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48回国会衆議院1965/02/10

農林水産委員会 第3号

発言数
113
登壇者
10
会派数
2
開催日
1965/02/10

会議録

坂田英一自由民主党

○坂田(英)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が不在でありますので、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  主として前会の農林大臣の説明に対する質疑を行ないます。  なお、理事会の申し合わせによりまして、質疑は午前一人、午後二人以上程度となっておりますので、御承知おき願います。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。山田長司君。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 最近のラジオや新聞、テレビなどで、よく出かせぎ農民の問題が社会問題として取り上げられるようになってまいりました。しかし、一応スポットはそうして当ててきてはおりますけれども、実際にどういうところから出かせぎの農民が東京や神奈川やあるいは関西においても、大都会周辺に出てこなければならないかという事情について、やはりこれらのことがこまかく解明されていないようです。それは戦後、私が申し上げるまでもなく、日本の経済の成長は飛躍的に飛躍をしてまいりましたが、それにもかかわらず、農業の部門だけは依然としてそう飛躍をしていないようです。これらにつきましては、農業の特殊性や複雑な要因はあるにいたしましても、農業基本法が制定されて、他産業とのつり合いのとれた収入が約束されるかのごとく見えたけれども、これは希望だけで、実際にはなかなかこれが達せられずにおる。そういうことから、農家の総数の四分の三は農業外の所得源を求めて兼業農家になって、だんだん転落している数が多いと思うのであります。それで農村には後継者がなくなったり、あるいは農家には嫁さんが来なくなってしまっているというふうな実情で、この悩みは、現在の農家にとりましては実に大きな悩みの一つになっているだろうと思うのです。そこで、この格差が増大すればするほど、こういう実情というものは深刻になっていくだろうと思います。一月下旬に報告された農業白書によりますと、兼業農家の増加は、後継者の確保の問題であるし、雇用労賃の高騰問題である。それから土地利用率の低下も感じられる。逆に生産性の低い兼業農家の増加となっているこの現実、これに対しまして、政府としても当然実情が深刻になってくればくるほど早急に手を打たなければならないだろうということは、考えられなければならない問題の一つだと思いますが、これにつきまして大臣の御所見を伺っておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お話しのように、兼業農家が七六%ぐらい、そのうちでも第二種兼業が四二%を占めるということで、専業農家の数が非常に少なくなっております。いま御指摘のように、他産業の経済成長の伸びが非常に大きかった、それになかなか追いつけない、こういう状況でありますが、格差あるいは所得等は、まあいまのところ白書で申し上げておりますように、横ばいの形で、増大はしておりません。しかし、これを縮めていくということが、農業政策として一番大事なことだと考えております。ただ、短日月にこの格差を縮めていくということは、いまお話しのとおり、農業の本質上なかなか困難でございます。しかしながら、どうしてもこれはその方向に策を持っていかなければならぬということで、いろいろな打ち出し方をいたしておるわけでございます。  出かせぎが多い、労力も不足いたしておりますから、この兼業農家につきまして、二つの道があろうと思うのでございます。一つは、兼業農家が所得を得られる道を講じていくということも方法でございますが、同時に、農業面から見ますならば、兼業農家の協業を進めて、協業による経営規模の拡大という方向に持っていかなければならぬと同時に、また実際、農業を離れてもよろしいというような方向をもって土地を手放す人が相当ございます。六万町歩くらい出ておりますが、そういうのを経営規模拡大の方向へ方向づけていこうという政策も打ち出しておるわけでございます。それからまた、何といたしましても労力が不足いたしておりまするし、生産性が向上するという意味におきまして、機械化も進めていかなくちゃなりません。これは小規模の機械もさることながら、大きな機械によって協業等ができ得るような方向へ持っていって、機械の効率を高めていくということを考えなくちゃなりませんが、それにいたしましても、基盤が整備されておりません。そのために、土地改良等をさらに一そう進めたい。ことしの予算におきましても、九百二十億近くの土地改良の費用を見込んで、昨年に比べましては相当思い切ってやれるような予算を組んでおります。あるいはまた、あとでお話に出るかと思いますが、構造改善対策等によって体質を改善していくということ、あるいは金融面の措置をする、こういうよな農業政策全体から、格差の是正、所得の増加というような方向へ進めていく政策をやっておる次第でございます。しかし、御指摘のように、なかなか思うようにいかないことは事実でございますけれども、しかし、それを着実に進めることによってその方向へ相当進め得る、こういうふうに思っております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 自信のあるほどをほのめかしておりますが、実際の問題といたしまして、農家の人たちが借り入れをして新たに仕事をやろうというような場合におきましては、手続上からかなりむずかしい問題があって、なかなか思ったように進められておらないのが現実だと私は思うのです。やはりこういう問題が簡素化されないと、この点についての速度が、大臣がそう思っておられても、なかなか思ったようにいかないと思いますが、何か簡素化についてお考えになったことがありますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農業に保護政策が必要であることはもちろんでございます。しかし、金融面によって自発的に自分の農業経営を改善していこうというような機運を助長していくことも必要でございます。そういう意味におきまして、農林金融等につきまして、ことしは相当ワクを広げたのでございます。農林漁業金融公庫の資金ワクが千二百四十億でございます。あるいは近代化資金が七百億、それから農業改良資金の無利子の資金が五十七億、そういうようにワクを拡大して金融面で力づけていこうというような方向をとっておりますが、その借り入れする手続等が繁雑である、資金は目の前にあっても、借りるのがなかなかめんどうなものだから、つい借りなかったりという傾向が非常に強いということは、われわれも承知しておりますので、昨年等におきまして相当借り入れにつきましての手続を簡素化いたさしたのでございます。しかし、なお複雑であるとか、借り入れにめんどうであるとかいう声を相当聞いております。この点は実情をさらに検討いたしまして調べさせて、できるだけ簡素に金が借り入れられるような方法を講じていくように注意をいたしたいと思います。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 先ほど申しましたように、兼業農家が非常に増加することによって、農業の生産性に阻害が起こっているということは事実だと思うのです。そこで、自立経営の育成、基盤の整備や、それから協業化等を進めるために特に配慮を払われなければ、農村の現在の状態というものは、なかなか生産性の打開が困難なところにきているのじゃないかと思います。世にいわゆる三ちゃん農業などということがいわれるようになってきましたけれども、最近の農家というものは、女、ばあさん、じいさんの仕事に変わっているのが実際の姿だと思います。まして男子が非農業部門に職を求めてどんどん出るようになってしまっております。村の農協も、それから農村の自治活動の部門におきましても、これは特殊の限られた人たちにまかせ切りになっているような状態が生まれているのじゃないかと思います。農村の機能をほんとうに発揮させるためには、やはり何としても農民の育成のために十分な配慮を払わなければ、いまにしてこの手が打たれなければ、農村の自治活動などというものはほんとうにおざなりにさせられてしまう、だれがやってもいいんだというようなことで放てきされてしまうような危険を感ずるのですが、これらについて何かお考えになることありませんか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 現在のような状況でありまするというと——現在のような状況というのは、兼業農家が非常に多いということ。兼業農家が非常にふえているということは、一面においては、所得の面では農業の所得を補って、ふところぐあいはある程度よくなるという面がございますけれども、農業生産の面から見ますると、荒らしづくりといいますか、農業に熱意を持っておりませんから、生産性の方面からいうと、マイナスの面が非常に多いのであります。いろいろ統計の数字等も見ていますが、やはり所得の面におきましても、生産性の点につきましても、相当規模の経営面積を持っている専業農家が非常によくいっておるように見られます。そういう意味におきまして、やはり経営規模が拡大するような方向へ持っていくことが必要だと思いますので、あるいは開墾、干拓、及びいま政策として考えておりまするように、土地の移動を経営規模の拡大のほうに方向づけていく、経営規模が相当大きい農家はわりあいに出かせぎ等も少ないし、生産性も上がっておるのでございまするから、そういう方向へ持っていきたい、こう考えております。また、経営規模が小さくとも、農業をほんとうにやっていきたいのだ、あるいはその手は婦人であっても、農業というものを進めていきたいという人も相当あるはずでございます。そういう人を対象といたしましては、一般の人も含めて、大型機械等を農協等に導入して、そして農協等が生産面にタッチして協業を進めていくというようなことによって、生産も維持していく、労働力の不足にも対処していく、こういうようなことを考えておるわけでございます。さらに、りっぱなといいますか、ほんとうに農業をやっていこうという青年でございますか、後継者でございますか、この後継者の育成ということが非常に大事なことだと思います。そういう意味におきまして、従来ともありますが、いまの経営伝習農場的なものを各県がやっておるのもありまするし、国としてやっておるものもありますし、民間のものもございますが、そういうものを通じて近代的農業のあり方を体得させて、そしてほんとうに農業というものに愛着を持ちながら農業をやっていくというようなことを進めたい。あるいはまた、去年から創設いたしましたが、後継者の中で、自分の親たちと離れて、経営においては独立的にやっていきたいというような希望を持っておる人があるわけでございます。しかし、それに対して経営の資金が必要だということに対処しまして、無利子の後継者の資金を貸し出すという方途を去年から講じております。一県一億くらいの副り当てでございますが、この資金の融通を希望する向きが相当多いようでございます。でございますので、先ほどお話し申し上げましたように、ことしはその資金のワク等も増しまして、そういう金を十分利用できて、そしていろいろ選択的拡大の方向におきましても、従来の耕地農業の部面におきましても、ほんとうに自分の計算において、自分の責任において希望を持った農業をやっていけるというようなことを進めていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  いろいろ考えて政策を推進しておりますが、一つによって、この手で農業の前進を進めていくというわけにはまいりませんので、総合的といいますか、いろいろな面からいまのお話のような実態に対処して進めていきたい。こういうふうに考えておるわけであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 最近の農村の労働不足は、いろいろお進めになられようとしておりますけれども、労働力に不足を生じつつあるということが、なかなか大きな問題の一つになってきていると思うのです。農繁期の農村の労働賃金は、昨年の状態で、これはところによって多少違うかもわかりませんけれども、一日千五百円から二千円実際に払っているようです。それにおまけに、夕飯には大体酒の二本くらいつけて、さしみの一さらも入れないと喜ばれないというのが実際の姿のようです。そこへ持ってきて、耕うん機はだいぶ普及してきて、耕うん機の馬力数などはアメリカに匹敵するほど、耕うん機の数はふえたんだということをいわれておりますが、実際農業生産性を高めるための耕うん機じゃなくて、早く片づけて、兼業の仕事をやるための農業の姿に変わっているというような印象なんです。ですから、農業をやめたくてもやめられない、投資は少しし過ぎている、労働賃金は、少しの期間ではあるけれども、かけなければ人が集まらない、こういう事態にいまの農村はあるようです。大臣も農村通ですが、おそらく茨城あたりでもそういう事態ではないかと思いますが、われわれの郷里ではほんとうにこういう事態です。ですから、生産性を上げたくとも、なかなか思ったようにいっていないというのが実情のようです。ですから、実際の収益の点とかかった経費とを比較いたしますと、実際の収益は上がっていない。とんとんにいっておればいいほうだ、こういう農家がふえてきているように見受けるわけであります。そこへ持ってきて、無計画な工場の誘致、一等田地などへ団地を招聘してくる、トラブルが起こってくる、さらに縦貫道は限られておるにいたしましても、そのほかの工場をつくることによる道路の建設であるとか、あるいは工業用水の開発だとか、そういうことで、優良農地の壊滅がかなり各地に見られると思います。そのほかに、今度はその工場ができておることによって公害が発生してくる。周辺の宅地はどんどん上がってくる。畑でも何でも宅地になるものですから、上がってくる。ですから、実際は農地を整備して規模を拡大しようなどと考えても、ところによっては不可能な事態が各地に発生していると思うのです。これは関東全域にわたっての話ではなしに、全国各地にそういうことがあり得ると私は思います。ですから、農民の意欲を実際においてはなくさせてしまっている。農業計画は、実際において混乱しているという実情をまざまざと見るわけであります。そこで、多数の農家の人たちの所得の目標という問題につきましては、農業を変えていこうという場合には、ずいぶん計画が立たない状態が発生してきているのではないかと思うのです。政府は協業ということばを使われておりますけれども、ことばのあやはどうでもいいとして、どうしても農業の共同化をやって、それで、いままでの基本法だけのものの処置ではなしに——基本法は、実際いって役に立たないような感じを受けているわけですが、農業の共同化に向かって進める御意思がないものかどうか、私はそこまでいってもいい段階にきているのではないかと思いますが、その点はどうお考えですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、自立経営農家が経営規模が大きくなって、健全な農業経営ができるというのが一番望ましいことでございます。しかし、実態といたしましては、たびたびお話がありますように、兼業農家が非常にふえている。兼業農家の中には熱意を失っているものもありますし、また熱意を持ちながらも、農業を十分やっていけない、こういう面もございます。でございますので、こういう人々がやはり共同によって経営規模が拡大するというような形、個人個人の経営規模は拡大しませんが、共同体としては共同経営規模が大きくなるというような方向へ持っていきたいと思います。それから、いまお話がありましたように、機械が相当入ったといたしましても、工業における機械の使用と違いまして、農業は季節的なものでございますから、機械の効率というものも、非常に工業面などから比較いたしますと低いのでございます。そういうことでございまするから、まあ一面機械化貧乏などということばもあるくらいで、機械で労力は節約できても、収支の面でふところぐあいにおいてはそう先に出られないという面もありますから、そういう面におきまして、共同に機械を入れて大型機械等も使うことにして、土地なども集団化するようなことにいたしまして、共同で経営を進めていく、こういうことも非常に私は大事だといいますか、そういう方向へ持っていくことが必要だ、こういうふうに考えております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 どうも機械を導入した農家が、導入してしまってからあわ食っているような実態を各所で見受けるので、私は、機械はやはり国営のステーションのようなものを設けて貸し与える方向をつくり出してやらなくてはならないのじゃないかと思うのです。それでなくても機械で貧乏をしておるような状態を見受けるわけなんですから、このくらいな抜本的な処置が農林省としてとられてしかるべきだと思いますけれども、機械化センターのようなものを国営でできないものですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 国営で機械化センター等をつくるということにつきましては、その基盤が問題だと思います。ソ連のように、国有地だ、そしてまた国営農場というようなことに対応しては、機械の国有といいますか、国営機械化センターを設けて、それを使用するということも必要だと思いますが、この点につきましても、ソ連などで少しやってみて失敗した例もございます。でございますので、日本の農業におきまして、土地が各個人に分散しておるということでございますから、これは経営の共同化を進めることは必要でございますが、国営でやっておりませんので、機械を機械化センターによって使用させる、国がやらせるというようなことはどうかと思います。しかし、そういう考え方は別に排斥すべきものでもございませんので、協同組合等によって機械を所有して、協同組合等によって協業等のためにそういう機械を使用させるといいますか、そういう方向は私は適当であろう、こういうふうに考えております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 農家の人たちが常に安定して仕事に携われずにおることは、これは相場の変動等で当局もよく知っていると思うのですが、特に力を入れて、農業改善の一翼だと思われる点の野菜、果実、食肉、この生産について、もう少し計画性を私は持たすべきではないかという印象を強くするわけです。増産されて豊作になると、次のシーズンには農民は生産意欲をなくしてしまう。それで、ことし安くて来年高いという悪循環をよく承知しているものですから、しかたがなくて来年何とかなるだろうというようなつもりでつくっているものがあるわけですけれども、こういうものについて指導ができないものかと思うのです。たとえば去年の八百屋の店頭では、大根などただでもいいというような状態だったのですが、ことしは一本の大根が七、八十円するというふうなことで、これは消費をする家庭の経済の面におきましても、全く不安定の状態が続くことになるわけでありますけれども、これらについての的確な指導方法というものは何かできないものだろうか、こういう点をどういうふうにお考えになりますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 計画性を持つということは必要だと思います。そういう意味におきまして、野菜等におきましても産地を指定する制度等をだんだん広げていっております。そうして需要と供給とを調整していく、こういうような方向は進めているようなわけであります。あるいはまた価格安定の資金等もつくりまして、野菜等におきましても価格安定をするような方向に進めております。考え方として、すべて計画的にそろばんではじいたようなことにはまいりませんけれども、生産から出荷等につきまして計画的に調整をしていくということにつきましては、指導もいたしておりますし、産地の指定制度等を拡大する、そういう方向で進めているのは進めているわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 政府が唱え出している農業の改善事業も、ことしで四年目を迎えているわけでございます。そろそろこの事業も完成に近づいている感がありますけれども、実はこの事態というものは必ずしもうまくいっているとは考えられないのであります。それはやはりこの計画に机上プランがあって、その土地に適合したかしないか、実際によく知っているのは農民でありますが、ほんとうに農民の納得した形において進められずにおる場合があると思います。行政管理庁の行政監察局でさえも、事業に補助金のむだづかいがあったということで勧告などしていることがありますけれども、補助金だけではなくて、農民負担も当然あるわけでありますから、その農民がほんとうに納得した形において進められないと、農業構造改善事業もやはりうまくいかないのは当然だと思うのであります。この事業のために利子は少しばかり補給されてはおりますけれども、実際に全国各地に、この問題につきましては、農民が欲して進んだ専業でなかったということから、問題が起こっていると思うのでありますけれども、これらの全国各地に起こっている問題の処理について、幾ら法律で三分の二の賛成者があったからといっても、農民があくまでも反対だというような場合に、これは農林省として全く農民に納得させずに進められたことではあっても、やはり最後まで予算がとれたからというので推し進める筋合いのものですか。この点、各地にいろいろ問題が起こっておりますので、伺います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 構造改善の事業は、もともと盛り上がる農民の気持ちの結集を待って手をつけるべきものでございます。ただ、四年前に始まるとき、どうしても農林省の仕事としてものを開始するときには、やはり機関車的な引っぱっていく傾向を持つことは免れないし、また必要であろうと思います。そういう意味におきまして、最初始まるときにおいては、どうしても指導的な面で農民のほんとうの理解を得られないままで進めたのもないわけではございません。しかし、その後、実際に即して、いろいろ地域的に特色もありまするし、農民の機運というものもあります。そういうものに即応して、構造改善の事業等につきましても、相当是正を加えてきているのです。弾力的にやっていくつもりでございます。ただ、いまの話のように、反対があるのにどうしても押し切るのかということでございますが、私どもは、農林省の仕事という意味じゃなしに、ほんとうの地元の農民のための仕事として構造改善を進めておるのでございまするから、反対を押し切ってまでやれというようなことはやりません。ただ、反対がある場合に、その反対がほんとうに農民のためにならぬような反対である場合には、実際に理解を求めて、これをやったほうが農民のためだという了解を求めるために、万全の方途は講じて進みますけれども、ほんとうに反対で好ましくないというものを押し切ってやろう、こういう気持ちは持っておりません。  なお、構造改善につきまして、ことに予算等につきまして、すでに四年になりまするから、三年で済んだもの等につきましてのあとの管理等につきましても、相当指導していかなくちゃならぬというようなことで、その方面の予算なども要求して御審議を願っておる、こういうような実態でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ただいまの大臣の答弁から、実は一地区の問題に及んで、一応この機会に伺っておきますが、こういう問題が起こったのです。これは私の郷里のことでありますが、一月の二十一日に、栃木市の東のほうにある栃木東部土地改良事業の区ですが、ここに百二、三十名の反対者がおるということで、県でブルドーザーをかけておりましたが、この人たちがブルドーザーの前に立ちふさがろうとした。そうしたらば、栃木署から長島という警備係長が制服の巡査四十人と私服三十人を連れてきて、この事業をじゃまするならば、すぐ引っぱるぞ、これはやることにきまっておるのだから、そういう妨害をするようなことがあるならば承知ならぬ、こういうふうに警察官が言ったそうです。これはちょっと理解ができないことですが、実際調べてみましたところが、やはりそうなんです。  これは、農林当局で一度幾らやると言ったからといっても、地元の三分の二の賛成があったからといっても、この部落の人たちはとにかくあくまでこれに反対なんですね。いまもなおこの戦いは続いているのですけれども、こういう場同に警察官が出てきてそんなことを言う筋合いのものじゃないだろうと思うのです。農林当局で別にこんなことに対する指示はしていないと想像しますけれども、いまの大臣の御答弁等から察しますと、あくまで農民に納得させた上でやるべきであるというお考えだと思うのですが、この点、これが事実とした場合——これは事実なんですけれども、一体こういう事態に対する指導はどうあってしかるべきかです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 先ほど申し上げましたように、反対が農民のためでないということならば、反対しないようにいろいろな手をもって説得をするといいますか、了解をさせる方法は私ども講じておりますが、反対があるから警察官を招集してその反対を鎮圧するというようなことは全然考えておりませんし、連絡も実はなかったと私思います。私のほうから特にそういうことを要請したということはないはずでございますが、その事実等につきましては、なお私どものほうでも調査をしてみます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 なお、いまの問題は、これは三十七年の十二月一日のことでありますが、栃木市の当時の大島市長が、組合設立総会にあたって、賦課金はかけない、それから組合の設立後も負担はかけさせないようにするから、こういうことが言われておったということは事実なんであります。しかるに、これが推進をされる段階になったものですから、地元の人たちも激高したというような状態になったわけなんです。どうかこれらのことにつきましてはひとつ十分取り調べて、まだ問題は、現在来年度に向けて工事を進める段階の残っておる場所もあるわけなんですから、納得させる努力をしていただかなければならぬと思うのです。どうですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 いま事務当局に聞きますと、団体営の土地改良のところのようでございます。お話のような事態につきましては、よく調査いたしまして、そうしてほんとうに納得して、心からやれるような方向へ持っていけるような努力をいたしたいと思っております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 なお、これらの地区のほかに、栃木県佐野市の菊沢川沿岸の土地改良区にもこれがあります。それから不都賀郡の美田地区にもこれらの問題があります。どうかこれらの問題につきましても十分お調べを願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 先ほど申し上げましたように、よく調べまして善処いたしたいと思います。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 次に伺いますことは、この四十八国会に提出される法案の中に、農地の流動化を進めるために農地管理事業団法案なるものが出るようでありますが、いよいよこの法案によって、ちょっと見ただけで内容は全部わかりませんが、離農対策に対して本腰を入れるものだと私は解釈するのであります。土地の売買、交換あるいは貸借、取得の推薦、融資等のあっせん等を行なうことが目的のようでありますが、事業団について、零細な農民から時価で農地を事業団が買い取って、それを上層の農家に三十年償還で売り渡すというこの制度を検討してみて、場合によると、上層農家に限って売るというようなことであれば、これはまた昔の地主が復活するような印象を持つわけであります。あるいは資本家的経営をしようとする人をつくり出すような印象にもなるわけでありますが、この点につきまして、憲法の規定にあるように、国民は法の前にみな平等であるというような考え方から、当然土地の取得については公平な措置が講ぜられるべき筋合いのもののような感じを持ちますけれども、これにつきまして、この農地管理事業団法案の骨子とするもの、これらについての御所見をこの機会に伺っておきます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 先ほどから再々申し上げておりまするように、農業の生産という面から見ましても、あるいは、農業そのものからの所得をふやすという面から見ましても、零細の農業経営よりは経営規模の大きい農業経営のほうがより有利であるということは、事実が示しております。一方におきまして、農地が年に六、七万町歩移動しています。でございますので、お話のように、これを強制的に土地を買い上げ、そして強制的に土地を売りつける、買わせるというようなことでありますると、問題はあろうかと思います。しかしながら、その移動を経営規模の拡大を希望する人に所有させるようなあっせんをしよう、あるいはまた土地を売却したくても買い手がない、あるいはまたいまの離農対策等も十分でないために、土地を光るというような気持ちにもならぬといのような人もあろうと思います。そういうような人には土地を売れるような方途を講じて、その土地を買う。これは任意で買おうというのでありますから、強制的に徴収というか、収用するようなことは考えておりません。ことに本年度はまだ買収、土地を買うというところまで進めないで、あっせんのほうを手がけていく。でありまするから、甲の土地を乙が買いたい、その乙の人は経営規模を拡大したいという意図を持っておる、農業に精進しようという意図を持っておる。こういう人に買い取り得るようなあっせんをしよう。それで、買い取るほうの人につきましては、金を融資しまして、三分、三十年の金を融資していこう。そこで、いまお話しのように、そうすると、上層農家に土地を買わせるというようなことで、地主の復活じゃないかということでございますが、御承知のように、いま小作料によって、小作料の上にあぐらをかいてやっていこうというようなことは、事実上できませんから、地主の復活というようなことは、考え及ぼうにも考え及びませんし、またそういう意図は全然持っておりません。ただ経営規模が大きくなることを希望しておるのでございますが、それも上層ばかりとは限りません。いま考えておりますのは、ほんとうに農業をやっていこうという意欲を持っておる人に、その土地を取得するようにあっせんをする。でございまするから、それは大きいほど——そういう人であるに違いありませんけれども、経営面積が大きくなくても、経営規模を拡大していこうという熱意といいますか、そういう農業に精進しようというものについては、土地を取得するようにあっせんをしたい、あるいは買った土地をその人に売り渡すということにしたいと思うのでございますので、御懸念のような意図も持っておりませんし、これが運営されましてもそういうことには相ならぬように考えております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ただいまのお話を伺いますと、何かせっかくこの事業団ができても積極性がないような印象を持ちます。しかし、年間六、七万町歩の移動があって、その六、七万町歩の移動だけを対象にしているものでないことは、これは事実だと思うのです。そこで、この事業団ができたことによって、どのくらいの目標を持って土地の移動をさせようとしておるのか、農家戸数が減らなければ、これは何と考えても実際一戸当たりの経営規模は決して大きくなるものではないのですから、機械化を促進するにしたって、これはなかなか不可能なことだと思うわけなので、農地価格の上昇傾向にあって、そして離農する人がふえてはいるけれども、生活保障がなければ、やはり実際問題として、離農する人だってそうなかなか離農しないで、兼業をやっていると思うのです。その兼業をやっている人に対してやはり働きかけがなければ、なかなかこの点思ったように、せっかく事業団ができても進捗しないというふうな印象を持つわけですけれども、この点について、どのくらいな移動があるものと見て、こういう事業団の設立というものをもくろまれたものでございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 実は相当大きく意図しておったのでございまするけれども、初めてのことでございまするし、金融面の点などもいろいろ勘案いたしまして、いまの計画といたしましては、全国にやるということでなくて、百町村くらいで、そういう方向へ非常に熱意を持っておる町村を選びまして、百町村をその方向に持っていきたい。どれくらいの町歩の移動ということを期待しているかということでございますが、千町歩でございます。百町村に千町歩くらいの土地の移動を見込んでテスト的に、パイロット的にこの事業を進めていこう、こういうような構想を持っております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 一応事業団の様子はわかりましたから、問題を別に変えて伺いたいと思います。  政府の肝いりで最近畜産の仕事もずいぶん進んだし、養鶏の仕舞も各地区で成長部門と称されておるようでありますが、値段が不安定で、実際はいまの農家の人たちは全部悩んでいる段階でないかと思うのです。しかも、えさでありまするところのふすまの値段は上がってくるし、たいへんな状態にきているのではないかと思いますが、そのうちで、特に養鶏の場合は、昨年一カ年間はほとんど値段が下がっておる。養鶏の卵の値段というものは、一体どうして下がる状態になっておるのか、この下がっている原因を一応明らかにしてもらいたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 一口に言いますると、現在におきましては需給がアンバランスだということでございます。生産のほうがふえたわりに需要のほうが伸びておらぬ、こういうのが現在の状況でございます。しかし、従来はわりに順調で、価格も安定的に推移してきたのでございますが、ちょうど三十八年でございますか、おととしなどは、産卵量の伸びが前年度に比べて年間五%増しにとどまりまして、価格が三十九年初めまでわりに高値だったのでございます。そういうことで高値だったので、飼養羽数がふえて経営規模が非常に拡大されたということで、三十八年の秋びなのえつけ羽数が前年に対しまして約四〇%増した。こういうことで、三十九年に入っても増加しましたり、飼い方の技術、優良ひなの普及等によりまして、産卵率が上がってきまして非常に多く出回り、三十九年夏から生産が急激に増加したというのがいままでの状況でございます。こういうふうに生産が非常に増したということでそれじゃ需要がどうだったかというと、他の畜産物に比べまして大体飽和状態といいますか、需要のほうは相当高い水準でございまして、卵の値段が下がったにもかかわらず、需要の伸びは鈍化した、こういうことで価格の低迷を来たしておるわけであります。  でありますので、去年もそういう対策を講じましたが、対策としては、どうしても需要の拡大を安定的に調整していく——先ほど話がありましたが、需要に見合った調整をしていって需給の均衡を回復するということが、根本的には必要であろうと思います。しかし、一時的といいますか、その方法といたしましては、畜産物価格安定法にありますように、価格が現在以上下がるということでございますならば、生産者団体の調整保管を実施して価格の安定をはかっていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 調整保管をされると言われますが、実際問題として調整保管をするとするならば、どのくらいの金額で保管の目標をお持ちになられるのですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 去年もそういう方法をとることにいたしましたら、価格が安定しましたが、現在下がっておりますので、そういう方法をとろうと思っておりますが、その量、金額等につきましては、事務当局から答弁させます。

