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48回国会衆議院1965/05/18

文教委員会 第22号

発言数
52
登壇者
7
会派数
2
開催日
1965/05/18

会議録

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 これより会議を開きます。  この際、八木徹雄君から千九百六十七年ユニバーシアード大会東京招致に関する件について発言を求められておりますので、これを許します。八木徹雄君。

八木徹雄自由民主党

○八木(徹)委員 私は自由民主党、日本社会及び民主社会党を代表して、千九百六十七年ユニバーシアード大会東京招致に関する件について決議をされたいとの動議を提出いたします。  まず案文を朗読いたします。   千九百六十七年ユニバーシアード大会東京招致に関する件(案)   本委員会は、来る千九百六十七年ユニバーシアード大会を東京に招致するため、その促進運動を強力に推進し、もってその準備態勢を整備すべきものと認める。  次にその趣旨について申し上げます。  ユニバーツアード大会は、オリンピック大会に次ぐ国際的規模の大会であり、学生オリンピックともいうべき内容と歴史を持ち、日本は毎回選手団を送り優秀な成績をおさめております。  本大会は、これまでほとんどヨーロッパで開催され、アジアではまだ開かれておりません。そこで本年八月のブタペストにおける総会での決定を控え、東京にユニバーシアード大会を招致いたしたいというのがその趣旨であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 ただいまの八木徹雄君の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、本動議は可決いたしました。  ただいまの決議に対し、愛知文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。愛知文部大臣

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 ただいまの御決議の趣旨の実現につきましては、政府としても最善の御協力をいたしたいと存じます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 なお本決議の参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に日本育英会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますのでこれを許します。上村千一郎君。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 ただいまより二、三の点につきましてお尋ねをいたしたいと思います。  今回の日本育英会法の一部を改正する法律案の提案理由を拝見いたしますると、日本育英会の貸与金の返還を免除される職の範囲を改める等の必要があるという点がございます。それで、日本育英会の奨学制度をなぜ国立養護教諭養成所のみに適用し、教育職員免許法により文部大臣の指定する養護教諭養成機関に適用しないのか、その点につきましてお尋ねしておきます。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 教育の機会均等は、もとより学校教育に限るものではございませんが、能力がありながら経済的条件によって就学困難なすべての子弟に、学校教育の門戸を開くということが日本育英会の当面する課題であると存じます。そこで、まず学校教育を中心にして人材の確保をはかっていくことが根本であると考えまするので、学校教育法第一条の学校、及び少なくともこれに準ずる教育を行なうことが法律上明確にされておる、たとえば国立工業教員養成所及び国立養護教員養成所をその対象といたしまして、効果的な奨学金制度を充実することを第一の重点に考えたわけでございます。ただいまお話がございましたが、たとえば文部大臣の指定する養護教諭養成機関等について、これらすべてが各種学校でありまして、これらの機関にまで奨学制度を全部適用することにいたしますると、現在のところでは類似の各種学校にもこれを及ぼさなければならないというような問題を起こしたり、要するに明確な線を画することができなくなるおそれもございますので、これらの点につきましては将来の問題といたしまして、諸般の要望に沿い得るように、今後の問題として慎重に検討をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 返還免除の職の範囲を拡大した場合、新たに加えられた職に現に在職する者に対しては、返還免除制度を適用するのか、その点についてお尋ねをしておきます。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 昭和二十八年に日本育英会の返還免除制度が初めて制度化されたわけでありますが、その際、旧制の教員養成諸学校の給費などとの関連を考慮いたしまして、その遡及した例を除き、以後の返還免除制度の改正にあたりましては、常に貸与金の返還制度の基本を乱さないよう、すべての適用を改正後の卒業生から適用することとしてまいりました。すなわち、もし適用を全面的に遡及するといたしますれば、既存の制度によってすでに返還を履行をした者との公平均等を失する事態が生じますとともに、返還免除制度の拡大のたびに遡及の可能性が生ずること等によりまして、返還意欲が著しく阻害されはしないかというようなおそれも感ずるわけでございます。