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48回国会衆議院1965/04/01

逓信委員会 第12号

発言数
36
登壇者
7
会派数
2
開催日
1965/04/01

会議録

秋田大助自由民主党

○秋田委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が不在でありますので、指名により私が委員長の職務を行ないます。  電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大柴滋夫君。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 時間がたいへんないようでありますから、きわめて簡潔に御答弁を願いたいと思います。  これは大臣にお尋ねいたしますが、大体、日本の家庭は、十一時ころにはみんな寝るようになっておるのです。ところが、テレビだけは十一時半ないし十二時ころまで映っておりますが、こういうようなことは、むしろ日本の子供たちに害があるんではないか。何か大臣は深夜放送について意見をお持ちでありますか。あるいは、放送法改正にあたって、テレビは十一時までにしようというような決意をお持ちでありますか。簡単にひとつ。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○徳安国務大臣 私自身も、ときどきそういう声を各方面から聞いておりまして、非常に夜おそくまでいろいろな放送があることに対して、これは何とかしなければならぬじゃないかという気持ちが起きております。しかし、一ぺん見ますと、やはり次を見、次を見するものですから、おそくまで毎日毎日続くという状態でありますので、何か一ぺん考え直さなければならぬという気持ちは持っております。しかし、いまこうするというぐあいにはっきりした結論は持っておりません。しかし、いまお話しのような点については、非常に心配いたしております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 ひとつ放送法改正にあたって大臣の気持ちを生かしてほしいと思う。  東京新聞の三月三十一日号によりますと、「テレビはやはり女、こどものもの」というたいへんおもしろい編集をやっているわけですが、私は深夜放送というものが日本の子供たちにたいへん害があるという論者で、たまたま大臣と一致したわけでありますから、どうかスポンサーの誘惑に負けずに、そういう意見を生かしてほしいと思う。  次に、電波監理局長にお尋ねいたしますが、東京十二チャンネル並びに日本教育テレビ、この二つはどういう基準をもって許可されたテレビでありますか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 十二チャンネル、それから日本教育テレビ、ともに教育番組を放送する放送局として免許されております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 教育番組を放送するというが、内容はどうでありますか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 チャンネルプラン上において、これは教育放送ということになってございますが、免許基準の中の、放送局の開設の根本的基準の中に「特別な事業計画による放送を行う放送局」ということになっておりまして、「教育的効果を目的とする放送」である。「一週間の放送時間において、教育番組の放送がその五〇パーセント以上を占めるものであること。この場合において、教育番組の放送時間が一〇〇パーセントに満たないものであるときは、その残りの放送時間の大部分が国民の一般的教養の向上を直接の目的として行う放送によって占められるものであること。」という特別な事業計画による教育的効果を目的とした放送であります。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 これは大臣にお尋ねしておきたいのでありますが、そういうりっぱな基準のために十二チャンネルではスポンサーがつかない。発足以来一年の十二チャンネルは、これはうそかほんとうか知りませんが、仄聞するところによると、二十九億の赤字である、こういうわけであります。これは一年するとまた赤字は膨大になるのか小さくなるのか知りませんが、こういういうことは、一体どういうことでこういうことになっているのか、あるいはまた、もし十二チャンネルにスポンサーがつかないとするならば、事実上私は崩壊するだろうと思う。どういうおつもりを持っているか、この種の議論をしたことがあるかどうか、お尋ねをしたい。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○徳安国務大臣 十二チャンネルにつきましては、科学技術関係がおもに関係をしておりますが、はたしてそういうものに完全なるスポンサーがついて、収支が伴うかということにつきましては、最初から各方面に相当意見があったようであります。その当時の企画を見ますと、スポンサーも多少ありましょうが、大部分は協力——要するに科学技術を国民に普及徹底させる、また、その向上をはかるという意味において、奉仕的な協力費というものを集めて、それによって経営できるんだというようなもくろみのもとに申請されたようでございます。したがって、それにも、ただことばだけではなくて、書面の上に、はっきりそうしたものをうたわれて、これを信頼して許可をしたというのが実態のようであります。しかし、その後に至りまして、経済界の変動等もございまして、そうしたスポンサーならざる協力者、こういうものがその実を示さなかった、果たさなかったというところに赤字の出た原因があるようでございますので、現在までの赤字等につきましては、事務当局、あるいはまた、今後のことも審査いたしておりますから、その審査の結果等につきましては、あるいはその内容等につきましては、政府委員から御答弁することにいたしたいと思いますが、見込みはずれというわけではございませんけれども、初めからスポンサーだけでやるという考えではなかったようでございます。しかしそれが、結論において、やはり約束して出された書類が守られなかった、実行されなかったというところに赤字の原因はあるようでございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 それで現実に、一年を出ずして二十九億の赤字を出している、こういう十二チャンネルについて何か方途をお持ちでありますか。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○徳安国務大臣 過去における実績につきましては、営業報告が出てまいりましたので、それを検討いたしておるわけでありますが、赤字であることは間違いございません。その数字は政府委員から申し上げます。  そこで、今後におきましては、この状態ではやっていけないのじゃないか、どうするかということを命じてございますので、近日中に、私どもが納得いくような計画と申しますか、今後における事業計画が出ますれば、それによって審議をいたそうと考えております。  なお、先般、社長を呼びまして、非公式ではございますが、すみやかに何人も納得するような再建案、事業案というものを出してほしいということを指示してございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 一般民放というものは、ますます低俗化していく傾向にあるわけでありますから、教育テレビの純粋性を守るために、どうかひとつすみやかな処置を講じてほしい、こう思う次第であります。  それから、先ほど電波監理局長がおっしゃった教育、教養、娯楽というようなものについて、たとえば日本教育テレビでプロ野球をやれば教養であり、一般局でやれば娯楽であるということがあると聞いておりますが、はたしてそういうことがあるかどうか、あるいは、そういうことに対して電波監理局としては何らかの方針を持っているのかどうか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 御指摘のように、教育、教養、娯楽というような番組の分け方につきましては、再免許申請のときに実績を徴するというようなことで実績を出してもらうわけでございますが、そういう場合に、民間放送事業者として、これは娯楽番組、これは教養であるというふうに分けてくるわけでございます。それが御指摘のように、若干東京の場合と、それを受けて流した地方の局で違うというような実情はございます。そういうようなものにつきましても、われわれ資料をとりまして、目下検討しているところでございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 資料をとりまして研究しているというのは、実際おかしいのですよ。もう何年かになるわけでありまして、たとえばプロ野球が、ある局によれば教養番組であり、ある局によれば娯楽である。それに対して資料をとって研究しているというようなことで、一体監督官庁としてそれで十分でありますか。