桧垣徳太郎畜産局長

○桧垣政府委員 調整保管をいたします場合は、農業協同組合または連合会というところで調整保管計画をつくりまして、それを農林大臣に提出いたしまして認定を受けるという手続でやるわけであります。でございますので、その時期におきます需給の事情というものから農業団体の判断いたします量を調整保管するということでありますが、現実問題としましては、市況のほかに、鶏卵の貯蔵は普通の低温度の冷蔵庫ではできないわけでありまして、零度付近の冷蔵庫に限るというようなことから、保管能力等も勘案してやる。去年の八月に調整保管する道を開くための基準価格告示を行なったのでございますが、その際、全販連が考えておりました調整保管量は、大体六百トン程度を基準価格以下に下がる場合は保管をしたいという計画を持っておったのでございます。今後は、そのときの事情によりますので、金額幾ら、数量幾らということをあらかじめ予定することは困難でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 卵価が下がる状態が続くだろうと目されるときに、今度は飼料の値上がりが起こってくる。これは御承知のように、いまアメリカで港湾労働者がストライキをやっていて、このストライキがいつ中止になるかわからない状態に現在あるわけです。この港湾労働者のストライキが長引けば、三月、四月になりますと、鶏のえさだけでなくて、家畜全般に及んでくることは明らかであります。そこで、港湾ストの解決を待たずして何らかの手が打たれなければ、現在の養鶏業者というものは、みな鶏を殺さなければならぬ事態に現在もうすでに追い込まれる可能性が出てきたわけですけれども、これらに対する飼料対策というものはどうお立てになっておりますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お話のように、配合飼料が値上がりするということでありますと、養鶏経営に非常な影響を与えると考えておりますので、卵の値段の安定施策の実施、それから配合飼料につきましては、流通経費等の節減の指導とか、政府の需給操作の強化等を通じて、影響の緩和につとめてまいりたいと思っておりますが、特にメキシコ湾等のストにつきましては、前からそういう状況があるということは察知いたしておりましたので、全購連はじめ飼料メーカーの中には、通常在庫を上回る備蓄を行なって、二十日から三十日分程度でありますが、輸入の途絶に対処しているものが相当ございます。またストが早期に解決する場合には、飼料需給に著しい混乱を生ずることはないと見られますが、一部メーカーには在庫のきわめて乏しいものもありますので、政府といたしましては、アメリカのほうばかりでなく、中共トウモロコシの繰り上げ輸入、こういうことも考えております。それからトウモロコシからマイロへの一時的切りかえ等を指導いたしますとともに、政府飼料、大麦、小麦、ふすま等でありますが、それの緊急買い付けを行なって需給の安定をはかるということを考えております。  それからなお申し上げますと、一般的にこういう事態があると困りますので、本年度の予算等におきましては、トウモロコシの調整保管、十五万トンばかり調整保管しておこう、こういうような対策も講じようということで、予算の御審議も願っておる、こういう次第でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 全購連等の備蓄のあることも、実は質問する前に伺ってまいりました。そのほか、輸入メーカー等にある部門も伺ってきました。ところが、現在の備蓄の量からいいますと、三月一ぱいだ、こういう専門家の話であります。そうしますと、農家の人たちは実際はまだ知らずにおるからいいけれども、この状態を知ったときには、そうでなくても配合飼料に事欠きつつあるときだけに、大騒ぎになるんじゃないかという気が私はするのです。これについて、ただいま予算等の用意もあると言われるが、やはり緊急手配ということだけでなくて、現在手持ちの小麦であるとかあるいは大麦であるとか、こういうものでも緊急手配をする用意を持たないと、もしほんとうに港湾ストが長引いた場合には、せっかく奨励して、ようやく全国各地で鶏を飼うようになって、農家の副業収入の一途に充てておる人たちが全く面くらうと思うのですが、この点についても、もう少し確固たる予算の見通しについて、大臣の御所信を伺っておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 いま申し上げましたように、大麦、小麦、ふすま等の飼料の緊急買い付け等も行なって需給の安定をはかるということを申し上げたのでございますが、数量的にどういうふうな対策をどういう時期に講ずるとかということにつきましては、畜産局長から申し上げます。