また過去の事務処理をさかのぼってくつがえすことによりまして、膨大で、また複雑困難な事後措置を要することにもなるわけでございます。こういうような観点から返還免除制度の拡大にあたっての適用関係は、すべて改正後の卒業生だけにとどめるものとするということにいたしまして、すでに卒業して在職する者については、遺憾ながら適用しない考えであるわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 現在の日本育英会のこの奨学事業というものは、貸与の制度をとっておるわけでございまするが、この日本育英奨学事業というものは、最近どのように充実されておるのか、簡単に御説明を賜わりたいと思うわけであります。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 御承知のように、日本育英会の事業といたしましては、政府貸し付け金にプラスするに、奨学生であった者から年々返還される返還金を加えたものを資金として毎年実施されるわけでございますが、近来貸与金の返還金の返還回収成績が相当に向上しております。したがいまして、育英奨励事業費の中に占める返還金の比重は、昭和三十七年度では約一七%でございましたが、三十九年度には二六%になり、また四十年度においては、さらに約三〇%というような相当の増額になる見込みがつくようになったわけでございます。このようにしてふえました返還金は、そっくりそのまま同じ境遇にある後輩の学生諸君に奨励金として出されるものでありますし、育英奨学事業の拡大にとって、かけがえのない貴重な財源であるということができると思います。したがって今後も奨学生の返還意欲の高揚につとめ、後輩のために大いに成績をあげてもらいたいと考えておるわけでございますが、しかしこれだけに依存しているということは、もちろん不十分でございますので、政府の貸し付け金につきましても、実は四十年度等においても必ずしも十分といえませんので、今後そのほうもふやしていくような努力を新たにいたしたい、かように考えておるわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 最後に一点質問を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思いまするが、今度この監事の職務内容を具体的に規定するようになっておりますが、これはどんな理由からこういうふうになったのか、要するに従来の職務内容を変えるというような意味なのか、あるいはそうではなく、ただ具体的に明確化していっておるのか、その辺のところをお尋ねしておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 これは実は今回の改正によって監事の職務内容に変動を来たそうとするものではございませんで、従来から実施してきております監事の職務内容をより具体的に規定いたしたいという考え方でございまして、御案内のように政府関係特殊法人の根拠法令の中で、監事の職務内容が従来抽象的に規定されておるものにつきましては、その法令の改正の際に、これを具体的な内容に改正いたしまして、形式的統一をはかるという基本的な方向を現在政府としてはとっておりますので、その基本的な方向にのっとりまして、今回基本法に改正を加えますこの際、監事の職務内容も明確にしよう、かような意図であるわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 現在、国家の前途を思うとき、日本の教育というものにつきまして、その重要度はますます増すものだ、また増さなければならないというふうに信じておる一人でございます。そういう点から考えますれば、教育の機会均等ということも、これは大きな柱になるわけでございますので、日本の育英奨学事業というものは、今後より一そう充実をしまして、そうして国民の期待に沿わなければならない、こう思うわけでございますので、一そうの充実を念願いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 特に御質問を申し上げる重要な事項というわけではないのですが、たしかこの会期中に大臣に御質問をしたことを、重ねて御質問をすることになると思いますけれども、国立養成所に奨学資金を適用するということについて、国立だけを前提としておることについて差別的な待遇ではないかと、たしか御質問を申し上げた記憶があるのです。県立の養護教諭養成所に適用するというふうなことが、この法律ではできないけれども、将来そういう方向に御検討願えるかどうか、あるいは御検討されておるかどうかを念を押しておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 先ほど上村委員の御質問にもお答えいたしましたように、今後積極的に検討いたしたいものの一つと考えておるわけでございます。実はこの法案の御審議は参議院で先議されましたが、参議院の御審議に際しまして、附帯決議がついておりますが、それによりまして、府県の養護教諭養成所に在学する者に対しての同様の措置を希望する旨の附帯決議がございました。その御決議に対しましても、政府としては御趣旨を体して、なるべくすみやかにこれを実現いたしたいという方針でおりますことを申し上げたような次第でございますので、前に山中委員から御質問がございましたときにお答えしたことを、そういう機会あるごとに再確認申し上げておるような次第でございますから、御了承を願いたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 あと一点だけですが、教育者希望に対しては、さらに特別の育英制度の配慮が必要ではないかと私は思っておるのです。