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48回国会衆議院1965/03/10

文教委員会 第7号

発言数
53
登壇者
7
会派数
2
開催日
1965/03/10

会議録

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。二宮武夫君。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 初中局長にお尋ねしますが、昨年の予算分科会の際に、幼稚園の教育を非常に重視するという意味から、地方財源が非常に困難な情勢の中で、基準財政需要額の中に一本筋を通して、そういう要求を財源的にしたほうがいいと私は考えているという答弁があった。御記憶ですか。ところが、本年度の予算要求そのほか予算決定をしました情勢を見ますと、昨年の分科会で言明された態度は全然変わっておると私は思う。言いかえると、私の要望したそういうような財源を確保する。幼稚園教育の庁舎の建築そのほか、必要なものについて基準財政需要額の中に入れて、一本だけ幼稚園教育のための財源を確保するという、こういう態度の予算要求、予算決定ではないと思いますが、それの経過、それから今後の見通し、その所信を、あなたがおっしゃった、言明をされたことが間違っておるかどうか、それを一番最初にお伺いしたいと思います。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 予算分科会でございましたか、二宮委員から御質問のありました趣旨は、幼稚園の必要な経費について、基準財政需要額等のいわゆる地方財政計画の中に幼稚園の項目をはっきりと起こして、これに対して十分な財源措置を講ずべきではないかというような御趣旨であったように私は記憶いたしておりますが、その問題でございましたならば、私どもといたしましても、従来からできる限りこの幼稚園の経費につきましては、交付税の中に独立の項目を起こして、必要な経費を盛り込んでいきたい、こういう考え方におきましては、従来と少しも変わらないわけでございます。ただ、四十年度の問題といたしましても、そういう相談を、自治省当局といろいろ相談をしながら検討いたしたのでございますが、現段階におきましては、まだ幼稚園の普及が各地方団体ともに格差がございます。したがいまして、そのためにせっかく現在この人口十万の標準団体当たり四つの幼稚園を計上いたしておりますけれども、かえって独立の項を起こすために減るというような傾向も出てまいるわけであります。現段階におきましては、かえってその独立の項を起こすために不利な団体が起きるということも予想されますので、もうしばらくこれは普及を進めて、その暁においてこれを考慮したほうがよろしいじゃないかという結論に達したわけでございます。したがって、四十年度におきましては、幼稚園についての独立の項目は設けませんことにいたしましたが、そのかわり、この単位費用の充実をはかる意味において、一円二十銭ばかりでございましたか、人口一人当たりの費用を増額をする措置を講じたわけでございます。いきさつは、以上申し上げたとおりでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 大体地方自治団体の就学の率に応じてもし財政需要額を要求するということになれば、その格差はあってもいいと思う。格差が出ておるところにはたくさんやるのですから、それでいいと思うのですが、大体どうなんですか、義務制でないわけですが、幼稚園の就園率というものはどれくらいになるのですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 幼稚園の就園率は目下のところ平均いたしまして約三八%でございます。ところが、香川県のように八二%に達している最高の県もございます。あるいはまた一〇%以下という県もありまして、その状態が各県まちまちと申しますか、非常に格差があるというのが現状でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 したがって、その格差が一応ある程度に達すればいま言ったような要求をしていく、こういうことになるだろうと思うのですが、それは八二%から一〇%の間にちりぢりばらばらになって存在するわけですが、これらの行政指導の面については、これはもちろん直接できにくい問題もあろうと思いますけれども、私が心配しておるのは、はたしてそれで初中局長の言うように、一本通せばいいのかどうかというようなことについてもやはり考慮しなければならぬと思うのです。だからどの程度まで就園率が上がったならば、いま言ったような筋で一本通して財政的にゆとりを持つというように考えるのか、その辺の見通しはどうなんですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 その点につきましては、これは私どもの単なる事務的な意見としてお聞き取りいただきたいと思いますが、現在三八%でございますが、少なくとも五〇%程度に達した段階が一応の機会ではないかというように私どもは考えております。現在標準団体人口十万について四つの幼椎園を積算基礎に入れておりますが、まだ六つに達してないわけでございますから、したがって将来の問題としては、現在の四つを八つ以上にいたしませんと間に合わないという状況でございます。したがって、ある程度の普及ができるということになりましたならば、やはり五〇%以上が大体一応の目安ではないかというように私は考えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 この前高橋委員から質問がありました後に、私どものところにも一応陳情があったのですが、たとえば山口、兵庫というような昨年国立大学に編入をした学校で、給与の問題が、従来持っておった給与よりも給与ダウンになる。これはどっちですか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 具体的な事例によってその間の事情は違うのでありますが、原則としては大学の教官の俸給表に適合するように給与を決定するわけでございます。地方公共団体によってはそのくにの大学の教官の俸給表を上回っておる事例があるわけなんです。