桧垣徳太郎畜産局長

○桧垣政府委員 山田先生の御指摘がございましたように、ガルフのスト以来、アメリカからのトウモロコシの輸入がいままで完全にストップをいたしておるのであります。ガルフから日本へ輸入いたしますトウモロコシの量は、最近大体月々十二万トン程度でございます。一カ月のトウモロコシの全体の輸入量が、マイロも加えまして三十万トンから三十五万トンということでございますので、かなり大きな最の輸入梗塞が起こっておるわけでございます。そこで、私どももでき得る限りトウモロコシを入れるということについての努力としまして、大臣から説明がございましたように、中共トウモロコシの繰り上げ輸入ということの要請をいたし、これも大体実現が可能であります。また、太平洋岸は港湾ストに入っておりませんので、アメリカのトウモロコシも一部西海岸から積み出すということで、二月、三月それぞれ二万四千トン、四万トンという数字の輸入が可能に見込まれております。そういうようなことをかれこれ考えて、従来の在庫量を計算をしてまいりますと、お話しのように、三月末まではえさの手当ては特に心配はない。ただ、さらにストが長引くというようなことになりますと、四月からは原料不足があらわれてまいるわけであります。そういう原料不足に対しましては、トウモロコシは、他の地区は全部計画輸入でございますので、増大をすることができませんから、トウモロコシを大麦または小麦に代替をするという措置をとる以外にはないわけでありまして、基本的にはそういう方向で準備をいたしておるのであります。三月末におきます政府の需給調整用の小麦の総量が約二十万トン、それから大麦が約十万トン在庫として残るはずになっております。そこで、この合計三十万トンの小麦及び大麦は、そういう緊急事態に際しましてはトウモロコシの代替飼料として放出するという考えを持っております。ただ、この小麦につきましては、これは専増産ふすま用の原料小麦でございますから、ある程度の数量をランニング・ストックで持っておる必要がございますので、大臣からお話がありましたように、緊急に先のストックを考えて輸入を開始いたしておるということで、先ごろ小麦四万トンの緊急買い付けの措置をとりましたのと、引き続いて五、六万トン程度の小麦の輸入をはかるという措置をいま準備をいたしておるところでございます。なお、ストが長引くというような事態でございますれば、小麦については、世界の本年度の小麦需給事情はかなり緩和された状態にございますので、供給不安がございまいませんから、小麦または大麦の輸入を引き続き行なうことによって、国内の飼料事情の破綻ということを避けてまいり、また、そういうことで最悪の事態を招くということはないと信じております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 養鶏を含めて、畜産の振興に事欠いてはならぬ飼料対策が外国に依存しておるということは、せっかく農業改善事業の一つとして進められておりまする畜産にしましても、養鶏にいたしましても、まことに不安定なところに置かれていると思うのです。これの不安を除去しなければ、畜産の奨励をしたり、養鶏の奨励をしたりしましても、実際において農家の人たちの対策というものは、まことに不安定なところにあるわけですが、飼料対策というものが日本の国内でやれる体制というものをつくることはできないものですか。問題は、これができないと、今度のような、こんな苦労をしていることを農民が知ると、せっかく農村の改善事業の一翼として奨励した政府の施策に対して、将来ともに不安を持つだろうと私は思うのです。その点の政府の方針というものは一体あるのですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お話しのとおりでございます。しかし、飼料を国内で安全に自給するというようなことは、言うべくして実際問題として行なわれ得ないような状況でございます。しかし、最近におきまする家畜頭羽数の急速な増加に伴って、飼料の需給安定をしていかなければならぬということは、非常に必要緊急のことでございますが、これにつきまして、国内の飼料でこれを全部まかなうということはできませんが、国内の飼料自給基盤を確立していく、こういう方向で進めること、また輸入飼料につきましては、円滑な供給を行なうことといたしたいと思います。  そこで第一には、乳用牛とか肉用牛等、草食性家畜を中心に飼料の自給の向上をはかりたい、こういうことから、草地改良事業及び既耕地における飼料作物の増産利用を計画的に推進することにいたしております。  第二に、流通飼料についてでありますが、国内産の飼料の活用につきまして検討を進めるほか、飼料需給安定法の適切な運用によりまして、需給及び価格の安定をはかる、こういう方向で進めておるわけでございます。  繰り返して申しますると、御説のとおりでございますが、この飼料を国内で完全に自給するというようなことは実際にはできません。できませんが、その自給度を増していくという方向へ力を注いでいくということが必要でありますので、いま申し上げましたように、草食性動物に対する飼料等につきましては、草地造成あるいは既耕地の自給飼料の増産という方向を推進していきたい、こういう方策をとっておるわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ただいまの大臣の答弁を伺っておりまして、せっかく奨励して、養鶏にしましても、畜産にしましても、軌道へ乗っていく、これで農業の改善事業の一翼は農家においててやれる目安がつきつつあるというときに、円滑な輸入をするんだというようなことを言っても、円滑でないような事態が発生している現実を見ましたときに、やはり家畜を飼っておりまする以上、当然えさは何とかしなければならぬものを、これが外国に握られ、えさの価格も、独占事業に近い限られた資本家の人たちに握られておるということになりますと、農家の人たちはほんとうにのどを絞められているような事態だと思うのです。ただいまのお話を伺いましても、飼料の目安というものがまことに暗たんたる印象を持つわけなのです。この点について、やはり家畜の奨励をします以上、もっと明確に、間に合うんだ、こういう目安というものは立たないものなのですか。いまは立たないと言っておられますけれども、やはりこれは立てないというと、日本の農業の改善事業の一翼はまことに不安定なところに置かれることになるのじゃないかと私は思います。この点どうですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 飼料の供給を安定化するということは、私はでき得ると思います。ただ、申し上げましたように、完全に国内でまかない得るというところまでは、事実上これは困難であるということを申し上げたのでございますけれども、国内の飼料自給基盤を確立していくということは、大きな線として進めていかなくちゃならぬ。  それから輸入飼料の輸入の場所でございますが、いまのようにアメリカ等だけに依存しておりますと、ガルフのようなこともあって、停滞するようなこともありますので、輸入先等についても、中共とかあるいは東南アジアとか、多方面に方向を転換していくという意図を持っております。そういうことから、輸入飼料につきましても、供給の円滑化をはかりたい、こういうように考えておる次第でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 農業の改善事業の一翼として、果樹が各地で奨励をされて、これが盛んに行なわれるようになりました。このうちで、特にリンゴであるとか、ナシであるとか、あるいはブドウであるとかいうようなものは、最近かなりの数量になってきておると思うのでありますが、これらについて、当然輸出のことは考えられてしかるべきだと思います。リンゴやあるいはミカンなどがだいぶ外地に出ていることは知っておりますけれども、この輸出の方法について、農林省の指導の円滑さを欠いておるんじゃないかという印象を私は持ちます。第一、選別をする場合に、外地の青果市場を見ますと、ずいぶん、日本商品でないものにつきましては劣悪な品物が市場に出ております。日本の商品をかなり選別して出しておる点について、別に悪意を持つものではありませんけれども、せっかく産地から出荷をしてきたときに、これが選別をする場合に、ずいぶんむちゃな選別がされている印衆を持つわけです。せっかく出した農民の人たちが、選別した結果これだけの数量をはねられたというふうなことで、生産意欲を阻害するような印象を持っているのではないか。この点について、やはり輸出の点についてのしかるべき方途を講ずべき筋合いじゃないかと思いますけれども、一体輸出の指導にあたってはどんなことが今日なされておりますか。明確にこの点、これは大臣じゃなくてもけっこうですが、お知らせ願いたいと思います。

林田悠紀夫園芸局長

○林田政府委員 果実の輸出につきましては、先生おっしゃいますように、いままで国内で相当売れておる、国内の値段が高いということでございますので、あまり輸出の必要がないというようなことから、十分なことは行なわれていなかったと言って過言でないと存じます。それで、特に最近行なっておりまするのは、ミカンのかん詣めの輸出でございます。ミカンのかん詣めの輸出につきましては、従来日本のミカンの生果が高いということがございましたので、まだ輸出余力はあるのでございますが、十分輸出が行なわれていないというようなこともありますので、基金をつくりまして、そしてミカンのかん詣めの生産者が金を借りまして、その基金によって保証をして、その生産をふやしてまいるというような政策をとっておりまして、輸出の振興をはかっておるような次第でございます。また、ミカンのなまの輸出につきましても、特にカナダにつきまして、ジェトロあたりで力を入れまして販路の開拓をはかっておる。また最近、なまのリンゴにつきましても、台湾への輸出をはかっておる。あちこち、ジェトロを中心にいたしまして、販路を開拓して、輸出振興をはかっておるというような状況でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 農民の意欲をなくするような選別に問題があると私は思うのですが、選別の基準というものはなかなかむずかしいと思いますけれども、選別等については、やはり業者にだけまかしておくべき筋合いのものではないと私は思います。この点について、いかなる選別の方法を講じておられるか。私は、農民の生産意欲をなくするようなことのないようにしなくちゃならぬと思うのですけれども、この点いかがですか。

林田悠紀夫園芸局長

○林田政府委員 先生のおっしゃるとおりだと存じます。現在は、輸出農産物につきましては検査をやっておりまして、その検査に合格してものを輸出しているということでございます。ただ、いまの選別のことでございますが、先生のおっしゃいますのは、どういう果実かよくわかりませんが、ミカンとかあるいはリンゴとか、そういうものじゃないかと思いますが、ミカンにつきましては、カナダへ出すものは、わりあい早くとれましたものを出しておるというような状況でございまして、できるだけその中でいいものを出していくというような方針でございますので、あるいはそういう選別が厳重に行なわれ過ぎるというようなこともあるかと存じますが、輸出先のことを考えますと、やはり日本の生産物の価値を高めてまいるということが必要でございますから、その辺は十分考慮いたしまして、今後とも選別についても指導を加えていくつもりでおります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 選別につきましては、やはりその形や色彩だけで判断するのではなくて、農林省当局で指導するのは、やはり肥料から調査しなくちゃならぬ筋合いのものじゃないかと私は思うのです。姿、形はよくても、やはり肥料によって味わいはおのずと違ってくるのではないかと思うのです。この点は、肥料の指導というものは農林省当局はやっていないと思いまするが、姿、形だけの選別方法というのはどうなんですか。

林田悠紀夫園芸局長

○林田政府委員 いま仰せのように、肥料の種類によりまして味も変わってくるかと存じます。しかし、肥料の指導につきまして、これは日園連とか農業改良普及を通じまして指導をしてまいるということになるわけでございますが、味も形も、あるいは色もすべて今後十分の検討を加えまして、その規格を選ぶのにつきましては、遺憾のないようにやっていきたいと存じます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 次に、国有林の払い下げのことについて伺いたいと思うのです。  林業構造改善事業も四十年度から本格的に実施する段階に入ると思うのですが、それがために、指定区ではそれぞれいろいろそのことについて進めておるようであります。対象として民有林に限られております関係で、国有林については、分収林以外には大幅に活用ができないためか、国有林の開放はやってもらいたいという声はあるようでありますけれども、進んでいないようであります。私はこう考えるのですが、構造改善事業のためには、どうしてもやはり国有林の払い下げが考えられてしかるべきだと思うのです。いろんな事情でこれができなかったならば、里山の民有林を開放して、里山の所有者に国有林を与えて、それで構造改善事業に関連のある仕事をする人たちに特別な開放がなされるべきものではないか、こう考えますけれども、この点大臣はどう考えるかということが一つ。  もう一つは、こういう地点があります。これはたまたま私の郷里の話をしてたいへん恐縮ですが、栃木県の田沼町の戸奈良というところには、寒さに向うときに山開きがありまして、これは山開きの日の夜中の十二時に号令一発、合い図がありまして、だれの山でもかまわないのです。まさしく原始時代のやり方かもしれませんけれども、こういうことで山を開放して、山の枯れ葉や枯れ枝を取らしておりますけれども、何か山を持たない人たちは金肥だけにたよることになりますけれども、この点は、やはりこの改善事業の一翼として何らか抜本的な措置があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農業構造改善を主として民有林等をそれに適応さして、そのかわりに国有林をかわりに民有林所有者に開放してやったらどうか、こういう御意見でございます。これは適当だろうと思いまして、そういう方法をとっております。ただ、国有林の性格上、治山治水等保安林として必要なものは、そういうことはできませんけれども、できるだけ活用面におきましては民有林と交換をしていくというようなことで、構造改善事業等も推進するということは現実にやっておるわけでございますけれども、実際面でそういうところがございまして、必要だということでありますならば、御相談を願いますれば適当に処置していきたいと思います。  第二は、山開きの問題でございましたが、これは明治の初めごろまでには、たいていどこの山でも、山開きの日には、入って薪炭、粗朶などを取ることを慣習として認めておったのでございますが、だんだん明治になってきて、私有権が確立されてから、共有林でないと、山開きになっても、お互いの契約でやりませんと、なかなか粗朶等を取ることを許されていないようなのが大体の傾向になってきつつあると思います。栃木県のような場合には、非常に薪炭とか肥料の材料としての落ち葉等をさらうことができてけっこうだと思います。これは一般的に推し進めるというわけはちょっとできかねるだろうかと思いますが、そういう慣習は存置させていくのが適当であろう、こういうふうに考えます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 構造改善事業の一翼に、ただいまのような問題についても何か抜本的な案があると思いますけれども、当局にないのが残念に思います。なかなか枯れ草や落ち葉というものは、せっかく改善事業で田畑の改善が進んでも、まのあたりに見ておっても、これが限られた林野の所有者にだけ渡ってしまうということについては、いまの田沼町のような実例が施されたならばと思って伺ったのですが、この点非常に残念です。  次に伺いますのは、共済事業についてであります。ややもしますと、農業共済の運営において、共済金の全部あるいは一部を組合員が支払わないで、組合員から掛け金を徴収したかのごとく見せかけておいて、それで災害があった場合に、掛け金がかけてあったとして、これが支払われる、しかも、それが膨大に支払われるというような場合に、組合でこれを差し引いて処理するという事例がたくさんにあるわけであります。こういう問題について、やはりせっかく設けられた制度でありますから、これが運営の円滑化を期するために、当局では十分この監視をやっておるはずでありますけれども、ときたまこのことによる思わしからざる事件が発生しておるわけでありまして、この点について、当局の指導、それから調査等において、必ずしも完全とは思われない節があるわけですが、この点について町村合併等でかなり一つの自治体が大きくなっておるのでありますから、大きくなった自治体についての処置を遺憾なからしめるためにどんな方途を講ぜられておるか、ちょっと伺ってみたいと思います。