宮川岸雄郵政事務官(電波監理局長)

○宮川政府委員 ただいまお答えいたしましたのは、再免許にあたりましての過去の実績という場合には、現実に報告が、一つの番組について、ある局では教育になっているのが、それが流れていった下部局において教養になっているというような事実があることを、われわれ再免許の場合におきまして発見いたしましたので、どうしてそういうようなことが起こっているか、そういうようなことが実際どちらと解釈したほうがいいのかということについて、いま検討しているということでございまして、教育、教養、娯楽ということにつきましては、一応はっきりと、どこでどういうふうに線を引くというのは、なかなかむずかしい問題であろうかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 関連。ちょっと一つだけ大臣に聞いておきたいと思います。  この間のNHKの予算の審議のときに、先ほど来問題になっておりました十二チャンネルの問題について、私のほうから質問をいたしまして、そこで大臣のほうとしては、そういうふうな問題については、総合的な放送法の改正とからめていろいろな感覚で考えておる。そこで、その場合に、それではいまの免許の期間の三年という免許をおろしたならば、今後の放送法の改正によって新しい免許をおろすという段階にはならぬので、場合によっては限定免許ということを考えてもいいのではないか。これは、三年というものを、一応放送法の改正その他ができるのをあと一年と見て、通常国会に出して、それから審議されて、実際にこれが施行されるということに一年と見て、大体一年間くらいの限定免許というようなことで考えてもいいのではないかというようなことを私が質問した際に、大臣としては、十分に検討に値する質問でありますので、そういう方向においてひとつ検討してみたい、こういう答弁があったわけでありますが、後ほどおそらく同僚大柴委員から質問がありますところのこの十チャンネル、NETの問題にしても、やはり最初の免許の条件と、現在やっております放送の内容というものが、かなり変わってきておる。これは現実に最初の免許が無理であったのか、あるいは、うそを言って免許をとったのかということが問題になるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、今後の、六月の再免許の際に、この点については十分に考えていかなければならぬ問題でありますが、そうかといって、これをいま直ちに取りつぶすということも、なかなかむずかしいということになった場合に、いわゆる十二チャンネルとか十チャンネルということでなしに、再免許の際には、その他の民放も含めて、いわゆる限定免許を行なっていくという考え方はないかどうか。そうでないと、今度の通常国会に放送法の改正案を上程できなかった大臣としては、私は筋が通らぬのではないかというふうに考えるわけでありますので、これは十二チャンネルや十チャンネルだけでなしに、新しい再免許の際における問題、そこでラジオの問題におきましても、FMその他の問題も出てまいりますので、そういうものも含めて新しい再免許の際には、一応限定免許でいくべきであるという考え方を持っておるわけでありますけれども、これは放送法の改正案を今度の通常国会によう出せなかったところの政府としては、当然その程度のことはやっていくべきじゃないかというふうに考えておるわけでありますが、この点大臣からはっきり答弁を願いたい、こう思うわけです。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○徳安国務大臣 再免許にあたりまして放送法改正との関係でありますが、私は多少意見が違うかもしれませんが、完全と思われるものにつきましては、別にいまの放送法で免許をいたしましてもこと欠かない、かりに今後改正いたしましても、それでは教育放送の限界はどういうぐあいに置くのだということは、なかなか文字の上ではあらわせない。いまでは、理屈で、両方で、こっちはそれは教育放送じゃないと言うし、向こうは教育だと言うし、結局、水かけ論のようなものが、厳格には相当出るわけでありますが、これは法律に文字の上にあらわすことは困難だと思いますが、そういうことに対する問題につきましては、やはり思想統一といいますか、見解の統一をして、将来、放送協会、民放連でありますとか、そういう各団体と私どもとの間に一つの線を引けるような話し合いでもして、基準にせねばいかぬのではなかろうかということを考えております。  ただ、いまのお話のように、いまの法律で三年延ばすのにはどうも不適当だというものも、審査の結果出てまいりはせぬかと思うのであります。