地方行政委員会 第31号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/04/23
会議録
○中馬委員長 これより会議を開きます。 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。 地方公共団体の議会に関する問題等について、質疑の通告がありますので、順次これを許します。本島百合子君。
○本島委員 実は自治大臣にまっ先にお尋ねしようと思っておりましたが、おいでになりましたらば一応お伝え願って、冒頭に御返事願うようにお願いいたします。 では質問いたしますが、地方自治の安定と確立は、民主主義をささえる基本といわれております。そこで、自治省としては地方行政に対する関心を相当強めておられることと思うわけでありますが、今回東京都議会の汚職ということについては世論をにぎわしております。現段階におきましては御承知のとおり、都議会は解散すべきだ、あるいはまた議員の総辞職をすべきだというようなことで大荒れに荒れておる、こういう状況を呈しておるわけであります。このことにつきましては、議長選挙をめぐっての汚職、それから東京都知事が選挙で選ばれてまっ先に起こったのがにせ証紙事件、こういうことで一応この問題については判決も下ったようになっておりますが、都知事自体にはまだ波及してない、こういう状況で、初めからこの東京都知事に対する都民の不信感というものは強かったわけなんです。それが引き続き二年間、オリンピックが終わりましても、依然として、世間ではやめるだろうといわれた知事はやめない。そこへもってきて、今回の議長選挙をめぐる贈収賄、こういうことになっております。あるいはまた、食肉移動販売車の認可をめぐるところの恐喝未遂事件、そしてこれは議員並びに理事者、こういうふうに逮捕されておるわけです。現職の議長が議会の開会中逮捕されるであろうとうわさされたわけでありますが、終わってすぐに逮捕された、こういうような事態というものは、だれが考えても、東京都政というものは腐敗している、そしてまたこういう行政のあり方は、どろ沼都議会だなんという批判も出ているような次第でございます。そして、こういう地方自治体に対する監督、指導、こういう立場におられますところの自治省として、また大臣としては、この事件をどういうふうにお考えになっておるのかをまず承りたいと思ったわけであります。 そこで、ただいまお尋ねいたしたいことは、かかる事件がどういうことが原因で起こってきたかということを自治省の行政局長はお考えになっておるか、まずその点をお聞かせ願いたいと思います。
○佐久間政府委員 今回のような事件の起こりましたことにつきましては、私どももたいへん遺憾に存じておる次第でございます。どういう原因から起こったかというお尋ねでございますが、事件の内容につきましては、私どもも新聞に報道されました以上のことはつまびらかに承知をいたしておりませんので、的確なお答えを申し上げることはできないのでございます。ただ私の所管いたしております仕事の関係から申しますと、議長の一年交代の慣習ということもこのような事件を引き起こしました原因の一つに考えられるのではなかろうか、地方制度の上から申しますと、これが一つの問題点ではなかろうか、かように存じておる次第でございます。
○本島委員 そこで自治省としては、三十八年の十一月の二十九日に、行政財政調査とその助言勧告をお出しになったと思いますが、その際に、こうした都議会に対する勧告書でございますので、都議会議会費とか、あるいは議長の交際費とか、それからただいま申された議長の一年交代制というような点についての報告回答等がきておりましょうか。特に、こういう点について力を入れて御調査になったというふうには思えませんけれども、そういう点について何らかの条項をお出しになったかどうかということを承りたいと思います。
○佐久間政府委員 一昨年、御指摘のように自治省といたしましては、東京都の行財政調査をいたしました。その中に、ただいまお話のございましたように議会関係の事項につきましても、調査の結果に基づきまして助言勧告をいたしたのでございます。議会関係のお尋ねの点につきましては、一つは議長の交代制につきまして、こうした交代制は議長が議長としての権威を持ち得ないこと、議会運営に習熟した者を議長に得がたいということを惹起するばかりでなく、議会の正常な運営を阻害することにもなるという指摘をいたしました。 それから議会関係の経費につきましては、議長交際費につきまして、相当多額のものが計上され、かつその後予備費の流用の形でかなりの回数のものが使用されておるのでございます。これらの点につきまして、改善方を考慮するように指摘をいたしております。
○本島委員 実はこれは東京都ばかりでなく、各都道府県ともに議会費あるいはまた議長交際費というようなものは非常にアンバランスになっております。こういう県でこのようなばく大な交際費が必要であろうかと思えるような県もあるわけでございます。聞くところによりますと、東京都の場合は、議長交際費として予算化されておるものが二千五百万円程度、ところが実際は決算をいたしますと、三千五百万円以上にも膨脹をする、こういうことが簡単に言われておるわけであります。そういたしますと、地方府県等においては、予算で見た分の倍とは申しませんが、それに近いほどの交際費が出たり、あるいは議会費等につきましても、宴会費だとか、弁当代だとか、私どもが考えます場合に、必要なものでない、妥当でないというようなものに使用しておるということがよく言われておるわけでありますが、こういう点について自治省はどのように把握され、またそのことについてどういうふうにお考えになっておるかということを承りたいと思います。
○宮澤政府委員 当時の調査を私担当いたしましたので、調査の時点におきます問題を御報告申し上げたいと思うのであります。 御指摘のように、調査いたしましたのは一昨年でございます。したがいまして、三十七年度の決算その他を参考にして、三十八年度の行財政運営を調査いたしたわけでございますが、三十七年度におきましては、ただいまお話のように、議長交際費といたしまして、当初千五百万円組んでいた。その後予備費で流用いたしまして、決算といたしますと四千百万円余でございます。つまり倍以上のものが予備費流用で処理をされている、こういうことに相なっていたわけでございます。私のほうといたしましては、交際費等の費目の性質から考えまして、本来こういう必要なものは当初から組むべきものだ、予備費で流用するのは経費の性質上適当ではないという指摘をいたしました。同時に予備費の流用も、たとえば三十七年度においては当初から、端的に申しますと四月中にすでにやっておる、こういうような実態でございます。しかも予備費の交際費に対する流用の回数というものがきわめて多いのでございます。三十五年度は九回、三十六年度は十回、三十七年度は十四回、こういうような予備費流用を重ねているわけであります。そういう点から申しましても、この予備費流用というようなやり方自身、交際費がどういう内容に使われておるかということは別にいたしましても、一応財務経理の手続、運営の面から申しましてもこれは適当ではない、こういうふうに思いまして、そういう指摘をいたしたわけでございます。 それから交際費の内容でございますが、これにつきましては、御承知のように交際費の経費の特殊性から申しまして、その使用の実態というものがすべて明らかにされているわけではないのでございます。それにつきまして、通常の経費のように必ずしも証憑書類、すべての領収証その他そろっているというものではないのであります。またある意味におきましては交際費というものはそういう性質を持っているものとも思われるのでございますが、その内容自身につきまして、私どもはやはり的確な物証と申しますか、事実に基づいて調査の結果を勧告しなければなりません。しかし的確なものがつかめなかったのでございますが、一般的な感触といたしましては、交際費が本来の使用目的と離れた面に使われておるのではないか、こういうばく然とした一般的な感触は受けたわけでございます。
○本島委員 いま申されたように、ばく然としたもので使われているのじゃないか、こういう考え方、これはやはり自治省としてはその監督、指導に当たられるわけでございますので、一定のその県の財政規模というものがあって、その規模に応じてこの程度のものではなかろうかというような、そういう計算をして指示されるということはいままでになかったかどうか。それからたとえば予備費の流用等について、いまいろいろと行なわれておるものだから一応勧告をしてみたとおっしゃるのですが、そのときにどういう内容があったからやったのだ、私どもはそう考えるわけなんですけれども、そういう自治省としての根拠が何かあったのじゃないかと思うのです。私どもいろいろと調べてみますと、これは国会にも立法調査費というようなものがあるわけでありますが、これは各政党にまいります費用ですが、東京都議会議員の場合は、たしか五万五千円くらいの政務調査費というものが出ておる。これが議員の報酬の上積みになっているというような批判が出ておるわけです。ということは、それは個人個人で調査するが、個人渡しにすれば税の対象になる、そこで政党に渡して、個人が自由にいろいろな施策なり調査をするというような形をとっているということがいわれておりますが、国会議員がたしか三万円から四万円になったと思うのですが、都議会のような場合に五万五千円からの政務調査費というものが必要であるかどうかということが一つ。またいま申されたように、その地方地方における人口、環境、そして財政規模、こういうものからして議会費のあり方、議長交際費のあり方というようなものに対する自治省としての指導というものが全然なされないということであるのかどうか、ある程度指示はしておるということかどうか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
○佐久間政府委員 最初のお尋ねであります交際費につきまして、何か基準のものを指導しておるかどうか、こういうことでございますが、交際費はどの程度のものが適当かということにつきましては、個々の地方公共団体の規模その他の実情によって一がいには論じかねると存ずるのでございます。この点につきましては、各地方公共団体の良識によって定められるべきものと考えておりまして、私どものほうで、かくかくしかじかが適当であるというような指導をいたしたことはございません。 それらから、第二の議員に対する委託料の問題でございますが、これにつきましては、先般の東京都の調査の結果に照らしてみましても、御指摘のような疑問の点もございましたので、自治大臣の勧告の中で、その点につきまして適正を欠くものが見受けられるので、すみやかに改善することを要望いたした次第でございます。
○宮澤政府委員 調査費のお話でございますが、たぶん私どもが調査いたしましたものとの関連におきましては、委託費という項目で出ておるものについての御指摘だろうと思うのでありますが、都議会費の中で御指摘のような委託料というものが出ております。これも年々相当な額でございまして、三十七年度で申しますと、約五千万円の委託料が出ておるわけであります。この委託料につきまして、多少使用の実態についての調査をいたしたのでございますが、これについては一体何をどう委託しておるか、もう少し具体的に申しますと、債権者なり債務の金額というものも確定をしていない以前に議長に一括交付されておる、こういう経過を踏んでいたわけであります。委託料の性質から申しますと、これはやはり具体的に何をだれに委託をするのかということが明らかでなければならないわけでございます。どうもやはりこの委託料自身もいわば一種の交際費的な扱い、あるいは食糧費的な扱い、または場合によっては先ほども御指摘のような立法調査費的なもの、通信費的なものも入っておると思うのでありますが、こういうものであろうと思うのであります。それでありますならば、たとえば通信費ならば通信費、立法調査のために必要でありますならば立法調査費という費目を明確にいたしまして使用すべきである、現在におけるような相当膨大な額を委託料というごく一般的な項目で一括支出するということは、これははなはだ当を失しておる、こういう指摘をいたしまして改善を求めたわけであります。
○本島委員 ただいま御質問したことは、東京都に限らず、各県、大都市というようなところには、こういう形で膨大なものが出ておるということを聞いておりますが、そういう点はどうでございましょうか、二、三例がありますならばひとつこの際お聞かせ願いたいと思います。
○佐久間政府委員 議会の議員に対する調査委託費のようなものの支給についてでございますが、東京都がやられておりますので、自分のところもそういう形で支給をしたいという照会を受けたことはございましたが、私どもといたしましては、その調査委託費が、ただいま参事官から申し上げましたように、具体的の調査事項を特定いたしておりまして、その事項についての調査費として支給されるものでございますれば格別、一般的に各議員に同様に同額を支給するというようなものは、その実質が、いわば報酬を別な形で支給をしたものというふうにも見られるおそれがございますので、そういうことになりますと地方自治法の規定の上からも抵触する疑いもございますので、そのような形で支給される調査委託費というものはよろしくないということを照会のありました向きに対してはいたしております。したがいまして、現在そういう形で出しておるところがどこどこであるかということは、私ども承知いたしておりません。
○本島委員 これは議会費の問題でございますが、こういうような場合においても自治法の二百四十五条の一項の規定というものを自治省としてはもっとフルに活用されて、こうした点を改善させるというような思い切った施策というものが必要じゃないだろうか。従来は、この議会費とか議長の交際費というものは、あまり触れたくないというような態度が多く見受けられたということを、一部の学者は言っております。そのために今回のような東京都議会の議長交際費、あるいはまた東京都の議長というものは全国の議長会の会長にもなれるというように特権がある。あるいは議会費の中に、議員の国内の視察ということで一人当たり十八万円という旅費が計上されておるとか、あるいは外遊するために十人分の経費が組まれておるとか、こういうようなことが都民に非常に衝撃を与えておるようであります。こういう問題について、適格にそういうものが必要なんだろうか、そういうような気を持つわけです。そういう点についてのあなたの考えはどうでしょうか。費目としては、款項目にきちんと並べていかなければ予算の場合には成り立たないから、やむを得ずはっきりと外遊費十人分というものが出てくる。あるいは議員一人について年間十八万円というものが出てきておるのだと思いますが、正直に言ってこれだけでは済まされていないわけです。そうすると、こういう費目を持っているあり方というものがはたして妥当なのかという気がするのです。もちろん視察ということは、議員として当然やらなければならぬことだし、そのことによって知識を開発して、よりよい都民の福祉向上のためにやっていくわけなんですが、その点でこれは少し額が大き過ぎるのじゃないか。また外遊ということが、都議会議員の場合に、年間十名が必ず行かなければならぬかどうか。こういう点のお考えはどうですか。
○佐久間政府委員 議員に対して支給されますいろいろな費目のものがあるわけでございますが、個々の内容につきましては私必ずしもつまびらかにいたしておりませんけれども、議員活動に必要なものとして給付されますものは議員の報酬があるわけでございますので、議員の正規の報酬以外にいろいろな名目で支給されるというものにつきましては、実費弁償的なものは別といたしまして、そのほかのものは適当ではない、できるだけそういうものも報酬によってまかなわれるべきものである、かような考え方をいたしております。 それから外国視察の件についてお尋ねがございましたが、私も地方議会の議員が外国の事情を視察されまして、当該地方公共団体の施策の上に反映をされるということは、これは益するところがあることはいなめないと思うのでございますが、それにいたしましても相当多数の議員が外国に出張するということは、はたしてそれだけの必要性があるかどうかということについては、私どもも疑問を持っておる次第でございます。
○本島委員 そういうような点で伏魔殿都政だとか言われるわけですけれども、私もかつて都議会議員をいたしておりまして、十一年間の経験の上に立って——当時はまだ戦災復興ということに重点が置かれておりましたから、こうしたはでな状況がなかったわけです。それが最近は非常にはでになっておるということで世間の非難も受けるわけでしょうが、今回の議長選挙をめぐっての贈収賄というような問題については、大体慣例になっておる。ですから初めわれわれが抗議に参りまして、議長に善処方を要望して、議長が逮捕される前に会ったわけですが、とにかく歴代の議長選挙においてはこのくらいのことは当然やられておるというので、少しもやましいことはないのだ、こういう話をされたわけですが、これは都議会議長選挙ばかりでなく、東京のような場合には、二十三区の議長選挙、区長選挙、特に区長選挙に多く見られる状態でございます。また各都道府県も、こういうことにおいて刑事犯に問われるというような事件が引き起こってきておるわけです。こういう慣例というものは一体どういうふうに考えていられるか。もちろん逮捕されるに至っては、検察庁としてはある程度の確信を持ってこれは刑法上の問題だとして逮捕されたのだと思いますが、こういうことが慣例上行なわれてきたということでございまして、こういう点についての自治省としての調査あるいは勧告、こういうことがなされたことがあるかどうか。問題としてはそういうことはあり得ないことだと私ども思うわけですが、しかしこれが慣例とするならば、当然各県でもこういうことがずっと行なわれてきておると見なければならない。大体議長選挙を行なうにあたって、一年交代という慣例ができてきたのは最近の現象じゃないでしょうか。終戦直後というものは大体任期一ぱいやっておったところが多いわけです。東京都議会でも二十二年から二十六年までは石原さんという一人の方がずっと議長をつとめられておるわけです。その後に至ってこういう一年交代という制度が生まれてきたわけで、よほど魅力がなければ辞表をちゃんとふところにして、一年たった、さあお前やめろ、いや、やめないということで、けしからぬ人は雲隠れしてしまうというようなことで大騒動をやっておる。そういたしますと、予算議会が終わってから二、三カ月は、議長選挙ということで議会側は相当空白の時期を過ごしていくといわれております。こういう点のあり方について、また特に一年交代制が今回の議長選挙の汚職の一つの原因であると思うとおっしゃるその立場からして、これはどの程度がいいかというような点、そういうことを示唆されたことがあるかどうか。また慣行上行なわれておる、これは司直の手にわたらないとしてもそういうことが行なわれておるという事実は明らかであるわけですから、こういう点についての指導がどういうふうに行なわれてきたかということを、いま一度お聞かせ願いたいと思います。
○佐久間政府委員 議長の一年交代の慣習につきましては、御指摘のようないろいろな弊害がございますことは、私どもも承知いたしております。地方自治法によりますると、議長の任期は議員の任期によるということになっておりまするので、四年がたてまえになっておるわけでございます。お話のように、終戦直後はこの規定どおり四年間つとめられる場合が多かったわけでございますが、だんだんと一年あるいは二年交代の慣習ができてきておりますことは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、これは地方自治法のたてまえに沿うて、各関係者の良識によって短期の交代の慣習というものがなくなっていきますことが、きわめて望ましいと考えておるわけでございまして、いろいろな機会にわれわれの考え方は申し上げておるわけでございます。東京都の場合につきましても、一昨年の調査の際に、議長の一年交代にまつわりまするいろいろな弊害も看取されましたので、先刻申し上げましたように、この点について再検討を要望をいたした次第でございます。
