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48回国会衆議院1965/05/29

地方行政委員会 第39号

発言数
18
登壇者
5
会派数
3
開催日
1965/05/29

会議録

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 これより会議を開きます。  昨二十人日付託となりました安井吉典君外八名提出にかかる東京都の議会の解散に関する特別法案、門司亮君外一名提出にかかる地方自治法の一部を改正する法律案、及び三木武夫君外八名提出にかかる地方公共団体の議会の解散に関する特例法案、以上三案を一括して議題とし、提出者から順次提案理由の説明を聴取いたします。     —————————————

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井議員 私は、提案者を代表し、ただいま議題となりました東京都の議会の解散に関する特別法案に関し、提案の理由を御説明いたします。  東京都議会の議長選挙をめぐる贈収賄事件その他の汚職事件のため逮捕または起訴された自民党所属の都議会議員の数はすでに十七名に及び、議長交際費の使用に関する疑点等の問題もこれに重なり、都議会に対する非難の世論は日ごとに高まり、当然のこととして都民の解散請求のリコール運動も激しさを加えてまいりました。  この現状に対し、都議会内部においても、全員総辞職解散を行ない議会の浄化をはかろうとの動きが出ましたが、汚職議員を含む一部議員の反対によって果たせず、過日の臨時会において都議会解散決議案が絶対多数で可決はされましたものの、これをもって現行法では解散とはならないのであります。  かくて、解散要求のリコール運動と相並んで、このような東京都議会の異常な事態に対する措置とし、地方議会の自主解散権を定める立法への要請がきわめて強くなってまいりました。しかしながら、このことは地方自治の運営に関する基本問題でもあるため、態度はきわめて慎重でなければなりません。私どもは、このような動機と態度をもって、この法案の立案を行なったものであり、東京都議会の異常な事態に対する一つの解散策を、現行のいろいろな制度を補強する意味で、東京都民並びに都議会に提示しようとするものであります。  この法案の内容は、次のとおりであります。一、東京都議会は、定足数四分の三以上で、五分  の四以上の同意をもって自主的に解散できるこ  ととする。二、一年間の時限法とする。三、憲法第九十五条に基づく住民投票に付する。  次に、この法案の特徴点を要約して申し上げます。  第一に、この法案は、東京都議会の異常な事態において、都民の強い解散の要求に率直にこたえるものであります。  第二に、特定の地方公共団体の議会の解散措置を法律で取り上げることとしている点については、憲法第九十二条の「地方自治の本旨」に基づく立法である意味を貫くためにも、また憲法第九十五条の「一の地方公共団体のみに適用される特別法」であるとの性格からも、国会が直ちにこの法律を強制するのでなく、住民投票をもってこの法律が確定するものであることを明確にしております。すなわち、この法律は異常事態解決の一つの道を提示するものであり、都民が住民投票により、この法律が必要であると決定すればこれを取り入れればよし、不要であると決定すればこの法律そのものを否認すればよし、いずれにしても都民の総意にすべてをゆだねているものであります。  第三に、地方議会の自主解散権については、いやしくも法律で与えられている任期が到来しないのに、いかに特別多数の賛成があったとはいえ議席を失わせることは、少数者の地位を不当に傷つけるものではないか、さらにこのことは憲法の精神にも触れるおそれはないか等の心配があります。これについては、まず、地方議会の問題をはじめ地方公共団体の組織及び運営に関する事項については、第九十二条の規定で「地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」こととしており、自主解散の規定が触れる明文規定はありません。  次に、一人一人の議員の問題を越えて、議会の内部事情により議会そのものに対し住民の間に疑惑ないし批判の声が高まり、議会解散請求の運動さえ行なわれようというような事態において、議会自身の側に一おいても議会の品位を保つには、思い切って解散し出直すべきであるとする場合、総辞職を行なえば目的は達せられるが、それは全員の意見一致がむずかしく、かつ議会の多数意思と首長との激しい対立があるというわけでもないというときには、現行法では、たとえ議会みずからが解散決議を特別多数で可決するほど反省を行なっておりましても、住民の直接請求を待つよりほかに解散実現の道はないのであります。すなわち、地方議会の自主解散権の確立は、議会みずからがその反省において、議員の一般選挙により住民に信を問う仕組みとして、十分意義のあるものと思うのであります。なお、この種立法は、西独バイエルン、プロイセン、ザクセン、バーデン等の各州にあることを付言しておきます。  第四は、地方議会の解散に関する住民の直接請求権との関係についてであります。住民の代表としての議会の反住民的行動に対し発動する伝家の宝刀としての住民のリコールの権能は、住民自治の本質から最も重要なものであり、またリコール運動を通じ住民の自治意識が高められるという効果をもあわせ持つものであります。しかしながら、現行自治法によるリコールは、大都市や都道府県段階では成功がなかなか困難な仕組みとなっており、したがって、これらの場合のリコール成立要件や手続等の緩和についても検討を要する時期にきておると思います。もっとも、リコール制改正は十分慎重でなければなりませんが、少なくとも事務処理や手続等の簡素化だけは当面取り急ぎ進めなければなりません。  議会の側の自主解散を制度化するこの法案は、リコールに水をさすものでは決してありません。東京都議会の場合についていえば、現在大きくリコール運動が進みつつありますが、その運動の高まりにより、議会内部に解散の意図がきまっても、現行法による自主解散の道は全くなく、リコールの請求権が確立し、住民投票が全部終わって最終結論が出るまで長期間にわたり解散の目的を達成することができないわけであります。特に、リコールが成功しなかった場合は、万事休すであります。この自主解散制を設けることにより、リコールの精神的圧迫を受けた議会の側にみずからの退路を開くことになり、完全な成功はなかなか容易でないリコール運動の目的である議会解散達成の可能性を大きくするものであります。すなわち、この法案は住民の固有の権能としてのリコール運動を補強する意味を持つものであります。  以上が、この法案の特徴的意義でありますが、同時に提案されました自民党の特例法案については、一応自民党案と称してはいますが、実は、当初の自民党原案は違憲の疑いすらあったものを、本委員会理事懇談会において回を重ねての野党の側の追及により、数次にわたり手直しされ今日に至った案であることを、私はこの際明らかにしておきたいと思います。しかしながら、現在の案においてもなお、地方公共団体一般に通ずる立法としては、自主解散権乱用のおそれがあること、あるいは地方自治の基本に関する重要案件としてはもっと十分な検討が必要であること等、なお問題があると考えます。  次に、民社党の自治法改正法案については、議会制度の本質論に関する問題が含まれているため、恒久立法とするにはさらに十分な時日が必要であると考えるのであります。  以上が、この法案に対する提案理由の説明であります。慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを望みます。