久宗高農林経済局長

○久宗政府委員 御指摘のありました掛け金徴収と支払いの関係でございますが、さような事例がだいぶ長い期間共済関係で指摘を受けて、私どもも処理に非常に困った問題でございますが、おかげさまで制度改正ができまして、単位共済組合の性格がやや変わったわけでございます。責任も非常に下におりまして、手持ち保険料もふえてまいりましたので、今年度から新制度になりまして、新しい運用に入っているわけでございますが、私どもといたしましても、この掛け金徴収と支払いの関係が混濁いたしますと、制度の根幹にかかわる問題でございますので、制度改正の機会に徹底的に直したいということで、掛け金徴収の促進につきまして、特別な指導をいたしたわけでございます。具体的な仕組みといたしましては、従来、掛け金徴収の進捗度合いといわば無関係に全体の事業の金の配分その他をやっておったわけでございますけれども、今回は掛け金徴収の度合いによりまして、団体の仕事の運営に要します費用その他を配分いたすような措置をとりました結果、掛け金徴収率の時期的な進捗度合いが非常に好転いたしまして、こういうようなすべり出しをいたしますれば、被害が起こりましてから差っ引いてお払いをするといったような事例も、非常になくなす方向に動いてくるように期待しておるわけでございます。今日まで調べました事例によりますと、掛け金徴収は格段によくなりまして、したがいまして、被害が起こりましてからそれを差っ引いて支払いをしなければならぬというような単位組合の事情にはなっておらぬと考えております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 この点につきましては、一段の御努力をお願いいたす次第であります。  次に、農林大臣に伺いたいのですが、土地改良の事業や林野事業等が進み、さらにその地方農地局あるいは営林局等において、相当な経費等が土木工事等に払われておるわけでありますが、これらが設計に適正を欠いておるもの、あるいは工事施工の監督がよろしきを得ずして、粗雑な工事が行なわれているもの、これらが会計検査院から批難されている事項で、年々そのあとを断たないでおるわけでございます。三十八年度の批難されたおもなる事項の中に、東条川農業水利事業は大成建設、琵琶湖の干拓建設事業は日本国土開発会社、それから三池干拓建設事業は柿原組、いずれも随意契約でそれぞれ請け負わされておるわけであります。国のこれらの請負契約は、原則として競争入札でしなければならないにかかわらず、随意契約で、しかもなかなか億に近い大工事で、この請負人でなければできない工事とは考えられないのですが、かかる工事を何ゆえ入札にされずに、一部の業者と契約したものであるのか。しかも、工事の粗雑等が批難を受けたわけでございます。それらはそれぞれ理由はつけておるわけでありますけれども、各官公庁の工事については、当然競争入札によらなければならないものと思うのであります。こういう点につきまして、おそらくいろいろ理由はあると思うのでありますが、やはり最近だいぶふえております汚職の原因というものが、ややもいたしますと、こういうところから発生する可能性が多分にあると思われるのでありますけれども、これは大臣にお答え願えませんでしたら、ほかの方でもけっこうであります。どういう理由によったものであるか。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 御指摘のとおり、三十八年度の会計検査報告におきまして、東条川の工事と三池の工事と、それからもう一つ、琵琶湖干拓の工事について御指摘をいただきましたことは、非常に恐縮に存じておるこころでございます。  御指摘の内容は、セメントの使い方あるいはどろの掘さくのしかたが不経済であり、設計の立て方が悪いというところにつきまして御指摘を受け、国損を起こしたことの御注意を受けたことになっておるわけでありますが、いま先生御指摘の随意契約の問題が指摘を受けたということはないのであります。ただ、大きな金額につきまして随意契約をやっているということは、非常に問題が発生するおそれがあるのではないかという、そういうお立場からの御注意かと存ずるわけでありますが、本件につきましては、それぞれ会計法の二十九条の三の四項によりまして、特別の場合におきましては随意契約をやることができるという規定、この規定に基づきますところの予決令百二条の四の三号ないし四号でやっておるわけでございます。簡単に申しますと、たとえば国土開発に琵琶湖におきますところのコンバインドドレッジャの定期整備を随意契約で請け負わせたわけでございます。これは国土開発にコンバインドドレッジャを官給いたしまして工事を請け負わせたわけでございます。したがって、国土開発が機械を現に使用中でございますので、その人間にその整備を請け負わせることが、会計法にいいますところの、特に他に請け負わせることがかえって損であるというケースに該当するものとして、随意契約をいたしたケースでございます。それから前の東条川と三池につきましては、東条川はずっと長い間継続いたしました水路の掘さくでございまして、前年度からその掘さくをこの会社がやっておりました関係上、他に新しく契約者を選びますと、新しく人間を調達し、施設を要するためにそういう場合は随意契約でもよろしいという会計法二十九条及び予決令の百二条の規定によってやったわけでございます。私どもは、随意契約がいろいろ批判を招きますことを、御指摘の点重々わかりますので、会計法、予決令を厳重に解釈のもとに、この随契は最小限度にやってまいりたい、かように存じております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 次に、別な問題で一つ伺いますが、農林省の管理の国有財産中に、農林事業と全く関係のない方面に国有財産を売り払い、あるいは貸し付けをしているが、これらの国有財産を大蔵省に所管がえをして、普通の財産として大蔵省がそれぞれ目的の適否を考慮して処理すべきものがあると考える。この事例の一つとして、福岡の営林署において、福高観光株式会社に対して、ゴルフ場の用地として国有地が二十六万六千余坪貸し付けられ、しかも、年間五十万円余と安く貸し付けらておって、会計検査院批難事項として指摘を受けたことがあるが、これは一例にすぎないと思うのです。国有財産について、農林省事業に関係のないものは、当然大蔵省に所管がえをして、国有財産の適正なる管理方法を講ずべきものと思われるのです。これはどんな関係でゴルフ場に貸し付けになったものですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いま御指摘のございました問題につきまして申し上げますと、この個所は福岡県糸島郡志摩村にある国有林でございます。この土地は、戦争直後所属がえあるいは戦争の済む少し前に所管がえ等ございまして、相当に国有地として境界が錯綜いたしておったところでございます。なお、その地質から申しましても、将来の林業経営に適しないという個所であったわけでございますが、たまたまいまお話のございました福高観光株式会社、これがゴルフ用地としての貸付を考えまして、福岡県知事に、自然公園法に基づいて、その自然公園法の事業の執行者としての申請をしたわけでございます。その申請に対して県知事が認可を与えたというようなことから、この場所の貸付をいたしたわけでございます。その貸付の料金につきましては、これはこういう貸付の場合に常にその手続をとるわけでございますけれども、近傍類似の個所のそれぞれ登録税課税標準額であるとか、あるいは相続税課税標準額であるとか、あるいは固定資産税課税標準額、そういうものを考えまして貸付料を定めたのでございましたが、なお、その後、地価の高騰に伴いまして、その貸付料を改定をしたということになっております。ところが一方、熊本営林局におきまして、職員の公務員宿舎の敷地、これが非常に狭隘を告げておりまして、その土地が必要となったことがございまして、そこで、たまたまこの会社の所有する福岡市の京町に所在する土地と交換をいたしたということで、その交換の手続につきましては大蔵大臣の承認を経ることになっておりますので、大蔵大臣の承認を経てその手続をとっておる、こういうことでございます。そこで、その交換の場合には、受け財産、それから渡し財産、それぞれの評価をいたさなければならないわけでございます。その評価につきましては、南九州財務局、北九州財務局それぞれの評価に基づくほか、不動産研究所あるいはまた地元銀行、そういうところの評価額をもとといたしまして、それぞれの評価をいたしました結果が、渡し財産といたしましては二千六百八十三万八千九百円、受け財産としては二千一百十二万円、交換差金は五百七十一万八千九百、これは会社のほうから納入をして、等価で交換をしたということに相なっております。この交換につきましては、大蔵大臣の認可を得ている、こういうことであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 与えられた時間がまいりましたので、最後に、もう一点だけ大臣にきょう伺っておきたいと思います。  それは去る二月三日に、日比谷の野外の公会堂に、日本じゅうから集まっている出かせぎ人夫の人たちが一万余人集まりまして、大会を開きました。これは旧来の季節労働者と違いまして、兼業の農家の人たちが出かけてきて、各種の仕事をしておられる人たちがこの大会に参加しているようでありますが、これはおそらく日本の歴史上ないことだと思います。これらの人たちも、好きこのんで農業の合い間に東京の地下鉄工事場に働いたり、あるいは道路の建設に携わったり、ビルの建設に携わったりしているわけじゃないのです。みないずれも出かせぎをやらなくて済むならば、出かせぎをしないで農業に携わりたい人も、中にはあるわけでありますけれども、これらの人たちは、やむなく東京に来ていろいろな仕事に携わりながら、余暇をさいて日比谷の音楽堂の出かせぎ人の大会に参加したわけであります。この総決起大会から私は痛切に感ずるのでありますが、農業の指導いかんによりましては、必ずしも政府の方針による二町五反の畑を持たなくても、農業のやれる特殊な仕事があると思うのです。それが資金の関係やあるいは能力等によって、なかなかそういう仕事に携われずに、東京に出てきて危険な仕事に携わったり、あるいはまた必ずしも待遇のいいところばかりに来ているのではなくて、下請の下請あたりの仕事をやっておりますと、一カ月働いて場合によっては給料ももらえぬというような事態もあるようでありますが、まことにそういう点ではわれわれも話を聞くたびに気の毒だと思っておりますけれども、どうすることもできない状態です。やはり農村の人たちに意欲を持たせるためには——必ずしも全部生産意欲で自分でつくり出すことを発見できる人ばかりはいないと思うのです。どうしてもこれらについては、指導の衝に当たる人たちは、大いに意欲を燃やす仕事に携われるような教育がされなければならないと思います。都会の犯罪等が次々起こる要因等の一つにも、工業の近代化等によって生活が脅かされてきている人たちも必ずしもなきにしもあらずだと思うのです。そういう点で、構造改善事業の一翼をになう若い青少年に希望を持たすために、何か思い切った施策を大臣としてはお考えになっておられるかどうか、教育面について、特にひとつこの機会にお話し願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 伝習農場等各県でやっておりますが、国でもやっておりますし、民間でもやっております。そういうところへ入っておる青年等を見ますと、非常に農業に愛着、魅力を感じつつ、責任を持ってやっていこうというような気魄に満ちておるのに私ども接しております。でございますので、根本は、どうしても教育といいますか、そういうところにあろうと思います。しかも、最近におきまする技術の進歩とか経営面の改善とか、いろいろ新しい方向に進んでおりますので、そういうものを中心として実地に教育をする伝習農場的な教育が必要であろうと思います。一般の農業高等学校も各県に一つくらい専門的なものを設けようということで、文部省関係でも進めておりますけれども、私は、伝習農場的なもののほうがより農業後継者の教育面には効果的であると思っておりますので、この充実をしていきたい、こう考えております。

坂田英一自由民主党

○坂田(英)委員長代理 次は松浦定義君。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 まず最初にお伺いしたいのは、前池田総理のときから引き続いて農林大臣の要職にとどまりました赤城農政は、御承知のとおりに、前の池田農政の中で、本会議あるいはまたこの委員会、特に所信表明の説明の中でも、革新的な農政を、こういうことをうたっておられたわけです。ところが、今度のあれを見ますと、革新的なというものがなくなっている。したがって、すでにそういう体制は整えられたのだ、こういうような見解に立っておられるなら、私は了承できるわけでありますが、今度の赤城農林大臣の先般の御説明、あるいはまたさらに政務次官からは詳細な予算に対する御説明を承りまして、私どもがいま一番心配いたしておるのは、現状況における農業事情はまことにむずかしいものである、だからこれを何とかしなければいかぬということの表現が、たとえばひずみ是正ということであったわけであります。今度のこの御説明の内容で、このひずみ是正というものができるとお考えになっておられるのか。もしそうであるならば、どういう点をどうすれば解決ができるのだ、こういう点をまず第一の質問として明確にしていただきたい。この点を御説明願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 ひずみ是正が、何か一つの事業をすることによって直ちにその解決がはかれる、こういうものではないということは、再々申し上げておるとおりでございます。また松浦さんも御承知だろうと思います。そこで、農業政策全体として、そのひずみ是正に方向づけをしなくちゃならぬと思っておりますので、農業政策全体を御検討願いたいと思います。  大きな方向といたしましては、いままで他産業の経済成長の伸びが思ったよりも非常に伸びております。そして事業等におきましても、中央に偏在しているといいますか、オリンピックなどもありました関係上、それに対する事業等が相当の事業量になっておったわけでございますが、こういうものが、これからは地方開発という方面に事業量が、農林関係ばかりではございません、各方面に相当投資されるといいますか、予算面においても、民間面においても、そういう方向が非常に強まってきておる。こういうことは、農業が他産業とのひずみをだんだん少なくしていく方向に向かっておると考えられます。  農業自体といたしましては、何と申しましても、農業の経営規模が小さいということが、国内的に見ましても、国際的に見ましても、日本の農業の脆弱面でございます。しかし、これを強制力をもって経営規模を拡大する、こういうことにはちゅうちょいたすのでございますが、あっせん、指導面によりまして、あるいはまた金融面の裏づけをもちまして、経営規模が拡大されるような方向へ踏み切っていこう。もちろん、いままでもその方向は持っておったのでございますけれども、これを具体的に例を申し上げますならば、農地管理事業団のような仲介の機関をもって拡大していこう、こういう方向、あるいはまた質的に基盤をよくしていくという意味におきまして、圃場の整備等を強力に推進していこうじゃないか、それに伴って農道等を、ガソリン税見合いのものなども使いまして、相当大規模に建設していこうじゃないかという問題、あるいはかんがい排水の問題、こういう点から見まして、土地基盤の整備等につきましても、昨年よりも相当多くの予算を計上して力を入れていこうという面、あるいはまた価格対策、ことに酪農面の対策なども通じてやっていこうという意図、あるいはまた金融面の裏づけ、こういう面、いろいろな面から農業の生産性を上げ、あるいは農家の所得をふやす方向へ相当進めていく芽といいますか、方向づけをしておるのが、四十年度の予算面を通じ、あるいは法律面を通じて行なっていこうということであります。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 私は、従来から、赤城農林大臣が、歴代の農林大臣のうちでも農政通を通り越して農業のことを一番よくおわかりになっておりますし、また別な意味においても、たとえば予算獲得では最有力の力を持っておられるという、われわれ農民にしましては非常に喜んでおる大臣だというふうに実は考えておったわけなんです。ところが、その大臣にして、いまお話しになりましたようなことを私は何回となくお聞きしておるわけです。昨年も一昨年も同様な御趣旨の御説明があるわけですが、そのことが一年たって予算の結果を見ますと、もう行き詰まってどうにもならないということで、いろいろ問題が出てくる。そういうことでありますが、しかし、私は、今度の国会で一番議論される、すなわち、ひずみ是正というのは、今国会において出される法案によって、あるいは予算措置によってきまると思うのです。また来年になってからということでは、農民はそれこそ飢えに死ぬようなものも相当あるわけであります。こういう点でははっきりした政策が出るものと期待しておったのですが、いまお話しのように、こまかい土地改良なりあるいは機械の問題その他お話しになりましたけれども、この予算の膨大な資料を私はずっと目を通してみましたが、なるほど一〇%ないし一五%、ものによって二〇%ぐらいふえておるものがあります。しかし、総体的に見ては、総予算では一〇%弱である。こういうことでありまして、従来からも農林予算は大体そういうケースをとってきたのですから、ときたま予算がふえたから、これで今度のひずみ是正の内容が盛られておるんだ、こういうことにはならないと私は思う。極端に申し上げますと、従来からやっておったことをさらに続けていく、それに多少予算をつけて強化をするという、強い要望にこたえる意味においては納得するかもしれませんけれども、これからお伺いいたします諸問題を解決し、さらにいま政府が考えておられる自立農家を育成するということの前提としては、私はむだだとは言いませんけれども、ひずみ是正の改策としてはまだまだ別にやる方法があるのではないか。極端に申し上げますと、何か一つ二つ、これはやはり今度の通常国会で出される重大問題である、あるいはまた赤城農林大臣としては思い切った政策を出したものだという、全国六百万の農家が、あるいはまたそれに関係する機関の者が非常に注目をするような政策を出されてもいいのでないか、私はこういうふうに考えております。先ほどから同僚山田委員に対する御答弁を聞いておりましても、総体的に、総体的に、こういうお話でありますけれども、これは私は、通常行なわれる政策といたしまして、画期的な農業政策としては、総体的であってほしいと思いますけれども、今日の段階ではそうでなしに、やはりこうやればこういうふうになるのだという、農業に対する一つの魅力があるものでなければいかぬ。最終的に、もしこのままで私どもがこれを認めて、ずっと進めてまいりますと、やはり一般的には多少むだな、極端にいいますと、離農を寸前にしておるようなものにでも相当の経費をかけてやってきたのだ、だからこういう結果になったということにならざるを得ないと思うので、そういう点で私は、総体的なということばは非常にだれにも受けやすいけれども、発展の段階においては、やはり画期的な政策にはほど遠いものになるのじゃないかという心配をするわけです。  そこで、項を追ってお尋ねをいたしたいと思いますが、先ほどもお話しになりました、たとえば農業機械化の問題でありますが、これは先ほどお話がありましたから詳しくはお尋ねいたしませんが、結局は、いまのような形で農家が個々で農業機械を持っておるということになりますと、大臣お話しになりましたように、全くこれは機械化貧乏に通じておるわけです。これは極端に申し上げまして、昨年の北海道の冷害の実態からずいぶん御調査をされまして、お話は聞いておられると思いますが、大体北海道の畑作農家では、あの一セット最低百五十万から二百万を支出するようなものを、多いところでは大体四戸に一台当たりのものを持っておる。あるいはまた芽室あるいは清水町、川西町、こういうところでは、やはり四戸ないし五戸でもって一セットずつ当たるくらい整備しているのです。ところが、今日の段階になりますと、平均が十町あるいは八町ぐらいの耕作面積でありますから、とうていこれではどうにもならない結果になってしまっておる。しかし、これからこれを続けるかどうかということについては、相当考えものでありますから、このことについて先ほど御答弁の中にありましたが、ある程度これをもって自分の生産を高めておる農家も、それは百戸のうちには十戸ないし二十戸あろうと思います。しかし、それを右にならえ式で指導され、あるいはそのことに期待を持ち、すなわち、後継者をとどめるために機械を持ったといったような農家が相当あります。こういうものに対して、持っておる機械をやはり農協等に集めて、そして農協がそれを代行して起耕に当たる、こういう形にしなければいかないと私は思います。いまのお話の中で、突き詰めてまいりますと、私どもはやはり、たとえば一町村に何百台と持っておるのを農協で整理統合いたしまして、それを取捨選択をして、その土地条件に合うような形で、大型を必要とすれば大型を持つということでこれをやらなければ、機械化貧乏はますます強くなると思うのでありますが、いま大臣の御答弁でありますと、そういうことにしたいというお話でありますが、ほんとうに今度の予算でそういう是正等の道が講じられて、やり得る限界になっておるのかどうか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 御趣旨はまことにけっこうなことでありますし、私も、大型機械等の導入利用を農協等を中心として有効に進めたい、こういうふうな考えを持っておりますので、予算面におきましてもそういう裏づけをいたして、共同、協業化するような方向を持っております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そうしますと、たとえば一町村に二、三百台ある、こういうものを農協が一本化して、個々の農家に利用せしめる、こういうことになるわけですが、これは全部が全部ということはないとは思いますけれども、ほんとうにそのことによって政府の考えておるような増産対策に寄与するという、そういう町村に対しては、今年度からでもやるということに考えても差しつかえございませんか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農政局長から説明いたします。