○本島委員 この問題については、一年交代から起こる弊害だということがかなり新聞等にも言われておるわけなんです。この点については特段にひとつ研究されて、大体こういう程度がいいんじゃないかというようなことを、ひとつ会合の席上等におきましても御協議を願って、今後一年交代によるところの議長選挙にからむ汚職事件というようなことをもう二度とやらせないというような御覚悟のほどを私は大臣に聞きたいと思っておったわけですが、そういうことをひとつ各都道府県の会議の席でも出して検討してみていただきたいと思うわけであります。 今回の都議会の汚職事件というのは、御承知のとおり、選挙違反に問われておる議員さん、それから議長選挙をめぐっての贈収賄、都知事はじめでございますが、そういう問題がからんできておる。そこにもう一つからんでおりますことは、食肉移動販売車の運行許可申請にまつわるところの恐喝未遂事件、こうなっているわけなんです。こういう状態の中で、現職都会議員が十名近い、選挙違反を数えますと十二名ぐらい、これはほとんど自民党の議員さんでございますが、こういうようなことがあったというこの事実については、ほんとうに都民の怒りは頂点に達した。われわれの税金は一体何に使われているのか。議員さんの欲望のために、あるいは利権あさりするために、また、それがあるからこそ、無理してばく大な金を使って、選挙違反を犯してまでも都議会議員になろうとしておるのではないか、こういう批判まで受けておるわけなんです。ですから、こういう点を考えてまいりますと、直接の監督指導に当たられる自治省としては、これが東京都だけならばまだ東京都だけの問題として片づけられますが、しかし各県ともこういう傾向があるわけなんですから、こういう点について、いま一度あなた方の、これからどのような勧告あるいは指導をしていこうとしていられるのかをお聞きしたいわけです。
○佐久間政府委員 ただいま、るるお話のございました点につきましては、先ほどもお答え申し上げましたとおり、このことはひとり東京都議会に限らず全国的に影響のある問題でございまするので、それらの点につきましては十分考えまして、お話のようにいろいろな機会をとらえまして、かようなことが今後改善されますように、私どもといたしましても指導に努力をいたしたいと存じます。
○本島委員 もう一つ、今回、法律的にはまあ問題はないとはいわれますが、議員の特権を利用して都有地の払い下げの問題をめぐる問題が一件ございます。こういうような点について、私が従来聞いておりますところによれば、議員という肩書きにおいて国有地やあるいは都有地というようなものを獲得するということはできないと聞いておったわけなのです。それが、国の財産の払い下げの場合においても、また今回の事件の一つとして都議会でいわれる都有地の払い下げ問題にからむ事件、こういうようなことは一体自治省としてはどのような通達あるいはまた勧告等をされておるのか、こうした点についていかがですか。
○佐久間政府委員 ただいまの払い下げの問題につきましては私もちょっと耳にいたしましたが、その問題の内容につきまして格別の調査をいたしたこともございませんので、それにつきまして個別的な指導をいたしたということもございませんが、御指摘のような事実であるといたしますれば、これも好ましくない事態でございまするので、さらによく調査をいたしたいと存じます。
○中馬委員長 ちょっと本島先生、大臣が大体十二時ごろまでおられますから、まず大臣のほうにひとつあったらお願いいたします。
○本島委員 大臣には、大体答弁いただいてから、最後にお聞きいたしますので、もう一つ、厚生省はお見えになっておりますね。——それでは、今回の事件の中で恐喝未遂事件というものがあるのですが、これがたまたま厚生省関係になるのです。食肉移動販売車の運行許可申請に基づいて東京都から厚生省に話をしたところ、厚生省ではこれは現行法上許可してもいいということを指示されたそうでございます。ところが今日、都議会における衛生経済清掃委員会で大もめにもめておるわけでございます。その論点は、設置基準に合致しておればこういう食肉の移動販売車もいいのだということを厚生省が明確に御指示になった、それに基づいて都の衛生局ではこれは当然許可になるものだというようなことがあったと見えまして、業者は初め数台と言っておったのが今日百台近いものをつくっておる。もしこれを許可しなければ一千万円の損害賠償をとられるということを議員が言ったということにおいて委員会は大荒れに荒れて、しかも、議員の立場からとしては、これは食肉業者の過当競争にもなるし、またいろいろの流通機構の撹乱にもなるというような観点から大体これは判定しておるようでございます。しかし、衛生局は、そういう厚生省の指示もあったことだからこれは当然許可していいものだというように言っておりますが、それはいつごろ問い合わせがあり、どういう観点に立ってそれはいいということを言われたか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○舘林(宣)政府委員 移動食品販売施設の取り扱いに関しましては、すでに昭和二十九年十二月三日付で、三重県知事の照会に対しまして厚生省環境衛生部長から、当該施設が知事の定めた食肉販売業の施設基準に合致するものであれば許可を与えて差しつかえないものであるということを公式に通達いたしております。したがいまして、この点に関しましては、都からあらためてこの部分に関しては照会の必要のない、すでに国の方針のきまったものでございます。
○本島委員 二十九年と申しますと、大体行商は昭和二十七年まで許可されておって、二十八年から禁止されたと思うのです。そしてこれが二十九年とおっしゃるから、そうすると行商という見解と移動販売車という見解、これはどうでございましょうか。この点が非常に問題になっておるのです。行商でないのか。車である程度の設備をしたということは、普通なら食肉業者は店舗をかまえて衛生設備を十二分に施したものに限る、こう思っておったのですが、こういう点どうでしょうか。
○舘林(宣)政府委員 車の形をとっておりましても、おらない場合でございましても、それが移動形態をとって営業するということにおいて、この通達は出されたものでございまして、それが自動車であろうとなかろうと同じ筋合いのもの、かように私どもは理解しておったわけでございます。
○本島委員 時間がもうございませんので省略するのですけれども、設置基準でそれはきめてあるということなんですが、その設置基準という条件を付して許可してもいい、こういうことに通達があるわけなんです。そうすると店舗でなくても、店舗並みの設備がしてある車ならいい、こういうことなんですね。そうするとリヤカーや何かではできない。これは行商だからだめだ、こういうことになるわけですか。
○舘林(宣)政府委員 一般的に世の中に屋台なるものがございます。これは毎日同じ場所に固定するものもございますけれども、移動をして営業する場合もございまして、食品衛生営業が移動によって行なわれる事態は各所にあり、それが現に行なわれておるわけでございます。そういう現実の事例もございまして、これが自動車の形をとりましても同じ筋合いのものでございます。ただ知事の定める施設の基準は、移動の状態の基準が定めてある事例はほとんどございませんで、一般店舗の場合の基準があるわけでございますが、この定めた基準によりがたい場合は、それぞれ知事が公衆衛生上差しつかえないかどうかの判断によってきめるというただし書きがついておるわけでございまして、東京都の基準もそのようになっておるわけでございます。
○本島委員 野菜だとか魚などは比較的弊害の少ないものだけれども、食肉獣はいろいろの経路を経て食用になるわけですが、そういう施設が設置基準に合っておればいいのだという、単なるそういう考え方でこれがいいと言えるのでしょうか。これは都議会の審議の過程を御承知だろうと思いますが、その中でもずいぶんこれが指摘されておるわけなんです。ただ役所側では、とにかく厚生省がいいと言ったからいいのだということの一点ばりだし、議員はあらゆる角度からこれの弊害を説いておるわけなんです。その点は御承知おきだと思いますので省略しますが、そういうような状態の中で、もし都議会の認可事項であるからというので、このまま認可されるというようなことがあった場合に、かりにこの問題から大きな病気その他があったとしたら、こういうようなときに一体責任はだれが持つのか、こういう問題にもなろうかと思うわけなんです。ですから、この移動販売車の問題については、業者はもちろんのこと、一般の人々にも相当の反対があるのです。それを押し切ってやろうという委員会をいま開いておるわけですが、その第一の原因は、厚生省がいいと言ったから、こういうわけなんです。昭和二十九年、私はごく最近であろうと思っておったのですが、二十九年だというとずいぶん古いことなんです。そのずいぶん古いことがいまだになされなくて、今日こういう問題になったというのは、一体どういうところに原因があるのか。また二十九年にさかのぼって考えれば、当時の社会と現在の社会ではずいぶん違う、こう思うわけなんです。こういう点についてもう一度御見解を聞かせていただいて、この事態収拾というものが厚生省としてなし得るものがあるのかないのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
○舘林(宣)政府委員 この食品衛生法上の施設の許可は、食品衛生、公衆衛生の見地から許可するものでございます。したがいまして、その設備基準も公衆衛生上必要な基準を設けるわけでございます。普通の基準は固定店舗に対する基準でございますので、内容的に必ずしも移動店舗に適用できないものもあるわけでございますが、現にただいま申しましたように、屋台等に許可をいたしておる事例もあるわけでございます。これは特別な事例として特別審査しておるわけでございます。通常の場合の屋台と食肉販売の自動車との違いは、その内容が食肉であるという点だけでございまして、その他便所とか手洗いというような部分については、屋台の場合と何ら変わることがないわけでございますので、特に食肉に関して特別の基準が必要であるかどうかということが問題になってくるわけでございます。その場合には、当然そこで食肉が調整されるかどうかというような問題もかなり大きな問題でございますが、これを調理は一切しないで、包装のままでただ販売だけをする、冷凍能力を持った冷蔵設備があるというような点でございますと、公衆衛生上むしろ一般的な屋台よりもさらに衛生的な基準が守られるかというような点を配慮して知事は許可をすることになるわけでございます。したがいまして、公衆衛生上の見地から、食肉を調理することが適当でないのであれば、その他の条件を付して許可することができるという定めになっておりますので、販売形式を包装様式の食肉だけに限るというようなことも一つの方法でございましょうし、そのようなことによって衛生が守られるという見解を知事がとるのであればこれは差しつかえない、かように思っておるわけでございます。 そこでこのようなものが許可された場合に、既存の食肉販売業者との関係が生ずることは私ども十分承知いたしておるわけでございまして、この問題が今日このように大きな問題となってきました点は、特にそのような機動性をこの自動車は持っておる。従来の手押し車等の屋台等に比べればはるかに機動性を持っておって営業上大きな問題を起こしてくるから、今回このような問題になったと私は考えておるわけでございますが、環境衛生営業の上の問題は、食品衛生関係の法律との関連はないわけでございます。この食品衛生関係の法律の第二十一条にも基準に合致したものは許可しなければならないというかなりはっきりした基準があるわけでございます。したがいまして、基準以外の点の配慮がこの法律上なされていないわけであります。ただ行政実態上このような車が許可されまして、実際に営業しておる既存の施設に対して大きな影響力がある点は、行政当局としてはかなり配慮せざるを得ない問題であろうということで東京都もかなり苦慮いたし、その取り扱いについては慎重にいたしておった点もあろうかと思うわけでございますが、これらの点はこの自動車を持って営業するものと既存の施設を持って営業するものとの十分な理解、話し合いというようなものが行なわれることが私どもとしては望ましいと考えておりますし、東京都としてもそのような御努力をお願いいたしたい、かように考えております。
○本島委員 この問題はこの程度でやめますが、結局大資本を持って、大設備をしておれば、大体何でも許可ができる。零細企業のように、ほんとうにその日暮らしのやり方をやっておる者はいろんな意味で圧迫を受ける。こういうような行政のあり方について問題があって、今日まで当局はそういうものをやっていなかったと思いますが、しかし包装されておるから必ずしも衛生的であるとは限らないので、私どもは食肉獣を取り扱う者については、軽々に新しいアイデアでものをやってもらっちゃ困るという気が強いわけです。そういう点が今後どういう推移になるか私どもも予測できませんが、厚生省としても、特段の注意を払って、業者との摩察あるいはまたその品物における不正というようなこと、こういう点を万全を期して御指導をなさらぬといかぬのじゃないか、こう思う次第です。 この問題についてはこれで終わりますが、大臣に一言、今日東京都議会の汚職あるいは逮捕された議員十数名をかかえるわけでありますが、こういう問題をかかえておる。また東都知事は、選挙の際において、証紙事件等もあり、オリンピック知事だから、オリンピックでやめるだろうといわれておりましたが、いまだにそういう意思もない。こういうようなことから、ただいま質問しております食肉販売の自動車の問題についても、その許可申請をめぐっての恐喝未遂なんという事件、こういうのが起こっておる。あるいはまた、都有地の払い下げについては、不当ではないか。議員に払い下げられたというような事件も現に起こっておる。こういうわけで、非常に東京都政というものがどろ沼だ、こういうふうな声なんです。同時に、最近では都民は、解散すべきである、あるいは総辞職すべきである、これくらいの激高ぶりなんです。こういう状態に放置されておるところの東京都議会に対して、三十八年に自治省としては、行政財政調査の勧告をお出しになった。その回答も来ておる。それがまだ来てから一年足らずでございますが、そのときに、こういう問題を東京都ばかりでなく、議長選挙をめぐる汚職事件、増収賄事件というものがよその県でもいままでずいぶんあったわけです。にもかかわらず、せっかくの勧告に対しまして、何らの反省もなく、またいまお聞きすると、かなり議会の費用、議長交際費等についても御指示があったようにいま御答弁を受けたわけなんですが、にもかかわらず、今日こういう状況になっておる。そこで、その勧告指導に当たられる自治大臣としては、どうお考えなのか、また今後どう対処していこうとされておるのか、ひとつその決意のほどを承りたいわけであります、
○吉武国務大臣 最近東京都議会において、議長選挙をめぐっていろいろの不祥の事件の起きておりますることは、私といたしましてもはなはだ遺憾に存じておる次第でございます。そのよってきたるところはいろいろあるかと思いますが、一つは、議長の任期というものが、議員の任期によると定められておりまするにもかかわらず、往々にして一年あるいは二年というような期間において交代が行なわれ、その問いろいろな問題を起こしておるということもございまするので、先ほど御指摘になりましたように、三十八年の十一月における東京都の監査の結果、私どもといたしましては、この議長の任期についても、正常の姿に早く返るようにという勧告をしたところでございます。しかし、いろいろ事情もございまするし、他にもいろいろ行なわれているような状況でございまして、一挙になかなか改善がみられませんことは、はなはだ遺憾でございまするけれども、私どもといたしましては、極力正常に復帰することを念願をし、また指導していくつもりでございます。
○本島委員 最後に、大臣のその答弁では、私ちょっと納得しかねるわけなんです。先ほどから聞いておるように、議長交際費あるいは議会費というものが、その地方住民の数だとか、その地方の環境あるいはまた特殊性、こういうようなもので、財政規模に応じてある程度のワクというものが必要でないだろうかということを聞いているわけです。 ところが、それについてはそういうものは必要でないような印象を受ける答弁を受けたわけなんです。ですから、その地方地方の状況に応じての予算規模であろうと思うのですが、議会費とか議長交際費というものについて、どうも自治省としては手ぬるい指導をしておられるように考えられるのです。財政上から考えましても、不当に高額な予算が組まれていたり、また款項目を調べてみましても、適正でないようなものがある。あるいは予備費からの流用というようなこともいま答弁されたわけなんですが、こういうことが行なわれているということが、ほかの各局なり各部なりという役所関係よりは、議会局関係に多いということ、こういうことをもっと積極的に指導される必要があるのじゃないか、こういう観点でお聞きしておったわけなんですが、その点いま一度大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○吉武国務大臣 ただいま議長交際費が多額にのぼるきらいがあるが、これについてどう思うかというお尋ねでございますが、私も交際費があまり多額になるということはおもしろくないと思います。しかしながら、東京都における交際費の額は幾ら以上はいけないというふうになかなかこれはきめかねると思います。したがいまして、これは自治権の尊重というたてまえからいたしましても、あまりに法外になれば、これは私どもといたしましても注意しなければなりませんけれども、東京都議会自身がきめられることでございまするので、あまりに干渉的には実はなりたくないということで、いままで見ているところでございます。しかし、こういう点は住民の批判もございましょうし、あるいはまた一般の世論の批判もございましょうししまして、私は適正なる額にきまっていくことを期待いたしている次第でございます。
○中馬委員長 安井委員。
○安井委員 まず大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、いま本島委員から詳しく事実問題等についてお尋ねがあったあとでございますので、私は重複を避けて要点だけにとどめたいと思います。 きのうの本会議でもこの問題につきまして、私、総理大臣や自治大臣にお尋ねをいたしまして、これらの東京都における事件は、自民党は、総裁選挙でやたらな金が使われているというふうなことから、これっぽちの金が議長選挙の予備選挙で使われたって、こんなものは大した問題でないじゃないか、こういうふうな自民党の都議の諸君の談話が新聞にも出ておるわけなんでありますが、そういうようなことからすれば、政治の大もとを正すべきだという点についての私の指摘に対して、佐藤総理も、政治全体がえりを正していかなければならない、そういう趣旨の御答弁もいただきましたし、さらにまた、議長の交代制の問題につきましても、自治大臣は、好ましくない方向だから、その改善につとめるという御答弁をいただいたわけでありますが、きょう私は特に大臣にお尋ねいたしたいのは、自治法二百四十五条の「所轄行政庁の助言・勧告及び監査」に関する規定についてであります。つまり自治大臣は都道府県に対しまして、その「組織及び運営の合理化に資するため、」「適切と認める技術的な助言又は勧告をすることができる。」という規定があります。私は一般的な問題として、自治体の中に問題が起きたら何もかも自治大臣が勧告や助言をするという形で自治体への干渉をどんどんやってもらいたいと、そういう言い方でこの問題を持ち出しているわけではありませんし、また、そうすべきではないと思います。しかし、今日都民の間の激しい憤りや、問題の解決を一日も急がなければいけないという世論の沸騰、そういうふうな中では、この問題に対して自治大臣としては、やはり法に定める範囲内における指導なり助言なりを行なうべきではないかと思うのでありますが、その点についてのお考えをお伺いいたしたいと思います。
