逓信委員会 第10号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/03/19
会議録
○内藤委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、前会に引き続き質疑を行ないます。森本靖君。
○森本委員 まず大臣にお聞きいたしますが、昨年の昭和三十九年度のNHKの予算を審議いたしましたときに、われわれは三党一致で附帯決議をつけたわけでありますが、その附帯決議については、一応、時の大臣並びに協会の会長のほうから十分尊重いたします、こういう回答があったわけであります。昨年度の附帯決議について、まず附帯決議の第一項目、これはもう相当前から当委員会でも問題になっておりますが、中波放送、FM放送、さらにV、U、こういうものを総合したところのいわゆる放送の基本政策を検討して、これに対するチャンネルプランの策定をしなさいということを言ったわけでありますが、その後これがどうなっておるか、ひとつ御答弁願いたい、こう思うわけです。
○徳安国務大臣 附帯決議の御趣旨を尊重いたすことはもちろんでありますが、御承知のように、調査会の答申に基づきまして、法改正と並行しながらこの点につきましても準備をいたしつつあるわけでございます。しかし、残念ながら、法の改正を一応見送ることになりましたので、完全なものがまだできてはおりませんが、作業を急いでおる状態でございますので、そう遠からぬうちに、もちろんこの国会開会中には、こうした問題につきまして御報告できる順序になろうかと思います。作業を急いでおります。
○森本委員 そういたしますと、端的にお聞きいたしますが、現行放送法の改正については、一応次の通常国会ということにほぼなってまいりますので、通常国会ということになりますると、かなりこれはおくれてくるわけであります。そこで、そういうことを待っておったんでは、次の六月の再免許その他に関する問題ができないということになってまいりますると、現行放送法に基づいての、いわゆる先ほど申しました中波さらにFM、V、U、こういうものを総合いたしました総合基本政策、さらにチャンネルプランというものは現行放送法に基づいて行なう、こう考えていいですか。
○徳安国務大臣 現行法に基づいてやりたいと思います。しかし、その場合におきましても、できるだけ答申の趣旨に背反しないような方針で作業いたすことはもちろんでございますが、いま現行法があるわけでありますから、その現行法によりましてそうした問題を処置していきたい、かように考えております。
○森本委員 そういたしますと、さしあたって問題になっておりまする近畿の問題については、これは私が三年前にここで問題を提起いたしまして、それ以来解決がついておりません。早急に解決をつけるということになっておるわけでありますが、これについては、現行の放送法において大臣としては解決をつけていきたい、こういう考え方ですか。
○徳安国務大臣 さように考えて、いま作業をいたしております。
○森本委員 日刊電波タイムスその他で見ますと、その中に近畿の問題について、今回郵政大臣が現地において公聴会を開くというようなことが記事として載っておるわけでありますが、私は、この公聴会というものは、一体どういうふうな法律的な根拠に基づいて行なうものか、ちょっとこれは電波監理局長に事務的に聞いておきたいと思います。
○宮川政府委員 チャンネルプランを修正いたしますときに、従来公聴会というものをやっておりますが、今回の近畿の問題につきましては、チャンネルプランに関係するものでございますので、その一環としてやりたいと思います。同時に、近畿問題につきましては、非常に問題が複雑であり、かつ住民の公共の福祉にも直結いたしますと同時に、多年にわたりまして、この開設の問題があったというようなこともございますので、特に今回は、このやり方等につきまして、従来にない形をとったということでございます。
○森本委員 従来にないやり方をとったと言いますが、確かに近畿のチャンネルプランにも関係いたしますけれども、しかし、実際は、これはやはり免許の問題になってくるわけであります。要するに、波をどうするかということは、即免許をどうするかということになってくるわけでありまして、かりに今回のような公聴会というものが――法的な根拠がないわけですけれども、民主的にやろうということでこういう公聴会をやったということになったとするならば、次に、おそらく、UHF帯の免許を行なわなければならぬ、あるいはFM放送の免許を行なわなければならぬということになった場合に、全国的に何一つ、どこ一つ競願をしないところはないわけでありますから、そうなってまいりますと、かりに今回の公聴会が前例ということになりますと、全国的にすべて公聴会をやっていかなければならぬということになりがちになろうかと思うわけであります。こういうものはやはり行政権にあるわけでありますから、しいて公聴会をやろうとするならば、郵政大臣の行政権において、郵政大臣がこういうふうにやりたいがどうでしょうと、電波監理審議会に諮問をしたときに、礪波監理審議会がその郵政大臣の諮問に答えるために、そういう意見を現地において聞くということはあり得ても、実際に郵政大臣の行政権限に基づいてやるものを、こういうふうに公聴会をやらなければできないという形に慣例をつくるとするならば、今後全国の県庁所在地で全部やっていかなければならぬ、こういうことになるのではないかと私は思う。だから、大臣が現地に出向いていって、人々の意見を聞くということは重要ではありますけれども、従来ならば、こういうところの地元の知事さん、あるいは市長さん、あるいはそれぞれの業者の人々、そういう人人の各方面の意見を十分に聞いて、そうして意見をいろいろ聞いた結果、大臣が大臣の考え方に基づいて免許をおろしていくということはいいと思います。しかし、これを一堂に集めて、どうしてもこういう公聴会をやらなければいけないというふうな慣例を残すようなやり方を今回やるということは、将来の郵政省のこういうものについての事務的な措置からいくと、あまり郵政省として感心したことではないのではないか。やるならば、どこでも、競願をしてもめたところは全部やる、こういうことであるとするならば筋がとおると思いますけれども、近畿の問題だけこういうふうにやるということは、どうもちょっとおかしいところがあるのではないか。たまたま大臣が現地の人人に東京に来てもらって、そうして意見をいろいろ聞きたい。ところがぽらぽら一人、二人来られて半月やそこらかかったのでは困るから、たった一日だから大臣が出向いていって、この際全部が集まってもらって聞いたほうがましであるという意味の公聴会、そういうところの軽い意味の、ひとつ皆さんの御意見を聞くという意味のものならば、将来こういうものが慣例にならないということであるとするならば、これはあえてどうこう言いませんけれども、これが将来慣例になるとするならば、そういうふうに民主的にやるということはきわめてけっこうでありますから、それは大いにやっていただきたい。しかし、このものだけをやるということになるとするならば、特に今回はこうだということをはっきりしておかなければ、将来の郵政省のこういうものに対するやり方について暗雲を持ってくるのではないか。その辺の考え方を、今回の公聴会については明らかにしておいてもらいたい。これは大臣からはっきりしておいてもらいたい、こう思うわけであります。
○徳安国務大臣 森本委員の御発言、御意見、ごもっともでございまして、現法規に基づいてかような処置をとるということは、これはもうもちろん考えるべきではございません。先ほどお話がございましたように、この問題は、多年にわたる長い間の問題でありまして、一県一地域でなしに、数県にまたがる問題でありまして、しかも非常にこうかんな陳情書も参っておりまするし、最近は、三々五々で、片いなかのほうからも陳情に出てこようという連絡が非常に多いので、長い間御迷惑をかけておることでもございますから、異例な措置ではありますけれども、和歌山県の片すみから、あるいは兵庫県の片すみから、そういう方方にたくさんおいで願いましても、御迷惑でもあろうし、また私らのほうでも、時間的にも非常にたいへんでございます。一々上京されましてお尋ねされるのにつれないこともできませんので、長い間の問題でございますから、私のほうから出向いていって御意見を承りましょうという、実は簡便な方法――と言えば語弊があるかもしれませんが、親切心からそういう気持ちが動いたわけでございます。法律的な根拠に基づいてやっておるわけではございません。したがって、今後におきましても、さような処置を全部にとろうという考えはございませんで、これは異例の措置だというぐあいにお考えいただきたいと思います。
○森本委員 せっかく大臣がそういうことで意気込んでやっておられるとすれば、これは近畿の問題として長年にわたる問題でありますから、早急に解決をつけるように大臣のほうでひとつおやりを願いたい、こう思うわけでありまして、これは単に地元の人の意見だけでなくして、こういう問題については、それぞれ専門家もおるわけでありますから、各方面の意見を聞いて最上の策をとってもらいたい。私はここで具体的に、どういう案がいいとか、こういう案がいいとかいうことは申しません。ただ、われわれはわれわれなりに、こういうふうにやったほうが、大所高所から見たらいいだろうという意見は持っておりますけれども、あえてそういう内容には触れませんが、とにかく大臣は早急にこの問題の解決をつけてもらいたい。そうでないと、この問題が解決がつかない限りにおいては、放送法の改正が行なわれぬ限りにおいては、その他の問題についても、解決をつけることは困難であるということはもうはっきりいたしておるわけであります。要するに六月の再免許の問題においてすら、その問題の前にこの問題の解決をつけておかなければなかなか解決はできない、こういうことになるわけでありますから、この問題については、せっかく大臣がそういう考え方であるとするならば、早期に解決をつけるようにひとつ努力を願いたい、こう思うわけであります。
○徳安国務大臣 いま申し上げましたように、阪神に出向いてまいりますそのこと自体が、全部の解決でもございませんので、与野党の諸君からも一致しての御要望、あるいは陳情等もございますから、東京においてお聞きし得る面におきましては東京でお聞きしたいと思いまして、これは地元あるいはそういう方面に対する関係者の御意見等を参酌して、できるだけすみやかに解決したいという所存でございますから、ひとつ御協力をいただきたいと思います。
○森本委員 それから附帯決議の中で、難視聴地域の解消とオリンピックの問題については、前回議論いたしておりますのでおいておきますが、「受信料について検討すること。」これは昨日片島委員が質問いたしまして、ある程度の問題が出ております。ただ、ここに問題になりますのは、受信料の伸びがだんだん鈍化する傾向にあるということは、きのうも放送協会の副会長が答弁をしたとおりでありますし、それからNHK自身も、これから先、膨張政策ということではなしに、堅実な一つの経営政策という方向に変わっていかなければならぬ財政状態になりつつある、こういうときにあって、大体今回の臨時放送調査会の答申によりますと、現行の受信料制度というものをほぼ支持する、こういうことに大勢的に調査会はなっておるわけでありますが、ただここで問題になりますのは、いまのようなラジオ、テレビの発展動向からいたしまして、受信料の甲と乙を現状のままにしておくかどうかということが一つの問題になるわけでありまして、それ以外の受信料の問題については、今後臨時放送調査会からいくとするならば、そうたいした問題ではない、こう私は考えるわけであります。 そこで、受信料の甲と乙の問題についてもう少し私はお聞きしたいと思いますことは、四十年度の乙の受信料の収入と、今後四十一年、四十二年、四十三年、このごろまでの乙の受信料の傾向というものをNHK当局からお聞かせ願いたい、こう思うわけです。
○小野参考人 まことに時間をとりまして恐縮でございますが、乙の将来の傾向を申し上げますと、四十年度におきましては収入の額が九億八千四百万円でございます 四十一年度に参りますと七億七百万円でございます。四十二年度におきましては五億五百万円程に落ちる見込みでございます。自後漸次減りまして、四十六年度ごろになりますと二億四千六百万円でございます。
○森本委員 大体乙の傾向というものはわかりましたが、そこで四十六年にかりに二億円になった場合に、その集金の維持費というものはどの程度になりますか。
○小野参考人 現在におきましては、月額五十円の料金に対しまして、これにかかっております諸経費はおおよそその半額程度になっておりますので、二十五円は諸経費であります。しかし、この面におきましては、いろいろな事情の変遷もございましょうし、一般の賃金ベース等の関係の推移もあるわけでございますので、おそらく四十六年度の二億円程度の収入のころになりますと、その比率は諸がかりが非常に多くなりまして、NHKの収入として残りますものは、現在の状況よりもはるかに比率が少ないものになってまいるであろう、こう予想されております。
○森本委員 大体わかりました。そうすると、四十年度の九億円というものの中で、大体三億ないし四億というものが集金維持費によるということになるとするならば、実際の乙の収入というものは五億ないし六億円というものが収入になる、こういう勘定になるわけであります。そうすると、四十六年ごろになりますと、二億円というものはほとんど取るのは取っても――大臣、これはよく聞いてもらいたい。大臣に聞かそうと思って言っておるんだから。四十六年に二億円ということになるとするならば、その二億円というものはほとんど集金の維持費に取られてしまうということであるとするならば、これは私はやはり去年の附帯決議に、受信料を検討することという中には、やはりこの乙の料金の問題を今後どうするかということが大きな問題になっておるわけであります。ただ、現行の三百三十円という中に、いわゆる五十円というものが入っておると解釈をするから、当然乙の受信料を除いた場合には、甲の問題にもこれが影響してくるということで去年はおいたわけであります。ところが、いま副会長が説明したような今後の趨勢であるとするならば、これはいつそのこと、乙の受信料というものは廃止をしてしまって、甲一本にして、しかもその甲の財政的な基盤というものははっきりして、さらに将来、このNHKの受信料の収入というものが鈍化状態にあるわけでありますから、その収入状態というものをはっきりつかんで、そうしていままでのような膨張改築をある程度抑えながら、堅実なNHKの経営方針に変わっていかなければならぬ段階に来ておるんではないか、こういうことを私は考えておるわけでありますが、そういう観点からもしいくとするならば、将来この乙の受信料については十分に検討を要する。ただし、乙の受信料を検討する場合に、現行の三百三十円という問題が、NHK全体の公共放送としての経営状態からいって、はたしてこれが財政的に妥当であるかどうであるか、高いものであるか低いものであるか、そういう点についてもあわせて検討していきながら、そうしてNHKとしての財政的な基盤をがっちりきめていったほうがよくないか、こういう考え方を持っておるわけでありますが、これに対してひとつ大臣の見解を聞いておきたい、こう思うわけです。
○徳安国務大臣 先回の国会におきましても、こうした問題につきまして検討するようにという附帯決議も出ておりました。自民党のほうにおきましても、調査会を設けまして、そしてこの受信料問題について慎重に審議されたようでございます。 その結論といたしまして、いろいろ御議論もございましょうが、現段階におきましては、やはりこのままで四十年度はいこうということにNHKのほうでも決意をし、わが党のほうでもそういうことに了承したわけであります。政府といたしましても、その趣旨にのっとりまして、四十年度予算にはさようにいたしたわけでございます。 その以降におきまする問題につきましては、決議あるいは申し合わせ等のものを拝見しておりますと、ただ本年限りのものの考え方ではないようでありますけれども、しかし慎重に検討すべきものもあろうかと思いますので、これは放送協会つまりNHKにおきまして今後慎重に検討されまして、そうして現在の難視聴地帯等の問題、あるいは今後のNHKに課せられたところの使命、そういうものを遂行する上において、どの程度に予算が必要であり、また収入が必要であるかというような問題もおのずから発見されるわけでありますから、それらとにらみ合わせまして、もし幸いに聴視料等にも斧鉞を加え、あるいは修正を加える必要があるという結論であるという、政府でも当然そういうふうに考えておりますし、NKH当局もそうした観点で検討すると思います。 四十年度の予算におきましては、いま申し上げましたような趣旨と考え方において意見書をつけて提出したわけでありますけれども、将来の問題につきましては、あわせて今後事務当局は研究もし、また党としても、あるいは他の政党におきましても、これはもちろん研究されると思いますから、その結論の趣旨に沿って私ども政府といたしましても善処いたしたいと考えております。