昌谷孝農政局長

○昌谷政府委員 農協と必ずしも限定はいたしませんが、おそらく農協にやってもらうのが最も効率的であり、かつ効果的だと思います。そういう意味で、大型化して、個別農家がそれぞれ分散して持つには不適当な機械については、農協を中核にした集団栽培、計画栽培ということを明年度から特に熱を入れてやってまいろうという趣旨で、予算化をはかったわけであります。それで、現に村に入っておる機械を、農協がそういう活動をする場合にその組織の中に組み入れて活用していったほうが、より効率的ではないかというような御指摘であります。私どもも、いまの予算に計上いたしましたのは、新たに必要とするところについての補充的な機械を予定をしておりますが、当然、現に地元にある機械についても、その農協中心の集団栽培の一環として直接農協が管理するか、あるいは補助作業として、個別農家がその中へ有機的に組み入れていくか、それらの事情は、村の集団栽培の計画の中で指導助長の措置をはかりたい、さように思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そうしますと、来年度からそれを実施するように努力したい——むろん、今年度は準備期間になるわけだと思いますが、いまお話しになりましたように、すでに農林省からいま貸し付けてあるのがあるわけです。部落の五戸とか十戸とかに貸し付けてあるのですが、あれでは全町的ということにはならないと思うのです。ですから、先ほど申し上げましたように、何百台あるいは何十台とあるものを農協に統合するわけですから、現在持っておるものを高度に活用できるものはする、できないものについては、これを処分して、それによって新しいのを入れる、こういうことにならなければ、農家は何百万も出したものをそのまま自分で持っておりながら、また別な面で受けるということは、とてもできないわけです。だから、そういう点で、農家個々の持っておるものについては、いまのお話のように、農協でやる事業の中でどういう形でやるか、やはりこれを持ち込んで農家個々の負担にならないようにしなければならぬと思いますが、その点をもう少し明らかにしていただきたい。