○吉武国務大臣 先ほど申し上げましたように、今回の東京都における議長選挙をめぐって幾多の不祥事件を起こしてわりますることは、自治体の運営からいきましてもまことに私は遺憾に存ずるわけでございます。その原因はいろいろございましょうが、ただいまご指摘になりましたように、議員の任期というものが四年にきめられておるにもかかわらず、一年交代というようなことも行なわれておるので、こういう点についてどういうふうに指導をするかということのようでございます。これは三十八年に監査をいたしましたときにもこの点を指摘いたしまして、ただいま御指摘になりました二百四十五条に基づいて、自治大臣として東京都に対し勧告をした次第でございます。勧告はいたしましたけれども、一挙に改まらない点ははなはだ遺憾でございまするけれども、今回のような事件が起こりましたことでもあり、また一般の世論もきびしい批判が行なわれておることでもございまするから、私どもといたしましても重ねて注意をし、すみやかに正常化していくことを希望しておるところでございます。
○安井委員 希望していることは、それはわかります。わかりますが、一昨年もそういうふうな意味の助言や勧告をなさったわけですね。なさったわけだが、それがちっとも実行されていない。それによりまして、そのときの報告の中にも、一年交代はやめなさい、こういう強い指摘があったし、交際費の使途についてもやはりもっと合理的な正常な方向に戻すべきだという指摘もあったことも先ほども報告がございました。何にも直っていないわけですね。だから私は、一昨年おやりになった情勢と情勢が幾らかでも改善されていればまた別でありますけれども、それができていないとすれば、やはりおやりになったってちっともさしつかえないじゃないか、一昨年はおやりになったわけですからね。その点どうですか。
○吉武国務大臣 勧告をすることをいとうわけではございませんけれども、すでにこの点に関しまして三十八年に勧告をしておるところでございまするから、ただ勧告をするというだけでこれがそう直ちに改まるとも思いません。先ほど申しましたように、一般の世論の喚起等によって、そうして批判がきびしくなればなるほどこういう問題は改まっていくんじゃないかという点を私どもは期待しているところでございます。
○安井委員 つまり自治省としてはもう打つ手はないのだ、あとは世論の問題にまかせるよりほかない、そういうことでありまして、そういうお答えを前提にしてさらにお尋ねを進めていきたいわけでありますが、たとえばこの問題が起きましてから東京都の社会党の議員団等が直ちに臨時都議会の招集を請求したようであります。百一条で四分の一以上の議員の署名があればできることになっておるわけですから、その請求をしたところが、聞くところによりますと、その付議すべき案件についての書き方が単に議会の正常化について、そういうふうな抽象的な表現では臨時都議会を招集することができないといって、東都知事はその請求をけったということを聞いているわけです。どんどん自治体の中で問題を解明していこうという動きが起きているのが、どうも何か法律の規定の関係でしょうか、それとも知事の意図的な処置なのでしょうか、その点が私はよくわからないわけですが、やはり一日も早く臨時都議会が開かれて問題の解決の糸口を見出すという方向に自治省はやはり協力すべきだろうと思うのですが、もう少しこの点の解明を願いたい。
○佐久間政府委員 東京都から百一条の法律の解釈につきまして私どものほうに照会がございました。私どもといたしましても、これの先例等も参酌いたしまして検討をいたしたのでございまするが、会議に付すべき事件ということにつきまして従来からこれは法令に基づく具体的な議会の議決事項という解釈をとってまいっております。この解釈が固まっておりまするのでそういう点から考えまして単なる正常化の件ということではこれに該当しないという回答をいたしたのでございます。
○安井委員 つまり一日も早く正常化の方向に持っていこうという議員の人たちの署名が自治省の解釈によってはばまれて、臨時都議会の開会がおくれてきたという、こういう事実でありますが、憲法五十三条には国会の議員の請求による臨時議会の召集に関する規定があります。つまり四分の一以上の要求があれば開けるわけですね。それを受けて国会法第三条にも同じような規定があります。その規定の中には付議すべき案件についての具体的な記事がなんとかということは少しもないわけですよ。少しもないのでありますが、自治法の中には確かに付議すべき案件を明らかにしてとは書いてありますけれども、私はその二つの、国会の場合と地方議会の場合とをにらみ合わせてみれば、そういうふうに案件が抽象的だとか、具体的だとか、そういうようなことにはあまり関係のない方向で問題の処理がなさるべきではないかと思うのでありますが、その点いかがですか。
○佐久間政府委員 地方自治法と国会法とたてまえの若干違う点もございます。で、地方自治法におきましては、長と議会とを御承知のように対立させまして、お互いのチェック・アンド・バランスと申しますか、そういう形によりまして自治運営が円滑に行なわれることを期待をいたしておるたてまえでございまするので、その点国の場合と違う点があろうかと思うのでございます。いずれにいたしましても百一条の「会議に付議すべき事件を示して」ということにつきましては、従来から先ほど申し上げましたような解釈が固まっておりまするので、それに従いまして回答をいたしたわけでございます。
○安井委員 地方議会は、その地方公共団体におけるいろいろな問題についての決議ができるし、また議会の運営についての決議もできるはずです。だからその議会の正常化に関する問題を論議して、都議会がそれに関する決議をする。その決議のために都議会を招集してもらいたい、こういうふうな要求は、これは抽象的なものだとしてしりぞけるべきでしょうか。
○佐久間政府委員 議会の法令に基づく議決事項と先ほど申しましたのは、地方自治法のそれぞれ相当条文に議会の議決事項として規定されておりますことをさしておるわけでございます。もちろん議決事項と各条に規定されておりませんことにつきましても、議会がみずからの意思を決定するということは、これはあり得るわけでございまするが、まあここで申しておりまするのは、付議すべき事件というのは議会の議決事項として地方自治法の各条で規定されておるものという解釈をいたしております。したがいまして、たとえば単なる意思決定でございましても、それが関係行政庁に議会の意見を提出をするというような案件でございましたならば、これは具体的な議決事項でございますので該当すると思うのでございますが、単なる議会内部だけで正常化しようという件でございますれば、その点については該当をいたさないという解釈をとっておるわけでございます。
○安井委員 首長の不信任案を上程し、それを議決しようというふうな案件で臨時議会の招集を要求することはできるかということ。それから都議会の場合において、議長の解任を求めるという決議案を提出する、そういうふうなことを案件として臨時議会の請求はできませんか。その二つの場合……。
○佐久間政府委員 前者の場合は、これはできます。後者の場合につきましては、これは法令に基づく議会の議決事項ではございませんので、できないと解釈いたしております。
○安井委員 私はその点少しおかしいと思うのですね。議会の自主性というようなものを尊重するような書き方で自治法ができていると私は思うのですが、議会の自分の問題を自分で処理するために、ぜひ開くべきだというふうな要求までそれを阻むというふうな解釈は、いささかおかしいような気がするわけでありますが、その点自治省の解釈は、これはずっと昔からいままで変わりがなくているわけですか。最近においてそういうふうな方向がおきまりになったのですか。
○佐久間政府委員 当初からそのような解釈をとっております。
○安井委員 私はその点議会がどんどん自主的にものごとを判断し、動ける、そういうふうな仕組みがやはり望ましいのではないかと思います。自分のことを解決するために、議会の人たちが発議をして、招集をしてもらうこともできないというふうな仕組みが、私はたいへん疑問があると思います。ですから、この点についてはさらに御検討を願っておいて次に移りたいと思うわけでありますが、なお、この際もう一つつけ加えて申し上げたいのは、いまのような議員の側の、そういうふうな請求がありますね。その請求が法律に適合しているかどうかということを判断するのは、これは知事でしょう。首長の判断によるわけですね。招集権は知事にしかないわけだから。だから私は、そういうふうな意味においてなおおかしいと思うわけです。議会が自主的にこういうふうな決議をしたい。それを議員の四分の一以上の者が連署で出す。議会自体の問題ですよ。それを首長が招集しなければ議会は開くことはできないわけですから、その請求が合法的か、そうでないかということをきめるのは招集者である首長がきめるわけですね。首長の判断にそれをまかしているわけですよ。だからそういうふうな意味からいいましても、議会の自主的な決定権に対する一つの侵害ではないか、いまのような解釈は。そういうふうな気がするわけでありますが、いままでのやりとりの中で、きょうはどうも結論が出そうもありませんのでひとつ御検討おきを願いたいと思います。 次に、交際費の問題についても木島さんから先ほどずっとお尋ねがあったわけでありますが、領収書が要らないというふうなこと、それから予備費の流用の可否の問題、それから交際費の使い道は別に限定がないとか、そういうふうな問題を、いろいろお話もあったわけでありますが、一般的に予備費についてのいま私が申し上げましたような問題について、地方にどのような指導をなすっておられるか、指導の指針といいますか、そういうふうなものはあるのですか。
○佐久間政府委員 第一のお尋ねの領収書の問題につきましては、昭和二十八年に行政課長から宮城県総務部長あての実例をこれによるべきものとして示しておるわけでございますが、これは「村長または議長等の交際費の支出に際し、正当な受領証なく、使途不明な単なる交際費としての村長または議長名の受領証により支出するのは差しつかえないか」という問いに対しまして、「交際費の性質にかんがみ、設問のごとき経理手続をとることは差しつかえないものと解するが、村長または議長はできるだけ支払いを受けた者の領収書を受けておく扱いにするのが適当である。」ということで、法律上は差しつかえございませんけれども、やはり支払いを受けた者の領収書を受けておくことが適当だという指導をいたしております。 それから、第二の予備費の流用の点でございますが、これは先ほどの東京都の監査の勧告におきましても、これは適当でないから改めろということを申しておるわけでありまして、他の地方団体に対しましてもそのような指導をいたしております。
○門司委員 ちょっと関連して一言だけお聞きしたい。 交際費の問題に関係しますが、交際費は実際に使う場合には二つの性格を持つものであります。一つはたとえば東京都の立場から当然交際費として出さなければならないものがあるかもしれない。もう一つは、知事なるがゆえに交際費というようなものが必要になるという関係が出てくる。これは議長の場合も同じであります。その場合のけじめが実ははっきりついていないのではないか。交際費という一本の姿で議決されて予算化されてくる、あとの使用はそういう二つに分かれてくる。このあいまいさがいろいろな問題を起こす最大の原因ではないかと私は思う。同時に、これについては領収書が要るとか要らぬとかいうところも出てくる。これは都知事の交際費である。当然東京都としての公の費用であるとするならば、たとえば外国からいろいろな人が来て、それを招待するとかなんとかいうことについては、当然領収書が必要になってくる。ところが、同じ外国から来ましても、知事さんがプライベートの形で招待される場合がある。これは都知事なるがゆえの行為としてこれには領収書がなかなか取りにくい、そういう種類のものが出てくると思う。その辺の解釈を自治省はどういうふうに指導しておりますか。交際費がこういうふうに乱れて使われる最大の原因はそこにあるのではないかと思う。けじめがついていない。持っておるほうも、おれは知事なんだから、あるいは議長だからかってに使ってもいいのだということで、公私の混同された趣がかなりあるのではないか。ここにいろいろな問題が伏在しておるということが考えられるが、これについてどういうふうに指導されておりますか。
○佐久間政府委員 お話しのように都としての場合と知事または議長としての立場を主とした場合とございますことは、お話のとおりと存じます。ただ、私どもの指導といたしましては、いずれを問わず領収書を取れるものは取っておくことが適当だという指導をいたしております。
○門司委員 もう一言だけ。その領収書を取れれば取る、これは監査の規定との関係がありますので、指導をしておりましても、プライベートに使ったやつを監査委員会や、それから議会の決算委員会になかなか出しにくい。これは議会が自主的にそういうものを条例でこしらえればできないはずもないと思います。たとえばプライベートのものでも領収書を出すべきだ、そして公表はしなくても、一応決算委員会なり監査委員会に見せる、このような適切な指導がそこには必要だと私は思うのです。ただ、できるだけ出すことが妥当だとかあるいは望ましいというくらいのことでは、この問題は片づかぬと私は思うのです。だからその辺のけじめをはっきりする必要が少なくともあるのじゃないか。そうすればあまり乱脈に使われるようなことはなくなるのじゃないか、こういう感じがしますが、それに対するお考えがあるなら御答弁を願っておきたいと思います。
○佐久間政府委員 先生の御指摘になっておられます御趣旨は、私どももまことにごもっともなことと存じます。実際の扱いの上におきまするといろいろむずかしい点がございますし、監査の場合にはもちろんすべてのことが対象になると思いますが、実際問題といたしますと、その辺がやりにくい点もあろうかと思いますが、できるだけ御趣旨の方向で、さらに検討すべき点があるかどうか、検討をいたしてみたいと存じます。
○細谷委員 関連してちょっとお尋ねしたい。 いま佐久間局長の、交際費の予備費流用の問題について好ましくない、この程度の指導ですか、あらためてお尋ねします。
○佐久間政府委員 予備費の流用につきましては、法律上は予備費を流用いたしますことが違法だとはいえないと思いますけれども、予備費の性質からいたしますと、このことは運用としては間違った運用だというてよろしいかと思います。
○細谷委員 間違った運用ということと違法ということはちょっと違うと思うのです。自治法というもののたてまえから間違いだということは、これはもう不当ということにはなるでしょうね。そうじゃないですか。
○佐久間政府委員 予備費は御承知のとおりに予算外、あるいは予算超過支出の必要がある場合に流用をいたすものでございますので、交際費の場合にもそのような必要が生ずることがないとはいえないかと思うのでございます。しかしながら、予備費の性質からいたしますと、特にこの東京都の場合のように、年に何回も流用をするというようなことは、これは明らかに間違った運用であるというふうに思うのでございます。不当な運用であるというふうに申してよいかと思います。
○細谷委員 私は、この問題について佐久間行政局長の指導は、東京都に対して少し甘いと思っているのです。ですから、私は重ねてお尋ねしているのです。私は経験したことがあるのです。私は三、四十万円の流用をしたことで議会からかなり追及をされて、自治省の見解を聞いたら、それは不当だ、こういうことになって改めた経験があるんだよ。そういうことからいって、どうも東京都に対しては非常に甘いやり方をしているのじゃないか。東京都の場合は当初予算が二千万円くらいでしょう。それを四千五百万円くらい使っているのでしょう。倍以上なんですよ。もっとはっきりとこれは予算措置をさすべきでしょう。誤りだということでは済まされない問題だと私は思います。それとも自治省では、大きいところと小さいところ、保守とか革新で差別しているのか、はっきりしてください。
○佐久間政府委員 東京都の場合におきましては、先ほど木島委員の御質問に対しましてお答え申し上げましたように、交際費を予備費から流用する点につきましては、非常に乱れた使い方をいたしておりますので、自治大臣の勧告におきましても、すみやかに改善することを要するというふうに申しているわけでございまして、決して甘い指導をいたしているわけではございません。 また市長が保守であるから、革新であるからということによりまして扱いを異にするようなことは毛頭いたしておりませんので、御了承を願いたいと思います。
○細谷委員 自治大臣にお聞きしますが、これは交際費というこの種のものを、倍以上四千五百万円になんなんとする流用を、いかに何千億という予算だからといって——これはやはり予算の何%なんていう問題ではないと思うんですよ。これは当然予算措置をする機関があるわけです。たとえば三月三十一日に予算議会が済んで、その晩に御苦労さんだということで一ぱい飲もうか、その場合に足らなくて不足分を予備費で流用、充当するというようなことはあり得るかもしれませんけれども、当初予算の二倍以上のものにするということを放置しておくことは、これは決して交際費の正常化ということにはならないと思うのです。いま行政局長からのお話を聞いたのですが、問題ははっきりしております。今回のこの問題について、もっと交際費に対する、予備費の流用に対するすっきりした指導と監督をしていただきたいと思うのですが、ひとつあらためて大臣の御決意を伺っておきたい。
○吉武国務大臣 御指摘のように交際費が、予備費が流用されて、倍額のものになるなどということは、私もはなはだ穏当ではないと思います。しかしながら、先ほど申しましたように、それでは必要があったときに予備費から流用を一切まかりならぬ、こう言っても、言い切れないものもあるのではないかということで、私どもとしてはできるだけ流用によってやらないようにということを勧告しているわけでございます。でありますから、この種のものは、私は先ほど来申しましたように、自治体自身に、都であれば都議会にもそういうことを議論する議会というものがございます。また監査の機関もあるわけであります。でありますから、住民の代表であるべきこれらの議員が、これらの処置について穏当でなければ、穏当でない点を追及されて、改めていくという自主的なものが期待されるべきではないか。私ども勧告はいたします。注意もいたします。しかし個々の、一々の問題についてあまりこれをやりますと、自治体の自治権というものに関与することになりますから、抽象的には三十八年の十一月の勧告にも、これに触れて勧告をしたのでありまするが、要は私は、その自治体自身においても住民の代表として、適正でないものは、これを適正化するようになさっていかれるべきものではないかという点を、実は先ほど来申しました世論の批判と相まって期待をしているところでございます。
○安井委員 自治省は一方に甘くて一方に辛いような不公平があってはいけませんよ。これはひとつお願いしておきます。 それから交際費のほうは、予算を組む場合に、これは確かに一般に目立つわけですよ。だから交際費を増額するということになると目立つものだから、予備費のほうで流用という形で住民の目をごまかしておく、こういうようなことになりがちでありますから——もちろん交際費の場合だって特別な事情がある、国際的な知事会議が急に開かれたとか、そういうようなことで予算補正に間に合わないというような段階があれば、これはしかたがないけれども、さっきのお話しでは九回ないし十四回も流用しているというふうな仕組みは許さるべきではないと思いますので、これははっきりすべきだと思いますし、さらにまた交際費の使い道についても、これは対外的な交際というのが主体でないとおかしいと私は思うんですね。議員同士の交際のための交際費でないと思うんですよ。これは、私は家計簿はどうして書くのか知りませんけれども、家計簿の中に交際費を置いて、おやじさんと奥さんとが交際する費用に交際費はみんな使ってしまって赤字を出したというのでは、これは筋が通らぬと思うのですよ。やはり自分のうちとほかのうちとのつき合いというのが交際費じゃないか。だから、交際費についても乱れがちでありますので、指導指針といいますか、何かそういったようなものをやはりお示しになる必要があると思います。その点、ひとつお願いしたいと思うのです。大臣、どうですか。
○吉武国務大臣 御指摘のとおり、交際費の必要はございましょうが、しかしその使途につきましては適正であるべきことでありまして、先ほど指摘いたしましたように、三十八年の監査の際にもこの点は触れて実は勧告をしているようなわけでございます。今後といえども適切なる指導はやるべきであると私も考えております。