これは、どれとどれがどうだということをいまここではっきり申し上げることはいかがかと思いますが、すでに問題になっておるようなものにつきましても、私どもや国民すべての者が納得いく、これならばもう三年やってもだいじょうぶというような再建計画なり事業計画が完全にできますれば、私どもの責任においてもやり得ると思います。しかし、そうでない場合には、やはりある程度限定免許にしてその期間に改めさせる。そうして十分見きわめた上で、新しい免許をするということもあり得ると思います。こういう意味において、森本委員のお話を受けておりますので、そういう点につきましては、ただいまそういう気持ちで作業をいたしておりますから、これははっきり、そういうぐあいな方針で進むというのは申し上げられ得ると思います。しかし、全部が全部そうではない、一部のものについてはそういうことを早く受けられるように考えておる、こういうことでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 大臣の意向はわかりました。要するに、許可条件に当てはまってない、あるいはまた、現状においても、なかなかむずかしいという点については、場合によっては限定免許ということもあり得る、しかし、これが完全に合格をするということについては、三年の免許ということもあり得る、こういう大臣の回答であります。だから最初の限定免許もあり得るという点は、一応了承いたしますが、ただ、その次の完全なものであるといっても、これは今後Uの親局の全国的な問題が出てまいります。さらにFM放送の問題も出てまいります。そうなってまいりますと、日本の放送全体をどうあるべきかということを根本的に考えていかなければならぬ段階にあるわけであって、現在の放送局が既定方針どおり確固不動の方向でいくということであるとするならば、放送法を改正して日本の放送行政のあり方を根本的に検討する必要はないわけであります。  そこで、UとVとのテレビのあり方、あるいは中波とFMとのラジオのあり方というものを、さらに新しい法律改正に基づいて根本的にこれを検討していこうとするならば、場合によっては、すべての放送局に対して限定免許ということをやっていかなければ、放送法の改正によって新しい放送行政を行なうということは、なかなかむずかしいんじゃないかということが予想せられるわけでありまして、いま私は直ちに回答を求めませんが、前段の、現在の段階においては、大臣としては一応再免許をすることはしても、ふさわしくないようなものについては限定免許にするということを言われたわけでありますが、私は、それはそれとしての答弁を聞いておきまして、私の見解としては、それをさらに一歩進めて、全面的に限定免許を行なうということの方向に大臣として検討すべきではないかということを、私はひとつ申し上げておきたいと思うわけです。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○徳安国務大臣 先ほど申し上げましたような方針でただいまやっておるわけでございますが、御意見は十分伺っておりますから検討はいたします。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 時間がないので、少し論を進めたいと思うのでありますが、御存じのとおり、新聞、週刊誌あるいは雑誌等によって、日本の最大の教育テレビであるNETの重役陣がたいへんゆれているわけであります。この半年間ぐらいに三人ぐらいの社長が交代している。しかし、私は、その内部の問題であるならばあえて本委員会で取り上げる必要はないと思うのでありますが、このゆれている原因が一つこのところにあるんだろうと思うのであります。これは私どもへどこから送ってきたか知りませんが、「月刊マスコミ研究」ナンバー一四、新春特大号という雑誌がありますが、それがそこの制作局長、技術局長を代表として社内幹部有志が「不正を監査し社長更送方のお願い」ということで、こういうことを言っているのであります。「私共は、」「生涯の職場である日本教育テレビの重大な危機に際し、職を賭し如何なる犠牲、圧力にも屈服することなく、声を大にしてこの陳情を申し述べます。」そういう見出しで社長である大川博氏の、一つは背任の行為、二つ目には横領の件、三つ目には収賄の件、このことをはっきり書いて「今こそ代表取締役は私共の真剣な願いをとり上げ、直ちに動くべきであります。この実情を徹底的に追及すべきです。場合によれば司直の手を煩わしても、社の百年の大計のため行なうべきであります。」