大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/02/03
会議録
○吉田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑を続行いたします。通告がありますので順次これを許します。平林剛君。
○平林委員 昨日の質疑で、下級の刻みたばこ「富貴煙」の販売を中止して、価格表から削除することに関連をいたしまして、専売公社では全国の養老院などの福祉施設に対して、今度は「ゴールデンバット」を無償配付するという、たいへんよい話を承ったのであります。これにつきましては昨日も武藤委員から若干の質疑がございましたけれども、きょう私、若干あらためてお伺いをいたしておきたいと思うのであります。 最初に、こういうことをおやりになった目的は、どういうところにあるのでございましょうか、公社の総裁からお話しいただきたいと思います。
○阪田説明員 今回の措置をとりました目的といいますか、趣旨につきましては、昨日も御説明申し上げたように思うのでありますが、従来そういう施設に対しまして「富貴煙」を売っておったわけでありますが、これは下級の刻みたばこでありまして、刻みたばこの普通の製品をつくっております際にできますくずのようなものを集めてつくっておる、そういう特殊の製品であります。それが刻み全体がだんだん減少してまいりましたために、「富貴煙」のつくられます量も非常に減ってきた。その結果、「富貴煙」を特別にそういう施設に売っておりましても、実態としては非常に少ない量になっておりまして、むしろもうそういう措置はやめたほうがいいのではないか。ただ従来「富貴煙」という特に安い刻みたばこを売っておりましたので、そういうものがただなくなってしまうということは、そういう施設の方々に対しましても、従来のものがなくなってしまうということで、適当ではないのじゃないかということでいろいろ考慮いたしまして、そのかわりに「バット」を——これは買っていただくということではぐあいが悪いのでありますが、今回は特に一定の本数を無償で差し上げよう、こういう措置をとりましたわけでございます。
○平林委員 よく聞こえないのですが、事情はよくわかりましたけれども、やはり社会福祉の増進というねらいなんかも、今度そういう措置をおとりになったねらいにはあるのでしょう。
○阪田説明員 もちろんそういうねらいもございます。
○平林委員 私は、いま総裁がお話しになりましたように、今度の老人福祉施設等にせめて「ゴールデンバット」を、専売公社のいろいろ事情はあったとしても、無償で交付しようという考え方におきまして、社会福祉的な考え方があるという話を聞いたのであります。政務次官も、いまお聞きのとおりであります。私もこの間内閣総理大臣の施政方針演説を聞いておりましたところが、とにかく社会開発の演説のくだりなどは、非常にいい文句が続いておりまして、なかなかいいことをおっしゃるなと感じたのであります。たとえば子供が明るく伸びて、老人がいたわられる、平和で住みよい社会の実現をはかるというのが、施政方針の演説の中にもございまして、そういう意味では専売公社が今回とられた措置というのは、総理大臣の施政方針演説にもかなったやり方だと考えるのでございますけれども、政務次官はいかがでございましょう。
○鍛冶政府委員 専売公社といえども、社会福祉に関することをやっていかぬというわけでもなかろう、その意味で私、けっこうだと思いますが、専売公社の目的そのものであるかどうかということになると、相当考え方が要るのではないか、こう思っております。しかしいまの行為は、一般的に見て悪いことではないと心得ております。
○平林委員 もちろんたばこは専売制でございますから、一つの限界があることは十分承知しておりますけれども、その中においても、積極的にこういうことをやるということは、悪いことではないということは、政務次官もお認めになりますね。
○鍛冶政府委員 差しつかえないものなら、ますます多くやりたいと思いますが、それには限界があると思います。けれども悪いことではないと心得ております。
○平林委員 政府においても大体の意向がわかりまして、私はあとでそれに関連をして積極的な提案をいたしたいと思っておりますので、後ほど政務次官からも御意見を承りたいと思うのであります。 そこでこの交付対象ですが、老人福祉施設あるいはらい療養所、国立保養所などに対して交付をされると昨日お聞きしたのでありますけれども、全国的に言いますとどの程度になっておるのでしょうか。できれば県別に、またその対象人員などについて御説明いただきたいと思います。
○齋藤説明員 お答え申し上げます。県別の資料はただいま持ち合わせておりませんが、御承知のとおり私ども地方局別に仕事をやっておりますので、地方局別にこまかい数字がございます。全国の計を申し上げますと、交付対象となる施設の数が七百三十六ということになります。それから全体の交付対象の人員が六万一千二百三十六名。これの内訳を申し上げますと、この中で老人ホームに属しますものが、施設にいたしまして七百二十、人員は五万一千三十七名ということになります。らい療養所が十四カ所、交付対象人員が一万十四名。国立保養所、これは身体障害者が入っておるものでありますが、これが二カ所でありまして、人員が百八十五名、こういうふうに相なっております。もし県別の資料が御入用でございましたら、文書にして差し上げたほうがいいと思います。
○平林委員 かなりたくさんの施設で、しかも対象人員も六万一千名をこえるということになりますと、かなり経費も必要であると思われるのであります。きのうの説明ではあまりはっきりしておらなかったのでありますけれども、従来は「富貴煙」を配給しておった。これはただではないでしょう。ただではなくて、従来は「富貴煙」を原価か、非常に安い値段で配給しておった。今度はただで「ゴールデンバット」を交付する、こういうことになったのじゃないですか。その点をひとつはっきりしておいていただきたいと思います。
○齋藤説明員 お説のとおりであります。従来は「富貴煙」自身非常に安い値段でございますが、少し買っていただいておったわけでありますけれども、今回の「バット」は無償で配付するわけであります。
○平林委員 そうして経費はどういうふうに変化しておるわけですか。
○齋藤説明員 経費は、従来は買っていただいておったわけでありますが、その分だけ公社の収入になったわけであります。今回は「バット」を配付するわけでございます。これは無償でございますので、その分だけ公社が持ち出し。ただ概算で申し上げますと、対象者は六万ぐらいでございます。それを一人当たり二百本といたしますと、全体で千二百万本程度になります。したがいましてこれを定価にいたしますと一本一円五十銭でございますので、二千万円近いものになろうかと思いますが、公社としての原価で申し上げますと、おそらくそれの四割程度というふうに、正確な計算ではございませんが、そのようになります。
○平林委員 もしかりに「ゴールデンバット」を年二百本、正月と年寄りの日にそれぞれ百本ずつ無償で交付をすると、おおよそ専売公社としては予定収入二千万円程度がこれの財源になる。しかし原価ということになれば、その四割くらいで八百万円以内にとどまる、こういうお話でございます。年二回ということになると、正月と年寄りの日。正月はこの間過ぎたわけですが、そのときは実施をなさったのですか。総裁、いかがですか。