○安井委員 一般的な問題としても、やはり交際費についてはこういう考え方を自治省が持っているというふうなことを全国的にお示しになることが必要ではないかと思います。それから監査の請求がありました場合は、交際費について特定の問題を指示してこれを監査してもらいたいという請求がありました場合には、先ほど領収書云々の問題もあるわけでありますが、これはどういうふうに処理されるべきですか。
○佐久間政府委員 住民から監査請求がございました場合には、監査委員といたしましては、当該事項につきまして、領収書があろうがなかろうが監査できますことは、もちろんのことでございます。
○安井委員 そういたしますと、その請求による監査は、交際費の問題についてはどこまで及ぶわけですか。その使い道の先までずっと追及するという形まで行なわれるべきなんですか。つまり一般的な監査の場合は、わりあいに交際費の問題についてはすらりとやっているというのが普通のやり方ではないかと思うのですが、それと同じような仕組みなのか、それとも相当深く問題点を掘り下げていく監査になるのか、その点はどうですか。
○佐久間政府委員 交際費でございましても、他の費目と同様に、それが適正に使用されておるかどうかということはもちろん監査すべきであろうと思います。ただ交際費の性質上、監査のやり方につきましてはおのずから検討すべき点もあろうかと思います。
○安井委員 その点、またあとで伺う機会もあると思いますので、最後に、先ほどの自治大臣の御答弁では、自治省のほうで問題に関与するには限度があるし、そういわゆる勧告権の発動というのも考えものだというか、たいへん消極的な態度をお示しになって、その際に、やはり住民の監視が必要だ、こういうことを強調されたわけでありますが、住民の相当強い意向としては、いまの場合、都議会の解散くらいに進むべきだというふうな意見も強いようであります。そしてまた新聞によりますと、都議会の中でも解散をしようとか総辞職をしようとかそういうような空気も高まっているということが伝えられているわけでありますが、今日の段階では自治法の規定によっても都議会自体が解散を決議するという権限はないわけでありますし、知事に対する不信任決議だとかそれに類するような事態が起きて初めて知事が解散権を発動する、こういう方法より議会内では処理の方法がないわけですね。それからもう一方はリコールを議会解散という形でしかけていく、こういう道があるわけでありますが、現在の自治法の規定によりますとこのリコールの要件を具備するまでに東京都のようなマンモス都市のような場合、なかなか困難であるというふうな事態もあるのではないかと思うのでありますが、この辺の問題に対する自治省のお考えをひとつ伺いたいと思います。
○佐久間政府委員 解散の事由といたしましては、御指摘になりましたように議会が長の不信任議決をいたしました場合、あるいはそれとみなされる場合といたしまして非常災害等の経費が否決されたという場合でございますが、この両方の場合が今回の場合になかなか運用しにくい事情にあるのではなかろうかと存じます。これは地方自治法のたてまえが長と議会とのチェック・アンド・バランスの考え方の上に立っておりますので、このような規定をいたしておりますことはやむを得なかろうと思うのでございます。そういたしますと方法といたしましては住民による議会の解散請求ということになるわけでございまするが、御指摘のように選挙権を有する者の三分の一以上の者の連署で請求がなされることが要件でございまするので、それだけの署名を集めますことにつきましては相当時日がかかるということはこれはそのとおりかと思います。ただこのリコールの制度は長と議会との間の調整がつきません場合、あるいは長や議会に対しまする解職の方法が他にございませんような場合の最後の手段でございまするので、これが発動につきましてはやはり相当厳重な要件を地方自治法といたしましては規定をされておるものと考えるのでございまして、このたてまえにつきましては、現行法の制定当時からこのようになっておりまするので、ただいまのところこういうたてまえについては別段の意見を持っておりません次第でございます。
○安井委員 自治大臣に伺いたいのでありますが、先ほどのまた繰り返しになりますけれども、住民の意思の決定に待つよりほかないというふうなところにたいへんウエートを置いた自治大臣の先ほどの御発言でありました。自治省が何もかも一々命令をしたりするわけじゃないとすれば、住民の意思の決定が問題の解決の最大のかぎだというふうな御趣旨のお話だと思うのです。ところがいまのような佐久間行政局長のお話しからすれば、住民は現実には東京都のようなこういうマンモス都市の場合は方法がないのじゃないか、これが地方の小さな町村の場合でありましたら、二十日間で三分の一の有権者の署名を集めるということもこれはできないわけではないと思います。現に幾つもそういう例があるわけであります。 〔委員長退席、藤田(義)委員長代理着席〕 このような問題は、ほんとうの伝家の宝刀中の宝刀でなくてはいけないし、いつでも簡単にできるという仕組みで法律の規定を置いておくというわけにはいかないと思います。これはもう当然だと思います。 しかしながら東京都の場合は、二十日間で三分の一の署名を集めようという、実は不可能に近いような規定を置いて、住民の意思は最後はこれで決定できるのですというふうなことで自治大臣はお逃げになっていたのでは、こういうマンモス都市の場合には問題の解決は何もできないのじゃないか、私はそういうふうに思うわけです。この問題については、一番最初に自治大臣はこれは自治省のあれじゃどうにもならないので、住民の意思にまつよりほかないのだという御答弁をなさったから、私は特にそう申し上げるわけでありますが、ほんとうに住民の意思を尊重するのなら、こういうばかでかい都市の場合は、二カ月間というこの請求期間を——全国小さいのも大きいのもみんな同じですね、これをもう少し長くするとか、あるいは三分の一の要件を四分の一とか五分の一とかにゆるめるとか、何らかの措置がなければ問題が解決できないのではないか。こういう全国一律的な規定では、大都市住民の場合、かえって不公平な形になってしまうのではないか、そう考えるのでありますが、その点どうですか。
○吉武国務大臣 私は先ほど申しました住民の意思でということは、法律をたてまえにして申し上げたわけじゃございませんで、こういう式な問題については、ただ勧告とかなんとかではなかなか改善がしにくい。したがって、住民の意思と、そして一般の世論の力によって改善をされるべきであるということを期待するということを申し上げたわけでございます。したがいまして、住民の意思と申しましても、住民の代表というものが議会に出ておられますから、そういう議会の方々の意思によって不正は是正をされ、また正常化もされていくべきものであろうと私は存じておるわけでございます。
○安井委員 法律上における世論の最大の結集は、やはりリコールなんですよ。ほんとうにどうにもこうにもならなくなった最悪の場合は、住民の権利をそういうリコールということで保障するのが法律のたてまえですよ。ところが東京都の場合はその保障がゼロなんです。なるほどあるにはありますけれども、そういうことは現実にできますか。できないでしょう。絶対にできないということは言えないかもしれませんけれども。かつて福岡県でも知事リコールが起きたことがあったが、これも間に合わなかったのですね。それはなかなかたいへんなんですよ。こういう日本の人口の一割もいるところで、人口五千人の村と同じ基準で法律の条文ができていたのでは、これは実際できないわけですよ。小さな村の場合には、最悪の場合の住民の権利保障がある、東京都はないのだ、そういってもいいのです。そういうところに問題があるわけで、そういうふうな問題の解決のためには、少なくともこの際リコールの問題についての条件緩和だとかそういう措置も、いますぐは間に合わないけれども、自治省として御検討されるべきではないかと思うので、重ねて伺いたいと思うのであります。
○吉武国務大臣 現在の制度においてはやむを得ないことではございますが、御意見の点も十分考えていくところもあろうかと存じまして、検討いたしたいと思います。
○藤田義委員長代理 重盛寿治君。
○重盛委員 大臣も忙しいようだから簡単にお聞きします。 東京都の議長選挙をめぐる汚職事件というものは実にいまわしきものである。しかしそれならばいま初めてであるかというと、そうではないことはあなた方御承知のとおり。前の前の議長のときにもこうした問題が起きた。私の知っている範囲でも何回か繰り返されている。 〔藤田義委員長代理退席、委員長着席〕 大臣も当然御存じのことと思うが、こういう事態が起こることは、いま言う交際費が多いという問題もあろうと思う。同時に議長を選ぶ制度が悪いならば、どうすればなくなるか、このことをお考え願わなければならぬのではないか。したがって、こういうことが起きたことを契機として、現職議長が逮捕されたというようなことは、ただ何党の関係者だからというようなことではなくて、東京でいうならば、東京全体の都民の恥辱でもあるし、政治を扱う者からいうならば、政治全般に対する不信のあらわれになるのではないかというように私は考える。 そこで、私は自治大臣が現職議長が逮捕されたというときを契機としてこの問題をどのように解決する腹がまえがあるのか、これをひとつ聞いておきたい。
○吉武国務大臣 それは先ほど来申し上げましたように、勧告とかなんとかいうことでこれが直ちに改善されるとは私も思っておりません。すでにこのことにつきましては、三十八年の十一月の勧告の際にも指摘をしているところでございます。しかしなおかつこういう事件が起こっておりますので、私は先ほど来申しましたように一般の世論の力、世論の批判というようなものと相まって、これが漸次改善をされていくことを期待しておる、こういうふうに申し上げているところでございます。いま自治体において都議会のほうと話し合っておるときでございますし、私どもはそれらの良識によって正常化されていくものだ、かように存じておるところでございます。
○重盛委員 大臣の答弁は、俗に言うおざなりだと思うのです。一般の世論にまつと言いながら、反面その一般の代表が都議会議員である。この人たちがやってくれるだろう——しかし、その都議会議員が事実こういうことをやっているわけです。極端に言うならば、議会の中で正常な運行がなされておらぬ。だからこそこういう問題が起きるのであって、そこに欠陥があるわけだから、たとえばたらい回し的に議長を選ぶようなことが起きる。あるいはまた交際費が多過ぎはしないか。いままでお聞きになった方があったかどうか知らぬが、こういう交際費があり、そのほかにさらに予備費が支出されて、やむを得ないものはやむを得なかろうと考えてるというような答弁をしている限りにおいては解決はつきませんよ。どれだけの交際費が必要であるか、こういうことはもう少しきちっときめつけて——二千万円も三千万円も交際費は要りませんよ。こういう交際費があるから、仲間に物でお礼をするというようなことが度を過ごして、何十万というような金を持っていったりして票を入れてもらう。この制度をどうすればいいか。こういう形のできないようなことをこの際考えなければ問題の抜本的な解決はできないのではないかということを私は申し上げたいのです。そういう考え方があるのかないのかということなんです。
○吉武国務大臣 この点も先ほど実は申し上げたのでございますが、議長の任期は制度としては四年であるのであります。それが往々にして一年あるいは二年というようなことが行なわれているところが多いわけでございますので、これはほんとうに好ましくございません。したがいまして三十八年の十一月にもそういうことをしないようにという勧告もしておるわけでございます。それでもなおかっ行なわれるということでございます。でありますから、きびしい世論の批判というものも決して無ではないと思います、そういう批判も受けまして正常化していくことを期待しておるのでありますが、同時に交際費につきましても、交際費をきめるのは議会がきめる、自治体がきめるのであります。したがいまして、こういうことが毎年毎年繰り返されるならば、一体東京部としては交際費はどの程度がいいか悪いかということが議論になり、そしてもし流用するほど必要であれば、あらかじめ最初から交際費の額をどの程度にする、また流用は絶対にならぬということも、これは大東京都としては困る場合もございましょうが、しかし流用というものは万やむを得ない場合に限るべきだという批判も都議会自体においてなされるべきだと私は思うのです。そうして、それが同時に一般の世論と一緒になって、漸次これが改善されるということでないと、ただ自治大臣が勧告したら一ぺんにそれが右から左によくなるというふうには、私は実は考えておりません。それはもちろんやらなければなりません。指導もやらなければなりません。私どももその感は実は深く持っておるわけでございますが、これを改善するには、やはりそうした自主的なものもその中に出てくる、そうして一般の世論と相まって改善をするということが必要だ、私はかようなことを率直に申し上げているところでございます。
○重盛委員 どうも、私の質問が悪いのかもしれません。どう解決するつもりだということになると、あなたはどうも、何回も勧告を出したとかいろいろなものを出したと言われるが、そういうものを出しても聞かないで、こういうことが出てきたわけです。そうでしょう。監査をしたり、いろいろな注文を出して、自治省としていろいろな指導もしてきた。してきたにもかかわらず、こういう実態があらわれたので、このあらわれた実態を、従来のような形で、それからあなたの言われるように自主的に解決をつけてくれだのという、これは少なくとも都民を代表する都会議員だから、そのくらい信頼をしたい、そうでなければならぬと思うが、現実はそうではないわけです。こういう醜い姿が出てきたのだから、その姿が出てきたのを契機にして、あるいはほかの党を中心にして、野党を中心にしてやってくれるかもしれませんけれども、それだけではまだ根が残りはせぬかというので私は心配しているのです。だから、やはりこういうことを契機として、この制度の中に何か自治省としてくさびを打ち込むことが必要ではないか、そのことをお聞きしているのです。これは時間がないようだし、あなたにいろいろお聞きしても相すまぬが、佐久間さんの関係かもしれないが、前の議長のときに、そういう事件が実際にあったわけです。その後どういう処置をし、どういうふうにしてやってきたかということをあとでお聞きしたいし、さらに七大都市を中心として、議長としてはどういう交際費をどういうふうに使っているか。東京ばかりでなく、これはひとつデータにしてあとで出してもらいたい。そういう中にあって、私はやはりこの制度を変えなければならぬ。自民党の皆さんのいるところでこういうことを申し上げていいかどうかわからないが、やはり総裁選挙というと、何か金が流れるとか、流したとかいうことを聞いておる。今度は法的に解釈する場合には、総裁であり党の責任者であるというような場合には、これは法律には触れぬからやらぬのだ、しかし議長は公職だからこれはひっかかるのだ、またひっかけるのだ、こういうようなことを言っておるようでありますが、私はやっぱりいま一ぺんに自治大臣一人に——どういう人をどういう立場で選ぶ場合でも、日本の国内における買収というものを根絶をするという考え方がなければ、政治は明るくなっていかぬ。りっぱな人も出てこない。これは何かのときに一つの機会をとらえて、そうした高度な政治政策というものを打ち出すことがなければ日本の政治は改まらないのじゃないか、こういう点を申し上げたいわけなのです。
○吉武国務大臣 ただいま御指摘になりました意見は私もごもっともだと思います。政治が一日も早く正常に復することを期待してやまぬところでございます。
○重盛委員 そうするとやっぱり吉武さんも、残念ながらいまの政治は正常ではないのだ、一日も早くりっぱな政治になりたいということを念願しておるというわけです。これで私は大体いいと思うのですが、この問題はいずれ保留をいたしておきます。 別に佐久間さんに聞きますが、その後建部議長が汚職をやって今日までに自治省としてはどんな処置をとってきたのか、これが一つ。それから、今度関係をしておる政党はどういう政党か、都議会の中における政党分野がどういうものか、わかっておればその点についてひとつ教えていただきたい。
○佐久間政府委員 最初のお尋ねでございまするが、前のときにそういうような問題もございましたし、東京都の行財政の運営につきましてはそのほかの点につきましてもいろいろ検討を要する点があるという断判をいたしましたので、一昨年自治省が東京都の行財政調査をいたしたわけでございます。これは自治省といたしましては、その前にも、戦後いたしたことのない非常な大かがりな東京都に対する調査でございました。その調査の結果、先ほど御答弁を申し上げておりましたように、議長の一年交代制の問題と議会の交際費の問題につきましては、再検討あるいは改善を強く要望する自治大臣の勧告を出したわけでございます。この自治大臣の勧告は議会の問題に限りませんで、東京都の行財政運営の全般にわたっておりまして、東京都におかれましてはこの勧告をできるだけその趣旨に沿うて実行をするという方針で現在まで努力を重ねておる状況でございます。 それから今回逮捕された議員の所属はどうかということでございまするが、私も新聞で承知をいたしておるわけでございまするが、たしか自民党であったと存じております。
○重盛委員 いろいろ勧告をやった、たとえば前の前の議長のときにああいう問題もあったし、東京都全般に対して勧告した、勧告したのだが、今日までその勧告をこの部面に関してどういうふうに具体的にあらわしてきているのですか、ちょっと聞かしていただきたい。
○佐久間政府委員 議長の一年交代の問題につきましては、その勧告が今日までくみ取られていないということは事実でございます。それから交際費等の問題につきましても、この勧告の趣旨どおりに改善がなされているとは認められない状況でございます。
○重盛委員 時間がないようでありまするから私はこれでやめますが、本件に関しましてはまだあと適当な時期に質問をさせていただくことを留保いたしておきます。
○中馬委員長 華山委員。
○華山委員 伺いますが、都民は非常に不満でもありますけれども、事実の認識が十分でない。それで、自治大臣は一般世論と言われるのであるけれども、事実の認識がなければ正当な世論も起きてこないと思うので、その点から、監査をされた宮澤参事官にお伺いをしたいのであります。 交際費の出し方でございますが、交際費の出し方にはいろんな出し方がある。一件一件について債権者の領収書をもって要求するやり方がある。またある項目について、これだけということで要求するというやり方がある。渡し切りのように、もう議長なら議長が何カ月分としてぽかんと封筒に入れてもらうやり方もある。東京都では議長交際についてどういうやり方をやっておったか、お伺いしたい。
○宮澤政府委員 私は調査の総括的な責任者として参りましたが、ただあのように膨大なものを短時間でいたしましたので、専門に調査をおのおのの部門で担当いたしたわけでございます。したがいまして、いま私はここではっきりと、交際費の出し方がどうであったかということについてのこまかい知識はございませんので、御必要であれば後刻調べてまた御連絡申し上げますが、しかし私が一般的に記憶をしております限りでは、もちろん個々の領収書のものもあったようでございますけれども、大体は概括的な出し方をしていた、こういうふうにただいまのところは一般的に記憶をいたしております。ただ先ほど申しましたように、専門に担当した者がおりますので、もし必要でございますならば後刻調べまして御連絡を申し上げたいと思います。
○華山委員 概括的のやり方も、目的を書いて、たとえばこういう目的のためにこれだけの金が要るのだという出し方と、たとえばもう一月に何十万なら何十万というものを議長に差し上げているという昔流の機密費的なやり方がある。どういうやり方をやっておったのか。最後のやり方だとすればたいへんな間違いだと思うのです。少なくとも債権者の領収書がとれないという場合であっても、こういう目的のためにこれだけの金額がほしいのだ。そうしてあるいはこれが概算払いであるならば、あとで精算すべき性質のものだと思うのです。ところが東京都におきましては、おそらく議長に対しまして毎月々々きまった金をやっておるのではないか。そういうようなことがありますので、おわかりにならなければ調べていただきたい。お願いいたします。
○中馬委員長 午後二時から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 ————◇————— 午後二時二十三分開議