○森本委員 だから検討するということはわかっておるが、どういう方向において検討したほうがいいかということになるとするならば、先ほど副会長の答弁を聞いてもわかりますように、四十六年にはすでに二億円になる。二億円になった場合には維持費というものが要るのだ、二億円というものはほとんどまるまる集金維持費にかわるような状態になるかもわからぬ。そういうふうになった場合に、せっかくとったって意味がないわけです。そこで、こういうことを考えた場合には、早晩、この乙の受信料制度というものは廃止をしなければならぬ段階になるのではないか、しかし、その場合に、三百三十円の問題について、この中に乙の受信料というものも一緒に含まれているという論議がなされているわけであります。また事実、そういう考え方もあるわけであります。ところが、いま実際問題としては、この乙はだんだん減っていくが、甲は鈍化をしながらもある程度ふえていっておる。しかし、これもある程度のピークの問題が来ている。そうなってくると、NHKの今後の発展状況、さらに置局状況とにらみ合わせたながら、一体この三百三十円という甲の受信料というものをどういうふうに定義づけたらいいのか、これはラジオとテレビを現在持っているものは甲だ、こういうことになっておりますけれども、これをいまのままの定義づけでやって乙の廃止をする、その場合に、それでは一体放送法との関連はどうなるのか。たとえばこれは電波監理局長に事務的に聞いておきますが、かりに乙の受信料を廃止するということになった場合には、要するに放送法に基づいているところの今回の――NHKの受信のできるような設備をしたものについては契約をしなければならないというこの条項は、改正をしなければできない、こういうふうに法律解釈がなるのではないですか。
○宮川政府委員 そのとおりであります。
○森本委員 そういたしますと、結局、いま申し上げましたように、早晩甲と乙の受信料の問題については、甲一本にやっていかなければならぬ段階になるであろう。ただしその場合に、単に乙の受信料を廃止するということだけではなくして、NHKのいわゆる恒久的な財政状態ということを考えながらこれを検討していかなければならぬ。 そこで、そうなった場合にも、ついでにこれはやはり法律を改正しなければ乙の受信料は廃止ができない、こういうことになるわけであります。そういう方向における検討をしなければ、大臣がただいま言っておるように、何でもかんでも検討しますということで答弁を逃げてもだめなのであって、検討をするということは、どういう方向において検討するかということを私は聞いておるわけでありますが、私が言っておるような方向において検討することが一番正しいやり方であるわけであります。だから、私がいま言ったような方向において郵政省もNHK当局も検討するという答弁があれば、次の項に移るわけであります。だから大臣としては、私が言ったような方向において検討せられるかどうかということを聞いて、その次に会長に聞きたい、こう思っておるわけです。
○徳安国務大臣 御趣旨のような点につきましては、十分勘案しながら検討を進めてまいりたいと思います。
○森本委員 この点については、大事な点でありますので、NHKの会長にもひとつ聞いておきたいと思います。
○前田参考人 私どもも森本先生の方向で検討いたしたいと思っておりますが、ただひとつここで、私の考え方としては、現在は甲料金、乙料金ということになっておりますが、これはいわゆるテレビの普及の過程において、カバレージがラジオのカバレージに近づく限度、これをやはりもう一つ考慮に入れなければいけないのではないか。現在の料金の基本的性格からいって、その点も勘案して森本先生の方向に研究を重ねてまいりたい、このように考えております。
○森本委員 この問題は、次の放送法の改正のときにもかなり問題になってくる点でありますので、郵政省並びにNHK当局もひとつ慎重に検討願いたい、こう思うわけであります。 そこで、これで大体昨年の附帯決議に対するところの御意見を一応聞いたわけでありますが、さらに今回臨時放送調査会の答申が出ておるわけでありまして、この臨時放送調査会の答申全部を私はここで論議をしようとは思っておりません。ただ本日は、NHKの昭和四十年度の予算を審議しておるわけでありますから、本来ならばこの四十年度の予算というものが、臨時放送調査会の答申の線に従って予算は組まれるべきでございます。ところが、残念ながら、放送法の改正というものが一応見送りになった。こういうことになっておるわけでありますが、一応今回の臨時放送調査会の答申の中におけるNHKの項については、郵政大臣としては、これに対してどういう見解を持っておられるか、この見解をひとつ先に聞いておきたいと思います。
○徳安国務大臣 しばしば御説明申し上げておりますように、法の改正にあたりましては、およその綱領、原案等は整えたわけでありますけれども、しかしものによりましては、まだ見解を異にするものもございますし、最後の決定に至っていないものもあることはひとつ御了承いただきたいと思います。 一つ二つ重要な点、私のほうであげておるものを申し上げますが、経営委員会の委員の選任につきまして、その一部について分野を代表する制度を廃止することが適当であるとの答申が述べられておりますけれども、この点に関しましては、私個人といたしましては同感でございますが、まだ成文の上におきましてはっきりとこうだと決しかねておる課題の一つにいま残っております。 それから第二でございますが、答申は監事の機能を強化すべきであるというように示されております。実は私もこれは同感でございまして、業務全般にわたって監査を行なえるように改めるべきだ、かように考えております。 第三でございますが、業務についてNHKが行なうべき放送として教育放送、国際放送、また、いわゆる任意業務として国際協力業務などを一定のワクのうちで合理的に拡充、充実させるべきであるというような問題、それから適当な制限のもとに出資、出損の道を開くべきであるというような意見が出ておりますが、これらにつきましては、私どもはその趣旨に賛成でございまして、大体そういう方針で進めつつあるわけでございます。 第四に、受信料の性格でございますが、ただいまお話がございましたように、答申のものと現行のものとの解釈につきましていろいろと意見はあるようでございますが、私どもは、大体において、結論はやや一致するのではないかというように考えておりますので、これは法の解釈や字句の解釈等におきまして、まだ多少の異論はあるよりでございますけれども、答申の趣旨を実現いたしましてもそんなに困難ではないというように考えております。 それから受信料の条文でございますが、この表現につきまして、答申にあらわれておりますものと、それから現在のものとにおきまして多少の問題点があるようでございます。これらにつきましては、法の技術的な問題もありますしいたしますので、その方面にさらにいま検討をいたしておる状態でございます。 いろいろこまかい点につきましてはまだあると思いますけれども、これらはひとつ政府委員から御答弁することにいたしますが、おおよそいま大きな問題として取り上げられております課題としましては、以上のような点を私どもは考えながら作業をいたしておるわけであります。
○森本委員 これは事務当局にこんなことを聞いたってしょうがないわけであって、大臣からでないとだめであるわけです。 大体いまの大臣の御回答を聞いておりますと、臨時放送調査会の今回のNHKに関するところの答申については、こまかい技術的な問題は別として、大綱的には政府としてはほぼこれが了承できる、こう解釈をしてよろしゅうございますか。
○徳安国務大臣 そのとおりであります。
○森本委員 そういたしますと、国際放送についてもここで明確に出ておりますことは、いままでいろいろ論議をいたしておりましたけれども、今回の臨時放送調査会の答申には、国際放送は民間放送については現在の段階においては不適当であるということをはっきりと明示をいたしておりますが、この項についても、大体郵政大臣としては妥当である、こう考えておるわけですか。
○徳安国務大臣 民間放送の問題等につきましては、おおよその筋は検討しておりますし、また、結論もやや近づいてはおりますけれども、まだはっきりここで申し上げる段階には至っておりませんが、しかし、NHKに関する限りにおいては、大体あの趣旨で進んでまいりたい、かように考えております。
○森本委員 いや、これは臨時放送調査会の答申の八八ページにきわめて明確に書いてあるわけであります。日本放送協会として、その中の国際放送という項の終わりのほうに「民放による国際放送の実施に関しては、これに要する周波数の国際的な確保がきわめて困難であること等の諸事情にかんがみ、現状においては適当とは認められない。」明確にびしっとやってあります。だから、こういう問題は、私は論争に一つ一つ終止符を打っていきたい。いつまでももやもや論議をしておったのでは、話にならない。だから私は、大臣がこの際に、この臨時放送調査会の問題については、大綱的に一応よろしいということであるとするならば、この国際放送の項についても、大体この方針でよろしいということになれば、一応この問題についての論争は終止符を打つことになるわけであります。その点で特に聞いておるわけであります。
○徳安国務大臣 いろいろ検討いたしたのでありますが、ただいまの段階におきましては、こういう国際放送等は、NHKをして行わしめることが妥当だという考え方で作業をいたしておるようでありまして、したがって、その結論としましては、その答申がはっきりと私どもの方針となると思いますけれども、ただ民間放送を取り上げて絶対にそれはいけないのだというところの結論までは、いままだ達していないということでございます。
○森本委員 大臣は人柄がいい人でありますから、そういう答弁をすると思いますが、やはりこういう問題については、政治家として見識を持ってびしっとした答弁をすべきなんです。人のいいときは人のいいときでいいけれども、物事をきめるときはびしっときめていくということが、やはり政治家の一つの本質だと思うのです。だから、こういう国際放送という問題について、いままで非常に論議をしてきた。たまたま臨時放送調査会が約一年有半にわたって論議をしてこういう答申を出した。郵政当局も事務当局も大体この方針でよろしいということに考えておるならば、本来ならば大臣が、このとおりやります。こう言い切ったら、大臣は上の政治家になるわけでありますけれども、中流の政治家ということでいまの答弁になるわけでありますけれども、しかし私は、元来大臣を信頼いたしておりますので、大臣の先ほどの答弁で、これ以上の追及をいたしませんけれども、いずれいまここではっきりいたしましたことは、こまかい技術的な問題はともかくとして、一応今回の臨時放送調査会の答申については、政府としてはNHKに関する限りにおいては、この答申の大綱を大体推進できる、こういう考え方に基づいて進んでおる、こう解釈をしてもいいわけですね。
○徳安国務大臣 そのとおりであります。
○森本委員 それで次にNHKに聞いておきたいと思いますが、NHKとしては、この臨時放送調査会の答申についてはどういう見解を持っておられるのか、会長からひとつこの際お聞きしたい。
○前田参考人 私どもといたしましても、大綱については、NHKとしては大きな問題はない、このように考えております。
○森本委員 そこで、この中に、私はこれは非常に意を強くしたのですが、この管理の機能強化が必要であるということがこれに明確に出ておるわけでありまして、私が十何回、この予算を審議するたびに、監事は一体何をしているのかということでしょっちゅう質問をしておったわけでありますが、別に臨時放送調査会と連絡をとったことは一ぺんもございませんけれども、私の意見がそのままこの臨時放送調査会の答申に出てきておる。特にこの管理の機能というものについては、十分今後考えていかなければならぬ、さらに今回は、この監事が、NHKが業務の一部を委託する場合の委託者に対しても、その限度において監査をすることが妥当であるということがこれにはっきり載っておりますし、さらにまた、監事の任命についても、少なくとも一名程度は他の部外者から出せということも、ここに明確に載っておるわけでありまして、こういう点は、今後の経理の公開その他から言いましても、非常に私は妥当な考え方であるというように考えておるわけであります。 そこで、現在のNHKの問題に戻りまして、この項に関連をいたしまして、この間あなたのほうからいただきました資料で、要するにNHKの関連事業に対する助成金、あるいは交付金というものがあるわけでありますが、いまNHKが関連事業に対して出しておりますところのものはどこどこで、今回四十年度の予算でどの程度ですか。わかりました。これはこの資料の四ページにあるわけでありますが、NHK交響楽団、さらに日本放送協会学園、NHK厚生文化事業団、これにある程度の助成金を出しておりますが、これ以外に、たとえばサービスセンター、あるいはその他には出しておりませんか。
○赤城参考人 サービスセンターとか出版協会とか美術センターとか、そういう関連事業体がございますが、それは個々の業務の委託契約によってやっておりまして、助成金として予算に計上いたしまして助成している団体は、いま森本先生のおっしゃいました三団体でございます。
○森本委員 わかりました。あとは結局事業の契約でありますから、これは直接監査する権限はございませんが、NHKの交響楽団、それから文化事業団、放送協会学園、こういうものに対しては、この監査についてはNHK自身がやっておりますか。
○赤城参考人 三十九年度の実績でございますが、厚生文化事業団につきましては、四十年の一月に、それからNHKの交響楽団につきましては、同じく四十年の一月に監査当局が監査しております。これは厚生文化事業団と交響楽団は、内部的に申し上げますと、放送業務局が監督のあれに当たっておりまして、放送業務局の監査をする際に、それと同時に、関連事業として監査をすることにしております。これは内部監査でありますが、また会計検査の監査の際におきましても、NHK自体の検査の際に、その関連業務として会計検査院の要求に応じて外部団体の業務内容につき報告すると同時に、その業務報告書並びに収支決算書を提出することにしております。
○森本委員 そういたしますと、この日本放送協会学園についてはどうなっておりますか。
○赤城参考人 ただいままでまだやっておらない状態でございますけれども、時期を見て実施するということで考えております。
○森本委員 NHKの監査局というのは、大体人員がどの程度ありますか。
○赤城参考人 大体三十名くらいあると思います。
○森本委員 その三十名程度の監査機構で、NHKの内部監査については年間どの程度やっておりますか。
○小野参考人 監査機構につきましては、ただいま申し上げました本部にあります監査室には三十名ばかりの専任の職員がおります。名中央放送局におきましても監査の職員を持っておりまして、これは二名ずつであります。本部においては年間に各中央放送局につきまして漏れなくこれを監査することにいたしております。また中央放送局におきましては、管内の放送局をすべて監査するということにいたしております。
○森本委員 この監査要員の中で、事務要員とか、あるいは簡単ないわゆるサービスをする女性を除いて、実際に監査機能を行なう人はどの程度ですか、中央放送局を入れて。
○小野参考人 これはほとんど全部そういう職員でございます。
○森本委員 そうすると、全部で四十四、五人ということですか。
○小野参考人 さようでございます。
○森本委員 その人の身分はどうなっておりますか。
○小野参考人 すべて管理職をもって充てております。
○森本委員 そうすると、その四十何名というものは、最低、副部長なり何なりの資格を持っておりますか。
○小野参考人 階級といたしましては、そのような高度な機能を持った人を集中して配置してあります。
○森本委員 そういたしますと、中央放送局におりますその二名についての指揮命令系統は、中央放送局長が指揮命令をするのではなしに、中央の監査局長のそのままの指揮命令系統ということになっておりますか。
○小野参考人 中央放送局長直轄の部門にいたしておりますが、系統といたしましては、これは有機的に活動しなければならない性質のものでありますので、事務の内容につきましては、本部の監査室との間に一体の関係を結んでおります。
○森本委員 私は郵政省の監察局の機能というものも、小野副会長はよく承知しておると思うのでありますが、そういう二名の者についても、この指揮命令系統は、一応中央の監査局長が直轄をして、その人事その他の異動等についても中央監査局長がそれぞれの方向に対しての権限を持って行なうという形に、やっぱり分離していったほうがいいのではないか。中央放送局長の権限においてこれをするならば、やはりこれはある程度の、そうでなくても、内部監査というものはなれ合いであるということを、外部から見られがちでありますので、こういう点については、いま少し私はちょっと機構的に検討してみたほうがいいのではないかというふうに考えるわけでありますが、これは参考意見であります。 それから、助成金を交付するところの団体に対しては、いま赤城理事のほうからの回答は年間一回程度でありますけれども、これはやはり私は年に二回程度定期的に一つの考査を行なう、それから何か投書なり何なり特別の理由がある場合は特別考査を行う、こういうシステムを持っておいたほうがいいのではないかというふうに考えるわけでありますので、赤城理事からの回答を求めておきたい、こう思うわけです。