○阪田説明員 今年の正月には、第一回として実施いたしました。
○平林委員 まだこの法律案の措置が議会で結論を得ないときに、すでにこの措置をとられた。大英断だと思いまして、私はいいことはどんどん早くやることはいいことだと思うのであります。何か反響はございましたか。
○阪田説明員 私のところにもそういう施設から感謝状が屈いておりますが、ただいまのところはそういう程度であります。
○平林委員 いいこは、専売公社として八百万円程度であるとすれば、これはもうどんどんおやりになったらいい。総理大臣でさえも、先ほど申し上げましたように——もう一回申しましょうか。子供が明るく伸び、老人がいたわられる、平和で住みよい社会の実現、これは施政方針演説にあることばでございます。また大蔵政務次官も、これはたいへんけっこうな話と、手放しではほめないけれども、限界はあるけれども、これは悪いことではないと、たいへんこの問題について深い理解を示しておる。私はそういう措置はたいへんいいことであるから、この無償交付のものについては、これからもこうした考え方でやる。せめてそれぞれの官庁で、こういう気持ちが発揮できるところはやってもらいたいということを強調しておきたいと思います。 ただそこで、従来下級たばこである「富貴煙」であったのを、今回「ゴールデンバット」にした。「ゴールデンバット」も専売公社で発売される中では、下級のたばこであります。名前は非常に高貴ですよ。「富貴煙」といったら富んでたっとい煙であるから高貴です。「ゴールデンバット」だといったら、これを翻訳いたしますと高貴なお名前でありますけれども、品質そのものはそんなにいいものではないということは間違いない。そういういいことは、私はせめて「新生」ぐらいのたばこをおやりになったらどうだろうか。たとえば療養所だとか、あるいはこういう不幸な境遇にある人たちに対していたわり、少しでもよい感じを与えようとするならば、これは名前だけは高貴だけれども、質においては日本の製造たばこの中では落つるたばこというよりは、もう一ランク上げて、「新生」程度を交付するようなことがあって、かえって望ましいのではないかと思うのであります。大体人間社会において、病気見舞いに行くときだとか、あるいはこういうことをするときは、多少自分のさいふを気ばって、いいものを買っていくというので、真心が届くわけであります。それを「富貴煙」、今度は「ゴールデンバット」ということに、最低限の製品に限定しないで、こういうことをおやりになるときは、ちっと品質のいいものをやってはどうだろうかと私は思うのであります。 これは専売公社としても決して損ではないと思う。商売として、政務次官の言われたように専売制というもとにおいて、「ゴールデンバット」より「新生」をやるということは値段が張るとお考えになるのは、これはしろうとであります。もし「新生」をやれば、それは確かに原価そのものの数字としては上がるかもしれぬけれども、「ゴールデンバット」より「新生」のほうがややおいしいわけでありますから、今後「新生」を吸うお年寄りの方、あるいはそういう人たちがふえるとすれば、採算はけっこうつくわけであります。こういうことから考えて、せめてこれを「新生」程度にするというお考えはないものか。私、政府の資料をいろいろ検討しておる中でも、「ゴールデンバット」の無償交付は今後検討していますというふうに、今後というふうに書いてあるわけでありますから、今後検討されるならば、ひとつそういう人間的な気持ち、社会通念上の見地から、前向きでやるというお考えはないものでしょうか、この点をひとつ承りたいと思います。
○阪田説明員 ただいまの御意見の点でありますが、先ほど政務次官からもお話がありましたように、私どもこういう社会福祉というようなことで、専売としてもこの程度のことはやってもいいだろうし、やるべきであろうという考えでやっておるわけでありますが、やはり専売公社自体が政府の財政専売ということでやっておる、そういうものでありますから、ある意味では多少出過ぎたことということになると思います。そういう意味におきまして、私どもでやれることにはやはり限界があると思うのでありまして、やります場合にも、これは財源といいますか、予算をかまわずやれば、それは「新生」であろうが「ピース」であろうが、配付することはできるわけでありますが、やはり限られた程度でつき合いといいますか、そういうことをするというようには、できるだけそういう大衆的なたばこで、多数の方あるいはよけい本数をふやしてやる、こういったほうが適切ではないかというような考え方で、「バット」にきめましたようなわけであります。現実問題といたしまして、福祉施設に入っておられる方にだけ行き渡って、一般の世間の方は「バット」でも「新生」でも買って吸っておられるわけでありますから、どうもそういう無償で交付するものに、あまり高級なたばこがいくということは、そういう面からいって必ずしも適切ではないのじゃないかという面も考えたわけであります。しかしなお御意見の点は十分に考えていきたいと思います。
○平林委員 専売公社の責任者としては、その程度のことを言っておくことが無難だと思うのでありますけれども、私は、政務次官もお聞きになったとおり、今度専売公社がやられたことは、もし部内だけで考えてやった知恵だとすれば、大英断であるし、たいへんけっこうなことで、内閣総理大臣佐藤榮作さんの表彰状をやってもいいくらいの価値のある問題だと思うのであります。これは珍しいことですよ。ですから、そういう意味では総裁も後段にお述べになったように、私の意見についてもひとつ検討してみようじゃないかとおっしゃられておるわけです。これはむしろ総理や大蔵大臣などにも、大蔵委員会でも野党の質問の中でこういうほめたことばがあったということを話して、ひとつ「新生」ぐらいをふるまいなさいよ。私はそういうことを提案をしておきたいと思うのでありまして、検討していただきたいと思います。 そこで、この老人福祉施設の入所者に対する無償交付の交付手順といいますか、手続といいますか、そういうものはどういうふうにしておやりになっておるのでしょうか。参考のためにお聞かせ願いたいと思う。
○齋藤説明員 御承知のとおりこの福祉施設の関係は、厚生省の系統の一つでございまして、地方では都道府県がやっておるのであります。私ども直接管理しているわけでございませんので、大体どういうところにどういう方がおいでになるかということは、都道府県の方々の御援助を受けないとわからないということで、私のほうから厚生省を通じまして都道府県知事にお願いいたしまして、ここにこういう施設がある、こういう対象の御老人がおいでになるということの数を調べてみまして、それを私どものほうの地方局長に連絡していただきます。それに基づきまして私どもの地方局のほうからたばこの出張所と申しますか、そちらのほうに、この施設にこれだけの対象者がおるから、その分だけこれこれの期限までに無償で配給するようにしなさい、こういうことでやっております。