昌谷孝農政局長

○昌谷政府委員 四十年度から、私どもが、農協を主体にしてそういった大規模の集団栽培を推進しようという予算措置を講ずるにあたりまして、従来そういった機械類が全然入っていないところ、あるいはそういった、先ほど申しましたような新しい集団栽培に組み入れて使える機械がないというところは、普通ないわけであります。一応それらのものをあらかじめ予定をいたしまして、新しく集団栽培の組織化をやっていくに際して、追加的に必要と思われるような農業大型機械の助成というようなことを予算上特に配慮したわけであります。と申しますことは、御指摘のように、現在あります機械で、そういった集団栽培に活用し得るものについては、その所得を農協に移すか、あるいは所有はもとのままにしておくかというようなことは、村々の事情でそれぞれ御相談いただいたらいいと思いますが、いずれにいたしましても、従来入りましたものと無関係に、新しくそういうものをまるまる一セット入れて進めようということでなしに、現在ある基盤の上に足らざるものを補って補助をすることで、有機的な集団栽培を成功させようという意図で、予算も計上しております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 その点は時間がありませんからその程度にいたしますが、ぜひ実現をするように努力をしていただきたいと思います。  そこで、いま申し上げましたような形で、多くのそうした機械を個々に持っておるわけでありますから、先ほどお話しになりましたように、昨年問題になった農林漁業用の揮発油税の免税の問題が、今度肩がわりになりまして、これを農道に対して五十億のものを設置する、こういうことであります。したがって、いま全国の農民は、そういう形でずいぶん苦労をして買い込んだ機械が、実際問題として効果のないような形になりつつある。そこで、この肩がわりが農道になるということについては、一応政府の案としては、私どもとしては納得いかない点がありますけれども、農民側としては、これがどこにどういうふうに使われるかということによって納得させ得る問題にもなろうと思います。ですから、この問題は、私どもとしては、国道あるいは県道、市道までくらいは、ある程度当然国がなさなければならぬ問題でありますから、それに私はつぎ込む必要はないと思う。町村道の場合でも、むしろ部落に入る、つながるような、そういう形の道路にこれを使わなければならぬ、こう私は思うのですが、いま現に使おうとしている道路費の設定については、どの程度のところのものまでをお考えになっておるのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 いままでの農道事業では十分対応し得なかった農道整備を広くやっていきたい、こういうことでありますので、いまのお考え等も十分考慮に入れて、いまどういうふうにしていくかということで検討いたしておるところでございますが、なお、構想について、もし必要があるならば事務当局から……。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そうしますと、私はこういうふうに理解すればいいかと思うのです。従来からそれぞれの町村において道路の新設あるいは改良を要求しておったと思うのです。ところが、予算がないからなかなかできない、こういうことで実現できなかったものもあるわけです。しかし、私は、そういうものに対して今度の予算が使われるということになりますと、これは普道、通常当然やるべき予算の中でやるべきだ。しかし、そうでなしに、もっと、もう一つそれを突っ込んで部落に入って、たとえば三戸、五戸点在しておるような農家でも、牛を飼っておるために非常に搬出に困る。いわば酪農道的なものですね。そういうものを新設しようと、極端に、こういう予算があるからこれをつけようという計画が出てきたときに、私はやはりそれに該当させてもいいと思うのです。そのくらいまで、従来の計画にないものまでも、この機会に必要なものをつくるというぐらいの、そういう誠意を持った身がわり財源の使途でなければ農家は納得しないと思うのです。そういう点で、そこまで手を伸ばされるのかどうかということをひとつ伺っておきたいと思うのです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 そういう点も含めて、いままでの一般の農道では対応し得なかった農道関係の整備をしていく、こういうふうに考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 それでは、先ほども山田委員からちょっと質問がありましたし、御答弁ありましたが、今度の農地管理事業団の設定でありますが、これは、私は、何といっても今度の国会では一番中心になると思うわけであります。また、赤城農林大臣も、予算折衝等についても、その問題は、相当予算折衝前においての会合なり座談なりで、そういう構想を打ち出しておられた。私どももそれに期待を持っておりましたのは、やはり農地を取得する場合に、今日まで四十年、二分といったような、そういう安い長期的なものは、要求はしておったけれども、実現が不可能であった。これを今度やるというお考えでありますから、これをやられて、そうしてそこに自立農家を育成されるというなら、ほんとうにこれはある程度、今日の段階としては最上とまでいかなくとも農民の期待するものに近いものにはなるんじゃないか、こう思っておりましたが、結果的に見ますると、三十年、三分、そうして全国四千何ぼ町村あるところで百カ町村しかやらない。しかも、一千町歩ぐらいしかそれに対して該当しないといったような、構想から相当後退したものである。また、名称が、これは管理事業団であるにかかわらず、ことしの場合は農地のあっせんだけにとどまるんだ、どうも名前と内容とが全然違う結果になると思うのですが、これはことしだけのお考え方で、来年からはこうするんだというお考えか、あるいはまた前の赤城試案といいますか、農林省の原案というものが後退した理由等について、この点を明らかにしていただきたいと思うのです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 これは農林省として農業面から考えまするならば、根本問題でございますので、相当大々的に、徹底的にやっていきたいという考えを持っておるのでございます。でございますので、将来におきましては、あるいは土地改良、交換分合等、いろいろそういう面にまでほんとうは進めていくのがいいことだと思っております。しかし諸般の情勢上、またこの計画、企画に対しまして、十分実際に実践しておりませんので、財政当局等におきまして、それほどまでに大きくやることについての問題点等もありましたので、いろいろな観点から、本年度はパイロット的にやっていこうということになったものですから、百カ町村、一千町歩というような規模の縮小になりましたし、また売買の点につきましても、ことしはそこまで手が届かないだろうということで、本年度は管理事業団としてはあっせんのほうに力を入れてやっていく、こういうことでございますが、法案としまして、あるいは事業といたしましては、もちろん売買等もせなければ、この目的を十分達成することができません。そういう意味におきまして、これは本年は事業団の設立というところで、事業としましてはパイロット的でありますが、将来はこの方向を相当強化拡大してやっていきたい、こういう意図を持っておる次第でございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 大臣も、ずいぶん遠慮されてものを言っておられるようですが、私は率直に言って、新聞等で見ました場合に、大蔵省が当時の農林省原案、赤城試案に対しては反対だ。まず反対の理由は、農地管理事業団——売れないものまで買わなければならぬ。それを管理する場合にのみ管理事業団という名前が私は付せられると思う。あっせんの場合に何も管理なんというのは必要ないと思う。それは、やはり農地を管理するということは、農地の国有化というふうな形になる、これは社会党の言っておるベースだといったような、そういうただ単なる名前だけにこだわっての大蔵省のそれに対する批判もあった。それからもう一つは、二分、四十年といったような、そういう農林金融というものはないのだ、これをやることによって全部一切の金融体系がくずれるといったような、大蔵省としては、非常にごもっともな意見かもしれぬけれども、われわれの農業関係にしてみれば、当然それはやるべきことだと思いますので、この点についての大蔵省の批判については、私どもは納得ができないわけであります。きのうの朝でしたか、農林金融の問題について、楠見中金理事長が座談をやっておりました。六時二十分からやっておりましたので、私聞いておりましたら、いまの農政の貧困というものは、やはり二分や三分や四分の金にしなければやっていけないというところに問題があるのだ、七分でも八分の利子でも払えるような農業でなければいかぬ、農政の貧困がそういう安い金利を要求しておるのだ、こう率直に言っておるわけです。私はそのとおりだと思うのです。ですから、二分、四十年というのは当然でありまして、三分、三十年というようなことでは、これの成功はおぼつかないのではないか。ましてや、管理事業団という名称を用いるなら、あっせんだけにことしはとどめるのだ——私は、何もことしは期間がないというのではなしに、先ほども言いましたように、すでに池田内閣の当時から、こういうひずみが出ておるのですから、そういうことで、この問題は、昨年もあるいは一昨年も前から当然考えておられるべきことだと思うのです。ことしの春になってから急に赤城農林大臣はお考えになったことではないと思うのです。そういうものでありながら、時間的に間に合わないということだけで、また一年もこのことが実施できないという場合は、この内容が農民に浸透しないばかりでなく、これによって浮かばれるものが浮かばれない。また苦しい状態になる農家が非常に多いということを考えますと、これは政府としては、特に所管の農林省としては重大な問題になると私は思うので、私どもは、やはりこれから審議をする場合の結論でありますけれども、少なくともこれは国会の与野党一致いたしまして、しかも農民のためにはということでどなたも一致をしておる当委員会の性格としては、やはり二分四十年、そうして直ちに本年度から実質的にはそういうことはできないとしても、来年度の売買に対して、今年度は予約を受けつけるというぐらいまで発展さすべきであって、ことし百カ町村だけやって、来年度ひとつまたやったら、百カ町村が今度は二百カ町村、三百カ町村やらなければならぬ。そうすると、前からの関係がありまして、なかなか買い受けなんかができないというような状態になろうかと思いますから、思い切って前の農林省原案くらいまでには、少なくとも本国会において修正すべきである、こういうように私は実は考えておるわけです。  そこで、それは今後の審議の過程にまつといたしまして、そういう場合に、現在おやりになっておる場合に、町村に一人ずつの駐在員ですか、そういうものを置いてそれの事務をとらせる、こういうお話のようであります。しかし、その場合に、町村の農業委員会との関係はどういうふうになるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。農業委員会は御承知のとおりに、これはまあ政府の末端機関といってもいいくらいなんです。ほかの農協なんかとは違うわけですから、この農業委員会が農地の問題をいろいろやっておるのと、この駐在員の果たすべき責任というものとの関係はどういうふうになっておるのか、この点明らかにしていただきたいと思います。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 私から先にちょっとお答え申し上げます。  私ども、いずれ御審議をいただく案につきましての目下の考えといたしましては、この事業は、単純なる金融とかあっせんとか売買だけでなくて、一種の村づくりの事業でございますので、村に市町村農業委員会、農協その他の方々で一種の村づくりの御相談の場を用意していただきたい。そしてこの仕事の幹事役は農業委員会にお願いいたしたい。それから一方、管理事業団の末端組織として、村に一名ずつ配置いたしまして、この職員として管理事業団が配置した者と、その村の協議体、特にその幹事役たる農業委員会との緊密な連絡のもとに、この仕事を進めてまいりたい、こういう立場で目下検討いたしております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そうしますと、現地のそういう関係の責任は、村の農業委員会が中心になって、市町村なりあるいはまた農業団体なりと協議をして、いろいろ買い上げをする、あるいは売り渡すという場合のあっせんをする場合の相談に乗るというわけですか。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 方針の決定を取りまとめる幹事役をお願いいたすと同時に、具体的な売買については農業委員会に御相談をしてやってまいる、こういう考え方でいきたいと思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 それから中央の管理事業団というのは、理事長ということになるのですか、その場合の人事とかなんとかというものについては、これは農林大臣の指名とかなんとかいうことになるのですか。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 目下法制局等で審議中の案といたしましては、理事長は農林大臣の任命、かように考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 それから買い上げる場合に、農地を買い上げるということになっておると思うのです。ところが、農業をやめる場合には農地はむろん買うが、しかし、そのためには、ある程度放牧地あるいはまた採草地、そういう農地ではないものを相当持っておる者があると思うのです。そういうものは買わないのですか。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 私どもの考えでは、農地等につきまして、農地と採草放牧地は一括して考えております。それからなお、それに伴いまして、その農地を利用するのに必要不可欠な施設は含めさせたい、かように考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 それからそういう場合に、たとえば家屋とかいろいろなものがあるわけですが、こういう場合はどういうふうになるのですか。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 家屋等は考えておりません。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 土地を買い受けるほうは残る人ですから、相当力のある人でないと買い受けられないと私は思うのです。また、そういう熱意のある人でなかったら買い受ける対象にならないと思うのですが、そういう場合に、たとえば極端なことを言うと、その人がどんな人であっても、この原案でいけば、三分、三十年の該当者として買わせるわけですね。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 あっせんにいたしましても、買うほうの主体あるいは買いましたものを売る相手といたしましては、考え方といたしまして、御本人並びに後継者を一体に見まして、農業に精進しておる者、また今後も農業の中核体として働かせたいというふうに村も見、客観的にも考えられる方々ということで機械的な基準ではやらないほうがいい、かように考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そうしますと、そういう希望者がない地帯の売りたいものは、どこでも買ってもらえないということになるわけですか。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 先ほど、村に一つの協議体が必要である、村として方針を御決定願う組織が必要であろうという意味は、村の中でのそういう主体の有無の調査及びそういう主体をつくってまいる努力、構想というものを御調査なり御判断になると同時に、村において過去におきまして農地移動の量がございますから、その量とにらみ合って、買いと売りとの包括的にプランをお立て願ったところにつきまして、地域を指定してそれをやってまいりたい、かように考えております。両面から本件は考えるべきものだ、そういう意味で、村に御相談の場が必要であり、村としての管理方針の確定が先に必要であろう、かように考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 私どもは、この法案がどういう形でも議題になってきた場合には、離農をしたいけれども、どうしても土地が売れないのだ、買い手がない、だからどこへも行かないでやっているのだ、そういう人に対して、政府がこれを買い上げて、そうして適当に管理をしながら、市町村営なりなんなりで、適当に、共同経営あるいは協業経営でやっていくのだ、こういうような性格かと思って期待をしておったわけですが、いまのお話のようなことでありますと、やはり村で協議をしてそういう計画を立てて、ある程度そういうレベルに乗ってきたものだけを扱うのだということになりますと、これはおそらく買い手が幾らでもあるような地帯の土地しか私は議題にのってこないと思うのです。そういう地帯の買い受け人は、私はある程度余裕金を持っていると思うのです。土地を借金して買わなければならぬ人でない人が買う計画を立ててくると思うのです。そうしますと、余裕金が片一方にありながら、三分三十年の長期の金を借りて買って、そうして持っている金をどこへ使うかということになれば、預金しておいたって決して損ではない。いまの時代ですから、そういうことをやろうと思えばいろいろなことができる。そういうことでは、私は、一部の特定農家だけを非常に利する、こういう結果になることを心配しておるわけなんです。私どもは、やはり売り手ばかりで、買い手がないような、そのいう地帯の人をどうするかというところに重点が置かれて、初めて国が管理するといったような、そういうものであろうと、こう思ったのですが、その点はだいぶ違うようであります。  それからこれをやはり実施をするということになりますと、おそらく相当各地で、いま私が言ったような形での要望がたくさん出てくると思うのです。四千数百カ町村の中で百カ町村ぐらいでありますと、これはもう四十何カ百村に一カ町村指定されてくる、その一カ町村の中でも、わずか千町歩というものがその対象だということになりますと、これはもう極端なことを申し上げますと、それが一番有利な条件であっても、いま売り出されている宝くじよりまだ率が悪いと私は思う。そういうようなものでなくて、やはり思い切って、私が先ほど申し上げました二分、四十年、しかも本年度六千町歩、次年度から一万五千、二万、三万と拡大して——先ほどお話しになりましたように、六万町歩も普通流動がされておるからということを対象とするなら、やはり前の、農林大臣のお考えになった原案でも、これはもう三分の一くらいの計画にしかならないわけであります。でありかすから、私は、この点だけはひとつ、やるとするならば、いま私が申しましたような形で、売れなくて困っておるような農家の土地を買ってやるのだ、こういうことにならなければ、買い手が幾らでもあるところへ、だれか売らないか、そしてそこの町村でもって、だれに買わせようかという、そういう競争するような地帯だけのものに該当するような、こういう数の少ない、内容のそういうものでは、私は、農地管理事業団としての性格はどうも納得できないわけなんです。この点、いよいよ法案が出てまいりました場合には、私ども十分この点については取り組んで、私どもは私どもなりの考え方も明確にしてまいりたいと思いますが、おそらくこの名称だけでも、今度のこのあっせんということについての問題とはだいぶかけ離れておるということを、この際私は明確にしておきたいと思うわけでおります。  次に、そういう形で農地を手放して整理される。受けたほうにおいては、自立農家の線に入ってある程度安い長期のもので買っていくとしても、売ったほうについては何も恩恵がないことになるわけです。売ったほうについては、残るものには、国の予算で安い利子で長期に貸してやる。実際もう何十年となく国の農業政策の貧困からそういう事態になってきた——私は特に開拓者農家なんかに言えることだと思うのですが、そういう出ていく農家に対しては、その長期低利というような、そういう恩恵が、別な形においても何も該当を受けない。ただ土地が売れたというだけで、そういう形でおるということになりますと、この離農を余儀なくされる問題についてはどうお考えになるか。これは農地を買い上げるということになれば、離農できる、離農せよということになりますから、離農対策についてはどういうお考えをやっておられるのか。聞くところによりますと、政府原案に対していろいろ対案が出される場合に、立案される場合の離農対策についても、与党では非常に御検討になったようでありますけれども、どうもこれが実らなかった、こういう点があるのですが、どうもこれを考えないことになりますと、やはり土地を持つほう、持たせるほうだけに重点を置いて、手放したほうについては何ら政策がないということになりますが、この点はどうお考えになっておりますか、お聞きしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 主力といいますか、重点を農業経営規模の拡大に方向づけるという点でございますので、離農を促進させようという意味では、意味は軽いのでございます。そういう意味でありますので、促進させるための方策というものは考えておりません。しかし、人だけが出て、農地は売り渡しにくいというような状態のものにつきましては、売り渡しいいような方法、離農の対策というようなものも講じなくてはならないとは考えております。で、現在、御承知のように、開拓地の離農とか、あるいは海外移住者に対する離農につきましての方途等は講じてありますけれども、この農地管理事業団による離農につきましては、職業の訓練とかあっせん、あるいは就職の機会を得られるような事業の誘致とか、そういうことは考えておりますが、具体的にいま離農者に対しましてどういう方法を講ずるかということは、いまのところ案を立てておりません。しかし、ことしは、あっせんというような形で出発いたしますので、そこまでは考えておりませんけれども、本格的にこれが軌道に乗ります場合におきましては、離農の対策といいますか、裏づけというようなものを考えていかなければならぬというふうに考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 どうも私は、そういう農政というものが、今まで総花的な農政だと思うのです。やはり離農、農家から離れるということになれば、やはり私ども農家の仲間からいえば、相当手厚い待遇をしても、それに対して行き過ぎだという批判はないわけなんです。むしろ、残るものに対してそういうふうな長期低利のものでやったというところに反発があるというのが、私は農民側のあれではなかろうかと思うのですね。そこへもってきて、離農対策、離農というものを考えていない。離農ということば自体に農林大臣はだいぶこだわっておられると私は思うのです。だけれども、現実において土地を離れれば離農なんです。しかも、政府があっせんして買ってやるということになるのですから、離農には間違いないわけなんですが、その場合に、自分の力でどこかに行けるというものだけを世話するということになれば、これは希望者というものはそんなにないのです。そうすると、ときたま出てきた希望者というものは、力のある農家がはっきりいまでも出ておりますが、いまのうちに自分の土地を売って、それでもって町へ出て何か事業をやりたい、こういうものがそういう線にのぼってくるわけなのです。ところが、もう食うに困るけれども、土地を放されないというものに対して、いまのようなお話でありますと、なかなかこれは離農しがたいということで、かじりついておるというような現状なんですから、そういうような説明では、町村へ持っていかれましても、町村でいよいよ選別をする場合に、いやもう借金が多くてどうにもならないというものは、農業委員会でも町村でも相手にしない。ところが、あれはもう借金もそうなくて、いいらしい、農協がくれば、だれそれには何万借金がある、何十万借金がある、よし、これに対してはこれで払える、こっちも払える、それで出ていくから、これは何とか出ていって成功していくだろう、こういうものに協議の結果該当されてしまうということに私はなるだろうと思うのです。こういうことでは、この事業がせっかくこうして——おそらくこれは佐藤内閣あるいは赤城農林大臣所管における最大唯一の、一番いい対策だというふうにお考えになっておると私は思うのですが、それにしては、そういう点で、やはりいままで私どもが申し上げておるような点にはやや遠いものがある。ですから、私どもが先ほど申し上げましたように、やはり離農したくても売れないし、あるいはこの土地を売ったらあしたからどうしようかという、ぎりぎりになっておる人からまず救っていくべきだと思う。そういう人については何ら考えないということになれば、だれも申し込んでもきませんから、そういうことのないように、これはやはりひとつ検討していただくべきものだ、こういうふうに考える。  そこで、この離農の問題につきましては、いまのような形でやるのがまず第一でございますし、それからいまちょっとお話しになりましたように、海外移住問題なんかは、これはやはり日本のように狭い国土の中でこんなにたくさんの人口がおる。たとえば農業なんかでも、やはり多いからこういう形になったとするならば、こういう法案を出してやった場合において、やはり海外移住なんというものは、私は、政府当局はもう少し積極的になってもいいじゃないかと思うのです。従来から海外移住の問題もいろいろお考えになっておったとは思いますけれど、最近の所管が、外務省でもってやっておられる海外移住事業団がこれを扱っておるということであります。しかし、扱いは外務省で、海外移住事業団に変わりましても、実際出ていく者のほとんどはやはり農業関係だと思うのです。農業関係以外の人が海外移住をして農業をやろうと思っても、それはなかなかできないわけなんです。資金があれば、向こうへ行って人を使うぐらいはできるかもしれませんけれども、それはやはり日本から行ったりっぱな海外移住者という、そういう人にはなり得ないと思うのです。ですから、いままでの経過なんかについてもお聞きしたいと思いますし、きょうは時間の関係がございますから、適当な機会に海外移住事業団の責任者に来ていただいて、いろいろお聞きしたいことがたくさんありますが、まず、いま私がお聞きしたいことは、離農ということだけに非常に名前にこだわって——農民に対しては、極端なことを言えば、もうことばで言うだけでも、また言われただけでも、これは非常に感情的にも思わしくない結果が出ることばであります。しかし、この機会に、やはり生きていくためにはやむを得ぬと仮定するならば、思い切って日業の農業政策の一環として、海外にそういうりっぱな行く人があれば、これはあっせんすることは必要であろうと思うのです。それで、簡単に申し上げますと、北海道の開拓者の中でも、すでに海外移住事業団の中で、約五千戸くらいは農業をやめたい人があるという報告をしておるわけなんです。それから一般既存農家においても、今日なんかでも一万戸以上は、どうしてもやめたい、やめた場合には、やはりどこかへ行きたいという青年層もずいぶんおるわけなんです。そういう熱望をいれてやるという考え方が農林省にあるのかないのか、こういう点をひとつお聞きしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 この事業団は別個といたしましても、全拓連、県拓連等、農業団体による自主的な移住促進事業に対しまして、助成もいたしておりまするし、望ましいことであると思います。でありますが、なお、この事業団との関連におきましても、海外の移住というものを促進し、その拡充強化をはかっていく、こういうことは必要なことであると思いますので、そういう方向に持っていきたい、こう考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 農林省として、いま大臣の御答弁になりました問題については、いろいろやっておられると思います。しかし、これは従来からやっておられる問題であって、いま農家の実態がこうなったというときには、やはり格段にひとつ前向きの姿勢でもってやっていただかなければできないことなんです。  予算の上から見ますと、やはり七千万くらいな、むしろ多少減っておるような数字が出ておるようでありますが、そういうことでなしに、やはりひとつ大いにこの問題については取り組んでいただきたい。私ども、こういう意味で、この海外移住の問題については、この機会でなければもういい対策は出てこないと思うのです。極端に申し上げますと、最近の例では、だんだんと建設事業その他の労務が払底しておりまして、海外へ移住するよりも、ここにおって生活したほうがいい、こういうことでやっておりますから聞きますところによりますと、本年あたりは一千戸を割るといったような、これは計画の何十分の一にしか当たらないといったような結果になっておる。そういうことで、これは少くとも海外移住事業団としてやる、あるいは外務省、あるいは農林省等がこうした政策の中で取り上げておるという内容とは、相当ほど遠いものがある、こういうふうに考えますので、この問題をあわせて、ひとつ今後の問題として十分御検討をしていただきたいと思うわけであります。  先ほど山田委員にもお話がありましたが、その残る人については、これはやはり後継者の育成問題として、いろいろ教育その他の訓練施設等もあるようであります。そういう施設も、それはなるほど私は大事だと思います。しかし、それは指導者的な施設でありまして、実際、農業をそこでやるという者の施設については、また別にほかにあっていいのではないか、こう思うのです。それはもう指導者を養成するということについては、いろいろとそれは必要でありましょう。  しかし、一例を申し上げますならば、私の十勝におきまして、畜産大学というものが、戦前戦後、あの当時にできまして、そうしてあの畜産大学は、全国から、九州あたりからも、北海道の畜産大学へ入った人があるわけなんです。それはなぜ入ったかといますと、あの当時には食糧が非常に不足だった。だから自給自足をしなければならぬという、昭和二十六、七年ごろの食糧増産本位のときの政府並びに農林省の力の入れ方が、やはり今後は農業指導者育成には云々ということで、あの大学へ九州からも来ておった人がある。地元の人はどちらかというと、希望の何十分の一も入れなかったというくらい、競争率としては非常に激しかったのであります。しかし、最近、あの学校も、いろいろほかの施設もできてまいりましたけれども、やはり現に農業にとどまっておるという人が、もう一割ないし二割ぐらいしかないというのです。農業指導者としておる人は、これは全国的にどこかにおる人だと思います。それから特にまたもう一歩下がって、農業高校あたりになりますと、これこそ、むしろほかの学校へ行けないから、一応この学校へまず入れておいて、それからまた転校をさせようといったような、ただ親が高校あるいはまた大学へ進めたいという足場に、最近はなってしまったというようなことであるのが、非常に多いわけであります。ただ、農業高校あたりでは、畜産関係、獣医師関係というものは、これはほかに行くわけにはまいりませんので、そういう人は何ぼか残っておりますけれども、いまそういう形で学校教育で指導者としてやっておられるそういう人でも、農業にはあまり残らないような結果になる。  いまお話の後継者育成のためにおやりになっておる諸般の施設につきましても、むしろ、これは強化をしていただきたいということは十分考えておりますけれども、やはりもっと現実的に、後継者というのは、そういう指導者でなしに、実際農業をやるという者に対して、何か別な施策があっていいのではないか、こういうふうに考えておりますが、今度の予算でもある程度そういう面については、たとえば研修道場的なものをつくって教育施設の場を拡大するとか、いろいろの問題はあります。しかし、そういうのは、やる気があれば、そういうところへ行かなくったって、今日の段階ではやはり通信教育的なものでも、あるいは講師を年に何回か呼んで講義を受けるといったことだけでもやれると思うのです。農業をやる心がまえとか、その地帯における農業をどうやるかということは、やはりいろいろありますから、そういう具体的な問題と取り組み得るような後継者の育成対策というものをお考えになっておるのかどうか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 先ほど申し上げました経営伝習農場でございますが、こういうところは、指導者を育成しているというよりも、実際に自分で進んで農業をやっていく、ことに近代的な経営をやっていこうという人が、入っておるのが実際面でございます。それでございますので、これは指導者でなく、実際にやろうという人々の農業の研習でございますので、そういうものを一そう強化していきたいと思いまするし、あるいは農村におる青少年を対象とする農業専修学園の開設とかいうようなことによって、専門的農業をやっていきたいという青年を対象といたします知識的な活動を助成していく、こういうこと等もやっております。  それから、先ほど申し上げましたように、後継者育成資金なんというものは、現実に自分の責任において農業をやっていこうということでございますので、この資金の希望も非常に多いという現状から見ましても、その効果は相当あるというふうに踏んでおりますので、御趣旨のような指導者というものでなく、現実に農業をやっていくという人を着実に育成助長していく、こういうことをやっていきたいと思っております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 私の言う指導者というのは、農協なり、あるいはそういう機関によって絶えず指導するといったようなものも、これは含みますけれども、いま大臣の言われるのは、指導者でなく、実際にやっていく者だというお話でありますけれども、これも現地に参りますと、町村に何人か、あるいは部落に一人も当たらないような、そういうわずかの指導者的な人なんです。そういう人だけ行って帰ってきて、おれは農業をやるからと言ったって、あの人はああいう人だというように見てしまうのが通例なものですから、私は、そうでなしに、部落こぞって——こぞってというと語弊がありますけれども、なるべくその部落に月に一回でも、あるいは年に何回でもいいから集まって、女も若い青年もみんな集まってやるような、ほんとうに熱意のあるものであってほしいと思うのです。町村で一人か二人、三カ月くらいどこかへ行ってきた、今度はアメリカへ一年行ってきたという程度では、これはむしろ毎日回ってくれる技術的な指導者よりもまさることはないように思うのです。そういうところへ重点を置くのは、予算が余ればやっていただくことも非常にけっこうだけれども、そうでなしに、部落でみんな何人かが集まってやるような、冬季あるいは夏季、いろいろな形でのそういう後継者育成の仕事をやってもらいたい。  私はちょっと一例を申し上げますが、この正月にある町村へ行きましたら、ちょうど女子青年の人が約八十名ぐらいおりました。そこへ男の方が二、三十人です。そしてそのときは、農村青年の何とか交流会だったのです。そこでまず、町長が主宰になって話を進めておりましたら、女の子が発言して、町長さん、農村に嫁が来ないということが非常にありますが、いまの状態では嫁に来る人はありません、私どもはそうでなしに、何とかしたいと思って、きょう会場に臨んだけれども、むしろ、男女同数ぐらいの青年がおるにかかわらず、女子のほうでは約八〇%出席しておるのに、男子の方は二〇%ないし三〇%ぐらいしか出席していないではないか、これでは農村にだれが嫁に来ましょうか、最初こういうことばが出てしまった。私はそれを聞いて、なるほどこれは大切なことだと思ったのです。だから、そういう機会にいろいろ関係機関の人が行って話をされたら、やはり後継者というものは、自然的に、私どもが農村に嫁に来るような政治をやってくれと言わなくても、現段階においても私は必ず進んで来ると思う。そういう意味での後継者育成に対して、もっともっと積極的に取り組んでほしい。このことについては、そう金がかからぬでできると思います。そういう点を明らかにして、今年度からやっていただく決意があるのかないのか、お聞きいたしたいと思います。