○赤城参考人 森本先生のおっしゃるとおりでございまして、そういう管理指導の方法として実施しておりますのは幾つかございますが、第一番目には、年度の事業計画と収支予算の提出を求めまして、毎年当該年度の事業の運営の方針の関連におきまして必要な審査を行ないまして、その助成の内容を審査する、そして交付額を決定する、そういうことをやっております。 第二番目に、先生のおっしゃいました業務の実施の状況の把握でございますが、これは先ほど申し上げましたように、関連のNHK自体の各局におきまして、時に応じて必要な実施状況の報告を求めまして、それに対して助言を与える、必要最小限度の経費で最大の効果をあげるというようにつとめております。たとえば、この場合に申し上げますと、これはいま、助成する団体以外にわたりましてやっておりますが、たとえば放送業務局におきましては、N響と厚生文化事業団、それから学園の問題についてやっておりますし、今度新しくできました職員局におきましては、共済会とか健康保険組合とか、そういうものに対して、常日ごろその業務連絡を十分密にして指導しておる。そのほかに、御承知のように、今度総合企画室というものができまして、そのスタッフの中に、外部団体を担当する総務を置きまして、こういう外部関連の団体に対する基本的な問題について検討させるということ。 第三番目には、毎年その業務報告書を提出させまして、あるいは収支決算書を提出させ、十分その年間における実施状況を監査いたしまして、所期の目的に即した業務運営ができるようにつとめておる次第でございます。
○森本委員 この監査問題については、私は、あえてこれ以上聞きませんが、いまとかくやっかみの目で見る人が多いわけでありますので、こういう点の監査機構については、十分にひとつ心してNHK当局としても内部監査を充実するという方向でぜひお願いしたいと思うわけであります。 そこで、これは本来ならば決算のときに聞く問題でありますけれども、この前の委員会から以来問題になっておりますので、さらに開いておきたいと思いますことは、それは例の竜土町の米軍の太平洋星条旗紙への提供の土地建物の問題であります。これは土地が二億五千万円、建物が五億四千万円、要するに合計約八億円に近いものがそのまま無償で米軍に提供されておるわけであります。本来ならば、こういう問題については、これは政府が米軍に提供するというのが妥当であるわけでありますが、ただNHKが放送センターの建設を急ぐという観点から、これは何か知りませんけれども、とにかく土地を獲得するために、これは無償で提供もやむを得ないというようなことを昔――昔といいましても二年くらい前だそうでありますが、一札入れておるということで、なかなかこの問題が解決つかぬ。その間のいきさつということについては、ある程度私は了解ができまするけれども、しかし現実に国民の受信料からなっておりまするNHKというものが、この約八億円に近いものをそのまま遊ばしておくということ、しかもこれを半永久的にこういうことをしておかなければならぬということは、私は非常に不当である、こういうように考えるわけでありまして、この問題については、やはり正当な借料、こういうものを向こうが払うか、あるいは向こうに買い上げてもらうか、そういう方向に私は解決をつけるべき問題であろうと思います。 しかし、郵政省にすれば、NHKがかってにやっておいて、いまさらそんなことをおれのところに持ってきたって知るか、大蔵省にすれば、あのときにどうしてもあの土地がほしいというのだからやったんじゃないか、いまさら居直ってくるということはどうだということは言えると思います。またNHKについても、ある程度それを言われてもやむを得ないと思う。しかしNHKとか大蔵省とか郵政省とかいうことでなしに、国民の立場から見た場合には、いずれがいいとか悪いとかいうことよりも、国民の受信料でまかなっておりますNHKの財産というものが、要するに無償で半永久的に使われるということは納得がしがたい、こういうことになろうと思います。 だから、いずれにいたしましても、私はこの問題は次の予算審議までにはひとつ解決をつけるように御努力を願いたい、こういうことで、当時のNHKの会長並びに郵政省としても十分努力をいたします、こういう経過があったわけでありますが、その後の努力の経過を大臣からお聞かせを願いたい。 それから大臣に聞いておきたいことは、この問題についてNHK当局からも大臣に対して、ぜひ何とかやってもらいたいという陳情なり嘆願があったかどうか、このことを聞いておきたい、こう思うわけです。
○徳安国務大臣 竜土町の問題につきましては、委員会でもすでに御指摘があり、またNHKも非常に心配していることであります。この問題は、いまお話しのように、いろいろの経緯がございまして、だんだんせんじ詰めますと、両方にもあるいは言い分があろうかと思います。しかし、いまそういうことを言ってもしようがないことでありますので、大所高所、大きな次元の上に立ってこの問題は解決すべき必要があると考えます。もちろんNHKも大蔵省に盛んに折衝されておるようでありますし、私のほうにも経過の報告がございまして、ぜひとも今年度の予算編成前に解決したいということで、強く私どもにも要請があったのであります。 そこで、大蔵省に対しまして、私どものほうでも予算編成前にいろいろと交渉いたしました。おおよそ大蔵省でもこれは何とかせんならぬなという気分にはなっておられるようでございますが、とうとう時間切れで、最後の解決を見ずに終わっております。次の機会におきましては、もちろんNHKも当面の責任者でありますから、大蔵省に強く要請されると思いますが、郵政省といたしましても、いまお話しのような次第もよく勘案して、次の編成前に解決して、あるいは借り上げるか、あるいは買い上げてしまうか、あるいは相当の賃借料を政府のほうで支払うようにするか、どっちかの方針を決定して、予算化するように努力いたしたいと思います。
○森本委員 いま大臣から非常にはっきりした答弁がありまして、私は郵政大臣としての答弁では十分に満足いたしますが、NHK当局に対しましても私ちょっと聞いておきたいと思いますことは、この問題のいきさつは会長は一番知っておるわけでありますから、ひとつ十分に御努力を願いたい、こう思うわけであります。 ただ、私は会長にこれを言うわけではありません。NHK全般に対してひとつ言っておきたいと思いますことは、ややもするとNHKに向かってはこういう批判もあるわけです。これはいやなことばでありますけれども、やはり聞いておいてもらいたいと思いますことは、NHKは今日マスコミの王座である。こわいのは国会だけだ。その国会も、まあ四日ぐらい審議して答弁をやっておけば、あとは天下太平である、こういうことでマスコミの王座である。ややもすると、NHKの実力を過信しがちになる。そこで大きな問題があったときに、場合によっては大蔵省あるいは外務省、そういうものに直接それぞれ折衝する、交渉するということがなきにしもあらずということが言えるんじゃないかということを、よそから見ておって感じる場合があるわけでありまして、それは確かにいまえらいことは間違いない、えらいわけでありますけれども、しかし何と申しましても、直接のこういう内部の問題についての監督をするという権限は、郵政省は持っておりませんけれども、やはり担当は郵政省でありますので、そういう点の対外折衝その他については、NHK独自でおやりになるのはけっこうでございますが、しかしながら、その間の連絡というものは、十分に郵政大臣と厳密な連絡をとりながら各方面とやるということを、私はぜひやっていただきたいと思う。そのことが、外から見ておりまして、きわめてスムーズにいく、また電波放送行政上から見ても望ましいことであるということが言えるわけであります。いまの前田会長は名会長でありますので、そういうことには絶対ならないと思いますけれども、親の心子知らずということになってはまずいわけでありますので、NHK全体が、この問題については、そういう考え方を頭に入れながら、NHK独自の動きはせられてもけっこうでありますけれども、ひとつ十分に、そういう点については、担当の郵政大臣とも緊密な連絡をとりながらやっていただきたいということを希望いたしますと同時に、この問題は、次の予算審議までにはぜひ解決をつけるように会長にも御努力を願いたい、こう思うわけでありますので、これに対する会長の御答弁を願っておきたいと思うわけです。
○前田参考人 全くお説のとおりでございまして、私どもといたしましても、過去においてもそのような方向で、また当然郵政大臣の所管のもとにあるNHKでございますので、連絡の完ぺきを期してまいりましたが、その間いろいろ手違いが多少あったことをもちろん私も率直に認めます。今後は、さらに一そう御趣旨に沿うて、郵政省並びに大臣との連絡を密にして、私どもも、この問題については、この次の予算編成までに一応の結末をつけたい、そして、それに対して最大の努力をいたしたい、このように考えております。
○森本委員 これはぜひ郵政省とNHKとが相協力して解決をつける方向でやっていただきたい。 それから、郵政省にも私は望んでおきたいと思いますが、郵政省にすれば、何かNHKはおれの監督下にあるというおごった気もなきにしもあらず、この辺は非常に微妙な人間的な問題になりますので、NHKと郵政省がお互いの独自の人格というものを尊重し合いながら、しかも法律に基づく連携というものを十分にやっていただきたくことを、私はこの際委員会で明確に郵政省とNHK当局に申し上げておきたいと思いますので、これは拳々服膺するように大臣からもよく下部機関には言っておいてもらいたい、こう思うわけであります。 それから、さらに次に進めていきたいと思いますが、これは会長がアジア放送連合の会長になっておりますが、ABUに対するNHKの現在の負担金は年間どの程度ですか。
○松井参考人 私からお答えいたします。 ことしはちょうど途中から発足いたしましたので、半年分の負担金を計上しております。したがって、NHKの負担金は三千二百五十ドルと申しますから、大体これを三百六十倍していただくと年間二百万円ちょっと余りになります。
○森本委員 このアジア放送連合の総体的な予算は年間どの程度ですか。
○松井参考人 一年間に直しますと、現在予想せられているのが大体千二、三百万円になるかと思います。
○森本委員 これはわかっていなければいいのですが、わかっておれば、ユーロビジョンあるいは東欧諸国のインタービジョンといいますか、ああいう組織の年間の予算はどの程度ですか。これは郵政省に聞きます。
○宮川政府委員 いまわかっておりませんので、調べてお答えいたします。
○森本委員 NHKでわかっておったら聞きたいのですが……。
○松井参考人 ただいま正確な数字はちょっと覚えておりません。
○森本委員 このアジア放送連合については、一応の事務局を持つということになろうと思いますが、大体どういう機構になるか。あるいはまた、このアジア放送連合と、さらにヨーロッパ放送連合というものの現在の機構については、どういう機構になっておるか。さらにまた、これが年間どの程度の予算になって、その年間予算がどの程度使われておるか。これはあとでけっこうでありますので、資料としてあとから御提出を願いたい、こう思うわけであります。 そこで、この際に聞いておきたいと思いますことは、南北アメリカの放送連盟というものはあるのじゃないですか。
○松井参考人 おっしゃるとおり、南北アメリカ放送連盟というのはございます。ところが、率直に申しますが、私どもも最初この放送連盟の性格はEBUとか、あるいはOIRTというのに近い性格じゃないかと思っておりましたが、いろいろと調べてみますと、どうもだいぶ性格が違うようでございまして、この会合の性格は、むしろEBUなり、あるいは今回われわれがつくり上げましたABUとは違って、いわば放送の広告代理業者と申しますか、そういう方々が中心となっておる機構であって、少し他の放送連合とは違った性格を持っておるというふうに今日私どもは承知しております。
○森本委員 もしそういうような性格の違いがあるにいたしましても、南北アメリカ放送連合というものを、現在のヨーロッパ放送連合なり、アジア放送連合のような形につくり上げるということは、私は必要な事項ではないか、こう思うわけであります。そういたしまして、要するに、できれば世界放送連合という形をとっていって、そして世界的に放送連合というものが一つのつながりを持っていくということが、やはり私は現在の段階において世界の平和にも役立っていくのではなかろうかというふうな気がするわけであります。 そこで、私は聞いておきたいと思いますことは、これは会長に聞きたいと思いますが、現在のアジア放送連合に対しては、日本の民間放送連盟はこれに入っておらないと思いますが、どうですか。
○前田参考人 現在のところはまだ入っておりません。しかしながら、昨年の十一月のシドニー総会の直後、私は民間放送の首脳経営陣に対して参加を要請いたしております。また、事務的には、憲章の内容、運営の方向、それからその参加のあり方、それを密接に連絡しながら御説明申し上げております。
○森本委員 日本とアメリカの放送というものはいろいろ似通っておるわけでありますが、ヨーロッパとはかなり違っておりますが、ただ日本のような民間放送とNHKが二本立てという場合は、やはり日本の放送を代表するということになりますと、NHKと民間放送両方ということになりますので、やはりその間は、会長としても、アジア放送連合の会長であると同時に、NHKの会長として、日本の放送界をまとめていくという方向に、私は御努力を願いたい、こう思うわけであります。 そこで、この中で共産圏諸国の問題はどうなっておりますか。
○前田参考人 アジア地域――アジア並びに実質的には、南太平洋地域でございますが、共産圏の問題については、ヨーロッパ放送連合その他の方針と歩調を一にいたしまして、世界通信連盟に入っている国に対しては、とりあえず加盟していただくという方向で進んでおります。
○森本委員 このアジア放送連合の中にアジアにおける共産圏諸国で入っていないという国はどこどこですか。
○松井参考人 お答えいたします。 現在アジア放送連合は、憲章の上においては何らそういう差別はいたしおりませんが、御承知のように、いわゆる共産圏の諸国は、すでにアジア放送連合の成立せられる以前において、いわゆるOIRTという一つの組織体を持っております。したがって、未組織なアジア諸国が参加して、いま設立された段階でございますので、現在のところいわゆる共産圏と称せられる国は入っておりません。
○森本委員 要するに、これは私もちょっとわかりませんが、インタービジョンというのは、東欧諸国だけじゃないのですか。北鮮その他もその中に入っているわけですか。
○松井参考人 インタービジョンと申しますのは、そのOIRT組織の中の、ことにヨーロッパにおいてマイクロでもってつながっておるテレビの特殊な地域のみの機構を申し上げるので、ちょうどEBUとユーロビジョンというような関係になっております。
○森本委員 そういたしますと、要するに北鮮、中央、そういうところの共産圏諸国との連絡をとるという方向は、世界放送連合の中に、その一つの機構がそれぞれ入っていくという形において連携をとっていく、こういうことになるわけですか。
○松井参考人 将来の世界放送連合の構想はどのような形がいいか。いろいろの形があろうと思われますが、いま森本先生がおっしゃいましたように、ともかく、さしあたりそれぞれの地域において組織していく。その組織というものを全般としてまとめていくというのが、組織としては一等やりやすい方向ではないかと思います。もしも、そういう形で進むといたしますと、一応共産圏の諸国はOIRTの組織のもとにおいてABUなりあるいはEBUと連絡をとる、こういう形が想像されると思います。
○森本委員 そういたしますと、結局これは、現在の段階においては、残念ながらアジア放送連合といっても、アジア地域そのものが入るということにはならぬのであって、やはり共産圏諸国については共産圏諸国でまとまり、さらに南北アメリカは南北アメリカでまとまり、ヨーロッパ放送連合という形になって、その上で世界放送連合という形でまとまっていく、こういうことになるわけですか。
○前田参考人 アジア放送連合の憲章によりますと、大体ほかの放送連合の正式メンバーはこれに正式メンバーとして加盟することができないことになっております。この方式はヨーロッパ放送連合あるいは東欧の放送連合、アフリカの放送連合、すべて同じでございます。したがいまして、私どもといたしましては、昨年十一月のシドニー総会の決議に従いまして、まず放送連合の事務総長会議を開き、続いて会長会議を開いて、この問題を具体的に処理していくという方針をきめております。