○平林委員 次に私は塩の公益専売制廃止の勧告につきまして、若干お尋ねをいたしたいと思います。 昨年の九月末、臨時行政調査会が政府に対しまして、その検討結果に基づいて必要な行政改革に関する意見書を提出をし、注目を集めましたことは、御承知のとおりであります。その意のあるところ、あるいはその意義につきまして、私ども十分検討し、国民の便益を増進するための改革につきましては、政府においても極力これを尊重すべきであると思うのであります。ただ私がきょう問題にいたしますのは、公社、公団等の改革に関する調査会の意見の中で、塩の専売制の廃止を勧告いたしたことであります。この廃止勧告だけは、その現状認識に重大な誤りがあること、それから関係の国内産業に及ぼす影響だけではなくて、国民生活に与える影響を考えますと、再検討といいますか、再考を求めなければならぬと考えておるのであります。本来であれば、臨時行政調査会の案をつくられました委員の方にその実情を述べて、再考慮を願うというのがたてまえでございましょうけれども、ただいまお述べになっておる法律に関連をいたしまして、私は専売公社にこれに関する見解をただしておきたいと思うのであります。 塩に関する勧告については、提出をされた意見書の中に、その現状と問題点をあげております。第一の問題点は、国内塩と輸入塩の価格水位は、国内の塩価格は輸入塩価格を大幅に上回っているということを、一つの理由としてあげております。だから塩の公益専売制度を廃止したらいいのだという理由の一つにあげられております。もう一つの理由は、海外の塩を供給する可能見込み量は大体四百三十九万トンくらいあって、三十七年当時において塩の需要量の三百五十八万トンをはるかに上回っておるから、そういう意味では外国の輸入塩のほうが価格も安いから、それに依存するようにしてはどうだろうかということで、塩の公益専売制度の廃止を勧告しておるのでありまして、簡単な勧告書の中には、それ以外の理由は見当たりません。したがって単にこの二つが塩の公益専売制度廃止の勧告をした理由であろうと思うのであります。この二つの問題につきまして、これだけでは塩の公益専売制度を廃止するにはあまりにも重大であり、かつ先ほど述べたように国民生活に大きな影響を与え過ぎると思うのでありまして、この二つの点について専売公社側が専門的にどういうふうに考えておられるか。それをこの際御説明をいただきたいと思うのでございます。
○友藤説明員 ただいま御質問のありました一つは、塩の今後の需給と申しますか、海外からの輸入がだいじょうぶであるかどうかという点でございますが、最近の海外からの塩の輸入の事情を見ますると、これは国内の塩の需要が、公社が輸入しております塩のほかに、ソーダ工業界で使っておる塩が約三百万トン以上ございます。公社で直接使っておりますのは、食料用、ソーダ以外の工業用塩としまして大体百二十万トンくらいでありますが、年間四百二、三十万トンの塩を現在使っておるわけであります。その状況に応じて国内の食料塩の需要は、それほど大きく伸びるわけではございませんが、ソーダ関係の塩が毎年二、三十万トンずつ伸びております。そういう状況でございますので、今後の塩の輸入というものが十分に日本として楽観し得るものであるかどうか、その点については今後まだまだわれわれとしては楽観ができないのではないか、こういうふうに考えております。 それから国内の塩が輸入塩に比べて高い。これは臨時行政調査会のほうから御指摘がございましたとおりでございますが、これは実情を申しますと、輸入塩の価格は大体現在十ドルから十一ドルくらいの価格でございます。国内塩の価格は、現在収納しておりますのが一万八百円であります。ただこれを単純に比較してその差を申すわけにはいかないのでありますが、この国内の塩は一応精製しておりますし、その用途もいろいろまた違っておりますので、そういった点を勘案してその同じレベルについて比較をいたしますと、大体国内の塩価は外国塩価に比べて、輸入塩の価格に比べて約三千円は高いのではないか、こういうふうに考えております。
○平林委員 国内の塩の価格は、諸般の事情で現在なおかなりの経費がかかっておりますけれども、輸入塩そのまま、この原材料、加工しなければまだ食料の塩としては適当でない、そういうものの輸入原塩そのままを単純に比較するということだけで、塩の公益専売制度を廃止するということについては、私は塩の事業に対する理解といいますか、現状認識必ずしも適当ではないと思うのであります。またいまお話を聞きますと、将来にわたってもソーダ工業塩の需要というものが多くなるし、現在でも四百二十万トンということであれば、将来においてもこの伸びは相当見込まれるということを考えますと、必ずしも対日供給可能見込み量は安心していいものだということは言えないと思うのであります。いまお話のとおりであります。しかし臨時行政調査会の勧告によりますと、専売公社の推定による参考資料によって結論づけておるのでありますが、一体専売公社はこういう資料を、しからばいまお話のとおりであるとするならば、なぜ臨時行政調査会に対して提出したり、あるいはそういうふうに判断をされるなんという説明をなさったのですか、私はこの点どうも疑問なのであります。いま議会でお話しになることがソーダであるならば、なぜ臨時行政調査会に対してもっと正しい説明をなさらなかったのですか。それが基礎になってこういう結論が出ていることを考えると、専売公社は少しその点、説明不足でなかったかと思うのですが、総裁はいかがですか。
○阪田説明員 臨時行政調査会がああいう勧告をされますにあたりまして、私どものほうに対しましては調査を要求される、あるいは説明を要求される、あるいは資料の提出を言ってこられるということは、全然なかったわけでございまして、私どものほうで調査会のほうにああいう資料を提出した、ああいう説明をした事実はございません。それであの勧告の中に、ああいう数字が載ってありますが、これはよほど前に私どものほうで他の機会につくりました表で、しかもその内容といたしましては、現在の外国の塩の供給可能な地域、トン数といったようなものを調べまして、それを集計すれば一応こういう数字になるが、しかしなかなか現実はむずかしいというような説明をするときに使った資料であります。どうも、その資料を少し誤解して、また私どものほうの説明も聞かないで使っておられる、こういう感じを持っております。それで実は内情を申しますと、ああいったような勧告が出るということが、事前に多少伺いましたので、そういう趣旨で、行政制度調査会のほうにも、ああいったような表現は困るということを申し入れたわけでありますが、御採用にならなかったわけであります。
○平林委員 塩の専売制の廃止をされた場合、私は国内産業に与える影響とその対策というものは、相当慎重にせねばならぬ問題だと思うのでありまして、少なくとも公社、公団等の改革に関する意見の、塩の部分に対しましては、この問題について十分検討をされたような形跡はないし、また簡単に、塩田業者保護の問題は別に暫定措置を検討することが望ましいという程度でございまして、それに詳しい措置は触れておりません。だから、そういう意味から考えますと、現在の塩専売制度を廃止いたしましたら、塩の製造業者はおそらく壊滅状態になるだろう。そういう者に対する補償その他を考えれば、前回行なわれた塩の余剰塩の整理のときの経費から考えてみましても、相当程度の国費を必要とするのではないか。現に答申案がこういう形で発表されましてから、塩の生産に従事している労働者、また労働者だけでなくて、塩産業においても金融機関から相当引き締めを食うし、労務者は将来の生活に大きな不安を抱いて動揺しておるということは事実でございます。こういう意味から考えますと、塩田業者保護の問題は、単に暫定措置を別に検討することが望ましいというだけでは済まされない問題があると思うのでございまして、こういう点については、公社自体は検討なさってみたことがございますか。もし検討したことがあれば、どういう影響を与えるかというふうに御判断になったのでしょうか。