「放送事業は国民の信託をうけ、政府から免許された公共事業であり、いわば国民の財産です。ましてや一株主或は株主全体への奉仕団体でもなければ被搾取会社でも断じてありません。実態を明らかにし、その責任を明確にして頂きます。」こういう、この文章だけを見るならば、たいへん私は、テレビ界の姿勢を正すというか、教育テレビの姿勢を正す社内の声だろうと思うのであります。  しかし、不平にして現在の日本の放送法その他では、何かこういう声が一つも手につかないわけであります。私どもが一番心配するのは、石が流れて木の葉が沈むということばがあるわけであります。わがテレビ界において、こういう明瞭な一つの事件が、われわれの目の前にさえもわかるわけでありますから、一体郵政当局は、この種の事件をどういうように判断をしているのか、これが一つであります。二つ目には、先般、東京国税局は、何かNETの調査をいろいろしたそうでありますが、いうところの背任の行為、横領の行為というようなものがあったのかどうなのか。第三には、検察庁としては、この種の議論のことについては知っておるのか知らないのか。たとえば国税局からこの通告を受けているのかどうなのか。あるいは、いうならば、われわれが無検印のポスターを五枚くらい選挙のときに張ったということで延べ二百日くらい調べられた経験があるのでありますが、そのくらい厳正な検察庁が、この種の事件に自主的に発効しておるのか、おらぬのか。郵政省、国税局あるいは検察庁のこのことに対する態度を伺っておきたいと思うのであります。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○徳安国務大臣 かつて私が就任いたしまして直後だったと思いますが、日本教育テレビの当事者から、いまのお話のような抽象的な話を、ほんの四、五分聞いたことがございます。しかし、具体性のない話でございまして、ただ、不正がある、内容が紊乱しておって、わけのかわらぬものがたくさんございますというようなことで、その事実に対して、確たる証拠があってこうだというお話はございませんでした。ですから、私どもとしては、内容に立ち入って監査する、あるいは検査するというような権限もございませんし、これが表面化いたしまして、事実事件となりますれば、それに対して郵政省といたしましても、そうした会社に対しては、どうとかああとかいうことも考えておりますけれども、ただ一重役からそういう話を聞きましたからといって、それが表にあらわれませんのに、かくかくの処置もとれない、かような考え方で見守っていたわけでございます。  その後また見えまして、自分が責任者になったというお話がございましたが、そのときには、もう前のようなお話は全然ございませんで、円満にうまくやるからというようなお話がございましたので、私どもも、どうかとにかく世間に悪評を残さないように、しっかり、りっぱな放送会社として臨んでいただきたいというお話をしましてお別れしただけでございます。それ以上、いまのところ私のとこでは手をつけておりません。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 国税庁、法務省のほうは、この次に聞くといたしまして、だから私は言うわけですよ。これだけのりっぱな方々が、りっぱなことを言っているときに、これを取り上げる必要はないだろうと私は思うのでありますが、一体これをほんとうに事実があるのかないのかというようなことを何か聞きただすくらいなことはしないと、先ほど言ったように、石が流れて木の葉が沈むということになるだろうと私は思うのです。現在、会社内部としても——そんなこと立ち入りたくないのでありますが、おそらくこの種のものを出した人と、出された人とは大騒動をしておるだろうと思う。大騒動をしていればこそ、NETというものが教育番組の放送の内容について一つも改善がはかられなくて、何かますますおかしい方向にいくのではないかと思うのです。私は、このことに対して、ひとつ郵政大臣として、あなたが何らかの方面によってこの種の問題にどう対処していっていいかということは、もう少し真剣にしないと、ここに書いてあるような、ほんとか、うそか知りませんけれども、せっかくのこの放送事業が、国民の信託を受けて政府から免許された公共事業であるにもかかわらず、監督官庁としての郵政省がまことに怠慢だろうと思うのです。事件がなければ手をつけない、それじゃ、われわれがここで大いに騒げば手をつけるということになるのでありましょうけれども、どうかひとつその限界と任務というものをもう少し明瞭にしていただきたいと思うのです。国税庁と法務省の見解をひとつ聞きたいと思うのであります。