○中馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。細谷治嘉君。
○細谷委員 新産都市及び工特法関係につきましては、財政問題から見た問題点につきまして、すでに自治省に対して御質問をいたしたわけでございますけれども、きょうは計画それ自体の問題を中心といたしまして、主として所管庁であります企画庁に御質問をしてみたいと思います。 まずお尋ねいたしたいことは、新産都市建設促進法という法律と、工業整備特別地域に関する法律と二本立てになっておるわけでございますが、どこが違うのか、これをお尋ねいたします。
○鹿野政府委員 新産都市の法律と、工業整備特別地域整備促進法の法律の基本的な違いは、新産都市のほうは地方の開発の拠点といたしまして、新産都市の建設を行なう。そして新産都市の建設を行なうことによって、中央と地方の格差を是正して、大都市に人口とか産業の過度の集中を排除していこうということが一つの基本的な目標でございまして、それは法律の第一条にもその趣旨がうたわれているわけでございます。それに対しまして、工業整備特別促進法のほうは、むしろすでに工業の立地条件がすぐれて工業的な開発が比較的になされておりまして、投資的な効果も高いというところについて、産業の基盤を整備して、整然とその地域の工業の発達を促していくということで、むしろ現在発展しつつある、また熟度の高いところについての整備をはかっていく。片一方の新産都市のほうは後進地域に重点を置いてその土地に新しい都市づくりを行なって、そこを拠点にいたしまして波及的な効果を期待し、地方の格差を是正していくというところに焦点があり、それぞれの法律の第一条の目的のところにしるされておりますが、その点が基本的に違っております。 あと、個々の具体的内容につきましては、それほど大きな違いは出ておりませんが、工業整備特別促進法のほうには、特に公害の問題等につきましても一条を設けておるという点が、若干新産の場合との違いということになると思います。その他手続的にはいろいろな違いがありますが、基本的なことを最初に申し上げました。
○細谷委員 いまの御答弁によりますと、新産都市の建設ということと、工業整備特別地域を整備するということとは基本的に違うということをお聞きしたのですが、後ほど具体的にそういう問題について問いただしたいと思っておるのでありますが、基本的に違うということは一つもないのじゃないですか。この新産都市建設についての法制定の経過、当初通産省なり自治省なり建設省等で構想があったものをまとめ上げられて、そういう経過から見て基本的に違うものとしてあらわれたものではないと私は理解しておるのです。違った要件からこういう二つの立法措置が行なわれておるにすぎないのだ、こう理解せざるを得ないのでありますけれども、どうなんですか。
○鹿野政府委員 説明が少しことばがまずかったかと思いますが、基本的に違っているというよりも、違いの基本的なところはどこかというふうなことで、目的といいますか、一つのねらいが少しそこにずれて、そこは基本的な問題としての違いがあるということを申し上げておったわけでありますけれども、基本的に違うというと少し表現がきつい、またぎょうさんであるかと思いますので訂正いたしますが、目的としてのねらいが、片一方の新産都市には、地方開発、後進地域の開発を新産都市を中心にして拠点的にやっていくというところに非常に大きなねらいがあります。片一方のほうの工業整備特別地域整備促進法はかなり熟度の高いところの工業が、ある意味ではほっておいてもと言うとまた言い過ぎかと思いますが、そこに今後もかなりの工業が集中して出てくるというふうな、あるいは生じてくるというふうな熟度の高い地域について、その基盤を整備して工業の発達を整然として行なわしめる、そういうところにねらいがありまして、ねらいという点でかなりの違いがあろうかと思います。それを基本的にと申し上げたのですが、基本的な違いのある点はそこにあるというふうにもう一回言いかえて申し上げます。
○細谷委員 新産都市よりももっと熟度が高い、こういう熟度の問題として新産都と工特と分けた、そしてそういう熟度が違うのであるから、したがってこの目的というものも違ってくるんだ、こういうふうに私は承ったのでありますけれども、熟度というのを、どういうことで熟度という尺度をはかられておるのか、お尋ねいたします。
○鹿野政府委員 熟度の計数的なものさしというのはなかなか見当たらないと思いますが、容易に工業がそこに来得るような立地的な条件がそろいつつある、その点では、何といいますか、自然的な、東京とか大阪といった大都市に近い位置にあるというような点ありましょうし、またかなり古くからそういう工業がその地域においてすでに発達しておって、新しい企業が来やすくなっているというような状態になっているという点もありましょうし、尺度を数量的に表現することは困難であろうかと思いますけれども、そういういろいろの点の角度から見ましての判断で考えている次第でございます。
○細谷委員 私は、いずれの場合でもやはり工業化ということが中心的な課題になっておると思うのです。そうなってみた場合に、やはり熟度、こういうものの尺度は、その地域の重化学工業化率、こういうようなものが一つの要件になっておると私は思うのです。そうなってみた場合に新産都地域十三と工特地区六つを見てみましても、一つ一つ地区をあげませんけれども、工特地域についてはたとえば播磨とかあるいは備後、広島とか、東駿河湾とか、こういうところの重化学工業化率というのはかなり高いのでありますけれども、茨城の鹿島地区あたりになってまいりますと、これはあげられておる十三の新産都市の重化学工業化率よりもはるかに低い。こうなってまいりますと、熟度とおっしゃいますけれども、一体どういう尺度で熟度、工特と新産のそういうものができたのか、私は疑問に思うのです。工特地区地域については私は一つ一つ重化学工業化率というのを計算しておるのですけれども、これは六つの地区だけで竹と木を比べるよりももっとこの問題については懸隔があるのですね。ですから、この辺をひとつはっきりしておきたい、こう思っておるのです。何かこの点について御答弁ございますか。
○鹿野政府委員 先生のおっしゃられますように、一つの地方の産業の発展というものを考える場合には、重化学工業化の率の高さが一つの基準を示すものさしであろうかと思いますが、必ずしもそれだけでその地方の何といいますか、熟度というものをすべて判断はできないかと思います。いま御指摘の鹿島地区につきましては、その点はおっしゃられますように、かなり大きな違いがあろうかと思いますが、鹿島地区の位置する点が首都圏の中にあって、しかも東京に比較的近い距離にあるということ、ある意味ではそこに先ほど申し上げましたように、公共的な産業の基盤となる港湾、道路その他の施設を整備することによって、十分そこに産業の集中なり発達が行なわれるということがうかがわれると思います。そういう意味では鹿島地区というものは確かにそこに新しい都市づくり的なものを十分持っておりますが、ある意味では工業整備特別地域としての性格を持っているのではないかというふうに考えている次第でございます。
○細谷委員 私はおことばはわかるのですけれども、問題はいまの御答弁で一つも解明されておらない、こういうふうに思うのです。そこでお尋ねしたいことは、私も熟度ということを重化学工業化率という単なる一つの尺度だけできめるのはおかしい、こう思うのでありますが、それでは、新産都市と工特というのは基本計画を見ますとこれに書いてございますけれども、一体どういう型の重化学工業、いわゆるどういう形の工業構造というものを描かれておるのか、私のいま質問しておる内容がおわかりになりましょうか、それをお尋ねしたいと思う。
○鹿野政府委員 新産都市の十三地区をとりましても、やはりそれぞれの地域としての特色がございますし、重化学工業ということばの中にも非常に幅の広い範囲のものが含まれております。石油コンビナートあるいは鉄鋼を中心とする都市もございますし、あるいは松本・諏訪地区のように、主として精密工業的な機械工業を中心として今後も発展するであろうということが考えられる地区もございます。あるいは東予地区のように、比較的地場産業を盛り上げてやっていく、あそこにはタオル工業とか、そういったような工業がございますが、そういったものも育てていくといったような、ある意味では重化学工業からはずれた産業にしても、その地方の特色を持った産業、食品加工もこの地区あたりでは考えなければならぬでしょうし、それぞれの地方の背景なり特色を持ったものを育てていくということになろうかと思います。ただ全体の地域といいますか、その地域の特色なり条件ということで、鉄鋼あるいは石油コンビナートというものも起こり得るのではないかということの考え方に立って、あるいはすでにそういう見通しがあるという考え方のもとに、大分・鶴崎地区あるいは水島地区というようなところを考えておる。それぞれ各地域ごとに若干の違いが当然出てまいると思っております。
○細谷委員 この計画にございます——まあ重化学工業といいますと、いわゆる石油コンビナート、鉄鋼コンビナート、これは計画にありますように、水島地区あるいは大分地区といえば、こういういわゆる重化学工業のティピカルなコンビナート、こういうことでございましょうけれども、そういうコンビナートとして不可分のものという型のコンビナート、それから地場産業といった、たとえば松本・諏訪地区、違いがございます。水島地区なり大分地区の構造がどういうことかわかるのですが、さらにお尋ねしたいことは、低開発地域工業開発促進法という法律があるんですね。そして、すでに第一次指定、第二次指定、今度第三次指定等がありまして、今度百三の地域が指定されようとしております。三月二十三日に地方産業開発審議会の答申がありまして、そういう体制ができておるわけであります。これは日本全体の面積の二〇・五%を占めておる。市町村数の約二割、一八%程度が指定になるわけであります。いま十九の工特あるいは新産都市の中で、この低開発地域の工業開発促進法との——いろいろ型があるわけですから、開発されようとする工特地域あるいは新産都市の構造というものを描かれておるわけですが、これとどういう関係があるのでしょうか、これをひとつお尋ねしておきたいと思うのです。
○鹿野政府委員 低開発地域における工業の開発の促進という意味では、新産都市と低開発地域とはかなり似かよった性格を持っておると思いますが、新産都市の場合は一つの地方開発の大きな拠点として考えておりまして、かなりそこに工業の集積が行なわれるであろう、同時にそれが今後の地方の開発の推進力となって、みずからも育っていき、都市としてかなりの力を持っていくだろう、そのためにはやはり昨日も申し上げたことなんですが、一つの都市機能を同時に持って、外部経済の集積もその地方に持たせながら、内部経済、外部経済の相互作用によってその地域がだんだん育っていき、それが波及して地方に及ぼしていくというふうに、一つの拠点的な考え方を新産都市においては期待しているわけであります。片一方、低開発地域工業開発促進法においては、むしろそこまでに至らない低開発の地域で、工業立地の条件においてもある程度恵まれている地域につきまして、その地方のそれぞれの、主として地場産業の育成というふうなことが中心になろうかと思いますけれども、ある程度の工業発達を進めていく、おそらくそれは全国でかなり大きな地域になっておりますし、かなりばらばらに工業が起こるような形になろうかと思いますが、必ずしもなかなか人為的に一つの地方にしぼって工業を持っていくということは容易でございませんで、やはり地元とその地方の特色、あるいは企業家との呼吸の合ったところに工業は分散して生じてきます、また発達してまいりますので、その次の段階としては、そういう低開発地域の中からさらに新産都市の次を追うものというような地域がだんだん将来発展し、生じていくということを同時に期待しておりますが、低開発地域の中では、かなり広範囲にそういった工業の、何といいますか地方への分散あるいは地方の地場産業の発展を期待し、その中でどういうふうにこれから育っていくかは、それぞれの地域の今後の動きを見ながらそれを盛り上げていくというような政策をとっていこうというふうに考えておる次第であります。
○細谷委員 新産都、工特というのは、産業の過度集中を排除する、そして地方の産業の中心的な役割りを演じさせる波及効果の大きいところだ、こういうのをねらっているのだということでございますが、ちょっとお尋ねいたしたい点は、一体工特なり新産都市では、重化学工業化ということについてはあまり関心を持っておらぬ、念頭に置いておらぬ、こういうことなんでございましょうか、お尋ねいたします。
○鹿野政府委員 日本の重化学工業化というのは、この数年来非常に目ざましい進み方をいたしておりまして、特に重工業化という点では西欧水準をむしろ抜いているような形にまでいっているかと思います。やはり一つの産業が、産業といいますか地域が経済力を強く持つという面では、その中心になっていくのは重化学工業であろうかと思います。そういう意味において工特、新産地域というものは、もちろん地場産業の育成その他いろいろな軽工業的なものも必要かと思いますが、そういう地元の産業の育成と同時に、新しい大きな機械工業なり、先ほど申し上げましたようなコンビナート工業が地方に張りついていくということを期待しているわけです。ただこの四十五年くらいの姿、あるいは五十年くらいのところまで考えても、必ずしも十三地域に、先ほど申し上げましたふうに石油コンビナートとか鉄鋼のすべてが張りつくほどにはならないであろう、おそらくは大分と鶴崎あるいは水島地域という、あるいは北海道の道央地区という程度に当面の問題としては限られるのではないかということで、基本的な計画を立てているわけでございます。その他の地域につきましては、主として機械産業等を中心に、あるいは地場産業を育てていくというふうなことを考えながら、機械産業もあるいは地場産業につきましても、大部分は重化学工業という分類の中に入れれば重化学工業ということになろうかと思いますが、小さい機械工業といいますか、ほんとうの修理工場的なものは必ずしも重化学工業ということで考えられません。ただし、かなり規模の大きい機械工業を地方に興そうということになれば、それを受けるいろいろな下請の工業がないとできませんので、地元の工業を育てると同時に中央のものを地方に分散していく、両方相まって地方の産業の発展をはかっていくという考え方に立っているわけでございます。
○細谷委員 経済企画庁で経済審議会というのがありまして、その地域部会というのがあるわけです。これは新聞に書いてあることでありますが、ある新聞の四月六日の記事でございます。「経済審議会、地域開発計画練り直す、重化学偏重を脱皮」、こういうような見出しで、会長は石川一郎さんでありますけれども、こういうことが書いてございます。第一に、「最近大企業コンナビートの新設は必ずしも地元経済にプラスにならず、かえって地元産業が圧迫され、また公害問題をひき起こすことがある」「市町村など地方公共団体の財政負担がかさむという地元の不満が高まっている」「また企業側にとっても人手不足がひどくなっているため低開発地域」すなわち「低賃金の妙味がうすらぎ、企業進出の意欲が鈍りぎみになっている。」こういうふうに書いてありまして、今日までやってまいりました経済企画庁の重化学工業偏重のこの経済政策ということについて脱皮、反省、練り直し、こういうことが議論されておることはむろん御承知と思いますが、いかがですか。
○鹿野政府委員 ただいまの新聞記事の内容につきましては私あまりよく存じておらないのでございますが、経済審議会の地域部会というものが設けられましたことは確かでございまして、これは中期経済計画におきまして地域問題について論及し、十分な結論を得る時間がなかったものですから、地域問題についてはあらためて検討をしていくという答申になっておりました。それを受けて地域部会が設けられたわけでございます。 いま御指摘のような重化学工業がどうのこうの、あるいは重化学工業化的な考え方をもうこの際やめるのだというようなこと、そういった議論はまだ部会も開かれておりませんし、まだ第一回目が開かれておりませんので、これから近く第一回を開くという段階でございまして、まだ内容的にどういうものを議論するかということも十分案としては練られておりません。ただ国民経済的に、マクロ的に見たいろいろな考え方を、さらに地域におろして問題を掘り下げて検討して、将来の全国の総合的な計画樹立に資するという考え方でスタートしようということになっておる次第でございます。
○細谷委員 私の先ほどの発言にちょっと誤りがあったようでありますが、地域部会はまだ開かれておらないのであります。おらないだけに、この新聞に書いてある構想は経済企画庁の構想だということであります。こう新聞には書いてあるのです。「経済企画庁は」とまず主語を先に書きまして、「地域部会の初会合を開き、六十年を目標年次とする地域開発の新しい長期計画について検討を始める。その方向は中期経済計画にとらわれないで新しい角度から今後二十年間の日本経済の長期展望を固め、これにもとづいて地域開発のあり方を根本的に練り直そうというもので、」ということでありますから、いままでの重化学工業偏重の姿勢に反省を加え練り直す、こういうことに理解せざるを得ないのでありますが、そうなんじゃないですか。
○鹿野政府委員 企画庁のほうとしても、目下いろいろ議論をしている段階でございますが、将来のビジョンを、国民経済的にもビジョンを考え、あるいは国民の生活的なビジョンも考え、あるいは地域社会の将来の姿というようなビジョンも考えるということで、二十年になりますか、かなり先のビジョンを考えて、その上で各地域がその際どういうふうになっていくだろうかというふうな検討ももちろん今後やっていきたいというふうには考えておるわけでございます。おそらくその新聞の書いたねらいというのは、いままで企画庁が考えている倍増計画その他につきましても、主として工業の問題が中心になって、地方の工業化についてかなり強く問題を取り上げていたわけでございますけれども、最近いわれるような意味での社会開発も含めて、より広い意味で問題をとらえていかなければいかぬし、地方の問題につきましては、特にその地方の工業化、あるいは産業の高度化というほかに、都市の問題等につきましても十分取り入れて考えていくべきじゃないかというような意味で、工業化による地域開発のみを中心にして考えていくんじゃないんだというような気持ちのあらわれが、そういう新聞記事になったのかというふうに思います。
○細谷委員 どうも新聞がかってにこの構想を書いたようなおことばなんですけれども、私が尋ねておるのは、いままでは重化学工業偏重の姿勢でやってきたことは間違いないんですね。そうでしょう。高度経済成長政策、その重要な柱としての新産都、工特、そういう姿勢はやはり格差是正を叫びながら格差の拡大を呼んだ、いろいろな経済のひずみが出てきた、こういう反省の上に立って、これからもっと長期的な展望の上に立って地域開発を進めようということになったんではないかと思う。いまのおことばを聞きますと、やはり依然として重化学偏重という形をとっておるんじゃないか、それは否定していないんだ、こういう態度のようでございます。これはおそらくこの経済審議会の地域部会の検討を経て、答申を得てみなければわからぬのだと言いますけれども、ここに詳しく書いてあるのは、企画庁の態度、姿勢としてこれに出ておるわけなんです。ですから私はお尋ねをいたしておるわけです。重化学工業という問題をどういうふうにやっていくかということについては、あなたのほうの答弁いかんによっては、その問題についても私はもっと質問をしたいと思っておるのです。これはどういう態度なんですか。そういう反省をしているのかどうか、これをひとつ聞かしていただきたい。