○阪田説明員 従来の塩業者に対する保護のための暫定措置ということが勧告に出ているようですが、どうもこの内容がはっきりいたさない。保護して存続させるという意味で、何らかの措置を考えるのか、あるいは競争上存続できないので、先ほどの塩業を廃止いたしました者に対する補償のような、そういう措置を講ずることを考えているのか、その辺のところもあまりはっきりしないわけであります。お伺いしてみましても、判明いたさないわけであります。そういうようなことで考えますと、保護関税というようなことをつくりまして保護していくということになりますれば、これは専売をやっておるのとほとんど変わらない結果になります。いずれにしましても勧告の趣旨、私どもも理解に苦しんでおるところでありますが現在専売事業をやっておりまする私どもの考えとしましては、いかなる措置が将来——これは政府の御方針でありますから、とられますにしましても、現在の塩業関係者、塩業者というものに、あるいは関係の金融業者、いろいろあると思いますが、そういうものに不当な損害を与えることがないように、いずれにしても実施されなければならないもの、こういうふうに考えております。
○平林委員 私は臨時行政調査会が真剣に必要な行政改革に意見書を提出し、政府に答申をされた意義については十分尊重し、またこれは積極的に政府において検討し、善処すべきものだと思いますが、この塩の問題につきましては、いま質疑をいたしましたように、相当検討しなければならぬ余地があるのではないか。またいま総裁が言われましたこと以外にも、塩の配給機構の問題あるいはどんなへんぴな土地に対しても、同じ統一された価格で塩の配給がされ、同時に思惑による値上がりというようなことが考えられないという点などを考えますと、国民生活においても、まだ塩の専売制をはずすべきではないと考えておるのでありまして、こういう意味では、この調査会の答申が出されて以後、いろいろな面において労務者あるいは関係製塩業の経営者にも動揺が見られておるのでありまして、この動揺はあまり意味がないことだと思うのであります。こういう意味では、塩専売制の維持存続については、私は専売公社は早期に決断をすべきだと考えておるのでありますが、専売公社はこの問題について何らかの決断をお持ちでございましょうか。
○阪田説明員 塩専売の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、これは政府の御方針でおきめになることでありますので、私どものほうからこうすべきであるときめる、私どものほうできめるというわけにはいかない問題でありますが、ただわれわれのほうも行政管理庁のほうから、実は勧告に対する意見を求められましたので、公社としての意見として、勧告の塩専売を廃止するという勧告に対しては、私どもは反対であるということをはっきり申し上げてございます。なお、先ほどいろいろ業者、関係者の動揺といったような問題もございました。そういうような点もありますので、専売公社としても反対であるということを、そういう関係の人にもはっきり示してあります。
○平林委員 専売公社としては、この答申に対しては反対である、賛成できない、したがって塩専売制度の維持存続は必要であるという見解だと承りましたが、そう解釈してよろしゅうございますか。
○阪田説明員 そのとおりでございます。
○平林委員 まあ私はその件については、公社の判断は妥当であると考えておるわけでございます。ただ問題は、国内塩業対策は、かりに塩専売制度が維持存続という方向できまりましても、問題がないわけではないと思います。むしろ現在の国内塩業全般を見てみますと、輸入塩の価格、国内産価格において、かなり開きがある。単純比較をすべきものではないけれども、しかしまだ相当の開きがある。この意味では、本来であれば生産費について安くするように努力しなければならぬし、その努力も行なわれておることは事実であるけれども、元来が国内の塩を確保するということに重点を置かれ、全般の需要の総ワクというものをきめられておるわけですから、生産性をあげて、生産費を低くしていくということはできない。一定のワクの中で合理化をし、そして価格を下げるというのですから、これはむずかしいことを塩の国内産業はやらされていると私は思います。これが幾らでもつくれ、大量生産して価格を安くしようというならば、これはある程度可能なことがあるかもしれませんけれども、国内需要そのものが百万トンとか百二十万トンとか、限定をされてあるといたしますと、なかなか企業努力というものはワクにはばめられて、価格を安くすることができない。こういうジレンマがあるわけでありまして、簡単にいかないという点があって、ここに私は国内塩業の複雑さ、むずかしさというものがあるのではないかと思います。しかし、それをほっておくわけにいきません。だからこういう点では、むしろこの際国内産業保護という意味で、何らかの措置は考えられないものであるか。たとえば米とかビール麦あるいはてん菜、サトウキビ、生乳、バター、チーズ、それぞれの産業に国内産業保護という意味で、様子や形は違いますけれども、いろいろな保護政策がとられておる。国内の塩に対しても、同様なことが講ぜられないものかどうかという点が、私はあろうと思うのでございますけれども、そういう点については専売公社、あるいは公社だけで考えが及ばないとすれば、政府はどういうふうにお考えになっておるか。総裁、政務次官にお答えをいただきたい思います。
○阪田説明員 御指摘のように、専売は続けていくといたしましても、塩業界の問題がないわけではありません。ことにただいま御指摘の塩の生産費を下げていくという点につきましては、御承知のイオン交換樹脂の新しい方法等も導入いたしまして、いろいろ苦心はしておるわけでありますが、このほうも、実はあまり予期したようには進捗していないという状況であります。そういった状況のもとにおきましてもでき得る限り、その範囲におきまして合理化、生産性の向上ということをはかりまして、塩のコストを下げていきたいとせっかく努力しておるようなわけであります。 ただいま御指摘のような非常に量をふやして、生産費を下げるというような方向につきましては、結局その結果、輸入塩と競争できるようなコストで生産できるということであれば、それは問題ありませんが、現状では量をふやしてみても、そんなには下がらないということははっきりしておると思います。そういった意味におきまして、御承知のように非常に国費を使いまして、塩業整備をやりまして、現在のような九十万トンというような設備能力に縮減した。こういったいままでの過去の歴史から言いまして、ただ生産量をふやしてコストを下げるという安易な方法には、ちょっといきにくいであろうと考えております。 さらにそれ以上積極的な保護策をとってふやしていくことはどうかという御指摘でありますが、この点になりますと、結局私ども専売事業としてやっておるわけでありますから、保護策をとるといたしますと、端的に言えば、それは結局消費者にはね返ってこざるを得ないと思います。そういうようなことで、専売でやることといたしましては、専売の能力といいますか、仕事としては、ちょっと限界がある。積極的な保護策をとるということは、不可能ではないかと考えます。