中西清大蔵事務官(国税庁調査査察部調査課長)

○中西説明員 私、調査課長でございますが、国税庁といたしましては、昨年の十二月にちょうど調査時期がまいりましたので、調査に入ったわけでございますが、たまたま新聞記事、週刊誌その他に非常に大きく書き立てられましたので、その点を注意いたしまして厳正に調査に入ったわけでございますが、その後年末年始を控えたり、あるいは会社内のごたごたがございましたために、調査が相当中断されまして、現在のところまだ調査中でございます。それでまだ結論が出ておりません。

津田實検事(刑事局長)

○津田政府委員 ただいまお尋ねの件でございますが、法務省といたしましては、もちろん法務省管下の検察といたしましては、国税局から何らかの依頼なり連絡を受けておる事実はございません。本来、いろいろだだいま御指摘のような雑誌等に出ておることは、私ども承知をいたしておりますし、検察庁におきましても検討をいたしておりますが、現在のところ、まだ刑事事件として捜査はいたしておりません。もちろん、御指摘のように、何らかの刑事事件がもしあるといたしました場合には、何らかの証拠資料が、提供されますとか、告訴とか告発というものがございますれば、当然捜査を始めるわけでございます。ただいまのところさようなことはございませんので、検察庁におきましては、風評その他この雑誌の記載等について検討いたしておる段階でございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そうすると、国税庁のほうはまだ調査が完了しないということでありますね。これは私念のために申し上げておきますが、先ほど申し上げた文章の中にも、大川さんが社長である四年間に使途不明の金が億以上あったというようなことが書いてあるわけであります。ほんとうかうそかそれは知りませんけれども。  それから四十年一月二十日、公認会計士田中嘉夫なる者によって監査報告書というものが出された際に、その二の項に技術費のうち千七百九十万五千円、仕掛け番組のうち二十五万七千円は取引先へ照会したけれども、相手先が明確でなかった、こういうような不正なことが公認会計士によって明瞭にされているわけであります。一体こういう事実に対して、あなたのほうは、まだ調査が完了していないと言いますけれども、この種の調査というものは、一体いつごろ完了するものでありますか。

中西清大蔵事務官(国税庁調査査察部調査課長)

○中西説明員 目下最終段階の調査に入っておりまして、この四月中に調査が完了いたすものと思います。それまでは内容的に各項目を合わせてみなければわかりませんので、確定的なことはまだ現在判明いたしておりません。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そうすると、ここにある公認会計士の使途不明の金、あるいはまた、先ほど読んだところの六十幾つのにせ判をつくって、どこか外部でいろいろやったなどというようなことは、当然あなたのほうで調査されるのでしょうね。

中西清大蔵事務官(国税庁調査査察部調査課長)

○中西説明員 「マスコミ研究」の内容は、もちろん私のほうも読んでおりますし、そういった架空領収書とか、にせの印判をつくったとか、そういう事実が「マスコミ研究」とか新聞その他に出ておりますので、こういった点については厳重に厳正な調査をするようにということは話してございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 ひとつ調査が完了したならば、本委員会に証拠資料として提出をしていただきたい。よろしゅうございますか。

中西清大蔵事務官(国税庁調査査察部調査課長)

○中西説明員 調査の個々の内容につきましては、ただいままで発表したことはございませんので、帰りまして上司と相談いたしたいと思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 法務省の方にお聞きしますが、そうするとこの種の問題は、先ほど私が言ったように、私どもの選挙のときなどは、判こを押してないポスターがあるときにはたいへんよく調べるけれども、この種の事件は、おたくのほうは全然調べない、こういうことでありますか。

津田實検事(刑事局長)