その額についても多く貸与するとか、あるいは教壇に立つことを前提として、返還免除というものが高等学校から幼稚園まで拡大されたのでけっこうでございますけれども、いまの三、四千円くらいの学資では、戦前は四十円、五十円の学資の場合に、二十円、二十五円くらい出しておったところを見ますと、半額が出ておったと思うのです。いまの三千円、四千円というのは、大体月の学資が東京におる場合は一万五千円から二万ぐらいになるので、したがって五分の一、六分の一になる。そういう点から現実にはアルバイトでほとんど学業を放てきするような生活をしてみたり、逆にふまじめな生活になっておる傾向もありますし、それから実際に優秀な者を教員に、貧しい家庭の中でできる子供を吸収するという特段の政策を考える場合については、非常に薄弱じゃないかということを考えるので、教育界によい者を吸収するについて、育英制度についてはさらに特別の制度を考える必要があるのじゃないかと思うのです。これはおそらく文部省内でも検討されておる課題であると思いますが、その点について何かお考えになっておるものがあればお知らせを願いたいし、なければどういう方向で考えたいか、この法案の審議の過程の中でひとつ御発表していただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 ただいまの御質疑の要点は、教職員になるような意欲を持つ学生に対する奨学資金の制度の拡充あるいは金額の増額というようなことの必要性を説かれた次第と存じますが、そのお考えにつきましては、趣旨においてはもちろん私どもも御同感でございます。現に若干は、最近におきましても金額の増額等についても配慮をいたしたようでございますけれども、とうていまだ十分とは言えないと思いますので、将来にわたりまして、いま的確にこまかい具体的なところにわたっての成案をまだ御説明する段階に至っておりませんけれども、そういう方向に向かって来年度等において十分くふうをこらしてまいりたいと考えます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 念を押しておきたいと思うのですが、たとえば愛知大臣のおひざもとの東北大学にしても、少なくとも学資の二分の一くらいは貸与という制度をとらなければ、期待をされた結果が出ないのじゃないか。多額の貸与をしておっても、教壇に立たなければ返還義務があるのですから、立てばそれが全部免除になるので、間接的に奨励政策として相当有効になる。しかしいまの額ではならないと私は思うのです。だから教壇に立つということを前提とした場合の奨学資金の額は格段の差が出る、そういう出し方をしなければ、素質のいい者を教育界に持ってくるということはできない、そう思うので、少なくとも来年度の国会までには御検討願うめどで、ひとついろいろと苦心をしていただきたいと思います。  次は、どうも都市に大学その他が集中するのでまことに遺憾で、中都市に分散すべきだというのが私の年来の考えなのですが、それはなかなか困難である。そういう場合にほとんど学資の大部分が下宿代であり、いわゆる学資にあらざる学資である。そのときに、大学の寮としてでなくて、育英会事業として学生を安く収容する寮を建設することはできないのか。育英会の学生援護事業として、人口何万以上については、あるいは学生の数にどうだというふうなことを基準として、学生を収容する寮の事業というものは行なえないものか、この機会に関連をしてお聞きしておきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 ただいまの御質疑の点は、御承知のように学徒援護会が東京その他主要の地点におきまして事業をやっております。主としてそのほうの担当ということでこれまで考えてまいったわけでございます。育英会としてはそこまではまだ考えておりませんでしたのでありますが、援護会のやり方等についてもいろいろとさらに拡充改善の余地もあろうかと思いますので、十分検討いたしたいと存じます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 学生援護会というのはどういう性格のものですか。私あまり勉強していないものだから、局長のほうから……。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 戦後、ことに物資不足、何かと窮乏した時代に、学生の福利厚生をはかりたいということで設けられた団体でありまして、具体的には学生の寮の経営、学生の就職あっせん、アルバイトあっせん、その他学生の福利厚生をねらった諸般の指導とかいうような活動を現にやっておる。そういう目的のために設けられた団体でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 法的に財団法人としてあるのか、あるいは政府が補助をしておるとか、何かその辺の国との関係……。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 財団法人でございまして、その運営費の大部分を国から補助しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 戦後的な施設としてできたのだと思うのですが、育英事業というものを主眼としている育英会という場合に、実質上の学資の負担を軽減してやるという場合に、学生が下宿をさがす、あるいはアパートをさがすという中で一番学生生活というものがひづみを受けておるのでありますから、私は育英会そのものがひとつ本来の仕事の中に取り上げるべきではないか、それが筋でないかという感じがしているのですが、学徒援護会があるから育英会は取り上げないのか、あるいは育英会の現在の法律の事業目的からはずれておるから現行法上取り上げないのか、どちらなのですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 日本育英会法は確かに御指摘のように第十六条に業務の規定がございます。