○鍛冶政府委員 私は別に政府としての意見を確かめたわけではありませんから、政府の意見を述べるわけにいきませんが、私の経験からいたしますると、そう簡単にこの問題は割り切れるものではないと思うのです。私は終戦のとき、大蔵大臣の秘書官をやっておりました。そこでどうにもならぬので、日本じゅうへ出て、塩の製造を奨励したものです。私も、私の県だけではありましたが、ずいぶん奨励いたしました。めちゃくちゃに塩をつくらせたのでありますが、そのうちに戦争が済んだら、これをやめるということになりまして、私が行って、それをやめるのだと言ったら、どうしてくれるのだというので、大騒動をしたことを覚えております。そういう経験から、なかなか容易な問題でないと思います。それからまさか戦争があるとはわれわれ考えはしませんけれども、そろばんが合わぬからといって、国内塩をやめるということは相当考えものだと思います。できるだけ保護してでも、国内塩でそろばんのとれるように、できるだけのことはしなければならぬものと考えております。
○平林委員 この問題につきましては、なお議論すべき点はありますけれども、この程度にいたしまして、最後に、きのう武藤委員が質問をいたしましたとき、輸入塩がそのために百六十七億円くらいの外貨を必要とするという話を聞きまして、いやこれは相当な金額だなあと、実はあらためて感じたわけでございます。先ほどお話がありましたように、これからソーダ工業その他塩を必要とする工業の発展に伴いまして、輸入塩の量も多くなる。したがって貴重な外貨が相当量必要であるということは、当然なことだと思うのでございます。そこでこの塩の輸入先でございますが、現在はどういう方面から輸入をされておるのでしょうか。簡単でけっこうでございますから、御説明いただきいと思います。
○友藤説明員 現在輸入しております地方は、近くは中共、台湾、それから東南アジア諸国、地中海、紅海、アメリカ、メサシコ、こういったところが大体おもな地区でございますが、大きな輸入の地区としましては、メキシコとアメリカと中共、これが一番大きい輸入の地区でございます。
○平林委員 メキシコとアメリカと中共、それぞれの輸入の数量とその価格をちょっとお話しください。
○友藤説明員 概算でございますが、アメリカからは現在約四十万トン見当と思います。価格は十一ドルから十二ドルくらいになっております。メキシコは現在九十万トン程度入っております。価格は大体アメリカと同じでございます。中共につきましては、価格はCIFで十ドル見当でございます。数量は七十万トン見当でございます。
○平林委員 いまお話のものは、昭和三十九年度の実績ですか。
○友藤説明員 いま申し上げましたのは、昭和三十九年度です。
○平林委員 私の承知しているのでは、三十八年度で中国においては大体八ドル、いまのお話では三十九年度十ドルと聞きましたが、三十八年度当時は八ドルくらい、一年間に二ドルも急騰したのですか。これに比較をいたしまして、アメリカの場合は、三十八年度は十ドルでありましたが、それが十一ドルないし十二ドル、メキシコも当時九ドル程度でございましたか、九ドル半くらいですけれども、それが十一ないし十二ドル、かなり値上がりの幅が大きいですね。これは三十八年から三十九年における市場の変化でございましょうか。
○友藤説明員 一番最近の価格の大体の見当を申し上げましたので、正確にいま幾らになっておるかということになりますと、資料をもう少し整理して申し上げたいと思います。
○平林委員 遠海塩と近海塩と比べたら、船賃だけ安くなるというのはあたりまえのことでありまして、そういう意味では私は、外貨を相当必要とするものだけに、できるだけ近海塩を利用されるようなくふうをされたらいい。いまお話を聞きますと、漸次数量においてもふえておりますから、これ以上議論するつもりはございませんけれども、やはり国内の工業の諸材料の一番大事なものでございますから、そういう意味では安い塩が大量に輸入せられるような措置というのは考えていかなければいけない。漸次そういう傾向にはきておるから、これ以上質問しませんけれども、そういう配慮をしてもらいたいと思うのでございます。 きょうはこの程度で私の質問を終えておきまして、なお若干残っておる問題については、適当な機会がありましたら質問をさせてもらいたい、保留をしておきまして、きょうは質問を終わります。
○吉田委員長 藤井勝志君。
○藤井委員 私は葉たばこの関係法の改正に関連いたしまして、葉たばこ生産、収納に関して、若干の質問をいたしたいと思います。 去年の十二月の十三日でございましたか、たばこ耕作審議会で答申が出されて、その線に沿うて政府は大体種類別平均七・五五%の値上げをされたというふうに聞き及んでおります。葉たばの生産が、ただ単に専売法にのっとる専売農作物として、専売益金を政府に納めて、国家財政の一翼をになうという、こういう考え方ももちろん専売公社としては基本でありましょうけれども、同時に最近の政治のあり方というものが、格差の是正、ひずみの是正、そういった点が当面の政治の重大課題になっておる今日、これらに携わる農業従事者の所得向上という、農業基本法にささえられておる関係農業従事者の問題として、検討をされておると思うのです。そういう点について、まずこの四十年度葉たばこ収納価格決定にあたって、どういう配慮がなされて、いまのような七・五五%になったかということの経過をお尋ねをいたしたいと思います。
○阪田説明員 御指摘のように昭和四十年産の葉たばこの収納価格につきましては、昨年の暴れにたばこ耕作審議会を開きまして、それに基づきまして価格を決定して公示いたしたわけであります。その収納価格を決定いたしますにあたりましては、大体従来の生産費というものに重きを置いて算定していくといったような、基本的な考え方を踏襲しておるわけでありますが、御承知のように葉たばこ収納価格の形成方式に関する基本的な問題を審議するために、臨時葉たばこ調査会というものを設置いたしまして、いろいろ専門家、学識経験のある方々に、そういう問題について御審議願ったわけであります。その答申が昨年に出ましたので、その答申の趣旨も取り入れまして、内容といたしましては、従来と多少変わってきた点もございます。 簡単に申し上げますと、各算定の基本方式といたしまして、最近三カ年の生活費の実態調査に基づく生産費、こういうものを基礎にしまして、その点は従来と変わらないわけでありますが、新たに価格適用年の生産費というもの、そういう条件を織り込んでいく。具体的に言いますと、昭和四十年の生産条件というものを、過去三カ年間の生産費を基準とする生産費方式に対して、新たに価格適用年、昭和四十年の生産条件も織り込んできめる、こういったような措置をとりました。具体的な算式のいろいろ変わりました点を申し上げると、こまかくなるわけでありますが、基本的にはそういうことでございます。それで全体の価格の水準をそういうことできめまして、結果といたしまして先ほど御指摘ありましたように、昭和三十九年産までの価格に比べますと、全体で七・五五%引き上げになったわけであります。この内訳種類別の価格につきましては、需給の事情、あるいは使用量の増加、あるいは輸出される種類がありますので、そういうものは輸出価格、いろいろそういうものを目安にいたしましてきめました。なお御承知のように種類別に、また等級別に価格がきまっておりますが、等級別の価格につきましは、現在のたばこに対する嗜好の変化に応じまして、そういう嗜好の変化に適応した品質のいいたばこが、よけい生産されるといったようなことに重きを置きまして、等級間の格差、これを拡大いたしまして、上位等級のほうが引き上げ率が非常に大きくなっております。そういう等級別の価格をきめましたわけであります。詳細申し上げますとだいぶ長くなるのですが、考え方といたしましては、そういうことで今年産の価格をきめたわけでございます。
