閉会中審査に関し、最高裁判所の長官またはその指定する代理者から出席説明の要求がありました場合には、そのつど委員会にはかることなく、その取り扱いを委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、閉会中委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査のため実地調査の必要がある場合には委員派遣を行なうこととし、派遣委員、派遣地及び期間等、その他議長に対する承認申請の手続等すべて委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十二分散会

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