○鹿野政府委員 中央と地方の格差の問題も、分析しますと、ある意味では一次産業と二次産業の違いというものが非常に大きく地方ごとにあらわれて、中央と地方の格差にあらわれてきているわけです。地方の格差を是正して、地方の所得水準を上げて地方を発展さしていくという一つの推進力としては、やはり一次産業から二次産業にかわって、二次産業を興していく。二次産業の中でも、さらに重化学工業的なものが地方に興るということが望ましい。それは地方のそれぞれの所得水準を高める大きなプロモーターになろうかというふうに考えます。ただ、地方の開発というのは単純に経済開発だけを考えるべきではないので、やはり地方の住民の福祉という問題を取り上げて、福祉の極大化をはかっていくという考え方に立つならば、重化学工業化の問題だけを論ずるべきではなくて、やはり地方、地方にそれぞれの特色はもちろんありましょうし、また地方の住民の福祉のために何をすべきかということを考えていくと、やはりそこに文化水準の高い都市形成をやっていくとか、いろいろな問題が出てまいると思います。そういう意味で、地方開発という問題も、必ずしも工業開発だけが中心なのではないのだという気持ちでわれわれとしては今後地方開発の問題を考えていきたい。たとえ工業開発の問題を考えるにしても、単にそこに工業だけを興するという意味ではなくて、産業都市としての都市形成もあわせて考えていきたい。そういうことによって、その都市といいますか、その地方自体がみずからの力でどんどん発展する力を持っていきましょうし、産業に従事する人も、またその地方の住民の方々も、高い水準の福祉が得られるというふうに考えているわけでございます。重化学工業という問題を軽視するわけではないけれども、地方開発について、それのみでもって満足すべきことではないということを申し上げたいのであります。
○細谷委員 今度の計画を見ますと、重化学工業のみではないのだということで大体わかりましたが、新産都を例にとってみますと、十九地区。昭和三十五年度の重化学工業化率というものを計算をしてみますと、大体最低が二三%、最高が七七%という数字になっておるわけです。目標年次の五十年度をとってみますと、最低のところが四二、最高のところで八〇ぐらいになるわけなんです。全体の突っ込みからいきますと、大体新産都市において六三・一%、工特地域において七五%という数字になるようであります。これを見ますと、やはり重化学工業偏重、こういう計画であるということは、これはまぎれもない事実ではないかと私は思うのです。いかがですか。
○鹿野政府委員 新産都市の平均が六三・一%の重化学工業率になるという見通しになっておるので、それは偏重ではないかと仰せられるわけですが、現在の日本の重化学工業率の平均水準は三十八年度で六四%に大体なっております。三十年度が四九%であるときに比較しますとかなり大きな重化学工業化の進展だと思うのです。新産都市としましても、平均して六三%ぐらいの重化学工業率というものは、今後の目標としての数字として必ずしも小さいといいますか、それほど偏重といいますか、高過ぎる問題ではないのじゃないかというふうに考えられます。やはり新産都市は地方のかなり重要な拠点都市として、拠点的な産業地帯として考えられております。その中心として、その推進力としての重化学工業というものがどうしても必要であることは事実ではないかと思います。その程度の水準は当然のことのように私らは考えておる次第でございます。
○細谷委員 大体新産都市では三十八年度平均程度の重化学工業化率にいくのだから妥当だ、こういうことであります。 さらにお尋ねしますが、一体、新産都市で掲げられてあるようなたとえば水島なりあるいは大分地区、あるいは現在のその他の指定されておらない地域におけるいわゆる石油コンビナート、鉄鋼コンビナートというものが、かなり太平洋ベルト地帯に散在しておるわけでありますが、こういうようなユニットのコンビナートで開放体制の中でやっていけるとお思いですか。いかがですか。
○鹿野政府委員 石油コンビナートの単位はユニットとして大体十万あるいは二十万バーレル単位で考えられていたかと思いますが、世界的な傾向としても非常にユニットが大きくなってきておりますので、十万の単位というものは必ずしもすでにそれほど大きな単位でなくなっていようかと思います。私ども新産都市を考えますときにも、それだからこそ、各新産都がほとんど臨海地区の場合には、石油コンビナートだ、鉄鋼だということをお考えになっていたわけですけれども、将来の需要想定等から考えてみて、それほど多くの地域に小さくばらまいたのでは、とてもおっしゃられるように開放経済のもとで太刀打ちできるような設備にならないというふうに考えて、最もその中で適性のある大分・鶴崎と水島というところに焦点を合せてやっていくべきじゃなかろうかというふうに考えて案を練ったわけでございます。
○細谷委員 開放体制下、石油コンビナートあるいは鉄鋼コンビナートというと、過去のスケールでは、ユニットはいままあ二十万と言いましたけれども、石油審議会が供給計画を通産省に三月一日に答申をされておるわけでありますけれども、それによりましてもやっぱり二十万とか三十万とか、こういうようなユニットになるわけです。そういたしますと、この石油コンビナートというのは確かにおっしゃるように当初はネコもしゃくしも、四十三か四ですか、みんなやっぱり石油コンビナート、鉄鋼コンビナートを考えておったわけです。これをかなり合理化したということは認めます。おっしゃるように、今度のこの十九の中において、大分とそれから水鳥に石油コンビナートが計画されている。鉄鋼等についてもやはり大分と水島、北海道の一部、そういうことでしぼられておりますが、私は、これはまあほんとうの姿じゃないかと思うのです。そうなってまいりますと、私はいままで質問した点からいって、あえて新産都市という法律、工特法という法律、まあやり方が違っておりますけれども、低開発地域工業開発促進法という法律、何本立てにもなっておるのは、私はおかしいと思うのですよ。いまお聞きしますと、かなり時間をかけてお聞きしたのですけれども、新産都市というのは何か、工特は何かということになりますと、どうも明確じゃありません。こういう点からいって、全くこれはおかしい。おかしいとお思いになるかどうか、一体おかしい原因はどこから出たのか、それをひとつお聞かせいただきたい。
○鹿野政府委員 地域開発立法は非常にたくさんございまして、現在おもだったものを数えますと、約四十くらい地域開発立法があるのでございます。地方の拠点的な開発をやっていく、あるいは工業開発を中心として考えて地方の開発をはかり、格差を縮小するというふうな考え方をまとめて、一つの体系的な法律にできれば、何といいますか、そういうふうにありたいというふうに考える気持ちは私らも持っておりまして、全体的に法体系をもう少し何とか考えたいものであるというふうには考えておる次第でございます。新産の法律をつくり上げるときにはやはりそれなりに、御存じのように運輸省は運輸省で港湾地帯の整備というようなお話があり、自治省は自治省で百万都市の考えを持たれて、地方産業基幹都市ですか、そういうお考えを持ち、あるいは建設省は建設省で広域都市というようなお考えを持つというようなことで、そのままですと、またそれぞれが立法されるというふうなおそれも多分にあったわけでございますが、それを一つの考え方としてまとめ上げて新産都市という法律ができ上がって、それに、先ほどから先生から御議論がありますが、かなり類似の意味を持った法案としての工業整備地域の法律が地域開発立法としてなされた。その間、あるいは低開発地域が新産都市の法律の前にすでにスタートをいたしておりましたが、こういった法律なども、もしできれば一本の体系化されたものでやれるようになればなおいいかと思いますが、その一つ一つのいきさつなり、そのときの時代の背景を持った形で法律というものは誕生しております。別に現在この三つの法律についてそれぞれ矛盾を示しているというふうな、おかしいというふうな感じは持っておるわけではございませんが、全部か、あるいはこれ以外の法律にも及んで一つの体系的な地域開発の法体系というものができれば、なおよりけっこうなことである。また、われわれもそういうような方向に努力したいということで、前から国会の附帯決議の御趣旨もありますし、研究をいたしてはおる次第でございます。
○細谷委員 私は、こういうような、法体系が何かすっきりせぬままに新産都ができた、さらに工特ができたという原因は、やはり企画庁に責任があると思うのです。新産郡市の指定基準というのが地方産業開発審議会で三十七年十二月十八日に出ているわけですが、「指定運用の基本方針」という中に、「新産業都市の指定の数はおおむね十か所程度とすること。」こういうふうに書いてあるわけですね。ところが、十九になったわけですね。指定は十三でありますけれども、実質的には変わらぬようなものが工特地域ということで、法の裏づけなしに指定を受けてどうにもならないものですから、第四十六国会で工特地域の立法がなされておる。そうしますと、これは実質的には十九ですよ。まあその指定基準の場合は、ずいぶん千里眼のようでみごとにはずれたわけですけれども、こんなことを書いても、これはおかしいと思うのですけれども、「新産業都市の配置は、洪水、高潮、地盤沈下等による災害の発生のおそれが少く、かつ、その防除が容易な地域に重点をおくものとする。」と指定して、間もなくこういうのがみごとにはずれたのですね。そうでしょう。新潟地震。こんな千里眼のようなことをたけだけしく書いてあるところに問題があると思うのですが、それにいたしましても、十カ所程度というのは、産業界はもうこれはせいぜい四、五カ所程度だ、また、こういう問題を専門的に研究されておる方も、まあせいぜい四、五カ所程度、私も、さっきの申請されたものは別として、企画庁が全国的な視野から、あるいはこれからの日本の産業のあるべき姿、構造上の問題等検討して基本計画を立てられたわけであって、それはかなり現実に近づいたということを認めます。認めますが、私は、こういう基準をぎょうぎょうしくつくりながら、基準どおりいっておらぬ、こういうところから体系の乱れが出てきておると思うのですが、ひとつ率直なお考えを聞かしていただきたいと思うのです。
○鹿野政府委員 新産都市十三地区はおおむね十カ所ということに準ずると考えておったわけですが、そのほかに、仰せられるように工業整備特別地域が六カ所できて十九カ所、そういう工業整備特別地域まで入れますとかなり数がふえてきておりますが、一つの地方の開発といいますか、工特地域における拠点開発都市としての考え方からいいますと、やはり十カ所が十三カ所台にとどまったわけでありまして、十三カ所の新産の数が多いか少ないか、あるいはどう考えるかというお話でありますれば、やはりいま、一つの例を九州に考えてみましても、九州の宮崎、熊本あたりが新産都市に指定されたということ、これは将来の行く末といいますか、それが計画どおり発展するかどうかということについてはかなりの努力が当然必要とは思いますが、考えてみますと、今後の東京とか大阪付近の大都市への集中は、やはり先ほどから申しますように、一次産業から二次産業への転換、一次産業である農業からの労働力の排出といいますか、労働力が出ていく、それが大都市へ流れ込んでいくということが一つの大きな過密都市への原因となっているかと思うのでありまして、東北の地域でいいますと、今後の東北からの東京方面へのなだれ込みの力というものは、かなり長く、かつ大きく続くだろうと思うのです。そういった流れを、やはり新産都市として地方のところで食いとめて、そこで産業を興し、農業からの人口をそこに食いとめて、地方としての発展をはかっていくという点からいきますと、やはり八戸とか仙台とかというところにそれぞれの拠点、九州でいえば熊本とか鹿児島とかいうところに一つの拠点があるということがやはり全体の均衡ある発展、あるいは今後の農業から新産への転換、それに基づく大都市への流入の阻止という意味からは効果的な配置といいますか、数からいっても決して多くは過ぎないし、配置からいっても、現在の指定された各都市というものはそういう意味での拠点的な、あるいは防波堤的な役目を持ち得るんじゃないかというふうに考えておるわけであります。
○細谷委員 十三と六というのはあくまでも妥当だ、こういう御見解でございまして、私の見方とかなり懸隔があるわけであります。 それではお尋ねいたしたいのでありますが、四十六国会で工特法が衆議院を通る際に附帯決議がなされまして、その筆頭第一にこういうことがあげられておるのです。「地方産業開発については、速やかに本法並びに新産業都市建設促進法等の関連法を併せ根本的に再検討すること。」こういう附帯決議がなされておるわけです。この附帯決議はどういうふうに受け取っていらっしゃるかお尋ねします。
○鹿野政府委員 附帯決議にそのような条項がついておるということ、よく存じております。いままでも予算委員会の分科会その他で、しばしばその点御質問がありました。私どもといたしましても先ほど申し上げましたように、地域開発の立法というのは、拾ってみますと、約四十ぐらいおもだったものがございます。それぞれそのときの情勢もありましょうし、またその地域、地域の特色、背景をとらえて、必要に応じてつくられた法律でございますので、これを一つの体系にまとめるといってもなかなか容易なことでございません。われわれといたしましても、根本的な問題として目下研究しているわけでございますが、特に基本になる国土総合開発法というものがございますし、それらとの関連をどう考えていくかということは、われわれとしても非常に重大なる課題だと思って研究いたしておる次第でございます。
○細谷委員 この前の新産都の法律が衆議院を通過する際にも、いろいろな十一項目の附帯決議がなされておるわけです。工特法のいま私が読んだ筆頭のこの条件というのは、やはり国会も新産都市建設促進法等関連法については根本的な再検討が要るんだ、こういう認識の上に立ってこういう附帯決議がなされた。端的に申し上げますと、こういう附帯決議はよくまとまったものだなと思っておる。やはり体系上も問題があるし、いままでお聞きしてきたように新産都と工特のけじめもつかぬ。しかも今度出ている法律は、この二つの法律のものを同じ法律で財政援助措置をやろうということでありますから、しかもその新産都というのが低開発地域の開発の内容ともあまり変わっておらぬ、地場産業を中心としたようなものも多いわけですから、変わっておらないということになりますと、この附帯決議のように抜本的な検討が必要ではないかと考えておりますけれども、いま検討中ということを聞いて私はがっかりした。おそらく一年先にこういう問題について御質問しても、まだ検討中でございます、こういう御答弁になるんじゃないかと思うのです。少なくともこういう根本的な問題に触れた附帯決議がなされた以上は、一年前の国会でありますから、その構想くらいはお持ちではないかと思うのですが、基本構想等全然お持ち合わせありませんか。
○鹿野政府委員 先ほど申し上げましたように、この工特の法律、新産の法律、低開の法律のみならず、各地域それぞれのブロックごとの開発促進法がございます。また特殊地域としての台風常襲地帯、あるいは豪雪地帯、あるいは特殊土壌地帯という関係の法律、非常に数が多くございまして、先ほど申し上げましたように拾っていきますと約四十くらいの法律があります。それぞれに非常に深い背景を持って、あるいは大部分のものが議員立法としてなされた法律でございます。これをどういうふうに体系づけていくかということは、まことに容易ならざるものでございまして、私らも内部ではいろいろ議論しておりますが、いま先生にここで構想をというふうに御質問を受けましても、いま簡単にここで構想を申し上げるまでに私どもの研究も進んでおりません。ただ最も中心をなす、国土総合開発法という法律がございますが、この法律も昭和二十五年にできて以来かなりの年月を経ておりますし、その当時の国土の資源的な開発、食糧とか水とか電気とかいったような資源的開発を中心に、あるいは災害の防除といったようなことを考えたといいますか、基本的な思想を持った法律でございます。この法律についても、国土のいろいろな開発の基本的な性格を持つ法律だけに、現在のいろいろな新しく考えられた産業の高度化、あるいは社会開発あるいは福祉国家に進んでいく意味での地方開発といったようなことを、新しい角度からどう法律としてまとめ上げていくかということにわれわれとしても非常に苦慮いたしておる次第でございます。もとよりその背景としては、先ほどお話が出ました国土の今後の、遠い先の一つの地域社会的なビジョンというものが、どういうふうになっていくかということも十分検討いたしませんと、法体系といいますか、そういった構想と法律との結びつきということがちぐはぐになっても困ると思います。なかなか勉強することが非常に広範囲かつ深うございますので、いまここでお答えする段階に至らないことを申しわけなく思います。
○細谷委員 格差是正というものがだいぶ叫ばれているのですけれども、きょうはだいぶ格差がございまして、片や園遊会、片やこういう質問であります。 ひとつ政務次官にお尋ねしたい。こういう附帯決議がなされておりまして、私がいまお聞きしましたように、新産都といい、工特といい必ずしもさい熱とした区別というものがあるわけではないわけです。そういうことからいって、なお法の内容等について問題点があるということで、この工特法ができる際に、第一番にこの点が指摘されて、附帯決議になっておるわけなんで、きょうは全責任を持って政府代表として出てきておるわけですから、この附帯決議は尊重する御意思がむろんあると思いますから、ひとつそれについての政務次官の決意をここではっきりしていただきたいと、こう思うのですが……。
○高橋(禎)政府委員 政府といたしましては、国会で御決議になりました点についてはどこまでもこれを尊重していく、こういう態度でございます。ただ、先ほど来いろいろ質疑応答のございました問題につきましては、やはり産業の発展の過程において、また社会の流動しておるその中において、大きくいえば日本全体の調和のとれた開発、産業の発展、こういうことを考え、そしてそれらの開発に関する諸問題を、その基本をすべて法律で定めていこう、そういういまの制度から考えますと、そのときそのときに応じての所産というものがやはり法律にあらわれてくると思うのであります。したがいまして、沿革的に考えますと、その時期その時期によって地域開発、産業開発ということを考えますときに、やはり厳格にいいまして同じ目的というのでなくして、そのときそのとき相応のそれぞれの目的を持ちまして法律が生まれてまいりますが、しかしそれがある段階に達しましたときには、これを法律制度の上で総合的に統一された、調和された姿において、大きくこの開発の目的なりその措置方法等について制度として確立していくということは必要であると考えるわけでございます。ただ問題は、非常に大きく複雑多岐にわたるというようなところから、そして先ほども申し上げましたように、すべてが非常な速度で流動し、発展しておるその中においての処置でございますから、そう簡単にはまいらないことは、細谷委員ももちろん御承知のとおりでございまして、政府といたしましては、その関にあって国会で決議されましたような趣旨において十分検討して、先ほど申し上げた日本全体の調和のとれた開発ということについての制度を検討してまいりたい、それを確立するよう努力いたしたい、こう考えておりますが、しかしながらさっきも申し上げましたような趣旨で、そのときそのとき生まれました法律の制度といたしましては、それぞれの目的使命を帯びておるわけでございまして、やはりそれも現時点、現在においてはそれを尊重していく、こういう態度でいかなければならぬと思うのでありますが、再言いたしますが、要するに国会で決議されました線に沿うて十分検討して問題の解決をいたしたい、このように考えておるわけであります。
○細谷委員 私はぜひともしなければならぬ問題だ、こう思っております。そういう点で、いま次官が前向きでやろうということでありますから、次に移らしていただきたいと思います。 せんだって佐野委員の質問に対して、基本計画はできたけれども、年次計画はできておりません、事業主体別の計画もはっきりいたしておりません、マスタープランでございます、こういう御答弁でございました。そこで私がお尋ねいたしたい点は、この法律に基づいた新産都と工持、事実上は新産都の十三地区がきまらぬうちに工持の六地区はきまっておったのですから、当時候補地としてあげられたのが四十四地区と記憶しますが、その中から世紀の陳情が行なわれたといわれる陳情合戦の中で十九というのが選ばれた、こういうことでございまして、おそらくその四十四の地区から出た計画、当初計画とでもいってよろしいと思うのですが、その計画に基づいてやったかと思うのです。そうじゃないのですか。指定はそうなさったのでしょう。そして先ほど申し上げましたあまりあてにならぬような基準というものをつくって、おそらく指定ができると一緒に基準を発表したのでしょうけれども、そうだったんじゃないでしょうか。簡単にお答え願いたい。