○森本委員 これはよほど考えないと、私が最初に言った世界の放送を通じて平和の方向に寄与するということが、逆にそれぞれ自由陣営と共産圏陣営との放送連合に分かれて、しかもそれが相互に競争する。場合によっては、ある程度敵対意識を持つという形になってまいりますと、こういう組織というものが、われわれの考えているものと逆方向になるおそれが多分にあるわけであります。だから、本来こういう機構をつくるとするならば、共産圏であろうが、中立国であろうが、自由主義陣営であろうが、すべて放送という一つの問題にからんで団結をしていくという形でなければ、ほんとうの意味の世界放送連合というものの意味がなくなってくるわけであります。 そこで、私が非常に心配いたしておりますことは、そのせっかく考えております、いわゆる国際的な組織というものが、逆に離れていく、敵対意識になるような形の放送連合というものは幾らやってもまずいものである。できるならば、世界全体の放送という一つの問題において結ばれていくという形をとってもらいたい。その方向に努力しなければ、要するに、自由主義陣営だけが固まる、あるいは共産圏陣営だけが固まる、こういうことであっては、本来の目的に反するのではないか。私はこういうふうに考えるわけでありますので、NHKとしては――これは日本の民間放送でもなし、また日本の政府の機関でもございません。NHKは日本の国民の放送であります。そういう観点からいくとするならば、こういう世界情勢の中にある放送連合というものに対する考え方は、会長としては、よほど慎重に運営をし、慎重にこういう政策については立案をやっていただきたい、こう考えるわけであります。 いまの国際情勢からして、私が言うように、簡単にはいかぬ、これはもうはっきりいたしております。そうかといって、簡単にいかぬからそれじゃこれだけでやる、一方は、これだけで固定をしてしまう、これが半永久的なものになるということを私はおそれるわけであります。そういう考え方からいくとするならば、アジア放送連合についても、いま少し問題を考えるべきではないかということが私は言えると思います。 たとえば、アジア放送連合というものは、共産圏であろうが、中立国であろうが、自由主義陣営であろうが、アジア地域のものが放送という形においてこれが連合体を持つんだ。要するに、ヨーロッパにおいては、ヨーロッパ放送連合とかインタービジョンとかいうことでなしに、東欧諸国も含めてヨーロッパ地域のヨーロッパ放送連合、アフリカにおける、たとえばそれは自由主義陣営であろうが、共産主義陣営であろうが、コンゴであろうが、すべてアフリカ地域の一つの放送連合、南アメリカなら南アメリカの放送連合、そういう地域地域の放送連合ができて、その上に世界放送連合という形になりますと、いまの国際的な政治情勢とは別個に、世界が放送において一つに結ばれるという形になるわけです。ところが、いまのこういうアジア放送連合、あるいはまたヨーロッパ放送連合という傾向を見ておりますと、逆にそれが固定化されていくという形になる。だから、それを何とかいわばITUのような形の方向にまとめるように努力をすべきではないか。これは会長も十分に認識をしておられると思いますが、この点は、会長自身としても、慎重に考えながら進んでいってもらいたい、こう思うわけでありまして、その点についての会長の見解を聞いておきたいと思うわけです。
○前田参考人 全くお説のとおりでありまして、私の考え方は、放送というものだけを目標として、政治的なあるいは国家組織の差異、そういうもの、並びに地域的な国民感情の差異というものを、放送を通じてなくしてまいりたいというのが私の考え方でございます。この考え方は、昨年以来すでにヨーロッパ放送連合の首脳部並びにソビエトの首脳部、東欧連合の首脳部と私は話し合いを続けております。また南北アメリカに対しても、私は昨年以来、ことにシドニーの会議では、北米、カナダ、その他の首脳部とも話し合いを続けております。そうして申し上げ得ることは、各地域における放送事業者の最も権威ある方々、並びにそれを包含する地域的放送連合の首脳部は、私どもと全く見解を一つにしております。したがいまして、私どもの最終の目標はお説のところにあるのでありまして、ただ地域ごとの政治的情勢、あるいは土壌の成熟度に応じまして、この理想的な世界放送連合をつくり上げるためには、なお時間的にもかなりの時間を要するのではないか。この時間の克服のためには、少なくとも世界の責任ある放送連合の首脳部が、お互いに論じ合って、その打開の道を講ずべきである。その第一回の方法をできればことしじゅうにとりたいというのが、アジア放送連合会長としての私の考え方であります。最終目標においては全く賛成と同感でございます。
○森本委員 いまの答弁ではっきりいたしましたので、次に移りたいと思いますが、ただ、私は、こういう問題は、人間の集団でありますから、これは政党でも、あるいは一般のものでも一緒ですけれども、一つのものにかたまって協議をしておりますと、だんだんその一つのものにかたまってしまって、やはり対抗意識ができるということになるのであって、そういう敵対意識、対抗意識という方向に、ややもすると持っていくというときには、き然として、これはだめだ、やはり放送というものは、いま会長が言った趣旨によって、世界的につながっていかなければならぬ、こういうブレーキをかけるときのいわゆるチャンス、あるいは時期というものも十分に考えてやってもらいたい。これが一つのかたまりになってずるずるとなっていくという形にならないように、私はこの前途を、ひとつ会長が言われましたように、長い目で見てまいりたい、こう思いますので、くれぐれも御努力を願いたい、こう思うわけであります。 それから、次に聞いておきたいと思いますことは、これはこまかい問題でございますけれども、今年、テレビ共同受信施設に対する助成計画、さらにまた、モニター制度というようなものをいろいろ資料でいただきましたが、この中でちょっと私がふしぎに思うのは、二九ページの全中テレビ番組モニターというのは、どういうぐあいにやっておりますか。
○春日参考人 モニターは御承知のように、三カ月ごとに、NHKのラジオ、テレビの番組を聞いて、それについての批判なり意見なりを寄せることをしていただける方々を募集いたしまして、その方々に、あなたは全国中継のこの番組とこの番組、あなたはこの番組とこの番組というふうに、一日約一時間ないし一時間半くらいの平均で分担をしていただいて、その聞いた結果を毎日毎日手紙で報告さして取り寄せまして、それを一日ごとに集計したものを番組制作者に配るという形でございますので、御指摘の全中の場合もローカルの場合も、モニターとしてのあり方は同じでございます。
○森本委員 この委嘱するところの人は、どういう形で委嘱するわけですか。
○春日参考人 ただいま御説明いたしましたように、あるいは家庭の主婦あり、あるいは学生あり、あるいはもうすでに仕事を離れて家でゆうゆう自適している方あり、いろいろの方々にお願いするわけでありますが、お願いの方法としては、ただいま申しましたように、あなたさまは科学番組のこれとこれ、あなたさまは夜のドラマのこれとこれをお聞き願いたい、そのかわり、その番組の分担料といたしまして月に五千円とか七千円とか手当を差し上げます。そのほかに、毎日通信していただく通信費はNHKのほうで負担しますというふうな形のお願いでございます。
○森本委員 そういうモニターの選び方もいいと思いますが、もう一つ、これは無差別の抽出方法といいますか、そういう方法でやることも考えてみたらどうですか。要するに、いま言ったように、学生、家庭の主婦、こういうふうに選ぶということはもっともでありますけれども、その選び方によっては、これは非常に違ってくるわけであります。ところが、一番はっきりするのは、無差別の抽出制度でやれば、これはもう人為的なものが入らないわけであります。たとえばそれぞれの地方放送局で委嘱しようと思うときに、どうも森本の奥さんにやらせたらNHKは悪くなるからだめだ、こういうことで、あの奥さんにということがやれるわけであります、このモニター制度であるならば。その場合、無差別の抽出なら抽出、でやればいい、こういうことになるわけでありますが、その辺、おたくのほうの番組ということで、その番組に応じたそれぞれのモニターの制度でございますので、それぞれの職業分野を分けるということはけっこうでありますけれども、分けた職業分野の中から無差別に抽出するという形をとったほうが、もっと公平にいくのではなかろうかというふうに考えるのですが、どうですか。
○春日参考人 御指摘の点の長所もあろうかと存じますが、モニターの場合には、ただいま申し上げましたように、一日に一時間半とか二時間とか相当の時間の労働をしていただくので、やはり御本人の承諾を当然得なければならないと思います。それと同時に、無差別はなかなかむずかしゅうございますが、モニターをしてみたいという方がたくさんございますので、その中で、いま申しましたように、あまり長期間お一人の人にお願いしますと、一つの傾向といったようなこともありますので、同じ主婦、同じ学生の中でも、三カ月ごとにやってみたいという候補者の中からできるだけ違った思想の方に委嘱することにいたしております。それ以上、先生の御指摘のような無差別のやり方ということも当然検討いたしてみたいと思いますが、そこまでまいりますと、別の文化研究所の視聴調査とか世論調査とかいうことのほうに、もっとそういうふうな長所が、無差別の場合には出てくるのではなかろうか、こんなことも考えられるわけであります。
○森本委員 そういう点、これはひとつ十分に研究していただきたい、こう思います。それは研究課題として、予算審議のときにまた聞きたいと思いますので、ひとつ検討を願っておきたいと思います。 そこで、ただいま総局長が答弁に立ちましたので、総局長に聞いてみたいと思いますが、それは、この四〇ページの代表的テレビドラマ番組制作経費の一回あたり平均額、この資料によって初めてここの各委員は、ははん、「花の生涯」は二百十六万円かということがわかったわけでありますが、ただ、しかし、これで見てみると、これは一般の週刊誌がいっておる金額を見た場合に、非常に安いのではないかという気がするわけでありますが、これは実際の制作経費ですか。
○春日参考人 この経費は、実際の制作経費でございます。内容といたしましては、原稿料、それからそれの脚色料、それから出演者の出演謝金、それから大道具、小道具というふうな美術費、そういった内接制作費を全部寄せた一本当たりの直接経費でございます。
○森本委員 これをたとえば「太閤記」なら「太閤記」を今後行なうということをきめる場合には、どういうふうな順序を追ってきめますか。
○春日参考人 通常の番組は、芸能ものの「太閤記」でありましたなら芸能局、それから教養番組でございましたら教育局、それぞれの担当の局がございます。一応はその番組全部その局の局長の責任において決定いたすわけでございますが、同時に、総局長といたしましては、その番組を最後的に放送にのっける、スケジュールにのっけるということをきめます場合には、毎週一回、関係局長が全部集まりました国内放送番組委員会というものを通して決定することにいたしております。 それから、実際上年間を通じて五十二回やるいわゆるかなり大きな、金もかかる手間もかかる番組を決定いたします場合には、そういった正規の手続にかけます場合には、たくさんの候補作品の中から、私自身までも相談に参画して、いま言ったような番組の候補をきめるという手伝いを現在いたしておりますが、手続的には、国内放送番組委員会で最終的に決定いたします。一応そういたしまして、オーディション、つまり放送にのっけるかどうかという番組をつくりました場合に、大きな番組につきましては、理事会のオーディションも受けるというふうな考慮を払っております。
○森本委員 そういたしますと、この芸能局の機構というものが具体的にこういうふうな大きな番組をつくるという場合には、一体それを企画する場合には、どの程度の人までが参画するわけですか。
○春日参考人 現在の芸能局の機構といたしましては、企画部というものがありまして、それから第一、第二の二つの制作部がございます。それから演出室、こうなっております。したがいまして、いまの御指摘のかなり大きな番組をきめます場合には、芸能局の局長、次長、企画部長、それから企画部の副部長、それから提案者を含めたそういうふうな部内会議をいたしまして、それではこの企画を取り上げようという一応の決定をする手続をとっております。
○森本委員 その企画を取り上げて、そこから先の演出その他についてはだれが責任を持っていくわけですか。
○春日参考人 その企画を取り上げまして、これを番組に移そうという場合には、今度は、芸能局長が制作部の第一制作なり第二制作なりにそれをおろすわけであります。それから、第一制作、第二制作では、その企画の方針にのっとって、出演者をきめたりあるいは台本の内容を決定いたしまして、今度は演出のほうの責任者に移します。そして演出の責任者は、それではこの番組は春日なら春日という演出者に演出させようというふうな決定を経るわけであります。
○森本委員 そうすると出演者その他の決定については部長段階ですか。
○春日参考人 大きな番組につきましては、おもな出演者につきましては局長段階できめるようにいたしております。
○森本委員 それはどの程度ですか。大体ここに出ておるような代表的なものだけは局長でやり、あとの三十分なり四十分ぐらいのドラマというものは制作部のほうでやる、こういうことですか。
○春日参考人 いまの機構では、ドラマでも何でも、すべて番組の企画を要するものは全部企画のほうできめるという形をとっておりますから、制作に移します場合には、それの実施段階、この本でこういった出演者でというふうな指示がついて制作に回るわけであります。
○森本委員 そうすると、芸能局の企画のほうですべて企画立案をする、あとは結局制作部のほうでそのとおりやっていく、こういうことになるわけですか。
○春日参考人 企画のことでございますから、たとえば局長を中心にした企画会議で、これを主役にしようと思っても、その人は出演できないというふうな場合もございますので、その場合は、一々やはりおも立った出演者については仕事が返ってくるわけです。それでさらに相談して、それではこれというふうな順序を経るわけであります。
○森本委員 いや、だから私が聞いておるのは、そういうこまかい問題でなしに、最終的にそういうふうなものをきめる場合には、結局企画部で立案をして、それが局長決裁によってきまる、こういうことになるわけですか。
○春日参考人 さようでございます。
○森本委員 そういたしますと、こういう関係の最終的な総責任者は芸能局長ということになるわけですね。
○春日参考人 一つ芸能番組を制作する最後の責任者は芸能局長でございます。しかし。総局長といたしましては、それを何時の時間にのっけるのが適当かとか、あるいはそういうものが出てきたけれども、これはNHKの放送としてどうだというふうな価値判断をすることによって、電波にのっけて最終的にその責任をとるわけでございます。
○森本委員 そうすると、こういう番組の問題については、もう総局長から上はいかないんだね。
○春日参考人 先ほど御説明の過程で申し上げましたように、年間を通じての夜の非常に聴視率の高いようなところの場合には、現実に「太閤記」の場合も、「赤穂浪士」の場合も、私自身は会長、副会長にもお話しを申し上げ、あるいはオーディション版を理事会のメンバーに見ていただくというふうな慎重な考慮を払っております。
○森本委員 だから、その辺のことのきめ方が、どの辺で線を引いておるかですね。
○前田参考人 番組制作の最高責任者は当然私でございます。したがいまして、いま総局長の御説明で申し上げたのは事務的段階を御説明申し上げたわけでありますが、現在の機構は総局の中にいわゆる事業部制という考え方をとった各制作局がございます。その一つが芸能局であり、したがって、年間予算を責任ある運営をするために芸能局が一応の年間の企画を立てるわけでございます。したがって、その限りにおいては、芸能局の中の芸能局長を最高責任者とするそれぞれの手続をとるわけでありますが、同時に、この内容とも関連して、総局がその下にある事業部制というたてまえでつくっている制作各局に対して、これを調整し、指導する権限を持つわけであります。同時に、会長は、総局長を含めて制作局の各局長との会議を一カ月一回でございますが開いております。そうしてただいま御指摘のような番組につきましては、これは理事会でも視聴いたしまして、原制作局ないし放送総局の最終決定に対しても、私どもといたしましては、理事会という形でその変更あるいは修正を要望することもございます。現在実施中の「太閤記」についても、その方法をとって最終決定をいたした次第でございます。
○森本委員 時間がありませんので、これはいつかまた日をあらためてこまかく質問いたしたいと思いますが、どうも私はこの芸能局関係の指揮命令系統というものが――私はしろうとでありますから、普通の業務関係についての指揮命令系統というものは常識で判断してわかりますけれども、こういう芸能関係における指揮命令系統というものが一体どうなっておるのだろうか、だれが責任者で、その下のだれに命令をして、だれが一体具体的にどうなっておるかということを、いろいろ研究をしてみましたけれども、なかなかこれはわかりません。わかりにくいようになっておるかどうか知りませんけれども、いずれにいたしましても、その指揮命令系統というものをはっきりつかみたい。と申しますのは、これは前に何か妙な事件があって一つの問題が起こったというようなこともありますし、また週刊誌その他でも、いろいろおもしろ半分に書かれたということもあった。私はそういうことは絶対にないと信頼をしておるわけでありますけれども、要はやはりこういう問題の指揮命令系統、責任の所在というものが、それぞれの段階において明らかにならなければならぬというふうに考えるわけでありますが、私の想像するところでは、こういうふうな芸能関係の問題については、ややもすると業務系統の指揮命令系統とはなかなか技術的に同じような形でいかぬのではないか。そこに一つのいわゆるブランクがあるのではないかということが想像されるわけであります。いずれ日をあらためてこれは聞きたいと思いますが、こういうふうな指揮命令系統についても、普通の業務系統の指揮命令系統とは同じようにいかないと思いますけれども、それぞれの分野においてそれぞれの責任の問題を明らかにしていく。ここから先はこの人の責任だ、ここから先はこの人の責任だ、全部の責任はここにあるのだ、というところの責任の所在の分野というものを明確にしていくように心がけてもらいたい。現在でもそういうふうにやっておられる、こう思いますけれども、いろいろ世評がありますので、その点を老婆心ながら言ったわけであります。 そこで、会長がいまそういう答弁をせられましたのでこの芸能局の問題についてはこれでおきまして、機構改革の問題であります。これは必要に応じて今度の機構改革をやったと思いますが、おそらく今度の機構改革を見まして、NHKの指揮命令系統が末端まではたしてどういうふうになっておるかということが一目瞭然にわかるという逓信委員会の委員の人は少ないのではないか。この間まで第一経営と言っておったのが今度は総務になった。えらくなったのかどうなのかわからない。しかも第一経営から第二経営、第三経営というものがいつの間にかなくなっておるということで、こう再々機構改革をやられたのでは、部内の人でさえ、――この間私はあるNHKの人に会ったところが、上のほうのことは私にはわからぬ、くるくる変わる、こういうことで、NHKの内部の人においてすら、一体総務がどんな仕事をしてどういうふうにえらいのか、総務のほうがえらいのか、局長のほうがえらいのかわからぬ、こういうことがあるわけでありまして、これははっきり私は会長に言っておきたいと思いますが、官庁なんかでありますと、設置法に基づいて機構改革というものはやらなければならぬわけであります。法律に基づいて機構改革はやるようになっておるわけであります。もっともNHKというものは、現業部門であって、マスコミでありますから、そういうふうに一々固苦しいことを言ってはならぬ、これはやはりそのときの情勢に応じて仕事がやりやすいように機構というものを変えていくということは考えられます。考えられますけれども、あまり根本的にそう再々機構というものはいじるべきものではない。ある一つの機構というものを何カ年計画に合わせて、NHKはこういう機構でいくのだときめたならば、細部については、こまかい何課をどうする、かに課をどうするということは、これを再々いじくってもいいけれども、根本の重要な問題をそう再々いじくるべきではない。あと一年で変えなければならぬということになったとするならば、最初の計画が間違っておったということになるのではなかろうか、こう考えるわけでありまして、前の第一経営になったとき、第二経営になったときも、これはまた覚えるのに一苦労するわいと思っておったら、今度また変えてしまったということで――これはおもしろ半分に変えておるわけではないというふうに私は信じますけれども、根本的な機構の改革というものはそう簡単にやるものではない。細部における末端の各課を統廃合するとかいうことは別として、ひとつこのことは会長もよく御承知だろうと思いますが、この機構改革については、必要があってやったのであろう、こう思いますけれども、こういう機構改革等の問題について会長の御意見をひとつ聞いておきたい、こう思うわけです。