○藤井委員 私先ほどお尋ねした中で、毎年収納価格の改定が行なわれているわけですが、その場合にこれは大蔵省の関係事業である専売公社ということで、ただ先ほど申し上げました専売公社の専売益金を吸い上げるという、そういうことだけでなくて、政府の直接息のかかった公共性のある仕事である専売公社としては、やはりひずみ是正に一役買うという、こういう配慮が価格決定においてなされてしかるべきではないかというふうに思うのですが、この点は経営という面で、そういう考え方は一切入れなかったというお考えですか。十分それは考え方の中に入れておるというのか、この点をちょっとお伺いをいたしたい。
○阪田説明員 先ほど御説明申し上げましたように、現在の価格算定方式と申しますものは、基本的には生産費というものを基準にたしまして、それを今年度は四十年度生産条件というものを織り込んでいくというような形で、算定しておるわけでございます。そういう算定方式をとっておるわけでありますが、その結果といたしまして、基本的には農家の粗収益といいますか、葉たばこ生産による収入、あるいは葉たばこ労働に対する報酬として考えられまする自家労賃といったようなもの、これは毎年そういう方式をとります結果としては向上してまいっております。これは具体的に申し上げまして、他の農作物等と比べまして、葉たばこの収入、葉たばこ労働による労働報酬に当たります金額、大体適当なところに現在の価格体系によってきておる、こういうふうに私どもは考えております。
○藤井委員 生産部長にちょっと関連してお尋ねをいたしたいのですが、今度上げられました四十年度の収納価格ですね。これによると、大体労賃が一日どのくらいな計算になるのか、去年と比較してどのくらいに上がるのか、そういう点をひとつ内容的にお話を願って、もう一つ種類別でいろいろ上げ方が、たとえば第二黄色種は一〇・一二%、バーレー種は四・九%ですか、こういうふうにさまざまになっております。そのこと自体私は事情があることは理解できますが、特に引き上げ率の少なかったものと非常に多かったものとの内容は、どういう事情で違っておるのか、ごく簡単にひとつ御答弁願いたいと思います。
○黒田説明員 一日の労働報酬でございますけれども、これは実際耕作をやってみませんとはっきりしないわけでございますが、かりに三十八年の生産費を基礎にしまして、それで四十年作が平年作だという推定でいきますと、一日当たりの労働報酬が九百十円程度になります。一日当たり実働時間は大体生産費調査の結果では八・八時間、こういうようなことになっております。 それから種類別のアップ率が違うという問題でございますが、先ほど総裁の御答弁のように一応全体の水準を出しまして、種類につきましては、種類ごとの使用上の価値とか、あるいは需給事情とか、そういうものを見ましてきめたわけでございます。特に今回の場合は、三十九年産の価格をきめました際にそういうような要素も入れまして、若干の差がついておりますので、全体としましてはそう大きな差はつけていないわけでございます。ただ特に第五在来権、バーレー種、この上げ率が低いということと、第四在来種、第二黄色種の上げ率が平均よりかなり高い、この点が違っておるわけでございます。 高い方から申し上げますと、第四在来種と申しますのは、岩手県の一部でつくっております葉巻き用の種類でございます。これはいろいろな点で収支関係が悪うございますし、輸出にかなり出しているわけでございますが、まだ値段を上げましても相当輸出の可能性がございますので、生産確保の意味でかなり高い、一一・八%というような引き上げをやったわけでございます。 第二黄色種はヒックスと申しまして、第一黄色種よりも喫味の軽いたばこでございます。これを第一黄色種よりよけい引き上げました理由でございますけれども、実はこの価格算定をやります場合には、過去三年間の実績の等級別の比率を出しまして、それを平年作で見まして、何%アップというような計算をやっておるわけでございます。ところが第二黄色種というのは、まだ耕作を始めましてから年次が浅いものですから、毎年どんどんいろいろな地方に広がっていく。したがいまして地域がいろいろ違ってまいりますので、等級別の千分比というものがかなり姿が変わってまいるわけでございます。したがいましてはっきり申しますと従来、三十九年産の価格をきめます場合に使っておりました千分比より、最近は産地が広がりましたために、もっと現実は悪い千分比になっておるわけでございます。そういうような状態を是正するために、その上げ率を第一黄色種より大きくしたということであります。 今度は下げたほうでございますが、第五在来種と申しますのは、最近試験機関で育成しましたいわゆるしぼり種と称していた種類でございますが、これは非常につくりやすい、特に乾燥が容易であるということで、産地の耕作者の方に非常に希望が多い種類でございます。しかし使用上の点からいいますと、かなりいやなにおいがございまして、どうしても生産はある程度限定しなければいかぬ、こういうような事情もございますので、これはかなり下げたわけでございます。 バーレ一種は御承知のように、大体六割程度が輸出に向いておるわけでございまして、これは輸出があるために、現在の面積規模も維持できるというような種類でございます。したがいまして輸出を考えない場合には、面積を半減しなくてはいけない、こういうたてまえもございますので、輸出可能価格というようなことを考えまして、若干上げ率を低くした、こういう事情でございます。
○藤井委員 いまお話を聞きますと、いろいろ事情があることはわかりますし、各種類生産地がそれぞれ違っておる。たとえば第二黄色種をぜひつくりたい、こういう地域が特に新しい生産年次を持っておるだけに移り変わる、こういった場合、日本全体の葉たばこ耕作者の利益を均分に考えていく、こういう点にはよほどの配慮が必要ではないか。なかなか事務的にもむずかしい問題だとは思いますけれども、そういう点については最善の御考慮を払っていただきたい。これは質問でなくて、ひとつ要望をいたしておきたいと思うのであります。 特に葉たばこの収納価格の問題については、すでに数年来、生産費所得補償方式をとるべきであるというのが生産団体の要望であって、この問題についてはお預けということで今日にきておる。ことしは予示価格制度を廃止して、年度からそのものずばり、いろいろ従来の実績を勘案して新価格を決定された、こういうふうに聞き及んでおるわけでありますが、製造たばこの問題については、こまごました規定が法律事項になっております。