昌谷孝農政局長

○昌谷政府委員 経営伝習農場その他経営者の実地の訓練をやりますが、仰せのように、村に残るべき全員を対象とするというようなところまでは、そういった施設だけでは不十分です。私どもとしては、むしろ本流は、御承知の農業改良普及事業で、そういう青年を地縁的にもあるいはまた作目別の機能集団という形ででも、そういった二様のとらえ方で、農業改良普及事業の中で、そういう将来の農業をやる人を組織化していくことを主体の仕事というふうに考え、したがいまして、昨年から改良普及員の中に、特に青少年を専任で担当する普及員を各普及所に設けさせることを指導いたしております。それらの普及員諸君が、先ほど申しましたような地縁的なつながり、文部省の社会教育等とも関連をして、あるいは公民館の活動とも関連をしてつかまえるとか、あるいは果樹でありますとか、養鶏でありますとか、酪農というような最も機能集団的な場合には、そういった青少年の担当普及員と、さらに加えまして例の特技普及員をそれにつける、そういうような形でやっていくのを、むしろ若い人たち、将来の後継者に対する普及指導の本流というふうに考えて、充実をはかっておる次第でございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 この問題は、また別な機会にいろいろ検討してまいりたいと思います。  その次には、今度の予算の中で、酪農振興の中枢をなすということで、大規模経営の国営草地改良事業が実は行なわれることになったわけであります。それで、この国営改良事業の大規模草地は、本州のほうで一カ所と北海道で二カ所、これは三カ所でありますが、この問題も、実は団体営でもってやりたいというような意見が一部にありました。しかし、私どもは、それについては卒直に言って反対であったのです。こういうものはやはり国の責任においてやるべきだということで、たとえば北海道の北部の豊富なものが、大蔵省は団体営ではいかぬ、これは国営でやるべきだということで、これは大臣もずいぶん骨を折られたと思うのですけれども、国営になって、私どもはこのほうではいいと思っておるのです。ところが、その内容が、どうも国営にはなったけれどもということがありまして、地方では八〇%の国費負担を要請いたしまして、それでなければできないのだというところまで強く要請したのでありますが、今度の結果から見ますと、これが七〇%になる、それから九州の場合は少し下がりまして、これが六五%になった、こういうことでありますが、この点はやはり八〇%にどうしても本委員会でもって修正すべきである、こういうふうに実はその点だけでも私は考えております。  それからもう一つは、これを管理する場合において、これも市町村等となっておりますけれども、市町村にやらせるのか、あるいは等というのは、拡大解釈すればどのようにも考えられますが、この点について、農林省としてはどういうふうにお考えになっておられますか、お聞きいたしたいと思います。

桧垣徳太郎畜産局長

○桧垣政府委員 国営草地改良事業を四十年度から開始いたしたいということで、いずれあらためて、土地改良法の一部改正ということで法案の御審議も願うことに予定をいたしております。予算の上で国営草地改良事業の負担率は、御指摘のように北海道七〇%、それから内地六五%ということになっておるのでございますが、このような一種の土地改良事業に対します国の負担あるいは国の補助というのは、これはできるだけ高いことが、事業主体にとって有利であることば、申すまでもないことでございますが、各種の事業の補助率あるいは負担率の問題は、それぞれ他の公共事業等との均衡、バランスの問題もございますし、突き詰めて申せば、財政負担の限度の問題というようなことになるわけでございまして、現在の国営土地改良事業あるいは開拓に対する国の負担の実情等と考え合わせまして、ほぼ他の事業との均衡という点では、ただいまの補助率が大体いい、何といいますか、常識的な位置になっておるというふうに考えまして、私どももこの補助率をのんだわけでございます。  なお、草地の管理主体につきましては、この国営草地改良事業は、公共用地等の上におきます共同利用の形態の草地の改良をいっておるのでございまして、制度的に申せば、個々人に分割されるような農用地の造成は、これは従来の土地改良法の制度によって施行せられる性質のものでございまして、四十年度から開始しようといたしますものは、ただいま申し上げたような性格のものでございます。でございますので、それを管理いたします場合の主体としては、これは地元が事業計画を立てるにあたりまして、初めからこの管理主体はどこがやるということをきめて申し出をしてくるわけでございますが、ただいま北海道、それから九州の予定地区におきましては、地元の市町村において管理主体になるという地元の意向がありますので、まず市町村を管理主体にと考えております。しかし、必ずしも市町村でなければならないという理由はないと私は思うのでございまして、造成以後の草地の利用の方向等から、どのような管理主体が最も適切であるかということを判断すべきである。そういう意味におきまして、市町村のほか、農業協同組合または協同組合連合会というようなものが管理主体になる場合もあり得るということで、目下そのような管理主体の場合も考慮をいたしまして、検討中でございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 この補助率の問題について、いろいろ事情があって七〇%になったのだ、こういうお話でありますが、しかし、農林省は八〇%の補助率の要求であったのじゃないですか。

桧垣徳太郎畜産局長

○桧垣政府委員 当初の予算要求は、ただいま先生のおっしゃるとおり、私どもも八〇%の補助率の要求を出したのでございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 農林省が八〇%の要求をしておいたのが七〇%になったのだから、それを予算のあれから常識的だったと思う、このようなお考えでは、七〇%が常識的でこういうふうになったのだというのじゃ困る。それはやはりだれだって出したくないから、それじゃ七〇%にいたしますよ。そうでなくて、八〇%が当然の要求だからやったけれども、結果的にはこういうことになったという御説明なら、私は納得できるけれども、七〇%が常識的だというような御説明では、私はちょっと納得できない。それだったら、どんなのでも大蔵省へ行ったらみんなそういうことになってしまう。当委員会は——ほんとうは、やはり農林省は農村のためにやっているのだということを、どこへ行っても、陳情団、町村長や農協の関係者が来ても言うのです。ところが、大蔵省へ行ってみると、農林省はたたかれてしまって、ものが言えぬ。そんなことだったら、農林、大蔵両省との関係ということで、当委員会では大蔵省は必ず出てもらうということを、それこそ常識的にしておいてもらってやらなければ、これはあなた方のほんとうの努力が浮かばれぬと思うのだが、そういう説明でなしに、努力したのならしたらしく、はっきりと言ってもらったって、私どもの受け取り方はそのように受け取りたいと思うのです。特にこの問題は、これでいいというわけじゃないのです。これはやはり問題になりますよ。少なくともさっきの事業団と同じように、国営で今度いままでで初めて、こういう説明ですよ。もう政府の中で特に取り扱った事業としては初めての事業である。にもかかわらず——道路なんか一〇〇%ですよ。北海道あたりは国営でやる場合には、道路の場合には十分の十負担ですよ。しかし、酪農振興の一番基幹をなす草地の改良、農林省が初めて、極端にいえば、佐藤内閣が初めての予算の中で、それを大蔵大臣もやった、佐藤さんのところへ行って、国営でございますと言いながら、七〇%に切られて、農林省はそれでやむを得ませんと下がるようなことでは、これはいかないと思うのです。これはだから八〇%に与野党の諸君の御協力をいただいて、法案審議の過程でこれは直したい。  それから、それに対して据え置き期間の五カ年、それから利率は五分で償還年限が十五年、こういうことになっているのです。そのあとの貸し付けですね、補助以外の市町村の借り入れ金、これは私は問題になると思うのです。だから、これは五年で三分で三十年といったようなことにすべきである。ところが、政府の原案は五分の三年の十五年です。これはまた私は、本事業を遂行する場合においては、町村の財政の困難なときに、あまりにも政府原案としては十分でない。これは私どもとしては、少なくとも五年の三分の三十年には最低直すべきだ、こういう見解を持っておるのですが、やはり政府としては、五分の三年、十五年でやむを得ぬ、こういうふうにこの点も了承されておるのじゃないかと思うのですが、こういう点については非常に納得がいかないのです。でありますが、この点もひとつ、折衝過程における農林省の態度あるいは大蔵省の見解等を聞かしていただきたいと思うのです。

桧垣徳太郎畜産局長

○桧垣政府委員 地元負担分に相当いたします分は、これは私どものほうとしては、要するに地元負担分の償還条件の問題であろうかと思うのでありますが、特別会計方式ではございませんので、いわゆる補助残融資の形をとって、公庫資金を貸し付ける場合の条件に当たるのだろうと思うのです。私のほうでは、いまのお話の五分、三年据え置き、十五年償還という意味が、実は私の不勉強かと思いますが、明確に理解し切れないものですから、ちょっとお答えが十分にいたしかねるのですが……。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 これはやはり七〇%しか国の補助がないものですから、これに対して三〇%の分については、道と市町村とが半々で持ってそれを負担するわけなんです。したがって、その不足する分については、やはり低利長期の金を借りよう、こういうことなんですから、その借りた金に対する内容が、いま申し上げたような結果だということを私どもは聞いておるわけです。もしそれがそうでないのだということであれば、そういうふうに御答弁願ってもいいのです。

桧垣徳太郎畜産局長

○桧垣政府委員 実は国の負担が北海道については七〇%、内地六五%というのは、予算の上で政府案としては確定をいたしておるわけでございますが、あとの地元負担の国への償還条件というのは、実はまだ大蔵との間で最終的にきまってないのでございます。一般国営土地改良事業の償還条件は、利率五分、償還期限は完了後十年ということに相なっておりますので、これが一つの指標になるかと思いますが、最終の政府内部におきます償還条件の確定ということは、実はまだ話し合いの段階でございまして、確定をいたしておりません。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 私どものほうの手元にきている資料では、そういう動きといいますか、そういうあれがあるということですから、次の法案審議の場合には明らかにしておいていただきたい。  次に、酪農とこれは関係しておりますが、酪農振興対策の一環として、前国会からいろいろ問題になっておりました原料乳の不足払い制度を考えておる、こういうことでありますが、これはやはり四十一年度からこれを実施するのか、あるいはまたどういうふうにお考えになっておるのか、この点をちょっと明らかにしておいていただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 四十年度におきましては、不足払いの準備をいたすわけであります。本格的に不足払いの制度が発足するのは四十一年度から、こういう予定をいたしております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 これはすでにいろいろ各関係業界あるいは生産者のほうから議論が出ておると思いますが、私どもは、あくまでも輸入を前提とした不足払いなんですから、こういう点では国内酪農振興のためには、これはもう非常に思わしくない。特に貿易の自由化が酪農製品にくるのじゃなかろうかということさえいっておるのですが、すでに自由化されたと同じような形をMSA協定の輸入によってやられておる。しかも、そのことを緩和するために、極端なことをいいますと、あれをちょっとカムフラージュするために、不足払い制度というものを出してくるのだというような受け方を、農民の一部ではしておるわけなんです。そういう点で、私どもはあくまでこの内容についてはやはり十分検討しなければならぬと思いますので、きょうは時間がございませんから、あくまでこの点だけをひとつ明らかにして、いよいよ来年度実施する場合には、これから十分お互いに話し合いをして、ほんとうに原料乳生産者が納得のいくような形でやってもらう。そうでなければ別な方途を考えるというような考え方で、私どもはこの点は態度を明らかにしておきたい、こう思いますので、十分御検討いただきたいと思うわけであります。  続いて、災害問題に関連してでありますが、これは昨年の北海道の冷害ばかりでなく、この問題の結果について、今度の国会にも天災法の内容の改正が提案されておるわけであります。これは私は当然だと思いますが、しかし、あの当時にも話がありましたように、やはり天災によってその災害を受けた農家を救うのには二つの方法がある。しかし、この天災法は、御承知のとおりに次年度の経営資金として金を貸し付けるのでありまして、実際農家にしてみれば、当年度にそれだけ何十億、何百億という積算した被害を受けておるわけなんです。その被害というものはどこで解決するかということになると、ほとんどもう政府の施策の中ではこれというものが見当たらないわけであります。ですから、それが農家個々の負債の対象になっておる。したがって、そういう負債の対象になっておりますから、当然生活ができない。しかし、天災法では生活資金ではできないので、これは自創資金でもって生活資金に充てるべきだ、こういうようなお話で、昨年も自創資金もある程度融資の対象は受けたわけであります。しかし、政府の考え方としては、自創資金も天災融資もうらはらであるという考え方に立っておられたのであります。しかし、法案が今度改正されます場合に、天災法の改正は出ておりますけれども、自創資金の改正については何らお触れになっておらない。しかし、いろいろの情勢が変わってきておりますから、天災法だけが改正する時期になって、うらはらであるこの自創資金は何にも触れなくてもいいということにはならないと私は思うのです。しかも、生活資金が重点だというこの自創資金におきましては、相当利用しておるわけなんです。利用しておりますから、満度にきておるものが相当ある。そこで、これを何とかしなければならぬということになれば、融資ワクなり、あるいは金利、あるいは償還年限等は当然天災法にならってこれは改正すべきだ、私はこういうふうに考えておりますが、この改正法を何らお考えにならないというのであるならば、昨年の天災融資法の場合に、たとえば化海道が要請しておりました場合のように、このうらはらであるという形でおやりになった説明とは相当違ってくるので、この点の考え方はまた別にしなければならぬと思うのですが、この点にお触れになっておられないのはどういうわけであるのか、あるいは、別に何かお考えになっておるのか、何らお考えになっていないのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。