その場合にむずかしい問題が生ずるのでありますが、その俸給表の適用を受けるという基本原則の上に立ちながら、できるだけ具体的な事情を考慮して、なるべく有利な扱いをするように、個々具体的な事情をくんで決定しているような次第でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 有利な線ということを考えれば、たとえば定年の年齢が、国立に移管をしたために、地方よりも有利になった、こういうような問題が具体的にあろうかと思うのです。ところが実際問題として、私の聞いたところでは、それは地方団体の公共の大学ですから、当然現業の諸君は、これは団交権もあるし、罷業権もあるし、あるいは協約の権限も持っている組織はあるわけなんですね。それにつれて、事務当局、事務関係のもの、あるいは医局の関係、これらについても、給与は地方においては違っているわけです。それで、国立に移管をするということになると、今後の研究論文やそのほかの関係等について、具体的な有利な面もあるかもしれませんが、目の前で給与ダウンになるということは、事実上実際問題として、山口の大学ではあるようであります。事務局で大体三千六百円のダウン、それから医局の関係で二千円くらいはダウンになるというような傾向にある。こういうことになりますと、県には施設そのほか相当な資金を出させて、施設を整備して、基準に達するまでやれということをやって、地方団体に負担をかけ、同時にそこにつとめておるところの事務関係、医局、教授関係の人々には、給与そのものを引き下げるという結果になって、それを国立に移管していく、こういうことになるということに非常に不満を持っていることを伺ったわけなんですが、そういう事実がございますか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 そういう場合も出てまいるのであります。原則としましては、国立大学の職員になるわけなんで、国立大学の職員一般に通ずる給与の、取り扱いをするということが、やはりどうしても原則になるわけでございます。ただ個々の事情を考えてできるだけ有利に解釈できるところは有利に解釈して、なるべくそのようなことのないような配慮を、個々具体的の給与の決定の際に取り入れていく、こういうことで処理するようにいたしておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 ことばは具体的だというんだけれども、事実がわからないのですが、三千六百円ダウンという事務当局のこのダウンの状況は、給与ベースを下げて、現在あるところの国立学校の事務当局の人とバランスをとりながら給与改定をやって、それを受け入れる、こういうことですか。それは一つも有利にならぬじゃないですか。有利になるということの具体的ななにはどういうことなんです。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 一般的に有利にするということはむずかしいことでございます。それもその公立大学の給与が低いような場合には一般的に有利になります。しかしその公立大学の給与が、国立大学の場合よりも一般的に高くなっている場合には、一般的には、どうしても不利にならざるを得ないわけであります。ただ具体的な事情をしんしゃくして、できるだけそれを、その不利になる程度を縮めていく、こういうふうに努力しているわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 それはどういうことを言われるのですか。ダウンになるところを、できるだけ少ない限度にとめようというその御努力はわかるのですが、具体的にいって、どういうことなんですか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 給与の決定の際に、たとえば民間におった経歴の計算のしかただとか、いろいろ前歴の計算のしかた等については、解釈によって有利に扱い得る余地が生ずる場合があるのであります。その経歴、それから、国立大学においてほぼ似たような経歴とを比較するわけですけれども、できるだけ国立大学における似たようなもののうちのいいものと比較して、それに合わせるように給与を決定する、そういうような具体的な措置をしておるわけであります。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 その具体的に措置をしているということが、どうも私にはよくわからないのです。県立から国立に移管をする場合に、給与が従来取っておったものよりも非常に下がってくる。これをカバーするものは、県立よりも国立が有利であるという一つの名目的な考え方があるんじゃないか。それから博士号を取る場合に、論文の提出、そのほかつながりができていいということが一つあろうかと思うのです。それよりほかに、とにかく三千六百円ダウンということでは、事務関係の人はなかなかこれにはっきり賛成をしておらない状況のようですが、この問題は実際話し合いができておるのですか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 これも移管の際に、そういうふうに地方公共団体の給与、具体的にはその公立大学の給与が国立の場合よりも一般的に高い場合には、これはどうしても下がらざるを得ませんということは、当初からお話しているわけでございます。それ以外に事務的に扱いようがないわけであります。ただしかし、繰り返し申し上げておりますように、実際切りかえの際に、できるだけその差を縮めるように努力しているということでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 この覚え書きを見ますと、一応県立の大学ですから県の公務員である。地方公務員としての身分を辞職して、同時に国家公務員の身分に任命をするということになっておるようですが、この項目の中に、退職以前に受けておった給料月額より減少することになった者については、減少に伴い受ける財産上の損失を補てんをする、補償するというということが入っておる。それは給与ダウンをしない、あるいは研究費を出すとか、別個に、給与が実際下がった者は、従来もらっておった給与に大体匹敵する財産上の損失というものを補償するということが覚え書きの中にあって、それで国立に移管するということに知事と文部大臣との間に文書が取りかわされておるようですが、その方法はどうするのですか。