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 次に、門司亮君。

門司亮民主社会党

○門司議員 ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表いたしまして提案の理由、並びにその要旨と内容を御説明申し上げます。  地方公共団体の議会が、その議決に基づく住民投票により解散することができる制度を設ける必要がある、これがこの法案を提出した理由でございます。  さらにこの法案は、地方公共団体の議会がその構成を新たにする必要があると思われる理由が生じましたときは、当該議会の解散の意思を決議することができるものとし、その決議に基づいて当該地方公共団体の住民投票によって当該地方公共団体の議会の解散ができるとするものであります。これがこの法案の要旨でございます。  次に、法律案の内容について御説明申し上げます。  第一は、地方公共団体の議会がみずから解散を決議するには、当該地方公共団体の議員の定数の二分の一以上の議員の発議によることといたしました。これは地方公共団体の組織についてきわめて重要な議会の解散をみずから決議するには、少なくとも世論と現実に基づく十分なる理由がなければなりません。したがって、議員定数の半数以上がその理由を認めることが必要と思われるとともに、乱用されることを防止することの必要があるからであります。  第二は、この決議を行なおうとするときは、当該地方公共団体の議員数の六分の五以上の者が出席して、その四分の三以上の者の同意を得ることといたしております。これは議会が重要なる地方公共団体の組織であり、自治運営に占める最も重要なる地位にかんがみ、従来の二分の一以上の議決より、より慎重を要する必要があると思われるからであります。  第三は、前記の議決が行なわれたときは、三十日以内に住民投票に付することといたしました。その投票の結果が、解散に対して過半数の同意があったときは、当該地方公共団体の議会は解散されるものといたしております。これは憲法第十五条に公務員の任免権は国民の固有の権利としております。  なお、地方自治法第十三条に、地方公共団体の議会の解散の請求は住民の権利とすると明記されておりますので、このようにいたした次第でございます。  その他はいずれも手続に関するものでございます。  以上が、本法案の提出の理由、及び要旨、さらに内容でございます。何とぞ慎重御審議の上、御可決ありますようお願い申し上げます。