私はこういったものはもう少し簡素化して、お互い忙しい国会議員が一々審議するということよりも、むしろこういった収納価格の決定、そしてその地域別に生産計画をどうする、こういったことは地域住民に重大な影響をもたらす問題であり、経済のひずみ是正という当面の政治課題に直結しておる問題であるというふうにも思うのです。葉たばこ生産の現状、現場の状態を考えるとそういうふうに思うので、そこら辺緩急をもう少し考えていくべき問題ではないかというふうに思いますから、この点は政務次官にもひとつ御検討をいただくことをお願いいたします。そうなければ、先ほど平林委員は福祉関係施設に無料のたばこを配給されることに対して絶賛されておった。そのこと自体は非常にけっこうでありますけれども、また反面、専売公社はたんまりもうけた罪滅ぼしに、お金持ちが社会奉仕をする、こういうそしりを受けてもらいたくない、このように思うのでありまして、私はこの点、一段のごくふうをお願いいたしたい。 次に葉たばこの収納について、現場の声を頭に描きながら質問をいたしたいと思うのでありますが、収納の時期とか場所が法律事項になっておるわけでしょうが、専売公社の指定によってきめておられる。これが収穫、調理を終わって、いつでも納められる耕作者の立場、都合というものは考えられない。そしてその収納は大体一月、二月、はなはだしい場合には三月、こういうことになっておると私は聞き及んでおり、現に私の地元あたりでも、そういう状態でございます。ところがたばこの耕作はもうすでに二月ごろから始まるわけですから、一、二月ごろからもう準備もやるわけですから、投下した労働と資本が回収されるのは、はなはだしい場合には、十五カ月、一年越し、こういうことに相なる。しかも畑にある時分のたばこに対しては、災害の補償制度が確立をいたしておる。ところが収穫、調理をして、いつでも納められる状態の耕作者は、納めたいけれども公社の都合で自分が持っている間に問題が起こる。善良な官理者としての注意を払いながら、なおかつやむを得ない問題が起こるということも十分考え得る。そういった場合に対してどのような配慮が公社としてなされておるか、また保管、手数——米麦の場合は保管料、手数料というものをちゃんと農林省を通じて国が出しておる。ところがたばこの場合はそういった配慮が一体具体的にどのようになされておるか。ある程度収納価格に何ばかちょっぴり計算してある。こういうしかけのものでは、私は耕作者の立場を考えた場合に、あまりにも片手落ちではないかと思う。最近私はこの実態を耳にして驚いたのです。こんなばかげた取引は、一体なされていいものかというように思わざるを得ないのです。この問題は、従来どのようになっておったかを追及するよりも、ひとつ今後どうするという、こういう方向に向かっての見解を総裁から伺いたい、このように思います。
○阪田説明員 葉たばこの収穫されましたものの収納の時期の問題に関連しての御質問でありますが、収納の時期につきましては非常に大ざっぱに言いまして、在来種と黄色種では多少事情の違った点がございます。在来種のほうは普通収穫後、冬になりまして、農閑期になりましてから調理労働をいたしまして、それを収納所へ持ってこられる、こういったような形が多くなっております。これは従来からむしろ農家の方のほうの御都合もありまして、収納時期がかなりおそくなった、こういうような事情がございます。黄色種のほうはそういう問題がありませんので、従来早く収納しておりました。ただこれはある意味におきましては、三十九年度の特殊な事情もあると思うのですが、御承知のような非常な豊作でありまして、収量が、特に黄色種におきましては予想以上に多くとれましたので、その処理をいたしますために、従来は年内に収納を終わり、越年するものはほとんどないといったような状況のものが、ことしはかなり遅くまで収納せざるを得ない、こういったような形が出てまいりましたわけで、それにつきまして御指摘のようないろいろな問題が、その間におきまして起こってきておるということで、その点につきましては将来——特に黄色種でありますが、収量あるいは生産量の増加に伴いまして、こういう問題がかなり恒常的なことになってくるというような点も考えられますので、私どもといたしましても十分にこれに対して手落ちのないような措置を講じたい、かように考えております。ただいま具体案は持っておりませんが、耕作者のほうかもいろいろと話もございます。私どももそういうものをいろいろ伺いまして研究はいたしておる、かような段階であります。 なお投資から買い取りまで非常に期間が長い、いろいろそういう点も御指摘があったのでございますが、これは蛇足かと思いますがちょっと御説明申し上げておきますと、やはり収納価格を算定いたしますときには、それだけ期間がかかるものでありますから、その間の、いわば投下した資本に対する利息といったようなものも見込んで、算定してあるわけでございます。大体収納が長期間にわたって行なわれますが、ちょうど平均したところの、まん中辺の時期までを見込みまして、それに対する金利というものを見込んで価格はきまっておるわけであります。ただ御指摘のように、そうなりますと早く収納されたものもおそく収納されたものも、同じ値段になりますので、個々の人にとりましては多少不公平といったようなことも起こるわけであります。その辺のことが問題の中心ではないかというように思います。
○藤井委員 きょう急にはっきりしたお答えを求めることは無理だと思いますけれでも、いま申しました保管並びに危険に対する専売公社としての補償の措置を、もう一ぺんあらためて御検討願いたい。それが土地柄によっておくれて収納したほうがよろしいという耕作者側の都合によって延ばす場合と、公社の都合によって延ばす場合と、おのずから取り扱いが違わなければならぬと思うのです。この点ひとつはっきり仕分けをして取り扱いを検討していただく。特に米麦の場合、時期別格差によって買い上げ付金が変わっておりますが、そういった例を参考にして、収納価格の決定にあたって時期別加算を検討する、こういったことをこの際お考えをいただくことを御要望いたします。 次はたばこの収納鑑定について、これまた長年の懸案で、すでにしばしば議論になったことと思うのでありまして、もう収納価格の引き上げがきまりまして、そして関係者にそのことを報告をいたします。ところが依然として関係者はどう申すかというと、やはり専売公社というのは予算のワクの中で運営をされる。したがって収納価格自体が引き上がることになると、単価が上がる。それに対して品質の鑑定によってこれがかげんをされるということが、事実上行なわれておるということを、幾ら説明をしても納得がいかない。感じとしてどうもそこら辺にさじかげんがなされているというふうに、耕作者側では思わざるを得ない。これは一体どこに原因があるかということを、お互いはまた冷静に考えなければならぬと思うのでありまして、およそ商売取引において、売り手と買い手がある。ところが葉たばこの売買の場合、取引の場合には、買い手が一方的に品定めをしておる。これは一等である、これは二等である、これは三等である。売り手側に、自分がどうもこれは適当でないと思っても、反駁すべき何もののささえもないというのが、たばこの取引であることは、御案内のとおりなんです。そこで鑑定標本制度の話が出ております。この問題はなかなか技術的に困難であるというお話も私は聞き及んでおるけれども、何かひとつそういうことについてしかるべき方法はないものか、これが第一点です。 それから一歩譲って、従来のやり方を踏襲するとしても、この品定めをするにあたって、売り手側の意思をこれに反映する運営が考えられる余地はないものであろうか。ここに耕作者の代表者を加えてやっていくというのも一つの方法でしょうが、そういうことについて一体公社はどのようなお考えを持っておられるか。私は、公社が予算のワクの中で、さじかげんをして品定めをされておるというふうに理解するものではないけれども、やはり買い手側の一方的な品定めをしておるというこの制度がある以上は、売り手側はそのような感じを受けざるを得ない実情になっておる。これをひとつ公社としてもよく御配慮を願わなければならないというふうに思うのでありまして、この点ひとつ生産部長でも総裁でもどちらでもけっこうですが、御答弁を願いたい。