それをやっていないじゃないですか。その方法は、私は、国家公務員になったんだから、国家公務員と同じ経験年数を持っているし、同じ業務を持っておる者についてはバランスをとっていこうとする国の立場というものはわかるのです。わかるのだが、しかし、移管をする場合に、こういう覚え書きを取りかわしておると、やはりそれは何とかして補償しなければならぬという義務があるでしょう。どういうかっこうで補償するというのですか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 それは国がやるということではございません。そういうことで、どうしても補償する必要がある場合には、それは県が補償していただきたい、こういう趣旨でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 県と職員との間にそういう契約をしておるということですか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 その扱いは、国と大学の設置者である県との間の覚え書きで、そのような問題があった場合には、それは県で処理していただきたい、こういうふうな内容のものでございまして、県と職員との関係はまた別個の問題でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 それではお尋ねしますが、県がもしそれを補償するとしたら、それに対しては国がどのようにして充足してやるのか。県は出しっぱなしにお金を出してしまって、そして補償金をずっとやめるまで見ていくというようなかっこうになると、その分についてはやはり地方公共団体は非常に苦しい立場に立つのじゃないかと思うのですが、それを国が何とかして見てやるのかどうなのか。これは正式には私は国から県に出しにくい問題だと思うのです。だから、そういうことになれば、何か具体的ないい方法がなければ、私はこういう問題は覚え書きには出てこないのじゃないかと思うのです。これは兵庫、山口また今度出てくる宮城ですかに共通する問題だと思うのですが、何かいい方法があるのですか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 いい方法というのは実は非常にむずかしいと思います。というのは、原則といたしまして公立大学を国立大学に移管するということは、職員の給与についていえば、国立大学の職員になるということなんです。それは不利になる場合もあれば有利になる場合も一般的にあるわけなんですが、それは不利になってもその点はがまんしていただく、そしてそこに問題が起こるなら、それはやはりいわゆる公立大学の設置者とその職員との間の問題としてその設置者に処理していただく、国はその間のトラブルについては原則的には責任を負えない、こういう立場でなければいかぬ、というのは、話はそうそうつかないわけなんです。国としては国立大学に移管した、移管したところがその職員が他の国立大学の職員よりも一段と高いというようなことでは、これは国立大学の職員の給与の扱いとしてできないわけでございます。だからそれはやはり国立大学の職員一般の扱いをします。それでいろいろな問題が起こるかもしれぬ、それはしかし設置者の県で処理していただきたい、こういうたてまえでございます。だから、その間どういうふうに措置されるかということは、原則的にはその県の御判断による。しかしまあそういうふうに形式的にばかりいっておれぬから、個々具体的な問題については、そういう原則の上に立ちながら、できるだけ国としても従来の経過及び県の立場、職員の立場を考慮して、なるべくあたたかい配慮をしていく、こういう方針でやっているわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 どの辺が、あたたかいのかどうかわかりませんが、非常に国の行き方はずるいですね。一つ流れておる思想は、公立のものが国立に移管するのだから、名称が変更されて身分が変わる、それで国立になったのだからいいじゃないかという一つの考え方がやはり一貫してあるようですね。働く医務局そのほか事務当局あるいは現業の仕事をやっておる人々の立場に立って考えると、それは県が出そうと国が出そうと、現在もらっている給与よりも下がることがいやなんだという気持ちが私は起きると思う。それをほとんど全部県にまかせてしまっておいて、国はあたたかいとか具体的だとかなんとかいうけれども、それはやはり一般に全部是正をしてしまって、国立の従来あるところの給与法に全部合わせてしまうということしかないと思うのです。いまやっている方法はですね、そうでしょう。そうなると、移管をしたということの名目上の問題は、私は一応そういう点で公立が国立になったということはわかるけれども、物質的な損害といいますか、給与が下がってくるという財産上の補償という問題についてはすべて県に投げかけてしまっておる。そうして施設やそのほかにも、これを見ますと山口県で幾らですか、十億近く、兵庫も九億近く現金を出しておる。これで国がやっぱり基準に基づいて設備をするんだ、国が一枚上だという考えが貫いて流れておるような気がするのです。だから全部を県におっかぶせてしまって、国は国に移管することだけでもう恩に着せたようなかっこうで移管をしていく、こういうかっこうになっておると私は思うのですが、それではほんとうの問題、実際にそこの県立医大に働いておる人々はあまり喜ばないのじゃないかと私は思うのです。その辺がどうも少し国のほうがずるさがあるのじゃないかという感じがするのですがね。私どものほうでは当然だと言うでしょう、あなたの答弁は。国立のベースにみなおしなべてやるんだからあとは県でかってにやれということかもしれぬけれども、それでは県が非常に苦しい状態になるのじゃないか、移管をすることによって財政的に非常に苦しくなるのじゃないか。将来それは給与その他を国が出すから、それで一応国から見るようになるからいいという、大きな目で見ればいいかもしれぬけれども、そういう移管という具体的な事実の前に起こった具体的な問題を解決をする場合には、私はもう少し国が誠意を示さなければいかぬのじゃないかと思うのですが、もう何も方法はないですか。