○鹿野政府委員 ちょっと御質問の趣旨がわからないのですが、当初四十何地区から申請がきた、その申請のそれぞれの計画に基づいて結局四十何地区から新産地区を選んだ、そういうことであるか、こういうお話でございますか、たいへん恐縮でございますが。
○細谷委員 それは法律はそうでしょうけれども、実際はあなたのところは大体指定に内定したから計画を出してほしいということで、それぞれの議会等の所定の手続を経て出してきた、そのときはもうすでに十三と六というのがきまっていたわけですね。そういう手続をとったのでしょう。したがって、きめるにあたっては、四十四のうちから十三と六を選ぶにあたっては、四十四の地域から自薦他薦で立候補してきたものは計画を持って出してきたはずでありますから、その計画で適不適を認定したのではないかということをお聞きしているわけです。
○鹿野政府委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。そういう形で認定したと思います。ただ法律に基づきまして調査をして、調査の内容を指示しまして、それに基づく調査書を出す、それに従って検討をいたした次第でございます。
○細谷委員 そこでその指定にあたっての尺度になった調査書の内容と、この基本計画に非常な大きな狂いがあるということであります。たとえば工業出荷額については五兆四百三十億円、当初は六兆五千五百億円という工業出荷額でありましたから、当初の計画と比べますと二三%小さくなっているのですね。たいへんなことなんですね。公共投資等の事業費ではどういう狂いが起こったかといいますと、二兆八千五百四十一億。御承知のように新産都市は四兆三千億、全体として五一%の狂いがあるわけですね。私は各地区ごとについてそういうものを調べてみますと、熟度のかなり熟しておった岡山県南地区だけが事業費については当初計画より若干下回っておるのでありますが、その他の地域はこの公共投資の額においてものすごい増加を示した基本計画の決定になっております。これを見ますと、私はかなりずさんな計画をもとにして指定がなされたと考えざるを得ないのでありますけれども、どうしてこんな狂いができたのか。指定してもらうためにはどうもやはり事業費が小さいほうが指定してもらいやすいぞ、こういう気持ちはわかりますけれども、これほど大きな狂いができるということは普通では考えられないことじゃないか、こう思いますが、これについての御見解をお尋ねしたい。
○鹿野政府委員 事業費のほうの非常に大きな狂いがあると先生はおっしゃられておられますが、この点は、申請のときにとりました事業費は四十五年を目標にいたしておりまして、今度承認いたしました事業費は、若干前後のものがございますが、おおむね五十年を目標にしておりますので、三十九年から十二年の間の投資と片や七年間の投資との違いがあります点が非常に大きな違いで、もう一つは、当初申請した事業の内容と承認いたしました事業の内容について、若干の範囲の出入りがあろうかと思いますが、おもな点はその年度の違いで、当初要望された二兆八千億に対しましては、むしろ逆にそれを下回っておる形に各地域の承認計画がなっておるというのが実態でございます。
○細谷委員 あるいは私の資料の拾い上げ方がおかしかったと思うのですが、間違っておるかもしれませんが、各地区から出たのが、目標年次四十五年というものもございます。その場合の事業費はこれだ。工業出荷額はこれだ。目標年次五十年のものもあります。その場合には工業出荷額、あるいは事業費はこれこれだ。昭和五十五年のものもあるのです。おたくのほうへ出たものとあるいは違うかもしれませんけれども、少なくとも地区から出たものでありまして、四十五年と五十年と五十五年という目標年次があって、そしてこの計画は立てられております。それを私は拾い集めて、竹と木を比較してはいけませんから、竹は竹で比較をして申し上げておるわけであります。そうしますと、たとえば道央あたりとしますと、道央の場合には三千四百五十八億円の事業費でございますが、決定は七千二百億、こういうかっこうになっております。私の資料が古いのか、あるいはもっと整理をされた後におたくのほうへ出たものを申されているのか知りませんけれども、私はただ四十五年と五十年を比べて申し上げておるのではないということでございます。 そこで、この計画をお聞きしても切りがありませんから、少し具体的にお尋ねしたいと思っているのですが、先ほども私はちょっと申し上げたのでありますけれども、石油審議会が、これからの供給計画からいきますと四十八年までは——三十九年でもう一切の予想される原油の処理能力というものがあるので、すでに二百十六万バーレルの処理能力というものは認可しておるわけですね。ですから四十八年まではもう認可の必要はないのだ、こういう方針も決定されておるわけですけれども、この決定と基本計画はどういう関係になるのか、御存じでしたら、これは通産省かもしれませんけれどもお尋ねしておきたいと思います。
○鹿野政府委員 石油の問題につきましても、おっしゃられますように、この計画を審査するときに、需給状態からいいますと、石油の供給計画が各社ともかなり固まっておりまして、先生おっしゃられますように、これから四十五年——私、四十七、八年のことは詳しく存じませんが、四十五年くらいまでの計画というものはかなり固まっておって、それが各社とも大体どこいらにどういうものをつくるという腹案がございますので、そういう意味から、ある意味ではチェックした結果、先ほど申し上げましたように各地域が軒並み石油コンビナートというふうに持ち出したけれども、それは少なくとも四十五年くらいまでの間にはほとんど可能性がないというようなことから、それが大体具体的な計画を四十五年くらいの期間において考えられているところの大分・鶴崎あるいは水島というところに結果的にしぼられてきたわけでございまして、そういう意味で、通産省のほうでもちろん十分石油についても鉄についても将来のそういった計画とのかみ合わせを調べてもらいまして、御相談の上計画をつくっていったということで、その点大きな食い違いのないものと思っております。
○細谷委員 この石油審議会の供給計画の答申とは狂いがないのだということであります。時間もありませんからさらに突っ込んだことは御質問しませんが、次に建設省にお尋ねしたい。 これは企画庁とも関係があると思うのですが、まず道路の問題なんですけれども、新産都市の関係については、三十九年から五十年までの十三地区に対する道路計画は六千五百億円となっておりますね。
○朝日説明員 仰せのとおり、三十九年度から五十年度までの十二年間に新産都市の道路につきましての必要な整備に要する投資額は、六千五百億円程度であろうということでございます。
○細谷委員 工業整備特別地域の計画における道路は幾らになっておりますか。
○朝日説明員 ほぼ三千百億円程度と思っております。
○細谷委員 そこで、私はせんだって、その総額はさることながら、各地区ごとの計画を教えていただきたいということを委員長を通じて資料をお願い申し上げておったわけでございます。資料はいただいたわけでございますけれども、各地区ごとの事業費が全然書いてないわけであります。これは教えていただけないものでしょうか。
○鹿野政府委員 各地区ごとの全体の建設総資金につきましてはこの基本計画に明示してございますので、これは間違い——間違いと申しますか、承認した正確な数字になっております。あと地区別に生活関連あるいは生産関連、交通通信ということでお分けした表を差し上げたかと思いますが、各地区別の道路、河川あるいは通信あるいは鉄道という個々の事業につきましては、一つの積算の根拠としてもちろんこまかいいろいろな検討をした結果、地区ごとの総体の建設の経費が出てきたわけではございますが、個々の事業につきましては、地区ごとの問題となりますと、今後の計画としてかなり弾力的に考えていくべきだというふうにも考えておりますので、各省とも御相談して、明記し、また明示するのは差し上げた程度にとどめておいたらということで、この資料を差し上げたわけでございます。
○細谷委員 せんだっての佐野委員の質問にもありましたが、道路計画というのは非常に重要でありますから、それでは私はその資料をいただかなかったわけでありますから、こちらのほうからお尋ねして、大体当たらずといえども遠からずだというくらいの御返事はいただきたいものだ、こう思っているのですが、一月七日のある新聞に、私がせんだって要求していただいた資料と文章は全く同じでありまして地区ごとの金額がこれに書いてあるわけです。岡山県南地区ですと三十五年から五十年まで八百億円、道央地区でありますと一千二百億円であります。こういうふうに書いてございます。そしてそのうちの一割ないし一割五分というのが地方の単独事業を含めておるのだ。三十九年度の新産都建設計画の道路整備事業としては二百十億円だけれども、四十年度約二百三十億円を計上しておるのだ、こういうことが書かれてございます。私は皆さんにお教えしなければならない立場になりましたので、岡山県南地区八百億円、徳島地区が三百四十億円、東伊予地区が三百億円、大分地区が四百二十億円、日向・延岡地区が二百三十億円、不知火・有明・大牟田地区が六百三十億円、富山・高岡地区が五百億円、松本・諏訪地区が四百億円、新潟地区が五百億円、常磐・郡山地区が五百六十億円、仙台湾地区が四百四十億円、八戸地区が百八十億円、道央地区が一千二百億円、こういうふうに新聞に出ておりますが、いかがでしょう。大体こんなものだということなんでしょうか。
○朝日説明員 その新聞記事、承知をいたしませんし、個々の地区ごとの数字がいま手元にございませんので、私、何とも申し上げかねますけれども、先ほど鹿野局長からお答えしましたように、当然その地域に計画がなされておるわけでありますし、その計画がある限りは、どれくらいの事業費がかかるかという計画も当然各地区ごとにあるわけで、そういうものにつきまして、私どものほうでチェックをする際にはこれを検討いたしまして、まあ、おおむねその辺のところが考えられるからという数字はあるわけであります。そういった性格の数字でありますが、個々の数字がそうなっておるかどうか、ちょっと私、いまお答えいたしかねるのであります。
○細谷委員 どうも私ども新聞社ほど耳が鋭くありませんので、いまのところは新聞の情報程度なんですけれども、経済企画庁にお尋ねしたいんですが、この新聞に書いてある金額が正しいといたしますと——正しい正しくないは別として、大体この程度だということになりますと、新産都十三地区の多くはこの数字そっくりそのままになっているのです。ぴたっと数字が一致しているのです。ところがたとえば新潟地区、富山地区等は、基本計画における道路費用とそれから建設省のこの数字とはかなり大きな食い違いがあるわけなのですけれども、これはどういうものでしょうか。
○鹿野政府委員 各地区ごとの大体積算していった計数の扱い方につきましては、建設省はもちろん、ほかの省とも企画庁は御一緒になってやったわけですから、建設省のほうのお考えになっている数字と企画庁のほうの考えている数字、あるいは地元の基本計画の内訳的な——こまかく地元ではその内訳をおつくりになって、刷りものにもされておられるものもときどき拝見いたすわけですが、そういう数字とが食い違っているというふうには私ら考えられないのでありますけれども、特に建設省と新産都の打ち合わせば常にやってきておりますし、基本計画の数字が、建設省のほうで考えていられる数字と違っているというふうには思いませんので、どういうわけで違うかつまびらかにいたしません。
○細谷委員 この新聞の数字は、建設省自体がそうだとは言っていないんだから……。私どもはっきりしているのは、基本計画の中にある道路費だけなんですよ。私が心配しておるのは、基本計画の中のほんとうの数字と建設省が確認しない、その辺だとも言えない数字、その数字と現実はやはり相当食い違っておるわけなんですよね。富山地区あたりではかなり大幅な数字の食い違いがあるわけです。端的に言いますと、基本計画の道路費のほうが少ないのです。建設省のらしいこの数字のほらが多くなっておるのですよ。そうなってまいりますと、どうも企画庁と建設省との間に、密接な連携というようなものがとれておらぬのじゃないか。そもそもこの法律は最初三本立てで出てきたのを、一本にしたんだけれども、まだまだやはり問題点があるのではないかという気がいたしますから、お尋ねしておるのです。
○鹿野政府委員 建設省のほうと企画庁の考え方の食い違いが基本計画を承認するときにあったかどうかということでございますが、それはもう十分に打ち合わせまして、それこそ毎日のように係官同士がかん詰めになったような作業をして基本計画の検討をし、府県からも来ていただいて、大ぜいが一同に会して長い間かけての検討で、そこに考え方においてもあるいは計数上の点においても食い違いがあったというふうには私は考えておりません。
○細谷委員 考えておらぬということは、あくまでも正しいということでありますから、問題はやはり建設省の数字というのが明らかにならぬと、ここでけじめはつけられないわけですか。ほんとうはけじめがついていいわけですね。そうでしょう。この問題を審議している際に、建設省が数字を伏せているから、あなたと私の意見が食い違っておるのであって、ちょっと数字さえ出してもらえば黒白がつくわけです、裁判ではないけれども。私はそういう計画で、双方に根本的な検討を要求しておりますけれども、この表面にあらわれた問題だけでも、こういう食い違いが起こってはたいへんなのでお尋ねいたしておるわけなんです。しかしこれ以上やっても、あなたのほうは、いやそんな食い違いはない、毎日のように打ち合わせているのだからということでありますけれども、またさらにそういう問題が出てまいりますから質問を続けます。 私が企画庁の担当官からお聞きした際に、四兆三千億と二兆円というのに対する——これはとにかく年次計画はないわけです。せんだって、佐野委員の質問に対しても、やはりあなたを前に置いてたいへん恐縮ですけれども、あなたの答弁というのは聞いておりますとつかみどころがないのです。そうしますと、柴田局長の答弁は、これは主管省でないものですから、大体においてこうやってエキストラポーレートとしてこういうふうに数字を引き出した、こういっているのです。あなたのほうは引き出すもくそもない。自分でふところに入れているのですから出さないわけなんですけれども、年次計画もない。それから工事の主体別の区別もないわけなんですが、大体において六兆三千億の経費負担というのは、三十九年度の新産業都市の建設事業費の実績とほぼ同様にいくだろう。そういうことでひとつ考えておいてほしいということをお聞きした。その資料を拝見いたしますと、事業主体別内訳と経費負担別内訳とが書いてありまして、事業主体別内訳は国の直轄事業が一二%、県事業が二六%、市町村事業が二三%、地方公共団体関係公社事業団事業が三%、国鉄、電電公社その他が三六%となっておりまして、経費負担別内訳は、国庫負担が二一%、県負担が二〇%、市町村負担が一九%、それから地方公共団体関係公社事業団負担が二%、そして国鉄、電電公社その他の負担が三八%と、こうなっております。大体六兆三千億の負担区分はこういう内容でありますか。
○鹿野政府委員 いま先生がおっしゃられました数字は、確かに三十九年度の実績の調査をいたしまして、この負担区分と事業生体別に分けた数字をもとにして出した数字でございます。それが同時に、四兆三千億もおよそその線になるのではないか。というのは必ずしもぴたりそのように、負担区分なり事業主体がなるかどうかについては、先回にも申し上げましたように今後の問題としてきまっていくわけであります。ただ国と地方との関係になりますと、今回御審議願っております市町村関係の負担のかさ上げの問題といいますか、国の財政援助の関係の制度がプラスされますから、その分だけは当然全般の動きとしては動きましょうし、また全体として事業がおそらくわりに大規模に重点的に行なわれるということは、ことばを変えますと補助事業から直轄事業に移るという傾向が出てまいりますので、そういう意味で全体の負担の姿は、いまおっしゃられた数字よりも、どちらかというと国の負担のほうが少しふえていくような傾向になるのではないか、そういうように考えられます。
○細谷委員 これは今度の法律の主題でありまして、いや国のほうがこれより少しふえるのだということでありますが、ちょっと前に戻りまして御質問したいわけですけれども、この基本計画によりますとずいぶんたくさんの工場が誘致されたり新設されたりするわけですね。相当雇用が増大するわけですね。住宅もうんと建てましょう、人口もふえるのだということで出ておるわけですけれども、あなたのほうの調査を見ますと、三十九年八月の調査、それから三十九年十月十五日の調査、それらを見ますと、三十五年現在の操業中のもの、三十六年以降配置または誘致決定の敷地三万平方メートル以上の工場、既設が二百八十三、新設が百四十五なんですね。その内訳を見てみますと、鉄鋼コンビナートなどでありますと、あるところは一工場二万人というようなデータがありますけれども、大体において三百人以上の人が働くところというのが四八%しかないわけです。あとはみな三百人以下なんです。こういうようなことからいきますと、この基本計画というのは、これからこの基本計画どおりいったとしますと、いま誘致決定したものを別にしまして相当大きな工場が——千人以上の工場というのは、いままで新設決定したものは十三しかないわけですから、それが相当たくさん、それも千人以上の工場というのが四、五百、五百か六百くらいこなければ、この計画は実現しないことになるわけですが、これは自信がございますか。私の質問の意味はおわかりになりますか。
○鹿野政府委員 差し上げた資料は誘致決定工場ということで、かなりもう具体的に話が進んだ工場で、なおこのほかにも目下いろいろ交渉され、話が進行しつつある工場も、幾つか当然あるわけでございます。おっしゃられたように大工場でなくて、三百人程度以上のものという比較的大工場のウエートが少ないじゃないかというお話、その状態から類推すると工場の全体の誘致が、ここで考えられているような工業生産額を生むかどうかというお話でございますが、確かに工場を地方に分散させ誘導させるという問題、あるいは地場の産業を一般と大規模に育てあげるという問題は、なかなか容易なことでございませんので、こういう見通しが楽にできるとは決して思っておりません。それでございますからこそ、われわれとしても工業がさらに地方に出やすいための措置を、融資の上でもあるいは税法の上でもと思い、またそれを誘導していく力としても、地方における新産都市における先行投資もかなり思い切ってやっていくということを考えていきたいと思うのでありまして、たいへんむずかしいことであるが、われわれとしてはそれを目標にして新産都市の建設を地方と力を合わせてやり抜いていきたいというふうに考えているわけです。
○細谷委員 答弁はそれ以外にないでしょうね。仙台地区を例にとりますと、既設の工場が十五です。敷地面積は百七十ヘクタール、従業員数は一万三千百四十二人。誘致決定工場は十です。敷地面積は百ヘクタールと基本計画にはある。この計画にあります従業員数というのは四千六百四十八人です。そうしますと、これから目標を達するには、いまの速度の五・五倍くらいの速度で工場誘致が実現しなければ敷地面積が消化できません。従業員数は八倍以上の速度で——いままで高度成長経済で盛んにやったんですよ。それのいまは反省期に立っている時期に、従業員数は八倍以上の速度で雇用を増大していかなければならないわけですね。これはおよそ実績と常識を逸脱したものじゃないでしょうか。いやそれに努力するのだといえば、それは実績の百倍であっても努力目標だといえばそれ以上言えませんけれどもね。
○鹿野政府委員 容易でないことはおっしゃるとおりで、なかなか新産都市建設を目標どおりにつくり上げるということはたいへんな努力が必要だと思いますが、これからの産業といいますか、農業関係の近代化等のことを考えますと、実際仙台あたりの例をとってみれば、やはり東北の中心地点として、そこで考えておりますところでは、三十五年度に四万五千人の従業員がございますが、四十五年度には八万一千人という従業員数のを考えておるわけであります。十年間で約倍近いことを目標としてねらっておるわけですが、必ずしも現在の段階のテンポで、まだほんとうにスタートしたばかりの目標に対して、はたしてできるかできないかということは、私らとしても簡単に判断はいたしかねる。ただ全体の工場の地方分散その他から考えますと、この計画でもそれほど大きなウエートを新産都市一本に負わせているわけではございませんし、この程度のことをやり遂げない限り、地方の均衡ある発展とかなんとかいっても、できないことだというふうにわれわれは考えて、懸命に努力していきたいということをお答えする以外にないと思います。