○前田参考人 今回の機構改革は、第一次五カ年計画、それから現在御審議をいただいております第二次六カ年計画の第四年度目の予算の実行、事業の内容、それに応じて行なった改革の一つでございます。したがいまして、従来約七年間に大きな改革は三回いたしておりますが、今回はその三回目でございます。簡単に申しまして、改革の方向は第二次六カ年計画の最終目標に従って、最終的には、最も合理的、最も集中化された機構に改めていきたい、こういう考え方で、その次元において必要な限度において、まだまだ必要不可欠であるという認識の上に立って改革を行なうわけでございます。私どものほうは、お説のとおり官庁でございませんので、放送法の命ずるところによりまして、この機構改革はすべて経営委員会の議決を経て行なっております。今回の改革は大体足かけ四年目の改革にあたります。したがいまして、率直に私どもの立場から見ますと、朝令暮改でないという考え方を持っております。 それでは一体なぜ今回あのような改正をしたかと申しますと、第二次六カ年計画の事業遂行の大きな眼目は、いままで社会的要請あるいは技術の発展によってふえてきた事業の内容を、経営の面から組織化し、これを合理化し、さらに将来の経済の動向、あるいはまた聴視料の将来の動向などを見きわめながら、できるだけむだを省いて、そうして全協会が真に一体となって、最終目標である昭和四十二年度末の事業目標を達成するというところに主眼を置いております。 その主眼の中の一つは、事務の機械化でございまして、この事跡の機械化は、第二次六カ年計画の最大目標の一つでございますが、これは今年度の予算御審議の際にも御検討いただきましたが、いわゆる全国組織の事務の機械化がようやく昨年四月からスタートを切りまして、その間オリンピックという問題があって、臨時組織がかなり幾つか出たわけでございますが、これがこれまでおおよそ一年に満たないものではございますが、その機械化の成果をはかり、さらに臨時組織の不必要性ということをも勘案し、第二次六カ年計画の最終目標である経営機構の集中合理化という線に沿って今回の一月二十七日の修正をいたしたわけでございます。 この修正の主眼点は、まず第一に集中化していくというところにありますので、御指摘の従来経営第一、第二、第三、第四、それに人事、生計、それと機械化の部分、これを今度は集中化いたしまして、これを合理的にかつ上下左右の連絡が一そう緊密化できるという考え方のもとにこれを一まとめにして、簡単に申し上げますと、総合企画室というものができたわけでございます。 それから、先ほど番組の問題についても御質問をいただきましたが、たとえば芸能局などの問題については、これまで七年間、私どもといたしましても、これを合理化し、また同時に、番組制作の能力の発揮と新しいアイデアの発見、これをどうすれば成就できるかという考え方を持って研究を続けたわけでありますが、今回初めて一月二十七日の改革によって、従来とは全く体質的には改善された、少なくとも私はそう考えておりますが、従来ですと、簡単に申しまして、いろいろな音楽部門、あるいはドラマ部門、あるいは邦楽部門といったように、非常にたくさんに分かれていたものを、今度は非常に簡素化いたしまして、企画と第一制作と第二制作と演出という形に踏み切ったわけでございます。 それから、もう一つ大きな改革は、従来加入という関係が聴視者との結びつきで、簡単に申しまして、いわゆる従来指摘されたNHKの官僚性というからを形の上で踏み抜けることが困難であるという、私自身は結論に達しまして、したがって、技術の担当であった受信機の相談であるとか、あるいは料金の徴収、さらに聴視者に対するサービスを一そう徹底させるために、これを営業局という形に改めまして、各部局にわたって散在していたものを、ことごとくこれに集中するという考え方をとったわけであります。 結論的に申し上げますならば、第一次、第二次長期計画に沿う改革でありまして、第一次長期計画の場合にはラジオとテレビを一つにするという考え方で改革し、今回はさらに膨大化した仕事の内容を集中的に合理化する、その段階として行なった改革でございます。
○森本委員 まあ会長の堂々たる説明でわかりましたが、しかし、芸能局を改正したとか営業局にしたとかいうことは、私はよくわかります。これはその時点においてそういうことが言えると思います。しかし、第一経営から第四経営というものをこしらえたときには、これはやはり企画室という考え方で第一経営から第四経営にしたと思います。だから、最初からそういうことでいかぬということなら、あのときに総合企画室にすれば問題がない。営業局とか芸能局を改正したということは、いまの時点において改正しなければならぬということで、これは私はよくわかります。だけれども、あの第一経営から第四経営になったときに、一体何でこんなことをしたのだということを私が聞いたところが、いや、それぞれこれは現業と企画ということを分けまして、第一経営から第四経営にいたしましたということで、あのときには答弁があったわけです。なるほどそれはよかろうと思っておったところが、今度は総合企画室にしなければならぬ。はっきり言うと、やっておることは同じです。だから、あなたがやったことを全部が全部いかぬとは言っておりません、営業局というのはなかなかいい考え方です、アイデアとして。これは私は確かにそういうことでいいと思いますが、ただ、この機構改革の問題については、ひとつ十分に慎重にやっていただきたいということをお願いしておきたい。二度改革をしたら末端の営業局とか芸能局をいまの事態に合うように改正するとかいうのは、私はけっこうだと思います。しかし、一番の中枢機関を変えるということになりますと、これはかなり慎重を要するということを私は言いたいのでありますが、会長の答弁で、まあ大体わかりましたけれども、それでも一〇〇%会長が言ったことを了承するというわけにはいかぬということを私は言っておきたい、こう思うわけです。 大臣がちょっと出られるようでありますので、それでは大臣にあと一つ、あることがありますので聞いておきたいと思いますが、それはきのうも同僚上林山委員から質問がありました例の十二チャンネルの問題であります。この十二チャンネルの問題については、これの発足する当時から相当問題があったということは事実でありますし、また現に、経営が非常に不振状態にあるということも明らかであります。そこで、十二チャンネルの問題については、巷間うわさを聞きますと、いまの東京十二チャンネルではなかなかむずかしいので、大阪やあるいは名古屋にもあれと同じようなものを許可してもらいたいというふうな意見もあるやに聞いておりますけれども、私はいまの十二チャンネルのあり方については、そういうことで大阪や名古屋にそれ以上許可をしても、根本的に解決はつけ得る問題ではない。単にそういうキー局だけをつくってみたところで、ああいう科学教育番組というものは、要するに採算的に成り立っていくものではないというふうに考えておるわけであります。特に科学教育番組を重点にして科学技術振興でやるというものが、あの「縦ノ木は残った」というふうな膨大な「赤穂浪士」とか「太閤記」に匹敵するような番組をつくって、それで黒字になろうなんて考え方が私はどうかしていると思う。科学技術振興財団があれを申請したときには、日本の科学教育あるいは科学技術振興のために資するところの十二チャンネルであるということによってやったわけであります。問題は、あの十二チャンネルというものを、ほんとうに科学技術振興の番組にこれを改革して、そしてあれが立っていこうとするならば、これは大阪とか名古屋とかいうところにそういうキーステーションをこしらえるということでなしに、全国それぞれに十二チャンネルの中継所をつくっていかなければ無意味である。そこで、要するに人員を合理化し、あるいは業務の内容というもの、経営の方法をもうちょっと慎重に考えながら、全国の各都道府県に対して、それぞれ親局でなしにこの十二チャンネルの中継所をつくっていくという形にすれば、ある程度科学技術振興のやり方で私はペイしていくのではないかというふうに考えるわけでありますけれども、これはいずれUのチャンネルプランを考えるときに、そういうことを考えていかなければならぬ問題であるというふうに私は考えておるわけであります。あるいはまた、場合によっては、これはNHKがきらうかもしれませんけれども、いまのNHKの教育テレビというものは、大体これは普通高校、あるいはそういうところの教育テレビ、あるいはまた語学その他についてはやっておりますけれども、ある特定の工業学校とか、あるいは技術専門学校というようなもののいわゆる教育テレビというものは、いまだにNHKの教育テレビがやれる段階ではありません。そういうことを考えた場合に、第三的にNHK以外のいわゆる教育テレビというものを専門的に全国に持つということを考えてもいい時期ではないか。ただ、その場合に、財源をどうするかということがこの十二チャンネルの場合に考えられるわけであります。 しかし、私がいま申しましたようなことを根本的に検討し直してみるとするならば、これは相当私はペイすることも考えられるわけであります。そこで大臣にこの十二チャンネルの問題を再検討すると同時に、私は教育テレビ専門のそういうふうな第三的な教育放送局というふうなものをこの際考えていっていいのではないかというふうに考えておるわけでありますが、そういう点についての大臣の見解を聞いておきたい、こう思うわけです。
○徳安国務大臣 十二チャンネルにつきましては、巷間いろいろな批判もございまするし、私どもも注意深くこれを見守っておったわけでございますが、いよいよ再免許の時期になってまいりましたので、いずれにいたしましても、この際を切りにして、その再建というもの、あるいは再免許というものをあわせて考えていかねばならぬ時期になってまいりました。 そこで、いろいろとうわさと申しますか、あるいは希望的観測でございますか、方々に働きかけもあるようなことも承りますし、ただいま大阪等の問題もお話を承りましたが、しかし、私どものほうではまだそういうことは何ら具体的な話はございませんが、いずれにいたしましても、この問題は、速急に解決しなくちゃならぬ問題でございますので、ただいま当事者に対しまして厳重な話をいたしまして、将来の見通し等につきまして再建計画等も提出を求めております。私どもといたしましても、それを検討するに際しまして、ただいま御意見のようなことを十二分に参酌いたしまして、再免許の併置に踏み切りたいと考えております。御意見は十分御意見として承っておきますから、そういう点を参酌しながら、十二チャンネルの今後の処置に対しては善処いたしたいと考えております。
○森本委員 これは、はっきり言いますと、私の意見をいま参酌しても六月の再免許には間に合わぬですよ。私のいま言っていることは、日本の放送行政に対して根本的な改革を加えるという一つの大きな意見でありますから、六月の再免許には間に合わぬです。だが六月の再免許を一応やってしまったならば、これはまた三年間というものは、どうしようがこうしようが、こっちから言うのはどうにもならぬわけです。そこでこの十二チャンネルの問題については、私は軽々にこの再免許というものを考えるべきではないと思う。やはりそういう科学技術振興の教育放送というものは、今後いかにあるべきであるか、全国的にどうすべきであるか、そういう点については、NHKの教育テレビとも勘案をしながら、どういう方向においてこれを生かしていくべきかということを根本的に検討して、考えていかなければならないと思うのです。 そうなってまいりますと、臨時放送調査会の答申に基づいて今後の放送法の改正をどうすべきであるかということと同時に、全国のいわゆるUのチャンネルプランともこれは関連をしてくるわけであります。そこで私が言いたいのは、今度十二チャンネルのかりに再免許の際に、全部ひとつそういう形において免許をしたならば、今後そういう放送の基本的な問題を立案し計画をしたところで、それが実現できないことになるわけです。 そこで、具体的な方法を明確に言うとするならば、再免許の時期が六月に来ておりまするから、いま直ちにこれを廃止するわけにはいかぬから、かりに免許するにいたしましても、あと一年なら一年という条件つきの免許ということが出てこなければ、今後の放送行政全般にわたって大臣が計画立案するということは不可能になるわけでありますから、そういう限定をするところのいわゆる再免許ということができ得るかどうか、そういう問題を大臣に私は聞いておきたい。とりあえず六月の再免許の時期が迫ってきておるわけでありますから、その再免許はしなければならないけれども、その六月の再免許の際に、恒久的な免許をするということになるとするならば、大臣が幾ら放送法の改正、さらに日本の放送行政全般について基本的な政策をつくりましても、それが直ちに実現をする方向には向かない。そういうことを考えた場合に、そうかといっていまやっておるものをつぶすわけにはいかぬ、再免許の時期には再免許の問題についてやらなければならない、これがある程度再免許をしなければならないとするならば、いま私が申しましたように、ある程度放送法の改正と放送の基本的な行政政策を立案する過程を考えながら、ある一定の時期を限って、限定免許をするということもあり得るわけでありますが、そういうことをやる意志があるかどうか。そうでないと、ただ、まあまあ再建計画でこれならやっていけるだろうということで免許をおろしたとするならば、これはもう三年間は取り消すことはできぬわけでしょう。その辺のポイントを大臣にちょっと聞いておきたいと思うわけです。
○徳安国務大臣 もちろん現行法によりまして免許をするわけでございますから、新しい修正あるいは改正された法律によるわけではございません。でございますから、そこに一定の限度があるわけでございますが、郵政省といたしましては、今後の放送のあり方、テレビ、ラジオのあり方につきましては、十分いま検討しておりますので、その線に沿うて再免許ももちろんこれを行なうべきであると思います。したがって、法律はございませんでも、将来かくあるべしという一つの案にマッチするような形で持っていきたいという考え方は、ただいま十分考えておるわけでございます。 そこで、それにマッチするためには、多少の時間が必要であり、また、いまのような暫定免許の必要もあるということでございますれば、これは省令を改正いたしますれば一年とか二年とかの期間に短縮しての免許もできるそうでございますから、そういうことを勘案しながら善処いたします。
○森本委員 わかりました。いまの大臣の答弁は、これは非常に意味のある答弁でありますので、今後この問題は、いま大臣が答弁せられたことを郵政省としては十分に勘案をしながら考えてやってもらいたい。そのことが日本の放送行政全般にとってプラスになるようにひとつ考えていってもらいたいということを、私はこの際強く申し上げておきたいと思いますし、いま大臣が言いましたように、これは法律改正でなくして、省令改正によって三年を一年ということにやれる、こういうことになるわけでありますから、この問題はひとつ慎重に、いまの質疑応答を考えながらやっていただきたい。事務当局としても、ゆめゆめおろそかにしないようにひとつやってもらいたい。電波監理局長からこの際これに対する見解をちょっと聞いておきたいと思うわけです。
○宮川政府委員 ただいまの御趣旨、ゆめゆめおろそかにいたしません。