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 次に、田川誠一君。

田川誠一自由民主党

○田川議員 ただいま議題となりました、地方公共団体の議会の解散に関する特例法案につきまして、その提案の理由並びに内容の概要を御説明申し上げます。  まず、本法案の提案の理由を申し上げます。御承知のごとく、現行地方自治法では、議会の解散の方法として、第一に首長に対する不信任決議が議決され、これに対し、首長が議会を解散する場合と、第二に、住民の解散請求に基づく解散投票が成立した場合に限られており、別に議員の総辞職による事実上の解散ができるのみであります。  しかしながら、たとえば、このたびの東京都議会の場合のように、議会が自主的に解散することによって、選挙を通じ、その構成を新たにする必要が生じたような場合におきましては、議会がこれを行ない得る制度上の道が開かれていないのであります。  本法案の目的は、こうした事態に対処し、地方公共団体の議会が、その構成を新たにする必要が生じた場合におきまして、みずから進んでその解散による選挙によって、住民の意思を聞くことができるものとする方途を講ずるため、地方自治法の特例を定めようとするものであります。  次に、本法案の内容について御説明申し上げます。  第一に、地方公共団体の議会は、当該議会の解散の議決をすることができるものとし、第二に、この解散の議決は、議員数の四分の三以上の者が出席し、その五分の四以上の者の同意によるものとし、第三に、その議決があったときにおいて議会は解散するものとしております。  なお、議会の議決による解散に関する制度は、地方自治の基本にも関する重要な事項であると考えられますので、この法律の施行の日から起算して一年以内にさらに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるべきものとした次第であります。  以上が本法案の提案の理由並びに内容の概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 以上をもちまして三案についての提案理由の説明は終わりました。     —————————————

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 これより三木武夫君外八名提出にかかる地方公共団体の議会の解散に関する特例法案を議題とし、質疑に入ります。  質疑もないようであります。     —————————————

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 この際、地方公共団体の議会の解散に関する特例法案に対し、亀山孝一君、川村継義君及び門司亮君から三派共同をもって修正案が提出されております。     —————————————

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 ただいま議題となりました地方公共団体の議会の解散に関する特例法案に対しまして、自民、社会、民社の三党共同提案にかかる修正案の提案理由及び内容について御説明申し上げます。  まず、修正案を朗読いたします。    地方公共団体の議会の解散に関する特例法案に対する修正案   地方公共団体の議会の解散に関する特例法案の一部を次のように修正する。   第一条を次のように改める。   (この法律の趣旨)  第一条この法律は、地方公共団体の議会の解散の請求に関する世論の動向にかんがみ、当該議会が自らすすんでその解散による選挙によってあらたに当該地方公共団体の住民の意思をきく方途を講ずるため、地方公共団体の議会の解散について、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の特例を定めるものとする。  御承知のように、特例法案によって創設しようとしております議会の議決による解散の制度は、たとえば、東京都議会の現状に見るごとく、住民の意思の動向が明らかに議会の解散を要求し、また議会の議員の大部分の意思が解散を希望しているにもかかわらず、現行法上の制度によっては、議会が自主的に解散してこれにこたえることができないという、異常な事態を打開するための制度であります。  このような制度の創設は、地方自治の基本に関するものであり、今後さらに慎重な検討を加えるべきものであることは、附則第二項に掲げられた趣旨によっても明らかなところであります。したがいまして、その運用に当たりましては、慎重の上にも慎重を期すべきであり、いやしくも住民の世論と無関係に、議会のみの判断によって、この制度を乱用するようなことがあってはならないと存ずるのであります。  このような意味におきまして、本修正案は、本法立案の趣旨にのっとり、その目的を一そう明確にするため、議会の議決による解散を当該地方公共団体の住民が議会の解散を要求して、直接請求の手段に訴える運動を開始するなど、特に世論が著しい高まりを見せた場合に、みずから進んで行ない得るものとした次第であります。このことが同時に地方自治の本旨によりよく沿い得るものと信ずるのであります。  以上が、本修正案を提出した理由であります。何とぞ、各位の御賛同をお願いいたします。

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 以上で修正案の趣旨説明は終わりました。     —————————————

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 これより地方公共団体の議会の解散に関する特例法案、及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、本案に対する亀山孝一君外二名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 起立総員。よって、亀山孝一君外二名提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 起立総員。よって、三木武夫君外八名提出にかかる地方公共団体の議会の解散に関する特例法案は、亀山孝一君外二名提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま修正議決されました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕

中馬辰猪自由民主党

○中馬委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十二分散会

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