○細谷委員 私がお聞きしているのは、それはすべての人が懸命に努力をしなければいかぬのじゃないかと思うのですが、いままでの実績の二倍とか五倍とかになってまいりますと、それはポシブルだ、こういうことを言うのは問題があるのであって、やはりもっと現実を加味した基本計画を練り直す必要があるのじゃないかという気がいたします。端的に申し上げますと、最大限の努力をして実現可能な目標というのは、昭和五十年度にはこれこれだ、ですからこれだけはやらなければいかぬのだけれども、そういうものをやはり五十五年を目標にして達成しようとか、年限を延ばすとかなんとかしないと、これはたいへんなことになるのじゃないかと思う。ちょっと先ほど財政の問題について質問をしましたが、県が二〇%、市町村が一九%程度だ、そのうちおおよそ起債が四五%程度あるわけですから、自己負担がその半分程度じゃないかということでありますけれども、公共投資の推移を見ますと、おたくからもらった資料の千八百三十五億円という三十九年度の実績から見ますと、この基本計画を五十年までやっていくためには、少なくとも二倍以上の速度でやらなければ基本計画の遂行はできないということになります。 そこで私はお尋ねしたいのでありますが、少なくとも三十九年の実績の二倍以上の速度でやらなければいけないということになりますと、それでなくとも地方の財政が危機に立っておる今日、あるいは若干豊かな水島地区とか四日市地区とか——きのう安井さんはY市とかK市とかいうことばを使いましたが、まぎれもなく四日市と倉敷ですね。これは一体できることでしょうか。ですからできることとできないことを、やはりしっかり区別していただかなければならないと思います。自治省のつくった地方財政計画、それに基づく実績と比較いたしますと、端的に申し上げますと、この計画をマスターするのには、およそ地方財政計画に盛られた公共投資の全体の四〇%近いものを、この新産都市十三地区と六工業整備地区に投入しなければならない。いままでの地方財政計画の公共投資の実績からまいりますと、少なくとも二倍以上——全国の二〇%以上をこの十九地区に投入しなければカバーできないんですよ。この数字は間違いないのです。今日の財政事情から、日本全体の計画のわずか七%か一〇%くらいしかウエートを持たないこの十九地区に、二割とか四割というようなものを公共投資として投入するということがバランスがとれておることでしょうか。先ほど次官は、調和のとれた建設というおことばでありましたが、私にはそうは思えないのでありますが、いかがですか。
○林説明員 細谷先生のお出しになりました数字、いま直接ここにあるのと合っておるかどうか存じませんが、全体として四兆一二千億の計画、それから中間的な目標として四十五年までに二兆三千億の事業計画を遂げたいという考え方で進んでおるわけであります。地方財政の面からこれを見ました場合に、現在の三十九年ないし四十年でできております地方財政計画と比べれば、おっしゃるような非常に開きのある数字になると思いますが、しかし現実問題といたしましては、財政が年率何%かずつ伸びていくその伸びに従って事業の実施の速度も年とともに加わっていく、実際にはそういうふうに動くのではないかと考えておるわけであります。そういうふうに動くといたしますれば、三十九年度は千八百億ほどの実績がありますが、これが、正確でありませんが年率一〇数%の伸びでいくといたしますと、四十五年までに二兆三千億になり、さらに五十年度に四兆三千億、五十年度まで同じようなカーブで伸びていくとすれば年率一二%程度の伸びで達成できる。四十五年に二兆三千億までやろうとすれば、前半にもっと伸びをたくさん見なければいけませんが、一般財源その他が一割七、八分からかりに二割に伸びる、事業費を新産工特措置で二割何がしか上に伸ばすとすれば、その程度のものは達成できるはずでございます。七年間均等でお割りくださいますと、とても四十年度、四十一年度には特たない。全体の一〇%ほどの地域に四割の事業を持っていなかければならないという数字になるわけでありますけれども、実際には決して均等にはやられなくて、逐次ことしから、来年が二割増し、その二割の再来年がさらに三割増しというというぐあいに伸びていくと思いますので、決して地方財政上楽だとは申し上げません。今回の援助法というものも必要でございましょうし、これでも十分だとは思っておりませんけれども、おっしゃるような全然不可能な数字とは考えておらない次第でございます。
○細谷委員 質問するのもいやになったから、時間もおそいし、早く打ち切ろうと思っておるから、あまり詳しく質問してないんだけれども、四兆三千億、二兆円、五十年のときになったら、やってまいりました、最低限の努力をしました、ところが遂行率は五〇%でございます。五〇%でございました、それならできましょう。あなたがおっしゃるように、きのうも柴田財政局長答えたように、大体昭和四十五年度までには、二兆三千億消化するんだ、こういうんです。どういう——林さんはなかなか数学が上手で、今度の法律でも高等数学以上のウルトラCの数式を出してきたわけですけれども、どういう数式にのっとるカーブを描いて出しているかわかりませんけれども、私はやはり五〇%かせいぜい六〇%くらいじゃないかと思うのです。そういう数字であっても、地方というのはいままでも二倍以上の速度、端的に言いますと、市町村税の大部分というものを投入しなければならぬ、こういうことになります。そこで今度の法律の対象というものはどういうことかといいますと、これこれの事業だけ、国庫補助のついたものだけを補助を引き上げますというんでしょう。それだからいままではなけなしの金でわずかの単独事業もやっておった、あるいは道路計画の中にすでに六千五百億の中に、一〇ないし一五%は単独事業だ、こう書いてある。六千五百億の一〇%というのは六百五十億です。一五%になれば九百億くらいになるのです。そういうものが加わっておるんですよ。それをやらなければ、補助はもらえないということになりますと、あげてこの新産都の政府の考えておる基本計画、一切のもの、市の単独事業をやめなさい、この法律の該当事業だけにしぼってやれ、端的に言いますと、もはや地方自治体の姿はなくて政府の完全な出先機関、企画庁の完全な出先機関。そして財政援助でございますという、援助ということばは使っていませんけれども、援助でございますという、鼻くそ程度の自治省の補助をもらって、そして自治体の姿というのは、全部この引き上げのための、法律に書いた住宅とか幾つかのあれに集中していかなければいかぬ。こういうことは必至だと思う。火を見るよりも明らかだと思うのです。これについて私は、この前に自治省のお考えを聞いたのであります。そういうことでよろしいのでしょうか。企画庁長官、経済の均衡ある発展を希望しておる企画庁、いかがですか。簡単に答えてください。
○鹿野政府委員 いまも林課長から数字的に申し上げましたけれども、私らが計算しましても確かにいまのベースからこの計画全体を十二年間にどういうふうにやっていくかということでなだらかに描きますと、年率一二%増くらいの姿でこれは計画を達成するわけですよ。それはちょうど地域計画あたりでも、要するに今後の行政投資といいますか、公共投資の伸びはどのくらいかというふうに考えているかといいますと、大体一〇%あるいは一一%くらいの伸びで今後の公共投資を考えているわけです。ですからその中で、それは確かに全体の平均値から見るとここにウエートがかかりますから、ウエートのかかり方というのはそうべらぼうなウエートをかけているわけじゃない。ただ先ほどちょっと申しましたように、前半にある程度先行投資としてウエートを考えていきますと、前半にかなり大きな投資をやっていかなければまた企業もそれに引きずられてこない、引きずられていくというと語弊がありますが、企業にとって魅力もないということで、どうしても先行投資をやらなければならぬ、先行投資をやるためには地元の希望ですと二兆三千億ぐらい、これは先ほど言われたように、大体年間の伸びでいいますと二割くらいの伸びであると思います。ことしの公共事業の伸びあたりが一四%かそこらでございますが、過去の動きから見ますと、二割くらいの動きというのはそう極端な、無理のある数字ではないと私は考えます。その前半にどれだけウエートを置くかということによって、地方にとってかなりの重荷になろうかと思いますが、全体の計画から見てみますと、それほど地方財政力の負担を脅かすような膨大な計画には——これは地方産業審議会でもこんな計画では少し小さいのではないかという御意見が、数字的によく御理解なさっている方からは出たくらいでございます。ただ申し上げる問題は、やはり先行投資として前半にどういうふうにウエートを置いて、新産都市の魅力をつくり上げていくかというところに一つのキーポイントがあろう、それはやはり国の経済の動きなり、地方に対する産業が誘致されていく動き、また地方財政力の問題を無視してやたらにやっていくというわけにもいきませんし、そこらはこの間から再三申し上げましたように、弾力的に十分考えてやっていかなければいかぬというふうに考えておる次第でございます。
○細谷委員 もう言いたくないのですけれども、毎年二割くらい、そういう答弁をしますと、この前佐野委員が質問をした、あなた方年次計画を持っているのでしょう、二割程度上がっていくというので。そうすればあまり無理せぬでいけるのだ。それなら何べんも要求した資料をお出しになったらどうですか。あなた方が描いている伸び率を考えて年次計画を出されたらどうですか、まだできていません、まだできていません一点ばりでしょう。きのうの安井委員の質問に対して自治大臣はどう答えた、地方税はだんだん鈍化しております。人件費ばかり上がって困っておりますと言っているでしょう。大蔵大臣はどう言ったかというと、今度の一二・四%かの国の予算の伸びというのはきわめて健全でしょう、こう言っているでしょう。一体二割というのはどこから出るのですか。過去には二割以上ふえたことはある、そういうのは不健全だと大蔵大臣ですらも言っていますよ。あなたはそうおっしゃっている、そうしていかにも年次計画を持っておるかのごとく言いますけれども、じゃその資料を出してくれ。その上であなた方の年の伸び率等を一々検討して、これがはたして可能なのか、基本計画を遂行することが可能なのか、地方財政は負担が可能なのかどうか、こういうふうにすれば地方財政の負担が可能なんだというようなことをぴしゃっとやって、数字を出してもらわなければいかぬですよ。しかし、いろいろ問題点がありますけれども、私はそれ以上言わぬわけなんですが、そういう政府としての足取りが何か非常に不統一なんですね。もう時間がないから言いませんが、これはひとつもっと何か、マスタープランですか、年次計画はありません、聞いていきますと、いや伸び率はこうですと自治省も企画庁もおっしゃる。妥当なんだとおっしゃる。もっと練り直して実現可能なものにしていただきたい。工場誘致の問題にしてもあるいは雇用の増大という問題にしても、ただできるんだ、できるんだ、努力するんだというごとだけではいかぬと思うのです。そういう点しっかりやって検討し直していただきたい。法律について、法体系について要望したのです。この基本計画の内容、それを推進する年次計画、それが地方財政とどういう関係を持っておるのか、こういうことについて、ここでは間に合わないでしょう、いつごろそういうものをこの委員会にお示しいただけるか、それをひとつ林さん言ってください。国会が明けてもいいんですよ。
○鹿野政府委員 どうも先日申し上げたことの繰り返しになってまたおしかりを受けるかと思うのですが、やはりこれは一つのマスタープランとして、その地域のほぼ十年後である五十年の姿を描いて、それに今後どういうふうに努力して到達するかということなんです。その過程については、経過についてはやはり年々の経済情勢とかいろいろの変動要因がございますので、年次計画的に毎年毎年の計画をきめていくということは、なかなかそれ自体がむずかしいばかりでなく、非常に硬直的な考え方になってむしろよくないのではないか。やはり全体の姿とあとは年々の予算という問題もございますし、その年の経済情勢、財政情勢を勘案して、もちろん先ほど申し上げましたように年率一二%くらいになるというのは単なる算術でございまして、四兆三千億を三十九年度を起点として等比級数的にどう伸びるかということを申し上げたにすぎないのでございますから、決して年次計画的に積み上げた数字でもございません。ただその程度の年率で計画といいますか、施行量をふやしていけば、マスタープランであるこの計画がほぼ達成できる、大体そういう大きさのものになっているということを表現したわけでございまして、年次計画的なものを積み上げて申し上げたのではないということを申し上げておきたいのです。いずれにいたしましてもそういう経過につきましては、今後の経済情勢その他を十分にらみ合わせまして、地方と御相談して、地方としては毎年毎年実施計画として詳細なものをおつくりになって、そのときにはもちろん地方負担がどのくらいになるか、あるいは事業主体はどこがやるかということも詳細にきめられるわけです。それを実行するにあたってどういう点が問題であるかということは、私らも各省と連絡の会議を開き、地方とも御相談をしながら毎年毎年の実行を固めて、予算的にもそれを確立しながら進んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
○林説明員 地方負担のほうの問題につきましては、この援助法の法律ができるとどのくらいの援助量になるかということで、いままでしばしば、たとえば町村の補助金の引き上げは二十数億になるという数字は申し上げましたけれども、その場合に申し上げておるように、実際は補助事業がどのくらいつくかによってきまるので、はっきりとしたことは現在わからないということを実は何度も申し上げておるのでございます。三十九年度が初年度だと申しましても、三十九年度はまだこの援助法もできませんし、実質的には従前の公共事業の伸びがそのまま伸びたとか、景気が悪くて少し落ちたという程度のことであったと存じます。今回計画も完全に承認になりましたし、こういう財政援助法もできれば、実質的には四十年度が初年度のような形で建設が始まるのだと思います。そして初年度にどのぐらいの事業ができるかということは、現在の段階ではわからないといたしましても、国の予算もきまりましたし、間もなく各地区の実際に四十年度にされる事業の見込みというものは、この一カ月やそこらのうちには大体のめどがつくと思います。そういたしますと、この援助法も実は事業がたくさんつけば援助額が上がるような仕組みになっておりますので、ことしについてはどれだけの効果があるか、そしてことしの地方財政は援助法でどれだけ埋めるのかということがはっきりいたすわけでございますので、その点をしっかり見きわめた上で、先生のおっしゃいますように、とても地方財政はもたないという姿にはいかぬと思ってはおりますけれども、さらにこれで十分かどうかということは、この辺ではっきりと私たちのほうも見当がつけられると思っております。
○細谷委員 もう質問する意欲がなくなったのですが、いまの林課長のあれでは、地方財政はもつんだということです。私はもたないと思う。企画庁あたりは何か絵をかけばいいのだ、数字を並べればいいんじゃないか、こういうようなことではこれはたいへんなことになると思うのです。地方が企画庁に出した計画というのは、これは実現できないんだ。ですから県を中心として県と市町村、実施団体の中では別な実施計画を持っておるということを御存じでしょうか。地方団体はこれをそのままやれると思っていませんよ。実現可能な実施計画というものは持っておりますよ。これは御存じでしょうか。中央には基本計画を認めてもらうための資料として出したにすぎないんだ。実施計画は別のものをきちんと持っておりますよ。これは御存じでしょう。
○鹿野政府委員 存じておりません。
○細谷委員 地方団体はそういうものを持っておる。あなたは知りませんということでありますが、事実あなたが言うように、国がきめた基本計画というものは、やはり地方においては実施計画と一致していくというのがマスタープランの性格だろうと思いますから、そういう実態になっておるということをひとつよく腹におさめて、この問題に対処していただく以外にないじゃないか。もっと私はこの問題について根本的な再検討が必要だという主張に立っての話なんです。 最後にお尋ねしたいのでありますが、工特法の際に付帯条件がついたのでありますが、いま産業公害特別委員会においては、事業団法を中心にして産業公害とこういう新産都市の建設という問題が真剣に議論されております。遺憾ながらこの産業公害というのも、どういう年次計画でどういうふうに具体的にやっていくかということも、全然まだお示しにならないのです。毎年、毎年、その状況に即しまして適宜、適切にやっていこうという御答弁しか出ないのですね。これと全く同じなんです。そういうことなんで、産業公害に対して企画庁としてはどういう関連においてこの問題に取り組む決意なのか、これをひとつお尋ねしておきたいと思います。この問題についてはもっと突っ込んでいえば都市改造の問題等が起こりまして、一番大きな建設省の問題等と関連してくるわけです。きょうはひとつ企画庁の態度だけをお示しいただきたいと思うのであります。
○鹿野政府委員 産業公害は、基本的には企業が社会的な責任において公害をできるだけ少なくするように、水の問題にしましても、あるいはばい煙の問題にしても、企業としてできるだけの措置をとってもらうということが基本的な考え方かと思いますが、それを一つの新産都市の計画の問題として、あるいは建設の問題として考えますと、産業公害を避ける一つの大きなきめ手は、やはり都市計画的な産業の配置構想、あるいは住宅の配置、その他一種の土地利用の問題が基本的にはあろうかと思います。そういう点ではわれわれのほうも地元とよく御相談をして、風向きとか地盤とかいろいろなことを調査いたし、また来年度の予算でもなお調査を続けてまいりたいと思いますが、そういう事前調査等に十分取り入れまして、産業といいますか、工場、あるいは住宅、あるいは緑地帯の一つの土地利用計画上の区分を十分配慮して、まず計画を立てるということが第一ではないかということで、その点に努力を集中したわけでございますが、さらに今後企業が進出してまいりますにつれて、具体的な問題として公害の問題が出てまいりますので、その点は地元のほうともよく御相談しながら公害防止のための措置——公共的な施設でやる場合もあり、あるいはそこにくる企業体に対しての融資の措置、その他公害防止事業団によってやり得る措置、いろいろあろうかと思いますが、企画庁といたしましても、先ほど申し上げましたように、各省との連絡会議を持ちながらその問題について真剣に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○細谷委員 次官にもお願いいたしたいのですが、おそらく私は、厚生省等の調べた公害問題と、あるいはことしから風洞実験をやりまして、地形、風向き等に応じた公害対策も講じなければならぬ、こういうことがいわれております。遺憾ながら技術開発の段階等もありましてできませんが、おそらく佐藤総理がいう社会開発というのがやはり前提になるいうことになってまいりますると、この基本計画はかなり大きくそういう問題を考慮せざるを得ない時期が遠からずくると思う。そういう点についてもひとつ、自治省はやはり自治団体、特に住民の生活を守るという非常に大きな役割りを持っておるわけでありますから、政府として御配慮をいただくような場合に中心的な役割りを演じていただきたい、こう思います。 どうも答弁がずいぶん不満でありますけれども、これ以上聞いてもしょうがないですから、あきらめて終わります。 ————◇—————
○中馬委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案審査のため、来たる二十七日参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会