杉江清文部事務官(大学学術局長)

○杉江政府委員 給与の問題につきましてはいま申し上げたように、やはり国立大学の職員としてそこに適用されている俸給表に従ってその給与を決定する、この原則はどうしてもこれは守らざるを得ない。それは給与法のたてまえからどうしてもそうなるのであります。ただ繰り返して申し上げますけれども、個々の具体的決定にあたってはしんしゃくし得る余地のある限りにおいてできるだけ有利に計らっていく、こういう努力をしていく、それ以外にどうも取り扱いようがないというのが実情でございます。  その他施設、設備等の問題については、これも前に申し上げたことがあるのですけれども、これはやはり県で国立大学の一般に適用されている基準までは整備していただく、こういうことでそもそも移管の話がまとまっているわけでございます。そういうふうなまとめ方自体に問題があるという御意見もあろうかと思いますけれども、その問題になりますと、現在国立大学の一般の整備が非常に立ちおくれているわけなんです。病院等においてもこれは非常に立ちおくれている。それがためにばく大な経費を投じなければならぬという状況において、今度は公立大学も引き受けるということは、どうしても消極的にならざるを得ない私どもの立場なのでございます。実際において国立大学を急速に整備したいと思いながらできない状況だから、公立大学のほうは極力移管を希望されても待っていただく。もししいて移管を希望されるなら、具体的に整備する、そこまではひとつ自力でやっていただいた上で移管していただく、こういう立場をとっておるわけなんです。その負担については将来長い期間を考えれば、地方公共団体にとっても財政負担を大幅に軽減することになるわけであります。だから負担していただく金額についても、自治省は相当大幅な起債措置を認めるわけなんです。その負担は相当長期間にわたって負担すればいい、こういうたてまえをとられたわけでございます。そういうふうなことでこの移管の問題を考えて私たち現に措置しようとしておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 管理局長にお尋ねしますが、大臣の所信表明の中にも私立大学を非常に充実をしてやろうという意見があるわけなのですが、本年度の私学の受験希望者、これはこの前もらいました統計によりますと、大体四十年の三月で、これは私学だけをさしておるものとは思いませんけれども、大学希望者が四十八万一千名、それに従来浪人をして本年度受験をしようとする者が十一万六千名程度あるようでありますが、予算書を調べてみましても、調査関係をやるところの調査局の中では大学の調査というのが一つ抜けておるのですが、私立大学の問題については管理局で所管をしていると思いますけれども、どのような強化策を考えておるのか。大体受け入れ態勢というものはここに数字として出ておりますからわかりますけれども、これでは相当数また浪人が出てくるであろうというように私は考えますけれども、まず具体的に尋ねていきます。  大体私立の大学というのはどれくらいあるのですか。

齋藤正文部事務官(管理局長)

○齋藤(正)政府委員 私立大学は、三十九年の五月一日現在で百八十五校、学生数が五十九万一千人でございまして、学校数におきまして六三・六%、学生数にいたしまして六九・三%占めているわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 大学の自主性というのは私は相当認めなければならぬと思いますが、文教行政の責任というのはやはり一応文部省が持たなければならぬと思うのです。私、実は昨日具体的な問題にぶつかってみてびっくりしたのですけれども、第一次で入った者は大体十一万円、第二次補欠で入ったら、それに二十一万円程度プラスする。一つの学校の例ですけれども、三十一万六千円という入学金を取って入学をさしておるというような状況であります。振興会なんかに聞いてみますと、それでもなお赤字があるということなんです。私学振興会のほうから貸し出しのお金が相当出ておるわけですけれども、聞いてみますと、それは人数とか資産状況とか、返還をする能力があるかなしということを調べて一応貸し出しをやるのだ。そのほかの問題についてはもうノー・タッチであるという状況でございますけれども、大臣が言う私立大学の振興方策については、ある調査会をつくって今後検討しようというお話を所信表明なんかでやっているようなんです。特に大学にしぼりますけれども、私立大学の問題について一体どのように文部省では把握をしているのか、あるいはどのように行政的に指導しておるのか、どの程度まで自主性を認めてやっておるのか、その辺が非常に不明確な点があるように思うのですけれども、その辺をちょっとわかりやすく解明をいただきたいと思います。

齋藤正文部事務官(管理局長)

○齋藤(正)政府委員 私立学校の運営に関しましての基本は私立学校法に定められておりまして、大学で申せば所轄庁の長たる文部大臣、それから私立大学の関係というものは一定の限度が置かれておりまして、その運営に一々立ち至ってこれを監督するというたてまえをとっておらない。それがいわゆる私立学校法にいう自主性ということで、具体的に現在とられておりますものは、一々のものは監督しない、運営についての変更命令等は、私立学校法において排除されておる。これは教育を行なうという場合に、要するに認可して生まれるときと、それから極端な場合に閉鎖をするということ以外に、中間にはいろいろな規制をかけないというたてまえを、大ざっぱにいえばとっているわけでございます。いまお話のございました入学金でありますとかあるいは授業料につきましては、これは学則の一部としてその変更について届け出となっておりますが、これについて規制をするというたてまえをとっておらないわけでございます。  それからもう一つ、これは法律のたてまえと申しますよりは、運営の問題といたしまして、大学と高等学校以下についてはかなりたてまえが違っておるのであります。高等学校以下になりますと、都道府県知事が所轄庁の長でございますけれども、これは先般来問題になっておりましたいわゆる高校生急増等の関連もございまして、これは個々の府県において違いますけれども、いろいろ授業料等につきましても助言をしているという府県もございます。また私どもにいたしましても、私立の高等学校の全国的な団体と接触があります場合に、授業料等を上げなくてはいかぬ場合にも、最小限の措置をとってくれというようなことは申しておって、実際に高等学校の授業料の上げ幅というものは割合に少ない。あるいは工業系学校につきましては、特に上げることに注意をするというような申し合わせもあったようでございます。現在のたてまえは、私立学校法の考え方はそういうことでございまして、入学金と授業料等につきましては、これは学校法人の常識的な判断によって運営されるというたてまえになっておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 国の教育を分担するといいますか、義務制国公立以外のいわゆる各種学校なりあるいは私学なりは、国の文教の一環として相当大きな任務が私はあると思うのですけれども、非常に乱れているといいますか、統制がとれてないと思われるのは、各種学校とそれから私立学校の優秀なものはいいとして、あまり名の売れていないような各種学校——おそらく私立学校の大学生ですね、これらが、非常に責任を持って教育というものを分担しながら、教育行政の面からははずされてしまって野放しになっておる。そして教育体系というものからいいますと、そこに一つもやもやとしたグループができて、その辺が一つのガンとして残っているのじゃないかということを私自身考えておるのです。各種学校の問題は資料も調査してもらって持っておりますけれども、きょうは触れないとして、それでは届け出の問題で、入学金そのほか届け出をした一番最近の例で、どういう程度のものをとっておると文部省では把握しておるのですか。