○黒田説明員 鑑定の問題につきまして、ただいまのお話のようなことは、私どももいろいろ耳にしております。これはある程度売り手と買い手の立場でございますので、売り手としまして非常に不安な気持ちもございますので、当然そういう話も出るのだろうと私ども類推しているわけでございます。ただこれは説明ではございませんけれども、従来毎年値段をきめておるわけでございます。値段をきめております場合は、先ほどもちょっと申し上げましたように、過去数年間の等級別の千分比をもとにしまして、何%引き上げということにしまして、第一黄色種なら第一黄色種を新価格として、平年であれば何円という数字が出るわけであります。これとその適用される年の収納実績との数字を比較しますと、ほとんど変わってないわけでございまして、むしろ年によりますと、基準価格よりも収納実績の価格のほうが上がっているという年がかなりあるわけでございます。したがいましてそういう結果から申しますと、決して、値段を上げたけれども、鑑定のほうを今度は変えておかしな操作をしたということには、結果的にはなっていない、こういうふうに思うわけでございます。 それでもう少し安心感を持った鑑定ということができないかというお話もあったわけでございますが、私どもとしましては御承知のように葉たばこはいまのところ、やはり肉眼鑑定によらざるを得ないということになりますと、どうしてもこれは売り手は不安になる。したがいましてその不安を除くためには、鑑定というものは、非常に技術的にも眼識のある人間をまず選ぶということと、それから人間的にも信頼をされるような人間であってほしいというようなこと、そういう条件のほかに、収納場の環境を整備しまして、きちんとした状態のもとで鑑定をする。たとえば従来から言われておりますように朝暗いうち、朝早いと光が暗いので等級が悪くなるとか、あるいは雨の日はどうもたばこが悪く見えるので等級が落ちる、こういう不安が常にあるわけでありますから、最近はそういうことを配慮しまして、照明装置をつけまして、常時一定の照度のもとで鑑定さしておりますし、また水分等の問題につきましては水分測定器、こういうものを備えまして、環境も整備するということで、極力耕作者の方の不安を除くようなかっこうでやっているわけでございます。 それでは耕作者の代表を入れたらどうかというお話でございますが、これは前に御答弁申し上げたことがあると思うのでございますが、御承知のように葉たばこというのは、土壊、気象条件によりましてタイプが非常に違ってまいりますし、また個人の耕作法でかなり違ってくるわけでございます。早い話が、たんぼにできましたたばこと畑にできましたたばこと、これはがらっと違っているわけであります。そういうものを、あらゆるタイプのたばこを見まして、それを標本に比準してどの等級に持っていくかということ、これが鑑定員の訓練であります。一般の産地の耕作者の方の中にも、何十年間このたばこの耕作をおやりになりまして、非常に鑑定眼識のある方もございますが、そういう方にしましても、これは自分のうちのたばことか、自分のそばの方のたばことか、そういうものだけをごらんになっているわけでございまして、各種各様のタイプの葉たばこの鑑定ということになりますと、これはかなり問題があるわけでございます。したがいまして現在、最盛期には三百数十組の収納組み数で鑑定をやっているわけでございますが、そういうものに対しまして、そういう産地の方を入れるということになりましても、ちょっと人もいないのではないか。そういうことよりも、先ほど申しましたように不信感を除くことが第一でございますので、私どもは鑑定員の訓練、それから鑑定のときの態度あるいは環境の整備、そういうことをきちんとやりまして、不信感を排除するように極力つとめておりまするし、また鑑定場には、その収納される当日、そこの地区の総代とか、そういう耕作者の代表の方に立ち会って見てもらっているわけでございます。
○藤井委員 いま部長の御答弁を聞いて、なかなか実際、なおさら不安を耕作者が現場において受けるのではないかというふうな心配を私は深めるわけでありますが、いろいろそのときの天候のぐあいや、鑑定員といえども神さんでないのですから、夜ふかしをしたときもあろうし、きげんの悪い場合もあろうし、いろいろ条件が違います。そういったあくまで鑑定員の主観によって左右される。それは周囲のいろいろな環境も、その鑑定員の主観を変わらせない一つの平均点がねらえるような環境整備に、いろいろ気を使っておられると思うのでありますけれども、最後は人間のきめる評価でもあります。そうするとそこにいろいろと売り手側の不安というものが依然として残るわけでございますので、この問題は私は、いままでは葉たばこの収納価格を引き上げることが耕作者の所得の向上につながるという考え方で、葉たばこの問題はお互いが検討しておったのではないかと思うけれども、そのことも大切だが、それと同じように、収納の時期についての先ほど申しましたような不合理の関係の問題、あるいは今度は収納価格を上げても、品質の鑑定というものがいわゆる鑑定員の主観に左右されざるを得ないという状態、これをもう少し客観的なささえを制度化しなければならない。私はどうしても従来のやり方でできなければ、こういう具体的な例を提案をいたしたい。それは織物検査協会の制度でございますが、この織物検査はA反、B反、C反によって、国際市場に出る相場がちゃんときまるわけであります。検査をする検査員というのは、検査協会というのを別につくっておる。そうしてこの検査協会の運営は、その人件費は検査手数料によってやっておるわけです。これは買い手の側の代弁でもなければ、売り手の側の代表者でもない。ここにやはり客観的な一つの身分というものが保障されておる。ところが専売公社のたばこの鑑定については、専売公社のほうから月給をもらっておる諸君が鑑定をする。そうすると結局耕作者の側からは、幾ら説明をされても、専売公社の予算のワクでさじかげんをされるという誤解も起ころうし、また専売公社の立場に立って主観的な判断でこの鑑定が行なわれる、こういうことになることも神ならぬ人間、やむを得ないと思う。だから、そこに今度は収納価格の適正化、この問題だけでなくて、いま申しましたような収納の時期の不合理の改正と鑑定制度の改善、こういう問題について、公社としては一段の御努力をお願いいたしたい、こう申し上げまして、私は質問を終わります。
○吉田委員長 次会は来たる五日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十分散会