丹羽雅次郎農地局長

○丹羽政府委員 昨年来天災融資法の改正にからみまして、災害対策としての自創維持資金についても、総合的に検討してみろという御趣旨のお話がいろいろございましたことは承知いたしております。先般の大臣の所信表明で、天災融資法の改正につきまして所信表明があったわけでございますが、自創維持資金につきまして特に触れておらないのはどういうわけかという御趣旨の御質問でございますが、天災融資法の改正の内容いかんと総合して検討いたす用意はいたしております。ただ、御承知のとおり、前々から申しておりますとおり、自創維持資金は、災害、疾病その他いろいろの理由で土地を売らなければならぬ場合に売らないで済むようにするための金融であるということで、一種の土地金融でございます。したがって、償還期限も二十年、災害資金という意味で発足したものであれば、二十年というような償還期限はないわけであります。土地金融として発足いたしましたために、二十年という極端な、その意味においては長期な資金であります。これを補完的に災害の際に使っておりますが、純粋に災害対策資金でないという面がございますので、なお検討は十分総合していたしますが、天災融資法の改正は、すなわち維持資金の改正に直ちに連なるとも考えておりません。総合的に検討いたすつもりでございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そういう御説明は、私のほうではわかっているのです。それは、自創資金の性格がどうであるか、天災資金がどうであるかはわかっております。しかし、農家にしてみれば非常な災害を受けて、あしたから食うものがないという者にしてみれば、何か制度の中で生きていくことを考えなければならぬ。だから、天災資金の場合は次年度の経営資金であるから、もう金がこないわけなんです。たとえばどこでも昨年は冷害を受けましたけれども、まだ農家のほうへはその金は一銭も顔を見せないで、肥料を買う、あるいは農機具を買う、あるいは農薬を買うというときに、自分の買う注文に応じて、農協がそこから差し引いてくれるだけなんです。農家には一銭も金はこないわけです。それじゃ昨年の十月から何にもないところは何をして食ってきたかといえば、その自創資金の中の範囲内でこれを何とかしてようやくやっていく。それも限度がありますから、できないものは他の借金を返さないで、あるいは他から借りてきてでも、一応生活しているわけです。きょうあたりの新聞でもテレビでもやっております。北海道だけでも、昨年あたりは、七百人から女の子が岐阜から大阪、あの付近の工場へ来ておる。おそらく東京都を中心として来ているのは一万五千人というのです。そんなものはこちらでは一つもわからないわけですけれども、経路を通じないで来ている者が一万五千人から来ている。そういうように子供をかせがせて、親が向こうで生活しておる。だから、その自創資金というものを何とかそこの中で利用したいというのでありますけれども、いま局長の御説明のようなことでありますものですから、結果的には思うようにこない。しかし、結果としては、そっちのほうで利用したらどうかという好意的な災害対策としておやりになっているので、いま正面からいって、そういうものとは違うのだといえば、それはそのとおりでありましょう。しかし、そうだとするなら、それでは食っていけないのだから、どうしてくれるかということを私はお尋ねしているのですから、やはりこの自創資金の問題についても、そういう意味であれば、足らないのだから、やはり年賦はそうであっても、資金の拡大をするとか、あるいは金利を下げて返しやすいようにするとかいうことぐらいは、今度の国会で天災法、災害があったらこうしてやるという——災害なんかないほうがいいんですよ。こういう法律があること自体、どちらかといえば、農民には不幸なことがあるということを予想しているわけです。しかし、自創資金というものは、これをいかに強化されましても、いま農林省がやっておられる自作農維持資金ですから、そうしますと、これは自立農家育成にも役立つわけです。今日の段階では自立農家育成になっている。ただ自分でつくっていればいいということではないわけですから、何もそういうことにこだわらないで、やはりお出しになって、これは金利なりあるいは金額をふやしてもらって、借りなかったものも、今度改正になったら、おまえのところにも何万円貸せるぞ、こういうことでやってもらえれば、ことしの生産意欲というものはぐんと伸びてくるわけです、それが全然出てこないということになると、非常に農家としても困る、昨年現地を見られました大臣以下政務次官、官房長その他の方々も、これで対策は十分だったとお考えになっていないのですから、この自創資金の問題については、私ども社会党は去年から出しておるわけですから、これを検討してもらって、そうしてこれに対して処置していただくということに私はなるべきだと思うのですが、大臣、この点についてどういうふうにお考えになりますか、ひとつ御回答願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農地局長からも御答弁申し上げましたが、そういうことは百も承知の上だということでございますが、私どもといたしましては、諸般の事情から、いまのところ、大体現状で妥当じゃないかというふうに考えております。しかし、この問題はなお検討してみたいと思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 それでは次に、もう一点だけですが、開拓者の負債整理の問題で、これはもう昨年も一昨年も、毎回この問題は議題になっておるわけです。しかし、もうここらで解決しないと、解決する時期が私はなくなるのじゃないかと思うのです。やはりものには限界というものがあります。ですから、この点でひとつ開拓者の負債の整理といいますか、少なくとも三類農家に対しては、政府の責任において何とか処置をする、昨年の当委員会でも、所信表明に対する質問で私も申し上げたのですが、その当時の丹羽政務次官も、全く御趣旨のとおりなんだ、しかし、政府としては、いろいろ法律の内容等もございまして、いますぐということにはまいらないけれども、何とかしなければならぬと思います、こういうお考えだった。農林大臣も同様の御趣旨のことで、何とかひとつ善処してみたいという方向の態度を表明されたことは、もう明らかであったわけであります。しかし、その後一年たちまして、あの災害を受けた北海道、あるいは東北にいたしましても、あるいは九州に至るまで、少なくともこの開拓者に対しては、政府は特別なお計らいを——いままでも開拓者に対してはやっておられるが、しかし、その中でどうにもならない者に対しては、もうここらでひとつ処置をしていただく必要があるのではないか、こういうことで、今度開拓者に対していろいろありますけれども、そういうものはそれとしても、三類農家の負債については、極端なことを申し上げますならば、これは棒引きにするんだ、しかし、そのやり力についてはまかしてくれ——私は一年と言いたいところだけれども、これは一年ということではなかなかめんどうだから、少なくとも三年以内には、そうした三類農家については全部処理をして、そうして既存農協との合併をして、そうして農業生産に大きく機関の整備をして前進させるんだ、そうして先ほどのもろもろの政策を必ず受け入れ態勢ができるようなことにするんだということについての新しい対策が、この機会にあっていいのでないか、こう思うのですが、大臣、この点について、ひとつはっきりした態度を御表明願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 開拓農家の救済対策としては、棒引きというわけにはまいりませんが、それぞれの措置は講じておるつもりでございます。すなわち、一定の援助を与えることによりまして、営農振興を期し得る農家に対しましては、昭和三十八年度から新振興対策を実施しておりますけれども、これら農家のうちで、延滞負債が多額で償還が困難な者、こういう人に対しましては、昭和三十九年度から延滞負債の償還条件の変更措置を講じておりまするし、この措置によりましてもなお償還困難な者に対しては、昭和三十九年の九月に、自作農維持資金の融通の臨時特例に関する省令を制定いたしまして、自作農維持資金による延滞負債の借りかえ措置を講じておる、こういうことがありますし、また、今後営農の振興が期しがたい、こういう農家で旧債償還の困難な者に対しましては、政府資金については、国の債権の管理等に関する法律に基づきまして、履行延期の措置を講ずるなど、そういう方法をとりまして、公庫資金、系統資金につきましては、関係金融機関の協力を得て、債務者の実情に応じて償還条件の緩和、債権取り立ての緩和等の措置を講じております。こういう措置は講じておるのでございます。こういうのではまだ足りぬということの御意見だと思いますけれども、いまこういう措置をとっておりますが、全然放てきしておるわけではございません。ただ、棒引きというところまではこれはいきかねるのでございますけれども、いまのでは不十分だ、やり足りないということの御意見のようでございますが、そういう御意見につきましても、検討は続けていきたいと思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 棒引きというようなことばは、全くこういうところでは発言することはではないのですけれども、そういう事態になっているから、申し上げるのです。ところが、いまお話しのように、いろいろそういう対策をやっておる、こういうお話であります。しかし、この間の本会議で与党の福田議員の代表質問で、日本も成人になった、戦後二十年になって成人になったのだから、変わったことをおやりなさい、こういう激励のあれが佐藤総理に対してあったのです。私は、この二十年という限度、これをもう何とかしなければ開拓者に対してもやる時期がなくなる。もう十周年、十五周年、二十周年、今度は二十五周年ということになりますので、やはり二十年というのは一番いいので、ここでひとつ、棒引きというのは失礼だけれども、政府の責任において、そのやり方は幾らでもあると思うのです。ところが政府は、いま大臣もおやりできない、こう言われますけれども、開拓者とほかの事業を比較してみた場合、事業者が借金をして、いま返す金がなくなり、物が取れなかったら、絶対それは命まで取りにいかないのです。ところが、今度は政府から借りておる金は、こうふうだから返さなければならぬ、何とかしたいが、できないできないと言いながら、これは命まで取ってしまう結果がいままで出ているんですよ。負債のために苦しんで一家心中したということは、そういうことなんです。ところが、一般の業者や何かは何ぼ借りても、行ってみて物がなければ、たとえば極端なことをいえば、私が借りておっても、私の財産を子供の名前にしたり、だれかの名前にしておけば、これは債権者としては取れないのです。ところが、政府としては、これは農協だ、開拓だ、町村だ、こうひもをつけておいて、いつまでたってもそれがついていって、最終的にはやはり命まで取られるということが事実あるのですから、そこまでやらなくても、国の責任においてやるくらいのことは、この機会に開拓者についてはやってもよろしいのじゃないか。私は、いまの段階では、既存農家はそれ以上苦しんでおる者もおりますけれども、既存の農家にやりなさいとは言えないのです。しかし、開拓者に対しては、これはやはり赤城農政の後世に残る善政だと思うのです。これがやれないようなことで、いまこまかいことだけ事務当局の説明を大臣に肩がわって読んでもらったって、それは農民はとても救われるものではないと思うのです。そういう点で、ひとつこの機会に、やはり一般の業者とかなにでなしに、政府は政府らしき整理のしかたを——それは幾らでもあると思うのです。わずかな金ですから、百億や二百億の金でもってそういう体制が整うというなら、残った農家は、これ以上迷惑をかけてはいかぬ、こういうことで立ち上がると思うので、この点はひとつ、いまの説明だけで私は納得できませんから、何とか今国会において十分それにこたえるような対策を出していただきたい、こういうふうに実は考えております。  それから最後に、もう一つだけ。実はこれは前にも問題があったのですが、これは林業基本法の審議のときにも問題になったわけですが、一番いま農家が一あるいはまた今度の農地管理事業団ができて整理をする場合にも、あるいはそういう林業と兼業農家になるなら残るかもしれぬというものがあるわけなんです。そういうものに対して、これは林野の活用、つまり、開放を要求されてくる場合については、私どもは、十分検討の上ですけれども、これはいいと思うのです。ところが、いまそういうこととは何ら関係なく、この国有地の開放問題が、どんどんと昨年も今年もやっておるわけなんです。最近のいろいろな情報を聞いてまいりますと、全国二十九ぐらいですか、それの関係道府県の議長会等の構成でもって、全国道県議長会の国有林野開放対策協議会とかいうものができておって、これが一生懸命でやっておられる。それとまた一つ、同じようなもので、やはり別に知事——これは青森県の知事さんが会長になっておられるようですが、こういう人が出て開放をやっておられる。なるほど、それは理屈があると私は思うのです。国のものですから、要求する権利もあると思います。しかし、国有林だからといって、国有林を利用する者だけの考え方で問題を起こすのでは私はいかぬと思うので。やはりこれは国土なんですから、国有林外におる者、奥地におる者はどういう迷惑を受けるかもしれぬ。だから、これは林業関係ばかりでなくて、いろいろな問題からこれは検討に値すると思うのです。ですから、ただ関係の者だけが、目先開放すればこれは酪農振興に使えるとか、あるいは市町村の財源に活用できるとか、こういうふうなことを理由にしておるようでありますけれども。こういうことについては、運動したからこれが成功したというやり方は、私はいけないと思うのです。運動の結果によってこれをやったというのなら、たとえばほんとうに運動する力も何もない国民は、これはたいへんなんです。極端に言いますと、もしこれらが、これは与党の諸君の中に関係しておる人がだいぶあるようですけれども、こういう立場で運動をして功を奏するなら、たとえば労働組合が自分の生活権擁護のためにやっておること、これに何ら批判する必要はないと思うのです。そういう点については、立法上の内容についてあれはやっておられるのでありますけれども、こういうものは法律上の根拠も何もないのです。ただ知事であるとか、議会の議長であるとかいう肩書きを利用して、新聞に堂々と出すのです。そういうことではこの趣旨というものは生きてこないと思うのです。必要であるなら、やはり十分話し合いの上で、われわれも根本的に反対というのではないのですから、やり方に心配があるからそういうことを言っておるのです。やはりできるだけそういう付近の農家が離農しないでやれるところがあり、あるいは市町村が酪農振興なり畜産振興なりで草地に利用できるというなら、国はどんどんこれはやってもいいと思うのです。しかし、いまの国の事情では、やはりこの林野行政というものについては、批判もあるし、あるいは苦労されておることはよくわかるのでありますけれども、ただ開放問題だけがずっと表面に出てくるような、こういう林業行政の弱さでは、私はいけないと思うのですが、こういう点は、現段階において農林大臣はどういうようにお考えになっておられますか、お聞きしておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 国有林は国有林としての存在理由があるわけでございます。そういうわけでございますけれども、これが構造改善とかあるいは山村の振興等に寄与する面で寄与できるならば、この活用あるいは開放等は十分考えていいと思います。しかし、国有林は国民の財産でございますから、一部の人の利益のために開放するというようなことは、これは避けるべきだと思います。国有林野のあり力等を検討いたしまして、その活用は十分はかるべきでありますけれども、一律にこれを開放するというようなことを進めていくということは、これは慎重に考えなければならぬ問題だ、こう考えております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 大臣の御趣旨は、全く私どもの指向するところと方向は同じです。しかし、方向は同じなんだけれども、途中でどっちへ曲がるかわからないので、この点をひとつしっかりやっていただきまして、いずれ今国会のうちには表面に出てくると思いますから、その点をひとつ明確にしてもらって、これからの林野行政の改善のために私どもは資したいと思います。以上で質問を終わります。

坂田英一自由民主党

○坂田(英)委員長代理 次会は明十一日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時一分散会

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