齋藤正文部事務官(管理局長)

○齋藤(正)政府委員 正式の届け出は大学学術局で学則をとると思いますが、そのほかに私どもとしては、傾向を見ますために、各大学に直接問い合わせまして、四十年度の募集が始まりますときに一応全国的な情勢というものを知っておるわけでございますが、それによりますと、大学だけについて申しますならば、四十年度の授業料の平均額が六万八千八百九十二円でございまして、これは三十九年度の平均額六万一千余に対しまして一一・六%の上げ幅でございます。それから入学金は四十年度の平均が四万三千五百十八円でございまして、これが三十九年度の平均の三万六千八百円に対しまして一八%の増加ということになっております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 届け出の義務というのは何条にあるのか、いまちょっとはっきりわかりませんが、平均の入学金の四十年度四万三千円というもの、三十九年度三万何がしというような届け出の入学金というのは、これは私は実態と非常に離れておるのではないかと思うのです。それはそれなりに一つの根拠があろうかとも思いますけれども、しかし文部省が一応閉鎖あるいは開校を命ずるというような一つの権限を持っておる以上、全体的な把握はやはりしておく必要があるのではないかと思うのです。これはおそらく帳簿上の問題かあるいは手続上の問題かわかりませんが、文部省に届け出た入学金というものと、それから実際に取っておる入学金というものとは非常に実際上の格差があるのではないかというふうに私は思うのですが、もうこれ以上のものは文部省としては把握しておりませんか。

齋藤正文部事務官(管理局長)

○齋藤(正)政府委員 この授業料、入学金は各学校の募集要項をできるだけとりまして、それに基づいて集計をしておりますから、公に示されたものの数字は提出率にいたしましてももう八〇%以上の提出率でございまするので、まず誤差は少ないものと思います。ただ先生が最初にお示しになったような事例でございます。定員以上の場合にさらにこれに付加して寄付金をとるとか、あるいは私どもの調べにない学債の問題がどうなっておるかということについては、私どもも正確に状況を知ることはできない部分がございます。しかしそういうお話しのようなことがすべての私立大学にあるというふうに私たちは考えないのであって、この募集要項のとおりに大体やっておるものが私は大部分ではないかというふうにも考えるわけであります。  それからもう一つは、学債の傾向につきましては、この二、三年の傾向を見ますと、従来はっきり明示してなかった学債というものにつきまして、はっきり今度これを入学時の寄付として明示して表に出している傾向がありまして、この二、三年のいろいろな経費の状況を見ますと、主要な大学について見ましても二、三年来そういうところが表にあらわれた数字といたしましてふえてきている。むしろあとで寄付をということよりも、初めからそういう条件というものを明示して募集しているところが多いように感ずるわけであります。一体実態として、ある学校がどの程度の者を定員までの者としてとり、それ以外の者について何らかの寄付を付加しているかということの実態は、私ども把握しておらないわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 私が示したのが全部でないということでございますが、全部でないということであれば一部分ということなんです。一部分であるということであれば、百八十五校のうちどの程度が大体募集規則に示したとおりのものをやっているという実態があなたのほうでわかっていなければ、いまのような発言はできぬと思うのですが、どうなんですか。特に悪いものというのは相当あるんじゃないかと思うのです。それははっきり学校のほうから学校建設のために必要な経費として二十万なら二十万よこせ、それが学校に入るときの条件だ、こういうことで募集定員よりもはるかに上回ったものをとって、そして学校の運営に充てているというのが実態のように思いますね。したがって、あなたのほうで示された百八十五という私立大学をクラス別に分けて、非常に優秀な私立大学もあろうと思いますし、あるいはたいへん経営の困難な、あるいは私学振興会等から貸し付けもできないような学校もあるのじゃないかと思われますが、そういうようなものについては、私学振興会の関係はこれは特殊法人で、あなたのほうでも大体材料は持っていると思うのですが、実態はどうですか。百八十五を分けまして、大かたのグレードはつきますか。大体の状態というものを知らなければ、問題が起こったときに、おまえの学校は閉鎖だということになると、これは教職員なりそこにおる生徒なりはたいへんな迷惑を受けるわけなんですが、日ごろから実態を把握していなければ、私は私立学校法の第五条の文部大臣の権限というものは発動できぬのじゃないかと思うのです。あまり知らなさ過ぎる面もあると思うのです。私は追及するという意味ではなくて、私学にまかしておくといういい面もあると思うのですが、しかし最終的に責任を持たなければならぬ文部大臣としては、実態の把握というものはもう少し私は明確になっていいのではないかというように考えますが、それ以上のことはわかりませんか。

齋藤正文部事務官(管理局長)