○森本委員 えらい簡単に言ったが、内容ははっきりしておるので、それで大体いいわけであります。 それから次に、きのう同僚片島委員がNHKの職長の給与問題を聞いたところが、担当の栃沢専務のほうから、一〇%くらい低い、こんな低いことでどうするかということで、それに対しましては、十分に努力するという回答があったように聞いておりますので、この項については私はこれ以上触れませんけれども、やはり関連産業とNHKの従業員の間に差がある程度あるということは、志気にも影響いたしますので、そういう点は十分に今後考えていってもらいたいということと、さらにこの予算総則にありますところの弾力条項の特別の支給という項は、今後のNHKの予算を見た場合には、副会長がきのうも答弁しましたように、収入がある程度鈍化状態にきておりますから、ややともしますとこの弾力条項を発動することが非常に困難な状態になってくるということは事実であります。そういう点を考えた場合には、それぞれの従業員の給与措置については、よけいにきちんと年間予算の中に組んでいくという形をとらなければならぬということになってくるわけであります。給与の問題さらに弾力条項が従来のように簡単にやれないという財政的な規模になりつつありますので、弾力条項の適正なる運営と、給与を適正な水準に持っていかなければならぬという点については、今後十分に考えていってもらいたいと思います。これに対する会長の見解を聞いておきたいと思います。
○前田参考人 全くお説のとおりでございまして、私どもといたしましても、あらゆる知能を傾けて、従業員の待遇改善には善処してまいりたい、このように考えております。
○森本委員 次に、職員訓練計画と業務合理化計画等についてもお聞きしたいと思いますけれども、時間がありませんので、これは私も十分に研究いたしたいと思いますから、NHKの職員訓練計画の年間計画と、業務の合理化の年間計画について、後ほど資料で御提出を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○前田参考人 さようさしていただきます。
○森本委員 次に、今度の再免許のときに、やはり問題になりますことは、今日、中波放送が外国の混信が非常にあるわけでありますが、六月の再免許の際に、中波放送の外国の混信対策というものを一体どういうふうに考えておられるのか、ちょっと聞いておきたいと思います。
○宮川政府委員 御指摘のとおり、中波の問題につきましては、外国から非常に混信を受けておりますので、チャンネルプランを変更して、その影響をなるたけ少なくするようなやり方を常にしていかなければならないと思っております。今度の再免許も一つのいい時期でございますので、その時期に考えることにいたしたいということで、いま作業を進めております。
○森本委員 再免許のときに何ぼ考えても、中波放送の波には限度があるわけでありますので、それぞれの配置がえによってある程度の外国混信の防止をやっても、あなたも御承知のとおり一つの限度があるわけです。だから、中波放送の混信のひどいところは、場合によってはFM放送に切りかえるとか、そういう点も考えていかなければならぬ時期ではないか。本来ならば放送法の改正案を今度の国会に提出をして、それが通って、それに基づいて放送の基本的な計画を出して、そして六月の再免許をやるということが妥当なんです。ところが、はっきり言うと、これは政府並びに郵政省当局の職務怠慢によってできないことになったわけです。だからそうなってくると、外国の混信対策についても、あなたが言うように、単に中波の波の置きかえだけでは根本的に解決がつかないという段階にきておる。だから、その場合に、FM放送と中波放送との関連をどうするか、こういうことを聞いているわけでありますけれども、事務当局のあなたに聞いたってわからぬ。だから政務次官に、これについては政治的に一体どうするつもりであるかということを大臣代理として聞いておきたいと思うのです。
○服部政府委員 十分御意見を参考にして検討させていただきたいと思います。
○森本委員 もう聞くのはやめました。六月といえばすぐでありますから、十分に私の質問の意のあるところを研究しながらやっていってもらいたい。 それに関連をいたしまして、例の関東の広域圏の中波放送については去年から問題になっておるわけであります。これについては、NHKとしても三十九年度の予算に三十八年度から繰り越しになっておるわけであります。そこでこの問題がいまだに解決がついていない、こういうことになるわけでありますが、私はあえて中波放送のみを固執はいたしません。現実にその地方の人々にローカルの放送が聞ければいいわけでありますから、今日の段階になった場合に、中波がどうしてもだめであるということであるとするならば、そのかわりにFMの実験放送をこの地域に許可をするというやり方もあるわけであります。そういう方向で郵政当局はやられるのかどうか、これを聞いておきたいと思うわけです。
○宮川政府委員 確かに先生の御指摘のとおり、中波がまことに現在波の混信のために少なくなっておりますので、新しいローカル放送をいたすためにはFMを使わなければならないわけでございます。いま政務次官からお答えいたしましたように、FM、中波の問題については目下検討中でございますが、しかしながら、その方向は先生のおっしゃるとおりでございます。来年度のNHKの予算の中のFM放送の項の中におきましても、県域を一応候補局という形で置きまして、その線に沿ってできるだけ早い機会にその実現方をはかりたい、こういうふうに考えております。
○森本委員 NHK当局はそれでいいのですか。会長に聞いておきます。
○前田参考人 私どもといたしましては、過去二回の御審議を通じて中波がほしいということを申し述べてきたことは御承知のとおりでございますが、客観的に技術的に波の問題は国全体の問題でございますので、私どもも、その点については、実際上の見地に立ってこの問題を処理してまいりたいという考え方を持っております。
○森本委員 実際問題について処理したいという会長の答弁、局長の答弁、大体答弁を聞いておりますと、ようやく両者の意見が似通ってきつつあるわけであります。そういうことで一番喜ぶのは地域の住民でありますから、そのためには一日も早く解決をつけて置局をしていただきたい。中波がどうしてもだめならFMでもしかたがないから、とにかくローカルの地域局を置くということをひとつ早急にやっていただきたい。来年の予算の審議のときに、いやどうも考えましたけれどもその後できませんでしたというようなことで頭を下げるようなことがないように、来年の予算審議のときには、もうできまして十分に波が出ておりまして地域の住民も喜んでおりますという答弁ができますように、ひとつはっきりと私は言っておきたいと思うわけであります。 次に、これも去年の予算審議のときに問題になりましたNHKのテレビのローカルの問題でありますが、高松と佐賀の二つの問題であります。この問題の二つがその後どうなっておるか、まず電波監理局長から聞いておきたい。
○宮川政府委員 高松にテレビの放送局がございませんので、あそこに放送の番組を出したいというNHKの希望はわれわれはよくわかっておりますが、これをいたしますのにはUの親局の問題がございます。ただいまUの親局の全面的な問題につきまして鋭意検討を進め、ある程度作業も進んでおるのでございますけれども、NHKにはなお教育放送といたしまして徳島において波がないという現状もございます。そういうような観点から、Uの問題の全面的な展望ということがはっきりいたしましたときには、たとえばあそこに実験局というような形において処理するのも一つの方法かと考えておりまして、目下その方向で検討を進めております。
○森本委員 これはテレビのいわゆるUの総合的なチャンネルプランができなければ、なかなかむずかしいということはわかりますけれども、しかし、あなた方も技術屋でありますので、一応総合的な、全国のこのUのチャンネルプランというものは、頭の中では描くことはできると思います。だから、頭の中で描くことができるとするならば、将来そのチャンネルプランをでき上がったときにはある程度変更しても、コンバーター並びに受像機が使えるという形のものを考えながら、実験局として高松と佐賀にテレビのUの親局をおろせば問題ないわけです。要するに、こういう点について、あんまりあっちもこっちも考えておったのでは何にもできない。これは去年の委員会からの宿題でありますから、今年はどうしてもこの高松と佐賀に対するところの、いわゆるUの親局におけるNHKの置局ということは、これはぜひ私はやっていただきたい、こう思いますので、電波監理局長はやるようにしてもらいたい、こう思うわけでありますが、よろしゅうございますか。
○宮川政府委員 高松並びにそれに関連いたしまして徳島のことを申し上げましたけれども、佐賀の問題につきましては、現在中継局が伊万里にございまして、中継局の電波によりまして佐賀方面に相当大きなカバレージを持っておりますので、この中継局を利用いたしましてローカル番組が出るように技術的検討をいたしたい、こういうふうに考えております。
○森本委員 そういうことがどうも官僚的なこじつけであって、要するに佐賀に中継局があって、それに対して佐賀のローカルをその中継局から放送するということになれば、これは実質的に親局です。だから、そんなことによって、親局であるとか、中継局であるとか名前にこだわる必要はない。昨年来問題になっておるように、だからUによるところのテレビについては、高松と佐賀には設置をしたい、こういうことを言っておるわけであって、予算もわれわれは承認しておるわけであります。要するに、実験局でも何でもいいわけでありますから、高松と佐賀についてはUの親局をNHKについては許可をしていく、こういう方針をこの際ひとつ明確にしておいてもらいたい、こう思うわけであります。
○宮川政府委員 御趣旨はよくわかっておりますが、高松におきましても実験局、あるいは佐賀におきましても何らかの方法、と申しますのは、あるいはこれを熊本等から送るとか、あるいは佐賀から電波で送り込むとかというようなやり方を検討いたしまして、ローカル番組が十分出て、親局というものの機能と同じものを十分果たし得るようにしてまいりたい、そういうふうに考えております。
○森本委員 NHKとしてのそれに対する見解を聞いておきたいと思います。
○田辺参考人 ただいま電波監理局長からの御答弁と全く同じでございまして、本年度の御審議いただいております予算にもそれぞれの経費は計上いたしてございますので、郵政省のほうでそういう方針を決定していただければ直ちに工事に着工したいと思っております。
○森本委員 そうなってまいりますと、今後、この予算の中にも出ておりまして、こまかい問題はやる時間がありませんが、今後Uのそういうようなテレビがどんどん開発をせられるということになってまいりますと、やはりこれに対するところの受信機の開発というものを当然考えていかなければならぬ。後ほどの附帯決議にもこれは出てくると思いますが、この受像機の開発については、具体的に郵政省として、さらにNHKとしては、どういうふうな方策を持っておるか、これをちょっと聞いておきたい、こう思うわけです。
○宮川政府委員 受像機の開発は、もちろんUの今後の開発のために必要でございますが、現在Uの波の中継局用の波につきますコンバーターの問題は、すでに民間に出ておるわけでございますが、さらにそれにつきましては、より価格を低廉にする等のことにつきまして、郵政省も入りまして大いに努力を続けてまいりたいと思います。 さらに、今後のUの使用ということになりますと、当然現在中継局に使っております波よりも、もっと低い波、現在保留してあります波を使わなければなりませんが、そういうような波を使います場合に、これをコンバーターでいくか、あるいはオールチャンネル方式でいくかということにつきましては、いろいろ検討いたしたのでございまするが、最近におきましてオールチャンネルをする場合におきまして、一番根本的な問題であります中間周波の問題が、技術審議会からこの十一日に答申されたのでありまして、一応オールチャンネル受信機をつくりますための技術的な大きな問題が一歩前進をいたしましたので、省といたしましては、この答申を十分検討の上、オールチャンネル受信機の標準方式の設定に直ちに取りかかりたいというふうに考えております。
○秋田委員 関連して。ただいま電監局長から徳島の教育放送に関する波の問題が出ておりまして、森本君の質問に副次的にちょっと触れられまして、これに対する措置が必ずしもいま明確になっていないように思いますので、念のためにお尋ねしておきます。 UHFの実験局を高松及び佐賀に置かれる場合には、やはり同様に処置をされるかどうか。もしされるという場合には、NHKはそれに応じて徳島の放送局に独自の教育放送のUHFの実験局の配置を措置されるかどうかという点、念のためにお尋ねしておきます。
○宮川政府委員 徳島に現在NHKの教育テレビが出ないわけでありまして、その波は大阪方面からきておるわけであります。十分な聴視状態であるとはいえないのでありますが、同時に、徳島県の西北方面にも教育のUの割り当てがしてありますが、それらの中継局を開設する場合におきましても、やはり徳島に教育局を開設いたしまして、それの放送波中継によることが一番いいというふうにも考えております。そういうようなこともございますので、今度の答申のUの技術的な内容というものも一応七、八分どおり固めましたので、この段階において徳島にUの実験局、Uの親局と申しますか、いままで使わない波の実験局をつくって伝搬状態その他をよく調べていくということは必要だと思いますので、そういうことで早期にこの実験方を考えたい、こういうことであります。 なお、佐賀につきましては、実験局という形でなくて現在ございますので、これはまた別に考えるというように考えております。
○田辺参考人 高松と同じく、郵政省のほうで御方針を決定していただきましたならば、直ちに工事に着工いたしたいと思います。予算措置もしてございます。
○森本委員 まだほかにもたくさん質問がありますけれども、もう以上でやめますが、郵政省並びにNHK当局に最後に希望しておきたいと思いますことは、いつの委員会でもそうですが、きょうの私の質問でも、昨年の委員会で論議したことを半分以上質問しておるわけであります。そこで、本年の委員会において質疑応答したことは、来年のときには、これをもう一回繰り返さなくとも、それをちゃんと実行できておるというふうに一日あそこでいやなことを聞いておったが、やれやれ済んだということでなしに、やはり真剣に質疑をし答弁したことについては、誠意をもって実行に移すという方向に努力を願いたいということと同時に、さらにNHKの今後の運営については、今日の段階においては、NHKも財政的にいままでのように膨張政策をとり得ないような段階にきておるということになっておりますので、早期に長期の展望に立ったそういうところの計画というものを、具体的に、受信料の問題を含めて検討願っておきたい。と同時に、NHK内部におけるいわゆる経費の節減合理化、あるいはまた従業員の給与の問題というような点についても、ひとつ誠意をもって今後の実行に当たっていただきたいということを特に要望するとともに、先ほど来大臣と局長の答弁にありましたように、その個々の問題については、郵政省は全然監督権はございませんけれども、いわゆる郵政省と大臣の関係というものは、お互いに不離一体の間柄でありますので、どうかひとつNHKと郵政省が緊密にお互いに連携をとりながらやっていくということを、今後も考えていただきたいということを要望しておきたいと思います。最後に、私がいま申し上げました時効についての政務次官の御回答を願っておきたい。と同時に、会長からも答弁を聞いておきたい、こう思うわけです。
○服部政府委員 ただいまの御発言の御趣旨を十二分に尊重してやってまいりたいという考えでおります。
○前田参考人 まことに適切な御指摘、御意見でもございますし、当然われわれもその方向に努力すべきだと考えております。
○内藤委員長 栗山礼行君。
○栗山委員 私はピンチヒッターとして質問をさせていただくわけであります。先ほどの理事会に私はオブザーバーとして出席をいたしまして、それを確認をいたしましたので、その結果を順守するという立場で質問をいたしたいと思います。この関係から一時三十分までお許しをいただきますという確認をいたしまして質問をいたしたいと思いますが、委員長の御了承をいただけますか。
○内藤委員長 よろしゅうございます。
○栗山委員 ありがとうございます。 まず最初に、郵政大臣にNHKの収支予算並びに事業計画、資金計画に対しまする郵政大臣の意見書の送付の問題につきましてお尋ねを申し上げたいのであります。放送法の第三十七条の二項に基づきまして今回も郵政大臣の意見書がこれに付してございまして、その内容を拝見をさせていただきました。私が大臣にお尋ね申し上げます要点は法律の明記するところでありますけれども、一体大臣の意見書というものの役割りと意義について、郵政大臣はどのようにお考えになってこの意見書を添付されておるか、このことについて大臣の御答弁をいただきたいと思うのであります。
○徳安国務大臣 NHKの予算に対しまする郵政大臣としての意見書につきましていまお尋ねにあずかりましたが、これは御承知のとおりに、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣は、NHKの収支予算等の提出を受けましたときには、これを検討して国会に提出しなければならぬという義務があるわけでございます。この義務に基づきまして郵政大臣が意見書を書くわけでございますが、もしNHKのほうで出しましたものに対して変更すべきような意見がございますれば、これもつけ加えて出すということになっておりまして、これをあわせて国会で御審議を願うということになっておるわけでございます。 ただ、出します趣旨等は、もう全く法の精神のみに沿うて出しておるわけでございまして、別にその精神以外のことについて参酌されるべきものはないと思います。