「学資ノ貸与」「学資ノ貸与ヲ受クル学徒ノ輔導」「修学上必要ナル施設ノ設置及経営」「前各号ノ業務ニ附帯スル業務」というふうに業務があげられておりますから、確かに御指摘のような事業をやることは法律的に許されておる。しかし貸与金のほうの仕事が、先ほどの御指摘もございますようにまだ十分でない、このほうに重点を置いて、たまたま学徒援護会が財団として仕事をいたしておりますし、政府としてもこれに補助をやっておりますような関係もありますので、先ほど申しましたように育英会はもっぱら奨学事業、それから学徒援護会において宿舎等の経営というふうにいままでの間はやってまいったわけでございますが、ただいまのような御趣旨というものは法律上も予想されていることでございますから、先ほど申しましたように、今後におきましても十分検討を進めてまいりたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これで質問は終わりますが、その事業は私は当面の問題として非常に重要だと思うのです。これは実質上の学資を軽減する一番大きい施設なんで、一万円の下宿で奨学金をもらって東京で勉強をしておる大学生を四千円の寮へ入れてやるということは、もう学資軽減の一番重点じゃないか、現実の状況からいえば。あるいは僻地の子弟というものに対して特別の学生寮をつくってやるというようなこともその中からだんだん発展をして考えられるんではないかと思うしするので、いまの現行法の中においても育英事業として学徒援護事業の経営、施設が入っておるわけですから、もうすでにこういう事業実施に発展すべき段階じゃないか。返還された資金を貸与範囲を多くすると同時に、その額の実質を多くするためにこれらの事業を実施するということを要望しておきたいと思います。これで質問を終わります。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 一点だけお尋ねしたいと思います。先ほど大臣が説明されました二十八年八月の法改正による返還免除の点でございますけれども、この点で、実は同じ国立の教員養成系大学を卒業した者であっても、小中学校に勤務をする者と高等学校では二十八年の八月の法改正でこれは差別ができたわけであります。三十六年の十一月で高等学校の教員に対しても返還免除が法改正になったわけでありますけれども、しかしかつて同じ中学校の教員であった仲間が、実際には一方で二十五年の五月から返還免除になっておる。ところが高等学校の場合には三十六年の十一月から、こうなりますとたいへんな不均衡といいますか、そういうものも出てまいると思うわけです。そこで、この点については、先ほどの大臣の御答弁とは少し性格も違ってくるのではないか、こう思いますので、高等学校の教員に関しましても二十五年の五月にさかのぼって返還免除をやり得るようにこれは措置することが妥当ではないか、こういうふうに思うのでありますがいかがでありますか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 その点につきましての基本的な考え方は、先ほど大臣が申されたとおりでございます。もし高等学校に就職した者までこれを遡及いたしますと、そのような者の中にはすでに返還した者がございます。その返還した者との均衡をどうするかということが非常にむずかしい問題であります。返還したものを返すというようなことは事実上できませんし、そのままにすれば非常なアンバランスが生ずる。それから、もしそういうふうに何か制度の改変があった場合にこれを遡及するとなりますと、今後ともしばらく返還を延ばしておいて様子を見るというような、そういう傾向さえも生ずるというような運営上の問題もございます。それではなぜ義務教育についた者についてはこれを遡及したかということでございますが、これは御存じのようにかつては師範学校には給費制度があった。これを育英奨学の制度に切りかえるときに、これについては給費制度の実質を維持するという含みがあり、そういう了解のもとにその制度が発足しておるわけであります。そういう経緯がありますので、実は実際に即応して返還するという事態が起こらない前にあれを遡及したのでありまして、その間返還した者と返還しない者とにおいて遡及したことによる不均衡、不公平というものは生じなかったのであります。そういう配慮のもとにあの遡及の措置がされておるわけでありまして、その点義務教育学校に就職した者と高等学校に就職した者とには大きな差があるわけでございます。またより本質的に考えますと、やはり何といってもいい先生を得にくいのは小学校、次いで中学校でございます。高等学校については、まあ小学校、中学校と比較すれば比較的給源も多いし人材も得やすいという実態的な問題もあると思います。それらを勘案いたしまして、高等学校等になる場合にはその返還免除の措置を遡及しない、こういう措置がとられたわけでありますし、いまこれを遡及するということは、たてまえからいっても私はそこまではどうかと思います。またそれ以上に実際問題として非常な問題が生ずる、そのような考えから、これを遡及するという措置をとる考えはいまのところ持っておりません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 いまの局長の説明は十分納得できないのです。