○齋藤(正)政府委員 私どもがわかりますことは、大学が公に募集の条件といたしまして出しておるもの、これは授業料それから入学金だけでなくて、入学時の寄付金という形で出しておるものも、これは公にされたものはわかるわけでございます。たとえば東京におきますような大学を見ましても、授業料、入学金のほかに寄付金ということを明示いたしまして、そういうものを合わせますと、大体最低が文科系で四十年度の入学者に対して十一万ぐらい、それから最高で理科系の五十万というのはございますが、そういう実態は私どもも承知しておりますけれども、いまだに表に出ない一部で行なわれているというこれ以外の寄付金につきましては、実態を把握しておらないのでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 希望としていま少しこの実態を把握してもらって、文部大臣の最後にまかされた権限というものが発動できますように事前に調査をする必要があろうと思うのですが、それをひとつお願いしておきたいと思うのです。  それから初中局長にお尋ねしますが、本年度の教科書採択の状況でございますけれども、教科書法案が通過をします際に一番心配しました問題は、偶然としましても国定教科書的な色彩を帯びるのではないか。言いかえると、国語なら国語というものを一つの県が全部採択をする。あるいは九州のブロックが全部各県とも偶然にも一致して一つのものが採択される。これを集約しますと、これは国定のものになったと同じような形態ができ上がるのじゃないかと心配したわけなんですけれども、この実態は、一つの教科について一県全体が同一のものを採択をしておるという県はあまりたくさんないようですが、しかし教科書法案が出る以前と比較をしますと、その色彩は濃くなっておるのではないかと私は心配をしておるのでございますが、それはどうですか。初中局長、何か一つのものに集約しそうな採択の状況ですが、そういう傾向は出ていませんか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 お手元に差し上げました資料をごらんいただいたと思いますが、現在三十九年度の採択に関しましては、全国で採択地区が四百五十七地区でございます。約四百六十ぐらいに採択地区はなっております。したがいまして、それぞれの採択地区において適当な教科書を採択したものを供給するというたてまえになっておりまして、お手元に差し上げました資料でごらんいただきましても、全県が一種類というような種目は非常に少ないのでありまして、二種類あるいは三種類以上のものが多くなっております。したがいまして、現在のところ、採択地区の設定と関連いたしまして、従来よりはやや種類は少なくなっておりますけれども、しかしながら昨年やりました種目につきまして見ましても、三十九年度用の教科書、これは従来のものでございますが、百種類に対して、四十年度用教科書、これは三十九年に採択いたしましたものでございますが、八十八種類になっております。したがって、その種類の点から見ましても、あるいは発行点数を比較してみますと、従前は六百六十二点でございましたのが、昨年やりました採択では五百七十三点となっております。したがいまして、点数あるいは種類はやや減っておりますけれども、全般的に見まして大体妥当なところではなかろうかというような気がいたすのでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 私は資料をいただきました。これはけさもらったので、検討するひまが十分ありませんけれども、案ぜられることは、初年度よりも来年の採択−四十一年ですね。今度はこれで三年間ずっといくはずになりますが、次に採択がえをする場合の状況というものは、非常に大きく変化が出てくるのじゃないかという心配を私はしておるのです。ということは、父兄の中には、学校を転校などをした場合に、どの学校に行ってもいい教科書が使えるんだというようなものをぜひ使わしてもらいたいというような、単純なものの考え方の父兄もあるわけですね。そこで一県だけ一種類の学科を採択したというのが例として出てまいりますと、これに類するものの判断がこの次採択がえをする場合に起こってくるんじゃないかという心配をしておるのです。これは一にかかって文部省の指導、これは地方教育委員会に対する助言、連絡等が影響があると思いますけれども、やはり教科書法案を作成をした当時の精神というものを十分生かしてやっていかないと、私はそういう危険がやがて出てくるのではないかという心配を持っておるわけです。これに対する今後の指導方針ですね。頭から直接おっかぶせるのじゃなくて、助言とか指導とか言いますけれども、そういう指導、自主性を生かしながら相談に応ずる、こういう態度についての初中局長の御意見をひとつ承っておきたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 これは教科書無償措置法案を御審議いただきましたときにも再三申し上げた点でございますが、あまり採択地区が小規模では困るわけでありますけれども、ある一定の規模として郡市程度に広がりまして同一教科書を使うということになりますと、申し上げましたように、転校した場合の生徒の教科書の使用の問題につきましても非常な利便がございます。またいろいろな点について都合のよいこともございますので、少なくとも地方事務所単位か郡市単位には同一教科書を使えるような地区を設定してもらいたいというのが文部省としての基本的な態度でございます。したがって従来からその線で教育委員会とは話し合ってまいっておる次第でございまして、先ほど申し上げました四百五十七地区というのも、そういう結果に基づいて昨年できた地区数でございます。将来におきましても大体これが維持されるであろうということを私どもは考えておるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 社会教育局長にお伺いしますが、昨年も一応指摘をしたのですが、青年学級という社会教育の単位ですけれども、これが非常に不振をきわめている状態に地方ではあるのです。したがって予算の面におきましても、昨年は一昨年に比較して非常に伸びがなかった。ことしは多少伸びておるようでございますけれども、この青年学級を指導するところの指導者の問題ですが、地方においては実際問題として指導者になかなか適当な人がないという状態にある。同時に青年学級そのものが実はあまり前向きにいかずに沈滞しておるような状況にあるというように私は判断をするのです。これの振興策というのは社会教育の中ではたいへん大事な問題ですが、実態並びにこれが指導に対する心がまえといいますか、そういう点をひとつ承りたいと思います。

蒲生芳郎文部事務官(社会教育局長)