○栗山委員 法律に明記されておりますので、その立場において意見書の御提示をされておるということについて承知をいたすのでありますが、私はやはり法の定めております意義、性格、任務というものがこの意見書の内容において盛られておるかどうか、こういうことについて私なりの意見を持つのでありまして、こういう立場において、意見書の持つ意義を特にお尋ね申し上げるという立場をとったのでございます。 今度、五点にわたります意見書がここに示されておるのでありますが、私は五項目それ自身の問題については、いろいろ特徴とその検討された意見の内容を加味されておるということについて、信頼の念を失うものではないのでありますけれども、何だかこれを拝見いたしますときに、あまりにも意見書というものが形式主義である、あるいは大きな郵政行政を推進される大臣としての高い意味におきます政治識見、そういった一つの情熱等も加えて、この意見書というものがあるべき姿として提示されるということが必要でなかろうか、こういう考え方を持ってお尋ね申し上げたのであります。そういう意味において郵政大臣はどのように意義を御理解をされておるか、重ねてひとつお尋ねをいたします。
○徳安国務大臣 ここに出しております意見書というものは、これは政府の公式の見解として出しておるわけでありまして、常日ごろ、こうした問題に対しまして、日本放送協会と話し合いをいたしましたり、意見の開陳をいたしましたり、行政指導をいたしますというときには、もちろんこんな無味乾燥なものでなくて、もっと味のある話し合いができると思いますけれども、一応政府として、現在公式な見解として国会に提出して御審議を願うためには、どうしてもこういう――無味乾燥と言われればそうかもしれませんけれども、こうしたものにならざるを得ない。しかし、この中に盛られておりますものは、決して無味乾燥ではございませんので、常にそうしたことに立脚しながら指導もし、監督もしておるわけでございます。
○栗山委員 時間がございませんから、重ねてお尋ねすることを避けたいのでありますが、私は、願わくはその時点における厳粛な気持ちを持って、高い郵政行政の政治的識見を持って、この問題の意見書のあり方というものを方向づけていただきたい、こういう要望をいたしまして、打ち切りたいと思うのであります。 NHKの会長にお伺いいたしますが、この意見書をどのようにこれを意義をお認めになって受け取っていらっしゃるか、お伺いいたします。
○前田参考人 私どもといたしましては、この意見書は、私どもが提出いたしました事業計画、これを中心とする予算の編成について、個々の大筋から非常に大局的見地に立って政府の見解を郵政大臣が代表して述べられておる、このように解釈しておりまして、これは、同時に、放送行政の非常に高い最終目標に向かっての一つの貴重な示唆である、このように考えております。
○栗山委員 そういたしますと、重ねて会長にお尋ね申し上げるのでありますが、従来意見書が必ずこれにつけられておると思うのでありますが、これをどのように生かしてこられたか、たとえば三十九年度の意見書について協会はどのように生かしてこられたか、具体的に端的にお伺いをいたしたいと思います。
○前田参考人 私どもは、当委員会の御審議を通じ、さらに、私どもの内閣を通じて提出する予算案に対しての政府のただいま申された意見書に対しましては、これを完全に実施するという方向で今日に至っております。たとえば昨年度の意見書の中には、教育放送についての問題、テレビジョン放送の難視聴地域の解消についての問題、UHF帯によるテレビジョン放送及び実用化試験のための問題、オリンピック東京大会の放送の実施に関する問題、さらに、収入が予算額に比して増加した場合のその部分の処理についての問題が盛られておりますが、私どもといたしましては、本年度三十九年度収支予算の実施に際しましては、すべてこれを責任を持って実行をするという態度をとっておるばかりでなく、実際にも、たとえばオリンピック等の問題については、意見書のとおりに実行して今日に至っております。
○栗山委員 お説を伺いまして、四十年度の意見書につきましては、いまの協会の御意見を拝しますと、意見書の問題についてもこれを尊重して実現するという方向で運営される、こういうふうに理解いたしまして差しつかえございませんか。
○前田参考人 私どもとしては、郵政大臣の意見書を、当委員会の御審議を通じ、その線に沿うて完ぺきにこれを実施してまいりたい、このように考えております。
○栗山委員 郵政大臣に重ねてお尋ねいたします。私、五つの項目について真摯な御検討をされて御意見を付された、こういうふうに解しまして了解をいたしておるのでありますが、私のしろうと論から言いますと、何かもう一つ大きな柱が欠けたものがあるのじゃないか。少なくとも郵政大臣の意見書のあり方、意義を高める立場におきましたら、非常に重要な任務を持っておりますNHKに対しまして、経営の高い姿勢の問題、あるいは経営のモラルの問題、さらに高度な技術革新、生産性の向上の問題、あるいは労使関係のあるべき相互協力の問題、そしてこれを完遂する立場におきまする労働諸条件の問題等について、かくあるべきじゃないかという方向の裏づけをされて、いい郵政行政の実現をはかられるということが望ましい内容でなかろうかと私の愚見を抱いておるのでありますが、郵政大臣は、私の意見についてどのようにお考えになっておるか、承りたい。
○徳安国務大臣 NHKの経営につきまして、いまお話しのような点が非常に重要であることも、これはもちろんそのとおりでございます。したがって、業務内容に対するいろんな問題につきまして、私どもも常にNHKとは協力し、会議も開き、協議もいたしまして、そして意思の疎通をはかりながら、いまお話しのような点につきましては、順次、可能なものから実施しておることは事実でございます。 ただ、国会に正式に出します政府の見解といたしましては、この中に含まれておりまする意義というものもたくさんあろうかと思いますが、結局、政府の見解を一応申し上げまして、国会のすべての御審議にゆだねるという考え方でございますので、その審議の過程におきまして、NHKにいろいろな質疑もあろうと思います。また、私どもに対していろんな御質疑もあろうと思います。これをお答えをして、そして政府のほうのこの意見書に対しても、皆さまの御意見があれば、それを率直に述べていただく。またNHKのほうも、これに対して尊重していきますというならば、もちろんそれでもけっこうでございます。しかし、もし政府のほうで違った見解を持って意見書を出しました場合には、皆さんのほうで御検討願いまして、そしてNHKからのそれに対する意見等を徴せられて、つまり裁判を皆さんにしていただく。どっちがいいかという裁判をしていただくために、私どもの意見も出すわけでございますので、高い次元においてのそうした問題等は、この審議の過程においていろんな問題が生まれてこようと思います。この中にたくさんそういう問題を盛るということも、やはりこの意見書のていさいから言いましていかがかと考えまして、さようなものは略しておるわけでありますが、決してこれは放任しておるわけではございません。
○栗山委員 時間がございませんから、私も簡潔に要旨を尽くすように努力いたしまして御質問を申し上げたいと思いますから、御答弁もその本旨に基づいて時間内の形において御答弁をちょうだいいたしたいと思います。 私は、国会任務のあり方については、法の規定されておる意義とその使命を私なりに承知いたしておるのでありますが、ただ一言、郵政大臣に御希望申し上げておきますことは、意見書の提出の意義と高い郵政行政の識見を、明示されるような形における意見書というものの方向づけを、十分ひとつ御検討をいただきまして御提示をいただく、こういうように御希望を申し上げまして御配慮をいただきたいと思います。 第二の問題は、国際放送についてちょっとお尋ねを申し上げたいのでありますが、三十九年度の放送協会の総額は六億二千万円。その内訳は、政府交付金が一億二千万円と資料で拝見をいたします。四十年は総額六億五千万円。政府交付金が一億三千万円。こういうふうに資料で示されておるのでございますが、これは間違いございませんか。
○小野参考人 そのとおりでございます。
○栗山委員 私は、基本的には、国際放送については、国が責任を持ってこれの財政上の裏づけをすべき性質を持つものでなかろうかという意見を持っておるのでありますが、端的にお答えいただきたい。
○宮川政府委員 NHKの国際放送の法的な地位、そういうものにつきましては、いろいろ国会方面でも御議論があったかと伺っております。ただいまの御意見は、一つの御意見で、われわれ尊重いたしておりますけれども、日本放送協会が国際放送を行なうこととするということに改められた経緯等も考えまして、NHKと国とがそれぞれの立場においてこの国際放送を協力して行なっていくという形が、現在の法の示す形であろうかというふうに解釈しております。
○栗山委員 電波監理局長、お説でございますけれども、私のお尋ね申し上げておるのは、政府の交付金と協会の予算との間に、対比いたします場合にあまりにも格差があるわけであります。しかも、国際放送の実態から申し上げますと、放送協会それ自身の経費のあり方ということではなくて、これをもっと裏づけする増額の要請が必要ではないか、こういうような考え方に立っておるのでありますが、いかがですか。
○宮川政府委員 政府が交付金としてNHKに交付しております金額に対しまして、NHKが業務として支出しておりますものの開きがあることは御指摘のとおりでございます。現在十八方向、一日三十六時間のうちの十八時間だけを政府命令によってやることになっております。本年度の国の予算の審議の過程におきましても、さらに交付金の増額ということをいろいろ大蔵当局とも折衝いたしてまいったのでございますが、国の全体的な財政状態の関係から、これの大幅な増額は期待できないようなことになりましたけれども、しかしながら、一応昨年度の交付金よりも一千百五十五万円だけの増額ということになっております。それによりましてヨーロッパ向けの空中線電力を百キロワットから二百キロワットに増力するということができるようになったのでございまして、今後とも、方向であるとか、時間であるとか、電力であるとか、そういう放送の姿と申しますか、基本的なことにつきましては、十分政府が指導し、と申しますか、政府が方向を示して、それだけに必要な経費は少なくとも政府側から出すように努力を続けていきたい、こういうふうに思います。
○栗山委員 私は、放送協会の会長に意見を伺ってみたいと思うのでありますけれども、時間もございませんし、何らかうらはらの関係等もございますから、質問を避けまして、最後に、大臣にこの問題についてお尋ね申し上げておきたいと思うのでありますが、局長の御意見等もございまして、やはりこれの内容づけについて、予算的な努力をいたしてまいらなくちゃならぬという御答弁をいただいたように私は拝聴いたすのでありますが、少なくとも来年度の予算の過程において、国際放送における予算の裏づけに努力するという御決意か御意見、おありかどうか。
○徳安国務大臣 来年度の予算につきましては、NHKと協力いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
○栗山委員 カラー放送網の全国中継の問題につきまして、私の承知いたします範囲においては、四十年度以降になるということが昨年の当局の御見解であったかと承知をいたしておりますが、この計画はどうなっておるか、その中身の問題について、おおまかにひとつ御説明をいただきたいと思います。
○田辺参考人 カラーテレビジョンの放送網の拡充につきましては、昨年オリンピックの際に、できるだけ広くカラーテレビジョンの放送を見ていただけるようにしたいというふうな方針を立てまして、電電公社のマイクロ回線の改善等につきましていろいろ折衝いたしましたところが、その放送網が相当拡充されまして、その後引き続きまして、新しくできました局などにおきましてもカラーテレビジョンをやっておりますが、現在三十九年度末の姿におきましては、総合テレビジョンにおきましては、全国の放送局の中で百七十六局がカラーテレビジョンの放送をやっております。それから、教育テレビジョンの放送網につきましては、全国の放送局の中で八十九局がカラーテレビジョンの放送をやっております。これはカバレージにいたしますと、総合テレビジョンにおきましては七六%、教育テレビジョンにおきましては五四%でございまして、白黒の範囲に比べますとまだ若干劣っておりますが、これにつきましては、昭和四十年度末までに全部、全国の総合、教育ともにカラーテレビジョンの放送ができるようになる、そういうふうな計画で進めております。 なお、電電公社が昨年オリンピックの際にいろいろやってくれました措置は、若干臨時的な措置もございますが、これらにつきましても、四十年度末までには全部本措置に変わりまして、全国全部カラーが出るという形になる措置を期待しております。
○栗山委員 伺いまして、まだ不十分な内容がある、さらに四十年度において努力を継続される、こういうふうに私は理解いたしまして、ぜひひとつ実現への努力を意欲的に、お進めをいただきたい、こういう要望を申し上げておきたいと思います。 協会側にちょっとお尋ねをいたしますが、ファクシミリの放送について、放送協会はどのように御研究をお進めになっていらっしゃるか、お伺いいたしたいと思います。
○前田参考人 ファクシミリにつきましては、いわゆるこれまでのファクシミリという名前でいわれているファクシミリにつきましては、NHKの放送そのものとは別のものであるという考え方を、私自身は持っております。
○栗山委員 このファクシミリの問題について、現時点の問題でございませんけれども、非常に高度に科学が進展をいたしておるときでございますから、やがて近い将来にこれが方向づけをいたさなければならぬ、こういうふうに私は考えるのでありますが、郵政大臣は、この問題についてどういう所見を持っておいでになるか、お伺いいたしたい。
○宮川政府委員 ファクシミリ放送は、現在一部の事業者が、マイクロウエーブあるいは短波等を使用いたしております。しかしながら、ファクシミリ放送というものを、さらに非常に広い不特定多数の大衆を相手にするというようなことは、技術的には、現段階において可能な時期には達しておらないのでございますが、近い将来におきまして、そういうことも可能になってくるかと思います。そういうときには、また新しいマスメディアというものが出てくると思いますので、非常に重要な問題かと考えております。したがいまして、そういう技術的な可能性の、いつごろこれが実現できるかということなどにつきましては、慎重に検討しながら将来の方針をきめていきたい、こういうふうに考えます。
○栗山委員 これも郵政当局にお伺いいたしたいのでありますが、私、漏れ承るところによりますと、近畿地方の民放の中継局問題がかなり紛糾いたしておる、こういうふうに伺っておるのでありますが、今日までの経緯とその問題の所在がどういうところにあるのかということでお伺いをいたしたい。
○徳安国務大臣 問題の経緯及び内容その他につきましては、これを一々御説明申し上げますことは非常に時間を要しますから、また適当な機会に申し上げたいと思いますが、できるだけ早く解決して、各住民の諸君の御満足のいただけるように、ただいま準備いたしておりますので、きょうはその程度で御了承いただきたいと思います。
○栗山委員 時間がございませんから、深く追及することを避けてまいりたいと思いますが、最後にこの問題でお伺いいたしますことは、ご承知のとおり、近畿地方の各県にはテレビの親局がございませんが、将来近畿の各県に親局を設置するという意向ありやいなやの点をお伺いいたしたいと思います。
○徳安国務大臣 これは今後における放送行政の大きな柱でございまして、ただいまこれもあわせ研究いたしておりまして、今回の改正、近畿の問題解決と同時に、こうした問題も解決されると思います。
○栗山委員 御要望申し上げておきます。ぜひひとつ大臣のいまの所信のとおり、可及的すみやかに紛糾の所在を明らかにいたしますとともに、近畿におきます親局の設置の方向にひとつ努力をお願い申し上げたい、こういう要望を申し上げまして、この問題をなにしてみたいと思います。 私、もうあと数点お尋ねいたしてみたいと思っておりますが、浪花節じゃございませんが、ちょうど時間になってまいりましたので、これでやめたいと思いますが、最後に私は、株式会社NHK美術センターの問題について、端的にお尋ねを申し上げておきたいと思います。 森本委員も若干触れられておったと思うのでありますけれども、私は、この国会の議決を経まして株式会社NHK美術センターというものを設置された経緯とその内容について、私なりに説明を受け承知いたすのでありますけれども、その株式会社自体のあり方、あるいは株式会社自体の組織のあり方にも問題がありはしないかという、本質的な見解を持っております。 二番目には、株式会社の運営について、放送協会の役員がこの会社の経営人になられ、しかも、課長級の方がその運営の実務の立場にお立ちになる、休職のかっこうでなるということについては、やはり美術センターの育成強化の方向という一面のとらえ方においては、私は肯定し得るものがあるわけですけれども、ただ、この運営を誤りますと、放送協会それ自体の運営に大きな支障を来たす問題があろうかと思うのでありまして、放送協会それ自体が、大きな責任の所在と経営の指導の方向を進めてまいらなくちゃならぬ、私は原則的にこういうふうに考えるのでありますが、私の伺います中におきましては、休職のかっこうで実務出向ということになりまして、その運営の適正を欠きましたり、あるいはオールマイティになってその管理運営をされるという事実もありはしないか、あるいはまた、労働諸条件のごときにおききましても、その一つ持っておりまする特性の中における賃金格差という事態も認めるのでありますけれども、放送協会の一翼を担当いたしておりますその会社の内容において、やはり労働条件というものに十分意を注いでまいらなければならぬ。もしその会社の収益の経済的立場においてのみ見る場合においては意見があろうかと思いますけれども、この会社のあり方については、放送協会それ自身の一翼の重要な任務づけというような条件からまいりまして、遺憾なき方向を期してまいらなくちゃならぬ、こういうふうに考えるのでありますが、前田会長は、美術センターのあり方及びその運営の実態について、どのようにこれを理解をされておるか、あるいは、将来どう方向づけをされようとするか、こういう点についてお伺いをいたしたい。