三十六年、つまり高校急増の問題が非常に大きな社会問題になってきた、こういう時点で、高等学校の教員の分の返還免除という問題が出てきたわけです。ですから、本来ならばいま言ったような差別を、二十八年の八月につけたこと自体が問題だと思うのです、長い教育の立場から考えるならば。これが二十八年の八月ということと三十六年の十一月ということでは、そこに相当の幅があるわけです。だから当然にこれは本質的には二十五年の五月にさかのぼって返還免除ということが考えられてしかるべきじゃないか。しかしいま局長の言われたように、すでにある程度は返しておるという問題もあるわけです。そこでこれを全額さかのぼって返還免除ということについては、なるほどおっしゃられるように相当の問題も出ると思います。ですから、たとえば半額なら半額免除する、そういうふうなことは技術的にも可能じゃないか、私はこう思うのですが、いかがですか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 技術的な困難性は半額といたしましてもほぼ同様な困難が生ずるのであります。というのは、返還のしかたは一挙に返す場合もあれば引き続いて何カ年間にわたって返還するという場合も、いろいろな場合があるわけであります。いま二分の一にいたしましても、二分の一をこえて返還した者もあればそれに満たない者もあるということで、同じような技術的な困難性は生ずるのであります。(山中(吾)委員「二分の一以上返還したのはまだないのだ」と呼ぶ)それは全額を一時に返還する場合もあり得るわけであります。そういったことからそういうふうな場合が生ずるわけであります。  それと育英制度の中において、基本的には返還免除というのは、やはりその必要性の最も大きくまた技術的にも可能なそういう範囲に限定してこれを行ないませんと、やはり返還免除の範囲がどうしても広がっていって、この育英制度の根本にも触れるような問題が生ずるおそれもある。そういったところから、やはりかなり厳密にその範囲を限定していく、技術的に可能な範囲においてその範囲を限定するということが必要だと考えております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 他に質疑はございませんか。——なければ、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もございませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 起立総員、よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、本日の請願日程の請願全部を議題とし、審査に入ります。  本日の請願日程に掲載されております請願は千二百三十五件でございます。  これらの諸請願につきましては、先刻の理事会において御検討願いましたので、紹介、説明、質疑、政府の所見聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  日程第九ないし第一一、第一九ないし第三四、第三六ないし第三八、第四〇、第四二、第四三、第四五、第四六、第四八ないし第六二、第六四、第六五、第七九ないし第八五、第一〇六ないし第一二〇、第一八〇、第二三一ないし第二四四、第二五四、第二五五、第三六二、第四二七、第四二八、第四三一ないし第五一九、第五九四ないし第六〇二、第六六〇、第八一〇ないし第八二〇、第八五五、第一〇〇九、第一〇九一、第一〇九二、第一二〇五、第二〇八ないし第一一四〇、第一一四六ないし第一一八九、第一一九二ないし第一一九九及び第一二〇一ないし第一二三四、以上三百二十件の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 なお、本委員会に参考のため送付されました陳情書は全部で三十五件でございます。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  本委員会といたしましては、閉会中もなお二宮武夫君外二十名提出の学校給食法の一部を改正する法律案、及び小平忠君外一名提出の学校給食法の一部を改正する法律案、並びに文教行政の基本施策に関する件、学校教育に関する件、社会教育に関する件、学術研究及び宗教に関する件、国際文化交流に関する件、及び文化財保護に関する件、以上の各案件につきまして、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、委員派遣承認申請の件について、おはかりいたします。  閉会中審査案件が本委員会に付託され、委員派遣の必要が生じました場合には、派遣委員の人数、氏名、派遣地、期間並びに承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になりました場合、今会期中調査のため設置いたしました学校警備員小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置し、調査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長につきましては従前どおりとし、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任並びに参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、その期日、人選その他所要の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五分散会

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