○蒲生政府委員 ただいま御指摘になりましたように、青年学級は最近、学級数におきましても、その青年学級で学びます青少年の数も減ってございます。現在青年学級の総数は約八千五百学級、学級生徒数が四十二万となっております。この傾向は、一つは高等学校へ進学する者が多くなったということもございましょうし、それからまた最近農村から都市へ流れていくということで、従来の青年学級の主たる基盤でございます農村における青少年の数が減ってきたということもございます。その農村における学級が減ったわりに、都市における青年学級の増加は少ない。これはいろいろ都市においてそうした青年学級が持ちにくいという理由がございましょう。  そこでこの振興策といたしましては、おっしゃいますように、まず青年学級で教える先生、講師の選択。これは、いま御指摘のように、非常に悩んでおる問題でございますが、そういう点をさらに市町村と協力してやるということと、それから都市においてもっと青年学級を盛んにするためには、事業内の青年学級というか、これを市町村とタイアップして、連携をとりまして、ふやしていくという方法を考えてまいりたいということで、この青年学級研究協議会等を開催いたしまして、よりよりそうした具体的な振興策について、ただいま研究中でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 これは社会構造の問題と関連をして、やはり一つの大きな問題になってくると思うのですが、同様に今度は、新しく昨年からやりました婦人学級というか、家庭教育というか、こういう問題について文部省が一つの方向を示して、これに対するしつけの教育あるいは母親の教育というようなものを問題として取り上げている。この点は非常にいいアイデアだと私は思うのですけれども、実際の状況は、それがまた、青年学級と同じように、頭だけは一つあるけれども、実態というものはなかなか運営上よくいかないものがあるのじゃないかと思いますが、昨年一年経験をされました後に、その反省と今後の見通しというものを、ひとつお聞かせを願いたいと思うのです。

蒲生芳郎文部事務官(社会教育局長)

○蒲生政府委員 ただいまお尋ねの婦人学級、それから新しく始めました家庭教育学級は、いろいろ個々の学級を取り上げますと問題のところもあろうかと存じますが、しかし数におきましてはかなりふえておりまして、婦人学級で見ますと、三十八年度の調査でございますけれども、三万学級にものぼっておりまして、参加している婦人が百八十万人。家庭学級につきましては、現在文部省が委嘱しておりますのが八千百数学級ということでございます。これも特に家庭教育学級におきましては、開設してからまだ日が浅うございますので、当初はこれの運営につきましては、いろいろ現地におきまして戸惑いをしたような傾向もあったようでございますが、その後研究会等相互の連絡なり、研究いたしました結果、最近はこの内容も非常に充実してきているように見ております。たとえば家庭教育学級について、婦人だけでなしに、最近は男子の方もかなりふえておりまして、大体六対四、婦人が六に対して男子、おとうさんが四の割合で参加しておるという実情でございます。  なお、明年度予算におきましては、この家庭教育学級が地方につくられます場合に、先ほど青年学級でも御指摘になりましたように、なかなかいい講師が得られないという点にかんがみまして、録音教材テープをつくりまして、これはりっぱな先生とか学識経験者の方たちに、この家庭教育学級で話題になりますような問題を取り上げて、対談をしたりあるいはお話をしたテープをつくりまして、これを委嘱した家庭学級に無償で配布して、そして一つの研究の手がかりというか、それを中心にしてまた話題を進めていくという方向をとって、振興方策に資したい、かように考えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 日本の家庭構造の問題も関連をしますが、地方で評判のいいものは、いわゆる男子を対象にした成人学級というか、新しい一つの教育理念というものをいろいろ研究するというグループの活動のほうが非常に受けておるような状況にあるわけなんですね。これは今度の一つの参考資料として研究されるよう、私のほうから強く要望したいと思うのです。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 関連。  社会教育局長にお伺いするんですが、私は、先般質問書で家庭教育センター設置についての政府の見解を聞いたわけですが、その回答については承知しておりますか。

蒲生芳郎文部事務官(社会教育局長)

○蒲生政府委員 承知しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 公民館その他あるから、なくともいいような回答でしたが、私は意見がだいぶ違うんです。  日本の場合の青少年問題についての大臣その他の見解は、幼児の性格形成に終始されている。そこに原因があるんだが、総理府に行っても、司法省に行っても、どこに行っても、一たん不良化した者に対するアフターケア政策——少年院に入ったとか、あるいはいわゆる不良青少年というものをどういうように社会に復帰せしめるかという政策がない。ほんとうの青少年対策というものは、いわゆる文教政策として家庭の教育能力を上げるという以外に根本対策はないと思うのです。それを考えないから、文部省は傍観者になっておる。  そこで、各市町村に家庭教育センターを置いて、その中で家庭教育相談あるいは家庭問題についていろいろ夫婦間、親子間の相談に乗ってやる。そういうものを設置しないと、日本の場合は解決しないんだという意見で、私は質問書を出したんですが、あの回答を見ると、必要であると思っているのか、必要でないと思っているのか、どっちなんですか。

蒲生芳郎文部事務官(社会教育局長)