○前田参考人 お答え申し上げます。 私どもの考え方は、まず第一に、協会と美術センターとの関係をどう関係づけるべきかという点と、美術センター自体の経営がどうあるべきかという点の二点にかかってまいると思いますが、ご承知のように、テレビの急速な発展、並びにテレビ事業が単にNHKのみではないという現状から、将来の方向を考えるときに、NHKとしては、これを独立の会社にすべきであるという踏み切り方をしたわけでございます。ただし、その発展過程において、またNHKの番組制作の長期計画に応じた需要ということを中心といたしまして、したがって、この会社のあり方についての大きなかなめは、NHKと会社が新しい技術研究を行なうことによって、新しい資材と新しい形の恒久的な道具ならないと思うのでありまして、この点NHKの注意を喚起しておくものであります。 第三には、NHKの業務範囲についてであります。放送事業の発展と、事業をめぐる情勢の進展に伴って、NHKの業務範囲は次第に拡大し、今日においては、現行放送法の規定では不十分と見られる点が少なくありません。当面その強化を必要とされる受信者対策や、国際協力等について見ても、その感を免れないのでありまして、近く予定される放送法の改正を機に、実情と将来の見通しに基づき、NHKに業務の範囲につき、必要かつ十分な規定の整備が行なわれるよう望むものであります。 以上の三点のほか、前年度収支予算等、審議の際に問題となった新竜土町のテレビ・センター予定地の処理と、受信契約乙の改廃についても、可及的すみやかに善処されるとともに、放送事業の発展と拡大に伴って、従業員の労働条件が過酷にならないように、さらにその待遇改善等については十分に意を用いることを強く希望して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○内藤委員長 栗山礼行君。
○栗山委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題になっておりますNHKの昭和四十年度収支予算、事業計画並びに資金計画等につきまして承認を与えます案件について、賛成の討論をいたしたいと存じます。 NHKの過去の歴史的役割りと成果を高く評価いたしますことはやぶさかではございませんが、必ずしも完ぺきとは申せないと存ずるのでありまして、わが党におきましても、建設的な具体的な意見を若干持っておるのでございまするけれども、今後の役割の重要性はもはや論ずる必要もございません。 申すまでもなく、電波は国民の財産でございまして、NHKは公共福祉の実現を期するために、国家的使命を強く自覚されまして、長期的な展望のもとに、特に公共性の高い基幹放送として、商業放送の相互の適正な位置づけを尊重しつつ英知を傾けられんことを求めます。 幸いにいたしまして、全会一致の賛成に至ることに相なると承知をいたすのでありますが、だからと申しまして、これを安易に求めることなく、またさらに、委員会の質疑の内容等につきましても、その取り入れるべきものは大胆に採択されまして、附帯決議等の達成を期せられんことをこいねがいまして、賛成の討論といたします。(拍手)
○内藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決いたします。 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○内藤委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○内藤委員長 この際、秋田大助君外二名より、本件に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨弁明を許します。秋田大助君。
○秋田委員 私は、ただいま議決されました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党、三党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議を提出し、あわせてその趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案) 政府並びに日本放送協会当局は、左の各項の実施につとむべきである。 一、UHFテレビジョン放送及びFM放送の普及開発を積極的に推進すること。 二、国際放送の番組内容を充実するとともにその受信状態の改善を図り、また海外における取材活動と放送に関する国際協力とを積極化すること。 三、経営の合理化、能率の向上を図り、従業員の待遇改善に資すること。 右決議する。 この決議案の趣旨につきましては、委員大方のすでに御理解のことと存じますので、要点のみを簡単に申し上げますが、 その第一は、UHFテレビ放送及びFM放送の普及開発を積極的に推進されたいとの要望であります。放送の新分野開発について、NHKが格別の使命をになうべきであることは、わが国の放送体制の上からも、また放送事業の沿革の上から見ても、当然とされるところでありまして、さきの臨時放送関係法制調査会の答申におきましても、FM放送に関し、NHKの先行開発が期待されていることは各位の御承知のとおりであります。 NHKにおいては、かかる使命に基づき、すでにUHFテレビに関し、置局の推進をはかるほか、受信装置の普及についても促進措置を講じ、またFM放送に関しても、放送局の開設、番組の編成等を通じて開発をはかりつつありますが、これら新分野の開発は、NHKの努力だけでは十分とすることはできないのでありまして、何よりもまず政府当局が放送の基本政策を確立することが先決であり、その政策に沿って関係各機関の力が総合的に発揮されることが必要であろうと存ずるのであります。かかる観点から、政府並びにNHK当局に、UHFテレビ放送及びFM放送の普及開発について一段の前進を望もうというのであります。 第二は、国際放送の充実改善と、海外における取材活動及び際協力の積極化の要望であります。国際放送の充実改善につきましては、当委員会においてもしばしば論議、要望のあったところでありますが、昨年のオリンピック東京大会の放送を通じて、ラジオ・ジャパンに対する世界の関心が高まりつつあるおりから、その関心にこたえる意味からも、この際、番組内容について充実をはかるとともに、受信状態の改善について、さらに送信電力の増大その他のくふう措置を講ずべきであると思うのであります。また、NHK放送のすぐれた番組の一つとして、国民の国際認識涵養に大きな効果をおさめつつあります海外取材番組につきましても、この際取材活動の活発化が望まれ、さらに、放送に関する国際協力につきましても、最近におけるNHKに対する国際的期待に照らして積極化の要があろうと存じ、これらの諸点をあわせて当局に要望いたしたいのであります。 第三は、経営の合理化、能率の向上をはかり、従業員の待遇改善に資するようにとの要望であります。最近における受信契約の伸びの状況等より見て、予算総則の給与に関する弾力条項は次第に発動の余地を狭くしてまいるものと見られますが、弾力条項に基づく特別の給与の支給は、逆に職員の能率向上を刺激するものであることをも考慮し、経営合理化、経費節減の努力によって待遇改善に資するよう、NHK当局に要望しようというのであります。 以上をもって説明を終わりますが、何とぞ全会一致御賛成くださるようお願い申し上げます。
○内藤委員長 これにて趣旨弁明は終わりました。 採決いたします。 秋田大助君外二名提出の動議のとおり、本件に附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 この際、徳安郵政大臣及び前田日本放送協会会長より、ただいまの附帯決議に対する所見を求めます。徳安郵政大臣。
○徳安国務大臣 慎重なる御審議をいただきまして、本日ご承認をいただきましたことは、まことにありがとうございました。 なお、ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、その御趣旨を尊重いたしまを製作するというところに目標を置いております。 次に、経営の問題につきましては、NKHの重役がそのままこの会社の重役になるということはいたしておりません。ただ、従来NHKのテレビの番組の制作として関連して、でき上がったという点で、一部NHKから、この会社が独立経営と申しますか、いわゆる計画経営が成り立つまでの間に、これを助ける意味で一部専門家を出向させる。しかし、これは数においては全く微々たるものでございます。私といたしましては、このテレビ時代において、従来は簡単にいって舞台装置、いわゆる劇場舞台装置が中心になってこのようなテレビの舞台装置というものが行なわれたわけでありますが、少なくとも私は、将来ともこの問題は、新しい見地から制作していくべきである。そういう考え方に立って私はこれを踏み切りました。
○栗山委員 もう一言で終わります。 私、反問するわけではございませんが、放送協会の役員がこの会社の経営陣の内容を占めておられるというところに、これは、長短の内容がそこに伏在する。少なくともこの会社のあり方については、放送協会がまるがかえで、遺憾なき放送協会の使命を行なっていくという経営管理の方向と、そうして労使関係のあり方とを期していくべきだ、こういうふうな私の考えを持っているわけでありますが、討論になりましょうから、これ以上この問題は指摘いたしませんけれども、あるべき姿について、単なる営利会社の一つの本質と違うという特質をひとつ十分御理解願いまして、放送協会が、適正なアドバイスと、そうして責任の所在、労使関係につきましても、少なくとも内部から大きな不満と憎悪の出ない方向でこの管理運営をはかってまいるべきである、かように考えますので、十分ひとつ御留意をいただきまして、今後の運営に御期待を申し上げたいということを申し上げまして、私、数点の質問を残しまして、私の質問を終わります。
○内藤委員長 これにて、本件に対する質疑は終了しました。 ―――――――――――――
○内藤委員長 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、順次これを許します。志賀健次郎君。
○志賀(健)委員 私は、自由民主党を代表しまして、日本放送協会の昭和四十年度収支予算等に対して承認を与えることに賛成の意を表するものであります。 この予算は、日本放送協会が昭和三十七年度以来推進しておりまする第二次六カ年計画の第四年度分の諸計画を遂行しよりとするものでありまして、当年度の事業計画は、難視聴地域の早期解消、放送番組の充実刷新、受信者対策の積極化、国際放送の充実、研究の強化、経営の合理化等をその骨子としておるのでありますが、これらの諸施策は、いずれも日本放送協会の使命にかない、国民の寄託にも沿うものであり、事業計画に照応する収支予算、資金計画を含めて、本件はおおむね妥当であると判断するのでありまして、わが党は、この収支予算等が適切に施行されることを期待し、これに承認を与えることに賛成をいたすものであります。 ただ、この際、NHKの事業運営に関しまして、二、三希望的見解を申し上げて、関係当局の考慮に資したいと思うのであります。 まず、その第一は、NHKがその事業運営の基本姿勢として、国民尊重のたてまえを強く堅持されたいということであります。申すまでもなく、NHKは受信者たる国民の負託を受けて放送事業を営むものでありまして、事業運営の基本姿勢として、国民尊重をたてまえとすべきは当然でありますが、最近におけるNHKのごとく、事業規模が著しく巨大化していきまするときは、一般的に事業の精神的指針を省みる余裕を失いがちとなるものでありまして、かかる点につき、当事業者が不断の自省につとめられることを心から期待するとともに、放送番組はもとより、業務、施設の末端に至るまでその配慮が行き届くことを衷心より望むのであります。 第二は、放送番組編集の適正、特に不偏不党の確保についての希望であります。放送番組の適正保持は、ひとりNHKに限らず、放送事業者のすべてに対する強い社会的要請であり、先般来の委員会の審議におきましても、公平の保持について論議が行なわれたのでありますが、私は、この際、NHKが公共放送としての一度の責任に顧みて、放送番組の適正、特に不偏不党の確保について再確認するとともに、編集実務はもとより、業務運営の全般にわたってその徹底をはかり、誤りなきを期せられるよう希望するものであります。 第三は、建設諸計画の調和についてであります。NHKは、今後相当長期にわたって、難視聴地域解消のための放送網建設や、UHFテレビ、FM放送等、新分野開発のための置局、番組制作体制の整備のための演奏所建設等の建設諸計画を進めていくことになりますが、その計画推進にあたっては、国民の意向や客観情勢の動向、NHK財政の推移等を勘案して、各計画それぞれの緩急をはかり、調和のとれた総合計画のもとに実施していくことが必要と考えられ、この点についても日本放送協会当局の深甚なる考慮を望むものであります。 以上、申し述べましたが、要は、NHKの事業が国民のためのものであるということを、当面の諸問題について強調したわけでありまして、NHK当局がこの真意をくみ、事業運営上の参考とされることを願って、私の賛成討論を終わる次第であります。(拍手)
○内藤委員長 栗原俊夫君。
○栗原委員 ただいま問題となっております放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に関し、私は、日本社会党を代表して、これに承認を与えることに賛成の意を表するものであります。 本件の内容をなすNHKの昭和四十年度収支予算等は、NHKの第二次六カ年計画の第四年度分に当たり、当年度の事業計画は、長期計画の柱の一つであるテレビジョン、ラジオ両放送網の完成について早期達成をはかるほか、放送番組の充実、刷新、放送番組利用の推進、受信契約普及の促進、国際放送の改善、調査研究の充実、経営管理の合理化等の諸計画を積極的に実施することとしておりますが、これらの計画は、放送法の趣旨に照らして、いずれも適当であり、また、これらの計画中に見られる教育テレビジョンの放送時間増、聴視者グループの育成、受信者に対する事業の周知、基礎研究の充実等の新規施策もまた協会の使命にかなっていると認められるのでありまして、わが党は、本収支予算等をおおむね妥当と判断するものであります。 ただ、この際、本件に関連して若干の所見を申し上げておきたいと存じます。 まずその第一は、NHK放送のあり方についてであります。わが国の現放送体制下におけるNHKの基幹的役割りについては、あらためて申し上げるまでもないところでありますが、実際上の問題としては、NHKと民放のあり方には、必ずしも明確な区分があるわけではなく、ときに競合に走る場合が少なくないのであります。しかしながら、自由な発展を期待される民放とか、公共的使命を、託されたNHKとでは、番組編集の志向においておのずから相違があるべきは当然でありまして、臨時放送関係法制調査会が、教育放送の面等においてNHKに対し多くを期待していることなどは、かかる趣旨にいずるものと考えられます。NHKにおいては、民放との共存下におけるNHK放送のあり方について、今後とも一そう考慮されるよう希望するものであります。 第二は、事業の運営についてであります。最近における受信契約の伸びの鈍化や、債務の増大等から見て、NHKの財政は、今後相当窮屈になることを避けられないと見られ、事業の将来運営については、財政の長期見通しを確実にするとともに、経営全般にわたり合理化の努力が払われねばして、施策の上に十分な監督と指導をいたしてまいる所存でございます。
○内藤委員長 前田日本放送協会会長。
○前田参考人 NHK四十年度予算が皆さんの非常に御熱心な御審議と深いご理解によって、満場一致御承認いただきましたことを深く感謝いたします。 なお、附帯決議につきましては、私どもまことに同感でありまして、その御趣旨をできるだけ実現するよう、全面的な努力を傾けたいと存じます。 ―――――――――――――
○内藤委員長 なお、本件に関する委員会報告書の件作成等につきましては、委員長に後一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 次会は、来たる二十六日午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十三分散会