○津田政府委員 御承知のとおり、刑事事件の捜査を開始いたしますのには、やはり捜査の端緒となるべきものが必要でございます。ただ単に強制捜査を始める、任意捜査を始めるということは、これは捜査のたてまえ上いろいろな影響がありますので、できないわけでございます。したがいまして、捜査の端緒が何であるかということにつきまして、いかにも捜査を開始するに足る端緒があれば捜査を開始するということでございます。ただし、先ほども申し上げましたように、刑事訴訟法によりまして、一般の方々の告発あるいは被害者の告訴というものがあれば、当然捜査を開始しなければなりませんので、それはいたすわけでありますが、検察庁が自主的にいたします場合には、いま申し上げましたように、それ相当の合理的な端緒を要するという意味におきまして、その端緒があるかどうかという点を検討いたしておる、こういうことでございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 捜査を開始する端緒になるかどうかということは知りませんけれども、内部の人が、場合によっては司直の手をわずらわしても、こういうことを言っておることが一つ。それから先ほど言った公認会計士田中嘉夫なるものによってあらわされた文章に、明瞭に使途不明の金が現存すると書かれている。だから法務省としては、ひとつ法務省独自の見解に立って、先ほど言ったように、どうかひとつ、石が流れて木の葉が沈むというようなことのないようにお願いしたいと思うのであります。  それから大臣にお尋ねいたしますが、私はこれを読んでみまして、あくまでもこの種の事件というものは、国民の電波というものを使用するというので許可をもらう——使用するほうになると営利追求ということになるだろうと思うのであります。事実この騒動というものは、ほとんど日本の有数な、有名な人のNETの株の争奪戦であります。しかも、その編成に対する、いわゆるNETの支配をだれが持つかということの争奪戦であります。だから今後のこの種の国民の放送、国民の電波なるものは、もしもそういうように自由に株の売買ができるということならば、何か資本と経営とを分けてやる、たとえば私立の学校のように、理事長と学校長は別である、そうしてNETならNETにも、入社以来長年努力をしておって株を持たない社員が私はいるだろうと思うのであります。そういう人たちが中心になって、NETの精神というものを生かして、資本と経営との分離、そういうことを考えるか、あるいはまた、そういうことができぬとするならば、新聞のように株の売買を定款か何かで禁じていく、こういうようなことを考えられるかどうか。あるいは、それはとても無理だ、いまの、この国民の電波なるものは、もうこのままでしょうがないのだ、こういうのかどうか。少し大臣の、大臣としての方針を伺っておきたいと思うのです。放送法改正に対してあなた自身も重大な意見を持っておると思いますので……。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○徳安国務大臣 最近そういう実例がちょいちょいございまして、株の移動によってごたごたの起きている例があるのであります。一体いまのような、ただ商法だけで運営される行き方がいいのか、あるいは現在、特に示されております新聞社等のような、ああいう所有株に対する株主としての権利の譲渡というようなものに、一つの大きな制約を加えるのがいいのかというような問題は、ただいま起きておるわけでございます。私どもといたしましては、まあ学者の意見もございますし、また、実情に即するいろいろな最近の事件もございますので、法改正の場合には、そうした問題を十二分に検討いたしまして、そうしてこれは解決しなければならぬ一つの大きな課題だということで、私もいま研究課題の一つにあげております。これは新聞社のようにいたしますと、はっきり今日御答弁もできませんが、といって、じゃ、このままでいいと思いますということも言い切れないのであります。法改正を出すまでには、この問題は割り切って解決したいという考え方で研究しております。これをひとつ御了承いただきたいと思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 本会議が始まるようでありますし、私は、なお党のあれがありまして、質問を続けることができませんけれども、この種の問題は、ほうっておけばますます紊乱して手がつかぬようになるだろうと思うのです。別に私どもがNETの内部に、いわんや野党である社会党が入ってどうだこうだということはたいへん慎まなければならぬだろうと思いますけれども、しかし、やはり正しいものは正しいとして育てていかなければならぬと思います。どうかひとつ、郵政当局、法務省あるいは国税庁も、こういう問題に対して真剣に取り扱っていただきたいと思うのですよ。業者の支配の中に国民の電波がゆだねられて、そのために安価なドラマなどが入ってくることは、まことに私は日本の国民のために残念だと思うのです。どうかひとつ、皆さんの姿勢を、要すれば、ここにあるような、このNET内部の革新的な人々にこたえるためにも、この種の正論を守るためにも、皆さんの勇気と職務に対する忠実を要請して、私の質問を終わります。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長代理 次会は、明二日午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時三分散会

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