○蒲生政府委員 御趣旨の家庭教育センターが必要でないとは私は考えません。ただ、新しい構想でございますし、なお、従来ございます公民館活動、あるいは先ほど二宮先生の御指摘になりました青年学級にしても、婦人学級にいたしましても、最近の家庭教育学級、これらはすべて青少年の健全な育成ということをねらいとした施設、事業でございます。これが必ずしも十二分に成果を発揮しているということも言えませんので、そうしたものもさらに検討し、充実するということをいま考え中でございます。  したがって、家庭教育センターは、趣旨はけっこうでございますけれども、いま直ちに全市町村にこれを必置するということについては、今後検討した上でないと、直ちに設置すべきであるというふうにはお答えしがたいという気持ちでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 婦人相談所とか何々相談所というものは厚生省はどんどんやっているんですね。文部省は何もしないんです。母親は学校に出かけていって先生に聞くということはしないし、それから新聞で紙上相談をやって、それに有名人がなぐさめ回答をやっているが、女性というものは、日本の場合には、一定の会合なり学級で話をしても、うちに帰ると孤立している。隣近所の人と相談ができない。岩手のような出かせぎの多い家庭などは、そこで非常な家庭悲劇を生んでおるわけなんです。そういうことを考えて、文教政策として相談所を設置してやるという、そういう積極的な対策を立てない限りは、私は、文部省の社会教育というのは、断片的に何々学級何学級ということをやっておってもだめだと思う。センターをつくって、そこには文書で回答してやるという設備を持ってもいいし、そういう関係の専門家をやはり配置をしてやるというふうな行き方をしないと、日本の場合については、日本の両親というのは、家庭教育の能力がヨーロッパと違って非常に低い、ほとんどゼロに近いと私思います。そういうことで、やはり集中的な施設をやり、積極的にお考えになる必要があると思うから言っておるので、ひとつ来年度の予算くらいまでには局長、真剣に考えておいてもらいたいと思います。いまのところはあまりどうも考えていないとかいうお話ですけれども、もう少し分析をして積極性を持ってもらいたいと思います。  十二時に終わる予定なんですが、ついでにいま一つ、教科書の関係でお聞きしたいのですが、ことし六年におさまってしまった。新制中学は無償にならない。この法案をつくるときに、国の給与による教科書であるから、いままでの教科書出版会社に対して許可制に近い指定制をとり、原案では立ち入り検査権も入れた。その当時法制局に質問をいたしますと、やはり国の税金によって教科書を発行さすのであるから、営業の自由その他のいろいろの憲法上の問題はあるけれども、そういうものに対して規制するということは差しつかえないし、適当であるという回答をした。そうなれば、小学校の教科書は発行してない、中学校と高等学校だけの教科書を発行しておるものは、将来無償教科書になるまでに二、三年あるし、また政府は引き延ばすであろうから、そういう少しも無償給与のものを出版してない教科書会社まで巻き添えを食わして統制するというのはおかしいじゃないかという論議をしたことがある。今度は無償は小学校だけにして、来年あたりは小学校だけにとどめようとあるいは大蔵省が言うかもしれない。高等学校の教科書、中学校の教科書だけ出しておる出版会社は十八か二十くらいあるはずなんです。そういうものに対して同じように統制するというのはおかしいじゃないか。無償配給実施まではその方は自由にすべきである。それが正しいと思うのですがいかがです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 高等学校の教科書を発行いたしております会社は、これは別の問題でありますけれども、あの当時もいろいろと御説明を申し上げましたように、義務教育の小中学校の教科書を発行いたしております会社につきましては、統制ということではなく、当時法制局の担当官もいろいろと御説明申し上げたはずでございますが、あの指定制度自体は、教科書発行業者として適当な能力を持っているかどうかということを見るだけの問題でございますから、したがって、その一定の基準に達しておればこれはどなたでも、どの会社でも指定をされるわけでございますので、これは統制というわけではないという解釈をとっておったように私は記憶いたしております。したがいまして、この無償教科書を発行することにつきまして、この無償教科書を年次的に拡大してまいります際に、その業者の指定の問題とパラレルに進めば一番山中委員の御指摘になりました懸念は消えるわけでありますけれども、しかしながら、この無償教科書の配付そのものは、これは毎年の予算措置によってきまっていく問題でございますので、これは年次的に予算によってきめていく。しかしながら発行供給の関係の制度といたしましては恒久法でございますので、この予算措置とは別個に、小中学校の教科書発行業者に対する指定制度というものは恒久法として一連の関係においてこれは制定する、こういうようなたてまえで進んだので、ございます。四十年度においては中学校に無償が拡大されなかったわけでございまして、その関係においては、この予算措置ができなかったという点は私どもはなはだ遺憾でございますが、法律的な問題といたしましては、支障はなかろうというように考えているわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 きょうは、教科書無償に関する法案、その規定として、出版会社に対する規制が入っているんですね。だから、無償を前提とした制度として私は受け取って論議をしたのです。まあそういうふうに分析して、言いわけは言いわけとして、まず指定制は許可制でないからという理屈は立つのですが、あの教科書無償制度をあとへあとへ延ばさないで、最初のとおりもっと力を入れて早く完全無償にする。その道義的責任だけは局長、忘れることはできないだろう。一般の教科書を発行しておるものが一応その教科書無償法案の中で規制されているのですから、——それが来年あたりからまた挫折をして、大蔵省のほうからまた今度は一年ごと、一年ごとにするぞとおそらく言われるだろうと思うのですが、それをいまから腹をきめておやりになることを要望しておきます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 文部大臣の所信表明そのほかに関連して、予算関係の問題はもう通過したのですから、それより今後の問題について質疑をしたいと思っておった問題が多少残っておりますけれども、大臣がお見えでございませんので、私の質問をこの辺で留保させていただいて、この次にいたしたいと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十六分散会

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